JP2024506559A - 標的放射線療法における使用のための多量体キレート剤化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、一般式(I)の化合物:[(C)n-L]-(V)m (I)であって、Cがキレート剤であり、nはn>1であり、Lはキレート剤の共有結合のための複数の官能基を含む多機能リンカー部分、例えばリジン、システイン、またはグルタミン酸などのアミノ部分、チオール部分、またはカルボン酸部分を有する側鎖を含む、例えばポリアミン含有もしくはポリ酸含有骨格またはアミノ酸含有ポリマーであり、Vは組織標的指向性部分であって、mはm=1~5であって、多機能リンカー部分Lまたは直接キレート剤部分Cのいずれかに結合部分を通じて優先的に結合する、化合物、ならびにその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、および塩、ならびにこれらの混合物を網羅する。

Description

本発明は、本明細書に記載および定義される通りのα粒子放出放射性核種のための新規のキレート剤、前記化合物を調製する方法、前記化合物を調製するのに有用な中間体化合物、前記化合物を含む医薬組成物および組み合わせ、ならびに単一薬剤としてまたは他の活性成分と組み合わせて疾患の、詳細には過形成障害または腫瘍性障害の、治療または予防のための医薬組成物を製造するための前記化合物の使用に関する。
特異的細胞致死は、哺乳類対象における多様な疾患の治療の成功に不可欠であり得る。この典型的な例は、肉腫および癌などの悪性疾患の治療にある。しかし特定の細胞型の選択的除去は、他の疾患、特に過形成性疾患および腫瘍性疾患の治療においても重要な役割を果たすことができる。
選択的治療の最も一般的な方法は、現在のところ外科手術、化学療法、および体外照射法である。標的放射性核種療法はしかし、疾患に関連する細胞型に特異的に高い細胞傷害性放射線を照射する潜在性がある有望で発展途上の分野である。ヒトでの使用が現在認可されている放射性医薬品の最も一般的な形態は、β放出および/またはγ放出の放射性核種を採用している。しかしそのより特異的な細胞致死の潜在性があることから、α線放出放射性核種を療法に使用することにいくらかの関心が寄せられてきた。生理学的環境での典型的なα線放射体の放射飛程は、一般に100マイクロメータ未満であり、わずか数細胞の直径と等価である。これにより、これらの放射線源は腫瘍内の隣接細胞に到達する飛程を有するが、十分に標的化されれば放射されたエネルギーのほとんどが標的細胞を通過しないであろうため、微小転移を含めた腫瘍の治療に非常に適したものとなる。したがって、全ての細胞が標的とされる必要がなく、周囲の健康な組織への損傷を最小化することができる(Feinendegenら、Radiat Res 148:195~201(1997)参照)。対照的に、β粒子は水中で1mm以上の飛程を有する(Wilbur、Antibody Immunocon Radiopharm 4:85~96(1991)参照)。
α粒子放射線のエネルギーは、β粒子、γ線、およびX線によって運ばれるエネルギーと比較して高く、典型的には5~8MeVであり、すなわちβ粒子のエネルギーの5~10倍、γ線のエネルギーの20倍以上である。したがってこの大量のエネルギーの非常に短い距離にわたる堆積により、γ線およびβ線と比較して非常に高い線エネルギー付与(LET)、高い相対的生物学的効果比(RBE)、および低い酸素増感比(OER)がα線に与えられる(Hall、「Radiobiology for the radiologist」、第5版、Lippincott Williams&Wilkins、Philadelphia PA、USA、2000参照)。このことにより、α線放出放射性核種の異常な細胞傷害性が説明され、またそのような同位体の生物学的標的指向性に対し、ならびに許容できない副作用を回避するために必要なα線放出放射性核種配分の制御レベルおよび研究レベルに対し、厳しい要求が課されている。
いくつかのα線放射体、例えばテルビウム149(149Tb)、アスタチン211(211At)、ビスマス212(212Bi)、ビスマス213(213Bi)、アクチニウム225(225Ac)、ラジウム223(223Ra)、ラジウム224(224Ra)、またはトリウム227(227Th)などは放射性医薬品としての使用のために調査および/または商業化されてきた。特に「組織標的指向性」放射性医薬品の使用は、放射性原子核を標的細胞(例えば癌細胞)に向上した精度で照射することができることを意味し、よって周囲の組織への不要な損傷を最小化し、よって副作用を最小化する。組織標的指向性放射性医薬品は、典型的には、放射性医薬品部分が、例えばキレート剤を介して、標的指向性ユニットに連結した複合体である。標的指向性ユニット(例えば抗体)は、α線が標的に近接して照射され得るように、放射性医薬品を(例えば癌細胞上のある特定の抗原を標的化することによって)所望の細胞へと導く。その本来の特性により「自己標的指向性」であると考えることができる元素が少数ある。例えばラジウムは、カルシウムアナログであり、この固有の性質により骨表面を標的とするが、その有用性は、標的指向化リガンドに結合する時にインビボで有用であるのに十分に高い安定性で有効にラジウムを錯体化するキレート剤の不足により、制限される。Henriksenら、[Applied Radiation and Isotopes 56、2002、667]は、キレート剤であるDOTA、DTPA、kryptofix 2.2.2、およびcalix[4]四酢酸の運動学的特性および熱力学的特性、ならびに後者が最高の特性を保持することについて報告した。しかしその錯体の急速な解離は、これら単量体のキレート剤システムが不安定性によりインビボで有用でないであろうことを示唆した。
ごく最近、Thieleらが、pH7.4でBa2+に対し高い親和性を有するマクロパキレート剤について報告した[J Am Chem Soc 2018、140(49)17071]。このリガンドはまた、大小のアルカリ土類金属に対する優秀な選択性を保持しているように思われた。同著者は続いて、高濃度のこのキレート剤が、ラジウム223とミリモル範囲のキレート剤濃度で実際に錯体を形成することを実証する研究を発表した(EANM、2019)。残念ながら、標的α線療法に有用な濃度で、標的指向性リガンドに共有結合するマクロパを含む複合体を標識する全ての試みは、単量体キレート剤複合体誘導体の錯体の不安定性により失敗した。
しかし最新科学は、標的α線療法に有用であるのに十分な安定性を有する多量体のマクロパについて記載していない。今や本発明の化合物が驚くべきかつ有利な特性を有することが判明し、このことが本発明の基礎を成す。
具体的には、本発明の化合物は、ドナー原子間の多重キレート剤相互作用が標的α線療法を可能にする濃度範囲内で錯体安定化に貢献することから、標的α線療法で有用であるのに十分な安定性を有する。
興味深いことに、本発明の標的指向化複合体の薬力学的特性および薬物動態学的特性を仕立て上げる観点から、多量体は有益な特性を保持している。具体的には、複合体は骨組織取込み特性を低下させ、げっ歯類モデルにおける骨髄機能抑制を低下させ、生存における驚くべき改善に導くことが判明した。
Feinendegenら著、Radiat Res 148:195~201(1997) Wilbur著、Antibody Immunocon Radiopharm 4:85~96(1991) Hall著、「Radiobiology for the radiologist」、第5版、Lippincott Williams & Wilkins出版、Philadelphia PA、米国、2000 Henriksenら著、Applied Radiation and Isotopes 56、2002、667 Thieleら著、J Am Chem Soc 2018、140(49)17071
第1の態様によると、本発明は、一般式(I)の化合物:
[(C)n-L]-(V)m (I)
であって、
Cはキレート剤であり、nはn>1であり、Lはキレート剤の共有結合のための複数の官能基を含む多機能リンカー部分、例えばリジン、システイン、またはグルタミン酸などのアミノ部分、チオール部分、またはカルボン酸部分を有する側鎖を含む、例えばポリアミン含有もしくはポリ酸含有骨格またはアミノ酸含有ポリマーであり、Vは組織標的指向性部分であって、mはm=1~5であって、多機能リンカー部分Lまたは直接キレート剤部分Cのいずれかに結合部分を通じて優先的に結合する化合物、ならびにその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、および塩、ならびにこれらの混合物を網羅する。
一般式(I)の好ましいn値は、2、4、8、16、および32である。
金属を錯体化することができるキレート剤は、前記金属が本明細書で定義される放射性同位体であるが、既知のものである。キレート剤の非限定的な例は、Q J Nucl Med Mol Imaging、2008 June、52(2);166~173内に見ることができる。
第1の態様の第1の実施形態では、Cは以下大環状キレート剤マクロパ-NH2であって、
アミノ置換基またはカルボン酸基のいずれかが、LまたはVのいずれかとアミド結合を形成するために使用される。
1つの実施形態では、化合物(Tet1)は、ジグリコール酸スペーサーで修飾されたテトラアミノ骨格を介して連結した、4つのマクロパユニットを含む。
Tet1
別の実施形態では、化合物Tet1のエステル官能基は加水分解して化合物Tet2をもたらす。このテトラマクロパ化合物は、アミド結合形成を通じて、キレート剤の標的指向性部分へのさらなる結合に利用できる8つのカルボン酸基を含む。好ましい実施形態では、この標的指向性薬剤はモノクローナル抗体である。
Tet2
別の実施形態では、DOTAキレート剤は、多量体化合物を、例えば以下に示される通りのテトラ-DOTAを作るために使用され、前記化合物は標的指向性部分へのさらなる結合に利用することができる。何がDOTAキレート剤との錯体化に適切な放射性金属であるかは当業者にとって明白であるはずであり、例えばY-90、Lu-177、Ac-225、Th-227、Bi-212、Bi-213である。
テトラDOTA
第1の態様の第2の実施形態では、Cは以下の大環状キレート剤マクロパ-CH2CH2-COOHであって、
カルボン酸基が、LまたはVのいずれかとアミド結合を形成するために使用される。
好ましい実施形態では、キレート剤は、このキレート剤のピリジンに結合したカルボキシエチルリンカーを介して、多連アミン骨格に連結する。以下Tet5で示される通りである。
Tet5
定義
本明細書で使用される通り、用語「リンカー部分」は、キレート基をコア構造に連結させる役割をする化学物質を示すために使用され、本発明の様々な態様において重要な構成要素を成す。典型的には、各キレート部分(例えば上記式Iのキレート部分)は多座配位性であろうし、ラジウム同位体に対する相対的に良好な選択性を保持するであろう。しかし多量体の錯体の中に結合した場合のみ、インビボ標的放射線療法の使用に許容される安定性が達成される。リンカー部分はまた、錯体化部分と標的指向性部分との間の結合点としても役立つことができる。そのような場合、少なくとも1つのリンカー部分が結合部分に連結するであろう。適切なリンカー部分には、全形態のメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、および/またはヘキシル基を含めたC1~C12のアルキル、アルケニル、またはアルキニル基を含めた、例えばC1~C12ヒドロカルビルなどの短いヒドロカルビル基などが含まれる。
リンカー部分はまた、エステル、エーテル、アミン、および/またはアミド基を含めたその他の適切に強固な化学的リンケージでもよいし、それらを含んでいてもよい。2つのキレート部分を連結する原子の全数は(2つ以上の経路が存在する場合は最も短い経路による計数)、一般には、キレート部分を錯体形成のために適切な配置にさせるために制限されるであろう。したがってリンカー部分は、典型的にはキレート部分間で25原子以下、好ましくは1~15原子、より好ましくは5~15原子を提供するよう選択されるであろう。1つのリンカー部分が2つのキレート部分を直接連結する所では、このリンカー部分は、典型的には、長さが1~12原子、好ましくは2~10原子であろう(エチル、プロピル、n-ブチルなど)。リンカー部分が中心骨格に連結する所では、各リンカーはより短くてよく、2つの別々のリンカーがキレート部分を連結させる。この場合、リンカーの長さは1~8原子、好ましくは1~6原子が好ましいとすることができる(片端または両端にエステル、エーテル、またはアミドのリンケージを有するような基であることから、メチル、エチル、およびプロピルが適切である)。
本明細書で使用される「結合部分」は、アミド結合などの安定的共有結合形成を通じて、リンカー成分またはキレート剤を標的指向性部分に連結させる役割をする。好ましくは、結合部分は、標的指向性部分に直接的に共有結合できるようキレート剤上に存在するであろうし、より典型的には、リンカー部分または骨格を通じて結合を促進するであろう。2つ以上の結合部分が使用される場合、各結合部分は、利用可能な部位のいずれかに、例えば骨格、リンカー、またはキレート基のいずれかに結合することができる。
1つの実施形態では、結合部分は構造式:
を有することができ、
R7は置換または
非置換のアルキル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または
非置換のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のアリール、および置換または
非置換のヘテロアリールから選択される1つである架橋部分であり、Xは反応性官能基である。好ましい架橋部分には、適切なリンカー部分として本明細書で示される全ての架橋群が含まれる。好ましい標的指向性部分には、本明細書に記載される全ての標的指向性部分が含まれ、好ましい反応性X基には、例えばCOOH、OH、SH、NHR、およびCOH基を含めた、標的指向性部分との共有結合を形成することができるいかなる基も含まれ、NHRのRはHでもよく、本明細書に記載される短いヒドロカルビル基のいずれかでもよい。標的指向性部分上への結合に非常に好ましい基には、リジン残基のε-アミンおよびシステイン残基のチオール基が含まれる。適切な反応性X基の非限定的な例には、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、イミドエステル、ハロゲン化アシル、N-マレイミド、α-ハロアセチル、およびイソチオシアネートが含まれ、後者の3つはチオール基との反応に適している。共有結合形成を介した、本発明のキレート剤-リンカー成分の標的指向性部分への結合は、Chem.Rev.、2013、113、7、4905~4979に記載される通り、「クリックケミストリー」を利用して達成することができる。
用語「置換された」は、存在している状況下で指定された原子の通常の結合価を超えないという条件で、指定された原子上または基上の1個または複数の水素原子が示された基から選択されたものによって置き換えられていることを意味する。置換基および/または変数の組み合わせは許容される。
用語「任意で置換された」は、置換基の数が0に等しくてもよく、0と異なっていてもよいことを意味する。特に指示しない限り、任意で置換された基は、利用可能な任意の炭素または窒素または硫黄原子上で水素原子を非水素置換基で置き換えることによってなされる、できるだけ多くの任意の置換基で置換することが可能である。一般的に、存在する場合は、任意の置換基の数は、1、2、3、4、または5つ、特に1、2、または3つであることが可能である。
本明細書で使用される通り、例えば本発明の一般式(I)の化合物の置換基の定義での用語「1つまたは複数」は、「1、2、3、4、または5つ、特に1、2、3、または4つ、さらに特に1、2、または3つ、なおさらに特に1または2つ」を意味する。
本発明による化合物の基が置換される場合、特に指定しない限り、前記基は、1個または複数の置換基で一置換または多置換されることが可能である。本発明の範囲内において、繰り返し生じる全ての基の意味は互いに独立している。本発明による化合物の基は、1、2、または3つの同一または異なる置換基、特に1つの置換基で置換されることが可能である。
本明細書で使用される通り、「オキソ置換基」は、二重結合を介して炭素原子または硫黄原子に結合している酸素原子を表す。
用語「環置換基」は、環上の利用可能な水素原子に置き換わる、芳香環または非芳香環に結合した置換基を意味する。
用語「含む」は、本明細書において使用される場合、「からなる」を含む。
本文中で、いずれかの項目が「本明細書で記載される通り」と言及されている場合、それは本文のどこにでも記載され得ることを意味する。
本文で記載される用語は、以下の意味を有する。
用語「ハロゲン原子」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子、特にフッ素、塩素、または臭素原子を意味する。
用語「C1~C6-アルキル」は、1、2、3、4、5、または6個の炭素原子を有する直鎖または分岐の飽和一価炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、2-メチルブチル、1-メチルブチル、1-エチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、ネオ-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、ヘキシル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチルもしくは1,3-ジメチルブチル基、またはこれらの異性体を意味する。特に前記基は、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチルイソブチル、またはtert-ブチル基などの1、2、3、または4個の炭素原子を有し(「C1~C4-アルキル」)、さらに特に、例えばメチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピル基などの1、2、または3個の炭素原子を有する(「C1~C3-アルキル」)。
用語「C1~C6-ヒドロキシアルキル」は、用語「C1~C6-アルキル」が上で定義される、および1、2、または3個の水素原子がヒドロキシ基で置き換えられている、直鎖または分岐の飽和一価炭化水素基、例えば、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシエチル、1,2-ジヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシプロピル、1-ヒドロキシプロピル、1-ヒドロキシプロパン-2-イル、2-ヒドロキシプロパン-2-イル、2,3-ジヒドロキシプロピル、1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル、3-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル、2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル、1-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル基を意味する。
用語「C1~C6-アルキルスルファニル」は、用語「C1~C6-アルキル」が上で定義される通りである、式(C1~C6-アルキル)-S-の直鎖または分岐の飽和一価基、例えば、メチルスルファニル、エチルスルファニル、プロピルスルファニル、イソプロピルスルファニル、ブチルスルファニル、sec-ブチルスルファニル、イソブチルスルファニル、tert-ブチルスルファニル、ペンチルスルファニル、イソペンチルスルファニル、ヘキシルスルファニル基を意味する。
用語「C1~C6-ハロアルキル」は、用語「C1~C6-アルキル」が上で定義される通りであり、かつ1個または複数の水素原子がハロゲン原子で同一に、または異なって置き換えられている、直鎖または分岐の飽和一価炭化水素基を意味する。特に、前記ハロゲン原子はフッ素原子である。前記C1~C6-ハロアルキル基は、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、または1,3-ジフルオロプロパン-2-イルである。
用語「C1~C6-アルコキシ」は、用語「C1~C6-アルキル」が上で定義される通りである、式(C1~C6-アルキル)-O-の直鎖または分岐の飽和一価基、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソ-プロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、もしくはn-ヘキシルオキシ基、またはこれらの異性体を意味する。
用語「C1~C6-ハロアルコキシ」は、1個または複数の水素原子がハロゲン原子で同一に、または異なって置き換えられている、上に定義される通りの直鎖または分岐の飽和一価C1~C6-アルコキシ基を意味する。特に、前記ハロゲン原子はフッ素原子である。前記C1~C6-ハロアルコキシ基は、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、またはペンタフルオロエトキシである。
用語「C2~C6-アルケニル」は、1または2個の二重結合を含み、かつ2、3、4、5、または6個の炭素原子、特に2または3個の炭素原子を有する直鎖または分岐の一価炭化水素基を意味し(「C2~C3-アルケニル」)、前記アルケニル基が2つ以上の二重結合を含む場合、前記二重結合は互いに孤立または結合していることが可能であると理解される。前記アルケニル基は、例えば、エテニル(または「ビニル」)、プロパ-2-エン-1-イル(または「アリル」)、プロパ-1-エン-1-イル、ブタ-3-エニル、ブタ-2-エニル、ブタ-1-エニル、ペンタ-4-エニル、ペンタ-3-エニル、ペンタ-2-エニル、ペンタ-1-エニル、ヘキサ-5-エニル、ヘキサ-4-エニル、ヘキサ-3-エニル、ヘキサ-2-エニル、ヘキサ-1-エニル、プロパ-1-エン-2-イル(または「イソプロペニル」)、2-メチルプロパ-2-エニル、1-メチルプロパ-2-エニル、2-メチルプロパ-1-エニル、1-メチルプロパ-1-エニル、3-メチルブタ-3-エニル、2-メチルブタ-3-エニル、1-メチルブタ-3-エニル、3-メチルブタ-2-エニル、2-メチルブタ-2-エニル、1-メチルブタ-2-エニル、3-メチルブタ-1-エニル、2-メチルブタ-1-エニル、1-メチルブタ-1-エニル、1,1-ジメチルプロパ-2-エニル、1-エチルプロパ-1-エニル、1-プロピルビニル、1-イソプロピルビニル、4-メチルペンタ-4-エニル、3-メチルペンタ-4-エニル、2-メチルペンタ-4-エニル、1-メチルペンタ-4-エニル、4-メチルペンタ-3-エニル、3-メチルペンタ-3-エニル、2-メチルペンタ-3-エニル、1-メチルペンタ-3-エニル、4-メチルペンタ-2-エニル、3-メチルペンタ-2-エニル、2-メチルペンタ-2-エニル、1-メチルペンタ-2-エニル、4-メチルペンタ-1-エニル、3-メチルペンタ-1-エニル、2-メチルペンタ-1-エニル、1-メチルペンタ-1-エニル、3-エチルブタ-3-エニル、2-エチルブタ-3-エニル、1-エチルブタ-3-エニル、3-エチルブタ-2-エニル、2-エチルブタ-2-エニル、1-エチルブタ-2-エニル、3-エチルブタ-1-エニル、2-エチルブタ-1-エニル、1-エチルブタ-1-エニル、2-プロピルプロパ-2-エニル、1-プロピルプロパ-2-エニル、2-イソプロピルプロパ-2-エニル、1-イソプロピルプロパ-2-エニル、2-プロピルプロパ-1-エニル、1-プロピルプロパ-1-エニル、2-イソプロピルプロパ-1-エニル、1-イソプロピルプロパ-1-エニル、3,3-ジメチルプロパ-1-エニル、1-(1,1-ジメチルエチル)エテニル、ブタ-1,3-ジエニル、ペンタ-1,4-ジエニル、またはヘキサ-1,5-ジエニル基である。特に、前記基はビニルまたはアリルである。
用語「C2~C6-アルキニル」は、1つの三重結合を含み、2、3、4、5、または6個の炭素原子、特に2または3個の炭素原子を含む、直鎖または分岐の一価炭化水素基を意味する(「C2~C3-アルキニル」)。前記C2~C6-アルキニル基は、例えば、エチニル、プロパ-1-イニル、プロパ-2-イニル(または「プロパルギル」)、ブタ-1-イニル、ブタ-2-イニル、ブタ-3-イニル、ペンタ-1-イニル、ペンタ-2-イニル、ペンタ-3-イニル、ペンタ-4-イニル、ヘキサ-1-イニル、ヘキサ-2-イニル、ヘキサ-3-イニル、ヘキサ-4-イニル、ヘキサ-5-イニル、1-メチルプロパ-2-イニル、2-メチルブタ-3-イニル、1-メチルブタ-3-イニル、1-メチルブタ-2-イニル、3-メチルブタ-1-イニル、1-エチルプロパ-2-イニル、3-メチルペンタ-4-イニル、2-メチルペンタ-4-イニル、1-メチル-ペンタ-4-イニル、2-メチルペンタ-3-イニル、1-メチルペンタ-3-イニル、4-メチルペンタ-2-イニル、1-メチルペンタ-2-イニル、4-メチルペンタ-1-イニル、3-メチルペンタ-1-イニル、2-エチルブタ-3-イニル、1-エチルブタ-3-イニル、1-エチルブタ-2-イニル、1-プロピルプロパ-2-イニル、1-イソプロピルプロパ-2-イニル、2,2-ジメチルブタ-3-イニル、1,1-ジメチルブタ-3-イニル、1,1-ジメチルブタ-2-イニル、または3,3-ジメチルブタ-1-イニル基である。
用語「C3~C8-シクロアルキル」は、3、4、5、6、7、または8個の炭素原子を含む飽和一価単環式またはニ環式炭化水素環を意味する(「C3~C8-シクロアルキル」)。前記C3~C8-シクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチル基などの単環式炭化水素環や、ビシクロ[4.2.0]オクチルまたはオクタヒドロペンタレニルなどの二環式炭化水素環などである。
用語「C4~C8-シクロアルケニル」は、4、5、6、7、または8個の炭素原子および1つの二重結合を含む一価の単環式またはニ環式炭化水素環を意味する。特に前記環は、4、5、または6個の炭素原子を含む(「C4~C6-シクロアルケニル」)。前記C4~C8-シクロアルケニル基は、例えば、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、もしくはクロオクテニル基などの単環式炭化水素環、またはビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エニルもしくはビシクロ[2.2.2]オクタ-2-エニルなどの二環式炭化水素環である。
用語「C3~C8-シクロアルコキシ」は、3、4、5、6、7、または8個の炭素原子を含み、「C3~C8-シクロアルキル」という用語が上で定義されるものである、式(C3~C8-シクロアルキル)-O-の飽和一価単環式または二環式基、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、またはシクロオクチルオキシ基を意味する。
用語「スピロシクロアルキル」は、2つの環が1つの共通の環炭素原子を共有する飽和一価二環式炭化水素基を意味し、前記二環式炭化水素基は5、6、7、8、9、10、または11個の炭素原子を含み、前記スピロシクロアルキル基は、スピロ炭素原子を除いた炭素原子のいずれか1個を介してこの分子の残りの部分に結合されることが可能である。前記スピロシクロアルキル基は、例えば、スピロ[2.2]ペンチル、スピロ[2.3]ヘキシル、スピロ[2.4]ヘプチル、スピロ[2.5]オクチル、スピロ[2.6]ノニル、スピロ[3.3]ヘプチル、スピロ[3.4]オクチル、スピロ[3.5]ノニル、スピロ[3.6]デシル、スピロ[4.4]ノニル、スピロ[4.5]デシル、スピロ[4.6]ウンデシル、またはスピロ[5.5]ウンデシルである。
用語「4~7員ヘテロシクロアルキル」および「4~6員ヘテロシクロアルキル」は、系列N、O、およびSからの1または2個の同一または異なる環ヘテロ原子を含む、それぞれ合計4、5、6、もしくは7個、または4、5、もしくは6個の環原子を有する単環式飽和複素環を意味し、前記ヘテロシクロアルキル基は、炭素原子または存在する場合は窒素原子のいずれか1個を介してこの分子の残りの部分に結合されることが可能である。
前記ヘテロシクロアルキル基は、これに限定されないが、例えばアゼチジニル、オキセタニル、もしくはチエタニルなどの4員環、例えばテトラヒドロフラニル、1,3-ジオキソラニル、チオラニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、1,1-ジオキシドチオラニル、1,2-オキサゾリジニル、1,3-オキサゾリジニル、もしくは1,3-チアゾリジニルなどの5員環、または例えばテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、ジチアニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、1,3-ジオキサニル、1,4-ジオキサニル、もしくは1,2-オキサジナニルなどの6員環、または例えばアゼパニル、1,4-ジアゼパニル、もしくは1,4-オキサゼパニルなどの7員環であり得る。
特に「4~6員ヘテロシクロアルキル」は、1個の環窒素原子および任意でさらなる1個の系列:N、O、Sからの環ヘテロ原子を含む、上で定義される通りの4~6員ヘテロシクロアルキルを意味する。さらに特に「5員または6員ヘテロシクロアルキル」は、1個の環窒素原子および任意でさらなる1個の系列:N、Oからの環ヘテロ原子を含む、合計5または6個の環原子を有する単環式飽和複素環を意味する。
用語「5~8員ヘテロシクロアルケニル」は、1つまたは2つの二重結合および系列:N、O、Sからの1または2個の同一または異なる環ヘテロ原子を含む、合計5、6、7、または8個の環原子を有する単環式不飽和非芳香族複素環を意味し、前記ヘテロシクロアルケニル基は、炭素原子または存在する場合は窒素原子のいずれか1個を介してこの分子の残りの部分に結合されることが可能である。
前記ヘテロシクロアルケニル基は、例えば、4H-ピラニル、2H-ピラニル、2,5-ジヒドロ-1H-ピロリル、[1,3]ジオキソリル、4H-[1,3,4]チアジアジニル、2,5-ジヒドロフラニル、2,3-ジヒドロフラニル、2,5-ジヒドロチオ-フェニル、2,3-ジヒドロチオフェニル、4,5-ジヒドロオキサゾリル、または4H-[1,4]チアジニルである。
用語「ヘテロスピロシクロアルキル」は、系列:N、O、Sからの1または2個の同一のまたは異なる環ヘテロ原子を含む、2つの環が1個の共通の環炭素原子を共有する、合計6、7、8、9、10、または11個の環原子を有する二環式飽和複素環を意味し、前記ヘテロスピロシクロアルキル基は、スピロ炭素原子を除く炭素原子または存在する場合は窒素原子のいずれか1個を介してこの分子の残りの部分に結合されることが可能である。
前記ヘテロスピロシクロアルキル基は、例えば、アザスピロ[2.3]ヘキシル、アザスピロ[3.3]ヘプチル、オキサアザスピロ[3.3]ヘプチル、チアアザスピロ[3.3]ヘプチル、オキサスピロ[3.3]ヘプチル、オキサアザスピロ[5.3]ノニル、オキサアザスピロ[4.3]オクチル、アザスピロ[4,5]デシル、オキサアザスピロ[5.5]ウンデシル、ジアザスピロ[3.3]ヘプチル、チアザスピロ[3.3]ヘプチル、チアザスピロ[4.3]オクチル、アザスピロ[5.5]ウンデシル、またはスピロ[3.4]-、スピロ[4.4]-、スピロ[2.4]-、スピロ[2.5]-、スピロ[2.6]-、スピロ[3.5]-、スピロ[3.6]-、スピロ[4.5]-、およびスピロ[4.6]-などである。
用語「縮合ヘテロシクロアルキル」は、系列:N、O、Sからの1または2個の同一または異なる環ヘテロ原子を含む、2つの環が隣接する2個の環原子を共有する、合計6、7、8、9、または10個の環原子を有する二環式飽和複素環を意味し、前記縮合ヘテロシクロアルキル基は、炭素原子または存在する場合は窒素原子のいずれか1個を介してこの分子の残りの部分に結合されることが可能である。
前記縮合ヘテロシクロアルキル基は、例えば、アザビシクロ[3.3.0]オクチル、アザビシクロ[4.3.0]ノニル、ジアザビシクロ[4.3.0]ノニル、オキサアザビシクロ[4.3.0]ノニル、チアザビシクロ[4.3.0]-ノニル、またはアザビシクロ[4.4.0]デシルなどである。
用語「架橋ヘテロシクロアルキル」は、系列:N、O、Sからの1または2個の同一または異なる環ヘテロ原子を含む、2つの環が隣接していない2個の共通の環原子を共有する、合計7、8、9、もしくは10個の環原子を有する二環式飽和複素環を意味し、前記架橋ヘテロシクロアルキル基は、スピロ炭素原子を除く炭素原子または存在する場合は窒素原子のいずれか1個を介してこの分子の残りの部分に結合されることが可能である。
前記架橋ヘテロシクロアルキル基は、例えば、アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、オキサアザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、チアザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、アザビシクロ[2.2.2]オクチル、ジアザビシクロ[2.2.2]オクチル、オキサアザビシクロ[2.2.2]オクチル、チアザビクロ[2.2.2]オクチル、アザビシクロ[3.2.1]オクチル、ジアザビシクロ[3.2.1]オクチル、オキサアザビシクロ[3.2.1]オクチル、チアザビシクロ[3.2.1]オクチル、アザビシクロ[3.3.1]ノニル、ジアザビシクロ[3.3.1]ノニル、オキサアザビシクロ[3.3.1]ノニル、チアザビシクロ[3.3.1]-ノニル、アザビシクロ[4.2.1]ノニル、ジアザビシクロ[4.2.1]ノニル、オキサアザビシクロ[4.2.1]ノニル、チアザ-ビシクロ[4.2.1]ノニル、アザビシクロ[3.3.2]デシル、ジアザビシクロ[3.3.2]デシル、オキサアザビシクロ[3.3.2]デシル、チアザビシクロ[3.3.2]デシル、またはアザビシクロ[4.2.2]デシルなどである。
用語「ヘテロアリール」は、系列:N、Oおよび/またはSからの少なくとも1個の環ヘテロ原子および任意で1、2または3個のさらなる環ヘテロ原子を含み、環炭素原子または任意で環窒素原子(結合価によって許される場合)を介して結合する、5、6、8、9、10、11、12、13、または14個の環原子(「5~14員ヘテロアリール」基)、特に5、6、9、または10個の環原子を有する、一価の単環式、二環式、または三環式芳香環を意味する。
前記ヘテロアリール基は、例えばチエニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、もしくはテトラゾリルなどの5員ヘテロアリール基;または例えばピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、もしくはトリアジニル、または例えばカルバゾリル、アクリジニル、もしくはフェナジニルなどの三環式ヘテロアリール基などの6員ヘテロアリール基;または例えばベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、もしくはプリニルなどの9員ヘテロアリール基;または例えばキノリニル、キナゾリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キノキサリニル、もしくはプテリジニルなどの10員ヘテロアリール基であり得る。
一般に、特に言及しない限り、ヘテロアリールまたはヘテロアリーレン基には、分子の残りの部分との結合点に関してその可能な全ての異性体形態、例えば互変異性体および位置異性体が含まれる。したがって、いくつかの例示的非制限的な例については、用語ピリジニルにはピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、およびピリジン-4-イルが含まれ、または用語チエニルにはチエン-2-イルおよびチエン-3-イルが含まれる。
本文中で、例えば「C1~C6-アルキル」、「C1~C6-ハロアルキル」、「C1~C6-ヒドロキシアルキル」、「C1~C6-アルコキシ」、または「C1~C6-ハロアルコキシ」などの定義の文脈で使用される用語「C1~C6」は、1~6個、すなわち1、2、3、4、5、または6個の炭素原子という有限数の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
さらに、本明細書で使用される通り、本文中で、例えば「C3~C8-シクロアルキル」の定義の文脈で使用される用語「C3~C8」は、3~8個、すなわち3、4、5、6、7、または8個の炭素原子という有限数の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。
ある範囲の値が与えられる場合、前記範囲は、前記範囲内の各値および部分範囲を包含する。
例えば:
「C1~C6」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1~C6、C1~C5、C1~C4、C1~C3、C1~C2、C2~C6、C2~C5、C2~C4、C2~C3、C3~C6、C3~C5、C3~C4、C4~C6、C4~C5、およびC5~C6を包含し、
「C2~C6」は、C2、C3、C4、C5、C6、C2~C6、C2~C5、C2~C4、C2~C3、C3~C6、C3~C5、C3~C4、C4~C6、C4~C5、およびC5~C6を包含し、
「C3~C10」は、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C3~C10、C3~C9、C3~C8、C3~C7、C3~C6、C3~C5、C3~C4、C4~C10、C4~C9、C4~C8、C4~C7、C4~C6、C4~C5、C5~C10、C5~C9、C5~C8、C5~C7、C5~C6、C6~C10、C6~C9、C6~C8、C6~C7、C7~C10、C7~C9、C7~C8、C8~C10、C8~C9、およびC9~C10を包含し、
「C3~C8」は、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C3~C8、C3~C7、C3~C6、C3~C5、C3~C4、C4~C8、C4~C7、C4~C6、C4~C5、C5~C8、C5~C7、C5~C6、C6~C8、C6~C7、およびC7~C8を包含し、
「C3~C6」は、C3、C4、C5、C6、C3~C6、C3~C5、C3~C4、C4~C6、C4~C5、およびC5~C6を包含し、
「C4~C8」は、C4、C5、C6、C7、C8、C4~C8、C4~C7、C4~C6、C4~C5、C5~C8、C5~C7、C5~C6、C6~C8、C6~C7、およびC7~C8を包含し、
「C4~C7」は、C4、C5、C6、C7、C4~C7、C4~C6、C4~C5、C5~C7、C5~C6、およびC6~C7を包含し、
「C4~C6」は、C4、C5、C6、C4~C6、C4~C5、およびC5~C6を包含し、
「C5~C10」は、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C5~C10、C5~C9、C5~C8、C5~C7、C5~C6、C6~C10、C6~C9、C6~C8、C6~C7、C7~C10、C7~C9、C7~C8、C8~C10、C8~C9、およびC9~C10を包含し、
「C6~C10」は、C6、C7、C8、C9、C10、C6~C10、C6~C9、C6~C8、C6~C7、C7~C10、C7~C9、C7~C8、C8~C10、C8~C9、およびC9~C10を包含する。
本明細書で使用される通り、用語「脱離基」は、結合電子を持って安定な種として化学反応で置換される原子または原子群を意味する。具体的には、このような脱離基は、ハロゲン化物、特にフッ化物、塩化物、臭化物、またはヨウ化物、(メチルスルホニル)オキシ、[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)-スルホニル]オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-メチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシ、および[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシからなる群から選択される。
一般式(I)の化合物は、同位体変異体として存在することが可能である。したがって本発明には、一般式(I)の化合物、特に一般式(I)の重水素含有化合物の1つまたは複数の同位体変異体が含まれる。
化合物または試薬の用語「同位体変異体」は、このような化合物を構成する不自然な比率の1つまたは複数の同位体を呈する化合物と定義される。
用語「一般式(I)の化合物の同位体変異体」は、そのような化合物を構成する不自然な比率の1つまたは複数の同位体を呈する一般式(I)の化合物と定義される。
「不自然な比率」という表現は、このような同位体のその自然存在比よりも高い比率を意味する。この文脈に適用される同位体の自然存在比は、「Isotopic Compositions of the Elements 1997」、Pure Appl.Chem.、70(1)、217~235、1998に記載される。
そのような同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素の安定した放射性同位体、例えば、それぞれ、2H(重水素)、3H(トリチウム)、11C、13C、14C、15N、17O、18O、32P、33P、33S、34S、35S、36S、18F、36Cl、82Br、123I、124I、125I、129I、および131Iが含まれる。
本明細書で指定される障害の治療および/または予防に関して、一般式(I)の化合物の1つまたは複数の同位体変異体は、好ましくは重水素を含む(「一般式(I)の重水素含有化合物」)。1つまたは複数の3Hや14Cなどの放射性同位体が組み込まれている一般式(I)の化合物の同位体変異体は、例えば薬剤および/または基質組織分布研究に有用である。これらの同位体は、その組込みおよび検出性の容易さから特に好ましい。18Fや11Cなどのポジトロン放出同位体は、一般式(I)の化合物に組み込むことができる。一般式(I)の化合物のこれら同位体変異体は、インビボイメージング用途に有用である。一般式(I)の重水素含有および13C含有化合物は、前臨床研究または臨床研究の関連で質量分析に使用することができる。
一般式(I)の化合物の同位体変異体は一般に、試薬をその同位体変異体、好ましくは重水素含有試薬に替えることによって、当業者に既知の方法、例えば本明細書中のスキームおよび/または例に記載される方法などによって調製することができる。重水素化の望ましい部位に応じて、一部の例では、D2Oの重水素は、化合物に直接組み込むか、またはそのような化合物を合成するのに有用な試薬に組み込むことができる。重水素ガスも重水素を分子に組み込むのに有用な試薬である。オレフィン結合およびアセチレン結合の接触重水素化は、重水素の組込みのための迅速な道筋である。重水素ガス存在下の金属触媒(すなわちPd、Pt、およびRh)は、重水素を炭化水素を含有する官能基中の水素と直接交換するために使用することができる。多様な重水素化試薬および合成構築ブロックは、例えばC/D/N Isotopes、Quebec、Canada;Cambridge Isotope Laboratories Inc.、Andover、MA、USA;およびCombiPhos Catalysts,Inc.、Princeton、NJ、USAなどの会社から市販されている。
用語「一般式(I)の重水素含有化合物」は、1個または複数の水素原子が1個または複数の重水素原子によって置き換えられ、かつ一般式(I)の化合物の各重水素化された位置での重水素の存在比が約0.015%である、重水素の自然存在比よりも高い、一般式(I)の化合物として定義される。特に一般式(I)の重水素含有化合物において、一般式(I)の化合物の各重水素化された位置での重水素の存在比は、1つまたは複数の前記位置で10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、または80%よりも高く、好ましくは90%、95%、96%、または97%よりも高く、さらにより好ましくは98%または99%よりも高い。各重水素化された位置の重水素の存在比は、他の1つまたは複数の重水素化された位置での重水素の存在比とは無関係であると理解される。
1つまたは複数の重水素原子を一般式(I)の化合物に選択的に組み込むことによって、分子の物理化学的性質(例えば、酸度[C.L.Perrinら、J.Am.Chem.Soc.、2007、129、4490]、塩基性度[C.L.Perrinら、J.Am.Chem.Soc.、2005、127、9641]、親油性[B.Testaら、Int.J.Pharm.、1984、19(3)、271])、および/または代謝プロファイルが変わることがあり、結果として親化合物対代謝産物の比率、または生じる代謝産物の量が変化することがある。そのような変化は、ある特定の治療上の利点をもたらすことがあり、それゆえに一部の状況で好ましいことがある。代謝産物の比率が変化するという、代謝および代謝切り替えの割合の低下が報告されてきている(A.E.Mutlibら、Toxicol.Appl.Pharmacol.、2000、169、102)。親薬物および代謝産物への曝露におけるこれらの変化は、一般式(I)の重水素含有化合物の薬動力学、耐容性、および効力に関して重要な結果を有し得る。一部の例では、重水素置換によって、望ましくない、または有毒な代謝産物の形成が低減または除去され、望ましい代謝産物の形成が強化されている(例えば、ネビラピン:A.M.Sharmaら、Chem.Res.Toxicol.、2013、26、410;エファビレンツ:A.E.Mutlibら、Toxicol.Appl.Pharmacol.、2000、169、102)。その他の例では、重水素化の主要な効果は、全身クリアランスの比率を低下させることである。結果として、化合物の生物学的半減期が増加する。有望な臨床上の利益には、ピーク値の低下およびトラフ値の増加を伴う、同様の全身曝露を維持する能力が含まれるであろう。このことによって、特定の化合物の薬物動態/薬力学の関係に応じて、副作用の低下および効力の増大がもたらされるであろう。ML-337(C.J.Wenthurら、J.Med.Chem.、2013、56、5208)およびオダナカチブ(K.Kassahunら、国際公開第2012/112363号パンフレット)がこの重水素効果の例である。代謝の比率の低下が全身クリアランスの比率を変えることなく薬物の露出の増加をもたらすという、さらに別の例が報告された(例えば、ロフェコキシブ:F.Schneiderら、Arzneim.Forsch/Drug.Res.、2006、56、295;テラプレビル:F.Maltaisら、J.Med.Chem.、2009、52、7993)。この効果を示す重水素化薬物は、投薬要件を低減することができ(例えば望ましい効果を達成するためのより少ない用量数またはより少ない投薬量)、および/またはより少ない代謝産物量を産生させることができる。
一般式(I)の化合物は、代謝を攻撃する複数の潜在的部位を有することができる。物理化学的性質および代謝プロファイルに対する上記の効果を最適化するため、ある特定のパターンの1個または複数の重水素-水素交換を有する一般式(I)の重水素含有化合物を選択することができる。特に、一般式(I)の1つまたは複数の重水素含有化合物の1個または複数の重水素原子は、炭素原子と結合し、かつ/または、シトクロムP450などの代謝酵素に対する攻撃の部位である、一般式(I)の化合物のこれら結合位置に位置する。
化合物、塩、多形、水和物、溶媒和物などの語の複数形が本明細書で使用される場合、これは単一の、化合物、塩、多形、異性体、水和物、溶媒和物なども意味するとみなされる。
「安定な化合物」または「安定な構造」は、反応混合物から有用な程度の純度まで単離されることと、有効な治療薬へ製剤化されることとを乗り切るのに十分に強固である化合物を意味する。
本発明の化合物は、多様な所望の置換基の位置および性質に応じて、任意で1つまたは複数の不斉中心を含む。1個または複数の不斉炭素原子が(R)または(S)配置で存在することは可能であり、結果として単一の不斉中心の場合はラセミ混合物、複数の不斉中心の場合はジアステレオマー混合物をもたらし得る。いくつかの例では、所与の結合周りの回転、例えば特定の化合物の2つの置換芳香環に隣接する中心結合周りの回転が制限されるために、非対称が存在することも可能である。
好ましい化合物は、より望ましい生物学的活性を産生する化合物である。本発明の化合物の分離された、純粋な、または部分的に精製された異性体および立体異性体またはラセミ混合物もしくはジアステレオマー混合物も本発明の範囲に含まれる。このような材料の精製および分離は、当技術分野で知られている標準的技術によって達成することができる。
好ましい異性体は、より望ましい生物学的活性をもたらす異性体である。本発明の化合物のこれら分離された、純粋な、または部分的に精製された異性体またはラセミ混合物も本発明の範囲に含まれる。このような材料の精製および分離は、当技術分野で知られている標準的技術によって達成することができる。
光学異性体は、従来方法によるラセミ混合物の分割によって、例えば光学活性酸もしくは光学活性塩基を用いた、ジアステレオ異性体塩の形成または共有結合性ジアステレオマーの形成によって得ることができる。適当な酸の例には、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジトルオイル酒石酸、およびカンファースルホン酸がある。ジアステレオ異性体の混合物は、当技術分野で知られている方法、例えば、クロマトグラフィーまたは分別結晶化によって、その物理的および/または化学的違いに基づいた個々のジアステレオマーに分離することができる。次に、光学活性塩基または光学活性酸を分離したジアステレオマー塩から遊離させる。別の光学異性体の分離法は、エナンチオマーの分離を最大化するために最適に選択される、従来の誘導体化法を利用するか、利用しないかに関わらずキラルクロマトグラフィー(例えば、キラル相を使用するHPLCカラム)の使用を含む。キラル相を使用する適切なHPLCカラムは市販されており、数ある中でもDaicel社によって製造されたもの、例えばChiracel ODおよびChiracel OJであり、これらは全て日常的に選択可能である。誘導体化法を利用するか、利用しないかに関わらず、酵素分離も有用である。本発明の光学活性化合物はさらに、光学活性出発物質を利用したキラル合成によっても得ることができる。
異性体の異なる型を互いに識別するために、IUPAC Rules Section E(Pure Appl Chem 45、11~30、1976)を参照する。
本発明には、単一の立体異性体としての、または(R)-もしくは(S)-異性体などの前記立体異性体の任意の比率での任意の混合物としての、本発明の化合物の可能な全ての立体異性体が含まれる。本発明の化合物の単一の立体異性体、例えば単一のエナンチオマーまたは単一のジアステレオマーの単離は、任意の適切な先行技術の方法、例えばクロマトグラフィー、特にキラルクロマトグラフィーによって達成される。
さらに、本発明の化合物は、互変異性体として存在することが可能である。例えばヘテロアリール基としてイミダゾピリジン部分を含む本発明の任意の化合物は、例えば、1H互変異性体としても、3H互変異性体としても、2つの互変異性体の任意の量の混合物としても、存在することができる。すなわち:
本発明には、単一の互変異性体としても、または任意の比率での前記互変異性体の任意の混合物としても、本発明の化合物の可能な全ての互変異性体が含まれる。
さらに本発明の化合物は、本発明の化合物の少なくとも1個の窒素が酸化されていると定義されるN-オキシドとして存在することができる。本発明には、このような可能な全てのN-オキシドが含まれる。
本発明はまた、有用な形態の本発明の化合物、例えば代謝産物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、塩、特に薬学的に許容される塩、および/または共沈物も網羅する。
本発明の化合物は、水和物または溶媒和物として存在することができ、化合物の結晶格子の構造要素として極性溶媒、例えば特に水、メタノール、またはエタノールを含む。極性溶媒の量、特に水の量は、化学量論比または非化学量論比で存在することが可能である。化学量論的溶媒和物の場合、例えば水和物、半-、(セミ-)、一-、セスキ-、二-、三-、四-、五-等溶媒和物または水和物それぞれが可能である。本発明には、このような全ての水和物または溶媒和物が含まれる。
さらに本発明の化合物は、遊離型として、例えば遊離塩基としても、遊離酸としても、双性イオンとしても存在することが可能であるし、塩型で存在することも可能である。前記塩は、薬学で習慣的に使用される、または例えば本発明の化合物を単離もしくは精製するために使用される、任意の塩、有機または無機いずれかの付加塩、特に薬学的に許容される有機または無機の任意の付加塩であり得る。
用語「薬学的に許容される塩」は、本発明の化合物の無機または有機の酸付加塩を指す。例えば、S.M.Bergeら「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci.1977、66、1~19を参照されたい。
本発明の化合物の適切な薬学的に許容される塩は、例えば鎖中または環内に窒素原子を有し、十分に塩基性である本発明の化合物の例えば酸付加塩、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、重硫酸、リン酸、もしくは硝酸などの、無機酸もしくは「鉱酸」を有する酸付加塩、または例えばギ酸、酢酸、アセト酢酸、ピルビン酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、安息香酸、サリチル酸、2-(4-ヒドロキシベンゾイル)-安息香酸、ショウノウ酸、ケイヒ酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、パモ酸、ペクチニン酸、3-フェニルプロピオン酸、ピバル酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、イタコン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、ナフタリンジスルホン酸、カンファースルホン酸、クエン酸、酒石酸、ステアリン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸、アルギン酸、マレイン酸、フマル酸、D-グルコン酸、マンデル酸、アスコルビン酸、グルコヘプタン酸、グリセロリン酸、アスパラギン酸、スルホサリチル酸、もしくはチオシアン酸などの有機酸を有する酸付加塩であり得る。
さらに、十分に酸性である、本発明の化合物の別の適切に薬学的に許容される塩は、ナトリウム塩もしくはカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、もしくはストロンチウム塩などのアルカリ土類金属塩、またはアルミニウム塩もしくは亜鉛塩、またはアンモニア由来もしくはエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、プロカイン、ジベンジルアミン、N-メチルモルホリン、アルギニン、リジン、1,2-エチレンジアミン、N-メチルピペリジン、N-メチル-グルカミン、N,N-ジメチル-グルカミン、N-エチル-グルカミン、1,6-ヘキサンジアミン、グルコサミン、サルコシン、セリノール、2-アミノ-1,3-プロパンジオール、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、4-アミノ-1,2,3-ブタントリオールなどの1~20個の炭素原子を有する有機第一級、二級、もしくは三級アミン由来のアンモニウム塩、またはテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ(n-プロピル)アンモニウム、テトラ(n-ブチル)アンモニウム、N-ベンジル-N,N,N-トリメチルアンモニウム、コリン、もしくはベンザルコニウムなどの1~20個の炭素原子を有する四級アンモニウムイオンを有する塩である。
当業者であればさらに、請求項に関わる化合物の酸付加塩が、いくつかの既知の方法のいずれかを介して化合物と適当な無機酸または有機酸との反応によって調製することが可能であることを認識しているであろう。代替方法として、本発明の酸性化合物のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩は、既知の多様な方法を介して本発明の化合物を適当な塩基と反応させることによって調製される。
本発明には、単一の塩としての、または任意の比率での前記塩の任意の混合物としての、本発明の化合物の可能な全ての塩が含まれる。
本文中、特に実験節において、化合物が本発明の中間体および実施例の合成のために、対応する塩基または酸を用いた塩型として挙げられた場合、それぞれの調製および/または精製工程によって得られる前記塩型の正確な化学量論的組成はほとんどの場合、未知である。
特に指定しない限り、例えば「塩酸塩」、「トリフルオロ酢酸塩」、「ナトリウム塩」、または「×HCl」、「×CF3COOH」、「×Na」などの塩に関する化学名または構造式の接尾辞は塩型を意味し、その塩型の化学量論は特定されない。
これは、合成中間体または実施例化合物またはそれらの塩が、未知の化学量論的組成(定義された場合)を用いた水和物などの溶媒和物として調製および/または精製工程によって得られた場合にも同様に当てはまる。
さらに本発明には、本発明の化合物の可能な全ての結晶型または多形が、単一多形、または2種以上の多形の任意の比率での混合物のいずれかとして含まれる。
さらに本発明には、本発明による化合物のプロドラッグも含まれる。用語「プロドラッグ」は、ここでは、それ自体は生物学的に活性であっても不活性であってもよいが、体内での滞留時間中に本発明による化合物に(例えば、代謝的にまたは加水分解的に)変換される化合物を示す。
第1の態様の代替実施形態によると、本発明は上記一般式(I)の化合物を網羅し、
Cは下記大環状キレート剤マクロパであり、置換基Rがピリジン環の任意の遊離炭素原子に結合し、
RがR=NH2またはCH2CH2COOHである。
Cは、下記大環状キレート剤マクロパとすることもでき、
RがR=NH2またはCH2CH2COOHである。
第1の態様の第2の実施形態によると、本発明は上記一般式(I)の化合物であって、
Cは下記大環状キレート剤マクロパ-NH2であり、
アミノ置換基またはカルボン酸基のいずれかがLまたはVのいずれかとアミド結合を形成するために使用され、nは2であり、Vはモノクローナル抗体である、一般式(I)の化合物、
ならびにその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、および塩、ならびにこれらの混合物を網羅する。
第1の態様の第3の実施形態によると、本発明は上記一般式(I)の化合物であって、
Cは下記大環状キレート剤マクロパ-NH2であり、
アミノ置換基またはカルボン酸基のいずれかがLまたはVのいずれかとアミド結合を形成するために使用され、nは3であり、Vはモノクローナル抗体である、一般式(I)の化合物、
ならびにその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、および塩、ならびにこれらの混合物を網羅する。
第1の態様の第4の実施形態によると、本発明は上記一般式(I)の化合物であって、
Cは下記大環状キレート剤マクロパ-NH2であり、
アミノ置換基またはカルボン酸基のいずれかがLまたはVのいずれかとアミド結合を形成するために使用され、nは4であり、Vはモノクローナル抗体である、一般式(I)の化合物、
ならびにその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、および塩、ならびにこれらの混合物を網羅する。
第1の態様の第5の実施形態によると、本発明は上記一般式(I)の化合物であって、
Cは下記大環状キレート剤マクロパ-NH2であり、
アミノ置換基またはカルボン酸基のいずれかがLまたはVのいずれかとアミド結合を形成するために使用され、nは4より大きいが20未満であり、Vはモノクローナル抗体である、一般式(I)の化合物、ならびにその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、および塩、ならびにこれらの混合物を網羅する。
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は上記式(I)の化合物であって、
Cは下記大環状キレート剤マクロパ-NH2であり、
nは4であり、Vはモノクローナル抗体であり、Cがジグリコール酸スペーサーで修飾されたテトラアミノ骨格を介して連結する化合物、
ならびにその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、および塩、ならびにこれらの混合物を網羅する。
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は上記式(I)の化合物であって、
Cは下記大環状キレート剤マクロパとすることもでき、
nは4であり、Vはモノクローナル抗体であり、Cがプロピオン酸スペーサーを介してテトラアミノ骨格に連結する化合物、
ならびにその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、および塩、ならびにこれらの混合物を網羅する。
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は上記式(I)の化合物であって、
Cは下記大環状キレート剤マクロパであり、
nは4であり、Vはモノクローナル抗体であり、Cがプロピオン酸スペーサーを介してテトラアミノ骨格に連結する化合物、
ならびにその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、および塩、ならびにこれらの混合物を網羅する。
原出願と同じ優先権のある本出願は以下を主張する。
1.一般式(I)の化合物:
[(C)n-L]-(V)m (I)
(式中、Cは大環状キレート剤マクロパを表し、LはCの共有結合のための複数の官能基を含む多機能リンカー部分を表し、Vは組織標的指向性部分であり、nはn>1であり、mは1~5である)、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、またはこれらの混合物。
2.α線放出放射性同位体をさらに含む、請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、またはこれらの混合物。
3.前記α線放出放射性同位体がラジウム223、ラジウム224、Bi-212、Bi-213、およびアクチニウム225からなる群から選択される、請求項2に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、またはこれらの混合物。
4.前記組織標的指向性部分がモノクローナル抗体である、請求項1、2、もしくは3に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、またはこれらの混合物。
5.Cが下記の前記大環状キレート剤マクロパ:
であって、
前記アミノ置換基または前記カルボン酸基のいずれかがLまたはVのいずれかとアミド結合を形成するために使用され、nは2であり、Vはモノクローナル抗体である、請求項1、2、3、もしくは4に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、またはこれらの混合物。
6.Cが下記の前記大環状キレート剤マクロパ:
であって、
前記アミノ置換基または前記カルボン酸基のいずれかがLまたはVのいずれかとアミド結合を形成するために使用され、nは3であり、Vはモノクローナル抗体である、請求項1、2、3、もしくは4に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、またはこれらの混合物。
7.Cが下記の前記大環状キレート剤マクロパ:
であって、
前記アミノ置換基または前記カルボン酸基のいずれかがLまたはVのいずれかとアミド結合を形成するために使用され、nは4であり、Vはモノクローナル抗体である、請求項1、2、3、もしくは4に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、またはこれらの混合物。
8.一般式(I)の化合物を調製する方法であって、前記方法が、一般式(II)の中間体化合物:
[(X)p’-C]n-L
(II)
であって、
C、L、n、およびmは請求項1から7のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物について定義される通りである、一般式(II)の中間体化合物を、
請求項1から7のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物について定義される通りである、
Vと反応させ、
それによって、一般式(I):
[(C)n-L]-(V)m (I)
であって、
C、L、V、n、およびmは請求項1から7のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物について定義される通りである、一般式(I)の化合物をもたらす
ステップを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物を調製する方法。
9.疾患の治療または予防に使用するための、請求項1から7のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物。
10.請求項1から7のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
11.・1種または複数の第1の活性成分、特に請求項1から7のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物と、
・1種または複数のさらなる活性成分、特に抗がん剤と
を含む医薬組み合わせ。
12.疾患の治療または予防のための、請求項1から7のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物の使用。
13.疾患の治療または予防のための医薬品を調製するための、請求項1から7のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物の使用。
14.前記疾患が、例えば腫瘍学的障害などの過剰増殖性障害である、請求項9、12、または13に記載の使用。
第1の態様のさらなる特定の実施形態では、本発明は、「本発明の第1の態様のさらなる実施形態」という見出しの下で、上述の実施形態の2つ以上の組み合わせを網羅する。
本発明は、上記一般式(I)の化合物の本発明のいかなる実施形態や態様内のいかなる部分的組み合わせをも網羅する。
本発明は、下記本文の実施例節で開示される一般式(I)の化合物を網羅する。
一般式(I)の本発明による化合物は、以下のスキーム1および2により調製することができる。以下に記載されるスキームおよび手順は、本発明の一般式(I)の化合物への合成経路を例示するが、限定的であることを意図するものではない。スキーム1および2に例示されている変換の順序は多様な方法で修正することができることは、当業者にとって明らかである。したがってこれらのスキームに例示されている変換の順序は、限定的であることを意図するものではない。さらに、置換基のいずれかでの相互変換は、例示されている変換の前および/または後で行うことができる。これらの修飾は、例えば、保護基の導入、保護基の切断、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換、または当業者に知られている他の反応などであり得る。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能にする官能基を導入する変換が含まれる。適当な保護基ならびにその導入および切断は、当業者にとって明らかである(例えば、T.W.GreeneおよびP.G.M.WutsのProtective Groups in Organic Synthesis、第3版、Wiley、1999参照)。具体例は以下の段落で説明される。
一般式(I)の化合物を調製するための2つの経路をスキーム1および2に記載する。
スキーム1
スキーム1:一般式(I)の化合物を調製するための経路であって、C、L、V、n、およびmは上記一般式(I)に与えられた通りの意味を有し、Xは官能基またはより好ましくは反応性官能基であり、pが1~10であり、p’が1~10であり、より好ましくはpおよびp’が1~4である。
キレート剤Cは、例えばポリアミン含有骨格であるLとのさらなる結合のために、反応性官能基X、例えばNHSエステル、TFPエステル、HOBtエステル、HOAtエステル、またはNSC基などで活性化することができる。CとLとの間に生じるアミド結合またはチオ尿素結合の形成は、室温または高温で、7~11間のpHの水性溶媒または有機溶媒中で行うことができる。中間体および生成物の単離は、例えば分取HPLCまたは他の知られた分離技術で実施することができる。一般式(II):
の多量体キレート剤の標的指向性部分Vとの結合は、Vとアミド結合またはチオ尿素結合、例えば抗体のリジン側鎖アミノ基との結合を形成する反応性官能基、例えばNHSエステル、TFPエステル、またはNSC基などであるXによって実現することができ、上で定義される通りの一般式(I)の化合物を作る。
スキーム2
スキーム2:一般式(I)の化合物を調製するための経路であって、C、L、V、n、およびmは上記一般式(I)に与えられた通りの意味を有し、Xは反応性官能基である。
キレート剤Cは、例えば保護された反応性官能基を含有するポリアミン含有骨格であるLと結合することができる。CとLとの間に生じるアミド結合またはチオ尿素結合の形成は、室温または高温で、7~11間のpHの水性溶媒または有機溶媒中で行うことができる。中間体および生成物の単離は、例えば分取HPLCまたは他の知られた分離技術で実施することができる。一般式(III):
の多量体キレート剤の標的指向性部分Vとの結合は、Vとアミド結合またはチオ尿素結合、例えば抗体のリジン側鎖アミノ基との結合を形成する反応性官能基、例えばNHSエステル、TFPエステル、またはNSC基などであるXによって実現することができ、上で定義される通りの一般式(I)の化合物を作る。具体的な例は実験節で説明される。
本発明は、下記本文の実施例節で開示される、式(II)および式(III)によって定義される中間体化合物を網羅する。
本発明は、上記一般式(II)および一般式(III)の中間体化合物の、いかなる本発明の実施形態や態様内のいかなる部分的組み合わせをも網羅する。
本発明の一般式(I)の化合物は、当業者に知られている任意の方法によって、本明細書に記載されている通りの任意の塩、好ましくは薬学的に許容される塩に変換することができる。同様に、本発明の一般式(I)の化合物の任意の塩は、当業者に知られている任意の方法によって、遊離化合物に変換することができる。
本発明の一般式(I)の化合物は、両方共に予測され得なかった、作用プロファイルと薬物動態プロファイルとの有益な薬理学的スペクトルを実証する。驚くべきことに、本発明の化合物は、標的を有効に阻害することが分かっており、したがって前記化合物は、ヒトおよび動物における疾患、好ましくは過剰増殖性障害の治療または予防のために使用することが可能である。
本発明の化合物を利用して、細胞増殖および/または細胞分裂を阻害、遮断、低減、減少等させる、ならびに/あるいはアポトーシスをもたらすことができる。この方法は、ヒトを含めたそれを必要とする哺乳動物に、障害を治療するのに有効な量の本発明の一般式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、異性体、多形、代謝産物、水和物、溶媒和物、もしくはエステルを投与することを含む。
過剰性増殖性障害には、それだけに限らないが、例えば、乾癬、ケロイド、および皮膚に影響を及ぼす他の過形成、前立腺肥大症(BPH)、固形腫瘍(例えば乳房、気道、脳、生殖器、消化管、尿路、目、肝臓、皮膚、頭頸部、甲状腺、副甲状腺のがん、およびこれらの遠隔転移など)が含まれる。これらの障害には、リンパ腫、肉腫、および白血病も含まれる。
乳がんの例には、それだけに限らないが、浸潤性乳管癌、浸潤性小葉癌、非浸潤性乳管癌、および非浸潤性小葉癌が含まれる。
気道のがんの例には、それだけに限らないが、小細胞および非小細胞肺癌、ならびに気管支腺腫および胸膜肺芽腫が含まれる。
脳がんの例には、それだけに限らないが、脳幹および視床下部(hypophtalmic)膠腫、小脳および大脳星状細胞腫、髄芽腫、上衣腫、ならびに神経外胚葉および松果体腫瘍が含まれる。
男性生殖器の腫瘍には、それだけに限らないが、前立腺および精巣がんが含まれる。
女性生殖器の腫瘍には、それだけに限らないが、子宮内膜、子宮頚部、卵巣、膣、および外陰がん、ならびに子宮の肉腫が含まれる。
消化管の腫瘍には、それだけに限らないが、肛門、結腸、結腸直腸、食道、胆嚢、胃、膵臓、直腸、小腸、および唾液腺がんが含まれる。
尿路の腫瘍には、それだけに限らないが、膀胱、陰茎、腎臓、腎盂、尿管、尿道、およびヒト乳頭状腎臓がんが含まれる。
目のがんには、それだけに限らないが、眼内黒色腫および網膜芽細胞腫が含まれる。
肝がんの例には、それだけに限らないが、肝細胞癌(線維層板型の変形を伴うまたは伴わない肝臓細胞癌)、胆管癌(肝内胆管癌)、および混合肝細胞性胆管癌が含まれる。
皮膚がんには、それだけに限らないが、扁平上皮癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚がん、および非黒色腫皮膚がんが含まれる。
頭頸部がんには、それだけに限らないが、喉頭、下咽頭、鼻咽頭、中咽頭のがん、口腔がん、および扁平細胞が含まれる。
リンパ腫には、それだけに限らないが、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキン病、および中枢神経系のリンパ腫が含まれる。
肉腫には、それだけに限らないが、軟組織の肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫、および横紋筋肉種が含まれる。
白血病には、それだけに限らないが、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、および有毛細胞白血病が含まれる。
本発明はまた、過剰なおよび/または異常な血管新生に関連する疾患を含めた血管新生障害を治療する方法も提供する。
血管新生の不適切な異所性発現は、生物にとって有害となり得る。いくつかの病理学的状態は、外来性血管の成長に関連する。これらには、例えば、糖尿病網膜症、虚血性網膜静脈閉塞症、および未熟児網膜症[Aielloら、New Engl.J.Med.、1994、331、1480;Peerら、Lab.Invest.、1995、72、638]、加齢黄斑変性(AMD)[Lopezら、Invest.Opththalmol.Vis.Sci.、1996、37、855]、血管新生緑内障、乾癬、後水晶体線維増殖症、血管線維腫、炎症、関節リウマチ(RA)、再狭窄、ステント内再狭窄、移植血管閉塞等が含まれる。さらに、癌性および腫瘍性組織に関連する血液供給増加によって、急速な腫瘍拡大および転移をもたらす増殖が助長される。さらに腫瘍内の新たな血管およびリンパ管の増殖によって、変節した細胞のための脱出経路が提供され、癌の転移および結果として拡散が助長される。したがって、本発明の一般式(I)の化合物を利用して、例えば、血管形成を阻害および/または低減することにより、内皮細胞増殖もしくは血管新生に関与する他の型を阻害する、遮断する、低減する、減少させる等により、ならびにこのような細胞型の細胞死またはアポトーシスを引き起こすことにより、上記血管新生障害のいずれかを治療および/または予防することができる。
これらの障害はヒトにおいてよく特徴づけられているが、他の哺乳動物においても類似の病因で存在し、本発明の医薬組成物を投与することによって治療することができる。
本文書の全体を通して述べられる用語「治療すること」または「治療」は、慣習的に使用され、癌などの疾患または障害の状態と戦う、これを緩和する、低減する、軽減する、改善する目的のための、例えば対象の管理または看護などである。
好ましくは、本発明の標的α線療法は、非ホジキンリンパ腫またはB細胞腫瘍、乳房、結腸直腸、子宮内膜、胃、急性骨髄性白血病、前立腺もしくは脳、中皮腫、卵巣、肺、または膵臓のがんの治療用である。典型的には、本発明の組み合わせ療法は、卵巣がん、乳がん、胃がん、肺がん、直腸結腸がん、または急性骨髄性白血病の治療に利用されるであろう。
一般に、本発明の化合物または医薬組成物と組み合わせた化学療法剤および/または抗がん剤の使用は、
1.いずれかの薬剤単独の投与と比較して、腫瘍の成長を低減するのに優れた効力をもたらす、または腫瘍を排除さえする、
2.より少量の化学療法剤の投与をもたらす、
3.単独薬剤の化学療法および他の特定の併用療法で観察されるよりも有害な薬理学的合併症が少なく、患者の耐容性が良好な化学療法治療を提供する、
4.哺乳動物、特にヒトにおける広範囲の様々ながん型の治療を提供する、
5.治療される患者の高い奏功率を提供する、
6.標準的な化学療法治療と比較して、治療される患者のより長い生存期間を提供する、
7.より長い腫瘍進行時間をもたらす、および/または
8.他のがん薬剤組み合わせが拮抗作用をもたらす既知の例と比較して、単独で使用される薬剤の結果と少なくとも同程度の良好な効力結果および耐容性結果をもたらす
のに役立つ。
さらに、本発明の一般式(I)の化合物は、放射線療法および/または外科的介入と組み合わせて使用することもできる。
本発明のさらなる実施形態では、本発明の一般式(I)の化合物を使用して細胞を放射線に対して感作させることができる、すなわち、細胞を放射線処理する前に本発明の化合物で処理することによって、細胞は本発明の化合物による処理を受けていない場合よりも、よりDNA損傷および細胞死を受けやすくなる。一態様では、細胞を本発明の一般式(I)の少なくとも1種の化合物で処理する。
したがって、本発明は、細胞を死滅させる方法であって、1種または複数の本発明の化合物を従来の放射線療法と組み合わせて細胞に投与する方法をも提供する。
本発明はまた、細胞がより細胞死を受けやすくする方法であって、細胞死を引き起こす、または細胞死を誘導する細胞処理前に、細胞を本発明の一般式(I)の1種または複数の化合物で処理する方法も提供する。一態様では、正常な細胞の機能を阻害する、または細胞を死滅させる目的でDNA損傷を引き起こすため、細胞を本発明の一般式(I)の1種または複数の化合物で処理した後に少なくとも1種の化合物、または少なくとも1つの方法、またはこれらの組み合わせで処理する。
本発明の別の実施形態では、細胞を少なくとも1種のDNA損傷剤で処理することによって細胞を死滅させる、すなわち、細胞を本発明の一般式(I)の1種または複数の化合物で処理して細胞を細胞死に感作させた後に、細胞を少なくとも1種のDNA損傷剤で処理して細胞を死滅させる。本発明で有用なDNA損傷剤には、それだけに限らないが、化学療法剤(例えばシスプラチン)、電離放射線(X線、紫外線放射)、発癌性物質、および突然変異誘発物質が含まれる。
別の実施形態では、DNA損傷を引き起こすまたは誘導する、少なくとも1つの方法で細胞を処理することによって細胞を死滅させる。このような方法には、それだけに限らないが、経路が活性化されるとDNA損傷をもたらす細胞シグナル伝達経路の活性化と、経路が阻害されるとDNA損傷をもたらす細胞シグナル伝達経路の阻害と、細胞における生化学的変化の誘導(ここではその変化がDNA損傷をもたらす)とが含まれる。非限定的な例として、細胞内のDNA修復経路を阻害し、それによってDNA損傷の修復を阻止して細胞内でのDNA損傷の異常な蓄積をもたらすことができる。
本発明の一態様では、細胞での放射線照射または他のDNA損傷誘導の前に、本発明の一般式(I)の化合物を細胞に投与する。本発明の別の態様では、細胞での放射線照射または他のDNA損傷誘導と同時に、本発明の一般式(I)の化合物を細胞に投与する。本発明のさらに別の態様では、細胞での放射線照射または他のDNA損傷誘導の直後に、本発明の一般式(I)の化合物を細胞に投与する。
別の態様では、細胞はインビトロである。別の実施形態では、細胞がインビボである。
さらなる態様によると、本発明は、疾患、特に過剰増殖性障害の治療または予防に使用するための、上で記載される通りの一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、および塩、特にその薬学的に許容される塩、またはこれらの混合物を網羅する。
本発明による化合物の医薬活性は、それらの機序としての活性によって説明することができる。
さらなる態様によると、本発明は、疾患、特に過剰増殖性障害、特に腫瘍学的障害の治療または予防のための上に記載される通りの一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、および塩、特にその薬学的に許容される塩、またはこれらの混合物の使用を網羅する。
さらなる態様によると、本発明は、疾患、特に過剰増殖性障害、特に腫瘍学的障害の予防または治療のための上に記載される式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、特にその薬学的に許容される塩、またはこれらの混合物の使用を網羅する。
さらなる態様によると、本発明は、疾患、特に過剰増殖性障害、特に腫瘍学的障害の治療または予防の方法における上に記載される通りの一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、および塩、特にその薬学的に許容される塩、またはこれらの混合物の使用を網羅する。
さらなる態様によると、本発明は、疾患、特に過剰増殖性障害、特に腫瘍学的障害の予防または治療のための医薬組成物の調整、好ましくは医薬品の調製のための上に記載される通りの一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、および塩、特にその薬学的に許容される塩、またはこれらの混合物の使用を網羅する。
さらなる態様によると、本発明は、有効な量の上に記載される通りの一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、および塩、特にその薬学的に許容される塩、またはこれらの混合物を使用した、疾患、特に過剰増殖性障害、特に腫瘍学的障害の治療または予防の方法を網羅する。
さらなる態様によると、本発明は、上に記載される通りの一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、塩、特に薬学的に許容される塩、またはこれらの混合物と、1種または複数の賦形剤、特に1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物、特に医薬品を網羅する。適当な剤形でこのような医薬組成物を調製するための従来の手順を利用することができる。
本発明はさらに、本発明による少なくとも1種の化合物を慣用的に1種または複数の薬学的に適切な賦形剤と共に含む医薬組成物、特に医薬品、および上述の目的のためのその使用を網羅する。
本発明による化合物が全身的および/または局所的な活性を有することは可能である。この目的のために、化合物は適切な様式、例えば非経口経由で投与することができる。
これらの投与経路のために、本発明による化合物を適切な投与形態で投与することが可能である。
非経口投与は、吸収ステップの回避で(例えば静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内、または腰椎内で)行うことができる。非経口投与に適した投与形態は、特に溶液、懸濁液、乳剤、凍結乾燥物、または無菌粉末の形態での注射用および点滴用製剤である。
本発明による化合物は、定まった投与形態に組み込むことができる。これは、薬学的に適切な賦形剤と混合することによって、既知の様式それ自体で行うことができる。薬学的に適切な賦形剤には、特に以下、
・充填剤および担体(例えば、セルロース、微結晶セルロース(例えばAvicel(登録商標)など)、ラクトース、マンニトール、デンプン、リン酸カルシウム(例えばDi-Cafos(登録商標)など))、
・軟膏基剤(例えば、黄色ワセリン、パラフィン、トリグリセリド、蝋、羊毛蝋、羊毛蝋アルコール、ラノリン、親水軟膏、ポリエチレングリコール)、
・坐剤基剤(例えば、ポリエチレングリコール、カカオ脂、硬質脂肪)、
・溶媒(例えば、水、エタノール、イソプロパノール、グリセロール、プロピレングリコール、中鎖トリグリセリド脂肪油、液体ポリエチレングリコール、パラフィン)、
・界面活性剤、乳化剤、分散剤、または湿潤剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム)、レシチン、リン脂質、脂肪アルコール(例えば、Lanette(登録商標)など)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、Span(登録商標)など)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、Tween(登録商標)など)、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド(例えば、Cremophor(登録商標)など)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、グリセロール脂肪酸エステル、ポロキサマー(例えば、Pluronic(登録商標)など))、
・緩衝剤、酸、および塩基(例えば、リン酸塩類、炭酸塩類、クエン酸、酢酸、塩酸、水酸化ナトリウム溶液、炭酸アンモニウム、トロメタモール、トリエタノールアミン)、
・等張剤(例えば、グルコース、塩化ナトリウム)、
・吸着剤(例えば、高分散性シリカ)、
・増粘剤、ゲル形成剤、増ちょう剤および/または結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピル-セルロース、カルボキシメチルセルロース-ナトリウム、デンプン、カルボマー、ポリアクリル酸(例えば、Carbopol(登録商標)など);アルギン酸塩類、ゼラチン)、
・崩壊剤(例えば、加工デンプン、カルボキシメチルセルロース-ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(例えば、Explotab(登録商標)など)、架橋ポリビニルピロリドン、クロスカルメロース-ナトリウム(例えば、AcDiSol(登録商標)など))、
・流動調節剤、潤滑剤、滑剤、および離型剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、高分散性シリカ(例えば、Aerosil(登録商標)など))、
・コーティング材料(例えば、糖、シェラックなど)、および急速に、または加減した様子で溶解する、フィルムまたは拡散膜のためのフィルム形成剤(例えば、ポリビニルピロリドン(例えばKollidon(登録商標)など)、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピル-メチルセルロース、酢酸セルロース、フタル酸酢酸セルロース、ポリアクリレート、ポリメタクリレート(例えば、Eudragit(登録商標)など))、
・カプセル材料(例えば、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、
・合成ポリマー(例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリアクリレート、ポリメタクリレート(例えば、Eudragit(登録商標)など)、ポリビニルピロリドン(例えば、Kollidon(登録商標)など)、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ならびにこれらのコポリマーおよびブロックコポリマー)、
・可塑剤(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、クエン酸トリアセチル、フタル酸ジブチル)、
・浸透促進剤、
・安定剤(例えば、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピルなどの抗酸化剤)、
・保存剤(例えば、パラベン、ソルビン酸、チオメルサール、塩化ベンザルコニウム、酢酸クロルヘキシジン、安息香酸ナトリウム)、
・着色剤(例えば、酸化鉄、二酸化チタンなどの無機顔料)、
・香味剤、甘味剤、香気および/または臭気マスキング剤
が含まれる。
本発明はさらに、少なくとも1種の本発明による化合物を慣用的に1種または複数の薬学的に適した賦形剤と一緒に含む医薬組成物、および本発明によるそれらの使用に関する。
別の態様によると、本発明は、特に過剰増殖性障害の治療および/または予防のための本発明の一般式(I)の少なくとも1種の化合物と少なくとも1種または複数のさらなる活性成分とを含む医薬組み合わせ、特に医薬品を網羅する。
詳細には、本発明は、
・1種または複数の第1の活性成分、特に上に定義される通りの一般式(I)の化合物と、
・1種または複数のさらなる活性成分、特に過剰増殖性疾患の治療のための活性成分と
を含む、医薬組み合わせを網羅する。
本発明における用語「組み合わせ」は、当業者に知られている通りに使用され、前記組み合わせは固定した組み合わせ、固定していない組み合わせ、またはパーツキット(kit-of-parts)であることが可能である。
本発明における「固定した組み合わせ」は、当業者に知られている通りに使用され、例えば、第1の活性成分、例えば本発明の一般式(I)の1種または複数の化合物と、さらなる活性成分とが1つの単位投与量または単一実体中に共に存在する組み合わせとして定義される。「固定した組み合わせ」の1つの例は、第1の活性成分とさらなる活性成分とが同時投与用の混和物中に、例えば製剤中に存在する医薬組成物である。「固定した組み合わせ」の別の例は、第1の活性成分とさらなる活性成分とが混和していないが、一単位中に存在する医薬組み合わせである。
本発明における固定していない組み合わせまたは「パーツキット」は、当業者に知られている通りに使用され、第1の活性成分とさらなる活性成分とが2つ以上の単位中に存在する組み合わせとして定義される。固定していない組み合わせまたはパーツキットの1つの例は、第1の活性成分とさらなる活性成分とが別々に存在する組み合わせである。固定していない組み合わせまたはパーツキットの成分は、別々に、順次、同時に、同時発生的に、または時差的交互的に、投与することが可能である。
本発明の化合物は、単一医薬剤として、またはその組み合わせが許容できない有害効果をもたらさない1種または複数の他の医薬活性成分との組み合わせで、投与することができる。本発明はまた、このような医薬組み合わせをも網羅する。例えば、本発明の化合物は、既知の抗がん剤と組み合わせることができる。
抗がん剤の例には:
131I-chTNT、アバレリックス、アベマシクリブ、アビラテロン、アカラブルチニブ、アクラルビシン、アダリムマブ、ado-トラスツズマブエムタンシン、アファチニブ、アフリベルセプト、アルデスロイキン、アレクチニブ、アレムツズマブ、アレンドロン酸、アリトレチノイン、アルファラジン、アルトレタミン、アミフォスチン、アミノグルテチミド、ヘキシルアミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アンセスチム、アネトールジチオールチオン、アネツマブ・ラブタンシン、アンジオテンシンII、抗トロンビンIII、アパルタミド、アプレピタント、アルシツモマブ、アルグラビン、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アテゾリズマブ、アベルマブ、アキシカブタゲン・シロロイセル、アキシチニブ、アザシチジン、バシリキシマブ、ベロテカン、ベンダムスチン、ベシレソマブ、ベリノスタット、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビサントレン、ブレオマイシン、ブリナツモマブ、ボルテゾミブ、ボスチニブ、ブセレリン、ブレンツキシマブ・ベドチン、ブリガチニブ、ブスルファン、カバジタキセル、カボザンチニブ、カルシトニン、フォリン酸カルシウム、レボホリナートカルシウム、カペシタビン、カプロマブ、カルバマゼピン、カルボプラチン、カルボコン、カルフィルゾミブ、カルモフール、カルムスチン、カツマキソマブ、セレコキシブ、セルモロイキン、セミプリマブ、セリチニブ、セツキシマブ、クロラムブシル、クロルマジノン、クロルメチン、シドホビル、シナカルセト、シスプラチン、クラドリビン、クロドロン酸、クロファラビン、コビメチニブ、コパンリシブ、クリサンタスパーゼ、クリゾチニブ、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダラツムマブ、ダルベポエチンアルファ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デガレリクス、デニロイキン・ジフチトクス、デノスマブ、デプレオチド、デスロレリン、ジアンヒドロガラクチトール、デクスラゾキサン、塩化ジブロスピジウム、ジアンヒドロガラクチトール、ジクロフェナク、ジヌツキシマブ、ドセタキセル、ドラセトロン、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドキソルビシン+エストロン、ドロナビノール、デュルバルマブ、エクリズマブ、エドレコロマブ、酢酸エリプチニウム、エロツズマブ、エルトロンボパグ、エナシデニブ、エンドスタチン、エノシタビン、エンザルタミド、エピルビシン、エピチオスタノール、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンゼータ、エプタプラチン、エリブリン、エルロチニブ、エソメプラゾール、エストラジオール、エストラムスチン、エチニルエストラジオール、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、ファドロゾール、フェンタニル、フィルグラスチム、フルオキシメステロン、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、フォリン酸、フォルメスタン、ホスアプレピタント、ホテムスチン、フルベストラント、ガドブトロール、ガドテリドール、ガドテル酸メグルミン、ガドベルセタミド、ガドキセト酸、硝酸ガリウム、ガニレリクス、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、グルカルピダーゼ、グルトキシム(glutoxim)、GM-CSF、ゴセレリン、グラニセトロン、顆粒球コロニー刺激因子、ヒスタミン二塩酸塩、ヒストレリン、ヒドロキシカルバミド、I-125シード、ランソプラゾール、イバンドロン酸、イブリツモマブ・ティウキセタン、イブルチニブ、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、イミキモド、インプロスルファン、インジセトロン、インカドロン酸、インゲノールメブテート、イノツズマブ・オゾガマイシン、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、イオビトリドール、イオベングアン(123I)、イオメプロール、イピリムマブ、イリノテカン、イトラコナゾール、イクサベピロン、イキサゾミブ、ランレオチド、ランソプラゾール、ラパチニブ、IASOコリン(Iasocholine)、レナリドミド、レンバチニブ、レノグラスチム、レンチナン、レトロゾール、ロイプロレリン、レバミソール、レボノルゲストレル、レボチロキシンナトリウム、リスリド、ロバプラチン、ロムスチン、ロニダミン、ルテチウムLu 177ドータテート、マソプロコール、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メラルソプロール、メルファラン、メピチオスタン、メルカプトプリン、メスナ、メタドン、メトトレキサート、メトキサレン、アミノレブリン酸メチル、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、メチロシン、ミドスタウリン、ミファムルチド、ミルテホシン、ミリプラチン、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、モガムリズマブ、モルグラモスチム、モピダモール、モルヒネ塩酸塩、モルヒネ硫酸塩、mvasi、ナビロン、ナビキシモルス、ナファレリン、ナロキソン+ペンタゾシン、ナルトレキソン、ナルトグラスチム、ネシツムマブ、ネダプラチン、ネララビン、ネラチニブ、ネリドロン酸、ネツピタント・パロノセトロン、ニボルマブ、ペンテトレオチド、ニロチニブ、ニルタミド、ニモラゾール、ニモツズマブ、ニムスチン、ニンテダニブ、ニラパリブ、ニトラクリン、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オクトレオチド、オファツムマブ、オラパリブ、オララツマブ、オマセタキシン・メペサクシネート、オメプラゾール、オンダンセトロン、オプレルベキン、オルゴテイン、オリロチモド(orilotimod)、オシメルチニブ、オキサリプラチン、オキシコドン、オキシメトロン、オゾガマイシン、p53遺伝子療法、パクリタキセル、パルボシクリブ、パリフェルミン、パラジウム-103シード、パロノセトロン、パミドロン酸、パニツムマブ、パノビノスタット、パントプラゾール、パゾパニブ、ペグアスパルガーゼ、PEG-エポエチンベータ(メトキシPEG-エポエチンベータ)、ペンブロリズマブ、ベグフィルグラスチム、pegインターフェロンアルファ-2b、ペンブロリズマブ、ペメトレキセド、ペンタゾシン、ペントスタチン、ペプロマイシン、ペルフルブタン、ペルホスファミド、ペルツズマブ、ピシバニール、ピロカルピン、ピラルビシン、ピクサントロン、プレリキサホル、プリカマイシン、ポリグルサム、リン酸ポリエストラジオール、ポリビニルピロリドン+ヒアルロン酸ナトリウム、ポリサッカリド-K、ポマリドミド、ポナチニブ、ポルフィマーナトリウム、プララトレキサート、プレドニムスチン、プレドニゾン、プロカルバジン、プロコダゾール、プロプラノロール、キナゴリド、ラベプラゾール、ラコツモマブ、塩化ラジウム223、ラドチニブ、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラモセトロン、ラムシルマブ、ラニムスチン、ラスブリカーゼ、ラゾキサン、レファメチニブ、レゴラフェニブ、リボシクリブ、リセドロン酸、エチドロン酸レニウム186、リツキシマブ、ロガラチニブ、ロラピタント、ロミデプシン、ロミプロスチム、ロムルチド、ルカパリブ、サマリウム(153Sm)レキシドロナム、サルグラモスチム、サリルマブ、サツモマブ、セクレチン、シルツキシマブ、シプロイセル-T、シゾフィラン、ソブゾキサン、グリシジダゾールナトリウム、ソニデギブ、ソラフェニブ、スタノゾロール、ストレプトゾシン、スニチニブ、タラポルフィン、タリモジーン・ラハーパレプベック、タミバロテン、タモキシフェン、タペンタドール、タソネルミン、テセロイキン、テクネチウム(99mTc)ノフェツモマブ・メルペンタン、99mTc-HYNIC-[Tyr3]-オクトレオチド、テガフール、テガフール+ギメラシル+オテラシル、テモポルフィン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テストステロン、テトロホスミン、サリドマイド、チオテパ、チマルファシン、サイロトロピンアルファ、チオグアニン、チサゲンレクロイセル、チスレリズマブ、トシリズマブ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラベクテジン、トラメチニブ、トラマドール、トラスツズマブ、トラスツズマブエムタンシン、トレオスルファン、トレチノイン、トリフルリジン+チピラシル、トリロスタン、トリプトレリン、トラメチニブ、トロフォスファミド、トロンボポエチン、トリプトファン、ウベニメクス、バラチニブ、バルルビシン、バンデタニブ、バプレオチド、ベムラフェニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ビスモデギブ、ボリノスタット、ボロゾール、イットリウム90ガラスミクロスフェア、ジノスタチン、ジノスタチン・スチマラマー、ゾレドロン酸、ゾルビシン
が含まれる。
哺乳動物において上で識別された病態の治療を決定するための標準的毒性試験および標準的薬理学的アッセイ、ならびにこれらの結果とこれらの病態を治療するために使用される既知の活性成分または医薬品の結果との比較による、過剰増殖性障害の治療に有用な化合物を評価するために知られている標準的実験室技術に基づいて、本発明の化合物の有効投与量を各所望の適応症を治療するために容易に決定することができる。これら病態のうちの1つ病態の治療で投与される活性成分の量は、使用される特定の化合物および投与量単位、投与様式、治療期間、治療される患者の年齢および性別、ならびに治療される状態の性質および程度等の考慮事項により、広く変化し得る。
投与される活性成分の全量は、一般に1日あたり約0.001mg/kg体重~約10mg/kg体重の範囲、好ましくは1日あたり約0.01mg/kg体重~約1mg/kg体重の範囲であろう。臨床的に有用な投薬スケジュールは、1ヵ月あたり1~4回投薬から2~8ヵ月あたり1回投薬までの範囲であろう。さらに、患者が一定期間薬剤を投与されない「休薬日」が、薬理学的効果と耐容性との間の全体的なバランスに有益となり得る。
当然、各患者のための具体的な初期投与レジメンおよび継続投与レジメンは、主治診断医により判断される病態の性質および重症度、採用される具体的な化合物の活性、患者の年齢および全身状態、投与期間、投与経路、薬剤の排泄率、薬剤の組み合わせなどによって変化する。本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルもしくは組成物での所望の治療様式および投与回数は、当業者によって従来の治療試験を用いて確認することができる。
図1aは、0.02mM濃度で標識した223Ra-Dim1のラジオHPLCクロマトグラムを示す。図1bは、0.02mM濃度で標識した223Ra-Dim1のピーク分画データを示す。 図2aは、0.005mM濃度で標識した223Ra-Tet5のラジオHPLCクロマトグラムを示す。図2bは、0.001mM濃度で標識した223Ra-Oct2のラジオHPLCクロマトグラムを示す。 図3は、0.02mM濃度で標識した225Ac-mAb no.1-マクロパのラジオHPLCクロマトグラムを示す。 図4は、0.02mMで標識した225Ac-mAb no.1-マクロパのピーク分画データを示す。 図5は、0.02mMで標識した225Ac-mAb no.1-Tet5のラジオHPLCクロマトグラムを示す。 図6は、0.02mMで標識した225Ac-mAb no.1-Tet5のピーク分画データを示す。 図7は、Ac-225で標識した、mAb no.1-マクロパ(CAR 5.3)およびmAb no.1-Tet5(CAR 1.4)の結合曲線および最大結合IRF値を示す。 図8は、Ac-225で標識した、mAb no.2-マクロパ、mAb no.2-Tri1、およびmAb no.2-Tet5の血清安定度を示す。 図9は、サンプル1グラムにつき注入された223Ra酢酸、223Ra-マクロパ-NH2、および223Ra-Tet1の用量の割合を示す。 図10は、サンプル臓器1グラムにつき注入された225Ac-mAb no.3-マクロパ、225Ac-mAb no.3-Tet5、および225Ac酢酸の用量の割合を示す。 図11は、225Ac-mAb no.3-マクロパおよび225Ac-mAb no.3-Tet5注入後の、HEP-3B処理マウスの生存プロットを示す。 図12は、225Ac-mAb no.3-マクロパおよび225Ac-mAb no.3-Tet5についての白血球および血小板の総数を示す。 図13は、225Ac-mAb no.3-マクロパおよび225Ac-mAb no.3-Tet5で処理した後のHEP-3B処理マウスの腫瘍面積を示す。
実験節
化学名は、ACD/LabsのACD/Nameソフトウェアを使用して作成した。いくつかの場合では、市販の試薬の一般に受け入れられている名称を、ACD/Name作成名の代わりに使用した。
以下の表1は、本文中で説明されない限り、この段落および実施例節で使用される略語を列挙している。他の略語は、それ自体当業者にとって慣例の意味を有する。
表1:略語
以下の表は、本明細書で使用される略語を列挙する。
223Ra ラジウム223
225Ac アクチニウム225
Ac-225 アクチニウム225
ACC 抗体-キレート剤複合体
ACN アセトニトリル
Bn ベンジル
CAR キレート剤対抗体比
DCC N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM ジクロロメタン
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMA N,N-ジメチルアクリルアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DOTA 1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10四酢酸
DSS トリメチルシリルプロパンスルホン酸ナトリウム
ESI エレクトロスプレーイオン化
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
FA ギ酸
FPLC 高速タンパク質液体クロマトグラフィー
HCl 塩酸
HPGe 高純度ゲルマニウム
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
iTLC 即時薄層クロマトグラフィー
IRF 免疫反応性分画
Lys リジン
mAb モノクローナル抗体
min 分
MS 質量分析
NaCl 塩化ナトリウム
NMP N-メチル-2-ピロリドン
nm ナノメートル
nmol ナノモル
NMR 核磁気共鳴
PBS リン酸緩衝生理食塩水
PEG ポリ(エチレングリコール)
PLT 血小板
PyAOP ヘキサフルオロリン酸(7-アザベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム
Ra-223 ラジウム223
RAC 放射能濃度
RCP 放射化学的純度
SEC 分子ふるいクロマトグラフィー
tBu tert-ブチル
TFA トリフルオロ酢酸
TFP 2,3,5,6-テトラフルオロフェノール
TOF 飛行時間型
UPLC 超高速液体クロマトグラフィー
WBC 白血球
本出願に記載される本発明の様々な態様を以下の実施例によって例示するが、これら実施例は本発明を限定することを何ら意図していない。
本明細書に記載される実施例を試験する例は、本発明を例示するのに役立つが、本発明は所与の例に限定されない。
実験節-一般部分
全ての試薬は、それらの合成は実験部分に記載されていないが、市販されている、もしくは既知の化合物である、または当業者によって既知の方法により既知の化合物から形成することができる。
本発明の方法により製造された化合物および中間体は、精製を必要とし得る。有機化合物の精製は当業者によく知られており、同化合物を精製するいくつかの方法が存在し得る。いくつかの場合では、精製は必要としなくともよい。いくつかの場合では、化合物は結晶化によって精製してもよい。いくつかの場合では、不純物は適切な溶媒を用いて撹拌して出すことができる。いくつかの場合では、例えば、予備充填シリカゲルカートリッジ、例えばBiotage SNAPカートリッジKP-Sil(登録商標)またはKP-NH(登録商標)を、Biotage自動精製装置システム(SP4(登録商標)またはIsolera Four(登録商標))と、溶離液(ヘキサン/酢酸エチルまたはDCM/メタノールの勾配など)と組み合わせて使用して、クロマトグラフィー、特にフラッシュカラムクロマトグラフィーによって化合物を精製することができる。いくつかの場合では、例えば、ダイオードアレイ検出器および/またはオンラインエレクトロスプレーイオン化質量分析計を備えるWaters自動精製装置を、適切な予備充填逆相カラムと、溶離液(トリフルオロ酢酸、ギ酸、またはアンモニア水などの添加剤を含み得る水およびアセトニトリルの勾配など)と組み合わせて使用して、化合物を分取HPLCによって精製することができる。
一部の例では、上記のような精製方法によって、十分に塩基性または酸性の官能性を有する本発明の化合物を塩の形態、例えば十分に塩基性の本発明の化合物の場合は例えばトリフルオロ酢酸塩またはギ酸塩を、あるいは十分に酸性の本発明の化合物の場合は例えばアンモニウム塩を得ることができる。この種の塩は、当業者に知られている様々な方法によって、その遊離塩基型または遊離酸型にそれぞれ変換することもできるし、後の生物学的アッセイで塩として使用することもできる。本明細書で単離され、記載される通りの本発明の化合物の具体的な形態(例えば、塩、遊離塩基など)が、必ずしも具体的な生物学的活性を定量化するために前記化合物を生物学的アッセイに適用することができる唯一の形態ではないことは、理解されるべきである。
NMRピーク形態はスペクトルに現れる通りに明示し、考えられる高次効果は考慮しなかった。
選択した化合物の1H-NMRデータを1H-NMRピークリストの形態で列挙する。そこでは、各シグナルピークについてはδ値(ppm)で与え、続いてシグナル強度を丸括弧で報告する。異なるピークのδ値-シグナル強度のペアは、カンマで分ける。したがって、ピークリストは一般的な形態:δ1(強度1)、δ2(強度2)、…、δi(強度i)、…、δn(強度n)で記載する。
鋭いシグナルの強度は、印刷されたNMRスペクトルのシグナルの高さ(cm)と相関する。他のシグナルと比べると、このデータは実際のシグナル強度の比率と相関し得る。ブロードなシグナルの場合、2つ以上のピークを、または相対強度に合わせたシグナルの中心を、スペクトルに示された最も強いシグナルと比較して示す。1H-NMRピークリストは、古典的な1H-NMR読取りと同様であり、通常は古典的なNMR解釈で列挙される全てのピークを含む。さらに古典的な1H-NMRプリントアウトと同様、ピークリストは、溶媒シグナル、特定の標的化合物の立体異性体由来のシグナル、不純物のピーク、13Cサテライトピーク、および/またはスピニングサイドバンドを示すことができる。立体異性体のピークおよび/または不純物のピークは、典型的には標的化合物(例えば、90%超の純度を有する)と比較して低い強度で示される。このような立体異性体および/または不純物は、特定の製造方法には典型的であり得るので、これらのピークを「副産物指紋」に基づいて製造方法の再現を識別するのに役立てることができる。既知の方法(MestReC、ACDシミュレーション、または経験的に評価した期待値の使用)によって標的化合物のピークを計算する専門家は、任意で追加の強度フィルタを用いて必要とされる標的化合物のピークを単離することができる。このような操作は、古典的な1H-NMR解釈のピークピッキングと類似しているだろう。ピークリスト形態でのNMRデータ報告の詳細な説明は、出版物「Citation of NMR Peaklist Data within Patent Applications」(http://www.researchdisclosure.com/searching-disclosures、Research Disclosure Database Number 605005、2014、01 Aug 2014参照)内に見出すことができる。Research Disclosure Database Number 605005に記載されるピークピッキング手順では、パラメータ「MinimumHeight」は1%~4%間で調整することができる。しかしながら、測定化合物の化学構造および/または濃度に応じて、パラメータ「MinimumHeight」を1%未満に設定することが合理的である場合もある。
UPLC-MS標準
分析UPLC-MSを下記の通り行った。質量(m/z)は、ネガティブモードが示されない限り(ESI-)、ポジティブモードエレクトロスプレーイオン化(ESI+)から報告する。ほとんどのケースで方法1を使用する。そうでない場合は明示する。
方法1:
機器:Waters Acquity UPLC-MS XEVO、カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7 50×2.1mm、溶離液A:水+0.1%TFA、溶離液B:アセトニトリル、流量0.5mL/分、温度:環境温度、注入:10μL、DADスキャン:210~400nm、
方法2:
機器:SHIMADZU LCMS-2020 SingleQuad、カラム:Chromolith@Flash RP-18E 25-2MM、溶離液A:水+0.0375体積%トリフルオロ酢酸、溶離液B:アセトニトリル+0.01875体積%トリフルオロ酢酸、勾配:0~0.8分、5~95% B、0.8~1.2分 95% B、流量:1.5ml/分、温度:50℃、PDA:220nm&254nm。
実験節-中間体
中間体1
カルバミン酸tert-ブチルN-[(5S)-6-[2-[3-[ビス[2-[[(2S)-2,6-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサノイル]アミノ]エチル]アミノ]プロピル-[2-[[(2S)-2,6-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサノイル]アミノ]エチル]アミノ]エチルアミノ]-5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-6-オキソ-ヘキシル]
L-リジン(1.47g)の水/THF溶液(50ml)を氷水槽内で冷却し、NaHCO3(2.52g)およびBoc無水物(10.52g)を添加した。その後冷却槽を取り外し、溶液を室温で24時間撹拌した。THFを減圧下で蒸発させ、10%クエン酸(aq)を添加してpH3とし、この混合物をDCM(2×100mL)で抽出し、水(50mL)とブライン(50mL)で洗浄し、脱水し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下で濃縮した。DCM:MeOH(90:10)を用いたシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーで溶出し、3.0g(86%)のBoc-L-Lys(Boc)-OHを無色の粘着性固体として得た。
N,N,N’,N’-テトラキス(2-アミノエチル)プロパン-1,3-ジアミン(92.9mg、[142745-40-2])とBoc-L-Lys(Boc)-OH(652.3mg)との混合物の脱水DMF(5mL)溶液に、HBTU(714mg)およびトリエチルアミン(530mL)を添加した。この反応混合物を室温で7日間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc(100mL)に溶解し、1MのHCl(aq)(25mL)およびNa2CO3(飽和)(aq)(25mL)で洗浄し、脱水し(Na2SO4)、ろ過し、減圧下で濃縮した。CH2Cl2:MeOH(95:5)~(90:10)を用いたシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーで溶出し、393mgの目標化合物を得た。
中間体2
(2S)-2,6-ジアミノ-N-[2-[3-[ビス[2-[[(2S)-2,6-ジアミノヘキサノイル]アミノ]エチル]アミノ]プロピル-[2-[[(2S)-2,6-ジアミノヘキサノイル]アミノ]エチル]アミノ]エチル]ヘキサンアミド
カルバミン酸tert-ブチルN-[(5S)-6-[2-[3-[ビス[2-[[(2S)-2,6-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサノイル]アミノ]エチル]アミノ]プロピル-[2-[[(2S)-2,6-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサノイル]アミノ]エチル]アミノ]エチルアミノ]-5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-6-オキソ-ヘキシル](139mg)を90%TFA/水で30分間処理する。水(15mL)を添加し、生成物を凍結乾燥させ、219mgの目標化合物をTFA塩として得る。分析用HPLCで純粋な生成物を分析した(勾配:0~30% B、2.5分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:0.5mL/分、カラム:Waters Acquity BEH C18、1.7μm、2.1×50mm、検出:UVダイオードアレイ、生成物保持時間:1.13分)。さらなる生成物特性評価をエレクトロスプレー質量分析を使用して実施した(MH759.6、m/z:759.7であった)。
中間体3(M2)
2-[2-[[2-メトキシカルボニル-6-[[16-[(6-メトキシカルボニル-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]アミノ]-2-オキソ-エトキシ]酢酸
ピリジン-2-カルボン酸メチル4-アミノ-6-[[16-[(6-メトキシカルボニル-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル](81mg、[2146091-22-5])および無水ジグリコール酸(163mg)を、NMP(1mL)に溶解した。DIPEA(245μL)を添加し、この溶液を40℃で一晩、保持した。溶液を水/0.1%TFA(8mL)で希釈し、TFA(50μL)でpH3に調節し、生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna 5μm C18(2)100Å、250×50mm、勾配:10~50% B、40分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:10mL/分、検出:UV 214/254nm)で精製し、凍結乾燥後に67mg(収量69%)の目標化合物を得た。分析用HPLCで純粋な生成物を分析した(勾配:10~50% B、2.5分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:0.5mL/分、カラム:Waters Acquity BEH C18、1.7μm、2.1×50mm、検出:UVダイオードアレイ、生成物保持時間:1.19分)。さらなる生成物特性評価をエレクトロスプレー質量分析を使用して実施した(MH692.3、m/z:692.3であった)。
中間体4
ピリジン-2-カルボン酸メチル4-[(1E)-3-tert-ブトキシ-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル]-6-(ヒドロキシメチル)
ピリジン-2-カルボン酸メチル4-ブロモ-6-(ヒドロキシメチル)(3.08g、12.5mmol、[1842336-50-8])と、tert-ブチルプロパ-2-エノエート(2.41g、18.8mmol)と、トリス-(o-トリル)ホスフィン(381mg、1.25mmol)と、トリエチルアミン(14ml、100mmol)との混合物のアセトニトリル溶液(150ml)に、酢酸パラジウム(III)(141mg、0.626mmol)を25℃、窒素雰囲気下で添加した。窒素雰囲気下で80℃で16時間、撹拌した後、この混合物を濃縮して残渣を得た。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=4:1~2:3)で精製し、目標化合物(3.37g、収量92%)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ[ppm]=8.15(d,J=1.2Hz,1H),7.92(d,J=0.8Hz,1H),7.65(d,J=16.0Hz,1H),6.81(d,J=16.0Hz,1H),5.58(t,J=6.4Hz,2H),4.62(d,J=6.0Hz,1H),3.89(s,3H),1.49(s,9H).
中間体5
ピリジン-2-カルボン酸メチル4-(3-tert-ブトキシ-3-オキソプロピル)-6-(ヒドロキシメチル)
ピリジン-2-カルボン酸メチル4-[(1E)-3-tert-ブトキシ-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル]-6-(ヒドロキシメチル)(3.37g、11.5mmol、中間体4)、活性炭担持パラジウム(337mg、純度10%、湿潤状態)の混合物のメタノール溶液(50ml)を、水素雰囲気下(15psi)で室温で16時間、撹拌した。この混合物をセライトのパッドを通してろ過し、ろ過ケーキをメタノールで3回、洗浄した。ろ液を濃縮して、目標化合物(3.00g、収量88%)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ[ppm]=7.79(s,1H),7.58(s,1H),5.54(s,1H),4.58(s,2H),3.86(s,3H),2.93(t,J=7.2Hz,2H),2.60(t,J=7.2Hz,2H),1.35(s,9H).
中間体6
ピリジン-2-カルボン酸メチル4-(3-tert-ブトキシ-3-オキソプロピル)-6-{[(メタンスルホニル)オキシ]メチル}
ピリジン-2-カルボン酸メチル4-(3-tert-ブトキシ-3-オキソプロピル)-6-(ヒドロキシメチル)(3.60g、12.2mmol、中間体5)とトリエチルアミン(5.1ml、37mmol)との混合物のDCM溶液(50ml)に、0℃のメタンスルホニルクロリド(1.68g、14.6mmol)を液滴で添加した。0℃で1時間、撹拌した後、この反応混合物を水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。混合有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮して残渣を得た。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=4:1~1:1)で精製し、目標化合物(3.10g、純度68%)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ[ppm]=7.94(d,J=1.2Hz,1H),7.65(d,J=1.2Hz,1H),5.34(s,2H),3.88(s,3H),3.32(s,3H),2.96(t,J=7.2Hz,2H),2.63(t,J=7.2Hz,2H),1.35(s,9H).
中間体7
ピリジン-2-カルボン酸メチル6-(1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イルメチル)
1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン(4.50g、17.2mmol、[23978-55-4])と、ピリジン-2-カルボン酸メチル 6-{[(メタンスルホニル)オキシ]メチル}(3.79g、15.4mmol、[871235-14-2])と、炭酸カリウム(4.74g、34.3mmol)との混合物のアセトニトリル溶液(150ml)を、室温で16時間、撹拌した。混合物をろ過し、ろ過ケーキをアセトニトリルで3回、洗浄した。ろ液を濃縮して残渣を得た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(100~200メッシュ、石油エーテル/EtOAc=1:1、次に1:2、次に0:1、次にEtOAc/メタノール=10:1)で精製し、目標化合物(3.00g、収量42%)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ[ppm]=7.94-7.89(m,2H),7.84(dd,J=2.4,6.4Hz,1H),3.87(s,3H),3.80(s,2H),3.49-3.44(m,16H),2.73(t,J=5.6Hz,4H),2.67(t,J=4.8Hz,4H).
中間体8
ピリジン-2-カルボン酸メチル4-(3-tert-ブトキシ-3-オキソ-プロピル)-6-[[16-[(6-メトキシカルボニル-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]
ピリジン-2-カルボン酸メチル6-[(1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル](1.50g、3.65mmol、中間体7)と、ピリジン-2-カルボン酸メチル4-(3-tert-ブトキシ-3-オキソプロピル)-6-{[(メタンスルホニル)オキシ]メチル}(1.09g、2.92mmol、中間体6)と、炭酸カリウム(1.01g、7.29mmol)と、ヨウ化ナトリウム(50.0mg)との混合物のアセトニトリル溶液(30mL)を、50℃で16時間、撹拌した。この混合物をろ過し、ろ過ケーキをアセトニトリルで3回、洗浄した。ろ液を濃縮して残渣を得た。残渣を逆相分取HPLC(機器:Agela HP1000、カラム:Welch Ultimate XB_C18 150×400mm 20/40μm、溶離液A:水/0.1% FA、溶離液B:ACN、勾配:0~30% B、30分、流量100mL/分、検出:UV 220/254nm)で精製し、目標化合物(830mg、収量33%)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ[ppm]=7.93-7.86(m,2H),7.81(dd,J=7.2,J=1.6Hz,1H),7.77(s,1H),7.64(s,1H),3.86(s,3H),3.86(s,3H),3.83(s,2H),3.79(s,2H),3.55-3.53(m,8H),3.50(s,8H),2.88(t,J=7.2Hz,2H),2.76-2.74(m,8H),2.57(t,J=7.2Hz,2H),1.33(s,9H).
中間体9(M3)
3-[2-メトキシカルボニル-6-[[16-[(6-メトキシカルボニル-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパン酸
ピリジン-2-カルボン酸メチル4-(3-tert-ブトキシ-3-オキソプロピル)-6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル)メチル](780mg、1.13mmol、中間体8)の1,4-ジオキサン溶液(20mL)に、25℃の塩酸(10mL、4.0Mの1,4-ジオキサン溶液、40mmol)を添加した。室温で16時間、撹拌した後、この混合物を濃縮して残渣を得た。残渣を水に溶解し、凍結乾燥させ、目標化合物(640mg、純度88%、収量74%)を黄色固体として得た。この生成物を分析用HPLCで分析した(勾配:5~95% B、0.8分、A=水/0.0375%TFA、B=ACN//0.01875%TFA、流量:1.5mL/分、カラム:Chromolith@Flash RP-18E 25×2mm、検出:UVダイオードアレイ、温度:50℃、生成物保持時間:0.57分)。さらなる生成物特性評価をエレクトロスプレー質量分析を使用して実施した(MH+:633.3、m/z:633.2であった)。
中間体10および11
ピリジン-2-カルボン酸エチル3-ブロモ-6-(ヒドロキシメチル)およびピリジン-2-カルボン酸エチル5-ブロモ-6-(ヒドロキシメチル)
ジエチル3-ブロモピリジン-2,6-ジカルボン酸(50.0g、165mmol、[2021236-26-8])のエタノール溶液(500ml)とジクロロメタン(100ml)との溶液に、0℃のテトラヒドロホウ酸ナトリウム(6.26g、165mmol)を分割して添加した。25℃で12時間、撹拌した後、この反応混合物を飽和塩化アンモニウムを添加することによってクエンチした。得られた溶液をジクロロメタンで抽出した。混合有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮して残渣を得た。この残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)で精製し、ピリジン-2-カルボン酸エチル3-ブロモ-6-(ヒドロキシメチル)(16g、収量37%、中間体10)およびピリジン-2-カルボン酸エチル5-ブロモ-6-(ヒドロキシメチル)(13g、収量30%、中間体11)を黄色の油として得た。
中間体10
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ[ppm]=8.20(d,J=8.4Hz,1H),8.54(d,J=8.4Hz,1H),5.64(t,J=6.0Hz,1H),4.53(d,J=6.0Hz,2H),4.36(q,J=7.2Hz,2H),1.32(t,J=7.2Hz,3H).
中間体11
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ[ppm]=8.25(d,J=8.0Hz,1H),7.88(d,J=8.0Hz,1H),5.38(t,J=6.0Hz,1H),4.67(d,J=6.0Hz,2H),4.35(q,J=7.2Hz,2H),1.33(t,J=7.2Hz,3H).
中間体12
ピリジン-2-カルボン酸エチル3-(3-tert-ブトキシ-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)-6-(ヒドロキシメチル)
ピリジン-2-カルボン酸エチル3-ブロモ-6-(ヒドロキシメチル)(16.0g、61.5mmol、中間体10)のアセトニトリル溶液(160ml)に、tert-ブチルプロパ-2-エノエート(11.8g、92.3mmol)、トリエチルアミン(34ml、250mmol)、酢酸パラジウム(II)(691mg、3.08mmol)、およびトリ-2-トリルホスフィン(1.87g、6.15mmol)を25℃で添加した。窒素雰囲気下で100℃で16時間、撹拌した後、この混合物に水を注入し、酢酸エチルで抽出した。混合有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮して残渣を得た。この残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)で精製し、ピリジン-2-カルボン酸エチル3-(3-tert-ブトキシ-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)-6-(ヒドロキシメチル)(17.3g、収量92%)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ[ppm]=8.36(d,J=8.0Hz,1H),7.86(d,J=16.0Hz,1H),7.66(d,J=8.0Hz,1H),6.57(d,J=16.0Hz,1H),5.61(t,J=6.0Hz,1H),4.59(d,J=6.0Hz,2H),4.37(q,J=7.2Hz,2H),1.48(s,9H),1.33(t,J=7.2Hz,3H).
中間体13
ピリジン-2-カルボン酸エチル3-(3-tert-ブトキシ-3-オキソプロピル)-6-(ヒドロキシメチル)
ピリジン-2-カルボン酸エチル3-(3-tert-ブトキシ-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)-6-(ヒドロキシメチル)(17.3g、56.3mmol、中間体12)のエタノール溶液(200ml)に、20℃の活性炭担持パラジウム(1.7g、水50%含有、純度10%)を添加した。水素雰囲気下(15psi)で20℃で16時間、撹拌した後、この混合物をセライトのパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮して、ピリジン-2-カルボン酸エチル3-(3-tert-ブトキシ-3-オキソプロピル)-6-(ヒドロキシメチル)生成物を黄色の油として得た。
この生成物を先の実験の材料(2.30g)と合わせ、エタノールに溶解し、濃縮してピリジン-2-カルボン酸エチル3-(3-tert-ブトキシ-3-オキソプロピル)-6-(ヒドロキシメチル)(16.5g、75%)を黄色の油として得た。
LC-MS(方法2):Rt=0.817分;MS(ESIpos):m/z=310.2[M+H]
1H NMR(CHLOROFORM-d,400MHz):δ(ppm)7.68(d,J=8.1Hz,1H),7.36(d,J=8.1Hz,1H),4.77(s,2H),4.44(q,J=7.1Hz,2H),3.13(t,J=7.6Hz,2H),2.57(t,J=7.6Hz,2H),1.42(t,J=7.1Hz,3H),1.40(s,9H).OHは観察されていない。
13C NMR(CHLOROFORM-d,101MHz):δ(ppm)171.8,166.1,157.4,146.9,140.0,135.7,122.7,80.6,64.0,61.8,36.4,28.0,27.9(3C),14.2.
中間体14
ピリジン-2-カルボン酸エチル5-ブロモ-6-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)
ピリジン-2-カルボン酸エチル5-ブロモ-6-(ヒドロキシメチル)(13.0g、50.0mmol、中間体11)とイミダゾール(6.81g、100mmol)との混合物のジクロロメタン溶液(130ml)に、0℃のtert-ブチル(クロロ)ジメチルシラン(9.04g、60.0mmol)を分割して添加した。25℃で16時間、撹拌した後、この混合物に水を注入し、ジクロロメタンで抽出した。混合有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮して残渣を得た。この残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=20:1)で精製し、ピリジン-2-カルボン酸エチル5-ブロモ-6-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)(18.0g、収量96%)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ[ppm]=8.25(d,J=8.4Hz,1H),7.88(d,J=8.4Hz,1H),4.87(s,2H),4.34(q,J=7.2Hz,2H),1.32(t,J=7.2Hz,3H),0.87(s,9H),0.09(s,6H).
中間体15
ピリジン-2-カルボン酸エチル5-(3-tert-ブトキシ-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)-6-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)
ピリジン-2-カルボン酸エチル5-ブロモ-6-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)(18.0g、48.1mmol、中間体14)のアセトニトリル溶液(200ml)に、tert-ブチルプロパ-2-エノエート(9.24g、72.1mmol)、トリエチルアミン(27ml、190mmol)、酢酸パラジウム(II)(540mg、2.40mmol)、およびトリ-2-トリルホスフィン(1.46mg、4.81mmol)を25℃で添加した。窒素雰囲気下で100℃で16時間、撹拌した後、この混合物に水を注入し、酢酸エチルで抽出した。混合有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮して残渣を得た。この残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=20:1)で精製し、ピリジン-2-カルボン酸エチル5-(3-tert-ブトキシ-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)-6-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)(19.0g、収量94%)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ[ppm]=8.37(d,J=8.4Hz,1H),7.99(d,J=8.4Hz,1H),7.90(d,J=16.0Hz,1H),6.62(d,J=16.0Hz,1H),4.91(s,2H),4.35(q,J=6.8Hz,2H),1.48(s,9H),1.33(t,J=6.8Hz,3H),0.83(s,9H),0.08(s,6H).
中間体16
ピリジン-2-カルボン酸エチル5-(3-tert-ブトキシ-3-オキソプロピル)-6-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)
ピリジン-2-カルボン酸エチル5-(3-tert-ブトキシ-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)-6-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]-オキシ}メチル)(19.0g、45.1mmol、中間体15)のエタノール溶液(200ml)に、20℃の活性炭担持パラジウム(1.77g、水50%含有、純度10%)を添加した。水素雰囲気下(15psi)で50℃で16時間、撹拌した後、この混合物をセライトのパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮して、ピリジン-2-カルボン酸エチル5-(3-tert-ブトキシ-3-オキソプロピル)-6-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)(19.0g、収量99%)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ[ppm]=7.92(d,J=8.4Hz,1H),7.83(d,J=8.0Hz,1H),4.84(s,2H),4.33(q,J=6.8Hz,2H),3.00(t,J=8.0Hz,2H),2.60(t,J=8.0Hz,2H),1.37(s,9H),1.32(t,J=6.8Hz,3H),0.86(s,9H),0.08(s,6H).
中間体17
ピリジン-2-カルボン酸エチル5-(3-tert-ブトキシ-3-オキソプロピル)-6-(ヒドロキシメチル)
ピリジン-2-カルボン酸エチル5-(3-tert-ブトキシ-3-オキソプロピル-6-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)(19.0g、44.9mmol、中間体16)の混合物のテトラヒドロフラン溶液(200ml)に、フッ化テトラ-N-ブチルアンモニウム(54ml、1.0Mフッ化テトラヒドロフラン溶液、54mmol)を室温で添加した。室温で0.5時間、撹拌した後、この混合物を濃縮した。残渣を先の実験の材料(4.30g)と合わせ、水に溶解し、酢酸エチルで抽出した。混合有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮して残渣を得た。この残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:2)で精製し、ピリジン-2-カルボン酸エチル5-(3-tert-ブトキシ-3-オキソプロピル-6-(ヒドロキシメチル)(13.5g、74%)を黄色の油として得た。
LC-MS(方法2):Rt=0.867分、MS(ESIpos):m/z=310.2[M+H]
1H NMR(DMSO-d6,600MHz):δ(ppm)7.92(d,J=8.0Hz,1H,H-3),7.82(d,J=8.0Hz,1H,H-4),5.31(t,J=5.7Hz,1H,OH),4.66(d,J=5.7Hz,2H,6-CH2),4.34(q,J=7.0Hz,2H,2-OCH2),3.00(t,J=7.6Hz,2H,5-CH2),2.61(t,J=7.6Hz,2H,5-CH2CO),1.37(s,9H,t-Bu),1.33(t,J=7.1Hz,3H,2-CH3).得られたアサインメントはNOESYおよびCOSY実験と一致する。
13C NMR(CHLOROFORM-d,101MHz):δ(ppm)171.2,164.9,156.5,144.6,137.1,136.6,123.8,81.2,61.7,61.5,34.4,28.0(3C),25.3,14.3.
実験節-実施例
二量体キレート剤
実施例1(Dim1)
ジメチル4,4’-{[9,13-ビス(2-アミノエチル)-1,5,17,21-テトラオキソ-3,19-ジオキサ-6,9,13,16-テトラアザヘンイコサン-1,21-ジイル]ジイミノ}ビス{ピリジン-2-カルボン酸6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]}
N,N,N’,N’-テトラキス(2-アミノエチル)プロパン-1,3-ジアミン(4.5mg、[871235-14-2])、[2-({2-(メトキシカルボニル)-6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]ピリジン-4-イル}アミノ)-2-オキソエトキシ]酢酸(13.3mg、中間体3)、およびPyAOP(10mg)を、NMP(1mL)に溶解した。DIPEA(11.2μL)を添加し、反応物を24時間、放置した。反応混合物を水/0.1%TFA(8mL)で希釈し、生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna 5μm C18(2)100Å、250×50mm、勾配:10~40% B、40分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:10mL/分、検出:UV 214/254nm)で精製し、凍結乾燥後に7.6mg(収量74%)の目標化合物を得た。精製した生成物を分析用HPLCで分析した(勾配:10~40% B、2.5分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:0.5mL/分、カラム:Waters Acquity BEH C18、1.7μm、2.1×50mm、検出:UVダイオードアレイ、生成物保持時間:1.43分)。さらなる生成物特性評価をエレクトロスプレー質量分析を使用して実施した(MH:1593.8、m/z:1593.9であった)。
実施例2(Dim2)
ジピリジン-2-カルボン酸6,6’-[ピリジン-2,6-ジイルビス(メチレン-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-16,7-ジイルメチレン)]
ピリジン-2-カルボン酸6-(1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イルメチル)(238mg、0.507mmol、Angewandte Chemie、Nikkiら、2017に記載される通りに調製)を、Na2CO3(70mg、0.660mmol)のACN溶液(10mL)と混合した。DIPEA(0.44mL、2.538mmol)を添加した。この溶液を加熱還流して10分間、撹拌し、次に2,6-ビス-(ブロモメチル)ピリジン(40mg、0.152mmol)のACN溶液(5mL)を添加し、窒素雰囲気下で3日間、撹拌した。溶液をろ過し、真空下で蒸発させた。残渣を水/0.1%TFA(8mL)で希釈し、生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna 5μm C18(2)100Å、250×50mm、勾配:5~30% B、40分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:10mL/分、検出:UV 214/254nm)で精製し、凍結乾燥後に36.7mg(収量27%)の目標化合物を得た。精製した生成物を分析用HPLCで分析した(勾配:5~30% B、2.5分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:0.5mL/分、カラム:Waters Acquity BEH C18、1.7μm、2.1×50mm、検出:UVダイオードアレイ、生成物保持時間:1.42分)。さらなる生成物特性評価をエレクトロスプレー質量分析を使用して実施した(MH:898.5、m/z:898.5であった)。
実施例3(Dim3)
ピリジン-2-カルボン酸6-[[16-[[6-[[(5R)-5-カルボキシ-5-[[6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]ピリジン-2-カルボニル]アミノ]ペンチル]カルバモイル]-2-ピリジル]メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]
D-リジン(0.5mg)およびジピリジン-2-カルボン酸ビス(2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)6,6’-[1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7,16-ジイルビス(メチレン)](実施例15、5.7mg)を、PBS(1mL)およびNMP(0.4mL)に溶解し、溶液を40~60℃で5時間、加熱した。溶液を水/0.1%TFA(8mL)で希釈し、生成物を分取HPLC精製(カラム:Phenomenex Luna 5μm C18(2)100Å、250×50mm、勾配:5~30% B、40分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:10mL/分、検出:UV 214/254nm)で単離し、凍結乾燥後に7.6mg(収量74%)の目標化合物を得た。精製した生成物を分析用HPLCで分析した(勾配:10~50% B、2.5分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:0.5mL/分、カラム:Waters Acquity BEH C18、1.7μm、2.1×50mm、検出:UVダイオードアレイ、生成物保持時間:1.02分)。さらなる生成物特性評価をエレクトロスプレー質量分析を使用して実施した(MH:1175.6、m/z:1175.6であった)。
三量体キレート剤
実施例4(Tri1)
ジメチル4,4’-{[13-(2-アミノエチル)-9-(2-{2-[2-({2-(メトキシカルボニル)-6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]ピリジン-4-イル}アミノ)-2-オキソエトキシ]アセタミド}エチル)-1,5,17,21-テトラオキソ-3,19-ジオキサ-6,9,13,16-テトラアザヘンイコサン-1,21-ジイル]ジイミノ}ビス{ピリジン-2-カルボン酸6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]}
N,N,N’,N’-テトラキス(2-アミノエチル)プロパン-1,3-ジアミン(8mg、[871235-14-2])、[2-({2-(メトキシカルボニル)-6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]ピリジン-4-イル}アミノ)-2-オキソエトキシ]酢酸(23.6mg、中間体3)、およびPyAOP(17.8mg)を、NMP(1mL)に溶解した。DIPEA(23.8μL)を添加し、反応物を24時間、放置した。反応混合物を水/0.1%TFA(8mL)で希釈し、生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna 5μm C18(2)100Å、250×50mm、勾配:10~40% B、40分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:10mL/分、検出:UV 214/254nm)で精製し、凍結乾燥後に8.8mg(収量34%)の目標化合物を得た。精製した生成物を分析用HPLCで分析した(勾配:10~50% B、2.5分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:0.5mL/分、カラム:Waters Acquity BEH C18、1.7μm、2.1×50mm、検出:UVダイオードアレイ、生成物保持時間:1.30分)。さらなる生成物特性評価をエレクトロスプレー質量分析を使用して実施した(MH2 2+:1134.1、m/z:1134.1であった)。
実施例5
2-[2-[2-[3-[ビス[2-[[2-[2-[[2-メトキシカルボニル-6-[[16-[(6-メトキシカルボニル-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]アミノ]-2-オキソ-エトキシ]アセチル]アミノ]エチル]アミノ]プロピル-[2-[[2-[2-[[2-メトキシカルボニル-6-[[16-[(6-メトキシカルボニル-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]アミノ]-2-オキソ-エトキシ]アセチル]アミノ]エチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]酢酸
ジメチル4,4’-{[13-(2-アミノエチル)-9-(2-{2-[2-({2-(メトキシカルボニル)-6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]ピリジン-4-イル}アミノ)-2-オキソエトキシ]アセタミド}エチル)-1,5,17,21-テトラオキソ-3,19-ジオキサ-6,9,13,16-テトラアザヘンイコサン-1,21-ジイル]ジイミノ}ビス{ピリジン-2-カルボン酸6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]}(11.4mg、実施例4)、無水ジグリコール酸(2.9mg)、およびDPEA(4.4μL)を、NMP(1mL)に溶解し、この溶液を24時間放置した。溶液を水/0.1%TFA(8mL)で希釈し、生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna 5μm C18(2)100Å、250×50mm、勾配:10~50% B、40分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:10mL/分、検出:UV 214/254nm)で精製し、凍結乾燥後に6.2mg(収量52%)の目標化合物を得た。精製した生成物を分析用HPLCで分析した(勾配:10~50% B、2.5分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:0.5mL/分、カラム:Waters Acquity BEH C18、1.7μm、2.1×50mm、検出:UVダイオードアレイ、生成物保持時間:1.31分)。さらなる生成物特性評価をエレクトロスプレー質量分析を使用して実施した(MH:2383.3、m/z:2383.2であった)。
四量体キレート剤
実施例6(Tet1)
ジメチル4,4’-{[9,13-ビス(2-{2-[2-({2-(メトキシカルボニル)-6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]ピリジン-4-イル}アミノ)-2-オキソエトキシ]アセタミド}エチル)-1,5,17,21-テトラオキソ-3,19-ジオキサ-6,9,13,16-テトラアザヘンイコサン-1,21-ジイル]ジイミノ}ビス{ピリジン-2-カルボン酸6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]}
N,N,N’,N’-テトラキス(2-アミノエチル)プロパン-1,3-ジアミン(2mg、[871235-14-2])、[2-({2-(メトキシカルボニル)-6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]ピリジン-4-イル}アミノ)-2-オキソエトキシ]酢酸(16.7mg、中間体3)、およびPyAOP(7.4mg)を、NMP(1mL)に溶解した。DIPEA(9.9μL)を添加し、反応物を1時間、放置した。反応混合物を水/0.1%TFA(8mL)で希釈し、生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna 5μm C18(2)100Å、250×50mm、勾配:10~50% B、40分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:10mL/分、検出:UV 214/254nm)で精製し、凍結乾燥後に8mg(収量96%)の目標化合物を得た。精製した生成物を分析用HPLCで分析した(勾配:10~50% B、2.5分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:0.5mL/分、カラム:Waters Acquity BEH C18、1.7μm、2.1×50mm、検出:UVダイオードアレイ、生成物保持時間:1.47分)。さらなる生成物特性評価をエレクトロスプレー質量分析を使用して実施した(MH:2940.4、m/z:2940.4であった)。
実施例7(Tet2)
4,4’-[(9,13-ビス{2-[2-(2-{[2-カルボキシ-6-({16-[(6-カルボキシピリジン-2-イル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル}メチル)ピリジン-4-イル]アミノ}-2-オキソエトキシ)アセタミド]エチル}-1,5,17,21-テトラオキソ-3,19-ジオキサ-6,9,13,16-テトラアザヘンイコサン-1,21-ジイル)ジイミノ]ビス[ピリジン-2-カルボン酸6-({16-[(6-カルボキシピリジン-2-イル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル}メチル)]
ジメチル4,4’-{[9,13-ビス(2-{2-[2-({2-(メトキシカルボニル)-6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]ピリジン-4-イル}アミノ)-2-オキソエトキシ]アセタミド}エチル)-1,5,17,21-テトラオキソ-3,19-ジオキサ-6,9,13,16-テトラアザヘンイコサン-1,21-ジイル]ジイミノ}ビス{ピリジン-2-カルボン酸6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]}(2.7mg、実施例6)を、2.5%アンモニア/10%ACN(1mL)に溶解し、この溶液を1日間、放置した。溶液を水/0.1%TFA(8mL)で希釈し、TFA(20μL)でpH2に調節し、生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna 5μm C18(2)100Å、250×50mm、勾配:10~50% B、40分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:10mL/分、検出:UV 214/254nm)で精製し、凍結乾燥後に1.7mg(収量65%)の目標化合物を得た。精製した生成物を分析用HPLCで分析した(勾配:10~50% B、2.5分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:0.5mL/分、カラム:Waters Acquity BEH C18、1.7μm、2.1×50mm、検出:UVダイオードアレイ、生成物保持時間:1.9分)。さらなる生成物特性評価をエレクトロスプレー質量分析を使用して実施した(MH3 3+:943.8、m/z:943.8であった)。
実施例8(Tet3)
ジメチル4,4’-{[8,8-ビス({2-[2-({2-(メトキシカルボニル)-6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]ピリジン-4-イル}アミノ)-2-オキソエトキシ]アセタミド}メチル)-1,5,11,15-テトラオキソ-3,13-ジオキサ-6,10-ジアザペンタデカン-1,15-ジイル]ジイミノ}ビス{ピリジン-2-カルボン酸6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]}
2,2-ビス(アミノメチル)プロパン-1,3-ジアミンテトラヒドロクロリド(1mg、[14302-75-1])、[2-({2-(メトキシカルボニル)-6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]ピリジン-4-イル}アミノ)-2-オキソエトキシ]酢酸(14.2mg、中間体3)、およびPyAOP(25.3mg)を、NMP(1mL)に溶解した。DIPEA(18.8μL)を添加し、反応物を60℃で2日間、加熱した。反応混合物を水/0.1%TFA(8mL)で希釈し、生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna 5μm C18(2)100Å、250×50mm、勾配:10~50% B、40分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:10mL/分、検出:UV 214/254nm)で精製し、凍結乾燥後に6.6mg(収量65%)の目標化合物を得た。精製した生成物を分析用HPLCで分析した(勾配:10~50% B、2.5分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:0.5mL/分、カラム:Waters Acquity BEH C18、1.7μm、2.1×50mm、検出:UVダイオードアレイ、生成物保持時間:1.53分)。さらなる生成物特性評価をエレクトロスプレー質量分析を使用して実施した(MH2 2+:1413.7、m/z:1413.7であった)。
実施例9(Tet4)
ジメチル4,4’-{7,11-ビス[2-(3-{2-(メトキシカルボニル)-6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]ピリジン-4-イル}プロパンアミド)エチル]-3,15-ジオキソ-4,7,11,14-テトラアザヘプタデカン-1,17-ジイル}ビス{ピリジン-2-カルボン酸6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]}
N,N,N’,N’-テトラキス(2-アミノエチル)プロパン-1,3-ジアミン(15mg、[871235-14-2])、プロパン酸3-[2-メトキシカルボニル-6-[[16-[(6-メトキシカルボニル-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル](81mg、中間体9)およびPyAOP(94.6mg)を、NMP(1mL)に溶解した。DIPEA(149μL)を添加し、反応物を20分間、放置した。さらなる2分量(20mgおよび8mg)のPyAOPを添加し、各添加後に反応物を20分間、放置した。反応混合物を水/0.1%TFA(8mL)で希釈し、生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna 5μm C18(2)100Å、250×50mm、勾配:10~40% B、40分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:10mL/分、検出:UV 214/254nm)で精製し、凍結乾燥後に47mg(収量81%)の目標化合物を得た。精製した生成物を分析用HPLCで分析した(勾配:10~40% B、2.5分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:0.5mL/分、カラム:Waters Acquity BEH C18、1.7μm、2.1×50mm、検出:UVダイオードアレイ、生成物保持時間:1.69分)。さらなる生成物特性評価をエレクトロスプレー質量分析を使用して実施した(MH:2704.4、m/z:2704.5であった)。
実施例10(Tet5)
4,4’-[7,11-ビス(2-{3-[2-カルボキシ-6-({16-[(6-カルボキシピリジン-2-イル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル}メチル)ピリジン-4-イル]プロパンアミド}エチル)-3,15-ジオキソ-4,7,11,14-テトラアザヘプタデカン-1,17-ジイル]ビス[ピリジン-2-カルボン酸6-({16-[(6-カルボキシピリジン-2-イル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル}メチル)]
ジメチル4,4’-{7,11-ビス[2-(3-{2-(メトキシカルボニル)-6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]ピリジン-4-イル}プロパンアミド)エチル]-3,15-ジオキソ-4,7,11,14-テトラアザヘプタデカン-1,17-ジイル}ビス{ピリジン-2-カルボン酸6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]}(47mg、実施例9)を、20%ACN/水(2mL)に溶解した。5MのNaOH(100μL)を添加し、溶液を1時間、放置し、次にTFA(50μL)でpH2に調節し、水/0.1%TFA(7mL)で希釈し、生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna 5μm C18(2)100Å、250×50mm、勾配:10~40% B、40分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:10mL/分、検出:UV 214/254nm)で精製し、凍結乾燥後に33mg(収量70%)の目標化合物を得た。精製した生成物を分析用HPLCで分析した(勾配:10~40% B、2.5分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:0.5mL/分、カラム:Waters Acquity BEH C18、1.7μm、2.1×50mm、検出:UVダイオードアレイ、生成物保持時間:1.03分)。さらなる生成物特性評価をエレクトロスプレー質量分析を使用して実施した(MH:2592.3、m/z:2592.4であった)。
実施例11(Tet6)
5,5’-[7,11-ビス(2-{3-[6-カルボキシ-2-({16-[(6-カルボキシピリジン-2-イル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル}メチル)ピリジン-3-イル]プロパンアミド}エチル)-3,15-ジオキソ-4,7,11,14-テトラアザヘプタデカン-1,17-ジイル]ビス(ピリジン-2-カルボン酸6-{[16-(3-カルボキシベンジル)-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル]メチル})
表題化合物は、上の実施例8および9に記載される方法を使用して得ることができる。
実施例12(Tet7)
3,3’-[7,11-ビス(2-{3-[2-カルボキシ-6-({16-[(6-カルボキシピリジン-2-イル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル}メチル)ピリジン-3-イル]プロパンアミド}エチル)-3,15-ジオキソ-4,7,11,14-テトラアザヘプタデカン-1,17-ジイル]ビス[ピリジン-2-カルボン酸6-({16-[(6-カルボキシピリジン-2-イル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル}メチル)]
表題化合物は、上の実施例8および9に記載される方法を使用して得ることができる。
八量体キレート剤
実施例13(Oct1)
ピリジン-2-カルボン酸メチル4-[3-[[6-[2-[3-[ビス[2-[2,6-ビス[3-[2-メトキシカルボニル-6-[[16-[(6-メトキシカルボニル-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]ヘキサノイルアミノ]エチル]アミノ]プロピル-[2-[2,6-ビス[3-[2-メトキシカルボニル-6-[[16-[(6-メトキシカルボニル-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]ヘキサノイルアミノ]エチル]アミノ]エチルアミノ]-5-[3-[2-メトキシカルボニル-6-[[16-[(6-メトキシカルボニル-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]-6-オキソ-ヘキシル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]-6-[[16-[(6-メトキシカルボニル-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]
(2S)-2,6-ジアミノ-N-[2-[3-[ビス[2-[[(2S)-2,6-ジアミノヘキサノイル]アミノ]エチル]アミノ]プロピル-[2-[[(2S)-2,6-ジアミノヘキサノイル]アミノ]エチル]アミノ]エチル]ヘキサンアミド(5mg、中間体2)、[2-({2-(メトキシカルボニル)-6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]ピリジン-4-イル}アミノ)-2-オキソエトキシ]酢酸(15mg、中間体9)、およびPyAOP(12.4mg)を、NMP(1mL)に溶解した。DIPEA(16.6μL)を添加し、反応物を1時間、放置した。反応混合物を水/0.1%TFA(8mL)で希釈し、生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna 5μm C18(2)100Å、250×50mm、勾配:10~40% B、40分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:10mL/分、検出:UV 214/254nm)で精製し、凍結乾燥後に12.2mg(収量78%)の目標化合物を得た。精製した生成物を分析用HPLCで分析した(勾配:10~40% B、2.5分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:0.5mL/分、カラム:Waters Acquity BEH C18、1.7μm、2.1×50mm、検出:UVダイオードアレイ、生成物保持時間:1.77分)。さらなる生成物特性評価をエレクトロスプレー質量分析を使用して実施した(MH2 2+:2837.5、m/z:2837.5であった)。
実施例14(Oct2)
ピリジン-2-カルボン酸4-[3-[[6-[2-[3-[ビス[2-[2,6-ビス[3-[2-カルボキシ-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]ヘキサノイルアミノ]エチル]アミノ]プロピル-[2-[2,6-ビス[3-[2-カルボキシ-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]ヘキサノイルアミノ]エチル]アミノ]エチルアミノ]-5-[3-[2-カルボキシ-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]-6-オキソ-ヘキシル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]
ピリジン-2-カルボン酸メチル4-[3-[[6-[2-[3-[ビス[2-[2,6-ビス[3-[2-メトキシカルボニル-6-[[16-[(6-メトキシカルボニル-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]ヘキサノイルアミノ]エチル]アミノ]プロピル-[2-[2,6-ビス[3-[2-メトキシカルボニル-6-[[16-[(6-メトキシカルボニル-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]ヘキサノイルアミノ]エチル]アミノ]エチルアミノ]-5-[3-[2-メトキシカルボニル-6-[[16-[(6-メトキシカルボニル-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]-6-オキソ-ヘキシル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]-6-[[16-[(6-メトキシカルボニル-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル](12.2mg、実施例13)を、水(2mL)に溶解した。5MのNaOH(100μL)を添加し、反応物を1時間、放置した。反応混合物をACN/水/0.1%TFA(8.5mL)で希釈し、生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna 5μm C18(2)100Å、250×50mm、勾配:10~30% B、40分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:10mL/分、検出:UV 214/254nm)で精製し、凍結乾燥後に7.5mg(収量61%)の目標化合物を得た。精製した生成物を分析用HPLCで分析した(勾配:10~30% B、2.5分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:0.5mL/分、カラム:Waters Acquity BEH C18、1.7μm、2.1×50mm、検出:UVダイオードアレイ、生成物保持時間:1.65分)。さらなる生成物特性評価をエレクトロスプレー質量分析を使用して実施した(MH2 2+:2725.4、m/z:2725.4であった)。
キレート剤活性エステル
実施例15(AE1)
ジピリジン-2-カルボン酸ビス(2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)6,6’-[1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7,16-ジイルビス(メチレン)]
ジピリジン-2-カルボン酸6,6’-[1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7,16-ジイルビス(メチレン)](30mg、Angewandte Chemie、Nikkiら、2017に記載される通りに調製)、TFP(47mg)、およびDCC(35mg)をDCM(1mL)に溶解し、この溶液を20時間、放置した。DCMを気流で除去し、残渣をACN(2mL)に溶解し、水/0.1%TFA(7mL)で希釈し、ろ過し、生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna 5μm C18(2)100Å、250×50mm、勾配:20~70% B、40分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:10mL/分、検出:UV 214/254nm)で精製し、凍結乾燥後に41mg(収量88%)の目標化合物を得た。精製した生成物を分析用HPLCで分析した(勾配:20~70% B、2.5分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:0.5mL/分、カラム:Waters Acquity BEH C18、1.7μm、2.1×50mm、検出:UVダイオードアレイ、生成物保持時間:1.63分)。さらなる生成物特性評価をエレクトロスプレー質量分析を使用して実施した(MH:829.2、m/z:829.2であった)。
実施例16(AE2)
ピリジン-2-カルボン酸6-({16-[(6-{[16-({6-[(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)カルボニル]ピリジン-2-イル}メチル)-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル]メチル}ピリジン-2-イル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル}メチル)
ジピリジン-2-カルボン酸6,6’-[ピリジン-2,6-ジイルビス(メチレン-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-16,7-ジイルメチレン)](10mg、実施例2)、TFP(9.2mg)、およびDCC(5.7mg)をDCM(1mL)に溶解し、この溶液を20時間、放置した。DCMを気流で除去し、残渣をACN(1mL)に溶解し、水/0.1%TFA(7.5mL)で希釈し、ろ過し、生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna 5μm C18(2)100Å、250×50mm、勾配:10~50% B、40分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:10mL/分、検出:UV 214/254nm)で精製し、凍結乾燥後に1.2mg(収量10%)の目標化合物を得た。精製した生成物を分析用HPLCで分析した(勾配:10~50% B、2.5分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:0.5mL/分、カラム:Waters Acquity BEH C18、1.7μm、2.1×50mm、検出:UVダイオードアレイ、生成物保持時間:1.52分)。さらなる生成物特性評価をエレクトロスプレー質量分析を使用して実施した(MH:1046.5、m/z:1046.5であった)。
実施例17(AE3)
ピリジン-2-カルボン酸メチル4-[[2-[2-[2-[2-[[2-[2-[[2-メトキシカルボニル-6-[[16-[(6-メトキシカルボニル-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]アミノ]-2-オキソ-エトキシ]アセチル]アミノ]エチル-[3-[2-[[2-[2-[[2-メトキシカルボニル-6-[[16-[(6-メトキシカルボニル-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]アミノ]-2-オキソ-エトキシ]アセチル]アミノ]エチル-[2-[[2-[2-オキソ-2-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)エトキシ]アセチル]アミノ]エチル]アミノ]プロピル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]アセチル]アミノ-6-[[16-[(6-メトキシカルボニル-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]
21-({2-(メトキシカルボニル)-6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]ピリジン-4-イル}アミノ)-9,13-ビス(2-{2-[2-({2-(メトキシカルボニル)-6-[(16-{[6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル]ピリジン-4-イル}アミノ-2-オキソエトキシ]アセタミド}エチル)-5,17,21-トリオキソ-3,19-ジオキサ-6,9,13,16-テトラアザヘンイコサン-1-オイック酸(6.2mg、実施例5)、TFP(2.2mg)、およびDCC(5.4mg)を、DCM(1mL)に溶解し、この溶液を19時間、放置した。DCMを気流で除去し、残渣をACN(1mL)に溶解し、水/0.1%TFA(7.5mL)で希釈し、ろ過し、生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna 5μm C18(2)100Å、250×50mm、勾配:10~50% B、40分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:10mL/分、検出:UV 214/254nm)で精製し、凍結乾燥後に2.2mg(収量33%)の目標化合物を得た。精製した生成物を分析用HPLCで分析した(勾配:10~50% B、2.5分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:0.5mL/分、カラム:Waters Acquity BEH C18、1.7μm、2.1×50mm、検出:UVダイオードアレイ、生成物保持時間:1.58分)。さらなる生成物特性評価をエレクトロスプレー質量分析を使用して実施した(MH:2531.1、m/z:2531.2であった)。
実施例18(AE4)
ピリジン-2-カルボン酸4-[3-[2-[2-[3-[2-カルボキシ-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]エチル-[3-[2-[3-[2-カルボキシ-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]エチル-[2-[3-[2-カルボキシ-6-[[16-[[6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)カルボニル-2-ピリジル]メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]エチル]アミノ]プロピル]アミノ]エチルアミノ]-3-オキソ-プロピル]-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]
ピリジン-2-カルボン酸4,4’-[7,11-ビス(2-{3-[2-カルボキシ-6-({16-[(6-カルボキシピリジン-2-イル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル}メチル)ピリジン-4-イル]プロパンアミド}エチル)-3,15-ジオキソ-4,7,11,14-テトラアザヘプタデカン-1,17-ジイル]ビス[6-({16-[(6-カルボキシピリジン-2-イル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル}メチル)](19.2mg、実施例10)、TFP(24.6mg)、およびDCC(12.7mg)を、ACN(1mL)に溶解し、この溶液を30分間、放置した。溶液を水/0.1%TFA(9mL)で希釈し、ろ過し、生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna 5μm C18(2)100Å、250×50mm、勾配:10~60% B、40分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:10mL/分、検出:UV 214/254nm)で精製し、凍結乾燥後に6mg(収量28%)の目標化合物を得た。精製した生成物を分析用HPLCで分析した(勾配:10~70% B、2.5分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:0.5mL/分、カラム:Waters Acquity BEH C18、1.7μm、2.1×50mm、検出:UVダイオードアレイ、生成物保持時間:1.04分および1.13分(2つの位置異性体の混合物))。さらなる生成物特性評価をエレクトロスプレー質量分析を使用して実施した(MH:2740.3、m/z:2740.2であった)。
実施例19(AE5)
ピリジン-2-カルボン酸4-[3-[[6-[2-[2-[2,6-ビス[3-[2-カルボキシ-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]ヘキサノイルアミノ]エチル-[3-[2-[2,6-ビス[3-[2-カルボキシ-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]ヘキサノイルアミノ]エチル-[2-[[2-[3-[2-カルボキシ-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]-6-[3-[2-カルボキシ-6-[[16-[[6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)カルボニル-2-ピリジル]メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]ヘキサノイル]アミノ]エチル]アミノ]プロピル]アミノ]エチルアミノ]-5-[3-[2-カルボキシ-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]-6-オキソ-ヘキシル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]
ピリジン-2-カルボン酸4-[3-[[6-[2-[3-[ビス[2-[2,6-ビス[3-[2-カルボキシ-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]ヘキサノイルアミノ]エチル]アミノ]プロピル-[2-[2,6-ビス[3-[2-カルボキシ-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]ヘキサノイルアミノ]エチル]アミノ]エチルアミノ]-5-[3-[2-カルボキシ-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]-6-オキソ-ヘキシル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル](3.8mg、実施例14)、TFP(6.3mg)、およびDCC(2.3mg)をACN(1mL)に溶解し、この溶液を30分間、放置した。溶液を水/0.1%TFA(9mL)で希釈し、ろ過し、生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna 5μm C18(2)100Å、250×50mm、勾配:10~60% B、40分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:10mL/分、検出:UV 214/254nm)で精製し、凍結乾燥後に0.9mg(収量23%)の目標化合物を得た。精製した生成物を分析用HPLCで分析した(勾配:10~60% B、2.5分、A=水/0.1%TFA、B=ACN、流量:0.5mL/分、カラム:Waters Acquity BEH C18、1.7μm、2.1×50mm、検出:UVダイオードアレイ、生成物保持時間:1.20分、1.23分、および1.33分(3つの位置異性体の混合物))。さらなる生成物特性評価をエレクトロスプレー質量分析を使用して実施した(MH4 4+:1400.2、m/z:1400.4であった)。
抗体-キレート剤複合体
実施例20(ACC1)
DMA(84μL)に溶解したジピリジン-2-カルボン酸ビス(2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)6,6’-[1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7,16-ジイルビス(メチレン)](1.67mg、実施例15)を、mAb no.1(50.5mg)のPBS溶液(4mL)に添加し、この溶液を4時間、振盪させた。溶液を100mM酢酸/100mM NaCl、1:1(1mL)で希釈し、生成物をFPLC(カラム:HiLoad 16/600 Superdex 200pgカラム、ランニングバッファー:100mM酢酸/100mM NaCl、1:1、pH5、流量:1mL/分、検出:UV 214/254nm)で精製し、35.6mg(収量71%)のACC1の100mM酢酸/100mM NaCl、1:1溶液(2.7mg/mL)を得た。
実施例21(ACC2)
ピリジン-2-カルボン酸4-[3-[2-[2-[3-[2-カルボキシ-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]エチル-[3-[2-[3-[2-カルボキシ-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]エチル-[2-[3-[2-カルボキシ-6-[[16-[[6-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)カルボニル-2-ピリジル]メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]エチル]アミノ]プロピル]アミノ]エチルアミノ]-3-オキソ-プロピル]-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル](1.79mg、実施例18)を、mAb no.1(20mg)のPBS溶液(1.79mL)に添加し、この溶液を3時間、振盪させた。溶液を100mM酢酸/100mM NaCl、1:1(3.2mL)で希釈し、生成物をFPLC(カラム:HiLoad 16/600 Superdex 200pgカラム、ランニングバッファー:100mM酢酸/100mM NaCl、1:1、pH5、流量:1mL/分、検出:UV 214/254nm)で精製し、14mg(収量70%)のACC2の100mM酢酸/100mM NaCl、1:1溶液(1.0mg/mL)を得た。
他のACCを、実施例15、16、17、18、および19に記載された通りの化合物から開始し、ACC1およびACC2と同じ手順を使用して調製した。
ACCの精製および濃縮は、SEC-UV(Agilent 1260 Infinity HPLCシステム、ランニングバッファー:10% DMSO/PBS、流量:0.3mL/分、カラム:Waters Acquity BEH SEC、1.7μm、4.6×300mm、検出:UV、280nm)で決定した。
ACCのそれぞれのCARは、成分mAb、mAb+1種のキレート剤、mAb+2種のキレート剤、mAb+3種のキレート剤等について大きいピーク高さに対するMSピーク高さの割合を使用することによって、およびnがキレート剤の数に等しく、Anがn個のキレート剤をもつ抗体複合体の強度に等しい、式CAR=Sum(n*An)/Sum Anを使用することによって、SEC-MS(Waters XEVO TOFに接続したWater Acquity HPLC、ランニングバッファー:50% ACN/水/0.1% TFA、流量:0.06mL/分、カラム:Waters Acquity BEH SEC、1.7μm、2.1×150mM)で決定した。
放射標識
Ac-225の0.04MのHCl溶液またはRa-223の0.05MのHCl溶液のアリコートを、エッペンドルフチューブ内に吸い込ませた。各チューブ内の放射能をHPGe検出器で測定した。化合物の0.1Mの酢酸ナトリウム溶液、pH5~5.5を(ACC溶液のための追加の0.1MのNaClと共に)、これらチューブに添加した。RACは1~5MBq/mLの範囲であり、比放射能は2~200kBq/nmolの範囲であった。標識化溶液を室温で60~90分間、放置した。
放射化学的純度
標識化合物の放射化学的純度(RCP)をiTLCによって特定した。シリカを浸透させたクロマトグラフィーペーパーから幅約1cm、長さ約11cm切断して、iTLC紙片とした。これらの紙片に、1cm(塗布点)、4cm(ACC用カットライン)または5cm(キレート剤用カットライン)、および8cm(フロントライン)にペンで印を付けた。ビーカーを0.1Mクエン酸の0.9%NaCl溶液、pH5.5で0.5cmまで満たした。1~10μLの放射標識化合物を塗布点に添加し、即時にこれら紙片をビーカー内に垂直に置いた。溶媒がフロントラインに到達した時、紙片を取り除き、次にカットラインで2つの切片に切った。各切片をHPGe検出器(ORTEC)を使用して測定し、対象核種から放射能元を特定した。対象核種のパーセンテージでのRCPを以下の式を使用して算出した。
多量体の化合物Dim1、Tri1、Tet1、Tet2、Tet3、Tet5、およびOct2は、濃度0.1および0.02mMの単量体のマクロパと比較して高い標識効率を示し、0.005mMの低さのOct2でさえ高い標識効率を示した。これらの濃度では、iTLCで測定された通り、ラジウム223の錯体化が単量体マクロパには全く観察されず、0.27mMの単量体マクロパにでさえ、たった12%の放射化学的純度しか得られなかった(表2)。
ラジオHPLC
放射標識化合物を、a)ダイオードアレイ検出器とFlowstar LB 514ラジオ検出器(Berthold technologies社)とを装備したVanquish HPLCシステム(Thermo社)と、b)ダイオードアレイ検出器とflow-countラジオ検出器(Eckert&Ziegler社)とを装備した1290 Infinity-II HPLCシステム(Agilent社)とのいずれかを使用して、ラジオHPLCで分析した。
標識キレート剤化合物を、A=40mM TRIS/6mMクエン酸/2mM EDTAおよびB=ACN/MeOH(8:2)で、Kinetex C18(30×2.1mm)、1.7μm、100Å、(Phenomenex社)、勾配5~50%Bで10分間、流量0.3mL/分、またはDiscovery RP amide c16(150×2.1mm)、5um、100Å、勾配:5~50%Bで12.5分間、流量0.6mL/分を使用して溶出した。
標識ACCを、均一流量0.3mL/分を20分間使用し、Acquity Protein BEH SECカラム(300×4.6mm、200Å、Waters社)および170mM酢酸アンモニウム/300mM NaCl/5%DMSO、pH5のランニングバッファーを使用して溶出した。
クロマトグラムの記録、統合、および可視化のために、Chromeleonクロマトグラフィーデータシステム(CDS)を利用した。
ラジオHPLCピーク分画を行い、各ラジオピークに関連付く1つまたは複数の放射性核種を特定した。収集したピーク分画はHPGe検出器を使用して分析した。
化合物Tet1のラジオHPLC分析により、ボイドボリューム中の遊離放射能の洗い流しがほとんどないことと、Ra-223、Pb211、およびBi-211の錯体に対応する6~8分の生成物保持時間をもつ大きな放射性ピークとが示された(図)。この非常に驚くべき観測結果は、ラジウムおよび娘核種は、十中八九、これらに隣接するキレート剤上のドナー原子の寄与および/またはアビディティ効果を通じて、複数のキレート剤を導入することによるかなり優れた方法で捕獲されるという事実を示唆する。最も興味深いことに、化合物Tet1の0.02mM溶液の効率的な標識付けによって、適切なリガンド濃度および用量での標的α線療法が可能な要求レベルとなる。
図1aは、0.02mM濃度で標識した223Ra-Dim1のラジオHPLCクロマトグラムを示す。
図1bは、0.02mM濃度で標識した223Ra-Dim1のピーク分画データを示す。
図2aは、0.005mM濃度で標識した223Ra-Tet5のラジオHPLCクロマトグラムを示す。
図2bは、0.001mM濃度で標識した223Ra-Oct2のラジオHPLCクロマトグラムを示す。
図3は、0.02mM濃度で標識した225Ac-mAb no.1-マクロパのラジオHPLCクロマトグラムを示す。
図4は、0.02mMで標識した225Ac-mAb no.1-マクロパのピーク分画データを示す。
図5は、0.02mMで標識した225Ac-mAb no.1-Tet5のラジオHPLCクロマトグラムを示す。
図6は、0.02mMで標識した225Ac-mAb no.1-Tet5のピーク分画データを示す。
実験節-生物学的アッセイ
選択した生物学的アッセイで実施例を1回または複数回試験した。2回以上試験した場合、データは平均値または中央値のいずれかとして報告し、ここでは
・平均値は、算術平均値とも呼ばれるが、得られた値の和÷試験した回数を表し、
・中央値は、昇順または降順で並べた場合の値の群の中央の数値を表す。設定されたデータの値の数が奇数の場合、中央値は中央の値となる。設定されたデータの値の数が偶数の場合、中央値は中央の2つの値の算術的平均となる。
実施例を1回または複数回、合成した。2回以上合成した場合、生物学的アッセイのデータは、1つまたは複数の合成バッチの試験から得られたデータセットを利用して計算した平均値または中央値を表す。
インビトロ
Ac-225で標識したmAb no.1-マクロパ(CAR 5.3)およびmAb no.1-Tet5(CAR 1.4)の抗原結合特性試験をIRFアッセイを利用して行い、ここでは、特異的抗原でコーティングした磁気ビーズと放射標識したこれら化合物とをインキュベートし、結合した分画が結合していない上清分画から磁気で容易に分離できるようにした。結合していない分画は、50%の上清を代表としてサンプル採取することにより測定した。非標識で裸状態のmAbなどの標的抗原特異的結合部位遮断薬とプレインキュベートした同じ磁気ビーズを利用して、放射標識した生成物のいかなる非特異的結合もアッセイで測定した。各サンプルの放射能をHPGe検出器を使用して測定した。これらの値は共に、特異的結合値、ひいてはIRF値を提供した(特異的に結合した放射標識生成物は、適用した全ての放射標識生成物の割合として表した)。
図7は、Ac-225で標識した、mAb no.1-マクロパ(CAR 5.3)およびmAb no.1-Tet5(CAR 1.4)の結合曲線および最大結合IRF値を示す。
Ac-225で標識した、mAb no.2-マクロパ、mAb no.2-Tri1、およびmAb no.2-Tet5の血清安定度は、これら25kBq/mLの標識化合物をマウス血清に添加して37℃、軽い振盪でインキュベートすることにより、調査した。標識化合物のRCPは、1時間後、96時間後、120時間後、および144時間後にiTLCで測定した。標識時(1時間時点)のRCPの割合を、各時点で示した。
図8は、Ac-225で標識した、mAb no.2-マクロパ、mAb no.2-Tri1、およびmAb no.2-Tet5の血清安定度を示す。
インビボ
Ra-223で標識した、マクロパ-NH2およびTet1の体内分布調査を行った。化合物をRa-223の0.1M酢酸溶液、pH5、125kBq/nmolで標識し、それぞれのマウスに500kBq/kg注入した。別にRa-223酢酸を対照として注入した。動物を5分後、30分後、4時間後、および24時間後に各時点で3匹ずつ屠殺した。全ての動物について肝臓、血液、および大腿骨を採取し、サンプルをHPGe検出器を使用して計数し、Ra-223の量を測定した。
図9は、サンプル1グラムにつき注入された223Ra酢酸、223Ra-マクロパ-NH2、および223Ra-Tet1の用量の割合を示す。
Ac-225で標識した、mAb no.3-マクロパおよびmAb no.3-Tet5の体内分布調査を行った。これら標識化合物をpH5、125kBq/nmolのAc-225の0.1M酢酸溶液で標識し、それぞれHEP-3B処理マウスに500kBq/kgで3回、注入した。別にAc-225酢酸を対照として注入した。動物を24時間後、72時間後、168時間後、および336時間後、各時点で3匹ずつ屠殺した。全ての動物について肝臓、血液、および大腿骨を採取した。
図10は、サンプル臓器1グラムにつき注入された225Ac-mAb no.3-マクロパ、225Ac-mAb no.3-Tet5、および225Ac酢酸の用量の割合を示す。
図11は、225Ac-mAb no.3-マクロパおよび225Ac-mAb no.3-Tet5注入後の、HEP-3B処理マウスの生存プロットを示す。
図12は、225Ac-mAb no.3-マクロパおよび225Ac-mAb no.3-Tet5についての白血球および血小板の総数を示す。
Ac-225で標識した、mAb no.3-マクロパおよびmAb no.3-Tet5の有効性調査を行った。化合物をAc-225の0.1M酢酸溶液、pH5で標識し、それぞれHEP-3B処理マウスに500kBq/kgで3回、7日間隔で注入した。生理食塩水を別に溶媒対照として注入した。腫瘍サイズを28日時点までで測定した。
図13は、225Ac-mAb no.3-マクロパおよび225Ac-mAb no.3-Tet5で処理した後のHEP-3B処理マウスの腫瘍面積を示す。

Claims (22)

  1. 一般式(I)の化合物:
    [(C)n-L]-(V)m (I)
    (式中、Cは大環状キレート剤マクロパを表し、LはCの共有結合のための複数の官能基を含む多機能リンカー部分を表し、Vは組織標的指向性部分であり、nは2~32から選択される自然数であり、mは1~5である)、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、またはこれらの混合物。
  2. α線放出放射性同位体をさらに含む、請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、またはこれらの混合物。
  3. 前記α線放出放射性同位体が、ラジウム223、ラジウム224、ビスマス212、ビスマス213、およびアクチニウム225からなる群から選択される、請求項2に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、またはこれらの混合物。
  4. 前記組織標的指向性部分が、モノクローナル抗体である、請求項1、2、もしくは3に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、またはこれらの混合物。
  5. Lが、キレート剤の共有結合のための複数の官能基を含む多機能リンカー部分、例えばリジン、システイン、またはグルタミン酸などのアミノ部分、チオール部分、またはカルボン酸部分を有する側鎖を含む、例えばポリアミン含有もしくはポリ酸含有骨格またはアミノ酸含有ポリマーである、請求項1、2、3、または4に記載の化合物。
  6. Lが、
    または
    である、請求項1、2、3、または4に記載の化合物。
  7. Cが下記式(A)の前記大環状キレート剤マクロパ:
    であって、
    アミノ置換基またはカルボン酸基のいずれかがLまたはVのいずれかとアミド結合を形成するために使用され、nは2であり、Vはモノクローナル抗体である、請求項1、2、3、もしくは4に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、またはこれらの混合物。
  8. Cが式(A)の前記大環状キレート剤マクロパであって、アミノ置換基またはカルボン酸基のいずれかがLまたはVのいずれかとアミド結合を形成するために使用され、nは3であり、Vはモノクローナル抗体である、請求項1、2、3、もしくは4に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、またはこれらの混合物。
  9. Cが式(A)の前記大環状キレート剤マクロパであって、アミノ置換基またはカルボン酸基のいずれかがLまたはVのいずれかとアミド結合を形成するために使用され、nは4であり、Vはモノクローナル抗体である、請求項1、2、3、もしくは4に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、またはこれらの混合物。
  10. Cが式(A)の前記大環状キレート剤マクロパであって、アミノ置換基またはカルボン酸基のいずれかがLまたはVのいずれかとアミド結合を形成するために使用され、nは8であり、Vはモノクローナル抗体である、請求項1、2、3、もしくは4に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、またはこれらの混合物。
  11. Cが下記式(B)の前記大環状キレート剤マクロパ:
    であって、
    カルボン酸基がLまたはVのいずれかとアミド結合を形成するために使用され、nは2であり、Vはモノクローナル抗体である、請求項1、2、3、もしくは4に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、またはこれらの混合物。
  12. Cが式(B)の前記大環状キレート剤マクロパであって、カルボン酸基がLまたはVのいずれかとアミド結合を形成するために使用され、nは3であり、Vはモノクローナル抗体である、請求項1、2、3、もしくは4に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、またはこれらの混合物。
  13. Cが式(B)の前記大環状キレート剤マクロパであって、カルボン酸基がLまたはVのいずれかとアミド結合を形成するために使用され、nは4であり、Vはモノクローナル抗体である、請求項1、2、3、もしくは4に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、またはこれらの混合物。
  14. Cが式(B)の前記大環状キレート剤マクロパであって、カルボン酸基がLまたはVのいずれかとアミド結合を形成するために利用され、nは8であり、Vはモノクローナル抗体である、請求項1、2、3、もしくは4に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、またはこれらの混合物。
  15. -4,4’-[(9,13-ビス{2-[2-(2-{[2-カルボキシ-6-({16-[(6-カルボキシピリジン-2-イル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル}メチル)ピリジン-4-イル]アミノ}-2-オキソエトキシ)アセタミド]エチル}-1,5,17,21-テトラオキソ-3,19-ジオキサ-6,9,13,16-テトラアザヘンイコサン-1,21-ジイル)ジイミノ]ビス[ピリジン-2-カルボン酸6-({16-[(6-カルボキシピリジン-2-イル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル}メチル)](実施例7;Tet2)
    -4,4’-[7,11-ビス(2-{3-[2-カルボキシ-6-({16-[(6-カルボキシピリジン-2-イル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル}メチル)ピリジン-4-イル]プロパンアミド}エチル)-3,15-ジオキソ-4,7,11,14-テトラアザヘプタデカン-1,17-ジイル]ビス[ピリジン-2-カルボン酸6-({16-[(6-カルボキシピリジン-2-イル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル}メチル)](実施例10、Tet5)、または
    -ピリジン-2-カルボン酸4-[3-[[6-[2-[3-[ビス[2-[2,6-ビス[3-[2-カルボキシ-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]ヘキサノイルアミノ]エチル]アミノ]プロピル-[2-[2,6-ビス[3-[2-カルボキシ-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]ヘキサノイルアミノ]エチル]アミノ]エチルアミノ]-5-[3-[2-カルボキシ-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル]-4-ピリジル]プロパノイルアミノ]-6-オキソ-ヘキシル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]-6-[[16-[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ-7-イル]メチル](実施例14、Oct2)
    から選択される、請求項1に記載の化合物。
  16. 一般式(I)の化合物を調製する方法であって、前記方法が、一般式(II)の中間体化合物:
    [(X)p’-C]n-L
    (II)
    であって、
    C、L、n、およびmは請求項1から7のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物について定義される通りである、一般式(II)の中間体化合物を、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物について定義される通りである、
    Vと反応させ、
    それによって、一般式(I):
    [(C)n-L]-(V)m (I)
    であって、
    C、L、V、n、およびmは請求項1から7のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物について定義される通りである、一般式(I)の化合物をもたらす
    ステップを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物を調製する方法。
  17. 疾患の治療または予防に使用するための、請求項1から7のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物。
  18. 請求項1から7のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
  19. ・1種または複数の最初の活性成分、特に請求項1から7のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物と、
    ・1種または複数のさらなる活性成分、特に抗がん剤
    とを含む医薬組み合わせ。
  20. 疾患を治療または予防するための、請求項1から7のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物の使用。
  21. 疾患の治療または予防のための医薬品を調製するための、請求項1から7のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物の使用。
  22. 前記疾患が、例えば腫瘍学的障害などの過剰増殖性障害である、請求項9、12、または13に記載の使用。
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