JP2024507144A - ネオアジュバントpd-1阻害剤を投与することによってがんを処置する方法 - Google Patents

ネオアジュバントpd-1阻害剤を投与することによってがんを処置する方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、腫瘍を処置し、腫瘍の重症度を低下させ、腫瘍の成長を阻害し、または腫瘍の壊死を誘導するための方法であって、それらを必要とするがん(例えば、肝がん、肺がん、または頭頸部がん)の患者を選択すること、および患者にネオアジュバント療法としてプログラム死1(PD-1)阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)の治療有効量を投与し、その後に外科的切除および場合により術後アジュバント療法としてプログラム死1(PD-1)阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)の投与を行うことを含む方法を提供する。ある特定の実施形態では、肝がんは肝細胞癌(HCC)であり、肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)であり、または頭頸部がんは頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)である。

Description

本開示は、腫瘍を処置するかまたは腫瘍の成長を阻害する方法であって、それを必要とするがんの患者を選択すること、および患者にネオアジュバント療法としてプログラム死1(programmed death 1)(PD-1)阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)の治療有効量を投与し、その後に外科的切除を行うことを含む方法に関する。
非小細胞肺がん(NSCLC)、肝がん、および頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)は、世界的にがんによる死亡の主因の一部となっている。
NSCLCは、男性および女性において非常に多くのがん死を引き起こしており、患者の大多数は、PD-1/PD-L1遮断および化学療法の組合せによる大きな臨床的利益を達成していない。最近まで、肺がんのおおむね4分の3はステージ4疾患と診断されていた。コンピュータ断層撮影(CT)スクリーニングにより、治癒の可能性があるより早期の腫瘍が検出される数が増加している。しかし、より早期のNSCLCがますます同定されるようになっているにもかかわらず、手術可能なステージ1~3の肺がん-これは患者の大多数で再発する-については、治療アプローチに大きな改善がほとんどみられない。再発率が高く、有効な処置が不足していることを考慮すると、より優れたアプローチが必要である。
HNSCCは、世界で6番目に頻度の高い悪性腫瘍であり、HNSCCの割合は1980年代以降着実に増加しており、その一因は口腔咽頭におけるヒトパピローマウイルス(HPV)感染の増加であり、その結果、現在、先進国で発生するHNSCC症例のおおむね半数がヒトパピローマウイルス感染に起因しているが、一方、発展途上国では10~20%しか占めていない(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3)。HPV関連疾患の患者では、ステージを問わず、タバコおよびアルコールへの曝露に関連することが一般的であるHPV陰性腫瘍と比較して、生存転帰が改善している(Ang、2010年)。早期疾患は、典型的には手術および/または放射線照射によって処置され、これらの患者の予後は良好であり、5年全生存率(OS)は70~90%であるが、局所領域療法(手術および/または放射線照射)に加えて化学療法を受けることの多い局所領域進行疾患の患者では、5年OSは30%と不良であり、HPV陰性疾患の患者ではさらに不良である(非特許文献4)。このため、NSCLCに対する処置の改善が必要である。
肝がん、特に肝細胞癌(HCC)は、世界で男性において2番目に多いがん死の原因であるほか(非特許文献5)、米国で最も急速に増加しているがん死亡の原因であり、毎年30,000例を上回る新規症例が発生している(非特許文献6;非特許文献1)。HCCは、原発性肝がん症例の75%~85%を占め、2020年には世界のがん死の3番目に多い原因であった(非特許文献7)。ごく早期/早期のHCCに対して推奨される第一選択の処置は、肝臓の切除および移植を含む手術、または肝機能が保たれている患者における高周波アブレーション(RFA)であり、手術手技および周術期ケアの進歩によって結果が改善している。しかし、術後再発およびがん関連死の発生率は高い(非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10)。外科的切除の時点では通常、断端陰性が観察される;しかし、切除後に残存する微小転移の結果としてHCCが再発すると考えられており、これはHCCの転帰を改善する上でネオアジュバント療法に潜在的利益があることを強く示すものである。ネオアジュバントの状況で推奨される標準的な処置はない(非特許文献8;非特許文献11)。また、HCC患者における再発リスクの低下が実証されているか、または生存上の利益が証明されているネオアジュバントまたはアジュバント療法もない。免疫療法の組合せは、進行HCCの患者の予後を変化させたが、患者の大部分は依然としてこの疾患により死亡している。
HCCは、典型的には進行期で発現し、その時点では手術は選択肢ではない。このため、HCCの通常の予後は不良であり、これは手術によって完全除去し得るのは肝細胞癌の10~20%であるためである。がんを完全に除去することができなければ、この疾患は3か月から6か月以内に死に至ることが多い。さらに、PD-1およびPD-L1はHCCで一般に過剰発現しており、腫瘍細胞によるPD-L1の高発現は、予後不良と有意に関連している。
HCCを有し、肝機能が保たれている患者に対して選択される処置は外科的切除であり、肝切除は早期HCCに対する処置として受け入れられている。しかし、術後の腫瘍肝内再発が一般的であり、症例のおよそ50%で早期(2年以内の)再発が観察されている(非特許文献12;非特許文献13)。事実、腫瘍の大部分は手術にもかかわらず再発し、周術介入では生存の優位性が実証されていない。外科的切除の時点では通常、断端陰性が観察されるため、切除後に残存する微小転移の結果としてHCCが再発すると考えられている。化学療法は通常、HCCの管理には役割を果たさない。標的薬剤、例えば、ソラフェニブは、切除不能な疾患を有する患者においてある程度の生存上の有益性を示すが、アジュバントソラフェニブ処置の大規模な国際治験では、有益性は示されていない(非特許文献14)。したがって、HCCを含む肝がんを処置するための安全で有効な療法に対しては依然として大きな需要がある。
Torreら、A CancerJournal for Clinicians、2015年;65(2):87~108頁 Chaturvediら、Journal of Clinical Oncology:Official Journal of the American Society of Clinical Oncology、2008年;26(4):612~619頁 de Martelら、The Lancet Oncology、2012年;13(6):607~615頁 Blanchardら、Radiother Oncol、2011年;100(1):33~40頁 Ferlayら、Int J Cancer、2015年;136(5):E359~E386頁 Siegelら、A CancerJournal for Clinicians、2013年;63(1):11~30頁 Sungら、CA Cancer J Clin、2021年 European Association for the Study of the Liver.J Hepatol.2018年;69巻:182~236頁 Poonら、Ann Surg.2000年;232巻:10~24頁 Chanら、Liver Transpl.2013年;19巻:411~419頁 Akateh Cら、World J Gastroenterol 2019年;25巻:3704~3721頁 Franssenら、Ann Surg、2014年;260(4):650~656頁 Tabrizianら、Ann Surg.、2015年;261(5):947~955頁 Bruixら、The Lancet Oncology、2015年;16(13):1344~1354頁
一態様では、開示される技術は、腫瘍を処置するかまたは腫瘍の成長を阻害する方法であって、(a)肝がんの患者を選択する工程;(b)ネオアジュバントプログラム死-1(PD-1)阻害剤の治療有効量を患者に投与する工程であって、ネオアジュバントPD-1阻害剤は、PD-1に特異的に結合し、配列番号1の重鎖可変領域(HCVR)に含有される3つの重鎖相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)および配列番号2の軽鎖可変領域(LCVR)に含有される3つの軽鎖CDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗体、またはその生物学的同等物である、抗体;ならびに(c)工程(b)の後に、肝がん腫瘍を外科的に切除する工程を含む方法に関する。一部の実施形態では、肝がんは、切除可能である。一部の実施形態では、肝がんは、肝細胞癌(HCC)、線維層板状癌、胆管癌、血管肉腫、および肝芽腫から選択される。一部の実施形態では、肝がんは、HCCである。一部の実施形態では、肝がんは、再発性である。一部の実施形態では、肝がんは、転移性である。一部の実施形態では、患者は、手術の目的が治癒である肝がんを有する。一部の実施形態では、患者は、抗ウイルス療法で処置および制御された慢性ウイルス感染症を有し、慢性ウイルス感染症は、HIV、HBV、HCV、またはそれらの組合せを含む。一部の実施形態では、患者は、扁平上皮性または非扁平上皮性肝がんを有する。一部の実施形態では、患者は、肝がん細胞の1%以上においてPD-L1発現を有する。一部の実施形態では、外科的切除は、工程(b)の28日後よりも後に行われる。
一部の実施形態では、投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号3のアミノ酸配列を有するHCDR1;配列番号4のアミノ酸配列を有するHCDR2;配列番号5のアミノ酸配列を有するHCDR3;配列番号6のアミノ酸配列を有するLCDR1;配列番号7のアミノ酸配列を有するLCDR2;および配列番号8のアミノ酸配列を有するLCDR3を含む。一部の実施形態では、投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRを含む。一部の実施形態では、投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRを含む。一部の実施形態では、投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号1/2のHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアを含む。一部の実施形態では、投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、重鎖および軽鎖を含み、重鎖は、配列番号9のアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、重鎖および軽鎖を含み、軽鎖は、配列番号10のアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、重鎖および軽鎖を含み、重鎖は、配列番号9のアミノ酸配列を有し、軽鎖は、配列番号10のアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、セミプリマブである、
一部の実施形態では、投与されるネオアジュバントPD-1阻害剤は、配列番号1に対して90%、95%、97%、または98%の配列同一性を有するHCVRを含む抗PD-1抗体である。一部の実施形態では、投与されるネオアジュバントPD-1阻害剤は、配列番号2に対して90%、95%、97%、または98%の配列同一性を有するLCVRを含む抗PD-1抗体である。一部の実施形態では、投与されるネオアジュバントPD-1阻害剤は、配列番号1に対して90%、95%、97%、または98%の配列同一性を有するHCVRと、配列番号2に対して90%、95%、97%、または98%の配列同一性を有するLCVRとを含む抗PD-1抗体である。
別の態様では、開示される方法は、(d)工程(c)の後に、アジュバントプログラム死-1(PD-1)阻害剤の治療有効量を患者に投与する工程であって、アジュバントPD-1阻害剤は、PD-1に特異的に結合し、配列番号1の重鎖可変領域(HCVR)に含有される3つの重鎖相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)および配列番号2の軽鎖可変領域(LCVR)に含有される3つの軽鎖CDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗体、またはその生物学的同等物である、工程をさらに含む。一部の実施形態では、投与されるアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号3のアミノ酸配列を有するHCDR1;配列番号4のアミノ酸配列を有するHCDR2;配列番号5のアミノ酸配列を有するHCDR3;配列番号6のアミノ酸配列を有するLCDR1;配列番号7のアミノ酸配列を有するLCDR2;および配列番号8のアミノ酸配列を有するLCDR3を含む。
一部の実施形態では、投与されるアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRを含む。一部の実施形態では、投与されるアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRを含む。一部の実施形態では、投与されるアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号1/2のHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアを含む。
一部の実施形態では、投与されるアジュバント抗PD-1抗体は、重鎖および軽鎖を含み、重鎖は、配列番号9のアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、投与されるアジュバント抗PD-1抗体は、重鎖および軽鎖を含み、軽鎖は、配列番号10のアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、投与されるアジュバント抗PD-1抗体は、重鎖および軽鎖を含み、重鎖は、配列番号9のアミノ酸配列を有し、軽鎖は、配列番号10のアミノ酸配列を有する。
一部の実施形態では、投与されるアジュバントPD-1阻害剤は、配列番号1に対して90%、95%、97%、または98%の配列同一性を有するHCVRを含む抗PD-1抗体である。一部の実施形態では、投与されるアジュバントPD-1阻害剤は、配列番号2に対して90%、95%、97%、または98%の配列同一性を有するLCVRを含む抗PD-1抗体である。一部の実施形態では、投与されるアジュバントPD-1阻害剤は、配列番号1に対して90%、95%、97%、または98%の配列同一性を有するHCVRと、配列番号2に対して90%、95%、97%、または98%の配列同一性を有するLCVRとを含む抗PD-1抗体である。
別の態様では、開示される方法は、患者において、切除された腫瘍の壊死を導き、腫瘍退縮を促進し、腫瘍細胞負荷を減少させ、腫瘍量を減少させ、および/または腫瘍再発を予防する。一部の実施形態では、本方法は、切除された腫瘍の50%を上回る壊死を導く。一部の実施形態では、本方法は、切除された腫瘍の70%を上回る壊死を導く。
別の態様では、開示される方法は、抗ウイルス療法、光力学療法、プログラム死リガンド1(PD-L1)阻害剤、リンパ球活性化遺伝子3(LAG3)阻害剤、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)阻害剤、グルココルチコイド誘導腫瘍壊死因子受容体(GITR)アゴニスト、T細胞免疫グロブリンおよびムチン含有3(TIM3)阻害剤、BおよびTリンパ球アテニュエーター(BTLA)阻害剤、IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)阻害剤、CD38阻害剤、CD47阻害剤、別のT細胞共阻害剤またはリガンドのアンタゴニスト、CD20阻害剤、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)阻害剤、CD28アクチベーター、血管内皮増殖因子(VEGF)アンタゴニスト、アンジオポエチン-2(Ang2)阻害剤、トランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)阻害剤、上皮増殖因子受容体(EGFR)阻害剤、共刺激受容体に対するアゴニスト、腫瘍特異抗原に対する抗体、ワクチン、抗原提示を増加させるためのアジュバント、腫瘍溶解性ウイルス、細胞毒素、化学療法剤、白金ベースの化学療法、チロシンキナーゼ阻害剤、IL-6R阻害剤、IL-4R阻害剤、IL-10阻害剤、サイトカイン、抗体薬物コンジュゲート(ADC)、キメラ抗原受容体T細胞、抗炎症薬、ならびに栄養補助食品のうちの1つまたはそれ以上から選択されるさらなる治療剤または療法を患者に施す工程をさらに含む。
一部の実施形態では、ネオアジュバントPD-1阻害剤は、1回またはそれ以上の用量として投与され、各用量は、2週間ごと、3週間ごと、4週間ごと、5週間ごとまたは6週間ごとに投与される。一部の実施形態では、ネオアジュバントPD-1阻害剤は、2回またはそれ以上の用量として投与され、各用量は、3週間ごとに投与される。一部の実施形態では、ネオアジュバントPD-1阻害剤は、5mgから1000mgの用量で投与される。一部の実施形態では、ネオアジュバントPD-1阻害剤は、200mg、250mg、350mg、400mg、500mg、600mg、750mg、800mg、または1000mgの用量で投与される。一部の実施形態では、ネオアジュバントPD-1阻害剤は、患者体重当たり1mg/kgから20mg/kgの用量で投与される。一部の実施形態では、ネオアジュバントPD-1阻害剤は、患者体重当たり1mg/kg、3mg/kgまたは10mg/kgの用量で投与される。一部の実施形態では、ネオアジュバントPD-1阻害剤は、静脈内、または皮下に投与される。
一部の実施形態では、アジュバントPD-1阻害剤は、1回またはそれ以上の用量として投与され、各用量は、2週間ごと、3週間ごと、4週間ごと、5週間ごと、または6週間ごとに投与される。一部の実施形態では、アジュバントPD-1阻害剤の各用量は、3週間ごとに投与される。一部の実施形態では、アジュバントPD-1阻害剤は、5mgから1000mgの用量で投与される。一部の実施形態では、アジュバントPD-1阻害剤は、200mg、250mg、350mg、400mg、500mg、600mg、750mg、800mg、または1000mgの用量で投与される。一部の実施形態では、アジュバントPD-1阻害剤は、患者体重当たり1mg/kgから20mg/kgの用量で投与される。一部の実施形態では、アジュバントPD-1阻害剤は、患者体重当たり1mg/kg、3mg/kgまたは10mg/kgの用量で投与される。一部の実施形態では、アジュバントPD-1阻害剤は、静脈内、または皮下に投与される。
別の態様では、開示される技術は、腫瘍を処置するかまたは腫瘍の成長を阻害する方法に使用するためのプログラム死1(PD-1)阻害剤であって、方法は、(a)肝がんの患者を選択する工程;(b)ネオアジュバントプログラム死-1(PD-1)阻害剤の治療有効量を患者に投与する工程であって、ネオアジュバントPD-1阻害剤は、抗体PD-1に特異的に結合し、配列番号1の重鎖可変領域(HCVR)に含有される3つの重鎖相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)および配列番号2の軽鎖可変領域(LCVR)に含有される3つの軽鎖CDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗体、またはその生物学的同等物である、工程;ならびに(c)工程(b)の後に、肝がん腫瘍を外科的に切除する工程を含む、プログラム死1(PD-1)阻害剤に関する。
別の態様では、開示される技術は、プログラム死1(PD-1)阻害剤を、肝がんの患者において腫瘍を処置するかまたは腫瘍の成長を阻害するのに治療有効量のPD-1阻害剤を使用するための説明書と組み合わせて含むキットに関する。
別の態様では、開示される技術は、腫瘍を処置するかまたは腫瘍の成長を阻害する方法であって、(a)肺がんの患者を選択する工程;(b)ネオアジュバントプログラム死-1(PD-1)阻害剤の治療有効量を患者に投与する工程であって、ネオアジュバントPD-1阻害剤は、PD-1に特異的に結合し、配列番号1の重鎖可変領域(HCVR)に含有される3つの重鎖相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)および配列番号2の軽鎖可変領域(LCVR)に含有される3つの軽鎖CDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗体、またはその生物学的同等物を含む、工程;ならびに(c)工程(b)の後に、肺がん腫瘍を外科的に切除する工程を含む方法に関する。一部の実施形態では、肺がんは、非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号3のアミノ酸配列を有するHCDR1;配列番号4のアミノ酸配列を有するHCDR2;配列番号5のアミノ酸配列を有するHCDR3;配列番号6のアミノ酸配列を有するLCDR1;配列番号7のアミノ酸配列を有するLCDR2;および配列番号8のアミノ酸配列を有するLCDR3を含む。一部の実施形態では、投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号1/2のHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアを含む。一部の実施形態では、本方法は、(d)工程(c)の後に、アジュバントプログラム死-1(PD-1)阻害剤の治療有効量を患者に投与する工程であって、アジュバントPD-1阻害剤は、PD-1に特異的に結合し、配列番号1の重鎖可変領域(HCVR)に含有される3つの重鎖相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)および配列番号2の軽鎖可変領域(LCVR)に含有される3つの軽鎖CDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗体、またはその生物学的同等物である、工程をさらに含む。
別の態様では、開示される技術は、腫瘍を処置するかまたは腫瘍の成長を阻害する方法であって、(a)頭頸部がんの患者を選択する工程;(b)ネオアジュバントプログラム死-1(PD-1)阻害剤の治療有効量を患者に投与する工程であって、ネオアジュバントPD-1阻害剤は、PD-1に特異的に結合し、配列番号1の重鎖可変領域(HCVR)に含有される3つの重鎖相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)および配列番号2の軽鎖可変領域(LCVR)に含有される3つの軽鎖CDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗体、またはその生物学的同等物である、工程;ならびに(c)工程(b)の後に、頭頸部がん腫瘍を外科的に切除する工程を含む方法に関する。一部の実施形態では、頭頸部がんは、頭頸部扁平上皮癌である。一部の実施形態では、投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号3のアミノ酸配列を有するHCDR1;配列番号4のアミノ酸配列を有するHCDR2;配列番号5のアミノ酸配列を有するHCDR3;配列番号6のアミノ酸配列を有するLCDR1;配列番号7のアミノ酸配列を有するLCDR2;および配列番号8のアミノ酸配列を有するLCDR3を含む。一部の実施形態では、投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号1/2のHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアを含む。一部の実施形態では、本方法は、(d)工程(c)の後に、アジュバントプログラム死-1(PD-1)阻害剤の治療有効量を患者に投与する工程であって、アジュバントPD-1阻害剤は、PD-1に特異的に結合し、配列番号1の重鎖可変領域(HCVR)に含有される3つの重鎖相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)および配列番号2の軽鎖可変領域(LCVR)に含有される3つの軽鎖CDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗体、またはその生物学的同等物である、工程をさらに含む。
実施例2に記載された試験に登録された患者におけるベースラインからの腫瘍壊死および腫瘍サイズの変化を示すグラフである。 実施例2に記載された試験に関して、レスポンダーおよびノンレスポンダーにおける代表的なMRI画像を、対応するヘマトキシリンおよびエオシン画像とともに示す。 実施例2に記載された試験に関して、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の変化による病理学的壊死変化を示すグラフである。 実施例2に記載された試験に関して、組織分析および多重免疫組織化学(IHC)を示す。 実施例3に記載された試験に登録された患者について、標準的な画像化によって評価した応答(ベースラインからの腫瘍サイズの変化)、ならびに病理学的検査および画像化によって評価した腫瘍壊死を示すグラフである。*は、MRIが禁忌であったためにMRIに基づく壊死の分析が不可能であった患者を表す;病理学的壊死は0%であった。 実施例3に記載された試験に登録された患者について、MRIによって定義された推定上の壊死が、手術時の壊死の病理学的評価と強く相関したことを示すグラフである。 実施例3に記載された試験に登録された患者の画像化による外科病理学、RECIST、および壊死の応答性評価の比較を示すグラフを提供する。 左のパネルでは、病理学者によるTLS類似物の存在量の手作業によるスコア化の結果を示す;TLS類似物は、腫瘍病変内のリンパ球の高密度凝集体として特徴付けられる;病理学者の解釈により、これらの凝集体は各レスポンダーの腫瘍組織で同定されたことが明らかになった;右のパネルでは、病理学者のH&E分析に基づき、50%未満の壊死または50%以上の壊死を伴う腫瘍病変内のTIL浸潤を示す;50%以上の壊死を伴う患者の100%が、TIL浸潤の最高スコアを示したのに対して、腫瘍壊死が少ない患者では21%であった;これらの患者の29%は、実施例3に記載された試験に関してTIL浸潤を有しなかった。 8人の患者(4人は腫瘍壊死が50%未満であり、4人は腫瘍壊死が50%以上である)の腫瘍病変および隣接組織におけるCD45+細胞中のCD8+ T細胞の割合を表すヒストグラムである。細胞を質量サイトメトリー(CyTOF)によって分析した。CD8+ T細胞は、実施例3に記載された試験に関して、腫瘍壊死が少ない患者と比較して、壊死のレベルが高い患者の腫瘍において有意に存在量が多いが、一方、隣接組織では存在に差がみられなかった。 実施例3に記載された試験に関して、50%以上の壊死を有する患者におけるベースラインおよび切除時の各免疫サブセットの平均密度を示すグラフである。ベースラインまたは切除時の腫瘍FFPE試料からの切片を、(D)に示すように免疫染色した。免疫サブセットは、T細胞(CD3+、CD8+ T細胞(CD3+、CD8+)、CD4conv(CD3+、CD8-、FOXP3-)、Treg(CD3+、FOXP3+)、骨髄系細胞(CD68+)、およびB細胞(CD20+)として定義される。エラーバーは、平均の1標準誤差を示す。 実施例3に記載された試験に関して、11人の患者(切除時に壊死がほとんどまたは全くない7人の患者[全例で壊死が50%未満]および50%以上の壊死を有する4人の患者)の生検コアおよび切除腫瘍のバルクRNAシークエンシング(BulkSeq)を示す。CD8+ T細胞およびTregに関連する公開されている遺伝子シグネチャー、ならびに消耗、細胞傷害性、およびナイーブプログラムを、患者のバルク試料において定量化した。統計的有意性は、ウィルコックス符号付き順位検定によって定義された。多重仮説検定に対処するために、p値にはボンフェローニ補正を行った。 図7D-1の続き。
本開示は、記載された特定の方法および実験条件に限定されず、そのような方法および条件は変化し得ることが理解されるべきである。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載することのみを目的としており、限定を意図していないこと、および本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることが理解されるべきである。別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載されたものと類似または同等の任意の方法および材料を、本開示の実施または試験に使用することができるが、好ましい方法および材料はここに記載されるものである。本明細書中に記載されたすべての刊行物は、別段の記載がない限り、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
がんを処置するかまたはがんの成長を阻害する方法
本発明は、腫瘍を処置するかまたは腫瘍の成長を阻害する方法であって、肝がん、肺がん、または頭頸部がんを有する患者を選択する工程、およびそれを必要とする患者に、PD-1阻害剤、例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物を、投与する工程であって、PD-1阻害剤は、手術(例えば、肝切除)によって患者を処置する前に、ネオアジュバント療法として投与される工程を含む方法を含む。ある特定の実施形態では、開示される方法は、肝がん、肺がん、または頭頸部がんを処置するための手術の完了後に、アジュバント療法として、PD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)を対象に投与する工程をさらに含む。ある特定の実施形態では、開示される方法は、肝がん、肺がん、または頭頸部がんを処置するための計画された手術の前に、アジュバント療法として、PD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)を、それを必要とする対象に投与する工程、および、術後にアジュバント療法として、PD-1阻害剤を患者にその後に投与する工程をさらに含む。
本明細書で使用される場合、「肝がん」は、肝臓のがん、例えば、肝細胞癌、線維層状癌、胆管癌、血管肉腫、および肝芽腫を指す。一部の実施形態では、肝がんは、肝細胞癌(HCC)である。一部の実施形態では、肝がんは、切除可能であって再発性である。一部の実施形態では、肝がんは、転移性である。一部の実施形態では、患者は、肝がん腫瘍の切除のための手術の候補である。一部の実施形態では、患者は、手術の目的が治癒である肝がんを有する。
本明細書で使用される場合、「肺がん」は、肺のがん、例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)(例えば、進行NSCLC、ステージIIIB、ステージIIIC、またはステージIVの扁平上皮性または非扁平上皮性NSCLC、腺癌、扁平上皮癌、または大細胞癌)、腺扁平上皮癌、および肉腫様癌を指す。一部の実施形態では、肺がんは、非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、肺がんは、扁平上皮性非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、肺がんは、非扁平上皮性非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、肺がんは、局所進行性、再発性または転移性肺がんである。
本明細書で使用される場合、「頭頸部がん」という用語は、口、副鼻腔、鼻または喉のがん、例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)を指す。
本明細書で使用される場合、「処置すること」、「処置する」などの用語は、少なくとも1つの症状もしくは徴候の重症度を軽減もしくは低下させること、症状の原因を一時的もしくは永続的のいずれかで排除すること、腫瘍成長を遅延させるかもしくは阻害すること、腫瘍細胞負荷もしくは腫瘍量を減少させること、腫瘍退縮を促進すること、腫瘍縮小、壊死および/もしくは消失を引き起こすこと、腫瘍再発を予防すること、転移を予防もしくは阻害すること、転移性腫瘍成長を阻害すること、手術の必要性をなくすこと、ならびに/または対象の生存期間を延長することを意味する。多くの実施形態では、「腫瘍」、「病変」、「腫瘍病変」、「がん」、および「悪性腫瘍」という用語は、互換的に使用され、1つまたはそれ以上のがん性増殖を指す。
本明細書で使用される場合、「再発性」という用語は、患者における肝がん、肺がん、もしくは頭頸部がんが頻回にもしくは反復して診断されること、または個々の腫瘍の頻回なもしくは反復した発生、例えば、以前の腫瘍の再発を示し得る原発性腫瘍および/または新たな腫瘍を指す。ある特定の実施形態では、PD-1阻害剤の投与は、患者における肝がん、肺がん、または頭頸部がん腫瘍の再発を阻害する。
本明細書で使用される場合、「それを必要とする対象」という表現は、肝臓がん、肺がん、もしくは頭頸部がんの1つもしくはそれ以上の症状もしくは徴候を呈する、および/または肝臓がん、肺がん、もしくは頭頸部がんと診断されていて、それに対する処置を必要とする、ヒトまたは非ヒト哺乳動物を意味する。多くの実施形態では、「対象」および「患者」という用語は、互換的に使用される。この表現は、原発性、定着性、または再発性腫瘍(進行性悪性腫瘍)を有する対象を含む。特定の実施形態では、この表現は、再発性であるが転移性ではない肝がん、肺がん、もしくは頭頸部がんを有する、および/またはそれらに対する処置を必要とするヒト対象を含む。ある特定の実施形態では、この表現は、以前の療法(例えば、手術、またはセミプリマブもしくはその生物学的同等物以外の抗がん剤による処置)に対して抵抗性であるかまたはそれによるコントロールが不十分である固形腫瘍を有する患者を含む。ある特定の実施形態では、この表現は、治癒的手術の候補である肝臓がん、肺がん、または頭頸部がんを有する対象を含む。
ある特定の実施形態では、本開示の方法は、固形腫瘍を有する対象を処置するために使用される。本明細書で使用される場合、「固形腫瘍」という用語は、通常は嚢胞または液体領域を含有しない組織の異常な塊を指す。固形腫瘍は、良性(がんではない)または悪性(がん)であり得る。本開示の目的において、「固形腫瘍」という用語は、悪性固形腫瘍を意味する。この用語は、それらを形成する細胞型、すなわち、肉腫、癌腫および芽細胞腫にちなんで命名されたさまざまな型の固形腫瘍を含む。
ある特定の実施形態では、開示される方法は、治療有効量のPD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)を、さらなる治療剤または療法と組み合わせて投与することを含む。さらなる治療剤または療法は、抗腫瘍効果を増加させるために、1つもしくはそれ以上の療法の毒性作用を低下させるために、および/または1つもしくはそれ以上の療法の用量を減少させるために施すことができる。さまざまな実施形態では、さらなる治療剤または療法には、抗ウイルス療法(例えば、シドフォビル)、光力学療法、プログラム死リガンド1(PD-L1)阻害剤(例えば、米国特許出願第2015/0203580号に開示されている抗PD-L1抗体またはアテゾリズマブ)、リンパ球活性化遺伝子3(LAG3)阻害剤(例えば、抗LAG3抗体)、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)阻害剤(例えば、イピリムマブ)、グルココルチコイド誘導腫瘍壊死因子受容体(GITR)アゴニスト(例えば、抗GITR抗体)、T細胞免疫グロブリンおよびムチン含有3(TIM3)阻害剤、BおよびTリンパ球アテニュエーター(BTLA)阻害剤、IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)阻害剤、CD38阻害剤、CD47阻害剤、別のT細胞共阻害剤またはリガンドのアンタゴニスト(例えば、CD-28、2B4、LY108、LAIR1、ICOS、CD160またはVISTAに対する抗体)、CD20阻害剤(例えば、抗CD20抗体、または二重特異性CD3/CD20抗体)、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)阻害剤、CD28アクチベーター、血管内皮増殖因子(VEGF)アンタゴニスト(例えば、「VEGF-Trap」、例えば、アフリベルセプトもしくは米国特許第7087411号に記載されている他のVEGF阻害融合タンパク質、または抗VEGF抗体もしくはその抗原結合断片(例えば、ベバシズマブ、またはラニビズマブ)、またはVEGF受容体の小分子キナーゼ阻害剤(例えば、スニチニブ、ソラフェニブ、パゾパニブ、またはラムシルマブ))、アンジオポエチン-2(Ang2)阻害剤、トランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)阻害剤、上皮増殖因子受容体(EGFR)阻害剤(例えば、エルロチニブ、セツキシマブ)、共刺激受容体に対するアゴニスト(例えば、CD28、4-1BB、またはOX40に対するアゴニスト)、腫瘍特異抗原(例えば、CA9、CA125、黒色腫関連抗原3(MAGE3)、がん胎児性抗原(CEA)、ビメンチン、腫瘍-M2-PK、前立腺特異抗原(PSA)、ムチン-1、MART-1、およびCA19-9)に対する抗体、ワクチン(例えば、カルメット-ゲラン菌(Bacillus Calmette-Guerin)またはがんワクチン)、抗原提示を増加させるためのアジュバント(例えば、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)、腫瘍溶解性ウイルス、細胞毒素、化学療法剤(例えば、ペメトレキセド、ダカルバジン、テモゾロミド、シクロホスファミド、ドセタキセル、ドキソルビシン、ダウノルビシン、シスプラチン、カルボプラチン、ゲムシタビン、メトトレキサート、ミトキサントロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、トポテカン、イリノテカン、ビノレルビン、およびビンクリスチン)、白金ベースの化学療法(例えば、プラチナダブレット化学療法)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、レンバチニブ、レゴラフェニブ、およびカボザンチニブ)、IL-6R阻害剤、IL-4R阻害剤、IL-10阻害剤、サイトカイン、例えば、IL-2、IL-7、IL-12、IL-21、およびIL-15、抗体薬物コンジュゲート(ADC)(例えば、抗CD19-DM4 ADC、および抗DS6-DM4 ADC)、キメラ抗原受容体T細胞(例えば、CD19標的T細胞)、抗炎症薬、例えば、コルチコステロイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ならびに栄養補助食品、例えば、抗酸化剤が含まれる。
本明細書で使用される場合、「抗ウイルス療法」という用語は、宿主対象におけるウイルス感染症を処置する、予防する、または改善するために使用される任意の薬剤、薬物または療法を指し、ジドブジン、ラミブジン、アバカビル、リバビリン、ロピナビル、エファビレンツ、コビシスタット、テノホビル、リルピビリン、鎮痛薬、コルチコステロイド、およびそれらの組合せを含むが、これらに限定されない。本開示の文脈において、慢性ウイルス感染症は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、およびC型肝炎ウイルス(HCV)を含むウイルスによって引き起こされるものを含むが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態では、肝臓がんの対象に、PD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)の治療有効量を投与することは、腫瘍成長の阻害の増加、例えば、処置された対象におけるより大きな腫瘍退縮をもたらす。ある特定の実施形態では、肝臓がんの対象に、PD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)の治療有効量を投与することは、切除された腫瘍の壊死、例えば、50%を上回る壊死、60%を上回る壊死、70%を上回る壊死、または80%を上回る壊死をもたらす。ある特定の実施形態では、肝臓がんの対象に、PD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)の治療有効量を投与することは、腫瘍退縮の増加、腫瘍縮小および消失をもたらす。
ある特定の実施形態では、PD-1阻害剤の投与は、(i)手術の遅延、例えば、ネオアジュバントPD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)の最終用量のサイクルが終わって28日後よりも後の手術;(ii)腫瘍の成長および発育の遅延、例えば、腫瘍の成長は、未処置の対象または外科的切除のみで処置された対象と比較して、処置された対象において、約3日間、3日間を上回って、約7日間、7日間を上回って、15日間を上回って、1か月間を上回って、3か月間を上回って、6か月間を上回って、1年間を上回って、2年間を上回って、または3年間を上回って遅延し得る;(iii)未処置の対象または外科的切除のみで処置された対象と比較して、手術日から腫瘍の再発または死亡までの無病生存期間(DFS)の増加;ならびに(iv)未処置の対象または外科的切除のみで処置された対象と比較して、改善された全奏効率、完全奏効、または部分奏効のうちの1つ以上をもたらす。ある特定の実施形態では、肝がんの対象に、PD-1阻害剤(例えば、セミプリマブの治療有効量を投与することは、腫瘍の再発を予防し、および/または対象の生存期間が延長させ、例えば、未処置の対象または外科的切除のみで処置された対象と比較して、生存期間が15日間を上回って、1か月間を上回って、3か月間を上回って、6か月間を上回って、12か月間を上回って、18か月間を上回って、24か月間を上回って、36か月間を上回って、または48か月間を上回って延長する。ある特定の実施形態では、肺がんまたは頭頸部がんの対象に、PD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)の治療有効量を投与することは、腫瘍の再発を予防し、および/または対象の生存期間を延長させ、例えば、未処置の対象または外科的切除のみで処置された対象と比較して、生存期間が15日間を上回って、1か月間を上回って、3か月間を上回って、6か月間を上回って、18か月間を上回って、24か月間を上回って、36か月を上回って、48か月間を上回って延長する。
ある特定の実施形態では、肝がんの対象に、PD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)の治療有効量を投与することは、外科的切除のみで処置された対象と比較して、対象の全生存期間または無増悪生存期間を延長させる。ある特定の実施形態では、PFSは、外科的切除のみで処置された対象と比較して、少なくとも1か月間、少なくとも2か月間、少なくとも3か月間、少なくとも4か月間、少なくとも5か月間、少なくとも6か月間、少なくとも7か月間、少なくとも8か月間、少なくとも9か月間、少なくとも10か月間、少なくとも11か月間、少なくとも1年間、少なくとも2年間、または少なくとも3年間延長する。ある特定の実施形態では、OSは、外科的切除のみで処置された対象と比較して、少なくとも1か月間、少なくとも2か月間、少なくとも3か月間、少なくとも4か月間、少なくとも5か月間、少なくとも6か月間、少なくとも7か月間、少なくとも8か月間、少なくとも9か月間、少なくとも10か月間、少なくとも11か月間、少なくとも1年間、少なくとも2年間、または少なくとも3年間延長する。
ある特定の実施形態では、肺がんまたは頭頸部がんの対象に、PD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)の治療有効量を投与することは、外科的切除のみで処置された対象と比較して、対象の全生存期間または無増悪生存期間を延長させる。ある特定の実施形態では、PFSは、外科的切除のみで処置された対象と比較して、少なくとも1か月間、少なくとも2か月間、少なくとも3か月間、少なくとも4か月間、少なくとも5か月間、少なくとも6か月間、少なくとも7か月間、少なくとも8か月間、少なくとも9か月間、少なくとも10か月間、少なくとも11か月間、少なくとも1年間、少なくとも2年間、または少なくとも3年間延長する。ある特定の実施形態では、OSは、外科的切除のみで処置された対象と比較して、少なくとも1か月間、少なくとも2か月間、少なくとも3か月間、少なくとも4か月間、少なくとも5か月間、少なくとも6か月間、少なくとも7か月間、少なくとも8か月間、少なくとも9か月間、少なくとも10か月間、少なくとも11か月間、少なくとも1年間、少なくとも2年間、または少なくとも3年間延長する。
PD-1阻害剤
本明細書に開示される方法は、PD-1阻害剤の治療有効量を投与することを含み、ここでPD-1阻害剤は、セミプリマブ(REGN2810としても知られる;LIBTAYO(登録商標))またはその生物学的同等物である。本明細書で使用される場合、「生物学的同等物」という用語は、単回投与または複数回投与のいずれかの同様の実験条件下で同じモル用量で投与された場合に、吸収の速度および/または程度が、セミプリマブのそれと有意差を示さない薬学的同等物または薬学的代替物である抗PD-1抗体またはPD-1結合タンパク質またはそれらの断片を指す。本開示の文脈において、「生物学的同等物」という用語は、PD-1に結合し、安全性、純度および/または効力に関してセミプリマブと臨床的に意味のある差を有しない抗原結合タンパク質を含む。
「抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、ジスルフィド結合によって相互に連結された2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖という4つのポリペプチド鎖で構成される免疫グロブリン分子(すなわち、「完全な抗体分子」)、ならびにそれらの多量体(例えば、IgM)またはそれらの抗原結合断片を指すことを意図する。各重鎖は、重鎖可変領域(「HCVR」または「VH」)および重鎖定常領域(ドメインCH1、CH2およびCH3からなる)で構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(「LCVR」または「VL」)および軽鎖定常領域(CL)で構成される。VHおよびVL領域は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変性領域にさらに細分することができ、フレームワーク領域(FR)と呼ばれるより保存された領域が散在する。各VHおよびVLは、3つのCDRおよび4つのFRで構成され、アミノ末端からカルボキシ末端へと以下の順序で配置される:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。ある特定の実施形態では、抗体(またはその抗原結合断片)のFRは、ヒト生殖系列配列と同一であってもよく、または天然もしくは人工的に改変することができる。アミノ酸コンセンサス配列は、2つまたはそれ以上のCDRの並列分析に基づいて定義し得る。本明細書で使用される「抗体」という用語は、完全な抗体分子の抗原結合断片も含む。
本明細書で使用される場合、抗体の「抗原結合断片」、抗体の「抗原結合部分」などの用語は、抗原に特異的に結合して複合体を形成する、任意の天然に存在する、酵素的に入手可能な、合成性の、または遺伝子操作されたポリペプチドまたは糖タンパク質を含む。抗体の抗原結合断片は、例えば、抗体可変ドメインおよび必要に応じて定常ドメインをコードするDNAの操作および発現を含む、任意の好適な標準的手法、例えば、タンパク質分解消化または組換え遺伝子工学手法を使用して、完全な抗体分子から導き出すことができる。そのようなDNAは公知であり、および/または、例えば、商業的供給源、DNAライブラリー(例えば、ファージ-抗体ライブラリーを含む)から容易に入手し得るか、または合成することができる。DNAは、例えば、1つまたはそれ以上の可変および/または定常ドメインを好適な立体配置に配置するために、またはコドンを導入するために、システイン残基を作製するために、アミノ酸を改変、付加または欠失させるためなどに、化学的に、または分子生物学手法を使用することによって、シークエンシングおよび操作を行うことができる。
抗原結合断片の非限定的な例には、(i)Fab断片;(ii)F(ab’)2断片;(iii)Fd断片;(iv)Fv断片;(v)単鎖Fv(scFv)分子;(vi)dAb断片;および(vii)抗体の超可変領域(例えば、単離された相補性決定領域(CDR)、例えば、CDR3ペプチド)、または拘束されたFR3-CDR3-FR4ペプチドを模倣するアミノ酸残基からなる最小認識単位が含まれる。他の操作された分子、例えば、ドメイン特異的抗体、単一ドメイン抗体、ドメイン欠失抗体、キメラ抗体、CDR移植抗体、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、ミニボディ、ナノボディ(例えば、一価ナノボディ、二価ナノボディなど)、小型モジュール式免疫医薬(SMIP)、およびサメ可変IgNARドメインもまた、本明細書で使用される「抗原結合断片」という表現の範囲に含まれる。
抗体の抗原結合断片は、典型的には、少なくとも1つの可変ドメインを含む。可変ドメインは、任意のサイズまたはアミノ酸組成のものであってよく、一般に1つまたはそれ以上のフレームワーク配列に隣接するかまたはそれとインフレームである少なくとも1つのCDRを含む。Vドメインと結び付いたVドメインを有する抗原結合断片において、VおよびVドメインは、任意の好適な配置で互いに対して位置し得る。例えば、可変領域は二量体であってよく、V-V、V-V、またはV-V二量体を含有しうる。あるいは、抗体の抗原結合断片は、単量体VまたはVドメインを含有し得る。
ある特定の実施形態では、抗体の抗原結合断片は、少なくとも1つの定常ドメインに共有結合した少なくとも1つの可変ドメインを含有し得る。本開示の抗体の抗原結合断片の内部に見出し得る可変ドメインおよび定常ドメインの非限定的な例示的立体配置には、以下が含まれる:(i)V-C1;(ii)V-C2;(iii)V-C3;(iv)V-C1-C2;(v)V-C1-C2-C3;(vi)V-C2-C3;(vii)V-CL;(viii)VL-C1;(ix)VL-C2;(x)VL-C3;(xi)VL-C1-C2;(xii)VL-C1-C2-C3;(xiii)VL-C2-C3;および(xiv)V-C。上に挙げた例示的立体配置のいずれかを含む可変ドメインおよび定常ドメインの任意の立体配置において、可変ドメインおよび定常ドメインは、互いに直接連結してもよく、または完全もしくは部分的なヒンジもしくはリンカー領域によって連結してもよい。ヒンジ領域は、少なくとも2つ(例えば、5個、10個、15個、20個、40個、60個またはそれ以上)のアミノ酸からなることができ、その結果、単一のポリペプチド分子内の隣接する可変ドメインおよび/または定常ドメインの間に柔軟なまたは半柔軟な連結がもたらされる。さらに、本開示の抗体の抗原結合断片は、互いにおよび/または1つもしくはそれ以上の単量体VまたはVドメインと(例えば、ジスルフィド結合によって)非共有結合性に結合した、上に挙げた可変ドメインおよび定常ドメイン立体配置のいずれかのホモ二量体またはヘテロ二量体(または他の多量体)を含み得る。
本明細書に開示される方法に使用される抗体は、ヒト抗体であり得る。本明細書で使用される場合、「ヒト抗体」という用語は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変および定常領域を有する抗体を指す。しかし、本開示のヒト抗体は、例えば、CDR、特にCDR3において、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロでのランダム変異誘発もしくは部位特異的変異誘発によって、またはインビボでの体細胞変異によって導入された変異)を含み得る。しかし、本明細書で使用される場合、「ヒト抗体」という用語は、別の哺乳動物種、例えば、マウスの生殖系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列に移植されている抗体を含むことは意図しない。
本明細書に開示される方法に使用される抗体は、組換えヒト抗体であり得る。本明細書で使用される場合、「組換えヒト抗体」という用語は、組換え手段によって調製され、発現され、作製され、もしくは単離されるすべてのヒト抗体、例えば、宿主細胞にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを使用して発現される抗体(以下にさらに記載される)、組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離される抗体(以下にさらに記載される)、ヒト免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニック性である動物(例えば、マウス)から単離された抗体(例えば、Taylorら(1992年)Nucl. Acids Res.20巻:6287~6295頁を参照)、またはヒト免疫グロブリン遺伝子配列の他のDNA配列へのスプライシングを伴う任意の他の手段によって調製され、発現され、作製され、もしくは単離される抗体を含む。そのような組換えヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変および定常領域を有する。しかし、ある特定の実施形態では、そのような組換えヒト抗体は、インビトロ変異誘発(または、ヒトIg配列についてトランスジェニック性である動物が使用される場合にはインビボ体細胞変異誘発)に供され、それ故に、組換え抗体のVおよびV領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列V配列およびヒト生殖系列V配列に由来し、かつ関連するものの、インビボではヒト抗体生殖系列レパートリー内に天然に存在し得ない配列である。
ある特定の実施形態によれば、PD-1阻害剤は、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)の3つの重鎖相補性決定領域(HCDR)および配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)の3つの軽鎖相補性決定領域(LCDR)を含む抗PD-1抗体(例えば、セミプリマブ)である。ある特定の実施形態によれば、抗PD-1抗体(例えば、セミプリマブ)は、3つのHCDR(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)および3つのLCDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含み、ここでHCDR1は、配列番号3のアミノ酸配列を含み、HCDR2は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、HCDR3は、配列番号5のアミノ酸配列を含み、LCDR1は、配列番号6のアミノ酸配列を含み、LCDR2は、配列番号7のアミノ酸配列を含み、LCDR3は、配列番号8のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体(例えば、セミプリマブ)は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRおよび配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRを含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体(例えば、セミプリマブ)は、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある特定の実施形態によれば、セミプリマブの生物学的同等物は、配列番号1に対して90%、95%、97%または98%の配列同一性を有するHCVRを含む抗PD-1抗体である。ある特定の実施形態によれば、セミプリマブの生物学的同等物は、配列番号2に対して90%、95%、97%または98%の配列同一性を有するLCVRを含む抗PD-1抗体である。ある特定の実施形態によれば、セミプリマブの生物学的同等物は、配列番号1に対して90%、95%、97%または98%の配列同一性を有するHCVRと、配列番号2に対して90%、95%、97%または98%の配列同一性を有するLCVRとを含む抗PD-1抗体である。配列同一性は、当技術分野で公知の方法(例えば、GAP、BESTFIT、およびBLAST)によって測定し得る。
ある特定の実施形態によれば、セミプリマブの生物学的同等物は、5個以下のアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRを含む抗PD-1抗体である。ある特定の実施形態によれば、セミプリマブの生物学的同等物は、2個以下のアミノ酸置換を有する配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRを含む抗PD-1抗体である。ある特定の実施形態によれば、セミプリマブの生物学的同等物は、5個以下のアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRと、2個以下のアミノ酸置換を有する配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRとを含む抗PD-1抗体である。
医薬組成物および投与
本開示は、本明細書に開示されたPD-1阻害剤を含む治療用医薬組成物を提供する。そのような医薬組成物は、好適な薬学的に許容される担体、賦形剤、緩衝液、および好適な移動、送達、耐性などを提供する他の薬剤とともに製剤化することができる。多くの適切な製剤は、すべての製薬化学者に知られている公知の処方集に見出すことができる:Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easton、PA。これらの製剤には、例えば、粉末、ペースト、軟膏、ゼリー、ワックス、油、脂質、脂質(陽イオン性または陰イオン性)含有小胞(例えば、LIPOFECTIN(商標))、DNAコンジュゲート、無水吸収ペースト、水中油型および油中水型エマルジョン、カルボワックス(さまざまな分子量のポリエチレングリコール)エマルジョン、半固体ゲル、およびカルボワックスを含有する半固体混合物が含まれる。Powellら、「Compendium of excipients for parenteral formulations」 PDA、J Pharm Sci Technol 52巻:238~311頁(1998年)も参照のこと。
PD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)の用量は、投与される対象の年齢および大きさ、標的疾患、状態、投与経路などに依存して変化し得る。本開示のPD-1阻害剤が、肝がん、肺がん、または頭頸部がんを処置するかまたはその成長を阻害するために使用される場合には、PD-1阻害剤を約0.1から約100mg/kg体重の単回用量で投与することが有利であり得る。状態の重症度に応じて、処置の頻度および期間を調節することができる。ある特定の実施形態では、本開示のPD-1阻害剤は、少なくとも約0.1mgから約800mg、約1から約1000mg、約1から約800mg、約5から約500mg、または約10から約400mgの初期用量として投与することができる。ある特定の実施形態では、初期用量に続いて、初期用量とほぼ同じかまたはそれ未満であり得る量のPD-1阻害剤の第2のまたは複数の後続用量の投与を続けることができ、後続の用量は、少なくとも1日間から3日間;少なくとも1週間;少なくとも2週間;少なくとも3週間;少なくとも4週間;少なくとも5週間;少なくとも6週間;少なくとも7週間;少なくとも8週間;少なくとも9週間;少なくとも10週間;少なくとも12週間;または少なくとも14週間隔たっている。
さまざまな送達システムが公知であり、本開示の医薬組成物を投与するために使用することができ、これには例えば、リポソームへの封入、微粒子、マイクロカプセル、変異体ウイルスを発現し得る組換え細胞、受容体媒介性エンドサイトーシスがある(例えば、Wuら(1987年)J. Biol. Chem. 262巻:4429~4432頁を参照)。導入の方法には、皮内、経皮、筋肉内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外および経口経路が含まれるが、これらに限定されない。組成物は、任意の便利な経路によって、例えば、注入またはボーラス注射によって、上皮または粘膜皮膚の内層(例えば、口腔粘膜、直腸および腸粘膜など)を通しての吸収によって投与することができ、他の生物学的活性剤とともに投与することができる。医薬組成物を、小胞内、特にリポソーム内にある状態で送達することもできる(例えば、Langer(1990年)Science 249巻:1527~1533頁を参照)。
本開示のPD-1阻害剤を送達するためのナノ粒子の使用もまた、本明細書において想定される。抗体結合ナノ粒子は、治療用途および診断用途の両方に使用し得る。抗体結合ナノ粒子ならびに調製および使用の方法は、Arrueboら、2009年、「Antibody-conjugated nanoparticles for biomedical applications」、J. Nanomat.、2009年巻、論文ID 439389、24頁によって詳細に記載されている。ナノ粒子を開発して、医薬組成物中に含有される抗体に結合させて、細胞を標的化することができる。薬物送達のためのナノ粒子は、例えば、米国特許第8257740号または米国特許第8246995号にも記載されている。
ある特定の状況では、医薬組成物を、制御放出システムで送達することができる。一実施形態では、ポンプを使用することができる。別の実施形態では、ポリマー材料を使用することができる。さらに別の実施形態では、制御放出システムを組成物の標的の近くに配置して、そうすることで全身用量の一部のみを要するようにすることができる。
注射用調製物には、静脈内、皮下、頭蓋内、筋肉内注射、点滴などのための剤形が含まれる。これらの注射用調製物は、公知の方法によって調製することができる。
本開示の医薬組成物は、標準的な針およびシリンジを用いて皮下または静脈内に送達することができる。さらに、皮下送達に関して、ペン型送達デバイスは、本開示の医薬組成物の送達に容易に適用し得る。そのようなペン型送達デバイスは、再使用可能または使い捨て可能であり得る。再使用可能なペン型送達デバイスは、一般に、医薬組成物を含有する交換可能なカートリッジを利用する。カートリッジ内の医薬組成物のすべてが投与されてカートリッジが空になると、空のカートリッジを容易に廃棄して、医薬組成物を含有する新しいカートリッジと交換することができる。続いて、ペン型送達デバイスを再使用することができる。使い捨てペン型送達デバイスには交換可能なカートリッジはない。そうではなくて、使い捨てペン型送達デバイスには、デバイス内のリザーバーに保持された医薬組成物があらかじめ充填されている。リザーバーから医薬組成物が空になると、デバイス全体が廃棄される。
有利には、上記の経口的または非経口的使用のための医薬組成物は、活性成分の用量に適合させるのに好適な単位用量の剤形に調製される。そのような単位用量の剤形には、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、注射剤(アンプル)、坐剤などが含まれる。含有される抗体の量は、一般に、単位用量の剤形当たり約5から約1000mg、例えば、約5から約600mg、約5から約350mg、または約10から約300mgである。
ある特定の実施形態では、本開示は、PD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)の治療量と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物または製剤を提供する。本開示の文脈において使用し得る、本明細書で提供される抗PD-1抗体を含む医薬組成物の非限定的な例は、米国特許出願第2019/0040137号に開示されている。
本発明はまた、本明細書に記載されるような治療的使用のためのPD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)を含むキットも提供する。キットは、典型的には、キットの内容物の意図される用途を示すラベル、および使用説明書を含む。本明細書で使用される場合、「ラベル」という用語は、キットの表面、キットの中、もしくはキットとともに供給されるか、または他の方法でキットに付随する、あらゆる文書または記録された材料を含む。したがって、本開示は、肝がん、肺がん、または頭頸部がんの患者を処置するためのキットであって、(a)PD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)の治療有効投与量;および(b)本明細書に開示される方法のいずれかにおいてPD-1阻害剤を使用するための説明書を含むキットを提供する。
投与レジメン
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される方法は、PD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)の治療有効量を、それを必要とする対象の腫瘍に、例えば、特定の治療投薬レジメンの一部として、多回用量で投与することを含む。例えば、治療投薬レジメンは、PD-1阻害剤の1回またはそれ以上の用量を、約1日1回、2日ごとに1回、3日ごとに1回、4日ごとに1回、5日ごとに1回、6日ごとに1回、週1回、2週間ごとに1回、3週間ごとに1回、4週間ごとに1回、5週間ごとに1回、6週間ごとに1回、8週間ごとに1回、12週間ごとに1回、1か月ごとに1回、2か月ごとに1回、3か月ごとに1回、4か月ごとに1回、1日2回、2日ごとに2回、3日ごとに2回、4日ごとに2回、5日ごとに2回、6日ごとに2回、週に2回、2週間ごとに2回、3週間ごとに2回、4週間ごとに2回、5週間ごとに2回、6週間ごとに2回、8週間ごとに2回、12週間ごとに2回、1か月に2回、2か月ごとに2回、3か月ごとに2回、4か月ごとに2回、1日に3回、2日ごとに3回、3日ごとに3回、4日ごとに3回、5日ごとに3回、6日ごとに3回、週に3回、2週間ごとに3回、3週間ごとに3回、4週間ごとに3回、5週間ごとに3回、6週間ごとに3回、8週間ごとに3回、12週間ごとに3回、1か月に3回、2か月ごとに3回、3か月ごとに3回、4か月ごとに3回もしくはより低い頻度で、または治療奏効が達成される限りにおいて必要に応じて、対象に投与することを含み得る。一実施形態では、PD-1阻害剤の1回またはそれ以上の用量は、ネオアジュバントとして3週間ごとに1回投与される。一実施形態では、PD-1阻害剤の1回またはそれ以上の用量は、術後アジュバントとして3週間ごとに1回投与される。
ある特定の実施形態では、1回またはそれ以上の用量は、少なくとも1回の処置サイクル、例えば、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、または10回の処置サイクルで投与される。本方法は、この態様によれば、それを必要とする対象に、少なくとも1回のネオアジュバント処置サイクル、および場合により少なくとも1回のアジュバント処置サイクルを施すことを含み、各処置サイクルは、PD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)の1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回またはそれ以上の用量の投与を含む。ある特定の実施形態では、PD-1阻害剤の各用量は、患者体重当たり0.1、1、0.3、3、4、5、6、7、8、9、または10mg/kgを含む。ある特定の実施形態では、各用量は、5~1000mgのPD-1阻害剤、例えば、5、10、15、20、25、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950mgまたはそれ以上のPD-1阻害剤を含む。一部の実施形態では、PD-1阻害剤は、2回のネオアジュバント処置サイクルにおいて投与される。一部の実施形態では、PD-1阻害剤は、8回の術後アジュバント処置サイクルにおいてさらに投与される。一部の実施形態では、ネオアジュバント処置は、2回の処置サイクルを含み、各サイクルは、PD-1阻害剤の1回の用量(例えば、350mg Q3W)を含む。一部の実施形態では、アジュバント処置は、8回の処置サイクルを含み、各サイクルは、PD-1阻害剤の1回の用量(例えば、350mg Q3W)を含む。
投与量
本明細書に開示される方法に従って対象に投与されるPD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)の量は、一般に、治療有効量である。本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、肝がん、肺がん、または頭頸部がんを処置するために計画された手術の前にネオアジュバントとして投与されるPD-1阻害剤の量を意味し、これはその結果、それぞれ、未処置の対象または外科的切除のみで処置された対象と比較して、(a)腫瘍成長の阻害、もしくは腫瘍壊死、腫瘍縮小および/もしくは腫瘍消失の増加;(b)がん(例えば、腫瘍病変)の症状もしくは徴候の重症度もしくは持続期間の減少;(c)腫瘍成長および発育の遅延;(d)腫瘍転移の阻害;(e)腫瘍成長の再発の予防;(f)がんを有する対象の生存率の増加;ならびに/または(g)手術の遅延のうちの1つまたはそれ以上をもたらす。
ある特定の実施形態では、PD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)の治療有効量は、約0.05mgから約1000mg、約1mgから約800mg、約5mgから約600mg、約10mgから約550mg、約50mgから約400mg、約75mgから約350mg、または約100mgから約300mgの抗体であり得る。例えば、さまざまな実施形態では、PD-1阻害剤の量は、約0.05mg、約0.1mg、約1.0mg、約1.5mg、約2.0mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、約360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、約410mg、約420mg、約430mg、約440mg、約450mg、約460mg、約470mg、約480mg、約490mg、約500mg、約510mg、約520mg、約530mg、約540mg、約550mg、約560mg、約570mg、約580mg、約590mg、約600mg、約610mg、約620mg、約630mg、約640mg、約650mg、約660mg、約670mg、約680mg、約690mg、約700mg、約710mg、約720mg、約730mg、約740mg、約750mg、約760mg、約770mg、約780mg、約790mg、約800mg、約810mg、約820mg、約830mg、約840mg、約850mg、約860mg、約870mg、約880mg、約890mg、約900mg、約910mg、約920mg、約930mg、約940mg、約950mg、約960mg、約970mg、約980mg、約990mg、または約1000mgである。
個々の用量に含有されるPD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)の量は、対象の体重1kg当たりの抗体のミリグラム(すなわち、mg/kg)に関して表すことができる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示される方法に使用されるPD-1阻害剤は、約0.0001から約100mg/kgの用量で対象に投与することができる。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、患者体重当たり約0.1mg/kgから約20mg/kgの用量で投与することができる。ある特定の実施形態では、本開示の方法は、患者体重当たり約1mg/kgから3mg/kg、1mg/kgから5mg/kg、1mg/kgから10mg/kg、1mg/kg、3mg/kg、5mg/kg、または10mg/kgの用量でのPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)の投与を含む。
ある特定の実施形態では、患者に投与されるPD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)の個々の用量は、治療有効量未満、すなわち、治療量未満の用量であり得る。例えば、PD-1阻害剤の治療有効量が3mg/kgを含む場合、治療量未満の用量は、3mg/kg未満の量、例えば、2mg/kg、1.5mg/kg、1mg/kg、0.5mg/kgまたは0.3mg/kgを含む。本明細書で定義されるように、「治療量未満の用量」は、それ自体では治療効果をもたらさないPD-1阻害剤の量を指す。しかし、ある特定の実施形態では、PD-1阻害剤の複数の治療量未満の用量が、対象における治療効果を合わせて達成するために投与される。
ある特定の実施形態では、各用量は、対象の体重に基づいて、0.1~10mg/kg(例えば、0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/kg、または10mg/kg)のPD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)を含む。ある特定の他の実施形態では、各用量は、5~600mgのPD-1阻害剤、例えば、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、40mg、45mg、50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、または1000mgのPD-1阻害剤を含む。
一実施形態では、PD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)の治療有効量は、肝がん、肺がん、または頭頸部がんに対して計画された手術の前にネオアジュバント処置として静脈内投与される350mgである。一部の実施形態では、PD-1阻害剤(例えば、セミプリマブまたはその生物学的同等物)の別の治療有効量は、手術後にアジュバント処置として静脈内投与される350mgである。
以下の実施例は、本開示の方法および組成物をどのように作成して使用するかについての完全な開示および説明を当業者に提供するために提示されるものであり、本発明者らが自身の発明とみなすものの範囲を制限することを意図しない。同様に、本開示は、本明細書に記載された特定の好ましい実施形態には限定されない。実際、実施形態の修正および変形は、本明細書を読めば当業者に明らかであり、その趣旨および範囲から逸脱することなく行うことができる。使用される数(例えば、量、温度など)に関して正確さを保証するための努力はなされてきたが、ある程度の実験誤差および偏差は考慮されるべきである。別段の指示がない限り、部分は重量比による部分であり、分子量は平均分子量であり、温度は摂氏温度であり、室温は約25℃であり、圧力は大気圧であるかまたは大気圧に近い。
切除可能なNSCLC、HCC、およびHNSCCの処置のためのネオアジュバントセミプリマブの臨床試験
本試験は、切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)、肝細胞癌(HCC)および頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)の処置を目的とするネオアジュバントセミプリマブ、およびNSCLCに対する化学療法を併用するかまたは併用しないネオアジュバントセミプリマブの第2a相多コホート試験である。セミプリマブは、本明細書に記載されるように、配列番号9のアミノ酸配列を有する重鎖および配列番号10のアミノ酸配列を有する軽鎖;配列番号1/2を含むHCVR/LCVRアミノ酸配列ペア;ならびに配列番号3~8を含む重鎖および軽鎖CDR配列を含む完全ヒト型モノクローナル抗PD-1抗体である。米国特許第9987500号も参照。本試験は、以下のコホートを含む:A1、A2、A3(切除可能なNSCLCの患者);B(切除可能なHCCの患者);およびC(切除可能なHNSCCの患者)。
試験目的:本試験の目的の1つは、切除可能なNSCLC、HCC、およびHNSCC病変を有する患者において、切除された腫瘍の病理学的評価によって測定されるネオアジュバントセミプリマブ療法の臨床活性を評価することである。コホートA1、A2、A3(NSCLC)については、主目的は主要な病理学的奏効(MPR)を評価することである。コホートB(HCC)については、主目的は有意な腫瘍壊死(STN)を評価することである。コホートC(HNSCC)については、主目的は主要な処置効果(MTE)を評価することである。本試験の他の目的には、複数の基準によって定義されるネオアジュバントおよびアジュバントセミプリマブ療法の抗腫瘍活性を評価すること、手術の遅延を含むネオアジュバントおよびアジュバントセミプリマブ療法の安全性および忍容性を判定すること、ならびに腫瘍浸潤CD8 T細胞密度の変化を評価すること、ならびに療法に対する病理学的奏効との相関を探索することが含まれる。
理論的根拠:各コホートの生物学的特性は異なるが、本試験のデザインに複数の組織型固形腫瘍を含めることには重要な理論的根拠がある。1つには、本試験が焦点を当てた3つの悪性腫瘍には定義された発がん物質があり(NSCLCにおける喫煙;HCCにおけるウイルス[HBV、HCV]感染、アルコール、および脂肪性肝疾患;ならびにHNSCCにおけるウイルス[HPV]感染、喫煙、およびアルコール)、これにより、現在の試験の結果として将来の試験を比較することが可能になる。潜在的なウイルス抗原に加えて、これらの腫瘍タイプは中等度から高度の突然変異負荷を有し(Alexandrovら、Nature、2013年;500(7463):415~421頁)、このため、適応免疫系によって認識され得る妥当な数のネオ抗原を有するはずである。また、これらのがんのより高い発生率に関連する危険因子、例えば、喫煙の有病率も高い。PD-1遮断は、3つの腫瘍タイプすべての転移状況において承認されており、標準的な化学療法剤アプローチよりもはるかに優れた安全プロファイルを有し、これは約70~85%の患者がPRまたはそれ以上に良好と定義される臨床的利益をまだ経験していないにもかかわらず、免疫療法に反応し得ることを示している(Antoniaら、N Engl J Med 2017年;377巻:1919~1929頁;El-Khoueiryら、Lancet、2017年;389(10088):2492~2502頁;Baumlら、Journal of Clinical Oncology:Official Journal of the American Society of Clinical Oncology、2017年:Jco2016701524;Borghaeiら、N Engl J Med、2015年;373(17):1627~1639頁;Fehrenbacherら、Lancet、2016年;387(10030):1837~1846頁;Garonら、N Engl J Med、2015年;372(21):2018~2028頁)。
スクリーニングにより、患者がまだ外科的切除の候補である早期の時点でがんが検出されることが多くなっている。しかし、おそらくは細胞毒性療法に感受性のない微小転移病変によるものと考えられる局所領域または遠隔再発の割合が高いことを考えると、これらのがんに対する新しい処置が臨床的に大いに必要とされている。ネオアジュバント化学療法およびアジュバント化学療法、または標的療法は、HCCにおける臨床的利益を示したことはないが、局所進行NSCLCおよびHNSCCの患者は典型的には化学療法および/または放射線療法(RT)を受けるものの、生存上の利益はわずかであって毒性が顕著であり、これは特にネオアジュバント化学療法またはアジュバント化学療法の生存上の利益がわずか5%であるNSCLCではそうである。したがって、依然として深刻な臨床的必要性がある。
事実上すべてのがん療法と同じく、免疫療法は当初、転移の状況で評価された;しかし、局所領域/切除可能な疾患を有する患者は、免疫適合性がより高く、腫瘍の不均一性が小さく、疾患がより限局していることから、転移性疾患を有する患者よりもさらに有益な可能性があるという仮説が立てられる。
本試験で選択した病理学的奏効の変数および閾値は、化学療法剤および/または他の治療様式を使用するネオアジュバント試験で検証された病理学的奏効評価に基づく(Hellmanら、Lancet Oncology、2014年;15(1):e42~50頁;Pataerら、J Thorac Oncol、2012年;7(5):825~832頁;Allardら、J Hepatol、2015年;63(1):83~92頁)。これらの基準を免疫療法の文脈でネオアジュバントの状況に移行させることに関しては、あまり理解が十分ではない。追加的または明確な変数または閾値が、ネオアジュバントの状況における免疫療法の影響および利点を理解する上でより適切である可能性があり、これについては本試験の過程を通じて検討される。
試験の評価項目:本試験の主要評価項目は、切除可能なNSCLC、HCCおよびHNSCC病変を有する患者におけるネオアジュバント療法の有効性であり、これは以下のように定義される:NSCLCコホートA1、A2およびA3については、手術時の切除領域内の生存腫瘍が10%以下と定義されるMPRが主要評価項目である;HCCコホートBについては、手術時の肉眼的腫瘍切除の病理学的分析に基づく腫瘍の70%を上回る壊死と定義されるSTNが主要評価項目である;HNSCCコホートCについては、手術時の処置前腫瘍領域の70%超における腫瘍壊死および/または角質破片に対する巨細胞/組織球反応と定義されるMTEが主要評価項目である。
他の評価項目には、ネオアジュバント期間におけるセミプリマブ(コホートA3では化学療法)の最終用量サイクル終了の28日後よりも後の手術と定義される手術の遅延;手術日から腫瘍の再発または手術が成功して回復した後のあらゆる原因による死亡までの時間と定義される無病生存期間(DFS);完全奏効(CR;100%腫瘍壊死)または部分奏効(PR;腫瘍サイズの30%以上の縮小)を示した患者の割合と定義される全奏効率(ORR)(奏効の評価ができない患者はノンレスポンダーとみなす);セミプリマブ(コホートA3では化学療法)の初回投与から任意の理由による死亡日までの時間と定義される全生存期間(OS);12か月、18、24、36、48および60か月時点でのOS率;処置下で発現した有害事象(TEAE)(周術期合併症を含む)、免疫関連有害事象(irAE)、重篤な有害事象(SAE)、死亡、臨床検査値異常(有害事象の共通用語基準でグレード3以上)の発生率;ベースラインから手術時までの変化として定義される腫瘍浸潤CD8 T細胞密度の変化が含まれる。
試験変数:ベースライン特性には、各患者の標準的な人口統計学(例えば、年齢、人種、体重、身長など)、病歴を含む疾患特性、および投薬歴が含まれる。有効性変数には、切除された腫瘍の病理学的評価が含まれる。NSCLCについては、MPRは切除物における生存腫瘍が10%以下と定義される。MPRは、過去のNSCLCのネオアジュバント化学療法試験で開発され、検証された臨床的利益の代用指標である(Hellmanら、Lancet Oncology、2014年;15(1):e42~50頁;Pataerら、J Thorac Oncol、2012年;7(5):825~832頁)。HCCについては、STNは、肉眼的腫瘍切除の病理学的分析に基づいて、腫瘍の70%を上回る壊死と定義される。腫瘍の70%を上回る腫瘍壊死は、HCCにおいて臨床転帰と相関することが示されている(Allardら、J Hepatol、2015年;63(1):83~92頁)。HNSCCについては、MTEは、処置前の腫瘍領域の70%超における腫瘍壊死および/または角質破片に対する巨細胞/組織球反応と定義される。他の有効性変数には、DFS、ORR、OS、腫瘍浸潤CD8 T細胞密度の変化が含まれる。
試験デザイン:切除可能なNSCLC、HCCまたはHNSCCの診断を有することが判明している適格患者を、以下のコホートに登録する。
・コホートA1:コホートA1には、およそ21人のNSCLC患者を登録し、ネオアジュバント状況でセミプリマブ350mgを3週間ごと(Q3W)に2サイクル投与し、その後に8サイクルのセミプリマブ療法および4サイクルのプラチナダブレット化学療法によるアジュバント療法を実施する。
・コホートA2:コホートA2には、およそ21人のNSCLC患者を登録し、2サイクルのネオアジュバントセミプリマブ350mgをQ3Wで静脈内投与し、2サイクルのアジュバントプラチナダブレット化学療法を実施した後、さらに8サイクルのアジュバントセミプリマブ350mgをQ3Wで静脈内投与し、加えて2サイクルのプラチナダブレット化学療法を実施する。全患者に対して、合計4サイクルの分割された標準的なプラチナダブレット化学療法を実施し、うち2サイクルはネオアジュバント状況で、2サイクルは手術後に行う。
・コホートA3:コホートA3には、およそ10人のNSCLC患者を登録し、手術前にネオアジュバントプラチナダブレット化学療法を2サイクル、さらにアジュバントプラチナダブレット化学療法の2サイクル実施した後に、アジュバントセミプリマブ350mgをQ3Wで8サイクル静脈内投与する。全患者に対して、合計4サイクルの分割された標準的なプラチナダブレット化学療法を実施し、うち2サイクルはネオアジュバント状況で、2サイクルは手術後に行う。
・コホートB:コホートBには、およそ21人のHCC患者を登録し、手術前にネオアジュバントセミプリマブ350mgをQ3Wで2サイクル静脈内投与する。アジュバント状況では、セミプリマブ350mgをQ3Wで8サイクル静脈内投与する。
・コホートC:コホートCには、およそ21人のHNSCC患者を登録し、手術前にネオアジュバントセミプリマブ350mgをQ3Wで2サイクル静脈内投与する。手術後に、患者は標準的なアジュバント化学療法および/または放射線療法を受ける。標準的なアジュバント療法の後に、患者は8サイクルのアジュバントセミプリマブ処置をQ3Wで受ける。
ネオアジュバント療法:コホートA1、A2、BおよびCに登録された患者に対して、手術前にセミプリマブ350mgをQ3Wで2回静脈内投与する。患者をセミプリマブの投与後1時間観察し、輸液開始時および輸液終了時にバイタルサインをモニターする。目標投与は2回の用量であり、手術時から21日前に投与する。コホートA2の患者は、セミプリマブを投与するのと同じ日にプラチナダブレット化学療法を受ける。探索的コホートA3の患者は、ネオアジュバントセミプリマブを投与しないQ3Wの投与スケジュールで、標準的なプラチナダブレットを受ける。PD-L1 mRNA発現を、がんゲノムアトラス(TCGA)における扁平上皮性および非扁平上皮性肝がん腫瘍についてプロットした。肝腫瘍の100万当たりの転写産物(TPM)を、OmicSoft ArrayStudioソフトウェア、バージョン10.0.1.50を使用してプロットした。PD-L1 mRNA発現の結果は、TCGA Research Network(https://www.cancer.gov/tcga))によって作成されたデータに全体として基づく。
NSCLCコホートに対するネオアジュバント療法:本試験に登録されたNSCLC患者は、2:2:1の割合でランダム化によりコホートA1、A2およびA3に登録される。コホートA3には、探索的エンドポイントの比較を可能にするため、およそ10人の患者のみを登録する;このコホートは、ネオアジュバント期間中に標準療法を受ける。このコホートの患者は、典型的にはシスプラチンまたはカルボプラチンとペメトレキセド(非扁平上皮性腫瘍の場合)またはパクリタキセル(扁平上皮癌の場合)との併用からなる白金製剤ベースの化学療法を4サイクル受ける。コホートA2またはコホートA3に登録されたすべての患者は、合計4サイクルの分割された標準的化学療法を受け、このうち2サイクルはネオアジュバント状況で、2サイクルは手術後である。コホートA2は、2サイクルのネオアジュバント療法および2サイクルのアジュバント併用化学免疫療法を受け、その後にさらに6サイクルのセミプリマブ単剤療法を受ける。コホートA3はネオアジュバント化学療法のみを受けるが、この群は手術後にさらに2サイクルのアジュバント化学療法を、8サイクルのアジュバントセミプリマブとともに受ける(すべての試験患者に対して標準治療を上回る潜在的利益を確保するため)。
ネオアジュバント療法後の手術:試験デザインでは、ネオアジュバント期間中に21日間を隔てて2回のセミプリマブおよび/またはプラチナダブレット化学療法を実施することが求められる。手術は一般に、ネオアジュバント療法の初回用量の4~6週間後に予定されるべきである。患者の腫瘍の病的状態のために、セミプリマブの2回目の用量を受けるのに十分なほど手術を遅らせることができない場合、患者はセミプリマブの初回用量から14日後という早さで手術に進むことができる(コホートA3の化学療法に適用される)。計画されたセミプリマブを2サイクル投与される患者については、セミプリマブの2回目の用量から少なくとも1日後に手術を実施すべきであり、化学療法を受けている患者については、直近の化学療法サイクルから血球数が回復した時点で手術を実施すべきである。NSCLCの患者におけるネオアジュバント/アジュバント化学療法単独から得られる利益が比較的小さく、これらの患者および化学療法または放射線療法を受けないHCC患者では再発の可能性が高いことを考慮して、すべてのNSCLCおよびHCC患者に、手術からの回復後にさらに8サイクルのセミプリマブをQ3Wで投与する。すべてのHNSCC患者は、化学療法を伴うかまたは伴わない標準治療の放射線療法の完了後に、さらに8サイクルの同じセミプリマブの投与を受ける。
アジュバント療法:コホートA1、A2、A3およびBの患者には、手術からの回復後に、8サイクルのアジュバントセミプリマブ350mgをQ3Wで静脈内投与する。コホートCの患者には、化学療法を伴うかまたは伴わない標準治療のアジュバント放射線療法を完了した後に、8サイクルのアジュバントセミプリマブをQ3Wで投与する。患者を、標準的なアジュバント療法を受けるか実験的なアジュバント療法を受けるかにかかわらず、定期的なサーベイランスでフォローアップする。外科的切除が不完全な患者は、セミプリマブによるアジュバント療法を受けないが、残存病変に対して標準治療に従って管理される。アジュバント療法期の間に腫瘍が再発した患者は、それ以後のセミプリマブ投与を中止し、再発病変に対して標準治療に従って管理される。
NSCLCコホートに対するアジュバント療法:すべてのNSCLC患者に、手術から回復した時点で、アジュバント状況でさらに8サイクルのセミプリマブを投与する。コホートA1は、4サイクルの標準的なプラチナダブレット化学療法を受け、セミプリマブのさらなる8サイクルのうち最初の4サイクルはこれと併用する。コホートA2およびA3は、さらに2サイクルのプラチナダブレット化学療法を受け、セミプリマブのさらなる8サイクルのうち最初の2サイクルはこれと併用する。併用化学療法およびセミプリマブの初回投与は手術後8週間以内に予定し、アジュバント療法は標準的なQ3Wスケジュールで実施する;しかし、主治医の裁量によりスケジュールの変更が認められる。
HCCコホートに対するアジュバント療法:HCC患者に対するアジュバントまたはネオアジュバントの選択肢が不足していて、再発の可能性が高いことを考慮して、全患者に対してさらに8サイクルのセミプリマブをQ3Wで投与する。初回投与は手術後8週間以内に予定される。
HNSCCコホートに対するアジュバント療法:手術後に、患者は標準治療(SOC)に従って、化学療法を伴うかまたは伴わない標準的なアジュバント放射線療法を受ける。HNSCC患者における併用化学療法または放射線療法およびPD-1遮断のデータが不足していることを考慮して、SOCアジュバント療法中にセミプリマブは投与されないが、これらの患者は標準的なアジュバント療法の完了後に8サイクルのアジュバントセミプリマブを投与される。セミプリマブの初回投与は、SOCアジュバント療法後8週間以内に実施される。
フォローアップ:術後期間中に、有害事象を評価するために、患者はアジュバント療法の開始まで4週間ごとに手術フォローアップで評価する。すべての患者は、有害事象についてセミプリマブの最終投与後90日間にわたり評価されるべきである。術後期間中の画像検査は、最初の2年間は手術から12週間ごとに実施し、その後は手術後最長5年間まで標準治療に従って実施すべきである。この5年間の間に、手術から12週間ごとに患者の病状を評価し、疾患が再発した場合は、再発日から12週間ごとに患者を生存についてモニターする。患者が術後期間中のいずれかの時点で対面での試験受診を報告しない場合には、死亡、同意の撤回、または試験終了のいずれか早い方まで、最後の接触日から12週間ごとに、医療記録監査または電話によって生存のフォローアップを継続すべきである。
試験集団:切除可能なNSCLC、HCCまたはHNSCCと診断されたことが判明しているおよそ94人の患者を登録する。
組み入れ基準:本試験への組み入れに適格となるためには、患者は以下の基準をすべて満たす必要がある:(1)18歳以上の男女、(2)患者はNSCLC、HCC、またはHNSCCと診断されていることが判明している;NSCLCおよびHNSCCの組織学的診断が必要である;画像検査によって必要な診断(例えば、HCC)が明確に裏付けられる場合には、処置前および診断的生検を同時に実施することができる;(a)NSCLC:患者はリンパ節転移または4cm以上の原発腫瘍を有する;(b)HCC:HCCの初期診断をX線パラメーターを使用して行うこともできるが、処置前のコア針生検はすべてのコホートで必須である;(c)HNSCC:患者は口腔、中咽頭、喉頭、または下咽頭に原発腫瘍部位を有する;(3)患者は指示された時点で血液試料(特定の来院時に最大120mL)を提供する意志および能力がある;(4)患者はセミプリマブ(コホートA3では化学療法)の開始前に腫瘍の切除生検またはコア針生検を受ける意志および能力がある(目標は最大4回の生検であり、最終的な数は処置を実施する外科医および放射線科医が安全に決定する)。抗凝固療法または抗血小板療法を受けている患者は、生検前にこの療法を中断しても安全な候補者でなければならず、凝固パラメーター(aPTT/INR)は生検時に1.5 ULN以下に正常化していなければならない。HCC病変については、生検は画像ガイダンス下で実施されなければならず、生検穿刺は、潜在的な出血性合併症を軽減するために、最初に正常な肝実質を少なくとも1cm横断しなければならない;(5)米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータスが0または1である。例外は、能力障害が急性でも進行性でもなく、処置に対する反応に重大な影響を及ぼす可能性が低い長期的な能力障害(例えば、脳性麻痺)を有する患者である;(6)患者は腫瘍切除の外科的候補であると判断される;(7)患者は保健当局および施設のガイドラインに規定された書面によるインフォームド・コンセントを理解し、署名する意志がある;(8)臓器および骨髄機能が十分である;(9)受診および試験関連の手順および要件を遵守する意志および能力がある。
除外基準:以下の基準のいずれかに該当する患者は、本試験から除外する:(1)現在の腫瘍または異なる原発腫瘍に対して、試験登録前の6か月以内に何らかの全身抗がん療法または放射線療法を受けた患者;(2)腫瘍量または腫瘍成長のペースから、ネオアジュバントセミプリマブ(コホートA3では化学療法剤)を2回投与して手術を遅らせることができない患者;(3)試験療法から4週間以内または半減期の5倍(いずれか長い方)以内に治験薬または治験用医療機器の試験に参加した患者;(4)ネオアジュバント療法の開始前14日以内に大手術を受けた患者;(5)手術の目的が治癒ではない転移性疾患を有する患者;(6)抗菌薬を必要とする進行中または活動性の感染症(ただし、処置開始前に完了する予定の短期間(10日間以内)の抗菌薬投与は除く)、症候性うっ血性心不全、不安定狭心症、または試験要件の遵守を制限する精神疾患/社会的状況を含むがこれらに限定されない、コントロールされていない併発疾患;(7)試験処置の初回投与前7日以内に全身ステロイド療法または他の免疫抑制療法を受けている。プレドニゾン10回分以下に相当するステロイド(安定用量で4週間以上)を長期的に服用している患者は除外しない;(8)過去1年間に全身療法(すなわち、疾患修飾薬、コルチコステロイド、または免疫抑制薬の使用)を必要とした活動性自己免疫疾患を有する。補充療法(例えば、サイロキシン、インスリン、または副腎もしくは下垂体機能不全に対する生理的コルチコステロイド補充療法など)は許容される;(9)進行している、および/または積極的な処置を必要とする既知の他の悪性腫瘍を有する。例外には以下の患者が含まれる:治癒の可能性がある療法を受けた皮膚の基底細胞癌または皮膚の扁平上皮癌;上皮内子宮頸がんまたは肛門がん;PSA値の上昇を伴わない安定した用量のホルモン療法を受けている前立腺がん;治癒を目的とした処置を受けており、ホルモン療法を受けている可能性のある乳がん;(10)インフォームド・コンセントの前年に脳炎、髄膜炎、またはコントロール不良の発作があった;(11)間質性肺疾患(例えば、特発性肺線維症、器質化肺炎)または活動性の非感染性肺炎の既往があり、管理を補助するために免疫抑制用量のグルココルチコイドを必要とした。放射線照射野における放射線肺炎の既往は、治験薬投与の6か月以上前に肺炎が消失している限り許容される;(12)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、HBVまたはC型肝炎(HCV)によるコントロール不良の感染、または免疫不全の診断を受けている;(a)患者はスクリーニング時にC型肝炎ウイルス(HCV)およびB型肝炎ウイルス(HBV)の検査を受ける;(b)既知のHIV感染があり、感染がコントロールされている(自然発生的にまたは安定した抗ウイルスレジメンを受けて、ウイルス量が検出不能(HIV RNA PCR)で、CD4数が350を超えている)患者は許容される。HIV感染がコントロールされている患者については、地域の基準に従ってモニタリングを実施する;(c)感染がコントロールされている(血清HBV DNA PCRが100 IU/ml未満であり、B型肝炎に対する抗ウイルス療法を受けている)B型肝炎(HepBsAg+)の患者は許容される。感染がコントロールされている患者は、HBV DNAの定期的なモニタリングを受けなければならない。患者は、治験薬の最終投与後少なくとも6か月間、抗ウイルス療法を継続しなければならない;(d)C型肝炎ウイルス抗体陽性(HCV Ab+)であり、感染がコントロールされている患者(自然発生的に、または以前の抗HCV療法が成功したことに反応して、PCRでHCV RNAが検出不能)は許容される;(13)治験薬の計画された開始から28日以内に生ワクチンを接種した;(14)過去に同種幹細胞移植または自家幹細胞移植を受けている;(15)臓器移植のレシピエント;(16)高い安全上のリスクおよび/または試験結果の解釈に影響を及ぼす可能性があるために患者を臨床試験への参加に適さないものとする医学的併存疾患、身体所見、代謝機能障害、または臨床検査値異常;(17)臨床現場の試験チームのメンバーまたはその近親者;(18)任意のタンパク質治療薬(例えば、組換えタンパク質、ワクチン、IV免疫グロブリン、モノクローナル抗体、受容体トラップ、セミプリマブの賦形剤)に対するアレルギーまたは過敏反応が記録されている;(19)試験の要件を満たすことを妨げる既知の精神障害または物質乱用障害が判明している;(20)スクリーニング/ベースライン受診時に血清hCG妊娠検査が陽性であった女性。陽性の場合、患者が適格であるためには、超音波によって妊娠が除外されなければならない;(21)授乳中の女性は除外される;(22)妊娠可能な女性(WOCBP)、またはパートナーがWOCBPである性的に活動的な男性で、最初の投与/最初の処置開始前、試験中、および最終投与後少なくとも6か月間、非常に効果的な避妊を行うことを望まない者。
試験処置:コホートA1、A2、BおよびCに登録された患者は、手術前に2回のセミプリマブ(350mg Q3W)静脈内投与を受ける。目標投与は2回の用量であり、手術時から21日前に投与する。コホートA2の患者は、セミプリマブを投与するのと同じ日にプラチナダブレット化学療法を受ける。コホートA3の患者は、Q3Wの投与スケジュールで標準的なプラチナダブレット化学療法を受け、ネオアジュバントセミプリマブの投与は受けない。コホートCの患者は、セミプリマブの投与前に、化学療法を伴うかまたは伴わない標準治療の放射線療法を受けることができる。処置および用量に関する情報を以下の表1に要約する。
Figure 2024507144000001
併用薬および手順:インフォームド・コンセントの時点から最後の試験処置の90日後までに行われた手順、または処方薬または市販薬の両方で施された処置は、併用処置とみなされる。これには、インフォームド・コンセント文書(ICF)への署名後から試験の初回投与前に開始され、治験期間中に継続される薬剤および他の療法、ならびに試験薬に関連した有害事象(AE)を処置するためにフォローアップ期間中に開始された任意の療法が含まれる。
禁止薬剤および手順:本試験に参加している間、患者は、試験で規定された投与レジメンに従い、本明細書に概説されている以外の腫瘍の処置を受けてはならない。患者は、試験期間中に生ワクチンの接種を受けてはならない。患者の福祉のために必要と考えられ、試験薬の評価に支障をきたさないと予想される他の薬剤は、慎重に投与してもよい。コルチコステロイド補充以外に、免疫抑制用量(10mg/日を上回るプレドニゾンまたは同等物)の全身性コルチコステロイドを使用している患者は、本試験に適格ではない。
許容される薬剤および手順:標準的な制吐薬および前処置薬は、化学療法を受けるすべての患者に使用される。生理的補充用量の全身性コルチコステロイドは、プレドニゾン換算で10mg/日間を上回っても許容される。予防処置(例えば、造影剤アレルギー)または非自己免疫性疾患(例えば、接触アレルゲンによる遅延型過敏反応)の処置のための短期間のコルチコステロイド投与は許容される。
統計方法:連続変数については、記述統計値に以下の情報を含める:算出に反映される患者数(n)、平均値、中央値、標準偏差、最小値、および最大値。カテゴリーまたは順序のデータについては、カテゴリーごとに頻度および割合を表示する。イベントまでの時間データについては、カプラン-マイヤー曲線および推定値、ならびに主要なランドマーク時点での生存率中央値および95%信頼区間を提示する。有効性の主要解析には奏効率が含まれ、これを各コホートについて算出した両側クロッパー-ピアソン95%信頼区間とともに記述統計値を用いて要約する。有効性の副次的解析には、修正RECIST 1.1(すなわち、以下の表2および表3に要約するように、奏効[PR/CR]の確認を必要としないRECIST 1.1(Eisenhauer、2009年))により測定したDFS、OS、およびORRが含まれる。
Figure 2024507144000002
Figure 2024507144000003
切除可能なHCCの処置に対するネオアジュバントセミプリマブの臨床試験の結果(コホートB)
本実施例は、実施例1に記載された通りの、切除可能なHCCに対する周術期のセミプリマブ(抗PD-1)の臨床試験(NCT03916627、コホートB)からの結果を提供する。このコホートには、統計21人の患者(表4)が登録された。
Figure 2024507144000004
最初の画像検査および生検の後、患者は2サイクルのネオアジュバントセミプリマブ(350mg Q3W)の投与を受け、その後さらに画像検査を受け、その後に患者は、処置開始から23日後に外科的腫瘍切除および隣接組織のサンプリングを受け、その後、さらに8サイクルのアジュバントセミプリマブ(350mg Q3W)の投与を受けた。処置前に、患者は磁気共鳴画像法(MRI)による3D画像および腫瘍のコア針生検を受けた。周術期スクリーニング期間を通して、ネオアジュバント処置の開始前に分析のために血液を採取し、患者は外科的切除の直前に反復して3D MRI画像検査を受けた。
主要評価項目は、手術時の肉眼的腫瘍切除の病理学的分析に基づいて、切除された腫瘍の70%を上回る壊死と定義される有意な腫瘍壊死とした。副次的評価項目には、手術の遅延、無病生存期間、修正RECIST 1.1による全奏効率、全生存期間、有害事象(AE)、およびリンパ球浸潤の変化が含まれた。患者は処置前の生検を受け、処置中は、多重IHC、単細胞プロテオミクスおよびトランスクリプトーム解析などの探索的解析を可能にするために定期的に採血された。本明細書で考察するように、セミプリマブを用いるネオアジュバント療法は、驚いたことに、HCCにおいて測定可能な病理学的奏効をもたらした。18か月間の過程で、21人の患者全員が術前にセミプリマブを2サイクル投与され、患者1人を除く全員が切除に成功した;この患者1人は手術時に転移性疾患を有することが判明し、切除が中止された。RECIST基準を使用するベースラインからの腫瘍サイズの変化を、MRI上の灌流分析による腫瘍壊死の測定とともに、各患者で評価した(図1)。
図2は、レスポンダーおよびノンレスポンダーにおける代表的なMRI画像を、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)スコアによって定量化された、免疫細胞による浸潤を示す対応するヘマトキシリンおよびエオシン画像とともに示す。3D MRIを、スクリーニング受診時、手術受診時、および最初の2年間は術後12週間ごとに実施し、その後は術後5年まで標準治療に従って実施した。
処置前の生検および切除された腫瘍試料において、ネオアジュバント処置後に、壊死および腫瘍浸潤CD8 T細胞密度のベースラインからの変化を病理学的に評価した。切除された腫瘍試料を、腫瘍DNA、多重イオンビームイメージング、免疫組織化学アッセイ、変異分析、および単細胞バイオマーカー分析のために処理された。最初の病理学的評価は、免疫細胞浸潤と腫瘍壊死との関連を示唆する(図3)。図3に示すように、TILが増加した患者(TIL +2~+3)とTILが軽度に変化した患者(TIL変化 -1~1)との間で、奏効(病理学的壊死変化)に名目上の有意差が認められた(p=0.026)。
組織分析は進行中である。ベースライン時およびセミプリマブ処置後の骨髄系およびリンパ系浸潤パターンを記載した多重IHCを図4に示す。
処置の忍容性は良好であった:患者の19人(90.5%)が、原因にかかわらず、処置中に発現したいずれかのグレードのAE(TEAE)を少なくとも1件経験した(表5)。最も多くみられたいずれかのグレードのTEAEは、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加(n=6、28.6%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、便秘、疲労(各n=3、14.3%)であった。TEAEはHCCと関連していたが、試験処置とは関連しなかった。原因にかかわらず、グレード3以上のTEAEは患者6人(28.6%)に発生した。血中クレアチンホスホキナーゼ増加は患者2人(9.5%)に発生し、処置を行わないことによって回復した。処置に関連したいずれかのグレードのTEAEは患者6人(28.6%)に発生した。1人の患者がネオアジュバント療法中にグレード3の肺炎を経験し、手術は、プロトコールで定義される手術時間枠に従って2週間延期された。セミプリマブ処置は変更されなかった。事象が解消された時点で、外科的切除が首尾良く行われた。
Figure 2024507144000005
腫瘍が切除された患者20人のうち、7人(35%)は50%以上の腫瘍壊死を有し、4人(20%)が、70%を上回る有意な腫瘍壊死という所定の評価項目を達成した。腫瘍壊死が70%を超えた患者4人のうち3人(15%)が病理学的完全奏効を有した。ベースライン時および免疫療法完了後に、病理学的評価および3D MRI検査で壊死の程度の変化に同様のパターンが観察された。最初の病理学的評価では、既存の腫瘍浸潤性リンパ球の存在と反応との間に相関が示された。これは、HCCにおけるPD-1を標的とするネオアジュバント単剤療法についてこれまでに報告された最大規模の試験である。
ネオアジュバント状況において、セミプリマブは切除可能なHCC患者において許容可能な安全性-リスクプロファイルを示した。病理学的奏効データは、生存期間の改善と相関する最適な臨床評価項目を同定して、切除可能なHCC患者における周術期PD-1遮断の有用性および安全性を確立するための、より大規模な試験の裏付けとなる。
ネオアジュバントセミプリマブはHCCにおいて病理学的完全奏効を示す
本実施例は、実施例1に記載された通りの、切除可能なHCCに対する周術期のセミプリマブ(抗PD-1)の臨床試験(NCT03916627、コホートB)からのさらなる結果を提供する。本試験は、根治的手術の前および後にセミプリマブ単剤療法の投与を行った単一施設、非盲検、単一アームの第2相試験である;早期HCC患者21人を登録し、全患者が手術を受けた(表6)。
Figure 2024507144000006
患者は、18歳以上で、切除可能なHCCが確認され(画像および/または生検で証明された疾患でのLiver Imaging Reporting and Data System[LIRADS]スコアが5である)、ECOGパフォーマンスステータスが0または1であり、十分な肝機能を有する必要があることとした。患者を、HCCの基礎にある病因に関係なく登録した;HCVまたはHBVの既往のある患者は、ウイルス排除が生じた場合、またはHBVを標的とする処置で流血中ウイルスが抑制された場合に許容された。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)でウイルス量が検出不能であり、CD4+ T細胞数が350/μLを超えるHIV患者は許容された。
転移性疾患を有する患者、手術で治癒が期待できない患者、または積極的な処置を必要とする既知の他の悪性腫瘍を有する患者は登録から除外した。ホルモン補充療法を受けている内分泌障害患者を除き、患者は慢性全身性免疫抑制を受けていないか、過去1年間に全身処置を必要とする活動性自己免疫疾患を有しないものとした。妊娠女性および移植患者、ならびに中枢神経系または肺の炎症性疾患の既往を有する患者は除外した。
外科的切除の候補とみなした患者を登録し、コンピュータ断層撮影(CT)ガイド下で腫瘍のコア針生検(プロトコールに従って)を行い、その後、ネオアジュバントセミプリマブ350mgを3週間ごと(Q3W)に2回投与した。セミプリマブの2回目の用量の後に、患者は外科的切除を受けた。処置開始前および続いて外科的切除の10日前以内に、禁忌でない限り、ガドキセト酸増強磁気共鳴画像法(MRI)を実施し、患者はCTスキャンを受けた。定期的に採血し、後の分析のために凍結保存した。手術から回復した後に、患者はさらに8サイクルのセミプリマブIV 350mgをQ3Wで投与された。
病理学的検査による腫瘍壊死は、正常肝細胞から描出された腫瘍被膜内の領域によって定義される切除腫瘍母地内および処置前の生検で認められた壊死の割合を視覚的に推定することによって評価した。生検における壊死は、分析した完全なコアに基づいて推定した;壊死した腫瘍の割合を測定するために、腫瘍母地全体の壊死を肉眼的に検査した後、腫瘍の代表的な試料(最大径1cmあたり少なくとも1つの切片)を検査して、評価を確認した。病理学的な完全奏効は、分析したすべての切片に生存腫瘍が認められないことと定義した。腫瘍浸潤リンパ球(TIL)および三次リンパ構造(TLS)類似の凝集体も、これらの処置前および処置後の検体で定量化した。術前MRI検査による腫瘍壊死の程度は、門脈フェーズにおいて得られたサブトラクション造影後T1強調画像上の非増強組織と定義される;この壊死の定量化は、HCCの組織病理学的評価での腫瘍壊死の程度と密接に相関することが以前に示されている(Gordicら、J Hepatol 2017年;67(6):1213~21頁)。
安全性は、手術前、術後のアジュバント療法中、およびセミプリマブ中止後90日間(アジュバント期のモニタリングは継続中)と、試験期間を通して継続的にモニターした。外科的切除によるネオアジュバント処置の安全性および忍容性をここに報告する。AEは、有害事象共通用語基準(CTCAE、バージョン5.0)を使用して評価した。
主要評価項目は、切除腫瘍の70%を上回る壊死と定義される顕著な腫瘍壊死(STN)とした(Allardら、J Hepatol 2015年;63(1600-0641 Electronic):83~92頁)。副次評価項目には、手術の遅延(セミプリマブの2サイクルから28日後よりも後の手術と定義);全奏効率(ORR)(RECIST 1.1に基づく)(RECIST 1.1の基準に従って治験責任医師が記録した完全奏効(CR;100%の腫瘍壊死)または部分奏効(PR;腫瘍サイズの30%以上の縮小)を示した患者の割合と定義)が含まれた。また、切除された腫瘍の病理学的検査で腫瘍壊死が50%以上であった患者の割合;ベースラインに存在しなかったAEまたは処置期間中の既存疾患の増悪を示すAEと定義される、処置下で生じたAE(TEAE);プロトコールで定義される免疫関連基準を満たすAEと定義される、免疫関連AE(IRAE);およびベースラインから手術時までの変化と定義される、腫瘍浸潤CD8+ T細胞密度の変化についても記録した。
組織分析:処置前の生検試料を、多重免疫組織化学(mIHC)および免疫蛍光分析のためにホルマリン固定およびパラフィン包埋(FFPE)し、さらなる生検試料を、バルクRNAシークエンシング(BulkSeq)分析のためにRNA-laterに保存した(Remarkら、Sci Immunol、2016年;1(1):aaf6925頁)。完全に自動化されたmIHCアッセイを、Ventana Discovery ULTRAプラットフォーム(Ventana Medical Systems、Tucson、AZ、USA)で実施した(Zhangら、Lab Investig 2017年;97(7):873~85頁)。処置後に得られた外科的腫瘍切除物を、分析のために同様に保存した。腫瘍壊死の程度、TILおよびTLS類似構造の存在について、FFPE処置前生検および処置後の腫瘍切除で定量化した。病理学的評価の後に、切除された腫瘍をサンプリングして、処置後の組織に対するペアでのBulkSeqを可能にした;残存組織を有する患者では、腫瘍および隣接組織を解離させて単細胞懸濁液にして、このサブセットを、以前に使用された方法および確立されたパネルを使用する質量サイトメトリーによって分析した。
処置前の生検試料および切除試料に対してBulkSeqを行い、RNA-laterに保存した。シークエンシングおよび解析は前述のように実施した。BulkSeqデータにおける細胞種を同定するために、CD8+ T細胞(Leiら、Clinical Cancer Research 2021年)、ナイーブ、細胞傷害性、または活性化/機能不全リンパ球(Van der Leunら、Nat Rev Cancer、2020年;20(4):218~32頁)、またはB細胞およびT調節細胞(Szaboら、Nat Commun 2019年;10(1):1~16頁)に関する前述の遺伝子シグネチャーを使用して、処置前および処置後の腫瘍検体内部のリンパ球集団を定量化した;単球由来マクロファージ集団は、CSF1R、CSF3R、CD163、CD68、C1QA、CD14、TFECを含む遺伝子シグネチャーを使用して定義した。続いて、シグネチャーを構成するすべての遺伝子の総転写産物カウントの対数を求めることによってスコアを生成した。
統計分析:有効性の主要アウトカムは手術を完了した患者に基づいて測定し、有効性の副次的アウトカムは最大解析対象集団で測定し、安全アウトカムは安全性解析対象集団に従って評価した。STNの割合を頻度および割合を使用してまとめ、クロッパー-ピアソン法を使用して両側95%信頼区間を算出した。有効性の副次的評価項目であるORRは、RECIST 1.1基準によって測定した;その後に腫瘍を除去したため、CRまたはPRの確認は不可能であった。本試験で報告されたすべてのAEは、現在入手可能なバージョンの医薬品規制用語集(MedDRA)を使用してコード化した。壊死およびX線画像上の腫瘍縮小のX線画像上の推定値と病理学的推定値との間の相関をスピアマン相関によって評価し、名目上のp値および相関係数を報告した。BulkSeqデータの遺伝子シグネチャーを使用して同定された細胞サブセットについて、ウィルコクソン符号付き順位検定を使用して、これらのスコアの患者群間の有意性を評価した。
結果:試験に登録された21人の患者全員が生検を受け、その後、セミプリマブを2回投与された。ほとんどの患者はアジア系(52%)であり、最も一般的な基礎的な原因はHBV感染であった(表6)。20人の患者はAJCC UICC第8版でステージIbIIであり、1人の患者は門脈分枝浸潤のためにX線撮影でステージIIIbであった。セミプリマブの開始から外科的切除までの期間の中央値は29日間であり、1人の患者は免疫療法の開始から22日後に既に手術を受けた。1人の患者は外科的精査で転移性疾患を有することが判明し、切除は中止された。
セミプリマブは、許容されるリスク便益プロファイルを示した。20人(95%)の患者がネオアジュバント処置期間中にいずれかのグレードのAEを経験した(表7)。グレード3以上のAEを経験した患者は7人(33%)であった。2人で血中クレアチンホスホキナーゼが上昇したが、処置を行わないことによって解消し、原因は不明であった。グレード4または5のAEは観察されなかった。いずれかのグレードのTRAEが6人(29%)に発生し、そのうち2人(10%)はグレード3であった。1人はグレード3の斑状丘疹を経験し、別の1人はネオアジュバント療法中にグレード3の肺炎を経験した(表8);この肺炎はステロイドによる処置を必要とし、プロトコールで定義される基準に従って手術が13日遅れた。事象が解消した時点で、外科的切除が首尾良く行われた。
Figure 2024507144000007
Figure 2024507144000008
腫瘍の主要評価項目の評価が可能であった20人のうち4人(20%)がSTNを有し、これには病理組織学的検査で腫瘍の完全壊死(100%)が認められた3人(15%)が含まれた。注目されることとして、切除された20人のうち7人(35%)が50%以上の腫瘍壊死を有し、これは処置後に顕著な壊死が認められる患者を同定するために他の試験によって使用されている基準である(表9)。
Figure 2024507144000009
処置中、セミプリマブ開始から中央値で24日後に、20人の患者に対して術前MRI検査を行い、1人の患者に術前CT検査を実施した。3人の患者がRECIST 1.1に従って放射線学的にPRを達成し、ORRは15%であり、他のすべての患者は安定疾患を維持していた。
MRIは、造影後の差分画像に基づいて生存腫瘍の推定を可能にし、この手法により、X線画像上の腫瘍縮小に関係なく、切除前に実施された画像で有意な壊死を有する患者を同定された。これを図5Aに示しており、これは、標準的なRECIST測定を使用した奏効が大きい順に順序を付けた、患者における奏効のウォーターフォールプロットである(点線は腫瘍サイズの30%の減少と相関する)。これと並行して、2人の専門の肝病理学者によって評価された壊死の程度の病理学的評価(壊死の絶対的変化に基づく)および手術前の処置後に行ったMRI上の壊死の程度(点線はSTNの主要評価項目を達成するための70%の壊死と相関する)を示している。
MRIによる壊死測定値と病理学的分析による壊死測定値の比較分析を提示している図5Bに示すように、MRIによって定義される壊死の推定値は、手術時の壊死の病理学的評価と強く相関した(r=0.71~0.72、p<0.0001)。回帰直線は破線で示されている。ρは相関係数である。対照的に、壊死の評価(病理学的または放射線学的)と標準的なRECIST 1.1によって測定した腫瘍奏効との間には中程度の相関しか認められず、統計的有意性には達しなかった(図6)。
処置後の壊死が顕著であった患者に焦点を当てて、50%以上の壊死を達成した患者7人のうち5人の標準的画像および病理学的画像は、表10にまとめたように、X線画像上の壊死および病理学的な壊死の例を強く示している。3人の患者(患者16、17および18)は、MRIおよび病理学的評価の両方でSTNを経験したが、これらの患者のうちRECIST 1.1でPR(約30%)を達成したのは1人(患者18)のみであり、他の患者の病変は標準的奏効によれば安定疾患であると考えられた。手術時に壊死が認められた患者5人の処置前後の代表的な画像および病理学的標本は、組織およびX線所見の異質性を強く示している。これらの患者のそれぞれで腫瘍母地の有意な縮小が観察された。TILは、サンプリングされたすべての腫瘍領域を評価する病理学者によって、0(TILなし)、1(1~2個の病巣)、2(3個以上の病巣)または3(散在性シート状のTIL)としてスコア化された。同様に、三次リンパ凝集物は、0(なし)、1(1個を認める)、2(2個を認める)、3(3個以上が存在する)としてスコア化された。切除時にも顕著な壊死を有していた患者2では、処置前の生検でベースライン時の壊死がさらに高度であり、患者20では、処置前の生検で存在する腫瘍細胞が見られなかった。
Figure 2024507144000010
探索的組織分析については、組織病理学的壊死が50%以上であった7人の患者と、切除を受け、切除された腫瘍に壊死がほとんどまたは全く認められず、いずれも30%以下であった残りの13人の患者とを比較した(表11)。この探索的カットオフを使用して同定された7人の患者のうち6人は、ベースライン時の生検で壊死の増加が認められ、治療効果が示唆された(表11)。これらの7人の患者のうちの1人である患者2は、ベースラインで高度に壊死した腫瘍を有し、処置後にMRIまたは病理学的検査で壊死のレベルに目に見える変化がなく、療法中に腫瘍のサイズが幾分増加した。この試験で壊死が50%以上であった7人の患者のうち、3人はHBVの既往があり、2人は非アルコール性脂肪肝炎/非アルコール性脂肪肝疾患(NASH/NAFLD)であり、1人はHCV関連肝硬変であり、1人はアルコール性肝硬変であった(表11)。
Figure 2024507144000011
処置後の病変の免疫組織化学的分析により、壊死が50%以上の患者では、壊死がほとんどまたは全くない患者と比較して、免疫浸潤の密度が増加し、TLS類似構造およびTILが強化されていることが示された(図7A)。処置後の手術標本では、壊死が50%以上のすべての患者でTIL浸潤スコアが非常に高く、TIL値が高レベルであったのに対して、壊死が50%未満の患者ではわずか21%であり、壊死が50%未満の患者の29%ではTIL浸潤が認められなかった。質量サイトメトリーによる分析のために十分な腫瘍を有する患者のサブセットでは、壊死が50%以上の4人の患者(壊死が100%である3人の患者および壊死が50%である1人の患者)は、壊死がほとんどまたは全くない患者4人と比較して、腫瘍中のCD8+ T細胞浸潤が有意に高度であった;この所見は、切除された無関係な隣接縁に同程度の数のT細胞が認められたことからみて、腫瘍に特有のものであった(図7B)。
さらに、複数の代表的な関心領域における免疫浸潤を定量化した処置前および処置後の検体のmIHCにより、ベースラインで免疫浸潤の増強が示され、これは50%以上の壊死を有する患者では処置後にさらに増加した。処置後に壊死がごくわずかであるかまたは全く認められなかった患者では、これらは相対的に変化がなく、患者間のばらつきを考慮しても、この所見は統計的有意性に達しなかった(図7C)。mIHCパネル(CD3-CD8-FOXP3-CD68-CD20)を使用して定量的画像解析を行い、図7Cに示された各免疫サブセットの密度を測定した。
処置前および処置後の検体ペアに由来するRNAのBulkSeq分析では、CD8+ T細胞、活性化/機能不全(消耗)細胞、細胞傷害性細胞、単球由来マクロファージ(Mono/Mac)、およびB細胞の公表されているシグネチャーは、その後の切除時に50%以上の壊死を有していた患者ではベースライン時にすべて存在量が多く、これらの患者ではB細胞シグネチャーを除くすべてのシグネチャーが処置後に増加したが、壊死がほとんどまたは全くない患者ではこれらのシグネチャーのいずれの発現レベルにも変化はみられなかった(50%未満)(図7D)。さらに、11人の患者(切除時に壊死がほとんどまたは全くない患者7人[すべて壊死が50%未満]および壊死が50%以上であった4人患者)の生検コアおよび腫瘍切除のバルクRNAシークエンシング(BulkSeq)のヒートマップ表示を観察した。
図7A~7Dにおいて、*p<0.05;**p<0.01;Conv、通常型;DAPI、4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール;FFPE、ホルマリン固定およびパラフィン包埋;FOXP、フォークヘッドボックスタンパク質;H&E、ヘマトキシリンおよびエオシン;HCC、肝細胞癌;MICSSS、単一スライド上の多重免疫組織化学連続染色;mIHC、多重免疫組織化学;ns、有意でない;TIL、腫瘍浸潤リンパ球;TLS、三次リンパ構造;Treg、制御性T細胞である。
結論:本試験は、切除可能なHCCを有する患者において、短期間のネオアジュバントセミプリマブが病理学的な奏効をもたらしたことを示している。セミプリマブの安全性プロファイルは許容可能であった。初期の病理学的評価において、処置前および処置後の組織からのシークエンシングに基づき、腫瘍免疫活性の分子的特徴と病理学的壊死との間に正の相関が認められ、ベースラインからの免疫浸潤反応の増加と病理学的壊死の大きさとの間にも相関が認められた。さらに、標準的な画像化奏効基準(RECIST 1.1)では、短期間の療法後にはほとんどの患者で病理学的奏効を同定できないが、造影MRIは療法に反応した腫瘍壊死を評価するための正確な非侵襲的方法であることが示されており、療法後の生存腫瘍の全体的な変化を定量化するためにRECIST 1.1と併用すべきである。
HCCにおける周術期のPD-1標的薬単剤療法に関するこれまでで最大規模の治験と考えられる本試験において、セミプリマブは、未だ対処されていない臨床的必要性を有する患者集団において臨床的活性を示した。さらに、STNの割合は20%であり、手術時に50%以上の腫瘍壊死が認められた患者の合計は35%であり、周術期のグレード3のTRAEの割合は10%であった。手術が治癒を目的とする療法であるこのHCC患者集団において、セミプリマブのネオアジュバント療法は、手術前により長期間の導入療法を必要とし、周術期毒性の可能性を高め、手術を遅らせたり妨げたりすることもある他の処置よりも、実質的な利点を提供する。
この試験で50%以上の壊死を有していた7人の患者で、すべての原因が示された;3人はHBVの既往があり、2人はNASH/NAFLD、1人はHCV関連肝硬変、1人はアルコール性肝硬変を有していた(表11)。NASH/NAFLDを有する2人の患者に見られた病理学的奏効は、NASH関連HCCを有する患者は他の原因によるHCC患者よりも有意に悪化したという本発明者らの知見を考慮すると注目に値する(Pfisterら、Nature、2021年;592(7854):450~56頁)。NASHと確定診断された1人の患者(患者17)では、処置前の生検でTILまたはTLS類似構造は記録されなかったが、切除された腫瘍には強固な免疫浸潤が認められ、このことは、NASH関連HCCは少なくとも早期の状況では免疫療法に反応する可能性があることを示唆する。
腫瘍が50%以上壊死した患者における免疫浸潤は、セミプリマブ処置後の手術試料で壊死がほとんどまたは全く認められなかった患者よりも強固であった。さらに、BulkSeqデータに基づく処置前の生検における免疫浸潤の密度は、処置後のこのより高度の壊死と相関しており、これはmIHCから観察された傾向によって補完され、このことは自らの腫瘍の免疫認識を基礎に有する患者は、PD-1遮断単剤療法に反応する可能性が高いことを示唆する。
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本開示は、本明細書に記載された特定の実施形態によって範囲が限定されるものではない。実際には、本明細書に記載されたものに加えて、本発明のさまざまな変更が、前述の説明および添付の図面から当業者に明らかになるであろう。そのような変更は、添付の特許請求の範囲内にあることを意図している。

Claims (63)

  1. 腫瘍を処置するかまたは腫瘍の成長を阻害する方法であって、
    (a)肝がんの患者を選択する工程;
    (b)ネオアジュバントプログラム死-1(PD-1)阻害剤の治療有効量を患者に投与する工程であって、ネオアジュバントPD-1阻害剤は、PD-1に特異的に結合し、配列番号1の重鎖可変領域(HCVR)に含有される3つの重鎖相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)および配列番号2の軽鎖可変領域(LCVR)に含有される3つの軽鎖CDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗体、またはその生物学的同等物である、工程;ならびに
    (c)工程(b)の後に、肝がん腫瘍を外科的に切除する工程
    を含む方法。
  2. 肝がんは、切除可能である、請求項1に記載の方法。
  3. 肝がんは、肝細胞癌(HCC)、線維層板状癌、胆管癌、血管肉腫、および肝芽腫から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 肝がんは、HCCである、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 肝がんは、再発性である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 肝がんは、転移性である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 患者は、手術の目的が治癒である肝がんを有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 患者は、抗ウイルス療法で処置および制御された慢性ウイルス感染症を有し、慢性ウイルス感染症は、HIV、HBV、HCV、またはそれらの組合せを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 患者は、扁平上皮性または非扁平上皮性肝がんを有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 患者は、肝がん細胞の1%以上においてPD-L1発現を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 外科的切除は、工程(b)の28日後よりも後に行われる、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号3のアミノ酸配列を有するHCDR1;配列番号4のアミノ酸配列を有するHCDR2;配列番号5のアミノ酸配列を有するHCDR3;配列番号6のアミノ酸配列を有するLCDR1;配列番号7のアミノ酸配列を有するLCDR2;および配列番号8のアミノ酸配列を有するLCDR3を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRを含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRを含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  15. 投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号1/2のHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアを含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  16. 投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、重鎖および軽鎖を含み、重鎖は、配列番号9のアミノ酸配列を有する、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、重鎖および軽鎖を含み、軽鎖は、配列番号10のアミノ酸配列を有する、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
  18. 投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、重鎖および軽鎖を含み、重鎖は、配列番号9のアミノ酸配列を有し、軽鎖は、配列番号10のアミノ酸配列を有する、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
  19. 投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、セミプリマブである、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 投与されるネオアジュバントPD-1阻害剤は、配列番号1に対して90%、95%、97%、または98%の配列同一性を有するHCVRを含む抗PD-1抗体である、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  21. 投与されるネオアジュバントPD-1阻害剤は、配列番号2に対して90%、95%、97%、または98%の配列同一性を有するLCVRを含む抗PD-1抗体である、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  22. 投与されるネオアジュバントPD-1阻害剤は、配列番号1に対して90%、95%、97%、または98%の配列同一性を有するHCVRと、配列番号2に対して90%、95%、97%、または98%の配列同一性を有するLCVRとを含む抗PD-1抗体である、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  23. (d)工程(c)の後に、アジュバントプログラム死-1(PD-1)阻害剤の治療有効量を患者に投与する工程であって、アジュバントPD-1阻害剤は、PD-1に特異的に結合し、配列番号1の重鎖可変領域(HCVR)に含有される3つの重鎖相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)および配列番号2の軽鎖可変領域(LCVR)に含有される3つの軽鎖CDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗体、またはその生物学的同等物である、工程
    をさらに含む、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 投与されるアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号3のアミノ酸配列を有するHCDR1;配列番号4のアミノ酸配列を有するHCDR2;配列番号5のアミノ酸配列を有するHCDR3;配列番号6のアミノ酸配列を有するLCDR1;配列番号7のアミノ酸配列を有するLCDR2;および配列番号8のアミノ酸配列を有するLCDR3を含む、請求項23に記載の方法。
  25. 投与されるアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRを含む、請求項23~24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 投与されるアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRを含む、請求項23~24のいずれか1項に記載の方法。
  27. 投与されるアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号1/2のHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアを含む、請求項23~24のいずれか1項に記載の方法。
  28. 投与されるアジュバント抗PD-1抗体は、重鎖および軽鎖を含み、重鎖は、配列番号9のアミノ酸配列を有する、請求項23~27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 投与されるアジュバント抗PD-1抗体は、重鎖および軽鎖を含み、軽鎖は、配列番号10のアミノ酸配列を有する、請求項23~27のいずれか1項に記載の方法。
  30. 投与されるアジュバント抗PD-1抗体は、重鎖および軽鎖を含み、重鎖は、配列番号9のアミノ酸配列を有し、軽鎖は、配列番号10のアミノ酸配列を有する、請求項23~27のいずれか1項に記載の方法。
  31. 投与されるアジュバントPD-1阻害剤は、配列番号1に対して90%、95%、97%、または98%の配列同一性を有するHCVRを含む抗PD-1抗体である、請求項23に記載の方法。
  32. 投与されるアジュバントPD-1阻害剤は、配列番号2に対して90%、95%、97%、または98%の配列同一性を有するLCVRを含む抗PD-1抗体である、請求項23に記載の方法。
  33. 投与されるアジュバントPD-1阻害剤は、配列番号1に対して90%、95%、97%、または98%の配列同一性を有するHCVRと、配列番号2に対して90%、95%、97%、または98%の配列同一性を有するLCVRとを含む抗PD-1抗体である、請求項23に記載の方法。
  34. 患者において、切除された腫瘍の壊死を導き、腫瘍退縮を促進し、腫瘍細胞負荷を減少させ、腫瘍量を減少させ、および/または腫瘍再発を予防する、請求項1~33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 切除された腫瘍の50%を上回る壊死を導く、請求項1~34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 切除された腫瘍の70%を上回る壊死を導く、請求項1~35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 抗ウイルス療法、光力学療法、プログラム死リガンド1(PD-L1)阻害剤、リンパ球活性化遺伝子3(LAG3)阻害剤、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)阻害剤、グルココルチコイド誘導腫瘍壊死因子受容体(GITR)アゴニスト、T細胞免疫グロブリンおよびムチン含有3(TIM3)阻害剤、BおよびTリンパ球アテニュエーター(BTLA)阻害剤、IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)阻害剤、CD38阻害剤、CD47阻害剤、別のT細胞共阻害剤またはリガンドのアンタゴニスト、CD20阻害剤、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)阻害剤、CD28アクチベーター、血管内皮増殖因子(VEGF)アンタゴニスト、アンジオポエチン-2(Ang2)阻害剤、トランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)阻害剤、上皮増殖因子受容体(EGFR)阻害剤、共刺激受容体に対するアゴニスト、腫瘍特異抗原に対する抗体、ワクチン、抗原提示を増加させるためのアジュバント、腫瘍溶解性ウイルス、細胞毒素、化学療法剤、白金ベースの化学療法、チロシンキナーゼ阻害剤、IL-6R阻害剤、IL-4R阻害剤、IL-10阻害剤、サイトカイン、抗体薬物コンジュゲート(ADC)、キメラ抗原受容体T細胞、抗炎症薬、ならびに栄養補助食品のうちの1つまたはそれ以上から選択されるさらなる治療剤または療法を患者に施す工程をさらに含む、請求項1~36のいずれか1項に記載の方法。
  38. ネオアジュバントPD-1阻害剤は、1回またはそれ以上の用量として投与され、各用量は、2週間ごと、3週間ごと、4週間ごと、5週間ごと、または6週間ごとに投与される、請求項1~37のいずれか1項に記載の方法。
  39. ネオアジュバントPD-1阻害剤は、2回またはそれ以上の用量として投与され、各用量は、3週間ごとに投与される、請求項1~38のいずれか1項に記載の方法。
  40. ネオアジュバントPD-1阻害剤は、5mgから1000mgの用量で投与される、請求項1~39のいずれか1項に記載の方法。
  41. ネオアジュバントPD-1阻害剤は、200mg、250mg、350mg、400mg、500mg、600mg、750mg、800mg、または1000mgの用量で投与される、請求項1~40のいずれか1項に記載の方法。
  42. ネオアジュバントPD-1阻害剤は、患者体重当たり1mg/kgから20mg/kgの用量で投与される、請求項1~39のいずれか1項に記載の方法。
  43. ネオアジュバントPD-1阻害剤は、患者体重当たり1mg/kg、3mg/kgまたは10mg/kgの用量で投与される、請求項1~39のいずれか1項に記載の方法。
  44. ネオアジュバントPD-1阻害剤は、静脈内、または皮下に投与される、請求項1~43のいずれか1項に記載の方法。
  45. アジュバントPD-1阻害剤は、1回またはそれ以上の用量として投与され、各用量は、2週間ごと、3週間ごと、4週間ごと、5週間ごと、または6週間ごとに投与される、請求項23~44のいずれか1項に記載の方法。
  46. アジュバントPD-1阻害剤の各用量は、3週間ごとに投与される、請求項23~46のいずれか1項に記載の方法。
  47. アジュバントPD-1阻害剤は、5mgから1000mgの用量で投与される、請求項23~46のいずれか1項に記載の方法。
  48. アジュバントPD-1阻害剤は、200mg、250mg、350mg、400mg、500mg、600mg、750mg、800mg、または1000mgの用量で投与される、請求項23~47のいずれか1項に記載の方法。
  49. アジュバントPD-1阻害剤は、患者体重当たり1mg/kgから20mg/kgの用量で投与される、請求項23~46のいずれか1項に記載の方法。
  50. アジュバントPD-1阻害剤は、患者体重当たり1mg/kg、3mg/kgまたは10mg/kgの用量で投与される、請求項23~46のいずれか1項に記載の方法。
  51. アジュバントPD-1阻害剤は、静脈内、または皮下に投与される、請求項23~50のいずれか1項に記載の方法。
  52. 腫瘍を処置するかまたは腫瘍の成長を阻害する方法に使用するためのプログラム死1(PD-1)阻害剤であって、方法は、
    (a)肝がんの患者を選択する工程;
    (b)ネオアジュバントプログラム死-1(PD-1)阻害剤の治療有効量を患者に投与する工程であって、ネオアジュバントPD-1阻害剤は、PD-1に特異的に結合し、配列番号1の重鎖可変領域(HCVR)に含有される3つの重鎖相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)および配列番号2の軽鎖可変領域(LCVR)に含有される3つの軽鎖CDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗体、またはその生物学的同等物である、工程;ならびに
    (c)工程(b)の後に、肝がん腫瘍を外科的に切除する工程
    を含む、プログラム死1(PD-1)阻害剤。
  53. プログラム死1(PD-1)阻害剤を、肝がんの患者において腫瘍を処置するかまたは腫瘍の成長を阻害するのに治療有効量のPD-1阻害剤を使用するための説明書と組み合わせて含むキット。
  54. 腫瘍を処置するかまたは腫瘍の成長を阻害する方法であって、
    (a)肺がんの患者を選択する工程;
    (b)ネオアジュバントプログラム死-1(PD-1)阻害剤の治療有効量を患者に投与する工程であって、ネオアジュバントPD-1阻害剤は、PD-1に特異的に結合し、配列番号1の重鎖可変領域(HCVR)に含有される3つの重鎖相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)および配列番号2の軽鎖可変領域(LCVR)に含有される3つの軽鎖CDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗体、またはその生物学的同等物である、工程;ならびに
    (c)工程(b)の後に、肺がん腫瘍を外科的に切除する工程
    を含む方法。
  55. 肺がんは、非小細胞肺がんである、請求項54に記載の方法。
  56. 投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号3のアミノ酸配列を有するHCDR1;配列番号4のアミノ酸配列を有するHCDR2;配列番号5のアミノ酸配列を有するHCDR3;配列番号6のアミノ酸配列を有するLCDR1;配列番号7のアミノ酸配列を有するLCDR2;および配列番号8のアミノ酸配列を有するLCDR3を含む、請求項54または55に記載の方法。
  57. 投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号1/2のHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアを含む、請求項54~56のいずれか1項に記載の方法。
  58. (d)工程(c)の後に、アジュバントプログラム死-1(PD-1)阻害剤の治療有効量を患者に投与する工程であって、アジュバントPD-1阻害剤は、PD-1に特異的に結合し、配列番号1の重鎖可変領域(HCVR)に含有される3つの重鎖相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)および配列番号2の軽鎖可変領域(LCVR)に含有される3つの軽鎖CDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗体、またはその生物学的同等物である、工程
    をさらに含む、請求項54~57のいずれか1項に記載の方法。
  59. 腫瘍を処置するかまたは腫瘍の成長を阻害する方法であって、
    (a)頭頸部がんの患者を選択する工程;
    (b)ネオアジュバントプログラム死-1(PD-1)阻害剤の治療有効量を患者に投与する工程であって、ネオアジュバントPD-1阻害剤は、PD-1に特異的に結合し、配列番号1の重鎖可変領域(HCVR)に含有される3つの重鎖相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)および配列番号2の軽鎖可変領域(LCVR)に含有される3つの軽鎖CDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗体、またはその生物学的同等物である、工程;ならびに
    (c)工程(b)の後に、頭頸部がん腫瘍を外科的に切除する工程
    を含む方法。
  60. 頭頸部がんは、頭頸部扁平上皮癌である、請求項59に記載の方法。
  61. 投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号3のアミノ酸配列を有するHCDR1;配列番号4のアミノ酸配列を有するHCDR2;配列番号5のアミノ酸配列を有するHCDR3;配列番号6のアミノ酸配列を有するLCDR1;配列番号7のアミノ酸配列を有するLCDR2;および配列番号8のアミノ酸配列を有するLCDR3を含む、請求項59または60に記載の方法。
  62. 投与されるネオアジュバント抗PD-1抗体は、配列番号1/2のHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアを含む、請求項59~61のいずれか1項に記載の方法。
  63. (d)工程(c)の後に、アジュバントプログラム死-1(PD-1)阻害剤の治療有効量を患者に投与する工程であって、アジュバントPD-1阻害剤は、PD-1に特異的に結合し、配列番号1の重鎖可変領域(HCVR)に含有される3つの重鎖相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)および配列番号2の軽鎖可変領域(LCVR)に含有される3つの軽鎖CDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗体、またはその生物学的同等物である、工程
    をさらに含む、請求項59~62のいずれか1項に記載の方法。
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