JP2024505448A - 代謝改変バニラビーンズ、およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

代謝改変バニラビーンズ、およびその製造方法が開示されている。【選択図】図7

Description

本開示は、一般に、改変されたフレーバーおよび/またはアロマプロファイルを有するバニラビーンズおよびその製造方法に関し、具体的には、本開示は、バニラビーンズのフレーバーおよび/またはアロマプロファイルの非遺伝子組み換えの代謝操作に関する。
バニラエキスは食品および飲料業界でフレーバーとして広く使用されており、香水への使用も増えている。米国のバニラビーンズはすべて外国から輸入されており、その年間消費量は1,200~1,400トンである。FDAの定義によれば、バニリンはバニラビーンズに由来する場合にのみ天然と表示できる。現在、後述するようにバニラビーンズを抽出して得られる天然バニラの価格は、1kgあたり約200~450ドルである。
今日では、量の観点から見ると、市場の大部分は合成バニリン(量において95%、需要において50%)であり、天然バニラビーンズの占める割合は小さい(量において5%、需要において50%)。近年、ナチュラル化の世界的な市場の傾向により、大手食品メーカーは合成着色料やフレーバーを天然のものに置き換えるようになっている。今日、バニラにおいて、天然バニラの需要が世界の供給能力を大幅に上回っている(年間の需要4000トンに対し、供給は2500トン)。これは主に、頻繁ではあるが過剰ではない雨と適度な日光のある、暖かく湿った熱帯気候が必要であるため、世界ではバニラの栽培が可能な地域が限られているという事実によるものである。さらに、現在、天然バニラの70~80%はマダガスカルで生産されているが、マダガスカルは熱帯低気圧やフザリウム属の菌にさらされており、サプライチェーンの不安定による大きな問題を引き起こしており、天然バニラ市場への移行が妨げられている。
現在、バニラの3つの主要な種が世界中で栽培されているが、そのすべてはもともとメソアメリカで発見された種に由来している。これらは、マダガスカル島、レユニオン島、およびインド洋沿いの他の熱帯地域で栽培されるバニラ・プラニフォリア(別名バニラ・フレグランス)、南太平洋で栽培されるタヒチバニラ、および西インド諸島、中米、南米で見られるバニラ・ポンポナである。世界のバニラの大部分はバニラ・プラニフォリア種で、一般的にはブルボン・バニラ(レユニオンの旧名、ブルボン島にちなんで)またはマダガスカル・バニラとして知られ、インド洋南西部のマダガスカルと近隣の島々、およびインドネシアで生産される。マダガスカルとインドネシアの栽培は、世界のバニラ供給量の三分の二を生産している。
バニラビーンズの生産は、適切な土壌と気象条件に大きく依存する時間のかかるプロセスである。ビーンズ(さや状の果実)は、4~5年の栽培を経て得られる。花は人工受粉する必要があり、結実には8~10ヶ月かかる。
バニラフレーバーの成分、特にバニリン、バニリン酸、パラヒドロキシ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸アルデヒドは、収穫時の成熟した緑色のビーンズにはほとんど存在しない。この成分は、収穫後のビーンズの中で、伝統的に屋外で太陽の下で行われ3~6カ月さらに続く「キュアリング」と呼ばれるプロセスにおいて、ゆっくりと形成される。あるバッチの特定のバニラのフレーバープロファイルは、栽培された品種(遺伝学)、環境条件と農業技術(環境)、短時間の加熱または凍結乾燥によってビーンズを柔らかくする、「キリング」と呼ばれる前処理、伝統的に露地条件で行われるキュアリングまたは乾燥、および乾燥ビーンズの保管などの、いくつかの要因によって決まる。環境条件が制御されない伝統的なキュアリングプロセスでは、通常、バニラの異なるバッチ間でフレーバープロファイルの安定性と再現性が低くなり、また、カビのせいで収量が失われたり減少したりすることがよくあり、収穫されたバニラのほとんどが一級品にならなくなる。
したがって、バニラがサフランに次いで2番目に高価なスパイスであることは驚くべきことではない。それにも関わらず、バニラは、商業用および家庭用の両方のパン菓子作り、香水の製造、アロマテラピーで広く使用されている。
最近、バニラ生産の品質と収量を管理し、バニラの栽培に関連する農学的な問題のいくつかを解決するためのアプローチとして、植物の細胞および組織の培養に関心が集まっている。しかし、これらの努力は経済的に有意なバニリン生産量をもたらさなかった。
したがって、最適なアロマ、フレーバープロファイルを有するバニラを製造するための改良された方法、特に、遺伝子操作を回避し、そのままのバニラビーンズでそのような最適なプロファイルを生成する方法の必要性が、依然として存在する。
本開示のいくつかの態様によれば、バニラビーンズの代謝プロファイルを操作する方法であって、バニラビーンズを含む溶液に化合物を添加して前記化合物が前記バニラビーンズに浸透するようにし、それによって前記バニラビーンズの代謝プロファイルの改変を引き起こす方法が提供される。
本開示の他の態様によれば、非天然型の独特な代謝プロファイルを有するバニラビーンズが提供され、前記代謝プロファイルは増強および/または改変されたアロマおよび/またはフレーバーを前記バニラビーンズに与える。
有利には、前記代謝操作は、ホールのバニラビーンズに対して、すなわち、バニラビーンズを切断したり、または別の方法でビーンズの完全性を損なったり変更したりすることなく、実行されてもよい。ビーンズをカットするとフレーバー成分の望ましくない酸化を起こし、保存期間が大幅に短くなる可能性があるため、これは特に有益である。
さらなる利点として、使用する前記化合物の量、種類、および/または組み合わせを変更することによって、バニラビーンズのフレーバー、アロマ、および/または色を制御してもよく、それによってバニラビーンズの異なるバッチ間で、前記ビーンズの望ましい味、香り、および外観ならびにその一貫性を確保してもよい。
さらなる利点として、前記プロセスは短く、コスト効率が高く、複雑な植物組織培養やバイオリアクターを必要としない。
さらに、バニラビーンズ、および前記ビーンズから得られる抽出物、種子、またはその他の派生物は天然かつ非遺伝子組み換えであり、すなわち、前記ビーンズについての遺伝子改変/操作は関与しない。
いくつかの実施形態によれば、バニラビーンズの代謝プロファイルを操作する方法であって、バニラビーンズを含む溶液に化合物を添加して前記化合物が前記バニラビーンズに浸透するようにし、それによって改変された代謝プロファイルを有するバニラビーンズを得る方法が提供される。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズはホールのバニラビーンズである。
いくつかの実施形態によれば、代謝プロファイルの操作は、前記バニラビーンズのフレーバーを増強すること、前記バニラビーンズのフレーバープロファイルを改変すること、前記バニラビーンズの色を変更すること、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態によれば、代謝プロファイルの操作は、前記バニラビーンズのフレーバーを増強すること、および/または前記バニラビーンズのフレーバープロファイルを改変することを含む。
いくつかの実施形態によれば、前記化合物は、フレーバー化合物の中間体、エリシター、ホルモン、代謝物、または、それらの任意の組み合わせである。
いくつかの実施形態によれば、前記化合物はエリシターである。
いくつかの実施形態によれば、前記化合物は、p-クマル酸、トランス桂皮酸、フェルラ酸、ロイシン、イソロイシン、L-フェニルアラニン、バリンアラニン、プロリン、ピルビン酸、グルコース、フルクトース、スクロース、L-グルタチオン、 ジャスモン酸メチル、サリチル酸、キトサン、シクロデキストリン、キシロース、ペクチン、カイネチン、デキストラン、インドール酪酸、α-ケトグルタル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、マレイン酸、グリシン、セリン、2-フロン酸、アラニン、ヒドロキシプロリン、ヒスチジン、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。
いくつかの実施形態によれば、前記化合物の添加は、0.1~500mMの前記代謝操作化合物を添加することを含む。いくつかの実施形態によれば、前記化合物の添加は、1~100mMの前記代謝操作化合物を添加することを含む。
いくつかの実施形態によれば、前記方法は、前記溶液に浸透剤を添加することをさらに含む。いくつかの実施形態によれば、前記浸透剤は界面活性剤である。いくつかの実施形態によれば、前記界面活性剤は非イオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態によれば、前記界面活性剤は、PEG20ソルビタンモノラウレート、PEG20ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、またはそれらの任意の組み合わせの群から選択される。可能な各構成は、別個の実施形態である。いくつかの実施形態によれば、前記浸透剤の添加は、0.05%~1%の前記浸透剤を添加することを含む。いくつかの実施形態によれば、前記浸透剤の添加は、0.1%~5%の前記浸透剤を添加することを含む。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、前記化合物とともに少なくとも24時間インキュベートされる。
いくつかの実施形態によれば、前記方法は、収穫後および/またはキュアリング前および/またはキュアリング中に行われる。
いくつかの実施形態によれば、本明細書に開示される方法に従って得られるバニラビーンズが提供される。
いくつかの実施形態によれば、全揮発性画分のうち少なくとも10%の3-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド、または、全揮発性画分のうち少なくとも3%の3-フェニル-2-プロペン酸メチルエステル、または、少なくとも1%の2-メチル-ブタナールを含む、代謝改変バニラビーンズが提供される。
いくつかの実施形態によれば、前記代謝改変バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも15%の3-ヒドロキシ-ベンズアルデヒドを含む。
いくつかの実施形態によれば、前記代謝改変バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも5%の3-フェニル-2-プロペン酸メチルエステルを含む。
いくつかの実施形態によれば、前記代謝改変バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも2%の2-メチル-ブタナールを含む。
いくつかの実施形態によれば、前記代謝改変バニラビーンズは、10%未満の酢酸、クレオソール、および/またはアセトインを含む。
いくつかの実施形態によれば、前記代謝改変バニラビーンズは、エタノール、酢酸アンモニウム、イソソルビド、および/または2,4-ジ-tert-ブチルフェノールをさらに含む。可能な各構成は、別個の実施形態である。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも0.05%のサリチル酸および/またはp-ヒドロキシフェニルホスホン酸を含む代謝改変バニラビーンズが提供される。
いくつかの実施形態によれば、前記代謝改変バニラビーンズは、5%未満の酢酸、クレオソール、および/またはアセトインを含む。可能な各構成は、別個の実施形態である。
いくつかの実施形態によれば、前記代謝改変バニラビーンズは、4-イソプロピルフェニル炭酸メチルエステル、イソソルビド、および/または2,4-ジ-tert-ブチルフェノールを含む。
いくつかの実施形態によれば、全揮発性画分のうち少なくとも10%の2,3-ブタンジオールを含む、代謝改変バニラビーンズが提供される。
いくつかの実施形態によれば、前記代謝改変バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも15%の2,3-ブタンジオールを含む。
いくつかの実施形態によれば、前記代謝改変バニラビーンズは、3%未満のクレオソール、および/またはベンゼンアセトアルデヒドを含む。
いくつかの実施形態によれば、前記代謝改変バニラビーンズは、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、プロピル-シクロペンタン、2-(2-ブトキシエトキシ)-エタノール、シクロブタンカルボン酸オクチルエステル、オクタン酸エチルエステル、または、それらの任意の組み合わせをさらに含む。可能な各構成は、別個の実施形態である。
いくつかの実施形態によれば、全揮発性画分のうち少なくとも0.05%のベンゼンカルボチオ酸、および/または、2-ヒドロキシ-1-フェニル-エタノン、および/または、アルファ-エチリデン-ベンゼンアセトアルデヒドを含むか、または、全揮発性画分のうち少なくとも3%のフェニルエチルアルコールを含むか、または、少なくとも2%の3-フェニル-2-プロペン酸メチルエステルを含む、代謝改変バニラビーンズが提供される。
いくつかの実施形態によれば、前記代謝改変バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも4%のフェニルエチルアルコールを含む。
いくつかの実施形態によれば、前記代謝改変バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも5%の3-フェニル-2-プロペン酸メチルエステルを含む。
いくつかの実施形態によれば、前記代謝改変バニラビーンズは、1%未満のクレオソール、ベンゼンアセトアルデヒド、および/または酢酸を含む。
いくつかの実施形態によれば、前記代謝改変バニラビーンズは、2-ヒドロキシ-1-フェニル-エタノン、ベンゼンカルボチオ酸、3-フェニルフラン、ジメチルシランジオール、アルファ-エチリデン-ベンゼンアセトアルデヒド、または、それらの任意の組み合わせをさらに含む。可能な各構成は、別個の実施形態である。
本開示の特定の実施形態は、上記の利点の一部またはすべてを含んでもよく、あるいは全く含まなくてもよい。一つ以上の技術的利点が、本明細書に含まれる図面、説明、および請求の範囲から当業者に容易に明らかとなるであろう。さらに、特定の利点を上に列挙したが、様々な実施形態は、列挙した利点のすべて、または一部を含んでもよく、あるいは全く含まなくてもよい。
上述の例示的な態様および実施形態に加えて、さらなる態様および実施形態は、図面を参照し、以下の詳細な説明を検討することによって明らかになるであろう。
本発明をより完全に理解できるように、以下の例示的な図を参照しながら、特定の実施例および実施形態に関連して本発明を説明する。
図1は、コントロールに対するバニリンのレベルのパーセンテージとして提示された、分光光度定量分析を示す。示された化合物とともにビーンズをインキュベートしたもの(青いバー)、およびコントロールとしての水とともに、ビーンズをインキュベートしたもの(赤いバー)。各バーは、8個のビーンズの平均値を示す。 図2は、官能パネル分析においてバニラ系フレーバーを有すると評価されたビーンズ(青)と、その他のフレーバーを有すると評価されたビーンズ(赤)の割合を示す。各バーは、8個のビーンズの平均値を示す。 図3Aは、示された化合物とともにインキュベートされたバニラ・プラニフォリアビーンズのガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)ヘッドスペース分析を示す。揮発性画分が1%を超える化合物を示す。 図3Bは、サリチル酸とともにインキュベートされたバニラ・プラニフォリアビーンズのGC-MSヘッドスペース分析を示す。前記分析は2回繰り返され、同じ結果となった。コントロールは青いバーで示され、処理されたビーンズはオレンジ色のバーで示されている。 図3Cは、キトサンとともにインキュベートされたバニラ・プラニフォリアビーンズのGC-MSヘッドスペース分析を示す。前記分析は2回繰り返され、同じ結果となった。コントロールは青いバーで示され、処理されたビーンズはオレンジ色のバーで示されている。 図3Dは、ピルビン酸塩とともにインキュベートされたバニラ・プラニフォリアビーンズのGC-MSヘッドスペース分析を示す。前記分析は2回繰り返され、同じ結果となった。コントロールは青いバーで示され、処理されたビーンズはオレンジ色のバーで示されている。 図3Eは、フェニルアラニンとともにインキュベートされたバニラ・プラニフォリアビーンズのGC-MSヘッドスペース分析を示す。前記分析は2回繰り返され、同じ結果となった。コントロールは青いバーで示され、処理されたビーンズはオレンジ色のバーで示されている。 図4Aは、凍結および解凍によってキリングし、かつバリン、ロイシン、およびイソロイシンとともにインキュベートしたか、または未処理のままにした(コントロール)、バニラ・プラニフォリアビーンズのGC-MSヘッドスペース分析を示す。前記分析は2回繰り返され、同じ結果となった。コントロールは青いバーで示され、処理されたビーンズはオレンジ色のバーで示されている。 図4Bは、機械的破砕によってキリングし、かつバリン、ロイシン、およびイソロイシンとともにインキュベートしたか、または未処理のままにした(コントロール)、バニラ・プラニフォリアビーンズのGC-MSヘッドスペース分析を示す。前記分析は2回繰り返され、同じ結果となった。コントロールは青いバーで示され、処理されたビーンズはオレンジ色のバーで示されている。 図5Aは、凍結および解凍によってキリングし、かつピルビン酸塩およびフェニルアラニンとともにインキュベートしたか、または未処理のままにした(コントロール)、バニラ・プラニフォリアビーンズのGC-MSヘッドスペース分析を示す。前記分析は2回繰り返され、同じ結果となった。コントロールは青いバーで示され、処理されたビーンズはオレンジ色のバーで示されている。 図5Bは、機械的破砕によってキリングし、かつピルビン酸塩およびフェニルアラニンとともにインキュベートしたか、または未処理のままにした(コントロール)、バニラ・プラニフォリアビーンズのGC-MSヘッドスペース分析を示す。前記分析は2回繰り返され、同じ結果となった。コントロールは青いバーで示され、処理されたビーンズはオレンジ色のバーで示されている。 図6は、機械的破砕か、または、従来の加熱によるキリングによってキリングしたバニラ・プラニフォリアビーンズのGC-MSヘッドスペース分析を示す。前記分析は2回繰り返され、同じ結果となった。コントロールは青いバーで示され、処理されたビーンズはオレンジ色のバーで示されている。 図7は、官能パネル分析においてバニラ系フレーバーを有すると評価されたビーンズ(青)と、その他のフレーバーを有すると評価されたビーンズ(赤)の割合を示す。各バーは、6個のビーンズの平均値を示す。 図8は、官能パネル分析において様々なフレーバーを有すると評価されたビーンズの割合を示す。各バーは、6個のビーンズの平均値を示す。
以下の説明では、本開示のさまざまな態様について説明する。説明を目的として、本開示のさまざまな態様の完全な理解を提供するために、特定の構成および詳細が記載される。しかしながら、本開示は特定の詳細がここに提示されなくても実施され得ることも、当業者には明らかであろう。さらに、周知の特徴は、開示を不明瞭にしないために省略または簡略化されてもよい。
便宜上、明細書、実施例、および添付の特許請求の範囲で使用される特定の用語をここに集める。特段の定義が無い限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が関係する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
本開示のいくつかの態様によれば、バニラビーンズの代謝プロファイルを操作する方法であって、バニラビーンズを含む溶液に化合物を添加して前記化合物が前記バニラビーンズに浸透するようにし、それによって前記バニラビーンズの代謝プロファイルの改変を引き起こす方法が提供される。
いくつかの実施形態によれば、前記方法は、化合物の「カクテル」を溶液に添加することをさらに含んでもよい。
本明細書で使用する場合、「化合物のカクテル」という用語は、2つ以上、3つ以上、または4つ以上の化合物を指してもよい。いくつかの実施形態によれば、カクテル中の各化合物の濃度は、強化したい化合物および/または味に応じて、同じであっても異なっていてもよい。
適切なカクテルの非限定的な例は、バリン、ロイシン、およびイソロイシンを含むカクテルである。いくつかの実施形態によれば、バリン、ロイシン、及びイソロイシンのそれぞれの濃度は1550mMであってもよい。適切なカクテルの別の非限定的な例は、ピルビン酸塩およびフェニルアラニンを含むカクテルである。いくつかの実施形態によれば、ピルビン酸塩およびフェニルアラニンのそれぞれの濃度は15~150mMであってもよい。適切なカクテルの別の非限定的な例は、キトサンおよびサリチル酸を含むカクテルである。いくつかの実施形態によれば、キトサンおよびサリチル酸のそれぞれの濃度は0.5~50mMであってもよい。
加えて、または代わりに、前記方法は、バニラビーンズを機械的破砕することによってキリングすることを含んでもよい。いくつかの実施形態によれば、前記機械的破砕は、ビーンズをハンマーで叩くことを含む。加えて、または代わりに、前記機械的破砕は、ビーンズを渦動させることを含む。加えて、または代わりに、前記機械的破砕は、ビーンズを超音波処理することを含む。加えて、または代わりに、前記機械的破砕は、ビーンズをマイクロ波処理することを含む。加えて、または代わりに、前記機械的破砕は、ビーンズを高周波処理することを含む。
いくつかの実施形態によれば、前記機械的破砕は、バニラビーンズを凍結融解させることによるキリングと比較して、および/または加熱(65°Cで2.5分間)によるキリングと比較して、バニラビーンズの代謝プロファイルの変化を引き起こす。
本明細書で使用する場合、「キリング」という用語は、バニラビーンズをキュアリングする前に行われる最初の工程を指す。いかなる理論にも束縛されるものではないが、このキリングによりバニラビーンズの熟成プロセスが停止し、細胞壁が開いて酵素とバニリン前駆体が放出される。
本開示の他の態様によれば、非天然型の独特な代謝プロファイルを有するバニラビーンズが提供され、前記代謝プロファイルは増強および/または変更されたアロマおよび/またはフレーバーを前記バニラビーンズに与える。
本明細書で使用する場合、「バニラビーンズの代謝プロファイルを操作する」という用語は、1つ以上のフレーバーまたはアロマ化合物、それらの前駆体またはそれらの誘導体の濃度を変更し、その結果、未処理の同じビーンズと比較して、増強されたフレーバー/アロマか、または異なるフレーバー/アロマプロファイルかを有するバニラビーンズを得るようにすることを指してもよい。この用語は、ポストハーベスト、つまりバニラビーンズの収穫後に達成されるフレーバー/アロマプロファイルの変化を指す。いくつかの実施形態によれば、前記操作はビーンズの収穫後かつキュアリング前に行われる。
本明細書で使用する場合、「化合物」という用語は、2つ以上の化学元素の原子からなる同一の分子で構成される任意の物質を指す。いくつかの実施形態によれば、前記用語には酵素やその他のタンパク質は含まれない。いくつかの実施形態によれば、前記化合物は、フレーバー経路中間体(例えば、p-クマル酸)、エリシター(例えば、サリチル酸)、一般的な代謝物(例えば、ピルビン酸)、ホルモン(例えば、インドール酪酸)、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。可能な各構成は、別個の実施形態である。いくつかの実施形態によれば、前記化合物はエリシターである。
本明細書で使用する場合、「エリシター」という用語は、植物の害虫、病気、または協力的な生物にしばしば関連する外因性または外来性の分子を指す。エリシター分子は、植物の細胞膜上にある特殊な受容体タンパク質に結合して、その結果、損傷を軽減し、害虫、病気、または環境ストレスに対する耐性を高める代謝物の合成を強化する。エリシターとエフェクターは、反応を引き起こしている生物体内で生成されず、通常は生物体内で自然に発生しないという点でホルモンとは異なる。
いくつかの実施形態によれば、前記化合物は、L-フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ピルビン酸、サリチル酸、キトサン、L-グルタチオン、またはそれらの任意の組み合わせである。可能な各構成は、別個の実施形態である。
本明細書で使用される場合、ある数値に関する「概して(approximately)」または「約(about)」という用語は、特に明記されていない限り、または文脈から明らかでない限り、一般に、前記数値に対するいずれかの方向(前記数値より大きい、またはより小さい)で5%の範囲内または1%の範囲内に入る数値を含むものとみなされる(かかる数値が、可能な値の100%を超える場合を除く)。範囲が記載されている場合、特に記載がない限り、または文脈から明らかでない限り、端点は範囲内に含まれる。
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数の指示対象を含む。
本明細書で使用される場合、「任意の(optinal)」または「任意に(optionally)」とは、その後に説明される事象または状況が起こること、または起こらないことを意味し、前記記述には、前記事象または状況が起こる例と起こらない例とが含まれることを意味する。
本明細書で使用される場合、前記化合物に関する「浸透」という用語は、前記化合物がバニラビーンズのクチクラ層を通過することを指す。いくつかの実施形態によれば、前記化合物の浸透は、前記化合物を含む溶液に浸透剤を添加することによって促進される。いくつかの実施形態によれば、前記浸透剤は界面活性剤である。いくつかの実施形態によれば、前記界面活性剤は非イオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態によれば、前記界面活性剤は、PEG20ソルビタンモノラウレート、PEG20ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、またはそれらの任意の組み合わせの群から選択される。加えて、または代わりに、貫通は、バニラビーンズの機械的な傷付けおよび/または穴開けによって達成されてもよい。
いくつかの実施形態によれば、本明細書に開示されるプロセスに従って製造されるバニラビーンズは、使用される化合物の量、種類、および/または組み合わせに応じて、様々なフレーバーおよび/またはアロマのプロファイルを有し得る。いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、収穫後に操作されたバニラビーンズである。いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは遺伝子操作されていない、すなわち、バニラビーンズが収穫されるバニラ植物に対して形質転換または遺伝子編集は行われていない。いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズのフレーバー操作は、育種または他の自然な生物学的プロセスを含まない/必要としない。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは代謝改変されていてもよい。本明細書で使用される場合、バニラビーンズのフレーバーおよび/またはアロマプロファイルに関して「代謝改変された」という用語は、いくつかの実施形態によれば、同じ種、同じ原産国、および/または同じバッチからの、前記化合物(単数または複数)で処理されていないバニラビーンズと比較して、強化/改変されたフレーバーおよび/またはアロマプロファイルを有するバニラビーンズを指してもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、非天然型のフレーバーおよび/またはアロマプロファイルを有してもよい。本明細書で使用される場合、バニラビーンズのフレーバーおよび/またはアロマプロファイルに関して「非天然型の」という用語は、いくつかの実施形態によれば、同じもしくは異なるバッチからであろうと、または、同じもしくは異なる種からであろうと、それらバニラビーンズには見られない、強化/改変されたフレーバーおよび/またはアロマプロファイルを有するバニラビーンズを指してもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、その未処理/模擬処理コントロール(同じ種および/または同じバッチ)と比較して、少なくとも1.2倍、少なくとも1.5倍、または少なくとも2倍の濃度のバニリンを有してもよい。可能な各構成は、別個の実施形態である。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、その未処理/模擬処理コントロール(同じ種および/または同じバッチ)と比較して、バニリンの濃度が少なくとも2倍、少なくとも1.5倍、または少なくとも1.2倍減少していてもよい。可能な各構成は、別個の実施形態である。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、または少なくとも55%のバニリンを含んでいてもよい。可能な各構成は、別個の実施形態である。いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち20%~80%、25%~75%、25%~70%、25%~60%、30%~60%、または50%~70%のバニリンを含む。可能な各構成は、別個の実施形態である。
いくつかの実施形態によれば、バニリンは、乾燥/キュアリング済みバニラビーンズの総重量の少なくとも1%、2%、3%、4%、または5%を構成していてもよい。可能な各構成は、別個の実施形態である。
有利には、これらのパーセンテージのバニリンは、バニラ植物の開花から9か月以内、8か月以内、または7か月以内に収穫されたバニラビーンズで得ることができる。可能な各構成は、別個の実施形態である。非限定的な例として、バニリンは、バニラビーンズの開花から約7ヶ月後に収穫された乾燥バニラビーンズの総重量の少なくとも1%を構成してもよい。別の非限定的な例として、バニリンは、バニラビーンズの開花から約9ヶ月後に収穫された乾燥バニラビーンズの総重量の少なくとも3%を構成してもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、キトサンを使用した処理によって代謝改変されたバニラビーンズである。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、ナッツ系のコーヒーのようなフレーバーを提供する3-ヒドロキシ-ベンズアルデヒドおよび2-メチル-ブタナールのレベルが増加し、かつ、ビネガー系、アニス系、およびフローラル系のフレーバーを提供する酢酸、クレオソールおよびアセトインのレベルが減少している。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、揮発性化合物の全画分のうち少なくとも10%、少なくとも15%、または少なくとも20%の3-ヒドロキシ-ベンズアルデヒドを含んでいてもよい。可能な各構成は、別個の実施形態である。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、揮発性化合物の全画分のうち少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、または少なくとも7%の3-フェニル-2-プロペン酸メチルエステルを含んでいてもよい。可能な各構成は、別個の実施形態である。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、または少なくとも4%の2-メチル-ブタナールを含んでいてもよい。可能な各構成は、別個の実施形態である。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラは、ピルビン酸塩を使用した処理によって代謝改変されたバニラビーンズである。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズはクリーミーなバニラフレーバーを有する。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、または少なくとも25%の2,3-ブタンジオールを含んでいてもよい。可能な各構成は、別個の実施形態である。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、または少なくとも5%の3-ヒドロキシ-2-ブタノン、および/または少なくとも0.5%、少なくとも1%、または少なくとも2%の2,3-ブタンジオン、および/または少なくとも0.5%、少なくとも1%、または少なくとも2%の2-メトキシp-クレゾール、および/または少なくとも0.5%、少なくとも1%、または少なくとも2%の2,3-ブタンジオールを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、他のバニラビーンズと比較して、含有する3-ヒドロキシ-2-ブタノンのレベルが、少なくとも10倍または少なくとも15倍増加していてもよい。いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、他のバニラビーンズと比較して、含有する2,3-ブタンジオンおよび/または2-メトキシp-クレゾールのレベルが、少なくとも3倍または少なくとも5倍増加していてもよい。いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、他のバニラビーンズと比較して、含有する2,3-ブタンジオールのレベルが、少なくとも1.5倍または少なくとも2倍増加していてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラは、フェニルアラニンを使用した処理によって代謝改変されたバニラビーンズである。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは非バニラ系フレーバーを有する。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも2.5%、少なくとも3%、少なくとも4%、または少なくとも4.5%のフェニルエチルアルコールを含んでいてもよい。可能な各構成は、別個の実施形態である。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、または少なくとも7%の3-フェニル-2-プロペン酸メチルエステルを含んでいてもよい。可能な各構成は、別個の実施形態である。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、ベンゼンカルボチオ酸、および/または2-ヒドロキシ-1-フェニル-エタノン、および/またはアルファ-エチリデン-ベンゼンアセトアルデヒドを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも0.05%、少なくとも0.1%、少なくとも0.5%、または少なくとも1%の、ベンゼンカルボチオ酸、 2-ヒドロキシ-1-フェニル-エタノン、および/またはアルファ-エチリデン-ベンゼンアセトアルデヒドのいずれか一つ以上を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラは、サリチル酸を使用した処理によって代謝改変されたバニラビーンズである。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズはバニラ系、ナッツ系のフレーバーを有する。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズはサリチル酸を含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも0.05%、少なくとも0.1%、少なくとも0.5%、または少なくとも1%のサリチル酸を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズはp-ヒドロキシフェニルホスホン酸を含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも0.05%、少なくとも0.1%、少なくとも0.5%、または少なくとも1%のp-ヒドロキシフェニルホスホン酸を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラは、エリシターのカクテルを使用した処理によって代謝改変されたバニラビーンズである。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラは、バリン、ロイシン、およびイソロイシンを使用した処理によって代謝改変されたバニラビーンズである。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち、少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも2%、または少なくとも3%の2-メチル-2-ブテナール、および/または少なくとも5%、少なくとも10%、または少なくとも15%の2-メチル-ブテナール、および/または少なくとも3%、少なくとも4%、または少なくとも5%のブテナール、および/または少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも2%の酢酸、および/または少なくとも5%、少なくとも10%、または少なくとも15%の3-メチルブテナール、および/または少なくとも0.5%、少なくとも1%、または少なくとも2%のイソフェニルアルコール、および/または少なくとも0.25%、少なくとも0.5%、少なくとも1%、または少なくとも1.5%の4-ヒドロキシブタン酸ラクトンを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、他の未処理のバニラビーンズと比較して、含有する2-メチル-2-ブテナールのレベルが、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または少なくとも15倍増加していてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラは、ピルビン酸塩およびフェニルアラニンを使用した処理によって代謝改変されたバニラビーンズである。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも1%、少なくとも2%、または少なくとも3%の酢酸を含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、他の未処理のバニラビーンズと比較して、含有する酢酸のレベルが、少なくとも2倍、少なくとも5倍、または少なくとも10倍増加していてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも0.5%、少なくとも1%、または少なくとも2%のベンズアルデヒドを含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、他の未処理のバニラビーンズと比較して、含有するベンズアルデヒドのレベルが、少なくとも2倍増加していてもよい。いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、他の未処理のバニラビーンズと比較して、含有するベンゼンアセトアルデヒド、および/またはフェニルエチルアルコール、および/または酢酸イソフェニルのレベルが、少なくとも2倍増加、または少なくとも5倍増加していてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも7%、少なくとも8%、または少なくとも10%のジメチレングリコール、2,3-ブチレングリコールを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも2%、少なくとも2.5%、または少なくとも3%のバニリン酸を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも0.5%、少なくとも0.7%、または少なくとも1%のアセトバニロンを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも0.5%、少なくとも0.7%、または少なくとも1%のバニリルアルコールを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも10%、少なくとも12%、または少なくとも15%のヒドロキシジヒドロマルトールを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも0.5%、少なくとも0.7%、または少なくとも1%のデヒドロジンゲロンを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも0.5%、少なくとも0.7%、または少なくとも1%のバニリン-2,3-ブチレングリコールアセタールを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも1.5%、少なくとも2%、または少なくとも3%の2-ヒドロキシ-2,4-ペンタジエン酸を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも0.5%、少なくとも0.7%、または少なくとも1%のイソブチルアルデヒドを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも0.5%、少なくとも0.7%、または少なくとも1%のフラネオール(ストロベリーフラノン)を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも10%、少なくとも12%、または少なくとも15%のグアヤコールを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも0.5%、少なくとも0.7%、または少なくとも1%のフェニルアルコール(ベンゼノール)を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも1.5%、少なくとも2%、または少なくとも3%の4-ビニルフェノールを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも0.5%、少なくとも0.7%、または少なくとも1%の4-シクロペンテン-1,3-ジオンを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも0.5%、少なくとも0.7%、または少なくとも1%のクレゾールを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも0.5%、少なくとも0.7%、または少なくとも1%のバニリルメチルケトンを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも20%、少なくとも25%、または少なくとも30%の5-ヒドロキシメチルフルフラールを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも2.5%、少なくとも3%、または少なくとも3.5%のパルミチン酸を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも2%、少なくとも2.5%、または少なくとも3%のノナンアルデヒドを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも2%、少なくとも2.5%、または少なくとも3%のラウリン酸を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも2%、少なくとも2.5%、または少なくとも3%のカプリルアルデヒドを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも1%、少なくとも1.5%、または少なくとも2%のカプロン酸を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも1%、少なくとも1.5%、または少なくとも2%のパルミチン酸メチルを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも1%、少なくとも1.5%、または少なくとも2%のジアセチルを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも1%、少なくとも1.5%、または少なくとも2%の2,4-デカジエナールを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも1%、少なくとも1.5%、または少なくとも2%のアセチルプロピオニルを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも1%、少なくとも1.5%、または少なくとも2%のパルミチン酸エチルを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも1%、少なくとも1.5%、または少なくとも2%のリノール酸メチルを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも1%、少なくとも1.5%、または少なくとも2%のミリスチン酸を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも1%、少なくとも1.5%、または少なくとも2%のステアリン酸を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも1%、少なくとも1.5%、または少なくとも2%のペンタデシル酸を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも4%、少なくとも5%、または少なくとも6%のヘキサンアルデヒドを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも0.5%、少なくとも0.7%、または少なくとも1%のシリンジアルデヒドを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも6%、少なくとも8%、または少なくとも10%の2-アミルフランを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも4%、少なくとも5%、または少なくとも6%の酢酸エチルを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも2%、少なくとも2.5%、または少なくとも3%のイソバレルアルデヒドを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも1%、少なくとも1.5%、または少なくとも2%のメチルsec-ブチルケトンを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも0.5%、少なくとも0.7%、または少なくとも1%のエタナールを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも0.5%、少なくとも0.7%、または少なくとも1%のp-ヒドロキシベンジルアルコールを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも1%、少なくとも1.5%、または少なくとも2%のスクアレンを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも1%、少なくとも1.5%、または少なくとも2%のフェニルメタノールを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも1%、少なくとも1.5%、または少なくとも2%のヘキサヒドロファルネシルアセトンを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも10%、少なくとも12%、または少なくとも15%のフルフラルを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも3%、少なくとも4%、または少なくとも5%のベンズアルデヒドを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも2.5%、少なくとも3%、または少なくとも3.5%のフルフリルアルコール、2-フランカルビノールを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも2%、少なくとも2.5%、または少なくとも3%のp-ビニルグアヤコールを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも2%、少なくとも2.5%、または少なくとも3%のクレオソールを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも2%、少なくとも2.5%、または少なくとも3%のイソプロピルメチルケトンを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも0.5%、少なくとも0.7%、または少なくとも1%のアニシルアルコールを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは酢酸よりもバニリンを多く含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、バニリンを、酢酸の少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、または少なくとも50倍含んでいてもよい。可能な各構成は、別個の実施形態である。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズはクレオソールよりもバニリンを多く含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、バニリンを、クレオソールの少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも40倍、または少なくとも60倍含んでいてもよい。可能な各構成は、別個の実施形態である。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズはクレオソールよりも酢酸を多く含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、酢酸を、クレオソールの少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、または少なくとも8倍含んでいてもよい。可能な各構成は、別個の実施形態である。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、1つ以上の代謝マーカーの存在を特徴とする。
本明細書で使用する場合、「代謝マーカー」という用語は、未処理バニラビーンズからは典型的には検出されないか、または未処理バニラビーンズ中に残留して検出される(全揮発性画分の0.01%未満または0.005%未満)化合物を指す。可能な各構成は、別個の実施形態である。これらの化合物は前記処理に関連しているが、処理されたビーンズのフレーバーに必ずしも影響を与えるわけではない。いくつかの実施形態によれば、前記代謝マーカーは、処理の結果として、そのレベルが全揮発性画分の0.01%を超える、0.5%を超える、または1%を超えるまで上昇する化合物を指す。可能な各構成は、別個の実施形態である。
いくつかの実施形態によれば、前記代謝マーカーは、p-ヒドロキシフェニルホスホン酸、4-イソプロピルフェニル炭酸メチルエステル、イソソルビド、2,4-ジ-tert-ブチルフェノール、エタノール、酢酸アンモニウム、イソソルビド、2,4-ジ-tert-ブチルフェノール、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、プロピル-シクロペンタン、2-(2-ブトキシエトキシ)-エタノール、シクロブタンカルボン酸オクチルエステル及びオクタン酸エチルエステル、2-ヒドロキシ-1-フェニル-エタノン、ベンゼンカルボチオ酸、3-フェニルフラン、ジメチルシランジオールおよびアルファ-エチリデン-ベンゼンアセトアルデヒド、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。可能な各構成は、別個の実施形態である。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、2-フロン酸を使用した処理によって代謝改変されたバニラビーンズである。いくつかの実施形態によれば、2-フロン酸で処理された前記バニラビーンズは、本質的に純粋なバニラ味を有し得る(すなわち、全フレーバーのうち60%を超える、または80%を超えるバニラフレーバーを有すると認識される)。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、リンゴ酸、マレイン酸、コハク酸、またはセリンを使用した処理によって代謝改変されたバニラビーンズである。いくつかの実施形態によれば、リンゴ酸、マレイン酸、コハク酸、またはセリンで処理された前記バニラビーンズは、はっきりしたバニラ系フレーバー(すなわち、総フレーバーのうち40%~60%の間のバニラフレーバー)を有し得る。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、フマル酸またはα-ケトグルタル酸を使用した処理によって代謝改変されたバニラビーンズである。いくつかの実施形態によれば、フマル酸またはα-ケトグルタル酸で処理された前記バニラビーンズは、中くらいのバニラ系フレーバー(すなわち、総フレーバーのうち20%~40%の間のバニラフレーバー)を有し得る。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、グリシン、チロシン、アラニン、またはプロリンを使用した処理によって代謝改変されたバニラビーンズである。いくつかの実施形態によれば、グリシン、チロシン、アラニン、またはプロリンで処理された前記バニラビーンズは、わずかなバニラ系フレーバーがあるか、バニラ系フレーバーが無くてもよい(総フレーバーのうち10%未満、5%未満、または1%未満のバニラフレーバーを有してもよい)。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、ナッツ系のコーヒーのようなフレーバーを提供する3-ヒドロキシ-ベンズアルデヒドおよび2-メチル-ブタナールのレベルが増加し、かつ、ビネガー系、アニス系、およびフローラル系のフレーバーを提供する酢酸、クレオソールおよびアセトインのレベルが減少している。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、揮発性化合物の全画分のうち少なくとも10%、少なくとも15%、または少なくとも20%の3-ヒドロキシ-ベンズアルデヒドを含んでいてもよい。可能な各構成は、別個の実施形態である。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、揮発性化合物の全画分のうち少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、または少なくとも7%の3-フェニル-2-プロペン酸メチルエステルを含んでいてもよい。可能な各構成は、別個の実施形態である。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、または少なくとも4%の2-メチル-ブタナールを含んでいてもよい。可能な各構成は、別個の実施形態である。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラは、ピルビン酸塩を使用した処理によって代謝改変されたバニラビーンズである。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズはクリーミー系のバニラフレーバーを有する。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、または少なくとも25%の2,3-ブタンジオールを含んでいてもよい。可能な各構成は、別個の実施形態である。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、全揮発性画分のうち少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、または少なくとも5%の3-ヒドロキシ-2-ブタノン、および/または少なくとも0.5%、少なくとも1%、または少なくとも2%の2,3-ブタンジオン、および/または少なくとも0.5%、少なくとも1%、または少なくとも2%の2-メトキシp-クレゾール、および/または少なくとも0.5%、少なくとも1%、または少なくとも2%の2,3-ブタンジオールを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、他のバニラビーンズと比較して、含有する3-ヒドロキシ-2-ブタノンのレベルが、少なくとも10倍または少なくとも15倍増加していてもよい。いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、他のバニラビーンズと比較して、含有する2,3-ブタンジオンおよび/または2-メトキシp-クレゾールのレベルが、少なくとも3倍または少なくとも5倍増加していてもよい。いくつかの実施形態によれば、前記バニラビーンズは、他のバニラビーンズと比較して、含有する2,3-ブタンジオールのレベルが、少なくとも1.5倍または少なくとも2倍増加していてもよい。
以下の実施例は、本発明の特定の好ましい実施形態の例を示すために含まれる。以下の実施例に開示される技術は、本発明者らが本発明の実施において良好に機能することを発見したアプローチを表しており、従って、その実施のための好ましい形態の例を構成すると考えることができることを当業者は理解すべきである。しかし、当業者であれば、本開示に照らして、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、開示される特定の実施形態に多くの変更を加えることができ、同様の、または類似の結果を得ることができることを理解すべきである。
実施例1-処理済みビーンズにおけるバニリンのレベル
標的化合物(下記の表1に示す)を水に溶解し、pHをpH=7に調整した。1cm片にカットされた緑色のビーンズを50ml管に入れるか、または、丸のままのビーンズをバケツに入れた。表1に示す化合物の1つを水に溶解したものと、4つの界面活性剤tween20、tween80、span20、およびspan80それぞれ0.1%とを含有する溶液10mlを、ビーンズ一粒ごとに加えた。
Figure 2024505448000002
前記ビーンズを前記溶液とともに室温で0.5~36時間(例えば一晩)インキュベートした。前記溶液を濾別し、前記ビーンズを洗浄し、当技術分野で知られているように、温度および湿度の条件を制御した乾燥室に入れてキリングしキュアリングした。前記ビーンズの重量を毎日秤量し、元の重量の30~25%で、分光光度法によるバニリン含有量分析と官能パネルによるフレーバーテストを行った。
図1からわかるように、異なる化合物は異なるフレーバー化合物を増加させ、各化合物に固有のフレーバープロファイルを提供した。興味深いことに、官能パネル評価(図2)から分かるように、フレーバー化合物の変化の結果、それに対応するフレーバー感覚がもたらされた。たとえば、サリチル酸(バニリンの量を大幅に増加させる)で処理されたビーンズは、強いバニラ系フレーバーを持つと認識され、一方、フェニルアラニン、グルタチオン、または糖で処理されたビーンズ(バニリン含有量が減少する)は非バニラ系フレーバーを有すると認識された。両方の実験を3回繰り返したが、同様の結果が得られた。
実施例2 -バニラビーンズのフレーバープロファイルの変更
前記処理されたバニラビーンズを、固相マイクロ抽出(SPME)ファイバーを使用したヘッドスペースモードのガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)によってさらに分析した。化合物の同定は、保持指数と質量スペクトルによって行われた。化合物フレーバーは、以下のデータベースで化合物名を検索して取得した:https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/およびhttp://www.thegoodscentscompany.com/。
図3A~図3Eからわかるように、GC-MS分析により、ビーンズをフェニルアラニン、ピルビン酸塩、アラニン+スクロース、およびL-グルタチオンで処理した場合、バニリンレベルの増加とフレーバープロファイルの変化という両方の効果が確認された。フレーバーを増強するために使用される化合物のそれぞれは、異なるフレーバープロファイルをもたらし、これは、本明細書に開示される方法がバニラビーンズのフレーバープロファイルを変更する能力を証明する。前記分析は2回繰り返され、同じ結果となった。
図3Bから分かるように、フレーバーパネルによって強いバニラ味を誘発すると特定されたサリチル酸は、確かにバニリンレベルの顕著な増加を引き起こした。一方で、前記パネルによってバニラフレーバーが穏やかに増加したビーンズが得られると特定されたキトサン処理は、バニリンレベルの穏やかな増加を示した(図3C)。
サリチル酸の供給により、ナッツ系のフレーバー(3-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド)をもたらす成分レベルがさらに増加し、ビネガー系、アニス系、およびフローラル系のフレーバーをもたらす酢酸、クレオソールおよびアセトインなどの主要成分が減少した(図3B)。p-ヒドロキシフェニルホスホン酸、4-イソプロピルフェニル炭酸メチルエステル、イソソルビド、2,4-ジ-tert-ブチルフェノールおよびサリチル酸などの代謝マーカーも同定された(図3B)。
一方で、キトサンの供給により、ナッツ系のコーヒーフレーバー(3-ヒドロキシ-ベンズアルデヒドおよび2-メチル-ブタナール)をもたらす成分レベルがさらに増加し、ビネガー系、アニス系、およびフローラル系のフレーバーをもたらす酢酸、クレオソールおよびアセトインなどの成分が減少した(図3C)。注目すべきことに、低レベルの代謝マーカー、すなわちエタノール、酢酸アンモニウム、イソソルビド、2,4-ジ-tert-ブチルフェノールも形成された(図3C)。
ピルビン酸塩などの他の化合物は、ビーンズにビネガー系、クリーミー系、スイート系のフレーバーを与える酢酸、2,3-ブタンジオール、アセトインなどの形成化合物をもたらし(図3D)、一方で、アニス系およびフローラル系のフレーバーを与える化合物(クレオソールおよびベンゼンアセトアルデヒド)のレベルを減少させることにより、フレーバープロファイルに変化を誘発した。ピルビン酸塩処理に関連する代謝マーカーは、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、プロピル-シクロペンタン、2-(2-ブトキシエトキシ)-エタノール、シクロブタンカルボン酸オクチルエステル、およびオクタン酸エチルエステルであった。
フェニルアラニン(図3E)およびグルタチオン(結果は示されていない)は、(バニリンの増加に加えて)ビーンズにフローラル系、フルーツ系のフレーバーを与えるフェニルエチルアルコールおよび3-フェニル-2-プロペン酸メチルエステルの化合物形成を誘導し、かつ、ビーンズにビネガー系、アニス系、およびクリーミー系のフレーバーを与える化合物(酢酸、クレオソール、2,3-ブタンジオール)の存在量を減少させた。フェニルアラニン処理に関連する代謝マーカーは、2-ヒドロキシ-1-フェニル-エタノン、ベンゼンカルボチオ酸、3-フェニルフラン、ジメチルシランジオール、およびアルファ-エチリデン-ベンゼンアセトアルデヒドであった。
興味深いことに、主要なフレーバー成分の増加または減少(独特のパターンの形成)とともに、前記化合物での処理により、通常のバニラビーンズには見られない、例えば、p-ヒドロキシフェニルホスホン酸など、独特のフレーバーマーカーの低レベルでの形成もあった(図3A~図3E)。
以下の表2は、処理によって達成されるフレーバー/アロマの改変の概要である。
Figure 2024505448000003
実施例3 - エリシターカクテルを使用した代謝操作
a)バリン、ロイシン、およびイソロイシン(25mM)を水に溶解し、pHをpH=7に調整した。緑色のホールのバニラビーンズ(凍結融解によりキリングされた)をバケツに入れた。前記バリン、ロイシン、およびイソロイシンのカクテルと、tween20、tween80、span20、およびspan80それぞれ0.1%とを含有する溶液10mlを、前記ビーンズに加えた。
前記処理されたバニラビーンズを、上述したように、固相マイクロ抽出(SPME)ファイバーを使用したヘッドスペースモードのガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)によって分析した。
図4Aから分かるように、この処理により、コントロールと比較して、2-メチル-2ブテナール(ビーンズにナッツ系フレーバーを与える)が15~30倍増加し、2-メチル-ブタナール、ブタナール、および酢酸(ビーンズにチョコレート、キャラメル、ビネガー系のフレーバーを与える)のレベルが5~15倍増加した。また、3-メチルブタナール、イソフェニルアルコール、および4-ヒドロキシブタン酸ラクトン(ビーンズにチョコレート、フルーツ系のフレーバーを与える)についても、コントロール(未処理)と比較して、2~5倍の増加が得られた。前記分析は2回繰り返され、同じ結果となった。
興味深いことに、凍結融解によるキリングを機械的キリングに置き換えると、イソフェニルアルコールレベルのさらに大きな増加が得られたが、2-メチル-2ブテナールの増加はそれほど顕著ではなかった(図4Bを参照)。
b)ピルビン酸塩、およびフェニルアラニン(100mMおよび25mM)を水に溶解し、pHをpH=7に調整した。凍結融解によりキリングした緑色のホールのバニラビーンズをバケツに入れた。前記ピルビン酸塩およびフェニルアラニンのカクテルと、tween20、tween80、span20、およびspan80それぞれ0.1%とを含有する溶液10mlを、前記ビーンズに加え、未処理のビーンズをコントロールとして使用した。
前記処理されたバニラビーンズを、上述したように、固相マイクロ抽出(SPME)ファイバーを使用したヘッドスペースモードのガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)によって分析した。
図5Aから分かるように、この処理により、コントロール(凍結融解によりキリングした)と比較して、酢酸(ビーンズにビネガー系フレーバーを与える)が5~15倍増加した。前記分析は2回繰り返され、同じ結果となった。
驚くべきことに、キリング凍結融解を機械的キリングに置き換えると、コントロール(エリシター無し)と比較して、酢酸レベルが増加する代わりに、ベンゼンアセトアルデヒド、フェニルエチルアルコール、酢酸イソフェニル(ビーンズにスイート系、フローラル系、フルーツ系のフレーバーを与える)およびベンズアルデヒド(ビーンズにアーモンドフレーバーを与える)のレベルが増加した(図5B参照)。
実施例4-機械的キリングによる代謝操作
緑色のホールのバニラビーンズを、上述したように、機械的破砕し、固相マイクロ抽出(SPME)ファイバーを使用したヘッドスペースモードのガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)によって分析した。
驚くべきことに、加熱によってキリングしたビーンズと比較して、バニラビーンズを機械的キリングすること自体によって、代謝プロファイルが変化した。とりわけ、図6からわかるように、3-ヒドロキシ-2-ブタノン(ビーンズにスイート系、クリーミー系のフレーバーを与える)を大幅に増加(24倍)させ、同様に2,3-ブタンジオンと2-3-メトキシp-クレゾールと(クリーミー系およびスモーキーウッディ系のフレーバーをビーンズに与える)を大幅に増加させた。
多くの例示的な態様および実施形態を上記に論じてきたが、当業者であれば、それらの特定の修正、追加および下位の組み合わせを認識するであろう。したがって、以下の添付の特許請求の範囲およびこれから導入される特許請求の範囲は、その真の精神および範囲内にあるすべてのそのような修正、追加および下位の組み合わせを含むものとして解釈されることが意図される。
実施例5-処理済みビーンズにおけるバニリンのレベル
標的化合物(下記の表3に示す)を水に溶解し、pHをpH=7に調整した。緑色のビーンズをバケツに入れ、表3に列挙した化合物および界面活性剤を含む溶液で覆った。
Figure 2024505448000004
前記ビーンズを前記溶液とともに室温で0.5~36時間インキュベートした。その後、前記溶液を濾別し、当技術分野で知られているように、温度および湿度の条件を制御した乾燥室に入れてキリングしキュアリングした。前記ビーンズの重量を毎日秤量し、元の重量の25~30%で、分光光度法によるバニリン含有量分析と官能パネルによるフレーバーテストを行った。
図7からわかるように、異なる化合物は異なるフレーバー化合物を増加させ、各化合物に固有のフレーバープロファイルを提供した。例えば、2-フロン酸で処理したビーンズ(処理9)は強いバニラ系フレーバーを有すると認識され、アミノ酸で処理したビーンズ(処理6、8、10、11)は非バニラ系フレーバーを有すると認識された。興味深いことに、図8からわかるように、 各アミノ酸は独自の、時には非バニラ系の味のプロファイルをもたらした。プロリンは焼きナッツのような強いフレーバーをもたらし、一方、アラニンは主にビネガー系-酸味系およびフルーツ系のフレーバーをもたらした。
(図面の翻訳)
[図1]
proline+glucose プロリン+グルコース
alanine+glucose アラニン+グルコース
proline+fructose プロリン+フルクトース
Indole butyric acid インドール酪酸
proline+sucrose プロリン+スクロース
alanine+sucrose アラニン+スクロース
alanine アラニン
Xylose キシロース
pectin ペクチン
proline プロリン
Kinetin カイネチン
L-glutathione L-グルタチオン
P-coumaric acid P-クマル酸
Control water 水(コントロール)
Pyruvic acid ピルビン酸
alanine+fructose アラニン+フルクトース
B-cyclodextrin B-シクロデキストリン
trans-Ferulic acid トランスフェルラ酸
trans-Cinnamic acid トランス桂皮酸
Methyl jasmonate ジャスモン酸メチル
Chitosan キトサン
Salicylic acid サリチル酸
L-Phenylalanine L-フェニルアラニン
dextran デキストラン

[図2]
Vanillic バニラ系
Other その他
Salicylic acid サリチル酸
Pyruvic acid ピルビン酸
trans-Cinnamic acid トランス桂皮酸
P-coumaric acid P-クマル酸
Methyl jasmonate ジャスモン酸メチル
dextran デキストラン
Xylose キシロース
Control water 水(コントロール)
Chitosan キトサン
pectin ペクチン
Control water 水(コントロール)
Kinetin カイネチン
B-cyclodextrin B-シクロデキストリン
Indose butyric acid インドール酪酸
alanine+fructose アラニン+フルクトース
alanine アラニン
proline プロリン
trans-Ferulic acid トランスフェルラ酸
alanine+glucose アラニン+グルコース
L-Phenylalanine L-フェニルアラニン
L-glutathione L-グルタチオン
alanine+sucrose アラニン+スクロース
proline+sucrose プロリン+スクロース
proline+glucose プロリン+グルコース
proline+fructose プロリン+フルクトース

[図3A]
Relative abundance 相対的存在量
Compounds (higher than 1%) 化合物(>1%)
Altered flavor components フレーバー変更化合物
Newly formed markers for each precursor 各前駆体用の新規形成マーカー
Control コントロール
Pyruvate ピルビン酸塩
Phenylalanine フェニルアラニン
Alanine+Sucrose アラニン+スクロース
L-glutathione L-グルタチオン

[図3B]
Incubation with salicylic acid (25 mM) サリチル酸(25 mM)とのインキュベーション
Relative abundance 相対的存在量
Compounds 化合物
Control コントロール
Salicylic acid サリチル酸
Increased major flavors: vanillic, nutty, oily 増加した主要フレーバー:バニラ系、ナッツ系、オイル系
Vanillin バニリン
3-hydroxy-Benzaldehyde 3-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド
Decane,2,2-dimethyl デカン、2,2-ジメチル
Mequinol メキノール
Benzaldehyde ベンズアルデヒド
Reduced major flavors: vinegar, anisic, floral 減少した主要フレーバー:ビネガー系、アニス系、フローラル系
Acetic acid 酢酸
L-Lactic acid L-乳酸
Creosol クレオソール
Acetoin アセトイン
4-Hydroxy-3-methyoxybenzyl alcohol 4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジルアルコール
Newly formed markers: 新規形成マーカー
p-hydroxyphenyl Phosphoric acid p-ヒドロキシフェニルリン酸
Salicylic acid サリチル酸
4-isopropylphenyl carbonic acid methyl ester 4-イソプロピルフェニル炭酸メチルエステル
Isosorbide イソソルビド
2,4-Di-tert-butylphenol 2,4-ジ-tert-ブチルフェノール

[図3C]
Incubation with Chitosan (1 mM) キトサン(1mM)とのインキュベーション
Relative abundance 相対的存在量
Compounds 化合物
Control コントロール
Chitosan キトサン
Increased major flavors: vanillic, nutty, coffee 増加した主要フレーバー:バニラ系、ナッツ系、コーヒー
Vanillin バニリン
3-hydroxy-Benzaldehyde 3-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド
3-phenyl-2-Propenoic acid methyl ester 3-フェニル-2-プロペン酸メチルエステル
2-methyl-Butanal 2-メチル-ブタナール
3-phenyl-2-Propenal 3-フェニル-2-プロペナール
Reduced major flavors: vinegar, anisic, floral 減少した主要フレーバー:ビネガー系、アニス系、フローラル系
Acetic acid 酢酸
L-Lactic acid L-乳酸
Creosol クレオソール
Acetoin アセトイン
4-Hydroxy-3-methyoxybenzyl alcohol 4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジルアルコール
Newly formed markers: 新規形成マーカー
Ethanol エタノール
Ammonium acetate 酢酸アンモニウム
Isosorbide イソソルビド
2,4-Di-tert-butylphenol 2,4-ジ-tert-ブチルフェノール

[図3D]
Incubation with pyruvate (100 mM) ピルビン酸塩(100mM)とのインキュベーション
Relative abundance 相対的存在量
Compounds 化合物
Control コントロール
pyruvate ピルビン酸塩
Increased major flavors: vinegar, creamy, sweet 増加した主要フレーバー:ビネガー系、クリーミー系、スイート系
Acetic acid 酢酸
2,3-Butanediol 2,3-ブタンジオール
Acetoin アセトイン
Phenylethyl alcohol フェニルエチルアルコール
3-Phenyl-2-propenoic acid methyl ester 3-フェニル-2-プロペン酸メチルエステル
Reduced major flavors: anisic, floral 減少した主要フレーバー:アニス系、フローラル系
Vanillin バニリン
Creosol クレオソール
Benzeneacetaldehyde ベンゼンアセトアルデヒド
4-Hydroxy-3-methyoxybenzyl alcohol 4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジルアルコール
3-hydroxy-benzaldehyde 3-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド
Newly formed markers 新規形成マーカー:
1-Methoxy-2-propyl acetate 1-メトキシ-2-プロピルアセテート
Propyl-cyclopentane プロピルシクロペンタン
2-(2-Butoxyethoxy)-ethanol 2-(2-ブトキシエトキシ)-エタノール
Cyclobutanecarboxylic acid octyl ester シクロブタンカルボン酸オクチルエステル
Octanoic acid ethyl ester オクタン酸エチルエステル

[図3E]
Incubation with phenylalanine (100 mM) フェニルアラニン(100mM)とのインキュベーション
Relative abundance 相対的存在量
Compounds 化合物
Control コントロール
phenylalanine フェニルアラニン
Increased major flavors: vanillic, fruity, floral 増加した主要フレーバー:バニラ系、フルーツ系、フローラル系
Vanillin バニリン
Phenylethyl Alcohol フェニルエチルアルコール
3-Phenyl-2-propenoic acid methyl ester 3-フェニル-2-プロペン酸メチルエステル
3-Hydroxy-benzaldehyde 3-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド
Butylated Hydroxytoluene ブチル化ヒドロキシトルエン
Reduced major flavors: vinegar, anisic, creamy 減少した主要フレーバー:ビネガー系、アニス系、クリーミー系
Acetic acid 酢酸
Creosol クレオソール
2,3-Butanediol 2,3-ブタンジオール
Benzeneacetaldehyde ベンゼンアセトアルデヒド
4-Hydroxy-3-methoxybenzyl alcohol 4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジルアルコール
Newly formed markers 新規形成マーカー
2-Hydroxy-1-phenyl-ethanone 2-ヒドロキシ-1-フェニル-エタノン
Benzenecarbothioic acid ベンゼンカルボチオ酸
Furan, 3-phenyl- フラン、3-フェニル-
Silanediol, dimethyl- シランジオール、ジメチル-
Alpha-ethylidene-Benzeneacetaldehyde アルファ-エチリデン-ベンゼンアセトアルデヒド

[図4A]
Relative abundance 相対的存在量
Compounds 化合物
Control コントロール
Valine, Leucine, Isoleucine バリン、ロイシン、イソロイシン
15-30 fold: nutty, fruity 15~30倍:ナッツ系、フルーツ系
2-Methyl-2-butenal 2-メチル-2-ブテナール
5-15 fold: Chocolate, caramellic, vinegar 5~15倍:チョコレート、キャラメル系、ビネガー系
2-Methyl-butanal 2-メチル-ブタナール
Butanal ブタナール
Acetic aicd 酢酸
2-5 fold: Chocolate, fruity 2~5倍:チョコレート、フルーツ系
3-Methyl-butanal 3-メチル-ブタナール
Isopentyl alcohol イソペンチルアルコール
4-Hydroxybutanoic acid lactone 4-ヒドロキシブタン酸ラクトン

[図4B]
Relative abundance 相対的存在量
Compounds 化合物
Control コントロール
Valine, Leucine, Isoleucine バリン、ロイシン、イソロイシン
15-30 fold: 15~30倍:
5-15 fold: nutty, fruity, sweet 5~15倍:ナッツ系、フルーツ系、スイート系
Isopentyl alcohol イソペンチルアルコール
2-Methyl-1-butanol 2-メチル-1-ブタノール
2-Methyl-2-butenal 2-メチル-2-ブテナール
Isopentyl acetate 酢酸イソペンチル
2-5 fold: Chocolate, caramellic 2~5倍:チョコレート、キャラメル系
3-Methyl-butanal 3-メチル-ブタナール
2-Methyl-butanal 2-メチル-ブタナール
Butanal ブタナール
4-Hydroxybutanoic acid lactone 4-ヒドロキシブタン酸ラクトン

[図5A]
Relative abundance 相対的存在量
Compounds 化合物
Control コントロール
Pyruvate & Phenylalanine ピルビン酸塩&フェニルアラニン
15-30 fold: 15~30倍
5-15 fold: Vinegar 5~15倍:ビネガー系
Acetic acid 酢酸
2-5 fold: 2~5倍:

[図5B]
Relative abundance 相対的存在量
Compounds 化合物
Control コントロール
Pyruvate & Phenylalanine ピルビン酸塩&フェニルアラニン
15-30 fold: 15~30倍
5-15 fold: Sweet, floral, fruity 5~15倍:スイート系、フローラル系、フルーツ系
Benzene acetaldehyde ベンゼンアセトアルデヒド
Phenyl ethyl alcohol フェニルエチルアルコール
Isopentyl acetate 酢酸イソペンチル
2-5 fold: almond 2~5倍:アーモンド
Benzaldehyde ベンズアルデヒド

[図6]
Relative abundance 相対的存在量
Compounds 化合物
Traditional 従来
Mechanical disruption 機械的破砕
15-30 fold: Sweet, creamy 15~30倍:スイート系、クリーミー系
3-Hydroxy-2-butanone 3-ヒドロキシ-2-ブタノン
5-15 fold: creamy, smoky-woody 5~15倍:クリーミー系、スモーキーウッド系
2,3-Butanedione 2,3-ブタンジオン
2-Methoxy p-Cresol 2-メトキシp-クレゾール
2-5 fold: Creamy, buttery 2~5倍:クリーミー系、バター系
2,3-Butanediol 2,3-ブタンジオール

[図7]
Proportions 割合
Compounds 化合物
Vanillic バニラ系
Other その他

[図8]
Proportions 割合
Compounds 化合物
BAKED NUT 焼きナッツ
Smoky woody スモーキーウッド系
Creamy-buttary クリーミー系-バター系
vinegar-sour ビネガー系-酸味系
beany/earthy 豆系/素朴
Fruity フルーツ系
Anisic-spicy アニス系-スパイス系
Undefined flavor 未定義のフレーバー
Phenolic-leather フェノール系-レザー系

Claims (41)

  1. バニラビーンズを含む溶液に化合物を添加して前記化合物が前記バニラビーンズに浸透するようにすることを含み、それによって改変された代謝プロファイルを有するバニラビーンズを得る、バニラビーンズの代謝プロファイルを操作する方法。
  2. 前記バニラビーンズはホールのバニラビーンズである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記代謝プロファイルの操作は、前記バニラビーンズのフレーバーを増強すること、前記バニラビーンズのフレーバープロファイルを改変すること、前記バニラビーンズの色を変更すること、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記化合物は、フレーバー化合物の中間体、エリシター、ホルモン、代謝物、または、それらの任意の組み合わせである、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記化合物はエリシターである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記化合物は、p-クマル酸、トランス桂皮酸、フェルラ酸、ロイシン、イソロイシン、L-フェニルアラニン、バリンアラニン、プロリン、ピルビン酸、グルコース、フルクトース、スクロース、L-グルタチオン、 ジャスモン酸メチル、サリチル酸、キトサン、シクロデキストリン、キシロース、ペクチン、カイネチン、デキストラン、インドール酪酸、α-ケトグルタル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、マレイン酸、グリシン、セリン、2-フロン酸、アラニン、ヒドロキシプロリン、ヒスチジン、またはそれらの任意の組み合わせの群から選択される、請求項4に記載の方法。
  7. 前記化合物は、L-フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ピルビン酸、サリチル酸、キトサン、L-グルタチオン、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記化合物の添加は、0.1~500mMの前記代謝操作化合物を添加することを含む、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記化合物の添加は、1~100mMの前記代謝操作化合物を添加することを含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記溶液に浸透剤を添加することをさらに含む、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記浸透剤は界面活性剤である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記界面活性剤は非イオン性界面活性剤である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記界面活性剤は、PEG20ソルビタンモノラウレート、PEG20ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、またはそれらの任意の組み合わせの群から選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記浸透剤の添加は、0.05%~1%の前記浸透剤を添加することを含む、請求項10に記載の方法。
  15. 前記浸透剤の添加は、少なくとも0.1%~5%の前記浸透剤を添加することを含む、請求項10に記載の方法。
  16. 前記バニラビーンズは、前記化合物とともに少なくとも24時間インキュベートされる、請求項1~15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記方法は、前記バニラビーンズの収穫後に行われる、請求項1~16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記バニラビーンズを前記化合物で処理する前に、前記バニラビーンズに機械的破砕によるキリングを行うことをさらに含む、請求項1~17のいずれかに記載の方法。
  19. 請求項1~18のいずれかに記載の方法にしたがって得られるバニラビーンズ。
  20. 全揮発性画分のうち少なくとも10%の3-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド、または
    全揮発性画分のうち少なくとも3%の3-フェニル-2-プロペン酸メチルエステル、または
    少なくとも1%の2-メチル-ブタナールを含む、代謝改変バニラビーンズ。
  21. 全揮発性画分のうち少なくとも15%の3-ヒドロキシ-ベンズアルデヒドを含む、請求項20に記載の代謝改変バニラビーンズ。
  22. 全揮発性画分のうち少なくとも5%の3-フェニル-2-プロペン酸メチルエステルを含む、請求項20に記載の代謝改変バニラビーンズ。
  23. 全揮発性画分のうち少なくとも2%の2-メチル-ブタナールを含む、請求項20に記載の代謝改変バニラビーンズ。
  24. 10%未満の酢酸、クレオソール、および/またはアセトインを含む、請求項20に記載の代謝改変バニラビーンズ。
  25. エタノール、酢酸アンモニウム、イソソルビド、および/または2,4-ジ-tert-ブチルフェノールをさらに含む、請求項20に記載の代謝改変バニラビーンズ。
  26. 少なくとも0.05%のサリチル酸および/またはp-ヒドロキシフェニルホスホン酸を含む、代謝改変バニラビーンズ。
  27. 5%未満の酢酸、クレオソール、および/またはアセトインを含む、請求項26に記載の代謝改変バニラビーンズ。
  28. 4-イソプロピルフェニル炭酸メチルエステル、イソソルビド、および/または2,4-ジ-tert-ブチルフェノールをさらに含む、請求項26に記載の代謝改変バニラビーンズ。
  29. 全揮発性画分のうち少なくとも10%の2,3-ブタンジオールを含む、代謝改変バニラビーンズ。
  30. 全揮発性画分のうち少なくとも15%の2,3-ブタンジオールを含む、請求項29に記載の代謝改変バニラビーンズ。
  31. 3%未満のクレオソールおよび/またはベンゼンアセトアルデヒドを含む、請求項29に記載の代謝改変バニラビーンズ。
  32. 1-メトキシ-2-プロピルアセテート、プロピル-シクロペンタン、2-(2-ブトキシエトキシ)-エタノール、シクロブタンカルボン酸オクチルエステル、オクタン酸エチルエステル、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、請求項29に記載の代謝改変バニラビーンズ。
  33. 全揮発性画分のうち少なくとも0.05%のベンゼンカルボチオ酸、および/または、2-ヒドロキシ-1-フェニル-エタノン、および/または、アルファ-エチリデン-ベンゼンアセトアルデヒド、または
    全揮発性画分のうち少なくとも3%のフェニルエチルアルコール、または
    少なくとも2%の3-フェニル-2-プロペン酸メチルエステル、を含む、代謝改変バニラビーンズ。
  34. 全揮発性画分のうち少なくとも4%のフェニルエチルアルコールを含む、請求項33に記載の代謝改変バニラビーンズ。
  35. 全揮発性画分のうち少なくとも5%の3-フェニル-2-プロペン酸メチルエステルを含む、請求項33に記載の代謝改変バニラビーンズ。
  36. 1%未満のクレオソール、ベンゼンアセトアルデヒド、および/または酢酸を含む、請求項33に記載の代謝改変バニラビーンズ。
  37. 2-ヒドロキシ-1-フェニル-エタノン、ベンゼンカルボチオ酸、3-フェニルフラン、ジメチルシランジオール、アルファ-エチリデン-ベンゼンアセトアルデヒド、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、請求項33に記載の代謝改変バニラビーンズ。
  38. バニラビーンズに機械的破砕によるキリングを行うことを含み、それによって改変された代謝プロファイルを有するバニラビーンズを得る、バニラビーンズの代謝プロファイルを操作する方法。
  39. 前記バニラビーンズは熟成したバニラビーンズである、請求項38に記載の方法。
  40. 前記代謝プロファイルの操作は、前記バニラビーンズのフレーバーを増強すること、前記バニラビーンズのフレーバープロファイルを改変すること、前記バニラビーンズの色を変更すること、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項38に記載の方法。
  41. 前記方法は、前記バニラビーンズの収穫後に行われる、請求項38に記載の方法。
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