JP2024517178A - C3炭化水素類及びc4炭化水素類を含む流れのアップグレード - Google Patents

C3炭化水素類及びc4炭化水素類を含む流れのアップグレード Download PDF

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Abstract

1,3‐ブタジエン、C4アセチレン類、及び、任意選択でC3炭化水素類を含有する第1流は、水素化C4アセチレン類を含有する、C4アセチレン水素化反応器からの液体再循環流の一部、及び、分子状水素含有流と混合され、得られた混合流は、その後、C4アセチレン水素化反応器に供給されて、相当量の1,3‐ブタジエンを転化することなく、粗ブタジエン流中のC4アセチレン類を選択的に水素化する。

Description

発明の詳細な説明
[技術分野]
本発明は、C炭化水素類及びC炭化水素類を含む流れのアップグレードと、そのようなアップグレードを実施するためのプロセスと、そのようなプロセスを実施するためのシステムと、アップグレードされた生成物と、に関する。アップグレードは、スチームクラッカユニットから得ることができる粗ブタジエン流の水素化処理を含み得る。水素化処理は、例えば粗ブタジエン流中の任意のビニルアセチレン及びエチルアセチレンの少なくとも一部の選択的水素化などの、Cアセチレン類の選択的水素化を含み得る。
[背景]
従来のスチームクラッキングプロセスでは、特定の製品仕様を満たすために、例えばビニルアセチレンやエチルアセチレンなどのCアセチレン類は、脱ブタン塔の塔頂留出物として離脱する粗ブタジエン流から除去される必要があり、粗ブタジエン流は、ほぼ完全にC炭化水素類の混合物から構成される。
このような粗ブタジエン流からのCアセチレン類の低減または除去は、水素化反応機器に粗ブタジエン流を送り、そこで主要なC炭化水素を含有する粗ブタジエン流が選択触媒上で水素化されることで典型的に達成される。
しかしながら、スチームクラッキングプロセスの特定の構成では、脱ブタン塔塔頂留出物としても知られている粗ブタジエン流を形成する脱ブタン塔は、脱プロパン塔の上流に連続して配置されており、その結果、脱ブタン塔塔頂留出物は、C炭化水素類だけではなく、C炭化水素類及びC炭化水素類の混合物から構成されるようになる。
範囲の炭化水素類と、C範囲の炭化水素類との両方を含有する流れから、水素化によってCアセチレン類を選択的に転化しようとする場合、水素化触媒の所望の選択性及び転化率が実現されなくなり、粗ブタジエン流中の不所望の1,3‐ブタジエン分子の水素化に対する選択性が高くなり、かつ/または、所望のCアセチレン類の水素化に対する選択性が低くなるというリスクがある。
米国特許第4,831,200号は、炭化水素供給物を、好ましくは細流方式で、少なくとも部分的には液相で、パラジウムを基にした触媒上に水素の存在下で通し、続いて、好ましくは約300ppmwから400ppmwのアルキン類を含有する流出物を、少なくとも部分的には液相で、銅を基にした触媒上に水素の存在下で通すことにより、例えば1,3‐ブタジエンに富んだC留分などのような、アルケンに富んだ炭化水素供給物中のアルキン類を選択的に水素化し、それにより、アルキン濃度を著しく低減した炭化水素生成物を生成することを開示している。換言すると、‘200号特許は、2つの連続した反応器を、それぞれ異なる触媒とともに使用することを必要とする。
さらに、米国特許第5,877,363号は、(1)ビニルアセチレン及び1,2‐ブタジエンの一部を選択的に水素化するための蒸留構造物として製造される白金、パラジウムまたはロジウムにより特徴づけられるタイプの水素化触媒を含む床を収容する蒸留塔反応器に、水素と、ブタン類、ブテン類、ブタジエン類及びビニルアセチレンを始めとするC炭化水素類を含む炭化水素流とを供給することと、(2)反応混合物を分別蒸留して重質なフラクションを除去すること、及び、C化合物の実質的に全てを含むフラクション塔頂留出物を除去することと、を同時的に行うこと含む、C脂肪族炭化水素流からビニルアセチレン、エチルアセチレン、及び1,2‐ブタジエンを除去するためのプロセスを開示している。
米国特許第4,831,200号及び米国特許第5,877,363号はともに、C範囲全体の分子を含有する流れが選択触媒上で水素化されるプロセスについて言及している。Cアセチレン類も含むC炭化水素類の存在下でCアセチレン類を水素化するためのプロセスにする必要があり、そして、選択性の向上を達成する。
したがって、1つの非限定的な実施形態では、Cアセチレン類の水素化の選択性及び転化率が実質的に維持されるように、そのような混合炭化水素流中のCアセチレン類を水素化することが望ましい。
別の非限定的な変形例では、選択性及び/または転化率が高くなるように、そのような混合炭化水素流中のCアセチレン類を水素化することが、特に望ましい。
さらに異なる非限定的な実施形態では、例えば1,3‐ブタジエン及びプロピレンなどの有用な炭化水素類の水素化を低減しつつ、そのような混合炭化水素流中のCアセチレン類を水素化することが望ましい。
したがって、そのような炭化水素流中のCアセチレン類の水素化の改善、及び、それらの改善を実現するためのシステムが必要である。
[概要]
1つの形態において、(i)少なくとも20重量%のC炭化水素類と、(ii)Cアセチレン類及び1,3‐ブタジエンを含むC炭化水素類と、を含む第1流を水素化するためのプロセスが提供される。このプロセスは、分子状水素と第1流とを水素化反応器内で接触させて、第1流のCアセチレン類の少なくとも一部を水素化し、水素化反応器から導出される第2流を形成することを含み、水素化は、(1)第1流のCアセチレン類の少なくとも20重量%と、(2)第1流の1,3‐ブタジエンの8重量%以下、及び/または、第1流のC炭化水素(オレフィン類+ジオレフィン類)の20重量%以下と、を転化する。
他の非限定的な形態は、(i)C炭化水素類と、(ii)Cアセチレン類及び1,3‐ブタジエンを含むC炭化水素類と、を含む第1流を選択的に水素化するためのプロセスに関する。
別の非限定的な実施形態では、このプロセスは、分子状水素を第1流に導入して水素富化流を形成することと、水素富化流の少なくとも一部を水素化反応器へ導くこととを含む。分子状水素含有流は、少なくとも35重量%の分子状水素、あるいは、少なくとも99重量%の分子状水素を有してもよく、別の非限定的な変形例では、実質的に純粋な分子状水素であってもよい。
水素富化流中のCアセチレン類の少なくとも一部は、水素化反応器内で水素化されて、第2流を形成する。
反応器の入口の温度は、運転の開始から運転の終了までの間、独立して約50°F(10°C)から約140°F(約60°C)の範囲内、あるいは、独立して約78°F(25°C)から約95°F(35°C)の範囲内にある。パラメータ範囲に関して本明細書で使用されるように、「独立して」という語句は、許容可能な代替範囲を与えるために、任意の範囲端点が任意の他の範囲端点とともに使用され得ることを意味する。運転温度をより低くすることは、気化を最小限に抑えて、それによって選択性の改善を補助するのに不可欠である。また、温度がより高いと、活性が押し上げられて、ブタジエンの損失が増加し得る。
炭化水素類及びC炭化水素類は、液相に維持されるべきである。C及びCの気化は、反応器の温度を制御するのに使用されない。反応器の全圧力は、少なくとも、水素化中にC炭化水素類及びC炭化水素類を液相に維持するのに必要な圧力である。1つの非限定的な実施形態では、圧力は、独立して約300psia(約2.1MPa)から約600psia(約4.9MPa)、あるいは、独立して約350psia(約2.5MPa)から約400psia(2.8MPa)の範囲である。圧力が高い方が、供給物中の水素溶解度は高くなる。
別の非限定的な変形例では、このプロセスは、水素化反応器から流出物または第2流を導出すること、第2流を冷却すること、及び、冷却された第2流から液体炭化水素を分離することも含む。
分離された液体炭化水素の少なくとも一部は、再循環比(第1流の重量に対する、分離された液体炭化水素の再循環された部分の重量)が、独立して約0から約3、あるいは、独立して約0.9から約1.5の範囲内で、第1流に再循環される。
本明細書の選択的水素化プロセスによって生成された、アップグレードされた水素化処理生成物が、追加的に提供され、アップグレードされた水素化処理生成物は、独立して約0.5重量%から約2重量%の水素化Cアセチレン類、あるいは、独立して約0.9重量%から約1.6重量%の水素化Cアセチレン類を含む。追加的に、アップグレードされた水素化処理生成物は、独立して約20重量%から約60重量%の水素化1,3‐ブタジエン、あるいは、独立して約40重量%から約50重量%の水素化1,3‐ブタジエンを有する。アップグレードされた水素化処理生成物は、独立して約20重量%から約60重量%の水素化C炭化水素類、あるいは、独立して約40重量%から約50重量%の水素化C炭化水素類も有してもよい。
さらに他の形態では、水素化処理生成物が提供され、同様に水素化処理生成物を作る方法も提供される。前述のプロセス及び方法のいずれかを実施するシステムは、本発明の範囲内にある。例えば、エチレンプラントが追加的に提供され、このエチレンプラントは、粗生成物流出物を有するガスクラッカと、粗生成物流出物と流体連通した脱ブタン塔であって、C類が不所望のCアセチレン類及び所望のブタジエンを含む混合C類及びC類を収容する脱ブタン塔塔頂還流ドラムを備える、脱ブタン塔と、脱ブタン塔塔頂還流ドラムから熱交換器を通って水素化反応器に至る第1流中の粗ブタジエンと流体連通したポンプと、第1流と流体連通した分子状水素含有流と、熱交換器を通って再循環ドラムへと流出物流を誘導する、水素化反応器からの流出物ラインと、第1流と連通した再循環ラインと、再循環ラインと流体連通した水素化生成物流と、を有する。
炭化水素類も含有する粗ブタジエン流中のCアセチレン類を水素化するためのプロセスの、非限定的な実施形態の概略図である。 生成物回収システムにおけるCアセチレン類反応器の配置を示す、エタンクラッカの概略図である。
[詳細な説明]
1,3‐ブタジエン、プロピレン、及びC炭化水素類、並びに任意選択でC炭化水素類を含有する粗ブタジエン流を、Cアセチレン水素化反応器に供給する前に、分子状水素含有流と混合することにより、その流れの中の1,3‐ブタジエン及びプロピレンの損失の増加を回避しつつ、その流れの中のCアセチレン類の水素化に対する選択性を保持できることが発見された。
1つの実施形態では、その流れの中のC炭化水素類及びC炭化水素類は、飽和炭化水素類、オレフィン類、ジオレフィン類及びアセチレン類の混合物であってもよい。Cアセチレン類及び水素(H)供給物の供給条件例を、運転条件とともに、以下の表Yに示す。
その流れの中のCアセチレン類を水素化するのに有用な水素化触媒は、ビニルアセチレン転化率及び選択性を改善する独自の成分を有するパラジウム担持アルミナ触媒でもよいが、これに限定されない。主反応と、起こる可能性があるが副次的である反応とを以下に示す。重要なプロセスパラメータも以下に示す。
<主反応>
ビニルアセチレン(C)+H→ブタジエン(C
エチルアセチレン(C)+H→ブテン(C
ブタジエン(C)+H→ブテン(C
<起こる可能性があるが副次的である反応>
メチルアセチレン(C)+H→プロピレン(C
プロパジエン(C)+H→プロピレン(C
プロピレン(C)+H→プロパン(C
複数の炭化水素化合物の混合物を含む粗ブタジエン流に含有されるCアセチレン類の選択的水素化の特定の形態を図1に概略的に示す。本プロセス及びシステムは、これらの形態に限定されず、本説明は、本プロセス及び/またはシステムのより広い範囲内の他の形態を排除するものとして解釈されるべきではない。
図1を参照すると、1,3‐ブタジエン、プロピレン、及びC/C炭化水素混合物を含有する混合C/C生成物流11が、脱ブタン塔塔頂還流ドラム12からポンプ14を介して圧送され、1つの非限定的な実施形態において約75°Fから約100°F(約17°Cから約38°C)の所望の温度まで、第1熱交換器16内で加熱されることを含む、選択的脱水素化プロセス10が、概略的に示されている。別の非限定的な実施形態では、本システム及びプロセスの圧力は、選択的水素化反応器24を通して炭化水素類を液相で維持するのに十分大きくあるべきことが理解され、その圧力は、例えば約325psiaから375psia(約2.24MPaから2.59MPa)の非限定的範囲内にある。冷たい反応器流出物流19中の液体から任意の蒸気を分離するのに使用される再循環ドラム18から離脱する液体再循環流21の一部は、混合C/C生成物流11と混ぜ合わせられる。ポンプ20は、再循環ドラム18から再循環流21を引き出す。1つの非限定的な実施形態では、混合C/C生成物流11に対する再循環流21の再循環重量比は、約0.75から約1.5の範囲内であり、反応器運転の開始から終了までに変化することになる。この比は、反応器及びポンプ、交換器のサイズ決定に最適化され得る。
混合C/C生成物流11及び21の混合物が加熱された後、分子状水素含有流13が添加される。この混合反応器供給物流15は、供給物中の任意のCアセチレン類を選択的に水素化するのに適した水素化触媒で満たされた選択的水素化反応器24に供給される。混合反応器供給物流15は、起動条件または運転終了条件のために、低圧(LP)流25によって、第2熱交換器22内で加熱されてもよい。選択的水素化生成物を含有する温かい反応器流出物流17は、反応器出口から導出されて冷却された後に、蒸気/液体分離のための再循環ドラム18へ送られる。ドラム液体の一部である再循環流21は、混合C/C生成物流11と混ぜ合わせられるように誘導され、アップグレードされた水素化処理混合C/C生成物を含有するアップグレードされた水素化処理混合C/C生成物23は、貯蔵及び/またはさらなる処理を施すために、プロセスから導出される。
図2を参照すると、熱分解システム31へのエタン供給物30(または、エタン及びプロパンの混合物)を特徴とする、ガスクラッカが示されている。クラッキングされたガス32は、クエンチ・凝縮物回収システム33へ進んで、そこで冷却される。冷却されたクラックガス34は、圧縮・酸性ガス除去・乾燥システム35に供給される。圧縮された、クラッキングされたガス36は、脱エタン塔・アセチレン反応器システム37に供給され、そこでC成分及び重質な成分39から、C成分及び軽質な成分38が分離される。C成分及び重質な成分39は、価値のある3つの生成物、すなわち、プロピレンに富んだ混合C類生成物40、粗ブタジエン生成物41、及び熱分解ガソリン生成物42を構成する。
粗ブタジエン生成物の生成は、通常、C成分及び重質な成分を脱プロパン塔に供給して、脱プロパン塔の塔底を次に脱ブタン塔に供給し、脱ブタン塔塔頂に混合C類生成物を生成させることになる。脱ブタン塔塔頂留出物は、次に、粗ブタジエン生成物をアップグレードするために備えられたCアセチレン反応器システム内で処理され得る。それは、アセチレン類を低減または除去することによって、生成物流の市場価値が向上し、または、Cアセチレン反応器システムよりもコストが高いブタジエンユニットにおいて節約が可能となり得るからである。しかしながら、Cアセチレン反応器システムは、追加のストリッパシステムによって除去される必要があると思われるライトエンド汚染物質を付加する。
図3は、最初にC成分及び重質な成分を脱ブタン塔43に供給した後に、塔頂留出物の混合C類及びC類粗ブタジエン11をCアセチレン反応器システム44に供給するように並び替えた運転を示す。混合C/C生成物流11は、次に分子状水素含有流13と反応して、目的の反応を実現する。ライトエンド汚染物質を含有するアップグレードされた水素化処理混合C/C液体23は、次に、粗ブタジエン41を脱プロパン塔塔底として分離することになる脱プロパン塔45に供給されてもよい。これにより、従来の構成で必要なストリッパシステムが不要となる。
再構成されたシステムのさらなる利点は、Cアセチレン反応器システム44がより穏やかな条件で運転されることであり、これによって、上述したように水素化反応の選択性が向上する。
アセチレン類の転化率は、生成物粗ブタジエン流中のCアセチレン類の仕様を満たすことを目標とされ得ることが理解される。このことは、水素注入を制御して、Cアセチレン類を選択的に水素化することによって、達成される。反応器サイズ、再循環比、圧力及び反応器入口の温度は、Cアセチレン類の所望の転化率を達成するか、または超えるように設計されてもよく、かつ、粗ブタジエン流中に存在する1,3‐ブタジエン及びプロピレンの転化率を低減させるか、またはさらに最小化するように設計されてもよい。1つの例示的な実施形態では、所望の連続運転時間は、独立して約2ヶ月から約12ヶ月、あるいは、独立して約6ヶ月から約9ヶ月の範囲内であってもよく、かつ、空間速度(LHSV)の範囲は、独立して4から約20、あるいは、独立して約8から約16の範囲内であってもよい。
例えばメチルアセチレン及びプロパジエンなどのCアセチレン類の任意の水素化は、本プロセスにおいて意図されていないものの、有益であることも理解されよう。
本明細書に記載のプロセス及びシステムは、Cアセチレン類の水素化の選択性及び転化率を実質的に維持するように混合炭化水素流中のCアセチレン類を水素化することと、選択性及び/または転化率が高まるように混合炭化水素流中のCアセチレン類を水素化することと、例えば1,3‐ブタジエン及びプロピレンなどの有用な炭化水素類の水素化を低減しつつ混合炭化水素流中のCアセチレン類を水素化することと、を含むが、必ずしもこれらに限定されない、種々の目標を達成し得る。本明細書に記載のプロセス及びシステムは、これらの目標のうち、例えばC流を有する混合C/C流中のCアセチレン類の選択性及び転化率を実質的に達成することなどの、1つの目標だけが達成される場合でも、効果的であり、成功とみなされる。本プロセス及びシステムは、1つ以上の他の目標がさらに達成される場合に、さらにより効果的であるとみなされ得る。
前述の明細書では、本発明は、その特定の実施形態を参照して説明されてきた。しかしながら、本明細書は、限定的な意味ではなく例示的な意味としてみなされるべきである。例えば、特許請求されたか、または、開示されたパラメータの範囲内にあるが、具体的に特定されていないか、または、特定の例において試行されていない、炭化水素類、触媒、水素化反応条件及び水素化反応装置、並びに、種々の流れの成分及び条件は、本発明の範囲内である。
本発明は、開示されていない特徴が存在していない状態で実施されてもよい。さらに、本発明は、開示された要素を適切に備えてもよいし、これらからなっていてもよいし、これらから本質的になっていてもよい。例えば、本プロセスは、1,3‐ブタジエン、プロピレン、及び、他のC炭化水素類及びC炭化水素類を含む粗ブタジエン流を、水素化Cアセチレン類を含有する液体再循環流の一部、及び、分子状水素含有流と接触させて、混合供給物流を形成することと、混合供給物流を水素化反応器へ送って、混合供給物流中のCアセチレンを水素化し、水素化Cアセチレン類を含有する流出物流を形成することと、流出物流を蒸気‐液体分離のためのドラムに送って、水素化Cアセチレン類を含有する液体流から任意の蒸気を分離することと、を備えてもよいし、これらからなっていてもよいし、これらから本質的になっていてもよい。
特許請求の範囲全体を通して使用される「備えている」及び「備える」という語句はそれぞれ、「含んでいるが、それに限定されない」及び「を含むが、それに限定されない」を意味すると解釈される。
本明細書で使用される範囲では、「実質的に」という語句は、「指定されたものの大部分であるが、全てではない」ことを意味するものとする。
本明細書で使用されるような、「1つの」及び「その」といった単数形は、文脈に明示されていない限り、複数形も含むことが意図されている。
本明細書で使用される範囲において、所与のパラメータに関連する「約」という語は、記載された値を含むとともに、文脈により定められる意味を有する(例えば、所与のパラメータの測定に関連する誤差の程度を含む)。
本明細書で使用される範囲において、「及び/または」という語は、1つ以上の関連する列挙された項目のいずれか及び全ての組合せを含む。

Claims (19)

  1. 選択的水素化プロセスであって、
    (a)水素化Cアセチレン類を含有する液体流の再循環部を有する炭化水素化合物を含む第1流と、(b)分子状水素含有流と、を接触させて、
    (i)1つ以上のC炭化水素化合物と、
    (ii)Cアセチレン類及び1,3‐ブタジエンを含む、C炭化水素化合物と、
    を含む、混合供給物流を形成することと、
    前記混合供給物流を水素化反応器へ送って、前記Cアセチレン類の少なくとも一部を水素化し、水素化Cアセチレン類を含有する流出物流を形成することと、
    前記流出物流から前記液体流を分離することと、
    前記液体流から前記再循環部を除去することと、
    を備える、選択的水素化プロセス。
  2. 請求項1に記載の選択的水素化プロセスであって、
    前記第1流は、少なくとも1つのC炭化水素化合物を追加的に含む、選択的水素化プロセス。
  3. 請求項1に記載の選択的水素化プロセスであって、
    前記混合供給物流は、プロピレンを追加的に含む、選択的水素化プロセス。
  4. 請求項1に記載の選択的水素化プロセスであって、
    前記Cアセチレン類の少なくとも一部の前記水素化は、前記炭化水素類を液相で維持するのに十分大きい圧力で行われる、選択的水素化プロセス。
  5. 請求項4に記載の選択的水素化プロセスであって、
    前記圧力は、約320psia(約2.2MPa)から約565psia(約3.9MPa)の範囲である、選択的水素化プロセス。
  6. 請求項1に記載の選択的水素化プロセスであって、
    前記水素化反応器は、入口を有し、
    前記入口の前記温度は、約80°F(27°C)から約122°F(約50°C)の範囲である、選択的水素化プロセス。
  7. 請求項1に記載の選択的水素化プロセスであって、
    前記水素化は、
    (1)前記第1流のCアセチレン類の少なくとも45重量%と、
    (2)前記第1流の1,3‐ブタジエンの少なくとも10重量%と、前記第1流のC炭化水素の10重量%以下と、それらの組み合わせとからなる群から選択される追加的な転化と、
    を転化する、選択的水素化プロセス。
  8. 請求項1に記載の選択的水素化プロセスであって、
    前記第1流の重量に対する、前記分離された液体炭化水素の前記再循環された部分の重量の再循環比は、約0.75から約1.5の範囲である、選択的水素化プロセス。
  9. 請求項1に記載の選択的水素化プロセスによって生成される、アップグレードされた水素化処理生成物であって、
    約0.5重量%から約1.0重量%の水素化Cアセチレン類と、
    約8重量%から約37重量%の水素化1,3‐ブタジエンと、
    を含む、アップグレードされた水素化処理生成物。
  10. 選択的水素化システムであって、
    粗ブタジエンを収容する脱ブタン塔塔頂還流ドラムと、
    前記脱ブタン塔塔頂還流ドラムから熱交換器を通って水素化反応器に至る第1流中の粗ブタジエンと流体連通したポンプと、
    前記第1流と流体連通した分子状水素含有流と、
    前記熱交換器を通って再循環ドラムに至らせるように流出物流を誘導する、前記水素化反応器からの流出物ラインと、
    前記第1流と連通した再循環ラインと、
    前記再循環ラインと流体連通した水素化生成物流と、
    を備える、選択的水素化システム。
  11. 請求項10に記載の選択的水素化システムであって、
    前記第1流は、少なくとも1つのC炭化水素化合物を追加的に含む、選択的水素化システム。
  12. 請求項10に記載の選択的水素化システムであって、
    前記熱交換器は、第1熱交換器であり、
    前記選択的水素化システムは、さらに、前記第1熱交換器と前記水素化反応器との間の前記第1流中に第2熱交換器を備える、選択的水素化システム。
  13. 請求項12に記載の選択的水素化システムであって、
    前記第2熱交換器は、低圧流を受容して、前記第1流を加熱するように構成される、選択的水素化システム。
  14. 請求項10に記載の選択的水素化システムであって、
    前記脱ブタン塔は、脱プロパン塔の上流である、選択的水素化システム。
  15. エチレンプラントであって、
    粗生成物流出物を含むガスクラッカと
    前記粗生成物流出物と流体連通した脱ブタン塔であって、C類が不所望のCアセチレン類及び所望のブタジエンを含む混合C類及びC類を収容する脱ブタン塔塔頂還流ドラムを備える、脱ブタン塔と、
    前記脱ブタン塔塔頂還流ドラムから熱交換器を通って水素化反応器に至る第1流中の粗ブタジエンと流体連通したポンプと、
    前記第1流と流体連通した分子状水素含有流と、
    前記熱交換器を通って再循環ドラムに至らせるように流出物流を誘導する、前記水素化反応器からの流出物ラインと、
    前記第1流と連通した再循環ラインと、
    前記再循環ラインと流体連通した水素化生成物流と、
    を備える、エチレンプラント。
  16. 請求項15に記載のエチレンプラントであって、
    前記第1流は、少なくとも1つのC炭化水素化合物を追加的に含む、エチレンプラント。
  17. 請求項15に記載のエチレンプラントであって、
    前記熱交換器は、第1熱交換器であり、
    前記選択的水素化システムは、さらに、前記第1熱交換器と前記水素化反応器との間の前記第1流中に第2熱交換器を備える、エチレンプラント。
  18. 請求項17に記載のエチレンプラントであって、
    前記第2熱交換器は、低圧流を受容して、前記第1流を加熱するように構成される、エチレンプラント。
  19. 請求項15に記載のエチレンプラントであって、
    前記脱ブタン塔は、脱プロパン塔の上流である、エチレンプラント。
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