JP2024510586A - 注射デバイスの使用をモニタリングするためのデータロギングデバイス - Google Patents

注射デバイスの使用をモニタリングするためのデータロギングデバイス Download PDF

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Abstract

本開示は、注射デバイス(1)の使用をモニタリングするためのデータロギングデバイス(30)であって、注射デバイス(1)は、ハウジング(3)と、長手方向(x)に沿って第1の端部位置(P1)と第2の端部位置(P2)との間でハウジング(3)に対して可動である可動部材(16)とを含み、データロギングデバイス(30)は:- 可動部材(16)およびハウジング(3)の少なくとも一方に連結されているかまたは連結可能な、トリガ(70)と、- トリガ(70)と動作可能に係合される第1のスイッチ(80)を含むスイッチ機構(50)であって、トリガ(70)は第1のトリガ端部位置(T1)と第2のトリガ端部位置(T2)との間でスイッチ機構(50)に対して可動である、スイッチ機構(50)とを含み、- スイッチ機構(50)は、トリガ(70)がスイッチ機構(50)に対して動いたときに、第1のスイッチング状態(i)と第2のスイッチング状態(ii)との間で切り換わるように動作可能であり、スイッチ機構(50)は、トリガ(70)が第1のトリガ端部位置(T1)に接近または到達すると第1のスイッチング状態(i)に切り換わるように構成されており、トリガ(70)が第2のトリガ端部位置(T2)に接近または到達すると第2のスイッチング状態(ii)に切り換わるように構成されており、データロギングデバイス(30)はさらに、- スイッチ機構(50)に接続されており、第1のスイッチング状態(i)と第2のスイッチング状態(ii)との間のスイッチ機構(50)の遷移を検出するように動作可能である、プロセッサ(42)を含む、データロギングデバイス(30)に関する。【選択図】図8

Description

本開示は、薬物送達デバイスの使用をモニタリングするためのデータロギングデバイスに関する。さらなる態様において、本開示は、データロギングデバイスを備える注射デバイスに関する。
液体薬剤の単回または複数回の用量を設定および投薬する薬物送達デバイスは、それ自体が当技術分野でよく知られている。概して、このようなデバイスは、一般的なシリンジと実質的に同様の目的を有する。
ペン型注射器などの薬物送達デバイスは、いくつかのユーザ特有の要件を満たさなければならない。たとえば、患者が糖尿病などの慢性疾患を患う場合、患者は、身体的に虚弱の場合があり、視力障害を有する可能性もある。したがって、家庭用医薬品を特に意図した適切な薬物送達デバイスは、構造が堅牢である必要があり、簡単に使用できるべきである。さらに、デバイスおよびその構成要素の操作および一般的な取扱いは、分かりやすく簡単に理解可能であるべきである。このような注射デバイスは、可変サイズの薬剤の用量を設定し、続いて投薬しなければならない。さらに、用量設定ならびに用量投薬手順は、操作が簡単でなければならず、明瞭でなければならない。
特定の疾患を患う患者には、一定量の薬剤がペン型注射シリンジを介して注射されるかまたはポンプを介して注入される必要がある場合がある。
いくつかの薬物送達デバイスまたは注射デバイスは、可変サイズの薬剤の用量を選択し、前に設定した用量を注射する。他の注射デバイスは固定用量を設定し、投薬する。ここで、所与の処方スケジュールに従って注射するべき薬剤の量は、常に同じであり、経時的に変わらないかまたは変えることはできない。
いくつかの注射デバイスは、ユーザがカートリッジなどの薬剤容器を交換できる再使用可能な注射デバイスとして実装することができる。他の注射デバイスは、使い捨て注射デバイスとして実装することができる。使い捨て注射デバイスでは、内容物、すなわち薬剤を使い切ったときに注射デバイス全体を破棄することが意図されている。
医薬品の管理および監視をユーザ自身または患者自身によって行うために、薬物送達デバイスの繰り返しの定期的な使用を自動検出し、ロギングすることが望ましい。特に、多数の薬物療法の送達のために典型的に単純かつ比較的効率的な手法を提供する固定用量注射デバイスの場合は、ユーザによって注射される用量の記録は、安全性および利便性の観点から、手動の用量ロギングよりも著しく有利になる。
したがって、単純かつ簡単に使用でき、現行の薬物送達デバイスまたは注射デバイスに簡単に組み込み可能または適用可能である、注射デバイスの使用をモニタリングするための改良されたデータロギングデバイスを提供することが望ましい。さらに、データロギングデバイスは、必要なインストール空間を最小限に抑えるべきであり、低コストまたは廉価に生産可能であるべきである。
一態様において、注射デバイスの使用をモニタリングするためのデータロギングデバイスが提供される。注射デバイスは、ハウジングおよび可動部材を含む。可動部材は、長手方向に沿って第1の端部位置と第2の端部位置との間でハウジングに対して可動である。典型的には、注射デバイスのハウジングは細長いハウジングである。注射デバイスは、機械的に実装される手持ち式注射デバイスとして実装することができる。注射デバイスは、ペン型注射デバイスを含むことができる。注射デバイスの可動部材は、注射デバイスの投薬作用をトリガおよび/または制御するために注射デバイスのユーザによって手動で押し下げ可能な用量ボタンを含むことができるか、またはそれを構成することができる。
データロギングデバイスは、注射デバイスの使用をモニタリングするように構成されている。データロギングデバイスは、注射デバイスに組み込むことができるか、または固定できる、たとえば注射デバイスに解放可能に固定できる、別個のデバイスとして設けることができる。
データロギングデバイスは、注射デバイスの可動部材に連結されているかまたは可動部材に連結可能なトリガを含む。代替として、トリガは、ハウジングに連結するかまたは組み込むこともできる。トリガは、スイッチ機構に対して第1のトリガ端部位置と第2のトリガ端部位置との間で可動である。
データロギングデバイスはさらに、スイッチ機構を含む。スイッチ機構は、トリガと動作可能に係合された第1のスイッチを含む。スイッチ機構は、トリガがスイッチ機構に対して動いたときに、第1のスイッチング状態と第2のスイッチング状態との間で切り換わるように動作可能である。スイッチ機構は、トリガがスイッチ機構に対して第1のトリガ端部位置に接近または到達すると、第1のスイッチング状態に切り換わるように構成されている。
スイッチ機構は、トリガがスイッチ機構に対して第2のトリガ端部位置に接近または到達すると、第2のスイッチング状態に切り換わるように構成されている。
典型的には、いくつかの例では、トリガは、注射デバイスの可動部材に固定可能である。他の例では、トリガは、注射デバイスの可動部材に組み込むことができる。いくつかの例では、可動部材とトリガとは、可動部材がデバイスのユーザによって変位されるときに調和して可動である。トリガは、可動部材によって強制的に作動されるかまたは動かされることが可能である。したがって、可動部材の動きは、トリガのそれぞれの動きに等しくかつ一貫して移行される。
いくつかの例では、トリガは、注射デバイスのハウジングに固定されているか、または組み込まれている。そのときに、スイッチ機構は、可動部材と調和して可動である。ここで、スイッチ機構は、可動部材に固定されているか、または固定可能である。可動部材がハウジングに対する動きを受けると、スイッチ機構は、トリガに対するそれぞれの動きを受ける。可動部材が第1の端部位置に動くと、スイッチ機構がそれぞれ動いて、トリガに対する第1のトリガ端部位置に到着する。可動部材が第2の端部位置に動くと、スイッチ機構がそれぞれ動いて、トリガに対する第2のトリガ端部位置に到着する。したがって、第1および第2のトリガ端部位置は常に、トリガとスイッチ機構との間で相対的な位置を画成する。
データロギングデバイスはさらに、プロセッサを含む。プロセッサは、スイッチ機構に接続されている。プロセッサは、第1のスイッチング状態と第2のスイッチング状態との間のスイッチ機構の遷移を検出するように動作可能である。具体的には、プロセッサは、第1のスイッチング状態から第2のスイッチング状態へのスイッチ機構の切換えを検出するように動作可能である。さらに、プロセッサは、第2のスイッチング状態から第1のスイッチング状態へのスイッチ機構の切換えを検出するように動作可能とすることができる。
本例では、スイッチ機構に接続されたプロセッサは、トリガの、したがって、注射デバイスの可動部材の、異なる2つの状態、構成または位置を区別するように動作可能である。プロセッサは、スイッチ機構が第1のスイッチング状態にあるかまたは第2のスイッチング状態にあるかを判定するように動作可能である。スイッチング状態の変化は、典型的には、注射デバイスの可動部材のそれぞれの第1または第2の端部位置と関係する第1または第2のトリガ端部位置の一方にトリガが到達するかまたは接近するときにのみ得られる。
このように、単一のスイッチ機構では、データロギングデバイスは、可動部材が第1の端部位置にあるかどうかもしくはあったかどうか、および/または可動部材が第2の端部位置にあるかどうかもしくはあったかどうかを判定することが可能にされている。
固定用量の設定および投薬の両方のために可動部材を1つだけ含む固定用量注射デバイスに連結されているかまたは組み込まれているときに、データロギングデバイスは、それぞれの用量の設定および投薬を記録するために十分な機能をもたらす。プロセッサ、スイッチ機構およびトリガの連結および/または相互作用は、注射デバイスが準備状態、すなわち、デバイスが用量の投薬のために用意できた状態にあるかどうか、および用量投薬手順を実行したすぐ後の初期状態にあるかどうかを判定するのに十分である。典型的には、可動部材の第1の端部位置、したがって第1のトリガ端部位置は、注射デバイスの準備状態に関するかまたは対応する。可動部材の第2の端部位置、したがって第2のトリガ端部位置は、可動部材が用量注射手順中に戻る注射デバイスの初期構成と関係するかまたはそれに対応する。
典型的には、プロセッサは、初期状態から、したがって第2のスイッチング状態から、第1のスイッチング状態、すなわち典型的には用量設定動作の最後またはその間に到達する状態への、スイッチ機構の切換えを検出するように動作可能である。さらに、プロセッサおよびスイッチ機構は、トリガの、したがって可動部材の、第2の端部位置またはトリガ端部位置へのその後の復帰を検出するように動作可能であり、それによって、用量投薬または用量注射手順が実行されたことおよび終了したことが示される。
いくつかの例では、第1の端部位置は、可動部材の長手方向の近位端の位置である。それに対応して、第1のトリガ端部位置は、トリガの近位の長手方向端部位置である。可動部材およびトリガは、用量が設定されたときに、また注射デバイスが準備されたとき、したがって薬剤の用量の投薬または注射の用意ができたときに、ハウジングに対するその特定の位置をとる。
第2の端部位置は、したがって第2のトリガ端部位置は、可動部材の、したがってトリガの遠位端の位置でよく、その位置は、用量投薬手順の最後に接近または到達される。したがって、薬剤の完全な用量が注射されたときに、可動部材は、たとえば遠位の端部位置にある、第2の端部位置に戻る。同様に、用量注射手順が終了したときに、トリガはそれぞれの遠位の第2のトリガ端部位置に到達する。次いで、注射デバイスは初期構成にあることが可能である。
可動部材を第2の端部位置から第1の端部位置に向かって動かし、そうすることで、トリガも第2のトリガ端部位置から第1のトリガ端部位置へ向かってかつその位置に動かすかまたは押しやることによって、別の用量を設定することができる。
本文脈において、「動作可能に係合される」という用語は、第1の構成要素の動きが第2の構成要素の動きまたは遷移を誘発するかまたは引き起こすような、第1の構成要素と第2の構成要素との係合を表すことができる。
いくつかの例では、第1のスイッチは、トリガと機械的に係合されている。
いくつかの例では、トリガの動き、たとえば、第1のトリガ端部位置から第2のトリガ端部位置に向かうかつその位置への動きは、第1のスイッチング状態から第2のスイッチング状態への第1のスイッチのそれぞれの動きまたは切換えを引き起こすかまたは誘発する。同様に、第2のトリガ端部位置から第1のトリガ端部位置に向かうかつその位置へのトリガの動きは、第2のスイッチング状態から第1のスイッチング状態への第1のスイッチのそれぞれの動きまたは切換えを引き起こすかまたは誘発することができる。
さらなる例によれば、スイッチ機構は、トリガが第1のトリガ端部位置にあるときは第1のスイッチング状態にある。さらに、スイッチ機構は、トリガが第2のトリガ端部位置に接近または到達するまで、第1のスイッチング状態に留まる。このように、トリガが第2のトリガ端部位置に到達しない限り、スイッチ機構が第1のスイッチング状態に留まることを可能にすることができる。
第2のトリガ端部位置に到達または接近したときにのみ、スイッチ機構はその切換え構成を第1のスイッチング状態から第2のスイッチング状態に変える。トリガは、可動部材が第2の端部位置に到達するときにのみ、第2のトリガ端部位置に到達する。典型的には、トリガと可動部材とは、注射デバイスの可動部材の動きが等しくかつ/または一貫してトリガのそれぞれの動きに移行されるように、互いに機械的にリンクされているかまたは機械的に固定されている。
トリガが第1のトリガ端部位置から第2のトリガ端部位置に向かって動く間にスイッチ機構を第1のスイッチング状態に維持することは、スイッチ機構の早過ぎる切換えを防止するために有益である。このように、トリガが、したがって可動部材が、第2のトリガ端部位置または端部位置にそれぞれ到達するときにのみ排他的に、第2のスイッチング状態が得られることが可能にされる。
さらなる例によれば、スイッチ機構は、トリガが第2のトリガ端部位置にあるときは第2のスイッチング状態にある。スイッチ機構はさらに、トリガが第1のトリガ端部位置に接近または到達するまで、第2のスイッチング状態に留まる。このように、トリガが第2のトリガ端部位置から第1のトリガ端部位置に向かって動く間に、スイッチ機構が第2のスイッチング状態に留まることを可能にすることができる。第1のトリガ端部位置に到達または接近したときにのみ、スイッチ機構が第1のスイッチング状態から第2のスイッチング状態に切り換えられる。このように、スイッチ機構の早過ぎる切換えを事実上防止することができる。
スイッチング状態は、可動部材の第2の端部位置への到達に関係する、トリガの第2のトリガ端部位置への到達のときにのみ排他的に、第1のスイッチング状態から第2のスイッチング状態に向かってかつその状態に修正される。
別の例によれば、プロセッサは、スリープモードおよびウェークアップモードの一方に選択的に入るように動作可能である。プロセッサは、スイッチ機構を第1のスイッチ状態に切り換えることによって、スリープモードからウェークアップモードに移行可能である。これは、注射デバイスの可動部材を第2の位置から第1の位置に動かすことによって得ることができる。したがって、可動部材に連結されたトリガも、第2のトリガ端部位置から第1のトリガ端部位置に向かってかつその位置に動かすことができる。第1のトリガ端部位置の到達は、電子回路を閉じることができ、電気エネルギーをプロセッサに供給することができ、そのため、プロセッサがスリープモードからウェークアップモードに入る。
固定用量注射デバイスでは、ユーザによって実際に設定された用量のサイズを測定または検出する必要がない。注射デバイスの用量設定動作中におよび用量設定動作をしたときに、データロギングデバイスが、したがってそのプロセッサがウェークアップモードに設定されるだけで十分である。このように、注射デバイスが使用中でない限り、データロギングデバイスは、したがってそのプロセッサは、スリープモードにあってよく、スリープモードに留まってよい。プロセッサおよびスイッチ機構は、たとえばスイッチ機構を第2のスイッチング状態から第1のスイッチング状態に切り換えることによってウェークアップモードに移行されると、たとえば可動部材を遠位方向に押すことによって可動部材を第1の端部位置から第2の端部位置に向かってかつその位置に戻した後にまたは戻したときに生じるスイッチング状態の後続の変化を記録する用意がすぐにできる。
いくつかの例では、プロセッサは、用量投薬手順が完了した後に、すなわちスイッチ機構が第2のスイッチング状態に切り換えられた後に、所定の期間が経過した後には、自動的にスリープモードに入るように構成することができる。
いくつかの例では、プロセッサは、スイッチ機構が第2のスイッチング状態にあるときおよび所定の期間中にスイッチング状態のさらなる変化が生じないときに、自動的にスリープモードに切り換わることができる。スリープモードのこのような自動化された起動は、電気エネルギーを削減し、データロギングデバイスの持続時間を延長するために有益な場合がある。
さらなる例によれば、プロセッサは、第1のスイッチ状態から第2のスイッチ状態へのスイッチ機構の切換えを検出するときに、用量投薬事象をロギングしかつ/または記録するように動作可能である。典型的には、スイッチ機構が第1のスイッチング状態から第2のスイッチング状態に切り換えられるたびに、このような検出が用量投薬手順または用量注射手順の完了として評価される。
次いで、典型的には電子メモリを備えるかまたはそれに接続されているプロセッサは、用量投薬関連のデータを電子メモリに記憶するように動作可能である。追加的にまたは代替として、プロセッサは、用量完了信号を、外部電子デバイスなどの外部のデータロギングデバイスに送信するように動作可能にすることができる。次いで、プロセッサの機能をさらに限定できる。プロセッサが、スイッチ機構のスイッチング状態の変化をモニタリングし、スイッチ機構がそのスイッチング状態を変えるたびにスイッチング状態変化信号を生成するように排他的に動作可能であるときは、それで十分な場合がある。このように、データロギングデバイスのためのハードウェアは、単純化することができ、データロギングデバイスの製造コストの削減をもたらす。
さらなる例では、データロギングデバイスは、注射デバイスによって実行された用量投薬事象を記憶またはロギングするように動作可能な電子メモリを含む。典型的には、電子メモリは、注射が行われた日付または時刻などの投薬関連データを記憶するように動作可能である。場合により、電子メモリは、注射された用量の特定のサイズを記憶することもできる。固定用量注射デバイスでは、用量のサイズは、修正を受けず、後続用量投薬手順ごとに一定のままである。その場合、電子メモリに記憶予定のデータは、固定用量、したがって既知のサイズが実際に投薬または注射された、時間または日付の情報に限定できる。
典型的には、データロギングデバイスはエネルギーリザーバも含む。エネルギーリザーバは、典型的には、電気バッテリを含む。バッテリは、データロギングデバイスのための構築空間を最小限に抑えることを可能にする、よりコンパクトなサイズのボタン電池を含むことができる。
別の例によれば、データロギングデバイスは、用量投薬関連データを外部電子デバイスに送信する通信インターフェースを含む。通信インターフェースは、プロセッサに接続されている。ここで、プロセッサは、電子メモリからデータを読み取り、そのデータを、通信インターフェースを介して外部電子デバイスに送信するように動作可能とすることができる。
通信インターフェースは、外部電子デバイスへのワイヤレスデータ接続を確立するように動作可能なワイヤレス通信インターフェースとして実装することができる。典型的には、ワイヤレス通信インターフェースは、外部電子デバイスへのワイヤレス通信リンクをセットアップするように構成されている。ここで、RFベースの通信規格など、様々なワイヤレス通信規格を、たとえばWi-Fi、NFCまたはBluetooth(登録商標)を使用できる。
データロギングデバイスのさらなる例によれば、トリガおよびスイッチ機構の少なくとも一方は、ヒステリシス機能をもたらす。代替として、ヒステリシス機能は、トリガとスイッチ機構との互いに動作可能な係合によってもたらされる。ヒステリシス機能は、トリガがスイッチ機構に対して第1のトリガ端部位置と第2のトリガ端部位置との間に位置する限り、スイッチ機構のスイッチング状態の変化を防止するように動作可能である。ヒステリシス機能によって、トリガがスイッチ機構に対して第1の端部位置または第2の端部位置にあるかまたは到達するときにのみ排他的に、スイッチング状態の変化が生じることを可能にすることができる。
このように、たとえば、トリガまたは注射デバイスの可動部材が第1の端部位置から第2の端部位置に向かって途中までしか動かないときに、スイッチ機構は第1のスイッチング状態に留まる。逆に、スイッチ機構が第2のスイッチング状態にあるときは、ヒステリシス機能は、たとえば、可動部材またはトリガが第1の端部位置から第2の端部位置に向かう途中までの動きを受けるが、第2の端部位置に到達はしないときに、第1のスイッチング状態へのスイッチ機構の早過ぎる切換えを防止するように動作可能である。
ヒステリシス機能は、可動部材またはトリガがそれぞれの端部位置に到達する前の、スイッチング状態の早過ぎる変化を防ぐことを助ける。
ヒステリシス機能によって、注射デバイスの可動部材が、したがってデータロギングデバイスのトリガが、第1または第2の端部位置の一方に到達したときにのみ、スイッチング状態の変化が生じることが保証されるはずである。
さらなる例によれば、ヒステリシス機能は、スイッチ機構に電子的に実装される。ここで、スイッチ機構の第1のスイッチは、トリガが第1のトリガ端部位置から第2のトリガ端部位置に向かって動かされるにつれて、漸進的かつ連続的な切換えの動きを受けることができ;またはその逆も同様である。第1のスイッチの前進的な動きは、スイッチ、スイッチ機構またはプロセッサの組み込まれている電子部品によって、記録および分析することができる。たとえば機械式スイッチのペグの漸進的な動きは、第1のトリガ端部位置と第2のトリガ端部位置との間の動きを受けるトリガのそれぞれの漸進的な動きと密接な対応関係にあってよい。ここで、スイッチ、スイッチ機構またはプロセッサの組み込まれている電子部品は、第1または第2のトリガ端部位置に、したがってそれぞれのスイッチ端部位置に到達したときにそのことを判定するように、電子的に検出することができる。そのときに、それぞれの切換えは、このような端部位置が検出されたときにのみ生じることができる。
別の例によれば、ヒステリシス機能は、スイッチ機構およびトリガの一方に機械的に実装されている。代替として、ヒステリシス機能は、トリガとスイッチ機構との動作可能な係合によって、機械的に実装されている。ヒステリシス機能の機械的な実装形態は、多数の異なる手法で得ることができる。
さらなる例では、ヒステリシス機能は、トリガに非対称性を取り入れることによって実装することができ、その非対称性によって、トリガが第1のトリガ端部位置に到達するときに、第1のスイッチが第1のスイッチ状態、たとえば開状態または閉状態に入るように、第1のスイッチのそれぞれの切換え点がシフトされている。第1のスイッチは、トリガが第2のトリガ端部位置に到達するかまたはその位置の非常に近くにあるときにのみ、第2のスイッチング状態に入ることができる。
別の例によれば、第1のスイッチは機械式スイッチである。機械式スイッチは、スイッチハウジングおよびペグを含む。ペグは、スイッチハウジングから突出しており、戻しばねの作用に抗してスイッチハウジングに対して可動である。戻しばねは、ハウジングによって支持することができる。戻しばねは、ハウジング内に配置できる。ばねはさらに、ペグに機械的に連結されている。このように、ペグは、戻しばねの作用に抗してハウジング中に押し込まれることが可能である。ペグを解放すると、ペグはばね駆動で復帰運動し、スイッチハウジングに対して外向きにそれぞれ動くことができる。
第1のスイッチは、マイクロメカニカルスイッチとして実装することができる。スイッチ、具体的にはそのペグは、トリガと当接しているかまたは摺動係合していてよい。ここで、第1のスイッチに対してトリガが動くと、機械式スイッチによって中断される電子回路を閉じるかまたは開くようにペグが押し込まれることが可能である。
さらなる例によれば、ペグは、横断方向に沿ってスイッチハウジングに対して可動である。トリガが第1のトリガ端部位置と第2のトリガ端部位置との間を動くときに、トリガまたは少なくともその一部分は、横断方向に移動可能、枢動可能または湾曲可能である。典型的には、トリガは、長手方向に沿ってスイッチ機構に対して変位可能にすることができる。トリガは、注射デバイスの可動部材を単純に追従することができる。いくつかの例では、トリガ自体は、注射デバイスの可動部材に連結または固定されたフォロワとして実装することができる。
トリガおよび可動部材は、可動部材が第1の端部位置と第2の端部位置との間で動く間に、長手方向において注射デバイスのハウジングに対して可動とすることができる。トリガはさらに、スイッチ機構の第1のスイッチを起動するかまたは停止するために、横断方向に、たとえば、長手方向に垂直に可動とすることができる。いくつかの例では、機械式スイッチのペグは、横断方向に、たとえば径方向に向いているかまたは突出することができ、トリガまたは可動部材は、長手方向に沿って可動である。トリガおよび/または可動部材が機械式スイッチに対して長手方向に動かされると、スイッチは横断方向の移動、枢動または湾曲の動きを受けることになってよい。
トリガは、可動部材の長手方向の動きを、スイッチのペグの径方向または横断方向の動きに転換するように構成することができる。ここで、ある種の機械的伝達装置を実装することができ、その伝達装置によって、可動部材の、したがってトリガの変位経路を、機械式スイッチのペグの変位経路に適用できる。
さらなる例によれば、トリガは、長手方向に沿ってハウジングに対して可動のトリガ本体を含む。トリガ本体は傾斜セクションを含み、傾斜セクションは、ハウジングと係合されているときに、横断方向においてトリガまたは少なくともその一部分の移動、枢動または湾曲のうちの少なくとも1つを誘発するように動作可能である。傾斜セクションは、典型的には、トリガの長手方向端部に設けられる。傾斜セクションは、トリガのうちの、機械式スイッチの長手方向部分と実質的に一致する長手方向部分に設けることができる。傾斜セクションは、トリガの第1の表面セクションに設けることができ、トリガは、機械式スイッチと、具体的には機械式スイッチのペグと係合または当接するように構成された、反対側に位置する第2の表面セクションを含むことができる。
このように、トリガがハウジングに対して長手方向の動きを受け、傾斜セクションがたとえばハウジングの相補形のセクションに係合すると、トリガは、具体的にはその傾斜セクションは、横断方向における移動、枢動または湾曲を受けるようになる可能性がある。機械式スイッチを向くトリガの表面セクションは、機械式スイッチに向かってさらに動くことができ、したがって、ペグを押して機械式スイッチのスイッチング状態を変えることができる。
トリガ本体の傾斜セクションの実装形態はより単純であり、その実装形態では、トリガが注射デバイスのハウジングに対して長手方向の動きを受けるときに、機械式スイッチのペグの押込みを明確かつ簡単に制御可能になる。
別の例によれば、トリガは、機械式スイッチのペグが案内されるスロット付きリンクを含む。スロット付きリンクは閉ループを含むことができる。スロット付きリンクは、第1の長手方向端部セクションおよび第2の長手方向端部セクションを含む。第1の長手方向端部セクションにおけるスロット付きリンクの横断方向の深さは、第2の長手方向端部セクションにおけるスロット付きリンクの横断方向の深さとは区別している。このように、たとえば、第1の横断方向の深さを有する第1の長手方向端部セクションから第2の横断方向の深さを特色とする第2の長手方向端部セクションにペグが摺動すると、横断方向におけるペグの切換えの動きを誘発することができる。
スロット付きリンクの底部またはスロット付きリンクの側壁は、それぞれの傾斜セクションまたはランプセクションを含むことができ、そのセクションによって、第1の長手方向端部セクションに設けられた第1の横断方向の深さが、第2の長手方向端部セクションに設けられているような第2の横断方向の深さに滑らかに合体または遷移する。それぞれの遷移領域は、たとえばランプ状セクションの形態の遷移領域は、前述のヒステリシス機能をもたらすために、典型的には、スロット付きリンクのそれぞれの第1および第2の長手方向端部セクションの近くにまたはそこに設けられている。
したがって、ペグが摺動可能に案内されるトリガのスロット付きリンクは、機械的に実装されたヒステリシス機能の別の例である。ここで、トリガがスロット付きリンクの第1の経路に沿った第1のトリガ端部位置から第2のトリガ端部位置に向かうかつその位置への動きを受けるときに、およびトリガがスロット付きリンクの第2の経路に沿った第2のトリガ端部位置から第1のトリガ端部位置に向かうかつその位置への復帰運動を受けるときに、スロット付きリンクにおける機械式スイッチのペグの滑らかな摺動を有効にするように、トリガは、周方向に、すなわち長手方向に垂直かつ横断方向に垂直に、わずかに回転可能または湾曲可能とすることができる。典型的には、スロット付きリンクの第1の経路と第2の経路とは、空間的に重ならない。
さらなる例によれば、スイッチ機構は、第1のスイッチおよび第2のスイッチを含む。第1のスイッチおよび第2のスイッチはそれぞれ、プロセッサに接続されている。第1のスイッチおよび第2のスイッチは両方とも、トリガと動作可能に係合されている。第1のスイッチは、第1のトリガ端部位置へのトリガの接近または到着を検出するように動作可能である。第2のスイッチは、第2のトリガ端部位置へのトリガの接近または到着を検出するように動作可能である。両方のスイッチが、個別のまたは別々の信号をプロセッサに供給する。次いで、第1のスイッチから得られる第1の信号に基づいておよび第2のスイッチから得られる第2の信号に基づいて、プロセッサは、スイッチ機構の第1のスイッチング状態と第2のスイッチング状態とを区別することができ、スイッチ機構のスイッチング状態は、注射デバイスの可動部材の瞬間的な構成または位置の特徴を述べている。
したがって、第1および第2のスイッチでは、第1および第2のトリガ端部位置を個別にかつ精密に検出することができる。たとえば、第1のスイッチは、トリガがスイッチ機構に対して第1のトリガ端部位置に到達するときにのみ閉じる。それに対応して、第2のスイッチは、トリガがスイッチ機構に対して第2のトリガ端部位置に到達するときにのみ排他的に閉じる。トリガが、たとえば第1のトリガ端部位置から第2のトリガ端部位置に向かって動く過程で、第1のスイッチは、第2のスイッチが閉じられる前に開くことができる。
このような構成は、プロセッサによって無効スイッチング状態として見なすことができ、評価することができる。ここで、両方のスイッチが同じ個々のスイッチ状態を示すことができる。トリガが第2のトリガ端部位置に到達するときに、第2のスイッチを閉じることができ、第1のスイッチを開くことができる。第1および第2のスイッチのこのような異種の構成は、スイッチ機構の有効スイッチング状態として評価することができる。
たとえば、スイッチ機構の第2のスイッチング状態は、第2のスイッチが閉鎖構成にあり、第1のスイッチが開放構成にあることを特徴とすることができる。スイッチ機構の第1のスイッチング状態は、第1のスイッチが閉じられ第2のスイッチが開かれていることによって画成することができる。
他の例では、第2のスイッチが閉じられ第1のスイッチが開かれているときに、スイッチ機構の第1のスイッチング状態が得られるという、逆のスイッチ挙動を実装することができる。第2のスイッチが開かれているときかつ第1のスイッチが閉じられているときに、スイッチ機構の第2のスイッチング状態を得ることができる。
スイッチ機構の第1および第2のスイッチが同じバイナリスイッチ状態にあるとき、たとえば、両方のスイッチが開いているときまたは両方のスイッチが閉じているときに、これをスイッチ機構の無効スイッチング状態として見なすかまたは評価することができる。ここで、トリガ位置は、第1のトリガ端部位置と第2のトリガ端部位置との間に位置し、データロギングに関して無視するべきである。スイッチ機構の第1のスイッチおよび第2のスイッチの実装形態は、ヒステリシス機能を実装するための電子的手法または電気機械的手法を提供することができる。
さらなる例によれば、第1のスイッチまたは第2のスイッチは、電気機械スイッチ、磁気スイッチ、光センサまたは音響センサのうちの1つを含む。光センサとして実装されるときには、スイッチは、フォトダイオードまたは同等の感光素子を含むことができる。音響センサとして実装されるときには、それぞれのスイッチは、第1および第2のトリガ端部位置の一方に到達したときにトリガによって生成される明確なノイズまたはクリック音に反応するマイクロフォンを含むことができる。
いくつかの例では、第1のスイッチおよび第2のスイッチは、同じようにして実装される。したがって、第1のスイッチおよび第2のスイッチは、電気機械スイッチとして、磁気スイッチとして、光センサとしてまたは音響センサとして実装される。他の例では、第1のスイッチおよび第2のスイッチの一方は、電気機械スイッチとして、磁気スイッチとして、光センサとしてまたは音響センサとして実装され、第1のスイッチおよび第2のスイッチの他方は、電気機械スイッチ、磁気スイッチ、光センサまたは音響センサのうちの別の1つとして実装される。
このように、様々なスイッチ原理およびスイッチの技術的実装形態を実現することができ、それによって、データロギングデバイスの構成空間を削減するかまたはトリガ端部位置検出の制度を向上させることが可能になる。
さらなる例によれば、データロギングデバイスは、注射デバイスのハウジングに取り付けられるように構成されたロギングデバイスハウジングを含む。ここで、トリガは、注射デバイスの可動部材に取り付けられるように構成されている。典型的には、注射デバイスは、デバイス締結機能を含み、データロギングデバイスは、デバイス締結機能に相補形のロギングデバイス締結機能を含む。このように、データロギングデバイスは、注射デバイスのハウジングに解放可能にまたは取外し可能に連結および固定することができる。同時に、トリガも、注射デバイスの可動部材の対応する相手方締結機能に相補形の締結機能を含むことができる。データロギングデバイスおよび注射デバイスの締結機能およびそれぞれの相手方締結機能は、形状嵌め係合および/または摩擦嵌め係合の少なくとも一方を確立するように形状設定および構成することができる。
別の例では、ロギングデバイスハウジングは、注射デバイスの可動部材に取り付けられるように構成されている。ここで、トリガは、注射デバイスのハウジングと係合するように構成されている。やはりこの例で、それらの解放可能な相互の締結を行うために、データロギングデバイスおよび注射デバイスのそれぞれの締結機能をもたらすことができる。
注射デバイスへのデータロギングデバイスの解放可能な取付けを有効にすることによって、現行の注射デバイスにデータロギングデバイスを後付けすることができる。注射デバイスへのデータロギングデバイスの解放可能なまたは取外し可能な固定は、さらに、たとえば複数の使い捨て注射デバイスと共にデータロギングデバイスを使用することを可能にする。注射デバイスが内容物終了の構成に到達し、廃棄されるべきときに、データロギングデバイスを注射デバイスから取り外してよく、新たな注射デバイスに取り付けることができる。このように、電子構成要素およびバッテリを含むデータロギングデバイスを、多数の使い捨て注射デバイスと共に使用することができる。
注射デバイスとのデータロギングデバイスの解放可能な取付けは、データロギングデバイスのより長い持続時間を有効にし、比較的長い期間にわたるデータモニタリングおよびデータロギングを可能にする。
別の態様によれば、本開示は、薬剤の用量を生物組織に注射するための注射デバイスに関する。注射デバイスは、注射可能な薬剤で充填されたカートリッジを収容するハウジングを含む。カートリッジは、ピストンによって長手方向近位に向かって封止されている。ピストンは、カートリッジのバレルに対して可動である。注射デバイスは、薬剤の用量をカートリッジから排出するようにピストンと動作可能に係合するピストンロッドを含む。典型的には、ピストンロッドを遠位方向に動かし、そうすることで、カートリッジのピストンを付勢してカートリッジのバレルに対して遠位方向動かすことによって、薬剤が排出される。
注射デバイスはさらに、可動部材、たとえば用量ボタンの形態の可動部材を含む。可動部材は、長手方向に沿って第1の端部位置と第2の端部位置との間を注射デバイスのハウジングに対して可動である。注射デバイスはさらに、上記で説明したようにデータロギングデバイスを含む。ここで、データロギングデバイス、具体的には、上記で説明したようなデータロギングデバイスのトリガ、スイッチ機構およびプロセッサは、注射デバイス内または上に組み付けられ配置される。
本開示の一態様において、データロギングデバイスは、注射デバイスに組み込まれている。他の態様では、データロギングデバイスは、注射デバイスと結合するように構成された別個の独立型のデバイスとして提供される。
注射デバイスの可動部材は、ピストンロッドと機械的に係合することができる。注射デバイスは、可動部材とピストンロッドとの間に機械的リンクを提供する駆動機構を含むことができる。ユーザがかける可動部材への投薬のための力、たとえば注射デバイスのハウジングに対して遠位方向に可動部材を押し下げる力は、ピストンロッドに機械的に移行でき、そのため、ピストンロッドは薬剤の用量を排出するために遠位方向に前進する。その場合、いくつかの例では、注射デバイスの駆動機構は、ユーザによって可動部材に加えられる排出力を、用量を排出するために遠位方向にピストンロッドによってピストンに加えられる前進力に移行する機械的伝達装置を提供する。
典型的には、注射デバイスは、固定用量注射デバイスとして実装される。ここでは、ユーザは、用量を設定するかまたは注射デバイスを準備し、その後、それぞれの用量排出手順をトリガまたは開始する可能性が与えられるだけである。注射デバイスの可動部材は、駆動機構および/またはハウジングと摺動可能な係合状態にできる。用量を注射するために用量のハウジングに対して長手方向に前後に可動にすることができる。
さらなる例によれば、データロギングデバイスは、注射デバイスのハウジングおよび可動部材の少なくとも一方の内側に配置されている。ここで、トリガは、可動部材に連結されている。可動部材の長手方向に向いた動きがいずれも、それぞれの長手方向に、たとえば、ハウジングに対するおよび/またはデータロギングデバイスのスイッチ機構に対するトリガの摺動運動に、等しくかつ一貫して移行されるように、トリガは可動部材に固定することができる。
さらなる例によれば、データロギングデバイスのトリガは、可動部材に組み込まれている。さらなる例では、トリガは弾性アームを含み、弾性アームは、可動部材が第1の端部位置と第2の端部位置との間を動かされるときに注射デバイスのハウジングの側壁と摺動可能に係合する。弾性アームは、横断方向に、たとえば、ハウジングの長手方向に垂直に、ならびに可動部材および/またはトリガの長手方向の摺動運動に垂直に、可撓性があるかまたは枢動可能とすることができる。
トリガおよび/または可動部材の弾性アームが、たとえば弾性変形可能、可撓性、もしくは湾曲可能であるか、または横断方向、たとえば径方向に枢動可能でさえあることは、それぞれの横断方向、たとえば径方向に可動のペグを有する機械式スイッチと組み合わせるときに有益である。このように、可動部材および/またはトリガの長手方向の変位は、径方向の変位に転換または移行することができる。こうした変位の転換または移行は、可動部材の全体の変位経路を機械式スイッチのペグの最大限利用可能な変位経路に適用するために有益である。
このように、市販の機械式スイッチは、たとえば、そのペグのための限定された変位経路を提供する機械式スイッチは、機械式スイッチのペグの最大限利用可能な変位経路よりも大きい可能性がある、第1の端部位置と第2の端部位置との間の可動部材の変位経路を検出するために使用および適用することができる。また、端部位置の変位を転換する場合は、機械式スイッチによって行われる検出をさらに改善することができる。
さらなる例によれば、注射デバイスは、可動部材を第2の端部位置から第1の端部位置に向かってかつその位置に動かすことによって、アイドル状態または初期状態から準備状態または用量設定状態に移行可能である。ここで、第2の端部位置は、アイドル状態と一致するかまたはそれを表すことができる。第1の端部位置は、準備状態または用量を投薬もしくは注射するために注射デバイスが用意された状態に一致するかまたはそれを画成することができる。
ここで、可動部材は、第1の端部位置と第2の端部位置との間の前後に摺動運動するように構成することができ、第2の端部位置は注射デバイスの初期状態またはアイドル状態と一致する。
注射デバイスのさらなる例によれば、薬剤の固定用量は、可動部材を第1の端部位置から第2の端部位置に向かってかつその位置に動かすことによって、注射可能または投薬可能である。ここで、さらなる例では、ピストンロッドを遠位方向に動かすのに必要な駆動力は、ユーザがかける注射デバイスの可動部材へのそれぞれの投薬力によって全面的にもたらされる。典型的には、注射デバイスの可動部材は、注射デバイスの長手方向の近位端に位置する。注射デバイスは、ペン型注射器として実装することができる。たとえば用量ボタンとして実装される可動部材は、薬剤の用量を注射するためにユーザの親指または指によって押し下げ可能とすることができる。
さらなる例によれば、ピストンロッドは、可動部材を第1の端部位置から第2の端部位置に向かってかつその位置に動かすことによっておよび/または動かすことを通して、長手方向遠位に可動である。用量投薬手順または用量注射手順の間にピストンロッドが移動する距離は、第1の端部位置から第2の端部位置に向かう可動部材の変位に比例していてよい。
さらなる例によれば、第1の端部位置から第2の端部位置に向かうかつその位置への、ハウジングに対する可動部材の長手方向変位は、薬剤の用量を注射するためのピストンロッドのそれぞれの長手方向に向いた前進変位に比例して伝達される。
典型的には、可動部材からピストンロッドに駆動力をそれぞれ移行する駆動機構は、ある種の減速装置を提供する。このように、第1の端部位置から第2の端部位置への可動部材の変位経路は、用量投薬手順の間の遠位方向におけるピストンロッドの変位よりも大きい。駆動機構によって提供されるような減速装置では、ピストンロッドを遠位方向に押しやるためのそれぞれの力の増幅を行うことができる。
さらなる例によれば、注射デバイスは、注射可能な薬剤で充填されたカートリッジを備える。ここで、薬剤を有するカートリッジは、ハウジング内に配置されている。注射デバイスは、使い捨て注射デバイスとして実装することができ、薬剤を有するカートリッジは、注射デバイスのハウジング内に予め組み付けられている。注射デバイスのハウジングは、少なくとも第1および第2のハウジング部材を含むことができ、第1のハウジング部材は、カートリッジを収容するように構成されており、第2のハウジング部材は、駆動機構または少なくともピストンロッドを収容するように構成されている。
使い捨て注射デバイスでは、第1のハウジング部材と第2のハウジング部材とは、解放不能にまたは取外し不能に連結することができる。ここで、第1のハウジング部材と第2のハウジング部材との取外しは、それぞれのハウジング部材の少なくとも一方を破壊するかまたは損傷させることによってのみ可能である。
他の例では、注射デバイスは、再使用可能な注射デバイスとして実装されており、再使用可能な注射デバイスは、カートリッジを交換するために第1のハウジング構成要素と第2のハウジング構成要素との取外しまたは相対運動を可能にする。再使用可能な注射デバイスでは、用量設定機構は、注射デバイスと共に新たなカートリッジが使用されるときに用量設定機構の初期構成を復元するように、リセット機能をもたらすことができる。
別の態様によれば、本開示は、注射デバイスのデータロギング方法および/またはその使用をモニタリングする方法にも関する。本方法は、上記で説明したようなデータロギングデバイスおよび/またはロギングデバイスを備える注射デバイスの使用を含む。本方法は、注射デバイスの可動部材を第2の端部位置から第1の端部位置に向かってかつその位置に動かす工程を含む。同時に、データロギングデバイスのトリガは、第2のトリガ端部位置から第1のトリガ端部位置に動かされる。第1のトリガ端部位置への接近または到達はスイッチ機構によって検出される。
したがって、スイッチ機構は、第1のスイッチング状態に切り換えられている。その後、可動部材は、第1の端部位置から第2の端部位置に向かってかつその位置に動かされる。したがって、トリガは、第1のトリガ端部位置から第2のトリガ端部位置に向かってかつその位置に動かされる。第2のトリガ端部位置に接近または到達すると、第1のスイッチング状態から第2のスイッチング状態にスイッチ機構が切り換えられる。スイッチング状態の変化、たとえば第2のスイッチング状態への第1のスイッチング状態の変化、および/または第1のスイッチング状態への第2のスイッチング状態の変化は、プロセッサによって検出される。
スイッチ機構の状態の変化を検出したときに、プロセッサは、ウェークアップモードに移行されかつ/またはプロセッサは、用量投薬事象をロギングもしくは記憶する。場合によりまたは追加的に、プロセッサは、投薬関連データを外部電子デバイスに、たとえば通信インターフェースを介して転送する。
概して、本開示の範囲は請求項の内容によって定義されている。本注射デバイスは、特定の実施形態または例に限定されないが、様々な実施形態または例の要素の任意の組合せを含む。その場合、本開示は、請求項の任意の組合せ、および様々な例または実施形態に関連付けて開示された構成の技術的に実現可能な任意の組合せをカバーする。
本文脈において、「遠位」または「遠位端」という用語は、注射デバイスのうちのヒトまたは動物の注射部位を向く方の端部に関する。「近位」または「近位端」という用語は、ヒトまたは動物の注射部位から最も遠い、注射デバイスの反対側の端部に関する。
「薬物」または「薬剤」という用語は、本明細書では同義的に用いられ、1つもしくはそれ以上の活性医薬成分またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物と、場合により薬学的に許容可能な担体と、を含む医薬製剤を記述する。活性医薬成分(「API」)とは、最広義には、ヒトまたは動物に対して生物学的効果を有する化学構造体のことである。薬理学では、薬剤または医薬は、疾患の治療、治癒、予防、または診断に使用されるか、さもなければ身体的または精神的なウェルビーイングを向上させるために使用される。薬物または薬剤は、限定された継続期間で、または慢性障害では定期的に使用可能である。
以下に記載されるように、薬物または薬剤は、1つもしくはそれ以上の疾患の治療のために各種タイプの製剤中に少なくとも1つのAPIまたはその組合せを含みうる。APIの例としては、500Da以下の分子量を有する低分子、ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質(たとえば、ホルモン、成長因子、抗体、抗体フラグメント、および酵素)、炭水化物および多糖、ならびに核酸、二本鎖または一本鎖DNA(ネイキッドおよびcDNAを含む)、RNA、アンチセンス核酸たとえばアンチセンスDNAおよびRNA、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、遺伝子、およびオリゴヌクレオチドが挙げられうる。核酸は、ベクター、プラスミド、またはリポソームなどの分子送達システムに取り込み可能である。1つまたはそれ以上の薬物の混合物も企図される。
薬物または薬剤は、薬物送達デバイスでの使用に適合化された一次パッケージまたは「薬物容器」に包含可能である。薬物容器は、たとえば、1つもしくはそれ以上の薬物の収納(たとえば、短期または長期の収納)に好適なチャンバを提供するように構成されたカートリッジ、シリンジ、リザーバ、または他の硬性もしくは可撓性のベッセルでありうる。たとえば、いくつかの場合には、チャンバは、少なくとも1日間(たとえば、1日間~少なくとも30日間)にわたり薬物を収納するように設計可能である。いくつかの場合には、チャンバは、約1カ月~約2年間にわたり薬物を収納するように設計可能である。収納は、室温(たとえば、約20℃)または冷蔵温度(たとえば、約-4℃~約4℃)で行うことが可能である。いくつかの場合には、薬物容器は、投与される医薬製剤の2つ以上の成分(たとえば、APIと希釈剤、または2つの異なる薬物)を各チャンバに1つずつ個別に収納するように構成されたデュアルチャンバカートリッジでありうるか、またはそれを含みうる。かかる場合には、デュアルチャンバカートリッジの2つのチャンバは、人体もしくは動物体への投薬前および/または投薬中に2つ以上の成分間の混合が可能になるように構成可能である。たとえば、2つのチャンバは、互いに流体連通するように(たとえば、2つのチャンバ間の導管を介して)かつ所望により投薬前にユーザによる2つの成分の混合が可能になるように構成可能である。代替的または追加的に、2つのチャンバは、人体または動物体への成分の投薬時に混合が可能になるように構成可能である。
本明細書に記載の薬物送達デバイスに含まれる薬物または薬剤は、多くの異なるタイプの医学的障害の治療および/または予防のために使用可能である。障害の例としては、たとえば、糖尿病または糖尿病に伴う合併症たとえば糖尿病性網膜症、血栓塞栓障害たとえば深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症が挙げられる。障害のさらなる例は、急性冠症候群(ACS)、アンギナ、心筋梗塞、癌、黄斑変性、炎症、枯草熱、アテローム硬化症および/または関節リウマチである。APIおよび薬物の例は、ローテリステ2014年(Rote Liste 2014)(たとえば、限定されるものではないがメイングループ12(抗糖尿病薬剤)または86(オンコロジー薬剤))やメルク・インデックス第15版(Merck Index,15th edition)などのハンドブックに記載されているものである。
1型もしくは2型糖尿病または1型もしくは2型糖尿病に伴う合併症の治療および/または予防のためのAPIの例としては、インスリン、たとえば、ヒトインスリン、もしくはヒトインスリンアナログもしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)、GLP-1アナログもしくはGLP-1レセプターアゴニスト、はそのアナログもしくは誘導体、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP4)阻害剤、またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、またはそれらのいずれかの混合物が挙げられる。本明細書で用いられる場合、「アナログ」および「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドに存在する少なくとも1つのアミノ酸残基の欠失および/または交換によりおよび/または少なくとも1つのアミノ酸残基の付加により天然に存在するペプチドの構造たとえばヒトインスリンの構造から形式的に誘導可能な分子構造を有するポリペプチドを指す。付加および/または交換アミノ酸残基は、コード可能アミノ酸残基または他の天然に存在する残基または純合成アミノ酸残基のどれかでありうる。インスリンアナログは、「インスリンレセプターリガンド」とも呼ばれる。特に、「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドの構造から形式的に誘導可能な分子構造、たとえば、1つまたはそれ以上の有機置換基(たとえば脂肪酸)がアミノ酸の1つまたはそれ以上に結合したヒトインスリンの分子構造を有するポリペプチドを指す。場合により、天然に存在するペプチドに存在する1つまたはそれ以上のアミノ酸が、欠失し、および/または非コード可能アミノ酸を含めて他のアミノ酸によって置き換えられ、または天然に存在するペプチドに非コード可能なものを含めてアミノ酸が付加される。
インスリンアナログの例は、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン(インスリングラルギン);Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン(インスリングルリジン);Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン(インスリンリスプロ);Asp(B28)ヒトインスリン(インスリンアスパルト);位置B28のプロリンがAsp、Lys、Leu、ValまたはAlaに置き換えられたうえに位置B29のLysがProに置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28~B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンである。
インスリン誘導体の例は、たとえば、B29-N-ミリストイル-des(B30)ヒトインスリン、Lys(B29)(N-テトラデカノイル)-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデテミル、レベミル(Levemir)(登録商標));B29-N-パルミトイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-ミリストイルヒトインスリン;B29-N-パルミトイルヒトインスリン;B28-N-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28-N-パルミトイル-LysB28ProB29ヒトインスリン;B30-N-ミリストイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30-N-パルミトイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29-N-(N-パルミトイル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン、B29-N-オメガ-カルボキシペンタデカノイル-ガンマ-L-グルタミル-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデグルデク、トレシーバ(Tresiba)(登録商標));B29-N-(N-リトコリル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)-des(B30)ヒトインスリンおよびB29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
GLP-1、GLP-1アナログおよびGLP-1レセプターアゴニストの例は、たとえば、リキシセナチド(リキスミア(Lyxumia)(登録商標))、エキセナチド(エキセンジン-4、バイエッタ(Byetta)(登録商標)、ビデュリオン(Bydureon)(登録商標)、ヒラモンスターの唾液腺により産生される39アミノ酸ペプチド)、リラグルチド(ビクトーザ(Victoza)(登録商標))、セマグルチド、タスポグルチド、アルビグルチド(シンクリア(Syncria)(登録商標))、デュラグルチド(トルリシティ(Trulicity)(登録商標))、rエキセンジン-4、CJC-1134-PC、PB-1023、TTP-054、ラングレナチド/HM-11260C(エフペグレナチド)、HM-15211、CM-3、GLP-1エリゲン、ORMD-0901、NN-9423、NN-9709、NN-9924、NN-9926、NN-9927、ノデキセン、ビアドール-GLP-1、CVX-096、ZYOG-1、ZYD-1、GSK-2374697、DA-3091、MAR-701、MAR709、ZP-2929、ZP-3022、ZP-DI-70、TT-401(ペガパモドチド(Pegapamodtide))、BHM-034、MOD-6030、CAM-2036、DA-15864、ARI-2651、ARI-2255、チルゼパチド(LY3298176)、バマドゥチド(Bamadutide)(SAR425899)、エキセナチド-XTENおよびグルカゴン-Xtenである。
オリゴヌクレオチドの例は、たとえば、家族性高コレステロール血症の治療のためのコレステロール低下アンチセンス治療剤ミポメルセンナトリウム(キナムロ(Kynamro)(登録商標))、またはアルポート症候群の治療のためのRG012である。
DPP4阻害剤の例は、リナグリプチン、ビダグリプチン、シタグリプチン、デナグリプチン、サキサグリプチン、ベルベリンである。
ホルモンの例としては、脳下垂体ホルモンもしくは視床下部ホルモンまたはレギュラトリー活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニスト、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(Somatropine)(ソマトロピン(Somatropin))、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、リュープロレリン、ブセレリン、ナファレリン、およびゴセレリンが挙げられる。
多糖の例としては、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリンもしくは超低分子量ヘパリンもしくはそれらの誘導体、もしくは硫酸化多糖たとえばポリ硫酸化形の上述した多糖、および/またはそれらの薬学的に許容可能な塩が挙げられる。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例は、エノキサパリンナトリウムである。ヒアルロン酸誘導体の例は、ハイランG-F20(シンビスク(Synvisc)(登録商標))、ヒアルロン酸ナトリウムである。
本明細書で用いられる「抗体」という用語は、イムノグロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。イムノグロブリン分子の抗原結合部分の例としては、抗原への結合能を保持するF(ab)およびF(ab’)2フラグメントが挙げられる。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、キメラ抗体、脱免疫化もしくはヒト化抗体、完全ヒト抗体、非ヒト(たとえばネズミ)抗体、または一本鎖抗体でありうる。いくつかの実施形態では、抗体は、エフェクター機能を有するとともに補体を固定可能である。いくつかの実施形態では、抗体は、Fcレセプターへの結合能が低減されているか、または結合能がない。たとえば、抗体は、Fcレセプターへの結合を支援しない、たとえば、Fcレセプター結合領域の突然変異もしくは欠失を有するアイソタイプもしくはサブタイプ、抗体フラグメントまたは突然変異体でありうる。抗体という用語は、4価二重特異的タンデムイムノグロブリン(TBTI)および/またはクロスオーバー結合領域配向を有する二重可変領域抗体様結合タンパク質(CODV)に基づく抗原結合分子も含む。
「フラグメント」または「抗体フラグメント」という用語は、完全長抗体ポリペプチドを含まないが依然として抗原に結合可能な完全長抗体ポリペプチドの少なくとも一部分を含む抗体ポリペプチド分子由来のポリペプチド(たとえば、抗体重鎖および/または軽鎖ポリペプチド)を指す。抗体フラグメントは、完全長抗体ポリペプチドの切断部分を含みうるが、この用語は、かかる切断フラグメントに限定されるものではない。本発明に有用な抗体フラグメントとしては、たとえば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、scFv(一本鎖Fv)フラグメント、線状抗体、単一特異的または多重特異的な抗体フラグメント、たとえば、二重特異的、三重特異的、四重特異的および多重特異的抗体(たとえば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)、1価または多価抗体フラグメント、たとえば、2価、3価、4価および多価の抗体、ミニボディ、キレート化組換え抗体、トリボディまたはビボディ、イントラボディ、ナノボディ、小モジュール免疫医薬(SMIP)、結合ドメインイムノグロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、およびVHH含有抗体が挙げられる。抗原結合抗体フラグメントの追加の例は当技術分野で公知である。
「相補性決定領域」または「CDR」という用語は、特異的抗原認識を媒介する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。「フレームワーク領域」という用語は、CDR配列でないかつ抗原結合が可能になるようにCDR配列の適正配置を維持する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内のアミノ酸配列を指す。フレームワーク領域自体は、典型的には抗原結合に直接関与しないが、当技術分野で公知のように、ある特定の抗体のフレームワーク領域内のある特定の残基は、抗原結合に直接関与しうるか、またはCDR内の1つもしくはそれ以上のアミノ酸と抗原との相互作用能に影響を及ぼしうる。
抗体の例は、抗PCSK-9 mAb(たとえば、アリロクマブ)、抗IL-6 mAb(たとえば、サリルマブ)、および抗IL-4 mAb(たとえば、デュピルマブ)である。
本明細書に記載のいずれのAPIの薬学的に許容可能な塩も、薬物送達デバイスで薬物または薬剤に使用することが企図される。薬学的に許容可能な塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。
本明細書に記載されているAPIの様々な成分、組成、装置、方法、システム、および実施形態の修正(追加および/または削除)を、このような修正およびそのあらゆる等価物を含む本発明の全範囲および精神から逸脱することなく実行できることを当業者なら理解するであろう。
さらに、本開示の範囲から逸脱することなく本開示に様々な修正および変更を実行できることが当業者には明らかであろう。さらに、添付の特許請求の範囲で用いられている参照番号はいずれも、本開示の範囲を限定するものと解釈するべきではないことに留意されたい。
以下では、注射デバイスの使用をモニタリングするためのデータロギングデバイスならびにそれぞれの注射デバイスの多数の例を、図面を参照することによってさらに詳細に説明する。
注射デバイスの一例を長手方向断面図に示す。 可動部材が第1の端部位置にある、注射デバイスの近位端の斜視図を示す。 可動部材が第2の端部位置にある、図2による注射デバイスを示す。 データロギングデバイスの概略的なブロックダイアグラムである。 注射デバイスに組み込まれたときまたは配置されたときの、データロギングデバイスの多数の構成要素の概略図である。 データロギング方法のフローチャートである。 図2の注射デバイスを通る斜視断面図である。 図3による注射デバイスを通る斜視断面図である。 第1のスイッチング状態におけるハウジング、トリガおよびスイッチ機構の相互作用を概略的に示す。 トリガが第2のトリガ端部位置にある、図9の例を示す。 第1のスイッチ構成における機械式スイッチとして実装されるスイッチを概略的に示す。 第2のスイッチ構成における図11によるスイッチを示す。 スイッチ機構によってもたらされるヒステリシス機能のダイアグラムを示す。 ヒステリシス機能の機械的な実装形態を示す。 スロット付きリンクの第1および第2の経路に沿った、図14のスロット付きリンクの横断方向の深さを示す。 トリガおよびスイッチ機構の別の実装形態を示す。 第1のスイッチング状態にある第1および第2のスイッチを含むスイッチ機構のさらなる実装形態を示す。 第2のスイッチング状態にある図17のスイッチ機構を示す。
図1において、手持ち式注射デバイス、たとえば注射ペンとして実装される薬物送達デバイスが示されている。薬物送達デバイス1は、カートリッジ保持部材2および主(外部)ハウジング部材3を含む。カートリッジ保持部材2の近位端と、主ハウジング3の遠位端とは互いに固定されている。
カートリッジ保持部材2には、医薬製品の複数回用量を投薬できるカートリッジ4が設けられている。カートリッジ4の近位端にはピストン5が保持されている。カートリッジ保持部材2の遠位端を覆うように着脱可能なキャップ22が解放可能に保持されている。着脱可能なキャップ22および/または保持部材は、場合により、1つまたはそれ以上の窓アパーチャを備えており、その窓アパーチャを通してカートリッジ4内のピストン5の位置を視認できる。
カートリッジ保持部材2の遠位端は、遠位のねじ山付き領域6を備え、その領域6は、薬剤がカートリッジ4から投薬され生物組織に注射されることを可能にするために、適切なニードルアセンブリ(図示せず)が取り付けられるように設計されている。
主ハウジング部材3は、内部ハウジング7を備える。内部ハウジング7は、主ハウジング部材3に対して回転運動および/または軸方向運動をしないように固定されている。内部ハウジング7は、内部ハウジング7の遠位端を通って延びる、ねじ山付き円形開口部8を備える。ねじ山付き円形開口部8は、完全なねじ山ではなく、一連の部分的なねじ山を含む。代替として、内部ハウジング7は、主ハウジング部材3と一体形成することができる。追加的に、内部ハウジング7は、複数のガイドスロットおよびつめ手段を備えることができる。
ピストンロッド10の遠位端には第1のねじ山9が形成されている。ピストンロッド10は、断面が概して円形のものである。ピストンロッド10の第1のねじ山9は、内部ハウジング7のねじ山付き円形開口部8を通って延び、それと螺合されている。ピストンロッド10の遠位端には圧力フット11が位置する。圧力フット11は、ピストン5の近位面に当接するように配設されている。ピストンロッド10の近位端には第2のねじ山12が形成されている。図示の実施形態において、第2のねじ山12は、完全なねじ山ではなく、一連の部分的なねじ山を含み、そのねじ山は、ピストンロッド10の可撓性のアーム13に形成されている。
第1のねじ山9と第2のねじ山12とは、反対側に配設されている。第1のねじ山9は、複数の構成(図示せず)を備え、それらの構成は、ねじ山付き円形開口部8の部分的なねじ山と協働して、デバイス設定中の近位方向のピストンロッド10の動きを防止する。ピストンロッド10の周りにはドライブスリーブ14が延びる。ドライブスリーブ14は、概して筒状の断面のねじ山付き部材15と、起動部材または可動部材16とを含む。ねじ山付き部材15と起動部材16とは、それらの間の回転運動および/または軸方向運動を防止するために、互いに固定されている。代替として、ドライブスリーブ14は、組み込まれたねじ山付き部材15および起動部材16からなる単体の構成要素でよい。起動部材は、薬剤の固定用量を設定および投薬するためにユーザによって手動で動作可能な用量ボタンとして働くことができる。以下では、起動部材16は、ハウジング3に対して長手方向に可動であるため、可動部材として表されることもある。
図示の実施形態において、ねじ山付き部材15は、筒状の内面に形成された長手方向に延びるらせんねじ山17を備える。らせんねじ山17の遠位側のフランクは、用量を投薬するときにピストンロッド10の第2のねじ山12との接触を維持するように設計されており、らせんねじ山17の近位側のフランクは、用量を設定するときにピストンロッド10の第2のねじ山12が係合解除可能になるように設計されている。このように、ねじ山付き部材15のらせんねじ山17は、ピストンロッド10の第2のねじ山12と解放可能に係合されている。
ドライブスリーブ14には、内部ハウジング7のガイドスロット内で軸に沿って動くように設計された複数の構成が、外面に形成されている。それらのガイドスロットは、ハウジング部材3に対するドライブスリーブ14の軸方向運動の許容範囲を画成する。ガイドスロットはまた、主ハウジング部材3に対するドライブスリーブ14の回転運動を防止する。
ドライブスリーブ14の起動部材または可動部材16は、複数のグリップ面18および投薬面19を有する。ドライブスリーブ14は、内部ハウジング7のつめ手段と相互作用するように設計されたデテント手段を備える。デバイスの動作の直感性を向上させるために、主ハウジング部材3は窓アパーチャを備えることができ、その窓アパーチャを通して、ドライブスリーブ14に設けられたグラフィカルステータスインジケータを視認することができる。
本発明による薬物送達デバイスの動作をここで説明する。用量を設定するために、ユーザがドライブスリーブ14のグリップ面18を把持し、具体的には、ユーザは可動部材16を把持する。次いで、ユーザは、可動部材16を、したがってドライブスリーブ14を、近位方向に主ハウジング部材3から離れる方に引っ張る。
ピストンロッド10は、内部ハウジング7のねじ山付き円形開口部8の部分的なねじ山がピストンロッド10の第1のねじ山9のねじ山機能と相互作用することによって、または任意の他の適切な手段によって、近位に動かないようにされている。ドライブスリーブ14がピストンロッド10に対して近位方向に移動すると、ピストンロッド10の第2のねじ山12は、ドライブスリーブ14のらせんねじ山17の近位側のフランクによって径方向内側に変位される。
ドライブスリーブ14の近位の移動は、内部ハウジング7のガイドスロット(図示せず)によって、ドライブスリーブ14のらせんねじ山17の本質的に1つのねじ山ピッチに相当する距離に制限されている。ドライブスリーブ14の移動の最後に、ピストンロッド10の第2のねじ山12は、ピストンロッド10の可撓性のアーム13の作用下で、らせんねじ山17と係合する。その作用によって、ドライブスリーブ14は、ドライブスリーブ14のらせんねじ山17の1つのピッチに本質的に等しい距離だけ、ピストンロッド10に対して近位方向に変位される。第2のねじ山12の作用は、可撓性のアーム13によってもたらされる力の下で、ドライブスリーブ14のらせんねじ山17を確実に係合させて、用量が設定されたことをユーザに示す可聴フィードバックおよび触覚フィードバックを生み出す。追加的に、用量設定に関係する視覚フィードバックは、主ハウジング部材3の任意選択の窓アパーチャを通して視認できる、ドライブスリーブ14に設けられた任意選択のグラフィカルステータスインジケータによって示される。
用量が設定されると、ユーザは、可動部材16の投薬面19を押し下げることによって、その用量を投薬することができる。その作用によって、ドライブスリーブ14は、軸に沿って、主ハウジング部材3に対して遠位方向に動かされる。ピストンロッド10の第2のねじ山12がドライブスリーブ14のらせんねじ山17と確実に係合されると、ピストンロッド10は、遠位方向におけるドライブスリーブ14の軸方向運動によって、内部ハウジング7に対して回転させられる。ピストンロッド10が回転すると、ピストンロッド10の第1のねじ山9は、内部ハウジング7のねじ山付き円形開口部8内で回転して、ピストンロッド10を軸に沿って内部ハウジング7に対して遠位方向に動かす。
ピストンロッド10の遠位の軸方向運動によって、圧力フット11がカートリッジ4のピストン5を支承して、取り付けられた針を通して薬剤の用量が投薬される。
ドライブスリーブ14の遠位の移動は、内部ハウジング7のガイドスロット(図示せず)によって制限されている。用量が投薬されたことを示す可聴フィードバックおよび触覚フィードバックは、内部ハウジング7のつめ手段(図示せず)との、ドライブスリーブのデテント(図示せず)の相互作用によって提供される。必要に応じて、同等のサイズの用量をさらに、予め定められた最大回数の用量まで送達することができる。図1に示されているように、注射デバイス1の機械的な機能および動作は、WO2008/058665A1にもさらに詳細に記載されており、その文献全体を参照によって本明細書に組み入れる。図1を実施する注射デバイスおよび駆動機構は、本開示のデータロギングデバイス30と共に使用できる注射デバイスの一例に過ぎない。
図1に示されているように、注射デバイスは、特に、固定用量注射デバイスとして実装される。起動部材16または可動部材16は、用量の設定のためにおよび後続の用量の投薬または注射のために、長手方向xに前後に可動である。用量の設定のためにおよび/または注射デバイス1を準備状態に移行するために、可動部材16がハウジング部材3から近位方向に延びるように、可動部材16を近位方向に引っ張らなければならない。その構成において、可動部材16は第1の端部位置P1にあり、その位置は図2にさらに示されている。
薬剤の用量を投薬するために、可動部材16は、図3に示されているように遠位方向に押し下げ可能である。たとえばユーザの親指によって可動部材16が遠位方向に押し下げられる間および動かされる間に、ならびにそれと同時に、ピストンロッド10はそれぞれの遠位方向の変位を受け、そうすることで、薬剤の用量が排出される。初期構成に戻るときに、可動部材16は第2の端部位置P2に到達する。
図7および図8の断面図において、図2および図3の構成が再現されている。図7および図8の例では、ハウジング3内ならびに可動部材16内に、データロギングデバイス30が組み込まれ、配置されている。データロギングデバイス30は、トリガ70およびスイッチ機構50を含む。データロギングデバイス30はさらに、プロセッサ42を含み、そのプロセッサ42は、スイッチ機構50に接続されており、第1のスイッチング状態iと第2のスイッチング状態iiと間のスイッチ機構50の遷移を検出するように動作可能である。
図7および図8に示されているように、スイッチ機構50は、第1のスイッチ80を含む。スイッチ80は、機械式スイッチ81として実装される。このような機械式スイッチの一例が図11および図12に示されている。そこでは、機械式スイッチ81は、スイッチハウジング83と、スイッチハウジング83から外向きに突出するペグ82とを含む。ペグ82は戻しばね84によって支持されている。ペグ82は、戻しばね84の作用に抗してスイッチハウジング83内に押込み可能である。第1のスイッチング状態iにおいて、ペグ82はハウジング83から外向きに突出している。ペグ82は、図12に示されているような第2のスイッチング状態iiに到達するように、ハウジング内にさらに押込み可能である。ここで、ばね84は付勢されている。ペグ82が解放されると、図11に示されているような第1のスイッチング状態iにペグ82が復帰運動する。
図7および図8に示されているようなデータロギングデバイス30の特定の実施形態では、スイッチ機構50の機械式スイッチ81は、トリガ70の内側を向く表面セクション74に向かって横断方向または径方向rに突出するペグ82を含む。トリガ70は、可撓性のアーム77として実装される。本例では、トリガ70は、可動部材16の側壁に組み込まれている。可動部材16は、データロギングデバイス30を収容するためにカップ形のレセプタクルを含むことができる。スイッチ機構50は、プリント回路基板32に取り付けられているかまたは組み付けられている。プリント回路基板32は、可動部材16の内側に固定されているか、またはハウジング3の内側に固定されている。
図7~図10の例では、スイッチ機構50は、注射デバイス1のハウジング3に固定されており、可動部材16およびトリガ70は、ハウジング3に対して長手方向に可動である。
図7~図10に示されているように、第1の端部位置P1にあるときは、トリガ70は第1のトリガ端部位置T1にある。トリガ70は、外向き表面セクション73を含み、表面セクション73は、ハウジング3の側壁の内面と摺動可能に係合していてよい。トリガ70の外側を向く表面73は、その近位端に向かって、径方向外側に突出する傾斜セクション72を含む。第1のトリガ端部位置T1にあるときは、傾斜セクション72は、ハウジング3のそれぞれの近位端から近位にオフセットした位置に位置する。このように、トリガ70の外向き表面セクション73は、ハウジング3の内面と当接しているかまたは摺動係合している。
図8および図10に示されているように、トリガ70が第2のトリガ端部位置T2に向かう遠位方向の変位を受けると、傾斜セクション72は、ハウジング3の側壁の内側に係合し、それに沿って摺動し、そうすることで、トリガ70の近位端セクションの径方向内側の動きが誘発される。スイッチ機構50は、ハウジング3に対して長手方向および径方向に固定されている。トリガ70は、径方向においてスイッチ機構50とハウジング3との間に位置する。したがって、トリガ70がハウジング3の側壁に沿って摺動するときに傾斜セクション72によってトリガ70の径方向内側の偏向または湾曲が誘発され、そのような偏向または湾曲が、第2のスイッチング状態iiへのスイッチ80のペグ82の動きを誘発するように動作可能である。
可動部材16が第2の端部位置に、したがって、同様にトリガ70が第2のトリガ端部位置T2に到達するときにだけ、スイッチ機構50は、第1のスイッチング状態iから第2のスイッチング状態iiに変化する。スイッチング状態のこのような変化はプロセッサ42によって検出される。
トリガ70はトリガ本体71を含み、トリガ本体71は、内側の表面セクション74が、たとえば、機械式スイッチ81のペグ82の自由端と恒久的に係合されることを特色とする。このように、傾斜セクション72によって誘発されて、トリガ本体71の近位端が径方向内側の偏向を受けると、ペグ82は、径方向rまたは横断方向のそれぞれの動きを受ける。
可動部材16が第2の端部位置P2から第1の端部位置P1に向かってかつその位置P1に動くときに、トリガは、図7および図9に示されているような第1のトリガ端部位置T1に戻る。ここで、可撓性のアーム77の近位セクションは、その初期構成になり、径方向外側に湾曲する。
したがって、機械式スイッチ81のペグ82は第1のスイッチング状態iに戻る。また、スイッチのそのような復帰運動は、スイッチ機構50のスイッチング状態の変化としてプロセッサ42によって登録される。
本例において、第2のトリガ端部位置T2は、スイッチ80の閉鎖または押込みを特徴とし、それに関係しており、第1のトリガ端部位置T1は、スイッチ80の開放または解放を特徴とする。他の例では、逆の構成を実装でき、そこでは、トリガが第1のトリガ端部位置に到達するときに、スイッチ80が押し込まれるかまたは閉じられ、トリガが第2の端部位置に到達するときにスイッチ80が開かれる。
投薬関連または注射関連のデータの誤ったロギングを避けるために、スイッチ機構50のスイッチング状態の変化が、第1の端部位置P1および第2の端部位置P2の一方のすぐ近くに接近または到達するときにだけ行われることが可能にされる。このように、スイッチ機構50および/またはトリガ70はヒステリシス機能をもたらす。
図13において、このようなヒステリシス機能が概略的に示されている。垂直方向には、スイッチ機構50の異なるスイッチング状態が示されている。水平方向には、トリガ70または可動部材16が長手方向xにおけるそれぞれの動きを受けるときの、横断方向、たとえば径方向rにおけるペグ82などのスイッチ構成要素の動きが示されている。図13の例から明らかになるように、トリガが第1のトリガ端部位置T1にあるかまたは第1のトリガ端部位置T1から第2のトリガ端部位置T2に向かって動かされている限り、スイッチ機構は、第1のスイッチング状態iにあり、そこに留まり、したがって、開放構成にあることが可能である。
第2のトリガ端部位置T2に到達したときにのみ、スイッチ機構50が第2のスイッチング状態iiに切り換わる。第2のスイッチング状態iiにあるときには、トリガ70が第1のトリガ端部位置T1に到達しない限り、第1のトリガ端部位置T1に向かうトリガ70の復帰運動は、実質的に効果がない。第1のトリガ端部位置に到達または接近したときにのみ、スイッチ機構50が第1のスイッチング状態iに入れ替わる。
このようなヒステリシス機能は、電子的に実装することができる。ここでは、ペグ82の動きが、たとえばプロセッサ42によって、段階的にモニタリングされることが考えられる。それぞれの端部位置に到達したときにのみ、プロセッサはスイッチング状態のそれぞれの変化を記録するかまたはトリガする。
図14および図15では、ヒステリシス機能の機械的な実装形態が概略的に示されている。ここで、トリガ70は、スロット付きリンク76を含む。スロット付きリンク76は、閉ループを含み、さらに、第1の経路78および第2の経路79を含む。第1および第2の経路78、79は、主に、長手方向xに延びる。それらの経路は、重なっておらず、ハウジング3または可動部材16の実質的な管形状に対して、接線方向または周方向にわずかに湾曲している。機械式スイッチ81のペグ82は、スロット付きリンク76中を案内される。ペグ82は、スロット付きリンク76の底部と摺動接触していてよい。スロット付きリンクの底部は、図15に示されているように、横断方向または径方向に一様でない深さを含むことができる。
可動部材16が第1の端部位置P1と第2の端部位置P2との間を動かされるときに、したがって、トリガが第1のトリガ端部位置T1と第2のトリガ端部位置T2との間を動かされるときに、ペグ82は、第1の経路78または第2の経路79に沿って摺動する。
図14に示されているように、第1のトリガ端部位置T1にあるときは、ペグ82は、第1の経路78の開始地点の位置Aの近くにある。トリガ70が第1のトリガ端部位置T1から第2のトリガ端部位置T2に向かって動く間に、ペグ82は、第1の経路78に沿って摺動し、位置Bを通り越して、位置Cに、したがってスロット付きリンク76の反対側の長手方向端部に到着する。
図15に示されているように、位置Cに接近しているときおよび第2のトリガ端部位置T2に到着するときのランプセクションR1が設けられている。したがって、第2のトリガ端部位置T2に接近または到達するときに、ペグ82は、そのランプセクションR1に沿って摺動し、径方向または横断方向においてそれぞれの押込みにあう。その後、トリガ70が第2のトリガ端部位置T2から第1のトリガ端部位置T1に向かう動きを受けるときに、ペグ82は、スロット付きリンク76の第2の経路79に沿って摺動する。ペグ82は、第1のトリガ端部位置T1に到達または接近する前またはしたときに、スロット付きリンク76の位置Dを通り、第2のランプ状セクションR2に沿って摺動する。このように、スイッチ機構の切換えは、スロット付きリンク76の長手方向端部のすぐ近く、すなわち、スロット付きリンクの位置AおよびCの近くにおいてのみ得られる。さらに、第1の経路78に位置する傾向を有するように、ペグ82を横断方向または接線方向に付勢することができる。このように、ペグ82が、位置Aから位置Cに向かう動きを受けるときに、常に第1の経路78に沿って摺動することを保証することができる。
いずれにしても、考えられるどのタイプのヒステリシス機能の実装形態でも、誤ったデータロギング、すなわち、可動部材が一方の端部位置から他方の端部位置に向かってその他方の端部位置に到達することなく部分的にのみ動かされるときのデータロギングが防止されることを可能にできる。ボタンまたは可動部材16を途中までのみまたは第1の端部位置P1と第2の端部位置P2との間で部分的に引くかまたは押すことは、用量が投薬されることにはならず、したがって、データロギングデバイス30によって用量が記録されることにもロギングされることにもならない。
図16のさらなる例において、データロギングデバイス30は、ハウジング3内に可動に配設されている。ここでは、ハウジング3の側壁は、トリガ70と一致することができるか、またはトリガ70を提供することができる。ここで、ハウジング3は、外面73および内面74を有するトリガ本体71を提供する。近位端でまたは近位を向いたセクションでは、トリガ70のまたはハウジング3の内面74は傾斜セクション72を含む。傾斜セクション72は、上記で説明したものと同様の手法で、機械式スイッチ81と係合するように構成されている。しかし、ここでは、データロギングデバイス30およびスイッチ機構50は、ハウジング3に対して、したがってトリガ70に対して、長手方向に可動である。
図16において、可動部材16の第1の端部位置P1が概略的に示されている。可動部材16がスイッチ機構50と一緒に第2の端部位置P2に向かって動かされると、スイッチ機構50はトリガ70に対して動かされる。機械式スイッチ81のペグ82は、傾斜セクション72に沿って摺動し、トリガハウジング83に対してそれぞれの動きにあう。したがって、図16においてスイッチ機構50’の点線の複写によって示される第2の端部位置P2に到着するときに、スイッチ機構50がトリガ70に対して第1の端部位置にあるときの構成と比べると、スイッチ機構50はそのスイッチング状態を変化させている。
図17および図18において、ヒステリシス機能の別の例が示されている。ここで、スイッチ機構50は、第1のスイッチ80および第2のスイッチ180を含む。ここで、スイッチ機構50は、注射デバイス1のハウジング3に対して固定されている。トリガ70は、可動部材16と一緒にハウジングに対して可動である。トリガ70は、トリガ本体71を含む。トリガ70は、径方向において、第1および第2のスイッチ80、180とハウジング3との間に配置されている。トリガ70は、ハウジング3を向く外側の表面セクション73を特色とするトリガ本体71を含む。トリガ本体71はさらに、第1および第2のスイッチ80、180を向く内向きの表面セクション74を含む。第1および第2のスイッチ80、180は、長手方向において互いにオフセットするように配置されている。図17に示されているように第1の端部位置P1または第1のトリガ端部位置T1において、内側の表面セクション74から径方向内側に突出し、トリガ本体71の遠位端に設けられた、傾斜セクション75は、第2のスイッチ180と係合しており、そうすることで、第2のスイッチ180が閉じられている。その構成では、トリガ70は第1のスイッチ80を押し込まない。したがって、第1のスイッチ80は開放状態にあり、第2のスイッチ180は閉鎖状態にある。その構成は、プロセッサによってスイッチ機構50が第1のスイッチング状態iにあると解釈される。
図18に示されているようにトリガ70が第2のトリガ端部位置T2に向かうかつその位置への動きを受けると、トリガ70の近位の長手方向端部に設けられ、外側を向く表面セクション73から径方向外側を向く傾斜セクション72が、ハウジング3の側壁と係合し、そうすることで、トリガ70の近位端が径方向内側に付勢される。したがって、第1のスイッチ80は、押し込まれ、閉じられる。同時に、傾斜セクション75は第2のスイッチ180との係合を解除するように動かされ、第2のスイッチ180が開かれる。ここで、特に、第2のトリガ端部位置T2に到達したときにのみ排他的にこのようなスイッチ構成が得られることが意図されている。
第1のトリガ端部位置T1と第2のトリガ端部位置T2との間のいずれの中間位置においても、スイッチ80、180は共通のスイッチ状態にある可能性があり、その状態は、プロセッサ42によってスイッチ機構50の無効スイッチング状態と解釈できる。第1のスイッチ80および第2のスイッチ180を実装することによって、たとえば図13に示されているようなそれぞれのヒステリシス機能を得ることができる。有効スイッチング状態は、第1のスイッチ80と第2のスイッチ180とが異なる切換え構成にあることを必要とすることができる。
他の実装形態では、第1のスイッチ80と第2のスイッチ180とが等しいスイッチ構成にあることが有効スイッチ構成と見なされ、トリガ70が第1のトリガ端部位置T1と第2のトリガ端部位置T2との間の任意の位置にある場合に、第1のスイッチ80と第2のスイッチ180とは異なるスイッチ構成にされており、その構成はプロセッサ42によって無効スイッチング状態と解釈され、したがって、無視されることが考えられる。
図5において、注射デバイス1に組み込まれたデータロギングデバイス30の概略図が示されている。ここで、可動部材16は、したがって用量ボタンの形態の可動部材16は、中空の内部を含む。可動部材16の中空の内部によって、データロギングデバイス30をその中に組み付けることが可能になる。データロギングデバイス30は、たとえばボタン電池の形態の電源52を含む。データロギングデバイス30はさらに、プリント回路基板32を含む。プリント回路基板32には、少なくともプロセッサ42が設けられている。プロセッサ42と電源52とは、プリント回路基板32の両側に設けることができる。可動部材16の中空の内部は、蓋20によって閉鎖可能にすることができる。蓋20のうちの外側を向く端部表面は投薬面19を提供でき、投薬面19は、用量排出手順を開始または制御するためにユーザによって押し下げ可能である。
図5において、外部電子デバイス60がさらに示されている。外部電子デバイスは、スマートフォン61として実装することができる。外部電子デバイス60は、データロギングデバイス30のトランシーバ56との通信リンク、したがってデータ接続62をセットアップするように構成することができる。
図4は、データロギングデバイス30の一例のブロックダイアグラムである。データロギングデバイス30は、メモリ44と共にプロセッサ42を含み、プロセッサ42には、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプロセッサが1つまたはそれ以上含まれる。メモリ44は、プログラムメモリおよびメインメモリを含むことができ、それらは、プロセッサ42によって実行されるソフトウェアと、注射が行われるときのタイムスタンプなど、データロギングデバイス30の使用中に生成されるデータとを記憶することができる。
データロギングデバイス30は、場合により、データロギングデバイス30のステータス情報および/またはデータロギングの処理に関する情報を視覚的に提供するために、ディスプレイ48を含むことができる。いくつかの例では、ディスプレイ48は、タッチセンシティブディスプレイとして実装することができる。これは、入力モジュールと同等に働くことができる。
プロセッサ42は、スイッチ機構50に動作可能に接続されている。スイッチ機構50は、スイッチ機構50のスイッチング状態を示す電気信号を供給する。スイッチング状態は、ハウジング3に対する可動部材16の瞬間的な位置と関係する。スイッチング状態の変化は、プロセッサ42をスリープモードからウェークアップモードに切り換えるように働く。スイッチング状態の変化はさらに、メモリ44におけるタイムスタンプの記録をトリガする。
追加的に、スイッチ機構50は、データロギングデバイス30の電源52に接続されている。このように、プロセッサ42の電力消費は、スイッチ機構50によって中断または復旧することができる。他の例では、プロセッサ42が電源52に恒久的に接続されており、スイッチ機構50が、プロセッサ42と電源52との間のインターフェースから離れて位置する。その代わりに、プロセッサをスリープモードとウェークアップモードとの間で切り換えるために、スイッチ機構50だけがプロセッサ42に論理的に接続されている。
データロギングデバイス30の電子構成要素は、典型的には、プリント回路基板32に取り付けられている。プリント回路基板32はスイッチ機構50と一緒に用量検出機構40を提供し、用量検出機構40によって、薬物送達デバイス1によって注射される薬剤の個々の用量の設定および/または投薬を、検出および記録することができる。
データロギングデバイス30はさらに、インターフェース54を含む。インターフェースは、外部電子デバイス60とのワイヤードまたはワイヤレスの通信を提供することができる。インターフェース54は、トランシーバ56を含むことができ、トランシーバ56は、ワイヤレスのデータ伝送を提供し、外部電子デバイス60とのワイヤレスデータ接続62を確立する。そのことが、データロギングデバイス30によっておよび/または外部電子デバイス60から取り込まれるかまたは記録されるデータの通常の交換または伝送を可能にし、サポートする。
インターフェース54は、Wi-Fi、NFCもしくはBluetooth(登録商標)などのワイヤレス通信リンク62もしくはワイヤレスネットワークを介して、たとえばポータブル電子デバイスとして実装されている外部デバイス60と通信するためのワイヤレス通信インターフェースでよく、またはユニバーサルシリアルバス(USB)、ミニUSBもしくはマイクロUSBコネクタを受けるためのソケットなど、ワイヤード通信リンクのためのインターフェースでよい。そのために、インターフェース54は、データを送信および受信するように構成された、ワイヤレスまたはワイヤードのトランシーバ56を含む。
データロギングデバイス30は、出力モジュール46を含むこともできる。出力モジュール46は、たとえば、スイッチ機構50のスイッチング状態の変化が検出されたとき、および/または用量投薬関連の情報もしくはデータがメモリ44に記憶されるかもしくは外部電子デバイス60に送信されたときに、ハプティックフィードバックまたは音響フィードバックを提供することができる。
データロギングデバイス30はさらに、タイマ45を含むことができる。タイマは、メモリ44に記憶するためのタイムスタンプおよび時間情報を提供することができる。さらに、タイマ45によって、プロセッサ42は、たとえば用量投薬事象が終了したことを検出した後に所定の期間が経過した後、スリープモードに自律的に切り換わることができる。
いくつかの例では、データロギングデバイス30は、薬物送達デバイス1と取外し可能に連結されるように構成された、デバイスハウジング31を含む。他の例では、データロギングデバイス30には、それ自体のハウジング31はないが、薬物送達デバイス1のハウジング3に組み込まれている。
図6において、注射デバイスの使用をモニタリングする方法のフローチャートが示されている。ここでは、第1の工程100で、用量注射手順のために注射デバイス1が用意される。工程100で、ユーザは、可動部材16をハウジング3に対して近位方向に引っ張る。後続の工程102で、可動部材16は第1の端部位置P1に到着する。工程102で、第1の端部位置P1の切換えがスイッチ機構50によって検出される。したがって、スイッチ機構50のスイッチング状態は、工程108において修正または変化を受ける。
その結果、スイッチ機構50は、第1の端部位置P1に到着するときに、データロギングデバイスのプロセッサ42をウェークアップさせるように構成することができる。ここで、工程112で、ウェークアップ手順がプロセッサ42によって実行される。次いで、データロギングデバイス30は、用量投薬事象を記録するように用意できる。後続の工程104で、ユーザは可動部材16を第2の端部位置P2に向かって押す。工程106で、可動部材16は第2の端部位置P2に到着する。工程110で、この到着もスイッチ機構50によって登録される。工程114で、プロセッサ42は、スイッチ機構50のスイッチング状態のそれぞれの変化を検出し、それに対応して、用量の投薬を記録するように動作可能である。
後続の工程116で、記録された用量が、外部電子デバイス60に送信され、かつ/または検出された投薬用量が、ローカル電子メモリに記憶される。その後、工程118で、プロセッサ42は、所定の期間にわたってウェークアップ状態に維持される。所定の期間が経過した後に、プロセッサは、工程120でスリープモードに設定される。
この状態において、データロギングデバイスのエネルギー消費は最小限まで削減され、そのことによって、データロギングデバイスの持続時間、および電源52によって供給されるような電気エネルギーリザーバの使用を延長することが可能である。後続の用量設定手順では、本方法は、再び工程100で始まる。
1 薬物送達デバイス
2 カートリッジ保持部材
3 ハウジング
4 カートリッジ
5 ピストン
6 ねじ山付き領域
7 内部ハウジング
8 開口部
9 ねじ山
10 ピストンロッド
11 圧力フット
12 ねじ山
13 可撓性のアーム
14 ドライブスリーブ
15 ねじ山付き部材
16 可動部材
17 らせんねじ山
18 グリップ面
19 投薬面
20 蓋
22 着脱可能なキャップ
30 データロギングデバイス
31 ハウジング
32 プリント回路基板
40 用量検出機構
42 プロセッサ
44 メモリ
45 タイマ
46 出力モジュール
48 ディスプレイ
50 スイッチ機構
52 電源
54 インターフェース
56 トランシーバ
60 外部電子デバイス
61 スマートフォン
62 データ接続
70 トリガ
71 トリガ本体
72 傾斜セクション
73 表面セクション
74 表面セクション
75 傾斜セクション
76 スロット付きリンク
77 可撓性のアーム
78 第1の経路
79 第2の経路
80 スイッチ
81 機械式スイッチ
82 ペグ
83 ハウジング
84 戻しばね
180 スイッチ

Claims (15)

  1. 注射デバイス(1)の使用をモニタリングするためのデータロギングデバイス(30)であって、注射デバイス(1)は、ハウジング(3)と、長手方向(x)に沿って第1の端部位置(P1)と第2の端部位置(P2)との間でハウジング(3)に対して可動である可動部材(16)とを含み、該データロギングデバイス(30)は:
    可動部材(16)およびハウジング(3)の少なくとも一方に連結されているかまたは連結可能な、トリガ(70)と、
    該トリガ(70)と動作可能に係合される第1のスイッチ(80)を含むスイッチ機構(50)であって、トリガ(70)は第1のトリガ端部位置(T1)と第2のトリガ端部位置(T2)との間でスイッチ機構(50)に対して可動である、スイッチ機構(50)と
    を含み、
    スイッチ機構(50)は、トリガ(70)がスイッチ機構(50)に対して動いたときに、第1のスイッチング状態(i)と第2のスイッチング状態(ii)との間で切り換わるように動作可能であり、スイッチ機構(50)は、トリガ(70)が第1のトリガ端部位置(T1)に接近または到達すると第1のスイッチング状態(i)に切り換わるように構成されており、トリガ(70)が第2のトリガ端部位置(T2)に接近または到達すると第2のスイッチング状態(ii)に切り換わるように構成されており、
    該データロギングデバイス(30)はさらに、
    スイッチ機構(50)に接続されており、第1のスイッチング状態(i)と第2のスイッチング状態(ii)との間のスイッチ機構(50)の遷移を検出するように動作可能である、プロセッサ(42)
    を含む、前記データロギングデバイス。
  2. スイッチ機構(50)は、トリガ(70)が第1のトリガ端部位置(T1)にあるときは第1のスイッチング状態(i)にあり、トリガ(70)が第2のトリガ端部位置(T2)に接近または到達するまで第1のスイッチング状態(i)に留まる、請求項1に記載のデータロギングデバイス(30)。
  3. スイッチ機構(50)は、トリガ(70)が第2のトリガ端部位置(T2)にあるときは第2のスイッチング状態(ii)にあり、トリガ(70)が第1のトリガ端部位置(T1)に接近または到達するまで第2のスイッチング状態(ii)に留まる、請求項1または2に記載のデータロギングデバイス(30)。
  4. プロセッサ(42)は、スリープモードおよびウェークアップモードの一方に選択的に入るように動作可能であり、プロセッサ(42)は、スイッチ機構(50)を第1のスイッチ状態(i)に切り換えることによって、スリープモードからウェークアップモードに移行可能である、請求項1~3のいずれか1項に記載のデータロギングデバイス(30)。
  5. プロセッサ(42)は、スイッチ機構(50)を第1のスイッチング状態(i)から第2のスイッチング状態(ii)に切り換えることによって、用量投薬事象をロギングするように動作可能である、請求項1~4のいずれか1項に記載のデータロギングデバイス(30)。
  6. トリガ(70)およびスイッチ機構(50)の少なくとも一方によってまたはトリガ(70)とスイッチ機構(50)との動作可能な係合によってヒステリシス機能がもたらされ、ヒステリシス機能は、トリガ(70)が第1のトリガ端部位置(T1)と第2のトリガ端部位置(T2)との間に位置する限り、スイッチ機構(50)のスイッチング状態の変化を防止するように動作可能である、請求項1~5のいずれか1項に記載のデータロギングデバイス(30)。
  7. 第1のスイッチ(80)は機械式スイッチ(81)であり、該機械式スイッチ(81)は、スイッチハウジング(83)と、該スイッチハウジング(83)から突出し、戻しばね(84)の作用に抗してスイッチハウジング(83)に対して可動であるペグ(82)とを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のデータロギングデバイス(30)。
  8. ペグ(82)は、スイッチハウジング(83)に対して横断方向(r)に沿って可動であり、トリガ(70)または少なくともその一部分は、トリガ(70)が第1のトリガ端部位置(T1)と第2のトリガ端部位置(T2)との間を動くときに、横断方向(r)に移動可能、枢動可能、または湾曲可能である、請求項7に記載のデータロギングデバイス(30)。
  9. トリガ(70)は、長手方向に沿ってハウジング(3)に対して可動のトリガ本体(71)を含み、該トリガ本体(71)は傾斜セクション(72)を含み、該傾斜セクションは、ハウジング(3)と係合されているときに、横断方向(r)においてトリガ(70)または少なくともその一部分の移動、枢動または湾曲のうちの少なくとも1つを誘発するように動作可能である、請求項7または8のいずれか1項に記載のデータロギングデバイス(30)。
  10. スイッチ機構(50)は、第1のスイッチ(80)および第2のスイッチ(180)を含み、該スイッチのそれぞれは、プロセッサ(42)に接続されており、該スイッチのそれぞれは、トリガ(70)に動作可能に係合されており、第1のスイッチ(80)は、第1のトリガ端部位置(T1)におけるトリガ(70)の接近または到着を検出するように動作可能であり、第2のスイッチ(180)は、第2のトリガ端部位置(T2)におけるトリガ(70)の接近または到着を検出するように動作可能である、請求項1~9のいずれか1項に記載のデータロギングデバイス(30)。
  11. 第1のスイッチ(80)または第2のスイッチ(180)は、電気機械スイッチ、磁気スイッチ、光センサまたは音響センサのうちの1つを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載のデータロギングデバイス(30)。
  12. 注射デバイス(1)のハウジング(3)に取り付けられるように構成されたロギングデバイスハウジング(31)をさらに含み、トリガ(70)は、注射デバイス(1)の可動部材(16)に取り付けられるように構成されている、請求項1~11のいずれか1項に記載のデータロギングデバイス(30)。
  13. 薬剤の用量を生物組織に注射するための注射デバイスであって:
    カートリッジ(4)を収容するハウジング(3)であって、カートリッジ(4)は、注射可能な薬剤で充填され、カートリッジ(4)のバレルに対して可動のピストン(5)によって近位方向に向かって封止されている、ハウジング(3)と、
    薬剤の用量をカートリッジ(4)から排出するようにピストン(5)と動作可能に係合するピストンロッド(10)と、
    長手方向(x)に沿って第1の端部位置(P1)と第2の端部位置(P2)との間でハウジング(3)に対して可動の可動部材(16)と、
    請求項1~12のいずれか1項に記載のデータロギングデバイス(30)と
    を含む、前記注射デバイス。
  14. データロギングデバイス(30)は、ハウジング(3)および可動部材(16)の少なくとも一方の内側に配置されており、トリガ(70)は、可動部材(16)に連結されている、請求項13に記載の注射デバイス(1)。
  15. 注射可能な薬剤で充填されたカートリッジ(4)は、ハウジング(3)内に配置されている、請求項13または14に記載の注射デバイス。
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