JP2024527567A - Krasの阻害剤としての三環式化合物 - Google Patents

Krasの阻害剤としての三環式化合物 Download PDF

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ジャオ,ルァ
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マーシャル ロウ,チュンイン
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Abstract

式Iの化合物、KRAS活性を阻害するための該化合物の使用方法、及びそのような化合物を含む医薬組成物を開示する。この化合物は、がんなどのKRAS活性と関連する疾患または障害の治療、予防、または改善に有用である。

Description

関連出願
本出願は、2021年7月7日出願の米国仮出願第63/219,274号、2021年12月22日出願の米国仮出願第63/292,774号、及び2022年2月16日出願の米国仮出願第63/310,811号に関し、これらの内容は、それらの全体が組み込まれる。
本開示は、化合物ならびにそれらの組成物及び使用方法を提供する。化合物は、KRAS活性を調節し、がんを含む様々な疾患の治療に有用である。
Rasタンパク質は低分子GTPaseのファミリーの一部であり、これらのファミリーは、成長因子及び様々な細胞外刺激によって活性化される。Rasファミリーは、細胞内シグナル伝達経路を調節し、この経路は、細胞の成長、遊走、生存及び分化に関与する。細胞膜においてRASタンパク質が活性化されると、重要なエフェクターが結合し、RAF及びPI3Kキナーゼ経路を含む細胞内での細胞内シグナル伝達経路のカスケードが開始される。RASにおける体細胞変異は、無制御の細胞成長及び悪性形質転換をもたらす場合があり、同時にRASタンパク質の活性化は、正常細胞においてしっかりと調節されている(Simanshu,D.et al.Cell 170.1(2017):17-33)。
Rasファミリーは、KRAS、NRAS及びHRASの3つのメンバーから構成される。RAS変異がんはヒトのがんの約25%を占める。KRASは、全てのRAS変異の85%を占める最も高い頻度で変異したアイソフォームであり、一方、NRAS及びHRASはそれぞれ、全てのRAS変異がんの12%及び3%に認められる変異である(Simanshu,D.et al.Cell 170.1(2017):17-33)。KRAS変異は、上位3つの最も致命的なタイプである膵臓(97%)、直腸結腸(44%)、及び肺(30%)のがんの中で広く認められる(Cox,A.D.et al.Nat Rev Drug Discov(2014)13:828-51)。RAS変異の大部分は、アミノ酸残基12、13、及び61において発生する。特定の変異の頻度はRAS遺伝子アイソフォーム間で異なり、同時にG12及びQ61変異はそれぞれKRAS及びNRASにおいて優勢であり、G12、G13及びQ61変異は、HRASにおいて最も頻繁に生じる。さらに、RASアイソフォームにおける変異のスペクトルは、がんのタイプ間で異なる。例えば、KRAS G12D変異は、膵臓癌(51%)、続いて直腸結腸腺癌(45%)及び肺癌(17%)において優位を占め、同時にKRAS G12V変異は、膵臓癌(30%)、続いて直腸結腸腺癌(27%)及び肺腺癌(23%)と関連する(Cox,A.D.et al.Nat Rev Drug Discov(2014)13:828-51)。対照的に、KRAS G12C変異は、非小細胞肺癌(NSCLC)において優位を占め、肺腺癌の11~16%ならびに膵臓及び直腸結腸腺癌の2~5%を占める(Cox,A.D.et al.Nat.Rev.Drug Discov.(2014)13:828-51)。数百のがん細胞株にわたるゲノム研究は、KRAS変異を含むがん細胞が、細胞成長及び生存のためのKRAS機能に高度に依存していることを実証している(McDonald,R.et al.Cell 170(2017):577-592)。発癌ドライバーとしての変異KRASの役割は、変異KRASが、動物モデルにおける最初の腫瘍の発症及び維持に必要とされることを示す広範なin vivo実験でのエビデンスによってさらに裏付けられている(Cox,A.D.et al.Nat Rev Drug Discov(2014)13:828-51)。
総合すると、これらの発見は、KRAS変異がヒトのがんにおいて重要な役割を果たしていることを示唆し;したがって、変異KRASを標的とする阻害剤の開発は、KRAS変異によって特徴付けられる疾患の臨床的処置において有用な場合がある。
本開示は、とりわけ、式Iの化合物:
Figure 2024527567000001
またはその医薬的に許容される塩(式中、構成可変要素は本明細書に定義する通りである)を提供する。
本開示はさらに、本開示の化合物またはその医薬的に許容される塩、及び少なくとも1種の医薬的に許容される担体または添加剤を含む医薬組成物を提供する。
本開示はさらに、KRAS活性を阻害する方法であって、個体に、本開示の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。本開示はまた、治療法に使用するための医薬品の製造における本明細書に記載の化合物の使用を提供する。本開示はまた、治療法に使用するための本明細書に記載の化合物を提供する。
本開示はさらに、患者における疾患または障害を治療する方法であって、患者に、治療有効量の本開示の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。
化合物
一態様では、式(I):
Figure 2024527567000002
を有する化合物またはその医薬的に許容される塩が本明細書で提供され、式中、
Yは、NまたはCHであり、
は、Cl、CH、CHF、CHF、及びCFより選択され、
Cyは、
Figure 2024527567000003
より選択され、
は、F及びClより選択され、
は、
Figure 2024527567000004
より選択され、
Cyは、
Figure 2024527567000005
より選択され、
但し、式Iの化合物は、
2-((2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、及び
2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
以外である。
式Iの一実施態様またはその医薬的に許容される塩では、
Yは、NまたはCHであり、
は、Cl、CH、CHF、CHF、及びCFより選択され、
Cyは、
Figure 2024527567000006
より選択され、
は、F及びClより選択され、
は、
Figure 2024527567000007
より選択され、
Cyは、
Figure 2024527567000008
より選択され、
但し、式Iの化合物は、
2-((2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、及び
2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
以外である。
さらに別の実施態様では、式Iの化合物は、式II:
Figure 2024527567000009
の化合物またはその医薬的に許容される塩であり、式中、
は、Cl及びCHより選択され、
Cyは、
Figure 2024527567000010
より選択され、
は、
Figure 2024527567000011
より選択され、
Cyは、
Figure 2024527567000012
より選択される。
式Iの一実施態様、またはその医薬的に許容される塩では、
Yは、NまたはCHであり、
は、Cl、CH、CHF、CHF、及びCFより選択され、
Cyは、
Figure 2024527567000013
より選択され、
は、F及びClより選択され、
は、
Figure 2024527567000014
より選択され
Cyは、
Figure 2024527567000015
より選択される。
一実施態様では、Yは、CHである。一実施態様では、Yは、Nである。
一実施態様では、Cyは、Cy-c、Cy-l、Cy-m、Cy-n、Cy-o、Cy-p、Cy-q、Cy-r、Cy-s、及びCy-tより選択される。一実施態様では、Cyは、Cy-l、Cy-m、Cy-n、Cy-o、Cy-p、Cy-q、Cy-r、Cy-s、及びCy-tより選択される。一実施態様では、Cyは、Cy-c、Cy-m、Cy-n、Cy-o、Cy-p、Cy-q、Cy-r、Cy-s、及びCy-tより選択される。一実施態様では、Cyは、Cy-f、Cy-g、Cy-h、Cy-i、Cy-j、Cy-k、及びCy-lより選択される。一実施態様では、Cyは、Cy-a、Cy-m、Cy-n、Cy-o、Cy-p、及びCy-qより選択される。一実施態様では、Cyは、Cy-c、Cy-d、Cy-e、Cy-r、Cy-s、及びCy-tより選択される。
一実施態様では、Cyは、Cy-a、Cy-c、及びCy-rより選択される。一実施態様では、Cyは、Cy-c及びCy-rより選択される。一実施態様では、Cyは、Cy-s及びCy-tより選択される。
一実施態様では、Cyは、Cy-lである。一実施態様では、Cyは、Cy-mである。一実施態様では、Cyは、Cy-nである。一実施態様では、Cyは、Cy-oである。一実施態様では、Cyは、Cy-pである。一実施態様では、Cyは、Cy-qである。一実施態様では、Cyは、Cy-rである。一実施態様では、Cyは、Cy-sである。一実施態様では、Cyは、Cy-tである。
一実施態様では、Cyは、Cy-a、Cy-b、Cy-c、Cy-d、Cy-e、Cy-f、Cy-g、Cy-i、及びCy-jより選択される。一実施態様では、Cyは、Cy-a、Cy-b、Cy-c、Cy-d、及びCy-eより選択される。一実施態様では、Cyは、Cy-f、Cy-g、Cy-h、Cy-i、Cy-j、及びCy-kより選択される。一実施態様では、Cyは、Cy-c、Cy-d、及びCy-eより選択される。一実施態様では、Cyは、Cy-a、Cy-b、及びCy-kより選択される。一実施態様では、Cyは、Cy-a及びCy-bより選択される。一実施態様では、Cyは、Cy-h及びCy-kより選択される。
一実施態様では、Cyは、Cy-aである。一実施態様では、Cyは、Cy-bである。一実施態様では、Cyは、Cy-cである。一実施態様では、Cyは、Cy-dである。一実施態様では、Cyは、Cy-eである。一実施態様では、Cyは、Cy-fである。一実施態様では、Cyは、Cy-gである。一実施態様では、Cyは、Cy-hである。一実施態様では、Cyは、Cy-iである。一実施態様では、Cyは、Cy-jである。一実施態様では、Cyは、Cy-kである。
一実施態様では、Rは、CH、CHF、CHF、及びCFより選択される。一実施態様では、Rは、Cl、CH、CHF、及びCFより選択される。一実施態様では、Rは、CHF、CHF、及びCFより選択される。一実施態様では、Rは、Cl、CHF、CHF、及びCFより選択される。一実施態様では、Rは、Cl及びCHより選択される。一実施態様では、Rは、Cl及びCFより選択される。一実施態様では、Rは、CH及びCFより選択される。一実施態様では、Rは、Clである。一実施態様では、Rは、CHFである。一実施態様では、Rは、CHFである。一実施態様では、Rは、CHである。一実施態様では、Rは、CFである。
一実施態様では、Rは、Fである。一実施態様では、Rは、Clである。
一実施態様では、Rは、R-a及びR-bより選択される。一実施態様では、Rは、R-b及びR-cより選択される。一実施態様では、Rは、R-a及びR-cより選択される。一実施態様では、Rは、R-aである。一実施態様では、Rは、R-bである。一実施態様では、Rは、R-cである。
一実施態様では、Rは、R-b、R-c、及びR-dより選択される。一実施態様では、Rは、R-b及びR-dより選択される。一実施態様では、Rは、R-c及びR-dより選択される。一実施態様では、Rは、R-a及びR-dより選択される。一実施態様では、Rは、R-dである。
一実施態様では、Cyは、Cy-b、Cy-d、Cy-e、及びCy-fより選択される。一実施態様では、Cyは、Cy-b及びCy-dより選択される。一実施態様では、Cyは、Cy-c及びCy-dより選択される。
一実施態様では、Cyは、Cy-a、Cy-c、及びCy-dより選択される。一実施態様では、Cyは、Cy-a、Cy-b、及びCy-dより選択される。一実施態様では、Cyは、Cy-a、Cy-b、及びCy-cより選択される。一実施態様では、Cyは、Cy-d、Cy-e、及びCy-fより選択される。一実施態様では、Cyは、Cy-a及びCy-bより選択される。一実施態様では、Cyは、Cy-c及びCy-fより選択される。一実施態様では、Cyは、Cy-e及びCy-fより選択される。
一実施態様では、Cyは、Cy-aである。一実施態様では、Cyは、Cy-bである。一実施態様では、Cyは、Cy-cである。一実施態様では、Cyは、Cy-dである。一実施態様では、Cyは、Cy-eである。一実施態様では、Cyは、Cy-fである。
別の実施態様では、式Iの化合物は、
2-((2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、及び
2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
以外である。
一実施態様では、式Iの化合物は、
2-((2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、及び
2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
以外である。
別の実施態様では、本明細書における式の化合物は、そうした式の化合物であるか、またはその医薬的に許容される塩である。
一実施態様では、式Iの化合物は、
2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(2-メトキシ-3-メチルフェニル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(7-(3-クロロ-2-メトキシフェニル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
1-(4-(6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-イル)プロパ-2-エン-1-オン、
2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-6-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(6-メチルピリジン-3-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(4-フルオロフェニル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
8-(1-(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
8-(1-((2R,4S)-1-アクリロイル-2-メチルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(7-(5,6-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)アゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
8-(6-フルオロ-1-(1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-4-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリル、
8-(1-((2S,4S)-2-(シアノメチル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-4-イル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(6,8-ジクロロ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(6,8-ジクロロ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、及び
2 -((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
またはその医薬的に許容される塩
より選択される。
別の実施態様では、式Iの化合物は、
2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(2-メトキシ-3-メチルフェニル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(7-(3-クロロ-2-メトキシフェニル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
1-(4-(6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-イル)プロパ-2-エン-1-オン、
2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-6-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(6-メチルピリジン-3-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(4-フルオロフェニル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
8-(1-(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリル、
8-(1-((2R,4S)-1-アクリロイル-2-メチルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(7-(5,6-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)アゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
8-(6-フルオロ-1-(1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-4-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリル、
8-(1-((2S,4S)-2-(シアノメチル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-4-イル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(6,8-ジクロロ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(6,8-ジクロロ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、及び
2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
またはその医薬的に許容される塩
より選択される。
別の実施態様では、式Iの化合物は、
2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(4-フルオロイソキノリン-1-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(4-フルオロイソキノリン-1-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(3-メチルイソキノリン-4-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(3-メチルイソキノリン-4-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(7-フルオロ-2-メチルキノリン-8-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチルイソキノリン-4-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(7-フルオロキノリン-8-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-(4-(1-((2R,4S)-1-アクリロイル-2-メチルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(7-(5,6-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-(4-(1-((2R,4S)-1-アクリロイル-2-メチルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-メチル-1H-インドール-3-イル)アセトニトリル、
2-(4-(1-(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-メチル-1H-インドール-3-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(8-クロロ-7-(5,6-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(2-フルオロ-6-メトキシフェニル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、及び
2-((2S,4S)-4-(8-クロロ-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
またはその医薬的に許容される塩
より選択される。
一実施態様では、式Iの化合物は、
2-((2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
2-((2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
またはその医薬的に許容される塩
より選択される。
明確にするために個別の実施態様の文脈において記載される本発明のある特定の特徴も、単一の実施態様として組み合わせて提供される場合があることがさらに認識される(同時に、実施態様は、複合的な従属形式で記載されているかのように組み合わされることを意図する)。逆に、簡潔にするために単一の実施態様の文脈において記載される様々な本発明の特徴も、個別にまたは任意の好適なサブコンビネーションで提供される場合がある。したがって、式Iの化合物の実施態様として記載される特徴は、任意の好適な組合せで組み合わせてもよいと考えられる。
本明細書において記載される化合物は不斉であってもよい(例えば、1つまたは複数の立体中心を有する)。全ての立体異性体、例えば、エナンチオマー及びジアステレオマーが、別段指示がない限り意図される。非対称的に置換された炭素原子を含む本発明の化合物は、光学的活性形態またはラセミ形態で単離することができる。光学的に不活性な出発材料から光学的活性形態を調製する方法は、当技術分野において既知であり、例えば、ラセミ混合物の分解によるものまたは立体選択的な合成によるものである。C=N二重結合などのオレフィンの多くの幾何異性体も本明細書において記載される化合物に存在する場合があり、全てのそのような安定な異性体が本発明において検討される。本発明の化合物のシス及びトランス幾何異性体が記載されており、異性体の混合物としてまたは分離された異性体形態として単離することができる。
化合物のラセミ混合物の分解は、当技術分野において既知の多くの方法のいずれかによって行うことができる。1つの方法としては、光学活性な塩形成有機酸であるキラル分割酸を使用した分別再結晶がある。分別再結晶法に好適な分割剤は、例えば、光学活性酸、例えば、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸または様々な光学活性カンファースルホン酸、例えばβ-カンファースルホン酸のD及びL形態である。分別結晶化法に好適な他の分割剤としては、α-メチル-ベンジルアミン(例えば、S及びR形態、またはジアステレオマー的に純粋な形態)、2-フェニルグリシノール、ノルエフェドリン、エフェドリン、N-メチルエフェドリン、シクロヘキシルエチルアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサンなどの立体異性体的に純粋な形態がある。
ラセミ混合物の分解は、光学活性分割剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン)が充填されたカラムで溶出することによって行ってもよい。好適な溶出溶媒の組成は当業者であれば判定することができる。
いくつかの実施態様では、本発明の化合物は(R)立体配置を有する。他の実施態様では、化合物は(S)立体配置を有する。1つを超えるキラル中心を有する化合物では、化合物における各キラル中心は、別段指示がない限り独立して(R)または(S)であってもよい。
本発明の化合物は互変異性体も含む。互変異性体は、プロトンの移動とともに単結合と隣接する二重結合とが交換されることに由来する。互変異性体は、同じ実験式及び総電荷を有する異性体プロトン化状態であるプロトトロピック互変異性体を含む。プロトトロピック互変異性体の例としては、ケトン-エノール対、アミド-イミド酸対、ラクタム-ラクチム対、エナミン-イミン対、及びプロトンが複素環式系の2つ以上の位置を占めることができる環状形態、例えば、1H-及び3H-イミダゾール、1H-、2H-及び4H-1,2,4-トリアゾール、1H-及び2H-イソインドールならびに1H-及び2H-ピラゾールがある。互変異性体は平衡状態であっても、適切な置換によって1つの形態に立体的に固定されていてもよい。
本発明の化合物はまた、中間体または最終化合物において発生する原子の全ての同位体を含んでいてもよい。同位体は、同じ原子番号であるが異なる質量数を有する原子を含む。例えば、水素の同位体としては、トリチウム及びジュウテリウムがある。本発明の化合物の1つまたは複数の構成原子は、天然のまたは非天然の存在比で原子同位体で置き換えられていても置換されていてもよい。いくつかの実施態様では、化合物は少なくとも1つのジュウテリウム原子を含む。例えば、本開示の化合物における1つまたは複数の水素原子は、ジュウテリウムで置き換えられても置換されていてもよい。いくつかの実施態様では、化合物は、2つ以上のジュウテリウム原子を含む。いくつかの実施態様では、化合物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12個のジュウテリウム原子を含む。有機化合物が同位体を含むための合成法は当技術分野において既知である(Deuterium Labeling in Organic Chemistry by Alan F.Thomas(New York,N.Y.,Appleton-Century-Crofts,1971;The Renaissance of H/D Exchange by Jens Atzrodt,Volker Derdau,Thorsten Fey and Jochen Zimmermann,Angew.Chem.Int.Ed.2007,7744-7765;The Organic Chemistry of Isotopic Labelling by James R.Hanson,Royal Society of Chemistry,2011)。同位体標識された化合物は、様々な研究、例えばNMR分光法、代謝実験、及び/またはアッセイにおいて使用することができる。
より重い同位体、例えばジュウテリウムでの置換は、優れた代謝安定性、例えば、in vivo半減期の増加または必要な投薬量の減少に起因するある特定の治療的利点をもたらす場合があり、したがって、状況によっては好ましい場合がある(A.Kerekes et.al.J.Med.Chem.2011,54,201-210;R.Xu et.al.J.Label Compd.Radiopharm.2015,58,308-312)。
「化合物」という用語は、本明細書において使用される場合、図示される構造の全ての立体異性体、幾何異性体、互変異性体及び同位体を含むことを意味する。その用語はまた、どのように調製したか、例えば、合成的か、生物学的プロセス(例えば、代謝または酵素変換)を介してか、またはこれらの組合せかにかかわらず本発明の化合物を指すことを意味する。
全ての化合物、及びそれらの医薬的に許容される塩は、他の物質、例えば、水及び溶媒とともに見出すことができるか(例えば、水和物及び溶媒和物)または単離することができる。固体状態である場合、本明細書において記載される化合物及びこれらの塩は、様々な形態で生じる場合があり、例えば、水和物を含む溶媒和物の形態をとる場合がある。化合物は、任意の固体状態の形態、例えば、多形または溶媒和物であってもよく、したがって特に明記しない限り、本明細書において化合物及びこれらの塩に対する言及は、化合物のいずれの固体状態の形態も包含すると理解するべきである。
いくつかの実施態様では、本発明の化合物またはその塩は、実質的に単離される。「実質的に単離された」とは、化合物が、それが形成または検出された環境から少なくとも部分的にまたは実質的に分離されることを意味する。部分的な分離には、例えば、本発明の化合物が豊富な組成物が含まれる場合がある。実質的な分離は、本発明の化合物またはその塩の、少なくとも約50質量%、少なくとも約60質量%、少なくとも約70質量%、少なくとも約80質量%、少なくとも約90質量%、少なくとも約95質量%、少なくとも約97質量%、または少なくとも約99質量%を含む組成物を含んでいてもよい。
「医薬的に許容される」という句は、本明細書において、健全な医学的判断の範囲内で、ヒト及び動物の組織との接触に使用するのに好適であり、過度な毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症がなく、妥当な利点/リスク比に見合った化合物、材料、組成物及び/または投薬形態を指すために用いられる。
「周囲温度」及び「室温」という表現は、本明細書において使用される場合、当技術分野において理解され、温度、例えば反応温度を一般的に指し、それは、反応が行われる部屋の温度、例えば、約20℃から約30℃の温度に関するものである。
本発明は、本明細書において記載される化合物の医薬的に許容される塩も含む。「医薬的に許容される塩」という用語は、親化合物が既存の酸または塩基部分をその塩形態に変換されることによって改変された開示される化合物の誘導体を指す。医薬的に許容される塩の例としては、これらに限定されるものではないが、塩基性残基の無機または有機酸塩、例えばアミン;酸性残基のアルカリまたは有機塩、例えばカルボン酸;などがある。本発明の医薬的に許容される塩としては、例えば、非毒性の無機または有機酸から形成された親化合物の非毒性塩がある。本発明の医薬的に許容される塩は、従来の化学的方法によって塩基性または酸性部分を含む親化合物から合成してもよい。一般的に、そのような塩は、水もしくは有機溶媒またはその2つの混合物中で、これらの化合物の遊離酸または塩基形態と化学量論量の適切な塩基または酸とを反応させることによって調製することができ;一般的に、非水性媒体、例えば、エーテル、酢酸エチル、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはブタノール)またはアセトニトリル(MeCN)が好ましい。好適な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences 17th Ed.,(Mack Publishing Company,Easton,1985),p.1418、Berge et al.,J.Pharm.Sci.,1977,66(1),1-19、及びStahl et al.,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,(Wiley,2002)で認められる。いくつかの実施態様では、本明細書において記載される化合物としては、N酸化物形態がある。
合成
その塩を含む本発明の化合物は、既知の有機合成技術を使用して調製することができ、多くの可能な合成経路、例えば、以下のスキームにおけるもののいずれかに従って合成してもよい。
本発明の化合物を調製するための反応は好適な溶媒中で行うことができ、有機合成の当業者によって容易に選択することができる。好適な溶媒は、反応が行われる温度で、出発材料(反応物)、中間体または生成物と実質的に非反応性のものとすることができ、その温度は、例えば、溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度までの範囲とすることができる。所与の反応は、1つの溶媒または1つを超える溶媒の混合物中で行うことができる。特定の反応工程に応じて、特定の反応工程に好適な溶媒は当業者であれば選択することができる。
本発明の化合物の調製は、様々な化学基の保護及び脱保護を伴う場合がある。保護及び脱保護の必要性、ならびに適切な保護基の選択は、当業者であれば容易に判定することができる。保護基の化学的性質は、例えば、Kocienski,Protecting Groups,(Thieme,2007);Robertson,Protecting Group Chemistry,(Oxford University Press,2000);Smith et al.,March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,6th Ed.(Wiley,2007);Peturssion et al.,“Protecting Groups in Carbohydrate Chemistry,” J.Chem.Educ.,1997,74(11),1297;及びWuts et al.,Protective Groups in Organic Synthesis,4th Ed.,(Wiley,2006)に記載されている。
反応は、当技術分野において既知の任意の好適な方法に従ってモニタリングしてもよい。例えば、生成物の形成は、分光学的手段、例えば、核磁気共鳴分光法(例えば、Hまたは13C)、赤外分光法、分光光度法(例えば、UV-可視)、質量分析法によって、またはクロマトグラフィー法、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)もしくは薄層クロマトグラフィー(TLC)によってモニタリングしてもよい。
以下のスキームは、本発明の化合物の調製に関連する一般的なガイダンスを提供する。当業者であれば、スキームに示す調製は、本発明の様々な化合物を調製するための有機化学の一般的な知識を使用して改変または最適化することができることを理解するであろう。
Figure 2024527567000016
式1-18の化合物は、スキーム1に概略が示される合成経路を介して調製することができる。適切な試薬(N-クロロ-スクシンイミド(NCS)など)を用いて出発物質1-1をハロゲン化することで、中間体1-2(Halはハロゲン化物(F、Cl、Br、またはIなど)である)が得られる。化合物1-3は、1-2を試薬(トリホスゲンなど)で処理することによって調製できる。その後、中間体1-3をエステル1-4と反応させることで、ニトロ化合物1-5を得ることができ、これを適切な試薬(例えば、POCl)で処理することで、化合物1-6を得ることができる。中間体1-6とアミン1-7(PGは、適切な保護基(Bocなど)である)とのSAr反応を実施することで、化合物1-8を得ることができる。1-8中のニトロ基は、還元剤(例えば、酢酸中Feまたは亜ジチオン酸ナトリウム)の存在下でNHへと還元できる。その後、中間体1-9を環化反応(例えば、オルトギ酸トリエチルを使用するもの)に供すことで中間体1-10が得られ、その後にナトリウムチオメトキシドとのSnAr反応に供すことで、1-11を得ることができる。標準的な鈴木クロスカップリング条件(例えば、パラジウム触媒及び適切な塩基の存在下)、または標準的なスティルクロスカップリング条件(例えば、パラジウム触媒の存在下)、または標準的な根岸クロスカップリング条件(例えば、パラジウム触媒の存在下)、またはトリフルオロメチル化条件(例えば、銅触媒の存在下)の下で1-12(Mは、ボロン酸、ボロン酸エステル、または適切に置換された金属もしくは半金属である[例えば、Mは、B(OR)、Sn(アルキル)、Zn-Hal、またはCFTMSである])とのクロスカップリング反応を行うことで、1-13が得られる。標準的な鈴木クロスカップリング条件(例えば、パラジウム触媒及び適切な塩基の存在下)、または標準的なスティルクロスカップリング条件(例えば、パラジウム触媒の存在下)、または標準的な根岸クロスカップリング条件(例えば、パラジウム触媒の存在下)の下で1-13と式1-14の付加物(Mは、ボロン酸、ボロン酸エステル、または適切に置換された金属である[例えば、Mは、B(OR)、Sn(アルキル)、またはZn-Halである])との間のクロスカップリング反応を行うことによって中間体1-15を調製できる。中間体1-15は、適切な酸化剤(例えば、m-CPBA)での硫黄基の酸化及びその後のSnAr反応、またはクロスカップリング反応(Org.Lett.2002,4,979-981)のいずれかを介して中間体1-16に変換することができる。1-16中の保護基を除去することで、アミン1-17が得られる。その後、得られたアミンの官能化(酸クロリド(例えば、アクリロイルクロリド)とのカップリングなど)を行うことで、所望の生成物1-18が得られる。上記の化学反応の順序は、異なる類似体の調製に適するように、必要に応じて変更または省略してよい。
KRASタンパク質
Rasファミリーは、KRAS、NRAS及びHRASの3つのメンバーから構成される。RAS変異がんはヒトのがんの約25%を占める。KRASは、ヒトのがんにおいて最も高い頻度で変異したアイソフォームであり:全てのRAS変異の85%はKRAS、12%はNRAS、及び3%はHRASである(Simanshu,D.et al.Cell 170.1(2017):17-33)。KRAS変異は、上位3つの最も致命的ながんのタイプである膵臓(97%)、直腸結腸(44%)、及び肺(30%)の中で広く認められる(Cox,A.D.et al.Nat Rev Drug Discov(2014)13:828-51)。RAS変異の大部分は、アミノ酸残基/コドン12、13、及び61において発生し;コドン12の変異は、KRASにおいて最も頻繁に生じる。特定の変異の頻度はRAS遺伝子間で異なり、G12D変異はKRASにおいて最も優勢であり、一方Q61R及びG12R変異は、NRAS及びHRASにおいて最も頻繁に生じる。さらに、RASアイソフォームにおける変異のスペクトルは、がんのタイプ間で異なる。例えば、KRAS G12D変異は、膵臓癌(51%)、続いて直腸結腸腺癌(45%)及び肺癌(17%)において優位を占める(Cox,A.D.et al.Nat Rev Drug Discov(2014)13:828-51)。対照的に、KRAS G12C変異は非小細胞肺癌(NSCLC)(変異KRASのほぼ半分はG12Cである)において優位を占め、肺腺癌の11~16%ならびに膵臓及び直腸結腸腺癌の2~5%をそれぞれ占める(Cox,A.D.et al.Nat.Rev.Drug Discov.(2014)13:828-51a)。数百のがん細胞株にわたる数千の遺伝子をノックダウンするshRNAを使用して、ゲノム研究は、KRAS変異を示すがん細胞が、細胞を成長させるためのKRAS機能に高度に依存することを実証している(McDonald,R.et al.Cell 170(2017):577-592)。総合すると、これらの発見は、KRAS変異がヒトのがんにおいて重要な役割を果たしていることを示唆し、したがって、変異KRASを標的とする阻害剤の開発は、KRAS変異によって特徴付けられる疾患の臨床的処置において有用な場合がある。
使用方法
G12C、G12V及びG12D変異を含むKRASが関与するがんのタイプとしては、これらに限定されるものではないが、腺癌(例えば、膵臓、直腸結腸、肺、膀胱、胃、食道、乳房、頭頸部、頸部皮膚、甲状腺);造血器悪性腫瘍(例えば、骨髄増殖性新生物(MPN)、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性及び若年性骨髄単球性白血病(CMML及びJMML)、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)及び多発性骨髄腫(MM));及び他の新生物(例えば、膠芽細胞腫及び肉腫)がある。さらに、KRAS変異は、抗EGFR治療法に対する獲得抵抗性が認められている(Knickelbein,K.et al.Genes & Cancer,(2015):4-12)。KRAS変異は、免疫学的及び炎症性障害(Fernandez-Medarde,A.et al.Genes & Cancer,(2011):344-358)、例えば、KRASまたはNRASの体細胞変異によって引き起こされるRas関連リンパ増殖性障害(RALD)または若年性骨髄単球性白血病(JMML)において認められている。
本開示の化合物は、KRASタンパク質の活性を阻害することができる。例えば、本開示の化合物は、細胞、個体、または患者に、阻害量の1つまたは複数の本開示の化合物を投与することによって、酵素の阻害を必要とする細胞または個体もしくは患者におけるKRASの活性を阻害するために使用することができる。
KRAS阻害剤として、本開示の化合物は、KRASの異常な発現または活性と関連する様々な疾患の治療において有用である。KRASを阻害する化合物は、腫瘍における成長またはアポトーシス誘発を阻止する手段を提供することにおいて、または血管新生を阻害することによって有用であろう。その結果、本開示の化合物は、増殖性障害、例えば、癌の治療または阻止における有用性を証明されることになることが予想される。特に、受容体型チロシンキナーゼの活性化変異体または受容体型チロシンキナーゼの上方調節を伴う腫瘍は、阻害剤に対して特に感受性が高い場合がある。
一態様において、KRAS活性を阻害する方法であって、本開示の化合物をKRASと接触させる工程を含む方法が本明細書において提供される。ある実施態様では、接触させる工程は、患者に化合物を投与する工程を含む。
一態様において、本明細書では、G12C変異を有するKRASタンパク質を阻害する方法であって、本開示の化合物をKRASと接触させることを含む上記方法を提供する。
一態様において、本明細書では、G12D変異を有するKRASタンパク質を阻害する方法であって、本開示の化合物をKRASと接触させることを含む上記方法を提供する。
一態様において、本明細書では、G12V変異を有するKRASタンパク質を阻害する方法であって、本開示の化合物をKRASと接触させることを含む上記方法を提供する。
別の態様において、本明細書では、KRAS相互作用の阻害と関連する疾患または障害の治療方法であって、治療有効量の、本明細書に開示される式のいずれかの化合物またはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを含む上記方法を提供する。
さらに別の態様において、本明細書では、G12C変異を有するKRASタンパク質の阻害と関連する疾患または障害の治療方法であって、治療有効量の、本明細書に開示される式のいずれかの化合物またはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを含む上記方法を提供する。
なおも別の態様において、本明細書では、治療有効量の本明細書に開示される化合物を患者に投与することを含む、それを必要とする患者におけるがんの治療方法も提供し、当該がんが、G12C変異を有するKRASタンパク質との相互作用を特徴とする。
さらに別の態様において、本明細書では、患者におけるがんの治療方法であって、治療有効量の、本明細書に開示されるいずれか1つの化合物またはその医薬的に許容される塩を患者に投与することを含む上記方法を提供する。
別の態様において、本明細書では、それを必要とする患者における、KRAS相互作用またはその変異体の阻害と関連する疾患または障害の治療方法であって、本明細書に開示される化合物、もしくはその医薬的に許容される塩、または本明細書に開示される化合物もしくはその医薬的に許容される塩を含む組成物を、本明細書に開示される別の治療法または治療薬と組み合わせて患者に投与する工程を含む方法を提供する。
一実施態様では、がんは、血液癌、肉腫、肺癌、消化管癌、泌尿生殖器癌、肝臓癌、骨癌、神経系癌、婦人科癌、及び皮膚癌より選択される。
別の実施態様では、肺癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、気管支原性癌腫、扁平上皮細胞気管支原性癌腫、未分化小細胞気管支原性癌腫、未分化大細胞気管支原性癌腫、腺癌、気管支原性癌腫、肺胞癌腫、細気管支癌腫、気管支腺腫、軟骨腫性過誤腫、中皮腫、乳頭状及び非乳頭状癌腫、気管支腺腫、及び胸膜肺芽細胞腫より選択される。
さらに別の実施態様では、肺癌は非小細胞肺癌(NSCLC)である。さらに別の実施態様では、肺癌は腺癌である。
一実施態様では、消化管癌は、食道扁平上皮細胞癌腫、食道腺癌、食道平滑筋肉腫、食道リンパ腫、胃癌腫、胃リンパ腫、胃平滑筋肉腫、外分泌膵臓癌腫、膵管腺癌、膵臓インスリノーマ、膵臓グルカゴノーマ、膵臓ガストリノーマ、膵臓カルチノイド腫瘍、膵臓ビポーマ、小腸腺癌、小腸リンパ腫、小腸カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、小腸平滑筋腫、小腸血管腫、小腸脂肪腫、小腸神経繊維腫、小腸線維腫、大腸腺癌、大腸管状腺腫、大腸絨毛腺腫、大腸過誤腫、大腸平滑筋腫、直腸結腸癌、胆嚢癌、及び肛門癌より選択される。
一実施態様では、消化管癌は直腸結腸癌である。
別の実施態様では、がんは癌腫である。さらに別の実施態様では、癌腫は、膵臓癌腫、直腸結腸癌腫、肺癌腫、膀胱癌腫、胃癌腫、食道癌腫、乳癌腫、頭頸部癌腫、頸部皮膚癌腫、及び甲状腺癌腫より選択される。
さらに別の実施態様では、がんは造血悪性腫瘍である。一実施態様では、造血悪性腫瘍は、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、及び骨髄増殖性新生物より選択される。
別の実施態様では、がんは新生物である。さらに別の実施態様では、新生物は、膠芽細胞腫または肉腫である。
ある特定の実施態様では、本開示は、それを必要とする患者におけるKRAS介在性障害を治療するための方法であって、上記患者に、本発明による化合物またはその医薬的に許容される組成物を投与する工程を含む方法を提供する。
いくつかの実施態様では、本開示の化合物を使用して処置可能な疾患及び適応症としては、これらに限定されるものではないが、血液癌、肉腫、肺癌、消化管癌、泌尿生殖器癌、肝臓癌、骨癌、神経系癌、婦人科癌、及び皮膚癌がある。
例示的な血液癌としては、リンパ腫及び白血病、例えば、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球細胞白血病(APL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(再発性または難治性NHL及び再発性濾胞を含む)、ホジキンリンパ腫、骨髄増殖性疾患(例えば、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症(PV)、本態性血小板増加症(ET)、8p11骨髄増殖性症候群、骨髄異形成症候群(MDS)、T細胞急性リンパ芽球性リンパ腫(T-ALL)、多発性骨髄腫、皮膚T細胞リンパ腫、成人T細胞白血病、ワルデンストレームマクログルブリン血症、毛様細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、慢性骨髄性リンパ腫及びバーキットリンパ腫がある。
例示的な肉腫としては、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、血管肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、粘液腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、線維腫、脂肪腫、過誤腫(harmatoma)、リンパ肉腫、平滑筋肉腫、及び奇形腫がある。
例示的な肺癌としては、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、気管支原性癌腫(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌腫、気管支腺腫、軟骨腫性過誤腫、中皮腫、乳頭状及び非乳頭状癌腫、気管支腺腫及び胸膜肺芽細胞腫がある。
例示的な消化管癌としては、食道癌(扁平上皮細胞癌腫、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃癌(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓癌(外分泌膵臓癌腫、腺管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸癌(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経繊維腫、線維腫)、大腸癌(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)、直腸結腸癌、胆嚢癌及び肛門癌のがんがある。
例示的な泌尿生殖器癌としては、腎臓癌腫(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫]、腎細胞癌腫)、膀胱及び尿道癌腫(扁平上皮細胞癌腫、移行細胞癌腫、腺癌)、前立腺癌腫(腺癌、肉腫)、精巣癌腫(セミノーマ、奇形腫、胚性癌腫、奇形癌腫、絨毛癌腫、肉腫、間質細胞癌腫、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫)及び尿路上皮癌腫のがんがある。
例示的な肝臓癌としては、肝癌(肝細胞癌腫)、胆管癌腫、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、及び血管腫がある。
例示的な骨癌としては、例えば、骨形成肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性繊維性組織球種、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網細胞肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍脊索腫、骨軟骨性骨腫(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫、及び巨細胞腫瘍がある。
例示的な神経系癌としては、頭蓋骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫)、脳(星状細胞腫、中胚葉腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、膠芽腫、多形性膠芽腫、希突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍、神経外胚葉性腫瘍)、及び脊髄(神経繊維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫)、神経芽細胞腫、レルミットデュクロ疾患及び松果体腫瘍のがんがある。
例示的な婦人科癌としては、乳房(腺管癌腫、小葉癌腫、乳房肉腫、トリプルネガティブ乳癌、HER2陽性乳癌、炎症性乳癌、乳頭癌腫)、子宮(子宮内膜癌腫)、子宮頚
部(子宮頸癌腫、腫瘍前子宮頸部異形成)、卵巣(卵巣癌腫(漿液性嚢胞腺癌腫、粘液性嚢胞腺癌腫、未分類癌腫)、顆粒膜細胞腫瘍、セルトリライディッヒ細胞腫瘍、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮細胞癌腫、上皮内癌腫、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌腫、扁平上皮細胞癌腫、ボトリオイド肉腫(胚性横紋筋肉腫)、及び卵管(癌腫)のがんがある。
例示的な皮膚癌としては、黒色腫、基底細胞癌腫、扁平上皮細胞癌腫、カポジ肉腫、メルケル細胞皮膚がん、異形成母斑(moles dysplastic nevi)、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、及びケロイドがある。
例示的な頭頸部癌としては、膠芽腫、黒色腫、横紋筋肉腫、リンパ肉腫、骨肉腫、扁平上皮細胞腺癌、腺癌、口腔癌、喉頭癌、鼻咽頭癌、鼻腔及び副鼻腔癌、甲状腺及び副甲状腺癌、眼の腫瘍、唇及び口の腫瘍、ならびに扁平頭頸部癌がある。
本開示の化合物は、腫瘍転移の阻害においても有用な場合がある。
発癌性新生物に加えて、本発明の化合物は、これらに限定されないが、軟骨無形成症、低軟骨形成症、小人症、致死性骨異形成症(TD)(TDI及びTDII臨床型)、アペール症候群、クルーゾン症候群、ジャクソンワイス症候群、ベアスティーブンソン皮膚回旋症候群、ファイファー症候群、及び頭蓋骨癒合症症候群を含む骨格及び軟骨細胞障害の治療において有用である。いくつかの実施態様では、本開示は、骨格及び軟骨細胞障害に罹患した患者を治療するための方法を提供する。
いくつかの実施態様では、本明細書において記載される化合物は、アルツハイマー疾患、HIV、または結核を治療するために使用することができる。
本明細書において使用される場合、「8p11骨髄増殖性症候群」という用語は、好酸球過多症及びFGFR1異常と関連する骨髄性/リンパ性新生物を指すことを意味する。
本明細書において使用される場合、「細胞」という用語は、in vitro、ex vivoまたはin vivoで存在する細胞を指すことを意味する。いくつかの実施態様では、ex vivo細胞は、生物、例えば、哺乳動物から切除された組織試料の一部であってもよい。いくつかの実施態様では、in vitro細胞は、細胞培養物中の細胞であってもよい。いくつかの実施態様では、in vivo細胞は、生物、例えば、哺乳動物内で生存している細胞である。
本明細書において使用される場合、「接触させること」という用語は、in vitro系またはin vivo系において示された部分を一緒にすることを指す。例えば、KRASを本明細書において記載される化合物と「接触させること」は、KRASを有する個体または患者、例えばヒトに、本明細書において記載される化合物を投与すること、ならびに例えば、KRASを含む細胞調製物または精製調製物を含む試料を、本明細書において記載される化合物に導入することを含む。
本明細書において使用される場合、「個体」、「対象」、または「患者」という用語は区別せずに使用され、哺乳動物、好ましくはマウス、ラット、他の齧歯動物、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、または霊長目、最も好ましくはヒトを含む任意の動物を指す。
本明細書において使用される場合、「治療有効量」という句は、研究者、獣医師、医師または他の臨床医に求められる、組織、系、動物、個体またはヒトにける生物学的または医薬的な応答を引き起こす活性化合物または医薬薬剤の量、例えば本明細書において開示される固体形態またはその塩のいずれかの量を指す。個々の場合における適切な「有効」量は、当業者に既知の技術を使用して判定してもよい。
「医薬的に許容される」という句は、健全な医学的判断の範囲内で、ヒト及び動物の組織との接触に使用するのに好適であり、過度な毒性、刺激、アレルギー応答、免疫原性または他の問題もしくは合併症がなく、妥当な利点/リスク比に見合った化合物、材料、組成物、及び/または投薬形態を指すために本明細書において使用される。
本明細書において使用される場合、「医薬的に許容される担体または添加剤」という句は、医薬的に許容される材料、組成物、またはビヒクル、例えば、液体または固体の賦形剤、希釈剤、溶媒、またはカプセル化材料を指す。添加剤または担体は、一般的に、安全で非毒性であり、生物学的に別段不所望なものではなく、獣医学的用途ならびにヒト医薬用途に許容される添加剤または担体を含む。一実施態様では、各成分は、本明細書において定義されるような「医薬的に許容される」ものである。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st ed.;Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia,Pa.,2005;Handbook of Pharmaceutical Excipients,6th ed.;Rowe et al.,Eds.;The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association:2009;Handbook of Pharmaceutical Additives,3rd ed.;Ash and Ash Eds.;Gower Publishing Company:2007;Pharmaceutical Preformulation and Formulation,2nd ed.;Gibson Ed.;CRC Press LLC:Boca Raton,Fla.,2009を参照のこと。
本明細書において使用される場合、「治療すること」または「治療」という用語は、疾患を阻害すること;例えば、疾患、状態、もしくは障害の病状もしくは症候を経験しているかもしくは示している個体における疾患、状態、もしくは障害を阻害すること(すなわち、病状及び/または症候の更なる進行を停止させること)、または疾患を改善すること;例えば、疾患、状態、もしくは障害の病状もしくは症候を経験しているかもしくは示している個体における疾患、状態、もしくは障害を改善すること(すなわち、病状及び/または症候を逆転させること)、例えば、疾患の重症度を低下させることを指す。
「阻止する」、「阻止すること」、または「阻止」という用語は、本明細書において使用される場合、予防される状況、疾患または障害と関連するかまたはこれらによって引き起こされる少なくとも1つの症状を阻止することを含む。
明確にするために個別の実施態様の文脈において記載される本発明のある特定の特徴も、単一の実施態様として組み合わせて提供される場合があることが認識される(同時に、実施態様は、複合的な従属形式で記載されているかのように組み合わされることを意図する)。逆に、簡潔にするために単一の実施態様の文脈において記載される様々な本発明の特徴も、個別にまたは任意の好適なサブコンビネーションで提供される場合がある。
併用療法
I.がん療法
がん細胞の成長及び生存は、複数のシグナル伝達経路の不全によって影響される可能性がある。したがって、活性を調節する標的について異なった選択性を示す、異なる酵素/タンパク質/受容体の阻害剤を組み合わせることは、そのような病態の治療に有用である。複数のシグナル伝達経路(または所与のシグナル伝達経路に関与する複数の生物学的分子)を標的とすることで、細胞集団に生じる薬物耐性の可能性を低減する、及び/または治療の毒性を緩和することができる。
1種以上の追加の医薬品、例えば、化学療法剤、抗炎症薬、ステロイド、免疫抑制剤、免疫腫瘍薬、代謝酵素阻害剤、ケモカイン受容体阻害剤、及びホスファターゼ阻害剤など、ならびに標的療法、例えば、Bcr-Abl、Flt-3、EGFR、HER2、JAK、c-MET、VEGFR、PDGFR、c-Kit、IGF-1R、RAF、FAK、及びCDK4/6キナーゼ阻害剤、例えば、WO2006/056399に記載のものなどを本開示の化合物と併用して、CDK2関連の疾患、障害、または病態を治療することができる。治療用抗体などの他の薬剤を本開示の化合物と併用して、CDK2関連の疾患、障害、または病態を治療することができる。1種以上の追加の医薬品を同時にまたは連続して患者に投与することができる。
いくつかの実施態様では、CDK2阻害剤は、BCL2阻害剤またはCDK4/6阻害剤と組み合わせて投与または使用される。
本明細書に開示される化合物は、がんなどの疾患及び本明細書に記載の他の疾患または障害の治療のために、1種以上の他の酵素/タンパク質/受容体の阻害剤療法と併用することができる。併用療法で治療可能な疾患及び適応症の例として、本明細書に記載されているものが挙げられる。がんの例として、固形腫瘍、及び液性腫瘍、血液癌などの非固形腫瘍が挙げられる。感染症の例として、ウイルス感染症、細菌感染症、真菌感染症、または寄生虫感染症が挙げられる。例えば、本開示の化合物は、がんの治療のために、以下のキナーゼの1種以上の阻害剤と併用することができる:Akt1、Akt2、Akt3、BCL2、CDK4/6、TGF-βR、PKA、PKG、PKC、CaMキナーゼ、ホスホリラーゼキナーゼ、MEKK、ERK、MAPK、mTOR、EGFR、HER2、HER3、HER4、INS-R、IDH2、IGF-1R、IR-R、PDGFαR、PDGFβR、PI3K(アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、及び多重または選択的)、CSF1R、KIT、FLK-II、KDR/FLK-1、FLK-4、flt-1、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、c-Met、PARP、Ron、Sea、TRKA、TRKB、TRKC、TAMキナーゼ(Axl、Mer、Tyro3)、FLT3、VEGFR/Flt2、Flt4、EphA1、EphA2、EphA3、EphB2、EphB4、Tie2、Src、Fyn、Lck、Fgr、Btk、Fak、SYK、FRK、JAK、ABL、ALK、及びB-Raf。いくつかの実施態様では、本開示の化合物は、がんまたは感染症の治療のために、以下の1種以上の阻害剤と組み合わせることができる。がん及び感染症の治療のために、本開示の化合物と組み合わせることができる阻害剤の非限定的な例として、FGFR阻害剤(FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはFGFR4、例えば、ペミガチニブ(INCB54828)、INCB62079)、EGFR阻害剤(別称、ErB-1またはHER-1;例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、バンデタニブ、オルシメルチニブ、セツキシマブ、ネシツムマブ、またはパニツムマブ)、VEGFR阻害剤もしくは経路遮断薬(例えば、ベバシズマブ、パゾパニブ、スニチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、レゴラフェニブ、ポナチニブ、カボザンチニブ、バンデタニブ、ラムシルマブ、レンバチニブ、ziv-アフリベルセプト)、PARP阻害剤(例えば、オラパリブ、ルカパリブ、ベリパリブ、またはニラパリブ)、JAK阻害剤(JAK1及び/またはJAK2、例えばルキソリチニブまたはバリシチニブ;またはJAK1、例えばイタシチニブ(INCB39110)、INCB052793、またはINCB054707)、IDO阻害剤(例えば、エパカドスタット、NLG919、またはBMS-986205、MK7162)、LSD1阻害剤(例えば、GSK2979552、INCB59872、及びINCB60003)、TDO阻害剤、PI3K-デルタ阻害剤(例えば、パルサクリシブ(INCB50465)またはINCB50797)、PI3K-ガンマ選択的阻害剤などのPI3K-ガンマ阻害剤、Pim阻害剤(例えば、INCB53914)、CSF1R阻害剤、TAM受容体チロシンキナーゼ(Tyro-3、Axl、及びMer;例えば、INCB081776)、アデノシン受容体アンタゴニスト(例えば、A2a/A2b受容体アンタゴニスト)、HPK1阻害剤、ケモカイン受容体阻害剤(例えば、CCR2またはCCR5阻害剤)、SHP1/2ホスファターゼ阻害剤、HDAC8阻害剤などのヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC)、血管形成阻害剤、インターロイキン受容体阻害剤、bromo and extra terminalファミリーメンバー阻害剤(例えば、INCB54329及びINCB57643などの、ブロモドメイン阻害剤またはBET阻害剤)、c-MET阻害剤(例えば、カプマチニブ)、抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)、ALK2阻害剤(例えば、INCB00928);またはそれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載の化合物または塩は、PI3Kδ阻害剤とともに投与される。いくつかの実施態様では、本明細書に記載の化合物または塩は、JAK阻害剤とともに投与される。いくつかの実施態様では、本明細書に記載の化合物または塩は、JAK1またはJAK2阻害剤(例えば、バリシチニブまたはルキソリチニブ)とともに投与される。いくつかの実施態様では、本明細書に記載の化合物または塩は、JAK1阻害剤とともに投与される。いくつかの実施態様では、本明細書に記載の化合物または塩は、JAK2よりも選択的であるJAK1阻害剤とともに投与される。
加えて、がん及び他の増殖性疾患を治療するために、本明細書に記載の化合物を標的療法、例えば、c-MET阻害剤(例えば、カプマチニブ)、抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)、ALK2阻害剤(例えば、INCB00928)、またはそれらの組み合わせなどと併用することができる。
併用療法に使用される抗体の例として、トラスツズマブ(例えば、抗HER2)、ラニビズマブ(例えば、抗VEGF-A)、ベバシズマブ(アバスチン(商標)、例えば、抗VEGF)、パニツムマブ(例えば、抗EGFR)、セツキシマブ(例えば、抗EGFR)、リツキサン(例えば、抗CD20)、及びc-METに対する抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
以下の薬剤のうち1種以上を本開示の化合物と併用することができ、これを非限定的な一覧として提示する:細胞静止剤、シスプラチン、ドキソルビシン、タキソテール、タキソール、エトポシド、イリノテカン、カンプトスター、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、テモゾロミド、シクロホスファミド、SCH 66336、R115777、L778,123、BMS 214662、IRESSA(商標)(ゲフィチニブ)、TARCEVA(商標)(エルロチニブ)、EGFRに対する抗体、イントロン、ara-C、アドリアマイシン、cytoxan、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホルアミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、フルダラビンリン酸エステル、オキサリプラチン、ロイコボリン(leucovirin)、ELOXATIN(商標)(オキサリプラチン)、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、テニポシド17.アルファ-エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、リュープロリド、フルタミド、トレミフェン、ゴセレリン、カルボプラチン、ヒドロキシ尿素、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン、レバミゾール、ナベルビン、アナストロゾール、レトラゾール、カペシタビン、レロキサフィン、ドロロキサフィン、ヘキサメチルメラミン、アバスチン、HERCEPTIN(商標)(トラスツズマブ)、BEXXAR(商標)(トシツモマブ)、VELCADE(商標)(ボルテゾミブ)、ZEVALIN(商標)(イブリツモマブチウキセタン)、TRISENOX(商標)(三酸化ヒ素)、XELODA(商標)(カペシタビン)、ビノレルビン、ポルフィマー、ERBITUX(商標)(セツキシマブ)、チオテパ、アルトレタミン、メルファラン、トラスツズマブ、レロゾール、フルベストラント、エキセメスタン、イホスファミド、リツキシマブ、C225(セツキシマブ)、Campath(アレムツズマブ)、クロファラビン、クラドリビン、アフィジコリン、リツキサン、スニチニブ、ダサチニブ、テザシタビン、Sml1、フルダラビン、ペントスタチン、トリアピン、ジドックス、トリミドックス、アミドックス、3-AP、及びMDL-101,731。
本開示の化合物はさらに、例えば化学療法、放射線療法、腫瘍標的療法、アジュバント療法、免疫療法、または外科手術による、他のがん治療方法と併用することができる。免疫療法の例として、サイトカイン治療(例えば、インターフェロン、GM-CSF、G-CSF、IL-2)、CRS-207免疫療法、がんワクチン、モノクローナル抗体、二重特異性または多重特異性抗体、抗体薬物複合体、T細胞養子移入、Toll受容体アゴニスト、RIG-Iアゴニスト、腫瘍溶解性ウイルス療法、及びサリドマイドまたはJAK1/2阻害剤、PI3Kδ阻害剤を含む免疫調節性小分子などが挙げられる。化合物は、化学療法剤などの1種以上の抗がん剤と組み合わせて投与することができる。化学療法剤の例として、アバレリクス、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アロプリノール、アルトレタミン、アナストロゾール、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アザシチジン、ベバシズマブ、ベキサロテン、バリシチニブ、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブスルファン静注、ブスルファン経口、カルステロン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルテパリンナトリウム、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デニロイキン、デニロイキンジフチトクス、デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドロスタノロンプロピオン酸エステル、エクリズマブ、エピルビシン、エルロチニブ、エストラムスチン、リン酸エトポシド、エトポシド、エキセメスタン、フェンタニルクエン酸塩、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゴセレリン酢酸塩、酢酸ヒストレリン、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブメシル酸塩、インターフェロンアルファ2a、イリノテカン、ラパチニブトシル酸塩水和物、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、リュープロレリン酢酸塩、レバミゾール、ロムスチン、メクロレタミン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトキサレン、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、ナンドロロンフェンプロピオネート(nandrolone phenpropionate)、ネララビン、ノフェツモマブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロン酸、パニツムマブ、ペグアスパラガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペメトレキセド二ナトリウム、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、プロカルバジン、キナクリン、ラスブリカーゼ、リツキシマブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、マレイン酸スニチニブ、タモキシフェン、テモゾロミド、テニポシド、テストラクトン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、ウラシルマスタード、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ボリノスタット、及びゾレドロネートのいずれかが挙げられる。
化学療法剤の追加の例として、プロテオソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、サリドマイド、レブリミド、及びメルファラン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、エトポシド、カルムスチンなどのDNA損傷剤が挙げられる。
ステロイドの例として、デキサメタゾンまたはプレドニゾンなどの副腎皮質ステロイドが挙げられる。
Bcr-Abl阻害剤の例として、イマチニブメシル酸塩(GLEEVAC(商標))、ニロチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、及びポナチニブ、ならびに医薬的に許容される塩が挙げられる。他の好適なBcr-Abl阻害剤の例として、米国特許第5,521,184号、WO04/005281、及び米国出願第60/578,491号に開示される属及び種の化合物、ならびにその医薬的に許容される塩が挙げられる。
好適なFlt-3阻害剤の例として、ミドスタウリン、レスタウルチニブ、リニファニブ、スニチニブ、スニチニブ、マレイン酸塩、ソラフェニブ、キザルチニブ、クレノラニブ、パクリチニブ、タンズチニブ、PLX3397、及びASP2215、ならびにそれらの医薬的に許容される塩が挙げられる。他の好適なFlt-3阻害剤の例として、WO03/037347、WO03/099771、及びWO04/046120に開示される化合物及びその医薬的に許容される塩が挙げられる。
好適なRAF阻害剤の例として、ダブラフェニブ、ソラフェニブ、及びベムラフェニブ、ならびにそれらの医薬的に許容される塩が挙げられる。他の好適なRAF阻害剤の例として、WO00/09495及びWO05/028444に開示される化合物及びその医薬的に許容される塩が挙げられる。
好適なFAK阻害剤の例として、VS-4718、VS-5095、VS-6062、VS-6063、BI853520、及びGSK2256098、ならびにそれらの医薬的に許容される塩が挙げられる。他の好適なFAK阻害剤の例として、WO04/080980、WO04/056786、WO03/024967、WO01/064655、WO00/053595、及びWO01/014402に開示される化合物及びその医薬的に許容される塩が挙げられる。
好適なCDK4/6阻害剤の例として、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、レロシクリブ、及びアベマシクリブ、ならびにそれらの医薬的に許容される塩が挙げられる。他の好適なCDK4/6阻害剤の例として、WO09/085185、WO12/129344、WO11/101409、WO03/062236、WO10/075074、及びWO12/061156に開示される化合物及びその医薬的に許容される塩が挙げられる。
いくつかの実施態様では、特にイマチニブまたは他のキナーゼ阻害剤に抵抗性である患者を治療するために、本開示の化合物を、イマチニブを含む1種以上の他のキナーゼ阻害剤と併用することができる。
いくつかの実施態様では、がんの治療において本開示の化合物を化学療法剤と併用することができ、かつ化学療法剤単独に対する応答と比較して、化学療法剤の毒性効果を悪化させることなく、治療応答を改善することができる。いくつかの実施態様では、本開示の化合物を本明細書に示す化学療法剤と併用することができる。例えば、多発性骨髄腫の治療に使用される追加の医薬品には、メルファラン、メルファラン+プレドニゾン[MP]、ドキソルビシン、デキサメタゾン、及びベルケイド(ボルテゾミブ)を含み得るが、これらに限定されない。多発性骨髄腫の治療に使用されるさらなる追加の薬剤として、Bcr-Abl、Flt-3、RAF、及びFAKキナーゼ阻害剤が挙げられる。いくつかの実施態様では、薬剤は、アルキル化剤、プロテアソーム阻害剤、副腎皮質ステロイド、または免疫調節剤である。アルキル化剤の例としては、シクロホスファミド(CY)、メルファラン(MEL)、及びベンダムスチンが挙げられる。いくつかの実施態様では、プロテアソーム阻害剤はカルフィルゾミブである。いくつかの実施態様では、副腎皮質ステロイドはデキサメタゾン(DEX)である。いくつかの実施態様では、免疫調節剤は、レナリドミド(LEN)またはポマリドミド(POM)である。本開示のCDK2阻害剤と追加薬剤との併用の望ましい結果は、相加効果または相乗効果である。
薬剤は本発明の化合物と合剤にして単一剤形または持続性剤形にすることも、各薬剤を個別の剤形として同時投与または連続投与することもできる。
本開示の化合物は、感染症の治療のために、1種以上の他の阻害剤または1種以上の療法と併用することができる。感染症の例として、ウイルス感染症、細菌感染症、真菌感染症、または寄生虫感染症が挙げられる。
いくつかの実施態様では、デキサメタゾンなどの副腎皮質ステロイドが本開示の化合物と組み合わせて患者に投与される。その場合、デキサメタゾンは連続投与ではなく間欠投与される。
式(I)もしくは本明細書に記載のいずれかの式の化合物、特許請求の範囲のいずれかに列挙され、本明細書に記載される化合物、またはそれらの塩を、がん細胞、精製された腫瘍抗原(組換えタンパク質、ペプチド、及び炭水化物分子を含む)、細胞、及び免疫刺激サイトカインをコードする遺伝子をトランスフェクトした細胞などの別の免疫原性作用物質と組み合わせることができる。使用できる腫瘍ワクチンの非限定的な例として、黒色腫抗原、例えばgp100、MAGE抗原、Trp-2、MARTI、及び/またはチロシナーゼのペプチド、またはサイトカインGM-CSFを発現するトランスフェクト腫瘍細胞が挙げられる。
がん治療のために、式(I)もしくは本明細書に記載のいずれかの式の化合物、特許請求の範囲のいずれかに列挙され、本明細書に記載される化合物、またはそれらの塩をワクチン接種プロトコルと併用することができる。いくつかの実施態様では、腫瘍細胞が形質導入され、GM-CSFを発現する。いくつかの実施態様では、腫瘍ワクチンとして、ヒトパピローマウイルス(HPV)、肝炎ウイルス(HBV及びHCV)、及びカポジ病ヘルペス肉腫ウイルス(KHSV)などの、ヒトがんに関与するウイルス由来のタンパク質が挙げられる。いくつかの実施態様では、腫瘍組織自体から単離された熱ショックタンパク質などの腫瘍特異的抗原と本開示の化合物を併用することができる。いくつかの実施態様では、式(I)もしくは本明細書に記載のいずれかの式の化合物、特許請求の範囲のいずれかに列挙され、本明細書に記載される化合物、またはそれらの塩を樹状細胞免疫療法と組み合わせると、強力な抗腫瘍応答を活性化することができる。
Feアルファ受容体またはFeガンマ受容体発現エフェクター細胞を腫瘍細胞に標的化する二重特異性大環状ペプチドと、本開示の化合物を併用することができる。本開示の化合物は、宿主免疫応答性を活性化する大環状ペプチドと組み合わせることもできる。
いくつかのさらなる実施態様では、本開示の化合物と他の治療薬との合剤を、骨髄移植または幹細胞移植の前、移植時、及び/または移植後に患者に投与することができる。造血起源の様々な腫瘍の治療のために、本開示の化合物を骨髄移植と併用することができる。
式(I)もしくは本明細書に記載のいずれかの式の化合物、特許請求の範囲のいずれかに列挙され、本明細書に記載される化合物、またはそれらの塩をワクチンと併用し、病原体、毒素、及び自己抗原に対する免疫応答を刺激することができる。この治療手法が特に有用であり得る病原体の例として、現在有効なワクチンが存在しない病原体、または従来のワクチンが完全に有効であるとはいえない病原体が挙げられる。このような病原体として、HIV、肝炎(A型、B型、C型)、インフルエンザ、ヘルペス、ジアルジア、マラリア、リーシュマニア、Staphylococcus aureus、Pseudomonas Aeruginosaが挙げられるが、これらに限定されない。
本開示の方法によって治療可能である感染症を引き起こすウイルスとして、ヒトパピローマウイルス、インフルエンザ、A型、B型、C型またはD型肝炎ウイルス、アデノウイルス、ポックスウイルス、単純ヘルペスウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス、エボラウイルス、麻疹ウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、VZV、HSV-1、HAV-6、HSV-II、及びCMV、エプスタインバーウイルス)、フラビウイルス、エコーウイルス、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、コロナウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ムンプスウイルス、ロタウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、パルボウイルス、ワクシニアウイルス、HTLVウイルス、デングウイルス、パピローマウイルス、軟疣ウイルス、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス、JCウイルス、及びアルボウイルス脳炎ウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。
本開示の方法によって治療可能である感染症を引き起こす病原菌として、クラミジア、リケッチア細菌、マイコバクテリア、ブドウ球菌、連鎖球菌、肺炎球菌、髄膜炎菌及びコノコッカス、クレブシエラ菌、プロテウス菌、セラチア菌、シュードモナス菌、レジオネラ菌、ジフテリア菌、サルモネラ菌、桿菌、コレラ菌、破傷風菌、ボツリヌス菌、炭疽菌、ペスト、レプトスピラ菌、ならびにライム病菌が挙げられるが、これらに限定されない。
本開示の方法によって治療可能である感染症を引き起こす病原真菌として、Candida(albicans、krusei、glabrata、tropicalisなど)、Cryptococcus neoformans、Aspergillus(fumigatus、nigerなど)、Genus Mucorales(mucor、absidia、rhizophus)、Sporothrix schenkii、Blastomyces dermatitidis、Paracoccidioides brasiliensis、Coccidioides immitis、及びHistoplasma capsulatumが挙げられるが、これらに限定されない。
本開示の方法によって治療可能である感染症を引き起こす病原寄生虫として、Entamoeba histolytica、Balantidium coli、Naegleriafowleri、Acanthamoeba sp.、Giardia lambia、Cryptosporidium sp.、Pneumocystis carinii、Plasmodium vivax、Babesia microti、Trypanosoma brucei、Trypanosoma cruzi、Leishmania donovani、Toxoplasma gondi、及びNippostrongylus brasiliensisが挙げられるが、これらに限定されない。
複数の医薬が患者に投与される場合、それらは同時に、個別に、連続して、または組み合わせて投与することができる(例えば、2種以上の薬剤に関する)。
このような大半の化学療法剤を安全かつ効果的に投与するための方法は当業者に公知である。加えて、それらの投与は標準的な文献に記載されている。例えば、多くの化学療法剤の投与が「Physicians’ Desk Reference」(PDR、例えば、1996 edition,Medical Economics Company,Montvale,NJ)に記載されており、その開示内容は完全に記載されているものとして参照により本明細書に組み込まれる。
II.免疫チェックポイント療法
がんまたは感染症などの疾患の治療のために、本開示の化合物を1種以上の免疫チェックポイント阻害剤と併用することができる。免疫チェックポイント阻害剤の例として、CBL-B、CD20、CD28、CD40、CD70、CD122、CD96、CD73、CD47、CDK2、GITR、CSF1R、JAK、PI3Kデルタ、PI3Kガンマ、TAM、アルギナーゼ、HPK1、CD137(別称4-1BB)、ICOS、A2AR、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、LAG3、TIM3、TLR(TLR7/8)、TIGIT、CD112R、VISTA、PD-1、PD-L1、及びPD-L2などの免疫チェックポイント分子に対する阻害剤が挙げられる。いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子は、CD27、CD28、CD40、ICOS、OX40、GITR、及びCD137より選択される刺激性チェックポイント分子である。いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子は、A2AR、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、IDO、KIR、LAG3、PD-1、TIM3、TIGIT、及びVISTAより選択される抑制性チェックポイント分子である。いくつかの実施態様では、本明細書で提供される化合物は、KIR阻害剤、TIGIT阻害剤、LAIR1阻害剤、CD160阻害剤、2B4阻害剤、及びTGFRベータ阻害剤より選択される1種以上の薬剤と併用することができる。
いくつかの実施態様では、本明細書で提供される化合物は、免疫チェックポイント分子、例えば、OX40、CD27、GITR、及びCD137(別称4-1BB)の1種以上のアゴニストと併用することができる。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、抗PD1抗体、抗PD-L1抗体、または抗CTLA-4抗体である。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD-1またはPD-L1の阻害剤、例えば、抗PD-1または抗PD-L1のモノクローナル抗体である。いくつかの実施態様では、抗PD-1抗体または抗PD-L1抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、セミプリマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、チスレリズマブ、スパルタリズマブ(PDR001)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、トリパリマブ(JS001)、カムレリズマブ(SHR-1210)、シンチリマブ(IBI308)、AB122(GLS-010)、AMP-224、AMP-514/MEDI-0680、BMS936559、JTX-4014、BGB-108、SHR-1210、MEDI4736、FAZ053、BCD-100、KN035、CS1001、BAT1306、LZM009、AK105、HLX10、SHR-1316、CBT-502(TQB2450)、A167(KL-A167)、STI-A101(ZKAB001)、CK-301、BGB-A333、MSB-2311、HLX20、TSR-042、またはLY3300054である。いくつかの実施態様では、PD-1またはPD-L1の阻害剤は、米国特許第7,488,802号、同第7,943,743号、同第8,008,449号、同第8,168,757号、同第8,217,149号、もしくは同第10,308,644号;米国公開第2017/0145025号、同第2017/0174671号、同第2017/0174679号、同第2017/0320875号、同第2017/0342060号、同第2017/0362253号、同第2018/0016260号、同第2018/0057486号、同第2018/0177784号、同第2018/0177870号、同第2018/0179179号、同第2018/0179201号、同第2018/0179202号、同第2018/0273519号、同第2019/0040082号、同第2019/0062345号、同第2019/0071439号、同第2019/0127467号、同第2019/0144439号、同第2019/0202824号、同第2019/0225601号、同第2019/0300524号、もしくは同第2019/0345170号;またはPCT公開第WO03042402号、同第WO2008156712号、同第WO2010089411号、同第WO2010036959号、同第WO2011066342号、同第WO2011159877号、同第WO2011082400号、もしくは同第WO2011161699号に開示されるものであり、これらの出願はそれぞれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施態様では、PD-L1の阻害剤はINCB086550である。
いくつかの実施態様では、抗体は抗PD-1抗体、例えば抗PD-1モノクローナル抗体である。いくつかの実施態様では、抗PD-1抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、セミプリマブ、スパルタリズマブ、カムレリズマブ、セトレリマブ、トリパリマブ、シンチリマブ、AB122、AMP-224、JTX-4014、BGB-108、BCD-100、BAT1306、LZM009、AK105、HLX10、またはTSR-042である。いくつかの実施態様では、抗PD-1抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、セミプリマブ、スパルタリズマブ、カムレリズマブ、セトレリマブ、トリパリマブ、またはシンチリマブである。いくつかの実施態様では、抗PD-1抗体はペムブロリズマブである。いくつかの実施態様では、抗PD-1抗体はニボルマブである。いくつかの実施態様では、抗PD-1抗体はセミプリマブである。いくつかの実施態様では、抗PD-1抗体はスパルタリズマブである。いくつかの実施態様では、抗PD-1抗体はカムレリズマブである。いくつかの実施態様では、抗PD-1抗体はセトレリマブである。いくつかの実施態様では、抗PD-1抗体はトリパリマブである。いくつかの実施態様では、抗PD-1抗体はシンチリマブである。いくつかの実施態様では、抗PD-1抗体はAB122である。いくつかの実施態様では、抗PD-1抗体はAMP-224である。いくつかの実施態様では、抗PD-1抗体はJTX-4014である。いくつかの実施態様では、抗PD-1抗体はBGB-108である。いくつかの実施態様では、抗PD-1抗体はBCD-100である。いくつかの実施態様では、抗PD-1抗体はBAT1306である。いくつかの実施態様では、抗PD-1抗体はLZM009である。いくつかの実施態様では、抗PD-1抗体はAK105である。いくつかの実施態様では、抗PD-1抗体はHLX10である。いくつかの実施態様では、抗PD-1抗体はTSR-042である。いくつかの実施態様では、抗PD-1モノクローナル抗体は、ニボルマブまたはペムブロリズマブである。いくつかの実施態様では、抗PD-1モノクローナル抗体はMGA012(INCMGA0012;レチファンリマブ)である。いくつかの実施態様では、抗PD1抗体はSHR-1210である。他の抗がん剤(複数可)として、4-1BB(例えば、ウレルマブ、ウトミルマブ)などの抗体治療薬が挙げられる。いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD-L1の阻害剤、例えば、抗PD-L1モノクローナル抗体である。いくつかの実施態様では、抗PD-L1モノクローナル抗体は、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、チスレリズマブ、BMS-935559、MEDI4736、アテゾリズマブ(MPDL3280A;別称RG7446)、アベルマブ(MSB0010718C)、FAZ053、KN035、CS1001、SHR-1316、CBT-502、A167、STI-A101、CK-301、BGB-A333、MSB-2311、HLX20、またはLY3300054である。いくつかの実施態様では、抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、またはチスレリズマブである。いくつかの実施態様では、抗PD-L1抗体はアテゾリズマブである。いくつかの実施態様では、抗PD-L1抗体はアベルマブである。いくつかの実施態様では、抗PD-L1抗体はデュルバルマブである。いくつかの実施態様では、抗PD-L1抗体はチスレリズマブである。いくつかの実施態様では、抗PD-L1抗体はBMS-935559である。いくつかの実施態様では、抗PD-L1抗体はMEDI4736である。いくつかの実施態様では、抗PD-L1抗体はFAZ053である。いくつかの実施態様では、抗PD-L1抗体はKN035である。いくつかの実施態様では、抗PD-L1抗体はCS1001である。いくつかの実施態様では、抗PD-L1抗体はSHR-1316である。いくつかの実施態様では、抗PD-L1抗体はCBT-502である。いくつかの実施態様では、抗PD-L1抗体はA167である。いくつかの実施態様では、抗PD-L1抗体はSTI-A101である。いくつかの実施態様では、抗PD-L1抗体はCK-301である。いくつかの実施態様では、抗PD-L1抗体はBGB-A333である。いくつかの実施態様では、抗PD-L1抗体はMSB-2311である。いくつかの実施態様では、抗PD-L1抗体はHLX20である。いくつかの実施態様では、抗PD-L1抗体はLY3300054である。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD-L1に結合する小分子、またはその医薬的に許容される塩である。いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD-L1に結合し、内部移行する小分子、またはその医薬的に許容される塩である。いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、US2018/0179201、US2018/0179197、US2018/0179179、US2018/0179202、US2018/0177784、US2018/0177870、米国特許出願第16/369,654号(2019年3月29日出願)、及び米国特許出願第62/688,164号のものより選択される化合物、またはその医薬的に許容される塩であり、これらの出願はそれぞれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、KIR、TIGIT、LAIR1、CD160、2B4、及びTGFRベータの阻害剤である。
いくつかの実施態様では、阻害剤はMCLA-145である。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CTLA-4の阻害剤、例えば、抗CTLA-4抗体である。いくつかの実施態様では、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ、トレメリムマブ、AGEN1884、またはCP-675,206である。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、LAG3の阻害剤、例えば、抗LAG3抗体である。いくつかの実施態様では、抗LAG3抗体は、BMS-986016、LAG525、INCAGN2385、またはエフチラギモドアルファ(IMP321)である。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CD73の阻害剤である。いくつかの実施態様では、CD73の阻害剤はオレクルマブである。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、TIGITの阻害剤である。いくつかの実施態様では、TIGITの阻害剤はOMP-31M32である。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、VISTAの阻害剤である。いくつかの実施態様では、VISTAの阻害剤は、JNJ-61610588またはCA-170である。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、B7-H3の阻害剤である。いくつかの実施態様では、B7-H3の阻害剤は、エノブリツズマブ、MGD009、または8H9である。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、KIRの阻害剤である。いくつかの実施態様では、KIRの阻害剤は、リリルマブまたはIPH4102である。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、A2aRの阻害剤である。いくつかの実施態様では、A2aRの阻害剤は、CPI-444である。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、TGF-ベータの阻害剤である。いくつかの実施態様では、TGF-ベータの阻害剤は、トラベデルセン、ガルセルチニブ、またはM7824である。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PI3K-ガンマの阻害剤である。いくつかの実施態様では、PI3K-ガンマの阻害剤は、IPI-549である。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CD47の阻害剤である。いくつかの実施態様では、CD47の阻害剤は、Hu5F9-G4またはTTI-621である。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CD73の阻害剤である。いくつかの実施態様では、CD73の阻害剤は、MEDI9447である。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CD70の阻害剤である。いくつかの実施態様では、CD70の阻害剤は、クサツズマブまたはBMS-936561である。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、TIM3の阻害剤、例えば、抗TIM3抗体である。いくつかの実施態様では、抗TIM3抗体は、INCAGN2390、MBG453、またはTSR-022である。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CD20の阻害剤、例えば、抗CD20抗体である。いくつかの実施態様では、抗CD20抗体は、オビヌツズマブまたはリツキシマブである。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、OX40、CD27、CD28、GITR、ICOS、CD40、TLR7/8、及びCD137(別称4-1BB)のアゴニストである。
いくつかの実施態様では、CD137のアゴニストは、ウレルマブである。いくつかの実施態様では、CD137のアゴニストは、ウトミルマブである。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、GITRの阻害剤である。いくつかの実施態様では、GITRのアゴニストは、TRX518、MK-4166、INCAGN1876、MK-1248、AMG228、BMS-986156、GWN323、MEDI1873、またはMEDI6469である。いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、OX40のアゴニスト、例えば、OX40アゴニスト抗体またはOX40L融合タンパク質である。いくつかの実施態様では、抗OX40抗体は、INCAGN01949、MEDI0562(タボリマブ)、MOXR-0916、PF-04518600、GSK3174998、BMS-986178、または9B12である。いくつかの実施態様では、OX40L融合タンパク質は、MEDI6383である。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、CD40のアゴニストである。いくつかの実施態様では、CD40のアゴニストは、CP-870893、ADC-1013、CDX-1140、SEA-CD40、RO7009789、JNJ-64457107、APX-005M、またはChiLob7/4である。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、ICOSのアゴニストである。いくつかの実施態様では、ICOSのアゴニストは、GSK-3359609、JTX-2011、またはMEDI-570である。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、CD28のアゴニストである。いくつかの実施態様では、CD28のアゴニストは、セラリズマブである。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、CD27のアゴニストである。いくつかの実施態様では、CD27のアゴニストは、バルリルマブである。
いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、TLR7/8のアゴニストである。いくつかの実施態様では、TLR7/8のアゴニストは、MEDI9197である。
本開示の化合物を二重特異性抗体と併用することができる。いくつかの実施態様では、二重特異性抗体のドメインのうち1つは、PD-1、PD-L1、CTLA-4、GITR、OX40、TIM3、LAG3、CD137、ICOS、CD3、またはTGFβ受容体を標的とする。いくつかの実施態様では、二重特異性抗体は、PD-1及びPD-L1に結合する。いくつかの実施態様では、PD-1及びPD-L1に結合する二重特異性抗体は、MCLA-136である。いくつかの実施態様では、二重特異性抗体は、PD-L1及びCTLA-4に結合する。いくつかの実施態様では、PD-L1及びCTLA-4に結合する二重特異性抗体は、AK104である。
いくつかの実施態様では、本開示の化合物を1種以上の代謝酵素阻害剤と併用することができる。いくつかの実施態様では、代謝酵素阻害剤は、IDO1、TDO、またはアルギナーゼの阻害剤である。IDO1阻害剤の例として、エパカドスタット、NLG919、BMS-986205、PF-06840003、IOM2983、RG-70099、及びLY338196が挙げられる。アルギナーゼ阻害剤の阻害剤として、INCB1158が挙げられる。
全体を通して示されるように、追加の化合物、阻害剤、薬剤などは本発明の化合物と合剤にして単一剤形または持続性剤形にすることも、個別の剤形として同時投与または連続投与することもできる。
製剤、剤形、及び投与
医薬品として用いた場合、本開示の化合物は、医薬組成物の形態で投与してもよい。したがって、本開示は、本明細書において記載される式I、II、または全ての式の化合物、請求項のいずれかに挙げられ本明細書において記載される化合物またはその医薬的に許容される塩、またはこれらの実施態様のいずれか、ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される担体または添加剤を含む組成物を提供する。これらの組成物は、医薬分野の当業者に周知の様式で調製することができ、示された治療が局在的か全身的かに応じて、治療されることになる領域に応じて、様々な経路によって投与してもよい。投与は、局所(経皮、表皮、眼、ならびに鼻腔内、膣内及び直腸内を含む粘膜送達を含む)、経肺(例えば、粉末剤またはエアロゾル剤を吸入または吹入することによって、ネブライザーによるものを含む;気管内または鼻腔内)、または経口もしくは非経口であってもよい。非経口投与としては、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内の注射または注入;または頭蓋内、例えば、くも膜下腔内または脳室内投与がある。非経口投与は、単一のボーラス用量の形態であっても、例えば、連続的な灌流ポンプによるものであってもよい。局所投与のための医薬組成物及び製剤としては、経皮パッチ剤、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、滴剤、坐剤、スプレー剤、液剤及び粉末剤があり得る。従来の医薬担体、水性、粉末または油性基剤、増粘剤などが必要なまたは望ましい場合がある。
本発明は、1つまたは複数の医薬的に許容される担体または添加剤と組み合わせて、活性成分として本開示の化合物またはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物も含む。いくつかの実施態様では、組成物は、局所投与に好適である。本発明の組成物の作製では、活性成分は、典型的には、添加剤と混合されるか、添加剤によって希釈されるか、または例えば、カプセル、分包、紙、または他の容器の形態で担体内に封入される。添加剤が希釈剤として機能する場合、それは、活性成分のためのビヒクル、担体または媒体として作用する、固体、半固体、または液体材料であってもよい。したがって、組成物は、錠剤、ピル剤、粉末剤、トローチ剤、分包剤、オブラート剤、エリキシル剤、懸濁剤、エマルション剤、溶液剤、シロップ剤、エアロゾル剤(固体としてまたは液体媒体中)、例えば最大10質量%の活性化合物を含む軟膏剤、ソフト及びハードゼラチンカプセル剤、坐剤、無菌注射用溶液及び無菌包装粉末剤の形態であってもよい。
製剤の調製では、活性化合物は、ミル粉砕して、適切な粒径を提供してから、他の成分と合わせてもよい。活性化合物が実質的に不溶性である場合、200メッシュ未満の粒径にミル粉砕してもよい。活性化合物が実質的に水溶性である場合、粒径は、ミル粉砕して製剤に実質的に均一な分布、例えば、約40メッシュを提供することによって調整してもよい。
本発明の化合物は、既知のミル粉砕手順、例えば湿潤ミル粉砕を使用してミル粉砕して、錠剤形成及び他の製剤タイプに適切な粒径を得てもよい。本発明の化合物の微粉化(ナノ粒子)調製物は、当技術分野において既知のプロセスによって調製してもよく、例えば、WO2002/000196を参照されたい。
好適な添加剤のいくつかの例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ及びメチルセルロースがある。製剤は、滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム及び鉱油;湿潤剤;乳化及び懸濁化剤;保存剤、例えば、メチル-及びプロピルヒドロキシ-ベンゾエート;甘味剤;及び香味剤をさらに含んでいてもよい。本発明の組成物は、当技術分野において既知の手順を用いることによって、患者に投与後、活性成分の迅速、持続または遅延放出を提供するように製剤化されていてもよい。
いくつかの実施態様では、医薬組成物は、ケイ化微結晶セルロース(SMCC)、及び少なくとも1つの本明細書において記載される化合物またはその医薬的に許容される塩を含む。いくつかの実施態様では、ケイ化微結晶セルロースは、約98w/w%の微結晶セルロース及び約2w/w%の二酸化ケイ素を含む。
いくつかの実施態様では、組成物は、少なくとも1つの本明細書において記載される化合物またはその医薬的に許容される塩、及び少なくとも1つの医薬的に許容される担体または添加剤を含む持続放出組成物である。いくつかの実施態様では、組成物は、少なくとも1つの本明細書において記載される化合物またはその医薬的に許容される塩、及び微結晶セルロース、ラクトース一水和物、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリエチレンオキシドより選択される少なくとも1つの成分を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、少なくとも1つの本明細書において記載される化合物またはその医薬的に許容される塩、ならびに微結晶セルロース、ラクトース一水和物及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。いくつかの実施態様では、組成物は、少なくとも1つの本明細書において記載される化合物またはその医薬的に許容される塩、及び微結晶セルロース、ラクトース一水和物及びポリエチレンオキシドを含む。いくつかの実施態様では、組成物は、ステアリン酸マグネシウムまたは二酸化ケイ素をさらに含む。いくつかの実施態様では、微結晶セルロースはAvicel PH102(商標)である。いくつかの実施態様では、ラクトース一水和物はFast-flo316(商標)である。いくつかの実施態様では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208 K4M(例えば、Methocel K4 M Premier(商標))及び/またはヒドロキシプロピルメチルセルロース2208 K100LV(例えば、Methocel K00LV(商標))である。いくつかの実施態様では、ポリエチレンオキシドはポリエチレンオキシドWSR 1105(例えば、Polyox WSR 1105(商標))である。
いくつかの実施態様では、湿式造粒プロセスを使用して組成物を生成する。いくつかの実施態様では、乾式造粒プロセスを使用して組成物を生成する。
組成物は、単位投薬形態に製剤化されていてもよく、各投薬量は、約5から約1,000mg(1g)、より一般的には約100mgから約500mgの活性成分を含む。いくつかの実施態様では、各投薬量は約10mgの活性成分を含む。いくつかの実施態様では、各投薬量は約50mgの活性成分を含む。いくつかの実施態様では、各投薬量は約25mgの活性成分を含む。「単位投薬形態」という用語は、ヒト対象及び他の哺乳動物に単位投薬量として好適な物理的に個別の単位を指し、各単位は、好適な医薬添加剤と関連して所望の治療効果を生成するように計算された所定の量の活性材料を含む。
医薬組成物を製剤化するために使用される構成要素は、純度が高いものであり、潜在的に有害な混入物質を実質的に含まない(例えば、少なくともNational Foodグレード、一般的に少なくとも分析グレード、より典型的には、少なくとも医薬グレード)。特にヒトの消費に関しては、組成物は、好ましくは米国食品医薬品局の適用可能な規制で定義されるGood Manufacturing Practice規制の下で製造されるまたは製剤化される。例えば、好適な製剤は、無菌及び/または実質的に等張であってもよく、及び/または米国食品医薬品局の全てのGood Manufacturing Practice規制に完全に準拠していてもよい。
活性化合物は、広い投薬量範囲にわたって有効な場合があり、治療有効量で一般的に投与される。しかし、実際に投与される化合物の量は、治療されることになる状態、選択される投与経路、投与される実際の化合物、個々の患者の年齢、体重、及び応答、患者の症状の重症度などを含む適切な状況に従って、医師によって通常判定されるであろうことは理解されるであろう。
本発明の化合物の治療投薬量は、例えば、治療が行われる特定の使用、化合物の投与様式、患者の健康及び状態、ならびに処方医の判断に従って変更してもよい。医薬組成物中の本発明の化合物の割合または濃度は、投薬量、化学的特性(例えば、疎水性)、及び投与経路を含む多数の因子に応じて変更してもよい。例えば、本発明の化合物は、非経口投与用に約0.1から約10%w/vの化合物を含む生理学的緩衝水溶液で提供してもよい。いくつかの典型的な用量範囲は、1日あたり約1μg/kgから約1g/kg体重である。いくつかの実施態様では、用量範囲は、1日あたり約0.01mg/kgから約100mg/kg体重である。投薬量は、可変のもの、例えば、疾患または障害の進行のタイプ及び程度、特定の患者の健康状態全般、選択された化合物の相対的な生物学的有効性、添加剤の製剤化、及びその投与経路に依存する可能性が高い。有効用量は、in vitroまたは動物モデル試験系から得られた用量反応曲線から推定してもよい。
固体組成物、例えば、錠剤の調製に関しては、主要な活性成分を医薬添加剤と混合して、本発明の化合物の均質混合物を含む固体の予備製剤化組成物を形成する。これらの予備製剤化組成物が均質と称される場合、活性成分は、典型的には、組成物全体にわたって均一に分散されており、その結果、組成物は、有効単位投薬形態、例えば、錠剤、ピル剤及びカプセル剤に容易に同等に小分けすることができる。そうして、この固体の予備製剤を、例えば約0.1から約1000mgの本発明の活性成分を含む上述のタイプの単位投薬形態に小分けする。
本発明の錠剤またはピル剤は、コーティングしても、そうでなければ長期作用の利点をもたらす投薬形態を提供するように配合してもよい。例えば、錠剤または丸剤は、内部投薬及び外部投薬構成要素を含んでいてもよく、後者は、前者を覆う被覆物の形態である。2つの構成要素は、胃内での崩壊に抵抗するように機能し、内部成分が完全な状態で十二指腸を通過するかまたは遅延性の放出を可能にする腸溶層によって分離してもよい。様々な材料を、そのような腸溶層またはコーティングのために使用してもよく、そのような材料としては、多数のポリマー酸、ならびにポリマー酸と、材料、例えば、シェラック、セチルアルコール及び酢酸セルロースとの混合物がある。
本発明の化合物及び組成物が経口でのまたは注射による投与のために組み込まれてもよい液体形態としては、水性溶液剤、好適な風味のシロップ剤、水性または油性懸濁剤、及び食用油、例えば綿実油、ゴマ油、ココナツ油、または落花生油で風味付けされたエマルション剤、ならびにエリキシル剤、ならびに類似の医薬ビヒクルがある。
吸入または吹入するための組成物としては、医薬的に許容される、水性もしくは有機溶媒またはその混合物中の溶液剤及び懸濁剤、ならびに粉末剤がある。液体または固体組成物は、上述の好適な医薬的に許容される添加剤を含んでいてもよい。いくつかの実施態様では、組成物は、局在的または全身性効果のための経口または経鼻呼吸経路によって投与される。組成物は、不活性ガスを使用することによって噴霧してもよい。噴霧する溶液剤は、噴霧デバイスから直接呼吸してもよく、噴霧デバイスは、フェイスマスク、テント、または間欠的な陽圧呼吸機に結合してもよい。溶液、懸濁、または粉末組成物は、適切な様式で製剤を送達するデバイスから経口または経鼻投与してもよい。
局所製剤は、1つまたは複数の従来の担体を含んでいてもよい。いくつかの実施態様では、軟膏剤は、水と、例えば、液体パラフィン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プロピレングリコール、白色ワセリンなどより選択される1つまたは複数の疎水性担体とを含んでいてもよい。クリームの担体組成物は、グリセロール及び1つまたは複数の他の構成要素、例えば、グリセリンモノステアレート、PEG-グリセリンモノステアレート及びセチルステアリルアルコールと組み合わせた水をベースにしてもよい。ゲル剤は、イソプロピルアルコール及び水を使用して、他の構成要素、例えば、グリセロール、ヒドロキシエチルセルロースなどと好適に組み合わせて製剤化してもよい。いくつかの実施態様では、局所製剤は、少なくとも約0.1、少なくとも約0.25、少なくとも約0.5、少なくとも約1、少なくとも約2、または少なくとも約5wt%の本発明の化合物を含む。局所製剤は、選択された適応症、例えば、乾癬または他の皮膚状態を治療するための使用説明書と任意選択的に関連する、例えば100gのチューブに好適に包装してもよい。
患者に投与される化合物または組成物の量は、何を投与するか、投与の目的、例えば予防法または治療法、患者の状況、投与様式などに応じて変更されることになる。治療的適用では、組成物は、疾患及びその合併症の症状を治癒するかまたは少なくとも部分的に停止させるのに十分な量で疾患にすでに罹患した患者に投与してもよい。有効用量は、治療される疾患状態に依存することになり、ならびに要因、例えば疾患の重症度、患者の年齢、体重及び一般的な状態などに応じた担当臨床医の判断によるものである。
患者に投与される組成物は、上述の医薬組成物の形態であってもよい。これらの組成物は、従来の無菌技術によって無菌にしても、無菌濾過してもよい。水溶液は、そのままで使用するために包装しても凍結乾燥してもよく、凍結乾燥された調製物は、無菌水性担体と合わせてから投与される。化合物調製物のpHは、典型的には、3から11の間、より好ましくは5から9の間及び最も好ましくは7から8の間であろう。前述の添加剤、担体または安定化剤のある特定の使用は、医薬的な塩の形成をもたらすであろうことは理解されるであろう。
本発明の化合物の治療投薬量は、例えば、治療が行われる特定の使用、化合物の投与様式、患者の健康及び状態、ならびに処方医の判断に従って変更してもよい。医薬組成物中の本発明の化合物の割合または濃度は、投薬量、化学的特性(例えば、疎水性)、及び投与経路を含む多数の因子に応じて変更してもよい。例えば、本発明の化合物は、非経口投与用に約0.1から約10%w/vの化合物を含む生理学的緩衝水溶液で提供してもよい。いくつかの典型的な用量範囲は、1日あたり約1μg/kgから約1g/kg体重である。いくつかの実施態様では、用量範囲は、1日あたり約0.01mg/kgから約100mg/kg体重である。投薬量は、可変のもの、例えば、疾患または障害の進行のタイプ及び程度、特定の患者の健康状態全般、選択された化合物の相対的な生物学的有効性、添加剤の製剤化、及びその投与経路に依存する可能性が高い。有効用量は、in vitroまたは動物モデル試験系から得られた用量反応曲線から推定してもよい。
標識化合物及びアッセイ方法
本発明の別の態様は、ヒトを含む組織試料中のKRASタンパク質を局在化し、定量化するための、及び標識された化合物の結合を阻害することによってKRASリガンドを同定するための、in vitroとin vivoの両方でイメージング技術だけではなくアッセイにも有用であることになる本開示の標識(放射標識、蛍光標識など)された化合物に関する。本開示の化合物の原子のうちの1つまたは複数の置換も特殊なADME(吸着、分布、代謝及び排泄)の生成において有用な場合がある。したがって、本発明は、そのような標識されたまたは置換された化合物を含むKRAS結合アッセイを含む。
本開示は、同位体標識された本開示の化合物をさらに含む。「同位体」または「放射標識」化合物は、1つまたは複数の原子が、自然界で典型的には認められる(すなわち、天然発生の)原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられたかまたは置換された本開示の化合物である。好適な本開示の化合物中に組み込まれていてもよい放射性核種としては、これらに限定されるものではないがH(ジュウテリウムに対してDとも表記される)、H(トリチウムに対してとも表記されるT)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、75Br、76Br、77Br、123I、124I、125I及び131Iがある。例えば、本開示の化合物中の1つまたは複数の水素原子は、ジュウテリウム原子によって置き換えられていてもよい(例えば、本明細書において提供される式I、II、または任意の式のC1~6アルキル基の1つまたは複数の水素原子は、ジュウテリウム原子で任意選択的に置換されていてもよく、例えば-CDは-CHに対して置換されている)。いくつかの実施態様では、本明細書において提供される式I、II、または任意の式のアルキル基は過重水素化されていてもよい。
本明細書において提示される化合物の1つまたは複数の構成原子は、天然のまたは非天然の存在比で原子同位体で置き換えられても置換されていてもよい。いくつかの実施態様では、化合物は少なくとも1つのジュウテリウム原子を含む。いくつかの実施態様では、化合物は2つ以上のジュウテリウム原子を含む。いくつかの実施態様では、化合物は、1~2個、1~3個、1~4個、1~5個、または1~6個のジュウテリウム原子を含む。いくつかの実施態様では、化合物における水素原子の全ては、ジュウテリウム原子によって置き換えられても置換されていてもよい。
同位体を有機化合物中に含ませるための合成法は、当技術分野において既知である(Deuterium Labeling in Organic Chemistry by Alan F.Thomas(New York,N.Y.,Appleton-Century-Crofts,1971;The Renaissance of H/D Exchange by Jens Atzrodt,Volker Derdau,Thorsten Fey and Jochen Zimmermann,Angew.Chem.Int.Ed.2007,7744-7765;The Organic Chemistry of Isotopic Labelling by James R.Hanson,Royal Society of Chemistry,2011)。同位体標識された化合物は、様々な研究、例えば、NMR分光法、代謝実験、及び/またはアッセイにおいて使用してもよい。
より重い同位体、例えばジュウテリウムでの置換は、優れた代謝安定性、例えば、in vivo半減期の増加または必要な投薬量の減少に起因するある特定の治療的利点をもたらす場合があり、したがって、状況によっては好ましい場合がある。(例えば、A.Kerekes et.al.J.Med.Chem.2011,54,201-210;R.Xu et.al.J.Label Compd.Radiopharm.2015,58,308-312を参照のこと)。特に、1つまたは複数の代謝部位における置換は、治療的利点のうちの1つまたは複数をもたらす場合がある。
本放射標識化合物に組み込まれた放射性核種は、その放射標識化合物の特定の適用に依存することになる。例えば、in vitroアデノシン受容体標識及び競合アッセイに関しては、H、14C、82Br、125I、131Iまたは35Sが組み込まれた化合物が有用な場合がある。放射線イメージングの適用に関しては、11C、18F、125I、123I、124I、131I、75Br、76Brまたは77Brが有用な場合がある。
「放射標識」または「標識化合物」は、少なくとも1つの放射性核種が組み込まれている化合物であることを理解されたい。いくつかの実施態様では、放射性核種は、H、14C、125I、35S及び82Brより選択される。
本開示は、放射性同位体を本開示の化合物中に組み込むための合成法をさらに含む場合がある。放射性同位体を有機化合物中に組み込むための合成法は当技術分野において周知であり、当業者であれば、本開示の化合物に適用可能な方法を容易に認識するであろう。
標識された本発明の化合物は、化合物を同定及び/または評価するためのスクリーニングアッセイにおいて使用してもよい。例えば、新たに合成されまたは同定され、標識された化合物(すなわち、被検化合物)は、標識の追跡を介してKRASと接触させる場合、その濃度変化をモニタリングすることによってKRASタンパク質に結合するその能力に関して評価することができる。例えば、被検化合物(標識された)は、KRASタンパク質に結合することが既知である別の化合物(すなわち、標準化合物)の結合を低下させるその能力に関して評価することができる。したがって、KRASタンパク質への直接結合に関する標準化合物と競合する被検化合物の能力はその結合親和性と相関する。逆に、いくつかの他のスクリーニングアッセイでは、標準化合物は標識されており、被検化合物は標識されていない。したがって、標識された標準化合物の濃度は、標準化合物と被検化合物との間の競合を評価するためにモニタリングし、その結果、被検化合物の相対的な結合親和性が確認される。
キット
本開示は、例えば、KRASの活性と関連する疾患または障害、例えばがんまたは感染症の治療または阻止において有用な医薬キットも含み、これは、治療有効量の式I、IIまたはこれらの実施態様のいずれかの化合物を含む医薬組成物を含む1つまたは複数の容器を含む。そのようなキットは、当業者であれば容易に明らかであろうように、様々な従来の医薬キット構成要素のうちの1つまたは複数、例えば、1つまたは複数の医薬的に許容される担体を含む容器、追加の容器などをさらに含んでいてもよい。投与されることになる構成要素の量を示す挿入物もしくはラベルのいずれかとしての取扱説明書、投与のためのガイドライン、及び/または構成要素を混合するためのガイドラインもキットに含まれていてもよい。
本発明は、特定の例によってより詳細に記載されることになる。以下の例は例示の目的として提供されており、決して発明の限定を意図するものではない。当業者であれば、実質的に同じ結果を得るために変更または改変してもよい様々な重要性の低いパラメータを容易に認識するであろう。例の化合物は、本明細書において記載される少なくとも1つのアッセイに従ってKRASの活性を阻害することが認められている。
本発明の化合物のための実験手順を以下に提供する。調製された一部の化合物の分取LC-MS精製は、Watersの質量指向型画分システムで行った。これらのシステムの動作に関する基本的な装置設定、プロトコル、及び制御ソフトウェアは文献に詳細に説明されている。例えば、“Two-Pump At Column Dilution Configuration for Preparative LC-MS”,K.Blom,J.Combi.Chem.,4,295(2002);“Optimizing Preparative LC-MS Configurations and Methods for Parallel Synthesis Purification”,K.Blom,R.Sparks,J.Doughty,G.Everlof,T.Haque,A.Combs,J.Combi.Chem.,5,670(2003);及び“Preparative LC-MS Purification:Improved Compound Specific Method Optimization”,K.Blom,B.Glass,R.Sparks,A.Combs,J.Combi.Chem.,6,874-883(2004)を参照されたい。分離された化合物には、典型的には、分析液体クロマトグラフィー質量分析法(LCMS)を行って純度を確認した。
分離された化合物は、典型的には、分析液体クロマトグラフィー質量分析法(LCMS)を行って、以下の条件下で純度を確認した:機器;Agilent 1100シリーズ、LC/MSD、カラム:Waters Sunfire(商標)C18粒径5μm、2.1×5.0mm、緩衝液:移動相A:水中の0.025%TFA及び移動相B:アセトニトリル;勾配Bの2%から80%、流速2.0mL/分で3分。
調製された化合物の一部はまた、実施例で示されるように、MS検出器またはフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)を備えた逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)によって分取スケールで分離した。典型的な分取逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)のカラム条件は以下のとおりである:
pH=2精製:Waters Sunfire(商標)C18粒径5μm、19×100mmカラム、移動相A:水中の0.1%TFA(トリフルオロ酢酸)及び移動相B:アセトニトリルで溶出する;流速は30mL/分であり、分離勾配は、文献に記載されているように化合物の個別の方法最適化プロトコルを使用して各化合物に関して最適化した[“Preparative LCMS Purification:Improved Compound Specific Method Optimization”,K.Blom,B.Glass,R.Sparks,A.Combs,J.Comb.Chem.,6,874-883(2004)を参照のこと]。典型的には、30×100mmのカラムで使用される流速は60mL/分であった。
pH=10精製:Waters XBridge C18粒径5μm、19×100mmカラム、移動相A:水中の0.15% NHOH及び移動相B:アセトニトリルで溶出する;流速は30mL/分であり、分離勾配は、文献に記載されているように化合物の個別の方法最適化プロトコルを使用して各化合物に関して最適化した[“Preparative LCMS Purification:Improved Compound Specific Method Optimization”,K.Blom,B.Glass,R.Sparks,A.Combs,J.Comb.Chem.,6,874-883(2004)を参照のこと]。典型的には、30×100mmのカラムで使用される流速は60mL/分であった。
以下の略語が本明細書において使用される場合がある:AcOH(酢酸);AcO(酢酸無水物);aq.(水溶液);atm.(雰囲気);Boc(t-ブトキシカルボニル);BOP((ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート);br(ブロード);Cbz(カルボキシベンジル);calc.(計算値);d(ダブレット);dd(ダブレットのダブレット);DBU(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン);DCM(ジクロロメタン);DIAD(N,N’-ジイソプロピルアジドジカルボキシレート);DIEA(N,N-ジイソプロピルエチルアミン);DIPEA(N,N-ジイソプロピルエチルアミン);DIBAL(水素化ジイソブチルアルミニウム);DMF(N,N-ジメチルホルムアミド);Et(エチル);EtOAc(酢酸エチル);FCC(フラッシュカラムクロマトグラフィー);g(グラム);h(時間);HATU(N,N,N’,N’-テトラメチル-O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート);HCl(塩酸);HPLC(高速液体クロマトグラフィー);Hz(ヘルツ);J(カップリング定数);LCMS(液体クロマトグラフィー-質量分析法);LDA(リチウムジイソプロピルアミド);m(マルチプレット);M(モル濃度);mCPBA(3-クロロペルオキシ安息香酸);MS(質量分析法);Me(メチル);MeCN(アセトニトリル);MeOH(メタノール);mg(ミリグラム);min.(分);mL(ミリリットル);mmol(ミリモル);N(ノルマル);NCS(N-クロロスクシンイミド);NEt3(トリエチルアミン);nM(ナノモル濃度);NMP(N-メチルピロリドン);NMR(核磁気共鳴分光法);OTf(トリフルオロメタンスルホネート);Ph(フェニル);pM(ピコモル濃度);PPT(沈殿物);RP-HPLC(逆相高速液体クロマトグラフィー);r.t.(室温)、s(シングレット);t(トリプレットまたは第三級);TBS(tert-ブチルジメチルシリル);tert(第三級);tt(トリプレットのトリプレット);TFA(トリフルオロ酢酸);THF(テトラヒドロフラン);μg(マイクログラム);μL(マイクロリットル);μM(マイクロモル濃度);wt%(質量パーセント)。ブラインは飽和塩化ナトリウム水溶液である。in vacuoは真空下である。
中間体1.7-ブロモ-2,4-ジクロロ-8-フルオロ-6-ヨード-3-ニトロキノリン
Figure 2024527567000017
ステップ1.2-アミノ-4-ブロモ-3-フルオロ-5-ヨード安息香酸
Figure 2024527567000018
DMF(100mL)中の2-アミノ-4-ブロモ-3-フルオロ安息香酸(10.0g、42.7mmol)の溶液に対してNIS(9.61g、42.7mmol)を添加した後、反応物を80℃で6時間撹拌した。混合物を氷水で冷却した後、水(150mL)を添加し、20分間撹拌し、沈殿物を濾過し、水で洗浄し、脱水して、所望の生成物を固体として得た。CBrFINO (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 359.9;実測値359.8。
ステップ2.7-ブロモ-8-フルオロ-6-ヨード-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン
Figure 2024527567000019
1,4-ジオキサン(200mL)中の2-アミノ-4-ブロモ-3-フルオロ-5-ヨード安息香酸(8.4g、23.34mmol)の溶液に対してトリホスゲン(6.34g、21.37mmol)を添加し、100℃で1時間撹拌した。室温に冷却後、固体が沈殿するまで氷を添加した。その後、混合物を水(最終体積約400mL)で完全に希釈し、固体を濾過によって収集した後に風乾させた。粗生成物を追加精製せずに次のステップに使用した。
ステップ3.7-ブロモ-8-フルオロ-6-ヨード-3-ニトロキノリン-2,4-ジオール
Figure 2024527567000020
室温のトルエン(10.0mL)中のエチル2-ニトロアセテート(4.62g、17.36mmol)の溶液に対してDIPEA(6.06ml、34.7mmol)を添加し、10分間撹拌した。その後、7-ブロモ-8-フルオロ-6-ヨード-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン(6.7g、17.36mmol)を反応混合物に添加し、反応物を95℃で3時間撹拌した。反応物を氷水で冷却した後、1NのHCl(40mL)を添加した。濾過を介して固体沈殿物を収集した後、少量の酢酸エチルで洗浄して、所望の生成物を黄色の固体(6g、81%)として得た。CBrFIN (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 428.8;実測値428.8。
ステップ4.7-ブロモ-2,4-ジクロロ-8-フルオロ-6-ヨード-3-ニトロキノリン
Figure 2024527567000021
POCl(4.9mL、52.6mmol)中の7-ブロモ-8-フルオロ-6-ヨード-3-ニトロキノリン-2,4-ジオール(4.51g、10.51mmol)の混合物に対してDIPEA(3.67mL、21.03mmol)を添加した後、反応物を105℃で3時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、トルエンとの共沸を3回行って粗物質を得た。これを追加精製せずに次のステップに使用した。
中間体2.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-ヨード-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000022
ステップ1.tert-ブチル(2S,4S)-4-((3-アミノ-7-ブロモ-2-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-8-フルオロ-6-ヨードキノリン-4-イル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000023
室温のCHCl(100mL)中の7-ブロモ-2,4-ジクロロ-8-フルオロ-6-ヨード-3-ニトロキノリン(中間体1)(20.49g、44mmol)及びtert-ブチル(2S,4S)-4-アミノ-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(中間体6)(13.83g、44mmol)の溶液に対してDIPEA(15.37ml、88mmol)を添加した。反応物を50℃で3時間撹拌した。完全変換時点で、N,N,3-トリメチルアゼチジン-3-アミン二塩酸塩(9.98g、52.8mmol)及びさらなる2当量のDIPEA(15.37mL、88mmol)を反応混合物に添加し、50℃で一晩撹拌した。反応内容物を分液漏斗に移し、飽和NHCl(200mL)及びブライン(100mL)で洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、濃縮した。
濃縮残留物をMeOH(50mL)、CHCl(10mL)、及び水酸化アンモニウム水溶液(57mL、440mmol)に再溶解した。亜ジチオン酸ナトリウム(23g、132mmol)を一度に添加した後、反応物を室温で一晩激しく撹拌した。完了時点で、HO(100mL)を添加して反応物をクエンチし、CHCl(100mL)で抽出した。有機相をHOで2回洗浄し、NaSOで脱水した後、濃縮して、所望のジアミン生成物を赤色の粘性油(18.21g、2ステップで56%)として得た。C3146BrFIN (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 791.2;実測値: 791.1。
ステップ2.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-ヨード-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000024
ステップ1由来の粗ジアミン(18.21g、23mmol)を氷酢酸(57.9mL、1012mmol)に溶解した。亜硝酸ナトリウム(2.38g、34.5mmol)を一度に添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。完了時点で、反応内容物を、激しく撹拌中の氷水へと注ぎ入れた。沈殿した固体を、濾過を介して収集し、NaHCO、水、及びジエチルエーテルで洗浄した。その後、固体を減圧下で乾燥させて、所望の生成物を褐色の固体(15g、収率81%)として得た。C3143BrFIN (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 802.2;実測値802.1。
中間体3.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000025
ステップ1.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000026
中間体2(1.10g、1.37mmol)、ヨウ化銅(I)(39mg、0.21mmol)、1,10-フェナントロリン(37mg、0.21mmol)、及びフッ化カリウム(239mg、411mmol)を圧力容器に入れた。DMSO(2.74mL)を添加した。容器をNで5分間置換する。ホウ酸トリメチル(0.46ml、4.11mmol)及びトリメチル(トリフルオロメチル)シラン(0.61mL、4.11mmol)を添加した後、圧力容器を密封し、80℃に一晩加熱した。容器を室温に冷却した後、氷浴中で冷却し、慎重に開けた。反応混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、NaHCO、ブラインで洗浄し、濃縮した。粗生成物をシリカゲル(20g、CHCl中50-100%EtOAc)で精製して、褐色の固体(634mg、収率62%)を得た。C3243BrF (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 744.3;実測値: 744.2。
ステップ2.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000027
tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(6.5g、8.7mmol)をジオキサン(20mL)に溶解し、水酸化リチウム溶液(7.27mL、HO中6M)を添加した。反応物を80℃に一晩加熱した。tert-ブチルエステルが完全に加水分解された時点で、飽和NHCl(100mL)を添加し、反応物をEtOAc(3×100mL)で抽出した。統合した有機層をNaSOで脱水し、濃縮して乾燥させて、2-((2S,4S)-4-(7-ブロモ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-2-イル)酢酸を得た。C2835BrF (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 688.2;実測値688.1。
カルボン酸をTHF(20mL)に再溶解した。DIPEA(3.1mL、17.5mmol)を添加し、反応混合物を0℃に冷却した。その後、クロロギ酸イソブチル(1.7mL、13.1mmol)を添加した。0℃で20分間撹拌した後、水酸化アンモニウム(11.3mL、87mmol)を添加し、混合物をさらに10分間撹拌した。完了時点で、反応物をEtOAc(20mL)で希釈し、ブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、濃縮して、tert-ブチル(2S,4S)-2-(2-アミノ-2-オキソエチル)-4-(7-ブロモ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを得た。C2836BrF (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 687.2;実測値687.4。
粗アミドをTHF(20mL)に再溶解し、0℃に冷却した。トリエチルアミン(4.9mL、34.9mmol)及びTFAA(1.8mL、13.1mol)を連続的に添加した。1時間撹拌後、NaHCO水溶液(50mL)を添加して反応物をクエンチし、EtOAc(50mL)で抽出し、NaSOで脱水し、濃縮し、シリカ(100g、CHCl中0-100%EtOAc)で精製して、表題生成物を黄色の固体(4.3g、3ステップにわたる収率74%)として得た。C2834BrF (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 669.2;実測値669.4。
中間体4.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-ヨード-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000028
ステップ1.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-4-クロロ-6-フルオロ-8-ヨード-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000029
室温のCHCl(10mL)中の7-ブロモ-2,4-ジクロロ-8-フルオロ-6-ヨード-3-ニトロキノリン(中間体1)(2.56g、5.5mmol)及びtert-ブチル(2S,4S)-4-アミノ-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(中間体6)(1.73g、5.5mmol)の溶液に対してDIPEA(1.92ml、11mmol)を添加した。反応物を50℃で3時間撹拌した。完全変換時点で、反応内容物を分液漏斗に移し、飽和NHCl(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、濃縮した。
濃縮残留物をMeOH(5mL)、CHCl(5mL)、及び水酸化アンモニウム水溶液(7.3mL、55mmol)に再溶解した。亜ジチオン酸ナトリウム(2.88g、16.5mmol)を一度に添加した後、反応物を室温で一晩激しく撹拌した。完了時点で、HO(10mL)を添加して反応物をクエンチし、CHCl(50mL)で抽出した。有機相をHOで2回洗浄し、NaSOで脱水した後、濃縮して、所望のジアミン生成物を得た。
粗ジアミンを氷酢酸(7.0mL)に溶解した。亜硝酸ナトリウム(0.76g、11mmol)を一度に添加した。反応物を室温で20分間撹拌した。完了時点で、反応内容物を、激しく撹拌中の氷水へと注ぎ入れた。反応混合物をDCMで抽出した。粗生成物をシリカゲル(50g、CHCl中0-100%EtOAc)で精製して、所望の生成物(1.8g、収率70%)を得た。C2530BrClFIN (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 724.0;実測値: 724.0。
ステップ2.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-ヨード-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000030
tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-4-クロロ-6-フルオロ-8-ヨード-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.44g、1.99mmol)をCHCl(5mL)及びMeOH(5mL)に溶解し、均一になるまで室温で撹拌した。ナトリウムチオメトキシド(0.28g、3.97mmol)を一度に添加した。1時間撹拌後、飽和NHCl(10mL)によって反応物をクエンチし、EtOAc(20mL)で抽出した後、NaHCOで洗浄した。統合した有機層をMgSO4で脱水し、濾過し、濃縮した。C2633BrFINS (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 736.1;実測値: 736.0。
中間体5.tert-ブチル4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-ヨード-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000031
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-4-アミノ-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル4-アミノピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、中間体4に記載の手順に従って調製した。C2023BrFINS (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 622.0;実測値: 622.1。
中間体6.tert-ブチル(2S,4S)-4-アミノ-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000032
ステップ1.(R)-6-シアノ-5-ヒドロキシ-3-オキソヘキサン酸tert-ブチル
Figure 2024527567000033
2.0M LDA(100mL、200mmol)の無水THF(223mL)溶液を1時間、-78℃に冷却した後、酢酸tert-ブチル(26.9mL、200mmol)を撹拌しながら20分かけて滴下した。さらに40分間、-78℃に維持した後、(R)-4-シアノ-3-ヒドロキシ酪酸エチル(10.5g、66.8mmol)の溶液を滴下した。混合物を-40℃で4時間撹拌させた後、pHを約6に保ちながら、適量のHCl(2M)を混合物に添加した。このクエンチ中、混合物の温度を-10℃に維持した。完了時に、混合物の温度を0℃に冷却した。混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合一した有機層をNaHCO(100mL)及びブライン(100mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥、濃縮して、物質を黄色の油状物として得た(15.0g、収率99%)。
ステップ2.(2S,4R)-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
Figure 2024527567000034
(R)-6-シアノ-5-ヒドロキシ-3-オキソヘキサン酸tert-ブチル(15.0g、66.0mmol)の酢酸(110ml)溶液を酸化白金(IV)水和物(0.868g、3.30mmol)で処理した。Parrボトルを排気し、Hを3回充填し、H雰囲気下(45psi、4回充填)、22℃で3時間撹拌した。混合物をセライトに通して濾過し、フィルターケーキをEtOHで洗浄した。濾液を濃縮して、シス:トランスのジアステレオマー比が約9:1の生成物を得た。
残渣をメタノール(100mL)に溶解した後、Boc無水物(15.32ml、66.0mmol)、炭酸ナトリウム(13.99g、132mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムで精製して、目的生成物を得た(11.7g、56%)。C1629NNaO (M+Na)に対するLCMS計算値:m/z=338.2;実測値338.2。
ステップ3.(2S,4S)-4-アジド-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
Figure 2024527567000035
0℃の(2S,4R)-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(2.10g、6.66mmol)のDCM(33ml)溶液に、TEA(1.58ml、11.32mmol)及びMs-Cl(0.67mL、8.66mmol)を添加した。1時間撹拌した後、反応物を水で希釈し、有機層を分離し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた残渣をDMFに溶解し、アジ化ナトリウム(1.3g、20mmol)を添加し、反応混合物を70℃で5時間加熱した。室温に冷却した後、反応物をEtOAcと水で希釈した。有機層を分離し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムで精製して、目的生成物を得た(1.90g、84%)。(生成物Boc)C1121 (M+H)に対するLCMS計算値:m/z=241.2;実測値241.2.
ステップ4.(2S,4S)-4-アミノ-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
Figure 2024527567000036
(2S,4S)-4-アジド-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.9g、5.58mmol)のメタノール(27.9ml)溶液に、10%パラジウム担持炭素(0.594g、0.558mmol)を添加した。反応混合物を真空下で排気し、Hを充填し、室温で2時間撹拌した。反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、メタノールで洗浄した。濾液を濃縮し、そのまま使用した(1.5g、85%)。C1631 (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 315.2;実測値: 315.2。
中間体7.tert-ブチル(2S,4S)-4-アミノ-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000037
ステップ1.tert-ブチル(2S,4S)-4-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000038
CHCl(80.0mL)中の中間体6(5.2g、16.54mmol)の溶液を撹拌しながら、この溶液に対してN-(ベンジルオキシ-カルボニルオキシ)スクシンイミド(4.95g、19.85mmol)を添加した後、DIPEA(4.33mL、24.81mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した後、水で希釈した。混合物を水及びブラインで抽出した。統合した有機層をMgSOで脱水し、濾過し、濃縮し、追加精製せずに次のステップに直接使用した。
ステップ2.2-((2S,4S)-4-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)ピペリジン-2-イル)酢酸
Figure 2024527567000039
ステップ1由来の濃縮残留物をCHCl(80.0mL)及びTFA(50.0mL)に取り込んだ。混合物を室温で一晩撹拌した後、濃縮して乾燥させ、追加精製せずに次のステップに直接使用した。
ステップ3.2-((2S,4S)-4-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-2-イル)酢酸
Figure 2024527567000040
ステップ2由来の濃縮残留物をCHCl(80.0mL)に取り込み、トリエチルアミン(23.1mL、165mmol)を徐々に添加した。混合物を室温で5分間撹拌した後、Boc無水物(4.33g、19.85mmol)を添加した。混合物を室温でさらに30分間撹拌した。必要に応じて追加のBoc無水物を添加した。完全変換時点で、混合物をpH4~5に酸性化した後、EtOAcで抽出した。統合した有機層をMgSOで脱水し、濾過し、濃縮し、追加精製せずに次のステップに直接使用した。
ステップ4.tert-ブチル(2S,4S)-2-(2-アミノ-2-オキソエチル)-4-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000041
ステップ3由来の濃縮残留物をTHF(80.0mL)及びDIPEA(8.67mL、49.6mmol)に取り込んだ。混合物を0℃に冷却した後、クロロギ酸イソブチル(5.43mL、41.3mmol)を徐々に添加した。混合物を0℃でさらに20分間撹拌した後、水酸化アンモニウム(水中28%、23.0mL、165mmol)を混合物に添加した。さらに5分間撹拌した後、混合物をブラインで希釈し、EtOAcで抽出した。統合した有機層をMgSOで脱水し、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM中0-8%MeOH)によって精製した。
ステップ5.tert-ブチル(2S,4S)-4-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000042
ステップ4由来の精製生成物をTHF(80.0mL)及びトリエチルアミン(6.0mL、43mmol)に取り込んだ。混合物を0℃に冷却した後、TFAA(3.5mL、24.8mmol)を徐々に添加した。混合物を0℃でさらに30分間撹拌した後、EtOAcで希釈し、ブラインで抽出した。統合した有機層をMgSOで脱水し、濾過し、濃縮して乾燥させ、シリカゲルで精製して、所望の生成物(5.12g、5ステップで83%)を得た。C1620 (M+H-tert-ブチル)に対するLCMS計算値: m/z = 318.1;実測値: 318.1。
ステップ6.tert-ブチル(2S,4S)-4-アミノ-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000043
撹拌子を入れた丸底フラスコにtert-ブチル(2S,4S)-4-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(5.12g、13.71mmol)、炭素担持パラジウム(10wt%,2.92g、2.74mmol)、及びMeOH(45mL)を入れた。この丸底フラスコの排気及びHの再充填(このプロセスを全部で3回繰り返した)を実施し、Hのバルーンを取り付けて混合物を室温で1.5時間激しく撹拌した。その後、混合物をセライト上に供して濾過し、固体をEtOAcで洗浄した。濾液を濃縮し、追加精製せずに次のステップに直接使用した。
中間体8.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000044
ステップ1.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-ヨード-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000045
室温のMeCN(100mL)中の7-ブロモ-2,4-ジクロロ-8-フルオロ-6-ヨード-3-ニトロキノリン(中間体1)(10g、21.5mmol)及びtert-ブチル(2S,4S)-4-アミノ-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(中間体7)(5.15g、21.5mmol)の溶液に対してDIPEA(5.62ml、32mmol)を添加した。反応物を50℃で3時間撹拌した。完全変換時点で、反応混合物を濃縮した。
残留物をMeOH(80mL)に溶解し、ナトリウムチオメトキシド(3.0g、43mmol)を室温で一度に添加した。完全変換時点で、反応混合物を水で希釈し、濾過し、水で洗浄して褐色の固体を得た。
固体をMeOH(80mL)、CHCl(20mL)、及び水酸化アンモニウム水溶液(28mL、440mmol)に再溶解した。その後、亜ジチオン酸ナトリウム(11.2g、132mmol)を一度に添加し、反応物を室温で激しく撹拌した。完了時点で、HO(100mL)を添加して反応物をクエンチし、CHCl(100mL)で抽出した。有機相をHOで2回洗浄し、NaSOで脱水した後、濃縮して、所望のジアミン生成物を赤色の粘性油として得た。
粗ジアミンを氷酢酸(50mL、875mmol)に溶解した。亜硝酸ナトリウム(2.97g、43.0mmol)を一度に添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。完了時点で、反応内容物を、激しく撹拌中の氷水へと注ぎ入れた。沈殿した固体を、濾過を介して収集し、NaHCO、水、及びジエチルエーテルで洗浄した。その後、固体を減圧下で乾燥させて、所望の生成物を褐色の固体(7.1g、収率50%)として得た。C2224BrFINS (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 661.0;実測値: 660.9。
ステップ2.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000046
磁性撹拌子を備えたスクリューキャップバイアルにtert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-ヨード-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.19g、1.832mmol)、メチルボロン酸(1.096g、18.32mmol)、リン酸三カリウム(1.166g、5.49mmol)、及びビス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(II)クロリド(257mg、0.366mmol)を入れた後、ジオキサン(10.0mL)及び水(2.0mL)を入れた。テフロンライニングセプタムを用いてバイアル密封し、排気及び窒素の再充填(このプロセスを全部で3回繰り返した)を実施した。その後、反応物を90℃で3時間撹拌した。室温に冷却後、混合物をブラインで希釈し、EtOAcで抽出した。統合した有機層をMgSOで脱水し、濾過し、濃縮して乾燥させ、シリカゲルで精製して、所望の生成物を得た。C2327BrFNS (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 549.1;実測値: 549.1。
実施例1a及び実施例1b.2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000047
ステップ1.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000048
中間体3(1.3g、1.9mmol)、XPhos Pd G2(76mg、0.097mmol)、(5-フルオロキノリン-8-イル)ボロン酸(408mg、2.1mmol)、KPO(1.24g、5.83mmol)、ならびにジオキサン(5mL)及びHO(1mL)を反応バイアルに入れた。混合物にNを5分間通気した後、混合物を加熱し、90℃で1時間撹拌した。完了時点で、反応物を室温に冷却し、EtOAc(20mL)で希釈し、NHCl水溶液(20mL)で洗浄した。有機相を分離し、MgSOで脱水し、濾過した後、濃縮した。粗生成物をシリカ(20g、CHCl中50-100%EtOAc)によって最初に精製した後、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/NHOH0.15%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用してさらに精製して、所望の生成物をジアステレオマーのペア(白色の非晶質粉末、合算収率21%)として得た。
ジアステレオマー1.ピーク1.C3739 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 736.3;実測値736.2。
ジアステレオマー2.ピーク2.C3739 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 736.3;実測値736.2。
ステップ2.2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000049
ステップ1由来のtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(ジアステレオマー1、150mg、0.24mmol)を入れた反応バイアルに対してTFA(1mL)を室温で添加した。15分間撹拌した後、揮発性物質を除去した。残留物をアセトニトリル(2mL)に再溶解し、0℃に冷却した。DIPEA(0.36mL)を反応物に添加した後、(E)-4-フルオロブタ-2-エン酸(42mg、0.41mmol)及びプロピルホスホン酸無水物溶液(EtOAc中50%、0.25mL、0.41mmol)を添加した。0℃で10分間撹拌した後、反応物をNaHCO水溶液(5mL)でクエンチし、EtOAc(5mL)で抽出し、ブラインで洗浄し、濃縮した。粗生成物をアセトニトリルに再溶解し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用して精製して、白色の非晶質粉末の形態のTFA塩(50mg遊離塩基当量、収率34%)として実施例1a(ジアステレオマー1)を得た。C3634O (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 722.3;実測値722.2。H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.80 (s, 1H), 8.87 (dd, J = 4.2, 1.7 Hz, 1H), 8.62 (dd, J = 8.5, 1.7 Hz, 1H), 8.41 (s, 1H), 7.82 (dd, J = 8.0, 5.8 Hz, 1H), 7.70 (dd, J = 8.5, 4.2 Hz, 1H), 7.65 (dd, J = 9.8, 8.0 Hz, 1H), 6.90 - 6.77 (m, 2H), 5.93 (s, 1H), 5.32 (s, 1H), 5.24 - 5.20 (m, 1H), 5.12 (dd, J = 3.6, 1.2 Hz, 1H), 4.97 (s, 1H), 4.76 (s, 1H), 4.57 (s, 1H), 4.37 - 4.21 (m, 2H), 3.61 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 3.39 - 3.21 (m, 2H), 2.84 (s, 6H), 2.46 - 2.22 (m, 4H), 1.70 (s, 3H)。
実施例1b(ジアステレオマー2)は、ステップ1由来のtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(ジアステレオマー1)の代わりにステップ1由来のtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(ジアステレオマー2)を使用して、上記の手順を使用して調製した。C3634O (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 722.3;実測値722.2。
実施例2a及び実施例2b.2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(2-メトキシ-3-メチルフェニル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000050
ステップ1.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(2-メトキシ-3-メチルフェニル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000051
中間体3(100mg、0.15mmol)、(2-メトキシ-3-メチルフェニル)ボロン酸(30mg、0.18mmol)、Pd(PPh(17mg、0.015mmol)、KPO(95mg、0.45mmol)、ならびにジオキサン(2.0mL)及びHO(0.4mL)を反応バイアルに入れた。混合物にNを5分間通気した後、混合物を90℃で1時間加熱した。完了時点で、反応物を室温に冷却し、EtOAc(5.0ml)で希釈し、NHCl水溶液(5.0ml)で洗浄した。有機相を分離し、MgSOで脱水し、濃縮した。粗生成物をシリカ(10g、DCM中50-100%EtOAc)によって精製して、所望の生成物を淡黄色の粘性油(92mg、収率87%)として得た。C3643 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 711.3;実測値711.2。
ステップ2.2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(2-メトキシ-3-メチルフェニル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000052
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(2-メトキシ-3-メチルフェニル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例1a及び実施例1bのステップ2に記載の手順に従って調製した。
実施例2a.ジアステレオマー1.ピーク1.C3538 (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 697.3;実測値: 697.3。
実施例2b.ジアステレオマー2.ピーク2.C3538 (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 697.3;実測値: 697.3。
実施例3a及び実施例3b.2-((2S,4S)-4-(7-(3-クロロ-2-メトキシフェニル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000053
ステップ1.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-(3-クロロ-2-メトキシフェニル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000054
この化合物は、(2-メトキシ-3-メチルフェニル)ボロン酸の代わりに(3-クロロ-2-メトキシフェニル)ボロン酸を使用して、実施例2a及び実施例2bのステップ1に記載の手順に従って調製した。C3540ClF (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 731.3;実測値: 731.2。
ステップ2.2-((2S,4S)-4-(7-(3-クロロ-2-メトキシフェニル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000055
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-4-(7-(3-クロロ-2-メトキシフェニル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例1a及び実施例1bのステップ2に記載の手順に従って調製した。
実施例3a.ジアステレオマー1.ピーク1.C3435ClF (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 717.3;実測値: 717.2。
実施例3b.ジアステレオマー2.ピーク2.C3435ClF (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 717.3;実測値: 717.2。
実施例4a及び実施例4b.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000056
ステップ1.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-4-(メチルチオ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000057
中間体4(3.50g、4.75mmol)及びメチル2,2-ジフルオロ-2-(フルオロスルホニル)-アセテート(1.21ml、9.51mmol)(MFDA)、ヨウ化銅(I)(0.272g、1.426mmol)、及びNMP(20mL)を密封管に入れた。管をNで置換した後、密封し、80℃で一晩加熱した。その後、反応物を室温に冷却し、NaHCOに注ぎ入れ、EtOAcで抽出した。有機層を統合し、MgSOで脱水し、濃縮した。粗生成物をシリカ(40g、ヘキサン中0-50%EtOAc)で精製して、所望の生成物(2.5g、収率78%)を得た。C2733BrFS (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 678.1;実測値: 678.3。
ステップ2.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-4-(メチルチオ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000058
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-4-(メチルチオ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、中間体3のステップ2に記載の手順に従って調製した。C2324BrFS (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 603.1;実測値: 603.2。
ステップ3.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-4-(メチルチオ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000059
この化合物は、中間体3の代わりにtert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-4-(メチルチオ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例1a及び実施例1bのステップ1に記載の手順に従って調製した。C3229S (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 670.2;実測値: 670.2。
ステップ4.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000060
tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-4-(メチルチオ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(85mg、0.13mmol)をCHCl(1mL)に溶解し、0℃に冷却した。mCPBA(33mg、0.19mmol)を一度に添加し、反応物を30分間撹拌した後、飽和NaHCO(2mL)を添加することによってクエンチした。混合物をCHCl(5mL)によって抽出した。統合した有機層をMgSOで脱水し、濾過した後、濃縮して、粗スルホキシド及びスルホンの混合物を得た。(S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エタン-1-オール(16.4mg、0.13mmol)及び脱水THF(1mL)を入れたバイアルを0℃に冷却した。LiHMDS(0.13mL、THF中1M)を添加した。10分間撹拌した後、反応物を粗スルホキシドのTHF溶液に滴加した。さらに10分間撹拌した後、飽和NHCl(5mL)を添加することによって反応物をクエンチし、EtOAc(15mL)で抽出した。統合した有機層をMgSOで脱水し、シリカ(ヘキサン中0-100%EtOAc)で精製して、所望の生成物を白色の固体(75mg、収率79%)として得た。C3840(M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 751.3;実測値: 751.5。
ステップ5.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000061
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例1a及び実施例1bのステップ2に記載の手順に従って調製した。
実施例4a.ジアステレオマー1.ピーク1.C3735 (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 737.3;実測値: 737.2。
実施例4b.ジアステレオマー2.ピーク2.C3735 (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 737.3;実測値: 737.2。
実施例5a及び実施例5b.1-(4-(6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-イル)プロパ-2-エン-1-オン
Figure 2024527567000062
ステップ1.tert-ブチル4-(7-ブロモ-6-フルオロ-4-(メチルチオ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000063
この化合物は、中間体4の代わりに中間体5を使用して、実施例4a及び実施例4bのステップ1に記載の手順に従って調製した。C2123BrFS (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 564.1;実測値: 564.0。
ステップ2.tert-ブチル4-(7-ブロモ-6-フルオロ-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000064
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-4-(メチルチオ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル4-(7-ブロモ-6-フルオロ-4-(メチルチオ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例4a及び実施例4bのステップ4に記載の手順に従って調製した。C2734BrF (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 645.2;実測値: 645.4。
ステップ3.tert-ブチル4-(6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000065
この化合物は、中間体3の代わりにtert-ブチル4-(7-ブロモ-6-フルオロ-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例1a及び実施例1bのステップ1に記載の手順に従って調製した。C3639 (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 712.3;実測値: 712.5。
ステップ4.1-(4-(6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-イル)プロパ-2-エン-1-オン
Figure 2024527567000066
tert-ブチル4-(6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(25mg、0.039mmol)をTFA(0.5mL)に添加し、室温で10分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。残留物をCHCl(1.0mL)に溶解し、0℃に冷却して、これにトリエチルアミン(16μL、0.116mmol)を添加した後、アクリロイルクロリド(5.3mg、0.058mmol)を添加し、反応物を0℃で20分間撹拌した。反応物をCHClで希釈し、飽和NaHCOで洗浄し、有機溶媒を脱水し、濃縮した。粗生成物をアセトニトリルに再溶解し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用して精製した。
実施例5a.ジアステレオマー1.ピーク1.C3433 (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 666.3;実測値: 666.4。
実施例5b.ジアステレオマー2.ピーク2.C3433 (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 666.3;実測値: 666.4。
実施例6.2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000067
ステップ1.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000068
ジオキサン(6mL)/水(1mL)中の中間体8(400mg、0.728mmol)、(2,3-ジメチルフェニル)ボロン酸(164mg、1.092mmol)、リン酸カリウム(464mg、2.184mmol)、及びPd(PhP)(84mg、0.073mmol)の混合物の排気及び窒素の再充填(このプロセスを全部で3回繰り返した)を実施した。反応物を105℃で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水、ブラインで洗浄した。有機層を濾過し、脱水し、濃縮した。生成物をヘキサン/EtOAc(最大EtOAc80%)で溶出させてカラムによって精製した。C3136FNS (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 575.3 ;実測値575.3。
ステップ2.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルスルフィニル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000069
0℃のCHCl(5.0mL)中のtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(370.0mg、0.644mmol)の溶液に対してm-CPBA(167mg、0.966mmol)を添加した後、この温度で反応物を10分間撹拌した。飽和Naを添加することによって反応物をクエンチし、酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO、ブラインで洗浄し、濾過し、脱水し、濃縮した。この粗物質を次のステップに直接使用した。C3136FNS (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 591.3 ;実測値591.3。
ステップ3.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000070
tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルスルフィニル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.680g、1.121mmol)及びN,N,3-トリメチルアゼチジン-3-アミン(0.192g、1.681mmol)の溶液に対してトリエチルアミン(0.625mL、4.48mmol)を添加した後、70℃で2時間撹拌した。生成物をCHCl/MeOH(最大MeOH15%)で溶出させてカラムによって精製した。アトロプ異性体をSFC(カラム、Phenomenex Lux 5um Cellulose-1、21.2×250mm、移動相 70mL/分アイソクラティックでのCO中25%MeOH)によって分離して、2つのピークを得た。これらをPK1及びPK2と命名した。C3646FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 641.4 ;実測値641.5。
ステップ4.2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000071
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(ステップ3由来のPK1)を使用し、(E)-4-フルオロブタ-2-エン酸の代わりに(E)-4-メトキシブタ-2-エン酸を使用して、実施例1a及び実施例1bのステップ2に記載の手順に従って調製した。C3644FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 639.4;実測値639.5。H NMR (600 MHz, DMSO) δ 8.04 (s, 1H), 7.30 - 7.21 (m, 2H), 7.00 (dd, J = 7.4, 1.5 Hz, 1H), 6.81 - 6.70 (m, 2H), 5.30 (s, 1H), 4.96 (s, 1H), 4.74 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 4.28 (d, J = 14.3 Hz, 1H), 4.11 (s, 2H), 3.64 (s, 1H), 3.39 (dd, J = 17.0, 8.5 Hz, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.31 - 3.19 (m, 3H), 2.83 (s, 6H), 2.43 (s, 3H), 2.41 (m, 1H) 2.35 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 2.13 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 1.94 (s, 3H), 1.70 (s, 3H)。
実施例7.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-6-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000072
ステップ1.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-6-イル)-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000073
この化合物は、(2,3-ジメチルフェニル)ボロン酸の代わりに1-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾールを使用して、実施例6のステップ1に記載の手順に従って調製した。C3134FNS (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 601.3 ;実測値601.3。
ステップ2.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-6-イル)-4-(メチルスルフィニル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000074
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-6-イル)-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例6のステップ2に記載の手順に従って調製した。C3134FNS (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 617.2 ;実測値617.4。
ステップ3.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-6-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000075
0℃のTHF(1.0mL)中の(S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エタン-1-オール(31.4mg、0.243mmol)の溶液に対してLiHMDS(THF中1.0M)(40.7mg、0.243mmol)を添加し、5分間撹拌した。形成された溶液を、0℃のTHF(1.0mL)中のtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-6-イル)-4-(メチルスルフィニル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(75.0mg、0.122mmol)の溶液に添加した後、反応物を室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO、水で洗浄し、濾過し、濃縮し、次のステップに直接使用した。C3745FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 682.4 ;実測値682.5。
ステップ4.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-6-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000076
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-6-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例1a及び実施例1bのステップ2に記載の手順に従って調製した。C3640 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 668.3 ;実測値668.5。H NMR (600 MHz, DMSO) δ 8.22 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.93 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.13 (dd, J = 8.2 Hz, 1H), 6.92 - 6.79 (m, 2H), 5.87 (d, J = 16.1 Hz, 1H), 5.58 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 5.31 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 5.21 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 5.14 (d, J = 2.9 Hz, 2H), 5.00 (s, 1H), 4.76 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 4.32 (d, J = 14.2 Hz, 1H), 4.11 (s, 3H), 3.96 (p, J = 7.7 Hz, 1H), 3.65- 3.59 (m, 3H), 3.45 - 3.23 (m, 2H), 3.19 (m,1H), 3.14 (s, 3H), 2.44 (s, 3H), 2.32- 2.16 (m, 2H), 2.11- 1.89 (m, 2H), 1.59 (s, 3H)。
実施例8.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(6-メチルピリジン-3-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000077
ステップ1.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(6-メチルピリジン-3-イル)-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000078
この化合物は、(2,3-ジメチルフェニル)ボロン酸の代わりに(6-メチルピリジン-3-イル)ボロン酸を使用して、実施例6のステップ1に記載の手順に従って調製した。C2933FNS (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 562.2;実測値562.3。
ステップ2.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(6-メチルピリジン-3-イル)-4-(メチルスルフィニル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000079
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(6-メチルピリジン-3-イル)-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例6のステップ2に記載の手順に従って調製した。C2933FNS (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 578.2;実測値578.4。
ステップ3.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(6-メチルピリジン-3-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000080
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-6-イル)-4-(メチルスルフィニル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(6-メチルピリジン-3-イル)-4-(メチルスルフィニル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例7のステップ3に記載の手順に従って調製した。C3544FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 643.4 ;実測値643.5。
ステップ4.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(6-メチルピリジン-3-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000081
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(6-メチルピリジン-3-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例1a及び実施例1bのステップ2に記載の手順に従って調製した。C3439 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 629.3;実測値629.5。
実施例9.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000082
ステップ1.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000083
この化合物は、(2,3-ジメチルフェニル)ボロン酸の代わりに1-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾールを使用して、実施例6のステップ1に記載の手順に従って調製した。C3134FNS (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 601.3 ;実測値601.1。
ステップ2.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)-4-(メチルスルフィニル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000084
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例6のステップ2に記載の手順に従って調製した。C3134FNS (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 617.3;実測値617.3。
ステップ3.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000085
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-6-イル)-4-(メチルスルフィニル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)-4-(メチルスルフィニル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例7のステップ3に記載の手順に従って調製した。C3745FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 682.4 ;実測値682.4
ステップ4.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000086
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例6のステップ4に記載の手順に従って調製した。C3743FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 680.4;実測値680.3。
実施例10.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(4-フルオロフェニル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000087
この化合物は、1-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾールの代わりに(4-フルオロフェニル)ボロン酸を使用して、実施例9のステップ1~4に記載の手順に従って調製した。C3540 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 644.3;実測値644.4。H NMR (500 MHz, DMSO) δ 10.09 - 9.21 (s, 1H), 8.51 - 7.69 (s, 1H), 7.53 - 7.44 (dd, J = 8.5, 5.7 Hz, 2H), 7.44 - 7.36 (t, J = 8.9 Hz, 2H), 6.83 - 6.63 (m, 2H), 5.92 - 5.72 (m, 1H), 5.66 - 5.47 (m, 1H), 5.41-4.20 (m, 2H), 4.18 - 4.03 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 4.00 - 3.85 (m, 1H), 3.69 - 3.53 (m, 2H), 3.39 - 3.32 (s, 3H), 3.27 - 3.10 (m, 5H), 2.55 - 2.36 (d, J = 13.8 Hz, 6H), 2.38 - 2.23 (m, 2H), 2.19 - 2.04 (m, 2H), 2.00 - 1.88 (m, 2H), 1.64 - 1.50 (d, J = 6.1 Hz, 3H)。
実施例11a及び実施例11b.8-(1-(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリル
Figure 2024527567000088
ステップ1.tert-ブチル4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000089
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-ヨード-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりに中間体5を使用して、中間体8のステップ2に記載の手順に従って調製した。C2126BrFNS (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 510.1;実測値510.1。
ステップ2.tert-ブチル4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルスルフィニル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000090
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例6のステップ2に記載の手順に従って調製した。C2126BrFNS (M+H-tBu)に対するLCMS計算値 m/z = 470.0;実測値470.0。
ステップ3.tert-ブチル4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000091
THF(16mL)中のtert-ブチル4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルスルフィニル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(2.51g、4.7mmol)の溶液に対して(S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エタン-1-オール(1.23g、9.54mmol)及びDBU(1.44mL、9.54mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した後、EtOAcで希釈し、飽和NHClで抽出した。統合した有機層をMgSOで脱水し、濾過し、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(0-8%MeOH/DCM)によって精製した。C2737BrFN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 591.2;実測値591.2。
ステップ4.8-(6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1-(ピペリジン-4-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリル
Figure 2024527567000092
tert-ブチル4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.56g、2.64mmol)、8-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-ナフトニトリル(1.472g、5.27mmol)、SPhos Pd G4(315mg、0.396mmol)、KPO(1.679g、7.91mmol)、ならびにジオキサン(11mL)及びHO(2.34mL)を反応バイアルに入れた。混合物にNを5分間通気した後、混合物を100℃で3時間加熱した。完了時点で、反応物を室温に冷却し、EtOAc(20mL)で希釈し、NHCl水溶液(20mL)で洗浄した。有機相を分離し、MgSOで脱水し、濾過した後、濃縮した。濃縮残留物をCHCl(10mL)及びTFA(5mL)に再溶解し、室温で30分間撹拌した。その後、溶媒を除去し、粗生成物を、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用して精製して、所望の生成物をTFA塩として得た。C3335FNO (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 564.3;実測値564.2。
ステップ5.8-(1-(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリル
Figure 2024527567000093
CHCl(0.4M)中の8-(6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1-(ピペリジン-4-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリルの溶液に対してトリエチルアミン(5当量)を添加した後、CHCl中のアクリロイルクロリド(1.5当量)の溶液(0.5M)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌した後、MeOHを添加することによってクエンチした。混合物を減圧下で濃縮した後、AcNで希釈し、分取LCMSによって精製した。
実施例11a.ジアステレオマー1.ピーク1.C3637FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 618.3;実測値618.2。
実施例11b.ジアステレオマー2.ピーク2.C3637FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 618.3;実測値618.2。H NMR (600 MHz, DMSO) δ 9.98 - 9.50 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 8.56 - 8.46 (dd, J = 8.5, 1.3 Hz, 1H), 8.38 - 8.24 (m, 2H), 8.16 - 8.10 (dd, J = 7.2, 1.4 Hz, 1H), 7.91 - 7.83 (dd, J = 8.3, 7.0 Hz, 1H), 7.81 - 7.72 (dd, J = 8.3, 7.2 Hz, 1H), 7.71 - 7.64 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 6.98 - 6.84 (dd, J = 16.7, 10.5 Hz, 1H), 6.25 - 6.16 (dd, J = 16.8, 2.4 Hz, 1H), 5.85 - 5.77 (m, 1H), 5.77 - 5.73 (dd, J = 10.5, 2.4 Hz, 1H), 5.57 - 5.44 (m, 1H), 4.72 - 4.24 (m, 1H), 4.01 - 3.88 (m, 1H), 3.71 - 3.48 (m, 2H), 3.31 - 3.19 (m, 2H), 3.19 - 3.11 (d, J = 4.8 Hz, 3H), 2.48 - 2.34 (m, 2H), 2.34 - 2.03 (m, 9H), 2.00 - 1.86 (m, 2H), 1.64 - 1.52 (d, J = 6.1 Hz, 3H)。
実施例12.2-((2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000094
ステップ1.tert-ブチル(2S,4S)-4-((7-ブロモ-2-クロロ-8-フルオロ-6-ヨード-3-ニトロキノリン-4-イル)アミノ)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000095
室温のジオキサン(50mL)中の7-ブロモ-2,4-ジクロロ-8-フルオロ-6-ヨード-3-ニトロキノリン(中間体1)(7.9g、16.96mmol)及びtert-ブチル(2S,4S)-4-アミノ-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(中間体7)(4.87g、20.35mmol)の溶液に対してDIPEA(4.5mL、25.4mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した後、大部分のジオキサンを減圧下で除去した。残留物に氷及び水を添加し、スラリーを激しく撹拌した。濾過を介して固体沈殿物を収集し、風乾させて、所望の生成物を黄色の固体(定量的な収率)として得た。C2122BrClFIN (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 668.0;実測値: 667.8。
ステップ2.tert-ブチル(2S,4S)-4-((7-ブロモ-2-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-8-フルオロ-6-ヨード-3-ニトロキノリン-4-イル)アミノ)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000096
ジオキサン(20mL)中のtert-ブチル(2S,4S)-4-((7-ブロモ-2-クロロ-8-フルオロ-6-ヨード-3-ニトロキノリン-4-イル)アミノ)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(2.5g、3.74mmol)の溶液に対してDIPEA(2.61mL、14.95mmol)及びN,N,3-トリメチルアゼチジン-3-アミン二塩酸塩(1.05g、5.61mmol)を添加した。混合物を50℃で一晩撹拌した後、大部分のジオキサンを減圧下で除去した。残留物に氷及び水を添加し、微粉末が形成されるまでスラリーを激しく撹拌した。濾過を介して固体沈殿物を収集し、風乾させて、所望の生成物(2.7g、収率97%)を得た。C2735BrFIN (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 746.1;実測値: 746.1。
ステップ3.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-ヨード-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000097
tert-ブチル(2S,4S)-4-((7-ブロモ-2-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-8-フルオロ-6-ヨード-3-ニトロキノリン-4-イル)アミノ)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.0g、1.34mmol)及び鉄(450mg、8.04mmol)の混合物をAcOH(5.0mL)に溶解し、ニトロ基が完全に還元されるまで60℃で加熱した。混合物を室温に冷却した後、EtOAcで希釈し、セライトのパッド上に供して濾過した。濾液を濃縮して、tert-ブチル(2S,4S)-4-((3-アミノ-7-ブロモ-2-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-8-フルオロ-6-ヨードキノリン-4-イル)アミノ)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレートを得た。C2737BrFIN (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 716.1;実測値: 716.1。
濃縮残留物に対して、オルトギ酸トリエチル(0.45mL、2.68mmol)及びトルエン(10mL)を添加した。混合物を100℃で一晩加熱した後、室温に冷却し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(0-10%MeOH/CHCl)によって精製して、所望の生成物(534mg、収率55%)を得た。C2835BrFIN (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 726.1;実測値: 726.1。
ステップ4.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000098
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-ヨード-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-ヨード-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、中間体8のステップ2に記載の手順に従って調製した。C2938BrFN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 614.2;実測値614.3。
ステップ5.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000099
ジオキサン(5.5mL)/水(1.1mL)中のtert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(785mg、1.277mmol)、(2-クロロ-3-メチルフェニル)ボロン酸(283mg、1.661mmol)、炭酸ナトリウム(542mg、5.11mmol)、及びPd(PhP)(221mg、0.192mmol)の混合物の排気及び窒素の再充填(このプロセスを全部で3回繰り返した)を実施した。反応物を90℃で3時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水、ブラインで洗浄した。有機層を濾過し、MgSOで脱水し、濃縮し、分取LCMSによって精製した。C3644ClFN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 660.3 ;実測値660.3。
ステップ6.2-((2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000100
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例1a及び実施例1bのステップ2に記載の手順に従って調製した。生成物をジアステレオマーの混合物として単離した。C3539ClFO (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 646.3;実測値646.3。H NMR (600 MHz, DMSO) δ 10.66 - 10.31 (s, 1H), 8.54 - 8.50 (m, 1H), 7.96 - 7.82 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.51 - 7.46 (m, 1H), 7.44 - 7.37 (td, J = 7.6, 2.4 Hz, 1H), 7.29 - 7.17 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.89 - 6.80 (m, 2H), 5.60 - 5.39 (m, 1H), 5.36 - 4.85 (m, 1H), 5.24 - 5.11 (dd, J = 46.5, 2.5 Hz, 2H), 4.79 - 4.19 (m, 5H), 3.72 - 3.56 (m, 1H), 3.49 - 3.14 (m, 2H), 2.85 - 2.75 (s, 6H), 2.49 - 2.03 (m, 10H), 1.71 - 1.61 (s, 3H)。
実施例13.2-((2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000101
ステップ1.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-4-クロロ-6-フルオロ-8-ヨード-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000102
この化合物は、実施例12のステップ1に記載の手順、次いでステップ3に記載の手順に従って調製した。C2222BrClFIN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 648.0;実測値648.0。
ステップ2.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-ヨード-4-(メチルチオ)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000103
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-4-クロロ-6-フルオロ-8-ヨード-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-4-クロロ-6-フルオロ-8-ヨード-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、中間体4のステップ2に記載の手順に従って調製した。C2325BrFINS (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 660.0;実測値: 660.0。
ステップ3.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000104
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-ヨード-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-ヨード-4-(メチルチオ)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、中間体8のステップ2に記載の手順に従って調製した。C2428BrFNS (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 548.1;実測値548.1。
ステップ4.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000105
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例12のステップ5に記載の手順に従って調製した。C3134ClFNS (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 594.2;実測値594.3。
ステップ5.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000106
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-6-イル)-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例7のステップ2~3に記載の手順に従って調製した。C3745ClFN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 675.3;実測値675.3。
ステップ6.2-((2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000107
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用し、(E)-4-フルオロブタ-2-エン酸の代わりに2-フルオロアクリル酸を使用して、実施例1a及び実施例1bのステップ2に記載の手順に従って調製した。生成物をジアステレオマーの混合物として単離した。C3538ClF (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 647.3;実測値647.3。
実施例14a及び14b.8-(1-((2R,4S)-1-アクリロイル-2-メチルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリル
Figure 2024527567000108
ステップ1.tert-ブチル(2R,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-ヨード-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-メチルピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000109
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-4-アミノ-2-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2R,4S)-4-アミノ-2-メチルピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、中間体4に記載の手順に従って調製した。C2125BrFINS (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 636.0;実測値: 636.0。
ステップ2.tert-ブチル(2R,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-メチルピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000110
ジオキサン(60mL)及び水(20mL)中のtert-ブチル(2R,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-ヨード-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-メチルピペリジン-1-カルボキシレート(5g、7.86mmol)、メチルボロン酸(0.941g、15.72mmol)、リン酸カリウム(5.00g、23.57mmol)、及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(II)(0.827g、1.179mmol)の混合物を90℃に加熱し、90℃で3時間撹拌した。その後、混合物を室温に冷却し、AcOEt及び水で希釈し、分離した。水層をAcOEtで抽出し、統合した有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(CHCl中0-20%EtOAc)によって精製して、所望の生成物を褐色の固体として得た。C2228BrFNS (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 524.1;実測値524.1。
ステップ3.tert-ブチル(2R,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-メチルピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000111
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-6-イル)-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2R,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-メチルピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例7のステップ2~3に記載の手順に従って調製した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM中20-80%AcOEt)によって精製して、所望の生成物を褐色の固体として得た。C2839BrFN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 605.2;実測値605.2。
ステップ4.tert-ブチル(2R,4S)-4-(7-(8-シアノナフタレン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-メチルピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000112
ジオキサン(8mL)及び水(2mL)中のtert-ブチル(2R,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-メチルピペリジン-1-カルボキシレート(200mg、0.330mmol)、8-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-ナフトニトリル(184mg、0.661mmol)、リン酸三カリウム(351mg、1.651mmol)、及びSPhos Pd G4(79mg、0.099mmol)の混合物を90℃に加熱した。同じ温度で3時間撹拌した後、混合物を室温に冷却し、EtOAc及び水で希釈し、分離した。水層をAcOEtで抽出し、統合した有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(CHCl中20-80%EtOAc)によって精製して、所望の生成物を褐色の固体として得た。C3945FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 678.4;実測値678.4。
ステップ5.8-(1-((2R,4S)-1-アクリロイル-2-メチルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリル
Figure 2024527567000113
tert-ブチル(2R,4S)-4-(7-(8-シアノナフタレン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-メチルピペリジン-1-カルボキシレート(400mg、0.578mmol)を5mLのTFAに溶解した。混合物を室温で10分間撹拌した後、溶媒を除去した。
残留物をアセトニトリル(10mL)に溶解し、EtN(484μl、3.47mmol)を添加した。0℃で数分間撹拌した後、濁った混合物が透明溶液になった。アクリロイルクロリド(94μl、1.157mmol)を添加した。混合物を0℃で30分間撹拌した後、TFAで希釈し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用して精製して、所望の生成物を得た。
実施例14a.ジアステレオマー1.ピーク1.C3739FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 632.3;実測値632.3。
実施例14b.ジアステレオマー2.ピーク2.C3739FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 632.3;実測値632.3。
H NMR (500 MHz, DMSO) δ 9.87 (s, 1H), 8.51 (dd, J = 8.5, 1.4 Hz, 1H), 8.31 (dd, J = 8.3, 1.3 Hz, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.14 (dd, J = 7.2, 1.3 Hz, 1H), 7.87 (dd, J = 8.3, 7.1 Hz, 1H), 7.77 (dd, J = 8.3, 7.2 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 6.93 - 6.87 (m, 1H), 6.16 (dd, J = 16.7, 2.4 Hz, 1H), 5.95 (s, 1H), 5.73 (dd, J = 10.5, 2.4 Hz, 1H), 5.51 (dd, J = 10.1, 5.9 Hz, 1H), 5.08 (s, 1H), 4.68 (s, 1H), 4.27 (d, J = 13.9 Hz, 1H), 3.95 (dd, J = 7.8, 7.7 Hz, 1H), 3.68 (s, 1H), 3.57 (dq, J = 12.2, 6.2 Hz, 1H), 3.17 (m, J = 4.9 Hz, 3H), 2.46 (d, J = 9.7 Hz, 2H), 2.35 - 2.26 (m, 2H), 2.22 (s, 3H), 2.10 (td, J = 11.8, 5.2 Hz, 1H), 1.93 (tq, J = 14.3, 6.8 Hz, 2H), 1.58 (d, J = 6.1 Hz, 4H), 1.51 (d, J = 7.0 Hz, 2H)。
実施例15a及び15b.2-((2S,4S)-4-(7-(5,6-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)アゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000114
ステップ1.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000115
ジオキサン(12mL)及び水(6mL)中の中間体8(1g、1.755mmol)、5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール(0.938g、2.63mmol)、リン酸三カリウム(1.862g、8.77mmol)、及びPd(PhP)(0.203g、0.175mmol)の混合物を100℃に加熱し、100℃で2時間撹拌した。その後、混合物を室温に冷却し、AcOEt及び水で希釈し、分離した。水層をEtOAcで抽出し、統合した有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(CHCl中10-40%EtOAc)によって精製して、所望の生成物を褐色の固体として得た。C3744FNS (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 699.3;実測値699.3。
ステップ2.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)アゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000116
この化合物は、ステップ2においてtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用し、ステップ3においてN,N,3-トリメチルアゼチジン-3-アミンの代わりにN-エチル-N-メチルアゼチジン-3-アミン二塩酸塩を使用して、実施例6のステップ2~3に記載の手順に従って調製した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(CHCl中20-80%EtOAc)によって精製して、所望の生成物を褐色の固体として得た。C4254FN10 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 765.4;実測値765.3。
ステップ3.2-((2S,4S)-4-(7-(5,6-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)アゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000117
tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)アゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(378mg、0.494mmol)をTFA(5mL)に溶解した。混合物を60℃で10分間撹拌した後、溶媒を除去した。残留物を2-フルオロアクリル酸(131mg、1.455mmol)と混合した後、アセトニトリル(10mL)を添加してから、DIPEA(506μl、2.89mmol)及びT3P(853μl、EtOAc中50%、1.447mmol)を添加した。室温で一晩撹拌した後、混合物をTFAで希釈し、濾過し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用して精製して、所望の生成物をTFA塩として得た。
実施例15a.ジアステレオマー1.ピーク1.C353910O (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 653.3;実測値653.3。H NMR (600 MHz, DMSO) δ 13.02 (s, br, 1H), 10.21 (s, br, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.47 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 5.86 (td, J = 11.4, 5.5 Hz, 1H), 5.45 - 5.38 (m, 1H), 5.33 (m, 1H), 4.69 (s, 8H), 4.40 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.15 (s, 1H), 3.73 (s, 1H), 3.36 (dd, J = 17.2, 6.6 Hz, 2H), 3.11 (m, 1H), 2.86 (s, 3H), 2.49 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 2.47 (s, 3H), 2.13 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), 1.25 (t, J = 7.3 Hz, 3H)。
実施例15b.ジアステレオマー2.ピーク2.C353910O (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 653.3;実測値653.3。
実施例16a及び実施例16b.8-(6-フルオロ-1-(1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-4-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリル
Figure 2024527567000118
実施例11のステップ1~4由来の8-(6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1-(ピペリジン-4-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリル(600mg、0.854mmol)、プロピルホスホン酸無水物溶液(EtOAc中50%、1.6mL、2.56mmol)、(E)-4-フルオロブタ-2-エン酸(267mg、2.56mmol)、及びアセトニトリル(15mL)を丸底フラスコに入れた。反応フラスコを0℃に冷却し、TEA(1.7mL、12.8mmol)を反応物に添加した。室温で2時間撹拌した後、NaHCO水溶液(10mL)で反応物をクエンチし、EtOAc(25mL×3)で抽出し、濃縮した。粗混合物をアセトニトリルに再溶解し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用して精製して、所望の生成物を得た。
実施例16a.ジアステレオマー1.ピーク1.C3738 (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 650.3;実測値: 650.3。
実施例16b.ジアステレオマー2.ピーク2.C3738 (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 650.3;実測値: 650.3。
実施例17a及び実施例17b.8-(1-((2S,4S)-2-(シアノメチル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-4-イル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリル
Figure 2024527567000119
ステップ1.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000120
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりに中間体8を使用して、実施例6のステップ2~3に記載の手順に従って調製した。粗残留物をシリカ(DCM中0-10%MeOH)で精製して、所望の生成物を褐色の固体(700mg、収率63%)として得た。C2837BrFN(M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 615.2;実測値: 615.2。
ステップ2.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(8-シアノナフタレン-1-イル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000121
tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(500mg、0.79mmol)、SPhos Pd G4(97mg、0.12mmol)、8-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-ナフトニトリル(453mg、1.63mmol)、KPO(571mg、2.44mmol)、ならびにジオキサン(9mL)及びHO(3mL)を反応バイアルに入れた。混合物にNを5分間通気した後、混合物を90℃で2時間加熱した。完了時点で、反応物を室温に冷却し、EtOAc(30mL)で希釈し、水(20mL)で洗浄した。有機相を分離し、MgSOで脱水し、シリカ(DCM中0-10%MeOH)で精製して、所望の生成物を褐色の固体(358mg、収率64%)として得た。C3943FN(M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 688.4;実測値: 688.3。
ステップ3.8-(1-((2S,4S)-2-(シアノメチル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-4-イル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリル
Figure 2024527567000122
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(8-シアノナフタレン-1-イル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用し、(E)-4-フルオロブタ-2-エン酸の代わりに2-フルオロアクリル酸を使用して、実施例1a及び実施例1bのステップ2に記載の手順に従って調製した。
実施例17a.ジアステレオマー1.ピーク1.C3736O (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 660.3;実測値: 660.3。H NMR (600 MHz, DMSO) δ 8.48 (dd, J = 8.4, 1.3 Hz, 1H), 8.28 (dd, J = 8.4, 1.3 Hz, 1H), 8.12 (dd, J = 7.1, 1.3 Hz, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.85 (dd, J = 8.3, 7.1 Hz, 1H), 7.75 (dd, J = 8.3, 7.1 Hz, 1H), 7.62 (dd, J = 7.1, 1.3 Hz, 1H), 5.90-5.75 (m, 1H), 5.45-5.30 (m, 2H), 4.00-4.50 (m, 11H), 2.85 (s, 6H), 2.50 (s, 1H), 2.20-2.15 (m, 4H), 1.70 (s, 3H).
実施例17b.ジアステレオマー2.ピーク2.C3736O (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 660.3;実測値: 660.3。
実施例18a及び18b.2-((2S,4S)-4-(6,8-ジクロロ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000123
ステップ1.7-ブロモ-6,8-ジクロロ-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン
Figure 2024527567000124
1,4-ジオキサン(100mL)中の2-アミノ-4-ブロモ-3-クロロ安息香酸(10.0g、39.9mmol)の溶液に対してNCS(5.6g、41.9mmol)を添加した後、反応物を70℃で一晩撹拌した。混合物を室温に冷却した後、トリホスゲン(4.7g、15.96mmol)を添加してから、80℃で2時間撹拌した。完了時点で、氷を添加し、混合物を30分間撹拌した。濾過を介して固体沈殿物を収集し、氷水で洗浄して、所望の生成物を得た。
ステップ2.7-ブロモ-6,8-ジクロロ-3-ニトロキノリン-2,4-ジオール
Figure 2024527567000125
室温のトルエン(40.0mL)中のエチル2-ニトロアセテート(2.66g、19.97mmol)の溶液に対してDIPEA(3.49mL、19.97mmol)を添加した。10分間撹拌した後、7-ブロモ-6,8-ジクロロ-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン(3.1g,10.0mmol)を添加し、得られた混合物を95℃で3時間撹拌した。反応物を氷水で冷却した後、濾過を介して固体を収集し、少量の酢酸エチルで洗浄して、所望の生成物を黄色の固体(1.05g、30%)として得た。CBrCl (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 352.9;実測値353.0。
ステップ3.7-ブロモ-2,4,6,8-テトラクロロ-3-ニトロキノリン
Figure 2024527567000126
室温のPOCl(6.0mL、64.4mmol)中の7-ブロモ-6,8-ジクロロ-3-ニトロキノリン-2,4-ジオール(1.0g、2.82mmol)の混合物に対してDIPEA(0.98mL、5.6mmol)を添加した。その後、反応物を100℃で3時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。濃縮残留物を酢酸エチルに再溶解した後、NaHCO水溶液で洗浄した。統合した有機層を減圧下で濃縮して粗生成物を得た。これを追加精製せずに次のステップに直接使用した。
ステップ4.tert-ブチル(2S,4S)-4-((7-ブロモ-6,8-ジクロロ-2-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-3-ニトロキノリン-4-イル)アミノ)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000127
CHCl(10mL)中の7-ブロモ-2,4,6,8-テトラクロロ-3-ニトロキノリン(1g、2.56mmol)の溶液に対して、DIPEA(1.8mL、10.24mmol)及び中間体7(730mg、3.0mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した後、N,N,3-トリメチルアゼチジン-3-アミン(350mg、3.0mmol)を添加し、完了まで混合物を室温で撹拌した。反応物をCHClで希釈した後、飽和NHCl溶液で洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を追加精製せずに次のステップに直接使用した。C2735BrCl (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 670.1;実測値670.1。
ステップ5.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-6,8-ジクロロ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000128
THF/MeOH/HO(1:1:1)(30mL)中のtert-ブチル(2S,4S)-4-((7-ブロモ-6,8-ジクロロ-2-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-3-ニトロキノリン-4-イル)アミノ)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.7g、2.56mmol)、鉄(1.43g、25.6mmol)、及びNHCl(1.37g、25.6mmol)のスラリーを65℃で30分間加熱した。完了時点で、反応物をMeOHで希釈し、濾過した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をNaHCOで塩基性化し、CHClで抽出した。溶媒を減圧下で除去した。
濃縮残留物を酢酸(5mL)に再溶解し、亜硝酸ナトリウム(176mg、5.12mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。完了時点で、溶媒を減圧下で除去し、残留物をNaHCOで塩基性化し、CHClで抽出した。統合した有機層をMgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して乾燥させ、シリカゲルで精製して、所望の生成物(1.0g、60%)を得た。C2734BrCl (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 651.1;実測値651.0。
ステップ6.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6,8-ジクロロ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000129
ジオキサン/HO=4:1(10mL)中のtert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-6,8-ジクロロ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(650mg、1.0mmol)の溶液に対して、KPO(850mg、4mmol)、(5-フルオロキノリン-8-イル)ボロン酸(286mg、1.5mmol)、及びPd(PPh(80mg、0.07mmol)を添加し、反応混合物を90℃に1.5時間加熱した。完了時点で、反応物を水で希釈し、CHClで抽出し、統合した有機層をMgSOで脱水し、濾過し、濃縮して乾燥させ、シリカゲルで精製して、所望の生成物をジアステレオマーの混合物(550mg、76%)として得た。C3639ClFN (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 718.3;実測値718.2。
ステップ7.2-((2S,4S)-4-(6,8-ジクロロ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000130
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6,8-ジクロロ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例6のステップ4に記載の手順に従って調製した。分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/NHOH0.15%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用して生成物を精製して、所望の生成物を得た。
実施例18a.ジアステレオマー1.ピーク1.C3637ClFN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 716.2;実測値716.2。
実施例18b.ジアステレオマー2.ピーク2.C3637ClFN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 716.2;実測値716.2。
実施例19a及び19b.2-((2S,4S)-4-(6,8-ジクロロ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000131
この化合物は、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6,8-ジクロロ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例1a及び実施例1bのステップ2に記載の手順に従って調製した。
実施例19a.ジアステレオマー1.ピーク1.C3534ClO (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 704.2;実測値704.2。
実施例19b.ジアステレオマー2.ピーク2.C3534ClO (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 704.2;実測値704.2。
実施例20.2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000132
この化合物は、(E)-4-フルオロブタ-2-エン酸の代わりに(E)-4-メトキシブタ-2-エン酸を使用して、実施例1a及び実施例1b(実施例1aについてはステップ2)に記載の手順に従って調製した。
ステップ1.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000133
中間体3(1.3g、1.9mmol)、XPhos Pd G2(76mg、0.097mmol)、(5-フルオロキノリン-8-イル)ボロン酸(408mg、2.1mmol)、KPO(1.24g、5.83mmol)、ならびにジオキサン(5mL)及びHO(1mL)を反応バイアルに入れた。混合物にNを5分間通気した後、混合物を90℃で1時間加熱した。完了時点で、反応物を室温に冷却し、EtOAc(20mL)で希釈し、NHCl水溶液(20mL)で洗浄した。有機相を分離し、MgSOで脱水し、濾過した後、濃縮した。粗生成物をシリカ(20g、CHCl中50-100%EtOAc)によって最初に精製した後、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/NHOH0.15%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用してさらに精製して、ジアステレオマー(白色の非晶質粉末、合算収率21%)を分離した。
ジアステレオマー1.ピーク1.C3739 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 736.3;実測値736.2。
ジアステレオマー2.ピーク2.C3739 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 736.3;実測値736.2。
ステップ2.2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
ステップ1由来のtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(ジアステレオマー1、300mg、0.41mmol)を入れた反応バイアルに対してTFA(1mL)を室温で添加した。15分間撹拌した後、揮発性物質を除去した。残留物をアセトニトリル(4mL)に再溶解し、0℃に冷却した。DIPEA(0.21mL)を反応物に添加した後、(E)-4-メトキシブタ-2-エン酸(71mg、0.61mmol)及びプロピルホスホン酸無水物溶液(EtOAc中50%、0.50mL、0.82mmol)を添加した。0℃で10分間撹拌した後、反応物をNaHCO水溶液(5mL)でクエンチし、EtOAc(5mL)で抽出し、ブラインで洗浄し、濃縮した。粗生成物をアセトニトリルに再溶解し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用して精製して、実施例20(単一のジアステレオマー)を白色の非晶質粉末の形態のTFA塩として得た。C3737 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 734.3;実測値734.4。H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.80 (s, 1H), 8.87 (dd, J = 4.2, 1.7 Hz, 1H), 8.62 (dd, J = 8.5, 1.8 Hz, 1H), 8.41 (s, 1H), 7.82 (dd, J = 8.0, 5.9 Hz, 1H), 7.70 (dd, J = 8.5, 4.1 Hz, 1H), 7.65 (dd, J = 9.7, 8.0 Hz, 1H), 6.81 - 6.72 (m, 2H), 5.93 (s, 1H), 5.31 (s, 1H), 4.96 (m, 2H), 4.76 - 4.32 (m, 2H), 4.11 (d, J = 3.1 Hz, 2H), 3.67 - 3.34 (m, 2H), 3.33 (s, 3H), 3.19 (td, J = 16.6, 10.1 Hz, 2H), 2.84 (s, 6H), 2.49 - 2.43 (m, 2H), 2.33 (s, 1H), 2.21 (d, J = 15.7 Hz, 1H), 1.71 (s, 3H)。
実施例21.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(4-フルオロイソキノリン-1-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000134
ステップ1.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000135
tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(315mg、0.5mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(165mg、0.65mmol)、Pd(dppf)Cl(36mg、0.05mmol)、酢酸カリウム(147mg、1.5mmol)、及びジオキサン(5mL)を反応バイアルに入れた。混合物にNを5分間通気した後、混合物を80℃で16時間加熱した。完了時点で、反応物を室温に冷却し、DCM(100mL)で希釈し、NHCl水溶液(20mL)で洗浄した。有機相を分離し、MgSOで脱水し、濾過した後、濃縮した。粗生成物を追加精製せずに次のステップに使用した。
ステップ2.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(4-フルオロイソキノリン-1-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000136
直前のステップ1の粗tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート、1-クロロ-4-フルオロイソキノリン(118mg、0.65mmol)、Pd(PPh(58mg、0.05mmol)、KPO(318mg、1.5mmol)、ジオキサン(4mL)、及び水(1mL)を反応バイアルに入れた。混合物を90℃で1時間加熱した。完了時点で、反応物を室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、NHCl水溶液(20mL)で洗浄した。有機相を分離し、MgSOで脱水し、濾過した後、濃縮した。
粗生成物を5mLのDCM/TFA(1:1)溶液に溶解した。完了時点で、反応物を濃縮した。粗生成物をアセトニトリルに再溶解し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用して精製して、所望の生成物をジアステレオマーの混合物として得た。C3335O (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 597.3;実測値597.3。
ステップ3.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(4-フルオロイソキノリン-1-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(4-フルオロイソキノリン-1-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル(30mg、0.05mmol)、DIPEA(0.087mL、0.5mmol)、(E)-4-メトキシブタ-2-エン酸(12mg、0.1mmol)、1mL MeCN、及びプロピルホスホン酸無水物溶液(EtOAc中50%、0.06mL、0.1mmol)を反応バイアルに入れた。0℃で10分間撹拌した後、反応物をアセトニトリルで希釈し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用して精製して、所望の生成物をジアステレオマーの混合物として得た。
実施例21. C3841 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 695.3;実測値695.3。
実施例22.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(4-フルオロイソキノリン-1-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000137
この化合物は、(E)-4-メトキシブタ-2-エン酸の代わりに2-フルオロアクリル酸を使用して、実施例21に記載の手順に従って調製した。
実施例22. C3636 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 669.3;実測値669.3。
実施例23a及び実施例23b.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(3-メチルイソキノリン-4-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000138
ステップ1.3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソキノリン
Figure 2024527567000139
ジオキサン(20.0mL)中の4-ブロモ-3-メチルイソキノリン(1.110g、5.0mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(2.285g、9.00mmol)、酢酸カリウム(1.472g、15.00mmol)、及びPdCl(dppf)(0.366g、0.500mmol)の混合物を105℃で5時間撹拌した。溶媒を除去し、生成物をヘキサン/EtOAc(最大EtOAc80%)で溶出させてカラムによって精製した。C1621BNO (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 270.1 ;実測値270.1。
ステップ2.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(3-メチルイソキノリン-4-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000140
ジオキサン(2ml)/水(0.4ml)中のtert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(45.0mg、0.071mmol)、3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソキノリン(28.8mg、0.107mmol)、リン酸カリウム(45.4mg、0.214mmol)、及びメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル)(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(SPhos Pd G4)(5.68mg、7.14μmol)の混合物の減圧及びその後のN2の再充填を2回実施した後、反応物を95℃で4時間撹拌した。混合物をMeCNで希釈した後、PH=10の下での分取HPLCによって精製した。溶媒を除去し、残留物をMeCN(1.0mL)に溶解した後、TFA(1.0mL)を添加し、反応物を室温で40分間撹拌した。溶媒を除去し、粗生成物を次のステップに直接使用した。C3438FNO (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 593.3 ;実測値593.4。
ステップ3.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(3-メチルイソキノリン-4-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
0℃の酢酸エチル(0.8ml)中の2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(3-メチルイソキノリン-4-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル(4.0mg、6.75μmol)、2-フルオロアクリル酸(1.215mg、0.013mmol)、及び1-プロパンホスホン酸環式無水物(EtOAc中T3P50%)(4.02μl、0.013mmol)の溶液に対してトリエチルアミン(5.64μl、0.040mmol)を添加した後、反応物を30分間撹拌した。溶媒を除去し、粗生成物をアセトニトリルに再溶解し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用して精製して、生成物をTFA塩として得た。
実施例23a.ジアステレオマー1.ピーク1.C3739 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 665.3;実測値665.4。
実施例23b.ジアステレオマー2.ピーク2.C3739 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 665.3;実測値665.4。H NMR (600 MHz, DMSO) δ 9.46 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 8.27 (m, 1H), 7.72 (m, 2H), 7.22 (m, 1H), 5.94 (m 1H), 5.64 (m, 1H), 5.28-5.37 (m, 2H), 3.96 (q, 1H), 3.63 (m, 3H), 3.54 (m, 1H), 3.38 (m, 2H), 3.21 (m, 1H), 3.16 (s, 3H), 2.51(m, 4H), 2.40 (s, 3H), 2.34 (m, 1H), 2.19 (s, 3H), 2.13 (m, 1H), 1.97 (m, 2H), 1.59 (d, 3H)。
実施例24a及び実施例24b.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(3-メチルイソキノリン-4-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000141
この化合物は、2-フルオロアクリル酸の代わりに(E)-4-メトキシブタ-2-エン酸を使用して、実施例23a及び実施例23bのステップ3に記載の手順に従って調製した。
実施例24a.ジアステレオマー1.ピーク1.C3944FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 691.3;実測値691.5。
実施例24b.ジアステレオマー2.ピーク2.C3944FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 691.3;実測値691.5。
実施例25a及び実施例25b.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(7-フルオロ-2-メチルキノリン-8-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000142
ステップ1.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(7-フルオロ-2-メチルキノリン-8-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000143
この化合物は、3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソキノリンの代わりに(7-フルオロ-2-メチルキノリン-8-イル)ボロン酸を使用して、実施例23a及び実施例23bのステップ2に記載の手順に従って調製した。C3437O (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 611.3 ;実測値611.4。
ステップ2.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(7-フルオロ-2-メチルキノリン-8-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
この化合物は、2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(3-メチルイソキノリン-4-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリルの代わりに2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(7-フルオロ-2-メチルキノリン-8-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリルを使用して、実施例23a及び実施例23bのステップ3に記載の手順に従って調製した。
実施例25a.ジアステレオマー1.ピーク1.C3738 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 683.3;実測値683.4。
実施例25b.ジアステレオマー2.ピーク2.C3738 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 683.3;実測値683.4。
実施例26a及び実施例26b.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチルイソキノリン-4-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000144
ステップ1.(1-メチルイソキノリン-4-イル)ボロン酸
Figure 2024527567000145
ジオキサン(5.0ml)中の4-ブロモ-1-メチルイソキノリン(0.222g、1.0mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(0.457g、1.800mmol)、酢酸カリウム(0.294g、3.00mmol)、及びPdCl2(dppf)(0.073g、0.100mmol)の混合物を105℃で4時間撹拌した。生成物をPH=2(TFA)の下で分取HPLCによって精製した。C1011BNO (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 188.1;実測値188.1。
ステップ2.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチルイソキノリン-4-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000146
この化合物は、3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソキノリンの代わりに(1-メチルイソキノリン-4-イル)ボロン酸を使用して、実施例23a及び実施例23bのステップ2に記載の手順に従って調製した。C3438FNO (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 593.3 ;実測値593.4。
ステップ3.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチルイソキノリン-4-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
0℃の酢酸エチル(0.8ml)中の2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチルイソキノリン-4-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル(4.0mg、6.75μmol)、(E)-4-メトキシブタ-2-エン酸(1.567mg、0.013mmol)、及び1-プロパンホスホン酸環式無水物(EtOAc中T3P50%)(4.02μl、0.013mmol)の溶液に対してトリエチルアミン(5.64μl、0.040mmol)を添加した後、反応物を30分間撹拌した。溶媒を除去し、粗生成物をアセトニトリルに再溶解し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用して精製して、生成物をTFA塩として得た。
実施例26a.ジアステレオマー1.ピーク1.C3944FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 691.4;実測値691.5。
実施例26b.ジアステレオマー2.ピーク2.C3944FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 691.4;実測値691.5。
実施例27a及び実施例27b.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(7-フルオロキノリン-8-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000147
ステップ1.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(7-フルオロキノリン-8-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000148
この化合物は、3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソキノリンの代わりに(7-フルオロキノリン-8-イル)ボロン酸を使用して、実施例23a及び実施例23bのステップ2に記載の手順に従って調製した。C3335O (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 597.3 ;実測値597.4。
ステップ2.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(7-フルオロキノリン-8-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
この化合物は、2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(3-メチルイソキノリン-4-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリルの代わりに2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(7-フルオロキノリン-8-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリルを使用して、実施例23a及び実施例23bのステップ3に記載の手順に従って調製した。
実施例27a.ジアステレオマー1.ピーク1.C3636 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 669.3;実測値669.4。
実施例27b.ジアステレオマー2.ピーク2. C3636 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 669.3;実測値669.4。
実施例28a及び実施例28b.2-(4-(1-((2R,4S)-1-アクリロイル-2-メチルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000149
ステップ1.(4-ブロモ-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)メタノール
Figure 2024527567000150
THF(20mL)中のメチル4-ブロモ-1H-インダゾール-3-カルボキシレート(1.2g、4.70mmol)及びヨードメタン(1.07g,7.5mmol)の混合物に対して水素化ナトリウム(0.34g、8.47mmol、鉱物油中60%分散液)を0℃で添加した。反応混合物を5分間撹拌し、室温に温め、その時点で一晩撹拌した。完了時点で、反応混合物をNHCl水溶液(5mL)でクエンチした。水相をEtOAc(10mL×3)で抽出し、MgSOで脱水し、濾過し、濃縮した。得られた粗混合物をTHF(20mL)に溶解し、-78℃に冷却し、その時点で、シリンジによってLiAlH(11.7mL、11.7mmol、THF中1M)を徐々に添加した。反応混合物を0℃に温め、さらに15分間撹拌し、その時点で、NHCl水溶液(10mL)を徐々に添加した。水相をEtOAc(10mL×3)で抽出し、MgSOで脱水し、濾過し、濃縮した。粗混合物を追加精製せずに次のステップに使用した。C10BrNO (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 241.0 ;実測値241.0。
ステップ2.2-(4-ブロモ-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000151
-78℃で冷却したCHCl(10mL)中の(4-ブロモ-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)メタノール(0.67g、2.77mmol)に対して、PBr(0.39mL、4.16mmol)を徐々に添加した。同じ温度で反応混合物を1時間撹拌し、その時点で、反応混合物をNaHCO水溶液(5mL)で慎重にクエンチした。水相をEtOAc(20mL×3)で抽出し、MgSOで脱水し、濾過し、濃縮した。粗混合物にDMSO(8mL)を添加した後、NaCN(0.41g、8.32mmol)を室温で添加した。反応混合物を60℃で3時間撹拌し、完了時点で室温に冷却し戻した。水(20mL)を反応フラスコに添加し、所望の生成物を析出させた。その後、濾過によって所望の生成物を収集し、水で洗浄し、4時間風乾させた。C10BrN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 250.0 ;実測値250.0。
ステップ3.2-(1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール-3-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000152
ジオキサン(3mL)中の2-(4-ブロモ-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)アセトニトリル(0.12g、0.48mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(0.18g、0.72mmol)、酢酸カリウム(0.15g、1.54mmol)、及びPdCl(dppf)(0.024g、0.033mmol)を95℃で3時間撹拌した。溶媒を除去し、生成物をヘキサン/EtOAc(最大EtOAc50%)で溶出してシリカゲルカラムによって精製した。C1621BN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 298.2 ;実測値298.2。
ステップ4.tert-ブチル(2R,4S)-4-(7-(3-(シアノメチル)-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-メチルピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000153
ジオキサン/HO=4:1(2mL)中の、実施例14a及び実施例14bのステップ3由来のtert-ブチル(2R,4S)-4-(7-ブロモ-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-メチルピペリジン-1-カルボキシレート(40mg、0.066mmol)の溶液に対して、KPO(49mg、0.23mmol)、2-(1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール-3-イル)アセトニトリル(29mg、0.099mmol)、及びSPhosPdG(7.9mg、0.01mmol)を添加し、反応混合物を90℃に1.5時間加熱した。完了時点で、反応物を水で希釈し、EtOAc(2mL×3)で抽出し、MgSOで脱水し、濾過し、濃縮した。粗混合物をCHCl/MeOH(最大MeOH10%)で溶出してシリカゲルで精製して、所望の生成物をジアステレオマーの混合物(20mg、44%)として得た。C3847FN (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 696.4 ;実測値696.4。
ステップ5.2-(4-(1-((2R,4S)-1-アクリロイル-2-メチルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000154
この化合物は、tert-ブチル(2R,4S)-4-(7-(8-シアノナフタレン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-メチルピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2R,4S)-4-(7-(3-(シアノメチル)-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-メチルピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例14a及び実施例14bのステップ5に従って調製した。混合物を分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用して精製して、所望の生成物を得た。
実施例28a.ジアステレオマー1.ピーク1.C3641FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 650.3 ;実測値650.3。
実施例28b.ジアステレオマー2.ピーク2.C3641FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 650.3 ;実測値650.3。
実施例29.2-((2S,4S)-4-(4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000155
ステップ1.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-7-(6-フルオロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000156
ジオキサン(25ml)/水(12ml)中の中間体8(2g、3.64mmol)、6-フルオロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール(1.967g、5.46mmol)、リン酸三カリウム(3.86g、18.20mmol)、及びPd(PhP)(0.421g、0.364mmol)の混合物の減圧及びNの再充填を2回実施した後、反応物を102℃で2時間撹拌した。その後、混合物を室温に冷却し、AcOEt及び水で希釈し、分離した。水層をEtOAcで抽出し、統合した有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(CHCl中10-40%EtOAc)によって精製して、所望の生成物を褐色の固体として得た。C3641S (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 703.3;実測値703.3。
ステップ2.2-((2S,4S)-4-(4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000157
0℃のCHCl(30ml)中のtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-7-(6-フルオロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(2.4g、3.41mmol)の溶液に対してmCPBA(77%wet)(0.842g、3.76mmol)を添加した後、この温度で反応物を20分間撹拌した。Na及びNaCOの飽和水溶液を添加することによって反応物をクエンチし、CHClで希釈し、分離した。水層をCHClで抽出した。統合した有機層をNaSOで脱水し、濃縮して、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-7-(6-フルオロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)-8-メチル-4-(メチルスルフィニル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート及び対応スルホニル化合物の粗混合物を得る。この粗物質を次のステップに直接使用した。
tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(6-フルオロ-7-(6-フルオロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)-8-メチル-4-(メチルスルフィニル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(及び対応スルホニル化合物、2.4g、3.34mmol)ならびにN-エチル-N,3-ジメチルアゼチジン-3-アミン(0.428g、3.34mmol)を混合し、アセトニトリル(33.4ml)を添加した。懸濁液にDIPEA(1.166ml、6.68mmol)を添加した後、混合物を70℃に加熱し、同じ温度で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、粗生成物を褐色の固体として得た。
tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(6-フルオロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを10mlのTFAに溶解し、60℃に加熱し、同じ温度で10分間撹拌した。その後、室温に冷却し、アセトニトリルで希釈し、濾過し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用して精製して、ジアステレオマー(白色の非晶質粉末、合算収率53%)を分離した。
ジアステレオマー1.ピーク1.C323710 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 599.3;実測値599.3。
ジアステレオマー2.ピーク2.C323710 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 599.3;実測値599.3。
ステップ3.2-((2S,4S)-4-(4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
2-((2S,4S)-4-(4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリルビス(2,2,2-トリフルオロアセテート)(ジアステレオマー2、395mg、0.477mmol)を2-フルオロアクリル酸(134mg、1.488mmol)と混合してから、アセトニトリル(10mL)を添加した後、DIPEA(780μl、4.46mmol)及びT3P(877μl、AcOEt中50%、1.488mmol)を添加した。室温で一晩撹拌した後、混合物をTFAで希釈し、濾過し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用して精製して、実施例29(単一のジアステレオマー)を白色の非晶質粉末の形態のTFA塩として得た。
実施例29. C353810O (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 671.3;実測値671.3。H NMR (600 MHz, DMSO) δ 13.28 (s, br, 1H), 10.16 (s, br, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.47-7.44 (m, 2H), 5.86 (td, J = 11.4, 5.5 Hz, 1H), 5.45 - 5.38 (m, 2H), 5.16 (m, 1H), 4.77-4.73 (m, 2H), 4.50-4.36 (m, 4H), 3.66-3.44 (m, 2H), 3.36 (m, 2H), 3.11 (m, 1H), 2.81 (s, 3H), 2.49-2.45 (m, 2H), 2.17 (s, 3H), 2.03 (s, 3H), 1.71 (s, 3H), 1.27 (t, J = 7.3 Hz, 3H)。
実施例30.2-((2S,4S)-4-(7-(5,6-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000158
ステップ1.tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000159
ジオキサン(25ml)/水(12ml)中の中間体8(2g、3.64mmol)、5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール(1.945g、5.46mmol)、リン酸三カリウム(3.86g、18.20mmol)、及びPd(PhP)(0.421g、0.364mmol)の混合物の減圧及びNの再充填を2回実施した後、反応物を102℃で2時間撹拌した。その後、混合物を室温に冷却し、AcOEt及び水で希釈し、分離した。水層をEtOAcで抽出し、統合した有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(CHCl中10-40%EtOAc)によって精製して、所望の生成物を褐色の固体として得た。C3744FNS (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 699.3;実測値699.3。
ステップ2.2-((2S,4S)-4-(7-(5,6-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000160
0℃のCHCl(30ml)中のtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(2g、2.86mmol)の溶液に対してmCPBA(0.962g、77%湿潤、4.29mmol)を添加した後、この温度で反応物を20分間撹拌した。Na及びNaCOの飽和水溶液を添加することによって反応物をクエンチし、CHClで希釈し、分離した。水層をCHClで抽出した。統合した有機層をNaSOで脱水し、濃縮して、tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルスルフィニル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート及び対応スルホニル化合物の粗混合物を得る。この粗物質を次のステップに直接使用した。
tert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルスルフィニル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(及び対応スルホニル化合物、1.5g、2.098mmol)、N-エチル-N,3-ジメチルアゼチジン-3-アミン(0.323g、2.52mmol)を混合し、アセトニトリル(20ml)を添加した。懸濁液にDIPEA(1.832ml、10.49mmol)を添加した後、混合物を70℃に加熱し、同じ温度で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、粗生成物を褐色の固体として得た。
上記のように得たtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを10mlのTFAに溶解し、60℃に加熱し、同じ温度で10分間撹拌した。その後、室温に冷却し、アセトニトリルで希釈し、濾過し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用して精製して、ジアステレオマー(白色の非晶質粉末、合算収率51%)を分離した。
ジアステレオマー1.ピーク1.C3340FN10 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 595.3;実測値595.3。
ジアステレオマー2.ピーク2.C3340FN10 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 595.3;実測値595.3。
ステップ3.2-((2S,4S)-4-(7-(5,6-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
2-((2S,4S)-4-(7-(5,6-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリルビス(2,2,2-トリフルオロアセテート)(ジアステレオマー2、400mg、0.486mmol)及び2-フルオロアクリル酸(88mg、0.972mmol)を混合した後、アセトニトリル(10mL)を添加してから、DIPEA(849μl、4.86mmol)及びT3P(573μl、AcOEt中50%、0.972mmol)を添加した。室温で一晩撹拌した後、混合物をTFAで希釈し、濾過し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用して精製して、実施例30(単一のジアステレオマー)を白色の非晶質粉末の形態のTFA塩として得た。
実施例30.C364110O (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 667.3;実測値667.3。H NMR (600 MHz, DMSO) δ 13.02 (s, br, 1H), 10.18 (s, br, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.47 (s, 1H), 7.31 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 5.86 (td, J = 11.4, 5.5 Hz, 1H), 5.41 (dd, J = 18.2, 4.4 Hz, 1H), 5.38-4.62 (m, 9H), 3.73-3.56 (m, 2H), 3.36 (dd, J = 16.9, 6.8 Hz, 1H), 3.07 (td, J = 14.0, 5.2 Hz, 1H), 2.81 (s, 3H), 2.49 (s, 3H), 2.48-2.45 (m, 2H), 2.14 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), 1.71 (s, 3H), 1.27 (t, J = 7.3 Hz, 3H)。
実施例31a及び実施例31b.2-(4-(1-((2R,4S)-1-アクリロイル-2-メチルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-メチル-1H-インドール-3-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000161
ステップ1.2-(1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール-3-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000162
この化合物は、2-(4-ブロモ-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)アセトニトリルの代わりに2-(4-ブロモ-1-メチル-1H-インドール-3-イル)アセトニトリルを使用して、実施例28a及び実施例28bのステップ3に従って調製した。ヘキサン/EtOAc(最大EtOAc50%)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーを使用して混合物を精製した。C1722BN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 297.2 ;実測値297.2。
ステップ2.tert-ブチル(2R,4S)-4-(7-(3-(シアノメチル)-1-メチル-1H-インドール-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-メチルピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000163
この化合物は、2-(1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール-3-イル)アセトニトリルの代わりに2-(1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール-3-イル)アセトニトリルを使用して、実施例28a及び実施例28bのステップ4に従って調製した。粗混合物をCHCl/MeOH(最大MeOH10%)で溶出してシリカゲルで精製して、所望の生成物をジアステレオマーの混合物として得た。C3948FN (M+H)に対するLCMS計算値: m/z = 695.4 ;実測値695.4。
ステップ3.2-(4-(1-((2R,4S)-1-アクリロイル-2-メチルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-メチル-1H-インドール-3-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000164
この化合物は、tert-ブチル(2R,4S)-4-(7-(8-シアノナフタレン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-メチルピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2R,4S)-4-(7-(3-(シアノメチル)-1-メチル-1H-インドール-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-メチルピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例14a及び実施例14bのステップ5に従って調製した。混合物を分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用して精製して、所望の生成物を得た。
実施例31a.ジアステレオマー1.ピーク1.C3742FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 649.3 ;実測値649.3。
実施例31b.ジアステレオマー2.ピーク2.C3742FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 649.3 ;実測値649.3。H NMR (600 MHz, DMSO) δ 8.17 (s, 1H), 7.62 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.37 (dd, J = 8.3, 7.1 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 6.96-6.84 (m, 1H), 6.16 (dd, J = 16.6, 2.4 Hz, 1H), 5.95-5.85 (m, 1H), 5.73 (dd, J = 10.5, 2.4 Hz, 1H), 5.57 (dq, J = 12.4, 6.2 Hz, 1H), 4.73-4.62 (m, 1H), 4.31-4.20 (m, 1H), 3.97-3.91 (m, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.65-3.54 (m, 2H), 3.20-3.07 (m, 6H), 2.51-2.45 (m, 2H), 2.38-2.25 (m, 2H), 2.24 (s, 3H), 2.15-1.90 (m, 4H), 1.57-1.43 (m, 6H)。
実施例32a及び実施例32b.2-(4-(1-(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-メチル-1H-インドール-3-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000165
ステップ1.tert-ブチル4-(7-(3-(シアノメチル)-1-メチル-1H-インドール-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000166
この化合物は、8-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-ナフトニトリルの代わりに実施例31a及び実施例31bのステップ1由来の2-(1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール-3-イル)アセトニトリルを使用して、実施例11a及び実施例11bのステップ4に従って調製した。粗混合物をCHCl/MeOH(最大MeOH10%)で溶出してシリカゲルで精製して、所望の生成物をジアステレオマーの混合物として得た。C3846FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 681.4 ;実測値681.4。
ステップ2.2-(4-(1-(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-メチル-1H-インドール-3-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000167
この化合物は、tert-ブチル(2R,4S)-4-(7-(8-シアノナフタレン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-メチルピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル4-(7-(3-(シアノメチル)-1-メチル-1H-インドール-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例14a及び実施例14bのステップ5に従って調製した。混合物を分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用して精製して、所望の生成物を得た。
実施例32a.ジアステレオマー1.ピーク1.C3640FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 635.3 ;実測値635.3。
実施例32b.ジアステレオマー2.ピーク2.C3640FN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 635.3 ;実測値635.3。H NMR (600 MHz, DMSO) δ 8.26(s, 1H), 7.61 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.47 (s, 1H), 7.45-7.35 (m, 1H), 7.00 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 6.93 (dd, J = 16.7, 104 Hz, 1H), 6.18 (dd, J = 16.7, 2.5 Hz, 1H), 5.79-5.70 (m, 2H), 5.59-5.50 (m, 1H), 4.62-4.53 (m, 1H), 4.31-4.24 (m, 1H), 3.99-3.90 (m, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.70-3.11 (m, 10H), 2.51-2.18 (m, 8H), 1.58 (d, J = 6.1 Hz, 3H)。
実施例33a及び33b.2-((2S,4S)-4-(8-クロロ-7-(5,6-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000168
ステップ1.7-ブロモ-2,4,6-トリクロロ-8-フルオロ-3-ニトロキノリン
Figure 2024527567000169
この化合物は、ステップ1においてNISの代わりにNCSを使用して、中間体1に記載の手順に従って調製した。CBrClFN (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 372.8;実測値372.8。
ステップ2.tert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-8-クロロ-6-フルオロ-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000170
この化合物は、7-ブロモ-2,4-ジクロロ-8-フルオロ-6-ヨード-3-ニトロキノリンの代わりに7-ブロモ-2,4,6-トリクロロ-8-フルオロ-3-ニトロキノリンを使用して、中間体8のステップ1に記載の手順に従って調製した。C2224BrClFNS (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 569.1;実測値569.1。
ステップ3.tert-ブチル(2S,4S)-4-(8-クロロ-7-(5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)-6-フルオロ-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000171
ジオキサン(11.70ml)/水(5.85ml)中のtert-ブチル(2S,4S)-4-(7-ブロモ-8-クロロ-6-フルオロ-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1g、1.755mmol)、5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール(0.938g、2.63mmol)、リン酸三カリウム(1.862g、8.77mmol)、及びPd(PhP)(0.203g、0.175mmol)の混合物の減圧及びNの再充填を2回実施した後、反応物を102℃で2時間撹拌した。その後、混合物を室温に冷却し、AcOEt及び水で希釈し、分離した。水層をEtOAcで抽出し、統合した有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(CHCl中10-40%EtOAc)によって精製して、所望の生成物を褐色の固体として得た。C3641ClFNS (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 719.3;実測値719.3。
ステップ4.tert-ブチル(2S,4S)-4-(8-クロロ-7-(5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 2024527567000172
この化合物は、ステップ2においてtert-ブチル(2S,4S)-2-(シアノメチル)-4-(7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2S,4S)-4-(8-クロロ-7-(5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)-6-フルオロ-4-(メチルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用し、ステップ3においてN,N,3-トリメチルアゼチジン-3-アミンの代わりにN-エチル-N,3-ジメチルアゼチジン-3-アミンを使用して、実施例6のステップ2~3に記載の手順に従って調製した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(CHCl中20-80%EtOAc)によって精製して、所望の生成物を褐色の固体として得た。C4253ClFN10 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 799.4;実測値799.4。
ステップ5.2-((2S,4S)-4-(8-クロロ-7-(5,6-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000173
tert-ブチル(2S,4S)-4-(8-クロロ-7-(5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(427mg、0.534mmol)をTFA(5mL)に溶解した。混合物を60℃で10分間撹拌した後、溶媒を除去した。
残留物を2-フルオロアクリル酸(144mg、1.601mmol)と混合した後、アセトニトリル(10mL)を添加してから、DIPEA(0.93mL、5.34mmol)及びT3P(0.94mL、AcOEt中50%、1.601mmol)を添加した。室温で一晩撹拌した後、混合物をTFAで希釈し、濾過し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水のグラジエントでの溶出、流速60mL/分)を使用して精製して、所望の生成物をTFA塩として得た。
実施例33a.ジアステレオマー1.ピーク1.C3538ClF10O (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 687.3;実測値687.3。
実施例33b.ジアステレオマー2.ピーク2.C3538ClF10O (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 687.3;実測値687.3。
実施例34a及び実施例34b.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(2-フルオロ-6-メトキシフェニル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000174
ステップ1.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(2-フルオロ-6-メトキシフェニル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000175
この化合物は、3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソキノリンの代わりに(2-フルオロ-6-メトキシフェニル)ボロン酸を使用して、実施例23a及び実施例23bのステップ2に記載の手順に従って調製した。C3136 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 576.3 ;実測値576.4。
ステップ2.2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(2-フルオロ-6-メトキシフェニル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
この化合物は、2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチルイソキノリン-4-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリルの代わりに2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(2-フルオロ-6-メトキシフェニル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリルを使用して、実施例26a及び実施例26bのステップ3に記載の手順に従って調製した。
実施例34a.ジアステレオマー1.ピーク1.C3642 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 674.3;実測値674.3。
実施例34b.ジアステレオマー2.ピーク2.C3642 (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 674.3;実測値674.3。
実施例35a及び35b.2-((2S,4S)-4-(8-クロロ-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
Figure 2024527567000176
この化合物は、ステップ3において5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾールの代わりに6-フルオロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾールを使用して、実施例33に記載の手順に従って調製した。
実施例35a.ジアステレオマー1.ピーク1.C3435ClF10O (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 691.3;実測値691.3。
実施例35b.ジアステレオマー2.ピーク2.C3435ClF10O (M+H)に対するLCMS計算値 m/z = 691.3;実測値691.3。
実施例A.GDP-GTP交換アッセイ。
例示された化合物の阻害剤の効力を、蛍光ベースのグアニンヌクレオチド交換アッセイで判定し、これは、SOS1(グアニンヌクレオチド交換因子)の存在下でKRASの活性状態を生成するためのGppNHp(非加水分解性GTP類似体)に対するボディピー-GDP(蛍光標識GDP)の交換を測定するものであった。阻害剤をDMSO中で連続希釈し、0.1μLの容量を、黒色の低容量の384ウェルプレートのウェルに移動させた。アッセイ緩衝液(25mM Hepes pH7.5、50mM NaCl、10mM MgCl2及び0.01% Brij-35)で5nMに希釈したボディピーロードKRAS G12Cの5μL/ウェルの容量を、プレートに添加し、周囲温度で2時間阻害剤とプレインキュベートした。適切な対照(阻害剤を含まないかまたはG12C阻害剤(AMG-510)を含む酵素)がプレートに含まれていた。交換を、アッセイ緩衝液中に1mM GppNHp及び300nM SOS1を含む5μL/ウェルの容量を添加することによって開始した。ボディピーロードKRAS G12C、GppNHp、及びSOS1の10μL/ウェルの反応濃度はそれぞれ、2.5nM、500uM、及び150nMであった。反応プレートを周囲温度で2時間インキュベートし、この2時間は、阻害剤非存在下でGDP-GTP交換が完了することが推測される時間であった。KRAS G12D及びG12V変異体に関しては、類似のグアニンヌクレオチド交換アッセイを使用し、ボディピーロードKRASタンパク質に関しては2.5nMを最終濃度とし、G12D及びG12Vに関してはGppNHp-SOS1混合物を添加後それぞれ4時間及び3時間インキュベートした。G12D変異体に選択的に結合することが記載されている環式ペプチド(Sakamoto et al.,BBRC 484.3(2017),605-611)または結合が確認された内部化合物を、アッセイプレートにおいて陽性対照として使用した。蛍光強度を、485nmで励起し520nmで放出するPheraStarプレートリーダー機器(BMG Labtech)で測定した。
GraphPadプリズムまたはGenedata Screener SmartFitのいずれかを使用してデータを分析した。IC50値は、データを、可変Hill係数を有するシグモイド用量反応曲線値を生成する4パラメーターロジスティック式にフィッティングさせることによって導き出した。
KRAS_G12C交換アッセイのIC50データ、KRAS_G12C pERKアッセイのIC50データ、KRAS_G12C WB pERKアッセイのIC50データを以下の表1に提供する。記号「†」は、IC50が≦50nMであることを示し、「††」は、IC50が>50nMであるが、≦100nmであることを示し、「†††」は、IC50が>100nMであるが、≦1000nMであることを示し、「††††」は、IC50が>1μMであるが、≦5μMであることを示し、「†††††」は、IC50が>5μMであることを示す。「NA」は、データが存在しないことを示す。
Figure 2024527567000177
Figure 2024527567000178
実施例B:発光生存率アッセイ
MIA PaCa-2(KRAS G12C;ATCC(登録商標)CRL-1420)、NCI-H358(KRAS G12C;ATCC(登録商標)CRL-5807)、A427(KRAS G12D;ATCC(登録商標)HTB53)、HPAFII(KRAS G12D;ATCC(登録商標)CRL-1997)、YAPC(KRAS G12V;DSMZ ACC382)、SW480(KRAS G12V;ATCC(登録商標)CRL-228)、及びNCI-H838(KRAS WT;ATCC(登録商標)CRL-5844)細胞を、10%FBS(Gibco/Life Technologies)が補充されたRPMI 1640培地中で培養する。2%FBSが補充されたRPMI 1640培地中のウェル当たり800個の細胞を、50nLドットの被検化合物(最終濃度は1:500希釈であり、最終濃度は0.2%のDMSO中のものである)を含む白色の透明底384ウェルCostar組織培養プレートに播種する。プレートを370C、5%CO2において3日間インキュベートする。アッセイの最後に25ul/ウェルのCellTiter-Glo試薬(Promega)を添加する。15分後にPHERAstar(BMG)を用いて発光を読み取る。SmartFitを使用してGenedata Screenerにおいてデータを解析してIC50値を得る。
実施例C:細胞pERK HTRFアッセイ
MIA PaCa-2(KRAS G12C;ATCC(登録商標)CRL-1420)、NCI-H358(KRAS G12C;ATCC(登録商標)CRL-5807)、A427(KRAS G12D;ATCC(登録商標)HTB53)、HPAFII(KRAS G12D;ATCC(登録商標)CRL-1997)、YAPC(KRAS G12V;DSMZ ACC382)、SW480(KRAS G12V;ATCC(登録商標)CRL-228)、及びNCI-H838(KRAS WT;ATCC(登録商標)CRL-5844)細胞をATCCから購入し、10%FBS(Gibco/Life Technologies)が補充されたRPMI 1640培地中で維持する。細胞を、Greiner 384ウェルの低容量の平らな底面の組織培養処理白色プレート中に、1ウェル(8μL)あたり5000細胞でプレーティングし、37℃、5%COで一晩インキュベートする。翌朝、被検化合物原液を、培地で最終濃度の3倍に希釈し、4μLを細胞に添加し、DMSOの最終濃度を0.1%とする。細胞を被検化合物と37℃、5%COで4時間(G12C及びG12V)または2時間(G12D)インキュベートする。ブロッキング試薬(Cisbio)を含む4倍の溶解緩衝液4μLを各ウェルに添加し、プレートを、室温で30分間徐々に回転させる(300rpm)。1ウェルあたり4μLのCisbio抗Phospho-ERK1/2d2を抗Phospho-ERK1/2クリプテート(1:1)と混合し、各ウェルに添加し、暗所、室温で一晩インキュベートする。プレートを、665nm及び620nmの波長においてPherastarプレートリーダーで読み取る。SmartFitを使用してGenedata Screenerにおいてデータを解析してIC50値を得る。
実施例D:全血pERK1/2 HTRFアッセイ
MIA PaCa-2細胞(KRAS G12C;ATCC(登録商標)CRL-1420)、HPAF-II(KRAS G12D;ATCC(登録商標)CRL-1997)、及びYAPC(KRAS G12V;DSMZ ACC382)を、10%FBS(Gibco/Life Technologies)を含むRPMI 1640中で維持する。MIA PaCa-2アッセイについては、アッセイ前に、細胞を、96ウェル組織培養プレート(Corning、#3596)中に1ウェルあたり25000細胞で培地100μL中に播種し、37℃、5%COで2日間培養する。HPAF-II及びYAPCアッセイについては、アッセイ前に、96ウェル組織培養プレート中にウェル当たり50000個細胞で細胞を培地100uL中に播種し、1日間培養する。全血を、96ウェルプレート中の化合物(DMSO中で調整した)の1μLドットに添加し、上下にピペッティングすることによって徐々に混合し、その結果、血液中の化合物の濃度が0.5%のDMSOにおいて所望の濃度の1倍となるようにする。培地を細胞から吸引し、被検化合物を含む1ウェルあたり50μLの全血を添加し、37℃、5%COでそれぞれMIA PaCa及びYAPCアッセイについては4時間またはHPAF-IIアッセイについては2時間インキュベートする。血液を廃棄後、プレートを、PBSをウェルの側面に添加することによって優しく2回洗浄し、PBSをプレートからペーパータオルに廃棄し、プレートをタッピングして水気を十分に切る。次いで、ブロッキング試薬(Cisbio)及びベンゾナーゼヌクレアーゼ(Sigmaカタログ番号E1014-5KU、最終濃度1:10000)を含む1倍の溶解緩衝液#1(Cisbio)50μL/ウェルを添加し、振とう(250rpm)しながら室温で30分間インキュベートする。溶解後、溶解物16μLを、Assist Plus(Integra Biosciences,NH)を使用して384ウェルGreiner小容量白色プレート中に移す。抗Phospho-ERK1/2d2と抗Phospho-ERK1/2クリプテート(Cisbio)との1:1の混合物4μLを、Assist Plusを使用してウェルに添加し、暗所、室温で一晩インキュベートする。プレートを、665nm及び620nmの波長においてPherastarプレートリーダーで読み取る。SmartFitを使用してGenedata Screenerにおいてデータを解析してIC50値を得る。
実施例E:Ras活性化Elisa
96ウェルRas活性化ELISAキット(Cell Biolabs Inc;#STA441)は、96ウェルプレートに結合したRaf1 RBD(Rho結合ドメイン)を使用して細胞溶解物からRasの活性形態を選択的にプルダウンする。次いで、捕捉したGTP-Rasをpan-Ras抗体及びHRPコンジュゲート二次抗体によって検出する。
MIA PaCa-2(KRAS G12C;ATCC(登録商標)CRL-1420)、NCI-H358(KRAS G12C;ATCC(登録商標)CRL-5807)、A427(KRAS G12D;ATCC(登録商標)HTB53)、HPAFII(KRAS G12D;ATCC(登録商標)CRL-1997)、YAPC(KRAS G12V;DSMZ ACC382)、SW480(KRAS G12V;ATCC(登録商標)CRL-228)、及びNCI-H838(KRAS WT;ATCC(登録商標)CRL-5844)細胞を、10%FBS(Gibco/Life Technologies)を含むRPMI 1640中で維持する。細胞を、96ウェル組織培養プレート(Corning、#3596)中に1ウェルあたり25000細胞で培地100μL中に播種し、37℃、5%COで2日間培養し、その結果、アッセイ開始時におよそ80%のコンフルエントになるようにする。細胞を化合物で37℃、5%COで4時間または一晩のいずれかで処理する。採取時に、細胞をPBSで洗浄し、水気を十分に切り、次いで、Halt Protease及びホスファターゼ阻害剤(1:100)を添加し、1倍の溶解緩衝液(キットによって提供される)50μLで氷上で1時間溶解する。
Raf-1 RBDを、アッセイ希釈剤(キットにおいて提供される)中で1:500に希釈し、希釈したRaf-1 RBD100μLを、Raf-1 RBD捕捉プレートの各ウェルに添加する。プレートをプレート密封フィルムで覆い、室温で1時間オービタルシェーカーでインキュベートする。プレートを、各洗浄の間に十分吸引しながら、1ウェルあたり1倍の洗浄緩衝液250μLで3回洗浄する。Ras溶解物試料(10~100μg)50μLを1ウェルあたり2回繰り返して添加する。「細胞溶解物なし」の対照を2つのウェル中に添加して、バックグラウンドを判定する。アッセイ希釈剤50μLを全てのウェルに、各ウェルにただちに添加し、プレートを室温で1時間オービタルシェーカーでインキュベートする。プレートを、各洗浄の間に十分吸引しながら、1ウェルあたり1倍の洗浄緩衝液250μLで5回洗浄する。希釈した抗pan-Ras抗体100μLを各ウェルに添加し、プレートを室温で1時間オービタルシェーカーでインキュベートする。プレートを前述のように5回洗浄する。希釈した二次抗体、HRPコンジュゲート100μLを各ウェルに添加し、プレートを、室温で1時間オービタルシェーカーでインキュベートする。プレートを前述のように5回洗浄し、水気を十分に切る。化学発光試薬(キットにおいて提供される)100μLを、ブランクウェルを含む各ウェルに添加する。プレートを、室温で5分間オービタルシェーカーでインキュベートしてから、各マイクロウェルの発光をプレート照度計で読み取る。%阻害を、「溶解物対照なし」のバックグラウンドレベルを全ての値から減算した後に、DMSO対照ウェルに対して計算する。IC50判定を、GraphPadプリズム7ソフトウェアを使用して阻害剤パーセント阻害対阻害剤濃度の対数の曲線をフィッティングすることによって行う。
実施例F:RAS-RAF及びPI3K-AKT経路の阻害
化合物の細胞効力を、KRAS下流エフェクター細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)、リボソームS6キナーゼ(RSK)、AKT(プロテインキナーゼBとしても知られている、PKB)及び下流基質S6リボソームタンパク質のリン酸化を測定することによって判定した。
リン酸化された細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)、リボソームS6キナーゼ(RSK)、AKT及びS6リボソームタンパク質を測定するために、細胞(生成された細胞株及びデータのタイプに関する詳細は、表2でさらに詳述する)を、Corning 96ウェル組織培養処理プレート中の、10%FBSを4×10細胞/ウェルで含むRPMI培地中で一晩播種した。翌日、細胞を、濃度範囲の被検化合物の存在下または非存在下で37°C、5%COで4時間インキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、プロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤(Thermo Fisher,78446)を含む1倍の溶解緩衝液(Cisbio)で溶解した。全タンパク質溶解物10または20μgに、SDS-PAGE及び免疫ブロット分析を行い、以下の抗体を使用した:リン-ERK1/2-Thr202/Tyr204(#9101L)、全-ERK1/2(#9102L)、リン光体-AKT-Ser473(#4060L)、リン-p90RSK-Ser380(#11989S)及びリン-S6リボソームタンパク質-Ser235/Ser236(#2211S)はCell Signaling Technologies(Danvers,MA)製である。
Figure 2024527567000179
実施例G:In vivo有効性試験
Mia-Paca-2(KRAS G12C)、H358(KRAS G12C)、HPAF-II(KRAS G12D)、AGS(KRAS G12D)、SW480(KRAS G12V)、またはYAPC(KRAS G12V)ヒトがん細胞をAmerican Type Culture Collectionから得、10%FBSが補充されたRPMI培地中で維持する。有効性研究実験に関しては、5×10Mia-Paca-2細胞を6から8週齢のBALB/cヌードマウス(Charles River Laboratories,Wilmington,MA,USA)の右後側腹部に皮下接種する。腫瘍体積がおよそ150~250mm3である場合、マウスを腫瘍体積ごとに無作為化し、化合物を経口で投与する。腫瘍体積を、式(L×W)/2を使用して計算し、ここで、L及びWはそれぞれ、長さ及び幅の寸法を指す。腫瘍成長阻害を、式(1-(V/V))×100を使用して計算し、ここで、Vは、処置最終日の処置群の腫瘍体積であり、Vは処置最終日の対照群の腫瘍体積である。ダネットの多重比較試験を用いた二元配置分散分析を使用して、処置群間の統計的差異を判定する(GraphPadプリズム)。マウスを、1ケージあたり10~12匹の動物で飼育し、食事を豊富に与え、12時間の明/暗サイクルに曝露させる。腫瘍体積が限界(体重の10%)を超えたマウスを、CO吸入によって安楽死させる。動物を、Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Care,Internationalによって完全に認定を受けたバリア施設中で維持する。手順の全てを、US Public Service Policy on Human Care and Use of Laboratory Animals and with Incyte Animal Care and Use Committee Guidelinesに従って行う。
実施例H:Caco2アッセイ
10%(v/v)のウシ胎仔血清、1%(v/v)の非必須アミノ酸、ペニシリン(100U/mL)、及びストレプトマイシン(100μg/mL)が補充されたDMEM増殖培地中、5%CO雰囲気下、37℃でCaco-2細胞を増殖させた。1μMのEDTAを含む0.05%のトリプシンで処理することによってCaco-2のコンフルエント細胞単層を7日または4日ごとに継代培養した。Caco-2細胞を96ウェルTranswellプレートに播種した。Caco-2細胞の播種密度は14,000個細胞/ウェルとした。播種後、1日置きにDMEM増殖培地を交換した。Caco-2細胞については、22~25日に細胞単層を輸送アッセイに使用した。
細胞培養培地を除去し、HBSSと交換した。TEERを測定するために、HBSSをドナーコンパートメント(頂端側)及びレシーバーコンパートメント(基底外側)に添加した。REMSオートサンプラーを使用することによってTEERを測定して、細胞単層の完全性を確保した。TEER値が≧300Ω・cmであるCaco-2細胞単層を輸送実験に使用した。吸収方向(A-B)でのPappを決定するために、被検化合物のHBSS中溶液(50μM)をドナーコンパートメント(頂端側)に添加し、レシーバーコンパートメント(基底外側)にはBSA4%含有HBSS溶液を添加した。頂端体積は0.075mLとし、基底外側体積は0.25mLとした。インキュベート時間は、5%CO雰囲気下、37℃で120分とした。インキュベート時間の終了時に、ドナー側及びレシーバー側から試料を回収し、等体積のアセトニトリルを添加してタンパク質を沈殿させた。遠心分離(3000rpm、Beckman Coulter,Indianapolis,INから供給されるAllegra X-14R Centrifuge)後に上清を採取してLCMS分析用とした。式:
app(cm/s)=(FVD)/(SAMD)
に従って透過値を決定した。式中、流動速度(F、量/時間)は、レシーバー側の目的化合物の累計量の傾きから計算し、SAは細胞膜の表面積であり、VDはドナー体積であり、MDはドナーチャンバー中の溶液の初期量である。
Caco-2透過性アッセイデータを以下の表3に提供する。記号「†」はCaco2が≦0.5であることを示し、「††」はCaco-2が>0.5であるが、≦1であることを示し、「†††」は、Caco-2が>1であることを示す。「NA」はCaco-2データが存在しないことを示す。
Figure 2024527567000180
WO2021/142252由来の特定の化合物についてのCaco-2透過性アッセイデータを表4に提供する。
Figure 2024527567000181
実施例I:ヒト全血安定性
LC-MS/MSによって例示化合物の全血安定性を決定した。96ウェルFlexi-Tier(商標)Block(Analytical Sales & Services,Inc,Flanders,NJ)をインキュベートプレートとして使用し、このインキュベートプレートに、バイアル当たり0.5mLの血液(BIOIVT,Hicksville,NYまたは同様の供給元から調達した性別混合型のヒト全血)を含む1.0mLガラスバイアルを含める。血液を事前に水浴中で37℃に30分間温める。100μL超純水/ウェルを添加して96ディープウェル分析プレートを調製する。50μL冷却超純水/ウェルを96ディープウェル試料収集プレートに添加し、シーリングマットを被せる。0.5mMの化合物ワーキング溶液(DMSO:水)をインキュベートプレート中の血液に1μL添加して最終濃度を1μMとし、ピぺッティングによって完全に混合し、50μLを試料収集プレートのT=0ウェルに移す。血液を水中で2分間保持した後、400μL停止溶液/ウェル(内部標準物質を含むアセトニトリル)を添加する。インキュベートプレートを37℃のIncu-Shaker CO Miniインキュベーター(Benchmark Scientific,Sayreville,NJ)中に設置し、150rpmで振盪させる。1時間、2時間、及び4時間の時点で、ピぺッティングによって血液試料を完全に混合し、50μLを試料収集プレートの対応ウェルに移す。血液を水中で2分間保持した後、400μL停止溶液/ウェルを添加する。収集プレートを密封し、1700rpmで3分間ボルテックスした後(VX-2500 Multi-Tube Vortexer,VWR International,Radnor,PA)、試料を収集プレートにおいて3500rpmで10分間遠心分離する(Allegra X-14R Centrifuge Beckman Coulter,Indianapolis,IN)。試料収集プレートから100μL上清/ウェルを分析プレートの対応ウェルに移す。最終的なプレートを1700rpmで1分間ボルテックスし、LC-MS/MSによって試料を分析する。T=0に対する1時間、2時間、及び4時間の試料のピーク面積比を使用して、残存パーセントを決定する。時間に対する残存パーセントの自然対数を使用して傾きを決定して、血中での化合物半減期(t1/2=0.693/傾き)を計算する。
ヒト全血安定性データを以下の表5に提供する。記号「†」はWBSが≦70%であることを示し、「††」は、WBSが>70%であるが、≦90%であることを示し、「†††」は、WBS>90%であることを示す。「NA」は、WBSデータが存在しないことを示す。
Figure 2024527567000182
実施例J:インビトロ固有クリアランスプロトコル
インビトロ代謝安定性実験については、被検化合物をヒト肝臓ミクロソームと共に37℃でインキュベートする。インキュベート混合物は、被検化合物(1μM)、NADPH(2mM)、及びヒト肝臓ミクロソーム(0.5mgタンパク質/mL)を100mMのリン酸緩衝液(pH7.4)中に含む。混合物を37℃で2分間プレインキュベートしてから、NADPHを添加する。NADPHの添加時点で反応が始まり、0分、10分、20分、及び30分の時点で、氷冷メタノールで反応をクエンチする。反応を停止させたインキュベート混合物を、LC-MS/MSシステムを使用して分析する。分析システムは、Applied Biosystems(Foster City,CA)から供給されるSciex Triple Quad 6500+質量分析計と組み合わせたShimadzu LC-30ADバイナリポンプシステム及びSIL-30ACオートサンプラー(Shimadzu Scientific Instruments,Columbia,MD)からなる。クロマトグラフィーによる被検化合物及び内部標準物質の分離は、ThermoFisher Scientific(Waltham,MA)から供給されるHypersil Gold C18カラム(50×2.1mm,5μM,175Å)を使用して達成する。移動相Aは、ギ酸0.1%含有水からなり、移動相Bは、ギ酸0.1%含有アセトニトリルからなる。LC-MS/MSの総ランタイムは、0.75mL/分の流速で2.75分であり得る。ピーク面積の積分及びピーク面積比の計算は、Applied Biosystemsから供給されるAnalystソフトウェア(バージョン1.6.3)を使用して実施する。
インビトロ固有クリアランス(CLint,インビトロ)を被検化合物消失のt1/2からCLint,インビトロ=(0.693/t1/2)×(1/Cタンパク質)として計算し、式中、Cタンパク質はインキュベート中のタンパク質濃度であり、t1/2は、濃度対時間プロファイルの対数線形回帰分析の傾き(k)によって決定する(したがって、t1/2=ln2/kである)。生理学ベースの調整係数、肝臓ミクロソームタンパク質濃度(タンパク質45mg/肝臓g)、及び肝臓重量(21g/体重kg)を使用して、CLint,インビトロ値をヒト向けのインビボ値へと調整する。CLint=CLint,インビトロ×(タンパク質mg/肝臓重量g)×(肝臓重量g/体重kg)という式を使用する。次いで、すべての結合を無視する混合が十分な肝臓モデルにおいてCLint及び肝血流量Q(ヒト中20mL・分-1・kg-1)を使用して、インビボ肝クリアランス(CL)をCL=(Q×CLint)/(Q+CLint)から計算する。Qで割ったCLとして肝抽出率を計算した。
実施例K:インビボ薬物動態プロトコル
インビボ薬物動態実験については、雄性スプラーグドーリーラットラットまたは雄性及び雌性カニクイザルに被検化合物を静脈内投与するか、または強制経口投与する。静脈内(IV)投与については、ジメチルアセトアミド(DMAC)10%含有酸性化生理食塩水の製剤を使用して、ラットについてはIVボーラスを介して、サルについては5分または10分のIV注入を介して、0.5~1mg/kgで被検化合物を投与する。経口(PO)投与については、DMAC5%含有メチルセルロース0.5%含有クエン酸緩衝液(pH2.5)を使用して1.0~3.0mg/kgで被検化合物を投与する。投与前及び投与から最大で24時間までの様々な時点で血液試料を採取する。血液試料はすべて、EDTAを抗凝固剤として使用して採取し、遠心分離して血漿試料を得る。LC-MS法によって被検化合物の血漿中濃度を決定する。測定した血漿中濃度を使用して、Phoenix(登録商標)WinNonlinソフトウェアプログラム(バージョン8.0、Pharsight Corporation)を使用する標準的なノンコンパートメント法によってPKパラメータを計算する。
ラット及びサルにおいて、被検化合物のカセット投与を実施して、予備PKパラメータを得る。
雄性ビーグル犬を用いるインビボ薬物動態実験を上記の条件の下で実施してよい。
実施例L:CYPの時間依存的阻害(TDI)プロトコル
このアッセイは、被検化合物の経時的な代謝に伴うCYP阻害の増加を特徴付けるように設計する。このことの潜在的な機序には、結合がタイトかつ準不可逆的な阻害性代謝物複合体の形成、または代謝物の共有結合付加物形成によるP450酵素の不活性化が含まれる。この実験では10倍希釈を用いて代謝物濃度を低下させるが故に、可逆的阻害の効果は低下するが、代謝物が非常に強力なCYP阻害剤であれば、陽性結果を得ることが(一般的ではないが)可能である。
結果は、ヒト肝臓ミクロソーム(HLM)を使用して、CYP特異的プローブ基質のカクテルをCYP2C9、2C19、2D6、及び3A4(ミダゾラム)に対するそれらのKm濃度の4倍で使用することで得られる。NADPH再生系の存在下(+N)または非存在下(-N)でHLMを被検化合物と共に濃度10μMで30分間プレインキュベートし、10倍希釈し、新たな一定分量のNADPH再生系を添加して基質カクテルの存在下で8分間インキュベートすることができる。代謝物標準物質の較正曲線を使用することで、LC-MS/MSを使用して酵素活性を定量的に測定することができる。さらに、陽性対照として使用する既知の時間依存的阻害剤(チエニル酸(CYP2C9)、チクロピジン(CYP2C19)、パロキセチン(CYP2D6)、及びトロレアンドマイシン(CYP3A4))を含むインキュベート物をNADPH再生系の存在下または非存在下で30分間プレインキュベートする。
分析システムは、Applied Biosystems(Foster City,CA)から供給されるSciex Triple Quad 6500+質量分析計と組み合わせたShimadzu LC-30ADバイナリポンプシステム及びSIL-30ACオートサンプラー(Shimadzu Scientific Instruments,Columbia,MD)からなる。クロマトグラフィーによる被検化合物及び内部標準物質の分離は、ACQUITY UPLC BEH 130A,2.1×50mm,1.7μm HPLCカラム(Waters Corp,Milford,MA)を使用して達成できる。移動相Aは、ギ酸0.1%含有水からなり、移動相Bは、ギ酸0.1%含有アセトニトリルからなる。LC-MS/MSの総ランタイムは、0.9mL/分の流速で2.50分とする。ピーク面積の積分及びピーク面積比の計算は、Applied Biosystemsから供給されるAnalystソフトウェア(バージョン1.6.3)を使用して実施する。
化合物とNADPHとのプレインキュベート後に残存する対照CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、及びCYP3A4活性のパーセントを対応対照媒体活性に対して補正した後、0分を100%として計算する。各アイソザイムについて、時間に対する残存活性%の自然対数の線形回帰プロットを使用して傾きを計算する。この傾きは、酵素の減少速度、すなわちKobsに相当する。
本明細書において記載されるものに加えて本発明の様々な改変は、前述の説明から当業者であれば明らかであろう。そのような改変はまた、添付の特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図される。限定するものではないが、本出願において挙げられる全ての特許、特許出願、及び刊行物を含む各参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。

Claims (33)

  1. 式I:
    Figure 2024527567000183
    を有する化合物またはその医薬的に許容される塩であって、式中、
    Yが、NまたはCHであり、
    が、Cl、CH、CHF、CHF、及びCFより選択され、
    Cyが、
    Figure 2024527567000184
    より選択され、
    が、F及びClより選択され、
    が、
    Figure 2024527567000185
    より選択され、
    Cyが、
    Figure 2024527567000186
    より選択され、
    但し、前記式Iの化合物が、
    2-((2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、及び
    2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
    以外である、前記化合物またはその医薬的に許容される塩。
  2. 前記式Iの化合物が、式II:
    Figure 2024527567000187
    の化合物またはその医薬的に許容される塩であって、式中、
    が、Cl及びCHより選択され、
    Cyが、
    Figure 2024527567000188
    より選択され、
    が、
    Figure 2024527567000189
    より選択され、
    Cyが、
    Figure 2024527567000190
    より選択される、請求項1に記載の化合物。
  3. Yが、NまたはCHであり、
    が、Cl、CH、CHF、CHF、及びCFより選択され、
    Cyが、
    Figure 2024527567000191
    より選択され、
    が、F及びClより選択され、
    が、
    Figure 2024527567000192
    より選択され、
    Cyが、
    Figure 2024527567000193
    より選択され、
    但し、前記式Iの化合物が、
    2-((2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、及び
    2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル
    以外である、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  4. Yが、NまたはCHであり、
    が、Cl、CH、CHF、CHF、及びCFより選択され、
    Cyが、
    Figure 2024527567000194
    より選択され、
    が、F及びClより選択され、
    が、
    Figure 2024527567000195
    より選択され、
    Cyが、
    Figure 2024527567000196
    より選択される、請求項1もしくは3に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  5. Yが、CHである、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  6. Yが、Nである、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  7. Cyが、Cy-a、Cy-b、Cy-c、Cy-d、及びCy-eより選択される、請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  8. Cyが、Cy-f、Cy-g、Cy-h、Cy-i、Cy-j、及びCy-kより選択される、請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  9. Cyが、Cy-a及びCy-bより選択される、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  10. Cyが、Cy-l、Cy-m、Cy-n、Cy-o、Cy-p、Cy-q、Cy-r、Cy-s、及びCy-tより選択される、請求項1もしくは2に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  11. Cyが、Cy-c、Cy-m、Cy-n、Cy-o、Cy-p、Cy-q、Cy-r、Cy-s、及びCy-tより選択される、請求項1もしくは2に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  12. が、CH、CHF、CHF、及びCFより選択される、請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  13. が、CH及びCFより選択される、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  14. が、Fである、請求項1及び3~13のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  15. が、Clである、請求項1、及び3~13のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  16. が、R-a及びR-bより選択される、請求項1~15のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  17. が、R-b及びR-cより選択される、請求項1及び3~15のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  18. Cyが、Cy-a、Cy-b、及びCy-dより選択される、請求項1及び3~17のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  19. Cyが、Cy-a及びCy-bより選択される、請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  20. Cyが、Cy-b及びCy-dより選択される、請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  21. 前記式Iの化合物が、
    2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(2-メトキシ-3-メチルフェニル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(7-(3-クロロ-2-メトキシフェニル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    1-(4-(6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)ピペリジン-1-イル)プロパ-2-エン-1-オン、
    2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(2,3-ジメチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-6-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(6-メチルピリジン-3-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(4-フルオロフェニル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    8-(1-(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(7-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    8-(1-((2R,4S)-1-アクリロイル-2-メチルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(7-(5,6-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)アゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    8-(6-フルオロ-1-(1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-4-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリル、
    8-(1-((2S,4S)-2-(シアノメチル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-4-イル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-ナフトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(6,8-ジクロロ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(6,8-ジクロロ-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-フルオロブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、及び
    2-((2S,4S)-4-(4-(3-(ジメチルアミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(5-フルオロキノリン-8-イル)-8-(トリフルオロメチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    またはその医薬的に許容される塩
    より選択される、請求項1または3に記載の化合物。
  22. 前記式Iの化合物が、
    2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(4-フルオロイソキノリン-1-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(4-フルオロイソキノリン-1-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(3-メチルイソキノリン-4-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(3-メチルイソキノリン-4-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(7-フルオロ-2-メチルキノリン-8-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-8-メチル-7-(1-メチルイソキノリン-4-イル)-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-((E)-4-メトキシブタ-2-エノイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(7-フルオロキノリン-8-イル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    2-(4-(1-((2R,4S)-1-アクリロイル-2-メチルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)アセトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(7-(5,6-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-8-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    2-(4-(1-((2R,4S)-1-アクリロイル-2-メチルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-メチル-1H-インドール-3-イル)アセトニトリル、
    2-(4-(1-(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)-6-フルオロ-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-7-イル)-1-メチル-1H-インドール-3-イル)アセトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(8-クロロ-7-(5,6-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    2-((2S,4S)-4-(6-フルオロ-7-(2-フルオロ-6-メトキシフェニル)-8-メチル-4-((S)-1-((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)エトキシ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、及び
    2-((2S,4S)-4-(8-クロロ-4-(3-(エチル(メチル)アミノ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]キノリン-1-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペリジン-2-イル)アセトニトリル、
    またはその医薬的に許容される塩
    より選択される、請求項1に記載の化合物。
  23. 請求項1~22のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩と、少なくとも1つの医薬的に許容される担体または添加剤と、を含む、医薬組成物。
  24. 請求項1~22のいずれか1項に記載の化合物、または請求項23に記載の組成物をKRASと接触させることを含む、KRAS活性を阻害する方法。
  25. 前記接触が、前記化合物を患者に投与することを含む、請求項24に記載の方法。
  26. KRAS相互作用の阻害と関連する疾患または障害の治療方法であって、治療有効量の、請求項1~22のいずれか1項に記載の化合物または請求項23に記載の組成物を、治療を必要とする患者に投与することを含む、前記方法。
  27. G12C変異を有するKRASタンパク質の阻害と関連する疾患または障害の治療方法であって、治療有効量の、請求項1~22のいずれか1項に記載の化合物、または請求項23に記載の組成物を、治療を必要とする患者に投与することを含む、前記方法。
  28. 患者におけるがんの治療方法であって、治療有効量の、請求項1~22のいずれか1項に記載の化合物、または請求項23に記載の組成物を、前記患者に投与することを含む、前記方法。
  29. 前記がんが、癌腫、血液癌、肉腫、及び膠芽腫より選択される、請求項28に記載の方法。
  30. 前記血液癌が、骨髄増殖性新生物、骨髄異形成症候群、慢性及び若年性骨髄単球性白血病、急性骨髄性白血病、急性リンパ球性白血病、及び多発性骨髄腫より選択される、請求項29に記載の方法。
  31. 前記癌腫が、膵臓癌、結腸直腸癌、肺癌、膀胱癌、胃癌、食道癌、乳癌、頭頸部癌、子宮頚癌、皮膚癌、及び甲状腺癌より選択される、請求項29に記載の方法。
  32. 前記疾患または前記障害が、免疫障害または炎症性障害である、請求項27に記載の方法。
  33. 前記免疫障害または前記炎症性障害が、KRASの体細胞突然変異を原因とするRas関連リンパ増殖性障害及び若年性骨髄単球性白血病である、請求項32に記載の方法。
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