JP2024516293A - 抗体製剤の安定性を向上させる方法 - Google Patents

抗体製剤の安定性を向上させる方法 Download PDF

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スマン ラバーラ,
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Abstract

本発明は、α4β7抗体、アミノ酸、モノカルボン酸またはジカルボン酸、および界面活性剤を含む、α4β7抗体の安定な製剤を開示している。開示されている抗体製剤は、異なる投与形式(皮下/静脈内)に適してもいる液体高濃度製剤である。開示されている製剤は、様々な加速ストレス条件下で安定性を示す。本発明は、例えば、α4β7抗体、ヒスチジン緩衝液、およびモノカルボン酸もしくはジカルボン酸またはこれらの誘導体を含み、シトレートを含有していない、高濃度α4β7抗体の医薬製剤を提供する。

Description

発明の分野
本発明は、抗体分子の安定な水性高濃度製剤であって、製剤中に存在する抗体が物理化学的安定性を示す賦形剤で可溶化されている、水性高濃度製剤に関する。開示されている製剤は、抗体を、静脈内または皮下の投与経路に適している約50mg/mlから約200mg/mlで安定化させる。
背景
過去20年間で、組換えDNA技術は、多くのタンパク質、特に抗体治療薬の商用化をもたらしている。これらの治療用抗体の有効性は主に、安定性、投与経路、ならびにこれらの投薬形態および濃度に依存する。このことは転じて、治療用抗体が治療用抗体の安定性および活性を保持するように適切に製剤化されることを必要とさせる。
各投与経路および投薬形態のための製剤化は固有であり得、したがって、特異的な要件を有する。凍結乾燥粉末などの固体投薬形態は一般に、液体(水性)製剤よりも安定である。しかし、凍結乾燥製剤の再構成は、十分なバイアルの過充填、取扱いの注意を要し、液体製剤よりも高い生産コストを伴う。液体製剤はこれらの点で有利であり、注射可能なタンパク質治療薬に通常は好ましい(エンドユーザーにとっての利便性および製造者にとっての調製の容易性の点で)が、この形態は、温度、pH変化、撹拌などのストレスの下でのタンパク質の変性、凝集、および酸化のしやすさを考慮すると、常に実行可能であるわけではない。これらのストレス因子の全ては、治療用タンパク質/抗体の生物活性を失わせることがある。
特に、高濃度液体タンパク質/抗体製剤は、より低い溶解度を示し、また、分解および/または凝集を受けやすい。このことは、コロイドの不安定性およびタンパク質の機能喪失をもたらし得る。それでも、投与の頻度および注射体積が低減されるため、高濃度製剤は皮下または静脈内の投与経路に望ましい場合がある。他方で、特定の処置スケジュールおよび投薬は、治療薬のさらに予測可能な送達および完全な生物学的利用能のために、低濃度での製剤を必要とし、静脈内投与経路を好む場合がある。
さらに、表面疎水性が高いモノクローナル抗体は、典型的に、より低い溶解度を示す。このより低い溶解度は、より大きな分子間相互作用に起因し、このことは高い抗体濃度でより顕著であり、コロイドの不安定性またはタンパク光の形成をもたらし得る。溶液のタンパク光のある/濁った外見は、タンパク質製剤の審美的魅力を損なわせ、このような外見はまた、溶液中の凝集物の存在、または系が液-液相分離を受ける傾向にあることを示しており、これらは、潜在的な安全性の懸念であり得る、製品の不安定性を示している。
(高濃度)製剤を安定化させるために使用される賦形剤は、上記の因子の全てを完全に考慮して選択される必要がある。加えて、製剤が治療的使用を目的としている場合、賦形剤のいずれかによって生じた注射部位の痛みの低減というさらなる懸念が対処される必要がある。例えば、治療用製剤におけるシトレートの使用は、注射部位の痛み、すなわち注射部位疼痛を生じさせることが公知であり、経験する痛みは、このような賦形剤の濃度が増すほど増大する(Shi, G.H., Pisupati, K., Parker, J.G. et al. Subcutaneous Injection Site Pain of Formulation Matrices. Pharm Res 38, 779-793 (2021)、https://doi.org/10.1007/s11095-021-03047-3)。
したがって、高濃度の治療用タンパク質/抗体で、安定であり同時に利用者の経験の緩和を可能にする製剤を設計することが、重要な開発課題である。既存の治療薬タンパク質の改良された製剤化が、したがって、薬物分子のバイオアベイラビリティおよび機能的有効性を向上させるために現在必要とされている。本発明は、上記の課題および必要性に対処することを目的としている。
Shi, G.H., Pisupati, K., Parker, J.G. et al. Subcutaneous Injection Site Pain of Formulation Matrices. Pharm Res 38, 779-793 (2021)、https://doi.org/10.1007/s11095-021-03047-3
概要
本発明は、約100mg/mlから約200mg/mlの抗体を含む、α4β7抗体の高濃度製剤を開示している。特に、本発明は、ヒスチジン緩衝液組成物中の、シトレートを含有しない高濃度α4β7抗体製剤を開示している。本製剤の緩衝液組成物は、シトレート以外のカルボン酸を含み、カルボン酸成分は、モノカルボン酸もしくはジカルボン酸、またはこれらの誘導体のいずれかである。
前記製剤中の抗体は、40℃で4週間、25℃で6ヶ月間、および2~8℃で6ヶ月間またはそれより長く保管された後であっても安定であり、製剤中の抗体の単量体含有量の少なくとも97%を維持する。さらに、製剤の組成は、その安定性を維持するための抗酸化剤を必要とせず、特に、開示されているα4β7抗体製剤は、シトレートを含有していない。
特に、本発明は、抗体生成の製剤化前の間におよび/または製剤化段階でアセテートもしくはラクテートもしくはスクシネートもしくはグルタメートまたはこれらの誘導体を抗体組成物に添加することによる、その組成物におけるα4β7抗体のチャージバリアント、脱アミド化、および/または凝集を低減させる方法を開示している。
本発明はまた、抗体生成の製剤化前の間におよび/または製剤化ステップでアセテートもしくはラクテートもしくはスクシネートもしくはグルタメートまたはこれらの誘導体を抗体組成物に添加して、抗体を組成物中で可溶性形態に維持し、これによってタンパク光を維持することを含む、α4β7抗体組成物のタンパク光を制御する方法を開示している。さらに、前記プロセスから得られた製剤のタンパク光は、参照タンパク光標準(reference opalescence standard)(ROS)IIIまたはIVと適合する。
本発明はまた、α4β7抗体を、ヒスチジン緩衝液、ならびにアセテートもしくはラクテートもしくはスクシネートもしくはグルタメート、および/またはこれらの誘導体を含む緩衝液組成物中に製剤化することによって、当該抗体にコロイド安定性を付与するための方法を開示している。
開示されている発明のα4β7抗体製剤は、2~8℃で6ヶ月間、25℃で6ヶ月間、40℃で1ヶ月間などの条件のうちの少なくとも1つの下で保管された場合に安定性を示す。α4β7抗体製剤の凝集物含有量は、前述の条件下で保管された場合、2.5%未満である。
加えて、本発明は、α4β7抗体組成物、特にベドリズマブ抗体組成物において、肉眼で見ることのできない粒子の形成を制御する方法であって、pHが6.3から6.8であり、モノカルボン酸またはジカルボン酸、アルギニン、界面活性剤を含み、かつ糖またはアミノ酸を必要に応じて含むヒスチジン緩衝液組成物中に、抗体組成物を調製することを含む、方法を開示している。具体的には、開示されている方法は、肉眼で見ることのできない粒子を、許容調節限度を十分に下回る≧10μmおよび≧25μmのサイズ範囲で制御する。さらに、ヒスチジン緩衝液、モノカルボン酸/ジカルボン酸、アルギニン、および界面活性剤の組成物に製剤化されたベドリズマブ抗体は、室温で6ヶ月間保管された場合、2%未満の、より少ない凝集物含有量を有する。
発明の詳細な説明
定義
「約」という用語は、言及された参照値に類似するある範囲の値を指し、言及された参照値の20%またはそれ未満に入る範囲の値を含む。
「抗体」という用語は、ジスルフィド結合によって相互接続している少なくとも2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含む糖タンパク質、またはその抗原結合性部分を指す。「抗体」は、本明細書で使用される場合、抗体全体もしくは任意の抗原結合性断片(すなわち「抗原結合性部分」)またはこれらの融合タンパク質を包含する。
「抗α4β7抗体」という用語は、α4β7受容体に結合する抗体を指す。ベドリズマブは抗α4β7抗体であり、この抗体の配列は、US7147851において開示されている。
「安定な」製剤という用語は、その中の抗体が保管の際にその物理的安定性および/または化学的安定性および/または生物活性を保持している製剤を指す。
安定性試験は、時間経過の間の様々な環境因子の影響下での抗体の質の証拠を提供する。ICHの「Q1A:新規原薬および薬物製品の安定性試験(Stability Testing of New Drug Substances and Products)」は、加速安定性試験のデータを使用して、抗体の輸送の際に生じ得る、ラベル保管条件よりも高いまたは低い短期の一過的逸脱の影響を評価することができることを記載している。
様々な分析方法が、医薬製剤中の抗体の物理的および化学的分解の測定に利用可能である。抗体は、色および/もしくは透明度の目視検査の際に、またはUV光散乱によってもしくはサイズ排除クロマトグラフィーによって測定した際に、凝集、沈殿、および/または変性の兆候が実質的に示されていなければ、医薬製剤中で「その物理的安定性を保持」している。抗体は、目的の抗体の化学的修飾、例えば脱アミノ化、酸化などの結果としてのバリアントを含み得る生成物バリアントの形成を示さないかまたはほとんど示さない場合、医薬製剤中で「その化学的安定性を保持している」と言われる。イオン交換クロマトグラフィーおよび疎水性イオンクロマトグラフィーなどの分析方法を使用して、化学的生成物バリアントを調べることができる。
「単量体」という用語は、本明細書で使用される場合、2つの軽鎖および2つの重鎖からなる抗体を示している。抗体組成物の単量体含有量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって典型的には分析される。SECの分離原理に従って、大型分子、すなわち分子量の大きい(HMW)分子がまず溶出され、その後、より小さなまたは低い分子量の分子が溶出される。抗体組成物の典型的なSECプロファイルでは、二量体、多量体などを含み得る凝集物がまず溶出され、その後、単量体が溶出され、そして、短縮した抗体バリアントまたは分解物が最後に溶出され得る。一部の状況では、凝集物のピークまたは分解物のピークは、ベースラインの分離したピークとしては溶出されず、代わりに、ショルダーピークまたは異常な広いピークとして溶出される。抗体の、特に治療用抗体の適切な活性を維持するために、生成物の凝集物の形成または断片化を低減させること、ひいては単量体含有量を標的値に制御することが望ましい。安定性試験の間の様々な時点で測定される、凝集物の形成を阻害する能力および分解物含有量は、目的の抗体に対する候補製剤の適合性を示し得る。TOSCHのTSK-GEL G3000SWXL(7.8mm×30cm)カラムをwater HPLCで使用して、SECを行うことができる。
「メインピーク」という用語は、本明細書で使用される場合、カチオン交換クロマトグラフィーの間に多く溶出されるピーク(メジャーピーク)を指す。カチオン交換クロマトグラフィーの間にメインピークよりも早く溶出され、メインピークよりも酸性である電荷を有するピークは、酸性バリアントピークと呼ばれる。カチオン交換クロマトグラフィーの間にメインピークよりも遅く溶出され、メインピークよりも比較的塩基性である電荷を有するピークは、塩基性バリアントピークと呼ばれる。メインピーク含有量は、イオン交換クロマトグラフィー(IEC)によって決定することができる。2つのモードのIEC、すなわち、カチオン交換クロマトグラフィーおよびアニオン交換クロマトグラフィーが利用可能である。負に荷電した分子はアニオン交換樹脂に結合し、正に荷電した分子はカチオン交換樹脂に結合する。抗体組成物の典型的なカチオン交換クロマトグラフィープロファイルでは、酸性バリアントがまず溶出され、その後メインピークになり、その後、最後に、塩基性バリアントが溶出される。酸性バリアントは、アスパラギン残基の脱アミド化などの抗体修飾の結果である。塩基性バリアントは、C末端リシン残基の不完全な除去の結果である。一般に、抗体において、リシン残基は、重鎖および軽鎖双方のC末端に存在している。重鎖および軽鎖の両方にリシンを有する抗体分子はK2バリアントと呼ばれ、重鎖および軽鎖のいずれか一方にリシン残基を有する抗体分子はK1バリアントと呼ばれ、そしてリシン残基を有さない抗体分子はK0分子と呼ばれる。カルボキシペプチダーゼB(CP-B酵素)酵素は、K2バリアントおよびK1バリアントに存在するC末端リシン残基に作用し、こうして、これらバリアントをK0分子に変換する。ケースの状況に従って、IEC分析を、カルボキシペプチダーゼB(CP-B)酵素で消化された試料に対して行ってもよい。典型的な安定性試験において、試験の間に、安定な製剤がチャージバリアント(酸性バリアントおよび塩基性バリアント)の形成を低減させ、ひいてはメインピーク含有量の何らかの低減を最小にすることが予想される。
薬学的に許容される賦形剤は、製剤中での抗体の安定性に寄与し得る添加剤または担体を指す。賦形剤は、安定剤および張度調節剤を包含し得る。安定剤および張度調節剤の例としては、限定はしないが、塩、界面活性剤、および誘導体、ならびにこれらの組合せが含まれる。
本明細書で使用される糖という用語には、糖および糖アルコール/ポリオールが含まれる。糖は、単糖、二糖、および多糖と呼ばれ得る。糖の例としては、限定はしないが、スクロース、トレハロース、グルコース、デキストロース、ラフィノース、およびその他のものが含まれる。糖アルコールまたはポリオールの例としては、限定はしないが、マンニトール、ソルビトール、およびその他のものが含まれる。
界面活性剤は、撹拌、剪断、高温への曝露などのような様々なストレス条件からタンパク質製剤を保護するために使用される、薬学的に許容される賦形剤を指す。適切な界面活性剤としては、限定はしないが、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えば、Tween(登録商標) 20またはTween 80(商標)、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー(例えば、ポロキサマー、プルロニック(登録商標))、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)およびこれに類するもの、またはこれらの組合せが含まれる。
塩の例としては、限定はしないが、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、および/または酢酸ナトリウムが含まれる。
「タンパク光」または「タンパク光のある外見」という用語は、溶液中の成分のうちの1つまたは複数の濃度、例えばタンパク質濃度および/または塩濃度の関数としての、溶液、例えばタンパク質調製物中で検出される濁度の程度を指す。濁度の程度は、濁度が分かっている懸濁物を使用して作成された標準曲線を参照することによって計算することができる。医薬組成物の濁度の程度を決定するための参照標準は、米国薬局方または欧州薬局方の基準に基づき得る。ここで、本発明において、タンパク光を測定するために、まず、等しい体積の硫酸ヒドラジン溶液およびヘキサメチレンテトラミン溶液を混合することによってホルマジン溶液が調製され、次いで希釈されて、様々な参照タンパク光標準が調製される。タンパク光標準には、ROS-I、ROS-II、ROS-III、およびROS-IVが含まれる。
ネフェロメトリーは、可溶性凝集物の存在を検出するためまたはタンパク光を示すために使用される比濁法である。結果は、比濁計濁度単位(nephelometric turbidity unit)(NTU)で列挙される。
「製剤化前ステップ」は、タンパク質を治療用生成物に製剤化する前に行われる任意のまたは複数のステップを指す。このようなステップの例としては、クロマトグラフィー、濾過(限外濾過、滅菌濾過、ナノ濾過、ダイアフィルトレーション、タンジェンシャルフロー濾過、デプス濾過)、またはタンパク質を濃縮するためもしくは緩衝液を異なる/適切な緩衝液に交換するために行われる任意の他のステップが含まれる。本明細書において言及される濾過ステップは、タンジェンシャルフロー濾過モードで行うことができる。
「製剤化ステップ」は、製剤化前ステップで得られた原薬から薬物製品を調製するための濾過ステップ/下流のクロマトグラフィーステップの後に行われるステップを指す。
「モノカルボン酸」という用語は、1つのカルボキシル(COOH)官能基を有する有機分子を指す。例としては、限定はしないが、アセテート、ラクテートが含まれる。
「ジカルボン酸」という用語は、2つのカルボキシル(COOH)官能基を有する有機分子を指す。例としては、限定はしないが、スクシネート、グルタメートが含まれる。
「トリカルボン酸」という用語は、3つのカルボキシル(COOH)官能基を有する有機分子を指す。例は、シトレートである。
本発明において、肉眼で見ることのできない粒子は、マイクロフローイメージング技術によって測定される。マイクロフローイメージング(MFI)は、肉眼で見ることのできない粒子を定量し、当該粒子を特徴付けするための、顕微鏡法、フルイディクス、およびイメージング技術を統合したものである。明視野像(試料中の粒子の反射の結果として明るい背景に対する、暗い像)は、波長が470nmのLEDによって連続的に照明されている倍率が5倍に固定されたカメラの視野の中心にある深さが100μmのフローセルを通る試料の流れとして、連続フレームでキャプチャされる。検出は、利用可能な粒子のコントラストおよびピクセルによって限定され得る。MFIの測定結果は、粒子濃度(数/mL)および形状/形態学である。
本発明のある特定の具体的な態様および実施形態は、以下の実施例を参照することによって、より完全に記載される。しかし、これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものであるとは決して解釈されるべきではない。
実施形態の詳細な説明
本発明は、モノカルボン酸もしくはジカルボン酸またはこれらの誘導体を含むヒスチジン緩衝液組成物中にα4β7抗体を含む、α4β7抗体の医薬製剤を開示している。
上記の実施形態では、モノカルボン酸はアセテートまたはラクテートであり、ジカルボン酸はスクシネートまたはグルタメートである。
一実施形態では、本発明は、α4β7抗体、ヒスチジン緩衝液、モノカルボン酸もしくはジカルボン酸またはこれらの誘導体を含む、α4β7抗体の医薬製剤を開示している。
本発明において開示されている製剤は、抗酸化剤の存在を必要としない。特に、本発明の開示されている製剤は、シトレートを含有していない。
一実施形態では、本発明は、α4β7抗体、ヒスチジン緩衝液、およびアセテートもしくはラクテートもしくはスクシネートもしくはグルタメートまたはこれらの誘導体から選択される賦形剤のいずれか1つを含み、シトレートを含まない、α4β7抗体の医薬製剤を開示している。
一実施形態では、本発明は、ベドリズマブ抗体、ヒスチジン緩衝液、およびアセテートもしくはラクテートもしくはスクシネートもしくはグルタメートまたはこれらの誘導体から選択される賦形剤のいずれか1つを含む、シトレートを含有しない高濃度ベドリズマブ製剤を開示している。
本発明の上記の実施形態では、α4β7/ベドリズマブ抗体の濃度は、約160mg/mlから180mg/mlである。
一実施形態では、本発明は、約160mg/ml~180mg/mlのα4β7抗体、緩衝液、アルギニン、アセテートもしくはラクテートもしくはスクシネートもしくはグルタメートまたはこれらの誘導体、および界面活性剤を含む、高濃度α4β7抗体製剤を開示している。
別の実施形態では、本発明は、約160mg/ml~180mg/mlのα4β7抗体、50mMのヒスチジン緩衝液、5から50mMのアセテートまたはラクテートまたはスクシネートまたはグルタメート、100~125mMのアルギニン、および0.6mg/mlのポリソルベート-80を含む、高濃度α4β7抗体製剤を開示している。
上記の実施形態では、α4β7抗体製剤は、40℃で2週間にわたり安定性を示す。
別の実施形態では、本発明は、高濃度α4β7抗体組成物におけるタンパク光を制御する方法であって、抗体生成の製剤化前の間におよび/または製剤化ステップでモノカルボン酸またはその誘導体を抗体組成物に添加することを含み、上記方法は、抗体を可溶性形態に維持し、これによってタンパク光を制御する、方法を開示している。
上記の実施形態では、モノカルボン酸は、アセテートまたはラクテートである。
別の実施形態では、本発明は、高濃度α4β7抗体組成物におけるタンパク光を制御する方法であって、抗体生成の製剤化前の間におよび/または製剤化ステップでアセテートまたはその誘導体を抗体組成物に添加することを含み、上記方法は、抗体を可溶性形態に維持し、これによってタンパク光を制御する、方法を開示している。
さらに別の実施形態では、本発明は、高濃度α4β7抗体組成物におけるタンパク光を制御する方法であって、抗体生成の製剤化前の間におよび/または製剤化ステップでラクテートまたはその誘導体を抗体組成物に添加することを含み、上記方法は、抗体を可溶性形態に維持し、これによってタンパク光を制御する、方法を開示している。
上記の実施形態では、製剤は、糖、アミノ酸、および/または塩をさらに含む。
上記の実施形態では、抗体の濃度は、約160mg/mlであるかまたはそれよりも高い。
別の実施形態では、本発明は、高濃度α4β7抗体組成物におけるタンパク光を制御する方法であって、抗体生成の製剤化前の間におよび/または製剤化ステップでジカルボン酸またはその誘導体を抗体組成物に添加することを含み、上記方法は、抗体を可溶性形態に維持し、これによってタンパク光を制御する、方法を開示している。
上記の実施形態では、ジカルボン酸は、スクシネートまたはグルタメートである。
別の実施形態では、本発明は、α4β7抗体組成物におけるタンパク光を制御する方法であって、抗体生成の製剤化前の間におよび/または製剤化ステップでスクシネートおよび/またはその誘導体を抗体組成物に添加することを含み、上記方法は、抗体を可溶性形態に維持し、これによってタンパク光を制御する、方法を開示している。
別の実施形態では、本発明は、高濃度α4β7抗体組成物におけるタンパク光を制御する方法であって、抗体生成の製剤化前の間におよび/または製剤化ステップでグルタメートまたはその誘導体を抗体組成物に添加することを含み、上記方法は、抗体を可溶性形態に維持し、これによってタンパク光を制御する、方法を開示している。
上記の実施形態では、抗体の濃度は、約160mg/mlであるかまたはそれよりも高い。
一実施形態では、本発明は、α4β7抗体組成物における肉眼で見ることのできない粒子の数を制御する/低減させるように前記組成物を調製する方法であって、
a)α4β7抗体の精製された組成物を得るステップ、
b)モノカルボン酸またはジカルボン酸を含むヒスチジン緩衝液を抗体組成物に添加するステップ、
c)ステップb)で得られた抗体組成物を約160mg/mlまで濃縮するステップ、その後、
d)濃縮された抗体組成物にアルギニンを添加して最終抗体組成物を得るステップ
を含み、最終抗体組成物の肉眼で見ることのできない粒子の数が、抗体組成物の濃縮の前に、すなわちステップb)でアルギニンが添加された組成物と比較して制御/低減されている、方法を開示している。
上記の実施形態では、ステップb)で使用されるヒスチジン緩衝液は、シトレートを含有していない。
一実施形態では、本発明は、α4β7抗体組成物における肉眼で見ることのできない粒子の数を制御する/低減させるように前記組成物を調製する方法であって、
a)α4β7抗体の精製された組成物を得るステップ、
b)アセテートまたはスクシネートまたはラクテートを含むヒスチジン緩衝液を抗体組成物に添加するステップ、
c)ステップb)で得られた抗体組成物を約160mg/mlまで濃縮するステップ、その後、
d)濃縮された抗体組成物にアルギニンを添加して最終抗体組成物を得るステップ
を含み、最終抗体組成物の肉眼で見ることのできない粒子の数が、抗体組成物の濃縮の前に、すなわちステップb)でアルギニンが添加された組成物と比較して制御/低減されている、方法を開示している。
上記の実施形態では、ステップb)で使用されるヒスチジン緩衝液は、シトレートを含有していない。
一実施形態では、本発明は、α4β7抗体組成物における肉眼で見ることのできない粒子の形成を制御する方法であって、抗体組成物を、モノカルボン酸もしくはジカルボン酸またはこれらの誘導体、アミノ酸、および界面活性剤を含むヒスチジン緩衝液中に調製することを含む、方法を開示している。モノカルボン酸はアセテートまたはラクテートであり、ジカルボン酸はスクシネートである。
上記の実施形態では、製剤は、糖および/または塩を必要に応じて含む。
一実施形態では、本発明は、α4β7抗体組成物における、サイズが≧10μmの肉眼で見ることのできない粒子の形成を制御する方法であって、アセテートまたはラクテートまたはスクシネート、アルギニン、および界面活性剤を含むヒスチジン緩衝液組成物中に抗体組成物を調製することを含む、方法を開示している。
上記の実施形態では、肉眼で見ることのできない粒子は、5℃で6ヶ月間保管された場合、抗体組成物1ml当たり1000個未満の粒子に制御される。
一実施形態では、本発明は、α4β7抗体組成物における、サイズが≧10μmの肉眼で見ることのできない粒子の形成を制御する方法であって、アセテートまたはラクテート、トレハロース、アルギニン、および界面活性剤を含むヒスチジン緩衝液組成物中に抗体組成物を調製することを含む、方法を開示している。
さらに別の実施形態では、本発明は、α4β7抗体組成物における、サイズが≧10μmの肉眼で見ることのできない粒子の形成を制御する方法であって、当該方法が、アセテートまたはラクテート、グリシン、アルギニン、および界面活性剤を含むヒスチジン緩衝液組成物中に抗体組成物を調製することを含み、粒子が、抗体組成物1ml当たり500個未満の粒子に制御される、方法を開示している。
一実施形態では、本発明は、α4β7抗体組成物における、サイズが≧25μmの肉眼で見ることのできない粒子の形成を制御する方法であって、アセテートまたはラクテートまたはスクシネート、アルギニン、および界面活性剤を含むヒスチジン緩衝液組成物中に抗体組成物を調製することを含む、方法を開示している。
上記の実施形態では、肉眼で見ることのできない粒子は、5℃で6ヶ月間保管された場合、抗体組成物1ml当たり80個未満の粒子に制御される。
上記の実施形態では、製剤は、糖またはグリシンまたはメチオニンを必要に応じて含み得る。
一実施形態では、本発明は、α4β7抗体組成物における、サイズが≧25μmの肉眼で見ることのできない粒子の形成を低減させる方法であって、当該方法が、モノカルボン酸またはその誘導体、アルギニン、および界面活性剤を含むヒスチジン緩衝液組成物中に抗体組成物を調製することを含み、粒子の形成が、トリカルボン酸、アルギニン、および界面活性剤を含むヒスチジン緩衝液組成物中に製剤化された抗体組成物と比較して低減されている、方法を開示している。
一実施形態では、本発明は、α4β7抗体の組成物におけるα4β7抗体のチャージバリアントの形成を制御する方法であって、抗体生成の製剤化前段階の間におよび/または製剤化段階で、モノカルボン酸もしくはジカルボン酸またはこれらの誘導体を抗体組成物に添加することを含む、方法を開示している。
一実施形態では、本発明は、α4β7抗体の組成物におけるα4β7抗体の塩基性バリアントの形成を制御する方法であって、抗体生成の製剤化前段階の間におよび/または製剤化段階で、モノカルボン酸もしくはジカルボン酸またはこれらの誘導体を抗体組成物に添加することを含む、方法を開示している。
一実施形態では、本発明は、保管の間のα4β7抗体の組成物におけるα4β7抗体の塩基性バリアントの形成を制御する方法であって、抗体組成物を、モノカルボン酸またはジカルボン酸、アルギニン、および界面活性剤を含むヒスチジン緩衝液中に調製することを含む、方法を開示している。
一実施形態では、本発明は、α4β7抗体の組成物におけるα4β7抗体の塩基性バリアントの形成を制御する方法であって、抗体生成の製剤化前段階の間におよび/または製剤化段階で、アセテートを抗体組成物に添加することを含む、方法を開示している。
本発明の上記の前記実施形態のいずれかでは、α4β7抗体製剤は、40℃で2週間保管された後であっても安定であり、塩基性バリアント含有量の変化が1%未満である。
一実施形態では、本発明は、保管の間のα4β7抗体の組成物におけるα4β7抗体の酸性バリアントの形成を制御する方法であって、抗体組成物を、モノカルボン酸またはジカルボン酸、アルギニン、および界面活性剤を含むヒスチジン緩衝液中に調製することを含む、方法を開示している。
上記の実施形態では、製剤は、糖、および/またはグリシン、および/またはメチオニン、および/または塩化ナトリウムをさらに含む。
一実施形態では、本発明は、α4β7抗体組成物における凝集物の形成を制御する方法であって、抗体生成の製剤化前の間におよび/または製剤化ステップで、モノカルボン酸もしくはジカルボン酸および/またはこれらの誘導体を抗体組成物に添加することを含む、方法を開示している。
上記の実施形態では、必要に応じて、糖、グリシン、メチオニン、または塩化ナトリウムなどの賦形剤の1つまたは複数が、抗体生成の製剤化前の間におよび/または製剤化ステップで、モノカルボン酸またはジカルボン酸と共に添加される。
一実施形態では、本発明は、α4β7抗体組成物における凝集物の形成を制御する方法であって、抗体を、ヒスチジン緩衝液、モノカルボン酸またはジカルボン酸、アルギニン、および界面活性剤を含む組成物中に調製することを含む、方法を開示している。
上記の実施形態では、抗体組成物の凝集物含有量は、室温で6ヶ月間保管された場合、2.5%未満である。
別の実施形態では、本発明は、α4β7抗体組成物における凝集物の形成を制御する方法であって、抗体生成の製剤化前の間におよび/または製剤化ステップで、アセテートもしくはラクテートもしくはスクシネートもしくはグルタメートまたはこれらの誘導体を抗体組成物に添加することを含む、方法を開示している。
別の実施形態では、本発明は、α4β7抗体の医薬組成物におけるα4β7抗体の凝集を制御する方法であって、抗体組成物を、アセテート、アルギニン、および界面活性剤を含むヒスチジン緩衝液中に調製することを含む、方法を開示している。
上記の実施形態では、抗体組成物は、2~8℃で6ヶ月間、25℃で6ヶ月間、または40℃で1ヶ月間の条件下で保管された場合に安定であり、凝集物含有量は約2%未満である。
別の実施形態では、本発明は、α4β7抗体の医薬組成物におけるα4β7抗体の凝集を制御する方法であって、抗体組成物を、ラクテート、アルギニン、および界面活性剤を含むヒスチジン緩衝液中に調製することを含む、方法を開示している。
上記の実施形態では、抗体組成物は、2~8℃で6ヶ月間、25℃で6ヶ月間、または40℃で1ヶ月間の条件下で保管された場合に安定であり、凝集物含有量は約2%未満である。
別の実施形態では、本発明は、α4β7抗体の医薬組成物におけるα4β7抗体の凝集を制御する方法であって、抗体組成物を、スクシネート、アルギニン、および界面活性剤を含むヒスチジン緩衝液中に調製することを含む、方法を開示している。
上記の実施形態では、抗体組成物は、2~8℃で6ヶ月間、25℃で6ヶ月間、または40℃で1ヶ月間の条件下で保管された場合に安定であり、凝集物含有量は約2.5%未満である。
上記の実施形態のいずれかでは、抗体組成物は、メチオニンをさらに含む。
本発明の上記の実施形態の全てでは、抗体組成物または製剤中の抗体の濃度は、約100mg/mlから約200mg/mlである。好ましくは、製剤中の抗体の濃度は、100mg/ml、または120mg/ml、または150mg/ml、または160mg/ml、または170mg/ml、または175mg/ml、または180mg/ml、または190mg/ml、または195mg/ml、または200mg/mlである。
本発明の上記の前記実施形態のいずれかでは、α4β7抗体製剤は、2~8℃で6ヶ月間、25℃で6ヶ月間、または40℃で1ヶ月間保管された後であっても安定であり、抗体の単量体含有量の少なくとも97%を維持している。
一実施形態では、本発明は、α4β7抗体の医薬組成物におけるα4β7抗体の断片化を制御する方法であって、抗体組成物を、アセテートまたはラクテートまたはスクシネートまたはグルタメート、アルギニン、および界面活性剤を含むヒスチジン緩衝液中に調製することを含む、方法を開示している。
上記の実施形態では、抗体組成物は、2~8℃で6ヶ月間、25℃で6ヶ月間、または40℃で1ヶ月間の条件下で保管された場合に安定であり、断片化の含有量/低分子量の含有量は、約1%未満である。
一実施形態では、本発明は、約160mg/ml~180mg/mlのα4β7抗体、緩衝液、アルギニン、アセテートまたはラクテート、および界面活性剤を含み、シトレートを含有していない、高濃度α4β7抗体製剤を開示している。
別の実施形態では、本発明は、約160mg/ml~180mg/mlのα4β7抗体、50mMのヒスチジン緩衝液、5から50mMのアセテートまたはラクテート、100~125mMのアルギニン、および0.6mg/mlのポリソルベート-80を含み、シトレートを含有していない、高濃度α4β7抗体製剤を開示している。
一実施形態では、本発明は、約160mg/mlのα4β7抗体、40mMのヒスチジン緩衝液、約5~20mMのアセテートまたはラクテート、約100~120mMのアルギニン、10mMのメチオニン、および2mg/mlのポリソルベート-80を含み、シトレートを含有していない、α4β7抗体の医薬製剤を開示している。
別の実施形態では、本発明は、約160mg/mlのα4β7抗体、40mMのヒスチジン緩衝液、約5~20mMのアセテートまたはラクテート、約100~120mMのアルギニン、5mg/mlのソルビトール、および2mg/mlのポリソルベート-80を含み、シトレートを含有していない、α4β7抗体の医薬製剤を開示している。
一実施形態では、本発明は、約160mg/mlのα4β7抗体、40mMのヒスチジン緩衝液、約10~30mMのスクシネート、約100~120mMのアルギニン、10mg/mlのトレハロース、25mMの塩化ナトリウム、および2mg/mlのポリソルベート-80を含み、シトレートを含有していない、α4β7抗体の医薬製剤を開示している。
一実施形態では、本発明は、約160mg/mlのα4β7抗体、40mMのヒスチジン緩衝液、約10~30mMのスクシネート、約100~120mMのアルギニン、10mg/mlのトレハロース、および2mg/mlのポリソルベート-80を含み、シトレートを含有していない、α4β7抗体の医薬製剤を開示している。
一実施形態では、本発明は、約160mg/mlのα4β7抗体、40mMのヒスチジン緩衝液、約10~30mMのスクシネート、約100~120mMのアルギニン、グリシン、および2mg/mlのポリソルベート-80を含み、シトレートを含有していない、α4β7抗体の医薬製剤を開示している。
一実施形態では、本発明は、約160mg/mlのα4β7抗体、40mMのヒスチジン緩衝液、約10~30mMのスクシネート、約100~120mMのアルギニン、10mg/mlのトレハロース、10mMのメチオニン、および2mg/mlのポリソルベート-80を含み、シトレートを含有していない、α4β7抗体の医薬製剤を開示している。
一実施形態では、本発明は、高濃度のα4β7抗体製剤の粘度を制御する方法であって、抗体を、ヒスチジン緩衝液、モノカルボン酸またはジカルボン酸、アルギニン、および界面活性剤を含む組成物中に調製することを含む、方法を開示している。
前述の実施形態では、製剤の粘度は、20cP未満、具体的には14.5cP未満である。
上記の前記実施形態のいずれかでは、製剤の粘度は、ヒスチジン緩衝液、トリカルボン酸、アルギニン、界面活性剤を含む組成物に製剤化された抗体と比較して低い。
別の実施形態では、本発明は、抗体生成の製剤化前の間におよび/または製剤化ステップで、アセテートもしくはラクテートもしくはスクシネートもしくはグルタメートまたはこれらの誘導体を抗体製剤に添加することによって、α4β7抗体製剤におけるα4β7抗体にコロイド安定性を付与するプロセスを開示している。
本発明において開示されているα4β7抗体製剤は、生物学的に活性である。
上記の前記実施形態のいずれかでは、製剤において言及されている緩衝液には、有機緩衝液、無機緩衝液、および/またはこれらの組合せが含まれる。
本発明のさらに別の実施形態では、製剤において言及されている無機緩衝液には、リン酸緩衝液が含まれる。
本発明の上記の実施形態のいずれかでは、α4β7抗体製剤のpHは、6.0~7.0であり、特に、製剤のpHは、6.3から6.8である。
上記の実施形態のいずれかでは、製剤の重量オスモル濃度は、500mOsm/kg未満である。
上記の実施形態のいずれかでは、無機成分は、モノカルボン酸またはジカルボン酸と混合され得、抗体生成の任意の製剤化前および/または製剤化段階の間に添加され得る。
上記の実施形態のいずれかにおいて、α4β7抗体の製剤は、非経口投与に使用することができる、安定な液体(水性)製剤である。非経口投与としては、静脈内投与、皮下投与、腹腔内投与、筋肉内投与、または、非経口投与の範囲に含まれると一般に考えられる、および当業者に周知の、あらゆる他の送達経路が含まれる。
本発明の上記の実施形態のいずれかでは、安定な液体/水性製剤が適切であり、凍結乾燥粉末として凍結乾燥され得る。さらに、α4β7抗体の凍結乾燥製剤は、投与に適した液体製剤を達成するために、適切な希釈剤で再構成され得る。
上記の実施形態のいずれかでは、安定な液体α4β7抗体は凍結乾燥プロセスと適合しており、凍結乾燥プロセスは、抗体の品質特性に影響しない。
上記の実施形態のいずれかでは、α4β7抗体としては、ベドリズマブが含まれる。
本発明の別の態様は、本明細書において記載される対象製剤のいずれかを含むバイアル、充填済みシリンジ、またはオートインジェクターデバイス、またはあらゆる他の適切なデバイスを提供する。ある特定の実施形態では、バイアルまたは充填済みシリンジまたはオートインジェクターデバイスに保管された水性製剤は、ベドリズマブ、緩衝液、アミノ酸、スクシネート/ラクテート/アセテート/グルタメート、および界面活性剤を含有する。
上記の実施形態のいずれかでは、α4β7抗体製剤は、40℃で2週間保管された場合であっても目で見て透明であり、いかなる粒子も有さない。
当業者には、本発明の範囲および趣旨の中でいくつかの実施形態が可能であることが認識されよう。本発明はここで、以下の非限定的な実施例を参照することによって、より詳細に記載される。以下の実施例は本発明をさらに例示するが、当然のことながら、本発明の範囲を限定するとは決して解釈されるべきではない。
本医薬組成物中での保管に適したα4β7抗体であるベドリズマブは、当技術分野において公知の標準的な方法によって生成される。例えば、ベドリズマブは、チャイニーズハムスター卵巣細胞などの哺乳動物宿主細胞内の免疫グロブリン軽鎖および重鎖の遺伝子の組換え発現によって調製される。発現したベドリズマブは回収され、粗回収物は、精製、濾過、および必要に応じて希釈ステップまたは濃縮ステップを含む標準的な下流プロセスステップにかけられる。例えば、ベドリズマブの粗回収物は、標準的なクロマトグラフィー技術、例えばアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、およびこれらの組合せを使用して精製することができる。精製されたベドリズマブ溶液は、1回または複数回の濾過ステップに追加でかけることができ、得られた溶液は、さらなる製剤試験にかけられる。
(実施例1)
高濃度ベドリズマブ製剤のタンパク光に対する様々な成分の影響の評価。
ヒスチジン緩衝液バックグラウンド中の、約25mg/mlのアルギニンを伴う、およそ175mg/mlの精製された高濃度ベドリズマブ抗体を、下流のクロマトグラフィーステップから得た。これに、ヒスチジン緩衝液バックグラウンド中のスクシネートまたはラクテートまたはアセテート成分、および塩化ナトリウムを添加して、試料製剤を調製した。加えて、アルギニン、塩化ナトリウム、トレハロースを含有するヒスチジン-リン酸緩衝液バックグラウンド中の70mg/mlの濃度のベドリズマブを、ダイアフィルトレーションを使用して、アルギニン、グルタメート、および塩化ナトリウムを含有するヒスチジン緩衝液で緩衝液交換し、緩衝液交換した試料を170mg/mlまで濃縮した。対照として、承認されているベドリズマブ製剤(Entyvio(登録商標))の成分を使用し、ここでは、26.3mg/mlのアルギニンを含有するヒスチジン緩衝液バックグラウンド中のおよそ100mg/mlの精製されたベドリズマブを、ヒスチジン緩衝液、アルギニン、およびシトレートを含有する組成物で緩衝液交換した。ポリソルベート-80を、対照を含む上記の全ての試料に添加した。全てのベドリズマブ製剤の最終組成を表1に示す。全てのこれらの試料中に存在するベドリズマブの濃度は160mg/ml~180mg/mlの範囲内であり、ヒスチジン緩衝液の濃度は50mMである。スクシネート、ラクテート、アセテート、アルギニン-アセテート、またはアルギニン-グルタメートの濃度範囲は、5から20mMの範囲であった。塩化ナトリウムの濃度は約25mMであり、ポリソルベートは約0.6mg/mlである。全てのこれらの製剤のpH値は、pH6.3からpH6.8の範囲内であった。
賦形剤中に製剤化した後、全ての試料を、それらのタンパク光について、サイズ排除クロマトグラフィーを使用して高分子量種について、およびイオン交換クロマトグラフィーを使用してチャージバリアントについて、測定した。タンパク光を測定するために、4000NTU(比濁計濁度単位)のホルマジン懸濁物を含む一次タンパク光溶液を希釈することによって、様々なUSP参照タンパク光標準を調製した。
全てのベドリズマブ製剤を次いで、40℃で2週間の加速安定性試験にかけた。この後、試料を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用して低分子量(LMW)種および単量体含有量について分析し[結果を表2に示す]、また、メインピーク含有量について、およびイオン交換クロマトグラフィーを使用して塩基性バリアントについて[表3]、およびタンパク光について[表4]確認した。
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Figure 2024516293000002
Figure 2024516293000003
Figure 2024516293000004
Figure 2024516293000005
全ての上記の製剤を、pHの変化についても確認した。40℃で2週間にわたり保管された後であっても、製剤のpHに変化はないことが観察された。
さらに、全ての試料を、肉眼で見ることのできる粒子について確認した。
(実施例2)
様々な熱ストレス条件下での高濃度ベドリズマブ製剤の安定性に対する、製剤化ステップおよび/または製剤化前ステップの間の様々な賦形剤の役割の評価
下流のクロマトグラフィーステップから得られた、リン酸緩衝液バックグラウンド中のおよそ3から4mg/mlの濃度の精製されたベドリズマブ抗体組成物を、30mg/mlまで濃縮し、その後、アルギニンとともにアセテートまたはスクシネートを含む50mMのヒスチジン緩衝液でダイアフィルトレーションを行った。緩衝液交換の後、ベドリズマブ抗体組成物を、160mg/mlまで濃縮した。この濃縮された試料に、トレハロースまたは塩などの賦形剤の1つまたは複数を添加した。これに、ポリソルベート-80を添加して、表5のVmab 6からVmab 13製剤組成物を調製した。対照として、承認されている高濃度ベドリズマブ製剤(Entyvio(登録商標))の成分を使用し、ここでは、リン酸緩衝液中のおよそ3~4mg/mlの精製されたベドリズマブを、下流のクロマトグラフィーステップから得、30mg/mlまで濃縮し、その後、50mMのヒスチジン緩衝液、約125mMのアルギニン、および約25mMのシトレートを含有する組成物で緩衝液交換を行った(Vmab-5)。緩衝液交換の後、ベドリズマブ抗体組成物を160mg/mlまで濃縮した。ポリソルベート-80を次いで対照に添加した。
あるいは、下流のクロマトグラフィーステップから得られた、リン酸緩衝液バックグラウンド中のおよそ3から4mg/mlの濃度の精製されたベドリズマブ抗体を、30mg/mlまで濃縮し、その後、アセテートまたはスクシネートまたはラクテートを含みアルギニンを含まない40mMのヒスチジン緩衝液でダイアフィルトレーションを行った。緩衝液交換の後、ベドリズマブ抗体組成物を160mg/mlまで濃縮し、その後、アルギニン、およびトレハロースもしくはソルビトールもしくはメチオニンなどの賦形剤の1つもしくは複数、またはグリシンを添加した。ポリソルベート-80を添加して、表5aのVmab 15からVmab 26の最終製剤を調製した。対照として、承認されている高濃度ベドリズマブ製剤(Entyvio(登録商標))の成分を使用し、ここでは、リン酸緩衝液中のおよそ3~4mg/mlの精製されたベドリズマブを、下流のクロマトグラフィーステップから得、30mg/mlまで濃縮し、その後、50mMのヒスチジン緩衝液および約25mMのシトレートを含有する組成物で緩衝液交換を行った。緩衝液交換の後、ベドリズマブ抗体組成物を160mg/mlまで濃縮した。これに、約125mMのアルギニンおよびポリソルベート-80を対照に添加して、表5(a)のVmab-14を調製した。
実施例2に従って調製された全てのベドリズマブ試料の最終組成を、表5および表5(a)に示す。
賦形剤中に製剤化した後、表5および表5(a)の全ての試料を、それらのタンパク光について、サイズ排除クロマトグラフィーを使用して高分子量種について、およびイオン交換クロマトグラフィーを使用してチャージバリアントについて、および粘度計を使用して粘度について測定した[結果を表15に示す]。タンパク光を測定するために、4000NTU(比濁計濁度単位)のホルマジン懸濁物を含む一次タンパク光溶液を希釈することによって、様々なUSP参照タンパク光標準を調製した。
表5および表5aの全ての製剤を、25℃で6ヶ月間および40℃で4週間の加速安定性試験にかけた。製剤をまた、2~8℃で6ヶ月間などの実時間保管条件に置いた。この後、試料を、マイクロフローイメージング技術を使用して、肉眼で見ることのできない粒子について確認した。結果を表6に示す。また、測定された試料のタンパク光の結果[表7]および測定された試料の重量オスモル濃度の結果もそれぞれ表7および表8に示した。加えて、製剤を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用して、高分子量(HMW)種、低分子量(LMW)種、および単量体含有量について分析し[結果を表9~表11に示す]、また、イオン交換クロマトグラフィーを使用して、酸性バリアント、メインピーク含有量、および塩基性バリアントについて確認した[表12~表14]。
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Figure 2024516293000007
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Figure 2024516293000018
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さらに、実施例2の製剤中に存在する抗体の濃度を熱ストレス条件後に測定すると、室温で6ヶ月間およびまた40℃で1ヶ月間保管された後であっても、抗体の濃度において有意な変化はないことが観察された。加えて、試料のpHを熱ストレス安定性試験の間の異なる時点で測定すると、製剤のpHは、6.3から6.8の範囲内であった。
表5および表5aの全ての製剤を、25℃で6ヶ月間および40℃で4週間の加速安定性試験にかけた。製剤をまた、2~8℃で6ヶ月間などの実時間保管条件に置いた。この後、試料を、マイクロフローイメージング技術を使用して、肉眼で見ることのできない粒子について確認した。結果を表6に示す。また、測定された試料のタンパク光の結果[表7]および測定された試料の重量オスモル濃度の結果もそれぞれ表7および表8に示した。加えて、製剤を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用して、高分子量(HMW)種、低分子量(LMW)種、および単量体含有量について分析し[結果を表9~表11に示す]、また、イオン交換クロマトグラフィーを使用して、酸性バリアント、メインピーク含有量、および塩基性バリアントについて確認した[表12~表14]。
Figure 2024516293000022

Figure 2024516293000023

Figure 2024516293000024

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さらに、実施例2の製剤中に存在する抗体の濃度を熱ストレス条件後に測定すると、室温で6ヶ月間およびまた40℃で1ヶ月間保管された後であっても、抗体の濃度において有意な変化はないことが観察された。加えて、試料のpHを熱ストレス安定性試験の間の異なる時点で測定すると、製剤のpHは、6.3から6.8の範囲内であった。
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
α4β7抗体、ヒスチジン緩衝液、およびモノカルボン酸もしくはジカルボン酸またはこれらの誘導体を含み、シトレートを含有していない、高濃度α4β7抗体の医薬製剤。
(項目2)
160mg/mlのベドリズマブ抗体、pHが6.3から6.8の40mMのヒスチジン緩衝液、5~50mMのアセテートまたはラクテートまたはスクシネートまたはグルタメート、約120mMのアルギニン、および2mg/mlのポリソルベート-80を含み、シトレートを含有していない、高濃度ベドリズマブ抗体の医薬製剤。
(項目3)
α4β7抗体において、肉眼で見ることのできない粒子の形成を制御する方法であって、前記抗体を、ヒスチジン緩衝液、モノカルボン酸またはジカルボン酸、アルギニン、および界面活性剤を含む組成物中に調製することを含む、方法。
(項目4)
高濃度α4β7抗体組成物において、抗体のチャージバリアントまたは凝集物の形成または断片化を制御する方法であって、前記抗体を、ヒスチジン緩衝液、モノカルボン酸またはジカルボン酸、アルギニン、および界面活性剤を含む組成物中に調製することを含む、方法。
(項目5)
高濃度α4β7抗体組成物におけるタンパク光を制御する方法であって、抗体生成の製剤化前の間におよび/または製剤化ステップで、モノカルボン酸もしくはジカルボン酸またはこれらの誘導体を含むヒスチジン緩衝液を前記抗体組成物に添加することを含み、前記方法は、前記抗体を可溶性形態に維持し、これによって前記タンパク光を制御する、方法。
(項目6)
トレハロースまたはソルビトールまたはメチオニンまたはグリシンをさらに含む、項目1、2、3、4、または5に記載の製剤。
(項目7)
前記抗体がベドリズマブである、項目1、2、3、4、または5に記載の製剤。
(項目8)
約160mg/mlから180mg/mlの抗体濃度を含む、項目1、2、3、4、または5に記載の製剤。
(項目9)
α4β7抗体組成物における肉眼で見ることのできない粒子の数を制御するまたは低減させるように前記組成物を調製する方法であって、
a)α4β7抗体の精製された組成物を得るステップ、
b)モノカルボン酸またはジカルボン酸を含むヒスチジン緩衝液を前記抗体組成物に添加するステップ、
c)ステップb)で得られた前記抗体組成物を約160mg/mlまで濃縮するステップ、その後、
d)濃縮された前記抗体組成物にアルギニンを添加して最終抗体組成物を得るステップ
を含み、前記最終抗体組成物の肉眼で見ることのできない粒子の数が、前記抗体組成物の前記濃縮の前に、すなわちステップb)でアルギニンが添加された組成物と比較して制御されているかまたは低減されている、方法。

Claims (9)

  1. α4β7抗体、ヒスチジン緩衝液、およびモノカルボン酸もしくはジカルボン酸またはこれらの誘導体を含み、シトレートを含有していない、高濃度α4β7抗体の医薬製剤。
  2. 160mg/mlのベドリズマブ抗体、pHが6.3から6.8の40mMのヒスチジン緩衝液、5~50mMのアセテートまたはラクテートまたはスクシネートまたはグルタメート、約120mMのアルギニン、および2mg/mlのポリソルベート-80を含み、シトレートを含有していない、高濃度ベドリズマブ抗体の医薬製剤。
  3. α4β7抗体において、肉眼で見ることのできない粒子の形成を制御する方法であって、前記抗体を、ヒスチジン緩衝液、モノカルボン酸またはジカルボン酸、アルギニン、および界面活性剤を含む組成物中に調製することを含む、方法。
  4. 高濃度α4β7抗体組成物において、抗体のチャージバリアントまたは凝集物の形成または断片化を制御する方法であって、前記抗体を、ヒスチジン緩衝液、モノカルボン酸またはジカルボン酸、アルギニン、および界面活性剤を含む組成物中に調製することを含む、方法。
  5. 高濃度α4β7抗体組成物におけるタンパク光を制御する方法であって、抗体生成の製剤化前の間におよび/または製剤化ステップで、モノカルボン酸もしくはジカルボン酸またはこれらの誘導体を含むヒスチジン緩衝液を前記抗体組成物に添加することを含み、前記方法は、前記抗体を可溶性形態に維持し、これによって前記タンパク光を制御する、方法。
  6. トレハロースまたはソルビトールまたはメチオニンまたはグリシンをさらに含む、請求項1、2、3、4、または5に記載の製剤。
  7. 前記抗体がベドリズマブである、請求項1、2、3、4、または5に記載の製剤。
  8. 約160mg/mlから180mg/mlの抗体濃度を含む、請求項1、2、3、4、または5に記載の製剤。
  9. α4β7抗体組成物における肉眼で見ることのできない粒子の数を制御するまたは低減させるように前記組成物を調製する方法であって、
    a)α4β7抗体の精製された組成物を得るステップ、
    b)モノカルボン酸またはジカルボン酸を含むヒスチジン緩衝液を前記抗体組成物に添加するステップ、
    c)ステップb)で得られた前記抗体組成物を約160mg/mlまで濃縮するステップ、その後、
    d)濃縮された前記抗体組成物にアルギニンを添加して最終抗体組成物を得るステップ
    を含み、前記最終抗体組成物の肉眼で見ることのできない粒子の数が、前記抗体組成物の前記濃縮の前に、すなわちステップb)でアルギニンが添加された組成物と比較して制御されているかまたは低減されている、方法。
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