JP2024516367A - 網膜血管症を治療する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、とりわけ、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、及び加齢黄斑変性などの特定の網膜血管症を治療する方法に関する。当該方法は、患者に治療有効用量の本明細書に開示される化合物を投与することによって、網膜血管症に罹患している患者を治療することを含む。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月13日に出願された、米国仮出願第63/174,188号、2021年8月26日に出願された、米国仮出願第63/237,454号、2022年2月11日に出願された、米国仮出願第63/309,260号、及び2022年3月29日に出願された、米国仮出願第63/325,056号の利益を主張し、それらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本発明は、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、及び加齢黄斑変性などの特定の網膜血管症を治療する方法に関する。
発明の背景
病理学的血管新生は依然として、多くの場合視力喪失及び失明につながる重度疾患である、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、糖尿病性網膜症(DR)、及び加齢黄斑変性(AMD)などの、特定の網膜血管症の治療における主要な課題のうちの1つである。
DMEは、慢性、制御不良の糖尿病に続く糖尿病性網膜症(DR)の合併症であり、糖尿病を有する人々における視力を脅かす網膜症の最も一般的な形態である(Tan et al.2016,IDF 2019)。糖尿病を有する14人の患者に約1人は、ある程度のDMEを有する(Coney 2019)。網膜画像を使用した糖尿病を有する患者におけるDRの全体的な有病率は、35%であると推定され、視力を脅かすDRは12%で存在した(WHO 2015)。有病率は、糖尿病のタイプ及び疾患の持続時間に依存する。糖尿病の両方のタイプ、1型糖尿病(T1D)及び2型糖尿病(T2D)について、25年の持続時間後、有病率は、30%に近い(Browning et al.2018)。
加齢黄斑変性(AMD)は、先進国世界における>55歳の個体における重度視力喪失の主要な原因であり、世界的な法的盲の6~9%を占める(Wong et al.Lancet Glob.Health(2014)、Jonas et al.Asia Pac J.Ophthalmol(2017))。2040年までに、世界中で約2億8800万人がAMDの影響を受けるであろうと推定されている(Wong et al(2014))。
AMDは、多因子失明疾患である。酸化ストレス、老化、DNA損傷、及び紫外線放射が、網膜色素上皮(RPE)細胞のオートファジー機能、細胞老化、及び免疫炎症応答に影響を及ぼすことによってAMDにつながり得ることが以前に実証されている(Wang et al.Oxid Med Cell Longev.2019)。
そのような眼疾患を有する患者において視力を安定させるための従来の標準治療は、レーザー光凝固療法、外科的硝子体切除術、及びベルテポルフィンによる光線力学的療法を包含した。現在、抗血管内皮成長因子(抗VEGF)療法及びそのような眼血管疾患に罹患している患者において視力を回復させるそれらの能力は、2006年のLucentis(登録商標)(ラニビズマブ)及び2011年のEylea(登録商標)(アフリベルセプト)の承認以来、広く使用されている。
しかしながら、そのような抗VEGF治療は、多くの場合、健康な血管に対するオフターゲット効果をもたらした。したがって、健康な血管と病気の血管との間の分子的不一致を識別することは、生理学的組織機能に不可欠な血管を取っておきながら、病理学的血管系を選択的に排除する標的化された治療を可能にするであろう。
抗VEGF標準治療の別の欠点は、それらが、視力向上を維持するために頻繁(例えば、月1回、更には月2回の硝子体内注射)かつ長期投与を必要とすることである(Heier et al.Ophthalmology 2012;119:2537-48;the Comparison of Age-Related Macular Degeneration Treatment Trials[CATT]Research Group 2016 Ophthalmology 2016;123:1751-61)。これは、この頻繁な治療レジメンに対する低い患者コンプライアンスをもたらした。
一部の患者が抗VEGF治療に対する最適ではない応答を経験していること、及び一部の患者が抗VEGF治療に対して全く応答しないことの証拠もある。Brown DM,et al.,Ophthalmology.2013;120:2013-2022、及びNguyen-Khoa BA,et al.,BMC Ophthalmol.2012;12:11を参照されたい。
したがって、標準治療に対して利点を有する網膜血管症のための治療の開発の必要性が存在する。
本発明は、標準治療に対して利点を有するDME又はDR又はAMDを治療する新規方法を提供する。
以下が、本開示の発明の一部として具体的に企図される:
実施形態1.網膜血管症に罹患している患者を治療する方法であって、患者に、治療有効用量の、式Iの化合物:
Figure 2024516367000002
(R)-5-(4-クロロフェニル)-1-イソプロピル-2-メチル-4-(3-(4-(4-((4-((1-(フェニルチオ)-4-(4-((ホスホノオキシ)メチル)ピペリジン-1-イル)ブタン-2-イル)アミノ)-3-((トリフルオロメチル)スルホニル)フェニル)スルホンアミド)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピロール-3-カルボン酸
の結晶性固体メグルミン塩(化合物-メグルミン)を投与することを含み、治療有効用量は、1眼当たり最大25ugの化合物-メグルミンである、方法。
実施形態2.式Iの化合物の結晶性固体メグルミン塩中のメグルミンが、1~3の化学量論比で存在する、実施形態1に記載の方法。
実施形態3.式Iの化合物の結晶性固体メグルミン塩が、2℃~8℃の温度で12ヶ月間以上安定である、実施形態2に記載の方法。
実施形態4.患者が、糖尿病性網膜症早期治療試験(ETDRS)における70~20文字のベースライン最高矯正視力(BCVA)、又はスネレンチャートにおける20/40~20/400のベースライン値を有する、実施形態1~3のいずれかに記載の方法。
実施形態5.患者が、ベースラインで抗血管内皮成長因子(抗VEGF)治療により以前に治療されている、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
実施形態6.抗VEGF治療による以前の治療が、先行する6ヶ月の期間に行われた、実施形態5に記載の方法。
実施形態7.患者が、ベースラインでSD-OCTによって測定される場合350um以上の、ベースラインでSD-OCTによって測定される場合150μm以上の、ベースラインでSD-OCTによって測定される場合200μm以上の、ベースラインでSD-OCTによって測定される場合250μm以上の、ベースラインでSD-OCTによって測定される場合300μm以上の、ベースラインでSD-OCTによって測定される場合350μm以上の中心サブフィールド厚(CST)も呈した、実施形態6に記載の方法。
実施形態8.患者が、ベースラインで12%未満の、ベースラインで11%未満の、ベースラインで10%未満の、ベースラインで9%未満の、ベースラインで8%未満の、ベースラインで7%未満の、ベースラインで6%未満の、ベースラインで5%未満の、ベースラインで4%未満の、ベースラインで3%未満の、ベースラインで2%未満の、ベースラインで1%未満のヘモグロビンA1C(HbA1C)を有する、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
実施形態9.患者が、ベースラインで23mmHg以下の、ベースラインで22mmHg以下の、ベースラインで21mmHg以下の、ベースラインで20mmHg以下の、ベースラインで19mmHg以下の、ベースラインで18mmHg以下の、ベースラインで17mmHg以下の、ベースラインで16mmHg以下の、ベースラインで15mmHg以下の、ベースラインで14mmHg以下の、ベースラインで13mmHg、ベースラインで12mmHg以下の、ベースラインで11mmHg以下の、ベースラインで10mmHg以下の、ベースラインで9mmHg以下の、ベースラインで8mmHg以下の、ベースラインで7mmHg以下の、ベースラインで6mmHg以下の、ベースラインで5mmHg以下の、ベースラインで4mmHg以下の、ベースラインで3mmHg以下の、ベースラインで2mmHg以下の、ベースラインで1mmHg以下の眼内圧(IOP)を有する、実施形態1~8のいずれかに記載の方法。
実施形態10.化合物-メグルミンの治療有効用量が、1眼当たり0.5ug、1ug、2ug、2.5ug、3ug、4ug、5ug、6ug、7ug、8ug、9ug、10ug、11ug、12ug、13ug、14ug、15ug、16ug、17ug、18ug、19ug、20ug、21ug、22ug、23ug、24ug、又は25ugである、実施形態1~19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態11.化合物-メグルミンの治療有効用量が、1眼当たり0.5μg~1μg、1眼当たり1μg~2μg、1眼当たり2μg~2.5μg、1眼当たり2.5μg~3μg、1眼当たり3μg~4μg、1眼当たり4μg~5μg、1眼当たり5μg~6μg、1眼当たり6μg~7μg、1眼当たり7μg~8μg、1眼当たり8μg~9μg、1眼当たり9μg~10μg、1眼当たり10μg~11μg、1眼当たり11μg~12μg、1眼当たり12μg~13μg、1眼当たり13μg~14μg、1眼当たり14μg~15μg、1眼当たり15μg~16μg、1眼当たり16μg~17μg、1眼当たり17μg~18μg、1眼当たり18μg~19μg、1眼当たり19μg~20μg、1眼当たり20μg~21μg、1眼当たり21μg~22μg、1眼当たり22μg~23μg、1眼当たり23μg~24μg、又は1眼当たり24μg~25μgである、実施形態1~10のいずれか1つに記載の方法。
実施形態12.化合物-メグルミンの治療有効用量が、1眼当たり0.5~2ug、1眼当たり2~4ug、1眼当たり3~5ug、1眼当たり4~6ug、1眼当たり5~7ug、1眼当たり6~8ug、1眼当たり7~9ug、1眼当たり8~10ug、1眼当たり9~11ug、1眼当たり10~15ug、1眼当たり15~20ug、1眼当たり20~25ugである、実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法。
実施形態13.化合物-メグルミンが、治療有効用量を投与する前に、最初に負荷用量として、患者の眼に投与される、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
実施形態14.化合物-メグルミンの負荷用量が、1眼当たり0.5μg~1μg、1眼当たり1μg~2μg、1眼当たり2μg~2.5μg、1眼当たり2.5μg~3μg、1眼当たり3μg~4μg、1眼当たり4μg~5μg、1眼当たり5μg~6μg、1眼当たり6μg~7μg、1眼当たり7μg~8μg、1眼当たり8μg~9μg、1眼当たり9μg~10μg、1眼当たり10μg~11μg、1眼当たり11μg~12μg、1眼当たり12μg~13μg、1眼当たり13μg~14μg、1眼当たり14μg~15μg、1眼当たり15μg~16μg、1眼当たり16μg~17μg、1眼当たり17μg~18μg、1眼当たり18μg~19μg、1眼当たり19μg~20μg、1眼当たり20μg~21μg、1眼当たり21μg~22μg、1眼当たり22μg~23μg、1眼当たり23μg~24μg、又は1眼当たり24μg~25μgである、実施形態13に記載の方法。
実施形態15.化合物-メグルミンの負荷用量が、1眼当たり0.5~2ug、1眼当たり2~4ug、1眼当たり3~5ug、1眼当たり4~6ug、1眼当たり5~7ug、1眼当たり6~8ug、1眼当たり7~9ug、1眼当たり8~10ug、1眼当たり9~11ug、1眼当たり10~15ug、1眼当たり15~20ug、1眼当たり20~25ugである、実施形態13に記載の方法。
実施形態16.化合物-メグルミンの負荷用量の1眼当たりの総体積が50ulである、実施形態13~15のいずれか1つに記載の方法。
実施形態17.治療有効用量の化合物-メグルミンが、患者の眼に硝子体内投与される、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
実施形態18.負荷用量の化合物-メグルミンが、患者の眼に硝子体内投与される、実施形態14~16のいずれか1つに記載の方法。
実施形態19.治療有効用量の化合物-メグルミンが、2ヶ月毎、3ヶ月毎、4ヶ月毎、5ヶ月毎、6ヶ月毎、7ヶ月毎、8ヶ月毎、9ヶ月毎、10ヶ月毎、11ヶ月毎、12ヶ月毎に患者の眼に硝子体内投与される、実施形態1~12、17のいずれかに記載の方法。
実施形態20.治療有効用量の化合物-メグルミンが、2~3ヶ月毎、3~4ヶ月毎、5~6ヶ月毎、6~7ヶ月毎、8~9ヶ月毎、9~10ヶ月毎、11~12ヶ月毎に患者の眼に硝子体内投与される、実施形態1~12、17のいずれかに記載の方法。
実施形態21.治療有効用量の化合物-メグルミンが、2ヶ月毎に単回用量として、3ヶ月毎に単回用量として、4ヶ月毎に単回用量として、5ヶ月毎に単回用量として、6ヶ月毎に単回用量として、7ヶ月毎に単回用量として、8ヶ月毎に単回用量として、9ヶ月毎に単回用量として、10ヶ月毎に単回用量として、11ヶ月毎に単回用量として、又は12ヶ月毎に単回用量として患者の眼に硝子体内投与される、実施形態1~12、17、19~20のいずれかに記載の方法。
実施形態22.治療有効用量の化合物-メグルミンが、2~3ヶ月毎に単回用量として、3~4ヶ月毎に単回用量として、5~6ヶ月毎に単回用量として、6~7ヶ月毎に単回用量として、8~9ヶ月毎に単回用量として、9~10ヶ月毎に単回用量として、11~12ヶ月毎に単回用量として患者の眼に硝子体内投与される、実施形態1~12、17、19~20のいずれかに記載の方法。
実施形態23.治療有効用量の化合物-メグルミンが、単回用量として1回、患者の眼に硝子体内投与される、実施形態1~12、17、20~22のいずれかに記載の方法。
実施形態24.治療有効用量の化合物-メグルミンが、以前の負荷用量と併用されずに、単回用量として1回、患者の眼に硝子体内投与される、実施形態23に記載の方法。
実施形態25.患者の眼に硝子体内投与される、負荷用量が、月1回のIVT注射として2ヶ月間、又は月1回のIVT注射として3ヶ月間、又は2ヶ月の間に少なくとも1回のIVT注射、又は2ヶ月の間に少なくとも2回のIVT注射として、又は2ヶ月の間に少なくとも3回のIVT注射として、又は3ヶ月の間に少なくとも3回のIVT注射として、又は3ヶ月の間に少なくとも2回のIVT注射として投与される、実施形態13~16、18のいずれかに記載の方法。
実施形態26.負荷用量に続いて、治療有効用量を投与する前に、少なくとも2ヶ月の、少なくとも3ヶ月の、少なくとも4ヶ月の、少なくとも5ヶ月の、少なくとも6ヶ月の、少なくとも7ヶ月の、少なくとも8ヶ月の、少なくとも9ヶ月の、少なくとも10ヶ月の、少なくとも11ヶ月の、少なくとも12ヶ月の治療の中断がある、実施形態25に記載の方法。
実施形態27.患者が、SD-OCTによって測定される場合、ベースラインから少なくとも40μm、ベースラインから50μm、ベースラインから少なくとも60μm、ベースラインから少なくとも70μm、ベースラインから少なくとも80μm、ベースラインから少なくとも90μmのCST低減を示す、実施形態1~26のいずれかに記載の方法。
実施形態28.患者が、SD-OCTによって評価される場合、ベースラインと比較して黄斑液の非存在を更に示す、実施形態1~27のいずれかに記載の方法。
実施形態29.患者が、SD-OCTによって評価される場合、ベースラインと比較して滲出の非存在を更に示す、実施形態1~27のいずれかに記載の方法。
実施形態30.患者が、2回を超える抗VEGF治療レスキューを必要としないか、又は3回を超える抗VEGF治療レスキューを必要としないか、又は4回を超える抗VEGF治療レスキューを必要としないか、又は5回を超える抗VEGF治療レスキューを必要としない、実施形態1~29のいずれかに記載の方法。
実施形態31.患者が、いかなる抗VEGF治療レスキューも必要としない、実施形態30に記載の方法。
実施形態32.患者が、ベースラインと比較して少なくとも5ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して少なくとも6ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して少なくとも7ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して少なくとも8ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して少なくとも9ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して少なくとも10ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して少なくとも15ETDRS文字のBCVA改善、又はベースラインと比較して少なくとも20ETDRS文字のBCVA改善において改善を示す、実施形態1~31のいずれかに記載の方法。
実施形態33.患者が、ベースラインと比較して5~7ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して6~8ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して7~9ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して10~15ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して15~20ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して20~25ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して25~30ETDRS文字のBCVA改善を示す、実施形態1~32のいずれかに記載の方法。
実施形態34.患者が、全て蛍光血管造影(FA)又は光干渉断層血管造影(OCT-A)によって測定される場合、ベースラインと比較して少なくとも0.10mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.20mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.30mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.40mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.50mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.60mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.70mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.80mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.90mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも1.0mmの眼の無血管領域の低減を示す、実施形態1~43のいずれかに記載の方法。
実施形態35.患者が、ベースラインと比較して2段階の糖尿病性網膜症重症度スケール(DRSS)の改善を有する、実施形態1~34のいずれかに記載の方法。
実施形態36.患者が、FA又はOCT-Aによって測定される場合の新生血管形成のベースラインと比較した退縮を示す、実施形態1~35のいずれかに記載の方法。
実施形態37.網膜血管症が、糖尿病性黄斑浮腫(DME)である、実施形態1~36のいずれかに記載の方法。
実施形態38.網膜血管症が、糖尿病性網膜症(DR)である、実施形態1~36のいずれかに記載の方法。
実施形態39.網膜血管症が、加齢黄斑変性(AMD)である、実施形態1~36のいずれかに記載の方法。
実施形態40.網膜血管症が、地図状萎縮(GA)である、実施形態39のいずれかに記載の方法。
実施形態41.患者が、ベースラインで非増殖性糖尿病性網膜症も呈した、実施形態38に記載の方法。
実施形態42.患者が、ベースラインで増殖性糖尿病性網膜症も呈した、実施形態38に記載の方法。
実施例1に記載されるような第I相単回用量漸増、安全性及び毒性試験の概略図を示す。 実施例2に記載されるようなDMEにおける第2a相概念実証試験の概略図を示す。 実施例1に記載される第I相試験の結果としての、DME患者のBCVAのベースラインからの変化を示す。公開されたVISTA試験から取られたアフリベルセプトのデータは、比較目的のみでデータに重ね合わせられていることに留意されたい。試験された全ての用量で、2週目に8人の患者のうちの6人がベースラインからのETDRS文字数の増加を示した。4週目には8人の患者のうちの7人がベースラインからのETDRS文字数の増加を示し、12週目には8人の患者のうちの6人がベースラインからのETDRS文字数の増加を示した。 実施例1に記載される第I相試験の結果としての、nAMD患者のBCVAのベースラインからの変化を示す。試験された全ての用量で、2週目に4人の患者のうちの3人がベースラインからのETDRS文字数の増加を示し、4週目には4人の患者のうちの2人がベースラインからのETDRS文字数の増加を示した。12週目には4人の患者のうちの2人がベースラインからのETDRS文字数の増加を示した。1人の患者に抗VEGFレスキュー治療が施されたことに留意されたい。 実施例1に記載される第I相試験の結果としての、DME患者のCSTのベースラインからの変化を示す。試験された全ての用量で、2週目に7人の患者のうちの3人がベースラインからのCSTの減少を有し、4週目には7人の患者のうちの2人がベースラインからの減少を示した。12週目には7人の患者のうちの4人がベースラインからの減少を示した。 実施例1に記載される第I相試験の結果としての、nAMD患者のCSTのベースラインからの変化を示す。試験された全ての用量で、2週目に4人の患者のうちの2人ベースラインからのCSTの減少を有し、4週目には4人の患者のうちの3人がベースラインからの減少を示した。12週目には4人の患者のうちの3人がベースラインからの減少を示した。1人の患者に抗VEGFレスキュー治療が施されたことに留意されたい。 実施例3に記載されるようなnAMDにおける第2a相概念実証試験の概略図を示す。 実施例1に開示される第I相試験に記載される式Iの化合物の単回注射の結果としての、DMEを有する患者のBCVAの24週間にわたる平均変化を示す。 実施例1に記載される第I相試験において、式Iの化合物の単回注射後、4週目、8週目、12週目、及び24週目に測定された、5文字以上又は10文字以上のBCVA増加のいずれかの閾値BCVA増加を達成したDME患者の割合(%)を示す。 実施例1に記載される第I相試験において、抗VEGF療法による第2相DMEレスキュー基準(+75μm又は-10ETDRS文字)を満たさなかったDME患者の割合(%)を示す。 式Iの化合物の単回注射を受けた後の8人のDME患者の高用量コホートにおける、24週目まで追跡されたCSTの平均変化を示す。実施例1を参照されたい。 試験された全ての用量での10人の患者における個々のAMD患者の、ETDRSによって測定されたBCVAのプロット変化を示す。「金色」の輪郭線によって示されるように、5人の患者に抗VEGFレスキュー治療を与えた。実施例1を参照されたい。 式Iの化合物の単回注射後1週目、2週目、4週目、8週目、12週目、及び24週目の9人のAMD患者(6人のAMD患者が抗VEGFレスキュー治療を受け、3人が受けなかった)における、ETDRS文字数±SEMによって測定されたBCVAの平均変化の治療意図(ITT)分析を示す。実施例1を参照されたい。 式Iの化合物の単回注射後1週目、2週目、4週目、8週目、12週目、及び24週目の10人のAMD患者における、μm±SEMによって測定されたCSTの平均変化の治療意図(ITT)分析を示す。実施例1を参照されたい。 ニュージーランド白ウサギの硝子体液、網膜、及び水晶体におけるメグルミン塩形態と比較したナトリウム塩形態(Na塩)の両方の分布の比較を示す。実施例4及び表1を参照されたい。
発明の詳細な説明
I.定義
本明細書で使用される「約」という用語は、この技術分野における当業者に容易に知られているそれぞれの値についての通常の誤差範囲を指す。本明細書における値又はパラメータの「約」への言及は、その値又はパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(及びそれを説明する)。
本明細書で使用される場合、「投与すること」は、本明細書における網膜血管症に罹患している患者に、ある投与量の化合物-メグルミンを与える方法を意味する。本明細書に記載される方法で利用される組成物は、例えば、硝子体内(例えば、硝子体内注射によって)、眼(例えば、眼注射によって)、又は眼内(例えば、眼内注射によって)投与することができる。投与の方法は、様々な因子(例えば、投与されている化合物又は組成物、及び治療されている状態、疾患、又は障害の重症度)に応じて変動することができる。
本明細書で使用される場合、「抗VEGF治療」又は「抗VEGF療法」という用語は、網膜血管症を治療するために示されるいずれかの現在承認されている抗VEGF薬物を意味する。そのような承認された薬物としては、例えば、Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ)又はEylea(登録商標)(アフリベルセプト)、及びラニビズマブ又はアフリベルセプトに対するいずれかの承認されたバイオシミラー薬物が挙げられる。
本明細書で使用される場合、患者に関連する「ベースライン」という用語は、本発明による治療の前に担当医療従事者に提示される患者診断を示す。
本明細書で使用される場合、「最高矯正視力」(BCVA)は、眼鏡又はコンタクトレンズを使用して達成することができる最高矯正視力の測定値を指す。それは、糖尿病性網膜症早期治療試験(ETDRS)プロトコルを使用して測定することができる。
本明細書で使用される場合、「CST」は、中心1mmグリッドにおける黄斑の平均厚さとして定義される、中心窩網膜厚としても知られる、中心サブフィールド厚さの変化を表す。平均黄斑厚さは、9つの切片における厚さの平均として定義される。CSTにおける臨床的に有意な変化は、ベースラインと比較して、例えば、50μm~100μmの低減であり得る。
本明細書で使用される場合、「糖尿病性網膜症早期治療試験」(ETDRS)は、文字数の改善と関連して使用される場合、視力を評価するために使用される測定の一種であり、チャートで使用される記号又は文字の等比数列は、最小分離閾角度の対数(logMAR)と呼ばれる。各行は、同数の記号又は文字を含み、各行の値は、0.1 log単位、又は25%に等しく、先行する行(チャートの上部で出発するとき)よりも小さい。患者は、所定の距離で既知の高さの一連の文字を読むように求められ、読まれた最小の判読可能な文字が近見又は遠見視力の程度を示す。この標準化は、近見及び遠見視力レベルの評価における一貫性を可能にする。正常な視力は、4メートルの距離で80文字のETDRSとみなされる。ETDRSにおける臨床的に有意な改善は、4メートルの距離でのETDRS文字数の、ベースラインと比較して10~15文字の増加である。
本明細書で使用される場合、「滲出液」又は「網膜滲出液」は、DR、DME、又はAMDを有する患者において現れ得る損傷した毛細血管から漏出する脂質残留物を指す。具体的には、AMD患者において現れる滲出液は、網膜下液(SRF)であり得る。これは、黄斑の下の漏出する異常な血管に由来する。あるいは、AMD患者において現れる滲出液は、OCTに対する網膜組織反射率の低減に関連する増加した網膜肥厚である網膜内液(IRF)であり得る。最後に、AMD患者において現れる滲出液は、類嚢胞浮腫であり得る。液体のこの複数の嚢胞様(類嚢胞)領域は、黄斑において現れ、網膜腫脹又は浮腫を引き起こす。
本明細書で使用される場合、「スペクトルドメイン光干渉断層撮影」(SD-OCT)は、正確な網膜厚さ測定値を有する高解像度構造画像を提供する技法である。これは、黄斑浮腫又は網膜滲出液の早期検出のための、及び糖尿病性黄斑症のフォローアップのための選択の技法である。
本明細書で使用される場合、「ヘモグロビンA1c」(HbA1C)は、過去2~3ヶ月にわたる患者の血糖の平均レベルを示す試験である。それは、糖化ヘモグロビン試験又はグリコヘモグロビンとも呼ばれる。HbA1Cは、一般に、前糖尿病及び糖尿病を診断するために使用される。一般に、正常なHbA1Cレベルは、5.7%未満であり、5.7%~6.4%のレベルは、一般に前糖尿病を示し、6.5%以上のレベルは、一般に糖尿病を示す。
本明細書で使用される場合、「眼内圧」(IOP)は、眼の内部の液圧である。IOPの測定値は、角膜厚さ及び硬性によって影響される。一般に、正常な眼内圧は、10mmHg~20mmHgであると理解される。
本明細書で使用される場合、単独で使用される場合の「患者」(例えば、「治療有効用量の化合物-メグルミンにより治療される患者」)は、網膜血管症に罹患している患者を意味する。対照的に、「DME患者」は、特定の網膜血管症、DMEに罹患している患者を意味する。更に、「AMD患者」は、特定の網膜血管症、AMDに罹患している患者を意味する。更に、「DR患者」は、特定の網膜血管症、DRに罹患している患者を意味する。
本明細書で使用される場合、「網膜血管症」は、例えば、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、及び加齢黄斑変性などの、病原性血管新生を伴う眼疾患を指す。他の眼疾患としては、例えば、地図状萎縮が挙げることができる。
本明細書で使用される場合、「治療」(「治療する」又は「治療すること」)は、治療される個体の自然経過を改変しようとする試みにおける臨床介入を指し、予防のために、又は臨床病理の経過中のいずれかで実施することができる。本明細書において特許請求されるような治療の方法の望ましい効果には、これらに限定されないが、DME、DR、又はAMDの発生又は再発を予防すること、DME、DR、又はAMDの症状の軽減、DME、DR、又はAMDのいずれかの直接的又は間接的病理学的帰結の減少、DME、DR、又はAMDにおける疾患進行の速度を低下させること、DME、DR、又はAMDにおける疾患状態の改善又は緩和、及びDME、DR、又はAMDについての寛解又は改善された予後が含まれる。
組成物及び方法
本発明は、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、糖尿病性網膜症(DR)、及び加齢黄斑変性(AMD)などの、特定の網膜血管症を治療するための方法を提供する。
DMEは、慢性、制御不良の糖尿病に続く糖尿病性網膜症(DR)の合併症であり、糖尿病を有する人々における視力を脅かす網膜症の最も一般的な形態である。糖尿病を有する14人の患者に約1人は、ある程度のDMEを有する。世界保健機関は2015年に、網膜画像を使用した糖尿病を有する患者におけるDRの全体的な有病率が35%であると推定され、視力を脅かすDRが12%で存在したことを報告した。有病率は、糖尿病のタイプ及び疾患の持続時間に依存する。糖尿病の両方のタイプ、1型糖尿病及び2型糖尿病について、25年の持続時間後、有病率は、30%に近い。米国では、40歳を超える少なくとも550万の個体がDMEの非存在下でDRを有すると推定され、更に80万~100万人の患者がDMEを有する。いくつかの推定によると、それらのうちの40%のみが診断及び治療され、約5%が診断及び観察される。
糖尿病性黄斑浮腫(DME)、糖尿病性網膜症(DR)に続発する黄斑肥厚は、血管漏出及び液体貯留につながる血液-網膜障壁欠損に起因する。Bhagat N,et al.,Surv Ophthalmol.2009;54:1-32を参照されたい。DMEは、血管内皮成長因子(VEGF)、細胞間接着分子-1(ICAM-1)、インターロイキン-6(IL-6)、単球走化性タンパク質-1(MCP-1)、及び白血球停滞を含む、いくつかの炎症因子の発現に関連している。Funatsu H,et al.,Ophthalmology.2009;116:73-79、及びMiyamoto K,et al.,Proc Natl Acad Sci USA.1999;96:10836-10841を参照されたい。また、これらの因子の発現は、疾患の重症度とともに網膜の血管透過性の両方に関連しており、よってそれらの重要な病原的役割を確認している。
DR:糖尿病性網膜症の有病率は、年齢とともに増加し、50歳を超えた人々における失明の最も一般的な原因である。それは、多因子障害であり、高血糖は、糖尿病性眼疾患の多くの態様に関与する細胞及び炎症性サイトカインに毒性作用を及ぼす。糖尿病性網膜症は、毛細血管基底膜の肥厚を伴い、周皮細胞が毛細血管の内皮細胞に接触するのを防止する。周皮細胞の喪失は、毛細血管の漏出を増加させ、血液-網膜障壁の破壊につながり得る。弱った毛細血管は、動脈瘤形成及び更なる漏出につながり得る。高血糖の持続期間及び重症度は、糖尿病性網膜症の発症に関連する因子である。高血糖のこれらの効果は、網膜における神経機能を損なうこともできる。これは、非増殖性糖尿病性網膜症と呼ばれる糖尿病性網膜症の早期段階である。
糖尿病性網膜症はまた、臨床的血管疾患の発症の前に神経機能における改変に関連する、神経網膜の変性疾患である。網膜毛細血管は、網膜における虚血の領域を引き起こす糖尿病において閉塞され得る。非灌流組織は、既存の血管から新しい血管成長(すなわち、血管新生)を誘発することによって応答する。これらの新しい血管は、新しい血管が壊れやすく、眼に血液が漏出する傾向があるため、視力喪失、増殖性糖尿病性網膜症と呼ばれる状態も引き起こし得る。進行性増殖性糖尿病性網膜症では、網膜新生血管形成を伴う血管新生、VEGF媒介性応答が続き、眼を硝子体出血又は牽引性網膜剥離の発症に起因する重度視力喪失の更なるリスクにさらす。不可逆的血管又は神経損傷は、治療なしで可能であり、早期介入の必要性を強調している。
AMD:加齢黄斑変性(AMD)は、視覚障害及び重度視力喪失の主要な原因である。それは、8.7%の失明有病率で、視覚障害の世界的な原因の中で3番目にランクする。
AMDは、網膜の中心部分の悪化によって引き起こされ、その病因に関与する補体、脂質、血管新生、炎症性、及び細胞外マトリックス経路における調節障害を伴う、多因子障害である。AMD病理は、時間とともに網膜を損傷すると考えられる網膜色素上皮と下にある脈絡膜との間の、黄斑における、ドルーゼン(例えば、細胞外タンパク質及び脂質の蓄積)と呼ばれる特徴的な黄色の沈着物の進行性蓄積を特徴とする。
AMDの2つの基本的なタイプ:「乾性」及び「湿性」がある。AMDの症例の約85%~90%は、「乾性」(萎縮)型、又は地図状萎縮(GA)であり、10~15%は、「湿性」(滲出)型又は新生血管AMD(nAMD)である。乾性AMDは、黄斑において網膜色素上皮(RPE)及び光受容体細胞が徐々に失われることによって定義される。乾性AMDによって影響される患者は、光受容体細胞及びそれらの密接に関連するもの、網膜色素上皮(RPE)細胞の死に起因し、ドルーゼンの沈着を伴い、中心視力を徐々に失う。湿性AMDは、黄斑上皮の下での異常な血管の成長を特徴とする。湿性AMDは、ブルッフ膜を通した、脈絡膜毛細血管における異常な血管成長(例えば、脈絡膜新生血管形成)による視力喪失をもたらす。臨床的には、それは、早期(中型ドルーゼン及び網膜色素変化)~後期(新生血管及び萎縮)に分類される。
本発明の組成物:網膜における病理学的血管系が細胞老化に選択的に関与することが最近示された(Crespo-Garcia et al.,Cell Metabolism 2021,33,1-15)。DME、DR、及びAMDに罹患している患者への投与のために、眼における健康な常在細胞を改変することなく、組織から老化細胞を除去する可能性を有するセノリティックBcl-xL阻害剤が開発されている。このように、そのような老化細胞によって分泌される炎症誘発因子、すなわち、老化関連分泌表現型(SASP)は、選択的に除去される。
特許請求される発明のいくつかの実施形態では、DME又はDR又はAMDに罹患している患者を治療するために使用される化合物は、式Iの化合物の結晶性固体メグルミン塩(別名、「化合物-メグルミン」)であり、式Iは
Figure 2024516367000003
である。
式Iの化合物は、(R)-5-(4-クロロフェニル)-1-イソプロピル-2-メチル-4-(3-(4-(4-((4-((1-(フェニルチオ)-4-(4-((ホスホノオキシ)メチル)ピペリジン-1-イル)ブタン-2-イル)アミノ)-3-((トリフルオロメチル)スルホニル)フェニル)スルホンアミド)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピロール-3-カルボン酸とも称される。特許請求される発明の他の実施形態では、化合物-メグルミンは、DME、DR、又はAMDに罹患している患者を治療するために使用され、メグルミンは、1~3の化学量論比で存在する。別の実施形態では、化合物-メグルミンは、2℃~8℃の温度で12ヶ月間以上安定である。その全体が参照により組み込まれる、国際出願PCT/CN2020/127666を参照されたい。
式Iの化合物は、ナトリウム塩形態である。それは、2~8℃では不安定であることが示された。潜在的な商業的治療薬として、そのような不安定性は、実現不可能である。したがって、PCT/CN2020/127666に開示されるように、化合物のより安定な塩形態、化合物-メグルミンが生成された。患者安全性又は有効性を損なうことなく、臨床試験において、及びそれを越えて式Iの化合物の化合物-メグルミンによる置換を可能にするために、規制当局へのブリッジングデータを有効にするために、化合物-メグルミンの薬物動態を、式Iの化合物のナトリウム塩形態の薬物動態と比較した。実施例4、図15、及び表1を参照されたい。
用量:特許請求される発明のいくつかの実施形態では、DME、DR、AMD患者を治療するために使用される、上に記載されるような化合物-メグルミンの治療有効用量は、1眼当たり約0.5μg、1眼当たり約1μg、1眼当たり約2μg、1眼当たり約2.5μg、1眼当たり約3μg、1眼当たり約4μg、1眼当たり約5μg、1眼当たり約6μg、1眼当たり約7μg、1眼当たり約8μg、1眼当たり約9μg、1眼当たり約10μg、1眼当たり約11μg、1眼当たり約12μg、1眼当たり約13μg、1眼当たり約14μg、1眼当たり約15μg、1眼当たり約16μg、1眼当たり約17μg、1眼当たり約18μg、1眼当たり約19μg、1眼当たり約20μg、1眼当たり約21μg、1眼当たり約22μg、1眼当たり約23μg、1眼当たり約24μg、又は1眼当たり約25μgである。他の実施形態では、上に記載されるような化合物-メグルミンの治療有効用量の1眼当たりの総体積は50μlである。
特許請求される発明のいくつかの実施形態では、DME、DR、又はAMDを治療するために使用される、上に記載されるような化合物-メグルミンの治療有効用量は、1眼当たり0.5μg~1μg、1眼当たり1μg~2μg、1眼当たり2μg~2.5μg、1眼当たり2.5μg~3μg、1眼当たり3μg~4μg、1眼当たり4μg~5μg、1眼当たり5μg~6μg、1眼当たり6μg~7μg、1眼当たり7μg~8μg、1眼当たり8μg~9μg、1眼当たり9μg~10μg、1眼当たり10μg~11μg、1眼当たり11μg~12μg、1眼当たり12μg~13μg、1眼当たり13μg~14μg、1眼当たり14μg~15μg、1眼当たり15μg~16μg、1眼当たり16μg~17μg、1眼当たり17μg~18μg、1眼当たり18μg~19μg、1眼当たり19μg~20μg、1眼当たり20μg~21μg、1眼当たり21μg~22μg、1眼当たり22μg~23μg、1眼当たり23μg~24μg、又は1眼当たり24μg~25μgである。他の実施形態では、本明細書に記載されるような化合物-メグルミンの治療有効用量の1眼当たりの総体積は50μlである。
特許請求される発明の他の実施形態では、DME、DR、又はAMDを治療するために使用される、上に記載されるような化合物-メグルミンの治療有効用量は、1眼当たり0.5~2μg、1眼当たり2~4μg、1眼当たり3~5μg、1眼当たり4~6μg、1眼当たり5~7μg、1眼当たり6~8μg、1眼当たり7~9μg、1眼当たり8~10μg、1眼当たり10~15μg、1眼当たり15~20μg、1眼当たり20~25μgである。他の実施形態では、本明細書に記載されるような化合物-メグルミンの治療有効用量の1眼当たりの総体積は50μlである。
網膜血管症を監視及び診断する方法:当該技術分野で既知の標準化された眼科検査技法には、例えば、瞼、眼付属器、睫毛、角膜表面、前房、瞳孔、水晶体、硝子体腔、並びに視神経及び黄斑を含む中心網膜解剖学の評価を可能にする詳細なスリットランプ生体顕微鏡評価が含まれる。別の方法は、前房隅角の詳細な検査を可能にする隅角鏡検査法である。間接検眼鏡検査法は、硝子体及び末梢網膜障害の監視において重要な、網膜周辺部の評価を可能にする。
視力の機能的試験は、当該技術分野で既知であり、例えば、最高矯正視力、対比視力、及び低輝度視力、色覚(石原試験及びファーンズワース・マンセル試験を含む)及び視野評価(ハンフリー自動視野測定及び微小視野測定を含む)、涙液産生(シルマー試験)、並びに眼内圧(IOP)を測定するための眼圧測定法を含む。これらは、例えば、前区及び後区写真、角膜厚測定、超音波、超音波生体顕微鏡検査法、光干渉断層撮影(OCT)、光干渉断層血管造影法(OCTA)、蛍光血管造影法(FA)、静脈内蛍光血管造影法(IVFA)、並びに眼底自発蛍光(FAF)を含む、構造試験と併せて使用される。コンピュータ断層撮影(CT)又は磁気共鳴イメージング(MRI)スキャンなどのイメージングは、眼、眼周囲、及び眼窩構造、並びに脳における視神経、視覚路、及び視覚野の頭蓋内部分を評価するために利用される。これらの試験は、眼及び周囲構造の層の構造的完全性及び厚さの視覚化、並びに血流及び循環の評価を可能にする。疾患進行及び療法の影響を診断及び監視するために、全視野及び多局所網膜電図、視覚誘発電位及び微小周囲測定などの電気生理学的試験を含む網膜、視神経、及び視覚路/視覚野の高度機能的試験も使用される。当業者であれば、本明細書に記載される網膜血管症を診断、測定、及び監視するために、当該技術分野で既知の適切な方法論を展開することができるであろう。
患者:特許請求される発明のいくつかの実施形態では、DMEに罹患している患者を治療するために使用される上に記載されるような治療有効用量の化合物-メグルミンは、DMEに罹患しているだけでなく、糖尿病性網膜症(DR)も有する患者に投与される。他の実施形態では、DME患者は、DMEだけでなく、非増殖性DRにも罹患している。他の実施形態では、DME患者は、増殖性DRにも罹患している。
特許請求される発明のいくつかの実施形態では、上に記載されるような治療有効用量の化合物-メグルミンは、AMDに罹患している患者を治療するために使用した。具体的には、当該AMD患者は、乾性AMD又はGAに罹患し得る。具体的には、当該AMD患者は、湿性AMD又はnAMDに罹患し得る。特許請求される発明の他の実施形態では、上に記載されるような治療有効用量の化合物-メグルミンにより治療されるAMD患者は、治療の前に、糖尿病性網膜症早期治療試験(ETDRS)における70~20文字のベースライン最高矯正視力(BCVA)、又はスネレンチャートにおける20/40~20/400のベースライン値を有する。
特許請求される発明のいくつかの実施形態では、上に記載されるような治療有効用量の化合物-メグルミンにより治療されるDME、DR、又はAMD患者は、特許請求される発明による治療の前に抗血管内皮成長因子(抗VEGF)治療で以前に治療されている。本明細書に記載されるような、他の実施形態では、抗VEGF治療による以前の治療は、特許請求される発明の方法による治療の前の先行する6ヶ月の期間に行われた。他の実施形態では、抗VEGF治療による以前の治療を有することに加えて、DME、DR、又はAMD患者はまた、特許請求される発明の方法による治療の前にベースラインでSD-OCTによって測定される場合350um以上の中心サブフィールド厚(CST)を呈した。
特許請求される発明のいくつかの実施形態では、上に記載されるような治療有効用量の化合物-メグルミンにより治療されるDME、DR、又はAMD患者は、特許請求される発明の方法による治療の前に、ベースラインで12%未満の、ベースラインで11%未満の、ベースラインで10%未満の、ベースラインで9%未満の、ベースラインで8%未満の、ベースラインで7%未満の、ベースラインで6%未満の、ベースラインで5%未満の、ベースラインで4%未満の、ベースラインで3%未満の、ベースラインで2%未満の、ベースラインで1%未満のヘモグロビンA1C(HbA1C)を、治療の3ヶ月前に有する。
特許請求される発明のいくつかの実施形態では、上に記載されるような治療有効用量の化合物-メグルミンにより治療されるDME、DR、又はAMD患者は、特許請求される発明の方法による治療の前に、ベースラインで23mmHg以下の、ベースラインで22mmHg以下の、ベースラインで21mmHg以下の、ベースラインで20mmHg以下の、ベースラインで19mmHg以下の、ベースラインで18mmHg以下の、ベースラインで17mmHg以下の、ベースラインで16mmHg以下の、ベースラインで15mmHg以下の、ベースラインで14mmHg以下の、ベースラインで13mmHg、ベースラインで12mmHg以下の、ベースラインで11mmHg以下の、ベースラインで10mmHg以下の、ベースラインで9mmHg以下の、ベースラインで8mmHg以下の、ベースラインで7mmHg以下の、ベースラインで6mmHg以下の、ベースラインで5mmHg以下の、ベースラインで4mmHg以下の、ベースラインで3mmHg以下の、ベースラインで2mmHg以下の、ベースラインで1mmHg以下の眼内圧(IOP)を有する。
特許請求される発明のいくつかの実施形態では、上に記載されるような治療有効用量の化合物-メグルミンにより治療されるDME、DR、又はAMD患者、患者は、特許請求される発明の方法による治療の前に、ベースラインでSD-OCTによって測定される場合100μm以上の、ベースラインでSD-OCTによって測定される場合150μm以上の、ベースラインでSD-OCTによって測定される場合200μm以上の、ベースラインでSD-OCTによって測定される場合250μm以上の、ベースラインでSD-OCTによって測定される場合300μm以上の、ベースラインでSD-OCTによって測定される場合350μm以上の中心サブフィールド厚(CST)を呈した。
投与:硝子体内(IVT)は、硝子体液ゲルと呼ばれるゼリー状液体で充填される、硝子体腔と呼ばれる眼の後部にある空間に直接医薬品を配置する手順における、本明細書に記載される化合物-メグルミンなどの、薬物の投与経路である。手順は、通常、オフィス環境において訓練を受けた網膜専門家によって実施される。特許請求される発明のいくつかの実施形態では、上に記載されるような、DME、DR、又はAMDを治療するために使用される治療有効用量の化合物-メグルミンは、患者の眼に硝子体内投与される。他の実施形態では、上に記載されるような、DME、DR、又はAMDを治療するために使用される治療有効用量の化合物-メグルミンは、単回IVT用量として患者の眼に投与される。
特許請求される発明のいくつかの実施形態では、上に記載されるような化合物-メグルミンは、上に記載されるような治療有効用量を投与する前に、最初に負荷用量としてDME、DR、又はAMD患者の眼に硝子体内投与される。そのような場合では、DME、DR、又はAMD患者を治療するために使用される、上に記載されるような化合物-メグルミンの負荷用量は、1眼当たり約0.5μg、1眼当たり約1μg、1眼当たり約2μg、1眼当たり約2.5μg、1眼当たり約3μg、1眼当たり約4μg、1眼当たり約5μg、1眼当たり約6μg、1眼当たり約7μg、1眼当たり約8μg、1眼当たり約9μg、1眼当たり約10μg、1眼当たり約11μg、1眼当たり約12μg、1眼当たり約13μg、1眼当たり約14μg、1眼当たり約15μg、1眼当たり約16μg、1眼当たり約17μg、1眼当たり約18μg、1眼当たり約19μg、1眼当たり約20μg、1眼当たり約21μg、1眼当たり約22μg、1眼当たり約23μg、1眼当たり約24μg、又は1眼当たり約25μgである。他の実施形態では、上に記載されるような化合物-メグルミンの負荷用量の1眼当たりの総体積は50μlである。
特許請求される発明のまた他の実施形態では、上に記載されるような化合物-メグルミンは、上に記載されるような治療有効用量を投与する前に、最初に負荷用量としてDME、DR、又はAMD患者の眼に硝子体内投与される。そのような場合では、DME、DR、又はAMD患者を治療するために使用される、上に記載されるような化合物-メグルミンの負荷用量は、1眼当たり0.5~2μg、1眼当たり2~4μg、1眼当たり3~5μg、1眼当たり4~6μg、1眼当たり5~7μg、1眼当たり6~8μg、1眼当たり7~9μg、1眼当たり8~10μg、1眼当たり10~15μg、1眼当たり15~20μg、1眼当たり20~25μgである。他の実施形態では、本明細書に記載されるような化合物-メグルミンの負荷用量の1眼当たりの総体積は50μlである。
特許請求される発明のいくつかの実施形態では、上に記載されるような化合物-メグルミンは、以下に記載されるように、治療有効用量を投与する前に、最初に負荷用量としてDME、DR、又はAMD患者の眼に硝子体内投与される。そのような場合では、負荷用量は、DME、DR、又はAMD患者の眼に、月1回のIVT注射を2ヶ月間、又は月1回のIVT注射を3ヶ月間、又は2ヶ月の間に少なくとも1回のIVT注射、又は2ヶ月の間に少なくとも2回のIVT注射、又は2ヶ月の間に少なくとも3回のIVT注射、又は3ヶ月の間に少なくとも3回のIVT注射、又は3ヶ月の間に少なくとも2回のIVT注射が硝子体内投与される。特許請求される発明の他の実施形態では、上に記載されるような化合物-メグルミンは、以下に記載される、治療有効用量を投与する前に、最初に負荷用量としてDME、DR、又はAMD患者の眼に硝子体内投与され、次いで、以下に記載される、治療有効用量を投与する前に、少なくとも2ヶ月の、少なくとも3ヶ月の、少なくとも4ヶ月の、少なくとも5ヶ月の、少なくとも6ヶ月の、少なくとも7ヶ月の、少なくとも8ヶ月の、少なくとも9ヶ月の、少なくとも10ヶ月の、少なくとも11ヶ月の、少なくとも12ヶ月の治療の中断が課される。
特許請求される発明のいくつかの実施形態では、上に記載されるような治療有効用量の化合物-メグルミンは、2ヶ月毎、3ヶ月毎、4ヶ月毎、5ヶ月毎、6ヶ月毎、7ヶ月毎、8ヶ月毎、9ヶ月毎、10ヶ月毎、11ヶ月毎、12ヶ月毎に、DME、DR、又はAMD患者の眼に硝子体内投与される。他の実施形態では、上に記載されるような治療有効用量の化合物-メグルミンは、2~3ヶ月毎、3~4ヶ月毎、5~6ヶ月毎、6~7ヶ月毎、8~9ヶ月毎、9~10ヶ月毎、11~12ヶ月毎に、DME、DR、又はAMD患者の眼に硝子体内投与される。特許請求される発明の他の実施形態では、上に記載されるような治療有効用量の化合物-メグルミンは、2ヶ月毎に単回用量として、3ヶ月毎に単回用量として、4ヶ月毎に単回用量として、5ヶ月毎に単回用量として、6ヶ月毎に単回用量として、7ヶ月毎に単回用量として、8ヶ月毎に単回用量として、9ヶ月毎に単回用量として、10ヶ月毎に単回用量として、11ヶ月毎に単回用量として、又は12ヶ月毎に単回用量として、DME、DR、又はAMD患者の眼に硝子体内投与される。他の実施形態では、上に記載されるような治療有効用量の化合物-メグルミンは、2~3ヶ月毎に単回用量として、3~4ヶ月毎に単回用量として、5~6ヶ月毎に単回用量として、6~7ヶ月毎に単回用量として、8~9ヶ月毎に単回用量として、9~10ヶ月毎に単回用量として、11~12ヶ月毎に単回用量として、DME、DR、又はAMD患者の眼に硝子体内投与される。
他の実施形態では、上に記載されるような治療有効用量の化合物-メグルミンは、上に記載されるような以前の負荷用量と併用して、又はそれなしでのいずれかで、単回用量として1回、DME、DR、又はAMD患者の眼に硝子体内投与される。
有効性:いくつかの実施形態では、本明細書に記載される特許請求される発明の方法は、DME、DR、又はAMD患者が、SD-CSTによって測定される場合、本発明の方法により治療された後にベースラインから少なくとも40μm、本発明の方法により治療された後にベースラインから少なくとも50μm、本発明の方法により治療された後にベースラインから少なくとも60μm、本発明の方法により治療された後にベースラインから少なくとも70μm、本発明の方法により治療された後にベースラインから少なくとも80μm、本発明の方法により治療された後にベースラインから少なくとも90μmのCST低減を示すことをもたらす。
他の実施形態では、本明細書に記載される特許請求される発明の方法は、本発明の方法により治療された後、DME、DR、又はAMD患者が、SD-OCTによって評価される場合、ベースラインと比較して黄斑液の非存在を示すことをもたらす。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される特許請求される発明の方法は、DME、DR、又はAMD患者が、2回を超える抗VEGF治療レスキューを必要としないか、又は3回を超える抗VEGF治療レスキューを必要としないか、又は4回を超える抗VEGF治療レスキューを必要としないか、又は5回を超える抗VEGF治療レスキューを必要としないことをもたらす。更に他の実施形態では、本明細書に記載される特許請求される発明の方法は、患者がいずれの抗VEGF治療レスキューも全く必要としないことをもたらす。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される特許請求される発明の方法は、DME、DR、又はAMD患者が、ベースラインと比較して少なくとも5ETDRS文字のBCVA改善、又はベースラインと比較して少なくとも6ETDRS文字のBCVA改善、又はベースラインと比較して少なくとも7ETDRS文字のBCVA改善、又はベースラインと比較して少なくとも8ETDRS文字のBCVA改善、又はベースラインと比較して少なくとも9ETDRS文字のBCVA改善、又はベースラインと比較して少なくとも10ETDRS文字のBCVA改善、又はベースラインと比較して少なくとも15ETDRS文字のBCVA改善、又はベースラインと比較して少なくとも20ETDRS文字のBCVA改善において改善を示すことをもたらす。他の実施形態では、本明細書に記載される特許請求される発明の方法は、DME、DR、又はAMD患者が、ベースラインと比較して5~7ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して6~8ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して7~9ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して10~15ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して15~20ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して20~25ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して25~30ETDRS文字のBCVA改善を示すことをもたらす。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される特許請求される発明の方法は、DME、DR、又はAMD患者が、全て蛍光血管造影(FA)又は光干渉断層血管造影(OCT-A)によって測定される場合、ベースラインと比較して少なくとも0.10mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.20mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.30mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.40mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.50mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.60mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.70mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.80mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.90mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも1.0mmの眼の無血管領域の低減を示すことをもたらす。
他の実施形態では、本明細書に記載される特許請求される発明の方法は、DME、DR、又はAMD患者がベースラインと比較して2段階の糖尿病性網膜症重症度スケール(DRSS)の改善を有することをもたらす。
更に他の実施形態では、本明細書に記載される特許請求される発明の方法は、DME、DR、又はAMD患者が、例えばFA又はOCT-Aによって測定される場合の新生血管形成のベースラインと比較した退縮を示すことをもたらす。
以下は、本発明の方法及び組成物の実施例である。上に提供される一般的な記載を考慮すると、様々な他の実施形態が実施され得ることが理解される。
実施例1:糖尿病性黄斑浮腫又は新生血管加齢黄斑変性を有する患者における式Iの化合物の安全性及び忍容性試験の評価
これは、約4つのコホートからなる第1相、非盲検、ファーストインヒューマン(FIH)、単回用量漸増(SAD)試験である。患者の合計数は、コホート当たり少なくとも3人の患者に加えて、最大忍容用量(MTD)コホートにおける3人の追加の患者であった。式Iの化合物を硝子体内投与し、全ての患者を約6ヶ月間追跡した。
ファーストインヒューマン試験においてDMEを有する患者を登録する根拠は、IVT注射がリスクフリーではない侵襲的手順であるという事実に基づく。FDAによって承認された他のIVT注射された薬物と同様に、この試験は、IVT注射によって引き起こされる潜在的なリスクのために、疾患集団において薬物の薬理学、安全性、及び予備的有効性を確立するためにDMEを有する患者を登録した。単回用量毒性は、標的集団において提案された投与経路を使用して試験されている。加えて、これは、異なる用量の安全性プロファイルを決定し、いずれかの用量制限毒性(DLT)があるかを決定するように設計された。
FIH試験において登録された患者は、DME(AAO PPP DME Guidelines[2019]によって定義される)を有すると診断された患者であって、試験眼におけるBCVAがETDRSにおける35文字(スネレンチャートにおける20/200に相当)以下であり、非試験眼における視力がETDRSにおける35文字(スネレンチャートにおける20/200)よりも良好な患者である。登録された患者はまた、DMEを伴う非増殖性糖尿病性網膜症(NPDR)を有し得、責任医師の見解において、現在の治療選択肢からの恩恵を受ける可能性が低いか、又はそれらに失敗したため、顕著な追加の有害性は予想されない。他の組み入れ及び除外基準は、登録されたものが、BCVAを損なう、BCVA改善を妨げる、試験期間中に医学的若しくは外科的介入を必要とする、結果の解釈を混乱させる、又は試験眼における眼科学的評価の毒性の評価に干渉する可能性があるDME以外の網膜疾患を有さないことを確実にする。登録された患者は、責任医師の見解において、試験への参加のリスク若しくは禁忌を構成するか、又は試験目的、実施、若しくは評価に干渉する可能性があるか、又は患者が試験の全ての態様に完全に参加することを妨げる可能性がある、検査所見及び病歴又は試験前評価における所見を含む、いずれかの状態を有するために選択されなかった。
50μLの注射体積中の0.5μg、1.0μg、2.5μg、又は5.0μgの式Iの化合物の単回用量からの漸増は、マウスにおける式Iの化合物のPADに対する>5倍マージンを有する用量へのFIH曝露を制限し、NOAELに対する>2倍安全性マージンを超えないように設計された。設計は、用量群に追加の患者を追加する前に、センチネル患者における予想されない急性毒性の検出、続いて安全性評価委員会(SAC)による全ての入手可能なデータの詳細なレビューを可能にした。図1を参照されたい。
組み入れ基準:
●DMEを有する非増殖性糖尿病性網膜症(DR)患者又はnAMDを有する患者。
●SD-OCT及びnAMDについて中心サブフィールド厚(CST)が350μm以上の中心窩を含むDME、網膜内又は網膜下液の存在を含む、1日目にFA及びSD-OCTで証明されるような加齢黄斑変性に関連する活性脈絡膜新生血管形成(CNV)。
●スクリーニング時及び1日目の試験眼(最も影響を受けた)におけるBCVAが、55文字以下の糖尿病性網膜症早期治療試験(ETDRS)。
●インフォームドコンセントを与える能力を有し、全ての試験関連手順及び評価に従う意思及び能力がある患者。
除外基準:
●いずれかの眼におけるいずれかの眼/眼内/眼周囲感染症又は炎症。
●スクリーニング前の2ヶ月以内の試験眼における硝子体出血、及び試験眼における出血領域≧4乳頭領域を有する網膜下出血歴。
●試験眼におけるDME又はnAMD以外のいずれかの網膜血管疾患又は網膜変性。
●1日目の前に6ヶ月間の全身及び眼内ステロイド使用歴。硝子体内非生分解性ステロイドインプラント(例えば、Iluvien(登録商標)、Yutiq(登録商標)、Retisert(登録商標))の使用は禁止されている。
●VA、毒性の評価、又は眼底イメージングを妨げ得る、白内障を含む、顕著な透光体混濁。
●責任医師の見解において、この試験への参加を妨げるであろう、いずれかの制御されていない医学的状態。
第I相試験の終了時、データは、式Iの化合物に起因する有害事象が試験された用量のいずれでも示されなかったことを実証した。最大10μgの式Iの化合物は、24週間を通して好ましい安全性プロファイルで十分に忍容性であった。用量制限毒性は観察されず、急性炎症、感染、IOPの増加、又は出血の証拠はなかった。合計2つの非重篤、非薬物関連AEが報告された。
全体として、試験された全ての用量で、試験における12人のDME及びnAMD患者のうちの10人は、2週間でベースラインからのETDRS文字数の増加を示し、4週間で12人の患者のうちの9人も同様であった。12週間で、12人のDME及びnAMD患者のうちの8人は、ベースラインからのETDRS文字数の増加を示した。5ug及び10ugのより高い用量コホートでは、6人の患者のうちの6人は、2週間で、6人の患者のうちの5人は、4、8、及び12週間で、ベースラインからのETDRS文字数の増加を示した。DME患者については図3、nAMD患者については図4を参照されたい。24週間で、12人のDME患者のうちの8人は、BCVAにおける平均変化によって測定される場合、ETDRS文字数の持続的増加を示した。図8を参照されたい。式Iの化合物の単回注射後のこの持続的BCVA増加はまた、4週間、8週間、12週間、及び24週間で評価される場合、図9にグラフで示される。
試験されたAMD患者では、式Iの化合物の単回注射後、BCVAの急速な改善は、観察され、注射後6ヶ月を通して改善するか又は安定するかのいずれかに見えた。図12及び13を参照されたい。抗VEGFレスキュー治療を受けた6人のAMD患者の中では、いずれかの平均BCVAにおいて最小限の変化があり、図12及び13を参照されたい。図13では、治療意図(ITT)分析が抗VEGFレスキュー治療を受けた1人の患者、235-0020を除外し、その個々のプロットが図12に示されることに留意されたい。
更に、試験された全ての用量で、試験における12人のDME及びnAMD患者のうちの6人は、2週間でベースラインからのCSTの減少を示し、12人の患者のうちの5人は、4週間で減少を示し、12人の患者のうちの8人は、8週間で減少を示し、10人の患者のうちの5人は、12週間で減少を示した。5ug及び10ugのより高い用量コホートでは、6人の患者のうちの4人は2週間で、6人の患者のうちの3人は4週間で、ベースラインからのCSTの減少を示し、6人の患者のうちの5人は8週間で、5人の患者のうちの3人は12週間でCSTの減少を示した。DME患者については図5、nAMD患者については図6を参照されたい。24週間で、より高い用量コホートでの8人のDME患者は、ベースラインに戻るように見えた平均CSTを示した。図11を参照されたい。抗VEGFレスキューを受けた6人及び受けなかった3人を含んだ、分析された9人のAMD患者には、24週間を通して平均CSTにおいて最小限の変化があり、図14を参照されたく、式Iの化合物の単回注射後、24週間を通してCSTの改善又は安定化があったことを示した。
更に、図10は、式Iの化合物の単回注射後、この試験におけるDME患者の62.5%が、6ヶ月を通して、+75um又は-10ETDRS文字である、抗VEGF療法での第2相DMEレスキュー基準を満たさなかったことを示す。
12週間及び24週間を通して、最大10μgの式Iの化合物の単回IVT注射は、進行したDME又はnAMDを有する患者において安全であり、十分に忍容性であった。疾患関連生物学的活性は、この患者集団における増加したBCVA、低減したCST、網膜内、及び網膜下液によって観察された。
実施例2:DMEを有する患者における式Iの化合物の単回硝子体内注射後の安全性及び生物学的活性の評価
DMEを有する対象における式Iの化合物の単回IVT注射の安全性、忍容性、及び活性の証拠を評価するための第2a相、概念実証(POC)、前向き、多施設、無作為化、単盲検化、シャム対照試験を実施した。主要目的を評価するために、合計約62人の患者が試験又はシャム試験アームに1:1で登録される。全ての患者は、約24週間にわたって追跡される。図2を参照されたい。
主要有効性エンドポイントは、SD-OCTによって評価される場合の、24週目でのCSTにおけるベースラインからの変化である。SD-OCT画像データは、読み取りセンターによって評価される。主要有効性エンドポイントは、反復測定の混合モデル(MMRM)によって分析される。
患者は、DME(AAO PPP DME Guidelines 2019によって定義される)を有すると診断された患者であって、試験眼におけるBCVAがETDRSにおける70~20文字(スネレンチャートにおける20/40~20/400に相当)であり、非試験眼における視力はETDRSにおける35文字(スネレンチャートにおける20/200)よりも良好な患者である。
式Iの化合物の計画用量は、5μgであり、実施例1に記載される第1相SAD試験における好ましい安全性データに従って10μgに上昇させる。
組み入れ基準:この試験に含まれるためには、各個体は、以下の基準の全てを満たさなければならない:
1.18歳以上の患者。
2.1日目の前の先行する6ヶ月に少なくとも3回の抗VEGF治療を受けたDMEを有する非増殖性DR患者であって、最後の抗VEGFが1日目の前の3~5週間に与えられた、患者。
3.スクリーニング時にSD-OCTで中心サブフィールド厚(CST)≧350μmを有する、中心窩を含むDME。
4.スクリーニング時及び1日目の試験眼(最も影響を受けた)におけるBCVAがETDRSにおける70~20文字(スネレンチャートにおける20/40~20/400に相当)。両眼が等しい場合、責任医師の裁量による。
5.非試験眼におけるBCVAがETDRSにおける35文字(スネレンチャートにおける20/200に相当)以上。
6.試験眼におけるIOP≦23mmHg。
7.CFP及び適切なBCVA評価を可能にする透明な透光体及び適切な瞳孔拡張。
8.インフォームドコンセントを与える能力を有し、全ての試験関連手順及び評価に従う意思及び能力がある患者。
除外基準:個体が以下の基準のいずれかを満たす場合、彼又は彼女は、この試験には不適格である:
1.BCVAを損なう、BCVA改善を妨げる、試験期間中に医学的若しくは外科的介入を必要とする、結果の解釈を混乱させる、又は試験眼における毒性若しくはCFPの評価に干渉する可能性がある、DME以外の、試験眼における併発疾患又は構造的損傷。これは、以下を含むが、これらに限定されない:
・糖尿病以外の病因の黄斑浮腫
・臨床的に有意な網膜下線維症
・中心窩下脂質
・試験期間中に手術を必要とする白内障
・黄斑を伴うRPE萎縮又は裂孔若しくは断裂
・臨床的に有意な黄斑円孔
・臨床的に有意な非感染性ブドウ膜炎
・硝子体黄斑牽引
・臨床的に有意な網膜前膜(ERM)
・無水晶体
・前房眼内レンズ(A/C IOL)を有する偽水晶体
2.HbA1c≧12及び/又は制御されていない糖尿病の最近の徴候
3.スクリーニング前の過去4週間でのいずれかの眼におけるいずれかの眼/眼内/眼周囲感染症又は炎症(軽度眼瞼炎は許容される)
4.スクリーニング前の2ヶ月以内の試験眼における硝子体出血歴
5.スクリーニング前の3ヶ月にIVT、結膜下、又は眼周囲ステロイド歴
6.試験眼における硝子体切除術歴
7.スクリーニング前の3ヶ月以内の試験眼における眼内、眼周囲、若しくは角膜手術歴、又は試験中のそのような手術の予想される必要性
8.投与の前の試験眼における汎網膜光凝固術(6ヶ月以内)又は黄斑レーザー光凝固術(3ヶ月以内)歴
9.試験眼における角膜移植歴
10.試験眼における緑内障及び不安定緑内障の治療のための2種より多い医薬品の併用(すなわち、不十分なIOP制御)
11.責任医師の見解において、試験への参加のリスク若しくは禁忌を構成するか、又は試験目的、実施、若しくは評価に干渉する可能性があるか、又は患者が試験の全ての態様に完全に参加することを妨げる可能性がある、検査所見及び病歴又は試験前評価における所見を含む、いずれかの状態
12.試験眼における重度近視(-8ジオプター以上)の存在
13.1日目の前に6ヶ月間の全身及び眼内ステロイド使用歴。硝子体内非生分解性ステロイドインプラント(例えば、Iluvien(登録商標)、Yutiq(登録商標)、Retisert(登録商標))の使用は禁止されている
14.視力、毒性の評価、又は眼底イメージングを妨げ得る、白内障を含む、顕著な透光体混濁
15.スクリーニングの3ヶ月以内の試験眼における、白内障手術を含む、眼内手術
16.FA中に注射された色素に対する既知のアレルギー
17.式Iの化合物中のいずれかの成分(リン酸緩衝生理食塩水及びポリソルベート80)に対する既知のアレルギー
18.試験中及び式Iの化合物の最後の用量後3ヶ月間、妊娠している、授乳している、又は非常に効果的な避妊方法(例えば、プロゲステロンのみのホルモン避妊、ダブルバリア、又は子宮内避妊用具)を使用することに同意しない出産可能な女性患者。閉経後女性(>45歳かつ1年超にわたって月経なし)及び外科的に不妊化された女性は、これらの要件から免除される。
19.出産可能な女性パートナーと性的に活発である場合、試験及び式Iの化合物の最後の用量後3ヶ月間、非常に効果的な避妊方法を使用することに同意しない男性患者。
20.式Iの化合物を使用する試験において治療を以前に受けた患者を含む、スクリーニングの3ヶ月以内に、別の試験薬物若しくはワクチン試験を受けたか、又は同時に受けている患者。
21.これらに限定されないが、過去3年以内の悪性腫瘍歴(ただし、非顔面、基底細胞がんは許容される)、過去6ヶ月以内の心筋梗塞歴、又は併用療法を含む、責任医師の見解において、この試験への参加を妨げるであろう、いずれかの制御されていない医学的状態。
式Iの化合物は、IVT注射を介して投与される。IVT注射後、患者は、IOPの上昇、低下した視神経乳頭灌流について、及び可能性のある注射合併症(例えば、硝子体出血、網膜裂孔など)について監視される。加えて、患者は、眼痛、腫脹、発赤、混濁、及び徐々に視力が失われることなどの、眼内炎を示すいずれの症状も直ちに報告するべきである。
対照は、IVT注射を模倣するために試験眼の表面に接触したシャム手順(すなわち、無針、空の滅菌シリンジ)である。患者は、試験後に予防的抗生物質点眼剤又は施設の好ましい実施パターンに従ったシャム手順が処方され、文書化され得る。
許可された治療:試験眼及びシャム眼における/それらのための許可された併用治療には、以下が含まれる:
・IVT注射で予防的に投与される局所抗生物質、及びAE治療に使用される局所/全身抗生物質。
・人工涙液
・ステロイド使用は、以下の条件でのみ許可される:
-局所(例えば、アトピー性皮膚炎治療用)、吸入(例えば、喘息治療用)、又は局所注射(例えば、硬膜外注射若しくは関節注射用)
-僚眼におけるステロイドの局所使用
-試験眼における炎症(例えば、ブドウ膜炎)の治療のためのステロイドの局所使用。
僚眼における併用硝子体内療法は、許可されるが、盲検化試験薬物による治療の7日以内に投与することはできない。
禁止された治療:式Iの化合物の投与に対する既知の禁忌はない。患者は、この試験に無作為化されると、レスキュー治療でない限り、試験眼におけるDMEの管理のための治療を受けることは許可されない。全身(経口、筋肉内、及び静脈内)ステロイドは、有害事象(AE)治療のためでない限り、許可されない。全ての全身ステロイドは、試験薬物投与前に中止されるべきである。患者は、IVT注射を妨げるであろういずれの療法も受けているべきではない。患者は、責任医師及び/又はメディカルモニターの見解において、試験結果に影響を及ぼし得る、試験眼のためのいずれの医薬品も受けることを禁止されている。
実施例3:nAMDを有する患者における式Iの化合物の単回硝子体内注射後の安全性、忍容性、及び活性の証拠の第2a相評価
これは第2a相概念実証(POC)試験である。主要目的を評価するために、患者の合計数は、約40人の患者であり、登録され、式Iの化合物又はシャム試験アームのいずれかに1:1で無作為化される。全ての患者は、約16週間にわたって追跡される。
この第2a相試験の目的は、8週目及び16週目のシャムと比較した式Iの化合物の単回IVT注射後の局所及び全身安全性及び忍容性を評価することである。この第2a相の主要エンドポイントは、治療中に発生した有害事象(TEAE)によって評価される式Iの化合物の単回IVT注射の眼及び全身安全性及び忍容性を決定することである。副次エンドポイントは、式Iの化合物の単回IVT注射後の生物学的活性、有効性パラメータ、及び網膜構造改善を評価することである。具体的には、試験は、8週間及び16週間にわたって2回以上の抗VEGFレスキューを必要とする患者の割合、レスキュー基準に基づいて責任医師によって決定されるような無作為化から標準治療を受けるまでの時間によって測定される場合の効果の持続時間、ベースラインから8週目及び16週目までのBCVAの変化、SD-OCTによって評価される場合の8週目及び16週目までのCSTのベースラインからの変化、SD-OCTによって評価される場合の8週目及び16週目までの網膜液のベースラインからの変化、並びに滲出:網膜下液(SRF)、網膜内液(IRF)、及び/又は類嚢胞浮腫の非存在を有する患者の割合を調査する。更なるエンドポイントは、式Iの化合物の単回IVT注射後の患者の有効性パラメータ及び網膜構造改善を評価することであり、これは、OCT-A及びFAによって評価される場合の8週目及び16週目までの毛細血管灌流のベースラインからの変化、並びに8週目及び16週目までのドルーゼン体積のベースラインからの変化である。
この試験は、スクリーニング時及び1日目の最高矯正視力(BCVA)が糖尿病性網膜症早期治療試験(ETDRS)における70~20文字(スネレンチャートにおける20/40~20/400に相当)であるnAMDを有する50歳以上の患者を登録する。患者は、10μgの式Iの化合物又はシャムの単回50μLのIVT注射が投与される。図7を参照されたい。
組み入れ基準
この試験に含まれるためには、各個体は、以下の基準の全てを満たさなければならない:
1.50歳以上の患者。
2.1日目にFA及びSD-OCTで証明され、網膜内又は網膜下液の存在で中心読み取りセンターによって確認されるような加齢黄斑変性に関連する活性脈絡膜新生血管形成(CNV)。
3.1日目の前の先行する6ヶ月に少なくとも3回の抗VEGF治療を受けた新生血管AMD患者であって、最後の抗VEGFが1日目の前の3~6週間に与えられた、患者。
4.スクリーニング時及び1日目の試験眼(最も影響を受けた)におけるBCVAがETDRSにおける70~20文字(スネレンチャートにおける20/40~20/400に相当)。両眼が等しい場合、責任医師の裁量である。
5.非試験眼におけるBCVAがETDRSにおける35文字(スネレンチャートにおける20/200に相当)以上。
6.試験眼におけるIOP≦23mmHg。
7.CFP及び適切なBCVA評価を可能にする透明な透光体及び適切な瞳孔拡張。
8.インフォームドコンセントを与える能力を有し、全ての試験関連手順及び評価に従う意思及び能力がある患者。
除外基準
個体が以下の基準のいずれかを満たす場合、彼又は彼女は、この試験には不適格である:
1.BCVAを損なう、BCVA改善を妨げる、試験期間中に医学的若しくは外科的介入を必要とする、結果の解釈を混乱させる、又は試験眼における毒性若しくはCFPの評価に干渉する可能性がある、nAMD以外の、試験眼における併発疾患又は構造的損傷。これは、以下を含むが、これらに限定されない:
・nAMD以外の病因の黄斑浮腫
・臨床的に有意な網膜下線維症
・中心窩下脂質
・試験期間中に手術を必要とする白内障
・黄斑を伴うRPE萎縮又は裂孔若しくは断裂
・臨床的に有意な黄斑円孔
・臨床的に有意な非感染性ブドウ膜炎
・硝子体黄斑牽引
・臨床的に有意な網膜前膜(ERM)
・無水晶体
・前房眼内レンズ(A/C IOL)を有する偽水晶体
2.スクリーニング前の過去4週間でのいずれかの眼におけるいずれかの眼/眼内/眼周囲感染症又は炎症(軽度眼瞼炎は許容される)。
3.試験眼における出血領域≧4乳頭領域を有する網膜下出血。
4.試験眼における硝子体切除術歴。
5.スクリーニング前の3ヶ月以内の試験眼における眼内、眼周囲、若しくは角膜手術歴、又は試験中のそのような手術の予想される必要性。
6.投与の前の試験眼における汎網膜光凝固術(6ヶ月以内)又は黄斑レーザー光凝固術(3ヶ月以内)歴。
7.試験眼における角膜移植歴。
8.試験眼における緑内障及び不安定緑内障の治療のための2種より多い医薬品の併用(すなわち、不十分なIOP制御)。
9.責任医師の見解において、試験への参加のリスク若しくは禁忌を構成するか、又は試験目的、実施、若しくは評価に干渉する可能性があるか、又は患者が試験の全ての態様に完全に参加することを妨げる可能性がある、検査所見及び病歴又は試験前評価における所見を含む、いずれかの状態。
10.試験眼における重度近視(-8ジオプター以上)の存在。
11.(登録前6ヶ月以内のいずれかの時点で3日以上連続して毎日摂取される複数回用量として定義される)全身又は局所眼コルチコステロイドによる慢性療法の現在の使用又は使用歴。硝子体内非生分解性ステロイドインプラント(例えば、Iluvien(登録商標)、Yutiq(登録商標)、Retisert(登録商標))の使用は禁止されている。
12.VA、毒性の評価、又は眼底イメージングを妨げ得る、白内障を含む、顕著な透光体混濁。
13.スクリーニングの3ヶ月以内の試験眼における、白内障手術を含む、眼内手術。
14.式Iの化合物のいずれかの成分(リン酸緩衝生理食塩水及びポリソルベート80)に対する既知のアレルギー又はフルオレセイン色素に対する臨床的に関連する感受性。
15.試験中及び式Iの化合物の最後の用量後3ヶ月間、妊娠している、授乳している、又は非常に効果的な避妊方法(例えば、プロゲステロンのみのホルモン避妊、ダブルバリア、又は子宮内避妊用具)を使用することに同意しない出産可能な女性患者。閉経後女性(>45歳かつ1年超にわたって月経なし)及び外科的に不妊化された女性は、これらの要件から免除される。
16.出産可能な女性パートナーと性的に活発である場合、試験及び式Iの化合物の最後の用量後3ヶ月間、非常に効果的な避妊方法を使用することに同意しない男性患者。
17.式Iの化合物についての試験において治療を以前に受けた患者を含む、スクリーニングの3ヶ月以内に、別の試験薬物若しくはワクチン試験を受けたか、又は同時に受けている患者。
18.これらに限定されないが、過去3年以内の悪性腫瘍歴(ただし、非顔面、基底細胞がんは許容される)、過去6ヶ月以内の心筋梗塞歴、又は併用療法を含む、責任医師の見解において、この試験への参加を妨げるであろう、いずれかの制御されていない医学的状態。
実施例4:ニュージーランド白ウサギにおけるIVT注射後の2つの塩形態の眼薬物動態及び忍容性を比較する
ニュージーランド白ウサギ(非GLP)における単回IVT注射後の式Iの化合物の2つの塩形態(ナトリウム塩及びメグルミン塩)の眼薬物動態(PK)及び忍容性の評価を、メグルミン塩形態(化合物メグルミン)がナトリウム塩形態と同様に又は異なって挙動したかを理解するために実施した。
32匹のニュージーランド白ウサギの2つの群(合計64匹の動物)は、式Iの化合物のナトリウム塩形態又はメグルミン塩形態(化合物メグルミン)のいずれかの単回IVT注射を8μg/眼で受けた。動物を、IVT注射後の様々な時点で(2時間で、24時間で、72時間で、120時間で、168時間、336時間、504時間、及び672時間で)屠殺した。眼を摘出し、血漿を耳介静脈から収集した。血漿とともに網膜、水晶体、及び硝子体液を切断又は収集し、使用まで-20℃で保存した。
収集された組織及び液体試料を、LC-MS/MSによって分析した。表1は、PK所見の概要である。硝子体液及び水晶体では、2つの塩形態の間で同様の曝露が観察された。網膜における化合物の濃度は、(「NC」として示されるように)主に試験された両方の塩形態について定量限界(BLQ)を下回っており、よって網膜での曝露において両方の塩形態の差は予想されなかった。化合物は、全ての時点で血漿中でBLQであった。試験された眼組織の各々において、ナトリウム塩形態及びメグルミン塩形態の同様の分布が観察された。観察された最も高い曝露は、両方の塩形態について硝子体液中であった。いずれの塩形態も全身曝露は見出されなかった。図15を参照されたい。
Figure 2024516367000004
前述の発明は、理解の明確化の目的のために説明及び例によっていくつかの詳細が記載されているが、記載及び例は、発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書で引用される全ての特許及び科学文献の開示は、参照によりそれらの全体が明示的に組み込まれる。

Claims (42)

  1. 網膜血管症に罹患している患者を治療する方法であって、前記患者に、治療有効用量の、式Iの化合物:
    Figure 2024516367000005
    (R)-5-(4-クロロフェニル)-1-イソプロピル-2-メチル-4-(3-(4-(4-((4-((1-(フェニルチオ)-4-(4-((ホスホノオキシ)メチル)ピペリジン-1-イル)ブタン-2-イル)アミノ)-3-((トリフルオロメチル)スルホニル)フェニル)スルホンアミド)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピロール-3-カルボン酸
    の結晶性固体メグルミン塩(化合物-メグルミン)を投与することを含み、
    前記治療有効用量が、1眼当たり最大25ugの前記化合物-メグルミンである、方法。
  2. 前記式Iの化合物の結晶性固体メグルミン塩中の前記メグルミンが、1~3の化学量論比で存在する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記式Iの化合物の結晶性固体メグルミン塩が、2℃~8℃の温度で12ヶ月間以上安定である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記患者が、糖尿病性網膜症早期治療試験(ETDRS)における70~20文字のベースライン最高矯正視力(BCVA)、又はスネレンチャートにおける20/40~20/400のベースライン値を有する、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記患者が、ベースラインで抗血管内皮成長因子(抗VEGF)治療により以前に治療されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記抗VEGF治療による以前の治療が、先行する6ヶ月の期間に行われた、請求項5に記載の方法。
  7. 前記患者が、ベースラインでSD-OCTによって測定される場合350um以上の、ベースラインでSD-OCTによって測定される場合150μm以上の、ベースラインでSD-OCTによって測定される場合200μm以上の、ベースラインでSD-OCTによって測定される場合250μm以上の、ベースラインでSD-OCTによって測定される場合300μm以上の、ベースラインでSD-OCTによって測定される場合350μm以上の中心サブフィールド厚(CST)も呈した、請求項6に記載の方法。
  8. 前記患者が、ベースラインで12%未満の、ベースラインで11%未満の、ベースラインで10%未満の、ベースラインで9%未満の、ベースラインで8%未満の、ベースラインで7%未満の、ベースラインで6%未満の、ベースラインで5%未満の、ベースラインで4%未満の、ベースラインで3%未満の、ベースラインで2%未満の、ベースラインで1%未満のヘモグロビンA1C(HbA1C)を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記患者が、ベースラインで23mmHg以下の、ベースラインで22mmHg以下の、ベースラインで21mmHg以下の、ベースラインで20mmHg以下の、ベースラインで19mmHg以下の、ベースラインで18mmHg以下の、ベースラインで17mmHg以下の、ベースラインで16mmHg以下の、ベースラインで15mmHg以下の、ベースラインで14mmHg以下の、ベースラインで13mmHg、ベースラインで12mmHg以下の、ベースラインで11mmHg以下の、ベースラインで10mmHg以下の、ベースラインで9mmHg以下の、ベースラインで8mmHg以下の、ベースラインで7mmHg以下の、ベースラインで6mmHg以下の、ベースラインで5mmHg以下の、ベースラインで4mmHg以下の、ベースラインで3mmHg以下の、ベースラインで2mmHg以下の、ベースラインで1mmHg以下の眼内圧(IOP)を有する、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記化合物-メグルミンの前記治療有効用量が、1眼当たり0.5ug、1ug、2ug、2.5ug、3ug、4ug、5ug、6ug、7ug、8ug、9ug、10ug、11ug、12ug、13ug、14ug、15ug、16ug、17ug、18ug、19ug、20ug、21ug、22ug、23ug、24ug、又は25ugである、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記化合物-メグルミンの前記治療有効用量が、1眼当たり0.5μg~1μg、1眼当たり1μg~2μg、1眼当たり2μg~2.5μg、1眼当たり2.5μg~3μg、1眼当たり3μg~4μg、1眼当たり4μg~5μg、1眼当たり5μg~6μg、1眼当たり6μg~7μg、1眼当たり7μg~8μg、1眼当たり8μg~9μg、1眼当たり9μg~10μg、1眼当たり10μg~11μg、1眼当たり11μg~12μg、1眼当たり12μg~13μg、1眼当たり13μg~14μg、1眼当たり14μg~15μg、1眼当たり15μg~16μg、1眼当たり16μg~17μg、1眼当たり17μg~18μg、1眼当たり18μg~19μg、1眼当たり19μg~20μg、1眼当たり20μg~21μg、1眼当たり21μg~22μg、1眼当たり22μg~23μg、1眼当たり23μg~24μg、又は1眼当たり24μg~25μgである、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記化合物-メグルミンの前記治療有効用量が、1眼当たり0.5~2ug、1眼当たり2~4ug、1眼当たり3~5ug、1眼当たり4~6ug、1眼当たり5~7ug、1眼当たり6~8ug、1眼当たり7~9ug、1眼当たり8~10ug、1眼当たり9~11ug、1眼当たり10~15ug、1眼当たり15~20ug、1眼当たり20~25ugである、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記化合物-メグルミンが、前記治療有効用量を投与する前に、最初に負荷用量として、前記患者の眼に投与される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記化合物-メグルミンの前記負荷用量が、1眼当たり0.5μg~1μg、1眼当たり1μg~2μg、1眼当たり2μg~2.5μg、1眼当たり2.5μg~3μg、1眼当たり3μg~4μg、1眼当たり4μg~5μg、1眼当たり5μg~6μg、1眼当たり6μg~7μg、1眼当たり7μg~8μg、1眼当たり8μg~9μg、1眼当たり9μg~10μg、1眼当たり10μg~11μg、1眼当たり11μg~12μg、1眼当たり12μg~13μg、1眼当たり13μg~14μg、1眼当たり14μg~15μg、1眼当たり15μg~16μg、1眼当たり16μg~17μg、1眼当たり17μg~18μg、1眼当たり18μg~19μg、1眼当たり19μg~20μg、1眼当たり20μg~21μg、1眼当たり21μg~22μg、1眼当たり22μg~23μg、1眼当たり23μg~24μg、又は1眼当たり24μg~25μgである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記化合物-メグルミンの前記負荷用量が、1眼当たり0.5~2ug、1眼当たり2~4ug、1眼当たり3~5ug、1眼当たり4~6ug、1眼当たり5~7ug、1眼当たり6~8ug、1眼当たり7~9ug、1眼当たり8~10ug、1眼当たり9~11ug、1眼当たり10~15ug、1眼当たり15~20ug、1眼当たり20~25ugである、請求項13に記載の方法。
  16. 前記化合物-メグルミンの前記負荷用量の1眼当たりの総体積が50ulである、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記治療有効用量の前記化合物-メグルミンが、前記患者の眼に硝子体内投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記負荷用量の前記化合物-メグルミンが、前記患者の眼に硝子体内投与される、請求項14~16のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記治療有効用量の前記化合物-メグルミンが、2ヶ月毎、3ヶ月毎、4ヶ月毎、5ヶ月毎、6ヶ月毎、7ヶ月毎、8ヶ月毎、9ヶ月毎、10ヶ月毎、11ヶ月毎、12ヶ月毎に前記患者の眼に硝子体内投与される、請求項1~12、17のいずれかに記載の方法。
  20. 前記治療有効用量の前記化合物-メグルミンが、2~3ヶ月毎、3~4ヶ月毎、5~6ヶ月毎、6~7ヶ月毎、8~9ヶ月毎、9~10ヶ月毎、11~12ヶ月毎に前記患者の眼に硝子体内投与される、請求項1~12、17のいずれかに記載の方法。
  21. 前記治療有効用量の前記化合物-メグルミンが、2ヶ月毎に単回用量として、3ヶ月毎に単回用量として、4ヶ月毎に単回用量として、5ヶ月毎に単回用量として、6ヶ月毎に単回用量として、7ヶ月毎に単回用量として、8ヶ月毎に単回用量として、9ヶ月毎に単回用量として、10ヶ月毎に単回用量として、11ヶ月毎に単回用量として、又は12ヶ月毎に単回用量として前記患者の眼に硝子体内投与される、請求項1~12、17、19~20のいずれかに記載の方法。
  22. 前記治療有効用量の前記化合物-メグルミンが、2~3ヶ月毎に単回用量として、3~4ヶ月毎に単回用量として、5~6ヶ月毎に単回用量として、6~7ヶ月毎に単回用量として、8~9ヶ月毎に単回用量として、9~10ヶ月毎に単回用量として、11~12ヶ月毎に単回用量として前記患者の眼に硝子体内投与される、請求項1~12、17、19~20のいずれかに記載の方法。
  23. 前記治療有効用量の前記化合物-メグルミンが、単回用量として1回、前記患者の眼に硝子体内投与される、請求項1~12、17、20~22のいずれかに記載の方法。
  24. 前記治療有効用量の前記化合物-メグルミンが、以前の負荷用量と併用されずに、単回用量として1回、前記患者の眼に硝子体内投与される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記患者の眼に硝子体内投与される前記負荷用量が、月1回のIVT注射として2ヶ月間、又は月1回のIVT注射として3ヶ月間、又は2ヶ月の間に少なくとも1回のIVT注射として、又は2ヶ月の間に少なくとも2回のIVT注射として、又は2ヶ月の間に少なくとも3回のIVT注射として、又は3ヶ月の間に少なくとも3回のIVT注射として、又は3ヶ月の間に少なくとも2回のIVT注射として投与される、請求項13~16、18のいずれかに記載の方法。
  26. 前記負荷用量に続いて、前記治療有効用量を投与する前に、少なくとも2ヶ月の、少なくとも3ヶ月の、少なくとも4ヶ月の、少なくとも5ヶ月の、少なくとも6ヶ月の、少なくとも7ヶ月の、少なくとも8ヶ月の、少なくとも9ヶ月の、少なくとも10ヶ月の、少なくとも11ヶ月の、少なくとも12ヶ月の治療の中断がある、請求項25に記載の方法。
  27. 前記患者が、SD-OCTによって測定される場合、ベースラインから少なくとも40μm、ベースラインから少なくとも50μm、ベースラインから少なくとも60μm、ベースラインから少なくとも70μm、ベースラインから少なくとも80μm、ベースラインから少なくとも90μmのCST低減を示す、請求項1~26のいずれかに記載の方法。
  28. 前記患者が、SD-OCTによって評価される場合、ベースラインと比較して黄斑液の非存在を更に示す、請求項1~27のいずれかに記載の方法。
  29. 前記患者が、SD-OCTによって評価される場合、ベースラインと比較して滲出の非存在を更に示す、請求項1~27のいずれかに記載の方法。
  30. 前記患者が、2回を超える抗VEGF治療レスキューを必要としないか、又は3回を超える抗VEGF治療レスキューを必要としないか、又は4回を超える抗VEGF治療レスキューを必要としないか、又は5回を超える抗VEGF治療レスキューを必要としない、請求項1~29のいずれかに記載の方法。
  31. 前記患者が、いかなる抗VEGF治療レスキューも必要としない、請求項30に記載の方法。
  32. 前記患者が、ベースラインと比較して少なくとも5ETDRS文字のBCVA改善、又はベースラインと比較して少なくとも6ETDRS文字のBCVA改善、又はベースラインと比較して少なくとも7ETDRS文字のBCVA改善、又はベースラインと比較して少なくとも8ETDRS文字のBCVA改善、又はベースラインと比較して少なくとも9ETDRS文字のBCVA改善、又はベースラインと比較して少なくとも10ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して少なくとも15ETDRS文字のBCVA改善、又はベースラインと比較して少なくとも20ETDRS文字のBCVA改善において改善を示す、請求項1~31のいずれかに記載の方法。
  33. 前記患者が、ベースラインと比較して5~7ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して6~8ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して7~9ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して10~15ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して15~20ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して20~25ETDRS文字のBCVA改善、ベースラインと比較して25~30ETDRS文字のBCVA改善を示す、請求項1~32のいずれかに記載の方法。
  34. 前記患者が、全て蛍光血管造影(FA)又は光干渉断層血管造影(OCT-A)によって測定される場合、ベースラインと比較して少なくとも0.10mm2の眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.20mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.30mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.40mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.50mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.60mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.70mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.80mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも0.90mmの眼の無血管領域の低減、又はベースラインと比較して少なくとも1.0mmの眼の無血管領域の低減を示す、請求項1~33のいずれかに記載の方法。
  35. 前記患者が、ベースラインと比較して2段階の糖尿病性網膜症重症度スケール(DRSS)の改善を有する、請求項1~34のいずれかに記載の方法。
  36. 前記患者が、FA又はOCT-Aによって測定される場合の新生血管形成のベースラインと比較した退縮を示す、請求項1~35のいずれかに記載の方法。
  37. 前記網膜血管症が、糖尿病性黄斑浮腫(DME)である、請求項1~36のいずれかに記載の方法。
  38. 前記網膜血管症が、糖尿病性網膜症(DR)である、請求項1~36のいずれかに記載の方法。
  39. 前記網膜血管症が、加齢黄斑変性(AMD)である、請求項1~36のいずれかに記載の方法。
  40. 前記網膜血管症が、地図状萎縮(GA)である、請求項1~36のいずれかに記載の方法。
  41. 前記患者が、ベースラインで非増殖性糖尿病性網膜症も呈した、請求項38に記載の方法。
  42. 前記患者が、ベースラインで増殖性糖尿病性網膜症も呈した、請求項38に記載の方法。
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