JP2024515951A - オレフィンの重合のための金属錯体触媒 - Google Patents

オレフィンの重合のための金属錯体触媒 Download PDF

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Abstract

一般式(I):CyLMZp(I)に相当する金属錯体を含むオレフィン系モノマーの重合のための触媒組成物であって、式中、Cyが、金属錯体の金属に結合されたリガンドを表し、前記リガンドが、置換又は非置換のいずれかであるシクロペンタジエニル単位を有し、Mが、金属錯体の金属であり、4族金属から選択され、Zが、アニオン性リガンドであり、pが、1又は2であり、Lが、式(II):Sub1Sub2N(II)のアミジネートリガンドであり、ここで、前記アミジン含有リガンドが、イミン窒素原子を介して金属Mに共有結合され、Sub1が、脂肪族及び環状の置換基又は芳香族置換基のいずれかを表し、かつ、Sub1が、6~20個の炭素原子を含有し、Sub2が、一般式(III):-NR1R2(III)に相当し、式中、R1及びR2が、同一であるか又は異なり、4~24個の炭素原子を有する非環式の直鎖状又は分枝鎖状の飽和脂肪族炭化水素残基から選択され、ここで、R1及びR2が両方とも直鎖状であるか、又はR1が直鎖状であり、かつR2が分枝鎖状であるかのいずれかであり、ここで、R1又はR2の炭化水素鎖が、酸素原子又は窒素原子で1回又は2回以上介在されていてもよい、触媒組成物。この組成物を使用する方法によって得られるポリマー及びこの組成物を使用してポリマーを作製する方法も提供する。JPEG2024515951000012.jpg33170

Description

本開示は、オレフィンの重合のための金属錯体、オレフィンポリマーを作製するための重合方法及びこの方法によって得られるポリマーに関する。
メタロセン触媒又はポストメタロセン触媒を用いたオレフィンの重合は、周知である。例えば、国際特許出願国際公開第2005090418A1号パンフレットに記載されるシクロペンタジエニルアミド触媒は、高分子量を有するエチレン/α-オレフィンコポリマーを生成することが可能である。
しかしながら、オレフィンの重合のための、特に、高分子量の、好ましくは、200kg/mol超の分子量のエチレンコポリマーを作製するための、新規な触媒をさらに開発することが引き続き必要とされている。
したがって、一実施形態において、式(I)で表される金属錯体
CyLMZ(I)
を含む触媒組成物であって、
式中、
Cyが、金属錯体の金属に結合されたリガンドを表し、リガンドが、置換又は非置換のいずれかであるシクロペンタジエニル単位を有し、
Mが、金属錯体の金属であり、4族金属から選択され、
Zが、金属Mに結合された中性又はアニオン性リガンドから独立して選択され、ここで、中性リガンドが、ヒドロカルビル、シリル、ハロゲン化カルビル及びそれらの組合せからなる群から選択される置換基で1回又は2回以上任意に置換されていてよい、4~40個の炭素原子を有する共役ジエンから選択され、ここで、アニオン性リガンドが、-H、-F、-Cl、-Br、-I、-擬ハロゲン、-C1~12-アルキル、-O-C1~12-アルキル、-C(=O)C1~12-アルキル、-アセチルアセトネート、C1~12アルキルのビスカルボキシレート、-フェニル、-O-フェニル、-Si(C1~12-アルキル)、-Ge(C1~12-アルキル)、-N(C1~12-アルキル)、-P(C1~12)-アルキル)、-S-C1~12-アルキル(全てそれらのアニオン形態で存在する)及びそれらの組合せからなる群から選択され、
pが、1又は2であり、
Lが、式(II)のアミジネートリガンド
であり、ここで、前記アミジン含有リガンドが、イミン窒素原子を介して金属Mに共有結合され、Subが、脂肪族かつ環状の置換基又は芳香族置換基のいずれかを表し、Subが、6~20個の炭素原子を含有し、Subが、一般式(III)
-NR(III)
に相当し、式中、R及びRが、同一であるか又は異なり、4~24個の炭素原子を有する非環式の直鎖状又は分枝鎖状の飽和脂肪族炭化水素残基から選択され、ここで、R及びRが両方とも直鎖状であるか、又はRが直鎖状であり、Rが分枝鎖状であるかのいずれかであり、ここで、R又はRの炭化水素鎖が、酸素原子又は窒素原子で1回又は2回以上介在されていてもよく、あるいは1つ以上のハロゲン原子を有していてもよい、触媒組成物が提供される。
一実施形態において、R及びRが両方とも直鎖状である。
別の態様において、エチレンに由来する単位を含むポリマーを調製するための方法であって、
(a)エチレンを含むモノマー組成物を提供する工程;
(b)前記金属錯体を含む前記触媒組成物を提供する工程;
(c)モノマー組成物の少なくとも一部を、触媒組成物と接触させて、ポリマーを生成する工程
を含む、方法が提供される。
さらなる態様において、エチレンに由来する単位を含むポリマーを生成するための重合触媒としての前記金属錯体の使用が提供される。
別の態様において、この方法により得られるポリマーが提供される。
さらに別の態様において、この方法によって得られるポリマーの硬化ポリマーを含む物品が提供される。
本開示及びその利点の完全な理解のために、以下の詳細な説明が参照される。
本明細書に開示される詳細な説明の様々な態様及び実施形態が、本開示を作製及び使用する特定の方法を例示するためのものであり、特許請求の範囲及び詳細な説明とともに考慮される際に、本開示の範囲を限定しないことが理解されるべきである。本開示の様々な態様及び実施形態からの特徴が、本開示の様々な態様及び実施形態からの特徴と組み合わされ得ることも理解されるであろう。
以下の説明において、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語、及びそれらの派生語は、任意のさらなる構成要素、工程又は手順の存在を、それが具体的に開示されているか否かにかかわらず、除外することが意図されていない。
以下の説明において、いくつかの記述基準が使用され得る。特に示されない限り、基準は、2020年3月1日に施行されたバージョンで使用される。例えば、基準が失効したため、その日付の時点で有効なバージョンがない場合、2020年3月1日に最も近い日付で有効なバージョンが参照される。
以下の説明において、組成物又はポリマーの成分の量は、「重量パーセント(weight percent)」、「重量%(wt.%)」又は「重量%(% by weight)」によって互換的に示され得る。「重量パーセント」、「重量%(wt.%)」又は「重量%(% by weight)」という用語は、同義的に使用され、それぞれ、組成物又はポリマーの総重量を基準にしており、総重量は、特に示されない限り100%である。
「phr」という用語は、ゴム100部当たりの部数、すなわち、100%に設定されるゴムの総量を基準にした重量パーセンテージを意味する。
本開示において特定される範囲は、特に規定されない限り、範囲の端点間の全ての値を含み、それを開示し、端点を含む。
「置換」という用語は、少なくとも1つの水素原子が、水素以外の化学物質で置換された炭化水素含有有機化合物を表すのに使用される。その化学物質は、本明細書において「置換基」、「残基」又は「ラジカル」と同義的に言及される。例えば、「フッ素で置換されたメチル基」という用語は、フッ素化メチル基を指し、基-CF、-CHF及び-CHFを含む。「非置換」という用語は、水素原子のいずれも置換されていない炭化水素含有有機化合物を表すことが意図される。例えば、「非置換メチル基」という用語は、メチル、すなわち、-CHを指す。
本開示に係る触媒組成物は、以下に記術する少なくとも1つの金属錯体を含有する。組成物は、本開示に係る金属錯体のみを含有してもよく、又は組成物は、1つ以上のさらなる成分を含有し得る。
金属錯体
本開示に係る金属錯体は、式(I):
CyLMZ(I)
に相当し、式中、
Cy
Mが、4族金属であり、
Zが、アニオン性リガンドであり、
pが、1又は2であり、
Lが、式(II)のリガンド
であり、ここで、前記アミジン含有リガンドが、イミン窒素原子を介して金属Mに共有結合されている。
Subが、脂肪族かつ環状の置換基又は芳香族置換基のいずれかであり、6~20個の炭素原子を含有する。
好ましくは、Subが、置換又は非置換C~C20アリール残基、好ましくは、非置換フェニル、又は、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びC~Cアルキルから選択される1つ以上の置換基を有する置換フェニルを表す。
一実施形態において、Subが、好ましくは、オルト位において二置換されている。
Subの具体例としては、限定はされないが、2,6-ジメチルフェニル、2,6-ジクロロフェニル又は2,6-ジフルオロフェニルが挙げられる。
Subが、一般式(III)
-NR(III)
に相当し、式中、R及びRが、同一であるか又は異なり、4~24個の炭素原子を有する非環式の直鎖状又は分枝鎖状の飽和脂肪族炭化水素から互いに独立して選択され、ここで、R及びRが両方とも直鎖状であるか、又はRが直鎖状であり、Rが分枝鎖状であるかのいずれかである。一実施形態において、R又はRが、酸素原子若しくは窒素原子で1回若しくは2回以上介在されているか、又はR若しくはR又は両方が1つ以上のハロゲン原子を有している。
一実施形態において、Rが、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル及びn-トリデシルから選択される。
一実施形態において、R及びRが両方とも直鎖状である。
別の実施形態において、R及びRが同一である。
リガンドCy
式(I)で表されるリガンドCyは、非置換シクロペンタジエニル及び置換シクロペンタジエニルから選択される。好ましくは、置換基は、N-複素環置換基又はS-複素環置換基、C1~20-直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル置換基、C~C12アリール置換基、及びトリアルキルシランからなる群から互いに独立して選択される。直鎖状又は分枝鎖状のアルキル置換基は、非置換であっても、1つ以上のハロゲンでそれ自体置換されていてもよい。環状のアルキル置換基、複素環置換基及びアリール置換基は、非置換であっても、1つ以上のハロゲン、1つ以上のC~C10直鎖状又は分枝鎖状アルキル、1つ以上のC~C10直鎖状又は分枝鎖状オキソアルキル、C~C10-シクロアルキル、アルキルがC~Cアルキルであるジアルキルアミノ基及びそれらの組合せでそれ自体置換されていてもよい。
~C20アルキル置換基の例としては、限定はされないが、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-C(異性体を含む)、-C13(異性体を含む)、又は-C1021(異性体を含む)、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニルシクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロドデシル、イソプロピルドデシル、アダマンチル、ノルボルニル、トリシクロ[5.2.1.0]デシル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、メトキシメチル、及びトリフルオロメチルが挙げられる。
~C12アリール置換基の例としては、限定はされないが、フェニル、又はビフェニル(異性体を含む)及び1~6個の炭素原子を有する1つ以上のアルキル置換基を有するフェニル、例えば、限定はされないが、メチルフェニル、トリメチルフェニル、シクロヘキシルフェニル、ナフチル、ブチルフェニル、又はブチルジメチルフェニルが挙げられる。さらなる例としては、N,N-ジメチルアミノベンジル、N,N-ジメチルアミノメチル、ジフェニル-ホスフィノメチルが挙げられる。
環状置換シクロペンタジエニルの例としては、非置換インデニル、非置換フルオレニル及び置換インデニル及び置換フルオレニルが挙げられ、ここで、置換基は、1つ以上のハロゲン、1つ以上のC~C10直鎖状又は分枝鎖状アルキル、C~C10シクロアルキル、アルキルがC~Cアルキルであるジアルキルアミノ基及びそれらの組合せから選択される。
N-複素環置換シクロペンタジエニル又はS-複素環置換シクロペンタジエニルの例としては、限定はされないが、以下に記載される式(1)及び(2)に相当するものが挙げられる。
式(1)で表される複素環式シクロペンタジエニル:
は、インドール縮合シクロペンタジエニルであり、ここで、
が、各指数mについて、個別に、ベンゼン環の水素原子を置換するC~C-アルキルを意味し、
mが、0~4、好ましくは、0~2、より好ましくは、0の数であり、
が、非置換であるか、又は1つ以上のC~C10-アルキル基、1つ以上のC~C-ジアルキルアミノ基若しくはそれらの組合せで置換されている、C~C10-アルキル、C~C10-シクロアルキル、又はC~C10-アリールを意味し、
、R及びRが、水素、C~C-アルキル、又はC~C10-アリールである。
式(2)で表される複素環置換シクロペンタジエニル
は、チオフェン縮合シクロペンタジエニルであり、式中、
及びRが、互いに独立して、水素、ハロゲン、C~C10アルキル、C~C10シクロアルキル、及びC~C10アリールから選択され、又は
及びRが、それらが結合されるチオフェン環の2つの二重結合炭素原子と一緒に、非置換又はC~Cアルキル置換脂肪族C~Cシクロアルケン環を形成し、
、R及びRが、互いに独立して、水素、C~Cアルキル、及びC~C10アリールから選択される。
本開示の一実施形態において、Cyが、置換シクロペンタジエニルであり、少なくとも1つのメチル置換基を含有する。本開示の好ましい実施形態において、リガンドCyは、シクロペンタジエニル、メチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、トリメチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル及びペンタメチルシクロペンタジエニルから選択される。

本開示のメタロセン錯体の金属Mは、第4族金属である。本開示の趣旨では、「第4族金属」という用語は、従来のIUPAC命名法を指す。好ましくは、金属Mは、チタン、ジルコニウム、及びハフニウムからなる群から選択される。本発明の特に好ましい実施形態において、金属Mはチタンである。金属は、金属錯体全体が中性であるような酸化状態である。
リガンドZ
本開示の一実施形態において、リガンドZは、中性リガンドであり、共役ジエンから選択される。ジエンリガンドは、s-trans配置(π-結合)又はs-cis配置(π-結合若しくはσ-結合のいずれか)のいずれかで金属Mと結合され得る。好ましくは、共役ジエンは、4~40個の炭素原子を含有し、任意に、ヒドロカルビル、シリル、ハロゲン化カルビル又はそれらの組合せからなる群から互いに独立して選択される置換基で1回又は2回以上置換され得る。好適な中性リガンドの例としては、限定はされないが、ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエン;2,3-ジフェニル-1,3-ブタジエン;3-メチル-1,3-ペンタジエン;1,4-ジベンジル-1,3-ブタジエン;2,4-ヘキサジエン;2,4,5,7-テトラメチル-3,5-オクタジエン;2,2,7,7-テトラメチル-3,5-オクタジエン;1,4-ジトリル-1,3-ブタジエン;1,4-ビス(トリメチルシリル)-1,3-ブタジエン;2,3-ジメチルブタジエンが挙げられる。
本開示の好ましい実施形態において、リガンドZは、アニオン性である。好ましくは、リガンドZは、-H、-F、-Cl、-Br、-I、-擬ハロゲン、-C1~12-アルキル、-O-C1~12-アルキル、-C(=O)C1~12-アルキル、-アセチルアセトネート、C1~12アルキルのビスカルボキシレート、-フェニル、-O-フェニル、-Si(C1~12-アルキル)、-Ge(C1~12-アルキル)、-N(C1~12-アルキル)、-P(C1~12)-アルキル)、-S-C1~12-アルキル、及びそれらの組合せ;好ましくは、-C1~12-アルキルからなる群から選択され、ここで、これらのリガンドは、それらのアニオン形態である。本明細書の趣旨では、擬ハロゲンは、化学的性質が真のハロゲンに類似し、いくつかの種類の化学化合物においてハロゲンの代用となることが可能であるハロゲン多原子類似体である。好適な例としては、限定はされないが、-CN、-OCN、-SCN又は-Nが挙げられる。
好ましくは、アニオン性リガンドZは、-CH、-ベンジル、-Si(CH、-CH-Si(CH、-フェニル、並びに、-O-C1~12-アルキル、-N(C1~12-アルキル)、-F、及び-Si(C1~12-アルキル)からなる群から互いに独立して選択される1、2、3、4又は5つの置換基で置換された-フェニル〔例えば、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、N,N-ジメチルアミノフェニル、ビス(N,N-ジメチルアミノ)フェニル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、トリフルオロフェニル、テトラフルオロフェニル、ペルフルオロフェニル、トリメチルシリルフェニル、ビス(トリメチルシリル)フェニル、トリス(トリメチルシリル)フェニル〕のアニオンからなる群から選択され;好ましくは、Zは、メチルアニオンである。
本開示の一実施形態において、化合物が、2つのリガンドZを含み、好ましくは、両方のリガンドZが同一であり、好ましくは、指数pは2であり、2つのリガンドZがそれぞれメチルアニオンである。
本開示の一実施形態において、金属錯体は、式(I)に相当し、Mがチタンである。
本開示の一実施形態において、金属錯体は、式(I)に相当し、pが2であり、Zがアニオン性-CHである。
本開示の一実施形態において、金属錯体は、式(I)に相当し、Cyが、メチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、トリメチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル及びペンタメチルシクロペンタジエニルから選択される。
本開示の一実施形態において、金属錯体は、式(I)に相当し、Subが、フェニル及び2,6-ジフルオロフェニルである。
重合
エチレン含有ポリマーは、本開示に係る触媒組成物を使用することによって生成され得る。金属錯体は、単独で又は他の重合触媒と組合せて、又は1つ以上の任意のスカベンジャー及び活性化剤並びにそれらの組合せと組合せて使用され得る。
したがって、本開示の別の態様において、エチレンに由来する単位を含むポリマーの調製のための方法であって、
(a)エチレンを含有するモノマー組成物を提供する工程;
(b)本開示に係る少なくとも1つの金属錯体を含む触媒組成物を提供する工程、
(c)モノマー組成物の少なくとも一部を、触媒組成物の少なくとも一部と接触させて、モノマー組成物を重合させる工程
を含む、方法が提供される。
本方法は、任意に、少なくとも1つのスカベンジャーを提供すること及び/又は、任意に、少なくとも1つの活性化剤を提供することをさらに含み得る。活性化剤及びスカベンジャーは、本開示の金属錯体を含む触媒組成物の成分であり得、又はそれらは、別々に、例えば、別個の供給流れとして提供され得る。
モノマー組成物は、広い又は狭い分子量分布(Mw/Mn)を有するポリマーを生成するように重合され得る。一実施形態において、1.80~30又は2~10の分子量分布(Mw/Mn)を有するポリマーが、生成され得る。
高い又は低いムーニー粘度を有するポリマーが、生成され得る。一実施形態において、本方法によって生成されるポリマーは、125℃で少なくとも40のムーニー粘度ML1+4及び150℃で100以下のムーニー粘度ML1+8を有する。本開示の一実施形態において、ポリマーは、125℃で約40~約100のムーニー粘度ML1+4を有する。本開示の別の実施形態において、ポリマーは、150℃で約50~約100のムーニー粘度ML1+8を有する。
高い又は低い重量平均分子量(Mw)のポリマーが、本開示に係る方法によって生成され得る。一実施形態において、ポリマーは、少なくとも200,000g/モル超、例えば、約200,000g/モル~約600,000g/モルの(Mw)を有する。
高い又は低い数平均分子量(Mn)を有するポリマーが、生成され得る。一実施形態において、本開示に係る方法によって生成されるポリマーは、40,000g/モル~250,000g/モルのMnを有する。
分枝鎖状又は直鎖状ポリマーは、本開示に係る方法を用いて生成され得る。分枝鎖状ポリマーの分岐レベルは、高、中程度又は低であり得る。ポリマー分岐レベルは、パラメータΔδによって特徴付けられ得る。度で表されるΔδは、125℃及び10%の歪みで動的機械分光法(Dynamic Mechanical Spectroscopy)(DMS)によって測定される際の、0.1ラジアン/秒の周波数における位相角δと、100ラジアン/秒の周波数における位相角δとの間の差である。この量Δδは、ポリマー中に存在する長鎖分枝鎖構造の量の尺度であり、参照により本明細書に援用される、H.C.Booij,Kautschuk+Gummi Kunststoffe,Vol.44,No.2,pages 128-130において紹介されている。本開示の一実施形態において、2~65のΔδを有するポリマーが、生成され得る。
本開示に係る方法によって生成されるポリマーは、単峰性であり得、又はそれらは、二峰性若しくは多峰性であり得る。ポリマーは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって得られる線図において、二峰性ポリマーの場合、2つのピーク又は1つのピーク及び1つのショルダー、又は多峰性ポリマーの場合、3つ以上のピーク又は2つのショルダーを特徴とする分子量分布を有し得る。反応器ブレンドも生成され得、これは、ポリマーが、少なくとも2つの異なる反応容器中で生成され、混合、典型的に、湿式混合によって、すなわち、反応混合物を混合することによって組み合わされることを意味する。ブロックポリマー又はグラフトポリマーも生成され得る。
エチレン含有ポリマー:
本開示に係る触媒組成物を使用することによって生成され得るポリマーは、エチレンに由来する単位を含有し、本開示に係る方法において提供されるモノマー組成物は、少なくともエチレンを含有する。好ましくは、本開示に係る方法によって生成されるポリマーは、エチレン-コポリマー、より好ましくは、エチレン/α-オレフィンコポリマーである。
エチレン/α-オレフィンポリマー:
本開示の一実施形態において、本開示に係る触媒組成物を用いて生成されるポリマーは、エチレン/α-オレフィン-ポリマーである。エチレン/α-オレフィン-ポリマーは、エチレン及び少なくとも一つの別のα-オレフィン及び任意に、1つ以上のさらなるコモノマーのコポリマーである。少なくとも20重量%(ポリマーの総重量を基準にして)の、エチレンに由来する単位を含み、80重量パーセント(重量%)以下の、エチレンに由来する単位を含有し得るエチレン/α-オレフィンポリマーが、生成され得る。一実施形態において、本開示のエチレン-α-オレフィン-コポリマーは、40~70重量%、好ましくは、44~65重量%の、エチレンに由来する単位を含む。重量パーセンテージは、コポリマーの総重量を基準にする。
エチレンに由来する単位に加えて、本開示に係るポリマーは、1つ以上の他のα-オレフィンに由来する単位を含有し得る。
α-オレフィン:
α-オレフィンは、単一の脂肪族炭素-炭素二重結合を有するオレフィンである。二重結合は、オレフィンの末端(α位)に位置する。α-オレフィンは、芳香族又は脂肪族、直鎖状、分枝鎖状又は環状であり得る。典型的に、α-オレフィンは、3~20個の炭素原子を有する。
α-オレフィンとしては、式:HC=X-CH
によって表されるものが挙げられ、式中、Xが、直鎖状又は分枝鎖状であり得る、1~17個の炭素原子を有する脂肪族アルキレン残基を表す。好ましくは、分枝は、互いに独立して、1~3個の炭素原子を含有する。
好ましい実施形態において、α-オレフィンとしては、式:HC=CH-(CH-CHによって表されるものが挙げられ、式中、n=1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16及び17を表す。
α-オレフィンの好ましい例としては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、9-メチル-1-デセン、11-メチル-1-ドデセン及び12-エチル-1-テトラデセンが挙げられる。
1つ以上のα-オレフィンが、組合せて使用され得る。好ましくは、ポリマーは、少なくとも5重量%又は少なくとも10重量%の、1つ以上のα-オレフィンに由来する単位を含有する。57重量%以下、より好ましくは、55重量%以下の、1つ以上のα-オレフィンに由来する単位〔重量パーセンテージ(重量%)は、ポリマーの総重量を基準にする〕を含有するポリマーが、生成され得る。好ましくは、エチレン-α-オレフィン-コポリマーは、17~57重量%の、1つ以上のα-オレフィンに由来する総単位を含有する。好ましくは、ポリマーは、プロピレンを含有する。
非共役ジエン:
エチレン及びα-オレフィンに加えて、コモノマーとして1つ以上の非共役ジエンに由来する単位をさらに含有するエチレン/α-オレフィンポリマーが、生成され得る。
非共役ジエンは、少なくとも2つの炭素-炭素二重結合を含むポリエンであり、二重結合は、非共役であり、鎖、環、環系又はそれらの組合せ中に存在し得る。炭素-炭素二重結合は、少なくとも2つの炭素原子によって隔てられる。ポリエンは、環内及び/又は環外二重結合を有してもよく、置換基を有していても、同じか又は異なる置換基を有していてもよい。好ましくは、非共役ジエンは、脂肪族、より好ましくは、脂肪族及び脂環式である。好適な非共役ジエンとしては、例えば、芳香族ポリエン、脂肪族ポリエン及び脂環式ポリエン、好ましくは、6~30個の炭素原子を有するポリエン(C~C30-ポリエン、より好ましくは、C~C30-ジエン)が挙げられる。非共役ジエンの具体例としては、限定はされないが、1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、4-エチル-1,4-ヘキサジエン、3,3-ジメチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘプタジエン、5-エチル-1,4-ヘプタジエン、5-メチル-1,5-ヘプタジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、5-エチル-1,5-ヘプタジエン、1,6-オクタジエン、4-メチル-1,4-オクタジエン、5-メチル-1,4-オクタジエン、4-エチル-1,4-オクタジエン、5-エチル-1,4-オクタジエン、5-メチル-1,5-オクタジエン、6-メチル-1,5-オクタジエン、5-エチル-1,5-オクタジエン、6-エチル-1,5-オクタジエン、1,6-オクタジエン、6-メチル-1,6-オクタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、6-エチル-1,6-オクタジエン、6-プロピル-1,6-オクタジエン、6-ブチル-1,6-オクタジエン、4-メチル-1,4-ノナジエン、5-メチル-1,4-ノナジエン、4-エチル-1,4-ノナジエン、5-エチル-1,4-ノナジエン、5-メチル-1,5-ノナジエン、6-メチル-1,5-ノナジエン、5-エチル-1,5-ノナジエン、6-エチル-1,5-ノナジエン、6-メチル-1,6-ノナジエン、7-メチル-1,6-ノナジエン、6-エチル-1,6-ノナジエン、7-エチル-1,6-ノナジエン、7-メチル-1,7-ノナジエン、8-メチル-1,7-ノナジエン、7-エチル-1,7-ノナジエン、5-メチル-1,4-デカジエン、5-エチル-1,4-デカジエン、5-メチル-1,5-デカジエン、6-メチル-1,5-デカジエン、5-エチル-1,5-デカジエン、6-エチル-1,5-デカジエン、6-メチル-1,6-デカジエン、6-エチル-1,6-デカジエン、7-メチル-1,6-デカジエン、7-エチル-1,6-デカジエン、7-メチル-1,7-デカジエン、8-メチル-1,7-デカジエン、7-エチル-1,7-デカジエン、8-エチル-1,7-デカジエン、8-メチル-1,8-デカジエン、9-メチル-1,8-デカジエン、8-エチル-1,8-デカジエン、1,5,9-デカトリエン、6-メチル-1,6-ウンデカジエン、9-メチル-1,8-ウンデカジエン、ジシクロペンタジエン及びそれらの混合物が挙げられる。好ましい非共役ジエンとしては、脂環式ポリエンが挙げられる。脂環式ジエンは、少なくとも1つの環状単位を有する。好ましい実施形態において、非共役ジエンは、少なくとも1つの環内二重結合及び任意に少なくとも1つの環外二重結合を有するポリエンから選択される。好ましい例としては、ジシクロペンタジエン(DCPD)、5-メチレン-2-ノルボルネン及び5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)が挙げられ、ENBが特に好ましい。一実施形態において、本開示のコポリマーは、非共役ジエンとしてENBのみを含有する。上記のジエンが、典型的に、重合に関与する1つの二重結合を含む一方、他の二重結合は、重合されない場合があり、したがって、ポリマーを硬化させるための効果部位を提供し得る。
非共役ジエンのさらなる例としては、二重重合性ジエン、すなわち、非共役二重結合の両方が重合され得るジエンを含む非共役ジエンが挙げられる。このようなジエンは、長鎖分枝の生成のためにポリマーの分岐部位を導入することができ、分枝鎖状ポリマー構造に寄与し得る。例としては、限定はされないが、ビニル置換脂肪族単環式及び非共役ジエン、ビニル置換二環式及び非共役脂肪族ジエンが挙げられる。このような二重重合性ジエンは、ポリマー分枝の形成を引き起こすか又はそれに寄与し得る。脂肪族二重重合性ジエンの例としては、1,4-ジビニルシクロヘキサン、1,3-ジビニルシクロヘキサン、1,3-ジビニルシクロペンタン、1,5-ジビニルシクロオクタン、1-アリル-4-ビニルシクロ-ヘキサン、1,4-ジアリルシクロヘキサン、1-アリル-5-ビニルシクロオクタン、1,5-ジアリルシクロオクタン、1-アリル-4-イソプロペニル-シクロヘキサン、1-イソプロペニル-4-ビニルシクロヘキサン及び1-イソプロペニル-3-ビニルシクロペンタン、ジシクロペンタジエン及び1,4-シクロヘキサジエンが挙げられる。非共役ビニルノルボルネン及びC~C12αω直鎖状ジエン(例えば、1,7-オクタジエン、1,8-ノナジエン、1,9-デカジエン、1,10-ウンデカジエン、1,11-ドデカジエン)が好ましい。二重重合性ジエンは、13~17族のヘテロ原子、例えばO、S、N、P、Cl、F、I、Br、又はそれらの組合せを含む少なくとも1つの基でさらに置換されていてよい。
芳香族非共役ポリエンの例としては、ビニルベンゼン(その異性体を含む)及びビニル-イソプロペニルベンゼン(その異性体を含む)が挙げられる。
本開示の好ましい実施形態において、二重重合性ジエンは、ジシクロペンタジエン(DCPD)、5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)、1,7-オクタジエン及び1,9-デカジエンから選択され、5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)が最も好ましい。
本開示の典型的な実施形態において、少なくとも3重量%及び15重量%以下(及び15重量%を含む)の1つ以上の非共役ジエンに由来する単位を含有するエチレン/α-オレフィンコポリマーが、生成され得る。
本開示の別の実施形態において、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)、5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン、ジシクロペンタジエン(DCPD)又はそれらの組合せから選択される非共役ジエンを含有するポリマーが、生成される。好ましくは、本開示のコポリマーは、0.05重量%~5重量%、より好ましくは、0.10重量%~3重量%又は0.15重量%~1.2重量%の、VNBに由来する単位(全ての重量パーセンテージは、エチレン-α-オレフィン-コポリマーの総重量を基準とする)を含有する。別の実施形態において、5-エチリデン-2-ノルボルネン及び5-ビニル-2-ノルボルネンに由来する単位を含有するエチレン/α-オレフィン-コポリマーが、生成され得、例えば、生成されるエチレン/α-オレフィン-コポリマーは、2~15重量%の、ENBに由来する単位及び0.05~4重量%の、VNBに由来する単位を含有し得る。
他のコモノマーに由来する単位を含有しても又は含有しなくてもよいエチレン/α-オレフィン-コポリマーが、本開示に係る方法によって生成され得る。エチレン、α-オレフィン及び任意に、非共役ジエンに由来する単位の合計は、エチレン/α-オレフィンポリマーの総重量を基準にして、90重量%超、99重量%超(100重量%を含む)であり得る。
連鎖移動剤:
重合は、ポリマーの分子量を制御するための1つ以上の連鎖移動剤の使用を含み得る。好ましい連鎖移動剤には、水素(H)及びジエチル亜鉛及びそれらの組合せが含まれる。
活性化剤:
本明細書において同義的に「共触媒」とも呼ばれる1つ以上の活性化剤が、重合において使用され得る。共触媒の存在は、典型的に、触媒がオレフィンを重合させる速度を上昇させる。共触媒はまた、分子量、分岐度、コモノマー含量、又はポリマーの他の特性に影響を与え得る。共触媒は、典型的に、触媒と一緒に、例えば、触媒組成物の一部として、反応器中に導入されるが、触媒とは別に、例えば、別個の供給流れ中に導入されてもよい。
典型的な共触媒としては、限定はされないが、ホウ素含有活性化剤が挙げられる。好ましい実施形態において、活性化剤(b)は、ボラン(C1)又はボレート(C2若しくはC3)から選択される。
好適なホウ素活性化剤(C1)は、一般式BQによって表され得る。
(C2)で表される好適なボレート活性化剤は、一般式:G(BQ)によって表され得る。
(C3)で表される好適なボレート活性化剤は、一般式:(J-H)(BQ)によって表され得、
(C1)で表される活性化剤において、Bがホウ素であり、Q~Qが、置換又は非置換のアリール基、好ましくは、フェニル基である。好適な置換基としては、限定はされないが、ハロゲン、好ましくは、フッ化物、及びC~C40ヒドロカルビル、好ましくは、C~C20アルキル又は芳香族が挙げられる。(C1)で表される活性化剤の具体例としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5-テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5-トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4-トリフルオロフェニル)ボラン、フェニル-ビス(ペンタフルオロ-フェニル)ボランなどが挙げられる。
(C2)で表される活性化剤において、Gが、無機又は有機カチオンであり、Bがホウ素であり、Q~Qが、(C1)中と同じであり、Qも、置換又は非置換アリール基、好ましくは、置換又は非置換フェニルである。置換基としては、限定はされないが、ハロゲン、好ましくは、フッ化物、及びC~C40ヒドロカルビル、好ましくは、C~C20アルキル又は芳香族が挙げられる。ボレート基(BQ)の具体例としては、限定はされないが、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4,5-テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,4,5-トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4-トリフルオロフェニル)ボレート、フェニルトリス(ペンタフルオロ-フェニル)ボレート、テトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートなどが挙げられる。Gの具体例としては、フェロセニウムカチオン、アルキル置換フェロセニウムカチオン、銀カチオンなどが挙げられる。有機カチオンGの具体例としては、トリフェニルメチルカチオンなどが挙げられる。Gが、好ましくは、カルベニウムカチオン、特に好ましくは、トリフェニルメチルカチオンである。
(C3)で表される活性化剤において、Jが、中性ルイス塩基を表し、(J-H)が、ブレンステッド酸を表し、Bがホウ素であり、Q~Q及びボレート基(BQ)が両方とも、(C2)中と同じである。ブレンステッド酸(J-H)の具体例としては、トリアルキル置換アンモニウム、N,N-ジアルキルアニリニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアリールホスホニウムなどが挙げられる。(C3)で表される活性化剤の具体例としては、限定はされないが、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロ-フェニル)-ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム-テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5-ビストリフルオロメチル-フェニル)ボレート、N,N-ジメチル-アニリニウムテトラキス(ペンタフルオロ-フェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウム-テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム-テトラキス(3,5-ビストリフルオロメチル-フェニル)ボレート、ジイソプロピル-アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシル-アンモニウムテトラキス-(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ジメチルフェニル)-ホスホニウム-テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
他の共触媒としては、限定はされないが、トリアルキルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ-イソブチルアルミニウム、又はトリ-n-オクチルアルミニウムなどのアルミニウムアルキルが挙げられる。他の例としては、限定はされないが、ジエチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムクロリド、及びエチルアルミニウムセスキクロリドなどのアルキルアルミニウムハライドが挙げられる。さらなる例としては、メチルアルモキサン(MAO)、テトライソブチルアルモキサン(TIBAO)又はヘキサイソブチルアルモキサン(HIBAO)を含むアルモキサンが挙げられる。
スカベンジャー:
不純物は、触媒の活性を低下させることによって触媒に悪影響を与え得る。このような不純物と反応し、それらを触媒活性に無害な化合物に変化させる化合物は、重合の技術分野の当業者によってスカベンジャーと呼ばれる。スカベンジャーは、本開示に係る方法において使用され得る。スカベンジャーの例としては、限定はされないが、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ-イソブチルアルミニウム、及びトリオクチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウム化合物が挙げられる。ある場合では、スカベンジャーは、共触媒としても働き得る。この場合、スカベンジャーは、一般に、触媒を完全に活性化するのに必要とされる量を超えて適用される。
本発明に係る方法の一実施形態において、上述の発明に係るメタロセン化合物に対する本方法の工程(c)において提供される活性化剤のモル比は、10:1~1:1、好ましくは、2:1、好ましくは、1:2である。
スカベンジャー、好ましくは、アルミニウム含有スカベンジャーは、立体障害炭化水素又は立体障害ヘテロ炭化水素、好ましくは、立体障害フェノール又はアミンと組合せて使用され得る。立体障害炭化水素及びヘテロ炭化水素の具体例としては、限定はされないが、tert-ブタノール、イソ-プロパノール、トリフェニルカルビノール、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、4-メチル-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、4-エチル-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルアニリン、4-メチル-2,6-ジ-tert-ブチルアニリン、4-エチル-2,6-ジ-tert-ブチルアニリン、ジイソプロピルアミン、ジ-tert-ブチルアミン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。好ましい立体障害化合物は、4-メチル-2,6-tertブチルフェノールである。
本開示に係るポリマーを生成する方法において、モノマー組成物は、本開示に係る触媒組成物と接触される。接触は、気相中で行われ得る。接触はまた、1つ以上の溶媒の存在下で、例えば、溶液又はスラリー中で行われ得る。重合は、気相が形成されない圧力及び温度下で、溶液又はスラリー中で行われ得る。好ましい溶媒としては、1つ以上の炭化水素溶媒が挙げられる。好適な溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ペンタメチルヘプタン、水添ナフサ、それらの異性体及び混合物などのC5~12炭化水素が挙げられる。
本方法は、このようなポリマーの重合のための、当該技術分野において公知の反応温度及び圧力で行われ得る。重合は、溶液重合として又はスラリー重合として又は気相中での重合として行われ得る。好ましくは、重合は、溶液重合として行われる。典型的な反応温度には、20℃~150℃又は60℃~140℃が含まれる。本開示の一実施形態において、メタロセン化合物は、重合、好ましくは、130℃もの高い反応温度、及び例えばモノマーを液相又は溶解相中に保持するのに好適な圧力における溶液重合において使用される。
触媒組成物は、単独で、又は本開示に係る金属錯体以外の1つ以上の他の触媒、例えばメタロセン触媒、好ましくは、ビス-インデニル触媒と組合せて使用され得る。
ポリマーを生成するための重合は、単一の反応器内又は複数の反応器内で行われ得る。触媒組成物は、第1の反応器及び別の反応器に加えられ得、触媒組成物は、第1及び第2の反応器内で同じか又は異なるものであり得る。重合は、直列又は並列に接続された複数の反応器内で行われ得る。並列の重合では、得られるポリマー混合物は、いわゆる反応器ブレンド、すなわち、2つ以上のポリマー組成物の湿潤ブレンドを提供するように組み合わされ得る。
本開示の他の態様
本開示の別の態様において、上記の本発明に係る方法によって得られるポリマーが提供される。一実施形態において、ポリマーは、エチレンプロピレンゴム(EPM)又はエチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)である。
本開示の別の態様において、本明細書に記載される方法によって又は本開示に係る金属錯体の使用によって得られるポリマー、少なくとも部分的に硬化したポリマーを含有する物品が提供される。ポリマーが硬化性である場合、物品は、好ましくは、少なくとも部分的に硬化した形態のポリマーを含有する。
本開示の別の態様は、上に定義されるモノマー組成物を重合するための重合触媒としての、本開示に係る金属錯体の使用に関する。
本開示の別の態様は、担持材料上に本開示に係る金属錯体又は触媒組成物を含む、担持触媒を提供する。担持触媒は、任意に、スカベンジャー又は活性化剤又はスカベンジャー及び活性化剤の組合せをさらに含有し得る。担持材料は、高い表面積を有する固体材料であり得、それに、本開示の少なくとも1つの金属錯体が固定される。典型的に、不均一系触媒の活性は、表面原子において生じる。その結果、触媒の表面積を最大にするために多大な労力が払われる。表面積を増大するための1つの好適な方法は、触媒を担持材料にわたって分配することを含む。担持材料は、不活性であり得、又は触媒反応に関与し得る。好ましくは、担持材料は、シリカ、ハロゲン化マグネシウム(例えば、MgF、MgCl、MgBr、MgI)、ゼオライト、アルミナ、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル及びそれらの組合せからなる群から選択される。
以下の実施例は、本開示をこれらの実施例に限定することを意図せずに、本開示をさらに例示する。
方法
試験方法
コモノマー組成物
フーリエ変換赤外分光法(FT-IR)が、C2/C3比についてASTM D3900(改訂日2017)に従って、及び加圧ポリマーフィルムのジエン含量についてD6047(改訂日2017)に従って、コポリマーの組成を決定するために使用され得る。
位相角測定
ポリマー分岐は、パラメータΔδを用いる、Montech MDR 3000ムービングダイレオメータでの位相角測定によって決定され得る。Δδ(度で表される)は、125℃で動的機械分析(DMA)によって決定される、0.1ラジアン/秒の周波数で測定される位相角δと、100ラジアン/秒の周波数で測定される位相角δとの間の差である。Δδは、ポリマー構造中の長鎖分枝の存在の尺度である。Δδの値が低いほど、より多くの長鎖分枝がポリマー中に存在し、このことは、参照により本明細書に援用される、H.C.Booij,in Kautschuk + Gummi Kunststoffe,Vol.44,No.2,pages 128-130,1991によって紹介されている。
示差粘度測定を伴うサイズ排除クロマトグラフィー(SEC-DV)
分子量分布(MWD)、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、多分散性(Mw/Mn)及び固有粘度は、ゲル浸透サイズ排除クロマトグラフィー(GPC/SEC)によって決定され得る。Polymer Characterization S.A(Valencia,Spain)製のPolymer Char GPCが使用され得る。サイズ排除クロマトグラフには、3つのAGILENT PL OLEXISカラム(7.5×300mm)及びPolymer Charオートサンプラとともに、オンライン粘度計(Polymer CharV-400粘度計)、オンライン赤外検出器(IR5 MCT)が装備され得る。システムのユニバーサルキャリブレーション(Universal calibration)が、ポリエチレン(PE)標準を用いて行われ得る。
ポリマー試料を、Polymer Charオートサンプラのバイアル中に量り入れ得る(0.3~1.3mg/mlの濃度範囲で)。オートサンプラ内で、バイアルに、溶媒(1g/lのジ-tertブチルパラクレゾール(DBPC)で安定化された1,2,4-トリ-クロロベンゼン)が自動的に充填される。試料を、4時間にわたって高温オーブン(160℃)に入れておく。この溶解時間の後、試料が、カラムに注入される前に、インラインフィルタによって自動的にろ過される。クロマトグラフシステムは、160℃で操作される。1,2,4-トリクロロベンゼン溶離剤の流量は、1.0mL/分である。クロマトグラフは、濃度のための組み込まれたオンライン赤外検出器(IR5 MCT)及び組み込まれたPolymerCharオンライン粘度計を含む。
一般的な操作手順:
金属錯体を調製するための全ての実験を、アルゴン又は窒素の雰囲気下で、標準的なシュレンクライン又はドライボックス技術を用いて行った。窒素でスパージすることによって溶媒を脱気し、適切な乾燥剤のカラムに通すことによって乾燥させた。重水素化溶媒を、CaH上で乾燥させ、減圧下で蒸留し、PTFEバルブアンプル中で、窒素下で貯蔵した。NMR試料を、J.YOUNG PTFEバルブを備えた5mm WILMAD 507-PPチューブ中で、窒素下で調製した。H、19F及び13C-{H}スペクトルを周囲温度で記録し、残留プロトン性溶媒(H)又は溶媒(13C)共鳴に対して内部参照し、テトラメチルシラン(d=0ppm)に対して報告する。化学シフトをδ(ppm)単位で提示し、結合定数をHz単位で提示する。NMRスペクトルを、BRUKER製のAvance 400分光計において測定した。
金属錯体を作製するための一般的な手順:
金属錯体を、プロトノリシス反応においてリガンドを同じモル量のCpTiMeと室温で反応させることによって調製した。2時間未満の反応時間。典型的な実験において、5.7mgのCpTiMe(0.025mmol)を、5mlのトルエンに溶解させた。リガンド(0.025mmol)も、5mlのトルエンに溶解させた。両方の溶液を組合せて、金属錯体を生成した。得られた溶液を、25mlになるまでトルエンで希釈してから、それを重合実験において使用した。金属錯体を、その場で調製し、直ぐに使用した。
CpTiMeを、CpTiClをヘキサンに溶解させ、メチルリチウム溶液をジエチルエーテルに加えることによって調製した。混合物を4時間撹拌し、溶媒を蒸発させた。固体を再度溶解させ、ろ過し、溶媒を蒸発させた。生成物をペンタンに溶解させ、-80℃で、冷凍庫内で貯蔵した。3日後、大型結晶が形成された。混合物をろ過して、高純度(H-NMRによって95%)で純粋な材料(73%)を得た。
リガンドを、それぞれのアミン(HN-R)をベンゾニトリルと反応させることによって調製した。反応を、標準的なシュレンクテクニックの使用により、窒素雰囲気下で行った。溶媒及び試薬を使用前に乾燥させた。典型的な反応において、15mLのトルエン中の9.58mmolのベンゾニトリルを、水素化カルシウム上で一晩撹拌して、水分を除去し、その後、水素化カルシウムをろ過して取り除いた。10mlのトルエン中のアミン(9.88mmol)の溶液を個別に調製し、テトラヒドロフラン(3.36ml、9.78mmol)中のメチルマグネシウムクロリドの3M溶液を、撹拌しながら滴下してそれに加えた。得られた混合物を、50℃で1.5時間撹拌した。懸濁液を室温に冷却し、その後、ベンゾニトリル溶液を加えた。反応混合物を70℃で18時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水を加え(15ml)、反応物を、室温でさらに1時間撹拌した。有機相を分離し、水(2×15mL)で洗浄した。水性相をジエチルエーテル(3×15mL)で抽出した。組み合わされた有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ過して取り除き、溶媒を蒸発させた。リガンドはオイルであり、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン及び酢酸エチル(1:1v/v)及び1%のトリエチルアミンの溶液を用いるシリカゲル)によって精製された。
Sub1が2,6-ジフルオロフェニルであるリガンドを、2,6-ジフルオロベンゾニトリルをベンゾニトリルの代わりに使用したことを除いて、同じ方法で調製した。
以下の一般構造((CHCp-Ti-(CH)(NC(Sub)(Sub))(式中、Cpが、シクロペンタジエニルを表す)の様々な金属錯体は、以下の一般式及び以下の表1に示すように、様々なリガンドL、すなわち、様々な残基Sub及びSubのそれぞれを用いて調製した。
重合のための一般的な手順
重合を、表1からの触媒を用いて行った。1Lの容積のバッチ反応器において、90℃で7バールのエチレン(C2)及びプロピレン(C3)の圧力を用い、ペンタメチルヘプタン(PMH)中で10分間にわたって重合して、モノマーを重合した。特に規定しない限り、表1からの触媒を、0.07μmolの量で使用した。エチレン/プロピレンの比率は、400/200nL/hrであった。84.1mmolのENB、84.1mmolのVNB、0.14μmolのトリチリウム(tritylium)テトラキス(ペルフルオロフェニル)ボレート、450μmolのトリイソブチルアルミニウム(ztiisobutylaluminium)及び900μmolの4-メチル-2,6-ジ-tert-ブチルフェノールの存在下で、重合を行った。水素を、0.35nL/hrで連鎖移動剤として使用した。重合結果を、表2に示す。
表2における結果は、少なくとも1つの直鎖状残基Rを有する本発明に係る触媒により、R及びRの両方が分枝鎖状である触媒と比較してより高い分子量を有するポリマーが得られたことを示す。この挙動は、置換及び非置換の残基Sub1について観察された。実験9~12の結果が、ほぼ半分の触媒濃度で既に得られたことに留意されたい。

Claims (15)

  1. 一般式(I):
    CyLMZ(I)
    に相当する金属錯体を含むオレフィン系モノマーの重合のための触媒組成物であって、
    式中、
    Cyが、前記金属錯体の金属に結合されたリガンドを表し、前記リガンドが、置換又は非置換のいずれかであるシクロペンタジエニル単位を有し、
    Mが、前記金属錯体の金属であり、4族金属から選択され、
    Zが、前記金属Mに結合された中性リガンド又はアニオン性リガンドから独立して選択され、ここで、前記中性リガンドが、ヒドロカルビル、シリル、ハロゲン化カルビル及びそれらの組合せからなる群から選択される置換基で1回又は2回以上任意に置換されていてよい、4~40個の炭素原子を有する共役ジエンから選択され、前記アニオン性リガンドが、全てそれらのアニオン形態で存在する、-H、-F、-Cl、-Br、-I、-擬ハロゲン、-C1~12-アルキル、-O-C1~12-アルキル、-C(=O)C1~12-アルキル、-アセチルアセトネート、C1~12アルキルのビスカルボキシレート、-フェニル、-O-フェニル、-Si(C1~12-アルキル)、-Ge(C1~12-アルキル)、-N(C1~12-アルキル)、-P(C1~12)-アルキル)、-S-C1~12-アルキル、及びそれらの組合せからなる群から選択され、
    pが、1又は2であり、
    Lが、式(II):
    のアミジネートリガンドであり、ここで、前記アミジン含有リガンドが、そのイミン窒素原子を介して前記金属Mに共有結合されており、Subが、脂肪族かつ環状の置換基又は芳香族置換基のいずれかを表し、Subが、6~20個の炭素原子を含有し、Subが、一般式(III):
    -NR(III)
    に相当し、式中、R及びRが、同一であるか又は異なり、4~24個の炭素原子を有する非環式かつ直鎖状又は分枝鎖状の飽和脂肪族炭化水素残基から選択され、ここで、R及びRが両方とも直鎖状であるか、又はRが直鎖状であり、Rが分枝鎖状であるかのいずれかであり、R又はRの前記炭化水素鎖が、酸素原子又は窒素原子で1回又は2回以上介在されていてもよく、あるいは1つ以上のハロゲン原子を有していてもよい、触媒組成物。
  2. Subが、一般式(III):
    -NR(III)
    に相当し、式中、Rが、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル及びn-トリデシルから選択される、請求項1に記載の触媒組成物。
  3. Subが、一般式(III):
    -NR(III)
    に相当し、式中、R及びRが両方とも直鎖状である、請求項1又は請求項2に記載の触媒組成物。
  4. Subが、非置換のアリール残基を表すか、又は、ハロゲン、C~Cアルキル及びそれらの組合せから選択される1つ以上の置換基を有するC~C10アリール残基を表す、請求項1~3のいずれか一項に記載の触媒組成物。
  5. Subが、フッ素、C~Cアルキル及びそれらの組合せから選択される置換基を有する、フェニル及びオルト-パラ-二置換フェニルから選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の触媒組成物。
  6. Mがチタンである、請求項1~5のいずれか一項に記載の触媒組成物。
  7. pが2であり、各Zが、アニオン形態のメチルを表す、請求項1~6のいずれか一項に記載の触媒組成物。
  8. Cyが、N-又はS-複素環置換基、C1~20の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル置換基、C~C12アリール置換基、及びシランからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で置換されているシクロペンタジエニルを表し、ここで、前記置換基が、非置換であってよく、あるいは、1つ以上のハロゲン、1つ以上のC~C10の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、1つ以上のC~C10の直鎖状又は分枝鎖状のオキソアルキル、C~C10のシクロアルキル、アルキルがC~Cアルキルであるジアルキルアミノ基及びそれらの組合せでそれ自体置換されていてもよい、請求項1~7のいずれか一項に記載の触媒組成物。
  9. Cyが、
    (i)-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-C(異性体を含む)、-C13(異性体を含む)、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルメトキシメチル及びそれらの組合せから選択される1~5つの置換基を有するシクロペンタジエニル;
    (ii)非置換インデニル、非置換フルオレニル、置換インデニル及び置換フルオレニルから選択される環状置換シクロペンタジエニルであって、置換基が、1つ以上のハロゲン、1つ以上のC~C10直鎖状又は分枝鎖状アルキル、C~C10-シクロアルキル、アルキルがC~Cアルキルであるジアルキルアミノ基及びそれらの組合せから選択される、環状置換シクロペンタジエニル;
    (iii)式(1):
    に相当するN-複素環置換シクロペンタジエニル:
    (式中、
    が、各指数mについて個別に、ベンゼン環の水素原子を置換するC~C-アルキルを表し、
    mが、0~4、好ましくは、0~2、より好ましくは、0の数であり、
    が、非置換であるか、又は1つ以上のC~C10-アルキル基、1つ以上のC~C-ジアルキルアミノ基又はそれらの組合せで置換されている、C~C10-アルキル、C~C10-シクロアルキル、又はC~C10-アリールを表し、
    、R及びRが、水素、C~C-アルキル、又はC~C10-アリールである);
    (iv)式(2):
    で表されるS-複素環置換シクロペンタジエニル
    (式中、
    及びRが、互いに独立して、水素、ハロゲン、C~C10アルキル、C~C10シクロアルキル、及びC~C10アリールから選択されるか、あるいは、
    及びRが、それらが結合されるチオフェン環の2つの二重結合炭素原子と一緒に、非置換であるか、又はC~C-アルキルで置換された、脂肪族C~C-シクロアルケン環を形成し、
    、R及びRが、互いに独立して、水素、C~Cアルキル、及びC~C10-アリールから選択される)
    からなる群から選択される置換シクロペンタジエニルである、請求項1~8のいずれか一項に記載の触媒組成物。
  10. Cyが、メチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、トリメチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル及びペンタメチルシクロペンタジエニルから選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の触媒組成物。
  11. エチレンに由来する単位を含むポリマーを調製するための方法であって、
    (a)エチレンを含むモノマー組成物を提供する工程;
    (b)前記金属錯体を含む前記触媒組成物を提供する工程;
    (c)任意に、少なくとも1つのスカベンジャーを提供する工程;
    (d)任意に、少なくとも1つの活性化剤を提供する工程;及び
    (e)前記モノマー組成物の少なくとも一部を、前記触媒組成物と接触させて、ポリマーを生成する工程
    を含む、方法。
  12. 前記ポリマーが、エチレン/α-オレフィンコポリマーであり、前記モノマー組成物が、エチレンと、プロピレンと、好ましくはジシクロペンタジエン(DCPD)、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)、5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)、1,7-オクタジエン、1,8-ノナジエン、1,9-デカジエン及びそれらの組合せから選択される6~30個の炭素原子を有する少なくとも1つの非共役ジエンと、を含み、かつ、
    前記ポリマーが、好ましくは、200,000g/mol~600,000g/molの重量平均分子量を有する、請求項11に記載の方法。
  13. 請求項11又は請求項12に記載の方法によって得られるポリマー。
  14. 請求項11又は請求項12に記載の方法によって得られるポリマーの硬化ポリマーを含む物品。
  15. エチレンに由来する単位を含むポリマーを生成するための重合触媒としての、請求項1~10のいずれか一項で定義した金属錯体の使用。
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