JP2024506036A - 貨物船で使用するためのラッシングシステム及び方法 - Google Patents

Abstract

ラッシングシステムは、輸送コンテナを輸送する貨物船で使用可能であり、必要に応じて、貨物船に設けられた標準的なラッシング・ブリッジを補完するものである。このラッシングシステムは、輸送用コンテナに設けられた既存のインターロッキングシステムと接続可能な支持体を含む。支持体は、輸送用コンテナの積み下ろしに使用されるのと同じクレーンを使用して、輸送用コンテナのスタック上に持ち上げて配置することができる。ラッシングシステムはラッシングを含み、ラッシングは支持体に取り付けられ、別の輸送用コンテナまたは貨物船の構造物に解除可能に接続することができる。ラッシングの張力は、貨物船の航行中に監視されることが好ましい。【選択図】図１

Description

本開示は概して貨物船上の輸送コンテナを固定するための方法及びシステムに関する。より具体的には、本開示は貨物船でよく使用されるラッシングシステムを補うかまたは置き換えることのできる、輸送コンテナをラッシングするための方法及びシステムに関する。

貨物船は、荒波を乗り越えて航海する一方で、海で多数の輸送コンテナを事故で失うことがある。船舶が大型化し、輸送コンテナがより高く積み重ねられるようになると、長年使用されてきた通常のラッシングシステムの設計では、許容可能なレベルの拘束力を提供できなくなる。波の影響を受けた船の揺れによって引き起こされる上部コンテナの動きは大きくなる。この動きは、上部コンテナの加速度水準が高くなるため、輸送コンテナを不安定にするおそれがある。

本開示では、貨物船に保管された輸送コンテナを安定させる方法を説明している。

本方法は、１つまたは複数の輸送コンテナのインターロッキングシステムと接続可能な支持体と、ラッシングとを含むラッシング装置を提供するステップを含むことができる。ラッシング装置は、土台と、土台に取り付けられた第１の解除可能なコネクタと、ラッシングの端部に含まれ、第１の解除可能なコネクタに解除可能に結合されるように適合された第２の解除可能なコネクタとをさらに含むことができる。例えば、第２の解除可能なコネクタは、アイと留め金の組立体またはターンバックルを含む。ラッシング装置は、支持体に連結された加速度計または土台に結合され、ラッシングの張力を測定できるロードピンをさらに含むことができる。加速度計またはロードピンは、コンピュータに無線接続されていてもよい。コンピュータは、ウインチを駆動するようにプログラムされていてもよい。実施形態によっては、ラッシング装置は、ラチェットトラックと、ラチェットトラック上を摺動するように構成された歯止めとを含むことができる。また、ラッシングの端部は、ターンバックルを含んでもよい。実施形態によっては、ラッシング装置は、支持体に取り付けられたラッシングを巻き付けるための手段を含んでもよい。例えば、ラッシングを巻き付けるための手段として、ウインチ、ピンに取り付けられたボラード、ピンに取り付けられたフェアリード、またはそれらの組み合わせを含む。ラッシングを巻き付ける手段は、代替的または追加的に、ウインチ、ピンに取り付けられたボラード、ピンに取り付けられたフェアリード、またはそれらの組み合わせの同等物を含んでもよい。支持体は複数の受け口を含んでもよく、それぞれがボラードに取り付けられたピンまたはフェアリードに取り付けられたピンを受け入れられる大きさになっている。実施形態によっては、ラッシング装置は、ラチェットトラックと、ラチェットトラック上を摺動するようになっている歯止めと、支持体に取り付けられたラッシングを巻き付けるための手段とを含むことができる。

本方法は、支持体を１つまたは複数の輸送コンテナに固定するステップを含むことができる。

本方法は、土台を、ラッシング・ブリッジ、ラッシング・タイロッド、または貨物船の甲板（デッキ）のうちの少なくとも１つに固定するステップを含んでもよい。実施形態によっては、土台をラッシング・ブリッジ、ラッシング・タイロッド、または貨物船の甲板のうちの少なくとも１つに固定するステップには、ラチェットトラックをラッシング・ブリッジまたは貨物船の甲板のうちの少なくとも１つに固定するステップを含んでもよい。必要に応じて、土台をラッシング・ブリッジ、ラッシング・タイロッド、または貨物船の甲板のうちの少なくとも１つに固定するステップには、ラチェットトラックを貨物船のハッチカバーに設けられたコンテナコネクタに解除可能に取り付けるステップを含むこともできる。

実施形態によっては、本方法は、１つまたは複数のラッシング装置とラッシングとを提供するステップを含み、各ラッシング装置は、１つまたは複数の輸送コンテナのインターロッキングシステムと接続可能な支持体を少なくとも含む。

本方法は、ラッシングケージを持ち上げて作業者を少なくとも１つの装置の支持体に搬送するステップと、ラッシングケージを支持体に連結するステップとを含んでいてもよい。ラッシングケージは、手すりを有する下段を含んでもよい。下段は、少なくとも部分的に床なしであってもよい。ラッシングケージはまた、手すりを有する上段を備えてもよい。上段は床を有していてもよい。下段には上段から作業者がアクセスできる。

この方法は、ラッシングを支持体に連結するステップを含んでいてもよい。

本方法は、ラッシングの端部を他の輸送コンテナまたは貨物船の構造物に接続するステップを含んでいてもよい。ラッシングの端部を他の輸送コンテナまたは貨物船の構造物に接続するステップには、第１の解除可能なコネクタを第２の解除可能なコネクタに結合するステップを含んでもよい。

本方法は、支持体の上に１つまたは複数の輸送コンテナを載せるステップを含んでいてもよい。

本方法は、支持体の動きを抑えるようにラッシングに張力を加えるステップを含んでいてもよい。実施形態によっては、ラッシングに張力を加えるステップには、ラチェットトラックに沿って歯止めの位置を調整するステップを含んでよい。例えば、歯止めの位置を調整するステップは、ラチェットトラックに結合されたウインチを用いて実施され得る。ラッシングに張力を加えるステップには、ターンバックルの長さを調節するステップをさらに含んでよい。実施形態によっては、ラッシングに張力を加えるステップには、ラッシングを巻き付けるための手段の少なくとも１つの位置を調整するステップを含んでもよい。例えば、ラッシングを巻き付けるための手段の少なくとも１つの位置を調整するステップには、ボラードに取り付けられたピンまたはフェアリードに取り付けられたピンを複数の受け口のうちの１つから取り外し、ボラードに取り付けられたピンまたはフェアリードに取り付けられたピンを受け口のうちの別の１つ（受け口）に受け入れるステップを含んでもよい。ラッシングに張力を加えるステップには、ラッシングを巻き付ける手段に対してラッシングを巻き付けるまたは巻き付けたものを解くステップを伴ってもよい。

この方法は、貨物船が港に向かう間に、ラッシングケージを１つの装置の支持体の上に保管するステップを含んでいてもよい。

この方法は、加速度計またはロードピンから受信したデータに基づいて、ウインチに取り付けられたラッシングの張力を自動的に調整するためにコンピュータを使用するステップを含むことができる。

この方法は、港でラッシングケージを使って作業者を運ぶステップを含んでいてもよい。

本開示は、輸送コンテナを輸送する貨物船で使用するラッシング装置について記載している。

ラッシング装置は、１つまたは複数の輸送コンテナのインターロッキングシステムと接続可能な支持体を含んでいてもよい。実施形態によっては、支持体は複数の受け口を含むことができる。各受け口は、ボラードに取り付けられたピンまたはフェアリードに取り付けられたピンを受ける大きさであってもよい。

ラッシング装置は、支持体に連結可能なラッシングを備えていてもよい。ラッシングは、他の輸送コンテナまたは貨物船の構造物に接続可能な端部を有することができる。

ラッシング装置は、ラッシング・ブリッジ、ラッシング・タイロッド、または貨物船の甲板（デッキ）の少なくとも１つに固定されるように適合した土台を含んでいてもよい。

ラッシング装置は、支持体の動きを抑えるようにラッシングに張力を加えることができるテンショナーを含んでいてもよい。実施形態によっては、テンショナーは、ラッシング・ブリッジまたは貨物船のデッキの少なくとも一方に固定されるように適合されたラチェットトラックを含んでいてもよい。テンショナーはまた、ラチェットトラック上を摺動するように構成された歯止めを含んでいてもよい。ラチェットトラックに沿った歯止めの位置は、調整可能であってもよい。テンショナーは、調節可能な長さを有するターンバックルをさらに含んでいてもよい。ターンバックルは、ラッシングの端部に含まれてもよい。テンショナーは、ラチェットトラックに結合されたウインチをさらに含んでもよい。ウインチは、歯止めの位置を調整するようになっていてもよい。実施形態によっては、テンショナーは、ラッシングを巻き付けるための手段を含んでいてもよい。ラッシングを巻き付けるための手段は、支持体に取り付けられてもよい。例えば、ラッシングを巻き付けるための手段は、ウインチ、ピンに取り付けられたボラード、ピンに取り付けられたフェアリードのうちの１つ以上を含んでもよい。ラッシングを巻き付ける手段は、代替的または追加的に、ウインチ、ピンに取り付けられたボラード、およびピンに取り付けられたフェアリードのうちの１つまたは複数に相当するものを含んでもよい。ラッシングを巻き付けるための手段の少なくとも１つの位置は調整可能であってもよい。

ラッシング装置は、土台に取り付けられる第１の解除可能なコネクタを含んでいてもよい。

ラッシング装置は、ラッシングの端部に含まれる第２の解除可能なコネクタを含んでいてもよい。第２の解除可能なコネクタは、第１の解除可能なコネクタに解除可能に結合されるように適合されていてもよい。例えば、第２の解除可能なコネクタは、アイと留め金の組立体またはターンバックル含むことができる。

ラッシング装置は、支持体に結合された加速度計、または土台に結合され、ラッシングの張力を測定できるロードピンを含んでいてもよい。加速度計またはロードピンは、コンピュータに無線で接続されていてもよい。コンピュータは、加速度計またはロードピンから受信したデータに基づいて、ウインチに取り付けられたラッシングの張力を自動的に調整するように、ウインチを駆動するようにプログラムされていてもよい。

本開示には、ラッシングケージが記載されている。

ラッシングケージは上段を含んでいてもよい。上段は手すりを有していてもよい。上段は床を有していてもよい。

ラッシングケージは下段を含んでもよい。下段は手すりを有していてもよい。下段は、少なくとも部分的に床なしであってもよい。下段は、作業者が上段からアクセス可能であってもよい。

ラッシングケージは、ラッシングケージをクレーンに接続するための既知の手段を含んでいてもよい。

ラッシングケージは、ラッシングを展開できるウインチを含んでもよい。

本開示の実施形態のより詳細な説明のために、添付図面を参照する。
図１は、ラッシング・ブリッジと補助ラッシングシステムとを含む貨物船の一部の立面図である。 図２は、貨物船および補助ラッシングシステムの一部を示す上面図であり、例えば、図１に示す貨物船および補助ラッシングシステムの一部を示す。 図３は、ラッシング・ブリッジと補助ラッシングシステムとを含む貨物船の一部の立面図であり、ラッシングシステムの代替構成を示す。 図４は、ラッシング・ブリッジと補助ラッシングシステムとを含む貨物船の一部の立面図であり、ラッシングシステムの支持体部分の代替構成を示す。 図５は、ラッシング・ブリッジおよび補助ラッシングシステムを含む貨物船の一部の立面図であり、ラッシングシステムのさらに他の構成を示す。 図５Ａは、ラッシング・ブリッジおよび補助ラッシングシステムを含む貨物船の一部の立面図であり、ラッシングシステムのさらに他の構成を示す。 図６は、ラッシングシステムの土台部分の斜視図である。 図７は、ラッシング・ブリッジと補助ラッシングシステムとを含む貨物船の一部の斜視図であり、ラッシングシステムの支持体部分の別の代替構成を示す。 図８は、ラッシングシステムの支持体部分の構成を示す斜視図であり、例えば、図７に示すラッシングシステムの支持体部分の構成を示す。 図９は、ラッシングケージの斜視図であり、例えば図７に示すラッシングケージを示す。 図１０は、ラッシング・ブリッジおよび補助ラッシングシステムを含む貨物船の一部の斜視図であり、ラッシングシステムの土台部分の代替構成を示す。 図１１は、ラッシングシステム、例えば図１０に示すラッシングシステムの土台部分の斜視図である。 図１１Ａは、ラッシングシステム、例えば図１０に示すラッシングシステムの土台部分の斜視図である。 図１２は、ラッシングの張力の監視中に受信したデータを示すグラフィカル・ユーザー・インターフェースである。 図１３は、スペーサーまたはバンパーがコンテナ間に配置された場合のコンテナのスタックの斜視図である。 図１４は、ラッシングシステムを含む貨物船の一部の立面図であり、ラッシング・ブリッジなしで使用可能なラッシングシステムの構成を示す。 図１５は、貨物船のハッチカバーの上面図であり、これはツイストロックまたは他の同等のインターロッキングシステムおよび／またはラッシングシステムの土台部分を受け止めることができるコネクタを含む。 図１６は、ラッシングシステムを含む貨物船の一部の立面図であり、ラッシング・ブリッジと共に使用可能なラッシングシステムの構成を示す。

本開示では、貨物船で使用可能なラッシングシステムおよび方法について説明する。好ましい実施形態として、本システムは、貨物船に設けられるラッシング・タイロッドまたは他の装置で標準的なラッシング・ブリッジを補うことができる。しかしながら、本システムは独立したシステムとして使用することもできる。本システムは、輸送コンテナに設けられた既存のインターロッキングシステムと接続可能な支持体を備える。支持体は、輸送コンテナの積み下ろしに使用されるのと同じクレーンを使用して、輸送コンテナを積み上げたもの（スタック）の上に持ち上げられて配置されることができる。支持体は、スタックの最上部にある輸送コンテナの一部に固定したり、支持体の上に追加の輸送コンテナを載せて上部の輸送コンテナの一部に固定したりすることができる。ラッシングは、例えば、ダイニーマ（登録商標）から販売されているロープの形態、または他の硬くて強い、および／または軽くて柔軟な部材の形態で、支持体に固定される一端と、船のデッキ、貨物船に設けられたラッシング・ブリッジ、または１または複数の輸送コンテナに固定される他端とを有する。必要に応じて、ラッシングは、船の甲板（デッキ）、船に設けられたラッシング・ブリッジ、または１つ以上の輸送コンテナに固定された１つ以上のシーブを通過することができる。ラッシングには、支持体および支持体に固定された輸送コンテナの動きを最小限に抑えるように張力がかけられている。コンテナのスタックの構成によっては、ラッシングに張力がかけられたときに、コンテナスタックが両側からプレロード（pre-loaded）されるように、コンテナスタックの柱の間にスペーサーまたはバンパーが設けられてもよい。

例えば、支持体には、ツイストロックまたは他の同等のインターロッキングシステムを介して連結可能なフラットラックまたはプラットフォームが含まれてもよい。

実施形態によっては、ウインチが支持体に取り付けられる。各ラッシングはウインチのリールに巻き付けられる。ウインチは、同じく支持体に取り付けられた動力源によって動かされる。例えば、動力源は油圧式（例えば予めチャージされた蓄圧器）または電気式（例えばバッテリーとモーター）のものである。このように、１つまたは複数のウインチは、作業者が支持体上にいなくても遠隔操作することができる。各ラッシングは、アイと留め金との組立体によって終端することができ、アイと留め金との組立体がクレーンによってアンカーポイントに誘導されている間、リールから解放することができる。その後、アイと留め金との組立体は、船のデッキ、船に設けられたラッシング・ブリッジ、または１つまたは複数の輸送コンテナに固定することができる。ウインチを用いてラッシングの一つの張力を調整することができる。ラッシングの端部を固定するための他の既知のシステム、例えばターンバックルを、アイと留め金との組立体の代わりに使用してもよい。

必要に応じて、操舵室コンピュータとバッテリーとが支持体に搭載される。操舵室コンピュータは、船の揺れ、輸送コンテナ間の荷重、ラッシングの張力、または支持体の加速度の測定値を受信し、ウインチを作動させることによって、ラッシングの張力をリアルタイムで自動的に調整することができる。代替的または追加的に、船の揺れ、輸送コンテナ間の荷重、ラッシングの張力、または支持体の加速度の測定値を、貨物船内の部屋に設置されたコンピュータに無線で送信し、そこでこれらの測定値をモニターすることができる。

必要に応じて、ソーラーパネルが支持体に取り付けられて、ウインチを駆動させるモーターに接続されたバッテリーを充電することができる。

必要に応じて、ヒンジ付きアームが支持体に取り付けられ、支持体を輸送コンテナのスタックに固定するための付加的なポイントを提供する。

必要に応じて、ベンディングシューまたは同等の構造物が支持体に取り付けられる。ベンディングシューは、輸送コンテナのスタックを越えて張り出すように配置することができる。ベンディングシューを用いてラッシングをガイドすることができる。

実施形態によっては、ボラードまたはトラニオンが支持体上に取り付けられる。支持体上のボラードまたはトラニオンの少なくとも一部の位置は調整可能である。例えば、支持体は固定位置に複数の受け口を含む。受け口は、ボラードまたはトラニオンの底部に取り付けられたピンを保持できる大きさとされている。選択された位置にある受け口にピンを結合することにより、ボラードまたはトラニオンの位置を調整することができる。それぞれのラッシングはターンバックルによって終端させることができる。好ましくは、ターンバックルは、船のデッキ、貨物船に設けられたラッシング・ブリッジ、または１つ以上の輸送コンテナに固定される。しかしながら、その代わりとして、ターンバックルを支持体に固定することができる。解放されるラッシングの長さは、作業者が一対のボラードまたはトラニオンを選択した位置に配置し、ラッシングの一部を一対のボラードまたはトラニオンに巻き付けることによって粗調整することができる。ラッシングの解放される長さが一旦粗調整されると、ターンバックルを使ってラッシングの張力を微調整することができる。ボラードやトラニオンの代わりに、あるいはそれに加えて、フェアリード、チョック、パッドアイを使用することができる。フェアリード、チョック、またはパッドアイの少なくとも一つの位置も、ボラードやトラニオンと同様に調整可能である。

必要に応じて、ラッシングケージを支持体上に一時的に接続することができる。作業者がボラードやトラニオンを配置し、ラッシングを巻き付けることができるように、ラッシングケージを用いて作業者を支持体まで運ぶことができる。ラッシングケージには２つの段があり、それぞれに手すりが付いているため、作業者の安全を確保することができる。下段には床がないため、作業者はラッシングケージが接続された支持体に取り付けられた機器にアクセスできる。上段には床があり、ラッシングケージをクレーンで運搬する際に作業者がそこに立つことができる。また上段を用いてウインチを運搬することもでき、ウインチを用いてラッシングの設置中にラッシングを支持することができる。ラッシング設置後、ラッシングケージは貨物船の航行中、輸送コンテナのスタックの上に置いておくことができ、次の港ですぐに利用できる。

好ましい実施形態として、ウインチなどのテンショナーは、支持体の一部または全部から省略することができ、ラッシングの張力調整は、デッキまたはラッシング・ブリッジなどの、作業者へのアクセスが容易な段に降りて行うことができる。張力調整には、ラチェットトラックと、ラチェットトラック上を摺動するようになっている歯止めとを伴ってもよい。ラッシングの端部間の距離は、ラチェットトラックに沿って歯止めの位置を変えることによって粗調整することができる。さらに、ラッシングの端部にはターンバックルを含み、ターンバックルを回してその長さを変えることにより、ラッシングの張力を微調整することができる。

ラッシングの一部が一対の支持体の間に固定される一実施形態では、一対の支持体の一方はボラードまたはトラニオンを含むことができ、ボラードまたはトラニオンは、一対の支持体の一方の上部または側部のいずれかに取り付けることができる。また一対の支持体の他方はテンショナーを含むことができ、テンショナーは、一対の支持体の他方の上部または側部のいずれかに取り付けることができる。ラッシングの一端はテンショナーに取り付けられ、ラッシングの他端はボラードまたはトラニオンに解除可能に接続される。ボラードまたはトラニオンの代わりに、あるいはそれに加えて、フェアリード、チョック、パッドアイを使用することができる。

図１は、貨物船２０の一部を示す立面図である。ラッシング・ブリッジ１６が貨物船２０のデッキ１８に取り付けられている。貨物船２０のデッキ１８には、輸送コンテナ２２が積み重ねられている。分かりやすくするために、数個の輸送コンテナのみが示されている。

輸送コンテナ２２を安定させるため、補助ラッシングシステムが提供される。補助ラッシングシステムは支持体を備える。支持体は、支持体の下方に位置する１つまたは複数の輸送コンテナのインターロッキングシステムと接続することができる。必ずしもそうである必要はないが、典型的にはこの接続は、輸送コンテナに通常設けられるツイストロックに類似した１つまたは複数のツイストロックによって提供される。支持体は、図１～９ではフラットラック１０として図示されている。しかし、これらの図に示される実施形態では、フラットラック以外の支持体が使用されてもよい。また、フラットラック１０は、例えば、輸送コンテナに通常設けられるツイストロックを使用して、支持体の上方に位置する１つまたは複数の輸送コンテナのインターロッキングシステムと接続することが追加的に可能であってもよい。また補助ラッシングシステムはラッシングを備える。各ラッシング１４は、ラッシングの端部に含まれる解除可能なコネクタと、輸送コンテナに固定されたラッシング・タイロッドまたは同様の構造とを介して、輸送コンテナ２２の１つに固定される。他のラッシング２４、２６のそれぞれは、ラッシングの端部に含まれる解除可能なコネクタと、貨物船２０の構造物にボルト止めまたは溶接されたプレートなどの土台とを介して、貨物船２０の構造物に固定される。例えば、各ラッシング２４はラッシング・ブリッジ１６に（例えば土台を介して間接的に）固定され、各ラッシング２６はデッキ１８に（例えば土台を介して間接的に）固定される。解除可能なコネクタは、例えば、アイ、留め金、ターンバックル、フック、またはラッシングをラッシング・ブリッジ１６、デッキ１８、もしくはラッシング・タイロッドに解除可能に接続するために使用可能な任意の既知の索具（rigging）機器を用いて実装することができる。補助ラッシングシステムは、フラットラック１０に取り付けられた複数のラッシングを巻き付けるための手段も備える。複数のラッシングを巻き付けるための手段は、図１～４では１つまたは複数のウインチ１２として示されており、これらのウインチ１２はいずれも複数のラッシングのうちの１つを巻き付けることができるリールを備えている。ウインチ１２は、モーターによって駆動され、貨物船への補助ラッシングシステムの設置中にラッシングを巻き付けたり解放したりし、必要に応じて、フラットラック１０の動きを最小にするようにラッシングに張力を加える。例えば、モーターはバッテリーによって駆動される電気モーターであってもよい。例えば、フラットラック１０に取り付けられたソーラーパネルに結合された充電式バッテリーなどである。ウインチ１２は遠隔操作することができる。

図２は、図１に示すような貨物船２０、輸送コンテナ２２、および補助ラッシングシステムの平面図である。ベンディングシュー２８は、図２の上部と下部に図示されている。ベンディングシュー２８は輸送コンテナ２２のスタックを越えて張り出しており、ベンディングシュー２８を用いて、ラッシング２４やラッシング２６をウインチ１２の１つから輸送コンテナ２２のスタックの側部へと案内することができる。さらに、ラッシング１４、２４、および／または２６は、必要に応じて、船のデッキ、船に設けられたラッシング・ブリッジ、または１つ以上の輸送コンテナに固定された１つ以上のシーブ（図示せず）を通過することができる。このような場合、ラッシング１４、２４、および／または２６は、張力が加えられた後でも、まっすぐにならないことがある。

図２に示す例では、フラットラック１０は１列の輸送コンテナ２２にまたがっている。しかし、長さ４０フィートのフラットラック１０は、連続する長さ２０フィートの輸送コンテナ２列にまたがることができる。他の支持体では、長さ２０フィートまたは４０フィートの輸送コンテナの複数の列にまたがることができる。

図２に示す例では、ラッシングは、交差する輸送コンテナ２２の列の中心面に関して対称に配置され、フラットラック１０の長手方向の中心面に関して非対称に配置されているように見える。しかし、代替構成として、これに限定されないが、フラットラック１０の片側のみにラッシングを有する構成も可能である。ラッシングシステムが既存のラッシング・ブリッジに対する補助システムとして実装される実施形態では、少なくとも２つのラッシングが、１つ以上の積み重ねられた輸送コンテナ２２の列に設けられることが好ましい。このように、ラッシングは、貨物船に設けられたラッシング・タイロッドまたは他の装置を備えた標準的なラッシング・ブリッジには欠けている余剰の段を提供することができる。ラッシングシステムが独立型システムとして実装される実施形態では、４～６つのラッシングが、１以上の積み重ねられた輸送コンテナ２２の列に設けられることが好ましい。

輸送コンテナ２２の段におけるフラットラック１０の位置決め、および解除可能なコネクタを含むラッシングの端部の位置決めは、有限要素シミュレーションまたは他の同等のシミュレーションを使用して行うことができる。例えば、ラッシングシステムが既存のラッシング・ブリッジに対する補助システムとして実装される実施形態では、フラットラック１０は、輸送コンテナ２２のスタックの最初と最後の列に設けられてもよい。さらに、フラットラック１０は、輸送コンテナ２２のスタックの２番目および最後の隣の列に設けられてもよく、好ましくは、最初および最後の列の上に設けられるフラットラック１０の高さよりも少なくとも１コンテナ低い高さで設けられてもよい。ラッシングシステムが独立型システムとして実装される実施形態では、フラットラック１０は、同様に、輸送コンテナ２２のスタックの最初、２番目、最後から２番目の列、および最後の列に設けられる。さらに、フラットラック１０は、輸送コンテナ２２の積み重ねられた列の上、および／または輸送コンテナ２２の積み重ねられた列よりも低い高さで、２番目の列と最後から２番目の列との間にあることが好ましい。

図１および図２に示す実施形態では、ラッシング（すなわちラッシング１４）によっては、輸送コンテナ２２に設けられたラッシング・タイロッドに固定されている。図３は、いくつかのラッシングが２つのフラットラック１０の間に固定される代替実施形態を示す。ラッシングは一つのウインチ１２に固定され、フラットラックの一つに結合された解除可能なコネクタを含む端部を有する（ここからラッシングを巻き付ける手段を省略することはできる）。この構成は、輸送コンテナ上にラッシング・タイロッドを設けることが困難な場合に有用である。その代わりに、輸送コンテナの積み下ろしに通常使用されるものと同じクレーンを使用して、すべてのフラットラック１０を持ち上げて輸送コンテナ２２のスタックに載せることができる。必要に応じて、ラッシングの端部に含まれる解除可能なコネクタはフラットラックに固定されてもよい（フラットラック１０を輸送コンテナ２２に載せる前のラッシングを巻き付ける手段はここから省略されている）。

図３の実施形態では、図３に破線で示す追加のラッシングを、輸送コンテナのスタックの片側（例えば図３の左側）に配置されたフラットラックと、ラッシング・ブリッジ１６上または反対側（例えば図３の右側）のデッキ１８上にボルト止めまたは溶接されたプレートを含む土台と、解除可能なコネクタとの間に固定することができる。

図４は、オプションのヒンジアーム３０を備えた代替実施形態を示す。ヒンジアーム３０は作業者によって下降させられて、フラットラック１０が配置された輸送コンテナに隣接する輸送コンテナ２２に固定することができる。このように、ヒンジアーム３０は、ラッシング２４および／または２６によって加えられる張力を最大５つの輸送コンテナ２２に分散させることができる。

図４に示す代替実施形態には、監視される荷重、船の揺れや海の状態を示す他の測定値に基づいて、必要に応じて荷重を監視し、必要に応じてラッシングを自動的に締め付けたり自動的に緩めたりするものも備える。例えば、船の揺れ、輸送コンテナ間の荷重、ラッシングの張力、または１つ以上のフラットラック１０の加速度の測定値は、コンピュータが設置された操舵室３２（例えば２０フィートの輸送コンテナ）に無線で放送することができる。コンピュータは、必要に応じて、操舵室３２と同じフラットラックに取り付けられたウインチを作動させることによって、ラッシングの張力をリアルタイムで自動的に調整するようにプログラムされてもよい。代替的または追加的に、船の揺れ、輸送コンテナ間の荷重、ラッシングの張力、または支持体の加速度の測定値は、貨物船内の部屋に設置されたコンピュータに無線で放送され、そこで作業者がこれらの測定値を監視することができる。

操舵室３２は悪天候からコンピュータを保護することができる。また操舵室３２は、ウインチに連結された電動機、バッテリー、および／または例えばソーラーパネル付きのバッテリーを充電するための電子機器を保護することもできる。

図４では、コンピュータは操舵室３２に設置されているものとして記載しているが、コンピュータは分散型システムであってもよく、必要に応じて部分的に操舵室３２と貨物船の監視室に設置してもよい。

図５は、輸送コンテナスタックの上部が平らでなく、いくつかのフラットラックが他のフラットラックよりも低い高さで固定されている構成を示す。例えば、２つのフラットラック１０が輸送コンテナスタックの側面に配置されているのが示されている。概して、補助ラッシングシステムを用いて任意の形状の輸送コンテナスタックを安定させることができ、支持体の位置は、スタックの最も高い高さに位置する輸送コンテナ２２に限定されない。

図５Ａは、いくつかのフラットラック１０が、積み重ねられた輸送コンテナ２２の列の最上部よりも低い高さに固定されている構成を示す。フラットラック１０は、フラットラック１０の上に置かれた追加の輸送コンテナとともに、上部の輸送コンテナのいくつかに固定することができる。例えば、フラットラック１０は、積み重ねられたコンテナ２２の上に配置されるのではなく、積み重ねられたコンテナ２２の７段目か８段目あたりに配置することができる。フラットラック１０の上に配置された追加のコンテナは、輸送コンテナのインターロッキングシステムを使用してフラットラック１０に固定することができる。図５Ａに示された構成は、フラットラックの上方にある１段または２段のコンテナが筋交いを必要としない場合があるため、貨物船に保管される輸送コンテナを安定させるのにも有効である。そのため、ラッシング２４（または貨物船２０のデッキ１８に固定された他のラッシング）の長さは、積み重ねられたコンテナ２２の上にフラットラック１０が配置されている場合ほど調整可能である必要はないかもしれない。

図６は、ラッシング２４の端部に含まれるターンバックル３４を示す。ターンバックル３４は、ラッシング・ブリッジ１６に溶接またはその他の方法で取り付けられる土台（例えばプレート）とアイとを介して貨物船のラッシング・ブリッジ１６に結合される。ラッシング・ブリッジ１６とアイとは一緒にパッドアイ３６を形成する。パッドアイ３６の代わりに、土台に取り付けられる別の解除可能なコネクタを使用することもできる。代わりにターンバックル３４は船舶のデッキ１８に結合することもできる。図１～４に示されるウインチ１２に加えて、またはその代わりに、ターンバックル３４を用いてラッシング２４の張力を調整することができる。

図６にはロードピン３８も示されている。ロードピン３８を用いてラッシング２４の張力を監視することができる。ロードピン３８によって行われた測定（値）は、貨物船（例えば貨物船のラッシング・ブリッジ１６）に固定的に結合されたＷｉ－Ｆｉ端末４０を使用して、他の場所に放送することができる。

Ｗｉ－Ｆｉ端末４０のハウジングは、船の揺れを測定するのに使用できる加速度計やジャイロスコープを保護することもできる。加速度計やジャイロスコープによって行われる測定は、Ｗｉ－Ｆｉ端末４０を使用して放送することもできる。

図７は代替実施形態を示す。この代替実施形態では、複数のラッシングを巻き付けるための手段が、フラットラック１０に取り付けられるボラードまたはトラニオンなどの同等の構造物であり、ウインチはなくてもよい。ボラードまたはトラニオンの例は、図８でさらに説明される。ボラードまたはトラニオンの代わりに、またはそれに加えて、チョックまたはパッドアイなどのフェアリードまたは同等の構造物を使用して複数のラッシングを巻き付ける手段を実装してもよい。

また貨物船の航行中などに、ラッシングケージ４２が、フラットラック１０の１つの上に格納されている様子が示されている。ラッシングケージ４２は、クレーンで吊り上げられ、作業者をフラットラックの上に安全に運ぶために使用されてもよい。そこで作業者は、ラッシングをボラードやトラニオンに巻き付けたり、あるいはそこから解放したりして、ラッシングの巻かれていない長さを粗調整することができる。ラッシングの張力は、例えば図６に示すターンバックル３４を用いて作業者が微調整することができる。ラッシングケージは、貨物船が輸送コンテナを積み下ろしするすべての港で利用できるとは限らないので、貨物船の航行中、ラッシングケージを輸送コンテナのスタックの上に置いておくことができる。ラッシングケージ４２については、図９でさらに説明する。

図８は、複数のボラードまたはトラニオン４４、４６を備えたフラットラック１０を示している。いくつかのボラード（例えばボラード４４）の位置は、それらを一対のキャステレーテッドレール（castellated rails）の間に設けられた別の受け口４８に移動させることにより調整することができる。他のボラード（例えばボラード４６）は、フラットラック１０に固定的に取り付けることができる。使用中、作業者は、一対のボラードのうちの一方（例えばボラード４４のひとつ）の位置を、一対のボラードのうちの他方（例えばボラード４６のひとつ）の位置に対して調整することができる。このように、作業者は、一対のボラードまわりに巻き付けられるラッシングの各半ループの長さを調整することができる。そして、作業者は、ラッシングの一部を一対のボラードに巻き付けることによって、ラッシングの巻かれていない長さを粗調整することができる。

図８では、中央の輪縄（noose）を有する２つのラッシング２４のみが図示されているが、代わりに、各々が端の縄を有する４つ（またはそれ以上）のラッシングを利用してもよい。４つのベンディングシュー２８を使用してラッシング２４をガイドしているが、フラットラック１０に設けられるベンディングシューは、それより少ないか、またはそれより多くてもよい。輪縄は固定ボラード４６を取り囲むように示されているが、他の構成も可能である。

図９は、フラットラック１０の上に接続されたラッシングケージ４２を示している。ラッシングケージ４２は、ラッシングケージをクレーンに接続するための手段の一例として、輸送コンテナに設けられたインターロッキングシステムを備えることができるが、ラッシングケージをクレーンに接続するための既知の手段を使用することができる。ラッシングケージ４２は、下段５２と上段５０とを備える。ラッシングケージ４２がフラットラック１０の上部に接続されたときに、作業者がボラード４４、４６にアクセスし、ボラード４４の位置を調整し、ボラードの周りにラッシングを巻き付けたりほどいたりできるように、下段は少なくとも部分的に床がない。上段５０には床があるが、下段には作業者が上段からアクセスでき、その逆も可能である。ラッシングケージ４２がクレーンで吊り上げられるとき、作業者は通常、上段５０に立っている。下段５２と上段５０の両方には、作業者の安全を確保するための手すり５４がある。

ラッシングケージ４２を使ってウインチを運搬することもできる。ラッシングの端にある解除可能なコネクタが固定されるまで、ウインチを用いてラッシングの配置を補助することができる。

ラッシングケージ４２は、複数のラッシングを巻き付けるための手段としてウインチ１２を使用する場合にも使用することができる。このように図１～４に示すウインチ１２は、遠隔操作ではなく手動で操作することもできる。

図１０、１１、および１１Ａはラッシングシステムの一部を示しており、ここでウインチ１２がフラットラック１０から省略されてもよい（図示せず）。また、ラッシング２４などのラッシングは、フラットラック１０に固定された単一の、必要に応じて固定されたボラードを使用して、フラットラック１０に簡便に取り付けることができる。ラッシングの緊張（テンショニング）をデッキ１８（図示せず）または（図示したような）ラッシング・ブリッジ１６の段で行うために、作業者によるアクセスが可能である。

図示したように、ラッシングシステムは、ラッシング・ブリッジ１６に固定されるように適合されたラチェットトラック７０と、ラチェットトラック７０上を摺動するようになっている締め具７４とを含む。このため、ラチェットトラック７０に沿った締め具７４の位置は、歯止め５６（図１１Ａに示されている）を複数の受け口４８のうちの１つに係合させることによって、複数の別々の位置のうちの１つにロックされ得る。歯止め５６および受け口４８の形状は、締め具７４に接続されたラッシング２４の張力を増大させる方向に締め具７４を移動させたときに、歯止め５６を複数の受け口４８のうちの１つから離脱させ、複数の受け口４８のうちの隣の受け口４８に係合させるような形状とされることが好ましい。しかしながら、ラッシング２４の張力を減少させる方向に締め具７４を移動させることは、歯止め５６および受け口４８の形状によって阻止される。ポータブルウインチ１２Ａは、パッドアイ３６ａを介してラチェットトラック７０によって形成された土台に結合され、ラチェットトラック７０に沿って締め具７４と歯止め５６の位置を調整するように構成されている。ウインチ１２Ａは作業者によって駆動され、締め具７４をラッシング２４が張力を受けることができる位置に位置決めする際に作業者を補助する。

図示されているように、ラッシングシステムでは、ラッシング２４は、ラッシング２４の端部に設けられたターンバックル３４と、土台に取り付けられたパッドアイ３６とを介して、ラチェットトラック７０によって形成された土台に接続されている。このように、ターンバックル３４とパッドアイ３６は解除可能な接続を形成する。

図１２は、複数のラッシングの張力のモニタリングを示す。グラフィカル・ユニット・インターフェースは、複数のラッシングのうちの選択された１つのラッシングの張力を時間の関数として示すグラフ５８を含むことができる。セレクタ６０によって、例えば「左舷」側または「右舷」側を選択したり、フラットラックが固定されたコンテナのスタック上の船首－船尾方向に沿った位置を示す番号を選択したりすることにより、利用者がその位置によって特定のラッシングを選択可能にできる。グラフィカル・ユニット・インターフェースはまた、コンテナのスタックを概略的に示す貨物船の上面図６２と、ラッシングにおいて測定された張力の時間平均値または二乗平均平方根値（root-median-squared values）６４とを含むことができる。値６４の大きさは、あらかじめ選択したしきい値６６に基づいて色分けすることができ、これは利用者によって調整されても調整されなくてもよい。船の揺れや輸送コンテナ間の荷重も、グラフィカル・ユニット・インターフェース上で視覚化することができる。グラフィカル・ユニット・インターフェースは、図１２に示されるもののような代替形態をとることができる。

図１３は、コンテナ２２のスタックの列の間にスペーサーまたはバンパー６８を配置した例を示している。スペーサーまたはバンパー６８は、隣接する２つのコンテナ２２の上縁に載る形状であることが好ましい。例えば、スペーサー又はバンパー６８は、Ｔ字形の断面を有する。スペーサーは、バンパーよりも硬い材料で作ることができる。スペーサーとバンパーは併用することができる。スペーサーまたはバンパー６８は、例えばラッシング２４などのラッシングに張力が加えられたときに、コンテナスタックが両側から予荷重されるようにすることができる。図示のように、スペーサーまたはバンパー６８は、コンテナ２２の全長に架かっているが、他の実施形態では、スペーサーまたはバンパー６８は、コンテナ２２の全長未満で架かっていてもよい。また、１つ以上のスペーサーまたはバンパー６８をコンテナ２２の１つの縁に沿って配置してもよい。

図１４は、ラッシング・ブリッジのない貨物船２０で使用可能なラッシングシステムの構成を示す。しかし、図１４に示すラッシングシステムの構成は、ラッシング・ブリッジを有する貨物船で代替的に使用することができる。

ラッシング（例えばラッシング１４）によっては、コンテナ２２のスタック内、例えばコンテナ２２のスタックの上部に配置された一対のフラットラック１０の間に固定される。一対のフラットラック１０の一方は、ボラードまたはトラニオン４６を含む。一対のフラットラック１０の他方は、図１１および１１Ａに記載されたテンショナーと同様のテンショナーを含む。他のラッシング（例えばラッシング２６）は、フラットラック１０と貨物船のデッキ１８との間に固定される。

フラットラック１０によっては、図５Ａに示す構成と同様の方法で、積み重ねられた輸送コンテナ２２の列の最上部よりも低い高さに固定される。

図１５は、貨物船のデッキ１８に固定されたハッチカバー７２を示している。ハッチカバー７２は、輸送コンテナに通常設けられているツイストロックまたは他の同等のインターロッキングシステムと接続可能な輸送コンテナコネクタ７６を含む。輸送コンテナコネクタ７６は、４０フィートコンテナ、または通常４０フィートコンテナの位置からオフセットされる２０フィートコンテナを受け入れるように配置することができる。

また、コネクタ７６を含むハッチカバー７２を利用して、ラッシングシステムの土台を貨物船のデッキ１８に固定することもできる。例えば、土台がラチェットトラック（例えば図１１および１１Ａに示すラチェットトラック７０）によって形成される実施形態では、ラチェットトラックの下面は、コネクタ７６と連結するように適当に間隔をあけて配置されたツイストロックまたは他の同等（均等）のインターロッキングシステムを含むことができる。他の実施形態では、他のタイプの土台（例えばプレート）は、コネクタ７６と連結するように適切に間隔を空けて配置されたツイストロックまたは他の同等のインターロッキングシステムを含むことができる。このように、テンショニングシステムは、貨物船のデッキ１８に解除可能に結合されてもよい。

図１６は、図１４に示す構成と同様の構成を示す。しかしながら図１６に示す構成例は補助ラッシングシステムを示す。

補助（的な）ラッシングシステムは、１つ以上のテンショナーが取り付けられた１つ以上の支持体１０ａを備える。テンショナーは、図１１および図１１Ａに示されるテンショナーと同様であってもよく、ラチェットトラック７０を備える。補助ラッシングシステムは、１つまたは複数のボラードまたはトラニオン４６が取り付けられた１つまたは複数の支持体１０ｂを備える。ラッシング１４は、コンテナ２２のスタックにおいて、例えばコンテナ２２のスタックの上部に配置された一対のフラットラック１０ａ、１０ｂの間に固定される。ラッシング１４のそれぞれは、テンショナーに取り付けられた端部と、ボラード４６に取り付けられた端部とを有する。

支持体１０ａ、１０ｂのそれぞれは、その側面に取り付けられた別のボラードまたはトラニオン４６をさらに備え、このボラードまたはトラニオン４６に、ラッシング２６のそれぞれの端部が取り付けられる。各ラッシング２６の他端は、例えば図１４および１５に示すように、デッキ１８に固定（例えば土台を介して間接的に固定）されている。

図１０ａにおいて、例えば、貨物船上に設けられた標準的なラッシング・ブリッジ１６に連結されるラッシング・タイロッドまたは他の既知の装置を使用して、コンテナのスタックをさらに安定化させることができる。

上記に加えて、本開示は少なくとも以下の実施形態も企図している。

実施形態１
実施形態１は、輸送コンテナを輸送する貨物船で使用するためのラッシング装置である。この装置は、１つまたは複数の輸送コンテナのインターロッキングシステムと接続可能な支持体と、ラッシングとを備える。ラッシングは支持体に連結可能であり、他の輸送コンテナまたは貨物船の構造物に直接または間接的に連結可能な端部を有する。

支持体は概してフラットラックまたはプラットフォームを備え、そのいずれもが、ツイストロックまたは輸送コンテナの他の同等なインターロッキングシステムを介して接続することができる。

ラッシングは概してダイニーマ（登録商標）の商標を付して販売されているロープや、その他の硬くて強い、および／または軽くて柔軟性のある部材を含む。

実施形態２
実施形態２は、実施形態１に記載のラッシング装置であって、支持体の動きを低減するようにラッシングに張力を加えることが可能なテンショナーをさらに備える。

テンショナーは概してラッシングの一端に取り付けられるターンバックル、ラッシングの一端に結合可能なラチェットシステム、ラッシングの一端に取り付けられるウインチ、またはラッシングの一端に結合可能で、ボラード、トラニオン、またはフェアリードからなる群から選択される少なくとも２つの部品を固定可能なレールを含むラッピングシステムのうちの１つ以上を備える。

実施形態３
実施形態３は、実施形態１または２に記載のラッシング装置であって、テンショナーが直接または間接的に支持体に固定されている。

実施形態４
実施形態４は、実施形態１または２に記載のラッシング装置であって、テンショナーが直接または間接的に貨物船の構造物に固定されている。

船の構造物は概してラッシング・ブリッジ、ラッシング・タイロッド、または貨物船の甲板（デッキ）を含む。

実施形態５
実施形態５は、実施形態１～４のいずれかに記載のラッシング装置であって、ラッシング・ブリッジ、ラッシング・タイロッド、または貨物船のデッキに直接的または間接的に取り付けられる第１の解除可能なコネクタと、ラッシングの端部に含まれ、第１の解除可能なコネクタに解除可能に結合されるように適合された第２の解除可能なコネクタと、をさらに備える。

第１の解除可能なコネクタは概して、アイ、留め金、ターンバックル、またはフックなどの、第１の解除可能なコネクタを第２の解除可能なコネクタに解除可能に接続するために使用可能な任意の既知の索具装置類を備えることができる。

第２の解除可能なコネクタは概してアイ、留め金、ターンバックル、またはフックなどの、第２の解除可能なコネクタを第１の解除可能なコネクタに解除可能に接続するために使用可能な任意の既知の索具装置類を含むことができ、これはラッシングの端部を第１の解除可能なコネクタに解除可能に接続することができるものである。

実施形態６
実施形態６は、実施形態１～５のいずれかに記載のラッシング装置であって、ラッシングの端部と他の輸送コンテナまたは貨物船の構造物との接続の一部として使用される土台をさらに備える。

土台は概して貨物船の構造物に直接または間接的にボルト止めまたは溶接されたプレート、貨物船の構造物に直接または間接的にボルト止めまたは溶接されたラチェットトラック、輸送コンテナのツイストロックまたは他の同等なインターロッキングシステムを介して接続可能な別のフラットラックまたはプラットフォーム、または輸送コンテナに接続されたラッシング・タイロッドを含んでもよい。

必要に応じて土台はハッチカバーに設けられた輸送コンテナコネクタを介して貨物船のデッキに解除可能に取り付けることができる。輸送コンテナコネクタは、ツイストロックまたは他の同等のインターロッキングシステムと接続可能である。

実施形態７
実施形態７は、実施形態１～５のいずれかに記載のラッシング装置であって、テンショナーを取り付けるために使用される土台をさらに備える。

土台は概して直接的または間接的に、貨物船の構造物にボルト止めまたは溶接されたプレート、直接または間接的に、貨物船の構造物にボルト止めまたは溶接されたラチェットトラック、ツイストロックまたは輸送コンテナの他の同等のインターロッキングシステムを介して接続できる別のフラットラックまたはプラットフォーム、または輸送コンテナに接続されたラッシング・タイロッドを含むことができる。

実施形態８
実施形態８は、実施形態１～７のいずれかに記載のラッシング装置であって、ラッシング装置が標準的なラッシングシステムを補完する。

標準的なラッシングシステムは概してラッシング・ブリッジ、および／または、ラッシング・タイロッド、または貨物船に設けられた他の装置を含むことができる。

実施形態９
実施形態９は、実施形態１～７のいずれかに記載のラッシング装置であって、ラッシング装置は、ラッシング・ブリッジを含まない貨物船において独立型システムとして使用される。

実施形態１０
実施形態１０は、実施形態１～９のいずれかに記載のラッシング装置であって、支持体に結合された加速度計、またはラッシングに結合されたロードピンのいずれかを備え、これは、ラッシングの端部に含まれる解除可能な接続部で結合されて、ラッシングの張力を測定可能であることが好ましい。

実施形態１１
実施形態１１は、実施形態１０に記載のラッシング装置であって、加速度計またはロードピンが、コンピュータに接続されている。

加速度計またはロードピンは、ワイヤを介してコンピュータに接続されてもよいが、少なくとも部分的にコンピュータにワイヤレスで接続されることが好ましい。

実施形態１２
実施形態１２は、実施形態１１に記載のラッシング装置であって、加速度計またはロードピンがＷｉ－Ｆｉ端末に有線接続され、Ｗｉ－Ｆｉ端末はコンピュータに接続される。

実施形態１３
実施形態１３は、実施形態１１または１２に記載のラッシング装置であって、コンピュータが、加速度計またはロードピンから受信したデータに基づいてウインチを駆動し、ウインチに取り付けられたラッシングの張力を自動的に調整するようにプログラムされている。

実施形態１４
実施形態１４は、実施形態１１、１２、または１３に記載のラッシング装置であって、コンピュータが、船の揺れの測定値、または輸送コンテナ間の１つもしくは複数の荷重、またはその両方を示すデータをさらに受信し、コンピュータが、船の揺れの測定値、または輸送コンテナ間の１つもしくは複数の荷重を示すデータにも基づいてウインチを駆動し、ウインチに取り付けられたラッシングの張力を自動的に調整するようにプログラムされている。

実施形態１５
実施形態１５は、実施形態１１～１４のいずれかに記載のラッシング装置であって、コンピュータが、加速度計またはロードピンから受信したデータ、船の揺れの測定値、または輸送コンテナ間の１つまたは複数の荷重の測定値を表示するようにプログラムされている。

実施形態１６
実施形態１６は、実施形態１～１５のいずれかに記載のラッシング装置であって、テンショナーが、複数の受け口を有するラチェットトラックと締め具とを備える。締め具はラチェットトラック上を摺動するようになっており、複数の受け口のうちの１つに歯止めを係合させることによって、締め具の位置をラチェットトラックに沿って複数の別々の位置のうちの１つにロックすることができる。

実施形態１７
実施形態１７は、実施形態１６に記載のラッシング装置であって、テンショナーが、長さ調整可能なターンバックルをさらに備える。

実施形態１８
実施形態１８は実施形態１６または１７のいずれかに記載のラッシング装置であり、ウインチをさらに備え、ウインチは歯止めの位置を調整するように構成されている。

ウインチは概して支持体、あるいは土台があれば土台に取り付けることができる。

実施形態１９
実施形態１９は、実施形態１～１８のいずれかに記載のラッシング装置であって、ラッシングを取り付けるために使用されるボラード、トラニオン、またはフェアリードを備える。

ボラード、トラニオン、またはフェアリードは概して支持体、または土台が設けられている場合は土台に取り付けることができる。ボラード、トラニオン、またはフェアリードは、ピンに取り付けられて、ボラード、トラニオン、またはフェアリードの位置を移動させられるようにしてもよく、または取り付けられなくてもよい。

実施形態２０
実施形態２０は、実施形態１～１９のいずれかに記載のラッシング装置であって、ヒンジ付きアームを備える。ヒンジ付きアームは支持体に取り付けられ、支持体を輸送コンテナのスタックに固定するための追加の箇所を提供する。

実施形態２１
実施形態２１はッシングシステムであって、実施形態１～２０に記載の少なくとも２つ、好ましくは２つ以上の装置を備える。

実施形態２２
実施形態２２は、実施形態２１に記載のラッシングシステムであって、第１の輸送コンテナおよび第２の輸送コンテナに固定された少なくとも第１の装置と、第３の輸送コンテナおよび貨物船の構造物に固定された少なくとも第２の装置とを備える。

第３の輸送コンテナは概して第２の輸送コンテナと同じ輸送コンテナであってもよいし、第２の輸送コンテナとは異なる輸送コンテナであってもよい。

実施形態２３
実施形態２３は、実施形態２１または２２に記載のラッシングシステムであって、ラッシング装置の少なくとも１つの支持体は、輸送コンテナのスタックの最初、２番目、最後から２番目の列、または最後の列（すなわち側方列の１つ）に位置する輸送コンテナのインターロッキングシステムと接続する。

実施形態２４
実施形態２４は実施形態２１～２３のいずれかに記載のラッシングシステムであって、１つまたは複数の輸送コンテナが支持体の上に配置される。

支持体の上に置かれた１つ以上の輸送コンテナは概して輸送コンテナのインターロッキングシステムまたはラッシング・タイロッドを使用して支持体に固定することができる。

実施形態２５
実施形態２５は、実施形態２１～２４のいずれかに記載のラッシングシステムであって、コンテナスタックを両側からプリロードできるようにするために、コンテナのスタックの列の間に設けられたスペーサーまたはバンパーを備える。

実施形態２６
実施形態２６はラッシングケージであって、手すりを有する下段と、手すりを有する上段と、ラッシングケージをクレーンに接続するための手段とを備える。下段は少なくとも部分的に床がなく、上段は床を有し、下段は上段から作業者がアクセス可能となっている。

ラッシングケージをクレーンに連結するための手段は概してラッシングケージをクレーンに連結するための既知の手段、例えば、輸送コンテナに設けられたインターロッキングシステムを含むことができる。

実施形態２７
実施形態２７は、実施形態２６に記載のラッシングケージであって、ラッシングを展開可能なウインチを備える。

実施形態２８
実施形態２８は、貨物船に保管される輸送コンテナを安定化させる方法であって、実施形態１～２０のいずれかに記載のラッシング装置を提供するステップと、ラッシング装置を使用して支持体の移動を低減させるステップとを含む。

実施形態２９
実施形態２９は、貨物船に保管される輸送コンテナを安定化させる方法であって、実施形態２１～２５のいずれかに記載のラッシングシステムを提供するステップと、ラッシングシステムを使用して支持体の動きを低減するステップとを含む。

実施形態３０
実施形態３０は、実施形態２８または２９に記載の貨物船上に保管された輸送コンテナを安定化させる方法であって、輸送コンテナの積み下ろしに使用されるクレーンと同じクレーンを使用して、支持体を持ち上げて輸送コンテナのスタック上に配置するステップを含む。

実施形態３１
実施形態３１は、実施形態２８、２９、または３０に記載の貨物船上に保管された輸送コンテナを安定化させる方法であって、実施形態２６または２７に記載のラッシングケージを用いて、作業者を支持体に搬送するステップを含む。

実施形態３２
実施形態３２は、実施形態１１～１５のいずれかに記載のコンピュータによって受信されたデータを表示するようにプログラムされたグラフィカルユーザインターフェースである。

実施形態３３
実施形態３３は、実施形態２８～３１のいずれかに記載の貨物船に保管された輸送コンテナを安定化させる方法であって、実施形態３２に記載のグラフィカルユーザインターフェースを使用して、実施形態１１～１５のいずれかに記載のコンピュータによって受信されたデータを表示するステップを含む。

実施形態３４
実施形態３４は、貨物船に保管された輸送コンテナを安定化させる方法であって、実施形態１～２５のいずれかに記載のラッシング装置を提供するステップと、ハッチカバーに設けられた輸送コンテナコネクタを介して、ラッシング装置の土台を貨物船のデッキに解除可能に取り付けるステップとを含む。輸送コンテナコネクタは、ツイストロックまたは他の同等のインターロッキングシステムと接続可能である。必要に応じて土台はラチェットトラックによって形成される。

実施形態３５
実施形態３５は、貨物船に保管された輸送コンテナを安定化させる方法であって、実施形態１～２０のいずれかに記載のラッシング装置、または実施形態２１～２５のいずれかに記載のラッシングシステムを提供するステップと、ラッシング装置またはシステムを補助的な装置またはシステムとして使用するステップとを含む。例えば、ラッシング装置またはシステムを使用して、標準的なラッシング・ブリッジを補完することができる。

実施形態３６
実施形態３６は、貨物船に保管された輸送コンテナを安定化させる方法であって、実施形態１～２０のいずれかに記載のラッシング装置、または実施形態２１～２５のいずれかに記載のラッシングシステムを提供するステップと、ラッシング装置またはシステムを第１のラッシングシステムとして使用するステップとを含む。例えば、ラッシング装置またはシステムは、標準的なラッシング・ブリッジなしで使用することができる。

本開示は、様々な修正形態および代替形態が可能である。その具体的な実施形態は、図面および明細書において例示的に示されている。しかしながら、図面およびその詳細な説明は、発明の範囲を開示した特定の形態に限定することを意図したものではないことを理解されたい。しかしながら、逆に、その意図は、特許請求の範囲に属するすべての修正物、均等物、および代替物を包含することにある。

Claims (30)

1. 貨物船上に保管された輸送コンテナを安定化する方法であって、
   一つまたは複数の輸送コンテナのインターロッキングシステムと接続することのできる支持体を含むラッシング装置を提供するステップと、
   支持体を一つまたは複数の輸送コンテナに固定するステップと、
   ラッシングを支持体に連結するステップと、
   ラッシングの端部を別の輸送コンテナまたは貨物船の構造物に接続するステップとを備える、方法。
2. 請求項１に記載の方法であって、支持体の移動を低減するようにラッシングに張力を加えるステップをさらに備える、方法。
3. 請求項１に記載の方法であって、
   ラッシング装置が土台と、土台に取り付けられた第１の解除可能なコネクタと、ラッシングの端部に含まれ、かつ、第１の解除可能なコネクタに解除可能に連結されるように適合した第２の解除可能なコネクタとをさらに備え、
   ラッシングの端部を他の輸送コンテナまたは貨物船の構造物に接続するステップに、第１の解除可能なコネクタを第２の解除可能なコネクタに連結するステップを含み、
   土台を、ラッシング・ブリッジと、ラッシング・タイロッドと、貨物船のデッキとのうちの少なくとも一つに固定するステップをさらに備える、方法。
4. 請求項１に記載の方法であって、
   ラッシング装置はラチェットトラックと、ラチェットトラック上を摺動するようになっている歯止めとを含み、
   ラチェットトラックを、支持体と、ラッシング・ブリッジと、貨物船のデッキとのうちの少なくとも一つに固定するステップをさらに備え、
   ラッシングに張力を加えるステップに、ラチェットトラックに沿って歯止めの位置を調整するステップが含まれる、方法。
5. 請求項４に記載の方法であって、
   ラッシングの端部がターンバックルを含み、
   ラッシングに張力を加えるステップに、ターンバックルの長さを調整するステップがさらに含まれる、方法。
6. 請求項４に記載の方法であって、歯止めの位置を調整するステップが、ラチェットトラックに連結されたウインチで行われる、方法。
7. 請求項４に記載の方法であって、ラチェットトラックを、支持体と、ラッシング・ブリッジと、ラッシング・タイロッドと、貨物船のデッキとのうちの少なくとも一つに固定するステップには、ラチェットトラックを、ハッチカバーに設けられたコンテナコネクタに取り付けるステップが含まれる、方法。
8. 請求項１に記載の方法であって、
   ラッシング装置が、支持体に取り付けられたラッシングを巻き付けるための手段を含み、
   ラッシングを巻き付ける手段に対してラッシングを巻き付けるまたはラッシングを解放するステップをさらに備える、方法。
9. 請求項８に記載の方法であって、ラッシングを巻き付ける手段に、ウインチ、ピンに取り付けられるボラード、ピンに取り付けられるフェアリード、またはそれらの組み合わせが含まれる、方法。
10. 請求項９に記載の方法であって、ラッシングを巻き付けるための少なくとも一つの手段の位置を調整するステップをさらに備える、方法。
11. 請求項３に記載の方法であって、第２の解除可能なコネクタが、アイと留め金の組立体またはターンバックルを含む、方法。
12. 請求項１に記載の方法であって、ラッシング装置が、支持体に連結された加速度計または、土台に連結され、かつ、ラッシングの張力を測定できるロードピンをさらに備える、方法。
13. 請求項１２に記載の方法であって、加速度計またはロードピンが無線でコンピュータに接続される、方法。
14. 請求項１に記載の方法であって、
    １つまたは複数のラッシング装置をさらに提供するステップを備え、それぞれが１つまたは複数の輸送コンテナのインターロッキングシステムと接続可能な支持体と、ラッシングとを含む、方法。
15. 請求項１４に記載の方法であって、ラッシングケージを持ち上げて作業者を少なくとも一つの装置の支持体に搬送するステップと、ラッシングケージを支持体に接続するステップとをさらに備え、
    ラッシングケージは、手すりを有する下段と、手すりを有する上段とを備え、下段は少なくとも部分的に床がなく、上段は床を有し、下段は上段から作業者がアクセス可能である、方法。
16. 請求項１に記載の方法であって、１つまたは複数の輸送コンテナを支持体の上部に配置するステップをさらに備える、方法。
17. 輸送コンテナを輸送する貨物船上で使用するためのラッシング装置であって、
    １つまたは複数の輸送コンテナのインターロッキングシステムと接続できる支持体と、
    支持体に連結可能であり、かつ、別の輸送コンテナまたは貨物船の構造物に接続可能な端部を有するラッシングとを有する、ラッシング装置。
18. 請求項１７に記載のラッシング装置であって、
    ラッシングに張力を加えて支持体の動きを低減できるテンショナーをさらに備える、ラッシング装置。
19. 請求項１７に記載のラッシング装置であって、
    ラッシング・ブリッジ、ラッシング・タイロッド、または貨物船のデッキのうちの少なくとも一つに固定されるように適合した土台と、
    土台に取り付けられた第１の解除可能なコネクタと、
    ラッシングの端部に含まれ、かつ、第１の解除可能なコネクタに解除可能に連結されるように適合した第２の解除可能なコネクタとをさらに備える、ラッシング装置。
20. 請求項１７に記載のラッシング装置であって、
    支持体、ラッシング・ブリッジ、または貨物船のデッキのうちの少なくとも一つに固定されるように適合したラチェットトラックと、
    ラチェットトラック上を摺動するようになっている歯止めとを備え、
    ラチェットトラックに沿った歯止めの位置が調整可能である、ラッシング装置。
21. 請求項２０に記載のラッシング装置であって、ラッシングの端部に、長さ調整が可能なターンバックルを含む、ラッシング装置。
22. 請求項２０に記載のラッシング装置であって、ラチェットトラックに連結されるウインチをさらに備え、ウインチが歯止めの位置を調整するようになっている、ラッシング装置。
23. 請求項１７に記載のラッシング装置であって、支持体に取り付けられた、ラッシングを巻き付けるための手段を備える、ラッシング装置。
24. 請求項２３に記載のラッシング装置であって、ラッシングを巻き付けるための手段に、ウインチ、ピンに取り付けられたボラード、及びピンに取り付けられたフェアリードのうちの１または複数が含まれる、ラッシング装置。
25. 請求項２３に記載のラッシング装置であって、支持体に取り付けられるラッシングを巻き付けるための手段のうちの少なくとも一つの位置が調整可能である、ラッシング装置。
26. 請求項２５に記載のラッシング装置であって、支持体が複数の受け口を含み、それぞれが、ボラードに取り付けられるピンまたはフェアリードに取り付けられるピンを受け入れる大きさとなっている、ラッシング装置。
27. 請求項１９に記載のラッシング装置であって、ラッシングの端部に含まれる第２の解除可能なコネクタが、アイ及び留め金の組立体またはターンバックルを備える、ラッシング装置。
28. 請求項１７に記載のラッシング装置であって、支持体に連結される加速度計または、土台に連結され、かつ、ラッシングの張力を測定できるロードピンをさらに備える、ラッシング装置。
29. 請求項２８に記載のラッシング装置であって、加速度計またはロードピンが無線でコンピュータに接続される、ラッシング装置。
30. 請求項２９に記載のラッシング装置であって、コンピュータが、加速度計またはロードピンから受信したデータに基づいて、ウインチに取り付けられたラッシングの張力を自動的に調整するようにウインチを駆動させるようプログラムされている、ラッシング装置。

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