JP2025035562A - 熱電材料、その製造方法、および、熱電変換素子 - Google Patents

熱電材料、その製造方法、および、熱電変換素子 Download PDF

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Abstract

【課題】MgAgSb系の熱電材料において、より高い熱電変換効率を実現する。
【解決手段】本発明の熱電材料は、マグネシウム(Mg)と銀(Ag)とアンチモン(Sb)を含有する無機化合物を含む。この無機化合物は、さらに鉄(Fe)を含み、Feの含有量がMgの組成に対して0%より大きく1.0%以下である。この熱電材料の製造方法は、材料準備工程と、粉砕工程と、焼結工程と、アニール工程とを含む。材料準備工程では、Mgを含有する原料と、Agを含有する原料と、Feを含有する原料とを含む混合物を調整する。粉砕工程は、前記混合物を複数回にわけてボールミリングする工程と、Sbを添加する工程と、撹拌工程とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱電材料、その製造方法、および、熱電変換素子に関し、詳細には、マグネシウム銀アンチモン(MgAgSb)系の熱電材料を含有する熱電材料、その製造方法、および、熱電変換素子に関する。
省エネルギー、再生可能エネルギーの利用など、エネルギーの効率的な利用に関する研究が推進される中、熱電材料は、廃棄される熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換して再利用する環境発電デバイスに、また、その逆変換を利用する冷却デバイスに、利用することができる材料として注目されている。
特許文献1には、マグネシウム銀アンチモン(MgAgSb)に銅(Cu)をドープすることによって、25μWcm-1-2を超えるパワーファクターを実現した熱電材料が開示されている。
国際公開WO2022/059443
本発明の目的は、MgAgSb系の熱電材料において、より高い熱電変換効率を実現することである。
一実施の形態によれば、下記の通りである。
すなわち、マグネシウム(Mg)と銀(Ag)とアンチモン(Sb)を含有する無機化合物を含む熱電材料であって、前記無機化合物は、さらに鉄(Fe)を含み、前記Feの含有量がMgの組成に対して0%より大きく1.0%以下である。
別の実施の形態によれば、熱電材料の製造方法であって、材料準備工程と、粉砕工程と、焼結工程と、アニール工程とを含む。材料準備工程では、Mgを含有する原料と、Agを含有する原料と、Feを含有する原料とを含む混合物を調整する。粉砕工程は、前記混合物を複数回にわけてボールミリングする工程と、Sbを添加する工程と、撹拌工程とを含む。
前記一実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、MgAgSb系の熱電材料において、より高い熱電変換効率を実現することができる。
図1は、本発明の熱電材料の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図2は、本発明の熱電材料を用いた熱電変換素子の構成例を模式的に示す説明図である。 図3は、本発明の一実施例である熱電材料の電気伝導度の測定結果を示すグラフである。 図4は、本発明の一実施例である熱電材料のゼーベック係数の測定結果を示すグラフである。 図5は、本発明の一実施例である熱電材料のパワーファクターの測定結果を示すグラフである。 図6は、本発明の一実施例である熱電材料の熱伝導率の測定結果を示すグラフである。 図7は、本発明の一実施例である熱電材料の性能指数の測定結果を示すグラフである。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕FeドープMgAgSb系熱電材料
本願において開示される代表的な実施の形態は、MgとAgとSbを含有する無機化合物を含む熱電材料であって、前記無機化合物は、さらにFeを含み、前記Feの含有量がMgの組成に対して0%より大きく1.0%以下である。
これにより、MgAgSb系の熱電材料において、より高い熱電変換効率を実現することができる。
〔2〕最適な組成範囲
〔1〕の熱電材料において、前記無機化合物はMg1-cFeAgSbで表され、各パラメータは以下の関係を満たす。
0<c≦0.01
0.95≦a≦1.05
0.95≦b≦1.05
これにより、FeドープMgAgSb系熱電材料において、最も高い熱電変換効率を実現することができる。
〔3〕最適な結晶構造
〔1〕または〔2〕の熱電材料において、前記無機化合物は、ハーフホイスラー構造のα相であり、空間群I-4c2の対称性を有する。ここで「-4」は、本明細書全体を通じて、オーバーバー付きの4を表すものである。
これにより、FeドープMgAgSb系熱電材料において、最も高い熱電変換効率を実現することができる。
〔4〕p型
〔1〕~〔3〕の何れか1項の熱電材料は、p型である。
これにより、他のn型熱電材料と組み合わせが容易になる。
〔5〕粉末、焼結体または薄膜
〔1〕~〔4〕の何れか1項の熱電材料の形態は、粉末、焼結体または薄膜である。
これにより、室温において高い熱電性能を発揮する、種々の熱電素子を構成することができる。
〔6〕有機材料含有
〔5〕の熱電材料は、薄膜の形態であり、有機材料をさらに含有する。
これにより、フレキシブルな膜状の熱電材料を実現することができる。
〔7〕熱電変換素子
本願において開示される代表的な実施の形態は、請求項1~6の何れか1項の熱電材料を熱電変換層とする熱電変換素子である。
これにより、MgAgSb系の熱電材料において、より高い熱電変換効率を実現する熱電変換素子を実現することができる。
〔8〕熱電材料の製造方法
〔1〕~〔6〕の何れか1項の熱電材料の製造方法は、材料準備工程と、メカニカルアロイング工程と、焼結工程と、アニール工程とを含む。
これにより、MgAgSb系の熱電材料において、より高い熱電変換効率を実現する熱電材料を製造することができる。
〔9〕熱電材料の製造方法(図1)
本願において開示される代表的な実施の形態は、熱電材料の製造方法であって、材料準備工程(S1)と、粉砕工程(S2)と、焼結工程(S3)と、アニール工程(S4)とを含み、以下のように構成される。
材料準備工程(S1):Mgを含有する原料と、Agを含有する原料と、Feを含有する原料とを含む混合物を調整する。
粉砕工程(S2):前記混合物を複数回にわけてボールミリングする工程(S21,S23,S25,S27)と、Sbを添加する工程(S22)と、撹拌工程(S24,S26)とを含む。
焼結工程(S3):粉砕された前記混合物に、高温高圧を印加して焼結する。
アニール工程(S4):熱処理を行う。
これにより、MgAgSb系の熱電材料において、より高い熱電変換効率を実現する熱電材料を製造することができる。
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
〔熱電材料の組成〕
本発明の熱電材料は、MgとAgとSbを含有する無機化合物にFeがドープされて構成される。Feの含有量は、Mgの組成に対して0%より大きく1.0%以下である。これにより、MgAgSb系の熱電材料において、より高い熱電変換効率を実現することができる。
最適な組成は、上記無機化合物をMg1-cFeAgSbで表したときの各パラメータが、以下の関係を満たす範囲である。
0<c≦0.01
0.95≦a≦1.05
0.95≦b≦1.05
これにより、FeドープMgAgSb系熱電材料において、最も高い熱電変換効率を実現することができる。このような組成範囲では、MgとAgとSbからなる無機化合物において、母相を構成するMgの一部がドープされたFeで置換されていると考えられる。より詳しくは、この母相はMgAgSb系結晶であり、低温ではハーフホイスラー構造のα相(テトラゴナル相)となり、I-4c2空間群(International Tables for Crystallographyの120番目)に属する。このMgサイトの一部がFeで置換されると考えられる。母相としては、例えば、Mg1.0Ag1.0Sb1.0、Mg0.98Ag1.02Sb1.00、Mg1.00Ag1.01Sb1.02、Mg0.98Ag0.97Sb0.99、Mg1.0Ag0.98Sb0.98等が採用される。
Feの含有量としては、上述の範囲が適切であるが、0<c≦0.005がより好適であり、0<c≦0.0025がさらに好適である。
熱電材料の形態は、粉末、焼結体、または薄膜であってよく、これにより、室温において高い熱電性能を発揮する熱電変換素子に適用することができる。例えば、本実施形態では後述する製造方法によって、本熱電材料の焼結体を製作することができる。この焼結体を粉砕することによって粉末が得られ、焼結体をターゲットとして用いる物理的気相成長法等によって薄膜が形成される。ここで、一般に、粉末とは、砕けて細かく加工された粉を含んでよい。粉末を圧粉機等により加圧すると圧粉体を形成することができる。一般に、圧粉体とは、粉末を圧縮して所定の形状としたものをいう。粉末成分の融点以下の温度で加熱した場合、粉末粒子の相互の接触面が接着され、加熱時間の増加とともに圧粉体が収縮・緻密化する現象を焼結といい、焼結により得られたものを焼結体ということもできる。薄膜とは、薄い膜のことを言い、固体表面(基板)の上に気相が凝縮して形成された層を含んでもよい。
本発明の熱電材料は、上述の無機化合物の粉末と有機材料と混合し、膜状に加工することもできる。この場合、有機材料には、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)、ポリ[2,5-ビス(3-テトラデシルチオフェン-2-イル)チエノ[3,2-b]チオフェン](PBTTT)、ポリアニリン(PANI)、テトラチアフルバレン(TTFF)、および、ベンゾジフランジオンパラフェニレンビニリデン(BDPPV)からなる群から少なくとも1種選択される有機材料を用いることができる。これらの有機材料を用いれば、本発明の熱電材料をフレキシブルな膜状に加工することができる。
このとき、粉末の含有量は特に制限はないが、好ましくは、粉末は、有機材料に対して4質量%以上80質量%以下、好ましくは、4質量%以上50質量%以下、なお好ましくは、4質量%以上10質量%以下、なおさらに好ましくは、4質量%以上7質量%以下の範囲で含有される。これにより、フレキシビリティを有し、熱電変換性能を有する膜を実現することができる。
〔熱電変換素子〕
本発明の熱電材料は、上述の組成を満たすことにより、正孔をキャリアとするp型の熱電材料として機能する。他のn型熱電材料と組み合わせることにより、熱電変換素子の一種である熱電発電装置を構成することができる。
図2は、本発明の熱電材料を用いた熱電変換素子の構成例を模式的に示す説明図である。熱電変換素子は、それぞれの両端に電極が接続されたp型熱電変換層1とn型熱電変換層2を、交互に直列接続して構成されている。第1のn型熱電変換層2-1に接続される電極3-1、第1のp型熱電変換層1-1と第2のn型熱電変換層2-2を接続する電極3-2、及び第2のp型熱電変換層1-2の電極3-3が低温側に、一方、第1のn型熱電変換層2-1と第1のp型熱電変換層1-1とを接続する電極4-1及び第2のn型熱電変換層2-2と第2のp型熱電変換層1-2とを接続する電極4-2は、高温側に配置される。ゼーベック効果によってp型熱電変換層1とn型熱電変換層2それぞれの両端に発生する電位差が、直列接続によって積算されて、電極3-1と電極3-3との間に出力される。図2は、紙面の制限からp型とn型それぞれ2個ずつを直列接続した熱電変換素子を例示したが、個数は任意である。
ここでp型熱電変換層1は、上述の熱電材料による熱電変換層である。一方、n型熱電変換層2は、例えば、MgSb系、BiTeSe系、CoSb系などの熱電材料から任意に選択することができる。後述するように、本発明の熱電材料は、絶対温度450K~550Kにおいて特に高い熱電変換性能を発揮するので、n型熱電変換層2も同様の高温域で高い熱電変換性能を発揮する熱電材料を選択するのが好適である。
電極材料は任意であり、例えば、Fe、アルミニウム(Al)、Cu、Ag、ニッケル(Ni)とすることができる。電極3-1~3-3は低温側で外部の回路との配線が必要であるため、ハンダとの親和性が高いCu、Ni等が好適であり、電極4-1~4-2は高温の対象物に対して良好な熱伝導で取り付けられ、安定する金属材料が好適であり、例えばFe、Al、Cuが採用され得る。
図2には、Π型の熱電発電素子を例示して説明したが、他の形式、例えばU字型等、任意の熱電変換素子を構成することができる。これにより、MgAgSb系の熱電材料において、より高い熱電変換効率を実現する熱電変換素子を実現することができる。
〔製造方法〕
図1は、本発明の熱電材料の製造方法の一例を示すフローチャートである。本発明の熱電材料の製造方法は、材料準備工程(S1)と、粉砕工程(S2)と、焼結工程(S3)と、アニール工程(S4)とを含み、以下のように構成される。
材料準備工程(S1):Mgを主成分として含有する原料と、Agを主成分として含有する原料と、Feを主成分として含有する原料と、それぞれ所定の化学量論的組成比で含む混合物を調整する。
粉砕工程(S2):調整した混合物を複数回にわけてボールミリングする工程(S21,S23,S25,S27)と、Sbを添加する工程(S22)と、撹拌工程(S24,S26)とを含む。より詳しくは、1回目のボールミリング(S21)の後、所定量のSbを添加(S22)し、2回目のボールミリング(S23)を行い、その後、撹拌(S24,S26)とボールミリング(S25,S27)を2度繰り返す。なお、これは一例であり、各原料材料が細かく均一に粉砕され分散されていることが重要である。例えば、粉砕工程(S2)は、準備された電極材料の状態によって、適宜、変更可能である。電極材料がより微細な粉末(より小さな粒子径)である場合には、ボールミリングの回数を減らし、及び/または、ミリング時間を短縮し、もしくはミリングパワーを減らすことができる。
焼結工程(S3):粉砕された混合物に、高温高圧を印加して焼結する。
アニール工程(S4):熱処理を行う。
これにより、MgAgSb系の熱電材料において、より高い熱電変換効率を実現する熱電材料を製造することができる。
発明者らは、MgAgSb系熱電材料にFeをドープすることによって、極めて高い熱電変換効率を実現することができることを見出し、以下の組成の試料を製作してその特性を測定した。製作した試料の組成は、Mg1-cFeAg0.97Sb0.99において、c=0、0.0025、0.005、0.01の4とおりである。
〔製造方法〕
材料準備工程(S1):原料として、Mg(旋削材5-25mm、99.95%)と、Ag(ショット2-5mm,99.99%)と、Fe(粉末<45μm,99.9%)を所定の化学量論的組成比になるように計量して、アルゴン(Ar)雰囲気で、ステンレス鋼のボールミリングジャーに充填した。
粉砕工程(S2):ボール状粉砕機(SPEX SamplePrep社製 8000D Mixer/Mill)を用いて、第1回のボールミリング工程を10時間行った。次にSb(塊2mm,99.999%)を添加した後、Ar雰囲気で第2回のボールミリング工程を4時間行った。さらにより均一性を高めるためにAr雰囲気のまま手での撹拌(S24,S26)と2時間のボールミリング(S25,S27)を2度繰り返した。ここで手での撹拌とは、ボールミリングジャーの側壁にこびり付いた原料を側壁から剥がしてボールミリングジャー内で混ぜ合わせることをいう。
焼結工程(S3):放電プラズマ焼結装置(富士電波工機株式会社製、ドクターラボシリーズ322Lx)を用いて、粉砕された混合物に、温度573K、一軸圧力60MPaを5分間印加して、放電プラズマ焼結を行った。
アニール工程(S4):焼結された試料を石英管に真空(<5×10-3Pa)封止し、温度573Kで6時間の熱処理を施した。
〔測定結果〕
試料の測定結果を表1及び図3~図7に示す。図3には電気伝導度σが、図4にはゼーベック係数Sが、図5にはパワーファクターPFが、図6には熱伝導率κが、図7には無次元の性能指数ZTが、それぞれ示されている。
図3は、横軸を絶対温度T(K)として、Feの含有率(ドーズ)の異なる4種の試料(c=0、0.0025、0.005、0.01)の電気伝導度σ(Sm-1)を縦軸に表したグラフである。図3に示されるように、僅かなFeドープによってMgAgSb化合物の電気伝導度の増加が観測された。電気伝導度(σ)は、キャリア移動度(μ)とキャリア濃度(n)に比例し、式σ=eμ(但し、eは電気素量)を満たす。キャリア移動度は母材の中でキャリアがどれだけ早く移動することができるかを表す指標であるから、電気伝導度(σ)の増加は、キャリアの移動特性が向上したことを意味する。
各試料における、キャリア濃度(n)とキャリア移動度(μ)の測定結果を表1に示す。
Feの添加量を増やすにしたがって、キャリア移動度は顕著に増加するが、キャリア濃度はほとんど変わらないので、キャリア移動度の向上がFeドープによる電気伝導度の向上の主な原因であることがわかる。
図4と図5は、横軸を絶対温度T(K)として、Feの含有率(ドーズ)の異なる4種の試料(c=0、0.0025、0.005、0.01)のゼーベック係数S(μVK-1)とパワーファクターPF(mWm-1-2)をそれぞれ縦軸に表したグラフである。Feをドープされた試料において電気伝導度σが増加する(図3)のに対して、c=0.01の試料を除くすべての試料のゼーベック係数Sは、同程度の値の範囲で変化した(図4)。換言すれば、Feをドープされた試料においてもゼーベック係数Sは高い値に維持され、電気抵抗(電気伝導度σの逆数)がFeドープによって低下したことによって、高いパワーファクターPFが実現された(図5)。ただし、Feの添加量cが0.01に達すると、パワーファクターPFは低下した。
図6と図7には、横軸を絶対温度T(K)として、Feの含有率(ドーズ)の異なる4種の試料(c=0、0.0025、0.005、0.01)の熱伝導率κ(Wm-1-1)と性能指数ZT(無次元)がそれぞれ縦軸に示されている。熱伝導率κは、Feの添加量の増加に伴って増加する。これは、キャリア移動度の向上に起因するものである。また、添加量c=0.0025の試料の無次元の性能指数ZTは、測定されたすべての温度範囲において最大であり、473Kにおいて最大のZT=1.52を観測した。また、この測定の結果、ゼーベック係数は正であり、Feをドープされた試料がp型半導体として振る舞うことがわかった。
〔文献に報告された結果との比較〕
本実施例において測定された最大のZT=1.52(絶対温度473K)は、以下に報告された、Fe以外の不純物がドープされた種々の熱電材料のZTよりも高い値であった。したがって、MgAgSb系熱電材料の熱電能を高めるためには、Feをドープすることが最も高い効果を奏することがわかった。
論文1(Zihang Liu, et.al., “Lithium Doping to Enhance Thermoelectric Performance of MgAgSb with Weak Electron-Phonon Coupling”,Advanced Energy Materials,vol.6,Issue7,2016)には、リチウム(Li)が1%ドープされたMgAgSb系熱電材料について、300~548KにおいてZT=1.1が報告された。
論文2(Zihang Liu, et.al., “The microscopic origin of low thermal conductivity for enhanced thermoelectric performance of Yb doped MgAgSb”,Acta Materialia,vol.128,pp.227-234,April 15,2017)には、イッテルビウム(Yb)が0.5%ドープされたMgAgSb系熱電材料について、550KにおいてZT=1.4が報告された。
論文3(Pingjun Ying, et.al., “High Performance α-MgAgSb Thermoelectric Materials for Low Temperature Power Generation”,Chemistry of Materials,2015,27,3,909-913,January 16,2015)には、インジウム(In)が1%ドープされたMgAgSb系熱電材料について、525KにおいてZT=1.1が報告された。
論文4(Zihang Liu, et.al., “The influence of doping sites on achieving higher thermoelectric performance for nanostructured α-MgAgSb”,Nano Energy, vol.31,pp.194-200,January 2017)には、カルシウム(Ca)が1%ドープされたMgAgSb系熱電材料について、約550KにおいてZT=~1.3が報告された。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
1 p型熱電変換層
2 n型熱電変換層
3-1~3-3 低温側電極
4-1~4-2 高温側電極
S1 材料準備工程
S2 粉砕工程
S21,S23,S25,S27 ボールミリング工程
S22 Sb添加工程
S24,S26 撹拌工程
S3 焼結工程
S4 アニール工程

Claims (9)

  1. マグネシウム(Mg)と銀(Ag)とアンチモン(Sb)を含有する無機化合物を含み、
    前記無機化合物は、さらに鉄(Fe)を含み、
    前記Feの含有量がMgの組成に対して0%より大きく1.0%以下である、
    熱電材料。
  2. 請求項1において、
    前記無機化合物はMg1-cFeAgSbで表され、
    0<c≦0.01、
    0.95≦a≦1.05、及び
    0.95≦b≦1.05を満たす、
    熱電材料。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記無機化合物は、ハーフホイスラー構造のα相であり、空間群I-4c2の対称性を有する、
    熱電材料。
  4. 請求項1~3の何れか1項において、
    p型である
    熱電材料。
  5. 請求項1~4の何れか1項において、
    前記熱電材料の形態は、粉末、焼結体または薄膜である、
    熱電材料。
  6. 請求項5項において、
    前記熱電材料は、薄膜の形態であり、有機材料をさらに含有する、
    熱電材料。
  7. 請求項1~6の何れか1項の熱電材料を熱電変換層とする、
    熱電変換素子。
  8. 請求項1~6の何れか1項の熱電材料の製造方法であって、
    材料準備工程と、粉砕工程と、焼結工程と、アニール工程とを含む、
    熱電材料の製造方法。
  9. 熱電材料の製造方法であって、
    材料準備工程と、粉砕工程と、焼結工程と、アニール工程とを含み、
    前記材料準備工程では、Mgを含有する原料と、Agを含有する原料と、Feを含有する原料とを含む混合物を調整し、
    前記粉砕工程は、前記混合物を複数回にわけてボールミリングする工程と、Sbを添加する工程と、撹拌工程とを含む、
    熱電材料の製造方法。
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