JP2024506734A - 高電圧用コネクタ装置 - Google Patents

Abstract

位置固定形態で配置された第一のコネクタ１０と、可動形態で配置された第二のコネクタ２０とを備え、これらの第一と第二のコネクタ１０，２０が、互いに補完し合う形のプラグ接点部品１２を有し、この第二のコネクタ２０は、延存方向がこれら二つのコネクタ１０，２０の接続方向に対して直角に延びる接続配線３０と、この接続方向に対して直角にスライド可能な位置繋止部品４０とを有し、この位置繋止部品は、コネクタ１０，２０を繋ぎ合わせた時に、スライド位置で二つのコネクタ１０，２０を互いに機械的にロックする高電圧用コネクタ装置であり、この位置繋止部品４０が、少なくとも二対のピン４３，４４；４５，４６を有し、これらのピンの長手軸が、位置繋止部品４０のスライド方向を向いており、これらのピンが、位置繋止部品４０のスライド方向に対して対を成して前後して配置されており、このスライド位置において、これらのピン４３，４４，４５，４６の各々が、それぞれ第一のコネクタ部品１０の凹部１３，１４，１５，１６に係合するとともに、それぞれ第二のコネクタ部品２０の凹部２３，２４，２５，２６に係合する。

Description

本発明は、第一のコネクタ筐体を有する位置固定形態で配置された第一のコネクタと、第二のコネクタ筐体を有する可動形態で配置された第二のコネクタとを備え、これらの第一と第二のコネクタが、互いに補完し合う形の互いに接続可能なプラグ接点部品を有し、この第二のコネクタが、プラグ接点部品と接続された接続配線を有し、この接続配線の延存方向が、これら二つのコネクタの接続方向に対して直角に延びており、この第二のコネクタが、この接続方向に対して直角にスライド可能な位置繋止部品を有し、この部品は、これらのコネクタを繋ぎ合わせた時に、スライド位置で二つのコネクタを互いに機械的にロックする高電圧用コネクタ装置に関する。

そのような高電圧用コネクタ装置は、例えば、電気自動車において、駆動バッテリを接続するために配備されている。その場合、第二のコネクタは単芯の大電流配線を備えており、その配線は、使用目的に応じて比較的大きな配線横断面を有する、従って、比較的弾力性が無く、その長さに渡って相当重い自重を有する。特に、直角コネクタとして実現されたコネクタ装置では、大電流配線の自重とその梃子の作用が、互いに接続されたコネクタ筐体に相当大きな力を及ぼし、その力を好適な手法で受け止めない場合、その力が、接続されたプラグ接点部品を曲げることになるので、そのことは問題である。

更に、そのような高電圧用コネクタ装置は、自動車で通常発生するような振動負荷に特に敏感に反応する。その場合、互いに接続されたコネクタの間の相対的な動きが起こり、その動きは、プラグ接点部品における摩擦による損耗を増大させる。

そのような形式の高電圧用コネクタ装置は特許文献１により周知である。その装置では、二つのコネクタの中の一方が回転レバーを備え、そのレバーには、位置繋止部品が置かれている。その回転レバーを動かすと、そのレバーが二つのコネクタを繋ぎ合わせるとともに、更に、スライダーを操作し、そのスライダーが、その移動によって、二つのコネクタを更に形状結合形態でロックすることを実現している。しかし、そのために必要な機構が比較的複雑であり、更に、コネクタが回転レバーを備えることを前提としている。

ドイツ特許公開第１０２０１８００９４７８号明細書

本課題は、前記の問題を排除又は最小化する、そのような形式の高電圧用コネクタ装置を簡単かつ安価な手法で実現することである。

本課題は、本発明に基づき、位置繋止部品が少なくとも二対のピンを備え、これらのピンの長手軸が位置繋止部品のスライド方向を向いており、これらのピンが、位置繋止部品のスライド方向に対を成して前後して配置されていることと、これらのコネクタをロックするスライド位置において、位置繋止部品のピンの各々が、それぞれ第一のコネクタ部分の凹部に係合するとともに、それぞれ第二のコネクタ部分の凹部に係合することとによって解決される。

そのため、第一と第二のコネクタ筐体の間に適用可能なピンが配備され、これらのピンが、これらのコネクタ筐体の間の機械的な接続を更にロックして安定化させる。このピン止め機能のための追加部品を不要にするために、この機能は位置繋止部品を用いて実現される。このために、位置繋止部品とコネクタ筐体におけるそれに対応した幾何学的な形状が規定される。

有利な実施形態及び改善構成は、従属請求項と以下における図面に基づく本発明の実施例の記述から明らかとなる。

位置繋止部品が事前係止位置に在る高電圧用コネクタ装置の側面図 位置繋止部品が最終係止位置に在る高電圧用コネクタ装置の側面図 位置繋止部品の等角投影図 位置繋止部品を上方から見た図 位置繋止部品が事前係止位置に在る高電圧用コネクタ装置の第一の断面図 位置繋止部品が最終係止位置に在る図５の断面図 位置繋止部品が事前係止位置に在る高電圧用コネクタ装置の第二の断面図 位置繋止部品が最終係止位置に在る図７の断面図

図１と図２は、例えば、電気自動車に採用することができる、二つのコネクタ１０，２０から成る高電圧用コネクタ装置を図示している。この場合、第一のコネクタ１０は、例えば、電気自動車の車体の一部であるとすることができる取付面５０と位置固定形態で接続されている。第二のコネクタ２０は、第一のコネクタ１０から、それにより電気自動車から切り離すことができる、複数の接続配線３０を有する可動形態で配置されたコネクタを構成する。

第一のコネクタ筐体１１が第一のコネクタ１０の構成部分である一方、第二のコネクタ筐体２１は第二のコネクタ２０に属する。

第一のコネクタ１０は、取付面５０を貫通する電気端子１７を有し、第一のコネクタ筐体１１における、この端子の延存方向が、取付面５０に対して直角に下方に延びており、それにより第二のコネクタ筐体２１の接続配線３０の延存方向に対して直角に延びている。そのため、ここに図示されたコネクタ装置は、直角コネクタ装置として実現されている。

これら二つのコネクタ１０，２０は、内部に互いに補完し合う形のピン状とソケット状のプラグ接点部品を有し、これらは、平形プラグ又は丸形プラグとして実現することができる。図１と図２は、既に繋ぎ合わされた状態の第一と第二のコネクタ１０，２０を図示しており、この状態では、第一と第二のコネクタ１０，２０の互いに補完し合う形の（ここでは個々の部品として認識できない）プラグ接点部品が既に互いに接続されている。図１に図示された組立状態では、繋ぎ合わされた二つのコネクタ１０，２０は、コネクタ接続の解除に対して未だ十分に繋止されているのではなく、第二のコネクタ２０に在る、図面では認識できない、最終係止位置を定義する係止フックによって単に固定されているに過ぎない。頑丈な繋止を可能にするために、第二のコネクタ２０には、少なくとも二つの考え得るスライド位置の中の一つにおいて、第一のコネクタ１０との形状結合形態による接続を構築する位置繋止部品４０がスライド可能な形で配置されている。位置繋止部品４０は基本的に既知であり、しばしばＣＰＡ（Ｃｏｎｎｅｃｔｏｒ Ｐｏｓｉｔｉｏｎ Ａｓｓｕｒａｎｃｅ）部品とも呼ばれる。

有利には、この位置繋止部品４０は二つの係止位置の間を動かすことができ、これらの位置は、位置繋止部品４０における、第二のコネクタ２０に係止可能な係止ばね４２によって定義される。

一般的に、電気駆動車両用の高電圧用コネクタ装置は、比較的高い電圧の外に、比較的大きな電流も通過させる。この状況に対応するために、可動形態で配置された第二のコネクタ２０と接続される接続配線３０は、比較的大きな導体横断面と比較的厚い絶縁被覆を有する。このことは、又もや接続配線３０を相当重くして、特に、ここで述べる直角コネクタの実現形態では、互いに接続されたコネクタに著しい梃子作用を及ぼすように作用する。

更に、自動車で発生する振動の作用は、コネクタ１０，２０の電気プラグ接点部品に対して、並びにコネクタ筐体１１，２１のプラスチック部分にも著しい摩擦負荷を引き起こす。これらの負荷を最小化するためには、二つのコネクタ筐体１１，２１を出来り限り安定した形で互いに接続するのが有利である。このことは、特に、図３と図４に個別部分として図示されている位置繋止部品４０の特別な実施形態によって達成される。

図３は、前側と下側に向かって開いた形に構成された箱状の構成部分として位置繋止部品４０を図示している。この位置繋止部品４０は、上側４７を有し、その内面が組立状態において第二のコネクタ２０上をスライド可能な形で設置される。この上側４７と一体的に連結された二つの側方部分４８は、それぞれ位置繋止部品４０の少なくとも二つのスライド位置において第一のコネクタ筐体１１と係止できる成形された形の係止ばね４２を有する。

これらの上側４７及び側方部分４８と連結された後側４９は、接続配線３０の延存方向における位置繋止部品４０の起こり得るスライドを制限する。

この位置繋止部品４０は、第二のコネクタ２０（図２を参照）において接続配線３０の延存方向に互いに平行に延びる、側方部分４８と連結された二つのピン４４，４６を有する。以下では、これらのピン４４，４６を前方ピン４４，４６とも称する。

図４が図示する通り、区別するために、以下で後方ピン４３，４５と称する二つのピン４３，４５も、位置繋止部品子４０の後側４９と連結されている。

それぞれ二つの前方ピン４４，４６よりも短い二つの後方ピン４３，４５は、ここでは、位置繋止部品４０の後側４９における一体的な成形部分として構成される一方、前方ピン４４，４６は、位置繋止部品４０の側方部分４８に成形されている。特に高い安定性を達成するために、前方ピン４４，４６は、有利には、金属ピンとして実現することができる。

本発明では、位置繋止部品４０は、少なくとも二対のピン４３，４４；４５，４６を有し、これらの長手軸が位置繋止部品４０のスライド方向を向くとともに、これらのピンが位置繋止部品４０のスライド方向に対して対を成して前後して配置されると規定される。この場合、後方ピン４３，４５と前方ピン４４，４６は、それぞれ纏めてピンの対と見做される。

対を成して共に属する前方ピンと後方ピン４３，４４；４５，４６は、それぞれ位置繋止部品４０のスライド方向に前後して配置されており、この場合、互いに平行な方向にも向いているが、このことは、図４が図示する通り、必ずしも互いに面一に配置することを必要としない。

この場合、ここに図示されている通り、二対のピン４３，４４；４５，４６は、そのように機械的な安定化を二つのコネクタ筐体１１，２１の二つの長手側に対して対称的に達成することができるので、特に有利である。しかし、より多くの数のそのようなピンの対４３，４４；４５，４６を配備することも可能である。

既に言及した通り、第二のコネクタ２０における位置繋止部品４０は、図１と図２に図示された少なくとも二つのスライド位置に動かすことができる。図１では、位置繋止部品４が、コネクタ筐体１１，２１に対して事前係止位置に在る一方、図２では、最終係止位置に到達している。事前係止位置では、繋ぎ合わされた状態で図示された二つのコネクタ筐体１１，２１は、接続方向と逆向きに力強く互いに引き離すことによって、再び難なく互いに切り離すことが可能である一方、位置繋止部品４０が最終係止位置に在る場合には、二つのコネクタ筐体１１，２１は、ロックされた形で互いに接続されている。

これに関する位置繋止部品４０の作用は、図５～図８に基づき明らかになる。これらの図は、それぞれ互いに接続されたコネクタ筐体１１，２１の構成部分を通る断面を図示している。

図５と図６は、それぞれ後方ピン４３，４５の中の一方に沿った垂直断面を図示している。図示された断面では、更に、第一のコネクタ１０に属する、第一のコネクタ１０の平坦な接点として構成された第一のプラグ接点部品１２が認識できる。

図５に図示された事前係止位置では、位置繋止部品４０において成形された後方ピン４３，４５は、それぞれ第一のコネクタ筐体１１の壁面内の凹部１３，１５の直ぐ前に在る。その直ぐ後ろには、それぞれ凹部１３，１５と面一に、それぞれ第二のコネクタ筐体２１の壁面内の凹部２３，２５が在る。ピン４３，４５及び凹部１３，１５，２３，２５の横断面形状と横断面サイズは互いに適合しており、その結果、位置繋止部品４０が最終係止位置（図６）にスライドした後では、ピン４３，４５が凹部１３，１５，２３，２５内に遊び無しに係合する。二つのピン４３，４５を一方で凹部１３と２３に係合させ、他方で凹部１５，２５に係合させることによって、そのように第一と第二のコネクタ筐体１１，２１の第一のロックが構築される。位置繋止部品４０が事前係止位置から最終係止位置に動かされた場合、二つの前方ピン４４，４６が、第一のコネクタ筐体１１の第二の凹部１４，１６と第二のコネクタ筐体２１の第二の凹部２４，２６に同時に差し込まれる。図７と図８で横断面を認識できる、これらの第二の凹部１４，１６は、ここでは、第一のコネクタ筐体１１の二つの長手側に成形された鳩目の形で構成されている。前方ピン４４，４６は、これらの鳩目を貫通した後、第二のコネクタ筐体２１に成形された凹部２４，２６に到達して、その中で安定する。

そのため、四つのピン４３，４４，４５，４６の各々は、それぞれ第一のコネクタ筐体１１の凹部１３，１４，１５，１６に入り込むとともに、それぞれ第二のコネクタ筐体２１の凹部２３，２４，２５，２６にも入り込む。

そのため、位置繋止部品４０は、その前方と後方のピン４３，４４，４５，４６により、両方とも接続配線３０の延存方向に沿って存在する、第一のコネクタ筐体１１の周縁領域の互いに対向する二つの位置のそれぞれで第一と第二のコネクタ筐体１１，２１をロックする。

そのように、第二のコネクタ筐体２１に配置された位置繋止部品４０は、二つのコネクタ筐体１１，２１の間に安定した多重のロックを実現し、その際、コネクタ１０，２０を接続又は分離する時の組立負担を増加させることが無い。

１０ 第一のコネクタ
１１ 第一のコネクタ筐体
１２ プラグ接点部品
１３，１４，１５，１６ 凹部
１７ 電気端子
２０ 第二のコネクタ
２１ 第二のコネクタ筐体
２３，２４，２５，２６ 凹部
３０ 接続配線
４０ 位置繋止部品
４２ 係止ばね
４３，４４，４５，４６ ピン
４７ 上側
４８ 側方部分
４９ 後側
５０ 取付面

Claims (2)

1. 第一のコネクタ筐体（１１）を有する、位置固定形態で配置された第一のコネクタ（１０）と、第二のコネクタ筐体（２１）を有する、可動形態で配置された第二のコネクタ（２０）とを備え、
   これらの第一と第二のコネクタ（１０，２０）が、互いに補完し合う形の互いに接続可能なプラグ接点部品（１２）を有し、
   この第二のコネクタ（２０）が、このプラグ接点部品と接続された接続配線（３０）を有し、この接続配線の延存方向が、これら二つのコネクタ（１０，２０）の接続方向に対して直角に延び、
   この第二のコネクタ（２０）が、接続方向に対して直角にスライド可能な位置繋止部品（４０）を有し、この位置繋止部品は、これらのコネクタ（１０，２０）を繋ぎ合わせた時に、スライド位置で二つのコネクタ（１０，２０）を互いに機械的にロックする、
   高電圧用コネクタ装置において、
   この位置繋止部品（４０）が、少なくとも二対のピン（４３，４４；４５，４６）を有し、これらのピンの長手軸が、位置繋止部品（４０）のスライド方向を向いており、これらのピンが、位置繋止部品（４０）のスライド方向に対して対を成して前後して配置されていることと、
   これらのコネクタをロックするスライド位置において、この位置繋止部品（４０）のピン（４３，４４，４５，４６）の各々が、それぞれ第一のコネクタ部品（１０）の凹部（１３，１４，１５，１６）に係合するとともに、それぞれ第二のコネクタ部品（２０）の凹部（２３，２４，２５，２６）に係合することとを特徴とする高電圧用コネクタ装置。
2. 請求項１に記載の高電圧用コネクタ装置において、
   前記の位置繋止部品（４０）が、丁度二対の成形されたピン（４３，４４，４５，４６）を有することを特徴とする高電圧用コネクタ装置。

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