JP2024517212A - 中等症から重症の骨形成不全症の処置 - Google Patents

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Abstract

本開示は、トランスフォーミング増殖因子ベータ(TGFβ)を結合しかつ中和する作用剤の治療有効量を対象に投与することによって、対象における中等症から重症の骨形成不全症(OI)を処置および改善するための方法を提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年5月7日出願の米国仮特許出願第63/185,967号の優先権を主張するものである。この優先権出願の開示は、その全体を参照によって本明細書に組み入れる。
政府の資金援助
本発明は、国立衛生研究所によって授与された助成金AR068069の下に政府支援によりなされたものである。米国政府は、本発明に対して一定の権利を有する。
配列表
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出している配列表を含み、参照によってその全体を本明細書に組み入れる。2022年5月3日に作成された前記ASCIIのコピーは、022548_WO026_SL.txtと命名され、17,875バイトのサイズである。
共同研究契約
本研究は、Sanofi Genzymeとの研究契約によって支援されたものである。
骨形成不全症(OI)は、結合障害の遺伝的にも表現型的にも不均一なメンデル遺伝病であり、この遺伝病は10,000~20,000人の出生で1人の推定有病率である。OIの骨格系症状には、低骨量、骨の脆弱性、再発性骨折、側弯症、および骨変形が含まれる。骨格外症状には、筋肉量の低下、筋力低下、象牙形成不全症、難聴、および肺疾患が含まれる(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6;非特許文献7;非特許文献8)。OIの個体の管理には通常、集学的アプローチが伴う。OI骨脆弱性の基幹となる療法には、骨粗鬆症の処置に使用される医薬の転用が伴う(非特許文献9;非特許文献10;非特許文献11;非特許文献12;非特許文献13;非特許文献14;非特許文献15;非特許文献16;非特許文献17)。
骨リモデリングを低下させる骨吸収抑制薬のクラスであるビスホスホネート(BPN)は、とりわけ小児OIにおいて標準治療となってきた。児童では、BPNは、面積骨密度および体積骨密度(aBMDおよびvBMD)、側弯症の進行、生活の質、および一部の研究では骨折発生率に対して有益な効果を有することが示されてきた(非特許文献18;非特許文献14;非特許文献19;非特許文献20)。しかし、OIの不均一性および臨床試験計画のばらつきを考慮すると、BPNの効果は一致していない。成人では、ビスホスホネートによる長期処置の利益および帰結はあまり確かではない(非特許文献9;非特許文献21)。加えて、OIの成人が関与するランダム化試験では、同化剤であるテリパラチドを用いる処置により、軽症型(OIのタイプI)の個体ではaBMDおよびvBMDの向上がもたらされたが、中等症型から重症型の障害(OIのタイプIIIおよびタイプIV)ではもたらされなかった。さらに、転用されたこういった療法はいずれも、OIにおける特定の発症メカニズムに対処するものではなく、したがって、骨格外症状に対して効果がまったくない。
Marini、Nat Rev Dis Primers(2017)3:17052頁 Maromら、Am J Med Genet C Semin Med Genet.(2016)172(4):367~83頁 Patelら、Clin Gen.(2015)87(2):133~40頁 Rossiら、Curr Opin Pediatr.(2019)31(6):708~15頁 Tamら、Clin Gen.(2018)94(6):502~11頁 DiMeglioら J Bone Miner Res.(2006)21:132~40頁 Gattiら、J Bone Miner Res.(2005)20(5):758~63頁 Gattiら、Calcified Tissue Int.(2013)93(5):448~52頁 Adamiら、J Bone Miner Res.(2003)18(1):126~30頁 Bishopら、Ear Hum Dev.(2010)86(11):743~6頁 Chevrelら、J Bone Miner Res.(2006)21(2):300~6頁 Glorieuxら、NEJM(1998)339(14):947~52頁 Rauchら、J Bone Miner Res.(2009)24(7):1282~9頁 Rauchら、J Bone Miner Res.(2003)18(4):610~4頁 Orwollら、J Clin Invest(2014)124(2):491~8頁 Hoyer-Kuhnら、J Musculoskelet Neuronal Interact/(2016)16(1):24~32頁 Anissipourら、J Bone Joint Surg Am.(2014)96(3):237~43頁 Bishopら、Lancet(2013)382(9902):1424~32頁 Bainsら、JBMR Plus(2019)3(5):e10118 Rauchら、Bone(2007)40(2):274~80頁 Shiら、Am J Ther.(2016)23(3):e894~904頁
したがって、中等症型から重症型のOIを標的とする効果的な療法に対する満たされていない深刻なニーズが依然として存在する。
本開示は、それを必要とするヒト対象において骨形成不全症(OI)を処置するための方法であって、その対象に治療有効量の抗TGFβ抗体またはその抗原結合断片を投与することを含み、抗TGFβ抗体またはその抗原結合断片が、それぞれ、配列番号4~6を含む重鎖相補性決定領域(CDR)1~3、およびそれぞれ、配列番号7~9を含む軽鎖CDR1~3を含み、前記治療有効量が1~10mg/kgである方法を提供する。
一部の実施形態では、抗体または抗原結合断片は、配列番号10を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号11を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施形態では、抗体はヒトIgG定常領域および/またはヒトκ軽鎖定常領域を含む。ある特定の実施形態では、ヒトIgG定常領域はS228P突然変異(Eu付番)を含む。特定の実施形態では、抗体は、配列番号1を含む重鎖および配列番号2を含む軽鎖を含む。他の特定の実施形態では、抗体は、配列番号3を含む重鎖および配列番号2を含む軽鎖を含む。
一部の実施形態では、抗体は骨標的部分を含み、場合により骨標的部分はポリアルギニンペプチドである。一部の実施形態では、抗体は、例えば、抗体または抗原結合断片の、重鎖のN末端、もしくはC末端、もしくは両末端に、および/または軽鎖のC末端に、1つまたはそれ以上のポリアルギニンペプチドを含む。特定の実施形態では、ポリアルギニンペプチドはD10(配列番号14)である。
一部の実施形態では、OIは、中等症から重症のOIまたはタイプIVのOIである。一部の実施形態ではヒト対象は、成人患者(≧18歳)または小児患者(<18歳)である。一部の実施形態では、ヒト対象は、COL1A1遺伝子またはCOL1A2遺伝子に突然変異を有し、場合により、突然変異は、COL1A1遺伝子もしくはCOL1A2遺伝子のグリシン置換突然変異、またはCOL1A2遺伝子のバリン欠失である。
一部の実施形態では、投与は、骨ミネラル密度(BMD)、骨量密度(BV/TV)、全骨面(BS)、骨面密度(BS/BV)、骨梁数(Tb.N)、骨梁幅(Tb.Th)、骨梁中心距離(Tb.Sp)、および全骨量(Dens TV)からなる群から選択される骨パラメータを改善する。さらなる実施形態では、骨パラメータは、腰椎面積BMD(LS aBMD)であり、場合により、LS aBMDは、ベースラインレベルと比べて投与後に少なくとも1~10%で向上する。
一部の実施形態では、投与は、骨代謝回転および/または骨細胞密度を低下させ、場合により、骨代謝回転の低下は、血清CTXの低下または血清オステオカルシン(OCN)の上昇によって示される。
一部の実施形態では、投与する工程は毎月、2か月ごと、3か月ごと、6か月ごと、9か月ごと、または12か月ごとに、例えば、4mg/kgの用量で繰り返される。抗体または抗原結合断片は静脈内注入によって投与することができる。
一部の実施形態では、方法は、ビスホスホネート(例えば、アレンドロネート、パミドロネート、ゾレドロネート、およびリセドロネート)、副甲状腺ホルモン、カルシトニン、テリパラチド、または抗スクレロスチン剤のような別の治療薬を対象に投与することをさらに含む。
本明細書の処置方法において骨形成不全症の処置に使用するための、抗TGFβ抗体またはその抗原結合断片、および、本明細書の処置方法において骨形成不全症を処置するための医薬の製造における抗TGFβ抗体またはその抗原結合断片の使用も、本明細書で提供される。
本明細書の処置方法において骨形成不全症の処置に使用するための、抗TGFβ抗体またはその抗原結合断片を含む、製品(例えば、キット)も提供される。
その他の本発明の特徴、目的および利点は、以下の発明の詳細な説明において明らかである。しかし、詳細な説明は、本発明の実施形態および態様を指示するものの、例示のためにのみ与えられており、限定するものでないことを理解されたい。本発明の範囲内の様々な変更および改変は、詳細な説明から当業者には明らかになるであろう。
組織学、RNA、およびタンパク質研究向けのヒト骨標本プロセシングを示す図である。パネルA:骨標本を2層液体窒素に浸漬し、電動ドリルにより微粉砕したことを示す骨標本微粉砕環境の例示。パネルB:プロセシング前の骨標本の画像を右上隅に示す。微粉砕後、乳棒の底の骨粉を液体窒素中で採取した。微粉砕領域のすぐ隣の2~3mmの領域を組織学および免疫化学向けに処理した。 OIのタイプIIIの個体および非罹患対照の骨組織学を示す図である。パネルA:採取された骨標本のH&E染色組織切片の全部の画像。非罹患個体からの標本の大部分は皮質骨であった。OIのタイプIIIの標本はより不均一であった。大部分は皮質骨であったが、2つの標本(OI62およびOI83)は骨梁骨のみを含有した。1件の標本(OI41)は線維性軟骨を有し、1件の標本(OI35)は仮骨および骨梁骨を含有した。スケールバー:200μm。パネルB:非罹患対照骨およびOIのタイプIII骨の代表的なより高倍率(10×)H&E染色画像。対照骨では、よく組織化されたハバース管系が観察され、一方、OIのタイプIII骨は、ほとんど組織化されていないハバース管を有する、より線維性の皮質骨を示し、いっそう球形の形状であるより多くの骨細胞が認められた。スケールバー:50μm。 図2-1の続き。 タイプIIIのOI骨における骨細胞密度の上昇を示す図である。非罹患対照(n=4)およびOIのタイプIII(n=10)における骨細胞密度の定量化。各ドットは、一個体の骨細胞密度を表す。平均値および標準偏差を図示する。 NanostringおよびRNA Sequenceのプラットフォームを使用した遺伝子の発現変化を示す図である。RNA-seqデータとNanoStringデータの両方とともに1件の非OI対照および1件のタイプIIIのOIを解析に含めた。NanoString品質管理を満たす155の遺伝子を、RNA-seq差次的発現データの検証に使用した。155の遺伝子のRNA-seqおよびNanoStringからの倍率変化の方向(非OI対照と比較して上昇または低下)を、赤色の上矢印(タイプIIIのOIで上昇)または青色の下矢印(タイプIIIのOIで低下)として提示する。紫色の背景:2つのプラットフォーム間で不一致の倍率変化の方向。白色の背景:2つのプラットフォーム間で一致した倍率変化の方向。一致率は92%である。 図4-1の続き。 図4-2の続き。 図4-3の続き。 図4-4の続き。 タイプIIIのOI骨におけるTGFβシグナル伝達の活性化を実証するトランスクリプトーム解析およびバイオインフォマティクス解析を表す図である。パネルAに、すべての対照およびOIのタイプIIIの主成分分析(PCA)プロットを3-PC次元で示す。パネルBに、すべての対照骨およびOIのタイプIII骨のデータのRPKMを使用したユークリッド距離に基づく階層的クラスタリングを示す。青色:下方制御されている;黄色:上方制御されている。パネルCに、TGFβシグナル伝達の活性化を実証した遺伝子セット濃縮プロットを示す。NES:正規化濃縮スコア。FDR:誤検出率。解析データベースに設定されたTGFβ遺伝子に関与する遺伝子の発現パターン。青色:下方制御されている。赤色:上方制御されている。C:対照。OI:OIのタイプIII。 図5-1の続き。 図5-2の続き。 タイプIIIのOI骨における濃縮倍率変化を伴う、有意に濃縮されたGene Ontology(GO)解析結果を示す図である。骨格プロセス、骨細胞、コラーゲン、および骨格関連の主要なシグナル伝達経路のカテゴリーに基づくPartek GO濃縮の結果を提供する。有意性は、P値<0.05によって定義した。 図6-1の続き。 図6-2の続き。 図6-3の続き。 図6-4の続き。 タイプIIIのOIおよび対照の転写プロファイルの上位20位の遺伝子セット濃縮アッセイ(GSEA)結果を示す図である。タイプIIIのOIにおけるまたは非OI対照における上位20の濃縮遺伝子セットを提供する。NES:正規化濃縮スコア。FDR q-val:誤検出率調整済みq-値。 図7-1の続き。 RPPA解析において有意に変化したタンパク質を示す図である。表に、タイプIIIのOI骨における公称P値<0.05に基づいて、有意に変化したタンパク質の完全なリストを示す。タンパク質発現レベルを、タンパク質アレイの正規化強度として提示する。 図8-1の続き。 OIのタイプIII骨におけるリン酸化SMAD2(pSMAD2)レベルの上昇を示す図である。パネルAに、対照およびOIのタイプIIIの骨切片におけるpSMAD2の免疫組織化学染色を示す。より高倍率の画像を右下の黒のボックスに示す。すべてのOIサンプル、特に骨細胞においてpSMAD2シグナルの上昇を検出した。スケールバー:20μm。パネルBに、対照骨およびOIのタイプIII骨から抽出されたタンパク質中のリン酸化SMAD2(p-SMAD2)および総SMAD2(T-SMAD2)のウェスタンブロットを示す。総タンパク質50μgをロードした。さらなるOI62サンプルを仔牛腸アルカリホスファターゼ(CIP)で処理してリン酸化シグナルを除去し、正確なpSMAD2シグナル(矢印で指示)のネガティブ対照として機能させた。パネルCに、(B)のウェスタンブロットの定量結果を示すが、リン酸化(ホスフォ)対総SMAD2の比として示す。GAPDHをローディング対照として使用した。C:対照。OI:OIのタイプIII。 OIの成人におけるフレソリムマブの安全性を評価する試験からの血液学的な安全性データを示す図である。ヘモグロビンの降下が2人の参加者(FR005とFR009)で認められ、両人とも軽症と類別した。これら2個体は、治験薬に関連すると類別された鼻出血と、治験薬と無関係であると類別されなかった月経出血を有した。血小板数およびINRは正常範囲内であった。 骨代謝回転マーカーおよび骨密度に対するフレソリムマブの効果を例示する図である。オステオカルシン(Ocn)レベルおよびC末端テロペプチド(CTX)レベルの上昇が、1mg・1kgの体重-1のコホートの参加者4人のうち3人で観察され、ピーク値は処置後30日から90日の間に観察された。4mg・1kgの体重-1のコホートでは、Ocnの低下が30日目に観察され、この抑制は180日目まで持続した。参加者FR012では、移動することが不可能であったため、30日目の骨代謝回転マーカーを取得することができなかった。OIのタイプIVの個体2人は、両方の用量コホートでL1-4 aBMDの確固たる向上を有した。 LS aBMDの2つの中央読取り値の間の相関関係および一致を例示する図である。LS aBMDは、試験計画に盲検化された独立した2人のリーダーによって読み取られた。2つの読取り値の間には強い相関関係があった(R=0.995)。Bland-Altmanプロットは、2つの読取り値の間で高度な一致を示した。平均差、一致の上限、一致の下限、および信頼区間を、それぞれ青色、緑色、および赤色で図示する。
本開示は、ヒトTGFβのすべてのアイソフォームと結合し、これらを中和するモノクローナル抗体を投与することによって、ヒト患者において中等症から重症のOI(例えば、タイプIVのOI)を処置する方法を提供する。本方法は、患者のOIの症状を改善するのに、抗TGFβ抗体の頻繁ではない投薬(例えば、3か月ごとまたは6か月ごと)で十分とすることができるという驚くべき発見に基づくものである。
OI骨脆弱性に対する標準治療の療法には、骨粗鬆症を処置するのに使用される医薬の転用を含む。しかし、OIの不均一性および臨床試験計画のばらつきを考慮すると、BPNの効果は一貫していない。さらに、OIの成人を含むランダム化試験では、同化剤であるテリパラチドを用いる処置により、軽症型(OIのタイプI)の個体ではaBMDおよびvBMDの向上がもたらされたが、中等症型から重症型の障害(OIのタイプIIIおよびタイプIV)ではもたらされなかった。転用されたこういった療法はいずれも、OIにおける特定の発症メカニズムに対処するものではなく、したがって、骨格外症状に対して効果がまったくない。本発明者らは、1または4mg/kgの単回用量の抗TFGp抗体で処置された中等症から重症のOIの個体は、腰椎面積骨ミネラル密度(LS aBMD)の確固たる向上を示したとの驚くべき知見を得た。
骨におけるTGFβシグナル伝達を標的とすることは、重要な薬力学的利点を提供する。骨格外組織におけるこのような重要な経路をモジュレートするには、持続的な薬理学的阻害が必要であるが、ヒトの骨のリモデリングユニットはおよそ3か月である。したがって、単一時点にての薬理学的阻害は、循環中の薬物の終末半減期および持続性を超えた長時間の効果を有する可能性がある。本明細書では、汎特異的抗TGFβ抗体の単回用量による処置でも、90日目および180日目の骨代謝回転およびaBMDの変化に関連していたことが示されている。加えて、投与頻度が低いことで、累積投薬量がより低くなり、その結果、全身毒性の軽減が可能になることに起因して、安全性の利点がもたらされる。低頻度投薬の効能は驚くべきものであるが、なぜなら、OIマウスでの前臨床試験では、週3回の頻度にての抗TGFβ抗体(マウス抗体1D11)を用いる処置により改善に関する所見がもたらされたが、より少ない頻度で(例えば、Q4Wで)マウスに投薬した場合はその改善が減弱したからである。
I.骨形成不全症
OIは、骨マトリクス沈着またはホメオスタシスに関与する1種またはそれ以上のタンパク質の欠損によって特徴付けられる一群の先天性骨障害を包含する。特定の遺伝子突然変異、生成するタンパク質の欠損、および罹患個体の表現型によって定義される19超のタイプのOIがある。分類には、X線およびその他の画像検査での所見が含まれる。主たるOIのタイプは以下の通リである(John Hopkins Universityのウエブサイトからの情報)。
タイプIは、最も軽症かつ最も一般的なタイプである。罹患児童すべてのうちの約50%がこのタイプを有する。骨折および変形は少数である。
タイプIIは最も重症のタイプである。乳児は非常に短い腕や脚、小さい胸部、および柔らかい頭蓋骨を有する。乳児は骨折をもって生まれる場合があり、出生体重が低く、十分に発達していない肺を有する場合もある。タイプIIのOIの乳児は、通常、生後数週間以内に死亡する。
タイプIIIは、新生児時に死亡しない乳児において最も重症のタイプである。出生時、乳児は、正常よりもやや短い腕や、腕、脚および肋骨の骨折を有する場合がある。乳児は、正常な頭部よりも大きい頭部、三角形状の顔、変形した胸部と背骨、および呼吸と嚥下の問題を有する場合もある。
タイプIVは、症状が軽症から重症の間であるOIのタイプである。タイプIVの乳児は出生時に診断される場合がある。乳児は、ハイハイまたは歩行するまではまったく骨折しない場合がある。腕と脚の骨がストレートではない場合がある。乳児は正常に成長しないおそれがある。
タイプVはタイプIVに類似する。症状は中等症から重症とすることができる。大きな骨が骨折している領域に、肥大肥厚した領域(仮骨肥大)を有することが普通である。
タイプVIは非常にまれである。症状は中等症であり、タイプIVに類似する。
タイプVIIは、タイプIVまたはタイプII同様とすることができる。正常な身長よりも低い身長であるのが普通である。正常な上腕や大腿骨よりも短い上腕や大腿骨を有することも普通である。
タイプVIIIは、タイプIIおよびタイプIIIに類似する。患者は非常に柔らかい骨を有し、重症の成長の問題を抱える。
表現型はOIのタイプのうちで様々であるが、共通の症状として、骨格と歯の不完全骨化、骨量減少、脆弱骨、および病的骨折が含まれる。具体的な症状には、折れやすい骨、骨の変形(例えば脚の湾曲)、白目(強膜)の変色、たる状胸部、曲がった脊椎、三角形状の顔、動揺関節、筋力低下、あざができやすい皮膚、成人早期の難聴、および/または柔らかい変色歯が含まれる。OIの合併症には、呼吸器感染(例えば、肺炎)、心臓の問題(例えば、心臓弁機能低下)、腎臓結石、関節の問題、難聴、および異常な眼の状態(失明を始めとする)が含まれる。OIは、X線、臨床検査(例えば、血液検査および遺伝子検査)、二重エネルギーX線吸収測定法スキャン(DXAまたはDEXAスキャン)、および骨生検によって診断またはモニタリングすることができる。
複数の病原性遺伝子突然変異がOIの種々のサブタイプを引き起こすことができるが、90%超がCOL1A1遺伝子(I型コラーゲンアルファ1鎖をコードする)もしくはCOL2A1遺伝子(タイプIIコラーゲンアルファ1鎖をコードする)、またはI型コラーゲンを翻訳後修飾するタンパク質(CRTAP、PPIBおよびLEPRE1)をコードする遺伝子における病原性バリアントによって引き起こされる(Patelら、同書;Limら、Bone(2017)102:40~49頁)。
本開示の処置方法は、タイプIVのOIのような中等症型から重症型のOIを処置する上で効果的である。一部の実施形態では、患者のOIは、COL1A1もしくはCOL1A2における突然変異(例えば、グリシン置換)によって、またはCRTAP、PPIBもしくはLEPRE1における両対立遺伝子病原性バリアントによって引き起こされる。例えば、下の表1および3に示される突然変異を参照されたい。
II.抗TGFβ抗体
TGFβは、細胞の増殖および分化、胚発生、細胞外マトリクス形成、骨の発達、創傷治癒、造血、ならびに免疫応答および炎症応答に関与する多機能性サイトカインである。分泌されたTGFβタンパク質は、潜在関連ペプチド(LAP)および成熟TGFβペプチドへと切断され、潜在型および活性型で見いだされる。成熟TGFβペプチドは、ホモ二量体および他のTGFβファミリーメンバとのヘテロ二量体の両方を形成する。
3種類のヒト(h)TGFβのアイソフォーム:TGFβ1、TGFβ2およびTGFβ3(それぞれ、UniProt受託番号P01137、P08112、およびP10600)がある。TGFβ1は、TGFβ2と27個、TGFβ3と22個、主に保存的なアミノ酸が異なる。ヒトTGFβはマウスTGFβと非常に類似する:ヒトTGFβ1はマウスTGFβ1とアミノ酸わずか1個の差異を有する;ヒトTGFβ2はマウスTGFβ2とアミノ酸わずか3個の差異を有する;ヒトTGFβ3はマウスTGFβ3と同一である。
ホモ二量体またはヘテロ二量体のTGFβ膜貫通受容体複合体へのTGFβタンパク質の結合は、細胞内SMADタンパク質によって媒介されるカノニカルTGFβシグナル伝達経路を活性化する。TGFβの脱調節は、ヒトにおいて、先天的欠損症、がん、慢性炎症、自己免疫疾患および線維性疾患のような様々な状態に関係あるとされてきた、病理学的プロセスにつながる(例えば、Borderら、Curr Opin Nephrol Hypertens.(1994)3(4):446~52頁;Borderら、Kidney Int増補(1995)49:S59~61頁を参照されたい)。
本OI処置方法の場合、抗TGFβ抗体は、汎特異的抗体、すなわち、高い親和性で、TGFβの3つのアイソフォームすべてと結合し、これらを中和する抗体とすることができる。一部の実施形態では、抗体はフレソリムマブである。フレソリムマブは、組換えヒト抗体である。その重鎖を下に示す:
Figure 2024517212000001
上記の配列では、位置1~120は重鎖可変ドメイン(V)であり、重鎖CDR(「HCDR」;Kabatの定義による)はボックスで囲まれている。この重鎖はヒトIgG定常領域を含む。
フレソリムマブの軽鎖を下に示す:
Figure 2024517212000002
上記の配列では、位置1~108は軽鎖可変ドメイン(V)であり、軽鎖CDR(「LCDR」;Kabatの定義による)に下線を付している。この軽鎖はヒトCκ定常領域を含む。
一部の実施形態では、本明細書の抗TGFβ抗体は、フレソリムマブのバリアント、Ab1である。Ab1の重鎖は、IgGヒンジ領域の一残基のみがフレソリムマブの重鎖と異なる。残基はS228(Eu付番)であり、この場合、Ab1はその位置にプロリンを有する、すなわち、フレソリムマブと比べてS228P置換を有する。Ab1とフレソリムマブは同じ軽鎖を有する。Ab1の重鎖を下に示す:
Figure 2024517212000003
上記の配列では、HCDRはボックスで囲まれ、S228P置換はボックスで囲まれ太字体である。
一部の実施形態では、抗TGFβ抗体は、フレソリムマブのHCDR1~3およびLCDR1~3のうちの1つまたはそれ以上(例えば、6つすべて)を含む。換言すると、抗体は以下のHCDRおよびLCDRのうちの1つまたはそれ以上(例えば、6つすべて)を含む:
HCDR1 SNVIS(配列番号4)
HCDR2 GVIPIVDIANYAQRFKG(配列番号5)
HCDR3 TLGLVLDAMDY(配列番号6)
LCDR1 RASQSLGSSYLA(配列番号7)
LCDR2 GASSRAP(配列番号8)
LCDR3 QQYADSPIT(配列番号9)
一部の実施形態では、抗TGFβ抗体は、フレソリムマブまたはAb1のVおよび/またはVを含む。換言すると、抗体は以下の配列のうちの1つまたは両方を含む:

QVQLVQSGAE VKKPGSSVKV SCKASGYTFS SNVISWVRQA PGQGLEWMGG VIPIVDIANY AQRFKGRVTI TADESTSTTY MELSSLRSED TAVYYCASTL GLVLDAMDYW GQGTLVTVSS(配列番号10)

ETVLTQSPGT LSLSPGERAT LSCRASQSLG SSYLAWYQQK PGQAPRLLIY GASSRAPGIP DRFSGSGSGT DFTLTISRLE PEDFAVYYCQ QYADSPITFG QGTRLEIK
(配列番号11)
一部の実施形態では、抗TGFβ抗体は、ヒトIgGアイソタイプのようなヒトIgGアイソタイプのものである。ある特定の実施形態では、ヒトIgG定常領域は、以下のアミノ酸配列を含む:
Figure 2024517212000004
さらなる実施形態では、ヒトIgG定常領域は、位置228(Eu付番)に突然変異を有する。一部の実施形態(例えば、Ab1)では、突然変異はセリンからプロリンへの突然変異(S228P)である。上記の配列では、S228セリンはボックスで囲まれている。
一部の実施形態では、抗TGFβ抗体(例えば、Ab1およびフレソリムマブ)は、ヒトκ軽鎖定常領域(Cκ)を含む。ある特定の実施形態では、ヒトCκは、以下のアミノ酸配列を含む:
RTVAAPSVFI FPPSDEQLKS GTASVVCLLN NFYPREAKVQ WKVDNALQSG NSQESVTEQD SKDSTYSLSS TLTLSKADYE KHKVYACEVT HQGLSSPVTK SFNRGEC
(配列番号13)
一部の実施形態では、完全な抗TGFβ抗体の抗原結合断片も使用することができる。「抗原結合断片」という用語または類似の用語は、抗原と相互作用するとともに当該抗原に対するその特異性と親和性を結合剤に付与するアミノ酸残基を含む抗体の一部分を指す。抗原結合断片の非限定的な例としては、以下が挙げられる:Fab断片、F(ab’)断片、Fd断片、Fv断片、単鎖Fv(scFv)、dAb断片、および抗体の超可変ドメインを模倣するアミノ酸残基から構成される最小認識単位。
一部の実施形態では、本明細書の抗体または抗原結合断片は、骨標的部分に接続される。さらなる実施形態では、骨標的部分はポリアルギニン(ポリD)ペプチドである。本明細書で使用される場合、「ポリDペプチド」という用語は、複数のアスパラギン酸またはアスパルテートまたは「D」アミノ酸、例えば約2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30個、またはそれ超のアスパラギン酸のアミノ酸(残基)を有するペプチド配列を指す。例えば、ポリDペプチドは、約2~約30個、または約3~約15個、または約4~約12個、または約5~約10個、または約6~約8個、または約7~約9個、または約8~約10個、または約9~約11個、または約12~約14個のアスパラギン酸残基を含むことができる。ポリDペプチドは、アスパラギン酸残基のみを含んでもよく、1個またはそれ以上の他のアミノ酸もしくは類似の化合物を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「D10」という用語は、配列番号14に見られるように、10個のアスパラギン酸のアミノ酸の連続した配列を指す。一部の実施形態では、本発明の抗体または抗体断片は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または12超のポリDペプチドを含むことができる。
ポリDペプチドは、組換え技術を介した融合によって抗TGFβ抗体または抗原結合断片に接続することができ、その結果、ポリDがペプチジル結合をとおして抗体または断片に接続される(すなわち、抗体または断片は融合タンパク質である)。例えば、ポリDペプチドを、重鎖のN末端もしくはC末端、もしくは両末端に、および/または軽鎖のN末端もしくはC末端、もしくは両末端に、融合することができる。ポリDペプチドはまた、化学コンジュゲーションによって、例えば、リンカー部分(例えば、マレイミド官能基およびポリエチレングリコール(PEG))の有無にかかわらず、抗体または抗体結合断片上のシステイン残基またはリジン残基との化学反応によって、抗TGFβ抗体または抗原結合断片に接続させることもできる。例えば、WO2018/136698を参照されたい。
ある特定の実施形態では、抗体は、重鎖のN末端、C末端、または両方の末端でD10ペプチドに融合されたフレソリムマブである。一部の実施形態では、抗体は、軽鎖のC末端でD10ペプチドに融合されたフレソリムマブである。特定の実施形態では、抗体は、重鎖の両末端でおよび軽鎖のC末端でD10ペプチドに融合されたフレソリムマブである。
ある特定の実施形態では、抗体は、重鎖のN末端、C末端、または両方の末端でD10ペプチドに融合されたAb1である。一部の実施形態では、抗体は、軽鎖のC末端でD10ペプチドに融合されたAb1である。特定の実施形態では、抗体は、重鎖の両末端でおよび軽鎖のC末端でD10ペプチドに融合されたAb1である。
本開示の抗TGFβ抗体またはその抗原結合断片は、当技術分野において十分に確立されている方法によって作製することができる。抗体の重鎖および軽鎖をコードするDNA配列は、遺伝子が転写および翻訳の制御配列のような必要な発現制御配列に作動可能に連結されるように、発現ベクターへと挿入することができる。発現ベクターには、プラスミド、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、カリフラワーモザイクウイルス、タバコモザイクウイルスのような植物ウイルス、コスミド、YAC、EBV由来エピソーム等が含まれる。抗体軽鎖コード配列および抗体重鎖コード配列を、別々のベクターへと挿入してもよく、同一または異なる発現制御配列(例えば、プロモーター)に作動可能に連結してもよい。本開示の抗体をコードする発現ベクターを、発現向けの宿主細胞に導入する。宿主細胞を抗体の発現に適した条件下で培養し、この抗体を次いで回収し単離する。宿主細胞には、哺乳動物、植物、細菌または酵母の各宿主細胞が含まれる。発現向けの宿主として利用可能な哺乳動物細胞株には、当技術分野においてよく知られており、American Type Culture Collection(ATCC)から入手可能な多くの不死化細胞株が含まれる。これらには、とりわけ、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、NS0細胞、SP2細胞、HEK-293T細胞、293フリースタイル細胞(Invitrogen)、NIH-3T3細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、アフリカミドリザル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌細胞(例えば、Hep G2)、A549細胞、およびいくつかの他の細胞株が含まれる。細胞株は、それらの発現レベルに基づいて選択することができる。使用することができる他の細胞株は、Sf9細胞またはSf21細胞のような昆虫細胞株である。宿主細胞用の組織培養培地は、ウシ血清アルブミンのような動物由来成分(ADC)を含んでも含まなくてもよい。一部の実施形態では、ADCを含まない培養培地がヒトの安全のために好ましい。組織培養は、流加培養法、連続灌流法、または宿主細胞および所望の収率に適当なその他の任意の方法を使用して実施することができる。
III.医薬組成物および使用
本明細書に記載の方法は、OI患者に治療有効量の抗TGFβ抗体またはその抗原結合断片を投与することを含む。本明細書で使用される場合、「治療有効量」という語句は、TGFβに結合する抗体の用量であって、中等症から重症のOI(例えば、タイプIVのOI)に関連する1つもしくはそれ以上の症状の検知可能な改善をもたらす抗体の用量、または中等症から重症のOIの状態もしくは症状を生じさせる根本的な病理学的メカニズムと相関する生物学的効果(例えば、特定のバイオマーカーのレベルの低下)を生じさせる、抗体の用量を意味する。
OIの改善とは、骨代謝回転の低下、骨リモデリング速度の減速、および/または骨細胞密度の低下として顕在化することができる。一部の実施形態では、OIの改善は、骨ミネラル密度(BMD)、骨量密度(BV/TV)、全骨面(BS)、骨面密度(BS/BV)、骨梁数(Tb.N)、骨梁幅(Tb.Th)、骨梁中心距離(Tb.Sp)、および全骨量(Dens TV)からなる群から選択される骨パラメータの改善によって指示される。
ある特定の実施形態では、改善された骨パラメータは、二重エネルギーX線吸収測定法によって決定した、腰椎面積BMD(LS aBMD)である。処置前のベースラインレベルと比較して、LS aBMD値は少なくとも1%、例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、150、20、またはそれ超のパーセントで向上することができる。
一部の実施形態では、BMD、骨量、および/または骨強度は、治療有効量の抗TGFβ抗体または断片での処置の後に約5%~約200%で向上する。ある特定の実施形態では、BMD、骨量、および/または骨強度は、処置の後に、約5%~約10%、10%~約15%、15%~約20%、20%~約25%、25%~約30%、30%~約35%、35%~約40%、40%~約45%、45%~約50%、50%~約55%、55%~約60%、60%~約65%、65%~約70%、70%~約75%、75%~約80%、80%~約85%、85%~約90%、90%~約95%、95%~約100%、100%~約105%、105%~約110%、110%~約115%、115%~約120%、120%~約125%、125%~約130%、130%~約135%、135%~約140%、140%~約145%、145%~約150%、150%~約155%、155%~約160%、160%~約165%、165%~約170%、170%~約175%、175%~約180%、180%~約185%、185%~約190%、190%~約195%、または195%~約200%で向上する。
一部の実施形態では、治療有効量は、例えば、尿中ヒドロキシプロリン、尿中総ピリジノリン(PYD)、尿中遊離デオキシピリジノリン(DPD)、尿中コラーゲンI型架橋N-テロペプチド(NTX)、尿中または血清コラーゲンI型架橋C末端-テロペプチド(CTX)、骨シアロタンパク質(BSP)、オステオポンチン(OPN)および酒石酸耐性酸性ホスファターゼ5b(TRAP)のような血清または尿中バイオマーカーの低下によって指示される、骨代謝回転の低下をもたらすことができる。ある特定の実施形態では、TGFβに結合する抗体による処置の後の低下は、ベースラインレベル(例えば、処置前)と比較して、約5%~約200%だけである。例えば、低下は、処置の後、約5%~約10%、10%~約15%、15%~約20%、20%~約25%、25%~約30%、30%~約35%、35%~約40%、40%~約45%、45%~約50%、50%~約55%、55%~約60%、60%~約65%、65%~約70%、70%~約75%、75%~約80%、80%~約85%、85%~約90%、90%~約95%、95%~約100%、100%~約105%、105%~約110%、110%~約115%、115%~約120%、120%~約125%、125%~約130%、130%~約135%、135%~約140%、140%~約145%、145%~約150%、150%~約155%、155%~約160%、160%~約165%、165%~約170%、170%~約175%、175%~約180%、180%~約185%、185%~約190%、190%~約195%、または195%~約200%とすることができる。
一部の実施形態では、治療有効量は総アルカリホスファターゼ、骨特異的アルカリホスファターゼ、オステオカルシン(OCN)、およびI型プロコラーゲン(C末端/N末端)のような、骨沈着の血清または尿中バイオマーカーのレベルの向上をもたらすことができる。ある特定の実施形態では、向上は、ベースラインレベル(例えば、処置前)と比較して、処置の後、約5%~約200%だけである。例えば、向上は、処置の後、約5%~約10%、10%~約15%、15%~約20%、20%~約25%、25%~約30%、30%~約35%、35%~約40%、40%~約45%、45%~約50%、50%~約55%、55%~約60%、60%~約65%、65%~約70%、70%~約75%、75%~約80%、80%~約85%、85%~約90%、90%~約95%、95%~約100%、100%~約105%、105%~約110%、110%~約115%、115%~約120%、120%~約125%、125%~約130%、130%~約135%、135%~約140%、140%~約145%、145%~約150%、150%~約155%、155%~約160%、160%~約165%、165%~約170%、170%~約175%、175%~約180%、180%~約185%、185%~約190%、190%~約195%、または195%~約200%とすることができる。
一部の実施形態では、治療有効量は骨沈着を促進する。一部の実施形態では、治療有効量は聴覚、視覚、肺機能、および腎機能のような、OIにより影響を受ける非骨格臓器の機能を改善する。
治療有効量は1~10mg/kg、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10mg/kgとすることができる。一部の実施形態では、OI患者は、静脈内注射によりこの量のフレソリムマブまたはAb1を用いて処置される。処置は、患者にとって医師により適当とみなされる間隔で繰り返すことができる。一部の実施形態では、抗TGFβ抗体またはその抗原結合断片による処置は、毎月、2か月ごと、3か月ごと、4か月ごと、5か月ごと、6か月ごと、9か月ごと、12か月ごと、または18か月ごとに繰り返すことができる。
患者は成人(例えば、18歳以上の患者)とすることができる。患者は、小児患者(18歳よりも若い患者、例えば、新生児~6歳である、6~12歳である、または12~18歳である患者)とすることができる。
IV.併用療法
一部の実施形態では、本開示の抗TGFβ抗体療法は、他のOI処置と組み合わせることができる。さらなる治療剤の例としては、それらに限定されないが、ビスホスホネート、カルシトニン、テリパラチド、およびOIを処置、予防、または改善すると知られるその他の任意の化合物が挙げられる。さらなる治療剤は、TGFβに結合する抗体と同時にまたは連続的に投与することができる。ビスホスホネートの例は、エチドロネート、クロドロネート、チルドロネート、パミドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、アレンドロネート、イバンドロネート、ゾレドロネート、およびリセドロネートである。一部の実施形態では、さらなる治療剤は、副甲状腺ホルモンアナログおよびカルシトニンのような骨形成を刺激する薬物である。
本明細書で特に定義しない限り、本開示に関連して使用する科学的および技術的用語は、当業者であれば共通して理解される意味を有するものとする。例示的方法および材料を下に記載するが、本明細書に記載されているものに類似するまたは均等な方法および材料も、本開示の実施または試験に使用することができる。矛盾があるときは、定義を含めて本明細書が優先することになる。概して、本明細書に記載する、細胞培養および組織培養、分子生物学、免疫学、ならびにタンパク質および核酸の化学およびハイブリダイゼーションと関連して使用する命名法ならびにそれらの技法は、よく知られているものであり、当分野で一般に使用されるものである。酵素反応および精製技法は、当分野で一般に実行される通リまたは本明細書に記載される通リ、製造業者の仕様に従い実施される。さらに、文脈から特段必要でない限り、単数形の用語は複数を含み、複数形の用語は単数を含むものとする。本明細書および実施形態をとおして、「有する(have)」および「含む(comprise)」の各言い回しまたは「有する(has)」、「有し/有すること(having)」、「含む(comprises)」または「含み/含むこと(comprising)」のような変化形は、記載する整数または整数の群を含むが、あらゆる他の任意の整数または整数の群を除外しないことを含意すると解釈される。本明細書に記述するあらゆる刊行物および他の参考文献は、全体として参照により本明細書に組み入れる。複数の文献が本明細書で引用されているが、このような引用は、これらの文献のどれであるかを問わず、当分野の常識の一部を形成するという容認を構成するものではない。
本発明がより深く理解されるように、以下の例を記載する。これらの例は、例示のみを目的としており、いかようにも本発明の範囲を限定するものであると解釈されるべきではない。
以下の実施例では、OIにより罹患の児童(n=10)および非罹患の児童(n=4)から得た骨に関して組織学およびRNA-seqを実行した。Gene Ontology(GO)濃縮アッセイ、遺伝子セット濃縮アッセイ(GSEA)、およびIngenuity Pathway Analysis(IPA)を使用して、キーとなる調節不全経路および調節因子を特定した。逆相タンパク質アレイ(RPPA)、ウェスタンブロット(WB)、および免疫組織化学(IHC)を実行して、タンパク質レベルにての変化を確認した。OIのタイプIIIおよびタイプIVの成人8人において、汎抗TGFβ中和抗体であるフレソリムマブ1または4mg/kg用量の単回投与による第I相試験を実行した。フレソリムマブの安全性ならびに腰椎面積骨ミネラル密度(LS aBMD)および骨リモデリングマーカーに対するフレソリムマブ効果について評価した。試験用の材料および方法の詳細は以下の通りである。
ヒト骨サンプルの採取およびプロセシング
OIの児童およびOIに非罹患の児童からの骨は、Baylor College of Medicine(BCM)、Houston、TX、米国の治験審査委員会(IRB)によって承認されたプロトコルの下で取得した。骨サンプルは、医学的理由で外科手術をすでに受けている児童から取得した。普通なら廃棄されていたであろう、手術中に除去された骨の破片を採取し、処理した。すべてのサンプルの採取に先立ち、両親または法的保護者からインフォームドコンセントを得た。以前に報告されたプロトコル(Chouら、Osteoarthritis Cartilage(2013)21(3):450~61頁)に従い、骨標本を、図1に記載のように液体窒素ベースの環境で処理した。
RNA抽出、RNA-Seq、検証およびデータ解析
微粉砕骨からの総RNAをTRIzol(登録商標)(ThermoFisher Scientific)を使用して抽出し、塩化リチウム沈殿によってさらに精製した。RNAの質と量を、Bioanalyzer(Agilent Technologies、Santa Clara、CA、米国)によって測定した。次いで、総RNAをRNA-seqに供し、これに続いて、経路および上流の調節因子について検証およびバイオインフォマティクス解析を行った。
タンパク質抽出、逆相タンパク質アレイ(RPPA)、ウェスタンブロッティング(WB)、および免疫組織化学(IHC)
溶解緩衝剤を使用することによって、4℃で一晩、微粉砕骨からタンパク質を抽出した(250mM EDTA、6Mグアニジン-HCl、50mM Tris-HCl、pH7.4)。抽出物をメタノール-水-クロロホルム沈殿によって濃縮し、WBについては4%SDS緩衝剤(4SB;4%SDS、50mM Tris、5mM EDTA、pH7.4)に溶解するか、またはRPPAについてはSDSサンプル緩衝剤で0.5mg/mlに希釈した。合計で、3つの対照骨サンプルと5つのOIのタイプIII骨サンプルをWBに含めた;4つの対照骨サンプルと8つのタイプIIIのOI骨サンプルをRPPAおよびIHCに含めた(表1)。
Figure 2024517212000005
第I相臨床試験計画
中等症型から重症型のOIの成人においてフレソリムマブを評価する第I相用量漸増治験を、国立衛生研究所のRare Disease Clinical Research Network’s Brittle Bone Disorders Consortiumの一部として実行した。試験のステージ1では、フレソリムマブの単回注入を伴った(1mg/kg体重および4mg/kg体重;各用量コホートでn=4)。合計のフォローアップ期間は6か月とした。主要アウトカム評価項目は、フレソリムマブの単回用量の安全性とした。副次アウトカムは、二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)による腰椎面積骨ミネラル密度(LS aBMD)ならびに血中の骨代謝回転マーカー(OcnおよびCTX)に対するフレソリムマブの効果を評価することとした。
20以上の骨折、およびCOL1A1もしくはCOL1A2におけるグリシン置換突然変異またはCRTAP、PPIBもしくはLEPRE1における両対立遺伝子病原性バリアントを有すること基づいて中等症から重症のOIの診断を受けた18歳を超える個体を登録した。
除外基準は以下とした:1)aBMDの評価を妨げるLSおよび両股関節にての器具使用、2)スクリーニング前の3か月の長骨の骨折、3)スクリーニングの6か月以内の経口BPNによる処置、またはスクリーニングの12か月以内の静脈内BPNおよびテリパラチドによる処置、4)予定の骨格手術、5)自己免疫疾患、結核、がんまたは前がん病変の病歴、心臓弁膜症、出血傾向のような安全性に影響を与えるおそれのある特徴を有すること。骨代謝回転のマーカーを、CLIAおよびCAPの認定分析機関によって測定した。DXAスキャンを、Texas Children’s Hospitalで検証済みの臨床機械を使用して実行した。スキャンを、試験手順に盲検とされた2人のセントラルリーダーによって読み取った。
組織学および骨細胞密度解析
処理した骨標本を4%パラホルムアルデヒド(Sigma-Aldrich、
St.Louis、MO、米国)で48時間固定し、10%EDTA(Sigma-Aldrich)で4℃で14日間脱灰した。形態学的および骨細胞数の解析向けに、パラフィン切片をヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。骨細胞密度を、BIOQUANT OSTEO(BIOQUANT Image Analysis Corporation、Nashville、TN、米国)を使用して算出した。
RNA-Seqおよびデータ解析
RNA-Seqの場合、製造業者の取扱説明書に従って適用したERCC スパイクイン(ThermoFisher Scientific)を用いてTureSeq Stranded mRNAライブラリー調製(Illumina、SanDiego、CA、米国)に総RNA250ngを使用した。等モルにプールしたライブラリー22pMを、Illumina cBotマシンを使用したブリッジ増幅のために高出力v4フローセルの1つのレーンにロードした。ペアエンド100サイクルランを使用して、HiSeq 2500 Sequencing System in High Output Mode with v4 chemistry(FC-401-4003、Illumina)でフローセルを配列決定した。PhiX Control v3アダプターライゲートライブラリー(Illumina)を2重量%で添加して、バランスダイバシティを確保し、クラスター化および配列決定のパフォーマンスをモニタリングした。各サンプルについて平均4,250万のペアエンドリードを生成した。参照としてhg19-ERCCを用いて、Genialis(https://www.genialis.com)によるHISAT2を使用して、アラインメントを実行した。次いで、Partek(登録商標)Genomics Suite(Partek、St.Louis、MO、米国)のRNA-seq解析パイプラインを使用して、正規化、差次的発現、階層的クラスタリング、およびGene Ontology解析を実行した。統計学的有意性を、Partek(登録商標)Genomics Suite RNA-seq解析パイプラインに内蔵されるANOVAによって決定した。次いで、有意に差次的に発現した遺伝子(倍率変化>2および誤検出率<0.05)を、上流の調節因子予測のために、Ingenuity(登録商標)Pathway Analysis(IPA)(Qiagen、Hilden、ドイツ)へとロードした。経路濃縮解析用のGene Set Enrichment Analysis(GSEA)プログラム(Broad Institute)を開発者の取扱説明書に従って使用した。
NanoString(登録商標)によるRNA-seq検証
NanoString(Seattle、WA、米国)ヒトWNT nCounterパネルを、検出した遺伝子発現倍率変化の検証のためのRNA-seqデータとともに1件のOIのタイプIIIサンプルおよび1件の対照サンプルを使用してランした。解析を、通常のモジュールでnSolver(商標)を使用して実行した。リードカウント20未満の遺伝子はバックグラウンドとみなし、さらなる解析から除外した。計155の遺伝子を検証した。一致性を、発現方向で同じ変化を示した遺伝子のパーセンテージによって決定した。
逆相タンパク質アレイ(RPPA)
RPPAを、標準化プロトコル(Mariniら、同書)を使用することによって実行した。各サンプルについて、技術上の変動を考慮して、3回の技術的反復でアッセイした。各生体サンプルのタンパク質発現強度(PEI)を、各生体サンプルの技術的な3回反復の平均強度の算出から最初に導出した。次いで、対照群またはタイプIIIのOI群の平均発現強度を、群内の各サンプルのPEIの平均から算出した。スチューデントt検定を使用して、対照とタイプIIIのOIの間の統計学的有意性を決定した。公称P値0.05を使用して有意性を決定した。
ウェスタンブロッティング(WB)
総タンパク質50μgをローディングに使用した。SDS-PAGEゲルによる分離およびPVDF膜(MilliporeSigma、Burlington、MA、米国)への転写の後、5%ミルクを使用して膜をブロックし、これ続いて一次抗体(phospho-SMAD2(3108S、Cell Signaling)、SMAD2(5339S、Cell Signaling))およびGAPDH(G9295、Sigma-Aldrich)とともに4℃で一晩インキュベートした。適当な二次抗体(Bio-Rad)の後、ChemiDoc(商標)Gel Imaging System(Bio-Rad、Hercules、CA、米国)を使用してシグナルを捕捉した。
免疫組織化学(IHC)
脱パラフィン後、3%過酸化水素処理の後の抗原賦活化のために切片を0.05%トリプシンとともに37℃でインキュベートした。5%正常ヤギ血清でブロックした後、製造者の取扱説明書に従い、phospho-SMAD2(44-244G、ThermoFisher Scientific、Waltham、MA、米国)の一次抗体とともに4℃で一晩、切片をインキュベートした。抗ウサギ二次抗体(Vectastain ABC system、Vector Laboratories、Servion、スイス)を適用し、0.1%3,3’-ジアミノベンジジンを使用してブロットを発色させた。
OIのタイプIIIの児童からの骨における無秩序な線維性骨および骨細胞密度の上昇
脛骨または大腿骨からの骨片を、OIのタイプIIIの児童10人(9人はCOL1A1またはCOL1A2にグリシン置換突然変異を有し、1人はCOL1A2にバリン欠失を有する)およびOIによって罹患していない児童4人から採取した(表1)。組織学的に、対照標本は主に皮質骨を含有したが、一方、OI標本は皮質骨と骨梁骨の両方を含有した。形態学的検査が明らかにしたところは、OI骨は、対照と比較して、支配的に線維性である骨を有する無秩序なハバース系を明示したこと、である(図2)。以前の報告(Nijhuisら、J Child Orthopaed.(2019)13(1):1~11頁)と一致して、骨細胞密度はOI骨中で3倍超高く(OIで686.44/mm対対照で221.94/mm)、対照と比較して、小窩はより球形に見えた(図2および図3)。OIにとって典型的であるこれらのデータは、サンプルの高品位性を暗に示すものである。
グローバルトランスクリプトーム解析は、OIのタイプIII骨におけるキーとなる調節不全経路としてTGFβシグナル伝達の上昇を実証する
ヒトOI骨におけるキーとなる調節不全経路を偏りのない方法で特定するために、本発明者らは、対照骨およびOIのタイプIII骨を使用してRNA-seqを実行した。RNA-seq結果の精度を保証するために、本発明者らは、NanoString(登録商標)によって155の遺伝子を検証し、発現倍率変化について92%の一致性を実証した(図4)。トランスクリプトームデータの主成分分析(PCA)により、対照骨とOI骨との間の明瞭な分離が明らかになった(図5、パネルA)。遺伝子発現プロファイルは、OI骨よりも対照でいっそう均一であった。全トランスクリプトームRPKMの階層的クラスタリングが示したところは、対照骨とOI骨との間のまったく別のクラスターであり、このことによって、OIにおける全体的な分子シグネチャの変化が指示された(図5、パネルB)。差次的遺伝子発現解析に続いて、GO濃縮解析を実行した。GOの生物学的プロセスでは、著しく濃縮した骨格関連機能が、骨の骨梁および骨成熟の低下とともに、骨形成、骨吸収、骨リモデリングの上昇を始めとするOIの分子シグネチャを捕らえた。一貫して、GO細胞プロセスでは、骨芽細胞と破骨細胞の分化の高まりがOIで特定された。GOシグナル伝達経路では、BMP-TGFβ、副甲状腺ホルモン経路、WNT、Notchシグナル伝達を始めとする主要な骨リモデリング経路が上方制御されていた。最も興味深いことには、SMADタンパク質のリン酸化調節は、すべての経路のうちで最も有意に上方制御された経路であった(P=1.78×10-15)(図6)。こういった濃縮結果は、OI骨の既知の分子病理学的特徴と一致するだけではなく、TGFβ下流イベントであるSMADリン酸化はOIのタイプIII骨において最も影響を受ける標的であることも、先入観なく明らかとした。
OI骨におけるシグナル伝達の変化を独立して探るために、次に本発明者らは、対照骨およびOI骨からのRPKMを使用してGSEA(Subramanianら、PNAS(2005)102(43):15545~50頁)を実行した。GSEAにより、TGFβシグナル伝達がOIにおいて著しく活性化したトップ経路として特定された(図5、パネルC;図7)。まとめると、これらの結果によって示唆されたところは、TGFβシグナル伝達とはOIのタイプIII骨における主要かつ最も一貫した活性化経路であること、である。
TGFβは、OIのタイプIIIからの骨における活性な上流調節因子である
トランスクリプトーム解析から特定したTGFβ経路の活性化がTGFβリガンドに実際に起因するものであるか調査するために、本発明者らは、3,722の有意に変化した遺伝子に基づく上流調節因子の予測にIPAを利用した。すべての潜在的な上流調節因子のうちで、TGFβは特定された最も活性化した上流調節因子であった(Zスコア=4.28、P=1.32×l0-14)(表2)。タンパク質レベルにての変化をもたらしたこれらのトランスクリプトーム上のこれらの発見を確実するために、本発明者らは、骨から抽出したタンパク質を使用してターゲットプロテオミクスRPPAを実行した。調べた230種のタンパク質のうち、29種のタンパク質が、OI骨と対照骨との間で公称の統計学的に有意な強度変化を示した(図8)。この解析では、TGFβがIPAによって最も有意に活性化された上流調節因子として特定された(Zスコア=2.17、P=6.37×10-12)(表2)。
Figure 2024517212000006
OIのタイプIII骨におけるSMAD2リン酸化の上昇
OIのタイプIII骨におけるインサイツでのTGFβシグナル伝達の上昇を確証的に示すために、本発明者らは、TGFβ下流標的、リン酸化SMAD2(pSMAD2)に対する抗体を使用してIHCを実行した。
対照と比較して、本発明者らは、OIのタイプIII骨においてpSMAD2染色の一貫した上昇を発見した(図9、パネルA)。対照骨およびOIのタイプIII骨からのタンパク質ライセートを使用するWBをとおして、本発明者らは、検査したすべてのOIサンプルにおいてpSMAD2の上昇を観察した(図9、パネルB)。さらなる定量化により、OI骨におけるpSMAD2/総SMAD2比の有意な上昇が実証された(図9、パネルC)。すべてまとめると、これらの結果が示唆したところは、TGFβ活性化とはOIのヒトにおいて駆動発病メカニズムであること、である。
OIにおける治療介入としてのフレソリムマブ
本発明の発見を解釈するために、本発明者らは、TGFβのすべての哺乳動物アイソフォームを中和するヒトIgGκモノクローナル抗体であるフレソリムマブの安全性を評価する第I相治験を実行した。本発明者らが作成してきた前臨床データおよびヒトデータと一貫性があるように、COL1A1もしくはCOL1A2のグリシン置換突然変異、またはCRTAP、PPIB、もしくはLEPRE1の両対立遺伝子病原性バリアントによって引き起こされる臨床的に中等症から重症のOIの個体のみを登録した。計8人の個体を登録した(表3)。
Figure 2024517212000007
4人が1mg/kg体重の用量でフレソリムマブの単回投与を受け、4人が4mg/kg体重の用量でフレソリムマブの単回投与を受けた。フレソリムマブによる処置は忍容性が高かった。両コホートにおいて重篤な有害事象(AE)はなく、臨床的に有意な臨床検査値の変化もまったく観察されなかった(図10)。1mg/kgコホートでは、2件のみのAE:薬物投与後の吐き気および鼻出血が、治験薬にたぶん/おそらく関連すると類別された。4mg/kgコホートでは、7件のAE:倦怠感、頭痛、鼻出血、尿潜血、皮膚のかさぶたからの出血、および1人の参加者における180日目の補正QT間隔457ミリ秒、が治験薬にたぶん/おそらく関連すると類別された。
フレソリムマブ1mg/kgによる処置は、骨代謝回転のマーカーであるOcnおよびCTXの上昇に関連していた。骨リモデリングのピーク上昇が、処置の後30日目から90日目の間に観察された。4mg/kg用量での処置は、処置の後30日目から始まるOcnの持続的な低下に関連していた(図11)。LS aBMDの2つの中央読取り値(測定時点までマスクした)は、高度の相関(r=0.995)および一致を有した(図12)。したがって、ベースラインからの変化率を算出する上で、2つの読取り値からの平均aBMDを使用した。1mg/kgの用量では、2人のOIのタイプIV参加者がLS aBMDの確固たる向上を示したが、一方、OI VIIIの個体はまったく変化を示さなかった。aBMDの降下を示したOIのタイプIIIの参加者は、課題をもたらす深刻な側弯症を有したが、DXAスキャンからの結果を解析した。
4mg/kgコホートでは、LS aBMDを90日目および180日目に評価した。OIのタイプIVの2人の参加者は、90日目までaBMDの確固たる向上を有した。急激なaBMD降下を示したOIのタイプIIIの個体は、大腿骨の骨折を負いその結果長時間の不動の状態であった;aBMDは遠隔施設で測定した、したがって、このことは比較を理想的とは言えないものにした。
結論として、本発明者らは、本試験において、骨粗鬆症のメンデル型であるOIにおけるグローバルシグナル伝達異常を包括的かつ偏りのない方法で調べた。本発見と「オミックスケール」データは、OIの処置に影響を与えるだけでなく、低骨量に関する他の障害にも関連する可能性がある。さらに、本試験は、フレソリマブの単回用量による処置でも、本発明者らの試験での90日目および180日目の骨代謝回転およびaBMDの変化に関連しているという驚くべき発見につながった。加えて、骨生物学のユニークな特性により、累積投薬量と投与頻度がより低いことで、全身毒性の軽減が可能になるので、潜在的な安全性の利点が提供される。実際、本明細書で投与したフレソリムマブの用量は、黒色腫、特発性肺線維症、全身性硬化症、および限局性分節性糸球体硬化症に対する試験で与えた用量と比較してより低かった。単回用量の投与では、重篤なAEは観察されなかった。さらに、本発明者らは、2つの試験用量の間で骨代謝回転マーカーに対する異なる効果を観察した。1mg/kgの用量では、フレソリムマブは骨リモデリングの軽度の上昇に関連していた。しかし、4mg/kgのフレソリムマブ処置によると、血漿Ocnレベルで示されるように、骨代謝回転の持続的な抑制がもたらされた。LS aBMDに対する効果は、疾患の重症度に応じて変動がより大きかった。OIのタイプIVの2人の参加者は、1mg/kgの単回用量でLS aBMDが6.8%および8.6%向上した。4mg/kgコホートでは、注入の3か月後に1人の参加者が7.6%の向上を有し、2人が2.9%と1.3%の向上を示した。これらの向上は、軽症だが重症ではないOIの個体において6か月で2%の向上を明示した同化剤テリパラチドと比較してより高く、OIのタイプIIIおよびタイプIVにおける6か月の試験期間にわたるLS aBMD向上の5.4%に関連していた毎月の高用量セトルスマブに匹敵する(Ericら、JBMR Plus(2021)5(S1):増補:e10455)。OIのタイプIIIの2人の参加者(FR005およびFR012)は、aBMDの低下を有した。
配列表
下の表に、本開示において言及されるアミノ酸配列を示す。
Figure 2024517212000008

Claims (25)

  1. それを必要とするヒト対象において骨形成不全症(OI)を処置するための方法であって、前記対象に治療有効量の抗TGFβ抗体またはその抗原結合断片を投与することを含み、
    前記抗TGFβ抗体またはその抗原結合断片が、
    それぞれ、配列番号4~6を含む重鎖相補性決定領域(CDR)1~3、および
    それぞれ、配列番号7~9を含む軽鎖CDR1~3を含み、
    前記治療有効量が1~10mg/kgである、方法。
  2. 抗体または抗原結合断片は、配列番号10を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号11を含む軽鎖可変ドメインを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 抗体はヒトIgG定常領域および/またはヒトκ軽鎖定常領域を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. ヒトIgG定常領域はS228P突然変異(Eu付番)を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 抗体は、配列番号1を含む重鎖および配列番号2を含む軽鎖を含む、請求項3に記載の方法。
  6. 抗体は、配列番号3を含む重鎖および配列番号2を含む軽鎖を含む、請求項3に記載の方法。
  7. 抗体は骨標的部分を含み、場合により骨標的部分はポリアルギニンペプチドである、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 抗体は1つまたはそれ以上のポリアルギニンペプチドを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 抗体は、抗体または抗原結合断片の、
    重鎖のN末端、もしくはC末端、もしくは両末端で、および/または
    軽鎖のC末端で、
    ポリアルギニンペプチドに融合されている、請求項8に記載の方法。
  10. ポリアルギニンペプチドはD10(配列番号14)である、請求項7~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. OIは、中等症から重症のOIまたはタイプIVのOIである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. ヒト対象は、成人患者(≧18歳)または小児患者(<18歳)である、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. ヒト対象は、COL1A1遺伝子またはCOL1A2遺伝子に突然変異を有し、場合により、突然変異は、COL1A1遺伝子もしくはCOL1A2遺伝子のグリシン置換突然変異、またはCOL1A2遺伝子のバリン欠失である、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 投与は、骨ミネラル密度(BMD)、骨量密度(BV/TV)、全骨面(BS)、骨面密度(BS/BV)、骨梁数(Tb.N)、骨梁幅(Tb.Th)、骨梁中心距離(Tb.Sp)、および全骨量(Dens TV)からなる群から選択される骨パラメータを改善する、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 骨パラメータは、腰椎面積BMD(LS aBMD)であり、場合により、LS aBMDは、ベースラインレベルと比べて投与後に少なくとも1~10%向上する、請求項14に記載の方法。
  16. 投与は、骨代謝回転および/または骨細胞密度を低下させ、場合により、骨代謝回転の低下は、血清CTXの低下または血清オステオカルシン(OCN)の上昇によって示される、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 治療有効量は1mg/kgである、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 治療有効量は4mg/kgである、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  19. 投与する工程を毎月、2か月ごと、3か月ごと、6か月ごと、9か月ごと、または12か月ごとに繰り返すことをさらに含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 抗体または抗原結合断片は静脈内注入によって投与される、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
  21. ビスホスホネート、副甲状腺ホルモン、カルシトニン、テリパラチド、または抗スクレロスチン剤を対象に投与することをさらに含む、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
  22. ビスホスホネートは、アレンドロネート、パミドロネート、ゾレドロネート、およびリセドロネートから選択される、請求項21に記載の方法。
  23. 抗TGFβ抗体またはその抗原結合断片であって、
    請求項1~22のいずれか1項に記載の方法において骨形成不全症の処置に使用するための、
    抗TGFβ抗体またはその抗原結合断片。
  24. 請求項1~22のいずれか1項に記載の方法において骨形成不全症を処置するための医薬の製造における抗TGFβ抗体またはその抗原結合断片の、
    使用。
  25. 製品またはキットであって、
    請求項1~22のいずれか1項に記載の方法において骨形成不全症の処置に使用するための、抗TGFβ抗体またはその抗原結合断片を含む、
    製品またはキット。
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