JP2024510298A - 放射線療法と連携して抗腫瘍に使用される製剤の調製におけるマラリア原虫の使用 - Google Patents

放射線療法と連携して抗腫瘍に使用される製剤の調製におけるマラリア原虫の使用 Download PDF

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Abstract

放射線療法と連携して抗腫瘍に使用される製剤の調製におけるマラリア原虫の使用、および放射線療法と連携して使用されるマラリア原虫抗腫瘍製剤を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、バイオ医薬分野に関し、具体的には、放射線療法と連携して抗腫瘍に使用される製剤の調製におけるマラリア原虫の使用に関する。
腫瘍治療方法には、手術、放射線、化学療法(分子標的治療を含む)という3つの伝統的なモードがあり、新たな生物治療(免疫治療を含む)もある。臨床的には、総合治療を主とし、手術と化学放射線療法とを併用する方式は、早期に発見された腫瘍に対して治療効果が良いが、後期に進展した腫瘍に対して治療効果が良くない。現在、後期悪性固形腫瘍の治療において、様々な生物治療は、より多くの選択を提供し、分子標的薬、抗体、免疫治療薬(例えば、PD-1)および細胞治療(例えば、CAR-T、TIL、CIK)は、いくつかの進展があったが、癌の急速な発展を阻止することがまだできなかった。
マラリアは、主に、蚊刺によって伝播する、マラリア原虫感染による虫媒介性感染症であり、世界保健機関によって世界三大感染症(エイズ、結核およびマラリア)の1つとして挙げられる。ヒトに感染するマラリア原虫は、主に、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)、四日熱マラリア原虫(Plasmodium malariae)、卵形マラリア原虫(Plasmodium ovale)およびサルマラリア原虫(Plasmodium knowlesi)という5つのタイプがあり、最もよく見られるのは、熱帯熱マラリア原虫および三日熱マラリア原虫である。ネズミマラリア原虫も、主に、Plasmodium chabaudi、Plasmodium yoelii、Plasmodium bergheiおよびPlasmodium vinckeiという4つのタイプがある。
マラリア原虫はマラリアの病原体であり、1981年、Greentree LGは、マラリア療法を腫瘍の治療に使用する構想を初めて提出し、1988年、タイの学者Angsubhakornらは、Plasmodium bergheiに感染したラットがアフラトキシンによって誘発される肝癌の発生を予防できることを発見し、2006年、劉英傑らは、マウスモデルでPlasmodium yoeliiが滑膜肉腫癌細胞(S180)に対して一定の腫瘍抑制効果を有することを観察した。陳小平らは、マウスモデルにおいて、マラリア原虫感染が肺癌、肝癌、結腸癌、乳癌等の様々な腫瘍に対して腫瘍の成長、転移を著しく抑制し、担癌マウスの生存期間を延長することを研究発見した。マラリア原虫感染は、腫瘍の局所および全身性抗腫瘍特異的免疫反応を強化し、全身性の長時間効果的な腫瘍の特異的免疫記憶の発生を誘導することができる。マラリア原虫感染は、腫瘍微小環境を改善することもでき、骨髄系由来の抑制性細胞(MDSCs)、調節性T細胞(Tregs)および腫瘍関連マクロファージ(TAMs)のような腫瘍組織内の様々な抑制性免疫細胞の割合または数を著しく低減することにより、腫瘍組織内の免疫抑制微小環境を解除し、T細胞の腫瘍組織への浸潤を促進し、腫瘍細胞を効果的に殺傷する。
しかし、全ての腫瘍患者が新たな免疫療法に対して抗腫瘍反応を生じることではなく、高い個人差を有し、依然として腫瘍治療分野の1つの巨大な障害であるため、ポリシーの改良を切望している。マラリア原虫免疫療法は、抗マラリア薬により感染率を制御することで、臨床的毒副作用を低減することができ、安全な免疫療法であるため、マラリア原虫に基づく著しい抗腫瘍効果が得られる新たな連携治療ポリシーの開発は、非常に有意義であり、新しい腫瘍治療構想を提供することもできる。
従来技術の不足に対し、本発明の目的は、放射線療法と連携して抗腫瘍に使用される製剤の調製におけるマラリア原虫の使用を提供することである。本発明は、マラリア原虫免疫療法(生物療法)と放射線療法との連携に成功し、高いバイオセキュリティを有し、単一のマラリア原虫免疫療法または単一の放射線療法と比べて腫瘍の成長をより顕著に抑制し、かつ接種された担癌マウスの生存期間を延長し、腫瘍の治療に新しいポリシーおよび考えを提供する。マラリア原虫免疫療法は、感染によって生体の末梢血を増加し、脾臓でより多くの割合または絶対数のCD4T、CD8T細胞を生成し、末梢血および脾臓内のTregsおよびMDSCs細胞の割合を低減し、腫瘍成長を抑制し、放射線療法は、腫瘍細胞を直接殺傷することにより腫瘍組織量を低減するが、放射線療法は、脾臓内のCD4T、CD8T細胞の絶対数を低減し、一定の抗腫瘍免疫能力を損傷し、マラリア原虫免疫療法および放射線療法は、いずれも免疫細胞の腫瘍への浸潤を促進し、相補的かつ相乗的な抗腫瘍効果を発揮することができる。
この発明目的を達成するために、本発明は、以下の技術案を採用する。
態様1において、本発明は、放射線療法と連携して抗腫瘍に使用される製剤の調製におけるマラリア原虫の使用を提供する。
腫瘍の病因が複雑であるため、単一の免疫療法または単一の放射線療法は腫瘍の治療で限界性が大きく、所望の治療効果を達成することができず、本発明は、初めてマラリア原虫免疫療法と放射線療法とを連携して抗腫瘍用の製剤として使用し、ここで、マラリア原虫免疫療法は、天然免疫系を全面的に活性化してかつ一定の特異的免疫を誘導することにより、多標的効果を有し、しかし、マラリア原虫免疫療法は腫瘍を直接殺傷できず、腫瘍の体積が大きければ、マラリア原虫免疫療法の治療効果に影響を及ぼす。ここで、放射線療法は、腫瘍細胞を直接殺傷し、腫瘍組織量を低減し、腫瘍抗原を放出することができ、マラリア原虫免疫療法によって活性化された免疫系の治療に対する介入に有利であり、抗腫瘍免疫能力を強化する。
マラリア原虫感染は、天然免疫系を全面的に活性化し、CD4T、CD8T細胞の割合および絶対数を含み、放射線療法は腫瘍を直接殺傷できるが、リンパ球細胞の絶対数を損傷することもあり、一定の免疫抑制作用を有する。マラリア原虫感染は、マクロファージおよび樹状細胞(DC)を刺激し、MHC II、CD80、CD86およびCD28分子を高発現し、それらのIL-12、IFN-α/β/γ、TNF-α、IL-8およびNO等の様々なサイトカインの分泌を促進し、抗原提示細胞の分化および成熟を促進する。赤内期マラリア原虫は、感染早期で宿主の免疫細胞を広く活性化し、大量のIFN-γおよびTNF-α等のサイトカインの発生を誘導し、NK、γδT、NKT細胞を活性化し、その殺傷能力を強化し、腫瘍の局所および全身性抗腫瘍特異的免疫反応を強化することができる。マラリア原虫感染は、TAMsを低減してかつ大量のエクソソームを産生する方式により、血管が生成した複数の経路および標的に作用し、腫瘍組織内の血管生成を顕著に抑制する。それとともに、マラリア原虫感染は、全身の長時間効果的な腫瘍特異的免疫記憶の発生を誘導することもできる。
放射線療法は、細胞の染色体を破壊することにより腫瘍細胞を直接殺傷し、生体が電離してラジカルを生成することを引き起こすこともでき、ラジカルは更に生物高分子と作用し、細胞の不可逆的損傷を引き起こし、腫瘍組織を直接および間接的に破壊する。放射線療法後に、腫瘍細胞は、細胞アポトーシスおよび壊死からオートファジーおよび細胞分裂異常まで、高い多様性を示し、これにより、大量の腫瘍抗原を元に放出し、タンパク質の翻訳を増加して腫瘍関連抗原の量および種類の顕著な増加を促進し、カルレティキュリンが腫瘍細胞表面に露出することにより、HMGB1およびATP等の分子を放出してDC細胞の腫瘍抗原に対する摂取、提示およびT細胞の活性化を促進する。マラリア原虫感染は、骨髄系由来の抑制性細胞(MDSCs)、調節性T細胞(Tregs)および腫瘍関連マクロファージ(TAMs)のような腫瘍組織内の様々な抑制性免疫細胞の割合または数を著しく低減することにより、腫瘍微小環境を改善し、T細胞の腫瘍組織への浸潤を促進し、腫瘍細胞を効果的に殺傷する。
以上をまとめ、マラリア原虫感染と放射線療法との連携は、生体のCD4T、CD8T細胞の割合および絶対数を増加し、抗原提示細胞によるより多くの特異的抗原への認識を強化し、生体の抗腫瘍免疫反応に有利であり、残留した腫瘍細胞を効果的に除去し、生体のIFN-γおよびTNF-α等の抗腫瘍のサイトカインを増加し、NK、γδT、NKT細胞を活性化してその殺傷腫瘍能力を強化し、腫瘍微小環境におけるTregs、MDSCsおよびTAMsの割合または数を低下し、相補的かつ相乗的な抗腫瘍効果を形成することができる。
好ましくは、前記マラリア原虫は、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫、またはサルマラリア原虫のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含み、例えば、熱帯熱マラリア原虫と三日熱マラリア原虫との組み合わせ、三日熱マラリア原虫と四日熱マラリア原虫との組み合わせ、卵形マラリア原虫とサルマラリア原虫との組み合わせ等であり、他の任意の組み合わせ方式はいずれも選択でき、ここで説明を省略する。
三日熱マラリア原虫であることが好ましい。
好ましくは、前記マラリア原虫の接種量は、100個以上のマラリア原虫または5つ以上のマラリア原虫スポロゾイトであり、例えば、100個のマラリア原虫、120個のマラリア原虫、140個のマラリア原虫、150個のマラリア原虫、160個のマラリア原虫、5個のマラリア原虫スポロゾイト、8個のマラリア原虫スポロゾイト、10個のマラリア原虫スポロゾイト、15個のマラリア原虫スポロゾイト等であり、他の任意の具体的な点値はいずれも選択でき、ここで説明を省略する。
前記マラリア原虫の接種量は、当業者は実際の状況に応じて調節することができ、患者の個人差によって感染できるマラリア原虫の数が異なるため、一般的に、前記マラリア原虫の接種量は、100個以上のマラリア原虫または5つ以上のマラリア原虫スポロゾイトである。
本発明に係るマラリア原虫感染は、長期間マラリア原虫感染であり、感染周期が長いほど、腫瘍に対する抑制効果が明らかになり、前記長期間マラリア原虫感染とは、マラリア原虫を感染してマラリア原虫感染の慢性期まで持続し、かつしばらく維持してから、抗マラリア薬を投与して感染を終了するか、または感染を終了せず、患者が虫付きの状態にあり、マラリア原虫感染後に、約6~8週の感染急性期を経た後、慢性期に入り、この時、末梢血のみで少量のマラリア原虫を検出できるが、急性期の臨床的症状が現れない。
好ましくは、前記放射線療法は、α線、β線、γ線、X線、電子線、または陽子線を含む。
好ましくは、前記放射線療法は、単一回放射線療法、複数回放射線療法、または分割放射線療法を含む。
好ましくは、前記放射線療法は、全身性放射線療法または局所放射線療法を含む。
好ましくは、前記腫瘍は、肺癌、胃癌、結腸癌、肝癌、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、膵癌および脳腫瘍を含む。
好ましくは、前記製剤の剤形は、薬剤学的に許容可能ないずれかの剤形を含む。
好ましくは、前記製剤は、薬剤学的に許容可能な薬用補助剤のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを更に含む。前記補助剤は、賦形剤、希釈剤、担体、調味剤、粘着剤、または充填剤のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせである。
好ましくは、前記マラリア原虫は、薬用担体に担持されたマラリア原虫である。
好ましくは、前記薬用担体は、リポソーム、ミセル、デンドリマー、微小球、またはマイクロカプセルを含む。
態様2において、本発明は、放射線療法と連携して使用されるマラリア原虫製剤である抗腫瘍の製剤を提供する。
前記抗腫瘍の製剤は、高いバイオセキュリティを有し、単一のマラリア原虫免疫療法および単一の放射線療法と比べてより強い腫瘍成長の抑制効果を有し、担癌マウスの生存期間をより効果的に延長することができ、腫瘍の治療に新しいポリシーおよび考えを提供し、放射線療法の用量または放射線療法の回数を減少することで放射線療法の患者免疫系に対する傷害を低減し、放射線療法の副作用を低減し、腫瘍患者の治療コストを低減することができ、マラリア原虫免疫療法と放射線療法との連携療法は、相補的かつ相乗的な効果により、より強い抗腫瘍特異的反応を起こす。
前記抗腫瘍の製剤内のマラリア原虫は、マラリア原虫、またはマラリア原虫と他の補助剤との組み合わせを腫瘍患者の体内に投与してマラリア原虫に感染させれば良く、当業者は、実際の状況に応じて本分野の公知の方法を選択して行うことができ、注射の方式であることが好ましい。
本発明において、ヒトがマラリア原虫に感染した後に形成された慢性マラリア原虫感染は、数年間にわたって持続存在することができ、更に同種または異種のマラリア原虫によって繰り返し感染できるため、長期間の繰り返すマラリア原虫感染状態を形成することができ、マラリア原虫は、腫瘍細胞の成長を抑制し、患者の寿命を延長することができ、腫瘍患者のためにより長い治療タイミングおよび生体の免疫環境を獲得し、患者の脳腫瘍の治療および回復に寄与する。
本発明において、マラリア原虫感染は、腫瘍に対する免疫監視機構を強化することができる。マラリア原虫感染過程において、危険シグナル分子病原体に関連するパターン認識分子(PAMPs)を放出し、グリコシルホスファチジルイノシトールアンカー(GPIアンカー)、ヘム、免疫刺激核酸モチーフ、および他の未知の分子を含むものは、宿主の免疫細胞のパターン認識受容体(PRRs)によって認識でき、異なる転写プログラムをトリガし、複数の下流シグナル経路を刺激して全身性免疫反応の発生を誘導し、TNF-α、IL-1β、IL-2、IL-6、IL-12、IFNs等のサイトカインを放出し、NK、NKT、γ/δTおよびDC細胞を活性化した後にCD4TおよびCD8T細胞の割合または絶対数を活性化し、TGF-β、IL-10等のサイトカインを低減してTregs、MDSCsおよびTAMs細胞の割合を低減し、腫瘍の免疫抑制微小環境を改善することを含み、マラリア原虫感染は、腫瘍の特異的T細胞の増殖およびCD8T細胞の細胞傷害(CTL)活性を増加することにより、適応性抗腫瘍免疫を誘導し、且つ、これらの細胞の腫瘍組織への浸潤を増加して腫瘍細胞を殺傷する。
本発明において、マラリア原虫感染による発熱は、腫瘍細胞死を促進する可能性がある。医学文献で、発熱性感染は腫瘍の自然退縮に関連し、マラリアは、典型的な発熱性感染である。マウスで、マラリア原虫は短期的な感染しか引き起こすことができず、発熱せず、マウスモデルで、重ねてのマラリア原虫感染を観察しにくく、一方、ヒトで、マラリア原虫感染は長期的な寄生虫血症を引き起こすことができ、急性期高熱に伴い、このような症候群は、ライフサイクル全体にわたって複数回繰り返すことができる。従って、蚊刺によって自然に得られたマラリア原虫により、肝期および血期マラリア原虫感染が発生し、免疫系を連続的に刺激して腫瘍を有効な腫瘍ワクチンに変換し、急性期の発熱、およびその腫瘍血管新生抑制効果と併せて、腫瘍に対して多経路多標的の治療作用を果たす。
本発明において、放射線療法は、α線、β線、γ線、X線、電子線、または陽子線等の線により、腫瘍患者の腫瘍組織を照射し、細胞の染色体を直接破壊することで、腫瘍成長を制御する。放射線療法は、分割放射線の回数、単一回の放射線量および放射線の総量等を調整することにより、異なるタイプの腫瘍および異なる段階の腫瘍を治療する。放射線療法は、腫瘍の一部を殺傷し、腫瘍抗原を放出し、局所的な腫瘍ワクチンに誘導し、アブスコパルの放射線治療されていない腫瘍の縮小または消失に繋がり、「アブスコパル効果」を形成する。放射線療法は、生体の免疫系を活性化することにより、抗腫瘍免疫効果を誘導して改善する。
好ましくは、前記製剤と放射線療法とは同時に投与する。
好ましくは、前記製剤と放射線療法とは順次投与する。
前記製剤と放射線療法とは、同時に投与してもよいし、順次投与してもよく、例えば、まずマラリア原虫感染を投与し、時間をおいてから放射線療法を投与してもよいし、まず放射線療法を投与し、時間をおいてからマラリア原虫感染を投与してもよいし、またはマラリア原虫感染と放射線療法とを交互に行ってもよい。
好ましくは、前記マラリア原虫は、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫、またはサルマラリア原虫のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含み、三日熱マラリア原虫であることが好ましい。
好ましくは、前記マラリア原虫の接種量は、100個以上のマラリア原虫または5つ以上のマラリア原虫スポロゾイトであり、例えば、100個のマラリア原虫、120個のマラリア原虫、140個のマラリア原虫、150個のマラリア原虫、160個のマラリア原虫、5個のマラリア原虫スポロゾイト、8個のマラリア原虫スポロゾイト、10個のマラリア原虫スポロゾイト、15個のマラリア原虫スポロゾイト等であり、他の任意の具体的な点値はいずれも選択でき、ここで説明を省略する。
好ましくは、前記腫瘍は、肺癌、胃癌、結腸癌、肝癌、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、膵癌、または脳腫瘍を含む。
好ましくは、前記製剤の投与方式は、静脈注射、腹腔注射、筋肉注射、皮下注射、経口投与、舌下投与、鼻腔投与、または経皮投与を含む。
態様3において、本発明は、放射線療法とマラリア原虫療法とを連携して使用する療法である抗腫瘍の連携療法を提供する。
好ましくは、前記放射線療法とマラリア原虫とは同時に投与する。
好ましくは、前記放射線療法とマラリア原虫とは順次投与する。
好ましくは、前記マラリア原虫は、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫、またはサルマラリア原虫のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含み、三日熱マラリア原虫であることが好ましい。
好ましくは、前記マラリア原虫の接種量は、100個以上のマラリア原虫または5つ以上のマラリア原虫スポロゾイトである。
好ましくは、前記腫瘍は、肺癌、胃癌、結腸癌、肝癌、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、膵癌および脳腫瘍を含む。
好ましくは、前記マラリア原虫の投与方式は、静脈注射、腹腔注射、筋肉注射、皮下注射、経口投与、舌下投与、鼻腔投与、または経皮投与を含み、静脈注射であることが好ましい。
従来技術に対し、本発明は、以下の有益な効果を有する。
本発明は、マラリア原虫と放射線療法との連携に成功し、高いバイオセキュリティを有し、マラリア原虫は、主に間欠的な寒熱の発作を引き起こし、抗マラリア薬を使用することにより感染率を制御し、急激な寒熱の発作を回避し、安全性が確保され、脳の正常機能および他の器官組織の機能に危害を与えない。且つ、単一のマラリア原虫治療または単一の放射線療法と比べて腫瘍の成長をより顕著に抑制し、主に腫瘍を直接殺傷すること、および相補的かつ相乗的な免疫効果により、特異的抗腫瘍反応を強化して腫瘍成長を抑制し、患者の生存期間を延長する。本発明に係る抗腫瘍の連携製剤は比較的経済的であり、臨床でよく使用される標準化学療法の使用コストが高く、相対的に、マラリア原虫免疫療法のコストはかなり低く、患者にマラリア原虫スポロゾイトまたは赤内期のマラリア原虫を注射し、安価な抗マラリア薬でマラリア原虫感染率を制御することにより、マラリア原虫感染の副作用が比較的少なく、腫瘍患者に対して簡単な対症治療を行い、血液の一般検査および肝腎機能を定期的に監視すれば良く、患者にとって余計な他の費用が必要とせず、更に、病態の変化に従い、いつでも治療を再開したり治療を終了したりすることができ、治療コースは人為的に制御できる。マラリア原虫と放射線療法との連携用の製剤は、比較的安全で、経済的で、実行可能性がある新たな腫瘍治療手段であり、これは、腫瘍の治療に新しいポリシーおよび考えを提供する。
Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する腫瘍の成長曲線図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療した後の19日目の腫瘍の重量比較の結果図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療した後の19日目の腫瘍組織の写真である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する担癌マウスの生存曲線図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する担癌マウスの体重成長曲線図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療するマラリア原虫感染率の曲線図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する末梢血内のCD3+/CD45+の割合の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する末梢血内のCD8+/CD45+の割合の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する末梢血内のCD4+/CD45+の割合の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する末梢血内のTreg/CD4+の割合の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する末梢血内のMDSC/CD45+の割合の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する脾臓内のCD3+/CD45+の割合の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する脾臓内のCD8+/CD45+の割合の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する脾臓内のCD4+/CD45+の割合の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する脾臓内のTreg/CD4+の割合の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する脾臓内のMDSC/CD45+の割合の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する脾臓内のCD8の総数の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する脾臓内のCD4の総数の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携による頭蓋内に接種されたGL261/mchery-Luc膠腫の腫瘍の成長曲線図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携による頭蓋内に接種されたGL261/mchery-Luc膠腫の生体撮像の結果図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携による頭蓋内に接種されたGL261/mchery-Luc膠腫の担癌マウスの生存曲線図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携による頭蓋内に接種されたGL261/mchery-Luc膠腫の担癌マウスの体重成長曲線図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で頭蓋内に接種されたGL261/mchery-Luc膠腫を治療するマラリア原虫感染率の曲線図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で頭蓋内に接種されたGL261/mchery-Luc膠腫を治療する担癌マウスの接種部位のCD3免疫組織化学の結果図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で頭蓋内に接種されたGL261/mchery-Luc膠腫を治療する連携治療群の治癒されたマウスに再度接種されたLLCの成長曲線図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で頭蓋内に接種されたGL261/mchery-Luc膠腫を治療する連携治療群の治癒されたマウスに再度接種されたGL261/mcherry-Lucの成長曲線図である。
以下、本願の技術案について具体的な実施形態により更に説明する。当業者であれば、前記実施例は、本発明を理解するためのものに過ぎず、本発明の具体的な制限と見なされるべきではないことを理解すべきである。
マラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する実験例
本実施例に必要な実験材料および製剤は、以下を含む。
動物:C57BL/6マウス、メス、6~8週齢、上海SLAC実験動物有限責任公司に由来し、マラリア原虫:マウスPlasmodium yoelii(P.yoelii 17XNL、MRA-593、Py)、Malaria Research and Reference Reagent Resource Center(MR4)の無料贈答に由来し、マウス肺癌細胞系LLC:アメリカタイプカルチャーコレクション(ATCC)に由来し、Giemsa染剤粉末:Sigma-Aldrich社から購入され、アベルチン(2,2,2-トリブロモエタノール、Sigma-Aldrich社から購入され、T48402、調製濃度1.2%)、病理スライドガラス:商品番号10127101P-G、江蘇世泰実験器材有限公司から購入され、セダーウッド油:中国上海標本モデル工場に由来し、PBS緩衝液:SH30256.01、Hyclone社から購入され、生理食塩水:辰欣薬業股分有限公司から購入された。
赤血球溶解液(ACK Lysis Buffer)の調製:NHCl,150mM、KHCO,10mM、NaEDTA,0.1mM。
FOXP固定透過剤:Mouse Foxp3 Fixation Concentrate(20x)(component 51-9006124)、Mouse Foxp3 Permeabilization Concentrate(5x)(component 51-9006125)。
抗体:FITC anti-mouse CD3 Antibody(Biolegend、cat:100204)、PerCP anti-mouse CD4 Antibody(Biolegend、cat:100538)、Brilliant Violet 510TManti-mouse CD8a Antibody(Biolegend、cat:100752)、Brilliant Violet 711TManti-mouse CD45 Antibody(Biolegend、cat:103147)、APC/FireTM750 anti-mouse/human CD11b Antibody(Biolegend、cat:101262)、Brilliant Violet 421TManti-mouse Ly-6C Antibody(Biolegend、cat:128032)、PE/Cy7 anti-mouse Ly-6G Antibody(Biolegend、cat:127618)、APC anti-mouse CD25 Antibody(Biolegend、cat:101910)、PE anti-mouse FOXP3 Antibody(Biolegend、cat:126404)、APC Rat IgG2b、κIsotype Ctrl Antibody(Biolegend、cat:400611)、PE Rat IgG2b、κIsotype Ctrl Antibody(Biolegend、cat:400608)、Brilliant Violet 421TMRat IgG2c、κIsotype Ctrl Antibody(Biolegend、cat:400725)、PE/Cy7 Rat IgG2a、κIsotype Ctrl Antibody(Biolegend、cat:400521)、TruStain FcXTM(anti-mouse CD16/32)Antibody(Biolegend、cat:101320)、Zombie YellowTMFixable Viability Kit(Biolegend、cat:423103)。
機器:X線照射装置:型番RS2000、Rad Source Technologies社、鉛ブロック、顕微鏡:オリンパス顕微鏡CX31、ノギス:電子デジタル表示ノギス、商品番号678040、EXPLOITから購入され、フローサイトメーター(Cytek(R)Aurora)。
具体的な操作ステップは、以下のとおりである。
(一)動物モデルを確立し、具体的な方法は以下のとおりである。
(1)細胞の蘇生:マウス肺癌細胞系LLCを蘇生し、5%のCO、37℃の恒温インキュベーターで静置して培養した。
(2)細胞の増幅培養:2日毎に1回継代し、細胞がシャーレ底部の80%を満たすと、0.25%のパンクレアチン-EDTA消化液で消化し、1:3で希釈して継代した。
(3)マウスの剃毛:C57BL/6マウスの右側肩甲から右後背部までの毛をキレイに剃った。
(4)単細胞懸濁液の調製:対数増殖期の細胞を0.25%のパンクレアチン-EDTA消化液で消化した後、PBSで3回洗浄し、無血清1640培地で細胞を再懸濁し、細胞濃度が5×10となった。
(5)マウス皮下への腫瘍細胞接種:C57BL/6マウスの右側肩甲領域に皮下接種し、1匹あたり細胞懸濁液体積0.1mL注射し、LLC細胞の接種量が5×10個/匹であり、接種当日を腫瘍接種の0日目とした。
(6)実験群の分け:腫瘍を接種した後の7日目に、腫瘍サイズに従って分層し、ランダムにサンプリングして群を分け、腫瘍群(LLC)、Plasmodium yoelii治療群(LLC+Py)、放射線療法群(LLC+RT)、連携治療群(LLC+Py+RT)という4群に分け、群毎に10匹とした。
(二)マラリア原虫を担癌マウスに接種し、具体的な方法は以下のとおりである。
(1)マラリア原虫の蘇生:LLC肺癌を接種した後の1日目に、液体窒素タンク内に凍結保存されたネズミマラリア原虫の血(1.0mL/本)を、37℃のウォーターバスで急速に振とうし、素早く均一に混合させて融解させ、マラリア原虫活性を保持した。
(2)マラリア原虫の接種:均一に混合した後、0.2mL/匹でC57BL/6マウスに腹腔注射して接種し、毎回2匹のマウスに接種して繁殖用マウス(breeding mice)とした。
(3)薄い血膜の作成および顕微鏡検査:マウスの尾を切って約1~1.5μL採血し、スライドガラスに塗り、2.5cmの長舌状の薄い血膜に作成し、ドライヤーで乾燥した。メタノールで血膜を1min浸潤し、1×Giemsa染液で30min染色し、水道水でキレイに洗い流し、ドライヤーで乾燥した。油レンズ100×でマラリア原虫感染率を観察した。マラリア原虫感染率の変化を観察した。
(4)マラリア原虫溶液の調製:感染率が3%~10%に達すると、赤血球を計数し(一匹のマラリア原虫に感染した繁殖用マウス、一匹のマラリア原虫を接種していないNaiveマウス)、尾を切って5μL採血して995μLのPBSに再懸濁し、赤血球を計数し、1mL体積あたりのマラリア原虫に感染した赤血球数を計算した。0.2mL体積の3.8%クエン酸ナトリウム抗凝固剤でEPチューブを湿潤し、眼球を摘出して採血し、必要な接種マラリア原虫の濃度および総量を計算し、PBSで濃度を2.5×10/mLに調製した。
(5)担癌マウスの接種:腫瘍を皮下接種した後の7日目に、各マウスに0.2mL接種し、Plasmodium yoelii治療群(LLC+Py)および連携治療群(LLC+Py+RT)の各マウスに5×10個のマラリア原虫を含む赤血球液を接種し、対照群に同じ数のマラリア原虫を含まない赤血球を接種した。
(三)放射線療法でマウスを治療し、具体的な方法は以下のとおりである。
(1)腫瘍を接種した後の10日目に、放射線療法治療群および連携治療群のマウスを秤量し、1.2%のアベルチンを0.4ml/20g体重で腹腔注射した。
(2)マウスを麻酔した後、マウスカゴに入れ、カスタマイズした鉛ブロックを被せ、腫瘍組織部分を露出させた。
(3)マウスカゴを照射装置内部に置き、プローブをマウスカゴの真ん中に置き、照射室体のドアを閉め、設定画面で「Manual」をクリックし、電圧、電流のデフォルト値を160kV、25mAに設定し、照射量を12Gyとし、放射量率1.2Gy/minに基づき、必要な照射時間を計算した。
(4)線量計をゼロに校正し、線量を再計測し、「START」をクリックし、機器は照射プログラムを開始した。
(5)マウスを照射した後、マウスを取り出し、線量を計算し、毎回にマウスの照射量が一致することを確保した。
(四)フローサイトメトリー検出を行い、具体的な方法は以下のとおりである。
(1)腫瘍を接種した後の19日目に、マウスを秤量し、腫瘍サイズを測定して記録した。
(2)抗凝固管を用意し、眼球を摘出して採血し、マウスを解剖してから、脾臓と腫瘍とを分離し、脾臓および腫瘍を秤量した。
(3)脾細胞を分離し、脾臓→剥離し、脾臓を破砕→脾臓細胞を収集、濾過→遠心後→赤血球を溶解し(時間を2分以内に制御した)→中和溶解→遠心→15mLの培地で再懸濁→2~3分静置し、上澄みを12mL吸引して15mLの遠心管内に転移→遠心→5mL再懸濁→細胞計数(トリパンブルー法で計数)→2×10の脾細胞を取り→細胞外染色検査→CD3、CD4、CD8およびMDSCs、3×10の脾細胞を取り→細胞外染色→固定透過→FoxP3染色→Tregs細胞の割合を検出した。
(4)末梢血細胞の分離:全血→遠心(350g、5min)→上澄みを収集し→細胞洗浄→遠心(350g、5min)→上澄みを捨て→赤血球を溶解し→2回洗浄→1mLのPBS(2%のFBSを含む)で再懸濁→0.2mLの細胞懸濁液を取って検出し→細胞外染色検査→CD3、CD4、CD8およびMDSCs、0.3mLの細胞懸濁液を取り→細胞外染色→固定透過→FoxP3染色→Treg細胞の割合を検出した。
(五)検出指標は、以下を含む。
(1)腫瘍体積サイズの測定:3日毎に腫瘍測定を行い、楕円体積計算式(D×d×d)/2で腫瘍体積(立方ミリメートルを単位として)を計算し、ただし、「D」は腫瘍の長径を表し、「d」は短径を表した。腫瘍サイズは、平均腫瘍体積±標準平均誤差(SEM)で表され、腫瘍の成長曲線を作成した。TWO-WAY ANOVA分散分析により群間の統計分析を行い、P≦0.05である場合、「*」で表し、P≦0.01である場合、「**」で表し、いずれも群間の差が顕著な統計学的意義を持つことを示した。
(2)腫瘍重量の比較:腫瘍を接種した後の19日目に、腫瘍を分離し、電子秤で腫瘍重量を秤量し、非ペアリングStudent’s tテストを行い、データは平均腫瘍重量±SD値であり、P≦0.05である場合、「*」で表し、P≦0.01である場合、「**」で表し、いずれも群間の差が顕著な統計学的意義を持つことを示した。
(3)マウスの生存統計:生存は、生存期間中央値および延長された生存期間の百分率で評価され、Kaplan-Meier法で生存率を推定し、生存曲線図を作成し、生存期間中央値を計算した。P≦0.05である場合、「*」で表し、P≦0.01である場合、「**」で表し、いずれも群間の差が顕著な統計学的意義を持つことを示した。
(4)マラリア原虫感染率の統計:マラリア原虫感染率は、マウス赤血球のマラリア原虫に感染した百分率で評価され、計算式は、(マラリア原虫に感染した赤血球数/総赤血球)×100%であり、具体的な操作は、尾の静脈から採血して塗抹し、メタノールで固定し、ギムザ染液で染色し、顕微鏡で赤血球に感染したマラリア原虫数および赤血球総数を観察し、赤血球総数が約1000個であり、マラリア原虫感染率を計算し、感染率を平均感染率±標準平均誤差(SEM)で表し、マラリア原虫感染周期の曲線を描画し、放射線療法がマラリア原虫感染に影響を及ぼすか否かを観察した。
(5)マウス体重の秤量:3日毎に秤量し、体重成長を平均体重±標準平均誤差(SEM)で表し、マラリア原虫感染による担癌マウスの体重への影響を観察した。
(6)フローサイトメトリー検出:脾臓および末梢血内のCD3T、CD4T、CD8T、MDSCsおよびTregs等の細胞の割合を検出し、脾臓内のCD3T、CD4T、CD8T細胞の絶対数を計数し、非ペアリングStudent’s tテストを行い、データは平均値±SD値であり、P≦0.05である場合、「*」で表し、P≦0.01である場合、「**」で表し、いずれも群間の差が顕著な統計学的意義を持つことを示した。
(六)検出結果は、以下を含む。
(1)図1の腫瘍の成長曲線、図2の腫瘍重量の比較および図3の腫瘍解剖に示すように、単一のマラリア原虫感染治療群および単一の放射線療法治療群と比べ、マラリア原虫感染と放射線療法との連携治療群は、いずれもLLC肺癌の成長を顕著に抑制し、いずれも顕著な統計学的意義を持っている。
(2)図4の担癌マウスの生存期間の統計に示すように、単一のマラリア原虫感染治療群(生存期間中央値が35日)および単一の放射線療法治療群(生存期間中央値が34.5日)と比べ、マラリア原虫感染と放射線療法との連携治療群(生存期間中央値が49日)は、いずれも担癌マウスの生存期間中央値を顕著に延長し、いずれも顕著な統計学的意義を持っている。
(3)図5の担癌マウスの体重に示すように、放射線療法は、担癌マウスの体重への影響が小さく、単一のマラリア原虫感染治療群および連携治療群の担癌マウスは、マラリア原虫感染の上昇に伴って体重を低減し、マラリア原虫感染率が徐々に低下すると、体重が徐々に回復して上昇した。
(4)図6のマラリア原虫感染率の曲線に示すように、単一のマラリア原虫感染治療群と連携治療群の感染率周期は一致であり、連携治療群のマラリア原虫感染のピークは、単一のマラリア原虫感染治療群よりも3日遅れた。
(5)図7~11の末梢血の免疫指標に示すように、マラリア原虫感染は、末梢血のCD3/CD45、CD4/CD45T細胞の割合を増加し、放射線療法治療は、末梢血のCD3/CD45、CD8/CD45、CD4/CD45T細胞の割合を増加せず、マラリア原虫感染は、末梢血内のTregs/CD4T、MDSCs/CD45T細胞の割合を低減する。マラリア原虫は、担癌マウスの末梢血のCD3/CD45、CD8/CD45、CD4/CD45T細胞の割合を増加してかつTregs/CD4T、MDSCs/CD45T細胞の割合を低減することにより、抗腫瘍免疫能力を強化することができる。
(6)図12~18の脾臓の免疫指標に示すように、マラリア原虫感染は、脾臓のCD3/CD45、CD4/CD45T細胞の割合を増加し、CD8/CD45T細胞の割合を低減するが、脾臓のCD3T、CD4T、CD8T絶対数を増加し、マラリア原虫感染は、Tregs/CD4T、MDSCs/CD45T細胞の割合を低減する。放射線療法治療は、脾臓のCD3/CD45、CD8/CD45、CD4/CD45T細胞の割合を変化せず、脾臓内のTregs/CD4+の割合を増加し、MDSCs/CD45T細胞の割合を低減し、脾臓のCD3T、CD8T、CD4T細胞の絶対数を低減した。マラリア原虫は、担癌マウスの脾臓のCD3/CD45、CD4/CD45T細胞の割合を増加してかつTregs/CD4T、MDSCs/CD45Tの割合を低減し、脾臓のCD3、CD4、CD8T細胞の絶対数を増加することにより、抗腫瘍免疫能力を強化することができ、一方、放射線療法は、脾臓内のTregs/CD4Tの割合を増加し、脾臓CD3、CD8、CD4T細胞の絶対数を低減し、抗腫瘍の免疫能力を損傷した。マラリア原虫感染は放射線療法と相補的な抗腫瘍効果を形成することができる。
マラリア原虫感染と放射線療法との連携で頭蓋内インサイチュ接種のGL261膠腫を治療する実験例
本実施例に必要な実験材料および製剤は、以下を含む。
動物:C57BL/6マウス、メス、6~8週齢、上海SLAC実験動物有限責任公司に由来し、腫瘍細胞:GL261、廣州CELLCOOK BIOTECH有限公司に由来し、GL261/mcherry-Luciferaseは、CAS Lamvac (Guangzhou) Biomedical Technology Co., Ltd.で構築され、マラリア原虫:マウスPlasmodium yoelii(P.yoelii 17XNL、MRA-593、Py)、Malaria Research and Reference Reagent Resource Center(MR4)の無料贈答に由来し、ルシフェラーゼ基質:D-Luciferin、Potassium Salt D-ルシフェリンカリウム塩、Yeasen Biotechnology(上海)社から購入され、Giemsa染剤粉末:Sigma-Aldrich社から購入され、DMEM basic培地:11995065、Gibcoから購入され、FBS牛胎児血清:04-001-1ACS、Biological Industriesから購入され、アベルチン(2,2,2-トリブロモエタノール、Sigma-Aldrich社から購入され、T48402、調製濃度1.2%)、アルコール、ヨードチンキ、過酸化水素水、生理食塩水、シリコンオイル、硫酸ゲンタマイシン注射液、エリスロマイシン軟膏。
CD3抗体:ab16669、Abcam社から購入され、HRP二次抗体:ab97051、Abcam社から購入され、ヘマトキシリン:51275-100ml、Sigma社から購入された。
機器:X線照射装置:型番RS2000、Rad Source Technologies社、鉛ブロック、生体撮像装置:IVIS Spectrum、PerkinElmer社から購入され、脳定位固定装置:深セン市RWD生命科技有限公司から購入され、小型ハンドヘルド頭蓋ドリル:深セン市RWD生命科技有限公司から購入され、マイクロシリンジ:5μl規格、Hamiltonから購入された。電子デジタル表示ノギス:商品番号678040、EXPLOITから購入され、手術器具(手術パッド、タイマー、メスの刃体、メスの持ち手、眼科手術用ハサミ、眼科手術用無鈎鑷子、眼科手術用有鈎鑷子、持針器、縫い針、めん棒、縫合糸等)。
具体的な操作ステップは、以下のとおりである
(一)動物モデルを確立し、具体的な方法は以下のとおりである。
(1)細胞の蘇生:マウス膠腫細胞系GL261/mcherry-lucを蘇生し、5%のCO、37℃の恒温インキュベーターに静置して培養した。
(2)細胞の増幅培養:2日毎に1回継代し、細胞がシャーレ底部の80%を満たすと、0.25%のパンクレアチン-EDTA消化液で消化し、1:3で希釈して継代した。
(3)GL261/mcherry-luc細胞の用意:指数成長期のGL261/mcherry-luc細胞をPBSで洗浄し、パンクレアチンで消化し、PBSで3回洗浄し、細胞を計数し、RPIM 1640培地で再懸濁し、細胞濃度が2×10/μLとなり、氷上で保存した。
(4)75%のアルコールで手術器具を消毒した。
(5)注射針およびマイクロシリンジの用意:1mLの注射器で注入針および接続ホースにシリコンオイルを満たし、ホースの詰まりの有無を検査し、空気泡を防止し、注射器をマイクロシリンジに交換し、注入針を取り付け、適量の細胞量を吸引してガス漏れの有無をテストした。
(6)マウスの麻酔:1.2%のアベルチン麻酔薬を0.4mL/20g体重の用量で腹腔投与し、マウスを麻酔した。
(7)マウスの剃毛:剃毛ナイフで頭頂部の毛をキレイに剃り、目から両耳までの間の毛をできるだけキレイに剃った。
(8)マウスを脳定位固定装置に固定し、まず、マウスの歯を固定し(前歯を鼻クリップの孔に置いた)、鑷子で口を少し開き、舌を引き出し、その後、後頭部を固定し(イヤーロッドを2つの耳内に入れ、主に頬骨を固定することに用いられた)、最後に、鼻クリップをしっかりと固定した。
(9)ヨードチンキで皮膚を消毒し、中心線に沿ってメスで皮膚を切開し、切り口は目の後ろから耳へ約10mmであり、メスで補助し、頭骨上の結合組織を削り、めん棒に過酸化水素水をつけて頭骨を拭き、頭蓋骨のブレグマをより明らかにした。
(10)注入針の先をブレグマに合わせ、ブレグマを基準点とし、マウス頭部の横方向をX軸とし、縦方向の中心線をY軸とし、定位固定装置のXおよびY軸を0mmに設定し、注入針を移動し、X軸の前の1mmが穴開け箇所であり、Y軸の中心線の右側の1.8mmで、注入針を再び下降し、マウスの頭蓋骨表面に合わせ、更にZ軸を0mmに設定し、注入針を上昇し、鉛筆で頭蓋骨の穴開け箇所をマークし、穴径が約2mmであった。
(11)細胞注射:また、注入針をブレグマに位置決め、X、Y、Zデジタルディスプレイを用いて注射位置(右1.8mm、前1mm、深さ3.4mm)を決め、細胞を注射し、1μlの注射量の注射速度が約1minであり、針を5min留置し、針を抜く時にゆっくりと抜く必要がある。
(12)縫合:縫合後に、エリスロマイシン軟膏で傷口に塗布し、また、0.1mLの硫酸ゲンタマイシン注射液を筋肉注射した。
(13)生体撮像:腫瘍を接種した後の7日目に、マウス生体を撮像し、マウス頭部の腫瘍部位の全光束量を計算した。
(14)実験群の分け:分層ランダムサンプリングにより群を分け、対照膠腫群(GL261)、Plasmodium yoelii治療群(GL261+Py)、放射線療法治療群(GL261+RT)、連携治療群(GL261+Py+RT)という4群に分けた。
(二)マラリア原虫をマウスに接種し、具体的な方法は以下のとおりである。
(1)マラリア原虫の蘇生:腫瘍を接種した後の1日目に、液体窒素タンク内に凍結保存されたネズミマラリア原虫の血(1.0mL/本)を、37℃のウォーターバスで急速に振とうし、素早く均一に混合させて融解させ、マラリア原虫活性を保持した。
(2)マラリア原虫の接種:蘇生後に、均一に混合した後、0.2mL/匹でC57BL/6マウスに腹腔注射して接種し、毎回2匹のマウスに接種した。
(3)薄い血膜の作成および顕微鏡検査:マラリア原虫を繁殖用マウスに接種した後の4、6日目に、マウスの尾を切って約1~1.5μL採血し、スライドガラスに塗り、2.5cmの長舌状の薄い血膜に作成し、ドライヤーで乾燥した。メタノールで血膜を1min浸潤し、1×Giemsa染液で30min染色し、水道水でキレイに洗い流し、ドライヤーで乾燥した。油レンズ100×でマラリア原虫感染率を観察した。マラリア原虫感染率の変化を観察した。
(4)マラリア原虫溶液の調製:感染率が3%~10%に達すると、赤血球を計数してから、尾を切って5μl採血して995μLのPBSに再懸濁し、赤血球を計数した。1mL体積あたりのマラリア原虫に感染した赤血球数を計算した。0.2mL体積の3.8%クエン酸ナトリウム抗凝固剤でEPチューブを湿潤し、眼球を摘出して採血し、必要な接種マラリア原虫の濃度および総量を計算し、PBSで濃度を2.5×10/mLに調製した。
(5)担癌マウスの接種:腫瘍を接種した後の7日目に、各マウスに0.2mL接種し、即ち、各マウスに5×10個のマラリア原虫を接種し、対照群に同じ数のマラリア原虫を含まない赤血球を接種した。
(三)放射線療法でマウスを治療し、具体的な方法は以下のとおりである。
(1)腫瘍を接種した後の10日目に、放射線療法治療群および連携治療群のマウスを秤量し、アベルチンを0.4ml/20g体重で腹腔注射した。
(2)マウスを麻酔した後、マウスカゴに入れ、カスタマイズした鉛ブロックを被せ、頭部の腫瘍接種部位を露出させ、マウスの目等の他の部位を良く保護した。
(3)マウスカゴを照射装置内部に置き、プローブをマウスカゴの真ん中に置き、照射室体のドアを閉め、設定画面で「Manual」をクリックし、電圧、電流のデフォルト値を160kV、25mAに設定し、照射量を12Gyとし、放射量率1.2Gy/minに基づき、必要な照射時間を計算した。
(4)線量計をゼロに校正し、線量を再計測し、「START」をクリックし、機器は照射プログラムを開始した。
(5)マウスを照射した後、マウスを取り出し、線量を計数した。
(四)免疫組織化学で膠腫へのCD3T細胞の浸潤を検出し、具体的な方法は以下のとおりである。
(1)腫瘍を接種した後の21日目に、マウスを秤量して記録した。
(2)材料取り:抗凝固管を用意し、眼球を摘出して採血し、マウスを解剖してから、脾臓と脳とを分離した。
(3)10%の中性ホルムアルデヒドで脳組織を固定した。
(4)ブロックのトリミング:実験に必要な一部の組織を0.5×0.5×0.2cmにカットし、包埋箱に入れ、組織が大きすぎると、ブロックのトリミングの後に30分固定した。
(5)洗浄:流水で2h洗い流し、余分な固定液を洗浄した。
(6)脱水:70%のアルコールで1h、85%のアルコールで1h、95%のアルコールで1h、無水エタノールで45min、無水エタノールで45min行った。
(7)透明:100%のアルコール、キシレンの等量混合液で15min、キシレンで0.5h(または、透明になるまで)行い、キシレンを1回交換する必要があった。エタノールとパラフィンとが相溶せず、キシレンがエタノールにもパラフィンにも溶解できるため、脱水後に、更にキシレンを経て過渡する必要があり、組織内が全てキシレンによって占められていると、光は透過でき、組織は異なる程度の透明状態を呈した。
(8)パラフィンへの浸漬:60℃で溶かしたパラフィンに組織を浸漬し、60℃のオーブンでパラフィンに浸漬し、パラフィンが3瓮あり、1瓮に1h浸漬した。
(9)包埋:溶解したパラフィンフィルムを包埋枠に1層注ぎ、組織ブロックを迅速に置き、切断面を下にして位置を補正し、包埋箱に入れ、パラフィン液を滴下し、凝固を待った。
(10)切片:4~6μmの組織切片を切り、脱離防止のシリコン化スライドに載せ、スライドを60℃のオーブンで3h焼き付けた後、4℃の冷蔵庫に保存した。
(11)パラフィンの脱離:実験前に、まず、スライドを60℃のオーブンで30min焼成した。パラフィン切片を新鮮なキシレンに入れ、10分間×3回浸漬した。
(12)ハイドレーション(hydration):余分な液体を除去した後、無水エタノール内に入れ、3分間×3回浸漬し、余分な液体を除去した後、95%のエタノール内に入れ、3分間×2回浸漬し、余分な液体を除去した後、75%のエタノール内に入れ、3分間×2回浸漬し、蒸留水で1分間洗い流し、PBS緩衝液内に入れた。
(13)内因性ペルオキシターゼの遮断:3%のHをスライドに滴下し、室温で10分間静置し、PBS緩衝液で3分間×3回洗い流した。
(14)抗原修復:0.01MのpH6.0のクエン酸塩緩衝液を用いて高圧加熱法で修復し、PBS緩衝液で3分間×3回洗い流した。
(15)ブロッキング:正常な非免疫血清ブロッキング液で、室温で20分間かかって余分な液体を除去した。
(16)一次抗体インキュベート:組織のサイズに応じ、100μLまたは適量の一次抗体を滴下し、37℃で60分間インキュベートし、PBS緩衝液で3分間×3回洗い流した。
(17)二次抗体インキュベート:100μLまたは適量の酵素標識羊抗兎IgGポリマーを滴下し、室温で20分間インキュベートし、PBS緩衝液で3分間×3回洗い流した。
(18)発色:適量の新鮮に調製されたDAB発色液を加え、25℃で8分間インキュベートした。
(19)再染色:水道水で10min洗い流し、ヘマトキシリン染色液でインキュベートし、溶液の着色効果によって時間を増加または短縮し、水道水で15min洗い流した。
(20)分化およびブルーイング:1%の塩酸アルコールで5s分化し、流水で10min洗い流し、染色が薄い場合、ヘマトキシリンの染色を続けることができた。
(21)脱水、透明、封止、顕微鏡検査、撮像。
(五)腫瘍を二次接種し、具体的な方法は以下のとおりである。
(1)細胞の蘇生:LLC肺癌およびGL261膠腫細胞を蘇生した。
(2)マウスの剃毛:連携治療群の治癒されたマウスと、ブランク群のマウスの左、右側の毛をキレイに剃った。
(3)細胞の接種:連携治療群の治癒されたマウスおよびブランク群のマウスは、各マウスの左側に5×10LLC肺癌細胞を接種し、右側に2×10GL261細胞を接種した。
(4)腫瘍の測定:3日毎に腫瘍の長径と短径を1回測定し、腫瘍のサイズを計算し、腫瘍の成長曲線を描画した。
(六)検出指標は、以下を含む。
(1)マウスの生体撮像:7日毎にマウスの生体撮像を行い、脳の全光束量を計算し、脳腫瘍のサイズを特性評価し、腫瘍のサイズは平均腫瘍体積±標準平均誤差(SEM)で表し、腫瘍の成長曲線を作成した。Two-Way ANOVA分散分析により群間の統計分析を行い、P≦0.05である場合、「*」で表し、P≦0.01である場合、「**」で表し、いずれも群間の差が顕著な統計学的意義を持つことを示した。
(2)マウスの生存統計:生存は、生存期間中央値および延長された生存期の百分率で評価され、Kaplan-Meier法で生存率を推定し、生存曲線図を作成し、生存期間中央値を計算した。P≦0.05である場合、「*」で表し、P≦0.01である場合、「**」で表し、いずれも群間の差が顕著な統計学的意義を持つことを示した。
(3)マラリア原虫感染率の統計:マラリア原虫感染率は、マウス赤血球のマラリア原虫に感染した百分率で評価され、計算式は、(マラリア原虫に感染した赤血球数/総赤血球)×100%であり、具体的な操作は、尾の静脈から採血して塗抹し、メタノールで固定し、ギムザ染液で染色し、顕微鏡で赤血球に感染したマラリア原虫数および赤血球総数を観察し、赤血球総数が約1000個であり、マラリア原虫感染率を計算し、感染率を平均感染率±標準平均誤差(SEM)で表し、マラリア原虫感染周期の曲線を描画し、放射線療法がマラリア原虫感染に影響を及ぼすか否かを観察した。
(4)マウス体重の秤量:3日毎に秤量し、体重成長を平均体重±標準平均誤差(SEM)で表し、放射線療法およびマラリア原虫感染による担癌マウスの体重への影響を観察した。
(5)脳組織の免疫組織化学:GL261細胞を接種した後の21日目に、CD3T細胞の脳腫瘍および腫瘍の近傍領域への浸潤状況を観察した。
(七)検出結果は、以下を含む。
(1)図19の膠腫生体撮像の光束量統計および図20の生体撮像の結果に示すように、単一のマラリア原虫感染治療および放射線療法治療と比べ、マラリア原虫感染と放射線療法との連携治療は、マウスの頭蓋内インサイチュ接種の膠腫GL261の成長を顕著に抑制した。
(2)図21の担癌マウスの生存曲線に示すように、単一のマラリア原虫感染治療および放射線療法治療と比べ、マラリア原虫感染と放射線療法との連携治療は、頭蓋内インサイチュ接種の担癌マウスの生存期間を顕著に延長した。
(3)図22の担癌マウスの体重曲線に示すように、マラリア原虫感染および放射線療法は、担癌マウスの体重への影響が小さく、モデル群の担癌マウスは、脳の膠腫の急速な成長により、担癌マウスの体重も徐々に低下した。
(4)図23の感染率曲線に示すように、単一のマラリア原虫感染治療群と連携治療群の感染率周期は一致し、連携治療群のマラリア原虫感染ピークは、単一のマラリア原虫感染治療群よりも3日遅れた。
(5)図24の脳腫瘍部位のCD3免疫組織化学に示すように(図中の矢印は、CD3T発現細胞を意味した)、マラリア原虫感染治療、放射線療法および連携治療は、脳腫瘍の成長を顕著に抑制することができ、いずれもCD3T細胞の脳腫瘍および癌の近傍への浸潤を促進することができる。単一のマラリア原虫感染治療および放射線療法治療と比べ、マラリア原虫感染と放射線療法との連携治療は、より多くのCD3T細胞の浸潤を促すことができる。
(6)図25のGL261再接種および図26のLLC再接種の腫瘍の成長曲線に示すように、マラリア原虫感染と放射線療法との連携で治癒されたマウスは、再度接種されたGL261膠腫の成長を抑制することができ、非相同のLLC肺癌に対して有効な抗腫瘍効果を形成しなかった。マラリア原虫感染と放射線療法との連携は、有効な免疫記憶を形成することができる。
本発明は、上記実施例により本発明の放射線療法と連携して抗腫瘍に使用される製剤の調製におけるマラリア原虫の使用について説明したが、本発明は上記実施例に限定するものではなく、すなわち、本発明は上記実施例に依存して実施しなければならないことを意味するものではないことを、出願人より声明する。当業者であれば、本発明に対するいかなる改良、本発明の製品の各原料に対する等価的な置換および補助成分の追加、具体的な形態の選択等は、全て本発明の保護範囲および開示範囲内に含まれることを理解すべきである。
以上、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明したが、本発明は上記実施形態における具体的な内容に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で、本発明の技術案に対して様々な簡単な変形を行うことができ、これらの簡単な変形は全て本発明の保護範囲に属している。
なお、上記具体的な実施形態に説明した各具体的な技術的特徴は、矛盾ない限り、いかなる適切な形態で組み合わせることができ、必要がない重複を回避するために、本発明では様々な可能な組み合わせの形態については特に説明しない。
本発明は、バイオ医薬分野に関し、具体的には、放射線療法と連携して抗腫瘍に使用される製剤の調製におけるマラリア原虫の使用に関する。
腫瘍治療方法には、手術、放射線、化学療法(分子標的治療を含む)という3つの伝統的なモードがあり、新たな生物治療(免疫治療を含む)もある。臨床的には、総合治療を主とし、手術と化学放射線療法とを併用する方式は、早期に発見された腫瘍に対して治療効果が良いが、後期に進展した腫瘍に対して治療効果が良くない。現在、後期悪性固形腫瘍の治療において、様々な生物治療は、より多くの選択を提供し、分子標的薬、抗体、免疫治療薬(例えば、PD-1)および細胞治療(例えば、CAR-T、TIL、CIK)は、いくつかの進展があったが、癌の急速な発展を阻止することがまだできなかった。
マラリアは、主に、蚊刺によって伝播する、マラリア原虫感染による虫媒介性感染症であり、世界保健機関によって世界三大感染症(エイズ、結核およびマラリア)の1つとして挙げられる。ヒトに感染するマラリア原虫は、主に、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)、四日熱マラリア原虫(Plasmodium malariae)、卵形マラリア原虫(Plasmodium ovale)およびサルマラリア原虫(Plasmodium knowlesi)という5つのタイプがあり、最もよく見られるのは、熱帯熱マラリア原虫および三日熱マラリア原虫である。ネズミマラリア原虫も、主に、Plasmodium chabaudi、Plasmodium yoelii、Plasmodium bergheiおよびPlasmodium vinckeiという4つのタイプがある。
マラリア原虫はマラリアの病原体であり、1981年、Greentree LGは、マラリア療法を腫瘍の治療に使用する構想を初めて提出し、1988年、タイの学者Angsubhakornらは、Plasmodium bergheiに感染したラットがアフラトキシンによって誘発される肝癌の発生を予防できることを発見し、2006年、劉英傑らは、マウスモデルでPlasmodium yoeliiが滑膜肉腫癌細胞(S180)に対して一定の腫瘍抑制効果を有することを観察した。陳小平らは、マウスモデルにおいて、マラリア原虫感染が肺癌、肝癌、結腸癌、乳癌等の様々な腫瘍に対して腫瘍の成長、転移を著しく抑制し、担癌マウスの生存期間を延長することを研究発見した。マラリア原虫感染は、腫瘍の局所および全身性抗腫瘍特異的免疫反応を強化し、全身性の長時間効果的な腫瘍の特異的免疫記憶の発生を誘導することができる。マラリア原虫感染は、腫瘍微小環境を改善することもでき、骨髄系由来の抑制性細胞(MDSCs)、調節性T細胞(Tregs)および腫瘍関連マクロファージ(TAMs)のような腫瘍組織内の様々な抑制性免疫細胞の割合または数を著しく低減することにより、腫瘍組織内の免疫抑制微小環境を解除し、T細胞の腫瘍組織への浸潤を促進し、腫瘍細胞を効果的に殺傷する。
しかし、全ての腫瘍患者が新たな免疫療法に対して抗腫瘍反応を生じることではなく、高い個人差を有し、依然として腫瘍治療分野の1つの巨大な障害であるため、ポリシーの改良を切望している。マラリア原虫免疫療法は、抗マラリア薬により感染率を制御することで、臨床的毒副作用を低減することができ、安全な免疫療法であるため、マラリア原虫に基づく著しい抗腫瘍効果が得られる新たな連携治療ポリシーの開発は、非常に有意義であり、新しい腫瘍治療構想を提供することもできる。
従来技術の不足に対し、本発明の目的は、放射線療法と連携して抗腫瘍に使用される製剤の調製におけるマラリア原虫の使用を提供することである。本発明は、マラリア原虫免疫療法(生物療法)と放射線療法との連携に成功し、高いバイオセキュリティを有し、単一のマラリア原虫免疫療法または単一の放射線療法と比べて腫瘍の成長をより顕著に抑制し、かつ接種された担癌マウスの生存期間を延長し、腫瘍の治療に新しいポリシーおよび考えを提供する。マラリア原虫免疫療法は、感染によって生体の末梢血を増加し、脾臓でより多くの割合または絶対数のCD4T、CD8T細胞を生成し、末梢血および脾臓内のTregsおよびMDSCs細胞の割合を低減し、腫瘍成長を抑制し、放射線療法は、腫瘍細胞を直接殺傷することにより腫瘍組織量を低減するが、放射線療法は、脾臓内のCD4T、CD8T細胞の絶対数を低減し、一定の抗腫瘍免疫能力を損傷し、マラリア原虫免疫療法および放射線療法は、いずれも免疫細胞の腫瘍への浸潤を促進し、相補的かつ相乗的な抗腫瘍効果を発揮することができる。
この発明目的を達成するために、本発明は、以下の技術案を採用する。
態様1において、本発明は、放射線療法と連携して抗腫瘍に使用される製剤の調製におけるマラリア原虫の使用を提供する。
腫瘍の病因が複雑であるため、単一の免疫療法または単一の放射線療法は腫瘍の治療で限界性が大きく、所望の治療効果を達成することができず、本発明は、初めてマラリア原虫免疫療法と放射線療法とを連携して抗腫瘍用の製剤として使用し、ここで、マラリア原虫免疫療法は、天然免疫系を全面的に活性化してかつ一定の特異的免疫を誘導することにより、多標的効果を有し、しかし、マラリア原虫免疫療法は腫瘍を直接殺傷できず、腫瘍の体積が大きければ、マラリア原虫免疫療法の治療効果に影響を及ぼす。ここで、放射線療法は、腫瘍細胞を直接殺傷し、腫瘍組織量を低減し、腫瘍抗原を放出することができ、マラリア原虫免疫療法によって活性化された免疫系の治療に対する介入に有利であり、抗腫瘍免疫能力を強化する。
マラリア原虫感染は、天然免疫系を全面的に活性化し、CD4T、CD8T細胞の割合および絶対数を含み、放射線療法は腫瘍を直接殺傷できるが、リンパ球細胞の絶対数を損傷することもあり、一定の免疫抑制作用を有する。マラリア原虫感染は、マクロファージおよび樹状細胞(DC)を刺激し、MHC II、CD80、CD86およびCD28分子を高発現し、それらのIL-12、IFN-α/β/γ、TNF-α、IL-8およびNO等の様々なサイトカインの分泌を促進し、抗原提示細胞の分化および成熟を促進する。赤内期マラリア原虫は、感染早期で宿主の免疫細胞を広く活性化し、大量のIFN-γおよびTNF-α等のサイトカインの発生を誘導し、NK、γδT、NKT細胞を活性化し、その殺傷能力を強化し、腫瘍の局所および全身性抗腫瘍特異的免疫反応を強化することができる。マラリア原虫感染は、TAMsを低減してかつ大量のエクソソームを産生する方式により、血管が生成した複数の経路および標的に作用し、腫瘍組織内の血管生成を顕著に抑制する。それとともに、マラリア原虫感染は、全身の長時間効果的な腫瘍特異的免疫記憶の発生を誘導することもできる。
放射線療法は、細胞の染色体を破壊することにより腫瘍細胞を直接殺傷し、生体が電離してラジカルを生成することを引き起こすこともでき、ラジカルは更に生物高分子と作用し、細胞の不可逆的損傷を引き起こし、腫瘍組織を直接および間接的に破壊する。放射線療法後に、腫瘍細胞は、細胞アポトーシスおよび壊死からオートファジーおよび細胞分裂異常まで、高い多様性を示し、これにより、大量の腫瘍抗原を元に放出し、タンパク質の翻訳を増加して腫瘍関連抗原の量および種類の顕著な増加を促進し、カルレティキュリンが腫瘍細胞表面に露出することにより、HMGB1およびATP等の分子を放出してDC細胞の腫瘍抗原に対する摂取、提示およびT細胞の活性化を促進する。マラリア原虫感染は、骨髄系由来の抑制性細胞(MDSCs)、調節性T細胞(Tregs)および腫瘍関連マクロファージ(TAMs)のような腫瘍組織内の様々な抑制性免疫細胞の割合または数を著しく低減することにより、腫瘍微小環境を改善し、T細胞の腫瘍組織への浸潤を促進し、腫瘍細胞を効果的に殺傷する。
以上をまとめ、マラリア原虫感染と放射線療法との連携は、生体のCD4T、CD8T細胞の割合および絶対数を増加し、抗原提示細胞によるより多くの特異的抗原への認識を強化し、生体の抗腫瘍免疫反応に有利であり、残留した腫瘍細胞を効果的に除去し、生体のIFN-γおよびTNF-α等の抗腫瘍のサイトカインを増加し、NK、γδT、NKT細胞を活性化してその殺傷腫瘍能力を強化し、腫瘍微小環境におけるTregs、MDSCsおよびTAMsの割合または数を低下し、相補的かつ相乗的な抗腫瘍効果を形成することができる。
好ましくは、前記マラリア原虫は、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫、またはサルマラリア原虫のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含み、例えば、熱帯熱マラリア原虫と三日熱マラリア原虫との組み合わせ、三日熱マラリア原虫と四日熱マラリア原虫との組み合わせ、卵形マラリア原虫とサルマラリア原虫との組み合わせ等であり、他の任意の組み合わせ方式はいずれも選択でき、ここで説明を省略する。
三日熱マラリア原虫であることが好ましい。
好ましくは、前記マラリア原虫の接種量は、100個以上のマラリア原虫または5つ以上のマラリア原虫スポロゾイトであり、例えば、100個のマラリア原虫、120個のマラリア原虫、140個のマラリア原虫、150個のマラリア原虫、160個のマラリア原虫、5個のマラリア原虫スポロゾイト、8個のマラリア原虫スポロゾイト、10個のマラリア原虫スポロゾイト、15個のマラリア原虫スポロゾイト等であり、他の任意の具体的な点値はいずれも選択でき、ここで説明を省略する。
前記マラリア原虫の接種量は、当業者は実際の状況に応じて調節することができ、患者の個人差によって感染できるマラリア原虫の数が異なるため、一般的に、前記マラリア原虫の接種量は、100個以上のマラリア原虫または5つ以上のマラリア原虫スポロゾイトである。
本発明に係るマラリア原虫感染は、長期間マラリア原虫感染であり、感染周期が長いほど、腫瘍に対する抑制効果が明らかになり、前記長期間マラリア原虫感染とは、マラリア原虫を感染してマラリア原虫感染の慢性期まで持続し、かつしばらく維持してから、抗マラリア薬を投与して感染を終了するか、または感染を終了せず、患者が虫付きの状態にあり、マラリア原虫感染後に、約6~8週の感染急性期を経た後、慢性期に入り、この時、末梢血のみで少量のマラリア原虫を検出できるが、急性期の臨床的症状が現れない。
好ましくは、前記放射線療法は、α線、β線、γ線、X線、重イオン線、電子線、または陽子線を含む。
好ましくは、前記放射線療法は、単一回放射線療法、複数回放射線療法、または分割放射線療法を含む。
好ましくは、前記放射線療法は、全身性放射線療法または局所放射線療法を含む。
好ましくは、前記腫瘍は、肺癌、胃癌、結腸癌、肝癌、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、膵癌および脳腫瘍を含む。
好ましくは、前記製剤の剤形は、薬剤学的に許容可能ないずれかの剤形を含む。
好ましくは、前記製剤は、薬剤学的に許容可能な薬用補助剤のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを更に含む。前記補助剤は、賦形剤、希釈剤、担体、調味剤、粘着剤、または充填剤のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせである。
好ましくは、前記マラリア原虫は、薬用担体に担持されたマラリア原虫である。
好ましくは、前記薬用担体は、リポソーム、ミセル、デンドリマー、微小球、またはマイクロカプセルを含む。
態様2において、本発明は、放射線療法と連携して使用されるマラリア原虫製剤である抗腫瘍の製剤を提供する。
前記抗腫瘍の製剤は、高いバイオセキュリティを有し、単一のマラリア原虫免疫療法および単一の放射線療法と比べてより強い腫瘍成長の抑制効果を有し、担癌マウスの生存期間をより効果的に延長することができ、腫瘍の治療に新しいポリシーおよび考えを提供し、放射線療法の用量または放射線療法の回数を減少することで放射線療法の患者免疫系に対する傷害を低減し、放射線療法の副作用を低減し、腫瘍患者の治療コストを低減することができ、マラリア原虫免疫療法と放射線療法との連携療法は、相補的かつ相乗的な効果により、より強い抗腫瘍特異的反応を起こす。
前記抗腫瘍の製剤内のマラリア原虫は、マラリア原虫、またはマラリア原虫と他の補助剤との組み合わせを腫瘍患者の体内に投与してマラリア原虫に感染させれば良く、当業者は、実際の状況に応じて本分野の公知の方法を選択して行うことができ、注射の方式であることが好ましい。
本発明において、ヒトがマラリア原虫に感染した後に形成された慢性マラリア原虫感染は、数年間にわたって持続存在することができ、更に同種または異種のマラリア原虫によって繰り返し感染できるため、長期間の繰り返すマラリア原虫感染状態を形成することができ、マラリア原虫は、腫瘍細胞の成長を抑制し、患者の寿命を延長することができ、腫瘍患者のためにより長い治療タイミングおよび生体の免疫環境を獲得し、患者の脳腫瘍の治療および回復に寄与する。
本発明において、マラリア原虫感染は、腫瘍に対する免疫監視機構を強化することができる。マラリア原虫感染過程において、危険シグナル分子病原体に関連するパターン認識分子(PAMPs)を放出し、グリコシルホスファチジルイノシトールアンカー(GPIアンカー)、ヘム、免疫刺激核酸モチーフ、および他の未知の分子を含むものは、宿主の免疫細胞のパターン認識受容体(PRRs)によって認識でき、異なる転写プログラムをトリガし、複数の下流シグナル経路を刺激して全身性免疫反応の発生を誘導し、TNF-α、IL-1β、IL-2、IL-6、IL-12、IFNs等のサイトカインを放出し、NK、NKT、γ/δTおよびDC細胞を活性化した後にCD4TおよびCD8T細胞の割合または絶対数を活性化し、TGF-β、IL-10等のサイトカインを低減してTregs、MDSCsおよびTAMs細胞の割合を低減し、腫瘍の免疫抑制微小環境を改善することを含み、マラリア原虫感染は、腫瘍の特異的T細胞の増殖およびCD8T細胞の細胞傷害(CTL)活性を増加することにより、適応性抗腫瘍免疫を誘導し、且つ、これらの細胞の腫瘍組織への浸潤を増加して腫瘍細胞を殺傷する。
本発明において、マラリア原虫感染による発熱は、腫瘍細胞死を促進する可能性がある。医学文献で、発熱性感染は腫瘍の自然退縮に関連し、マラリアは、典型的な発熱性感染である。マウスで、マラリア原虫は短期的な感染しか引き起こすことができず、発熱せず、マウスモデルで、重ねてのマラリア原虫感染を観察しにくく、一方、ヒトで、マラリア原虫感染は長期的な寄生虫血症を引き起こすことができ、急性期高熱に伴い、このような症候群は、ライフサイクル全体にわたって複数回繰り返すことができる。従って、蚊刺によって自然に得られたマラリア原虫により、肝期および血期マラリア原虫感染が発生し、免疫系を連続的に刺激して腫瘍を有効な腫瘍ワクチンに変換し、急性期の発熱、およびその腫瘍血管新生抑制効果と併せて、腫瘍に対して多経路多標的の治療作用を果たす。
本発明において、放射線療法は、α線、β線、γ線、X線、重イオン線、電子線、または陽子線等の線により、腫瘍患者の腫瘍組織を照射し、細胞の染色体を直接破壊することで、腫瘍成長を制御する。放射線療法は、分割放射線の回数、単一回の放射線量および放射線の総量等を調整することにより、異なるタイプの腫瘍および異なる段階の腫瘍を治療する。放射線療法は、腫瘍の一部を殺傷し、腫瘍抗原を放出し、局所的な腫瘍ワクチンに誘導し、アブスコパルの放射線治療されていない腫瘍の縮小または消失に繋がり、「アブスコパル効果」を形成する。放射線療法は、生体の免疫系を活性化することにより、抗腫瘍免疫効果を誘導して改善する。
好ましくは、前記製剤と放射線療法とは同時に投与する。
好ましくは、前記製剤と放射線療法とは順次投与する。
前記製剤と放射線療法とは、同時に投与してもよいし、順次投与してもよく、例えば、まずマラリア原虫感染を投与し、時間をおいてから放射線療法を投与してもよいし、まず放射線療法を投与し、時間をおいてからマラリア原虫感染を投与してもよいし、またはマラリア原虫感染と放射線療法とを交互に行ってもよい。
好ましくは、前記マラリア原虫は、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫、またはサルマラリア原虫のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含み、三日熱マラリア原虫であることが好ましい。
好ましくは、前記マラリア原虫の接種量は、100個以上のマラリア原虫または5つ以上のマラリア原虫スポロゾイトであり、例えば、100個のマラリア原虫、120個のマラリア原虫、140個のマラリア原虫、150個のマラリア原虫、160個のマラリア原虫、5個のマラリア原虫スポロゾイト、8個のマラリア原虫スポロゾイト、10個のマラリア原虫スポロゾイト、15個のマラリア原虫スポロゾイト等であり、他の任意の具体的な点値はいずれも選択でき、ここで説明を省略する。
好ましくは、前記腫瘍は、肺癌、胃癌、結腸癌、肝癌、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、膵癌、または脳腫瘍を含む。
好ましくは、前記製剤の投与方式は、静脈注射、腹腔注射、筋肉注射、皮下注射、経口投与、舌下投与、鼻腔投与、または経皮投与を含む。
態様3において、本発明は、放射線療法とマラリア原虫療法とを連携して使用する療法である抗腫瘍の連携療法を提供する。
好ましくは、前記放射線療法とマラリア原虫とは同時に投与する。
好ましくは、前記放射線療法とマラリア原虫とは順次投与する。
好ましくは、前記マラリア原虫は、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫、またはサルマラリア原虫のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含み、三日熱マラリア原虫であることが好ましい。
好ましくは、前記マラリア原虫の接種量は、100個以上のマラリア原虫または5つ以上のマラリア原虫スポロゾイトである。
好ましくは、前記腫瘍は、肺癌、胃癌、結腸癌、肝癌、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、膵癌および脳腫瘍を含む。
好ましくは、前記マラリア原虫の投与方式は、静脈注射、腹腔注射、筋肉注射、皮下注射、経口投与、舌下投与、鼻腔投与、または経皮投与を含み、静脈注射であることが好ましい。
従来技術に対し、本発明は、以下の有益な効果を有する。
本発明は、マラリア原虫と放射線療法との連携に成功し、高いバイオセキュリティを有し、マラリア原虫は、主に間欠的な寒熱の発作を引き起こし、抗マラリア薬を使用することにより感染率を制御し、急激な寒熱の発作を回避し、安全性が確保され、脳の正常機能および他の器官組織の機能に危害を与えない。且つ、単一のマラリア原虫治療または単一の放射線療法と比べて腫瘍の成長をより顕著に抑制し、主に腫瘍を直接殺傷すること、および相補的かつ相乗的な免疫効果により、特異的抗腫瘍反応を強化して腫瘍成長を抑制し、患者の生存期間を延長する。本発明に係る抗腫瘍の連携製剤は比較的経済的であり、臨床でよく使用される標準化学療法の使用コストが高く、相対的に、マラリア原虫免疫療法のコストはかなり低く、患者にマラリア原虫スポロゾイトまたは赤内期のマラリア原虫を注射し、安価な抗マラリア薬でマラリア原虫感染率を制御することにより、マラリア原虫感染の副作用が比較的少なく、腫瘍患者に対して簡単な対症治療を行い、血液の一般検査および肝腎機能を定期的に監視すれば良く、患者にとって余計な他の費用が必要とせず、更に、病態の変化に従い、いつでも治療を再開したり治療を終了したりすることができ、治療コースは人為的に制御できる。マラリア原虫と放射線療法との連携用の製剤は、比較的安全で、経済的で、実行可能性がある新たな腫瘍治療手段であり、これは、腫瘍の治療に新しいポリシーおよび考えを提供する。
Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する腫瘍の成長曲線図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療した後の19日目の腫瘍の重量比較の結果図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療した後の19日目の腫瘍組織の写真である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する担癌マウスの生存曲線図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する担癌マウスの体重成長曲線図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療するマラリア原虫感染率の曲線図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する末梢血内のCD3+/CD45+の割合の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する末梢血内のCD8+/CD45+の割合の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する末梢血内のCD4+/CD45+の割合の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する末梢血内のTreg/CD4+の割合の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する末梢血内のMDSC/CD45+の割合の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する脾臓内のCD3+/CD45+の割合の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する脾臓内のCD8+/CD45+の割合の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する脾臓内のCD4+/CD45+の割合の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する脾臓内のTreg/CD4+の割合の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する脾臓内のMDSC/CD45+の割合の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する脾臓内のCD8の総数の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する脾臓内のCD4の総数の統計図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携による頭蓋内に接種されたGL261/mchery-Luc膠腫の腫瘍の成長曲線図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携による頭蓋内に接種されたGL261/mchery-Luc膠腫の生体撮像の結果図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携による頭蓋内に接種されたGL261/mchery-Luc膠腫の担癌マウスの生存曲線図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携による頭蓋内に接種されたGL261/mchery-Luc膠腫の担癌マウスの体重成長曲線図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で頭蓋内に接種されたGL261/mchery-Luc膠腫を治療するマラリア原虫感染率の曲線図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で頭蓋内に接種されたGL261/mchery-Luc膠腫を治療する担癌マウスの接種部位のCD3免疫組織化学の結果図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で頭蓋内に接種されたGL261/mchery-Luc膠腫を治療する連携治療群の治癒されたマウスに再度接種されたLLCの成長曲線図である。 Py17XNLマラリア原虫感染と放射線療法との連携で頭蓋内に接種されたGL261/mchery-Luc膠腫を治療する連携治療群の治癒されたマウスに再度接種されたGL261/mcherry-Lucの成長曲線図である。
以下、本願の技術案について具体的な実施形態により更に説明する。当業者であれば、前記実施例は、本発明を理解するためのものに過ぎず、本発明の具体的な制限と見なされるべきではないことを理解すべきである。
マラリア原虫感染と放射線療法との連携で皮下接種のLLC肺癌を治療する実験例
本実施例に必要な実験材料および製剤は、以下を含む。
動物:C57BL/6マウス、メス、6~8週齢、上海SLAC実験動物有限責任公司に由来し、マラリア原虫:マウスPlasmodium yoelii(P.yoelii 17XNL、MRA-593、Py)、Malaria Research and Reference Reagent Resource Center(MR4)の無料贈答に由来し、マウス肺癌細胞系LLC:アメリカタイプカルチャーコレクション(ATCC)に由来し、Giemsa染剤粉末:Sigma-Aldrich社から購入され、アベルチン(2,2,2-トリブロモエタノール、Sigma-Aldrich社から購入され、T48402、調製濃度1.2%)、病理スライドガラス:商品番号10127101P-G、江蘇世泰実験器材有限公司から購入され、セダーウッド油:中国上海標本モデル工場に由来し、PBS緩衝液:SH30256.01、Hyclone社から購入され、生理食塩水:辰欣薬業股分有限公司から購入された。
赤血球溶解液(ACK Lysis Buffer)の調製:NHCl,150mM、KHCO,10mM、NaEDTA,0.1mM。
FOXP固定透過剤:Mouse Foxp3 Fixation Concentrate(20x)(component 51-9006124)、Mouse Foxp3 Permeabilization Concentrate(5x)(component 51-9006125)。
抗体:FITC anti-mouse CD3 Antibody(Biolegend、cat:100204)、PerCP anti-mouse CD4 Antibody(Biolegend、cat:100538)、Brilliant Violet 510TManti-mouse CD8a Antibody(Biolegend、cat:100752)、Brilliant Violet 711TManti-mouse CD45 Antibody(Biolegend、cat:103147)、APC/FireTM750 anti-mouse/human CD11b Antibody(Biolegend、cat:101262)、Brilliant Violet 421TManti-mouse Ly-6C Antibody(Biolegend、cat:128032)、PE/Cy7 anti-mouse Ly-6G Antibody(Biolegend、cat:127618)、APC anti-mouse CD25 Antibody(Biolegend、cat:101910)、PE anti-mouse FOXP3 Antibody(Biolegend、cat:126404)、APC Rat IgG2b、κIsotype Ctrl Antibody(Biolegend、cat:400611)、PE Rat IgG2b、κIsotype Ctrl Antibody(Biolegend、cat:400608)、Brilliant Violet 421TMRat IgG2c、κIsotype Ctrl Antibody(Biolegend、cat:400725)、PE/Cy7 Rat IgG2a、κIsotype Ctrl Antibody(Biolegend、cat:400521)、TruStain FcXTM(anti-mouse CD16/32)Antibody(Biolegend、cat:101320)、Zombie YellowTMFixable Viability Kit(Biolegend、cat:423103)。
機器:X線照射装置:型番RS2000、Rad Source Technologies社、鉛ブロック、顕微鏡:オリンパス顕微鏡CX31、ノギス:電子デジタル表示ノギス、商品番号678040、EXPLOITから購入され、フローサイトメーター(Cytek(R)Aurora)。
具体的な操作ステップは、以下のとおりである。
(一)動物モデルを確立し、具体的な方法は以下のとおりである。
(1)細胞の蘇生:マウス肺癌細胞系LLCを蘇生し、5%のCO、37℃の恒温インキュベーターで静置して培養した。
(2)細胞の増幅培養:2日毎に1回継代し、細胞がシャーレ底部の80%を満たすと、0.25%のパンクレアチン-EDTA消化液で消化し、1:3で希釈して継代した。
(3)マウスの剃毛:C57BL/6マウスの右側肩甲から右後背部までの毛をキレイに剃った。
(4)単細胞懸濁液の調製:対数増殖期の細胞を0.25%のパンクレアチン-EDTA消化液で消化した後、PBSで3回洗浄し、無血清1640培地で細胞を再懸濁し、細胞濃度が5×10となった。
(5)マウス皮下への腫瘍細胞接種:C57BL/6マウスの右側肩甲領域に皮下接種し、1匹あたり細胞懸濁液体積0.1mL注射し、LLC細胞の接種量が5×10個/匹であり、接種当日を腫瘍接種の0日目とした。
(6)実験群の分け:腫瘍を接種した後の7日目に、腫瘍サイズに従って分層し、ランダムにサンプリングして群を分け、腫瘍群(LLC)、Plasmodium yoelii治療群(LLC+Py)、放射線療法群(LLC+RT)、連携治療群(LLC+Py+RT)という4群に分け、群毎に10匹とした。
(二)マラリア原虫を担癌マウスに接種し、具体的な方法は以下のとおりである。
(1)マラリア原虫の蘇生:LLC肺癌を接種した後の1日目に、液体窒素タンク内に凍結保存されたネズミマラリア原虫の血(1.0mL/本)を、37℃のウォーターバスで急速に振とうし、素早く均一に混合させて融解させ、マラリア原虫活性を保持した。
(2)マラリア原虫の接種:均一に混合した後、0.2mL/匹でC57BL/6マウスに腹腔注射して接種し、毎回2匹のマウスに接種して繁殖用マウス(breeding mice)とした。
(3)薄い血膜の作成および顕微鏡検査:マウスの尾を切って約1~1.5μL採血し、スライドガラスに塗り、2.5cmの長舌状の薄い血膜に作成し、ドライヤーで乾燥した。メタノールで血膜を1min浸潤し、1×Giemsa染液で30min染色し、水道水でキレイに洗い流し、ドライヤーで乾燥した。油レンズ100×でマラリア原虫感染率を観察した。マラリア原虫感染率の変化を観察した。
(4)マラリア原虫溶液の調製:感染率が3%~10%に達すると、赤血球を計数し(一匹のマラリア原虫に感染した繁殖用マウス、一匹のマラリア原虫を接種していないNaiveマウス)、尾を切って5μL採血して995μLのPBSに再懸濁し、赤血球を計数し、1mL体積あたりのマラリア原虫に感染した赤血球数を計算した。0.2mL体積の3.8%クエン酸ナトリウム抗凝固剤でEPチューブを湿潤し、眼球を摘出して採血し、必要な接種マラリア原虫の濃度および総量を計算し、PBSで濃度を2.5×10/mLに調製した。
(5)担癌マウスの接種:腫瘍を皮下接種した後の7日目に、各マウスに0.2mL接種し、Plasmodium yoelii治療群(LLC+Py)および連携治療群(LLC+Py+RT)の各マウスに5×10個のマラリア原虫を含む赤血球液を接種し、対照群に同じ数のマラリア原虫を含まない赤血球を接種した。
(三)放射線療法でマウスを治療し、具体的な方法は以下のとおりである。
(1)腫瘍を接種した後の10日目に、放射線療法治療群および連携治療群のマウスを秤量し、1.2%のアベルチンを0.4ml/20g体重で腹腔注射した。
(2)マウスを麻酔した後、マウスカゴに入れ、カスタマイズした鉛ブロックを被せ、腫瘍組織部分を露出させた。
(3)マウスカゴを照射装置内部に置き、プローブをマウスカゴの真ん中に置き、照射室体のドアを閉め、設定画面で「Manual」をクリックし、電圧、電流のデフォルト値を160kV、25mAに設定し、照射量を12Gyとし、放射量率1.2Gy/minに基づき、必要な照射時間を計算した。
(4)線量計をゼロに校正し、線量を再計測し、「START」をクリックし、機器は照射プログラムを開始した。
(5)マウスを照射した後、マウスを取り出し、線量を計算し、毎回にマウスの照射量が一致することを確保した。
(四)フローサイトメトリー検出を行い、具体的な方法は以下のとおりである。
(1)腫瘍を接種した後の19日目に、マウスを秤量し、腫瘍サイズを測定して記録した。
(2)抗凝固管を用意し、眼球を摘出して採血し、マウスを解剖してから、脾臓と腫瘍とを分離し、脾臓および腫瘍を秤量した。
(3)脾細胞を分離し、脾臓→剥離し、脾臓を破砕→脾臓細胞を収集、濾過→遠心後→赤血球を溶解し(時間を2分以内に制御した)→中和溶解→遠心→15mLの培地で再懸濁→2~3分静置し、上澄みを12mL吸引して15mLの遠心管内に転移→遠心→5mL再懸濁→細胞計数(トリパンブルー法で計数)→2×10の脾細胞を取り→細胞外染色検査→CD3、CD4、CD8およびMDSCs、3×10の脾細胞を取り→細胞外染色→固定透過→FoxP3染色→Tregs細胞の割合を検出した。
(4)末梢血細胞の分離:全血→遠心(350g、5min)→上澄みを収集し→細胞洗浄→遠心(350g、5min)→上澄みを捨て→赤血球を溶解し→2回洗浄→1mLのPBS(2%のFBSを含む)で再懸濁→0.2mLの細胞懸濁液を取って検出し→細胞外染色検査→CD3、CD4、CD8およびMDSCs、0.3mLの細胞懸濁液を取り→細胞外染色→固定透過→FoxP3染色→Treg細胞の割合を検出した。
(五)検出指標は、以下を含む。
(1)腫瘍体積サイズの測定:3日毎に腫瘍測定を行い、楕円体積計算式(D×d×d)/2で腫瘍体積(立方ミリメートルを単位として)を計算し、ただし、「D」は腫瘍の長径を表し、「d」は短径を表した。腫瘍サイズは、平均腫瘍体積±標準平均誤差(SEM)で表され、腫瘍の成長曲線を作成した。TWO-WAY ANOVA分散分析により群間の統計分析を行い、P≦0.05である場合、「*」で表し、P≦0.01である場合、「**」で表し、いずれも群間の差が顕著な統計学的意義を持つことを示した。
(2)腫瘍重量の比較:腫瘍を接種した後の19日目に、腫瘍を分離し、電子秤で腫瘍重量を秤量し、非ペアリングStudent’s tテストを行い、データは平均腫瘍重量±SD値であり、P≦0.05である場合、「*」で表し、P≦0.01である場合、「**」で表し、いずれも群間の差が顕著な統計学的意義を持つことを示した。
(3)マウスの生存統計:生存は、生存期間中央値および延長された生存期間の百分率で評価され、Kaplan-Meier法で生存率を推定し、生存曲線図を作成し、生存期間中央値を計算した。P≦0.05である場合、「*」で表し、P≦0.01である場合、「**」で表し、いずれも群間の差が顕著な統計学的意義を持つことを示した。
(4)マラリア原虫感染率の統計:マラリア原虫感染率は、マウス赤血球のマラリア原虫に感染した百分率で評価され、計算式は、(マラリア原虫に感染した赤血球数/総赤血球)×100%であり、具体的な操作は、尾の静脈から採血して塗抹し、メタノールで固定し、ギムザ染液で染色し、顕微鏡で赤血球に感染したマラリア原虫数および赤血球総数を観察し、赤血球総数が約1000個であり、マラリア原虫感染率を計算し、感染率を平均感染率±標準平均誤差(SEM)で表し、マラリア原虫感染周期の曲線を描画し、放射線療法がマラリア原虫感染に影響を及ぼすか否かを観察した。
(5)マウス体重の秤量:3日毎に秤量し、体重成長を平均体重±標準平均誤差(SEM)で表し、マラリア原虫感染による担癌マウスの体重への影響を観察した。
(6)フローサイトメトリー検出:脾臓および末梢血内のCD3T、CD4T、CD8T、MDSCsおよびTregs等の細胞の割合を検出し、脾臓内のCD3T、CD4T、CD8T細胞の絶対数を計数し、非ペアリングStudent’s tテストを行い、データは平均値±SD値であり、P≦0.05である場合、「*」で表し、P≦0.01である場合、「**」で表し、いずれも群間の差が顕著な統計学的意義を持つことを示した。
(六)検出結果は、以下を含む。
(1)図1の腫瘍の成長曲線、図2の腫瘍重量の比較および図3の腫瘍解剖に示すように、単一のマラリア原虫感染治療群および単一の放射線療法治療群と比べ、マラリア原虫感染と放射線療法との連携治療群は、いずれもLLC肺癌の成長を顕著に抑制し、いずれも顕著な統計学的意義を持っている。
(2)図4の担癌マウスの生存期間の統計に示すように、単一のマラリア原虫感染治療群(生存期間中央値が35日)および単一の放射線療法治療群(生存期間中央値が34.5日)と比べ、マラリア原虫感染と放射線療法との連携治療群(生存期間中央値が49日)は、いずれも担癌マウスの生存期間中央値を顕著に延長し、いずれも顕著な統計学的意義を持っている。
(3)図5の担癌マウスの体重に示すように、放射線療法は、担癌マウスの体重への影響が小さく、単一のマラリア原虫感染治療群および連携治療群の担癌マウスは、マラリア原虫感染の上昇に伴って体重を低減し、マラリア原虫感染率が徐々に低下すると、体重が徐々に回復して上昇した。
(4)図6のマラリア原虫感染率の曲線に示すように、単一のマラリア原虫感染治療群と連携治療群の感染率周期は一致であり、連携治療群のマラリア原虫感染のピークは、単一のマラリア原虫感染治療群よりも3日遅れた。
(5)図7~11の末梢血の免疫指標に示すように、マラリア原虫感染は、末梢血のCD3/CD45、CD4/CD45T細胞の割合を増加し、放射線療法治療は、末梢血のCD3/CD45、CD8/CD45、CD4/CD45T細胞の割合を増加せず、マラリア原虫感染は、末梢血内のTregs/CD4T、MDSCs/CD45T細胞の割合を低減する。マラリア原虫は、担癌マウスの末梢血のCD3/CD45、CD8/CD45、CD4/CD45T細胞の割合を増加してかつTregs/CD4T、MDSCs/CD45T細胞の割合を低減することにより、抗腫瘍免疫能力を強化することができる。
(6)図12~18の脾臓の免疫指標に示すように、マラリア原虫感染は、脾臓のCD3/CD45、CD4/CD45T細胞の割合を増加し、CD8/CD45T細胞の割合を低減するが、脾臓のCD3T、CD4T、CD8T絶対数を増加し、マラリア原虫感染は、Tregs/CD4T、MDSCs/CD45T細胞の割合を低減する。放射線療法治療は、脾臓のCD3/CD45、CD8/CD45、CD4/CD45T細胞の割合を変化せず、脾臓内のTregs/CD4+の割合を増加し、MDSCs/CD45T細胞の割合を低減し、脾臓のCD3T、CD8T、CD4T細胞の絶対数を低減した。マラリア原虫は、担癌マウスの脾臓のCD3/CD45、CD4/CD45T細胞の割合を増加してかつTregs/CD4T、MDSCs/CD45Tの割合を低減し、脾臓のCD3、CD4、CD8T細胞の絶対数を増加することにより、抗腫瘍免疫能力を強化することができ、一方、放射線療法は、脾臓内のTregs/CD4Tの割合を増加し、脾臓CD3、CD8、CD4T細胞の絶対数を低減し、抗腫瘍の免疫能力を損傷した。マラリア原虫感染は放射線療法と相補的な抗腫瘍効果を形成することができる。
マラリア原虫感染と放射線療法との連携で頭蓋内インサイチュ接種のGL261膠腫を治療する実験例
本実施例に必要な実験材料および製剤は、以下を含む。
動物:C57BL/6マウス、メス、6~8週齢、上海SLAC実験動物有限責任公司に由来し、腫瘍細胞:GL261、廣州CELLCOOK BIOTECH有限公司に由来し、GL261/mcherry-Luciferaseは、CAS Lamvac (Guangzhou) Biomedical Technology Co., Ltd.で構築され、マラリア原虫:マウスPlasmodium yoelii(P.yoelii 17XNL、MRA-593、Py)、Malaria Research and Reference Reagent Resource Center(MR4)の無料贈答に由来し、ルシフェラーゼ基質:D-Luciferin、Potassium Salt D-ルシフェリンカリウム塩、Yeasen Biotechnology(上海)社から購入され、Giemsa染剤粉末:Sigma-Aldrich社から購入され、DMEM basic培地:11995065、Gibcoから購入され、FBS牛胎児血清:04-001-1ACS、Biological Industriesから購入され、アベルチン(2,2,2-トリブロモエタノール、Sigma-Aldrich社から購入され、T48402、調製濃度1.2%)、アルコール、ヨードチンキ、過酸化水素水、生理食塩水、シリコンオイル、硫酸ゲンタマイシン注射液、エリスロマイシン軟膏。
CD3抗体:ab16669、Abcam社から購入され、HRP二次抗体:ab97051、Abcam社から購入され、ヘマトキシリン:51275-100ml、Sigma社から購入された。
機器:X線照射装置:型番RS2000、Rad Source Technologies社、鉛ブロック、生体撮像装置:IVIS Spectrum、PerkinElmer社から購入され、脳定位固定装置:深セン市RWD生命科技有限公司から購入され、小型ハンドヘルド頭蓋ドリル:深セン市RWD生命科技有限公司から購入され、マイクロシリンジ:5μl規格、Hamiltonから購入された。電子デジタル表示ノギス:商品番号678040、EXPLOITから購入され、手術器具(手術パッド、タイマー、メスの刃体、メスの持ち手、眼科手術用ハサミ、眼科手術用無鈎鑷子、眼科手術用有鈎鑷子、持針器、縫い針、めん棒、縫合糸等)。
具体的な操作ステップは、以下のとおりである
(一)動物モデルを確立し、具体的な方法は以下のとおりである。
(1)細胞の蘇生:マウス膠腫細胞系GL261/mcherry-lucを蘇生し、5%のCO、37℃の恒温インキュベーターに静置して培養した。
(2)細胞の増幅培養:2日毎に1回継代し、細胞がシャーレ底部の80%を満たすと、0.25%のパンクレアチン-EDTA消化液で消化し、1:3で希釈して継代した。
(3)GL261/mcherry-luc細胞の用意:指数成長期のGL261/mcherry-luc細胞をPBSで洗浄し、パンクレアチンで消化し、PBSで3回洗浄し、細胞を計数し、RPIM 1640培地で再懸濁し、細胞濃度が2×10/μLとなり、氷上で保存した。
(4)75%のアルコールで手術器具を消毒した。
(5)注射針およびマイクロシリンジの用意:1mLの注射器で注入針および接続ホースにシリコンオイルを満たし、ホースの詰まりの有無を検査し、空気泡を防止し、注射器をマイクロシリンジに交換し、注入針を取り付け、適量の細胞量を吸引してガス漏れの有無をテストした。
(6)マウスの麻酔:1.2%のアベルチン麻酔薬を0.4mL/20g体重の用量で腹腔投与し、マウスを麻酔した。
(7)マウスの剃毛:剃毛ナイフで頭頂部の毛をキレイに剃り、目から両耳までの間の毛をできるだけキレイに剃った。
(8)マウスを脳定位固定装置に固定し、まず、マウスの歯を固定し(前歯を鼻クリップの孔に置いた)、鑷子で口を少し開き、舌を引き出し、その後、後頭部を固定し(イヤーロッドを2つの耳内に入れ、主に頬骨を固定することに用いられた)、最後に、鼻クリップをしっかりと固定した。
(9)ヨードチンキで皮膚を消毒し、中心線に沿ってメスで皮膚を切開し、切り口は目の後ろから耳へ約10mmであり、メスで補助し、頭骨上の結合組織を削り、めん棒に過酸化水素水をつけて頭骨を拭き、頭蓋骨のブレグマをより明らかにした。
(10)注入針の先をブレグマに合わせ、ブレグマを基準点とし、マウス頭部の横方向をX軸とし、縦方向の中心線をY軸とし、定位固定装置のXおよびY軸を0mmに設定し、注入針を移動し、X軸の前の1mmが穴開け箇所であり、Y軸の中心線の右側の1.8mmで、注入針を再び下降し、マウスの頭蓋骨表面に合わせ、更にZ軸を0mmに設定し、注入針を上昇し、鉛筆で頭蓋骨の穴開け箇所をマークし、穴径が約2mmであった。
(11)細胞注射:また、注入針をブレグマに位置決め、X、Y、Zデジタルディスプレイを用いて注射位置(右1.8mm、前1mm、深さ3.4mm)を決め、細胞を注射し、1μlの注射量の注射速度が約1minであり、針を5min留置し、針を抜く時にゆっくりと抜く必要がある。
(12)縫合:縫合後に、エリスロマイシン軟膏で傷口に塗布し、また、0.1mLの硫酸ゲンタマイシン注射液を筋肉注射した。
(13)生体撮像:腫瘍を接種した後の7日目に、マウス生体を撮像し、マウス頭部の腫瘍部位の全光束量を計算した。
(14)実験群の分け:分層ランダムサンプリングにより群を分け、対照膠腫群(GL261)、Plasmodium yoelii治療群(GL261+Py)、放射線療法治療群(GL261+RT)、連携治療群(GL261+Py+RT)という4群に分けた。
(二)マラリア原虫をマウスに接種し、具体的な方法は以下のとおりである。
(1)マラリア原虫の蘇生:腫瘍を接種した後の1日目に、液体窒素タンク内に凍結保存されたネズミマラリア原虫の血(1.0mL/本)を、37℃のウォーターバスで急速に振とうし、素早く均一に混合させて融解させ、マラリア原虫活性を保持した。
(2)マラリア原虫の接種:蘇生後に、均一に混合した後、0.2mL/匹でC57BL/6マウスに腹腔注射して接種し、毎回2匹のマウスに接種した。
(3)薄い血膜の作成および顕微鏡検査:マラリア原虫を繁殖用マウスに接種した後の4、6日目に、マウスの尾を切って約1~1.5μL採血し、スライドガラスに塗り、2.5cmの長舌状の薄い血膜に作成し、ドライヤーで乾燥した。メタノールで血膜を1min浸潤し、1×Giemsa染液で30min染色し、水道水でキレイに洗い流し、ドライヤーで乾燥した。油レンズ100×でマラリア原虫感染率を観察した。マラリア原虫感染率の変化を観察した。
(4)マラリア原虫溶液の調製:感染率が3%~10%に達すると、赤血球を計数してから、尾を切って5μl採血して995μLのPBSに再懸濁し、赤血球を計数した。1mL体積あたりのマラリア原虫に感染した赤血球数を計算した。0.2mL体積の3.8%クエン酸ナトリウム抗凝固剤でEPチューブを湿潤し、眼球を摘出して採血し、必要な接種マラリア原虫の濃度および総量を計算し、PBSで濃度を2.5×10/mLに調製した。
(5)担癌マウスの接種:腫瘍を接種した後の7日目に、各マウスに0.2mL接種し、即ち、各マウスに5×10個のマラリア原虫を接種し、対照群に同じ数のマラリア原虫を含まない赤血球を接種した。
(三)放射線療法でマウスを治療し、具体的な方法は以下のとおりである。
(1)腫瘍を接種した後の10日目に、放射線療法治療群および連携治療群のマウスを秤量し、アベルチンを0.4ml/20g体重で腹腔注射した。
(2)マウスを麻酔した後、マウスカゴに入れ、カスタマイズした鉛ブロックを被せ、頭部の腫瘍接種部位を露出させ、マウスの目等の他の部位を良く保護した。
(3)マウスカゴを照射装置内部に置き、プローブをマウスカゴの真ん中に置き、照射室体のドアを閉め、設定画面で「Manual」をクリックし、電圧、電流のデフォルト値を160kV、25mAに設定し、照射量を12Gyとし、放射量率1.2Gy/minに基づき、必要な照射時間を計算した。
(4)線量計をゼロに校正し、線量を再計測し、「START」をクリックし、機器は照射プログラムを開始した。
(5)マウスを照射した後、マウスを取り出し、線量を計数した。
(四)免疫組織化学で膠腫へのCD3T細胞の浸潤を検出し、具体的な方法は以下のとおりである。
(1)腫瘍を接種した後の21日目に、マウスを秤量して記録した。
(2)材料取り:抗凝固管を用意し、眼球を摘出して採血し、マウスを解剖してから、脾臓と脳とを分離した。
(3)10%の中性ホルムアルデヒドで脳組織を固定した。
(4)ブロックのトリミング:実験に必要な一部の組織を0.5×0.5×0.2cmにカットし、包埋箱に入れ、組織が大きすぎると、ブロックのトリミングの後に30分固定した。
(5)洗浄:流水で2h洗い流し、余分な固定液を洗浄した。
(6)脱水:70%のアルコールで1h、85%のアルコールで1h、95%のアルコールで1h、無水エタノールで45min、無水エタノールで45min行った。
(7)透明:100%のアルコール、キシレンの等量混合液で15min、キシレンで0.5h(または、透明になるまで)行い、キシレンを1回交換する必要があった。エタノールとパラフィンとが相溶せず、キシレンがエタノールにもパラフィンにも溶解できるため、脱水後に、更にキシレンを経て過渡する必要があり、組織内が全てキシレンによって占められていると、光は透過でき、組織は異なる程度の透明状態を呈した。
(8)パラフィンへの浸漬:60℃で溶かしたパラフィンに組織を浸漬し、60℃のオーブンでパラフィンに浸漬し、パラフィンが3瓮あり、1瓮に1h浸漬した。
(9)包埋:溶解したパラフィンフィルムを包埋枠に1層注ぎ、組織ブロックを迅速に置き、切断面を下にして位置を補正し、包埋箱に入れ、パラフィン液を滴下し、凝固を待った。
(10)切片:4~6μmの組織切片を切り、脱離防止のシリコン化スライドに載せ、スライドを60℃のオーブンで3h焼き付けた後、4℃の冷蔵庫に保存した。
(11)パラフィンの脱離:実験前に、まず、スライドを60℃のオーブンで30min焼成した。パラフィン切片を新鮮なキシレンに入れ、10分間×3回浸漬した。
(12)ハイドレーション(hydration):余分な液体を除去した後、無水エタノール内に入れ、3分間×3回浸漬し、余分な液体を除去した後、95%のエタノール内に入れ、3分間×2回浸漬し、余分な液体を除去した後、75%のエタノール内に入れ、3分間×2回浸漬し、蒸留水で1分間洗い流し、PBS緩衝液内に入れた。
(13)内因性ペルオキシターゼの遮断:3%のHをスライドに滴下し、室温で10分間静置し、PBS緩衝液で3分間×3回洗い流した。
(14)抗原修復:0.01MのpH6.0のクエン酸塩緩衝液を用いて高圧加熱法で修復し、PBS緩衝液で3分間×3回洗い流した。
(15)ブロッキング:正常な非免疫血清ブロッキング液で、室温で20分間かかって余分な液体を除去した。
(16)一次抗体インキュベート:組織のサイズに応じ、100μLまたは適量の一次抗体を滴下し、37℃で60分間インキュベートし、PBS緩衝液で3分間×3回洗い流した。
(17)二次抗体インキュベート:100μLまたは適量の酵素標識羊抗兎IgGポリマーを滴下し、室温で20分間インキュベートし、PBS緩衝液で3分間×3回洗い流した。
(18)発色:適量の新鮮に調製されたDAB発色液を加え、25℃で8分間インキュベートした。
(19)再染色:水道水で10min洗い流し、ヘマトキシリン染色液でインキュベートし、溶液の着色効果によって時間を増加または短縮し、水道水で15min洗い流した。
(20)分化およびブルーイング:1%の塩酸アルコールで5s分化し、流水で10min洗い流し、染色が薄い場合、ヘマトキシリンの染色を続けることができた。
(21)脱水、透明、封止、顕微鏡検査、撮像。
(五)腫瘍を二次接種し、具体的な方法は以下のとおりである。
(1)細胞の蘇生:LLC肺癌およびGL261膠腫細胞を蘇生した。
(2)マウスの剃毛:連携治療群の治癒されたマウスと、ブランク群のマウスの左、右側の毛をキレイに剃った。
(3)細胞の接種:連携治療群の治癒されたマウスおよびブランク群のマウスは、各マウスの左側に5×10LLC肺癌細胞を接種し、右側に2×10GL261細胞を接種した。
(4)腫瘍の測定:3日毎に腫瘍の長径と短径を1回測定し、腫瘍のサイズを計算し、腫瘍の成長曲線を描画した。
(六)検出指標は、以下を含む。
(1)マウスの生体撮像:7日毎にマウスの生体撮像を行い、脳の全光束量を計算し、脳腫瘍のサイズを特性評価し、腫瘍のサイズは平均腫瘍体積±標準平均誤差(SEM)で表し、腫瘍の成長曲線を作成した。Two-Way ANOVA分散分析により群間の統計分析を行い、P≦0.05である場合、「*」で表し、P≦0.01である場合、「**」で表し、いずれも群間の差が顕著な統計学的意義を持つことを示した。
(2)マウスの生存統計:生存は、生存期間中央値および延長された生存期の百分率で評価され、Kaplan-Meier法で生存率を推定し、生存曲線図を作成し、生存期間中央値を計算した。P≦0.05である場合、「*」で表し、P≦0.01である場合、「**」で表し、いずれも群間の差が顕著な統計学的意義を持つことを示した。
(3)マラリア原虫感染率の統計:マラリア原虫感染率は、マウス赤血球のマラリア原虫に感染した百分率で評価され、計算式は、(マラリア原虫に感染した赤血球数/総赤血球)×100%であり、具体的な操作は、尾の静脈から採血して塗抹し、メタノールで固定し、ギムザ染液で染色し、顕微鏡で赤血球に感染したマラリア原虫数および赤血球総数を観察し、赤血球総数が約1000個であり、マラリア原虫感染率を計算し、感染率を平均感染率±標準平均誤差(SEM)で表し、マラリア原虫感染周期の曲線を描画し、放射線療法がマラリア原虫感染に影響を及ぼすか否かを観察した。
(4)マウス体重の秤量:3日毎に秤量し、体重成長を平均体重±標準平均誤差(SEM)で表し、放射線療法およびマラリア原虫感染による担癌マウスの体重への影響を観察した。
(5)脳組織の免疫組織化学:GL261細胞を接種した後の21日目に、CD3T細胞の脳腫瘍および腫瘍の近傍領域への浸潤状況を観察した。
(七)検出結果は、以下を含む。
(1)図19の膠腫生体撮像の光束量統計および図20の生体撮像の結果に示すように、単一のマラリア原虫感染治療および放射線療法治療と比べ、マラリア原虫感染と放射線療法との連携治療は、マウスの頭蓋内インサイチュ接種の膠腫GL261の成長を顕著に抑制した。
(2)図21の担癌マウスの生存曲線に示すように、単一のマラリア原虫感染治療および放射線療法治療と比べ、マラリア原虫感染と放射線療法との連携治療は、頭蓋内インサイチュ接種の担癌マウスの生存期間を顕著に延長した。
(3)図22の担癌マウスの体重曲線に示すように、マラリア原虫感染および放射線療法は、担癌マウスの体重への影響が小さく、モデル群の担癌マウスは、脳の膠腫の急速な成長により、担癌マウスの体重も徐々に低下した。
(4)図23の感染率曲線に示すように、単一のマラリア原虫感染治療群と連携治療群の感染率周期は一致し、連携治療群のマラリア原虫感染ピークは、単一のマラリア原虫感染治療群よりも3日遅れた。
(5)図24の脳腫瘍部位のCD3免疫組織化学に示すように(図中の矢印は、CD3T発現細胞を意味した)、マラリア原虫感染治療、放射線療法および連携治療は、脳腫瘍の成長を顕著に抑制することができ、いずれもCD3T細胞の脳腫瘍および癌の近傍への浸潤を促進することができる。単一のマラリア原虫感染治療および放射線療法治療と比べ、マラリア原虫感染と放射線療法との連携治療は、より多くのCD3T細胞の浸潤を促すことができる。
(6)図25のGL261再接種および図26のLLC再接種の腫瘍の成長曲線に示すように、マラリア原虫感染と放射線療法との連携で治癒されたマウスは、再度接種されたGL261膠腫の成長を抑制することができ、非相同のLLC肺癌に対して有効な抗腫瘍効果を形成しなかった。マラリア原虫感染と放射線療法との連携は、有効な免疫記憶を形成することができる。
本発明は、上記実施例により本発明の放射線療法と連携して抗腫瘍に使用される製剤の調製におけるマラリア原虫の使用について説明したが、本発明は上記実施例に限定するものではなく、すなわち、本発明は上記実施例に依存して実施しなければならないことを意味するものではないことを、出願人より声明する。当業者であれば、本発明に対するいかなる改良、本発明の製品の各原料に対する等価的な置換および補助成分の追加、具体的な形態の選択等は、全て本発明の保護範囲および開示範囲内に含まれることを理解すべきである。
以上、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明したが、本発明は上記実施形態における具体的な内容に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で、本発明の技術案に対して様々な簡単な変形を行うことができ、これらの簡単な変形は全て本発明の保護範囲に属している。
なお、上記具体的な実施形態に説明した各具体的な技術的特徴は、矛盾ない限り、いかなる適切な形態で組み合わせることができ、必要がない重複を回避するために、本発明では様々な可能な組み合わせの形態については特に説明しない。

Claims (10)

  1. 放射線療法と連携して抗腫瘍に使用される製剤の調製におけるマラリア原虫の使用。
  2. 前記マラリア原虫は、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫、またはサルマラリア原虫のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含み、三日熱マラリア原虫であることが好ましい、
    ことを特徴とする請求項1に記載の使用。
  3. 前記マラリア原虫の接種量は、100個以上のマラリア原虫または5つ以上のマラリア原虫スポロゾイトである、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の使用。
  4. 前記放射線療法は、α線、β線、γ線、X線、電子線、または陽子線を含み、
    好ましくは、前記放射線療法は、単一回放射線療法、複数回放射線療法、または分割放射線療法を含み、
    好ましくは、前記放射線療法は、全身性放射線療法または局所放射線療法を含む、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の使用。
  5. 前記腫瘍は、肺癌、胃癌、結腸癌、肝癌、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、膵癌および脳腫瘍を含む、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の使用。
  6. 前記製剤の剤形は、薬剤学的に許容可能ないずれかの剤形を含み、
    好ましくは、前記製剤は、薬剤学的に許容可能な薬用補助剤のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを更に含み、
    好ましくは、前記マラリア原虫は、薬用担体に担持されたマラリア原虫であり、
    好ましくは、前記薬用担体は、リポソーム、ミセル、デンドリマー、微小球、またはマイクロカプセルを含む、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の使用。
  7. 放射線療法と連携して使用されるマラリア原虫製剤である、
    ことを特徴とする抗腫瘍の製剤。
  8. 前記製剤と放射線療法とは同時に投与し、
    好ましくは、前記製剤と放射線療法とは順次投与し、
    好ましくは、前記マラリア原虫は、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫、またはサルマラリア原虫のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含み、三日熱マラリア原虫であることが好ましく、
    好ましくは、前記マラリア原虫の接種量は、100個以上のマラリア原虫または5つ以上のマラリア原虫スポロゾイトであり、
    好ましくは、前記腫瘍は、肺癌、胃癌、結腸癌、肝癌、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、膵癌および脳腫瘍を含み、
    好ましくは、前記製剤の投与方式は、静脈注射、腹腔注射、筋肉注射、皮下注射、経口投与、舌下投与、鼻腔投与、または経皮投与を含み、静脈注射であることが好ましい、
    ことを特徴とする請求項7に記載の抗腫瘍の製剤。
  9. 放射線療法とマラリア原虫療法とを連携して使用する療法である、
    ことを特徴とする抗腫瘍の連携療法。
  10. 前記放射線療法とマラリア原虫とは同時に投与し、
    好ましくは、前記放射線療法とマラリア原虫とは順次投与し、
    好ましくは、前記マラリア原虫は、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫、またはサルマラリア原虫のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含み、三日熱マラリア原虫であることが好ましく、
    好ましくは、前記マラリア原虫の接種量は、100個以上のマラリア原虫または5つ以上のマラリア原虫スポロゾイトであり、
    好ましくは、前記腫瘍は、肺癌、胃癌、結腸癌、肝癌、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、膵癌および脳腫瘍を含み、
    好ましくは、前記マラリア原虫の投与方式は、静脈注射、腹腔注射、筋肉注射、皮下注射、経口投与、舌下投与、鼻腔投与、または経皮投与を含み、静脈注射であることが好ましい、
    ことを特徴とする請求項9に記載の連携療法。
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