JP2024524766A - Rnaヘリカーゼdhx33を阻害する多環式化合物及びその応用 - Google Patents

Rnaヘリカーゼdhx33を阻害する多環式化合物及びその応用 Download PDF

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イェントン チャン
シアンルー リー
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Figure 2024524766000001
本発明はRNAヘリカーゼDHX33を阻害する多環式化合物及びその応用に関する。特に、本発明は式Iで表される化合物またはその薬学的に許容される形態、それを含む医薬組成物、その製造方法、及びDHX33関連疾患を予防及び/または治療する医薬における使用に関する。

Description

本発明は医薬化学分野に属し、DHX33の小分子阻害剤、それを含む医薬組成物、その製造方法、及びDHX33関連疾患の予防及び/又は治療する医薬における使用に関する。
本発明は、DHX33のRNAヘリカーゼ活性を阻害する化合物に関する。DHX33は、DEAD/Hボックスを含有するRNAヘリカーゼタンパク質ファミリーに属す。このうち、DEAD/Hはアミノ酸Asp-Glu-Ala-Asp/Hisの略称であり、この配列は他の複数の保存アミノ酸配列とともにRNAヘリカーゼファミリーメンバーのタンパク質配列に現れ、核酸基質の結合及びATP加水分解に深く関与する。これらのファミリーメンバーは、同じ配列を持っているが、各RNAヘリカーゼはそれぞれ特定の特異性と固有の生物学的機能を持っている。ヒトDHX33蛋白は、分子量が約72kDaであり、核酸を巻き戻す機能を有し、ATPの加水分解によって放出される生体エネルギーを利用してRNA-タンパク質複合体の立体配座を変化させ、様々なRNAの代謝活動に関与する。RNAの代謝活動として、具体的には、RNA転写、スプライシング、編集、翻訳、分解などの一連の生物学的プロセスがある。DHX33の機能はRNA分子の修飾のみに限定されず、研究により、二本鎖RNAの巻き戻しに加え、DHX33蛋白がDNAの代謝にも関与することが明らかになっている。具体的には、DHX33蛋白はDNAの二本鎖構造を解くことができ、かつ遺伝子の発現において重要な役割を果たしている。
研究により、DHX33が、がんに関連する様々な遺伝子プロモーターに結合することによってDNAのメチル化状態に影響を及ぼし、様々ながん遺伝子の発現や、腫瘍の進行に関連するシグナル経路をゲノムレベルで制御し、細胞の成長、増殖、遊走、アポトーシス、糖代謝など、種々の細胞活動に重要な役割を果たすことが判明されている。さらに、DHX33は外来二本鎖RNA分子の侵入を感知することができ、細胞の自然免疫において重要な役割を果たしていることが見出された。
非常に重要な細胞成長制御遺伝子として、DHX33は肺がん、リンパ腫、神経膠腫、乳がん、結腸がん、肝臓がんなどの様々ながんにおいて高く発現している。様々ながんの発症と進行は、DHX33蛋白の高発現に依存する。DHX33の遺伝子ノックアウトは、RASがん遺伝子で駆動される肺がんの発症と進行を顕著に抑制することができる。DHX33蛋白を阻害した場合、乳がん、結腸がん、神経膠腫、リンパ腫など多くのがんの発症と進行が顕著に抑制されたことが、インビボ及びインビトロ試験によって実証された。
研究によれば、DHX33のタンパク質機能はそのヘリカーゼ活性に依存する。DHX33のヘリカーゼ活性欠損変異体が、DHX33蛋白の機能を持たず、野生型DHX33遺伝子の機能を代替することができない。本発明は、DHX33を阻害する酵素活性を有する様々な化合物の構造及び合成方法を提供し、これらの化合物は、少なくとも一部がDHX33によって媒介される疾患または病症を治療する薬物の製造における用途を有する。
多量の研究を行った結果、本発明は、DHX33のRNAヘリカーゼ活性を抑制する小分子化合物であって、DHX33関連疾患の予防及び/又は治療において潜在価値を有する一連の小分子化合物を見出した。
第1の局面において、本発明は、式Iの構造を有する化合物またはその薬学的に許容される形態を提供する。
(式中、Xは、NまたはCRから選択され、Xは、NまたはCRから選択され、Xは、NまたはCRから選択され、Xは、NまたはCRから選択され;
、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、-NH(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル)、C1~6ヒドロキシアルキル、-O-(C1~6アルキレン)-O-(C1~6アルキル)、-C(=O)-NH-(C1~6アルキル)、-C(=O)-NH-(C1~6アルキレン)-N(C1~6アルキル)または-C(=O)-O-(C1~6アルキル)から選択され;
は、NまたはCRから選択され、Rは、水素、ハロゲンまたはC1~6アルキルから選択され、前記C1~6アルキルは、ハロゲン、C1~6アルキル、-(C1~6アルキレン)-O-(C1~6アルキル)または-(C1~6アルキレン)-O-C(=O)-(C1~6アルキル)から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく;
は、-NRC(=O)-、-NRS(=O)-、-NRS(=O)-、-C(=O)NR-、-S(=O)NR-または-S(=O)NR-から選択され;
各Rはそれぞれ独立して、水素、C1~6アルキル、C3~8シクロアルキルまたはC6~10アリールから選択され;
環Aは、5~10員のヘテロアリールまたは3~8員の複素環基から選ばれ、環Aは、1つまたは複数のRで置換されていてもよく;
各Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、C1~6アルキルまたはC1~6ハロアルキルから選択され;
は、単結合、O、SまたはCRから選択され;
及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲンまたはC1~6アルキルから選択され;
環Bは、C6~10アリール、5~12員のヘテロアリールまたは3~8員の複素環基から選択され、環Bは、1つまたは複数のR10で置換されていてもよく;
各R10はそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C3~6シクロアルキル、-C(=O)-O-(C1~6アルキル)、フェニル、ベンジル、ピリジル、-C(=O)-NH、または-NH-C(=O)-(C1~6アルキル)から選択され、前記フェニル、ベンジル、ピリジルは、水素、ハロゲン、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、C1~6アルキルまたはC1~6アルコキシから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。)、
前記薬学的に許容される形態は、薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体、溶媒和物、窒素酸化物、同位体標識物、代謝物及びプロドラッグから選択される。
いくつかの実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される形態におけるR、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、-NH(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル)またはC1~6ヒドロキシアルキルから選択される。
いくつかの好ましい実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される形態におけるR、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシまたはC1~4ハロアルコキシから選択される。
いくつかのより好ましい実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される形態におけるR、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシル、メチル、メトキシまたはトリフルオロメトキシから選択される。
いくつかの実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される形態におけるRは、水素、ハロゲンまたはC1~4アルキルから選択され、前記C1~4アルキルは、ハロゲン、C1~4アルキル、-(C1~4アルキレン)-O-(C1~4アルキル)または-(C1~4アルキレン)-O-C(=O)-(C1~4アルキル)から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
いくつかの実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される形態におけるRは、水素、ハロゲンまたはC1~4アルキルから選択され、前記C1~4アルキルは、ハロゲン、C1~4アルキル、-CH-O-CHまたは-CH-O-C(=O)-CHから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
いくつかの好ましい実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される形態におけるRは、水素、ハロゲンまたはメチルから選択される。
いくつかの実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される形態におけるLは、-NRC(=O)-、-NRS(=O)-、-C(=O)NR-または-S(=O)NR-から選択され、各Rはそれぞれ独立して、水素、C1~4アルキルまたはC3~6シクロアルキルから選択される。
いくつかの好ましい実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される形態におけるLは、-NRC(=O)-、-NRS(=O)-、-C(=O)NR-または-S(=O)NR-から選択され、各Rはそれぞれ独立して、水素またはC1~4アルキルから選択される。
一部のより好ましい実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される形態におけるLは、-NHC(=O)-、-N(CH)-C(=O)-、-NHS(=O)-、-C(=O)NH-または-S(=O)NH-から選択される。
いくつかの実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される形態における環Aは、5~10員のヘテロアリールから選択され、環Aは、1つまたは複数のRで置換されていてもよく、各Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、C1~4アルキルまたはC1~4ハロアルキルから選択される。
いくつかの好ましい実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される形態における環Aは、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリルまたはオキサゾリルから選択され、環Aは、1つまたは複数のRで置換されていてもよく、各Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、メチル、エチルまたはトリフルオロメチルから選択される。
一部のより好ましい実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される形態における環Aは、ピロリルまたはイミダゾリルから選択され、環Aは、1つまたは複数のRで置換されていてもよく、各Rはそれぞれ独立して、ハロゲンまたはメチルから選択される。
一部の特に好ましい実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される形態における環Aは、
または、
から選択される。
いくつかの実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される形態におけるLは、単結合またはCRから選択され;R及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲンまたはC1~4アルキルから選択される。
いくつかの好ましい実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される形態におけるLは、単結合、-CH-または-CH(CH)-から選択される。
いくつかの実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される形態における環Bは、C6~10アリールまたは5~12員のヘテロアリールから選択され、環Bは、1つまたは複数のR10で置換されていてもよく、各R10はそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C3~6シクロアルキルまたは-C(=O)-NHから選択される。
いくつかの好ましい実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される形態における環Bは、C6~10アリールまたは5~10員のヘテロアリールから選択され、環Bは、1つまたは複数のR10で置換されていてもよく、各R10はそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1~4アルキル、C1~4アルコキシまたは-C(=O)-NHから選択される。
一部のより好ましい実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される形態における環Bは、フェニル、ピラジニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、オキサゾリル、チエニル、チアゾリル、ピラゾリルまたはイミダゾリルから選択され、環Bは、1つまたは複数のR10で置換されていてもよく、各R10はそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシル、メチルまたは-C(=O)-NHから選択される。
一部の特に好ましい実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される形態における環Bは、
から選択される。
いくつかの実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される形態は、式I-1、式I-2、式I-3、式I-4、式I-5、式I-6、式I-19または式I-20の構造を有する化合物またはその薬学的に許容される形態である。
(式中、R、R、R、R、R、L、L及び環Bは、式Iで定義されるとおりである。)
いくつかの好ましい実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される形態は、式I-7、式I-8、式I-9、式I-10、式I-11、式I-12、式I-13、式I-14、式I-15、式I-16、式I-17、式I-18、式I-21または式I-22の構造を有する化合物またはその薬学的に許容される形態である。
(式中、R、R、R、R、R及び環Bは、式Iで定義されるとおりである。)
当業者であれば、本発明は各実施形態の任意の組み合わせによって得られる化合物を包含することを理解すべきである。一実施形態における構成要件または好ましい構成要件と、別の実施形態における構成要件または好ましい構成要件との組み合わせで得られる実施形態も本発明の範囲に包含される。
第2の局面において、本発明はまた、以下の化合物またはその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体、溶媒和物、窒素酸化物、同位体標識物、代謝物またはプロドラッグを提供する。
第3の局面において、本発明は、少なくとも1種の上記化合物またはその薬学的に許容される形態と、1種以上の薬学的に許容される担体と、を含む医薬組成物を提供する。
第4の局面において、本発明は、少なくとも一部がDHX33によって媒介される疾患または病症を予防及び/又は治療するための、DHX33阻害剤として使用される上記化合物もしくはその薬学的に許容される形態、または上記医薬組成物を提供する。
第5の局面において、本発明は、少なくとも一部がDHX33によって媒介される疾患または病症を予防及び/又は治療する医薬を製造するための、上記化合物もしくはその薬学的に許容される形態または上記医薬組成物の使用を提供する。
第6の局面において、本発明は、予防及び/又は治療有効量の上記化合物もしくはその薬学的に許容される形態または上記医薬組成物を、それを必要とする個体に投与することを含む、少なくとも一部がDHX33によって媒介される疾患または病症を予防及び/又は治療するための方法を提供する。
本発明は、本明細書に記載される特定の実施形態に限定されるものではなく、本明細書で使用される用語は説明のみを目的としており、特定の実施形態を限定するものではない。
用語の定義
特に断りがない限り、本発明における下記用語の定義は以下のとおりである。
用語「包含」、「含む」、「有する」、「含有する」またはそれらの任意の変形は、非排他的または開放式の包含をカバーすることを意図している。例えば、一連の構成を含む組成物、方法または装置は、必ずしも明確に挙げられた構成に限定されるわけではなく、明確に挙げられていない他の構成や、上記組成物、方法または装置に固有の構成も含み得る。
数値範囲の下限及び上限が開示された場合、この範囲にある任意の数値または任意の部分範囲がいずれも具体的に開示されていることを意味する。特に、本明細書に開示されたパラメータの各数値範囲(例えば、「約aからb」、または同等の「ほぼaからb」、または同等の「約a~b」)は、その範囲における各数値及び部分範囲をカバーすると理解されるべきである。例えば、「C1~4」は、C2~4、C3~4、C1~2、C1~3、C1~4など任意の部分範囲や、C、C、C、Cなどの各個別値を包含していると理解されるべきである。また、例えば、「5~10員」は、5~6員、5~7員、5~8員、5~9員、6~7員、6~8員などの任意の部分範囲や、5員、6員、7員、8員、9員、10員などの各個別値を包含していると理解されるべきである。
「医薬組成物」という用語は、医薬として使用できる組成物を指し、医薬活性成分(または治療薬)及び場合により1種以上の薬学的に許容される担体を含む。「薬学的に許容される担体」という用語は、健全な医学的判断の範囲で過度の毒性、刺激、アレルギー反応または合理的なベネフィット・リスク比に対応する他の問題や合併症を引き起こすことなくヒト及び/又は他の動物の組織に接触させて使用するのに適している、治療薬とともに投与される添加成分を指す。本発明で使用できる薬学的に許容される担体としては、a)希釈剤、b)潤滑剤、c)結合剤、d)崩壊剤、e)吸収剤、着色剤、調味剤及び/又は甘味剤、f)乳化剤または分散剤、及び/又はg)化合物の吸収を促進する物質などが挙げられるが、これらに限定されない。
上記医薬組成物は、全身的及び/又は局所的に作用し得る。そこで、これらの医薬組成物は、例えば、非経口、局所、静脈内、経口、皮下、動脈内、皮内、経皮、直腸、頭蓋内、腹腔内、鼻腔内、筋肉内経路など適切な投与経路を介して投与するか、または、吸入剤として投与することができる。
上記投与経路は、好適な剤形を通じて実現することができる。本発明で使用できる剤形としては、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、飴剤、粉末剤、スプレー剤、クリーム剤、軟膏剤、座薬、ゲル剤、ペースト、ローション剤、軟膏剤、水性懸濁液、水溶性注射剤、エリキシル剤、シロップ剤などが挙げられるが、これらに限定されない。
経口投与する場合、上記医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、水溶液製剤、水性懸濁液など、経口的に許容される任意の製剤形態とすることができるが、これらに限定されない。
上記医薬組成物はまた、滅菌注射用水もしくは油懸濁液、または滅菌注射用水もしくは油性溶液製剤を含む滅菌注射剤として投与することもできる。ここで、使用できる担体としては、水、リンゲル液及び等張塩化ナトリウム溶液などが挙げられるが、これらに限定されない。また、モノグリセリドまたはジグリセリドなどの滅菌不揮発性油も溶媒または懸濁媒体として使用できる。
上記医薬組成物は、上記化合物またはその薬学的に許容される形態の少なくとも1種を0.01mg~1000mg含有していてもよい。
用語「少なくとも一部がDHX33によって媒介される疾患または病症」とは、例えばがん、ウイルス感染及び炎症など、病理機構が、DHX33関連因子を少なくとも部分的に含む疾患を意味する。
用語「有効量」とは、細胞、組織、器官または生体(例えば、個体)において生物学的または医学的反応を誘発し得、所望の予防及び/又は治療効果を達成するのに十分な量を意味する。
投薬レジメンは、最適な望ましい応答を提供するように調整することができる。例えば、単回で投与してもよく、経時的に分割投与してもよく、あるいは、実際の状況に応じて投与量を比例的に減少または増加させて投与してもよい。なお、任意の特定個体について、具体的な投薬レジメンは、必要に応じて、及び、組成物を投与または管理する投与者の専門的な判断に応じて調整すべきであることが理解される。
用語「それを必要とする」とは、個体が予防及び/又は治療を必要とするか、または、個体が予防及び/又は治療から恩恵を受けるという、専門分野での様々な要因に基づいた医師または他の看護者の判断を意味する。
用語「個体」(または被験者)とは、ヒトまたはヒト以外の動物を意味する。本発明における個体には、疾患及び/又は病症に罹患した個体(患者)及び正常な個体が含まれる。本発明における非ヒト動物には、例えば鳥類、両生類、爬虫類などの非哺乳類、及び非ヒト霊長類、家畜及び/又は家畜化動物(例えば羊、犬、猫、乳牛、豚など)などの哺乳類など、すべての脊椎動物が含まれる。
用語「治療する」とは、標的となる疾患または病症を軽減または解消することを意味する。治療量の本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される形態、または本発明の医薬組成物を受けた被験者は、少なくとも1つの指標や症状が、観察可能及び/又は検出可能な緩和及び/又は改善を示した場合、良好に「治療」されたことが考えられる。なお、治療には、完全な治療だけでなく、完全な治療に満たないが、いくつかの生物学的または医学的に関連する結果が達成された場合も含まれると理解される。具体的には、「治療」とは、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される形態、または本発明の医薬組成物が、以下の効果のうち少なくとも1つを達成できることを意味する。例えば、(1)疾患の傾向があると考えられるが、疾患の病理学または症候学をまだ経験せずまたは示していない動物において疾患の発症を防止すること、(2)疾患の病理学または症候学を経験しているかまたは示している動物において疾患を阻害する(即ち、病理学または症候学のさらなる進行を防ぐ)こと、(3)疾患の病理学または症候学を経験しているかまたは示している動物において疾患を改善させること(即ち、病理学または症候学的逆転)。
用語「薬学的に許容される塩」とは、生体に対して実質的に無毒である本発明の化合物の塩を意味する。薬学的に許容される塩には、通常、本発明の化合物と薬学的に許容される無機/有機酸または無機/有機塩基との反応によって形成される塩が含まれるが、これらに限定されない。そのような塩は、酸付加塩または塩基付加塩とも呼ばれる。適切な塩の総説については、例えば、Jusiak,Soczewinski,et al.,Remington’s Pharmaceutical Sciences[M],Mack Publishing Company,2005及びStahl,Wermuth,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use[M],Wiley-VCH,2002を参照される。本発明の化合物の薬学的に許容される塩を調製するための方法は、当業者に知られている。
用語「薬学的に許容されるエステル」は、生体に対して実質的に無毒であり、生体内で加水分解されて本発明の化合物またはその塩となるエステルを意味する。薬学的に許容されるエステルには、通常、本発明の化合物と薬学的に許容されるカルボン酸またはスルホン酸とのエステルが含まれるが、これらに限定されない。このようなエステルは、カルボン酸エステルまたはスルホン酸エステルとも呼ばれる。
用語「異性体」とは、原子の数と種類が同じであるため同じ分子量を有するが、原子の空間的配列や配置が異なる化合物を意味する。
用語「立体異性体」(または「光学異性体」)とは、少なくとも1つのキラリティー(キラル中心、キラル軸、キラル面などを含む)を有することにより、垂直な不斉面を有し、それにより直線偏光を回転させることができる安定な異性体を意味する。本発明の化合物には立体異性を生じさせ得る不斉中心及び他の化学構造が存在するため、本発明はこれらの立体異性体及びその混合物も含む。特に断りがない限り、本発明の化合物の立体異性体はすべて本発明の範囲に含まれる。
用語「互変異性体」(または「互変異性形態」)とは、異なるエネルギーを有し、低障壁を介して互いに変換し得る構造異性体を意味する。互変異性が可能であれば(例えば、溶液中で)、互変異性体の化学平衡を達成することができる。例えば、プロトン互変異性体(またはプロトン移動互変異性体とも呼ばれる)には、例えば、ケト-エノール異性化、イミン-エナミン異性化、アミド-イミノアルコール異性化など、プロトンの移動を介する相互変換が含まれるが、これらに限定されない。特に断りがない限り、本発明の化合物の互変異性体はすべて本発明の範囲に含まれる。
用語「溶媒和物」とは、本発明の化合物(またはその薬学的に許容される塩)と少なくとも1つの溶媒分子とが、非共有結合性分子間力によって結合してなる物質を意味する。例えば、溶媒和物には、水和物(半水和物、一水和物、二水和物、三水和物などを含む)、エタノラート、アセトネートなどが含まれるが、これらに限定されない。
用語「窒素酸化物」とは、三級アミンまたは窒素含有(芳香族)複素環系化合物の構造における窒素原子が酸化して形成される化合物を意味する。例えば、上記化合物の母核における窒素原子は、対応する窒素酸化物を形成することができる。
用語「同位体標識物」とは、本発明の化合物における特定の原子をその同位体原子に置き換えてなる誘導化合物を意味する。特に断りがない限り、本発明の化合物には、H、C、N、O、F、P、S、Clの様々な同位体が含まれ、例えば、H(D)、H(T)、13C14C、15N、17O、18O、18F、31P、32P、35S、36S、および37Clが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「代謝物」とは、本発明の化合物が代謝によって形成される誘導化合物を意味する。代謝に関する更なる情報は、Goodman and Gilman’s: The Pharmacological Basis of Therapeutics (9th ed.) [M]、McGraw-Hill International Editions、1996を参照される。本発明は、本発明の化合物の可能な代謝物形態、即ち、本発明の化合物が投与された個体内で形成される物質を全て包含する。化合物の代謝物は、当業界の公知技術によって同定することができ、その活性はアッセイによって特徴付けることができる。
用語「プロドラッグ」とは、個体に投与した場合、本発明の化合物を直接または間接的に提供し得る誘導化合物を意味する。特に好ましい誘導化合物またはプロドラッグは、個体に投与される場合、本発明の化合物のバイオアベイラビリティを増加させることができる化合物(例えば、血液中へより吸収されやすい)、または作用部位(例えば、リンパ系)への親化合物の送達を促進する化合物である。特に断りがない限り、本発明の化合物のプロドラッグ形態は全て本発明の範囲に含まれ、かつ、様々なプロドラッグ形態は当業界で知られているものである。例えば、T.Higuchi,V.Stella,Pro-drugs as Novel Drug Delivery Systems[J],American Chemical Society,Vol.14,1975を参照される。また、本発明は、保護基を有する本発明の化合物も包含する。本発明の化合物のいずれかの製造プロセスにおいて、関与する任意の分子上の感受性基または反応性基を保護することが必要及び/又は望ましいことがあり、それによって本発明の化合物の化学的に保護された形態を形成する。これは、通常の保護基、例えばT.W.Greene,P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis[M],John Wiley&Sons,2006に記載されているものによって達成できる。これらの保護基は、当業界で既知の方法を使用して、適切な後続段階で除去することができる。
用語「それぞれ独立して」とは、構造に存在する、数値範囲が同じまたは類似である少なくとも2つの基(または環系)が、特定の状況下で同じまたは異なる意味を有し得ることをいう。例えば、置換基X及び置換基Yが、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アルキルまたはアリールであれば、置換基Xが水素である場合、置換基Yが、水素であってもよく、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アルキルまたはアリールであってもよい。同様に、置換基Yが水素である場合、置換基Xが水素であってもよく、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アルキルまたはアリールであってもよい。
本明細書において、単独でまたは他の基と組み合わせて使用される場合、用語「ハロゲン」とは、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)及びヨウ素(I)を意味する。
本明細書において、単独でまたは他の基と組み合わせて使用される場合、用語「アルキル」とは、直鎖または分岐鎖の脂肪族炭化水素基を意味する。例えば、本発明で使用される用語「C1~6アルキル」とは、炭素数1~6のアルキルを意味する。例えば、アルキルとしては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、またはt-ブチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。アルキルは、置換または非置換であってもよい。
本明細書において、単独でまたは他の基と組み合わせて使用される場合、用語「アルキレン」とは、直鎖または分岐鎖の2価の飽和脂肪族炭化水素基を意味し、それに連結する2つの基(またはセグメント)は、同じ炭素原子に連結してもよく、異なる炭素原子に連結してもよい。例えば、本明細書で使用される用語「C1~6アルキレン」とは、1~6個の炭素原子を有するアルキレン(例えば、メチレン、1,1-エチレン、1,2-エチレン、1,2-プロピレン、1,3-ブチレンなど)を意味する。アルキレンは、置換または非置換であってもよい。
本明細書において、単独でまたは他の基と組み合わせて使用される場合、用語「ハロアルキル」とは、1つまたは複数(例えば、1~3個)の同じまたは異なるハロゲン原子で置換されたアルキルを意味する。例えば、本発明で使用される用語「C1~6ハロアルキル」とは、炭素数1~6のハロアルキルを意味する。例えば、ハロアルキルとしては、-CHF、-CHF、-CF、-CHCF、-CFCF、-CHCHCF、-CHClなどが挙げられるが、これらに限定されない。ハロアルキルは、置換または非置換であってもよい。
本明細書において、単独でまたは他の基と組み合わせて使用される場合、用語「ヒドロキシアルキル」とは、1つまたは複数(例えば1~3個)のヒドロキシルで置換されたアルキルを意味する。例えば、本発明で使用される用語「C1~6ヒドロキシアルキル」とは、炭素数1~6のヒドロキシアルキルを意味する。例えば、ヒドロキシアルキルとして、
などが挙げられるが、これらに限定されない。ヒドロキシアルキルは、置換または非置換であってもよい。
本明細書において、単独でまたは他の基と組み合わせて使用される場合、用語「アルコキシ」とは、酸素原子を介して分子の他の部分に連結するアルキルを意味する。例えば、アルコキシとして、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。アルコキシは、置換または非置換であってもよい。
本明細書において、単独でまたは他の基と組み合わせて使用される場合、用語「ハロアルコキシ」とは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選択される少なくとも1つの原子で置換されている、1価の直鎖または分岐鎖のハロアルキル-O-基を意味し、不飽和度を含有してもよく、酸素原子に連結している1つの単結合を介して他の基に連結している。例えば、C1~6ハロアルコキシが挙げられる。例えば、ハロアルコキシとして、フルオロメトキシ(-OCCHF)、ジフルオロメトキシ(-OCHF)、トリフルオロメトキシ(-OCF)、1-フルオロエトキシ(-OCHFCH)、2-フルオロエトキシ(-OCHCHF)、1,2-ジフルオロエトキシ(-OCHFCHF)、2,2-ジフルオロエトキシ(-OCHCHF)、1,2,2-トリフルオロエトキシ(-OCHFCHF)、2,2,2-トリフルオロエトキシ(-OCHCF)などが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において、単独でまたは他の基と組み合わせて使用される場合、用語「シクロアルキル」とは、飽和または部分飽和の、一環式または多環式(例えば二環式)の非芳香族炭化水素基を指す。例えば、本発明で使用される「C3~6シクロアルキル」は、炭素数3~6のシクロアルキルを意味する。例えば、シクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルキルは、置換または非置換であってもよい。
本明細書において、単独でまたは他の基と組み合わせて使用される場合、用語「複素環基」とは、飽和または部分飽和の、一環式または多環式(例えば二環式。例えば、縮環、架橋環またはスピロ環。)の非芳香族基を意味する。その環原子は、炭素原子と、N、OおよびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子とからなり、S原子は、S(=O)、S(=O)またはS(=O)(=NR)(式中、Rは独立して、HまたはC1~4アルキルから選択される。)を形成するように置換されていてもよい。複素環基は、原子価要件が満たされていれば、いずれか1つの環原子を介して分子の他の部分に連結することができる。例えば、本発明で使用される用語「3~8員の複素環基」とは、3~8個の環原子を有する複素環基を意味する。一般的な複素環基には、オキシラニル、アジリジニル、アゼチジニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、ジオキソリル、ピロリジン、ピロリドニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジチアニルまたはトリチアニルが含まれるが、これらに限定されない。本発明における複素環基は、本発明に記載されている1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
本明細書において、単独でまたは他の基と組み合わせて使用される場合、用語「アリール」とは、共役π電子系を有する一環式または縮合多環式芳香族炭化水素基を意味する。例えば、本発明で使用される用語「C6~10アリール」とは、炭素数6~10のアリールを意味する。一般的なアリールには、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、アセナフチル、アズレニル、フルオレニル、インデニル、ピレニルなどが含まれるが、これらに限定されない。本発明におけるアリールは、本発明に記載されている1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
本明細書において、単独でまたは他の基と組み合わせて使用される場合、用語「ヘテロアリール」とは、共役π電子系を有する一環式または縮合多環式芳香族基を意味する。その環原子は、炭素原子と、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子とからなる。ヘテロアリールは、原子価要件が満たされていれば、いずれか1つの環原子を介して分子の残りの部分に連結することができる。例えば、本発明で使用される用語「5~10員のヘテロアリール」とは、5~10個の環原子を有するヘテロアリールを意味する。一般的なヘテロアリールには、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルおよびそのベンゾ誘導体、ピロロピリジル、ピロロピラジニル、ピラゾロピリジル、イミダゾピリジル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、プリニルなどが含まれるが、これらに限定されない。本発明におけるヘテロアリールは、本発明に記載されている1つ以上の置換基(例えば、ハロゲン、C1~6アルキルなど)で置換されていてもよい。
本明細書において、単独でまたは他の基と組み合わせて使用される場合、用語「ヒドロキシル」とは、-OHを意味する。
本明細書において、単独でまたは他の基と組み合わせて使用される場合、用語「シアノ」とは、-CNを意味する。
本明細書において、単独でまたは他の基と組み合わせて使用される場合、用語「アミノ」とは、-NHを意味する。
本明細書において、単独でまたは他の基と組み合わせて使用される場合、用語「ニトロ」とは、-NOを意味する。
図1は、本発明の方法で製造された組換えDHX33タンパク質をSDS-PAGEによって分離した後、クーマシーブリリアントブルーで染色した後の分析結果を示す図である。
以下、本発明の目的と手段をより明確にするために、実施例に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。しかしながら、当業者であれば、以下の実施例は本発明を説明するためにのみ使用され、本発明の範囲を限定するものではないと理解できる。
実施例で使用する試薬や装置はいずれも市販されている一般的な製品である。特に具体的な条件が明示されていないものは、通常の条件またはメーカーの推奨条件に従うものとする。本発明で使用される用語「室温」とは、20℃±5℃を意味する。本発明で使用される用語「約」とは、数値または数値範囲を修飾するために使用される場合、当該数値または数値範囲、及び当該数値または数値範囲の、当業者に許容される誤差範囲(例えば、当該誤差範囲は、±10%、±5%、±4%、±3%、±2%、±1%、±0.5%などである。)を含むことを意味する。
以下の実施例に記載される化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)及び/又は質量分析(MS)によって特定される。
核磁気共鳴(NMR)の測定装置として、核磁気共鳴装置(ブルカー製400MHz)を用いる。測定溶媒が重水素化メタノール(CDOD)、重水素化クロロホルム(CDCl)、ヘキサ重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d)であり、内部標準物質がテトラメチルシラン(TMS)である。H NMRにおいて、塩や溶媒の干渉により、一部の水素がピークとして現れない場合がある。
以下の実施例における核磁気共鳴(NMR)データにおける略語の意味は次のとおりである。
s:シングレット、d:ダブレット、t:トリプレット、q:カルテット、dd:ダブルダブレット、qd:クアドラプルダブレット、ddd:ダブルダブルダブレット、ddt:ダブルダブルトリプレット、dddd:ダブルダブルダブルダブレット、m:マルチプレット、br:ブロード、J:結合定数、Hz:ヘルツ、δ:化学シフト。
すべての化学シフト(δ)を、百万分率(ppm)として報告する。
質量分析(MS)の測定装置としては、質量分析計(Agilent 6120B)を用い、イオン源はエレクトロスプレーイオン化源(ESI)である。
HPLCの測定は、Agilent 1200DAD高速液体クロマトグラフィー(Sunfirc C18、150X 4.6mm、クロマトグラフカラム5μm)及びWaters 2695-2996高速液体クロマトグラフィー(Gimini C18、150X 4.6mm、クロマトグラフカラム5μm)を用いて行われる。
薄層クロマトグラフィー用シリカゲルプレートとしては、青島海洋製GF254シリカゲルプレートを用い、薄層クロマトグラフィー(TLC)で使用されるシリカゲルプレートの仕様は0.15mm~0.2mmであり、薄層クロマトグラフィーで製品を分離・精製する際に使用されるシリカゲルプレートの仕様は0.4mm~0.5mmである。
カラムクロマトグラフィーは、通常、担体として青島海洋製シリカゲル(200~300メッシュ)を用いる。
実施例における反応進行のモニタリングは、薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いて行われる。反応に使用される展開溶媒系としては、A:ジクロロメタン及びメタノール系、B:石油エーテル及び酢酸エチル系があり、溶媒の体積比は、化合物の極性に応じて調整する。
化合物の精製に使用されるカラムクロマトグラフィーの溶離剤系と薄層クロマトグラフィーの展開溶媒系は、A:ジクロロメタン及びメタノール系、B:石油エーテル及び酢酸エチル系を含む。溶媒の体積比は、化合物の極性に応じて調整するが、少量のトリエチルアミン、及び酸性または塩基性試薬を添加して調整することもできる。
化合物の合成
実施例1:化合物AB29502(1-(4-シアノ-2-メチルチアゾール-5-イル)-N-(6-メトキシ-3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド)の合成
(1)化合物3(5-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-2-メチルチアゾール-4-カルボン酸エチル)の製造方法
化合物1(5-アミノ-2-メチル-1,3-チアゾール-4-カルボン酸エチル)(5g、26.84mmol、1.0eq)をトルエン(100mL)に溶解させ、化合物2(2,5-ヘキサンジオン)(4.6g、40.26mmol、1.5eq)、モレキュラーシーブ3A(10g)及びp-トルエンスルホン酸(1.8g、10.73mmol、0.4eq)を加えた。混合物を加熱還流し、終夜撹拌した。固体を濾過して濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)によって分離し、白色固体である化合物3(5-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-2-メチルチアゾール-4-カルボン酸エチル)を得た(3g、収率:42.8%)。MS(ESI)m/z:265[M+H]+。TLC:石油エーテル/酢酸エチル(5/1);R(化合物1)=0.2;R(化合物3)=0.5。
(2)化合物4(5-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-2-メチルチアゾール-4-カルボキサミド)の製造方法
化合物3(5-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-2-メチルチアゾール-4-カルボン酸エチル)(3.0g、11.4mmol、1.0eq)をアンモニア/メタノール混合液(40mL)に溶解させ、混合物を反応管に封入し、80℃で16時間加熱撹拌した。固体を濾過して白色固体である化合物4(5-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-2-メチルチアゾール-4-カルボキサミド)を得た(1.9g、収率:71.2%)。MS(ESI)m/z:236[M+H]+。TLC:石油エーテル/酢酸エチル(3/1);R(化合物3)=0.6;R(化合物4)=0.4。
(3)化合物5(5-(3-ホルミル-2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-2-メチルチアゾール-4-ニトリル)の製造方法
オキシ塩化リン(2.48g、16.2mmol、2.0eq)を、窒素ガス保護下、0℃でジメチルホルムアミド(30mL)に滴下した。混合物を0℃で30分間撹拌した後、室温まで昇温した。ジメチルホルムアミド(4mL)に溶解した化合物4(5-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-2-メチルチアゾール-4-カルボキサミド)(1.9g、8.09mmol、1.0eq)を上記反応系に加えた。次いで、窒素ガス保護下、上記反応液を100℃まで加熱し、1時間撹拌した。反応液を冷却した後、混合物を氷水に注ぎ、30%NaOH水溶液でpH=10に調整した。混合物を酢酸エチルで抽出し、塩水で洗浄した後、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=2/1)によって精製して白色固体である化合物5(5-(3-ホルミル-2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-2-メチルチアゾール-4-ニトリル)を得た(1.3g、収率:65.6%)。MS(ESI)m/z:246[M+H]+。TLC:石油エーテル/酢酸エチル(2/1);R(化合物4)=0.3;R(化合物5)=0.5。
(4)化合物6(1-(4-シアノ-2-メチルチアゾール-5-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸)の製造方法
化合物5(5-(3-ホルミル-2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-2-メチルチアゾール-4-ニトリル)(1.7g、6.93mmol、1.0eq)をテトラヒドロフラン/tert-ブタノール/水(1/1/1、45mL)に溶解させ、0℃でリン酸二水素カリウム(4.71g、34.65mmol、5.0eq)、2-メチル-1-ブテン(4.86g、69.3mmol、10.0eq)及び亜塩素酸ナトリウム(3.76g、41.58mmol、6.0eq)を加えた。反応物を室温で16時間撹拌・還流した。反応終了後、混合物を濃縮し、次いで分取HPLCによって精製して白色固体である化合物6(1-(4-シアノ-2-メチルチアゾール-5-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸)を得た(450mg、収率:25%)。MS(ESI)m/z:262[M+H]。
(5)化合物AB29502(1-(4-シアノ-2-メチルチアゾール-5-イル)-N-(6-メトキシ-3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド)の製造方法
化合物6(1-(4-シアノ-2-メチルチアゾール-5-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸)(55mg、0.21mmol、1.0eq)をアセトニトリル(2.0mL)に溶解させ、化合物8(6-メトキシ-3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-アミン)(46mg、0.273mmol、1.3eq)、2-メチルイミダゾールNMI(69mg、0.84mmol、4.0eq)及びクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスファートTCFH(71mg、0.25mmol、1.2eq)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。反応終了後、混合物を濃縮し、次いで分取HPLCによって分離精製して黄色固体である化合物AB29502(1-(4-シアノ-2-メチルチアゾール-5-イル)-N-(6-メトキシ-3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド)を得た(2.5mg、収率:2.9%)。MS(ESI)m/z:408.3[M+H]。
H NMR(400MHz、CDOD-d4)δ8.33(s、1H)、7.21(s、1H)、6.70(s、1H)、4.09(s、3H)、2.78(s、3H)、2.48(s、3H)、2.15(s、3H)。
実施例2:化合物AB29509(1-(4-シアノ-2-メチルチアゾール-5-イル)-N-(6-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド)の製造方法
化合物6(1-(4-シアノ-2-メチルチアゾール-5-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸)(100mg、0.38mmol、1.0eq)をアセトニトリル(5.0mL)に溶解させ、化合物9(6-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-アミン)(81mg、0.50mmol、1.3eq)、2-メチルイミダゾールNMI(126mg、1.53mmol、4.0eq)及びクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスファートTCFH(129mg、0.46mmol、1.2eq)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。反応終了後、混合物を濃縮し、分取HPLCによって精製して黄色固体である化合物AB29509(1-(4-シアノ-2-メチルチアゾール-5-イル)-N-(6-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド)を得た(3.0mg、収率:1.9%)。MS(ESI)m/z:407.10[M+H]。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ7.45(d,J=10Hz,1H),7.10(s,1H),6.88(d,J=8.8Hz,1H),6.81(s,1H),3.76(s,3H),2.76(s,3H),2.42(s,3H),2.09(s,3H)。
実施例3:化合物AB24386(1-(3-シアノ-5-メチルチオフェン-2-イル)-N-(6-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド)の合成
(1)化合物3(2-アセチル-4-レブリン酸エチル)の製造方法
化合物1(アセト酢酸エチル)(5g、38.42mmol、1.0eq)をトリエチルアミン(75mL)に溶解させ、化合物2(クロロアセトン)(3.5g、38.42mmol、1.0eq)を加えた。窒素ガス保護下、反応物を110℃で2時間反応させた。濃縮した後、残渣を水(100mL)に溶解させた後、ジクロロメタンで2回抽出した(1回ごとに50mL)。有機相を塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100/1~50/1~20/1)によって精製して、無色油状物である化合物3(2-アセチル-4-レブリン酸エチル)を得た(1.3g、収率:18.3%)。MS(ESI)m/z:187[M+H]。TLC:PE/EA(2/1);R(化合物1)=0.6;R(化合物3)=0.4。
(2)化合物5(1-(3-シアノ-5-メチルチオフェン-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸エチル)の製造方法
化合物3(2-アセチル-4-レブリン酸エチル)(1g、7.23mmol、1.0eq)をトルエン(20mL)に溶解させ、化合物4(2-アミノ-3-シアノ-5-メチルチオフェン)(1.6g、8.68mmol、1.2eq)及びp-トルエンスルホン酸(249mg、1.45mmol、0.2eq)を加えた。反応物を110℃で16時間撹拌した。固体を濾過して濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=50/1~30/1)によって精製して黄色油状物である化合物5(1-(3-シアノ-5-メチルチオフェン-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸エチル)を得た(860mg、収率:41%)。MS(ESI)m/z:289[M+H]。TLC:石油エーテル/酢酸エチル(10/1);R(化合物3)=0.2;R(化合物5)=0.4。
(3)化合物AB24386(1-(3-シアノ-5-メチルチオフェン-2-イル)-N-(6-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド)の製造方法
化合物5(1-(3-シアノ-5-メチルチオフェン-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸エチル)(50mg、0.306mmol、1.0eq)と、トルエン1mLに溶解した化合物7(5-メトキシ-1H-ベンゾイミダゾール-2-アミン)(88mg、0.306mmol、1.0eq)にトリメチルアルミニウム(0.15mL、0.306mmol、1.0eq、トルエン中2M)を加えた。反応物を100℃で16時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、メタノール(10mL)でクエンチした後、3M塩酸でpH3に調整した。混合物を水(30mL)で希釈し、次いで酢酸エチル各20mLで3回抽出した。有機相を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣を分取Prep-HPLC(アセトニトリル/水(0.1%ギ酸含有))によって精製して白色固体である化合物AB24386(1-(3-シアノ-5-メチルチオフェン-2-イル)-N-(6-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド)を得た(5mg、収率:4%)。MS(ESI)m/z:406[M+H]。
H NMR(400 MHz,DMSO-d):δ12.04(s,1H),11.20(s,1H),7.32(s,1H),7.29(s,1H),6.98(s,1H),6.89(s,1H),6.69(d,J=7.2Hz,1H),3.73(s,3H),2.47(s,3H),2.38(s,3H),2.04(s,3H)。
実施例4:化合物AB24387(1-(3-カルバモイル-5-メチルチオフェン-2-イル)-N-(6-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド)の製造方法
化合物AB24386(1-(3-シアノ-5-メチルチオフェン-2-イル)-N-(6-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド)(15mg、0.037mmol、1.0eq)をエタノール(4mL)に溶解させ、水酸化ナトリウム(0.5mL、HO中4M)を加えた。混合物を80℃で2時間撹拌した。反応を冷却した後、混合物を水(10mL)で希釈し、次いで3N塩酸でpH=6~7に調整した。混合物を酢酸エチルで3回抽出し(20mL*3)、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣を分取HPLC(アセトニトリル/水/0.1%ギ酸)によって精製して白色固体である化合物AB24387(1-(3-カルバモイル-5-メチルチオフェン-2-イル)-N-(6-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド)を得た(6mg、収率:38.4%)。MS(ESI)m/z:424[M+H]。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ11.98(s,1H),11.02(s,1H),7.27(s,2H),7.23(s,1H),6.95(s,1H),6.76(s,1H),6.66(d,J=8.4Hz,1H),3.71(s,3H),3.31(s,3H),2.31(s,3H),1.94(s,3H)。
実施例5:化合物AB29505(1-(2,4-ジメチルチアゾール-5-イル)-N-(6-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド)の合成
(1)化合物2(tert-ブチル(2,4-ジメチルチアゾール-5-イル)カルバメート)の合成方法
化合物1(2,4-ジメチル-1,3-チアゾール-5-カルボン酸)(2g、12.72mmol、1.0eq)をtert-ブタノール(40mL)に溶解させ、ジフェニルリン酸アジドDPPA(4.5g、16.53mmol、1.3eq)及びトリエチルアミン(TEA)(3.2g、31.8mmol、2.5eq)を加えた。混合物を窒素ガス保護下、85℃で3時間撹拌した。次いで、反応物を濃縮し、残渣を水(80mL)に溶解させた後、酢酸エチルで3回抽出した(80mL*3)。その後、有機相を合わせ、無水NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=200/1~150/1)によって精製して黄色固体である化合物2((2,4-ジメチルチアゾール-5-イル)カルバメートtert-ブチルエステル)を得た(2.7g、収率:93.1%)。MS(ESI)m/z:229.0[M+H]+。TLC:ジクロロメタン/メタノール(20:1);R(化合物1)=0.2;R(化合物2)=0.7。
(2)化合物3(2,4-ジメチルチアゾール-5-アミン塩酸塩)の製造方法
化合物2(tert-ブチル(2,4-ジメチルチアゾール-5-イル)カルバメート)(1.7g、7.44mmol、1.0eq)を酢酸エチル/塩酸混合液HCl/EA(20mL、4M)に溶解させ、室温で3時間撹拌した。次いで、固体を濾過し、エチルエーテルで2回洗浄した後(5mL*2)、濃縮して黄色固体である化合物3(2,4-ジメチルチアゾール-5-アミン塩酸塩)を得た(1.1g、収率:91.6%)。MS(ESI)m/z:129.0[M+H]+。TLC:石油エーテル/酢酸エチル(1:1);R(化合物2)=0.5;R(化合物3)=0.2。
(3)化合物5(1-(2,4-ジメチルチアゾール-5-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸メチル)の製造方法
化合物3(2,4-ジメチルチアゾール-5-アミン塩酸塩)(1.1g、6.68mmol、1.0eq)をトルエン(20mL)に溶解させ、化合物4(2-アセチル-4-レブリン酸メチル)(1.7g、10.02mmol、1.5eq)、モレキュラーシーブ3A(2g)及びp-トルエンスルホン酸(459mg、2.67mmol、0.4eq)を加えた。混合物を85℃で4時間撹拌した。次いで、固体を濾過して濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=30/1)によって精製して黄色固体である化合物5(1-(2,4-ジメチルチアゾール-5-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸メチル)を得た(1.6g、収率:90.9%)。MS(ESI)m/z:265[M+H]+。TLC:石油エーテル/酢酸エチル(5:1);R(化合物3)=0.1;R(化合物5)=0.7。
(4)化合物6(1-(2,4-ジメチルチアゾール-5-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸)の製造方法
化合物5(1.6g、6.05mmol、1eq)をメタノール/水溶液MeOH/HO(10mL/10mL)に溶解させた後、水酸化リチウムLiOH(579mg、24.2mmol、4eq)を加えた。混合物を50℃で1時間撹拌した。反応終了後、生成物を濃縮した後、水(50mL)で希釈し、次いで3N塩酸でpH=5に調整した。固体を濾過し、濃縮して、黄色固体である化合物6(1-(2,4-ジメチルチアゾール-5-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸)を得た(950mg、収率:62.7%)。MS(ESI)m/z:251[M+H]+。TLC:石油エーテル/酢酸エチル(5:1);R(化合物5)=0.7;R(化合物6)=0.2。
(5)化合物AB29505(1-(2,4-ジメチルチアゾール-5-イル)-N-(6-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド)の製造方法
化合物6(1-(2,4-ジメチルチアゾール-5-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸)(100mg、0.399mmol、1.0eq)をジメチルホルムアミド(5mL)に溶解させた後、化合物7(6-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-アミン)(65mg、0.399mmol、1.0eq)、N,N-ジイソプロピルエチルアミンDIEA(206mg、1.596mmol、4.0eq)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムHATU(167mg、0.439mmol、1.1eq)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。反応終了後、反応物を酢酸エチル(30mL)で希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄した(20mL*3)。有機相を乾燥し、濾過して濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して黄色固体である化合物AB29505(1-(2,4-ジメチルチアゾール-5-イル)-N-(6-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド)を得た(10.8mg、収率:6.8%)。MS(ESI)m/z:395[M+H]+。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ7.30(d,J=8.8Hz,1H),6.98(s,1H),6.83(s,1H),6.70-6.68(m,1H),3.73(s,3H),2.64(s,3H),2.31(s,3H),2.01(s,3H),1.96(s,3H)。
実施例6:化合物AB29510(1-(3-シアノ-4、5-ジメチルフラン-2-イル)-N-(6-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド)の合成
(1)化合物2(1-(3-シアノ-4、5-ジメチルフラン-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸)の製造方法
化合物1(2-(3-ホルミル-2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-4、5-ジメチルフラン-3-カルボニトリル)(1.2g、4.9mmol、1.0eq)を、テトラヒドロフランと、tert-ブタノールと、水との混合液THF/t-BuOH/HO(1/1/1、30mL)に溶解させ、0℃でリン酸二水素カリウムKHPO(2.9g、24.7mmol、5.0eq)、2-メチル-1-ブテン(3.0g、49.5mmol、10.0eq)及び亜塩素酸ナトリウム(2.4g、29.7mmol、6.0eq)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。反応終了後、混合物を濃縮した後、分取HPLCによって精製して白色固体である化合物6(1-(3-シアノ-4、5-ジメチルフラン-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸)を得た(1.0g、収率:78.1%)。MS(ESI)m/z:259[M+H]。
(2)化合物AB29510(1-(3-シアノ-4、5-ジメチルフラン-2-イル)-N-(6-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド)の製造方法
化合物2(1-(3-シアノ-4、5-ジメチルフラン-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸)(60mg、0.23mmol、1.0eq)をアセトニトリル(2.0mL)に溶解させ、化合物3(6-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-アミン塩酸塩)(50mg、0.30mmol、1.3eq)、N-メチルイミダゾールNMI(77mg、0.94mmol、4.0eq)及びクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスファートTCFH(79mg、0.28mmol、1.2eq)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。反応終了後、混合物を濃縮した後、分取HPLCによって精製して黄色固体である化合物AB29510(1-(3-シアノ-4、5-ジメチルフラン-2-イル)-N-(6-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-2,5-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド)を得た(2.4mg、収率:78.1%)。MS(ESI)m/z:404.30[M+H]。
H NMR(400MHz,DMSO-d)7.49(d,J=8.8Hz,1H),7.11(s,1H),6.91(d,J=8.8Hz,1H),6.74(s,1H),3.77(s,3H),2.41(s,3H),2.29(s,3H),2.10(s,3H),2.07(s,3H)。
実施例7:化合物AB29513(N-(6-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-2,5-ジメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロール-3-カルボキサミド)の合成
(1)化合物3(2,5-ジメチル-1-(((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロール-3-カルボン酸メチル)の合成方法
化合物1(4-(アミノメチル)-1-メチルピラゾール)(500mg、4.5mmol、1.0eq)をトルエン(20mL)に溶解させ、化合物2(2-アセチル-4-レブリン酸メチル)(1.16g、6.75mmol、1.5eq)、モレキュラーシーブ3A(1g)及びp-トルエンスルホン酸(310mg、1.8mmol、0.4eq)を加えた。混合物を100℃で8時間撹拌した。固体を濾過し、濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1~5/1)によって精製して黄色固体である化合物3(2,5-ジメチル-1-(((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロール-3-カルボン酸メチル)を得た(650mg、収率:58.4%)。MS(ESI)m/z:248[M+H]+である。TLC:石油エーテル/酢酸エチル(2:1);R(化合物1)=0.1;R(化合物3)=0.6。
(2)化合物4(2,5-ジメチル-1-(((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロール-3-カルボン酸)の製造方法
化合物3(2,5-ジメチル-1-(((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロール-3-カルボン酸メチル)(300mg、1.21mmol、1eq)をメタノール/水溶液(10mL/10mL)に溶解させた後、水酸化リチウム(43mg、1.81mmol、1.5eq)を加えた。混合物を85℃に加熱した後、3時間撹拌した。反応物を濃縮した後、水(20mL)で希釈し、次いで3N塩酸でpH=5に調整した。固体を濾過して濃縮し、黄色固体である化合物4(2,5-ジメチル-1-(((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロール-3-カルボン酸)を得た(110mg、収率:39%)。MS(ESI)m/z:234[M+H]+。TLC:ジクロロメタン/メタノール(20:1);R(化合物3)=0.7;R(化合物4)=0.3。
(3)化合物AB29513(N-(6-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-2,5-ジメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロール-3-カルボキサミド)の製造方法
化合物4(2,5-ジメチル-1-(((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロール-3-カルボン酸)(110mg、0.47mmol、1.0eq)をアセトニトリル(5mL)に溶解させ、化合物5(6-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-アミン)(100mg、0.61mmol、1.0eq)、N-メチルイミダゾールNMI(154mg、1.88mmol、4.0eq)及びクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスファートTCFH(158mg、0.56mmol、1.2eq)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。反応終了後、混合物を酢酸エチル(30mL)で希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄した(20mL*3)。有機相を乾燥し、濾過して濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して黄色固体である化合物AB29513(N-(6-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-2,5-ジメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロール-3-カルボキサミド)を得た(35mg、収率:19.6%)。MS(ESI)m/z:379[M+H]+。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ7.55(s,1H),7.49(d,J=8.8Hz,1H),7.25(s,1H),7.13(s,1H),6.93(d,J=8.8Hz,1H),6.52(s,1H),4.90(s,2H),3.76(d,J=10.8Hz,6H),2.59(s,3H),2.23(s,3H)。
実施例8:化合物AB29522の合成
(1)化合物5の合成
化合物4(5.00g、31.6mmol、5.24mL、1.00eq)にテトラヒドロフラン(25.0mL)を加え、反応液を0℃まで降温し、0℃で水素化ナトリウム(1.52g、37.9mmol、632uL、60%purity、1.20eq)を加え、反応液を0℃で30分間反応させた。クロロアセトン(2.95g、31.9mmol、1.01eq)にテトラヒドロフラン(10.0mL)を加えた後、0℃で上記反応液にゆっくりと滴下した。滴下完了後、ヨウ化ナトリウム(473mg、3.16mmol、0.100eq)を加え、反応液を20℃で16時間撹拌して反応させた。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1、R=0.25)により、一部の原料が残り、極性が増加した新しいスポットが形成したことが示された。反応終了後、反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液にゆっくりと注いでクエンチし、酢酸エチルで抽出した(50.0mL*3)。有機相を合わせ、飽和食塩水(30.0mL)で1回逆洗し、分離した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~1:1)によって分離精製して、淡黄色油状物である化合物5(4.00g、16.8mmol、収率53.16%、純度90%)を得た。
(2)化合物2の合成
化合物1(3.00g、11.8mmol、1.00eq)に1-メチル-2-ピロリドン(10mL)を加え、塩化アセチル(1.12g、14.2mmol、1.01mL、1.20eq)を反応液に添加し、反応液を20℃で16時間撹拌して反応させた。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により、強いUVスポットの生成が検出された。LCMSにより、目的生成物のピークの生成が検出されたことを示した。反応液に水(30.0mL)を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてPh=7~8に調整し、酢酸エチルで2回抽出した(50.0mL*2)。有機相を合わせ、飽和食塩水(20.0mL)で1回逆洗し、分離した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、黄色固体である化合物2(1.66g、粗製)を得(LCMS:Ms:M+H+=124.5)、そのまま次の反応に使用した。
(3)化合物3の合成
化合物2(500mg、4.06mmol、1.00eq)にトルエン(5.00mL)を加え、化合物5(870mg、4.06mmol、1.00eq)及び無水p-トルエンスルホン酸(140mg、812umol、0.200eq)を反応液に添加し、反応液を110℃で16時間撹拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に消費され、目的生成物のメインピークの生成が検出されたことを示した。反応液に直接水(30.0mL)を加え、酢酸エチルで2回抽出した(50.0mL*2)。有機相を合わせ、飽和食塩水(20.0mL)で1回逆洗した。分離した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。粗生成物に酢酸エチル(20.0mL)を加え、20分間撹拌した後濾過し、ケーキを収集して300mg得た。濾液をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~1:1)によって分離精製して、140mgを得た。灰色固体である化合物3を得た(440mg、1.70mmol、収率41.97%、純度95%)。
H NMR(400MHz,CDCl)δppm 6.47(s,1H),2.58(s,3H),2.47(s,3H),2.15(s,3H)。
(4)化合物AB29522の合成
化合物3(50.0mg、204umol、1.00eq)にN,N-ジメチルホルムアミド(1.00mL)を加え、化合物A014(33.3mg、204umol、1.00eq)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(105mg、815umol、142uL、4.00eq)、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(117mg、224umol、1.10eq)を反応液に加え、反応液を100℃で16時間撹拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に消費され、目的生成物のピークの生成が検出されたことを示した。反応液をそのまま濃縮した。粗生成物を高速液体クロマトグラフィー(column:Welch Xtimate C18 150*25mm*5um;mobile phase:[water(ammonia hydroxide v/v)-ACN];B%:27%~57%、2min)によって分離精製して、褐色の固体である化合物AB29522を得た(20.0mg、48.05umol、収率23.57%、純度93.8%)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.83-12.34(m,1H),10.96-11.64(m,1H),7.33(d,J=8.63Hz,1H),7.01(br s,1H),6.92(s,1H),6.73(dd,J=8.63,2.38Hz,1H),3.76(s,3H),2.57(s,3H),2.50(s,3H),2.17(s,3H)。LCMS:Ms:M+H=391。
実施例9:化合物AB29553の合成
(1)化合物2の合成
化合物1(25.0g、215mmol、23.1mL、1.00eq)にアセトン(140mL)を加え、炭酸カリウム(59.5g、430mmol、2.00eq)及びフッ化カリウム(12.5g、215mmol、1.00eq)を反応液に添加し、反応混合物を60℃で1時間撹拌して反応させた。反応液を20℃まで冷却し、クロロアセトン(25.7g、278mmol、1.29eq)をアセトン(35.0mL)に溶解させた溶液を上記反応混合物にゆっくりと滴下した。滴下完了後、反応混合物を60℃まで昇温し、60℃で7時間撹拌して反応させた。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1、R=0.38)により、化合物1が完全に反応することが示され、極性が増加した新しいスポットの生成が検出された。反応液を室温まで冷却した後濾過し、濾液を収集して水(500mL)にゆっくりと注ぎ、酢酸エチルで抽出した(500mL*3)。有機相を合わせ、飽和食塩水(200mL)で洗浄し、分離した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、石油エーテル/酢酸エチル=20/1~1/1)によって分離精製して、淡黄色液体である化合物2を得た(21.0g、122mmol、収率56.6%)。
H NMR(400MHz,CDCl)δppm 4.03(dd,J=8.19,5.69Hz,1H),3.74(s,3H),3.09-3.22(m,1H),2.89-3.02(m,1H),2.36(s,3H),2.19(s,3H).
(2)化合物4の合成
化合物2(10.0g、58.0mmol、1.00eq)にトルエン(70.0mL)を加え、化合物3(8.83g、63.9mmol、1.10eq)及び無水p-トルエンスルホン酸(2.00g、11.6mmol、0.2eq)を反応液に加え、反応液を110℃で5時間撹拌して反応させた。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=10:1、R=0.43)は、化合物2が完全に反応し、極性が低くなった新しいスポットの生成を示した。反応液をそのまま濃縮した後の残渣に水(100mL)を加え、酢酸エチルで3回抽出した(100mL*3)。有機相を合わせ、飽和食塩水で1回逆洗し(50.0mL)、分離した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、石油エーテル:酢酸エチル=20:1~1:1)によって分離精製して、黄色固体である化合物4を得た(11.2g、39.5mmol、収率67.9%)。
(3)化合物5の合成
化合物4(6.00g、21.9mmol、1.00eq)をテトラヒドロフラン(20.0mL)及びメタノール(20mL)に溶解させ、水酸化リチウム一水和物(2.29g、54.7mmol、2.50eq)を水(6.00mL)に溶解させた溶液を上記反応液に加え、反応混合物を60℃で3時間撹拌して反応させた。LCMSにより、化合物4が約25%残り、50%の目的生成物の生成が検出されたことを示した。反応液をウォーターポンプで濃縮して溶媒を除去し、濃縮後の残渣に2N塩酸溶液をpH=5~6になるまで徐々に加え。その後、酢酸エチルで2回抽出した(80.0mL*2)。有機相を飽和食塩水で逆洗し(50.0mL)、分離した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/1)によって分離精製して、黄色固体である化合物5(2.10g、8.07mmol、収率36.9%)を得た(LCMS:Ms:M+H=261.3)。
(4)化合物AB29553の合成
化合物5(50.0mg、192umol、1.00eq)にN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)を加え、ジイソプロピルエチルアミン(99.3mg、768umol、134uL、4.00eq)、化合物A12(25.6mg、192umol、1.00eq)を反応液に加えた。そして、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(110mg、211umol、1.10eq)を反応液に加え、反応混合物を100℃で16時間撹拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に反応し、目的生成物のピークの生成が検出されたことを示した。反応液をそのまま濃縮した。粗生成物を高速液体クロマトグラフィーによって分離精製して(column:Welch Ultimate C18 150*25mm*5um;mobile phase:[water(TFA)-ACN];B%:26%~56%、10min)、白色固体である化合物AB29553を得た(15.0mg、30.3umol、収率15.8%、純度98.9%、トリフルオロ酢酸塩)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 7.61(dd,J=5.88,3.13Hz,2H),7.37(d,J=1.13Hz,1H),7.29(br dd,J=5.44,2.81Hz,2H),6.84(s,1H),2.56(br d,J=1.00Hz,3H),2.44(s,3H),2.11(s,3H).LCMS:Ms:M+H=376。
実施例10:化合物AB29556の合成
実施例16で得られた化合物5(60.0mg、230umol、1.00eq)にN,N-ジメチルホルムアミド(1.00mL)を加え、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(119mg、922umol、160uL、4.00eq)を反応液に加え、化合物A020(34.8mg、230umol、1.00eq)、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(132mg、253umol、1.10eq)を反応液に加え、反応液を100℃で8時間撹拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に消費されたことが示され、目的生成物のピークの生成が検出された。反応液を油ポンプで濃縮した。粗生成物を高速液体クロマトグラフィーによって分離精製した(column:Welch Ultimate C18 150*25mm*5um;mobile phase:[water(TFA)-ACN];B%:30%~60%、15min)後、2回目の精製を行って(column:Waters xbridge 150*25mm10um;mobile phase:[water(NH4HCO3)-ACN];B%:38%~68%、8min)、白色固体である化合物AB29556を得た(6.03mg、15.2umol、収率6.58%、純度99%)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 12.29(br s,1H),11.33(td,J=6.13,1.63Hz,1H),7.38-7.51(m,1H),7.35(d,J=1.13Hz,1H),7.14-7.31(m,1H),6.83-7.06(m,2H),2.55(br d,J=0.88Hz,3H),2.41(s,3H),2.06(s,3H)。LCMS:Ms:M+H=394。
実施例11:化合物AB29557の合成
(1)化合物2の合成
化合物1(500mg、3.51mmol、1.00eq)に水(1.00mL)及びエタノール(5.00mL)を加え、20℃で臭化シアン(446mg、4.21mmol、309uL、1.20eq)を反応液に加え、反応液を70℃で2時間撹拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に消費されたことが示され、目的生成物のメインピークの生成が検出された。反応終了後、反応液をそのまま濃縮した。粗生成物に酢酸エチル(30.0mL)を加え、30分間撹拌した後濾過し、ケーキを酢酸エチルで2回洗浄し(5.00mL*2)、ケーキを収集して黒色固体である化合物2を得た(700mg、2.68 mmol、収率76.3%、純度95%、臭化水素酸塩)。
H NMR(400MHz,MeOD)δppm 7.39(d,J=1.38Hz,1H),7.32-7.36(m,1H),7.25-7.30(m,1H).LCMS:Ms:M+H=168。
(2)化合物AB29557の合成
化合物2(50.0mg、192umol、1.00eq)にN,N-ジメチルホルムアミド(1.00mL)を加え、化合物5(35.4mg、211umol、1.10eq)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(99.3mg、768umol、134uL、4.00eq)を反応液に加え、そして、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(110mg、211umol、1.10eq)を反応液に加え、反応液を100℃で16時間撹拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に消費されたことが示され、目的生成物のピークの生成が検出された。反応液を油ポンプで濃縮した。粗生成物を高速液体クロマトグラフィーによって分離精製して(column:Welch Xtimate C18 150*25mm*5um;mobile phase:[water(NHHCO)-ACN];B%:43%~73%、2min)、黄色固体である化合物AB29557を得た(0.022g、50.9umol、収率26.5%、純度94.9%)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 12.31-12.45(m,1H),11.38-11.45(m,1H),7.39-7.54(m,2H),7.36(d,J=1.13Hz,1H),7.08-7.16(m,1H),6.95(s,1H),2.55(br s,3H),2.42(s,3H),2.07(s,3H).LCMS:Ms:M+H=410。
実施例12:化合物AB29558の合成
(1)化合物2の合成
化合物1(350mg、2.52mmol、1.00eq)をエタノール(2.00mL)及び水(0.40mL)に溶解させ、20℃で臭化シアン(0.26g、2.45mmol、180uL、1.10eq)を上記混合液に徐々に加えた。反応液を70℃で2時間撹拌した。LCMSにより、化合物1が完全に消費されたことが示され、所望の化合物の分子量が検出された。反応液を真空下で濃縮した。薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=5:1、アンモニア水2.00mL)により精製して、褐色油状物である化合物2を得た(80.0mg、487umol、19.3%yield)。LCMS:Ms:M+H=165。
(2)化合物AB29558の合成
化合物2(69.3mg、266umol、1.00eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(2.00mL)に溶解させ、化合物5(70.0mg)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(137mg、1.07mmol、185uL、4.00eq)を加え、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(152mg、293umol、1.10eq)を反応液に加えて、反応混合液を100℃で12時間撹拌した。LCMSにより、原料が完全に消費されたことが示され、所望の化合物の分子量が検出された。反応液を真空下で濃縮した。高速液体クロマトグラフィーによって1回目の精製を行った(column:Welch Xtimate C18 150*25mm*5um;mobile phase:[water(NHO)-ACN];B%: 25%~55%、8min)。高速液体クロマトグラフィーによって2回目の精製を行った(column:Welch Xtimate C18 150*25mm*5um;mobile phase:[water(HCl)-ACN];B%:16%~46%、8min)。白色固体である化合物AB29558を得た(8.68mg、19.4umol、7.28%yield、99%purity、塩酸塩)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.68-11.92(m,1.00H),8.27(br s,1.00H),7.25(d,J=1.13Hz,1.00H),6.96-7.06(m,1.00H),6.86(s,1.00H),3.89(s,3.00H),2.44(d,J=1.00Hz,3.00H),2.31(s,3.00H),1.97(s,3.00H).LCMS:Ms:M+H=407。
実施例13:化合物AB29559の合成
(1)化合物2の合成
化合物1(500mg、3.62mmol、1.00eq)にエタノール(5.00mL)及び水(1.00mL)を加え、20℃で臭化シアン(460mg、4.34mmol、319uL、1.20eq)を反応液に加え、反応液を70℃で3時間撹拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に消費されたことが示され、目的生成物のメインピークの生成が検出された。反応終了後、反応液をそのまま濃縮した。粗生成物に酢酸エチル(30mL)を加え、0.5時間撹拌し、濾過した。ケーキを酢酸エチルで2回洗浄し(5.00mL*2)、ケーキを収集して、褐色の固体である化合物2(700mg、粗製)を得た(LCMS:Ms:M+H=164.2)。
(2)化合物AB29559の合成
化合物2(60.0mg、230umol、1.00eq)にN,N-ジメチルホルムアミド(1.00mL)を加え、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(119mg、922umol、160uL、4.00eq)、化合物5(37.6mg、230umol、1.00eq)を反応液に加えた。そして、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(132mg、253umol、1.10eq)を反応液に加え、反応混合物を100℃で16時間撹拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に消費されたことが示され、目的生成物のメインピークの生成が検出された。反応液をそのまま濃縮した。粗生成物を高速液体クロマトグラフィーによって分離精製して(column:Welch Ultimate C18 150*25mm*5um;mobile phase:[water(FA)-ACN];B%:32%~62%、10min)、灰白色固体である化合物AB29559を得た(20.0mg、43.8umol、収率19.0%、純度98.9%、ギ酸塩)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 12.04-13.00(m,1H),11.04-11.86(m,1H),8.14(s,1H),7.36(d,J=1.13Hz,1H),7.12-7.18(m,1H),7.02-7.09(m,1H),6.90(s,1H),6.73(d,J=8.00Hz,1H),3.93(s,3H),2.55(d,J=0.75Hz,3H),2.42(s,3H),2.08(s,3H).LCMS:Ms:M+H=406。
実施例14:化合物AB29560の合成
(1)化合物2の合成
メチルアミン塩酸塩(1.44g、21.4mmol、5.00eq、HCl)をN-メチルピロリドン(10.0mL)に溶解させ、化合物1(780mg、4.27mmol、1.00eq)及び炭酸カリウム(2.95g、21.4mmol、5.00eq)を加えた。混合液を150℃で24時間撹拌して反応させた。LCMSにより、化合物1が完全に消費されたことが示され、所望の化合物の分子量が検出された。反応液に水(50.0mL)を加えた後、酢酸エチル(50mL*3)を加えて3回抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水(20.0mL)で1回逆洗し、分離した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮して、粗生成物である化合物2(1.00g、crude)を得(LCMS:Ms:M+H=178.2)、そのまま次の工程に使用した。
(2)化合物AB29560の合成
化合物5(0.05g、192umol、1.00eq)にN,N-ジメチルホルムアミド(1.00mL)を加え、化合物2(34.04mg、192umol、1.00eq)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(99.3mg、768umol、134uL、4.00eq)、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(110mg、211umol、1.10eq)を反応液に加え、反応液を100℃で16時間撹拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に消費されたことが示され、目的生成物のメインピークの生成が検出された。反応液をそのまま濃縮した。粗生成物を高速液体クロマトグラフィーによって分離精製して(column:Phenomenex C18 150*25mm*10um;mobile phase:[water(NH4HCO3)-ACN];B%:36%~66%、10min)、灰白色固体である化合物AB29560を得た(23.0mg、52.9umol、収率13.8%、純度96.5%)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 12.20(br s,1H),7.29-7.44(m,2H),6.97-7.11(m,1H),6.76(dd,J=8.69,2.19Hz,1H),5.98-6.11(m,1H),3.77(s,3H),3.56(br d,J=11.76Hz,3H),2.54(s,3H),2.22(s,3H),1.99(br d,J=4.75Hz,3H).LCMS:Ms:M+H=420。
実施例15:化合物AB29561の合成
(1)化合物2の合成
化合物1(5.00g、29.2mmol、1.00eq)をジクロロメタン(50.0mL)に溶解させた後、メチルアミン(3.95g、58.4mmol、2.00eq、塩酸塩)及び炭酸カリウム(6.06g、43.8mmol、1.50eq)を加え、反応混合液を20℃で12時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)により、化合物1が完全に消費されたことが検出され、かつ極性が増加した新しいスポットが検出された。薄層クロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)によって精製して黄色固体である化合物2を得た(3.50g、82.3umol、70.0%収率)。
(2)化合物3の合成
化合物2(5.00g、27.4mmol、1.00eq)をメタノール(500mL)に溶解させ、Pd/C(2.00g、10%純度)を加えた後、水素ガスで3回置換した。混合液を25℃、15Psiで12時間撹拌した。LCMSにより、化合物2が完全に消費されたことが示され、所望の化合物の分子量が検出された。反応液を真空下で濾過し、濾液を収集してから減圧濃縮して、褐色油状物である化合物3(3.5g、粗生成物)を得た(LCMS:Ms:M+H=153.2)。
(3)化合物4の合成
化合物3(500mg、3.29mmol、1.00eq)を水(1.00mL)及びエタノール(5.00mL)に溶解させた後、25℃で臭化シアン(417mg、3.94mmol、289uL、1.20eq)を上記混合液に徐々に加え。反応系を70℃で4時間ゆっくり撹拌した。LCMSにより、化合物3が完全に消費されたことが示され、所望の化合物の分子量が検出された。反応液を真空下で濃縮し、酢酸エチル(20.0mL)を加えて叩解した後、真空下で濾過し、ケーキを収集して減圧濃縮し、白色固体である(LCMS:Ms:M+H=178.1)化合物4を得た(340mg、粗生成物)。
(4)化合物AB29561の合成
化合物4(163mg、921umol、3.00eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(2.00mL)に溶解させ、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(238mg、1.84mmol、321uL、6.00eq)を加え、化合物5(80.0mg、307umol、1.00eq)及びベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(175mg、338umol、1.10eq)を反応液に加え、混合液を100℃で12時間撹拌した。LCMSにより、化合物原料が完全に消費されたことが示され、目的生成物の分子量が検出された。反応液を真空下で濃縮し、粗生成物を高速液体クロマトグラフィーによって精製して(column:Waters xbridge 150*25mm 10um;mobile phase:[water(NHHCO)-ACN];B%:41%~71%、9min)、白色固体である化合物AB29561を得た(10.9mg、26.1umol、8.50%収率)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 12.32-12.45(m,1H),7.27-7.34(m,2H),7.04(br d,J=2.00Hz,1H),6.75(br dd,J=8.76,2.13Hz,1H),6.51(s,1H),3.79(s,3H),3.59(s,3H),2.52(s,6H),1.98-2.09(m,3H).LCMS:Ms:M+H=420。
実施例16:化合物AB29562及びAB29563の合成
化合物1(100mg、246umol、1.00eq)にテトラヒドロフラン(0.5mL)及びジメチルスルホキシド(0.5mL)を加え、カリウムtert-ブトキシド(55.2mg、493umol、2.00eq)を反応液に加え、クロロメチルメチルエーテル(29.8mg、369umol、28.1uL、1.50eq)を反応液に滴下し、反応液を20℃で2時間撹拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に消費されたことが示され、目的生成物のピークの生成が検出された。反応終了後、反応液に直接水(5.00mL)を加え、酢酸エチルで2回抽出した(5.00mL*2)。有機相を合わせた後、乾燥して濃縮した。粗生成物を高速液体クロマトグラフィーによって分離精製し(column:Welch Xtimate C18 150*25mm*5um;mobile phase:[water(NHHCO)-ACN];B%:42%~72%、10min)、得られた生成物をさらにSFCによって分離して(column:DAICEL CHIRALCEL OD(250mm*30mm、10um);mobile phase:[0.1%NHO MEOH];B%:35%~35%、C6.8;68min)、灰白色固体である化合物AB29562を得たとともに(5.49mg、11.66umol、収率4.73%、純度95.51%)、灰白色固体である化合物AB29563を得た(7.44mg、15.9umol、収率6.47%、純度96.38%)。
化合物AB29562:H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 7.40(br d,J=8.25Hz,1H),7.26(s,1H),7.04(br s,1H),6.82(br d,J=8.25Hz,1H),6.55(br s,1H),5.57(br s,2H),3.83(s,3H),3.37(s,3H),2.56(s,3H),2.50(br s,3H),2.08(s,3H).LCMS:Ms:M+H=450。
化合物AB29563:H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 12.41-12.65(m,1H),7.27-7.41(m,2H),7.10(d,J=2.38Hz,1H),6.82(dd,J=8.76,2.38Hz,1H),6.54(s,1H),5.55(s,2H),3.69-3.84(m,3H),3.30(s,3H),2.54(s,3H),2.48(br s,3H),2.05(s,3H).LCMS:Ms:M+H=450。
実施例17:化合物AB29564及びAB29565の合成
化合物1(100mg、246umol、1.00eq)にジメチルスルホキシド(1.00mL)を加え、カリウムtert-ブトキシド(60.9mg、542umol、2.20eq)を反応液に加え、トリメチルクロロ酢酸クロロメチルエステル(74.3mg、493umol、71.4uL、2.00eq)を反応液に加え、反応液を30℃で5時間撹拌して反応させた。LCMSにより、約5%の原料が残ったことが示され、目的生成物のメインピークの生成が検出された。反応液に水(10.0mL)を加え、酢酸エチルで2回抽出した(20.0mL*2)。有機相を合わせ、飽和食塩水で1回逆洗し(10.0mL)、分離した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。粗生成物を高速液体クロマトグラフィーによって分離精製し(column:Welch Xtimate C18 150*25mm*5um;mobile phase:[water(NHO)-ACN];B%:55%~85%、8min)、得られた生成物をさらにSFCによって分離して(column:DAICEL CHIRALCEL OD(250mm*30mm、10um);mobile phase:[0.1%NHO MeOH];B%:35%~35%、C7.5;60min)、灰白色固体である化合物AB29564(5.36mg、9.62umol、収率3.90%、純度93.2%)を得たとともに、灰白色固体である化合物AB29565を得た(5.39mg、9.81umol、収率3.98%、純度94.6%)。
化合物AB29564:H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 7.38(br d,J=8.63Hz,1H),7.25(s,1H),7.12(s,1H),6.79-6.94(m,1H),6.52(s,1H),6.06-6.30(m,2H),3.82(s,3H),2.55(s,3H),2.49(br s,3H),2.07(s,3H),1.14(s,9H).LCMS:Ms:M+H=520.
化合物AB29565:H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 12.32-12.70(m,1H),7.39(br d,J=8.38Hz,1H),7.31(s,1H),7.08(br s,1H),6.84(br d,J=8.38Hz,1H),6.50(br s,1H),6.16(br s,2H),3.77(s,3H),2.53(s,3H),2.46(br s,3H),2.05(s,3H),1.09(s,9H).LCMS:Ms:M+H=520。
実施例18:化合物AB29572の合成
化合物5(50.0mg、192umol、1.00eq)にN,N-ジメチルホルムアミド(1.00mL)を加え、化合物A007(41.7mg、192umol、1.00eq)、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(110mg、211umol、1.10eq)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(99.3mg、768umol、134uL、4.00eq)を反応液に加え、反応液を100℃で8時間撹拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に消費されたことが示され、目的生成物のピークの生成が検出された。反応液を油ポンプで濃縮した。粗生成物を高速液体クロマトグラフィーによって分離精製して(column:Welch Xtimate C18 150*25mm*5um;mobile phase:[water(NHHCO)-ACN];B%:48%~78%、2min)、黄色固体である化合物AB29572を得た(6.39mg、12.7umol、収率6.61%、純度91.3%)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 12.45(br s,1H),11.44(br s,1H),7.38-7.59(m,2H),7.35(s,1H),7.08(br d,J=8.50Hz,1H),6.96(s,1H),2.55(s,3H),2.42(s,3H),2.07(s,3H).LCMS:Ms:M+H=460。
実施例19:化合物AB29540の合成
(1)化合物2の合成
化合物1(0.7g、5.07mmol、1eq)に塩酸(15mL、5.5M)を加え、グリコール酸(424mg、5.57mmol、339uL、1.10eq)を反応液に加え、反応液を100℃で16時間撹拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に消費されたことが示され、目的生成物のピークの生成が検出された。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を徐々に加え、pH=7~8に調整した。酢酸エチルで2回抽出し(50mL*2)、有機相を合わせ、乾燥し、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製して(酢酸エチル:メタノール=1:1)、褐色の固体である化合物2(160mg、808umol、15.9%収率、90%純度)を得た(LCMS:Ms:M+H=179.4)。
(2)化合物3の合成
化合物2(160mg、898umol、1.00eq)に水酸化ナトリウム(71.8mg、1.80mmol、2.00eq)と水(2mL)との混合液を加え、反応液を100℃で2時間撹拌して反応させた。反応液を室温まで冷却した後、過マンガン酸カリウム(150mg、949umol、1.06eq)を加え、100℃になるまで加熱し続け、2時間撹拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に消費されたことが示され、目的生成物のメインピークの生成が検出された。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、濾過し、濾液を塩酸(2N)でpH=4~5に調整して濾過した。ケーキを水で1回洗浄し、収集して真空下で乾燥し、赤色固体である化合物3(0.1g、粗製)を得た(LCMS:Ms:M+H=193.3)。
(3)化合物6の合成
化合物5(500mg、1.92mmol、1.00eq)にトルエン(5mL)を加え、DPPA(1.48g、5.38mmol、1.17mL、2.80eq)及びトリエチルアミン(777mg、7.68mmol、1.07mL、4.00eq)を反応液に加え、反応液を110℃で1時間撹拌して反応させた。tert-ブタノール(5mL)を反応液に加え、引き続き反応液を110℃で2時間撹拌して反応させた。LCMSにより、目的生成物の生成が検出された。反応液に水(10mL)を加え、酢酸エチルで2回抽出した(15mL*2)。有機相を合わせ、濃縮した。粗生成物を薄層クロマトグラフィーによって分離精製して(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)、黄色の油状物である化合物6を得た(50.0mg、105umol、5.50%収率、70%純度)。
(4)化合物7の合成
化合物6(30.0mg、90.5umol、1.00eq)にトリフルオロ酢酸(0.1mL)とジクロロメタン(2mL)との混合液を加え、反応液を20℃で16時間撹拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に消費されたことが示され、目的生成物のメインピークの生成が検出された。反応液をそのまま濃縮し、淡黄色油状物である化合物7(0.04g、crude、TFA)を得、そのまま次の反応に使用した。
(5)化合物AB29540の合成
化合物3(20.0mg、104umol、1.00eq)にピリジン(1mL)を加え、化合物7(35.9mg、104umol、1.00eq、TFA)及びEDCI(21.9mg、114umol、1.10eq)を反応液に加え、反応液を20℃で16時間撹拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に反応したことが示され、目的生成物のピークの生成が検出された。反応液をそのまま濃縮した。粗生成物を高速液体クロマトグラフィーによって分離精製して(column:Waters xbridge 150*25mm 10um;mobile phase:[water(NHHCO)-ACN];B%:38%~68%、9min)、化合物AB29540を得た(3.08mg、7.33umol、7.05%収率、96.53%純度)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm13.17(dt,J=4.41,2.11Hz,1H),10.06(s,1H),7.45-7.73(m,1H),7.29(s,1H),6.87-7.13(m,2H),6.26(s,1H),3.82(s,3H),2.53(br s,3H),2.08(s,3H),2.04(s,3H).LCMS:Ms:M+H=406。
実施例20:化合物AB29554の合成
(1)化合物2の合成
化合物1(500mg、4.58mmol、1.00eq)にアセトニトリル(20.0mL)を加え、トリエチルアミン(463mg、4.58mmol、638uL、1.00eq)を反応液に加えた後、イソチオシアン酸エトキシカルボニル(661mg、5.04mmol、1.10eq)を反応液に滴下し、反応液を25℃で15分間撹拌して反応させた。1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド(1.05g、5.50mmol、1.20eq)を反応液に加えた後、トリエチルアミン(695mg、6.87mmol、956uL、1.50eq)を反応液に加え、反応混合物を80℃で3時間撹拌して反応させた。反応液を濾過し、ケーキを少量のアセトニトリル(10.0mL)で1回洗浄し、ケーキを収集して灰色固体である化合物2を得た(900mg、crude)。
(2)化合物3の合成
化合物2(900mg、4.36mmol、1.00eq)にメタノール(4.00mL)を加え、水酸化ナトリウム溶液(1M、8.73mL、2.00eq)を反応液に加え、反応液を100℃で16時間撹拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に消費されたことが示され、目的生成物のピークの生成が検出された。反応液を冷却した後、メタノールを除去し、2M HCl溶液をpH=7~8となるまで徐々に加え、固体が析出した。これを直接濾過し、ケーキを収集して灰色固体である化合物3を得た(500mg、3.73mmol、85.4%収率)。
(3)化合物6の合成
化合物4(200mg、1.75mmol、205uL、1.00eq)にトルエン(2mL)を加え、化合物5(242mg、1.75mmol、1.00eq)及び無水p-トルエンスルホン酸(60.3mg、350umol、0.200eq)を反応液に加え、反応液を110℃で4時間撹拌して反応させた。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1、R=0.43)により、少量の化合物5が残り、極性が低下したメインポイントが生成したことが示された。反応液に水(10mL)を加え、酢酸エチルで2回抽出した(10mL*2)。有機相を合わせた後、濃縮した。粗生成物を薄層クロマトグラフィーによって分離精製して(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)、褐色の固体である化合物6を得た(215mg、994umol、56.7%収率)。
H NMR(400MHz,CDCl)δppm 6.88(d,J=1.00Hz,1H),5.93(s,2H),2.52(d,J=1.00Hz,3H),2.12(s,6H).LCMS:Ms:M+H=217。
(4)化合物7の合成
化合物6(100mg、462umol、1.00eq)に1,2-ジクロロエタン(2mL)を加え、4-ジメチルアミノピリジン(56.5mg、462umol、1.00eq)を反応液に加え、トリクロロアセチルクロリド(252mg、1.39mmol、154uL、3.00eq)を反応液に滴下し、反応液を50℃で16時間撹拌して反応させた。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1、R=0.24)により、約20%の原料が完全には反応していないことが示され、極性が増加した新しいスポットの生成が検出された。反応液に水(10mL)を加え、酢酸エチルで2回抽出した(10mL*2)。有機相を合わせた後、乾燥し、濃縮した。粗生成物を薄層クロマトグラフィーによって分離精製して(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)、淡黄色油状物である化合物7を得た(80.0mg、221umol、47.8%収率)。
H NMR(400MHz,CDCl)δppm 6.97(d,J=0.75Hz,1H),6.73(s,1H),2.57(d,J=0.75Hz,3H),2.47(s,3H),2.12(s、3H).
(5)化合物AB29554の合成
化合物7(60.0mg、166umol、1.00eq)にN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)を加え、化合物3(26.7mg、199umol、1.20eq)、無水炭酸ナトリウム(35.2mg、332umol、2.00eq)を反応液に加え、反応液を85℃で2時間撹拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に消費されたことが示され、目的生成物のメインピークの生成が検出された。反応液をそのまま濃縮し乾燥した。粗生成物を高速液体クロマトグラフィーによって分離精製して(column:Waters xbridge 150*25mm 10um;mobile phase:[water(NHHCO)-ACN];B%:27%~57%、9min)、白色固体である化合物AB29554を得た(20.0mg、52.4umol、31.6%収率、98.66%純度)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 12.27-12.45(m,1H),11.41-11.63(m,1H),8.16-8.28(m,1H),7.78(br d,J=8.00Hz,1H),7.35(d,J=1.13Hz,1H),7.09(br d,J=4.38Hz,1H),6.91-7.01(m,1H),2.56(s,3H),2.42(s,3H),2.08(s,3H).LCMS:Ms:M+H=377。
実施例21:化合物AB29566の合成
(1)化合物2の合成
化合物1(5.00g、28.9mmol、1.00eq)をジクロロメタン(50.0mL)に溶解させ、クロロギ酸エチル(3.36g、30.9mmol、2.95mL、1.07eq)を混合液に加えた後、ピリジン(6.86g、86.7mmol、7.00mL、3.00eq)を上記反応液にゆっくりと滴下した。温度を25℃~30℃に制御し、系を25℃で1.5時間撹拌した。LCMSにより、化合物1が完全に消費されたことが示され、所望の化合物の分子量が検出された。反応終了後、反応液を氷水(100mL)にゆっくりと注ぎ、撹拌しクエンチした後、ジクロロメタン(100mL*3)を加えて抽出した。有機相を飽和食塩水(50.0mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して、黄色固体である(LCMS:Ms:M+H=245.0)化合物2を得た(5.00g、粗生成物)。
(2)化合物3の合成
発煙硝酸(1.08g、17.1mmol、771uL、1.00eq)を硫酸(12.0mL)に溶解させ、0℃で化合物2(4.20g、17.1mmol、1.00eq)を上記混合液に徐々に加えた。反応液を0℃で0.1時間攪拌した後、25℃まで徐々に昇温し、12時間撹拌した。LCMSにより、化合物2が完全に消費されたことが示され、所望の化合物の分子量が検出された。反応液を氷水に注ぎ、析出した固体を真空下で濾過し、ケーキを収集した後減圧濃縮して、白色固体である化合物3(4.30g、粗生成物)を得た(LCMS:Ms:M+H=291.9)。
(3)化合物4の合成
化合物3(2.50g、8.62mmol、1.00eq)をメタノール(10.0mL)に溶解させた後、ナトリウムメトキシド(6.21g、34.4mmol、30%純度、4.00eq)を加えた。混合液を65℃で12時間撹拌した。LCMSにより、化合物3が完全に消費されたことが示され、所望の化合物の分子量が検出された。反応液を真空下で濃縮し、水(20.0mL)を加え、真空下で濾過し、ケーキを収集した後減圧濃縮して、灰色固体である化合物4(900mg、粗生成物)を得た(LCMS:Ms:M+H=170.1)。
(4)化合物5の合成
化合物4(1.19g、7.04mmol、1.00eq)を酢酸エチル(100mL)に溶解させ、湿潤パラジウム/炭素(0.50g、10%純度)を加えた後、水素ガスで3回置換した。反応液を25℃、15Psiで12時間撹拌した。LCMSにより、化合物4が完全に消費されたことが示され、所望の化合物の分子量が検出された。反応液を真空下で濾過し、濾液を収集し、減圧濃縮して、褐色油状物である化合物5(800mg、粗生成物)を得た(LCMS:Ms:M+H=140.2)。
(5)化合物6の合成
化合物5(800mg、5.75mmol、1.00eq)を水(2.00ml)に溶解させ、エタノール(8.00mL)を加えた後、0℃まで降温し、次いで臭化シアン(730mg、6.90mmol、507uL、1.20eq)を徐々に加えた。混合液を70℃まで昇温し、12時間反応させた。LCMSにより、化合物5が20%残っていることが示され、所望の化合物の分子量が検出された。反応液を真空下で濃縮した。TLC(酢酸エチル:メタノール=10:1)によって精製して、灰色固体である化合物6(400mg、2.44mmol、42.3%収率)を得た(LCMS:Ms:M+H=165.2)。
(6)化合物AB29566合成
化合物6(50.0mg、138umol、1.00eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(2.00mL)に溶解させた後、炭酸ナトリウム(43.96mg、414umol、3.00eq)及び化合物7(22.7mg、138umol、1.00eq)を加えた。混合液を80℃で2時間撹拌した。LCMSにより、化合物原料が完全に消費されたことが示され、所望の化合物の分子量が検出された。反応液を真空下で濃縮し、高速液体クロマトグラフィー(column:Welch Xtimate C18 150*25mm*5um;mobile phase:[water(NHO)-ACN];B%:27%~57%、8min)によって精製して、黄色固体である化合物AB29566を得た(10.7mg、26.4umol、19.1%収率)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 7.74-7.96(m,1H)7.32(br d,J=1.13Hz,2H)6.72-6.90(m,1H)3.80(s,3H)2.53(s,3H)2.41(s,3H)2.05(s,3H)。LCMS:Ms:M+H=407。
実施例22:化合物AB29552の合成
(1)化合物4の合成
化合物2(100mg、467umol、1.00eq)にトルエン(2mL)を加え、化合物3(52.8mg、467umol、48.0uL、1.00eq)及び無水p-トルエンスルホン酸(16.0mg、93.3umol、0.200eq)を反応液に加え、反応液を110℃で2時間撹拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に消費されたことが示され、目的生成物のメインピークの生成が検出された。反応液をそのまま濃縮した。粗生成物を薄層クロマトグラフィーによって分離精製して(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)、褐色の固体である化合物4を得た(110mg、377umol、80.9%yield)。
(2)化合物5の合成
化合物4(110mg、377umol、1.00eq)にHCl/EtOAc(2mL、4M)を加え、反応液を20℃で3時間撹拌して反応させた。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1、R=0.24)により原料が完全に消費されたことが示され、極性が増加した新しいスポットが生成した。反応液をそのまま濃縮し、褐色の固体である化合物5(0.07g、crude)を得、そのまま次の反応に使用した。
(3)化合物AB29552の合成
化合物5(60.0mg、255umol、1.00eq)にN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)を加え、化合物A014(45.8mg、280umol、1.10eq)、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(146mg、280umol、1.10eq)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(132mg、1.02mmol、178uL、4.00eq)を反応液に加え、反応液を100℃で6時間撹拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に反応したことが示され、目的生成物の生成が検出された。反応液をそのまま濃縮した。粗生成物を高速液体クロマトグラフィーによって分離精製した後(column:Welch Xtimate C18 150*25mm*5um;mobile phase:[water(HCl)-ACN];B%:22%~52%、10min)、2回目精製して(column:Waters xbridge 150*25mm 10um;mobile phase:[water(NHHCO)-ACN];B%:40%~70%、9min)、白色固体である化合物AB29552を得た(2.34mg、6.15umol、2.41%収率)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 12.00(br d,J=0.75Hz,1H),10.84-10.96(m,1H),7.46(dd,J=5.07,1.19Hz,1H),7.24-7.37(m,1H),6.89-7.09(m,3H),6.62-6.80(m,2H),5.32(s,2H),3.75(s,3H),2.60(s,3H),2.22(s,3H).LCMS:Ms:M+H=381。
実施例23:化合物AB29555の合成
(1)化合物2の合成
化合物1(1.00g、9.16mmol、1.00eq)をエタノール(2.00mL)及び水(10.0mL)に溶解させ、臭化シアン(1.16g、11.0mmol、808uL、1.20eq)を徐々に加えた。反応混合液を70℃で12時間撹拌した。LCMSにより、化合物1が30%残っていることが示され、所望の化合物の分子量が検出された。混合液を真空下で濃縮して、黄色固体である化合物2(2.00g、粗生成物)を得た(LCMS:Ms:M+H=130.4)。
(2)化合物AB29555の合成
化合物2(29.6mg、220umol、2.00eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(2.00mL)に溶解させ、炭酸ナトリウム(35.1mg、331umol、3.00eq)及び化合物3(40.0mg、110umol、1.00eq)を加えた。混合液を80℃で12時間撹拌した。LCMSにより、原料が完全に消費されたことが示され、所望の化合物の分子量が検出された。反応液を真空下で濃縮した。粗生成物を高速液体クロマトグラフィーによって精製して(column:Welch Xtimate C18 150*25mm*5um;mobile phase:[water(HCl)-ACN];B%:14%~44%、8min)、黄色固体である化合物AB29555を得た(10.0mg、24.2umol、21.9%収率、塩酸)。
H NMR(400MHz,MeOD)δppm 8.88(s,1H)8.32-8.49(m,1H)7.80-8.02(m,1H)7.16(d,J=1.00Hz,1H)6.71(s,1H)2.59(s,3H)2.48(s,3H)2.15(s,3H)。LCMS:Ms:M+H=377。
実施例24:化合物AB29573の合成
(1)化合物2の合成
化合物1(500mg、2.54mmol、1.00eq)にtert-ブタノール(5mL)を加え、トリエチルアミン(643mg、6.36mmol、885uL、2.50eq)及びDPPA(910mg、3.31mmol、716uL、1.30eq)を反応液に加え、反応液を85℃で2時間撹拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に消費されたことが示され、目的生成物のメインピークの生成が検出された。反応液をそのまま濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製して(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~1:1)、白色固体である化合物2を得た(100mg、374umol、14.7%収率)。
(2)化合物3の合成
化合物2(75.0mg、285umol、1.00eq)にHCl/EtOAc(7mL)、反応液を20℃で2時間撹拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に消費されたことが示され、目的生成物のメインピークの生成が検出された。反応液をそのまま濃縮して、黄色固体である化合物3(0.06g、crude、HCl)を得、そのまま次の反応に使用した。
(3)化合物AB29573の合成
化合物4(50.0mg、138umol、1.00eq)にN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)を加え、化合物3(55.2mg、276umol、2.00eq、HCl)及び無水炭酸ナトリウム(58.6mg、553umol、4.00eq)を反応液に加え、反応液を100℃で2時間攪拌して反応させた。LCMSにより、原料が完全に反応したことが示され、少量の目的生成物の生成が検出された。反応液を濃縮した後、メタノールを加えて濾過し、濾液を収集し、濃縮した。粗生成物を薄層クロマトグラフィーによって分離精製した後(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)、さらに高速液体クロマトグラフィーによって分離精製して(column:Welch Xtimate C18 150*25mm*5um;mobile phase:[water(NHO)-ACN];B%:30%~60%、8min)、黄色固体である化合物AB29573を得た(1mg、2.30umol、1.66%収率、93.06%純度)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 11.17-11.40(m,1H),10.58-10.74(m,1H),8.25(s,1H),7.34(d,J=1.13Hz,1H),6.73(s,1H),6.65(s,1H),6.06(s,1H),3.79(s,3H),2.54(d,J=0.63Hz,3H),2.38(s,3H),2.09(s,3H).LCMS:Ms:M+H=406。
薬理活性アッセイ及び結果分析
組換えDHX33の製造
タンパク質の分離と精製については、Wang X、Ge W、and Zhang Y.Recombinant DHX33 Protein Possesses Dual DNA/RNA Helicase Activity.Biochemistry.2019;58(4):250-8を参照される。RNAヘリカーゼ遺伝子(マウスDHX33遺伝子)を、pET32M-3CベクターのBamH I/Not Iという制限酵素切断部位の間にクローニングした。次いで、プラスミドを大腸菌株BL-21pLysS(DE3)に形質転換し、イソプロピル1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(IPTG)を0.5mM添加して、16℃で組換えタンパク質の発現を16時間誘導した。細胞を沈殿させ、細胞溶解緩衝液[50mM Tris-HCl(pH7.2)、150mM NaCl、1%Triton(登録商標) X-100、及びプロテアーゼ阻害剤を添加した50mMイミダゾール]に再懸濁した。次いで、細胞を超音波処理し、13000rpmの回転数で25分間遠心分離した。上清をトリス緩衝液で平衡化したニッケル-ニトリロ三酢酸ビーズとともにインキュベートした後、十分に洗浄した。次いで、精製タンパク質をトリス緩衝液中の300mMイミダゾールで溶出し、そしてイミダゾールを含まないトリス緩衝液に対して4℃で一晩透析した。
図1は、上記方法で製造した組換えDHX33タンパク質をSDS-PAGEによって分離し、クーマシーブリリアントブルーで染色した結果の解析を示す図である。図中の矢印は、目的の組換えDHX33タンパク質(チオレドキシンタグを含む)を示し、目的バンドの分子量は90kDaであった。
DHX33ヘリカーゼ活性解析
ヘリカーゼ活性を持つ反応成分を不透明な96ウェル白色プレートに添加した。方法は次のとおりである。ニュートラアビジンを96ウェルプレートに最終濃度10μg/mL(100μL/ウェル)、4℃で一晩コーティングした。次いで、ニュートラアビジンでコーティングしたプレートを、0.1%(w/v)BSA(通常のPBSに溶かした)100μLで22℃で2時間ブロッキングした。洗浄後、2つの一本鎖オリゴDNA(一方は、ビオチン標識した5’-GCTGACCCTGCTCCCAATCGTAATCTATAG-3’であり、もう一方は、DIG標識した5’-CGATTGGGAGCAGGGTCAGC-3’である)をアニーリングして作成した2本鎖DNA[2.5ng、アニーリング反応は1M NaClを含む濃度1MのPBS(pH7.0)中で行われる]を加え、22℃で4時間インキュベートした。90μLの反応混合物を加えた後、ヘリカーゼ反応[精製した全長DHX33タンパク質0.25μgを、25mM 4-MOPS(pH7.0)、5mM ATP、2mM DTT、3mM MnCl及び100μgBSAに溶解させた)]を開始した。37℃で60分間反応させた。洗浄後、各ウェルをブロッキング溶液[0.1M マレイン酸及び0.15M NaCl(pH7.5)中の10%(w/v)BSA]を用いて30分間培養した後、20μL抗体溶液とともに30分間インキュベートした(抗-DIG-AP、Roche、ブロッキングバッファー中)。100μLの検出バッファー[0.1M Tris-HCl及び0.1M NaCl(pH9.5)]を用いて洗浄した後、1μLの化学発光基質(CSPD-0.25mM)を各ウェルに添加し、プレートを17℃で5分間インキュベートした。次いで、プレートを叩いて乾燥し、37℃で30分間インキュベートした。発光マルチウェルプレートリーダー(Enspire、PerkinElmer)によって各ウェルに残っているDIG-APマーカーコントロールを10分間測定した。測定値が大きいほど、ヘリカーゼ活性が弱いことを意味する。この活性解析実験において、陽性対照と陰性対照が設けられている。陰性対照の1つは、ATPを加えない以外に条件を同一にした比較対象であり、陰性対照のもう1つは、DHX33タンパク質を加えない以外に条件を同一にした比較対象である。陽性対照は、野生型DHX33タンパク質標準品と比較されるものである。DHX33タンパク質標準品と比較した結果、上記方法で調製したDHX33タンパク質がヘリカーゼ活性を有することが判明した。
ヘリカーゼ活性解析の具体的な方法については、Wang X、Ge W、and Zhang Y.Recombinant DHX33 Protein Possesses Dual DNA/RNA Helicase Activity.Biochemistry.2019;58(4):250-8を参照される。
化合物によるDHX33ヘリカーゼ活性への阻害
一連濃度の化合物を用いて(濃度範囲は、1nM、5nM、10nM、20nM、50nM、100nM、250nM、500nM、1000nMとした。)、DHX33タンパク質のヘリカーゼ活性をインビトロで測定した。DHX33タンパク質のヘリカーゼ活性に対する本発明の化合物の半数阻害濃度を表1に示す。表1から明らかなように、本発明の化合物がDHX33タンパク質のヘリカーゼ活性に対して著しい阻害効果を有することが判明した。
細胞の培養と由来
U251-MG細胞は中国科学院の細胞バンクから購入した。10%ウシ胎児血清(FBS)、2mM L-グルタミン、ストレプトマイシン及びペニシリンを含有するMEM培地で培養し、生育条件を37℃、5%CO、湿度のあるインキュベーター内とした。細胞は3日ごとに継代し、10回目の継代後、廃棄した。
細胞の半数阻害濃度(IC50)の測定
DHX33が過剰発現しているがん細胞株U251-MGの細胞を1×10/100μl/ウェルで96ウェルプレートに播種した。細胞が完全に壁に張り付いた後、化合物を5nM、10nM、25nM、50nM、100nM、250nM、500nM、1000nM、2000nM、5000nM、10μM、20μMの濃度で細胞培地に添加し、マルチチャンネルピペットで均一に混合した。化合物及び細胞のインキュベーションが48時間になった後、CCK-8試薬(Yeasen Biotechnology (Shanghai)製)を用い、標準手順に従って96ウェルプレートの培地に添加し、2時間培養した後、マイクロプレートリーダーでプレートを測定した(OD=450nm)。試験を3回繰り返し、化合物の各濃度における阻害曲線を描いて、化合物の半数阻害濃度(IC50)を算出した。
表2から明らかなように、本発明の化合物は、DHX33が過剰発現しているがん細胞株U251-MG細胞に対して著しい阻害効果を有することが判明した。

Claims (13)

  1. 式Iの構造を有する化合物またはその薬学的に許容される形態であり、
    (式中、Xは、NまたはCRから選択され、Xは、NまたはCRから選択され、Xは、NまたはCRから選択され、Xは、NまたはCRから選択され;
    、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、-NH(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル)、C1~6ヒドロキシアルキル、-O-(C1~6アルキレン)-O-(C1~6アルキル)、-C(=O)-NH-(C1~6アルキル)、-C(=O)-NH-(C1~6アルキレン)-N(C1~6アルキル)または-C(=O)-O-(C1~6アルキル)から選択され;
    は、NまたはCRから選択され、Rは、水素、ハロゲンまたはC1~6アルキルから選択され、前記C1~6アルキルは、ハロゲン、C1~6アルキル、-(C1~6アルキレン)-O-(C1~6アルキル)または-(C1~6アルキレン)-O-C(=O)-(C1~6アルキル)から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく;
    は、-NRC(=O)-、-NRS(=O)-、-NRS(=O)-、-C(=O)NR-、-S(=O)NR-または-S(=O)NR-から選択され;
    各Rはそれぞれ独立して、水素、C1~6アルキル、C3~8シクロアルキルまたはC6~10アリールから選択され;
    環Aは、5~10員のヘテロアリールまたは3~8員の複素環基から選ばれ、環Aは、1つまたは複数のRで置換されていてもよく;
    各Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、C1~6アルキルまたはC1~6ハロアルキルから選択され;
    は、単結合、O、SまたはCRから選択され;
    及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲンまたはC1~6アルキルから選択され;
    環Bは、C6~10アリール、5~12員のヘテロアリールまたは3~8員の複素環基から選択され、環Bは、1つまたは複数のR10で置換されていてもよく;
    各R10はそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C3~6シクロアルキル、-C(=O)-O-(C1~6アルキル)、フェニル、ベンジル、ピリジル、-C(=O)-NH、または-NH-C(=O)-(C1~6アルキル)から選択され、前記フェニル、ベンジル、ピリジルは、水素、ハロゲン、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、C1~6アルキルまたはC1~6アルコキシから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。)、
    前記薬学的に許容される形態は、薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体、溶媒和物、窒素酸化物、同位体標識物、代謝物及びプロドラッグから選択される。
  2. 、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、-NH(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル)またはC1~6ヒドロキシアルキルから選択され;
    好ましくは、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシまたはC1~4ハロアルコキシから選択され;
    より好ましくは、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシル、メチル、メトキシまたはトリフルオロメトキシから選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される形態。
  3. は、水素、ハロゲンまたはC1~4アルキルから選択され、前記C1~4アルキルは、ハロゲン、C1~4アルキル、-(C1~4アルキレン)-O-(C1~4アルキル)または-(C1~4アルキレン)-O-C(=O)-(C1~4アルキル)から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、
    は、水素、ハロゲンまたはC1~4アルキルから選択され、前記C1~4アルキルは、ハロゲン、C1~4アルキル、-CH-O-CHまたは-CH-O-C(=O)-CHから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、
    好ましくは、Rは、水素、ハロゲンまたはメチルから選択される、請求項1または2に記載の化合物またはその薬学的に許容される形態。
  4. は、-NRC(=O)-、-NRS(=O)-、-C(=O)NR-または-S(=O)NR-から選択され、各Rはそれぞれ独立して、水素、C1~4アルキルまたはC3~6シクロアルキルから選択され;
    好ましくは、Lは、-NRC(=O)-、-NRS(=O)-、-C(=O)NR-または-S(=O)NR-から選択され、各Rはそれぞれ独立して、水素またはC1~4アルキルから選択され;
    より好ましくは、Lは、-NHC(=O)-、-N(CH)-C(=O)-、-NHS(=O)-、-C(=O)NH-または-S(=O)NH-から選択される、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される形態。
  5. 環Aは、5~10員のヘテロアリールから選択され、環Aは、1つまたは複数のRで置換されていてもよく、各Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、C1~4アルキルまたはC1~4ハロアルキルから選択され;
    好ましくは、環Aは、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリルまたはオキサゾリルから選択され、環Aは、1つまたは複数のRで置換されていてもよく、各Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、メチル、エチルまたはトリフルオロメチルから選択され;
    より好ましくは、環Aは、ピロリルまたはイミダゾリルから選択され、環Aは、1つまたは複数のRで置換されていてもよく、各Rはそれぞれ独立して、ハロゲンまたはメチルから選択され;
    特に好ましくは、環Aは、
    または、
    から選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される形態。
  6. は、単結合またはCRから選択され;R及びRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲンまたはC1~4アルキルから選択され;
    好ましくは、Lは、単結合、-CH-または-CH(CH)-から選択される、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される形態。
  7. 環Bは、C6~10アリールまたは5~12員のヘテロアリールから選択され、環Bは、1つまたは複数のR10で置換されていてもよく、
    各R10はそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C3~6シクロアルキルまたは-C(=O)-NHから選択され;
    好ましくは、環Bは、C6~10アリールまたは5~10員のヘテロアリールから選択され、環Bは、1つまたは複数のR10で置換されていてもよく、各R10はそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1~4アルキル、C1~4アルコキシまたは-C(=O)-NHから選択され;
    より好ましくは、環Bは、フェニル、ピラジニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、オキサゾリル、チエニル、チアゾリル、ピラゾリルまたはイミダゾリルから選択され、環Bは、1つまたは複数のR10で置換されていてもよく、各R10はそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシル、メチルまたは-C(=O)-NHから選択され;
    特に好ましくは、環Bは、
    または、
    から選択される、請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される形態。
  8. 式I-1、式I-2、式I-3、式I-4、式I-5、式I-6、式I-19または式I-20:
    (式中、R、R、R、R、R、L、L及び環Bは、請求項1~7のいずれか1項で定義されるとおりである。)の構造を有する化合物またはその薬学的に許容される形態である、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される形態。
  9. 式I-7、式I-8、式I-9、式I-10、式I-11、式I-12、式I-13、式I-14、式I-15、式I-16、式I-17、式I-18、式I-21または式I-22:
    (式中、R、R、R、R、R及び環Bは、請求項1~8のいずれか1項で定義されるとおりである。)の構造を有する化合物またはその薬学的に許容される形態である、請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される形態。
  10. 化合物またはその薬学的に許容される形態であって、前記化合物は下記の化合物
    から選択され、
    前記薬学的に許容される形態は、薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体、溶媒和物、窒素酸化物、同位体標識物、代謝物及びプロドラッグから選択される、化合物またはその薬学的に許容される形態。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される形態と、1種以上の薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
  12. 少なくとも一部がDHX33によって媒介される疾患または病症を予防及び/又は治療する薬物を製造するための、請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される形態、または請求項11に記載の医薬組成物の使用。
  13. 前記疾患は、DHX33によって媒介されるがん、ウィルス感染及び炎症から選択される、請求項12に記載の使用。
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