JP2024512943A - 連続的なプライマー伸長による空間的なマッピング - Google Patents

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    • C12Q1/6806Preparing nucleic acids for analysis, e.g. for polymerase chain reaction [PCR] assay

Abstract

本明細書において提供されるのは、伸長可能な末端を有する核酸分子の集団と;(i)核酸分子の伸長可能な末端に相補的な結合配列、(ii)固有粒子識別子配列、及び(iii)第1のテンプレート配列を含むヌクレオチド配列を各々が有する第1のセットのバーコード付加された粒子と、(i)第1のテンプレート配列、及び(ii)固有粒子識別子配列を含むヌクレオチド配列を各々が有する第2のセットのバーコード付加された粒子と、を含む、プローブシステムである。使用において、第1のセットのバーコード付加された粒子をテンプレートとして使用する核酸分子の伸長は、粒子の固有粒子識別子配列の相補体及び第1のテンプレート配列の相補体を含有する伸長産物を産生する。細胞試料中又は細胞試料上の結合事象をマッピングするためにプローブシステムを使用する方法もまた提供される。

Description

相互参照
本出願は、2021年3月30日に出願された米国仮出願第63/168,132号の利益を主張し、該出願は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
試料及び分子インデックスは、今日のゲノミクスワークフローの多くにおいて一般的に用いられる。試料インデックス付けは、試料が多重化の方法でシークエンシング及び分析されることを可能にする一般的に使用されるアプローチである。試料インデックス付け方法において、特定の試料中の全ての核酸は同じ配列タグで標識され、タグ付加されたライブラリーは、異なるバーコードでタグ付加された他のライブラリーと共にプールされ、プールは、単一のシークエンシングランにおいて並列でシークエンシングされる。次に、分析の間に、試料特異的インデックスにより、ソフトウェアは、多重化された配列データを試料特異的データセットに分離することが可能となる。分子インデックス付けの目標は、他方で、PCR増幅前に試料中の各分子に固有の配列でタグ付加することである。これらの方法において、出発試料中の各核酸は固有の分子インデックスでタグ付加され、配列分析ソフトウェアで重複リード(すなわち、同じ分子のコピーからのリード)をフィルタリング除去し、インデックスを使用してPCR/シークエンシングのエラーを排除する。
本開示は、空間的な情報を提供するためにインデックスを用い、これは分子インデックスの新たな用途であると思われる。
本開示は、特に、(a)伸長可能な末端を有する核酸分子の集団と;(b)(i)(a)の核酸分子の伸長可能な末端に相補的な結合配列、(ii)固有粒子識別子配列、及び(iii)第1のテンプレート配列を含むヌクレオチド配列を各々が有する第1のセットのバーコード付加された粒子と;(c)(i)第1のテンプレート配列、及び(ii)固有粒子識別子配列を含むヌクレオチド配列を各々が有する第2のセットのバーコード付加された粒子と、を含む、プローブシステムを提供する。このプローブシステムにおいて、(b)の第1のセットのバーコード付加された粒子をテンプレートとして使用する(a)の核酸分子の伸長は、(a)(ii)の粒子の固有粒子識別子配列の相補体及び第1のテンプレート配列の相補体を含有する伸長産物を産生する。
後続する記載において、伸長可能な末端を有する核酸分子はプライマーであり、且つ方法は、プライマー伸長を使用して実行される。代替的な実施形態(図12~14に図示される)において、方法は、ギャップ充填/ライゲーション又はライゲーションベースの方法を使用して実行され得る。そのため、本システム及び方法は、プライマー伸長ベースの方法のみに限定されるべきではない。
いくつかの実施形態では、方法は、プライマー分子の第1の集団と第1のセットのバーコード付加された粒子をハイブリダイズさせる工程と;第1のセットのバーコード付加された粒子のヌクレオチド配列をテンプレートとして使用してハイブリダイズしたプライマー分子を伸長させて、第1のセットのバーコード付加された粒子中のバーコード付加された粒子からの固有粒子識別子配列の相補体及び第1のテンプレート配列の相補体を含有する第1のプライマー伸長産物を産生させる工程と;第1のセットのバーコード付加された粒子を除去する工程と;第2のセットのバーコード付加された粒子と第1のプライマー伸長産物をハイブリダイズさせる工程であって、第1のプライマー伸長産物中の第1のテンプレート配列の相補体が、第2のセットのバーコード付加された粒子中の第1のテンプレート配列にハイブリダイズする、工程と;第2のセットのバーコード付加された粒子のヌクレオチド配列をテンプレートとして使用して第1のプライマー伸長産物を伸長させて、第1のセットのバーコード付加された粒子中のバーコード付加された粒子からの固有粒子識別子配列、第1のテンプレート配列、及び第2のセットのバーコード付加された粒子中のバーコード付加された粒子からの固有粒子識別子配列を含有する第2のプライマー伸長産物を産生する工程と、を含む。
プローブシステムは、細胞試料における結合事象のマップを作成する方法において用いられ得る。実施形態では、この方法は、(a)i.細胞中又は細胞上の部位に結合したプライマー分子を含有する試料;ii.(i)プライマー分子の3’末端に相補的なプライマー結合配列、(ii)固有粒子識別子配列、及び(iii)第1のテンプレート配列を含むヌクレオチド配列を各々が有する第1のセットのバーコード付加された粒子;iii.(i)第1のテンプレート配列、及び(ii)固有粒子識別子配列を含むヌクレオチド配列を各々が有する第2のセットのバーコード付加された粒子を得る工程と;(b)第1のセットのバーコード付加された粒子を試料と特異的にハイブリダイズさせる工程であって、第1のセットのバーコード付加された粒子の少なくとも一部のヌクレオチド配列が少なくとも2つのプライマー分子にハイブリダイズする、工程と;(c)工程(b)におけるバーコード付加された粒子にハイブリダイズしたプライマーを、プライマーがハイブリダイズしたヌクレオチド配列をテンプレートとして使用して伸長させて、第1の固有粒子識別子配列を各々が含む第1のプライマー伸長産物を産生させる工程と;(d)第1のセットのバーコード付加された粒子を試料から除去する工程と;(e)第2のセットのバーコード付加された粒子を(c)の第1のプライマー伸長産物と特異的にハイブリダイズさせる工程であって、第2のセットのバーコード付加された粒子の少なくとも一部のヌクレオチド配列がプライマー伸長産物の少なくとも2つの分子にハイブリダイズする、工程と;(f)工程(e)におけるバーコード付加された粒子にハイブリダイズした第1のプライマー伸長産物を、プライマーがハイブリダイズしたヌクレオチド配列をテンプレートとして使用して伸長させて、2つの固有粒子識別子配列を含む第2のプライマー伸長産物を産生させる工程と;(g)いずれの固有粒子識別子配列又はその相補体が第2のプライマー伸長産物中にあるのかを決定する工程と;(h)第2のプライマー伸長産物中にある固有粒子識別子配列を使用してプライマーの相対的な位置のマップを作成する工程と、を含んでもよい。
代替的な実施形態は、(a)プライマー分子の集団と;(b)(i)(a)のプライマー分子の3’末端に相補的なプライマー結合配列、(ii)固有粒子識別子配列、及び(iii)第1のテンプレート配列を含むヌクレオチド配列を各々が有するバーコード付加された粒子のセットと;(c)第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを含むライゲーションスプリントであって、第1のオリゴヌクレオチドが第1の配列及び第1のテンプレート配列を含み;且つ第2のオリゴヌクレオチドが、第1の配列に相補的な第2の配列、及び第1のテンプレート配列を含む、ライゲーションスプリントと、を含む、プローブシステムを伴う。
代替的なプローブシステムは、i.(b)のバーコード付加された粒子のセットを(a)のプライマー分子の集団とハイブリダイズさせる工程と、ii.ハイブリダイズしたプライマー分子を、ヌクレオチド配列をテンプレートとして使用して伸長させて、i.バーコード付加された粒子からの固有粒子識別子配列の相補体及びii.第1のテンプレート配列の相補体を含有する第1のプライマー伸長産物を産生させる工程と;iii.バーコード付加された粒子を除去する工程と;iv.第1のプライマー伸長産物をライゲーションスプリントとハイブリダイズさせる工程であって、2つの近位の第1のプライマー伸長産物中の第1のテンプレート配列の相補体がライゲーションスプリントの第1及び第2の配列にハイブリダイズする、工程と;ハイブリダイズしたライゲーションスプリントの第1又は第2のオリゴヌクレオチドの少なくとも1つを第1のプライマー伸長産物にライゲートし、且つスプリント中のライゲートされた第1又は第2のオリゴヌクレオチドの3’末端を、ライゲーション産物中の第1のプライマー伸長産物をテンプレートとして使用して伸長させ、それにより2つの固有粒子識別子配列をプライマーに付加する工程と、を含む方法において使用され得る。
当業者は、以下に記載される図面が例示のみを目的としていることを理解するであろう。図面は、本教示の範囲を決して限定することを意図するものではない。
図1は、本開示のプローブシステムを図式的に示す。
図2は、プローブシステムが使用され得る方法を図式的に示す。
図3は、プライマー結合部位を有し、それにより伸長産物が増幅されることを可能とするプローブシステムを図式的に示す。
図4は、プライマーが繋がれる方法の一実施形態を図式的に示す。
図5は、アレイを産生するためにプローブシステムがどのように使用され得るのかを図式的に示す。
図6もまた、アレイを産生するためにプローブシステムがどのように使用され得るのかを示す。
図7は、図5及び図6に示されるアレイを使用して試料がどのように分析され得るのかを示す。
図8は、結合部位がどのように空間的に再構築され得るのかを図式的に示す。
図9A~9Cは、本方法の一実施形態のさらなる詳細を図式的に示す。 図9A~9Cは、本方法の一実施形態のさらなる詳細を図式的に示す。 図9A~9Cは、本方法の一実施形態のさらなる詳細を図式的に示す。
図10は、代替的なプローブシステム及びそれを使用する方法を図式的に示す。
図11は、図10に示される代替的なプローブシステムが使用され得る方法を図式的に示す。
図12は、本方法のギャップ充填/ライゲーションのインプリメンテーションを図式的に示す。
図13は、本方法のライゲーションベースバージョンを図式的に示し、核酸分子は「予め調製された」(pre-made)バーコードに取り付けられる。
図14は、バーコードをcDNAに付加するために使用され得る本方法のギャップ充填/ライゲーションバージョンを図式的に示す。
図15は、リピートの各々におけるヘアピンを使用するローリングサークル増幅産物を使用して方法がどのように実行され得るのかを図式的に示す。
図16は、図15の続きであり、プライマー伸長産物が定義されたヌクレオチドにおいて終了し、それにより、それが方法の次の工程においてプライマーとして使用されることを可能とするようにアッセイの1つの例が設計され得ることを示す。
図17は、プライマー伸長産物が定義されたヌクレオチドにおいて終了し、それにより、それが方法の次の工程においてプライマーとして使用されることを可能とするようにアッセイがどのように設計され得るのかの代替的な例を図式的に示す。
図18A~18Cは、各クラスター内のマーカーカウントの相関プロットを示す。CD3とHLA-DRとの間の不良な相関は、各クラスターは単一の細胞を表すことを示唆する。
図19は、力生成(force-generated)レイアウトアルゴリズムを使用したグラフ構成要素(クラスター)の視覚化である。異なる抗体タイプは区別され得る。
定義
例示的な実施形態をより詳細に説明する前に、説明で使用される用語の意味及び範囲を例示及び定義するために、以下の定義が記載される。
数値範囲は、範囲を定義する数を含む。別段示されない限り、核酸は、5’から3’への向きで左から右に書かれ、アミノ酸配列は、それぞれアミノからカルボキシへの向きで左から右に書かれている。
別段定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。Singleton,et al.,DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY,2D ED.,John Wiley and Sons,New York(1994)、及びHale&Markham,THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY,Harper Perennial,N.Y.(1991)は、本明細書で使用される用語の多くの一般的な意味を当業者に提供している。さらに、明確さ及び参照の容易さのために、特定の用語を以下に定義する。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。例えば、「プライマー」という用語は、1つ又はそれ以上のプライマー、すなわち、単一のプライマー及び複数のプライマーを指す。請求項は、任意の要素を除外するように起草され得ることにさらに留意されたい。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙、又は「否定的な」限定の使用に関連して、「もっぱら(solely)」、「のみ(only)」などの排他的な専門用語を使用するための先行詞としての役割を果たすことを意図している。
「ヌクレオチド」という用語は、公知のプリン塩基及びピリミジン塩基だけでなく、修飾された他の複素環塩基も含有する部分を含むことを意図している。そのような修飾としては、メチル化プリン又はピリミジン、アシル化プリン又はピリミジン、アルキル化リボース又は他の複素環が挙げられる。加えて、「ヌクレオチド」という用語は、ハプテン又は蛍光標識を含有し、従来のリボース及びデオキシリボース糖だけでなく、他の糖も含有し得る部分を含む。修飾ヌクレオシド又はヌクレオチドはまた、例えば、ヒドロキシル基の1つ又はそれ以上がハロゲン原子又は脂肪族基で置き換えられ、エーテル、アミンなどとして官能化される、糖部分の修飾も含む。
「核酸」及び「ポリヌクレオチド」という用語は、本明細書では互換的に使用され、ヌクレオチド、例えば、デオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドで構成される任意の長さ、例えば、約2塩基超、約10塩基超、約100塩基超、約500塩基超、1000塩基超、最大約10,000又はそれ以上の塩基のポリマーを説明し、酵素的又は合成的に産生され得(例えば、米国特許第5,948,902号明細書及びそこに引用されている参考文献に記載されているようなPNA)、2つの天然に存在する核酸の配列と類似の配列特異的に天然に存在する核酸とハイブリダイズすることができ、例えば、ワトソン-クリック塩基対合相互作用に関与することができる。天然に存在するヌクレオチドには、グアニン、シトシン、アデニン、チミン、ウラシル(それぞれG、C、A、T、及びU)が挙げられる。DNA及びRNAは、それぞれデオキシリボース及びリボース糖骨格を有するが、PNAの骨格は、ペプチド結合によって連結された反復N-(2-アミノエチル)-グリシン単位で構成される。PNAでは、様々なプリン塩基及びピリミジン塩基がメチレンカルボニル結合によって骨格に連結される。ロックド核酸(LNA)は、しばしばアクセス不能RNAと呼ばれ、修飾RNAヌクレオチドである。LNAヌクレオチドのリボース部分は、2’酸素と4’炭素を接続する余分な架橋で修飾されている。架橋は、A型二重鎖に多く見られる3’-エンド(ノース)コンホメーションでリボースを「ロック」する。LNAヌクレオチドは、所望されるときはいつでもオリゴヌクレオチド中のDNA又はRNA残基と混合され得る。「非構造化核酸」又は「UNA」という用語は、安定性が低下した状態で互いに結合する非天然ヌクレオチドを含有する核酸である。例えば、非構造化核酸は、G’残基及びC’残基を含有し得、これらの残基は、天然に存在しない形態、すなわち、安定性が低下した状態で互いに塩基対を形成するが、天然に存在するC及びG残基とそれぞれ塩基対を形成する能力を保持するG及びCの類似体に対応する。非構造化核酸は、UNAの開示のために参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第20050233340号明細書に記載されている。
本明細書で使用される「オリゴヌクレオチド」という用語は、約2~200ヌクレオチド、最大500ヌクレオチド長のヌクレオチドの一本鎖多量体を意味する。オリゴヌクレオチドは、合成であってもよく、又は酵素的に調製されてもよく、いくつかの実施形態では、30~150ヌクレオチド長である。オリゴヌクレオチドは、リボヌクレオチドモノマー(すなわち、オリゴリボヌクレオチドであってもよい)又はデオキシリボヌクレオチドモノマーを含有し得る。オリゴヌクレオチドは、例えば、10~20、21~30、31~40、41~50、51~60、61~70、71~80、80~100、100~150、又は150~200ヌクレオチド長であり得る。
本明細書で使用される「プライマー」という用語は、核酸鎖に相補的なプライマー伸長産物の合成が誘導される条件下、すなわち、ヌクレオチド及び誘導剤、例えばDNAポリメラーゼの存在下で、適切な温度及びpHで配置された場合に、合成の開始点として作用することが可能なオリゴヌクレオチドを指す。プライマーは一本鎖であり得、誘導剤の存在下で所望の伸長産物の合成をプライミングするのに十分な長さでなければならない。プライマーの正確な長さは、温度、プライマーの供給源、及び方法の使用を含む多くの因子に依存する。例えば、診断用途では、標的配列又は断片の複雑さに応じて、オリゴヌクレオチドプライマーは、典型的には15~25又はそれを超えるヌクレオチドを含有するが、より少ないヌクレオチドを含有し得る。本明細書のプライマーは、特定の標的DNA配列の異なる鎖に実質的に相補的であるように選択される。これは、プライマーがそれらのそれぞれの鎖とハイブリダイズするのに十分に相補的でなければならないことを意味する。したがって、プライマー配列は、テンプレートの正確な配列を反映する必要はない。例えば、非相補的ヌクレオチド断片をプライマーの5’末端に結合させることができ、プライマー配列の残りは鎖に相補的である。あるいは、プライマー配列が鎖の配列とハイブリダイズし、それによって伸長産物の合成のためのテンプレートを形成するのに十分な相補性を有する限り、非相補的な塩基又はより長い配列をプライマーに散在させることができる。
「プライマー伸長産物」という用語は、プライマーの伸長の産物又はそれ自体がプライマー伸長産物である分子の伸長の産物を指す。「第1のプライマー伸長産物」という用語は、プライマーの伸長の産物である分子を指す。「第2のプライマー伸長産物」という用語は、第1のプライマー伸長産物を伸長させることにより得られる産物を指す。第2のプライマー伸長産物がシークエンシングされる場合、分子全体(又はそのほとんど)がシークエンシングされてもよく、その配列は、第1のプライマー伸長反応においてプライマーに付加された配列及び第2のプライマー伸長反応において第1のプライマー伸長産物に付加された配列を少なくとも含む。
「ハイブリダイゼーション」又は「ハイブリダイズする」という用語は、核酸鎖が、第2の相補的な核酸鎖との通常のハイブリダイゼーション条件下で、ホモ二重鎖又はヘテロ二重鎖のいずれかの安定な二重鎖にアニーリングしてそれを形成し、同じ通常のハイブリダイゼーション条件下で無関係の核酸分子と安定な二重鎖を形成しないプロセスを指す。二重鎖の形成は、ハイブリダイゼーション反応において2つの相補的な核酸鎖をアニーリングすることによって達成される。ハイブリダイゼーション反応は、ハイブリダイゼーション反応が起こるハイブリダイゼーション条件(しばしばハイブリダイゼーションストリンジェンシーと呼ばれる)を調整することによって高度に特異的にすることができ、その結果、2つの核酸鎖間のハイブリダイゼーションは、2つの核酸鎖が特定の配列中に実質的に又は完全に相補的な一定数のヌクレオチドを含有しない限り、安定な二重鎖、例えば、通常のストリンジェンシー条件下で二本鎖の領域を保持する二重鎖を形成しない。「通常のハイブリダイゼーション又は通常のストリンジェンシー条件」は、任意の所与のハイブリダイゼーション反応について容易に決定される。例えば、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,Inc.,New York、又はSambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照されたい。本明細書で使用される場合、「ハイブリダイズする」又は「ハイブリダイゼーション」という用語は、核酸の鎖が塩基対合を介して相補鎖と結合する任意のプロセスを指す。
核酸は、2つの配列が中程度~高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション及び洗浄条件下で互いに特異的にハイブリダイズする場合、参照核酸配列に「選択的にハイブリダイズ可能」であると見なされる。中程度及び高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件は、公知である(例えば、Ausubel,et al.,Short Protocols in Molecular Biology,3rd ed.,Wiley&Sons 1995、及びSambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Third Edition,2001 Cold Spring Harbor,N.Y.を参照されたい)。高ストリンジェンシー条件の一例には、50% ホルムアミド、5X SSC、5X デンハルト溶液、0.5% SDS、及び100ug/ml 変性担体DNA中、約42℃におけるハイブリダイゼーション、その後の室温における2X SSC及び0.5% SDS中での2回の洗浄、並びに42℃における0.1X SSC及び0.5% SDS中での2回のさらなる洗浄が挙げられる。
本明細書で使用される「配列決定」という用語は、ポリヌクレオチドの少なくとも10個の連続するヌクレオチドの同一性(例えば、少なくとも20個、少なくとも50個、少なくとも100個、又は少なくとも200個以上の連続するヌクレオチドの同一性)が得られる方法を指す。
「次世代配列決定」という用語は、例えば、Illumina、Life Technologies、BGI Genomics(Complete Genomics technology)、及びRocheなどによって現在用いられている、いわゆる並列化された合成による配列決定又はライゲーションによる配列決定のプラットフォームを指す。次世代配列決定方法はまた、ナノポア配列決定方法又は電子検出に基づく方法、例えばLife Technologiesによって商品化されたIon Torrent技術を含み得る。
本明細書で使用される「二重鎖」又は「二重鎖の」という用語は、塩基対合した、すなわち、互いにハイブリダイズしている2つの相補的なポリヌクレオチドを説明する。
「決定する」、「測定する」、「評価する」、「調査する」、「アッセイする」、及び「分析する」という用語は、測定の形態を指すために本明細書では互換的に使用され、要素が存在するか否かを決定することを含む。これらの用語は、定量的及び/又は定性的決定の両方を含む。調査は、相対的又は絶対的であり得る。
本明細書で使用される「ライゲーションする」という用語は、第1のDNA分子の5’末端の末端ヌクレオチドと第2のDNA分子の3’末端の末端ヌクレオチドの酵素によって触媒される連結を指す。
「複数」、「組」、及び「集団」という用語は、少なくとも2つのメンバーを含有するものを指すために互換的に使用される。特定の場合には、複数は、少なくとも10、少なくとも100、少なくとも1000、少なくとも10,000、又は少なくとも100,000個のメンバーを有することができる。
「プライマー結合部位」は、標的ポリヌクレオチド又は断片においてオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする部位を指す。オリゴヌクレオチドがプライマーのために結合部位を「提供する」場合、プライマーは、そのオリゴヌクレオチド又はその相補体にハイブリダイズし得る。
本明細書で使用される「鎖」という用語は、共有結合、例えば、ホスホジエステル結合によって互いに共有結合的に連結したヌクレオチドで構成される核酸を指す。
本明細書で使用される「伸長する」という用語は、ポリメラーゼを使用したヌクレオチドのライゲーション又は付加による核酸の伸長を指す。ポリヌクレオチドにアニーリングされた核酸が伸長すると、ポリヌクレオチドは、伸長反応のためのテンプレートとして作用する。これらの実施形態では、核酸は、テンプレート依存性ポリメラーゼにより、又はスプリントとして作用するポリヌクレオチドに相補的なオリゴヌクレオチドへのライゲーションにより伸長され得る。
「伸長させる」という用語は、3’末端又は5’末端における伸長を含む。プライマー伸長、ライゲーション及びギャップ充填ライゲーション反応は伸長の種類である。
「伸長可能な5’又は3’末端」という用語は、両方ともライゲーションにより伸長可能である、それぞれ5’リン酸及び3’ヒドロキシルを指す。3’ヒドロキシルはまたポリメラーゼにより伸長可能である。
「テンプレートとして」という用語は、本明細書において使用される場合、以下を指す:(a)1つの鎖がポリメラーゼによるヌクレオチドの付加のためのテンプレートとして作用するプライマー伸長反応、(b)1つの鎖が2つの核酸分子をライゲートして一緒にするためのテンプレート(又は「スプリント」)として作用するスプリントライゲーション。ライゲーション反応において、両方の分子はテンプレートにハイブリダイズし、ライゲートされる。ライゲーションは、核酸分子の5’末端又は核酸分子の3’末端において起こることができる。並びに(c)ギャップ充填/ライゲーション反応。ギャップ充填/ライゲーション反応において、2つの核酸は、間にあるギャップと共にテンプレートにハイブリダイズする。1つの核酸分子はプライマー伸長により他の核酸分子に向けて伸長され、次に産物の3’末端は他の核酸にライゲートされる。本明細書で使用される場合、「ローリングサークル増幅」又は略して「RCA」という用語は、鎖置換ポリメラーゼを使用して環状核酸テンプレートの線形コンカテマー化コピーを生成する等温増幅を指す。RCAは分子生物学分野で周知であり、限定はしないが、Lizardi et al(Nat.Genet.1998 19:225-232)、Schweitzer et al(Proc.Natl.Acad.Sci.2000 97:10113-10119)、Wiltshire et al(Clin.Chem.2000 46:1990-1993)、及びSchweitzer et al(Curr.Opin.Biotech 2001 12:21-27)を含む様々な刊行物に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、「ローリングサークル増幅産物」という用語は、ローリングサークル増幅反応のコンカテマー化産物を指す。
本明細書で使用される場合、「表面」という用語は、細胞、又は細胞に由来する生体分子、例えばタンパク質、核酸、脂質、オリゴ/多糖類、生体分子複合体、細胞オルガネラ、細胞残屑、又は排泄物(エキソソーム、微小胞)などの任意の組合せを含有し得る任意の固体材料(例えば、ガラス、金属、セラミック、有機ポリマー表面、又はゲル)を指す。組織ブロット、ウェスタンブロット、及びガラススライドは、表面を有する固体材料の例である。細胞、例えば、哺乳動物細胞の懸濁液は、表面の別の例である。
本明細書で使用される場合、「スプリント」という用語は、2つの他のオリゴヌクレオチドの末端にハイブリダイズし、それらの末端を一緒にして、ライゲーション可能な接合部、又はギャップ充填/ライゲーション反応により充填可能なギャップを産生するオリゴヌクレオチドを指す。
本明細書において使用される場合、「バーコード付加された粒子」という用語は、バーコード付加されたRCA産物及びバーコード付加されたナノ粒子の両方を指すことが意図され、バーコード付加された粒子の集団中の粒子は、固有粒子識別子配列、すなわち、粒子がそれらの固有識別子配列により互いから区別され得るように各粒子にとって固有である配列を用いて各々別々にバーコード付加される。
他の用語の定義は、本明細書全体にわたって出現する場合がある。
様々な実施形態が説明される前に、本開示の教示は、説明された特定の実施形態に限定されず、したがって当然のことながら変化し得ることが理解されるべきである。本教示の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
本明細書で使用されるセクションの見出しは、構成上の目的のためだけであり、決して記載された主題を限定するものと解釈されるべきではない。本教示は様々な実施形態に関連して説明されているが、本教示がそのような実施形態に限定されることを意図するものではない。逆に、本教示は、当業者によって理解されるように、様々な代替物、改変物、及び均等物を包含する。
別段定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載の方法及び材料と同様又は同等の任意の方法及び材料も本教示の実践又は試験に使用することができるが、いくつかの例示的な方法及び材料をここで説明する。
任意の刊行物の引用は、出願日前のその開示のためであり、本特許請求の範囲が先行発明によってそのような刊行物に先行する権利がないことの承認として解釈されるべきではない。さらに、提供される公開日は、実際の公開日とは異なり得、実際の公開日は、自主的に確認されることを必要とし得る。
本開示を読めば当業者には明らかなように、本明細書に記載及び図示された個々の実施形態の各々は、本教示の範囲又は精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され又はそれらと組み合わせられ得る個別の構成要素及び特徴を有する。任意の列挙された方法は、列挙された事象の順序で、又は論理的に可能な任意の他の順序で実行することができる。
本明細書で言及される全ての特許及び刊行物(そのような特許及び刊行物内に開示される全ての配列を含む)は、参照により明示的に組み込まれる。
本発明のある特定の態様がより詳細に記載される前に、図は、RCA産物を用いる本プローブシステム及び方法の実施形態を示すことに留意することは重要である。以下に記載されるように、図に示される原理は、バーコード付加されたナノ粒子に容易に応用可能であり、そのため、本発明は、図に記載されるものに限定されるべきではない。追加的に、RCA産物リピートの1つのみが図に示されている。周知のように、バーコード付加されたRCA産物(及びバーコード付加されたナノ粒子)は、少なくとも10個、少なくとも50個、少なくとも100個、少なくとも500個又は少なくとも1,000個の分子のリピート(RCA産物において連結されているか、又はナノ粒子の表面に繋がれている)を含有し得る。
さらに、本プローブシステム及び方法はプライマー伸長アッセイ(図2に示されている)として実行される必要はないことが認識される。図12~14に示されるように、方法は、ギャップ充填/ライゲーション又はライゲーションアッセイを使用して実行されてもよく、これらの両方は、バーコード付加された粒子をテンプレートとして使用して核酸分子の5’末端を伸長させることを伴うことができる。そのため、以下の記載は、プライマー伸長を用いる実施形態に集中しているが、以下に記載されるプライマー伸長ベースの実施形態は、方法がどのように実行され得るのかの単なる例であることが認識されるべきである。
本プローブシステムのいくつかの原理を図1に示す。図1に関して、プローブシステムは、プライマー分子2(示されるように、配列C-BS1’の3’末端を有する)の集団を含んでもよい。以下により詳細に記載されるように、プライマー分子は、例えば、3’末端にプライマー配列を有する合成オリゴヌクレオチド又はcDNA分子であり得る。いくつかの実施形態では、プライマー分子は、結合剤(例えば、オリゴヌクレオチドプローブ、抗体、アプタマーなど)に連結されていてもよく、他の実施形態では、プライマー分子は、オリゴヌクレオチドの3’末端が基材に対して遠位にあり、ポリメラーゼにより伸長されることが可能である、ローン(lawn)としての平坦な基材に連結され得る。図示されるように、プローブシステムはまた、第1のセットのバーコード付加された粒子4及び第2のセットのバーコード付加された粒子12を含む。示されるように、第1のセットのバーコード付加された粒子4中の粒子の各々は、プライマー分子2の3’末端に相補的なプライマー結合配列6(C-BS1)の他に、固有粒子識別子配列8(UMI1)、及び第1のテンプレート配列10(C-BS2)を含むヌクレオチド配列を有する。第2のセットのバーコード付加された粒子12中の粒子の各々は、第1のテンプレート配列10(すなわち、第1の粒子のセットにおけるものと同じテンプレート配列、C-BS2)、及び固有粒子識別子配列14(UMI2)を含むヌクレオチド配列を有する。示される実施形態では、第2のセットのバーコード付加された粒子のヌクレオチド配列はプライマー結合配列6(CBS1)を含有しない。しかしながら、他の実施形態では、第2のセットのバーコード付加された粒子のヌクレオチド配列はプライマー結合配列6(CBS1)を含有し得る。このプローブシステム(図2に示されている)において、第1のセットのバーコード付加された粒子4をテンプレートとして使用するプライマー分子2の伸長は、第1のセットのバーコード付加された粒子の粒子の固有粒子識別子配列の相補体18(すなわち、UMI1の相補体、又はUMI1’)及び第1のテンプレート配列の相補体20(C-BS2の相補体である、C-BS2’)を含有する第1のプライマー伸長産物16を産生する。以下により詳細に記載されるように、プライマー伸長産物16の3’末端は、第2のセットの粒子の第1のテンプレート配列10にハイブリダイズすることができる。示されるように、第2のセットのバーコード付加された粒子からの粒子をテンプレートとして使用するプライマー伸長産物16の3’末端の伸長は、第1のセットの粒子からの固有粒子識別子配列の相補体18、第1のテンプレート配列の相補体20、及び第2のセットの粒子からの固有粒子識別子配列の相補体24を含有する第2のプライマー伸長産物22を結果としてもたらす。いくつかの実施形態では、第1のテンプレート配列の直ちに下流に内部ヘアピンがあり得る。
いくつかの実施形態では、第1及び第2のセットのバーコード付加された粒子は、ローリングサークル増幅(RCA)産物又はバーコード付加されたナノ粒子であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1及び第2のセットのバーコード付加された粒子はRCA産物であってもよく、第1及び第2のセットのバーコード付加された粒子はバーコード付加されたナノ粒子であってもよく、又は第1のセットのバーコード付加された粒子はRCA産物若しくはバーコード付加されたナノ粒子であってもよく、且つ第2のセットのバーコード付加された粒子は他のタイプであってもよい。
バーコード付加された粒子がRCA産物である実施形態では、RCA産物の各々は、リピート配列中にある固有の配列を含有する。換言すれば、1,000個のRCA産物がある場合、各産物は固有の配列(本明細書において固有分子識別子「UMI」又は固有識別子「UID」として参照される)を有する。1つの粒子のためのUIDは他の粒子のためのUIDとは異なる。RCA産物は、例えば、縮重配列を有する初期オリゴヌクレオチドを合成し、スプリントを使用して初期オリゴヌクレオチドを環状化し、環状化オリゴヌクレオチドをRCAによって増幅することによって調製することができる。いくつかの実施形態では、初期オリゴヌクレオチドは、必要とされる固有のRCA産物の数に応じて、6~10ヌクレオチド、又はさらに多くのランダムヌクレオチドの縮重(例えば、ランダム)配列を含有し得る。縮重配列を有する環状化オリゴヌクレオチドの増幅は、各々が固有識別子(すなわち、集団中の他のRCA産物とは異なる配列)を有するRCA産物の集団を産生するはずである。固有識別子を有するRCA産物を生成するための方法は、例えば、Wu et al(Nat.Comm.2019 10:3854)及び米国特許出願公開第20160281134号明細書に記載されており、本明細書での使用に容易に適合される。いくつかの実施形態では、RCA産物の第1及び第2のセットを調製するために使用される異なるオリゴヌクレオチドは、別々に調製され、次いで一緒に混合される。他の実施形態では、異なるオリゴヌクレオチドは、アレイの形態で平面支持体上に並行して調製され、次いでアレイから切断され得る。そのような方法の例は、例えば、Cleary et al.(Nature Methods 2004 1:241-248)及びLeProust et al.(Nucleic Acids Research 2010 38:2522-2540)に記載されている。いくつかの実施形態では、RCA産物の1つ又は両方は、ウラシルまたはチミンを含有してもよく、それにより、RCA産物が、UDG(ウラシルDNAグリコシラーゼ)及び脱プリン塩基部位においてホスホジエステル骨格を切断するAPリアーゼを含有するUSER(例えば、Bitinaite et al Nucleic Acids Res.2007 35:1992-2002を参照)により酵素的に分解されることを可能としてもよい。
バーコード付加された粒子がバーコード付加されたナノ粒子である実施形態では、バーコード付加されたナノ粒子は、オリゴヌクレオチド中でコーティングされた、小さいビーズ又は金属粒子などであり、各粒子上の表面で繋がれたオリゴヌクレオチドは、集団中の他の粒子に繋がれたオリゴヌクレオチド中にある配列とは異なる固有の配列を有する。換言すれば、1,000個のバーコード付加された粒子がある場合、各粒子に繋がれたオリゴヌクレオチドは固有の配列(本明細書において固有分子識別子「UMI」又は固有識別子「UID」として参照される)を有する。1つの粒子のためのUIDは他の粒子のためのUIDとは異なる。これらの粒子は、任意の好適なサイズ、材料及び形状のものであることができる。多くの実施形態では、粒子は10nm~200nmのサイズを有する。金粒子(例えば1.8nm~1500nmの範囲内の任意の直径に容易にされ得る)が使用され得るが、粒子はまた、銀、シリカ、二酸化チタン、カーボン、ポリマー(例えばポリスチレン、ポリアクリレートなど)、アガロースなどから作られ得る。鉄及び様々な合金の磁気粒子もまた使用され得る(Creative Diagnostics、Shirley、NY、USA)。粒子は磁気的である必要はないが、磁気ナノスフェアがいくつかの場合において使用され得る(Creative Diagnostics、Shirley、NY、USA)。金属表面が核酸に接合され得るように金属表面を機能化するためのいくつかの表面化学がある。例えば、粒子は、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、スルホ-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、ハロ置換フェノールエステル、ペンタフルオロフェノールエステル、ニトロ置換フェノールエステル、無水物、イソシアネート、イソチオシアネート、イミドエステル、マレイミド、ヨードアセチル、ヒドラジド、アルデヒド、又はエポキシドを含むが、これらに限定されない、反応性基を含有するように修飾され得る。他の好適な基は当分野において公知であり、例えば、Hermanson,「Bioconjugate Techniques」 Academic Press,2nd Ed.,2008において記載されるものであり得る。最も一般的に使用される捕捉剤反応性基はNHS(アミン反応性)及びマレイミド(スルフヒドリル反応性)であるが、多くの他のものが使用され得る。粒子はまた、ビオチン化された核酸に結合することができるストレプトアビジン中に被覆され得る。いくつかの実施形態では、バーコード付加された粒子はエマルションPCRにより調製されてもよく、該方法は、他の応用のために成功裏に使用されており、例えば、Kanagal-Shamanna et al(Methods Mol Biol 2016 1392:33-42)及びShao et al(PlosOne 2011 0024910)に記載されている。いくつかの実施形態では、バーコード付加された粒子の核酸は、ウラシルを含有してもよく、それにより、それらが、上記に議論されるように、USERを使用して切断されることを可能としてもよい。
任意の実施形態では、プライマー分子2は、バーコード付加された粒子の核酸のいずれにもハイブリダイズしない5’テイルを含有し得る。5’テイルは、プライマー結合部位(例えば、フォワードプライマー用)及びプロトコールにおいて後に使用され得る標的識別子配列を含有し得る。上述のように、プライマー分子は、10~200ヌクレオチドの長さの、合成の、人工的なオリゴヌクレオチドであり得る。これらの実施形態のいくつかにおいて、プライマー分子は、結合剤(例えば、オリゴヌクレオチドプローブ、抗体、アプタマーなど)に連結され得る。これらの実施形態では、プライマー分子はcDNAではない。いくつかの実施形態では、プライマー分子は、3’末端にプライマー配列、すなわち、プライマーとして役立つことができる付加された配列を有するcDNA分子を含有し得る。これらの実施形態では、cDNAは、例えば、逆転写プライマー(例えば、オリゴ(dT)、ランダム配列又は遺伝子特異的配列から構成される3’末端を有し、RNAにハイブリダイズしない5’末端を任意選択的に有し得、PCRプライマー用の結合部位を提供する配列を含有し得るプライマー)をRNA、例えば、インサイチュで試料中にあるRNAにハイブリダイズさせることにより調製され得る。逆転写プライマーは、cDNA産物を産生するためにインサイチュで(NTP、逆転写酵素及び任意の他の必要な試薬を含有する反応において)伸長されて、第1鎖cDNAを産生することができる。プライマー配列は、テンプレートスイッチング(例えば、Zhu et al BioTechniques 2001 30:892-7を参照)、3’アダプターのライゲーション、又は、例えば、ターミナルトランスフェラーゼによる、テイル付加によりcDNAに付加され得る。上記に指し示されるように、cDNAの実施形態では、cDNAは、インサイチュで調製され得、そのため、プライマーは組織切片中又は組織切片上にあり得る。他の実施形態では、プライマー分子は、平坦な基材に、例えば、「ローン」を形成するようにそれらの5’末端を介して連結され得る。
プライマー分子が結合剤に連結され得る実施形態では、結合剤は、例えば、オリゴヌクレオチドプローブ、抗体、又はアプタマーであり得る。これらの実施形態では、プライマー分子は、結合剤が結合する標的を同定する配列を追加的に含有し得る。例えば、プライマーが抗体に連結される場合、プライマーは、プライマーの5’末端(任意のプライマー配列の下流)に抗体の名称又は抗体が結合する標的(例えば、エピトープ)を同定する標的識別子配列を追加的に含有し得る。そのため、いくつかの実施形態では、プライマーは、捕捉剤、例えば、抗体又はアプタマー及び一本鎖プライマーに非共有結合的に(例えば、ストレプトアビジン/ビオチン相互作用を介して)又は共有結合的に(例えば、クリック反応などを介して)連結されたプライマーが、捕捉剤がその結合部位に依然として結合できるようになっている、捕捉剤-プライマーコンジュゲートの部分であり得る。オリゴヌクレオチド及び捕捉剤は、システイン反応性であるマレイミド又はハロゲン含有基を使用する方法を含む、いくつかの異なる方法を介して連結され得る。捕捉剤及びオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの5’末端の近位若しくは5’末端で、オリゴヌクレオチドの3’末端の近位若しくは3’末端で、又はその間のどこにでも連結され得る。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、捕捉剤からオリゴヌクレオチドを離間させるリンカーによって捕捉剤に連結され得る。オリゴヌクレオチドは、任意の好都合な方法(例えば、Gong et al.,Bioconjugate Chem.2016 27:217-225、及びKazane et al.Proc Natl Acad Sci 2012 109:3731-3736参照)を使用して捕捉剤に連結することができる。上記されるように、結合剤にコンジュゲートされたプライマーの配列は、結合剤が結合するエピトープ又は配列を固有に同定する。例えば、方法が10個の異なる抗体を使用して実施される場合、各抗体は、抗体が結合するエピトープを同定する配列を含有する異なるプライマーに繋がれる。この特徴は、方法が多重化されることを可能にし、いくつかの実施形態では、細胞内又は細胞の表面上の異なるマーカーに結合する少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、又は少なくとも50個の異なる抗体を方法に使用することができる。各抗体は、異なる標的識別子配列にコンジュゲートされ、抗体識別子配列は、特定の抗体の結合事象をマッピングすることを可能にする。そのようなタグ化抗体は、例えば、Wu et al(Nat.Comm.2019 10:3854)及び米国特許出願公開第20160281134号明細書などに記載されている。
プライマー分子が平坦な基材に連結され得る実施形態では、基材は、例えば、例えば、ホスホロアミダイト化学を使用して、合成的にプライマー分子を調製すること、及びプライマー分子を平坦な支持体、例えば、ガラススライドなどに、5’末端により、その化学は周知であるように繋ぐことにより調製され得る。
任意の実施形態では、プライマー分子2は、フォワードプライマー配列30を有する5’テイルを有してもよく、第2のセットのバーコード付加された粒子12のヌクレオチド配列は、図3に示されるように、固有粒子識別子配列14の下流にリバースプライマー配列32を有する。この実施形態において(及び図4に示されるように)、第2のプライマー伸長産物は、フォワード及びリバースプライマー配列を有し、それにより、産物はPCRにより増幅されることが可能となる。
本明細書に記載される核酸分子の構成要素部分の長さは変動し得る。いくつかの実施形態では、プライマー結合配列6(C-BS1)にハイブリダイズするプライマーの部分は、少なくとも10ヌクレオチドの長さ、例えば、12~50ヌクレオチドの長さであり得、UMI配列は、少なくとも5ヌクレオチドの長さ、例えば、6~20ヌクレオチドの長さであり得、第1のテンプレート配列10は、少なくとも10ヌクレオチドの長さ、例えば、12~50ヌクレオチドの長さであり得る。
任意の実施形態では、第1及び第2のセットのバーコード付加された粒子の各々は、それらの粒子識別子配列により各々固有に識別可能である、少なくとも10個のメンバー(例えば、少なくとも100、少なくとも1,000、少なくとも10,000、少なくとも100,000、少なくとも1M、少なくとも10M、少なくとも100M、少なくとも1B又は少なくとも10B個のメンバー)を含み得る。いくつかの実施形態では、第1及び第2のセットのバーコード付加された粒子中のバーコード付加された粒子の核酸配列は、それらの粒子識別子配列を除いて互いに同一であり得る。
本プローブシステムを使用してプライマーに固有粒子識別子配列を付加する方法もまた提供される。この方法の原理を図2に示す。これらの実施形態では、方法は、第1のセットのバーコード付加された粒子4をプライマー分子2の集団とハイブリダイズさせる工程と、ハイブリダイズしたプライマー分子を、第1のセットのバーコード付加された粒子のヌクレオチド配列をテンプレートとして使用して伸長させて、i.第1のセットのバーコード付加された粒子中のバーコード付加された粒子からの固有粒子識別子配列の相補体18及びii.第1のテンプレート配列の相補体20を含有する第1のプライマー伸長産物16を産生させる工程を含み得る。次に、第1のセットのバーコード付加された粒子は、例えば、変性及び洗浄で、又は例えば第1のバーコード付加された粒子中のチミジンの代わりにウラシル残基を組み込み、例えば、ウラシル-n-グリコシラーゼ酵素及び脱プリン塩基部位において特異的にホスホジエステル結合を切断することができるAPリアーゼを含有するUSER(NEB)を使用して、産物を酵素的に処理し、それにより、第1のバーコード付加された粒子を分解して、伸長されたプライマーを解放させることにより、除去され、これらの実施形態では、プライマー2(及びそのためプライマー伸長産物16)は、(例えば、捕捉剤を介して)支持体又は試料に繋がれ得、そのため、第1のセットのバーコード付加された粒子は、試料又は支持体からプライマー又はプライマー伸長産物を除去することなくストリンジェントな洗浄条件に供され得る。さらに、第1のプライマー伸長産物は、正確な位置(すなわち、第1のテンプレート配列の末端)で終了していてもよく、これは、その位置において制限酵素用の部位を操作し、次に産生された後に制限酵素でプライマー伸長産物(二本鎖である)を消化することにより、又は遮断性オリゴヌクレオチドを第1のテンプレート配列の直ちに下流の配列にハイブリダイズさせることにより、又はポリメラーゼが停止することを引き起こす第1のテンプレート配列の直ちに下流の内部ヘアピンを設計することにより為される。これらの後者の実施形態では、ポリメラーゼ(非鎖置換性ポリメラーゼであるべきである)は、遮断性オリゴヌクレオチド又はヘアピンに入ったときに合成を終了させるべきである。定義された部位において核酸合成を終了させるための代替的な方法を図15~17に図式的に示す。図15は、ヘアピンループを含有するRCA産物を示す。これらのヘアピンループは、制限酵素により切断されて、平滑末端として、又はオーバーハングと共に、5’及び3’末端を解放させることができる。図16は、プライマー伸長が産物中の定義された部位においてどのように終了され得るのかを示す。この実施形態では、ヘアピンは消化されて平滑末端又はオーバーハングを産生するが、RCA産物は複合体として一緒に留まる。RCA産物は次に、コンジュゲートされたオリゴヌクレオチドにハイブリダイズし、鎖置換DNAポリメラーゼ(例えば大腸菌(Ecoli)DNAポリメラーゼIのクレノー断片)はRCA産物からバーコードをコピーし、ヘアピンを置換し、テンプレート末端で天然に終了する。そのプライマー伸長産物は次に、次のピクセルのセットにおいてプライマーとして使用され得る。ヘアピンの制限酵素切断は、オリゴヌクレオチドへのRCA産物のハイブリダイゼーションの前又は後に行われ得る。図17は、依然として二本鎖でありながら、調製された後に伸長産物を消化することにより、定義された末端がどのように産生され得るのかを示す。
次に、方法は、第1のプライマー伸長産物16を、第2のセットのバーコード付加された粒子12とハイブリダイズさせることを含み得、第1のプライマー伸長産物中の第1のテンプレート配列の相補体20は、第2のセットのバーコード付加された粒子中の第1のテンプレート配列にハイブリダイズする。次に、方法は、第2のセットのバーコード付加された粒子のヌクレオチド配列をテンプレートとして使用して第1のプライマー伸長産物を伸長させて、第1のセットのバーコード付加された粒子中のバーコード付加された粒子からの固有粒子識別子配列18、第1のテンプレート配列20、及び第2のセットのバーコード付加された粒子中のバーコード付加された粒子からの固有粒子識別子配列20を含有する第2のプライマー伸長産物を産生させることを含む。
図3に示されるように、プライマー分子2はフォワードプライマー配列を有し得、第2のセットのバーコード付加された粒子12のヌクレオチド配列は固有粒子識別子配列の下流のリバースプライマー配列を有し得る。これらの実施形態では、第1のプライマー伸長産物16は、5’末端にフォワードプライマー配列を含有するべきであり、第2のプライマー伸長産物22は、5’末端にフォワードプライマー配列及び3’末端にリバースプライマー配列を含有するべきである。この実施形態では、方法は、フォワード及びリバースプライマー配列を標的化するプライマーを使用するPCRにより第2のプライマー伸長産物22を増幅させることを含み得る。図4は、プライマーが支持体又は試料のいずれかに繋がれる方法の一実施形態を示す。
いくつかの実施形態では、方法は、第2のプライマー伸長産物、又はその増幅されたコピーをシークエンシングすることを含み得る。これらの実施形態では、各々の第2のプライマー伸長産物は、2つのバーコード付加された粒子のための固有識別子を含有するべきであり、それにより、いずれのバーコード付加された粒子が、異なるハイブリダイゼーション工程においてプライマーとハイブリダイズしたのかが同定される。いくつかの実施形態では、以下により詳細に記載されるように、方法は、第2のプライマー伸長産物中にある固有粒子識別子配列のペアを使用してプライマーの相対的な位置をマッピングすることを含み得る。
上述のように、いくつかの実施形態では、プライマーは、結合剤を介して細胞試料に取り付けられ得る。これらの実施形態では、第2のプライマー伸長産物中の固有粒子識別子は、細胞試料上の結合剤の相対的な位置を指し示す。この実施形態は図4に示される。図4に見ることができるように、これらの実施形態では、プライマーは標的同定配列を含み得る。図4に示される実施形態では、工程A及びBにおいて、プライマー分子は、標的識別子を含有し、例えば、結合剤を介して、試料に固定化される。この方法において、第1のセットのバーコード付加された粒子は、試料にハイブリダイズされ、プライマーがハイブリダイズした粒子からのUMI及びC-BS2配列の相補体は、ハイブリダイズした粒子をテンプレートとして使用してプライマー分子の末端にコピーされる。工程C及びDにおいて、第1のセットのバーコード付加された粒子は除去され、第2のセットの粒子はハイブリダイズされる。ハイブリダイゼーションの後に、プライマー伸長産物は伸長されて、第2のセットの粒子からのUMIをプライマー伸長産物の末端に付加する。プライマーの末端にコピーされたバーコードのペアは、試料中の異なるプライマーの相対的な位置を決定するために分析され得る。
上記に指し示されるように、代替的な実施形態では、方法は、ギャップ充填/ライゲーション及び/又はライゲーションベースのアプローチを使用して実行されてもよく、これらの実施形態では、核酸の5’末端は、(b)のバーコード付加された粒子をテンプレートとして使用してギャップ充填/ライゲーション又はライゲーション反応により伸長され得る。これらの実施形態を図12~14に図式的に示す。図12に関して、(上記されるように)結合剤にコンジュゲートされたプライマーの遊離3’末端から重合させることによりバーコード付加された粒子からバーコードをコピーする代わりに、5’リン酸を有する、抗体にコンジュゲートされたオリゴヌクレオチドの5’末端にバーコードをコピーするためにギャップ充填/ライゲーション反応が使用され得る。これらの実施形態は、例えば、T4 DNAポリメラーゼ及びT4 DNAリガーゼの組合せを使用して行われ得る。図13は、結合剤にコンジュゲートされたオリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端が、粒子のバーコードを含有する「予め調製された」分子にどのようにライゲートされ得るのかを示す。これらの実施形態では、バーコードは最初に、ギャップ充填/ライゲーション反応によりコピーされる。アッセイそれ自体の間に、抗体のオリゴヌクレオチドは、バーコードの予め調製されたコピーの5’末端又は3’末端にライゲートされる。この図において、オリゴヌクレオチドの5’末端はバーコードのコピーにライゲートされるが、これは逆に行うことが可能であり、すなわち、抗体に連結されたオリゴヌクレオチドは、UMIコピー配列の5’リン酸にライゲートされる遊離3’末端を有する。図14は、cDNAの5’末端がギャップ充填/ライゲーション反応を介してバーコードにどのように付加され得るのかを示す。この方法において、mRNAは逆転写反応(オリゴnd(T)プライマー、ランダムプライマー又は遺伝子特異的プライマーを使用する)においてコピーされ、cDNAが産生されたら、バーコードは、ギャップ充填ライゲーション反応を介してcDNAの5’末端に付加される。これら及び他のインプリメンテーションが想定され得る。
上述のように、いくつかの実施形態では、プライマー分子は、平坦な基材、例えば、ガラススライドなどに取り付けられ得る。これらの実施形態では、少なくとも10、10、10又は10個のプライマー分子が平坦な支持体に取り付けられ、上記される方法を使用して伸長され得る。この方法を図5に図式的に示す。この実施形態では、第1及び第2のセットのバーコード付加された粒子は、支持体50上のオーバーラップする区画中にある配列にハイブリダイズする。第1のプライマー伸長反応は、第1のセットのバーコード付加された粒子にハイブリダイズするプライマーに分子識別子を付加して、第1のプライマー伸長産物に対応する特徴部(features)52の第1のアレイを結果としてもたらす。示される例において、6つの特徴部58があり、その各々は、バーコード付加された粒子に対応し、異なる分子識別子を含有する。第1のプライマー伸長反応が完了した後に、第1のセットのバーコード付加された粒子は除去され、第2のセットのバーコード付加された粒子は基材にハイブリダイズされる。この工程において、第2のセットのバーコード付加された粒子は、第1のプライマー伸長産物とハイブリダイズするが、オーバーラップする方式において、第1のセットのバーコード付加された粒子にハイブリダイズする。ハイブリダイズした第2のセットのバーコード付加された粒子の伸長は、第2のセットのバーコード付加された粒子からの分子識別子を第1のプライマー伸長産物に付加して、第2のプライマー伸長産物に対応する特徴部56の第2のアレイを産生させる。例として、アレイ56において、特徴部60及び62は、第1のバーコード付加された粒子(特徴部58に対応する)からの同じ固有識別子を有するが、第2のバーコード付加された粒子からの異なる固有識別子を有する。
アレイを結果としてもたらす、方法のこの実施形態もまた図6に示される。図6に関して、方法は、固定化されたオリゴヌクレオチドを有する固体表面と共に開始し得る。工程1において、固定化されたオリゴヌクレオチドの遊離3’末端は、固有分子識別子を有する第1のセットのバーコード付加された粒子(例えば、RCA産物)に伸長される。この伸長工程は、第1のセットのバーコード付加された粒子からの固有分子識別子の相補体をオリゴヌクレオチドにコピーする。バーコード付加された粒子は次に除去される。工程2において、第2のセットのバーコード付加された粒子は表面に付加され、第2のランダムなバーコードを表面に有効に付加する。プライマー伸長産物は次に伸長され、第2のセットの粒子の識別子が初期伸長産物に組み込まれる。第2の識別子は、いずれの第1の識別子が近接しているのかに関する情報を提供する。第2の付加は、第1のものと部分的にのみオーバーラップを有するので、図6の下に示される、連結された識別子の空間的なマップを結果としてもたらす。アレイは次に、細胞又は組織試料中に結合した生体分子を捕捉するために使用可能であり、それにより生体分子の空間的な情報が提供され得る。分解能は粒子のサイズになると思われ、これは50~500nmであり得、他の方法の分解能を大きく凌ぐ。代替的に、試料中の生体分子の捕捉(例えばmRNA結合プローブ又はcDNA用のポリAプライマー)は、(プライマー伸長の前に)固定化されたオリゴヌクレオチドを含有する表面上で行われ得る。そのようなアレイの使用の例を図7に示す。
本プローブシステムは、細胞試料中又は細胞試料上の結合事象をマッピングするために使用され得る。この方法を図8に図式的に示す。これらの実施形態では、方法は、細胞中又は細胞上の部位に結合したプライマー分子を含有する試料を得る工程を含み得る。例えば、上記のように、この試料は、結合剤(例えば、オリゴヌクレオチドプローブ、抗体若しくはアプタマー)に取り付けられたプライマーを細胞中又は細胞上にある部位に結合させることにより、又は第1のプライマーを細胞中のRNAにハイブリダイズさせ、プライマーを伸長させてcDNAを調製し、且つ第2のプライマーをcDNAの5’末端に付加して、cDNAが本方法において使用されるプライマー分子となるようにすることにより、調製され得る。方法において使用される他の構成要素は、上記で議論されている第1のセットのバーコード付加された粒子、すなわち、図1に示されるように、プライマー分子の3’末端に相補的なプライマー結合配列、固有粒子識別子配列、及び第1のテンプレート配列を含むヌクレオチド配列を各々が有する粒子の他に、図1に示されるように、第1のテンプレート配列、及び固有粒子識別子配列を含むヌクレオチド配列を各々が有する第2のセットのバーコード付加された粒子を含む。任意の実施形態では、及び図1に示されるように、第2のセットのバーコード付加された粒子のヌクレオチド配列は、第1のセットのバーコード付加された粒子のヌクレオチド配列中にあるプライマー結合配列を欠いたものであり得る。そのため、任意の実施形態では、第2のセットのバーコード付加された粒子のヌクレオチド配列は、第1のセットのバーコード付加された粒子のヌクレオチド配列中にあるプライマー結合配列を欠いていてもよく、第1のテンプレート配列及び固有粒子識別子配列を含み得るが、第1のセットのバーコード付加された粒子のヌクレオチド配列中にあるプライマー結合配列を含まなくてもよい。
上記のように、この方法は、第1のセットのバーコード付加された粒子を試料と特異的にハイブリダイズさせる工程であって、第1のセットのバーコード付加された粒子の少なくとも一部のヌクレオチド配列が少なくとも2つのプライマー分子にハイブリダイズする、工程を伴う。図8に示されるように、各々のバーコード付加された粒子にハイブリダイズするプライマー分子の数は変動し得る。第1のセットのバーコード付加された粒子の一部は1つのプライマー分子にハイブリダイズし得るが、多くは、プライマー分子の密度及び使用される粒子のサイズに依存して、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、又は少なくとも20個のプライマー分子にハイブリダイズするはずである。上記される方法と同様に、方法は、バーコード付加された粒子にハイブリダイズしたプライマーを、プライマーがハイブリダイズしたヌクレオチド配列をテンプレートとして使用して伸長させて、第1の固有粒子識別子配列を各々が含む第1のプライマー伸長産物を産生させる工程を含む。次に、方法は、上記のように、第1のセットのバーコード付加された粒子を試料から除去する工程と、第2のセットのバーコード付加された粒子を第1のプライマー伸長産物と特異的にハイブリダイズさせる工程を含み得る。方法のこの工程において、第2のセットのバーコード付加された粒子の少なくとも一部のヌクレオチド配列はプライマー伸長産物の少なくとも2つの分子にハイブリダイズする。同様に、以前にバーコード付加された粒子にハイブリダイズした第1のプライマー伸長産物を、プライマーがハイブリダイズしたヌクレオチド配列をテンプレートとして使用して伸長させて、1つは第1のセット中の粒子から、及び他方は第2のセット中の粒子からの、2つの固有粒子識別子配列を含む第2のプライマー伸長産物を産生させる。次に、方法は、いずれの固有粒子識別子配列又はその相補体が第2のプライマー伸長産物中にあるのかを決定する工程と、第2のプライマー伸長産物中にある固有粒子識別子配列を使用してプライマーの相対的な位置のマップを作成する工程と、を含む。
この方法の工程は図9A~Cに詳細に示される。図9A~Cから見ることができるように、プライマーは標的識別子配列を含有してもよく、それにより、アッセイが多重化されることを可能とし得る。この方法において、第2のプライマー伸長産物の集団は、一斉に増幅及びシークエンシングされ得る。各配列リードは、標的識別子の他に、1つは第1のセットの粒子から、及び他方は第2のセットの粒子からの、2つの粒子識別子を含有するはずである。第1及び第2のセットの粒子が結合する部位は別々のハイブリダイゼーション反応においてオーバーラップするので、プライマーは試料中の部位にマッピングされ得る。特に、バーコード付加された粒子の関係的なマップは、いずれの識別子のペアがプライマーに付加されるのかを解き明かすことにより産生され得る。標的配列は、関係的なマップにマッピング可能であり、それにより、プライマーの結合部位(又はそれらが結合した部位、例えば、エピトープ若しくは配列)のマップが提供され得る。
代替的なライゲーションベースの実施形態が以下に記載される。これらの実施形態は、バーコード付加された粒子の2つのセットの使用を回避し、代わりに1つのみのプライマー伸長工程が要求される。これらの実施形態では、識別子のペアは、ライゲーションスプリントを介して近くのプライマー伸長産物を接続することにより作出され得る。これらの実施形態を図10及び図11に図式的に示す。これらの実施形態では、プローブシステムは、プライマー分子(示されるように、プライマー結合部位、標的識別子及びプライマー配列C-BS1を提供する配列を含有し得る)の集団;(i)プライマー分子の3’末端に相補的なプライマー結合配列(C-BS1)、(ii)固有粒子識別子配列(UMI)、及び(iii)第1のテンプレート配列(C-BS2)を含むヌクレオチド配列を各々が有するバーコード付加された粒子のセットを含み得る。第2のセットのバーコード付加された粒子の代わりに、このプローブシステムはライゲーションスプリントを含む。図10に示されるように、ライゲーションスプリントは第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドから構成され、第1のオリゴヌクレオチドは第1の配列及び第1のテンプレート配列(C-BST’)を含み;且つ第2のオリゴヌクレオチドは、第1の配列に相補的な第2の配列、及び第1のテンプレート配列(C-BST’)を含む。スプリント中の2つのオリゴヌクレオチドは、同じ配列を有し、5’末端の配列を介して互いにハイブリダイズし得る。
一般的に、このシステムの構成要素は、代替的なシステムが第2のセットのバーコード付加された粒子の代わりにライゲーションスプリントを有することを除いて、上記される連続伸長システムの構成要素と類似している。例えば、バーコード付加された粒子はローリングサークル増幅(RCA)産物であり得るか、又はバーコード付加された粒子はバーコード付加されたナノ粒子であり得、ヌクレオチド配列はバーコード付加された粒子の表面に繋がれる。同様に、(a)のプライマー分子は、結合剤(例えば、オリゴヌクレオチドプローブ、抗体、アプタマーなど)に連結され得る、10~200ntの長さの合成オリゴヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、プライマー分子は、3’末端にプライマー配列を有するcDNA分子であり得る。
連続的な伸長の実施形態と同様に、バーコード付加された粒子のセットは、固有粒子識別子配列を各々が有する少なくとも10個の粒子を含有し得る。この実施形態では、バーコード付加された粒子のセットは、それらの粒子識別子配列により各々固有に識別可能である、少なくとも10個のメンバー(例えば、少なくとも100、少なくとも1,000、少なくとも10,000、少なくとも100,000、少なくとも1M、少なくとも10M、少なくとも100M、少なくとも1B又は少なくとも10B個のメンバー)を含み得る。いくつかの実施形態では、バーコード付加された粒子の核酸配列は、それらの粒子識別子配列を除いて互いに同一であり得る。
上記される連続的なプローブシステムと類似した仕方で細胞試料中又は細胞試料上の結合事象をマッピングするために代替的なプローブシステムが使用され得る。代替的なプローブシステムを使用してプライマーに固有粒子識別子配列を付加する方法が提供される。図10及び図11に示されるこの方法は、バーコード付加された粒子のセットをプライマー分子(示されるように、支持体上に固定化され得る)の集団とハイブリダイズさせる工程と、ハイブリダイズしたプライマー分子を、ヌクレオチド配列をテンプレートとして使用して伸長させる工程とを含み得る。この工程は、i.バーコード付加された粒子からの固有粒子識別子配列(UMI)の相補体及びii.第1のテンプレート配列(C-BS2)の相補体を含有する第1のプライマー伸長産物の産生を結果としてもたらす。バーコード付加された粒子が除去された後に、方法は、第1のプライマー伸長産物をライゲーションスプリントとハイブリダイズさせる工程を含み、該工程において、示されるように、2つの近位の第1のプライマー伸長産物中の第1のテンプレート配列の相補体がライゲーションスプリントの第1及び第2の配列にハイブリダイズする。次に、方法は、ハイブリダイズしたライゲーションスプリントの第1及び第2のオリゴヌクレオチドの少なくとも1つを第1のプライマー伸長産物にライゲートする工程と、スプリント中の第1及び第2のオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの3’末端を、ライゲーション産物中の第1のプライマー伸長産物をテンプレートとして使用して伸長させ、それにより2つの固有粒子識別子配列をプライマーに付加する工程とを含む。図10に示されるように、プライマーは、フォワード及びリバースプライマー配列並びに標的同定配列に対して操作可能であり、それにより、PCRプライマー部位、標的同定配列のペア及び2つの粒子識別子を含有する産物が提供され得る。図11に図式的に示されるように、これらの配列は、バーコード付加された粒子及びプライマー(又はそれらが繋がれた結合剤、プローブ若しくはcDNA分子)の相対的な位置を決定するために分析され得る。明らかなように、方法は、第2のプライマー伸長をシークエンシングし、それにより、いずれの固有粒子識別子配列のペアが第2のプライマー伸長産物中にあるのかを同定する工程を含み得る。方法は、第2のプライマー伸長産物中にある固有粒子識別子配列のペアを使用してi.のプライマーの相対的な位置をマッピングする工程をさらに含み得る。
上記される連続的な伸長の実施形態と同様に、プライマー分子は、結合剤(例えば、抗体、アプタマー又はプローブ)を介して細胞試料に取り付けられ得、第2のプライマー伸長産物中の固有粒子識別子は、細胞試料上の結合剤の相対的な位置を指し示し得る。同様に、プライマーは、細胞試料中にインサイチュで調製されるcDNAの3’末端であり得、第2のプライマー伸長産物中の固有粒子識別子は細胞試料中のcDNAの相対的な位置を指し示す。
任意の実施形態では、バーコード付加された粒子は、2つの複合識別子が同じ分子に付加される場合に互いに対してマッピングされ得る。方法によって産生されるマップは、方法がどのように実施されるかに応じて、三次元マップ又は二次元マップであり得る。例えば、複合体産物が細胞内に固定化される(例えば、細胞内でインサイチュで産生される)場合、産生されるマップは三次元であり得る。他の実施形態では、例えば、複合体が1つ又はそれ以上の表面(例えば、懸濁液中にあるか、又は支持体に取り付けられ得る1つ又はそれ以上の細胞の表面)に固定化される場合、方法によって産生されるマップは二次元であり得るか、又は、理論的にマップは球状であり得るので、潜在的に三次元であり得る。方法は(以下に記載されるように)細胞に適用することができるが、方法は、任意の表面に固定化された隣接する複合体、例えば、組織ブロット又はウェスタンブロットなどを有するガラススライドをマッピングするように適合させることができる。同様に、複合体は、抗体(例えば、複合体中の配列に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされた抗体)を介して細胞中若しくは細胞上又は表面上の部位に固定することができるが、複合体は、任意のタイプの相互作用、例えば、共有結合又は非共有結合相互作用を介して、直接的又は間接的に固定化することができる。例えば、いくつかの実施形態では、複合体は、結合剤(例えば、アプタマー、抗体、又はオリゴヌクレオチドなど)を介して細胞に結合され得、結合剤は、複合体中の配列及び細胞内又は1つ又はそれ以上の細胞の表面上の部位に結合する。いくつかの実施形態では、複合体は、核酸にもハイブリダイズするオリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーション(例えば、細胞RNAへの)を介して固定化されてもよく、又はRCA産物は、静電相互作用を介して、ストレプトアビジン/ビオチン相互作用を介して、又は共有結合(例えば、クリックカップリングを介して)によって部位に非共有結合的に固定化されてもよい。
任意の実施形態では、複合体は、溶液中にある細胞、支持体(例えば、スライド)上にある細胞、組織の三次元試料中にある細胞、又は組織切片中にある細胞中又は細胞上に固定化され得る。溶液中の細胞を含有する試料は、例えば、細胞懸濁液として増殖させた培養細胞の試料であり得る。他の実施形態では、解離細胞(この細胞は、培養細胞、又は固体組織、例えば、脾臓の肝臓などの軟組織中にある細胞をトリプシンなどを使用して解離させることによって産生されたものであり得る)が使用され得る。特定の実施形態では、複合体は、血液中に見られ得る細胞、例えば、全血中の細胞又はその細胞の亜集団に固定化され得る。全血中の細胞の亜集団には、血小板、赤血球(red blood cells)(赤血球(erythrocytes))、及び白血球(すなわち、好中球、リンパ球、好酸球、好塩基球、及び単球で構成される末梢血白血球)が挙げられる。これら5つのタイプの白血球は、顆粒球(多形核白血球としても公知であり、好中球、好酸球、及び好塩基球を含む)及び単核白血球(単球及びリンパ球を含む)の2つのグループにさらに分けることができる。リンパ球は、T細胞、B細胞、及びNK細胞にさらに分けることができる。末梢血細胞は血液の循環プールに見られ、リンパ系、脾臓、肝臓、又は骨髄内に隔離されていない。支持体に固定化された細胞が使用される場合、試料は、例えば、平坦な表面上で細胞を増殖させること、平坦な平面上に細胞を沈着させること、例えば、遠心分離によって、細胞を含有する三次元物体を切片に切断し、切片を平坦な表面上に取り付けること、すなわち、組織切片を産生することによって調製され得る。代替的な実施形態では、表面は、細胞成分を表面上に吸収することによって調製されてもよい。
任意の実施形態では、方法は、各細胞上でバーコード付加された粒子が細胞を有効に被覆するように、数千、数万、数十万、又は少なくとも100万個のバーコード付加された粒子(各々が固有の識別子を有する)を細胞の集団(例えば、抗体を介して)に固定化することを含み得る。バーコード付加された粒子は、細胞中又は細胞上の部位に繋がれた他のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズして、バーコード付加された粒子を含むマトリックスを産生し得る。ハイブリダイゼーション後に、隣接する複合体の固有識別子配列は、1つのバーコード付加された粒子から別のバーコード付加された粒子へとコピーされ得る。複合体の他に、バーコード付加された粒子が細胞に結合する部位の物理的なマップは、コピーされた配列に基づいて構築され得る。
バーコード付加された粒子のマップを作成することに加えて、方法は、細胞内の部位又は細胞の表面上の部位に結合している1つ又はそれ以上の結合剤(例えば、細胞上の細胞表面マーカーに結合する抗体)間の近接アッセイを実施することを伴い得る。これらの実施形態では、産物は、固有の複合体識別子配列の他に結合剤識別子配列のペアを含有し得る。いくつかの実施形態では、結合剤は、抗体-オリゴヌクレオチドコンジュゲートであり得、他の実施形態では、捕捉剤は、オリゴヌクレオチドプローブ又はcDNAであり得る。オリゴヌクレオチド及び捕捉剤は、システイン反応性であるマレイミド又はハロゲン含有基を使用する方法を含む、いくつかの異なる方法を介して連結され得る。捕捉剤及びオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの5’末端の近位若しくは5’末端で、オリゴヌクレオチドの3’末端の近位若しくは3’末端で、又はその間のどこにでも連結され得る。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、捕捉剤からオリゴヌクレオチドを離間させるリンカーによって捕捉剤に連結され得る。オリゴヌクレオチドは、上記されるように、任意の好都合な方法を使用して捕捉剤に連結され得る。多くの実施形態において、結合剤にコンジュゲートされたオリゴヌクレオチドの配列は、結合剤が結合するエピトープ又は配列を固有に同定する。例えば、方法が10個の異なる抗体を使用して実施される場合、各抗体は、抗体が結合するエピトープを同定する異なる配列に繋がれる。この特徴は、方法が多重化されることを可能にし、いくつかの実施形態では、細胞内又は細胞の表面上の異なるマーカーに結合する少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、又は少なくとも50個の異なる抗体を方法に使用することができる。各抗体は、異なる抗体識別子配列にコンジュゲートされ、抗体識別子配列は、特定の抗体の結合事象をマッピングすることを可能にする。そのようなタグ化抗体は、例えば、Wu et al(Nat.Comm.2019 10:3854)及び米国特許出願公開第20160281134号明細書などに記載されている。
実施形態
実施形態1.(a)プライマー分子の集団と;(b)(i)(a)の前記プライマー分子の3’末端に相補的なプライマー結合配列、(ii)固有粒子識別子配列、及び(iii)第1のテンプレート配列を含むヌクレオチド配列を各々が有する第1のセットのバーコード付加された粒子と;(c)(i)前記第1のテンプレート配列、及び(ii)固有粒子識別子配列を含むヌクレオチド配列を各々が有する第2のセットのバーコード付加された粒子と、を含み、(b)の前記第1のセットのバーコード付加された粒子をテンプレートとして使用する(a)の前記プライマー分子の伸長が、(b)(ii)の粒子の固有粒子識別子配列の相補体及び前記第1のテンプレート配列の相補体を含有するプライマー伸長産物を産生する、プローブシステム。
実施形態2.(b)及び/又は(c)の前記バーコード付加された粒子がローリングサークル増幅(RCA)産物である、実施形態1に記載のプローブシステム。
実施形態3.(b)及び/又は(c)の前記バーコード付加された粒子が、バーコード付加されたナノ粒子であり、前記ヌクレオチド配列が前記バーコード付加された粒子の表面に繋がれている、実施形態1に記載のプローブシステム。
実施形態4.(a)のプライマー分子が、10~200ntの長さの合成オリゴヌクレオチドである、実施形態1から3のいずれかに記載のプローブシステム。
実施形態5.(a)の前記プライマー分子が、前記3’末端にプライマー配列を有するcDNA分子である、実施形態1から4のいずれかに記載のプローブシステム。
実施形態6.(a)の前記プライマー分子がフォワードプライマー配列を有し、且つ前記第2のセットのバーコード付加された粒子の前記ヌクレオチド配列が、前記固有粒子識別子配列の下流のリバースプライマー配列を有する、実施形態1から5のいずれかに記載のプローブシステム。
実施形態7.(a)の前記プライマー分子が結合剤(例えば、オリゴヌクレオチドプローブ、抗体、アプタマーなど)に連結されている、実施形態1から6のいずれかに記載のプローブシステム。
実施形態8.前記プライマー分子が、それらが連結された前記結合剤を指し示す標的識別子配列をさらに含む、実施形態7に記載のプローブシステム。
実施形態9.前記プライマー分子が平坦な基材に連結されている、実施形態1から6のいずれかに記載のプローブシステム。
実施形態10.前記第1及び第2のセットのバーコード付加された粒子が、固有粒子識別子配列を各々が有する少なくとも10,000個の粒子を独立して含有する、実施形態1から9のいずれかに記載のプローブシステム。
実施形態11.前記第2のセットのバーコード付加された粒子の前記ヌクレオチド配列が(b)(i)の前記プライマー結合配列を欠いている、実施形態1から10のいずれかに記載のプローブシステム。
実施形態12.実施形態1から11のいずれかに記載のプローブシステムを使用してプライマーに固有粒子識別子配列を付加する方法であって、
i.(a)のプライマー分子の前記集団と(b)の前記第1のセットのバーコード付加された粒子をハイブリダイズさせる工程と、
ii.前記第1のセットのバーコード付加された粒子の前記ヌクレオチド配列をテンプレートとして使用して前記ハイブリダイズしたプライマー分子を伸長させて、i.前記第1のセットのバーコード付加された粒子中のバーコード付加された粒子からの固有粒子識別子配列の前記相補体及びii.前記第1のテンプレート配列の前記相補体を含有する第1のプライマー伸長産物を産生させる工程と;
iii.前記第1のセットのバーコード付加された粒子を除去する工程と;
iv.前記第2のセットのバーコード付加された粒子と前記第1のプライマー伸長産物をハイブリダイズさせる工程であって、前記第1のプライマー伸長産物中の前記第1のテンプレート配列の前記相補体が、前記第2のセットのバーコード付加された粒子中の前記第1のテンプレート配列にハイブリダイズする、前記工程と;
v.前記第2のセットのバーコード付加された粒子の前記ヌクレオチド配列をテンプレートとして使用して前記第1のプライマー伸長産物を伸長させて、
前記第1のセットのバーコード付加された粒子中のバーコード付加された粒子からの固有粒子識別子配列、
前記第1のテンプレート配列、及び
前記第2のセットのバーコード付加された粒子中のバーコード付加された粒子からの固有粒子識別子配列
を含有する第2のプライマー伸長産物を産生する工程と、
を含む、方法。
実施形態13.前記プライマー分子がフォワードプライマー配列を有し、且つ前記第2のセットのバーコード付加された粒子の前記ヌクレオチド配列が、前記固有粒子識別子配列の下流のリバースプライマー配列を有し、且つ前記方法が、v.の前記第2のプライマー伸長産物を増幅する工程を含む、実施形態12に記載の方法。
実施形態14.v.の前記第2のプライマー伸長産物をシークエンシングする工程を含む、実施形態12又は13に記載の方法。
実施形態15.前記第2のプライマー伸長産物中にある固有粒子識別子配列のペアを使用してi.の前記プライマーの相対的な位置をマッピングする、実施形態14に記載の方法。
実施形態16.前記プライマーが平坦な基材に取り付けられ、且つ前記方法が、前記基材上の前記第2のプライマー伸長産物のアレイを結果としてもたらす、実施形態12から15のいずれかに記載の方法。
実施形態17.前記プライマーが、結合剤を介して細胞試料に取り付けられ、且つ前記第2のプライマー伸長産物中の前記固有粒子識別子が前記細胞試料上の前記結合剤の相対的な位置を指し示す、実施形態12から15のいずれかに記載の方法。
実施形態18.前記プライマーが、細胞試料中にインサイチュで調製されたcDNAであり、前記第2のプライマー伸長産物中の前記固有粒子識別子が前記細胞試料中のcDNAの相対的な位置を指し示す、実施形態12から15のいずれかに記載の方法。
実施形態19.細胞試料中又は細胞試料上の結合事象のマップを作成する方法であって、(a)i.細胞中又は細胞上の部位に結合したプライマー分子を含有する試料;ii.(i)(a)の前記プライマー分子の3’末端に相補的なプライマー結合配列、(ii)固有粒子識別子配列、及び(iii)第1のテンプレート配列を含むヌクレオチド配列を各々が有する第1のセットのバーコード付加された粒子;iii.(i)前記第1のテンプレート配列、及び(ii)固有粒子識別子配列を含むヌクレオチド配列を各々が有する第2のセットのバーコード付加された粒子を得る工程と;(b)(a)(ii)の前記第1のセットのバーコード付加された粒子を前記試料と特異的にハイブリダイズさせる工程であって、前記第1のセットのバーコード付加された粒子の少なくとも一部のヌクレオチド配列が少なくとも2つのプライマー分子にハイブリダイズする、前記工程と;(c)工程(b)におけるバーコード付加された粒子にハイブリダイズした前記プライマーを、前記プライマーがハイブリダイズしたヌクレオチド配列をテンプレートとして使用して伸長させて、第1の固有粒子識別子配列を各々が含む第1のプライマー伸長産物を産生させる工程と;(d)前記第1のセットのバーコード付加された粒子を前記試料から除去する工程と;(e)(a)(iii)の前記第2のセットのバーコード付加された粒子を(c)の前記第1のプライマー伸長産物と特異的にハイブリダイズさせる工程であって、前記第2のセットのバーコード付加された粒子の少なくとも一部のヌクレオチド配列が前記プライマー伸長産物の少なくとも2つの分子にハイブリダイズする、前記工程と;(f)工程(e)におけるバーコード付加された粒子にハイブリダイズした前記第1のプライマー伸長産物を、前記プライマーがハイブリダイズしたヌクレオチド配列をテンプレートとして使用して伸長させて、前記2つの固有粒子識別子配列を含む第2のプライマー伸長産物を産生させる工程と;(g)いずれの固有粒子識別子配列又はその相補体が第2のプライマー伸長産物中にあるのかを決定する工程と;(h)前記第2のプライマー伸長産物中にある前記固有粒子識別子配列を使用して(a)(i)の前記プライマーの相対的な位置のマップを作成する工程と、を含む、方法。
実施形態20.(a)の前記試料が、結合剤に取り付けられたプライマーを、前記細胞中又は細胞上にある部位に結合させることにより調製される、実施形態19に記載の方法。
実施形態21.前記結合剤が、オリゴヌクレオチドプローブ、抗体又はアプタマーである、実施形態20に記載の方法。
実施形態22.前記プライマーが、それらが連結された前記結合剤を指し示す標的識別子配列をさらに含む、実施形態20又は21に記載の方法。
実施形態23.(a)の前記試料が、前記細胞中のRNAに第1のプライマーをハイブリダイズさせる工程と、前記プライマーを伸長させてcDNAを調製する工程と、第2のプライマーを前記cDNAの5’末端に付加する工程と、により調製される、実施形態19に記載の方法。
実施形態24.前記第2のセットのバーコード付加された粒子の前記ヌクレオチド配列が、前記第1のセットのバーコード付加された粒子の前記プライマー結合配列を欠いている、任意の先行する実施形態に記載のプローブシステム。
実施形態25.(a)プライマー分子の集団と;(b)(i)(a)の前記プライマー分子の3’末端に相補的なプライマー結合配列、(ii)固有粒子識別子配列、及び(iii)第1のテンプレート配列を含むヌクレオチド配列を各々が有するバーコード付加された粒子のセットと;(c)第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを含むライゲーションスプリントであって、前記第1のオリゴヌクレオチドが第1の配列及び前記第1のテンプレート配列を含み;且つ前記第2のオリゴヌクレオチドが、前記第1の配列に相補的な第2の配列、及び前記第1のテンプレート配列を含む、前記ライゲーションスプリントと、を含む、プローブシステム。
実施形態26.(b)の前記バーコード付加された粒子がローリングサークル増幅(RCA)産物である、実施形態25に記載のプローブシステム。
実施形態27.(b)の前記バーコード付加された粒子が、バーコード付加されたナノ粒子であり、(b)のヌクレオチド配列が前記バーコード付加された粒子の表面に繋がれている、実施形態25に記載のプローブシステム。
実施形態28.(a)のプライマー分子が、10~200ntの長さの合成オリゴヌクレオチドである、実施形態25から27のいずれかに記載のプローブシステム。
実施形態29.(a)の前記プライマー分子が、前記3’末端にプライマー配列を有するcDNA分子である、実施形態25から27のいずれかに記載のプローブシステム。
実施形態30.(a)の前記プライマー分子が結合剤(例えば、オリゴヌクレオチドプローブ、抗体、アプタマーなど)に連結されている、実施形態25から28のいずれかに記載のプローブシステム。
実施形態31.バーコード付加された粒子の前記セットが、固有粒子識別子配列を各々が有する少なくとも10,000個の粒子を含有し得る、実施形態25から30のいずれかに記載のプローブシステム。
実施形態32.実施形態25から31のいずれかに記載のプローブシステムを使用してプライマーに固有粒子識別子配列を付加する方法であって、
i.(b)のバーコード付加された粒子の前記セットを(a)のプライマー分子の前記集団とハイブリダイズさせる工程と、
ii.前記ハイブリダイズしたプライマー分子を、前記ヌクレオチド配列をテンプレートとして使用して伸長させて、i.バーコード付加された粒子からの固有粒子識別子配列の相補体及びii.前記第1のテンプレート配列の相補体を含有する第1のプライマー伸長産物を産生させる工程と;
iii.前記バーコード付加された粒子を除去する工程と;
iv.前記第1のプライマー伸長産物を前記ライゲーションスプリントとハイブリダイズさせる工程であって、2つの近位の第1のプライマー伸長産物中の前記第1のテンプレート配列の前記相補体が前記ライゲーションスプリントの前記第1及び第2の配列にハイブリダイズする、前記工程と;
v.前記ハイブリダイズしたライゲーションスプリントの前記第1又は前記第2のオリゴヌクレオチドの少なくとも1つを前記第1のプライマー伸長産物にライゲートし、且つ前記スプリント中の前記ライゲートされた第1又は第2のオリゴヌクレオチドの前記3’末端を、前記ライゲーション産物中の前記第1のプライマー伸長産物をテンプレートとして使用して伸長させ、それにより2つの固有粒子識別子配列をプライマーに付加する工程と、
を含む、方法。
実施形態33.v.の前記第2のプライマー伸長産物をシークエンシングする工程を含む、実施形態32に記載の方法。
実施形態34.前記第2のプライマー伸長産物中にある固有粒子識別子配列の前記ペアを使用してi.の前記プライマーの相対的な位置をマッピングする工程をさらに含む、実施形態32又は33に記載の方法。
実施形態35.i.の前記プライマー分子が、結合剤を介して細胞試料に取り付けられ、且つ前記第2のプライマー伸長産物中の前記固有粒子識別子が前記細胞試料上の前記結合剤の相対的な位置を指し示す、実施形態32から34のいずれかに記載の方法。
実施形態36.前記プライマーが、細胞試料中にインサイチュで調製されたcDNAであり、前記第2のプライマー伸長産物中の前記固有粒子識別子が前記細胞試料中のcDNAの相対的な位置を指し示す、実施形態32から34のいずれかに記載の方法。
以下の実施例は、当業者に本発明を作製及び使用する方法の追加の開示及び説明を提供するために記載されており、本発明者らが本発明と見なすものの範囲を限定することを意図するものではなく、以下の実験が実施された全て又は唯一の実験であることを表すことを意図するものでもない。
方法
プローブ環状化及びローリングサークル増幅:100nM プローブオリゴ、100nM テンプレートオリゴ、1mM ATP、200U T4 DNAリガーゼ並びに33mM Tris-アセテート、10mM Mg-アセテート、66mM K-アセテート、1mM DTT及び0.1% Tween20を含有する反応緩衝液を含有する50μlのライゲーション反応液中でテンプレートオリゴ(3又は4)を使用してプローブオリゴ(1又は2)を環状化した。反応液を37℃で30分間インキュベートした。
10U エキソヌクレアーゼI及び100U エキソヌクレアーゼIIIをライゲーション後の各反応液に加えることにより非環状化プローブを消化した。エキソヌクレアーゼ消化は37℃で30分間行い、続いて85℃で20分間の熱不活性化を行った。
RCAプライマーオリゴ3又は4をエキソヌクレアーゼ消化後の各反応液に100nMの濃度まで加え、37℃で20分間のインキュベーションによりハイブリダイズさせてプローブを環状化した。
ローリングサークル増幅を、プローブ環状化のために使用されたものと同じ反応緩衝液中、2.5nM 環状化プローブ、0.75mMの各d(AUGC)TP及び7.5U phi29 DNAポリメラーゼを含有する75μlの反応液中で行った。反応液を37℃で20分間インキュベートし、続いて65℃で10分間の熱不活性化を行った。
細胞染色及び固定:Raji及びJurkat細胞を別々のT75フラスコから吸引し、300×gで5分間遠心沈降した。細胞をカウントし、1M個の細胞に対応する細胞懸濁液を採取した。細胞をFACS緩衝液(1x PBS中、2% FBS、2mM EDTA)中で2回洗浄した。細胞をFcブロッキング剤でブロッキングし、遠心沈降させて上清を除去した。5μg/mlの各コンジュゲートの濃度における様々な免疫細胞マーカー(CD3、CD4など)を標的化する2 TotalSeq B(Biolegend inc)抗体-オリゴヌクレオチドコンジュゲート(オリゴ8~27)のプールを細胞に加え、氷上で30分間インキュベートした。コンジュゲート染色細胞を300μl FACS緩衝液で2回洗浄し、その後に細胞を遠心沈降させ、上清を除去し、250μlの1% PFAを加えて試料を固定した。RTで10分のインキュベーション後に、12.5μlの2.5M グリシンの添加により固定をクエンチし、続いて250μlのPBS中の125mM グリシンで洗浄した。PBS中でのさらなる洗浄後に、細胞をPBS中に再懸濁し、使用まで+4℃で貯蔵した。
プライマー伸長アッセイ:コンジュゲート染色及び固定されたRaji及びJurkat細胞を1:1の比で混合し、全部で約20000個の細胞に対応するアリコートをPCRチューブに入れた。
細胞に結合した抗体コンジュゲートオリゴへのRCA産物のハイブリダイゼーションを、300mM NaCl、15mM MgCl、20mM Tris-HClを含む緩衝液(pH 8)中、2.5nM RCA産物(オリゴ1を起源とする)、0.5μMのブロッキングオリゴ(5)を含有する40μlの反応液中で行った。反応液を55℃で15分間インキュベートした。
試料を500×gで2分間遠心分離して細胞をペレット化し、上清を除去し、100μlの洗浄緩衝液(50mM NaCl、1mM EDTA、20mM Tris-HC、pH 8)を加え、細胞を再懸濁した。試料を再び遠心分離して細胞をペレット化し、上清を除去した。
50mM Na-アセテート、10mM Mg-アセテート、20mM Tris-アセテート、100μg/ml BSAを含む緩衝液中の0.2mM dNTP、1μlのKlentaq DNAポリメラーゼを含有するマスターミックスを加えることにより50μlのDNAポリメラーゼ伸長反応を行ってピクセルバーコード配列を組み込んだ。反応液を30℃で15分間インキュベートした。以前に記載されたものと同じ条件下で洗浄工程を再び行った後に、50mM NaCl、1mM EDTA、20mM Tris-HC及び1UのUSER酵素を含む50μlの緩衝液を加えることによりUSER消化(ウラシルDNAグリコシラーゼ+エンドヌクレアーゼ VII)反応を行ってDNAピクセルを分解した。反応液を 37℃で30分間インキュベートした。
洗浄工程を行った後に、50mM NaCl、1mM EDTA、20mM Tris-HCl(pH 8)中の1U UGIタンパク質からなる50μlのUSER不活性化マスターミックスを加えた。反応液を 37℃で15分間インキュベートした。
洗浄工程後に、オリゴ2を起源とするRCA産物を使用し、RCA産物1のハイブリダイゼーションについて以前に記載されたものとそれ以外は同じ条件を使用して、第2のRCA産物ハイブリダイゼーション反応を行った。同様に、伸長及びUSER不活性化について同じプロトコールを第2のハイブリダイゼーション反応後に行った。第2のUSER消化工程後に、洗浄工程を行い、その後に細胞を50μlの洗浄緩衝液に再懸濁した。得られた細胞懸濁液を定量化し、20細胞/μlの濃度に希釈した。
連続伸長アッセイ後に、抗体結合を介して細胞に結合した各コンジュゲートオリゴヌクレオチドは、2つのDNAピクセルバーコード配列及びアッセイの伸長工程を通じて組み込まれたリバースPCRプライマーモチーフを有した。
1xのPhusion HF反応緩衝液中、5μlの希釈された試料、0.2mM dNTP、Illuminaアダプター配列を含有する各0.4μMのフォワード及びリバースプライマー(6、7)、1μlのPhusion DNAポリメラーゼを含有する反応液中で15サイクルにわたりPCRを行った。PCR反応は、98℃で1分間の変性、続いて15サイクルの98℃で10秒の変性、60℃で30秒のアニーリング、72℃で40秒、その後に72℃で5分間の最終伸長からなるものであった。
生産者の指示書に従ったが1.2のビーズ対試料比を使用して、Ampure XPビーズを使用してPCR産物を最後に精製した。精製されたPCR産物を、Qubit蛍光光度計を使用して定量化し、Illumina NextSeq 2000シークエンサー上でシークエンシングした。
Figure 2024512943000002
Figure 2024512943000003
結果
各コンジュゲートオリゴに組み込まれた2つのDNAピクセルバーコードの組合せは、各ピクセルは空間の別個の領域のみを占有するので、連続伸長アッセイの間に分子に近接していた2つのDNAピクセルを表す。これは、複数の隣接する分子はそのため同じピクセルバーコードを共有するという事実と共に、DNAピクセルバーコードをグラフ中のノードとして、及び各分子の2つのピクセルバーコードの組合せはグラフ中のエッジ(リンク)を表すと考慮することによりグラフ理論のアプローチを使用して、各分子の相対的な位置の空間的な再構築を可能とする。
一連のデータフィルタリング工程を、生成された4000万個のリードに対して行った。簡潔に述べれば、フィルタリング工程は、予想される長さよりも短く、ある特定の位置において予想される共通の配列モチーフを含有せず、且つデータ中に一度だけ観察されるリードの除去からなるものであった。平均リード深さは7.99であり、すなわち、平均で7.99コピーの各固有の分子があった。
フィルタリング後に残存したリードのうち、コンジュゲーションオリゴ配列の部分である固有分子識別子(UMI)配列に基づいて全部で3.4M個の固有の分子が同定された。全部でセットAからの361575個のDNAピクセル配列及びセットBからの451177個のDNAピクセル配列が見出された。セットAからの各ピクセルと関連付けられる固有のコンジュゲートオリゴの平均数は7.47であり、ピクセルセットBについては9.31であった。
小さいグラフ構成要素をフィルタリング除去した後に、生成されたグラフ、又は物理的なマップは、少なくとも1000個のノードを各々が含む、約100個のグラフ構成要素(クラスター)のセットからなるものであった。誘導されたサブグラフを構成要素の各々について生成し、各表面マーカータイプのカウントを各クラスターについて要約した。各クラスター内のマーカーカウントの相関を、散布図を使用して比較した(図18A~18C)。2つのB細胞マーカーを互い(HLA-DR、CD19)又は2つのT細胞マーカー(CD3、CD7)に対してプロットした場合にマーカーカウントにおける線形の相関が観察された。そのような相関は、代わりにB細胞マーカー(HLA-DR)をT細胞マーカー(CD3)に対してプロットした場合には観察されなかった。合わせると、これらの結果は、各々の別々のグラフのクラスターが生成され、それはB及びT細胞、Raji及びJurkatの混合物を含む試料を含有するこの実験における単一の細胞を表すことを示す。
代表的なクラスターを選択し、Kamada-Kawai力生成グラフレイアウトアルゴリズムを使用して可視化した(図19)。図19中のグラフの各エッジ(リンク)は、異なる抗体タイプを同定する異なる色で表すことができ、情報は、抗体にコンジュゲートされた各々のオリゴヌクレオチドのバーコード配列から解読されており、グラフの各ノードはDNAピクセル配列を表す。

Claims (36)

  1. (a)伸長可能な5’又は3’末端を有する核酸分子の集団と;
    (b)(i)(a)の前記核酸分子の前記伸長可能な末端に相補的な結合配列、
    (ii)固有粒子識別子配列、及び
    (iii)第1のテンプレート配列
    を含むヌクレオチド配列を各々が有する第1のセットのバーコード付加された粒子と;
    (c)(i)前記第1のテンプレート配列、及び
    (ii)固有粒子識別子配列
    を含むヌクレオチド配列を各々が有する第2のセットのバーコード付加された粒子と、
    を含み、
    (b)の前記第1のセットのバーコード付加された粒子をテンプレートとして使用する(a)の前記核酸分子の伸長が、(b)(ii)の粒子の固有粒子識別子配列の相補体及び前記第1のテンプレート配列の相補体を含有する伸長産物を産生する、
    プローブシステム。
  2. (b)及び/又は(c)の前記バーコード付加された粒子がローリングサークル増幅(RCA)産物である、請求項1に記載のプローブシステム。
  3. (b)及び/又は(c)の前記バーコード付加された粒子が、バーコード付加されたナノ粒子であり、前記ヌクレオチド配列が前記バーコード付加された粒子の表面に繋がれている、請求項1に記載のプローブシステム。
  4. (a)の前記核酸分子が、10~200ntの長さの合成オリゴヌクレオチドである、請求項1から3のいずれかに記載のプローブシステム。
  5. (a)の前記核酸分子が、伸長可能な3’末端を有するcDNA分子である、請求項1から4のいずれかに記載のプローブシステム。
  6. (a)の前記核酸分子がフォワードプライマー配列を含み、且つ前記第2のセットのバーコード付加された粒子の前記ヌクレオチド配列が、前記固有粒子識別子配列の下流のリバースプライマー配列を含む、請求項1から5のいずれかに記載のプローブシステム。
  7. (a)の前記核酸分子が結合剤又は平坦な基材に連結されている、請求項1から6のいずれかに記載のプローブシステム。
  8. (a)の前記核酸分子が、それらが連結された前記結合剤を指し示す標的識別子配列をさらに含む、請求項7に記載のプローブシステム。
  9. 前記第1及び第2のセットのバーコード付加された粒子が、固有粒子識別子配列を各々が有する少なくとも10,000個の粒子を独立して含有する、請求項1から8のいずれかに記載のプローブシステム。
  10. 前記第2のセットのバーコード付加された粒子の前記ヌクレオチド配列が(b)(i)の前記結合配列を欠いている、請求項1から9のいずれかに記載のプローブシステム。
  11. 前記核酸分子が、3’ヒドロキシル又は5’リン酸を有するオリゴヌクレオチド分子又はcDNAである、請求項1から10のいずれかに記載のプローブシステム。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載のプローブシステムを使用して核酸分子に固有粒子識別子配列を付加する方法であって、
    i.(a)の核酸分子の前記集団と(b)の前記第1のセットのバーコード付加された粒子をハイブリダイズさせる工程と、
    ii.前記第1のセットのバーコード付加された粒子の前記ヌクレオチド配列をテンプレートとして使用して前記ハイブリダイズした核酸分子を伸長させて、i.前記第1のセットのバーコード付加された粒子中のバーコード付加された粒子からの固有粒子識別子配列の前記相補体及びii.前記第1のテンプレート配列の前記相補体を含有する第1の伸長産物を産生させる工程と;
    iii.前記第1のセットのバーコード付加された粒子を除去する工程と;
    iv.前記第2のセットのバーコード付加された粒子と前記第1の伸長産物をハイブリダイズさせる工程であって、前記第1の伸長産物中の前記第1のテンプレート配列の前記相補体が、前記第2のセットのバーコード付加された粒子中の前記第1のテンプレート配列にハイブリダイズする、前記工程と;
    v.前記第2のセットのバーコード付加された粒子の前記ヌクレオチド配列をテンプレートとして使用して前記第1の伸長産物を伸長させて、
    前記第1のセットのバーコード付加された粒子中のバーコード付加された粒子からの固有粒子識別子配列、
    前記第1のテンプレート配列、及び
    前記第2のセットのバーコード付加された粒子中のバーコード付加された粒子からの固有粒子識別子配列
    を含有する第2の伸長産物を産生する工程と、
    を含む、方法。
  13. 前記核酸分子がフォワードプライマー配列を有し、且つ前記第2のセットのバーコード付加された粒子の前記ヌクレオチド配列が、前記固有粒子識別子配列の下流のリバースプライマー配列を有し、且つ前記方法が、v.の前記第2の伸長産物を増幅する工程を含む、請求項12に記載の方法。
  14. v.の前記第2の伸長産物をシークエンシングする工程を含む、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 前記第2の伸長産物中にある固有粒子識別子配列のペアを使用してi.の前記核酸分子の相対的な位置をマッピングする、請求項14に記載の方法。
  16. 前記核酸分子が平坦な基材に取り付けられ、且つ前記方法が、前記基材上の前記第2の伸長産物のアレイを結果としてもたらす、請求項12から15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記核酸分子が、結合剤を介して細胞試料に取り付けられ、且つ前記第2の伸長産物中の前記固有粒子識別子が前記細胞試料上の前記結合剤の相対的な位置を指し示す、請求項12から15のいずれかに記載の方法。
  18. 前記核酸分子が、細胞試料中にインサイチュで調製されたcDNAであり、前記第2の伸長産物中の前記固有粒子識別子が前記細胞試料中のcDNAの相対的な位置を指し示す、請求項12から15のいずれかに記載の方法。
  19. 細胞試料中又は細胞試料上の結合事象のマップを作成する方法であって、
    (a)i.細胞中又は細胞上の部位に結合した核酸分子を含有する試料;
    ii.(i)(a)の前記核酸分子の伸長可能な末端に相補的な結合配列、
    (ii)固有粒子識別子配列、及び
    (iii)第1のテンプレート配列
    を含むヌクレオチド配列を各々が有する第1のセットのバーコード付加された粒子;
    iii.(i)前記第1のテンプレート配列、及び
    (ii)固有粒子識別子配列
    を含むヌクレオチド配列を各々が有する第2のセットのバーコード付加された粒子
    を得る工程と;
    (b)(a)(ii)の前記第1のセットのバーコード付加された粒子を前記試料と特異的にハイブリダイズさせる工程であって、前記第1のセットのバーコード付加された粒子の少なくとも一部のヌクレオチド配列が(a)の前記核酸分子の少なくとも2つにハイブリダイズする、前記工程と;
    (c)工程(b)におけるバーコード付加された粒子にハイブリダイズした前記核酸分子を、第1のバーコード付加された粒子をテンプレートとして使用して伸長させて、第1の固有粒子識別子配列を各々が含む第1の伸長産物を産生させる工程と;
    (d)前記第1のセットのバーコード付加された粒子を前記試料から除去する工程と;
    (e)(a)(iii)の前記第2のセットのバーコード付加された粒子を(c)の前記第1の伸長産物と特異的にハイブリダイズさせる工程であって、前記第2のセットのバーコード付加された粒子の少なくとも一部のヌクレオチド配列が前記第1の伸長産物の少なくとも2つの分子にハイブリダイズする、前記工程と;
    (f)工程(e)における第2のバーコード付加された粒子にハイブリダイズした前記第1の伸長産物を、前記第2のバーコード付加された粒子をテンプレートとして使用して伸長させて、前記2つの固有粒子識別子配列を含む第2の伸長産物を産生させる工程と;
    (g)いずれの固有粒子識別子配列又はその相補体が第2の伸長産物中にあるのかを決定する工程と;
    (h)前記第2の伸長産物中にある前記固有粒子識別子配列を使用して(a)(i)の前記核酸の相対的な位置のマップを作成する工程と、
    を含む、方法。
  20. (a)の前記試料が、結合剤に連結されたオリゴヌクレオチドを、前記細胞中又は細胞上にある部位に結合させることにより調製される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記結合剤が、オリゴヌクレオチドプローブ、抗体又はアプタマーである、請求項20に記載の方法。
  22. 前記オリゴヌクレオチドが、それらが連結された前記結合剤を指し示す標的識別子配列をさらに含む、請求項20又は21に記載の方法。
  23. (a)の前記核酸分子がcDNA分子である、請求項19に記載の方法。
  24. 前記第2のセットのバーコード付加された粒子の前記ヌクレオチド配列が、前記第1のセットのバーコード付加された粒子の前記結合配列を欠いている、任意の先行する請求項に記載のプローブシステム。
  25. (a)伸長可能な5’又は3’末端を有する核酸分子の集団と;
    (b)(i)(a)の前記核酸分子の前記3’又は5’末端に相補的な結合配列、
    (ii)固有粒子識別子配列、及び
    (iii)第1のテンプレート配列
    を含むヌクレオチド配列を各々が有するバーコード付加された粒子のセットと;
    (c)第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを含むライゲーションスプリントであって、
    前記第1のオリゴヌクレオチドが第1の配列及び前記第1のテンプレート配列を含み;且つ
    前記第2のオリゴヌクレオチドが、前記第1の配列に相補的な第2の配列、及び前記第1のテンプレート配列を含む、
    前記ライゲーションスプリントと、
    を含む、プローブシステム。
  26. (b)の前記バーコード付加された粒子がローリングサークル増幅(RCA)産物である、請求項25に記載のプローブシステム。
  27. (b)の前記バーコード付加された粒子が、バーコード付加されたナノ粒子であり、(b)のヌクレオチド配列が前記バーコード付加された粒子の表面に繋がれている、請求項25に記載のプローブシステム。
  28. (a)の核酸分子が、10~200ntの長さの合成オリゴヌクレオチドである、請求項25から27のいずれかに記載のプローブシステム。
  29. (a)の前記核酸分子がcDNA分子である、請求項25から27のいずれかに記載のプローブシステム。
  30. (a)の前記核酸分子が結合剤に連結している、請求項25から28のいずれかに記載のプローブシステム。
  31. バーコード付加された粒子の前記セットが、固有粒子識別子配列を各々が有する少なくとも10,000個の粒子を含有し得る、請求項25から30のいずれかに記載のプローブシステム。
  32. 請求項25から31のいずれかに記載のプローブシステムを使用して核酸に固有粒子識別子配列を付加する方法であって、
    i.(b)のバーコード付加された粒子の前記セットを(a)の核酸分子の前記集団とハイブリダイズさせる工程と、
    ii.前記ハイブリダイズした核酸分子を、前記ヌクレオチド配列をテンプレートとして使用して伸長させて、i.バーコード付加された粒子からの固有粒子識別子配列の相補体及びii.前記第1のテンプレート配列の相補体を含有する第1の伸長産物を産生させる工程と;
    iii.前記バーコード付加された粒子を除去する工程と;
    iv.前記第1の伸長産物を前記ライゲーションスプリントとハイブリダイズさせる工程であって、2つの近位の第1の伸長産物中の前記第1のテンプレート配列の前記相補体が前記ライゲーションスプリントの前記第1及び第2の配列にハイブリダイズする、前記工程と;
    v.前記ハイブリダイズしたライゲーションスプリントの前記第1又は前記第2のオリゴヌクレオチドの少なくとも1つを前記第1の伸長産物にライゲートし、且つ前記スプリント中の前記ライゲートされた第1又は第2のオリゴヌクレオチドの前記3’又は5’末端を、前記ライゲーション産物中の前記第1の伸長産物をテンプレートとして使用して伸長させ、それにより2つの固有粒子識別子配列を核酸に付加する工程と、
    を含む、方法。
  33. v.の前記第2の伸長産物をシークエンシングする工程を含む、請求項32に記載の方法。
  34. 前記第2の伸長産物中にある固有粒子識別子配列の前記ペアを使用してi.の前記核酸分子の相対的な位置をマッピングする工程をさらに含む、請求項32又は33に記載の方法。
  35. i.の前記核酸分子が、結合剤を介して細胞試料に取り付けられ、且つ前記第2の伸長産物中の前記固有粒子識別子が前記細胞試料上の前記結合剤の相対的な位置を指し示す、請求項32から34のいずれかに記載の方法。
  36. 前記核酸分子が、細胞試料中にインサイチュで調製されたcDNAであり、前記第2の伸長産物中の前記固有粒子識別子が前記細胞試料中のcDNAの相対的な位置を指し示す、請求項32から34のいずれかに記載の方法。
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