JP2024104002A - 炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法及び化合物半導体成長装置 - Google Patents

炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法及び化合物半導体成長装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2024104002A
JP2024104002A JP2023007990A JP2023007990A JP2024104002A JP 2024104002 A JP2024104002 A JP 2024104002A JP 2023007990 A JP2023007990 A JP 2023007990A JP 2023007990 A JP2023007990 A JP 2023007990A JP 2024104002 A JP2024104002 A JP 2024104002A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tantalum
gas
tantalum carbide
carbon material
coated carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023007990A
Other languages
English (en)
Inventor
直哉 宮島
暁大 平手
和市 山村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP2023007990A priority Critical patent/JP2024104002A/ja
Publication of JP2024104002A publication Critical patent/JP2024104002A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】炭化タンタル被覆膜中の不純物濃度を低減できる炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法及びその製造方法により製造した炭化タンタル被覆炭素材料を使用した化合物半導体成長装置を提供する。【解決手段】本発明は、炭素を主成分とする炭素基材12と、炭素基材12の少なくとも一部を被覆する炭化タンタル被覆膜11とを含む炭化タンタル被覆炭素材料10の製造方法であって、加熱したタンタル含有金属と塩素含有ガスとの反応により塩化タンタルガスを生成する第1の工程と、第1の工程で生成した塩化タンタルガスを炭化水素含有ガスと反応させることで炭素基材の表面に炭化タンタル被覆膜を形成する第2の工程とを含む。本発明の化合物半導体成長装置は、本発明の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法により製造された炭化タンタル被覆炭素材料を使用することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、炭素基材表面に炭化タンタル被覆膜を被覆した炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法及びその製造方法により製造した炭化タンタル被覆炭素材料を使用した化合物半導体成長装置に関する。
炭化タンタル、炭化ニオブ、などの炭化物は、融点が高く、化学的安定性、強度、靭性及び耐食性に優れている。このため、炭化物で炭素基材をコーティングすることにより、炭素基材の耐熱性、化学的安定性、強度、靭性、耐食性などの特性を改善することができる。炭素基材表面に炭化物膜を被覆した炭化物被覆炭素材料、特に炭化タンタル被覆炭素材料は、SiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)、AlN(窒化アルミニウム)などの化合物半導体の作製装置の部材として用いられている。
特に上記のような化合物半導体単結晶の作製では、炭化タンタル被覆炭素材料によって構成された部材を、2000℃以上の環境下に曝すことがある。(非特許文献1)このような環境下では、融点が高い炭化タンタルも、非常に微量ながらも昇華し、消耗する(非特許文献2)。また、欠陥の少ない化合物半導体単結晶を作製するためには、結晶成長時の不純物濃度管理が重要である。そのため、こうした環境下で用いる炭化タンタル被覆炭素材料には、炭化タンタル被覆膜中の不純物濃度が低いことが求められる。
一方で、炭化タンタルの作製には、浸炭法、焼結法、化学気相体積法(CVD法)といった製法が挙げられるが、膜厚制御が可能で、かつ炭素材料の露出が少ないという観点から、CVD法が有利である。CVD法の場合、炭化タンタルの成長源として、塩化タンタルガスと炭化水素ガスの混合ガスを用いることが知られている(特許文献1)。
特許第3938361号公報
「SiC単結晶の昇華成長 成長パラメーターと欠陥の発生」,FEDジャーナル,Vol.11,p11~15(2000),インターネット<URL:https://sicalliance.jp/data/doc/1502344086_doc_5_0.pdf> 「カーバイドコーティング」,モメンティブ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社のホームページ,インターネット<URL:https://www.momentivetech.co.jp/products/carbide-coatings/>
CVD法にて上記炭化タンタル被覆膜を炭素基材に形成する場合、塩化タンタルガスを供給する方法としては、粒や粉といった粒子状のTaCl固体を熱して昇華させる手法が挙げられる(以下、昇華法と呼ぶ)。この手法では、既に精製されたTaCl固体を用いることができ、炭化タンタル被覆膜中の不純物濃度を上げる要因となる原料純度を高くすることができる。
一方で、TaCl固体は著しく吸湿するため、秤量に影響を与える。さらにCl元素含有環境下にて水分が存在し、加熱するため、配管等の反応系内が腐食されやすい。加えて工程終了後に原料充填部分を大気開放する場合、微量の塩素が環境中に放出されるため、工具や設備等の反応系外も腐食されやすい。
したがって、TaCl固体を取り扱う際は、真空引きや不活性ガスの充填等で十分に水分を除去したグローブボックス等の環境下等で取り扱う必要があり、ハンドリング性に欠ける。また、原料の保管や反応系内への導入の際に、TaCl固体と大気の接触を完全に断つのは難しい。そのため、反応系内や反応系外の設備が腐食され、設備由来の不純物元素が反応系内に混入し、炭化タンタル被覆膜に取り込まれる。
これらの観点から、昇華法を用いた炭化タンタル被覆膜中の不純物濃度を低減するのは難しい。設備や工具に用いられる鋼材に含まれることの多いAl、Si、Ti、V及びMoの炭化タンタル被覆膜における元素濃度は特に重要で、これらの元素の塩化物は沸点が300℃以下と低いため、TaCl固体を加熱して塩化タンタルガスを発生させる工程において塩化タンタルガスに混入しやすい。
そこで、本発明は、炭化タンタル被覆膜中の不純物濃度を低減できる炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法及びその製造方法により製造した炭化タンタル被覆炭素材料を使用した化合物半導体成長装置を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、昇華法により得られた塩化タンタルガスを用いるよりも、加熱したタンタル含有金属に塩素含有ガスを供給して得られた塩化タンタルガスを用いた方が(以下、反応法と呼ぶ)、炭化タンタル被覆膜中の不純物濃度が低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]炭素を主成分とする炭素基材と、前記炭素基材の少なくとも一部を被覆する炭化タンタル被覆膜とを含む炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法であって、加熱したタンタル含有金属と塩素含有ガスとの反応により塩化タンタルガスを生成する第1の工程と、前記第1の工程で生成した塩化タンタルガスを炭化水素含有ガスと反応させることで炭素基材の表面に炭化タンタル被覆膜を形成する第2の工程とを含むことを特徴とする炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法。
[2]前記タンタル含有金属の加熱温度が200~800℃であることを特徴とする上記[1]に記載の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法。
[3]前記第1の工程は、80kPa abs以下の圧力下で、前記タンタル含有金属を前記塩素含有ガスと反応させることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法。
[4]前記タンタル含有金属として、99.9重量%以上のタンタル含有率を有するタンタル含有金属を用いることを特徴とする上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法。
[5]前記タンタル含有金属として、粒の最大径が0.5~20mmである粒子状もしくは砕石状のタンタル含有金属を用いることを特徴とする上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法。
[6]前記第1の工程では、前記タンタル含有金属は容器に保持され、前記容器の素材の少なくとも一部分が石英であることを特徴とする上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法。
[7]前記炭化水素含有ガスとして、メタンガス、エタンガス、プロパンガス及びブタンガスからなる群から選択される少なくとも1種のアルカンガスを含むガスを使用することを特徴とする上記[1]~[6]のいずれか1つに記載の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法。
[8]上記[1]~[7]のいずれか1つに記載の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法により製造された炭化タンタル被覆炭素材料を使用することを特徴とする化合物半導体成長装置。
本発明によれば、炭化タンタル被覆膜中の不純物濃度を低減できる炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法及びその製造方法により製造した炭化タンタル被覆炭素材料を使用した化合物半導体成長装置を提供することができる。特に、炭化タンタル被覆膜中のAl、Si、Ti、V、及びMoの元素濃度が少なく、半導体単結晶成長部材として使用する場合に好適である。
また、昇華法において、塩化タンタルガス供給量の律速段階は、塩化タンタル固体の昇華である。一方、反応法では、塩化タンタルガス供給量の律速段階は、加熱したタンタル含有金属と塩素の反応である。本発明によれば、塩素ガス流量の増大、加熱温度の上昇により反応性を上げることで、昇華法よりも多くの塩化タンタルを供給することができ、炭化タンタル被覆膜の1時間当たり成膜厚さを増加することができる。
さらに、昇華法でタンタル源となる塩化タンタル固体は、常温常圧の大気圧下で吸湿し、劣化しやすい。そのため、真空引きや不活性ガスの充填等で十分に水分を除去したグローブボックス等の環境下で、塩化タンタル固体を取り扱う必要がある。一方で、本発明の場合、タンタル源となるタンタル含有金属は常温常圧の大気圧下で吸湿しない。そのため、タンタル源の秤量といったハンドリングの観点から、本発明によれば、作業者の手間が削減される。
図1は、本実施形態に係る炭化タンタル被覆炭素材料を例示する模式断面図である。 図2は、本実施形態に関わる炭化タンタル被覆炭素材料を作製する際に用いる加熱装置の概略図である。 図3は、本実施形態に関わる炭化タンタル被覆炭素材料を作製するにあたり使用する、原料から反応炉までの配管や装置等の配置の概略図である。
[炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法]
図を参照して、本発明の一実施形態の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法を説明する。本発明は、炭素を主成分とする炭素基材と、炭素基材の少なくとも一部を被覆する炭化タンタル被覆膜とを含む炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法であり、加熱温度で加熱したタンタル含有金属と塩素含有ガスとの反応により塩化タンタルガスを生成する第1の工程と、第1の工程で生成した塩化タンタルガスを炭化水素含有ガスと反応させることで炭素基材の表面に炭化タンタル被覆膜を形成する第2の工程とを含むことを特徴とする。
本発明の一実施形態の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法の対象となる炭化タンタル被覆炭素材料10は、炭素を主成分とする炭素基材12と、炭素基材12の少なくとも一部を被覆する炭化タンタル被覆膜11とを含む。炭化タンタル被覆炭素材料10は、炭化タンタル被覆膜11のない同種同形状の炭素材料に比べて高温下での耐久性が高く、化合物半導体単結晶の成長装置、及び化合物半導体基板の成長装置に、好適に使用することができる。
図1に示すように、炭化タンタル被覆炭素材料10は、炭素基材12と、炭素基材12の少なくとも一部を被覆する炭化タンタル被覆膜11とを含む炭化タンタル被覆炭素材料であり、炭化タンタル被覆膜11が、TaCやTaCをはじめとするTaとCの化合物で形成されていることを特徴とする。
炭素基材12は炭素を主成分とする基材である。炭素基材12の材料には、例えば、等方性黒鉛、押出成形黒鉛、熱分解黒鉛、炭素繊維強化炭素複合材料(C/Cコンポジット)等が挙げられる。炭素基材12の形状や特性は特に限定されず、用途などに応じて任意形状に加工したものを用いることができる。
炭素基材12の熱膨張係数は、好ましくは0.2~9.3×10-6/℃である。炭素基材12の熱膨張係数が0.2~9.3×10-6/℃であると、炭化タンタル被覆炭素材料の表面におけるマイクロクラックの発生をさらに抑制することができる。このような観点から、炭素基材12の熱膨張係数は、より好ましくは3.0~9.3×10-6/℃であり、さらに好ましくは5.8~6.5×10-6/℃である。
(第1の工程)
第1の工程では、加熱したタンタル含有金属と塩素含有ガスとの反応により塩化タンタルガスを生成する。
図2は、本発明の一実施形態における炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法の第1の工程を実施する加熱装置21の概略図である。加熱装置21は容器23、ヒーター24、第1工程原料配管25、第1工程生成物供給配管26、及びパージ配管27から構成され、容器23にタンタル含有金属22を充填することができる。
図2に示すように、本発明の一実施形態における炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法の第1の工程にて使用するタンタル含有金属は、容器23に充填され、ヒーター24により加熱される。ヒーター24の加熱方式は抵抗加熱と誘導加熱が採用できる。図2では断熱材、配管の弁、流量計等は描写を省略するが、これらを適宜設置することで、電力消費の抑制や導入ガスの制御が可能である。
タンタル含有金属を第1の工程にて加熱するとき、加熱温度は好ましくは200~800℃である。タンタル含有金属の加熱温度が200℃以上であると、タンタル含有金属と塩素含有ガスとの反応を十分に進行させることができ、塩化タンタルガスを十分に生成させることができる。タンタル含有金属の加熱温度が800℃以下であると、配管などの金属製設備が著しく腐食されてしまうことを抑制できる。このような観点から、タンタル含有金属の加熱温度は、より好ましくは300~700℃であり、さらに好ましくは200~600℃である。
第1の工程では、負圧下、特に80kPa abs以下の圧力下で、タンタル含有金属を塩素含有ガスと反応させることが好ましい。具体的には、タンタル含有金属を加熱するとき、容器23の内圧を負圧に保持することが望ましい。減圧することによって、第1の工程にて生成した塩化タンタルがガスとして存在しやすくなり、配管内での塩化タンタル固化及び配管の閉塞を防ぐことができる。特に容器23内の圧力を80kPa abs以下とすると、塩化タンタルガスの固化及び配管の閉塞が起こらないため、好ましい。このような観点から、タンタル含有金属を塩素含有ガスと反応させるときの圧力は、より好ましくは70kPa abs以下であり、さらに好ましくは60kPa abs以下である。タンタル含有金属を塩素含有ガスと反応させるときの圧力の範囲の下限値は、特に限定されないが、通常、5kPa absである。
タンタル含有金属として、99.9重量%以上のタンタル含有率を有するタンタル含有金属を用いることが望ましい。タンタル純度が低く、タンタル以外の金属元素がタンタル含有金属に混入している場合、塩素ガスと反応して、タンタル以外の金属元素が反応炉内に導入される。そのため、炭化タンタル被覆膜中の不純物濃度が増し、炭化タンタル被覆炭素材料は、半導体単結晶成長部材としては低品質となる。したがって、タンタル含有金属のタンタル含有率が99.9重量%以上であると、炭化タンタル被覆炭素材料の品質をさらに向上させることができる。
タンタル含有金属として、粒の最大径が0.5~20mmである砕石状もしくは粒子状のタンタル含有金属を用いることが好ましい。すなわち、タンタル含有金属の粒の最大径が0.5~20mmであることが好ましい。粒の最大径が0.5mm以上の粉末状タンタル含有金属を用いると、導入する塩素ガスによって物理的に吹き飛ばされて反応炉内まで到達してしまい、その結果、不均一な炭化タンタル膜を生じることを抑制することができる。また、粒の最大径が20mm以下の砕石状タンタル含有金属を用いると、容器充填前の秤量時に、狙った重量に調節することが容易となる。さらに、容器へ充填する際に空隙率が小さくなり、加熱が必要となる体積を低減することができ、電源の数を低減することができる。このような観点から、タンタル含有金属の粒の最大径は、より好ましくは1~10mmであり、さらに好ましくは2~5mmである。なお、タンタル含有金属の粒の最大径は、タンタル含有金属の中から20個のタンタル含有金属を無作為に選択し、選択した20個のタンタル含有金属の最大径を、ノギスを使用してそれぞれ測定し、測定した最大径の平均値をタンタル含有金属の最大径とする。
第1の工程で使用する塩素含有ガスには、例えば、塩化水素ガス、塩素ガス、TaClガス、NbClガス等が挙げられる。これらの塩素含有ガスは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの塩素含有ガスの中で、塩化水素ガス及び塩素ガスが好ましく、塩素ガスがより好ましい。
第1の工程にて使用する、タンタル含有金属22を保持する容器23の素材の少なくとも一部分が石英であることが好ましい。タンタル含有金属22を充填する容器23は塩素に曝されるため、前述の不純物濃度低減の観点から、容器素材には塩素で腐食されないことが求められる。こうした素材の例として、インコネルやハステロイといったニッケル系合金、石英等が挙げられるが、ニッケル系合金を容器素材として用いると、タンタル含有金属の温度測定に放射温度計を用いることができなくなる。その場合は熱電対を用いて温度管理をすることになるが、この場合、熱電対を取り付ける位置とタンタル含有金属22の充填具合によって、温度にバラつきが生じ、管理が難しくなる。そのため、少なくとも一部分が石英によって構成された容器23にタンタル含有金属22を充填することが望ましい。これにより、放射温度計を用いて石英部分からタンタル含有金属22の温度を直接測定することができる。
第1の工程にて使用する加熱装置21には、容器23と並列した、パージ配管27が設置されることが好ましい。パージ配管27は第1工程原料供給配管25と第1工程生成物供給配管26を繋ぐように設置される。SUSなどの一般的な配管材料に塩素を流すと、温度環境によっては配管が腐食されることがある。また、塩素含有ガスを流した配管を大気開放すると、大気中の水分と塩素含有ガスが反応して塩化水素が生成し、さらに腐食が進行する。これは配管内部で起こるため、外観からは判断が付かず、不純物の要因と推定することも難しい。
そこで、この配管腐食の対策として、第1工程原料供給配管25、容器23、及び第1工程生成物供給配管26に塩素含有ガスを流した後、容器23を大気開放する場合、第1工程原料供給配管25、パージ配管27、及び第1工程生成物供給配管26に不活性ガスを流入することができる。これにより、第1工程原料供給配管25及び第1工程生成物供給配管26には、容器23を大気開放する場合でも不活性ガスを流入し続けることが可能であり、塩素に曝された配管内部と大気中の水分の接触を避けることができる。
図2に示すように、加熱装置21を構成する容器23は、第1工程原料供給配管25と第1工程生成物供給配管26と接続することができる。これにより、第1工程原料供給配管25から塩素含有ガスを導入し、容器23内部でヒーター24に加熱されたタンタル含有金属22と塩素含有ガスが反応し、塩化タンタルが生じる。生じた塩化タンタルは第1工程生成物供給配管26を通じて反応炉に供給される。
(第2の工程)
第2の工程では、第1の工程で生成した塩化タンタルガスを炭化水素含有ガスと反応させることで炭素基材の表面に炭化タンタル被覆膜を形成する。
図3は、炭素基材12に炭化タンタル被覆膜11を形成して炭化タンタル被覆炭素材料10を作製する設備の概略である。なお、図3における配置は一例であり、例えば加熱装置21の向きや反応炉31に対する各配管の接続位置が異なる形態に関しても、本発明の一実施形態の一部に含まれる。
例えば、図3に示す第1工程生成物供給配管26から供給される塩化タンタルガス及び炭化水素含有ガスを反応炉31において1000~2500℃の高温減圧下で反応させ、炭素基材12上に炭化タンタル被覆膜11を形成する。
炭化水素含有ガスとして、メタンガス、エタンガス、プロパンガス及びブタンガスからなる群から選択される少なくとも1種のアルカンガスを含むガスを用いることが好ましく、ガスの高い拡散性の観点から、メタンガスを含むガスを用いることがより好ましい。炭化水素含有ガスにおける、メタンガス、エタンガス、プロパンガス及びブタンガスからなる群から選択される少なくとも1種のアルカンガスの割合は、好ましくは70体積%以上であり、より好ましくは80体積%以上であり、さらに好ましくは90体積%以上であり、よりさらに好ましくは95体積%以上である。なお、炭化水素含有ガスにおける、メタンガス、エタンガス、プロパンガス及びブタンガスからなる群から選択される少なくとも1種のアルカンガスの割合の範囲の上限値は、例えば100体積%である。
加熱装置21は反応炉31に対して複数機設置しても良い。これにより、反応炉31に供給する塩化タンタルの流量を増やすことができ、1時間当たりに形成する炭化タンタル被覆膜11の厚さが増加するため、コスト面で優れる。
本発明の一実施形態の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法は、本発明の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法の一例であり、本発明の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法を限定しない。
[化合物半導体成長装置]
本発明の化合物半導体成長装置は、本発明の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法により製造された炭化タンタル被覆炭素材料を使用することを特徴とする。上述したように、本発明の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法により製造された炭化タンタル被覆炭素材料は不純物濃度が低い。したがって、本発明の化合物半導体成長装置によれば、従来の炭化タンタル被覆炭素材料を使用した化合物半導体成長装置に比べて、化合物半導体中の欠陥をさらに低減することができる。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下のようにして、実施例1~21、及び比較例1の炭化タンタル被覆炭素材料を作製した。
(実施例1)
先ず、反応炉31内に、炭素基材12を載置した。炭素基材12として等方性黒鉛で作成した円筒部材を用いた。炭素基材12の表面粗さRaは5.0μmであった。
次に、反応炉31内を加熱し、炭素基材12を1000℃に加熱した。これと同時に加熱装置21のヒーター24を加熱し、あらかじめ容器23内に充填しておいたタンタル含有金属22を200℃に加熱した。加熱の方法は誘導加熱である。容器23内の圧力は78kPa absにし、タンタル含有金属22には、タンタル重量%が99.9%、粒の最大径が7.0mmのものを用いた。タンタル含有金属22の粒の最大径は、粒を20個ほど無作為に抽出して、その各々の最大径の平均値を算出することにより導出した。
また、容器23は石英製のものを使用し、温度管理として放射温度計による測温を採用した。
続いて、第1工程原料供給配管25を通じて塩素含有ガスを容器23に導入し、塩化タンタルを発生させ、発生した塩化タンタルを、第1工程生成物供給配管26を通じて反応炉31内に導入した。同時に、反応炉31内には炭化水素ガス供給配管32から、メタンガスを主成分とするガスを導入した。加えて、調整ガス源34からArガスを導入した。なお、塩素含有ガスとして、塩素ガスを使用した。
導入ガスは、塩素含有ガス中の塩素ガス、炭化水素含有ガス中のメタンガス及びArガスがそれぞれ0.1SLM、1.0SLM及び1.0SLMとなるように制御した。
本例では調整ガス源からキャリアガスとしてArガスを導入しているが、複数の調整ガス源34を接続して運用することも可能であり、ガス種としては、特にNガス、Arガスをはじめとする不活性ガスや、塩化タンタルガスの分解速度を低減するHガスが例として挙げられる。
上記の状態を1時間保持し、炭素基材12上に炭化タンタル被覆膜11を形成し、実施例1の炭化タンタル被覆炭素材料10を作製した。
作製した炭化タンタル被覆炭素材料10の元素分析に関して、グロー放電質量分析法(以下GDMS)を用いた解析を行った。GDMSでは、固体の炭化タンタル被覆膜に対して高感度で微量元素分析を行うことができるため、この分析手法を選択している。GDMS分析では、炭化タンタル被覆膜表面から炭素基材へ向かって繰り返しスパッタを行ない、試料から放出される元素の質量分析を行っている。そのため、スパッタ回数が小さい場合に検出される元素ほど炭化タンタル被覆膜のうち最表面側に、スパッタ回数が大きい場合に検出される元素ほど炭化タンタル被覆膜のうち炭素材材料側に分布していると言える。
本件のGDMS分析では、C元素濃度が上昇し始める際のスパッタ回数(Xfin.とする)にて深度が炭素基材に到達したと判断することとした。また、スパッタ1回目で検出される元素は炭化タンタル被覆膜の最表面に、Xfin.-1回目のスパッタで検出される元素は炭化タンタル被覆膜の炭素基材近傍に、位置していると考えられる。
そこで、後述により求められる炭化タンタル被覆膜の膜厚TTaC μmを用いて、測定時のスパッタ分解能をTTaC / (Xfin.-1) μmとし、スパッタX回目で測定される元素の炭化タンタル被覆膜中の位置は、最表面からTTaC×X / (Xfin.-1) μmであるとした。
GDMSを上記のように深さ方向に関して実施する場合、分析初期は不純物濃度が高くなる。これは、サンプルをハンドリングする際に付着する不純物であると考えられる。同様に、分析の深度が炭素基材に達した場合は、炭素基材由来の不純物元素が検出される。また、GDMS分析においてスパッタされる炭化タンタルの表面は、深さ方向に一様ではなく、スパッタ径縁部に近いほど浅く、中心部に近いほど深くなる。そのため、例えば炭化タンタルの最表面から1μmに相当する分析をしたつもりでも、実際は最表面から1μmの間に含まれる元素を検知している。
そこで本発明におけるGDMSの評価では、炭化タンタル被覆膜のうち、最表面から炭素基材方向へ厚さ5μmに相当するスパッタ回数、及び、炭化タンタル被覆膜と炭素基材の界面から最表面方向へ5μmに相当するスパッタ回数、での検出元素に関して、評価対象外とし、上記を除いた部分の平均値を炭化タンタル被覆膜に含まれる元素濃度とした。
これにより、最表面に付着していて炭化タンタル膜内部に位置していない不純物元素、及び炭素基材由来の不純物元素の影響を除外し、炭化タンタル膜中に含まれる元素について議論が可能である。つまり、半導体単結晶成長用部材として用いる場合に、消耗する炭化タンタル膜に合わせて放出される可能性のある不純物元素に関して、検討することが可能である。
作製した炭化タンタル被覆炭素材料10を切断して、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、炭化タンタル被覆膜11の膜厚を測定した。また、単位時間当たりに形成した炭化タンタル被覆膜11の厚さを算出した。
(実施例2)
タンタル含有金属22の加熱温度を400℃にすることを除き、実施例1と同様の操作を行い、炭化タンタル被覆炭素材料10を作製し、評価した。
(実施例3)
タンタル含有金属22の加熱温度を600℃にすることを除き、実施例1と同様の操作を行い、炭化タンタル被覆炭素材料10を作製し、評価した。
(実施例4)
タンタル含有金属22の加熱温度を800℃にすることを除き、実施例1と同様の操作を行い、炭化タンタル被覆炭素材料10を作製し、評価した。
(実施例5)
タンタル含有金属22の加熱温度を180℃にすることを除き、実施例1と同様の操作を行い、炭化タンタル被覆炭素材料10を作製し、評価した。
(実施例6)
タンタル含有金属22の加熱温度を820℃にすることを除き、実施例1と同様の操作を行い、炭化タンタル被覆炭素材料10を作製し、評価した。
(実施例7)
容器23の内の圧力を12kPa absにすることを除き、実施例1と同様の操作を行い、炭化タンタル被覆炭素材料10を作製し、評価した。
(実施例8)
容器23の内の圧力を42kPa absにすることを除き、実施例1と同様の操作を行い、炭化タンタル被覆炭素材料10を作製し、評価した。
(実施例9)
容器23の内の圧力を85kPa absにすることを除き、実施例1と同様の操作を行い、炭化タンタル被覆炭素材料10を作製し、評価した。
(実施例10)
容器23の内の圧力を90kPa absにすることを除き、実施例1と同様の操作を行い、炭化タンタル被覆炭素材料10を作製し、評価した。
(実施例11)
タンタル含有金属22として、タンタル含有率が99.0重量%のものを使用した。その他に関しては実施例1と同じ手順で、炭化タンタル被覆炭素材料10を作製し、評価した。
(実施例12)
タンタル含有金属22として、タンタル含有率が95.0重量%のものを使用した。その他に関しては実施例1と同じ手順で、炭化タンタル被覆炭素材料10を作製し、評価した。
(実施例13)
タンタル含有金属22として、粒の最大径が0.4mmのものを使用した。このとき粒径の調整として、0.4mm穴のふるいを用いることで、タンタル含有金属22の最大径を調整した。その他に関しては実施例1と同じ手順で、炭化タンタル被覆炭素材料10を作製し、評価した。
(実施例14)
タンタル含有金属22として、粒の最大径が0.6mmのものを使用した。このとき粒径の調整として、0.6mm穴のふるいを用いることで、タンタル含有金属22の最大径を調整した。その他に関しては実施例1と同じ手順で、炭化タンタル被覆炭素材料10を作製し、評価した。
(実施例15)
タンタル含有金属22として、粒の最大径が3.8mmのものを使用した。その他に関しては実施例1と同じ手順で、炭化タンタル被覆炭素材料10を作製し、評価した。
(実施例16)
タンタル含有金属22として、粒の最大径が19mmのものを使用した。その他に関しては実施例1と同じ手順で、炭化タンタル被覆炭素材料10を作製し、評価した。
(実施例17)
タンタル含有金属22として、粒の最大径が23mmのものを使用した。その他に関しては実施例1と同じ手順で、炭化タンタル被覆炭素材料10を作製し、評価した。
(実施例18)
容器23の材質がハステロイであるものを容器23として使用した。このとき熱電対による温度管理を実施し、容器23の温度の温度をタンタル含有金属22の温度とした。その他に関しては実施例1と同じ手順で、炭化タンタル被覆炭素材料10を作製し、評価した。
(実施例19)
反応炉31内に導入する炭化水素ガスとしてエタンを主成分とするガスを選択した。その他に関しては実施例1と同じ手順で、炭化タンタル被覆炭素材料10を作製し、評価した。
(実施例20)
反応炉31内に導入する炭化水素ガスとしてプロパンを主成分とするガスを選択した。その他に関しては実施例1と同じ手順で、炭化タンタル被覆炭素材料10を作製し、評価した。
(実施例21)
反応炉31内に導入する炭化水素ガスとしてブタンを主成分とするガスを選択した。その他に関しては実施例1と同じ手順で、炭化タンタル被覆炭素材料10を作製し、評価した。
(比較例1)
実施例1における、タンタル含有金属22の代わりとして五塩化タンタル(5N)粉体を容器23に充填し、塩素ガスの代わりとしてArガスを用い、その他は実施例1と同じ手順で、比較例1の炭化タンタル被覆炭素材料10を作製し、評価した。
<評価結果1>
実施例1~4、7~8、11~12、14~16及び18~19と比較例1について、炭化タンタル被覆膜11の1時間当たりの形成膜厚さと、GDMSにより得られた炭化タンタル被覆膜中のAl、Si、Ti、V及びMo元素濃度について、表1にまとめた。
実施例1~4、7~8、11~12、14~16及び18~19と比較例1を比較すると、実施例1~4、7~8、11~12、14~16及び18~19の方が、炭化タンタル被覆膜11の1時間当たりの形成膜厚さが大きい。これは、昇華法を採用した比較例1に対して、反応法を採用した実施例1~4、7~8、11~12、14~16及び18~19の方が、第1の工程において生成する塩化タンタルガス量が多く、第2の工程に多くの塩化タンタルガスを供給することができるからである。また不純物濃度も実施例1と比較例1で大きな差は見られず、実施例1で作製した炭化タンタル被覆炭素材料10は、半導体単結晶成長部材の品質としては比較例1で示した炭化タンタル被覆炭素材料10と同程度であると言える。
<評価結果2>
実施例1~6に関する評価について述べる。結果を表2に示す。実施例1~4では、タンタル含有金属22の温度はそれぞれ200、400、600及び800℃であり、第1工程生成物供給配管26には閉塞が起こらず、第1工程生成物供給配管26の劣化も確認されなかった。一方で実施例5では、タンタル含有金属22の温度が180℃であり、第1工程生成物供給配管26が閉塞した。また、実施例6では、タンタル含有金属22の温度が820℃であり、第1工程生成物供給配管26に劣化が確認された。
これらの結果から、安定して設備を運用するためにはタンタル含有金属の温度が200~800℃であることが適当である。
<評価結果3>
実施例1及び7~10に関する評価について述べる。結果を表3に示す。実施例1、7及び8では、容器23内の圧力がそれぞれ78、12及び42kPa absであり、第1工程生成物供給配管26は閉塞しなかった。一方で実施例9及び10では、容器23内の圧力がそれぞれ85kPa abs及び95kPa absであり、第1工程生成物供給配管26が閉塞した。
これらの結果から、安定して設備を運用するためには、容器23内の圧力は80kPa abs以下であることが好ましい。
<評価結果4>
実施例1、11及び12に関する評価について述べる。実施例1、11及び12では、タンタル含有金属22として、タンタル含有率がそれぞれ99.9、99.0及び95.0重量%のものを使用しており、それぞれ炭化タンタル被覆膜中から得られたAl、Si、Ti、V、Moの合計の元素濃度は表4の通りであった。
このことから、タンタル含有金属22のタンタル純度が高いほど、炭化タンタル被覆膜11に含まれる不純物濃度は低く、半導体単結晶成長部材としては好適であると言える。
<評価結果5>
実施例1及び13~17に関する評価について述べる。これらの実施例では、粒の最大径が異なるタンタル含有金属22を用いている。第1の工程において塩素含有ガスを導入中において、特に実施例13では、粉状のタンタル含有金属22が激しく舞い上がる様子が見られた。そのためタンタル含有金属22を適切に加熱することができずに、塩化タンタルガスが生成せず、第2の工程において炭化タンタル被覆膜11がほとんど形成しなかった。
また実施例17では、タンタル含有金属22の粒の最大径が大きいために、秤量により特定の重量に合わせることが難しかった。また、容器23内でのタンタル含有金属22の充填率が悪く、全体を加熱するために広範囲を加熱する必要があり、効率が悪かった。
一方で実施例1及び14~16では、適切にタンタル含有金属22が加熱されて、第1の工程において塩化タンタルガスが生成し、第2の工程において炭化タンタル被覆11が形成した。これらの結果を纏めると表5のようになり、タンタル含有金属22の粒の最大径は0.5~20mmが適切であると判断できる。
(評価基準)
○:タンタル含有金属が舞い上がる様子が見られず、秤量により特定の重量に合わせることが容易であった。
×:タンタル含有金属が舞い上がる様子が見られたか、又は、秤量により特定の重量に合わせることが難しかった。
<評価結果6>
実施例1及び18に関する評価について述べる。結果を表6に示す。実施例1及び18では、容器23の素材として、それぞれ石英とハステロイを用いており、それに伴い測温方法としてそれぞれ放射温度計と熱電対を用いている。実施例1では放射温度計によりタンタル含有金属22の温度を直接計測できるが、実施例18では容器23に接触した熱電対を通して温度を計測するため、タンタル含有金属22の温度を直接計測することが不可能である。また、同じ制御方法であったにも関わらず実施例18の方が、温度ブレが大きく、制御面から実施例1の方が優れていることが分かる。
<評価結果7>
実施例1及び19~21に関する評価について述べる。実施例1及び19~21では、それぞれメタンガス、エタンガス、プロパンガス及びブタンガスを主成分とした炭化水素含有ガスを用いており、得られた炭化タンタル被覆膜11のXRD測定結果から、その結晶構造のうち少なくとも99%がTaCであることが分かった。これを纏めると表7のようになり、本発明においてはメタンガス、エタンガス、プロパンガス及びブタンガスを炭化水素含有ガスとして用いることができる。
10 炭化タンタル被覆炭素材料
11 炭化タンタル被覆膜
12 炭素基材
21 加熱装置
22 タンタル含有金属
23 容器
24 ヒーター
25 第1工程原料供給配管
26 第1工程生成物供給配管
27 パージ配管
28 バルブ
31 反応炉
32 炭化水素含有ガス供給配管
33 排気配管
34 調整ガス源
35 台座

Claims (8)

  1. 炭素を主成分とする炭素基材と、前記炭素基材の少なくとも一部を被覆する炭化タンタル被覆膜とを含む炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法であって、
    加熱したタンタル含有金属と塩素含有ガスとの反応により塩化タンタルガスを生成する第1の工程と、
    前記第1の工程で生成した塩化タンタルガスを炭化水素含有ガスと反応させることで炭素基材の表面に炭化タンタル被覆膜を形成する第2の工程とを含むことを特徴とする炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法。
  2. 前記タンタル含有金属の加熱温度が200~800℃であることを特徴とする請求項1に記載の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法。
  3. 前記第1の工程は、80kPa abs以下の圧力下で、前記タンタル含有金属を前記塩素含有ガスと反応させることを特徴とする請求項1に記載の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法。
  4. 前記タンタル含有金属として、99.9重量%以上のタンタル含有率を有するタンタル含有金属を用いることを特徴とする請求項1に記載の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法。
  5. 前記タンタル含有金属として、粒の最大径が0.5~20mmである粒子状もしくは砕石状のタンタル含有金属を用いることを特徴とする請求項1に記載の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法。
  6. 前記第1の工程では、前記タンタル含有金属は容器に保持され、
    前記容器の素材の少なくとも一部分が石英であることを特徴とする請求項1に記載の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法。
  7. 前記炭化水素含有ガスとして、メタンガス、エタンガス、プロパンガス及びブタンガスからなる群から選択される少なくとも1種のアルカンガスを含むガスを使用することを特徴とする請求項1に記載の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法により製造された炭化タンタル被覆炭素材料を使用することを特徴とする化合物半導体成長装置。
JP2023007990A 2023-01-23 2023-01-23 炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法及び化合物半導体成長装置 Pending JP2024104002A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023007990A JP2024104002A (ja) 2023-01-23 2023-01-23 炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法及び化合物半導体成長装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023007990A JP2024104002A (ja) 2023-01-23 2023-01-23 炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法及び化合物半導体成長装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024104002A true JP2024104002A (ja) 2024-08-02

Family

ID=91971763

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023007990A Pending JP2024104002A (ja) 2023-01-23 2023-01-23 炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法及び化合物半導体成長装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024104002A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI555888B (zh) 流化床反應器和用於製備粒狀多晶矽的方法
US8158093B2 (en) Fluidized bed reactor for production of high purity silicon
Su et al. Chemical vapor deposition of titanium nitride thin films: Kinetics and experiments
JP2012523963A (ja) ケイ化物がコーティングされた金属表面を有する反応器
EP3010035B1 (en) Aluminium-based group iii nitride single crystal production method
TWI623420B (zh) 降低流體化床反應器中顆粒污染的方法及裝置
Li et al. Microstructure and growth behavior of Hf (Ta) C ceramic coating synthesized by low pressure chemical vapor deposition
JP3779314B1 (ja) 炭化タンタル被覆炭素材料およびその製造方法
JP2019515128A (ja) 炭化タンタルコーティング炭素材料
JPWO2020095873A1 (ja) SiC半導体基板及びその製造方法及びその製造装置
Xu et al. Microstructure and tribological properties of cubic boron nitride films on Si3N4 inserts via boron-doped diamond buffer layers
JP2006348388A (ja) 炭素複合材料
Archer Chemical vapour deposition
Kim et al. Chemical vapor deposition of dense hafnium carbide from HfCl4–C3H6–H2 system for the protection of carbon fibers
Kim et al. The effect of temperature on the growth and properties of chemical vapor deposited ZrC films on SiC-coated graphite substrates
JP2024104002A (ja) 炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法及び化合物半導体成長装置
US20040042950A1 (en) Method for producing high-purity, granular silicon
Voronenkov et al. Hydride Vapor‐Phase Epitaxy Reactor for Bulk GaN Growth
Santos et al. Laser-assisted deposition of r-B4C coatings using ethylene as carbon precursor
JP3442077B2 (ja) Cvd窒化ケイ素の製造方法
US8440566B2 (en) Method for forming an aluminum nitride thin film
Roki et al. High temperature chemical vapor deposition of AlN/W1− xRex coatings on bulk SiC
Hao et al. Cl2 corrosion resistance of SiC coatings with different morphologies
WO2024157893A1 (ja) 炭化タンタル被覆炭素材料
JP7544671B2 (ja) 炭化タンタル被覆炭素材料