JP2024518842A - がん治療におけるn6-アデノシン-メチルトランスフェラーゼ阻害剤 - Google Patents

がん治療におけるn6-アデノシン-メチルトランスフェラーゼ阻害剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、N6-アデノシン-メチルトランスフェラーゼ阻害剤、およびがん治療における二重N6-アデノシン-メチルトランスフェラーゼE3リガーゼバインダーに関する。【選択図】なし

Description

本出願は、2021年5月17日に出願された欧州特許出願EP21174041.0、および2021年11月30日に出願された欧州特許出願EP21211529.9の利益を主張するものである。これらを本明細書中で参考として援用する。
本発明は、N6-アデノシン-メチルトランスフェラーゼ阻害剤、およびがん治療における二重N6-アデノシン-メチルトランスフェラーゼE3リガーゼバインダー(dual N6-adenosine-methyltransferase E3 ligase binders)に関する。
遺伝子の発現は、mRNA修飾の動的レベルを介してトランスクリプトーム(ゲノムの転写によって得られるメッセンジャーRNA)のレベルで調節される。アデノシンからN6-メチルアデノシン(mA)への変換は、真核生物mRNAにおけるもっとも一般的な内部転写後修飾(エピトランスクリプトーム修飾ともよばれる)である。このメチル化事象は、典型的にはDRACH(D=A、G、U;R=A、G;H=A、C、U)コンセンサス配列モチーフ内で起こる。mAレベルは、さまざまな組織、発生状態の間で、または細胞ストレスに応答して変動し得る。分子レベルではmAの導入は、RNAの構成およびタンパク質-RNA相互作用を形成するその能力に影響を及ぼし、結果として、それは細胞転写物のプロセシング、翻訳、および安定性を調節する。結果として、mAは、胚発生過程および幹細胞分化の制御、哺乳類概日時計の調節、ならびにストレス応答、例えば、熱ショックの調整に関与する。
Aの動的レベルは、イレイサーとライタータンパク質の相互作用によって調節される。mAライターは20年にわたり知られているが、mA特異的イレイサータンパク質FTO(ALKBH9)およびALKBH5の発見により、修飾の可逆性およびその調節的役割が最終的に実証された。これらのmAデメチラーゼはジオキシゲナーゼAlkBファミリーに属し、その酵素反応はFe(II)および2-オキソグルタル酸(2OG)に依存する。コアライター複合体は2つのメチルトランスフェラーゼ様タンパク質、METTL3およびMETTL14によって形成され、これらは、mRNA基質動員のためにさらなる補因子、例えば、WTAPおよびRBM15に依存する。METTL3-METTL14複合体は、メチル基をS-アデノシルメチオニン(SAM)から5’-GGACU-3’のコンセンサス配列内のアデノシンに転移させる。METTL3のみが無傷のSAM結合部位を有する一方、METTL14は、機能的ではない変性SAM結合部位を持つ。METTL3またはMETTL14の個々の喪失は、HeLa細胞におけるmAレベルを低下させる。より重要なことに、METTL3の脱調節は、近年、急性骨髄性白血病、肝細胞がん、および肺腺がんなどの特定の腫瘍に関連付けられている。さらに、mA修飾の阻害は、広範な抗ウイルス作用を示す。したがって、METTL3-METTL14ライターの小分子モジュレーターは、がんおよびウイルス感染における治療的用途の可能性を有する。副産物のS-アデノシル-L-ホモシステイン(SAH)を除いて、今日のところ阻害剤は報告されていない。
上記の最新技術に基づき、本発明の目的は、がん治療のために遺伝子発現を調節することを目的として、小分子治療法を使用してm6A修飾の量を調整するための手段および方法を提供することである。この目的は、本明細書の独立請求項の主題によって達成される。
本発明の第1の観点は、一般式(A)
Figure 2024518842000001
の化合物に関する。
本発明の第2の観点は、一般式(U)
Figure 2024518842000002
の化合物に関する。
本発明の第3の観点は、医薬として使用するための、第1または第2の観点による化合物に関する。
本発明の第4の観点は、がんの治療に使用するための、第1または第2の観点による化合物に関する。
他の態様において、本発明は、少なくとも1つの本発明の化合物または医薬的に許容しうるその塩と、少なくとも1つの医薬的に許容しうる担体、希釈剤または賦形剤とを含む、医薬組成物に関する。
図1は、A)ヒット化合物1からMETTL3阻害剤2の設計。形成した結合を赤色で示す。IC50値は、時間分解フェルスター(Forster)共鳴エネルギー移動(TR-FRET)に基づく生化学アッセイをさす。B)化合物1(灰色、METTL3を用いたX線から、PDBコード:7NHI)および2(シアン、Pymolで描画)の重ね合わせを示す。 図2は、化合物5から出発する化合物8の設計、新たに形成した結合を赤色で示す。A)関連する残基(灰色の炭素原子)を有するMETTL3結合部位における阻害剤5(シアン)。主な分子間相互作用を表示する(黄色の破線、PDBコード:7O08)。B)阻害剤5(シアン)および7(緑色、PDBコード:7O09)の重ね合わせ。C)阻害剤5(シアン)および8(黄色、PDBコード:7O0L)の重ね合わせ、およびラクタムとGln550の側鎖アミドとの相互作用を示す。 図3は、A)化合物20のフッ素原子とPro397アミドπ系との異常な相互作用、PDBコード:7O29。B)阻害剤21のフッ素原子とSer511およびTyr406の側鎖との間のファンデルワールス接触、PDBコード:7O2Eを示す。 図4は、化合物1、22およびSAHについて測定されたTR-FRET用量反応曲線(n≧3)ならびにリード化合物22の化学構造。B)46℃のHEK293T細胞におけるInCELL Pulse用量反応曲線(n=3)。C)MOLM-13細胞における54℃でのCETSAの代表的なウェスタンブロット画像および定量曲線。D)UPLC-MS/MSにより測定したMOLM-13(n=5)およびPC-3(n=3)細胞株におけるポリアデニル化RNA画分のm6A/A低減の用量反応曲線を示す。 図5は、サーマルシフトアッセイの結果を示す。阻害剤22またはSAHについてのMETTL3/METTL14の融解曲線の一次導関数を示す。 図6は、サーマルシフトアッセイの結果を示す。阻害剤22またはSAHについてのMETTL1の融解曲線の一次導関数を示す。化合物22は、METTL1の融解温度をシフトさせない。 代表的な化合物。 Rの代表的な置換パターン。
用語および定義
本明細書を解釈するために、以下の定義が適用され、適切な場合はいつでも、単数形で使用される用語は複数形も包含し、逆もまた同様である。以下に記載される定義が、本明細書中で参考として援用される任意の文書と矛盾する場合、記載される定義が優先するものとする。
「含む」、「有する」、「含有する」および「包含する」という用語、ならびに他の同様の形態、ならびにそれらの文法的等価物は、本明細書で使用される場合、意味において等価であることが意図され、これらの単語のいずれか1つに続く項目または複数項目が、そのような項目または複数項目の網羅的な列挙であることを意味しない、または列挙された項目または複数項目のみに限定されることを意味するという点で、制約がないことが意図される。例えば、成分A、BおよびCを「含む」物品は、成分A、BおよびCからなる(すなわち、成分A、BおよびCのみを含有する)ことができ、または成分A、BおよびCだけでなく、1以上の他の成分も含有することができる。したがって、「含む(comprise)」およびその類似の形態、ならびにその文法的等価物は、「から実質的になる(consisting essentially of)」または「からなる(consisting of)」の態様の開示を包含する。
値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限の間の、文脈が別段に明記しない限り、下限の単位の10分の1までの各介在値(intervening value)、および、その記載される範囲における任意の他の記載される値または介在値が、記載される範囲における任意の具体的に除外される限界の影響を受けるが、本開示内に包含されることが理解される。記載される範囲が限界の一方または両方を包含する場合、それら包含される限界のいずれかまたは両方を除外する範囲も本開示に包含される。
本明細書における「約」がつく値またはパラメーターへの言及は、その値またはパラメーター自体を対象とする変動を包含(および記載)する。例えば、「約X」に関する記載は、「X」の記載を包含する。
添付の特許請求の範囲を含め、本明細書で使用される場合、単数形「a」、「または」、および「the」は、文脈が明らかにそわないことを示さない限り、複数の指示対象を包含する。
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する(例えば、細胞培養、分子遺伝学、核酸化学、ハイブリダイゼーション技術および生化学において)。標準的な方法を分子的、遺伝的および生化学的方法(一般に、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual,第2版(1989) Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.およびAusubel et al., Short Protocols in Molecular Biology (1999)第4版, John Wiley & Sons, Inc.参照)および化学的方法に用いる。
本明細書の文脈におけるMETTL3という用語は、N6-アデノシン-メチルトランスフェラーゼ触媒サブユニット(Uniprot ID:Q86U44)に関する。
本明細書の文脈におけるMETTL14という用語は、N6-アデノシン-メチルトランスフェラーゼ非触媒サブユニット(Uniprot ID:Q9HCE5)に関する。
本明細書の文脈におけるC-Cアルキルは、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する飽和線状または分枝鎖状炭化水素を意味する。特定の態様において、アルキルは置換されており、例えば、1以上のCH部分が酸素(エーテル架橋)または窒素(NH、またはRがメチル、エチルまたはプロピルであるNR;アミノ架橋)と交換され得ることを意味する。
本明細書の文脈におけるC-Cシクロアルキルという用語は、3、4、5、6または7個の炭素原子を有する飽和炭化水素環であって、特定の態様では1個の炭素-炭素結合が不飽和であってもよい、上記飽和炭化水素環に関する。C-Cシクロアルキル部分の非限定的な例としては、シクロプロパニル(-C)、シクロブタニル(-C)、シクロペンテニル(C)、およびシクロヘキセニル(C11)部分が挙げられる。特定の態様において、シクロアルキルは置換されている。特定の態様において、シクロアルキルは1個のC~C非置換アルキル部分によって置換されている。特定の態様において、シクロアルキルは1より多くのC~C非置換アルキル部分によって置換されている。
本明細書の文脈における複素環という用語は、窒素、酸素および/または硫黄原子によって少なくとも1つの環原子が置き換えられているか、またはいくつかの環原子が置き換えられているシクロアルキルに関する。
本明細書の文脈における複素二環という用語は、2つの直接接続しているシクロアルキルであって、窒素、酸素および/または硫黄原子によって少なくとも1つの環原子が置き換えられているか、またはいくつかの環原子が置き換えられている、前記シクロアルキルに関する。
本明細書の文脈におけるヘテロシクロアルキルという用語は、窒素、酸素および/または硫黄原子によって少なくとも1つの環原子が置き換えられているか、またはいくつかの環原子が置き換えられているシクロアルキルに関する。
非置換Cアルキルという用語は、本明細書においてもっとも狭い意味で使用される場合、分子の部分間の架橋として使用される場合は部分-C2n-、または末端部分の文脈において使用される場合は-C2n+1に関する。
非置換Cアルキルおよび置換Cアルキルという用語は、環状構造を含むか環状構造に連結している線状アルキル、例えば、注釈または言及の文脈に応じて非置換であるか置換されていて、線状アルキル置換を有する、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタンまたはシクロヘキサン部分を包含する。線状鎖または環状構造中の炭素と、適切な場合はn、Oまたは他のヘテロ原子の総数は、合計してnになる。
化学式の文脈において使用される場合、以下の略語を用いることができる:Meはメチル、CHであり、Etはエチル、-CHCHであり、Propはプロピル、-(CHCH(n-プロピル、n-pr)または-CH(CH(イソプロピル、i-pr)であるが、ブチル-C、-(CHCH、-CHCHCHCH、-CHCH(CHまたは-C(CHである。
もっとも広い意味での置換アルキルという用語は、炭素または水素ではない原子、特にN、O、F、B、Si、P、S、Cl、BrおよびIから選択される原子に共有結合している、もっとも広い意味での上記で定義されたアルキルをさし、この原子それ自体が、該当する場合、この群のうちの1またはいくつかの他の原子、または水素、または不飽和もしくは飽和炭化水素(もっとも広い意味でのアルキルまたはアリール)に結合していてもよい。より狭い意味において、置換アルキルは、1またはいくつかの炭素原子において、アミンNH、アルキルアミンNHR、イミドNH、アルキルイミドNR、アミノ(カルボキシアルキル)NHCORまたはNRCOR、ヒドロキシルOH、オキシアルキルOR、オキシ(カルボキシアルキル)OCOR、カルボニルOおよびそのケタールまたはアセタール(OR)、ニトリルCN、イソニトリルNC、シアネートCNO、イソシアネートNCO、チオシアネートCNS、イソチオシアネートNCS、フッ化物F、塩化物Cl、臭化物Br、ヨウ化物I、ホスホネートPO、PO、ホスフェートOPOおよびOPO、スルフヒドリルSH、スルフアルキルSR、スルホキシドSOR、スルホニルSOR、スルファニルアミドSONHR、硫酸塩SOHおよび硫酸エステルSORから選択される基によって置換された、もっとも広い意味での上記で定義されたアルキルをさし、Rは本説明においてさらに定義される。
ヒドロキシル置換基という用語は、1またはいくつかのヒドロキシル基OHによって修飾された基をさす。
アミノ置換基という用語は、1またはいくつかのアミノ基NHによって修飾された基をさす。
カルボキシル置換基という用語は、1またはいくつかのカルボキシル基COOHによって修飾された基をさす。
アミノ置換アルキルの非限定的な例としては、末端部分に関しては-CHNH、-CHNHMe、-CHNHEt、-CHCHNH、-CHCHNHMe、-CHCHNHEt、-(CHNH、-(CHNHMe、-(CHNHEt、-CHCH(NH)CH、-CHCH(NHMe)CH、-CHCH(NHEt)CH、-(CHCHNH、-(CHCHNHMe、-(CHCHNHEt、-CH(CHNH)CHCH、-CH(CHNHMe)CHCH、-CH(CHNHEt)CHCH、-CHCH(CHNH)CH、-CHCH(CHNHMe)CH、-CHCH(CHNHEt)CH、-CH(NH)(CHNH、-CH(NHMe)(CHNHMe、-CH(NHEt)(CHNHEt、-CHCH(NH)CHNH、-CHCH(NHMe)CHNHMe、-CHCH(NHEt)CHNHEt、-CHCH(NH)(CHNH、-CHCH(NHMe)(CHNHMe、-CHCH(NHEt)(CHNHEt、-CHCH(CHNH、-CHCH(CHNHMe)および-CHCH(CHNHEt)、2つの他の部分を架橋しているアミノ置換アルキル部分に関しては-CHCHNH-、-CHCHNHMe-、-CHCHNHEt-が挙げられる。
ヒドロキシ置換アルキルの非限定的な例としては、末端部分に関しては-CHOH、-(CHOH、-(CHOH、-CHCH(OH)CH、-(CHOH、-CH(CHOH)CHCH、-CHCH(CHOH)CH、-CH(OH)(CHOH、-CHCH(OH)CHOH、-CHCH(OH)(CHOHおよび-CHCH(CHOH)、2つの他の部分を架橋しているヒドロキシル置換アルキル部分に関しては-CHOH-、-CHCHOH-、-CHCH(OH)CH-、-(CHCHOHCH-、-CH(CHOH)CHCH-、-CHCH(CHOH)CH-、-CH(OH)(CHCHOH-、-CHCH(OH)CHOH、-CHCH(OH)(CHOHおよび-CHCHCHOHCHOH-が挙げられる。
スルホキシル置換基という用語は、1またはいくつかのスルホキシル基-SORによって修飾された基またはその誘導体をさし、Rは本説明においてさらに定義される。
スルホンアミド置換基という用語は、1またはいくつかのスルホンアミド基-SONHRまたは-NHSORによって修飾された基またはその誘導体をさし、Rは本説明においてさらに定義される。
アミン置換基という用語は、1またはいくつかのアミン基-NHRまたは-NRによって修飾された基またはその誘導体をさし、Rは本説明においてさらに定義される。
カルボニル置換基という用語は、1またはいくつかのカルボニル基-CORによって修飾された基またはその誘導体をさし、Rは、本説明においてさらに定義される。
エステルは-CORの基をさし、Rは本説明においてさらに定義される。
エーテルは、2つの飽和炭素原子の間に1つの酸素を有する基をさす。
アミドは-CONHRの基をさし、Rは本説明においてさらに定義される。
エチレングリコールは-(CH-CH-O)-または-(O-CH-CH-の基をさし、nは本説明においてさらに定義される。
アルキリン(alkylyne)は、-C≡C-(2つの炭素原子間の三重結合)の基をさす。
アルキレンは、-CH=CH-(2つの炭素原子間の二重結合)の基をさす。
ハロゲン置換基という用語は、F、Cl、Br、Iから(独立して)選択される1またはいくつかのハロゲン原子によって修飾された基をさす。
フルオロ置換アルキルという用語は、1またはいくつかのフッ化物基Fによって修飾された上記定義によるアルキルをさす。フルオロ置換アルキルの非限定的な例としては、-CHF、-CHF、-CF、-(CHF、-(CHF)H、-(CHF)F、-C、-(CHF、-(CHF)H、-(CHF)F、-C、-(CHF、-(CHF)H、-(CHF)Fおよび-Cが挙げられる。
ヒドロキシル置換およびフルオロ置換アルキルの非限定的な例としては、-CHFCHOH、-CFCHOH、-(CHF)CHOH、-(CFCHOH、-(CHF)CHOH、-(CFCHOH、-(CHOH、-CFCH(OH)CH、-CFCH(OH)CF、-CF(CHOH)CHFCH、および-CF(CHOH)CHFCFが挙げられる。
本明細書の文脈におけるアリールという用語は、環状芳香族C-C10炭化水素を意味する。アリールの例としてはフェニルおよびナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書の文脈におけるアルキルアリールは、アリール部分によって置換されているアルキル基に関する。特定の例は、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニルおよびそれらの高級同族体である。置換アルキルアリールは、その部分の、化学的に実現可能であればアルキル部分上、またはアリール部分上に示される置換基によって、置換されていてもよい。
ヘテロアリールは、1またはいくつかの窒素、酸素および/または硫黄原子を含むアリールである。ヘテロアリールの例としては、ピロール、チオフェン、フラン、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、オキサゾール、ピリジン、ピリミジン、チアジン、キノリン、ベンゾフランおよびインドールが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアリールはまた、二環式ヘテロアリールも包含する。本明細書の文脈におけるアリールまたはヘテロアリールは、1以上のアルキル基によってさらに置換されていてもよい。
本明細書の文脈におけるアルキルヘテロアリールは、ヘテロアリール部分によって置換されているアルキル基に関する。
本明細書で使用される場合、医薬組成物という用語は、少なくとも1つの医薬的に許容しうる担体と一緒に、本発明の化合物または医薬的に許容しうるその塩をさす。特定の態様において、本発明による医薬組成物は、局所、非経口または注射投与に適した形態で提供される。
本明細書で使用される場合、医薬的に許容しうる担体という用語は、当業者に公知であるように、任意の溶媒、分散媒、コーティング、界面活性剤、抗酸化剤、防腐剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、防腐剤、薬物、薬物安定剤、バインダー、賦形剤、崩壊剤、潤滑剤、甘味剤、香味剤、染料など、およびそれらの組合せを包含する(例えば、Remington:the Science and Practice of Pharmacy, ISBN 0857110624参照)。
本明細書で使用される場合、任意の疾患または障害(例えば、がん)を治療すること(treating)、またはそれらの治療(treatment)という用語は、一態様において、疾患または障害を改善する(例えば、疾患またはその臨床症状の少なくとも1つの発症を遅延または阻止または低減する)ことをさす。他の態様において、「治療すること」または「治療」は、患者によって認識可能でないものを含む、少なくとも1つの身体的パラメータを緩和または改善することをさす。さらに他の態様において、「治療すること」または「治療」は、疾患または障害を、身体的に(例えば、認識可能な症状の安定化)、生理的に(例えば、身体的パラメーターの安定化)、またはその両方で調節することをさす。疾患の治療および/または予防を評価するための方法
PROTAC化合物
本発明の第1の観点は、一般式(A)の化合物に関する。
Figure 2024518842000003
[式中、
-NR3132は、
Figure 2024518842000004
から選択され;
-各Rは、F、Cl、CF、CHF、CHFを含む群から独立して選択され;
-nは、0、1、2、3および4から選択される整数であり;
-ハンドルは、3~10個の原子質量≧12の原子(C、N、O、S)を含むか、または実質的にそれからなる接続部分であり;
-リンカーは、3~50個の原子質量≧12の原子を含むか、または実質的にそれからなるリンカー部分であり;
-E3リガーゼバインダーは、E3リガーゼに特異的に結合する部分である]。
特定の態様において、各RはFである。特定の態様において、nは、0、1および2から選択される整数である。特定の態様において、nは2である。特定の態様において、ハンドルは、4~8個の原子質量≧12の原子を含むか、または実質的にそれからなる接続部分である。特定の態様において、リンカーは、4~30個の原子質量≧12の原子を含むか、または実質的にそれからなるリンカー部分である。特定の態様において、リンカーは、5~20個の原子質量≧12の原子を含むか、または実質的にそれからなるリンカー部分である。
E3リガーゼバインダー
E3リガーゼバインダーは、E3リガーゼに特異的に結合する分子である。特定の態様において、E3リガーゼはセレブロン(UniProt-ID:Q96SW2)である。
特定の態様において、E3リガーゼバインダーは、式(B)で表される:
Figure 2024518842000005
[式中:
-OxはCHまたはC=Oであり;
-Tは、F、Clを含む群から選択され;
-kは、0、1、2を含む群から選択される整数であり;
Figure 2024518842000006
は、リンカーへの結合を示す]。
特定の態様において、kは、0、1を含む群から選択される整数である。特定の態様において、kは0である。特定の態様において、TはFである。
ハンドル
特定の態様において、ハンドルは、3~10個の原子質量≧12の原子(C、N、O、S)を含むか、または実質的にそれからなる接続部分である。特定の態様において、ハンドルは、4~8個の原子質量≧12の原子を含むか、または実質的にそれからなる接続部分である。
特定の態様において、ハンドルは、アルキル、アミン、フェニルおよびカルボニルを含む群から選択される1、2、3または4つの化学部分を含むか、または実質的にそれからなる。
特定の態様において、ハンドルは、以下の式を含む群から選択される:
Figure 2024518842000007
[式中:
-Midは、C-Cアルキルおよびフェニルを含む群から選択される]。
特定の態様において、ハンドルは、以下の式:
Figure 2024518842000008
を含む群から選択される。
リンカー
特定の態様において、リンカーは、3~50個の原子質量≧12の原子(C、N、O、S)を含むか、または実質的にそれからなるリンカー部分である。特定の態様において、リンカーは、4~30個の原子質量≧12の原子を含むか、または実質的にそれからなるリンカー部分である。特定の態様において、リンカーは、5~20個の原子質量≧12の原子を含むか、または実質的にそれからなるリンカー部分である。
特定の態様において、リンカーは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキレン、アルキリン、エチレングリコール、カルボニル、エーテル、エステル、アミン、アミド、スルホンアミドを含む群から独立して選択される1、2、3、4、5、6または7つの化学部分を含むか、または実質的にそれからなり、該化学部分は、それぞれ独立して、非置換であるか、またはC-Cアルキル、ハロゲン、CN、NO、ヒドロキシル、アミン、硫酸塩、リン酸塩および/またはカルボキシルで置換されている。
特定の態様において、リンカーは、アルキル、エチレングリコール、カルボニル、ピペラジン、アリール、アミン、トリアゾールを含む群から選択される1、2、3または4つの化学部分を含むか、または実質的にそれからなる。
特定の態様において、リンカーは、以下の式を含む群から選択される:
Figure 2024518842000009
[式中:
-Linは、C-C20アルキル、C-C20アルキル-トリアゾール、オリゴ(エチレングリコール)を含む群から選択される]。
特定の態様において、リンカーは、以下の式を含む群から選択される:
Figure 2024518842000010
[式中:
-pは、2、3、4、5から選択され;
-qは、7、8、9、10、11、12、13から選択され;
-rは、11、12、13、14、15、16、17から選択され;
-sは、7、8、9、10、11、12、13から選択され;
-tは、3、4、5、6、7、8、9から選択され;
-uは、7、8、9、10、11、12、13から選択される]。
特定の態様において、リンカーはペプチドである。特定の態様において、リンカーは、タンパク質構成アミノ酸(proteinogenic amino acid)からなるペプチドである。
特徴の組み合わせ
特定の態様において、
-E3リガーゼバインダーは、式(B)で表され;そして
-ハンドルは、式(F)、(G)、(H)または(J)で表され;そして
-リンカーは、式(O);(P);(Q);(R);(S);または(T)で表される。
特定の態様において、化合物は、以下の定義のハンドル、リンカーおよびE3リガーゼバインダーを含む(1つの行は1つの組み合わせである):
Figure 2024518842000011
Figure 2024518842000012
活性化合物
本発明の第2の観点は、一般式(I)の化合物に関する。
Figure 2024518842000013
本発明の第2の観点の代替物は、一般式(Ia)の化合物に関する。
Figure 2024518842000014
本発明の第2の観点の代替物は、一般式(Ib)の化合物に関する。
Figure 2024518842000015
[式中:
-ZおよびZは、N、CHおよびCRから独立して選択され;
-Xは、OまたはNHであり;
-Yは、CH、C=OまたはSOであり;
-Rは、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環から選択される非置換または置換部分であり、特に、Rは、非置換または置換ヘテロアリールであり;
-Rは、F、Me、Cl、OH、NH、Br、CF、CHF、CHFから選択され;
-nは、0、1、2、3および4から選択される整数であり;
-Rは置換アルキルアミンであり;
-UおよびVは、独立して、-CH-および-(CH-から選択されるか、またはUおよびVの一方が-CH-で、他方が-(CH-である]。
特定の態様において、XはNHである。特定の態様において、YはC=Oである。特定の態様において、nは、0、1および2から選択される整数である。特定の態様において、UおよびVは、両方とも-CH-であるか、または両方とも-(CH-である。
特定の態様において、化合物は、一般式(U)で表される。
Figure 2024518842000016
[式中:
-NR3132
Figure 2024518842000017
から選択され;
-Rは、F、Cl、CF、CHF、CHFを含む群から選択され;
-nは、0、1、2、3および4から選択される整数であり;
-Rは、アルキル、アルキルアリール、ヘテロアルキルアリール、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環から選択される]。
特定の態様において、RはFである。特定の態様において、nは、0、1および2から選択される整数である。特定の態様において、nは2である。特定の態様において、Rは、アルキル、アルキルアリールおよびシクロアルキルから選択される。特定の態様において、Rは、メチルおよびメチルフェニルから選択される。
中間の環系
特定の態様において、XはNHである。特定の態様において、YはC=Oである。
特定の態様において、部分
Figure 2024518842000018
は、
Figure 2024518842000019
から選択される。
特定の態様において、部分
Figure 2024518842000020
Figure 2024518842000021
から選択される。
部分R
特定の態様において、Rは、非置換または置換ヘテロアリールである。特定の態様において、Rは、置換されていないか、または
・第二級アミンNHR、これに関し、Rは、C-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリール、アルキルアリール、およびアルキルヘテロアリールから選択される;
・ハロゲン、特にClまたはF;
・C-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリール;から選択される部分で置換されている。
特定の態様において、Rは、置換されていないか、または
・第二級アミンNHR、これに関し、Rは、C-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールから選択される;
・ハロゲン、特にClまたはF;
から選択される部分で置換されている。
特定の態様において、化合物は、一般式(II)で表される。
Figure 2024518842000022
[式中:
-Z、Z、X、Y、R、R、U、Vおよびnは、上記で定義されたものと同じ定義を有し;
-各Rは、独立して、
・アルキル、アルキルアリール、ヘテロアルキルアリール、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび/または複素環で置換されている第二級アミン、
・ハロゲン
から選択され;
および/または、2つのRが一緒になって、非置換または置換ヘテロアリールまたは複素環を形成し;
-mは、0、1、2および3から選択される整数である]。
特定の態様において、化合物は、一般式(III)で表される。
Figure 2024518842000023
[式中:
-Z、Z、X、Y、R、R、U、Vおよびnは、上記で定義されたものと同じ定義を有し;
-Rは、アルキル、アルキルアリール、ヘテロアルキルアリール、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環から選択され;
-Rは、ハロゲンおよび水素から選択される]。
特定の態様において、化合物は、一般式(IV)で表される。
Figure 2024518842000024
[式中:
-Z、Z、X、Y、R、R、U、Vおよびnは、上記で定義されたものと同じ定義を有し;
-Rは、ハロゲンおよび水素から選択され;
-Wは、NおよびCHから選択される]。
特定の態様において、ZおよびZのうちの少なくとも1つは、CHまたはCRである。特定の態様において、ZおよびZは両方ともCHまたはCRである。
部分R
特定の態様において、Rは、アルキル-、ヒドロキシ-、アミノ-、アミン-、ハロゲン-、シクロアルキル-、および複素環-部分から独立して選択される1つまたはいくつかの部分で置換されている。
特定の態様において、Rは置換C-Cアルキルアミンである。特定の態様において、Rは置換C-Cアルキルアミンである。
特定の態様において、R
Figure 2024518842000025
[式中:
-sは、1および2から選択される整数であり、さらに特に、sは1であり;
-R31およびR32は、一緒になって、置換されていないか、またはアルキル、ハロゲンおよび/もしくはヒドロキシルで置換されている複素環または複素二環を形成するか、あるいは
-R31およびR32は、独立して、水素、および、置換されていないか、またはヒドロキシおよび/もしくはハロゲンで置換されているアルキルまたはシクロアルキルから選択される]である。
特定の態様において、R31および/またはR32は、置換されていないか、またはアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、シクロアルキル、複素環および/または-基で置換されている。特定の態様において、R31および/またはR32は、独立して、H、および、置換されていないか、またはヒドロキシおよび/もしくはハロゲンで置換されているアルキルおよびシクロアルキルから選択される。特定の態様において、R31およびR32は、一緒になって、置換されていないか、またはアルキル、ヒドロキシおよび/もしくはハロゲンで置換されている複素環または複素二環を形成する。
特定の態様において、NR3132
Figure 2024518842000026
[式中、vは0、1および2から選択される整数であり、各Rは、ヒドロキシル、ハロゲンおよびC-Cアルキルから独立して選択されるか、または2つのRがC-Cシクロアルキルを形成する]
から選択される。
特定の態様において、-NR3132
Figure 2024518842000027
から選択される。
特定の態様において、NR3132
Figure 2024518842000028
から選択される。
特定の態様において、NR3132
Figure 2024518842000029
である。特定の態様において、NR3132
Figure 2024518842000030
である。特定の態様において、NR3132
Figure 2024518842000031
である。特定の態様において、NR3132
Figure 2024518842000032
である。
部分R
特定の態様において、nは、0、1および2から選択される整数である。特定の態様において、nは2である。特定の態様において、Rは、F、ClおよびOHから選択される。特定の態様において、RはFである。Rは、アリール環またはヘテロアリール環のいずれかの炭素原子に結合することができる。したがって、それはまた、ZまたはZが炭素原子である場合、ZまたはZに結合することができる。
部分R
特定の態様において、Rは、アルキル、アルキルアリールおよびシクロアルキルから選択される。特定の態様において、Rは、メチルおよびメチルフェニルから選択される。
化合物の使用
本発明の第3の観点は、医薬として使用するための、第1または第2の観点による化合物に関する。
本発明の第4の観点は、がんの治療に使用するための、第1または第2の観点による化合物に関する。
特定の態様において、がんは、腎がん、乳がん、急性骨髄性白血病、肝細胞がん、および肺腺がんを含む群から選択される。
同様に、がんの治療を必要とする患者におけるがんの治療方法であって、上記記載による化合物を患者に投与することを含む方法は、本発明の範囲内である。
同様に、がんの予防または治療のための剤形であって、本発明の上記観点または態様のいずれかによる非アゴニストリガンドまたはアンチセンス分子を含む剤形を提供する。
当業者なら、任意の具体的に挙げられる薬物が、前記薬物の医薬的に許容しうる塩として存在し得ることを知っている。医薬的に許容しうる塩は、イオン化薬物および反対に荷電した対イオンを含む。医薬的に許容しうるアニオン塩形態の非限定的な例としては、酢酸塩、安息香酸塩、ベシレート、重酒石酸塩(bitatrate)、臭化物、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エンボネート(embonate)、エストレート、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化物、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシレート、臭化メチル、硫酸メチル、ムチン酸塩、ナプシレート、硝酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、サリチル酸塩、二サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシレート、トリエチオジドおよび吉草酸塩が挙げられる。医薬的に許容しうるカチオン塩形態の非限定的な例としては、アルミニウム、ベンザチン、カルシウム、エチレンジアミン、リシン、マグネシウム、メグルミン、カリウム、プロカイン、ナトリウム、トロメタミンおよび亜鉛が挙げられる。
剤形は、経腸投与、例えば、経鼻、口腔内、経直腸、経皮もしくは経口投与用、または吸入形態もしくは坐剤であることができる。あるいは、非経口投与、例えば、皮下、静脈内、肝内または筋肉内注射形態を使用してもよい。所望により、医薬的に許容しうる担体および/または賦形剤が存在してもよい。
医薬組成物および投与
本発明の他の観点は、本発明の化合物または医薬的に許容しうるその塩、および医薬的に許容しうる担体を含む医薬組成物に関する。さらなる態様において、組成物は、少なくとも2つの医薬的に許容しうる担体、例えば、本明細書に記載のものを含む。
本発明の特定の態様において、本発明の化合物は、典型的には、容易に制御可能な投与量の薬物を提供し、洗練され容易に取り扱い可能な製品を患者に与えるために、医薬剤形に製剤化される。
医薬組成物は、経口投与、非経口投与、または経直腸投与用に製剤化することができる。さらに、本発明の医薬組成物は、固体形態(カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤または坐剤を含むが、これらに限定されない)、または液体形態(液剤、懸濁剤または乳濁液を含むが、これらに限定されない)で構成されることができる。
本発明の化合物の投与計画は、特定の薬物の薬力学的特徴、およびその投与様式および経路;レシピエントの種、年齢、性別、健康状態、医学的状態および体重;症状の性質および程度;併用療法の種類;治療の頻度;投与経路、患者の腎機能および肝機能、ならびに望ましい効果などの既知の因子に応じて変動する。特定の態様において、本発明の化合物は1日1回用量で投与することができ、または総1日用量を1日2回、3回または4回の分割用量で投与してもよい。
特定の態様において、本発明の医薬組成物または組み合わせは、約50~70kgの被験体について約1~1000mgの活性成分(1以上)の単位用量であることができる。化合物、医薬組成物、またはその組み合わせの治療的に有効な用量は、被験体の種、体重、年齢および個々の状態、治療される障害もしくは疾患、またはそれらの重症度に依存する。当業者の医師、臨床医または獣医は、障害または疾患の進行を予防、治療または阻害するのに必要な各活性成分の有効量を容易に決定することができる。
本発明の医薬組成物は、滅菌などの従来の製薬工程に供することができ、および/または、従来の不活性希釈剤、潤滑剤または緩衝薬のほか、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤および緩衝剤などのアジュバントを含有することができる。それらは、標準的なプロセス、例えば、従来の混合、造粒、溶解または凍結乾燥プロセスによって生産することができる。医薬組成物を調製するための多くのそのような手順および方法は当技術分野において公知であり、例えば、L. Lachman et al. The Theory and Practice of Industrial Pharmacy,第4版,2013(ISBN 8123922892)参照。
本発明による製造方法および治療方法
本発明は、さらなる観点として、がんの治療または予防のための医薬の製造方法において使用するための、本明細書において同定される化合物、または上記で詳細に明記した医薬的に許容しうるその塩の使用をさらに包含する。
同様に、本発明は、がんに関連する疾患と診断されている患者の治療方法を包含する。この方法は、患者に、本明細書中において同定される有効量の化合物、または本明細書において詳細に明記される医薬的に許容しうるその塩を投与することを伴う。
例えば、リガンドのタイプまたは医学的適応などの単一の分離可能な特徴の代替物が「態様」として本明細書に示される場合はいつでも、そのような代替物は、本明細書に開示される本発明の個別の態様を形成するために自由に組み合わることができることを理解されたい。したがって、リガンドのタイプに関する代替の態様のいずれかを、本明細書に記載の任意の医学的適応と組み合わせることができる。
本出願はさらに、以下の項目を包含する:
項目
1.一般式(I)の化合物
Figure 2024518842000033
[式中:
-ZおよびZは、N、CHおよびCRから独立して選択され;
-Xは、OまたはNHであり、特に、XはNHであり;
-Yは、CH、C=OまたはSOであり、特に、YはC=Oであり;
-Rは、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環から選択される非置換または置換部分であり、特に、Rは、非置換または置換ヘテロアリールであり;
-Rは、F、Me、Cl、OH、NH、Br、CF、CHF、CHFから選択され;
-nは、0、1、2、3および4から選択される整数であり、特に、nは、0、1および2から選択される整数であり;
-Rは置換アルキルアミンであり;
-UおよびVは、独立して、-CH-および-(CH-から選択されるか、またはUおよびVの一方が-CH-で、他方が-(CH-であり、
特に、UおよびVは、両方とも-CH-であるか、または両方とも-(CH-である]。
2.項目1に記載の化合物であって、
-Rが、置換されていないか、または
・第二級アミンNHR、これに関し、Rは、C-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリール、アルキルアリール、およびアルキルヘテロアリールから選択される;
・ハロゲン、特にClまたはF;および
・C-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリール;
から選択される部分で置換されている、前記化合物。
3.項目1または2のいずれか一項に記載の化合物であって、
-Rが、アルキル-、ヒドロキシ-、アミノ-、アミン-、ハロゲン-、シクロアルキル-、および複素環-部分から独立して選択される1つまたはいくつかの部分で置換されている、
前記化合物。
4.項目1~3のいずれか一項に記載の化合物であって、RがC-Cアルキルアミンであり、特に、RがC-Cアルキルアミンである、前記化合物。
5.化合物が一般式(II)で表される、項目1~4のいずれか一項に記載の化合物
Figure 2024518842000034
[式中:
-Z、Z、X、Y、R、R、U、Vおよびnは、項目1で定義されたものと同じ定義を有し;
-各Rは、独立して、
・アルキル、アルキルアリール、ヘテロアルキルアリール、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび/または複素環で置換されている、特に、アルキル、アルキルアリールまたはシクロアルキルで置換されている、第二級アミン;
・ハロゲン
から選択され;
および/または、2つのRが一緒になって、非置換または置換ヘテロアリールまたは複素環を形成し;
-mは、0、1、2および3から選択される整数である]。
6.化合物が一般式(III)で表される、項目1~5のいずれか一項に記載の化合物
Figure 2024518842000035
[式中:
-Z、Z、X、Y、R、R、U、Vおよびnは、項目1で定義されたものと同じ定義を有し;
-Rは、アルキル、アルキルアリール、ヘテロアルキルアリール、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環から選択され、
特に、Rは、アルキル、アルキルアリールおよびシクロアルキルから選択され;
-Rは、ハロゲンおよび水素から選択される]。
7.化合物が一般式(IV)で表される、項目1~4のいずれか一項に記載の化合物
Figure 2024518842000036
[式中:
-Z、Z、X、Y、R、R、U、Vおよびnは、項目1で定義されたものと同じ定義を有し;
-Rは、ハロゲンおよび水素から選択され;
-Wは、NおよびCHから選択される]。
8.ZおよびZのうちの少なくとも1つがCHまたはCRであり、特に、ZおよびZが両方ともCHまたはCRである、項目1~7のいずれか一項に記載の化合物。
9.項目1~8のいずれか一項に記載の化合物であって、Rが、
Figure 2024518842000037
[式中:
-sは、1および2から選択される整数であり、さらに特に、sは1であり;
-R31およびR32は、一緒になって、置換されていないか、またはアルキル、ハロゲンおよび/もしくはヒドロキシルで置換されている複素環または複素二環を形成するか、あるいは、
31およびR32は、独立して、水素、および、置換されていないか、またはヒドロキシおよび/もしくはハロゲンで置換されているアルキルまたはシクロアルキルから選択され、
特に、R31およびR32は、一緒になって、置換されていないか、またはアルキル、ハロゲンおよび/もしくはヒドロキシで置換されている複素環または複素二環を形成する]
である、前記化合物。
10.NR3132
Figure 2024518842000038
[式中、vは0、1および2から選択される整数であり、各Rは、ヒドロキシル、ハロゲンおよびC-Cアルキルから独立して選択されるか、または2つのRがC-Cシクロアルキルを形成する]
から選択される、項目9に記載の化合物。
11.NR3132
Figure 2024518842000039
から選択される、項目9~10のいずれか一項に記載の化合物。
12.Rが、F、ClおよびOHから選択され、特に、RがFである、項目1~11のいずれか一項に記載の化合物。
13.医薬として使用するための、項目1~12のいずれかに記載の化合物。
14.がんの治療に使用するための、項目1~12のいずれかに記載の化合物。
本発明を、以下の実施例および図面によってさらに例示する。それらから、さらなる態様および利点を引き出すことができる。これらの実施例は本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
Buchwald-Hartwigカップリングの一般的手順:
ジオキサン(0.3M)中の対応するハロゲン化物(1当量)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下で、対応するアミン(1当量)を加えた。窒素ガスを2分間にわたり反応物に通してバブリングし、CsCO(1.2当量)、Ruphos Pd G4(10mol%)およびRuphos(10mol%)を加えた。反応混合物を150℃で17時間撹拌し、減圧濃縮し、得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。
Boc基脱保護の一般的手順:
MeOH(0.3M)中の対応するBoc保護アミンの撹拌溶液に、HCl(0.9M、37%水溶液)を加えた。反応混合物を25℃で4時間撹拌し、反応混合物を減圧濃縮した。得られた残渣を、さらに精製することなく、次の工程に直接かけた。
4,6-ジクロロピリミジンを用いたS Arの一般的手順:
iPrOH(0.3M)中の対応するアミン(1当量)またはアミン塩酸塩(1当量)の撹拌溶液に、4,6-ジクロロ-ピリミジン(1.2当量)およびEtN(1~4当量)を加えた。反応混合物をマイクロ波中、80℃で3時間撹拌し、減圧濃縮した。粗残渣をnBuOHに溶解し、水で3回、ブラインで1回洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗残渣をトルエンと数回共蒸発させて残存nBuOHを除去した後、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。
クロロピリミジン誘導体を用いたS Arの一般的手順:
対応するクロロピリミジン(1当量)をメチルアミン(0.1M、EtOH中8M)またはベンジルアミン(0.3M)に溶解し、マイクロ波中、130℃で3時間(MeNH)または140℃で8時間(BnNH)にわたり撹拌した。粗残渣を減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。ベンジルアミンを用いた反応の場合、粗残渣を水、次いでトルエンと数回共蒸発させてベンジルアミンを除去した後、精製を行った。
実施例1:
本発明者らの設計は、構造を単純化し、分子量を減少させることを目的として、本発明者らの初期阻害剤の1つ(表1、1)の根源から開始した(図1A)。この目的のために、ピペリジン環上のメチレンの位置を1,3から1,4に変えると、キラル中心が除去される。さらに、METTL3を用いた1のX線構造によれば、アミドC=O基の欠失により、元のベクターを維持することが可能になる(図1B)。これら2つの修飾は2およびその2つのピリジン含有誘導体3および4をもたらし、それらは、親分子と比較して同様の効力(それぞれ、IC50=5.0、4.6および5.8μM、表1)を示すだけでなく、キラリティーを示さないほか、重原子数の減少を示し、したがって、より高いリガンド効率(それぞれ、LE=0.23、0.23および0.22)を示した。4はより良好な親油性リガンド効率(LLE=3.4、DataWarriorで計算)を有するので、そのピリジンコアは次の最適化段階で保存された。METTL3と阻害剤1との複合体の結晶構造によれば、ピリミジン環上でのメチルアミンからベンジルアミンへの置換は、阻害に有益であると思われた。これは、対応する誘導体5が、6倍増大した効力を示した(IC50=0.79μM)ので、真実あることが証明された。
この阻害剤系列の1つの顕著な特徴は、sp非環式原子リンカーと結合したそれらの線状形状であり、これにより、それらは高度に柔軟になる。構造を剛性化すること(rigidifying)は、その好ましい立体配座でリガンドを固定させるための実行可能な方法であり、これは、エントロピーペナルティーを低減することによって結合エネルギーを増強することができる。したがって、本発明者らは、この目標を達成するために2つの異なる戦略を想定した:ピペリジンとピリジン環との間にアミド接続を作るか、または化合物5の立体配座に従って、第三級アルコールをアニリンと接続させることによってスピロ環を形成することができる(図2A)。2つの方法は逆の結果をもたらし、アミド誘導体6は以前の効力増強を失ったが(IC50=3.6μM、表1)、スピロ環7は阻害(IC50=0.28μM、表2)および新規性の両方に関して有望であった。本発明者らは5および7の両方をMETTL3と浸漬することに何とか成功し、X線分析は、強い構造的重複を示した。ピリミジン部分はAsn549およびIle378からのNH主鎖との2つの水素結合に関わる一方、Phe534とのπスタッキングおよびAsn549側鎖とのπ相互作用に関与する(図2A)。ベンジルアミン基はAsp377側鎖と相互作用し、Arg379とカチオン-π相互作用も形成する。結合ポケットの反対側の部位では、gemジメチル基がLys513、Pro514、Trp457およびTrp431残基によって形成される親油性ポケットを満たす一方、荷電ピペリジンは、Asp395と塩架橋を形成する。5と7の唯一の違いは、後者の場合、第三級アルコールとGln550側鎖との間の水素結合がアルコールのエーテルへの変換によって失われていることである(図2B)。本発明者らは、リガンドのC=O基およびGln550のNHアミドに起因して、エーテルをラクタムで置き換えることによりこの相互作用を回復し、さらには追加の水素結合を形成することができると考えた。本発明者らは、対応する誘導体8(IC50=0.037μM)について強力な効力増強を得、本発明者らの仮説は結晶構造中に見出される2つの水素結合の相互作用によって確認された(図2C)。さらに、LEおよびLLEの両方が実質的に改善した(それぞれ0.25および4.4、表2)。
ADME特性、例えば、溶解度、細胞透過性および代謝安定性は、化学プローブに必須であり、そのため、それらはプロジェクトの初期に考慮された。本発明者らの新たに合成された阻害剤(5、7~8)は複雑な結果を示した;しかしながら、それらはすべて、ラット肝ミクロソームとのインキュベーションによる半減期が12分未満で、酵素分解に対して平凡な安定性を示した(表1、2)。したがって、本発明者らは、より良好な生化学的効力を得ながら、ADME特性を改善することに焦点を当てた。最初のアプローチは、ピリジン窒素原子を炭素原子で置換することであり、中程度の透過性(9・10-6cm・s-1)を有する9が得られ、驚くべきことに、わずかに溶解度が上昇した(表2)。しかしながら、代謝安定性は変化しないままであったため、ベンジルアミンをメチルアミンで置き換えた(10)。実際、溶解度および代謝安定性は著しく改善し(それぞれ108μMおよび107分)、LEおよびLLE値も改善したが(それぞれ0.28および4.5)、透過性が制限され(2・10-6cm・s-1)、効力が3.4倍低下してしまった。10から、本発明者らの分子のサイズを減少させる2つの他の可能性を追求した:スピロピペリジンをスピロアゼチジンで置き換え(11)、スピロラクタムをスピロウレアで置き換えた(12)。残念ながら、両方とも、効力の実質的な損失を示した(それぞれ、5倍および20倍)。しかし、スピロアゼチジン部分は、分子量の低減および後の段階における物理化学的特性の改善に役立つ、潜在的な代替物のままである。次に、本発明者らの戦略は、透過性の改善に向けられた。化合物13におけるラクタムのメチル化は効力の重大な低下(19倍)をもたらし、ラクタムの水素結合の相互作用の極めて重要な役割を実証した。
完全なスピロ足場(scaffold)の最適化後、本発明者らはピリミジンモチーフに注意を向けた。アニリンにメチルをもう1つ添加することは(14)、おそらくAsp377の側鎖への水素結合の損失に起因して、10と比較して結合に対して非常に有害であったが(それぞれ、0.97および0.089μM、表3)、メチルからイソプロピルへの置換(15)は、水素結合が保存されるので、それほど顕著ではない低下を示した(0.33μM)。これらの2つの修飾は、この位置での分枝sp炭素に利用可能な空間が限られていることを示した。驚くべきことに、シクロプロピル基での置換(16)は、十分に容認された(0.084μM)だけでなく、3つのADME特性も改善し(表3)、リード最適化のための有望な代替物となり得る。S-アデノシルメチオニン(SAM)は、本発明者らの阻害剤のピリミジン基と重複するアデノシン足場を含有するMETTL3の天然リガンドであり、したがって、本発明者らは、いくつかの二環式複素芳香族修飾を試験しようと考えた。ピロロピリミジン17は10と比較して効力がわずかに増大したが、Caco-2アッセイにおいて同様に低い透過性およびより大きい流出比を有していた(表3)。Nピリミジン原子とAsn549窒素主鎖との間の相互作用配置は最適ではないように思われ、したがって、本発明者らは、透過性を改善し、場合によっては部分的脱溶媒和ペナルティーを抑制するために、このピリミジン窒素原子を除去しようと考えた。ピロロピリジン18は重度の結合損失を示したので(74倍)、後者は誤っていることが判明した。2つのピリミジン窒素原子の間に塩素原子を組み込むことは(19)、効力に有益であった(0.024μM);しかしながら、溶解度および代謝安定性は著しく損なわれ(それぞれ、45μMおよび32分)、本発明者らは異なる修飾の探求を促進することにした。
スピロ足場およびピリミジン部分は既に最適化されているので、本発明者らはフェニル環を次の標的領域とみなした。いくつかの刊行物は、薬物設計において予期せぬ有望な結果をもたらし得るフッ素原子の独特な特性を論じている。実際、フッ素原子は異常な相互作用をもたらすことができ、芳香族フッ素原子は透過性を増大させる傾向がある。フェニル環上でフッ素スキャンを行い、2つの新規誘導体20および21を得た。阻害剤10と比較して、両化合物は同様の程度まで結合を改善した(それぞれ、0.038および0.032μM);しかしながら、透過性は、20についてのみかなり増大した(表4)。METTL3との複合体のX線構造を分子ごとに解き、21におけるフッ素が疎水性の接触を示すことが明らかになったが(図3B)、20のフッ素原子はPro397の窒素π系との異常な相互作用にも関与する(図3A)。阻害剤20は、透過性の強い改善および小さな流出比(それぞれ、9・10-6cm・s-1および2)に起因して好ましいが、優れた効力を達成し、適切なADME特性を維持するための鍵となる解決策として、両方のフッ素原子の組合せが急浮上した。実際、化合物22は、TR-FRETアッセイ(表4および図4A)において1桁ナノモルのIC50(0.008μM)、高い細胞透過性(12・10-6cm・s-1)、ならびにLEおよびLLEの好ましい値(それぞれ0.3および5.3)、ならびに許容可能な代謝安定性(t1/2=24分)を示した。
他のRNAメチルトランスフェラーゼに対する化合物22の選択性を調べるために、本発明者らは、タンパク質サーマルシフトアッセイを行った。本発明者らは、tRNA、mRNAおよびmiRNA上の7-メチルグアノシンマークのライターであり、代表的な密接に関連するタンパク質として機能するMETTL1タンパク質を、発現させ、精製した。本発明者らは、RNAメチルトランスフェラーゼ触媒活性の副産物であるS-アデノシル-L-ホモシステイン(SAH)および天然バインダーを陽性対照として採用し、METTL3/METTL14およびMETTL1についてそれぞれ100μMで2.8℃および3.5℃のΔTを示した(図5および6)。100μMの化合物22は、DMSO対照と比較して、METTL3/METTL14の融解温度を4.7℃シフトさせることができた(図5および6)。一方、METTL1については、100μMまでの化合物22ではシフトは観察されず、結合がないことを示した。
化合物22によるMETTL3の強化された熱安定化により、本発明者らは、タンパク質熱変性に基づく2つの直交アッセイにおいてその細胞ターゲットエンゲージメント(cellular target engagement)を研究することが可能になった。22の結合をInCELL Pulseアッセイで評価し、ここで、切断されたMETTL3(残基354~580)のN末端に融合した強化されたProLabel(登録商標)(ePL)酵素断片をHEK293T細胞において発現させた。これらの細胞を阻害剤22と共に37℃で1時間インキュベートした後、細胞を46℃で3分加熱し、非凝集METTL3-ePLタンパク質をルミネセンスに基づくアッセイを用いて定量した(図4B)。化合物22はMETTL3-ePL融合タンパク質を安定化し、HEK293T細胞におけるEC50は2μMであった。これらの結果により、本発明者らはまた、内因的に発現された完全長METTL3に対しMOLM-13細胞におけるCETSAアッセイも行った。InCELL Pulseアッセイと同様に、MOLM-13細胞におけるCETSAは、22が、ウェスタンブロット法によって決定されたEC50が0.97μMであり、54℃において用量依存的にMETTL3を顕著に安定化したことを実証した(図4C)。したがって、両方の実験は、細胞透過性および細胞ターゲットエンゲージメントの明確な証拠をもたらした。最後に、METTL3酵素活性の阻害剤としての22の生物学的可能性を強調するために、本発明者らは、2つの異なるがん細胞株、MOLM-13(AML)およびPC-3(前立腺がん)細胞において、ポリアデニル化RNAにおけるmA/A比を化合物処理の16時間後に測定した。本発明者らは、22がこの比率をDMSO処理対照試料の10~20%まで低下させることができ、2つの細胞株の間にある程度の選択性を示すことを見出した(MOLM-13およびPC-3について、それぞれEC50=0.7および2.5μM、図4D)。
本発明者らは、タンパク質結晶学に誘導される医薬品化学によって、一連のMETTL3阻害剤の効力(1000倍)、効率パラメーター、およびADME特性を改善することに成功した。おもな特徴は、スピロ足場の設計と特定位置でのフッ素原子の使用による剛性化である。もっとも強力な阻害剤(化合物22)は、TR-FRETアッセイにおいて8nMのIC50を示す。オフターゲットMETTL1への結合は、100μMまでの濃度では観察されなかった。化合物22の細胞ターゲットエンゲージメントは、2つの異なるアッセイを用いて実証された。さらに、ポリアデニル化RNAにおけるmA/Aの低減に関しては、UPLC-MS/MS解析により定量して、MOLM-13(白血病)およびPC-3(前立腺がん)細胞株において0.7μmおよび2.5μmのEC50値が測定された。したがって、化合物22は、METTL3/METTL14の機能的役割、ならびに血液悪性腫瘍および充実性腫瘍におけるその関与を解明するための化学プローブである。
Figure 2024518842000041
:時間分解フェルスター共鳴エネルギー移動(TR-FRET)アッセイ(μM)。 :g/mol。 :リガンド効率(kcal.mol -1 .重原子数 -1 )。 :親油性リガンド効率(pIC 50 -logP); :μM; :10 -6 cm・s -1 、(流出比)、Caco-2試験; :ラット肝ミクロソーム、t 1/2 (分)。
Figure 2024518842000043
Figure 2024518842000045
Figure 2024518842000047
Figure 2024518842000048
スキーム1:スピロ環中間体(33)への合成経路。試薬および条件:(a)MeNO、NH、MeOH、25℃、17時間;(b)(i)CbzCl、NaHCO、DCM/HO、0~25℃、17時間:(ii)NiCl.6HO、NaBH、MeOH、N、0~25℃、1時間、3工程で32%;(c)2-ブロモ酢酸エチル、Et N、DCM、25℃、2時間;(d)Pd/C、NH ・HCOO、iPrOH、80℃、4時間、2工程で55%。
Figure 2024518842000049
スキーム2:化合物7~10および15~17、19への合成経路。試薬および条件:(a)23または26、tert-ブチル1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボキシレート(7の場合)または33、Pd Ruphos G4、Ruphos、CsCO、ジオキサン、N、150℃、17時間、93%(35);;(b)(i)HCl(37%水溶液)、MeOH、25℃、4時間;(ii)7の場合:N-ベンジル-6-クロロピリミジン-4-アミン(29)、EtN、iPrOH、150℃、8時間、マイクロ波、23からの3工程で6%。17の場合:4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、36、Pd Ruphos G4、Ruphos、LiHMDS、THF、N、65℃、4時間、36%。19の場合:36、2,4-ジクロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、EtN、iPrOH、100~130℃、6時間、42%;(c)HCl(37%水溶液)、MeOH、25℃、4時間、23から2工程で36%;(d)4,6-ジクロロ-ピリミジン、EtN、iPrOH、80℃、3時間、マイクロ波、26から3工程で27%(34)/63%(37);(e)8および9の場合:BnNH、140℃、8時間、マイクロ波、25%(8)/36から2工程で5%(9)。10の場合:MeNH、EtOH、130℃、3時間、マイクロ波、36から2工程で3%。15の場合:iPrNH、EtOH、130℃、8時間、マイクロ波、52%。16の場合:シクロプロピルアミン、iPrOH、130℃、6時間、マイクロ波、25%。
Figure 2024518842000050
スキーム3:中間体40への合成経路。試薬および条件:(a)MeNO、KCO、EtOH、25℃、17時間;(b)DAST、DCM、N、-78℃、3時間;(c)NH、MeOH、25℃、2時間、3工程にわたり定量的;(d)(i)CbzCl、NaHCO、DCM/HO、0~25℃、17時間;(ii)NiCl.6HO、NaBH、MeOH、N、0~25℃、1時間、2工程で54%;(e)2-ブロモ酢酸エチル、EtN、DCM、25℃、2時間;(f)Pd/C、NH4・HCOO、iPrOH、80℃、4時間、2工程で32%。
Figure 2024518842000051
スキーム4:化合物11への合成経路。試薬および条件:(a)40、Pd Ruphos G4、Ruphos、CsCO、ジオキサン、N、150℃、17時間;(b)(i)HCl(37%水溶液)、MeOH、25℃、4時間;(ii)4,6-ジクロロ-ピリミジン、EtN、iPrOH、80℃、7時間、マイクロ波:(c)MeNH、EtOH、130℃、3時間、マイクロ波、4工程で19%。
Figure 2024518842000052
スキーム5:化合物20~22の一般的な合成経路。試薬および条件:(a)47および49の場合:1-ブロモ-4-(ブロモメチル)-2-フルオロベンゼン(47)または4-ブロモ-1-(ブロモメチル)-2-フルオロベンゼン(49)、4,4-ジメチルピペリジン塩酸塩、KCO、DMF、25℃、17時間、98%(47)/99%(49)。52の場合:(i)4-ブロモ-2,5-ジフルオロ安息香酸、BH・SMe、THF、N、25℃、17時間、83% ℃;(ii)SOCl、DMF、DCM、25℃、3時間;(iii)4,4-ジメチルピペリジン塩酸塩、KCO、DMF、25℃、17時間、92%;(b)33、Pd Ruphos G4、Ruphos、CsCO、ジオキサン、N、150℃、17時間、83%(50);(c)(i)HCl(37%水溶液)、MeOH、25℃、4時間;(ii)4,6-ジクロロピリミジン、EtN、iPrOH、80℃、3時間、マイクロ波、47からの3工程で15%(48)/50からの2工程で58%(51);(d)MeNH、EtOH、130℃、3時間、マイクロ波、47%(20)/69%(21)/52から4工程で56%(22)。
Figure 2024518842000053
スキーム6:(a)アスコルビン酸ナトリウム(1.1当量)、CuSO4(0.24当量)、THF、40℃、24時間;(ii)TFA(10当量)、DCM、室温、8時間;(b)(i)TEA(3当量)、EtOH、還流、24時間;(ii)38% HCl、MeOH、24時間;(c)HATU(1.1当量)、DIPEA(5当量)、DMF、室温、5時間。
Figure 2024518842000054
スキーム7:(d)(i)TEA(3当量)、EtOH、還流、24時間;(ii)38% HCl、MeOH、24時間;(e)HATU(1.1当量)、DIPEA(5当量)、DMF、室温、5時間。
Figure 2024518842000055
スキーム8:(f)(i)プロパルギルアミン(3当量)、TEA(3当量)、EtOH、還流、5時間;(g)アスコルビン酸ナトリウム(1.1当量)、CuSO(0.24当量)、THF、40℃、24時間。
Figure 2024518842000056
スキーム9:(h)(i)TEA(3当量)、EtOH、還流、5時間;(ii)TFA(10当量)、DCM、室温、12時間;(i)HATU(1.1当量)、DIPEA(5当量)、DMF、室温、8時間。
Figure 2024518842000057
スキーム10:(j)(i)TEA(3当量)、EtOH、還流 ℃、24時間;(ii)TFA(10当量)、DCM、室温、12時間;(k)HATU(1.1当量)、DIPEA(5当量)、DMF、室温、8時間。
Figure 2024518842000058
スキーム11:(l)アスコルビン酸ナトリウム(1.1当量)、CuSO(0.24当量)、THF、40℃、24時間;(ii)TFA(10当量)、DCM、室温、8時間 (m)HATU(1.1当量)、DIPEA(5当量)、DMF、室温、8時間。
Figure 2024518842000059
スキーム12:(n)DIPEA、(3当量)、DMSO、80℃、24時間;(o)TFA(10当量)、DCM、室温、8時間 b)HATU(1.1当量)、DIPEA(5当量)、DMF、室温、8時間。
本明細書中で参考として援用する文献からの合成スキーム:
Figure 2024518842000060
tert-ブチル4-(アミノメチル)-4-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)ピペリジン-1-カルボキシレート(32):
Figure 2024518842000061
NH(53mL、MeOH中7N)中のMeNO(1.3当量、130mmol、7mL)の撹拌溶液に、tert-ブチル4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート(20g、100mmol)を少しずつ加えた。反応混合物を25℃で17時間撹拌し、減圧濃縮した。粗残渣をDCMおよび水で希釈した。2つの相を分離し、水層をDCMで2回抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して所望の生成物を得、これをさらに精製することなく次の工程にかけた。
ジクロロメタン(130mL)中の対応するアミン(100mmol)の撹拌溶液に、水(130mL)中のKCO(2当量、200mmol、27.6g)の溶液を加えた。反応混合物を0℃に冷却し、CBzCl(1.1当量、110mmol、15.6mL)を滴下して加えた。反応混合物を25℃で17時間撹拌し、2つの相を分離した。水層をDCMで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで1回洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して所望の生成物を得、これをさらに精製することなく次の工程にかけた。
乾燥MeOH(450mL)中の対応するニトロアルカン(100mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、0℃で、NiCl.6HO(1当量、100mmol、27.3g)を加えた後、激しいHの発生を避けるために、NaBH(5当量、500mmol、18.9g)を少しずつ加えた。NaBHを加える際は、反応の発熱性が高く、水素ガスが発生するので注意すること。反応混合物を25℃で1時間撹拌し、飽和NaHCO水溶液を加えてクエンチした。混合物をセライトのパッドに通して濾過し、濾液を減圧濃縮し、得られた残渣を水で希釈した。水層をDCMで3回抽出し、合わせた有機層をブラインで1回洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH=100:0:0~100:3:0~100:3:1~100:5:1~100:10:1~100:15:1)により精製して、所望の生成物を白色固体として得た(11.7g、3工程で収率32%)。LRMS (ESI) m/z [C19H30N3O4]+の計算値:364.2 実測値:364.3。
tert-ブチル2-オキソ-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボキシレート(33):
Figure 2024518842000062
0℃のDCM(133mL)中のtert-ブチル4-(アミノメチル)-4-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)ピペリジン-1-カルボキシレート(14.5g、40mmol)の攪拌溶液に、EtN(0.8当量、32mmol、4.4mL)および2-ブロモ酢酸エチル(0.7当量、28mmol、3.1mL)を加えた。反応混合物を25℃で2時間撹拌し、飽和NaHCO水溶液で希釈した。水層をEtOAcで3回抽出し、合わせた有機層をブラインで1回洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、不純な所望の生成物を得、これをさらに精製することなく次の工程にかけた。
iPrOH(400mL)中の対応するCbz保護アミン(40mmol)の撹拌溶液に、Pd/C(5mol%、2mmol、2.1g、10重量%)およびギ酸アンモニウム(6当量、240mmol、15g)を少しずつ加えた。反応混合物を80℃で4時間撹拌し、25℃に冷却し、セライトのパッドに通して濾過し、減圧濃縮した。得られた残渣をDCMに溶解し、有機層を水で1回、ブラインで1回洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100:5~100:8~100:10~100:15)により精製して、所望の生成物を白色固体として得た(4.14g、2工程で収率55%)。LRMS (ESI) m/z C26H47N6O6]+= [2M+H]+の計算値:539.4 実測値:539.4。
N-ベンジル-6-(4-(6-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-3-イル)-1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-イル)ピリミジン-4-アミン(7):
Figure 2024518842000063
対応するBoc保護アミンを、Buchwald-Hartwigカップリングの一般的手順に従って得た(クロマトグラフィー:EtOAc/ヘプタン=7:3~9:1~EtOAc/MeOH=100:0~100:1~100:5)。不純な所望の生成物を、さらに精製することなく次の工程にかけた。
対応するアミンを、Boc基脱保護の一般的手順に従って得た。蒸発後、粗残渣をアセトン中で粉砕し、得られた沈殿物を濾過し、アセトンで洗浄し、乾燥して不純な所望の生成物を得、これをさらに精製することなく次の工程にかけた。
iPrOH(0.3M)中の対応するアミン(1当量)の撹拌溶液に、29(1.5当量)およびEtN(4当量)を加えた。反応混合物を、マイクロ波中、150℃で8時間撹拌し、減圧濃縮した。反応物を水で希釈し、水層をDCMで3回抽出した。合わせた有機層を水で5回、ブラインで1回洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100:5~100:8~100:10~100:13~100:20)により精製して、所望の生成物を褐色固体として得た(3工程で収率6%)。融点:61~62℃;HRMS (ESI): m/z: [C32H44N7O]+ の計算値:542.3607 実測値:542.3602。
N-ベンジル-6-クロロピリミジン-4-アミン(29):
Figure 2024518842000064
iPrOH(100mL)中の4,6-ジクロロ-ピリミジン(5g、33.6mmol)の撹拌溶液に、ベンジルアミン(1.2当量、40.3mmol、4.4mL)およびEtN(1.2当量、40.3mmol、5.59mL)を加えた。反応混合物を25℃で3日間撹拌し、減圧濃縮した。粗残渣を水中で粉砕し、濾過し、乾燥して、所望の生成物をベージュ色の固体として得た(7.21g、収率98%)。LRMS (ESI) m/z [C11H11ClN3]+の計算値:220.1 実測値:220.1。
9-(6-(ベンジルアミノ)ピリミジン-4-イル)-4-(6-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-3-イル)-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-2-オン(8):
Figure 2024518842000065
化合物8を、クロロピリミジン誘導体を用いたSArの一般的手順に従って得た(クロマトグラフィー:DCM/MeOH=100:5~100:10~100:15~100:20~100:30)。得られた不純な生成物をジエチルエーテル中で粉砕し、濾過し、エーテルで2回、水で1回、およびエーテルで1回洗浄して、所望の生成物を白色固体として得た(14mg、収率25%)。融点:208~209℃;HRMS (ESI): m/z:[C32H43N8O]+ の計算値:555.3560 実測値:555.3554。
9-(6-(ベンジルアミノ)ピリミジン-4-イル)-4-(4-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-2-オン(9):
Figure 2024518842000066
対応するクロロピリミジンを、4,6-ジクロロピリミジンを用いたSArの一般的手順に従って得た。クロマトグラフィーの代わりに、蒸発後、粗残渣を水中で粉砕し、濾過し、水で1回洗浄した。得られた粘着性固体をMeOHに溶解し、減圧濃縮して所望の生成物を得、これをさらに精製することなく次の工程にかけた。
化合物9を、クロロピリミジン誘導体を用いたSArの一般的手順に従って得た(クロマトグラフィー:DCM/MeOH=20分で100:0~100:8、10分間にわたり100:8、10分で100:8~100:10)。得られた不純な生成物を水中で粉砕し、濾過し、水で1回洗浄して、所望の生成物を淡黄色固体として得た(2工程で収率5%)。融点:228~231℃;HRMS (ESI): m/z: [C33H44N7O]+の計算値:554.3607 実測値:554.3602。
4-(4-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-9-(6-(メチルアミノ)ピリミジン-4-イル)-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-2-オン(10):
Figure 2024518842000067
対応するクロロピリミジンバッチは、化合物9に使用したものと同じであった。
化合物10を、クロロピリミジン誘導体を用いたSArの一般的手順に従って得た(クロマトグラフィー:DCM/MeOH=20分で100:0~100:12、10分間にわたり100:12、10分で100:12~100:15、10分間にわたり100:15)。白色固形(2工程で収率3%)。融点:235~236℃;HRMS (ESI): m/z: [C27H40N7O]+計算値:478.3294 実測値:478.3289。
4-(4-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-9-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-2-オン(17):
Figure 2024518842000068
乾燥THF(700μL)中の36(100mg、0.21mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下で、4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(1当量、0.21mmol、32mg)を加えた。窒素ガスを2分間にわたり反応物に通してバブリングし、Ruphos Pd G4(5mol%、0.011mmol、8.9mg)、Ruphos(5mol%、0.011mmol、5.1mg)およびLiHMDS(6.6当量、1.39mmol、1.39mL、1M THF)を加えた。反応混合物を65℃で4時間撹拌し、25℃に冷却し、減圧濃縮した。粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100:3~100:5~100:8~100:10~100:15)により精製して、所望の生成物を黄色固体として得た(37mg、収率36%)。融点:250~252℃;HRMS (ESI): m/z: [C28H38N7O]+の計算値:488.3138.実測値:488.3132。
9-(2-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-4-(4-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-2-オン(19):
Figure 2024518842000069
iPrOH(1mL)中の36(100mg、0.21mmol)の撹拌溶液に、2,4-ジクロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(1.2当量、0.25mmol、47mg)およびEtN(4当量、0.84mmol、116μL)を加えた。反応混合物を100℃で3時間、さらに130℃で3時間、ともにマイクロ波中で撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、粗残渣を水中で粉砕した。得られた沈殿物を濾過し、水洗し、乾燥して所望の不純生成物を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=15分で100:0~100:10、10分間にわたり100:10)によりさらに精製して、所望の生成物をベージュ色の固体として得た(46mg、収率42%)。融点:199~201℃;HRMS (ESI): m/z: [C28H37ClN7O]+の計算値:522.2748 実測値:522.2731。
9-(6-(シクロプロピルアミノ)ピリミジン-4-イル)-4-(4-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-2-オン(16):
Figure 2024518842000070
化合物16を、クロロピリミジン誘導体を用いたSArの一般的手順に従って得た(クロマトグラフィー:DCM/MeOH=15分で100:0~100:10、10分間にわたり100:10、15分で100:10~100:15)。褐色固体(収率25%)。融点:172~174℃;HRMS (ESI): m/z: [C29H42N7O]+の計算値:504.3451 実測値:504.3445。
4-(4-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-9-(6-(イソプロピルアミノ)ピリミジン-4-イル)-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-2-オン(15):
Figure 2024518842000071
化合物15を、クロロピリミジン誘導体を用いたSArの一般的手順に従って得た(クロマトグラフィー:DCM/MeOH=15分で100:0~100:8、10分間にわたり100:8、10分で100:8~100:10)。ベージュ色の固体(収率52%)。融点:175~176℃;HRMS (ESI): m/z: [C29H44N7O]+の計算値:506.3607 実測値:506.3602。
1-(4-ブロモベンジル)-4,4-ジメチルピペリジン(23):
Figure 2024518842000072
中間体23を、ジメチルピペリジンのアルキル化の一般的手順に従って得た(クロマトグラフィー:EtOAc/ヘプタン=0:10~3:7)。黄色オイル、収率99%。LRMS (ESI) m/z [C14H21BrN]+の計算値:282.1 実測値:282.1。
5-クロロ-2-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン(26):
Figure 2024518842000073
DCM(40mL)中の(5-クロロピリジン-2-イル)メタノール(2.43g、17mmol)の撹拌溶液に、SOCl(1.5当量、25.5mmol、1.85mL)およびDMF(1滴)を加えた。反応混合物を25℃で2時間撹拌し、減圧濃縮してクロロアルカンを得、これをさらに精製することなく次の工程にかけた。
中間体26をジメチルピペリジンのアルキル化の一般的手順に従って得たが、反応混合物を70℃で3時間撹拌した(カラムクロマトグラフィー:EtOAc/ヘプタン=1:9~3:7)。黄色固体、2工程で収率86%。LRMS (ESI) m/z [C13H20ClN2]+の計算値:239.1 実測値:239.2。
9-(6-クロロピリミジン-4-イル)-4-(6-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-3-イル)-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-2-オン(34):
Figure 2024518842000074
対応するBoc保護アミンを、Buchwald-Hartwigカップリングの一般的手順に従って得た(クロマトグラフィー:DCM/MeOH=100:2~100:5~100:8~100:12~100:15~100:20)。不純な所望の生成物を、さらに精製することなく次の工程にかけた。
対応するアミンを、Boc基脱保護の一般的手順に従って得た。蒸発後、粗残渣をアセトン中で粉砕し、得られた沈殿物を濾過し、アセトンで洗浄し、乾燥して不純な所望の生成物を得、これをさらに精製することなく次の工程にかけた。
中間体34を、4,6-ジクロロピリミジンを用いたSArの一般的手順に従って得て(カラムクロマトグラフィー:DCM/MeOH=100:2~100:5~100:8~100:10~100:15~100:20)、所望の生成物を黄色固体として得た(123mg、3工程で収率27%)。LRMS (ESI) m/z [C25H35ClN7O]+の計算値:484.3 実測値:484.3。
tert-ブチル4-(4-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-2-オキソ-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボキシレート(35):
Figure 2024518842000075
中間体35を、Buchwald-Hartwigカップリングの一般的手順に従って得た(クロマトグラフィー:DCM/MeOH=100:5~100:8~100:12~100:20)。ベージュ色の固体、収率93%。
4-(4-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-2-オン塩酸塩(36):
Figure 2024518842000076
中間体36を、Boc基脱保護の一般的手順に従って得た。蒸発後、粗残渣をアセトン中で粉砕し、得られた沈殿物を濾過し、アセトンで洗浄し、乾燥して、所望の生成物をベージュ色の固体として得た(中間体32からの2工程で収率50%)。LRMS (ESI) m/z [C22H35N4O]+計算値:371.3 実測値:371.3。
9-(6-クロロピリミジン-4-イル)-4-(4-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-2-オン(37):
Figure 2024518842000077
中間体37を、4,6-ジクロロピリミジンを用いたSArの一般的手順に従って得た。クロマトグラフィーの代わりに、粗混合物を蒸発させた後、残渣を水中で粉砕した。得られた沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥して、所望の生成物を褐色固体として得た(収率63%)。LRMS (ESI) m/z [C26H36ClN6O]+の計算値:483.3 実測値:483.3。
4-(4-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)-2-フルオロフェニル)-9-(6-(メチルアミノ)ピリミジン-4-イル)-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-2-オン(20):
Figure 2024518842000078
化合物20を、クロロピリミジン誘導体を用いたSArの一般的手順に従って得た(クロマトグラフィー:DCM/MeOH=20分で100:0~100:8、15分間にわたり100:8)。白色固体(収率47%)。融点:202~204℃;HRMS (ESI): m/z: [C27H39FN7O]+計算値:496.3200 実測値:496.3195。
4-(4-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)-3-フルオロフェニル)-9-(6-(メチルアミノ)ピリミジン-4-イル)-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-2-オン(21):
Figure 2024518842000079
化合物21を、クロロピリミジン誘導体を用いたSArの一般的手順に従って得た(クロマトグラフィー:DCM/MeOH=20分で100:0~100:8、5分間にわたり100:8、10分で100:8~100:12、5分間にわたり100:12)。黄色固体、収率69%。融点:210~211℃;HRMS (ESI): m/z: [C27H39FN7O]+計算値:496.3200 実測値:496.3195。
4-(4-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)-2,5-ジフルオロフェニル)-9-(6-(メチルアミノ)ピリミジン-4-イル)-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-2-オン(22、UZH2):
Figure 2024518842000080
対応するBoc保護アミンを、Buchwald-Hartwigカップリングの一般的手順に従って得た(クロマトグラフィー:DCM/MeOH=100:3~100:5~100:8)。不純な所望の生成物を、さらに精製することなく次の工程にかけた。
対応するアミンを、Boc基脱保護の一般的手順に従って得た。不純な所望の生成物を、さらに精製することなく次の工程にかけた。
対応するクロロピリミジンを、4,6-ジクロロピリミジンを用いたSArの一般的手順に従って得た。不純な所望の生成物を、さらに精製することなく次の工程にかけた。
UZH2を、クロロピリミジン誘導体を用いたSArの一般的手順に従って得た(クロマトグラフィー:DCM/MeOH=15分で100:0~100:10、10分間にわたり100:10、10分で100:10~100:12)。白色固体、4工程で収率56%。融点:214~216;HRMS (ESI): m/z: [C27H38F2N7O]+計算値:514.3106 実測値: 514.3100。
1-(4-ブロモ-3-フルオロベンジル)-4,4-ジメチルピペリジン(47):
Figure 2024518842000081
中間体47を、ジメチルピペリジンのアルキル化の一般的手順に従って得た(カラムクロマトグラフィー:EtOAc/ヘプタン=1:9)。無色オイル、収率98%。LRMS (ESI) m/z [C14H20BrFN]+計算値:300.1 実測値:300.1。
9-(6-クロロピリミジン-4-イル)-4-(4-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)-2-フルオロフェニル)-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-2-オン(48):
Figure 2024518842000082
対応するBoc保護アミンを、Buchwald-Hartwigカップリングの一般的手順に従って得た(クロマトグラフィー:DCM/MeOH=100:3~100:5~100:8)。不純な所望の生成物を、さらに精製することなく次の工程にかけた。
対応するアミンを、Boc基脱保護の一般的手順に従って得た。不純な所望の生成物を、さらに精製することなく次の工程にかけた。
中間体48を、4,6-ジクロロピリミジンを用いたSArの一般的手順に従って得て(カラムクロマトグラフィー:DCM/MeOH=100:3~100:5~100:8~100:10)、所望の生成物を白色固体として得た(3工程で収率15%)。LRMS (ESI) m/z [C26H35ClFN6O]+計算値:501.3 実測値:501.3。
1-(4-ブロモ-2-フルオロベンジル)-4,4-ジメチルピペリジン(49):
Figure 2024518842000083
中間体49を、ジメチルピペリジンのアルキル化の一般的手順に従って得た。無色液体、収率99%。LRMS (ESI) m/z [C14H20BrFN]+ 計算値:300.1 実測値:300.1。
tert-ブチル4-(4-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)-3-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボキシレート(50):
Figure 2024518842000084
中間体50を、Buchwald-Hartwigカップリングの一般的手順に従って得た(クロマトグラフィー:DCM/MeOH=100:5~100:8~100:12~100:16)。褐色固体(収率83%)。LRMS (ESI) m/z [C27H42FN4O3]+計算値:489.3 実測値:489.4。
9-(6-クロロピリミジン-4-イル)-4-(4-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)-3-フルオロフェニル)-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-2-オン(51):
Figure 2024518842000085
対応するアミンを、Boc基脱保護の一般的手順に従って得た。不純な所望の生成物を、さらに精製することなく次の工程にかけた。
中間体51を、4,6-ジクロロピリミジンを用いたSArの一般的手順に従って得た。クロマトグラフィーの代わりに、粗混合物を蒸発させた後、残渣を水中で粉砕した。得られた沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥して、所望の生成物を褐色固体として得た(2工程で収率58%)。LRMS (ESI) m/z [C26H35ClFN6O]+計算値:501.3 実測値:501.3。
1-(4-ブロモ-2,5-ジフルオロベンジル)-4,4-ジメチルピペリジン(52):
Figure 2024518842000086
乾燥THF(10mL)中の4-ブロモ-2,5-ジフルオロ安息香酸(1g、4.2mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下で、BH.SMe(2当量、8.4mmol、4.2mL、2M THF)を加えた。反応混合物を25℃で17時間撹拌し、0℃に冷却し、飽和NaCO水溶液を加えてクエンチした。水層をEtOAcで3回抽出し、合わせた有機層をブラインで1回洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮して、所望の生成物を褐色固体として得た(789mg、収率83%)。
DCM(10mL)中の対応するアルコール(789mg、3.54mmol)の撹拌溶液に、SOCl(1.5当量、5.3mmol、385μL)およびDMF(1滴)を加えた。反応混合物を25℃で3時間撹拌し、減圧濃縮して所望のクロロアルカンを得、これをさらに精製することなく次の工程にかけた。
ジメチルホルムアミド(5mL)中の対応するクロロアルカン(425mg、1.76mmol)の撹拌溶液に、4,4-ジメチルピペリジン塩酸塩(1当量、1.76mmol、263mg)およびKCO(2当量、3.52mmol、486mg)を加えた。反応混合物を25℃で3日間撹拌し、減圧濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン=3:100~10:100)により精製して、所望の生成物を無色液体として得た(514mg、92%)。LRMS (ESI) m/z [C14H19BrF2N]+計算値:318.1 実測値:318.1。
8-(4-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-2-(6-(メチルアミノ)ピリミジン-4-イル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6-オン(11):
Figure 2024518842000087
対応するBoc保護アミンを、Buchwald-Hartwigカップリングの一般的手順に従って得た(クロマトグラフィー:DCM/MeOH=100:5~100:8~100:11~100:15)。不純な所望の生成物を、さらに精製することなく次の工程にかけた。
対応するアミンを、Boc基脱保護の一般的手順に従って得た。不純な所望の生成物を、さらに精製することなく次の工程にかけた。
対応するクロロピリミジンを、4,6-ジクロロピリミジンを用いたSArの一般的手順に従って得た。依然として40の誘導体の不純物が存在していたため、7当量のピリミジンおよび7当量のEtNを使用し、反応物をマイクロ波中、80℃で7時間加熱した。不純な所望の生成物を、さらに精製することなく次の工程にかけた。
化合物11を、クロロピリミジン誘導体を用いたSArの一般的手順に従って得た(クロマトグラフィー:DCM/MeOH=15分で100:0~100:10、5分間にわたり100:10、5分で100:10~100:13、5分間にわたり100:13)。黄色固体、4工程で収率19%。融点:分解;HRMS (ESI): m/z: [C25H36N7O]+計算値:450.2981 実測値:450.2976。
tert-ブチル3-アミノ-3-(ニトロメチル)アゼチジン-1-カルボキシレート(38):
Figure 2024518842000088
EtOH(31mL)中のtert-ブチル3-オキソアゼチジン-1-カルボキシレート(10.65g、62mmol)の撹拌溶液に、MeNO(13mL)およびKCO(1mol%、0.62mmol、86mg)を加えた。反応混合物を25℃で17時間撹拌し、濾過した。濾液を減圧濃縮して所望の生成物を得、これをさらに精製することなく次の工程にかけた。
乾燥DCM(250mL)中の対応するアルコール(62mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、-78℃に冷却して、DAST(1.2当量、74.4mmol、9.8mL)を滴下して加えた。冷却浴を除去し、反応混合物を3時間撹拌し、0℃に冷却し、飽和NaHCO水溶液を加えて徐々にクエンチした。水層をDCMで3回抽出し、ブラインで1回洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して所望の生成物を得、これをさらに精製することなく次の工程にかけた。
対応するニトロメチレン(62mmol)をアンモニア(17.7mL、MeOH中7N)に溶解し、反応混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮して、所望の生成物を橙色固体として得た(15.67g、3工程にわたり定量的収率)。
tert-ブチル3-(アミノメチル)-3-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)アゼチジン-1-カルボキシレート(39):
Figure 2024518842000089
ジクロロメタン(100mL)中の38(62mmol)の撹拌溶液に、水(100mL)中のNaHCO(2当量、124mmol、10.42g)の溶液を加えた。反応混合物を0℃に冷却し、CbzCl(1当量、62mmol、8.8mL)を滴下して加えた。反応混合物を25℃で17時間撹拌し、2つの相を分離した。水層をDCMで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで1回洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して所望の生成物を得、これをさらに精製することなく次の工程にかけた。
乾燥MeOH(300mL)中の対応するニトロアルカン(62mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、0℃で、NiCl.6HO(1当量、62mmol、16.9g)を加えた後、激しいHの発生を避けるために、NaBH(5当量、310mmol、11.7g)を少しずつ加えた。NaBHを加える際は、反応の発熱性が高く、水素ガスが発生するので注意すること。反応混合物を25℃で1時間撹拌し、飽和NaHCO水溶液を加えてクエンチした。混合物をセライトのパッドに通して濾過し、濾液を減圧濃縮し、得られた残渣をブラインおよび飽和NaCO水溶液で希釈した。水層をDCMで3回抽出し、合わせた有機層をブラインで1回洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH=100:3:0~100:3:1~100:5:1~100:8:1~100:12:1~100:20:1)により精製して、所望の生成物を白色固体として得た(11.3g、2工程で収率54%)。LRMS (ESI) m/z [C34H51N6O8]+= [2M+H]+ 計算値:671.4 実測値:671.4。
tert-ブチル6-オキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレート(40):
Figure 2024518842000090
0℃のDCM(110mL)中の39(11.3g、33.7mmol)の撹拌溶液に、EtN(1当量、33.7mmol、4.7mL)および2-ブロモ酢酸エチル(1当量、33.7mmol、3.7mL)を加えた。反応混合物を25℃で17時間撹拌し、飽和NaHCO水溶液で希釈した。水層をDCMで3回抽出し、合わせた有機層を水で1回、ブラインで1回洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して不純な所望の生成物(12.4g、29mmol)を得、これをさらに精製することなく次の工程にかけた。
iPrOH(240mL)中の対応するCbz保護アミン(29mmol)の撹拌溶液に、Pd/C(5mol%、1.5mmol、1.6g、10重量%)およびギ酸アンモニウム(6当量、174mmol、11g)を少しずつ加えた。反応混合物を80℃で4時間撹拌し、25℃に冷却し、セライトのパッドに通して濾過し、減圧濃縮した。得られた残渣をDCMと水に分配し、2つの相を分離し、水層をDCMで3回抽出した。合わせた有機層を水で1回、ブラインで1回洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100:5~100:8~100:10~100:15~100:20)により精製して、所望の生成物を白色固体として得た(2.6g、2工程で収率32%)。LRMS (ESI) m/z [C7H12N3O3]+= [M-tBu+2H]+ 計算値:186.1 実測値:186.2。
4-(4-((4-フルオロ-4-メチルピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-9-(6-(メチルアミノ)ピリミジン-4-イル)-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-2-オン(53):
Figure 2024518842000091
化合物53を、クロロピリミジン誘導体を用いたSArの一般的手順に従って得た(クロマトグラフィー:DCM/MeOH=20分で100:0~100:7、5分間にわたり100:7、5分で100:7~100:8、10分間にわたり100:8)。淡黄色固体、収率53%。融点:203~205℃;HRMS (ESI): m/z: [C26H37FN7O]+計算値:482.3044 実測値:482.3038。
9-(6-クロロピリミジン-4-イル)-4-(4-((4-フルオロ-4-メチルピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-2-オン(54)
Figure 2024518842000092
対応するBoc保護アミンを、Buchwald-Hartwigカップリングの一般的手順に従って得た(クロマトグラフィー:EtOAc/ヘプタン=7:3~9:1~EtOAc/MeOH=100:3~100:5~100:8~100:10)。不純な所望の生成物を、さらに精製することなく次の工程にかけた。
対応するアミンを、Boc基脱保護の一般的手順に従って得た。不純な所望の生成物を、さらに精製することなく次の工程にかけた。
中間体54を、4,6-ジクロロピリミジンを用いたSArの一般的手順に従って得て(カラムクロマトグラフィー:DCM/MeOH=100:3~100:5~100:8)、所望の生成物を白色固体として得た(3工程で収率12%)。
1-(4-ブロモベンジル)-4-フルオロ-4-メチルピペリジン(55):
Figure 2024518842000093
0℃の乾燥DCM(7mL)中のtert-ブチル4-ヒドロキシ-4-メチルピペリジン-1-カルボキシレート(500mg、2.32mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下で、DAST(1.5当量、3.48mmol、460μL)を加えた。混合物を25℃で3時間撹拌し、飽和NaHCO水溶液を加えてクエンチした。2つの相を分離し、水層をDCMで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して所望の生成物を得、これをさらに精製することなく次の工程にかけた。
対応するアミンを、Boc基脱保護の一般的手順に従って得た。不純な所望の生成物を、さらに精製することなく次の工程にかけた。
中間体55を、ジメチルピペリジンのアルキル化の一般的手順に従って得た。(カラムクロマトグラフィー:EtOAc/ヘプタン=1:9~3:7~1:1)。黄色オイル、3工程で収率77%。
4-(4-((4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-9-(1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-2-オン(56):
Figure 2024518842000094
iPrOH(1.5mL)中の36(150mg、0.31mmol)の撹拌溶液に、2,4-ジクロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(1.2当量、0.38mmol、58mg)およびEtN(4当量、1.24mmol、172μL)を加えた。反応混合物を50℃で3時間、さらに70℃で2時間、ともにマイクロ波中で撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、粗残渣を水中で粉砕した。得られた沈殿物を濾過し、水洗し、DCMで洗浄し、乾燥して所望の不純な生成物を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=20分で100:0~100:10、10分間にわたり100:10)によりさらに精製して、所望の生成物を黄色固体として得た(33mg、収率22%)。融点:252~254℃;HRMS (ESI): m/z: [C27H37N8O]+計算値:489.3090 実測値:489.3085。
Figure 2024518842000095
Figure 2024518842000096
Figure 2024518842000097




Claims (22)

  1. 一般式(A)の化合物
    Figure 2024518842000098
    [式中、
    -NR3132は、
    Figure 2024518842000099
    から選択され;
    -各Rは、F、Cl、CF、CHF、CHFを含む群から独立して選択され、特に、各RはFであり;
    -nは、0、1、2、3および4から選択される整数であり、特に、nは、0、1および2から選択される整数であり、さらに特に、nは2であり;
    -ハンドルは、3~10個の原子質量≧12の原子(C、N、O、S)、特に、4~8個の原子質量≧12の原子を含むか、または実質的にそれからなる接続部分であり;
    -リンカーは、3~50個の原子質量≧12の原子、特に、4~30個の原子質量≧12の原子、さらに特に、5~20個の原子質量≧12の原子を含むか、または実質的にそれからなるリンカー部分であり;
    -E3リガーゼバインダーは、E3リガーゼに特異的に結合する部分である]。
  2. E3リガーゼバインダーが式(B)で表される、請求項1に記載の化合物:
    Figure 2024518842000100
    [式中:
    -OxはCHまたはC=Oであり;
    -Tは、F、Clを含む群から選択され、特に、TはFであり;
    -kは、0、1、2を含む群、特に、0、1を含む群から選択される整数であり、さらに特に、kは0であり;

    Figure 2024518842000101
    は、リンカーへの結合を示す]。
  3. kが0である、請求項2に記載の化合物。
  4. ハンドルが、アルキル、アミン、フェニルおよびカルボニルを含む群から選択される1、2、3または4つの化学部分を含むか、または実質的にそれからなる、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. ハンドルが、以下の式を含む群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物:
    Figure 2024518842000102
    [式中:
    -Midは、C-Cアルキルおよびフェニルを含む群から選択される]。
  6. ハンドルが、以下の式:
    Figure 2024518842000103
    を含む群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. リンカーが、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキレン、アルキリン、エチレングリコール、カルボニル、エーテル、エステル、アミン、アミド、スルホンアミドを含む群から独立して選択される1、2、3、4、5、6または7つの化学部分を含むか、または実質的にそれからなり、該化学部分が、それぞれ独立して、非置換であるか、またはC-Cアルキル、ハロゲン、CN、NO、ヒドロキシル、アミン、硫酸塩、リン酸塩および/またはカルボキシルで置換されており;
    特に、リンカーが、アルキル、エチレングリコール、カルボニル、ピペラジン、アリール、アミン、トリアゾールを含む群から選択される1、2、3または4つの化学部分を含むか、または実質的にそれからなる、
    請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. リンカーが、以下の式を含む群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物:
    Figure 2024518842000104
    [式中:
    -Linは、C-C20アルキル、C-C20アルキル-トリアゾール、オリゴ(エチレングリコール)を含む群から選択される]。
  9. リンカーが、以下の式を含む群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物:
    Figure 2024518842000105
    [式中:
    -pは、2、3、4、5から選択され;
    -qは、7、8、9、10、11、12、13から選択され;
    -rは、11、12、13、14、15、16、17から選択され;
    -sは、7、8、9、10、11、12、13から選択され;
    -tは、3、4、5、6、7、8、9から選択され;
    -uは、7、8、9、10、11、12、13から選択される]。
  10. リンカーが、ペプチド、特に、タンパク質構成アミノ酸からなるペプチドである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
  11. 請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物であって、
    -E3リガーゼバインダーが、請求項2で定義した式(B)で表されり;そして
    -ハンドルが、請求項6の定義を有し;そして
    -リンカーが、請求項9の定義を有する、
    前記化合物。
  12. 化合物が、以下の定義のハンドル、リンカーおよびE3リガーゼバインダーを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物:
    Figure 2024518842000106
    Figure 2024518842000107
  13. NR3132
    Figure 2024518842000108
    である、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
  14. NR3132
    Figure 2024518842000109
    である、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
  15. NR3132
    Figure 2024518842000110
    であり、特に、NR3132
    Figure 2024518842000111
    である、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
  16. 一般式(U)の化合物
    Figure 2024518842000112
    [式中:
    -NR3132
    Figure 2024518842000113
    から選択され;
    -Rは、F、Cl、CF、CHF、CHFを含む群から選択され、特に、RはFであり;
    -nは、0、1、2、3および4から選択される整数であり、特に、nは、0、1および2から選択される整数であり、さらに特に、nは2であり;
    -Rは、アルキル、アルキルアリール、ヘテロアルキルアリール、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環から選択され、
    特に、Rは、アルキル、アルキルアリールおよびシクロアルキルから選択され、さらに特に、Rは、メチルおよびメチルフェニルから選択される]。
  17. NR3132
    Figure 2024518842000114
    である、請求項16に記載の化合物。
  18. NR3132
    Figure 2024518842000115
    である、請求項16に記載の化合物。
  19. NR3132
    Figure 2024518842000116
    であり、特に、NR3132
    Figure 2024518842000117
    である、請求項16に記載の化合物。
  20. 医薬として使用するための、請求項1~19のいずれかに記載の化合物。
  21. がんの治療に使用するための、請求項1~19のいずれかに記載の化合物。
  22. 前記がんが、腎がん、乳がん、急性骨髄性白血病、肝細胞がん、および肺腺がんを含む群から選択される、請求項21に記載の使用のための化合物。




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