JP2024511009A - 多層光学フィルム - Google Patents

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Abstract

多層光学フィルムは、複数の光学繰り返し単位を含む。光学繰り返し単位の各々は、それぞれのf比f1及びf3を有する第1及び第3の層を含む、少なくとも4つの順次配置された第1~第4の層を含む。光学フィルムは、反射ピーク高さRp1を有する一次反射帯域を有し、任意の二次反射帯域は、反射ピーク高さRp2を有し、Rp1/Rp2≧5である。Rp1/Rp2は、f比f1及びf3のうちの少なくとも1つを0.2だけ連続的に変化させるとき、5以上を維持してもよい。第2及び第4の層の各々の厚さは、第1及び第3の層の各々の厚さよりも少なくとも2倍小さくてもよく、又は第1及び第3の層の同じ1つの厚さは、他の各層の厚さとは少なくとも2.5倍異なっていてもよい。

Description

多層光学フィルムは、光学繰り返し単位をなすように構成されたポリマー層の積層体を含むことができる。多層光学フィルムは、反射偏光子又はミラーであってもよい。
本明細書は、概して、約600nm超又は約700nm超の波長に配置された一次反射帯域を有する多層光学フィルムに関する。光学フィルムは、複数の光学繰り返し単位を含むことができ、各光学繰り返し単位が少なくとも4つの個別の層を含む。光学繰り返し単位は、一次反射帯域の二次高調波が抑制されるように構成することができる。
本明細書のいくつかの態様では、複数の光学繰り返し単位を含む多層光学フィルムが提供される。複数の光学繰り返し単位中の光学繰り返し単位の数は、合計で約10超である。光学繰り返し単位の各々は、少なくとも4つの順次配置された第1~第4の個別の層を含むことができる。光学繰り返し単位の各々について、第1及び第3の個別の層は、同じ面内x方向のそれぞれの屈折率nx1及びnx3に対してそれぞれのf比f1及びf3を有することができ、x方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光に対して、多層光学フィルムが、約600nm超の波長に配置された一次反射帯域を有する。一次反射帯域は、ピーク高さRp1を有する第1の反射ピークを有し、多層光学フィルムの任意の二次反射帯域は、ピーク高さRp2を有する反射ピークを有する。比Rp1/Rp2は、少なくとも5であってもよく、f比f1及びf3のうちの少なくとも1つを0.2だけ連続的に変化させるとき、5以上を維持し得る。いくつかの実施形態では、光学繰り返し単位の各々について、第2及び第4の個別の層の各々の平均厚さは、第1及び第3の個別の層の各々の平均厚さよりも少なくとも2倍小さい。いくつかの実施形態では、光学繰り返し単位の各々について第1及び第3の個別の層の同じ1つの平均厚さは、第1~第4の個別の層の他の各層の平均厚さとは少なくとも2.5倍異なる。
本明細書のいくつかの態様では、複数の光学繰り返し単位を含む多層光学フィルムが提供される。複数の光学繰り返し単位中の光学繰り返し単位の数は、合計で約10超である。光学繰り返し単位の各々は、少なくとも4つの個別の層を含む。光学繰り返し単位の各々の少なくとも4つの個別の層の第1及び第2の個別の層は、同じ面内x方向のそれぞれの屈折率に対してそれぞれのf比f1及びf2を有する。いくつかの実施形態では、0.5≦f1≦0.8かつ0.02≦f2≦0.3であり、x方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光に対して、多層光学フィルムが、約700nm超の波長に配置された一次反射帯域を有し、少なくとも二次反射帯域を有さないようになっている。光学繰り返し単位の各々の少なくとも4つの個別の層の少なくとも第3の層は、約75nm未満の平均厚さを有することができる。
これら及び他の態様は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、いかなる場合も、この簡潔な概要は、特許請求の範囲の主題を限定するものと解釈されるべきではない。
いくつかの実施形態による、光学フィルムの概略断面図である。 いくつかの実施形態による、光学フィルムの一部分の概略断面図である。 いくつかの実施形態による、光学フィルムの光学繰り返し単位の概略断面図である。 いくつかの実施形態による、光学フィルムの光学繰り返し単位の概略断面図である。 いくつかの実施形態による、光学フィルムの光学繰り返し単位の概略断面図である。 いくつかの実施形態による、光学フィルムの光学繰り返し単位の概略断面図である。 光学フィルムの例示的な層の概略斜視図である。 いくつかの実施形態による、光学フィルムの光反射率対波長の概略プロットである。 いくつかの実施形態による、光学フィルムの光透過率対波長の概略プロットである。 いくつかの実施形態による、f比の変化に対する一次反射ピークと二次反射ピークとの比の概略プロットである。 第1の例示的な多層光学フィルムの層厚さプロファイルである。 第1の例示的な多層光学フィルムの光透過率のプロットである。 第2の例示的な多層光学フィルムの層厚さプロファイルである。 第2の例示的な多層光学フィルムの光透過率のプロットである。 第1及び第2の例示的な多層光学フィルムに対応する光学フィルムについて、一次及び二次反射帯域それぞれの相対反射強度を示す等高線図である。 第1及び第2の例示的な多層光学フィルムに対応する光学フィルムについて、一次及び二次反射帯域それぞれの相対反射強度を示す等高線図である。 第3の例示的な多層光学フィルムの層厚さプロファイルである。 第3の例示的な多層光学フィルムの光透過率のプロットである。 第4の例示的な多層光学フィルムの層厚さプロファイルである。 第4の例示的な多層光学フィルムの光透過率のプロットである。 第3及び第4の例示的な多層光学フィルムに対応する光学フィルムについて、一次及び二次反射帯域それぞれの相対反射強度を示す等高線図である。 第3及び第4の例示的な多層光学フィルムに対応する光学フィルムについて、一次及び二次反射帯域それぞれの相対反射強度を示す等高線図である。 第5の例示的な多層光学フィルムの層厚さプロファイルである。 第5の例示的な多層光学フィルムの光透過率のプロットである。 第6の例示的な多層光学フィルムの層厚さプロファイルである。 第6の例示的な多層光学フィルムの光透過率のプロットである。 第5及び第6の例示的な多層光学フィルムに対応する光学フィルムについて、一次及び二次反射帯域それぞれの相対反射強度を示す等高線図である。 第5及び第6の例示的な多層光学フィルムに対応する光学フィルムについて、一次及び二次反射帯域それぞれの相対反射強度を示す等高線図である。 層間接着力について多層光学フィルムを試験する概略図である。
以下の説明では、本明細書の一部を構成し、様々な実施形態が実例として示される、添付図面が参照される。図面は、必ずしも正確な比率の縮尺ではない。本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の実施形態が想到され、実施可能である点を理解されたい。したがって、以下の発明を実施するための形態は、限定的な意味では解釈されない。
交互のポリマー層を含む多層光学フィルムは、例えば、米国特許第5,882,774号(Jonzaら)、同第6,179,948号(Merrillら)、同第6,783,349号(Neavinら)、同第6,967,778号(Wheatleyら)、及び同第9,162,406号(Neavinら)に概して記載されているように、層厚さ及び屈折率差を適切に選択することによって、所望の波長範囲で所望の反射及び透過を提供するために使用することができる。交互のポリマー層は、典型的には、主に光学干渉によって光を透過及び反射する光学層として説明することができる交互の高屈折率層及び低屈折率層を含む。交互の高屈折率層及び低屈折率層を含む多層光学フィルムは複数の光学繰り返し単位を含むものとして説明することができ、各光学繰り返し単位が高屈折率層及び低屈折率層を含む。光学繰り返し単位は、一般的に、光学フィルムの厚さ方向に沿って繰り返す光学層の最小の別個の単位である。各光学繰り返し単位は、例えば、米国特許第5,103,337号(Schrenkら)、同第5,540,978号(Schrenk)、及び同第6,207,260号(Wheatleyら)に記載されているように、高屈折率層及び低屈折率層に加えて、1つ以上の層を含んでもよい。
場合によっては、光学フィルムが、例えば、約420nm~少なくとも約600nmの可視波長範囲内の波長に対して高い光透過率を提供しながら、約600nm超又は約700nm超、場合によっては最大約1300nm又は最大約1200nmの波長に配置された反射帯域を有することが望ましい場合がある。このような光学フィルムは、例えば、赤外線加熱を低減するための窓用フィルムとして有用であり得る。しかしながら、主(一次)近赤外反射帯域が提供される場合、可視波長範囲に存在する反射帯域の二次以上の高調波が存在し得る。したがって、二次及び時にはより高次の反射帯域を抑制又は排除することが望ましい場合がある。二次高調波及びより高次の高調波の強度は、例えば、2層光学繰り返し単位に関して、米国特許第9,678,252号(Kivelら)に概して記載されているように、光学フィルムのf比(単数又は複数)の関数である。光学繰り返し単位の層のf比は、層の光学的厚さを光学繰り返し単位の光学的厚さで割ったものであり、光学繰り返し単位の各層の光学的厚さは、層の厚さに同じ面内方向に沿った層の屈折率を掛けたものであり、光学繰り返し単位の光学的厚さは、層の各々の光学的厚さの合計である。異なる指定がある場合を除いて、屈折率を決定する際に使用される波長は、約633nmである。n層の光学繰り返し単位を利用する光学フィルムについて、光学繰り返し単位の層のf比の合計が1であるので、指定することができるn-1個の独立したf比が存在する。近赤外反射帯域を有し、かつ複数の光学繰り返し単位を含み、各光学繰り返し単位が、順に、A層、B層、C層、及び別のB層の4つの層を含む、光学フィルムは、B層の屈折率が、A層及びC層の屈折率の幾何平均であり、かつ、A層及びC層のf比がそれぞれ1/3であり、かつB層の各々のf比が1/6である場合、赤外反射帯域の抑制された二次及び三次高調波を有することができる。しかしながら、A層及びC層の屈折率の幾何平均である屈折率を有するB層を使用することにより、様々な層に選択することができる材料を望ましくなく制限する場合がある。本明細書のいくつかの態様によれば、1/3とは実質的に異なるA層及びC層のf比を利用し、かつ/又はA層及びC層の幾何平均とは実質的に異なる屈折率を利用する、少なくとも二次高調波のロバストな抑制を提供する多層光学フィルムが記載される。
本明細書のいくつかの態様によれば、二次高調波を抑制しようとする従来の多層光学フィルムでは、抑制は、例えば、通常の製造変動に起因して光学フィルムの幅及び/又は長さにわたって生じ得るf比の変動に敏感であることが見出された。これは、二次及び/又はより高次の高調波の望ましくない低い抑制を有する光学フィルムのいくつかの領域をもたらす可能性がある。本明細書のいくつかの実施形態によれば、光学フィルムは、特定のf比を有し、特定のf比において、かつf比のうちの少なくとも1つが0.2以上連続的に変化する場合に、少なくとも二次高調波(例えば、二次高調波又は二次及び三次高調波の各々)の実質的な抑制(例えば、一次反射ピーク高さと任意の二次反射ピーク高さとの比が少なくとも5であり得る)をもたらす。これにより、例えば、製造変動に起因する二次及び/又はより高次の高調波の望ましくない低い抑制を有する光学フィルムの領域を実質的に低減又は排除することができる。いくつかの実施形態では、これは、例えば、A層及びC層の一方に対して0.5~0.8の範囲又は本明細書の他の箇所に記載される別の範囲のf比を使用し、A層及びC層の他方に対して0.02~0.3の範囲又は本明細書の他の箇所に記載される別の範囲のf比を使用することによって達成される。更に、本明細書のいくつかの実施形態によれば、二次及び/又はより高次の高調波の所望のロバストな抑制をもたらし、かつ所望の層間接着力(例えば、90度の剥離角度で測定した場合、少なくとも約14グラム/インチ)をもたらすように、各光学繰り返し単位の層の材料を選択することができることが見出された。例えば、所望の層間接着力を有する光学フィルムをもたらすために、A層及びC層の各々に対して良好な結合を有するようにB層が選択される場合、そうでなければ互いに対して不十分な結合を有するA層及びC層を光学フィルムに使用することができることが見出された。
図1Aは、いくつかの実施形態による、多層光学フィルム300の概略断面図である。光学フィルム300は、波長及び/又は偏光状態に基づいて光を選択的に反射及び透過させるように適合させることができる。光学フィルム300は、例えば、反射偏光子又は光学ミラーであってもよい。光学フィルム300は、複数の光学繰り返し単位10を含み、各光学繰り返し単位10が少なくとも4つの個別の層を含む。図示の実施形態では、少なくとも4つの個別の層は、A層、B1層、C層、及びB2層を含む。光学フィルム300は、図1Aで概略的に示されているものよりも多くの光学繰り返し単位10を含むことができる。図1Bは、いくつかの実施形態による多層光学フィルム300の一部分の概略断面図であり、多数の光学繰り返し単位10を示している。B1層及びB2層の各々は、図1A~図1Bに概略的に示されるように、A層及びC層の各々よりも実質的に薄くてもよい。他の実施形態では、A層及びC層の一方は、図1C~図1Dに概略的に示すように、光学繰り返し単位10内の他の層の各々よりも実質的に薄くてもよく、又はA層及びC層の一方は、図1E~図1Fに概略的に示すように、光学繰り返し単位10内の他の層の各々よりも実質的に厚くてもよく、又はA層及びC層の一方は、A層及びC層の他方よりも実質的に薄く、かつB1層及びB2層よりも実質的に厚くてもよい(例えば、図1EのC層は、A層よりも実質的に薄く、かつB1層及びB2層よりも実質的に厚くてもよい)。
いくつかの実施形態では、多層光学フィルム300は、第1のスキン層20と第2のスキン層21との間に配置された複数の光学繰り返し単位10を含み、各光学繰り返し単位は、少なくとも1つのポリマーA層、少なくとも2つのB層(例えば、少なくともB1層及びB2層)、及び少なくとも1つのポリマーC層を含む。隣接するA層及びC層の各対は、隣接するA層とC層との間に配置された、2つのB層のうちの少なくとも1つを有することができる。いくつかの実施形態では、B層の各々は、ポリマー層である。第1のスキン層20と第2のスキン層21との間に配置された複数の光学繰り返し単位中のA層及びC層の総数は、約400未満であってもよい。例えば、A層及びC層の総数は、約10又は約20~約400又は約350の範囲内であってもよい。複数の光学繰り返し単位中の光学繰り返し単位の総数は、別個の光学繰り返し単位の総数を指す(フィルムのどの層も、2つ以上の別個の光学繰り返し単位中にない)。いくつかの実施形態では、多層光学フィルム300は、複数の光学繰り返し単位を含み、複数の光学繰り返し単位中の光学繰り返し単位の数は、例えば、合計で約200未満、又は約175未満、又は約150未満、又は約130未満、又は約120未満、又は約115未満、又は約110未満、又は約105未満、又は約100未満、又は約95未満、又は約90未満である。複数の光学繰り返し単位中の光学繰り返し単位の総数は、例えば、少なくとも約10、又は少なくとも約15、又は少なくとも約20、又は少なくとも約25、又は少なくとも約30、又は少なくとも約40、又は少なくとも約50、又は少なくとも約60、又は少なくとも約70、又は少なくとも約75であってもよい。複数の光学繰り返し単位は、例えば、約22マイクロメートル未満、又は約20マイクロメートル未満、又は約19マイクロメートル未満、又は約18マイクロメートル未満、又は約17マイクロメートル未満、又は約16マイクロメートル未満の合計平均厚さを有することができる。光学繰り返し単位の合計平均厚さは、例えば、約5マイクロメートル超、又は約10マイクロメートル超であってもよい。
いくつかの実施形態では、各光学繰り返し単位10は、4つの個別の層(例えば、A、B1、C、B2)によって定義される。言い換えれば、いくつかの実施形態では、各光学繰り返し単位10は、4つの個別の層のみを含む。他の実施形態では、各光学繰り返し単位10は、4つより多い個別の層を含む。
いくつかの実施形態では、A層、B1層、B2層、及びC層の各々は、少なくとも約0.5nm、又は少なくとも約1nm、又は少なくとも約2nm、又は少なくとも約3nm、又は少なくとも約5nm、又は少なくとも約10nm、かつ約500nm以下、又は約400nm以下、又は約300nm以下の平均厚さを有することができる。例えば、A層、B層、及びC層の各々は、約1nm~約500nm、又は約5nm~約400nm、又は約10nm~約300nmの平均厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、光学繰り返し単位の各々の少なくとも4つの個別の層の少なくとも1つの層(例えば、B1層又はB2層のうちの少なくとも1つ)は、約75nm未満、又は約60nm未満、又は約50nm未満、又は約40nm未満、又は約30nm未満、又は約20nm未満、又は約15nm未満、又は約10nm未満、又は約7.5nm未満の平均厚さを有する。いくつかのそのような実施形態では、又は他の実施形態では、少なくとも1つの層の各層は、少なくとも約0.5nm、又は少なくとも約1nm、又は少なくとも約2nm、又は少なくとも約3nmの平均厚さを有する。
いくつかの実施形態では、多層光学フィルム300は、複数の光学繰り返し単位10を含み、複数の光学繰り返し単位中の光学繰り返し単位の数は、合計で約10超であってもよく、又は本明細書の他の箇所に記載される任意の範囲内であってもよく、光学繰り返し単位の各々は、少なくとも4つの順次配置された第1~第4の個別の層を含む。第1~第4の個別の層は、例えば、図1Bのプラス又はマイナスz方向に順次ラベル付けされていてもよく、開始(第1)層は、例えば、A層又はC層であってもよい。例えば、A、B1、C、B2は、順次配置された第1~第4の個別の層を含む光学繰り返し単位として識別されてもよく、又はA、B2、C、B1は、順次配置された第1~第4の個別の層を含む光学繰り返し単位として識別されてもよく、又はC、B2、A、B1は、順次配置された第1~第4の個別の層を含む光学繰り返し単位として識別されてもよく、又はC、B1、A、B2は、順次配置された第1~第4の個別の層を含む光学繰り返し単位光学繰り返し単位として識別されてもよい。いくつかの実施形態では(例えば、図8を参照)、光学繰り返し単位10の各々について、第2(例えば、B1)及び第4(例えば、B2)の個別の層の各々の平均厚さは、第1(例えば、A層及びC層の一方)及び第3(例えば、A層及びC層の他方)の個別の層の各々の平均厚さよりも、少なくとも2倍、又は少なくとも約2.25倍、又は少なくとも約2.5倍、又は少なくとも約2.75倍、又は少なくとも約3倍、又は少なくとも約3.25倍、又は少なくとも約3.5倍小さい。いくつかのそのような実施形態では、又は他の実施形態では、光学繰り返し単位10の各々について、第2(例えば、B1)及び第4(例えば、B2)の個別の層の各々の平均厚さは、例えば、第1(例えば、A層及びC層の一方)及び第3(例えば、A層及びC層の他方)の個別の層の各々の平均厚さよりも、最大約20倍、又は最大約15倍、又は最大約10倍、又は最大約8倍、又は最大約6倍、又は最大約5倍小さい。いくつかの実施形態では(例えば、図6、図11、図13、図16、及び図18を参照)、光学繰り返し単位10の各々について、第1及び第3の個別の層の同じ1つ(例えば、A層及びC層の一方)の平均厚さは、第1~第4の個別の層の他の各層(例えば、A層及びC層の他方、並びにB1層及びB2層の各々)の平均厚さとは少なくとも2倍、又は少なくとも約2.25倍、又は少なくとも約2.5倍、又は少なくとも約2.75倍、又は少なくとも約3倍、又は少なくとも約3.25倍、又は少なくとも約3.5倍異なる。いくつかのそのような実施形態では、又は他の実施形態では、光学繰り返し単位10の各々について、第1及び第3の個別の層の同じ1つ(例えば、A層及びC層の一方)の平均厚さは、例えば、第1~第4の個別の層の他の各層(例えば、A層及びC層の他方、並びにB1層及びB2層の各々)の平均厚さとは最大約20倍、又は最大約15倍、又は最大約10倍、又は最大約8倍、又は最大約6倍、又は最大約5倍異なる。第1及び第3の個別の層の同じ1つは、第1~第4の個別の層の他の各層よりも大きい平均厚さを有してもよく、又は第1及び第3の個別の層の同じ1つは、第1~第4の個別の層の他の各層よりも小さい平均厚さを有してもよく、又は第1及び第3の個別の層の同じ1つは、第1~第4の個別の層の他の層(単数又は複数)の一部よりも小さく、かつ第1~第4の個別の層の残りの層(単数又は複数)よりも大きい平均厚さを有してもよい。
いくつかの実施形態では、第1のスキン層20及び第2のスキン層21の各々は、約500nm超、又は約750nm超、又は約1000nm超、又は約1250nm超、又は約1500nm超の平均厚さを有する。いくつかのそのような実施形態では、又は他の実施形態では、第1のスキン層20及び第2のスキン層21の各々は、約8マイクロメートル未満、又は約5マイクロメートル未満、又は約4マイクロメートル未満の平均厚さを有する。光学フィルム300は、当該技術分野において既知であるように、光学繰り返し単位のパケットを保護するために使用される保護境界層120、121など、又は保護境界層120、121の間に配置された追加の層129、131、若しくは光学繰り返し単位の間の追加の層(単数又は複数)132などの追加の層を含んでもよい。追加の層129、131、132は、含まれる場合、それぞれ約500nm未満の平均厚さを有することができ、又は平均厚さは、A層、B1層、B2層、又はC層のいずれかについて記載された任意の範囲内であることができる。保護境界層120、121は、含まれる場合、それぞれ、例えば、約500nm又は約750nm~約2マイクロメートルの範囲の平均厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、光学フィルム300は、例えば、約28マイクロメートル未満、又は約26マイクロメートル未満、又は約24マイクロメートル未満、又は約22マイクロメートル未満、又は約20マイクロメートル未満、又は約19マイクロメートル未満、又は約18マイクロメートル未満、又は約17マイクロメートル未満の平均厚さtを有する。いくつかのそのような実施形態では、又は他の実施形態では、平均厚さtは、例えば、約5マイクロメートル超、又は約10マイクロメートル超、又は約12マイクロメートル超である。平均厚さtは、光学繰り返し単位の合計平均厚さ+スキン層20、21の平均厚さ+含まれ得る任意の追加の層(例えば、120、121、129、131、132)の平均厚さとして説明することができる。
いくつかの実施形態では、第2及び第4の個別の層(例えば、B1層及びB2層)は、同じ組成を有する。他の実施形態では、第2及び第4の個別の層は、異なる組成を有する。いくつかの実施形態では、光学フィルム300中の各光学繰り返し単位について、又は光学フィルム300の光学繰り返し単位の少なくとも大部分における各光学繰り返し単位について、光学繰り返し単位中の第2及び第4の個別の層(例えば、B1層及びB2層)は、実質的に同じ厚さを有する(例えば、光学繰り返し単位中のB1層及びB2層は、互いの10%以内又は互いの5%以内の厚さを有することができる)。第1の光学繰り返し単位中の第2及び第4の個別の層の実質的に同じ平均厚さは、異なる第2の光学繰り返し単位中の第2及び第4の個別の層の実質的に同じ平均厚さとは実質的に異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、光学フィルム300の光学繰り返し単位の少なくとも大部分における各光学繰り返し単位について、光学繰り返し単位中の第2及び第4の個別の層は、異なる厚さを有する。第1及び第3の個別の層(例えば、A層及びC層)は、同じ組成又は異なる組成を有することができる。いくつかの実施形態では、光学フィルム300中の各光学繰り返し単位について、又は光学フィルム300の光学繰り返し単位の少なくとも大部分における各光学繰り返し単位について、A層及びC層は、同じ組成を有し、実質的に異なる厚さを有する(例えば、厚さが10%超異なる)。いくつかの実施形態では、A層及びC層は、異なる組成を有する。
いくつかの実施形態では、光学フィルム300は、一体的に形成されている。本明細書で使用するとき、第2の要素と「一体的に形成された」第1の要素とは、第1及び第2の要素が別々に製造されてから接合されるのではなく、一緒に製造されることを意味する。一体的に形成することには、第1の要素を製造し、続いて第2の要素を第1の要素上に製造することが含まれる。複数の層を含む光学フィルムが、層が別々に製造された後に接合されるのではなく、層が共に製造される(例えば、溶融ストリームとして組み合わされ、次いでチルロール上にキャストされて各層を有するキャストフィルムを形成し、更にキャストフィルムを配向させる)場合には、一体的に形成される。
光学フィルム300に入射する実質的に垂直な入射(例えば、30、又は20、又は10、又は5度の垂直入射での)光130及び230が、図1Aに概略的に示されている。光130は、(面内x方向に沿って偏光された)偏光状態31を有し、光230は、(面内y方向に沿って偏光された)直交する偏光状態32を有する。いくつかの実施形態では、多層光学フィルム300は、x方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光130に対して、所定の波長範囲(例えば、本明細書の他の箇所に記載される赤外波長範囲のいずれか)内に反射帯域を有する。いくつかの実施形態では、多層光学フィルム300は、y方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光230に対して所定の波長範囲内に反射帯域も有する光学ミラーである。いくつかの実施形態では、多層光学フィルム300は、y方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光230に対して、少なくとも約70%又は少なくとも約80%の所定の波長範囲内の平均光透過率を有する反射偏光子である。
多層光学フィルム300の様々な層に好適な材料としては、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、coPEN(コポリエチレンナフタレートテレフタレートコポリマー)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリヘキシルエチレンナフタレートコポリマー(PHEN)、グリコール変性PET(PETG)、グリコール変性PEN(PENG)、シンジオタクチックポリスチレン(sPS)、THV(テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとフッ化ビニリデンとのターポリマー)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、coPMMA(メチルメタクリレートとエチルアクリレートとのコポリマー)、スチレンブロックコポリマー(スチレンブロックを含むブロックコポリマー)、例えば、スチレン及びエチレン/ブチレンに基づく直鎖状トリブロックコポリマー、アクリルブロックコポリマー(アクリレート又はメタクリレートブロックを含むブロックコポリマー)、例えば、メチルメタクリレート及びn-ブチルアクリレートに基づく直鎖状トリブロックコポリマー、無水物変性エチレンビニルアセテートポリマー、ケトンエチレンエステルターポリマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、又はこれらのブレンドが挙げられる。例えば、いくつかの実施形態では、各A層は、PENを含み、各B層は、PETGを含み、各C層は、PMMA又はcoPMMAを含む。別の例として、いくつかの実施形態では、各A層は、PETGを含み、各B層は、PENを含み、各C層は、PMMA又はcoPMMAを含む。更に別の例として、いくつかの実施形態では、各A層は、PMMA又はcoPMMAを含み、各B層は、PENを含み、各C層は、PMMA又はcoPMMAを含む。更に別の例として、いくつかの実施形態では、各A層は、PENを含み、各B層は、coPENを含み、各C層は、PMMA又はcoPMMAを含む。
アタクチックポリスチレン(aPS)は、任意選択的に、得られる層の屈折率を調整するために、及び/又は層のヘイズを低減するために(例えば、層の結晶化度を低減することによって)、sPSと(例えば、約5~約30重量パーセントのaPSで)ブレンドすることができる。好適なTHVポリマーは、例えば、米国特許出願公開第2019/0369314号(Hebrinkら)に記載されており、3M Company(St.Paul,MN)からDYNEON THVの商品名で入手可能なものが挙げられる。いくつかの実施形態では、THVは、約35~約75モルパーセントのテトラフルオロエチレン、約5~約20モルパーセントのヘキサフルオロプロピレン、及び約15~約55モルパーセントのフッ化ビニリデンを含有することができる。好適なスチレンブロックコポリマーとしては、KRATON Polymers(Houston,TX)から入手可能なKRATON G1645及びKRATON G1657が挙げられる。好適なアクリルブロックコポリマーとしては、Kuraray Co.,Ltd.(Tokyo,JP)からKURARITYの商品名で入手可能なものが挙げられる。PETGは、ポリマーのグリコール単位の一部が異なるモノマー単位、典型的にはシクロヘキサンジメタノールから誘導されるモノマー単位で置換されたPETとして説明することができる。PETGは、例えば、ポリエステルを製造するエステル交換反応において使用されるエチレングリコールの一部分をシクロヘキサンジメタノールで置き換えることによって製造することができる。好適なPETGコポリエステルとしては、Eastman Chemical Company(Kingsport,TN)から入手可能なGN071が挙げられる。PEN及びcoPENは、例えば、米国特許第10,001,587号(Liu)に記載されているように製造することができる。低融点PENは、総カルボキシレート基に基づいて約90モルパーセントのナフタレンジカルボキシレート基を含むcoPENであり、coPEN 90/10としても知られている。別の有用なcoPENは、総カルボキシレート基に基づいて約70モルパーセントのナフタレンジカルボキシレート基及び約30モルパーセントのテレフタレートジカルボキシレート基を含むcoPEN 70/30である。より一般的には、coPEN Z/100-Zが総カルボキシレート基に基づいてZモルパーセントのナフタレンジカルボキシレート基(典型的には、50モルパーセントを超え、かつ約90モルパーセント以下)及び100-Zモルパーセントのテレフタレートジカルボキシレート基を含む場合、coPEN Z/100-Zが使用されてもよい。グリコール変性ポリエチレンナフタレート(PENG)は、ポリマーのグリコール単位の一部が異なるモノマー単位で置換されたPENとして説明することができ、例えば、ポリエステルを製造するエステル交換反応で使用されるエチレングリコールの一部分をシクロヘキサンジメタノールで置き換えることによって製造することができる。PHENは、エステル交換反応において使用されるエチレングリコールの一部分(例えば、約40モルパーセント)がヘキサンジオールで置き換えられることを除いて、例えば、米国特許第10,001,587号(Liu)にPENについて記載されているように製造することができる。好適なPETは、例えば、Nan Ya Plastics Corporation,America(Lake City,SC)から入手することができる。好適なsPSは、例えば、Idemitsu Kosan Co.,Ltd.(Tokyo,Japan)から入手することができる。好適なPMMAは、例えば、Arkema Inc.(Philadelphia,PA)から入手することができる。好適な無水物変性エチレンビニルアセテートポリマーとしては、例えば、Dow Chemical(Midland,MI)からBYNELの商品名で入手可能なものが挙げられる。好適なケトンエチレンエステルターポリマーとしては、例えば、Dow Chemical(Midland,MI)からBYNELの商品名で入手可能なものが挙げられる。好適なポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、Mitsui Chemicals(Tokyo,Japan)からADMERの商品名で入手可能なものが挙げられる。
いくつかの実施形態では、各光学繰り返し単位10は、少なくとも1つのフルオロポリマー層を含む。フルオロポリマー(例えば、THV)は、例えば、米国特許出願公開第2019/0369314号(Hebrinkら)及び同第2019/0111666号(Hebrinkら)に記載されているように、例えば、紫外線に対するそれらの安定性及び/又はそれらの低屈折率のために、近赤外線反射フィルムに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、各光学繰り返し単位の少なくとも1つの層は、少なくとも1つの方向において、633nmの波長で1.4以下の屈折率を有する。いくつかの実施形態では、各光学繰り返し単位の少なくとも1つの層は、3つの互いに直交する方向の各々において、633nmの波長で1.4以下の屈折率を有する。他の実施形態では、光学繰り返し単位10は、フルオロポリマー層を含まない。いくつかの実施形態では、各光学繰り返し単位の各層は、少なくとも1つの方向において、633nmの波長で少なくとも1.45の屈折率を有する。いくつかの実施形態では、各光学繰り返し単位の各層は、3つの互いに直交する方向の各々において、633nmの波長で少なくとも1.45の屈折率を有する。
いくつかの実施形態では、各光学繰り返し単位10は、少なくとも1つの複屈折熱可塑性ポリマー層を含む。いくつかのそのような実施形態では、又は他の実施形態では、各光学繰り返し単位10は、少なくとも1つの実質的に等方性の(例えば、任意の2つの互いに直交する方向における屈折率の最大差が約0.03未満、又は約0.02未満、又は約0.01未満の)熱可塑性ポリマー層を含む。少なくとも1つの複屈折熱可塑性ポリマー層は、二軸配向又は一軸配向されていてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの複屈折熱可塑性ポリマー層は、少なくとも1つの正の複屈折(複屈折が延伸方向に沿って増加する)熱可塑性ポリマー層を含む。いくつかのそのような実施形態では、又は他の実施形態では、少なくとも1つの複屈折熱可塑性ポリマーは、少なくとも1つの負の複屈折(複屈折が延伸方向に沿って減少する)熱可塑性ポリマー層を含む。PEN、PET、及びPHENは、正の複屈折熱可塑性ポリマーの例であり、sPSは、負の複屈折熱可塑性ポリマーの例である。例えば、米国特許第9,069,136号(Weberら)に記載されているように、ポリマーが正又は負の複屈折を示すかどうかは、ポリマーが配向されたときに形成される微結晶の幾何形状に依存し得る。好適な正の複屈折熱可塑性ポリマーとしては、延伸方向と実質的に整列した対称軸を有する微結晶を形成するものが挙げられ、一方、好適な負の複屈折熱可塑性ポリマーとしては、延伸方向と実質的に整列した最小単位セル寸法を有する円盤状単位セル構造を有する微結晶を形成するものが挙げられる。スチレンブロックコポリマー、PMMA、coPMMA、THV、アクリルブロックコポリマー、coPEN、及びPETGは、配向後に実質的に等方性であり得る熱可塑性ポリマーの例である。実質的に等方性のポリマーは、典型的には、配向されたときに微結晶を実質的に形成しない、又はポリマーを含有するフィルムがヒートセットされたときに溶融して除かれる微結晶を形成する、のいずれかである。正及び負の複屈折熱可塑性ポリマー並びに等方性熱可塑性ポリマーの更なる例は、例えば、米国特許第9,069,136号(Weberら)に記載されている。多層光学フィルム300内の様々な層に好適な他の材料としては、例えば、米国特許第5,103,337号(Schrenkら)、同第5,540,978号(Schrenk)、同第5,882,774号(Jonzaら)、同第6,179,948号(Merrillら)、同第6,207,260号(Wheatleyら)、同第6,783,349号(Neavinら)、同第6,967,778号(Wheatleyら)、同第9,069,136号(Weberら)、及び同第9,162,406号(Neavinら)に記載されているものが挙げられる。
光学フィルム300の様々な層は、第1の面内方向(例えば、x方向)、直交する第2の面内方向(例えば、y方向)、及び/又は面内方向に直交する厚さ方向(z方向)に沿ったそれらの屈折率によって特徴付けることができる。複数の層の屈折率が指定される実施形態では、x方向、y方向、及びz方向に沿った屈折率は、それぞれnxi、nyi、nziと表されてもよく、「i」は、層番号(例えば、1、2など)であり、これは、層がどのように番号付けされるか(例えば、連続的に、又は他の方法で)に依存し得る。図2は、多層光学フィルムの層の概略斜視図である。x方向、y方向、及びz方向に沿った屈折率nxi、nyi、nziは、例えば、図1A~図1Fに示す層A、層B1、層C、層B2のいずれかに対応することができる層「i」について示されている。例えば、いくつかの実施形態では、多層光学フィルム300は、複数の光学繰り返し単位10を含み、光学繰り返し単位の各々は、少なくとも4つの個別の層(例えば、A、B1、C、B2)を含み、光学繰り返し単位の各々の少なくとも4つの個別の層の少なくとも第1(例えば、A及びCのうちの一方)及び第2(例えば、A及びCのうちの他方)の個別の層は、同じ面内x方向に沿ったそれぞれの屈折率nx1及びnx2、x方向に直交する面内y方向に沿ったそれぞれの屈折率ny1及びny2、並びにx方向及びy方向に直交するz方向に沿ったそれぞれの屈折率nz1及びnz2を有する。様々な層の光学的厚さ及びf比は、本明細書の他の箇所で更に説明するように、屈折率から決定することができる。光学繰り返し単位中の様々な層のf比は、fiと表すことができ、添え字「i」は、層番号である。特定の層のf比は、例えば、それぞれのA層及びC層に対して、f又はfと表すことができる。いくつかの実施形態では、光学繰り返し単位10の各々は、少なくとも4つの個別の層(例えば、A、B1、C、B2)を含み、光学繰り返し単位の各々の少なくとも4つの個別の層の第1(例えば、A及びCの一方)及び第2(例えば、A及びCの他方)の個別の層は、同じ面内x方向のそれぞれの屈折率に対してそれぞれのf比f1及びf2を有する。いくつかの実施形態では、光学繰り返し単位の各々は、少なくとも4つの順次配置された第1~第4の個別の層を含む。いくつかの実施形態では、光学繰り返し単位10の各々について、第1(例えば、A及びCの一方)及び第3(例えば、A及びCの他方)の個別の層は、同じ面内x方向のそれぞれの屈折率nx1及びnx3に対してそれぞれのf比f1及びf3を有する。
以下の表は、いくつかの実施形態による、光学フィルム300の層に使用することができる様々な例示的な材料についての約633nmの波長における屈折率を列挙する。複屈折材料は、典型的には、反射偏光子のために一軸配向され、光学ミラーのために二軸配向されている。スチレンブロックコポリマー、THV、PMMA、coPMMA、アクリルブロックコポリマー、coPEN、及びPETGなどの材料は、多層光学フィルム中の他の層が二軸配向されている又は一軸配向されているかに関わらず、典型的には等方性である。例えば、このような材料の層を含む多層光学フィルムは、これらの層に使用される材料のガラス転移温度を超える温度でヒートセットして、等方性層を得ることができる。いくつかの材料(例えば、PHEN)の層は、延伸条件及びヒートセット温度に応じて、一軸配向、二軸配向、又は等方性であってもよい。例えば、PHEN層は、二軸配向若しくは一軸配向されていてもよく、又はPHEN層は、PHENのガラス転移温度を超える温度でヒートセットして、層が一軸延伸若しくは二軸延伸された後であっても等方性層を得ることができる。
Figure 2024511009000002
いくつかの実施形態では、各光学繰り返し単位の各個別の層は、x方向、y方向、及びz方向の各々において、約1.3~約1.9の範囲の屈折率を有する。いくつかの実施形態では、各光学繰り返し単位の各個別の層は、x方向、y方向、及びz方向のうちのいずれか2つについて、約0.4未満、又は約0.36未満の最大屈折率差を有する。いくつかの実施形態では、x方向、y方向、及びz方向の各々に沿った光学繰り返し単位中の個別の層の最大屈折率差は、約0.55未満、又は約0.5未満、又は約0.45未満である。いくつかの実施形態では、同じ方向(例えば、x方向、y方向、及びz方向のうちの1つ)に沿った光学繰り返し単位中の個別の層の最大屈折率差は、約0.05超、又は約0.07超、又は約0.1超、又は約0.15超、又は約0.2超、又は約0.22超、又は約0.25超である。
図3は、いくつかの実施形態による、少なくとも1つの偏光状態31の実質的に垂直に入射する光130に対する多層光学フィルム300の反射率の概略プロットである。反射率は、λa~λbの波長範囲に一次反射帯域278を有し、例えば、λaは、約600nm~約1000nmの範囲であってもよく、λbは、約1100nm~約1300nmの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、多層光学フィルム300は、互いに直交する偏光状態31及び32の実質的に垂直に入射する光130、230に対して実質的に同じ反射率を有する光学ミラーである。いくつかの実施形態では、多層光学フィルム300は、例えば、450nm~680nmの可視波長範囲全体にわたって、及び/又は800nm~1200nmの赤外波長範囲にわたって、第2の偏光状態32を有する実質的に垂直に入射する光230に対して約20%未満の反射率を有する反射偏光子である。
図4は、いくつかの実施形態による、実質的に垂直に入射する光130、230に対する多層光学フィルム300の透過率の概略プロットである。透過率342は、x方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光130に対するものである。光学ミラーの場合、透過率342はまた、y方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光230に対する透過率であってもよい。反射偏光子の場合、透過率344は、y方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光230に対する透過率であってもよい。λ1~λ2の波長範囲における平均光透過率T1は、透過率342に対して示されており、λ3~λ4の波長範囲における平均光透過率T2及びT3は、それぞれの透過率344及び342に対して示されている。いくつかの実施形態では、x方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光130に対して、多層光学フィルム300は、約450nm~約680nmの可視波長範囲において少なくとも約70%の平均光透過率(例えば、T1)、及び約1000nm~約1150nmの赤外波長範囲において少なくとも約40%の平均光反射率(例えば、Ravg;例えば、図3参照)を有する。例えば、図4では、λ1~λ4は、それぞれ約450nm、約680nm、約1000nm、及び約1150nmであってもよく、図3のλa及びλbは、それぞれ約1000nm及び約1150nmであってもよい。平均光反射率Ravgは、約100%から同じ波長範囲における平均光透過率(例えば、T3)を引いたものであってもよい(光吸収は無視するものであり、光吸収は典型的には2%未満又は1%未満である)。いくつかの実施形態では、平均光透過率T1は、少なくとも約75%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約85%である。いくつかの実施形態では、平均光反射率Ravgは、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約80%である。いくつかの実施形態では、x方向に直交する面内y方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光230に対して、多層光学フィルム300は、少なくとも約70%の可視波長範囲における平均光透過率(例えば、T1)、及び少なくとも約40%の赤外波長範囲における平均光反射率(例えば、Ravg)を有する。面内y方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光230に対する平均光透過率及び反射率は、面内x方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光130に対するそれぞれ平均光透過率及び反射率について記載された範囲のいずれかであってもよい。いくつかの実施形態では、x方向に直交する面内y方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光230に対して、多層光学フィルム300は、少なくとも約70%の可視波長範囲における平均光透過率(例えば、T1)、及び少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約80%の赤外波長範囲における平均光透過率(例えば、T2)を有する。
いくつかの実施形態では、x方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光130に対して、多層光学フィルム300は、約600nm超又は約700nm超の波長に配置された一次反射帯域278を有する。例えば、図3に示す波長λaは、約600nm超又は約700nm超であり得る。一次反射帯域278は、例えば、約2000nm未満、又は約1500nm未満、又は約1400nm未満、又は約1300nm未満の波長に配置されていてもよい。例えば、図3に示す波長λbは、約2000nm未満、又は約1500nm未満、又は約1400nm未満、又は約1300nm未満であってもよい。いくつかの実施形態では、一次反射帯域278は、例えば、600nm又は700nm~2000nm又は1400nmの波長範囲内に配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、一次反射帯域278は、ピーク高さRp1を有する第1の反射ピークを有し、多層光学フィルム300の任意の二次反射帯域282は、ピーク高さRp2を有する反射ピークを有する。反射ピークのピーク高さは、反射帯域の両側の領域における反射率の平均であるとみなすことができるベースライン反射率に対する反射帯域における最大反射率を指す(例えば、図7参照)。一次反射帯域278は、ピーク高さRp1を有する第1の反射ピークを有し、(例えば、反射率の振動に起因して;例えば、図7参照)追加のより小さい第2の反射ピーク(単数又は複数)を有してもよい。ベースライン反射率は、主に、光学フィルムの最外主表面(単数又は複数)からのフレネル反射率に起因し得る。いくつかの実施形態では、Rp1/Rp2≧5、又はRp1/Rp2≧8、又はRp1/Rp2≧10、又はRp1/Rp2≧15、又はRp1/Rp2≧20、又はRp1/Rp2≧30、又はRp1/Rp2≧40、又はRp1/Rp2≧50である。いくつかの実施形態では、Rp1は、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約85%である。いくつかの実施形態では、Rp2は、約10%未満、又は約5%未満、又は約3%未満、又は約2%未満である。
光学フィルム300は、光学フィルムのf比がそれらの実際の値から変化した場合にRp1/Rp2がどのように変化するかによって特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、比Rp1/Rp2は、f比f1及びf3のうちの少なくとも1つを0.2だけ連続的に変化させる(例えば、f1を光学フィルムにおけるその値からその値プラス0.2又はその値マイナス0.2に連続的に変化させる)とき、5以上、又は8以上、又は10以上、又は15以上、又は20以上を維持する。いくつかの実施形態では、比Rp1/Rp2は、f比f1及びf3のうちの少なくとも1つを0.3、又は0.4、又は0.5、又は0.6だけ連続的に変化させるとき、5以上を維持する。いくつかの実施形態では、比Rp1/Rp2は、f比f1及びf3のうちの少なくとも1つを0.3、又は0.4、又は0.5、又は0.6だけ連続的に変化させるとき、8以上、又は10以上、又は15以上、又は20以上を維持する。いくつかの実施形態では、比Rp1/Rp2は、f比f1及びf3のうちの少なくとも1つを少なくとも0.2、又は少なくとも0.3、又は少なくとも0.4、又は少なくとも0.5、又は少なくとも0.6だけ連続的に変化させるとき、5以上、又は8以上、又は10以上、又は15以上、又は20以上を維持する。比Rp1/Rp2は、例えば、最大約500、又は最大約200、又は最大約100、又は最大約50を維持し得る。いくつかのそのような実施形態では、f比f1及びf3のうちの少なくとも1つは、例えば、最大0.9、又は最大0.8、又は最大0.7だけ連続的に変化させることができ、一方、Rp1/Rp2は、これらの範囲のうちのいずれかに留まる。別段の指示がある場合を除き、f比f1及びf3のうちの少なくとも1つを変化させることは、各光学繰り返し単位の光学的厚さを一定に保ちながら、f比f1及びf3のうちの少なくとも1つを変化させることを意味し、各光学繰り返し単位の光学的厚さは、光学繰り返し単位の個別の層の各々の光学的厚さの合計であり、個別の層の各々の光学的厚さは、個別の層の厚さ×同じ面内x方向に沿った個別の層の屈折率である。第2及び第4の層(B1層及びB2層)のf比は、f比f1及びf3のうちの少なくとも1つを変化させるとき、互いに同じ比に維持することができる。例えば、いくつかの実施形態では、光学繰り返し単位の各々は、同じ面内x方向のそれぞれの屈折率nx1~nx4に対するそれぞれのf比f1~f4を有する少なくとも4つの順次配置された第1~第4の個別の層を含み、f2/f4は、f比f1及びf3のうちの少なくとも1つを連続的に変化させるとき、一定に保たれる。いくつかの実施形態では、f2/f4は、約1である。
f比f1及びf3のうちの少なくとも1つを変化させるときのRp1/Rp2の変化は、例えば、原子間力顕微鏡法(atomic force microscopy、AFM)を使用して光学フィルムの様々な層の厚さを測定し、例えば、標準的な化学分析技術によって様々な層に使用される材料を決定することによって、決定することができる。層の屈折率は、層の材料から決定することができ、フィルムの配向(例えば、一軸又は二軸)は、フィルムの透過スペクトルから決定することができる。次いで、一連の新しいフィルムを、標準的な光学モデリング技術を使用して物理的に作製又は光学的にモデリングすることができ、各新しいフィルムは、f1及びf3のうちの少なくとも1つを変更することによって元のフィルムとは異なる。これにより、Rp1/Rp2対f比のうちの少なくとも1つの変化のプロット(例えば、一次元プロット又は等高線図)を生成することが可能になり、そこから、例えば、Rp1/Rp2の所与の最小所望比に対するf比の最大シフトを決定することができる。プロットは、層厚さプロファイル、層の材料特性、及び光学フィルムの透過スペクトルの測定から標準的な光学モデリング技術を使用して生成することができるので、光学フィルムのRp1/Rp2の所与の最小所望比に対するf比の最大連続変化は、これらの測定に基づいて計算することができる。好適な光学モデリング技術としては、例えば、Berreman and Scheffer,Phys.Rev.Lett.25,577(1970)の4×4のスタックコードを使用して、透過及び反射スペクトルを決定することを挙げることができる。本方法の説明は、Elsevier Science(Holland)により公開されたAzzam及びBasharaによって書かれた書籍「Ellipsometry and Polarized Light」に記載されている。
図5は、いくつかの実施形態による、Rp1/Rp2対f比の変化の概略プロットである。f比の0の変化が示されており、光学フィルム300のf比に対応する。Rp1/Rp2の最小所望比(Rmin)が示されている。Rminは、例えば、少なくとも5、少なくとも8、又は少なくとも10、又は少なくとも15、又は少なくとも20であってもよい。f比の第1の変化Δ1が示されている。Δ1は、例えば、製造変動に起因して予想されるf比の典型的な最大シフトであってもよい。比Rp1/Rp2は、f比の第1の変化Δ1よりも大きいf比の第2の変化Δ2以下のf比の連続的な変化に対して、少なくともRminである。いくつかの実施形態では、Δ2は、例えば、少なくとも0.2、又は少なくとも0.3、又は少なくとも0.4、又は少なくとも0.5、又は少なくとも0.6である。いくつかの実施形態では、f比f1及びf3のうちの少なくとも1つを少なくともΔ2だけ連続的に変化させることは、f比のうちの少なくとも1つを少なくともΔ2だけ単調増加又は単調減少させることを含む。場合によっては、比Rp1/Rp2は、f比の第3の変化Δ3>Δ2よりも大きいf比の変化に対して、Rminを上回って増加し得る。しかしながら、Δ3に到達するf比の任意の連続的な変化は、Δ2~Δ3のf比の範囲を通過するので、比Rp1/Rp2は、f比を少なくともΔ3だけ連続的に変化させるとき、Rmin以上を維持しない。Rp1/Rp2対少なくとも2つのf比の変化の等高線図、又は一次及び二次反射帯域強度対少なくとも2つのf比の変化の別個の等高線図により、例えば、二次反射帯域のロバストな抑制をもたらす少なくとも2つのf比の所望の範囲を識別することを可能にすることができる。
反射帯域は、少なくとも5%のベースラインに対する反射率を含むと理解することができる。したがって、Rp2が5%未満である場合、多層光学フィルムは、二次反射帯域を有さないと説明することができる。光学多層光学フィルムは、光学多層光学フィルムが二次反射帯域を有さず、かつ任意選択的に三次、四次などの反射帯域を有さない場合、少なくとも二次反射帯域を有さないものとして説明することができる。いくつかの実施形態では、x方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光130に対して、多層光学フィルム300は、約700nm超の波長に配置された一次反射帯域278を有し、少なくとも二次反射帯域を有さない。
いくつかの実施形態では、光学繰り返し単位10の各々は、少なくとも4つの順次配置された第1~第4の個別の層を含み、第1及び第3の個別の層(例えば、A層及びC層)は、同じ面内x方向のそれぞれの屈折率nx1及びnx3に対してそれぞれのf比f1及びf3を有する。いくつかの実施形態では、第2及び第4の個別の層(例えば、B1層及びB2層)は、同じ面内x方向に沿ったそれぞれの屈折率nx2及びnx4を有し、nx1<nx2<nx3、かつnx1<nx4<nx3である。いくつかの実施形態では、nx2及びnx4の各々は、nx1及びnx3のうちの1つとnx1及びnx3の幾何平均との間にある。例えば、いくつかの実施形態では、nx1<nx2<(nx3×nx1)1/2、かつnx1<nx4<(nx3×nx1)1/2である。いくつかの実施形態では、nx1+0.02<nx2<(nx3×nx1)1/2-0.03、かつnx1+0.02<nx4<(nx3×nx1)1/2-0.03である。いくつかの実施形態では、nx1+0.03<nx2<(nx3×nx1)1/2-0.05、かつnx1+0.03<nx4<(nx3×nx1)1/2-0.05である。いくつかの実施形態では、|nx2-(nx3×nx1)1/2|及び|nx4-(nx3×nx1)1/2|はそれぞれ、0.03超、又は0.04超、又は0.05超である。これらの範囲のいずれかの屈折率を有する光学フィルムに好適なf比としては、f1が少なくとも0.44であるもの、及びf1が0.1以下であるものが挙げられる。いくつかの実施形態では、0.44≦f1≦0.55、かつ0.02≦f3≦0.55、又は0.45≦f1≦0.55、かつ0.02≦f3≦0.45、又は0.46≦f1≦0.54、かつ0.02≦f3≦0.4である。いくつかの実施形態では、0.02≦f1≦0.1、かつ0.02≦f3≦0.65、又は0.02≦f1≦0.1、かつ0.1≦f3≦0.5、又は0.02≦f1≦0.1、かつ0.1≦f3≦0.45である。これらの範囲のいずれかの屈折率を有する層に好適な材料としては、本明細書の他の箇所に記載されるものが挙げられる。いくつかの実施形態では、第1の個別の層は、ポリエチレンナフタレート(PEN)を含み、第3の個別の層は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)又はメチルメタクリレートとエチルアクリレートとのコポリマー(coPMMA)を含み、第2及び第4の個別の層の各々は、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)又はコポリエチレンナフタレートテレフタレートコポリマー(coPEN)を含む。ポリマー材料を含むと記載される任意の層は、そのポリマー材料の層であってもよい。例えば、PENを含む層は、PEN層であってもよい。
光学繰り返し単位の厚さは、光学繰り返し単位によって反射される波長を決定し、光学繰り返し単位中の層間の屈折率差は、反射の強度を決定する。したがって、図3~図4の光反射率及び透過率は、例えば、屈折率差を規定するための層材料の適切な選択、及び層厚さプロファイルの適切な選択によって達成することができる。図6は、光学繰り返し単位中の様々な層についての層厚さ対光学繰り返し単位番号の例示的なプロットである。多層光学フィルムの層の屈折率及び層厚さが与えられると、光学フィルムの光透過スペクトルは、従来の光学モデリング技術を使用して計算することができる。図7は、A層が約1.766、1.74、及び1.49のx、y、及びz方向の屈折率をそれぞれ有する二軸配向PEN層であり、B1層及びB2層が各方向に約1.56の屈折率を有するPETG層であり、C層が各方向に約1.49の屈折率を有するcoPMMA層である場合の、図6の層厚さプロファイルから決定された波長の関数としての複数の光学繰り返し単位の計算された光透過率のプロットである。同様の光透過率は、例えば、C層がPMMA層、スチレンブロックコポリマー層、又はアクリルブロックコポリマー層である場合に得ることができる。図7の計算された透過率、並びに図9、図12、図14、図17、及び図19の計算された透過率は、x方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光130に対するものである。これらの場合、光学フィルムは二軸配向されているので、y方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光230に対する反射率は、これらの図に示されるものとほぼ同じである。A層、B層、及びC層のx方向に沿った屈折率は、それぞれnA、nB、及びnCと表すことができる。反射ピーク高さRp1及びRp2は、図7に概略的に示されており、光吸収は無視できるので、反射率は100%から透過率を引いたものであると仮定している。この場合、A層は、0.08のf比(例えば、f1及びf3の一方)を有し、B1層及びB2層の各々は、0.355のf比を有し、C層は、0.25のf比(例えば、f1及びf3の他方)を有する。
図8は、光学繰り返し単位中の様々な層についての層厚さ対光学繰り返し単位番号の別の例示的なプロットである。図9は、層材料が図6~図7について記載された通りである場合の、図8の層厚さプロファイルから決定された波長の関数としての複数の光学繰り返し単位の計算された光透過率のプロットである。この場合、A層は、0.45のf比(例えば、f3及びf1の一方)を有し、B1層及びB2層の各々は、0.1のf比を有し、C層は、0.35のf比(例えば、f3及びf1の他方)を有する。
図10A~図10Bは、図6~図9について説明した層材料について、一次及び二次反射帯域それぞれの相対反射強度を示す等高線図である。光学繰り返し単位の光学的厚さは一定に保たれ、2つのB層のf比は互いに等しく保たれるが、A層及びC層のf比は、変化する。図10Bは、高い二次高調波抑制の2つの領域を示す。これらの領域の一方は、0<f≦0.1及び0<f≦0.65によって特徴付けられてもよく、これらの領域の他方は、0.44≦f≦0.55及び0<f≦0.55によって特徴付けられてもよい。典型的には、光学繰り返し単位中の任意の層の最小f比は、少なくとも0.005、又は少なくとも0.01、又は少なくとも0.02、又は少なくとも0.03であることが好ましい。いくつかの実施形態では、0.02≦f≦0.1かつ0.02≦f≦0.65、又は0.44≦f≦0.55かつ0.02≦f≦0.55である。
いくつかの実施形態では、光学繰り返し単位10の各々は、少なくとも4つの個別の層を含み、光学繰り返し単位10の各々の少なくとも4つの個別の層の第1(例えば、A層及びC層の一方)及び第2(例えば、A層及びC層の他方)の個別の層は、同じ面内x方向のそれぞれの屈折率に対してそれぞれのf比f1及びf2を有する。いくつかの実施形態では、0.5≦f1≦0.8かつ0.02≦f2≦0.3であり、x方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光130に対して、多層光学フィルム300が、約700nm超の波長に配置された一次反射帯域278を有し、少なくとも二次反射帯域を有さないようになっている。いくつかの実施形態では、0.02≦f2≦0.25である。いくつかの実施形態では、0.55≦f1≦0.8、又は0.55≦f1≦0.75、又は055≦f1≦0.7である。いくつかの実施形態では、光学繰り返し単位の各々の少なくとも4つの個別の層の少なくとも第3の層(例えば、B1及び/又はB2)は、約75nm未満の平均厚さを有する、又は平均厚さは、本明細書の他の箇所に記載される任意の範囲内であってもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも第3の層は、第1及び第2の個別の層のx方向に沿った屈折率の各々よりも大きい、x方向に沿った屈折率を有する。本明細書の他の箇所に更に記載されるように、第1及び第2の個別の層は、同じ組成を有することができ、又は異なる組成を有することができる。いくつかの実施形態では、例えば、第1及び第2の個別の層の各々は、メチルメタクリレートとエチルアクリレートとのコポリマー(coPMMA)を含み、少なくとも第3の層は、ポリエチレンナフタレート(PEN)を含む。
いくつかの実施形態では、光学繰り返し単位10の各々は、少なくとも4つの順次配置された第1~第4の個別の層を含み、第1及び第3の個別の層(例えば、A層及びC層)は、同じ面内x方向のそれぞれの屈折率nx1及びnx3に対してそれぞれのf比f1及びf3を有する。いくつかの実施形態では、第2及び第4の個別の層は、同じ面内x方向に沿ったそれぞれの屈折率nx2及びnx4を有し、nx2及びnx4の各々は、nx1及びnx3のそれぞれよりも大きい。いくつかの実施形態では、nx2及びnx4の各々は、nx1及びnx3の各々よりも、少なくとも0.05、又は少なくとも0.1、又は少なくとも0.15大きい。いくつかのそのような実施形態では、又は他の実施形態では、0.45≦f1≦0.8かつ0.02≦f3≦0.4、又は0.5≦f1≦0.8かつ0.02≦f3≦0.4、又は0.5≦f1≦0.75かつ0.02≦f3≦0.3、又は0.5≦f1≦0.75かつ0.02≦f3≦0.25、又は0.55≦f1≦0.7かつ0.02≦f3≦0.2である。順次配置された第1~第4の個別の層は、順に、A、B1、C、B2(例えば、図1BでのA層から下への番号付け)又はC、B1、A、B2(例えば、C、B1、A、B2の光学繰り返し単位を定義するために、図1BでのC層から上への番号付け)であるとみなすことができるので、f1及びf3の値は、同じフィルムについて交換することができる。例えば、0.45≦f1≦0.8かつ0.02≦f3≦0.4である実施形態は、代替的に0.02≦f1≦0.4かつ0.45≦f3≦0.8によって説明することができる。
いくつかの実施形態では、第1の個別の層(例えば、A層)は、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)、コポリエチレンナフタレートテレフタレートコポリマー(coPEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メチルメタクリレートとエチルアクリレートとのコポリマー(coPMMA)、スチレンブロックコポリマー、又はアクリルブロックコポリマーを含み、第3の個別の層(例えば、C層)は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メチルメタクリレートとエチルアクリレートとのコポリマー(coPMMA)、スチレンブロックコポリマー、又はアクリルブロックコポリマーを含み、第2及び第4の個別の層(例えば、B1層及びB2層)の各々は、ポリエチレンナフタレート(PEN)を含む。いくつかのそのような実施形態では、第1の個別の層(例えば、A層)は、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)又はコポリエチレンナフタレートテレフタレートコポリマー(coPEN)を含む。いくつかのそのような実施形態では、又は他の実施形態では、0.02≦f1≦0.4かつ0.45≦f3≦0.65、又は0.02≦f1≦0.3かつ0.5≦f3≦0.65、又は0.45≦f1≦0.8かつ0.02≦f3≦0.25、又は0.5≦f1≦0.8かつ0.1≦f3≦0.25である。
いくつかの実施形態では、第1及び第3の個別の層(例えば、A層及びC層)の各々は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メチルメタクリレートとエチルアクリレートとのコポリマー(coPMMA)、スチレンブロックコポリマー、又はアクリルブロックコポリマーを含み、第2及び第4の個別の層の各々は、ポリエチレンナフタレート(PEN)を含む。これらの層材料を利用するいくつかの実施形態では、又は他の実施形態では、0.02≦f1≦0.4、又は0.02≦f1≦0.3、又は0.02≦f1≦0.25、又は0.02≦f1≦0.2である。いくつかのそのような実施形態では。又は他の実施形態では、0.45≦f3≦0.8、又は0.5≦f3≦0.8、又は0.5≦f3≦0.75、又は0.55≦f3≦0.7である。これらの層材料を利用するいくつかの実施形態では、又は他の実施形態では、0.02≦f3≦0.4、又は0.02≦f3≦0.3、又は0.02≦f3≦0.25、又は0.02≦f3≦0.2である。いくつかのそのような実施形態では.又は他の実施形態では、0.45≦f1≦0.8、又は0.5≦f1≦0.8、又は0.5≦f1≦0.75、又は0.55≦f1≦0.7である。図11は、光学繰り返し単位中の様々な層についての層厚さ対光学繰り返し単位番号の例示的なプロットである。図12は、A層が各方向に約1.56の屈折率を有するPETG層であり、B1層及びB2層がそれぞれx方向、y方向、及びz方向にそれぞれ約1.766、1.74、及び1.49の屈折率を各々有する二軸配向PEN層であり、C層が各方向に約1.49の屈折率を有するcoPMMA層である場合の、図11の層厚さプロファイルから決定された波長の関数としての複数の光学繰り返し単位の計算された光透過率のプロットである。この場合、A層は、0.08のf比(例えば、f1及びf3の一方)を有し、B1層及びB2層の各々は、0.18のf比を有し、C層は、0.56のf比(例えば、f1及びf3の他方)を有する。同様の光透過率は、例えば、C層がPMMA層、スチレンブロックコポリマー層、又はアクリルブロックコポリマー層である場合に得ることができる。
図13は、光学繰り返し単位中の様々な層についての層厚さ対光学繰り返し単位番号の例示的なプロットである。図14は、層材料が図11~図12について記載された通りである場合の、図13の層厚さプロファイルから決定された波長の関数としての複数の光学繰り返し単位の計算された光透過率のプロットである。この場合、A層は、0.7のf比(例えば、f1及びf3の一方)を有し、B1層及びB2層の各々は、0.09のf比を有し、C層は、0.12のf比(例えば、f1及びf3の他方)を有する。
図15A~図15Bは、図11~図14について説明した層材料について、一次及び二次反射帯域それぞれの相対反射強度を示す等高線図である。光学繰り返し単位の光学的厚さは一定に保たれ、2つのB層のf比は互いに等しく保たれるが、A層及びC層のf比は、変化する。図15Bは、高い二次高調波抑制の2つの領域を示す。これらの領域の一方は、0<f≦0.4及び0.45≦f≦0.65によって特徴付けられてもよく、これらの領域の他方は、0.45≦f≦0.8及び0<f≦0.25によって特徴付けられてもよい。
図16は、光学繰り返し単位中の様々な層についての層厚さ対光学繰り返し単位番号の例示的なプロットである。図17は、B1層及びB2層がそれぞれx方向、y方向、及びz方向にそれぞれ約1.766、1.74、及び1.49の屈折率を各々有する二軸配向PEN層であり、A層及びC層のそれぞれが各方向に約1.49の屈折率を有するcoPMMA層である場合の、図16の層厚さプロファイルから決定された波長の関数としての複数の光学繰り返し単位の計算された光透過率のプロットである。この場合、A層は、0.08のf比(例えば、f1及びf3の一方)を有し、B1層及びB2層の各々は、0.17のf比を有し、C層は、0.58のf比(例えば、f1及びf3の他方)を有する。同様の光透過率は、例えば、A層及びC層の各々がPMMA層、スチレンブロックコポリマー層、又はアクリルブロックコポリマー層である場合に得ることができる。
図18は、光学繰り返し単位中の様々な層についての層厚さ対光学繰り返し単位番号の例示的なプロットである。この場合、光学繰り返し単位の各々について、A層の平均厚さは、第1~第4の個別の層の他の各層の平均厚さよりも少なくとも2.5倍大きく、C層の平均厚さは、第1~第4の個別の層の他の各層の平均厚さとは少なくとも2.5倍異なり、これは、C層がB1及びB2の各々よりも少なくとも2.5倍厚く、C層がA層よりも少なくとも2.5倍薄いためである。図19は、層材料が図16~図17について記載された通りである場合の、図18の層厚さプロファイルから決定された波長の関数としての複数の光学繰り返し単位の計算された光透過率のプロットである。この場合、A層は、0.68のf比(例えば、f1及びf3の一方)を有し、B1層及びB2層の各々は、0.075のf比を有し、C層は、0.17のf比(例えば、f1及びf3の他方)を有する。
図20A~図20Bは、図16~図19について説明した層材料について、一次及び二次反射帯域それぞれの相対反射強度を示す等高線図である。光学繰り返し単位の光学的厚さは一定に保たれ、2つのB層のf比は互いに等しく保たれるが、A層及びC層のf比は、変化する。図20Bは、高い二次高調波抑制の2つの領域を示す。これらの領域の一方は、0<f≦0.4及び0.45≦f≦0.8によって特徴付けられてもよく、これらの領域の他方は、0.45≦f≦0.8及び0<f≦0.4によって特徴付けられてもよい。
例えば、図7、図9、及び図10A~図10Bから、又は図12、図14、及び図15A~図15Bから、又は図17、図19、及び図20A~図20Bから、任意の二次帯域を強く抑制して保ちながら、一次帯域の強度を調整することができることが分かる。これにより、可視波長範囲において高い透過率を維持しながら、近赤外波長範囲において所望の反射率を達成することができる。
いくつかの実施形態では、多層光学フィルム300は、複数の光学繰り返し単位10を含み、複数の光学繰り返し単位中の光学繰り返し単位の数は、合計で約10超である。複数の光学繰り返し単位中の光学繰り返し単位の各々は、少なくとも4つの順次配置された第1~第4の個別の層を含む。複数の光学繰り返し単位中の光学繰り返し単位の各々について、第2及び第4の個別の層の各々の平均厚さは、第1及び第3の個別の層の各々の平均厚さよりも少なくとも2倍小さい、又は第1及び第3の個別の層の同じ1つの平均厚さは、第1~第4の個別の層の他の各層の平均厚さとは少なくとも2.5倍異なり、第1及び第3の個別の層は、同じ面内x方向のそれぞれの屈折率nx1及びnx3に対してそれぞれのf比f1及びf3を有し、0.44≦f1≦0.55かつ0.02≦f3≦0.55であり、第2及び第4の個別の層は、同じ面内x方向に沿ってそれぞれの屈折率nx2及びnx4を有し、nx1<nx2<nx3かつnx1<nx4<nx3であり、x方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光に対して、多層光学フィルムは、約600nm超の波長に配置された一次反射帯域を有し、一次反射帯域は、ピーク高さRp1を有する第1の反射ピークを有し、多層光学フィルム300の任意の二次反射帯域は、ピーク高さRp2を有する反射ピークを有し、Rp1/Rp2≧5であるようになっている。いくつかの実施形態では、|nx2-(nx3×nx1)1/2|及び|nx4-(nx3×nx1)1/2|は、各々0.03より大きい。いくつかのそのような実施形態では、又は他の実施形態では、nx1<nx2<(nx3×nx1)1/2かつnx1<nx4<(nx3×nx1)1/2である。
いくつかの実施形態では、多層光学フィルム300は、複数の光学繰り返し単位10を含み、複数の光学繰り返し単位中の光学繰り返し単位の数は、合計で約10超である。複数の光学繰り返し単位中の光学繰り返し単位の各々は、少なくとも4つの順次配置された第1~第4の個別の層を含む。複数の光学繰り返し単位中の光学繰り返し単位の各々について、第2及び第4の個別の層の各々の平均厚さは、第1及び第3の個別の層の各々の平均厚さよりも少なくとも2倍小さい、又は第1及び第3の個別の層の同じ1つの平均厚さは、第1~第4の個別の層の他の各層の平均厚さとは少なくとも2.5倍異なり、第1及び第3の個別の層は、同じ面内x方向のそれぞれの屈折率nx1及びnx3に対してそれぞれのf比f1及びf3を有し、0.45≦f1≦0.8かつ0.02≦f3≦0.4であり、第2及び第4の個別の層は、同じ面内x方向に沿ってそれぞれの屈折率nx2及びnx4を有し、nx2及びnx4の各々は、nx1及びnx3の各々よりも大きく、x方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光に対して、多層光学フィルム300は、約600nm超の波長に配置された一次反射帯域を有し、一次反射帯域は、ピーク高さRp1を有する第1の反射ピークを有し、多層光学フィルムの任意の二次反射帯域は、ピーク高さRp2を有する反射ピークを有し、Rp1/Rp2≧5であるようになっている。いくつかの実施形態では、nx2及びnx4の各々は、nx1及びnx3の各々よりも少なくとも0.05大きい。
いくつかの実施形態では、多層光学フィルム300は、複数の光学繰り返し単位10を含み、複数の光学繰り返し単位中の光学繰り返し単位の数は、合計で約10超である。複数の光学繰り返し単位中の光学繰り返し単位の各々は、少なくとも4つの順次配置された第1~第4の個別の層を含む。複数の光学繰り返し単位中の光学繰り返し単位の各々について、第1及び第3の個別の層の同じ1つの平均厚さは、第1~第4の個別の層の他の各層の平均厚さとは少なくとも2.5倍異なり、第1及び第3の個別の層は、同じ面内x方向のそれぞれの屈折率nx1及びnx3に対してそれぞれのf比f1及びf3を有し、0.02≦f1≦0.1かつ0.02≦f3≦0.65であり、第2及び第4の個別の層は、同じ面内x方向に沿ってそれぞれの屈折率nx2及びnx4を有し、nx1<nx2<nx3かつnx1<nx4<nx3であり、x方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光に対して、多層光学フィルムは、約600nm超の波長に配置された一次反射帯域を有し、一次反射帯域は、ピーク高さRp1を有する第1の反射ピークを有し、多層光学フィルムの任意の二次反射帯域は、ピーク高さRp2を有する反射ピークを有し、Rp1/Rp2≧5であるようになっている。いくつかの実施形態では、|nx2-(nx3×nx1)1/2|及び|nx4-(nx3×nx1)1/2|は、各々0.03より大きい。いくつかのそのような実施形態では、又は他の実施形態では、nx1<nx2<(nx3×nx1)1/2かつnx1<nx4<(nx3×nx1)1/2である。
本明細書に記載される多層光学フィルムのいずれも、90度の剥離角度で測定した場合に、少なくとも約14グラム/インチの、複数の光学繰り返し単位中の個別の層の層間接着力を有することができる。いくつかの実施形態では、複数の光学繰り返し単位中の個別の層の層間接着力は、90度の剥離角度で測定した場合に、約16、18、20、22、25、27、30、32、35、37、40、45、50、又は55グラム/インチより大きい。いくつかの実施形態では、層間接着力は、例えば、最大約500グラム/インチ、又は最大約300グラム/インチ、又は最大約200グラム/インチ、又は最大約150グラム/インチ、又は最大約120グラム/インチであってもよい。いくつかの実施形態では、層間接着力は、例えば、約14グラム/インチ~約500グラム、又は約30グラム/インチ~約300グラム/インチの範囲である。剥離力は、A層、B1層、C層、及びB2層の材料を適切に選択することによって、増加させることができる。例えば、B1層、B2層は、A層及びC層が互いに不十分な直接結合を有する場合であっても、A層及びC層に対して適切な結合を有するように選択することができる。いくつかの実施形態では、B1層、B2層は、A層及びC層に使用されるポリマーのコポリマーであってもよい。いくつかの実施形態によれば、低いガラス転移温度を有するポリマー、又は低いガラス転移温度を有する(例えば、軟質)ポリマーブロックを含有するブロックコポリマー、又はそれらのブレンドから形成された層は、本明細書に記載される他の層との改善された結合を提供することが見出されている。好適な材料としては、例えば、スチレンブロックコポリマー、アクリルブロックコポリマー、PMMA、coPMMA、又は後者3つのうちのいずれかのブレンドが挙げられる。(B層又はB層の軟質ブロックの)ガラス転移温度は、例えば、105℃未満、又は100℃未満、又は90℃未満、又は80℃未満、又は70℃未満、又は60℃未満、又は50℃未満、又は40℃未満、又は30℃未満、又は20℃未満、又は10℃未満、又は0℃未満、又は-10℃未満、又は-20℃未満、又は-30℃未満、又は-40℃未満、又は-50℃未満であってもよい。コポリマーのポリマーブロックのガラス転移温度は、ポリマーブロックのモノマー単位のホモポリマーのガラス転移温度として決定することができる。ブロックコポリマーはまた、例えば、機械的特性のために(例えば、材料取り扱い及び/又は低クリープのために)他の(例えば、硬質)ブロックを含んでもよい。機械的特性のための(例えば、硬質)ブロックは、例えば、50℃超、又は60℃超、又は70℃超、又は80℃超、又は90℃超、又は100℃超、又は105℃超のガラス転移温度を有することができる。いくつかの実施形態では、各B層は、化学的に不活性な、又は実質的に化学的に不活性なポリマー層である。すなわち、いくつかの実施形態では、B層のポリマーは、A層の材料又はC層の材料と共有結合を形成しない、又は隣接する層のいずれかとの結合に無視できる程度の影響しか与えないような共有結合しか形成しない。
A層、B1層、C層、及びB2層に好適な他の材料は、本明細書の他の箇所に更に記載されている。特定の実施例として、直接隣接するsPS層及び低融点PEN(coPEN90/10)層で作製された光学ミラーは、90度の剥離角度で測定した場合、約11グラム/インチの複数の光学繰り返し単位中の個別の層の層間接着力を有したが、同様に作製されたものの各sPS層と低融点PEN層との間にスチレンブロックコポリマー層を含んだ光学ミラーは、90度の剥離角度で測定した場合、約33グラム/インチの複数の光学繰り返し単位中の個別の層の層間接着力を有した。
図21は、層間接着力について多層光学フィルム300を試験する概略図である。多層光学フィルム300は、両面テープ151を介して基材360(例えば、剛性ガラス基材)に結合されている。次に、例えばカミソリの刃を使用して、光学フィルム300に切れ目170を形成する。次に、別のテープ片152を使用して、切れ目170に隣接する光学フィルム300の一部分331の端部333を、光学フィルム300の残りの部分332から剥がす。次に、90度の剥離角度φを画定する基材360から離れる方向(z方向)にテープ152を引っ張ることによって、剥離力を測定することができる。光学フィルム300の単位幅(x方向の寸法)当たりの剥離力が層間接着力である。いくつかの実施形態では、剥離力は、12インチ/分の引張速度(クロスヘッド速度とも呼ばれる)を使用し、少なくとも約5秒の時間にわたって測定された力を平均することによって決定される。いくつかの実施形態では、単位幅当たりの剥離力は、12インチ/分のクロスヘッド速度が使用されることを除いて、ASTM D6862-11(2016年再承認)試験規格に従って決定される平均剥離抵抗強度である。いくつかの実施形態では、複数の光学繰り返し単位中の個別の層の層間接着力は、少なくとも約14グラム/インチである、又は層間接着力は、本明細書の他の箇所に記載される任意の範囲であってもよく、層間接着力は、下部332が基材360に結合されている間に、多層光学フィルム300の上部331を多層光学フィルム300の下部332から90度の剥離角度で引っ張るために12インチ/分のクロスヘッド速度が使用されることを除いて、ASTM D6862-11(2016年再承認)試験規格に従って測定される平均剥離抵抗強度として決定される。
「約(about)」などの用語は、これらが本明細書に使用及び記載されている文脈において、当業者によって理解されよう。特徴部のサイズ、量、及び物理的特性を表す量に適用される「約」の使用が、本明細書に使用及び記載されている文脈において、当業者にとって別途明らかではない場合、「約」とは、特定の値の10パーセント以内を意味すると理解されよう。約特定の値として与えられる量は、正確に特定の値であり得る。例えば、それが本明細書で使用及び記載されている文脈において当業者にとって別途明らかではない場合には、約1の値を有する量とは、その量が0.9~1.1の値を有すること、及び、その値が1である場合もあることを意味する。
上記において参照された参照文献、特許、又は特許出願の全ては、それらの全体が参照により本明細書に一貫して組み込まれている。組み込まれた参照文献の一部と本出願との間に不一致又は矛盾がある場合、前述の記載における情報が優先するものとする。
図面中の要素の説明は、別段の指示がない限り、他の図面中の対応する要素に等しく適用されるものと理解されたい。特定の実施形態が本明細書において図示及び説明されているが、図示及び記載されている特定の実施形態は、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な代替的実施態様及び/又は等価の実施態様によって置き換えられ得ることが、当業者には理解されよう。本出願は、本明細書で論じられた特定の実施形態のあらゆる適応例、又は変形例、又は組み合わせを包含することが意図されている。したがって、本開示は、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されることが意図されている。

Claims (15)

  1. 複数の光学繰り返し単位を備える多層光学フィルムであって、前記複数の光学繰り返し単位中の前記光学繰り返し単位の数が、合計で約10超であり、前記光学繰り返し単位の各々が、少なくとも4つの順次配置された第1~第4の個別の層を含み、前記光学繰り返し単位の各々について、
    前記第2及び第4の個別の層の各々の平均厚さが、前記第1及び第3の個別の層の各々の平均厚さよりも少なくとも2倍小さく、
    前記第1及び第3の個別の層が、同じ面内x方向のそれぞれの屈折率nx1及びnx3に対してそれぞれのf比f1及びf3を有し、
    前記x方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光に対して、前記多層光学フィルムが、約600nm超の波長に配置された一次反射帯域を有し、前記一次反射帯域が、ピーク高さRp1を有する第1の反射ピークを有し、前記多層光学フィルムの任意の二次反射帯域が、ピーク高さRp2を有する反射ピークを有し、Rp1/Rp2≧5であり、前記f比f1及びf3のうちの少なくとも1つを0.2だけ連続的に変化させるとき、前記比Rp1/Rp2が5以上を維持するようになっている、
    多層光学フィルム。
  2. 前記第2及び第4の個別の層が、前記同じ面内x方向に沿ってそれぞれの屈折率nx2及びnx4を有し、nx1<nx2<nx3かつnx1<nx4<nx3である、請求項1に記載の多層光学フィルム。
  3. 0.44≦f1≦0.55かつ0.02≦f3≦0.55である、請求項2に記載の多層光学フィルム。
  4. 前記第2及び第4の個別の層が、前記同じ面内x方向に沿ってそれぞれの屈折率nx2及びnx4を有し、nx2及びnx4の各々が、nx1及びnx3の各々よりも大きい、請求項1に記載の多層光学フィルム。
  5. 0.45≦f1≦0.8かつ0.02≦f3≦0.4である、請求項4に記載の多層光学フィルム。
  6. 複数の光学繰り返し単位を備える多層光学フィルムであって、前記複数の光学繰り返し単位中の前記光学繰り返し単位の数が、合計で約10超であり、前記光学繰り返し単位の各々が、少なくとも4つの順次配置された第1~第4の個別の層を含み、前記光学繰り返し単位の各々について、
    前記第1及び第3の個別の層の同じ1つの平均厚さが、前記第1~第4の個別の層の他の各層の平均厚さとは少なくとも2.5倍異なり、
    前記第1及び第3の個別の層が、同じ面内x方向のそれぞれの屈折率nx1及びnx3に対してそれぞれのf比f1及びf3を有し、
    前記x方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光に対して、前記多層光学フィルムが、約600nm超の波長に配置された一次反射帯域を有し、前記一次反射帯域が、ピーク高さRp1を有する第1の反射ピークを有し、前記多層光学フィルムの任意の二次反射帯域が、ピーク高さRp2を有する反射ピークを有し、Rp1/Rp2≧5であり、前記f比f1及びf3のうちの少なくとも1つを0.2だけ連続的に変化させるとき、前記比Rp1/Rp2が5以上を維持するようになっている、
    多層光学フィルム。
  7. 前記第2及び第4の個別の層が、前記同じ面内x方向に沿ってそれぞれの屈折率nx2及びnx4を有し、nx1<nx2<nx3かつnx1<nx4<nx3である、請求項6に記載の多層光学フィルム。
  8. 0.02≦f1≦0.1かつ0.02≦f3≦0.65である、請求項7に記載の多層光学フィルム。
  9. 0.44≦f1≦0.55かつ0.02≦f3≦0.55である、請求項7に記載の多層光学フィルム。
  10. 前記第2及び第4の個別の層が、前記同じ面内x方向に沿ってそれぞれの屈折率nx2及びnx4を有し、nx2及びnx4の各々が、nx1及びnx3の各々よりも大きい、請求項6に記載の多層光学フィルム。
  11. 0.45≦f1≦0.8かつ0.02≦f3≦0.4である、請求項10に記載の多層光学フィルム。
  12. 複数の光学繰り返し単位を備える多層光学フィルムであって、前記複数の光学繰り返し単位中の前記光学繰り返し単位の数が、合計で約10超であり、前記光学繰り返し単位の各々が、少なくとも4つの個別の層を含み、前記光学繰り返し単位の各々の前記少なくとも4つの個別の層の第1及び第2の個別の層が、同じ面内x方向のそれぞれの屈折率に対してそれぞれのf比f1及びf2を有し、0.5≦f1≦0.8、0.02≦f2≦0.3であり、
    前記x方向に沿って偏光された実質的に垂直に入射する光に対して、前記多層光学フィルムが、約700nm超の波長に配置された一次反射帯域を有し、少なくとも二次反射帯域を有さず、
    前記光学繰り返し単位の各々の前記少なくとも4つの個別の層の少なくとも第3の層が、約75nm未満の平均厚さを有するようになっている、
    多層光学フィルム。
  13. 前記少なくとも前記第3の層が、前記第1及び第2の個別の層の前記x方向に沿った前記屈折率の各々よりも大きい、前記x方向に沿った屈折率を有する、請求項12に記載の多層光学フィルム。
  14. 0.02≦f2≦0.25である、請求項12又は13に記載の多層光学フィルム。
  15. 0.55≦f1≦0.8である、請求項12~14のいずれか一項に記載の多層光学フィルム。
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