JP2024516795A - エベロリムスおよびアムセネストラントを含む組合せ物 - Google Patents
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Abstract
本明細書では、エベロリムスおよびアムセネストラントまたはその薬学的に許容される塩の組合せ物、そのような組合せ物を含有する医薬組成物、ならびに特に乳癌を含む癌の処置のためのその治療上の使用が提供される。
Description
本明細書では、エベロリムスおよびアムセネストラントの組合せ物、このような組合せ物を含有する医薬組成物、ならびにこのような組合せ物および医薬組成物の、特に癌の処置のための治療上の使用が提供される。
エストロゲン受容体α(ESR1)は、多くの乳房腫瘍で発現され、それらがエストロゲンの分裂促進作用に応答することを可能にする。
アムセネストラントは、化合物6-(2,4-ジクロロフェニル)-5-[4-[(3S)-1-(3-フルオロプロピル)ピロリジン-3-イル]オキシフェニル]-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾ[7]アヌレン-2-カルボン酸(その研究所コードSAR439859によっても公知である)のINN名であるが、エストロゲン受容体アンタゴニストであり、エストロゲン受容体のプロテアソーム分解を促進する選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)である。この化合物:
は、(特許文献1)で開示されている。
エベロリムスは、その商標名の一つとしてAFINITOR(登録商標)をもつ市販薬である。これはいくつかの腫瘍学的状況で必要とされる。乳癌では、エベロリムスは、レトロゾールまたはアナストロゾール(FDAラベル)を用いた処置に失敗した後、エキセメスタンと組み合わせて、進行性のホルモン受容体(HR)-陽性、ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)-陰性の乳癌を有する閉経後の女性の処置に必要とされる。
新しい抗腫瘍処置を見つける必要性が常にある。今回、アムセネストラントのエベロリムスとの組合せ物は、有効成分単独のそれぞれと比較して相乗効果で、著しい抗腫瘍効能を示し、かつ腫瘍退縮を誘導することが本明細書で示されている。
本明細書では、アムセネストラントおよびエベロリムスを含む組合せ物が提供される。
本明細書で提供される組合せ物では、アムセネストラントは、双性イオン(すなわち、酸性基および塩基性基を有する全体的に中性の分子)の形態だけではなく、酸または塩基との付加塩の形態でも存在し得る。このような付加塩は、上記組合せ物で使用することができる。したがって、本明細書では、アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩、およびエベロリムスを含む組合せ物が提供される。
一実施形態では、アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩の、エベロリムスとの組合せ物は、治療的相乗作用を示す。組合せ物は、その治療効果が組合せ物のいずれかの有効薬剤単独の累積効果と比較して優れている場合、治療的相乗作用を示す。
別の実施形態では、アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩、およびエベロリムスは、経口投与される。
医薬品としてのその使用のための、アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩、およびエベロリムスの組合せ物もまた本明細書において提供される。
アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩、およびエベロリムス、かつ、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物もまた本明細書において提供される。
賦形剤は、当業者に公知の通例的な賦形剤から選択される。より具体的には、賦形剤は、どんな形態でも(液体液剤、分散剤または懸濁剤、錠剤、カプセル剤等)経口投与に有用なものから選択される。
別の実施形態では、アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩、およびエベロリムスは、同時に、別々に、または一定期間間隔を空けて(逐次投与)投与される。したがって、本明細書において提供される組合せ物および医薬組成物は、単一単位投与形態中の構成物質の物理的結合によって得られるものだけに限定されず、別々の投与を可能にするものにも限定され、それは同時または一定期間逐次(「間隔を空けて」または「引き延ばして」とも呼ばれる)であってよい。
(i)アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩、および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む第1の医薬組成物;
(ii)エベロリムス、および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む第2の医薬組成物;
を含む医薬キットであって、
第1の医薬組成物および第2の医薬組成物は、別々の区画中にあり、それぞれ独立に投与することが意図されており、各投与はもう一方に関して同時またはある間隔を空けた(逐次)、医薬キットもまた本明細書において提供される。
(ii)エベロリムス、および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む第2の医薬組成物;
を含む医薬キットであって、
第1の医薬組成物および第2の医薬組成物は、別々の区画中にあり、それぞれ独立に投与することが意図されており、各投与はもう一方に関して同時またはある間隔を空けた(逐次)、医薬キットもまた本明細書において提供される。
上記の組合せ物、医薬組成物および医薬キットでは、アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩、およびエベロリムスは、処置される病態および組合せ物が投与される患者の状態を考慮して適合された有効量で有利に存在する。特に、エベロリムスに関して、成人患者に推奨される用量は、1日1回10mgを経口摂取する。
癌の処置における使用のための、アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩、およびエベロリムスを含む組合せ物、ならびに上記の医薬組成物およびキットもまた本明細書において提供される。
エベロリムスとの同時投与による癌の処置における使用のための、アムセネストラントまたはその薬学的に許容される塩もまた本明細書において提供される。
アムセネストラントまたはその薬学的に許容される塩との同時投与による癌の処置における使用のためのエベロリムスもまた本明細書において提供される。
同時投与は、本明細書では、それを必要とする患者への有効成分の投与として理解され、それは、それぞれの有効成分に関して別々、同時またはある間隔を空けたものである(逐次)。
いくつかの実施形態では、アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩、およびエベロリムスは、治療有効量で投与される。「治療有効量」は、疾患を処置するために患者に投与された場合、疾患に対するそのような処置に影響を与えるのに十分な、有効成分または有効成分の組合せ物の量を意味する。「治療有効量」は、処置される対象の疾患およびその重症度および年齢、体重等によって変わることになる。
いくつかの実施形態では、アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩、およびエベロリムスは、治療的相乗作用を示す量で投与される。
別の実施形態では、癌はホルモン依存性癌である。
別の実施形態では、癌は、エストロゲン受容体依存性癌であり、特に癌は、エストロゲン受容体α依存性癌である。
それを必要とする対象に、治療有効量のアムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩、および治療有効量のエベロリムスを投与することを含む、上に示した病的状態、特に乳癌を処置する方法もまた本明細書において提供される。
それを必要とする対象に、上記の医薬組成物または医薬キットを投与することを含む、上に示した病的状態、特に乳癌を処置する方法もまた本明細書において提供される。
それを必要とする対象に、上記の組合せ物を投与することを含む、上に示した病的状態、特に乳癌を処置する方法もまた本明細書において提供される。
それを必要とする対象に、アムセネストラントまたはその薬学的に許容される塩およびエベロリムスを同時投与することを含む、上に示した病的状態、特に乳癌を処置する方法もまた本明細書において提供される。前記方法では、アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩は、エベロリムスと一緒に、別々に、同時にまたはある間隔を空けて投与される。
それを必要とする対象に、エベロリムスおよびアムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩を同時投与することを含む、上に示した病的状態、特に乳癌を処置する方法もまた本明細書において提供される。前記方法では、エベロリムスは、アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩と一緒に、別々に、同時にまたはある間隔を空けて投与される。
それを必要とする患者に、治療有効量のアムセネストラントまたはその薬学的に許容される塩を、治療有効量のエベロリムスと組み合わせて投与することを含む、癌を処置する方法もまた本明細書において提供される。
化合物アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩による治療を受けている患者における癌を処置する方法であって、前記患者に有効量のエベロリムスを投与することを含む、癌を処置する方法もまた本明細書において提供される。
化合物アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩による安定した処置を受けている患者における癌を処置する方法であって、前記患者に治療有効量のエベロリムスを投与することを含む、癌を処置する方法もまた本明細書において提供される。
それを必要とする患者に、治療有効量の化合物エベロリムスを投与することを含む、癌を処置する方法であって、前記患者は、アムセネストラントまたはその薬学的に許容される塩による治療も受けている、癌を処置する方法もまた本明細書において提供される。
上記の方法の実施形態では、対象は哺乳動物である。別の実施形態では、対象はヒトである。
上に示した病的状態、特に乳癌を処置するのに有用な医薬品の製造のための、アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩、およびエベロリムスを含む組合せ物もまた本明細書において提供される。
エベロリムスとの同時投与により、上に示した病的状態、特に乳癌を処置するのに有用な医薬品の製造における、アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩の使用もまた本明細書において提供される。
アムセネストラントまたはその薬学的に許容される塩との同時投与により、上に示した病的状態、特に乳癌を処置するのに有用な医薬品の製造における、エベロリムスの使用もまた本明細書において提供される。
-包装材料;
-上で定義された組合せ物、医薬組成物、または医薬キット;および
-前記組合せ物、医薬組成物または医薬キットが癌の処置のために患者に投与されることを示す、前記包装材料内に含有されるラベルまたは添付文書
を含む、製品、包装、または投与単位もまた本明細書において提供される。
-上で定義された組合せ物、医薬組成物、または医薬キット;および
-前記組合せ物、医薬組成物または医薬キットが癌の処置のために患者に投与されることを示す、前記包装材料内に含有されるラベルまたは添付文書
を含む、製品、包装、または投与単位もまた本明細書において提供される。
以下の実施例は、アムセネストラント、エベロリムスおよびそれらの組合せ物を用いて得られる、NOD/SCID(非肥満糖尿病/重症複合免疫不全)マウスにおける乳癌細胞株異種移植片に対する薬理的結果を示す。
雌NOD/SCIDマウスにおける皮下乳癌細胞株異種移植片に対する、エベロリムスと組み合わせたアムセネストラントの効能の評価
本研究において、エベロリムスと組み合わせたアムセネストラントの抗腫瘍効能を、雌NOD/SCIDマウスにおける同所性MCF7ヒト乳癌細胞株異種移植片に対する28日の処置の後に調べた。
本研究において、エベロリムスと組み合わせたアムセネストラントの抗腫瘍効能を、雌NOD/SCIDマウスにおける同所性MCF7ヒト乳癌細胞株異種移植片に対する28日の処置の後に調べた。
処置された群は、アムセネストラント10mg/kg単独、エベロリムス10mg/kg単独、ならびに同じ用量および処方計画でのアムセネストラントおよびエベロリムスの組合せ物を含んでいた。
28日間、アムセネストラントは、1日2回(BID)経口投薬され、エベロリムスは、週に2回(BIW)経口投薬された。腫瘍体積測定によって抗腫瘍効能を評価した。
1:実験手順
1-1:動物、細胞株、化合物
雌NOD/SCIDマウスを、GemPharmatech Co.,Ltd(Nanjing University National Resource Center for Mutant Mice、Model Animal Research Center)(南京、中国)から得た。研究登録前に少なくとも4日間、動物を順化させた。マウスは7~8週齢であり、処置開始時に体重は22.5グラムと28.4グラムとの間であった。これらの動物を、実験動物ケア評価認証協会(Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Care)(AAALAC)のガイダンスに従って、CrownBioの動物管理使用委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)(IACUC)によって承認されたガイドラインに概説される条件下で飼育した。
1-1:動物、細胞株、化合物
雌NOD/SCIDマウスを、GemPharmatech Co.,Ltd(Nanjing University National Resource Center for Mutant Mice、Model Animal Research Center)(南京、中国)から得た。研究登録前に少なくとも4日間、動物を順化させた。マウスは7~8週齢であり、処置開始時に体重は22.5グラムと28.4グラムとの間であった。これらの動物を、実験動物ケア評価認証協会(Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Care)(AAALAC)のガイダンスに従って、CrownBioの動物管理使用委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)(IACUC)によって承認されたガイドラインに概説される条件下で飼育した。
MCF7細胞を米国微生物系統保存機関(American Type Culture Collection)(ATCC(登録商標)HTB-22(商標))から得た。MCF7腫瘍細胞を、10%ウシ胎児血清、0.01mM非必須アミノ酸、0.01mg/mlウシインスリン、および2mM L-グルタミンを補充したMEM培地を用いて、空気中5%CO2の雰囲気下に37℃でin vitroで維持した。腫瘍接種前に対数増殖期にある細胞を回収し、細胞カウンターによって定量化した。
腫瘍接種1日前にマウスの右腹側に、以後「E2サプリメント」と呼ばれる、エストロゲンペレット(0.18mg/ペレット、17β-エストラジオール、Innovative Research of America、米国フロリダ州Sarasota)を皮下移植した。腫瘍発生のためにMCF-7腫瘍細胞(2×10e7)のPBS/マトリゲル(1:1)混合物0.25mlを、各マウスの右乳房脂肪体に接種した。
エベロリムス(製造業者:Selleck;ロット番号:S1120)を、30%プロピレングリコール(最初に溶解):5%Tween 80:65%ddH2O(再蒸留水)中で調合した。
経口投与のためのアムセネストラントおよびエベロリムスの投薬体積:10ml/kg。
用量:上記体積においてアムセネストラント10mg/kgおよびエベロリムス10mg/kg。
1-2:研究設計、評価項目
実験に必要な動物(予備を加えて)をプールし、MCF7細胞を移植させた。0日目(移植12日後)に、マウスをプールし、無作為に処置および対照グループ(1グループあたりマウス10匹)に分配し、ここで各グループについての腫瘍体積の中央値は119mm3であった。アムセネストラントおよびエベロリムスの処置を1日目に開始した。28日間、アムセネストラントを10mg/kgBID(8時間ごと)で経口投与し、エベロリムスを10mg/kgBIWで経口投与した。動物の体重を毎日評価した。
実験に必要な動物(予備を加えて)をプールし、MCF7細胞を移植させた。0日目(移植12日後)に、マウスをプールし、無作為に処置および対照グループ(1グループあたりマウス10匹)に分配し、ここで各グループについての腫瘍体積の中央値は119mm3であった。アムセネストラントおよびエベロリムスの処置を1日目に開始した。28日間、アムセネストラントを10mg/kgBID(8時間ごと)で経口投与し、エベロリムスを10mg/kgBIWで経口投与した。動物の体重を毎日評価した。
投薬量をmg/kgで表し、これは動物あたりの毎日の体重に基づいていた。ビヒクルで処置した動物を対照として使用した。マウスを有害臨床反応について毎日チェックした。実験終了まで個々のマウスの体重を毎日計った。病変または体重減少≧20%が観察された場合、マウスを安楽死させた。最終屠殺まで腫瘍をノギスで週2回測定した。腫瘍サイズが約3000mm3に達した場合、または動物の健康問題(腫瘍の面積の40%が潰瘍化)があった場合、動物を安楽死させ、死亡日を記録した。固形腫瘍体積を二次元腫瘍測定から推定し、以下の方程式:
に従って計算した。
毒性評価項目:
個々のマウスについて連続した3日間の間の15%体重減少、1日の間の20%体重減少、または10%以上の薬物関連死のいずれかが生じる投薬量は、特定の状況下で体重減少または動物の死が薬物に関連していないと見なすことができない限り、過剰な毒性投薬量と見なされた。例としては、E2サプリメントに関連する体重減少および排尿痛、強制投薬ミスのような動物の取り扱いの問題、対照またはビヒクル処置グループで観察できる体重減少をもたらす腫瘍誘導悪液質のような腫瘍モデル関連の問題、および過剰な腫瘍潰瘍化が挙げられる。薬物に関連していない死または重篤な体重減少があったマウスは、毒性とは見なされず、統計的分析から除外された。動物の体重には腫瘍重量が含まれていた。
個々のマウスについて連続した3日間の間の15%体重減少、1日の間の20%体重減少、または10%以上の薬物関連死のいずれかが生じる投薬量は、特定の状況下で体重減少または動物の死が薬物に関連していないと見なすことができない限り、過剰な毒性投薬量と見なされた。例としては、E2サプリメントに関連する体重減少および排尿痛、強制投薬ミスのような動物の取り扱いの問題、対照またはビヒクル処置グループで観察できる体重減少をもたらす腫瘍誘導悪液質のような腫瘍モデル関連の問題、および過剰な腫瘍潰瘍化が挙げられる。薬物に関連していない死または重篤な体重減少があったマウスは、毒性とは見なされず、統計的分析から除外された。動物の体重には腫瘍重量が含まれていた。
効能評価項目:
主要な効能評価項目には、処置グループと対照グループとの間のベースラインからの腫瘍体積変化の中央値の比(ΔT/ΔC)によって要約されるベースラインからの腫瘍体積変化が含まれた。各処置(T)および対照(C)グループについての腫瘍体積変化は、毎日、各動物について特定の観察日の腫瘍体積から最初の処置の日(診断日)の腫瘍体積を引き算することにより計算した。中央値ΔTは、処置グループについて計算し、中央値ΔCは、対照グループについて計算した。比ΔT/ΔC:
を計算し、パーセント値として表した。
主要な効能評価項目には、処置グループと対照グループとの間のベースラインからの腫瘍体積変化の中央値の比(ΔT/ΔC)によって要約されるベースラインからの腫瘍体積変化が含まれた。各処置(T)および対照(C)グループについての腫瘍体積変化は、毎日、各動物について特定の観察日の腫瘍体積から最初の処置の日(診断日)の腫瘍体積を引き算することにより計算した。中央値ΔTは、処置グループについて計算し、中央値ΔCは、対照グループについて計算した。比ΔT/ΔC:
ΔT/ΔC≦40%は、治療的に活性と見なし、ΔT/ΔC=0%は腫瘍停滞と見なし、ΔT/ΔC<0%は腫瘍退縮(非常に活性)と見なした。ΔT/ΔC>40%は治療的に不活性と見なした。
腫瘍退縮パーセントは、研究が開始されたときのその体積と比較して、特定の観察日の処置グループにおける腫瘍体積減少の%(パーセント値)として定義された。特定の時点(t)で、かつ各動物について、退縮パーセント値は、以下の式:
を使用して計算した。
次いで所与の日のグループについての退縮パーセント中央値を、そのグループにおける各動物について計算された個々の退縮%値の中央値を取ることにより計算した。計算の日は、退縮パーセント中央値がグループの活性の典型ではなかった場合を除いてΔT/ΔCを計算する日によって決定した。この場合、その日は、退縮パーセント中央値が最大であった最初の日によって決定した。
1-3:統計的分析
処置および日(反復)の因子を用いた二元配置分散分析(ANOVA)を、ベースラインからの腫瘍体積変化に対して行なった。その後、多重度についてボンフェローニ-ホルム補正を用いた対比分析を行なって、全ての処置グループを対照グループと比較し、4~28日目の各日で、組合せ物に含まれる用量で各単剤に対して組合せ物を比較した。
処置および日(反復)の因子を用いた二元配置分散分析(ANOVA)を、ベースラインからの腫瘍体積変化に対して行なった。その後、多重度についてボンフェローニ-ホルム補正を用いた対比分析を行なって、全ての処置グループを対照グループと比較し、4~28日目の各日で、組合せ物に含まれる用量で各単剤に対して組合せ物を比較した。
図面では、各グループの中央値および中央絶対偏差(MAD)を各測定日について表した。
表では、各グループの中央値および正規化MAD(nMAD=1.4826*MAD)は各測定日について報告した。
ベースラインからの腫瘍体積変化は、各動物について毎日、特定の観察日の腫瘍体積から最初の処置日(0日目)の腫瘍体積を引き算することによって計算した。
全ての統計的分析は、SASバージョン9.2ソフトウェアを使用して行なった。5%未満の確率(p<0.05)を有意と見なした。
2:結果
28日間、10mg/kgBIDでのアムセネストラント、エベロリムス10mg/kgBIWならびにこの用量および処方計画でのアムセネストラントおよびエベロリムスの組合せ物は、この研究において忍容性を示し、薬物関連の体重減少/動物の死は観察されなかった。しかし、E2サプリメントに関連する著しい体重減少または死が観察され、これはデータ統計的分析から除外された。
28日間、10mg/kgBIDでのアムセネストラント、エベロリムス10mg/kgBIWならびにこの用量および処方計画でのアムセネストラントおよびエベロリムスの組合せ物は、この研究において忍容性を示し、薬物関連の体重減少/動物の死は観察されなかった。しかし、E2サプリメントに関連する著しい体重減少または死が観察され、これはデータ統計的分析から除外された。
28日間10mg/kgBIDの用量のアムセネストラントは、28日目にΔT/ΔC値-13%(p<0.0001)で統計的に有意な抗腫瘍効能を有していた。28日間10mg/kgBIWの用量のエベロリムスは、28日目にΔT/ΔC値-17%(p<0.0001)で統計的に有意な抗腫瘍効能を誘導した。アムセネストラントについてはBIDで、およびエベロリムスについてはBIWでの同じ投与計画で、10mg/kgアムセネストラントをエベロリムス10mg/kgと組み合わせた場合、この組合せ処置は、28日目にΔT/ΔC値-31%(p<0.0001)で統計的に有意な抗腫瘍効能(腫瘍退縮)を示した。統計的分析は、組合せ効果が、28日目にアムセネストラント単独またはエベロリムス単独のいずれかと比較した場合に有意差があったことを示した(p<0.0001)。
詳細な結果を以下の表1~3、ならびに図1および2に示す。
この実験から、週2回10mg/kgでのmTOR阻害剤エベロリムスと組み合わせた1日2回10mg/kgでのアムセネストラントが、NOD/SCIDマウスにおけるMCF7ヒト乳癌細胞株異種移植モデルにおいて単剤単独よりも優れた有意な抗腫瘍効能を誘導し、かつ腫瘍増殖阻害および腫瘍退縮を誘導したと結論づけられた。
Claims (17)
- 組合せ物であって、アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩、およびエベロリムスを含む組合せ物。
- 治療的相乗作用を示す、請求項1に記載の組合せ物。
- 癌の処置における使用のための、請求項1または請求項2に記載の組合せ物。
- 癌が乳癌である、請求項3に記載の組合せ物。
- アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩、およびエベロリムスが、別々に、同時にまたは一定期間間隔を空けて投与される、請求項1~4のいずれか1項に記載の組合せ物。
- 医薬組成物であって、アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩、およびエベロリムス、および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
- 癌の処置における使用のための、請求項6に記載の医薬組成物。
- 癌が乳癌である、請求項7に記載の医薬組成物。
- 癌の処置における使用のためのアムセネストラントまたはその薬学的に許容される塩であって、エベロリムスとの同時投与による癌の処置における使用のためのアムセネストラントまたはその薬学的に許容される塩。
- 化合物であって、別々に、同時に、またはある間隔を空けて、エベロリムスと一緒に投与される、請求項9に記載の癌の処置における使用のための化合物。
- 癌の処置における使用のためのエベロリムスであって、アムセネストラントまたはその薬学的に許容される塩との同時投与による癌の処置における使用のためのエベロリムス。
- 別々に、同時に、またはある間隔を空けて、アムセネストラントまたはその薬学的に許容される塩と一緒に投与される、請求項11に記載の癌の処置における使用のためのエベロリムス。
- (i)アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩、および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む第1の医薬組成物;
(ii)エベロリムス、および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む第2の医薬組成物;
を含む医薬キットであって、
前記第1の医薬組成物および前記第2の医薬組成物は、別々の区画中にあり、それぞれ独立に投与することが意図されており、各投与はもう一方に関して同時またはある間隔を空けた、医薬キット。 - 癌を処置する方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量のアムセネストラントまたはその薬学的に許容される塩を、治療有効量のエベロリムスと組み合わせて投与することを含む、癌を処置する方法。
- 化合物アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩による治療を受けている患者における癌を処置する方法であって、前記患者に有効量のエベロリムスを投与することを含む、癌を処置する方法。
- 化合物アムセネストラント、またはその薬学的に許容される塩による安定した処置を受けている患者における癌を処置する方法であって、前記患者に治療有効量のエベロリムスを投与することを含む、癌を処置する方法。
- それを必要とする患者に、治療有効量の化合物エベロリムスを投与することを含む、癌を処置する方法であって、前記患者は、アムセネストラントまたはその薬学的に許容される塩による治療も受けている、癌を処置する方法。
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