JP2024526939A - 酸化的網膜疾患の進行を抑制する方法 - Google Patents

酸化的網膜疾患の進行を抑制する方法 Download PDF

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Abstract

酸化的網膜疾患(oxidative retinal diseases)の進行を抑制する方法が開示される。方法は、それを必要とする患者に重水素化ドコサヘキサエン酸又はそのエステルを投与することを含む。【選択図】 なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月22日に出願された米国仮特許出願シリアル番号第63/224,690号、2021年7月22日に出願された米国仮特許出願シリアル番号第63/224,679号及び2021年7月22日に出願された米国仮特許出願シリアル番号第63/224,674号の優先権を主張するものであり、これらの各出願は、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる。
技術分野
ヒトにおける酸化的網膜疾患(oxidative retinal diseases)の進行を抑制する方法が開示される。方法は、重水素化ドコサヘキサエン酸(DHA)又はそのプロドラッグで治療可能な神経変性眼疾患(neurodegenerative ocular disease)を患う患者を治療するための投与レジメンを含む。特に、投与レジメンは、治療患者におけるこの化合物の代謝取り込み(metabolic uptake)の漸増にもかかわらず、疾患の進行が抑制されるレベルで、重水素化DHAのインビボでの治療濃度への迅速な発現(onset)を提供する。
背景
ヒトには多くの酸化的網膜疾患が存在し、これらは大部分が治癒不可能であるが、視覚障害を引き起こし、あまりに多くの事例で失明に至る。通常、早期に診断された場合、主治医は、病気の進行速度を遅らせるために、禁煙し、健康的なライフスタイルを確立し、ビタミン及び/又は抗酸化物質を摂取するように患者に指示する。例えば、mayoclinic.org/diseases-conditions/dry-macular-degeneration/diagnosis-treatment/drc-20350381を参照されたい。
近年、これらの疾患の根本的な病因の理解が進み、酸化ストレスが重要な要素として関与している。しかしながら、眼炎症、加齢及び免疫系もまた、要因として同定されている。例えば、Knickelbeinら、Int.Ophthalmol.Clin.、2015:55(3)63~78を参照されたい。
長年の研究及び根本的な病因の理解にもかかわらず、ほとんどではないにしても多くの酸化的網膜疾患は、依然として治療が困難である。例えば、黄斑変性(macular degeneration)の現在の標準的な治療法には、抗VEGF抗体の定期的な眼内注射が含まれる。例えば、Moutrayら、Ther.Adv.Chron.Dis.2(5):325-311(2011).を参照されたい。しかしながら、そのような治療が眼内注射を必要とする事実は、その広範な使用を制限する。結果的に、黄斑変性を含む、酸化的網膜疾患の新しい治療法の必要性が存在する。好ましくは、そのような新しい治療法は、非侵襲的であり、さらにいっそう好ましくは、経口投与され得る。
概要
網膜は、非常に高いレベルのドコサヘキサエン酸を含み、それは、光を脳の電気及び化学信号に変換するのに役立つ桿体(rods)を含む光受容体細胞(photoreceptor cells)の外節(outer segments)の円板膜において、最も高い濃度で発見される。ドコサヘキサエン酸は、光受容体細胞の桿体外節膜(rod’s outer segment membranes)のリン脂質に存在する全多価不飽和脂肪酸群のほとんどを占めている。これは、人体の他の任意の組織で発見されるよりも高い割合(a proportion)を示す。
ドコサヘキサエン酸の過酸化は、網膜、特に桿体で発生しており、活性酸素種(「ROS」)の日常的な産生とその後の解毒の間の不均衡に起因する。ドコサヘキサエン酸(DHA)は、以下の構造を有し:
6つのシス不飽和部位を有する22炭素鎖オメガ3多価不飽和脂肪酸(PUFA)である。これらの6つの部位のそれぞれを隔てているのは、5つのビスアリルメチレン基(5 bis-allylic methylene groups)である。これらの基は、ROSによる酸化的損傷の影響を特に受けやすい。さらに、桿体のスタッキング性質(stacking nature in the rods)により、最初のDHAのビスアリル位の酸化は、脂質自動過酸化(lipid auto-peroxidation)(LPO)として知られている、隣接するDHAの酸化的カスケードを引き起こす。このカスケードは、網膜に著しい損傷を発生させ、網膜の生存能力に悪影響を及ぼす。加えて、酸化DHAは、多数の反応性の高いカルボニル化合物に変換されるだけでなく、膜タンパク質の酸化も引き起こす。酸化過程における継続的な不均衡は、患者の眼の網膜における継続的な劣化につながる。
最近、Shchepinov、米国特許第10,058,522号は、酸化的網膜疾患が重水素化ドコサヘキサエン酸又はそのエステルの投与によって治療可能であるということを開示した。投与後、重水素化ドコサヘキサエン酸の一部は、桿体を含む網膜に取り込まれ、それによって酸化的損傷に対して桿体を安定化させる。かかる安定化は、炭素-水素結合とは対照的に、炭素-重水素結合の安定性が向上することに起因する。しかしながら、重水素化ドコサヘキサエン酸の治療濃度を網膜で達成するために必要な時間は長く、月単位で測定される。これは、桿体内の非重水素化DHAが徐々に重水素化DHAに置き換えられ、このことが治療の開始と網膜での治療レベルの重水素化DHAの生成の間のかなりの期間につながるという事実に起因する。もちろん、この期間中、患者の眼疾患は、視覚機能の低下に伴い進行する。
上記のように、多くの網膜疾患は、疾患の病状が検査されないために、進行性の患者の視力低下を含む。例えば、黄斑変性は、最初に患者の視界が薄暗くなったり、視覚がゆがんだりすることが現れ、その後にさらなる悪化が続き、最終的に失明に至る、患者の視力をできるだけ長く(as possible for as long as possible)維持するという目標と相まって、これらの疾患の進行性の性質(progressive nature)を考慮すると、インビボでドコサヘキサエン酸の治療濃度をできるだけ早く達成することが望ましい。しかしながら、重水素化DHAの投与は、いくつかの要因によって複雑になる。これらには、例として、重水素化DHAを含む多価不飽和脂肪酸が1日当たりどのくらい吸収され得るかに関する体内制限;各患者による1日単位でのPUFAの摂取量が変わりやすく、吸収され得るPUFAの最大量をしばしば超えること;患者ごとのPUFA吸収の変動性;患者のコンプライアンス;及びPUFAの取り込を妨げる症状(例えば、C.difficile感染症及び治療に伴って起こる抗生物質関連下痢(antibiotic associated diarrhea))を有する患者が含まれる。
上記は全て、異なる代謝、体重及び疾患による網膜変性の程度を有する患者に例外なく適され得る、重水素化ドコサヘキサエン酸の身体、特に網膜への迅速な取り込みを可能にする投与レジメンを提供する継続的な必要性を示す証拠である。
一実施形態において、本開示は、網膜における治療濃度の加速発現(an accelerated onset)及び疾患進行速度の減少を提供する量の重水素化ドコサヘキサエン酸又はそのエステルの取り込みを可能にする、投与プロトコルを提供する。一実施形態において、かかる減少は、治療の開始と疾患進行の評価の間の6ヶ月又は12ヶ月又は18ヶ月又は24ヶ月の間隔で、プラセボ対照で処置された患者と比較した、治療患者における疾患進行の程度の差に基づいている。一実施形態において、偽薬で処置された患者と比較した治療患者の疾患進行の程度におけるこの差は、治療の開始と疾患進行の評価の間の6ヶ月又は12ヶ月又は18ヶ月又は24ヶ月の間隔にわたって減少した地図状萎縮の拡大(reduced geographic atrophy expansion)によって測定されるように、約20%である。
一実施形態において、重水素化ドコサヘキサエン酸又はそのエステルの1日あたりの単位用量の定期的な投与を含む投与プロトコルが提供される。単位用量は、網膜における重水素化ドコサヘキサエン酸の加速された(迅速な)取り込み(an accelerated (rapid) uptake)を提供するように選択される。単位用量は、それぞれ同じ日に投与される1、2、3又は4個のサブユニットに分割され得る。
一実施形態において、それを必要とする患者における酸化的網膜疾患を治療するための方法が提供され、前記方法は、重水素化ドコサヘキサエン酸又はそのエステルを含む組成物の約100mg/日~約1000mg/日の前記患者への定期的な投与を含み、前記投与は、前記酸化的網膜疾患の進行速度の減少と相まって、網膜における重水素化ドコサヘキサエン酸の治療濃度をもたらす。一実施形態において、患者への定期的な投与は、約100mg/日~約350mg/日である。別の実施形態において、患者への定期的な投与は、約350mg/日~約650mg/日である。さらにもう一つの実施形態において、患者への定期的な投与は、約650mg/日から約1.000mg/日である。いくつかの態様において、患者への定期的な投与は、約100mg/日~約1,250mg/日の範囲であり得る。
本明細書において記述されている方法は、酸化的網膜疾患に罹患している治療患者における視力機能の不必要な喪失を最小限にするために、重水素化ドコサヘキサエン酸の治療濃度のインビボでの加速発現を提供する。
一実施形態において、単位用量の前記定期的な投与は、少なくとも週5日、好ましくは週7日の投与を含む。
一実施形態において、単位用量の前記定期的な投与は、1ヶ月あたり少なくとも約70%の日、好ましくは1ヶ月あたり少なくとも約80%の日の投与を含む。
一実施形態において、重水素化ドコサヘキサエン酸エステルは、C-Cアルキルエステルであり、好ましくはエチルエステルである。
一実施形態において、重水素化ドコサヘキサエン酸又はそのエステルの1日当たりの投与量は、約100mg/日;又は約125mg/日;又は約150mg/日;又は約175mg/日;又は約200mg/日;又は約225mg/日;又は約250mg/日;又は約275mg/日;又は約300mg/日;又は約325mg/日;又は約350mg/日;又は約375mg/日、又は約400mg/日;又は約425mg/日;又は約450mg/日;又は約475mg/日;又は約500mg/日;又は約525mg/日;又は約550mg/日;又は約575mg/日;又は約600mg/日;又は約625mg/日;又は約650mg/日;又は約675mg/日;又は約700mg/日;又は約725mg/日;又は約750mg/日;又は約775mg/日;又は約800mg/日;又は約825mg/日;又は約850mg/日;又は約875mg/日;又は約900mg/日;又は約925mg/日;又は約950mg/日;又は約975mg/日;又は約1,000mg/日であり、本明細書において提供される任意の2つの数値の間の任意の範囲を含む。採用される正確な用量は、患者の年齢、体重、性別及び酸化的眼疾患(oxidative ocular disease)の進行の程度などの要因に基づいて、主治医によって決定される。
一実施形態において、本明細書において記述されている方法は、重水素化ドコサヘキサエン酸又はそのエステルを含む組成物を使用しており、全てのビスアリル部位の少なくとも約80パーセントの水素を重水素で置換し、利用可能な全てのモノアリル部位を基にして、約1~約35パーセントのモノアリル部位を平均重水素化(an average deuteration)する。かかる組成物は、本明細書において記述されている投与プロトコルにおける使用に適している。重水素がビスアリル部位に含まれることにより、重水素化ドコサヘキサエン酸は酸化的損傷に対して安定化する。次に、これは、脂質過酸化(LPO)のカスケードを停止して、それによって網膜細胞の損傷を最小限にする。この重水素化ドコサヘキサエン酸の濃度が網膜で治療レベルに達する場合、病気の進行が著しく減衰する。さらに、モノアリル部位での重水素化のレベルは、ビスアリル部位での重水素化と必然的に相関しており、合成中の重水素化がビスアリル部位で高レベルまで進行している証拠である。加えて、重水素化ドコサヘキサエン酸中の重水素の含有は、機能的に妨げないか、あるいは患者に悪影響を及ぼさないことが発見されている。
好ましい一実施形態において、投与プロトコルにおいて使用される組成物は、重水素化ドコサヘキサエン酸及び/又はそのエステルの集団(a population of)を含み、平均で少なくとも90%のビスアリル水素原子が重水素原子に交換されている。かかる組成物は、インビボでLPOに対する有意な保護を与える。さらに、重水素化組成物は、モノアリル部位でも測定可能な量の重水素化を含む。特に、全てのモノアリル部位で重水素原子と交換された水素原子の平均レベルは、組成物中で約1~約35%の範囲である。驚くべきことに、モノアリル部位での重水素化の含有は、ビスアリル部位での重水素化によって与えられる保護を妨げない。
一実施形態において、治療濃度の発現は、治療の開始から50日以内、好ましくは40日以内、かつより好ましくは30日以内である。
一実施形態において、ドコサヘキサエン酸又はそのエステルの定期的な投与は、治療中に少なくとも週5日間、ドコサヘキサエン酸又はそのエステルの1日用量を投与することを含む。別の実施形態において、ドコサヘキサエン酸又はそのエステルの定期的な投与は、治療中に1日1回、1週間に7日間、ドコサヘキサエン酸又はそのエステルの1日用量を投与することを含む。
一実施形態において、疾患進行の減少速度(the rate of reduction in disease progression)は、下記の式(formula)に基づいている:
a)治療患者のコホートに関して、治療の開始時及び治療の開始後6ヶ月又は12ヶ月又は18ヶ月又は24ヶ月時に、患者の網膜のそれぞれにおける地図状萎縮(geographic atrophy)の範囲を測定し、その差の平均値を取得し、その平均差に第1の値を割り当て(assigning)、その値に「A」を割り当てる(assign)ことによって、疾患進行速度の平均(average rate of disease progression)を決定する;
b)未治療患者のコホートに関して、治療の開始時及び治療の開始後6ヶ月又は12ヶ月又は18ヶ月又は24ヶ月時に、患者の網膜のそれぞれにおける地図状萎縮の範囲を測定し、その差の平均値を取得し、その平均差に第2の値を割り当て、その値に「B」を割り当てることによって、疾患進行速度の平均を決定する;
c)AとBの間の差分を計算し、その値に「C」を割り当てる;
d)BがAより大きい場合、Cに正の値を割り当てる;
e)AがBより大きい場合、Cに負の値を割り当てる;及び
f)CをBで割り、100を掛ける。
一例として、下記の事項は、この計算の履行(implementation)を示す:
・治療患者は、6ヶ月の治療によって、0.15____の地図状萎縮の範囲の平均増加を示して、これがAとして規定された;
・プラセボで処置された患者は、6ヶ月にわたって、0.24__の地図状萎縮の範囲が平均で増加して、これがBとして規定された、
・AとBの間の差は0.09であり、これがCとして割り当てられる;
・この値は、上記d)で正の数を割り当てられる;及び
・CをB(0.09/0.24)で割り、100を掛けて、37.5の疾患進行の減少速度を提供する。
一実施形態において、所与の患者のこの減少速度は、上記のように決定されるが、コホートに基づいてAを置換して、個々の結果を使用する。
一実施形態において、患者は、体内での重水素化ドコサヘキサエン酸の取り込みを最大化するために、過剰量のPUFA化合物の摂取を制限する食事療法を受ける。一般に、過剰量のPUFAを摂取する一因となる食事成分が制限される。かかる食事成分には、例えば、魚油の錠剤及びサケ及びPUFAの過剰摂取をもたらす従来の栄養チューブを用いる患者が含まれる。好ましい実施形態において、本明細書において記述されている方法は、上述の投与レジメン及び患者にPUFA成分の過剰摂取を回避する食事制限を行うことの両方を含む。
詳細な説明
患者の疾患進行速度を遅らせる酸化的眼疾患の治療方法が開示されている。一実施形態において、本発明の方法は、効率的かつ迅速に治療レベルの重水素化ドコサヘキサエン酸を眼に供給する投与レジメンを含む。
本発明をより詳細に説明する前に、まず下記の用語を定義する。定義されていない用語は、文脈の中の定義を与えられるか、あるいは医学的に許容される定義を与えられる。
本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的だけのためのものであり、本発明を限定することを目的としていない。本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上明白に別段の指示がない限り、複数形も含むよう意図されている。
本明細書で使用する場合、「任意の」又は「任意に」という用語は、その後に説明される事象又は状況が発生し得るか、あるいは発生し得ないということ、並びにその説明がその事象又は状況が発生する例及び発生しない例を含むということを意味する。
本明細書において使用されるとき、例えば、温度、時間、量、濃度、及び範囲を含む、その他などの(such other)数値指定(a numerical designation)の前に使用される場合、「約」という用語は、(+)又は(-)10%、5%、1%、又はその間の任意のサブ範囲若しくはサブ値変化することができる近似値を示す。好ましくは、投薬量に関して使用される場合、「約」という用語は、用量が±10%変化する可能性があるということを意味する。
本明細書で使用する場合、「を含むこと」又は「を含む」という用語は、組成物及び方法が、引用された要素を含むが、他の要素を除外しないということを意味するよう意図されている。
本明細書において使用されるとき、組成物及び方法を規定するために使用される場合、「から本質的になる」という用語は、規定された目的のための組み合わせにとって本質的に重要な他の要素を除外することを意味するものとする。したがって、本明細書において規定される要素から本質的になる組成物は、クレームされた発明の基本的かつ新規な特性(複数可)に実質的な影響を与えない他の材料又は工程を除外しないことになる。
本明細書で使用される場合、「からなる」という用語は、他の構成要素(other ingredients)及び実質的な方法段階(substantial method steps)の微量元素を超えるもの(more than trace elements)を除外することを意味するものとする。これらの転換語(transition terms)の各々によって規定される実施形態は、本発明の範囲内である。
本明細書で使用する場合、ドコサヘキサエン酸という用語は、次のような既知の構造を有する化合物を指す:
ドコサヘキサエン酸のエステルは、-OH基を-ORで置換することによって形成される。かかるエステルは、本明細書において以下に定義されるとおりである。
本明細書で使用する場合及び文脈上別段の指示がない限り、「重水素化ドコサヘキサエン酸又はそのエステル」という用語は、重水素原子に交換されたビスアリル部位での水素原子を平均で少なくとも80%有し、重水素原子に交換されたモノアリル部位での水素原子が平均で約35%以下である、ドコサヘキサエン酸又はエステル化合物を指す。好ましい実施形態において、重水素に交換されたビスアリル部位での水素原子の平均及び重水素に交換されたモノアリル部位での水素原子の平均は、以下に提供される。
一実施形態において、本明細書において記述されている重水素化DHAは、式Iによって表されることができる:
各Yは、独立して、水素又は重水素であり、ただし、全ての前記Y基の少なくとも約80%が重水素である;及び
各X及びXは、独立して、水素又は重水素であり、ただし、全てのX及びX基の集合体(aggregate)は、その間に見つけられる全てのサブ範囲を含めて、少なくとも約1%~約35%の重水素を含む。
一実施形態において、両方のX基の集合体は、これらの2つの数の間の全てのサブ範囲を含めて、約5%~約30%の重水素を含む一方で、両方のX基の集合体は、これらの2つの数の間の全てのサブ範囲を含めて、約1%~約10%の重水素を含む。
本明細書において記述されている例示的な重水素化DHA組成物は、以下の表1で提供され、上記の式Iを参照している:
本明細書で使用される場合及び文脈上別段の指示がない限り、「そのエステル」という用語は、C-Cアルキルエステル、グリセロールエステル(モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドを含む)、スクロースエステル、リン酸エステルなどを指す。採用される特定のエステルは、エステルが薬学的に許容範囲内である(非毒性及び生体適合性)という条件で、重要ではない。
本明細書で使用する場合、「リン脂質」という用語は、細胞膜の成分である、ありとあらゆるリン脂質を指す。この用語には、ホスファチジルコリン、リゾホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン及びスフィンゴミエリンが含まれる。
本明細書で使用する場合、「患者」という用語は、重水素化ドコサヘキサエン酸又はそのエステルを含む組成物の投与によって治療可能な酸化的網膜疾患を患うヒト患者又はヒト患者のコホートを指す。
本明細書で使用する場合、本明細書において開示される化合物の「薬学的に許容される塩」という用語は、本明細書において記述されている方法の範囲内であり、望ましい薬理学的活性を保持して、生物学的に望ましくなくはない(is not biologically undesirable)(例えば、塩が過度に毒性、アレルギー性又は刺激性でなく、生物学的に利用可能である)酸又は塩基付加塩を含む。化合物が塩基性基、例えば、アミノ基などを有する場合、薬学的に許容される塩は、無機酸(例えば、塩酸、ヒドロホウ酸(hydroboric acid)、硝酸、硫酸及びリン酸など)、有機酸(例えば、アルギン酸(alginate)、ギ酸、酢酸、安息香酸、グルコン酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、乳酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸)又は酸性アミノ酸(例えば、アスパラギン酸及びグルタミン酸など)を用いて形成され得る。化合物が酸性基、例えば、カルボン酸基などを有する場合、それは、金属、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属(earth alkali metals)(例えば、Na、Li、K、Ca2+、Mg2+、Zn2+)、アンモニア又は有機アミン(例えば、ジシクロヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリメチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン)又は塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン、リジン及びオルニチン)などを用いて形成し得る。そのような塩は、化合物の単離及び精製中にインサイチュで調製されるか、あるいは遊離塩基又は遊離酸の形態で精製された化合物を、それぞれ適当な酸又は塩基と別々に反応させ、このような方法で形成された塩を単離することによって調製されることができる。
化合物の調製
重水素化ドコサヘキサエン酸は、参照によりその全体が本明細書中に援用される、米国特許第10,730,821号に記載された合成方法によって調製される。具体的には、その特許の表1は、当該明細書において記述された合成プロトコルの1回の実行を説明しており、モノアリル部位での平均で約26%の重水素化を用いてビスアリル部位での平均で96%の重水素の交換を提供した。
これらの重水素化脂肪酸のエステルは、当該技術分野で周知の従来技術によって調製される。
方法論
本明細書において記述されている方法は、治療濃度を達成するためのみならず、眼、特に網膜の桿体においてかかる濃度を維持するためにもまた、本明細書において記述されている持続投与レベルを伴う。本明細書において採用される用量は、1日当たりの最大PUFAの取り込みに関する個々の患者の代謝の変動性、重水素化ドコサヘキサエン酸又はそのエステルがPUFAの取り込みの一部を構成する割合、PUFAの取り込みを損なう特定の状態及び当該技術分野で周知の他の因子を考慮する。さらに、ドコサヘキサエン酸のインビボでの濃度の漸増及びその比較的長い半減期は、薬剤が、週5日、週6日及び4週中3週は週に7日間など、1ヶ月あたり少なくとも70%の日で投与されるという条件で、患者の投薬「休日」を可能にする。一実施形態において、薬剤は、1ヶ月あたり少なくとも85%の日(例えば、少なくとも週6日)で投与される。したがって、故意に、あるいは不注意に毎日の薬剤の投与を失敗する患者は、従来の薬剤とは全く似ていない全体的な投与プロトコルに依然として準拠している。
投与レジメンは、患者のBMI、病状の重症度又は他の全体的な患者の健康状態に関係なく、約100mg/日~約1,000mg/日の1日用量又は単位用量を採用する。一実施形態において、1日用量は、約100mg/日~約350mg/日である。別の実施形態において、1日用量は、約350mg/日~約650mg/日である。さらに別の実施形態において、1日用量は、約650mg/日~約1000mg/日である。具体例において、重水素化ドコサヘキサエン酸又はそのエステルは、約100mg/日;又は約125mg/日;又は約150mg/日;又は約175mg/日;又は約200mg/日;又は約225mg/日;又は約250mg/日;又は約275mg/日;又は約300mg/日;又は約325mg/日;又は約350mg/日;又は約375mg/日、又は約400mg/日;又は約425mg/日;又は約450mg/日;又は約475mg/日;又は約500mg/日;又は約525mg/日;又は約550mg/日;又は約575mg/日;又は約600mg/日;又は約625mg/日;又は約650mg/日;又は約675mg/日;又は約700mg/日;又は約725mg/日;又は約750mg/日;又は約775mg/日;又は約800mg/日;又は約825mg/日;又は約850mg/日;又は約875mg/日;又は約900mg/日;又は約925mg/日;又は約950mg/日;又は約975mg/日;又は約1,000mg/日投与される。投与された用量は、列挙された範囲内の任意の値又はサブ範囲であってもよい。
酸化的眼疾患の診断及び進行は、当技術分野で周知の多数の従来の診断ツールのいずれか1つによって評価される。例えば、verywellhealth.com/how-macular-degeneration-is-diagnosed-4160590を参照されたい。一実施形態において、患者の疾患進行の減少速度は、治療の開始後の眼科検査結果を、初期診断/治療の開始時に得られた検査結果又は以前の評価による検査結果と比較することによって評価される。データは、本明細書において記述されている投与法を採用した場合、個々の患者の疾患進行速度が、少なくとも約20%又は少なくとも約30%又は少なくとも約40%又は少なくとも約50%以上低下するであろうことを示唆している。減少量は、端点を含む、列挙された範囲内の任意の値又はサブ範囲であってもよい。一般に、比較は、既知の疾患進行速度と患者が経験する疾患進行速度の間であり、治療の開始後約6ヶ月又は約12ヶ月又は約18ヶ月又は約24ヶ月などの1~24ヶ月の任意の時期及びその後定期的に(例えば、6ヶ月ごとに)行われる。一実施形態において、既知の疾患進行速度は、同じ期間にわたって偽薬で処置された患者のコホートにおける地図状萎縮の進行速度に基づくことができる。
別の実施形態において、治療プロトコルの有効性は、治療された集団又は個人における地図状萎縮の進行の程度をプラセボ集団(a placebo population)と比較することによって評価され得る。かかる比較において、有効性は、プラセボ集団と比較して、処置された集団における地図状萎縮の進行の統計的に有意な減少によって確立される。好ましくは、本明細書において記述されている投与方法が採用される場合、減少の範囲は、少なくとも約20%又は少なくとも約30%又は少なくとも約40%又は少なくとも約50%以上である。
本明細書において記述されている方法はまた、網膜細胞の脂質膜がLPOに対して安定化されると、酸化的網膜疾患の進行が実質的に減少するという発見に部分的に基づいている。理論によって制限されることなく、重水素化されたドコサヘキサエン酸では、水素原子が重水素原子で置換されているため、炭素-水素原子よりも炭素-重水素結合の方がROSに対して有意に安定であると考えられている。上記のように、この安定性は、脂質の自動酸化のカスケードを減少させ、これ故に疾患進行速度を制限することで現れる。
組み合わせ
本明細書において提供される治療は、かかる治療が脂質自動酸化の阻害に対して直交する作用機序に作用するという条件で、酸化的レチナールで使用される従来の治療法と組み合わせることができる。併用に適切薬剤には、エダラボン、イデベノン、ミトキノン、ミトキノール、ビタミンC又はビタミンEなどの抗酸化物質ただし、脂質自動酸化の阻害を対象にするこれらの抗酸化物質はいずれも含まない、TTX感受性ナトリウムチャネルを優先的に遮断するリルゾール、従来の鎮痛剤などが含まれるが、これらに限定されない。
医薬組成物
重水素化ドコサヘキサエン酸又はそのエステルの特定の投与は、任意の数の認められた投与様式によって達成される。上述のように、本発明の方法による1日用量又は定期的な投与量で使用される薬剤の実際の量、すなわち、有効成分は、上記で詳細に記述されている。薬剤は、少なくとも1日1回、好ましくは1日1回又は2回又は3回以上投与され得る。
本発明は、いかなる特定の組成物又は医薬担体にも限定されるものではなく、そのため変化することができる。一般に、本発明の化合物は、多数の既知の投与経路のいずれかによって医薬組成物として投与されるであろう。しかしながら、経口投与(orally delivery)は、好ましくは、典型的には錠剤(tablets)、丸薬(pills)、カプセルなどを使用している。経口投与(oral delivery)に使用される特定の形態は重要ではないが、投与される薬物の量が多いため、1日用量又は定期的な単位用量(periodic unit dose)は、好ましくは、多数の錠剤、丸薬、カプセルなどを有するサブユニットに分割される。特に好ましい一実施形態において、ドコサヘキサエン酸又はそのエステルは、ニートオイルとしてゲルカプセル中に投与される。
本発明の化合物の医薬剤形は、当該技術分野で周知の任意の方法、例えば、従来の混合、錠剤化、カプセル化などによって製造されることができる。本発明の組成物は、活性分子の製薬用製剤(preparations for pharmaceutical use)への加工を容易にする一又は複数の生理学的に許容される不活性成分を含むことができる。
組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と組み合わせた薬剤を含むことができる。許容される賦形剤は、非毒性であり、投与を援助して、かつ請求される化合物の治療上の利益に悪影響を及ぼさない。かかる賦形剤は、当業者に一般的に入手可能である任意の固体、液体又は半固体であってもよい。
固体の医薬品賦形剤としては、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉(flour)、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセリン、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルクなどが挙げられる。他の適切な医薬品賦形剤及びそれらの製剤は、E.W.Martinによって編集されたRemington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Company,18th ed.,1990)に記述されている。
本発明の組成物は、必要に応じて、必要な数のサブユニットで薬剤を含む1日用量又は定期的な単位用量をそれぞれ含むパック又はディスペンサー装置で提示されることができる。かかるパック又は装置は、例えば、ブリスターパック、バイアル又は他の任意のタイプの封入物のような金属又はプラスチック箔を含むことができる。パック又はディスペンサー装置は、例えば、当該明細書中に含まれる1日用量又は定期的な投与量を構成するサブユニットの全てを服用するように指示することを含む、投与のための指示書を添付されてもよい。
製剤中の薬物の量は、薬物の1日用量又は定期的な投与量に必要なサブユニットの数に応じて変化し得る。典型的には、製剤は、重量パーセント(wt%)基準で、カプセル担体の重量以外の製剤総量を基にして約10~100重量パーセントの薬剤を含み、残りは、一又は複数の適切な医薬品賦形剤である。好ましくは、化合物は、約50~99重量%のレベルで存在する。
好ましい実施形態において、薬剤は、安定剤、酸化防止剤、着色剤などのような任意の医薬品賦形剤を必要とせずにカプセル内に封入される。
実施例
本発明は、本発明の純粋に例示的であることを意図する下記の実施例を参照することによりさらに理解される。本発明は、例示された実施形態によって範囲が限定されるものではなく、これらの実施形態は、本発明の単一の側面の例示としてのみ意図されている。機能的に等価である任意の方法は、本発明の範囲内である。本明細書において記述されているものに加えて、本発明の様々な変更は、前述の説明及び添付の図から当業者に明らかになるであろう。かかる変更は、添付の特許請求の範囲内にある。これらの実施例において、下記の用語は、本明細書中で使用され、下記の意味を有する。
実施例1-重水素化ドコサヘキサエン酸エチルエステルの調製
米国特許第10,730,821号の手順に従って、ビスアリル位で、平均で80%超のレベル、モノアリル位で、平均で35%未満のレベルで重水素化されたドコサヘキサエン酸エチルエステルを含む組成物を調製した。
実施例2-疾患進行速度の減少
この実施例は、プラセボ患者のコホートと比較して、実施例1と同様の重水素化ドコサヘキサエン酸エチルエステルで治療された患者のコホートにおける黄斑変性の進行速度の減少を示す。具体的には、治療コホートは、250mg/日の重水素化ドコサヘキサエン酸エチルエステル又は250mg/日のベニバナ油を投与される。患者は、臨床研究の間中、この投与レジメンで維持される。さらなる地図状萎縮の進行の定期的な測定値が得られる。
投薬は、6ヶ月又は12ヶ月又は18ヶ月又は24ヶ月間継続される。その時点で、各コホートに関して、地図状萎縮の進行の平均範囲が測定される。治療プロトコルの有効性は、治療された集団における地図状萎縮の進行の程度をプラセボ集団と比較することによって評価される。 具体的には、本明細書において記述されている方法は、疾患進行の速度の統計的に有意な減少を提供する。
実施例3-治療患者及び未治療患者のコホートを用いた疾患進行の減少における決定
この実施例において、疾患進行の減少は、以下のように決定される:
a)重水素化ドコサヘキサエン酸エチルエステルで治療された患者のコホートに関して、治療の開始時及び治療の開始後6、12、18又は24ヶ月時に、患者の網膜のそれぞれにおける地図状萎縮の範囲を測定し、治療の開始時の萎縮の範囲と後の時点での萎縮の範囲の間の差を決定し、次にその差の平均値を取得し、その平均差に「A」として指定される第1の値を代入することによって、疾患進行の平均速度を決定する;
b)偽薬(ベニバナ油)で処置された患者のコホートに関して、治療の開始時及び治療の開始後6、12、18又は24ヶ月時に、患者の網膜のそれぞれにおける地図状萎縮の範囲を測定し、治療の開始時の萎縮の範囲と後の時点での萎縮の範囲の間の差を決定し、次にその差の平均値を取得し、その平均差に「B」として指定される第2の値を代入することによって、疾患進行の平均速度を決定する;
c)BとAの間の差を計算し、その値に「C」割り当てる(例えば、B-A=C);
d)BがAより大きい場合、「C」に正の値を割り当てる;
e)BがAより小さい場合、「C」に負の値を割り当てる;及び
f)CをBで割り、100を掛ける[(C/B)×100]。
この例のように、治療患者は、統計的に有意である地図状萎縮の正のパーセント減少(a positive percent reduction)、好ましくは、少なくとも正の20%減少を有する。すなわち、Aが任意の値40で、Bが任意の値60の場合、B-A=CでCの値は20となる。次に、C/Bを割ると20/60となり、その値に100を掛けると33%となる。
実施例4-治療患者及び未治療患者のコホートを用いた疾患進行の減少における決定
その代わりに、個々の患者の疾患進行速度は、下記の事項によって評価され得る:
a)治療の開始時及び治療の開始後6、12、18又は24ヶ月時に、患者の網膜の地図状萎縮の範囲を測定して、その差に第3の値「D」を割り当てることによって、前記個々の患者の疾患進行速度を決定する;
b)偽薬(ベニバナ油)で処置された患者のコホートに関して、治療の開始時及び治療の開始後6、12、18又は24ヶ月時に、患者の網膜のそれぞれにおける地図状萎縮の範囲を測定し、治療の開始時の萎縮の範囲と後の時点での萎縮の範囲の間の差を決定し、次にその差の平均値を取得し、その平均差に「E」と指定される第2の値を割り当てることによって、疾患進行の平均速度を決定する;
c)DとEの間の差を計算し、その値に「F」を割り当てる(例えば、E-D=F);
d)EがDより大きい場合、「F」に正の値を割り当てる;
e)EがDより小さい場合、「F」に負の値を代入する;及び
f)FをEで割り、100を掛ける[(F/E)×100]。
この例のように、治療患者は、治療患者は、統計的に有意である地図状萎縮の正のパーセント減少、好ましくは、少なくとも正の20%減少を有する。すなわち、Dが任意の値50で、Eが任意の値100の場合、E-D=FでFの値は50となる。次に、F/Eを割ると50/100となり、その値に100を掛けると50%となる。

Claims (16)

  1. 患者の網膜における酸化的網膜疾患(an oxidative retinal disease)の疾患進行速度を減少するための方法であって、前記方法は、重水素化ドコサヘキサエン酸又はそのエステルを含む組成物の約100mg/日~約350mg/日の量を前記患者に定期的に投与することを含み、前記投与は、前記酸化的網膜疾患の進行速度の減少と相まって(coupled with)網膜における重水素化ドコサヘキサエン酸の治療濃度をもたらす、方法。
  2. 組成物の前記定期的な投与は、少なくとも週5日の投与を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 組成物中の前記重水素化ドコサヘキサエン酸又はそのエステルは、利用可能な全てのビスアリル部位を基にして少なくとも約80%のビスアリル部位での平均重水素化を含み、モノアリル部位での前記平均重水素化は、利用可能な全てのモノアリル部位を基にして約1%~約35%である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ビスアリル部位での前記平均重水素化は、少なくとも約90%であり、モノアリル部位での平均重水素化は、約1%~約25%である、請求項3に記載の方法。
  5. 患者の網膜におけるドコサヘキサエン酸の前記治療濃度の発現は、治療の開始から50日以内である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 患者の網膜におけるドコサヘキサエン酸の前記治療濃度の発現は、治療の開始から40日以内である、請求項5に記載の方法。
  7. 患者の網膜におけるドコサヘキサエン酸の前記治療濃度の発現は、治療の開始から30日以内である、請求項5に記載の方法。
  8. 前記進行速度の減少は、実施例2の処方を採用するプラセボで処置された患者のコホートにおける平均進行速度と比較した、治療患者のコホートにおける前記酸化的網膜疾患の進行速度の平均的な減少によって決定される、治療患者のコホートにおける疾患進行の平均減少速度と比較される、請求項1に記載の方法。
  9. 治療患者における前記疾患進行の平均減少速度は、実施例3の処方を採用するプラセボで処置された患者のコホートにおける平均進行速度と比較した、その者の(his or her)前記酸化的網膜疾患の進行速度の減少によって決定される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記0日目は、重水素化ドコサヘキサエン酸又はそのエステルによる治療の前である、請求項8に記載の方法。
  11. 前記0日目は、偽薬による治療の前である、請求項9に記載の方法。
  12. 前記期間は、6ヶ月又は12ヶ月である、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 患者における前記酸化的網膜疾患の進行速度の減少は、治療前の患者の網膜における進行速度との比較に基づいて決定される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記エステルは、C-Cアルキルエステル、モノグリセリドエステル、ジグリセリドエステル、トリグリセリドエステル、スクロースエステル又はリン酸エステルである、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記エステルは、エチルエステルである、請求項14に記載の方法。
  16. 非重水素化多価不飽和脂肪酸の摂取を制限する食事療法を患者に施すことをさらに含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
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