JP2024519545A - B細胞リンパ腫におけるt細胞リダイレクト抗体の標的としてのbcma - Google Patents

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Abstract

治療上有効量のBCMA特異性抗体を対象に投与することを含む、ヒト対象における非ホジキンリンパ腫(NHL)を治療するための方法が提供される。また、ヒト対象における非ホジキンリンパ腫(NHL)を治療するのに治療上有効である量でBCMA特異性抗体と、γ-セクレターゼ阻害剤と、を含む組成物も開示される。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年5月28日に出願された米国特許仮出願第63/194,470号、及び2021年6月11日に出願された米国特許仮出願第63/209,694号に対する優先権の利益を主張するものであり、これら両方の全容は、参照により本明細書に組み込まれている。
(発明の分野)
本開示は、Bリンパ増殖性疾患の治療に関する。
B非ホジキンリンパ腫(B non-Hodgkin lymphoma、B-NHL)などのB細胞リンパ増殖性疾患の治療は、近年著しく進歩している。これは主に、化学免疫療法だけでなく、BTK及びPI3Kなどの中心的なB細胞受容体キナーゼの阻害剤並びにベネトクラクスなどの重要なアポトーシス調節因子の阻害剤などの標的化剤も含有する急速に拡大している治療装備によるものである1、2。それにもかかわらず、多くのB-NHLサブタイプについて、これらの治療は、治癒的ではなく、最終的に患者において疾患再発をもたらし、これらの悪性腫瘍のための新しい療法の必要性が強調されている。
幹細胞移植(stem cell transplantation、SCT)から、長寿命のT細胞媒介抗がん応答が実行可能であることが明らかになった。しかしながら、重篤な移植片対宿主病(graft-versus-host disease、GVHD)が起こり得るため、このような大部分の高齢患者群は、SCTの対象外である。自己ベースのT細胞療法の適用は、ほぼ間違いなくGVHDの発症をもたらさないので、好ましい治療法であり得る。免疫チェックポイント阻害(immune checkpoint blockade、ICB)及びキメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor、CAR)T細胞を含む、異なる自己ベースのT細胞が既に開発されている。ICBは、濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma、FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B cell lymphoma、DLBCL)、及びマントル細胞リンパ腫(mantle cell lymphoma、MCL)の患者を含むB-NHL患者のわずかな数においてのみ有効であることが示されている。対照的に、CAR T細胞は、より有望であることが証明されている。現在利用可能なCAR T細胞は、患者固有の方法で産生されるので、時間がかかり、費用もかさむ。CAR-T細胞は、1回与えられ、T細胞疲弊の発生は、治療失敗の一般的な理由である
PBS及びPCにおけるBCMAの発現と一致して、BCMAが多発性骨髄腫(multiple myeloma、MM)に対して高度に発現され、したがって、BCMA標的療法の好適な標的であることが十分に報告されている17。形質細胞に匹敵して、BCMAシグナル伝達はまた、MM細胞の生存を促進する17、18。しかしながら、BCMAの発現はまた、扁桃記憶B細胞及び胚中心B細胞にも観察されているので21~23、他の成熟B細胞悪性腫瘍もBCMAを発現し、したがってBCMA指向療法を使用して標的化することができるかどうかについては未解決である。
治療上有効量のBCMA特異性抗体を対象に投与することを含む、ヒト対象における非ホジキンリンパ腫(non-Hodgkin lymphoma、NHL)を治療するための方法が本明細書に提供される。
また、ヒト対象における非ホジキンリンパ腫(NHL)を治療するのに治療上有効である量でBCMA特異性抗体と、γ-セクレターゼ阻害剤と、を含む組成物も開示される。
BCMAが、異なるB細胞悪性腫瘍によって発現され、γ-セクレターゼ阻害によって増強され得ることを実証する実験の結果を示す。 BCMAが、異なるB細胞悪性腫瘍によって発現され、γ-セクレターゼ阻害によって増強され得ることを実証する実験の結果を示す。 BCMAが、異なるB細胞悪性腫瘍によって発現され、γ-セクレターゼ阻害によって増強され得ることを実証する実験の結果を示す。 BCMAが、異なるB細胞悪性腫瘍によって発現され、γ-セクレターゼ阻害によって増強され得ることを実証する実験の結果を示す。 BCMAが、異なるB細胞悪性腫瘍によって発現され、γ-セクレターゼ阻害によって増強され得ることを実証する実験の結果を示す。 BCMAが原発性CLL細胞に低レベルで発現され、γ-セクレターゼ阻害によってわずかに増強され得ることを示す評価の結果を提供している。 BCMAが原発性CLL細胞に低レベルで発現され、γ-セクレターゼ阻害によってわずかに増強され得ることを示す評価の結果を提供している。 BCMAが原発性CLL細胞に低レベルで発現され、γ-セクレターゼ阻害によってわずかに増強され得ることを示す評価の結果を提供している。 BCMAが原発性CLL細胞に低レベルで発現され、γ-セクレターゼ阻害によってわずかに増強され得ることを示す評価の結果を提供している。 BCMAが原発性CLL細胞に低レベルで発現され、γ-セクレターゼ阻害によってわずかに増強され得ることを示す評価の結果を提供している。 BCMAが原発性CLL細胞に低レベルで発現され、γ-セクレターゼ阻害によってわずかに増強され得ることを示す評価の結果を提供している。 異なるB細胞悪性腫瘍におけるBCMA発現を示す。 異なるB細胞悪性腫瘍におけるBCMA発現を示す。 BCMA抗体が、B細胞悪性腫瘍細胞株の存在下でT細胞による活性化、脱顆粒、サイトカイン分泌、及び細胞傷害性をどのように誘導するかを実証している。 BCMA抗体が、B細胞悪性腫瘍細胞株の存在下でT細胞による活性化、脱顆粒、サイトカイン分泌、及び細胞傷害性をどのように誘導するかを実証している。 BCMA抗体が、B細胞悪性腫瘍細胞株の存在下でT細胞による活性化、脱顆粒、サイトカイン分泌、及び細胞傷害性をどのように誘導するかを実証している。 BCMA抗体が、B細胞悪性腫瘍細胞株の存在下でT細胞による活性化、脱顆粒、サイトカイン分泌、及び細胞傷害性をどのように誘導するかを実証している。 BCMA抗体が、B細胞悪性腫瘍細胞株の存在下でT細胞による活性化、脱顆粒、サイトカイン分泌、及び細胞傷害性をどのように誘導するかを実証している。 BCMA抗体が、B細胞悪性腫瘍細胞株の存在下でT細胞による活性化、脱顆粒、サイトカイン分泌、及び細胞傷害性をどのように誘導するかを実証している。 BCMA抗体が、B細胞悪性腫瘍細胞株の存在下でT細胞による活性化、脱顆粒、サイトカイン分泌、及び細胞傷害性をどのように誘導するかを実証している。 BCMA抗体が、B細胞悪性腫瘍細胞株の存在下でT細胞による活性化、脱顆粒、サイトカイン分泌、及び細胞傷害性をどのように誘導するかを実証している。 A~Cは、健常ドナーT細胞が、CD8+T細胞に大きく依存するBCMA特異性抗体の存在下で原発性CLL細胞を死滅させることを示す評価の結果を提供している。 BCMA特異性抗体が、どのようにCLL由来T細胞のT細胞活性化を誘導し、CLL死滅をもたらすかを示す。 BCMA特異性抗体が、どのようにCLL由来T細胞のT細胞活性化を誘導し、CLL死滅をもたらすかを示す。 BCMA特異性抗体が、どのようにCLL由来T細胞のT細胞活性化を誘導し、CLL死滅をもたらすかを示す。 様々な細胞株の生存率がγ-セクレターゼ阻害によって影響を受けなかったことを実証している。 CLL細胞の生存率がγ-セクレターゼ阻害によって影響を受けなかったことを実証するデータである。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。 γ-セクレターゼ阻害剤の存在下又は非存在下での抗BCMA抗体治療が、T細胞活性化(CD25)、T細胞脱顆粒(CD107a)、サイトカイン発現(IFN-g、IL-2、及びTNF-α)、並びにT細胞分裂のマーカーの増加をもたらすかどうかに関する評価の結果を提供している。
本発明に開示されている発明的主題は、本開示の一部を形成する、添付の図及び実施例に関連して解釈される以下の発明を実施するための形態を参照することにより、より容易に理解することができる。これらの発明は、本明細書に記載する、かつ/又は示す特定の製品、方法、条件、又はパラメータに限定されるものではなく、本明細書で使用される専門用語は、ほんの一例として具体的な実施形態を記載する目的のためのものであり、特許請求した発明を制限することを意図するものではないことを理解されたい。
本文献に引用又は記載されている各特許、特許出願、及び刊行物の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。本開示において、上付き数字は、後述の「参考文献」の見出しの下に記載されている、対応する番号を付した刊行物を指す。
上記で使用されるとき、また本開示全体を通して、以下の用語及び略語は、特に指示のない限り、以下の意味を有するものと理解されたい。
本開示では、文脈が明らかに他の意味を示さない限り、単数形「a」、「an」、及び「the」は、複数の参照を含み、特定の数値への参照は、少なくともその特定の値を含む。したがって、例えば、「治療(a treatment)」への言及は、このような治療のうちの1つ以上及び当業者に既知であるその等価物などへの言及である。更に、特定の要素が、X、Y、又はZで「あってもよい」ことを示すとき、このような使用は、全ての場合においてその要素に関する他の選択肢を除外することを意図するものではない。
値が、先行詞「約」を用いて近似値として表現されるとき、その特定の値は、別の実施形態を形成することが理解される。本明細書で使用するとき、「約X」(Xは数値である)は、好ましくは、記載の値の±10%を包括的に指す。例えば、「約8」という語句は、好ましくは、包括的に7.2~8.8の値を指し、別の例として、「約8%」という語句は、好ましくは、包括的に7.2%~8.8%の値を指す。存在する場合、全ての範囲は、包括的であり、組み合わせ可能である。例えば、「1~5」の範囲を列挙するとき、列挙した範囲は「1~4」、「1~3」、「1~2」、「1~2及び4~5」、「1~3及び5」などの範囲を任意選択的に含むと解釈すべきである。加えて、代替物のリストが明確に提供されるとき、このようなリストはまた、代替物のいずれかが除外されてもよい実施形態を含み得る。例えば、「1~5」の範囲が記載されているとき、このような記載は、1、2、3、4、又は5のいずれかが除外される状況を支持することができ、したがって、「1~5」という列挙は、「1及び3~5であるが、2ではない」又は単に「2は含まれない」を支持し得る。「少なくとも約x」という語句は、「約x」及び「少なくともx」の両方を包含することが意図される。また、パラメータ範囲が提供される場合、その範囲内の全ての整数及びその10分の1もまた、本発明によって提供されることが理解される。例えば、「2~5時間」は、2時間、2.1時間、2.2時間、2.3時間など、最大5時間までを含む。
B細胞成熟抗原(B cell maturation antigen、BCMA)は、正常及び悪性成熟B細胞に高度に発現され、これは、γ-セクレターゼ(γ-secretase、γ-sec)阻害の阻害によって増強され得、多発性骨髄腫(MM)に対する実行可能な標的である。他のB細胞悪性腫瘍へのBCMAの発現に関するデータは乏しく、CLL、DLBCL、FL、及びMCLについては矛盾するデータが公開されており17、24~27、これは、BCMAがこれらの疾患において実行可能な標的であるかどうかという疑問を複雑にしている。したがって、BCMAが、
MM以外の他の成熟B細胞悪性腫瘍においてBCMAxCD3 DuoBody(登録商標)テクリスタマブなどのBCMA特異性抗体によって標的化され得るかどうかは、現在のところ知られていない。
本発明者らは、成熟B細胞リンパ腫細胞株におけるBCMA発現を評価し、BCMA発現がγ-セクレターゼを阻害することによって増強され得るかどうかを評価した。また、BCMA発現は、B-NHL(CLLを含む)患者からの一次材料に対して測定され、(半)定量化された。BCMAがB-NHL(CLLを含む)における標的として使用することができるかどうかを評価するために、BCMAxCD3 BsAb(テクリスタマブ、JNJ-7957)がT細胞活性化並びにリンパ腫細胞株の腫瘍細胞の死滅を媒介し得るかどうかを評価した。このBsAbは、Genmab DuoBody(登録商標)技術を用いて開発されており、BsAbフォーマットと比較して安定性が高まるという結果をもたらす。BCMAが自己T細胞応答を引き起こすことができるという概念実証として、CLLを標的として使用した。
本発明者らは、BCMAが、試験した全ての成熟B細胞悪性腫瘍細胞株上で可変的に検出され得、MMにおいて最も高い発現があり、続いてワルデンシュトレームのマログロブリン血症(Waldenstrom's macroglobulinemia、WM)であることを発見した。全てのB細胞株において、γ-sec阻害は、BCMAの基礎レベルが低いときであっても、BCMA発現を増加させた。これらのデータは、原発性B細胞リンパ腫において確証され、WM、CLL、及びびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者からの試料中に検出可能なレベルのBCMAが存在した。
テクリスタマブの存在下でのHD T細胞と様々なB細胞悪性腫瘍細胞株との共培養は、BCMA発現のレベルとは無関係に、T細胞活性化、増殖、及び細胞傷害性をもたらした。原発性腫瘍細胞に対するテクリスタマブの効力を、CLL細胞を使用して試験した。低BCMAレベルにもかかわらず、健常ドナーT細胞は、テクリスタマブの存在下でCLL細胞を最大40%まで溶解した。更に、テクリスタマブは、自己CLL細胞との共培養時に、CLL由来T細胞による活性化、脱顆粒、及び効率的な細胞傷害性を誘導した。
したがって、本発明者らは、BCMA発現がMMに限定されず、他の成熟B細胞悪性腫瘍上にも存在することを発見した。テクリスタマブを使用したBCMAの標的化は、BCMAレベルが低いときであっても、リンパ腫細胞株及び原発性CLLの細胞傷害性をもたらした。
これらの発見に従って、治療上有効量のBCMA特異性抗体を対象に投与することを含む、ヒト対象における非ホジキンリンパ腫(NHL)を治療するための方法が本明細書に提供される。
本明細書中で使用するとき、「治療上有効量」という語句は、研究者、医師、又は他の臨床医によって、組織、系、動物、個体、又はヒトにおいて求められている生物学的応答又は医学的応答を誘発する活性化合物の量を指し、これは、以下:
(1)疾患若しくは状態又はその症状を少なくとも部分的に予防すること、例えば、疾患、状態、又は障害になりやすい場合があるが、疾患の病状又は症状を未だ経験していないか、又は表していない個体における疾患、状態、若しくは障害を予防すること、
(2)疾患又は状態を阻害すること、例えば、疾患、状態、又は障害の病状又は症状を経験しているか、あるいは表している個体における疾患、状態、又は障害を阻害すること(すなわち、病状及び/又は症状の更なる進行を阻止することを含む)、及び
(3)疾患又は状態を少なくとも部分的に改善すること、例えば、疾患、状態、又は障害の病状又は症状を経験しているか、あるいは表している個体における疾患、状態、又は障害を改善すること(すなわち、病状及び/又は症状の逆転を含む)、のうちの1つ以上を含む。
BCMA特異性抗体は、単一特異性又は多重特異性(例えば、二重特異性)であってもよく、すなわち、抗体は、BCMAにも特異的である限り、BCMA以外の標的に特異的であってもよい。
特定の実施形態では、BCMA特異性抗体は、BCMAxCD3二重特異性抗体である。本開示を考慮して、当業者に既知の任意の好適なBCMAxCD3二重特異性抗体を本発明で使用することができる。
様々な二重特異性抗体のフォーマットには、本明細書に記載のフォーマット、及び分子の2つの側が各々、少なくとも2つの異なる抗体のFab断片又はFab断片の一部を含有する組み換えIgG様二重標的分子、完全長IgG抗体が、余分のFab断片又はFab断片の一部に融合されているIgG融合分子、一本鎖Fv分子若しくは安定化されたダイアボディが、重鎖定常ドメイン、Fc領域、若しくはその一部に融合されているFc融合分子、異なるFab断片が一緒に融合されているFab融合分子、異なる一本鎖Fv分子若しくは異なるダイアボディ若しくは異なる重鎖抗体(例えば、ドメイン抗体、ナノボディ)が、互いに融合されるか、あるいは別のタンパク質若しくは担体分子、又はアーム交換によって生成された二重特異性抗体に融合されるScFv及びダイアボディベースの重鎖抗体(例えば、ドメイン抗体、ナノボディ)が含まれる。例示的な二重特異性抗体のフォーマットには、二重標的(Dual Targeting、DT)-Ig(GSK/Domantis)を含む二重標的分子、2in1(Two-in-one)抗体(Genentech)、及びmAb2(F-Star)、二重可変ドメイン(Dual Variable Domain、DVD)-Ig(Abbott)、DuoBody(Genmab)、Ts2Ab(MedImmune/AZ)、及びBsAb(Zymogenetics)、HERCULES(Biogen Idec)、及びTvAb(Roche)、ScFv/Fc融合体(Academic Institution)、SCORPION(Emergent BioSolutions/Trubion、Zymogenetics/BMS)、及び二重親和性再標的技術(Dual Affinity Retargeting Technology、Fc-DART)(MacroGenics)、F(ab)2(Medarex/AMGEN)、二重活性又はBis-Fab(Genentech)、Dock-and-Lock(DNL)(ImmunoMedics)、二価二重特異性(Biotecnol)、及びFab-Fv(UCB-Celltech)、二重特異性T細胞エンゲージャ(Bispecific T Cell Engager、BITE)(Micromet)、タンデムダイアボディ(Tandem Diabody、Tandab)(Affimed)、二重親和性再標的技術(Dual Affinity Retargeting Technology、DART)(MacroGenics)、一本鎖ダイアボディ(Academic)、TCR様抗体(AIT、ReceptorLogics)、ヒト血清アルブミンScFv融合体(Merrimack)、及びCOMBODY(Epigen Biotech)、二重標的ナノボディ(Ablynx)、二重標的重鎖のみドメイン抗体を含む。二重特異性抗体の様々なフォーマットは、例えば、Chames and Baty(2009)Curr Opin Drug Disc Dev 12:276及びNunez-Prado et al.,(2015)Drug Discovery Today 20(5):588-594に記載されている。
いくつかの実施形態では、BCMAxCD3二重特異性抗体は、国際公開第2017/031104号に記載されるBCMA結合ドメインのいずれか1つを含み、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、BCMAxCD3二重特異性抗体は、国際公開第2017/031104号に記載されるCD3結合ドメインのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、BCMAxCD3二重特異性抗体は、国際公開第2017/031104号に記載されるBCMAxCD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片のうちのいずれか1つを含む。
いくつかの実施形態では、BCMAxCD3二重特異性抗体は、配列番号11の重鎖相補性決定領域1(heavy chain complementarity determining region 1、HCDR1)、配列番号12のHCDR2、配列番号13のHCDR3、配列番号14の軽鎖相補性決定領域1(light chain complementarity determining region 1、LCDR1)、配列番号15のLCDR2、及び配列番号16のLCDR3、又は、配列番号17の重鎖可変領域(heavy chain variable region、VH)、及び配列番号18の軽鎖可変領域(light chain variable region、VL)をむ、CD3結合ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、BCMAxCD3二重特異性抗体は、配列番号1の重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、配列番号2のHCDR2、配列番号3のHCDR3、配列番号4のLCDR1、配列番号5のLCDR2、及び配列番号6のLCDR3、又は、配列番号7の重鎖可変領域(VH)、及び配列番号8の軽鎖可変領域(VL)を含む、BCMA結合ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、BCMAxCD3二重特異性抗体は、配列番号9の第1の重鎖(first heavy chain、HC1)、配列番号10の第1の軽鎖(first light chain、LC1)、配列番号19の第2の重鎖(second heavy chain、HC2)、及び配列番号20の第2の軽鎖(second light chain、LC2)を含む。
いくつかの実施形態では、BCMAxCD3二重特異性抗体は、キメラ、ヒト化、又はヒトである。
いくつかの実施形態では、BCMAxCD3二重特異性抗体は、抗原結合断片である。例示的な抗原結合断片は、Fab、F(ab’)2、Fd、及びFv断片である。
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4アイソタイプである。好ましい実施形態では、二重特異性抗体は、IgG4アイソタイプである。例示的な野生型IgG4は、配列番号21のアミノ酸配列を含む。
二重特異性抗体は、任意のアロタイプのものとすることができる。アロタイプは、結合又はFc媒介性エフェクタ機能などの二重特異性抗体の特性に影響を与えないことが予想される。治療用抗体の免疫原性は、注入反応のリスクの高さ及び治療反応の期間短縮に関連している(Baert et al.,(2003)N Engl J Med 348:602-08)。宿主において治療用抗体が免疫応答を誘導する程度は、抗体のアロタイプによって部分的に決定され得る(Stickler et al.,(2011)Genes and Immunity 12:213-21)。抗体のアロタイプは、抗体の定常領域配列における特定の位置のアミノ酸配列の変異に関連する。表1は、選択されたIgG1、IgG2、及びIgG4アロタイプを示す。
Figure 2024519545000002
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、二重特異性抗体のFcγ受容体(FcγR)への結合を低減する、かつ/又はC1q結合、補体依存性細胞傷害(complement dependent cytotoxicity、CDC)、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity、ADCC)、又は抗体依存性食作用(antibody-dependent cell-mediated phagocytosis、ADCP)などのFcエフェクタ機能を低減する、1つ以上のFc置換を含む。具体的な置換は、配列番号21の野生型IgG4と比較して作製することができる。
Fcの活性化FcγRへの結合を低減させ、次に、エフェクタ機能を低減するように置換され得るFc位置は、IgG1におけるL234A/L235A、IgG2におけるV234A/G237A/P238S/H268A/V309L/A330S/P331S、IgG4におけるF234A/L235A、IgG4におけるS228P/F234A/L235A、全てのIgアイソタイプにおけるN297A、IgG2におけるV234A/G237A、IgG1におけるK214T/E233P/L234V/L235A/G236欠失/A327G/P331A/D365E/L358M、IgG2におけるH268Q/V309L/A330S/P331S、IgG1におけるS267E/L328F、IgG1におけるL234F/L235E/D265A、IgG1におけるL234A/L235A/G237A/P238S/H268A/A330S/P331S、IgG4におけるS228P/F234A/L235A/G237A/P238S、及びIgG4におけるS228P/F234A/L235A/G236欠失/G237A/P238Sの置換であり、残基の番号付けは、EUインデックスに従う。
CDCを低減するために使用できるFc置換は、K322A置換である。
IgG4の安定性を高めるために、よく知られているS228P置換をIgG4抗体に更に行うことができる。
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、第1のCH3ドメイン若しくは第2のCH3ドメインに、又は第1のCH3ドメイン及び第2のCH3ドメインの両方に、1つ以上の非対称置換を含む。
いくつかの実施形態では、1つ以上の非対称置換は、F405L/K409R、野生型/F405L_R409K、T366Y/F405A、T366W/F405W、F405W/Y407A、T394W/Y407T、T394S/Y407A、T366W/T394S、F405W/T394S及びT366W/T366S_L368A_Y407V、L351Y_F405A_Y407V/T394W、T366I_K392M_T394W/F405A_Y407V、T366L_K392M_T394W/F405A_Y407V、L351Y_Y407A/T366A_K409F、L351Y_Y407A/T366V_K409F、Y407A/T366A_K409F、並びにT350V_L351Y_F405A_Y407V/T350V_T366L_K392L_T394Wからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、BCMAxCD3二重特異性抗体は、IgG4アイソタイプであり、第1の重鎖(HC1)の405位にフェニルアラニン及び409位にアルギニン、並びに第2の重鎖(HC2)の405位にロイシン及び409位にリジンを含み、残基の番号付けは、EUインデックスに従う。
いくつかの実施形態では、BCMAxCD3二重特異性抗体は、HC1及びHC2の両方の228位にプロリン、234位にアラニン、及び235位にアラニンを更に含む。
いくつかの実施形態では、BCMAxCD3二重特異性抗体は、配列番号9のHC1、配列番号10の第1の軽鎖(LC1)、配列番号19のHC2、及び配列番号20の第2の軽鎖(LC2)を含む。
いくつかの実施形態では、BCMAxCD3二重特異性抗体は、CC-93269、BI836909、JNJ-64007957(テクリスタマブ)、又はPF-06863135である。好ましい実施形態では、BCMAxCD3二重特異性抗体は、テクリスタマブである。
いくつかの実施形態では、対象に投与される当該量のテクリスタマブは、対象におけるT細胞を活性化すること、対象における好中球脱顆粒を誘導すること、及び対象におけるサイトカイン産生を誘導すること、又はこれらの任意の組み合わせに有効である。特定の実施形態では、対象に投与される当該量のテクリスタマブは、対象におけるT細胞を活性化すること、対象における好中球脱顆粒を誘導すること、及び対象におけるサイトカイン産生を誘導することに有効である。
本方法に従って治療される非ホジキンリンパ腫は、例えば、B細胞成熟抗原(BCMA)の発現を特徴とする任意のサブタイプであり得る。例えば、非ホジキンリンパ腫は、慢性リンパ球性白血病(chronic lymphocytic leukemia、CLL)、リンパ芽球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、又はワルデンシュトレームマクログロブリン血症であり得る。非ホジキンリンパ腫は、成人においてより頻繁に観察され、したがって、本方法は、成人(例えば、16歳を超える個体)へのBCMA特異性抗体の投与を含み得る。しかしながら、非ホジキンリンパ腫は、小児にも起こり得、本発明の方法は、未成熟ヒト(16歳以下の個体)を治療するためにも使用することができる。
本方法は、対象にγ-セクレターゼ阻害剤を投与することを更に含み得る。以下に更に十分に記載されるように、対象へのγ-セクレターゼ阻害剤の投与は、BCMA特異性抗体との相乗効果を得ることができる。例えば、BCMA特異性抗体の有効性を高めるために、γ-セクレターゼ阻害は、閾値レベルのすぐ下でBCMAを発現する対象に有用であり得る。BCMA特異性抗体の投与の場合のように、γ-セクレターゼ阻害剤は、治療上有効量で投与され、治療上有効量とは、γ-セクレターゼ阻害剤の量が、対象がBCMA特異性抗体による治療も受けているときにも、γ-セクレターゼ阻害剤が治療効果を提供する量で投与されるべきであることを意味する。「治療上有効量」の前述の定義は、BCMA特異性抗体と同時投与されるときのγ-セクレターゼ阻害剤の量に関して適用される。
本方法に従って、BCMA特異性抗体による治療は、γ-セクレターゼ阻害剤による治療と実質的に同時に行われ得る。γ-セクレターゼ阻害剤と実質的に同時に行われるBCMA特異性抗体による治療とは、BCMA特異性抗体による治療とγ-セクレターゼ阻害剤による治療との間に時間的重複が存在する状況を指す。したがって、γ-セクレターゼ阻害剤の投与が行われる期間と少なくとも部分的に重複する期間中に行われるBCMA特異性抗体による治療は、実質的に同時であると言うことができる。このような場合、BCMA特異性抗体治療は、γ-セクレターゼ阻害剤による治療の開始前又は後に開始し得る。BCMA特異性抗体による治療が行われる期間と、γ-セクレターゼ阻害剤投与が行われる期間との間に重複がないとき、治療は、逐次的として記載され得る。したがって、特定の実施形態では、BCMA特異性抗体による治療及びγ-セクレターゼ阻害剤による治療は、逐次的に行われ得る。このような場合、BCMA特異性抗体治療は、γ-セクレターゼ阻害剤療法の開始前又は後に開始してもよい。
いくつかの実施形態では、BCMA特異性抗体及びγ-セクレターゼ阻害剤は、単一剤形で対象に投与される。代替的に、BCMA特異性抗体は、第1の剤形で投与されてもよく、γ-セクレターゼ阻害剤は、第2の剤形で投与される。
また、本明細書において、ヒト対象における非ホジキンリンパ腫(NHL)を治療するのに治療上有効である量でBCMA特異性抗体と、γ-セクレターゼ阻害剤と、を含む組成物も開示される。BCMA特異性抗体及びγ-セクレターゼ阻害剤の特徴及び量(治療上有効量を構成するものを含む)は、非ホジキンリンパ腫を治療するための本方法に関連して上記それぞれ記載されているとおりであり得る。
本開示の方法及び組成物に従って、BCMA特異性抗体、γ-セクレターゼ阻害剤、又はこれらの両方は、任意のタイプの投与のために製剤化される組成物中に提供され得る。例えば、抗体及び/又は阻害剤は、経口で、局所に、非経口で、経腸的に、又は吸入によって投与するために製剤化される組成物(剤形)で提供されてもよい。特定の実施形態では、組成物は、経口投与のために製剤化される。抗体及び/又は阻害剤は、単独投与(neat administration)用に、又は液体若しくは固体であり得る従来の医薬担体、希釈剤、若しくは賦形剤と組み合わせて製剤化されてもよい。適用可能な固体担体、希釈剤、又は賦形剤は、とりわけ、結合剤、崩壊剤、充填剤、潤滑剤、流動促進剤、圧縮助剤、加工助剤、着色剤、甘味剤、保存剤、懸濁/分散剤、錠剤崩壊剤、カプセル化材料、フィルム形成剤若しくはコーティング剤、香味剤、又は印刷インクとして機能し得る。任意の単位剤形を調製する際に使用される任意の材料は、好ましくは、医薬的に純粋であり、用いられる量で実質的に非毒性である。加えて、抗体及び/又は阻害剤は、持続放出調製物及び製剤に組み込まれてもよい。この点における投与には、とりわけ、以下のルート:静脈内、筋肉内、皮下、眼球内、関節滑液嚢内、経皮を含む経上皮、眼、舌下、及び口腔(buccal)による投与、眼科系(ophthalmic)、皮膚、眼(ocular)、直腸、及び吹送、エアロゾルによる鼻腔吸、及び直腸全身(rectal systemic)を含む、局所的な経路による投与が含まれる。
粉末では、担体、希釈剤、又は賦形剤は、微粉化活性成分と混合されている微粉化固体であってもよい。錠剤では、抗体及び/又は阻害剤は、好適な割合で必要な圧縮特性を有する担体、希釈剤、又は賦形剤と混合され、所望の形状及びサイズに圧縮される。経口治療的投与の場合、抗体及び/又は阻害剤は、担体、希釈剤、又は賦形剤に組み込まれ、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ、ウエハなどの形態で使用され得る。このような治療上有用な組成物中の活性化合物(複数可)の量は、好ましくは、好適な投薬量が得られるような量である。
液体担体、希釈剤、又は賦形剤は、溶液、懸濁剤、乳剤、シロップ、エリキシル剤などを調製する際に使用され得る。抗体及び/又は阻害剤は、水、有機溶媒、これら両方の混合物、又は医薬的に容認できる油若しくは脂肪などの医薬的に容認できる液体に溶解又は懸濁することができる。液体担体、賦形剤、又は希釈剤は、可溶化剤、乳化剤、緩衝剤、保存剤、甘味剤、香味剤、懸濁剤、増粘剤、着色剤、粘度調節剤、安定剤、又は浸透圧調節剤などの他の好適な医薬添加剤を含有することができる。
好適な固体担体、希釈剤、及び賦形剤には、例えば、リン酸カルシウム、二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリジン、低融点ワックス、イオン交換樹脂、クロスカルメロース炭素、アカシア、アルファ化デンプン、クロスポビドン、HPMC、ポビドン、二酸化チタン、多結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド(methahydroxide)、寒天、トラガカント、又はこれらの混合物が含まれ得る。
例えば、経口、局所、又は非経口投与のための液体担体、希釈剤、及び賦形剤の好適な例としては、水(具体的には、上記の添加剤、例えば、セルロース誘導体、好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液を含有する)、アルコール(一価アルコール及び多価アルコール、例えば、グリコールを含む)、及びこれらの誘導体、並びに油(例えば、分別ヤシ油及び落花生油)、又はこれらの混合物が挙げられる。
非経口投与の場合、担体、希釈剤、又は賦形剤はまた、オレイン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルなどの油性エステルであってもよい。非経口投与のための滅菌液体形態組成物において使用される滅菌液体担体、希釈剤、又は賦形剤もまた企図される。分散液もまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びこれらの混合物中、並びに油中で調製することができる。通常の貯蔵及び使用条件下で、これらの調製物は、微生物の成長を防止するために、保存剤を含有し得る。
注射使用に好適な医薬形態としては、例えば、滅菌水溶液又は分散液、及び滅菌注射用溶液又は分散液の即時調製用の滅菌粉末が挙げられる。全ての場合において、この形態は、好ましくは滅菌であり、シリンジによる容易な送達を提供するために流体である。この形態は、好ましくは、製造及び貯蔵条件下で安定であり、好ましくは、細菌及び真菌類などの微生物の汚染作用に対抗して保存される。担体、希釈剤、又は賦形剤は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、これらの好適な混合物、及び植物油を含有する溶媒又は分散媒であってもよい。例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散液の場合には必要な粒径の維持により、また、界面活性剤の使用により、適正な流動性を維持することができる。例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどの様々な抗細菌剤及び抗真菌剤によって微生物の活動の防止を実現することができる。多くの場合、等張性剤、例えば、糖、又は塩化ナトリウムを含むことが好ましいであろう。吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンの使用によって、注射用組成物の長期的な吸収が達成され得る。
滅菌注射用溶液は、医薬的に適切な量の抗体及び/又は阻害剤を、必要に応じて上記に列挙した様々な他の成分と共に適切な溶媒に組み込むことによって、その後に濾過して滅菌を行うことによって調製され得る。一般に、分散液は、ベースとなる分散媒と上記に列挙したものから選ばれた他の必要な成分とを含む滅菌ビヒクルに抗体及び/又は阻害剤を組み込むことによって調製され得る。滅菌注射用溶液の調製用の滅菌粉末の場合、好ましい調製方法には、活性薬剤又は活性成分の粉末、更に前もって滅菌濾過されたその溶液からの任意の更なる所望の成分の粉末を産する真空乾燥技術及び凍結乾燥技術が挙げられ得る。
BCMA特異性抗体(及び、適用可能な場合、γ-セクレターゼ阻害剤)は、約1mg/mL~約200mg/mLの抗体を含む医薬組成物として製剤化することができる。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の賦形剤を更に含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の賦形剤は、緩衝剤、糖、界面活性剤、キレート化剤、又はこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、
約20mg/mL、約25mg/mL、約30mg/mL、約35mg/mL、約40mg/mL、約45mg/mL、約50mg/mL、約60mg/mL、約70mg/mL、約80mg/mL、約90mg/mL、約100mg/mL、約110mg/mL、約120mg/mL、又はそれらの間の任意の値のBCMA特異性抗体などの約20mg/mL~約120mg/mLのBCMA特異性抗体と、
約5mM、約10mM、約15mM、約20mM、又はそれらの間の任意の値のリン酸ナトリウム、KHPO、酢酸ナトリウム、若しくはクエン酸ナトリウムなどの約5mM~約20mMの緩衝剤と、
約1%w/v、約2%w/v、約3%w/v、約4%w/v、約5%w/v、約6%w/v、約7%w/v、約8%w/v、約9%w/v、約10%w/v、約15%w/v、約20%w/v、又はそれらの間の任意の値のグルコース、スクロース、若しくはセロビオースなどの約1%w/v~約20%w/vの糖と、
約0.01%w/v、約0.02%w/v、約0.03%w/v、約0.04%w/v、約0.05%w/v、約0.06%w/v、約0.07%w/v、約0.08%w/v、約0.09%w/v、約0.1%w/v、約0.5%w/v、約1%w/v、約1.5%w/v、約2%w/v、又はそれらの間の任意の値のポリソルベート80(PS-80)若しくはPS-20などの約0.01%w/v~約2%w/vの界面活性剤と、
約5mM、約10mM、約15mM、約20mM、約25mM、約30mM、約35mM、約40mM、又はそれらの間の任意の値などの約5mM~約40mMのエチレンジアミン四酢酸(ethylenediaminetetraacetic acid、EDTA)又はエデト酸塩と、を含み、pHは、約5、約5.1、約5.2、約5.3、約5.4、約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、約6、又はそれらの間の任意の値などの約5~6である。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.1mg/mL、約0.2mg/mL、約0.3mg/mL、約0.4mg/mL、約0.5mg/mL、約0.6mg/mL、約0.7mg/mL、約0.8mg/mL、約0.9mg/mL、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、又はそれらの間の任意の値のメチオニン若しくはアルギニンなどの約0.1mg/mL~約5mg/mLのアミノ酸を更に含む。
一実施形態では、本発明に有用な医薬組成物は、テクリスタマブなどのBCMA特異性抗体、20mMのリン酸ナトリウム、10%重量/体積(w/v)のスクロース、0.06%(w/v)のPS80、及び25μg/mLのEDTA(pH5.4)を含む。
別の実施形態では、本発明に有用な医薬組成物は、テクリスタマブなどのBCMA特異性抗体、10~15mMの酢酸ナトリウム、8%(w/v)のスクロース、0.04%(w/v)のPS20、及び20μg/mLのEDTA(pH5.2)を含む。
別の実施形態では、本発明に有用な医薬組成物は、テクリスタマブなどのBCMA特異性抗体、15mMのKHPO、10%(w/v)のセロビオース、0.05%(w/v)のPS20、及び25μg/mLのEDTA(pH5.1)を含む。
投与
いくつかの実施形態では、BCMA特異性抗体は、静脈内注射によって投与される。
いくつかの実施形態では、BCMA特異性抗体は、皮下注射によって投与される。
多発性骨髄腫などのがんを有する対象に与えられるBCMA特異性抗体の用量は、治療される疾患を緩和するか、又は少なくとも部分的に阻止するのに十分な量(「治療上有効量」)であり、約0.1μg/kg~約6000μg/kg、例えば、約0.3μg/kg~約5000μg/kg、約0.1μg/kg~約3000μg/kg、約0.2μg/kg~約3000μg/kg、約0.3μg/kg~約3000μg/kg、約0.6μg/kg~約3000μg/kg、約1.2μg/kg~約3000μg/kg、約19.2μg/kg~約3000μg/kg、約35μg/kg~約3000μg/kg、約80μg/kg~約3000μg/kg、約100μg/kg~約3000μg/kg、約270μg/kg~約3000μg/kg、約720μg/kg~約3000μg/kg、約0.1μg/kg~約1800μg/kg、約0.2μg/kg~約1800μg/kg、約0.3μg/kg~約1800μg/kg、約0.6μg/kg~約1800μg/kg、約1.2μg/kg~約1800μg/kg、約19.2μg/kg~約1800μg/kg、約35μg/kg~約1800μg/kg、約80μg/kg~約1800μg/kg、約100μg/kg~約1800μg/kg、約270μg/kg~約1800μg/kg、約720μg/kg~約1800μg/kg、約0.1μg/kg~約1500μg/kg、約0.2μg/kg~約1500μg/kg、約0.3μg/kg~約1500μg/kg、約0.6μg/kg~約1500μg/kg、約1.2μg/kg~約1500μg/kg、約19.2μg/kg~約1500μg/kg、約35μg/kg~約1500μg/kg、約80μg/kg~約1500μg/kg、約100μg/kg~約1500μg/kg、約270μg/kg~約1500μg/kg、約720μg/kg~約1500μg/kg、約0.1μg/kg~約850μg/kg、約0.2μg/kg~約850μg/kg、約0.3μg/kg~約850μg/kg、約0.6μg/kg~約850μg/kg、約1.2μg/kg~約850μg/kg、約19.2μg/kg~約850μg/kg、約35μg/kg~約850μg/kg、約80μg/kg~約850μg/kg、約100μg/kg~約850μg/kg、約270μg/kg~約850μg/kg、約720μg/kg~約850μg/kg、約0.1μg/kg~約720μg/kg、約0.2μg/kg~約720μg/kg、約0.3μg/kg~約720μg/kg、約0.6μg/kg~約720μg/kg、約1.2μg/kg~約720μg/kg、約19.2μg/kg~約720μg/kg、約35μg/kg~約720μg/kg、約80μg/kg~約720μg/kg、約100μg/kg~約720μg/kg、約270μg/kg~約720μg/kg、約720μg/kg~約720μg/kg、約0.1μg/kg~約270μg/kg、約0.2μg/kg~約270μg/kg、約0.3μg/kg~約270μg/kg、約0.6μg/kg~約270μg/kg、約1.2μg/kg~約270μg/kg、約19.2μg/kg~約270μg/kg、約35μg/kg~約270μg/kg、約80μg/kg~約270μg/kg、約100μg/kg~約270μg/kg、約270μg/kg~約270μg/kg、約720μg/kg~約270μg/kg、約0.1μg/kg~約100μg/kg、約0.2μg/kg~約100μg/kg、約0.3μg/kg~約100μg/kg、約0.6μg/kg~約100μg/kg、約1.2μg/kg~約100μg/kg、約19.2μg/kg~約100μg/kg、約35μg/kg~約100μg/kg、約80μg/kg~約100μg/kg、約100μg/kg~約100μg/kg、約270μg/kg~約100μg/kg、約720μg/kg~約100μg/kgの抗体が含まれる。好適な用量としては、例えば、約0.1μg/kg、約0.2μg/kg、約0.3μg/kg、約0.6μg/kg、約1.2μg/kg、約2.4μg/kg、約4.8μg/kg、約9.6μg/kg、約19.2μg/kg、約20μg/kg、約35μg/kg、約38.4μg/kg、約40μg/kg、約50μg/kg、約57.6μg/kg、約60μg/kg、約80μg/kg、約100μg/kg、約120μg/kg、約180μg/kg、約240μg/kg、約270μg/kg、約300μg/kg、約720μg/kg、約850μg/kg、約1000μg/kg、約1100μg/kg、約1200μg/kg、約1300μg/kg、約1400μg/kg、約1500μg/kg、約1600μg/kg、約1700μg/kg、約1800μg/kg、約2000μg/kg、約2500μg/kg、約3000μg/kg、約3500μg/kg、約4000μg/kg、約4500μg/kg、約5000μg/kg、約5500μg/kg、約6000μg/kg、又はそれらの間の任意の用量が挙げられる。
BCMA特異性抗体の固定単位用量はまた、例えば、50、100、200、500、若しくは1000mg、又はそれらの間の任意の値を与えることもでき、あるいは、この用量は、患者の体表面積に基づいて、例えば、500、400、300、250、200、若しくは100mg/m、又はそれらの間の任意の値とすることができる。通常、多発性骨髄腫などのがんを治療するために1~8回の用量(例えば、1、2、3、4、5、6、7、又は8回)を投与することができるが、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20回、又はそれ以上の用量を与えることもできる。
BCMA特異性抗体の投与は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、5週間、6週間、7週間、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれ以上後に繰り返すことができる。また、治療過程を繰り返すことも、長期にわたる投与として可能である。反復投与は、同じ用量又は異なる用量で行うことができる。例えば、BCMA特異性抗体は、特定の数週間の1週間間隔で第1の用量で投与し、続いて、更に特定の数週間にわたって2週間ごとに第2の用量で投与し、続いて、更に特定の数週間にわたって毎週第3の用量で投与することができる。
BCMA特異性抗体は、例えば、6ヶ月又はそれ以上の期間にわたって週1回などの維持療法によって投与することができる。例えば、BCMA特異性抗体は、24、12、8、6、4、又は2時間ごとの単回用量又は分割用量を使用して、若しくはこれらの組み合わせを使用して、約0.1μg/kg~約6000μg/kgの量の1日投薬量として、例えば、1日当たり約0.2μg/kg~約3000μg/kg、約0.2μg/kg~約2000μg/kg、約0.2μg/kg~約1500μg/kg、約0.3μg/kg~約1500μg/kg、約0.6μg/kg~約720μg/kg、約1.2μg/kg~約270μg/kg、約19.2μg/kg~約720μg/kg、約35μg/kg~約850μg/kg、約270μg/kg~約720μg/kgの抗体で、治療開始後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、又は40日目のうちの少なくとも1日に、あるいは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20週目のうちの少なくとも1週に、あるいはこれらの組み合わせで提供することができる。
一実施形態では、BCMA特異性抗体は、単一用量で週1回静脈内投与される。例えば、BCMA特異性抗体は、約0.1μg/kg、約0.2μg/kg、約0.3μg/kg、約0.6μg/kg、約1.2μg/kg、約2.4μg/kg、約4.8μg/kg、約9.6μg/kg、約19.2μg/kg、約20μg/kg、約35μg/kg、約38.4μg/kg、約40μg/kg、約50μg/kg、約57.6μg/kg、約60μg/kg、約80μg/kg、約100μg/kg、約120μg/kg、約180μg/kg、約240μg/kg、約270μg/kg、約300μg/kg、約720μg/kg、約850μg/kg、約1000μg/kg、約1100μg/kg、約1200μg/kg、約1300μg/kg、約1400μg/kg、約1500μg/kg、約1500μg/kg、約1600μg/kg、約1700μg/kg、約1800μg/kgの量で、又はそれらの間の任意の用量で、週1回静脈内投与され得る。
一実施形態では、BCMA特異性抗体は、単一用量で週に2回静脈内投与される。例えば、BCMA特異性抗体は、約0.1μg/kg、約0.2μg/kg、約0.3μg/kg、約0.6μg/kg、約1.2μg/kg、約2.4μg/kg、約4.8μg/kg、約9.6μg/kg、約19.2μg/kg、約20μg/kg、約35μg/kg、約38.4μg/kg、約40μg/kg、約50μg/kg、約57.6μg/kg、約60μg/kg、約80μg/kg、約100μg/kg、約120μg/kg、約180μg/kg、約240μg/kg、約270μg/kg、約300μg/kg、約720μg/kg、約850μg/kg、約1000μg/kg、約1100μg/kg、約1200μg/kg、約1300μg/kg、約1400μg/kg、約1500μg/kg、約1500μg/kg、約1600μg/kg、約1700μg/kg、約1800μg/kgの量で、又はそれらの間の任意の用量で、週に2回静脈内投与され得る。
一実施形態では、BCMA特異性抗体は、ステップアップ(又は「プライミング」)用量で静脈内投与され、続いて、より高い用量で週1回投与される。例えば、BCMA特異性抗体は、約0.1μg/kg、約0.2μg/kg、約0.3μg/kg、約0.6μg/kg、約1.2μg/kg、約2.4μg/kg、約4.8μg/kg、約9.6μg/kg、約10μg/kg、約19.2μg/kg、約20μg/kgのステップアップ用量で、又はそれらの間の任意の用量で静脈内投与され、続いて、約35μg/kg、約38.4μg/kg、約40μg/kg、約50μg/kg、約57.6μg/kg、約60μg/kg、約80μg/kgの用量で、又はそれらの間の任意の用量で、週1回静脈内投与され得る。
一実施形態では、BCMA特異性抗体は、ステップアップ用量で静脈内投与され、続いて、より高いステップアップ用量で投与され、続いて、第3のより高い用量で週1回投与される。例えば、BCMA特異性抗体は、約0.1μg/kg、約0.2μg/kg、約0.3μg/kg、約0.6μg/kg、約1.2μg/kg、約2.4μg/kg、約4.8μg/kg、約9.6μg/kg、約10μg/kg、約19.2μg/kg、約20μg/kgのステップアップ用量で、又はそれらの間の任意の用量で静脈内投与され、続いて、約35μg/kg、約38.4μg/kg、約40μg/kg、約50μg/kg、約57.6μg/kg、約60μg/kg、約80μg/kgのステップアップ用量で、又はそれらの間の任意の用量で静脈内投与され、続いて、約80μg/kg、約100μg/kg、約120μg/kg、約180μg/kg、約240μg/kg、約270μg/kgの用量で、又はそれらの間の任意の用量で、週1回静脈内投与され得る。
一実施形態では、BCMA特異性抗体は、ステップアップ用量で静脈内投与され、続いて、より高いステップアップ用量で投与され、続いて、第3のより高いステップアップ用量で投与され、続いて、第4のより高い用量で週1回投与される。例えば、BCMA特異性抗体は、約0.1μg/kg、約0.2μg/kg、約0.3μg/kg、約0.6μg/kg、約1.2μg/kg、約2.4μg/kg、約4.8μg/kg、約9.6μg/kg、約10μg/kg、約19.2μg/kg、約20μg/kgのステップアップ用量で、又はそれらの間の任意の用量で静脈内投与され、続いて、約35μg/kg、約38.4μg/kg、約40μg/kg、約50μg/kg、約57.6μg/kg、約60μg/kg、約80μg/kgのステップアップ用量で、又はそれらの間の任意の用量で静脈内投与され、続いて、約80μg/kg、約100μg/kg、約120μg/kg、約180μg/kg、約240μg/kg、約270μg/kgのステップアップ用量で、又はそれらの間の任意の用量で静脈内投与され、続いて、約300μg/kg、約720μg/kg、約850μg/kg、約1000μg/kg、約1100μg/kg、約1200μg/kg、約1300μg/kg、約1400μg/kg、約1500μg/kg、約1600μg/kg、約1700μg/kg、約1800μg/kgの用量で、又はそれらの間の任意の用量で、週1回で静脈内投与され得る。
一実施形態では、BCMA特異性抗体は、単一用量で週1回皮下投与される。例えば、BCMA特異性抗体は、約0.1μg/kg、約0.2μg/kg、約0.3μg/kg、約0.6μg/kg、約1.2μg/kg、約2.4μg/kg、約4.8μg/kg、約9.6μg/kg、約19.2μg/kg、約20μg/kg、約35μg/kg、約38.4μg/kg、約40μg/kg、約50μg/kg、約57.6μg/kg、約60μg/kg、約80μg/kg、約100μg/kg、約120μg/kg、約180μg/kg、約240μg/kg、約270μg/kg、約300μg/kg、約720μg/kg、約850μg/kg、約1000μg/kg、約1100μg/kg、約1200μg/kg、約1300μg/kg、約1400μg/kg、約1500μg/kg、約1500μg/kg、約1600μg/kg、約1700μg/kg、約1800μg/kg、約2000μg/kg、約2500μg/kg、約3000μg/kg、約3500μg/kg、約4000μg/kg、約4500μg/kg、約5000μg/kgの量で、又はそれらの間の任意の用量で、週1回皮下投与され得る。
一実施形態では、BCMA特異性抗体は、ステップアップ用量で皮下投与され、続いて、より高い用量で週1回投与される。例えば、BCMA特異性抗体は、約10μg/kg、約20μg/kg、約35μg/kg、約40μg/kg、約50μg/kg、約60μg/kgのステップアップ用量で、又はそれらの間の任意の用量で皮下投与し、続いて、約80μg/kg、約100μg/kg、約240μg/kg、約300μg/kgの用量で、又はそれらの間の任意の用量で、週1回皮下投与され得る。
一実施形態では、BCMA特異性抗体は、ステップアップ用量で皮下投与され、続いて、より高いステップアップ用量で投与され、続いて、第3のより高い用量で、週1回投与される。例えば、BCMA特異性抗体は、約10μg/kg、約20μg/kg、約35μg/kg、約40μg/kg、約50μg/kg、約60μg/kgのステップアップ用量で、又はそれらの間の任意の用量で皮下投与され、続いて、約80μg/kg、約100μg/kg、約240μg/kg、約300μg/kgのステップアップ用量で、又はそれらの間の任意の用量で皮下投与され、続いて、約240μg/kg、約720μg/kg、約1100μg/kg、約1200μg/kg、約1300μg/kg、約1400μg/kg、約1500μg/kg、約1600μg/kg、約1700μg/kg、約1800μg/kg、約2000μg/kg、約2500μg/kg、約3000μg/kgの用量で、又はそれらの間の任意の用量で、週1回皮下投与され得る。
いくつかの実施形態では、BCMA特異性抗体は、完全奏効、厳密な完全奏効、非常に良好な部分奏効、部分奏効、最小奏効、又は安定した疾患状態を達成するのに十分な時間にわたって投与され、疾患の進行又は患者の利益の欠如まで継続することができる。疾患状態は、本開示を考慮して、例えば、血清及び尿モノクローナルタンパク質濃度、Mタンパク質レベル、BCMAレベルの分析などの、当業者に既知の任意の好適な方法によって判定することができる。
いくつかの実施形態では、BCMA特異性抗体は、陰性の微小残存疾患(minimal residual disease、MRD)状態を特徴とする完全奏効を達成するのに十分な時間にわたって投与される。陰性のMRD状態は、本開示を考慮して当業者に既知の任意の好適な方法によって判定することができる。いくつかの実施形態では、陰性のMRD状態は、次世代シークエンシング(next generation sequencing、NGS)を使用して判定される。いくつかの実施形態では、陰性のMRD状態は、10-4細胞、10-5細胞、又は10-6細胞で判定される。
BCMA特異性抗体はまた、がんの進行リスクを低下させ、がんの進行におけるイベントの発生の開始を遅延させ、かつ/又はがんが緩解したときの再発リスクを低下させるために、予防的に投与することができる。
いくつかの実施形態では、本方法は、対象に1つ以上の抗がん療法を施すことを更に含む。
いくつかの実施形態では、1つ以上の抗がん療法は、自家幹細胞移植(autologous stem cell transplant、ASCT)、放射線、手術、化学療法剤、免疫調節剤、及び標的化がん療法からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、1つ以上の抗がん療法は、セリネクソール、ベネトクラックス、レナリドミド、サリドマイド、ポマリドミド、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、エロトズマブ、イキサゾミブ、メルファラン、デキサメタゾン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、ヒドロキシダウノルビシン、プレドニゾン、リツキシマブ、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、ポナチニブ、バフェチニブ、サラカチニブ、セリネクソール、ベネトクラックス、トザセルチブ又はダヌセルチブ、シタラビン、ダウノルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、ヒドロキシ尿素、デシタビン、クラドリビン、フルダラビン、トポテカン、エトポシド6-チオグアニン、コルチコステロイド、メトトレキサート、6-メルカプトプリン、アザシチジン、三酸化ヒ素及びオールトランスレチノイン酸、又はこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
本発明を、以下の実施例で更に定義する。これらの実施例が、本発明の好ましい実施形態を示している一方で、実例としてのみ提供され、添付の特許請求の範囲を限定するものと解釈すべきでないことを理解されたい。上記の考察及びこれらの実施例から、当業者は、本発明の必須の特徴が、その趣旨及び範囲を逸脱することなく、様々な使用及び条件に適合するように、本発明を様々に変更及び修正することができることを確認することができる。
実施例1-B細胞悪性腫瘍細胞株によるBCMA発現の評価、及びγ-セクレターゼの阻害による増強
多発性骨髄腫(MM)以外の他の悪性腫瘍がBCMA指向免疫療法によって潜在的に標的化され得るかどうかを評価するために、B細胞悪性腫瘍細胞株を、フローサイトメトリーによってBCMA発現について評価した。図1A~図1Eは、BCMAが、異なるB細胞悪性腫瘍によって発現され、γ-セクレターゼ阻害によって増強され得ることが見出された評価の結果を示している。図1Aによれば、B細胞悪性腫瘍細胞株を培養し、BCMAの基礎レベルをフローサイトメトリーによって評価し、アイソタイプ対照と比較した。(n=3~8)。点線は、アイソタイプ対照と比較して増加がないことを示す。図1Bによれば、細胞株を100nMのγ-セクレターゼ阻害剤又は培地対照で24~48時間処理し、BCMAをフローサイトメトリーによって評価した。値は、0nMのγ-セクレターゼ阻害剤と比較した増加倍率として表される。(n=3~12)点線は、0nMのγ-セクレターゼ阻害剤と比較して増加がないことを示す。図1Cは、0nM又は100nMのγ-セクレターゼ阻害剤で24~48時間処理した後のB細胞悪性腫瘍細胞株の上清において、ELISAによる可溶性BCMAの評価の結果を表す。(n=2)。図1Dは、B細胞悪性腫瘍細胞株を100nMのγ-セクレターゼ阻害剤を用いて、又は用いずに24時間処理した後の、qPCRによるGAPDH対照に対するBCMA mRNAの評価である。図1Eは、γ-セクレターゼ阻害なし、又は100nMのγ-セクレターゼ阻害による24時間の、B細胞悪性腫瘍細胞株におけるBCMA膜発現とBCMA mRNA発現との間の相関関係を示す。P値は、ウィルコクソン検定の対応のあるt検定(図1A~図1B)又は単純線形回帰(図1E)によって計算した。データは、平均±SDとして提示されている。P<.05;**P<.01;***P<0.001****P<.0001。
したがって、MM細胞株U266(gMFI5529)及びRPMI-8226(MM、gMFI4621)は、高レベルのBCMAを発現した(図1A)。しかしながら、MMに加えて、高レベルのBCMAをWM細胞株上で検出することができた(MWCL1;gMFI2762及びBCWM.1;gMFI2069)。低いが、依然として検出可能なレベルのBCMAが、CLLの細胞株(CII;gMFI2059、PGA;gMFI2097、Mec-1;gMFI1376)、バーキットリンパ腫(Daudi;gMFI1456及びRamos;gMFI1300)、DLBCL(OCI-Ly7;gMFI1086及びOCI-Ly3;gMFI1177)及びMCL(JeKo-1;gMFI675)(図1A)上で見出された。予想通り、T細胞急性リンパ芽球性白血病に由来するJurkat細胞上にはBCMAは検出されなかった(図1A)。
BCMAは、γ-セクレターゼによって切断されることが知られているので、この酵素の阻害がこれらのB細胞株におけるBCMAレベルの増強をもたらすかどうかを評価した。これを評価するために、異なるB細胞悪性腫瘍株を100nMのγ-セクレターゼ阻害剤(Ly411575)で24~48時間インキュベートし、BCMAの増加倍率を未刺激細胞と比較した。様々な細胞株の生存率は、γ-セクレターゼ阻害によって影響を受けなかった(図7A)。全てのB細胞悪性腫瘍細胞株は、γ-セクレターゼ阻害後にBCMAレベルの増加を示した(図1B)。既に高い基礎レベルのBCMAを有していた細胞株(U266、RPMI-8226、MWCL1、及びBCWM.1)に加えて、JeKo-1及びOCI-Ly7などのBCMAの低い基礎発現を有していた細胞株も、γ-セクレターゼ阻害後にBCMAを上方制御することができた(図1B)。再び、Jurkat細胞は、γ-セクレターゼ阻害後でさえ、BCMAの上方制御を示さなかった(図1B)。γ-セクレターゼ阻害後のBCMAの上方制御されたレベルは、γ-セクレターゼによるBCMAの活発なシェディングを示唆する。これは、γ-セクレターゼ阻害剤の非存在下又は存在下で24時間又は48時間培養したB細胞悪性腫瘍細胞株の上清中の可溶性BCMA(sBCMA)レベルの決定によって試験された。実際、sBCMAレベルは、選択された異なる細胞株(Jurkatを除く)の培養時に検出可能であり、培養時間が長くなると増加した(図1C)。それにもかかわらず、sBCMAは、両方の時点でγ-セクレターゼ阻害剤の添加において強く減少し(図1C)、観察された増加が切断の防止によるものであることを示している。これは、γ-セクレターゼ阻害の前後で等しいままであったmRNAレベルを評価したときに更に確認された(図1D)。これと一致して、細胞当たりのBCMA分子を定量化したときに、細胞当たりのBCMAの量が、γ-セクレターゼ阻害後のmRNAレベルと強い相関関係(R=0.92)を示すことが観察された(図1E)。これは、弱い相関関係(R=0.36)のみを示したγ-セクレターゼ阻害なしの場合とは対照的であった。まとめると、これらのデータは、MMに加えて、異なるB細胞悪性腫瘍に由来する細胞株がBCMAを発現し、このような発現がγ-セクレターゼ阻害によって増強され得ることを示している。
実施例2-原発性CLL及びB細胞リンパ腫試料によるBCMAの発現の評価
異なるB細胞リンパ腫細胞株でのBCMA発現に関する結果は、同様の結果がCLL及びB細胞リンパ腫患者の一次材料でも観察され得るかどうかの調査を促した。原発性CLL試料を、フローサイトメトリーによってBCMA発現について染色し、アイソタイプ対照と比較した。図2A~図2Fに示すように、BCMAは、原発性CLL細胞上で低発現され、γ-セクレターゼ阻害によってわずかに増強され得る。図2Aに提供されるように、CLL細胞を培養し、BCMAの基礎レベルをフローサイトメトリーによって評価し、アイソタイプ対照と比較した。(n=25)。図2Bについては、CLL細胞を0nM又は100nMのγ-セクレターゼ阻害剤で24時間又は48時間処理し、BCMAをフローサイトメトリーによって評価した。値は、培地対照と比較した増加倍率として表される。(n=12~28)。図2Cは、突然変異IgVH又は非突然変異IgVHを有するCLL患者の中で、アイソタイプ対照と比較したBCMAの基礎レベルを提供する。(n=4~10)。図2Dは、突然変異IgVH又は非突然変異IgVHを有するCLL患者の中で、培地対照と比較した、100nMのγ-セクレターゼ阻害剤による24~48時間の処理後のBCMAの増加倍率を示す。(n=5~13)。図2Eは、原発性CLL試料を、100nMのγ-セクレターゼ阻害剤を用いずに、又は用いて24時間処理した後の、qPCRによる、GAPDH対照に対するBCMA mRNAの評価の結果を提供する。(n=9)。図2Fは、100nMのγ-セクレターゼ阻害剤又は培地対照で24~48時間処理した後のB細胞悪性腫瘍細胞株の上清において、ELISAによる可溶性BCMAの評価を提供する。(n=4~12)P値は、ウィルコクソン検定(図2A~図2B)、マンホイットニー検定(図2B、図2C、図2D)、又は対応のあるt検定(図2E、図2F)によって計算した。データは、平均±SDとして提示されている。P<.05;**P<.01;***P<0.001;****P<.0001。
したがって、原発性CLL細胞は、BCMAのわずかな発現を示した(図2A)。CLLとγ-セクレターゼ阻害剤との24時間のインキュベーションは、小さいが有意なBCMAの上方制御をもたらし、これは、48時間後に更に増強された(図2B)。CLL細胞の生存率は、阻害剤によって影響を受けなかった(図8A)。突然変異した免疫グロブリン重鎖可変領域遺伝子(immunoglobulin heavy、IgHV)状態を有するCLL試料と突然変異していない免疫グロブリン重鎖可変領域遺伝子(IgHV)状態を有するCLL試料との間で、γ-セクレターゼ阻害剤治療の前又は後のBCMAレベルの差は、観察されなかった(図2C~図2D)。低いが測定可能なmRNAレベルのBCMA発現を、CLL細胞上で検出することができた(図2E)。フローサイトメトリーによる低BCMA検出にもかかわらず、sBCMAは、培養の24時間後に既にCLL細胞の上清中で検出することができ、これは、48時間後に増加した(図2F)。γ-セクレターゼ阻害剤での治療は、sBCMAレベルの顕著な減少をもたらし、これらのCLL細胞からのBCMAの活発なシェディングを示した(図2F)。
CLL患者のLNにおいてBCMAが検出され得るかどうかを評価するために、BCMA IHCを実行した。IHCによるBCMA発現はまた、MM、WM、DLBCL、及びMCL患者の骨髄又はリンパ節における一次材料についても評価された。図3A~図3Bは、異なるB細胞悪性腫瘍におけるBCMA発現を示しており、異なるB細胞悪性腫瘍のパラフィン包埋スライドの免疫組織化学を400倍の倍率で示している。図3Aでは、腫瘍細胞は、CLL(n=4)及びDLBCL(n=3)についてはPax-5、WM(n=3)についてはIgM、MCL(n=3)についてはサイクリンD1、並びにMM(n=4)についてはCD138の染色に基づいて疾患タイプごとに同定された。図3Bは、膜及びゴルジの両方でのIHCによるBCMAの強い発現、中程度の発現、弱い発現、及び発現なしの例を表す。
したがって、BCMAを発現する腫瘍細胞の量を決定するために、組織をCD138(MM)、IgM(WM)、サイクリンD1(MCL)、並びにPax-5(CLL及びDLBCL)についても染色した(図3A)。BCMA発現を、膜及びゴルジ複合体の両方の染色の強度に基づいて分類した(図3B)。異なるB細胞リンパ腫及びCLLの結果を表2の以下に要約する。
表2-異なるB細胞悪性腫瘍におけるIHCによるBCMA発現。腫瘍タイプごとに、腫瘍細胞の量を決定した。膜上又はゴルジ内のいずれかのBCMA陽性を、全腫瘍細胞のパーセンテージとして決定した。パーセンテージは、2人の病理学者によって独立して評価された。
Figure 2024519545000003
MM患者の骨髄生検試料は、ゴルジ染色又は膜発現のいずれかとして、腫瘍細胞における最も強いBCMA発現を示した。また、WMを有する患者の骨髄試料において、BCMAを容易に検出することができた。CLL及びDLBCL患者のLN生検標本において、BCMA発現は弱く、MCL患者から得られたLN試料において、BCMAは検出することができなかった。これらの結果は、BCMAが、MM以外の他のB細胞悪性腫瘍において発現され得ることを示す。しかしながら、発現は低く、場合によっては、腫瘍細胞のごく一部にのみ限定されていた。
実施例3-BCMA特異性抗体の存在下での健常ドナーPBMCとB細胞悪性腫瘍細胞株との共培養
異なるB細胞悪性腫瘍細胞株は、BCMAを様々な程度で発現するので、これらの細胞株と、HD PBMCの存在下でのBCMAxCD3 BsAbテクリスタマブとの共培養が、T細胞の活性化をもたらすかどうかを調査した。これを評価するために、4つの細胞株を、前もって決定されたBCMAレベルに基づいて選択した。これらは、RPMI-8226(MM、陽性対照;高BCMA)、BCWM.1(WM、高BCMA)、CII(CLL、中BCMA)、及びJeKo-1(MCL、低BCMA)である。細胞株及び年齢を適合させたHD PBMCを、100ng/mLのテクリスタマブ又は対照BsAb(BCMAxnull又はnullxCD3)の存在下で、100nMのγ-セクレターゼ阻害剤を用いて、又は用いずに培養した。陽性対照として、抗CD3/CD28抗体を共培養物に添加して、TCR刺激を誘導した。
図4A~図4Gは、BCMAxCD3 DuoBody(登録商標)が、B細胞悪性腫瘍細胞株の存在下でT細胞による活性化、脱顆粒、サイトカイン分泌、及び細胞傷害性を誘導するという評価の結果を提供する。健常ドナーのPBMCを未刺激のままにするか、又は100ng/mLのBCMAxCD3 DuoBody(登録商標)、BCMAxnull、nullxCD3、若しくは抗CD3/CD28抗体で刺激した。細胞を未処理のままにした(-)か、又は100nMのγ-セクレターゼ阻害剤で処理した(+)。T細胞を、細胞株RPMI-8226(多発性骨髄腫)、JeKo-1(マントル細胞リンパ腫)、BCWM.1(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、又はCII(慢性リンパ性白血病)と1:1のE:T比率で共培養した。48時間後、CD25による活性化(図4A)、脱顆粒(図4B)、IFNγの分泌(図4D)、IL-2(図4E)、TNFα(図4F)、及び細胞傷害性(図4G)をフローサイトメトリーによって測定した(n=3~14)。4日間のインキュベーション後、T細胞増殖をFACSによって評価した(図4C)(n=3~9)。
したがって、CD4T細胞及びCD8T細胞の両方は、テクリスタマブ刺激又は抗CD3/CD28刺激のいずれかの存在下での様々な細胞株との2日間共培養後、活性化マーカーCD25(IL-2受容体)の上方制御を示した(図4A及び図9A)。対照BsAbを使用した活性化は観察されず、PBMCを標的細胞なしで培養したときに、テクリスタマブの添加は、CD25の上方制御をもたらさなかった(図4A及び図9A)。同様の上方制御が、CD107a、IFNγ、IL-2、及びTNFαについて24時間後に観察された(図4B、図4D~図4F、図9B、及び図9D~図9F)。JeKo-1のような低BCMA発現細胞が、高BCMA発現細胞株RPMI-8226と同様のレベルまで活性化を誘導し、γ-セクレターゼ阻害によるBCMAレベルの増加によって更に増強されなかったので(図4A、図4C、及び図9A、図9C)、活性化及び増殖は、BCMA発現密度に依存しなかった。T細胞活性化、脱顆粒、及びサイトカイン産生に加えて、テクリスタマブはまた、HD T細胞との共培養時に標的細胞の細胞死を誘導した(図4G)。ここでも、JeKo-1が、高BCMA発現BCWM.1又はCII細胞株よりも効率的に溶解され、γ-セクレターゼ阻害剤を添加しても改善しなかったので(図4G)、細胞傷害能は、BCMAレベルに依存しないようであった。したがって、テクリスタマブ活性については、適切なT細胞活性化及び細胞傷害性を誘導するために、特定の(低い)閾値レベルのBCMAが必要であると思われる。しかしながら、これらの結果はまた、腫瘍内因子もテクリスタマブに対する応答に負の影響を与え得ることを示す。
実施例4-CLL細胞によるBCMAの低発現にもかかわらず、BCMA特異性抗体は、CLL細胞の強力な溶解を誘導する
現在は、少量のBCMA発現が、テクリスタマブに対する細胞株の感受性を付与するのに十分であり得ることを示す。原発性CLL試料は、JeKo-1細胞株と比較して更に低レベルでBCMAを発現するので、本発明者らは、この発現レベルが、CLL細胞の有効な溶解を誘導するのに依然として十分に高いかどうかを調査した。これを評価するために、HD T細胞を、100nMのγ-セクレターゼ阻害剤を含むか、又は含まない100ng/mLのテクリスタマブの存在下で、原発性CLL細胞と共に48~96時間共培養した。
図5A~図5Cは、健常ドナーT細胞が、CD8T細胞に大きく依存するBCMAxCD3 DuoBodyの存在下で、原発性CLL細胞をどのように死滅させるかを示す。健常ドナーのPBMCを、100nMのγ-セクレターゼ阻害剤の非存在下(-)又は存在下(+)で、未刺激のままにしたか、又は100ng/mLのBCMAxCD3 DuoBody(登録商標)で刺激した後の細胞傷害性を測定した。T細胞であるPBMCを、10:1のE:T比率で、(図5A)48時間又は(図5B)96時間原発性CLLと共培養した。(n=5)図5Cは、100ng/mLのBCMAxCD3 DuoBodyの存在下又は非存在下で、CD4、又はCD8、又はCD4及びCD8(1:1の比率)と、5:1のE:T比率で96時間共培養し、未処理のままにした(-)か、又は100nMのγ-セクレターゼ阻害剤で処理した(+)原発性CLL細胞の細胞傷害性の測定の結果を示す。(n=8)P値は、ウィルコクソン検定(図5A)、対応のあるt検定(図5B)、又は反復測定一元配置分散分析(repeated measures one-way ANOVA)(図5C)によって計算した。データは、平均±SDとして提示されている。P<.05;**P<.01;***P<0.001。
したがって、48時間後、CLL細胞において細胞死の誘導を観察することができ、平均溶解は、両方のT細胞ドナーにおいて12.9%及び16.4%であった。このレベルは、γ-セクレターゼ阻害剤で処理すると、平均で14.9%及び21.6%に増加した(図5A)。96時間後、細胞死の量は、両方のT細胞ドナーについて平均で15.8%及び20%にわずかに増加し、γ-セクレターゼ阻害剤処理では25,8%及び27.4%であった(図5B)。細胞株データにおいて、γ-セクレターゼの阻害は死滅の増強をもたらさなかったが、CLLでは、全てのT細胞ドナーにおいて、又は全ての時点において有意性に達しなかったものの、この傾向を観察することができた(図5A~図5B)。CD4及び/又はCD8の寄与は、CLL細胞をHD CD4、又はCD8、又はCD4及びCD8のいずれかと一緒に(1:1の比率)テクリスタマブの存在下で96時間共培養することによって調べた。驚くべきことに、CD4T細胞は、CD8T細胞の死滅を誘導することができず、これは、最大60%まで溶解を誘導することができたCD8T細胞とは際立って対照的であった(図5C)。HD T細胞とは対照的に、CLL患者に由来するT細胞は、とりわけ活性化、脱顆粒、シナプス形成、及び細胞傷害性に関して機能不全であることが知られている28~30
テクリスタマブがCLL由来T細胞の活性化及び細胞傷害性を誘導するかどうかも評価した。活性化及び脱顆粒を評価するために、CLL患者の完全PBMCを、γ-セクレターゼ阻害の存在下又は非存在下で、100ng/mLのテクリスタマブ又は対照BsAbで96時間処理した。図6A~図6Cは、BCMAxCD3 DuoBodyがどのようにCLL由来T細胞のT細胞活性化を誘導し、CLL死滅をもたらすかを実証する。図6A~図6Cでは、CLL PBMCを、100ng/mLのBCMAxCD3、BCMAxnull、nullxCD3、又は抗CD3/CD28抗体で刺激した。(図6A)CD25及び(図6B)CD107aのフローサイトメトリー分析を4日後に実行した(n=3~5)。図6Cでは、CLL患者からのT細胞を単離し、100ng/mLのBCMAxCD3 DuoBodyの存在下又は非存在下で、自己CLLと5:1のE:T比率で96時間共培養し、未処理のままにした(-)か、又は100nMのγ-セクレターゼ阻害剤で処理した(+)。(n=6)P値は、通常の一元配置分散分析(図6A~図6B)又は対応のあるt検定(図6C)で計算した。データは、平均±SDとして提示されている。P<.05;**P<.01;***P<0.001;****P<.0001。
したがって、テクリスタマブの存在下では、CLL患者のCD4T細胞及びCD8T細胞の両方においてCD25活性化が増加する傾向を観察することができ、これはγ-セクレターゼ阻害剤の添加によって増強される(図6A)が、対照BsAbの添加では上方制御を検出することができなかった。同様の結果が、脱顆粒(CD107aによって測定される)を評価するときに得られたが、これは、CD8T細胞においてより顕著であった。最後に、CLL由来T細胞をそれらの自己CLL細胞とテクリスタマブの存在下で96時間共培養すると、40%の平均溶解をもたらし、これは、γ-セクレターゼ阻害の添加時にわずかに増加した(図6C)。これらの結果は、原発性CLL細胞における低BCMA発現にもかかわらず、これらの細胞が、CLL由来T細胞との共培養時にテクリスタマブによって効率的に溶解され得ることを暗示する。
材料及び方法
以下の材料、条件、及び方法を、上記の実施例1~3に記載される実験作業に従って使用した。
患者及び対照。Ficoll-Plaque(VWR)を使用して、Sanquin Blood Supply(Amsterdam,The Netherlands)からのCLL患者の末梢血又は(年齢を適合させた)健常ドナー(healthy donor、HD)のバフィーコートから末梢血単核細胞(Peripheral blood mononuclear cell、PBMC)を単離した。全ての試料を液体窒素中で凍結保存し、使用したCLL試料は、少なくとも85%のCD5CD19の純度を有していた。パラフィン包埋骨髄及びリンパ節組織(MM及びワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)からの骨髄並びにDLBCL、MCL、及びCLLからのリンパ節(lymph node、LN))は、Amsterdam University Medical Centers,location AMCの病理学部門から入手した。書面によるインフォームドコンセントをヘルシンキ宣言に従って全ての対象から得て、本試験は、アムステルダムUMCの医療倫理委員会によって承認された(倫理承認番号2013/159)。
二重特異性抗体。完全BCMAxCD3 DuoBody(JNJ-7957、JNJ-64007957)並びに対照BCMAxnull(BC3B4)及びnullxCD3(CNTO7008)は、Janssen Pharmaceuticalsによって提供された。
培養条件。CLL細胞、RPMI-8226、MWCL1、BCWM1、Mec-1、Ramos、OCI-Ly7、及びJurkat細胞を、イスコフ改変ダルベッコ培地(Iscove's Modified Dulbecco's Medium、IMDM、Thermo Fisher Scientific)中で培養した。HD又は扁桃腺由来PBMC、U266、CII、PGA-1、Daudi、OCI-Ly3、及びJeKo-1細胞を、RPMI 1640培地(Thermo Fisher Scientific)中で培養した。培地に10%のウシ胎児血清及び1%のペニシリン/ストレプトマイシンを補充した。
フローサイトメトリー。PBMCをPBA(PBS、0.5%のBSA、及び0.02%のアジ化ナトリウム)で洗浄し、蛍光標識抗体を使用して氷上で20分間染色した。BCMA APC、BCMA PE(Biolegend)、IgG2aカッパアイソタイプPE(BD Biosciences)、CD3 V500(BD Biosciences)、CD4 BV605(BD Biosciences)、CD4 PerCPefl710(eBioscience)、CD5 PE(eBioscience)、CD5 PerCPCy5.5(Biolegend)、CD8 BV510(Biolegend)、CD8 PECy7(eBioscience)、CD19 APC(BD Biosciences)、CD19 FITC(BD Biosciences)、CD20 FITC(BD Biosciences)、CD25 APC(BD Biosciences)、CD25 BV786(BD Biosciences)、CD27 PerCPefl710(eBioscience)、CD38 PE(BD Biosciences)、CD38 BV421(Sony)、CD45RA BV650(Biolegend)、CD107a PECy7(BD Biosciences)、CD138 FITC(Molecular Probes)、CCR7 BUV395(BD Biosciences)、IgD PE-CF594(BD Biosciences)、IFNγBV421(BD Biosciences)、IL-2 PE-Dazzle594(Biolegend)、TNFαAF700(BD Biosciences)の抗体を使用した。死細胞を排除するために、Fixable Viability Dye eFluor780を製造業者の指示に従って使用した。細胞内サイトカインの染色のために、Fixation/Permeabilization Solution Kit(BD Biosciences)を使用して細胞を固定し、透過処理した。抗体染色後、試料をPBAを使用して洗浄し、BD FACS Canto又はLSR Fortessaフローサイトメーターで取得し、FlowJo v10で分析した。フローサイトメトリーを使用して細胞数を定量化するために、製造業者の指示に従って123count eBeads(商標)Counting Beads(Thermo Fisher Scientific)を使用する。PE Phycoerythrin Fluorescence Quantification Kit(BD Biosciences)の使用により、細胞当たりのBCMA分子を決定した。
BCMAは、フローサイトメトリー及び定量的ポリメラーゼ連鎖反応によって特徴付けられた。細胞株又はCLL細胞を、培地中又は100nMのγ-セクレターゼ阻害剤(Ly411575、Sigma)の存在下のいずれかで培養した。24時間又は48時間後、BCMAを上述のようにフローサイトメトリーによって検出した。相対的発現をアイソタイプ対照と比較して計算した。qPCRについては、RNeasyミニキット(Qiagen)を使用して全RNAを単離し、ランダムヘキサマープライマー(Promega)を使用してRevertAid(Fermentas)によってcDNAを転写した。SYBR Greenマスターミックス(Applied Biosystems)を使用してqPCRを実行し、Quantstudio 3(Applied Biosystems)で測定した。BCMAの発現をGAPDHに対して正規化した。線形回帰ソフトウェアを分析に使用した。
細胞障害性アッセイ。細胞株又は原発性CLL試料を、製造業者の指示に従ってCell Trace Violet(CTV、ThermoFisher Scientific)又はカルボキシフルオレセインジアセテートスクシンイミジルエステル(carboxyfluorescein diacetate succinimidyl ester、CFSE、ThermoFisher Scientific)で標識し、健常ドナーPBMC又はCLL由来(自己)T細胞と、異なるエフェクタと標的(E:T)の比率で共培養した。共培養の前に指示があった場合、CD4及びCD8T細胞を、製造業者の指示に従って、MACSビーズ(Miltenyi)を使用して単離した。共培養は、100ng/mLのBCMAxCD3、BCMAxnull、又はnullxCD3の存在下で行われた。指示があった場合、100nMのγ-セクレターゼ阻害剤(Ly411575)を添加した。標的細胞の生存率を、フローサイトメトリーを使用して、TO-PRO-3(Invitrogen)及びMitoTracker Orange(Invitrogen)を使用して評価した。標的細胞の特異的溶解率を、(処理試料中の標的細胞死%-培地対照中の標的細胞死%)/(100-培地対照中の標的細胞死%)100%として計算した。培地対照中の細胞死が50%を超えたとき、試料を除外した。
T細胞増殖。HD患者からのPBMCをCTVで標識し、単独又は1:1のE:T比率でRPMI-8226、JeKo-1、CII、又はBCWM1と培養した。PBMCを、100ng/mLのBCMAxCD3、BCMAxnull、若しくはnullxCD3の存在下でインキュベートしたか、又はCD3(クローン1XE)及びCD28(クローン15E8)抗体で刺激した。指示があった場合、100nMのγ-セクレターゼ阻害剤(Ly411575)を添加した。4日後、増殖を上述のようにフローサイトメトリーによって測定した。
活性化、サイトカイン産生、及び脱顆粒。HD又はCLL患者からのPBMCを、100ng/mLのBCMAxCD3、BCMAxnull、若しくはnullxCD3の存在下でインキュベートしたか、又はCD3(クローン1XE)及びCD28(クローン15E8)抗体で2日間刺激した。指示があった場合、HD PBMCを1:1のE:T比率でRPMI-8226、JeKo-1、CII、又はBCWM1と共培養した。指示があった場合、100nMのγ-セクレターゼ阻害剤(Ly411575)を添加した。ブレフェルジンA(10μg/mL、Invitrogen)、GolgiStop(BD Biosciences)、及び抗CD107a PE-Cy7を4~6時間添加した後、上述のようにフローサイトメトリーによって活性化、脱顆粒、及びサイトカイン産生を評価した。
sBCMA ELISA。細胞株又はCLL細胞を、培地中又は100nMのγ-セクレターゼ阻害剤(Ly411575、Sigma)の存在下のいずれかで培養した。24時間又は48時間後、上清を回収し、-20℃で保存した。上清中の可溶性BCMA(sBCMA)を、BCMAに対する抗体対を使用するELISAによって測定した。
BCMA免疫組織化学。BCMA(クローンE6D7B、細胞シグナル伝達)、CD138、Pax-5、サイクリンD1、及びIgMについてのIHC染色を、パラフィン包埋骨髄及びLN組織に対して実行した。染色は、Dako Autostainer EQ240システム上で、PhenPath Laboratories(Seattle、WA)によって実行された。結果は、2人の独立した病理学者によって評価された。
統計分析。ダゴスティーノ-ピアソン検定により、又はn<5であればシャピロ-ウィルク検定により、データを正規性についてチェックした。対応のある又は対応のない両側t検定、ウィルコクソン対応対符号付き順位検定、マンホイットニー検定、(ボンフェローニの事後検定後の)反復測定若しくは通常の一元配置分散分析、又は(ダンの事後検定後の)クラスカルウォリス検定を使用することによってP値を計算した。相関関係を単純線形回帰によって決定した。統計分析をGraphpad PRISMバージョン8.3.0を使用し、有意性をP<0.05に設定して実行した。
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本開示に記載される上付き数字は、以下の参考文献にそれぞれ対応する。
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Claims (13)

  1. ヒト対象における非ホジキンリンパ腫(NHL)を治療するための方法であって、治療上有効量のBCMA特異性抗体を前記対象に投与することを含む、方法。
  2. 前記BCMA特異性抗体は、単一特異性又は二重特異性である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記BCMA特異性抗体は、テクリスタマブである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記非ホジキンリンパ腫は、B細胞成熟抗原(BCMA)の発現を特徴とするサブタイプである、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  5. 前記非ホジキンリンパ腫は、慢性リンパ球性白血病(CLL)、リンパ芽球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、又はワルデンシュトレームマクログロブリン血症である、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  6. 前記対象は、成人である、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  7. 前記対象に投与される前記量のテクリスタマブは、前記対象におけるT細胞を活性化すること、前記対象における好中球脱顆粒を誘導すること、前記対象におけるサイトカイン産生を誘導すること、又はこれらの任意の組み合わせに有効である、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  8. 前記対象にγ-セクレターゼ阻害剤を投与することを更に含む、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  9. 前記BCMA特異性抗体及び前記γ-セクレターゼ阻害剤は、単一剤形で前記対象に投与される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記BCMA特異性抗体は、第1の剤形で投与され、前記γ-セクレターゼ阻害剤は、第2の剤形で投与される、請求項8に記載の方法。
  11. ヒト対象における非ホジキンリンパ腫(NHL)を治療するのに治療上有効である量でBCMA特異性抗体と、
    γ-セクレターゼ阻害剤と、を含む、組成物。
  12. 前記量のBCMA特異性抗体は、前記対象におけるT細胞を活性化すること、前記対象における好中球脱顆粒を誘導すること、前記対象におけるサイトカイン産生を誘導すること、又はこれらの任意の組み合わせに有効である、請求項11に記載の組成物。
  13. 前記BCMA特異性抗体は、テクリスタマブである、請求項11又は12に記載の組成物。
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