JP2024521735A - 化合物、リポソーム及びその使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、化合物、リポソーム、リポソームの調製方法、薬物担体、薬物組成物及び薬物組成物の、高脂血症及びその関連疾患における治療または予防の使用を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明はバイオ医薬の分野に属し、具体的に、化合物、リポソーム、薬物担体及びそれらの使用、リポソームの調製方法、薬物組成物及び使用に関する。
siRNA、mRNAなどの核酸系分子は、非常に潜在力のある薬物分子であり、細胞内に入って作用する必要がある。しかしながら、核酸系分子自体は高分子量、高負電性、分解しやすい化合物であり、自体が細胞に入ることができない。したがって、それを持って細胞、または体内組織にトランスフェクションする適切な送達担体を必要とする。
リポソームは、すでに有効な核酸担体であることが証明され、リポソームに包まれたsiRNA薬物Onpattroが発売されている。核酸系薬物、特にsiRNA薬物、mRNA薬物などの研究の進展に伴い、核酸薬物担体に対する継続的な研究需要があり、異なる細胞タイプと組織タイプを標的とするリポソーム、酵素による核酸の分解からよりよく保護し、または細胞内でより良く放出するリポソーム、より毒性が低く、生分解しやすいリポソームなどを研究する。
したがって、安定性が高く、毒性が低く、生分解しやすいリポソームを研究開発する必要がある。
本発明は、関連技術における技術的問題の一つを少なくとも一定の程度解決する。
このため、本発明の第1の態様では、本発明は、式(I)に示す化合物または式(I)に示す化合物の立体異性体、互変異性体、溶媒和物、薬学的に許容する塩である化合物を提案し、
ただし、X、Y、R、R、Rは本発明で述べるような定義を有する。
本発明の実施例によれば、各XとYはそれぞれ独立して-CH-または-CO-から選ばれ、XとYは同時に-CH-または-CO-ではなく、ただし、各Xは同じまたは異なり、各Yは同じまたは異なり、RはH、任意に置換されたC-C20アルキル基、任意に置換されたC-C20アルケニル基または任意に置換されたC-C20アルキニル基から選ばれ、RはH、任意に置換されたC-C20アルキル基、任意に置換されたC-C20アルケニル基または任意に置換されたC-C20アルキニル基から選ばれ、ただし、置換基はそれぞれ独立してH、F、Cl、Br、CN、NOから選ばれ、R
または
から選ばれ、ただし、nは0-10から選ばれた整数であり、Zは
または
から選ばれ、Rは任意に置換されたC-C20アルキル基、任意に置換されたC-C20アルケニル基または任意に置換されたC-C20アルキニル基から選ばれ、ただし、置換基はそれぞれ独立してH、F、Cl、Br、CN、NOから選ばれる。
本発明の実施例によれば、RはH、CH-、またはRから選ばれ、RはH、またはRから選ばれ、R
または
から選ばれ、ただしnは1-5から選ばれた整数であり、Zは
または
から選ばれ、RはC-C20アルキル基、C-C20アルケニル基またはC-C20アルキニル基から選ばれ、ただし、前記C-C20アルケニル基は1-3個の二重結合を含み、前記C4-C20アルキニル基は1-3個の三重結合を含む。
本発明の実施例によれば、RはC-C15アルキル基、C-C15アルケニル基から選ばれ、ただし、前記C-C15アルケニル基は1-3個の二重結合を含む。
本発明の実施例によれば、R、R及びRは同じであり、RはC10-C15アルキル基、C10-C15アルケニル基から選ばれ、ただし、前記C10-C15アルケニル基は1-3個の二重結合を含む。
本発明の実施例によれば、前記化合物は、
の中の1つの構造を有する。
本発明の実施例によれば、化合物骨格は4つのアミノ基の骨格主鎖構造と複数の分岐鎖アルキル基または置換アルキル基構造を含む。骨格主鎖において、各アミノ基はアルキル基またはアシル基で接続されており、その中に少なくとも2つのアシル基があり、これにより、化合物の塩基性が低下し、アルキルアミン基の塩基性は分岐鎖に含まれるエステル基の化学的安定性に及ぼす影響が低下し、且つ化合物の正電性が低下し、リポソームが持つ正電性を低下させるのに有利であると同時に、アミド結合が体内での代謝性を高め、体内での化合物の蓄積を避ける。
本発明の第2の態様では、本発明は、リポソームの調製における上記化合物の使用を提案する。本発明の実施例によれば、上記化合物はアミン含有脂質化合物であり、イオン化可能な性質を有し、リポソームを調製するために使用できる。
本発明の実施例によれば、上記化合物はポリマー形態でリポソームを調製することができ、上記化合物は他の物質と共有結合を形成してリポソームを調製することができ、他の物質と化学反応を起こしてリポソームを調製することができる。本発明の実施例によれば、上記化合物からリポソームを調製する具体的な方式は限定されないが、上記化合物を使用してリポソームを調製し、リポソームに上記化合物の構造の全部または一部を含むと、本発明の使用とする。
本発明の第3の態様では、本発明はリポソームを提案する。本発明の実施例によるリポソームは、本発明の第1の態様に記載の化合物から調製され、リポソームは脂質二分子層の流動作用により添加された被担持物質を包み込むことができ、封入効果が良好であるため、担持物質を効果的に細胞に侵入して内包体から細胞質に逃げ出すことができる。
本発明の実施例によれば、上記化合物は疎水性脂質及び/又は両親媒性脂質と自己組織化によりリポソームを形成することができる。
本発明の実施例によれば、リポソームは、疎水性脂質、両親媒性脂質、緩衝試薬及び/又は有機溶媒をさらに含み、前記両親媒性脂質は中性脂質とPEG-脂質から選ばれる少なくとも1つを含み、前記疎水性脂質はステロールを含む。
本発明の実施例によれば、前記中性脂質は、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ホスファチジルコリン(POPC)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、ジラウリルホスファチジルコリン(DLPC)、ピロ炭酸ジエチル(DEPC)、ジミリスチルホスファチジルコリン(DMPC)及び卵黄レシチン(EPC)から選ばれる少なくとも1つを含む。
本発明の実施例によれば、前記PEG-脂質は、ビスパルミトイルホスファチジルエタノールアミン-PEG(DPPE-PEG)、ビスステアリルホスファチジルエタノールアミン-PEG(DSPE-PEG)、ジミリスチルグリセロール(DMG-PEG)及びジメタクリレート(DMA-PEG)から選ばれる少なくとも1つを含む。
本発明の実施例によれば、前記ステロールはコレステロールである。
本発明の実施例によれば、前記緩衝試薬は酸性緩衝試薬である。
本発明の実施例によれば、前記緩衝試はクエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、トリメチロールアミノメタン-塩酸、リン酸二水素カリウム-水酸化ナトリウム、ホウ酸-ホウ砂、グリシン-塩酸、フタル酸-塩酸、フタル酸水素カリウム及びリン酸二水素ナトリウム-クエン酸から選ばれる少なくとも1つを含む。
本発明の実施例によれば、前記有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、トルエンシクロヘキサノン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、プロピレンオキサイド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、ピリジン、フェノール、スチレン、パークロロエチレン、トリクロロエチレン、エチレングリコールエーテル及びトリエタノールアミンから選ばれる少なくとも1つを含む。
本発明の実施例によれば、前記リポソームに基づいて、前記化合物の量は20~80%mol/molである。
本発明の実施例によれば、前記化合物、中性脂質、ステロール及びPEG-脂質のモル比は(20~80):(5~50):(10~60):(0.2~20)である。
本発明の実施例によれば、前記リポソームに基づいて、前記緩衝試薬の体積は50~90%v/vである。
本発明の実施例によれば、前記リポソームに基づいて、前記緩衝試薬の体積は75%v/vである。
本発明の実施例によれば、上記の配合比のリポソームを採用すると、トランスフェクション効率が高く、封入効果がよく、薬物提示能力が強い。
本発明の第4の態様では、本発明は上記リポソームの調製方法を提案する。本発明の実施例によれば、所定の量の本発明の第1の態様に記載の化合物と有機溶媒を混合し、前記リポソームを取得するステップを含む。本発明の実施例によれば、前記化合物を有機溶媒に溶解することはリポソームの形成に有利である。
本発明の実施例によれば、前記方法は、所定の量の脂質を上記有機溶液に溶解してから緩衝試薬と混合し、前記リポソームを取得するステップをさらに含む。本発明の実施例によれば、前記リポソームに基づいて、前記化合物の量は20~80%mol/molであり、前記化合物、中性脂質、ステロール及びPEG-脂質のモル比は(20~80):(5~50):(10~60):(0.2~20)であり、前記リポソームに基づいて、前記緩衝試薬の体積は75%v/vである。
本発明の第5の態様では、本発明は薬物担体を提案し、本発明の第1の態様に記載の化合物または本発明の第3の態様に記載のリポソームを含む。本発明の実施例によれば、前記化合物はイオン化可能なアミン含有脂質であり、前記薬物担体はイオン化可能な担体であり、負に帯電する薬物を担持することができ、薬物を細胞内に送達して内包体から効果的に細胞質に逃げ出し、担持された薬物の薬効の発揮に有利である。
本発明の第6の態様では、本発明は、本発明の第1の態様に記載の化合物、本発明の第3の態様に記載のリポソームまたは本発明の第5の態様に記載の薬物担体の、薬物の調製における使用を提案する。
本発明の第7の態様では、本発明は、薬物組成物を提案し、前記薬物組成物は担体と薬物活性成分を含み、ここで、前記担体は本発明の第5の態様に記載の薬物担体を含む。本発明の実施例によれば、前記薬物担体はイオン化可能な担体であり、負に帯電する薬物活性成分を担持することができ、薬物活性成分を細胞内に送達して内包体から効果的に細胞質に逃げ出し、担持された薬物活性成分の発揮に有利である。
本発明の実施例によれば、前記薬物活性成分は、DNA分子、RNA分子、タンパク質及び小分子薬物から選ばれる少なくとも1つを含む。
本発明の実施例によれば、前記薬物活性成分は負に帯電する。本発明の実施例によれば、前記薬物担体にイオン化可能なアミン含有脂質が含まれ、特定のpHで正に帯電し、負に帯電する薬物活性成分と結合することができ、なお、脂質二分子層の流動作用により、薬物活性成分を包み込んで、細胞に送達することができる。
本発明の実施例によれば、前記薬物活性成分は核酸を含む。本発明の実施例によれば、前記薬物活性成分はDNA、RNA、核酸-タンパク質複合体、核酸-脂質複合体、核酸-核種複合体等を含み、前記核酸のタイプは制限されない。
本発明の実施例によれば、前記担体と前記薬物活性成分の質量比は(5~40):1である。
本発明の実施例によれば、前記担体と前記薬物活性成分の質量比は(8~20):1である。
本発明の実施例によれば、前記担体と前記薬物活性成分の質量比は15:1である。
本発明の第8の態様では、本発明は、上記化合物または上記リポソームを含むことを特徴とするトランスフェクション複合体を提案する。
本発明の実施例によれば、前記トランスフェクション複合体は少なくとも一種の生理活性剤を含む。
本発明の実施例によれば、前記生理活性剤は、DNA分子、RNA分子、タンパク質及び薬物から選ばれる少なくとも1つを含む。
本発明の付加的な態様と利点を以下の説明では部分的に示し、部分的に以下の説明から明らかになり、または本発明の実践を通じて了解することができる。
本発明の上記および/または付加的な態様と利点は、以下の図面を組み合わせた実施例の説明から明らかになり、理解しやすい。
本発明の実施例によるゲルブロック実験結果である。 本発明の実施例によるsiA4-13の製剤の4℃での安定性の結果である。 本発明の実施例によるCy-siFLA4-13のC57BL/6マウス体内の分布の定量データである。 動物による本発明の実施例の異なる濃度のsiA4-13製剤の投与後または異なる時点でのApoB mRNA発現の変化及びCHO、TG、LDL-c、HDL-cレベルの変化であり、ここで、図aは動物による1mg/kgまたは3mg/kg siA4-13製剤の投与後の異なる時点でのApoB mRNA発現の変化及びCHO、TG、LDL-c、HDL-cレベルの変化であり、図bは動物による投与量の0.01mg/kgから1mg/kgまでのsiA4-13製剤の投与後の48時間のApoB mRNA発現の変化及びCHO、TG、LDL-c、HDL-cレベルの変化である。 本発明の実施例による血清生化学指標の変化である。 本発明の実施例によるsiANA4-13のdb/dbマウス体内での脂質低下効果とANGPTL3 mRNA発現抑制能力である。 本発明の実施例による異なる治療群の動物肝臓の脂質沈着状況である。 本発明の実施例によるsiApoCA4-13の治療及び薬物中止から4週間以内の脂質低下効果と血中脂質変化である。 本発明の実施例による異なる処方のリポソームで媒介したルシフェラーゼmRNAの細胞上での発現結果である。 本発明の実施例によるリポソームで媒介したルシフェラーゼmRNAのマウス体内での発現結果である。 本発明の実施例による脂質Eの化学構造である。 本発明の実施例による脂質A4と脂質Eの40℃での安定性の試験結果である。 本発明の実施例によるLipoとA4-13のC57マウス体内での薬効比較である。
以下、本発明の実施例を詳しく説明し、前記実施例の例は図面に示されている。以下、図面を参照しながら説明する実施例は例示的なものであり、本発明を制限するためのものではなく、本発明を解釈することを目的とする。
「第1の」、「第2の」といった用語は目的を説明するためのものにすぎず、相対的に重要性を示す若しくは暗に示す、または技術的特徴を明示する数を暗に示すとみなすことはできない。したがって、「第1の」、「第2の」と限定している特徴は少なくとも1つの該特徴を含むことを明示するまたは暗に示すことができる。本発明の説明において、特に明確かつ具体的に限定している場合を除き、「複数」の概念は少なくとも2つ、例えば2つまたは3つである。
現在、本発明の幾つかの実施形態を詳細に説明し、その例は添付の構造式と化学式によって説明される。本発明は、全ての代替、修正及び同等の技術的解決手段を網羅することを意図しており、それらは、請求項によって定義された本発明の範囲内に含まれる。当業者は、本発明と同様または同等の多くの方法及び材料は本発明を実践するために使用できることを認識すべきである。本発明は本発明に記載の方法と材料に限定されない。組み合わせた文献、特許及び同様の材料の1つまたは複数が本願と異なるか、または矛盾する場合(定義される用語、用語の適用、説明される技術などを含むが、これらに限定されない)で、本願を基準とする。
さらに、本発明の幾つかの特徴は、明確にするために、複数の独立した実施形態で説明されたが、単一の実施例で組み合わせて提供されてもよいことが認識されるべきである。逆に、本発明の様々な特徴は、簡潔にするために、単一の実施形態で説明されるが、単独でまたは任意の適切なサブ組合せで提供されてもよい。
特に指摘されない限り、本発明に使用される技術的及び科学的用語は、本発明の当業者の通常理解と同じ意味を有し、特に指摘されない限り、本発明の全内容の開示に援用される全ての特許公開出版物は、参照方式によって全体が本開示に組み込まれている。
本発明は、他の態様で示されない限り、以下の定義を適用する。本発明の目的によると、化学元素は週期律表、CASバージョン及び化学薬品ハンドブック、75,thEd,1994によって定義される。また、有機化学の一般的な原理は、「Organic Chemistry」,Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito: 1999, and 「March’s Advanced Organic Chemistry」, by Michael B. Smith and Jerry March, John Wiley & Sons, New York: 2007を参照するため、本発明のすべての内容は参考文献を融合している。
本明細書において、「リポソーム」または「脂質ナノ粒子(LNP)」は、生体適合性脂質材料を担体として、薬物やその他の生体活性物質を脂質核に溶解または包んだり、またはナノ粒子の表面に吸着、付着させたりする薬物担持系を指す。
本発明は同位体標識の本発明化合物をさらに含み、1つまたは複数の原子は原子質量または質量数が天然の一般的な原子の質量または質量数と異なる原子で代替するという事実を除いて、本発明に記載の化合物と同じである。本発明の化合物に導入することができる例示的な同位体は水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素及び塩素の同位体、例えば2H、3H、13C、14C、15N、16O、17O、31P、32P、36S、18F及び37Clを含む。
前述同位体及び/又は他の原子の他の同位体の本発明の化合物及び前記化合物の薬学的に許容する塩はいずれも本発明の範囲内に含まれる。同位体標識された本発明の化合物、例えば放射性同位体、例えば3Hと14Cが本発明の化合物に組み込まれて薬物及び/又は基質組織分布分析に用いられることができる。調製及び検出が容易であるため、トリチウム置換、即ち、3H、及び炭素-14、即ち14C、同位体が特に好ましい。なお、重水素などの重同位体、即ち2Hで置換することによって、例えば体内半減期の増加または投与量の需要の減少など、代謝安定性の向上に由来するいくつかの治療上の利点を提供することができる。このため、場合によって好ましいかもしれない。
本発明で使用される立体化学の定義と慣例は、一般的に、S.P.Parker、Ed.、McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms(1984)McGraw-Hill Book Company、New York;and Eliel、E.and Wilen、S.、「Stereochemistry of Organic Compounds」、John Wiley & Sons、Inc.、New York、1994に従う。本発明の化合物は不斉中心またはキラル中心を含んでよいため、異なる立体異性体形態で存在する。本発明の化合物の全ての立体異性体形態は、ジアステレオマー、エナンチオマー及びトランスオリソマー(atropisomer)、及びラセミ混合物などのそれらの混合物を含むが、これらに制限されないことが期待されるが、本発明の範囲内にも含まれる。多くの有機化合物は光学活性の形で存在し、即ち平面偏光の平面を回転させる能力を持つ。光学活性を有する化合物を記述する場合、接頭辞DとLまたはRとSを用いて分子中のキラル中心(または複数のキラル中心)に対する分子の絶対配置を示す。接頭辞dとlまたは(+)と(-)は、化合物による平面偏光の回転を指定するための記号であり、ただし(-)またはlは化合物が左旋性であるのを示す。接頭辞が(+)またはdである化合物は右旋性である。所定の化学構造に対して、これらの立体異性体は、互いの鏡像であることを除いて、同様である。具体的な立体異性体はエナンチオマーと呼ばれることもでき、且つ前記異性体の混合物は、通常、エナンチオマーの混合物と呼ばれる。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物またはラセミ体と呼ばれ、化学反応または方法に立体選択性または立体特異性がない場合、前記ラセミ混合物またはラセミ体が現れることができる。
原料と方法の選択に応じて、本開示の化合物は、可能な異性体の1つとして、またはそれらの混合物のとして、例えば純粋な光学異性体、または異性体混合物、例えばラセミ体及びジアステレオマー混合物として存在し、これは、不斉炭素原子の数によって決められる。光学活性な(R)-または(S)-異性体は、キラルシントンまたはキラル製剤を使用して調製するか、または従来の技術を使用して分割することができる。この化合物に1つの二重結合を含むと、置換基はEまたはZ配置である可能性があり、この化合物に二置換シクロアルキルが含まれる場合、シクロアルキルの置換基はシスまたはトランス(cis-またはtrans-)配置である可能性がある。
本発明の化合物は不斉中心またはキラル中心を含んでよいため、異なる立体異性体形態で存在する。本発明の化合物の全ての立体異性体形態は、ジアステレオマー、エナンチオマー、トランスオリソマー(atropisomer)、及び幾何(または配座)異性体、及びラセミ混合物などのそれらの混合物を含むが、これらに制限されないことが期待されるが、本発明の範囲内にも含まれる。
別途に指摘しない限り、本発明に記載の構造はこの構造を含むすべての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、トランスオリソマー(atropisomer)及び幾何(または配座))形態、例えば、各不斉中心のRとS配置、(Z)と(E)二重結合異性体、及び(Z)と(E)配座異性体を示す。したがって、本発明の化合物の単一の立体化学異性体及びエナンチオマー混合物、ジアステレオマー混合物及び幾何異性体(または配座異性体)混合物はいずれも本発明の範囲内である。
「互変異性体」または「互変異性形態」という用語は、異なるエネルギーを持つ低エネルギー障壁(low energy barrier)によって互いに変換できる構造異性体を指す。互変異性が可能であれば(例えば溶液中で)、互変異性体の化学平衡を達成することができる。例えば、プロトン互変異性体(protontautomer)(プロトン移動互変異性体(prototropic tautomer)とも呼ばれる)は、ケトン-エノール異性化やイミエナミン異性化などのプロトン移動による相互変換が含む。価電子結合互変異性体(valence tautomer)は幾つかの結合形成電子の再結合による相互変換を含む。ケトン-エノール互変異性の具体例はペンタン-2,4-ジオンと4-ヒドロキシペンチル-3-エン-2-オン互変異性体の互変である。互変異性の他の例はフェノール-ケトン互変異性である。フェノール-ケトン互変異性の1つの具体例は、ピリジン-4-オールとピリジン-4(1H)-ケトン互変異性体の互変である。別途に指摘しない限り、本発明の化合物の全ての互変異性体形態はいずれも本発明の範囲内である。
本発明で使用される「窒素酸化物」とは、化合物がアミン官能基を幾つか含む場合、1個以上の窒素原子を酸化してN-酸化物を形成できることを意味する。N-酸化物の特別な例は3級アミンのN-酸化物または含窒素複素環窒素原子のN-酸化物である。過酸化水素または過酸(例えばペルオキシカルボン酸))などの酸化剤で対応するアミンを処理してN-酸化物を形成する(Advanced Organic Chemistry, Wiley Interscience, 第4版, Jerry March, pages参照)。特に、N-酸化物はL.W.Deadyの方法によって調製することができる(Syn.Comm.1977, 7, 509-514)、ここで、塩化メチレンなどの不活性溶媒中で、アミン化合物とm-クロロ過安息香酸(MCPBA)を反応させる。
本発明の「溶媒和物」とは、1つまたは複数の溶媒分子と本発明の化合物で形成される会合体を指す。溶媒和物を形成する溶媒は、水、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、酢酸、アミノエタノールを含むが、これらに制限されない。「水和物」という用語は、溶媒分子が水によって形成される会合体であることを意味する。
本発明で使用される「薬学的に許容する塩」とは、本発明の化合物の有機塩と無機塩を指す。薬学的に許容する塩は当該分野において知られており、例えば文献:S. M. Berge et al., describe pharmaceutically acceptable salts in detail in J. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66: 1-19.に記載のものである。薬学的に許容できる無毒の酸からなる塩は、アミノ基と反応して形成される塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩などの無機酸塩と、酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩などの有機酸を含むが、これらに制限されなく、または書籍文献に記載されている他の方法、例えばイオン交換法によってこれらの塩を得る。他の薬学的に許容する塩は、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、硼酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンチルプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸、ギ酸塩、トランスブタケート、グルコヘプタン酸塩、リン酸グリセリル塩、グルコン酸塩、半硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エチルスルホン酸塩、ラクトースアルデヒド酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、メチレンビスヒドロキシナフタレン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、テバレート、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、チオシアン酸塩、p?トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などを含むが、これらに制限されない。適切な塩基によって得られる塩はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム及びN+(C1-4アルキル基)4の塩を含む。本発明もNの基を含む化合物からなる任意の四級アンモニウム塩を考案した。水溶性または油溶性または分散物は四級アンモニウム化作用によって得ることができる。アルカリ金属、アルカリ土類金属塩はナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを含む。薬学的に許容する塩は、適切で無毒なアンモニウム、及びハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸化物、硫酸化物、リン酸化物、硝酸化物、C1-8スルホン酸化物及び芳香スルホン酸化物などの四級アンモニウム塩と抗平衡イオンからなるアミンカチオンをさらに含む。
本発明の化合物の任意の不斉原子(例えば、炭素等)は、(R)-、(S)-または(R,S)-配置形態などのラセミまたはエナンチオマー濃縮の形態で存在してもよい。幾つかの実施形態において、各不斉原子は、(R)-または(S)-配置において、少なくとも50%エナンチオマー過剰、少なくとも60%エナンチオマー過剰、少なくとも70%エナンチオマー過剰、少なくとも80%エナンチオマー過剰、少なくとも90%エナンチオマー過剰、少なくとも95%エナンチオマー過剰、または少なくとも99%エナンチオマー過剰を有する。可能であれば、不飽和二重結合を有する原子上の置換基は、シス-(Z)-またはトランス-(E)-の形で存在してもよい。
したがって、本発明に記載されるように、本発明の化合物は、可能な異性体、スピン異性体、ヒンドランス異性体、互変異性体の中の1つの形態またはその混合物の形態で存在することができ、例えばほぼ純粋な幾何(シスまたはトランス)異性体、ジアステレオマー、光学異性体(エナンチオマー)、ラセミ体またはその混合物の形態で存在することができる。
成分の物理化学的差異に応じて、得られた異性体の混合物は、クロマトグラフィーおよび/または段階的な結晶化などによって、純粋またはほぼ純粋な幾何または光学異性体、ジアステレオマー、ラセミ体に分離できる。
既知の方法によって、得られた最終生成物または中間体のラセミ体は、例えば得られたそのジアステレオメアの塩を分離することにより、当業者によく知られている方法で光学エナンチオマーに分割することができる。ラセミの生成物は、キラル吸着剤を用いた高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)などのキラルクロマトグラフィーにより分離することもできる。特に、エナンチオマーはは非対称合成により調製することができる(例えば、Jacques, et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions (Wiley Interscience, New York, 1981); Principles of Asymmetric Synthesis (2nd Ed. Robert E. Gawley, Jeffrey Aube, Elsevier, Oxford, UK, 2012); Eliel, E.L. Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw-Hill, NY, 1962); and Wilen, S.H. Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268 (E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972)。
本発明に記載されているように、本発明の化合物は、上記の一般式化合物、または実施例のような特別な例、サブクラス、および本発明に含まれる化合物のような1つまたは複数の置換基によって任意に置換されてもよい。「任意に置換」という用語は、「置換または非置換」という用語と交換して使用することができる。「任意に」、「任意の」または「任意」という用語は、後述するイベントまたは状況が発生してもよいが、必ずしも発生していないことを意味し、且つこの叙述は、このイベントまたは状況が発生した場合、及びこのイベントまたは状況が発生していない場合とが含まれる。一般的に、「任意に」という用語は、「置換」という用語の前に位置するかどうかにもかかわらず、所定の構造の中の1つまたは複数の水素原子が具体的な置換基に置換されることを示す。別途に示しない限り、1つの任意の置換基は基のそれぞれの置換可能な位置で置換することができる。所定の構造式の中の複数の位置が具体的な基から選ばれる1つまたは複数の置換基で置換できる場合、置換基は同じであっても異なっていてもそれぞれの位置で置換されてもよい。ここで、前記置換基は、F、Cl、Br、CN、N3、OH、NH、NO、オキソ(=O)等であってもよいが、。
「N」という用語は、1つのアジド構造を示す。このような基は、他の基と接続してもよく、例えば、1つのメチル基と連結してアジド系メタン(MeN)を形成してもよいし、または1つのフェニル基と連結してアジド系ベンゼン(PhN)を形成してもよい。
また、なお、他の方式で明示されていない限り、本発明で用いられる記述方式「それぞれ…独立して」、「…それぞれ独立して」及び「…独立して」は互いに交換可能であり、広義に理解されるべきであり、異なる基において、同じ記号同士で示される具体的な選択肢同士が互いに影響を与えないことを意味してもよいし、同じ基において、同じ記号同士で示される具体的な選択肢同士が互いに影響を与えないことを意味してもよい。
本明細書の各部において、本発明で開示される化合物の置換基は、基の種類または範囲に応じて開示される。特に、本発明はこれらの基の種類または範囲の各メンバーのそれぞれの独立したサブ組合わせであることを指摘する。例えば、「C1-6アルキル基」という用語は、特に独立して開示するメチル基、エチル基、Cアルキル基、Cアルキル基、Cアルキル基及びCアルキル基を指す。
本発明の各部分において、接続置換基を説明する。該構造は明らかに連結基を必要とする場合、該基について挙げたクッシュ変数は連結基と理解すべきである。例えば、該構造は連結基を必要とし、該変数のクッシュ基定義に対して「アルキル基」または「アリール基」が挙げられている場合、該「アルキル基」または「アリール基」はそれぞれ接続したアルキレン基またはアリーレン基を代表する。
本発明で使用する用語「アルキル」または「アルキル基」とは、1-20個の炭素原子の飽和直鎖または分岐鎖を含む一価炭化水素原子団を示す。別途に詳細に説明しない限り、アルキル基は1-20個の炭素原子を含み、その中の幾つかの実施例において、アルキル基は1-10個の炭素原子を含み、他の幾つかの実施例において、アルキル基は1-9個の炭素原子を含み、他の幾つかの実施例において、アルキル基は1-8個の炭素原子を含み、他の幾つかの実施例において、アルキル基は1-6個の炭素原子を含み、他の幾つかの実施例において、アルキル基は1-4つの炭素原子を含み、他の幾つかの実施例において、アルキル基は1-3個の炭素原子を含み、他の幾つかの実施例において、アルキル基は10-20個の炭素原子を含み、他の幾つかの実施例において、アルキル基は10-18個の炭素原子を含み、他の幾つかの実施例において、アルキル基は10-16個の炭素原子を含み、他の幾つかの実施例において、アルキル基は10-14つの炭素原子を含み、他の幾つかの実施例において、アルキル基は10-13個の炭素原子を含む。
アルキル基の例は、メチル(Me、-CH)、エチル(Et、-CHCH)、n-プロピル(n-Pr、-CHCHCH)、イソプロピル(i-Pr、-CH(CH)、n-ブチル(n-Bu、-CHCHCHCH)、イソブチル(i-Bu、-CHCH(CH)、sec-ブチル(s-Bu、-CH(CH)CHCH)、tert-ブチル(t-Bu、-C(CH)、n-ペンチル(-CHCHCHCHCH)、2-ペンチル(-CH(CH)CHCHCH)、3-ペンチル (-CH(CHCH3))、2-メチル-2-ブチル(-C(CH3)CHCH)、3-メチル-2-ブチル(-CH(CH)CH (CH3))、3-メチル-1-ブチル(-CHCHCH(CH)、2-メチル-1-ブチル(-CHCH(CH)CHCH)、n-ヘキシル(-CHCHCHCHCHCH)、2-ヘキシル(-CH(CH)CHCHCHCH)、3-ヘキシル(-CH(CHCH)(CHCHCH))、2-メチル-2-ペンチル(-C(CHCHCHCH)、3-メチル-2-ペンチル(-CH(CH)CH(CH)CHCH)、4-メチル-2-ペンチル(-CH(CH)CHCH(CH)、3-メチル-3-ペンチル(-C(CH)(CH2CH)、2-メチル-3-ペンチル(-CH(CH2CH)CH(CH)、2,3-ジメチル-2-ブチル(-C(CH)2CH(CH)、3,3-ジメチル-2-ブチル(-CH(CH)C(CH)、n-ヘプチル、n-オクチルなどを含むが、これらに制限されなく、ここで、前記アルキル基は、独立して置換されていなくてもよく、または1つまたは複数の本発明に記載の置換基で置換されていてもよい。
本発明で使用される用語「アルキル基」及びその接頭辞「アルキル」はいずれも直鎖と分岐鎖の飽和炭素鎖を含む。
「アルケニル基」という用語は、2-20個の炭素原子、または2-18個の炭素原子、または2-16個の炭素原子、または2-12個の炭素原子、または2-8個の炭素原子、または2-6個の炭素原子、または2-4つの炭素原子の直鎖または分岐鎖の一価炭化水素基を示し、ここで、少なくとも1つの位置C-Cはsp2二重結合不飽和状態であり、ここで、アルケニル基は、独立して置換されていなくてもよく、または1つまたは複数の本発明に記載の置換基で置換されていてもよく、「シス」、「トランス」または「Z」及び「E」の位置を有する基を含み、ここで、具体な例は、ビニル(-CH=CH)、アリル(-CHCH=CH)などを含むが、これらに限定されない。
「アルキニル基」という用語は、2-20個の炭素原子、または2-18個の炭素原子、または2-16個の炭素原子、または2-12個の炭素原子、または2-8個の炭素原子、または2-6個の炭素原子、または2-4つの炭素原子の直鎖または分岐鎖の一価炭化水素基を示し、ここで、少なくとも1つの位置C-Cはsp三重結合不飽和状態であり、ここで、アルキニル基は、独立して置換されていなくてもよく、または1つまたは複数の本発明に記載の置換基で置換されていてもよく、具体な例は、エチニル(-C≡CH)、プロパルギル(-CHC≡CH)、1-プロピニル(-C≡C-CH)などを含むが、これらに限定されない。
「含有する」または「含む」は非限定的表現であり、即ち本発明が示す内容を含むが、他の態様の内容を排除するものではない。
本発明に記載されるように、「薬学的に許容できる担体」という用語は、任意の溶媒、分散媒、コーティング材、界面活性剤、酸化防止剤、防腐剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤)、等張剤、塩、薬物安定剤、結合剤、賦形剤、分散剤、潤滑剤、甘味剤、調味剤、着色剤、またはこれらの組み合わせを含み、これらの担体は当業者にはよく知られている(例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990, pp. 1289-1329に記載)。任意の通常の担体が活性成分と相溶しない場合を除いて、治療または薬物組成物における使用を含む。
化合物
本発明の第1の態様では、本発明は、式(I)に示す化合物または式(I)に示す化合物の立体異性体、互変異性体、溶媒和物、薬学的に許容する塩である化合物を提案し、
ただし、X、Y、R、R、Rは本発明で述べるような定義を有する。
いくつかの実施形態では、各XとYはそれぞれ独立して-CH-または-CO-から選ばれ、XとYは同時に-CH-または-CO-ではなく、ただし、各Xは同じまたは異なり、各Yは同じまたは異なり、RはH、任意に置換されたC-C20アルキル基、任意に置換されたC-C20アルケニル基または任意に置換されたC-C20アルキニル基から選ばれ、RはH、任意に置換されたC-C20アルキル基、任意に置換されたC-C20アルケニル基または任意に置換されたC-C20アルキニル基から選ばれ、ただし、置換基はそれぞれ独立してH、F、Cl、Br、CN、NOから選ばれ、R
または
から選ばれ、ただしnは0-10から選ばれる整数であり、Zは
または
から選ばれ、Rは任意に置換されたC-C20アルキル基、任意に置換されたC-C20アルケニル基または任意に置換されたC-C20アルキニル基から選ばれ、ただし、置換基はそれぞれ独立してH、F、Cl、Br、CN、NOから選ばれる。
いくつかの実施形態では、RはH、CH3-、またはRから選ばれ、RはH、またはRから選ばれ、R
または
から選ばれ、ただしnは1-5から選ばれる整数であり、Zは
または
から選ばれ、RはC-C20アルキル基、C-C20アルケニル基またはC-C20アルキニル基から選ばれ、ただし、前記C-C20アルケニル基は1-3個の二重結合を含み、前記C-C20アルキニル基は1-3個の三重結合を含む。
いくつかの実施形態では、RはC-C15アルキル基、C-C15アルケニル基から選ばれ、ただし、前記C-C15アルケニル基は1-3個の二重結合を含む。
いくつかの実施形態では、R、R及びRは同じであり、RはC10-C15アルキル基、C10-C15アルケニル基から選ばれ、ただし、前記C10-C15アルケニル基は1-3個の二重結合を含む。
さらに、前記化合物は、
の中の1つの構造を有する。
本発明に記載の化合物とは、一つの大きな分子鎖に親水頭部と疎水尾部を有することを意味する。ただし、親水頭部はN1、N4-ビス(3-アミノプロピル)ブタンジアミド(N1,N4-bis(3-aminopropyl)succinamide)または3,3’-(ブタン-1,4-ジイルビス(メチルアザンジイル)ジプロパンアミド(3,3’-(butane-1,4-diylbis (methylazanediyl)) dipropanamide)または3,3’-(ブタン-1,4-ジイルビス((2-ヒドロキシプロピル)アザンジイル)ジプロパンアミド(3,3’-(butane-1,4-diylbis((2-hydroxypropyl)azanediyl))dipropanamide)であってもよい。疎水尾部は、二重結合及び/又はエステル結合を有する直炭素鎖であってもよく、総鎖長は12、14、16、18個の原子であってもよい。本発明の化合物は親水頭部の中の一種と疎水尾部の中の一種または多種であってもよく、1:1または1:2または1:3等の複数の割合で形成される。
いくつかの実施形態では、疎水尾部は、
の化学構造の少なくとも1つを有し、
ただし、式1中の二重結合とエステル結合の位置は便利な原料入手の容易性に応じて変化すればよく、総鎖長を16個の原子または18個の原子とし、式2中のエステル結合の位置は便利な原料入手の容易性に応じて変化すればよく、総鎖長を14、16個または18個の原子とし、式3中の鎖さが変化可能であり、12,14,16,18(12,14個の原子がより好ましい)であってもよい。
いくつかの実施形態では、前記塩は、薬学的に許容する塩を指す。「薬学的に許容できる」という用語とは、物質または組成物が製剤を含む他の成分及び/又はそれを用いて治療される哺乳動物と化学的及び/又は毒理学的に適合しなければならないことを意味する。
本発明の化合物は、このような化合物の他の塩をさらに含み、この他の塩は必ずしも薬学的に許容する塩ではなく、本発明の化合物の調製及び/又は精製及び/又は本発明の化合物のエナンチオマーの分離のための中間体として使用することができる。
薬用可能な酸付加塩は、無機酸及び有機酸と形成することができ、例えば酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、臭化物/臭化水素酸塩、重炭酸塩/炭素酸塩、硫酸水素塩/硫酸塩、樟脳スルホン酸塩、塩化物/塩酸塩、クロロテオフィリン塩、クエン酸塩、エチレンジスルフォン塩、フマル酸塩、グルコヘプチル糖酸塩、グルコン酸塩、グルコアルデヒド酸酸塩、馬尿酸塩、ウ化水素酸塩/ヨウ化物、ヒドロキシエチルスルホン酸塩、乳酸塩、ラクトースアルデヒド酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル硫酸塩、ナフタレン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オクタデシル酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、メチレンビスヒドロキシナフタレン酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ポリガラクトース酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、トルエンスルホン酸塩及びトリフルオロ酢酸塩である。
それから誘導して得られることができる塩の無機酸は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む。
それから誘導して得られることができる塩の有機酸は、酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、スルホサリチル酸等を含む。
薬用可能な塩基加成塩は無機塩基及び有機塩基と形成することができる。
それから誘導して得られることができる塩の無機塩基は、アンモニウム塩と週期表的I族からXII族までの金属を含む。幾つかの実施形態において、該塩は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛、及び銅から誘導され、特に適切な塩はアンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウム塩を含む。
それから誘導して得られることができる塩の有機塩基は、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンを含み、置換アミンは天然に存在する置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂等を含む。幾つかの有機アミンは、例えば、イソプロピルアミン、ベンジルスターペニシリン(benzathine)、コリン塩(cholinate)、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リジン、グルタミン(meglumine)、ピペラジン及びアミノブタントリオールを含む。
本発明の薬用可能な塩は、通常の化学的方法で母体化合物、塩基性または酸性部分から合成することができる。一般的に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸の形と化学量論的に適切な塩基(例えばNa、Ca、MgまたはK水酸化物、炭素酸塩、重炭酸塩等)を反応させるか、またはこれらの化合物の遊離塩基の形と化学量論的に適切な酸を反応させることによって調製することができる。このような反応は、通常、水または有機溶媒または両方の混合物で行う。一般的に、適切な場合で、ジエチルエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロピルアルコールまたはアセトニトリルなどの非水性媒体を使用する必要がある。例えば「Remington′ s Pharmaceutical Sciences」、第20版、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、(1985);及び「薬用塩ハンドブック:性質、選択と応用(Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties、Selection、and Use)」、Stahl and Wermuth(Wiley-VCH、Weinheim、Germany、2002)から他の幾つかの適切な塩のリスクを検索することができる。
そして、本発明の化合物、その塩を含む化合物はまたその水和物の形で取得してもよく、またはその結晶化のための他の溶媒を含む。本発明の化合物は固有にまたは設計することにより薬用可能な溶媒(水を含む)を有する溶媒和物を形成することができ、このため、本発明は、溶媒和形態と非溶媒和の形態を含むことを意図する。
本発明で与えられた任意の構造式は、これらの化合物が標識されていない形態及び同位体標識されている形態を示すことを意図する。同位体標識された化合物は、1つまたは複数の原子が選択された原子量または質量数を有する原子で置き換えられる場合を除いて、本発明で与えられた一般式で表される構造を有する。本発明の化合物に導入されることができる例示的な同位体は水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、及び塩素の同位体、例えば2H、3H、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、36S、37Clまたは125Iを含む。
他の態様では、本発明に記載の化合物は各種の同位体で標識された本発明で定義された化合物、例えば、3H、14C及び18Fなどの放射性同位体が存在する化合物、または2Hと13Cなどの非放射性同位体が存在する化合物を含む。このような同位体で標識された化合物は、代謝研究(14Cを使用)、反応動力学研究(例えば2Hまたは3Hを使用)、検出またはイメージング技術、例えば陽電子放出断層撮影(PET)または薬物または基質組織分布測定を含む単一光子放出型コンピュータ断層撮影(SPECT)に使用できるか、または患者の放射線療法に使用できる。18Fで標識された化合物はPETまたはSPECT研究に対して特に理想的である。以前使用された非標識試薬の代わりに、同位体で標識された式(I)化合物は当業者で知られている通常の技術または本発明における実施例と調製過程に記載されるように適切な同位体標識試薬を用いて調製することができる。
なお、より重い同位体、特に重水素(即ち、2HまたはD)の置換は、体内半減期の増加または投与量の需要の低下または治療指数の改善など、代謝安定性がより高いことによるいくつかの治療上の利点を提供することができる。この文脈では、重水素は式(I)化合物の置換基とみなされると理解すべきである。同位体濃縮係数でこのような重い同位体特に重水素の濃度を定義することができる。本発明で使用される「同位体濃縮係数」という用語とは、指定された同位体の同位体存在度と天然存在度との間の比率を意味する。本発明の化合物の置換基が重水素に指定する場合、該化合物は指定された各重水素原子に対して少なくとも3500(各指定された重水素原子に52.5%の重水素を配合)、少なくとも4000(60%の重水素配合)、少なくとも4500(67.5%の重水素配合)、少なくとも5000(75%の重水素配合)、少なくとも5500(82.5%の重水素配合)、少なくとも6000(90%の重水素配合)、少なくとも6333.3(95%の重水素配合)、少なくとも6466.7(97%の重水素配合)、少なくとも6600(99%の重水素配合)または少なくとも6633.3(99.5%の重水素配合)の同位体濃縮係数を有する。本発明の薬用可能な溶媒和物は、結晶性溶媒が同位体置換可能なD2O、アセトン-d6、またはDMSO-d6などの溶媒和物が含む。
リポソーム及び調製方法
本発明の他の態様では、本発明は、リポソームを提案する。本発明の実施例によるリポソームは本発明の第1の態様に記載の化合物により調製され、リポソームは脂質二分子層の流動作用により添加された被担持物質を包み込むことができ、封入効果が良好であるため、担持物質を効果的に細胞に侵入して内包体から細胞質に逃げ出すことができる。
上記化合物は疎水性脂質と自己組織化によりリポソームを形成することができる。
いくつかの実施形態では、リポソームは、疎水性脂質、両親媒性脂質、緩衝試薬及び/又は有機溶媒をさらに含み、前記両親媒性脂質は中性脂質とPEG-脂質から選ばれる少なくとも1つを含み、前記疎水性脂質はステロールを含む。
いくつかの実施形態では、前記中性脂質は、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、ジラウリルホスファチジルコリン、ピロ炭酸ジエチル、ジミリスチルホスファチジルコリン及び卵黄レシチンから選ばれる少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態では、前記PEG-脂質は、ビスパルミトイルホスファチジルエタノールアミン-PEG、ビスステアリルホスファチジルエタノールアミン-PEG、ジミリスチルグリセロール及びジメタクリレートから選ばれる少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態では、前記ステロールはコレステロールである。
いくつかの実施形態では、前記緩衝試薬は酸性緩衝試薬である。
いくつかの実施形態では、前記緩衝試薬は、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、トリメチロールアミノメタン-塩酸、リン酸二水素カリウム-水酸化ナトリウム、ホウ酸-ホウ砂、グリシン-塩酸、フタル酸-塩酸、フタル酸水素カリウム及びリン酸二水素ナトリウム-クエン酸から選ばれる少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態では、前記有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、トルエンシクロヘキサノン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、プロピレンオキサイド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、ピリジン、フェノール、スチレン、パークロロエチレン、トリクロロエチレン、エチレングリコールエーテル及びトリエタノールアミンから選ばれる少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態では、前記リポソームに基づいて、前記化合物の量は20~80%mol/molであり、さらに、前記化合物の量は20%mol/mol、21%mol/mol、22%mol/mol、23%mol/mol、24%mol/mol、25%mol/mol、26%mol/mol、27%mol/mol、28%mol/mol、29%mol/mol、30%mol/mol、31%mol/mol、32%mol/mol、33%mol/mol、34%mol/mol、35%mol/mol、36%mol/mol、37%mol/mol、38%mol/mol、39%mol/mol、40%mol/mol、41%mol/mol、42%mol/mol、43%mol/mol、44%mol/mol、45%mol/mol、46%mol/mol、47%mol/mol、48%mol/mol、49%mol/mol、50%mol/mol、51%mol/mol、52%mol/mol、53%mol/mol、54%mol/mol、55%mol/mol、56%mol/mol、57%mol/mol、58%mol/mol、59%mol/mol、60%mol/mol、61%mol/mol、62%mol/mol、63%mol/mol、64%mol/mol、65%mol/mol、66%mol/mol、67%mol/mol、68%mol/mol、69%mol/mol、70%mol/mol、71%mol/mol、72%mol/mol、73%mol/mol、74%mol/mol、75%mol/mol、76%mol/mol、77%mol/mol、78%mol/mol、79%mol/mol、80%mol/molである。
いくつかの実施形態では、前記化合物、中性脂質、ステロール及びPEG-脂質のモル比は(20~80):(5~50):(10~60):(0.2~20)である。
いくつかの実施形態では、前記リポソームに基づいて、前記緩衝試薬の体積は50~90%v/vである。さらに、前記緩衝試薬の体積は50%v/v、51%v/v、52%v/v、53%v/v、54%v/v、55%v/v、56%v/v、57%v/v、58%v/v、59%v/v、60%v/v、61%v/v、62%v/v、63%v/v、64%v/v、65%v/v、66%v/v、67%v/v、68%v/v、69%v/v、70%v/v、71%v/v、72%v/v、73%v/v、74%v/v、75%v/v、76%v/v、77%v/v、78%v/v、79%v/v、80%v/v、81%v/v、82%v/v、83%v/v、84%v/v、85%v/v、86%v/v、87%v/v、88%v/v、89%v/v、90%v/vである。
いくつかの実施形態では、前記リポソームに基づいて、前記緩衝試薬の体積は75%v/vである。
いくつかの実施形態では、上記化合物はリン脂質誘導体とともにリポソームを形成することもでき、リン脂質誘導体は、ジステアロイルホスファチジルコリン、ビスステアリルホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミンを含むが、これらに制限されない。
一具体的な実施形態において、リポソームは上記化合物を含み、さらに、リポソームは中性脂質とリポソーム粒子の凝集を低減できる脂質も含む。
一具体的な実施形態において、リポソームは主に、(i)少なくとも一種の本発明の脂質、(ii)DSPC、DPPC、POPC、DOPE、DLPC、DEPC、DMPC、及びEPC等から選ばれる中性脂質、(iii)ステロール、例えばコレステロール、(iv)PEG-脂質、例えばDPPE-PEG,DSPE-PEG,PEG-DMGまたはPEG-DMAは約20-80%のアミン含有脂質5-50%中性脂質10-60%ステロール0.2-20%PEG-脂質のモル比で配合してなるものからなる。
本発明の別の態様では、本発明は上記リポソームの調製方法を提案する。本発明の実施例によれば、所定の量の本発明の第1の態様に記載の化合物と有機溶媒を混合して、前記リポソームを取得するステップを含む。
いくつかの実施形態では、上記化合物の有機溶液中の濃度は10-30mg/mLであり、さらに、上記化合物の有機溶液中の濃度は10mg/mL、11mg/mL、12mg/mL、13mg/mL、14mg/mL、15mg/mL、16mg/mL、17mg/mL、18mg/mL、19mg/mL、20mg/mL、21mg/mL、22mg/mL、23mg/mL、24mg/mL、25mg/mL、26mg/mL、27mg/mL、28mg/mL、29mg/mL、30mg/mLである。
いくつかの実施形態では、前記方法は、所定の量の疎水性脂質、両親媒性脂質を上記有機溶液に溶解してから緩衝試薬と混合し、前記リポソームを取得するステップをさらに含む。本発明の実施例によれば、前記リポソームに基づいて、前記化合物の量は20~80%mol/molであり、前記化合物、中性脂質、ステロール及びPEG-脂質の質量比は(20~80):(5~50):(10~60):(0.2~20)であり、前記リポソームに基づいて、前記緩衝試薬の体積は75%v/vである。
いくつかの実施形態では、前記リポソームに基づいて、前記化合物の量は20%mol/mol、21%mol/mol、22%mol/mol、23%mol/mol、24%mol/mol、25%mol/mol、26%mol/mol、27%mol/mol、28%mol/mol、29%mol/mol、30%mol/mol、31%mol/mol、32%mol/mol、33%mol/mol、34%mol/mol、35%mol/mol、36%mol/mol、37%mol/mol、38%mol/mol、39%mol/mol、40%mol/mol、41%mol/mol、42%mol/mol、43%mol/mol、44%mol/mol、45%mol/mol、46%mol/mol、47%mol/mol、48%mol/mol、49%mol/mol、50%mol/mol、51%mol/mol、52%mol/mol、53%mol/mol、54%mol/mol、55%mol/mol、56%mol/mol、57%mol/mol、58%mol/mol、59%mol/mol、60%mol/mol、61%mol/mol、62%mol/mol、63%mol/mol、64%mol/mol、65%mol/mol、66%mol/mol、67%mol/mol、68%mol/mol、69%mol/mol、70%mol/mol、71%mol/mol、72%mol/mol、73%mol/mol、74%mol/mol、75%mol/mol、76%mol/mol、77%mol/mol、78%mol/mol、79%mol/mol、80%mol/molである。
薬物担体、薬物組成物、トランスフェクション複合体
本発明の他の態様では、本発明は、上記化合物またはリポソームを含む薬物担体を提案する。本発明の実施例によれば、前記化合物はイオン化可能なアミン含有脂質であり、前記薬物担体はイオン化可能な担体であり、負に帯電する薬物を担持することができ、薬物を細胞内に送達して内包体から効果的に細胞質に逃げ出し、担持された薬物の薬効の発揮に有利である。
本発明のさらなる態様では、本発明は、担体と薬物活性成分を含む薬物組成物を提案し、ここで、前記担体は本発明の第5の態様に記載の薬物担体を含む。本発明の実施例によれば、前記薬物担体はイオン化可能な担体であり、負に帯電する薬物活性成分を担持することができ、薬物活性成分を細胞内に送達して内包体から効果的に細胞質に逃げ出し、担持された薬物活性成分の薬効の発揮に有利である。
いくつかの実施形態では、前記薬物活性成分は、DNA分子、RNA分子、タンパク質及び疎水性薬物から選ばれる少なくとも1つを含む。本発明の実施例によれば、前記薬物担体は、疎水性小分子薬物などの疎水性物質を担持できる長い炭素鎖を含む。
さらに、本発明の薬物担体は、タンパク質、ポリペプチド系物質を担持することもでき、前記タンパク質、ポリペプチド系の複製は特に限定されず、ペプチド鎖、タンパク質そのものであってもよいし、上記物質の誘導体または他の物質の複合体、例えば、Cas9タンパク質またはその一部のドメインペプチドセグメント、核種をした担持タンパク質、抗体などの物質であってもよい。
さらに、本発明の薬物担体は核酸系物質、例えば、アンチセンス核酸等を担持することもできる。
いくつかの実施形態では、前記薬物活性成分は負に帯電する。本発明の実施例によれば、前記薬物担体にイオン化可能なアミン含有脂質が含まれ、特定のpHで正に帯電し、負に帯電する薬物活性成分と結合することができ、なお、脂質二分子層の流動作用により、薬物活性成分を包み込んで、細胞に送達することができる。
いくつかの実施形態では、前記薬物活性成分は核酸を含む。本発明の実施例によれば、前記薬物活性成分はDNA、RNA、核酸-タンパク質複合体、核酸-脂質複合体、核酸-核種複合体等を含み、前記核酸のタイプは制限されない。該核酸の具体例として、siRNA、mRNA、tRNA、rRNA、cDNA、miRNA(マイクロRNA)、リボザイム、アンチセンスオリゴヌクレオシド酸、プラスミドDNA、ペプチド核酸、三本鎖形成型オリゴヌクレオシド酸(Triplex Forming Oligonucleotide、TFO)、遺伝子などが挙げられる。ここで、本発明の担体は、siRNAを細胞内に輸送する上で特に有効である。本発明の担体に適用する核酸は、ヒト、動物、植物、細菌、ウイルスなどに由来する核酸であってもよく、また、化学的合成により調製される核酸であってもよい。さらに、上記核酸は一本鎖、二本鎖、三本鎖のいずれかであってもよく、またその分子量も特に限定されない。また、本発明において、核酸は、化学、酵素またはペプチドで修飾された核酸であってもよい。本発明において、核酸は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。好ましい実施形態において、本発明の核酸輸送用担体組成物は、低干渉核酸(siRNA)またはその類似物を輸送することが好ましい。
いくつかの実施形態では、前記担体と前記薬物活性成分の質量比は(5~40):1である。
いくつかの実施形態では、前記担体と前記薬物活性成分の質量比は(8~20):1である。
いくつかの実施形態では、前記担体と前記薬物活性成分の質量比は5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、25:1、26:1、27:1、28:1、29:1、30:1、31:1、32:1、33:1、34:1、35:1、36:1、37:1、38:1、39:1、40:1である。
いくつかの実施形態では、前記担体と前記薬物活性成分の質量比は15:1である。
本発明のさらなる態様では、本発明は、トランスフェクション複合体を提案する。本発明の実施例によれば、前記トランスフェクション複合体は上記化合物または上記リポソームを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるトランスフェクション複合体の調製と形成に適した補助脂質は、コレステロール、コレステロール誘導体または外因性生体活性分子の細胞または組織内部への導入を実現または促進する中性または陽イオン脂質のいずれかであってもよいが、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、本明細書に記載のトランスフェクション複合体の調製に1種以上の補助脂質を使用することができる。
いくつかの実施形態では、前記トランスフェクション複合体は少なくとも一種の生理活性剤を含む。本発明の実施例によるトランスフェクション複合体は、体外または体内細胞、組織または器官に1種または複数種の生理活性剤を送達するのに適用する。
いくつかの実施形態では、前記トランスフェクション複合体は、細胞に送達するか、または体外または体内の標的組織に送達する1種または複数種の生理活性剤を含む。適切な生理活性剤は、本明細書に記載のトランスフェクション試薬とトランスフェクション複合体を形成でき、且つ1つまたは複数の細胞内部に送達されるか、または体内または体外組織に送達される場合に生体応答を起こすような任意の分子を含むことができる。本明細書に記載の実施形態に使用される生理活性剤は、カチオン性、中性またはアニオン性の試薬であってもよい。
いくつかの実施形態では、前記生理活性剤は、DNA分子、RNA分子、タンパク質及び薬物から選ばれる少なくとも1つを含む。本発明の実施例によれば、トランスフェクション複合体の調製に適する例示的な生理活性剤は、核酸(一本鎖または二本鎖直鎖または環状DNA分子(cDNA分子を含む)、一本鎖または二本鎖RNA分子、低干渉RNA(siRNA)分子、短いヘアピンRNA(shRNA)分子、マイクロRNA(miRNA)分子、オリゴキシリル酸、アンチセンスオリゴキシリル酸、センスオリゴキシリル酸を含むが、これらに限定されない)、マルチプルスキン、抗体、オリゴスキン、治療的ペプチドまたはタンパク質分子、ペプチド核酸(PNA)、カチオン性、アニオン性または中性の有機分子または薬物、及びそれらの薬学的に許容する塩を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のトランスフェクション複合体は、任意に1種または複数種の融合皮膚または細胞貫通皮膚を含むことができる。融合皮膚または細胞貫通皮膚は、脂質含有複合体と細胞膜(原形質膜または細胞体内膜)の融合を促進する任意のペプチド高分子である。複数種の融合ペプチドまたは細胞貫通ペプチドは、当該分野で知られ、且つ当業者の技能レベル内で、融合ペプチドまたは細胞貫通ペプチド及び本発明におけるその使用条件を過度な実験なしで識別することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のトランスフェクション複合体は、任意に1種または複数種のトランスフェクション補助剤または標的部分を含むことができる。標的部分は皮膚、修飾された皮膚、抗体、修飾された抗体、受容体分子、修飾された受容体分子、一本鎖または二本鎖核酸分子、修飾された一本鎖または二本鎖核酸分子、ペプチドまたは核酸アプタマー、修飾されたペプチドまたは核酸アプタマー、有機分子、多糖、またはそれらの任意の他の分子であってもよく、前記分子はトランスフェクション複合体を特定の組織または細胞タイプに標的化してそれに生理活性剤を標的的に送達することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるトランスフェクション複合体は、最大1年間安定でき、且つトランスフェクション対象の細胞または組織と接触できるか、または形成直後またはしばらく動物またはヒトに投与されるか、または任意に細胞または組織と接触しまたは動物またはヒトに投与する前に一定の時間保存することができる。前記トランスフェクション複合体は安定し、且つ室温または氷点以上からほぼ室温までの温度で、少なくとも30分間、少なくとも45分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも10時間、少なくとも15時間、少なくとも20時間、少なくとも24時間、少なくとも48時間、少なくとも72時間、少なくとも5日、少なくとも7日、少なくとも14日、少なくとも28日、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4つの月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月または少なくとも1年間保存することができる。本明細書に記載の製剤は、生物学的と薬学的分野の熟練した従業員が容易に理解するように、生体活性製剤の長期的な安定と貯蔵を補助する1種または複数種の安定剤、防腐剤、緩衝剤等を含むことができ、過度な実験を必要せずに実現することができると理解すべきである。さらに、貯蔵期は、31分間~1時間、または1時間~24時間など、これらの期間のいずれかであってもよいと理解すべきである。
以下、具体的な実施例を参照し、本発明を説明し、なお、これらの実施例は、説明的なものに過ぎず、いかなる方式で本発明を限定するものではない。
検出と計算方法:
1、アンモニウム含有脂質の構造を決定するための核磁気共鳴分光計検出
用いられる核磁気共鳴分光計はBruker 400M核磁気共鳴分光計である。具体的な計算方法は文献、Boulmedais F.、Frisch B.、Etienne O.、Lavalle Ph.、Picart C.、Ogier J.、Voegel J-C.、Schaaf P.、Egles C.Polyelectrolyte multilayer films with pegylated polypeptides as a new type of anti-microbial protection for biomaterials、 Biomaterials、2004、25、2003-2011を参考する。
2、製剤中の核酸の担持を証明するためのゲルブロック実験
抗アポリポタンパク質B siRNA(siApoB)をDEPC処理水に溶解し、異なる質量比(w/w)のLNPと新鮮に組み立てる。その後、6×ローディングバッファ液(宝日医生体技術(北京)有限公司)と混合して、同量のsiRNAを含む製剤を0.01%gel stain(w/w)(北京全式金生体)を含む1%(w/w)アガロースゲルに添加する。1×TAE電気泳動バッファ液中で、90vの電圧で30min電気泳動する。ゲルイメージングシステム(上海日能科技有限公司)で紫外光波長320nmで結果を記録する。siApoB配列を表1に示す。
3、粒子径及び表面電位の測定、脂質処方が使用可能であるかどうかを初歩的に判定する
LNPはsiRNAを包んだ後に得られた製剤は、粒子径と表面電位を測定する前に10倍の希釈を行う。粒子径と表面電位の測定に用いられる計器は、米国Malven会社のZetasizer 3000HS型レーザ粒度計であり、測定温度は25℃で、角度は90°で、入射光波長は677nmである。
4、製剤内siRNA濃度の測定
RiboGreen法でsiRNA濃度を測定する。被験製剤を20倍希釈した後に100μLを96ウェルプレート内に添加し、製剤外部siRNA蛍光量を検出するために使用される。15μLの希釈後の被験製剤を別途に取り、50μLの2%Triton-X-100(w/w)の混合液で脂質構造を破壊して内部のsiRNAを完全に放出し、ウェルに35μLの1×TEバッファ液を添加して体積を補完し、製剤の全部のsiRNA蛍光量を検出するために使用される。なお、siRNA標準試料、1×TE、2%Triton-X-100を使用して検量線を作成し、被験サンプル中のsiRNAの濃度を計算するために使用される。すべての被験サンプルをロードした後に、室温で30分間インキュベートする。次に、遮光でRiboGreen作動液を100μL/ウェルで添加して直ちに酵素マーカーで蛍光検出を行う。検出条件を表2に示す。
5、製剤の粒子形態を検出するための透過型電子顕微鏡(TEM)実験
用いられる透過型電子顕微鏡はオランダJEM-100CX II型透過型電子顕微鏡である。まず、銅網を被験サンプル溶液に浸漬し、次に、0.1重量%のリンタングステン酸溶液で染色し、約3分後、余分な液体を濾紙でろ過し、室温で乾かす。次に、透過型電子顕微鏡で観察し、システム内の粒子の形態を撮影する。
6、体外トランスフェクション実験
候補製剤のsiRNA送達効率の検出に対して、ヒト肝癌細胞株HepG2を10%ウシ胎児血清を含むDMEM完全培地で12ウェルプレートに接種し、接種密度は1×10細胞/ウェルであり、ウェルあたり1mL培地で、37℃で一夜培養した。
翌日、12ウェルプレート中の細胞培養液を吸い取って廃棄し、すべてのトランスフェクション対象のウェルに1ウェルあたり1mLの新鮮な10%(v/v)ウシ胎児血清を含むDMEM完全培地を添加する。Mock群をさらに処理しない。被験サンプルウェルに対応する製剤を添加し、サンプルロード体積は、先にRiboGreen法によるLNP内siRNA濃度に応じて計算されることにより、siApoBの最終濃度を50nMにする。細胞を37℃で4時間培養し、ウェルあたりに1mLの10%ウシ胎児血清を含むDMEM完全培地を添加し、続いて、37℃で一夜培養する。
その後、リアルタイム蛍光定量PCR (Quantitative Real-Time PCR)を用いて、被験サンプル中のApoB mRNAの相対発現を検出する。具体的なステップは、トランスフェクションした細胞を24時間培養した後、RNA isolator (南京諾唯贊生体科技有限公司、貨物番号R401-01-AA)、クロロホルム、イソプロピルアルコールで細胞中の総RNAを抽出し、それぞれ1μgの総RNAを取って逆転写キット(北京全式金生体技術有限公司、貨物番号AT311-03)の使用方法に従って逆転写してcDNAを取得する。リアルタイム蛍光定量PCR mix(上海翊聖生体科技有限公司、貨物番号11201ES08)を使用して、cDNAをテンプレートとして明細書のステップに従って目的遺伝子ApoB及び内部参照遺伝子グリセルアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)の発現を検出し、ここで、ApoBの発現には、GAPDHを参照する必要がある。ApoBと内部参照遺伝子としてのGAPDHを増幅するためのPCRプライマーを表3に示す。
7、細胞毒性検出
MTT法(テトラゾール塩比色法)を利用してポリマーの細胞毒性を検出し、具体的な方法は以下の通りである。
(1)96ウェルプレートに1.25×10個のHepG2細胞/ウェルを接種し、ウェル当たりの培地体積は100μLであり、5%CO、37℃条件下で一夜インキュベートする。
(2)24時間後、ウェル中のsiRNAの含有量を1nMから200nMとなるように、各ウェルに防虫ルシフェラーゼsiRNA(siFirefly)を包むsiFLA4-13を適量に添加する。同時に、対照ウェル(細胞、製剤を含む液体体積と同様で、pH値が7.4のPBS、培養液、MTT、ジメチルスルホキシド)を設定し、5%CO、37℃条件下で48時間インキュベートする。
(3)各ウェルに20μLのMTT溶液(5mg/mL)を添加し、続いて5%CO、37℃条件下で4時間インキュベートする。
(4)ウェル内の上澄み培養液を慎重に廃棄し、各ウェルに150μLのジメチルスルホキシドを添加し、低速発振器に置いて10分間振とうし、結晶物を十分に溶解する。連続分光マルチモードマイクロプレートリーダー(TECAN Infinite 200)で540nmで各ウェルの吸光値を測定する。
(5)以下の式によって各サンプルウェル細胞の相対活力を計算し、
siFirefly配列を表4に示す。
8、核酸が細胞に入ったかどうかを判断するために使用されるサブ細胞局在化
試験の前日に、2×10HepG2細胞を35mmシャーレに接種し、5%CO、37℃条件下で一夜培養する。翌日、SEQ ID NO.7 3’端にCy5基を接続したLNP Cy-siFLA4-13またはLipofectamine 2000(Invitrogen)を包んで対応するシャーレに添加して4時間培養し続き、細胞がトランスフェクション試薬を飲み込むようにする。所定の時間に達したら、トランスフェクション試薬を含む培地をすべて廃棄して1×PBSでシャーレ上の細胞を三回洗浄する。その後、シャーレに1mLの染色作動液(Lysotracker用の1×PBS 1:3000(v/v)を添加して希釈し、また、Hoechst 33342 0.1 mg/mlを含み、37℃下で15分間遮光染色する。染色を完了した後、レーザー共焦点顕微鏡(LSM700,Zeiss)で蛍光信号の細胞内での分布状況を観察する。
9、細胞への核酸侵入の効率を判断するための細胞取り込み
HepG2細胞は、検出前日に12ウェルプレートに接種され、濃度は2×10細胞/mLであり、体積は1mL/ウェルである。24時間後、ウェルにCy-siFLA4-13を添加し、最終濃度を50nMにし、5%CO、37℃条件下で4時間培養する。その後、トランスフェクション試薬を含む培地をすべて廃棄し、トリプシンで細胞を消化し、完全培地で消化を中止し、液体を遠心管内に収集する。800回転/分で5分間遠心した後、1×PBSで再懸濁し、細胞を三回繰り返して潤洗する。その後、フローサイトメータ(FACSverse,BD)でHepG2細胞による製剤の飲み込み効率を検出する。FlowJo 7.6を利用してデータを分析する。
10、薬物の体内での代謝及び分布特徴を判断するための体内分布実験
実験は、6-8週のC57BL/6マウスを実験対象とし、2グループに分けた後にそれぞれ尾静脈を通じて1×PBSまたはCy-siFLA4-13を投与し、ここで、Cy5-siFireflyの量は2mg/kgである。投薬後の異なる時点で小動物生体撮像システムFX Pro(Kodak)によってマウス体内のCy5信号分布状況を検出する。なお、投薬0.5時間、4時間及び24時間後、生体イメージングが完了した後に、各グループの1-2匹の動物が安楽死させられ、心臓、肝臓、脾臓、肺、腎臓、胃、腸、顎下腺及び胸腺を臓器イメージングのために分離する。結果の分析はCarestreamソフトウェアによって完了され、折れ線グラフはGraphpad Prism 8によって生成される。
他の実験では、実験対象は6-8週のC57BL/6マウスであり、それぞれ尾静脈で1×PBSまたはmLuA4-12製剤を投与し、mRNAの量は20μg/匹の動物である。投薬6、9時間後、動物が安楽死させられ、心臓、肝臓、脾臓、肺、腎臓、胃、腸、顎下腺及び胸腺を臓器イメージングのために分離した。結果の分析はCarestreamソフトウェアによって完了する。
11、投与量依存性実験
32匹の6-8週のC57BL/6マウスが8グループに分けた後、それぞれ1×PBSまたは0.01mg/kgから1mg/kgのsiA4-13を受けた。42時間後、動物は6時間絶食されて、安楽死させられた。血清と肝組織サンプルを血清中のトリグリセリド(TG)、総コレステロール(CHO)、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-c)、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-c)及び肝組織内ApoB mRNAの発現変化を分析するために収集する。マウスApoBと内部参照遺伝子としてのGAPDHを増幅するためのPCRプライマーを表5に示す。
12、作用時間実験
96匹の6-8週のC57BL/6マウスは3グループに分けられ、それぞれ1×PBSまたは1mg/kgまたは3mg/kgのsiA4-13を受けた。投薬後、7、14、21、28、35、42、49日後、それぞれ各グループの4匹の動物は6時間絶食されて、安楽死させられ、血清と肝組織サンプルを血清中のTG、CHO、LDL-c、HDL-c及び肝組織内ApoB mRNAの発現変化を分析するために収集する。作用時間曲線はGraphpad Prism 8から生成される。
13、薬効試験
実験は2つの部分に分けられる。第1の部分では、レプチン受容体ノックアウトdb/dbマウス(C57BLKS/JGpt- Leprem2Cd/Gpt)を実験対象として、同じ遺伝的背景の無遺伝子ノックアウトマウス(m/m)を対照とした。この部分の実験は、抗アンギオゲニン様タンパク質3 siRNA(siANGPTL3)を包んだ製剤siANA4-13の脂質低下効果と標的遺伝子の発現変化を検出することを目的とする。第2の部分では、ヒト化アポリポタンパク質C3(ApoC3)トランスジェニックマウス(hApoC3、Tg(APOC3)3707Bres)を実験対象とし、C57BL/6マウスを対照とする。この部分の実験は、siApoC3製剤を包んだsiApoCA4-13の脂質低下効果及び薬物中止後の動物の血中脂質回復状況を検出することを目的とする。
第1の部分では、db/dbマウスにそれぞれ尾静脈で1×PBSまたは0.5mg/kg siFLA4-13または0.5mg/kgのsiANA4-13または0.25mg/kgのsiANA4-13を注射する。テストは週に1回、合計5回の投薬を行う。投薬後の3日目に、用いられる動物は、6時間絶食されて眼窩から血液をTG、CHOの変化を分析するために収集する。最後の投薬後の2日目に、すべての動物は、6時間絶食された後に犠牲にされ、血液と肝組織サンプルを収集し、血中脂質変化と肝組織中のANGPTL3 mRNAの発現をさらに測定する。グループごとに1匹の動物から肝臓を収集してオイルレッドO染色に用いて、肝臓中の脂質沈着の変化を観察するために使用される。
第2の部分では、hApoC3マウスにそれぞれ尾静脈で1×PBSまたは0.5mg/kgのsiFLA4-13または0.5mg/kgのsiApoCA4-13または0.25mg/kgのsiApoCA4-13を注射する。実験は同様に5回の投薬を行い、毎回1週間隔で行い、その間に血中脂質変化を検出すると予定する。最後の投薬後、すべての動物は週に1回の血中脂質検出を受けて、合計4回である。その後、動物が安楽死させられ、血液を収集して血中脂質を検出する。実験に関するsiANGPTL3とsiApoC3の配列、及びマウスANGPTL3とヒトApoC3を増幅するためのPCRプライマーをそれぞれ表6と表7に示す。
14、体外mRNA発現テスト
HepG2細胞を検出の前日に12ウェルプレートに接種し、濃度は2×10細胞/mLであり、体積は1mL/ウェルである。24時間後、ウェルにルシフェラーゼmRNAを包んだmLuA4-12を添加し、各ウェルに添加されたmRNAの量は400ngになり、5%CO、37℃条件下で6時間培養する。所定時間に達すると、受動的開裂液で細胞を開裂して細胞開裂液を収集する。その後、96ウェルプレートに細胞開裂液10μL/サンプルを添加し、各ウェルに50μLのルシフェラーゼ基質を添加する。完了後に直ちに酵素マーカーでサンプルからの蛍光量を検出する。
15、siRNAとCRISPR/Casシステムの遺伝子抑制比較テスト
トランスフェクションの24時間前に、HepG2-luc細胞を6ウェルプレートに接種し、濃度は2×10細胞/mLであり、体積は1mL/ウェルである。翌日、LNPにそれぞれ抗polo様キナーゼ遺伝子1を包んだsiRNA(siPLK1)とCasタンパク質とPLK1 sgRNAを同時に発現したプラスミド(pCPLK1)のsiPLKA4-13とpCPA4-12を対応するウェル内に添加し、siRNAとプラスミドの量は1600ngとなる。Mock群をさらに処理しない。細胞は5%CO、37℃条件下で4時間培養する。その後、各ウェルに新鮮な培地1mLを添加し、さらに、20時間培養し続ける。所定時間に達すると、リアルタイム蛍光定量PCR(Quantitative Real-Time PCR)を利用して被験サンプルにおけるPLK1 mRNAの相対発現を検出する。PLK1 siRNAの核酸及びプライマー配列をそれぞれ表8と表9に示す。
調製例1 アミン含有脂質化合物A4の合成
化合物A2の合成
反応は、三ネックフラスコ中で行い、ここで、tert-ブチル(3-アミノプロピル)カルバメート(1.01g,5.7mmol)、1,2-エポキシドデカン(2.33g,12.6mmol)及び12.00mLのエタノールを含み、50℃で窒素還流する。薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いて反応を監視し、反応終了後に停止した。粗品を減圧濃縮した後、ジクロロメタン:メタノール=30:1(v/v)を展開剤とし、シリカゲルカラムで分離精製した。生成物A2 (1.61g,収率78.1%)を取得する。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ (ppm) 0.88 (t, J = 13.68 Hz, 6 H), 1.26-1.44 (m, 45 H), 1.67 (m, 2 H), 2.38-2.70 (m, 6 H), 3.18 (m, 2 H), 3.70 (m, 2 H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ (ppm) 156.22, 79.39, 69.58, 62.90, 52.70, 38.58, 38.53, 35.13, 34.98, 31.92, 29.62, 29.35, 28.44, 25.65, 22.70, 14.13;高分解能質量分析(EI+モード)で化合物A2(分子量543.5023)を走査し、走査結果は543.5108である。
化合物A3の合成
化合物A2(1.04g,1.8mmol)と20.00mLのジクロロメタンを含む三ネックフラスコに、撹拌しながら塩酸をゆっくりと添加する。室温で16時間反応し、反応が終了後に停止し、TLC板で検出する。1MのNaOH水溶液で反応混合液のpHを7-8に調整し、水と酢酸エチルで3回抽出する。減圧の状況下で濃縮して生成物A3(398.0mg,収率49.9%)を取得する。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ (ppm) 0.88 (t, J = 13.08 Hz, 6 H), 1.26 (m, 32 H), 1.43 (m, 4 H), 1.96 (m, J = 14.5 Hz, 2 H), 2.60 (m, J=20.9 Hz, 4 H), 3.01 (m, 2 H), 3.25 (m, 2 H), 3.80 (m, 2 H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ (ppm) 70.41, 63.21, 58.29, 40.79, 36.15, 31.94, 29.91, 29.69, 29.39, 23.90, 22.70, 14.11;高分解能質量分析(EI+モード)で化合物A3(分子量443.4498)を走査し、走査結果は443.4576である。
化合物A4の合成
A3(2.2g,4.9mmol)とコハク酸(263.3mg,2.2mmol)を20.00mLのジクロロメタンに溶解し、三ネックフラスコに入れる。次に、催化剤として1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(753.3mg,5.6mmol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩(1.13g,5.6mmol)を添加する。窒素ガスの保護下、12時間反応した。薄層クロマトグラフィーによる検出後、反応を停止した。粗生成物を2回水洗い、飽和塩で2回水洗い、有機相で2回洗浄する。生成物A4(0.1g,収率3.3%)を取得する。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ (ppm) 0.88 (t, J = 13.24 Hz, 12 H), 1.26-1.47 (m, 72 H), 1.93 (m, 4 H), 2.56-3.41.74 (m, 20 H), 3.89 (m, 4 H), 5.03 (m, 4 H), 8.04(m, 2 H); 13C NMR (100 MHz、CDCl3) δ (ppm) 173.26, 67.14, 59.69, 51.69, 35.70, 34.47, 34.21, 33.21, 30.95, 30.52, 29.30, 28.72, 28.42, 21.70, 13.11;高分解能質量分析(EI+モード)で化合物(分子量967.9051)を走査し、走査結果は967.9137である。
実施例1
調製例1で得られた脂質A4とDSPC、コレステロール、DMG-PEG(艾偉拓(上海)医薬科技有限公司から購入)を無水エタノールに溶解し、濃度は20mg/mlである。A4は常温条件下で完全に溶解でき、淡黄色透明液体である。DSPC、コレステロール及びDMG-PEGを50℃で完全に溶解するまで数分間水浴し、いずれも無色透明液体である。上記材料の準備の完了後、A4:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=66.8:10.9:20.0:2.2の質量比で4種の原料を混合してすべてインスリン注射器に吸入して準備に使用される。なお、有機相混合液の3倍体積のpH=4.0、濃度が10nMのクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を別途に準備し、同様に、すべてインスリン注射器に吸入して準備に使用される。その後、それぞれ有機相混合液とバッファ液を入れたインスリン注射器を同一の遠心管に置いて全ての液体を迅速に放出し、遠心管を軽く振って脂質ナノ粒子A4-1を調製した。
テスト例1
このテスト例は、ゲルブロック実験によって実施例1で得られた脂質ナノ粒子がsiRNAを包む能力を検出するとともに、脂質ナノ粒子とsiRNAの最適な質量比を探索することを目的とし、テスト結果を図1に示す。結果から、LNPとsiRNAの質量比が5:1より低いと、siRNAは大量に漏れ、低い質量比はsiRNAの送達に適さないことを説明することを示す。質量比は5:1以上であると、siRNAがLNPで効率よく包まれ、質量比は15:1であると、siRNAはほとんど完全に包まれる。LNPとsiRNAの質量比は5:1-30:1である場合、LNPとsiRNAの適切な質量比範囲であり、質量比が15:1以上であると、siRNAの効率よい送達を実現することができる。このため、後続の調製例では、この質量比でLNPsを調製する。
実施例2
上記溶解した4種の原料をA4:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=58.5:14.3:23.4:3.8の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振って脂質ナノ粒子A4-2を調製した。
実施例3
上記溶解した4種の原料をA4:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=50.2:16.4:25.1:8.2の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振って脂質ナノ粒子A4-3を調製した。
実施例4
上記溶解した4種の原料をA4:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=42.8:17.5:25.7:14.0の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振って脂質ナノ粒子A4-4を調製した。
実施例5
上記溶解した4種の原料をA4:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=61.8:8.6:21.0:8.6の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振って脂質ナノ粒子A4-5を調製した。
実施例6
上記溶解した4種の原料をA4:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=57.4:12.0:14.6:16.0の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振って脂質ナノ粒子A4-6を調製した。
実施例7
上記溶解した4種の原料をA4:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=55.0:15.3:28.1:1.5の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振って脂質ナノ粒子A4-7を調製した。
実施例8
上記溶解した4種の原料をA4:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=54.7:19.0:23.3:3.1の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振って脂質ナノ粒子A4-8を調製した。
実施例9
上記溶解した4種の原料をA4:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=57.7:7.0:21.3:14.0の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振って脂質ナノ粒子A4-9を調製した。
実施例10
上記溶解した4種の原料をA4:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=57.2:10.4:25.4:7.0の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振って脂質ナノ粒子A4-10を調製した。
実施例11
上記溶解した4種の原料をA4:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=66.1:16.0:14.7:3.2の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振って脂質ナノ粒子A4-11を調製した。
実施例12
上記溶解した4種の原料をA4:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=61.6:18.6:18.2:1.5の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振って脂質ナノ粒子A4-12を調製した。
実施例13
上記溶解した4種の原料をA4:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=64.8:6.9:25.5:2.8の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振って脂質ナノ粒子A4-13を調製した。
実施例14
上記溶解した4種の原料をA4:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=66.2:10.6:21.7:1.4の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振って脂質ナノ粒子A4-14を調製した。
実施例15
上記溶解した4種の原料をA4:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=59.1:12.7:15.5:12.7の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振って脂質ナノ粒子A4-15を調製した。
実施例16
上記溶解した4種の原料をA4:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=63.6:17.1:21.5:6.8の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振って脂質ナノ粒子A4-16を調製した。
上記実施例において、A4、DSPC、コレステロール、DMG-PEGはそれぞれ4つのレベルに設定され、表8に示す。
実施例1-16の配合比は直交設計ソフトウェア(直交設計アシスタントii V3.1)を用いて設計しており、16つの配合比の異なるLNPのモル比と質量比を表9に示す。
実施例17-32
siApoBの濃度を1000ng/μLに調整し、等体積の50%エタノール溶液と混合し、エタノール含有量が25%の500ng/μLのsiApoB溶液を調製した。
実施例1-16で得られた16つの異なる配合比の脂質ナノ粒子とsiApoB溶液を質量比15:1(即ち体積比1.5:1)で混合し、軽く振った後、50℃で20分間インキュベートし、siApoBはできるだけ脂質ナノ粒子によって包まれる。その後、16個の脂質ナノ粒子/siApoB複合体をカットオフ分子量が100000ドルトンの透析チューブ内(spectrum、G235035)に移し、1×PBSで3時間透析した。
テスト例2
このテスト例は、実施例1-16で得られた16つのsiApoBを包まなかった脂質ナノ粒子の粒子径(size)、多分散係数(PDI)を検出することを目的とし、結果を表10に示し、ほとんどの製剤は、優れた送達担体としての前提を満たす。
テスト例3
このテスト例は、実施例17-32で得られた16つのsiApoBを包んだ製剤の粒子径(size)、多分散係数(PDI)、表面電位(zeta)、包被率(E.E.)及び粒子内siRNA濃度(conc)を検出することを目的とし、結果を表11に示し、すべての処方はsiRNAを効率よく包むことができる。
テスト例4
実施例17-32で得られた16つの製剤に体外トランスフェクション実験を行い、リアルタイム蛍光定量PCR結果を表12に示し、すべての処方はいずれも包まれたsiRNAを細胞内に送達し、遺伝子の抑制を実現し、ここで、siA4-13性能は最適である。
テスト例5
実施例17-32で得られた16つの製剤について動物レベルで活性検証を行う。試験はC57BL/6を対象とし、68匹の雌性マウスは17グループに分けられ、それぞれ尾静脈で1×PBSまたは投与量が0.5mg/kgの16個の製剤を注射する。投薬42時間後、動物は6時間絶食され、安楽死させられる。肝組織サンプルをApoB mRNAの1×PBSを受けた動物に対する発現変化を分析するために収集する。ApoB mRNA発現はリアルタイム蛍光定量PCRによって検出される。活性テストの分析結果はGraphpad Prism 8によって生成して表13に示し、すべての製剤はいずれも動物レベルの遺伝子抑制を実現することができ、その中で、siA4-13の性能が最適である。
実施例33
siFireflyをDEPC処理水で濃度を1000ng/μLに調整し、等体積の50%エタノール溶液と混合し、エタノール濃度が25%の500ng/μLのsiFirefly溶液を調製する。
実施例13で得られた番号がA4-13の脂質ナノ粒子とsiFirefly溶液を質量比15:1(即ち体積比1.5:1)で混合し、軽く振った後、50℃で20分間インキュベートし、siFireflyはできるだけ脂質ナノ粒子によって包まれる。その後、複合体をカットオフ分子量が100000ドルトンの透析チューブ内(spectrum、G235035)に移し、1×PBSで3時間透析したsiFLA4-13を取得する。
テスト例6
このテスト例は、実施例33で得られた番号のsiFLA4-13をテストすることを目的とする。製剤の細胞毒性、テスト結果を表14に示す。
テスト例7
このテスト例は、実施例29で得られた番号のsiA4-13の製剤が4℃での安定性をテストすることを目的とする。具体的に、製剤の調製が完了した後にレーザ粒度計を利用して製剤の粒子径を検出する。操作を完了した後に4℃に置いて保存する。その後、3、7、21日目にそれぞれ再度製剤の粒子径を検出し、検出結果を図2に示し、該製剤が4℃で少なくとも3週安定できることを証明する。
実施例34
Cy5-siFireflyをDEPC処理水で濃度を1000ng/μLに調整し、等体積の50%エタノール溶液と混合し、エタノール濃度が25%の500ng/μLのsiFirefly溶液を調製する。
実施例13で得られた番号A4-13の脂質ナノ粒子とCy5-siFirefly溶液を質量比15:1(つまり体積比1.5:1)で混合し、軽く振った後、50℃で20分間インキュベートし、Cy5-siFireflyはできるだけ脂質ナノ粒子によって包まれる。その後、複合体をカットオフ分子量が100000ドルトンの透析チューブ内(spectrum、G235035)に移し、1×PBSで3時間透析して、Cy-siFLA4-13を取得し、上記の過程は、全過程で遮光しなければならない。
テスト例8
このテスト例は、実施例34で得られたCy-siFLA4-13がC57BL/6マウス体内での代謝特徴を検出することを目的とする。
テスト例9
このテスト例は、実施例29で得られた番号siA4-13の製剤が、C57BL/6マウス体内での投与量依存性行為をテストすることを目的とする。ApoB mRNAの発現変化及び総コレステロール(CHO)、トリグリセリド(TG)、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-c)、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-c)レベル変化状況をそれぞれ表16と表17に示し、計算により、該製剤の有効投与量の半数は約0.18mg/kgである。
テスト例10
このテスト例は、C57BL/6マウスが実施例29で得られたsiA4-13製剤の単回注射を受けた後に異なる時点におけるApoB mRN発現の変化及びCHO、TG、LDL-c、HDL-cレベルの変化をテストすることを目的とする。結果を図4に示し、4週投薬した後、ApoB mRNA、TG及びLDL-cのレベルは依然として対照群より低く、4週に1回投薬することをサポートする。
実施例35
実施例33で得られた製剤を孔径が100Kdの限外ろ過管で濃縮し、RiboGreen法でsiRNA濃度を測定した後、製剤中のsiRNAの濃度をそれぞれ300ng/μL(対応投薬濃度3mg/kg)と100ng/μL(対応投薬濃度1mg/kg)に調整する。
テスト例11
このテスト例は、C57BL/6マウスが実施例34で得られた製剤を受けた後の主要血清生化学的指標の変化をテストし、これによって、製剤の安全性を判定することを目的とし、結果を図5に示し、テスト実験から、製剤の毒性が要求を満たすことを示す。
実施例36
siANGPTL3の濃度をDEPC処理水で1000ng/μLに調整し、等体積の50%エタノール溶液と混合し、エタノール濃度が25%の500ng/μLのsiANGPTL3溶液を調製した。
実施例13で得られた番号A4-13の脂質ナノ粒子とsiANGPTL3溶液を質量比15:1(即ち体積比1.5:1)で混合し、軽く振った後、50℃で20分間インキュベートし、siANGPTL3はできるだけ脂質ナノ粒子によって包まれる。その後、複合体をカットオフ分子量が100000ドルトンの透析チューブ内(spectrum、G235035)に移し、1×PBSで3時間透析してsiANA4-13を取得する。
テスト例12
このテスト例は、実施例35で得られたsiANA4-13のdb/dbマウス体内での脂質低下効果とANGPTL3 mRNAの発現抑制能力をテストすることを目的とする。治療を受けた後のマウスのTGとCHO変化状況を図6に示し、該実験から、モデル動物が治療を受けた後にその血中脂質が有意に正常動物のレベルに減少できることが証明される。
0.5mg/kgと0.25mg/kgのsiANGPT3治療を受けたマウスと0.5mg/kgのsiNC治療を受けたマウスの標的遺伝子発現比較を表18に示し、図6の血中脂質の低下は、標的遺伝子の抑制によるものである。
異なる治療群動物肝臓の脂質沈着状況を図7に示し、結果から、製剤は肝臓での脂質沈着を逆転させる能力を有することを示す。
実施例37
siApoC3の濃度をDEPC処理水で1000ng/μLに調整し、等体積の50%エタノール溶液と混合し、エタノール濃度が25%の500ng/μLのsiANGPTL3溶液を調製した。
実施例13で得られた番号A4-13の脂質ナノ粒子とsiApoC3溶液を質量比15:1(即ち体積比1.5:1)で混合し、軽く振った後、50℃で20分間インキュベートし、siApoC3はできるだけ脂質ナノ粒子によって包まれる。その後、複合体をカットオフ分子量が100000ドルトンの透析チューブ内(spectrum、G235035)に移し、1×PBSで3時間透析してsiApoCA4-13を取得する。
テスト例13
このテスト例は、実施例34で得られたsiApoCA4-13治療を受けたhApoC3マウス及び薬物中止4週間以内の脂質低下効果と血中脂質の変化をテストすることを目的とする。治療を受けた後のマウスのTGとCHO変化状況を図8に示し、該試験から、モデル動物が治療を受けた後の血中脂質が有意に減少し、薬物中止後、血中脂質は一定の時間後に治療前のレベルに回復することが証明される。
調製例2 アミン含有脂質化合物A10の合成
化合物A7の合成
Arガス保護下で20mlの無水ジクロロメタンを添加し、撹拌しながら2gのトランス-2-トリデセン-1-オールと1.71gの3-ブロモプロピオニルクロリドを添加し、室温で撹拌して2h反応させる。TLCで反応の完了を検出した後、減圧濃縮によりジクロロメタンを除去した後、シリカゲルカラムで精製して淡黄色油状物(2.7g、収率89%)を取得する。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ :5.75-5.86(1、m、CH = CH)、5.52-5.65(1、m、CH = CH)、4.56-4.61(2H、d OCH2)、3.56-3.62(2H、t CH2)、2.89-2.97(2H、t CH2)、2.16-2.97(2H、m CH2)、1.22-1.45(16H、m)、0.90(3H、t、CH3)ppm
化合物A8の合成
Arガス保護下で、反応フラスコ内に10mlの無水DMFを添加し、撹拌しながら280mgのN-Boc-1,3-ジアミノプロパン塩酸塩と721.4mgのDIPEAを添加し、室温で2h撹拌した後に1gの化合物A7を滴下し、室温で一夜撹拌する。反応終了後、加圧濃縮によりDMFを除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより163mgの淡黄色油状物である化合物A8を取得する。収率18%。
1H NMR(400MHz、CDCl3)δ :5.76-5.83(2H、m、CH = CH)、5.54-5.62(2、m、CH = CH)、4.53-4.57(4H、d OCH2)、2.71-2.78(4H、t CH2)、2.43-2.52(6H、m CH2)、2.04-2.18(4H、m CH2)、1.60-1.68(2H、 m),1.43-1.50(12H、m)、1.22-1.36(32H、m)、0.84-0.90(6H、m、CH3)ppm
化合物A9の合成
室温で163mgの化合物A8を5mlの4MのHCl酢酸エチル溶液に添加し、室温で撹拌反応する。1h後TLCで反応を検出する。原料がないまで、反応が完了することを示す。減圧濃縮により溶媒を除去し、真空ポンプで5min濃縮して次のステップの反応に直接用いられる。
化合物A10の合成
Arガス保護下で、前ステップの生成物を2mlの無水ジクロロメタンに溶解し、45mgのトリエチルアミンを添加し、室温で30min撹拌した後に14mgのコハク酸クロリドを滴下する。室温で1h撹拌反応し、TLCで反応を検出する。反応液に10mlのジクロロメタンを添加し、希釈には1Mの塩酸で洗浄し、有機相を収集し、減圧濃縮してシリカゲルカラムを通過する。DCM:MeOH=60:1である流動相に5‰アンモニア水を添加して(アンモニア水を添加しないと、生成物をカラムにかける)、生成物A10である淡黄色油状物56mgを取得する。2ステップの収率は37%である。
1H NMR(400MHz、CDCl3)δ :6.85(2H、s、NH),5.77-5.83(4H、m、CH = CH)、5.52-5.61(4、m、CH = CH)、4.51-4.55(8H、d OCH2)、3.20-3.26(4H、m)、2.71-2.77(8H、t CH2)、2.56(4H、s)、2.45-2.51(12H、m CH2)、2.07-2.15(8H、m CH2)、1.61-1.68(4H m,),1.21-1.33(64H、m)、0.85-0.91(12H、m、CH3)ppm
MASS理論値1239.88、実測M+1=1239.9。
実施例38
調製例1で得られた脂質A10とDSPC、コレステロール、DMG-PEG(艾偉拓(上海)医薬科技有限公司から購入)を無水エタノールに溶解し、濃度は20mg/mlである。A10は常温条件下で完全に溶解でき、淡いピンク色の透明液体である。DSPC、コレステロール及びDMG-PEGを50℃で完全に溶解するまで数分間水浴し、いずれも無色透明液体である。上記材料の準備の完了後、A10:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=72.2:8.1:14.9:4.9の質量比で4種の原料を混合してすべてインスリン注射器に吸入して準備に使用される。なお、有機相混合液の3倍体積のpH=4.0、濃度が10nMのクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を別途に準備し、同様に、すべてインスリン注射器に吸入して準備に使用される。その後、それぞれ有機相混合液とバッファ液を入れたインスリン注射器を同一の遠心管に置いて全ての液体を迅速に放出し、遠心管を軽く振ってLNP A10-1を調製する。
実施例39
上記溶解した4種の原料をA10:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=61.8:12.1:19.1:7.0の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP A10-2を調製した。
実施例40
上記溶解した4種の原料をA10:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=52.1:14.6:21.5:11.5の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP A10-3を調製した。
実施例41
上記溶解した4種の原料をA10:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=65.9:5.9:16.3:11.9の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP A10-4を調製した。
実施例42
上記溶解した4種の原料をA10:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=64.9:10.2:21.4:3.5の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP A10-5を調製した。
実施例43
上記溶解した4種の原料をA10:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=69.3:15.6:11.4:3.7の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP A10-6を調製した。
実施例44
上記溶解した4種の原料をA10:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=70.2:5.3:19.3:5.3の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP A10-7を調製した。
実施例45
上記溶解した4種の原料をA10:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=70.5:9.2:9.7:10.6の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP A10-8を調製した。
実施例46
上記溶解した4種の原料をA10:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=69.5:13.0:14.3:3.1の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP A10-9を調製した。
上記実施例において、A10、DSPC、コレステロール、DMG-PEGはそれぞれ3つのレベルに設定され、表19に示す。
実施例38-46の配合比は直交設計ソフトウェア(直交設計アシスタントii V3.1)を用いて設計しており、9つの配合比の異なるLNPのモル比と質量比を表20に示す。
実施例47-55
実施例38-46で得られた9つの異なる配合比のLNPとsiApoB溶液を質量比15:1(即ち体積比1.5:1)で混合し、軽く振った後50℃で20分間インキュベートし、siApoBはできるだけLNPによって包まれる。その後、9つのLNP/siApoB複合体をカットオフ分子量が100000ドルトンの透析チューブ内(spectrum、G235035)に移し、1×PBSで3時間透析した。
テスト例14
このテスト例は、実施例38-46で得られた9つのsiApoBを包まなかったLNPの粒子径(size)、多分散係数(PDI)、表面電位(zeta)を検出することを目的とし、結果を表21に示し、全ての製剤は、優れた送達担体になる前提がある。
テスト例15
このテスト例は、実施例47-55で得られた9つのsiApoBを包んだ製剤の粒子径(size)、多分散係数(PDI)、表面電位(zeta)、包被率(E.E.)及び粒子内siRNA濃度(conc)を検出することを目的とし、結果を表22に示し、全ての製剤は、優れた送達担体になる前提がある。
テスト例16
実施例47-55で得られた9つの製剤に体外トランスフェクション実験を行い、リアルタイム蛍光定量PCR結果を表23に示し、全ての製剤は、遺伝子の抑制を実現することができる。
調製例3 アミン含有脂質化合物B8の合成
化合物B3の合成
1.0gの化合物B1(1.0eq)を15mlの無水ジクロロメタンに溶解し、氷浴で0.97g(1.01eq)のトリエチルアミンを添加し、その後、0.87g(1.01eq)の化合物B2をシステムに滴下し、アルゴンガス保護で反応し、2時間後、TLCで原料の反応が完了したことを監視し、得られた化合物B3の粗品は、未処理のまま次のステップに投入した。
化合物B4の合成
1.92g(2.1eq)のトリエチルアミンを前のステップの反応系に注射し、その後、4.92gのミリスチン酸クロライドをシステムに注射し、氷浴のアルゴンガス保護下で反応を続け、2時間後、TLCで原料の反応が完了したことを監視し、1Mの希塩酸を添加して三回洗浄し、HOで一回洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮により溶媒を除去し、シリカゲルカラム(DCM/DCM:MeOH=500:1)で精製し、3.0gの白色固体である化合物B4を取得する。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ :6.58-5.63(1H、m、CH = CH)、6.32-5.42(1H、d、CH = CH)、5.68-5.73(1、d、CH = CH)、4.18-4.30(4H、dt NCH2)、3.64-3.74(4H、t CH2)、2.30-2.38(4H、t CH2)、1.58-1.68(4H、 m),1.29-1.29(42H、m)、0.85-0.90(6H、m、CH3)ppm
化合物B5の合成
1.0g(1.0eq)のブタンジアミンを30mlの無水ジクロロメタンに溶解し、氷浴で5.2gの(2.1eq)Boc酸無水物をシステムに滴下し、撹拌して6h反応させ、TLCで原料の反応が完了したことを監視し、順次に1Mの希塩酸、飽和NaHCOを添加して洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮により溶媒を除去し、2.2gの白色固体粉末である化合物B5を取得する。
化合物B6の合成
1.0g(1.0eq)の化合物B5を20mlの無水ジクロロメタンに溶解し、氷浴で0.55g(3.0eq)の質量分数が60%のNaHをシステムにゆっくりと添加し、撹拌して15min反応させた後、定圧滴下漏斗で1.0gの(2.0eq)CHIをシステムにゆっくりと滴下し、低温で1時間反応した後、室温に移り、一夜反応させ、翌日に、原料が完了したことを監視し、1Mの希塩酸を添加してクエンチャー反応を行い、減圧濃縮によりDMFを除去し、その後、DCMを添加して溶解し、DCM/HOで抽出して洗浄し、有機相を収集し、減圧濃縮により溶媒を除去し、シリカゲルカラム(PE;EA=10:1)で精製し、3.0gの白色固体である化合物B6を取得する。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ :3,24(4H、m)、2.83(6H、s、CH3)、1.46-1.51(4H、m)、1.38-1.48(18H、 m)ppm
化合物B7の合成
2.5g(1.0eq)の化合物B6を30mlのHClのEA溶液(4M)に溶解し、室温で撹拌して3時間反応させ、減圧濃縮により溶媒を除去し、0.8gの白色固体粉末である化合物B7を取得する。
1H NMR(400MHz、CDCl3)δ :2.97(4H、s)、2.57(6H、s、CH3)、1.56-1.61(4H、m) ppm
化合物B8の合成
130mg(1.0eq)化合物B7を15mlのイソプロピルアルコールに溶解し、142.6mg(2.05eq)のトリエチルアミンを添加し、室温で撹拌して30min反応させた後、817.1mg(2.05eq)の化合物B4を添加し、90℃で撹拌して24h反応させ、TLCから、少量の原料が残ることを示すと、反応を停止し、減圧濃縮により溶媒を除去し、DCMを添加して溶解し、その後、1Mの希塩酸を添加して三回洗浄し、HOで一回洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮により溶媒を除去し、シリカゲルカラムで精製し、136mgの化合物B8を取得し、収率が16%である。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ :4.19-2.24(8H、m)、3.58-3.68(8H、m)、2.67-2.76(4H、m)、2.54-2.62(4H、m)、2.25-2.34(8H、m)、2.24-2.25(6H、m)、1.61-1.70(8H、m)、1.43-1.50(4H、m)、1.23-1.32(80H、m)、0.76-0.89(12H、t、CH3)ppm。MASS理論値=1275.99、実測値M+1=1276.0。
実施例56
調製例2で得られた脂質B8とDSPC、コレステロール、DMG-PEG(艾偉拓(上海)医薬科技有限公司から購入)を無水エタノールに溶解し、濃度は20mg/mlである。B8は、30℃条件下で5分間インキュベートしなければ、完全に溶解できなく、無色透明液体である。DSPC、コレステロール及びDMG-PEGを50℃で完全に溶解するまで数分間水浴し、いずれも無色透明液体である。上記材料の準備の完了後、B8:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=70.1:8.7:15.9:5.2の質量比で4種の原料を混合してすべてインスリン注射器に吸入して準備に使用される。なお、有機相混合液の3倍体積のpH=4.0、濃度が10nMのクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を別途に準備し、同様に、すべてインスリン注射器に吸入して準備に使用される。その後、それぞれ有機相混合液とバッファ液を入れたインスリン注射器を同一の遠心管に置いて全ての液体を迅速に放出し、遠心管を軽く振ってLNP B8-1を調製した。
実施例57
上記溶解した4種の原料をB8:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=59.5:12.9:20.3:7.4の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP B8-2を調製した。
実施例58
上記溶解した4種の原料をB8:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=49.7:15.4:22.6:12.4の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP B8-3を調製した。
実施例59
上記溶解した4種の原料をB8:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=63.7:6.3:17.4:12.7の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP B8-4を調製した。
実施例60
上記溶解した4種の原料をB8:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=62.6:10.9:22.8:3.7の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP B8-5を調製した。
実施例61
上記溶解した4種の原料をB8:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=67.1:16.6:12.2:4.0の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP B8-6を調製した。
実施例62
上記溶解した4種の原料をB8:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=68.1:5.6:20.6:5.6の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP B8-7を調製した。
実施例63
上記溶解した4種の原料をB8:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=68.4:9.9:10.4:11.3の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP B8-8を調製した。
実施例64
上記溶解した4種の原料をB8:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=67.4:13.9:15.3:3.4の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP B8-9を調製した。
上記実施例において、B8、DSPC、コレステロール、DMG-PEGはそれぞれ3つのレベルに設定され、表24に示す。
実施例56-64の配合比は直交設計ソフトウェア(直交設計アシスタントii V3.1)を用いて設計しており、9つの配合比の異なるLNPのモル比と質量比を表25に示す。
実施例65-73
実施例56-64で得られた9つの異なる配合比のLNPとsiApoB溶液を質量比15:1(即ち体積比1.5:1)で混合し、軽く振った後、50℃で20分間インキュベートし、siApoBはできるだけLNPによって包まれる。その後、9つのLNP/siApoB複合体をカットオフ分子量が100000ドルトンの透析チューブ内(spectrum、G235035)に移し、1×PBSで3時間透析した。
テスト例17
このテスト例は、実施例56-64で得られた9つのsiApoBを包まなかったLNPの粒子径(size)、多分散係数(PDI)、表面電位(zeta)を検出することを目的とし、結果を表26に示し、全ての製剤は良好な理化学的性質を有し、優れた送達担体になる潜在力を持っている。
テスト例18
このテスト例は、実施例65-73で得られた9つのsiApoBを包んだ製剤の粒子径(size)、多分散係数(PDI)、表面電位(zeta)、包被率(E.E.)及び粒子内siRNA濃度(conc)を検出することを目的とし、結果を表27に示し、全ての製剤は良好な理化学的性質を有し、優れた送達担体になる潜在力を持っている。
テスト例19
実施例65-73で得られた9つの製剤に体外トランスフェクション実験を行い、リアルタイム蛍光定量PCR結果を表28に示し、全ての製剤は、遺伝子の抑制を実現することができる。
調製例4 アミン含有脂質化合物C3の合成
化合物C2の合成
200mg(2.27mmol)の1,4-ブタンジアミンを10mlのイソプロピルアルコールに溶解し、1.1g(4.76mmol)の化合物C1を添加し、システムが無色透明状態であり、70℃まで加熱して撹拌し、3h後、白色固体が析出し、加熱し続けて5h撹拌した後、TLCで原料C1が完全に反応したことを検出すると、反応を停止する。減圧でイソプロピルアルコールを除去した後に、20mlのノルマルヘキサンを添加し、室温で1h撹拌し、吸引濾過して化合物C2(540mg、収率47%)を取得する。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ :3.61(2H、s)、2.58-2.65(6H、m)、2.44-2.52(2H、m)、1.47-1.59(8H、m)、1.23-1.34(40H、m)、0.73-0.88(6H、t、CH3)ppm
化合物C3の合成
130mg(0.224mmol)の化合物B4を5mlのイソプロピルアルコールに溶解し、57.49mg(0.112mmol)の化合物C2を添加し、90℃で10h反応した後、TLCで原料B4とC2の両方が完全に反応したことを検出すると、反応を停止する。後処理しないまま直接シリカゲルカラムで精製して最終生成物C3(54mg、収率29%)を取得する。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ :4.25(8H、m)、3.56-3.67(10H、m)、2.24-2.95(24H、m)、1.44-1.62(12H、m)、1.17-1.39(124H、m)、0.76-0.91(18H、t、CH3)ppm。Mass理論値=1672.68、実測M+1=1673.6。
実施例74
調製例3で得られた脂質C3とDSPC、コレステロール、DMG-PEG(艾偉拓(上海)医薬科技有限公司から購入)を無水エタノールに溶解し、濃度は20mg/mlである。C3の完全溶解には、50℃条件で5分間超音波をかける必要があり、無色透明液体である。DSPC、コレステロールとDMG-PEGを50℃で完全に溶解するまで数分間水浴し、いずれも無色透明液体である。上記材料の準備の完了後、C3:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=75.5:7.1:13.1:4.3の質量比で4種の原料を混合してすべてインスリン注射器に吸入して準備に使用される。なお、有機相混合液の3倍体積のpH=4.0、濃度が10nMのクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を別途に準備し、同様に、すべてインスリン注射器に吸入して準備に使用される。その後、それぞれ有機相混合液とバッファ液を入れたインスリン注射器を同一の遠心管に置いて全ての液体を迅速に放出し、遠心管を軽く振ってLNP C3-1を調製した。
実施例75
上記溶解した4種の原料をC3:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=65.8:10.9:17.1:6.2の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP C3-2を調製した。
実施例76
上記溶解した4種の原料をC3:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=56.4:13.3:19.6:10.7の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP C3-3を調製した。
実施例77
上記溶解した4種の原料をC3:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=69.7:5.3:14.5:10.6の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP C3-4を調製した。
実施例78
上記溶解した4種の原料をC3:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=68.7:9.1:19.1:3.1の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP C3-5を調製した。
実施例79
上記溶解した4種の原料をC3:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=72.8:13.8:10.1:3.3の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP C3-6を調製した。
実施例80
上記溶解した4種の原料をC3:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=73.7:4.6:17.0:4.7の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP C3-7を調製した。
実施例81
上記溶解した4種の原料をC3:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=74.0:8.2:8.5:9.3の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP C3-8を調製した。
実施例82
上記溶解した4種の原料をC3:DSPC:コレステロール:DMG-PEG=73.1:11.5:12.7:2.8の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP C3-9を調製した。
上記実施例において、C3、DSPC、コレステロール、DMG-PEGはそれぞれ3つのレベルに設定され、表29に示す。
実施例74-82の配合比は直交設計ソフトウェア(直交設計アシスタントii V3.1)を用いて設計しており、9つの配合比の異なるLNPのモル比と質量比を表30に示す。
実施例83-91
実施例74-82で得られた9つの異なる配合比のLNPとsiApoB溶液を質量比15:1(即ち体積比1.5:1)で混合し、軽く振った後50℃で20分間インキュベートし、siApoBはできるだけLNPによって包まれる。その後、9つのLNP/siApoB複合体をカットオフ分子量が100000ドルトンの透析チューブ内(spectrum、G235035)に移し、1×PBSで3時間透析した。
テスト例20
このテスト例は、実施例74-82で得られた9つのsiApoBを包まなかったLNPの粒子径(size)、多分散係数(PDI)、表面電位(zeta)を検出することを目的とし、結果を表31に示し、全ての製剤は良好な理化学的性質を有し、優れた送達担体になる潜在力を持っている。
テスト例21
このテスト例は、実施例83-91で得られた9つのsiApoBを包んだ製剤の粒子径(size)、多分散係数(PDI)、表面電位(zeta)、包被率(E.E.)及び粒子内siRNA濃度(conc)を検出することを目的とし、結果を表32に示し、全ての製剤は良好な理化学的性質を有し、優れた送達担体になる潜在力を持っている。
テスト例22
実施例83-91で得られた9つの製剤に体外トランスフェクション実験を行い、リアルタイム蛍光定量PCR結果を表33に示し、全ての製剤は、遺伝子の抑制を実現することができる。
実施例92
調製例1で得られた脂質A4とDOPE、コレステロール、DMG-PEG(艾偉拓(上海)医薬科技有限公司から購入)を無水エタノールに溶解し、濃度は20mg/mlである。A4は常温条件下で完全に溶解でき、淡黄色透明液体である。DOPE、コレステロール及びDMG-PEGを50℃で完全に溶解するまで数分間水浴し、いずれも無色透明液体である。上記材料の準備の完了後、A4:DOPE:コレステロール:DMG-PEG=45.0:23.1:30:2.0の質量比で4種の原料を混合してすべてインスリン注射器に吸入して準備に使用される。なお、有機相混合液の3倍体積のpH=4.0、濃度が10nMのクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を別途に準備し、同様に、すべてインスリン注射器に吸入して準備に使用される。その後、それぞれ有機相混合液とバッファ液を入れたインスリン注射器を同一の遠心管に置いて全ての液体を迅速に放出し、遠心管を軽く振って脂質ナノ粒子mA4-1を調製する。
実施例93
上記溶解した4種の原料をA4:DOPE:コレステロール:DMG-PEG=36.9:28.4:31.5:3.2の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP mA4-2を調製した。
実施例94
上記溶解した4種の原料をA4:DOPE:コレステロール:DMG-PEG=31.3:32.1:32.5:4.1の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP mA4-3を調製した。
実施例95
上記溶解した4種の原料をA4:DOPE:コレステロール:DMG-PEG=27.3:35.1:32.8:4.8の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP mA4-4を調製した。
実施例96
上記溶解した4種の原料をA4:DOPE:コレステロール:DMG-PEG=47.1:18.1:30.1:4.6の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP mA4-5を調製した。
実施例97
上記溶解した4種の原料をA4:DOPE:コレステロール:DMG-PEG=45.3:26.1:22.6:5.9の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP mA4-6を調製した。
実施例98
上記溶解した4種の原料をA4:DOPE:コレステロール:DMG-PEG=37.1:28.5:33.3:1.2の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP mA4-7を調製した。
実施例99
上記溶解した4種の原料をA4:DOPE:コレステロール:DMG-PEG=35.6:34.3:27.8:2.3の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP mA4-8を調製した。
実施例100
上記溶解した4種の原料をA4:DOPE:コレステロール:DMG-PEG=49.1:15.1:30.6:5.2の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP mA4-9を調製した。
実施例101
上記溶解した4種の原料をA4:DOPE:コレステロール:DMG-PEG=44.2:20.4:31.8:3.5の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP mA4-10を調製した。
実施例102
上記溶解した4種の原料をA4:DOPE:コレステロール:DMG-PEG=48.4:29.8:19.3:2.5の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP mA4-11を調製した。
実施例103
上記溶解した4種の原料をA4:DOPE:コレステロール:DMG-PEG=43.3:33.3:22.2:1.1の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP mA4-12を調製した。
実施例104
上記溶解した4種の原料をA4:DOPE:コレステロール:DMG-PEG=52.6:13.5:31.6:2.3の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP mA4-13を調製した。
実施例105
上記溶解した4種の原料をA4:DOPE:コレステロール:DMG-PEG=51.9:20.0:27.0:1.1の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP mA4-14を調製した。
実施例106
上記溶解した4種の原料をA4:DOPE:コレステロール:DMG-PEG=49.3:25.3:21.0:4.3の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP mA4-15を調製した。
実施例107
上記溶解した4種の原料をA4:DOPE:コレステロール:DMG-PEG=49.0:31.4:16.3:3.2の質量比で混合してインスリン注射器に吸い込む。また、3倍体積のクエン酸/クエン酸ナトリウムバッファ液を準備してインスリン注射器に吸い込んで有機相と混合し、軽く振ってLNP mA4-16を調製した。
上記実施例において、A4、DOPE、コレステロール、DMG-PEGはそれぞれ4つのレベルに設定され、表34に示す。
実施例92-107の配合比は直交設計ソフトウェア(直交設計アシスタントii V3.1)を用いて設計しており、16個の配合比の異なるLNPのモル比と質量比を表35に示す。
実施例108-123
ルシフェラーゼmRNA(mLuc)の濃度を1000ng/μLに調整し、等体積の50%エタノール溶液と混合し、エタノール含有量が25%の500ng/μLのmLuc溶液を調製した。
実施例92-107で得られた16つの異なる配合比の脂質ナノ粒子とmLuc溶液を質量比15:1(即ち体積比1.5:1)で混合し、軽く振った後50℃で20分間インキュベートし、mLucはできるだけ脂質ナノ粒子によって包まれる。その後、16個のLNP/mLuc複合体をカットオフ分子量が100000ドルトンの透析チューブ内(spectrum、G235035)に移し、1×PBSで3時間透析した。
テスト例23
このテスト例は、実施例108-123で得られた16つの製剤の体外mRNAの発現効率を検出することを目的とし、テスト結果を図9に示す。結果から、16個の製剤はいずれもmRNAの細胞内での効率よい発現を媒介することができ、その中で、mLuA4-12が好ましい。
テスト例24
このテスト例は、実施例119で得られたmLuA4-12のC57BL/6マウス体内での代謝特徴を検出することを目的とし、尾静脈でmLuA4-12を注射し、6時間後に、各主な臓器のルシフェラーゼの発現量を図10に示し、mA4-12はmRNAの細胞内での効率よい発現を媒介することができる。
実施例124
PLK1 sgRNAとCas9タンパク質を同時に発現するプラスミドpCPLK1の濃度を1000ng/μLに調整し、等体積の50%エタノール溶液と混合し、エタノール含有量が25%の500ng/μLのpCPLK1溶液を調製した。実施例92で得られたmA4-12とpCPLK1溶液を質量比15:1(即ち体積比1.5:1)で混合し、軽く振った後50℃で20分間インキュベートし、pCPLK1はできるだけ脂質ナノ粒子によって包まれて、pCPA4-12を取得する。その後、sgPLKA1-12複合体をカットオフ分子量が100000ドルトンの透析チューブ内(spectrum、G235035)に移し、1×PBSで3時間透析した。
実施例125
PLK1 siRNAの濃度を1000ng/μLに調整し、等体積の50%エタノール溶液と混合し、エタノール含有量が25%の500ng/μLのsiPLK1溶液を調製した。A4-13とsiPLK1溶液を質量比15:1(即ち体積比1.5:1)で混合し、軽く振った後50℃で20分間インキュベートし、siPLK1はできるだけ脂質ナノ粒子によって包まれて、siPLKA4-13を取得する。その後、siPLKA4-13複合体をカットオフ分子量が100000ドルトンの透析チューブ内に移し(spectrum、G235035)、1×PBSで3時間透析した。
実施例126
PLK1を標的とするsgRNAをDEPC処理水に溶解し、濃度を1000ng/μLに調整し、等体積の50%エタノール溶液と混合し、エタノール含有量が25%の500ng/μLのsgPLK1溶液を調製した。Cas9タンパク質はDEPC処理水で溶解し、BCA法で濃度を測定し、等量のsgPLK1と混合した。そして、A4-13と上記溶液を質量比30:1で混合し、軽く振った後50℃で20分間インキュベートし、sgPLK1及びCas9タンパク質はできるだけ脂質ナノ粒子によって包まれて、CasPLKA4-13を取得する。その後、CasPLKA4-13複合体をカットオフ分子量が100000ドルトンの透析チューブ内(spectrum、G235035)に移し、1×PBSで3時間透析した。
HepG2細胞を被験対象とし、プレートを敷いてから24時間後に細胞にCasPLKA4-13を加えてトランスフェクションを行い、siPLKA4-13を陽性対照とした。24時間後に細胞を受け取り、qPCRはPLK1の相対的な発現を検出する。
実施例127
塩酸アジスロマイシンをPBSに溶解して完全に溶解させ、濃度を測定する。A4-13と上記溶液を質量比15:1で混合し、軽く振った後室温で20分間インキュベートし、複合体DOXA4-13を形成する。その後、DOXA4-13複合体をカットオフ分子量が100000ドルトンの透析チューブ内(spectrum、G235035)に移し、1×PBSで3時間透析した。
HepG2細胞を被験対象とし、プレートを敷いてから24時間後に細胞にDOXA4-13を加えてトランスフェクションを行い、遊離のDOXを対照とする。24時間後に細胞を受け取り、MTT法で異なるサンプル処理後の細胞の相対活性を検出する。
テスト例25
このテスト例は、実施例124で得られたpCPA4-12が細胞レベルの標的遺伝子の編集効率をテストし、実施例125で得られたsiPLKA4-13と遺伝子抑制の効率を比較することを目的とし、結果を表34に示す。結果から、細胞がpCPA4-12処理を受けた後の標的遺伝子PLK1の発現はsiPLKA4-13より明らかに高いが、PBS対照群と比較して、極めて顕著な差異があり、mA4-12は良好な遺伝子編集応用の見通しがあることを示す。
比較例1
この比較例は、調製例1で得られた脂質A4と対照物脂質Eの安定性を比較することを目的とする。ここで、脂質Eの化学構造式を図11に示す。
脂質A4と脂質Eをそれぞれ90%無水エタノールと10%濃度が0.05M、pHが4.0のクエン酸塩(W/W)の溶媒に溶解する。直ちに100μLのサンプルをインキュベート前のサンプルとして吸い取り、直ちに-80℃で保存してサンプルの分解を防止する。当日は実験の0日目である。その後、それぞれA4とE被験サンプルを40℃でインキュベートし続け、それぞれ実験の1日目、3日目、5日目及び7日目に100μLのサンプルを吸い取って-80℃で保存する。全てのサンプルを取得した後、HPLCでサンプルの安定性をテストし、テスト条件は以下の通りである。
比較例2
Lipofectime 2000(Lipo)は市販の商用トランスフェクション試薬であり、細胞レベルで効率よい核酸送達を媒介することができるが、動物レベルで有効送達をほとんど実現できない。本実験は、A4-13のC57マウス体内での薬効(投与量は0.5mg/kg)を比較することを目的とし、Lipo/siApoBの相対発現は0.85であり、A4-13/siApoBの相対発現は0.27である。結果を図12に示す。実験結果から、Lipoが体内での送達効率は低く、A4-13は効率よいsiRNA送達を実現することができることが証明される。
比較例3
このテスト例は、実施例34で得られたCy-siFLA4-13の細胞取り込み効率を検出することを目的とする。テスト分析結果を表35に示し、該製剤の細胞レベルでの送達効率は商用トランスフェクション試薬に相当し、Lipoは動物レベルでの核酸の効率よい送達を実現することができないことを考慮すると、A4-13の核酸送達分野での応用潜在力の優位性は明らかである。
比較例4
この比較例は、LipoでmRNAを包んだ後で得られた複合体と実施例119で得られたmLuA4-12は細胞レベルで媒介した飲み込み効率を比較することを目的とし、テスト結果を表36に示し、LipoとmLuA4-12によって全ての細胞がルシフェラーゼmRNAを飲み込むことに成功したことを示し、Lipoはより高い平均蛍光信号強度を実現し、即ち単一の細胞はより多くのルシフェラーゼmRNAを飲み込む。しかしながら、Lipoは動物レベルでの核酸の効率よい送達を実現することができないことを考慮すると、mA4-12はまたより広い応用範囲を有する。
比較例5
この比較例は、脂質Eを核心脂質として得られたリポソームEと、さらにsiApoBとインキュベートすることで得られたsiEと、実施例29で得られたsiA4-13との細胞レベルで媒介した送達効率を比較することを目的とする。結果を表37に示し、siA4-13は効率よい細胞レベルでの標的遺伝子の抑制を実現することができるが、siEは細胞レベルで標的遺伝子の抑制をほとんど実現できないことを示す。
本明細書の説明では、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、または「いくつかの例」という参考用語などの説明は、該実施例または例を組み合わせて説明する具体的な特徴、構造、材料または特点は本発明の少なくとも1つの実施例または例に含まれる。本明細書では、上記用語例示的な叙述は必ずしも同じ実施例または例を対象とする必要がない。また、説明する具体的な特徴、構造、材料または特点はいずれかまたは複数の実施例または例では適切な方式で結合することができる。なお、互いに衝突しない場合、当業者は本明細書に説明される異なる実施例または例以及び異なる実施例または例の特徴を結合と組み合わせることができる。
本発明の実施例を提示し記述したが、上記実施例は例示的なものであり、本発明を制限するためのものとして理解することができなく、当業者であれば、本発明の範囲で上記実施例について様々な変化、修正、置換および変形が可能であることが理解できる。

Claims (21)

  1. 式(I)に示す化合物または式(I)に示す化合物の立体異性体、互変異性体、溶媒和物、薬学的に許容する塩である化合物であって、
    ただし、
    各XとYはそれぞれ独立して-CH-または-CO-から選ばれ、XとYは同時に-CH-または-CO-ではなく、ただし、各Xは同じまたは異なり、各Yは同じまたは異なり、
    はH、任意に置換されたC-C20アルキル基、任意に置換されたC-C20アルケニル基または任意に置換されたC-C20アルキニル基から選ばれ、RはH、任意に置換されたC-C20アルキル基、任意に置換されたC-C20アルケニル基または任意に置換されたC-C20アルキニル基から選ばれ、ただし、置換基はそれぞれ独立してH、F、Cl、Br、CN、NOから選ばれ、

    または
    から選ばれ、ただし、nは0-10から選ばれた整数であり、Zは
    または
    から選ばれ、
    は任意に置換されたC-C20アルキル基、任意に置換されたC-C20アルケニル基または任意に置換されたC-C20アルキニル基から選ばれ、ただし、置換基はそれぞれ独立してH、F、Cl、Br、CN、NOから選ばれる、化合物。
  2. はH、CH3-、またはRから選ばれ、RはH、またはRから選ばれ、

    または
    から選ばれ、ただし、nは1-5から選ばれた整数であり、Zは
    または
    から選ばれ、
    はC-C20アルキル基、C-C20アルケニル基またはC-C20アルキニル基から選ばれ、ただし、前記C-C20アルケニル基は1-3個の二重結合を含み、前記C-C20アルキニル基は1-3個の三重結合を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  3. はC-C15アルキル基、C-C15アルケニル基から選ばれ、ただし、前記C-C15アルケニル基は1-3個の二重結合を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の化合物。
  4. 、R及びRは同じであり、
    はC10-C15アルキル基、C10-C15アルケニル基から選ばれ、ただし、前記C10-C15アルケニル基は1-3個の二重結合を含む、ことを特徴とする請求項3に記載の化合物。
  5. の中の1つの構造を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の化合物。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物のリポソームにおける調製の使用。
  7. 請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物からなる、ことを特徴とするリポソーム。
  8. 疎水性脂質、両親媒性脂質、緩衝試薬及び有機溶媒から選ばれる少なくとも1つをさらに含み、ここで、前記両親媒性脂質は、中性脂質とPEG-脂質から選ばれる少なくとも1つを含み、前記疎水性脂質はステロールから選ばれ、
    任意選択に、前記中性脂質は、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、ジラウリルホスファチジルコリン、ピロ炭酸ジエチル、ジミリスチルホスファチジルコリン及び卵黄レシチンから選ばれる少なくとも1つを含み、
    任意選択に、前記PEG-脂質は、ビスパルミトイルホスファチジルエタノールアミン-PEG、ビスステアリルホスファチジルエタノールアミン-PEG、ジミリスチルグリセロール及びジメタクリレートから選ばれる少なくとも1つを含み、
    任意選択に、前記ステロールはコレステロールであり、
    任意選択に、前記緩衝試薬は酸性緩衝試薬であり、
    任意選択に、前記緩衝試薬はクエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、トリメチロールアミノメタン-塩酸、リン酸二水素カリウム-水酸化ナトリウム、ホウ酸-ホウ砂、グリシン-塩酸、フタル酸-塩酸、フタル酸水素カリウム及びリン酸二水素ナトリウム-クエン酸から選ばれる少なくとも1つを含み、
    任意選択に、前記有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、トルエンシクロヘキサノン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、プロピレンオキサイド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、ピリジン、フェノール、スチレン、パークロロエチレン、トリクロロエチレン、エチレングリコールエーテル及びトリエタノールアミンから選ばれる少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項7に記載のリポソーム。
  9. 前記リポソームに基づいて、前記化合物の量は20~80%mol/molであり、
    任意選択に、前記化合物、中性脂質、ステロール及びPEG-脂質のモル比は(20~80):(5~50):(10~60):(0.01~20)であり、
    任意選択に、前記リポソームに基づいて、前記緩衝試薬の体積は50~90%v/vであり、
    好ましくは、前記リポソームに基づいて、前記緩衝試薬の体積は75%v/vである、ことを特徴とする請求項8に記載のリポソーム。
  10. 所定の量の請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物と有機溶媒を混合し、前記リポソームを取得するステップを含む、ことを特徴とする請求項7~9のいずれか1項に記載のリポソームの調製方法。
  11. 所定の量の疎水性脂質、両親媒性脂質及び/又は緩衝試薬と請求項10で得られた溶液を混合し、前記リポソームを取得するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 請求項1~2のいずれか1項に記載の化合物または請求項3~9のいずれか1項に記載のリポソームを含む、薬物担体。
  13. 請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物、請求項7~9のいずれか1項に記載のリポソームまたは請求項12に記載の薬物担体の薬物調製における使用。
  14. 担体と薬物活性成分を含み、前記担体は請求項12に記載の薬物担体を含む、薬物組成物。
  15. 前記薬物活性成分は、
    DNA分子、RNA分子、タンパク質、ポリペプチド及び小分子薬物から選ばれる少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項14に記載の薬物組成物。
  16. 前記薬物活性成分に負に帯電する、ことを特徴とする請求項14に記載の薬物組成物。
  17. 前記薬物活性成分は核酸を含む、ことを特徴とする請求項15に記載の薬物組成物。
  18. 前記担体と前記薬物活性成分の質量比は(5~40):1であり、
    好ましくは、前記担体と前記薬物活性成分の質量比は(8~20):1であり、
    好ましくは、前記担体と前記薬物活性成分の質量比は15:1である、ことを特徴とする請求項14に記載の薬物組成物。
  19. 請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物または請求項7~9に記載のリポソームを含む、ことを特徴とするトランスフェクション複合体。
  20. 前記トランスフェクション複合体は少なくとも一種の生理活性剤を含む、ことを特徴とする請求項19に記載のトランスフェクション複合体。
  21. 前記生理活性剤は、
    DNA分子、RNA分子、タンパク質及び薬物から選ばれる少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項20に記載のトランスフェクション複合体。
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