JP2024520138A - 1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸を含む薬学的組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸又はその薬学的に許容可能な塩を含む薬学的組成物及びそれを用いた高尿酸血症関連疾患の予防又は治療方法に関し、本発明の薬学的組成物は、高尿酸血症関連疾患を有する患者の血中尿酸濃度を効果的に減少させることができる。

Description

本発明は、1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸を含む薬学的組成物に関する。
尿酸(uric acid)は、プリンの代謝過程でキサンチンオキシダーゼ(xanthine oxidase)またはキサンチンデヒドロゲナーゼ(xanthine dehydrogenase)によって生成される。血中尿酸の70%程度は、細胞周期による細胞のターンオーバー(cell turn-over)による内因性プリン代謝によって作製され、30%は食物で摂取されたプリンから形成され、ほとんどが腎臓から排出される(250~750mg/日)。
従って、血中尿酸濃度は、尿酸の形成と尿酸の排出との間の恒常性で一定レベルを維持することになるが、この時、尿酸の形成が増加するか、尿酸の排出が減少する場合、血中尿酸濃度が増加する。一般的な高尿酸血症の定義は、男性では7.0mg/dL以上、女性では6.5mg/dL以上である。最近、高タンパク食等により高尿酸血症患者が増加している。
血中尿酸濃度が増加する場合、最初に起こる現象は尿酸塩(monosodium uate; MSU)微結晶の体内沈着である。長期間血中尿酸濃度が高く維持され、過飽和状態が続く場合、尿酸塩微結晶が生成されて組織内に沈着し(尿酸塩沈着物)、尿酸塩沈着物は、関節、滑膜、腱、腎臓及び結合組織(中枢神経系を除く)のような組織や臓器に痛風結節(gout tophi)を形成する。形成された痛風結節は、急性および慢性炎症と組織損傷を引き起こし、関節炎(arthritis)、尿路結石(urinary calculi)、慢性腎疾患(chronic kidney disease; CKD)、高血圧、心血管系疾患およびメタボリックシンドロームのような多系統の損傷を引き起こす。
高尿酸血症に関連する疾患として、痛風、再発性痛風発作、痛風性関節炎、高血圧、心血管系疾患、冠状動脈性心臓病、心不全、レッシュ・ナイハン症候群、腎疾患、慢性腎疾患、腎結石、腎不全、糖尿病性腎疾患、関節炎、尿路結石症、急慢性尿酸腎症、尿酸結石症等が挙げられる。
高尿酸血症の代表的な疾患は痛風である。痛風は調節されない高尿酸血症と急性痛風発作パターン(gout flare)を特徴とする炎症性関節炎の一種である。持続的な過飽和状態の血中尿酸濃度は、尿酸塩結晶を作り、関節と関節周辺組織に沈着することで痛風が発生する。関節に沈着した尿酸塩結晶は、急性では痛風発作(gout flare)を引き起こし、このような痛風発作が繰り返し起こる慢性痛風患者においては痛風結節(gout tophi)を生成する。
多くの研究結果で、血中尿酸濃度の持続的な減少が痛風発作(gout attacks)及び痛風結節の数を減少させ、痛風結節を縮小できることを確認した。従って、慢性痛風患者の治療において、1次的治療目標は、血中尿酸濃度を正常範囲に維持し、組織内の尿酸塩微結晶の沈着を防止すると同時に、すでに生成された痛風結節の数及びサイズを減少させることである。従って、一部の報告によると、さらなる痛風発作を予防し、尿酸塩沈着物の分解を促進するためには、血中尿酸濃度を慢性痛風患者においては6.0mg/dL未満、結晶性痛風患者においては5.0mg/dL未満に低下させることを提案している。
血中尿酸濃度を低下するためには、前述の尿酸生成を抑制するためのキサンチンオキシダーゼ阻害剤を投与するか、生成された尿酸の排出を増加させる尿酸排出促進剤(尿酸再吸収抑制剤または尿酸排出誘導剤)を投与する。または、前述した痛風治療剤に反応しない患者には、尿酸をアラントイン(alantoin)に変換させて尿中に排出させることで尿酸降下を誘導する尿酸分解剤(PEG-uricase)を使用する。
代表的なキサンチンオキシダーゼ阻害剤として、アロプリノール(allopurinol)とフェブキソスタット(febuxostat)が知られている。アロプリノールとフェブキソスタットは、低価格と服用の利便性(経口投与)で痛風患者の血中尿酸濃度を低下させるための治療剤として使用されているが、アロプリノールを処方された患者群のうち約40%の患者群、および、フェブキソスタットを処方された患者群のうち30~60%の患者群でのみ、6mg/dL未満の血中尿酸濃度を示し、残りの患者群では依然として臨床的に正常範囲の血中尿酸濃度レベルに到達することができない。
従って、従来のキサンチンオキシダーゼ阻害剤の治療にもかかわらず、推奨レベル(6mg/dL未満)の血中尿酸濃度に到達できない患者に関して、米国リウマチ協会は尿酸排出誘導剤との併用治療を推奨している。
しかし、高尿酸血症は一般的に腎機能異常を伴うことが多い。特に、CKDのような慢性腎疾患と高尿酸血症との間の直接的な因果関係を説明する多数の文献結果が報告されている。腎機能が低下した患者では、血中尿酸の排出が低下して体内の尿酸濃度が増加することがあり、これにより高尿酸血症が引き起こされる可能性がある。また、高尿酸血症により増加した体内の溶解性尿酸(soluble urate)は炎症を引き起こすことで(pro-inflammatory)腎機能を低下させることができる。このため、体内の尿酸の過剰生成を抑制して腎疾患を治療及び予防する必要がある。現在、尿酸降下剤で腎機能を保護するか、腎機能の低下進行を遅らせる効能に対する研究が進行中であるが、十分な効能を発揮するための用量を確保することが難しい点がある。アロプリノールの場合、主な代謝体であるオキシプリノール(oxypurinol)がほとんど腎臓を通じて排泄されるが、腎機能が低下した場合、体内のオキシプリノールの露出が顕著に増加し、副作用を引き起こす可能性があり、フェブキソスタットの場合、重度の腎機能異常患者に40 mgで用量を調節しなければならないという限界がある。
従って、高尿酸血症患者において、深刻な副作用なしに血中尿酸濃度の調節効果について信頼できる結果を提供することができる治療方法及び薬学的組成物を導き出す必要がある。
韓国特許公報 第1751325号(2017.06.21.)、キサンチンオキシダーゼ阻害剤として効果的な新規化合物、その製造方法およびそれを含有する薬剤学的組成物 韓国特許公報 第1424013号(2014.07.22.)、1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸の結晶形とその製造方法
本発明は、1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸またはその薬学的に許容可能な塩を50~200mg/日の投与用量で含む高尿酸血症関連疾患の治療または予防用薬学的組成物を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、高尿酸血症に関連する疾患の治療または予防を必要とする対象体に、1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸またはその薬学的に許容可能な塩を50~200mg/日の投与用量で含む薬学的組成物を経口投与する工程を含む、高尿酸血症に関連する疾患の治療または予防方法を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明は、1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸またはその薬学的に許容可能な塩を50~200mg/日の投与用量で含む高尿酸血症関連疾患の治療または予防用薬学的組成物を提供する。
本発明は、高尿酸血症に関連する疾患の治療または予防を必要とする対象体に本発明の薬学的組成物を経口投与する工程を含む、高尿酸血症に関連する疾患の治療または予防方法を提供する。
本発明の一実施態様によれば、1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与用量は50mg/日である。
本発明の一実施態様によれば、1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与用量は100mg/日である。
本発明の一実施態様によれば、1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与用量は200mg/日である。
本発明の一実施態様によれば、本発明の薬学的組成物は、血中尿酸濃度が8~12mg/dLである高尿酸血症患者群に12週間毎日投与する場合、患者群の55%以上を血中尿酸濃度6.0mg/dL未満に低下させることができる。
本発明の一実施態様によれば、本発明の薬学的組成物は、血中尿酸濃度が8~12mg/dLである高尿酸血症患者群に12週間毎日投与する場合、患者群の40%以上を血中尿酸濃度5.0mg/dL未満に低下させることができる。
本発明の一実施態様によれば、本発明の薬学的組成物は、血中尿酸濃度が8~12mg/dLである高尿酸血症患者群に12週間毎日投与する場合、患者群の15%以上を血中尿酸濃度4.0mg/dL未満に低下させることができる。
本発明の一実施態様によれば、前記高尿酸血症関連疾患は、痛風、再発性痛風発作、痛風性関節炎、高血圧、心血管系疾患、冠状動脈性心臓病、心不全、レッシュ・ナイハン症候群、腎疾患、慢性腎疾患、腎結石、腎不全、糖尿病性腎疾患、関節炎、尿路結石症、またはそれらの組み合わせである。
本発明の一実施態様によれば、前記高尿酸血症関連疾患は痛風である。
本発明の一実施態様によれば、前記高尿酸血症関連疾患は慢性腎疾患である。
本発明の一実施態様によれば、前記高尿酸血症関連疾患は心不全である。
本発明の一実施態様によれば、本発明の薬学的組成物は、痛風発作(gout flare)を抑制するための治療剤をさらに含むことができる。
本発明の一実施態様によれば、前記痛風発作を抑制するための治療剤は、イブプロフェン(ibuprofen)、プロベネシド(probenecid)、スルフィンピラゾン(sulfinpyrazone)、コルヒチン(colchicine)、ナプロキセン(naproxen)、またはそれらの組み合わせを含む。
本発明による1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸またはその薬学的に許容可能な塩を含む薬学的組成物は、高尿酸血症患者の血中尿酸濃度を効果的に低下させることができるだけでなく、減少した血中尿酸濃度を長期間維持することができるので、高尿酸血症患者の治療または予防に有用に用いられる。
本臨床の第2相試験の患者群分類を示す図である。 本臨床の第2相試験に参加した患者の投薬期間による平均血中尿酸濃度を示す図である。 各投薬群別に平均血中尿酸濃度の減少程度を示す図である。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明で使用されるすべての技術用語は、別途定義されない限り、本発明の関連分野における通常の知識を有する者が一般的に理解するものと同じ意味で使用される。また、本明細書には好ましい方法や試料が記載されるが、これと類似または同等のものも本発明の範疇に含まれる。本明細書に参考文献として記載されるすべての刊行物の内容は、全体が本明細書に参考として統合される。
本願において、ある態様が「~を含む」という用語と共に記述されていても、「~で構成される」及び/又は「本質的に~で構成される」という観点から記述された他の類似態様もまた提供されることが理解されるべきである。
「患者」、「対象体」または「個体」という用語は、互いに互換的に使用される。本明細書で使用されるように、これらは、障害等を有する個体を指す。いずれの用語も、「患者」、「対象体」または「個体」が専門医療従事者の管理及び/又は監督下にあることを求めない。
本明細書において、「sUA(serum uric acid)」は「血中尿酸」及び「血清尿酸」に区別せずに使用する。
本明細書で使用される用語「治療する」または「治療」及びその他の文法的に等価な用語は、疾患または病態またはその1つ以上の症状を緩和、弱化または改善すること、症状の基底代謝の原因を改善すること、疾患または病態を阻害すること、例えば、疾患または病態の発生を阻止すること、疾患または病態を緩和すること、疾患または病態の抑制を引き起こすこと、疾患または病態によって引き起こされる病態を緩和すること、あるいは疾患または病態の症状を中断させることを含む。
本明細書で使用される「投与する」、「投与」、「投薬する」、「投薬」などの用語は、生物学的作用の目的とする部位への化合物または組成物の伝達を可能にするために使用することができる方法を指す。これらの方法は、経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、血管内または注入を含む)、局所および直腸投与を含むが、これらに限定されない。本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本明細書に記載された化合物、組成物及び方法等と共に使用することができる投与技法に慣れている。また、本発明の薬剤学的組成物は、1日1回、同じ時間帯に対象体に投与される。
本明細書で使用される「有効量」、「治療的有効量」または「薬剤学的有効量」という用語は、治療中の疾患または病態の症状の1つ以上を一定の程度に緩和する、投与中の少なくとも1種の製剤または化合物の十分な量を指す。治療的用途のための「有効量」は、疾患の臨床的に有意な減少を提供するために必要である本明細書に開示されているような化合物を含む組成物の量である。適切な「有効」量は、個体間で互いに異なる場合がある。任意の個々の場合に適切な「有効」量は、用量漸増研究などの技法を用いて決定することができる。
本明細書の一部の実施態様では、キサンチンオキシダーゼの阻害のための有効成分である1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、50mg/日、100mg/日または200mg/日の「投与用量」で使用することができる。
本明細書で使用される用語「薬学的組成物」とは、少なくとも1種の薬学的に許容可能な化学的成分、例えば、以下に限定されないが、担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤などの賦形剤のうち少なくとも1つ以上の成分を含む組成物を指す。
本明細書で使用される「薬剤学的に許容可能な塩」という用語は、明示された化合物の遊離酸及び遊離塩基の生物学的有効性を有し、生物学的またはその他に望ましくないものではない塩を指す。本明細書に記載された化合物は、酸性または塩基性基を有してもよく、従って、多数の無機または有機塩基、並びに無機及び有機酸と反応して、薬剤学的に許容可能な塩を形成することができる。
用語「薬剤学的に許容される」とは、組成、剤形、安全性等について、薬理学的/毒性学的観点から患者に許容される物質を意味し、「薬剤学的に許容される担体」とは、活性成分(ら)の生物学的活性の効果を妨げない媒質を指し、投与時に対象体に無毒性である。
本明細書で使用される用語「共投与」、「と併用投与された」、およびこれらと等価な用語は、単一の個体に対する2つ以上の活性成分の投与を含むことを意味する。それぞれの活性成分は、1つの製剤(または剤形)に独立して含まれてもよく、この時、同一又は異なる投与経路によって、同一又は異なる時間に投与されてもよい。共投与又は併用投与が可能な具体的な物質については後述する。
高尿酸血症は、血液中の尿酸濃度が異常に高いことを特徴とする疾患であり(男性は7.0mg/dL以上、女性は6.5mg/dL以上)、一部の高尿酸血症患者においては無症状の場合もあるが、多くの場合、少なくとも1種以上の他の疾患又は病態と関連している。
高尿酸血症は、血中尿酸濃度が高く維持され、尿酸塩微結晶が組織内に沈着し、沈着した尿酸塩微結晶は結節(tophi)を形成する。形成された結節は急性及び慢性炎症並びに組織損傷を引き起こすことにより、関節炎(arthritis)、尿路結石(urinary calculi)、慢性腎疾患(chronic kidney disease; CKD)、高血圧、心血管系疾患およびメタボリックシンドロームのような多系統の損傷をもたらす。
高尿酸血症に関連する具体的な疾患としては、痛風、再発性痛風発作、痛風性関節炎、高血圧、心血管系疾患、冠状動脈性心臓病、心不全、レッシュ・ナイハン症候群、ケリー・シーグミラー症候群、腎疾患、慢性腎疾患、腎結石、腎不全、糖尿病性腎疾患、関節炎症、関節炎、尿路結石症、鉛中毒、副甲状腺機能亢進症、乾癬、サルコイドーシス、ヒポキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)欠乏症等が知られている。特に、体内で生成された尿酸塩微結晶は、慢性関節炎、尿路結石、腎疾患、再発性急性関節炎、滑液包炎、痛風発作等の直接的な原因として知られている。痛風は、肥満、糖尿病、高血圧、心血管疾患等を伴って現れる。そして、最近、タンパク質中心の食事の増加で血中尿酸濃度が増加すると同時に痛風患者の数も増えているため、血中尿酸濃度の管理は、尿酸塩微結晶の生成予防の観点から何よりも重要である。
本発明の一実施態様による投与群は、8~12mg/dLの血中尿酸濃度を有する高尿酸血症痛風患者であってもよいが、必ずしもこれに限定されない。
痛風患者のほとんどは血中尿酸濃度が正常範囲より高く、血中尿酸濃度を低下させると痛風症状が緩和されることが知られているので、痛風患者において血中尿酸濃度を調節することは何よりも重要である。従って、慢性痛風患者の治療において、1次的治療目標は血中尿酸濃度を正常範囲に維持することである。
血中尿酸濃度を低下させるためには、前述したようにキサンチンオキシダーゼ阻害剤によって尿酸の生成を抑制するか、尿酸排出促進剤(尿酸再吸収抑制剤または尿酸排出誘導剤)を投与して尿酸の排出を増加させる方法を使用している。
本発明では、高尿酸血症患者の血中尿酸濃度を調節するために、尿酸の生成を抑制するキサンチンオキシダーゼ阻害剤を投与した。前記キサンチンオキシダーゼは、下記化学式1で表される1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸またはその薬学的に許容可能な塩である。本発明の薬学的組成物は、薬学的効能を有する有効成分として前記1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸またはその薬学的に許容可能な塩を含む。
本発明の薬学的組成物に含まれる1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸の投与用量は1日(day)当たり50~200mgである。
具体的には、50mg/日、100mg/日、150mg/日、または200mg/日の投与用量で投与されてもよい。
本発明の薬学的組成物は、以下の実施例によって次の機能性を有する。
本発明の薬学的組成物は、血中尿酸濃度が8~12mg/dLである高尿酸血症患者群に12週間毎日投与する場合、患者群の55%以上、56%以上、57%以上、58%以上、59%以上を血中尿酸濃度6.0mg/dL未満に低下させることができる。
本発明の薬学的組成物は、血中尿酸濃度が8~12mg/dLである高尿酸血症患者群に12週間毎日投与する場合、患者群の40%以上、41%以上、42%以上、43%以上、44%以上、45%以上を血中尿酸濃度5.0mg/dL未満に低下させることができる。
本発明の薬学的組成物は、血中尿酸濃度が8~12mg/dLである高尿酸血症患者群に12週間毎日投与する場合、患者群の15%以上、16%以上、17%以上、18%以上を血中尿酸濃度4.0mg/dL未満に低下させることができる。
前記投与用量は、高尿酸血症患者の血中尿酸濃度を低下させることができ、特に、50mg/日、100mg/日、又は200mg/日の用量で投与する場合、ほとんどの患者(各投与群当たり59%、63%、78%の患者)で6mg/dL未満の正常範疇の血中尿酸濃度を示した。特に、200mg/日の用量で投与する場合、62%の患者群で5mg/dL未満の血中尿酸濃度を示し、54%の患者群で4mg/dL未満の血中尿酸濃度を示した。
フェブキソスタット投与群の患者は、54%の患者が6mg/dL未満、23%の患者が5mg/dL未満、0%の患者が4mg/dL未満の血中尿酸濃度を示した。
特に、本発明の薬学的組成物は、50 mg/日、100 mg/日、200 mg/日の投与用量群のそれぞれにおいて、投与開始2週目に平均血中尿酸濃度を5.5mg/dL、4.9mg/dL、3.8mg/dLに低下させただけでなく、減少した血中尿酸濃度レベルを投薬期間中維持した。しかし、フェブキソスタットの場合、血中尿酸濃度レベルを5.6~5.9mg/dLに維持したので、本発明の薬学的組成物がフェブキソスタットに比べて効果的に血中尿酸濃度を調節することが分かる。
本発明の薬学的組成物は、血中尿酸濃度が8~12mg/dLである高尿酸血症患者群に投与するとき、血中尿酸濃度を42%以上、43%以上、44%以上、45%以上、46%以上減少させることができる。
本発明の薬学的組成物は、高尿酸血症患者に投与する場合、他の種類の薬学的効能を有する活性物質と併用投与することができる。
併用投与できる活性物質の一実施態様として、痛風発作を抑制するための抗炎症剤、尿酸排出促進剤(uricosuric drug)、尿酸分解剤(uricolytic drug)、又は糖尿病、高血圧等のようなその他の基底疾患治療のための治療剤から一つ以上選択されてもよい。
抗炎症剤の一実施態様として、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、ステロイド剤、colchicineなどがあり、NSAIDにはナプロキセン(naproxen)、インドメタシン(indomethacin)、スリンダク(sulindac)、アセクロフェナク(aceclofenac)、イブプロフェン(ibuprofen)、ナブメトン(nabumetone)、メロキシカム(meloxicam)、セレコキシブ(celecoxib)等から選択されてもよい。
尿酸排出促進剤は、ureat transporter 1(URAT1)による尿酸塩再吸収を抑制する機序の薬剤であり、一実施態様としてプロベネシド(probenecid)、レシヌラド(lesinurad)、スルフィンピラゾン(sulfinpyrazone)、ベンズブロマロン(benzbromarone)、高用量のサリチル酸(salicylic acid)等から選択されてもよく、ロサルタン(losartan)、アムロジピン(amlodipine)、アトルバスタチン(atorvastatin)、フェノフィブラート(fenofibrate)等も間接的に尿酸の排出を促進するので、これらの薬剤から選択されてもよい。
本発明の一実施態様によって、患者は、特定の投与用量の1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸を含む錠剤と0.6 mgのコルヒチンを経口で併用投与した。本発明でコルヒチンを併用投与する理由は、血中尿酸濃度が低下する場合、痛風結節で分解された尿酸塩結晶が痛風発作を引き起こす可能性があるため、これを予防するためである。
本発明の薬学的組成物は、有効量の1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸を薬学的活性成分(API)として含み、選択的に薬剤学的に許容可能な担体又は賦形剤を含む。一部の実施態様において、薬剤学的組成物は、本明細書に開示される病態を治療または予防するのに有用である。一部の実施態様において、薬剤学的組成物は、ヒトにおける障害の治療のためのものである。
本発明の薬学的組成物は、経口投与に適した形態で、例えば、錠剤、トロキシ、水性または油性懸濁液、分散可能な粉末又は顆粒、エマルジョン、硬質または軟質カプセル、又はシロップ又はエリキシルの剤形で調製されてもよい。経口用途に意図した組成物は、公知の方法に従って選択的に調製され、これらの組成物は、投薬者の好みを満たすために、甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤からなる群より選択される1種以上の製剤を含有してもよい。
錠剤は、錠剤の製造に適した非毒性の薬学的に許容可能な賦形剤、担体と混合して活性成分を含有する。
薬学的に適した担体の非制限的な例には、固形物及び/又は液状物、例えば、エタノール、グリセロール、水等が含まれる。本発明の薬学的組成物中の担体の量は、組成物の総重量を基準にして、約5~約99重量%の範囲であってもよい。適した薬学的に許容される賦形剤の非制限的な例には、非毒性の相溶性充填剤、希釈剤、結合剤、崩壊剤、緩衝剤、防腐剤、湿潤剤、増量剤、酸化防止剤、潤滑剤、香味剤、増粘剤、着色剤、界面活性剤、乳化剤、懸濁剤等が含まれる。
前記結合剤の一実施態様は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒプロメロース、ポリ酢酸ビニル、ポビドン、ポリビニルピロリドン、コポビドン、マクロゴール、ラウリル硫酸ナトリウム、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウムまたはマグネシウムメタシリケートアルミネートのようなケイ酸塩誘導体、リン酸水素カルシウムのようなリン酸塩、炭酸カルシウムのような炭酸塩、α化澱粉、アカシアガムのようなガム類、ゼラチン、エチルセルロースのようなセルロース誘導体、及びこれらの混合物からなる群より選択されてもよいが、これらに限定されない。
前記崩壊剤の一実施態様は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、澱粉グリコール酸ナトリウム、F-melt、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよいが、これらに限定されない。
前記流動化剤の一実施態様は、コロイダル二酸化ケイ素、水和二酸化ケイ素及びこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよいが、これらに限定されない。前記滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素、タルク、軽質無水ケイ酸、ステアリルフマル酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよいが、これらに限定されない。
本発明は、本明細書に記載された予防または治療方法で使用するためのキットをさらに提供する。これらのキットは、容器内に本明細書に記載された化合物または組成物、選択的に本明細書に記載された様々な方法およびアプローチによるキットの使用を説明する説明書を含む。さらに、これらのキットは、組成物の活性及び/又は利点を示すか確立し、又は、投薬、投与、副作用、薬物相互作用、又は医療従事者に有用なその他の情報を記載する、情報、例えば、科学的参考文献、包装挿入物物質、臨床試験結果及び/又はそれらの要約等を含む。
これらの説明書に記載されている情報は、様々な研究、例えば、インビボモデルを含む実験動物を用いた研究及びヒト臨床実験に基づく研究の結果に基づくことができる。
本明細書に記載のキットは、医師、看護師、薬剤師などを含む医療従事者に提供または販売される。一部の実施態様において、キットは消費者に直接販売される。
本発明は、高尿酸血症の予防または治療用薬剤の製造のための1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
また、本発明は、1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、高尿酸血症の症状を有するヒトを含む哺乳類に投与する工程を含む、血中尿酸濃度を6mg/dL未満、または5mg/dL未満に低下させる(または調節する)ことによって高尿酸血症を予防または治療する方法を提供する。
このとき、1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩の投与用量は、50~200 mg/日であってもよく、50mg/日、100mg/日、150mg/日または200 mg/日であってもよい。
前記高尿酸血症関連疾患は、痛風、再発性痛風発作、痛風性関節炎、高血圧、心血管系疾患、冠状動脈性心臓病、心不全、レッシュ・ナイハン症候群、腎疾患、慢性腎疾患、腎結石、腎不全、糖尿病性腎疾患、関節炎、尿路結石症、またはそれらの組み合わせから選択される。
また、前記高尿酸血症を予防または治療する方法において、さらに痛風発作を抑制するための治療剤を併用投与することができ、前記痛風発作を抑制するための治療剤は、イブプロフェン(ibuprofen)、プロベネシド(probenecid)、スルフィンピラゾン(sulfinpyrazone)、コルヒチン(colchicine)、ナプロキセン(naproxen)、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
本発明の薬学的組成物、用途、治療方法において言及された事項は、互いに矛盾しない限り同一に適用される。
別途示さない限り、本明細書および特許請求の範囲に使用されるすべての数字は、言及有無に関係なく、すべての場合に、用語「約」により修飾できるものと理解されるべきである。また、本明細書及び特許請求の範囲に使用される精密な数値は、本開示内容の追加の実施態様を形成するものと理解されるべきである。実施例に開示された数値の精度を保証するために努力したが、測定されたすべての数値は、内在的にそれぞれの測定技法で実測された標準偏差から生じる特定の誤差値を含有する可能性がある。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。これらの実施例は、あくまでも本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の要旨に従い、本発明の範囲がこれらの実施例によって限定されないことは、当業界における通常の知識を有する者にとって自明であるといえる。
1.臨床第2相試験(ClinicalTrials.gov識別子(Identifier):NCT03934099)
痛風患者群に化学式1の化合物(1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸;実施例1化合物)を投与するときの投与用量およびそれに伴う異常反応等を分析するために臨床第2相試験を実施した。
患者群選定-被験者包含対象
1.研究を開始する前に、自由意志で書面同意書(署名及び日付を記載)を提供した。
2.18歳から75歳までの男性または女性である。
3.American College of Rheumatologyの基準に基づき、高尿酸血症及び痛風の病歴又は経験があった。
4.選別検査(screening)前(訪問1)12ヶ月以内に2回以上の痛風発作を自己申告した履歴があった。
5.アロプリノール、フェブキソスタット、プロベネシド、レシヌラドの投与による尿酸低減療法(ULT:Urate Lower Therapy)中の被験者は、訪問1においてsUA(血中尿酸)レベルが≧6.0mg/dLであり;訪問1の当時にULT服用歴がないか、ULT治療中ではない対象者は、訪問1 においてsUAレベルが≧8.0mg/dL~≦12.0mg/dLである。
6.訪問3でのsUAレベルが≧8.0mg/dL~≦12.0mg/dLであった。
7.選別検査時(訪問1)にボディマス指数が≦42kg/m2であった。
8.選別検査(訪問1)で推定された糸球体濾過率(estimated glomerular filtration rate; eGFR)が≧60mL/分/1.73m2であった。
9.出産可能年齢の対象者は、選別検査(訪問1)で妊娠テスト結果が陰性であった。被験者(出産可能な女性被験者および出産可能なパートナーがいる男性被験者)は、研究期間中に妊娠を避けるために適切な避妊方法を使用することに同意した。
10.研究手続、関連するリスクを理解でき、訪問/プロトコルスケジュールを遵守する意思があった。
患者群選定-被験者除外対象
1.骨髄増殖性障害又は臓器移植などの原因による続発性高尿酸血症がある場合。
2.選別検査(訪問1)前3週以内に活動性急性痛風発作を経験した場合。
3.選別検査(訪問1)で、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(aspartate aminotransferase)又はアラニンアミノトランスフェラーゼ(alanine aminotransferase)が正常範囲の上限(up limit of normal; ULN)の>2倍を有する場合。
4.選別検査(訪問1)でクレアチンキナーゼ(creatine kinase)値がULNの> 2.5倍の場合。
5.以前にコルヒチンに対する過敏症がある場合。
6.選別検査(訪問1)前3ヶ月以内にペグロティカーゼ(pegloticase)を処方されたことがある場合。
7.選別検査(訪問1)前過去6週間に、sUAレベルに影響を与えることが知られている薬物(ロサルタン;rosartan、フィブラート;fibrate、チアジド系利尿薬;thiazide diuretics、ループ利尿薬;loop diuretics、アセチルサリチル酸;acetylsalicylic acid)の安定した用量を投与していない場合。アセチルサリチル酸は325mg/day以上の使用は許容されない。
8.選別検査(訪問1)前1ヶ月以内に連続10日以上全身性コルチコステロイド(corticosteroid)を投与されたことがある場合。
9.全身免疫抑制または免疫調節治療(例:アザチオプリン;aziothioprine、6-メルカプトプリン;6-mercaptopurin、シクロスポリン;cyclosporin)が必要である、使用可能性がある場合。
10.選別検査(訪問1)前14日以内に高用量または中等度のシトクロムP450 3A4 抑制剤(cytochrome P450 3A4 inhibitor)またはP-糖タンパク質抑制剤(P-glycoprotein inhibitor)を投与される場合。
11.キサンチン尿症(xanthinuria)の病歴がある場合。
12.関節リウマチの病歴がある場合。
13.治療が必要な活動性消化性潰瘍疾患(active peptic ulcer disease)がある場合。
14.選別検査前の過去12か月間に不安定狭心症(unstable angina)、New York Heart Association class III又はIVの心不全、心筋梗塞、脳卒中、深部静脈血栓症、経皮的冠動脈インターベンション(ステントの有無にかかわらず)、または冠動脈バイパス移植片がある場合(訪問1);現在抗凝固剤を投与している場合;又は選別検査(訪問1)で、調査者の意見に臨床的に有意な心電図異常がある場合。
15.選別検査(訪問1)で調節できない高血圧(収縮期血圧>160mmHgまたは弛緩期血圧>95mmHg以上)がある場合。
16.筋炎/ミオパチー(myositis/myopathy)、横紋筋融解症(rhabdomyolysis)、スティーヴンス・ジョンソン症候群(Stevens-Johnson syndrome)または中毒性表皮壊死症(toxid epidermal necrolysis)の病歴がある場合。
17.再発の証拠のない治療済みの非黒色腫皮膚がん、治療済みの子宮頸部異形成症、または上皮内がん1等級子宮頚がんを除き、過去5年以内に悪性腫瘍の病歴がある場合。
18.実施例1の化合物の成分に対して知られた過敏症又はアレルギーを有する者。
19.1週間に14杯以上のアルコールを飲んだ場合(例:1杯=ワイン5oz[150mL]、ビール12oz[360mL]、または焼酎1.5oz[45mL])。
20.過去5年以内に薬物乱用(全ての違法薬物の使用と定義される)の履歴または疑いがある場合。
21.妊娠中または授乳中の場合。
22.ヒト免疫不全ウイルス、活動性B型肝炎またはHCV感染に対して陽性反応を示したことがある場合。活動性HCV感染は、陽性C型肝炎抗体および検出可能なC型肝炎ウイルスRNA量で定義する。
23.以前に選別検査(訪問1)前に、照射療法の3ヶ月又は5半減期(どちらか長い方)以内に介入臨床研究に参加したことがある場合。
24.調査者及び/又は医療モニターが対象者に過度のリスクをもたらす可能性があるか、プロトコルの要求事項を遵守または完了するに対象者の能力を妨げる可能性のあるその他の医学的又は心理的状態に苦しんでいる場合。
選別された患者は、施設および研究手続に従って書面同意を提供した。選別検査及びwash-out(投与前26日から33日)過程を経て、最終的に全体の156人の患者が登録され、各患者は実施例1の化合物の50mg、100mg、200mgの用量群、偽薬群(placebo)及びペブキソスタット群の5つの群に無作為に割り当てられた。各群の患者は、割り当てられた臨床試験用医薬品(50mg、100mg、200mg用量の実施例1の化合物、偽薬、及び40mgのフェブキソスタット)と共に、痛風発作予防のための併用薬物(colchicine、0.6mg/日)1錠を毎朝1回、毎日ほぼ同じ時間に水と一緒に食事に関係なく経口で自己服用した。
キサンチンオキシダーゼ阻害剤化合物を用いてULTを行う場合、初期治療期間に骨末端の結節(tophi)が溶解し、痛風発作の発生可能性が高いため、これを予防する目的でコルヒチン(colchicine)を併用するように設計した。
薬物の最初の服用日を1日(day1)とし、84日間該薬物を服用し、服用期間中、14日(week 2)、28日(week 4)、56日(week 8)、84日(week 12)に来院し、異常反応(adverse event)発生の有無を判断するための基礎検査及び血中尿酸濃度などを測定した。薬物服用が終了した後、さらに2週間(98日、week 14)の安全性フォローアップ(safety follow-up)を行った。
図1は、該臨床第2相試験の患者群分類について概略的に示す。
1-1.異常反応の分析
臨床試験に参加した全体の患者群のうち、実施例1の100 mg投与群で頭痛、左足首の痛風発作(gout flare)、及び肝機能異常により3人の患者が投薬を中断し、200 mg投与群で肝酵素(Hepatic enzyme)の増加により1人の患者が投薬を中断しただけで、残りの患者群では顕著な治療誘発異常反応(TEAE, treatment emergency adverse event)は見付からなかった。また、実施例1の化合物は50mg、100mg、200mgの全ての患者群で異常反応の発生率は有意な差を示さなかっただけでなく、全体的な異常反応においても偽薬群及びフェブキソスタット群と差を示さなかった。
また、実施例と因果関係のある心血管系異常反応は報告されなかった。
従って、実施例1の化合物は、痛風治療において、1日投与量50mg、100mg、200mgで偽薬群と類似のレベルの安全性を示すことが分かる。
1-2.投薬期間中の血中平均尿酸濃度変化の分析
前述した来院スケジュールに従って、各投与群の患者の血中尿酸濃度を投薬後2週、4週、8週及び12週に測定した。投与前の基準血中尿酸濃度は、初回投薬日当日の投薬前に測定した血中尿酸濃度である。その結果を図2に示した。
図2によれば、実施例1の化合物を投与された患者群は、50mg、100mg及び200mgの用量から2週内に既に血中尿酸濃度が正常範疇に低下しただけでなく、投薬期間中、正常範疇(<6.0mg/dL)に一定に維持した。また、実施例1の化合物は、フェブキソスタットと類似または低い程度で血中尿酸濃度を維持しただけでなく、特に、200mgを投与した患者群では、投薬期間中、平均血中尿酸濃度を3.6mg/dLから4.1mg/dLに維持した。従って、実施例1の化合物は、従来の痛風治療剤であるフェブキソスタットと比較したとき、同等またはそれ以上の血中尿酸低下効果を有することが分かる。
欧州のリウマチ学会(European Alliance of Associations for Rheumatology; EULAR)の2016年痛風管理ガイドラインでは、痛風患者においてULTを行う場合、血中尿酸濃度レベルをモニタリングし、血中尿酸濃度を6mg/dL未満に維持することを推奨している。また、重度の痛風患者においては、血中尿酸濃度をより低いレベルに維持することを推奨している。
米国のリウマチ学会(American College of Rheumatology; ACR)でもEULAR 2016と同様に、一般的な痛風患者の場合、血中尿酸濃度を6mg/dLに管理することを推奨している(2020年痛風管理ガイドライン)。
従って、各投与群で血中尿酸濃度が6mg/dL未満又は5mg/dL未満に調節された患者の数を、投薬12週における血中尿酸濃度を基準にして計算した。
計算の結果、フェブキソスタットを投与された患者群では54%の患者だけが6mg/dL未満の血中尿酸濃度を示し、この結果は、フェブキソスタットを処方された患者群のうち30~60%の患者群だけが6 mg/dL未満の血中尿酸濃度を示すという従来の結果と一致する結果である(表1参照)。
しかし、驚くべきことに、実施例1の化合物を投与された患者群(50mg、100mg及び200mg)では、それぞれ59%、63%、78%の患者が6mg/dL未満の血中尿酸濃度を示しただけでなく、これらのうち47%、45%及び62%の患者は5mg/dL未満の血中尿酸濃度を示した(表1参照)。このような結果は、実施例1の化合物が、フェブキソスタットに比べてより高いレベルの血中尿酸減少効果を示すことを立証する結果である。
1-3.患者別の血中尿酸濃度の減少程度の分析(平均最大減少率)
次に、各投薬群別に血中尿酸濃度の最大減少度を計算し、その結果を図3に示した。図3によると、フェブキソスタットの場合、41.4%の血中尿酸減少度を示したことに対し、実施例1の化合物は50mg、100mg、200mgでそれぞれ46.7%、50.6%、66.8%の平均最大血中尿酸減少度を示し、実施例1の化合物はフェブキソスタットに比べてより高い程度で血中尿酸減少効果を示すだけでなく、投与用量に依存的な効果を示すことを確認した。

Claims (24)

1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸又はその薬学的に許容可能な塩を含む、対象体の高尿酸血症関連疾患の治療または予防用薬学的組成物であって、
1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸またはその薬学的に許容可能な塩は、50~200mg/日の投与用量で経口投与され、
前記薬学的組成物は、血中尿酸濃度が8~12mg/dLである高尿酸血症患者群に12週間毎日投与する場合、患者群の55%以上を血中尿酸濃度6.0mg/dL未満に低下させる、薬学的組成物。
前記投与用量は50mg/日である、請求項1に記載の薬学的組成物。
前記投与用量は100mg/日である、請求項1に記載の薬学的組成物。
前記投与用量は200mg/日である、請求項1に記載の薬学的組成物。
前記薬学的組成物は、血中尿酸濃度が8~12mg/dLである高尿酸血症患者群に12週間毎日投与する場合、患者群の40%以上を血中尿酸濃度5.0mg/dL未満に低下させる、請求項1に記載の薬学的組成物。
前記薬学的組成物は、血中尿酸濃度が8~12mg/dLである高尿酸血症患者群に12週間毎日投与する場合、患者群の15%以上を血中尿酸濃度4.0mg/dL未満に低下させる、請求項1に記載の薬学的組成物。
前記高尿酸血症関連疾患は、痛風、再発性痛風発作、痛風性関節炎、高血圧、心血管系疾患、冠状動脈性心臓病、心不全、レッシュ・ナイハン症候群、腎疾患、慢性腎疾患、腎結石、腎不全、糖尿病性腎疾患、関節炎、尿路結石症、またはこれらの組み合わせである、請求項1に記載の薬学的組成物。
前記高尿酸血症関連疾患は痛風である、請求項7に記載の薬学的組成物。
前記高尿酸血症関連疾患は慢性腎疾患である、請求項7に記載の薬学的組成物。
前記高尿酸血症関連疾患は心不全である、請求項7に記載の薬学的組成物。
前記薬学的組成物は、痛風発作(gout flare)を抑制するための治療剤をさらに含む、請求項1に記載の薬学的組成物。
前記痛風発作を抑制するための治療剤は、イブプロフェン(ibuprofen)、プロベネシド(probenecid)、スルフィンピラゾン(sulfinpyrazone)、コルヒチン(colchicine)、ナプロキセン(naproxen)、又はこれらの組み合わせを含む、請求項11に記載の薬学的組成物。
高尿酸血症に関連する疾患の治療または予防を必要とする対象体において、高尿酸血症に関連する疾患の治療または予防方法であって、
前記対象体に1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸またはその薬学的に許容可能な塩を50~200mg/日の投与用量で含む薬学的組成物を経口投与する工程を含み、
前記薬学的組成物は、血中尿酸濃度が8~12mg/dLである高尿酸血症患者群に12週間毎日投与する場合、患者群の55%以上を血中尿酸濃度6.0mg/dL未満に低下させる、治療または予防方法。
前記投与用量は50mg/日ある、請求項13に記載の治療または予防方法。
前記投与用量は100mg/日である、請求項13に記載の治療または予防方法。
前記投与用量は200mg/日である、請求項13に記載の治療または予防方法。
前記薬学的組成物は、血中尿酸濃度が8~12mg/dLである高尿酸血症患者群に12週間毎日投与する場合、患者群の40%以上を血中尿酸濃度5.0mg/dL未満に低下させる、請求項13に記載の治療または予防方法。
前記薬学的組成物は、血中尿酸濃度が8~12mg/dLである高尿酸血症患者群に12週間毎日投与する場合、患者群の15%以上を血中尿酸濃度4.0mg/dL未満に低下させる、請求項13に記載の治療または予防方法。
前記高尿酸血症関連疾患は、痛風、再発性痛風発作、痛風性関節炎、高血圧、心血管系疾患、冠状動脈性心臓病、心不全、レッシュ・ナイハン症候群、腎疾患、慢性腎疾患、腎結石、腎不全、糖尿病性腎疾患、関節炎、尿路結石症、またはこれらの組み合わせである、請求項13に記載の治療または予防方法。
前記高尿酸血症関連疾患は痛風である、請求項19に記載の治療または予防方法。
前記高尿酸血症関連疾患は慢性腎疾患である、請求項19に記載の治療または予防方法。
前記高尿酸血症関連疾患は心不全である、請求項19に記載の治療または予防方法。
前記薬学的組成物は、痛風発作(gout flare)を抑制するための治療剤をさらに含む、請求項13に記載の治療または予防方法。
前記痛風発作を抑制するための治療剤は、イブプロフェン(ibuprofen)、プロベネシド(probenecid)、スルフィンピラゾン(sulfinpyrazone)、コルヒチン(colchicine)、ナプロキセン(naproxen)、またはこれらの組み合わせを含む、請求項23に記載の治療または予防方法。
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