JP2024519065A - 向精神薬とその用途 - Google Patents

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バイノ、アンドリュー・アール.
グラッタン、ビンセント・ティー.
プレンスキー、ザカリー
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エルビー・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
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Abstract

この明細書は、アミスルプリド誘導体及びその医薬組成物を、単独で、又は他のCNS活性剤と組み合わせて、対象のドーパミン受容体、セロトニン受容体(例.5-HT2a、5-HT7)及び/又はα2受容体に拮抗するために使用する新規な用途を開示する。この明細書で開示するアミスルプリド誘導体又はその医薬組成物は、単独で、又は他のCNS活性剤と組み合わせて、対象のドーパミン受容体、セロトニン受容体(例.5-HT2a、5-HT7)及び/又はα2受容体の調節に応答する1以上の状態の処置に、使用できる。この明細書で開示するアミスルプリド誘導体又はその医薬組成物は、単独で、又は他のCNS活性剤と組み合わせて、脳内のドーパミン及び/又はセロトニンのレベルの異常に関連する1以上の障害の処置に、使用できる

Description

関連出願への相互参照
本出願は、米国仮特許出願第63/189,905号(出願日:2021年5月18日)の利益を主張し、その全体が参照によりこの明細書に組み込まれる。
発明の分野
この発明は、一般に、神経精神疾患若しくは障害及び/又は心理的疾患若しくは障害の処置のための医薬組成物及び方法の分野に属する。
統合失調症は、人口の約1%が罹患する慢性の衰弱性精神疾患である。この疾患は、妄想的行動、思考の混乱、不穏、社会的引きこもり及びうつ病として現れる。統合失調症の患者は、生活の質が著しく低下しており、自殺の可能性が一般の人よりも10倍高い。
ドーパミン(特にD及びD)拮抗薬は、統合失調症の症状を改善する医薬として十分に認識されており、何十年も臨床で使用されてきた。この20年間で、統合失調症の治療は、多くの精神疾患と同様に、セロトニン受容体及びアドレナリン受容体を含む複数の受容体を関与させることで利益を得ることができると認識されるようになった。数十もの統合失調症の治療薬が承認されているにもかかわらず、多くの患者の治療は、依然として不十分である。現在の治療薬の副作用には、ジスキネジア、アカシジア、体重増加、気分障害、性機能障害、過鎮静、起立性低血圧、唾液分泌過多、(場合によっては)無顆粒球症が含まれる。
アミスルプリド(4-アミノ-N-(((1-エチル-2-ピロリジニル)メチル)-5-(エチルスルホニル))-2-メトキシベンズアミド)は、抗精神病薬で1981年に特許が付与された。アミスルプリドは、ヒトのドーパミンD受容体(K 2.8nM)及びD受容体(K 3.2nM)に選択的に結合し、D、D及びD受容体とは親和性を示さない。古典的な神経遮断薬及び非定型神経遮断薬とは異なり、アミスルプリドは、セロトニン受容体、アドレナリンα受容体、ヒスタミン受容体、ムスカリン受容体及びシグマ部位に対する親和性が低いのに対して、5-HT2B受容体及び5-HT7a受容体とは、2桁小さいナノモル(nM)のKで結合することが実証されている。5-HT受容体と結合するアミスルプリドの能力は、うつ病の症状(統合失調症患者に認められることもある)を治療し、認知を改善する能力につながると考えられ、統合失調症の陰性症状を治療する能力を説明できる可能性がある。興味深いことに、他の抗精神病薬と比較して、アミスルプリドは、5-HT2a受容体に対する活性がないことが注目される。
アミスルプリドの独特の特性にもかかわらず、この薬物の、血液脳関門(BBB)を通過して脳内の受容体と相互作用する能力は低い。2014年の研究では、PAMPA膜を通過するアミスルプリドの受動拡散(Pとして測定)は、試験した30の精神科の薬剤の中で最低であった。したがって、アミスルプリドの用量は多く、通常、400~800mg/日である(最大で1,200mg/日も珍しくない)。そのような高用量は、処置を行う対象に有害事象を引き起こす可能性がある。
本明細書では、アミスルプリド誘導体とその医薬組成物の用途を提供する。特定の態様では、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体は、ドーパミン及び/又はセロトニン拮抗薬である。特定の態様では、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体は、アミスルプリドと比較して膜(例.BBB)透過性が改善されている。特定の態様では、アミスルプリド誘導体は、中枢神経系(CNS)ドーパミン及び/又はセロトニン拮抗薬として作用する。これらのアミスルプリド誘導体は、この明細書で開示する式IA、式IB又は式ICで表される構造を有し、その薬学的に許容される塩、その立体異性体(例.式IA-S、式IA-R、式IB-S、式IB-R、式IC-S及び式IC-R)、又は式IA、式IB、式IC、式IA-S、式IA-R、式IB-S、式IB-R、式IC-S若しくは式IC-Rで表される構造の重水素化類似体を含む。
本明細書では、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体の単位用量を提供し、前記単位用量は、アミスルプリド誘導体の治療有効量を含む医薬組成物を含み、前記治療有効量は、約10mg~約250mg、約10mg~約225mg、約10mg~約200mg、約10mg~約175mg、約10mg~約150mg、約10mg~約125mg、約10mg~約100mg、約10mg~約75mg、約10mg~約50mg、約10mg~約25mg、約25mg~約250mg、約25mg~約225mg、約25mg~約200mg、約25mg~約175mg、約25mg~約150mg、約25mg~約125mg、約25mg~約100mg、約25mg~約75mg、約25mg~約50mg、約50mg~約250mg、約50mg~約225mg、約50mg~約200mg、約50mg~約175mg、約50mg~約150mg、約50mg~約125mg、約50mg~約100mg、約50mg~約75mg、約75mg~約250mg、約75mg~約225mg、約75mg~約200mg、約75mg~約175mg、約75mg~約150mg、約75mg~約125mg、約75mg~約100mg、約100mg~約250mg、約100mg~約225mg、約100mg~約200mg、約100mg~約175mg、約100mg~約150mg、約100mg~約125mg、約125mg~約250mg、約125mg~約225mg、約125mg~約200mg、約125mg~約175mg、約125mg~約150mg、約150mg~約250mg、約150mg~約225mg、約150mg~約200mg、約150mg~約175mg、約175mg~約250mg、約175mg~約225mg、約175mg~約200mg、約200mg~約250mg、約200mg~約225mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg又は約250mgである。
本明細書では、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体又はその医薬組成物の治療有効量を前記対象に投与することを含む、ドーパミン受容体、セロトニン受容体(例.5-HT2a、5-HT)及び/又はα-2アドレナリン(α2)受容体拮抗薬を対象の脳に送達する方法も提供し、脳内のドーパミン受容体、セロトニン受容体及び/又はα2受容体拮抗薬のレベルが、対象に同等な量のアミスルプリドを投与した場合よりも高い。特定の態様では、前記方法は、1、2、3又は4単位用量のこの明細書で開示するアミスルプリド誘導体を、対象に投与することを含む。特定の態様では、前記方法は、1、2、3又は4単位用量のこの明細書で開示するアミスルプリド誘導体を、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回又は週に1回、対象に投与することを含む。特定の態様では、前記単位用量は、50mg、75mg又は100mgである。特定の態様では、前記方法は、前記アミスルプリド誘導体の用量を調節して、処置の対象で測定される線条体ドーパミンRO(受容体占有率)%又は尾状核及び被殻の平均ドーパミン(例.D/D)RO%を約60%~約80%、約50%~約85%又は約40%~約90%にすることを更に含む。
本明細書では、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体又はその医薬組成物の治療有効量を、単独で又は他のCNS活性剤と組み合わせて、対象に投与することを含む、対象におけるドーパミン受容体、セロトニン受容体(例.5-HT2a、5-HT)及び/又はα2受容体に拮抗する方法を提供する。特定の態様では、前記方法は、1、2、3又は4単位用量のこの明細書で開示するアミスルプリド誘導体を、対象に投与することを含む。特定の態様では、前記方法は、1、2、3又は4単位用量のこの明細書で開示するアミスルプリド誘導体を、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回又は週に1回、対象に投与することを含む。特定の態様では、前記単位用量は、50mg、75mg又は100mgである。特定の態様では、前記方法は、前記アミスルプリド誘導体の用量を調節して、処置の対象で測定される線条体ドーパミンRO%又は尾状核及び被殻の平均ドーパミン(例.D/D)RO%を約60%~約80%、約50%~約85%又は約40%~約90%にすることを更に含む。
本明細書では、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体又はその医薬組成物の治療有効量を、単独で又は他のCNS活性剤と組み合わせて、対象に投与することを含む、対象におけるドーパミン受容体、セロトニン受容体(例.5-HT2a、5-HT)及び/又はα2受容体の調節に応答する1以上の状態を処置する方法も提供する。特定の態様では、前記方法は、1、2、3又は4単位用量のこの明細書で開示するアミスルプリド誘導体を、対象に投与することを含む。特定の態様では、前記方法は、1、2、3又は4単位用量のこの明細書で開示するアミスルプリド誘導体を、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回又は週に1回、対象に投与することを含む。特定の態様では、前記単位用量は、50mg、75mg又は100mgである。特定の態様では、前記方法は、前記アミスルプリド誘導体の用量を調節して、処置の対象で測定される線条体ドーパミンRO%又は尾状核及び被殻の平均ドーパミン(例.D/D)RO%を約60%~約80%、約50%~約85%又は約40%~約90%にすることを更に含む。
本明細書では、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体又はその医薬組成物の治療有効量を、単独で又は他のCNS活性剤と組み合わせて、対象に投与することを含む、脳内のドーパミン及び/又はセロトニンのレベルの異常に関連する1以上の障害を処置する方法も提供する。特定の態様では、前記方法は、1、2、3又は4単位用量のこの明細書で開示するアミスルプリド誘導体を、対象に投与することを含む。特定の態様では、前記方法は、1、2、3又は4単位用量のこの明細書で開示するアミスルプリド誘導体を、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回又は週に1回、対象に投与することを含む。特定の態様では、前記単位用量は、50mg、75mg又は100mgである。特定の態様では、前記方法は、前記アミスルプリド誘導体の用量を調節して、処置の対象で測定される線条体ドーパミンRO%又は尾状核及び被殻の平均ドーパミン(例.D/D)RO%を約60%~約80%、約50%~約85%又は約40%~約90%にすることを更に含む。
ドーパミン受容体、セロトニン受容体(例.5-HT2a、5-HT)及び/若しくはα2受容体の調節に応答する状態、並びに/又は、脳内のドーパミン及び/若しくはセロトニンのレベルの異常に関連する障害の例には、例えば精神疾患が含まれるが、これには限定されない。精神疾患の例には、統合失調症、統合失調症の症状、統合失調感情障害、双極性障害、うつ病、強迫性障害、パーキンソン病の精神症状、アルツハイマー病の精神症状、反抗挑発症、攻撃行動、自殺傾向、敵意、人格障害、慢性疲労症候群、統合失調症の主に陰性症状、シャルル・ボネ症候群、自閉症、トゥレット障害が含まれるが、これらには限定されない。
ヒト(n=4)への50mgのLB-102経口投与におけるドーパミン受容体(例.D/D)占有率。 ヒト(n=3)への100mgのLB-102経口投与におけるドーパミン受容体(例.D/D)占有率。 ヒト(n=4)への50mgのLB-102の経口投与後の、LB-102(菱形)、アミスルプリド(四角)及び総ベンズアミド(三角)の血漿濃度。 10mg(大きな×)、50mg(三角)、100mg(四角)、150mg(小さな×)及び200mg(菱形)のLB-102のヒトへの単回経口投与における時間の関数としての血漿濃度。 図4Aは、以前に発表されたアミスルプリド50mg投与のPKプロファイルであり、図4Bは、ヒトへのLB-102(50mg)の単回経口投与のPKプロファイルである。 LB-102で処置した被験者における尾状核及び被殻の平均ドーパミン(例.D/D)RO%、並びに前記被験者における50mgのLB-102の単回経口投与後のPK分析。 LB-102で処置した被験者における尾状核及び被殻の平均ドーパミン(例.D/D)RO%、並びに前記被験者における75mgのLB-102の単回経口投与後のPK分析。 LB-102で処置した被験者における尾状核及び被殻の平均ドーパミン(例.D/D)RO%、並びに前記被験者における100mgのLB-102の単回経口投与後のPK分析。 LB-102で処置した被験者における尾状核及び被殻における平均ドーパミン(例.D/D)RO%、並びに前記被験者における50mg/日のLB-102の経口投与の4日目のLB-102投与後のPK分析。 LB-102で処置した被験者における尾状核及び被殻における平均ドーパミン(例.D/D)RO%、並びに前記被験者における100mg/日のLB-102の経口投与の4日目のLB-102投与後のPK分析。
発明の詳細な説明
ドーパミンの受容体占有率(RO)は、抗精神病薬の有効性の十分に確立されたマーカーである:60~75%のROは、統合失調症患者のPANSSスコアの大幅な改善と相関している[Pani, L., Pira, L., Marchese, G., 2007. "Antipsychotic efficacy: Relationship to optimal D2-receptor occupancy", European Psychiatry, 22, 267-275.]。この明細書で開示するアミスルプリド誘導体(アミスルプリドの4-アミノ置換誘導体、4-アミノアミスルプリド誘導体及び4-アミノ置換アミスルプリド誘導体ともいう)は、この明細書で開示するように、ヒトの大脳の尾状核及び被殻において、所望のドーパミン(例.D/D)ROを達成するのに必要なアミスルプリドの用量よりも大幅に少ない用量で、所望のドーパミン(例.D/D)ROを達成した。例えば、実施例1を参照すると、50mg及び100mgのLB102の単回経口用量は、ヒトの大脳の尾状核/被殻において、それぞれ、約50%(図1A)及び75%(図1B)のドーパミンD/D ROを示し、一方、アミスルプリドの場合、ドーパミン(例.D/D)ROを75%とするためには、400mgを超える用量が必要であった[Meisenzahl, E. M., Schmitt, G., Gruender, G., Dresel, S., Frodl, T., la Fougere, C., Scheuerecker, J. Schwarz, M., Strauss, J. Hahn, K., and Moeller, H.-J., 2008, "Striatal D2/D3 Receptor Occupancy, Clinical Response and Side Effects with Amisulpride: An Iodine-123-Iodobenzamide SPET Study", Pharmacopsychiatry, 41, 169-175.]。
LB-102のヒトの血漿への曝露は、モデル動物及びアミスルプリドについての公表されたデータと比較して、予想を大幅に上回った。前臨床のモデル動物では、LB-102は、最大で50%と、大幅に脱メチル化されてアミスルプリドに代謝された。しかし、実施例2で示すように、LB-102のアミスルプリドへの代謝は、ヒトでは最小(3%未満)であった(図2)。さらに、例えば、実施例2を参照すると、ヒトへの50mgのLB102の経口投与は、50mgのアミスルプリドを投与することで得られるAUC(603ngh/mL)(図4A)[M. P. Curran and C. M. Perry "Amisulpride: a review of its use in the management of schizophrenia", Drugs, 2001, 61, 2132-2150.]の約2.5倍(1,595ngh/mL)(図4B)となった。
予想外にも、LB-102(50mg SS及び100mg SS)で処置した対象の尾状核、被殻及び視床における平均ドーパミン(例.D/D)RO%は、処置開始の少なくとも4日目から大幅に安定化した(実施例3、4日目の投与後のデータをまとめた表3-E及び3-F;並びに1日目の最初の投与後のデータをまとめた表3-B及び3-D)が、LB102及びアミスルプリドの血漿濃度のプロファイルは、1日目(図5A及び5C)及び4日目(図5D及び5E)の投与後で同様であった。LB102及びアミスルプリドの高い血漿濃度が、高いドーパミンRO%をもたらさなかったことが観察された点は驚くべきことであった。
本明細書では、アミスルプリド誘導体とその医薬組成物の用途を提供する。特定の態様では、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体は、ドーパミン及び/又はセロトニン拮抗薬である。特定の態様では、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体は、アミスルプリドと比較して膜(例.BBB)透過性が改善されている。特定の態様では、アミスルプリド誘導体は、中枢神経系(CNS)ドーパミン及び/又はセロトニン拮抗薬として作用する。特定の態様では、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体は、ドーパミンD、D及び/又はD受容体よりも、ドーパミンD及び/又はD受容体に選択的に結合する。特定の態様では、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体は、CNSでドーパミン受容体、セロトニン受容体及び/又はα2受容体と相互作用できる。
これらのアミスルプリド誘導体は、この明細書で開示する式IA、式IB又は式ICで表される構造を有し、その薬学的に許容される塩、その立体異性体(例.式IA-S、式IA-R、式IB-S、式IB-R、式IC-S及び式IC-R)、又は式IA、式IB、式IC、式IA-S、式IA-R、式IB-S、式IB-R、式IC-S若しくは式IC-Rで表される構造の重水素化類似体を含む。
特定の態様では、化合物の重水素化類似体は、化合物の1つ以上の水素原子が重水素で置換されている。特定の態様では、重水素化類似体中の1つ以上の重水素は、自然の存在量の少なくとも100倍で存在する。
本明細書では、1種以上のこの明細書で開示するアミスルプリド誘導体及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。特定の態様では、医薬組成物に含まれアミスルプリド誘導体のうちの1種以上は、鏡像異性的に実質的に純粋であり、そのような医薬組成物は、鏡像異性的に実質的に純粋な医薬組成物とも呼ばれる。特定の態様では、用語「鏡像異性的に実質的に純粋」は、鏡像異性体純度が、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約95%以上、約98%以上であることを意味する。
本明細書では、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体の単位用量を提供し、前記単位用量は、アミスルプリド誘導体の治療有効量を含む医薬組成物を含み、前記治療有効量は、約10mg~約250mg、約10mg~約225mg、約10mg~約200mg、約10mg~約175mg、約10mg~約150mg、約10mg~約125mg、約10mg~約100mg、約10mg~約75mg、約10mg~約50mg、約10mg~約25mg、約25mg~約250mg、約25mg~約225mg、約25mg~約200mg、約25mg~約175mg、約25mg~約150mg、約25mg~約125mg、約25mg~約100mg、約25mg~約75mg、約25mg~約50mg、約50mg~約250mg、約50mg~約225mg、約50mg~約200mg、約50mg~約175mg、約50mg~約150mg、約50mg~約125mg、約50mg~約100mg、約50mg~約75mg、約75mg~約250mg、約75mg~約225mg、約75mg~約200mg、約75mg~約175mg、約75mg~約150mg、約75mg~約125mg、約75mg~約100mg、約100mg~約250mg、約100mg~約225mg、約100mg~約200mg、約100mg~約175mg、約100mg~約150mg、約100mg~約125mg、約125mg~約250mg、約125mg~約225mg、約125mg~約200mg、約125mg~約175mg、約125mg~約150mg、約150mg~約250mg、約150mg~約225mg、約150mg~約200mg、約150mg~約175mg、約175mg~約250mg、約175mg~約225mg、約175mg~約200mg、約200mg~約250mg、約200mg~約225mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg又は約250mgである。
本明細書では、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体又はその医薬組成物の治療有効量を前記対象に投与することを含む、ドーパミン受容体、セロトニン受容体(例.5-HT2a、5-HT)及び/又はα-2アドレナリン(α2)受容体拮抗薬を対象の脳に送達する方法も提供し、脳内のドーパミン受容体、セロトニン受容体及び/又はα2受容体拮抗薬のレベルが、対象に同等な量のアミスルプリドを投与した場合よりも高い。特定の態様では、前記方法は、1、2、3又は4単位用量のこの明細書で開示するアミスルプリド誘導体を、対象に投与することを含む。特定の態様では、前記方法は、1、2、3又は4単位用量のこの明細書で開示するアミスルプリド誘導体を、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回又は週に1回、対象に投与することを含む。特定の態様では、前記単位用量は、50mg、75mg又は100mgである。特定の態様では、処置の対象で測定される線条体ドーパミンRO%又は尾状核及び被殻の平均ドーパミン(例.D/D)RO%は、約60%~約80%、約50%~約85%又は約40%~約90%である。特定の態様では、前記方法は、前記アミスルプリド誘導体の用量を調節して、処置の対象で測定される線条体ドーパミンRO%又は尾状核及び被殻の平均ドーパミン(例.D/D)RO%を約60%~約80%、約50%~約85%又は約40%~約90%にすることを更に含む。
本明細書では、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体又はその医薬組成物の治療有効量を、単独で又は他のCNS活性剤と組み合わせて、対象に投与することを含む、対象におけるドーパミン受容体、セロトニン受容体(例.5-HT2a、5-HT)及び/又はα2受容体に拮抗する方法を提供する。特定の態様では、前記方法は、1、2、3又は4単位用量のこの明細書で開示するアミスルプリド誘導体を、対象に投与することを含む。特定の態様では、前記方法は、1、2、3又は4単位用量のこの明細書で開示するアミスルプリド誘導体を、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回又は週に1回、対象に投与することを含む。特定の態様では、前記単位用量は、50mg、75mg又は100mgである。特定の態様では、前記方法は、前記アミスルプリド誘導体の用量を調節して、処置の対象で測定される線条体ドーパミンRO%又は尾状核及び被殻の平均ドーパミン(例.D/D)RO%を約60%~約80%、約50%~約85%又は約40%~約90%にすることを更に含む。
本明細書では、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体又はその医薬組成物の治療有効量を、単独で又は他のCNS活性剤と組み合わせて、対象に投与することを含む、対象におけるドーパミン受容体、セロトニン受容体(例.5-HT2a、5-HT)及び/又はα2受容体の調節に応答する1以上の状態を処置する方法も提供する。特定の態様では、前記方法は、1、2、3又は4単位用量のこの明細書で開示するアミスルプリド誘導体を、対象に投与することを含む。特定の態様では、前記方法は、1、2、3又は4単位用量のこの明細書で開示するアミスルプリド誘導体を、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回又は週に1回、対象に投与することを含む。特定の態様では、前記単位用量は、50mg、75mg又は100mgである。特定の態様では、前記方法は、前記アミスルプリド誘導体の用量を調節して、処置の対象で測定される線条体ドーパミンRO%又は尾状核及び被殻の平均ドーパミン(例.D/D)RO%を約60%~約80%、約50%~約85%又は約40%~約90%にすることを更に含む。
本明細書では、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体又はその医薬組成物の治療有効量を、単独で又は他のCNS活性剤と組み合わせて、対象に投与することを含む、脳内のドーパミン及び/又はセロトニンのレベルの異常に関連する1以上の障害を処置する方法も提供する。特定の態様では、前記方法は、1、2、3又は4単位用量のこの明細書で開示するアミスルプリド誘導体を、対象に投与することを含む。特定の態様では、前記方法は、1、2、3又は4単位用量のこの明細書で開示するアミスルプリド誘導体を、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回又は週に1回、対象に投与することを含む。特定の態様では、前記単位用量は、50mg、75mg又は100mgである。特定の態様では、前記方法は、前記アミスルプリド誘導体の用量を調節して、処置の対象で測定される線条体ドーパミンRO%又は尾状核及び被殻の平均ドーパミン(例.D/D)RO%を約60%~約80%、約50%~約85%又は約40%~約90%にすることを更に含む。
この明細書で開示する方法の特定の態様では、前記方法は、
a) 前記アミスルプリド誘導体の第1の単位用量を前記対象に、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回又は週に1回、投与すること;
b) 前記対象の尾状核及び被殻の第1の平均ドーパミンRO%を得ること;
c) 前記対象の第1の線条体ドーパミンRO%又は尾状核及び被殻の第1の平均ドーパミン(例.D/D)RO%が、約60%~約80%、約50%~約85%又は約40%~約90%という所定の範囲内ではない場合、前記対象に前記アミスルプリド誘導体の第2の単位用量を、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回又は週に1回、投与すること;
d) 前記対象の第2の線条体ドーパミンRO%又は尾状核及び被殻の第2の平均ドーパミン(例.D/D)RO%を得ること;並びに
e) 前記対象の前記線条体ドーパミンRO%又は尾状核及び被殻の平均ドーパミン(例.D/D)RO%が前記所定の範囲(例.約60%~約80%、約50%~約85%又は約40%~約90%)内となるまで、c)及びd)を繰り返すこと、
を更に含む。
ドーパミン受容体、セロトニン受容体(例.5-HT2a、5-HT)及び/若しくはα2受容体の調節に応答する状態、並びに/又は、脳内のドーパミン及び/若しくはセロトニンのレベルの異常に関連する障害の例には、例えば精神疾患が含まれるが、これには限定されない。精神疾患の例には、統合失調症、統合失調症の症状、統合失調感情障害、双極性障害、うつ病、強迫性障害、パーキンソン病の精神症状、アルツハイマー病の精神症状、反抗挑発症、攻撃行動、自殺傾向、敵意、人格障害、慢性疲労症候群、統合失調症の主に陰性症状、シャルル・ボネ症候群、自閉症、トゥレット障害が含まれるが、これらには限定されない。
Figure 2024519065000002
特定の態様では、アミスルプリド誘導体は、式IA:
Figure 2024519065000003
で示される構造を有するアミスルプリドの4-アミノ置換誘導体であり、その薬学的に許容される塩及び立体異性体を含み、
X及びZは、同じであるか異なっており、水素、アルキル(メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル及びs-ブチルといった分枝又は非分枝)、アルケニル(メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル及びs-ブチルといった分枝又は非分枝)、アルキニル(メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル及びs-ブチルといった分枝又は非分枝)、シクロアルキル(例.シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル)、シクロアルキルアルキル(例.シクロプロピルメチル、シクロブチルエチル及びシクロペンチルエチル)、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール(例.フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル及びビフェニル)、アリールアルキル(例.-CH及び-C)、ヘテロアリールアルキル(例.-CHN及びCN)、及び、1個、2個又は3個以上のヘテロ環原子を有するヘテロアリール(ピリジン、ピロール、フラン、チオフェン又はピリミジン等)からなる群から独立して選択され、
場合によっては、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクリルアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、ヘテロアリールアルキル基及びヘテロアリール基は、塩素、臭素及びフッ素といったハロゲン、アミン、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ニトロ基、カルボニル並びにこの明細書で定義する他のアルキル基及びアリール基からなる群から選択される1つ以上の置換基で更に置換されており;ただし、X及びZの少なくとも1つは、水素ではない。
特定の態様では、アミスルプリドの4-アミノ置換誘導体は、式IA-R:
Figure 2024519065000004
で示される構造を有する立体異性体であり、その薬学的に許容される塩を含み、X及びZは、式IAにおいて説明したとおりである。
特定の態様では、アミスルプリドの4-アミノ置換誘導体は、式IA-S:
Figure 2024519065000005
で示される構造を有する立体異性体であり、その薬学的に許容される塩を含み、X及びZは、式IAにおいて説明したとおりである。
特定の態様では、アミスルプリド誘導体は、式IB:
Figure 2024519065000006
で示される構造を有するアミスルプリドの4-アミノ置換誘導体であり、その薬学的に許容される塩及び立体異性体を含み、Zは、ZがHではないことを除き、式IAにおいて説明したとおりである。
特定の態様では、アミスルプリドの4-アミノ置換誘導体は、式IB-R:
Figure 2024519065000007
で示される構造を有する立体異性体であり、その薬学的に許容される塩を含み、Zは、ZがHではないことを除き、式IAにおいて説明したとおりである。
特定の態様では、アミスルプリドの4-アミノ置換誘導体は、式IB-S:
Figure 2024519065000008
で示される構造を有する立体異性体であり、その薬学的に許容される塩を含み、Zは、ZがHではないことを除き、式IAにおいて説明したとおりである。
特定の態様では、アミスルプリド誘導体は、式IC:
Figure 2024519065000009
で示される構造を有し、その薬学的に許容される塩及び立体異性体を含み、Zは、ZがHではないことを除き、式IAにおいて説明したとおりである。
特定の態様では、アミスルプリド誘導体は、式IC-R:
Figure 2024519065000010
で示される構造を有する立体異性体であり、その薬学的に許容される塩を含み、Zは、ZがHではないことを除き、式IAにおいて説明したとおりである。
特定の態様では、アミスルプリド誘導体は、式IC-S:
Figure 2024519065000011
で示される構造を有する立体異性体であり、その薬学的に許容される塩を含み、Zは、ZがHではないことを除き、式IAにおいて説明したとおりである。
この明細書では、単数形「1つの(a、an)」及び「その(the)」は、文脈から明らかに単数に限定されない限り、複数を含む。例えば、「細胞」という用語は、その混合物を含む複数の細胞を含む。同様に、この明細書で説明する医薬による処置又は医薬の製造における「化合物」の使用は、文脈から明らかに化合物が単数に限定されない限り、このような処置又は製造のために本発明の1つ以上の化合物を使用することを意図する。
この明細書では、用語「含む、含有する、有する」は、組成物及び方法が列挙した要素を含むが、他のものは排除されないことを意味することが意図される。したがって、この明細書で定義する要素から本質的になる組成物は、単離方法及び精製方法による微量の汚染物質、並びにリン酸緩衝生理食塩水、保存剤等の薬学的に許容される担体を除外しない。「からなる」は、他の成分の微量元素以外のもの及び本発明の組成物を投与する実質的な方法を超えるものを除外することを意味する。各移行用語によって定義される態様は、この発明の範囲内である。
用語「アルキル」は、炭素原子及び水素原子のみからなり、不飽和結合を含まない直鎖状又は分枝鎖状の炭化水素鎖基をいう。別段の定義がある場合を除き、用語「アルキル」は、1、2、3、4、5、6、7又は8個の炭素原子(例.1~6個の炭素原子又は1~4個の炭素原子)を有し、分子の残りの部分に単結合で結合している基を指す。アルキル基の例には、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、s-ブチル、n-ペンチル及びs-ペンチルが含まれるが、これらには限定されない。
用語「アルケニル」は、炭素-炭素二重結合を含む脂肪族炭化水素基を指し、直鎖状又は分枝鎖であってもよい。別段の定義がある場合を除き、用語「アルケニル」は、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素原子を有する基、例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル(アリル)、イソプロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル及び2-ブテニルを指す。
用語「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する直鎖状又は分枝鎖状のヒドロカルビル基を指す。別段の定義がある場合を除き、用語「アルキニル」は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個の炭素原子(例.2~10個、2~10個の炭素原子)を有する基、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニルを指す。
用語「シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等の、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個の炭素原子の非芳香族単環式又は多環式環系を示す。
用語「シクロアルキルアルキル」は、上記アルキル基に直接結合した上記シクロアルキル基を指す。
用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル及びビフェニル等の、6~20個の炭素原子を有する単環式又は多環式芳香族基を指す。
用語「アリールアルキル」は、上記アルキル基に直接結合した上記アリール基、例えば、-CH及び-Cを指す。
用語「ヘテロシクリル」は、炭素原子と、窒素、リン、酸素及び硫黄からなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子とからなる非芳香族3~15員環基を指す。複素環は、単環、二環、三環又は四環式の環系であってもよく、縮合環、架橋環又はスピロ環を含んでもよく、複素環中の窒素、リン、炭素、酸素又は硫黄原子は、さまざまな酸化状態に酸化されていてもよい。さらに、窒素原子は、場合によっては四級化されていてもよい。
用語「ヘテロシクリルアルキル」は、上記アルキル基に直接結合した上記ヘテロシクリル基を指す。
用語「ヘテロアリール」は、環原子として窒素、酸素及び硫黄原子からなる群から選択される1つ以上のヘテロ環原子を有する、置換されていてもよい5~14員芳香環を指す。ヘテロアリールは、単環、二環又は三環式の環系であってもよい。このようなヘテロアリール環の例には、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピロリル、フラニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンゾフラニル、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、キノリル及びイソキノリルが含まれるが、これらには限定されない。
用語「ヘテロアリールアルキル」は、上記アルキル基に直接結合した上記ヘテロアリール基、例えば、-CHN及び-CNを指す。
用語「対象」は、家庭のペット(例.イヌ、ネコ)又はヒト等の哺乳動物を指す。特定の態様では、対象はヒトである。
「有効量」というフレーズは、疾患を治療するために対象又は患者に投与した場合に、治療を達成するのに十分な量を指す。
「処置/治療」又は「処置/治療すること」は、(1) 疾患にり患しているか、症状を示している対象又は患者において、疾患を阻止する(例.疾患及び/又は症状の更なる進行を停止させる)こと、(2) 疾患にり患しているか、症状を示している対象又は患者において、疾患を改善する(例.病態及び/又は総体症状を逆転させる)こと、(3) 疾患にり患しているか、症状を示している対象又は患者において、疾患の実測できる減少をもたらすこと、を含む。
用語「薬学的に許容される担体」は、製剤中の他の成分と適合し、投与された患者でアレルギー反応又は他の有害作用を引き起こさない担体を指す。薬学的に許容される担体には、例えば、各製剤で適切に選択され、従来の薬学的慣行と一致する、薬学的希釈剤、添加剤又は担体が含まれる。例えば、固体担体/希釈剤には、ガム、デンプン(例.コーンスターチ、アルファ化デンプン)、糖(例.乳糖、マンニトール、ショ糖、ブドウ糖)、セルロース系材料(例.結晶セルロース)、アクリレート(例.ポリメチルアクリレート)、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タルク、又はこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。薬学的に許容される担体は、治療剤の保存寿命又は有効性を増強する、湿潤剤又は乳化剤、保存剤又は緩衝剤といった補助物質を、少量、更に含んでいてもよい。
この明細書では、用語「塩」は、アミスルプリド誘導体と形成されるもので、薬学的に許容されるものであれば特に限定されず、その好ましい例には、ハロゲン化水素塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩等)、無機酸塩(例えば、硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩等)、有機カルボン酸塩(例えば、酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩等)、有機スルホン酸塩(例えば、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩等)、アミノ酸塩(例えば、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等)、第4級アンモニウム塩等が含まれる。また、塩酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩等が、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体の「薬理学的に許容される塩」として好ましい。
この明細書で開示するアミスルプリド誘導体の異性体(例.幾何異性体、光学異性体、回転異性体、互変異性体等)は、例えば、再結晶、ジアステレオマー塩法等の光学分割、酵素分画法、各種クロマトグラフィー(薄層クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、ガラスクロマトグラフィー等)などを含む一般的な分離手段で精製できる。
医薬製剤及びと投与経路
この明細書で開示するアミスルプリド誘導体は、経口及び注射(例.皮下、静脈内及び腹腔内)を含むさまざまな経路で投与できる。この明細書で開示するアミスルプリド誘導体は、開示された方法で使用するための医薬組成物に製剤化できる。このような組成物は、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th edition, ed. Alfonso R. Gennaro, Mack Publishing Company, Eaton, Pa. (1985)(参照によりこの明細書に組み込まれる)に記載されているような許容可能な薬学的手順に従って製造される。
この明細書で開示するアミスルプリド誘導体は、固体又は液体製剤として経口投与できる。いずれの場合の、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体は、化合物を不活性する可能性がある酸及び他の条件の作用から保護する材料でコーティングできる。この明細書で開示するアミスルプリド誘導体は、水溶液、液体分散物、(摂取可能な)錠剤、バッカル錠、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤及びウエハー剤として製剤化できる。経口製剤は、結合剤、崩壊剤、矯味矯臭剤、抗酸化剤及び保存剤といった当該技術分野で公知の添加剤を含んでいてもよい。液体製剤は、生理食塩水又は水性緩衝液といった希釈剤を含んでいてもよい。
この明細書で開示するアミスルプリド誘導体は、注射によって投与してもよい。注射に適した製剤は、滅菌注射用の溶液又は分散液を用時調製するための、滅菌水溶液(水溶性の場合)又は分散液と滅菌粉末を含んでいてもよい。医薬組成物は滅菌されていてもよく、容易に注入できる程度の流動性であってもよい。それは、製造及び保存の条件で安定であってもよく、細菌及び真菌等の微生物の汚染に対して保護されていてもよい。薬学的に許容される担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(グリセリン、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール等)、それらの適切な混合物、及び植物油を含む溶媒又は分散媒体であってもよい。適切な流動性は、例えば、レシチン等のコーティングの使用、界面活性剤の使用、及び分散液であれば必要な粒径の維持によって維持できる。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤(例.パラベン、クロロブタノール、フェノール及びアスコルビン酸)によって達成できる。多くの場合、組成物に、糖、塩化ナトリウム又はポリアルコール(例.マンニトール及びソルビトール)といった等張剤を配合することが好ましい。注射用組成物の持続的吸収は、吸収を遅延させる薬剤(例.モノステアリン酸アルミニウム又はゼラチン)を組成物に配合することによって達成できる。
滅菌注射溶液は、必要量の治療化合物と適切な溶媒を、必要に応じてこれまでに説明した成分の1つ又は組合せと共に、組み合せ、続いてろ過し、滅菌することで調製できる。一般に、分散液は、治療用化合物と、塩基性分散媒及びこれまでに説明した必要な成分を有する滅菌担体を組み合わせることで調製する。滅菌注射溶液を調製する滅菌粉末の調製方法には、予め滅菌ろ過した溶液からの所望の追加の成分と活性成分(すなわち、治療化合物)との粉末を得る、真空乾燥及び凍結乾燥が含まれる。
対象に投与する化合物の実際の投与量は、年齢、性別、体重、症状、処置する疾患の種類、これまでに行った治療又は同時に行う治療、対象の特発症、及び投与経路等の、身体的及び生理学的要因に基づいて決まる。これらの因子は、当業者によって決定される。投与を担当する医師は、通常、組成物中の活性成分の濃度及び対象に対する適切な用量を決定する。
ある態様では、ヒトの1日の用量は、約0.01mg/kg~約100mg/kgである。
アミスルプリド誘導体の単回投与又は複数回投与が予定されている。複数回投与における所望の間隔は、当業者であれば、日常的な実験で決定できる。一例として、1日2回、約12時間間隔で投与してもよい。いくつかの態様では、アミスルプリド誘導体は1日1回投与される。
この明細書で開示するアミスルプリド誘導体又はその医薬組成物は、定期的なスケジュールで投与できる。この明細書では、定期的なスケジュールは、予め決められた期間を指す。定期的なスケジュールは、スケジュールが予め決まっている限り、同じ長さの期間を含んでいても、異なる長さの期間を含んでいてもよい。例えば、定期的なスケジュールは、1日2回、1日1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、毎週、毎月、又は任意の日数若しくは週数ごと、の投与を含んでいてもよい。あるいは、あらかじめ決められた定期的なスケジュールは、最初の間は1日2回で、その後数か月間は1日1回の投与であってもよい。他の態様では、本発明は、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体又はその医薬組成物の薬剤を経口で摂取できること、そのタイミングは、食物の摂取に依存するか、依存しないことを定める。したがって、例えば、薬剤は、対象の食事の時間にかかわらず、毎朝及び/又は毎晩、摂取できる。
併用療法
単独療法としての使用に加え、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体又はその医薬組成物は、併用療法でも使用できる。有効な併用療法は、双方の薬剤を含む単一の医薬組成物若しくは薬理学的製剤により、又は、2つの異なる医薬組成物若しくは薬理学的製剤(一方の組成物は本発明の化合物を含み、他方の組成物は第2の薬剤を含む)の同時投与により、達成できる。あるいは、併用療法は、数分から数か月の間隔で、他の薬剤による処置の前又は後に行うこともできる。
他の薬剤は、精神障害を処置するのに有用な薬剤、例えば、ドーパミン、セロトニン、ヒスタミン又はグルタミン酸の不均衡を処置するのに有用な薬剤から選択できる。ある態様では、追加の薬剤は、精神機能を改善するのに有用なもので、例えば、クエチアピン、ジオドン、ジプレキサ、ラツーダ、オランザピン、リスペリドン、イロペリドン、ジプラシドン、クロザピン、ハロペリドール、クロルプロマジン、シタロプラム、エスシタロプラム、パロキセチン、フルオキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、デスベンラファキシン、デュロキセチン、ミルナシプラン、ベンラファキシン、ビラゾドン及びそれらの組合せ等の抗精神病薬である。
実施の態様及び代表的な実施例を参照してこの発明を説明してきたが、当業者は、この明細書で開示する本発明の精神及び範囲から逸脱しない、説明及び図示した本発明に対する改変を理解する。実施例は、この発明の理解を助けるために記載しているが、その範囲を限定することを決して意図するものではなく、また、そのように解釈されるべきではない。実施例には、従来の方法の詳しい説明は含めていない。そのような方法は当業者に周知で、多数の刊行物に記載されている。さらに、この明細書で引用する全ての参考文献は、この明細書中に完全に記載されているかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
実施例1 健常者にLB-102を投与した際のD/D ROの分析
健康なボランティアに50mg(n=4)又は100mg(n=3)のLB-102を経口投与し、ベースライン、LB-102投与の2.5、7.5及び23.5時間後に、11CラクロプリドのダイナミックPETスキャンを行い、D/D ROを得た(表1-A及び1-B)。尾状核(菱形)及び被殻(四角)のD/D ROを示した図1A(50mg)及び図1B(100mg)も参照。
Figure 2024519065000012
実施例2 健常者にLB-102を投与した際のPKの分析
I) ヒトに50mgのLB-102を経口投与した後の、LB-102(菱形)、アミスルプリド(四角)及び総ベンズアミド(三角)の血漿濃度を、図2(n=4)に示した。
II) 治験計画及び被験者
この治験は、治験審査委員会の全ての規制に従い、一つの場所で実施した。全ての施設内の規制と臨床試験の実施基準を遵守した。
BMIが18以上で30kg/m以下の18~55歳の健康な男女を試験に登録した。除外基準には、精神障害の病歴若しくは存在、薬物やアルコールの乱用、QT延長若しくは不整脈の病歴、空腹時血糖値が126mg/dL以上、又は、薬物若しくはその代謝産物に対するアレルギー、が含まれた。治験は、2部構成で計画された。パートAは、それぞれ8人の被験体からなる5つの単回投与試験群で構成された。パートBは、それぞれ8人の被験体からなる3つの反復投与試験、1日2回7日間投与(合計13回投与)、で構成された。全ての被験者を薬物:プラセボ=3:1に無作為に割り当てた。治験の主要エンドポイントは安全性であり、副次的目的は薬物動態であった。
人口統計
この治験では、合計64人の健康なボランティアを登録した。人口統計のデータを表2-Aに要約する。平均年齢、男女比、及びアフリカ系アメリカ人と黒人の比において、処置群とプラセボ群との間に数的な差が存在した。BMIの一致は良好であった。
Figure 2024519065000013
Figure 2024519065000014
Figure 2024519065000015
LB-102の血漿濃度を、それぞれ10mg(大きな×)、50mg(三角)、100mg(四角)、150mg(小さな×)及び200mg(菱形)のLB-102をヒトに単回経口投与した際の時間の関数として得、図3に示した。
ヒトに対するLB-102(50mg)の単回経口投与のPKプロファイル(図4B)から、そのAUC(1,595ngh/mL)は、以前に発表されたアミスルプリド50mgの投与のPKプロファイルから得られたAUC(603ngh/mL)の約2.5倍であった(図4A)。
経口投与されたLB-102は急速に吸収され、曝露量は用量に比例するよりもわずかに増加した。MADの治験では、LB-102のトラフ濃度は、4日目の朝の投与前にプラトーに達し、各用量で、軽度から中程度の蓄積を示した。
LB-102の血漿曝露は、アミスルプリドについての動物モデル及び公表されたデータと比較して、予想を著しく上回った。
実施例3 種々の投薬レジメンで健常者にLB-102を投与した場合のドーパミン(例.D/D)RO及びPKの分析
健康な被験者に、50mg QD(1日1回)(n=4)、75mg QD(n=4)、100mg QD(n=4)、50mg SS(定常状態)(n=2)又は100mg SS(n=2)のLB102を経口投与した。被験者の平均年齢は33歳であった。QDの被験者には、1日目に単回用量を投与し、その後、PETスキャンのイメージを得た。SS、すなわち定常状態、の被験者には、1日1回、4日間投与し、4日目の投与後にPETスキャンのイメージを得た。
11CラクロプリドのダイナミックPETスキャンを、50mg及び100mgのQD処置群では、LB-102投与の0時間後、2.5時間後、7.5時間後及び23.5時間後に、50mg及び100mgのSS処置群では、4日目のLB-102投与後に、75mgのQD処置群ではLB-102投与の0時間後、3.5時間後、23.5時間後及び47.5時間後に得た。ドーパミン%ROを、STRM法(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9345505/、参照によりこの明細書に組み込まれる)を使用して計算した。合計のRO%(尾状核及び被殻のRO%の平均)を、四角で、図5A(50mg QD)、図5B(75mg QD)、図5C(100mg QD)、図6A(50mg SS4日目)及び図6B(100mg SS4日目)に示し、以下の表3-Aにまとめる。
LB-102及びアミスルプリドの合計の血漿濃度を得た。その結果を、菱形で、図5A(50mg QD)、図5B(75mg QD)、5C(100mg QD)、図6A(50mg SS4日目)及び図6B(100mg SS4日目)に示し、データを以下の表3-Aにまとめる。
通常、ドーパミン拮抗薬による処置で生じるドーパミンROは、対応する血漿濃度を厳密に追跡する(例.ブレクスピプラゾール[D.F. Wong, A. Raufinia, P. Bricmont, J.R. Brasic, R.D. McQuade, R.A. Forbes, T. Kikuchi, and H. Kuwabara, "An open-label, positron emission tomography study of the striatal D2/D3 receptor occupancy and pharmacokinetics of single-dose oral brexpiprazole in healthy participants," European Journal of Clinical Pharmacology, 2021, 77, 717-725.]、ルマテペロン[R.E. Davis, K.E. Vanover, Y. Zhou, J. R. Brasic, M. Buevara, B. Bisuna, W. Ye, V. Raymont, W. Willis, A. Kumar, L. Gapasin, R.R. Goldwater, S. Mates, and D.F. Wong, "ITI-007 demonstrates brain occupancy at serotonin 5-HT2A and dopamine D2 receptors and serotonin transporters using positron emission tomography in healthy volunteers", Psychopharmacology, 2015, 232, 2863-2872.]、ジプラシドン[R.E. Davis, K.E. Vanover, Y. Zhou, J. R. Brasic, M. Buevara, B. Bisuna, W. Ye, V. Raymont, W. Willis, A. Kumar, L. Gapasin, R.R. Goldwater, S. Mates, and D.F. Wong, "ITI-007 demonstrates brain occupancy at serotonin 5-HT2A and dopamine D2 receptors and serotonin transporters using positron emission tomography in healthy volunteers", Psychopharmacology, 2015, 232, 2863-2872.]])。
予想外にも、LB-102のドーパミンROは、LB-102とアミスルプリドの合計の血漿濃度が10ng/mL未満に低下した後も目立って持続された。
Figure 2024519065000016
ドーパミンRO%を計算するための11CラクロプリドのダイナミックPETスキャンの結果を、被験者の尾状核、被殻、視床及び側頭葉で測定した。その結果を、以下の表3-B~3-Fにまとめる。
Figure 2024519065000017
Figure 2024519065000018
Figure 2024519065000019
Figure 2024519065000020
Figure 2024519065000021
参考文献
以下に示す参考文献、及びこの明細書で引用する全ての参考文献は、明細書に完全に記載されているかのように、その全体が参照によりこの明細書に組み込まれる。
1) H. Y. Meltzer and S. S. Stahl, "The Dopamine Hypothesis of Schizophrenia- A Review," Schizophr. Bull., 1976, 2, 19-76.
2) J. J. Joyce and J. H. Meador-Woodruff, "Linking the Family of D2 Receptors to Neuronal Circuits in Human Brain: Insights into Schizophrenia," Neuropsychopharmacology, 1997, 16, 1444-1449.
3) S. Wulff, L. Hageman Pinborg, C. Svarer, L. Thorbjorn Jensen, M. Odegaard Nielsen, P. Allerup, N. Bak, H. Rasmussen, E. Frandsen, E. Rostrup, and B. Yding Glenthoj, "Striatal D2/3 Binding Potential Values in Drug-Naive First-Episode Schizophrenia Patients Correlate with Treatment Outcome," Schizophrenia Bulletin, 2015, 41, 1143-1152.
4) B. L. Roth, D. J. Sheffler, and W. K. Kroeze, "Magic Shotguns Versus Magic Bullets: Selectively Non-Selective Drugs for Mood Disorders and Schizophrenia," Nature Reviews Drug Discovery, 2004, 3, 353-359.
5) M. Thominet, J. Acher, and J.-C. Monier, "Derivatives of 4-Amino-5-Alkyl Sulphonyl Orthoamides," US Patent 4,401,822, Filed Oct. 9, 1981 (Issued Aug. 30, 1983).
6) H. Shoemaker, Y. Claustre, D. Fage, L. Rouquier, K. Chergui, O. Curet, A. Oblin, F. Gonon, J. Benavides, and B. Scatton, "Neurochemical Characteristics of Amisulpride, An Atypical Dopamine D2/D3 Receptor Antagonist with Both Presynaptic and Limbic Selectivity," J. Pharmacol. Exp. Ther., 1997, 280, 83-97.
7) A. A. Abbas, P. B. Hedlund, X-P. Huang, T. B. Tran, H. Y. Meltzer, and B. L. Roth, "Amisulpride Is a Potent 5-HT7 Antagonist: Relevance for Antidepressant Actions In Vivo," Psychopharmacology, 2009, 119-128.
8) S. Jafari, F. Fernandez-Enright, and X.-F. Huang, "Structural Contributions of Antipsychotic Drugs to Their Therapeutic Profiles and Metabolic Side Effects," J. Neurochemistry, 2012, 120, 371-384.
9) J. N. Dos Santos Pereira, S. Tadjerpisheh, M. Abu Abed, A. R. Saadatmand, B. Weksler, I. A. Romero, P.-O. Couraud, J. Brockmoeller, and M. V. Tzvetkov, "The Poorly Membrane Permeable Antipsychotic Drugs Amisulpride and Sulpiride Are Substrates of the Organic Cation Transporters from the SLC22 Family," The AAPS Journal, 2014, 16, 1247-1258.
10) J. C. Neill, S. Barnes, S. Cook, B. Grayson, N. F. Idris, S. L. McLean, S. Snigdha, L. Rajagopal, and M. K. Harte, "Animal Models of Cognitive Dysfunction and Negative Symptoms of Schizophrenia: Focus on NMDA Receptor Antagonism," Pharmacology & Therapeutics, 2010, 128, 419-432.
11) J. C. Neill, M. K. Harte, P. M. Haddad, E. S. Lydall, and D. M. Dwyer, "Acute and Chronic Effects of Nmda Receptor Antagonists in Rodents, Relevance to Negative Symptoms of Schizophrenia: A Translational Link to Humans," European Neuropsychopharmacology, 2014, 24, 822-835.
12) J. C. Neill, B. Grayson, B. Kiss, I. Gyertyan, P. Ferguson, and N. Adham, "Effects of Cariprazine, A Novel Antipsychotic, On Cognitive Deficit and Negative Symptoms in a Rodent Model of Schizophrenia Symptomatology," European Neuropsychopharmacology, 2016, 26, 3-14.

Claims (9)

  1. ドーパミン受容体、セロトニン受容体(例.5-HT2a、5-HT)及び/又はα-2アドレナリン(α2)受容体拮抗薬を対象の脳に送達する方法であって、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体又はその医薬組成物の治療有効量を前記対象に投与することを含む、方法。
  2. 対象におけるドーパミン受容体、セロトニン受容体(例.5-HT2a、5-HT)及び/又はα2受容体に拮抗する方法であって、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体又はその医薬組成物の治療有効量を、単独で又は他のCNS活性剤と組み合わせて、対象に投与することを含む、方法。
  3. 対象におけるドーパミン受容体、セロトニン受容体(例.5-HT2a、5-HT)及び/又はα2受容体の調節に応答する1以上の状態を処置する方法であって、この明細書で開示するアミスルプリド誘導体又はその医薬組成物の治療有効量を、単独で又は他のCNS活性剤と組み合わせて、対象に投与することを含む、方法。
  4. 前記アミスルプリド誘導体はLB-102である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記アミスルプリド誘導体の用量は、前記アミスルプリド誘導体の1、2、3又は4単位用量である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記アミスルプリド誘導体は、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回又は週に1回、投与される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記単位用量は、50mg、75mg又は100mgである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記アミスルプリド誘導体の用量を調節して、処置の対象で測定される線条体ドーパミンRO%又は尾状核及び被殻の平均ドーパミン(例.D/D)RO%を約60%~約80%、約50%~約85%又は約40%~約90%にすることを更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. a) 前記アミスルプリド誘導体の第1の単位用量を前記対象に、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回又は週に1回、投与すること;
    b) 前記対象の尾状核及び被殻の第1の平均ドーパミンRO%を得ること;
    c) 前記対象の第1の線条体ドーパミンRO%又は尾状核及び被殻の第1の平均ドーパミン(例.D/D)RO%が、約60%~約80%、約50%~約85%又は約40%~約90%という所定の範囲内ではない場合、前記対象に前記アミスルプリド誘導体の第2の単位用量を、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回又は週に1回、投与すること;
    d) 前記対象の第2の線条体ドーパミンRO%又は尾状核及び被殻の第2の平均ドーパミン(例.D/D)RO%を得ること;並びに
    e) 前記対象の前記線条体ドーパミンRO%又は尾状核及び被殻の平均ドーパミン(例.D/D)RO%が前記所定の範囲(例.約60%~約80%、約50%~約85%又は約40%~約90%)内となるまで、c)及びd)を繰り返すこと、
    を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
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