JP2024511228A - ハイブリッド制御によるスロットダイ調整 - Google Patents

ハイブリッド制御によるスロットダイ調整 Download PDF

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Abstract

スロットダイの調整に関連する方法及びシステムが提供される。スロットダイは、スロットダイの幅にわたって延びるアプリケータスロットであって、スロットダイを通る流体流路と流体連通している、アプリケータスロットと、スロットダイ表面を含む調整機構と、スロットダイの幅に沿って離間した複数の1次アクチュエータと、を含む。各1次アクチュエータは、1つ以上の2次アクチュエータに動作可能に結合され、各2次アクチュエータは、調整機構に動作可能に結合されて、その対応する場所での流体流路の断面高さを調整して、アプリケータスロットを通る流体流の局所的な調整を提供する。本方法は、目標スロット高さプロファイルを決定することと、次いで、コントローラを用いて、目標スロット高さプロファイルに基づいて、1次アクチュエータ設定のセット及び2次アクチュエータ設定のセットを予測することと、を含む。次いで、1次アクチュエータ設定及び2次アクチュエータ設定の予測されたセットに従って、1次アクチュエータ及び2次アクチュエータの各々が別々に位置決めされてスロットダイが調整される。

Description

製品の連続製造に有用なスロットダイが、関連するアセンブリ、システム、及びその方法と共に提供される。
工業製造業者は、一般に、ポリマー処理のためにスロットダイを使用する。スロットダイは、コーティングのために使用することができ、この場合、バッキング又は剥離ライナーなどの移動する可撓性基材上に液体材料が押し出される。液体材料は、ポリマー溶融物又は反応性モノマー混合物であり得る。材料が基材上に塗布される場合、このプロセスは一般に押出コーティングと呼ばれる。他の場合には、押し出された材料は、バッキングを必要とせずに、直接、自立型フィルムを形成することができる。
スロットダイ押出しが行われる方法には多くの変形形態がある。一例として、コーティング材料は、周囲温度又は高温であり得る。供給原料材料が処理のために溶融又は液化されることを確実にするためにコーティング材料の温度が上昇される場合、これは、しばしばホットメルトコーティングと呼ばれる。押出物は溶媒希釈剤を含むことができる。溶媒は、水、有機溶媒、又はコーティングの成分を溶解若しくは分散させる任意の好適な流体であってもよい。溶媒は、典型的には、乾燥によってなど、後続の処理において除去される。コーティングは、単一又は複数の層を含むことができ、いくつかのスロットダイを使用して、複数の層を同時に塗布することができる。コーティングは、ダイの幅にわたる連続コーティングであってもよく、又は代わりに、ストリップを形成することを含んでもよく、各ストリップは、ダイの幅の一部分のみにわたって延び、隣接するストリップから分離されている。
一般に、スロットダイは、アプリケータスロットを形成する一対の対向するダイリップを含む。アプリケータスロットの幅は、移動ウェブの幅、又はフィルムなどの押出製品を受け取るローラの幅にわたって延びることができる。本明細書で使用される場合、スロットダイ及びスロットダイの構成要素に関して、「幅」は、スロットダイ及びその構成要素のクロスウェブ寸法を指す。押出ウェブの厚さは、一般に、一方又は両方のダイリップの形状を変えることにより、又はダイリップから上流に位置するチョーカーバーを調整することにより調整される。
フィルム押出ダイ又は押出コーティングダイ上でのクロスウェブプロファイルを調整する技術は、一般に、2つの方法のうちの1つを含む。第1に、ダイリップ又はチョーカーバーは、ダイリップ又はチョーカーバーの形状に僅かな調整を行うために、ねじ機構を使用する差動ボルトを使用して手動で調整することができる。第2に、ダイリップ又はチョーカーバーは、熱アシストボルトを使用して調整することができ、これは、温度と共に長さが変化することができ、ダイリップ又はチョーカーと係合して更に微細な調整を行うことができる。これらプロセスの一部は、同時係属中の
国際特許出願第PCT/IB2020/061685号(Yapelら)、同第PCT/IB2020/061687号(Yapelら)、及び同第PCT/IB2020/061688号(Secorら)、並びに米国仮特許出願第63/122,996号(Secorら)に記載されており、これら全てが2020年12月9日に出願された。
クロスウェブ制御空間解像度は、ダイの制御において特に懸念材料である。ダイスロットの空間分解能は、押出ウェブ厚さに対する制御の分解能を限定し、クロスウェブ変動性を最小限に抑える。これは、光学グレードフィルムに使用されるような幅出しフィルム作業において特に懸念材料である。幅出しフィルム作業において、フィルムは押し出され、次いで横方向に延伸され、これが、延伸係数によってダイの解像度に影響を与える。フィルムが横方向に6倍に延伸される場合、ダイ上の1センチメートルのアクチュエータ/ボルト間隔は、最終フィルムの幅を6センチメートルにのみ制御できるだけである。横方向延伸は、フィルムの押出(すなわち、キャスティング)、長さ方向配向、横方向配向、及び/又は複合二軸延伸を含む、一連の工程における別々のプロセス工程であり得る。
有利なことに、提供される方法は、2つの異なるアクチュエータの移動を調整して、クロスウェブ空間分解能の実質的な向上を可能にする、ハイブリッド制御プロセスを使用する。いくつかの実施形態では、これらハイブリッド制御は、幅出しフィルムプロセスにおける、既存の計測及びダイへの再マッピングの使用を可能にする。好都合には、製造ラインに既に構成されている既存の計測システムを使用しながら、ダイを動作させるために、ハイブリッド制御を使用することができる。全体として、これらの改善されたシステム及び方法が、ダイスロットのより高い精度、一貫性、及び知識を付加する。
第1の態様では、スロットダイを調整する方法が提供される。スロットダイは、スロットダイの幅にわたって延びるアプリケータスロットであって、スロットダイを通る流体流路と流体連通している、アプリケータスロットと、スロットダイ表面を含む調整機構と、スロットダイの幅に沿って離間した複数の1次アクチュエータであって、各1次アクチュエータは、1つ以上の2次アクチュエータに動作可能に結合され、各2次アクチュエータは、調整機構に動作可能に結合されて、その対応する場所での流体流路の断面高さを調整して、アプリケータスロットを通る流体流の局所的な調整を提供する、複数の1次アクチュエータと、を備える。本方法は、目標スロット高さプロファイルを決定することと、コントローラを用いて、目標スロット高さプロファイルに基づいて1次アクチュエータ設定のセット及び2次アクチュエータ設定のセットを予測することと、1次アクチュエータ設定と2次アクチュエータ設定の予測されたセットに従って、1次アクチュエータ及び2次アクチュエータの各々を別々に位置決めしてスロットダイを調整することと、を含む。
第2の態様では、スロットダイを備えるシステムが提供され、スロットダイは、スロットダイの幅にわたって延びるアプリケータスロットであって、スロットダイを通る流体流路と流体連通している、アプリケータスロットと、アプリケータスロットを通る流体流路の断面高さを調整するためのスロットダイ表面を備える調整機構と、スロットダイ表面の幅に沿って離間した複数の1次アクチュエータであって、各1次アクチュエータは、1つ以上の2次アクチュエータに動作可能に結合され、各2次アクチュエータは、調整機構に動作可能に結合されて、その対応する場所での流体流路の断面高さを調整して、アプリケータスロットを通る流体流の局所的な調整を提供する、複数の1次アクチュエータと、各1次アクチュエータ及び各2次アクチュエータの位置を独立して設定することが可能なコントローラと、を備える。
例示的な一実施形態による、スロットダイを組み込んだ製造ラインを示す概略図である。 図1のスロットダイの斜視図である。 所与の場所における流体流路の高さを調整するために1次及び2次アクチュエータが設けられた、図1及び図2のスロットダイの側断面図である。 図1~図3のスロットダイの2次アクチュエータの前端部を示す斜視図である。 図1~図4のスロットダイを動作させるために使用されてもよい様々な制御ループを示すブロック図である。 図1~図4のスロットダイを動作させるために使用されてもよい様々な制御ループを示すブロック図である。 図1~図4のスロットダイを動作させるために使用されてもよい様々な制御ループを示すブロック図である。 調整前及び調整後の状態にある、図1~図4のスロットダイにおける1次アクチュエータ及び2次アクチュエータの構成を示す上面図である。 調整前及び調整後の状態にある、図1~図4のスロットダイにおける1次アクチュエータ及び2次アクチュエータの構成を示す上面図である。 図1~図4のスロットダイを動作させるために使用されてもよい別の制御ループを示すブロック図である。 2次アクチュエータのアレイに対する温度プロファイルを示すプロットと、それに隣接する、同じ2次アクチュエータに対する電力入力プロファイルを示す対比プロットである。 スロットダイを動作させる2つの異なる方法を使用して作製された押出ウェブに関するクロスウェブ厚さプロファイルの平均及び±2s変動限界を示すプロットである。 スロットダイを動作させる2つの異なる方法を使用して作製された押出ウェブに関するクロスウェブ厚さプロファイルの平均及び±2s変動限界を示すプロットである。
明細書及び図面中の参照文字が繰り返して使用されている場合、本開示の同じ又は類似の特徴又は要素を表すことを意図している。当業者は多くの他の修正形態及び実施形態を考案することができ、それらは本開示の原理の範囲及び趣旨に含まれることを理解されたい。図は、縮尺通りに描かれていないことがある。
本明細書で使用する場合、「好ましい」及び「好ましくは」という用語は、一定の状況下で一定の利点をもたらすことができる、本明細書に記載の実施形態を指す。ただし、他の実施形態もまた、同じ又は他の状況下で好ましい場合がある。更にまた、1つ以上の好ましい実施形態の列挙は、他の実施形態が有用でないことを示唆するものではなく、他の実施形態を本発明の範囲から除外することを意図するものでもない。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用する場合、文脈上別段の明記がない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数の指示物を含むものとする。したがって、例えば、「a」又は「the」が付いた構成要素への言及には、構成要素及び当業者に公知のその均等物のうちの1つ以上を含んでもよい。更に、「及び/又は」という用語は、列挙された要素のうちの1つ若しくは全て、又は列挙された要素のうちの任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
「含む」という用語及びその変化形は、これらの用語が添付の記載に現れた場合、限定的意味を有しないことに注意されたい。また更に、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」は、本明細書では互換的に使用される。左、右、前方、後方、上部、底部、側、上方、下方、水平、垂直などの相対語が、本明細書において使用される場合があり、その場合、特定の図面において見られる視点からのものである。しかしながら、これらの用語は、記載を簡単にするために使用されるに過ぎず、決して本発明の範囲を制限するものではない。
本明細書全体において、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」又は「ある実施形態」に対する言及は、その実施形態に関して記載される特定の特徴、構造、材料又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な箇所にある「1つ以上の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「一実施形態では」又は「実施形態では」などの句の出現は、必ずしも本発明の同一の実施形態に言及しているわけではない。該当する場合、商品名は、全て大文字で記載する。
図1は、例示的な一実施形態による製造プロセスラインを示し、以下では数字50で示される。プロセスライン50は、順番に生じる様々なポリマー処理段階を含む。これら段階は、押出機52、スロットダイ54、キャスティングロールアセンブリ56、機械方向延伸機58、横方向延伸機60、及び巻取機62によって、以下の順序で行われる。プロセスライン50のこれら要素は、以下でより詳細に記載されている。
押出機52は、一般に、加熱されたバレル内で一軸又は二軸スクリュー構成を使用し、ペレット又は粉末の形態のポリマー供給原料を受け入れることができる。この供給原料は、押出機52によって溶融及び混合され、スロットダイ54を通して排出されて、押出ウェブ68が提供される。このプロセスを支援するため、溶融ポンプ又は定量ポンプを使用することができる。スロットダイ54は、特に限定される必要はなく、例えば、フィルムスロットダイ、押出ダイ、多層スロットダイ、ホットメルト押出コーティングダイ、ドロップダイ、回転ロッドダイ、接着剤スロットダイ、溶媒コーティングスロットダイ、水性コーティングダイ、スロット供給ナイフダイ、又はナイフコータであり得る。
スロットダイ54を出た後、ウェブ68は、キャスティングロールアセンブリ56内のキャスティングロール上に直接配置され、次いで機械方向延伸機58に通され、それにより、ウェブ68は、そのダウンウェブ方向に沿って一軸延伸される。この次元に沿って延伸された後、ウェブ68は横方向延伸機60を通して導かれ、そこでウェブの縁部がクランプで把持され、ウェブはそのクロスウェブ方向に沿って延伸される。ウェブ68は、両方向に沿って所望の程度まで十分に延伸されると、図示するように、最終的に巻取機62を介して圧密されてロールになり得る。任意選択で、フィルムがコアに巻き取られる前に、エッジトリミング工程が行われて、均一な幅のフィルムが提供される。
この例示的なプロセスでは、計測場所として知られる、ウェブ68の厚さが測定され得る様々な場所がある。図1では、押出ウェブ68は、ダイ54から第1の計測場所64に、次いで第2の計測場所66に搬送された後、巻取機62によってロールに巻き取られる。第1の場所64では、押出ウェブ68が最初のキャストロール上で急冷された直後にウェブ厚さ情報が捕捉される。第2の場所66では、横方向延伸機60によって第2の延伸工程が完了した後で、ウェブ68が巻取機62によって巻き取られる前に、この情報が捕捉される。任意選択で、場所66は、縁部トリミング工程が行われてウェブ68に均一な幅が付与された後であり得る。所望であれば、機械方向延伸機58と横方向延伸機60との間などの中間点で厚さ測定を実施することも可能である。ウェブ厚さは、コーティング重量に直接的に関連し、これら2つは、本開示では同様に見なすものとする。
押出ウェブ68の計測は、当該技術分野において既知の任意の方法を使用して実現することができる。1つの有用な厚さ測定技術は、ベータゲージを使用する。ベータゲージは、放射性同位体源(例えば、プロメチウム、クリプトン、又はストロンチウムに基づく)から放出された放射線をウェブに透過させ、結果として生じるベータ粒子の減衰を検出することによって、所与のウェブの正規化質量を測定する。ベータゲージの測定フットプリントは小さいので、プロファイル測定は、ウェブの幅の全体にわたるジグザグパターンに沿った様々な場所で行われる。次いで、これら測定値を経時的に追跡して、ウェブに沿って実施された測定値間の時間差を明らかにすることができる。プロセス条件の影響が安定した後であっても、完全なプロファイル測定は、機械方向の変動を平均化するために、いくつかの走査(通常、6回以上の走査)の平均化を必要とする可能性がある。
UV蛍光、赤外吸収、干渉分光法、レーザ三角測量などの直接厚さ測定、ガンマ後方散乱などの反射法、及び静電容量ベースの感知に基づくものを含む、代替的な計測方法も利用可能である。これらの方法のいくつかは、ウェブの全幅にわたるウェブ厚さプロファイルを一度に捕捉することができる。コーティング厚さをその全幅に沿って一度に測定しながら、本明細書に記載される特定のワークフローを適用することにより、従来のスキャンベースの計測方法を使用するワークフローと比較して、サイクル時間において4倍~12倍の改善を提供することができると判定された。
本明細書では明示的に示されていないが、他のプロセスラインも可能である。これらのいくつかは、機械方向延伸機58又は横方向延伸機60の一方又は両方を含まない。他の実施形態では、機械方向延伸及び横方向延伸が同じ工程において行われる。更なる代替的実施形態では、押出機52は、まだ溶融している押出ウェブをエンボス加工された表面上に配置して、テクスチャ化表面が提供される。押出ウェブは、キャスティングロールアセンブリ56内のニップローラ間を通過しながら、既存のフィルム上に配置されることもできる。
プロセスラインが、複数の追加プロセスステーションのいずれかを含んでもよい。例えば、乾燥用オーブン又は他のステーションを設けて、硬化性組成物を含む押出ウェブを硬化させることができる。更なるプロセス工程は、押出ウェブ上にコロナ処理又は火炎処理された表面を提供する表面処理ステーション、又はいかなる品質問題をも明らかにする検査ステーションを含むことができる。前述した変型形態の全てが、提供される本開示の範囲内にあることを理解されたい。
図2及び図3は、それぞれ、スロットダイ54の斜視図及び断面図を示す。図3に示すように、スロットダイ54は、一対の対向するダイブロック100、102を含み、これらは共に、押出機からアプリケータスロット104への流体流の経路を画定する。ダイブロック100の遠位端には、アプリケータスロット104の表面を画定するスロット調整機構、ここではダイリップ106、が設けられている。図示されていないが、スロット調整機構は、代わりに、ダイリップから上流に位置するチョーカーバーにより提供され得る。
図2に示すように、スロットダイ54は、6つの1次アクチュエータ108を含む。いくつかの実施形態では、1次アクチュエータ108は、リニアアクチュエータを駆動するモータを含む構成要素のアセンブリを表す。各アセンブリが、リニアアクチュエータの出力シャフトの位置移動を検出する、線形可変差動変圧器(linear variable differential transformer、LVDT)又はリニアエンコーダなどの精密センサを含むことが有利であり得る。有用なアクチュエータアセンブリに関する更なる詳細が、例えば、同時係属中のPCT特許出願第PCT/IB2020/061685号(Yapelら)、第PCT/IB2020/061687号(Yapelら)、及び第PCT/IB2020/061688号(Secorら)、並びに米国特許仮出願第63/122,996号(Secorら)に記載されており、これらは全て2020年12月9日に出願された。
再び図2を参照すると、6つの1次アクチュエータ108の各々が、その遠位端において複数の2次アクチュエータ112に機械的に結合されている。この実施形態では、各2次アクチュエータ112は、フォーク110内の複数の尖叉(tine)のうちの1つによって表され、各尖叉は個別に制御可能である。代わりに、単一の尖叉のみを有する2次アクチュエータを使用することが可能であり、これは、1次アクチュエータ108間の間隔がダイリップ106を制御するのに十分な分解能を提供する用途に適切であり得る。好ましい実施形態では、各フォークは、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、又は9個以上の尖叉を含むことができる。
2次アクチュエータ112の遠位端は、ダイリップ106の表面に係合して、ダイリップ106の位置の局所的調整を可能にしている。係合は、場合によっては、2次アクチュエータ112がダイリップ106に押力と引張力の両方を加えることを可能にする機械的結合であり得る。代わりに、2次アクチュエータ112とダイリップ106の表面との間の係合は、押力を加えることのみを可能にする単なる接触であってもよい。他の実施形態では、2次アクチュエータ112は、チョーカーバー表面などの、スロットダイ54の他の表面に係合し得る。
図3は、スロットダイ54の内部フィーチャをより詳細に示す。図示するように、スロットダイ54のダイブロック100、102は、組み合わされて、アプリケータスロット104と流体連通する、スロットダイ54を通る流体流路を形成する。
1次アクチュエータ108は、スロットダイ54の幅に沿って取付ブラケット120、121に締結され、取付ブラケット120、121は、ダイブロック100に対して固定され、1次アクチュエータ108及びフォーク110をそれぞれ支持する。各1次アクチュエータ108は、ダイリップ106の位置を変更することにより、スロットダイ54の幅に沿ったその対応する場所での流体流路の高さを調整して、アプリケータスロット104を通る流体流の局所的な調整を提供するように動作可能である。各フォーク110の本体111は、ダイリップ106に力を加えたときにフォーク110の座屈又はたわみを低減させることを手助けするために、任意選択でリニアブッシングで支援されて、取付ブラケット121を通って延びている。いくつかの実施形態では、フォーク110の本体111は、最小限のバックラッシュを提供する段付きボルト取付具を介してフォーク110の上部に取り付けられたスピンドル122に結合され得る。
スロットダイ54の動作中、押出物がスロットダイ54に入り、押出物がアプリケータスロット104を通って出て、冷却されたローラに適用されて溶融物が固化するまで、スロットダイ54の流体流路を通って進み続ける。本開示と密接に関係するわけではないが、このようなプロセスとしては、延伸、コーティング、テクスチャリング、印刷、切断、圧延、及び積層が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかのプロセスでは、製造剥離ライナーを除去して、剥離ライナーを追加することができ、又は1つ以上の追加の層(積層転写テープなど)を追加することができる。押出物が硬化性組成物である場合、e-ビーム、オーブン、又は紫外線(UV)チャンバへの曝露などによって硬化工程を実施することもできる。
好ましい実施形態では、1次アクチュエータ108は、コントローラの支援を受けて動作する。コントローラは、モータ及びセンサの両方から位置入力を受け取ることができる。例えば、モータはステッパモータであってもよく、これは、ステッパモータの既知の基準位置からステッパモータが行った「ステップ」数の指標を提供する。センサは、モータによって提供されるよりも正確な位置情報をコントローラに提供することができる。コントローラは更に、1次アクチュエータ108のスピンドル122を予め選択された位置に駆動するための命令をモータに提供することができる。例えば、コントローラは、予め選択された位置に従って1次アクチュエータ108のスピンドル122を位置決めするために、モータ210を動作させながら、センサ230を用いて1次アクチュエータ108のスピンドル122の位置を監視することができる。いくつかの実施例では、コントローラは、1次アクチュエータ108のセットを同時に又は順次に、のいずれかで制御することができる。例えば、コントローラは、図2に示すように、スロットダイ54における1次アクチュエータ108の各々を同時に制御することができる。
作動機構として差動ボルトを利用するスロットダイ設計とは対照的に、本明細書に示されるようなゼロバックラッシュカプラ124を使用して、限定されたバックラッシュで又はバックラッシュなしで、出力シャフト126を1次アクチュエータ108のスピンドル122に接続することができる。これを実現するために、1次アクチュエータ108は、線形電圧変位変換器、デジタルスケール、キャパシタンスゲージ、光学変位計、レーザ変位計、又はそれらの組み合わせ、を組み込んだ位置センサを使用して、フォーク110の本体111を正確な位置に調整することができる。差動ボルト機構は100マイクロメートルを超えるバックラッシュを有する場合があるのに対して、ゼロバックラッシュカプラ124は、10マイクロメートル未満、又は更には5マイクロメートル未満、例えば約3マイクロメートルなど、ほとんどバックラッシュを提供しない場合がある。
アプリケータスロット幅又はチョーカーバー位置を制御するために1組の差動ボルトを利用するスロットダイでは、各差動ボルトの比較的大きなバックラッシュは、1つの差動ボルトの位置を調整することにより、他のボルトにおける流体流路の高さを変化させる可能性があることを意味する。この理由から、押出ダイの動作中にダイリップ106の絶対位置を知ることはできない。対照的に、スロットダイ54では、1次アクチュエータ108のスピンドル122の位置は、ダイリップ106の局所位置に直接的に対応する。このアクチュエータアセンブリの詳細は、例えば、同時係属中の国際特許出願第PCT/IB2020/061685号(Yapelら)にて詳細に説明されている。主な利点は、従来の差動ボルトを利用するスロットダイでは利用できない再現可能で正確な位置決めを含む。
図4は、スロットダイ54の残りの部分から分解されたフォーク110の拡大図を示す。図示するように、フォーク110は、本体111からダイリップ106に向かって外向きに延びる、独立して調整可能な2次アクチュエータ112として機能する、一連の6個の尖叉から構成される。有利なことに、各2次アクチュエータ112は、それ自体の制御ゾーンを提供し、ダイリップ106の形状を制御する場合に、精度の6倍の増加が可能になる。
任意選択で、図示するように、本体111及び尖叉は、一体構造の一部である。この実施例では、各尖叉は、熱膨張及び収縮によって制御される長さを有する。制御を提供するために、尖叉の各々は、抵抗性加熱要素を含み、熱感知デバイスと共に電力源への接続を有して、制御ループが尖叉を所定の温度に加熱することが可能である。これら構成要素は、スロットダイ54の動作中に損傷から保護するために、尖叉内に部分的に埋め込まれている。熱感知デバイスは、尖叉内のカートリッジヒータに組み込むことができる、又は尖叉に取り付けることができる。赤外線加熱などの、尖叉を加熱する他の方法も可能である。更なる選択肢として、各尖叉を冷却する能力を提供して、尖叉の温度に対して更に良好な制御を得て、より速い応答時間を可能にすることできる。このような冷却は、例えば、強制空気対流によって達成され得る。
適切なコントローラを使用して、各2次アクチュエータ112の長さを制御し、それにより、2次アクチュエータ112とダイリップ106との間に機械的係合が生じる位置を画定することができる。このコントローラは、1次アクチュエータ108用に使用されるコントローラとは別個であることができ、又は一体であることができる。有用なコントローラには、制御ループ機構を適用する比例積分微分(PID)コントローラが含まれる。2次アクチュエータ112の長さは、2次アクチュエータ112の温度に最も直接的に相関するが、この長さは、各2次アクチュエータ112に関する、電力入力(すなわち、%電力)との所定の相関に基づいて制御することもできる。後者の方法は、より単純であり得るが、熱擾乱の影響をより受けやすい傾向があり、これが2次アクチュエータ112に不均一に影響を及ぼし得る。
1次及び2次アクチュエータ108、112は、2次アクチュエータ112の遠位端とダイリップ106との間の機械的結合に基づいてダイリップ106の位置を集合的に制御する。1次及び2次アクチュエータ108、112は、直列で動作し、したがって、所与の制御ゾーンに対して、アクチュエータ設定の様々な組み合わせが、ダイリップ106の同じ終端位置を提供することができることに留意されたい。しかしながら、図示するように、アプリケータスロット104に対してスロット高さ調整を実施する場合、1次及び2次アクチュエータ108、112を連係させて調整することが有利であり得る。
図5は、図1の製造プロセスライン50の環境において動作する、スロットダイ54などの提供されたスロットダイにおいて、スロット高さ調整を実現するために単一制御ループを使用する例示的なワークフロー150を示す。
最初に、製造プロセスライン50は、所定の初期的な1次及び2次アクチュエータ設定プロファイルを使用して押出ウェブ68を形成するように動作する。これら初期的なプロファイルは、同様のプロセス条件に基づく履歴データに基づいて保存することができる、又はそのようなデータがない場合、これらプロファイルは、ユーザ入力に基づいてデフォルト値に設定することができる。したがって、1次アクチュエータ及び2次アクチュエータの両方は、制御ループの開始時に、これら所定の設定に従う初期位置をとる。出発点として、1次及び/又は2次アクチュエータの所定の設定が、スロットダイの幅の大部分又は全部にわたって一定又は平坦であることが好都合であり得る。
ブロック152は、スロットダイのアプリケータスロットから押出しされたウェブのプロファイル測定値を提供する第1の工程を示す。前述したように、いかなる既知の測定技術も使用され得る。プロファイル測定は、キャストされた状態で、又は押出物の一部が配向された若しくは他の方法で変更された後に行うことができる。前者の場合、ウェブ厚さプロファイルの測定は、押出ウェブがアプリケータスロットを出た場所の近くで(「キャストされた状態で」)行われる。図1では、例えば、この厚さ測定は、溶融ウェブがキャスティングロールアセンブリ56の冷却ロール上で固化した直後に場所64において行うことができる。後者の場合、プロファイル測定は、ウェブが何らかの処理を受けた後に(「変換された状態で」)行われる。図1では、測定は、キャストウェブがクロスウェブ方向及びダウンウェブ方向の両方に沿って延伸された後に、場所66で行うことができる。
多くの計測デバイスは、厚さデータを収集するために、移動するウェブの幅を横切って往復走査することに留意されたい。多くの場合、これら測定は、ウェブの全幅を横切って分散されるだけでなく、異なる時点でも取得され得る、非常に多数の別個の測定値を伴い得る。これを管理するため、コントローラは、生の離散的な測定値を処理して、より少数のデータ値にすることができる。これは、クロスウェブ及びダウンウェブ平均化の形態を使用して、連続ウェブに沿った特定の場所においてクロスウェブ厚さプロファイルの仮想スナップショットを捕捉する。
提供される方法は、連続フルウェブコーティング押出物及びストライプコーティング押出物の両方に使用することができる。フルウェブコーティングでは、多数の測定値は、コーティングされた幅全体を表す。ストライプコーティングの場合、測定された厚さ値は、クロスウェブ方向に沿って互いに離間した複数のコーティングされた領域に対応し、その結果、測定値は、コーティングされたストライプのみをカバーし、その間のコーティングされていないレーンをカバーしない。
ブロック154は、これらプロファイル測定のウェブからダイへのマッピングを実施する次の工程を表す。ゲージ測定値をダイにマッピングするときに、特定の簡略化仮定を行うことができる。第1に、最新の計測システムはエッジ検出を有するものとすると、プロファイル測定から受信されるデータはエッジからエッジへ取られると仮定することができる。第2に、ゲージデータは実際の押出物重量/厚さに直接対応すると仮定される。ウェブが剥離ライナー上に配置される場合、剥離ライナーの坪量が差し引かれ、データはコーティング重量のみを表すと更に仮定することができる。最後に、押出ウェブの両縁部からいかなるネックインも対照的に存在すると仮定することができる。
粗粒度測定値の数及び位置は、ダイリップアクチュエータの数及び位置と異なることが多く、したがって、測定値をアクチュエータ位置にマッピングする一般的な方法が望ましい。フィルムネックイン計算は、異なる流量、延伸距離、及びウェブ速度の影響を考慮することができる。一実施形態では、物理単位(インチ又はmm)でのコーティングされたウェブ座標は、アクチュエータ単位での座標(すなわち、連続アクチュエータ番号に基づくダイ座標系)にマッピングされる。このプロセスは、コーティング測定アレイ値から、物理的なコーティングをされたウェブ位置へのマッピングを可能にし、次いで、ウェブからダイへのマッピング関数を介して物理的なダイ位置へのマッピングを可能にする。ここで、コーティング測定アレイは、例えば、移動するウェブをスキャナが横断するたびに生成される厚さ測定値の最新のアレイを表すことができる。
適切なダイからウェブへ又はウェブからダイへのマッピング関数では、プロファイル制御方式の他の場所でこの関数を利用することが有利であり得る。例えば、マッピングは、コーティング流れ場を通したコントローラ利得又はアクチュエータ相互作用などの制御パラメータにおけるクロスウェブ変動を組み込むことができる。これは、製造経験に基づいた特別な方法で、又はコーティング流れ場の流体機械モデルを使用したより科学的な方法で行うことができる。
流れのモデル化は、流体レオロジーを特性化する任意の適切なモデルを使用してもよい。例えば、流れのモデル化は、有限要素解析を含んでもよく、又は1つ以上の方程式により直接的に依存してもよい。例示的な数学モデルは、他の場所、すなわち2020年12月9日に出願された同時係属中のPCT出願第PCT/IB2020/061688号(Secorら)に記載されている。
スロットダイ調整の計算的予測が可能である。その理由は、アクチュエータの位置、及び推論によってスロット高さが、所望の押出物目標厚さ、現在の測定された押出物厚さと組み合わせて既知だからである。従来は、押出プロセス中にスロット高さの絶対位置を知ることは、例えば差動ボルトのバックラッシュに起因して、可能ではなかった。既知の目標厚さ及び測定された押出物厚さプロファイルを使用して、これら計算が適切なスロットダイ変化を予測することができる。この知識に基づいて、スロット高さプロファイルと押出物厚さプロファイルとの間の関係を知ることができ、したがって、スロット高さプロファイルを予測して、目標厚さプロファイルを得ることが可能である。
いくつかの実施形態では、このマッピングは、測定システムに既に組み込まれている任意のスキャン位置からダイボルト位置へのマッピングを組み込む。NDC Infrared Engineering Inc.(Irwindale,CA)からのプロファイル制御ソリューションなどの様々な市販のシステムがウェブからダイへのマッピングを実行することができる。
次いでブロック156に進んで、ウェブ厚さに対するプロファイル偏差が次いで決定される。これは、各制御ゾーンにおいて、現在のウェブ厚さプロファイルが目標ウェブ厚さプロファイル(ブロック158)から逸脱している程度を表す値の残差アレイ(すなわち、ベクトル)によって提供することができる。制御ゾーンは、本明細書で言及される場合、各1次アクチュエータ又は代わりに各2次アクチュエータに対応するスロットダイのセグメントに対応し得る。
ブロック158における初期目標プロファイルは、スロットダイを出る押出物に近い場所(例えば、図1の場所64)、又は代わりに、ウェブが部分的に又は十分に変換された場所から下流にある場所(例えば、図1の場所66)において画定され得る。プロセスライン50における異なる起源に起因し得る所望のウェブ厚さプロファイルと実際のウェブ厚さプロファイルとの間の偏差を十分に理解し補正するために、両方のタイプの測定を組み込むことが重要な技術的利点であり得る。
ワークフロー150のその後の反復において、ブロック156で決定されたプロファイル偏差は、ブロック158で設定された初期目標ウェブ厚さプロファイル、又は必要に応じて、修正された目標ウェブ厚さプロファイルのいずれかに基づくことができる。目標ウェブ厚さプロファイルに対する修正は特に制限されず、コンピュータアルゴリズムに従って所定の方法で、又はオペレータからの入力により手動で実施され得る。
ワークフロー150が最初に実行される場合、目標ウェブ厚さプロファイルは、ワークフロー150の又は同様の条件下で行われた他のワークフローの、前回の反復において使用されたウェブ厚さのアレイなど、保存されているウェブ厚さプロファイルに基づくことができる。例えば、前回に使用された目標ウェブ厚さプロファイルは、同じ又は類似のダイスロット構成及びスロットダイを通る類似の流れ条件が使用される場合、有用であり得る。多くの用途では、平坦な押出物プロファイルが望ましいが、他のプロファイルが好ましい状況がある。例えば、「ドッグボーン」形状の目標プロファイルは、ドローレゾナンス(draw resonance)又はエッジスカロッピング(edge scalloping)に関連するものなど、押出プロセスにおけるエッジ不安定性を制御するために望ましい場合がある。
次いで、ブロック156において、ブロック158からの初期目標ウェブ厚さプロファイルと、利用可能であれば測定されたウェブ厚さプロファイルとの差に基づいて、プロファイル偏差が決定される。ワークフロー150における制御ループの最初の反復が、ウェブ厚さ測定値の完全なセットが得られる前に実施され得る。測定されたウェブ厚さプロファイルがまだ利用可能でない場合、スロットダイにおける調整は、十分な数のウェブ厚さ測定値が存在する時間まで遅延されてもよい。部分的なプロファイル測定(ブロック152)を得ることができる限りにおいて、ワークフロー150を使用して、アプリケータスロットの一部分に沿って、しかし別の部分ではなく、スロットダイを調整することができる。
次いで、このようにして決定されたプロファイル偏差を用いて、適切なスロット高さ調整を計算することができる(ブロック160)。ブロック158からの初期目標プロファイルを達成するのに適切な、可撓性ダイリップ又はチョーカーバーに係合した1次及び2次アクチュエータに対する調整を予測する場合、ダイを通る流体流の影響を、流体流が存在しないスロットダイに関する機械的影響から切り離すことを可能にする、圧力ダイたわみモデルを適用することが有利であり得る。適切なモデルは、アプリケータスロットにわたる圧力プロファイルと、可撓性ダイリップ又はチョーカーバーにおける対応する圧力たわみ量とを予測することができる。場合によっては、この圧力に基づくたわみを経験的に測定することが可能であり得る。
圧力たわみは、それを計算されたスロット高さに加算して、目標スロット高さプロファイルを得ることにより考慮することができる。次いで、この目標スロット高さプロファイルを現在のスロット高さプロファイルと比較して(ブロック162)、適切な調整を決定することができる。とりわけ、現在のスロット高さは、アプリケータスロットを通って流れる押出物組成物に起因するある程度の圧力たわみ(D)を含む。したがって、たわみDの量のいかなる変化も小さいと仮定すると、流体のみに起因するたわみDを、圧力補償されたスロット高さプロファイル(H+D)から減算して、ゼロ圧力スロット高さプロファイル(H)を得ることができ、次いで、それを使用して、目標アクチュエータ位置を計算することができる。
スロットダイにおける流体力学及び圧力効果を説明する数学的モデルは、他の場所、例えば、どちらも2020年12月9日に出願された、同時係属中の国際特許出願第PCT/IB2020/061688号(Secorら)及び米国仮特許出願第63/122,996号(Secorら)に詳細に説明されている。
上記で得られたゼロ圧力スロット高さプロファイルを用いて、コントローラは、次いで、所望のスロット高さプロファイルを達成するのに適切な個別アクチュエータ設定のセットを予測することができる。好ましい実施形態では、個別アクチュエータ設定のこのセットは、予め選択されたクロスウェブプロファイルに対応する複数のアクチュエータ設定に基づく。以下に説明するように、複数の個別アクチュエータ設定は、一連の予め選択されたクロスウェブプロファイルに対して決定することができ、それにより、適切なアクチュエータ調整(ブロック164)を決定するための予測モデルが提供される。
好ましい実施形態では、複数の個別設定、及び/又は現在のスロット高さ(ブロック162)から導出されるゼロ圧力の現在のスロット高さの予測は、剛性行列と呼ばれる数学的構成を通じて得ることができる。剛性行列は、アクチュエータ設定を流れ場物理学効果がない対応するスロット高さプロファイルに変換する。本明細書では詳細には考察されないが、国際公開第2012/170713号(Secorら)は、所与のスロットダイに関する剛性行列を生成するために、経験的試験データがどのように使用され得るかの一例についてより詳細に記載している。
高レベルでは、剛性行列及び逆剛性行列を使用して、アクチュエータ位置変化をスロット高さ変化に変換され、この逆の変換も行われる。剛性行列は、以下の式1及び式2で表すことができる。
Figure 2024511228000002
Figure 2024511228000003
式1及び式2において、h及びhは、それぞれ、現在のスロット高さ及び新しいスロット高さを表すベクトルであり、A及びAは、それぞれ、現在のアクチュエータ位置及び新しいアクチュエータ位置(アクチュエータ単位で)を表すベクトルであり、Kは、剛性行列であり、Iは、単位行列であり、kは、アクチュエータ位置変化をスロット高さ変化に変換する比例定数であり、各アクチュエータについて同じである。
剛性行列Kは、一般に、N×Nの成分を有し(Nは有効なアクチュエータの総数である)、j番目のアクチュエータ設定Aの変化に起因する、測定点におけるスロット高さの変化を物理的に表す。剛性行列は、アクチュエータ間の有意な機械的相互作用を反映し得る。一般に、アクチュエータ位置の変化は、いくつかのアクチュエータだけ離れた位置においてスロット高さの変化を生じ得る。いくつかの実施形態では、これは、帯剛性行列によって表される。多くの場合、帯剛性行列は、対称であると仮定することができる。例えば、行列は、行列の5つの対角線(主対角線+両側の2つの対角線)に沿ってのみ有意な非0成分を有することができる。
剛性行列が決定されると、スロット高さ測定値を2つの方法で使用することができる。第1に、アクチュエータ設定の任意のセットについて、結果として生じるスロット高さプロファイルは、
上記の式1及び式2に従う剛性行列をアクチュエータ変位で乗算することによって計算することができる。次に、指定されたスロット高さプロファイルをもたらすアクチュエータ設定は、剛性行列の逆数にスロット高さの所望の変化を乗算することによって計算される。アクチュエータ調整の適切なセットを決定するために、式3が使用される。
Figure 2024511228000004
次いで、ブロック164において、アクティブアクチュエータを上記の計算されたアクチュエータ調整に従って適切な位置に調整して、所望のスロット高さプロファイルを達成することができる。この線形代数問題を解く好ましい方法では、ガウス消去法を実行して、剛性行列変換の行列ベースの解を得る。
図5に示すように、ブロック164におけるアクチュエータ調整は、1次アクチュエータ、2次アクチュエータのいずれか又は両方に適用され得る。1次アクチュエータが調整されている場合、2次アクチュエータは、各フォークの尖叉が個々にではなく集合的に移動するように、受動的に維持され得る。2次アクチュエータが調整されている場合、2次アクチュエータが調整されている間、1次アクチュエータは固定されていてもよい(又は受動的であってもよい)。第3の可能性として、図7で後述するように、1次アクチュエータと2次アクチュエータの両方を同時に調整することが可能であり、実際に有利であり得る。
アクチュエータ調整が完了すると、ワークフロー150はブロック152に戻り、そこで新しいプロファイル測定が行われ、上述したプロセスが新たに開始される。ワークフロー150における工程は、リアルタイムウェブ厚さ測定に基づいて、1次/2次アクチュエータ設定/位置を漸進的に改善することができる。時間の経過に伴い、これらの段階的な調整を通じて、押出物ウェブ厚さは、所望の目標ウェブ厚さプロファイルに収束することができる。
上記のワークフロー150は、ポリマー溶融物が流体流路に沿って搬送され、アプリケータスロット104から排出される際に、図2及び図3のスロットダイ54を使用して実現できる。ここで、コントローラは、ブロック164において決定されたアクチュエータ調整に従って、アプリケータスロット104に沿った多くの制御ゾーンの各々におけるダイリップ106を漸増式に押す又は引くための、1次アクチュエータ108及び2次アクチュエータ112の一方又は両方のセットの設定を予測する。各1次アクチュエータ108は6個の2次アクチュエータ112に対応するので、コントローラが、粗いスケールで目標スロット高さプロファイルを得るために1次アクチュエータ設定を予測し、次いで、より細かいスケールで目標スロット高さプロファイルを得るために2次アクチュエータ設定を予測することが、効率的であり得る。
いくつかの実施形態では、1次アクチュエータの位置が、対応する目標1次アクチュエータ位置に基づいて決定され、次いで、目標1次アクチュエータ位置に少なくとも部分的に基づいて、1次アクチュエータに対応する各2次アクチュエータの位置が決定される。有利なことに、目標1次アクチュエータ位置は、2次アクチュエータ間の長さ制御信号の変動を低減させるように決定又は調整され得る。2次アクチュエータのために、ここで使用される長さ制御信号は温度であるが、電力、圧電電圧、又は油圧を含む他の長さ制御信号も可能である。
図6は、ネスト化された制御ループを使用する代替的なワークフロー250を示す。ワークフロー250は、キャストプロファイル測定(ブロック252)、ウェブからダイへのマッピング(ブロック254)、初期目標キャストプロファイル(ブロック258)に基づくプロファイル偏差の決定(ブロック256)、現在のスロット高さ(ブロック262)に基づくスロット高さ調整の決定(ブロック260)、及びアクチュエータ調整(ブロック264)を含む、ワークフロー150において既に説明されたいくつかの要素を組み込んでいる。内部制御ループを構成するこれら工程は、ワークフロー150において上で検討されたものと類似しており、再び触れることはしない。
ワークフロー250は、外側制御ループも含む。このループはブロック266で始まり、変換されたプロファイル測定値が提供される。キャストプロファイル測定(ブロック252)から下流で取られるこの変換されたプロファイル測定は、内部制御ループの実行中のいかなる時間においても生じ得る。したがって、内側ループ及び外側ループにおける工程は、互いに一致する必要はない。
ブロック268は、ブロック266における変換されたプロファイル測定値に対して実施されるウェブからダイへのマッピング工程を示す。変換されたウェブ厚さプロファイルに対するウェブからダイへのマッピングは、ブロック254で行われるウェブからダイへのマッピングよりも複雑であり得る。プロセスライン50では、例えば、機械方向延伸機58及び横方向延伸機60の動作により、押出フィルムは実質的に伸長される。これらプロセスが予測可能かつ再現可能な結果をもたらすと仮定すると、数学的モデルを使用して、変換後のクロスウェブ座標系を、その変換前の押出ウェブのクロスウェブ座標系にマッピングすることができる。
複数の変換プロセスが存在する場合、変換されたウェブ厚さプロファイルを再びスロットダイに段階的にマッピングするために、一連のマッピング計算が一般に使用される。好ましい実施形態では、変換されたプロファイルがキャストプロファイルに再びマッピングされ、次いで、キャストプロファイルがダイに再びマッピングされる。この後者の工程は、ブロック254のウェブからダイへのマッピング工程に関して上述したものと同じプロセスに従う。一例として、図1の場所66で測定されたプロファイルが、場所64でのプロファイルにマッピングされることができ、次いで、ダイ54でのプロファイルに再びマッピングされることができる。好都合なことに、これにより、ブロック254からの計算アルゴリズムを再使用することが可能になる。
次にブロック258に進むと、次いで、ウェブ厚さについての目標キャストプロファイルは、コントローラからの命令に基づいて適宜更新され得る。このキャストプロファイルは、以前に使用された目標キャストプロファイルを置換する。先に参照したものと同様に、有用なコントローラは、所望の変換されたプロファイルに達するまで、反復的な増分変化を適用して、ブロック256によって表される目標キャストプロファイルを漸進的に改善するための、PIDコントローラを含むことができる。内側ループ及び外側ループは同時に動作するが、アクチュエータ設定の変更によって生じる影響は、押出ウェブが変換プロセス全体を通って移動し終わるまで知ることができないので、外側ループは、遙かに長いサイクル時間でのフィードバックを提供する。
外側ループ及び内側ループは、好ましくは、コヒーレント最適化方式で互いに補完し合う。内側ループは、押出ウェブの第1の場所で測定される第1のウェブ厚さプロファイルに基づき、目標スロット高さプロファイルは、内側ループの少なくともいくつかの反復にわたって一定に保持される。外側ループは、第1の場所から下流にある押出ウェブの第2の場所で測定される第2のウェブ厚さプロファイルに基づき、目標スロット高さプロファイルは、外側ループの各反復において更新される。したがって、内側ループは、短い時間フレームで動作し、目標プロファイルへの収束を求めて1次/2次アクチュエータ設定を連続的に調整する一方で、外側ループは、内側ループによって「追跡」される目標プロファイルを周期的に調整する際に、より長い時間フレームで動作する。
図7は、図2~図4に示す1次アクチュエータ108及び2次アクチュエータ112などのアクチュエータ間の相互作用を示す更に別の例示的なワークフロー350を示す。最初に、互いに端部同士が結合された2つのアクチュエータを有するおかげで、いくつかの興味深い厄介な問題が導入されることに留意されたい。第1に、一方のアクチュエータを長くすると、他方のアクチュエータを短くすることを伴い得るので、単一の目標ウェブ厚さプロファイルが無限数の解に対応し得る。第2に、1次アクチュエータが複数の2次アクチュエータに結合される場合、2次アクチュエータの可能な位置の範囲は、一般に、1次アクチュエータの位置によって制約される。第3に、多くの状況において、1次アクチュエータ及び2次アクチュエータは、非常に異なる応答時間を有し得る。最後に、特定の状況において、隣接するアクチュエータは、それらが互いに近接していることに基づいて、熱伝達によって引き起こされる干渉などの干渉を受ける可能性がある。
これら考慮事項のうちのいくつかがワークフロー350において考慮される。ワークフロー350は、以前のワークフローと同様に、変換されたウェブのウェブ厚さプロファイル測定(ブロック366)と、それに続く、このプロファイルのウェブからダイへのマッピング(ブロック352)と、目標プロファイル(ブロック358)に対するプロファイル偏差の決定(ブロック356)と、現在のスロット高さ(ブロック362)に対するスロット高さ調整の決定(ブロック360)とを含む。ブロック361において、以下の条件が満たされるかどうかに基づいて、コントローラによって分析が行われる。
Figure 2024511228000005
式中、xは1次アクチュエータの長さ制御信号であり、Dxは提案されたアクチュエータ調整であり、dは1次アクチュエータの分解能に関連するxの変化に対する所定の閾値である。
図2~図4の例示的な構成における提案されたアクチュエータ調整Dxは、所与のフォーク110についての平均尖叉温度と、同じフォーク110についての平均目標尖叉温度との差を計算することにより決定され得る。尖叉(2次アクチュエータ112)の僅かな熱膨張又は収縮が、温度変化に線形に関連するので、この測定値は、アクチュエータ長さの変化に直接相関する。
所望の長さ制御信号xは、前述の方法のいずれかから、例えば、バンプ試験データを使用して決定された逆剛性行列を介して、及び任意選択でスロットダイ内の流体流によって誘起される圧力効果を考慮して、計算され得る。いくつかの実施形態では、dは、1次アクチュエータ不感帯、又は1次アクチュエータにより対応するには小さすぎるが、それが結合される2次アクチュエータにより対応することが可能な長さ制御信号の範囲を反映する。
提案されたアクチュエータ調整Dxの大きさが閾値d以下である場合、2次アクチュエータ112はそれに応じて調整され(ブロック364)、プロセスは、変換されたプロファイル測定から再び始まる(ブロック366)。ここで、調整は、1次アクチュエータ108の位置が静止したままで、2次アクチュエータ112によって排他的に行われる。対照的に、提案されたアクチュエータ調整Dxが閾値dよりも大きい場合、以下でより詳細に説明するように、1次及び2次アクチュエータの両方が調整される(ブロック365)。
例示的な実施例が、図3の1次及び2次アクチュエータ108、112によって表され、1次アクチュエータは、ねじ差動結合を使用して移動される一方で、2次アクチュエータは、熱膨張及び収縮によって移動される。より広範には、1次アクチュエータは、機械的、熱的に調整可能なボルト、圧電デバイス、油圧デバイス、又は空気圧デバイスによって駆動され得る。1次アクチュエータ及び2次アクチュエータが連係して調整されると好ましい。任意選択で、1次アクチュエータ及び2次アクチュエータの両方が同時に調整されて、全体的なアクチュエータ位置のよりスムーズな調整が提供される。
1つの例示的な1次作動機構では、アプリケータスロットは、スロットダイの本体によって軸方向に変位させられる作動ロッドと共に、支点としての回転シャフトによって支持されたレバーを使用して可撓性ダイリップに押圧荷重又は引張荷重を印加することによって調整することができる。レバーの回転力は、作動ロッドの軸方向の力に変換され、この軸方向の力が可撓性ダイリップに作用する押圧荷重又は引張荷重となる。レバーは、レバーの作用点で作動ロッドに力を直接加えることができる。
別の例示的な1次作動機構では、熱的に調整可能なボルトが、可撓性ダイリップ上に配置されたそれぞれの熱電素子に結合された複数の調整ピンを使用して、アプリケータスロットを自動的に調整する。熱電素子は、熱電素子の膨張又は収縮を通じて対応する調整ピンによって可撓性ダイリップに加えられる機械的力の作用を通じてアプリケータスロットを調整するために、コントローラによって制御可能であってもよい。更なる選択肢として、作動機構は、同時に調整される少なくとも2つの調整ピン及び/又は熱電素子を提供することを含むことができる。
上記の更なる態様が、他の変形形態と共に、米国特許第9,700,911号(Nakano)及び国際公開第2019/219724号(Colellら)に記載されている。
上記の座標調整の好ましい実施形態が、より長い作動ストロークを有する1次アクチュエータを使用することを含んで、全体的な動きの大部分を提供する。この全体的な動きは、各制御ゾーンに対する、2次アクチュエータの遠位端に基づく。複数の2次アクチュエータが各1次アクチュエータに結合される場合、1次アクチュエータ調整は、各1次アクチュエータを、その対応する2次アクチュエータの平均目標位置に基づいて計算された目標位置に調整することに基づいて計算することができる。平均化は、2次アクチュエータを必要以上に拡張又は収縮させることを回避するのに役立ち得る。特定の2次アクチュエータ、そのようなサーマルボルト、を使用して大きな調整を行うことは、技術的に困難なだけでなく、実現し及び安定化させるのに長い時間がかかる可能性もある。その結果、ワークフロー350における制御ループの全体的な応答性に悪影響を及ぼす可能性がある。
前述の方法の利点が、1次アクチュエータ108及び2次アクチュエータ112を2つの異なる構成で示す図8A及び図8Bに示される。図示する構成は、同じ最終的な位置を示すが、1次アクチュエータ108及び2次アクチュエータ112からの相対的寄与は非常に異なる。図8Aでは、2次アクチュエータ112(灰色で陰影付けされている)は、長さの著しい変動を示し、これは、2次アクチュエータ112を非常に異なる温度に加熱した結果である。対照的に、図8Bでは、同じ2次アクチュエータ112が、ほぼ均一な温度プロファイル及び長さを有する。後者の場合、1次アクチュエータ108は、ブロック矢印によって示されるように、ダイリップに向かって又はダイリップから離れるように並進移動することにより、2次アクチュエータ112の長さの差を正確に補償する。
式4及び式5を適用してこれらアクチュエータを調整することにより、ダイリップ位置を維持しながら、2次アクチュエータ(すなわち、尖叉)と1次アクチュエータ(すなわち、フォーク)との間の長さを再分配することが実現できる。
Figure 2024511228000006
式中、Tnewは新しい尖叉温度であり、Toldは古い尖叉温度であり、Tmeasuredはフォーク内の平均測定尖叉温度であり、Ttargetはフォーク内の平均目標尖叉温度である。
Figure 2024511228000007
式中、Anewは(アクチュエータ設定における)新しい1次アクチュエータ位置であり、Aoldは古い1次アクチュエータ位置であり、Yは温度とアクチュエータ設定との間の固定変換係数である。
温度の均一な分布は、2次アクチュエータ112とスロットダイの可撓性ダイリップとの間の熱伝達によって引き起こされる熱擾乱を最小限に抑えるのに役立ち得る。熱擾乱は、押出プロセスにおける予測可能性を低下させる可能性があり、一般に望ましくないと考えられている。好ましい実施形態では、尖叉と可撓性ダイリップとの間の望ましくない熱伝達の程度を更に軽減するために、全ての2次アクチュエータ112の目標尖叉温度の平均は、スロットダイの動作温度に対応する。
1次アクチュエータ設定が上記のように再較正されると、最終結果として、図8Aを図8Bと比較することによって証明されるように、アクチュエータ位置の同一プロファイルを提供しながら、2次アクチュエータ112における温度変動が低減される。1次アクチュエータ108は、熱制御される2次アクチュエータ112よりも遙かに迅速に応答することが可能なので、2次アクチュエータ112を位置決めする時間を許容するために、1次アクチュエータ108を漸進的に調整して、製品製造中における突然のアクチュエータ長さの変化を回避することが有益であり得る。
ここで図7を再び参照すると、ブロック365における1次及び2次アクチュエータの調整は、このとき完了し得る。この後に次いで、新しい変換されたプロファイル測定値(ブロック366)を得ることができ、プロセスは再び始まる。
図9は、以前のワークフロー150、250、350の要素を組み合わせた更に別のワークフロー450を示す。前述したように、プロセスは、キャストプロファイル測定(ブロック452)、ウェブからダイへのマッピング(ブロック454)、プロファイル偏差の決定(ブロック454)、及び現在のスロット高さ(ブロック462)の知識を用いた適切なスロット高さ調整の決定(ブロック460)を含む。次いで、以前のワークフロー350で説明したように、1次アクチュエータ調整のための特定の閾値が満たされているか否かを判定するために、ブロック461のテストが適用される。このテスト条件が満たされるかどうかに応じて、ワークフロー450は、2次アクチュエータを排他的に調整する(ブロック464)か、又は1次アクチュエータ及び2次アクチュエータを一緒に調整する(ブロック465)かのいずれかに進む。
ワークフロー450に追加された改良は、内側制御ループと外側制御ループとの組み合わせである。したがって、コントローラは、キャストプロファイル測定値(ブロック452)に基づいてアクチュエータ調整を行うが、ウェブからダイへのマッピング(ブロック468)、及び更新された目標キャストプロファイルの計算(ブロック458)を必要とする、変換されたプロファイル測定値(ブロック466)に基づいて行われるアクチュエータ調整もある。これら工程は、図6のワークフロー250で説明したものと類似している。ワークフロー350とは異なり、ワークフロー450は、遙かに短い応答時間を有するキャストプロファイル測定値に基づく調整を含む。内側制御ループと外側制御ループの両方を組み合わせることにより、解のより速い収束と、全体的に著しくより応答性が高く効率的なスロットダイ調整プロセスとが提供され得る。
図10は、ハイブリッドアクチュエータ制御システムのダッシュボードの実際の例を提供し、横軸に沿って表される88個のアクチュエータ制御ゾーンにわたる温度プロファイルを示す。図示する例では、ダイ温度の設定値は240℃である。図10の上のチャートは、各制御ゾーンの尖叉温度を示す。下のチャートは、各尖叉に供給されている%電力を示し、これは、特に中心アクチュエータをアプリケータスロットの縁部により近いアクチュエータと比較した場合に、異なる制御ゾーンに向かう電力分布の不均一性を示す。不均一性は、尖叉冷却プレナム内の空気流の差に起因する可能性があり、この場合、端部と比較して、ダイスロットの中心付近において冷却速度がより高いことが、図から明らかである。これらデータは、ハイブリッドアクチュエータ制御方式が、フォークごとに尖叉の平均温度を目標平均温度の近くに保持することが可能であることを更に示す。
図11及び図12は、ハイブリッドアクチュエータ制御方式によって提供される重要な技術的利点を示す。図11(従来技術)のプロットは、従来の制御スキームを使用する144個の制御ゾーン(仕上げフィルムで1インチ(2.54cm)幅に対応する)にわたる押出ウェブ厚さプロファイルを示し、38インチ(965.2mm)幅のスロットを有するEDIブランドダイ(Nordson Extrusion Dies Industries LLC(Chippewa Falls,WI)から入手可能)を使用し、1.125インチ(31.115mm)の間隔を有する熱ボルトを使用している。図12は、16個の1次アクチュエータを60mmの間隔で有する965mm幅のスロットを有するハイブリッドダイについての押出ウェブ厚さプロファイルを示し、1次アクチュエータの各々がフォークを備え、フォークは、提供されるハイブリッド制御方式における尖叉として6個の10mm間隔の2次アクチュエータを備える。これらデータは、押出ウェブのロール全体の製造にわたって収集された。中心線は平均厚さを示し、破線は、平均ウェブ厚さからの2つの標準偏差(すなわち、±2s)の境界を示す。
図12のデータは、概ね最初に図5のワークフロー150で説明した方法を使用して収集されたものであり、2次アクチュエータを受動的に維持しながら1次アクチュエータを調整し、次いで、定常状態動作に収束させながら、図6の二重制御ループワークフロー250に移行させた。これらチャートにおいて視覚化され得るように、提供されるハイブリッドアクチュエータ制御方法を使用する場合、ウェブ厚さ値の包絡線は、従来の方法と比較して著しく狭い。
本開示で説明される技術は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせにおいて少なくとも部分的に実装されてもよい。例えば、技術のさまざまな実施例は、コントローラ、ユーザインターフェース、又は他のデバイスに具現化された、1つ以上のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processors、DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuits、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate arrays、FPGA)、又は他の任意の等価集積回路若しくは個別論理回路、並びにそのような構成要素の任意の組み合わせ内に実装することができる。用語「コントローラ」は、一般的に、前述の論理回路単独、又は他の論理回路との組み合わせ、あるいは任意の他の等価回路、のいずれかを指してもよい。
ソフトウェアで実装される場合、本開示で説明されるシステム及びコントローラに帰する機能は、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(non-volatile random access memory、NVRAM)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気媒体、光学媒体などのコンピュータ可読記憶媒体上の命令として具体化されてもよい。命令は、1つ以上のプロセッサに、本開示に記載される機能の1つ以上の実施例をサポートさせるために実行されてもよい。
様々な実施例を前述の節で説明してきた。これら及び他の実施例は、本明細書で提供される特許請求の範囲内である。
上記特許出願において引用された全ての文献、特許文献又は特許出願は、一貫した形でそれらの全容が参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれた参照文献の一部と本出願との間に不一致又は矛盾がある場合、前述の記載における情報が優先するものとする。前述の記載は、当業者が、特許請求の範囲に記載の開示を実践することを可能にするためのものであり、本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではなく、本開示の範囲は特許請求の範囲及びその全ての等価物によって定義される。
上記特許出願において引用された全ての文献、特許文献又は特許出願は、一貫した形でそれらの全容が参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれた参照文献の一部と本出願との間に不一致又は矛盾がある場合、前述の記載における情報が優先するものとする。前述の記載は、当業者が、特許請求の範囲に記載の開示を実践することを可能にするためのものであり、本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではなく、本開示の範囲は特許請求の範囲及びその全ての等価物によって定義される。
以上の実施形態に加えて、以下の態様を付記する。
スロットダイを調整する方法であって、前記スロットダイは、
前記スロットダイの幅にわたって延びるアプリケータスロットであって、前記スロットダイを通る流体流路と流体連通している、アプリケータスロットと、
スロットダイ表面を含む調整機構と、
前記スロットダイの前記幅に沿って離間した複数の1次アクチュエータであって、各1次アクチュエータは、1つ以上の2次アクチュエータに動作可能に結合され、各2次アクチュエータは、前記調整機構に動作可能に結合されて、その対応する場所での流体流路の断面高さを調整して、前記アプリケータスロットを通る流体流の局所的な調整を提供する、複数の1次アクチュエータと、を備え、
前記方法は、
目標スロット高さプロファイルを決定することと、
コントローラを用いて、前記目標スロット高さプロファイルに基づいて、1次アクチュエータ設定のセット及び2次アクチュエータ設定のセットを予測することと、
前記1次アクチュエータ設定及び前記2次アクチュエータ設定の予測された前記セットに従って、前記1次アクチュエータ及び前記2次アクチュエータの各々を別々に位置決めして前記スロットダイを調整することと、を含む、方法。
(付記2)
前記1次アクチュエータ及び前記2次アクチュエータは、複数の尖叉を有するフォークを集合的に備え、更に各尖叉は個別に制御可能である、付記1に記載の方法。
(付記3)
各1次アクチュエータは、前記フォークの本体部分と、前記本体部分を駆動することができる機械式、圧電式、油圧式、又は空気圧式デバイスとを備える、付記2に記載の方法。
(付記4)
前記本体部分は、線形電圧変位変換器、デジタルスケール、キャパシタンスゲージ、光学変位計、レーザ変位計、又はそれらの組み合わせ、を備える位置センサによって位置特定される、付記3に記載の方法。
(付記5)
各2次アクチュエータは尖叉を備え、前記尖叉は、前記尖叉を加熱することにより制御可能である、付記1~4のいずれか一項に記載の方法。
(付記6)
前記尖叉は所定の温度に加熱される、付記5に記載の方法。
(付記7)
抵抗性ヒータ及び/又は赤外線ヒータによって前記尖叉に熱が加えられる、付記5又は6に記載の方法。
(付記8)
各尖叉を位置決めすることは、少なくとも1つの尖叉を冷却することを更に含む、付記5~7のいずれか一項に記載の方法。
(付記9)
前記少なくとも1つの尖叉は、強制空気対流によって冷却される、付記8に記載の方法。
(付記10)
前記1次アクチュエータ及び前記2次アクチュエータの各々を位置決めすることは、
対応する目標1次アクチュエータ位置に基づいて1次アクチュエータの位置を決定することと、
前記目標1次アクチュエータ位置に少なくとも部分的に基づいて、前記1次アクチュエータに対応する各2次アクチュエータの位置を決定することと、を含む、付記1~9のいずれか一項に記載の方法。
(付記11)
前記目標1次アクチュエータ位置は、前記2次アクチュエータ間の長さ制御信号の変動を低減させるように決定される、付記10に記載の方法。
(付記12)
前記長さ制御信号は、温度、電力、圧電電圧、又は油圧を含む、付記11に記載の方法。
(付記13)
前記方法は、前記1次アクチュエータ及び前記2次アクチュエータの各々の前記位置決めを漸進的に改善するための制御ループに従って反復的に実行される、付記10~12のいずれか一項に記載の方法。
(付記14)
前記制御ループは、
押出ウェブの第1の場所で測定される第1のウェブ厚さプロファイルに基づく内側ループであって、前記目標スロット高さプロファイルは、前記内側ループの少なくともいくつかの反復にわたって一定に保持される、内側ループと、
前記押出ウェブの第2の場所で測定される第2のウェブ厚さプロファイルに基づく外側ループであって、前記第2の場所は前記第1の場所から下流にあり、前記目標スロット高さプロファイルは、前記外側ループの各反復において更新される、外側ループと、を備える、付記13に記載の方法。
(付記15)
前記押出ウェブを前記第1の場所と前記第2の場所との間で搬送することを更に含む、付記14に記載の方法。
(付記16)
前記1次アクチュエータ及び前記2次アクチュエータの前記位置決めは、前記制御ループの各反復において同時に行われる、付記13~15のいずれか一項に記載の方法。
(付記17)
前記1次アクチュエータは、前記制御ループの最初に、所定の設定に従って位置決めされる、付記13~16のいずれか一項に記載の方法。
(付記18)
前記2次アクチュエータは、前記制御ループの最初に、所定の設定に従って位置決めされる、付記13~17のいずれか一項に記載の方法。
(付記19)
前記1次アクチュエータ又は前記2次アクチュエータの前記所定の設定は、前記スロットダイの幅にわたって一定である、付記13~18のいずれか一項に記載の方法。
(付記20)
スロットダイを備えるシステムであって、
前記スロットダイは、
前記スロットダイの幅にわたって延びるアプリケータスロットであって、前記スロットダイを通る流体流路と流体連通している、アプリケータスロットと、
前記アプリケータスロットを通る流体流路の断面高さを調整するためのスロットダイ表面を備える調整機構と、
前記スロットダイ表面の前記幅に沿って離間した複数の1次アクチュエータであって、各1次アクチュエータは、1つ以上の2次アクチュエータに動作可能に結合され、各2次アクチュエータは、前記調整機構に動作可能に結合されて、その対応する場所での流体流路の断面高さを調整して、前記アプリケータスロットを通る流体流の局所的な調整を提供する、複数の1次アクチュエータと、
各1次アクチュエータ及び各2次アクチュエータの位置を独立して設定することが可能なコントローラと、を備える、システム。
(付記21)
前記1次アクチュエータ及び前記2次アクチュエータは、複数の尖叉を有するフォークを集合的に備え、各1次アクチュエータは、前記フォークの本体部分を備え、各2次アクチュエータは、尖叉を備える、付記20に記載のシステム。
(付記22)
前記本体部分の前記位置は、線形電圧変位変換器、デジタルスケール、キャパシタンスゲージ、光学変位計、レーザ変位計、又はそれらの組み合わせ、を備える位置センサによって支援される、付記21に記載のシステム。
(付記23)
前記フォークは、3個以上の尖叉を有する、付記21又は22に記載のシステム。
(付記24)
前記スロットダイは、取付ブラケットを更に備え、各本体部分は、前記取付ブラケットを通って延びて、前記本体部分のたわみを低減させる、付記21~23のいずれか一項に記載のシステム。
(付記25)
前記スロットダイは、フィルムスロットダイ、押出ダイ、多層スロットダイ、ホットメルト押出コーティングダイ、ドロップダイ、回転ロッドダイ、接着剤スロットダイ、溶媒コーティングスロットダイ、水性コーティングダイ、スロット供給ナイフダイ、及びナイフコータからなる群から選択される、付記20~24のいずれか一項に記載のシステム。

Claims (25)

  1. スロットダイを調整する方法であって、前記スロットダイは、
    前記スロットダイの幅にわたって延びるアプリケータスロットであって、前記スロットダイを通る流体流路と流体連通している、アプリケータスロットと、
    スロットダイ表面を含む調整機構と、
    前記スロットダイの前記幅に沿って離間した複数の1次アクチュエータであって、各1次アクチュエータは、1つ以上の2次アクチュエータに動作可能に結合され、各2次アクチュエータは、前記調整機構に動作可能に結合されて、その対応する場所での流体流路の断面高さを調整して、前記アプリケータスロットを通る流体流の局所的な調整を提供する、複数の1次アクチュエータと、を備え、
    前記方法は、
    目標スロット高さプロファイルを決定することと、
    コントローラを用いて、前記目標スロット高さプロファイルに基づいて、1次アクチュエータ設定のセット及び2次アクチュエータ設定のセットを予測することと、
    前記1次アクチュエータ設定及び前記2次アクチュエータ設定の予測された前記セットに従って、前記1次アクチュエータ及び前記2次アクチュエータの各々を別々に位置決めして前記スロットダイを調整することと、を含む、方法。
  2. 前記1次アクチュエータ及び前記2次アクチュエータは、複数の尖叉を有するフォークを集合的に備え、更に各尖叉は個別に制御可能である、請求項1に記載の方法。
  3. 各1次アクチュエータは、前記フォークの本体部分と、前記本体部分を駆動することができる機械式、圧電式、油圧式、又は空気圧式デバイスとを備える、請求項2に記載の方法。
  4. 前記本体部分は、線形電圧変位変換器、デジタルスケール、キャパシタンスゲージ、光学変位計、レーザ変位計、又はそれらの組み合わせ、を備える位置センサによって位置特定される、請求項3に記載の方法。
  5. 各2次アクチュエータは尖叉を備え、前記尖叉は、前記尖叉を加熱することにより制御可能である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記尖叉は所定の温度に加熱される、請求項5に記載の方法。
  7. 抵抗性ヒータ及び/又は赤外線ヒータによって前記尖叉に熱が加えられる、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 各尖叉を位置決めすることは、少なくとも1つの尖叉を冷却することを更に含む、請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記少なくとも1つの尖叉は、強制空気対流によって冷却される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記1次アクチュエータ及び前記2次アクチュエータの各々を位置決めすることは、
    対応する目標1次アクチュエータ位置に基づいて1次アクチュエータの位置を決定することと、
    前記目標1次アクチュエータ位置に少なくとも部分的に基づいて、前記1次アクチュエータに対応する各2次アクチュエータの位置を決定することと、を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記目標1次アクチュエータ位置は、前記2次アクチュエータ間の長さ制御信号の変動を低減させるように決定される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記長さ制御信号は、温度、電力、圧電電圧、又は油圧を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記方法は、前記1次アクチュエータ及び前記2次アクチュエータの各々の前記位置決めを漸進的に改善するための制御ループに従って反復的に実行される、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記制御ループは、
    押出ウェブの第1の場所で測定される第1のウェブ厚さプロファイルに基づく内側ループであって、前記目標スロット高さプロファイルは、前記内側ループの少なくともいくつかの反復にわたって一定に保持される、内側ループと、
    前記押出ウェブの第2の場所で測定される第2のウェブ厚さプロファイルに基づく外側ループであって、前記第2の場所は前記第1の場所から下流にあり、前記目標スロット高さプロファイルは、前記外側ループの各反復において更新される、外側ループと、を備える、請求項13に記載の方法。
  15. 前記押出ウェブを前記第1の場所と前記第2の場所との間で搬送することを更に含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記1次アクチュエータ及び前記2次アクチュエータの前記位置決めは、前記制御ループの各反復において同時に行われる、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記1次アクチュエータは、前記制御ループの最初に、所定の設定に従って位置決めされる、請求項13~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記2次アクチュエータは、前記制御ループの最初に、所定の設定に従って位置決めされる、請求項13~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記1次アクチュエータ又は前記2次アクチュエータの前記所定の設定は、前記スロットダイの幅にわたって一定である、請求項13~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. スロットダイを備えるシステムであって、
    前記スロットダイは、
    前記スロットダイの幅にわたって延びるアプリケータスロットであって、前記スロットダイを通る流体流路と流体連通している、アプリケータスロットと、
    前記アプリケータスロットを通る流体流路の断面高さを調整するためのスロットダイ表面を備える調整機構と、
    前記スロットダイ表面の前記幅に沿って離間した複数の1次アクチュエータであって、各1次アクチュエータは、1つ以上の2次アクチュエータに動作可能に結合され、各2次アクチュエータは、前記調整機構に動作可能に結合されて、その対応する場所での流体流路の断面高さを調整して、前記アプリケータスロットを通る流体流の局所的な調整を提供する、複数の1次アクチュエータと、
    各1次アクチュエータ及び各2次アクチュエータの位置を独立して設定することが可能なコントローラと、を備える、システム。
  21. 前記1次アクチュエータ及び前記2次アクチュエータは、複数の尖叉を有するフォークを集合的に備え、各1次アクチュエータは、前記フォークの本体部分を備え、各2次アクチュエータは、尖叉を備える、請求項20に記載のシステム。
  22. 前記本体部分の前記位置は、線形電圧変位変換器、デジタルスケール、キャパシタンスゲージ、光学変位計、レーザ変位計、又はそれらの組み合わせ、を備える位置センサによって支援される、請求項21に記載のシステム。
  23. 前記フォークは、3個以上の尖叉を有する、請求項21又は22に記載のシステム。
  24. 前記スロットダイは、取付ブラケットを更に備え、各本体部分は、前記取付ブラケットを通って延びて、前記本体部分のたわみを低減させる、請求項21~23のいずれか一項に記載のシステム。
  25. 前記スロットダイは、フィルムスロットダイ、押出ダイ、多層スロットダイ、ホットメルト押出コーティングダイ、ドロップダイ、回転ロッドダイ、接着剤スロットダイ、溶媒コーティングスロットダイ、水性コーティングダイ、スロット供給ナイフダイ、及びナイフコータからなる群から選択される、請求項20~24のいずれか一項に記載のシステム。
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