JP2025035781A - サスペンション制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】適切にフィードバックゲインを調整できるサスペンション制御システムを提供する。
【解決手段】第1取得部80は、車両の前方の路面の上下方向の変位に関連する路面変位関連値を取得する。第2取得部82は、車両のばね上構造体またはばね下構造体の上下方向の変位に関連する状態量を取得する。導出部84は、取得された路面変位関連値または状態量の時系列データにおける第1周波数帯の成分の大きさと第2周波数帯の成分の大きさとの割合を導出する。制御部90は、取得された路面変位関連値に基づいてばね上構造体の振動を低減するためのフィードフォワード制御を実行するとともに、取得された状態量に基づいてばね上構造体の振動を低減するためのフィードバック制御を実行する。設定部86は、導出された割合がしきい値以上である場合において、フィードフォワード制御が適切に実行されていない場合、フィードバックゲインを大きく設定する。
【選択図】図3
【解決手段】第1取得部80は、車両の前方の路面の上下方向の変位に関連する路面変位関連値を取得する。第2取得部82は、車両のばね上構造体またはばね下構造体の上下方向の変位に関連する状態量を取得する。導出部84は、取得された路面変位関連値または状態量の時系列データにおける第1周波数帯の成分の大きさと第2周波数帯の成分の大きさとの割合を導出する。制御部90は、取得された路面変位関連値に基づいてばね上構造体の振動を低減するためのフィードフォワード制御を実行するとともに、取得された状態量に基づいてばね上構造体の振動を低減するためのフィードバック制御を実行する。設定部86は、導出された割合がしきい値以上である場合において、フィードフォワード制御が適切に実行されていない場合、フィードバックゲインを大きく設定する。
【選択図】図3
Description
本発明は、サスペンション制御システムに関する。
特許文献1は、車両の制振制御装置を開示する。制振制御装置は、測定データに基いて、通過予測位置における路面変位関連値をプレビュー情報として取得し、プレビュー情報を用いて演算された第1目標制御力を含む最終目標制御力に基いて制御力発生装置を制御するプレビュー制振制御を実行する。測定データは、測定車両が路面を実際に走行したときに取得された路面変位関連値と、当該路面変位関連値が取得されたときの位置を表す位置情報とが関連付けられたデータを含む。制振制御装置は、路面状態が過去の時点から変化した蓋然性が高いと判定した場合、第1目標制御力の大きさを小さく設定する。
フィードバック制御を実行するアクティブサスペンションが搭載されている車両において、例えばトーションバー式アクティブサスペンションでは、ホイールレートが通常より高く設定されている場合がある。また、アクティブサスペンションの制振制御によりばね上構造体を制振可能であり、アブソーバの減衰でばね上構造体を制振する必要が無いため、アブソーバの減衰係数が通常より低く設定されている場合もある。これらにより、フィードバック制御のフィードバックゲインが小さすぎる場合、振動が大きくなりすぎる可能性がある。一方、フィードバックゲインが大きすぎる場合、低周波数帯の振動を抑制できるが、中高周波数帯の振動が悪化する可能性がある。
ここで、プレビュー制振制御とともにフィードバック制御も実行するアクティブサスペンションが知られている。この構成では、プレビュー制振制御によってばね上構造体への入力が十分に低減できていれば、フィードバック制御により振動が悪化する可能性のある中高周波数帯の入力が相対的に大きい場合、フィードバックゲインを小さくすることで、低周波数帯の振動には実質的に悪影響を与えることなく、フィードバック制御による中高周波数帯の振動の悪化を抑制できるため、有効である。
しかし、プレビュー制振制御では、道路工事などで路面状態が変わったことにより測定データのマップの路面変位関連値が誤っている場所を車両が走行する場合、マップの路面変位関連値の有無が混在した領域を車両が走行する場合、または、車両の位置精度が悪いことで通過予測位置の精度も悪い場合などでは、プレビュー情報として取得した通過予測位置の路面変位関連値が適切でない可能性が高い。この場合、プレビュー制振制御により入力を十分に低減できないので、中高周波数帯の入力が相対的に大きい場合にフィードバックゲインを小さくすることで、中高周波数帯の振動の悪化を抑制できるものの、低周波数帯の振動が大きくなる可能性がある。このような状況で、適切にフィードバックゲインを調整することが望まれる。
本発明の目的は、適切にフィードバックゲインを調整できるサスペンション制御システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のサスペンション制御システムは、車両の制御対象輪のサスペンションストロークを調整するアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御装置と、を備える。前記制御装置は、前記車両の前方の路面の上下方向の変位に関連する路面変位関連値を取得する第1取得部と、前記車両のばね上構造体またはばね下構造体の上下方向の変位に関連する状態量を取得する第2取得部と、取得された前記路面変位関連値または前記状態量の時系列データにおける所定の第1周波数帯の成分の大きさと当該第1周波数帯より高い所定の第2周波数帯の成分の大きさとの割合を導出する導出部と、前記アクチュエータを制御することにより、取得された前記路面変位関連値に基づいて、前記ばね上構造体の振動を低減するためのフィードフォワード制御を実行するとともに、取得された前記状態量に基づいて、当該ばね上構造体の振動を低減するためのフィードバック制御を実行する制御部と、導出された前記割合がしきい値以上である場合において、フィードフォワード制御が適切に実行されていない場合、フィードフォワード制御が適切に実行されている場合と比較して、フィードバック制御のフィードバックゲインを大きく設定する設定部と、を有する。
本発明によれば、適切にフィードバックゲインを調整できるサスペンション制御システムを提供できる。
以下、図面を参照しながら、本開示を実施するための形態について詳細に説明する。なお、説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
1.サスペンション及び路面変位関連値
図1は、実施の形態の車両1の構成を概略的に示す。車両1は、左前輪2FL、右前輪2FR、左後輪2RL、右後輪2RR、サスペンション3FL、サスペンション3FR、サスペンション3RL、サスペンション3RR、およびサスペンション制御システム10を備える。左前輪2FL、右前輪2FR、左後輪2RL、及び右後輪2RRのそれぞれに対してサスペンション3FL、サスペンション3FR、サスペンション3RL、サスペンション3RRのうち対応するものが設けられている。以下、特に区別の必要が無い場合、各車輪を車輪2と呼び、各サスペンションをサスペンション3と呼ぶ。
図1は、実施の形態の車両1の構成を概略的に示す。車両1は、左前輪2FL、右前輪2FR、左後輪2RL、右後輪2RR、サスペンション3FL、サスペンション3FR、サスペンション3RL、サスペンション3RR、およびサスペンション制御システム10を備える。左前輪2FL、右前輪2FR、左後輪2RL、及び右後輪2RRのそれぞれに対してサスペンション3FL、サスペンション3FR、サスペンション3RL、サスペンション3RRのうち対応するものが設けられている。以下、特に区別の必要が無い場合、各車輪を車輪2と呼び、各サスペンションをサスペンション3と呼ぶ。
図2は、図1のサスペンション3の構成を概略的に示す。サスペンション3は、車両1のばね下構造体4とばね上構造体5との間を連結するように設けられている。ばね下構造体4は、車輪2を含む。サスペンション3は、スプリング3S、ダンパ3D、及びアクチュエータ3Aを含む。ダンパ3Dは、ショックアブソーバとも呼ばれる。スプリング3S、ダンパ3D、及びアクチュエータ3Aは、ばね下構造体4とばね上構造体5との間に並列に設けられている。アクチュエータ3Aは、サスペンション3のストロークを制御する。スプリング3Sのばね定数はKである。ダンパ3Dの減衰係数はCである。アクチュエータ3Aは、ばね下構造体4とばね上構造体5との間に上下方向の制御力Fcを作用させ、これによりサスペンション3のストロークを調整する。
より詳細には、アクチュエータ3Aは、例えば、電動式または油圧式のアクティブアクチュエータであり、いわゆるフルアクティブサスペンションを構成するアクチュエータである。あるいは、アクチュエータ3Aは、例えば、ダンパ3Dが発生させる減衰力を可変とするアクチュエータ、又は、アクティブスタビライザ装置のアクチュエータであってもよい。さらに、本開示の「アクチュエータ」は、例えば、サスペンションジオメトリの利用により、車輪に作用する車両前後力である駆動力及び制動力を制御力Fcに変換可能に構成されたサスペンションを備える車両において当該車両前後力を発生させる、例えば電動機などのアクチュエータであってもよい。当該電動機は、例えば、車輪に設けられたインホイールモータ(IWM)であってもよいし、あるいは、車両駆動軸を介して車輪を駆動可能な電動機であってもよい。
ここで、用語の定義を行う。「路面変位Zr」は、路面RSの上下方向の変位である。「ばね下変位Zu」は、ばね下構造体4の上下方向の変位である。「ばね上変位Zs」は、ばね上構造体5の上下方向の変位である。「ばね下速度Zu'」は、ばね下構造体4の上下方向の速度である。「ばね上速度Zs'」は、ばね上構造体5の上下方向の速度である。「ばね下加速度Zu''」は、ばね下構造体4の上下方向の加速度である。「ばね上加速度Zs''」は、ばね上構造体5の上下方向の加速度である。なお、各パラメータの符号は、上向きの場合に正であり、下向きの場合に負である。
車輪2は、路面RS上を移動する。以下、路面変位Zrに関連する値を「路面変位関連値」と呼ぶ。路面変位関連値としては、路面変位Zr、路面変位Zrの時間微分値である路面変位速度Zr’、ばね下変位Zu、ばね下速度Zu'、ばね下加速度Zu''、ばね上変位Zs、ばね上速度Zs'、または、ばね上加速度Zs''等が例示される。路面変位関連値は、車輪2の上下運動に関連するパラメータである「上下運動パラメータ」であると言うこともできる。
一例として、以下では、路面変位関連値がばね下変位Zuである場合について説明する。一般化する場合は、以下の説明における「ばね下変位」を「路面変位関連値」で読み替えるものとする。
ここで、ばね下変位算出処理の一例を説明する。まず、ばね上構造体5に設置されたばね上加速度センサ22によってばね上加速度Zs''が検出される。次に、ばね上加速度Zs''を2階積分することによりばね上変位Zsが算出される。
次に、ばね上構造体5とばね下構造体4との間の相対変位であるストロークSTが取得される。「ストロークST」=「ばね上変位Zs」-「ばね下変位Zu」である。例えば、ストロークSTは、サスペンション3に設置されたストロークセンサにより検出される。他の例として、ストロークSTは、単輪2自由度モデルに基づいて構成されたオブザーバによって、ばね上加速度Zs''に基づいて推定されてもよい。
次に、センサドリフト等の影響を抑えるために、ばね上変位Zsの時系列データに対してフィルタリング処理が行われる。同様に、ストロークSTの時系列データに対してフィルタリング処理が行われる。例えば、フィルタは、特定周波数帯の信号成分を通過させるバンドパスフィルタである。特定周波数帯は、車両1のばね上共振周波数を含むように設定されてもよい。例えば、特定周波数帯は、0.3~10Hzである。
次に、ばね上変位ZsとストロークSTとの差分がばね下変位Zuとして算出される。
ばね上変位ZsとストロークSTの時系列データに対してフィルタリング処理を行う代わりに、算出されたばね下変位Zuの時系列データに対してフィルタリング処理が行われてもよい。
さらに他の例として、ばね下加速度センサによってばね下加速度Zu''が検出され、ばね下加速度Zu''からばね下変位Zuが算出されてもよい。
2.サスペンション制御システム
図3は、実施の形態のサスペンション制御システム10の構成例を示すブロック図である。サスペンション制御システム10は、車両1に搭載される。サスペンション制御システム10は、車両状態センサ20、位置センサ40、通信装置50、アクチュエータ3A、およびECU70を備える。ECU70は、電子制御ユニットである。
図3は、実施の形態のサスペンション制御システム10の構成例を示すブロック図である。サスペンション制御システム10は、車両1に搭載される。サスペンション制御システム10は、車両状態センサ20、位置センサ40、通信装置50、アクチュエータ3A、およびECU70を備える。ECU70は、電子制御ユニットである。
車両状態センサ20は、車両1の状態を検出し、検出結果をECU70に供給する。車両状態センサ20は、車両1の車速Vを検出する車速センサ21、ばね上加速度Zs''を検出するばね上加速度センサ22、およびストロークSTを検出するストロークセンサ23を含む。車両状態センサ20は、ばね下加速度センサを含んでもよい。車両状態センサ20は、横加速度センサ、ヨーレートセンサ、舵角センサ等を含んでもよい。
位置センサ40は、車両1の位置及び方位を検出し、検出した位置情報をECU70に供給する。例えば、位置センサ40は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機を含む。
通信装置50は、車両1の外部と通信を行う。
ECU70は、車両1を制御するコンピュータである。ECU70は、プロセッサ71と記憶装置72を含む。プロセッサ71は、各種処理を実行する。例えば、プロセッサ71は、CPU(Central Processing Unit)を含む。記憶装置72は、プロセッサ71による処理に必要な各種情報を格納する。記憶装置72としては、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等が例示される。
プロセッサ71は、第1取得部80、第2取得部82、導出部84、設定部86、演算部88、および制御部90を有する。プロセッサ71が記憶装置72に格納されたサスペンション制御プログラムを実行することにより、第1取得部80、第2取得部82、導出部84、設定部86、演算部88、および制御部90の各機能が実現される。サスペンション制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。ECU70は、本開示の「制御装置」の一例に相当する。
記憶装置72は、ばね下変位マップ200を格納している。ばね下変位マップ200の詳細については後述される。
ECU70は、アクチュエータ3Aを制御することでサスペンション3を制御する。具体的には、ECU70は、サスペンション3を制御して車両1の振動を抑制する制振制御を行う。ECU70は、アクチュエータ3Aを制御して、図2に示すように、ばね下構造体4とばね上構造体5との間に上下方向の制御力Fcを発生させる。制振制御は、後述される「プレビュー制御」と「フィードバック制御」を含む。プレビュー制御は、フィードフォワード制御とも呼べる。制振制御の詳細は後述する。
3.マップ管理装置
3-1.構成例
図4は、実施の形態のマップ管理装置100の構成例を示すブロック図である。マップ管理装置100は、各種の地図情報を管理するコンピュータである。地図情報の管理は、地図情報の生成、更新、提供、配信等を含む。典型的には、マップ管理装置100は、クラウド上の管理サーバである。マップ管理装置100は、複数のサーバが分散処理を行う分散システムであってもよい。
3-1.構成例
図4は、実施の形態のマップ管理装置100の構成例を示すブロック図である。マップ管理装置100は、各種の地図情報を管理するコンピュータである。地図情報の管理は、地図情報の生成、更新、提供、配信等を含む。典型的には、マップ管理装置100は、クラウド上の管理サーバである。マップ管理装置100は、複数のサーバが分散処理を行う分散システムであってもよい。
マップ管理装置100は、通信装置110を含む。通信装置110は、通信ネットワークN1に接続されている。例えば、通信装置110は、通信ネットワークN1を介して多数の車両1と通信を行う。
マップ管理装置100は、プロセッサ120及び記憶装置130をさらに含む。プロセッサ120は、各種情報処理を実行する。例えば、プロセッサ120は、CPUを含む。記憶装置130は、各種の地図情報を格納している。また、記憶装置130は、プロセッサ120による処理に必要な各種情報を格納している。記憶装置130としては、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、HDD、SSD等が例示される。
マップ管理プログラムは、マップ管理のためのコンピュータプログラムであり、プロセッサ120によって実行される。マップ管理プログラムは、記憶装置130に格納されている。あるいは、マップ管理プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。プロセッサ120がマップ管理プログラムを実行することにより、マップ管理装置100の機能が実現される。
プロセッサ120は、通信装置110を介して車両1のサスペンション制御システム10と通信を行う。プロセッサ120は、サスペンション制御システム10から各種情報を収集し、収集した情報に基づいて地図情報を生成、更新する。プロセッサ120は、サスペンション制御システム10に地図情報を配信する。プロセッサ120は、サスペンション制御システム10からのリクエストに応答して地図情報を提供する。
3-2.ばね下変位マップ
マップ管理装置100が管理する地図情報の一つが、ばね下変位マップ200である。ばね下変位マップ200は、路面変位関連値であるばね下変位Zuに関する地図である。ばね下変位マップ200は、記憶装置130に格納されている。なお、ばね下変位マップ200は、本開示の「路面の上下方向の変位に関連する路面変位関連値と位置とが関連付けられている路面データマップ」の一例に相当する。
マップ管理装置100が管理する地図情報の一つが、ばね下変位マップ200である。ばね下変位マップ200は、路面変位関連値であるばね下変位Zuに関する地図である。ばね下変位マップ200は、記憶装置130に格納されている。なお、ばね下変位マップ200は、本開示の「路面の上下方向の変位に関連する路面変位関連値と位置とが関連付けられている路面データマップ」の一例に相当する。
ばね下変位マップ200は、XY面において、位置(X,Y)とばね下変位Zuとの対応関係を表す。言い換えれば、ばね下変位マップは、ばね下変位Zuを位置(X,Y)の関数として表す。XY面は水平面を表す。例えば、水平面における絶対座標系は緯度方向と経度方向により定義され、位置は緯度と経度により定義される。
道路領域は、水平面上でメッシュ状に区分されてもよい。つまり、道路領域は、水平面上で複数の単位エリア(以下、「路面区画」と称する)に区分されてもよい。路面区画は、例えば正方形である。正方形の1辺の長さは、例えば10cmである。ばね下変位マップ200は、路面区画の位置とばね下変位Zuとの対応関係を表す。路面区画の位置は、その路面区画の代表位置、例えば中心位置で定義されてもよいし、その路面区画の緯度範囲と経度範囲で定義されてもよい。路面区画のばね下変位Zuは、例えば、その路面区画内で取得されたばね下変位Zuの平均値である。路面区画を小さくするほど、ばね下変位マップ200の解像度は増加する。
3-3.マップ生成および更新処理
プロセッサ120は、通信装置110を介して、多数の車両1から情報を収集する。そして、プロセッサ120は、多数の車両1から収集した情報に基づいて、ばね下変位マップ200の生成及び更新を行う。
プロセッサ120は、通信装置110を介して、多数の車両1から情報を収集する。そして、プロセッサ120は、多数の車両1から収集した情報に基づいて、ばね下変位マップ200の生成及び更新を行う。
ばね下変位マップ200における位置は、車輪2が通過した位置である。各車輪2の位置は、位置センサ40で検出された位置情報に基づいて算出される。具体的には、車両1における車両位置の基準点と各車輪2との間の相対位置関係は既知情報である。その相対位置関係と位置情報で示される車両位置に基づいて、各車輪2の位置を算出することができる。
ばね下変位Zuは、既述の方法により算出される。すなわち、車両1に搭載された車両状態センサ20を用いることによって、ばね上変位Zs及びストロークSTが得られる。これらばね上変位Zs及びストロークSTを、便宜上、「センサベース情報」と呼ぶ。ばね下変位Zuは、このセンサベース情報に基づいて算出される。
例えば、車両1の走行中、サスペンション制御システム10のECU70は、センサベース情報に基づいてリアルタイムにばね下変位Zuを算出する。また、ECU70は、同じタイミングの車輪位置とばね下変位Zuとを関連付ける。そして、ECU70は、車輪位置の時系列データとばね下変位Zuの時系列データのセットをマップ管理装置100に送信する。マップ管理装置100のプロセッサ120は、車輪位置の時系列データとばね下変位Zuの時系列データに基づいて、ばね下変位マップを生成および更新する。
他の例として、サスペンション制御システム10のECU70は、同じタイミングの車輪位置とセンサベース情報とを関連付ける。そして、ECU70は、車輪位置の時系列データとセンサベース情報の時系列データのセットをマップ管理装置100に送信する。マップ管理装置100のプロセッサ120は、受信したセンサベース情報に基づいてばね下変位Zuを算出する。更に、プロセッサ120は、車輪位置の時系列データとばね下変位Zuの時系列データに基づいて、ばね下変位マップを生成および更新する。
マップ管理装置100のプロセッサ120は、通信装置110を介して、車両1のサスペンション制御システム10からマップ更新用情報を取得する。マップ更新用情報は、車両1の位置である車輪位置の時系列データを含む。また、マップ更新用情報は、ばね下変位Zuを算出するために必要なセンサベース情報の時系列データを含む。あるいは、マップ更新用情報は、サスペンション制御システム10のECU70によって算出されたばね下変位Zuの時系列データを含んでいてもよい。
マップ管理装置100のプロセッサ120は、マップ更新用情報に基づいて、ばね下変位マップ200を生成および更新する。
なお、車両1のサスペンション制御システム10が、ばね下変位マップ200のデータベースを保持し、自身のばね下変位マップ200の生成および更新を行ってもよい。つまり、マップ管理装置100はサスペンション制御システム10に含まれていてもよい。
4.ばね下変位マップを利用したプレビュー制御、および、フィードバック制御
サスペンション制御システム10のECU70は、通信装置50を介してマップ管理装置100と通信を行う。ECU70は、車両1の現在位置を含むエリアのばね下変位マップ200をマップ管理装置100から取得する。ばね下変位マップ200は、記憶装置72に格納される。そして、ECU70は、ばね下変位マップ200に基づいて、制振制御の一種であるプレビュー制御を実行する。プレビュー制御は、ばね上構造体5の振動を低減するために実行される。ECU70は、プレビュー制御とともに、ばね上加速度センサ22とストロークセンサ23の検出値に基づいてフィードバック制御も実行する。フィードバック制御も、ばね上構造体5の振動を低減するために実行される。
サスペンション制御システム10のECU70は、通信装置50を介してマップ管理装置100と通信を行う。ECU70は、車両1の現在位置を含むエリアのばね下変位マップ200をマップ管理装置100から取得する。ばね下変位マップ200は、記憶装置72に格納される。そして、ECU70は、ばね下変位マップ200に基づいて、制振制御の一種であるプレビュー制御を実行する。プレビュー制御は、ばね上構造体5の振動を低減するために実行される。ECU70は、プレビュー制御とともに、ばね上加速度センサ22とストロークセンサ23の検出値に基づいてフィードバック制御も実行する。フィードバック制御も、ばね上構造体5の振動を低減するために実行される。
第1取得部80、第2取得部82、導出部84、設定部86、演算部88、および制御部90は、以下の処理を、4つの制御対象輪のそれぞれに関して時間ステップごとに繰り返し実行する。
まず、プレビュー制御について説明する。第1取得部80は、各車輪2の現在位置を取得する。車両1における車両位置の基準点と各車輪2との間の相対位置関係は既知情報である。その相対位置関係と位置情報で示される車両位置に基づいて、各車輪2の位置を算出することができる。
第1取得部80は、現在時刻からプレビュー時間tp後の車輪2の予測通過位置Pfを算出する。プレビュー時間tpは、所定時間であり、例えば、第1取得部80が予測通過位置Pfを特定してからサスペンション3のアクチュエータ3Aが目標制御力Fc_tに対応する制御力Fcを出力するまでに要する時間となるように予め設定されている。プレビュー距離Lpは、プレビュー時間tpと車速Vの積により与えられる。予測通過位置Pfは、車輪2が移動すると予測される移動予測進路に沿って現在位置からプレビュー距離Lpだけ車両進行方向の前方の位置である。移動予測進路は、例えば、車両1の進行方向と車輪2の現在位置P0とに基づいて特定できる。進行方向は、例えば次の手法で特定できる。すなわち、第1取得部80は、前回の時間ステップの現在位置P0及び現在の時間ステップの現在位置P0を地図情報にマッピングしたうえで、前回の時間ステップの現在位置から現在の時間ステップの現在位置P0に向かう方向を進行方向として特定する。変形例として、第1取得部80は、車速Vと車輪2の舵角に基づいて予想走行ルートを算出し、予想走行ルートに基づいて予測通過位置Pfを算出してもよい。
第1取得部80は、算出された予測通過位置Pfにおけるばね下変位Zuをばね下変位マップ200から読み出して取得する。
演算部88は、第1取得部80で取得された予測通過位置Pfにおけるばね下変位Zuに基づいて、サスペンション3のアクチュエータ3Aのプレビュー制御に関する目標制御力を演算する。プレビュー制御に関する目標制御力は、例えば、次の式(3)または式(4)を用いて演算される。
図2のばね上構造体5に関する運動方程式は、次の式(1)により表される。
m・Zs''=C(Zu'-Zs')+K(Zu-Zs)-Fc ・・・(1)
式(1)において、mはばね上構造体5の質量であり、Cはダンパ3Dの減衰係数であり、Kはスプリング3Sのばね定数であり、Fcはアクチュエータ3Aが発生させる上下方向の制御力である。仮に、制御力Fcによってばね上構造体5の振動が完全に打ち消される場合、Zs''=0,Zs'=0,Zs=0であり、その制御力Fcは次の式(2)により表される。
Fc=C・Zu'+K・Zu ・・・(2)
少なくとも制振効果をもたらす制御力Fcは、次の式(3)により表される。
Fc=α・C・Zu'+β・K・Zu ・・・(3)
式(3)において、制御ゲインαは、0より大きく且つ1以下であり、制御ゲインβも、0より大きく且つ1以下である。式(3)中の微分項を省略した場合、少なくとも制振効果をもたらす制御力Fcは、次の式(4)により表される。
Fc=β・K・Zu ・・・(4)
次に、プレビュー制御と同時に実行されるフィードバック制御について説明する。第2取得部82は、車両1に設置された車両状態センサ20から、車両1のばね上構造体5またはばね下構造体4の上下方向の変位に関連する状態量を取得する。状態量として、ばね上変位Zs、ばね上速度Zs’、ばね上加速度Zs’’、ばね下変位Zu、ばね下速度Zu’、及びばね下加速度Zu’’の何れかが用いられてよい。以下、一例として状態量がばね下速度Zu'である場合について説明する。一般化する場合は、以下の説明における「ばね下速度」を「状態量」で読み替えるものとする。
ばね下速度Zu'を用いる場合、第2取得部82は、ばね上加速度センサ22により検出されたばね上加速度Zs''の1階積分値であるばね上速度Zs’から、ストロークセンサ23により検出されたストロークSTの1階微分値である「ばね上速度Zs’-ばね下速度Zu'」を減じることで、ばね下速度Zu'を算出できる。
制御部90は、アクチュエータ3Aを制御することにより、上述したプレビュー制御に加えて、第2取得部82で取得されたばね下速度Zu'に基づいて、次のようなフィードバック制御を制振制御として実行する。フィードバック制御を伴ってプレビュー制御が行われるときの制御力Fcは、例えば、次の式(5)により表される。この例では、演算部88は、(5)式に従って、フィードバック制御を伴うプレビュー制御に関する目標制御力Fc_tを演算する。
Fc=β・K・Zu+γ・Zu’ ・・・(5)
式(5)の右辺第1項は、上記(4)式と同様であり、プレビュー制御に関するフィードフォワード項である。右辺第1項は、上記(3)式と同様であってもよい。右辺第2項は、フィードバック制御に関するフィードバック項である。このフィードバック項は、フィードバックゲインγと、例えば目標制御力Fc_tの演算時のばね下速度Zu'との積である。
演算部88は、上記式(5)に従って、フィードバック制御を伴うプレビュー制御に関する目標制御力Fc_tを演算する。すなわち、演算部88は、予測通過位置Pfにおけるばね下変位Zuと、目標制御力Fc_tの演算時のばね下速度Zu'とを式(5)に代入して、目標制御力Fc_tを演算する。この目標制御力Fc_tは、プレビュー制御とフィードバック制御のために必要とされる制御力Fcの要求値に相当する。
実施の形態では、上記式(5)のフィードバックゲインγが以下のように設定されることを特徴の1つとする。
導出部84は、第1取得部80で取得された予測通過位置Pfのばね下変位Zuの信頼度を導出する。信頼度の導出には、例えば、以下の導出方法などの公知の技術を利用できる。
例えば、第1の導出方法として、導出部84は、ばね下変位マップ200から取得された車両1の車輪2の現時点の通過位置のばね下変位Zuと、ばね上加速度センサ22とストロークセンサ23の検出値に基づいて導出された車輪2の現時点の通過位置のばね下変位Zuとの差が小さいほど、予測通過位置Pfのばね下変位Zuの信頼度を高く導出してもよい。予測通過位置Pfのばね下変位Zuの信頼度が高いほど、ばね下変位マップ200の信頼度が高いとも言える。例えば、ばね下変位マップ200が作成された後で道路工事などにより路面状態が変化した場合、予測通過位置Pfのばね下変位Zuの信頼度が低くなる。第1の導出方法は、特開2022-064361号公報、および、特開2023-047040号公報に開示されているため、これ以上の詳細な説明は省略する。
また、第2の導出方法として、導出部84は、第1取得部80で取得された予測通過位置Pfのばね下変位Zuを路面変位に変換し、その路面変位と、公知のプレビューセンサ(図示せず)で取得された予測通過位置Pfの路面変位との差が小さいほど、予測通過位置Pfのばね下変位Zuの信頼度を高く導出してもよい。予測通過位置Pfのばね下変位Zuの信頼度が高いほど、ばね下変位マップ200の信頼度が高いとも言える。第2の導出方法は、特開2022-024499号公報に開示されているため、これ以上の詳細な説明は省略する。
また、第3の導出方法として、導出部84は、位置センサ40で検出された車両1の位置情報の信頼度を導出し、当該位置情報の信頼度が高いほど、予測通過位置Pfのばね下変位Zuの信頼度を高く導出してもよい。位置情報の信頼度が、予測通過位置Pfのばね下変位Zuの信頼度として設定されてもよい。位置情報の信頼度は、位置の精度及び確からしさを示す指標値であり、精度及び確からしさの少なくとも一方が高いほど大きい値となる。第3の導出方法は、特開2023-054955号公報に開示されているため、これ以上の詳細な説明は省略する。
導出部84は、導出された予測通過位置Pfのばね下変位Zuの信頼度が基準値より高い場合、当該ばね下変位Zuの時系列データにおける所定の第1周波数帯の成分の大きさと所定の第2周波数帯の成分の大きさとの割合を導出する。この割合は、第1周波数帯の成分の大きさに対する第2周波数帯の成分の大きさの割合とも言える。この割合は、入力割合とも呼べる。基準値は、実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。
第1周波数帯は、フィードバック制御によりばね上構造体5の振動抑制効果がある周波数帯であり、例えば、1~2Hzの低周波数帯である。第2周波数帯は、フィードバック制御によりばね上構造体5の振動が悪化する周波数帯であり、例えば、3~8Hzの中高周波数帯である。第2周波数帯は、第1周波数帯より高い。
予測通過位置Pfのばね下変位Zuの信頼度が高い状態であるため、フィードバックゲインγを下げるか否かの判定を行うための第1周波数帯に対する第2周波数帯の成分の割合は、ばね下変位マップ200の情報から導出される。
導出部84は、例えば、ばね下変位Zuの時系列データにおける第1周波数帯と第2周波数帯のそれぞれのFFT(Fast Fourier Transformation)値を比較し、第1周波数帯の成分と第2周波数帯の成分との入力割合を導出する。あるいは、導出部84は、ばね下変位Zuの時系列データに対して第1周波数帯と第2周波数帯のそれぞれの帯域のバンドパスフィルタを適用し、バンドパスフィルタの出力信号から、特定時間内のピーク値を取得したり、移動平均値を取得したり、移動平均に相当するローパスフィルタを適用した値を取得したりして、取得された値から第1周波数帯の成分と第2周波数帯の成分との入力割合を導出してもよい。第1周波数帯の成分に対する第2周波数帯の成分の割合は、他の公知の技術を用いて導出してもよい。
第1周波数帯の成分に対する第2周波数帯の成分の割合の導出には、既述の路面変位関連値のうち任意の種類を用いることができる。例えば、路面変位Zr、路面変位速度Zr’、路面変位加速度Zr’’、ばね下変位Zu、ばね下速度Zu'、ばね下加速度Zu''、ばね上変位Zs、ばね上速度Zs'、または、ばね上加速度Zs''等、入力が分かる状態量であれば任意の種類を用いることができる。例えば、ばね下速度Zu'を用いることで、サスペンション3への入力が直接分かる上、周波数に対して路面振幅が1/f特性を持つ、即ち周波数が10倍になると路面振幅が1/10になる一般的な路面特性の場合、FFT特性が周波数に対してフラットな特性を持ち、どの周波数帯でも同じレベルになるため、第1周波数帯の入力と第2周波数帯の入力の相対的な大きさが比較しやすい。
なお、対象とする制御は、ばね上状態量またはばね下状態量に基づくフィードバック制御であり、かつ、第1周波数帯と第2周波数帯が把握できれば、どのような制御でもよい。例えば、最も一般的な、ばね上速度に比例した制御力を出すばね上スカイフックダンパー制御であれば、上述の周波数範囲の2つの周波数帯で制振効果と振動の悪化が見られる。
導出部84は、予測通過位置Pfのばね下変位Zuの信頼度が基準値以下の場合、第2取得部82で取得されたばね下速度Zu'の時系列データにおける第1周波数帯の成分の大きさと第2周波数帯の成分の大きさとの割合を導出する。
予測通過位置Pfのばね下変位Zuの信頼度が低い状態であるため、ばね下変位マップ200の情報を用いると誤判定の恐れがあり、ばね上加速度センサ22とストロークセンサ23で検出された検出値に基づくばね下速度Zu'を用いて判定用の割合を導出する。割合の導出方法は、既述の方法と同じである。
第1周波数帯の成分に対する第2周波数帯の成分の割合の導出には、ばね下速度Zu'に代えて、既述の状態量である、ばね下変位Zu、ばね下加速度Zu''等、ばね上変位Zs、ばね上速度Zs'、または、ばね上加速度Zs''等、入力が分かる状態量またはばね上の応答が分かる状態量であれば任意の種類を用いることができる。
既述のように、例えば、ばね下速度Zu'を用いることで、サスペンション3への入力が直接分かる上、第1周波数帯の入力と第2周波数帯の入力の相対的な大きさが比較しやすい。
このように、導出部84は、第1取得部80で取得されたばね下変位Zuまたは第2取得部82で取得されたばね下速度Zu'の時系列データにおける第1周波数帯の成分の大きさと第2周波数帯の成分の大きさとの割合を導出する。
設定部86は、第1取得部80で取得されたばね下変位Zuが適切である場合、または、当該ばね下変位Zuの信頼度が基準値より高い場合、プレビュー制御が適切に実行されていることを特定する。プレビュー制御が適切に実行されていることは、プレビュー制御の制振効果が相対的に高いことを表す。設定部86は、取得されたばね下変位Zuが適切であり、かつ、当該ばね下変位Zuの信頼度が基準値より高い場合、プレビュー制御が適切に実行されていることを特定してもよい。
設定部86は、第1取得部80で取得されたばね下変位Zuが適切でない場合、または、当該ばね下変位Zuの信頼度が基準値以下の場合、プレビュー制御が適切に実行されていないことを特定する。プレビュー制御が適切に実行されていないことは、プレビュー制御の制振効果が相対的に低いことを表す。
つまり、ばね下変位Zuの信頼度が基準値以下の場合、プレビュー制御の制振効果が低い可能性が高いため、設定部86は、プレビュー制御が適切に実行されていないと判定する。また、演算部88は、ばね下変位Zuの信頼度が基準値以下の場合、プレビュー制御の制御ゲインαと制御ゲインβを下げてもよい。この場合も、プレビュー制御の制振効果が低いため、設定部86は、プレビュー制御が適切に実行されていないと判定する。
ばね下変位マップ200が存在しない位置に対してばね下変位Zuがゼロに設定されている場合、ばね下変位Zuが適切であることは、ばね下変位Zuがゼロであることが所定時間以上続いていないことを表す。ばね下変位Zuが適切でないことは、ばね下変位Zuがゼロであることが所定時間以上続いたことを表す。所定時間は、実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。
また、ばね下変位マップ200が存在しない位置に対してフラグが立てられている場合、ばね下変位Zuが適切であることは、フラグが取得されていないことを表し、ばね下変位Zuが適切でないことは、フラグが取得されたことを表す。
設定部86は、導出部84で導出された第1周波数帯の成分に対する第2周波数帯の成分の割合が所定のしきい値より小さい場合、上記式(5)のフィードバックゲインγを所定の基準ゲインγ0に設定する。しきい値は、実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。
設定部86は、導出された第1周波数帯の成分に対する第2周波数帯の成分の割合がしきい値以上である場合、フィードバックゲインγを基準ゲインγ0より小さく設定する。これにより、第1周波数帯の成分に対する第2周波数帯の成分の割合がしきい値以上である場合、中高周波数帯の振動の悪化を抑制できる。
設定部86は、導出された第1周波数帯の成分に対する第2周波数帯の成分の割合がしきい値以上である場合において、プレビュー制御が適切に実行されていない場合、プレビュー制御が適切に実行されている場合と比較して、フィードバックゲインγを大きく設定する。
具体的には、設定部86は、導出された割合がしきい値以上である場合において、プレビュー制御が適切に実行されている場合、フィードバックゲインγを所定の第1ゲインγ1に設定する。第1ゲインγ1は、基準ゲインγ0より小さい。プレビュー制御のみでもばね上構造体5を適切に制振できている状況であるため、フィードバックゲインγを基準ゲインγ0より小さくする。
一方、設定部86は、導出された割合がしきい値以上である場合において、プレビュー制御が適切に実行されていない場合、フィードバックゲインγを所定の第2ゲインγ2に設定する。第2ゲインγ2は、基準ゲインγ0より小さく、かつ、第1ゲインγ1より大きい。基準ゲインγ0、第1ゲインγ1、および第2ゲインγ2は、実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。フィードバック制御を行わない場合にはばね上構造体5の振動が大きくなってしまう状況であるため、フィードバックゲインγを第1ゲインγ1より大きくする。
ばね下変位マップ200のばね下変位Zuが誤っている場所を走行する場合などでは、取得した通過予測位置Pfのばね下変位Zuが誤っている可能性が高い。そのため、プレビュー制御が適切に実行されない。この場合、プレビュー制御によっては、ばね上構造体5への入力を十分に低減できない可能性が高いが、プレビュー制御が適切に実行されている場合よりもフィードバックゲインγを大きくすることで、第1ゲインγ1を採用する場合よりも低周波数帯の振動の悪化を抑制できる。また、第2ゲインγ2は基準ゲインγ0より小さいので、基準ゲインγ0を採用する場合よりも中高周波数帯の振動の悪化を抑制できる。よって、適切にフィードバックゲインγを調整できる。
なお、設定部86は、導出された割合がしきい値以上である場合、ばね下変位Zuの信頼度が基準値以下であれば、当該信頼度が低いほど、フィードバックゲインγを大きく設定してもよい。フィードバックゲインγは、基準ゲインγ0より小さく、かつ、第1ゲインγ1より大きい範囲で設定される。これにより、プレビュー制御による振動抑制効果が低いほど、フィードバック制御による低周波数帯の振動抑制効果を高めることができる。よって、適切にフィードバックゲインγを調整できる。
制御部90は、アクチュエータ3Aが(5)式に従って演算された目標制御力Fc_tに対応する制御力Fcを発生させるように、目標制御力Fc_tを含む制御指令をアクチュエータ3Aに送信する。アクチュエータ3Aは、現在時刻からプレビュー時間tpだけ後のタイミング、すなわち車輪2が予測通過位置Pfを通過するタイミングで目標制御力Fc_tに対応する制御力Fcを発生させる。つまり、制御部90は、制御対象輪が予測通過位置Pfを通過する時にアクチュエータ3Aが発生する制御力Fcが目標制御力Fc_tに一致するように、アクチュエータ3Aを制御する。
このように、ばね下変位マップ200を利用したプレビュー制御によれば、車輪2の予測通過位置Pfのばね下変位Zuに起因して生じるばね上構造体5の振動を抑制する制御力Fcを適切なタイミングで発生できる。また、フィードバック制御によっても、ばね上構造体5の振動を抑制できる。これにより、ばね上構造体5の振動を効果的に抑制できる。
図5は、実施の形態のサスペンション制御処理を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、車両1の走行中に、制御対象輪のそれぞれに関して、所定の時間ステップ毎に繰り返し実行される。
第1取得部80は、車輪2の現在位置を取得し(S10)、車輪2の予測通過位置Pfを取得し(S12)、車輪2の予測通過位置Pfのばね下変位Zuをばね下変位マップ200から取得する(S14)。
ECU70は、後述する図6に示すフィードバックゲイン設定処理を実行する(S16)。演算部88は、(5)式に従って目標制御力Fc_tを演算し(S18)、制御部90は、アクチュエータ3Aを制御し(S24)、処理を終了する。
図6は、図5のS16のフィードバックゲイン設定処理を示すフローチャートである。予測通過位置Pfのばね下変位Zuの信頼度が高い場合(S30のY)、導出部84は、ばね下変位マップ200のばね下変位Zuに基づいて、低周波数帯の成分と中高周波数帯の成分の割合を導出し(S32)、処理はS36に移る。
予測通過位置Pfのばね下変位Zuの信頼度が低い場合(S30のN)、導出部84は、ばね上加速度センサ22とストロークセンサ23で検出されたばね下速度Zu'に基づいて、低周波数帯の成分と中高周波数帯の成分の割合を導出し(S34)、処理はS36に移る。
次に、導出された割合がしきい値より大きい場合(S36のY)、プレビュー制御が適切に実行されていれば(S38のY)、設定部86は、フィードバックゲインγを第1ゲインγ1に設定し(S40)、図5の処理に戻る。S38で、プレビュー制御が適切に実行されていない場合(S38のN)、設定部86は、フィードバックゲインγを第2ゲインγ2に設定し(S42)、図5の処理に戻る。
S36で、導出された割合がしきい値以下の場合(S36のN)、設定部86は、フィードバックゲインγを通常ゲインγ0に設定し(S44)、図5の処理に戻る。
実施の形態によれば、ばね下変位マップ200から取得された予測通過位置Pfのばね下変位Zuの信頼度が基準値より高い場合、予測通過位置Pfのばね下変位Zuの時系列データにおける第1周波数帯の成分に対する第2周波数帯の成分の割合を導出するので、予めフィードバックゲインγを調整できる。よって、より適切にフィードバック制御による中高周波数帯の振動悪化を抑制できる。
また、ばね下変位マップ200から取得されたばね下変位Zuの信頼度が基準値以下の場合、ばね上加速度センサ22とストロークセンサ23の検出値に基づいたばね下速度Zu'の時系列データにおける第1周波数帯の成分に対する第2周波数帯の成分の割合を導出するので、より正確な割合を得ることができる。つまり、道路工事などで路面状態が変わったことによりばね下変位マップ200のばね下変位Zuが誤っている場所を車両1が走行する場合、ばね下変位マップ200のばね下変位Zuの有無が混在した領域を車両1が走行する場合、車両1の位置精度が悪いことで予測通過位置Pfの精度も悪い場合などにおいて、ばね下変位マップ200に基づいて誤った入力割合を導出することを抑制できる。よって、フィードバックゲインγを誤って設定することを抑制できる。
これに対して、常に、ばね下変位マップ200から取得されたばね下変位Zuをもとに第1周波数帯の成分に対する第2周波数帯の成分の割合を導出する比較例では、ばね下変位マップ200のばね下変位Zuが誤っている場所を車両1が走行する場合などにおいて、フィードバックゲインγを誤って調整する可能性がある。
また、実施の形態では、第1周波数帯の成分に対する第2周波数帯の成分の割合がしきい値以上である場合において、プレビュー制御が適切に実行されているか否かに応じて、適切にフィードバックゲインγを調整できる。したがって、適切に、フィードバック制御による中高周波数帯の振動悪化を抑制できる。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。実施の形態はあくまでも例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
(第1変形例)
予測通過位置Pfのばね下変位Zuの信頼度の高さに応じて周波数特性の導出対象のデータを異ならせる処理は実行しなくてもよい。つまり、図6のフローチャートにおいて、S30,S32の処理を省略し、最初にS34の処理を実行してもよい。この変形例によれば、処理を簡素化した上で、適切にフィードバックゲインγを調整できる。
予測通過位置Pfのばね下変位Zuの信頼度の高さに応じて周波数特性の導出対象のデータを異ならせる処理は実行しなくてもよい。つまり、図6のフローチャートにおいて、S30,S32の処理を省略し、最初にS34の処理を実行してもよい。この変形例によれば、処理を簡素化した上で、適切にフィードバックゲインγを調整できる。
(第2変形例)
制御部90は、上述したばね下変位マップ200を用いたプレビュー制御に替えて、公知のプレビューセンサを用いたプレビュー制御を実行してもよい。以下、実施の形態との相違点を中心に説明する。
制御部90は、上述したばね下変位マップ200を用いたプレビュー制御に替えて、公知のプレビューセンサを用いたプレビュー制御を実行してもよい。以下、実施の形態との相違点を中心に説明する。
プレビューセンサ(図示せず)は、例えば、カメラセンサ、LiDAR、およびレーダセンサ等の少なくとも1つを含む。プレビューセンサは、車両1の前方の路面の路面変位Zrを取得する。第2変形例では、路面変位関連値は路面変位Zrであるとする。一般化する場合は、以下の説明における「路面変位」を「路面変位関連値」で読み替えるものとする。この場合の制御力Fcは、例えば、次の式(6)により表される。この例では、演算部88は、(6)式に従って、目標制御力Fc_tを演算する。
Fc=γb・Zr+γ・Zs ・・・(6)
式(6)の右辺第1項は、プレビューセンサ用いたプレビュー制御に関するフィードフォワード項である。右辺第1項は、ゲインγbと、目標制御力Fc_tの演算時におけるプレビューセンサにより取得された車両1の前方の路面変位Zrとの積である。ゲインγbは、実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。プレビューセンサを用いたプレビュー制御は、公知であるため、これ以上の詳細な説明は省略する。
右辺第2項は、式(5)の右辺第2項と同様であり、フィードバック制御に関するフィードバック項である。
第1取得部80は、プレビューセンサから車両1の前方の路面変位Zrを取得する。
導出部84は、第1取得部80で取得された路面変位Zrの信頼度を導出する。路面変位Zrの信頼度は、プレビューセンサの信頼度とも呼べる。
導出部84は、第1取得部80で取得された路面変位Zrの信頼度を導出する。路面変位Zrの信頼度は、プレビューセンサの信頼度とも呼べる。
例えば、導出部84は、プレビューセンサの分解能に対して十分に大きい入力がある場合、すなわちプレビューセンサの検出値がゼロでない場合、高い信頼度を導出する。導出部84は、プレビューセンサの分解能に対して十分に大きい入力がない場合、すなわちプレビューセンサの検出値がゼロであることが所定時間以上続いた場合、低い信頼度を導出する。
あるいは、導出部84は、車両1の周辺環境がプレビューセンサが正しく機能する条件に近いほど、高い信頼度を導出してもよい。例えば、導出部84は、天候が晴れであれば高い信頼度を導出し、曇りであれば中程度の信頼度を導出し、雨や雪などの荒れた天候であれば低い信頼度を導出してもよい。導出部84は、路面付近の照度が高いほど高い信頼度を導出してもよい。導出部84は、路面が検出可能路面であれば高い信頼度を導出し、路面が検出不可能な路面であれば低い信頼度を導出してもよい。
導出部84は、路面変位Zrの信頼度が基準値より高い場合、第1取得部80でプレビューセンサから取得された路面変位Zrの時系列データにおける第1周波数帯の成分と第2周波数帯の成分との割合を導出する。
導出部84は、路面変位Zrの信頼度が基準値以下の場合、実施の形態と同様に、第2取得部82で取得された状態量であるばね下速度Zu'の時系列データにおける第1周波数帯の成分と第2周波数帯の成分との割合を導出する。
設定部86は、第1取得部80で取得された路面変位Zrが適切である場合、または、当該路面変位Zrの信頼度が基準値より高い場合、プレビュー制御が適切に実行されていることを特定する。設定部86は、取得された路面変位Zrが適切であり、かつ、当該路面変位Zrの信頼度が基準値より高い場合、プレビュー制御が適切に実行されていることを特定してもよい。
設定部86は、第1取得部80で取得された路面変位Zrが適切でない場合、または、当該路面変位Zrの信頼度が基準値以下の場合、プレビュー制御が適切に実行されていないことを特定する。
路面変位Zrが適切であることは、路面変位Zrがゼロであることが所定時間以上続いていないことを表す。路面変位Zrが適切でないことは、路面変位Zrがゼロであることが所定時間以上続いたことを表す。
設定部86による上記式(6)のフィードバックゲインγの設定は、実施の形態と同様である。
第2変形例によれば、プレビューセンサから取得された路面変位Zrの信頼度が基準値以下の場合、ばね上加速度センサ22とストロークセンサ23の検出値に基づいたばね下速度Zu'の時系列データにおける第1周波数帯の成分と第2周波数帯の成分の割合を導出するので、より正確な割合を得ることができる。つまり、車両1の周辺環境がプレビューセンサが正しく機能する条件に合わない場合など、プレビューセンサの検出値が誤っている可能性が高い場合において、プレビューセンサの検出値に基づいて誤った入力割合を導出することを抑制できる。よって、フィードバックゲインγを誤って設定することを抑制できる。実施の形態と同様の他の効果を得ることもできる。
なお、第1変形例と第2変形例を組み合わせてもよい。
また、実施の形態では、プレビュー制御は、車両1の4つの車輪2、即ち全輪を対象として行われる。しかし、プレビュー制御の対象となる車輪である制御対象輪は、全輪に限られず、例えば、左右前輪のみ、または左右後輪のみであってもよい。
1…車両、2…車輪、3…サスペンション、3A…アクチュエータ、4…ばね下構造体、5…ばね上構造体、10…サスペンション制御システム、22…ばね上加速度センサ、23…ストロークセンサ、40…位置センサ、70…ECU(制御装置)、80…第1取得部、82…第2取得部、84…導出部、86…設定部、88…演算部、90…制御部、200…ばね下変位マップ。
Claims (5)
- 車両の制御対象輪のサスペンションストロークを調整するアクチュエータと、
前記アクチュエータを制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記車両の前方の路面の上下方向の変位に関連する路面変位関連値を取得する第1取得部と、
前記車両のばね上構造体またはばね下構造体の上下方向の変位に関連する状態量を取得する第2取得部と、
取得された前記路面変位関連値または前記状態量の時系列データにおける所定の第1周波数帯の成分の大きさと当該第1周波数帯より高い所定の第2周波数帯の成分の大きさとの割合を導出する導出部と、
前記アクチュエータを制御することにより、取得された前記路面変位関連値に基づいて、前記ばね上構造体の振動を低減するためのフィードフォワード制御を実行するとともに、取得された前記状態量に基づいて、当該ばね上構造体の振動を低減するためのフィードバック制御を実行する制御部と、
導出された前記割合がしきい値以上である場合において、フィードフォワード制御が適切に実行されていない場合、フィードフォワード制御が適切に実行されている場合と比較して、フィードバック制御のフィードバックゲインを大きく設定する設定部と、
を有する、ことを特徴とするサスペンション制御システム。 - 前記設定部は、
導出された前記割合が前記しきい値より小さい場合、前記フィードバックゲインを基準ゲインに設定し、
導出された前記割合が前記しきい値以上である場合、前記フィードバックゲインを前記基準ゲインより小さく設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のサスペンション制御システム。 - 前記設定部は、
取得された前記路面変位関連値が適切である場合、または、取得された当該路面変位関連値の信頼度が基準値より高い場合、フィードフォワード制御が適切に実行されていることを特定し、
取得された前記路面変位関連値が適切でない場合、または、前記信頼度が前記基準値以下の場合、フィードフォワード制御が適切に実行されていないことを特定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のサスペンション制御システム。 - 前記導出部は、
取得された前記路面変位関連値の信頼度が基準値より高い場合、当該路面変位関連値の時系列データにおける前記割合を導出し、
前記信頼度が前記基準値以下の場合、取得された前記状態量の時系列データにおける前記割合を導出する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のサスペンション制御システム。 - 前記設定部は、導出された前記割合が前記しきい値以上である場合、前記信頼度が前記基準値以下であれば、当該信頼度が低いほど、前記フィードバックゲインを大きく設定する、
ことを特徴とする請求項3に記載のサスペンション制御システム。
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