JP2024519593A - リチウム金属バッテリー用のプレート構造電極被覆ゼオライトセパレーター - Google Patents

リチウム金属バッテリー用のプレート構造電極被覆ゼオライトセパレーター Download PDF

Info

Publication number
JP2024519593A
JP2024519593A JP2023571869A JP2023571869A JP2024519593A JP 2024519593 A JP2024519593 A JP 2024519593A JP 2023571869 A JP2023571869 A JP 2023571869A JP 2023571869 A JP2023571869 A JP 2023571869A JP 2024519593 A JP2024519593 A JP 2024519593A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
separator
electrode
silicalite
battery
range
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023571869A
Other languages
English (en)
Inventor
ジェリー リン
キシェン ラフィズ
Original Assignee
アリゾナ ボード オブ リージェンツ オン ビハーフ オブ アリゾナ ステート ユニバーシティ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アリゾナ ボード オブ リージェンツ オン ビハーフ オブ アリゾナ ステート ユニバーシティ filed Critical アリゾナ ボード オブ リージェンツ オン ビハーフ オブ アリゾナ ステート ユニバーシティ
Publication of JP2024519593A publication Critical patent/JP2024519593A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M50/00Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
    • H01M50/40Separators; Membranes; Diaphragms; Spacing elements inside cells
    • H01M50/409Separators, membranes or diaphragms characterised by the material
    • H01M50/431Inorganic material
    • H01M50/434Ceramics
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/052Li-accumulators
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/38Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of elements or alloys
    • H01M4/381Alkaline or alkaline earth metals elements
    • H01M4/382Lithium
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/48Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides
    • H01M4/52Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides of nickel, cobalt or iron
    • H01M4/525Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides of nickel, cobalt or iron of mixed oxides or hydroxides containing iron, cobalt or nickel for inserting or intercalating light metals, e.g. LiNiO2, LiCoO2 or LiCoOxFy
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M50/00Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
    • H01M50/40Separators; Membranes; Diaphragms; Spacing elements inside cells
    • H01M50/403Manufacturing processes of separators, membranes or diaphragms
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M50/00Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
    • H01M50/40Separators; Membranes; Diaphragms; Spacing elements inside cells
    • H01M50/409Separators, membranes or diaphragms characterised by the material
    • H01M50/443Particulate material
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M50/00Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
    • H01M50/40Separators; Membranes; Diaphragms; Spacing elements inside cells
    • H01M50/409Separators, membranes or diaphragms characterised by the material
    • H01M50/449Separators, membranes or diaphragms characterised by the material having a layered structure
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M50/00Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
    • H01M50/40Separators; Membranes; Diaphragms; Spacing elements inside cells
    • H01M50/489Separators, membranes, diaphragms or spacing elements inside the cells, characterised by their physical properties, e.g. swelling degree, hydrophilicity or shut down properties
    • H01M50/491Porosity
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Cell Separators (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

リチウム金属バッテリー電極で支持されたセパレーターは、導電性基材と、基材上に被覆されたセパレーターとを含む。セパレーターは、プレート成形ゼオライト粒子を含み、ゼオライト粒子は粒子内細孔を画定する。リチウム金属バッテリーは、第1の電極、第1の電極上に被覆されたセパレーター、リチウム金属を含み且つセパレーターに直接接触する第2の電極、並びに第1の電極及び第2の電極に接触する電解質を含む。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれる2021年5月20日に出願された米国特許出願第63/191,085号の利益を主張する。
本発明は、リチウム金属バッテリー用のゼオライトセパレーターに関する。
リチウム金属バッテリー(LMB)は、金属リチウムアノードを備えた再充電可能なバッテリーである。アノードは、多孔質セパレーターによってカソードから分離され、電解質の通過を可能にする。
図1は、液体電解質を持つリチウムイオンバッテリー(LIB)100を示す。リチウムイオンバッテリー100は、アノード102及びカソード104を含む。アノード102及びカソード104は、セパレーター106によって分離される。アノード102は、アノードコレクター108、及びアノードコレクターに接触するアノード材料110を含む。カソード104は、カソードコレクター112、及びカソードコレクターに接触するカソード材料114を含む。電解質116は、アノード材料110及びカソード材料114に接触する。アノードコレクター108及びカソードコレクター112は、閉外部回路118によって電気的に連結される。アノード材料110及びカソード材料114は、その内部に及びそこから、リチウムイオン120が移行することのできる材料である。挿入(又はインターカレーション)中、リチウムイオンは電極(アノード又はカソード)材料中に移動する。逆プロセスである抽出(又はデインターカレーション)中、リチウムイオンは電極(アノード又はカソード)材料から外に移動する。LIBが放電するとき、リチウムイオンがアノード材料から抽出され、カソード材料中に挿入される。セルを充電するとき、リチウムイオンがカソード材料から抽出され、アノード材料中に挿入される。図1中の矢印は、充放電中にセパレーター106を通るリチウムイオンの移動を示す。
本開示は、特定の粒度範囲の粒子を生成するよう修正された熱水法を使用して合成された、プレート成形シリカライト粒子について記述する。シリカライトはゼオライトのMFI群に属し、そのフレームワークがケイ素及び酸素から本質的になる。これらの粒子は、プレート成形モルホロジーと、電解質中に存在するリチウムイオン錯体を輸送させることが可能な粒子内細孔とを有する。
粒子内細孔を有するプレート成形シリカライトから製作されたセパレーターは、類似の孔径、多孔度、及び屈曲度を有するが粒子内細孔に乏しいγ-アルミナセパレーターと比較して、より良好な性能をもたらした。デンドライトの伝播防止のための最大3Cの充放電Cレートでのこれらのセパレーターの性能は同等であったが、100サイクルにわたるシリカライトを持つLMBの安定性は優れていた。したがって粒子内細孔は、セパレーターアノード界面でのリチウムイオン束の均質化を支援し、そのことが、いかなるデンドライトの伝播もなしに高いCレートであってもリチウム金属バッテリーの安定なサイクル動作をもたらす。デンドライトの伝播は、リチウム金属バッテリーの動作上の安全性及び長期にわたるサイクル動作安定性を制限する可能性がある。本開示は、高性能の安全なリチウム金属バッテリー用の、液体電解質を持つ電極被覆プレート構造シリカライトセパレーターについて記述する。シリカライトセパレーターは、機械的に強力であり屈曲性多孔質であり、したがってデンドライトの通過を防止するのに有効である。プレート構造シリカライトセパレーターを持つニッケル-マンガン-コバルト-酸化物/リチウム完全セルは、充放電の最大3Cレートでデンドライトが通過しない、安定なサイクル性能を示す。
実施形態1は、リチウム金属バッテリー電極で支持されたセパレーターであって、
導電性基材と、
基材上に被覆されたセパレーターであり、プレート成形ゼオライト粒子を含み、ゼオライト粒子が粒子内細孔を画定するセパレーターと
を含む、セパレーターである。
実施形態2は、セパレーターの厚さが20μm~60μmの範囲にある、実施形態1のセパレーターである。
実施形態3は、ゼオライト粒子の平均直径が0.5μm~3.5μmの範囲にある、実施形態1又は2のセパレーターである。
実施形態4は、ゼオライト粒子の平均直径が1μm~3μmの範囲にある、実施形態3のセパレーターである。
実施形態5は、粒子内細孔が0.5nm~0.8nmの範囲の半径を有する、実施形態1~4までのいずれか1つのセパレーターである。
実施形態6は、ゼオライト粒子間の粒子間細孔を画定する、実施形態1~5までのいずれか1つのセパレーターである。
実施形態7は、粒子間細孔の半径が100nm~700nmの範囲にある、実施形態6のセパレーターである。
実施形態8は、粒子間細孔の半径が200nm~600nmの範囲にある、実施形態7のセパレーターである。
実施形態9は、粒子間細孔の半径が300nm~500nmの範囲にある、実施形態8のセパレーターである。
実施形態10は、基材がニッケル、マンガン、及びコバルト酸化物を含む、実施形態1~9までのいずれか1つのセパレーターである。
実施形態11は、ゼオライトがシリカライトを含む、実施形態1~10までのいずれか1つのセパレーターである。
実施形態12は、実施形態1~11までのいずれか1つの電極で支持されたセパレーターを作製する方法であって、
プレート成形ゼオライト粒子のスラリーを調製すること、
スラリーを導電性基材上に拡げて、被覆基材をもたらすこと、及び
被覆基材を乾燥して、電極で支持されたセパレーターをもたらすこと
を含む方法である。
実施形態13は、リチウム金属バッテリーであって、
第1の電極と、
第1の電極上に被覆されたセパレーターであり、プレート成形ゼオライト粒子を含み、ゼオライト粒子が粒子内細孔を画定するセパレーターと、
リチウム金属を含む第2の電極であり、セパレーターに直接接触する第2の電極と、
第1の電極及び第2の電極に接触する電解質と
を含む、バッテリーである。
実施形態14は、第1の電極がニッケルマンガンコバルト酸化物電極である、実施形態13のバッテリーである。
実施形態15は、電解質が液体電解質である、実施形態13又は14のバッテリーである。
実施形態16は、セパレーターの厚さが20μm~60μmの範囲にある、実施形態13~15までのいずれか1つのバッテリーである。
実施形態17は、セパレーターの屈曲度(EIS法)が少なくとも6である、実施形態13~16までのいずれか1つのバッテリーである。
実施形態18は、セパレーターの多孔度が40%~60%の範囲にある、実施形態13~17までのいずれか1つのバッテリーである。
実施形態19は、ゼオライトがシリカライトを含む、実施形態13~18までのいずれか1つのバッテリーである。
実施形態20は、セパレーターが、バッテリーの充放電中にリチウムデンドライトの形成を阻止する、実施形態13~19までのいずれか1つのバッテリーである。
本開示の対象の1つ又は複数の実施形態の詳細を、添付図面及び記述で述べる。対象のその他の特徴、態様、及び利点は、記述、図面、及び請求項から明らかにされよう。
液体電解質を含むリチウムイオンバッテリー(LIB)の概略断面図である。 電極で支持されたセパレーターの概略断面図である。 図3Aは、約2.1μmの粒度を有する、合成されたプレート形状シリカライト粉末の上面走査型電子顕微鏡法(SEM)画像である。図3Bは、シリカライト粉末の粒度分布のプロットを示す。図3Cは、合成されたシリカライト粉末のX線回折(XRD)パターンを示す。 図4Aは、ニッケルマンガンコバルト酸化物(NMC)電極上に被覆されたプレート成形シリカライトセパレーターの断面SEM画像である。図4Bは、アルミ箔上に40μmの厚さのセパレーターとして被覆したときの、α-アルミナ、γ-アルミナ、及びプレート成形シリカライトの孔径分布を示す。図4Cは、NMC電極上に40μmまで被覆したときの、合成されたプレート成形シリカライトセパレーターのXRDパターンを示す。図4Dは、NMC電極上に40μmまで被覆し且つ400psiまで圧縮したときの、合成されたプレート成形シリカライトセパレーターのXRDパターンを示す。 プレート成形シリカライト、α-アルミナ、γ-アルミナ、及びPPセパレーターに関して電気化学インピーダンス分光法から得られたNyquistプロットを示す。プロットは、データにEC-LABを当て嵌めることによって作成した。セルは、カソードとしてNMCを、アノードとしてリチウム金属を、並びにプレート成形シリカライト、α-アルミナ、γ-アルミナ、及びPPセパレーターで作製した。 図6Aは、0.2Cレートでサイクル動作したときの、γ-アルミナ及びプレート成形シリカライトセパレーターの1回目及び100回目のサイクルに関する、電圧対容量密度曲線を示す。図6Bは、3Cレートで100サイクル後に抽出された、サイクル動作した電極被覆プレート成形シリカライトセパレーターに関するXRDパターンを示す。 図7A及び7Bは、それぞれ電流対時間及び電圧対時間に関する、1Cレートでの、プレート成形シリカライトセパレーターを持つリチウム金属セルに関する充放電プロファイルを示す。図7C及び7Dは、それぞれ電流対時間及び電圧対時間に関する、2Cレートでの、プレート成形シリカライトセパレーターを持つリチウム金属セルに関する充放電プロファイルを示す。 それぞれ電流対時間及び電圧対時間に関する、3Cレートでの、プレート成形シリカライトセパレーターを持つリチウム金属セルに関する充放電プロファイルを示す。 3Cレートで100サイクル後の、抽出されたプレート成形シリカライトセパレーターの表面の、様々な倍率での上面SEM顕微鏡写真である。
本開示は、ブレードコーティング法を使用してニッケルマンガンコバルト酸化物(NMC)カソード上に直接被覆された、プレート成形シリカライト粒子で作製された、デンドライト阻止セパレーターについて記述する。このポリマーを含まないセパレーターは、リチウム金属バッテリー(LMB)におけるデンドライトの伝播を阻止し又は予防する。
本明細書に記述される、リチウム金属バッテリー電極で支持されたセパレーターは、層上に形成することができる導電性基材と、基材上に被覆されたセパレーターとを含む。図2は、電極被覆シリカライトセパレーター200の断面図を示す。電極被覆シリカライトセパレーター200は、シリカライトセパレーター202を導電性基材204上に含む。導電性基材は、集電子206上に被覆することができる。
シリカライトセパレーター202は、粒子内細孔を画定するプレート成形されたゼオライト粒子(例えば、シリカライト粒子)を含む。セパレーターの厚さは、典型的には20μm~60μmの範囲にある。ゼオライト粒子の平均直径は、0.5μm~3.5μm(例えば、1μm~3μm)の範囲にある。粒子内細孔は、0.5nm~0.8nmの範囲の半径を有する。ある場合には、セパレーターは、ゼオライト粒子間の粒子間細孔を画定する。粒子間細孔の半径は、典型的には100nm~700nm(例えば、200nm~600nm、又は300nm~500nm)の範囲にある。セパレーターの多孔度は、40%~60%の範囲にすることができ、電気化学インピーダンス分光(EIS)法を使用して測定されたセパレーターの屈曲度は、少なくとも6にすることができる。
導電性基材は、電極(例えば、カソード)として使用することができる。導電性基材の厚さは、典型的には10μm~100μmの範囲にある。導電性基材204に適切な材料は、ニッケル、マンガン、及びコバルト酸化物(例えば、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムマンガン酸化物(LiMn24)、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(LiNiCoAlO2)、及びリチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(LiNixMnyCoz2))の1種又は複数を含む。
一実施例では、集電子206はアルミニウムから構成される。
電極で支持されたセパレーターは、プレート成形ゼオライト粒子のスラリーを調製すること、スラリーを導電性基材上に拡げて被覆基材をもたらすこと、及び被覆基材を乾燥して電極で支持されたセパレーターをもたらすことによって、製作することができる。
セパレーターは、第1の電極、セパレーターに直接接触する第2の電極、並びに第1の電極及び第2の電極に接触する電解質を含む、リチウム金属バッテリーで使用することができる。電解質は、液体電解質又は固体電解質とすることができる。セパレーターは、バッテリーの充放電中のリチウムデンドライトの形成を阻止する。
本明細書に記述されるゼオライト系セパレーター技術は、約0.1~500Ahの範囲の容量を持つ、パウチ、円筒状、又はプリズム上のLMBセルの構成で使用されてもよい。これらのセルに適切なカソードは、リチウム鉄リン酸塩(LiFePO4)、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムマンガン酸化物(LiMn24)、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(LiNiCoAlO2、「NCA」とも呼ぶ)、及びリチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(LiNixMnyCoz2、「NMC」とも呼ぶ)を含む。一部の実施例では、NMCカソードは、LiNi0.333Mn0.333Co0.3332(NMC111又はNMC333)、LiNi0.5Mn0.3Co0.22(NMC532又はNCM523)、LiNi0.6Mn0.2Co0.22(NMC622)、又はLiNi0.8Mn0.1Co0.12(NMC811)等の組成物を有する。一部の実施形態では、本明細書に記述されるセパレーター技術は、アノードが銅等の単なる金属箔であるリチウムイオンバッテリーに使用されてもよい。一部の実施形態では、本明細書に記述されるセパレーター技術は、アノードがケイ素、ケイ素炭素複合体、天然黒鉛、合成黒鉛、チタン酸リチウム、グラフェン、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、又はこれらの組合せを含む、リチウムイオンバッテリーで使用されてもよい。
他の実施形態では、本明細書に記述されるプレート成形シカライト粒子は、LMB及びリチウムイオンバッテリー用のポリマー系セパレーターにおける添加剤として使用されてもよい。粒子は、セパレーターの約0.1~75質量%を構成してもよい。ポリマーは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリエステル、又はこれらの組合せを含んでいてもよい。セパレーターは、約15~35μmの範囲の厚さを有していてもよい。
本明細書に記述される、プレート成形モルホロジーを持つミクロポーラスゼオライトシリカライト粒子は、工業的に規模を拡大縮小できるブレードコーティング法を使用して、電極被覆セパレーターを作製するのに使用される。粒子の形状は、その面に沿ったこれら粒子の積層に起因して、その被覆後に屈曲セパレーターをもたらす。また、シリカライトプレート内のミクロ細孔は、それらの内部を経てリチウムイオン錯体を輸送させることができる。これによりセパレーター及びアノード界面でのリチウムイオン束がより均一になり、それによって、より均一なリチウムメッキ、より低い固体電解質界面(SEI)、及び電荷移動抵抗、並びにより低いデンドライト形成の可能性がもたらされる。シリカライト粒子密度は、γ-アルミナ粒子の場合よりも低い。これは同じ厚さを持つγ-アルミナ粒子系セパレーターで作製されたLMBよりも、シリカライト系セパレーターで作製されたLMBに関して更に高い重力エネルギー密度をもたらす。
(プレート成形シリカライトの合成及び被覆スラリーの調製)
プレート成形シリカライト粒子合成は、10gmのオルトケイ酸テトラエチル(試薬級、98質量%;Aldrich)、4gmの水酸化テトラプロピルアンモニウム(H2O中1M;Sigma ALdrich)、及び170mgの脱イオン水を、密閉したビーカー内で24時間、室温(約25℃)で混合することにより、熱水的に行った。24時間後に得られた透明溶液を、オートクレーブに移し、155℃の炉内で10時間加熱して、約2μmサイズの、必要とされるプレート成形シリカライト粒子を得た。オートクレーブを、更に12時間、室温まで冷ました。次いでオートクレーブを開放し、底部に形成されたシリカライト粉末を、デカンテーションによって母液から分離した。反応後に残った有機成分を除去するため、シリカライト粉末を、脱イオン水と混合することにより洗浄し、混合物を16.8m RCF(メートル相対遠心力)で遠心分離した。この洗浄プロセスを3回行った。粉末及び脱イオン水の混合物を遠心分離から回収した後、ホットプレート上のビーカー内で撹拌しながら乾燥して、溶液中の多量の水を100℃で約24時間除去した。
粉末を、真空中、120℃で乾燥して、粉末中の水分を除去した。この後、媒体としての大気と共に600℃で18時間か焼して、微量の有機物を粉末から除去した。シリカライトのスラリーを形成するため、3gmの粉末を1gmの5質量%ポリビニルアルコール(PVA)水性溶液(分子量:77000~79000Da)(ICN Biomedical Inc.,USA)及び1gmの脱イオン水と、気泡が最小限に抑えられた均質なスラリーが形成されるまで混合した。このスラリーを、乳棒及び乳鉢を使用して約10分間、手作業で粉砕した。
(電極被覆セパレーターの形成及びその特徴付け)
0.1mmの厚さ及び15.6mmの直径のリチウム金属チップと、ニッケルマンガンコバルト酸化物(NMC)電極とを、MTI Corporation,USAから調達した。CR-2032セルを構成するための構成要素は、X2 Labwares,シンガポールから調達した。使用した電解質は、MTI,USAから密閉溶液で調達された、等体積の炭酸エチル(EC)、炭酸ジエチル(DEC)、及び炭酸ジメチル(DMC);EC:DEC:DMC=1:1:1、v/v/v)中、1MのLiPF6塩であった。対照セル性能を確立するため、25μmの厚さの商業的に使用されるPP-2500セパレーターを、Celgard LLC,USAから調達し、シリカライトセパレーターの場合に類似したセルを作製するのに使用した。
プレート成形シリカライト粉末のスラリーを、アルミ箔又はNMC電極の縁部の1つを横断するように滴下し、次いでキャリパー調節可能なドクターブレード(Gardco LLC,USA)を使用して、アルミ箔又はNMC電極の長さを下へと拡げた。電極で支持されたセパレーターを生成するため、初期ブレードギャップを50μmに保持した。被覆セパレーターを、40℃及び60%の相対湿度の湿度制御されたチャンバー内で8時間乾燥した。セパレーターを、温度制御された真空炉(Thermo Fisher Scientific,USA)を使用して、70℃で12時間乾燥して、水分を除去した。被覆セパレーターの厚さを、精度1μmのマイクロメーター(ミツトヨ、日本)により測定した。最終厚さは、セパレーターの乾燥に起因して約10μmの圧縮が観察されたので、40μmであることがわかった。
シリカライトセパレーターの多孔度を測定するため、アルミ箔上の被覆セパレーターを、セパレーターに対する物理的損傷を引き起こすことなく剥がした。この自立型シリカライトセパレーターは、PP-2500セパレーターの物理的な自立型性質に一致するように得られた。セパレーターの多孔度(φ)は、被覆シリカライトセパレーターの質量及び次元体積、並びに方程式1を使用して測定された嵩密度から得られた。
Figure 2024519593000002
(式中、ρ及びρ粒子はそれぞれ嵩密度及び粒子密度である。)
屈曲度を測定するため、PP-2500及びシリカライトセパレーターを、グローブボックス内で電解質に24時間浸漬した。浸漬したセパレーターを、自立型セパレーターと同じ形状及び断面を有する2つのステンレス鋼電極プレート間に挿入した。セパレーターのオーム抵抗を、25℃でEISを使用することによって得た。EIS機器(PARSTAT 2263 EISステーション,Princeton Applied Research,USA)走査パラメーターを、出発周波数100kHz及び最終周波数100mHzに設定し、AC振幅は10mV rmsに設定した。セパレーターの屈曲度(τ)は、方程式2:
Figure 2024519593000003
により、その測定されたオーム抵抗(R)及び電解質の伝導度「K」に関係し、式中、「d」はセパレーターの厚さであり、「A」はセパレーターの断面積であり、「φ」はセパレーターの多孔度である。方程式2を使用して、電解質に浸漬された様々なセパレーターの屈曲度を見出した。
走査型電子顕微鏡法(SEM)(Philips,USA,FEI XL-30)を使用して、顕微鏡写真の現像が容易になるように、金がスパッタリングコーティングされたセパレーター試料上の被覆セパレーターの断面モルホロジーを試験した。更に、熱水経路を介して合成されたプレート成形シリカライト粒子を、ブレードコーティング法を使用してアルミ箔上に被覆した後に上面SEMを行うことによって、粒度に関して特徴付けた。上面SEM画像を、0.25μmの粒度間隔を持つ粒度分布に関してGATAN GMSソフトウェアを使用して、粒度分布に関して定量化した。
X線回折(XRD)パターンを、合成材料の相構造を確認するために、シリカライト粉末に関して得た(Bruker AXS-D8,Cu Kα放射線,USA)。XRDは、NMC上に被覆されたシリカライトセパレーター、及び400psi圧縮後にNMC上に被覆されたシリカライトセパレーターに関しても行って、ピーク強度におけるあらゆる変化を観察した。電極被覆シリカライトセパレーターを、3Cレートで100サイクル動作させた後にコインセルから取り出して、セパレーターの安定性を確認した。被覆アルミ箔を16mmのディスクにカットし、水銀ポロシメーター(Micrometrics Auto Pore V,USA)を使用して、それらの孔径分布に関して試験した。この特徴付けは、NMCの孔径分布がそれぞれの粉末の孔径分布の測定を妨げないように、NMCではなくアルミ箔上にシリカライト粉末を被覆することによって行った。水銀ポロシメトリーは、ナノメートル~マイクロメートルに及ぶ寸法の孔径を検出するため、高圧モード及び低圧モードの両方で行った。
(コインセルの構築及びサイクル動作後のセル内部分析)
16mm直径のシリカライト被覆電極ディスクを、対応する被覆電極シートからカットし、70℃の真空炉内で12時間保持した。次いでアルゴンが充填されたグローブボックス(Innovative Technology Inc.,USA)内に入れ、24時間にわたり保持して、電極で支持されたセパレーターディスク内の大気ガス又は水分を除去した。セルのその他の成分を、組立てのためにグローブボックス内に先に入れた。カットされた16mmの電極で支持されたセパレーターディスクを、CR-2032セルの底部ケース内に置き、150μlの電解質(1M LiPF6塩を、等体積の炭酸エチル(EC)、炭酸ジエチル(DEC)、及び炭酸ジメチル(DMC);EC:DEC:DMC=1:1:1、v/v/v中)を、NMC電極の上面シリカライト被覆面の表面にピペット分取した。
セパレーターへの損傷を防止するため、0.1mmの厚さ及び15.6mmの直径のリチウム金属チップ(MTI,USA)をセパレーター表面の上部に置いた。2個のスペーサー及び1個のバネ(X2 Labwares,シンガポール)をリチウム金属アノード上に置き、その後、CR-2032セルの上部ケースを置いて、完全セルを密接に包封した。コインセルを、400psiの圧力で圧着した。電解質で満たされた、組み立てられたリチウム金属コインセルをグローブボックスから取り出し、その充放電特性を、バッテリー試験システム(Neware Co.,中国)により試験した。様々なCレート(0.2Cレート~3Cレート)でセパレーターの性能を試験するため、シリカライトセパレーターを持つセルを、標準のCC-CV(定電流-定電圧)法を使用して、2.0~4.0ボルトの間で100サイクルにわたり様々なCレートで試験した。
PARSTAT 2263 EISステーション(Princeton Applied Research,USA)を、ACモードで使用して、組み立てられたセルのEIS測定を行った。組み立てられた完全セルに関するNyquistプロットを、100kHz~100MHzの周波数範囲を利用することによって作成した。セパレーターを通るデンドライトの伝播を試験するため、シリカライトセパレーターを持つサイクル動作したコインセルを、グローブボックス内で分解した。リチウム金属アノードをセルから取り出し、セパレーター被覆カソードをSEM試料保持ステージ上に置いた。次いでこの試料ホルダーを、真空密閉容器内での金のスパッタリングのために取り出し、次いでリチウム金属アノードに接触しているセパレーターの表面のデンドライトに関して試験した。
(シリカライト粉末の合成、セパレーターの被覆の特徴付け)
図3Aは、NMC電極上の被覆セパレーターとして形成された、合成されたプレート成形シリカライト粒子のSEM顕微鏡写真である。これらの粒子は、約100nm~約150nmの厚さ、約400nm~約500nmの幅、及び約2.1μmの長さを有する。より大きい粒子の一部は、いくつかの長方形プレート成形粒子をもたらす湿式粉砕プロセスに起因して破壊されている。図3Bは、図3Aに示される粒子の粒度分布を示す。プレート成形粒子の長さとして定められた粒度は、被覆品質に影響を及ぼし、これらの粒子がその長さを横断するよりも多く、電極表面細孔を満たすことを示す。図3Bは、粒子の大部分の粒度が2.0~2.1μmの範囲にあることを示す。プレート成形粒子の粒度範囲は、セパレーターの良好な品質の被覆が単一被覆で実現されるように、NMC電極の孔径に一致するよう設計した。図3Cは、合成されたシリカライト粉末のXRDパターンを示す。ピーク強度は、粉末試料がXRD試料ホルダー内の粉末ディスクとして設定されるので、1つの特定の結晶面に関して大きくない。したがって、特定の平面の特定のアライメントを実現することができない。
図4Aは、NMC電極404上に被覆されたプレート成形シリカライトセパレーター402を含む、電極で支持されたセパレーター400の断面SEM画像である。NMC電極404は、アルミ箔406上に被覆される。セパレーター402は、約40μmの厚さでNMC電極404上に均等に被覆される。図4Bは、水銀ポロシメトリーにより得られるように、アルミ箔上に被覆したときの、プレート成形シリカライト、γ-アルミナ、及びα-アルミナセパレーターの孔径分布を示す。水銀ポロシメトリーは、メソ細孔及びマクロ細孔の両方を得るため、高圧及び低圧の両方で行った。プレート成形シリカライト粒子のミクロ細孔は、約0.5nm~約0.8nmの範囲の平均直径を有する。プレート成形シリカライト粒子は、得られるシリカライトセパレーターの孔径が、既に研究されたγ-アルミナセパレーターの場合に類似するような、サイズ及びモルホロジーを有した:プレート成形シリカライトセパレーターの孔径(約450nm)は、γ-アルミナセパレーター(約430nm)に非常に類似している。シリカライトセパレーターは、リチウムイオン輸送に対するシリカライト粒子内細孔の影響を評価することができるように、γ-アルミナセパレーターに類似した孔径を有するものを設計した。プレート成形シリカライト粒子の粒度及びモルホロジーは、得られたセパレーター構造が類似の屈曲度を有することができるように、γ-アルミナセパレーターに類似の状態も保持した。
図4Cは、NMC電極上に被覆されたプレート成形シリカライトセパレーターのXRDパターンを示す。ピークは、公知のシリカライトピークを表し、したがって合成されたプレート成形シリカライトの結晶構造を確認する。基礎をなすNMC又はアルミ箔材料からのピークはない。これらのピークは、任意の特定の結晶面に素って位置合わせされず、図3Cで観察されたピークにパターン及び強度が類似している。これは、NMC上のセパレーターの被覆が、特定の平面でプレート成形粒子に位置合わせされないことを示す。図4Dは、コインセルでの400psiまでの圧縮後、NMC電極上に被覆されたプレート成形シリカライトセパレーターのXRDパターンを示す。303(h、k、l)面からのピークは、圧縮後に、より有意になる。したがって、セパレーターの圧縮後、シリカライトプレート粒子は、その他の面と比較して、その面に沿って更に積層し、図示されるようなXRDパターンをもたらす。NMC又はアルミ箔からのピークは、回折パターンのいずれかに見られない。
(電気化学的特徴付け、コインセル性能、及びセパレーターの評価)
図5は、シリカライト、α-アルミナ、γ-アルミナ、及びPPセパレーターを持つコインセルに関する電気化学インピーダンス分光測定から得られる、当て嵌めたNyquistプロットを示す。図5では、CPEは、抵抗の容量部分を表す定位相要素である。このCPEは、セル内の電極が、充放電中のリチウムイオン錯体の移動のインピーダンスをもたらす非理想並列プレートキャパシターを形成するので、使用される。Wは、Wahlberg要素であり、電極内へのリチウムイオン錯体の無限拡散抵抗を表す。EC-LABを使用した生データの処理後の、オーム、SEI、及び電荷移動抵抗測定の定量値を、表1に列挙する。シリカライトセパレーターのオーム抵抗は、同じ厚さを有するとしても、γ-アルミナセパレーターの場合よりも僅かに高い。これは少なくとも部分的には、セパレーター内の細孔を占有するシリカライトの更に小さく破壊された粒子をもたらす、その僅かに低い多孔度に起因する。様々なセパレーターの孔径、多孔度、セパレーターの厚さ、セパレーター粒径、及び屈曲度を、表2に列挙する。
Figure 2024519593000004
Figure 2024519593000005
シリカライトセパレーターの、より高い屈曲度は、α-アルミナ及びPPセパレーターと比較したときのその非常に高いオーム抵抗を説明する。シリカライト及びγ-アルミナセパレーターは同じ孔径並びに類似の多孔度及び屈曲度を有するとしても、シリカライトセパレーターは、より低いSEI及び電荷移動抵抗を有する。このことは、粒子内細孔が、非常に良い手法でセパレーターとアノードとの界面でリチウムイオン束を均質化できることを示唆する。この界面でのより均一なリチウムイオン束は、より均一で堅牢なSEIをもたらし、リチウム金属アノードでのリチウムイオンのより良好な利用可能性ももたらす。更に、シリカライト及びγ-アルミナの類似の屈曲度は、高速サイクル動作中のリチウム金属アノードのより良好なメッキにおける粒子内細孔の役割を試験するための、客観的比較を提供する。
図6Aは、0.2Cレートで100サイクルにわたりサイクル動作したときの、γ-アルミナ及びプレート成形シリカライトセパレーターに関する1回目及び100回目のCC-CV曲線を示す。シリカライトセパレーターは、リチウム金属セルのγ-アルミナセパレーターの場合よりも平らな放電プロファイルを有する。これはシリカライトセパレーターのより低いSEI及び電荷移動抵抗の原因となり得る。また、シリカライトセパレーターは、γ-アルミナセパレーターと比較して、100サイクルの終わりに、約4%少ない容量も失った。これは更に低い分極損失、及びシリカライトセパレーターのリチウム金属の更に均一なメッキからもたらされる。シリカライトセパレーターのミクロ細孔は、アノードでリチウムイオン束を均質化するのを助け、したがって、リチウム金属の更に安定なメッキが生じ、不活性リチウムとしてのリチウム金属アノードのより低い損失がもたらされる。図6Bは、3Cレートで100サイクル後の、サイクル動作したシリカライトセパレーターのXRDパターンを示す。ピークは、図4Dに示されるような圧縮後に得られた場合に類似し、したがってセパレーターは、サイクル動作の最中及び後に安定であることを示す。ピーク強度は、図4Dと6Bとの間で僅かに様々であるが、ピークの場所は同じままであり、セパレーターに構造的変化はないことを示す。
図7A及び7Bは、それぞれ電流対時間及び電圧対時間に関する、1Cレートでの、プレート成形シリカライトセパレーターを持つリチウム金属セルに関する充放電プロファイルを示す。図7C及び7Dは、それぞれ電流対時間及び電圧対時間に関する、2Cレートでの、プレート成形シリカライトセパレーターを持つリチウム金属セルに関する充放電プロファイルを示す。図7A及び7Cは、リチウム金属バッテリーが、それぞれ1Cレート及び2Cレートでサイクル動作しながら、その全定格充放電電流に達したことを示す。これはアノードからサイクル動作中に、実質的な活性リチウム金属の損失がないことを示し、バッテリーの全容量を低減させる可能性がある。実質的な活性材料が、デンドライトの形でセパレーター内に失われ又は非反応性リチウム金属欠陥として失われた場合、バッテリーは、定格充放電電流に到達することができなかった。図7B及び7Dは、これらのバッテリーに関する電圧プロファイルが、全100サイクル中に安定であることを示す。これはデンドライトの伝播によりバッテリーが最大充電レートであっても突然の電圧降下を示し始めることになると考えられるので、デンドライトがセパレーターを経て伝播しなかったことを示す。これらの電圧及び電流プロファイルは、このセパレーターが、その高い屈曲度に起因して、これらの充放電レートでデンドライトの形成及び伝播を防止することを示す。
図8A及び8Bは、それぞれ、3Cレートで充放電している間の、シリカライトセパレーターリチウム金属セルに関する、電流及び電圧の傾向対時間を示す。シリカライトプレート成形セパレーターに関する充放電中の電流は、完全な100サイクルでその全範囲に到達し、それに対してγ-アルミナセルは、約75回目のサイクルでその容量を失い始めることが観察される。したがってシリカライト粒子の粒子内細孔は、セパレーター及びアノードの界面にわたる更に良好なリチウムイオン分布を容易にし、したがって、高いCレートでリチウム金属アノードの更に良好なメッキが実現される。この低減した不均一なメッキは、リチウム金属アノードから外れ且つセパレーター内に堆積されたと考えられる不活性リチウムの量を削減する。更に、電圧プロファイルは、100サイクルの全範囲にわたって安定でもあり、デンドライトがセパレーターを経て伝播しなかったことを確認する。セル電圧は、サイクル動作後、約3.8ボルトで一定のままであり、安定なセルであることを示す。
図9A~9Dは、100サイクルにわたり3Cレートでサイクル動作後の、抽出されたシリカライトセパレーターの上面SEM画像である。目に見える外来粒子は、セパレーター粒子上に又はセパレーターの目に見える細孔内部にはない。これはセパレーターが、外れたリチウム金属又はリチウム金属デンドライトの残余物をセパレーター母材中に持たないことを確認する。これは図8A~8Bで既に観察された安定な電圧及び電流対時間のプロファイルに一致する。
本開示は、多くの特定の実施形態の詳細を含有するが、これらは対象の範囲又は請求項に記載される範囲を限定すると解釈すべきではなく、むしろ特定の実施形態に特異的と考えられる特徴の記述と解釈される。別々の実施形態の文脈において、本開示で記述される、ある特定の特徴は、組み合わせて、単一の実施形態として実現することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で記述される様々な特徴は、多数の実施形態で、別々に、又は任意の適切な部分組合せで実現することもできる。更に、前述の特徴はある特定の組合せで且つ更に最初に請求項に記載されたままで作用すると記述され得るが、請求項に記載されたものの組合せからの1つ又は複数の特徴は、ある場合には、組合せから切り取ることができ、請求項に記載された組合せは、部分組合せ又は部分組合せの変形例を対象としてもよい。
対象の特定の実施形態について記述してきた。記述された実施形態の、その他の実施形態、変形例、及び置換例は、当業者に理解されるように、以下の請求項の範囲内にある。操作は、特定の順序で図面又は請求項に示されるが、これは所望の結果を得るために、そのような操作を図示される特定の順序で又は連続した順序で行うこと或いは全ての例示される操作を行うこと(一部の操作は任意と見なされ得る)が必要であると、理解すべきではない。
したがって、既に記述された例示的な実施形態は、本開示を定めず又は拘束しない。その他の変化、置換、及び変更も、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく可能である。

Claims (20)

  1. リチウム金属バッテリー電極で支持されたセパレーターであって、
    導電性基材と、
    前記基材上に被覆されたセパレーターであり、プレート成形ゼオライト粒子を含み、前記ゼオライト粒子が粒子内細孔を画定する、セパレーターと
    を含む、セパレーター。
  2. セパレーターの厚さが20μm~60μmの範囲にある、請求項1に記載のセパレーター。
  3. 前記ゼオライト粒子の平均直径が0.5μm~3.5μmの範囲にある、請求項1に記載のセパレーター。
  4. 前記ゼオライト粒子の平均直径が1μm~3μmの範囲にある、請求項3に記載のセパレーター。
  5. 前記粒子内細孔が0.5nm~0.8nmの範囲の半径を有する、請求項1に記載のセパレーター。
  6. 前記ゼオライト粒子間の粒子間細孔を画定する、請求項1に記載のセパレーター。
  7. 前記粒子間細孔の半径が100nm~700nmの範囲にある、請求項6に記載のセパレーター。
  8. 前記粒子間細孔の半径が200nm~600nmの範囲にある、請求項7に記載のセパレーター。
  9. 前記粒子間細孔の半径が300nm~500nmの範囲にある、請求項8に記載のセパレーター。
  10. 前記基材が、ニッケル、マンガン、及びコバルト酸化物を含む、請求項1に記載のセパレーター。
  11. 前記ゼオライトがシリカライトを含む、請求項1に記載のセパレーター。
  12. 請求項1に記載の電極で支持されたセパレーターを作製する方法であって、
    前記プレート成形ゼオライト粒子のスラリーを調製すること、
    前記スラリーを導電性基材上に拡げて、被覆基材をもたらすこと、及び
    前記被覆基材を乾燥して、電極で支持されたセパレーターをもたらすこと
    を含む、方法。
  13. リチウム金属バッテリーであって、
    第1の電極と、
    第1の電極上に被覆されたセパレーターであり、プレート成形ゼオライト粒子を含み、前記ゼオライト粒子が粒子内細孔を画定するセパレーターと、
    リチウム金属を含む第2の電極であり、前記セパレーターに直接接触する第2の電極と、
    前記第1の電極及び前記第2の電極に接触する電解質と
    を含む、バッテリー。
  14. 前記第1の電極が、ニッケルマンガンコバルト酸化物電極である、請求項13に記載のバッテリー。
  15. 前記電解質が液体電解質である、請求項13に記載のバッテリー。
  16. 前記セパレーターの厚さが20μm~60μmの範囲にある、請求項13に記載のバッテリー。
  17. 前記セパレーターの屈曲度(EIS法)が少なくとも6である、請求項13に記載のバッテリー。
  18. 前記セパレーターの多孔度が40%~60%の範囲にある、請求項13に記載のバッテリー。
  19. 前記ゼオライトがシリカライトを含む、請求項13に記載のバッテリー。
  20. 前記セパレーターが、前記バッテリーの充放電中にリチウムデンドライトの形成を阻止する、請求項13に記載のバッテリー。
JP2023571869A 2021-05-20 2022-05-18 リチウム金属バッテリー用のプレート構造電極被覆ゼオライトセパレーター Pending JP2024519593A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202163191085P 2021-05-20 2021-05-20
US63/191,085 2021-05-20
PCT/US2022/072403 WO2022246423A1 (en) 2021-05-20 2022-05-18 Plate-structured electrode-coated zeolite separators for lithium-metal batteries

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024519593A true JP2024519593A (ja) 2024-05-17

Family

ID=84141947

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023571869A Pending JP2024519593A (ja) 2021-05-20 2022-05-18 リチウム金属バッテリー用のプレート構造電極被覆ゼオライトセパレーター

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP4352818A1 (ja)
JP (1) JP2024519593A (ja)
KR (1) KR20240024105A (ja)
CN (1) CN117355986A (ja)
AU (1) AU2022276737A1 (ja)
CA (1) CA3219600A1 (ja)
WO (1) WO2022246423A1 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW411636B (en) * 1995-08-28 2000-11-11 Asahi Chemical Ind Cell and production method thereof
US20050112462A1 (en) * 2003-11-21 2005-05-26 Marple Jack W. High discharge capacity lithium battery
KR102587062B1 (ko) * 2017-12-18 2023-10-11 삼성전자주식회사 금속전지용 음극, 이를 포함하는 금속전지, 및 상기 금속전지용 음극의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
WO2022246423A1 (en) 2022-11-24
EP4352818A1 (en) 2024-04-17
KR20240024105A (ko) 2024-02-23
AU2022276737A1 (en) 2024-02-22
CN117355986A (zh) 2024-01-05
CA3219600A1 (en) 2022-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11600816B2 (en) Negative electrode, secondary battery and device comprising same
JP6123839B2 (ja) リチウムイオン二次電池負極用炭素粒子、リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池
CN111525099B (zh) 钠离子电池
US8815445B2 (en) Cathode active material for lithium secondary battery
KR101627013B1 (ko) 리튬 2차 전지, 리튬 2차 전지의 제조 방법, 및 리튬 2차 전지를 구비하는 차량
KR101411226B1 (ko) 리튬이온 이차전지용 리튬망간산화물 양극활물질 및 그것을 포함하는 리튬이온 이차전지
JP2014232728A (ja) リチウム二次電池用負極活物質、その製造方法およびこれを含むリチウム二次電池
MX2011002942A (es) Acumulador de litio y metodo de produccion del mismo.
KR20170049080A (ko) 전극, 전지 및 전극의 제조 방법
CN113078292A (zh) 一种负极和包含该负极的电化学装置和电子装置
CN110931689A (zh) 一种钙钛矿型锂离子固体电解质隔膜及其制备和使用方法
Yeom et al. Manganese oxides nanocrystals supported on mesoporous carbon microspheres for energy storage application
CN110828756B (zh) 一种锂离子固体电解质隔膜及其制备和使用方法
CN115642292B (zh) 一种零应变全固态锂铝电池
JP2003100292A (ja) 負極用炭素材料及びその製造方法、並びにこれを用いたリチウムイオン二次電池
JP2024519593A (ja) リチウム金属バッテリー用のプレート構造電極被覆ゼオライトセパレーター
US20230238644A1 (en) Fire-Proof Lithium-Ion Battery
KR20150102713A (ko) 다공성 실리콘계 음극 활물질, 이의 제조 방법, 및 이를 포함하는 리튬 이차전지
Li et al. Confine Sulfur in Mesoporous Chromium-Metal–Organic Frameworks (MIL-101) for Long-life Lithium–Sulfur Batteries
Rafiz et al. Electrode-supported high-tortuosity zeolite separator enabling fast-charging and dendrite-free lithium-ion/metal batteries
WO2024065402A1 (zh) 一种二次电池及用电装置
JP2024519898A (ja) γ-アルミナセパレーターにより有効化された急速充電準固体状態Li金属バッテリー
JP2022123362A (ja) 正極および蓄電デバイス
JP2024011759A (ja) 非水系リチウム蓄電素子
JP2014002849A (ja) リチウムマンガン含有酸化物とその製造方法、リチウムイオン二次電池の正極活物質、およびリチウムイオン二次電池