JP2024521650A - 有煙又は口腔混用が可能な喫煙物質及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

本発明は、喫煙物質の総重量に対して１０～４０重量％で含まれるグリセリンと、メチルセルロース及びデキストリンを含むバインダー、及びニコチンを含む、有煙又は口腔混用が可能な喫煙物質とその製造方法に関する。前記喫煙物質は有煙式喫煙と口腔による無煙式喫煙が可能であり、環境の影響なしに容易に喫煙を行うことができる長所がある。

Description

本発明は、有煙又は口腔混用が可能な喫煙物質及びその製造方法に関する。

喫煙物品は燃焼するよりは加熱される新しい形態の喫煙物品が提案されている。このような非燃焼式喫煙物品は、従来の喫煙物品とは異なり、タバコ媒質を燃焼させることなく、タバコ媒質を加熱することによって発生したエアロゾルを吸引して使用される。このような加熱式喫煙物品の類型の一つとして、電気加熱を利用した喫煙物品がある。

一方、喫煙はニコチンを含むエアロゾルを吸入する方式が一般的であるが、ニコチンが含まれた固形物を口の中に留めたり噛んだりして無煙でニコチンを吸収する方式もある。

無煙喫煙製品は口の中で溶して、粘膜を通じて吸収される製品であって、口腔粘膜内のニコチンの吸収に役立つ。無煙タバコの代表的な例としては、ニコチンパッチ、ニコチンガム、ニコチン口腔溶解フィルムなどがある。

ニコチンガムの場合、約１時間にかけてゆっくり噛みながら歯と頬の間にガムを位置させて口腔内粘膜を通じてニコチンを吸収するものである。ニコチンガムは使用時に一度に遊離して出てくる過剰のニコチンが口腔内と喉を刺激することができる。

ニコチンパッチの場合、持続的に体内に一定血中濃度のニコチンを供給するが、長期使用時に皮膚刺激感が発生し得る。

ニコチン口腔溶解フィルム（Ｏｒａｌ Ｄｉｓｓｏｌｖｉｎｇ Ｆｉｌｍ、ＯＤＦ）は、舌の上、口腔粘膜又は舌の下など口腔内に貼り付けて溶かしてニコチンを吸収させる製剤をいう。このような口腔溶解フィルムは徐放性製剤であって、長時間吸収が可能であり、携帯が便利である長所があるが、サイズが小さいので吸収中に飲み込む問題が発生し得る。

但し、従来喫煙物品は、煙が発生する有煙式喫煙又は無煙式喫煙のいずれかの形態に限定された喫煙が可能な形態で提供された。このような場合、有煙式製品を所持しているが、室内で有煙式喫煙が不可能な場合、長時間喫煙物品の使用が制限され、又はユーザの移動によって有煙式喫煙が可能であっても、所持した喫煙物品が無煙式喫煙物品の形態である場合、無煙式喫煙のみが可能な限界が存在した。

特許出願１：大韓民国登録特許第１９９８２８８号

このような理由から、本発明は、上記従来技術上の限界点を克服し、ユーザに選択性及び便宜性を提供できる、有煙喫煙及び無煙喫煙が混用可能な喫煙物質とその製造方法を提供することを目的とする。

しかし、本発明が解決しようとする課題は、以上で言及したものに制限されず、言及されていない別の課題は、以下の記載から該当分野における通常の技術者に明確に理解できるであろう。

本発明は、喫煙物質の総重量に対して１０～４０重量％で含まれるグリセリンと、
メチルセルロース及びデキストリンを含むバインダー、及び
ニコチンを含む、有煙又は口腔混用が可能な喫煙物質を提供する。

本発明の一実施形態では、前記バインダーは、メチルセルロース及びデキストリンを、５：５～７：３の重量比で含むことができる。

本発明の他の実施形態では、前記喫煙物質はパウチで包装されてもよい。

本発明の別の実施形態では、前記パウチは多孔性素材であってもよい。

本発明の別の実施形態では、前記パウチは金属素材でラッピングされてもよい。

本発明の別の実施形態では、前記喫煙物質は顆粒又はビーズからなるシート形態であってもよい。

本発明の別の実施形態では、前記喫煙物質は口腔に挿入されて用いられてもよい。

本発明の別の実施形態では、前記喫煙物質はエアロゾル生成装置に挿入されて用いられてもよい。

本発明の別の実施形態では、前記喫煙物質は多孔性であってもよい。

さらに、本発明は、下記ステップを含む、有煙又は口腔混用が可能な喫煙物質の製造方法を提供するものであって、
メチルセルロース及びデキストリンを含むバインダーに、グリセリン及びニコチンを添加し混合して流動性ゲルを製造するステップ（Ｓ１）と、
前記流動性ゲルを加工して顆粒、ビーズ、又はシートを製造するステップ（Ｓ２）、及び
前記顆粒、ビーズ又はシートをパウチで包装するステップ（Ｓ３）を含む。

併せて、本発明は、本発明による喫煙物質が挿入されるエアロゾル生成装置であって、
前記装置は、
喫煙物質収容部、及び
加熱部を含む、エアロゾル生成装置を提供する。

本発明の他の実施形態として、前記装置は、マウスピース及び上部カバーをさらに含み、前記上部カバーの外周面には穿孔が形成されてもよい。

本発明の喫煙物質は、口腔に挿入されてニコチンが皮膚に吸収される無煙方式の喫煙と、加熱式エアロゾル生成装置に挿入されて移行する有煙方式の喫煙がいずれも可能であることを特徴とする。

ユーザは、喫煙時の環境に応じて、前記喫煙物質を装置に挿入して有煙吸煙することもでき、簡単に口腔内に挿入して無煙喫煙が可能であることから、環境の影響なしに容易に喫煙を行うことができる長所がある。

また、前記喫煙物質の製造方法は、グリセリン、バインダー及びニコチンを含む流動性ゲルを製造した後、顆粒、ビーズ又はシート形態で製造する方式を有するものであり、簡単な方法で製造可能な特徴がある。

本発明の効果は、上記の効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明又は特許請求の範囲に記載された発明の構成から推論可能な全ての効果を含むと理解されるべきである。

本発明の喫煙物質の一例を図式化して示す。 本発明の喫煙物質の製造方法で製造されたシートを示す。 本発明の喫煙物質が包装又はラッピングされた形態を示す。 本発明においてエアロゾル生成装置に挿入される本発明の喫煙物質（パウチ）の一実施例を示す。 本発明のエアロゾル生成装置で形成される気流パスの経路を示す。 本発明のパウチ型喫煙物品と従来加熱式タバコ（Ｐ２）の主流煙平均温度とを比較した結果を示す。

以下、添付図面を参照して実施例を詳細に説明する。しかし、実施例には様々な変更が加えられるので、特許出願の権利範囲がこれらの実施例によって制限又は限定されるものではない。実施例に対する全ての変更、均等物ないし代替物が権利範囲に含まれると理解されるべきである。

実施例で使用した用語は単に説明を目的として使用されたものであり、限定しようとする意図として解釈されるべきではない。単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数、ステップ、動作、構成要素、部品、又はそれらの組み合わせが存在することを指定するものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴や数、ステップ、動作、構成要素、部品、又はそれらの組み合わせの存在又は付加可能性を予め排除するものではないと理解されるべきである。

別途の定義がない限り、技術的又は科学的用語を含めて、ここで使用される全ての用語は、実施例が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されている用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願において明白に定義されていない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されない。

なお、添付図面を参照して説明するにあたって、図面符号にかかわらず同一の構成要素には同一の参照符号を付し、これについての重複する説明は省略する。実施例を説明するにあたって関連する公知技術についての具体的な説明が実施例の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。

本発明で使用する「有煙」という用語は、煙（エアロゾル）が発生することを意味するものであり、すなわち、「有煙式喫煙」は、ユーザの喫煙時に煙が発生する喫煙を意味する。例えば、ユーザがエアロゾル発生装置に喫煙物質（喫煙媒質）を挿入して発生する煙の吸入によって行われる喫煙を意味するものである。

本発明で使用する「無煙」という用語は、煙（エアロゾル）が発生しないことを意味するものであり、すなわち、「無煙式喫煙」は、ユーザの喫煙時に煙が発生しない喫煙を意味する。例えば、口腔に挿入されて口腔内皮膚を通じるニコチン吸収による喫煙を意味するものである。

本発明で使用する「顆粒又はビーズ」という用語は、丸くて小粒状の物質を意味するものであり、粉末よりも平均径が相対的に大きい実質的に球形に近い粒を意味するものである。

本発明で使用する「多孔性（ｐｏｒｏｕｓ）」という用語は、固体が内部又は表面に気孔（隙間）を有する状態を意味する。

本発明は、有煙又は口腔混用が可能な喫煙物質であって、喫煙物質の総重量に対して１０～４０重量％で含まれるグリセリンと、メチルセルロース及びデキストリンを含むバインダー、及びニコチンを含む、有煙又は口腔混用が可能な喫煙物質に関する。本発明の喫煙物質は、上述のように、エアロゾル生成装置に挿入されてエアロゾルが発生する有煙式喫煙と、口腔内に挿入して、無煙式喫煙が可能であることを特徴とする。

本発明の一実施例によって、前記バインダーは、メチルセルロース及びデキストリンを、５：５～７：３の重量比で含むことを特徴とする。好ましくは、５．５：４．５～６．５：３．５の重量比で含まれてもよく、最も好ましくは６：４の重量比で混合されてもよい。

前記バインダーにおいて、デキストリンの含量はメチルセルロースに対して相対的に少量含まれるべきであり、デキストリンの含量がメチルセルロースに比べて過量含まれると、シートにシワが形成されて加工が難しくなる可能性がある。また、バインダー１００重量％に対して前記メチルセルロースが７０重量％以上含まれると、シートの硬度が低くなり、顆粒又はビーズの形態で切刻又は細切りが難しくなる可能性がある。

前記バインダーは、喫煙物質の総重量に対して、３０～７０重量％で含まれてもよい。前記バインダーが３０重量％未満で含まれると、シートを生成するのに十分な結合力を示さないことができ、７０重量％を超えると、シートの硬度が過度に高くなり、シートを切刻又は細切る加工性に影響を及ぼすことができる。

前記バインダーには、メチルセルロース及びデキストリンの他に、カルボキシメチルセルロース、デンプン、キサンタンガム、アラビアガム、グアーガム、ペクチン、ゼラチン、寒天、プルラン、マンニトール、及びキシリトールからなる群より選ばれる１種以上のバインダーが、製造しようとする喫煙物質の物性を考慮してさらに含まれてもよく、前記材料に制限されない。

本発明において前記グリセリンは、喫煙物質の総重量に対して１０～４０重量％で含まれ、より好ましくは１２～４０重量％で含まれてもよい。前記グリセリンが１２重量％未満で含まれると、十分な霧化が発生せず、有煙式喫煙が困難であり、４０重量％を超えると、過剰な霧化が発生する可能性がある。また、前記グリセリンの他に、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、及びテトラエチレングリコールのうち少なくとも１つをさらに含んでもよい。

本発明において前記ニコチンは、喫煙物質の総重量に対して０．１～８重量％で含まれてもよいが、前記ニコチンの含量は、製造しようとする喫煙物質の喫味、風味、打撃感などを考慮して十分に変更が可能である。本発明の喫煙物質は、板状葉タバコ、刻草、再構成タバコなどのタバコ原料に基づく固体物質を実質的に含まなくてもよい。すなわち、前記喫煙物質には、タバコ植物に由来する材料なしで、ニコチンのみが含まれてもよい。

本発明の一実施例によって、前記喫煙物質は、顆粒、ビーズ又はシート形態を有するのが好ましい。例示として、図１のようにシート形態を有していてもよい。本発明の喫煙物質は、グリセリン、バインダー及びニコチンを含む流動性ゲルを加工して顆粒、ビーズ又はシート形態で製造される。

本発明において前記流動性ゲルを顆粒又はビーズ形態で加工する方式には制限がない。前記流動性ゲルの顆粒又はビーズ形態への加工は、流動性ゲルを圧縮して大片に製造した後、これを破砕して顆粒サイズにする乾式顆粒法や噴霧乾燥法によって製造されることもでき、静電荷方式を用いた電気噴霧装置によって製造されることもできる。

別の例として、前記流動性ゲルを任意の基材（ｓｕｂｓｔｒａｔｅ）に０．８ｍｍ以上の厚さで塗布し、乾燥して原板シート（図２左側）を製造し、前記原板シート自体を一定のサイズに細切又は切刻してシート（図２右側）を製造することもできる。

本発明の一実施例として、前記顆粒又はビーズは、平均径が０．５ｍｍ以上の顆粒又はビーズであってもよい。好ましくは、平均径が１ｍｍ以上の顆粒又はビーズであってもよく、より好ましくは、平均径が１ｍｍ～３ｍｍである顆粒又はビーズを含む。前記顆粒又はビーズが０．５ｍｍ未満であると、無煙又は有煙の混用が可能な本発明の喫煙物質とは異なり、粉末が鼻腔又は口腔に吸入され得る。

本発明の一実施例として、図３左側に例示として示すように、前記喫煙物質はパウチで包装されてもよい。前記顆粒、ビーズ又はシート形態の喫煙物質は、パウチ材料によって包まれる、包装形態でユーザに提供できるものであり、前記パウチは多孔性素材を含むことができる。

本発明の一実施例として、前記パウチは３０～７０％の気孔率を有することができる。前記気孔率とは、多孔性素材を構成している基質とその基質内に存在する気孔（ｐｏｒｅ）との容積比を意味する。気孔率が３０％未満であると、多孔性が不足してパウチ内部顆粒又はビーズからニコチンが容易に移行できないことがあり、７０％を超えると、顆粒又はビーズが流出することもある。

また、前記パウチに形成された気孔は、平均径の大きさが３０μｍ以上であることが好ましく、パウチ内部顆粒又はビーズの大きさによって変更され得るが、より好ましくは、３０μｍ～１００μｍの気孔径の大きさを有することができる。前記平均気孔径が３０μｍ未満であると、多孔性が不足してパウチ内部顆粒又はビーズからニコチンが容易に移行できないことがあり、１００μｍを超えると、顆粒又はビーズの物性に影響を及ぼすこともある。

前記パウチはまた、耐熱性及び耐水性を有する素材で製造されることを特徴とする。耐熱性を有し、喫煙物質が加熱式装置に挿入されてもパウチが破損されず、耐水性を有し、口腔内に挿入されても口腔内唾液や弱い咀嚼行為によって破損されない素材を含む。

前記パウチは、多孔性を有する紙、不織布、又は高分子素材のいずれかを含む素材で製造されてもよい。前記パウチは喫煙物質を完全に包んでいるものであり、必要に応じて熱接着、加圧接着、又は超音波接着などによって端部が処理され実質的に密閉されてもよく、前記接着方式には制限がない。

前記パウチを形成する多孔性素材の坪量は１０ｇ／ｍ^２以上であることが好ましい。より好ましくは、１０ｇ／ｍ^２～５０ｇ／ｍ^２の坪量を有する多孔性素材を用いることができる。前記パウチの坪量が１０ｇ／ｍ^２未満であると、パウチの強度が低下する可能性があり、５０ｇ／ｍ^２を超えると、パウチの厚さによってパウチ内部の喫煙物質が円滑に移行することに影響を及ぼす可能性もある。

本発明の一実施例によって、前記喫煙物品は、高さが約１ｍｍ～１０ｍｍであり、上下断面が正方形であり、横及び縦の長さは８～３０ｍｍを有する、直方体形状であってもよい。前記高さが１ｍｍ未満であると、薄い厚さによって飲み込まれる危険性があり、１０ｍｍを超えると、口腔内に位置するのに不便をもたらす可能性がある。また、前記横及び縦の長さも、８ｍｍ未満であると、小さいサイズによって飲み込まれる危険性があり、３０ｍｍを超えると、口腔内に位置するのに不便をもたらす可能性がある。前記高さと横及び縦の長さは、パウチ自体の厚さを含むものであり得る。

但し、これは例示として、前記喫煙物品の断面は、長方形、円形、星形、ハート形、又はその他の多角形などの自由な形態を有することができる。

本発明の一実施例によって、前記喫煙物質は、２００～５００ｍｇの重量を有することができる。より好ましくは、３００～３５０ｍｇの重量範囲を有すると、有煙式喫煙を行う際に１４ｐｕｆｆ以上の霧化発生が可能である。

上述のように、前記喫煙物質は、エアロゾル生成装置に挿入されて「有煙式喫煙」として使用されるか、喫煙物質自体が口腔に挿入されて「無煙式喫煙」として使用されることができ、これはユーザの必要に応じて喫煙方式を選択して使用することができる。

前記エアロゾル生成装置は、外部加熱方式のデバイスであれば制限なく利用可能であり、前記装置は喫煙物質が収容できる空間を提供する喫煙物質収容部、及び加熱部を含むことができる。

前記エアロゾル生成装置の形態の例として、図４に示したが、喫煙物質が挿入できる所定の空間を有する加熱式エアロゾル生成装置であれば制限されないことは明らかであろう。

本明細書において、「エアロゾル生成装置」とは、ユーザの口を通じてユーザの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生させるために喫煙物質を用いてエアロゾルを生成させる装置を意味する。

本発明の一実施形態では、図４を参考にして前記装置は、マウスピースと、前記マウスピースと結合された上部カバーをさらに含むことができる。

本発明の一実施例では、前記上部カバーの外周面には穿孔が形成され得る。前記外部穿孔は、図５に示すように気流パス管からパウチ媒質を介してマウスピースに連結される気流パスと連結されており、前記外部穿孔によって喫煙時に主流煙の熱さを改善し、霧化量を増加させることができる。

本発明の一実施例では、図４を参考にして、前記装置は前記喫煙物質収容部と連結された気流パス管と、前記装置に電力を提供するバッテリ、及び前記喫煙物質収容部と離隔した位置に形成された誘導コイルをさらに含むこともできる。

本発明の一実施例では、前記喫煙物質収容部と誘導コイルは、１．５～３．５ｍｍ離隔して位置することができる。前記誘導コイルが喫煙物質収容部から１．５ｍｍ未満の距離に位置する場合、誘導コイルと喫煙物質が近くてパウチが過熱する可能性があり、３．５ｍｍを超える距離に位置する場合、熱の伝達が円滑でない可能性がある。

前記装置は、上述した構成以外の装置の作動に必要な追加構成をさらに含むことができる。例えば、装置の状態を確認できるディスプレイ、前記バッテリの制御を通じて電力を提供できる制御部を含むことができ、その他にも、前記喫煙物質収容部、バッテリ、気流パス管などの構成品をハウジングすることができる外観ケースと下部カバーをさらに含むことができる。

また、本発明の一実施例では、前記無煙式喫煙は、口腔内に喫煙物質が挿入されて行われるものであり、より具体的には、唇と歯茎との間に喫煙物質を位置させた後、喫煙物質に含まれたニコチンが口腔内皮膚（粘膜）を通じて吸収して行われる。前記ニコチンの吸収が終わったら喫煙物質を口腔内から外に排出することができる。

本発明の一実施例では、前記喫煙物質は、パウチによって包装された後、金属素材でラッピングされたものであり得る。前記パウチが金属素材でラッピングされる場合、エアロゾル発生装置にサセプタなどの追加の加熱素材なしに、金属素材自体が加熱（誘導加熱）されて喫煙移行ができる。もしも、金属素材でラッピングされた喫煙物質を無煙式吸煙しようとするときは、前記金属素材を剥がした後、パウチで包装された喫煙物質を使用することができる。

前記金属素材は、アルミニウム（Ａｌ）、クロム（Ｃｒ）、コバルト（Ｃｏ）、モリブデン（Ｍｏ）、銅（Ｃｕ）、ステンレススチール（ＳＵＳ）及びニッケル（Ｎｉ）からなる群より選ばれる１種以上の金属を含むことができ、前記金属素材は２種以上の金属素材を含む、合金素材であり得る。好ましくは、アルミニウム素材を含むことができる。

前記金属素材は薄いフィルム形態を有することを特徴とし、必要に応じて金属素材がパウチにコーティングされた形態で提供されることもできる。

本発明の別の実施例として、金属素材のラッピングなしにパウチのみで包装された喫煙物質で有煙式喫煙を行う場合には、サセプタが含まれたエアロゾル発生装置を使用して、サセプタを介して喫煙物質を加熱して喫煙が移行できる。

また、本発明は、下記ステップを含む、有煙又は口腔混用が可能な喫煙物質の製造方法を提供するものであって、
メチルセルロース及びデキストリンを含むバインダーに、グリセリン及びニコチンを添加し混合して流動性ゲルを製造するステップ（Ｓ１）と、
前記流動性ゲルを加工して顆粒、ビーズ、又はシートを製造するステップ（Ｓ２）、及び
前記シートをパウチで包装するステップ（Ｓ３）を含む。

本発明の別の実施例として、本発明の製造方法について、各ステップごとにより詳細に説明する。前記製造方法によって製造された喫煙物質は、上述した喫煙物質と実質的に同一のものであり、製造方法についての説明として記載された内容の一部の内容は、喫煙物質を説明した内容に含まれるので、重複記載されずに省略されたものと理解されるべきである。

本発明の一実施例として、本発明のＳ１ステップは、メチルセルロース及びデキストリンを含むバインダーに、グリセリン及びニコチンを添加し混合して流動性ゲルを製造するステップである。前記Ｓ１ステップの成分の容易な混合と流動性ゲル状を有するように、適切な溶媒をさらに追加して行うことができる。前記適切な溶媒の種類は、水、又はエタノールなどであり得る。前記溶媒は流動性ゲルの乾燥過程で蒸発して最終喫煙物質には含まれていないこともある。

本発明の一実施例として、本発明のＳ２ステップは、Ｓ１ステップで製造された流動性ゲルを加工して顆粒又はビーズからなるシートを製造するステップを意味する。前記Ｓ２ステップで流動性ゲルは、上述のように顆粒化方法などによって顆粒又はビーズで加工された後、これをシート形態で固まったり配列したりしてシートとして製造することができ、又は流動性ゲルを基材に塗布した後、乾燥し、これを細切又は切刻したシート自体を使用することもできる。

本発明の一実施例として、本発明のＳ３ステップは、製造されたシートをパウチで包装するステップである。前記シートの包装方式は、喫煙物品又は喫煙素材の製造工程で一般的に活用される包装方式であれば制限されない。

本発明の別の実施形態として、本発明の喫煙物質には、一般的に喫煙製品に含まれる加香物質、その他の添加剤などの成分がさらに追加され得る。

前記加香物質は、香味及び／又は香特性を付与するか、香喫味を増進させることができ、喫煙物品に適用可能なものであれば制限なく適用することができ、例えば、乳酸、クエン酸、リンゴ酸などの有機酸、甘草、ショ糖、果糖シロップ、イソ甘味剤（ｉｓｏｓｗｅｅｔ）、ココア、ラベンダー、シナモン、カルダモム、セロリ、コロハ、カスカリラ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、蜂蜜エッセンス、ローズオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、ミントオイル、桂皮、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモミール、メントール、桂皮、イランイラン、サルビア、スペアミント、生姜、コリアンダー、クローブ抽出物（又は、クローブ物質）及びコーヒーからなる群より選ばれる少なくとも１つ以上を含むことができ、これらに制限されない。

以下では、実施例をより詳細に説明する。しかし、実施例には様々な変更が加えられるので、特許出願の権利範囲はこれらの実施例によって制限又は限定されるものではない。実施例に対する全ての変更、均等物ないし代替物が権利範囲に含まれると理解されるべきである。

１．喫煙物質の製造
下記表１の構成によって、喫煙物質を製造した。

前記メチルセルロース、デキストリン、グリセリン、ニコチン、酒精及び水を混合した後、流動性ゲルを製造した。製造されたゲルを基材に塗布してシートで製造し、シートを切刻して顆粒を製造した。製造された顆粒は不織布パウチで包み、喫煙物質を完成した。完成後、パウチはアルミニウム素材のフィルムでもう一度包んだ。

２．喫煙物質の加熱
製造された喫煙物質を図３に示された構成を有する装置に結合した後、２３００ｍＡｈの電流で３０秒間予熱し、３０秒間１５００ｍＡｈの電流で１次加熱した後、２２０秒間１２００ｍＡｈの電流で加熱を行った。前記装置の動作事項は下記表２の通りである（離隔距離：喫煙物質と誘導コイルとの間の距離）。

３．喫煙物質の煙成分分析
前記本発明の喫煙物質（パウチ媒質）の加熱によって移行した煙成分の特性を確認し、従来加熱式タバコ（Ｐ２）と比較した結果を下記表３に示した。

※喫煙条件：パウチ媒質（５５ｍｌ、２ｓｅｃ、３０ｓｅｃ、８ｐｕｆｆ）、Ｐ２（５５ｍｌ、３ｓｅｃ、３０ｓｅｃ、９ｐｕｆｆ）

その結果、Ｐ２に対して本発明の喫煙物質で水分移行量が低く、グリセリンの移行量が約２倍高いことを確認した。さらに、Ｐ２に対してニコチン移行量は類似レベルで示された。

さらに、Ｐ２に対して霧化量が多く、霧化持続性が良く、フィルターのない製品にもかかわらず、刺激性がほとんどないことが確認された。また、デキストリンの影響で淡いカラメル香が確認された。

前記Ｐ２と本発明の喫煙物質の主流煙温度とを比較した結果を図６に示した。図６から確認できるように、主流煙の温度はＰ２（６５℃）に対して最高温度平均約２５℃低いことが確認され、上部カバーに形成された穿孔によって主流煙の温度を効率的に下げることができることを確認した（４回繰り返し平均温度基準）。

以上のように、実施例は限られた図面によって説明されたが、該当技術分野における通常の知識を有する者であれば、上記に基づいて様々な技術的修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順序で実行され、及び／又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態で結合又は組み合わせられる、又は他の構成要素又は均等物によって代替又は置換されても適切な結果を達成することができる。

したがって、他の実施形態、他の実施例及び特許請求の範囲と均等なものも、後述する特許請求の範囲に属する。

１００：喫煙物質

本発明の喫煙物質は、口腔に挿入されてニコチンが皮膚に吸収される無煙方式の喫煙と、加熱式エアロゾル生成装置に挿入されて移行する有煙方式の喫煙がいずれも可能であることを特徴とするものであって、環境の影響なしに容易に喫煙を行うことができる長所があることから、喫煙製品産業分野において有用に用いられる。

Claims (14)

1. 喫煙物質の総重量に対して１０～４０重量％で含まれるグリセリンと、
   メチルセルロース及びデキストリンを含むバインダー、及び
   ニコチンを含む、有煙又は口腔混用が可能な喫煙物質。
2. 前記バインダーはメチルセルロース及びデキストリンを５：５～７：３の重量比で含む、
   請求項１に記載の有煙又は口腔混用が可能な喫煙物質。
3. 前記喫煙物質はパウチで包装された、
   請求項１に記載の有煙又は口腔混用が可能な喫煙物質。
4. 前記パウチは多孔性素材である、
   請求項３に記載の有煙又は口腔混用が可能な喫煙物質。
5. 前記パウチは金属素材でラッピングされる、
   請求項３に記載の有煙又は口腔混用が可能な喫煙物質。
6. 前記喫煙物質は、ビーズ、顆粒、又はシート形態である、
   請求項１から３のいずれか一項に記載の有煙又は口腔混用が可能な喫煙物質。
7. 前記喫煙物質は口腔に挿入されて用いられる、
   請求項１から３のいずれか一項に記載の有煙又は口腔混用が可能な喫煙物質。
8. 前記喫煙物質はエアロゾル生成装置に挿入されて用いられる、
   請求項１から３のいずれか一項に記載の有煙又は口腔混用が可能な喫煙物質。
9. 下記ステップを含む、有煙又は口腔混用が可能な喫煙物質の製造方法であって、
   メチルセルロース及びデキストリンを含むバインダーに、グリセリン及びニコチンを添加して流動性ゲルを製造するステップ（Ｓ１）と、
   前記流動性ゲルを加工して顆粒、ビーズ、又はシートを製造するステップ（Ｓ２）、及び
   前記顆粒、ビーズ、又はシートをパウチに入れて包装するステップ（Ｓ３）を含む有煙又は口腔混用が可能な喫煙物質の製造方法。
10. 前記バインダーはメチルセルロース及びデキストリンを５：５～７：３の重量比で含む、
    請求項９に記載の有煙又は口腔混用が可能な喫煙物質の製造方法。
11. 前記パウチは多孔性素材である、
    請求項９に記載の有煙又は口腔混用が可能な喫煙物質の製造方法。
12. 前記パウチは金属素材でラッピングされた、
    請求項９に記載の有煙又は口腔混用が可能な喫煙物質の製造方法。
13. 請求項１の喫煙物質が挿入されるエアロゾル生成装置であって、
    前記装置は、
    喫煙物質収容部、及び
    加熱部を含む、エアロゾル生成装置。
14. 前記装置は、マウスピース及び上部カバーをさらに含み、
    前記上部カバーの外周面には穿孔が形成された、請求項１３に記載のエアロゾル生成装置。

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