JP2024530927A - Her2阻害剤として使用するための三環系縮合ピリミジン化合物 - Google Patents

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Abstract

本願は、三環系縮合ピリミジン化合物、およびその医薬的に許容される塩を提供する。使用方法、およびこれらの化合物の医薬組成物が開示されている。【化1】TIFF2024530927000251.tif42153

Description

本明細書は、三環系縮合ピリミジン化合物、当該化合物を含む組成物、および様々な疾患の治療、予防、および対処方法を開示する。
がんは、ある正常組織に由来する異常細胞数の増加、これらの異常細胞による隣接組織への浸潤、またはリンパまたは血液を介した悪性細胞のリンパ節局部および遠位部位への拡大(転移)を主な特徴とする。臨床データおよび分子生物学的研究により、がんは特定の条件下で腫瘍へと進行し得る軽微な前がん性変化から始まる、多段階プロセスであることが示された。腫瘍性病変はクローン的に進展し、特に腫瘍細胞が宿主の免疫監視機構から逃れるような条件下において、浸潤能、増殖能、転移能、および不均一性を獲得し得る(Roitt, I., Brostoff, J and Kale, D., Immunology, 17.1-17.12 (3rd ed., Mosby, St. Louis, Mo., 1993)。
医学的文献で詳述されているがんの種類は膨大である。例として肺、結腸、直腸、前立腺、乳房、脳、および腸のがんが挙げられる。がんの発生率は、一般人口の高齢化、新たながんの発生、および罹患しやすい人(例えば、AIDS感染者または過剰に太陽光を浴びている人)の人口の増加とともに増加し続けている。そのため、がん患者の治療に用いられ得る新規方法および組成物に対する需要が非常は大きい。
上皮成長因子受容体(EGFR)には、4つの既知チロシンキナーゼ受容体、HER1(EGFR、ErbB1)、HER2(neu、ErbB2)、HER3(ErbB3)、およびHER4(ErbB4)からなるファミリーが含まれる。これらの受容体は、EGF、TGFα、エピレグリン、アンフィレグリン、およびヘレグリン(ニューレグリン)を含む多数のリガンドにより活性化される。HERファミリー受容体は、細胞外からの刺激を細胞内の現象に転換する細胞シグナル伝達カスケードを起こし、増殖、分化、およびアポトーシスなどの様々な細胞の機能を制御する。多数の上皮性腫瘍において、これらの受容体が増殖し、異常に活性化されており、この増加が正常な細胞制御の乱れと関連して、腫瘍の侵攻性強化や疾患の予後不良をもたらしている。EGFRに対する選択性を有する不可逆性HER2阻害剤は未だ報告されていない。
乳がんのおおよそ15~30%および胃/胃食道がんの10~30%でHER2の増幅または過剰発現が起こり、予後バイオマーカーおよび予測バイオマーカーとして見なされている。胃がん、卵巣がん、子宮内膜がん、子宮内膜漿液性がん、子宮頸がん、膀胱がん、肺がん、結腸がん、頭頸部がん、および食道がんといった、その他のがんにおいてもHER2過剰発現が見られている(Iqbal et al., Molecular Biology International, 2014, Article ID 852748)。乳がんは、主に骨、肺、局所のリンパ節、肝臓および脳に転移する。中枢神経系に到達した転移性HER2陽性乳がんでは、薬剤が血液脳関門を通過する必要があるため、さらに治療が困難となっている。
HER2異常(遺伝子増幅、遺伝子変異、およびタンパク質過剰発現)は様々な悪性腫瘍で報告されている。膀胱がん、頸がん、大腸がん、子宮内膜がん、胚細胞腫瘍、神経膠芽腫、頭頸部がん、肝臓がん、肺がん、卵巣がん、膵臓がん、および唾液腺導管癌の約1~37%にHER2異常が認められている(Yan et al., Cancer Treatment Reviews, 40:770-780 (2014))。
肺での発がんでは、過剰発現または遺伝子増幅よりもHER2変異体が臨床的に関連性が高いと考えられている。非小細胞肺がん(NSCLC)は肺がんの80~85%を占め、HER2変異体はNSCLC患者のおおよそ4%で認められているため、年間数千人の患者がHER2変異体をターゲットとした治療により恩恵を受ける可能性があることを示唆している(Garrido-Castro et al., Translational Lung Cancer Research, 2(2):122-127 (2013))。
HER2変異体の約92%はエクソン20での3~12bpの範囲のインフレーム挿入であると報告されており、全て当該エクソンに最も近い領域の775~881の間のコドンで入れ子になっている。12bpの挿入が最も一般的な変異(約83%)であり、コドン775において4つのアミノ酸(YVMA)の重複/挿入を示す(本明細書ではHER2YVMAと称される)。3bpの挿入は2番目に多く(約8%)、複雑な挿入置換G776delinsVCが特徴である(本明細書ではHER2VCと称される)。約8%のHER2変異体にあたる2種の点突然変異、L755SおよびG776Cも報告されている。さらにHER2 V777_G778insCG変異も同定されている(Arcila et al., Clin. Cancer Res., 18(18), 17 pages (2012))。
HER2の過剰発現あるいは増幅および/またはHER2変異体を標的とする治療剤に対して大きな医療ニーズがいまだに存在する。EGFRに対して選択的、および/またはCNS浸潤に対して有望な治療剤であることも望ましい。
本願は、三環系縮合ピリミジン化合物、およびその医薬的に許容される塩、溶媒和物(例えば水和物)、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物を提供する。ある実施態様において、本願は、テトラヒドロピリドチエノピリミジン化合物、およびその医薬的に許容される塩、溶媒和物(例えば水和物)、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物を提供する。
ある実施態様において、本開示は、式(I):
Figure 2024530927000002
(式中、X、Y、Z、Q、n、m、t、R1、R2、R3、およびWは本明細書またはその他の箇所で定義される)の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物(例えば水和物)、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物を提供する。
また、本開示は、様々な疾患または障害の治療方法および対処方法も提供する。治療または対処が必要な患者に、治療上有効量の本開示の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物(例えば水和物)、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種を投与することを特徴とする、方法。
また、本開示は、様々な疾患および障害の予防方法であって、予防が必要な患者に予防上有効量の本開示の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物(例えば水和物)、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種を投与することを特徴とする方法も提供する。
また、本開示は、本開示の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物(例えば水和物)、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種を含む医薬組成物、単回投与製剤、投与計画およびキットも提供する。
参照による組み込み
本明細書に記載のあらゆる出版物、特許、および特許出願は、個々の出版物、特許、または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同様の範囲で参照により組み込まれる。矛盾が生じた場合、本明細書の定義を含む、本出願が優先される。
(定義)
本明細書に記載の本開示の理解を助けるために、様々な他の用語が下記で定義される。一般に、本明細書で用いられる命名法および本明細書に記載の有機化学、医薬品化学、および薬理学における実験手順は、当業者に周知であり、一般に用いられる。特に断りが無い限り、本明細書で用いるあらゆる専門用語および科学用語は、一般に、本開示が属する分野の当業者により一般に理解されるものと同じ意味を持つ。
本明細書で用いる用語「アルキル」は、特に断りが無い限り、一価の直鎖または分枝鎖飽和炭化水素ラジカルを指す。また、用語「アルキル」は、特に断りが無い限り直鎖および分岐鎖アルキル両方を含む。特定の実施態様において、アルキルは、1~20(C1-20)、1~15(C1-15)、1~12(C1-12)、1~10(C1-10)、または1~6(C1-6)個の炭素原子を有する一価の直鎖飽和炭化水素ラジカル、あるいは3~20(C3-20)、3~15(C3-15)、3~12(C3-12)、3~10(C3-10)、または3~6(C3-6)個の炭素原子を有する一価の分岐鎖飽和炭化水素ラジカルである。本明細書で用いる直鎖C1-6アルキル基および分岐鎖C3-6アルキル基は、「低級アルキル」とも称される。アルキル基の例には、以下に限らないが、メチル、エチル、プロピル(全ての異性体を含む)、n-プロピル、イソプロピル、ブチル(全ての異性体を含む)、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル(全ての異性体を含む)、およびヘキシル(全ての異性体を含む)が挙げられる。例えば、C1-6アルキルは、1~6個の炭素原子を有する一価の直鎖飽和炭化水素ラジカルまたは3~6個の炭素原子を有する一価の分岐鎖飽和炭化水素ラジカルをいう。アルキルは非置換であるか、または1以上の置換基で置換されていてもよい。
本明細書で用いる用語「アルケニル」は、特に断りが無い限り、ある実施態様においては、1~5個の炭素-炭素二重結合を含む一価の直鎖または分枝鎖炭化水素ラジカルを指す。用語「アルケニル」は、当業者に理解されるように、「cis」および「trans」配置、あるいは「E」および「Z」配置を有するラジカルも含む。本明細書で用いる、用語「アルケニル」は特に断りが無い限り直鎖および分岐鎖アルケニル両方を含む。例えば、C2-6アルケニルは、2~6個の炭素原子を含む一価の直鎖不飽和炭化水素ラジカルまたは3~6個の炭素原子を含む一価の分岐鎖不飽和炭化水素ラジカルをいう。特定の実施態様において、アルケニルとは、2~20(C2-20)、2~15(C2-15)、2~12(C2-12)、2~10(C2-10)、または2~6(C2-6)個の炭素原子を有する一価の直鎖炭化水素ラジカル、あるいは3~20(C3-20)、3~15(C3-15)、3~12(C3-12)、3~10(C3-10)、または3~6(C3-6)個の炭素原子を有する一価の分岐鎖炭化水素ラジカルである。アルケニル基の例には、以下に限らないが、エテニル、プロペン-1-イル、プロペン-2-イル、アリル、ブテニル、および4-メチルブテニルが挙げられる。アルケニルは非置換であるか、または1以上の置換基で置換されていてもよい。
本明細書で用いる用語「アルキニル」は、特に断りが無い限り、ある実施態様において、1~5個の炭素-炭素三重結合を含む一価の直鎖または分枝鎖炭化水素ラジカルを指す。また、用語「アルキニル」は特に断りが無い限り、直鎖および分岐鎖アルキニル両方を含む。特定の実施態様において、アルキニルは2~20(C2-20)、2~15(C2-15)、2~12(C2-12)、2~10(C2-10)、または2~6(C2-6)個の炭素原子を有する一価の直鎖炭化水素ラジカル、または3~20(C3-20)、3~15(C3-15)、3~12(C3-12)、3~10(C3-10)、または3~6(C3-6)個の炭素原子を有する一価の分岐鎖炭化水素ラジカルである。アルキニル基の例には、以下に限らないが、エチニル(-C≡CH)およびプロパルギル(-CH2C≡CH)が挙げられる。例えば、C2-6アルキニルは、2~6個の炭素原子を有する一価の直鎖不飽和炭化水素ラジカルまたは3~6個の炭素原子を有する一価の分岐鎖不飽和炭化水素ラジカルをいう。アルキニルは非置換であるか、または1以上の置換基で置換されていてもよい。
本明細書で用いる用語「シクロアルキル」は、特に断りが無い限り、一価の環状飽和または環状不飽和炭化水素ラジカルを指す。用語「シクロアルキル」には、縮合シクロアルキル、架橋シクロアルキル、およびスピロシクロアルキルが含まれる。特定の実施態様において、当該シクロアルキルは、3~20(C3-20)、3~15(C3-15)、3~12(C3-12)、3~10(C3-10)、または3~7(C3-7)個の炭素原子を有する。シクロアルキル基の例には、以下に限らないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロヘプタトリエニル、デカリニル、およびアダマンチルが挙げられる。シクロアルキルは非置換であるか、または1以上の置換基で置換されていてもよい。
本明細書で用いる用語「アリール」は、特に断りが無い限り、少なくとも1つの芳香族炭化水素を含む単環芳香族基および/または一価の多環状芳香族基を指す。特定の実施態様において、アリールは6~20(C6-20)、6~15(C6-15)、または6~10(C6-10)個の環原子を有する。アリール基の例には、以下に限らないが、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アズレニル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、ビフェニル、およびテルフェニルが挙げられる。また、用語「アリール」は、二環、三環、またはその他の多環状炭化水素環も指し、ここで少なくとも1つの環は芳香族であり、その他の環は飽和、部分不飽和、または芳香族であってもよく、例えば、ジヒドロナフチル、インデニル、インダニル、またはテトラヒドロナフチル(テトラリニル)である。アリールは非置換であるか、または1以上の置換基で置換されていてもよい。
本明細書で用いる用語「ヘテロアルキル」は、特に断りが無い限り、炭素以外の原子(例えば、酸素、窒素、硫黄、およびリン、またはそれらの組み合わせ)から選択される1以上の原子からなる骨格鎖を有するアルキルラジカルを指す。数値の範囲は、鎖全体の長さを示すために記載され得る。例えば、-CH2OCH2CH3ラジカルは「C4」ヘテロアルキルと記載される。ヘテロアルキル鎖中のヘテロ原子または炭素のいずれかを介して親分子構造に接続してもよい。ヘテロアルキル基中の1以上のヘテロ原子は、適宜酸化されてもよい。1以上の窒素原子が存在する場合、適宜四級化されてもよい。ヘテロアルキルは非置換であるか、または1以上の置換基で置換されていてもよい。
本明細書で用いる用語「ヘテロアリール」は、特に断りが無い限り、少なくとも1つの芳香環を含む単環芳香族基および/または多環状芳香族基を指し、ここで少なくとも1つの芳香環は、O、S、およびNから独立して選択される1以上のヘテロ原子を含む。ヘテロアリール基の各環は、1または2個のO原子、1または2個のS原子、および/または1または2個のN原子を含んでもよいが、各環のヘテロ原子の総数は4以下であり、各環は少なくとも1つの炭素原子を含む。ヘテロアリールは任意のヘテロ原子または炭素原子で主構造に接続してもよく、その結果安定な化合物を形成する。特定の実施態様において、ヘテロアリールは5~20、5~15、または5~10個の環原子を有する。また、用語「ヘテロアリール」は、二環、三環、またはその他の多環状環も指し、ここで少なくとも1つの環は芳香族であり、その他の環は飽和、部分不飽和、または芳香族であってもよく、少なくとも1つの芳香環がO、S、およびNから独立して選択される1以上のヘテロ原子を含む。単環ヘテロアリール基の例には、以下に限らないが、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チエニル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、およびトリアジニルが挙げられる。二環ヘテロアリール基の例には、以下に限らないが、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、クロモニル、クマリニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、プリニル、ピロロピリジニル、フロピリジニル、チエノピリジニル、ジヒドロイソインドリル、およびテトラヒドロキノリニルが挙げられる。三環式ヘテロアリール基の例には、以下に限らないが、カルバゾリル、ベンズインドリル、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、およびキサンテニルが挙げられる。ヘテロアリールは非置換であるか、または1以上の置換基で置換されていてもよい。
本明細書で用いる用語「ヘテロシクリル」(または「ヘテロ環」)は、特に断りが無い限り、少なくとも1つの非芳香環を含む単環非芳香環システムおよび/または多環状環システムをいい、ここで1以上の非芳香環原子がO、S、またはNから独立して選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素原子である。また、用語「ヘテロシクリル」には、縮合ヘテロシクリル、架橋ヘテロシクリル、およびスピロヘテロシクリルが含まれる。特定の実施態様において、ヘテロシクリルまたは複素環基は、3~20、3~15、3~10、3~8、4~7、または5~6個の環原子を有する。特定の実施態様において、窒素または硫黄の環原子は適宜酸化されてもよく、窒素の環原子は適宜四級化されてもよい。また、用語「ヘテロシクリル」は、二環、三環、またはその他の多環状環も指し、ここで少なくとも1つの環は非芳香族であり、その他の環は飽和、部分不飽和、または芳香族であってもよく、少なくとも1つの非芳香環がO、S、およびNから独立して選択される1以上のヘテロ原子を含む。当該ヘテロシクリルは任意のヘテロ原子または炭素原子で主構造に接続してもよく、その結果安定な化合物を形成する。当該ヘテロシクリルラジカルの例には、以下に限らないが、アクリジニル、アゼピニル、ベンゾイミダゾリル、ベンズインドリル、ベンゾイソオキサゾリル、イソベンゾオキサジン、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾピラニル、ベンゾテトラヒドロフラニル、ベンゾテトラヒドロチエニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオピラニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、β-カルボリニル、カルバゾリル、クロマニル、クロモニル、シンノリニル、クマリニル、デカヒドロイソキノリニル、ジベンゾフラニル、ジヒドロベンズイソチアジニル、ジヒドロイソベンゾオキサジン、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、ジオキソラニル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジオキソラニル、1,4-ジチアニル、フラノニル、フラニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、イミダゾチアゾリル、インダゾリル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、イソベンゾテトラヒドロフラニル、イソベンゾテトラヒドロチエニル、イソベンゾチエニル、イソクロマニル、イソクマリニル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソキサゾリジニル、イソオキサゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、オキサジアゾリル、オキサゾリジノニル、オキサゾリジニル、オキサゾロピリジニル、オキサゾリル、オキシラニル、ペリミジニル、フェナントリジニル、フェナトロリニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、4-ピペリドニル、プテリジニル、プリニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリドピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、テトラゾリル、チアジアゾロピリミジニル、チアジアゾリル、チアモルホリニル、チアゾリジニル、チアゾリル、チエニル、トリアジニル、トリアゾリル、および1,3,5-トリチアニルが挙げられる。ヘテロシクリルまたはヘテロ環基は非置換であるか、または1以上の置換基で置換されていてもよい。
本明細書で用いる用語「アラルキル」または「アリールアルキル」は、特に断りが無い限り、アリールで置換された一価アルキル基を指し、ここでアルキルおよびアリールは上述で定義される。特定の実施態様において、アルキルおよびアリールの両方が独立して非置換であるか、または1以上の置換基で置換されてもよい。当該アラルキル基の例には、以下に限らないが、ベンジルおよびフェネチル基および縮合(シクロアルキルアリール)アルキル基(例えば4-エチル-インダニル)が挙げられる。
本明細書で用いる用語「ヘテロアリールアルキル」は、特に断りが無い限り、ヘテロアリールで置換された一価アルキル基を指し、ここでアルキルおよびヘテロアリールは上述で定義される。特定の実施態様において、アルキルおよびヘテロアリールの両方が独立して非置換であるか、または1以上の置換基で置換されてもよい。当該ヘテロアリールアルキル基の例には、以下に限らないが、フラン-2-イルメチル、フラン-3-イルメチル、ピリジン-3-イルメチル、およびインドール-2-イルプロピルが挙げられる。
本明細書で用いる用語「ヘテロシクリルアルキル」は、特に断りが無い限り、ヘテロシクリルで置換された一価アルキル基を指し、ここでアルキルおよびヘテロシクリルは上述で定義される。特定の実施態様において、アルキルおよびヘテロシクリルの両方が独立して非置換であるか、または1以上の置換基で置換されてもよい。当該ヘテロシクリルアルキル基の例には、以下に限らないが、4-エチル-モルホリニル、4-プロピルモルホリニル、およびテトラヒドロフラン-2-イルエチルが挙げられる。
本明細書で用いる用語「シクロアルキルアルキル」は、特に断りが無い限り、シクロアルキルで置換された一価アルキル基を指し、ここでアルキルおよびシクロアルキルは上述で定義される。特定の実施態様において、アルキルおよびシクロアルキルの両方が独立して非置換であるか、または1以上の置換基で置換されてもよい。当該シクロアルキルアルキル基の例には、以下に限らないが、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、エチルシクロプロピル、エチルシクロブチル、エチルシクロペンチル、エチルシクロヘキシル、プロピルシクロペンチル、プロピルシクロヘキシルなどが挙げられる。
本明細書で用いる用語「ハロゲン」、「ハライド」または「ハロ」は、特に断りが無い限り、フッ素、塩素、臭素、および/またはヨウ素を指す。
本明細書で用いる用語「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」、「ハロアルキニル」、および「ハロアルコキシ」は、特に断りが無い限り、1以上のハロゲンまたはその組み合わせで置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、およびアルコキシ構造をいう。
本明細書で用いる用語「アルコキシ」は、特に断りが無い限り、-O-(アルキル)を指し、ここでアルキルは上述で定義される。
本明細書で用いる用語「アリールオキシ」は、特に断りが無い限り、-O-(アリール)を指し、ここでアリールは上述で定義される。
本明細書で用いる用語「アルキルスルホニル」は、特に断りが無い限り、-SO2-アルキルを指し、ここでアルキルは上述で定義される。当該アルキルスルホニル基の例には、以下に限らないが、-SO2-CH3、-SO2-CH2CH3、-SO2-(CH2)2CH3、-SO2-(CH2)3CH3、-SO2-(CH2)4CH3、-SO2-(CH2)5CH3などが挙げられる。
本明細書で用いる用語「カルボキシル」および「カルボキシ」は、特に断りが無い限り、-COOHを指す。
本明細書で用いる用語「アルコキシカルボニル」は、特に断りが無い限り、-C(=O)O-(アルキル)を指し、ここでアルキルは上述で定義される。当該アルコキシカルボニル基の例には、以下に限らないが、-C(=O)O-CH3、-C(=O)O-CH2CH3、-C(=O)O-(CH2)2CH3、-C(=O)O-(CH2)3CH3、-C(=O)O-(CH2)4CH3、-C(=O)O-(CH2)5CH3などが挙げられる。
本明細書で用いる用語「アルコキシアルキル」は、特に断りが無い限り、-(アルキル)-O-(アルキル)を指し、ここで各アルキルは独立して上述で定義されるアルキル基である。当該アルコキシアルキル基の例には、以下に限らないが、-CH2OCH3、-CH2OCH2CH3、-(CH2)2OCH2CH3、-(CH2)2O(CH2)2CH3などが挙げられる。
本明細書で用いる用語「アリールアルキルオキシ」は、特に断りが無い限り、-O-(アルキル)-(アリール)を指し、ここでアルキルおよびアリールは上述で定義される。当該アリールアルキルオキシ基の例には、以下に限らないが、-O-(CH2)2フェニル、-O-(CH2)3フェニル、-O-CH(フェニル)2、-O-CH(フェニル)3、-O-(CH2)トリル、-O-(CH2)アントラセニル、-O-(CH2)フルオレニル、-O-(CH2)インデニル、-O-(CH2)アズレニル、-O-(CH2)ナフチルなどが挙げられる。
本明細書で用いる用語「シクロアルキルオキシ」は、特に断りが無い限り、-O-(シクロアルキル)を指し、ここでシクロアルキルは上述で定義される。
本明細書で用いる用語「シクロアルキルアルキルオキシ」は、特に断りが無い限り、-O-(アルキル)-(シクロアルキル)を指し、ここでシクロアルキルおよびアルキルは上述で定義される。
本明細書で用いる用語「アシル」は、特に断りが無い限り-C(O)-Raを指し、ここでRaは、以下に限らないが、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルであり得て、それぞれ上述で定義される。特定の実施態様において、Raは非置換であるか、または1以上の置換基で置換されてもよい。
本明細書で用いる用語「アシルオキシ」は、特に断りが無い限り、-O-C(O)-Raを指し、ここでRaは、以下に限らないが、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルであり得て、それぞれ上述で定義される。特定の実施態様において、Raは非置換であるかまたは1以上の置換基で置換されてもよい。
本明細書で用いる用語「アミノ」は、特に断りが無い限り、-N(Rb)(Rb)を指し、ここで各Rbは独立して、以下に限らないが、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルであり得て、それぞれ上述で定義される。-N(Rb)(Rb)基が水素以外の2つのRbを有する場合、それらは窒素原子と結合して環を形成し得る。ある実施態様において、当該環は、3、4、5、6、7、または8員環である。ある実施態様において、1以上の環原子がO、S、またはNから独立して選択されるヘテロ原子である。また、用語「アミノ」はN-オキシド-N+(Rb)(Rb)O-も含む。特定の実施態様において、各Rbまたは-N(Rb)(Rb)で形成された環は独立して非置換であるか、または1以上の置換基で置換されてもよい。
本明細書で用いる用語「アミド」は、特に断りが無い限り、-C(O)N(Rb)2または-NRbC(O)Rbを指し、ここで各Rbは、以下に限らないが、独立して水素、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルであり得て、それぞれ上述で定義される。-C(O)N(Rb)2基が水素以外の2つのRbを有する場合、それらは窒素原子と結合して環を形成し得る。ある実施態様において、当該環は、3、4、5、6、7、または8員環である。ある実施態様において、1以上の環原子がO、S、またはNから独立して選択されるヘテロ原子である。特定の実施態様において、各Rbまたは-N(Rb)(Rb)で形成された環は独立して非置換であるか、または1以上の置換基で置換されてもよい。
本明細書で用いる用語「アミノアルキル」は、特に断りが無い限り、-(アルキル)-(アミノ)を指し、ここでアルキルおよびアミノは上述で定義される。
本明細書で用いる用語「アミノアルコキシ」は、特に断りが無い限り、-O-(アルキル)-(アミノ)を指し、ここでアルキルおよびアミノは上述で定義される。
本明細書で用いる用語「アルキルアミノ」は、特に断りが無い限り、-NH(アルキル)または-N(アルキル)(アルキル)を指し、ここでアルキルは上述で定義される。当該アルキルアミノ基の例には、以下に限らないが、-NHCH3、-NHCH2CH3、-NH(CH2)2CH3、-NH(CH2)3CH3、-NH(CH2)4CH3、-NH(CH2)5CH3、-N(CH3)2、-N(CH2CH3)2、-N((CH2)2CH3)2、-N(CH3)(CH2CH3)などが挙げられる。
本明細書で用いる用語「アリールアミノ」は、特に断りが無い限り、-NH(アリール)または-N(アリール)(アリール)を指し、ここでアリールは上述で定義される。当該アリールアミノ基の例には、以下に限らないが、-NH(フェニル)、-NH(トリル)、-NH(アントラセニル)、-NH(フルオレニル)、-NH(インデニル)、-NH(アズレニル)、-NH(ピリジニル)、-NH(ナフチル)などが挙げられる。
本明細書で用いる用語「アリールアルキルアミノ」は、特に断りが無い限り、-NH-(アルキル)-(アリール)を指し、ここでアルキルおよびアリールは上述で定義される。当該アリールアルキルアミノ基の例には、以下に限らないが、-NH-CH2-(フェニル)、-NH-CH2-(トリル)、-NH-CH2-(アントラセニル)、-NH-CH2-(フルオレニル)、-NH-CH2-(インデニル)、-NH-CH2-(アズレニル)、-NH-CH2-(ピリジニル)、-NH-CH2-(ナフチル)、-NH-(CH2)2-(フェニル)などが挙げられる。
本明細書で用いる用語「シクロアルキルアミノ」は、特に断りが無い限り、-NH-(シクロアルキル)を指し、ここでシクロアルキルは上述で定義される。当該シクロアルキルアミノ基の例には、以下に限らないが、-NH-シクロプロピル、-NH-シクロブチル、-NH-シクロペンチル、-NH-シクロヘキシル、-NH-シクロヘプチルなどが挙げられる。
本明細書で用いる用語「アルキルアミノアルキル」は、特に断りが無い限り、-(アルキル)-NH(アルキル)または-(アルキル)-N(アルキル)(アルキル)を指し、ここで各「アルキル」は独立して上述で定義されるアルキル基である。当該アルキルアミノアルキル基の例には、以下に限らないが、-CH2-NH-CH3、-CH2-NHCH2CH3、-CH2-NH(CH2)2CH3、-CH2-NH(CH2)3CH3、-CH2-NH(CH2)4CH3、-CH2-NH(CH2)5CH3、-(CH2)2-NH-CH3、-CH2-N(CH3)2、-CH2-N(CH2CH3)2、-CH2-N((CH2)2CH3)2、-CH2-N(CH3)(CH2CH3)、-(CH2)2-N(CH3)2などが挙げられる。
本明細書で用いる用語「ヒドロキシアルキル」は、特に断りが無い限り、-(アルキル)-OHを指し、ここでアルキルは上述で定義される。
本明細書で用いる用語「スルファニル」、「スルフィド」、または「チオ」は、特に断りが無い限り-S-Raを指し、ここでRaは、以下に限らないが、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルであり得て、それぞれ上述で定義される。特定の実施態様において、Raは非置換であるか、または1以上の置換基で置換されてもよい。
本明細書で用いる用語「スルホキシド」は、特に断りが無い限り-S(O)-Raを指し、ここでRaは、以下に限らないが、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルであり得て、それぞれ上述で定義される。特定の実施態様において、Raは非置換であるか、または1以上の置換基で置換されてもよい。
本明細書で用いる用語「スルホニル」または「スルホン」は、特に断りが無い限り-S(O)2-Raを指し、ここでRaは、以下に限らないが、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルであり得て、それぞれ上述で定義される。特定の実施態様において、Raは非置換であるか、または1以上の置換基で置換されてもよい。
本明細書で用いる用語「スルホンアミド」は、特に断りが無い限り、-S(=O)2-N(Rb)2または-N(Rb)-S(=O)2-Rbを指し、ここで各Rbは独立して、以下に限らないが、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルであり得て、それぞれ上述で定義される。-C(O)N(Rb)2基が水素以外の2つのRbを有する場合、それらは窒素原子と結合して環を形成し得る。ある実施態様において、当該環は、3、4、5、6、7、または8員環である。ある実施態様において、1以上の環原子がO、S、またはNから独立して選択されるヘテロ原子である。特定の実施態様において、各Rbまたは-N(Rb)(Rb)で形成された環は、独立して非置換であるか、または1以上の置換基で置換されてもよい。
本明細書で用いる用語「ボロン酸」は、特に断りが無い限り、-B(OH)2ラジカルまたは-B(OH)2を有する化合物を指す。
「アジド」は、-N3ラジカルを指す。
「シアノ」は、-CNラジカルを指す。
「ニトロ」は、-NO2ラジカルを指す。
「オキサ」は、-O-ラジカルを指す。
「オキソ」は、=Oラジカルを指す。
本明細書に記載の基が「置換」されていると言われる場合、1または複数の任意の適切な置換基で置換されてもよい。置換基の例として、以下に限らないが、本開示の実施例化合物および実施態様に含まれる置換基ならびにハロゲン(クロロ、ヨード、ブロモ、またはフルオロ)、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノ、アルキルアミノ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、チオール、チオエーテル、イミン、イミド、アミジン、グアニジン、エナミン、アミノカルボニル、アシルアミノ、ホスホネート、ホスフィン、チオカルボニル、スルフィニル、スルホン、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、尿素、ウレタン、オキシム、ヒドロキシルアミン、アルコキシアミン、アリールオキシアミン、アラルコキシアミン、N-オキシド、ヒドラジン、ヒドラジド、ヒドラゾン、アジド、イソシアネート、イソチオシアネート、シアネート、チオシアネート、オキソ(=O)、B(OH)2、O(アルキル)アミノカルボニル、単環または縮合または非縮合の多環であってもよいシクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシル)、または、単環または縮合または非縮合の多環であってもよいヘテロシクリル(例えば、ピロリジル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、またはチアジニル)、単環または縮合または非縮合の多環アリールまたはヘテロアリール(例えば、フェニル、ナフチル、ピロリル、インドリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、アクリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、またはベンゾフラニル) アリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、およびヘテロシクリルアルコキシが挙げられる。
本明細書で用いる用語「異性体」は、特に断りが無い限り、同一の分子式を有する異なる化合物を指す。「立体異性体」とは原子の空間配置のみが異なる異性体である。「アトロプ異性体」とは、単結合回りの回転に障壁があることによる立体異性体である。「エナンチオマー」とは、重ね合わせることが出来ない互いに鏡像の立体異性体のペアである。エナンチオマーのペアの任意の割合の混合物が「ラセミ」混合物として知られ得る。「ジアステレオ異性体」は少なくとも2つの非対称的な原子を有する立体異性体であるが、それらは互いに鏡像ではない。絶対立体化学はCahn-Ingold-Prelog則のR,S順位側に従って同定した。化合物がエナンチオマーである場合、各キラル炭素における立体化学はRまたはSのいずれかで同定され得る。絶対配置が未知の化合物を光学分割した場合は、それらがナトリウムD線の波長で偏光面を回転させる方向(右旋性または左旋性)によって(+)または(-)で示され得る。しかしながら、円偏光の回転の記号((+)および(-))は、分子の絶対配置(RおよびS)とは関係しない。本明細書に記載のある化合物は、1以上の非対称中心を含み、それゆえ各非対称原子での絶対立体化学によって(R)または(S)として定義され得るエナンチオマー、ジアステレオマー、およびその他の立体異性体が生じ得る。本願の化学物質、医薬組成物および方法は、とり得る全ての異性体(ラセミ混合物、光学的に実質純粋な形態および中間体混合物など)を含むことが意図される。光学活性のある(R)体および(S)体は、例えば、キラルシントンまたはキラル試薬を用いて製造され得るか、あるいは従来技術を用いて光学分割され得る。
本明細書で用いる、特に断りが無い限り、用語「立体化学的にリッチ」または「立体化学的に純粋」は、化合物の立体異性体の一方を意味し、その化合物の他方の立体異性体が実質的に無い状態を意味する。例えば、1つのキラル中心を有する立体化学的に純粋な化合物は、その化合物の他方のエナンチオマーを実質的に含まない。2つのキラル中心を有する立体化学的に純粋な化合物は、その化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まない。典型的な立体化学的に純粋な化合物は、化合物の一方の立体異性体を重量で約80%より多く、その化合物の他方の立体異性体を重量で約20%未満の状態で含むか、化合物の一方の立体異性体を重量で約90%より多く、その化合物の他方の立体異性体を重量で約10%未満の状態で含むか、化合物の一方の立体異性体を重量で約95%より多く、その化合物の他方の立体異性体を重量で約5%未満の状態で含むか、化合物の一方の立体異性体を重量で約97%より多く、その化合物の他方の立体異性体を重量で約3%未満の状態で含むか、または化合物の一方の立体異性体を重量で約99%より多く、その化合物の他方の立体異性体を重量で約1%未満の状態で含む。その全ての異性体は本開示の実施態様に含まれ、その混合物も含まれる。
本明細書で用いる用語「光学活性」、「エナンチオマー活性」、「エナンチオマーリッチ」または「エナンチオマー純粋」は、特に断りが無い限り、エナンチオマー過剰率が約50%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約91%以上、約92%以上、約93%以上、約94%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、約99.5%以上、または約99.8%以上である分子の集合をいう。
本明細書で用いる用語「対象」は、特に断りが無い限り、以下に限らないが、霊長類(例えばヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、またはマウスを含む動物を指す。「対象」および「患者」の用語は、本明細書において例えば、哺乳類の対象(例えばヒト)に対して同義で用いられる。
本明細書で用いる用語「治療」は、特に断りが無い限り、疾患または障害、または疾患または障害と関連する1以上の症状の根絶または改善をいう。一般に、治療は疾患または障害が発症した後に行われる。特定の実施態様において、当該用語は、1以上の予防剤または治療剤を疾患または障害を患う対象に投与することにより、当該疾患または障害の拡大または悪化を最小化することをいう。
本明細書で用いる用語「予防」は、特に断りが無い限り、疾患または障害、あるいはその1以上の症状の発症、再発、拡大の予防をいう。一般に、予防は疾患または障害が発症する前に行われる。
本明細書で用いる用語「対処」は、特に断りが無い限り、疾患または障害、あるいはその1以上の症状の進行、拡大または悪化を抑制または遅延させることをいう。予防剤または治療剤で得られた効果は、対象の疾患または障害の治癒に繋がらないこともある。
本明細書で用いる用語「治療上有効量」は、特に断りが無い限り、投与されると、治療する障害や疾患、または病状の1以上の症状の進行をある程度まで阻止または軽減するのに十分な化合物の量を含むことを意味する。また、用語「治療上有効量」は、細胞、組織、系、動物、またはヒトの生物学的または医学的応答を生じさせるのに十分な化合物の量をいい、研究者、獣医師、医者、または臨床医の求める量である。
本明細書で用いる用語「IC50」は、特に断りが無い限り、反応を測定するアッセイにおけるその最大の応答を、50%阻害するために必要な化合物の量、濃度、または投薬量をいう。
本明細書で生物学的に活性な薬剤に用いる用語「選択的阻害」または「選択的に阻害する」は、特に断りが無い限り、直接的または間接的な標的との相互作用を介して、オフターゲットシグナル伝達活性と比較して、標的シグナル伝達活性を選択的に減少させる効果を指す。ある実施態様において、その選択性は約1倍、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約50倍、約100倍、約200倍、約400倍、約600倍、約800倍、約1000倍、約1500倍、約2000倍、約5000倍、約10,000倍、または約20,000倍より大きくなり得る。ここで選択性はIC50値の比により測定することができ、このIC50値は、例えば本明細書に記載の実施例に記載されているようなインビトロまたはインビボアッセイにより測定され得る。
本明細書で用いる用語「医薬的に許容される担体」、「医薬的に許容される賦形剤」、「生理学的に許容できる担体」または「生理学的に許容される賦形剤」は、特に断りが無い限り、医薬的に許容される物質、組成物、またはビークル(例えば液体または固体の増量剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、またはカプセル化物質)を指す。ある実施態様において、各成分は、医薬製剤のその他の成分と適合するという意味で「医薬的に許容され」、過度な毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性、またはその他の問題または合併症を伴うことなくヒトおよび動物の組織と接触させるのに適しており、合理的なベネフィット/リスク比となる。Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition, Lippincott Williams & Wilkins: Philadelphia, PA, 2005、Handbook of Pharmaceutical Excipients, 5th Edition, Rowe et al., Eds., The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association: 2005、Handbook of Pharmaceutical Additives, 3rd Edition, Ash and Ash Eds., Gower Publishing Company: 2007、およびPharmaceutical Preformulation and Formulation, Gibson Ed., CRC Press LLC: Boca Raton, FL, 2004を参照のこと。
化合物について本明細書で用いる用語「医薬的に許容される形態」には、特に断りが無い限り、以下に限らないが、その化合物の医薬的に許容される塩、水和物、溶媒和物、異性体、プロドラッグ、および同位体標識された誘導体が含まれる。
特定の実施態様において、医薬的に許容される形態とは、医薬的に許容される塩である。本明細書で用いる用語「医薬的に許容される塩」とは、通常の医学的判断の範囲内において、対象の組織と過度な毒性、刺激、アレルギー反応などを伴うことなく接触させるのに適しており、合理的なベネフィット/リスク比となる塩を指す。医薬的に許容される塩は当該分野において周知の。例えば、Bergeらは、医薬的に許容される塩についてJ. Pharmaceutical Sciences (1977) 66:1-19で詳しく記載している。本明細書に記載の化合物の医薬的に許容される塩は、適切な無機および有機の酸および塩基に由来するものを含む。医薬的に許容される無毒な酸付加塩の例には、無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸)とまたは有機酸(例えば酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸またはマロン酸)と形成するアミノ基の塩、または当該分野において用いられるその他の方法(例えばイオン交換)で形成される塩がある。その他の医薬的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ベシル酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ナフタレン-m,n-ビススルホン酸塩塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。一部の実施態様において、有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ナフタレン-m,n-ビススルホン酸など)に由来する塩が含まれ得る。
適当な塩基に由来する医薬的に許容される塩には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩およびN+(C1-4アルキル)4塩が挙げられる。代表的なアルカリ金属またはアルカリ土類金属には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどが含まれる。さらに、医薬的に許容される塩には、適当な毒性のないアンモニウム、4級アンモニウム、およびカウンターイオン(例えばハライド、ヒドロキシド、カルボキシレート、硫酸、リン酸、硝酸、低級アルキルスルホン酸、およびアリールスルホン酸)を用いて形成されるアミンカチオンが含まれる。有機塩基(例えば、置換アミン、天然置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などを含む一級アミン、二級アミン、および三級アミン(例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミン))に由来する塩も含まれ得る。一部の実施態様において、医薬的に許容される塩基付加塩は、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、およびマグネシウム塩から選択される。
本明細書で用いる用語「溶媒和物」は、特に断りが無い限り、本明細書に記載の化合物またはその塩を指し、さらに化学量論量または非化学量論量の、非共有分子間力によって結合する溶媒も含む。溶媒が水の場合、溶媒和物は水和物である。
本明細書で用いる用語「互変異性体」は、特に断りが無い限り、互いに平衡状態の化合物の異性体を指す。異性体の濃度は化合物の存在する環境によって異なり、例えば、化合物が固体であるか、あるいは有機溶媒または水溶液のいずれに存在するかによって異なり得る。
特定の実施態様において、医薬的に許容される形態とは、プロドラッグである。本明細書で化合物について用いる用語「プロドラッグ」は、特に断りが無い限り、当該化合物またはその医薬的に許容される形態を産生するためにインビボで変換される化合物をいう。対象に投与される際、プロドラッグは不活性であり得るが、インビボで(例えば、加水分解(血中での加水分解など)によって)活性化合物に変換される。また、用語「プロドラッグ」は、当該プロドラッグが対象に投与された際に活性化合物をインビボで放出する任意の共有結合した担体を含むことも意味する。本明細書に記載の活性化合物のプロドラッグは、活性化合物中の修飾官能基により、その修飾部分が所定の操作またはインビボでの働きのいずれかにより、元の活性化合物に開裂することで製造され得る。プロドラッグには、ヒドロキシ基、アミノ基またはメルカプト基が任意の基に結合しており、活性化合物のプロドラッグが対象に投与された際、開裂して、それぞれ遊離ヒドロキシ基、遊離アミノ基または遊離メルカプト基となる化合物が含まれる。プロドラッグの例には、以下に限らないが、活性化合物などにおけるアルコールまたはアセトアミドの酢酸、ギ酸および安息香酸塩誘導体、アミン官能基のホルムアミドおよびベンズアミド誘導体が含まれる。プロドラッグのその他の例には、-NO、-NO2、-ONO、または-ONO2の部分を有する化合物が含まれる。プロドラッグは一般に周知の方法(例えばBurger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery, 172 178, 949 982 (Manfred E. Wolff ed., 5th ed., 1995)、およびDesign of Prodrugs (H. Bundgaard ed., Elsevier, New York, 1985)に記載の方法)を用いて製造され得る。
特に断りが無い限り、本明細書に記載の構造は、同位体リッチな1以上の原子の存在のみが異なる化合物も含むことを意味する。開示化合物に含まれ得る同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、および塩素の同位体(例えば、それぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Cl)が挙げられる。例えば、分子内の1以上の原子で水素が重水素またはトリチウムと置換されているか、または過剰になっている、あるいは分子内の1以上の原子で炭素が13Cまたは14Cと置換されているか、または過剰になっている以外は同一の構造を有する化合物も本開示の範囲内である。ある実施態様において、1以上の水素原子が重水素で置換されているか、または過剰になっている同位体標識化合物が本明細書により提供される。ある実施態様において、1以上の水素原子がトリチウムで置換されているか、または過剰になっている同位体標識化合物が本明細書により提供される。ある実施態様において、1以上の炭素原子が13Cで置換されているか、または過剰になっている同位体標識化合物が本明細書により提供される。ある実施態様において、1以上の炭素原子が14Cで置換されているか、または過剰になっている同位体標識化合物が本明細書により提供される。
本明細書で用いる用語「約」または「おおよそ」は、特に断りが無い限り、当業者により決定される特定の値の許容範囲の誤差を意味し、どのように値が測定され、または決定されるかによって部分的に異なる。特定の実施態様において、用語「約」または「おおよそ」は、標準偏差が1、2、3、または4以内であることを意味する。特定の実施態様において、用語「約」または「おおよそ」は、記載の値または範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、または0.05%以内であることを意味する。
本明細書で用いる用語「活性成分」および「活性物質」は、特に断りが無い限り、病状、障害、または疾患の1以上の症状を治療、予防、または改善するために、単体または1以上の医薬的に許容される賦形剤と組合せて対象に投与される化合物をいう。本明細書で用いる「活性成分」および「活性物質」は、本明細書に記載の化合物の光学異性体であってもよい。
本明細書で用いる用語「薬物」、「治療剤」、および「化学療法剤」は、特に断りが無い限り、病状、障害、または疾患の1以上の症状を治療、予防、または改善するために対象に投与される化合物、またはその医薬組成物をいう。
(化合物)
本開示は、三環系縮合ピリミジン化合物、およびその医薬的に許容される塩、溶媒和物(例えば水和物)、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物を提供する。
ある実施態様において、本開示は、式(I):
Figure 2024530927000003
[式中、
Xは、CR5またはNであり;
Yは、NR6、CR7R8、またはOであり;
Zは、NR6またはOであり;
Qは、S、NR6、またはCR7R8であり;
nは、1、2、3、または4であり;
mは、1、2、3、または4であり;
tは、0、1、2、3、または4であり;
R1は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり;
各R2は、独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OR'、または-NR'R''であり、ここでR'およびR''は、独立して水素、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであるか、またはR'およびR''は、窒素と一体になって環を形成し;あるいは
2つのR2が一体になってC1-C3アルキレンを形成し;
各R3は、独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アミド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり;
各R5、R6、R7、およびR8は、独立して水素またはアルキルであり;
Wは、
-L-(NR6)s-C(=O)-(CR10=CR10)-R11
-L-(NR6)s-C(=O)-C(=CR10R10)-R11
-L-(CR10=CR10)-C(=O)-(NR6)s-R11
-L-C(=CR10R10)-C(=O)-(NR6)s-R11
-L-(NR6)s-S(=O)2-(CR10=CR10)-R11
-L-(NR6)s-S(=O)2-C(=CR10R10)-R11
-L-(CR10=CR10)-S(=O)2-(NR6)s-R11、または
-L-C(=CR10R10)-S(=O)2-(NR6)s-R11であり;
Lは、結合またはC1-C3アルキレンであり;
sは、0または1であり;
各R10は、独立して水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、またはハロゲンであり;
R11は、水素、-OR12、-(C1-C3アルキレン)-OR12、-NR12R13、-(C1-C3アルキレン)-NR12R13、シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)-シクロアルキル、ヘテロシクリル、-(C1-C3アルキレン)-ヘテロシクリル、アリール、-(C1-C3アルキレン)-アリール、ヘテロアリール、または-(C1-C3アルキレン)-ヘテロアリールであり;および
R12およびR13は、独立して水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキルであるか、またはR12およびR13は、窒素と一体になって環を形成する]
の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物(例えば水和物)、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物を提供する。
ある実施態様において、nは1である。別の実施態様において、nは2である。さらに別の実施態様において、nは3である。さらに別の実施態様において、nは4である。
ある実施態様において、mは1である。別の実施態様において、mは2である。さらに別の実施態様において、mは3である。さらに別の実施態様において、mは4である。
ある実施態様において、nは1であり、mは1または2である。別の実施態様において、nは1または2であり、およびmは1である。
ある実施態様において、nは2であり、mは1である。ある実施態様において、本開示は、式(II-1):
Figure 2024530927000004
の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物(例えば水和物)、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物を提供する。
ある実施態様において、nは1であり、mは2である。ある実施態様において、本開示は、式(II-2):
Figure 2024530927000005
の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物(例えば水和物)、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物を提供する。
ある実施態様において、nは1であり、mは1である。ある実施態様において、本開示は、式(II-3):
Figure 2024530927000006
の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物(例えば水和物)、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物を提供する。
ある実施態様において、nは2であり、mは2である。ある実施態様において、本開示は、式(II-4):
Figure 2024530927000007
の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物(例えば水和物)、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物を提供する。
ある実施態様において、nは3であり、mは1である。ある実施態様において、本開示は、式(II-5):
Figure 2024530927000008
の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物(例えば水和物)、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物を提供する。
ある実施態様において、nは1であり、mは3である。別の実施態様において、nは1であり、mは4である。さらに別の実施態様において、nは2であり、mは3である。さらに別の実施態様において、nは2であり、mは4である。さらに別の実施態様において、nは3であり、mは2である。さらに別の実施態様において、nは3であり、mは3である。さらに別の実施態様において、nは3であり、mは4である。さらに別の実施態様において、nは4であり、mは1である。さらに別の実施態様において、nは4であり、mは2である。さらに別の実施態様において、nは4であり、mは3である。さらに別の実施態様において、nは4であり、mは4である。
ある実施態様において、tは0である。別の実施態様において、tは1である。さらに別の実施態様において、tは2である。さらに別の実施態様において、tは3である。さらに別の実施態様において、tは4である。
ある実施態様において、tが1である場合、
Figure 2024530927000009
の部分は
Figure 2024530927000010
である。別の実施態様において、tが1である場合、
Figure 2024530927000011
の部分は
Figure 2024530927000012
である。
ある実施態様において、本開示は、式(III-1)、(III-2)、(III-3)、(III-4)、または(III-5):
Figure 2024530927000013
の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物(例えば水和物)、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物を提供する。
ある実施態様において、tが2である場合、
Figure 2024530927000014
の部分は
Figure 2024530927000015
である。
ある実施態様において、tが3である場合、
Figure 2024530927000016
の部分は
Figure 2024530927000017
である。
ある実施態様において、tが4である場合、
Figure 2024530927000018
の部分は
Figure 2024530927000019
である。
ある実施態様において、YはNR6である。ある実施態様において、YはNHである。ある実施態様において、YはNR6であり、ここでR6はアルキルである。ある実施態様において、YはNR6であり、ここでR6はC1-4アルキルである。ある実施態様において、YはNR6であり、ここでR6はメチルである。
ある実施態様において、YはCR7R8である。ある実施態様において、YはCH2である。ある実施態様において、YはCR7R8であり、ここでR7およびR8の一方がHであり、他方がアルキルである。ある実施態様において、YはCR7R8であり、ここでR7およびR8の一方がHであり、他方がC1-4アルキルである。ある実施態様において、YはCR7R8であり、ここでR7およびR8の一方がHであり、他方がメチルである。ある実施態様において、YはCR7R8であり、ここでR7およびR8は独立してアルキルである。ある実施態様において、YはCR7R8であり、ここでR7およびR8は独立してC1-4アルキルである。ある実施態様において、YはCR7R8であり、ここでR7およびR8は両方メチルである。
ある実施態様において、YはOである。
ある実施態様において、ZはNR6である。ある実施態様において、ZはNHである。ある実施態様において、ZはNR6であり、ここでR6はアルキルである。ある実施態様において、ZはNR6であり、ここでR6はC1-4アルキルである。ある実施態様において、ZはNR6であり、ここでR6はメチルである。
ある実施態様において、ZはOである。
ある実施態様において、YはNHであり、ZはOである。別の実施態様において、YはNHであり、ZはNHである。別の実施態様において、YはOであり、ZはOである。別の実施態様において、YはOであり、ZはNHである。
ある実施態様において、QはSである。
ある実施態様において、QはNR6である。ある実施態様において、QはNHである。ある実施態様において、QはNR6であり、ここでR6はアルキルである。ある実施態様において、QはNR6であり、ここでR6はC1-4アルキルである。ある実施態様において、QはNR6であり、ここでR6はメチルである。
ある実施態様において、QはCR7R8である。ある実施態様において、QはCH2である。ある実施態様において、QはCR7R8であり、ここでR7およびR8の一方がHであり、他方がアルキルである。ある実施態様において、QはCR7R8であり、ここでR7およびR8の一方がHであり、他方がC1-4アルキルである。ある実施態様において、QはCR7R8であり、ここでR7およびR8の一方がHであり、他方がメチルである。ある実施態様において、QはCR7R8であり、ここでR7およびR8は独立してアルキルである。ある実施態様において、QはCR7R8であり、ここでR7およびR8は独立してC1-4アルキルである。ある実施態様において、QはCR7R8であり、ここでR7およびR8は両方メチルである。
ある実施態様において、本開示は、式(IV-1)、(IV-2)、(IV-3)、(IV-4)、(IV-5)、(IV-6)、または(IV-7):
Figure 2024530927000020
の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物(例えば水和物)、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物を提供する。
ある実施態様において、XはCR5である。ある実施態様において、XはCHである。ある実施態様において、XはCR5であり、ここでR5はアルキルである。ある実施態様において、XはCR5であり、ここでR5はC1-4アルキルである。ある実施態様において、XはCR5であり、ここでR5はメチルである。
ある実施態様において、XはNである。
ある実施態様において、Wは-L-(NR6)s-C(=O)-(CR10=CR10)-R11である。ある実施態様において、Wは-NR6-C(=O)-(CR10=CR10)-R11である。ある実施態様において、Wは-NH-C(=O)-(CR10=CR10)-R11である。ある実施態様において、Wは-L-C(=O)-(CR10=CR10)-R11である。ある実施態様において、Wは-CH2-C(=O)-(CR10=CR10)-R11である。ある実施態様において、Wは-C(=O)-(CR10=CR10)-R11である。
ある実施態様において、Wは-L-(NR6)s-C(=O)-C(=CR10R10)-R11である。ある実施態様において、Wは-NR6-C(=O)-C(=CR10R10)-R11である。ある実施態様において、Wは-NH-C(=O)-C(=CR10R10)-R11である。ある実施態様において、Wは-L-C(=O)-C(=CR10R10)-R11である。ある実施態様において、Wは-CH2-C(=O)-C(=CR10R10)-R11である。ある実施態様において、Wは-C(=O)-C(=CR10R10)-R11である。
ある実施態様において、Wは-L-(CR10=CR10)-C(=O)-(NR6)s-R11である。ある実施態様において、Wは-(CR10=CR10)-C(=O)-NR6-R11である。ある実施態様において、Wは-(CR10=CR10)-C(=O)-NH-R11である。ある実施態様において、Wは-L-(CR10=CR10)-C(=O)-R11である。ある実施態様において、Wは-CH2-(CR10=CR10)-C(=O)-R11である。ある実施態様において、Wは-(CR10=CR10)-C(=O)-R11である。
ある実施態様において、Wは-L-C(=CR10R10)-C(=O)-(NR6)s-R11である。ある実施態様において、Wは-C(=CR10R10)-C(=O)-NR6-R11である。ある実施態様において、Wは-C(=CR10R10)-C(=O)-NH-R11である。ある実施態様において、Wは-L-C(=CR10R10)-C(=O)-R11である。ある実施態様において、Wは-CH2-C(=CR10R10)-C(=O)-R11である。ある実施態様において、Wは-C(=CR10R10)-C(=O)-R11である。
ある実施態様において、Wは-L-(NR6)s-S(=O)2-(CR10=CR10)-R11である。ある実施態様において、Wは-NR6-S(=O)2-(CR10=CR10)-R11である。ある実施態様において、Wは-NH-S(=O)2-(CR10=CR10)-R11である。ある実施態様において、Wは-L-S(=O)2-(CR10=CR10)-R11である。ある実施態様において、Wは-CH2-S(=O)2-(CR10=CR10)-R11である。ある実施態様において、Wは-S(=O)2-(CR10=CR10)-R11である。
ある実施態様において、Wは-L-(NR6)s-S(=O)2-C(=CR10R10)-R11である。ある実施態様において、Wは-NR6-S(=O)2-C(=CR10R10)-R11である。ある実施態様において、Wは-NH-S(=O)2-C(=CR10R10)-R11である。ある実施態様において、Wは-L-S(=O)2-C(=CR10R10)-R11である。ある実施態様において、Wは-CH2-S(=O)2-C(=CR10R10)-R11である。ある実施態様において、Wは-S(=O)2-C(=CR10R10)-R11である。
ある実施態様において、Wは-L-(CR10=CR10)-S(=O)2-(NR6)s-R11である。ある実施態様において、Wは-(CR10=CR10)-S(=O)2-NR6-R11である。ある実施態様において、Wは-(CR10=CR10)-S(=O)2-NH-R11である。ある実施態様において、Wは-L-(CR10=CR10)-S(=O)2-R11である。ある実施態様において、Wは-CH2-(CR10=CR10)-S(=O)2-R11である。ある実施態様において、Wは-(CR10=CR10)-S(=O)2-R11である。
ある実施態様において、Wは-L-C(=CR10R10)-S(=O)2-(NR6)s-R11である。ある実施態様において、Wは-C(=CR10R10)-S(=O)2-NR6-R11である。ある実施態様において、Wは-C(=CR10R10)-S(=O)2-NH-R11である。ある実施態様において、Wは-L-C(=CR10R10)-S(=O)2-R11である。ある実施態様において、Wは-CH2-C(=CR10R10)-S(=O)2-R11である。ある実施態様において、Wは-C(=CR10R10)-S(=O)2-R11である。
ある実施態様において、Wは、
Figure 2024530927000021
である。
ある実施態様において、Wは、
Figure 2024530927000022
である。
ある実施態様において、XはNであり、Wは-C(=O)-(CR10=CR10)-R11である。ある実施態様において、XはNであり、Wは-C(=O)-C(=CR10R10)-R11である。ある実施態様において、XはNであり、Wは-S(=O)2-(CR10=CR10)-R11である。ある実施態様において、XはNであり、Wは-S(=O)2-C(=CR10R10)-R11である。
ある実施態様において、XはCR5であり、Wは-(NR6)s-C(=O)-(CR10=CR10)-R11である。ある実施態様において、XはCR5であり、Wは-(NR6)s-C(=O)-C(=CR10R10)-R11である。ある実施態様において、XはCR5であり、Wは-(NR6)s-S(=O)2-(CR10=CR10)-R11である。ある実施態様において、XはCR5であり、Wは-(NR6)s-S(=O)2-C(=CR10R10)-R11である。
ある実施態様において、Wの炭素炭素二重結合(CR10=CR10)はE体である。ある実施態様において、Wの炭素炭素二重結合(CR10=CR10)はZ体である。ある実施態様において、Wの炭素炭素二重結合C(=CR10R10)はE体である。ある実施態様において、Wの炭素炭素二重結合C(=CR10R10)はZ体である。
ある実施態様において、Lは結合である。ある実施態様において、LはC1-C3アルキレンである。ある実施態様において、Lはメチレンである。ある実施態様において、LはCH2である。ある実施態様において、アルキレンは置換されていない。別の実施態様において、アルキレンは1以上の置換基で置換されている。ある実施態様において、アルキレンは1以上のアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、またはハロゲンで置換されている。
ある実施態様において、sは0である。別の実施態様において、sは1である。
ある実施態様において、各R10は、独立して水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、またはハロゲンである。ある実施態様において、各R10は、独立して水素またはアルキルである。ある実施態様において、各R10は、独立して水素またはC1-4アルキルである。ある実施態様において、各R10は、独立して水素またはメチルである。ある実施態様において、R10の両方が水素である。ある実施態様において、R10の一方が水素であり、他方がメチルである。ある実施態様において、R10の両方がメチルである。
ある実施態様において、本開示は、式(V-1)、(V-2)、(V-3)、(V-4)、(V-5)、(V-6)、(V-7)、(V-8)、(V-9)、(V-10)、(V-11)、(V-12)、(V-13)、または(V-14):
Figure 2024530927000023
Figure 2024530927000024
の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物(例えば水和物)、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物を提供する。
ある実施態様において、R11は水素である。
ある実施態様において、R11はシクロアルキルである。ある実施態様において、R11は-(C1-C3アルキレン)-シクロアルキルである。ある実施態様において、R11は-CH2-シクロアルキルである。
ある実施態様において、R11はヘテロシクリルである。ある実施態様において、R11は-(C1-C3アルキレン)-ヘテロシクリルである。ある実施態様において、R11は-CH2-ヘテロシクリルである。
ある実施態様において、R11はアリールである。ある実施態様において、R11は-(C1-C3アルキレン)-アリールである。ある実施態様において、R11は-CH2-アリールである。
ある実施態様において、R11はヘテロアリールである。ある実施態様において、R11は-(C1-C3アルキレン)-ヘテロアリールである。ある実施態様において、R11は-CH2-ヘテロアリールである。
ある実施態様において、R11は-OR12である。ある実施態様において、R11は-(C1-C3アルキレン)-OR12である。ある実施態様において、R11は-CH2-OR12である。ある実施態様において、R11は-CH2-OEtである。ある実施態様において、R12は水素である。ある実施態様において、R12はアルキルである。ある実施態様において、R12はヘテロアルキルである。ある実施態様において、R12はシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールである。ある実施態様において、R12はシクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキルである。
ある実施態様において、R11は-NR12R13である。ある実施態様において、R11は-(C1-C3アルキレン)-NR12R13である。ある実施態様において、R11は-CH2-NR12R13である。
ある実施態様において、R12およびR13は、独立して水素またはアルキルである。ある実施態様において、R12およびR13は、独立して水素またはC1-4アルキルである。ある実施態様において、R12およびR13は、独立して水素またはメチルである。ある実施態様において、R12およびR13は両方水素である。ある実施態様において、R12およびR13の一方が水素であり、他方がメチルである。ある実施態様において、R12およびR13は両方メチルである。ある実施態様において、R11は-CH2-NMe2である。ある実施態様において、R12およびR13の一方が水素またはアルキルであり、他方がヘテロアルキルである。ある実施態様において、R12およびR13の一方が水素またはアルキルであり、他方がシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールである。ある実施態様において、R12およびR13の一方が水素またはアルキルであり、他方がシクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキルである。
ある実施態様において、R12およびR13は、窒素と一体になって環を形成する。ある実施態様において、R11は-CH2-NR12R13であり、ここでR12およびR13は、窒素と一体になって環を形成する。
ある実施態様において、R11、R12、およびR13のシクロアルキル(シクロアルキルアルキルのシクロアルキル部分を含む)は独立してC3-10シクロアルキルである。シクロアルキル基の例には、以下に限らないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、デカリニル、およびアダマンチルが挙げられる。ある実施態様において、シクロアルキルはシクロプロピルである。ある実施態様において、シクロアルキルはシクロブチルである。ある実施態様において、シクロアルキルはシクロペンチルである。ある実施態様において、シクロアルキルはシクロヘキシルである。
ある実施態様において、R11、R12、およびR13のアリール(アリールアルキルのアリール部分を含む)は独立してC6-14アリールである。アリール基の例には、以下に限らないが、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アズレニル、アントリル、フェナントリル、およびピレニルが挙げられる。ある実施態様において、アリールはフェニルである。ある実施態様において、アリールはナフチルである。
ある実施態様において、R11、R12、およびR13のヘテロシクリル(ヘテロシクリルアルキルのヘテロシクリル部分を含む)は独立して3~14員のヘテロシクリルである。
ある実施態様において、ヘテロシクリルは3~8員の単環ヘテロシクリルである。ある実施態様において、ヘテロシクリルは5員の単環ヘテロシクリルである。ある実施態様において、ヘテロシクリルは6員の単環ヘテロシクリルである。単環ヘテロシクリル基の例には、以下に限らないが、アジリジニル、オキシラニル、チオレニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、ジオキソラニル、オキサチオラニルおよびジチオラニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、チアニル、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼパニル、ジアゼパニル、アゾカニル、オキサゾカニル、ジアゾカニル、オキセカニル、およびチオカニルが挙げられる。ある実施態様において、ヘテロシクリルはアゼチジニルである。ある実施態様において、ヘテロシクリルはピロリジニルである。ある実施態様において、ヘテロシクリルはピペリジニルである。ある実施態様において、ヘテロシクリルはピペラジニルである。ある実施態様において、ヘテロシクリルはモルホリニルである。
ある実施態様において、ヘテロシクリルは二環ヘテロシクリルである。ある実施態様において、ヘテロシクリルは縮合ヘテロシクリルである。ある実施態様において、ヘテロシクリルは5,6-縮合ヘテロシクリルである。ある実施態様において、ヘテロシクリルは6,6-縮合ヘテロシクリルである。ある実施態様において、ヘテロシクリルは架橋ヘテロシクリルである。ある実施態様において、ヘテロシクリルはスピロヘテロシクリルである。ある実施態様において、ヘテロシクリルは、第1の環がアジリジニル、オキシラニル、チオレニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、ジオキソラニル、オキサチオラニル、ジチオラニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、チアニル、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼパニル、ジアゼパニル、アゾカニル、オキサゾカニル、ジアゾカニル、オキセカニル、およびチオカニルからなる群から選択される二環ヘテロシクリルであって、第2の環と共に縮合環、架橋環、またはスピロ環となる。ある実施態様において、第1の環はアゼチジニルである。ある実施態様において、第1の環はピロリジニルである。ある実施態様において、第1の環はピペリジニルである。ある実施態様において、第1の環はピペラジニルである。ある実施態様において、第1の環はモルホリニルである。
ある実施態様において、R11、R12、およびR13のヘテロアリール(ヘテロアリールアルキルのヘテロアリール部分を含む)は独立して5~14員のヘテロアリールである。
ある実施態様において、ヘテロアリールは単環ヘテロアリールである。ある実施態様において、ヘテロアリールは5~10員の単環ヘテロアリールである。ある実施態様において、ヘテロアリールは5員の単環ヘテロアリールである。ある実施態様において、ヘテロアリールは6員の単環ヘテロアリールである。5員の単環ヘテロアリール基の例として、以下に限らないが、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、およびテトラゾリルが挙げられる。6員の単環ヘテロアリール基の例として、以下に限らないが、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルおよびテトラジニルが挙げられる。
ある実施態様において、ヘテロアリールは二環ヘテロアリールである。ある実施態様において、ヘテロアリールは5,6-二環ヘテロアリールである。ある実施態様において、ヘテロアリールは6,6-二環ヘテロアリールである。5,6-二環ヘテロアリール基の例として、以下に限らないが、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルが挙げられる。6,6-二環ヘテロアリール基には、以下に限らないが、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニルおよびキナゾリニルが挙げられる。
ある実施態様において、(NR12R13によって形成される)環はヘテロシクリルである。ある実施態様において、環は3~14員のヘテロシクリルである。
ある実施態様において、環は単環ヘテロシクリルである。ある実施態様において、環は3~8員の単環ヘテロシクリルである。ある実施態様において、環は5員の単環ヘテロシクリルである。ある実施態様において、環は6員の単環ヘテロシクリルである。単環ヘテロシクリル基の例には、以下に限らないが、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、ピペリジニル、ジヒドロピリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、アゼパニル、オキサゼパニル、ジアゼパニル、およびアゾカニルが挙げられる。ある実施態様において、環はアゼチジニルである。ある実施態様において、環はピロリジニルである。ある実施態様において、環はピペリジニルである。ある実施態様において、環はピペラジニルである。ある実施態様において、環はモルホリニルである。
ある実施態様において、環は二環ヘテロシクリルである。ある実施態様において、環は縮合ヘテロシクリルである。ある実施態様において、環は5,6-縮合ヘテロシクリルである。ある実施態様において、環は6,6-縮合ヘテロシクリルである。ある実施態様において、環は架橋ヘテロシクリルである。ある実施態様において、環はスピロヘテロシクリルである。ある実施態様において、環は第1の環がアジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、ピペリジニル、ジヒドロピリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、アゼパニル、オキサゼパニル、ジアゼパニル、およびアゾカニルからなる群から選択される、二環ヘテロシクリルであって、第2の環と共に縮合環、架橋環、またはスピロ環となる。ある実施態様において、第1の環はアゼチジニルである。ある実施態様において、第1の環はピロリジニルである。ある実施態様において、第1の環はピペリジニルである。ある実施態様において、第1の環はピペラジニルである。ある実施態様において、第1の環はモルホリニルである。
ある実施態様において、(NR12R13によって形成される)環はヘテロアリールである。ある実施態様において、環は5~14員のヘテロアリールである。
ある実施態様において、環は単環ヘテロアリールである。ある実施態様において、環は5~10員の単環ヘテロアリールである。ある実施態様において、環は5員の単環ヘテロアリールである。ある実施態様において、環は6員の単環ヘテロアリールである。5員の単環ヘテロアリール基の例として、以下に限らないが、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリルおよびテトラゾリルが挙げられる。6員の単環ヘテロアリール基の例として、以下に限らないが、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルおよびテトラジニルが挙げられる。
ある実施態様において、環は二環ヘテロアリールである。ある実施態様において、環は5,6-二環ヘテロアリールである。ある実施態様において、環は6,6-二環ヘテロアリールである。5,6-二環ヘテロアリール基の例として、以下に限らないが、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、およびプリニルが挙げられる。6,6-二環ヘテロアリール基には、以下に限らないが、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルが挙げられる。
ある実施態様において、R11、R12、およびR13における(NR12R13によって形成される)環、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール基は、単環基である。ある実施態様において、R11、R12、およびR13における環、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール基は複数環基である。ある実施態様において、複数環基とは、縮合環基、架橋環基、またはスピロ環基である。
ある実施態様において、R11は、
Figure 2024530927000025
Figure 2024530927000026
Figure 2024530927000027
である。
ある実施態様において、R11、R12、およびR13におけるOR12、NR12R13、(NR12R13によって形成される)環、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール基は、-CH2-リンカーのない上記R11基のいずれか1つである。
ある実施態様において、R11、R12、およびR13は、独立して1、2、3、4、5、または6個のR14で適宜置換されていてもよい。ある実施態様において、R11、R12、およびR13におけるシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール基、または(NR12R13によって形成される)環は1、2、3、4、5、または6個のR14で適宜置換されていてもよい。ある実施態様において、各R14は独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、アミド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アシル、N-アシル、カルボニル、オキソ、スルホニル、スルホンアミド、およびボロン酸からなる群から選択される。
ある実施態様において、各R14は独立してメチル、エチル、ヒドロキシル、およびヒドロキシルメチルからなる群から選択される。
ある実施態様において、各R14は独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、アミド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アシル、N-アシル、カルボニル、オキソ、スルホニル、スルホンアミド、およびボロン酸から選択される1以上の基で適宜置換されていてもよい。
ある実施態様において、R1はアリールである。ある実施態様において、R1はC6-C10アリールである。ある実施態様において、R1はフェニルである。ある実施態様において、R1はナフチルである。ある実施態様において、R1は1-ナフチルである。ある実施態様において、R1は2-ナフチルである。別の実施態様において、R1はフルオレニル、アズレニル、アントリル、フェナントリル、またはピレニルである。
ある実施態様において、R1はヘテロアリールである。ある実施態様において、R1は5~18員のヘテロアリールである。ある実施態様において、ヘテロアリールはN、S、およびOからなる群から独立して選択される、1、2、または3個のヘテロ原子を含む。
ある実施態様において、R1は単環ヘテロアリールである。ある実施態様において、R1は5~10員の単環ヘテロアリールである。ある実施態様において、R1は5員の単環ヘテロアリールである。ある実施態様において、R1は6員の単環ヘテロアリールである。ある実施態様において、R1はピロリル、ピラゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チエニル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、またはトリアジニルである。ある実施態様において、R1はピリジル、ピリダジニル、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピラゾリル、またはピロリルである。ある実施態様において、ここでR1はピリジルである。ある実施態様において、ここでR1は2-ピリジルである。ある実施態様において、ここでR1は3-ピリジルである。ある実施態様において、ここでR1は4-ピリジルである。
ある実施態様において、R1は二環ヘテロアリールである。ある実施態様において、R1は5,6-二環ヘテロアリールである。ある実施態様において、R1は6,6-二環ヘテロアリールである。ある実施態様において、R1はインドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、クロモニル、クマリニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、プリニル、ピロロピリジニル、フロピリジニル、チエノピリジニル、ジヒドロイソインドリル、またはテトラヒドロキノリニルである。
ある実施態様において、R1は三環式ヘテロアリールである。ある実施態様において、R1はカルバゾリル、ベンズインドリル、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、またはキサンテニルである。
ある実施態様において、R1はシクロアルキルである。ある実施態様において、R1はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、デカリニル、またはアダマンチルである。
ある実施態様において、R1はヘテロシクリルである。ある実施態様において、R1はテトラヒドロフラニル、2,3-ジヒドロ-4H-ピラニル、ピロリニル、ピロリジニル、1,3-チアゾリジニル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、またはアゼパニルである。
ある実施態様において、R1は、
Figure 2024530927000028
である。
ある実施態様において、R1は置換されていない。ある実施態様において、R1は1個のR9で置換されている。ある実施態様において、R1は2個のR9で置換されている。ある実施態様において、R1は3個のR9で置換されている。ある実施態様において、R1は4個のR9で置換されている。ある実施態様において、R1は5個のR9で置換されている。ある実施態様において、R1は6個のR9で置換されている。
ある実施態様において、R1は置換されていないピリジルである。ある実施態様において、R1は1個のR9で置換されたピリジルである。ある実施態様において、R1は2個のR9で置換されたピリジルである。ある実施態様において、R1は3個のR9で置換されたピリジルである。ある実施態様において、R1は4個のR9で置換されたピリジルである。
ある実施態様において、R1は置換されていない3-ピリジルである。ある実施態様において、R1は1個のR9で置換された3-ピリジルである。ある実施態様において、R1は2個のR9で置換された3-ピリジルである。ある実施態様において、R1は3個のR9で置換された3-ピリジルである。ある実施態様において、R1は4個のR9で置換された3-ピリジルである。
ある実施態様において、R1
Figure 2024530927000029
である。ある実施態様において、R1
Figure 2024530927000030
である。ある実施態様において、R1
Figure 2024530927000031
である。ある実施態様において、R1
Figure 2024530927000032
である。
ある実施態様において、本開示は、式(VI-1):
Figure 2024530927000033
の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物(例えば水和物)、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物を提供する。
ある実施態様において、各R9は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、アミド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アシル、N-アシル、カルボニル、オキソ、スルホニル、スルホンアミド、およびボロン酸からなる群から独立して選択される。ある実施態様において、各R9は独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アミド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、N-アシル、カルボニル、スルホニル、スルホンアミド、またはボロン酸である。ある実施態様において、各R9は独立して水素、アルキル、アルコキシ、またはボロン酸である。ある実施態様において、R9はメチルまたはメトキシである。ある実施態様において、R9はメチルである。ある実施態様において、R9はメトキシである。
ある実施態様において、各R2は、独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OR'、または-NR'R''であり、ここでR'およびR''は、独立して水素、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであるか、あるいはR'およびR''は、窒素と一体になって環を形成する。ある実施態様において、各R2は、独立して水素、アルキル、またはアルコキシである。ある実施態様において、全てのR2が水素である。ある実施態様において、少なくとも1個のR2は水素ではない。
ある実施態様において、(NR'R''によって形成される)環はヘテロシクリルである。ある実施態様において、環は3~14員のヘテロシクリルである。
ある実施態様において、環は単環ヘテロシクリルである。ある実施態様において、環は3~8員の単環ヘテロシクリルである。ある実施態様において、環は5員の単環ヘテロシクリルである。ある実施態様において、環は6員の単環ヘテロシクリルである。単環ヘテロシクリル基の例には、以下に限らないが、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、ピペリジニル、ジヒドロピリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、アゼパニル、オキサゼパニル、ジアゼパニル、およびアゾカニルが挙げられる。ある実施態様において、環はアゼチジニルである。ある実施態様において、環はピロリジニルである。ある実施態様において、環はピペリジニルである。ある実施態様において、環はピペラジニルである。ある実施態様において、環はモルホリニルである。
ある実施態様において、環は二環ヘテロシクリルである。ある実施態様において、環は縮合ヘテロシクリルである。ある実施態様において、環は5,6-縮合ヘテロシクリルである。ある実施態様において、環は6,6-縮合ヘテロシクリルである。ある実施態様において、環は架橋ヘテロシクリルである。ある実施態様において、環はスピロヘテロシクリルである。ある実施態様において、環は第1の環がアジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、ピペリジニル、ジヒドロピリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、アゼパニル、オキサゼパニル、ジアゼパニル、およびアゾカニルからなる群から選択される二環ヘテロシクリルであって、第2の環と共に縮合環、架橋環、またはスピロ環となる。ある実施態様において、第1の環はアゼチジニルである。ある実施態様において、第1の環はピロリジニルである。ある実施態様において、第1の環はピペリジニルである。ある実施態様において、第1の環はピペラジニルである。ある実施態様において、第1の環はモルホリニルである。
ある実施態様において、(NR'R''によって形成される)環はヘテロアリールである。ある実施態様において、環は5~14員のヘテロアリールである。
ある実施態様において、環は単環ヘテロアリールである。ある実施態様において、環は5~10員の単環ヘテロアリールである。ある実施態様において、環は5員の単環ヘテロアリールである。ある実施態様において、環は6員の単環ヘテロアリールである。5員の単環ヘテロアリール基の例として、以下に限らないが、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリルおよびテトラゾリルが挙げられる。6員の単環ヘテロアリール基の例として、以下に限らないが、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルおよびテトラジニルが挙げられる。
ある実施態様において、環は二環ヘテロアリールである。ある実施態様において、環は5,6-二環ヘテロアリールである。ある実施態様において、環は6,6-二環ヘテロアリールである。5,6-二環ヘテロアリール基の例として、以下に限らないが、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、およびプリニルが挙げられる。6,6-二環ヘテロアリール基には、以下に限らないが、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルが挙げられる。
ある実施態様において、
Figure 2024530927000034
の部分は
Figure 2024530927000035
、またはそのエナンチオマー、またはそれらの混合物である。ある実施態様において、
Figure 2024530927000036
の部分は
Figure 2024530927000037
である。ある実施態様において、
Figure 2024530927000038
の部分は
Figure 2024530927000039
である。
ある実施態様において、
Figure 2024530927000040
の部分は
Figure 2024530927000041
、またはそのエナンチオマー、またはそれらの混合物である。ある実施態様において、
Figure 2024530927000042
の部分は
Figure 2024530927000043
である。ある実施態様において、
Figure 2024530927000044
の部分は
Figure 2024530927000045
である。
ある実施態様において、
Figure 2024530927000046
の部分は
Figure 2024530927000047
、またはそのエナンチオマー、またはそれらの混合物である。ある実施態様において、
Figure 2024530927000048
の部分は
Figure 2024530927000049
である。ある実施態様において、
Figure 2024530927000050
の部分は
Figure 2024530927000051
である。
ある実施態様において、
Figure 2024530927000052
の部分は
Figure 2024530927000053
、またはそのエナンチオマー、またはそれらの混合物である。ある実施態様において、
Figure 2024530927000054
の部分は
Figure 2024530927000055
である。ある実施態様において、
Figure 2024530927000056
の部分は
Figure 2024530927000057
である。
ある実施態様において、
Figure 2024530927000058
の部分は
Figure 2024530927000059
、またはそのエナンチオマー、またはそれらの混合物である。ある実施態様において、
Figure 2024530927000060
の部分は
Figure 2024530927000061
である。ある実施態様において、
Figure 2024530927000062
の部分は
Figure 2024530927000063
である。
ある実施態様において、2つのR2が一体になってC1-C3アルキレンを形成する。ある実施態様において、2つのR2が一体になってメチレンを形成する。ある実施態様において、2つのR2が一体になって-CH2-を形成する。ある実施態様において、2つのR2が一体になってC2アルキレンを形成する。ある実施態様において、2つのR2が一体になって-CH2CH2-を形成する。ある実施態様において、2つのR2が一体になってC3アルキレンを形成する。ある実施態様において、2つのR2が一体になって-CH2CH2CH2-を形成する。ある実施態様において、アルキレンは置換されていない。ある実施態様において、アルキレンは1以上のアルキルまたはハロゲンで置換される。ある実施態様において、アルキレンは1以上のメチルで置換される。
ある実施態様において、
Figure 2024530927000064
の部分は、
Figure 2024530927000065
またはそのエナンチオマー、またはそれらの混合物である。ある実施態様において、
Figure 2024530927000066
の部分は
Figure 2024530927000067
である。ある実施態様において、
Figure 2024530927000068
の部分は
Figure 2024530927000069
である。
ある実施態様において、各R3は、独立してアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、またはハロゲンである。ある実施態様において、各R3は、独立してアルキルである。ある実施態様において、各R3は、独立してC1-4アルキルである。ある実施態様において、アルキルは置換されていない。ある実施態様において、アルキルは1以上のハロゲンで置換されている。ある実施態様において、アルキルは1以上のフルオロで置換されている。
ある実施態様において、各R3は、独立してメチルである。ある実施態様において、各R3は、独立してハロゲンである。ある実施態様において、各R3は、独立してクロロである。
ある実施態様において、各R3は、独立してメチル、-CF3、メトキシ、フルオロ、またはクロロである。
ある実施態様において、本開示は、表1に列記の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物(例えば水和物)、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物を提供する。
Figure 2024530927000070
Figure 2024530927000071
Figure 2024530927000072
Figure 2024530927000073
Figure 2024530927000074
Figure 2024530927000075
Figure 2024530927000076
Figure 2024530927000077
Figure 2024530927000078
Figure 2024530927000079
Figure 2024530927000080
Figure 2024530927000081
Figure 2024530927000082
Figure 2024530927000083
Figure 2024530927000084
Figure 2024530927000085
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Figure 2024530927000087
Figure 2024530927000088
Figure 2024530927000089
Figure 2024530927000090
Figure 2024530927000091
Figure 2024530927000092
Figure 2024530927000093
Figure 2024530927000094
Figure 2024530927000095
Figure 2024530927000096
Figure 2024530927000097
治療、予防および/または対処方法
本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種)は、動物またはヒトの症状を治療、予防または対処するための薬剤として有用である。
特定の実施態様において、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種)は、特定の理論に縛られることなく、チロシンキナーゼに結合する。ある実施態様において、本明細書に記載の化合物は上皮成長因子受容体に結合する。ある実施態様において、本明細書に記載の化合物はHER2に結合する。ある実施態様において、本明細書に記載の化合物はHER2の活性を阻害する。ある実施態様において、本明細書に記載の化合物は、HER2を過剰発現または増幅する細胞のシグナル伝達および増殖を阻害する。
特定の実施態様において、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種)は、特定の理論に縛られることなく、HER2野生型に結合する。
特定の実施態様において、本明細書に記載の化合物 (例えば、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種)は、特定の理論に縛られることなく、1以上のHER2変異体に結合する。ある実施態様において、本明細書に記載の化合物は、HER2変異体の活性を阻害する。ある実施態様において、本明細書に記載の化合物は、HER2変異体を過剰発現または増幅する細胞のシグナル伝達および増殖を阻害する。
特定の実施態様において、HER2変異体には欠失、挿入、または置換が含まれる。特定の実施態様において、HER2変異体には、309、310、630、678、717、719、724、726、733、755、755-759、760、767、769、775~778、777、780、781、783、784、785、798、803、812、821、835、839、842、866、896、および915番目のアミノ酸の1以上の欠失、挿入、または置換が含まれる。特定の実施態様において、HER2変異体には1つ、2つ、またはそれ以上の欠失、挿入、および/または置換が含まれ、それぞれ独立してG309A、G309E、S310F、C630Y、R678Q、E717K、E719G、E719K、K724N、L726F、T733I、L755P、L755S、L755W、L755_T759del、S760A、I767F、I767M、D769H、D769Y、A755_G776 ins YVMA(または本明細書では「YVMA」と称される)、G776delinsVC(または本明細書では「VC」と称される)、G776delinsLC、V777_G778insCG、G778_P780dup、V777L、V777M、P780L、P780_Y781insGSP、S783P、R784C、L785F、T798I、Y803N、E812K、D821N、Y835F、V839G、V842I、T862A、L866M、R896C、およびL915Mから選択されるが、但し、HER2変異体中の所定のアミノ酸における欠失および/または挿入、または置換は1つのみである。特定の実施態様において、HER2変異体には、それぞれ独立してG309A、L755S、L755_T759del、A775_G776insYVMA、V777L、P780_Y781insGSP、R678Q、L755W、V842I、およびR896Cから選択される1つ、2つ、またはそれ以上の欠失、挿入、および/または置換が含まれる。
ある実施態様において、HER2変異体とはHER2YVMAである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2VCである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2 L755Sである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2 G776Cである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2 V777_G778insCGである。
特定の実施態様において、特定の理論に縛られることなく、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種)は、EGFRよりも選択的にHER2に結合する。
特定の実施態様において、特定の理論に縛られることなく、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種)は、血液脳関門を通過し得る。
本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種)は、HER2またはHER2変異体が介在する疾患または障害を治療、予防または対処する薬剤として有用である。
ある実施態様において、本明細書は、HER2またはHER2変異体が介在する疾患を治療、予防、または対処する方法であって、治療上または予防上の有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種)を必要な対象に投与することを特徴とする方法を提供する。
「HER2またはHER2変異体が介在する疾患」の例には、以下に限らないが、血管新生異常およびがんが含まれる。
血管新生異常の例には、以下に限らないが、がんまたは肉腫の増殖に伴う血管新生、がん転移に伴う血管新生、糖尿病網膜症に伴う血管新生、動脈硬化症、再狭窄、乾癬などが挙げられる。
がんの例には、以下に限らないが、脳腫瘍、咽頭がん、喉頭がん、舌がん、食道がん、胃がん、大腸がん、肺がん、膵臓がん、胆管がん、胆嚢がん、肝臓がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、皮膚がん、小児固形腫瘍、骨腫瘍、血管腫などが挙げられる。
特定のがんの例には、以下に限らないが、進行性悪性腫瘍、アミロイドーシス、神経芽腫、髄膜腫、血管外皮腫、多発性脳転移、多形性神経膠芽腫、神経膠芽腫、脳幹神経膠腫、予後不良の悪性脳腫瘍、悪性神経膠腫、再発悪性黒色腫、退形成性星細胞腫、退形成性乏突起膠腫、神経内分泌腫瘍、直腸腺がん、デュークスCおよびDの大腸がん、切除不能大腸がん、転移性肝細胞がん、カポジ肉腫、核型急性骨髄芽球性白血病白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、低悪性度濾胞性リンパ腫、悪性黒色腫、悪性中皮腫、悪性胸膜中皮腫による滲出性胸水、腹膜がん、漿液性乳頭がん、婦人科系の肉腫、軟部組織肉腫、強皮症、皮膚血管炎、ランゲルハンス細胞組織球症、平滑筋肉腫、進行性骨化性線維異形成症、ホルモン不応性前立腺がん、切除済みの高リスク軟部組織肉腫、切除不能肝細胞がん、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、無症候性骨髄腫、緩徐進行性骨髄腫、卵管がん、アンドロゲン非依存性前立腺がん、アンドロゲン依存性ステージIV非転移性前立腺がん、ホルモン非感受性前立腺がん、化学療法非感受性前立腺がん、甲状腺乳頭がん、甲状腺濾胞がん、甲状腺髄様がん、および平滑筋腫が挙げられる。
ある実施態様において、疾患とはHER2の発現、過剰発現、増幅、または活性化が介在するものである。HER2の過剰発現、増幅、または活性化は、不要な細胞増殖を引き起こし得る。当該細胞増殖障害の例には、以下に限らないが、がん、がんまたは肉腫の増殖に伴う血管新生、がん転移に伴う血管新生、糖尿病網膜症に伴う血管新生、動脈硬化症、再狭窄、または乾癬が挙げられる。
ある実施態様において、疾患は、HER2の発現、過剰発現、増幅、または活性化が介在するがんである。ある実施態様において、当該がんは、乳がん、胃がん、食道がん、卵巣がん、子宮内膜がん、子宮内膜漿液性がん、頸がん、膀胱がん、肺がん、大腸がん、頭頸部がん、胆管がん、胚細胞腫瘍、神経膠芽腫、肝臓がん、黒色腫、骨肉腫、膵臓がん、腎細胞癌、唾液腺導管癌、および軟部肉腫である。ある実施態様において、がんは乳がんである。ある実施態様において、がんは脳転移する転移性乳がんである。ある実施態様において、がんは胃がんである。ある実施態様において、がんは食道がんである。ある実施態様において、がんは卵巣がんである。ある実施態様において、がんは子宮内膜がんである。ある実施態様において、がんは子宮内膜漿液性がんである。
ある実施態様において、疾患とは、1以上のHER2変異体の発現、過剰発現、増幅、または活性化が介在するものである。ある実施態様において、疾患とは、1以上のHER2変異体(例えばHER2YVMA、HER2VC、HER2 L755S、HER2 G776C、およびHER2 V777_G778insCG)の発現、過剰発現、増幅、または活性化が介在するがんである。ある実施態様において、当該がんは、膀胱がん、頸がん、大腸がん、子宮内膜がん、胚細胞腫瘍、神経膠芽腫、頭頸部がん、肝臓がん、肺がん、卵巣がん、膵臓がん、および唾液腺導管癌である。ある実施態様において、がんは肺がんである。ある実施態様において、がんは非小細胞肺がん(NSCLC)である。
ある実施態様において、本明細書は、治療上または予防上の有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種)を必要な対象に投与することを特徴とする、治療、予防、または対処方法を提供する。
ある実施態様において、本明細書は、治療上有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種)を必要な対象に投与することを特徴とする、治療または対処方法を提供する。
本明細書で用いる、用語「がん」には、以下に限らないが、固形腫瘍および血液腫瘍が含まれる。用語「がん」は、皮膚組織、臓器、血液、および血管の疾患を指し、以下に限らないが、膀胱、骨、血液、脳、乳房、頸、胸部、結腸、子宮内膜、食道、眼、頭部、腎臓、肝臓、リンパ節、肺、口腔、頸部、卵巣、膵臓、前立腺、直腸、胃、精巣、咽頭、および子宮のがんを含む。一部の実施態様において、がんの例として、多発性骨髄腫、白血病(例えば、急性リンパ性白血病、急性および慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、または前骨髄球性白血病)、リンパ腫(例えば、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、有毛細胞白血病、バーキットリンパ腫、肥満細胞腫瘍、ホジキンリンパ腫または非ホジキン病)、骨髄異形成症候群、線維肉腫、横紋筋肉腫、星細胞腫、神経芽腫、神経膠腫およびシュワン細胞腫、黒色腫、精上皮腫、悪性奇形腫、骨肉腫、色素性乾皮症、ケラトアカントーマ、甲状腺濾胞がん、カポジ肉腫、黒色腫、奇形腫、横紋筋肉腫、転移性疾患および骨疾患、ならびに骨、口腔/咽頭、食道、喉頭、胃、腸、結腸、直腸、肺(例えば、非小細胞肺がんまたは小細胞肺がん)、肝臓、膵臓、神経、脳(例えば、神経膠腫または多形神経膠芽腫)、頭頸部、咽頭、卵巣、子宮、前立腺、精巣、膀胱、腎臓、乳房、胆嚢、頸、甲状腺、前立腺、および皮膚のがんが挙げられる。
特定の実施態様において、当該がんは血液がんである。特定の実施態様において、当該血液がんは転移性である。特定の実施態様において、血液がんは薬剤耐性である。特定の実施態様において、がんは骨髄腫、リンパ腫、または白血病である。
リンパ腫には、以下に限らないが、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキン病、および中枢神経系のリンパ腫が含まれる。
白血病には、以下に限らないが、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、および有毛細胞白血病が含まれる。
骨髄腫には、以下に限らないが、多発性骨髄腫が含まれる。
特定の実施態様において、がんとは固形腫瘍である。特定の実施態様において、当該固形腫瘍は転移性である。特定の実施態様において、当該固形腫瘍は薬剤耐性である。特定の実施態様において、当該固形腫瘍は乳がん、肺がん、大腸がん、胃がん、食道がん、卵巣がん、または子宮内膜がんである。
ある実施態様において、固形腫瘍とは乳がんである。乳がんの例には、以下に限らないが、浸潤性乳管がん、浸潤性小葉がん、非浸潤性乳管がん、および非浸潤性小葉がんが挙げられる。ある実施態様において、乳がんはHER2陽性乳がんである。ある実施態様において、乳がんは転移性乳がんである。ある実施態様において、乳がんはHER2増幅転移性乳がんである。ある実施態様において、乳がんはCNS(例えば脳)に転移する転移性乳がんである。ある実施態様において、乳がんは1以上のHER2変異体が存在することが特徴である。ある実施態様において、HER2変異体とはHER2 L755_T759delである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2 L755Sである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2 V777Lである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2 R896Cである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2 D769Hである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2 D769Yである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2 G309Aである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2 V842Iである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2 P780_Y781insGSPである。
ある実施態様において、固形腫瘍とは胃がんである。胃がんの例には、以下に限らないが、エプスタイン・バーウイルス(EBV)陽性胃がん、高頻度マイクロサテライト不安定性胃がん、ゲノム安定性胃がん、および染色体不安定性胃がんが挙げられる。ある実施態様において、当該胃がんはHER2陽性胃がんである。ある実施態様において、胃がんは1以上のHER2変異体が存在することが特徴である。
ある実施態様において、固形腫瘍とは卵巣がんである。卵巣がんの例には、以下に限らないが、上皮性卵巣がん、原発性腹膜がん、境界性悪性腫瘍、胚細胞腫瘍、性索間質性腫瘍、絨毛癌、未分化胚細胞腫、卵黄嚢腫瘍、胎児性癌、顆粒膜細胞腫、肉腫、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、奇形腫などが挙げられる。上皮性卵巣がんの分類には、以下に限らないが、漿液性、粘液性、類内膜癌、明細胞癌、および未分化または未分類の上皮性卵巣がんが挙げられる。ある実施態様において、卵巣がんはHER2陽性卵巣がんである。ある実施態様において、卵巣がんは1以上のHER2変異体が存在することが特徴である。ある実施態様において、HER2変異体とはHER2YVMAである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2 D769Yである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2 T862Aである。
ある実施態様において、固形腫瘍とは子宮内膜がんである。子宮内膜がんの例には、以下に限らないが、(I型およびII型を含む)子宮内膜がん、子宮内膜漿液性がん、類内膜腺癌、子宮漿液性乳頭がん、および子宮明細胞がんが挙げられる。ある実施態様において、当該子宮内膜がんは子宮内膜漿液性がんである。ある実施態様において、当該子宮内膜がんはHER2陽性子宮内膜がんである。ある実施態様において、子宮内膜がんは1以上のHER2変異体が存在することが特徴である。
ある実施態様において、固形腫瘍とは食道がんである。食道がんの例には、以下に限らないが、食道扁平上皮癌および食道腺がんが挙げられる。ある実施態様において、当該食道がんはHER2陽性食道がんである。ある実施態様において、食道がんは1以上のHER2変異体が存在することが特徴である。ある実施態様において、変異体とはHER2 T862Aである。
ある実施態様において、固形腫瘍とは肺がんである。肺がんの例には、以下に限らないが、小細胞肺がんおよび非小細胞肺がん(NSCLC)が挙げられる。ある実施態様において、当該肺がんは非小細胞肺がんである。ある実施態様において、肺がんまたはNSCLCは1以上のHER2変異体が存在することが特徴である。ある実施態様において、HER2変異体とはHER2YVMAである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2VCである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2 L755Sである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2 G776Cである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2 V777_G778insCGである。
ある実施態様において、固形腫瘍とは大腸がんである。ある実施態様において、大腸がんは1以上のHER2変異体が存在することが特徴である。ある実施態様において、HER2変異体とはHER2 L755Sである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2 V777Lである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2 V777Mである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2 V842Iである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2 S310Fである。別の実施態様において、HER2変異体とはHER2 L866Mである。
ある実施態様において、本明細書は、乳がんを治療、予防、または対処する方法であって、必要な対象に治療上または予防上の有効量の式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種を投与することを特徴とする方法を提供する。ある実施態様において、乳がんは脳に転移する転移性乳がんである。
ある実施態様において、本明細書は、乳がんを治療または対処する方法であって、必要な対象に治療上有効量の式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種を投与することを特徴とする方法を提供する。ある実施態様において、乳がんは脳に転移する転移性乳がんである。
ある実施態様において、本明細書は、胃がんを治療、予防、または対処する方法であって、必要な対象に治療上または予防上の有効量の式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種を投与することを特徴とする方法を提供する。
ある実施態様において、本明細書は、胃がんを治療または対処する方法であって、必要な対象に治療上有効量の式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種を投与することを特徴とする方法を提供する。
ある実施態様において、本明細書は、卵巣がんを治療、予防、または対処する方法であって、必要な対象に治療上または予防上の有効量の式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種を投与することを特徴とする方法を提供する。
ある実施態様において、本明細書は、卵巣がんを治療または対処する方法であって、必要な対象に治療上有効量の式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種を投与することを特徴とする方法を提供する。
ある実施態様において、本明細書は、子宮内膜がんを治療、予防、または対処する方法であって、必要な対象に治療上または予防上の有効量の式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種を投与することを特徴とする方法を提供する。ある実施態様において、当該子宮内膜がんは子宮内膜漿液性がんである。
ある実施態様において、本明細書は、子宮内膜がんを治療または対処する方法であって、必要な対象に治療上有効量の式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種を投与することを特徴とする方法を提供する。ある実施態様において、当該子宮内膜がんは子宮内膜漿液性がんである。
ある実施態様において、本明細書は、食道がんを治療、予防、または対処する方法であって、必要な対象に治療上または予防上の有効量の式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種を投与することを特徴とする方法を提供する。
ある実施態様において、本明細書は、食道がんを治療または対処する方法であって、必要な対象に治療上有効量の式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種を投与することを特徴とする方法を提供する。
ある実施態様において、本明細書は、肺がんを治療、予防、または対処する方法であって、必要な対象に治療上または予防上の有効量の式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種を投与することを特徴とする方法を提供する。ある実施態様において、当該肺がんは非小細胞肺がんである。
ある実施態様において、本明細書は、肺がんを治療または対処する方法であって、必要な対象に治療上有効量の式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種を投与することを特徴とする方法を提供する。ある実施態様において、当該肺がんは非小細胞肺がんである。
ある実施態様において、本明細書は、大腸がんを治療、予防、または対処する方法であって、必要な対象に治療上または予防上の有効量の式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種を投与することを特徴とする方法を提供する。
ある実施態様において、本明細書は、大腸がんを治療または対処する方法であって、必要な対象に治療上有効量の式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種を投与することを特徴とする方法を提供する。
ある実施態様において、がんは、新規診断のがん、再発性がん、難治性がん、または再発・難治性がんである。
ある実施態様において、がんは転移性である。ある実施態様において、がんは非転移性である。
ある実施態様において、対象は哺乳類である。ある実施態様において、対象はヒトである。
特定の実施態様において、本明細書に記載の化合物の治療上または予防上の有効量は、1日あたり約0.005~約1,000mg、1日あたり約0.01~約500mg、1日あたり約0.01~約250mg、1日あたり約0.01~約100mg、1日あたり約0.1~約100mg、1日あたり約0.5~約100mg、1日あたり約1~約100mg、1日あたり約0.01~約50mg、1日あたり約0.1~約50mg、1日あたり約0.5~約50mg、1日あたり約1~約50mg、1日あたり約0.02~約25mg、または1日あたり約0.05~約10mgである。
特定の実施態様において、本明細書に記載の化合物の治療上または予防上の有効量は、1日あたり約0.1、約0.2、約0.3、約0.5、約1、約2、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約40、約45、約50、約60、約70、約80、約90、約100、または約150mgである。
ある実施態様において、本明細書に記載の症状に用いる際の本明細書に記載の化合物の毎日の推奨投与量の範囲は、1日あたり約0.5mg~約50mgであり、好ましくは1日1回の単体投与、または1日を通して複数回投与が行われる。一部の実施態様において、投与範囲は1日あたり約1mg~約50mgである。他の実施態様において、投与範囲は1日あたり約0.5~約5mgである。1日あたりの具体的な投与量は、例えば0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49または50mgである。
特定の実施態様において、推奨される開始投与量は、1日あたり0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、25または50mgであってもよい。別の実施態様において、推奨される開始投与量は、1日あたり0.5、1、2、3、4、または5mgであってもよい。投与量は15、20、25、30、35、40、45および50mg/日まで増量され得る。
特定の実施態様において、治療上または予防上有効量は約0.001~約100mg/kg/日、約0.01~約50mg/kg/日、約0.01~約25mg/kg/日、約0.01~約10mg/kg/日、約0.01~約9mg/kg/日、0.01~約8mg/kg/日、約0.01~約7mg/kg/日、約0.01~約6mg/kg/日、約0.01~約5mg/kg/日、約0.01~約4mg/kg/日、約0.01~約3mg/kg/日、約0.01~約2mg/kg/日、または約0.01~約1mg/kg/日である。
投与量は「mg/kg/日」以外の単位で表されても良い。例えば、非経口投与の投与量はmg/m2/日で表されうる。当業者であれば、対象の身長または体重のいずれか、あるいは両方を考慮して、投与量をmg/kg/日からmg/m2/日に容易に換算するであろう(www.fda.gov/cder/cancer/animalframe.htmを参照のこと)。例えば、65kgのヒトに対する1mg/kg/日の投与量は38mg/m2/日とおおよそ等しい。
特定の実施態様において、化合物の投与量は、定常状態での化合物の血中濃度が、約0.001~約500μM、約0.002~約200μM、約0.005~約100μM、約0.01~約50μM、約1~約50μM、約0.02~約25μM、約0.05~約20μM、約0.1~約20μM、約0.5~約20μM、または約1~約20μMとなる程度に十分である。
他の実施態様において、化合物の投与量は、定常状態での化合物の血中濃度が、約5~約100nM、約5~約50nM、約10~約100nM、約10~約50nMまたは約50~約100nMとなる程度に十分である。
本明細書で用いる用語「定常状態での血中濃度」とは、本明細書に記載の化合物の投与後に到達する濃度である。一旦定常状態に達すると、化合物の血中濃度の時間依存性曲線には小さな山と谷が生じる。
特定の実施態様において、化合物の投与量は、化合物の最高血中濃度(ピーク濃度)が約0.001~約500μM、約0.002~約200μM、約0.005~約100μM、約0.01~約50μM、約1~約50μM、約0.02~約25μM、約0.05~約20μM、約0.1~約20μM、約0.5~約20μM、または約1~約20μMの範囲となる程度に十分である。
特定の実施態様において、化合物の投与量は、化合物の最低血中濃度(トラフ濃度)が約0.001~約500μM、約0.002~約200μM、約0.005~約100μM、約0.01~約50μM、約1~約50μM、約0.01~約25μM、約0.01~約20μM、約0.02~約20μM、約0.02~約20μM、または約0.01~約20μMとなる程度に十分である。
特定の実施態様において、化合物の投与量は、化合物の曲線下面積(AUC)が、約100~約100,000ng*hr/mL、約1,000~約50,000ng*hr/mL、約5,000~約25,000ng*hr/mL、または約5,000~約10,000ng*hr/mLとなる程度に十分である。
特定の実施態様において、本明細書に記載の方法の1つで治療する患者は、本明細書に記載の化合物を投与するまで、抗がん治療を受けたことがない患者である。特定の実施態様において、本明細書に記載の方法の1つで治療する患者は、本明細書に記載の化合物を投与するまでに、抗がん治療を受けたことがある患者である。特定の実施態様において、本明細書に記載の方法の1つで治療する患者は、抗がん治療に対して薬剤耐性を獲得している患者である。
本明細書に記載の方法は、患者の年齢にかかわらず患者を治療する方法であるが、一部の疾患または障害は特定の年齢層でよく発症する。さらに、本明細書は問題となっている疾患または症状を治療しようとして手術を受けた患者、ならびにそうでない患者を治療するための方法を提供する。がん患者は臨床症状が不均一であり、臨床転帰も様々であるため、特定の対象に行う治療はその予後によって異なる可能性がある。優れた臨床医であれば、過度な実験無しで各がん患者を治療するために効果的に用いられ得る具体的な補助薬、手術の種類、および薬剤に頼らない標準療法の種類を容易に決定することが出来る。
治療する疾患および対象の状態によって、本明細書に記載の化合物は、経口、非経口(例えば筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、大槽内への注射または点滴、皮下注射、またはインプラント)、吸入、経鼻、腟、直腸、舌下、または局所(例えば経皮または局所)の投与経路で投与されてもよい。本明細書に記載の化合物は、各投与経路に対して適当な単体、または医薬的に許容される賦形剤、担体、アジュバントおよびビークルと一体になった適切な剤形で製剤化されてもよい。
ある実施態様において、本明細書に記載の化合物は経口投与される。別の実施態様において、本明細書に記載の化合物は非経口投与される。さらに別の実施態様において、本明細書に記載の化合物は静脈内投与される。
ある実施態様において、本明細書に記載の化合物は、例えば、単回ボーラス注射、または経口錠剤または丸剤などで単回投与され得るか、あるいは例えば、持続点滴または分割ボーラス投与などで時間をかけて投与され得る。本願化合物は必要に応じて、例えば、患者が病勢安定または退縮を実感するまで、あるいは病態進行または許容できない毒性を実感するまで繰り返し投与されてもよい。例えば、固形腫瘍の病勢安定とは、一般に測定可能な病変部の垂直径が前回の測定から25%以上増加していないことを意味する(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors (RECIST) Guidelines, Journal of the National Cancer Institute 92(3): 205-216 (2000))。病状が安定しているか否かは、当該分野において既知の方法(例えば患者の症状の評価、身体検査、X線、CAT、PET、またはMRIスキャンおよびその他一般的に認められた評価用モダリティを用いてイメージングされた腫瘍の可視化)により決定される。
ある実施態様において、本明細書に記載の化合物は、1日1回(QD)、または1日複数回に分けて(例えば1日2回(BID)、1日3回(TID)、および1日4回(QID))投与され得る。さらに、投与は、継続的(すなわち、連日または毎日)、間欠的に(すなわち数日、数週間、または数か月の休薬期間を含むサイクルで)行われ得る。本明細書で用いる用語「毎日」とは、例えば治療化合物がある期間毎日1回以上投与されることを意味する。用語「継続」とは、治療化合物を少なくとも10日間~52週間連続して毎日投与することを意味する。本明細書で用いる用語「間欠的」または「継続的」とは、規則的または不規則的な間隔で中止および開始することを意味する。例えば、本明細書に記載の化合物の間欠的投与とは、週1~6日の投与、サイクル投与(例えば、2~8週間継続して毎日投与し、次いで最長1週間投与を休止)、または隔日投与である。本明細書で用いる用語「サイクル」とは、休薬期間を設けながら治療化合物を毎日または継続して投与することを意味する。
一部の実施態様において、投与頻度はおおよそ1日~1月の間の投与である。特定の実施態様において、投与は1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日おきに1回、週2回、週1回、2週間に1回、3週間に1回、または4週間に1回行われる。ある実施態様において、本明細書に記載の化合物は、1日1回投与される。別の実施態様において、本明細書に記載の化合物は、1日2回投与される。さらに別の実施態様において、本明細書に記載の化合物は、1日3回投与される。その他の実施態様において、本明細書に記載の化合物は、1日4回投与される。
特定の実施態様において、本明細書に記載の化合物は、1日1回で1日~6カ月間、1週間~3カ月間、1週間~4週間、1週間~3週間、または1週間~2週間投与される。特定の実施態様において、本明細書に記載の化合物は、1日1回で1週間、2週間、3週間、または4週間投与される。ある実施態様において、本明細書に記載の化合物は、1日1回で1週間投与される。別の実施態様において、本明細書に記載の化合物は、1日1回で2週間投与される。さらに別の実施態様において、本明細書に記載の化合物は、1日1回で3週間投与される。さらに他の実施態様において、本明細書に記載の化合物は、1日1回で4週間投与される。
サイクル治療
特定の実施態様において、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種)は、患者に周期的に投与される。サイクル治療には活性剤の投与期間、続いて休薬期間(すなわち投与の中止)が含まれ、この一連の投与が繰り返される。サイクル治療は1以上の治療に対する耐性の獲得を抑制し、ある治療の副作用を回避または軽減させ、および/または治療効果を向上することができる。
結果として、特定の実施態様において、本明細書に記載の化合物は、4~6週間のサイクルで約1週間または2週間の休薬期間を含み、毎日単回投与または分割投与される。当該サイクル療法は投与サイクルの頻度、回数、および期間がさらに増加してもよい。そのため、本明細書の特定の実施態様では、本明細書に記載の化合物が単体で投与される場合は、通常より多いサイクルで投与されることがある。特定の実施態様において、本明細書に記載の化合物は、他の活性成分が投与されていない患者に、用量規制毒性が引き起こされ得る多めのサイクル数で投与される。
ある実施態様において、本明細書に記載の化合物は、約0.1~約150mg/日の用量で3週間または4週間毎日または継続的に投与され、続いて1週間または2週間の休薬期間となる。
医薬組成物および投与剤形
医薬組成物は、個別の単回投与剤形の製造に用いられ得る。本明細書に記載の医薬組成物および投与剤形には、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種)が含まれる。本明細書に記載の医薬組成物および投与剤形は、さらに1以上の賦形剤を含み得る。
本明細書に記載の単回投与剤形は、患者に、経口投与、経粘膜投与(例えば、鼻、舌下、腟、頬側、または直腸)、非経口投与(例えば、皮下、静脈内、ボーラス投与、筋肉内、または動脈内)、局所投与(例えば、点眼またはその他の眼用の製剤)、経皮投与するのに適している。投与剤形の例には、以下に限らないが、錠剤;カプレット;カプセル(例えばソフトゼラチンカプセル);カシェー;トローチ;ロゼンジ;分散液;坐薬;散剤;エアロゾル(例えば経鼻スプレーまたは吸入器);ゲル;患者に経口または粘膜投与するのに適した液体製剤であって、懸濁液(例えば、水溶液または非水溶液の液体懸濁液、水中油型エマルション、または油中水型液体エマルション)、溶液、およびエリキシルなど;患者に非経口投与するのに適した液体製剤;局所投与に適した点眼またはその他の眼用の製剤;および患者に非経口投与するのに適した液体製剤を提供するために再構成され得る、無菌固体(例えば、結晶または非晶質固体)が挙げられる。
本明細書に記載の製剤の組成物、形、および種類は、一般にその使用方法によって異なる。例えば、疾患の急性治療で用いられる剤形には1以上の活性成分が同一疾患の慢性治療で用いられる剤形で含まれるよりも多く含まれ得る。同様に、非経口剤形では、1以上の活性成分が同一疾患の治療で用いられる経口剤形よりも少ない量で含まれ得る。上記および上記以外の、本明細書に記載の具体的な投与剤形が互いに異なる、上記および上記以外の手法は当業者に容易に明らかである。例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th ed., Mack Publishing, Easton PA (1990)を参照のこと。
典型的な医薬組成物および製剤は1以上の賦形剤を含む。適切な賦形剤は薬学分野の当業者に周知であり、適切な賦形剤の例は本明細書に記載されているが、これに限らない。賦形剤を医薬組成物または製剤に添加するのが適しているか否かは、当該分野において周知の様々な要因(以下に限らないが、患者へ製剤を投与する方法など)による。例えば、経口製剤(例えば錠剤)は、非経口製剤の使用には適していない賦形剤を含み得る。具体的な賦形剤の適合性は、製剤中の特定の活性成分にもよる。例えば、一部の活性成分は、一部の賦形剤(例えばラクトース)、または水に触れることで分解が促進され得る。一級アミンまたは二級アミンを含む活性成分は特に分解が促進されやすい。結果として、本明細書は、ラクトース、その他の単糖類または二糖類が存在したとしても少ししか含まれない医薬組成物および製剤を提供する。本明細書で用いる用語「ラクトースフリー」は、ラクトースが存在したとしても、実質的に活性成分の分解率を増加させるためには十分ではない量であることを意味する。
本明細書に記載のラクトースフリーの組成物は、当該分野において周知の賦形剤が含まれていてもよく、それらは例えば、U.S. Pharmacopeia (USP) 25-NF20 (2002)に列記されている。一般に、ラクトースフリーの組成物は、医薬的に適合し、医薬的に許容される量の活性成分、結合剤/増量剤、および滑沢剤を含む。ラクトースフリーの製剤には、活性成分、微結晶性セルロース、プレゼラチン化デンプン、およびステアリン酸マグネシウムが含まれることが好ましい。
さらに、本明細書は、水が一部の化合物の分解を促進し得るため、活性成分を含む無水医薬組成物や製剤を提供する。例えば、水の添加(例えば5%)は長期保管の特徴(例えば製剤の保存可能期間または長期的安定性)を決定するためのシミュレーション手段として、製薬分野において広く受け入れられている。例えば、Jens T. Carstensen, Drug Stability: Principles & Practice, 2d. Ed., Marcel Dekker, NY, NY, 1995, pp. 379-80を参照のこと。事実上、水および熱は一部の化合物の分解を促進する。水分および/または湿度の問題は、一般に製剤の製造、取り扱い、包装、保管、出荷および使用の間に起こり得るため、製剤中の水分の影響は非常に重要となり得る。
本明細書に記載の無水医薬組成物および製剤は、無水または低水分含有の成分および低水分または低湿度の条件を用いて製造され得る。ラクトースおよび少なくとも1つの一級アミンまたは二級アミンを有する活性成分を含む医薬組成物および投与剤形は、製造、包装、および/または保管の間に実質的に水分および/または湿度と触れる可能性がある場合、無水であることが好ましい。
無水医薬組成物は、その無水状態が維持されるように製造および保管されるべきである。従って、無水組成物は適切な処方キットに含められるように、水分との接触を防止することで知られている材料を用いて包装されることが好ましい。適切な包装の例には、以下に限らないが、密封ホイル、プラスチック、単位用量容器(例えばバイアル)、ブリスターパック、およびストリップパックが挙げられる。
さらに本明細書は、活性成分が分解する速度を低下させる1以上の化合物を含む医薬組成物および製剤を提供する。そのような化合物は本明細書において「安定化剤」と呼ばれ、以下に限らないが、抗酸化剤(例えばアスコルビン酸)、pH緩衝液、または塩緩衝液などが含まれる。
賦形剤の量および種類と同様に、製剤中の活性成分の量および具体的な種類は、以下に限らないが、患者への投与経路などの因子によって異なり得るが、本明細書に記載の代表的な製剤は、本明細書に記載の化合物を約0.10~約500mgの量で含む。代表的製剤は本明細書に記載の化合物を約0.1、1、2、5、7.5、10、12.5、15、17.5、20、25、50、100、150、200、250、300、350、400、450、または500mgの量で含む。
経口製剤
経口投与に適した本明細書に記載の医薬組成物は、以下に限らないが、錠剤(例えば咀嚼錠)、カプレット、カプセル、および液体(例えば風味シロップ)などの個別の製剤として提供され得る。当該製剤は予め決定された活性成分の量を含み、当業者に周知の薬学的方法により製造され得る。一般に、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th ed., Mack Publishing, Easton PA (1990)を参照のこと。
本明細書に記載の代表的な経口製剤は、従来の製薬配合技術に従って、活性成分を少なくとも1つの賦形剤と組み合わせて完全な混合物とすることによって製造される。賦形剤は、所期の投与方法の製剤に応じて、さまざまな形態となり得る。例えば、経口液体製剤またはエアロゾル製剤の使用に適した賦形剤には、以下に限らないが、水、グリコール、油状物、アルコール、風味剤、防腐剤、および着色剤が挙げられる。固体経口製剤(例えば、散剤、錠剤、カプセル、およびカプレット)に用いられる適切な賦形剤の例には、以下に限らないが、デンプン、糖類、微結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、および崩壊剤が挙げられる。
錠剤およびカプセルは投与が簡便であるため最も利用されやすい経口剤形であり、錠剤およびカプセルの場合は固体の賦形剤が用いられる。必要に応じて、錠剤は標準的な水溶性または非水溶性の技法によってコーティングされ得る。当該製剤は任意の薬学的方法で製造され得る。一般に、医薬組成物および製剤は、活性成分を液体担体、微粉化固体担体、またはその両方と均一かつ完全に混合し、次いで必要に応じて生成物を所期の形状に形成することで製造される。
例えば、錠剤は圧縮または成形により製造され得る。圧縮錠剤は流動性のある形態(例えば粉末または顆粒)の活性成分を適宜賦形剤と混合して適切な機械で圧縮することで製造され得る。成形した錠剤は不活性な液体の希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適切な機械で成形することにより製造され得る。
本明細書に記載の経口製剤で用いられ得る賦形剤の例には、以下に限らないが、結合剤、充填剤、崩壊剤、および滑沢剤が挙げられる。医薬組成物および製剤で使用するための適切な結合剤には、以下に限らないが、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、またはその他のデンプン、ゼラチン、天然および合成のゴム(例えばアカシア、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、その他のアルギン酸塩、粉末トラガカント、グアーガム)、セルロースおよびその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、プレゼラチン化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、置換度タイプ2208、2906、2910)、微結晶性セルロース、およびその混合物が含まれる。
微結晶性セルロースの適切な形態として、以下に限らないが、AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105として販売されている物質(FMC Corporation(American Viscose Division、Avicel Sales、Marcus Hook、PA)から入手可)、およびその混合物が挙げられる。具体的には、AVICEL RC-581として販売されている微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムの混合物が結合剤である。適切な無水または低水分賦形剤、あるいは添加剤には、AVICEL-PH-103TMおよびデンプン1500 LMが挙げられる。
本開示の医薬組成物および製剤で用いるのに適した充填剤の例には、以下に限らないが、タルク、炭酸カルシウム(例えば顆粒または粉末)、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレーツ、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、プレゼラチン化デンプン、およびその混合物が挙げられる。本明細書に記載の医薬組成物中の結合剤または増量剤は、一般に医薬組成物または製剤の約50~約99重量%含まれる。
崩壊剤は、水分のある環境に曝されると分解する錠剤となるように、本明細書に記載の組成物に用いられる。崩壊剤を多く含みすぎた錠剤は保管中に崩壊する可能性がある一方、崩壊剤が少なすぎる錠剤は所期の速度または所期の条件下で崩壊しない可能性がある。そのため、本明細書に記載の固体経口製剤を形成するためには、活性成分の放出が有害とならないような、多すぎでも少なすぎでもない十分な量の崩壊剤が用いられるべきである。用いた崩壊剤の量は製剤の種類によって異なり、当業者は容易に識別できる。一般的な医薬組成物は、崩壊剤を約0.5~約15重量%、好ましくは約1~約5重量%含む。
本明細書に記載の医薬組成物および製剤に用いられ得る崩壊剤には、以下に限らないが、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、その他のデンプン、プレゼラチン化デンプン、その他のデンプン、クレイ、その他のアルギン酸塩、その他のセルロース、ゴム、およびその混合物が含まれる。
本明細書に記載の医薬組成物および製剤に用いられ得る滑沢剤には、以下に限らないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽鉱油(light mineral oil)、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、その他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素化植物油(例えば、ピーナツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、およびダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、およびその混合物が含まれる。その他の滑沢剤には、例えば、SYLOIDシリカゲル(AEROSIL200、W.R. Grace Co.(Baltimore、MD)製造)、合成シリカの凝固エアロゾル(Degussa Co.(Plano、TX)販売)、CAB-O-SIL(Cabot Co.(Boston、MA)販売の発熱性二酸化ケイ素製品)、およびその混合物が挙げられる。滑沢剤が使用される場合、一般的には、含まれる医薬組成物または製剤の約1重量%未満の量で使用される。
本明細書に記載の固体経口剤形は、本明細書に記載の化合物、無水乳糖、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸、コロイド状無水シリカ、およびゼラチンを含む。
徐放性製剤
本明細書に記載の活性成分は、放出を制御する手段または当業者に周知の送達デバイスによって投与され得る。例として、以下に限らないが、米国特許第3,845,770号、3,916,899号、3,536,809号、3,598,123号、および4,008,719号、5,674,533号、5,059,595号、5,591,767号、5,120,548号、5,073,543号、5,639,476号、5,354,556号、および5,733,566号に記載のものが挙げられ、各内容が全て引用により本明細書に援用される。当該製剤は様々な割合で所期の放出プロファイルを行うための、ヒドロプロピルメチルセルロース、その他のポリマーマトリックス、ゲル、透過膜、浸透圧の機構、多層コーティング、微粒子、リポソーム、マイクロスフェア、またはその組合せなどを用いて、1以上の活性成分を持続放出または制御放出するために使用され得る。本明細書に記載のものなど、当業者に既知の適切な徐放性製剤は、本明細書に記載の活性成分と併せて使用するために容易に選択され得る。そのため、本明細書は経口投与に適した単回製剤(例えば以下に限らないが、制御放出に適した錠剤、カプセル、ジェルカプセル、およびカプレット)を提供する。
全ての徐放性医薬品は、制御されていない医薬品で達成されるよりも高い薬物治療効果を出すという共通の目標を掲げている。理想としては、医療において最適化された徐放性製剤の使用は、最小限の薬物物質が最小限の時間で症状を治癒または制御するために用いられることを特徴とする。徐放性製剤の利点として、薬物の活性を持続させ、投与頻度を減少させ、患者の服薬遵守を高めることが挙げられる。さらに徐放性製剤は、作用発現時間またはその他の特徴(例えば薬物の血中濃度)に影響を与えるために用いられ得るため、副作用(例えば有害作用)の発生に影響し得る。
多くの徐放性製剤は速やかに所期の治療効果をもたらす薬物(活性成分)の量を最初に放出し、長期間にわたってこのレベルの治療効果または予防効果を維持するために薬物量を徐々に継続的に放出するように設計されている。この体内の薬物濃度を一定に維持するために、薬物代謝および体外に排泄される薬物量と同じ速度で製剤から放出されなければならない。活性成分の制御放出は様々な条件(以下に限らないが、pH、温度、酵素、水、またはその他の生理学的条件または化合物など)によって変動し得る。
非経口製剤
非経口製剤は様々な経路(以下に限らないが、皮下、静脈内(ボーラス投与を含む)、筋肉内、および動脈内を含む)で患者に投与され得る。混入物に対する患者の自然防御を回避するため、非経口製剤の投与は一般に無菌であるかまたは患者への投与前に滅菌可能であることが好ましい。非経口製剤の例には、以下に限らないが、即時注入可能な溶液、医薬的に許容される注射用ビークルに即時溶解または懸濁可能な乾燥製品、即時注入可能な懸濁液、およびエマルションが挙げられる。
本明細書に記載の非経口製剤を提供するために用いられ得る適切なビークルは、当業者に周知である。例として、以下に限らないが、注射用水(USP);水性ビークル(以下に限らないが、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロースおよび塩化ナトリウム注射液、および乳酸リンゲル注射液等);水混和性ビークル(以下に限らないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコール等);および非水性ビークル(以下に限らないが、トウモロコシ油、綿実油、ピーナツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、および安息香酸ベンジル等)が挙げられる。
ある実施態様において本明細書は、静脈内投与に適した本明細書に記載の化合物を含む医薬組成物を提供する。ある実施態様において、本明細書の他の箇所に記載の疾患または障害を治療、予防、および/または対処する方法であって、本明細書に記載の化合物を患者に静脈内投与することを特徴とする方法を提供する。
また、本開示の1以上の活性成分の溶解度が増加する化合物も、本明細書に記載の非経口製剤に含まれ得る。例えば、シクロデキストリンおよびその誘導体は、本明細書に記載の免疫調節化合物およびその誘導体の溶解度を増加させるために用いられ得る。例えば、引用により本明細書に援用される米国特許第5,134,127号を参照のこと。
局所および粘膜用製剤
本明細書に記載の局所および粘膜用製剤には、以下に限らないが、スプレー、エアロゾル、溶液、エマルション、懸濁液、点眼またはその他の眼用の製剤、または当業者に既知のその他の形態が含まれる。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th and 18th eds., Mack Publishing, Easton PA (1980 & 1990)、およびIntroduction to Pharmaceutical Dosage Forms, 4th ed., Lea & Febiger, Philadelphia (1985)を参照のこと。口腔内の粘膜組織の治療に適した製剤は、洗口液または経口用ゲルとして処方され得る。
本明細書に記載の局所用製剤および粘膜用製剤を提供するために使用され得る適切な賦形剤(例えば担体および希釈剤)およびその他の物質は、医薬分野の当業者に周知であり、与えられた医薬組成物または製剤が使用される具体的な組織によって異なる。これを念頭に置いて、毒性が無く、医薬的に許容される溶液、エマルションまたはゲルを形成するための典型的な賦形剤には、以下に限らないが、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、およびその混合物が挙げられる。必要に応じて保湿剤または湿潤剤が医薬組成物および製剤に添加され得る。そのような添加成分の例は当該分野において周知である。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th and 18th eds., Mack Publishing, Easton PA (1980 & 1990)を参照のこと。
また、医薬組成物または製剤のpHも1以上の活性成分の送達を改善するために調整されてもよい。同様に、溶媒担体の極性、そのイオン強度、または張性も送達を改善するために調整され得る。また、例えばステアリン酸塩のような化合物を医薬組成物または製剤に添加し、1以上の活性成分の親水性または親油性を利用しやすいように変化させることでも送達を改善させ得る。この点で、ステアリン酸塩は、製剤用脂質ビークル、乳化剤または界面活性剤、および送達促進剤または浸透促進剤として機能し得る。得られた組成物の特性をさらに調整するために、異なる塩、水和物または溶媒和物の活性成分が用いられ得る。
キット
ある実施態様において、本明細書に記載の活性成分は、同時または同一の投与経路で患者に投与しないことが好ましい。そのため本明細書は、医療従事者が使用する場合に、患者への適当な量の活性成分の投与を簡素化できるキットを提供する。
本明細書に記載のキットは、活性成分を投与するために用いるデバイスをさらに含み得る。当該デバイスの例として、以下に限らないが、シリンジ、点滴バッグ、パッチ、および吸入器が挙げられる。
本明細書に記載のキットは、移植用の細胞または血液、ならびに1以上の活性成分を投与するために用いられ得る医薬的に許容されるビークルをさらに含み得る。例えば、活性成分が非経口投与用に再構成する必要がある固体形態で提供される場合、当該キットは、活性成分を溶解して非経口投与に適した粒子のない無菌溶液を形成することができる、適切なビークルの密封容器を含み得る。医薬的に許容されるビークルの例には、以下に限らないが、注射用水USP;水性ビークル(以下に限らないが、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロースおよび塩化ナトリウム注射液、および乳酸リンゲル注射液等);水混和性ビークル(以下に限らないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコール等);および非水性ビークル(以下に限らないが、トウモロコシ油、綿実油、ピーナツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、および安息香酸ベンジル等)が挙げられる。
実施例
本明細書に記載の特定の実施態様は、以下の実施例によって示されるが、これに限らない。
下記の実施例に示されるように、ある実施態様において、化合物は以下の一般的手順に従って製造される。当該一般的方法は本発明の特定の化合物の合成を記載しているが、下記の一般的方法、および当業者に既知のその他の方法は、本明細書に記載されている全ての化合物およびそれらの化合物の各分類および各種類に適用され得る。
エナンチオリッチな本発明の化合物は、キラル出発物質を用いてエナンチオリッチな形態で製造するか、またはラセミ体出発物質で反応後に、キラルクロマトグラフィーを用いて分離した。ラセミ体またはジアステレオマー混合物として製造した化合物については、キラル出発物質を用いるか、またはキラルクロマトグラフィーを実施するかのいずれかにより、光学的に純粋な単一の異性体が製造され得る。
下記に記載の実施例は、室温または周囲温度(特に断りが無い限り18~25℃の範囲)で反応が行われた。有機溶媒を無水硫酸マグネシウムまたは硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧状態のロータリーエバポレーターを用いて溶媒を蒸発させた。概して、反応の経過はTLCまたはLCMSで追跡し、反応時間は代表的なものである。収量は例示のために示すものであり、入念に開発した方法によって得られうる収量とは限らない。
1H NMRデータはメインで判断するプロトンのデルタ値であり、テトラメチルシラン(TMS)または残留溶媒に対する百万分率(ppm)で示される。1H NMRスペクトルは400MHzで測定した。溶媒比は体積:体積(v/v)で示した。マススペクトル(MS)データは、HPLCが概してAgilentまたはShimadzu LCMS-2020 Instrumentのいずれかで構成され、Sepax BR-C18(4.6x50mm、3μm)カラムまたはこれと同等のカラムを用いて、酸性溶離剤(例えば、0~95%水/アセトニトリル(0.1%ギ酸またはトリフルオロ酢酸含有)のグラジエント)で溶出するLCMSシステムで作成した。クロマトグラムはエレクトロスプレー(ESI)ポジティブ、ネガティブおよび/またはUVで示される。LCMSのm/z値は、概ね記載されており、親の質量を示すイオンのみが記載されている。特に断りが無い限り、引用されている値はポジティブイオンモードの(M+H)または(M+1)である。分取HPLCはC18逆相シリカ、溶離剤として極性が減少していく溶媒(例えば水およびアセトニトリル(1%トリフルオロ酢酸含有)の極性が減少していく溶媒)を用いて行った。カラムクロマトグラフィーとは、順相シリカゲルクロマトグラフィーを指す。
エナンチオリッチな中間体および最終化合物は市販で入手可能なキラル物質を用いて合成し、記載の立体化学は絶対立体化学である。特に断りが無い限り、出発物質は市販で入手可能であるか、または既知の方法に従って合成した。
Figure 2024530927000098
以下の実施例で用いられる化合物番号は、上記表1で示される化合物番号と対応する。
共通中間体の合成
スキーム1: tert-ブチル4-クロロ-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-カルボキシレート(中間体A)
Figure 2024530927000099
ステップ1: 6-tert-ブチル3-エチル2-アミノ-4,5-ジヒドロチエノ[2,3-c]ピリジン-3,6(7H)-ジカルボキシレート(A-1)
tert-ブチル4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート(100g、0.50mol)、シアノ酢酸エチル(57g、0.50mol)、および硫黄(16g、0.50mol)/無水エタノール(400mL)の混合物に、トリエチルアミン(70mL、0.50mol)を加えた。この混合物を周囲温度で16時間攪拌し、その後これを濾過し、得られた固体をエタノールで洗浄し、乾燥し、表題化合物(136g、83%)を得た。これを次のステップに直接用いた。LCMS m/z 327.1[M+H]+; 1HNMR(400MHz、CDCl3): δ 1.34(t, 3H), 1.48(s, 9H), 2.8(s, 2H), 3.62(t, 2H), 4.26(q, 2H), 4.35(s, 2H), 6.00(s, 2H)
ステップ2: tert-ブチル4-ヒドロキシ-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-カルボキシレート(A-2)
A-1(136g、0.4mol)およびホルムアミジン酢酸塩(65g、0.6mol)/DMF(400mL)の混合物を100℃で18時間加熱し、この混合物を周囲温度に冷却した。氷水をゆっくりと加えた。固体を濾過により回収し、水およびエーテルで洗浄し、乾燥し、表題化合物(119g、92%)を得た。LCMS m/z 308.2[M+H]+; 1HNMR(400MHz、CDCl3): δ 1.50(s, 9H), 3.13(s, 2H), 3.74(t, 2H), 4.66(s, 2H), 7.98(s, 1H)
ステップ3: tert-ブチル4-クロロ-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-カルボキシレート(中間体A)
POCl3(130mL)およびトリエチルアミン(130mL)の混合物に、0℃でA-2(100g、326mmol)を加え、60℃で3時間加熱した。その後、反応を周囲温度に冷却し、POCl3を減圧除去し、得られた残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液をゆっくりと加えて中和した。混合物をDCMおよびH2Oの間で分配した。有機層を水、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。得られた残渣をカラム(ヘキサン:酢酸=8:1)で精製し、表題化合物(50g、47%)を得た。LCMS m/z 326.0[M+H]+; 1HNMR(400MHz、CDCl3): δ 1.51(s, 9H), 3.21(s, 2H), 3.80(t, 2H), 4.74(s, 2H), 8.76(s, 1H)
スキーム2: tert-ブチル4-クロロ-7,8-ジヒドロピリド[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-6(5H)-カルボキシレート(中間体B)
Figure 2024530927000100
ステップ1: tert-ブチル5-tert-ブチル3-エチル2-アミノ-6,7-ジヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-3,5(4H)-ジカルボキシレート(B-1)
tert-ブチル3-オキソピペリジン-1-カルボキシレート(5.0g、25.1mmol)、シアノ酢酸エチル(2.81g、25.1mmol)、S(0.8g、25.1mmol)、Et3N(3.5mL、25.1mmol)およびエタノール(15mL)の混合物を室温で16時間撹拌した。得られた沈殿を濾過により回収し、エタノールで洗浄し、表題化合物を黄色固体として得た(1.41g、17%)。LCMS m/z [M+H]+: 327.1
ステップ2: tert-ブチル4-オキソ-3,4,7,8-テトラヒドロピリド[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-6(5H)-カルボキシレート(B-2)
B-1(1.41g、4.32mmol)、ホルムアミジン酢酸塩(1.12g、10.8mmol)およびDMF(20mL)の混合物を100℃で終夜撹拌した。この反応混合物を周囲温度に冷却し、濃縮し、ほとんどのDMFを除去した。この混合物に水を加え、沈殿を濾過により回収し、表題化合物を黄色固体として得た(1.08g、81.3%)。LCMS m/z [M+H]+: 308.0
ステップ3: tert-ブチル4-クロロ-7,8-ジヒドロピリド[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-6(5H)-カルボキシレート(中間体B)
POCl3(1.5g、9.76mmol)、Et3N(985mg、9.76mmol)の混合物に、0℃でB-2(1.0g、3.25mmol)を加えた。得られた混合物を60℃で2時間加熱し、混合物を周囲温度に冷却し、Et3Nで中和した。トルエンおよび食塩水を加え、得られた混合物をEtOAcで抽出し、乾燥し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出: 25%EtOAc/ヘキサン)で精製し、表題化合物を灰白色固体(500mg、47%)として得た。LCMS m/z [M+H]+: 326.0; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.87(s, 1H), 4.87(s, 2H), 3.73(t, 2H), 2.99(t, 2H), 1.45(s, 9H)
スキーム3: tert-ブチル4-クロロ-5H-ピロロ[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-6(7H)-カルボキシレート(中間体C)
Figure 2024530927000101
ステップ1: 5-tert-ブチル3-エチル2-アミノ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-3,5(6H)-ジカルボキシレート(C-1)
tert-ブチル3-オキソピロリジン-1-カルボキシレート(20g、0.11mol)、シアノ酢酸エチル(12.4g、0.11mol)および硫黄(3.52g、0.11mol)/無水エタノール(80mL)の混合物に、トリエチルアミン(11.1g、0.11mol)を加え、周囲温度で16時間撹拌した。得られた沈殿を濾過により回収し、エタノールで洗浄し、乾燥し、表題化合物(15g、42%)を得た。1HNMR(400MHz、CD3OD): δ 4.48-4.42(m, 4H), 4.25-4.23(m, 2H), 1.53(d, 9H), 1.35-1.32(m, 3H)
ステップ2: tert-ブチル4-ヒドロキシ-5H-ピロロ[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-6(7H)-カルボキシレート(C-2)
C-1(14.6g、0.047mol)およびホルムアミジン酢酸塩(7.4g、0.071mol)/DMF(50mL)の混合物を100℃で18時間加熱した。反応混合物を濃縮し、ほとんどのDMFを減圧除去した。得られた残渣に水を加えた。沈殿を濾過により回収し、水およびエーテルで洗浄し、乾燥し、表題化合物(11g、81%)を得た。1HNMR(400MHz、DMSO-d6): δ 12.6(s, 1H), 8.1(s, 1H), 4.65-4.55(m, 4H), 1.46(d, 9H)
ステップ3: tert-ブチル4-クロロ-5H-ピロロ[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-6(7H)-カルボキシレート(中間体C)
POCl3(15mL)およびトリエチルアミン(15mL)の混合物に、0℃でC-2(9.6g、0.03mol)を加え、60℃で3時間加熱した。この反応混合物を濃縮し、POCl3を除去した。得られた残渣をH2Oに溶解し、飽和NaHCO3水溶液をゆっくり加えて中和した。DCMを加え、有機層を水、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(5.0g、49%)を得た; 1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 8.81(s, 1H), 4.93-4.81(m, 4H), 1.55(d, 9H)
スキーム4: tert-ブチル4-クロロ-8,9-ジヒドロ-5H-ピリミド[5',4':4,5]チエノ[2,3-d]アゼピン-7(6H)-カルボキシレート(中間体D-a)およびtert-ブチル4-クロロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピリミド[5',4':4,5]チエノ[2,3-c]アゼピン-8(9H)-カルボキシレート(中間体D-b)
Figure 2024530927000102
ステップ1: 6-tert-ブチル3-エチル2-アミノ-7,8-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-d]アゼピン-3,6(5H)-ジカルボキシレート(D-1a)および7-tert-ブチル3-エチル2-アミノ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]アゼピン-3,7(8H)-ジカルボキシレート(D-1b):
tert-ブチル4-オキソアゼパン-1-カルボキシレート(13.7g、64.2mmol)、2-シアノ酢酸エチル(7.27g、64.2mmol)、S8(2.06g、64.24mmol)およびEt3N(6.49g、64.2mmol)/エタノール(32mL)の混合物を室温で22時間攪拌した。混合物を濃縮し、得られた残渣をEtOAcに溶解し、食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=20/1)で精製した。得られた薄黄色固体をヘキサン/酢酸エチル=10/1で洗浄し、D-1a/D-1bの混合物(~1:6)を白色固体として得た(12.2g、59%)。LCMS: 341.1[M+H]+
ステップ2: tert-ブチル4-クロロ-8,9-ジヒドロ-5H-ピリミド[5',4':4,5]チエノ[2,3-d]アゼピン-7(6H)-カルボキシレート(D-2a)およびtert-ブチル4-オキソ-3,4,5,6,7,9-ヘキサヒドロ-1H-ピリミド[5',4':4,5]チエノ[2,3-c]アゼピン-8(2H)-カルボキシレート(D-2b):
D-1a/D-1b(2.0g、5.87mmol)の混合物およびホルムアミジン酢酸塩(0.92g、8.81mmol)/DMF(20mL)を100℃で24時間攪拌した。混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、濃縮し、D-2a/D-2bの混合物(~1:5)を薄黄色固体として得た。LCMS: 322.0 [M+H]+
ステップ3: tert-ブチル4-クロロ-8,9-ジヒドロ-5H-ピリミド[5',4':4,5]チエノ[2,3-d]アゼピン-7(6H)-カルボキシレート(中間体D-a)およびtert-ブチル4-クロロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピリミド[5',4':4,5]チエノ[2,3-c]アゼピン-8(9H)-カルボキシレート(中間体D-b):
POCl3(715mg、4.67mmol)およびTEA(471mg、4.67mmol)の混合物/スルホラン(12mL)を室温で30分間攪拌した。D-2a/D-2b(500mg、1.56mmol)を加え、65℃で2.5時間加熱した。得られた混合物を0℃に冷却し、TEA(1mL)を加えた。この反応混合物をトルエンで希釈し、0℃に冷却した。飽和塩化ナトリウム水溶液を加え、混合物を10分間攪拌した。有機層を分離し、水で洗浄し、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=30/1)で精製し、2つの単離した生成物中間体D-a(60mg)および中間体D-b(320mg)を得た。
D-a: LCMS m/z [M+H]+: 340.1; 1H NMR(400MHz、CDCl3,): δ 8.75(s, 1H), 3.74(s, 4H), 3.52(s, 2H), 3.17(d, 2H), 1.49(s, 9H)
D-b: LCMS m/z [M+H]+: 340.0; 1H NMR(400MHz、CDCl3,): δ 8.74および8.76(d, 1H), 4.60および4.69(d, 2H), 3.72-3.81(m, 2H), 3.46-3.49(m, 2H), 2.01-2.04(m, 2H) 1.39および1.44(s, 9H)
スキーム5: ベンジル4-クロロ-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6(9H)-カルボキシレート(中間体E)
Figure 2024530927000103
ステップ1: ベンジル4-(2-(6-オキソ-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)ヒドラゾノ)ピペリジン-1-カルボキシレート(E-1)
ベンジル4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート(8.9g、38mmol)および6-ヒドラジノ-1H-ピリミジン-4-オン(4.0g、32mmol)/エタノール(40mL)の懸濁液を2時間還流しながら撹拌した。混合物を周囲温度に冷却し、得られた沈殿を濾過により回収し、乾燥し、表題化合物を白色固体(8.0g、74%)として得た。LCMS m/z [M+H]+: 342.4
ステップ2: ベンジル4-ヒドロキシ-5,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-カルボキシレート(E-2)
E-1(4.0g、12mmol)およびPhOPh(25g)の混合物をN2下250℃で2時間加熱し、その後この反応混合物を周囲温度に冷却した。ヘキサン(20mL)を加え、得られた沈殿を濾過により回収し、乾燥した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出: 5%MeOH/DCM)で精製し、表題化合物を薄黄色固体として得た(1.0g、26%); 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 11.8(s, 1H), 11.7(s, 1H), 7.76(d, 1H), 7.38-7.33(m, 5H), 5.12(s, 2H), 4.60(d, 2H), 3.72(d, 2H), 2.68(t, 2H)
ステップ3: ベンジル4-クロロ-5,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-カルボキシレート(中間体E)
E-2(1.0g、3.1mmol)/POCl3(5.0mL、54.5mmol)の懸濁液を100℃で30分間加熱した。この反応混合物を周囲温度に冷却し、POCl3を減圧除去した。得られた残渣をDCMに溶解し、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、次いでカラムクロマトグラフィー(溶出: 3~5%MeOH/DCM)で精製し、表題化合物を白色固体(0.7g、66%)として得た。LCMS m/z [M+H]+: 342.4; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 12.5(s, 1H), 8.51(s, 1H), 7.38-7.30(m, 5H), 5.16(s, 2H), 4.80(s, 2H), 3.81(t, 2H), 3.17(t, 2H)
スキーム6: 3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)アニリン(中間体F)
Figure 2024530927000104
ステップ1: 2-メチル-5-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)ピリジン(F-1)
6-メチルピリジン-3-オール(5.0g、45.9mmol)/DMF(40mL)の溶液に、1-フルオロ-2 -メチル-4-ニトロベンゼン(7.0g、45.2mmol)およびCs2CO3(14.9g、45.9mmol)を加え、混合物を周囲温度で12時間攪拌し、その後これをEtOAcと水の間で分配し、有機層を分離した。水、食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濃縮し、表題化合物(9.62g、86%)を薄黄色固体として得た。LCMS(m/z): 245.1[M+1]+
ステップ2: 3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)アニリン(中間体F)
F-1(9.62g、39.4mmol)/MeOH(80mL)の溶液に、10%Pd/Cを加えた。混合物をH2雰囲気下、周囲温度で16時間攪拌し、その後これを濾過し、減圧濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(50%EtOAc/ヘキサン)で精製し、表題化合物(6.2g、75%)を得た。LCMS(m/z): 215.1 [M+1]+; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.05(d, 1H), 7.02(dd, 1H), 7.15(d, 1H), 6.71-6.67(m, 1H), 6.49(d, 1H), 6.43(dd, 1H), 4.97(s, 2H), 2.39(s, 3H), 1.98(s, 3H)
スキーム7: 4-((6-メトキシピリジン-3-イル)オキシ)-3-メチルアニリン(中間体G)
Figure 2024530927000105
ステップ1: 2-メトキシ-5-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)ピリジン(G-1)
6-メトキシピリジン-3-オール(500mg、4.0mmol)、1-フルオロ-2-メチル-4-ニトロ-ベンゼン(620mg、4.0mmol)およびCs2CO3(2.9g、8.8mmol)をDMF(10mL)に加え、混合物を周囲温度で2時間攪拌した。水を加え、得られた混合物をEtOAcで抽出した。有機層を合わせて食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=1/3)で精製し、表題化合物を黄色固体として得た(900mg、87%)。LCMS m/z [M+H]+: 261.0
ステップ2: 4-((6-メトキシピリジン-3-イル)オキシ)-3-メチルアニリン(中間体G)
G-1(900mg、3.46mmol)、NH4Cl(1.12g、20.8mmol)およびFe(1.16g、20.8mmol)をEtOH(30mL)および水(15mL)に加え、80℃で2時間攪拌した。その後この反応混合物を濾過し、濾液を濃縮し、得られた残渣をDCM/水に溶解し、DCMで抽出した。有機層を合わせて無水Na2SO4で乾燥し、濃縮し、表題化合物を薄黄色固体として得た(680mg、85%)。LCMS m/z [M+H]+: 231.1
スキーム8: 3-クロロ-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)アニリン(中間体H)
Figure 2024530927000106
6-メトキシピリジン-3-オールの代わりに6-メチルピリジン-3-オール、および1-フルオロ-2-メチル-4-ニトロベンゼンの代わりに2-クロロ-1-フルオロ-4-ニトロ-ベンゼンを用いて、表題化合物をスキーム7の中間体Gに記載の通りに製造した。表題化合物を薄黄色固体として得た(520mg)。LCMS m/z [M+H]+: 235.0
スキーム9: 4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-メチルアニリン(中間体I)
Figure 2024530927000107
ステップ1: 5-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)ピリジン-2-アミン(I-1)
6-アミノピリジン-3-オール塩酸塩(29.3g、0.20mol)、1-フルオロ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(31g、0.20mol)およびCs2CO3(144g、0.44mmol)/DMF(400mL)の混合物を周囲温度で終夜攪拌した。水を加え、この反応混合物をさらに1時間攪拌した。得られた懸濁液を濾過し、沈殿を回収し、表題化合物を薄黄色固体として得た(41.1g、84%)。LCMS m/z [M+H]+: 246.3; 1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 8.13(d, 1H), 7.97(dd, 1H), 7.92(d, 1H), 7.20(d, 1H), 6.68(d, 1H), 6.57(d, 1H), 4.49(br, 2H), 2.43(s, 3H)
ステップ2: 6-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(I-2)
I-1(10g、41mmol)およびDMF-DMA(9.7g、82mmol)/EtOH(100mL)の混合物を90℃で7時間撹拌した。混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をMeOHに溶解した。(アミノオキシ)スルホン酸(6.5g、82mmol)およびピリジン(5.1g、45 mmol)を0℃で加え、混合物を周囲温度で16時間攪拌し、その後これを濃縮し、カラムクロマトグラフィー(溶出: DCM)で精製し、表題化合物を薄黄色固体として得た(7.0g、66%)。LCMS m/z [M+H]+: 271.2
ステップ3: 4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-メチルアニリン(中間体I)
EtOH/H2O(100mL/5mL)中のI-2(7.0g、26mmol)、Fe(8.7g、155mmol)およびNH4Cl(8.3g、155mmol)の懸濁液を80℃で3時間攪拌した。混合物を濾過し、濾液を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=150/1)で精製し、表題化合物を薄黄色固体として得た(5.3g、85%)。LCMS m/z [M+H]+: 241.1; 1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 8.26(s, 1H), 7.99(d, 1H), 7.69(d, 1H), 7.41(dd, 1 H), 6.82(d, 1H), 6.61(d, 1H), 6.55(dd, 1H), 3.65(br, 2H), 2.14(s, 3H)
スキーム10: 4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-クロロアニリン(中間体J)
Figure 2024530927000108
ステップ1: 4-(2-クロロ-4-ニトロフェノキシ)ピリジン-2-アミン(J-1)
2-アミノピリジン-4-オール(3.0g、27mmol)、2-クロロ-1-フルオロ-4-ニトロ-ベンゼン(4.8g、27mmol)/DMF(10mL)の溶液に、Cs2CO3(13g、41mmol)を加え、80℃で2時間攪拌した。この反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、表題化合物を黄色固体として得た(5.3g、73%)。LCMS m/z [M+H]+:266.0
ステップ2:(E)-N'-(4-(2-クロロ-4-ニトロフェノキシ)ピリジン-2-イル)-N,N-ジメチルホルムアミジン(J-2)
J-1(5.3g、20mmol)およびDMF-DMA(4.8g、40mmol)/エタノール(20mL)の溶液を2時間加熱還流した。反応溶液を濃縮し、表題化合物を黄色固体として得た(5.0g、78%)。
ステップ3:(E)-N'-(4-(2-クロロ-4-ニトロフェノキシ)ピリジン-2-イル)-N-ヒドロキシホルムアミジン(J-3)
J-2(1.0g、3.1mmol)/IPA(10mL)の溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(282mg、4.0mmol)を加え、50℃で3時間攪拌し、その後これを濾過し、得られた沈殿を回収し、表題化合物を黄色固体として得た(900mg、94%)。LCMS m/z [M+H]+: 308.9
ステップ4: 7-(2-クロロ-4-ニトロフェノキシ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(J-4)
J-3(500mg、1.6mmol)/THF(10mL)の溶液にTFAA(680mg、3.24mmol)を0℃で加え、窒素雰囲気下、周囲温度で3時間攪拌した。混合物をNaHCO3水溶液でpH8に調整し、次いでEtOAcで抽出した。有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を白色固体として得た(200mg、42%)。LCMS m/z [M+H]+: 291.1
ステップ5: 4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-クロロアニリン(中間体J)
J-4(200mg、0.69mmol)/エタノール(10mL)およびH2O(5mL)の溶液に、Fe(193mg、3.44mmol)およびNH4Cl(186mg、3.44mmol)を加え、2時間加熱還流し、その後反応溶液をセライト濾過し、濃縮した。得られた残渣をジクロロメタンに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、表題化合物を黄色固体として得た(160mg、89%)。LCMS m/z [M+H]+: 261.0
スキーム11: (E)-4-クロロ-1-(4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(中間体K)
Figure 2024530927000109
ステップ1: tert-ブチル4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(K-1)
中間体A(3.0g、9.2mmol)/tert-アミルアルコール(30mL)の溶液に、中間体F(2.0g、10mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(843mg、0.92mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2'-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニル(724mg、1.84mmol)、および炭酸ナトリウム(5.8g、55mmol)を加え、100℃で2時間攪拌した。混合物を水で洗浄し、EtOAcで抽出し、乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出: 5%MeOH/DCM)で精製し、表題化合物(2.8g、59%)を得た。LCMS m/z [M+H]+: 504.2
ステップ2: N-(3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(K-2)
K-1(2.75g、5.46mmol)/DCM(10mL)の溶液にTFA(8mL)を加え、室温で1時間攪拌した。混合物を飽和NaHCO3溶液でクエンチし、DCMで抽出し、乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出: 5%MeOH/DCM)で精製し、表題化合物(1.8g、81%)を得た。LCMS m/z [M+H]+: 404.2
ステップ3:(E)-4-ブロモ-1-(4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(K-3)
DCM/H2O(25mL/10mL)中のK-2(1.8g、4.4mmol)の溶液に、重炭酸ナトリウム(1.41g、13.3mmol)および(E)-4-ブロモ-2-ブテノイルクロリド(1.6g、8.9mmol)を加え、0℃で2時間攪拌した。混合物を水で洗浄し、EtOAcで抽出し、乾燥し、蒸発乾固させ、表題化合物(1.0g、41%)を得た。LCMS m/z [M+H]+: 551.8
ステップ4:(E)-4-クロロ-1-(4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(中間体K)
K-3(1.0g、1.8mmol)/DCM(20mL)の溶液に、テトラブチルアンモニウム塩化物(2.5g、9.0mmol)を加え、周囲温度で1時間攪拌した。混合物を水で洗浄し、EtOAcで抽出し、乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣を次いでカラムクロマトグラフィー(溶出: 5%MeOH/DCM)で精製し、表題化合物(504mg、54%)を得た。LCMS m/z [M+H]+: 506.5; 1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 8.52(s, 1H), 8.24(s, 1H), 7.50(d, 1H), 7.44(d, 1H), 7.14(t, 2H), 7.06-6.97(m, 1H), 6.91(d, 2H), 6.73-6.59(m, 1H), 4.92(d, 2H), 4.25(s, 2H), 4.10-3.99(m, 2H), 3.24(d, 2H), 2.56(s, 3H), 2.28(s, 3H)
スキーム12: (E)-4-クロロ-1-(4-((4-((6-メトキシピリジン-3-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(中間体L)
Figure 2024530927000110
ステップ1: tert-ブチル4-((4-((6-メトキシピリジン-3-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(L-1)
中間体G(4.0g、17.4mmol)/tert-アミルアルコール(30mL)の溶液に中間体A(7.6g、20.9mmol)およびNa2CO3(3.7g、37.4mmol)を加えた。この混合物に、N2下、Pd2(dba)3(800mg、0.87mmol)およびDavePhos(682mg、1.74mmol)を加え、100℃で4時間加熱し、次いで周囲温度に冷却した。この反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせて水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=1/2)で精製し、表題化合物を黄色固体として得た(8.0g、88.9%)。LCMS m/z [M+H]+: 520.4
ステップ2: N-(4-((6-メトキシピリジン-3-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(L-2)
L-1(1.5g、2.9mmol)/DCM(5mL)の溶液に、TFA(8mL)を加え、得られた混合物を周囲温度で1時間攪拌し、その後これを濃縮し、水で希釈し、飽和NaHCO3でpHを>7に調整した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせて水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、表題化合物(1.2g、95%)を得た。
ステップ3: (E)-4-ブロモ-1-(4-((4-((6-メトキシピリジン-3-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(L-3)
L-2(1.15g、2.7mmol)および(E)-4-ブロモ-2-ブテン酸(890mg、5.4mmol)/DMF(10mL)の溶液に、EDCI(1.0g、5.4mmol)を加え、周囲温度で1時間攪拌し、その後この反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出: 5%MeOH/DCM)で精製し、表題化合物を黄色固体として得た(1.26g、84%)。
ステップ4: (E)-4-クロロ-1-(4-((4-((6-メトキシピリジン-3-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(中間体L)
L-3(1.26g、2.2mmol)/DCM(10mL)の溶液に、テトラブチルアンモニウム塩化物(3.1g、11.2mmol)を加え、周囲温度で終夜攪拌した。混合物を水で洗浄し、有機層を分離し、乾燥し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出: 3%MeOH/DCM)で精製し、表題化合物を黄色固体として得た(886mg、76%)。LCMS m/z [M+H]+: 522.3; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.40(s, 1H), 8.17(s, 1H), 7.90(d, 1H), 7.54 (brs, 1H), 7.47(dd, 1H), 7.39(dd, 1H), 6.98-6.88(m, 1H), 6.85(d, 1H), 6.83(d, 1H), 6.79-6.74(m, 1H), 4.97(d, 1H), 4.43-4.38(m, 2H), 3.95-3.87(m, 2H), 3.84(s, 3H), 3.30-3.24(m, 2H), 2.24(s, 3H)
スキーム13: (E)-1-(4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)-4-クロロブタ-2-エン-1-オン(中間体M)
Figure 2024530927000111
ステップ1: tert-ブチル4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(M-1)
中間体I(2g、8.32mmol)/tert-アミルアルコール(30mL)の溶液に、中間体A(2.71g、8.32mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(761mg、0.832mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2'-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニル(654mg、1.66mmol)、および炭酸ナトリウム(4.4g、41.6mmol)を加え、100℃で2時間撹拌した。混合物を水で洗浄し、EtOAcで抽出し、蒸発乾固させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出: 5%MeOH/DCM)で精製し、表題化合物(2.5g、56%)を得た。LCMS m/z [M+H]+: 530.4
ステップ2: N-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(M-2)
M-1(2.5g、4.72mmol)/DCM(15mL)の溶液にTFA(10mL)を加え、周囲温度で1時間攪拌した。混合物を飽和NaHCO3溶液でクエンチし、DCMで抽出し、濃縮乾固し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出: 5%MeOH/DCM)で精製し、表題化合物(0.97g、90%)を得た。LCMS m/z [M+H]+: 430.2
ステップ3: (E)-1-(4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)-4-ブロモブタ-2-エン-1-オン(M-3)
DCM/H2O(15mL/5mL)中のM-2(0.97g、2.25mmol)の溶液に、重炭酸ナトリウム(0.72g、6.7mmol)および(E)-4-ブロモ-2-ブテノイルクロリド(0.82g、4.5mmol)を加え、0℃で2時間撹拌した。次いで水で洗浄し、EtOAcで抽出し、乾燥し、蒸発乾固させ、表題化合物を得た。これを次のステップにそのまま用いた。
ステップ4: (E)-1-(4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)-4-クロロブタ-2-エン-1-オン(中間体M)
M-3(1.0g、1.73mmol)/DCM(20mL)の溶液にテトラブチルアンモニウム塩化物(2.4g、8.67mmol)を加え、周囲温度で1時間攪拌した。混合物を水で洗浄し、EtOAcで抽出し、乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出: 5%MeOH/DCM)で精製し、表題化合物(452mg、49%)を得た。LCMS m/z [M+H]+ 532.1; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.64(d, 1H), 8.49(s, 1H), 8.43(s, 1H), 8.25(s, 1H), 7.90(d, 1H), 7.60(s, 1H), 7.57-7.51(m, 2H), 6.97(dd, 2H), 6.81-6.73(m, 1H), 4.93(d, 2H), 4.41(dd, 2H), 3.97-3.87(m, 2H), 3.28(d, 2H), 2.27(s, 3H)
スキーム14: (E)-1-(4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-クロロフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)-4-クロロブタ-2-エン-1-オン(中間体N)
Figure 2024530927000112
中間体Fの代わりに中間体Oを用いて、表題化合物をスキーム11の中間体Kに記載の通りに製造した。表題化合物を薄黄色固体として得た(220mg)。LCMS m/z [M+H]+: 552.1; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.85(d, 1H), 8.50(d, 2H), 8.46-8.38(m, 1H), 8.02-7.89(m, 2H), 7.68-7.55(m, 2H), 7.25(d, 1H), 7.01-6.88(m, 1H), 6.84-6.73(m, 1H), 4.89(s, 2H), 4.42(s, 2H), 4.02-3.85(m, 2H), 3.32(d, 2H)
スキーム15: 4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-クロロアニリン(中間体O)
Figure 2024530927000113
ステップ1: 5-(2-クロロ-4-ニトロフェノキシ)ピリジン-2-アミン(O-1)
6-アミノピリジン-3-オール塩酸塩(5.00g、34.1mmol)および2-クロロ-1-フルオロ-4-ニトロベンゼン(5.99g、34.1mmol)/DMF(40mL)の溶液にCs2CO3(16.6g、51.0mmol)を加え、周囲温度で終夜攪拌した。その後、これをEtOAcで希釈し、水で洗浄し、有機層を分離し、乾燥し、濃縮し、表題化合物を褐色固体として得た(8.20g、90%)。LCMS m/z [M+H]+: 266.0; 1HNMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.41(d, 1H), 8.15(dd, 1H), 7.86(d, 1H), 7.33(d, 1H), 6.95(d, 1H), 6.56(d, 1H), 6.10(s, 2H)
ステップ2: (E)-N'-(5-(2-クロロ-4-ニトロフェノキシ)ピリジン-2-イル)-N,N-ジメチルホルムアミジン(O-2)
O-1(8.2g、30.9mmol)/EtOH(100mL)の溶液にDMF-DMA(18g、154mmol)を加え、1時間加熱還流した。混合物を濃縮し、表題化合物を得た。これを次のステップに直接用いた(9.3g、94%)。LCMS m/z [M+H]+: 321.0
ステップ3: 6-(2-クロロ-4-ニトロフェノキシ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(O-3)
O-2(9.3g、29.1mmol)およびピリジン(6mL、33.96mmol)/MeOH(80mL)の溶液に、(アミノオキシ)スルホン酸(8.8g、77.9mmol)を0℃で加え、周囲温度で終夜撹拌した。この反応混合物を濾過し、得られた固体をMeOHで洗浄し、乾燥し、表題化合物を薄黄色固体として得た(3.5g、41%)。LCMS m/z [M+H]+: 291.0
ステップ4: 6-(2-クロロ-4-ニトロフェノキシ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(中間体O)
EtOH/H2O(40mL/10mL)中のO-3(3.5g、12.0mmol)、Fe(3.37g、60.2mmol)およびNH4Cl(3.19g、60.2mmol)の溶液を80℃で2時間攪拌した。熱いうちに混合物を濾過し、濾液を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、濃縮し、表題化合物を黄色固体として得た(3.1g、98%)。LCMS m/z [M+H]+: 261.1
実施例化合物の合成
実施例1: 1-(4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン(化合物2)
Figure 2024530927000114
中間体M-2(スキーム13参照、60mg、0.091mmol)、HATU(41.6mg、0.109mmol)およびアクリル酸(7.51μL、0.109mmol)をDMF(1mL)中で混合し、DIPEA(0.048mL、0.274mmol)を23℃で加えた。この混合物を1時間攪拌し、次いで逆相分取HPLCで精製し、表題化合物を白色固体として得た。LCMS m/z [M+H]+: 483.8
実施例2: (E)-1-(4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(化合物3)
Figure 2024530927000115
アクリル酸の代わりに(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテン酸を用いて、表題化合物を化合物2に記載の通りに製造した。表題化合物は白色固体として得た。LCMS m/z [M+H]+: 541.0
実施例3: 1-(4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-クロロフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン(化合物4)
Figure 2024530927000116
ステップ1: tert-ブチル4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-クロロフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-カルボキシレート(4-1)
中間体A(100mg、0.31mmol)、中間体O(80mg、0.31mmol)、CH3CO2H(184mg、3.07mmol)および1,4-ジオキサン(2mL)の混合物を110℃で20時間撹拌した。この反応混合物をNaHCO3水溶液で中和し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=20:1)で精製し、表題化合物を灰白色固体として得た(25mg、15%)。LCMS m/z [M+H]+: 550.2
ステップ2: 1-(4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-クロロフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン(化合物4)
化合物4-1(25mg、0.05mmol)をDCM(4mL)に溶解し、TFA(2mL)を加えた。この混合物を周囲温度で30分間撹拌し、NaHCO3水溶液で中和し、DCMで抽出した。有機層を合わせて濃縮し、得られた残渣(20mg、0.04mmol)およびK2CO3(12mg、0.09mmol)をDCM(10mL)/水(10mL)に加え、0℃に冷却した。この混合物に塩化アクリロイル(4mg、0.04mmol)を加え、30分間撹拌した。混合物をDCMで抽出し、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。得られた残渣を分取TLC(DCM:MeOH=20:1)で精製し、表題化合物を灰白色固体として得た(6.3mg、28%)。LCMS m/z [M+H]+: 504.1; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.84(d, 1H), 8.51(s, 1H), 8.48(s, 1H), 8.39(d, 1H), 7.99(d, 1H), 7.92(d, 1H), 7.65(t, 1H), 7.58(dd, 1H), 7.25(d, 1H), 7.02-6.88(m, 1H), 6.23-6.18(m, 1H), 5.78(t, 1H), 4.95(d, 2H), 3.98-3.90(m, 2H), 3.29-3.25(m, 2H)
実施例4: (E)-1-(4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-クロロフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(化合物5)
Figure 2024530927000117
ステップ1: N-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-クロロフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(5-1)
化合物4-1(38mg、0.07mmol)をDCM(4mL)に溶解し、続いてTFA(2mL)を加えた。この混合物を周囲温度で30分間撹拌し、その後これをNaHCO3水溶液で中和し、DCMで抽出した。有機層を合わせて濃縮し、表題化合物を灰白色固体として得た(31mg、99.7%)。LCMS m/z [M+H]+: 450.0
ステップ2: (E)-1-(4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-クロロフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(化合物5)
化合物5-1(31mg、0.07mmol)、HATU(39mg、0.10mmol)、およびDIPEA(27mg、0.21mmol)/DCM(3mL)の混合物を周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物をDCMおよびH2Oの間で分配した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣を分取TLC(DCM:MeOH=20:1)で精製し、表題化合物を灰白色固体として得た(5.6mg、15%)。LCMS m/z [M+H]+: 561.1; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.84(d, 1H), 8.52(s, 1H), 8.49(s, 1H), 8.39(d, 1H), 7.99(s, 1H), 7.92(d, 1H), 7.65(t, 1H), 7.58(dd, 1H), 7.25(d, 1H), 6.88-6.79(m, 1H), 6.72-6.67(m, 1H), 4.93(d, 2H), 3.99-3.89(m, 2H), 3.34-3.28(m, 4H), 2.33(s, 6H)
実施例5: 1-(4-((3-クロロ-4-(ピリジン-3-イルオキシ)フェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン(化合物6)
Figure 2024530927000118
ステップ1: 3-(2-クロロ-4-ニトロフェノキシ)ピリジン(6-1)
2-クロロ-1-フルオロ-4-ニトロ-ベンゼン(500mg、2.85mmol)、ピリジン-3-オール(298mg、3.13mmol)、Cs2CO3(1.86g、5.7mmol)/DMF(15mL)の懸濁液を周囲温度で2時間撹拌すると、TLCで反応の完了が示された。この反応混合物を水で希釈し、混合物を30分間撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、水およびヘキサンで洗浄し、表題化合物(710mg、99%)を得た。LCMS m/z [M+H]+: 251.0; 1HNMR(400MHz、CDCl3): δ 8.54(t, 1H), 8.48(t, 1H), 8.41(d, 1H), 8.11(q, 1H), 7.41-7.40(t, 2H), 6.94(d, 1H)
ステップ2: 3-クロロ-4-(ピリジン-3-イルオキシ)アニリン(6-2)
水(10mL)/エタノール(20mL)中の6-1(700mg、2.80mmol)、Fe(942mg、16.8mmol)、NH4Cl(908mg、16.8mmol)の懸濁液を80℃で2時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をDCMに溶解し、炭酸ナトリウム溶液でpHを10に調整し、得られた混合物をDCMで抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、表題化合物を黄色固体として得た(615mg、99%)。LCMS m/z [M+H]+: 221.1
ステップ3: tert-ブチル4-((3-クロロ-4-(ピリジン-3-イルオキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-カルボキシレート(6-3)
中間体A(103mg、0.31mmol)、化合物6-2(68mg、0.31mmol)、Pd2(dba)3(57.8mg、0.063mmol)、およびDavephos(49.8mg、0.12mmol)/t-アミルアルコール(10mL)の懸濁液を100℃で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=80:1)で精製し、表題化合物を黄色固体として得た(150mg、93%)。LCMS m/z [M+H]+: 510.2
ステップ4: N-(3-クロロ-4-(ピリジン-3-イルオキシ)フェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(6-4)
化合物6-3(75mg、0.15mmol)/DCM(8mL)の溶液にTFA(3mL)を加え、周囲温度で1時間撹拌し、その後混合物を濃縮した。得られた残渣をDCMに溶解し、炭酸ナトリウム溶液でpHを10に調整し、得られた混合物をDCMで抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、表題化合物を黄色固体として得た(59mg、97%)。
ステップ5: 1-(4-((3-クロロ-4-(ピリジン-3-イルオキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン(化合物6)
化合物6-4(50mg、0.12mmol)およびDIPEA(32mg、0.25mmol)/THF(5mL)の溶液に、塩化アクリロイル(11mg、0.12mmol)/DCM(1mL)を0℃で滴下して加えた。溶液をDCMで抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣を分取TLCで精製し、表題化合物を薄黄色固体として得た(20.8mg、36%)。LCMS m/z [M+H]+: 464.1; 1HNMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.50(s, 1H), 8.42(d, 1H), 8.35(dd, 2H), 8.03-7.96(m, 1H), 7.73-7.67(m, 1H), 7.42(dd, 1H), 7.34-7.30(m, 1H), 7.28(d, 1H), 7.02-6.85(m, 1H), 6.26-6.16(m, 1H), 5.83-5.74(m, 1H), 4.94(d, 2H), 4.00-3.87(m, 2H), 3.33- 3.24(m, 2H)
実施例6: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((3-メトキシ-4-フェノキシフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物7)
Figure 2024530927000119
ステップ1: 2-メトキシ-4-ニトロ-1-フェノキシベンゼン(7-1)
1-フルオロ-2-メトキシ-4-ニトロベンゼン(5.0g、0.03mol)およびフェノール(2.75g、0.03mol)/DMSO(40mL)の溶液に、Cs2CO3(18.9g、0.058mol)を加え、100℃で2時間撹拌した。この反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して減圧濃縮し、表題化合物を黄色固体として得た(7.0g、98%)。LCMS m/z [M+H]+: 246.1
ステップ2: 3-メトキシ-4-フェノキシアニリン(7-2)
化合物7-1(7.0g、0.03mol)/エタノール(30mL)およびH2O(15mL)の溶液に、Fe(8.0g、0.15mol)およびNH4Cl(7.8g、0.145mol)を加え、2時間加熱還流した。反応溶液をセライト濾過し、濃縮した。濾液をDCMで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を分離して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、表題化合物を黄色固体として得た(6.0g、収率98%)。LCMS m/z [M+H]+: 216.3
ステップ3: tert-ブチル4-((3-メトキシ-4-フェノキシフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-カルボキシレート(7-3)
中間体A(100mg、0.31mmol)、CH3CO2H(46.1mg、0.77mmol)および化合物7-2(99.1mg、0.46mmol)を1,4-ジオキサン(3mL)に溶解し、110℃で終夜撹拌した。この反応混合物を濃縮乾固し、得られた残渣をEtOAcに溶解した。有機層をNaHCO3および食塩水で洗浄し、次いで分離し、MgSO4で乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=5/1)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(56mg、36%)。LCMS m/z [M+H]+: 505.2
ステップ4: N-(3-メトキシ-4-フェノキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(7-4)
化合物7-3(56mg、0.11mmol)およびTFA(2mL)/DCM(4mL)の溶液を周囲温度で30分間撹拌し、濃縮した。得られた残渣をDCMに溶解し、飽和Na2CO3でpHを11に調整し、有機層を食塩水で洗浄し、濃縮し、表題化合物を得た。これを精製せずに次のステップに用いた。
ステップ5: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((3-メトキシ-4-フェノキシフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物7)
化合物7-4(50mg、0.12mmol)、(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテン酸・塩酸塩(30.7mg、0.19mmol)、DIPEA(47.8mg、0.37mmol)、およびHATU(56.4mg、0.15mmol)/DCM(10mL)の混合物を周囲温度で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、得られた残渣をDCMに溶解し、食塩水で洗浄し、濃縮した。得られた残渣を分取TLC(DCM:MeOH=25:1)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(36mg、56%)。LCMS m/z [M+H]+: 516.2; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.45(s, 1H), 8.28-8.26(m, 1H), 7.49(d, 1H), 7.33-7.29(m, 3H), 7.05-7.01(m, 2H), 6.85-6.70(m, 4H), 4.93(d, 2H), 3.96-3.90(m, 2H), 3.74(s, 3H), 3.30-3.18(m, 4H), 2.29(s, 6H)
実施例7: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物8)
Figure 2024530927000120
それぞれスキーム1および11に記載の通り(中間体AおよびK)に製造したN-(3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(K-2、110mg、0.27mmol)の混合物は、(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテン酸・塩酸塩(67.7mg、0.41mmol)、DIPEA(106mg、0.82mmol)およびHATU(124mg、0.33mmol)/DCM(10mL)を周囲温度で1時間攪拌した。この反応混合物を濃縮し、得られた残渣をDCMに溶解し、食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=25/1)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(56mg、39%)。LCMS m/z [M+H]+:515.2; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ ppm 8.42(s, 1H), 8.23-8.16(m, 2H), 7.57-7.52(m, 2H), 7.25-7.18(m, 2H), 6.96-6.89(m, 2H), 6.72-6.69(m, 1H), 4.92(d, 2H), 3.95-3.88(m, 2H), 3.40(s, 2H), 3.27-3.25(m, 2H), 2.43(m, 9H), 2.19(s, 3H)
実施例8: 1-(4-((3-メチル-4-(ピリジン-3-イルオキシ)フェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン(化合物11)
Figure 2024530927000121
ステップ1: 3-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)ピリジン(11-1)
ピリジン-3-オール(300mg、3.15mmol)および1-フルオロ-2-メチル-4-ニトロ-ベンゼン(489mg、3.15mmol)/NMP(10mL)の溶液に、炭酸セシウム(2.08g、6.31mmol)を加え、周囲温度で3時間攪拌した。混合物をEtOAcに溶解し、有機溶媒を水で洗浄し、乾燥し、蒸発させて表題化合物(720mg)を得た。LCMS m/z [M+H]+: 231.2
ステップ2: 3-メチル-4-(ピリジン-3-イルオキシ)アニリン(11-2)
11-1(720mg、3.13mmol)/エタノール(40mL)および水(10mL)の溶液に、Fe(874mg、15.6mmol)および塩化アンモニウム(836mg、15.6mmol)を加え、70℃で2時間攪拌した。この混合物にEtOAcを加え、得られた混合物を水で洗浄し、乾燥し、蒸発させ、表題化合物(500mg)を得た。
ステップ3: tert-ブチル4-((3-メチル-4-(ピリジン-3-イルオキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-カルボキシレート(11-3)
AcOH(36.8mg、0.61mmol)を中間体A(80mg、0.25mmol)および11-2(49.2mg、0.25mmol)/1,4-ジオキサン(2mL)の溶液に加え、110℃で5時間加熱した。混合物を飽和NaHCO3でクエンチし、この反応混合物をEtOAcで抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM: MeOH=50:1)で精製し、表題化合物(65mg)を得た。LCMS m/z [M+H]+: 490.2
ステップ4: N-(3-メチル-4-(ピリジン-3-イルオキシ)フェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(11-4)
11-3(65mg、0.13mmol)/DCM(3mL)の溶液にTFA(2mL)を加え、周囲温度で30分間攪拌した。混合物を濃縮し、得られた残渣を飽和NaHCO3に加え、次いでDCMで抽出し、乾燥し、濃縮し、表題化合物(50mg)を得た。LCMS m/z [M+H]+: 390.1
ステップ5: 1-(4-((3-メチル-4-(ピリジン-3-イルオキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン(化合物11)
11-4(45mg、0.12mmol)およびDIPEA(30mg、0.23mmol)/DCM(5mL)の溶液に、塩化アクリロイル(10mg、0.11mmol)を0℃で加え、0℃で15分間撹拌した。この反応混合物を飽和NaHCO3でクエンチし、DCMで抽出した。有機抽出層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。得られた残渣を分取TLC(DCM:MeOH=20:1)で精製し、表題化合物(20.5mg)を得た。LCMS m/z(M+H)+: 444.4; 1HNMR(400MHz、DMSO-d6) δ 8.43(s, 1H), 8.31-8.28(m, 2H), 8.26(s, 1H), 7.57(d, 2H), 7.39(dd, 1H), 7.26(d, 1H), 7.01(d, 1H), 6.84-6.98(m, 1H), 6.21(d, 1H), 5.78(t, 1H), 4.93(d, 2H), 3.93(d, 2H), 3.28(d, 2H), 2.18(s, 3H)
実施例9: (E)-4-(3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-(4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン・ベンゼンスルホン酸塩(化合物16のベシル酸塩)
Figure 2024530927000122
(E)-4-ブロモ-1-(4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(スキーム11のK-3、200mg、0.4mmol)/DMF(6mL)の溶液に、3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン・塩酸塩(58mg、0.40mmol)およびDIPEA(153mg、1.19mmol)を加え、40℃で4時間攪拌した。この反応混合物を水で洗浄し、DCMで抽出し、乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出: 8%MeOH/DCM)で精製し、化合物16(32mg)を得た。LCMS m/z [M+H]+: 581.2
化合物16(32mg、0.06mmol)/DCM(4mL)の溶液にベンゼンスルホン酸(9.0mg、0.06mmol)を加え、25℃で5分間攪拌し、その後これを減圧濃縮し、表題化合物(37mg、99%)を薄黄色固体として得た。LCMS m/z [M+H]+: 581.2; 1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 10.68-10.13(m, 1H), 8.49(s, 1H), 8.27(s, 1H), 7.86(d, 2H), 7.63-7.46(m, 2H), 7.34(m, 4H), 7.23(d, 1H), 7.05(d, 1H), 6.91-6.72(m, 2H), 4.91(s, 2H), 4.16-3.83(m, 4H), 3.61-3.16(m, 4H), 2.85(d, 2H), 2.65(s, 3H), 2.42(s, 2H), 2.26-2.15(m, 1H), 2.07(m, 4H), 1.83-1.71(m, 2H), 1.61(s, 2H)
実施例10: (E)-1-(4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)-4-モルホリノブタ-2-エン-1-オン(化合物17)
Figure 2024530927000123
(E)-4-ブロモ-1-(4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(スキーム11のK-3、100mg、0.18mmol)/DMF(6mL)の溶液にモルホリン(79mg、0.91mmol)を加え、周囲温度で3時間攪拌した。この反応混合物を水で洗浄し、EtOAcで抽出し、乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出: 10%MeOH/DCM)で精製し、表題化合物(39mg、37%)を薄黄色固体として得た。LCMS m/z [M+H]+: 557.4; 1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 8.52(s, 1H), 8.25(d, 1H), 7.50(s, 1H), 7.43(d, 1H), 7.14-7.06(m, 2H), 6.97-6.85(m, 3H), 6.65-6.48(m, 1H), 4.90(d, 2H), 4.05(d, 2H), 3.76(s, 4H), 3.29-3.17(m, 4H), 2.56-2.52(m, 7H), 2.28(s, 3H)
実施例11: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((3-メチル-4-((2-メチルピリミジン-5-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物21)
Figure 2024530927000124
ステップ1: 2-メチル-5-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)ピリミジン(21-1)
2-メチルピリミジン-5-オール(500mg、4.54mmol)、1-フルオロ-2-メチル-4-ニトロ-ベンゼン(704mg、4.54mmol)、およびCs2CO3(2.96g、9.08mmol)/DMF(10mL)の懸濁液を周囲温度で1時間撹拌した。TLCにより反応の完了が示された。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせて食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮し、表題化合物を黄色固体として得た(753mg、67%)。LCMS m/z [M+H]+: 246.0; 1HNMR(400MHz、CDCl3): δ 8.45(s, 2H), 8.20(d, 1H), 8.05(q, 1H), 6.80(d, 1H), 2.77(s, 3H), 2.43(s, 3H)
ステップ2: 3-メチル-4-((2-メチルピリミジン-5-イル)オキシ)アニリン(21-2)
エタノール(15mL)/H2O(15mL)中の21-1(750mg、3.06mmol)、NH4Cl(817mg、15.2mmol)、Fe(856mg、15.3mmol)の懸濁液を80℃で1時間撹拌した。この反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をDCMに溶解し、炭酸ナトリウム溶液でpHを10に調整し、DCMで抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、表題化合物を薄黄色固体として得た(646mg、96%)。LCMS m/z [M+H]+: 216.1
ステップ3: tert-ブチル4-((3-メチル-4-((2-メチルピリミジン-5-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-カルボキシレート(21-3)
中間体A(100mg、0.31mmol)、21-2(99mg、0.46mmol)、Na2CO3(227mg、2.15mmol)、Davephos(48mg、0.12mmol)、Pd2(dba)3(56mg、0.061mmol)/t-アミルアルコール(10mL)の懸濁液をN2雰囲気下、100℃で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=80:1)で精製し、表題化合物を褐色固体として得た(101mg、65%)。LCMS m/z [M+H]+: 505.2
ステップ4: N-(3-メチル-4-((2-メチルピリミジン-5-イル)オキシ)フェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(21-4)
21-3(100mg、0.2mmol)/DCM(8mL)の溶液にTFA(3mL)を加え、周囲温度で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、得られた残渣をDCMに溶解し、炭酸ナトリウム溶液でpHを10に調整し、得られた混合物をDCMで抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、表題化合物を褐色固体として得た(80mg、99%)。LCMS m/z [M+H]+: 405.1
ステップ5: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((3-メチル-4-((2-メチルピリミジン-5-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物21)
21-4(80mg、0.2mmol)、(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテン酸・塩酸塩(65.5mg、0.4mmol)、DIPEA(76.5mg、0.59mmol)、HATU(188mg、0.49 mmol)の懸濁液を周囲温度で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、得られた残渣を分取TLCで精製し、表題化合物を無色固体として得た(20mg、19%)。LCMS m/z [M+H]+: 516.2; 1HNMR(400MHz、CDCl3): δ 8.52(s, 1H), 8.33(s, 2H), 7.55-7.48(m, 2H), 6.93(d, 3H), 6.67-6.51(m, 1H), 4.90(d, 2H), 4.05(d, 2H), 3.26-3.14(m, 4H), 2.71(s, 3H), 2.37-2.28(m, 9H)
実施例12: (E)-1-(4-((4-((1H-インダゾール-5-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(化合物22)
Figure 2024530927000125
ステップ1: 5-ブロモ-1-(4-メトキシベンジル)-1H-インダゾール(22-1)
PMBCl(4.69g、0.03mol)を周囲温度で5-ブロモ-1H-インダゾール(5.0g、0.025mol)およびCs2CO3(12.4g、0.04mol)/DMF(50mL)の混合物に加え、周囲温度で2時間撹拌し、次いでEtOAcで希釈した。有機層を食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン: EtOAc=10:1)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(8.0g、99%)。LCMS m/z [M+H]+: 317.0
ステップ2: 1-(4-メトキシベンジル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール(22-2)
22-1(8g、0.025mol)、Bin2Pin(6.99g、0.028mol)、Pd(dppf)Cl2(914mg、1.25mmol)およびKOAc(7.44g、0.075mol)/ジオキサン(50mL)の溶液を窒素雰囲気下、90℃で4時間撹拌した。混合物を冷却し、水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、蒸発乾固させ、表題化合物を得た。これをさらに精製せずに使用した。LCMS m/z [M+H]+: 365.0
ステップ3: 1-(4-メトキシベンジル)-1H-インダゾール-5-オール(22-3)
22-2(0.025mol)、NaOH(4g、0.1mol)、THF(10mL)およびH2O2(30%、8.5mL)の混合物を周囲温度で0.5時間撹拌した。混合物を水で希釈し、次いでEtOAcで抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=1:1)で精製し、表題化合物を橙色油状物として得た(5.0g、2ステップで78%)。LCMS m/z [M+H]+: 255.1
ステップ4: 1-(4-メトキシベンジル)-5-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)-1H-インダゾール(22-4)
22-3(1g、3.94mmol)、1-フルオロ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(610mg、3.94mmol)、Cs2CO3(1.93g、5.93mmol)/DMA(20mL)の混合物を90℃で1時間撹拌し、混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=4:1)で精製し、表題化合物を褐色油状物として得た(1.1g、72%)。LCMS m/z [M+H]+: 390.1; 1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 8.15(d, 1H), 8.00(d, 1H), 7.94(dd, 1H), 7.40(d, 1H), 7.36(d, 1H), 7.22-7.18(m, 2H), 7.07(dd, 1H), 6.87-6.84(m, 2H), 6.67(d, 1H), 5.55(s, 2H), 3.78(s, 3H), 2.44(s, 3H)
ステップ5: 4-(1-(4-メトキシベンジル)-1H-インダゾール-5-イルオキシ)-3-メチルアニリン(22-5)
EtOH/H2O(20mL/10mL)中の22-4(1.1g、2.82mmol)、鉄(791mg、14mmol)およびNH4Cl(791mg、14mmol)の溶液を80℃で3時間撹拌した。混合物を冷却して濾過した。濾液を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣をさらに精製せずに次のステップに用いた。LCMS m/z [M+H]+: 360.3; 1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 7.84(s, 1H), 7.25(d, 1H), 7.16(d, 2H), 7.08(dd, 1H), 6.93(d, 1H), 6.84-6.81(m, 2H), 6.75(d, 1H), 6.60(d, 1H), 6.52(dd, 1H), 5.49(s, 2H), 3.76(s, 3H), 3.50(b s, 2H), 2.13(s, 3H)
ステップ6: tert-ブチル4-((4-((1-(4-メトキシベンジル)-1H-インダゾール-5-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-カルボキシレート(22-6)
22-5(300mg、0.84mmol)、中間体A(353mg、1.09mmol)、DavePhos(67mg、0.17mmol)、Pd2(dba)3(153mg、0.17mmol)、およびNa2CO3(620mg、5.85mmol)/t-アミルアルコール(10mL)の混合物を窒素雰囲気下、100℃で3時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=100:1)で精製し、表題化合物を薄黄色固体として得た(400mg、74%)。LCMS m/z [M+H]+: 649.4; 1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 8.50(s, 1H), 7.90(d, 1H), 7.47(d, 1H), 7.39(dd, 1H), 7.33-7.29(m, 1H), 7.18(d, 2H), 7.11-7.09(m, 2H), 6.92-6.83(m, 4H), 5.52(s, 2H), 4.72(b s, 2H), 3.86(t, 2H), 3.78(s, 3H), 3.15(t, 2H), 2.31(s, 3H), 1.51(s, 9H)
ステップ7: N-(4-((1H-インダゾール-5-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(22-7)
22-6(200mg、0.31mmol)/TFA(10mL)の溶液を100℃で12時間撹拌した。反応溶液を濃縮し、ほとんどのTFAを除去した。得られた残渣をNa2CO3水溶液でpH 10に調整し、DCMで抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=10:1)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(80mg、60%)。1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 8.51(s, 1H), 7.97(d, 1H), 7.51(d, 1H), 7.47(d, 1H), 7.43(dd, 1H), 7.20(dd, 1H), 7.16(d, 1H), 6.98(s, 1H), 6.90(d, 1H), 4.14(s, 2H), 3.32(t, 2H), 3.10(t, 2H), 2.32(s, 3H)
ステップ8: (E)-1-(4-((4-((1H-インダゾール-5-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(化合物22)
DCM/DMA(5mL/3mL)中の22-7(30mg、0.07mmol)および(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテン酸・塩酸塩(14mg、0.084mmol)およびEDCI(27mg、0.14mmol)の混合物を周囲温度で3時間撹拌し、混合物をNaOH水溶液でpH 11に調整し、次いでDCMで抽出した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣を分取TLC(DCM:MeOH=6:1)で精製し、表題化合物を灰白色固体として得た(12.5mg、33%)。LCMS m/z [M+H]+: 540.2; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 13.06(s, 1H), 8.41(s, 1H), 8.19(s, 1H), 7.98(s, 1H), 7.57-7.55(m, 2H), 7.51-7.47(m, 1H), 7.12(d, 2H), 6.88(d, 2H), 6.74-6.67(m, 1H), 4.92(d, 2H), 3.96-3.89(m, 2H), 3.33-3.25(m, 4H), 2.41(s, 6H), 2.22(s, 3H)
実施例13: (E)-1-(4-((4-((1H-インダゾール-6-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(化合物23)
Figure 2024530927000126
ステップ1: 6-ブロモ-1-(4-メトキシベンジル)-1H-インダゾール(23-1)
PMBCl(4.69g、0.03mol)を周囲温度で6-ブロモ-1H-インダゾール(5g、0.025mol)およびCs2CO3(12.4g、0.038mol)/DMF(50mL)の混合物に加え、周囲温度で2時間撹拌した。反応溶液をEtOAcで希釈し、有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=10:1)で精製し、表題化合物を白色固体(8g、99%)として得た。LCMS m/z [M+H]+: 317.0
ステップ2: 1-(4-メトキシベンジル)-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール(23-2)
23-1(1.5g、4.73mmol)、B2Pin2(1.56g、6.14mmol)、Pd(dppf)Cl2(350mg、0.47mmol)、およびKOAc(0.93g、9.5mmol)/ジオキサン(20mL)の溶液を窒素雰囲気下、80℃で3時間撹拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせて無水Na2SO4で乾燥し、蒸発乾固させて表題化合物(1.6g)を得た。
ステップ3: 1-(4-メトキシベンジル)-1H-インダゾール-6-オール(23-3)
23-2(1.6g、4.38mmol)、NaOH(527mg、13.1mmol)、THF(10mL)およびH2O2(30%、8.5mL)の混合物を周囲温度で0.5時間撹拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせて無水Na2SO4で乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=1:1)で精製し、表題化合物を橙色油状物として得た(580mg、2ステップで55%)。LCMS m/z [M+H]+: 255.1
ステップ4: 1-(4-メトキシベンジル)-6-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)-1H-インダゾール(23-4)
23-3(574mg、2.25mmol)/DMF(20mL)の溶液に、NaH(200mg、4.5mmol)を加え、0℃で15分間撹拌した。1-フルオロ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(383mg、2.47mmol)を加え、混合物を0℃で30分間撹拌し、その後これを水で希釈してEtOAcで抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=4:1)で精製し、表題化合物を褐色油状物として得た(280mg、32%)。LCMS m/z [M+H]+: 390.1
ステップ5: 4-((1-(4-メトキシベンジル)-1H-インダゾール-6-イル)オキシ)-3-メチルアニリン(23-5)
EtOH/H2O(20mL/5mL)中の23-4(270mg、0.69mmol)、Fe(190mg、3.46mmol)およびNH4Cl(190mg、3.58mmol)の溶液を90℃で2時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を水で希釈し、DCMで抽出した。有機層を合わせて無水Na2SO4で乾燥し、蒸発乾固させ、表題化合物(240mg、88%)を得た。LCMS m/z [M+H]+: 360.3
ステップ6: tert-ブチル4-((4-((1-(4-メトキシベンジル)-1H-インダゾール-6-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(23-6)
23-5(240mg、0.67mmol)、中間体A(240mg、0.73mmol)、DavePhos(52mg、0.13mmol)、Pd2(dba)3(61mg、0.07mmol)およびNa2CO3(425mg、4.02mmol)/t-アミルアルコール(10mL)の混合物を窒素雰囲気下、100℃で3時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=100:1)で精製し、表題化合物を薄黄色固体として得た(270mg、63%)。
ステップ7: N-(4-((1-(4-メトキシベンジル)-1H-インダゾール-6-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(23-7)
23-6(270mg、0.42mmol)/TFA(3mL)およびDCM(3mL)の溶液を20℃で30分間撹拌した。混合物を濃縮し、得られた残渣をNa2CO3水溶液で塩基性にしてDCMで抽出した。有機層を合わせて無水Na2SO4で乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=10:1)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(200mg、88%)。LCMS m/z [M+H]+: 549.4
ステップ8: ジエチル(2-(4-((4-((1-(4-メトキシベンジル)-1H-インダゾール-6-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)-2-オキソエチル)ホスホネート(23-8)
23-7(90mg、0.2mmol)/DMF(8mL)の溶液に、2-(ジエトキシホスホリル)酢酸(80mg、0.4mmol)、DIPEA(52mg、0.4mmol)、およびEDCI(80mg、0.4mmol)を加え、周囲温度で1時間撹拌した。その後これを水で希釈し、EtOAcで抽出し、有機層を合わせて無水Na2SO4で乾燥し、蒸発乾固させて表題化合物を褐色油状物として得た(100mg、84%)。
ステップ9: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((4-((1-(4-メトキシベンジル)-1H-インダゾール-6-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(23-9)
23-8(100mg、0.14mmol)/THF(10mL)の溶液に、NaOH(水10mLに4g)および2-(ジメチルアミノ)アセトアルデヒド(6M塩酸10mLに1.0g)を0℃で加え、周囲温度で終夜撹拌した。その後これを水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせて無水Na2SO4で乾燥し、蒸発乾固させ、表題化合物(70mg、77%)を得た。LCMS m/z [M+H]+: 660.2
ステップ10:(E)-1-(4-((4-((1H-インダゾール-6-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(化合物23)
23-9(70mg、0.1mmol)/TFA(10mL)の溶液を80℃で48時間撹拌し、混合物を濃縮した。得られた残渣をNa2CO3水溶液でpH 10に調整し、得られた混合物をDCMで抽出した。有機層を合わせて無水Na2SO4で乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=10:1)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(6.1mg、11%)。LCMS m/z [M+H]+: 540.2; 1H NMR(400MHz、CD3OD): δ 8.36(s, 1H), 7.98(s, 1H), 7.55-7.53(m, 1H), 7.56-7.47(m, 2H), 7.03-7.00(d, 1H), 6.95-6.92(m, 1H), 6.84-6.72(m, 3H), 5.00-4.95(d, 2H), 4.07-4.04(m, 2H), 3.28-3.22(m, 4H), 2.32-2.30(d, 6H), 2.25(s, 3H)
実施例14: (E)-(3-(4-((7-(4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-eノイl)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2-メチルフェノキシ)フェニル)ボロン酸(化合物64)
Figure 2024530927000127
ステップ1: 1-(3-ブロモフェノキシ)-2-メチル-4-ニトロベンゼン(64-1)
3-ブロモフェノール(1.2g、7.0mmol)、1-フルオロ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(986mg、6.4mmol)、Cs2CO3(3.8g、11.6mmol)/DMF(14mL)の混合物を周囲温度で4時間撹拌した。この反応混合物に水を加え、得られた懸濁液をEtOAcで抽出し、水および食塩水で洗浄した。有機層を濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=100/1)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(1.1g、56%)。1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 8.17(d, 1H), 8.03(dd, 1H), 7.34-7.36(m, 1H), 7.25-7.29(m, 1H), 7.19(t, 1H), 6.95-6.98(m, 1H), 6.84(d, 1H), 2.39(s, 3H)
ステップ2: 4-(3-ブロモフェノキシ)-3-メチルアニリン(64-2)
EtOH/H2O(18mL/9mL)中の64-1(1.1g、3.6mmol)、Fe(1.2g、21.4mmol)およびNH4Cl(1.1g、20.5mmol)の溶液を80℃で3時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、濃縮し、表題化合物を褐色油状物として得た(990mg、粗製物)。LCMS m/z [M+H]+: 279.9; 1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 7.01-7.13(m, 2H), 6.96-6.96(m, 1H), 6.77-6.79(m, 2H), 6.59(d, 1H), 6.53(dd, 1H), 3.59(br, 2H), 2.08(s, 3H)
ステップ3: tert-ブチル4-((4-(3-ブロモフェノキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-カルボキシレート(64-3)
64-2(400mg、1.44mmol)、中間体A(469mg、1.44mmol)およびCH3CO2H(216mg、3.6mmol)/1,4-ジオキサン(10mL)の混合物を110℃で4時間撹拌した。この反応混合物を水でクエンチし、飽和Na2CO3でpH 9~10に調整した。得られた混合物をEtOAcで抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=7/1)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(410mg、50%)。LCMS m/z [M+H]+: 568.9; 1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 8.53(s, 1H), 7.49(dd, 1H), 7.16-7.19(m, 2H), 7.04-7.05(m, 1H), 6.98(d, 1H), 6.94(s, 1H), 6.86-6.88(m, 1H), 4.72(br, 2H), 3.77(t, 2H), br(t, 2H), 2.24(s, 3H), 1.51(s, 9H)
ステップ4: N-(4-(3-ブロモフェノキシ)-3-メチルフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(64-4)
64-3(410mg、0.72mmol)/DCM(14mL)の溶液にTFA(6mL)を加え、周囲温度で2時間撹拌した。反応溶液を濃縮してTFAを除去した。得られた残渣をDCMに溶解し、Na2CO3水溶液および食塩水で洗浄した。DCM層を濃縮し、表題化合物を白色固体として得た(310mg、粗製物)。LCMS m/z [M+H]+: 468.8
ステップ5: (E)-1-(4-((4-(3-ブロモフェノキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(64-5)
64-4(440mg、0.94mmol)、(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテン酸・塩酸塩(187mg、1.13mmol)、HATU(716mg、1.88mmol)およびDIPEA(365mg、2.82mmol)/DCM(20mL)の混合物を周囲温度で2時間撹拌し、その後水を加え、得られた混合物をDCMで抽出した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=30:1)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(350mg、64%)。LCMS m/z [M+H]+: 579.9; 1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 8.53(s, 1H), 7.46-7.52(m, 2H), 7.15-7.19(m, 2H), 7.05(br, 1H), 6.86-7.00(m, 4H), 6.46-6.59(m, 1H), 4.92(d, 2H), 4.05(d, 2H), 3.23(br, 2H), 3.13(d, 2H), 2.29(s, 6H), 2.24(s, 3H)
ステップ6: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((3-メチル-4-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(64-6)
64-5(350mg、0.61mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(184mg、0.73mmol)、CH3CO2K(119mg、1.21mmol)およびPdCl2(dppf)(44mg、0.061mmol)/1,4-ジオキサン(12mL)の混合物を窒素雰囲気下、85℃で7時間撹拌した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=30:1)で精製し、表題化合物を褐色固体として得た(200mg、53%)。LCMS m/z [M+H]+: 626.1
ステップ7: (E)-(3-(4-((7-(4-(ジメチルアミノ)-2-ブテノイル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2-メチルフェノキシ)フェニル)ボロン酸(化合物64)
THF/H2O(10mL/2.5mL)中の64-6(200mg、0.32mmol)およびNaIO4(205mg、0.96mmol)の混合物を周囲温度で0.5時間撹拌した。HCl(1N、2.2mL)を加え、この反応混合物を3時間撹拌した。飽和Na2CO3を加え、pHを8に調整した。混合物を濾過し、濾液濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NH4OH=40/4/1)で精製し、表題化合物を褐色固体として得た(30mg、17%)。LCMS m/z [M+H]+: 544.1; 1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 8.46(s, 1H), 7.68(d, 1H), 7.60(s,1H), 7.42(s, 1H), 7.33-7.36(m, 2H), 6.86-6.94(m, 4H), 6.55(dd, 1H), 4.83(d, 2H), 3.97(d, 2H), 3.35(sr, 1H), 3.14-3.32(m, 3H), 2.43(s, 3H), 2.33(s, 3H), 2.22(s, 3H)
実施例15: 2-((4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)メチル)アクリル酸エチル(化合物86)
Figure 2024530927000128
K-2(スキーム11参照、45.0mg、0.11mmol)、2-(ブロモメチル)アクリル酸エチル(28.0mg、0.14mmol)、およびDIPEA(23.1mg、0.18mmol)/1,4-ジオキサン(1.0mL)の混合物を周囲温度で終夜攪拌した。これをDCMで希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過した。濾液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出: 10%MeOH/DCM)で精製し、表題化合物を黄色固体として得た(15mg、26%)。MS m/z: 515.8(M+H)+; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.38(s, 1H), 8.14(d, 1H), 8.12(b s, 1H), 7.57-7.52(m, 2H), 7.23-7.15(m, 2H), 6.92(d, 1H), 6.20(d, 1H), 5.85(d, 1H), 4.15(q, 2H), 3.74(s, 2H), 3.38(s, 2H), 3.20(t, 2H), 2.82(t, 2H), 2.41(s, 3H), 2.16(s, 3H), 1.22(t, 3H)
実施例16: 1-(4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6(9H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン(化合物94)
Figure 2024530927000129
ステップ1: 4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6(9H)-カルボン酸ベンジル(94-1)
中間体F(390mg、1.82mmol)および中間体E(686mg、2mmol)/t-アミルアルコール(10mL)の溶液に、Pd2(dba)3(167mg、0.18mmol)、Davephos(143mg、0.36mmol)およびNa2CO3(1.1g、10.9mmol)を加え、100℃で2時間攪拌した。混合物を水で洗浄し、EtOAcで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出: 5%MeOH/DCM)で精製し、表題化合物(500mg、53%)を得た。LCMS m/z [M+H]+ 521.5
ステップ2: N-(3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(94-2)
94-1(100mg、0.19mmol)/メタノール(5mL)の溶液に、水素雰囲気下で水酸化パラジウム(50mg、0.19mmol)を加え、60℃で2時間攪拌した。この反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して表題化合物(60mg、80.8%)を得た。LCMS m/z [M+H]+ 387.1
ステップ3: 1-(4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6(9H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン(化合物94)
94-2(60mg、0.16mmol)/DCM(3mL)の溶液に、塩化アクリロイル(14mg、0.16mmol)およびDIPEA(60mg、0.47mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。この反応混合物を水で洗浄し、EtOAcで抽出し、乾燥し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出: 8%MeOH/DCM)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(7.9mg、11.2%)。LCMS m/z [M+H]+ 441.2; 1H NMR(400MHz、CD3OD): δ 8.03(d, 2H), 7.41-7.27(m, 2H), 7.21-7.14(m, 2H), 6.89-6.77(m, 2H), 6.18(d, 1H), 5.74-5.68(m, 1H), 4.89(d, 2H), 3.93-3.88(m, 2H), 2.85-2.76(m, 2H), 2.39(s, 3H), 2.12(s, 3H)
実施例17: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((4-((6-メトキシピリジン-3-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物95)
Figure 2024530927000130
表題化合物を、スキーム12に記載のL-2から製造した。L-2(75mg、0.18mmol)、(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテン酸・塩酸塩(59mg、0.35mmol)、DIPEA(69mg、0.53mmol)およびHATU(170mg、0.44mmol)/DCM(10mL)の混合物を周囲温度で1時間攪拌した。この反応混合物を濃縮し、得られた残渣をDCMに溶解し、食塩水で洗浄し、濃縮した。得られた粗製生成物を分取TLC(DCM/MeOH=25/1)で精製し、表題化合物を薄黄色固体として得た(31.5mg、32%)。LCMS m/z [M+H]+: 531.4; 1HNMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.40(s, 1H), 8.18(s, 1H), 7.90(d, 1H), 7.54(s, 1H), 7.47(q, 1H), 7.38(q, 1H), 6.86(q, 2H), 6.72(br, 2H), 4.90(d, 2H), 3.90(d, 2H), 3.84(s, 3H), 3.22(d, 4H), 2.27(s, 6H), 2.23(s, 3H)
実施例18: (E)-4-エトキシ-1-(4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物96)
Figure 2024530927000131
表題化合物を化合物8と同様の方法で製造し、最後の反応ステップで(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテン酸の代わりに(E)-4-エトキシ-2-ブテン酸を用いた。表題化合物を白色固体として得た。MS m/z: 516.3(M+H)+; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.40(s, 1H), 8.20(s, 1H), 8.15(s, 1H), 7.55-7.50 (m. 2H), 7.21-7.17(m, 2H), 6.92(d, 1H), 6.74-6.69(m, 2H), 4.93 & 4.84(2b s, 2H), 4.12-4.10(m, 2H), 3.91-3.84(m, 2H), 3.48(q, 2H), 3.29-3.22(m, 2H), 2.41(s, 3H), 2.16(s, 3H), 1.14(t, 3H)
実施例19: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物97)
Figure 2024530927000132
N-(3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(94-2)(90mg、0.23mmol)/DMF(5mL)の溶液に、(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテン酸(45.1mg、0.35mmol)、HATU(132.8mg、0.35mmol)およびDIPEA(90mg、0.7mmol)を加え、室温で終夜攪拌した。この混合物を水で洗浄し、EtOAcで抽出し、乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出: 10%MeOH/DCM)で精製し、表題化合物(19.8mg)を薄黄色固体として得た。LCMS m/z [M+H]+: 498.3; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 11.70(d, 1H), 8.32-8.17(m, 3H), 7.55(t, 2H), 7.25-7.15(m, 2H), 7.02-6.56(m, 3H), 4.91(d, 2H), 3.90-3.77(m, 2H), 3.22-3.05(m, 2H), 2.77(d, 2H), 2.43(s, 3H), 2.15(m, 9H)
実施例20: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(5-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物98)
Figure 2024530927000133
表題化合物を化合物99と同様の方法で製造し、中間体Cの代わりにtert-ブチル4-クロロ-5-メチル-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-カルボキシレート(142-3)を用いた。表題化合物を黄色固体として得た(81mg)。LCMS: 529.4(M+1); 1HNMR(400MHz、DMSO-d6): 1.19(m, 3H), 2.14-2.20(m, 9H), 2.44(s, 3H), 3.07-3.09(m, 2H), 3.28(s, 0.5H), 3.73(dd, 0.5H), 3.87(s, 1H), 4.13(dd, 0.5H), 4.36(d, 0.5H), 4.47(d, 0.5H), 4.71(d, 0.5H), 5.25(d, 0.5H), 5.37(d, 0.5H), 6.74-6.76(m, 2H), 6.95(d, 1H), 7.19-7.26(m, 2H), 7.48(d, 1H), 7.55(s, 1H), 8.18-8.25(m, 2H), 8.41(d, 1H)
実施例21: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物99)
Figure 2024530927000134
表題化合物を化合物8と同様の方法で製造したが、中間体Aの代わりに中間体Cを用いた。表題化合物を灰白色固体として得た(26.2mg)。LCMS m/z [M+H]+: 501.2; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.64(s, 0.5H), 8.45(s, 0.5H), 8.43(s, 1H), 8.17(t, 1H), 7.55(s, 1H), 7.48(d, 1H), 7.23(dd, 2H), 6.99-6.93(m, 1H), 6.78(s, 1H), 6.55(d, 1H), 5.25(s, 1H), 5.10-5.01(m, 2H), 4.82(s, 1H), 3.30(s, 2H), 2.44(s, 3H), 2.33(d, 6H), 2.21(d, 3H)
実施例22: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-8,9-ジヒドロ-5H-ピリミド[5',4':4,5]チエノ[2,3-d]アゼピン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物100)
Figure 2024530927000135
表題化合物を化合物99と同様の方法で製造し、中間体Cの代わりに中間体D-aを用いた。表題化合物を白色固体として得た(20mg)。LCMS m/z [M+H]+: 529.4; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.45(s, 1H), 8.38(d, 1H), 8.17(t, 1H), 7.51(s, 1H), 7.43-7.45(m, 1H), 7.18-7.25(m, 2H), 6.93-6.96(m, 1H), 6.64-6.72(m, 2H), 3.87-3.94(m, 3H), 3.77(t, 1H), 3.38-3.41(m, 2H), 3.16-3.20(m, 4H), 2.44(s, 3H), 2.24(s, 3H), 2.23(s, 3H), 2.18(s, 3H)
実施例23: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-6,7-ジヒドロ-5H-ピリミド[5',4':4,5]チエノ[2,3-c]アゼピン-8(9H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物101)
Figure 2024530927000136
表題化合物を化合物99と同様の方法で製造し、中間体Cの代わりに中間体D-bを用いた。表題化合物を薄黄色固体として得た(20mg)。LCMS m/z [M+H]+: 529.2; 1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 8.49(d, 1H), 8.26(d, 1H), 7.45-7.46(m, 1H), 7.37-7.40(m, 1H), 7.14-7.08(m, 2H), 6.80-7.01(m, 3H), 6.64(d, 0.5H), 6.44(d, 0.5H), 4.87(s, 1H), 4.78(s, 1H), 3.95-4.01(m, 2H), 3.22-3.33(m, 3H), 3.11(d, 1H), 2.53(s, 3H), 2.32-2.38(m, 5H), 2.28(s, 6H)
実施例24: 1-(4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)プロパ-2-エン-1-オン(化合物102)
Figure 2024530927000137
表題化合物を化合物94と同様の方法で製造し、中間体Fの代わりに中間体Iを用いた。表題化合物を白色固体として得た(16mg)。LCMS m/z [M+H]+ 467.2; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 11.70(d, 1H), 8.58(d, 1H), 8.47(s, 1H), 8.30(d, 1H), 8.17(s, 1H), 7.91-7.86(m, 1H), 7.59(d, 1H), 7.55(d, 2H), 7.09-6.90(m, 2H), 6.25-6.12(m, 1H), 5.79-5.71(m, 1H), 4.98(d, 2H), 3.89(t, 2H), 2.84-2.74(m, 2H), 2.26(d, 3H)
実施例25: (E)-1-(4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-7,8-ジヒドロピリド[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-6(5H)-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(化合物103)
Figure 2024530927000138
N-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(103-1)(160mg、0.37mmol)を102-2と同様の方法で製造し、中間体Eの代わりに中間体Bを用いた。103-1を(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテン酸・塩酸塩(74mg、0.45mmol)、HATU(212mg、0.56mmol)、およびDIPEA(144mg、1.12mmol)/DCM(20mL)と混合し、次いでこれを室温で1時間攪拌した。この反応混合物を水で洗浄し、有機層を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=20:1)で精製し、表題化合物を灰白色固体として得た(12mg、6%)。LCMS m/z [M/2+H]+: 542.5; 1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 8.48(s, 1H), 7.08-6.91(m, 2H), 6.74-6.61(m, 1H), 5.16(s, 2H), 4.03-3.85(m, 2H), 3.63-3.47(m, 2H), 3.05-2.90(m, 2H), 2.28(s, 3H), 7.94-7.87(m, 1H), 7.56(dd, 2H), 7.50-7.42(m, 1H), 8.68-8.61(m, 1H), 2.50(s, 6H), 8.43(s, 2H)
実施例26: (E)-1-(4-((4-(ベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-5-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(化合物104)
Figure 2024530927000139
ステップ1: 6-メトキシベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール1-オキシド(104-1)
KOH(16g、0.29mol)/エタノール(80mL)の溶液に、5℃で4-メトキシ-2-ニトロ-アニリン(2.0g、12mmol)を加え、10分間攪拌した。4-メトキシ-2-ニトロ-アニリンが消費されるのをTLCで観測できるまでNaClO(40mL、12mmol)を滴下して加えると、反応溶液が赤色から黄色に変化した。得られた懸濁液を濾過し、回収した固体を氷水で洗浄し、真空乾燥し、表題化合物を黄色固体として得た(1.4g、70%)。LCMS m/z [M+H]+: 166.1; 1HNMR(400MHz、CDCl3): δ 7.25-7.50(m, 1H), 6.87-7.07(m, 1H), 6.50(d, 1H), 3.90(d, 3H)
ステップ2: 5-メトキシベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール(104-2)
104-1(1.2g、7.2mmol)/THF(30mL)の溶液に、(EtO)3P(2.4g、15mmol)をゆっくりと加え、混合物を60℃で4時間攪拌した。反応溶液を濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を薄黄色固体として得た(1.02g、94%)。LCMS m/z [M+H]+: 151.1; 1HNMR(400MHz、CDCl3): δ 7.70(d, 1H), 7.11(m, 1H), 6.85(d, 1H), 3.92(s, 3H)
ステップ3: ベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-5-オール(104-3)
104-2(0.5g、3.33mmol)/1,2-ジクロロエタン(10mL)の溶液に、BBr3(8.25g、33.3mmol)を加え、85℃で24時間攪拌した。反応溶液を濃縮し、得られた残渣を水に溶解し、DCMで抽出し、有機層を乾燥し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を白色固体として得た(220mg、48%)。LCMS m/z [M+H]+: 137.1; 1HNMR(400MHz、CDCl3): δ 7.78(m, 1H), 7.16(m, 1H), 6.96(m, 1H), 6.10(d, 1H)
ステップ4: 5-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)ベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール(104-4)
104-3(210mg、1.54mmol)、1-フルオロ-2-メチル-4-ニトロ-ベンゼン(263mg、1.7mmol)、およびCs2CO3(754mg、2.31mmol)/NMP(10mL)の懸濁液を60℃で終夜攪拌した。この反応混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を薄黄色固体として得た(125mg、29%)。1HNMR(400MHz、CDCl3): δ 8.26(d, 1H), 8.16(m, 1H), 7.92(m, 1H), 7.32(m, 1H), 7.15(d, 1H), 6.86(m, 1H), 2.37(s, 3H)
ステップ5: 4-(ベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-5-イルオキシ)-3-メチルアニリン(104-5)
エタノール(10mL)/水(10mL)中の104-4(120mg、0.44mmol)、Fe(124mg、2.21mmol)、およびNH4Cl(119mg、2.21mmol)の懸濁液を80℃で1時間攪拌し、その後この反応混合物を濃縮し、得られた残渣をEtOAcに加えた。有機層を水、食塩水で洗浄し、濃縮し、表題化合物を薄黄色固体として得た(80mg、74%)。LCMS m/z [M+H]+: 242.3; 1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 7.79(d, 1H), 7.33(m, 1H), 6.86(d, 1H), 6.58-6.63(m, 3H), 3.66 (br s, 2H), 2.09(s, 3H)
ステップ6: tert-ブチル4-((4-(ベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-5-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-カルボキシレート(104-6)
104-5(80mg、0.33mmol)、中間体A(227mg、0.70mmol)、Na2CO3(246mg、2.32mmol)、Davephos(52mg、0.13mmol)、およびPd2(dba)3(60mg、0.07mmol)/t-アミルアルコール(10mL)の懸濁液をN2下、100℃で3時間攪拌した。この反応混合物を濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を褐色固体として得た(160mg、90%)。1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 8.55(s, 1H), 7.84(m, 1H), 7.61(t, 2H), 7.37(m, 1H), 7.11(d, 1H), 7.00(s, 1H), 6.67(d, 1H), 4.74(s, 2H), 3.88(t, 2H), 3.19(br, 2H), 2.24(s, 3H), 1.52(s, 9H)
ステップ7: N-(4-(ベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-5-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(104-7)
104-6(141mg、0.26mmol)/DCM(8mL)の溶液にTFA(3mL)を加え、周囲温度で1時間攪拌した。その後混合物を濃縮し、得られた残渣をDCMに溶解し、炭酸ナトリウム溶液でpHを10に調整し、次いでDCMで抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、表題化合物を黄色固体として得た(113mg、99%)。LCMS m/z [M+H]+: 431.5
ステップ8: (E)-1-(4-((4-(ベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-5-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(化合物104)
104-7(110mg、0.26mmol)、(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテン酸・塩酸塩(84mg、0.51mmol)、HATU(243mg、0.64mmol)、およびDIPEA(99mg、0.77mmol)/DCM(10mL)の懸濁液を20℃で終夜攪拌した。混合物を濃縮し、得られた残渣を分取TLCで精製し、表題化合物を薄黄色固体として得た(20mg、14%)。LCMS m/z [M+H]+: 542.5; 1H NMR(400MHz、DMSOd6): δ 8.46(s, 1H), 8.32(s, 1H), 8.15(d, 1H), 7.67-6.90(m, 2H), 7.57(m, 1H), 7.20(d, 1H), 6.72-6.87(m, 3H), 4.93(d, 2H), 3.93(d, 2H), 3.27(br, 4H), 2.32(s, 6H), 2.18(s, 3H)
実施例27: (R)-4-(ジメチルアミノ)-1-(5-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)ブタ-2-エン-1-オンおよび(S)-4-(ジメチルアミノ)-1-(5-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン
Figure 2024530927000140
化合物98のエナンチオマーを、Lux Cellulose-4カラムを用いたHPLCで分離した。第1溶出エナンチオマーを化合物106([α]D 110=+109.09°(C=0.22g/100mL MeOH))とし、第2溶出エナンチオマーを化合物105([α]D 110=-134.29°(C=0.21g/100mL MeOH))とした。
実施例28: (E)-1-(4-((4-(ベンゾ[d]チアゾール-5-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(化合物107)
Figure 2024530927000141
ステップ1: 1-(3-ヒドロキシフェニル)チオ尿素(107-1)
3-アミノフェノール(5.0g、45.8mmol)、濃HCl(4.5mL)および水(12.5mL)の混合物を0.5時間加熱還流した。この反応混合物を周囲温度で冷却し、KSCN(8.9g、92mmol)を加え、その後これを4時間加熱還流した。得られた溶液を砕氷に注ぎ、濾過した。固体を回収し、乾燥し、エタノールから再結晶して、表題化合物を白色結晶として得た(2.3g、30%)。LCMS m/z [M+H]+: 169.0
ステップ2: 2-アミノベンゾ[d]チアゾール-5-オール(107-2)
107-1(2.3g、13.75mmol)をクロロホルム(30mL)に溶解した。Br2(2.2g、13.8mmol)/クロロホルムの溶液を滴下して加えている間、混合物の温度を5℃未満に保った。HBrが生成されなくなるまで反応を4時間加熱還流し、その後これをEtOAcに溶解し、有機層を分離し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、カラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を黄色固体として得た(1.08g、47%)。LCMS m/z [M+H]+: 167.0
ステップ3: ベンゾ[d]チアゾール-5-オール(107-3)
107-2(1.08g、6.5mmol)/1,4-ジオキサン(15mL)の混合物に、t-BuONO(1.01g、9.75mmol)を加えた。この混合物を85℃で2時間撹拌し、その後これを水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc:5/1)で精製し、表題化合物を黄色固体として得た(500mg、収率51%)。LCMS m/z [M+H]+: 152.0
ステップ4: 5-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)ベンゾ[d]チアゾール(107-4)
Cs2CO3(1.16g、3.57mmol)、1-フルオロ-2-メチル-4-ニトロ-ベンゼン(277mg、1.79mmol)を107-3(270mg、1.79mmol)/DMF(10mL)の溶液に加えた。得られた混合物を80℃で2時間撹拌し、この反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、表題化合物を黄色固体として得た(200mg、39%)。LCMS m/z [M+H]+: 287.1
ステップ5: 4-(ベンゾ[d]チアゾール-5-イルオキシ)-3-メチルアニリン(107-5)
107-4(200mg、0.7mmol)/エタノール(10mL)およびH2O(5mL)の溶液に、Fe(196mg、3.49mmol)、NH4Cl(188mg、3.49mmol)を加えた。この混合物を2時間加熱還流した後、セライト濾過し、濃縮した。得られた残渣をDCMに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、表題化合物を黄色固体として得た(170mg、95%)。LCMS m/z [M+H]+: 257.4
ステップ6: tert-ブチル4-((4-(ベンゾ[d]チアゾール-5-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(107-6)
Pd2(dba)3(61mg、0.07mmol)およびDavophos(52mg、0.13mmol)を107-5(170mg、0.66mmol)、中間体A(259mg、0.8mmol)、およびNa2CO3(211mg、1.99mmol)/tert-アミルアルコール(10mL)の溶液に加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下、100℃で3時間撹拌し、その後これを水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc:1/2)で精製し、表題化合物を黄色固体として得た(280mg、77%)。LCMS m/z [M+H]+: 546.5
ステップ7: N-(4-(ベンゾ[d]チアゾール-5-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(107-7)
TFA(3mL)を107-6(200mg、0.37mmol)/DCM(5mL)の溶液に加え、得られた混合物を周囲温度で0.5時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、水で希釈し、pHを飽和NaHCO3溶液で>7に調整した。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせて水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、表題化合物(123mg、75%)を得た。
ステップ8: (E)-1-(4-((4-(ベンゾ[d]チアゾール-5-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)-3-(ジメチルアミノ)プロパ-2-エン-1-オン(化合物107)
107-7(123mg、0.27mmol)、(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテン酸・塩酸塩(68.3mg、0.41mmol)/DMF(5mL)の溶液に、EDCI(105mg、0.55mmol)を加えた。得られた混合物を周囲温度で1時間撹拌するとTLCで反応の完了が示された。この反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣を分取TLC(溶出: 4%MeOH/DCM)で精製し、表題化合物を薄黄色固体として得た。LCMS m/z [M+H]+ : 557.5; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 9.40(s, 1H), 8.43(s, 1H), 8.24(s, 1H), 8.15(d, 1H), 7.60-7.56(m, 2H), 7.40(d, 1H), 7.20(dd, 1H), 7.03(d, 1H), 6.79-6.71(m, 2H), 4.92(d, 2H), 3.95-3.89(m, 2H), 3.28-3.24(m, 2H), 3.10-3.06(m, 2H), 2.19(s, 9H)
実施例29: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-7,8-ジヒドロピリド[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-6(5H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物108)
Figure 2024530927000142
表題化合物を化合物99と同様の方法で製造したが、中間体Cの代わりに中間体Bを用いた。表題化合物を灰白色固体として得た(8.7mg)。LCMS m/z [M+H]+: 515.2; 1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 8.47-8.14(m, 3H), 7.57-7.40(m, 2H), 7.29-7.14(m, 2H), 7.01-6.80(m, 2H), 6.73-6.62(m, 1H), 5.28-5.06(m, 2H), 4.05-3.84(m, 2H), 3.40-3.33(m, 2H), 3.07-2.91(m, 2H), 2.44(s, 3H), 2.20(s, 3H), 2.29(dd, 6H)
実施例30: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物109)
Figure 2024530927000143
ステップ1: 5-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)ピリジン-2-アミン(109-1)
6-アミノピリジン-3-オール(4.0g、0.04mol)および1-フルオロ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(3.1g、0.04mol)/DMF(50mL)の溶液に、Cs2CO3(18g、0.054mol)を加え、混合物を周囲温度で3時間攪拌した。その後これを水に注ぎ、得られた沈殿を濾過により回収し、表題化合物を褐色固体として得た(5.0g、56%)。LCMS m/z [M+H]+: 246.1
ステップ2: 6-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)イミダゾ[1,2-a]ピリジン(109-2)
109-1(1.0g、4.1mmol)および2-クロロアセトアルデヒド(4mL)の混合物をエタノール(20mL)に溶解し、得られた混合物を80℃で5時間攪拌した。その後この反応混合物を濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=50/1)で精製し、表題化合物を黄色固体として得た(1.2g、99%)。LCMS m/z [M+H]+: 270.1
ステップ3: 4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-メチルアニリン(109-3)
109-2(1.21g、4.49mmol)、NH4Cl(1.46g、27mmol)およびFe(1.51g、27mmol)の混合物をエタノール(30mL)および水(15mL)に溶解し、80℃で2時間攪拌した。その後この反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をDCM/水に溶解し、DCMで抽出した。有機層を合わせて無水Na2SO4で乾燥し、濃縮し、表題化合物を薄黄色固体として得た(700mg、65%)
ステップ4: tert-ブチル4-((4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(109-4)
109-3(200mg、0.84mmol)/tert-アミルアルコール(8mL)の溶液に、中間体A(225mg、0.84mmol)、Pd2(dba)3(76.5mg、0.08mmol)、Davephos(66mg、0.17mmol)およびNa2CO3(532mg、5.0mmol)を加えた。得られた混合物を100℃で2時間攪拌し、その後これを周囲温度に冷却し、水で洗浄し、EtOAcで抽出し、乾燥し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出: 5%MeOH/DCM)で精製し、表題化合物(180mg)を得た。LCMS m/z [M+H]+: 529.7
ステップ5: N-(4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(109-5)
109-4(180mg、0.34mmol)/DCM(8mL)の溶液にTFA(3mL)を加え、混合物を周囲温度で1時間攪拌した。その後これに飽和NaHCO3水溶液を加えてクエンチし、DCMで抽出し、乾燥し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出: 10%MeOH/DCM)で精製し、表題化合物(90mg)を得た。LCMS m/z [M+H]+ 429.1
ステップ6: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物109)
109-5(90mg、0.21mmol)/DCM(8mL)の溶液に(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテン酸・塩酸塩(42mg、025mmol)、HATU(120mg、0.31mmol)およびDIPEA(81mg、0.63mmol)を加え、混合物を25℃で2時間攪拌した。その後これを水で洗浄し、DCMで抽出し、乾燥し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出: 10%MeOH/DCM)で精製し、表題化合物(40mg、35%)を白色固体として得た。LCMS m/z [M+H]+: 540.3; 1H NMR(400MHz、CD3OD): δ 8.34(s, 1H), 8.09(d, 1H), 7.77(s, 1H), 7.59-7.55(m, 3H), 7.48(dd, 1H), 7.23(dd, 1H), 7.00(d, 1H), 6.90-6.71(m, 2H), 4.98(d, 2H), 4.06(t, 2H), 3.32-3.25(m, 2H), 3.23(d, 2H), 2.32(d, 9H)
実施例31: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((3-メチル-4-((2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-7-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物110)
Figure 2024530927000144
ステップ1: 4-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)ピリジン-2-アミン(110-1)
2-アミノピリジン-4-オール(2.0g、18.2mmol)および1-フルオロ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(2.82g、18.2mmol)/DMF(40mL)の溶液に、炭酸セシウム(7.1g、21.8mmol)を加え、周囲温度で終夜撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、有機層を水で洗浄し、乾燥し、蒸発させ、表題化合物(3.82g)を褐色固体として得た。LCMS m/z(M+H)+: 246.3
ステップ2: 2-メチル-7-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)イミダゾ[1,2-a]ピリジン(110-2)
110-1(800mg、3.26mmol)、および1-クロロプロパン-2-オン(150mg、0.58mmol)/DCM(25mL)および飽和NaHCO3(25mL)の混合物を45℃で2日間撹拌した。この反応混合物をDCMで抽出し、食塩水で洗浄し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1)で精製し、表題化合物を黄色固体として得た(700mg、76%)。LCMS m/z [M+H]+: 284.3; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.52(d, 1H), 8.28(d, 1H), 8.08(dd, 1H), 7.65(s, 1H), 7.09(d, 1H), 6.69(d, 1H), 6.74(dd, 1H), 2.37(s, 3H), 2.30(s. 3H)
ステップ3: 3-メチル-4-((2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-7-イル)オキシ)アニリン(110-3)
EtOH/H2O(20mL/10mL)中の110-2(700mg、2.47mmol)、Fe(692mg、12.4mmol)およびNH4Cl(668mg、12.4mmol)の混合物を80℃で2時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を水に加え、EtOAcで抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、濃縮し、表題化合物を黄色固体(510mg、82%)として得た。LCMS m/z [M+H]+: 254.1; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.35(d, 1H), 7.49(s, 1H), 6.75(d, 1H), 6.62(dd, 1H), 6.52(d, 1H), 6.46(dd, 1H), 6.27(d, 1H), 5.01(s, 2H), 2.23(s, 3H), 1.98(s. 3H)
ステップ4: tert-ブチル4-((3-メチル-4-((2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-7-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-カルボキシレート(110-4)
110-3(185mg、0.73mmol)、中間体A(285mg、0.87mmol)、DavePhos(114mg、0.3mmol)、Pd2(dba)3(113mg、0.2mmol)およびNa2CO3(541mg、5.1mmol)/t-AmOH(15mL)の混合物を窒素雰囲気下、100℃で2時間撹拌した。この反応混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出し、食塩水で洗浄し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=50:1)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(110mg、28%)。LCMS m/z [M+H]+: 543.2; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.42-8.43(m, 2H), 8.23(s, 1H),7.60-7.62(m, 2H), 7.55(s ,1H), 7.09(d, 1H), 6.70(dd, 1H), 6.45(d, 1H), 4.69(s, 2H), 3.72(t, 2H), 3.24(t, 2H), 2.25(s, 3H), 2.17(s, 3H), 1.46(s, 9H)
ステップ5: N-(3-メチル-4-((2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-7-イル)オキシ)フェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(110-5)
110-4(110mg、0.20mmol)/DCM(3mL)の溶液にTFA(3mL)を加え、この混合物を周囲温度で1時間撹拌し、次いで濃縮した。得られた残渣をDCMに溶解後、有機層をNa2CO3水溶液および食塩水で洗浄し、次いで濃縮し、表題化合物を得た。LCMS m/z [M+H]+: 443.3
ステップ6: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((3-メチル-4-((2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-7-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物110)
110-5(72mg、0.20mmol)、(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテン酸・塩酸塩(50mg、0.3mmol)、HATU(152mg、0.40mmol)およびDIPFA(65mg、0.5mmol)/DCM(5mL)の混合物を周囲温度で1時間撹拌し、その後水を加え、有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣を分取HPLCで精製し、表題化合物を白色固体(23.3mg、21%)として得た。LCMS m/z [M+H]+: 554.2; 1H NMR(400MHz、CD3OD): δ 8.66(d, 1H), 8.40(s, 1H), 7.80(s, 1H), 7.63-7.68 (m , 2H),7.28(dd, 1H), 7.22(d, 1H), 7.03-7.15(m, 1H), 6.94(d, 1H), 6.76-6.85(m, 1H), 5.02(d, 2H), 3.99-4.11(m, 4H), 3.35-3.41(m, 2H), 2.95および2.96(s, 6H), 2.49(d, 3H), 2.25(s, 3H)
実施例32: (E)-1-(4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5H-ピロロ[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-6(7H)-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(化合物111)
Figure 2024530927000145
中間体Fの代わりに中間体Iを用いて、表題化合物を化合物99と同様の方法で製造した。表題化合物を灰白色固体として得た(26mg)。LCMS m/z [M+H]+: 527.5; 1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 8.65(dd, 1.5H), 8.50-8.41(m, 2.5H), 7.90(d, 1H), 7.57(d, 2H), 7.51-7.45(m, 1H), 7.05(d,1H), 6.84-6.73(m, 1H), 6.57-6.47(m, 1H), 5.26(s, 1H), 5.11-5.00(m, 2H), 4.82(s, 1H), 3.19(s, 2H), 2.27(q, 9H)
実施例33: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物126)
Figure 2024530927000146
ステップ1: 7-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)イミダゾ[1,2-a]ピリジン(126-1)
110-1(3.82g、15.6mmol)/エタノール(25mL)の溶液に、クロロアセトアルデヒド(1.83g、23.3mmol)を加え、85℃で2時間加熱し、その後これを蒸発させ、得られた残渣をEtOAcで抽出し、水で洗浄し、乾燥し、蒸発させ、表題化合物(2.15g)を黒色油状物として得た。LCMS m/z [M+H+]+: 270.3
ステップ2: 4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルアニリン(126-2)
126-1(2.15g、8mmol)/エタノール(20mL)の溶液にFe(2.23g、40mmol)、塩化アンモニウム(2.14g、40mmol)および水(5mL)を加え、80℃で1.5時間加熱した。その後これをDCMで希釈し、有機層を水で洗浄し、乾燥し、蒸発させ、表題化合物(1.05g)を得た。
ステップ3: tert-ブチル4-((4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート(126-3)
126-2(300mg、1.25mmol)、中間体A(409mg、1.26mmol)/t-アミルアルコール(6mL)の溶液に、Pd2(dba)3(115mg、0.13mmol)、Davephos(99mg、0.25mmol)および炭酸ナトリウム(930mg、8.8mmol)を加え、窒素雰囲気下、100℃で3時間加熱した。その後これを蒸発させ、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=20:1)で精製し、表題化合物(250mg)を黄色固体として得た。LCMS m/z [M+H]+:529.6
ステップ4: N-(4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(126-4)
126-3(250mg、0.47mmol)/DCM(3mL)の溶液にTFA(3mL)を加え、この混合物を周囲温度で0.5時間撹拌した。その後これを飽和NaHCO3でクエンチし、DCMで抽出し、乾燥し、蒸発させ、表題化合物(140mg)を得た。LCMS m/z [M+H]+: 429.2
ステップ5: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物126)
化合物126-4(140mg、0.33mmol)および(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテン酸・塩酸塩(65mg、0.39mmol)/DCM(5mL)の溶液にEDCI(94mg、0.49mmol)を加え、周囲温度で終夜撹拌した。この反応混合物を飽和NaHCO3でクエンチし、DCMで抽出し、乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣を分取TLC(DCM:MeOH=20:1)で精製し、表題化合物(16.5mg)を得た。LCMS m/z [M+H]+: 540.2; 1HNMR(400MHz、CDCl3) δ 8.54(s, 1H), 8.05(d, 1H), 7.55-7.47(m, 4H), 7.06(d, 1H), 6.90-6.98(m, 2H), 6.76(s, 1H), 6.71(d, 1H), 6.48-6.68(m, 1H), 4.80-4.99(m, 2H), 3.95-4.13(m, 2H), 3.08-3.36(m, 4H), 2.19-2.45(m, 9H)
実施例34: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((3-メチル-4-((2-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物127)
Figure 2024530927000147
ステップ1: (E)-N-トシルオキシアセトイミド酸エチル(127-1)
(E)-N-ヒドロキシアセトイミド酸エチル(1.3g、12mmol)/DMF(2mL)の溶液を塩化パラトルエンスルホニル(2.0g、11mmol)およびTEA(1.6g、16mmol)/DMFの溶液に0℃で滴下して加え、この混合物を0℃で0.5時間、次いで周囲温度で1時間攪拌した。この反応混合物に、さらに10分間撹拌しながら水(80mL)を加えた。得られた懸濁液を濾過し、表題化合物を白色固体として得た(1.2g、44%)。LCMS m/z [M+H]+: 258.2
ステップ2: トシルヒドロキシルアミン(127-2)
127-1(1.2g、4.66mmol)およびHClO4(70%、10mL)/水(40mL)の混合物を周囲温度で10分間攪拌した。この反応混合物に、水(100mL)を加え、30分間撹拌を続けた。固体を濾過により回収し、表題化合物を白色固体として得た(450mg、52%)。
ステップ3: (127-3)
127-2(450mg、2.4mmol)および4-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)ピリジン-2-アミン(530mg、2.2mmol)/DCM(40mL)の混合物を周囲温度で3分間攪拌した。固体を濾過により回収し、表題化合物を白色固体として得た(900mg、95%)。
ステップ4: 2-メチル-7-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(127-4)
KOH(1.16g、20.8mmol)/水(10mL)を127-3(900mg、2.08mmol)およびアセトアルデヒド(115mg、2.6mmol)/MeOHの溶液に加え、得られた混合物を周囲温度で30分間攪拌し、その後これをDCMで抽出し、食塩水で洗浄し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1)で精製し、表題化合物を黄色固体として得た(270mg、46%)。LCMS m/z [M+H]+: 285.3; 1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 8.45(d, 1H), 8.22(d, 1H), 8.11(dd, 1H), 7.08(d, 1H), 6.91(d, 1H), 6.76(dd, 1H), 2.56(s, 3H), 2.37(s, 3H)
ステップ5: 3-メチル-4-((2-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)オキシ)アニリン(127-5)
EtOH/H2O(20mL/10mL)中の127-4(270mg、0.95mmol)、Fe(266mg、4.75mmol)およびNH4Cl(255mg、4.75mmol)の混合物を80℃で2時間攪拌した。混合物を濾過し、濾液を水で希釈し、EtOAcで抽出し、有機層を無水Na2SO4で乾燥し、濃縮し、表題化合物を白色固体として得た(180mg、75%)。
ステップ6: tert-ブチル4-((3-メチル-4-((2-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-7,8-ジヒドロピリド[4,3-d]ピリミジン-6(5H)-カルボキシレート(127-6)
127-5(160mg、0.63mmol)、中間体A(248mg、0.76mmol)、DavePhos(12mg、0.032mmol)、Pd2(dba)3(30mg、0.032mmol)およびCs2CO3(410mg、1.26mmol)/t-アミルアルコール(15mL)の混合物を窒素雰囲気下、100℃で5時間攪拌し、この反応混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出し、食塩水で洗浄し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=50:1)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(150mg、44%)。LCMS m/z [M+H]+: 544.5; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.85(d, 1 H), 8.51(s, 1H), 8.33(s, 1H), 7.71-7.72(m, 2H), 7.22(d, 1H), 6.96(dd, 1H), 6.72(d, 1H), 4.75(s, 2H), 3.77(t, 2H),3.31(m, 2H), 2.46(s, 3H), 2.23(s, 3H), 1.52(s, 9H)
ステップ7: N-(3-メチル-4-((2-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)オキシ)フェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4,3-d]ピリミジン-4-アミン(127-7)
127-6(120mg、0.22mmol)/DCM(3mL)の溶液にTFA(3mL)を加え、周囲温度で0.5時間攪拌した。この反応混合物を濃縮し、得られた残渣をDCMに溶解し、Na2CO3水溶液、次いで食塩水で洗浄した。有機層を濃縮し、表題化合物を得た。これを次のステップに直接用いた。LCMS m/z [M+H]+: 444.3
ステップ8: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((3-メチル-4-((2-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物127)
127-7(90mg、0.21mmol)、(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテン酸・塩酸塩(38mg、0.23mmol)、HATU(160mg、0.42mmol)およびDIPFA(62mg、0.53mmol)/DCM(5mL)の混合物を周囲温度で1時間攪拌した。この反応混合物を水でクエンチし、有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、蒸発乾固させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=15:1)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(31.6mg、27%)。LCMS m/z [M+H]+: 555.2; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.54(s, 1H), 8.36(d, 1H),7.58-7.65(m, 2H), 7.71-7.72 (m , 2H), 7.06(d, 1H), 6.89(m, 1H), 6.76-6.77(m, 2H), 4.95(s, 2H), 4.11(t, 2H), 3.38-3.57(m, 5H) , 2.69(s, 3H), 2.48-2.53(s, 5H), 2.23(s, 3H)
実施例35: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((4-((6-メトキシピリジン-3-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物128)
Figure 2024530927000148
中間体Fの代わりに中間体Gを用いて、表題化合物を化合物99と同様の方法で製造した。表題化合物を薄黄色固体として得た(38mg)。LCMS m/z [M+H]+: 517.5; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.52(d, 1H), 8.40(d, 1H), 7.92(t, 1H), 7.50(t, 1H), 7.38-7.44(m, 2H), 6.82-6.88(m, 2H), 6.73-6.80(m, 1H), 6.48(q, 1H), 5.21(t, 1H), 5.03(q, 2H), 4.80(t, 1H), 3.84(s, 3H), 3.09(t, 2H), 2.25(d, 3H), 2.19(d, 6H)
実施例36: (E)-1-(4-((3-クロロ-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5H-ピロロ[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-6(7H)-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(化合物129)
Figure 2024530927000149
中間体Fの代わりに中間体Hを用いて、表題化合物を化合物99と同様の方法で製造した。表題化合物を薄黄色固体として得た(29mg)。LCMS m/z [M+H]+: 521.2; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.64(d, 1H), 8.49(s, 1H), 8.21(t, 1H), 7.94(d, 1H), 7.63-7.69(m, 1H), 7.27(d, 2H), 7.20(q, 1H), 6.74-6.83(m, 1H), 6.50(q, 1H), 5.27(s, 1H), 5.07(s, 2H), 4.82(s, 1H), 3.11(t, 2H), 2.46(s, 3H), 2.20(d, 6H)
実施例37: (E)-1-(4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5H-ピロロ[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-6(7H)-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(化合物130)
Figure 2024530927000150
表題化合物を化合物99と同様の方法で製造したが、中間体Fの代わりに4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルアニリン(2-クロロ-1-フルオロ-4-ニトロ-ベンゼンの代わりに1-フルオロ-2-メチル-4-ニトロベンゼンを用いて中間体Jの記載と同様に製造)を用いた。表題化合物を灰白色固体として得た(15.4mg)。LCMS m/z [M+H]+: 527.2; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.73-8.68(m, 0.5H), 8.55-8.52(m, 0.5H), 6.79(s, 2H), 6.60-6.46(m, 1H), 3.21-3.15(m, 2H), 2.22(dd, 9H), 4.87-4.80(m, 1H), 5.32-5.27(m, 1H), 7.06-7.00(m, 1H), 7.24-7.17(m, 1H), 7.70-7.58(m, 2H), 8.47(s, 1H), 8.38(s, 1H), 8.97-8.91(m, 1H), 5.08(s, 2H)
実施例38: (E)-1-(4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(化合物138)
Figure 2024530927000151
中間体Cの代わりに中間体Aを用いて、表題化合物を化合物130と同様の方法で製造した。表題化合物を灰白色固体として得た(31mg)。LCMS m/z [M+H]+: 541.6; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.92(d, 1H), 8.45(s, 1H), 8.37(s, 1H), 8.28(s, 1H), 7.65(d, 2H), 7.18(d, 1H), 7.00-7.03(m, 1H), 6.71-6.78(m, 3H), 4.87-4.97(m, 2H), 3.89-3.95(m, 2H), 3.28(s, 2H), 3.09(br m, 2H), 2.18(m, 9H)
実施例39: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(5-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物141)
Figure 2024530927000152
最初のステップで出発物質としてtert-ブチル4-オキソピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル2-メチル-3-オキソピロリジン-1-カルボキシレートを用いて、表題化合物を化合物8と同様の方法で製造した。表題化合物を薄黄色固体として得た。MS m/z: 515.2(M+H)+; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.72(s, 0.5H), 8.54(s, 0.5H), 8.42(d, 1H), 8.17-8.16(m, 1H), 7.52(d, 1H), 7.44-7.41(m, 1H), 7.23-7.19(m, 2H), 6.93(dd, 1H), 6.82-6.71(m, 1H), 6.53-6.39(m, 1H), 6.06-5.97(m, 1H), 5.05-4.90(m, 1.5H), 4.72-4.68(m, 0.5H), 3.10-3.05(m, 2H), 2.42(d, 3H), 2.20-2.15(m, 9H), 1.44-1.40(m, 3H)
実施例40: 1-(5-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン(化合物142)
Figure 2024530927000153
ステップ1: 6-tert-ブチル3-エチル2-アミノ-4-メチル-4,5-ジヒドロチエノ[2,3-c]ピリジン-3,6(7H)-ジカルボキシレート(142-1)
tert-ブチル3-メチル-4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート(2.0g、9.4mmol)、2-シアノ酢酸エチル(1.06g、9.4mmol)、硫黄(0.3g、9.4mmol)およびTEA(0.95g、9.4mmol)/EtOH(20mL)の溶液を室温で終夜攪拌した。この混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=2:1)で精製し、表題化合物(1.2g、41%)を黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 1.05(d, 2H), 1.50(s, 9H), 2.39-2.57(m, 3H), 2.86(br, 1H), 3.23-3.30(m, 1H), 4.11-4.30(m, 2H), 1.27(d, 3H)
ステップ2: tert-ブチル5-メチル-4-オキソ-3,4,5,6-テトラヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-カルボキシレート(142-2)
142-1(1.2g、3.9mmol)、およびホルムアミジン酢酸塩(545mg、5.23mmol)/DMF(10ml)の溶液を100℃で終夜加熱した。この反応混合物を周囲温度に冷却し、水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(1.0g、81%)を黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 1.18(d, 3H), 1.44(s, 9H), 3.13(br, 2H), 4.00(br, 1H), 4.25(br, 1H), 4.97(br, 1H), 8.05(s, 1H), 12.43(br, 1H)
ステップ3: tert-ブチル4-クロロ-5-メチル-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-カルボキシレート(142-3)
POCl3(5mL)/TEA(5mL)の混合物に、142-2(500mg、1.56mmol)を0℃で加え、60℃で2時間加熱した。その後これを冷飽和炭酸ナトリウム溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(250mg、53%)を黄色油状物として得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6): 1.26(d, 3H), 1.46(s, 9H), 3.17(br, 1H), 3.57(br, 1H), 4.12(br, 1H), 4.44(br, 1H), 5.17(br, 1H), 8.87(s, 1H)
ステップ4: tert-ブチル5-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-カルボキシレート(142-4)
142-3(280mg、0.83mmol)、中間体F(177mg、0.83mmol)、Cs2CO3(269mg、1.65mmol)、Pd2(dba)3(37mg、0.043mmol)およびDavephos(32mg、0.086mmol)/2-メチル-2-ブタノール(5mL)の溶液を100℃で2時間加熱した。この混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(210mg、49%)を黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 1.22(d, 3H), 1.46(s, 9H), 2.20(s, 3H), 2.44 s, 3H), 3.45(br, 1H), 3.79(br, 1H), 4.01(br, 1H), 4.37(br, 1H), 5.01(br, 1H), 6.95(d, 1H), 7.19-7.26(m, 2H), 7.51(d, 1H), 7.56(d, 1H), 8.16(s, 1H), 8.18(d, 1H), 8.41(s, 1H)
ステップ5: 1-(5-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン(化合物142)
142-4(210mg、0.41mmol)およびTFA(2mL)/DCM(2mL)の溶液を室温で30分間攪拌し、この溶液を濃縮し、DCM(5mL)に溶解した。飽和炭酸ナトリウム溶液(2mL)を加え、混合物を0℃で攪拌した。塩化アクリロイル(37mg、0.48mmol)を加え、0℃でさらに5分間攪拌した。この混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出し、その後有機層を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(130mg、67%)を白色固体として得た。LCMS(M+1): 472.6; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 1.20(d, 3H), 2.20(s, 3H), 2.44(s, 3H), 3.34(br, 0.5H), 3.73(d, 0.5H), 3.87(br, 1H), 4.15(d, 0.5H), 4.35-4.89(m, 1H), 4.72(d, 0.5H), 5.23-5.40(m, 1H), 5.78(d, 1H), 6.24(d, 1H), 6.94-7.03(m, 2H), 7.19-7.26(m, 2H), 7.47(d, 1H), 7.55(s, 1H), 8.21(t, 2H), 8.41(s, 1H)
実施例41: (S)-1-(5-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オンおよび(R)-1-(5-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン
Figure 2024530927000154
化合物142のエナンチオマーを、Lux Cellulose-4カラムを用いたHPLCで分離した。第1溶出エナンチオマーを化合物145([α]D 110=+168°(C=0.1g/100mL MeOH))とし、第2溶出エナンチオマーを化合物146([α]D 110=-124°(C=0.1g/100mL MeOH))とした。
実施例42: (S)-4-(ジメチルアミノ)-1-(5-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)ブタ-2-エン-1-オンおよび(R)-4-(ジメチルアミノ)-1-(5-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)ブタ-2-エン-1-オン
Figure 2024530927000155
化合物141のエナンチオマーを、Lux Cellulose-4カラムを用いたHPLCで分離した。第1溶出エナンチオマーを化合物147([α]D 20.1=-34°(C=0.1g/100mL MeOH))とし、第2溶出エナンチオマーを化合物148([α]D 16.7=+30°(C=0.1g/100mL MeOH))とした。
実施例43: (E)-1-(6,8-cis-ジメチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(化合物149のラセミ体)
Figure 2024530927000156
最初のステップで出発物質としてtert-ブチル4-オキソピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル2,6-cis-ジメチル-4-オキソピペリジン-1-カルボキシレートを用いて、表題化合物を化合物8と同様の方法で製造した。表題化合物を薄黄色固体として得た。MS m/z: 543.2(M+H)+; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.41(s, 1H), 8.25(s, 1H), 8.14(s, 1H), 7.56-7.51(m, 2H), 7.23-7.15(m, 2H), 6.93(d, 1H), 6.71-6.61(m, 2H), 5.53(b s, 1H), 5.32(b s, 0.44H), 4.78(b s, 0.56H), 3.44-3.35(m, 1H), 3.20-3.10(m, 1H), 3.05(d, 2H), 2.41(s, 3H), 2.16(s, 3H), 2.15(s, 6H), 1.56(d, 3H), 1.21(d, 3H)
実施例44: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((4-((6-メトキシピリジン-3-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5-メチル-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物152)
Figure 2024530927000157
中間体Cの代わりにtert-ブチル4-クロロ-5-メチル-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-カルボキシレート(142-3)を用い、中間体Fの代わりに中間体Gを用いて表題化合物を化合物99と同様の方法で製造した。表題化合物を白色固体として得た。LCMS m/z [M+H]+: 545.3; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.39(s, 1H), 8.22および8.18(2b s, 1H), 7.92(d, 1H), 7.51(b s, 1H), 7.43-7.39(m, 2H), 6.87-6.83(m, 2H), 6.76-6.73(m, 2H), 5.37(d, 0.63H), 5.25(d, 0.37H), 4.70(d, 0.37H), 4.47(d, 0.37H), 4.36(d, 0.63H), 4.13(d, 0.63H), 3.89-3.83(m, 4H), 3.75-3.70 (0.58H), 3.32-3.29(m, 0.42H), 3.09-3.05(m, 2H), 2.23(s, 3H), 2.16(s, 6H), 1.18(t, 3H)
実施例45: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(7-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物153)
Figure 2024530927000158
最初のステップで出発物質としてtert-ブチル4-オキソピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル2-メチル-4-オキソピロリジン-1-カルボキシレートを用いて、表題化合物を化合物8と同様の方法で製造した。表題化合物を薄黄色固体として得た。MS m/z: 515.2(M+H)+; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.67(s, 0.32H), 8.48(s, 0.68H), 8.40(d, 1H), 8.15(d, 1H), 7.50(t, 1H), 7.47-7.41(m, 1H), 7.22-7.18(m, 2H), 6.97-6.91(m, 1H), 6.81-6.73(m, 1H), 6.53-6.45(m, 1H), 5.59-5.58(m, 0.32H), 5.42-5.38(m, 0.68H), 5.29-5.16(m, 1.68H), 4.89-4.84(m, 0.32H), 3.07(d, 2H), 2.42(s, 3H), 2.19-2.15(m, 9H), 1.50-1.48(m, 3H)
実施例46: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((4-((6-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物158)
Figure 2024530927000159
ステップ1: 2-ブロモ-5-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)ピリジン(158-1)
NaH(920mg、23mmol)をゆっくりと6-ブロモピリジン-3-オール(2.0g、11.5mmol)/DMF(15mL)の溶液に0℃で加えた。1-フルオロ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(1.8g、11.5mmol)を上記混合物に0℃で添加し、これを周囲温度で終夜撹拌した。混合物を氷水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固した。得られた残渣をクロマトグラフィーカラム(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製し、表題化合物(1.3g、37%)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 2.38(s, 3H), 7.04(d, 1H), 7.58(dd, 1H), 7.73(d, 1H), 8.07(dd, 1H), 8.27(d, 1H), 8.32(d, 1H)
ステップ2: N,N-ジメチル-5-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)ピリジン-2-アミン(158-2)
158-1(1.16g、3.7mmol)、ジメチルアミン(170mg、3.7mmol)、BINAP(467mg、0.75mmol)、t-BuONa(720mg、7.5mmol)およびPd2(dba)3(340mg、0.4mmol)/トルエン(20mL)の混合物を窒素下、100℃で3時間撹拌した。この混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固した。得られた残渣をクロマトグラフィーカラム(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製し、表題化合物(890mg、85%)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 2.41(s, 3H), 3.05(s, 6H), 6.71(d, 1H), 6.73(d, 1H), 7.41(dd, 1H), 8.01(d, 1H), 8.03(d, 1H), 8.19(d, 1H)
ステップ3: 5-(4-アミノ-2-メチルフェノキシ)-N,N-ジメチルピリジン-2-アミン(158-3)
158-2(890mg、3.25mmol)およびPd/C(100mg)/MeOH(10mL)の混合物を水素下、周囲温度で終夜撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮乾固し、表題化合物(720mg、91%)を得た。LCMS m/z [M+H]+: 244.2
ステップ4: tert-ブチル4-((4-((6-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド [4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-カルボキシレート(158-4)
158-3(300mg、1.2mmol)、中間体A(442mg、1.4mmol)、Pd2(dba)3(113mg、0.12mmol)、Cs2CO3(800mg、2.5mmol)、およびDavephos(48mg、0.12mmol)/t-アミルアルコール(15mL)の懸濁液を窒素下、100℃で3時間加熱した。周囲温度に冷却後、この反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、表題化合物(500mg、90%)を得た。LCMS m/z [M+H]+: 533.4
ステップ5: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((4-((6-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物158)
TFA(5mL)/DCM(5mL)中で158-4(500mg、0.9mmol)を周囲温度で30分間撹拌し、濃縮乾固した。次いでDCM(10mL)/DIPEA(242mg、1.9mmol)に加え、この溶液に(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテン酸・塩酸塩(187mg、1.1mmol)およびHATU(536mg、1.4mmol)を周囲温度で加え、混合物を10分間攪拌した。その後これを水でクエンチし、DCMで抽出した。有機層を合わせて水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=10/1)で精製し、表題化合物(26mg、5%)を得た。LCMS m/z [M+H]+: 544.4; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 2.17(s, 6H), 2.26(s, 3H), 3.00(s, 6H), 3.06(br, 1H), 3.27-3.29(m, 3H), 3.86-3.93(m, 2H), 4.85-4.95(m, 2H), 6.66-6.74(m, 4H), 7.25(dd, 1H), 7.40(d, 1H), 7.49(s, 1H), 7.90(d, 1H), 8.14(s, 1H), 8.38(s, 1H)
実施例47: (R)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((4-((6-メトキシピリジン-3-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5-メチル-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オンおよび(S)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((4-((6-メトキシピリジン-3-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-5-メチル-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン
Figure 2024530927000160
化合物152のエナンチオマーを、Lux Cellulose-4カラムを用いたHPLCで分離した。第1溶出エナンチオマーを化合物159([α]D 110=+134°(C=0.1g/100mL MeOH))とし、第2溶出エナンチオマーを化合物160([α]D 110=-140°(C=0.1g/100mL MeOH))とした。
実施例48: (S,E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(7-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)ブタ-2-エン-1-オンおよび(R,E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(7-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)ブタ-2-エン-1-オン
Figure 2024530927000161
化合物149のエナンチオマーを、Lux Cellulose-4カラムを用いたHPLCで分離した。第1溶出エナンチオマーを化合物161([α]D 25.7=+2.53°(C=0.405g/100mL MeOH))とし、第2溶出エナンチオマーを化合物162([α]D 26.9=-5.2°(C=0.384g/100mL MeOH))とした。
実施例49: (E)-1-(6,8-trans-ジメチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(化合物165のラセミ体)
Figure 2024530927000162
最初のステップで出発物質としてtert-ブチル4-オキソピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル2,6-trans-ジメチル-4-オキソピペリジン-1-カルボキシレートを用いて、表題化合物を化合物8と同様の方法で製造した。表題化合物を白色固体として得た。MS m/z: 543.2(M+H)+; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.54(s, 1H), 8.40(s, 1H), 8.15(d, 1H), 7.53(d, 1H), 7.47(dd, 1H), 7.24-7.17(m, 2H), 6.93(d, 1H), 6.68(b s, 2H), 5.31(d, 1H), 4.56(b s, 1H), 3.36-3.30(m, 2H), 3.07-3.01(m, 2H), 2.42(s, 3H), 2.16(s, 3H), 2.14(s, 6H), 1.46(d, 3H), 1.04(b s, 3H)
実施例50: 1-(6,8-trans-ジメチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)プロパ-2-エン-1-オン(化合物166)
Figure 2024530927000163
最初のステップで出発物質としてtert-ブチル4-オキソピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル2,6-trans-ジメチル-4-オキソピペリジン-1-カルボキシレートを用いて、中間体:trans-6,8-ジメチル-N-(3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-アミンを中間体K-2と同様の方法で製造した。次いでこの中間体(50mg、0.116mmol)およびN-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(37mg、0.29mmol)/DCM(2.0mL)の混合物に塩化アクリロイル(13.6mg、0.15mmol)/DCM(2.0mL)の溶液を加えた。添加後、この混合物を周囲温度でさらに0.5時間撹拌した。その後この反応混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、蒸発乾固させた。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出: 10%MeOH/DCM)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(49mg、87%)。MS m/z: 486.2(M+H)+; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.54(s, 1H), 8.40(s, 1H), 8.15(d, 1H), 7.53(d, 1H), 7.47(dd, 1H), 7.24-7.17(m, 2H), 6.94-6.85(m, 2H), 6.19(dd, 1H), 5.72(dd, 1H), 5.33(d, 1H), 4.59(b s, 1H), 3.35-3.28(m, 2H), 2.42(s, 3H), 2.17(s, 3H), 1.46(d, 3H), 1.04(b s, 3H)
実施例51: (E)-1-(4-((3-クロロ-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-8,9-ジヒドロ-5H-ピリミド[5',4':4,5]チエノ[2,3-d]アゼピン-7(6H)-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(化合物167)
Figure 2024530927000164
ステップ1: tert-ブチル4-((3-クロロ-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-8,9-ジヒドロ-5H-ピリミド[5',4':4,5]チエノ[2,3-d]アゼピン-7(6H)-カルボキシレート(167-1)
中間体D-a(350mg、1.03mmol)、中間体H(290mg、1.24mmol)、Davephos(20mg、0.05mmol)、Pd2(dba)3(47mg、0.05mmol)およびNa2CO3(546mg、5.15mmol)/t-アミルアルコール(10mL)の混合物を窒素雰囲気下、100℃で3時間撹拌した。この反応混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=100:1)で精製し、表題化合物を黄色固体として得た(400mg、72%)。LCMS m/z [M+H]+: 538.5; 1H NMR(400MHz、CDCl3): δ 8.52(s, 1H), 8.29(s, 1H), 7.83および7.92(s, 1H), 7.42-7.44(m, 1H), 7.08-7.18(m, 2H), 6.98-7.04(m, 2H), 3.87-3.97(m, 2H), 3.74-3.76(m, 2H), 3.32-3.38(m, 2H), 3.17(t, 2H), 2.54(s, 3H), 1.48および1.51(2つのs, 9H)
ステップ2: N-(3-クロロ-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリミド[5',4':4,5]チエノ[2,3-d]アゼピン-4-アミン(167-2)
167-1(250mg、0.46mmol)/DCM(10mL)の溶液にTFA(4mL)を加え、周囲温度で1時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、得られた残渣をDCMに溶解し、Na2CO3水溶液および食塩水で洗浄した。有機溶媒をNa2SO4で乾燥し、濃縮し、表題化合物を黄色固体として得た(190mg、94%)。LCMS m/z [M+H]+: 438.2
ステップ3: (E)-1-(4-((3-クロロ-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-8,9-ジヒドロ-5H-ピリミド[5',4':4,5]チエノ[2,3-d]アゼピン-7(6H)-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(化合物167)
167-2(190mg、0.43mmol)、(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテン酸・塩酸塩(86mg、0.52mmol)、HATU(214mg、0.65mmol)、DIPEA(168mg、1.30mmol)/DCM(12mL)の混合物を室温で1時間撹拌した。この反応混合物を水でクエンチし、DCMで抽出し、食塩水で洗浄し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=15:1)で精製し、表題化合物を黄色固体として得た(190mg、80%)。LCMS m/z [M+H]+: 549.5; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.61(d, 1H), 8.44(d, 1H), 8.21(s, 1H), 7.89(dd, 1H), 7.59-7.62(m, 1H), 7.26-7.28(m, 2H), 7.20(t, 1H), 6.64-6.70(m, 2H), 3.86-3.95(m, 3H), 3.78(t, 1H), 3.38-3.41(m, 2H), 3.18-3.22(m, 2H), 3.08-3.11(m, 2H), 2.45(s, 3H), 2.18(s, 6H)
実施例52: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-8,9-ジヒドロ-5H-ピリミド[5',4':4,5]チエノ[2,3-d]アゼピン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物168)
Figure 2024530927000165
ステップ1: 4-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)ピリジン-2-アミン(168-1)
2-アミノピリジン-4-オール(15g、136mmol)、1-フルオロ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(21g、135mmol)、およびCs2CO3(66g、203mmol)/DMF(100mL)の混合物を50℃で終夜撹拌した。この反応混合物を水でクエンチし、得られた固体を濾過により回収し、乾燥し、表題化合物を黄色固体として得た(32g、96%)。
ステップ2: (E)-N,N-ジメチル-N'-(4-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)ピリジン-2-イル)ホルムアミジン(168-2)
168-1(30g、122mmol)/DMF-DMA(60mL)の溶液を90℃で2時間撹拌した。DMF-DMAを減圧除去し、得られた残渣をEtOAcに加え、水および食塩水で洗浄し、有機層を乾燥し、濃縮し、表題化合物を褐色固体として得た(33g、90%)。LCMS m/z [M+H]+: 301.3
ステップ3: (E)-N-ヒドロキシ-N'-(4-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)ピリジン-2-イル)ホルムアミジン(168-3)
168-2(33g、109.9mmol)/イソプロピルアルコール(100mL)の溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(9.2g、131.8mmol)を加え、混合物を50℃で終夜加熱した。得られた固体を濾過により回収し、乾燥し、表題化合物を白色固体として得た(30g、95%)。
ステップ4: 7-(2-メチル-4-ニトロフェノキシ)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(168-4)
168-3(30g、104mmol)/乾燥THF(120mL)の溶液に、TFAA(26.2g、124.7mmol)を0℃で滴下して加え、窒素雰囲気下、周囲温度で終夜撹拌した。溶媒を減圧除去し、得られた残渣をNaHCO3水溶液でpH=8に調整した。得られた混合物をEtOAcで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=150/1)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(16.8g、60%)。LCMS m/z [M+H]+: 271.2; 1HNMR(400MHz、DMSO-d6): δ 2.35(s, 3H), 7.09-7.11(m, 1H), 7.26-7.30(m, 2H), 8.12-8.15(m, 1H), 8.32(d, 1H), 8.46(s, 1H), 9.01(s, 1H)
ステップ5: 4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルアニリン(168-5)
EtOH/H2O(50mL/25mL)中の168-4(16.8g、62.2mmol)、Fe(12.2g、218mmol)およびNH4Cl(11.6g、218mmol)の混合物を85℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、得られた残渣をEtOAcに溶解し、水および食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=2/1)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(11.2g、75%)。LCMS m/z [M+H]+: 241.1; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 1.99(s, 3H), 5.10(s, 2H), 6.62(d, 1H), 6.55(d, 1 H), 6.49(dd, 1H), 6.82(d, 1H), 6.95(dd, 1H), 8.33(s, 1H), 8.86(d, 1H)
ステップ6: tert-ブチル4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-8,9-ジヒドロ -5H-ピリミド[5',4':4,5]チエノ[2,3-d]アゼピン-7(6H)-カルボキシレート(168-6)
中間体D-a(156mg、0.46mmol)、168-5(100mg、0.42mmol)、DavePhos(9mg、0.02mmol)、Pd2(dba)3(20mg、0.02mmol)およびCs2CO3(273mg、0.84mmol)/t-アミルアルコール(10mL)の混合物を窒素雰囲気下、100℃で2.5時間撹拌した。この反応混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出し、食塩水で洗浄し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=80:1)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(160mg、70%)。LCMS m/z [M+H]+: 544.2; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.94(d, 1H), 8.56(2つのs, 1H), 8.41-8.38(m, 2H), 7.52-7.60(m, 2H), 7.18(d, 1H), 7.03(dd, 1H), 6.78(d, 1H), 3.60-3.73(m, 4H), 3.38-3.41(m, 2H), 3.09-3.17(m, 2H), 2.17(s, 3H), 1.43(s, 9H)
ステップ7: N-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリミド[5',4':4,5]チエノ[2,3-d]アゼピン-4-アミン(168-7)
168-6(160mg、0.29mmol)/DCM(3mL)の溶液にTFA(3mL)を加え、周囲温度で1時間撹拌した、その後これを濃縮した。得られた残渣をDCMに溶解し、Na2CO3および食塩水で洗浄した。有機層を濃縮し、表題化合物を白色固体として得た(105mg、82%)。LCMS m/z [M+H]+: 444.3; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.94(d, 1H), 8.66(s, 1H), 8.40-8.38(m, 2H), 7.54-7.58(m, 2H), 7.17(d, 1H), 7.02(dd, 1H), 6.77(d, 1H), 3.24-3.36(m, 4H), 2.90-3.02(m, 4H), 2.16(s, 3H)
ステップ8: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-8,9-ジヒドロ-5H-ピリミド[5',4':4,5]チエノ[2,3-d]アゼピン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物168)
168-7(105mg、0.24mmol)、(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテン酸・塩酸塩(48mg、0.28mmol)、HATU(180mg、0.47mmol)、DIPEA(61mg、0.47mmol)/DCM(10mL)の混合物を周囲温度で1時間撹拌した。この反応混合物を水でクエンチし、DCMで抽出し、食塩水で洗浄し、濃縮した。得られた残渣を分取TLCで精製し、表題化合物を白色固体として得た(60mg、45%)。LCMS m/z [M+H]+: 555.4; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.95(dd, 1H), 8.56(d, 1H), 8.42(d, 1H), 8.39(s, 1H), 7.60(t, 2H), 7.18(dd, 1H), 7.03(dd, 1H), 6.81-6.93(m, 1H), 6.77(dd, 1H), 6.63-6.72(m, 1H), 3.97-3.99(m, 1H), 3.88-3.93(m, 2H), 3.80(t, 1H), 3.42-3.51(m, 4H), 3.22-3.23(m, 2H), 2.48(s, 6H), 2.17(s, 3H)
実施例53: (S)-4-(ジメチルアミノ)-1-(7-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)ブタ-2-エン-1-オンおよび(R)-4-(ジメチルアミノ)-1-(7-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[3',4':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)ブタ-2-エン-1-オン
Figure 2024530927000166
化合物153のエナンチオマーを、Lux Cellulose-4カラムを用いたHPLCで分離した。第1溶出エナンチオマーを化合物169([α]D 19.2=-48°(C=0.1g/100mL MeOH))とし、第2溶出エナンチオマーを化合物170([α]D 19.0=+42°(C=0.1g/100mL MeOH))とした。
実施例54: (E)-1-(4-((3-クロロ-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5-メチル-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン-1-オン(化合物171)
Figure 2024530927000167
表題化合物を化合物152と同様の方法で製造したが、最初のステップでは中間体Gの代わりに中間体Hを用いた。表題化合物を黄色固体として得た(278mg、26.7%)。LCMS m/z [M+H]+: 549.2; 1HNMR(400MHz、DMSO-d6): δ 1.18(d, 3H), 2.17(s, 6H), 2.45(s, 3H), 3.08(br, 2H), 3.31(br, 0.4H), 3.74(d, 0.6H), 3.88(br, 1H), 4.13(d, 0.6H), 4.37(d, 0.6H), 4.46(d, 0.4H), 4.72(d, 0.4H), 5.26(d, 0.4H), 5.38(d, 0.6H), 6.68-6.80(m, 2H), 7.19(d, 1H), 7.27(d, 2H), 7.62(br, 1H), 7.94(br, 1H), 8.23(t, 1H), 8.37-8.43(m, 1H), 8.48(s, 1H)
実施例55: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-8,9-ジヒドロ-5H-ピリミド[5',4':4,5]チエノ[2,3-d]アゼピン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物172)
Figure 2024530927000168
ステップ1: tert-ブチル4-((4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-8,9-ジヒドロ-5H-ピリミド[5',4':4,5]チエノ[2,3-d]アゼピン-7(6H)-カルボキシレート(172-1)
中間体D-a(213mg、0.63mmol)、126-2(150mg、0.63mmol)、DavePhos(13mg、0.03mmol)、Pd2(dba)3(30mg、0.03mmol)およびCs2CO3(410mg、1.26mmol)/t-アミルアルコール(15mL)の混合物を窒素雰囲気下、100℃で2.5時間撹拌した。この反応混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出し、食塩水で洗浄し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=80:1)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(110mg、32%)。LCMS m/z [M+H]+: 543.3; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.49-8.59(m, 2H), 8.40(s, 1H), 7.84(s, 1H), 7.84-7.57(m, 2H), 7.44(d, 1H), 7.11(d, 1H), 6.81(dd, 1H), 6.52(d, 1H), 3.62-3.71(m, 4H), 3.36-3.38(m, 2H), 3.12-3.17(m, 2H), 2.18(s, 3H), 1.43(s, 9H)
ステップ2: N-(4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリミド[5',4':4,5]チエノ[2,3-d]アゼピン-4-アミン(172-2)
172-1(110mg、0.20mmol)/DCM(6mL)の溶液にTFA(3mL)を加え、周囲温度で1時間撹拌した。反応溶液を濃縮し、得られた残渣をDCMに溶解し、Na2CO3水溶液および食塩水で洗浄した。有機層を濃縮し、表題化合物を白色固体として得た(80mg、90%)。LCMS m/z [M+H]+: 443.2; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.62(s, 1H), 8.55(d, 1H), 8.39(s, 1H), 7.84(s, 1H), 7.55(d, 1H), 7.52(dd, 1H), 7.44(d, 1H), 7.10(d, 1H), 6.81(dd, 1H), 6.52(d, 1H), 3.24-3.29(m, 2H), 2.99-3.01(m, 2H), 2.89-2.93(m, 4H), 2.17(s, 3H)
ステップ3: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-8,9-ジヒドロ-5H-ピリミド[5',4':4,5]チエノ[2,3-d]アゼピン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物172)
172-2(80mg、0.18mmol)、(E)-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテン酸・塩酸塩(36mg、0.22mmol)、HATU(137mg、0.36mmol)、DIPEA(46mg、0.36mmol)/DCM(10mL)の混合物を周囲温度で1時間撹拌した。この反応混合物を水でクエンチし、DCMで抽出し、食塩水で洗浄し、濃縮した。得られた残渣を分取TLCで精製し、表題化合物を白色固体として得た(38mg、38%)。LCMS m/z [M+H]+: 554.2; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.52-8.57(m, 2H), 8.41(d, 1H), 7.85(s, 1H), 7.53-7.57(m, 2H), 7.44(s, 1H), 7.10-7.13(m, 1H), 6.53-6.90(m, 4H), 3.78-3.97(m, 4H), 3.43-3.50(m, 4H), 3.18-3.22(m, 2H), 2.35(s, 6H), 2.17(s, 3H)
実施例56: (E)-4-(ジメチルアミノ)-1-(4-((4-((6-メトキシピリジン-3-イル)オキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)-8,9-ジヒドロ-5H-ピリミド[5',4':4,5]チエノ[2,3-d]アゼピン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(化合物173)
Figure 2024530927000169
表題化合物を化合物172と同様の方法で製造したが、最初のステップで出発物質として126-2の代わりに中間体Gを用いた。表題化合物を白色固体として得た(161mg、64%)。LCMS m/z [M+H]+: 545.3; 1HNMR(400MHz、DMSO-d6): δ 8.40(s, 1H), 8.35(d, 1H), 7.91(t, 1H), 7.47-7.48(m, 1H), 7.37-7.41(m, 2H), 6.82-6.87(m, 2H), 6.64-6.68(m, 2H), 3.76-3.94(m, 7H), 3.37-3.40(m, 2H), 3.16-3.21(m, 2H), 3.06-3.07(m, 2H), 2.23(s, 3H), 2.15および2.16(s, 6H)
実施例57: (E)-1-(5-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)-4-モルホリノブタ-2-エン-1-オン(化合物174)
Figure 2024530927000170
ステップ1~3: (E)-4-クロロ-1-(5-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン(174-3)
ブックワルドカップリング反応において中間体Gの代わりに中間体Fを用いて、化合物174-2を化合物152-2と同様の方法で製造した。174-2(300mg、0.72mmol)、(E)-4-ブロモ-2-ブテン酸(237mg、1.44mmol)、EDCI(414mg、2.16mmol)/DCMの溶液を周囲温度で1時間撹拌した。テトラブチルアンモニウムクロリド(600mg、2.16mmol)を加え、混合物を周囲温度で2時間撹拌した。混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を黄色固体として得た(300mg、80%)。
ステップ4: (E)-1-(5-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)-4-モルホリノブタ-2-エン-1-オン(化合物174)
174-3(150mg、0.29mmol)およびモルホリン(250mg、2.9mmol)/DMF(5mL)の溶液を45℃で終夜撹拌した。得られた混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を黄色固体として得た(87mg、52%)。LCMS m/z [M+H]+: 571.5; 1HNMR(400MHz、DMSO-d6): δ 1.19(d, 3H), 2.20(s, 3H), 2.38 (br s, 4H), 2.44(s, 3H), 3.14-3.18(m, 2H), 3.27-3.31(m, 0.4H), 3.59(t, 4H), 3.72(d, 0.6H), 3.87(d, 1H), 4.13(d, 0.6H), 4.35(d, 0.6H), 4.47(d, 0.4H), 4.70(d, 0.4H), 5.26(d, 0.4H), 5.37(d, 0.6H), 6.68-6.83(m, 2H), 6.95(d, 1H), 7.19-7.26(m, 2H), 7.47(d, 1H), 7.55(s, 1H), 8.18(d, 1H), 8.23(d, 1H), 8.41(s, 1H)
実施例58: (E)-1-(5-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,6-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イル)-4-モルホリノブタ-2-エン-1-オン(化合物175)
Figure 2024530927000171
174-3(150mg、0.29mmol)、N,2-ジメチルプロパン-2-アミン(50mg、0.58mmol)およびDIPEA(112mg、0.87mmol)/DMFの溶液を45℃で終夜加熱した。混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を黄色固体として得た(75mg、45.3%)。LCMS m/z [M+H]+: 571.4; 1HNMR(400MHz、DMSO-d6): δ 1.04(s, 9H), 1.19(d, 3H), 2.12(s, 3H), 2.20(s, 3H), 2.44(s, 3H), 3.19 (br s, 2H), 3.31 (br s, 0.4H), 3.72(d, 0.6H), 3.87 (br s, 1H), 4.13(d, 0.6H), 4.34(d, 0.6H), 4.46(d, 0.4H), 4.71(d, 0.4H), 5.24(d, 0.4H), 5.39(d, 0.6H), 6.67-6.80(m, 2H), 6.95(d, 1H), 7.19-7.26(m, 2H), 7.48(d, 1H), 7.55(s, 1H), 8.18(d, 1H), 8.23(br, 1H), 8.41(s, 1H)
実施例59: (R)-1-(5-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)-4-モルホリノブタ-2-エン-1-オンおよび(S)-1-(5-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)-4-モルホリノブタ-2-エン-1-オン
Figure 2024530927000172
化合物174のエナンチオマーを、Lux Cellulose-4カラムを用いたHPLCで分離した。第1溶出エナンチオマーを化合物176([α]D 110=+126°(C=0.1g/100mL MeOH))とし、第2溶出エナンチオマーを化合物177([α]D 110=-140°(C=0.1g/100mL MeOH))とした。
実施例60: (R)-4-(tert-ブチル(メチル)アミノ)-1-(5-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オンおよび(S)-4-(tert-ブチル(メチル)アミノ)-1-(5-メチル-4-((3-メチル-4-((6-メチルピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-5,8-ジヒドロピリド[4',3':4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ブタ-2-エン-1-オン
Figure 2024530927000173
化合物175のエナンチオマーを、Lux Cellulose-4カラムを用いたHPLCで分離した。第1溶出エナンチオマーを化合物178([α]D 110=+115°(C=0.1g/100mL MeOH))とし、第2溶出エナンチオマーを化合物179([α]D 110=-116°(C=0.1g/100mL MeOH))とした。絶対配置は任意に決定した。
実施例61: アミノクロトンアミドライブラリーのパラレル合成
一般情報: 試薬および溶媒は購入したものをそのまま使用した。DMA、DMSOおよびDIPEAはSigma Aldrichから購入した。蓋をした2ドラムバイアル中、小さめの振とう器の上で反応を行った。シングル四重極型質量分析計(SQD2、Waters)を用いたWatersの自動精製システム(19x100mm XBridgeTM C-18分取カラム(Waters社))で、ライブラリー生成物の分離を行った。ライブラリー化合物を集中的なグラジエント(10%~90%CH3CN/H2O(v/v0.1%ギ酸含有)、流速: 20mL/分)で溶出し、それぞれ分離した。反応に用いる全ての出発物質をDMAストック溶液(0.25M)に溶解した。溶媒はすべてEZ-2(Genevac)で除去した。
一般手順: 2ドラム丸底バイアル中、初めにDMA(0.5mL)をバイアルに加えた。各バイアルに、スキーム11~14のそれぞれ中間体K~Nの1つ(200μL、50μmol)を加え、続いてライブラリーのフォーマットに従ってアミン(400μL、100μmol)を加えた。DIPEA(50μL、溶媒無し)を加え、得られた溶液を加熱し、40℃で16時間振り混ぜた。溶媒をEZ-2で除去し、得られた残渣をDMSO(1.0mL~2.0mL)に溶解した。次いで溶液についてWatersの自動精製システム(上述の一般情報に記載の条件)を用いて逆相精製を行った。ライブラリー生成物の純度を2つの波長(一般には214nmおよび254nm)のLC吸光度により決定した。得られた化合物はピーク面積からすべて純度>90%であった。
下記表2の化合物は上述の通りに製造した。
Figure 2024530927000174
Figure 2024530927000175
Figure 2024530927000176
Figure 2024530927000177
Figure 2024530927000178
Figure 2024530927000179
Figure 2024530927000180
Figure 2024530927000181
Figure 2024530927000182
Figure 2024530927000183
Figure 2024530927000184
Figure 2024530927000185
Figure 2024530927000186
Figure 2024530927000187
Figure 2024530927000188
Figure 2024530927000189
実施例401: HER2 WT、HER2YVMA、およびEGFR WTに対する有効性評価のための酵素アッセイプロトコール
方法aに対応するHER2 WT(ERBB2 0108-0000-1; ProQinase、Freiburg、Germany)の2xストック溶液を以下に記載の通り調製した。あるいは、方法bに対応するHER2YVMA(カスタム精製; Viva biotech、Shanghai、China)の2xストック溶液を以下に記載の通り調製した。方法cのEGFR(ERBB1 PR7295B、Thermo Fisher、Carlsbad、CA)の2xストック溶液を以下に記載の通り調製した。2x溶液はすべてHEPES(50mM、pH 7.5)、MnCl2(10mM)、MgCl2、0.005% Tween 20、TCEP(1mM)を含む緩衝液で調製した。50%DMSOで段階希釈した1μLの化合物を含む低用量384ウェルポリプロピレンアッセイプレート(201288-100、Seahorse Bioscience、Chicopee、MA)に、25μLの2x酵素溶液を加えた。終濃度の2倍のATPおよびProfilerPro Peptide22(760366、Perkin Elmer Hopkinton、MA)を含む溶液(25μL)を各ウェルに加えて反応を開始した。反応液を速度論モードのLC3000(Caliper Life Sciences)またはLabChip EZReader(Perkin Elmer)で分離した。
各アッセイの終了時、データをRDAファイルとして機器からエクスポートし(LC3000)、基質や生成物ピークの違いを測定することにより、所定のサイクル内で生成物に変換された基質の割合を(P/P+S)*100として決定する専用ソフトウェア(EZReviewer)で処理した。サイクル時間は8~12サイクルの間で試験した化合物の量によって異なる。各サイクルのコンバージョン率と時間(秒)でプロットした傾斜から、各反応の初期速度(0~3600秒)を決定した。阻害率は各反応の勾配を非阻害コントロールで割って決定した(100*(1-(x/非阻害コントロール)))。IC50推定値をGraphPad Prism(GraphPad Software、San Diego、CA)を用いて阻害剤の濃度と阻害率でプロットして得た(log[阻害剤]vs応答(勾配変化モデル); Y=最小値+((最大値-最小値)/(1+((IC50/x)^曲線の傾き))))。
方法:
a)[HER2 WT]=12.5nM、[ATP]=25μM、[Peptide 22]=1μM(ATP KMapp ~25μM)
b)[HER2YVMA]=5nM、[ATP]=25μM、[Peptide 22]=1μM(ATP KMapp ~15μM)
c)[EGFR WT]=2nM、[ATP]=1mM、[Peptide 22]=1μM(ATP KMapp ~25μM)
試験化合物の一部の結果を表3に示す。
表3: 試験化合物における酵素データの概要
Figure 2024530927000190
Figure 2024530927000191
Figure 2024530927000192
Figure 2024530927000193
Figure 2024530927000194
実施例402: BT474、N87、NCI-H1781、およびBa/F3細胞におけるHER2 WT、HER2YVMA、HER2VC、およびEGFR WTの細胞シグナル伝達および細胞増殖の阻害を評価するためのアッセイプロトコール
Figure 2024530927000195
HER2YVMAおよびHER2 WTレンチウイルス構築物の製造
細胞培養、プラスミドクローニング、およびレンチウイルス形質導入を、標準的な手順に従って行った。HER2野生型(WT)発現用pCMV6-EntryベクターのヒトHER2 cDNA構築物をOriGeneから入手した。YVMA挿入(HER2YVMA)にあたる12ヌクレオチド挿入を含むHER2 cDNAはGenScript(Piscataway、NJ)によりpcDNA3.1中でコドンを最適化し、合成し、クローニングした。HER2YVMAおよびHER2 WTを発現しているレンチウイルス構築物をPCR(System Biosciences(SBI)、Mountainview、CA)によりレンチウイルスベクターのpCDH-CMV-MCS-EF1-Neo中にサブクローニングし、レンチウイルス粒子が産生された。
細胞株
HER2YVMAおよびHER2 WTを発現する遺伝子組み換え株をHEK293(ヒト胚性腎臓細胞)、Ba/F3(インターロイキン3(IL3)依存性マウスpro-B細胞株)、およびBEAS2B(不死化初代ヒト気道上皮細胞株)で作製した。Ba/F3、BEAS2B、およびHEK293細胞は、American Type Culture Collection(ATCC、Manassas、VA)から入手した。Ba/F3親細胞細胞を10%FBSおよび1%P/Sおよび10ng/mLのインターロイキン3(IL3、Sigma-Aldrich)を添加した完全RPMI 1640の懸濁液中で培養した。Hek293およびBEAS2B細胞を10%FBSおよび1%P/Sを添加したDMEM中で単層培養した。細胞は全ての加湿インキュベーター(37℃、5%CO2)中で培養および増殖させた。
レンチウイルスで遺伝子組み換えを行ってHER2 WTまたはHER2YVMAを発現するBa/F3、BEAS2B、およびHek293細胞を産生するため、1または10の感染多重度(MOI)で、レンチウイルスを用いて細胞の形質導入を行った。形質導入を行った細胞を選択し、G418(Geneticin)(600μg/mL、Life Technologies、Carlsbad、CA)と共に培養した。遺伝子組み換えBa/F3細胞からインターロイキン3(IL-3、Sigma-Aldrich)を徐々に除去した。選択後、IL3非依存性Ba/F3 HER2YVMA細胞、およびBEAS2B HER2YVMA細胞を限界希釈によりクローニングした。Hek293 HER2YVMA細胞は細胞プールとして用いた。HER2およびリン酸化HER2のレベルはフローサイトメトリーおよびイムノアッセイ(MSD、Meso-Scale Discovery、Rockville、Maryland)により確認した。
遺伝子組み換え細胞株に加え、BT474(ヒト乳がん)、N87(ヒト胃がん)、NCI-H1781(ヒト肺腺がん)、およびA431(ヒト類表皮がん)の細胞株を用いた。細胞株は全てAmerican Type Culture Collection(ATCC、Manassas、VA)から入手した。NCI-H1781は、15%ウシ胎児血清(FBS、Life Technologies、Carlsbad、CA)および1%ペニシリン-ストレプトマイシン(P/S、Life Technologies、Carlsbad、CA)を添加した完全RPMI 1640(Life Technologies、Carlsbad、CA)中で培養した。N87細胞は10%FBSおよび1%P/Sを添加した完全RPMI 1640中で培養した。BT474およびA431細胞は10%FBSおよび1%P/Sを添加したDMEM(Life Technologies、Carlsbad、CA)中で培養した。細胞は全て加湿インキュベーター(37℃、5%CO2)中で培養および増殖させた。
HER2シグナル伝達
HER2野生型(WT)タンパク質を内生的に過剰発現するBT474細胞株およびN87細胞株、キナーゼドメインにVC挿入を含むHER2変異体タンパク質(HER2VCまたはG776delinsVC)を内生的に発現するNCI-H1781細胞、およびYVMA挿入を含むHER2変異体タンパク質(Hek293-HER2YVMAおよびBEAS2B-HER2YVMA)を発現する形質導入を行った遺伝子組み換え細胞株でHER2シグナル伝達を評価した。
BT474、N87、およびNCI-H1781は完全培地中で96ウェル組織培養処理プレート(Corning Costar、Sigma-Aldrich)にプレーティングし、終夜インキュベートした。Hek293-HER2YVMA細胞およびBEAS2B-HER2YVMA細胞をポリ-D-リシンをコーティングした96ウェルプレート(BD Bioscience、San Jose、CA)にプレーティングした。試験化合物での処理に際し、培地を1.1、0.37、0.12、0.041、0.014、0.005、0.0014、0.0005μMの試験化合物またはDMSOコントロール(0.1%)を含む低血清培地(1%FBS)に交換した。細胞を化合物と共に37℃で1.5時間インキュベートした。化合物で処理後、培地を除去し、完全MSD溶解緩衝液(cOmplete(EDTAフリープロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche)、ホスファターゼ阻害剤カクテル2および3(Sigma-Aldrich)、および1mMのPMSF(Sigma-Aldrich)を添加したMSD塩基性溶解緩衝液(Meso-Scale Discovery)を用いて調製)中、氷上で細胞を30分間溶解した。さらに分析するまで溶解物を-70℃で保管した。
Ba/F3-HER2YVMA懸濁細胞の化合物処理は上記の記載から若干変更して行った。96ウェル丸底プレートに2%FBSを添加したRPMIを用いて300000細胞/ウェルで細胞をプレーティングし、血清を含まない培地で段階希釈した化合物を直ちに加え、終濃度を1%FBS、0.1%DMSOとした。細胞を化合物と共に1.5時間インキュベートし、プレートを1500rpmで5分間遠心分離し、沈殿をかき乱さないように培地を除去した。上述の通り細胞を溶解した。
ホスホ(Tyr1248)/トータルErbB2全細胞溶解液MSDプレート(Meso-Scale Discovery、Gaithersburg、MD)を用いてHER2シグナル伝達を評価した。各サンプルについてリン酸化HER2シグナルを全HER2に対して正規化した。結果は%DMSOコントロールとした。正規化したデータをシグモイド曲線解析プログラム(Graph Pad Prism version 6)を用いて可変の曲線の傾きと共にフィッティングし、EC50値を決定した。
HER2シグナル伝達の結果は「BT474-pHER2 EC50」、「N87-pHER2 EC50」、および「NCI-H1781-pHER2 EC50」の列で表4に示した。Hek293-HER2YVMA挿入は「HEKYVMA-pHER2 EC50」の列、Ba/F3 HER2YVMAは「Ba/F3 YVMA-pHER2 EC50」の列、BEAS2B-HER2YVMAは「BEAS2B YVMA-pHER2 EC50」の列に示した。HER2 EC50とは、ビークルコントロールに対してHER2のリン酸化を50%阻害する試験化合物の濃度である。
EGFRシグナル伝達
A431の細胞を完全培地中で96ウェル組織培養処理プレートに6時間プレーティングし、次いで0.1%FBS含有培地で終夜静置した。培地を10、3.3、1.1、0.37、0.12、0.041、0.014、0.005μMの化合物またはDMSOコントロール(0.1%)を含む低血清培地(1%FBS)に交換した。細胞を1.5時間インキュベートし、次いで100ng/mLのヒトEGF(PeproTech、Rocky Hill、NJ)で10分間刺激した。細胞を冷PBSで洗浄し、完全MSD溶解緩衝液(HER2シグナル伝達で記載の通り調製)中、氷上で細胞を30分間溶解した。さらに分析するまで溶解物を-70℃で保管した。ホスホ(Tyr1068)/トータルEGFR全細胞溶解キット(Meso-Scale Discovery、Gaithersburg、MD)を用いてEGFRシグナル伝達を評価した。各サンプルについて、リン酸化EGFRシグナルを全EGFRに対して正規化した。結果は%DMSOコントロールとした。正規化したデータをシグモイド曲線解析プログラム(Graph Pad Prism version 6)を用いて可変の曲線の傾きと共にフィッティングし、EC50値を決定した。結果を「A431-pEGFR EC50」の列で表4に示した。EGFR EC50とは、ビークルコントロールに対してEGFRのリン酸化を50%阻害する試験化合物の濃度である。
接着細胞および非接着細胞の細胞増殖
2つのHER2増幅細胞株(BT474、N87)、およびHER2VCを発現する細胞株(NCI-H1781)が接着細胞における細胞増殖を調べた。BT474、NCI-H1781、およびN87を10%FBS(BT474、N87)または15%FBS(NCI-H1781)および1%P/Sを添加した適当な増殖培地中で96ウェル白色透明底組織培養プレート(Costar、Sigma-Aldrich)にプレーティングした。BT474、NCI-H1781、およびN87細胞の当初の細胞密度は、それぞれ3500、5500、および5000細胞であった。各細胞株について細胞密度を変えた8本の検量線を作成(50000細胞から始めて2倍に連続希釈)し、プレーティングから6時間後に読み取った。化合物で処理する前に細胞を終夜接着させた。試験化合物をDMSO(Sigma-Aldrich)で段階希釈して化合物溶液を調製し、次いで対応する無血清培地で500倍に希釈した。0.1%DMSOおよび5%FBS(BT474およびN87)または7.5%FBS(NCI-H1781)中で3、1、0.33、0.11、0.04、0.001、0.004、0.0014、または0.0005μMの終濃度になるまで試験化合物を1:1量で加え、細胞を処理した。BT474およびNCI-H1781で細胞培地を交換し、72時間後、細胞に試験化合物溶液を再度加えた。N87細胞では72時間後、BT474およびNCI-H1787細胞では120時間後に、CellTiter Glo(Promega、Madison、WI)を用いて生存率を決定した。結果から検量線を用いて細胞数を算出し、Graph Pad Prismにより増殖阻害(GI50値)を決定した。GI50とは、ビークルコントロールに対して50%増殖を阻害する試験化合物の濃度である。結果を「BT474-GI50」、「N87-GI50」、および「NCI-H1781-GI50」の列で表4に示した。
Ba/F3親細胞(IL3依存性)およびYVMA挿入を含む変異HER2タンパク質を発現するように形質導入した2つのIL3非依存性細胞クローン(Ba/F3 HER2YVMA)における非接着細胞の細胞増殖を調べた。10%FBS、1%P/S、および(Ba/F3親細胞のみ)10ng/mL IL3を加えたDMEM中の細胞を、当初の細胞密度7500細胞で96ウェル白色透明底組織培養プレート(Costar、Sigma-Aldrich)にプレーティングした。各細胞株について細胞密度を変えた8本の検量線を作成(100,000細胞から始めて2倍に連続希釈)し、プレーティング後に読み取った。化合物溶液を無血清培地で調製し、細胞を上述の接着細胞での記載の通り処理した。72時間後に細胞の生存率をCellTiter Glo(Promega、Madison、WI)で決定した。結果から検量線を用いて細胞数を算出し、Graph Pad Prismにより増殖阻害(GI50値)を決定した。
これらの実験結果は、化合物がHER2依存性細胞株およびコントロール細胞株(Ba/F3親細胞)の細胞増殖を阻害することを示しており、「GI50(nM)」の列で表4に記載される。Ba/F3親細胞の結果は「Ba/F3親細胞-GI50」の列、Ba/F3 HER2YVMAの結果は「Ba/F3 YVMA-GI50」の列に示した。
実施例403: 細胞中のHER2 WT、HER2YVMA、およびEGFR WTの占有度を評価するためのアッセイプロトコール
HER2占有アッセイ
占有されていないHER2タンパク質を評価するために、ビオチン化プローブを利用した。BT474、N87、およびBa/F3-HER2YVMAの細胞を、HER2シグナル伝達で記載した試験化合物と共に処理した。化合物で処理後、細胞を3回冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS、Life Technologies、Carlsbad、CA)で洗浄し、cOmplete、EDTAフリープロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche)、ホスファターゼ阻害剤カクテル2および3(Sigma-Aldrich)、および1mM PMSF(Sigma-Aldrich)を加えた25mM Tris(pH 7.5)、150mM NaCl、1%Tritonの溶液中の不可逆性ビオチン化化合物(1μM)を用いて調製した改良版占有溶解緩衝液で溶解した。
占有率(%)を決定するため、溶解物をホスホ(Tyr1248)/トータルErbB2全細胞溶解液MSDキット(Meso-Scale Discovery)の複製プレートにロードし、終夜インキュベートした。プレートを洗浄し、占有されていないHER2および総HER2を検出するため、それぞれHER2-スルホタグ(1:50、Meso Scale Discovery)またはStrep-スルホタグ(1:1000、Meso Scale Discovery)のいずれかと共にインキュベートした。各プレートに段階希釈した非処理細胞の検量線が含まれ、ストレプトアビジン(占有されていないHER2)および全HER2 MSDシグナルを独立してフィッティングした。各ウェルから非特異的シグナル(BSAコントロールスポット)を差し引いた。次いで各サンプルについて占有されていないHER2を総HER2で正規化し、その結果を%DMSOコントロールとした。正規化したデータをシグモイド曲線解析プログラム(Graph Pad Prism version 6)を用いて可変の曲線の傾きと共にフィッティングし、EC50値を決定した。結果を「BT474-HER2 Occ」、「N87-HER2 Occ」、および「Ba/F3 YVMA-HER2 Occ」の列で表4に示した。HER2 Occとは、50%のHER2に不可逆に結合する試験化合物の濃度である。
EGFR占有アッセイ
占有されていないEGFRタンパク質を評価するために、HER2占有アッセイでの記載の通り、ビオチン化プローブを利用した。N87細胞を、HER2占有アッセイで記載の通りプレーティングし、処理し、溶解した。処理後、細胞を冷PBSで3回洗浄し、改良版占有溶解緩衝液(「HER2占有アッセイ」のセクションで記載の通りに調製)中、室温で1時間溶解した。さらに分析するまで溶解物を-70℃で保管した。占有率(%)を決定するため、溶解物をホスホ(Tyr1068)/トータルEGFR全細胞溶解液キット(Meso-Scale Discovery)の複製プレートにロードし、終夜インキュベートした。プレートを洗浄し、占有されていないEGFRおよび総EGFRを検出するため、それぞれEGFR-スルホタグ(1:50、Meso Scale Discovery)またはStrep-スルホタグ(1:1000、Meso Scale Discovery)のいずれかと共にインキュベートした。非特異的シグナルを差し引くためにMSDプレートに含まれるBSAコントロールスポットを用いた。各プレートに含まれる段階希釈した非処理細胞の検量線を用いて、ストレプトアビジンおよび全EGFR MSDシグナルから占有されていないEGFRおよび全EGFRを算出した。各サンプルについて、占有されていないEGFRを全EGFRに対して正規化し、%DMSOコントロールとした。データをシグモイド曲線解析プログラム(Graph Pad Prism version 6)を用いて可変の曲線の傾きと共にフィッティングし、EC50値を決定した。結果を「N87-EGFR Occ」の列に表4で示した。EGFR Occとは、50%のEGFRに不可逆に結合する試験化合物の濃度である。
Figure 2024530927000196
Figure 2024530927000197
Figure 2024530927000198
Figure 2024530927000199
Figure 2024530927000200
Figure 2024530927000201
Figure 2024530927000202
Figure 2024530927000203
Figure 2024530927000204
Figure 2024530927000205
上述の実施態様は単に例示的なものであり、当業者であれば所定の実験以上のことを行わずに、特定の化合物、物質、および手順と等価な多数のものを認識、あるいは特定することが可能である。そのような等価なものは特許請求される開示内容の範囲内であると考えられ、添付の請求項に包含されている。
実施態様一覧
1. 式(I):
Figure 2024530927000206
[式中、
Xは、CR5またはNであり;
Yは、NR6、CR7R8、またはOであり;
Zは、NR6またはOであり;
Qは、S、NR6、またはCR7R8であり;
nは、1、2、3、または4であり;
mは、1、2、3、または4であり;
tは、0、1、2、3、または4であり;
R1は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり;
各R2は、独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OR'、または-NR'R''であり、ここでR'およびR''は、独立して水素、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであるか、またはR'およびR''は、窒素と一体になって環を形成し;あるいは
2つのR2が一体になってC1-C3アルキレンを形成し;
各R3は、独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アミド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり;
各R5、R6、R7、およびR8は、独立して水素またはアルキルであり;
Wは、
-L-(NR6)s-C(=O)-(CR10=CR10)-R11
-L-(NR6)s-C(=O)-C(=CR10R10)-R11
-L-(CR10=CR10)-C(=O)-(NR6)s-R11
-L-C(=CR10R10)-C(=O)-(NR6)s-R11
-L-(NR6)s-S(=O)2-(CR10=CR10)-R11
-L-(NR6)s-S(=O)2-C(=CR10R10)-R11
-L-(CR10=CR10)-S(=O)2-(NR6)s-R11、または
-L-C(=CR10R10)-S(=O)2-(NR6)s-R11であり;
Lは、結合またはC1-C3アルキレンであり;
sは、0または1であり;
各R10は、独立して水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、またはハロゲンであり;
R11は、水素、-OR12、-(C1-C3アルキレン)-OR12、-NR12R13、-(C1-C3アルキレン)-NR12R13、シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)-シクロアルキル、ヘテロシクリル、-(C1-C3アルキレン)-ヘテロシクリル、アリール、-(C1-C3アルキレン)-アリール、ヘテロアリール、または-(C1-C3アルキレン)-ヘテロアリールであり;および
R12およびR13は、独立して水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキルであるか、またはR12およびR13は、窒素と一体になって環を形成する]
の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物。
2. nが1である、上記1.の化合物。
3. nが1であり、mが1または2である、上記1.の化合物。
4. mが1である、上記1.の化合物。
5. nが1または2であり、mが1である、上記1.の化合物。
6. 式(II-1)、(II-2)、(II-3)、(II-4)、または(II-5):
Figure 2024530927000207
の上記1.の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物。
7. tが1である、上記1.~2.のいずれか1つに記載の化合物。
8. 式(III-1)、(III-2)、(III-3)、(III-4)、または(III-5):
Figure 2024530927000208
の上記1.の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物。
9. XがCHである、上記1.~3.のいずれか1つに記載の化合物。
10. XがNである、上記1.~3.のいずれか1つに記載の化合物。
11. YがNHである、上記1.~10.のいずれか1つに記載の化合物。
12. YがCH2である、上記1.~10.のいずれか1つに記載の化合物。
13. YがOである、上記1.~10.のいずれか1つに記載の化合物。
14. ZがNHである、上記1.~13.のいずれか1つに記載の化合物。
15. ZがOである、上記1.~13.のいずれか1つに記載の化合物。
16. QがSである、上記1.~15.のいずれか1つに記載の化合物。
17. QがNHである、上記1.~15.のいずれか1つに記載の化合物。
18. QがCH2である、上記1.~15.のいずれか1つに記載の化合物。
19. 式(IV-1)、(IV-2)、(IV-3)、(IV-4)、(IV-5)、(IV-6)、または(IV-7):
Figure 2024530927000209
の上記1.の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物。
20. Lが結合である、上記1.~4.のいずれか1つに記載の化合物。
21. LがCH2である、上記1.~4.のいずれか1つに記載の化合物。
22. sが0である、上記1.~4.のいずれか1つに記載の化合物。
23. sが1である、上記1.~4.のいずれか1つに記載の化合物。
24. R10がすべて水素である、上記1.~4.のいずれか1つに記載の化合物。
25. R11が-CH2-NR12R13である、上記1.~4.のいずれか1つに記載の化合物。
26. R11が-CH2-NMe2である、上記25.の化合物。
27. R11が-CH2-NR12R13であり、ここでR12およびR13が、窒素と一体になって環を形成する、上記25.の化合物。
28. NR12R13によって形成される環がヘテロシクリルである、上記27.の化合物。
29. NR12R13によって形成される環が単環ヘテロシクリルである、上記28.の化合物。
30. NR12R13によって形成される環がアジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、ピペリジニル、ジヒドロピリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、アゼパニル、オキサゼパニル、ジアゼパニル、またはアゾカニルである、上記29.の化合物。
31. NR12R13によって形成される環が二環ヘテロシクリルである、上記28.の化合物。
32. NR12R13によって形成される環が、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、ピペリジニル、ジヒドロピリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、アゼパニル、オキサゼパニル、ジアゼパニル、およびアゾカニルからなる群から選択される第1の環と、第2の環が共に縮合環、架橋環、またはスピロ環となる二環ヘテロシクリルである、上記31.の化合物。
33. NR12R13によって形成される環がヘテロアリールである、上記27.の化合物。
34. Wが、-C(=O)-(CR10=CR10)-R11、-NR6-C(=O)-(CR10=CR10)-R11、-C(=O)-C(=CR10R10)-R11、-NR6-C(=O)-C(=CR10R10)-R11、-CH2-(CR10=CR10)-C(=O)-R11、-CH2-C(=CR10R10)-C(=O)-R11、-S(=O)2-(CR10=CR10)-R11、-NR6-S(=O)2-(CR10=CR10)-R11、-S(=O)2-C(=CR10R10)-R11、-NR6-S(=O)2-C(=CR10R10)-R11、-CH2-(CR10=CR10)-S(=O)2-R11、または-CH2-C(=CR10R10)-S(=O)2-R11である、上記1.~19.のいずれか1つに記載の化合物。
35. Wが、
Figure 2024530927000210
である、上記34.の化合物。
36. Wの炭素炭素二重結合がE体である、上記1.~35.のいずれか1つに記載の化合物。
37. 式(V-1)、(V-2)、(V-3)、(V-4)、(V-5)、(V-6)、(V-7)、(V-8)、(V-9)、(V-10)、(V-11)、(V-12)、(V-13)、または(V-14):
Figure 2024530927000211
Figure 2024530927000212
の上記1.の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物。
38. R11、R12、およびR13のシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール基またはNR12R13によって形成される環がアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、アミド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アシル、N-アシル、カルボニル、オキソ、スルホニル、スルホンアミド、およびボロン酸からなる群から独立して選択される、1、2、3、4、5、または6個のR14で適宜置換されていてもよく、ここで各R14は独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、アミド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アシル、N-アシル、カルボニル、オキソ、スルホニル、スルホンアミド、およびボロン酸から選択される1以上の基で適宜置換されていてもよい、上記1.~37.のいずれか1つに記載の化合物。
39. 各R14がメチル、エチル、ヒドロキシル、およびヒドロキシルメチルからなる群から独立して選択される、上記38.の化合物。
40. R1がC6-C10アリールである、上記1.~39.のいずれか1つに記載の化合物。
41. R1がフェニルである、上記40.の化合物。
42. R1が5~18員のヘテロアリールである、上記1.~39.のいずれか1つに記載の化合物。
43. ヘテロアリールが、N、S、およびOからなる群から独立して選択される1、2、または3個のヘテロ原子を含む、上記42.の化合物。
44. R1が単環ヘテロアリールである、上記42.の化合物。
45. R1がピリジル、ピリダジニル、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピラゾロ、またはピロロである、上記44.の化合物。
46. R1がピリジルである、上記45.の化合物。
47. R1が3-ピリジルである、上記46.の化合物。
48. R1が二環ヘテロアリールである、上記42.の化合物。
49. R1
Figure 2024530927000213
である、上記48.の化合物。
50. R1が、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、アミド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アシル、N-アシル、カルボニル、オキソ、スルホニル、スルホンアミド、およびボロン酸からなる群から独立して選択される1、2、3、4、5、または6個のR9で適宜置換されていてもよい、上記1.~49.のいずれか1つに記載の化合物。
51. R1が1個のR9で置換されている、上記50.の化合物。
52. 式(VI-1):
Figure 2024530927000214
の上記1.の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物。
53. 各R9が独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アミド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、N-アシル、カルボニル、スルホニル、スルホンアミド、またはボロン酸である、上記1.~52.のいずれか1つに記載の化合物。
54. 各R9が独立して水素、アルキル、アルコキシ、ボロン酸である、上記53.の化合物。
55. R9がメチルまたはメトキシである、上記54.の化合物。
56. 各R2が、独立して水素、アルキル、またはアルコキシである、上記1.~55.のいずれか1つに記載の化合物。
57. R2がすべて水素である、上記1.~56.のいずれか1つに記載の化合物。
58. 少なくとも1個のR2が水素ではない、上記1.~56.のいずれか1つに記載の化合物。
59. 式(I)の化合物の
Figure 2024530927000215
の部分が、
Figure 2024530927000216
、あるいはそのエナンチオマーである、上記1.~56.のいずれか1つに記載の化合物。
60. 各R3が、独立してアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、またはハロゲンである、上記1.~59.のいずれか1つに記載の化合物。
61. R3がメチル、-CF3、メトキシ、フルオロ、またはクロロである、上記60.の化合物。
62. 表1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、または同位体分子種、またはそれらの混合物である、上記1.の化合物。
63. 上記1.~62.のいずれか1つに記載の化合物および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
64. 対象のHER2またはHER2変異体が介在する疾患を治療、予防、または対処する方法であって、治療上または予防上有効量の上記1.~62.のいずれか1つに記載の化合物または上記7.の医薬組成物を対象に投与することを特徴とする、方法。
65. HER2の発現、過剰発現、増幅、または活性化が介在する疾患である、上記64.の方法。
66. 1以上のHER2変異体の発現、過剰発現、増幅、または活性化が介在する疾患である、上記64.の方法。
67. 1以上のHER2変異体がHER2YVMA、HER2VC、HER2 L755S、HER2 G776C、およびHER2 V777_G778insCGから選択される、上記66.の方法。
68. 疾患ががんである、上記64.の方法。
69.がんが固形腫瘍である、上記68.の方法。
70.がんが乳がん、胃がん、食道がん、卵巣がん、子宮内膜がん、子宮内膜漿液性がん、頸がん、膀胱がん、肺がん、大腸がん、頭頸部がん、胆管がん、胚細胞腫瘍、神経膠芽腫、肝臓がん、黒色腫、骨肉腫、膵臓がん、腎細胞癌、唾液腺導管癌、または軟部肉腫である、上記68.の方法。
71.がんが乳がん、胃がん、食道がん、卵巣がん、または子宮内膜がんである、上記70.の方法。
72.がんが乳がんである、上記71.の方法。
73. 乳がんが脳転移する転移性乳がんである、上記72.の方法。
74. 乳がんがHER2の増幅による転移性乳がんである、上記72.の方法。
75. 1以上のHER2変異体が存在することが特徴の乳がんである、上記72.の方法。
76. HER2変異体がHER2 L755_T759del、HER2 L755S、HER2 V777L、HER2 R896C、HER2 D769H、HER2 D769Y、HER2 G309A、HER2 V842I、またはHER2 P780_Y781insGSPである、上記75.の方法。
77.がんが肺がんである、上記70.の方法。
78. 肺がんが非小細胞肺がんである、上記77.の方法。
79. 1以上のHER2変異体が存在することが特徴の肺がんまたは非小細胞肺がんである、上記77.または78.の方法。
80. HER2変異体がHER2YVMA、HER2VC、HER2 L755S、HER2 G776C、またはHER2 V777_G778insCGである、上記79.の方法。
81.がんが大腸がんである、上記70.の方法。
82. 1以上のHER2変異体が存在することが特徴の大腸がんである、上記81.の方法。
83. HER2変異体がHER2 L755S、HER2 V777L、HER2 V777M、HER2 V842I、HER2 S310F、またはHER2 L866Mである、上記82.の方法。

Claims (12)

  1. 式(I):
    Figure 2024530927000217
    [式中、
    Xは、CR5またはNであり;
    Yは、NR6、CR7R8、またはOであり;
    Zは、NR6またはOであり;
    Qは、S、NR6、またはCR7R8であり;
    nは、1、2、3、または4であり;
    mは、1、2、3、または4であり;
    tは、0、1、2、3、または4であり;
    R1は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり;
    各R2は、独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OR'、または-NR'R''であり、ここでR'およびR''は、独立して水素、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであるか、またはR'およびR''は、窒素と一体になって環を形成し;あるいは
    2つのR2が一体になってC1-C3アルキレンを形成し;
    各R3は、独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アミド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり;
    各R5、R6、R7、およびR8は、独立して水素またはアルキルであり;
    Wは、
    -L-(NR6)s-C(=O)-(CR10=CR10)-R11
    -L-(NR6)s-C(=O)-C(=CR10R10)-R11
    -L-(CR10=CR10)-C(=O)-(NR6)s-R11
    -L-C(=CR10R10)-C(=O)-(NR6)s-R11
    -L-(NR6)s-S(=O)2-(CR10=CR10)-R11
    -L-(NR6)s-S(=O)2-C(=CR10R10)-R11
    -L-(CR10=CR10)-S(=O)2-(NR6)s-R11、または
    -L-C(=CR10R10)-S(=O)2-(NR6)s-R11であり;
    Lは、結合またはC1-C3アルキレンであり;
    sは、0または1であり;
    各R10は、独立して水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、またはハロゲンであり;
    R11は、水素、-OR12、-(C1-C3アルキレン)-OR12、-NR12R13、-(C1-C3アルキレン)-NR12R13、シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)-シクロアルキル、ヘテロシクリル、-(C1-C3アルキレン)-ヘテロシクリル、アリール、-(C1-C3アルキレン)-アリール、ヘテロアリール、または-(C1-C3アルキレン)-ヘテロアリールであり;および
    R12およびR13は、独立して水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキルであるか、またはR12およびR13は、窒素と一体になって環を形成する]
    の化合物またはその医薬的に許容される塩。
  2. 式(II-1)、(II-2)、(II-3)、(II-4)、または(II-5):
    Figure 2024530927000218
    の請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  3. 式(III-1)、(III-2)、(III-3)、(III-4)、または(III-5):
    Figure 2024530927000219
    の請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  4. 式(IV-1)、(IV-2)、(IV-3)、(IV-4)、(IV-5)、(IV-6)、または(IV-7):
    Figure 2024530927000220
    の請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  5. 式(V-1)、(V-2)、(V-3)、(V-4)、(V-5)、(V-6)、(V-7)、(V-8)、(V-9)、(V-10)、(V-11)、(V-12)、(V-13)、または(V-14):
    Figure 2024530927000221
    Figure 2024530927000222
    の請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  6. 式(VI-1):
    Figure 2024530927000223
    の請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  7. 化合物が、
    Figure 2024530927000224
    Figure 2024530927000225
    Figure 2024530927000226
    Figure 2024530927000227
    Figure 2024530927000228
    Figure 2024530927000229
    Figure 2024530927000230
    Figure 2024530927000231
    Figure 2024530927000232
    Figure 2024530927000233
    Figure 2024530927000234
    Figure 2024530927000235
    Figure 2024530927000236
    Figure 2024530927000237
    Figure 2024530927000238
    Figure 2024530927000239
    Figure 2024530927000240
    Figure 2024530927000241
    Figure 2024530927000242
    Figure 2024530927000243
    Figure 2024530927000244
    Figure 2024530927000245
    Figure 2024530927000246
    Figure 2024530927000247
    Figure 2024530927000248
    Figure 2024530927000249
    Figure 2024530927000250
    から選択される上述の請求項のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
  8. 上述の請求項のいずれか一項に記載の化合物および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
  9. 対象のHER2またはHER2変異体が介在する疾患を治療、予防、または対処する方法であって、治療上有効量または予防上有効量の請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物または請求項8に記載の医薬組成物を対象に投与することを特徴とする、方法。
  10. 疾患ががんである、請求項9に記載の方法。
  11. がんが固形腫瘍である、請求項10に記載の方法。
  12. がんが、乳がん、胃がん、食道がん、卵巣がん、子宮内膜がん、子宮内膜漿液性がん、頸がん、膀胱がん、肺がん、大腸がん、頭頸部がん、胆管がん、胚細胞腫瘍、神経膠芽腫、肝臓がん、黒色腫、骨肉腫、膵臓がん、腎細胞癌、唾液腺導管癌、または軟部肉腫である、請求項11に記載の方法。
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