JP2024516879A - 多媒体用回転ユニオン - Google Patents

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Abstract

本発明は、異なる粘性を有する異なる流体媒体を静止機械部分から回転機械部分に移送するための、多媒体用回転ユニオン(10)であって、流体媒体が加圧された状態で導入可能な媒体主チャネル(20)を有する、前記静止機械部分内への組み込みのための静止ハウジング部(12)と、前記静止ハウジング部(12)の前記媒体主チャネル(20)と流体連通するロータ流体チャネル(17)を有する、前記回転機械部分との接続のためのロータ(16)と、前記静止ハウジング部(12)と前記ロータ(16)との間のメカニカルシール(30)であって、前記メカニカルシール(30)は、前記ロータ(16)と共に回転するロータ摺動リング(38)及びステータ摺動リング(36)を含み、前記ステータ摺動リング(36)又は前記ロータ摺動リング(38)は、軸方向に移動可能な摺動リングキャリア(34)に固定されており、前記メカニカルシール(30)は、第1の荷重比(B)及び第2の荷重比(B’)を定義する、メカニカルシール(30)と、前記媒体圧力のための所定の切り替え閾値(pU)を有する荷重比切り替え装置(78、278、378)であって、前記荷重比切り替え装置(78、278、378)は、前記媒体圧力が前記切り替え閾値(pU)を超えたことに応じて、前記メカニカルシール(30)を前記第1の荷重比(B)から前記第2の荷重比(B’)へ切り替えるように調整されている、荷重比切り替え装置(78、278、378)と、を含む回転ユニオン(10)に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、一般に、静止機械部分から回転機械部分へ異なる粘性を有する種々の流体媒体を移送するための多媒体用回転ユニオン、及び、特には、特に非常に異なる粘性を有する種々の媒体、例えば一方では圧縮性の媒体、他方ではより粘性の高い非圧縮性の媒体が、選択的に、回転ユニオン内へ加圧された状態で導入され得る、多媒体用回転ユニオンに関する。
回転ユニオンは、典型的には、流体媒体を、例えば工作機械の回転スピンドルのような回転機械部分内へ送り込むために使用される。このために、回転ユニオンは、静止部材と回転部材との間にシールを含む。このシールは、軸方向のメカニカルシールとして形成され得る。典型的には、軸方向のメカニカルシールにおいては、2つの摺動リング又は摺動シールリングが互いに摺動し、摺動リングのうちの一方が他方に対して、回転軸に対して同軸に回転し、摺動リングは、流体媒体によって加圧された内部空間を外側領域の大気圧に対してシールするために、対向し互いに隣接する環状の端面によって互いにシールする。回転ユニオンによって移送されるべき流体媒体の種類は種々であり得る。特に、例えば圧縮空気などの気体のような圧縮性の媒体、並びに、例えば冷却潤滑剤(KSS)、及び、例えば切削油又は作動油などの油のような液体媒体を含み得る。冷却潤滑剤(KSS)は、大抵の場合、実質的に油-水エマルジョンから成り、典型的には、純水の粘性よりもはるかには高くない粘性、したがって比較的低い粘性を有する。それに反して、切削油及び作動油は、60 mm2/s(cSt)まで又はそれより大きい可能性のある、著しく高い粘性を有する。同様に公知の方法は、いわゆる少量潤滑又は最少量潤滑(MMS/MQL)である。これは、典型的には、オイル-ガス混合物の形態の、すなわち実質的に圧縮性の媒体でもある、エアロゾルを使用する。
多数の回転ユニオンが存在し、これらは、大抵の場合、前述した流体媒体のうちの1つ又は特定のいくつかに対して、及び/又は、許容される動作パラメータの特定の範囲に対して、多かれ少なかれ最適化されている。異なる特性又は粘性を有する種々の流体媒体と共に動作され得る回転ユニオンも知られているが、これらは、所望の程度には汎用性又は信頼性がないことが示されている。例えば、これらは、特定の条件下で、及び/又は、多くの媒体で、例えば高い回転数などの状況下で過熱する可能性があり、これは、回転ユニオンの破壊にまでつながる可能性がある。とりわけ、汎用性があると誤解された多くの回転ユニオンは、例えばドライランニング中又は圧縮空気により、高い回転数において、安定性に関する重大な問題を有する可能性のあることが示されている。ドライランニングとは、典型的には、媒体による加圧のない回転ユニオンの回転動作を指す。
更に、従来の回転ユニオンは、部分的に、圧縮空気動作において、例えば100標準リットル/分以上の比較的高い漏れ率を有する可能性があり、これも望ましくない可能性がある。
多くの従来の回転ユニオンにおいて、圧力及び/又は媒体が変化する際の、又は、メカニカルシールが開閉する際の応答挙動は、改善の価値があり得る。
更に、状況によっては、回転ユニオンの多くの領域に残留圧力が残る可能性があり、これは、場合によっては完全には解消されず、例えばドライランニングにおいて、摺動リングの固体摩擦に至るまでの望ましくない動作条件をもたらす可能性がある。
多くの回転ユニオンは、互いに対する摺動リングの接触圧力に影響を及ぼすために、メカニカルシールのための開放/閉鎖バネ要素を使用する。これも、特定の動作条件下で不利であることが判明し得る。例えば、そこではバネ力は実質的に一定であり、媒体圧力と相関しない。
デュブリン社の特許文献1及び特許文献2には、メカニカルシールの荷重比(バランス比と称されることもある)が特別に予め選択された区間内にあり、広い圧力及び回転数範囲において2つの摺動リング間の適切な接触圧力を保証する技術が記載されている。デュブリンの技術は、専門家の間ではAutoSense(登録商標)としても知られている。
全体として、市場で入手可能な従来の回転ユニオンの多くは、例えば動作パラメータの使用範囲、使用可能な流体媒体に関する多様性、安定性、ユーザにとっての簡便性、汎用性等のような、回転ユニオンに対する部分的に対立する要件の全体に関して、異なる態様で多かれ少なかれ制限されている。
共に2021年5月5日に出願され公開されていない同一出願人の特許文献3及び特許文献4(これらは、参照により本明細書に組み込まれる。)から、粘性の異なる媒体のための2つの異なる荷重比を有し、荷重比は異なる媒体入口チャネルを介して制御される多媒体用回転ユニオンが知られている。しかしながら、多くの用途において、このために必要とされる複数の媒体接続は、あまり望ましくない可能性がある。
欧州特許第1744502号明細書 欧州特許第2497978号明細書 DE 10 2021 111 688 DE 10 2021 111 670
本発明は、種々の媒体、特に、一方では例えば圧縮空気のような圧縮性の媒体に、他方では例えば切削油又は作動油のようなより高い粘性を有する非圧縮性の媒体に適した、多媒体用回転ユニオンを提供するという課題を有している。
当該課題の別の態様は、異なる媒体、粘性及び圧力での動作時に低い漏れ率を示し、高い回転数においても長寿命かつ低摩耗で作動する、多媒体用回転ユニオンを提供することである。
当該課題の別の態様は、i)切削油又は作動油、ii)冷却潤滑剤(KSS)、iii)圧縮空気、iv)少量潤滑又は最少量潤滑のエアロゾル媒体、でも、v)媒体のない非加圧の状態、すなわちドライランニング中にも、それぞれ高い回転数下での、長寿命かつ低摩耗で作動する、多媒体用回転ユニオンを提供することである。
当該課題の別の態様は、ユーザにとっての使用中の大きな汎用性(「one-for-all」)及び簡便性が互いに調和され、従来の回転ユニオンのユーザに後方互換性を可能にする、多媒体用回転ユニオンを提供することである。
当該課題の別の態様は、前述した欠点を有さないか又はより僅かにしか有さない、回転ユニオンを提供することである。
本発明の課題は、独立請求項の主題によって解決される。本発明の有利な発展形態は、下位請求項において定義されている。
本発明の一態様によれば、圧縮性及び非圧縮性の媒体の両方、並びに、異なる、特に高い粘性を有する媒体を含む種々の流体媒体を、同一の回転ユニオン内で静止機械部分から回転機械部分へ移送するための、多媒体用回転ユニオンが提供される。回転ユニオンは、静止機械部分内へ組み込むための静止ハウジング部と、回転機械部分に接続するためのロータとを含む。静止ハウジング部は、軸方向の又は中央の内部ステータ流体チャネルの形態の中央の作業空間を有する、特に軸方向の媒体主チャネルを取り囲む。例えば中空シャフトの形態のロータは、同様に特に軸方向の又は中央のロータ流体チャネルを有し、静止ハウジング部及びロータの流体チャネルは、ロータが静止ハウジング部に対して、必要に応じて高い回転数で回転し得るよう、恒久的に、すなわち回転中にも、互いに流体連通し、それぞれの加圧された媒体は、ロータ流体チャネルから接続された回転機械部分内へ導入されるよう、回転中、静止ハウジング部の媒体主チャネルから回転するロータのロータ流体チャネル内へ流れる。静止ハウジング部は、一体に又は複数の部品から成るものとして形成され得る。
回転ユニオンは、静止ハウジング部とロータとの間の軸方向のメカニカルシールを含み、当該メカニカルシールは、回転中、ロータと静止ハウジング部との間の流体連通部をシールする。メカニカルシールは、このために、ロータと共に回転する摺動リング又は摺動シールリング、いわゆるロータ摺動リング、及び、回転しない摺動リング又は摺動シールリング、いわゆるステータ摺動リングを含み、2つの摺動リングは、それらの対向し相対的に回転する環状のシール面で、回転ユニオンの静止領域と回転領域との間の移行部をシールする。メカニカルシールが、例えば非加圧のドライランニング又は圧縮空気動作において制御された態様で開くことができるように、2つの摺動リングのうちの少なくとも1つは、僅かに軸方向に移動可能に支持されている。このために、この摺動リングは、軸方向に移動可能に支持された摺動リングキャリアに固定されており、メカニカルシールは、摺動リングキャリアが、それに固定された摺動リングと共に軸方向に移動することにより、開閉し得る。構造的な観点からは、大抵の場合、ステータ摺動リングを軸方向に移動可能に支持することが、より容易である。この場合、軸方向に移動可能な摺動リングキャリアは、それに固定されたステータ摺動リングと共に、軸方向に移動可能なステータ摺動リング構成を形成する。ステータ摺動リング構成は、2つの摺動リングの互いに隣接するシール面の間の正確なシールを保証するために、摺動リングキャリアによって、軸方向に変位可能に、静止ハウジング部のステータ流体チャネル内に支持されており、好ましくは幾らかのバックラッシュを補償し得る。そのように軸方向に変位可能な、場合によっては僅かに傾斜可能なステータ摺動リングは、専門家の間では、浮動(ステータ)摺動リングとも呼ばれる。
換言すれば、浮動ステータ摺動リングの場合、メカニカルシールは、ステータ摺動リングを有し、静止ハウジング部内で軸方向に移動可能ではあるが回転はしない摺動リング構成と、ロータと共に回転する相補的なロータ摺動リングと、を含む。ロータ摺動リングは、例えば、静止ハウジング部に対向するロータの端面に固定されることができ、例えば、プレス及び/又は接着又は他の方法で固定されることができる。
しかしながら、浮動摺動リング及びこれに相補的な摺動リングから成る構成を逆にすること、すなわち、ロータ摺動リングを、これを浮動摺動リングとして形成するために、軸方向に移動可能に支持することは、排除されるべきではない。メカニカルシールは、両方の場合において、Pop-Off(登録商標)機能を有するように形成され得る。摺動リングキャリア及び摺動リングから成る摺動リング構成は、必要に応じて一体に形成され得る。
好ましくは、軸方向のシール力は、実質的に媒体圧力(液圧/空気圧)によって生じる。このようなメカニカルシールは、バランス型メカニカルシールとも呼ばれる。換言すれば、メカニカルシールは、好ましくは、少なくとも主として、場合によっては専ら、液圧によって又は空気圧によってバランスされるように荷重比が選択された、バランス型のメカニカルシールである。したがって、これらのメカニカルシールにおいて、軸方向のシール力は、実質的に幾何学的な荷重比を通じて設定される。特定の範囲の荷重比を有する対応する回転ユニオンには、出願人によって名称AutoSense(登録商標)を与えられる。そのようなメカニカルシールは、特に、開放バネなしで及び/又は閉鎖バネなしで作動することができるが、付加的な場合によっては僅かな開放力又は閉鎖力を生成する特定のバネ要素は、基本的には排除されるべきではない。
ここで、浮動摺動リングを含むメカニカルシールは、少なくとも2つの異なる荷重比、すなわち、第1及び第2の荷重比を定義し、第1及び第2の荷重比は異なる。
特に、第2の荷重比は第1の荷重比よりも大きい。したがって、媒体主チャネル内の媒体圧力が切り替え閾値を超える、メカニカルシールの荷重比が増大する。
回転ユニオンは、媒体圧力のための所定の切り替え閾値を定義する内部の荷重比切り替え装置更に含み、切り替え閾値は非ゼロである。荷重比切り替え装置は、媒体主チャネル内の又は媒体主チャネル内へ導入された媒体の媒体圧力が、切り替え閾値を超えたことに応答して、メカニカルシールが、第1の荷重比から、すなわち媒体主チャネル内での切り替え閾値の超過によりトリガされて、自動的に第2の荷重比に切り替わるように、調整されている。換言すれば、媒体主チャネル内の媒体圧力の切り替え閾値を超える増大は、メカニカルシールの第1の荷重比から第2の荷重比への切り替えをもたらす。したがって、荷重比切り替え装置は、媒体主チャネル内へ導入された媒体の媒体圧力によって作動され、メカニカルシールは、媒体主チャネル内の媒体圧力が切り替え閾値を超えると、第1の荷重比から第2の荷重比に自動的に切り替わる。
したがって、荷重比切り替え装置は、媒体圧力によって液圧的に又は空気圧的に制御され、その結果、メカニカルシールは、第1の荷重比と第2の荷重比との間で液圧的に又は空気圧的に切り替え可能である。第1の荷重比から第2の荷重比への又はその逆の切り替えは、媒体主チャネルを、それぞれの閾値を上回る又は下回るように、加圧すること又は非加圧状態にすることによって行われる。換言すれば、媒体圧力が存在しないとき、又は、媒体主チャネルが切り替え閾値以下の媒体圧力によって、好ましくは圧縮性の媒体によって加圧されるとき、より小さな第1の荷重比が存在し、媒体主チャネルが切り替え閾値を上回る圧力で、好ましくは粘性の高い非圧縮性の又は液体の媒体によって加圧されるとき、回転ユニオンはより高い第2の荷重比に切り替わる。
それにより、例えば比較的低い圧力、例えば10 bar以下での圧縮空気動作において、メカニカルシールは、より小さな荷重比Bで動作されることができ、荷重比Bは、制御された所望の空気漏れを伴う、メカニカルシールの制御された開放を可能にし、したがって、回転下での圧縮空気動作に適している。媒体主チャネルが、例えば切削油又は作動油のような、より粘性の高い非圧縮性の媒体によって、より高い圧力、特に10 barより高い圧力によって加圧されるとき、メカニカルシールは切り替わり、第2のより大きな荷重比B’が有効になり、当該荷重比B’は、より大きな閉鎖力でメカニカルシールを閉じ、したがって、より粘性の高い切削油又は作動油に適しており、過剰な漏れを回避する。
切削油は、例えば6 mm2/s~18 mm2/sの範囲の粘性を有することができ、作動油は、32 mm2/s~6 mm2/s(40℃)の範囲、場合によっては60 mm2/s(40℃)までの範囲の粘性を有することができる。しかしながら、回転ユニオンは、第2の荷重比で、例えば1 mm2/s~3 mm2/sの範囲の粘性を有する粘性の低い液体媒体、例えば冷却潤滑剤(KSS)でも動作され得る。その場合、回転ユニオンは、摺動リングが過度に加熱されることなく、圧縮性の媒体及び非圧縮性の媒体の両方と共に、それぞれ例えば24,000 min-1以上の高い回転数で、動作され得る。それにもかかわらず、回転ユニオンは、圧縮空気動作において、許容可能な低い空気漏れ率を有することができ、より粘性の高い非圧縮性の又は液体の媒体と共に、実質的に漏れのない状態で作動することができる。
有利には、圧縮空気動作中、摺動リングの2つのシール面の間に小さな間隙が形成され(メカニカルシールの制御された解放)、その結果、摩耗が生じず、所望の、制御された、僅かな空気漏れが生じる(AutoSense(登録商標))。対照的に、例えば切削油又は作動油のような高い粘性を有する液体媒体では、2つの摺動リングは、より高い荷重比に起因してより大きな力で互いに押し付けられ、すなわち、メカニカルシールが閉じられ、その結果、間隙の拡大及び望ましくない漏れが回避される。
有利には、そのようにして、非常に異なる媒体、例えば、一方では圧縮空気のような圧縮性の媒体、及び、他方では例えば切削油又は作動油のような高い粘性の液体媒体による加圧に適しており、しかも、高い回転数において高い安定性を有し、使用される全ての媒体において低い漏れ率を有し、特に液体媒体において実質的に漏れのない、非常に汎用的な多媒体用回転ユニオンが創作され得る。
媒体主チャネル内に媒体圧力が存在しない場合、メカニカルシールには閉鎖力は存在しない。任意選択的に、非加圧状態において、二次シールは、浮動摺動リングを引き戻すことができる(いわゆるPop-Off(登録商標)機能)。それにより、ドライランニング中の摺動リングシール面の相互の接触はなく、高い回転数の下で、時間的に無制限のドライランニングも行われ得る。
更に、荷重比切り替え装置は、媒体主チャネル内へ導入された媒体の媒体圧力が、所定のスイッチバック閾値を下回ったことに応答して、メカニカルシールが、第2の荷重比から、すなわち媒体主チャネル内でスイッチバック閾値を下回ったことによりトリガされて、自動的に第2の荷重比に戻るように、調整されている。
したがって、荷重比切り替え装置は、媒体主チャネル内の媒体圧力がスイッチバック閾値を下回ると、メカニカルシールを自動的に第2の荷重比から第1の荷重比に切り換える。換言すれば、媒体主チャネル内の媒体圧力のスイッチバック閾値を下回る降下は、メカニカルシールの第2の荷重比から第1の荷重比への切り替えをもたらす。
切り替え閾値及び/又はスイッチバック閾値は、好ましくは、圧縮空気動作のための回転ユニオンの許容最大圧力よりも大きい。メカニカルシールが第1の荷重比から第2の荷重比に切り替わる切り替え閾値及び/又はスイッチバック閾値は、好ましくは5 barより大きく、好ましくは10 barより大きく、好ましくは5 bar~10 bar、好ましくは10 bar~50 bar、好ましくは10 bar~30 barである。それにより、圧縮空気動作のための許容圧力範囲の全体において、メカニカルシールの制御された間隙開放、したがって空気漏れを可能にする第1のより低い荷重比のみが存在し、第2の荷重比が存在しないことが保証される。
好ましくは、切り替え閾値及びスイッチングバック閾値は同じ大きさであり、その結果、第1の荷重比と第2の荷重比との間の切り替えプロセス、及び、媒体主チャネル内の同一の媒体圧力において再び元に戻る切り替えプロセスが生じる。しかしながら、それらは、異なるようにも選択され得る。
回転ユニオンはまた、所望の媒体を、媒体固有の所望の媒体圧力で媒体主チャネル内へ導入するために、媒体加圧供給ラインの接続のための接続ポートを備える。好ましくは、回転ユニオンは、単一ポート回転ユニオンであり、すなわち、媒体加圧ラインの接続のための単一の接続ポート、及び、(交互に)全ての所望の種々の媒体が通過する単一の媒体主チャネルのみを備える。したがって、回転ユニオンは、圧縮性の媒体、特に圧縮空気、及び、非圧縮性の媒体、特に切削油又は作動油の両方が、同一の接続ポートを介して加圧された状態で同一の媒体主チャネル内へ導入され得るように調整されている。その場合、全ての媒体は、(同時にではなく)交互に同一の接続ポートを介して導入され、単一の媒体主チャネルにおける現在存在する媒体の切り替え閾値を上回る圧力上昇は、第1の荷重比から第2の荷重比への切り替えを引き起こし、及び/又は、単一の媒体主チャネルにおける現在存在する媒体のスイッチバック閾値を下回る圧力降下は、第2の荷重比から第1の荷重比への切り替えを引き起こす。
好ましくは、単一の接続ポートは、(同軸の)軸方向の接続ポートであり、媒体主チャネルは、特に接続ポートからメカニカルシールまで(同軸の)軸方向に延びる軸方向の媒体主チャネルである。好ましくは、媒体主チャネルは、接続ポートからメカニカルシールまで持続的に開いており、すなわち、(同軸の)軸方向の媒体主チャネル自体は、接続ポートから媒体主チャネルを通ってロータ流体チャネル内への媒体の貫流を妨害する可能性のある弁を含まない。それにより、とりわけ、例えば回転ユニオンが最少量潤滑(MMS/MQL)で動作される場合に、媒体主チャネルにおける望ましくない分離が回避され得る。しかしながら、径方向の接続ポートは、原則として排除されるべきではない。
ユーザは、現在所望の媒体及びそれぞれの媒体圧力を、回転ユニオンの外部の媒体分配ネットワークで設定する。このために、回転ユニオンの外部には、特に異なる粘性を有する異なる媒体、特に少なくとも圧縮性の媒体及び少なくとも非圧縮性の媒体の両方、特に少なくとも圧縮空気及び少なくとも切削油又は作動油のための、複数の媒体源、媒体供給ライン、分配器、及び、媒体供給ライン内の外部の弁が、含まれている。特に圧縮空気のための及び切削油若しくは作動油のための媒体供給ラインは、外部の弁によって回転ユニオンの外部からそれぞれ所望の媒体を選択し、これを、所望の媒体圧力で単一の接続ポートを介して単一の媒体主チャネル内へ導入するために、回転ユニオンの外部において分配器を介して相互接続されている。すなわち、全ての許可された媒体が、回転ユニオンの外部で交互にスイッチオン及びオフされ、同一の接続ポートを介して交互に、すなわち時間的に相前後して、回転ユニオン内へ導入される。
メカニカルシールの第1の荷重比は、媒体主チャネルが切り替え閾値よりも小さな媒体圧力を受ける場合、好ましくは約0.40~0.65の範囲の、好ましくは約0.45~0.60の範囲の、好ましくは約0.47~0.60の範囲の、好ましくは約0.50~約0.57の範囲の値を有する。メカニカルシールの第2の荷重比は、媒体主チャネルが切り替え閾値よりも大きな媒体圧力を受ける場合、好ましくは約0.55より大きな、好ましくは約0.60~1の範囲の、好ましくは約0.60~0.7の範囲の、好ましくは約0.65±0.03の値を有する。好ましくは、第2の荷重比は、少なくとも0.1だけ第1の荷重比よりも大きい。
先に既に説明したように、好ましい実施形態によれば、摺動リングキャリアは、それに固定されたステータ摺動リングと共に、軸方向に移動可能な摺動リング構成を形成し、第1の荷重比から第2の荷重比への切り替えは、摺動リングキャリアの有効直径を、好ましくは軸方向の媒体主チャネルからの媒体によって加圧することにより、液圧的に行われる。
好ましくは、静止ハウジング部の内部で、特に回転ユニオンの回転軸に対して径方向に、分岐切り替えチャネルが、荷重比切り替え装置に通じる媒体主チャネルから分岐し、その結果、媒体主チャネル内へ導入された媒体は、荷重比切り替え装置を操作し、それにより第1及び第2の荷重比の間の切り替えを生じさせるために、分岐切り替えチャネルを介して、荷重比切り替え装置の媒体主チャネル側に、それぞれの媒体圧力を印加する。
一実施形態によれば、摺動リングキャリアは、第1の有効直径を有する第1の軸方向領域と、第2の有効直径を有する第2の軸方向領域とを有し、第1の有効直径は、第1の荷重比に対応し、第2の有効直径は、第2の荷重比に対応する。更に、荷重比制御チャネルが、第2の有効直径を有する第2の軸方向領域に通じ、第2の荷重比は、摺動リングキャリアの第2の有効直径が、荷重比制御チャネルを介して、媒体主チャネルからの媒体圧力を受けることにより、もたらされる。特に、第2の有効直径は、第1の有効直径よりも大きく、それにより、第2の有効直径に媒体圧力が印加されたとき、メカニカルシールの閉鎖力の増大がもたらされる。
好ましくは、摺動リングキャリアは、中空ピストンの形態で形成されている。このような中空ピストンは、軸方向に異なる領域において異なる外径を有することができ、この外径は、異なる有効外直径を形成する。したがって、摺動リングキャリアとしてのそのような中空ピストンは、段付きピストンとも呼ばれ得るが、これは、2つの有効直径の間の滑らかな移行を排除することを意図しない。
ステータのいわゆる浮動摺動リングは、可変の接触圧力又は可変のギャップサイズで、回転するロータ摺動リングに対して摺動しつつシールするために、好ましくは、軸方向に移動可能に静止ハウジング部内に支持された中空ピストンのロータ側の端面に固定されている。第1の荷重比から第2の荷重比への切り替えは、荷重比切り替え装置を開くことにより中空ピストンの第2の有効外直径に圧力を印加することによって、液圧的に行われる。これは、相応して浮動ロータ摺動リングにも当てはまる。
摺動リングキャリア又は中空ピストンの第2の有効直径に、圧力に応じて、すなわち媒体主チャネル内の媒体圧力に応じて、媒体主チャネルの媒体圧力を印加し又は印加しないために、静止ハウジング部内の荷重比切り替え装置は、好ましくは、荷重比制御弁を含み、当該荷重比制御弁は、媒体主チャネルから分岐切り替えチャネルへの媒体圧力が切り替え閾値を超えるとき、荷重比制御弁が開くことにより、荷重比制御チャネルを制御する。荷重比制御弁を開くことによって、媒体主チャネル内に現在存在する媒体圧力を有する媒体は、媒体主チャネルから並列に荷重比制御チャネル内へ導入され、そこで第2の有効直径を加圧する。媒体主チャネルから分岐ス切り替えチャネルを介して荷重比制御弁に存在する媒体圧力が、スイッチバック閾値を下回ると、荷重比制御弁は再び閉じる。好ましくは、第2の有効直径を非加圧状態とするために、荷重比制御チャネル内に残存する残留圧力は、低減される。換言すれば、媒体主チャネル内の媒体圧力の切り替え閾値を上回る上昇は、荷重比制御弁の開放を引き起こし、及び/又は、媒体主チャネル内の媒体圧力の切り替え閾値を下回る降下は、荷重比制御弁の閉鎖を引き起こす。荷重比制御弁を開くことによって、荷重比制御チャネル、したがって第2の荷重比がアクティブとなり、及び/又は、荷重比制御弁を閉じることによって、荷重比制御チャネル、したがって第2の荷重比が非アクティブとなる。荷重比制御弁は、特に、所定の切り替え圧力を有するバネ付勢された弁である。荷重比制御弁は、更に、特に媒体主チャネルに対して平行なチャネルに配置されている。
特に、荷重比制御弁は、荷重比制御弁が分岐切り替えチャネル内の媒体圧力によって開かれた時、媒体主チャネルからの媒体圧力が荷重比制御チャネルを介して摺動リングキャリアの第2の有効直径に作用し、及び/又は、荷重比制御弁が閉じられた時、媒体主チャネルからの媒体圧力が摺動リングキャリアの第2の有効直径に作用しないように、媒体主チャネルから荷重比制御チャネルへの流体を開閉する。
第1の荷重比に関して、媒体主チャネルからの媒体圧力は、特に荷重比制御弁が開かれているか又は閉じられているかにかかわらず、摺動リングキャリアの第1の有効直径に作用する。
一実施形態によれば、分岐切り替えチャネルは、荷重比制御弁を通じて荷重比制御チャネル内に直接開口し、その結果、荷重比制御弁が開かれている時、媒体主チャネルからの媒体は、分岐切り替えチャネルを介し、荷重比制御弁を通じて、荷重比制御チャネルに媒体圧力を印加し、又は、荷重比制御チャネルは、静止ハウジング部分内において、媒体主チャネルから、特に回転ユニオンの回転軸に対して径方向に分岐し、荷重比制御弁は、静止ハウジング部内において切り替え閾値を超えた場合に、荷重比制御チャネルを媒体主チャネルに流体連通させ、それにより、媒体主チャネルからの媒体が荷重比制御チャネルに媒体圧力を印加する。
一実施例によれば、荷重比制御弁は、媒体主チャネル側から開くバネ付勢された逆止弁として形成されており、当該逆止弁は、分岐切り替えチャネル内で切り替え閾値を超えたときに開き、それにより、分岐切り替えチャネルを荷重比制御チャネルと流体連通させ、その結果、媒体主チャネルからの媒体は、分岐切り替えチャネル内を介し、逆止弁を通じて、加圧された状態で、荷重比制御チャネル内へ導かれる。媒体主チャネル内において切り替え閾値を下回った場合、逆止弁は再び閉じ、それにより、荷重比制御チャネルを分岐切り替えチャネルから再び分離する。
更なる実施例によれば、荷重比制御弁は、分岐切り替えチャネル内の媒体圧力に抗してバネ付勢された弁ピストンを備え、当該弁ピストンは、切り替え閾値未満で、静止ハウジング部の相補的なボア内においてシールし、切り替え閾値を超えたときに軸方向に変位され、それにより、弁ピストンとボアとの間の間隙の形態の、分岐切り替えチャネルと荷重比制御チャネルとの間の流体連通を解放する。
更なる実施例によれば、荷重比制御弁は、分岐切り替えチャネルにおいて切り替え閾値を超えた時に開き、それにより媒体主チャネルを荷重比制御チャネルと流体連通させる、バネ付勢された弁として形成されている。分岐切り替えチャネル内において切り替え閾値を下回った場合、荷重比制御弁は再び閉じ、それにより、媒体主チャネルを荷重比制御チャネルから再び分離する。
好ましくは、荷重比制御弁は、特に回転ユニオンの回転軸に対して平行に回転可能な弁ピストンを備える。
一実施例によれば、荷重比制御弁は、媒体主チャネルが非加圧状態になった時、媒体圧力がこの時点で既に切り替え閾値を下回っているにもかかわらず、荷重比制御弁が、その閉鎖の間に、ゆっくりと閉じる荷重比制御弁を通じて媒体主チャネル内へ減圧し、そのようにして非加圧状態とされるために十分な時間を荷重比制御チャネルが有する程度に、ゆっくりと閉じるような切り替え慣性を有する。
更なる実施例によれば、荷重比制御チャネルから、例えば摺動リングキャリアの周りの環状チャネルを介して媒体主チャネルに通じ、媒体主チャネル側から遮断する逆止弁を備える別個の減圧チャネルがあり、荷重比制御チャネルは、減圧チャネルを介して減圧され、媒体主チャネルが非加圧状態にされると、非加圧状態になる。このために、逆止弁は、好ましくは、例えば1 bar未満、特に0.1 bar未満、例えば0.04 bar又は更に0 barの、非常に小さな開放圧力を有する。逆止弁は、このために、圧縮バネを備えて又は備えることなく構成され得る。
好ましくは、メカニカルシールの2つの摺動リングのうちの少なくとも1つ、特に両方の摺動リングは、炭化ケイ素摺動リング(SiC)として形成されている。
一実施形態によれば、摺動リングキャリアは、二次シールによって静止ハウジング部内でシールされており、二次シールは、第1及び/又は第2の二次シールリングを含む。2つの二次シールリングの場合、これらは、好ましくは、荷重比制御チャネルを軸方向の両側でシールするために、荷重比制御チャネルの軸方向に対向する側で摺動リングキャリアに配置されている。第1の二次シールリングは、好ましくは、いわゆるクワッドリングとして、及び/又は、第2の二次シールリングは、U字形の断面を有するエラストマーリングとして、それぞれ形成され得る。好ましくは、メカニカルシールが加圧された状態で閉じる時、二次シールは軸方向に張力をかけられ、非加圧状態になると、メカニカルシールをドライランニングのために十分に広く開くために、ステータ摺動リングを有する摺動リングキャリアを、ロータ摺動リングから引き離す(いわゆるPop-Off(登録商標)機能)。それにより、高い回転数における実質的に無制限の無摩耗のドライランニングが可能になる。
クワッドリングは、好ましくは、摺動リングキャリア上でプレストレスされ、その外径において、静止ハウジング部に対して軸方向の可動性を有する。
更に好ましくは、静止ハウジング部は、クワッドリングが収容される、クワッドリングのための円周溝を備え、クワッドリングは、溝内において、軸方向の可動性のための軸方向の遊びを有する。
このような回転ユニオンは、次に、以下のように動作され得る:ユーザは、例えば圧縮空気を有する外部の圧縮気体源を、外部の圧縮気体供給ライン、外部の弁及び外部の分配器を介して、回転ユニオンの接続ポートに接続する。更に、ユーザは、例えば切削油又は作動油のような油を有する外部の媒体リザーバを、外部の油供給ライン、別の外部の弁及び外部の分配器を介して、回転ユニオンの同一の接続ポートに接続し、その結果、圧縮気体及び加圧された油の両方が、(同時にではなく)交互に、同一の接続ポートを介して、静止ハウジング部内の同一の媒体チャネル内へ、導かれる。ユーザは、外部の弁において、どの媒体が現在導入されるかを設定する。場合によっては、所望であれば代替的に、冷却潤滑剤は、同一の接続ポートを介して同一の媒体チャネル内へ導かれ得る。このために、ユーザは、外部の冷却潤滑剤供給ライン、別の外部の弁及び外部の分配器を介して、冷却潤滑剤を有する外部の媒体リザーバを、回転ユニオンの同一の接続ポートに接続する。
動作中、ユーザは、第1の時間間隔において、加圧ガス供給ライン及び接続ポートを介して、加圧ガスを、例えば加圧ガスのための許容最大圧力以下の圧力で、又は、油・空気混合物(MMS/MQL)を、例えば10 bar以下の圧力で、媒体主チャネル内へ導入することができ、その場合、メカニカルシールにおいて第1の荷重比が生じ、回転ユニオンは、加圧ガス及び第1の荷重比及び制御された空気漏れと共に回転する。次いで、ユーザは、再び加圧ガス動作を終了する。後の第2の時間間隔において、ユーザは、油供給ライン及び同一の接続ポートを介して、例えば6 mm2/sの高い粘性、及び、例えば10 bar以上の高圧を有する、例えば切削油又は作動油のような油を、媒体主チャネル内へ導入する。媒体主チャネル内の例えば10 barを超えるより高い油圧の作用により、荷重比切り替え装置は、荷重比制御チャネルを摺動リングキャリアの第2の有効直径に開き、その結果、メカニカルシールにおいて第2の荷重比が生じ、回転ユニオンは、油及び第2の荷重比と共に、実質的に漏れのない状態で回転する。次いで、ユーザは、オイルを再びスイッチオフする。
しかしながら、回転ユニオンは、KSSにも適しており、その結果、代替的に、用途に応じて、第2の時間間隔において、冷却潤滑剤供給ライン及び同一の接続ポートを介して、油の代わりに冷却潤滑剤が、例えば10 barより大きな圧力で、同一の媒体主チャネル内へ導入され得る。媒体主チャネル内の例えば10 barを超えるより高い冷却潤滑剤圧力の作用により、荷重比切り替え装置は、(油と共に動作する場合と同様に)荷重比制御チャネルを摺動リングキャリアの第2の有効直径に開き、その結果、メカニカルシールにおいて同様に第2の荷重比が生じ、回転ユニオンは、冷却潤滑剤及び第2の荷重比と共に、実質的に漏れのない状態で回転する。次いで、ユーザは、冷却潤滑剤を再びスイッチオフする。第3の時間間隔において、回転ユニオンは、媒体なしでドライランニングで動作されることができ、メカニカルシールは、二次シールによって引き起こされる軸方向の開放力により、開いた状態で保持される。
したがって、回転ユニオンは、同一の接続ポート及び同一の媒体主チャネルを介して相前後して、それぞれ適した圧力を有する圧縮性及び非圧縮性の媒体を含む異なる媒体と共に、動作されることができ、媒体圧力に応答して、それぞれの媒体に適したより大きな又はより小さな荷重比が生じる。
摺動リングキャリアのうちメカニカルシールから離れた後端は、好ましくは、特にロータ、メカニカルシール及び/又は摺動リングキャリアと同軸に延びる、作業空間又は媒体主チャネル内に開口する。ロータは、好ましくは、単一の中央のロータ流体チャネルのみを備える。更に、好ましくは、回転ユニオンは、単一の軸方向のメカニカルシールのみを備える。
以下において、本発明が、実施例に基づき、図面を参照して、より詳細に説明されるが、同一の及び類似の要素は、部分的に同じ参照番号を与えられ、種々の実施例の特徴は、互いに組み合わせられ得る。
本発明の実施形態による回転ユニオンの縦断面を、メカニカルシールが開放された状態で示す。 図1と同様であるが、メカニカルシールが閉鎖された状態である。 メカニカル及び摺動リングキャリアの周りの、図1の部分拡大図である。 メカニカル及び摺動リングキャリアの周りの、図2の部分拡大図である。 ロータ側の二次シールの周りの、図3の更なる部分拡大図である。 ロータ側の二次シールの周りの、図4の更なる部分拡大図である。 本発明の更なる実施形態による回転ユニオンの縦断面を、メカニカルシールが開放された状態で示す。 図7と同様であるが、メカニカルシールが閉鎖された状態である。 メカニカル及び摺動リングキャリアの周りの、図7の部分拡大図である。 メカニカル及び摺動リングキャリアの周りの、図8の部分拡大図である。 図7の荷重比切り替え装置の部分拡大図を、非作動状態で示す。 図11と同様であるが、荷重比切り替え装置は作動状態である。 図7と比較して変形された実施形態の縦断面を、メカニカルシールが開放された状態で示す。 図13と同様であるが、メカニカルシールが閉鎖された状態である。 本発明の更なる実施形態による回転ユニオンの縦断面を示し、メカニカルシールは開放された状態であり、荷重比切り替え装置は非作動状態にある。 図15の線A-Aに沿った回転ユニオンの横断面図である。 図15の線D-Dに沿った回転ユニオンの横断面図である。 図15の線E-Eに沿った回転ユニオンの横断面図である。 図15の回転ユニオンの後面図である。 図19の線B-Bに沿った回転ユニオンの縦断面図である。 図20の荷重比切り替え装置の部分拡大である。 図15と同様であるが、メカニカルシールは閉鎖された状態であり、荷重比切り替え装置は非動状態にある。 図22の線A-Aに沿った回転ユニオンの横断面図である。 図22の線D-Dに沿った回転ユニオンの横断面図である。 図22の線E-Eに沿った回転ユニオンの横断面図である。 図22の回転ユニオンの後面図である。 図26の線B-Bに沿った回転ユニオンの縦断面図である。 図27の荷重比切り替え装置の部分拡大である。 荷重比の算出のための、浮動摺動リングを有する摺動リング構成の直径比の概略図である。 外部の媒体分配ネットワークの概略図である。
図1~28を参照すると、ユニオン10は、後部に、本例では複数の部品から形成された静止ハウジング部12を備える。機械スピンドル18との接続のための、中空シャフトの形態の本例におけるロータ16は、例えばボール軸受14のような主転がり軸受によって、回転可能に静止ハウジング部12内に支持されている。回転ユニオン10は、所望の流体媒体を、回転ユニオン10の静止ハウジング部12内へ加圧下で、同一の接続ポート22を介して回転ユニオン10の回転軸Xに対して同軸に延びる同一の媒体主チャネル20内へ導入するために、特に、静止ハウジング部12内に単一の媒体主チャネル20と、例えば、適切なホース又はパイプシステムとの接続のための単一のねじ込み継手24を有する単一の接続ポート22と、を備える。その場合、媒体主チャネル20は、適切な媒体の群からの現在所望の媒体によって、交互にかつ同時にではなく、加圧される。その場合、適切な媒体の群は、圧縮性の媒体と非圧縮性の媒体の両方を含む。適切な媒体の群は、特に、一方では圧縮性の媒体として圧縮空気、少量潤滑又は最少量潤滑(MMS/MQL)、他方では非圧縮性の媒体として冷却潤滑剤(KSS)、切削油及び/又は作動油を含み得る。その場合、回転ユニオンは、特に、少なくとも、一方において圧縮空気と共に、他方において例えば切削油又は作動油のような油と共に、動作可能である。
静止ハウジング部12及びロータ16は、軸方向のメカニカルシール30によってシールされている。メカニカルシール30は、軸方向に変位可能な摺動リングキャリア34と、摺動リングキャリア34に固定された摺動リング36とを備える、摺動リング構成32を含む。ステータの摺動リング36、又は短縮してステータ摺動リング36は、そのロータ側の軸方向の環状のシール面36aで、ロータ16の相補的な摺動リング38の軸方向の後部の環状のシール面38aに対して、シールする。ロータ16の摺動リング38、又は略してロータ摺動リング38は、ロータ16のステータ側の端面16aに固定されており、これらの例では、環状溝42内に押し込まれ、及び/又は、接着されているが、他の固定技術も可能である。
ステータ摺動リング36の摺動リングキャリア34は、例えば中空ピストン44として形成されており、特に、回転はしないが軸方向に移動可能に、静止ハウジング部12内に支持されている。摺動リングキャリアは、静止ハウジング部12内の対応するロータ側の凹部48内に回転しないように収容された、ロータ側のフランジ46を備える。回り止めは、例えば静止ハウジング部12内の2つの軸方向ピンを介して実現することができ、当該ピンは、摺動リングキャリアフランジ46の対向する溝内において形状接続を生成する(明確にするために図には示されていない)。ステータ摺動リング36は、前側において、摺動リングキャリア34若しくは中空ピストン44のロータ側の端部34aに固定、例えば圧入又は接着されているが、他の固定技術も可能である。本例では、ステータ摺動リング36は、例示的に、摺動リングキャリア34の、より正確にはフランジ46の凹部52内に、恒久的に固定されている。
摺動リング36、38は、好ましくは両者とも炭化ケイ素か(SiC)ら成り、SiC-SiCメカニカルシール30がしばしば参照される。SiC-SiCメカニカルシール30は、耐用年数が長く、液体の良好な潤滑媒体と共に動作するとき、優れたシール特性を有する。しかしながら、多くの従来の回転ユニオンは、圧縮空気での動作の際、又は、炭化ケイ素シールでのドライランニング時に、安定性の問題を有する。SiC摺動リングは、例えば潤滑剤なしで動作し互いに十分に分離されていない場合、過熱する可能性があり、これは、回転ユニオンの完全な故障につながり得る。これは、本発明によって回避され得る。しかしながら、例えば炭素黒鉛(CG)のような摺動リング36、38用の他の材料も、すなわち例えばCG-SiCメカニカルシール、あるいは、炭化タングステン(TC)も、考慮に入れられ得る。
ステータの摺動リング構成32、又は短縮してステータ摺動リング構成32又は中空ピストン44は、二次シールリング60によって、軸方向に変位可能に静止ハウジング部12内に支持されている。二次シール60は、これらの例では、2つのエラストマーリングシールの形態の第1及び第2の二次シールリング62、64を含む。ロータ側の第1のエラストマーリングシール62は、本例では、例えばViton(登録商標)のようなフルオロエラストマーから成る、エラストマークワッドリング62として形成されている。ステータ側の又は後側のエラストマー第2リングシール64は、本例においては、高圧側で開口し、媒体主チャネル20と流体連通する溝66を有する、U字形断面を有する。したがって、この第2のリングシール64は、Uカップリングと呼ばれることもある。
2つのエラストマーリングシール62、64による摺動リングキャリア34又は中空ピストン44の支持は、軸方向のメカニカルシール30を閉鎖し再び開放することができるように、ステータ摺動リング構成32又はステータ摺動リング36に、限定された軸方向の可動性を可能にする。典型的には、メカニカルシール30は、例えばKSS、切削油若しくは作動油のような液体潤滑剤成分を含む加圧された流体媒体と共に動作する際に閉じられ、その結果、高々、最小限の、場合によっては滴状の漏れ(いわゆる発汗)が生じるにすぎない。このような媒体は、メカニカルシール30が閉じられた際、2つの炭化ケイ素摺動面36a、38a間の十分な潤滑をもたらす。しかしながら、ドライランニング中又は圧縮空気動作中、閉鎖状態では、2つの炭化ケイ素摺動リング36、38が互いに摩擦し合い、過度に加熱する可能性がある。これを防止するために、メカニカルシール30は、非加圧状態において又は圧縮空気動作中、摺動リングキャリア34又は中空ピストン44がステータ摺動リング36と共に、すなわちステータ摺動リング構成32が、ロータ摺動リング38から離れ、そこから僅かに軸方向に、すなわち本図では右方へ移動し、その結果、摺動リング36、38の間にシール間隙40が生じる(図3及び9において最も良好に見られる)ことにより、開かれる。加圧時の閉鎖プロセスは、本例においては、中空ピストン44の軸方向ボア47内の内側絞り45によって改善され得る。
本実施例における2つのエラストマーリングシール62、64は、共に、回転ユニオン10の静止部分の二次シール60を形成する。したがって、エラストマー二次シール60は、ステータ摺動リング構成32のための二重の機能、すなわち一方では軸方向に変位可能な軸受としての、他方では静止側からの流体媒体による加圧に対する静止ハウジング部12内のシールとしての機能を果たす。
ステータ摺動リング構成32は、エラストマーシールリング62、64による支持に起因して、場合によっては僅かな傾斜可能性を有し、その結果、一次シール30の2つの摺動リング36、38のシール面36a、38aは、加圧された状態で互いに対して完全に平坦になり、相応して良好なシール効果が生成され得る。そのような軸方向に変位可能に支持された、場合によっては僅かに傾斜可能なステータ摺動リング36は、専門家の世界では、浮動摺動リングとも呼ばれる。
メカニカルシール30の開放状態において、摺動リング36、38の間にシール間隙40が存在し、当該シール間隙40は、より良好な説明のために、図面においては誇張して示されている可能性がある。これは、圧縮空気動作において特に当てはまる。なぜなら、制御された過度に大きくない空気漏れのみが望まれるからである。メカニカルシール30の開放状態においては、例えば圧縮空気動作において、本実施例では毎分約15~20標準リットルであり得るある漏れ率が生じるが、これは、多くの従来の回転ユニオンよりも著しく少ない。更に、本回転ユニオン10は、優れたドライランニング特性を有する。これは、ドライランニング中、摺動リング36、38の過度の加熱が回避され得るからである。したがって、回転ユニオンは、ドライランニング時の非加圧状態においても、特に例えば10 barまでの許容可能な圧力間隔の圧縮空気と共にも、高い回転数で広範囲にわたって無制限に動作され得る。
図29を参照すると、浮動摺動リングの荷重比Bは、2つの摺動リング36、38の間の接触面Fに対する液圧又は空気圧が負荷される面FHの面積比FH/Fによって、定義される。したがって、荷重比Bは、以下のように、直径D1、D2及びD3に基づいて幾何学的に計算することができる:
ここで、D1は、圧力負荷された摺動リングキャリアの外径又は有効径であり、D2は、メカニカルシールの接触面の外径であり、D3は、メカニカルシールの接触面の内径である。
本実施例において、中空ピストン44は、段付きピストンとして形成されており、したがって、第1の外径D1を有するステータ側の第1の軸方向領域72と、より大きな第2の外径D1’(D1’>D1)を有するロータ側の第2の軸方向領域74とを有する。
荷重比制御チャネル76は、内部に接続され、静止ハウジング部12の内部を延びる。荷重比制御チャネル76は、摺動リングキャリア34又は中空ピストン44の周方向に延びる外側に開口し、荷重比制御チャネル76が稼働すると、すなわち媒体主チャネル20からの媒体によって加圧されると、荷重比制御チャネル76を介して、中空ピストン44のより大きな第2の外径D1’が、媒体主チャネル20内へ導入された媒体によって加圧されるよう、配置されている。それに応じて、荷重比制御チャネル76と、摺動リング4又は中空ピストン44のより大きな第2の外径D1’を有する第2の軸方向領域74との間に、流体接続が存在する。したがって、接続ポート22を介しての媒体主チャネル20内への流体媒体の加圧導入は、媒体主チャネル20内への及びそこからロータ流体チャネル17内への流体媒体の加圧導入をもたらすだけでなく、荷重比制御チャネル76が稼働した場合、すなわち媒体圧力が印加される場合にのみ、摺動リングキャリア34又は中空ピストン44の外径D1’を有する第2の軸方向領域74を媒体によって加圧する。
荷重比制御チャネル76の稼働は、この場合、新規の荷重比切り替え装置78を用いて媒体主チャネル20内の媒体圧力によって制御され、すなわち稼働及び稼働停止され、これは、実施例に基づいて以下でより詳細に説明される。それにより、圧縮空気、少量潤滑(MMS/MQL)、切削油、作動油及び冷却潤滑剤(KSS)を含む全ての慣用された媒体は、圧力下及び回転下で、同一の媒体主チャネル20を介して工作機械スピンドル18内へ移送され得る。加えて、無制限のドライランニング、すなわち残留する媒体のない回転が可能である。
本実施例のいくつかの機能は、参照により本明細書に組み込まれる特許出願DE 102021111688及びDE102021111690に開示される回転ユニオンに基づく。DE102021111688及びDE102021111690に記載されている回転ユニオンとは異なり、本明細書に開示され、図1~28に示されている回転ユニオン10は、複数の媒体主チャネル及び接続ポートの代わりに、単一の媒体主チャネル20及び単一の接続ポート22のみを含む。
荷重比制御チャネル76の制御は、本発明においては、特に、静止ハウジング部12に一体化された弁制御の形態の荷重比切り替え装置78によって達成される。
荷重比切り替え装置78は、特に荷重比制御弁80を含み、当該荷重比制御弁80は、一方において、荷重比制御装置78の非作動時に荷重比制御弁80が閉鎖され、それにより荷重比制御チャネル76及びしたがってより大きな第2の有効径D1’が媒体主チャネル20からの媒体圧力によって加圧されず、その結果より小さな第1の荷重比Bが生じ、他方において、荷重比制御装置78の作動により荷重比制御弁80が開放され、それにより荷重比制御チャネル76及びしたがってより大きな第2の有効径D1’が媒体主チャネル20からの媒体圧力によって加圧され、その結果より大きな第2の荷重比B’が生じることにより、メカニカルシール30を、より小さな第1の荷重比Bとより大きな第2の荷重比B’との間で双方向に切り替える。
荷重比切換装置78が作動されると、すなわち荷重比制御弁80が開放されると、それにより、より大きな第2の有効直径D1’が媒体主チャネル20からの媒体圧力を受け、それにより、メカニカルシール30の閉鎖力は、より小さな第1の有効直径D1と比較して増大される。
図1~6による第1の実施例を参照すると、荷重比制御流路76の制御は、媒体主チャネル側から開く荷重比制御弁80としての圧力リリーフ弁180と、リリーフ弁104と、によって行われる。圧力リリーフ弁180の貫流方向は、媒体主チャネル20から荷重比制御チャネル76内へ向かう方向である。バネ荷重式圧力リリーフ弁180の開放圧力又は切り替え点は、この弁が、典型的な圧力>10 barを有するKSS、切削油又は作動油の適用においてのみ作動されるように、すなわち開放し、開放状態において荷重比制御チャネル76を媒体圧力下に置くように、選択される。圧縮空気の適用は、この回転ユニオンにおいて、最大10 barに制限されており、その結果、圧力リリーフ弁180は、10 bar以下の圧縮空気加圧では作動しない、すなわち閉じたままである。
媒体圧力が、特にKSS又は切削油/作動油の適用の場合に、所定の切り替え閾値pUを超えると、圧力リリーフ弁180が開き、次いで、荷重比制御チャネル76内を、媒体主チャネル20内と同じ圧力が支配する。切り替え閾値pUは、本例においては、圧縮空気の最大許容圧力より幾分大きく、すなわちpU > 10 bar、例えば、pU = 20 barであるように選択される。
圧力リリーフ弁180が作動又は開放されると、この媒体圧力は、荷重比制御チャネル76を介して、中空ピストン44のより大きな第2の外径D1’によって画定されるより大きな液圧作用面に作用し、それにより、メカニカルシール30の閉鎖力を増大させる。この実施例において、より小さな第1の外径D1によって引き起こされる、すなわち圧力リリーフ弁180が閉じた状態での第1の荷重比Bは、ノミナルで0.50であり、より大きな第2の外径D1’によって引き起こされる、すなわち圧力リリーフ弁180が開いた状態でのより大きな第2の荷重比B’は、ノミナルで0.64である。それにより、メカニカルシール30は、KSS又は切削油/作動油の適用の場合に、ほぼ漏れのないままであり、シール面36a、38aの間の潤滑膜は、メカニカルシール30の摩耗を防止する。
換言すれば、この実施例においてはバネ荷重式圧力リリーフ弁180の形態の荷重比制御弁80は、媒体主チャネル20内の媒体圧力が切り替え閾値pUを超える、すなわち開かれることにより作動され、それにより、荷重比制御チャネル76は、圧力技術的に、媒体主チャネル側からの流れ方向において、媒体主チャネル20と接続され、その結果、媒体主チャネル20からの媒体圧力は、荷重比制御チャネル76内にも作用する。
KSS又は切削油/作動油の適用が終了するときの制御チャネル76内の減圧は、この実施例においては、減圧チャネル106内のリリーフ弁104としての逆止弁を介して行われる。媒体主チャネル20が非加圧状態に設定され、それによりスイッチバック閾値pR(この例でpU = pR)を下回ると、圧力リリーフ弁180は閉じるが、逆止弁104は、より大きな第2の有効直径D1’を再び非加圧状態に設定するために、荷重比制御チャネル76の側から媒体主チャネル20の方向に、貫流され得る。逆止弁104の開放圧力は、非常に低く、例えば0 bar又は0.04 barに選択され得る。
KSS又は切削油若しくは作動油と共に動作するとき、開放された圧力リリーフ弁180により、媒体主チャネル20と荷重比制御チャネル76との間に圧力バランスが存在し、したがって、この状態では、逆止弁104の位置は、回転ユニオン10の機能に無関係である。KSS又は切削油若しくは作動油の適用において、圧縮空気に切り替えられる場合、媒体主チャネル20は、短時間の間、非加圧状態にある。この非加圧状態の間、逆止弁104の選択に応じて、荷重比制御チャネル76内の圧力を例えば0 bar又は0.04 barに低減させるために、圧力リリーフ弁180は閉じられ、媒体主チャネルに対して場合によっては依然として存在する荷重比制御チャネル76内の過剰圧力により、逆止弁104は開き、その結果、より小さな第1の有効直径D1によって画定される、より小さな第1の荷重比Bが再び有効になる。
圧縮空気を適用する際の最大許容圧力は、本実施例においては10 barであり、その結果、圧力リリーフ弁180は、圧縮空気動作における最大許容圧力よりも大きな切り替え閾値pUに起因して、圧縮空気を適用する際には閉じたままである。したがって、荷重比制御チャネル76は、媒体主チャネル20内の圧力が切り替え閾値を超えない限り、非加圧のままであり、その結果、より小さな第1の有効直径D1によって定義されるより小さな液圧面のみが、媒体主チャネル20の媒体圧力を受ける。それにより、メカニカルシール30のより小さな第1の荷重比B、この例ではノミナルでB = 0.5が生じる。より小さな第1の荷重比Bに起因して、圧縮空気動作中、2つの摺動リング36、38の間に小さなシール間隙40が生成され、その結果、摺動リングの摩耗が起こらず、生じる空気漏れは僅かで制御されたものとなり得る。しかしながら、例えば切削油又は作動油のような高い粘性を有する液体媒体の場合、より小さな第1の荷重比Bが存在する時、このシール間隙40は過度に大きくなり、望ましくない高い液漏れが生じるであろうが、これは、より大きな第2の荷重比B’への切り替えにより防止される。
媒体主チャネル20内に圧力が全く存在しない場合、荷重比制御チャネル76は同様に非加圧のままであり、二次シール60は、いわゆるPop-Off(登録商標)効果によって浮動摺動リング36を引き戻し、その結果、メカニカルシール面36a、38a間に接触はなく、無制限のドライランニングを行うことができる。
例えば上述した弁構成の形態の荷重比切り替え装置80の作動原理により、メカニカルシール30は、したがって、以下の状態を有する:
ここで、弁Aは圧力リリーフ弁180であり、弁Bはリリーフ弁104である。
したがって、回転ユニオンは、媒体主チャネル20内の圧力が負荷比切り替え閾値pUを下回ったままである限り、より小さな第1の荷重比Bを有する。荷重比切り替え閾値pUは、本例では、圧力リリーフ弁180による切り替え点として定義され、例えば20 barであり得る。
媒体主チャネル20は、荷重比制御弁80が開いている時、荷重比制御弁80が位置する分岐切り替えチャネル122を介して、静止ハウジング部12の内部の荷重比制御チャネル76に接続されている。分岐切り替えチャネル122は、この実施例においては、先ず径方向122aに媒体主チャネル20から分岐し、軸方向セクション122bによって、媒体主チャネル20に対して平行に更に延びる。分岐切り替えチャネル122内、又は本例においては軸方向セクション122b内には、圧力リリーフ弁180が位置し、その結果、媒体主チャネル20の圧力は分岐切り替えチャネル122を介して圧力リリーフ弁180に加えられる。したがって、荷重比制御弁80を備えた分岐切り替えチャネル122は、媒体主チャネル20に対して平行な媒体経路を形成する。媒体主チャネル20内、したがって分岐切り替えチャネル122内の媒体圧力が、切り替え閾値pUを超えると、圧力リリーフ弁180が開き、対応する媒体圧力を有する媒体主チャネル20からの媒体を、圧力リリーフ弁180を通じて荷重比制御チャネル76内へ導き、その結果、媒体主チャネル20からの媒体圧力は、より小さな第1の有効直径D1に加えられるだけでなく、同時に、より大きいな2の有効直径D1’にも加えられ、したがってより大きな第2の荷重比B’が有効となるが、これは以下のように計算される:
荷重比制御チャネル76が、切り替え閾値pUを超えているか超えていないかに応じ、媒体主チャネル20からの流体媒体によって加圧されるか否かに応じて、メカニカルシール30は、したがって、異なる荷重比、すなわち超えている場合にB’を、超えていない場合にBを、それぞれ有する。
したがって、図1~6に示された実施例における圧力リリーフ弁180は、メカニカルシール30のための荷重比切り替え装置78を形成し、これは、媒体主チャネル20内の媒体圧力が切り替え閾値pUを超えると、メカニカルシール30を自動的にBからB’に切り替え、それにより、圧力リリーフ弁180を開くように作動させる。
したがって、本発明においては、荷重比BとB’との間の切り替えは、媒体主チャネル20内に存在する媒体圧力のレベルに応じて、制御又はトリガされる。低い圧力では、より小さな第1の荷重比Bが生じ、より高い圧力では、回転ユニオンは、液圧制御により自動的に、より大きな第2の荷重比B’に切り替わる。それにより、その中に全ての所望の媒体が交互に導かれ得る単一の媒体主チャネルで十分である。
それぞれの媒体に適合された異なる荷重比B、B’により、冷却潤滑剤又は切削油若しくは作動油と接続された場合には、メカニカルシール30の高いシール性が達成されることができ、圧縮空気動作の場合には、15~20標準リットル/分の範囲の比較的低い空気漏れ率、並びに、良好なドライランニング特性及び高い安定性が、調和されることができる。更に、冷却潤滑剤で動作する場合、例えば特に90 barを超える高い圧力を達成することができ、漏れ率は依然として許容範囲内に留まるか、あるいは、メカニカルリングシール30は実質的に漏れがない。実施例は、場合によっては例えば140 barまでの又は更に210 barまでの液体媒体KSS又は切削油、10 barまでの圧縮空気及び10 barまでのMQLで動作され得る。
種々の角度で、冷却潤滑剤又は切削油若しくは作動油の僅かな残りの漏れを排出するための漏れポート91が設けられており、回転ユニオン10の取り付け姿勢に応じて使用され得る。メカニカルシール30の外側の漏洩空間94からの漏洩液体又は制御された空気漏れを排出するために、所望の漏洩ポート91に漏洩接続カップリングが接続され得る。
好ましくは、静止ハウジング部12は、モジュール構造により既存のハウジング形状への容易な適応性が可能であるように、多部品のユニオンハウジングとして形成されている。本例では、静止ハウジング部12は3つの部分から成り、内部でロータ16がボールベアリング14によって支持されたロータハウジング12aと、内部でステータ摺動リング構成32が軸方向に変位可能に支持され、荷重比制御チャネル76の一部が延びる中間ハウジング部12bと、内部で媒体主チャネル20が軸方向に延び、接続ポート22内へ軸方向に導入される後方ハウジング部12cと、を含む。しかしながら、他のハウジング形態も可能である。
図3~6を参照すると、クワッドリング62は、この例においては、より大きな第2の外径D1’を有する中空ピストン44のロータ側の軸方向領域74上でプレストレスされ、静止ハウジング部12、特に中間ハウジング部12b内の中空ピストン44の周りを延びる溝112内に収容されている。クワッドリング62は、この例においては、中空ピストン44の軸方向変位の際、軸方向のオーバーサイズを有する状態で製造された溝112内において静止ハウジング部12に対して移動することができるように、溝底部112aに対して十分な遊びを有する。クワッドリング又はXリング62は、リップシール、特にマルチリップシールを形成する。
図6に示された加圧状態において、クワッドリング62は、液圧によって溝112のロータ側の環状壁112bに押し付けられ、その際、断面において四辺の凹状の造形を伴って弾性的に変形する。特に、ロータ側の凹状の端面62bは、壁112bにおいて変形する。その場合、液圧は、クワッドリング62のロータとは反対側の凹状の端面62cに良好に作用し、これを中空ピストン44と共にロータ16の方向に移動させ、クワッドリング62を弾性変形させながらリング壁112bに押し付けることができる。したがって、荷重比制御制御チャネル76の加圧の際、例えば切削油又は作動油での動作の際に一次シール30において適切なシール効果を達成するために、2つの摺動リング36、38により高い荷重比B’が印加されるだけでなく、クワッドリング62もまた、媒体圧力による側壁112bへの押し付けによって、その断面において弾性的に変形する。このために、荷重比制御チャネル76は、接続チャネル114を介してクワッドリング溝112に流体連通しており、その結果、荷重比制御チャネル76内に存在する液圧は、ロータ16の方向に作用する軸方向の力をクワッドリング62に及ぼすことができる。接続チャネル114は、本例では、クワッドリング62に全周にわたって一様に液圧を印加するために、中空ピストン44の周りの円周環状溝として形成されている。更に、本例では、荷重比制御チャネル76は、軸方向に接続チャネル114と流体連通する環状溝の形態で、中空ピストン44の周りを延びる制御チャネル溝116内に開口する。
荷重比制御チャネル76が非加圧状態になると、クワッドリング62、特に解放状態で凹状のロータ側のクワッドリング端面62bの弾性的応力緩和による変形は、クワッドリング62が、弾性的な戻り変形によりリング壁112bから離れることによって、ロータ16から離れる方向を向く軸方向力成分Fを生成する。中空ピストン44上でクワッドリング62を径方向にプレストレスすることにより、クワッドリング62は、その弾性的な戻り変形により、軸方向力成分Fを、ロータ16から離れるように摺動リングキャリア34又は中空ピストン44に伝達する。その場合、クワッドリング62は、2つのシールリップ73dを有するその凹状の内面62dで、中空ピストンの外径D1’上にプレストレスされた状態で着座し、それにより良好な随伴が保証される。したがって、クワッドリング62は、弾性的な戻り変形を通じてクワッドリング62により加えられる力成分Fが中空ピストン44に作用し、したがって、媒体主チャネル及び荷重比制御チャネル76が非加圧状態になった場合にメカニカルシール30の開口に少なくとも寄与することによって、中空ピストン44を軸方向に随伴する。同時に、クワッドリング62の外周62aは溝底部112aに対して十分にシールし、その結果、荷重比制御チャネル76を介して液体媒体によって加圧される場合、クワッドリング62は、ロータ側の環状壁112bに対して媒体圧力によって押し付けられ、その際弾性的に変形される。クワッドリング62が加圧され弾性的に変形されたこの状態において、特にクワッドリング62のロータ側の端面62b及び/又は径方向の内面62dは、二次シール60における望ましくない漏れを回避するために、ロータ側の環状壁112b又は外径D1’に対して十分にシールする。加圧の際、クワッドリング62は、ロータ側において、静止ハウジング部12のロータ側の環状壁112bに対して2つの密封リップ73bでシールし、圧力が解放されると、2つの密封リップ73bは環状壁112bから離れる。そのようなエラストマーリングは、有利には、規定された変形特性を有する。
メカニカルシールの開放状態が図1、3及び5に示されているが、空隙40は、説明のために誇張されている可能性がある。クワッドリング62は、開放状態では、ロータから離れる方向を向く溝112の円周環状壁112c上に着座することによって、中空ピストン44又はステータ摺動リング構成32の軸方向移動のためのストッパを見出すことができる。
したがって、中空ピストン44上でプレストレスされたクワッドリング62は、中空ピストン44と共に、メカニカルシール30の閉鎖状態と開放状態との間で移動し、クワッドリング62は、軸方向のオーバーサイズを有する状態で製造された環状溝112内で、特に2つの環状壁112bと112cの間で軸方向に移動する。
したがって、この例ではクワッドリング62として形成された第1の二次シールリングは、エラストマー戻り変形要素71を形成し、これは、液体媒体が非加圧状態になる際に信頼性の高いPop-Off(登録商標)機能に寄与する。しかしながら、本発明は、他の二次シールリング62、64を備えるものとしても構成され得る。
異なる荷重比BとB’との間の切り替えは、この場合、純粋に機械的に/物理的に、それぞれ導入された媒体の媒体圧力のレベルによって、すなわち、切り替え閾値pUを超える圧力上昇、又は、スイッチバック閾値pRを下回る圧力降下、特に非加圧状態にすることによって、行われる。
要約すると、例えば圧縮空気又はMMS/MQLのような圧縮性の媒体、及び、冷却潤滑剤(KSS)、切削油又は作動油のような非圧縮性の媒体の両方が、加圧された状態で、1つの同一の媒体主チャネル20内へ順次導入され得る、信頼性のある全媒体用の回転ユニオン10が提供され得る。その場合、全ての異なる媒体での動作に対して、高いレベルの信頼性及び可変性が保証される。
中空ピストン44に第2の有効直径D1’を追加することにより、第1の有効直径D1と比較して荷重比がBからB’に増大され、その結果、荷重比制御チャネル76が稼働すると、切削油又は作動油のようなより粘性の高い液体媒体に曝された場合においても、シール面36a、38aは閉じたままであるか、又は、十分に低い漏れ率を有するか、又は、実質的に漏れのない状態で動作する(切り替え漏れ又は発汗)。
図30を参照すると、回転ユニオン10には、外部の媒体分配ネットワーク400から所望の流体媒体が供給される。圧縮空気動作のために、圧縮空気源402が、制御弁404及び圧縮空気供給ライン408を介して外部の分配器410に接続されている。切削油、作動油又はKSSでの動作のために、液体媒体としての切削油、作動油又はKSSのための媒体リザーバとしてのタンク412が、モータ416を備えるポンプ、及び、液体媒体加圧供給ライン418(何れの媒体が望まれるかに応じて、油供給ライン又は冷却潤滑油供給ラインとして)を介して、外部の分配器410に接続されている。ポンプ414は、切削油、作動油又はKSSのための所望の媒体圧力P1を生成し、これは例えば210 barまでであり得る。過圧を防止するために、液体圧力は、タンク412内へ戻る圧力リリーフ弁422によって制限される。液体媒体がスイッチオフされると、液体媒体の残留圧力は、媒体主チャネル20を非加圧状態にするするために、戻りライン424及び並列の逆止弁428を有するフィルタ426を介して、再びタンク412内へ解放され得る。
外部の分配器410は、この例においては、三方弁(圧縮空気、液体、戻り)として設計されており、それぞれ所望の媒体を選択するための媒体選択分配器を形成する。分配器410からは、全ての媒体を、同一の接続ポート22を介して、同一の媒体主チャネル20内へ、交互に、加圧された状態で導入するために、全ての媒体のための共通の接続ライン430としての加圧ラインが、共通の接続ポート22に通じている。
図7~12を参照すると、回転ユニオン10の更なる実施例は、荷重比制御弁280を有する荷重比切り替え装置278を備え、当該荷重比制御弁280は、ボア214内に軸方向に変位可能に配置された弁ピストン212を有する。バネ216は、弁ピストン212を、非加圧状態において閉鎖位置に保持する(図11参照)。バネ216のバネ力は、媒体圧力に対する切り替え閾値pUを定義する。媒体主チャネル20及びそれから分岐する分岐切り替えチャネル222内の媒体圧力が、弁バネ216のバネ力よりも大きくなると、弁ピストン212は軸方向に変位し、その結果、弁ピストン212とボア214との間の間隙208が開き、それが、分岐切り替えチャネル222から荷重比制御チャネル76内への媒体のための流体経路を開き、その結果、第2の有効直径D1’が媒体主チャネル20からの媒体圧力によって加圧される。したがって、媒体圧力が、バネ荷重式弁ピストン212によって定義される切り替え閾値 pU(本例においては pU >10 bar)を超えると、弁ピストン212は、先ず第1の有効直径215を介して作動され、すなわち、媒体圧力によって引き起こされる力が、バネ216のバネ力より大きい場合、これにより弁ピストン212は、図において左方へ移動する。例えばOリングのようなシール要素217が、ボア214のより大きな直径218に入った場合、これは2つの効果をもたらす。第一に、弁ピストン212のより大きな有効直径220がアクティブとなり、これは、弁ピストン212が停止部にぶつかるまで、バネ力216に抗する弁ピストン212の移動を加速させる。第二に、媒体圧力は、荷重比制御チャネル76内の間隙208を通って進入し、浮動摺動リング36におけるメカニカルシールのより大きな第2の有効直径D1’をアクティブとすることができ、これは、メカニカルシールの閉鎖力を増大させる。冷却潤滑剤にとって、この付加的な力成分は、典型的には絶対的に必要ではないが、対照的に、例えば切削油又は作動油のような粘性のより高い媒体にとって、より大きな第2の荷重比B’によって引き起こされるより高い閉鎖力は、非常に有利である。なぜなら、それにより、より高い媒体圧力においてもメカニカルシールは閉じたままであり、過剰な漏れが回避され得るからである。
媒体圧力がスイッチオフされるか又はスイッチバック閾値pRを下回ると、弁ピストン212は、圧縮バネ216によって閉鎖停止部224に押し戻され、それにより、荷重比制御弁280が再び閉鎖される。弁ピストン212を有する荷重比制御弁280は、この実施例においては、弁ピストン212の閉鎖方向、すなわち図において右方への移動が比較的遅く進行することにより、ある切り替え慣性を有する。それにより、中空ピストン44と弁ピストン212との間の荷重比制御チャネル76の比較的小さな容積は、弁ピストン212の慣性に起因して、媒体主チャネル20がすでに非加圧状態とされたにもかかわらず、荷重比制御チャネル76と媒体主チャネル20との間のフローギャップ208が、切り替え慣性に起因して、以前として短期間にわたって開放されたままであることにより、荷重比制御チャネル76内の圧力を、更に完全に解放する。必要であれば、この切り替え慣性は、ダンパーバネ226によっても支援され得る(図13、14参照)。
しかしながら、図13及び14を参照すると、荷重比制御弁280の切り替え慣性は、省略もされ得る。図1~6に示された実施例の場合のように、例えば逆止弁の形態のリリーフ弁204を有する減圧チャネル206も、設けられ得る。その他の点では、図13及び14の実施例は、図7~12の実施例に相応して構築されているので、ここでは繰り返しを省略することができる。
図15~28を参照すると、荷重比切り替え装置378が、荷重比制御弁380の更なる実施例と共に示されており、当該実施例において、媒体が荷重比制御チャネル76内に流れる際、バネ荷重式作動ピストンのすぐそばを通過することはない。それにもかかわらず、荷重比制御弁380は、媒体主チャネル20から分岐する更なる分岐チャネルを介してであるが、媒体主チャネル20を荷重比制御チャネル76に接続する。
媒体主チャネル20にKSS、切削油又は作動油が供給されるとすぐに、それぞれの媒体は、荷重比制御弁380の第1の分岐切り替えチャネル322に流入する。第1の分岐切り替えチャネル322内の圧力が切り替え閾値pUを超えるとすぐに、制御ピストン324がバネ326のバネ力に抗して左方へ移動する。その場合、制御ピストン324は、レバーとしてのピン328を介して、回転可能な弁ピストン332を停止部334まで回転させ、それにより、流体連通が解放される(図23~28参照)。
第2の分岐切り替えチャネル336は、回転ピストン332の環状チャネル338を介して、回転ピストン332内の軸方向の制御チャネル340内へ通じる。媒体主チャネル20内の圧力が切り替え閾値pUを超え、回転ピストン332が荷重比制御弁380を開くとすぐに、偏心内側制御チャネル340は、ディスク344内のチャネル342との流体連通がもたらされる位置へ回転し、それにより、ディスク344内の第2の分岐切り替えチャネル336、環状チャネル338、内側制御チャネル340及びボア342を介した媒体主チャネル20間の流体接続が確立され、荷重比制御チャネル76(図28参照)への流体接続が確立される。それにより、他の実施例の場合と同様に、より大きな第2の有効直径D1’は媒体主チャネル20からの媒体圧力を受け、それにより、第2の荷重比B’がアクティブとなる。
分岐切り替えチャネル322内の圧力が切り替え閾値 pUより大きくなるとすぐに、制御ピストン324は、媒体圧力によって、回転ピストン332内に圧入されたピン328に対して、バネ326のバネ力に抗して押し付けられる。バネ326は、そのバネ力により、媒体圧力が切り替え閾値pUよりも大きくなってはじめて、回転ピストン332が開放位置へ回転するという結果をもたらす(図23参照)。回転ピストン332が回転すると、ピン328は停止部334に達する。ピン328が停止部334にぶつかると、回転ピストン332の内側制御チャネル340とディスク344のボア342とが流体連通し、その結果、それぞれの媒体は、第2の分岐チャネル336を介して荷重比制御チャネル76に媒体圧力を加えることができる。
図22~28は、荷重比制御チャネル76が媒体チャネル20からの媒体圧力と流体連通し、したがって加圧された、荷重比制御弁380の作動した、したがって開放された状態を示す。
回転ピストン332が閉じた状態でディスク344に対してシールするように、それぞれ隣接する面は、平坦に研磨され、バネ346によって互いに押し付けられ得る。ディスク344は、常に同じ角度位置にあるよう、回転しないように固定されている。
加圧された媒体が、荷重比制御弁380の作動した、したがって開放された状態において、荷重比制御チャネル76に達するとすぐに、それは、より高い第2の荷重比B’に対応するより大きな第2の有効直径D1’で摺動リングキャリア34又は中空ピストン44に作用し、その結果、浮動摺動リング38は、より大きな閉鎖力でロータ摺動リング34に押し付けられる。それにより、メカニカルシールは、より高い粘性を有する非圧縮性の媒体の場合にも閉じたままであり、より粘性の高い媒体は、実質的に漏れのない状態で、媒体主チャネル20からロータの流体チャネル17内へ流れることができる。
媒体がスイッチオフされた後、摺動リング36、38は、Pop-Off(登録商標)機能によって再び分離される。
この実施例においても、荷重比制御弁380は、ボア348内における回転ピストン332の制動された回転により生じる切り替え慣性を有し得る。荷重比制御弁380のこの切り替え慣性により、ここでも荷重比制御チャネル76は、完全に圧力解放され得る。
しかしながら、この実施例においても、荷重比制御チャネル76の非加圧状態を支援するために、リリーフ弁又は逆止弁304を有する減圧チャネル306が設けられ得る。逆止弁又はリリーフ弁304は、ここでも、例えば0 bar~0.04 barの非常に低い開放圧力を有することができ、その結果、荷重比制御チャネル76は、実用的には完全に非加圧状態とされ得る。荷重比制御チャネル76が稼働すると、媒体主チャネル20に対する圧力平衡が支配し、それにより、逆止弁304の位置は、回転ユニオン10の機能とは無関係である。
媒体主チャネル20が圧縮空気によって加圧される場合、これは、例えば10 barの最大圧力で起こり、その結果、切り替え閾値pUを超えることはない。それにより、荷重比制御弁380は閉じたままであり、荷重比制御チャネル76は非加圧状態のままである。これにより、メカニカルシール30においてはより小さな第1の荷重比Bが生じるが、これは、本実施例においては約0.5~0.57である。より小さな第1の荷重比Bにより、間隙40及び制御された空気漏れが形成され、これは、シール面における摩耗を防止する。媒体主チャネル20が最少量潤滑(MMS/MQL)によって加圧される場合、これは、好ましくは、同様に、切り替え閾値pU未満の媒体圧力で行われる。それにより、より小さな第1の荷重比Bがアクティブのままであり、これは、MMS/MQLを、実質的に漏れのない状態でロータの流体チャネル17内へ流すために、MMS/MQLにとって十分である。
実施例は、2つの異なる荷重比B、B’を示す。しかしながら、3つ以上の荷重比を有する回転ユニオンを構築することも可能である。
前述した実施形態は例示的なものと理解されるべきであり、本発明は、これらに限定されず、特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく、多くの方法で変更され得ることが、当業者には明らかである。前方又は後方のような空間的な配向に関する用語は、空間内における絶対的なものとして理解されるべきではなく、むしろ、部材の相対的な関係を示すために用いられ、「前方」はロータ側を示し、「後方」はロータの反対側の軸方向ステータ側を示す。更に、明細書、特許請求の範囲、図面等に開示されているか否かにかかわらず、特徴は、それが他の特徴と共に記載されており、実施形態の特徴が互いに組み合わされている場合においても、単独で本発明の本質的な構成要素を定義することは明らかである。不必要な繰り返しを回避するために、実施例のうちの1つに関連して説明された全ての特徴は、他に明示的に説明されない限り、任意の他の実施例に関連して開示されたものと見なされる。

Claims (18)

  1. 流体媒体を静止機械部分から回転機械部分(18)内へ移送するための、特に圧縮性の媒体にも、異なる粘性を有する非圧縮性の媒体にも適した回転ユニオン(10)であって、
    流体媒体が加圧された状態で導入可能な媒体主チャネル(20)を有する、前記静止機械部分内への組み込みのための静止ハウジング部(12)と、
    前記静止ハウジング部(12)の前記媒体主チャネル(20)と流体連通するロータ流体チャネル(17)を有する、前記回転機械部分との接続のためのロータ(16)と、
    前記静止ハウジング部(12)と前記ロータ(16)との間のメカニカルシール(30)であって、前記メカニカルシール(30)は、前記ロータ(16)と共に回転するロータ摺動リング(38)及びステータ摺動リング(36)を含み、前記ステータ摺動リング(36)又は前記ロータ摺動リング(38)は、軸方向に移動可能な摺動リングキャリア(34)に固定されており、前記メカニカルシール(30)は、第1の荷重比(B)及び第2の荷重比(B’)を定義する、メカニカルシール(30)と、
    前記媒体圧力のための所定の切り替え閾値(pU)を有する荷重比切り替え装置(78、278、378)であって、前記荷重比切り替え装置(78、278、378)は、前記媒体圧力が前記切り替え閾値(pU)を超えたことに応じて、前記メカニカルシール(30)を前記第1の荷重比(B)から前記第2の荷重比(B’)へ切り替えるように調整されている、荷重比切り替え装置(78、278、378)と、
    を含む回転ユニオン(10)。
  2. 前記荷重比切り替え装置(78、278、378)は、前記媒体圧力がスイッチバック閾値(pR)を下回ったことに応じて、前記メカニカルシール(30)を前記前記第2の荷重比(B’)から前記第1の荷重比(B)へ切り替えるように調整されており、前記切り替え閾値(pU)と前記スイッチバック閾値(pR)は、同一であるか又は異なり得る、請求項1に記載の回転ユニオン(10)。
  3. 前記切り替え閾値(pU)及び/又は前記スイッチバック閾値(pR)は、圧縮空気動作に対する前記回転ユニオン(10)の最大許容動作圧力よりも大きい、請求項1又は2に記載の回転ユニオン(10)。
  4. 前記回転ユニオン(10)は、所望の媒体を、それぞれ媒体に固有の所望の媒体圧力で、前記媒体主チャネル(20)内へ導入するために、媒体加圧ラインの接続のための接続ポート(22)を含み、前記回転ユニオン(10)は、圧縮性の媒体、特に圧縮空気、及び、非圧縮性の媒体、特に切削油又は作動油が、同一の接続ポート(22)を介して、加圧された状態で、同一の媒体主チャネル(20)内へ導入され得るように調整されている、請求項1に記載の回転ユニオン(10)。
  5. 前記接続ポート(22)は、軸方向の又は径方向の接続ポートである、請求項4に記載の回転ユニオン(10)。
  6. 前記メカニカルシール(30)の前記第1の荷重比(B)は、約0.40~0.65の範囲の、好ましくは約0.45~0.60の範囲の、好ましくは約0.47~0.60の範囲の、好ましくは約0.50~0.57の範囲の値を有し、及び/又は、前記メカニカルシール(30)の前記第2の荷重比(B’)は、約0.55より大きい、好ましくは約0.60~1の範囲の、好ましくは約0.60~0.7の範囲の、好ましくは約0.65±0.03の値を有する、請求項1に記載の回転ユニオン(10)。
  7. 前記メカニカルシール(30)が前記第1の荷重比(B)から前記第2の荷重比(B’)に切り替わる前記切り替え閾値(pU)は、5 barより大きく、好ましくは10 barより大きい、請求項1に記載の回転ユニオン(10)。
  8. 前記静止ハウジング部(12)内において、前記媒体主チャネル(20)から、前記荷重比切り替え装置(78、278、378)に通じる分岐切り替えチャネル(122、222、322)が分岐し、前記媒体主チャネル(20)内へ導入された前記媒体は、前記荷重比切り替え装置(78、278、378)を操作し、前記第1の荷重比(B)から前記第2の荷重比(B’)への切り替えを生じさせるために、前記分岐切り替えチャネル(122、222、322)を介して、前記荷重比切り替え装置(78、278、378)を、前記媒体主チャネル(20)からの前記媒体圧力によって加圧する、請求項1に記載の回転ユニオン(10)。
  9. 前記荷重比切り替え装置(78、278、378)は、荷重比制御弁(80、180、280、380)を含み、前記荷重比制御弁(80、180、280、380)によって、前記第1の荷重比(B)から前記第2の荷重比(B’)への切り替えが制御される、請求項1に記載の回転ユニオン(10)。
  10. 前記摺動リングキャリア(34)は、第1の有効径(D1)を有する第1の軸方向領域(72)と、第2の有効径(D1’)を有する第2の軸方向領域(74)を備え、前記第1の有効径(D1)は前記第1の荷重比(B)に、前記第2の有効径(D1’)は前記第2の荷重比(B’)に、それぞれ対応し、
    前記第2の有効径(D1’)において前記第2の軸方向領域(74)に通じる荷重比制御チャネル(76)が含まれており、前記第2の荷重比(B’)は、前記摺動リングキャリア(34)の前記第2の有効径(D1’)が前記荷重比制御チャネル(76)を介して前記媒体圧力によって加圧されることにより生じる、
    請求項1に記載の回転ユニオン(10)。
  11. 前記荷重比制御弁(80、180、280、380)は、前記媒体主チャネル(20)から存在する前記媒体圧力が前記切り替え閾値(pU)を超えると開くことにより、前記荷重比制御チャネル(76)を稼働させ、前記荷重比制御弁(80、180、280、380)が開くことにより、前記媒体主チャネル(20)からの前記媒体圧力は、並列に前記荷重比制御チャネル(76)内へ導かれ、及び/又は、前記荷重比制御弁(80、180、280、380)は、前記媒体主チャネル(20)から存在する前記媒体圧力が前記スイッチバック閾値(pR)を下回ると閉じる、請求項10に記載の回転ユニオン(10)。
  12. 前記荷重比制御弁(80、180、280、380)は、前記荷重比制御弁(80、180、280、380)が開くと、前記媒体主チャネル(20)からの前記媒体圧力が前記荷重比制御チャネル(76)を介して前記摺動リングキャリア(34)の前記第2の有効直径(D1’)に作用し、前記荷重比制御弁(80、180、280、380)が閉じると、前記媒体主チャネル(20)からの前記媒体圧力が前記摺動リングキャリア(34)の前記第2の有効直径(D1’)に作用しないように、前記媒体主チャネル(20)から前記荷重比制御チャネルへの流体連通を開き又は閉じる、請求項10又は11に記載の回転ユニオン(10)。
  13. 前記分岐切り替えチャネル(122、222)は、前記荷重比制御弁(80、180、280)を介して前記荷重比制御チャネル(76)内に開口し、前記媒体主チャネル(20)からの前記媒体は、前記荷重比制御弁(80、180、280)が開いているとき、前記分岐切り替えチャネル(122、222)を介して、及び、前記荷重比制御弁(80、180、280)によって、前記荷重比制御チャネル(76)を媒体圧力によって加圧する、又は、前記荷重比制御チャネル(76)は前記媒体主チャネル(20)から分岐し、前記荷重比制御弁(380)は、前記切り替え閾値(pU)を超えた時、前記静止ハウジング部(12)の内部で前記荷重比制御チャネル(76)を開き、それにより、前記媒体主チャネル(20)からの前記媒体は、前記荷重比制御チャネル(76)を媒体圧力によって加圧する、請求項9~11のいずれか1項に記載の回転ユニオン(10)。
  14. 前記荷重比制御弁は、前記媒体主チャネル側から開く逆止弁(180)として形成されており、前記逆止弁(180)は、前記切り替え閾値(pU)を超えた時、前記分岐切り替えチャネル(122)内で開き、前記媒体を、前記分岐切り替えチャネル(122)から、加圧された状態で前記荷重比制御チャネル(76)内へ導き、及び/又は、前記逆止弁(180)は、前記切り替え閾値(pU)を下回った時、前記分岐切り替えチャネル(122)内で再び閉じ、
    又は、
    前記荷重比制御弁(280)は、前記分岐切り替えチャネル(222)内の前記媒体圧力に抗してバネ付勢された弁ピストン(212)を備え、
    前記弁ピストン(212)は、前記切り替え閾値(pU)未満で、前記静止ハウジング部(12)の相補的なボア(214)内でシールされており、前記切り替え閾値(pU)を超えた時、軸方向に変位され、前記弁ピストン(212)と前記ボア(214)との間の間隙の形態の、前記分岐切り替えチャネル(222)と前記荷重比制御チャネル(76)との間の流体連通を解放し、
    前記荷重比制御弁(380)は、前記切り替え閾値(pU)を超えた時、前記分岐切り替えチャネル(322)内で開き、その際、前記媒体主チャネル(20)と前記荷重比制御チャネル(76)との間の流体連通を確立し、前記スイッチバック閾値(pR)を下回った時、閉じ、前記荷重比制御弁(380)は、特に、回転可能な弁ピストン(332)を備える、
    請求項9~11のいずれか1項に記載の回転ユニオン(10)。
  15. 前記荷重比制御弁(280、380)は、前記媒体主チャネル(20)が非加圧状態になった時、前記荷重比制御弁(280、380)が、その閉鎖の間に、ゆっくりと閉じる前記荷重比制御弁(280、380)を通じて減圧するために十分な時間を前記荷重比制御チャネル(76)が有する程度に、ゆっくりと閉じるような切り替え慣性を有し、
    又は、
    前記媒体主チャネル側から閉鎖されるリリーフ弁(104、204、304)を有する減圧チャネル(106、206、306)が、前記荷重比制御チャネル(76)から前記媒体主チャネル(20)へ通じ、前記媒体主チャネル(20)が非加圧状態になった時、前記減圧チャネル(106、206、306)を介して、前記荷重比制御チャネル(76)が減圧される、
    請求項9~11のいずれか1項に記載の回転ユニオン(10)。
  16. 前記摺動リングキャリア(34)は、二次シール(60)によって前記静止ハウジング部(12)内でシールされており、前記二次シール(60)は、前記荷重比制御チャネル(76)の特に軸方向に対向する側で前記摺動リングキャリア(34)に配置された第1及び/又は第2の二次シールリング(62、64)を含み、特に前記第1の二次シールリングはクワッドリング(62)として形成され、及び/又は、前記第2の二次シールリングは、U字形の断面を有するエラストマーリング(64)として形成されている、請求項1に記載の回転ユニオン(10)。
  17. 特に請求項1に記載の多媒体用回転ユニオン(10)を動作させるための方法であって、
    外部の圧縮気体源(402)が、外部の圧縮気体供給ライン(408)及び外部の分配器(410)を介して、前記回転ユニオン(10)の接続ポート(22)に接続され、
    6 mm2/s以上の粘性を有する油、特に切削油若しくは作動油、又は、冷却潤滑剤を有する外部の媒体リザーバ(412)が、外部の液体媒体加圧供給ライン(418)及び前記外部の分配器(410)を介して、前記回転ユニオン(10)の同一の接続ポート(22)に接続され、
    第1の時間間隔において、前記圧縮気体供給ライン(408)及び前記接続ポート(22)を介して、前記油又は前記冷却潤滑剤よりも低い圧力、特に10 bar以下の圧力を有する圧縮気体が、前記媒体主チャネル(20)内へ導かれ、前記メカニカルシール(30)において、前記第1の荷重比(B)が生じ、前記回転ユニオン(10)は、前記圧縮気体及び前記第1の荷重比(B)で回転し、
    第2の時間間隔において、前記液体媒体加圧供給ライン(418)及び同一の接続ポート(22)を介して、特に6 mm2/s以上の粘性を有する前記油、特に前記切削油若しくは作動油が、前記圧縮気体よりも高い圧力、特に10 bar以上の圧力で、前記媒体主チャネル(20)内へ導入され、前記媒体主チャネル(20)内に存在する油圧又は冷却潤滑剤圧力の作用により、前記メカニカルシール(30)に前記第2の荷重比(B’)が生じ、前記回転ユニオン(10)は、前記油又は前記冷却潤滑及び前記第2の荷重比(B’)で回転し、前記油又は前記冷却潤滑は、後に再びスイッチオフされる、方法。
  18. 第3の時間間隔において、前記回転ユニオン(10)は、媒体なしでドライランニングで動作され、前記メカニカルシール(30)は、前記二次シールによって開かれた状態で維持される、請求項17に記載の方法。
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