JP2024501790A - アルカリ酸化ニッケルの酸化脱リチウム化 - Google Patents

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Abstract

(a)式A1-aNi1+aO2(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0<a≦0.2)を有するアルカリ金属含有層状酸化ニッケルを、ペルオキシジサルフェート塩及び/又はモノペルサルフェート塩を含む酸化剤と組み合わせて、混合物を形成する工程と、(b)混合物を加熱して、Ni(IV)電気化学的活性カソード材料を含む、Ni(IV)含有混合物を形成する工程と、(c)工程(b)のNi(IV)含有混合物に鉱酸を添加する工程と、(d)工程(c)の混合物を加熱して、追加量のNi(IV)含有電気化学的活性カソード材料を形成する工程であって、工程(b)及び(d)において形成されたNi(IV)含有電気化学的活性カソード材料が、一般式AxHyNi1+aO2(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0.08≦x<0.2、0≦y<0.3、及び0.02≦a≦0.2)を有する、形成する工程と、を含む、電気化学的活性カソード材料を調整する方法が提供される。

Description

開示は、概して、アルカリ酸化ニッケルの酸化脱金属化に関する。より具体的には、開示は、ペルサルフェート塩での処理及び鉱酸での後続の別個の処理を含む、多段階ハイブリッドプロセスを使用するアルカリ酸化ニッケルの酸化脱金属化に関する。
アルカリ金属含有遷移金属酸化物は、一次及び二次電気化学セルの両方において使用するために高度に酸化されたカソード材料を調製する目的で、エネルギー的に活性化されるか、又は「充電され」得る。アルカリ金属含有遷移金属酸化物の充電は、遷移金属の酸化及び金属酸化物結晶格子からのアルカリ金属の除去を部分的又は全体的に含んで、アルカリ金属欠乏遷移金属酸化物の電気化学的活性カソード材料を形成する。アルカリ金属含有遷移金属酸化物は、化学的に充電させるか、又は電気化学的に充電させることができる。アルカリ金属含有遷移金属酸化物を化学的に充電する方法は、例えば、鉱酸での処理による、遷移金属の酸化脱金属化及び酸促進不均化を含むことができる。
Mn及びNiなどの金属を含むアルカリ金属含有遷移金属酸化物の酸促進不均化は、結晶格子から存在する本質的に全てのアルカリ金属イオンの抽出、並びに金属の最大50%の酸化、例えば、M(III)酸化状態からM(IV)酸化状態への酸化をもたらすことが既知である。対応する量のM(III)をM(II)に還元させ、これを酸溶液中に溶解させる。
酸促進不均化反応は、化学量論的層状リチウム酸化ニッケルを一例として、以下の式1
LiNiO+2y HSO→(1-y)Li(1-2y)/(1-y)NiO+y NiSO+yLiSO+2y HO(0≦y≦1/2)のようにまとめることができる。 (1)
Ni(II)イオンは可溶性であり、酸性水溶液中に溶解する。それゆえ、出発遷移金属酸化物中のM(III)イオンのうちの少なくとも半分が酸溶液中に溶解する可能性があるM(II)イオンに還元され、それにより、結晶構造から抽出されるため、遷移金属酸化物を含有するアルカリ金属を化学的に充電するための酸促進金属不均化反応の使用は、非常に非効率的である。更に、M(II)イオンの溶解は、遷移金属酸化物の平均粒径における低減をもたらす。
アルカリ金属含有遷移金属酸化物を強力な可溶性化学酸化剤で化学的に充電することは、遷移金属をより高い酸化状態に直接的に酸化させるために使用され、結晶格子の全体的な電気的中性を維持するために比例した量のアルカリ金属イオンの除去をもたらす可能性がある。強力に酸化するガス(例えば、オゾン、塩素又は臭素)、強力に酸化する固体試薬(例えば、ヘキサフルオロホスフェートニトロソニウム、テトラフルオロボレートニトロソニウム、ヘキサフルオロアルセネートニトロソニウム、テトラフルオロボレートニトロニウム、ヘキサフルオロホスフェートニトロニウム、ヘキサフルオロアルセネートニトロニウム)、及び水溶性酸化剤(例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属次亜塩素酸塩(例えば、Na、K、Ca2+)、アルカリペルオキシジサルフェート(例えば、Na、K)、アンモニウムペルオキシジサルフェート、及びアルカリモノペルサルフェート(例えば、Na、K)などの様々な試薬が、アルカリ金属含有遷移金属酸化物を科学的に充電するために使用されている。他の水溶性酸化剤としては、アルカリパーマグネイト(例えば、K、Na、Li)及びアルカリフェラート(例えば、K)が挙げられる。水溶性酸化剤を使用する方法は、典型的には、24~48時間にわたって室温近くで実施されるが、かかる方法は、多くの場合、遷移金属を迅速かつ十分に酸化させ、出発アルカリ金属含有遷移金属酸化物を脱金属化して、AMO又はA、式中Aがアルカリ金属であり、Mが遷移金属であり、例えば、xが約0.3未満である式を有するアルカリ金属欠乏金属酸化物を調製するのに十分な酸化強度を欠く。
このため、アルカリ金属含有の層状遷移金属酸化物を化学的に充電する既知の方法は、遷移金属の不均化による低収率、遷移金属の不完全な酸化、及び/又は処理時間の延長、例えば、12~72時間、並びに高価な試薬(例えば、ニトロソニウム塩、ニトロニウム塩)などの複数の欠点を有する。
開示の一態様は、(a)式A1-aNi1+a(式中、Aが、アルカリ金属を含み、及び0<a≦0.2)を有するアルカリ金属含有層状酸化ニッケルを、ペルオキシジサルフェート塩、モノペルサルフェート塩、又はこれらの組み合わせを含む化学酸化剤を含む流体組成物と組み合わせて、混合物を形成する工程と、(b)混合物を、少なくともNi(IV)含有混合物を形成するのに十分な一定期間の間、加熱する工程であって、Ni(IV)含有混合物が、Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を含み、Ni(IV)含有混合物が総ニッケル(Ni)含有量を有する、加熱する工程と、(c)工程(b)のNi(IV)含有混合物を鉱酸と組み合わせる工程であって、鉱酸が、総ニッケル1モル当たり約0.60モル以下の量で添加される、組み合わせる工程と、(d)工程(c)の混合物を、少なくとも追加量のNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を形成するのに十分な一定期間の間、加熱する工程であって、工程(b)及び(d)の間に形成された、Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料が、一般式ANi1+a(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0.08≦x<0.2、0≦y<0.3、及び0.02≦a≦0.2)を有する、加熱する工程と、を含む、電気化学的活性カソード材料を調製する方法を提供する。
開示の別の態様は、式A1-aNi1+a-z(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0<a≦0.2、Mが、遷移金属又は典型金属を含み、0≦z≦0.2)を有する非化学量論的アルカリ金属含有層状酸化ニッケルを、ペルオキシジサルフェート塩、モノペルサルフェート塩、又はこれらの組み合わせを含む化学酸化剤を含む流体組成物と組み合わせて、混合物を形成する工程と、(b)混合物を、少なくともNi(IV)含有混合物を形成するのに十分な一定期間の間、加熱する工程であって、Ni(IV)含有混合物が、Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を含み、Ni(IV)含有混合物が総ニッケル(Ni)含有量を有する、加熱する工程と、(c)工程(b)のNi(IV)含有混合物を鉱酸と組み合わせる工程であって、鉱酸が、総ニッケル1モル当たり約0.60モル以下の量で添加される、組み合わせる工程と、(d)工程(c)の混合物を、少なくとも追加量のNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を形成するのに十分な一定期間の間、加熱する工程であって、工程(b)及び(d)の間に形成された、Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料が、一般式ANi1+a-z(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0.08≦x<0.2、0≦y<0.3、0.02≦a≦0.2、Mが、遷移金属又は典型金属を含み、0≦z≦0.2)を有する、加熱する工程と、を含む、電気化学的活性カソード材料を調製する方法を提供する。
開示の別の態様は、(i)式A1-aNi1+a(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0<a≦0.2)を有するアルカリ金属含有層状酸化ニッケルと、ペルオキシジサルフェート塩、モノペルサルフェート塩、又はこれらの組み合わせを含む化学酸化剤を、少なくともNi(IV)含有混合物を形成するのに十分な一定期間の間、高温での流体組成物中で反応させる工程であって、Ni(IV)含有混合物が、Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を含み、Ni(IV)含有混合物が総ニッケル(Ni)含有量を有する、反応させる工程と、(ii)工程(i)のNi(IV)含有混合物を鉱酸と反応させる工程であって、鉱酸が、少なくとも追加量のNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を形成するために十分な一定期間の間、高温で総ニッケル1モル当たり約0.60モル以下の量で添加され、工程(i)及び(ii)の間に形成されたNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料が、一般式ANi1+a(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0.08≦x<0.2、0≦y<0.3、及び0.02<a≦0.2)を有する、反応させる工程を含む、電気化学的活性カソード材料を調製する方法を提供する。
開示の別の態様は、開示の方法の工程(b)及び(d)において形成されたNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルを、アルカリ金属水酸化物の水溶液で処理して、一般式AA’Ni1+a・nHO(式中、Aが、アルカリ金属を含み、A’が、Aとは異なるアルカリ金属を含み、0.04≦x<0.2、0.03≦v<0.2、0.02≦a≦0.2及び0<n<2)を有する更なる電気化学的活性カソード材料を形成することであって、工程(b)及び(d)において形成されたアルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルのものとは異なる特徴的な粉末X線回折パターンを更に有する、形成することを含む、Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルから更なる電気化学的活性カソード材料を調製する方法を提供する。
更なる態様及び利点は、以下の詳細な説明の報告から当業者に明らかになるであろう。組成物及び方法は、様々な形態における実施形態の影響を受けやすいが、本明細書の説明は、開示が例示的であり、本明細書に記載される特定の実施形態に対して開示を限定することを意図しないことを理解した状態で特定の実施形態を含む。
本明細書は、本発明を形成するとみなされる主題を特に指摘し明確に主張する特許請求の範囲を有して結論付けるが、発明は、添付の図面と併せて以下の説明からより良好に理解されると考えられる。
開示の一次アルカリ電池の実施形態の断面図である。
開示は、(a)式A1-aNi1+a(式中、Aが、アルカリ金属を含み、及び0<≦0.2)を有するアルカリ金属含有層状酸化ニッケルを、ペルオキシジサルフェート塩、モノペルサルフェート塩、又はこれらの組み合わせを含む化学酸化剤を含む流体組成物と組み合わせて、混合物を形成する工程と、(b)混合物を、少なくともNi(IV)含有混合物を形成するのに十分な一定期間の間、加熱する工程であって、Ni(IV)含有混合物が、Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を含み、Ni(IV)含有混合物が総ニッケル(Ni)含有量を有する、加熱する工程と、(c)工程(b)のNi(IV)含有混合物を鉱酸と組み合わせる工程であって、鉱酸が、総ニッケル1モル当たり約0.60モル以下の量で添加される、組み合わせる工程と、(d)工程(c)の混合物を、少なくとも追加量のNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を形成するのに十分な一定期間の間、加熱する工程であって、工程(b)及び(d)の間に形成された、Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料が、一般式ANi1+a、(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0.08≦x<0.2、0≦y<0.3、及び0.02≦a≦0.2)を有する、加熱する工程と、を含む、電気化学的活性カソード材料を調製する方法を提供する。
開示は、(a)式A1-aNi1+a-z(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0<a≦0.2、Mが、遷移金属又は典型金属を含み、及び0≦z≦0.2)を有するアルカリ金属含有層状金属置換酸化ニッケルを、ペルオキシジサルフェート塩、モノペルサルフェート塩、又はこれらの組み合わせを含む化学酸化剤を含む流体組成物と組み合わせて、混合物を形成する工程と、(b)混合物を、少なくともNi(IV)含有混合物を形成するのに十分な一定期間の間、加熱する工程であって、Ni(IV)含有混合物が、Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を含み、Ni(IV)含有混合物が総ニッケル(Ni)含有量を有する、加熱する工程と、(c)工程(b)のNi(IV)含有混合物を鉱酸と組み合わせる工程であって、鉱酸が、総ニッケル1モル当たり約0.60モル以下の量で添加される、組み合わせる工程と、(d)工程(c)の混合物を、少なくとも追加量のNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を形成するのに十分な一定期間の間、加熱する工程であって、工程(b)及び(d)において形成された、Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料が、一般式ANi1+a-z(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0.08≦x<0.2、0≦y<0.3、0.02≦a≦0.2、Mが、遷移金属又は典型金属を含み、0≦z≦0.2)を有する、加熱する工程と、を含む、電気化学的活性カソード材料を調製する方法を更に提供する。
ペルオキシジサルフェート塩及びモノペルサルフェート塩は、50℃を上回る温度、特に、60℃、65℃、70℃を上回る温度、又は約80°以上において、水溶液中で自己触媒熱分解を受け、酸素ガスを進化させ、分解生成物として硫酸を形成することができることが当技術分野で既知である。更に、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルは、硫酸などの鉱酸の存在下で酸促進不均化を受けることができることが当技術分野で既知である。この不均化反応は、例えば、層状リチウム酸化ニッケルについて、以下の式2
LiNiO+2y HSO→(1-y)Li(1-2y)/(1-y)NiO+y NiSO+y LiSO+2y HO(0≦y≦0.5)のようにまとめることができる。 (2)
それゆえ、当業者であれば、約50℃超、例えば、約60℃以上の温度で、酸化剤が、硫酸の分解及び形成を開始し、これがアルカリ金属含有層状酸化ニッケルの不均化を促進し、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルの初期量に対して、Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの最大収率が約50%以下であることが予想されるであろう。
更に、不均化中に形成される可溶化Ni(II)イオンは、分解生成物として硫酸を形成するペルオキシジサルフェート塩及びモノペルサルフェート塩の分解を触媒することができることが、当該技術分野で既知である。かかる酸化剤の更なる分解は、酸化脱金属化反応のために利用可能な酸化剤の量の減少、並びに不均化反応を促進するために利用可能な硫酸の量の増加に起因して、Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの収率を低下させることが当業者によって予想されるであろう。
理論に拘束されることを意図するものではないが、開示の2段階の方法の間にニッケルの酸化/還元をもたらす3つの基本的な段階が存在すると考えられる。第1の段階は、非化学量論的アルカリ金属含有層状酸化ニッケルの処理中に、ペルオキシジサルフェート塩及び/又はモノペルサルフェート塩を含む酸化剤で発生する酸化脱金属化である。この段階では、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルのNi(III)の一部分は、Ni(IV)に酸化され、アルカリ金属の一部分は、アルカリ金属含有層状酸化ニッケル構造から除去される。理論に拘束されることを意図するものではないが、アルカリ金属の除去は不均一であり、出発アルカリ金属含有層状酸化ニッケルの粒子の表面付近の残留アルカリ金属の濃度は、粒子の中心の濃度よりも低いと考えられる。理論に拘束されることを意図するものではないが、粒子の中心における残留アルカリ金属の濃度は、得られた脱金属化層状酸化ニッケルの粒子が「コア/シェル」タイプの構造を有し、その外側表面に隣接する高度な脱金属化の局所領域を有し、その内側領域内に脱金属化がほとんど又はまったくないように、アルカリ金属イオン拡散の速度によって制限されると更に考えられる。理論に拘束されることを意図するものではないが、可溶性Ni2+イオンは、第1の段階中にほとんど又はまったく形成されないと考えられる。
第2の段階は、鉱酸での処理による部分的に脱金属化された層状酸化ニッケルの主に不均化を含む。理論に拘束されることを意図するものではないが、不均化の間、鉱酸は、残りのNi(III)が、Ni(IV)及び可溶性Ni2+イオンと不均化になるように、部分的に脱金属化された層状酸化ニッケル材料の粒子の内部又はコア領域に到達することができると考えられる。更に、理論に拘束されることを意図するものではないが、層状酸化ニッケルの粒子の内部又はコア領域内のNi(III)が、Ni(IV)に酸化される際、可溶性Ni2+イオンは、粒子の内部又はコア領域からの追加のアルカリ金属イオンとともに粒子の表面から溶解し、そのため脱金属化は、より均一であり、粒子の表面からコア領域へのアルカリ金属濃度における勾配が少ないと考えられる。
第3の段階は、Ni(IV)含有層状酸化ニッケル中のNi(IV)の可溶性Ni2+イオンへの直接還元である。理論に拘束されることを意図するものではないが、高酸性pHにおいて、Ni(IV)は、Ni(II)に還元することができ、この還元の程度は、混合物の温度並びに酸の濃度に比例すると考えられる。
驚くべきことに、かつ予想外に、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルを、Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルに変換するための開示の方法は、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルを、60℃未満、例えば、約40℃~60℃未満の範囲内にある温度において、酸化剤で加熱して、可溶性Ni2+イオンを著しく形成することなく、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルからおよそ50%のアルカリ金属を除去することを含み得ることが見出された。
それゆえ、開示の方法は、有利には、例えば、相対的に短い処理時間を有する酸化脱金属化プロセスを提供すること、相対的に高い収率(例えば、約70%超)でNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルを提供すること、Ni2+及び硫酸を含有する環境的に有害な廃棄物溶液を最小限に抑えること、単独のペルサルフェート処理又は単独の酸洗浄処理を使用する方法から調製されたNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケル粒子よりも大きい粒径分布(PSD)を有するNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケル粒子を提供すること、及び/又は高放電容量を有するNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルを提供することなど、1つ以上の利益を提供する。加えて、開示の方法は、副生成物として著しい量のガンマ-オキシ水酸化ニッケル(γ-NiOOH)を形成することなく、アルカリ金属水酸化物で安定化させることができるアルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルを提供するように制御することができる。本明細書で使用される場合、及び別様に明記されない限り、「著しい量のγ-NiOOH副生成物」は、生成物の総重量に基づいて、約11重量%以上の安定化生成物中のγ-NiOOHの量を表す。実施形態では、安定化生成物中のγ-NiOOHの量は、約10重量%未満、約8重量%未満、約6重量%未満、約5重量%未満、約4重量%未満、約3重量%未満、約2重量%未満、又は約1重量%未満であり得る。
「約」という用語は、その通常の意味に従って、例えば、およそ又はその周囲を意味するために使用される。一実施形態では、「約」という用語は、記載された値又は値の範囲の±10%を意味する。別の実施形態では、「約」という用語は、記載の値又は値の範囲の±5%を意味する。「約」という用語と組み合わせて記載される値又は範囲は、特定の値及び/又は範囲も同様に明示的に含む(例えば、「約40」として記載される値については、「40」も明示的に企図される)。
本明細書で使用される場合、「高い放電容量」を有するNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料は、アルカリセル中でカソード活性材料として低い放電速度で放電されるとき、約420mAh/g以上の重量放電容量を有するNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルを表す。本明細書で使用される場合、及び別様に明記されない限り、「低放電速度」は、約30~約40時間の経過で放電する完全に充電された電池、すなわち、約C/30~約C/40速度を有する電池を表す。C速度は、電池がその理論定格容量に対して放電される速度を伝達する、当技術分野でよく理解されている測定値である。これは、放電電流を理論放電電流で割ったもので、バッテリは、1時間で総公称/理論定格容量を供給し得る。例えば、約420mAh/gの重量放電容量を有する材料についての1C放電速度は、合計420mAh/gの容量を1時間で送達し得る。約420mAh/gの重量放電容量を有する材料についての2C速度は、合計420mAh/gの容量を0.5時間で送達し得る。約420mAh/gの重量放電容量を有する材料についてのC/2速度は、420mAh/gを2時間で送達し得る。それゆえ、約420mAh/gの重量放電容量を有する材料についてのC/40速度は、合計420mAh/gの容量を40時間で送達し得る。
アルカリ金属含有層状酸化ニッケルを水性硫酸で処理することによってのみ調製されるアルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料は、典型的には、約390~約420mAh/gの範囲内にある低い放電速度(例えば、C/40)の重量放電容量を有する。それゆえ、開示の方法は、当該技術分野で既知の他の方法によって調製される材料と同等の、高くはない場合、低い放電容量を有する電気化学的活性カソード材料を提供することができる。実施形態では、アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料は、例えば、約400mAh/g~約550mAh/g、約400mAh/g~約500mAh/g、約405mAh/g~約490mAh/g、約410mAh/g~約480mAh/g、約415mAh/g~約470mAh/g、約420mAh/g~約460mAh/g、約405mAh/g超、約410mAh/g超、約415mAh/g超、約420mAh/g超、例えば、約425mAh/g、約430mAh/g、約435mAh/g、約440mAh/g、約460mAh/g、約480mAh/g及び/又は約500mAh/gの範囲内のアルカリ電気化学セル中のカソード活材料として低放電速度で放電したとき、約390mAh/g以上の重量放電容量を有する。
アルカリ金属含有層状酸化ニッケル
概して、酸化的に脱金属化されるアルカリ金属含有層状酸化ニッケルは、化学量論的又は非化学量論的アルカリ金属含有層状酸化ニッケルであり得る。非化学量論的アルカリ金属含有層状酸化ニッケルは、一般式A1-aNi1+a(式中、Aが、アルカリ金属であり、0<a≦0.2)を有する。実施形態では、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルは、層状構造を有することができる。Aは、リチウム、ナトリウム、カリウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。実施形態では、Aは、リチウムを含む。実施形態では、アルカリ金属含有層状酸化ニッケル中のアルカリ金属のうちのいくつかは、構造内のAの総重量に基づいて、0~約10重量%の範囲内にある、例えば、Li、Ni2+、Ni3+、Na、K、Cs、Rb、Ag、Mg2+、Ca2+、Zn2+、及びBi3+などの同様のイオン半径を有する金属イオンで置換され得る。理論に拘束されることを意図しないが、Rb及びCsのイオン半径は、リチウム酸化ニッケル又はナトリウム酸化ニッケルと同等の構造を有する安定した層状構造を形成することができないため、一次アルカリ金属であるには大きすぎると考えられる。
実施形態では、非化学量論的アルカリ金属含有層状酸化ニッケルは、金属ドーパントMを含み得、式A1-aNi1+a-z(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0<a≦0.2、Mが、遷移金属又は典型金属を含み、及び0≦z≦0.2)を有する。
非化学量論的アルカリ金属含有層状酸化ニッケルの実施形態では、0<a≦0.2、例えば、0.01~0.20、0.01~0.18、0.01~0.16、0.01~0.15、0.02~0.20、0.02~0.18、0.02~0.16、0.02~0.15、0.03~0.20、0.03~0.19、0.03~0.15、0.03~0.12、0.05~0.19、又は0.05~0.15である。aは、常に0より大きいため、結晶格子内には、アルカリ金属イオンを含まないアルカリ金属部位が存在するが、代わりに、空いているか、又は過剰なNi(II)イオンによって占有される可能性があり、それによって、一般式ANiO又はANi1-zを有する化学量論的対応物に対して、非化学量論的量のニッケル及びアルカリ金属を提供する。
実施形態では、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルが金属ドーパント、Mを含む場合、金属ドーパントは、遷移金属、典型金属、又は両方を含むことができる。概して、金属ドーパントは、+3以上の酸化状態に到達することができ、低スピン又は高スピン八面体部位(約0.56Å~約0.60Å)、例えば、約0.45Å~約0.75Å、又は約0.50Å~約0.75Åの範囲内にある、Ni(III)に匹敵するイオン半径を有する金属である。実施形態では、遷移金属は、コバルト(Co3+、Co4+)、マンガン(Mn3+、Mn4+)、鉄(Fe3+、Fe4+)、クロム(Cr3+、Cr4+)、バナジウム(V3+、V5+)、チタン(Ti3+、Ti4+)、ニオブ(Nb3+、Nb5+)、ジルコニウム(Zr4+)、又はこれらの組み合わせを含む。実施形態では、遷移金属は、コバルト、マンガン、鉄、又はこれらの組み合わせを含む。実施形態では、遷移金属は、コバルトを含む。実施形態では、遷移金属は、マンガンを含む。実施形態では、遷移金属は、コバルト及びマンガンを含む。典型金属は、アルミニウム(Al3+)、ガリウム(Ga3+)、ビスマス(Bi5+)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。実施形態では、典型金属は、アルミニウムを含む。
アルカリ金属含有層状酸化ニッケルが金属ドーパントを含む実施形態では、zは、0≦z≦0.2又は0<z≦0.2、例えば、0~0.20、0.01~0.20、0.01~0.18、0.01~0.16、0.01~0.15、0.02~0.20、0.02~0.18、0.02~0.16、0.02~0.15、0.03~0.20、0.03~0.19、0.03~0.15、0.03~0.12、0.05~0.19、又は0.05~0.15であり得る。理論に拘束されることを意図するものではないが、そこから調製されるアルカリ金属含有層状酸化ニッケル及びNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの量が増加する際、アルカリ電池電解質などの水酸化物水溶液へのNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルを含む電気化学的活性材料の安定性が増加するが、例えば、ドーパント金属がニッケルと同じ電圧ウィンドウ内で電気化学的に活性でないとき、総放電容量が減少する可能性があると考えられる。
概して、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルは、本質的に非水和であるが、周囲の空気から水を吸収することができるアルカリ金属含有層状酸化ニッケル粒子の表面上に存在するアルカリ金属含有層状酸化ニッケルの合成から、過剰なアルカリ金属酸化物及び水酸化物が存在し得る。アルカリ金属酸化物及び水酸化物はまた、周囲空気中の二酸化炭素と反応して、アルカリ金属含有層状ニッケル粒子の表面上にアルカリ金属炭酸塩を形成することができる。
アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料
概して、本明細書に開示される方法に従って形成されるNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料は、一般式ANi1+a(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0.08≦x<0.2、0≦y<0.3、及び0.02≦a≦0.2)を有する。Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルは、本明細書においてアルファ-脱金属化層状酸化ニッケルとも称される。アルファ-脱金属化酸化ニッケル中のニッケルの平均酸化状態は、概して、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルが4+酸化状態のニッケルのかなりの部分、並びに3+酸化状態のニッケルの一部を含むため、3+と4+との間である。以下に説明されるように、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルはまた、結晶格子のアルカリ金属部位内に位置付けられた2+又は3+酸化状態のニッケルの一部分も含む。アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料の式中のAは、アルファ-脱金属化材料を調製するために使用されるアルカリ金属含有層状酸化ニッケル材料のための式中のAと同じであることが理解されよう。それゆえ、Aは、リチウム、ナトリウム、カリウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。実施形態では、Aは、リチウムである。実施形態では、アルカリ金属含有層状酸化ニッケル中のアルカリ金属のいくつかは、同様のイオン半径、例えば、Li、Ni2+、Ni3+、Na、K、Cs、Rb、Ag、Mg2+、Ca2+、Zn2+、及びBi3+を有する金属イオンで置換され得る。
実施形態では、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルは、金属ドーパントMを含み得、式ANi1+a-z(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0.08≦x<0.2、0≦y<0.3、0.02≦a≦0.2、Mが、遷移金属又は典型金属を含み、0≦z≦0.2)を有する。
金属ドーパントを含むものを含む実施形態では、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルは、0.08<x<0.2、例えば、0.08~0.20、0.08~0.18、0.08~0.16、0.08~0.15、0.09~0.20、0.09~0.19、0.09~0.15、0.09~0.12、0.10~0.19、又は0.10~0.15の範囲内にあるxの値を有することができる。約0.08未満のアルファ-脱金属化層状酸化ニッケルに関するxの値は、酸化脱金属化中に提供される酸化剤の過剰量、酸化脱金属化中の反応温度が高すぎること、及び/又は酸化脱金属化に関する反応時間が長すぎることのうちの1つ以上の結果であり得、それゆえ、これらのパラメータを制御することが望ましい。約0.2を上回るアルファ-脱金属化層状酸化ニッケルについてのxの値は、酸化脱金属化中に提供される酸化剤の不十分な量、酸化脱金属化に関する反応温度が低すぎること、及び/又は酸化脱金属化に関する反応時間が短すぎることのうちの1つ以上の結果であり得、これらのパラメータを制御することが望ましいことを更に実証する。理論に拘束されることを意図するものではないが、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケル中のアルカリ金属Aの量xが約0.08を下回って、例えば、0.06、0.04、0.02以下に減少すると、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルは、(以下で詳細に説明されるように、その層内の空孔部位に追加のアルカリ金属イオンが挿入され、式AA’Ni1+a・nHO(式中、Aが、Li又はNaを含み、A’が、K、Rb、又はCsを含み、0.08≦x<0.2、0.03<v<0.20、0.02<a≦0.2、及び0<a<2)を有する)Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの望ましい安定化形態よりも、アルカリ水酸化物の水溶液で処理されたときに、ガンマ-オキシ水酸化ニッケルを形成する可能性が、不利なことに高いと考えられる。更に、理論に拘束されることを意図するものではないが、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルのアルカリ金属Aの量xが約0.2を上回って増加する際、調製されたアルファ-脱金属化層状酸化ニッケル(並びにそこから調製された安定化層状酸化ニッケル)の容量は、未酸化Ni(III)(すなわち、未変換のアルカリ金属含有層状酸化ニッケル出発材料)の存在の結果として減少すると考えられる。
金属ドーパントを含むものを含む実施形態では、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルは、0≦y<0.3、例えば、0~0.29、0.05~0.29、0.05~0.25、0.5~0.20、0.5~0.15、0.08~0.29、0.08~0.25、0.08~0.20、0.08~0.15、0.10~0.29、0.10~0.25、0.10~0.20、又は0.10~0.15の範囲内にあるyの値を有することができる。Hは、アルカリ金属カチオンとのイオン交換を介して、酸化脱金属化プロセス中に結晶構造に導入することができる。特に、酸化脱金属化が水溶液中で実施されるとき、いくつかの条件下で、水が酸化剤と反応して、Hイオンを形成することができ、これはその後、特に高温で、アルカリ金属カチオンと部分的にイオン交換することができる。
金属ドーパントを含むものを含む実施形態では、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルは、0.02≦a≦0.2、例えば、0.02~0.20、0.02~0.18、0.02~0.16、0.02~0.15、0.03~0.20、0.03~0.18、0.03~0.16、0.03~0.15、0.04~0.20、0.04~0.18、0.04~0.15、0.04~0.12、0.05~0.19、又は0.05~0.15の範囲内にある値を有することができる。aは0より大きい必要があるため、結晶格子中にはアルカリ金属イオンを含まないが、代わりにNi2+又はNi3+イオンによって占められ、それにより、過剰な非化学量論的量のニッケルを提供する、アルカリ金属部位が存在する。当業者であれば、結晶格子中のいくつかのアルカリ金属部位が、空であり得、更に、構造の電荷中性が、1つのNi2+イオンを2つのLiイオンに、又は1つのNi3+イオンを3つのLiイオンに、(又は1つのNi2+イオン及び1つのLiイオン)に置換することによって維持されることが理解されるであろう。また、Liに対するHの置換は、構造の電荷中性を維持する。
出発材料を含有するアルカリ金属含有層状酸化ニッケルが金属ドーパントMを含む実施形態では、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料のための式中のMは、アルファ-脱金属化材料を調製するために使用されるアルカリ金属含有層状酸化ニッケル材料のための式中におけるMと同じであることが理解されよう。それゆえ、Mは、遷移金属、典型金属、又はその両方を含むことができる。概して、金属ドーパントは、+3以上の酸化状態に到達することができ、Ni(III)に匹敵するイオン半径を有する金属である。
実施形態では、遷移金属は、コバルト(Co3+、Co4+)、マンガン(Mn3+、Mn4+)、鉄(Fe3+、Fe4+)、クロム(Cr3+、Cr4+)、バナジウム(V3+、V5+)、チタン(Ti3+、Ti4+)、ニオブ(Nb3+、Nb5+)、ジルコニウム(Zr4+)、又はこれらの組み合わせを含む。実施形態では、遷移金属は、コバルト、マンガン、又はこれらの組み合わせを含む。実施形態では、遷移金属は、コバルトを含む。実施形態では、遷移金属は、マンガンを含む。実施形態では、遷移金属は、コバルト及びマンガンを含む。実施形態では、遷移金属は、コバルト及びマンガンを含む。典型金属は、アルミニウム(Al3+)、ガリウム(Ga3+)、ビスマス(Bi5+)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。実施形態では、典型金属は、アルミニウムを含む。
アルファ-脱金属化層状酸化ニッケル材料が金属ドーパントを含む実施形態では、zは、0≦z≦0.2又は0<z≦0.2、例えば、0~0.20、0.01~0.20、0.01~0.18、0.01~0.16、0.01~0.15、0.02~0.20、0.02~0.18、0.02~0.16、0.02~0.15、0.03~0.20、0.03~0.19、0.03~0.15、0.03~0.12、0.05~0.19、又は0.05~0.15の範囲内にある値を有することができる。理論に拘束されることを意図するものではないが、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケル中の金属ドーパントの量が増加する際、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルを含む電気化学的活性材料の、アルカリ電池電解質などの水性アルカリ金属水酸化物溶液への安定性が増加するが、例えば、ドーパント金属がニッケルと同じ電圧ウィンドウ内で電気化学的に活性ではないとき、総放電容量が減少する可能性があると考えられる。
電気化学的活性カソード材料の調製方法
概して、電気化学的活性カソード材料を調製する方法は、(a)一般式A1-aNi1+a(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0<a≦0.2)を有するアルカリ金属含有層状酸化ニッケルを、ペルオキシジサルフェート塩、モノペルサルフェート塩、又はこれらの組み合わせを含む酸化剤を含む流体組成物(例えば、懸濁液、分散液、又は溶液)と組み合わせて、混合物(例えば、懸濁液、分散液、又は溶液)を形成することと、(b)混合物を、少なくともNi(IV)含有混合物を形成するのに十分な一定期間の間、加熱することであって、Ni(IV)含有混合物が、総ニッケル(Ni)含有量を有する、Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料及びNi(IV)含有混合物を含む、加熱することと、(c)工程(b)のNi(IV)含有混合物に鉱酸を添加することであって、鉱酸が、総ニッケル1モル当たり約0.60モル以下の量で添加される、添加することと、(d)工程(c)の混合物を、少なくとも追加量のNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を形成するために十分な一定期間の間、加熱することであって、工程(b)及び(d)中に形成されたNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料が、一般式ANi1+a(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0.08≦x<0.2、0≦y<0.3、及び0.02<a≦0.2)又はANi1+a-z(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0.08≦x<0.2、0≦y<0.3、0.02≦a≦0.2、Mが遷移金属又は典型金属を含み、0≦z≦0.2.)を有する、加熱することと、を含む。
本明細書で使用される際、及び別様に明記されない限り、Ni(IV)含有混合物の「総ニッケル含有量」は、酸化状態に関係なく、混合物中に存在するニッケルの総量を表す。工程(b)のNi(IV)含有混合物は、未反応のアルカリ金属含有層状酸化ニッケル出発材料、A1-aNi1+a又はA1-aNi1+a-zの形態で存在するNi(III)、酸化アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケル、ANi1+a又はANi1+a-zの形態で存在するNi(IV)、及び前述の出発材料(Ni2+)又はアルカリ金属欠乏層状酸化ニッケル(Ni2+及びNi3+)のいずれかのアルカリ金属層中に存在するNi(II)又はNi(III)の形態の過剰なNiを含むことができる。工程(b)における総ニッケル含有量は、工程(a)における出発材料アルカリ金属含有層状酸化ニッケルの総ニッケル含有量に対応し、工程(a)において、ニッケルは、酸化ニッケル層中にNi(III)として、及び結晶格子の層間アルカリ金属部位中にNi2+として存在する。
酸化剤は、ペルオキシジサルフェート塩、モノペルサルフェート塩、又はこれらの組み合わせを含むことができる。ペルオキシジサルフェート及びペルサルフェートという用語は、本明細書において同義に使用される。実施形態では、酸化剤は、ペルオキシジサルフェート塩を含む。実施形態では、酸化剤は、モノペルサルフェート塩を含む。実施形態では、酸化剤は、ペルオキシジサルフェート塩とモノペルサルフェート塩との組み合わせを含む。ペルオキシジサルフェート及びモノペルサルフェート塩は、概して、水溶性である。本明細書で使用される場合、「水溶性」は、少なくとも約10mgのペルオキシジサルフェート塩又はモノペルサルフェート塩が、25℃で1mlの水に可溶性であることを意味する。ペルオキシジサルフェート塩、モノペルサルフェート塩、又はその両方は、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、又はこれらの組み合わせからなる群から選択された対カチオンを含むことができる。実施形態では、酸化剤の対カチオンは、ナトリウムカチオンを含む。実施形態では、酸化剤の対カチオンは、カリウムカチオンを含む。実施形態では、酸化剤の対カチオンは、アンモニウム、ナトリウム、及びカリウムからなる群から選択される、2つの異なるカチオンを含む。実施形態では、酸化剤は、ペルオキシジサルフェート塩であり、対カチオンは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。実施形態では、酸化剤は、ペルオキシジサルフェート塩であり、対カチオンは、アンモニウム、ナトリウム、及びカリウムからなる群から選択される、2つの異なる対カチオンを含む。実施形態では、酸化剤は、ペルオキシジサルフェート塩であり、対カチオンは、ナトリウムを含む。実施形態では、酸化剤は、ペルオキシジサルフェート塩であり、対カチオンは、カリウムを含む。実施形態では、酸化剤は、ペルオキシジサルフェート塩であり、対カチオンは、アンモニウムを含む。実施形態では、酸化剤は、ペルオキシジサルフェート塩を含み、ペルオキシジサルフェート塩は、ペルオキシジサルフェート塩ナトリウムとペルオキシジサルフェート塩カリウムとの組み合わせである。
実施形態では、工程(a)において、酸化剤は、アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり約0.25モル~約0.70モルの量、例えば、アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり約0.25モル、約0.30モル、約0.35モル、約0.40モル、約0.45モル、約0.50モル、約0.55モル、約0.60モル、約0.65モル、又は約0.70モルの量で提供され得る。実施形態では、工程(a)において、酸化剤は、アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり約0.25モル~約0.60モルの量で提供され得る。実施形態では、工程(a)において、酸化剤は、アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり約0.25モル~約0.45モルの量で提供され得る。実施形態では、工程(a)において、アルカリ金属含有層状酸化ニッケル及び酸化剤は、約1モルアルカリ金属含有層状酸化ニッケル:0.25モル酸化剤~約1モルアルカリ金属含有層状ニッケル酸化剤:0.70モル酸化物(「1:0.25~約1:0.70」としても表わされる)、例えば、約1:0.25~約1:0.65、約1:0.25~約1:60、約1:0.25~約1:0.50、約1:0.25~約1:0.45、約0:0.30~約1:0.70、約1:0.30~約1:0.65、約1:0.30~約1:0.55、約1:0.30~約1:0.45、約1:0.35~約1:0.70、約1:0.35~約1:0.65、約1:0.35~約1:0.60、約1:0.35~約1:0.55、約1:0.35~約1:0.50、約1:0.35~約1:0.45、又は約1:0.35~約1:0.40のモル比で提供され得る。
概して、理論に拘束されることを意図することなく、各ペルオキシジサルフェートジアニオンは、2つのサルフェートラジカルアニオンを形成することができると考えられる。更に、理論に拘束されることを意図することなく、各サルフェートラジカルアニオンは、1つの電子を受け入れて、サルフェートジアニオンを形成することができ、したがって、各モルのペルオキシジサルフェート塩は、理論的に2つのモルのアルカリ金属含有層状酸化ニッケルを酸化することができると考えられる。理論に拘束されることを意図するものではないが、酸化剤としてのアルカリ金属含有層状酸化ニッケル及び酸化剤としてペルオキシジサルフェートが、約45℃~約60℃未満の温度で反応される場合、酸化剤が、アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり0.25モル超の量で提供されるときでも、Ni(IV)に酸化されるNi(III)の最大量は、相対的に短い反応時間(すなわち、約4時間未満)に対する総量の約50%に過ぎないと考えられる。それゆえ、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルの量に対してペルオキシジサルフェート酸化剤の量を増加させことは、約45℃~60℃未満の範囲内にある温度で反応させるとき、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルの見かけの脱金属化速度を増加させることができるが、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルの量に対してペルオキシジサルフェート酸化物の量を増加させることは、Ni(IV)混合物中のNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの収率を比例的に増加させると予測されない。更に、理論に拘束されることを意図するものではないが、ペルオキシジサルフェート酸化剤の量が、アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり約0.70モルの酸化剤を超えて(すなわち、化学量論的量である0.50モルの酸化物のほぼ50%超)増加するとき、脱金属化反応の速度における増加は、酸化剤の量がアルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり約0.50モルのペルオキシジサルフェート酸化物であるときの速度に対してごく少量であると考えられる。有利には、サブ化学量論的量のペルサルフェート塩(すなわち、ニッケル1モル当たり0.5モル未満のペルサルフェート)を使用すると、ペルサルフェートの熱分解からの副産物としての硫酸の形成を最小限に抑える。理論に拘束されることを意図するものではないが、ペルサルフェート分解反応は、約60℃を下回る反応温度におけるアルカリ金属含有層状酸化ニッケルのNi(III)からの電子移動プロセスよりも動力学的に遅いと考えられる。
一方、理論に拘束されることを意図するものではないが、ペルオキシジサルフェート酸化剤が、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルのNi(III)を完全に酸化させるために理論的に必要な化学量論比を著しく超える量で提供されるとき(例えば、アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり約1.3モル又は約1.5モル以上の量で提供されるとき)、ペルオキシジサルフェート酸化剤及びアルカリ金属含有層状酸化ニッケルは、約50℃~約60℃の範囲内にある温度で反応し、アルカリ金属含有層状酸化ニッケル内のNi(III)の約60%が、アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルを形成するためにNi(IV)に変換され得ると考えられる。それゆえ、実施形態では、ペルオキシジサルフェート酸化剤は、アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり、約1~約2モルの酸化剤、約1.3~約2モルの酸化剤、約1.5~約2モルの酸化剤、約1~約1.9モルの酸化剤、約1.3~約1.8モル又は酸化剤、又は約1.4~約1.7モルの酸化剤の量で提供され得る。実施形態では、ペルオキシジサルフェート酸化剤は、アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり約1.5又は約1.6モルの量で提供され得る。
酸化剤を含む流体組成物は、酸化剤がアルカリ金属含有層状酸化ニッケルと反応することを可能にする任意の流体組成物であり得る。流体組成物は、例えば、水溶液、懸濁液、スラリー、又は酸化剤と水とアルカリ金属含有層状酸化ニッケルとの他の混合物の形態であり得る。理論に拘束されることを意図するものではないが、流体組成物中の酸化剤の溶解度は、酸化脱金属化反応の速度並びに酸化剤の熱安定性に影響を与えると考えられる。理論に拘束されることを意図するものではないが、酸化脱金属化が進行するために、酸化剤の少なくとも一部分が流体組成物中で可溶化されるべきであり、流体組成物中の酸化剤の可溶性が増加するにつれて、酸化脱金属化反応の速度が増加すると考えられる。実施形態では、流体組成物は、水を含む。実施形態では、流体組成物は、酸化剤の水溶液によって提供される。実施形態では、流体組成物は、酸化剤の懸濁液、例えば、酸化剤が不可溶性又は過飽和である酸化剤の懸濁液によって提供される。実施形態では、流体組成物は、水を含み、酸化剤は、約25℃の温度で水に可溶性である。実施形態では、流体組成物は、水を含み、酸化剤は、約45℃の温度で、約50℃の温度で水に可溶性である。実施形態では、流体組成物は、水を含み、酸化剤は、約25℃の温度で、水に少なくとも部分的に可溶性である。実施形態では、流体組成物は、水を含み、酸化剤は、約45℃の温度で、約50℃の温度で、水に少なくとも部分的に可溶性である。実施形態では、流体組成物は、水を含み、ペルオキシジサルフェート塩は、ペルオキシジサルフェートナトリウムを含む。実施形態では、流体組成物は、水を含み、ペルオキシジサルフェート塩は、ペルオキシジサルフェートアンモニウムを含む。実施形態では、流体組成物は、水を含み、ペルオキシジサルフェート塩は、ペルオキシジサルフェートカリウムを含む。
概して、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルと酸化剤とを組み合わせるための動作の順序は、組み合わせると、酸化剤の少なくとも一部分が可溶化され、流体組成物中に溶解され、それによって、酸化脱金属化が進行することを可能にする限り、非限定的である。実施形態では、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルは、酸化剤に添加される。実施形態では、酸化剤は、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルに添加される。例えば、固体アルカリ金属含有層状酸化ニッケルは、酸化剤を含む流体組成物に添加される。別の実施例では、固体酸化剤は、固体アルカリ金属含有層状酸化ニッケルを含む流体組成物に添加される。更なる実施例では、酸化剤を含む流体組成物は、固体アルカリ金属含有層状酸化ニッケルを含む第2の流体組成物に添加される。前述の実施例のいずれかにおいて、添加の結果は、固相アルカリ金属含有層状酸化ニッケルと、可溶化された、溶解酸化剤の少なくとも一部分を含む流体組成物との組み合わせである。
概して、ペルオキシジサルフェート及び/又はモノペルサルフェート塩を含む流体組成物は、例えば、8~12の範囲内にある初期pHを有する。ペルオキシジサルフェート塩及びモノペルサルフェート塩による酸化脱金属化が約45℃又は50℃を上回る温度で進行する際、流体組成物のpHは、ペルオキシジサルフェート塩又はモノペルサルフェート塩の熱分解に起因して約4のpHまで減少する。それゆえ、実施形態では、工程(b)中、流体組成物は、約4~12、例えば、約4~約11、約4~約10、又は約4~約9、約9~約12、約10~約12、又は約11~約12の範囲内にあるpHを有する。理論に拘束されることを意図するものではないが、流体組成物のpHは、硫酸を形成するためのペルサルフェートの分解及びサルフェートラジカルによる水の酸化に起因して、工程(b)中に減少するが、60℃未満の温度では、熱分解及び水の酸化速度は、酸化ニッケル材料中のニッケル(II)及びニッケル(III)の酸化速度よりも遅く、したがって、ニッケルの酸促進不均化は、工程(b)において有意な影響を有しないと考えられる。流体組成物のpHは、組成物中にアルカリ金属水酸化物又は水酸化アンモニウムを含むことによって調節することができる。それゆえ、いくつかの実施形態では、流体組成物は、アルカリ金属水酸化物、水酸化アンモニウム、又はこれらの組み合わせを更に含む。いくつかの実施形態では、流体組成物は、水酸化物塩を実質的に含まない。本明細書で使用される場合、及び別様に提供されない限り、水酸化物塩が流体組成物に意図的に添加されておらず、任意の偶発的な水酸化物塩が、流体組成物の総重量の約5重量%未満の量で存在するとき、流体組成物は「水酸化物塩を実質的に含まない」。
概して、工程(b)における反応は、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルの少なくとも一部分の酸化脱金属化を提供する。実施形態では、出発アルカリ金属含有層状酸化ニッケル中のNi(III)の約50%が、工程(b)においてNi(IV)に酸化される。いくつかの実施形態では、出発非化学量論的アルカリ金属含有層状酸化ニッケルのリチウム部位におけるNi(II)の一部分は、工程(b)においてNi(III)に酸化される。理論に拘束されることを意図するものではないが、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルからアルカリ金属を除去して、Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルを形成することは、アルカリ金属含有層状酸化ニッケル粒子からのアルカリ金属イオンの拡散速度によって制限され、Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケル粒子中の残留アルカリ金属イオンの不均一な勾配状分布をもたらし、粒子の表面又は外側シェル領域における枯渇度が高くなると考えられる。更に、理論に拘束されることを意図するものではないが、工程(b)におけるアルカリ金属含有層状酸化ニッケルの拡散が制限された脱金属化は、アルカリ金属の最大約50%を効率的に除去し、著しい量の可溶性Ni2+イオンの形成をもたらさないと考えられる。
概して、酸化剤及びアルカリ金属含有層状酸化ニッケルの混合物は、約45℃~約60℃未満、例えば、約45℃~約55℃、約45℃~約50℃、約50℃~約60℃未満、又は約50℃~約55℃の温度で加熱され得る。実施形態では、酸化剤及びアルカリ金属含有層状酸化ニッケルの混合物は、約50℃~60℃未満の温度で加熱され得る。実施形態では、酸化剤及びアルカリ金属含有層状酸化ニッケルの混合物は、約45℃~約55℃の温度で処理され得る。実施形態では、酸化剤及びアルカリ金属含有層状酸化ニッケルの混合物は、約50℃~約55℃の温度で加熱され得る。実施形態では、酸化剤及びアルカリ金属含有層状酸化ニッケルの混合物は、約50℃の温度で加熱され得る。実施形態では、アルカリ金属含有層状酸化ニッケル、酸化剤、及び流体組成物の混合物は、調製され、次いで加熱される。概して、固体ペルオキシジサルフェート及びモノペルサルフェート塩の溶解は、発熱性である。したがって、前述の実施形態の精製において、混合物の成分は、周囲温度(約23~25℃)で混合され、必要とされる場合、上で説明された所望の加熱温度まで、毎分約1℃の速度で、又は毎分約2℃の速度で加熱され得る。
概して、Ni(IV)含有混合物を形成するのに十分な時間は、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルの少なくとも約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、又は約50%がアルファ-脱金属化層状酸化ニッケルに変換されることを可能にする任意の時間である。好適な反応時間は、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルのアルファ-脱金属化層状酸化ニッケルへのパーセント変換を監視することによって、当業者によって容易に決定することができる。実施形態では、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルを形成するのに十分な時間は、流体組成物の温度に依存し得る。実施形態では、Ni(IV)含有混合物を形成するのに十分な時間は、約15分~約6時間、例えば、約15分~約6時間、約15分~約5時間、約15分~約4時間、約20分~約4時間、約20分~約3時間、約30分~約2時間、約30分~約1時間、約15分~約45分、約1時間~約5時間、又は約2時間~約4時間であり得る。理論に拘束されることを意図するものではないが、アルカリ金属含有層状酸化ニッケル、酸化剤、及び流体組成物の混合物が周囲温度(例えば、約23~25℃)で混合され、約1℃~約2℃の速度で、約45℃~約60℃未満の範囲内にある温度まで加熱される実施形態では、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルのNi(III)の約30%~約40%が約30分以内にNi(IV)に変換されると考えられる。更に、理論に拘束されることを意図するものではないが、加熱温度が約45℃~約60℃未満の範囲内にある実施形態では、酸化脱金属化反応によってNi(IV)に酸化され得るNi(III)の実質的に全てが、最初の6時間以内にNi(IV)に酸化され、6時間後に少量の追加量のNi(III)のみがNi(IV)に酸化されると考えられる。実施形態では、アルカリ金属含有層状酸化ニッケル及び酸化剤の混合物は、約45℃~約55℃の温度で、約2~6時間加熱され得る。実施形態では、アルカリ金属含有層状酸化ニッケル及び酸化剤の混合物は、約50℃~約60℃の温度で、約2~4時間加熱され得る。実施形態では、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルと酸化剤との混合物は、約50℃の温度で、約3時間加熱され得る。
有利には、工程(b)における酸化脱リチウム化から生じるNi(IV)含有混合物は、可溶性Ni2+イオンを実質的に含まない。本明細書で使用される場合、及び別様に明記されない限り、「可溶性Ni2+イオンを実質的に含まない」とは、Ni(IV)含有混合物が、UV可視分光法及び適切な較正曲線を使用して決定されたNi(IV)含有混合物の溶媒中に溶解された、5重量%未満の可溶性Ni2+イオン、3重量%未満の可溶性Ni2+イオン、及び/又は1重量%未満の可溶性Ni2+イオンを含有することを意味する。可溶性Ni2+イオンは、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルの結晶格子のアルカリ金属部位及びNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケル内に含まれ得るNi2+イオンとは別個のものである。Ni(IV)含有混合物中の可溶性Ni2+イオンの量は、溶液中に溶解したNi2+イオンの濃度を推定するために、ビール-ランバート法則を利用するUV-可視分光法を使用して決定することができる。
実施形態では、工程(a)及び(b)は、任意選択的に、工程(c)を実施する前に、第2の又は更なる時間を繰り返す可能性がある。前述の実施形態の精製において、酸化剤を含む流体組成物の第2のアリコートは、工程(b)のNi(IV)含有混合物に添加され、工程(b)の加熱が繰り返され得る。任意選択的に、流体組成物の少なくとも一部分は、酸化剤を含む流体組成物の第2のアリコートを工程(b)のNi(IV)含有混合物に添加し、工程(b)の加熱を繰り返す前に、工程(b)のNi(IV)含有混合物から除去され得る。実施形態では、工程(b)のNi(IV)含有混合物は、酸化剤を含む流体組成物の第2のアリコートを工程(b)のNi(IV)含有混合物に添加し、工程(b)の加熱を繰り返す前に、流体組成物から分離され、水で洗浄することができる。理論に拘束されることを意図するものではないが、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルからのLiイオンの拡散は、流体組成物中のLiイオンの存在によって抑制され得ると考えられる。したがって、酸化剤を含む流体組成物の更なるアリコートの添加により、流体組成物中のLiイオンの相対的な濃度が減少し、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルからのLiイオンの更なる拡散を促進する。加えて、酸化剤を含む流体組成物の第2の又は更なるアリコートを添加する前に、流体組成物の少なくとも一部分を除去することによって、流体組成物中のLiイオンの相対的な濃度は、更に低減され得、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルからの追加のLiイオン拡散を促進する。工程(a)及び(b)が繰り返される実施形態では、工程(a)及び(b)の第2の及び更なる実施のための条件は、工程(a)及び(b)について上記に開示されたものと同じであり得る。
実施形態では、開示の方法は、単一の反応容器において実施され得る。したがって、実施形態では、鉱酸及びNi(IV)含有混合物が工程(c)においてともに添加されるとき、残留未反応のペルオキシジサルフェート又はモノペルサルフェートが、工程(b)からのNi(IV)含有混合物中に存在し得ることが可能である。鉱酸及びNi(IV)含有混合物がともに添加されるとき、残留ペルオキシジサルフェート及び/又はモノペルサルフェートが存在する実施形態では、残留ペルオキシジサルフェート及び/又はモノペルサルフェートが分解され、水の酸化及び追加の硫酸の形成をもたらし得る。実施形態では、開示の方法は、1つ以上の反応容器内で実施することができる。実施形態では、Ni(IV)含有混合物は、流体組成物から分離され、任意選択的に、鉱酸及びNi(IV)含有混合物をともに添加する前に、水で洗浄され得る。概して、Ni(IV)含有混合物及び鉱酸の添加の順序は、非限定的である。実施形態では、鉱酸は、Ni(IV)含有混合物に添加される。実施形態では、Ni(IV)含有混合物は、鉱酸に添加される。
概して、工程(c)における鉱酸は、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルの不均化反応を促進する任意の強力な鉱酸であり得る。実施形態では、強鉱酸は、硫酸、硝酸、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、ヨウ化水素酸、又はこれらの組み合わせを含む。実施形態では、鉱酸は、硫酸、硝酸、塩酸、又はこれらの組み合わせを含む。実施形態では、鉱酸は、硫酸を含む。理論に拘束されることを意図するものではないが、鉱酸は、酸化ニッケル粒子の多孔率(すなわち、平均細孔径)を増加させることによって、酸化ニッケル粒子の中心又はコア領域からのアルカリ金属イオンの拡散を促進すると考えられる。特に、Ni(III)の不均化中に形成されたNi2+イオンが、酸化ニッケル結晶格子から溶解するとき、酸化ニッケル結晶格子の多孔率の増加は、結晶格子からのアルカリ金属イオンの拡散速度を増加させ得ると考えられる。
概して、鉱酸は、残りのNi(III)含有アルカリ金属含有層状酸化ニッケルの少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、又は少なくとも50%がアルファ-脱金属化層状酸化ニッケルに変換されることを可能にする任意の量で添加され得る。本明細書で使用される場合、及び別様に明記されない限り、「Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケル」、「アルファ-脱金属化層状酸化ニッケル」、及び「アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケル」という用語は、同義に使用される。好適な量の鉱酸は、(残りの)アルカリ金属含有層状酸化ニッケルのアルファ-脱金属化層状酸化ニッケルへのパーセント変換を監視することによって、当業者によって容易に決定することができる。鉱酸は、アルカリ金属含有層状酸化ニッケルの酸促進不均化を促進する。ペルオキシジサルフェート及び/又はモノペルサルフェート酸化物との初期反応の後に残る任意の未酸化アルカリ金属含有層状酸化ニッケルは、Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケル及び可溶性Ni2+イオンに不均化を起こし得る。実施形態では、アルカリ金属含有層状酸化ニッケル中のNi(III)の約50%は、酸化脱金属化工程(b)中にNi(IV)に変換され、残りのNi(III)の約50%は、酸促進不均化工程(d)中にNi(IV)に変換され、それによって、有利には、約75%の総変換速度を達成する。実施形態では、鉱酸は、Ni(IV)含有混合物中の総ニッケル1モル当たり約0.40~約0.55モルの鉱酸、例えば、Ni(IV)含有混合物中の総ニッケル1モル当たり約0.40~約0.55、約0.45~約0.55、約0.50~約0.55、約0.40~約0.45、約0.45~約0.50モルの鉱酸の量で提供される。実施形態では、鉱酸は、Ni(IV)含有混合物中の総ニッケル1モル当たり約0.40~約0.55モルの鉱酸の量で提供される。実施形態では、鉱酸は、Ni(IV)含有混合物中の総ニッケル1モル当たり約0.40~約0.50モルの鉱酸の量で提供される。実施形態では、鉱酸は、Ni(IV)含有混合物中の総ニッケル1モル当たり約0.45~約0.50モルの鉱酸の量で提供される。
工程(b)におけるアルカリ金属含有層状酸化ニッケルの酸化脱金属化において著しく過剰なペルオキシジサルフェート及び/又はモノペルサルフェートが使用される実施形態では、低減された量の鉱酸が、工程(c)で使用することができる。かかる実施形態では、工程(c)における鉱酸の量は、例えば、Ni(IV)含有混合物中の総ニッケル1モル当たり、約0.25モル~約0.35モル、又は約0.30モルの鉱酸など、Ni(IV)含有混合物中の総ニッケル1モル当たり、約0.20モルの鉱酸~約0.40モルの鉱酸の範囲内にあり得る。
鉱酸と(残りの)Ni(III)含有アルカリ金属含有層状酸化ニッケルとの間の好適な反応時間は、Ni(III)含有アルカリ金属含有層状酸化ニッケルからアルファ-脱金属化層状酸化ニッケルへのパーセント変換を監視することによって、当業者によって容易に決定することができる。アルカリ金属含有層状酸化ニッケルのアルファ-脱金属化層状酸化ニッケルへのパーセント変換は、当技術分野で既知の任意の好適な方法を使用して、平均ニッケル酸化状態を測定すること、ICP-AESによる残留アルカリ金属の量を測定すること、並びに/又はアルファ-脱金属化層状酸化ニッケルを含むアルカリセルをカソード活性材料として調製すること、及びセルの容量を試験することによって監視することができる。概して、追加のNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を形成するのに十分な時間は、約1時間~約6時間、例えば、約1時間~約5.5時間、約1時間~約5時間、約2時間~約4時間、又は約3時間であり得る。実施形態では、追加量のNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を形成するのに十分な時間は、約1時間~約6時間であり得る。実施形態では、追加量のNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を形成するのに十分な時間は、約2時間~約4時間であり得る。実施形態では、追加量のNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を形成するのに十分な時間は、約3時間であり得る。理論に拘束されることを意図するものではないが、酸促進不均化中にNi(IV)に酸化され得る、残りのNi(III)の実質的に全てが、6時間以内にNi(IV)に変換され、6時間後に、少量のNi(III)のみがNi(IV)に酸化されると考えられる。更に、理論に拘束されることを意図するものではないが、追加のアルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルを形成するのに十分な時間が、6時間を超えて延在する際、酸化脱金属化工程(b)及び酸促進不均化工程(d)の両方中に形成されたNi(IV)含有アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルは、還元溶解を受けて、可溶性Ni2+種を形成することができ、それによって、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルの全体的な収率を低減させると考えられる。
概して、鉱酸及びNi(IV)含有混合物の混合物は、約60℃~約80℃、例えば、約60℃~約80℃、約60℃~約75℃、約60℃~約70℃、約65℃~約75℃、約68℃~約72℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、又は約80℃の温度に加熱することができる。理論に拘束されることを意図するものではないが、酸促進不均化を受けるNi(IV)含有混合物の温度が約70℃を上回ると、可溶性Ni2+イオンを形成するNi(IV)種の還元溶解が増加すると考えられる。実施形態では、鉱酸とNi(IV)含有混合物との混合物は、約60℃~約70℃の温度に加熱することができる。実施形態では、混合物は、約70℃の温度に加熱することができる。実施形態では、鉱酸及びNi(IV)含有混合物の混合物を、約2~4時間、約60℃~約70℃に加熱することができる。実施形態では、鉱酸とNi(IV)含有混合物との混合物を、約2~4時間、約65℃~約75℃に加熱することができる。実施形態では、鉱酸とNi(IV)含有混合物との混合物を、約3時間、約70℃に加熱することができる。
実施形態では、工程(b)及び(d)の両方を組み合わせた後、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料は、出発アルカリ金属含有層状酸化ニッケルの重量に基づいて、例えば、約50重量%超~約95%、約50重量%~約90%、約50重量%~約85%、約55%~約80%、約60%~約80%、約60%~約75%、約65%~約80%、約65%~約75%、又は約70%~約80%の範囲内にある約50重量%超の生成物収率で形成される。実施形態では、工程(b)及び(d)の両方の後、組み合わせて、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料は、出発アルカリ金属含有層状酸化ニッケルの重量に基づいて、約55重量%超の生成物収率で形成される。実施形態では、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料は、出発アルカリ金属含有層状酸化ニッケルの重量に基づいて、約60重量%超の生成物収率で形成される。実施形態では、工程(b)及び(d)の両方の後、組み合わせて、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料は、出発アルカリ金属含有層状酸化ニッケルの重量に基づいて、約70重量%超の生成物収率で形成される。実施形態では、工程(b)及び(d)の両方の後、組み合わせて、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料は、出発アルカリ金属含有層状酸化ニッケルの重量に基づいて、約70重量%~約80重量%超の生成物収率で形成される。実施形態では、工程(b)及び(d)の両方の後、組み合わせて、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料は、出発アルカリ金属含有層状酸化ニッケルの重量に基づいて、約75重量%超の生成物収率で形成される。
実施形態では、開示の方法は、(a)式A1-aNi1+a(式中、Aが、リチウムを含み、及び0<a≦0.2)を有する非化学量論的アルカリ金属含有層状酸化ニッケルを、水及びペルオキシジサルフェート塩を含む流体組成物と組み合わせて、混合物を形成することであって、ペルオキシジサルフェート塩ナトリウムが、アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり約0.25~約0.45モルの量で提供される、形成することと、(b)混合物を約2~約4時間、約45℃~約55℃で加熱して、Ni(IV)含有混合物を形成することであって、Ni(IV)含有混合物が、総ニッケル(Ni)含有量を有する、Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料及びNi(IV)含有混合物を含む、形成することと、(c)工程(b)のNi(IV)含有混合物に硫酸を含む鉱酸を添加することであって、鉱酸が、総ニッケル1モル当たり約0.40~約0.55モルの量で添加される、添加することと、(d)工程(c)の混合物を約65℃~約75℃の温度で約2~約4時間加熱して、追加量のNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を形成することであって、工程(b)及び(d)中に形成されたNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料は、一般式ANi1+a(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0.08≦x<0.2、0≦y<0.3、及び0.02<a≦0.2)を有する、形成することと、を含む。
開示は、(i)式A1-aNi1+a(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0<a≦0.2)を有するアルカリ金属含有層状酸化ニッケルと、ペルオキシジサルフェート塩、モノペルサルフェート塩、又はこれらの組み合わせを含む化学酸化剤を、少なくともNi(IV)含有混合物を形成するのに十分な一定期間の間、高温で流体組成物中で反応させる工程であって、Ni(IV)含有混合物が、Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を含み、Ni(IV)含有混合物が総ニッケル(Ni)含有量を有する、反応させる工程と、(ii)工程(i)のNi(IV)含有混合物を鉱酸と反応させる工程であって、鉱酸が、少なくとも追加量のNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を形成するために十分な一定期間の間、高温で総ニッケル1モル当たり約0.60モル以下の量で添加され、工程(i)及び(ii)の間に形成されたNi(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料が、一般式ANi1+a(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0.08≦x<0.2、0≦y<0.3、及び0.02<a≦0.2)を有する、反応させる工程を含む、電気化学的活性カソード材料を調製する方法を更に提供する。
概して、工程(i)のアルカリ金属含有層状酸化ニッケル、化学酸化剤、及び流体組成物は、本明細書に記載されるように、任意のアルカリ金属含有層状酸化ニッケル、化学酸化剤、及び流体組成物であり得る。概して、工程(i)における高温は、本明細書に開示される方法の工程(b)に関して、本明細書に開示される任意の温度であり得る。概して、工程(i)においてNi(IV)含有混合物を形成するのに十分な期間は、本明細書に開示される方法の工程(b)に関して、本明細書に開示されるNi(IV)含有混合物を形成するのに十分な任意の期間であり得る。
概して、工程(ii)の鉱酸は、本明細書に開示される任意の鉱酸であり得る。概して、工程(ii)の高温は、本明細書に開示される方法の工程(d)に関して本明細書に開示される任意の温度であり得る。概して、工程(ii)においてNi(IV)含有混合物を形成するのに十分な期間は、本明細書に開示される方法の工程(d)について本明細書に開示されるNi(IV)含有混合物を形成するのに十分な任意の期間であり得る。
概して、式ANi1+aに関して、Aは、本明細書に開示される任意の好適なアルカリ金属であり得、xは、本明細書に開示される任意の好適な値であり得、yは、本明細書に開示される任意の好適な値であり得、aは、本明細書に開示される任意の好適な値であり得る。
本明細書に開示される方法は、アルファ-脱金属化酸化ニッケルをアルカリ金属水酸化物の水溶液で処理して、式AA’Ni1+a・nHO(式中、Aが、Li又はNaを含み、A’が、K、Cs、又はRbを含み、0.04≦x<0.2、0.03<v<0.20、0.02<a≦0.2及び0<n<2)に従って、その層に挿入された第2の異なるアルカリ金属を有する安定化ベータ-脱金属化層状酸化ニッケルを形成することを更に含むことができる。実施形態では、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルは、金属Mをドープすることができ、そのため、得られるベータ-脱金属化層状酸化ニッケルは、式AA’Ni1+a-z・nHO(式中、Aが、Li又はNaを含み、0<x≦0.2、A’が、K、Cs、又はRbを含み、0.03<v<0.20、Mが、遷移金属又は典型金属を含み、0≦z≦0.2、0.02<a≦0.2、及び0<n<2)を有する。
概して、Aは、Li又はNaであり得る。実施形態では、Aは、Liを含む。概して、A’は、K、Rb又はCsであり得、A’及びAは異なる。実施形態では、A’は、Kを含む。実施形態では、A’は、Rb若しくはCs、又はこれらの組み合わせを含む。実施形態では、Aは、Liを含み、A’はKを含む。実施形態では、xは、0.04~0.2、例えば、0.04~0.18、0.04~0.16、0.04~0.15、0.08~0.2、例えば、0.08~0.18、0.08~0.16、0.08~0.15、0.09~0.20、0.09~0.19、0.09~0.15、0.09~0.12、0.10~0.19、又は0.10~0.15の範囲内にあり得る。実施形態では、vは、0.03~0.20、例えば、0.03~0.17、0.03~0.15、0.03~0.13、0.06~0.20、0.06~0.17、0.06~0.15、0.06~0.13、0.08~0.17、0.08~0.15、又は0.08~0.13の範囲内にあり得る。実施形態では、aは、0.02≦a≦0.20、例えば、0.02~0.18、0.02~0.16、0.03~0.20、0.03~0.17、0.03~0.15、0.04~0.20、0.04~0.17、0.04~0.15、0.04~0.13、又は0.04~0.11の範囲内にあり得る。実施形態では、nは、0<n<2、例えば、約0.01~約1.9、約0.02~約1.8、約0.05~約1.8、約0.05~約1.5、約0.05~約1.25、約0.05~約1.0、約0.1~約1.8、約0.1~約1.5、約0.1~約1.25、約0.1~約1.0、約0.15~約1.8、約0.15~約1.5、約0.15~約1.25、約0.15~約1、約0.15~約0.8、約0.15~約0.75、約0.15~約0.7、又は約0.15~約0.6の範囲内にあり得る。実施形態では、zは、0≦z≦0.2又は0<z≦0.2、例えば、0~0.20、0.01~0.20、0.01~0.18、0.01~0.16、0.01~0.15、0.02~0.20、0.02~0.18、0.02~0.16、0.02~0.15、0.03~0.20、0.03~0.19、0.03~0.15、0.03~0.12、0.05~0.19、又は0.05~0.15の範囲内にある値を有することができる。
アルカリ水酸化物の水溶液は、特に限定されず、カリウム塩溶液、ルビジウム塩溶液、セシウム塩溶液、又はこれらの任意の組み合わせから選択することができる。アルカリ溶液中のアルカリ金属塩の濃度は、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルのベータ-脱金属化層状酸化ニッケルへの実質的に完全な変換を達成するのに十分な任意の濃度であり得る。本明細書で使用される場合、及び別様に明記されない限り、「実質的に完全な変換」は、酸化ニッケル材料の総重量に基づいて、残留アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルが5重量%以下の量で存在する、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルのベータ-脱金属化層状酸化ニッケルへの変換を表す。いくつかの実施形態では、溶液中のアルカリ金属水酸化物の濃度は、約0.5M~約10M、約1M~約10M、約3M~約9M、又は約5M~約8.75Mの範囲内にあり得る。いくつかの実施形態では、アルカリ金属水酸化物溶液は、水酸化カリウム、水酸化セシウム、及び水酸化ルビジウムのうちの少なくとも1つ、又はこれらの組み合わせを含み、約0.5M~約10Mの濃度で提供される。アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルは、アルカリ金属水酸化物溶液と組み合わせたときに、自由に流動する粉末として提供することができる。アルファ-脱金属化層状酸化ニッケル粉末及びアルカリ金属水酸化物溶液は、約10:1~約1:5、約9:1~約1:4、約8:1~約1:3、約7:1~約1:2、約6:1~約1:2、約5:1~約1:2、又は約4:1~約1:2、又は約3:1~約1:1、例えば、約3:1、約2:1、又は約1:1の重量比で組み合わせることができる。
アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルは、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルが、ベータ-脱金属化層状酸化ニッケルに完全に変換されることを確実にするのに十分な期間、アルカリ金属水酸化物溶液で処理することができる。アルファ-脱金属化層状酸化ニッケル及びアルカリ金属水酸化物溶液は、適切な混合及び湿潤を確実にするために、周囲温度で最初に5~15分間撹拌することができる。アルファ-脱金属化層状酸化ニッケル及びアルカリ金属水酸化物溶液を混合した後、混合物は、周囲温度で2~24時間保持される。任意選択的に、混合物は、2~24時間の期間中に撹拌することができる。2~24時間後、得られたベータ-脱金属化層状酸化ニッケルは、任意選択的に、水で洗浄して、任意の残留アルカリ金属水酸化物を除去することができる。得られる材料の粉末X線回折パターンを分析することにより、ベータ-脱金属化層状酸化ニッケルへの実質的に完全な変換を確認することができる。例えば、アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルは、ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルとは異なる特徴的な粉末X線回折パターンを有する。水酸化カリウム溶液で処理したアルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルに関して、水酸化カリウム溶液からのカリウムイオン及び水分子が、アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルの層に挿入される際、アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルのX線回折パターンにおいて、18°~20°2θで位置付けられた回析ピークの強度が減少し、約14.9°~約16.0°2θ、及び約21.3°~約22.7°2θで、ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルのX線回析パターンにおいて、非常に広いピークが現れる。したがって、ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルへの完全な変換において、粉末X線回折パターンは、約10.8°~約12.0°2θ、約14.9°~約16.0°2θ、及び約21.3°~約22.7°2θで広い回折ピークを有し、アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケル前駆体の粉末X線回折パターンよりも高い強度を有し、約18°~20°2θの範囲で有意な強度を有する回折ピークは存在しない。得られたベータ-脱金属化層状酸化ニッケルは、洗浄からの濾液のpHが約10になるまで脱イオン水で繰り返し洗浄することができる。固体粉末は、回収され、約70℃の空気中で約12~20時間の期間で乾燥され得る。
実施形態では、アルカリ金属水酸化物の水溶液でアルファ-脱金属化層状酸化ニッケルを処理することであって、アルカリ金属はアルファ-脱金属化層状酸化ニッケルの水溶液とは異なる、処理することは、例えば、固体反応生成物の総重量に基づいて、約8%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、又は約1%未満など、反応生成物の総重量に基づいて、約10重量%未満のガンマ-オキシ水酸化ニッケル(γ-NiOOH)を副生成物として形成する。実施形態では、アルカリ金属水酸化物の水溶液でアルファ-脱金属化層状酸化ニッケルを処理することは、約6重量%未満のガンマ-オキシ水酸化ニッケル(γ-NiOOH)を反応副生成物として形成することができる。
有利には、開示の方法は、現行の方法よりも相対的に大きい粒径を有するアルファ-脱金属化層状酸化ニッケルを提供し、同様にして、従来の方法を使用するアルファ-脱金属化層状酸化ニッケルから形成されたベータ-脱金属化層状酸化ニッケル粒子よりも相対的に大きい粒径を有するベータ-脱金属化層状酸化ニッケルを調製するために使用され得る。理論に拘束されることを意図するものではないが、層状酸化ニッケル材料の粒径は、アルファ形態とベータ形態との間で実質的に変化しないと考えられる。本明細書で使用される場合、及び別様に明記されない限り、ベータ-脱金属化層状酸化ニッケルの平均粒径が、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケルの平均粒径の約10%以内である場合、粒径は、アルファ形態とベータ形態との間で「実質的に変化」しない。理論に拘束されることを意図するものではないが、ベータ-脱金属化層状酸化ニッケルを含む電池の性能は、ベータ-脱金属化層状酸化ニッケルの粒径が減少するにつれて減少する可能性があると考えられる。特に、理論に拘束されることを意図するものではないが、閉鎖電池の条件下では、ベータ-脱金属化層状酸化ニッケルは、カソード及び電解質中の導電性炭素粒子との反応にさらされる可能性があり、セルの高率放電性能が予想を下回る可能性があると考えられる。しかしながら、ベータ-脱金属化層状酸化ニッケルの粒径が増加するにつれて、ベータ-脱金属化層状酸化ニッケルの表面積は、全体的に減少し、炭素粒子と接触する可能性のある点の数を低減させ、炭素粒子とベータ-脱金属化層状酸化ニッケル粒子との間の酸化反応の可能性を低減させる。炭素粒子の表面の酸化は、その導電性を減少させ、カソード抵抗における増加をもたらし、それによって、セルの高率性能を減少させることができる。
電池
電気化学セル、又は電池は、一次又は二次であり得る。一次電池は、一度だけ、例えば、消耗まで放電され、次いで廃棄されることを意味する。一次電池は、例えば、David Linden,Handbook of Batteries(4th ed.2011)に記載される。二次電池は、再充電されることが意図される。二次電池は、例えば、50回超、100回超、又はそれ以上、何度も放電及び再充電され得る。二次電池は、例えば、David Linden,Handbook of Batteries(4th ed.2011)に記載される。したがって、電池は、様々な電気化学的結合及び電解質の組み合わせを含み得る。本明細書に提供される説明及び実施例は、概して、一次アルカリ電気化学セル、又は電池を対象とするが、本発明は、水性、非水性、イオン性液体、及び固体状態電解質系を有する一次及び二次電池の両方に適用されることを理解されたい。それゆえ、上述の電解質を含む一次及び二次電池は、本出願の範囲内にあり、本発明は、任意の特定の実施形態に限定されない。
図1を参照すると、カソード12、アノード14、セパレータ16、及びハウジング18を含む一次アルカリ電気化学セル又は電池10が示される。電池10はまた、集電体20、封止部22、及びエンドキャップ24を含む。エンドキャップ24は、電池10の負端子として機能する。正のピップ26は、エンドキャップ24から電池10の反対側の端部にある。正のピップ26は、電池10の正端子として機能し得る。電解液は、電池10全体に分散される。カソード12、アノード14、セパレータ16、電解質、集電体20、及び封止部22は、ハウジング18内に収容される。電池10は、例えば、AA、AAA、AAAA、C、又はDサイズのアルカリ電池であり得る。
ハウジング18は、一次アルカリ電池において一般的に使用される任意の従来タイプのハウジングであり得、任意の好適な基材、例えば、冷間圧延鋼又はニッケルめっき冷間圧延鋼で作製され得る。ハウジング18は、円筒形状を有し得る。ハウジング18は、任意の他の好適な非円筒形状であり得る。ハウジング18は、例えば、長方形、正方形、又はプリズム形状など、少なくとも2つの平行プレートを含む形状を有し得る。ハウジング18は、例えば、冷間圧延鋼又はニッケルめっき鋼などの基材のシートから深絞り加工され得る。ハウジング18は、例えば、円筒形状に絞られ得る。ハウジング18は、少なくとも1つの開放端部を有し得る。ハウジング18は、閉鎖端部及びそれらの間に側壁を有する開放端部を有し得る。ハウジング18の側壁の内側表面は、ハウジング18の側壁の内側表面と、カソード12などの電極との間に低い電気接触抵抗を提供する材料で処理され得る。ハウジング18の側壁の内側表面は、例えば、ニッケル、コバルトでめっきされ、及び/又は炭素担持塗料で塗装されて、例えば、ハウジング18の側壁の内部表面とカソード12との間の接触抵抗を減少させ得る。
カソード12は、少なくとも1つの電気化学的活性カソード材料を含む。電気化学的活性カソード材料は、開示の方法に従って調製された、アルファ-脱金属化層状酸化ニッケル及び/又は非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルを含み得る。実施形態では、非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルが電気化学的活性カソード材料として提供されるとき、非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルは、脱リチウム化層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料の総重量に基づいて、5重量%未満、3重量%未満、1重量%未満、又は0.5重量%未満の残留非化学量論的アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルを含む。更に、非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルは、脱リチウム化層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料の総重量に基づいて、約10重量%未満、約8重量%未満、約6重量%未満、約4重量%未満、約3重量%未満、約2重量%未満、及び/又は約1重量%未満のガンマ-オキシ水酸化ニッケル(副生成物として)を含むことができる。同様に、本明細書に記載されるように、非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルを含むセルは、非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルが最初から提供される。
カソード12はまた、少なくとも1つ以上の追加の電気化学的活性カソード材料を含み得る。追加の電気化学的活性カソード材料は、酸化マンガン、二酸化マンガン、電界二酸化マンガン(EMD)、化学二酸化マンガン化学(CMD)、高出力電解二酸化マンガン(HP EMD)、ラムダ二酸化マンガン、ガンマ二酸化マンガン、ラムズデライト、及びこれらの任意の組み合わせを含み得る。他の電気化学的活性カソード材料としては、限定されるものではないが、酸化銀、酸化ニッケル、オキシ水酸化ニッケル、酸化銅、酸化銀銅、酸化ニッケル銀、酸化ビスマス、酸化銀ビスマス、酸素、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。オキシ水酸化ニッケルは、ベータ-オキシ水酸化ニッケル、ガンマ-水酸化ニッケル、ベータ-水酸化ニッケル及び/又はガンマ-水酸化ニッケルの連晶、並びにオキシ水酸化コバルトがコーティングされたベータ-オキシ水酸化ニッケルを含むことができる。オキシ水酸化コバルトがコーティングされたオキシ水酸化ニッケルは、オキシ水酸化コバルトがコーティングされたベータ-オキシ水酸化ニッケル、オキシ水酸化コバルトがコーティングされたガンマ-オキシ水酸化ニッケル、及び/又はオキシ水酸化コバルトがコーティングされたベータ-オキシ水酸化ニッケル及びガンマ-オキシ水酸化ニッケルの連晶を含むことができる。
実施形態では、カソード12の電気化学的活性材料は、例えば、電気化学的活性カソード材料の総重量に基づいて、約5重量%~約95重量%、約10重量%~約90重量%、約10重量%~約80重量%、約20重量%~約70重量%、約30重量%~約60重量%、約40重量%~約60重量%、又は約50重量%の範囲内にある、電気化学的活性カソード材料の総重量に基づく、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも約70重量%、又は少なくとも約75重量%の非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルを含む。実施形態では、カソード12の電気化学的活性材料は、電気化学的活性カソード材料の総重量に基づいて、約40重量%~約60重量%の非化学量論的ベータ-脱リチウム化酸化ニッケル、及び電気化学的活性カソード材料の総重量に基づいて、約60重量%~約40重量%の1つ以上の酸化マンガン、二酸化マンガン、電界二酸化マンガン(EMD)、化学二酸化マンガン化学(CMD)、高出力電解二酸化マンガン(HP EMD)、ラムダ二酸化マンガン、又はガンマ二酸化マンガンを含む。約5重量%~約60重量%、又は約10重量%~約60重量%、例えば、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、又は50重量%の非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルと、電解二酸化マンガン(EMD)を含む、電気化学的活性カソード材料のバランスとの組み合わせは、高率放電用途及び低率放電用途の両方において、予想外に有利な電池性能を提供することが見出されている。
カソード12は、炭素などの導電性添加剤、及び任意選択的に、結合剤を含み得る。カソード12はまた、他の添加剤を含み得る。炭素は、カソード12の固体構造内での電子輸送を促進することによって、カソード12の導電性を増加させ得る。炭素は、天然黒鉛、合成黒鉛、酸化抵抗性黒鉛、グラフェン、単層炭素ナノチューブ、多層炭素ナノチューブ、炭素繊維、炭素ナノファイバ、炭素ナノリボン、炭素ナノプレートレット、及びこれらの混合物などの黒鉛であり得る。カソード中の炭素の量は、相対的に低く、例えば、約12重量%未満、約10重量%未満、約9重量%未満、約8重量%未満、約6重量%未満、約5重量%未満、約3.75重量%未満、又は更には約3.5重量%未満、例えば、約3.0重量%~約5重量%、又は約2.0重量%~約3.5重量%であることが好ましい。より低い炭素レベルは、カソード12の体積を増加させるか、又は空隙体積を低減させることなく、カソード12内に電気化学的活性カソード材料のより高い担持の包含を可能にし得る。電池内、例えば、カソード内での使用に好適な黒鉛は、例えば、Imerys Graphite and Carbon(Bodio,Switzerland)から入手可能なTimrex MX-15、SFG-15、MX-25であり得る。非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルなどの高反応性カソード活性材料の場合、例えば、SFG-15、SFG-10、及びSFG-6を使用することができる。
カソード12は、任意選択的な結合剤を含み得る。本明細書で使用される場合、「結合剤」は、カソード結合を提供し、黒鉛を包含しないポリマー材料を表す。カソード12において使用され得る任意選択的な結合剤の例としては、ポリエチレン、ポリアクリル酸、又はPVDF若しくはPTFEなどのフッ化炭化水素樹脂が挙げられる。カソード12内での使用のための任意選択的な結合剤は、例えば、E.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington,DE,USA)から入手可能なCOATHYLENE HA-1681であり得る。他のカソード添加剤の例は、例えば、米国特許第5,698,315号、同第5,919,598号、同第5,997,775号、及び同第7,351,499号に記載される。いくつかの実施形態では、カソード12は、結合剤を実質的に含まない。本明細書で使用される場合、「結合剤を実質的に含まない」とは、カソードが、結合剤の約5重量%未満、約3重量%未満、又は約1重量%未満を含むことを意味する。
カソード12内の電気化学的活性カソード材料の含有量は、カソード担持と称され得る。カソード12の担持は、電池10内で使用される電気化学的活性カソード材料、及び電池10のサイズに応じて変化し得る。例えば、電気化学的活性カソード材料としてベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルを有するAA電池は、少なくとも約6グラムのベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルのカソード担持を有し得る。カソード担持は、例えば、少なくとも約7グラムの非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルであり得る。カソード担持は、例えば、約7.2グラム~約11.5グラムの非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルであり得る。カソード担持は、約8グラム~約10グラムの非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルであり得る。カソード担持は、約8.5グラム~約9.5グラムの非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルであり得る。カソード担持は、約9.5グラム~約11.5グラムの非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルであり得る。カソード担持は、約10.4グラム~約11.5グラムの非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルであり得る。AAA電池の場合、カソード担持は、少なくとも約3グラムの非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料であり得る。カソード担持は、約3グラム~約5グラムの非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルであり得る。カソード担持は、約3.5グラム~約4.5グラムの非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルであり得る。カソード担持は、約3.9グラム~約4.3グラムの非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルであり得る。AAAA電池の場合、カソード担持は、約1.5グラム~約2.5グラムの非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料であり得る。C電池の場合、カソード担持は、約27.0グラム~約40.0グラム、例えば、約33.5グラムの非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料であり得る。D電池の場合、カソード担持は、約60.0グラム~約84.0グラム、例えば、約72.0グラムの非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料であり得る。
活性カソード材料、炭素粒子、結合剤、及び任意の他の添加剤などのカソード成分は、水酸化カリウム水溶液電解質などの液体と組み合わせて、配合され、電池10のアセンブリ内で使用するためにペレットに圧入され得る。最適なカソードペレット処理のために、概して、カソードペレットは、約2重量%~約5重量%、又は約2.8重量%~約4.6重量%の範囲内にある水分レベルを有することが好ましい。ペレットは、電池10の組み立て中にハウジング18内に配置され、典型的には、ハウジング18内に均一なカソードアセンブリを形成するために再圧縮される。カソードペレットは、中心孔を含む円筒形状を有し得る。ペレットのサイズは、ペレットが使用される電池のサイズ、例えば、AAサイズ、AAAサイズ、AAAAサイズ、Cサイズ、及びDサイズによって変化し得る。中心孔は、ペレットの内径(ID)を画定し得る。AA電池用のペレットの内径は、例えば、約9.1mm~約9.9mmであり得る。AA電池用のペレットの内径は、例えば、約9.3mm~約9.7mmであり得る。AAA電池用のペレットの内径は、例えば、約6.6mm~約7.2mmであり得る。AAA電池用のペレットの内径は、例えば、約6.7mm~約7.1mmであり得る。AAAA電池用のペレットの内径は、例えば、約5mm~約5.5mmであり得る。C電池用のペレットの内径は、例えば、約16mm~約19mmであり得る。D電池用のペレットの内径は、例えば、約21mm~約25mmであり得る。
カソード12は、カソード製造時に計算され得る多孔率を有する。カソード12の多孔率は、約20%~約40%、約22%~約35%、及び例えば、約26%であり得る。電池10内のカソード12の多孔率は、とりわけ、カソードの電解質湿潤及び電池10の放電と関連付けられたカソード膨張に起因して、経時的に変化し得るため、カソード12の多孔率は、製造時、例えば、カソードペレット処理後に計算され得る。カソード12の多孔率は、以下のように計算され得る。各固体カソード成分の真の密度は、例えば、Lange’s Handbook of Chemistry(16th ed.2005)などの参考書から取得することができる。カソード成分の各々の固体重量は、電池設計によって定義される。各カソード成分の固体重量は、各カソード成分の真の密度で除算して、カソード固体体積を決定し得る。電池10内のカソード12によって占有される体積は、再び、電池設計によって定義される。カソード12によって占有される体積は、コンピュータ支援設計(CAD)プログラムによって計算され得る。多孔率は、以下の式
カソード多孔率=[1-(カソード固体体積÷カソード体積)]×100によって決定され得る。
例えば、AA電池のカソード12は、カソード12内の固体として、約9.0グラムの非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケル及び約0.90グラムの黒鉛(BNC-30)を含み得る。非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケル及び黒鉛の真の密度は、それぞれ、約4.9g/cm3及び約2.15g/cm3であり得る。固体の重量をそれぞれの真の密度で除算すると、約1.8cm3の非化学量論的ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルによって占有される体積、及び約0.42cm3の黒鉛によって占有される体積を算出する。総固形体積は、約2.2cm3である。電池設計者は、カソード12によって占有された体積を約3.06cm3となるように選択し得る。上記式[1-(2.2cm3÷3.06cm3)]に従ってカソード多孔率を計算すると、約0.28、又は28%のカソード多孔率を算出する。
アノード14は、少なくとも1つの電気化学的活性アノード材料、ゲル化剤、及び有機及び/又は無機ガッシング抑制剤などの少量の添加剤から形成され得る。電気化学的活性アノード材料は、亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、AB5(H)、AB2(H)、及びA2B7(H)などの金属水素化物、これらの合金、並びにこれらの任意の組み合わせを含み得る。
アノード14内の電気化学的活性アノード材料の含有量は、アノード担持と称され得る。アノード14の担持は、バッテリ内で使用される電気化学的活性アノード材料、及びバッテリのサイズに応じて変化し得る。例えば、亜鉛電気化学的活性アノード材料を有するAA電池は、少なくとも約3.3グラムの亜鉛のアノード担持を有し得る。アノード担持は、例えば、少なくとも約3.5グラム、約3.7グラム、約3.9グラム、約4.1グラム、約4.3グラム、又は約4.5グラムの亜鉛であり得る。アノード担持は、約4.0グラム~約5.5グラムの亜鉛であり得る。アノード担持は、約4.2グラム~約5.3グラムの亜鉛であり得る。例えば、亜鉛電気化学的活性アノード材料を有するAAA電池は、少なくとも約1.8グラムの亜鉛のアノード担持を有し得る。例えば、アノード担持は、約1.8グラム~約2.5グラムの亜鉛であり得る。アノード担持は、例えば、約1.9グラム~約2.4グラムの亜鉛であり得る。例えば、亜鉛電気化学的活性アノード材料を有するAAAA電池は、少なくとも約0.6グラムの亜鉛のアノード担持を有し得る。例えば、アノード担持は、約0.7グラム~約1.3グラムの亜鉛であり得る。例えば、亜鉛電気化学的活性アノード材料を有するC電池は、少なくとも約9.3グラムの亜鉛のアノード担持を有し得る。例えば、アノード担持は、約10.0グラム~約19.0グラムの亜鉛であり得る。例えば、亜鉛電気化学的活性アノード材料を有するD電池は、少なくとも約30.0グラムの亜鉛のアノード担持を有し得る。例えば、アノード担持は、約30.0グラム~約45.0グラムの亜鉛であり得る。アノード担持は、例えば、約33.0グラム~約39.5グラムの亜鉛であり得る。
アノード14内で使用され得るゲル化剤の例としては、ポリアクリル酸、ジビニルグリコールのポリアルケニルエーテルと架橋したポリアクリル酸、グラフト化されたデンプン材料、ポリアクリル酸の塩、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースの塩(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。アノード14は、ビスマス、スズ、又はインジウムなどの無機材料を含み得る、ガッシング抑制剤を含み得る。代替的に、ガッシング抑制剤は、フォスフェートエステル、イオン界面活性剤、又は非イオン界面活性剤などの有機化合物を含むことができる。電解質は、カソード12、アノード14、及びセパレータ16全体に分散され得る。電解質は、水溶液中にイオン導電性成分を含む。イオン導電性成分は、アルカリ水酸化物であり得る。アルカリ水酸化物は、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、及びこれらの任意の組み合わせであり得る。イオン導電性成分の濃度は、電池設計及びその所望の性能に応じて選択され得る。電解質内のアルカリ水酸化物の濃度は、電池10内の総電解質の重量ベースで、約0.20~約0.40、又は約20%~約40%であり得る。例えば、電解質の水酸化物濃度は、電池10内の総電解質の重量に基づいて、約0.25~約0.32、又は約25%~約32%であり得る。水性アルカリ電解質はまた、酸化亜鉛(ZnO)を含み得る。ZnOは、アノード内の亜鉛腐食を抑制するように機能し得る。電解質内に含まれるZnOの濃度は、電池10内の総電解質の約5重量%未満であり得る。ZnO濃度は、例えば、電池10内の総電解質の約1重量%~約3重量%であり得る。
AAアルカリ電池内の水性アルカリ電解質の総重量は、例えば、約3.0グラム~約4.4グラムであり得る。AA電池内のアルカリ電解質の総重量は、例えば、約3.3グラム~約3.8グラムであり得る。AA電池内のアルカリ電解質の総重量は、例えば、約3.4グラム~約3.65グラムであり得る。AAAアルカリ電池内の水性アルカリ電解質の総重量は、例えば、約1.0グラム~約2.0グラムであり得る。AAA電池内の電解質の総重量は、例えば、約1.2グラム~約1.8グラムであり得る。AAA電池内の電解質の総重量は、例えば、約1.4グラム~約1.8グラムであり得る。AAAA電池内の電解質の総重量は、約0.68グラム~約1グラム、例えば、約0.85グラム~約0.95グラムであり得る。C電池内の電解質の総重量は、約11グラム~約14グラム、例えば、約12.6グラム~約13.6グラムであり得る。D電池内の電解質の総重量は、約22グラム~約30グラム、例えば、約24グラム~約29グラムであり得る。
セパレータ16は、電解質によって湿潤可能な、又は湿潤した材料を含む。液体と材料の表面との間の接触角度が、90°未満であるとき、又は液体が材料の表面に自発的に広がる傾向があるとき、材料は、液体によって湿潤されると言われ、両方の条件が、通常共存する。セパレータ16は、織られた、若しくは不織の紙又は布の単層又は複数の層を含み得る。セパレータ16は、例えば、不織材料の層と組み合わされたセロハンの層を含み得る。セパレータ16はまた、不織材料の追加の層を含むことができる。セパレータ16はまた、電池10内にその場で形成され得る。米国特許第6,514,637号は、例えば、かかるセパレータ材料、及びそれらの用途の潜在的に好適な方法を開示する。セパレータ材料は、薄い可能性がある。セパレータ16は、例えば、250マイクロメートル(ミクロン)未満の乾燥材料厚さを有し得る。セパレータ16は、約50ミクロン~約175ミクロンの乾燥材料厚さを有し得る。セパレータ16は、約70ミクロン~約160ミクロンの乾燥材料厚さを有し得る。セパレータ16は、約40g/m2又は20未満の基本重量を有し得る。セパレータ16は、約15g/m2~約40g/m2の基本重量を有し得る。セパレータ16は、約20g/m2~約30g/m2の基本重量を有し得る。セパレータ16は、空気透過性値を有し得る。セパレータ16は、国際標準化機構(ISO)規格2965で定義される空気透過性値を有し得る。セパレータ16の空気透過性値は、約2000cm3/cm2・分@1kPa~約5000cm3/cm2・分@1kPaであり得る。セパレータ16の空気透過性値は、約3000cm3/cm2・分@1kPa~約4000cm3/cm2・分@1kPaであり得る。セパレータ16の空気透過性値は、約3500cm3/cm2・分@1kPa~約3800cm3/cm2・分@1kPaであり得る。
集電体20は、当該技術分野内の任意の既知の方法によって、特定の電池設計に関する任意の好適な形状に作製され得る。集電体20は、例えば、釘状の形状を有し得る。集電体20は、柱状本体及び柱状本体の1つの端部に位置付けられたヘッドを有し得る。集電体20は、金属、例えば、亜鉛、銅、真鍮、銀、又は任意の他の好適な材料で作製され得る。集電体20は、任意選択的に、集電体20と、例えば、アノード14との間に低い電気接触抵抗を提示するスズ、亜鉛、ビスマス、インジウム、又は別の好適な材料でめっきされ得る。めっき材料はまた、集電体20が、アノード14によって接触されるときに、ガス形成を抑制する能力を呈し得る。
封止部22は、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエーテルウレタンなどのポリマー、ポリマー複合体、及びこれらの任意の組み合わせを所定の寸法を有する形状に射出成形することによって調製され得る。封止部22は、例えば、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン11、ポリプロピレン、ポリエーテルウレタン、コポリマー、複合材、及びこれらの任意の組み合わせから作製され得る。例示的な射出成形方法は、コールドランナ法及びホットランナ法の両方を含む。封止部22は、可塑剤、結晶核生成剤、酸化防止剤、離型剤、潤滑剤、及び帯電防止剤などの他の既知の機能性材料を含有し得る。封止部22はまた、封止剤でコーティングされ得る。封止部22は、電池10内で使用する前に保湿され得る。封止部22は、例えば、封止部材料に応じて、約1.0重量パーセント~約9.0重量パーセントの含水率を有し得る。集電体20は、封止部22に、及び封止部22を通って挿入され得る。
エンドキャップ24は、電池を閉鎖するために十分な任意の形状で形成され得る。エンドキャップ24は、例えば、円筒形又はプリズム形状を有し得る。エンドキャップ24は、材料を好適な寸法で所望の形状に押圧することによって形成され得る。エンドキャップ24は、電池10の放電中に電子を伝導する任意の好適な材料から作製され得る。エンドキャップ24は、例えば、ニッケルめっき鋼又はスズめっき鋼から作製され得る。エンドキャップ24は、集電体20に電気的に接続され得る。エンドキャップ24は、例えば、集電体20に溶接されることによって、集電体20への電気的接続を行い得る。エンドキャップ24はまた、過度の内部圧力の蓄積に起因する電解質の漏出又は電池の通気による任意のガス圧力を通気するための穴など、1つ以上の開口部を含み得る。集電体20、封止部22、及びエンドキャップ24は、エンドキャップアセンブリと集合的に称され得る。
実施例1.ペルオキシジサルフェートナトリウム及び硫酸による非化学量論的層状リチウム酸化ニッケルの連続処理を介するアルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルの調製。
加熱マントルを装備した1リットルのガラス反応器内の脱イオン水に、研削され、20メッシュ(U.S標準)ふるいを通過した過剰なニッケル(Li1-aNi1+a、0.02≦a≦0.2)を有する非化学量論的層状リチウム酸化ニッケル(LNO)を、急速撹拌しながら添加して、懸濁液を形成した。LNOの撹拌された懸濁液に、固体ペルオキシジサルフェートナトリウム(すなわち、Na、又は「SPS」)を添加し、そのため、LNOに対して添加されたサルフェートの量は、LNO1モル当たり0.35モルのペルサルフェートであった。混合物の初期pHは、9~12であった。撹拌された混合物を、約1℃/分の速度で50℃に加熱した。混合物を50℃で3時間撹拌した後、リチウムの約50%を、LNOから除去し、溶液中で3重量%未満の可溶性Ni2+イオンを、UV可視分光法及び適切な濃度較正曲線を使用して検出した。得られた混合物を冷却することなく、硫酸を、総ニッケル1モル当たり0.40~0.50モルの酸の量で撹拌しながら添加し、混合物を、約1℃/分の速度で60℃に加熱し、続いて60℃で3時間撹拌し続けた。撹拌を停止し、固体生成物を沈降させた。上清溶液を、まだ温かいうちにデカントした。結果として生じる固体アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケル生成物を、脱イオン水で洗浄した。洗浄後、固体生成物を、再び沈降させ、透明上清をデカントした。洗浄プロセスを繰り返して、可溶性Ni2+錯体、可溶性ニッケル及びサルフェートリチウム、並びに残留硫酸を除去した。固体生成物を、真空濾過によって回収し、空気中で約12時間、60~80℃で乾燥させた。乾燥したアルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケル生成物の収率は、約70重量%であった。アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケル生成物の平均一次粒径(すなわち、D50)は、約5.3ミクロンであった。これは、前駆体層状リチウム酸化ニッケルのものと比較して、平均一次粒径における約16%の低減を表現した。得られた乾燥材料を、635タイプアルカリボタンセル中のカソード活性材料として提供し、これは、360~411mAh/gの範囲内にある低速(例えば、10mA/g、約C/40)放電容量を明示した。アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルの生成物収率、結晶格子中の残留リチウムの量、及び放電容量が、様々な硫酸:LNOモル比について以下の表1に提供される。
乾燥したアルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルを、アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケル1グラム当たり0.069gの水酸化カリウムを含む8.7Mの水酸化カリウム水溶液で処理した。混合物を、ポリエチレンボトル内に封止し、室温で、12~24時間保持して、ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルを形成した。半固体混合物を、複数のアリコートの脱イオン水で洗浄して、未反応のKOHを除去した。洗浄したベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケル生成物を、約12時間、空気中で、70℃で乾燥させた。
それゆえ、実施例1は、硫酸を60℃でNi(IV)含有混合物と反応させるとき、総ニッケル含有量1モル当たり0.40~0.50モルの範囲内にある酸対LNOモル比を変化させることは、アルファ-脱リチウム層状酸化ニッケルの収率に大きな影響を及ぼさないが、放電容量に中程度(<15%)の影響を及ぼすことを実証する。実施例1は、実施例1の条件下で、生成物収率を維持しながら、アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルの放電容量を増加させることが可能であることを更に実証する。
実施例2.ペルオキシジサルフェートナトリウム及び硫酸による非化学量論的層状リチウム酸化ニッケルの処理を介するアルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルの調製。
加熱マントルを装備した1リットルのガラス反応器内の脱イオン水に、研削され、20メッシュ(U.S標準)ふるいを通過した過剰なニッケル(Li1-aNi1+a、0.02≦a≦0.2)を有する非化学量論的層状リチウム酸化ニッケル(LNO)を、撹拌しながら添加して、懸濁液を形成した。LNOの撹拌された懸濁液に、固体ペルオキシジサルフェートナトリウム(すなわち、Na、SPS)を添加し、そのため、LNOに対して添加されたサルフェートの量は、LNO1モル当たり0.35モルのペルサルフェートであった。混合物の初期pHは、9~12であった。撹拌された混合物を、約1℃/分の速度で50℃に加熱した。混合物を50℃で3時間撹拌した後、リチウムの約50%を、LNOから除去し、溶液中で3重量%未満の可溶性Ni2+を検出した。得られた混合物を冷却することなく、硫酸を、総ニッケル1モル当たり0.43~0.53モルの酸の量で撹拌しながら添加し、混合物を、約1℃/分の速度で70℃に加熱し、続いて70℃で3時間撹拌し続けた。撹拌を停止し、固体生成物を沈降させた。上清溶液を、まだ温かいうちにデカントした。結果として生じる固体アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケル生成物を、脱イオン水で洗浄した。洗浄後、固体生成物を、再度沈降させ、透明上清をデカントした。洗浄プロセスを繰り返して、可溶性Ni2+錯体、可溶性ニッケル及びサルフェートリチウム、並びに残留硫酸を除去した。固体生成物を、真空濾過によって回収し、空気中で約12時間、60~80℃で乾燥させた。乾燥した生成物の収率は、約60~70%であった。アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケル生成物の平均一次粒径(すなわち、D50)は、約5.5ミクロンであった。これは、前駆体層状リチウム酸化ニッケルのものと比較して、平均一次粒径における約14%の低減を表現した。得られた乾燥材料を、635タイプアルカリボタンセル中のカソード活性材料として提供し、これは、約400~約430mAh/gの範囲内にある低速(例えば、10mA/g、約C/40)放電容量を実証した。アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルの生成物収率、結晶格子中の残留リチウムの量、及び放電容量が、様々な硫酸:LNOモル比について以下の表2に提供される。
乾燥したアルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルを、アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケル材料1グラム当たり0.069gの水酸化カリウムを含む半固体混合物を形成するために、8.7Mの水酸化カリウム水溶液と完全に混合した。混合物を、ポリエチレンボトル内に封止し、室温で、12~24時間保持して、ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルを形成した。半固体混合物を、複数のアリコートの脱イオン水で洗浄して、未反応のKOHを除去した。洗浄したベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケル生成物を、約12時間、空気中で、70℃で乾燥させた。
それゆえ、実施例2は、実施例1のアルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケル材料の重量放電容量よりもやや高い重量放電容量を有し、実施例1に対して、酸促進不均化工程のより高い反応温度を使用して、開示の方法に従ってアルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を形成することを実証する。実施例2は、開示のベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料の形成を更に実証する。
実施例3.硫酸のみによる非化学量論的層状ニッケル酸化リチウムの処理を介するアルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルの調製。
加熱マントルを装備した1リットルのガラス反応器内の脱イオン水に、過剰なニッケル含有量を有する非化学量論的層状リチウム酸化ニッケル(Li1-aNi1+a、0.02≦a≦0.2)を撹拌しながら添加し、公称20重量パーセントの固体を有する懸濁液を形成した。撹拌された懸濁液を、約1℃/分~約50~55℃の速度で加熱した。60重量%の硫酸溶液を、30分の期間中部分的に添加し、そのため温度は、約65℃を下回ったままであり、添加された酸の総量が、ニッケル1モル当たり0.95モルの酸であった。約17重量%の固体を含有する得られた混合物を、60℃で保持し、合計5~6時間撹拌した。固体生成物を沈降させ、温かいうちにデカンテーションによって含有する緑色の上清溶液から分離した。固体生成物を、脱イオン水で繰り返し洗浄して、可溶性Ni(II)錯体、ニッケル及びサルフェートリチウム、並びに任意の残留硫酸を除去した。洗浄した固体生成物を、真空濾過により回収し、次いで空気中で約12時間、60~80℃で乾燥させた。乾燥生成物の収率は、約45~49%(重量/重量)であった。乾燥生成物は、ICP-AESによって決定される際、結晶格子中に約0.3重量%の残留リチウムを依然として含有していた。635タイプアルカリボタンセル中のカソード活性材料として提供される乾燥生成物の低速(例えば、10mA/g、C/40)放電容量は、約420~425mAh/gであった。平均Ni酸化状態は、典型的には、3.45~3.50の範囲であった。アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケル生成物の平均一次粒径(すなわち、D50)は、約5.0ミクロンであった。これは、前駆体層状リチウム酸化ニッケルのものと比較して、平均一次粒径のほぼ20%の低減を表現した。
乾燥させたアルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルを、好適な体積の8.7M水酸化カリウム水溶液と完全に混合して、酸化ニッケル1モル当たり0.2モルのKOH(塩)を含有する半固体混合物を形成した。混合物を、ポリエチレンボトル内に封止し、室温で、12~24時間保持して、ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルを形成した。半固体混合物を、複数のアリコートの脱イオン水で洗浄して、未反応のKOHを除去した。洗浄したベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケル生成物を、約12時間、空気中で、70℃で乾燥させた。しかしながら、ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルはまた、副生成物として可変量のガンマ-NiOOHを含有し、典型的には、粉末X線回折パターンと、ほぼ検出不可能なレベルのガンマ-NiOOHを有するベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケル試料及び公称純粋なガンマ-NiOOHの試料の一連の計量された物理配合のためのX線回折パターンとの比較によって推定されるように、10重量%未満である。
それゆえ、実施例3は、開示以外の方法による、硫酸溶液を用いた非化学量論的層状リチウム酸化ニッケルのNi(IV)及び水溶性Ni(II)のNi(III)の酸促進不均化のみを含む、アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルの調製を実証する。リチウム酸化ニッケル前駆体の脱リチウム化のための酸促進不均化の使用は、Ni2+として約50%のニッケルの溶解をもたらし、それによって、50重量%未満の固体反応生成物収率、例えば、47%の収率をもたらす。実施例3は、50%を超えるニッケルの溶解の結果として、アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケル生成物の平均一次粒径が、層状リチウム酸化ニッケル前駆体の対応する粒子のものよりも20~30%小さいことを更に実証する。それゆえ、実施例2及び3はともに、開示の方法が、酸促進不均化のみを使用する先行技術の脱リチウム化方法に対して、最終材料中のガンマ-NiOOH副生成物の量が同等又はより少ない量である一方で、アルカリセル中で同等又はより高い電気化学放電容量を有し、より大きい一次粒径を有する、より高い収率でベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルを調製するために使用され得ることを実証する。
実施例4.過剰量のペルオキシジサルフェートナトリウムのみを用いた非化学量論的層状リチウム酸化ニッケルの処理を介するアルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルの調製。
加熱マントルを装備した1リットルのガラス反応器内の脱イオン水に、過剰なニッケル含有量を有する非化学量論的層状リチウム酸化ニッケル(Li1-aNi1+a、0.02≦a≦0.2)を撹拌しながら添加し、公称25重量パーセントの固体を有する懸濁液を形成した。固体ペルオキシジサルフェートナトリウムを、撹拌懸濁液に部分的に添加し、そのため添加されたペルサルフェートの総量は、酸化ニッケル1モル当たり0.75モルのペルサルフェートであった。撹拌された混合物を、約1℃/分の速度で85℃に加熱し、その温度で5時間保持した。リチウム酸化ニッケル前駆体の懸濁液の初期pHは、ペルサルフェートの添加前に12を超えていた。ペルサルフェートの添加が完了し、温度が60℃に達した後、pHは、10に減少した。85℃で5時間撹拌した後、pHは、更に5未満に減少した。この時、撹拌を停止し、固体生成物を、沈降させた。固体生成物を、まだ温かいうちにデカンテーションによって、Ni2+を含有する濃い緑色の上清溶液から分離した。固体生成物を、脱イオン水で繰り返し洗浄し、デカントして、可溶性ニッケル及びサルフェートリチウム、並びに未反応のペルサルフェートナトリウムを除去した。最後に、洗浄した固体生成物を、吸引濾過により回収し、空気中で約12時間、60~80℃で乾燥させた。乾燥生成物の収率は、約65~70%(重量/重量)であった。乾燥生成物は、ICP-AESによって決定される際、結晶格子中に約0.6重量%の残留リチウムを依然として含有していた。635タイプアルカリボタンセル中のアルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルの低速(例えば、10mA/g、約C/40)放電容量は、約425~430mAh/gであった。アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルの平均一次粒径(すなわち、D50)は、約5.1ミクロンであった。これは、前駆体層状リチウム酸化ニッケルのものと比較して、平均一次粒径における20%の低減を表現する。
アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルを、好適な体積の8.7M水酸化カリウム水溶液と完全に混合して、酸化ニッケル1モル当たり0.2モルのKOH(塩)を含有する半固体混合物を形成した。混合物を、ポリエチレンボトル内に封止し、室温で、12~24時間保持して、ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルを形成した。半固体混合物を、複数のアリコートの脱イオン水で洗浄して、未反応のKOHを除去した。洗浄したベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケル生成物を、約12時間、空気中で、70℃で乾燥させた。しかしながら、ベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルはまた、その粉末X線回折パターンから推定されるように、典型的には10重量%未満の可変量のガンマ-NiOOHを副生成物として含有する。
それゆえ、実施例4は、開示以外の方法による、過剰量のペルサルフェートナトリウムを使用した非化学量論的層状酸化ニッケル前駆体の酸化脱リチウム化のみを含む、アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルの調製を実証する。反応時間に伴うpHの減少によって証明されるように、85℃でのペルサルフェートの熱分解速度が加速されて、硫酸を形成するため、アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルの収率が減少した。硫酸の存在はまた、いくらかの不均化を促進して、アルファ-脱リチウム化層状酸化ニッケルの平均一次粒径をリチウム酸化ニッケル前駆体のものよりも20~30%小さい範囲にする結果となった。加えて、実施例4のプロセスは、実施例2、より少ないペルサルフェートナトリウムで完了し、類似の収率に到達するために50℃で3時間及び70℃で3時間加熱することのみが必要とされる、開示の方法に対して、85℃で5時間、50%多いペルサルフェートナトリウムで処理する必要があった。それゆえ、実施例2及び4は、開示の方法が、実質的により高い反応温度において、より大量のペルオキシジサルフェートナトリウムを使用する先行技術の脱リチウム化方法に対して、最終材料中のガンマ-NiOOH副生成物の量が同等又はより少ないことを維持しながら、アルカリセル中に同等又はより高い電気化学放電容量を有し、50%少ないペルサルフェートナトリウムを使用してより大きい一次粒子を有する、より高い収率、より少ないエネルギー消費(すなわち、85℃で5時間>50℃で3時間+70℃で3時間のエネルギー使用)でベータ-脱リチウム化層状酸化ニッケルを調製するために使用され得ることを実証する。
前述の説明は、理解の明確さのためだけに与えられ、開示の範囲内の修正は、当業者には明らかであり得るため、不必要な限定がないことが理解されるであろう。
本明細書で引用される全ての特許、刊行物、及び参考文献は、参照により本明細書に完全に組み込まれる。本開示と組み込まれた特許、刊行物、及び参考文献との間に矛盾がある場合、本開示が優先されるべきである。

Claims (92)

  1. 電気化学的活性カソード材料を調製する方法であって、
    (a)式A1-aNi1+a(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0<a≦0.2)を有するアルカリ金属含有層状酸化ニッケルを、ペルオキシジサルフェート塩、モノペルサルフェート塩、又はこれらの組み合わせを含む化学酸化剤を含む流体組成物と組み合わせて、混合物を形成することと、
    (b)前記混合物を、少なくともNi(IV)含有混合物を形成するのに十分な一定期間の間、加熱することであって、前記Ni(IV)含有混合物が、Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を含み、前記Ni(IV)含有混合物が、総ニッケル(Ni)含有量を有する、加熱することと、
    (c)工程(b)の前記Ni(IV)含有混合物に鉱酸を添加することであって、前記鉱酸が、総ニッケル1モル当たり約0.60モル以下の量で添加される、添加することと、
    (d)工程(c)の前記混合物を、少なくとも追加量の前記Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を形成するのに十分な一定期間の間、加熱することであって、工程(b)及び(d)中に形成された前記Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料が、一般式ANi1+a
    (式中、
    Aが、アルカリ金属を含み、
    0.08≦x<0.2、
    0≦y<0.3、及び
    0.02<a≦0.2)を有する、加熱することと、を含む、方法。
  2. 前記アルカリ金属含有層状酸化ニッケルが、金属Mをドープされ、そのため前記アルカリ金属含有層状酸化ニッケルが、式A1-aNi1+a-z(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0<a≦0.2、及び0≦z≦0.2)を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記酸化剤が、ペルオキシジサルフェート塩を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. Aが、Li、Na、又はこれらの組み合わせを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  5. Aが、Liを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  6. Mが、遷移金属、典型金属、又はその両方を含む、請求項2~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. Mが、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)、又はこれらの組み合わせを含む、請求項2~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. Mが、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、又はこれらの組み合わせを含む、請求項2~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. Mが、コバルト(Co)を含む、請求項2~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. Mが、マンガン(Mn)を含む、請求項2~8のいずれか一項に記載の方法。
  11. Mが、コバルト(Co)及びマンガン(Mn)を含む、請求項2~8のいずれか一項に記載の方法。
  12. Mが、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、ビスマス(Bi)、又はこれらの組み合わせを含む、請求項2~6のいずれか一項に記載の方法。
  13. Mが、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、又はこれらの組み合わせを含む、請求項12に記載の方法。
  14. Mが、アルミニウム(Al)を含む、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 工程(b)において、前記Ni(IV)含有混合物を形成するのに十分な時間が、約15分~約6時間、約15分~約5時間、約15分~約4時間、約20分~約4時間、約20分~約3時間、約30分~約2時間、約30分~約1時間、約15分~約45分、約1時間~約5時間、又は約2時間~約4時間である、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  16. 工程(b)において、前記Ni(IV)含有混合物を形成するのに十分な時間が、約15分~約4時間である、請求項15に記載の方法。
  17. 工程(b)において、前記Ni(IV)含有混合物を形成するのに十分な時間が、約2時間~約4時間である、請求項15に記載の方法。
  18. 工程(d)において、前記Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を形成するのに十分な時間が、約1時間~約6時間、約1時間~約5.5時間、約1時間~約5時間、約2時間~約4時間、又は約3時間である、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  19. 工程(d)において、前記Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を形成するのに十分な時間が、約2時間~約4時間である、請求項17に記載の方法。
  20. 工程(c)において、前記鉱酸が、硫酸、硝酸、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、ヨウ化水素酸、又はこれらの組み合わせを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  21. 工程(c)において、前記鉱酸が、硫酸、硝酸、塩酸、又はこれらの組み合わせを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  22. 工程(c)において、前記鉱酸が、硫酸を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記流体組成物が、水酸化物塩を実質的に含まない、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  24. 工程(a)において、前記酸化剤が、前記アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり約0.25~0.70モルの量、例えば、前記アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり約0.25モル、約0.30モル、約0.35モル、約0.40モル、約0.45モル、約0.50モル、約0.55モル、約0.60モル、約0.65モル、又は約0.70モルの量で提供される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  25. 工程(a)において、前記酸化剤が、前記アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり約0.25~約0.45モルの量で提供される、請求項24に記載の方法。
  26. 工程(b)において、温度が、60℃未満である、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  27. 工程(b)において、前記温度が、約45℃~約55℃、約45℃~約50℃、約50℃~約60℃未満、又は約50℃~約55℃の範囲内にある、請求項26に記載の方法。
  28. 工程(c)において、前記鉱酸が、前記総ニッケル1モル当たり約0.40~約0.55モル、前記総ニッケル1モル当たり約0.45~約0.55、約0.50~約0.55、約0.40~約0.45、約0.45~約0.50モルの鉱酸の量で提供される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  29. 工程(d)において、温度が、約60℃~約80℃、約60℃~約75℃、約60℃~約70℃、約65℃~約75℃、約68℃~約72℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、又は約80℃である、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  30. 工程(d)において、前記温度が、約65℃~約75℃である、請求項29に記載の方法。
  31. 工程(d)において、前記温度が、約68℃~約72℃である、請求項29に記載の方法。
  32. 工程(a)において、前記酸化剤が、前記アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり約1モルの量で、又は前記アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり約1~約2モルの酸化剤、約1.3~約2モルの酸化剤、約1.5~約2モルの酸化剤、約1~約1.9モルの酸化剤、約1.3~約1.8モル又は酸化剤、又は約1.4~約1.7モルの酸化剤の範囲内で提供される、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
  33. 工程(b)において、前記温度が、約45℃~約60℃未満、約45℃~約55℃、約45℃~約50℃、約50℃~約60℃未満、又は約50℃~約55℃の温度である、請求項32に記載の方法。
  34. 工程(c)において、前記鉱酸が、前記総ニッケル1モル当たり約0.20モル~約0.40モル、又は前記総ニッケル1モル当たり約0.25モル~約0.35モル、又は前記総ニッケル1モル当たり約0.30モルの量で提供される、請求項32又は33に記載の方法。
  35. 工程(d)において、前記温度が、約60℃~約80℃、約60℃~約80℃、約60℃~約75℃、約60℃~約70℃、約65℃~約75℃、約68℃~約72℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、又は約80℃である、請求項32~34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記酸化剤が、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される、対カチオンを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  37. xが、0.01~0.20、0.01~0.18、0.01~0.16、0.01~0.15、0.02~0.20、0.02~0.18、0.02~0.16、0.02~0.15、0.03~0.20、0.03~0.19、0.03~0.15、0.03~0.12、0.05~0.19、又は0.05~0.15の値を有する、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  38. zが、0~0.20、0.01~0.20、0.01~0.18、0.01~0.16、0.01~0.15、0.02~0.20、0.02~0.18、0.02~0.16、0.02~0.15、0.03~0.20、0.03~0.19、0.03~0.15、0.03~0.12、0.05~0.19、又は0.05~0.15の値を有する、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  39. yが、0~0.29、0.05~0.25、0.5~0.20、0.5~0.15、0.08~0.29、0.08~0.25、0.08~0.20、0.08~0.15、0.10~0.29、0.10~0.25、0.10~0.20、又は0.10~0.15の値を有する、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  40. aが、0.02~0.20、0.02~0.18、0.02~0.16、0.02~0.15、0.03~0.20、0.03~0.18、0.03~0.16、0.03~0.15、0.04~0.20、0.04~0.18、0.04~0.15、0.04~0.12、0.05~0.19、又は0.05~0.15の値を有する、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  41. 工程(a)において、前記アルカリ金属含有層状酸化ニッケル及び前記酸化剤が、約1モルのアルカリ金属含有層状酸化ニッケル:0.25モルの酸化剤~約1モルのアルカリ金属含有層状ニッケル酸化剤:0.70モルの酸化剤(「1:0.25~約1:0.70」としても表される)、約1:0.25~約1:0.65、約1:0.25~約1:60、約1:0.25~約1:0.50、約1:0.25~約1:0.45、約0:0.30~約1:0.70、約1:0.30~約1:0.65、約1:0.30~約1:0.55、約1:0.30~約1:0.45、約1:0.35~約1:0.70、約1:0.35~約1:0.65、約1:0.35~約1:0.60、約1:0.35~約1:0.55、約1:0.35~約1:0.50、約1:0.35~約1:0.45、又は約1:0.35~約1:0.40のモル比で提供される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  42. 工程(a)において、前記流体組成物が、約4~12、約4~約11、約4~約10、又は約4~約9、約9~約12、約10~約12、又は約11~約12の範囲内にあるpHを有する、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  43. 工程(c)において、前記鉱酸が前記Ni(IV)含有混合物に添加されるときに、工程(b)からの未反応のペルサルフェートが、前記Ni(IV)含有混合物中に存在し得る、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  44. 工程(c)の前に、前記Ni(IV)含有混合物を前記流体組成物から分離することを更に含む、請求項1~42のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏酸化ニッケルをアルカリ水酸化物の水溶液で処理して、式:AA’Ni1+a・nHO又はAA’Ni1+a-z・nH
    (式中、Aが、Li又はNaを含み、
    Mが、遷移金属を含み、
    A’が、K、Rb又はCsを含み、
    0.04≦x<0.2、
    0.03<v<0.20、
    0.02≦a≦0.2、
    0≦z≦0.2、及び
    0<n<2)に従う化合物を形成することを更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記アルカリ水酸化物が、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、又はこれらの組み合わせを含む、請求項45に記載の方法。
  47. Aが、Liを含み、A’が、Kを含む、請求項45又は46に記載の方法。
  48. 前記Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏酸化ニッケルをアルカリ水酸化物の前記水溶液で処理することが、副生成物として約10重量%未満のガンマ-オキシ水酸化ニッケル(γ-NiOOH)を形成する、請求項45~47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏酸化ニッケルをアルカリ水酸化物の前記水溶液で処理することが、副生成物として約6重量%未満のガンマ-オキシ水酸化ニッケル(γ-NiOOH)を形成する、請求項48に記載の方法。
  50. 工程(a)において、前記酸化剤が、ペルオキシジサルフェート塩を含み、かつ、前記アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり約0.25~約0.45モルの量で提供され、工程(b)において、前記混合物が、約2~約4時間、約45℃~約55℃の温度に加熱され、工程(c)において、前記鉱酸が、硫酸を含み、かつ前記総ニッケル1モル当たり約0.4~約0.55モルの量で提供され、工程(d)において、前記混合物が、約2~約4時間、約65℃~約75℃の温度に加熱される、請求項1~31又は36~44のいずれか一項に記載の方法。
  51. 電気化学的活性カソード材料を調製する方法であって、
    (i)式A1-aNi1+a(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0<a≦0.2)を有するアルカリ含有層状酸化ニッケル及びペルオキシジサルフェート塩、モノペルサルフェート塩、又はこれらの組み合わせを含む化学酸化剤を、少なくともNi(IV)含有混合物を形成するのに十分な一定期間の間、高温で、流体組成物内で反応させることであって、前記Ni(IV)含有混合物が、Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を含み、前記Ni(IV)含有混合物が、総ニッケル(Ni)含有量を有する、反応させることと、
    (ii)工程(i)の前記Ni(IV)含有混合物を鉱酸と反応させることであって、前記鉱酸が、少なくとも追加量の前記Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を形成するのに十分な一定期間の間、高温で、総ニッケル1モル当たり約0.60モル以下の量で添加される、反応させることと、を含み、
    工程(i)及び(ii)の間に形成された前記Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料が、一般式ANi1+a
    (式中、
    Aが、アルカリ金属を含み、
    0.08≦x<0.2、
    0≦y<0.3、及び
    0.02<a≦0.2)を有する、方法。
  52. 前記アルカリ金属含有層状酸化ニッケルが、金属Mをドープされ、そのため前記アルカリ金属含有層状酸化ニッケルが、式A1-aNi1+a-z(式中、Aが、アルカリ金属を含み、0<a≦0.2、及び0≦z≦0.2)を有する、請求項51に記載の方法。
  53. 前記酸化剤が、ペルオキシジサルフェート塩を含む、請求項51又は52に記載の方法。
  54. Aが、Liを含む、請求項51~53のいずれか一項に記載の方法。
  55. Mが、遷移金属、典型金属、又はその両方を含む、請求項52~54のいずれか一項に記載の方法。
  56. Mが、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)、又はこれらの組み合わせを含む、請求項52~55のいずれか一項に記載の方法。
  57. Mが、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、又はこれらの組み合わせを含む、請求項52~56のいずれか一項に記載の方法。
  58. Mが、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、ビスマス(Bi)、又はこれらの組み合わせを含む、請求項52~55のいずれか一項に記載の方法。
  59. 工程(i)において、前記Ni(IV)含有混合物を形成するのに十分な時間が、約15分~約6時間、約15分~約5時間、約15分~約4時間、約20分~約4時間、約20分~約3時間、約30分~約2時間、約30分~約1時間、約15分~約45分、約1時間~約5時間、又は約2時間~約4時間である、請求項51~58のいずれか一項に記載の方法。
  60. 工程(ii)において、前記Ni(IV)含有混合物を形成するのに十分な時間が、約15分~約4時間である、請求項59に記載の方法。
  61. 工程(ii)において、前記Ni(IV)含有混合物を形成するのに十分な時間が、約2時間~約4時間である、請求項59に記載の方法。
  62. 工程(ii)において、前記Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を形成するのに十分な時間が、約1時間~約6時間、約1時間~約5.5時間、約1時間~約5時間、約2時間~約4時間、又は約3時間であり得る、請求項51~61のいずれか一項に記載の方法。
  63. 工程(ii)において、前記Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏層状酸化ニッケルの電気化学的活性カソード材料を形成するのに十分な時間が、約2時間~約4時間である、請求項62に記載の方法。
  64. 工程(ii)において、前記鉱酸が、硫酸、硝酸、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、ヨウ化水素酸、又はこれらの組み合わせを含む、請求項51~63のいずれか一項に記載の方法。
  65. 工程(ii)において、前記鉱酸が、硫酸、硝酸、塩酸、又はこれらの組み合わせを含む、請求項51~64のいずれか一項に記載の方法。
  66. 工程(ii)において、前記鉱酸が、硫酸を含む、請求項51~65のいずれか一項に記載の方法。
  67. 工程(i)において、前記酸化剤が、前記アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり約0.25~0.70モルの量、例えば、前記アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり約0.25モル、約0.30モル、約0.35モル、約0.40モル、約0.45モル、約0.50モル、約0.55モル、約0.60モル、約0.65モル、又は約0.70モルの量で提供される、請求項51~66のいずれか一項に記載の方法。
  68. 工程(i)において、前記酸化剤が、前記アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり約0.25~約0.45モルの量で提供される、請求項67に記載の方法。
  69. 工程(i)において、温度が、約40℃~約60℃、約45℃~約55℃、約45℃~約50℃、約50℃~約60℃未満、又は約50℃~約55℃の範囲内にある、請求項51~68のいずれか一項に記載の方法。
  70. 工程(ii)において、前記鉱酸が、前記総ニッケル1モル当たり約0.40~約0.55モル、前記総ニッケル1モル当たり約0.45~約0.55、約0.50~約0.55、約0.40~約0.45、約0.45~約0.50モルの鉱酸の量で提供される、請求項51~69のいずれか一項に記載の方法。
  71. 工程(ii)において、温度が、約60℃~約80℃、約60℃~約75℃、約60℃~約70℃、約65℃~約75℃、約68℃~約72℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、又は約80℃である、請求項51~70のいずれか一項に記載の方法。
  72. 工程(ii)において、前記温度が、約65℃~約75℃である、請求項71に記載の方法。
  73. 工程(ii)において、前記温度が、約68℃~約72℃である、請求項71に記載の方法。
  74. 工程(i)において、前記酸化剤が、前記アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり約1モルの量で、又は前記アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり約1~約2モルの酸化剤、約1.3~約2モルの酸化剤、約1.5~約2モルの酸化剤、約1~約1.9モルの酸化剤、約1.3~約1.8モル又は酸化剤、又は約1.4~約1.7モルの酸化剤の範囲内で提供される、請求項51~66のいずれか一項に記載の方法。
  75. 工程(i)において、温度が、約45℃~約60℃未満、約45℃~約55℃、約45℃~約50℃、約50℃~約60℃未満、又は約50℃~約55℃の温度である、請求項74に記載の方法。
  76. 工程(ii)において、前記鉱酸が、前記総ニッケル1モル当たり約0.20モル~約0.40モル、又は前記総ニッケル1モル当たり約0.25モル~約0.35モル、又は前記総ニッケル1モル当たり約0.30モルの量で提供される、請求項74又は75に記載の方法。
  77. 工程(ii)において、温度が、約60℃~約80℃、約60℃~約80℃、約60℃~約75℃、約60℃~約70℃、約65℃~約75℃、約68℃~約72℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、又は約80℃である、請求項74~76のいずれか一項に記載の方法。
  78. 前記酸化剤が、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される、対カチオンを含む、請求項51~77のいずれか一項に記載の方法。
  79. xが、0.01~0.20、0.01~0.18、0.01~0.16、0.01~0.15、0.02~0.20、0.02~0.18、0.02~0.16、0.02~0.15、0.03~0.20、0.03~0.19、0.03~0.15、0.03~0.12、0.05~0.19、又は0.05~0.15の値を有する、請求項51~78のいずれか一項に記載の方法。
  80. zが、0~0.20、0.01~0.20、0.01~0.18、0.01~0.16、0.01~0.15、0.02~0.20、0.02~0.18、0.02~0.16、0.02~0.15、0.03~0.20、0.03~0.19、0.03~0.15、0.03~0.12、0.05~0.19、又は0.05~0.15の値を有する、請求項51~79のいずれか一項に記載の方法。
  81. yが、0~0.29、0.05~0.25、0.5~0.20、0.5~0.15、0.08~0.29、0.08~0.25、0.08~0.20、0.08~0.15、0.10~0.29、0.10~0.25、0.10~0.20、又は0.10~0.15の値を有する、請求項51~80のいずれか一項に記載の方法。
  82. aが、0.02~0.20、0.02~0.18、0.02~0.16、0.02~0.15、0.03~0.20、0.03~0.18、0.03~0.16、0.03~0.15、0.04~0.20、0.04~0.18、0.04~0.15、0.04~0.12、0.05~0.19、又は0.05~0.15の値を有する、請求項51~81のいずれか一項に記載の方法。
  83. 工程(i)において、前記アルカリ金属含有層状酸化ニッケル及び前記酸化剤が、約1モルアルカリ金属含有層状酸化ニッケル:0.25モル酸化剤~約1モルアルカリ金属含有層状ニッケル酸化剤:0.70モル酸化物(「1:0.25~約1:0.70」としても表わされる)、約1:0.25~約1:0.65、約1:0.25~約1:60、約1:0.25~約1:0.50、約1:0.25~約1:0.45、約0:0.30~約1:0.70、約1:0.30~約1:0.65、約1:0.30~約1:0.55、約1:0.30~約1:0.45、約1:0.35~約1:0.70、約1:0.35~約1:0.65、約1:0.35~約1:0.60、約1:0.35~約1:0.55、約1:0.35~約1:0.50、約1:0.35~約1:0.45、又は約1:0.35~約1:0.40のモル比で提供される、請求項51~81のいずれか一項に記載の方法。
  84. 工程(i)において、前記流体組成物が、約4~12、約4~約11、約4~約10、又は約4~約9、約9~約12、約10~約12、又は約11~約12の範囲内にあるpHを有する、請求項51~83のいずれか一項に記載の方法。
  85. 工程(i)からの未反応のペルサルフェートが、前記鉱酸が、工程(ii)において前記Ni(IV)含有混合物に添加されたとき、前記Ni(IV)含有混合物中に存在することができる、請求項51~84のいずれか一項に記載の方法。
  86. 工程(ii)の前に、前記Ni(IV)含有混合物を前記流体組成物から分離することを更に含む、請求項51~84のいずれか一項に記載の方法。
  87. 前記Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏酸化ニッケルをアルカリ水酸化物の水溶液で処理して、式:AA’Ni1+a・nHO又はAA’Ni1+a-z・nHO、
    (式中、AがLi又はNaを含み、
    Mが、遷移金属を含み、
    A’が、K、Rb又はCsを含み、
    0.04≦x<0.2、
    0.03<v<0.20、
    0.02≦a≦0.2、
    0≦z≦0.2、及び
    0<n<2)に従う化合物を形成することを更に含む、請求項51~86のいずれか一項に記載の方法。
  88. 前記アルカリ水酸化物が、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、又はこれらの組み合わせを含む、請求項87に記載の方法。
  89. Aが、Liを含み、A’が、Kを含む、請求項87又は88に記載の方法。
  90. 前記Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏酸化ニッケルを、アルカリ水酸化物の前記水溶液で処理することが、副生成物として約10重量%未満のガンマ-オキシ水酸化ニッケル(γ-NiOOH)を形成する、請求項87~89のいずれか一項に記載の方法。
  91. 前記Ni(IV)含有アルカリ金属欠乏酸化ニッケルを、アルカリ水酸化物の前記水溶液で処理することが、副生成物として約6重量%未満のガンマ-オキシ水酸化ニッケル(γ-NiOOH)を形成する、請求項90に記載の方法。
  92. 工程(i)において、前記酸化剤が、ペルオキシジサルフェート塩を含み、かつ、前記アルカリ金属含有層状酸化ニッケル1モル当たり約0.25~約0.45モルの量で提供され、反応温度が、約45℃~約55℃であり、反応時間が、約2~約4時間であり、工程(ii)において、前記鉱酸が、硫酸を含み、かつ前記総ニッケル1モル当たり約0.4~約0.55モルの量で提供され、前記反応温度が、約65℃~約75℃であり、前記反応時間が、約2~約4時間である、請求項51~73又は78~86のいずれか一項に記載の方法。
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