JP2024521471A - 特異的な感染性因子に対してt細胞免疫を有する個人を特定する方法 - Google Patents

特異的な感染性因子に対してt細胞免疫を有する個人を特定する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】SARS CoV-2ウイルスなどの細菌又はウイルス病原体に以前に感染したか又はそのワクチン接種を受けた個人を迅速に特定するための方法、デバイス及びキット。【解決方法】SARS CoV-2特異的メモリーT細胞などの病原体特異的メモリーT細胞は、検出された場合、過去の感染の指標を提供する。メモリーT細胞は、特異的な細菌及び/又はウイルス抗原への曝露によってアッセイされ、その後、ヌクレオチド含有量の分析によって活性化について検査される。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、参照によって本明細書中に援用される2021年6月16日に出願された米国仮特許出願第63/211,398号の利益を主張する。
配列表
[0002] 「配列表」は、2022年6月14日に作成された「0418961281SEQ.txt」(9,816バイト)という名前のテキストファイルの形態で本出願と共に提出されており、その内容は、参照によってその全体が本明細書中に援用される。
技術分野
[0003] 本明細書に記載される主題は、SARS CoV-2ウイルスなどの細菌及び/又はウイルス病原体に以前に感染した個人を迅速に特定することができる方法に関する。本明細書で提供される方法は、病原体特異的抗体の存在ではなく、過去の感染の指標として抗原特異的メモリーT細胞を検出する。
背景
[0004] メモリーT細胞は感染性病原体に対する免疫応答の重要な部分であり、細菌及びウイルス感染から個人を防御するのにいくつかの役割を果たす。メモリーT細胞は、骨髄、胸腺組織及び血液などの特定の組織及び体液において見出され、その表面に抗体様受容体を含有する。メモリーT細胞表面受容体がタンパク質又はペプチドベースの抗原などの病原性抗原と接触すると、細胞は「活性化」され、免疫エフェクタータンパク質を排出し、複製を開始する。
[0005] メモリーT細胞のそれぞれの独特の亜集団は、独特の外来抗原に特異的である異なる抗体様表面受容体を含有する。メモリーT細胞がその対応する抗原に遭遇すると、抗原は、抗原特異的細胞表面受容体により結合される。抗原-受容体が結合すると、メモリーT細胞は形質転換を受け、サイトカインなどの免疫エフェクタータンパク質の排出を開始し、急速な細胞分裂を始める。この形質転換は、特異的な外来抗原を発現する細胞を殺すようにプライミングされたメモリーT細胞の集団を拡大するのに役立つ。
[0006] 抗原の検出及び結合に応答したメモリーT細胞の形質転換の重要な態様は、サイトカインなどのエフェクタータンパク質の発現のためのmRNAと、全ゲノムの複製を必要とする細胞分裂のためのmRNAとの産生である。細胞の生理学的状態におけるこの急速且つ広範な変化は、活性化メモリーT細胞中に存在する核酸含有量の増大を特定することに関する特定の検出方法に対して修正可能である。
[0007] 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS CoV-2)は、呼吸器疾患であるコロナウイルス疾患2019(COVID-19)を引き起こすウイルス株である。口語ではコロナウイルスとして知られており、以前はその暫定名により2019新型コロナウイルス(2019-nCoV)と呼ばれていた。SARS CoV-2は、ポジティブセンス一本鎖RNAウイルスである。これはヒトに伝染し、世界保健機関は、2019年のCOVID-19パンデミックを国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態に指定した。
[0008] 他の既知のコロナウイルスと同様に、SARS CoV-2は、3種の外側構造タンパク質、すなわち膜(M)、エンベロープ(E)及びスパイク(S)タンパク質を含有するエンベロープウイルスである。ヌクレオカプシド(N)タンパク質はウイルスRNAゲノムと一緒に、恐らく、ウイルスエンベロープ内に位置するらせんコアを形成する。SARS CoV-2ヌクレオカプシド(N)タンパク質は423個のアミノ酸であり、コロナウイルスファミリーの他のメンバーとの相同性がほとんどない46kDaのリンタンパク質と予測される。SARS CoV-2は、中和抗体の主要標的であるそのスパイク糖タンパク質(S)を使用して、その受容体と結合し、膜融合及びウイルス侵入を媒介する。三量体Sタンパク質の各モノマーは約180kDaであり、付着及び膜融合をそれぞれ媒介する2つのサブユニットS1及びS2を含有する。
[0009] SARS CoV-2ウイルスなどの特定の対象病原体に特異的な表面受容体を発現するメモリーT細胞を特異的に且つ高感度で特定する方法、デバイス及びキットが必要とされている。このようなメモリーT細胞の特定は、対象病原体に対して個人が過去の曝露(自然曝露又はワクチン接種による)及び/又は感染を経験しているかどうかに関する貴重な情報を提供する。例えば、SARS CoV-2ウイルスなどの特定の細菌及びウイルスへの曝露、それによる感染及び/又はそれに対するワクチン接種は、特定の病原体に特異的なメモリーT細胞を生成し得る。
[0010] 関連技術の上記の例及びそれに関連する制限は例示的なものであり、排他的ではないことが意図される。関連技術の他の制限は、本明細書を読み、図面を検討すれば、当業者には明らかになるであろう。
簡単な概要
[0011] 以下に記載及び説明される以下の態様及びその実施形態は、例示的及び説明的であることが意図され、範囲を限定するものではない。
[0012] 本明細書で開示される技術は、SARS CoV-2ウイルス抗原などの特異的な細菌及び/又はウイルス病原性抗原に曝露された後に活性化されるメモリーT細胞を検出するための方法、デバイス及びキットに関する。本技術は、対象からのメモリーT細胞を、SARS CoV-2ウイルス抗原などの特異的な細菌及び/又はウイルス抗原に曝露する。曝露されたメモリーT細胞は次にヌクレオチド含有量についてアッセイされ、不活性な対応物と比較したときに、RNA及び/又はDNA含有量の増大などのヌクレオチド含有量の増大は、活性化されたメモリーT細胞を示す。蛍光色素を含むRNA及び/又はDNA色素などの、総ヌクレオチド量を検出する試薬による細胞の分析によって、技術者は、メモリーT細胞がヌクレオチド含有量の増大を有するかどうかを確認できるようになり、これは、細胞がその特異的な病原性抗原に遭遇したことを示す。
[0013] 一態様では、本明細書に記載される技術は、対象からのサンプル中の感染性因子特異的T細胞の有無を決定する方法を提供する。別の態様では、感染性因子に対する対象の過去の曝露又はワクチン接種を確認する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法は、対象からのメモリーT細胞を含む生体サンプルを、感染性因子に特異的な1つ又は複数のペプチド抗原に曝露することを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、曝露されたメモリーT細胞と、RNA、DNA、又は両方に関連する指示化合物とを接触させることを含む。いくつかの態様では、本方法はさらに、メモリーT細胞を指示化合物について分析することを含む。
[0014] 一態様では、本明細書に記載される技術は、対象からのサンプル中のSARS CoV-2特異的T細胞を特定する方法を提供する。別の態様では、SARS CoV-2ウイルスに対する対象の過去の曝露又はワクチン接種を確認する方法が提供される。
[0015] いくつかの実施形態では、本方法は、対象からのメモリーT細胞を含む生体サンプルを、SARS CoV-2に特異的な1つ又は複数のペプチド抗原に曝露することを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、曝露されたメモリーT細胞と、RNA、DNA、又は両方に関連する指示化合物とを接触させることを含む。いくつかの態様では、本方法はさらに、メモリーT細胞を指示化合物について分析することを含む。
[0016] いくつかの実施形態では、メモリーT細胞はSARS CoV-2に特異的なペプチドに曝露され、同時に、指示化合物と接触される。いくつかの実施形態では、メモリーT細胞はSARS CoV-2に特異的なペプチドに曝露され、引き続いて、指示化合物と接触される。
[0017] いくつかの態様では、生体サンプルは、血液サンプル及び/又は血液サンプルの画分である。いくつかの実施形態では、血液サンプルの画分は、バフィーコート画分又は末梢血単核細胞(PBMC)又はバフィーコート画分及びPBMCの混合物である。
[0018] いくつかの態様では、SARS CoV-2に特異的な1つ又は複数のペプチド抗原への生体サンプルの曝露は、1つ又は複数のペプチド抗原、指示化合物並びに緩衝液、細胞のエネルギー源、及び平衡塩類溶液の1つ又は複数を含む溶液への曝露を含み、それにより前記曝露と同時に、T細胞は指示化合物と接触される。
[0019] いくつかの態様では、本方法はさらに、メモリーT細胞を含む第2の生体サンプルを、(i)SARS CoV-2に特異的な1つ又は複数のペプチド抗原を欠いており、且つ(ii)RNA、DNA、又は両方に関連する対照指示化合物を含む対照試薬に曝露し、それにより対照サンプルを生成することを含む。いくつかの実施形態では、第2の生体サンプルは対象からのものであり、生体サンプルは同じ対象からのものであるか、又は第2の生体サンプルは生体サンプルの一部である。いくつかの実施形態では、指示化合物及び対照指示化合物は同じである。他の実施形態では、分析は、生体サンプル中のメモリーT細胞と関連した指示化合物のシグナルを測定することと、対照サンプル中のメモリーT細胞と関連した対照指示化合物のシグナルを測定することとを含む。いくつかの実施形態では、分析は、生体サンプル中のRNAと関連した指示化合物のシグナルを測定することと、第2の生体サンプル中のRNAと関連した対照指示化合物のシグナルを測定することとを含む。他の実施形態では、分析は、RNAと関連した指示化合物のシグナルに基づいてRNAシグナルを測定することと、DNAと関連した指示化合物のシグナルに基づいてDNAシグナルを測定することと、RNAシグナル対DNAシグナルの比率又はDNAシグナル対RNAシグナルの比率を決定することとを含む。いくつかの実施形態では、指示化合物は、RNAを選択的に染色する蛍光色素である。
[0020] 別の実施形態では、曝露されたメモリーT細胞は、RNA又はDNAを選択的に染色する第1の指示化合物、並びにRNA及びDNAを非特異的に染色する第2の指示化合物と接触される。
[0021] 別の態様では、指示化合物は、約330~360nmの間の励起と、約500~600nmの間よりも大きい発光とを有する。
[0022] いくつかの態様では、メモリーT細胞は、CD4+及び/又はCD8+T細胞である。
[0023] いくつかの態様では、先行するいずれかの請求項の方法はさらに、生体サンプルを一定期間、例えば、約10~60分間又は約10~30分間インキュベートすることを含む。いくつかの実施形態では、インキュベートは、サンプルがペプチド抗原に曝露され、指示薬と接触された後であるが、分析の前に実施される。いくつかの実施形態では、サンプルは、約25~40℃の間の温度でインキュベートされる。
[0024] 別の態様では、SARS CoV-2に特異的な1つ又は複数のペプチド抗原は、2~20個の間のSARS CoV-2に特異的なペプチド抗原、又は3~15個の間のSARS CoV-2に特異的なペプチド抗原を含む。いくつかの実施形態では、SARS CoV-2に特異的な1つ又は複数のペプチド抗原は、配列番号1~配列番号12で特定されるペプチドのうちの1つ又は複数を含む。いくつかの実施形態では、曝露ステップはさらに、生体サンプルを、SARS CoV-2に非特異的な1つ又は複数のペプチド抗原に曝露することを含む。
[0025] 別の態様では、本明細書で提供される方法は、感染性病原体への対象の過去の曝露を確認する。いくつかの実施形態では、本方法は、対象からのメモリーT細胞を含む生体サンプルを、感染性病原体に特異的な1つ又は複数のペプチド抗原に曝露することを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、曝露されたメモリーT細胞と、RNA、DNA、又は両方に関連する指示化合物とを接触させることを含む。いくつかの態様では、本方法はさらに、メモリーT細胞を指示化合物について分析することを含む。
[0026] いくつかの実施形態では、メモリーT細胞は感染性病原体に特異的なペプチドに曝露され、同時に、指示化合物と接触される。いくつかの実施形態では、メモリーT細胞は感染性病原体に特異的なペプチドに曝露され、引き続いて、指示化合物と接触される。
[0027] いくつかの実施形態では、感染性因子又は感染性病原体は、呼吸器合胞体ウイルス又はヒトコロナウイルスなどのウイルス病原体である。他の実施形態では、病原体は、ライム病のボレリア病原体などの細菌病原体である。
[0028] 上記の例示的な態様及び実施形態に加えて、さらなる態様及び実施形態は、図面を参照し、以下の説明を検討することによって明らかになるであろう。
[0029] 本方法などの追加の実施形態は、以下の説明、図面、実施例、及び特許請求の範囲から明らかであろう。上記及び以下の説明から認識され得るように、本明細書に記載されるあらゆる特徴、及びこのような特徴の2つ以上のあらゆる組合せは、このような組合せに含まれる特徴が相互に矛盾しないことを条件として、本開示の範囲内に含まれる。加えて、任意の特徴又は特徴の組合せは、本開示の任意の実施形態から特に除外されてもよい。本開示の追加の態様及び利点は、特に添付の実施例及び図面と共に考慮すると、以下の説明及び特許請求の範囲に明記される。
詳細な説明
I.定義
[0030] 種々の態様は、これから以下においてより詳細に説明される。しかしながら、このような態様は多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に明記される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく;むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的且つ完全であり、当業者にその範囲を十分に伝えるように提供される。
[0031] 値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間に介在する各値、及びその記載された範囲内の任意の他の記載されるか又は介在する値は、本開示の範囲内に包含されることが意図される。例えば、1μm~8μmの範囲が記載される場合、1μmよりも大きいか又はそれに等しい値の範囲、及び8μmよりも小さいか又はそれに等しい値の範囲と同様に、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、及び7μmも明らかに開示されることが意図される。
[0032] 単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が他に明白に指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「ポリマー」への言及は、単一のポリマー及び2つ以上の同じ又は異なるポリマーを含み、「賦形剤」への言及は、単一の賦形剤及び2つ以上の同じ又は異なる賦形剤を含む、などである。
[0033] 数値の直前にある場合の「約(about)」という語は、本開示の文脈が他に示さない限り又はこのような解釈と矛盾しない限り、その値のプラス又はマイナス10%の範囲を意味し、例えば、「約50」は45~55を意味し、「約25,000」は22,500~27,500を意味する、などである。例えば、「約49、約50、約55」などの数値のリストにおいて、「約50」は、先行値と後続値の間の間隔の半分未満までに及ぶ範囲、例えば、49.5よりも大きく52.5よりも小さい範囲を意味する。さらに、「約ある値よりも小さい」又は「約ある値よりも大きい」という語句は、本明細書で提供される「約」という用語の定義を考慮して理解されるべきである。
[0034] 「約」という用語は、特に所与の量に関して、プラス又はマイナス5パーセントの偏差を包含することを意味する。
[0035] 本開示の組成物は、開示される成分を含むか、開示される成分から本質的になるか、又は開示される成分からなることができる。
[0036] 全ての割合、部及び比率は局所組成物の全重量に基づいており、他に規定されない限り、全ての測定は約25℃で行われる。
[0037] 「サンプル」は、特定の対象メモリーT細胞の存在について検査される任意の材料である。好ましくは、サンプルは流体サンプル、好ましくは液体サンプルである。検査デバイスを用いて検査され得る液体サンプルの例としては、血液、血清、血漿、唾液、尿、眼液、精液、痰、鼻汁及び脊髄液を含む体液が挙げられる。例えば、開示されるデバイスで検査するためのサンプルは静脈血源からの液体血清又は血漿を含むことができ、血清又は血漿は、遠心分離によって全血から分離されたものである。他の場合には、サンプルは、血液-血漿分離器によって全血から分離された、指穿刺からの液体血漿であり得る。他のサンプル例としては、側方流動デバイスによって全血から分離された指穿刺からの液体血漿が挙げられる。いくつかの実施形態では、サンプルは、全血の遠心分離時に赤血球と血漿との間に形成されるバンドを含む。場合によっては、「バフィーコート」としても知られているこのバンドは、全血からのリンパ球を含み、メモリーT細胞の特定の集団の存在について分析するためのサンプルとして使用することができる。
[0038] 「ペプチド抗原」は、メモリーT細胞の特定の集団の細胞表面に存在する特異的な受容体に結合するタンパク質又はペプチドを指す。本開示に関連するペプチド配列は、細菌又はウイルス病原体などの任意の対象病原体からの抗原ペプチド又はタンパク質を含み得る。特定の実施形態では、ペプチド抗原は、表1に提供されるSARS CoV-2ペプチド抗原を含む。例えば、ペプチド抗原は、SARS CoV-2タンパク質、ペプチド、例えば、SARS CoV-2の膜(M)、エンベロープ(E)、スパイク(S、S1及びS2サブユニットを含む)、及びヌクレオカプシド(N)タンパク質を含む。ヌクレオカプシド(N)タンパク質はウイルスRNAゲノムと一緒に、恐らく、ウイルスエンベロープ内に位置するらせんコアを形成する。SARS CoV-2ヌクレオカプシド(N)タンパク質は423個のアミノ酸であり、コロナウイルスファミリーの他のメンバーとの相同性がほとんどない46kDaのリンタンパク質と予測される。SARS CoV-2は、中和抗体の主要標的であるそのスパイク糖タンパク質(S)を使用して、その受容体と結合し、膜融合及びウイルス侵入を媒介する。三量体Sタンパク質の各モノマーは約180kDaであり、付着及び膜融合をそれぞれ媒介する2つのサブユニットS1及びS2を含有する。
[0039] いくつかの実施形態では、SARS CoV-2ペプチド抗原は、全長Nタンパク質、及び全長Nタンパク質の特異的エピトープを含む。タンパク質及びペプチドは、それぞれのペプチドによって表される配列及び/又は免疫原性分析に基づいて、反応パートナーとして選択され得る。全長Nタンパク質を約5~150、7~130、8~110、10~100、10~90、10~80、10~70、10~75、10~60、又は10~50のアミノ酸残基のセグメントに分割することに基づいたSARS CoV-2 Nタンパク質エピトープマップによって表されるペプチドは、本方法で使用するためのペプチド抗原を提供する。ペプチド抗原の他の例としては、全長SARS CoV-2 Sタンパク質、それぞれのペプチドによって表される配列及び/又は免疫原性分析に基づく全長SARS CoV-2 Sタンパク質の少なくとも1つの特異的エピトープが挙げられる。全長Sタンパク質を約5~150、7~130、8~110、10~100、10~90、10~80、10~70、10~75、10~60、又は10~50のアミノ酸残基のセグメントに分割することに基づいたSARS CoV-2 Sタンパク質エピトープマップによって表されるペプチドは、本方法で使用するためのペプチド抗原を提供する。
[0040] SARS CoV-2ペプチド抗原タンパク質に関連する特定のペプチド抗原は、表1に提示される。これらのペプチドは、SARS CoV-2に特異的なヒトメモリーT細胞表面受容体に対する抗原及び/又はエピトープを含む可能性があり、したがって、このようなメモリーT細胞を特定するための本明細書に記載される方法、デバイス及びキットの構成要素として使用することができる。
[0041] 「指示化合物」は、サンプル中のヌクレオチドのレベルを示す物質を指す。例えば、指示化合物は、RNA、DNA又は両方を標識する色素を含む。場合によっては、指示化合物は、赤血球により遮断又は吸収されない励起波長及び発光波長を示す蛍光ヌクレオチド色素を含む。
[0042] ある範囲に従って又は同様の任意の方法で特許請求され得る、グループ内の任意の部分範囲又は部分範囲の組合せを含む、任意のこのようなグループの任意の個々のメンバーを但し書きで排除する(proviso out)か又は除外する(exclude)権利を留保することにより、何らかの理由で本開示の完全な尺度に満たないものを特許請求することができる。さらに、特許請求されるグループの任意の個々の置換基、類似体、化合物、リガンド、構造、又はそれらのグループ、又は任意のメンバーを但し書きで排除するか又は除外する権利を留保することにより、何らかの理由で本開示の完全な尺度に満たないものを特許請求することができる。
[0043] 本開示全体を通して、種々の特許、特許出願及び刊行物が参照される。これらの特許、特許出願及び刊行物の開示は、本開示の日付の時点で当業者に知られている技術の状態をより詳細に説明するために、参照によってその全体が本開示に援用される。引用された特許、特許出願及び刊行物と本開示との間に何か矛盾がある場合には、本開示が適用されることになる。
[0044] 便宜上、本明細書、実施例及び特許請求の範囲で使用される特定の用語は、ここに集められる。他に定義されない限り、本開示で使用される全ての技術及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
II.方法
[0045] 第1の実施形態では、感染性病原体への対象の過去の曝露を確認する方法が提供される。病原体への対象の過去の曝露は、自然曝露によって、又は前記病原体に対するワクチン接種によって起こり得る。いくつかの実施形態では、病原体は、合胞体ウイルス又はヒトコロナウイルスなどのウイルスであり得る。いくつかの実施形態では、病原体はSARS CoV-2ウイルスである。他の実施形態では、病原体は、ライム病のボレリア病原体などの細菌病原体である。
[0046] いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、対象からの血液などのサンプルを得ることを含む。例えば、血液は、指穿刺又は静脈穿刺によって対象から採取され得る。いくつかの実施形態では、採取される血液の量は、その中に含まれるメモリーT細胞の分析のために十分な量である。例えば、特定の実施形態の血液サンプルは、少なくとも約1.0mL~約10mLの液体全血を含み得る。例えば、特定の実施形態の血液サンプルは、約1.0mL、約2.0mL、約3.0mL、約4.0mL、約5.0mL、約6.0mL、約7.0mL、約8.0mL、約9.0mL、又は約10.0mLの全血を含み得る。いくつかの実施形態では、血液は、抗凝血剤としてヘパリンを含むチューブを含む、適切な貯蔵成分、緩衝液及び保存剤を含む容器に収集される。
[0047] いくつかの実施形態では、血液サンプルは、全血を血漿、赤血球(RBC)及びリンパ球を含む別々の層に分離するために遠心分離される。いくつかの実施形態では、メモリーT細胞は、遠心分離の際に血漿とRBCとの間に形成されるバンド中に存在する。このバンドは全血サンプルからのメモリーT細胞などのリンパ球を含み、「バフィーコート」として知られている。
[0048] いくつかの実施形態では、全血サンプルを遠心分離して血漿、RBC及びバフィーコート層を分離した後、メモリーT細胞などのリンパ球を含む約30μL~約100μLのバフィーコート層が除去される。例えば、特定の実施形態は、約30μL、約40μL、約50μL、約60μL、約70μL、約80μL、約90μL、又は約100μLのバフィーコート層の除去を含み得る。
[0049] いくつかの実施形態では、除去したバフィーコート層の約半分は、96又は384ウェルプレートなどのマルチウェルプレートの第1のウェルに添加される。例えば、特定の実施形態は、約15μL、約20μL、約25μL、約30μL、約35μL、約40μL、約45μL、又は約50μLのバフィーコート層をマルチウェルプレートの第1のウェルに添加することを含み得る。いくつかの態様では、マルチウェルプレートの第1のウェルに添加されるバフィーコートサンプル量は、検査サンプルを構成する。
[0050] いくつかの実施形態では、バフィーコート層の残りの半分は、96又は384ウェルプレートなどのマルチウェルプレートの第2のウェルに添加される。例えば、特定の実施形態は、約15μL、約20μL、約25μL、約30μL、約35μL、約40μL、約45μL、又は約50μLのバフィーコート層をマルチウェルプレートの第2のウェルに添加することを含み得る。いくつかの態様では、マルチウェルプレートの第2のウェルに添加されるバフィーコートサンプル量は、対照サンプルを構成する。
[0051] いくつかの実施形態では、適切な量の検査ウェル溶液がマルチウェルプレートの第1のウェル内の検査サンプルに添加される。いくつかの実施形態では、検査ウェル溶液は、対象メモリーT細胞、すなわち対象ペプチド抗原に結合することができる表面受容体を発現するメモリーT細胞上に存在する表面受容体に対応するSARS CoV-2ペプチド抗原などの特異的なペプチド抗原を含む。いくつかの実施形態では、特異的な対象ペプチド抗原を含む検査ウェル溶液は、平衡塩類溶液、緩衝液、及びグルコースなどのエネルギー源も含む。
[0052] いくつかの実施形態では、検査ウェル溶液は、ヌクレオチド色素、すなわち蛍光RNA及び/又はDNA色素などの、所定の濃度の指示化合物も含む。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド色素は、検査サンプル溶液と同時に添加される。他の実施形態では、ヌクレオチド色素は、検査ウェル溶液の添加の前又は後に、順次添加される。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド色素は、細胞機能に影響を与えることなく、細胞膜及び核膜の透過を提供し、DNA、RNA、又はDNA及びRNAの両分子の全てに結合する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド色素は、RBCにより吸収及び/又は遮断されない励起波長及び発光波長を有する蛍光色素を含む。例えば、約330~360nmの間の励起と、約500~600nmの間よりも大きい発光とを有する。
[0053] いくつかの実施形態では、約50μL~約150μLの検査ウェル溶液が、マルチウェルプレートの第1のウェル内の検査サンプルに添加される。例えば、いくつかの実施形態では、約50μL、約60μL、約70μL、約80μL、約90μL、約100μL、約110μL、約120μL、約130μL、約140μL、又は約150μLの検査ウェル溶液が、マルチウェルプレートの第1のウェル内の検査サンプルに添加される。
[0054] いくつかの実施形態では、適切な量の対照ウェル溶液は、マルチウェルプレートの第2のウェル内の対照サンプルに添加される。いくつかの実施形態では、対照ウェル溶液は、SARS CoV-2ペプチド抗原などの特異的なペプチド抗原を欠いていることを除いて、検査ウェル溶液と同じ成分の全てを含む。例えば、いくつかの実施形態では、対照ウェル溶液は、平衡塩類溶液、緩衝液、及びグルコースなどのエネルギー源を含む。
[0055] いくつかの実施形態では、対照ウェル溶液は、ヌクレオチド色素、すなわち蛍光RNA及び/又はDNA色素などの、所定の濃度の指示化合物も含む。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド色素は、対照サンプル溶液と同時に添加される。他の実施形態では、ヌクレオチド色素は、対照ウェル溶液の添加の前又は後に、順次添加される。
[0056] いくつかの実施形態では、約50μL~約150μLの対照ウェル溶液が、マルチウェルプレートの第2のウェル内の対照サンプルに添加される。例えば、いくつかの実施形態では、約50μL、約60μL、約70μL、約80μL、約90μL、約100μL、約110μL、約120μL、約130μL、約140μL、又は約150μLの対照ウェル溶液が、マルチウェルプレートの第2のウェル内の対照サンプルに添加される。
[0057] いくつかの実施形態では、バフィーコートを含む検査サンプル及び対照サンプル、並びに追加の検査サンプル及び対照サンプル溶液は、約25℃~約40℃の温度で約10分間~約60分間インキュベートされる。例えば、いくつかの実施形態では、検査サンプル及び対照サンプルは、約25℃、約30℃、約35℃、又は約40℃の温度で約10分間、約20分間、約30分間、約40分間又は約50分間インキュベートされる。いくつかの実施形態では、検査サンプル及び対照サンプルは、約37℃で約30分間インキュベートされる。いくつかの実施形態では、検査サンプル及び対照サンプルは、検査結果を読み取る前に、約37℃でより長い期間、例えば、約2時間、約4時間、約6時間、約12時間、約18時間又は約24時間インキュベートされ得る。
[0058] いくつかの実施形態では、インキュベーションの後、検査サンプルを含む第1のウェル及び対照サンプルを含む第2のウェルは、各ウェル内に存在する標識されたヌクレオチドの総量を確認するために分析される。いくつかの実施形態では、分析は目視検査を含み得る。他の実施形態では、分析は、プレートリーダーによる分析を含み得る。他の実施形態では、分析は、蛍光光度計による検査ウェル及び対照ウェルの走査などの蛍光分析を含み得る。他の実施形態では、分析は、限定はされないが、反射率又は透過率分光法を含む吸光分光法(紫外、可視、又は赤外)、又は蛍光及びルミネセンス分光法を含む発光分光法、ラマン分光法、並びに任意のタイプの放射線散乱などの電磁放射を用いた検査サンプル及び対照サンプルの分光分析を含み得る。
[0059] 一実施形態では、指示化合物は、約300~400nmの間、又は約320~380nmの間、又は330~360nmの間の励起と、約600nmよりも大きい、又は600nmよりも大きく且つ約1000nmよりも小さい発光とを有する蛍光色素などの蛍光化合物である。
[0060] いくつかの実施形態では、検査サンプル及び対照サンプルの分析が完了した後、各サンプル中に存在するヌクレオチドの量が比較される。検査サンプルがより高いヌクレオチド発現を示す場合、これは、検査サンプル、すなわちバフィーコートサンプルが、検査ウェル溶液中に存在したSARS CoV-2ペプチド抗原などのペプチド抗原に特異的な表面受容体を発現するメモリーT細胞を含むことを示す。具体的には、バフィーコートサンプルからのメモリーT細胞上に存在する表面受容体は、検査ウェル溶液中のペプチド抗原と相互作用をして、メモリーT細胞の形質転換を引き起こし、これは、免疫エフェクタータンパク質の発現の増大と、急速な細胞分裂のための全ゲノムの複製とのためのRNA及び/又はDNA発現の増大を特徴とする。
[0061] したがって、検査サンプルが対照サンプルと比較して増大したRNA及び/又はDNA発現を表す場合、これは、そのサンプルが、検査ウェル溶液中に存在するSARS CoV-2ペプチド抗原などのペプチド抗原に関連するSARS CoV-2ウイルスなどの病原体による以前の曝露、ワクチン接種、及び/又は感染を経験したことのある個人からのものであることを示す。
[0062] また、検査サンプル及び対照サンプルが同レベルのRNA及び/又はDNA発現を表す場合、これは、そのサンプルが、検査ウェル溶液中に存在するペプチド抗原に関連する病原体による以前の曝露、ワクチン接種、及び/又は感染を経験したことのない個人からのものであることを示す。
A.ペプチド抗原
[0063] いくつかの態様では、ペプチド抗原は、メモリーT細胞の特定の集団の細胞表面に存在する特異的な受容体に結合するタンパク質又はペプチドを含む。ペプチド抗原は、対象病原体からの任意の抗原ペプチド又はタンパク質を含み得る。いくつかの実施形態では、ペプチド抗原は、特定の細菌及び/又はウイルス病原体からの抗原である。
[0064] いくつかの実施形態では、ペプチド抗原は、高度に特異的な細菌及び/又はウイルスペプチド抗原である。いくつかの実施形態では、細菌及び/又はウイルスペプチド抗原は、対象抗原に特異的であり、関連の細菌又はウイルス抗原との測定可能な交差反応性をほとんど~全く有さない。例えば、季節性コロナウイルス感染は、多くの人々が過去の曝露を有する軽い風邪又はインフルエンザ様の病気につながる。このような個人は、季節性の風邪及びインフルエンザコロナウイルス株に対応するメモリーT細胞を発現する。一実施形態において、本方法で使用されるペプチド抗原は、季節性の風邪及び/又はインフルエンザ(インフルエンザa及び/又はb)コロナウイルス株にほとんど又は全く結合しない。
[0065] したがって、本明細書に記載される方法で使用するためのペプチド抗原は、SARS CoV-2、RSV、及び/又はライム病などの特定の感染性因子に対するメモリーT細胞に特異的である。したがって、ペプチド抗原は、たとえあったとしても、季節性の風邪及びインフルエンザに特異的なメモリーT細胞との非特異的交差反応性をほとんど示さず、例えば、SARS CoV-2メモリーT細胞、ライム病特異的T細胞、及びRSV特異的メモリーT細胞などの、適切で特異的な対象メモリーT細胞のみと反応することになる。
[0066] いくつかの実施形態では、本方法は、一般的な/季節性の風邪及びインフルエンザの循環における季節性コロナウイルスサブタイプのいずれとも交差反応しない、SARS CoV-2に特異的な複数の抗原ペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、本方法は、季節性コロナウイルス株との交差反応性を示すことなく、SARS CoV-2ウイルスに特異的な少なくとも3種~約15種の異なるペプチド抗原を含む。
[0067] 特定の実施形態では、メモリーT細胞アッセイのためのSARS CoV-2抗原ペプチド配列を含むペプチド抗原は、表1に提供されるヌクレオカプシド(N)、スパイク(S)、及びMタンパク質配列に基づく。いくつかの実施形態では、抗原ペプチドは、N末端ビオチン及びminiPEGリンカーを用いて化学的に合成される。
B.指示化合物
[0068] いくつかの実施形態では、本方法は、所与のサンプルにおけるRNA及び/又はDNAなどのヌクレオチドの発現レベルを検出及び表示するための、特異的且つ高感度の指示化合物を提供する。いくつかの実施形態では、指示化合物は、いくつかの異なる種類の蛍光色素を含む。いくつかの実施形態では、指示化合物は、RNAにのみ結合する。他の実施形態では、指示化合物は、DNAにのみ結合し得る。さらに他の実施形態では、指示化合物は、RNA及びDNAの両方に結合し得る。
[0069] いくつかの実施形態では、指示化合物は蛍光化合物である。いくつかの実施形態では、蛍光指示化合物は、ヌクレオチドの結合時に、結合していない指示薬と比較して少なくとも約15~約20倍大きい蛍光シグナルを示す。
[0070] いくつかの実施形態では、指示化合物は、細胞膜及び核膜の両方を通って急速に拡散することができる。いくつかの実施形態では、指示化合物は無毒性であり、核酸への結合時に細胞プロセス(cellular processed)に影響を与えない。
[0071] いくつかの態様では、現在の技術は、RNA及びDNA発現を別々に確認するために、特定のDNA特異的指示化合物と共に、別個のRNA特異的指示化合物の使用を提供する。いくつかの実施形態では、RNA発現対DNA発現の比率は、抗原に対するメモリーT細胞の形質転換応答の振幅、タイミング及び配列決定などのアッセイ結果の決定に関連する有用な計算を提供し得る。
[0072] いくつかの態様では、指示化合物は、RNA及びDNAの別々の分析のために使用される特異的な色素について別個の励起及び発光波長を示し、その結果、RNA及びDNAは、それぞれの指示化合物の別個の励起及び発光波長に基づいて、別々に分析され得る。他の実施形態では、現在の技術は、RNA及びDNAの両方の分析に対して同じ指示化合物を提供する。
[0073] いくつかの態様では、指示化合物は、RNAに対して選択的な蛍光化合物、色素、又は染色剤であり得る。例えば、指示薬は、SYTOTM13緑色蛍光核酸染色剤などの、細胞内RNAを選択的に染色する細胞浸透性核酸染色剤であり得る。いくつかの実施形態では、染色剤は、核酸が存在しないと本質的に非蛍光であり、RNAに結合すると明るい緑色蛍光を示す。いくつかの実施形態では、指示化合物は、約490nm~約530nmの吸収/発光最大値を示す。いくつかの実施形態では、指示薬は、RNAに結合したときに強いシグナルを示し、DNAに結合したときには弱い蛍光シグナルを有する。
[0074] 別の態様では、指示化合物は、RNA又はDNA対して非選択的な蛍光化合物、色素、又は染色剤であり得るが、RNA及びDNAの両方を染色することができる。例としては、商品名SYTOTMで販売されているものなどの、核酸に結合したときに蛍光を示す細胞浸透性蛍光核酸染色剤がある。別の例示的な指示化合物は、Hoechst染色剤33342及び34580として特定されるHoechst染色剤などの、細胞に対して無毒性であり且つ核酸に対して無毒性である色素化合物である。染色剤は両方とも、約350nmの紫外光によって励起され、両方とも約461nmの青色-シアン蛍光を発する。励起スペクトルと発光スペクトルとの間の約100nmのストークスシフトが有益である。これらの色素は、二本鎖DNAの副溝に結合する。
[0075] 別の実施形態では、本方法は、RNA又はDNAを選択的に染色する第1の指示化合物と、RNA及びDNAを非特異的に染色する第2の指示化合物との2つの指示化合物を利用する。一実施形態では、指示化合物(単数又は複数)は、約300~400nm、約320~380nm、又は約330~360nmの間の吸収と、約500nm~約600nmよりも大きい発光とを有する。2つの指示化合物が使用される実施形態において、第1の指示化合物は、第2の指示化合物の第2の吸収/発光プロファイルとは異なる第1の吸収/発光プロファイルを有する。
III.デバイス及びキット
[0076] 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS CoV-2)は、呼吸器疾患であるコロナウイルス疾患2019(COVID-19)を引き起こすウイルス株である。本明細書に記載される方法は、SARS CoV-2ウイルスペプチド抗原に特異的なメモリーT細胞などの特定の病原性ペプチド抗原に特異的なメモリーT細胞の検出のための高感度且つ特異的な方法を提供する。本方法は、個人が以前にSARS CoV-2に曝露されたことがあるか、又はSARS CoV-2に感染したことがあるかを確認することを提供する。加えて、いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法、キット及びデバイスは、個人が、SARS CoV-2特異的メモリーT細胞により与えられる免疫応答を介してSARS CoV-2感染などの将来の感染から保護されているかどうかに関する貴重な知識を提供する。したがって、以前にSARS CoV-2に感染した対象についてアッセイするための本明細書で提供される方法、デバイス及びキットによって提供される大量且つ迅速なスクリーニングは、各対象のCOVID-19の状態、及びウイルスの蔓延に関する地域別の集団状態についての重要な疫学的データを提供する。また、本明細書で提供される方法の1つ又は複数を実行するためのデバイス及びキットは、SARS CoV-2ウイルスなどの特定の病原体に特異的なメモリーT細胞を検出する提供される方法においてデバイス及びキットを使用するための説明書と共に提供される。
IV.実施例
[0077] 以下の実施例は、本質的に説明的なものであり、限定することは決して意図されない。
実施例1
SARS COV-2特異的メモリーT細胞の検出方法
[0078] 静脈穿刺によって5~10mLの血液を対象から採取し、抗凝血剤としてヘパリンを含有するチューブに入れる。チューブを遠心分離して、血漿からRBCを分離する。遠心分離の間に、リンパ球は、赤血球と血漿との間にバフィーコートバンドを形成する。100μLのバフィーコート細胞を、遠心分離したサンプルチューブの血漿/RBC界面から除去する。バフィーコート量の半分(50μL)を96ウェルプレートの1つのウェルに添加して、検査ウェルを作製する。バフィーコートサンプルの残りの半分を第2のウェルに添加して、対照ウェルを作製する。
[0079] SARS CoV-2特異的ペプチド抗原、平衡塩類溶液、緩衝液、エネルギー源としてのグルコース、及び所定の濃度の蛍光ヌクレオチド色素を含有する100μLの検査溶液を検査ウェルに添加する。
[0080] 平衡塩類溶液、緩衝液、エネルギー源としてのグルコース、及び所定の濃度の蛍光ヌクレオチド色素を含有する100μLの対照溶液を対照ウェルに添加する。対照溶液は、SARS CoV-2特異的ペプチド抗原を含まない検査溶液と同じである。
[0081] 96ウェルプレートを37℃で30分間インキュベートする。インキュベーションの後、蛍光光度計を用いて2つのウェルを走査し、2つのウェルのシグナルを比較する。検査ウェルからのシグナルが対照ウェルよりも高いと、バフィーコートサンプルは、SARS CoV-2ウイルスペプチド抗原に特異的なメモリーT細胞の存在に対して陽性であることが示される。これは、対象がSARS CoV-2ウイルスへの過去の曝露を有し、その結果、メモリーT細胞が活性化され、検査中に新しいRNA及びDNAが急速に生成され、対照サンプルと比較して検査サンプル中の蛍光シグナルが増大することを示す。
実施例2
SARS COV-2特異的メモリーT細胞についてのポイント・オブ・ケア検査
[0082] 指穿刺によって50μlの血液を対象から採取し、抗凝血剤としてヘパリンを含有するチューブに入れる。チューブを遠心分離して、血漿からRBCを分離する。遠心分離の間に、リンパ球は、赤血球と血漿との間にバフィーコートバンドを形成する。5μLのバフィーコート細胞を、遠心分離したサンプルチューブの血漿/RBC界面から除去する。バフィーコート量の半分(2.5μL)を96ウェルプレートの1つのウェルに添加して、検査ウェルを作製する。バフィーコートサンプルの残りの半分を第2のウェルに添加して、対照ウェルを作製する。
[0083] SARS CoV-2特異的ペプチド抗原、平衡塩類溶液、緩衝液、エネルギー源としてのグルコース、及び所定の濃度の蛍光ヌクレオチド色素を含有する5μLの検査溶液を検査ウェルに添加する。
[0084] 平衡塩類溶液、緩衝液、エネルギー源としてのグルコース、及び所定の濃度の蛍光ヌクレオチド色素を含有する5μLの対照溶液を対照ウェルに添加する。対照溶液は、SARS CoV-2特異的ペプチド抗原を含まない検査溶液と同じである。
[0085] 96ウェルプレートを37℃で10分間インキュベートする。インキュベーションの後、蛍光光度計を用いて2つのウェルを走査し、2つのウェルのシグナルを比較する。検査ウェルからのシグナルが対照ウェルよりも高いと、バフィーコートサンプルは、SARS CoV-2ウイルスペプチド抗原に特異的なメモリーT細胞の存在に対して陽性であることが示される。これは、対象がSARS CoV-2ウイルスへの過去の曝露を有し、その結果、メモリーT細胞が活性化され、検査中に新しいRNA及びDNAが急速に生成され、対照サンプルと比較して検査サンプル中の蛍光シグナルが増大することを示す。
[0086] いくつかの例示的な態様及び実施形態が上記で議論されてきたが、当業者は、それらの特定の修正、並べ替え、追加及びサブコンビネーションを認識するであろう。したがって、以下の添付の特許請求の範囲及び以下に導入される特許請求の範囲は、それらの真の趣旨及び範囲内にある全てのこのような修正、並べ替え、追加及びサブコンビネーションを含むと解釈されることが意図される。

Claims (44)

  1. 対象からのサンプル中のSARS CoV-2特異的T細胞の存在を特定して、SARS CoV-2ウイルスへの過去の曝露又はSARS CoV-2ウイルスによるワクチン接種を確認する方法であって、
    前記対象からのメモリーT細胞を含む生体サンプルを、SARS CoV-2に特異的な1つ又は複数のペプチド抗原に曝露することと、
    前記曝露されたメモリーT細胞と、RNA、DNA、又は両方に関連する指示化合物とを接触させることであって、前記接触は、前記曝露と同時であるか、又は前記曝露に引き続いて行われることと、
    前記メモリーT細胞を前記指示化合物について分析することと
    を含む方法。
  2. 前記生体サンプルは、血液サンプルである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記生体サンプルは、前記血液サンプルの画分である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記血液サンプルの画分は、バフィーコート画分又は末梢血単核細胞(PBMC)又はバフィーコート画分及びPBMCの混合物である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記SARS CoV-2に特異的な1つ又は複数のペプチド抗原への曝露は、前記1つ又は複数のペプチド抗原、前記指示化合物並びに緩衝液、前記細胞のエネルギー源、及び平衡塩類溶液の1つ又は複数を含む溶液への曝露を含み、それにより前記曝露と同時に、前記T細胞は前記指示化合物と接触される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記方法は、メモリーT細胞を含む第2の生体サンプルを、(i)前記SARS CoV-2に特異的な1つ又は複数のペプチド抗原を欠いており、且つ(ii)RNA、DNA、又は両方に関連する対照指示化合物を含む対照試薬に曝露し、それにより対照サンプルを生成することをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第2の生体サンプルは対象からのものであり、前記生体サンプルは同じ対象からのものであるか、又は前記第2の生体サンプルは前記生体サンプルの一部である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記指示化合物及び前記対照指示化合物は同じである、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 前記分析は、前記生体サンプル中のメモリーT細胞と関連した指示化合物のシグナルを測定することと、前記対照サンプル中のメモリーT細胞と関連した対照指示化合物のシグナルを測定することとを含む、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記分析は、前記生体サンプル中のRNAと関連した指示化合物のシグナルを測定することと、前記第2の生体サンプル中のRNAと関連した対照指示化合物のシグナルを測定することとを含む、請求項6~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記分析は、RNAと関連した指示化合物のシグナルに基づいてRNAシグナルを測定することと、DNAと関連した指示化合物のシグナルに基づいてDNAシグナルを測定することと、RNAシグナル対DNAシグナルの比率又はDNAシグナル対RNAシグナルの比率を決定することとを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記指示化合物は、RNAを選択的に染色する蛍光色素である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記接触は、前記曝露されたメモリーT細胞と、RNA又はDNAを選択的に染色する第1の指示化合物、並びにRNA及びDNAを非特異的に染色する第2の指示化合物とを接触させることを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記指示化合物は、約330~360nmの間の励起と、約500~600nmの間よりも大きい発光とを有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記メモリーT細胞は、CD4+及び/又はCD8+T細胞である、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記接触の後、且つ前記分析の前に、一定期間インキュベートすることをさらに含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記インキュベートは、約25~40℃の間の温度である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記期間は、約10~60分間の間、又は約10~30分間の間である、請求項16又は17に記載の方法。
  19. 前記SARS CoV-2に特異的な1つ又は複数のペプチド抗原は、2~20個の間のSARS CoV-2に特異的なペプチド抗原、又は3~15個の間のSARS CoV-2に特異的なペプチド抗原を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記曝露は、前記生体サンプルを、SARS CoV-2に非特異的な1つ又は複数のペプチド抗原に曝露することをさらに含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記SARS CoV-2に特異的な1つ又は複数のペプチド抗原は、配列番号1~配列番号12で特定されるペプチドのうちの1つ又は複数を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 感染性病原体に対する対象の過去の曝露を確認する方法であって、
    前記対象からのメモリーT細胞を含む生体サンプルを、前記病原体に特異的な1つ又は複数のペプチド抗原に曝露することと、
    前記曝露されたメモリーT細胞と、RNA、DNA、又は両方に関連する指示化合物とを接触させることであって、前記接触は、前記曝露と同時であるか、又は前記曝露に引き続いて行われることと、
    前記メモリーT細胞を前記指示化合物について分析することと
    を含む方法。
  23. 前記病原体は、呼吸器合胞体ウイルス又はヒトコロナウイルスなどのウイルス病原体である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記病原体は、ライム病のボレリア病原体などの細菌病原体である、請求項22に記載の方法。
  25. 前記生体サンプルは、血液サンプルである、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記生体サンプルは、前記血液サンプルの画分である、請求項25に記載の方法。
  27. 前記血液サンプルの画分は、バフィーコート画分又は末梢血単核細胞(PBMC)又はバフィーコート画分及びPBMCの混合物である、請求項26に記載の方法。
  28. 前記病原体に特異的な1つ又は複数のペプチド抗原への曝露は、前記1つ又は複数のペプチド抗原、前記指示化合物並びに緩衝液、前記細胞のエネルギー源、及び平衡塩類溶液の1つ又は複数を含む溶液への曝露を含み、それにより前記曝露と同時に、前記T細胞は前記指示化合物と接触される、請求項22~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記方法は、メモリーT細胞を含む第2の生体サンプルを、(i)前記病原体に特異的な1つ又は複数のペプチド抗原を欠いており、且つ(ii)RNA、DNA、又は両方に関連する対照指示化合物を含む対照試薬に曝露し、それにより対照サンプルを生成することをさらに含む、請求項22~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記第2の生体サンプルは対象からのものであり、前記生体サンプルは同じ対象からのものであるか、又は前記第2の生体サンプルは前記生体サンプルの一部である、請求項29に記載の方法。
  31. 前記指示化合物及び前記対照指示化合物は同じである、請求項29又は30に記載の方法。
  32. 前記分析は、前記生体サンプル中のメモリーT細胞と関連した指示化合物のシグナルを測定することと、前記対照サンプル中のメモリーT細胞と関連した対照指示化合物のシグナルを測定することとを含む、請求項29~31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記分析は、前記生体サンプル中のRNAと関連した指示化合物のシグナルを測定することと、前記第2の生体サンプル中のRNAと関連した対照指示化合物のシグナルを測定することとを含む、請求項29~32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記分析は、RNAと関連した指示化合物のシグナルに基づいてRNAシグナルを測定することと、DNAと関連した指示化合物のシグナルに基づいてDNAシグナルを測定することと、RNAシグナル対DNAシグナルの比率又はDNAシグナル対RNAシグナルの比率を決定することとを含む、請求項22~33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記指示化合物は、RNAを選択的に染色する蛍光色素である、請求項22~34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記接触は、前記曝露されたメモリーT細胞と、RNA又はDNAを選択的に染色する第1の指示化合物、並びにRNA及びDNAを非特異的に染色する第2の指示化合物とを接触させることを含む、請求項22~34のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記指示化合物は、約330~360nmの間の励起と、約500~600nmの間よりも大きい発光とを有する、請求項22~35のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記メモリーT細胞は、CD4+及び/又はCD8+T細胞である、請求項22~37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記接触の後、且つ前記分析の前に、一定期間インキュベートすることをさらに含む、請求項22~38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記インキュベートは、約25~40℃の間の温度である、請求項39に記載の方法。
  41. 前記期間は、約10~60分間の間、又は約10~30分間の間である、請求項39又は40に記載の方法。
  42. 前記病原体に特異的な1つ又は複数のペプチド抗原は、2~20個の間の前記病原体に特異的なペプチド抗原、又は3~15個の間の前記病原体に特異的なペプチド抗原を含む、請求項22~41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記曝露は、前記生体サンプルを、前記病原体に非特異的な1つ又は複数のペプチド抗原に曝露することをさらに含む、請求項22~42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 対象からのサンプル中の感染性因子特異的T細胞の存在を特定して、前記感染性因子への過去の曝露又は前記感染性因子によるワクチン接種を確認する方法であって、
    前記対象からのメモリーT細胞を含む生体サンプルを、感染性因子に特異的な1つ又は複数のペプチド抗原に曝露することと、
    前記曝露されたメモリーT細胞と、RNA、DNA、又は両方に関連する指示化合物とを接触させることであって、前記接触は、前記曝露と同時であるか、又は前記曝露に引き続いて行われることと、
    前記メモリーT細胞を前記指示化合物について分析することと
    を含む方法。
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