JP2024098619A - 光学素子駆動装置、カメラモジュール及びカメラ搭載装置 - Google Patents

光学素子駆動装置、カメラモジュール及びカメラ搭載装置 Download PDF

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Abstract

【課題】レンズを保持する部材をスムーズに移動させること。【解決手段】光学素子を保持可能な保持部と、支持部材を介して、保持部を移動可能に支持する固定部と、保持部及び固定部の一方に配置される第1マグネットと、他方に配置される第1コイルと、を有し、保持部を移動させる駆動部と、第1マグネットに対向して他方に配置され、保持部を支持部材に付勢する第1ヨークと、保持部及び固定部の一方に配置される第2マグネットと、他方に配置される第2コイルと、を有し、保持部を支持部材に付勢する付勢力を調整する調整部と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、光学素子を駆動する光学素子駆動装置、カメラモジュール及びカメラ搭載装置に関する。
一般に、スマートフォンやドローン等のカメラ搭載装置には、カメラモジュールが搭載されている。このようなカメラモジュールには、光学素子を駆動する光学素子駆動装置が使用されている。なお、ドローンとは、遠隔操作又は自動制御により飛行させることができる無人航空機であり、マルチコプターと呼ばれるものもある。
光学素子駆動装置は、オートフォーカス機能(以下「AF機能」と称する、AF:Auto Focus)等を有している。光学素子駆動装置は、AF機能により、被写体を撮影するときのピント合わせを自動的に行っている。
このようなAF機能を有する光学素子駆動装置として、例えば、特許文献1には、レンズを有するレンズバレルをハウジング内に収容し、レンズバレルを光軸方向に駆動する駆動部を備えたレンズ駆動装置が開示されている。
特開2011-197626号公報
特許文献1に示すレンズ駆動装置においては、レンズバレルを光軸方向に移動可能に支持するガイドボール(支持部材)が、ハウジングとレンズバレルとの間に配置されている。ガイドボールは、レンズバレルに固定された駆動部を構成するマグネットとハウジングに固定されたヨークとの間の磁力により、ハウジングとレンズバレルとの間に保持されている。
近年、カメラモジュールの高画質化のため、そのイメージセンサーが大口径化する傾向があり、これに伴い、レンズのサイズも大口径化する傾向がある。レンズのサイズが大口径化すると、レンズバレルを駆動する駆動力を大きく必要があり、そのため、レンズバレルの駆動に用いられるマグネット自体の磁力を大きくする必要がある。
マグネット自体の磁力が大きくなると、ヨークとの間の磁力も大きくなる。そのため、ハウジング及びレンズバレルをガイドボールに付勢する付勢力が大きくなり、ガイドボールとの摩擦力が大きくなって、レンズバレルの移動を阻害する可能性がある。
本発明の目的は、レンズを保持する部材をスムーズに移動可能な光学素子駆動装置、カメラモジュール及びカメラ搭載装置を提供することにある。
本発明に係る光学素子駆動装置は、
光学素子を保持可能な保持部と、
支持部材を介して、前記保持部を移動可能に支持する固定部と、
前記保持部及び前記固定部の一方に配置される第1マグネットと、他方に配置される第1コイルと、を有し、前記保持部を移動させる駆動部と、
前記第1マグネットに対向して前記他方に配置され、前記保持部を前記支持部材に付勢する第1ヨークと、
前記保持部及び前記固定部の一方に配置される第2マグネットと、他方に配置される第2コイルと、を有し、前記保持部を前記支持部材に付勢する付勢力を調整する調整部と、
を備える。
本発明に係るカメラモジュールは、
前記光学素子駆動装置と、
前記光学素子を用いて被写体像を撮像する撮像部と、
を備える。
本発明に係るカメラ搭載装置は、
情報機器又は輸送機器であるカメラ搭載装置であって、
前記カメラモジュールと、
前記カメラモジュールで得られた画像情報を処理する画像処理部と、
を備える。
本発明によれば、レンズを保持する部材をスムーズに移動させることができる。
本発明の実施の形態に係るカメラモジュールを搭載するスマートフォンを示す正面図である。 図1Aに示すスマートフォンの背面図である。 カメラモジュール及び撮像部を示す斜視図である。 図2に示したカメラモジュールの光学素子駆動装置が有する光学素子駆動装置本体の平面図である。 図3に示した光学素子駆動装置本体の保持部を示す斜視図である。 図3に示した光学素子駆動装置本体の収容部を示す図であって、基板部を取り外した状態を示す斜視図である。 図3に示した光学素子駆動装置本体の収容部を示す図であって、基板部を取りつけた状態を示す斜視図である。 車載用カメラモジュールを搭載するカメラ搭載装置としての自動車を示す正面図である。 図7Aに示す自動車を斜め後方側から見た斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[スマートフォン]
図1A及び図1Bは、本実施の形態に係るカメラモジュールAを搭載するスマートフォンM(カメラ搭載装置の一例)を示す図である。図1AはスマートフォンMの正面図であり、図1BはスマートフォンMの背面図である。
スマートフォンMは、2つの背面カメラOC1、OC2からなるデュアルカメラを有する。本実施の形態では、背面カメラOC1、OC2に、カメラモジュールAが適用されている。
カメラモジュールAは、AF機能を備え、被写体を撮影するときのピント合わせを自動的に行うことができる。なお、カメラモジュールAは、振れ補正機能(以下「OIS機能」と称する;OIS:Optical Image Stabilization)を備えていてもよい。OIS機能により、撮影時に生じる振れ(振動)を光学的に補正して、像ぶれのない画像を撮影することができる。
[カメラモジュール]
図2は、カメラモジュールA及び撮像部5を示す斜視図である。図3は、図2に示したカメラモジュールAの光学素子駆動装置1が有する光学素子駆動装置本体4の平面図である。図2及び図3に示すように、本実施の形態では、直交座標系(X,Y,Z)を使用して説明する。また、後述する図においても、直交座標系(X,Y,Z)を使用して説明する。
カメラモジュールAは、例えば、スマートフォンMで撮影が行われる場合、X方向が上下方向(又は左右方向)、Y方向が左右方向(又は上下方向)、Z方向が前後方向となるように搭載される。すなわち、Z方向が、図2に示すレンズ部2の光軸OAの光軸方向であり、図2において、図中上側(+Z側)が光軸方向の受光側、下側(-Z側)が光軸方向の結像側である。また、以降において、Z軸に直交するX方向及びY方向を「光軸直交方向」と称し、XY面を「光軸直交面」と称する。また、光軸に直交する方向を「径方向」と称する。
なお、以降では、光軸OAを用いて説明を行うが、光軸OAの光軸方向は、光学素子の種類に応じて、光路方向、焦点方向(焦点を調整する方向)と言い換えてもよい。ここで、後述するカバー3の開口部301、後述する保持部10の開口部11、あるいは、後述する収容部20の収容開口部21によって形成される光の通り道が光路であり、この光路の延びる方向(各開口部の貫通方向)が光路方向である。
図2に示すように、カメラモジュールAは、AF機能を実現する光学素子駆動装置1、円筒形状のレンズバレルにレンズが収容されてなるレンズ部2及びレンズ部2により結像された被写体像を撮像する撮像部5等を備える。すなわち、光学素子駆動装置1は、光学素子としてレンズ部2を駆動する、いわゆる、レンズ駆動装置である。
[カバー]
光学素子駆動装置1において、光学素子駆動装置本体4は、外側をカバー3で覆われている。カバー3は、Z方向から見た平面視で略矩形状の有蓋四角筒状体である。本実施の形態では、カバー3は、平面視で略正方形状を有している。カバー3は、上面に略円形の開口部301を有する。レンズ部2は、光学素子駆動装置本体4の保持部10の開口部11に収容され、カバー3の開口部301から外部に臨み、Z方向における移動に伴い、カバー3の開口面よりも受光側に突出するように構成されている。カバー3の内壁は、例えば、光学素子駆動装置本体4の収容部20に、接着等により固定され、光学素子駆動装置本体4を収容する。
カバー3は、光学素子駆動装置1の外部やカバー3の内部からの電磁波を遮断する部材、例えば、磁性体からなるシールド部材を有している。
[撮像部]
撮像部5は、光学素子駆動装置1の結像側に配置される。撮像部5は、例えば、イメージセンサー基板501、イメージセンサー基板501に実装される撮像素子502及び制御部503を有する。撮像素子502は、例えば、CCD(charge-coupled device)型イメージセンサー、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)型イメージセンサー等により構成され、レンズ部2により結像された被写体像を撮像する。
制御部503は、例えば、制御ICで構成され、光学素子駆動装置1の駆動制御を行う。光学素子駆動装置1は、イメージセンサー基板501に搭載され、機械的かつ電気的に接続される。制御部503は、イメージセンサー基板501に設けられてもよいし、カメラモジュールAが搭載されるカメラ搭載機器(本実施の形態では、スマートフォンM)に設けられてもよい。
なお、図2では、位置が固定されたイメージセンサー基板501に対し、レンズ部2を光学素子駆動装置1でZ方向に駆動することで、被写体像を撮像素子502に結像しているが、例えば、撮像素子502をZ方向に駆動してもよい。この場合、レンズ部2をカバー3に固定し、光学素子である撮像素子502を光学素子駆動装置1でZ方向に駆動することで、被写体像を撮像素子502に結像すればよい。
[光学素子駆動装置本体]
光学素子駆動装置本体4は、光学素子であるレンズ部2をZ方向に駆動する光学素子駆動装置1の本体部分である。なお、以降では、説明の便宜上、光学素子駆動装置1がレンズ部2を駆動することを前提に説明を行うが、上述したように、光学素子駆動装置1が撮像素子502を駆動してもよい。
光学素子駆動装置本体4は、図3に示すように、保持部10、収容部20、支持部30、駆動部40、付勢部50、調整部60A、60B、基板部70等を有する。
光学素子駆動装置本体4の保持部10、収容部20、支持部30、駆動部40、調整部60A、60B、基板部70について、図3と共に、図4~図6も参照して、以下に説明を行う。図4は、図3に示した光学素子駆動装置本体4の保持部10を示す斜視図である。図5は、図3に示した光学素子駆動装置本体4の収容部20を示す図であって、基板部70を取り外した状態を示す斜視図である。図6は、図3に示した光学素子駆動装置本体4の収容部20を示す図であって、基板部70を取りつけた状態を示す斜視図である。
[保持部]
保持部10は、中央部に開口部11が形成された枠部12を有し、開口部11は、図2に示したレンズ部2を内側に保持可能に構成されている。例えば、開口部11は、その内周面に取付溝等を形成することにより、レンズ部2を内周面に保持可能に構成されている。このように、保持部10は、レンズ部2の外周を囲んでレンズ部2を保持する。
枠部12の外周側である外周面13において、その複数箇所に、Z方向に沿って延在する溝部14が設けられている。保持部10は、一例として、その外形の平面視が矩形状であり、矩形の一辺に対応する第1外面13aにおいて、その2箇所に溝部14が設けられている。
溝部14は、Z方向に沿って延在する後述のシャフト部材31に対応して設けられ、溝部14とシャフト部材31とにより、支持部30を構成する。溝部14は、ここでは、円柱状のシャフト部材31の形状に対応して、半円形断面の溝に形成されており、シャフト部材31に対して、Z方向に摺動可能に接触するよう構成されている。保持部10は、支持部30により、Z方向に移動可能に支持されている。
また、枠部12には、駆動部40を構成するマグネット41が設けられている。具体的には、第1外面13aに設けられた凹部15にマグネット41が取り付けられている。保持部10は、マグネット41と後述のコイル42とを有する駆動部40により、Z方向に移動可能に構成されている。
なお、開口部11は、円筒形状のレンズ部2に対応して、円筒形状に形成されているが、レンズ部2の形状に対応して、適宜な形状に変更可能である。
また、光学素子駆動装置1が撮像素子502を駆動する場合、保持部10に開口部11はなくてもよく、つまり、保持部10は枠部でなくてもよく、その場合、例えば、保持部10の上面(受光側の面)に撮像素子502を保持するようにすればよい。
[収容部]
収容部20(本発明における固定部)は、中央部に収容開口部21が形成された枠部22を有し、収容開口部21は、保持部10の外周を囲んで保持部10を内側に収容可能に構成されている。
収容開口部21の内側である内周面23は、平面視において、保持部10の外周面13の形状に対応して形成される。内周面23において、保持部10の第1外面13aに対向する第1内面23a側には、支持部30を構成するシャフト部材31が設けられている。具体的には、図5及び図6に示すように、Z方向に沿って延在する円柱状のシャフト部材31が収容開口部21の底部27に立設するように設けられている。収容部20は、溝部14とシャフト部材とを有する複数の支持部30により、保持部10をZ方向に移動可能に支持する。
また、収容部20の枠部22において、第1外面13aに対向する第1辺部22aには、駆動部40を構成するコイル42が設けられている。コイル42が通電され、通電された電流とマグネット41の磁界との相互作用により、駆動部40は、収容部20に対して、保持部10をZ方向に移動する。保持部10は、駆動部40に駆動される可動部として機能し、収容部20は、保持部10に対する固定部として機能する。
なお、図3において、保持部10の外周面13及び収容開口部21の内周面23の形状は一例であり、例えば、支持部30、駆動部40の配置等に応じて、適宜に変更可能である。
[支持部]
支持部30は、収容部20に対して、保持部10をZ方向に移動可能に支持する。支持部30は、一例として、図3に示すように、平面視で、外周面13及び内周面23の周方向で異なる2箇所の位置に配置される。更に具体的には、支持部30は、互いに対向する第1外面13a及び第1内面23aにおいて、駆動部40を間に挟む位置に配置される。
支持部30は、一例として、上述した保持部10の溝部14とシャフト部材31(本発明における支持部材)とを有する。溝部14は、上述したように、シャフト部材31に対して、Z方向に摺動可能に接触するよう構成されている。
そして、本実施の形態においては、後述するように、マグネット41とヨーク51とを有する付勢部50において、マグネット41がヨーク51を磁気吸引することにより、溝部14をシャフト部材31側に付勢するようにしている。つまり、付勢部50は、磁力Fa(本発明における第1磁力)により、-X方向の力を保持部10に付与して、保持部10をシャフト部材31に付勢している。これにより、支持部30は、謂わば、片持ち支持構造のように、保持部10を保持する。
このように、支持部30は、Z方向に沿って延在する溝部14とシャフト部材31とを有し、付勢部50により、溝部14をシャフト部材31側に付勢するので、保持部10の傾き(チルト)を抑制することができる。
また、シャフト部材31は、収容開口部21の底部27に設けられ、保持部10に対する固定部として機能する収容部20側に固定されているので、シャフト部材31に対する後述の付勢力Fを調整する際に、保持部10の安定した動作が可能となる。
また、溝部14は、シャフト部材31に対して、Z方向に摺動可能に接触するよう構成されているので、収容部20は、支持部30を介して、保持部10をZ方向に移動可能に支持することができる。
なお、ここでは、支持部30は、一例として、保持部10が溝部14を有し、収容部20がシャフト部材31を有する構成であるが、保持部10がシャフト部材31を有し、収容部20が溝部14を有する構成でもよい。
また、シャフト部材31は、溝部14が摺動可能に接触する構成であれば、他の部材でもよい。例えば、収容部20の内周面23から内側に突出すると共に、Z方向に延在する突出部を設け、当該突出部に溝部14が摺動可能に接触する構成でもよい。
また、溝部14は、シャフト部材31に摺動可能に接触できれば、半円形断面の溝に限らず、V字断面やU字断面等の溝でもよい。
[駆動部]
駆動部40は、収容部20に対して、保持部10をZ方向に駆動するアクチュエーターである。駆動部40は、一例として、図3に示すように、2箇所に配置された支持部30の間に配置される。
駆動部40は、保持部10に取り付けられたマグネット41(本発明における第1マグネット)と収容部20に取り付けられたコイル42(本発明における第1コイル)とを有する。このような構成を有する駆動部40は、ムービングマグネット方式のボイスコイルモーター(VCM:Voice Coil Motor)として機能する。
マグネット41は、上述したように、保持部10の第1外面13aに設けた凹部15に取り付けられる。
コイル42は、収容部20の第1辺部22aに取り付けられる。具体的には、コイル42は、図5に示すように、後述の基板部70(基板71)の内側となる面に取り付けられる。そして、図6に示すように、基板部70が収容部20の外周面24に取り付けられると、収容部20の枠部22を貫通する貫通部25にコイル42は配置される。保持部10が収容部20に収容されると、マグネット41とコイル42とが、径方向において、互いに対向するように離間して配置されることになる。
コイル42は、X方向に沿う方向を巻回軸として巻回された巻線から構成される。マグネット41は、コイル42を径方向に横切る磁界が形成されるように、例えば、+Z方向側がS極、-Z方向側がN極になるように、着磁される。
コイル42へ電力が供給されていないとき(無通電時)には、保持部10は、例えば、後述する付勢部50の磁力Fa(マグネット41がヨーク51を磁気吸引する磁力)による力により、基準位置に支持されている(自己保持)。図示省略した配線により、コイル42へ電力が供給されると(通電時)、コイル42に流れる電流とマグネット41の磁界との相互作用により、コイル42にローレンツ力が生じる。
ローレンツ力の方向は、マグネット41による磁界の方向とコイル42に流れる電流の方向に直交する方向となるZ方向である。コイル42は収容部20に固定されているので、マグネット41に反力が働き、この反力がVCMの駆動力となる。コイル42に流れる電流の向きや大きさを制御すると、上述した基準位置に対して、マグネット41を有する保持部10が光軸方向受光側又は光軸方向結像側に移動し、ピント合わせが行われることになる。
図示は省略しているが、後述する基板部70には、収容部20に対する保持部10のZ方向の位置を検出するZ位置検出部が設けられている。光学素子駆動装置1は、Z位置検出部で検出されたZ方向の位置に基づいて、コイル42に流れる電流の向きや大きさを制御する。Z位置検出部としては、例えば、位置の検出用のマグネット及び当該マグネットによる磁界を検出するホールセンサー等が用いられる。
光学素子駆動装置1は、上述した支持部30及び駆動部40により、保持部10と共にレンズ部2をZ方向に駆動することができ、これにより、AF機能を実現する。
なお、ここでは、保持部10は、1つの駆動部40により、Z方向に移動可能に構成されているが、複数の駆動部40により、Z方向に移動可能に構成されてもよい。
[付勢部]
付勢部50は、収容部20に設けたシャフト部材31に対して、保持部10を付勢する。付勢部50は、一例として、図3に示すように、2箇所に配置された支持部30の間に配置される。
付勢部50は、一例として、上述した保持部10のマグネット41と、収容部20に取り付けられ、磁性材料からなるヨーク51とを有する。マグネット41は、駆動部40及び付勢部50において兼用されている。
ヨーク51は、収容部20の第1辺部22aに取り付けられる。具体的には、ヨーク51は、図5に示すように、後述の基板部70(基板71)の外側となる面に取り付けられる。基板部70が収容部20の外周面24に取り付けられ、保持部10が収容部20に収容されると、マグネット41とヨーク51とが、径方向において、互いに対向するように離間して配置されることになる。
このような構成により、ヨーク51はマグネット41の磁力により磁気吸引され、その結果、マグネット41が配置された保持部10は、ヨーク51が配置された収容部20のシャフト部材31側に付勢される。つまり、付勢部50は、磁力Faにより、-X方向の力を保持部10に付与して、保持部10の溝部14をシャフト部材31に付勢している。
このように、付勢部50により、溝部14をシャフト部材31側に付勢するので、保持部10の傾き(チルト)を抑制することができる。
特に、コイル42へ電力が供給されていないとき(無通電時)には、保持部10は、付勢部50の磁力Faによる力により、基準位置に支持されて、自己保持することになる。
なお、ここでは、保持部10側にマグネット41を設け、収容部20側にコイル42を設けているが、配置を逆にして、保持部10側にコイル42を設け、収容部20側にマグネット41を設けてもよい。この場合、ヨーク51は、収容部20側に配置されることになる。
また、ここでは、駆動部40のマグネット41を利用してヨーク51を磁気吸引しているが、ヨーク51を磁気吸引するためのマグネットを別途設けてもよい。その場合、保持部10において、当該マグネットをマグネット41と異なる位置に配置し、この位置に対応して、ヨーク51を配置すればよい。
[調整部]
調整部60A、60Bは、溝部14をシャフト部材31に付勢する付勢力Fを調整するよう構成される。調整部60A、60Bは、一例として、図3に示すように、平面視で、外周面13及び枠部22の周方向において、付勢部50と異なる箇所に配置される。ここでは、調整部60A、60Bは、付勢部50が配置される第1外面13a及び第1辺部22aとは異なる箇所として、第2外面13b及び第2辺部22bと、第3外面13c及び第3辺部22cとにそれぞれ配置される。
調整部60Aは、保持部10に取り付けられたマグネット61A(本発明における第2マグネット)と収容部20に取り付けられたコイル62A(本発明における第2コイル)とを有する。
マグネット61Aは、具体的には、保持部10の第2外面13bに設けられた凹部16Aに取り付けられている。
コイル62Aは、収容部20の第2辺部22bに取り付けられる。具体的には、コイル62Aは、図5に示すように、基板部70(基板71)の内側となる面に取り付けられる。そして、図6に示すように、基板部70が収容部20の外周面24に取り付けられると、収容部20の枠部22(第2辺部22b)を貫通する貫通部26Aにコイル62Aは配置される。保持部10が収容部20に収容されると、マグネット61Aとコイル62Aとが、径方向において、互いに対向するように離間して配置されることになる。
コイル62Aは、Y方向に沿う方向を巻回軸として巻回された巻線から構成される。マグネット61Aは、コイル62Aを径方向に横切る磁界が形成されるように、例えば、-X方向側がN極、+X方向側がS極になるように、着磁される。
図示省略した配線により、コイル62Aへ電力が供給されると(通電時)、コイル62Aに流れる電流とマグネット61Aの磁界との相互作用により、コイル62Aにローレンツ力が生じる。
ローレンツ力の方向は、マグネット61Aによる磁界の方向とコイル62Aに流れる電流の方向に直交する方向となるX方向である。コイル62Aは収容部20に固定されているので、マグネット61Aに反力となる磁力Fb(本発明における第2磁力)が働き、この磁力Fbが付勢力Fを調整する調整力となる。磁力Faは、-X方向に働く力であるので、磁力Fbは、+X方向に働く力となるように、コイル62Aに流れる電流の向きや大きさを制御する。
同様に、調整部60Bは、保持部10に取り付けられたマグネット61B(本発明における第2マグネット)と収容部20に取り付けられたコイル62B(本発明における第2コイル)とを有する。
マグネット61Bは、具体的には、保持部10の第3外面13cに設けられた凹部16Bに取り付けられている。
コイル62Bは、収容部20の第3辺部22cに取り付けられる。具体的には、コイル62Bは、図5に示すように、基板部70(基板71)の内側となる面に取り付けられる。そして、図6に示すように、基板部70が収容部20の外周面24に取り付けられると、収容部20の枠部22(第3辺部22c)を貫通する貫通部26Bにコイル62Bは配置される。保持部10が収容部20に収容されると、マグネット61Bとコイル62Bとが、径方向において、互いに対向するように離間して配置されることになる。
コイル62Bは、Y方向に沿う方向を巻回軸として巻回された巻線から構成される。マグネット61Bは、コイル62Bを径方向に横切る磁界が形成されるように、例えば、-X方向側がN極、+X方向側がS極になるように、着磁される。
図示省略した配線により、コイル62Bへ電力が供給されると(通電時)、コイル62Bに流れる電流とマグネット61Bの磁界との相互作用により、コイル62Bにローレンツ力が生じる。
ローレンツ力の方向は、マグネット61Bによる磁界の方向とコイル62Bに流れる電流の方向に直交する方向となるX方向である。コイル62Bは収容部20に固定されているので、マグネット61Bに反力となる磁力Fc(本発明における第2磁力)が働き、この磁力Fcが付勢力Fを調整する調整力となる。磁力Faは、-X方向に働く力であるので、磁力Fcは、+X方向に働く力となるように、コイル62Bに流れる電流の向きや大きさを制御する。
このように、付勢部50による磁力Faとは反対方向の磁力Fb、Fcを生成する調整部60A、60Bを設けることにより、付勢力Fを調整する。
例えば、カメラモジュールAの高画質化のため、イメージセンサー基板501のイメージセンサーが大口径化すると、レンズ部2のサイズも大口径化する。レンズ部2のサイズが大口径化すると、レンズ部2を駆動する駆動力を大きく必要があり、レンズ部2の駆動に用いられるマグネット41自体の磁力を大きくする必要がある。
マグネット41自体の磁力が大きくなると、ヨーク51との間の磁力も大きくなるため、溝部14をシャフト部材31に付勢する付勢力Fが大きくなり、シャフト部材31と溝部14との摩擦力が大きくなって、レンズ部2の移動を阻害する可能性がある。
そのため、本実施の形態では、上述した構成の調整部60A、60Bを設け、付勢部50による磁力Faとは反対方向の磁力Fb、Fcを加えることにより、付勢力Fを調整するようにしている。
例えば、調整部60A、60Bによる調整前の付勢力Fは、「1/2×Fa」であるが、調整部60A、60Bによる調整により、付勢力Fは、「1/2×(Fa-Fb-Fc)」となる。このように、調整部60A、60Bによる調整により、調整前よりも付勢力Fを低減することができる。その結果、シャフト部材31と溝部14との摩擦力も小さくなり、レンズ部2をスムーズに移動させることができる。
このように、本実施の形態では、上述した構成の調整部60A、60Bを設けることにより、付勢力Fを調整することができ、これは、特に、マグネット41自体の磁力が大きくなる場合に有用であり、レンズ部2をスムーズに移動させることができる。
また、ここでは、矩形状の保持部10及び収容部20の一辺に付勢部50を配置し、当該一辺を挟んで直交するニ辺にそれぞれ調整部60A、60Bを配置している。そのため、調整部60A、60Bによる磁力Fb、Fcは、付勢部50による磁力Faとは反対方向の成分のみになり、付勢力Fの調整を簡単且つ安定して行うことができる。
なお、ここでは、矩形状の保持部10及び収容部20の一辺に付勢部50を配置し、当該一辺を挟むニ辺にそれぞれ調整部60A、60Bを配置したが、このような構成に限らず、調整部60A、60Bの位置や数は、適宜に変更可能である。例えば、付勢部50を配置した一辺に対向する一辺に1つ以上の調整部を配置して、付勢力Fを調整してもよい。
また、ここでは、保持部10側にマグネット61A、61Bを設け、収容部20側にコイル62A、62Bを設けているが、配置を逆にして、保持部10側にコイル62A、62Bを設け、収容部20側にマグネット61A、61Bを設けてもよい。
また、付勢部50と同様に、調整部60A、60Bは、ヨークを有する構成でもよい。この場合、付勢部50のヨーク51と同様に、基板部70(基板71)の外側となる面に、マグネット61A、61Bと対向するように、調整部60A、60B用のヨークは取り付けられる。
調整部60A、60B用のヨークを設けることにより、磁力Fb、Fcを強くすることができ、付勢力Fの調整範囲を広くすることができる。又は、マグネット61A、61Bのサイズを小さくして、マグネット61A、61B自体の磁力が小さくなっても、所望の磁力Fb、Fcを得ることができ、付勢力Fの調整することができる。
[基板部]
基板部70は、コイル42、62A、62Bに電力を供給する。基板部70は、コイル42、62A、62B、ヨーク51、基板71等を有する。基板71には、コイル42、62A、62Bに電力を供給する配線(図示省略)が形成されている。また、図示は省略するが、基板部70は、上述したように、収容部20に対する保持部10のZ方向の位置を検出するZ位置検出部(例えば、ホールセンサー等)を有している。
基板部70の基板71において、収容部20に取り付けるときに内側となる面に、コイル42、コイル62A、62Bが取り付けられる。図5に示す例では、基板71の中央部分である中央部71aの内側となる面にコイル42が取り付けられ、中央部71aの両側の側部71b、71cの内側となる面に、それぞれ、コイル62A、62Bが取り付けられる。
また、基板部70の基板71において、収容部20に取り付けるときに外側となる面に、ヨーク51が取り付けられる。図5に示す例では、中央部71aの外側となる面にヨーク51が取り付けられる。ヨーク51は、コイル42に対して、基板71の中央部71a部を挟んで対向するように配置されている。
このようにして、コイル42、コイル62A、62B、ヨーク51を配置した基板部70は、コイル42、コイル62A、62Bが、それぞれ、収容部20の貫通部25、26A、26Bに配置されるよう、収容部20の外周面24に取り付けられる。
このように、1つの基板71上にコイル42、コイル62A、62B、ヨーク51を配置して、基板部70を収容部20の外周面24に取り付けることにより、収容部20の所望の位置にコイル42、コイル62A、62B、ヨーク51を配置することができる。これにより、基板部70の収容部20への組み立てが容易になると共に、コイル42、コイル62A、62B、ヨーク51の配置も容易になり、レイアウト性を高めることができる。
基板部70には、例えば、制御部503(図2を参照)の制御により、電力が供給され、これにより、コイル42やコイル62A、62Bに対する通電が制御されて、保持部10がZ方向に移動される。
具体的には、制御部503は、基準状態においては、コイル42やコイル62A、62Bに対する通電は行わない。この基準状態においては、マグネット41がヨーク51を磁気吸引する付勢部50の磁力Faによる力により、保持部10は基準位置に支持される(自己保持)。
そして、制御部503は、保持部10をZ方向に移動させるときには、まず、コイル62A、62Bに対する通電を行って、付勢部50による磁力Faとは反対方向の磁力Fb、Fcを調整部60A、60Bで生成する。これにより、付勢力Fを、コイル62A、62Bへの通電前よりも低減する。
そして、制御部503は、付勢力Fを低減した状態のままで、コイル42に対する通電を行って、保持部10をZ方向に移動させる。このとき、付勢力Fを低減した状態のままであるので、シャフト部材31と溝部14との摩擦力も小さくなり、レンズ部2をスムーズに移動させることができる。
この際、制御部503は、重力方向を考慮して、調整部60A、60Bによる磁力Fb、Fcを変更してもよい。例えば、重力方向が-X方向である場合、付勢力Fとしては、付勢部50による磁力Faによる力にレンズ部2及び保持部10の自重による力が加わる。そのため、レンズ部2及び保持部10の自重による力を考慮して、調整部60A、60Bによる磁力Fb、Fcを大きくする。一方、重力方向が+X方向である場合、付勢力Fとしては、付勢部50による磁力Faによる力からレンズ部2及び保持部10の自重による力を差し引いた力が加わる。そのため、レンズ部2及び保持部10の自重による力を考慮して、調整部60A、60Bによる磁力Fb、Fcを小さくする。
なお、ここでは、制御部503がコイル42やコイル62A、62Bに対する通電を制御する例を説明したが、基板71に、別途、制御部を設け、当該制御部がコイル42やコイル62A、62Bに対する通電を制御してもよい。
[他の実施の形態]
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、スマートフォンMを例に挙げて説明したが、本発明は、カメラモジュールとカメラモジュールで得られた画像情報を処理する画像処理部とを有するカメラ搭載装置に適用できる。カメラ搭載装置は、情報機器及び輸送機器を含む。情報機器は、例えば、カメラ付き携帯電話機、ノート型パソコン、タブレット端末、携帯型ゲーム機、webカメラ、カメラ付き車載装置(例えば、バックモニター装置、ドライブレコーダー装置)等を含む。また、輸送機器は、例えば、自動車やドローン等を含む。
図7A、図7Bは、車載用カメラモジュールVC(Vehicle Camera)を搭載するカメラ搭載装置としての自動車Vを示す図である。図7Aは自動車Vの正面図であり、図7Bは自動車Vの後方斜視図である。自動車Vは、車載用カメラモジュールVCとして、上記実施の形態で説明したカメラモジュールAを搭載する。図7A、図7Bに示すように、車載用カメラモジュールVCは、例えば、前方に向けてフロントガラスに取り付けられたり、後方に向けてリアゲートに取り付けられたりする。この車載用カメラモジュールVCは、バックモニター用、ドライブレコーダー用、衝突回避制御用、自動運転制御用等として使用される。
また、上記実施の形態では、光学素子としてレンズ部2を駆動する光学素子駆動装置1について説明したが、駆動対象となる光学素子は、ミラーやプリズム等のレンズ以外の光学素子であっても、撮像素子502のような光学素子でもよい。この場合、保持部10の開口部11は、取り付ける光学素子の形状に応じて、形状を変更したり、場合によっては、無くしたりしてもよい。
また、上記実施の形態では、光学素子駆動装置1はAF機能を有しているが、AF機能だけでなく、ズーム機能等、レンズ部2をZ方向に移動させる機能を有するものでもよい。
また、上記実施の形態では、AF機能を有する光学素子駆動装置1を例にとって説明したが、光学素子駆動装置1は、OIS機能を備えていてもよい。OIS機能を備える場合、光学素子駆動装置1は、OIS支持部を介して、収容部20をX方向及びY方向に移動可能に支持する基部、基部に対して、収容部20をX方向及びY方向に駆動するOIS駆動部を備えることになる。この場合、収容部20と基部との間に配置されるOIS支持部に対して、上述した付勢部50及び調整部60A、60Bと同様の構成の付勢部及び調整部を設け、OIS支持部に対する付勢力も、上述したように調整するようにしてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、以上の説明は、本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記装置の構成や各部分の形状についての説明は一例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。
本発明に係る光学素子駆動装置及びカメラモジュールは、例えば、スマートフォン、携帯電話機、デジタルカメラ、ノート型パソコン、タブレット端末、携帯型ゲーム機、車載カメラ、ドローン等のカメラ搭載装置に搭載して、有用なものである。
1 光学素子駆動装置
2 レンズ部
3 カバー
4 光学素子駆動装置本体
5 撮像部
10 保持部
11 開口部
12 枠部
13 外周面
14 溝部
15、16A、16B 凹部
20 収容部
21 収容開口部
22 枠部
23 内周面
24 外周面
25、26A、26B 貫通部
27 底部
30 支持部
31 シャフト部材
40 駆動部
41 マグネット
42 コイル
50 付勢部
51 ヨーク
60A、60B 調整部
61A、61B マグネット
62A、62B コイル
70 基板部
71 基板
301 開口部
501 イメージセンサー基板
502 撮像素子
503 制御部

Claims (7)

  1. 光学素子を保持可能な保持部と、
    支持部材を介して、前記保持部を移動可能に支持する固定部と、
    前記保持部及び前記固定部の一方に配置される第1マグネットと、他方に配置される第1コイルと、を有し、前記保持部を移動させる駆動部と、
    前記第1マグネットに対向して前記他方に配置され、前記保持部を前記支持部材に付勢するヨークと、
    前記保持部及び前記固定部の一方に配置される第2マグネットと、他方に配置される第2コイルと、を有し、前記保持部を前記支持部材に付勢する付勢力を調整する調整部と、
    を備える、光学素子駆動装置。
  2. 前記第2マグネットは、前記保持部に配置され、
    前記第2コイルは、前記固定部に配置される、
    請求項1に記載の光学素子駆動装置。
  3. 前記第1マグネットは、前記保持部に配置され、
    前記第1コイルは、前記第2コイルと共に、基板上に配置され、当該基板が前記固定部に配置される、
    請求項2に記載の光学素子駆動装置。
  4. 前記支持部材は、前記固定部に配置される、
    請求項1に記載の光学素子駆動装置。
  5. 前記第1コイル及び前記第2コイルに対する通電を制御する制御部を更に備え、
    前記制御部は、前記保持部を移動させる場合、前記第2コイルへの通電を行って、前記付勢力を当該通電前より低減した後、前記第1コイルへの通電を行う、
    請求項1に記載の光学素子駆動装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の光学素子駆動装置と、
    前記光学素子を用いて被写体像を撮像する撮像部と、
    を備える、
    カメラモジュール。
  7. 情報機器又は輸送機器であるカメラ搭載装置であって、
    請求項6に記載のカメラモジュールと、
    前記カメラモジュールで得られた画像情報を処理する画像処理部と、
    を備える、
    カメラ搭載装置。
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