JP2024094226A - 電源制御装置 - Google Patents

電源制御装置

Info

Publication number
JP2024094226A
JP2024094226A JP2023175940A JP2023175940A JP2024094226A JP 2024094226 A JP2024094226 A JP 2024094226A JP 2023175940 A JP2023175940 A JP 2023175940A JP 2023175940 A JP2023175940 A JP 2023175940A JP 2024094226 A JP2024094226 A JP 2024094226A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
signal
output
circuit
threshold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023175940A
Other languages
English (en)
Inventor
世棟 関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rohm Co Ltd
Original Assignee
Rohm Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rohm Co Ltd filed Critical Rohm Co Ltd
Publication of JP2024094226A publication Critical patent/JP2024094226A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】起動時における望ましくない過電流保護動作の実行を抑制する。
【解決手段】出力電圧(Vout)に応じた帰還電圧(Vfb)に基づき出力段(MM)のスイッチング駆動を行うことで、入力電圧(Vin)から出力電圧を生成する。出力段に流れる電流の値が所定の過電流閾値を超えたとき過電流保護信号を出力する。過電流保護信号に応答して過電流保護動作を実行し、過電流保護動作にて出力段に流れる電流の過電流閾値を超えての増加を制限する。出力段のスイッチング駆動の開始からの経過時間に応じて、過電流閾値を設定する。
【選択図】図2

Description

本開示は、電源制御装置に関する。
入力電圧から出力電圧を生成するスイッチング電源装置において、出力段を制御する電源制御装置が設けられる。電源制御装置には、出力段の過電流状態が検出されたときに所定の保護動作を実行する保護機能が設けられていることが多い。
国際公開第2020/095748号
[概要]
上記保護動作は有益なものであるが、スイッチング電源装置の起動時において、望ましくない態様で保護動作が働くことがある。
本開示に係る電源制御装置は、入力電圧から出力電圧を生成するスイッチング電源装置の出力段を制御するよう構成された電源制御装置であって、前記出力電圧に応じた帰還電圧に基づき前記出力段をスイッチング駆動するよう構成されたスイッチング制御回路を備え、前記出力段のスイッチング駆動を通じて前記入力電圧から前記出力電圧が生成され、前記スイッチング制御回路は、過電流閾値を設定する閾値設定回路と、前記出力段に流れる電流の値が前記過電流閾値を超えたとき過電流保護信号を出力するよう構成された過電流保護回路と、を備えて、前記過電流保護信号の出力に応答して、前記出力段に流れる電流の前記過電流閾値を超えての増加を制限する過電流保護動作を実行し、前記閾値設定回路は、前記出力段のスイッチング駆動の開始からの経過時間に応じて、前記過電流閾値を設定する。
図1は、本開示の実施形態に係るスイッチング電源装置の概略全体構成図である。 図2は、本開示の実施形態に属する実施例EX1_1に係り、電源制御装置の内部構成図を含む、スイッチング電源装置の全体構成図である。 図3は、本開示の実施形態に属する実施例EX1_1に係り、基本スイッチング制御のタイミングチャートである。 図4は、本開示の実施形態に属する実施例EX1_1に係り、出力段に関わる電流の説明図である。 図5は、本開示の実施形態に属する実施例EX1_1に係り、過電流保護動作が行われるときのタイミングチャートである。 図6は、本開示の実施形態に属する実施例EX1_1に係り、スイッチング電源装置の起動時におけるタイミングチャートである。 図7は、起動不良の説明図である。 図8は、本開示の実施形態に属する実施例EX1_1に係り、過電流閾値の変化の例を示す図である。 図9は、本開示の実施形態に属する実施例EX1_1に係り、過電流閾値を設定するための回路例を示す図である。 図10は、本開示の実施形態に属する実施例EX1_1に係り、図9の回路に関わるタイミングチャートである。 図11は、本開示の実施形態に属する実施例EX1_1に係り、過電流閾値の変化の他の例を示す図である。 図12は、本開示の実施形態に属する実施例EX1_1に係り、過電流閾値を設定するための回路例を示す図である。 図13は、本開示の実施形態に属する実施例EX1_1に係り、図12の回路に関わるタイミングチャートである。 図14は、本開示の実施形態に属する実施例EX1_2に係り、スイッチング電源装置の概略全体構成図である。 図15は、本開示の実施形態に属する実施例EX1_3に係り、昇圧型のスイッチング電源装置の一部構成図である。 図16は、本開示の実施形態に属する実施例EX2_1に係り、電源制御装置の内部構成図を含む、スイッチング電源装置の全体構成図である。 図17は、本開示の実施形態に属する実施例EX2_1に係り、基本スイッチング制御のタイミングチャートである。 図18は、本開示の実施形態に属する実施例EX2_1に係り、出力段に関わる電流の説明図である。 図19は、本開示の実施形態に属する実施例EX2_1に係り、過電流保護動作が行われるときのタイミングチャートである。 図20は、仮想構成に係り、出力電流の変動に対応する出力電圧及び誤差電圧の変動を説明するためのである。 図21は、改良構成に係り、出力電流の変動に対応する出力電圧及び誤差電圧の変動を説明するためのである。 図22は、本開示の実施形態に属する実施例EX2_3に係り、誤差電圧変化抑制回路の変形構成図である。 図23は、本開示の実施形態に属する実施例EX2_4に係り、電源制御装置の一部構成図である。 図24は、本開示の実施形態に属する実施例EX3_1に係り、電源制御装置の内部構成図を含む、スイッチング電源装置の全体構成図である。 図25は、本開示の実施形態に属する実施例EX3_1に係り、基本スイッチング制御のタイミングチャートである。 図26は、本開示の実施形態に属する実施例EX3_1に係り、パルススキップ制御に関わるタイミングチャートである。 図27は、本開示の実施形態に属する実施例EX3_1に係り、パルススキップ制御に関わるタイミングチャートである。 図28は、本開示の実施形態に属する実施例EX3_1に係り、対象温度とスキップ判定電圧との関係例を示す図である。 図29は、本開示の実施形態に属する実施例EX3_1に係り、対象温度とスキップ判定電圧との関係例を示す図である。 図30は、本開示の実施形態に属する実施例EX3_1に係り、スキップ判定電圧生成回路の構成図である。 図31は、本開示の実施形態に属する実施例EX3_2に係り、電源制御装置の一部構成図である。 図32は、本開示の実施形態に属する実施例EX3_3に係り、電源制御装置の一部構成図である。
[詳細な説明]
以下、本開示の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量、機能部、回路、素子又は部品等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量、機能部、回路、素子又は部品等の名称を省略又は略記することがある。例えば、後述の“20”によって参照される過電流保護回路は(図2参照)、過電流保護回路20と表記されることもあるし、回路20と略記されることもあり得るが、それらは全て同じものを指す。
まず、本開示の実施形態の記述にて用いられる幾つかの用語について説明を設ける。グランドとは、基準となる0V(ゼロボルト)の電位を有する基準導電部を指す又は0Vの電位そのものを指す。基準導電部は金属等の導体を用いて形成されて良い。0Vの電位をグランド電位と称することもある。本開示の実施形態において、特に基準を設けずに示される電圧はグランドから見た電位を表す。
レベルとは電位のレベルを指し、任意の注目した信号又は電圧についてハイレベルはローレベルよりも高い電位を有する。任意の注目した信号又は電圧について、信号又は電圧がハイレベルにあるとは厳密には信号又は電圧のレベルがハイレベルにあることを意味し、信号又は電圧がローレベルにあるとは厳密には信号又は電圧のレベルがローレベルにあることを意味する。
任意の注目した信号又は電圧において、ローレベルからハイレベルへの切り替わりをアップエッジと称する。アップエッジをライジングエッジに読み替えて良い。任意の注目した信号又は電圧において、ハイレベルからローレベルへの切り替わりをダウンエッジと称する。ダウンエッジをフォーリングエッジに読み替えて良い。
MOSFETを含むFET(電界効果トランジスタ)として構成された任意のトランジスタについて、オン状態とは、当該トランジスタのドレイン及びソース間が導通している状態を指し、オフ状態とは、当該トランジスタのドレイン及びソース間が非導通となっている状態(遮断状態)を指す。FETに分類されないトランジスタについても同様である。MOSFETは、特に記述無き限り、エンハンスメント型のMOSFETであると解される。MOSFETは“metal-oxide-semiconductor field-effect transistor”の略称である。また、特に記述なき限り、任意のMOSFETにおいて、バックゲートはソースに短絡されていると考えて良い。
以下、任意のトランジスタについて、オン状態、オフ状態を、単に、オン、オフと表現することもある。任意のトランジスタについて、オフ状態からオン状態への切り替わりをターンオンと表現し、オン状態からオフ状態への切り替わりをターンオフと表現する。また、任意のトランジスタについて、トランジスタがオン状態となっている期間をオン期間と称し、トランジスタがオフ状態となっている期間をオフ期間と称する。ハイレベル又はローレベルの信号レベルをとる任意の信号について、当該信号のレベルがハイレベルとなる期間をハイレベル期間と称し、当該信号のレベルがローレベルとなる期間をローレベル期間と称する。ハイレベル又はローレベルの電圧レベルをとる任意の電圧についても同様である。
任意の回路素子、配線、ノードなど、回路を形成する複数の部位間についての接続とは、特に記述なき限り、電気的な接続を指すと解して良い。
対比されるべき任意の2つの電圧Va及びVbについて、“Va>Vb”は電圧Vaが電圧Vbよりも高いことを表し、“Va<Vb”は電圧Vaが電圧Vbよりも低いことを表す。電圧以外の物理量を含む他の式についても同様である。
図1は本開示の実施形態に係るスイッチング電源装置1の全体構成図である。図1のスイッチング電源装置1は、電源制御装置10と、電源制御装置10に対して外付け接続される複数のディスクリート部品と、を備える。当該複数のディスクリート部品には、出力コイルとしてのコイルL1と、出力コンデンサとしてのコンデンサC1と、帰還抵抗としての抵抗R1及びR2と、が含まれる。スイッチング電源装置1は、電圧源VSから供給される入力電圧Vinより所望の出力電圧Voutを生成する降圧型のスイッチング電源装置(DC/DCコンバータ)として構成されている。出力端子OUTに出力電圧Voutが生じる。即ち、出力端子OUTは出力電圧Voutの印加端(出力電圧Voutが加わる端子)である。出力電圧Voutは出力端子OUTに接続された負荷LDに供給される。尚、出力端子OUTを介して負荷LDに流れる電流を出力電流Ioutと称する。
入力電圧Vin及び出力電圧Voutは正の直流電圧であって、出力電圧Voutは入力電圧Vinよりも低い。例えば入力電圧Vinが12Vであるとき、抵抗R1及びR2の抵抗値を調整することで12V未満の所望の正の電圧値(例えば3.3Vや5V)にて出力電圧Voutを安定化させることができる。
電源制御装置10は、半導体基板上に形成された半導体集積回路を有する半導体チップと、半導体チップを収容する筐体(パッケージ)と、筐体から電源制御装置10の外部に対して露出する複数の外部端子と、を備えた電子部品である。半導体チップを樹脂にて構成された筐体(パッケージ)内に封入することで電源制御装置10が形成される。図1では、電源制御装置10に設けられる複数の外部端子の一部として、入力端子IN、スイッチ端子SW、帰還端子FB及びグランド端子GNDのみが示されているが(後述の図2でも同様)、他の外部端子(例えばイネーブル端子、パワーグッド端子及びブート端子)も電源制御装置10に設けられる。図1に示される出力段MM及びスイッチング制御回路SWCが半導体集積回路にて構成される。
電源制御装置10の外部構成について説明する。電源制御装置10の外部に設けられた電圧源VSより入力電圧Vinが入力端子INに供給される。スイッチ端子SWと出力端子OUTとの間にコイルL1が直列に介在する。即ち、コイルL1の一端はスイッチ端子SWに接続され、コイルL1の他端は出力端子OUTに接続される。また、出力端子OUTはコンデンサC1を介してグランドに接続される。更に、出力端子OUTは抵抗R1の一端に接続され、抵抗R1の他端は抵抗R2を介してグランドに接続される。抵抗R1及びR2間の接続ノードに帰還電圧Vfbが生じる。抵抗R1及びR2間の接続ノードが帰還端子FBに接続され、これによって帰還電圧Vfbが帰還端子FBに入力される。グランド端子GNDはグランドに接続される。
尚、コイルL1に流れる電流をコイル電流ILと称する。スイッチ端子SWから出力端子OUTに向かう向きのコイル電流ILは正の極性を有し、それと逆向きのコイル電流ILは負の極性を有する。
電源制御装置10の内部構成について説明する。電源制御装置10は、出力段MMと、出力段MMを制御するためのスイッチング制御回路SWCと、を備える。
出力段MMは、Nチャネル型のMOSFETとして構成されたトランジスタMH及びMLを備える。トランジスタMH及びMLは、入力端子INとグランド端子GND(換言すればグランド)との間に直列接続された一対のスイッチング素子であり、それらがスイッチング駆動されることで入力電圧Vinがスイッチングされてスイッチ端子SWに矩形波状のスイッチ電圧Vswが現れる。トランジスタMHはトランジスタMLよりも高電位側に設けられる。具体的には、トランジスタMHのドレインは入力電圧Vinの印加端である入力端子INに接続されて、入力電圧Vinの供給を受ける。トランジスタMHのソース及びトランジスタMLのドレインはスイッチ端子SWに共通接続される。トランジスタMLのソースはグランド端子GNDに接続される(従ってグランドに接続される)。但し、トランジスタMLのソースとグランド端子GNDとの間に電流検出用の抵抗が挿入される場合もある。
トランジスタMHは出力素子(出力トランジスタ)として機能し、トランジスタMLは整流素子(同期整流トランジスタ)として機能する。出力段MMのスイッチング駆動では、出力素子(MH)及び整流素子(ML)が交互にオン、オフとされる。コイルL1及びコンデンサC1は、スイッチ端子SWに現れる矩形波状のスイッチ電圧Vswを整流及び平滑化して出力電圧Voutを生成する整流平滑回路を構成する。抵抗R1及びR2は出力電圧Voutを分圧することで出力電圧Voutに応じた帰還電圧Vfbを生成する帰還電圧生成回路を構成する。帰還電圧Vfbは出力電圧Voutに比例し、出力電圧Voutの上昇、低下に伴って帰還電圧Vfbも上昇、低下する。尚、出力電圧Voutそのものを帰還電圧Vfbとして用いる変形を行っても良い。何れにせよ、帰還電圧Vfbは出力電圧Voutに応じた電圧である。
トランジスタMH、MLのゲートには、駆動信号として夫々ゲート信号GH、GLが供給され、トランジスタMH及びMLはゲート信号GH及びGLに応じてオン、オフされる。ゲート信号GHがハイレベルであるとき、トランジスタMHはオン状態となり、ゲート信号GHがローレベルであるとき、トランジスタMHはオフ状態となる。同様に、ゲート信号GLがハイレベルであるとき、トランジスタMLはオン状態となり、ゲート信号GLがローレベルであるとき、トランジスタMLはオフ状態となる。基本的には、トランジスタMH及びMLが交互にオン、オフされるが、トランジスタMH及びMLが共にオフ状態に維持されることもある。トランジスタMH及びMLが同時にオン状態とされることは無い。尚、出力素子(MH)及び整流素子(ML)の内、少なくとも一方は電源制御装置10の外部に設けられていても良い。出力段MMの全体が電源制御装置10の外部に設けられることもある。
トランジスタMHのオン期間においてはコイル電流ILがトランジスタMHのチャネル(ドレイン及びソース間)を通じて流れる。トランジスタMHのオフ期間においてはコイル電流ILがトランジスタMLのチャネル又はトランジスタMLの寄生ダイオードを通じて流れる。
スイッチング制御回路SWCは、帰還電圧Vfbに基づきゲート信号GH及びGLのレベル制御を通じてトランジスタMH及びMLの夫々のオン/オフ状態を制御し、これによって出力端子OUTに所望の出力電圧Voutを発生させる。
尚、特に図示しないが、電源制御装置10には入力電圧Vinに基づき内部電源電圧を生成する内部電源回路が設けられている。電源制御装置10内の各回路は入力電圧Vin又は内部電源電圧を元に駆動する。特に図示されないことがあるが、電源制御装置10の各回路はグランドに接続される。また、ゲート信号GLはグランド電位を基準とする信号であるのに対し、ゲート信号GHはスイッチ端子SWの電位を基準とする信号である。ローレベルのゲート信号GHはスイッチ端子SWの電位を有し、ハイレベルのゲート信号GHはスイッチ端子SWの電位から見て所定電圧だけ高い。ここにおける所定電圧はトランジスタMHのゲート閾電圧よりも大きい。周知のブートストラップ回路(不図示)を用いて、ゲート信号GHを生成するための昇圧電源を生成できる。トランジスタMHをPチャネル型のMOSFETにて構成しても良く、その場合には昇圧電源は不要である。
また変形として、スイッチング電源装置1にてダイオード整流方式が採用されても良い。この場合、整流素子として、トランジスタMLの代わりに、グランド端子GNDに接続されたアノード及びスイッチ端子SWに接続されたカソードを有する同期整流ダイオードがスイッチング電源装置1に設けられる。この場合には、出力段MMのスイッチング駆動において出力素子(MH)のみがオン、オフとされる。何れにせよ、出力段MMのスイッチング駆動において出力素子(MH)がオン及びオフ間で切り替えられることでコイルL1に流れる電流(IL)に基づき出力電圧Voutが生成される。
以下、複数の実施例の中で、スイッチング電源装置1に関わる幾つかの具体的な構成例、動作例、応用技術、変形技術等を説明する。本実施形態にて上述した事項は、特に記述無き限り且つ矛盾無き限り、以下の各実施例に適用される。各実施例において、上述の事項と矛盾する事項がある場合には、各実施例での記載が優先されて良い。特に矛盾無き限り、以下に示す実施例EX1_1~EX1_3の内、任意の実施例に記載した事項を、他の任意の実施例に適用することができる。特に矛盾無き限り、以下に示す実施例EX2_1~EX2_5の内、任意の実施例に記載した事項を、他の任意の実施例に適用することができる。特に矛盾無き限り、以下に示す実施例EX3_1~EX3_4の内、任意の実施例に記載した事項を、他の任意の実施例に適用することができる。基本的に、実施例EX1_1~EX1_3にて示した事項は実施例EX1_1~EX1_3にのみ適用され、実施例EX2_1~EX2_5にて示した事項は実施例EX2_1~EX2_5にのみ適用され、且つ、実施例EX3_1~EX3_4にて示した事項は実施例EX3_1~EX3_4にのみ適用される。但し、矛盾無き限り、実施例EX1_1~EX1_3、EX2_1~EX2_5及びEX3_1~EX3_4の内、任意の実施例に記載した事項を、他の任意の実施例に適用しても良い。
<<実施例EX1_1>>
実施例EX1_1を説明する。図2に実施例EX1_1に係るスイッチング電源装置1の構成を示す。実施例EX1_1では、電圧源VSと入力端子INとの間にスイッチSWinが挿入されているものとする。電圧源VSの出力端子から正の直流電圧が出力される。スイッチSWinがオフであるとき、電圧源VSの出力端子と入力端子INとの間は遮断され、電圧源VSの出力電圧は入力端子INに印加されない。スイッチSWinがオフであるとき、過渡応答時を除けば入力端子INの電圧は0Vとなる。スイッチSWinがオンであるとき、電圧源VSの出力電圧が入力電圧Vinとして入力端子INに加わる。以下では、特に記述無き限り、スイッSWinがオンに維持されることを想定する。
実施例EX1_1に係る電源制御装置10の内部構成について説明する。電源制御装置10は、出力段MMと、エラーアンプ11と、位相補償回路12と、スロープ電圧生成回路13と、リセットコンパレータ14と、セット信号生成回路15と、ロジック回路16と、ドライバ17と、逆流検出回路18と、対比電圧供給回路19と、過電流保護回路20と、閾値設定回路21と、を備える。実施例EX1_1において、図1のスイッチング制御回路SWCは符号11~21にて参照される各部位を有する。後述の信号RST、SET、SH、SL、ZXOUT、OCP及びSSENDはハイレベル又はローレベルの信号レベルをとる二値信号である。信号SETはセット信号として機能し且つ信号RSTはリセット信号として機能する。或いは、ハイレベルの信号SETのみがセット信号として機能し且つハイレベルの信号RSTのみがリセット信号として機能する、と考えても良い。
エラーアンプ11は、電流出力型のトランスコンダクタンスアンプである。エラーアンプ11は、反転入力端子、第1非反転入力端子、第2非反転入力端子及び出力端子を備える。エラーアンプ11の反転入力端子は帰還端子FBに接続されて帰還電圧Vfbを受ける。エラーアンプ11の第1非反転入力端子、第2非反転入力端子には、夫々、ソフトスタート電圧Vss、基準電圧Vrefが供給される。電圧Vss及びVrefは対比電圧供給回路19からエラーアンプ11に供給される。エラーアンプ11の出力端子は配線WR11(誤差出力配線)に接続される。
エラーアンプ11は、第1及び第2非反転入力端子に供給されるソフトスタート電圧Vss及び基準電圧Vrefの内、より低い方の電圧を対比電圧として用いて、帰還電圧Vfbと比較する。ここにおける対比電圧を記号“Ve”にて表す。“Vss<Vref”であれば“Ve=Vss”であり、“Vss>Vref”であれば“Ve=Vref”である。“Vss=Vref”であれば“Ve=Vss=Vref”である。基準電圧Vrefは所定の正の直流電圧にて固定される一方、ソフトスタート電圧Vssは特定の期間において基準電圧Vrefより低い電圧から基準電圧Vrefより高い電圧に向けて徐々に上昇する(詳細は後述)。
エラーアンプ11は、帰還電圧Vfb及び対比電圧Ve間の差分に応じた電流信号I11を自身の出力端子から出力することで、帰還電圧Vfb及び対比電圧Ve間の差分に応じた電圧を配線WR11に発生させる。配線WR11に加わる電圧は誤差電圧Vcmpである。但し、配線WR11に加わる電圧をレベルシフトした電圧が誤差電圧Vcmpであっても良い。電流信号I11による電荷は配線WR11に対して入出力される。具体的には、エラーアンプ11は、帰還電圧Vfbが対比電圧Veよりも低いときには配線WR11の電位が上がるようエラーアンプ11から配線WR11に向けて電流信号I11による電流を出力し、帰還電圧Vfbが対比電圧Veよりも高いときには配線WR11の電位が下がるよう配線WR11からエラーアンプ11に向けて電流信号I11による電流を引き込む。帰還電圧Vfb及び対比電圧Ve間の差分の絶対値が増大するにつれて、電流信号I11による電流の大きさも増大する。
位相補償回路12は、配線WR11とグランドとの間に設けられ、電流信号I11の入力を受けて配線WR11の電圧の位相(誤差電圧Vcmpの位相)を補償する。位相補償回路12は抵抗12a(位相補償抵抗)及びコンデンサ12b(位相補償コンデンサ)の直列回路を有する。具体的には抵抗12aの一端が配線WR11に接続され、抵抗12aの他端はコンデンサ12bを介してグランドに接続される。抵抗12aの抵抗値及びコンデンサ12bの静電容量値を適切に設定することにより配線WR11の電圧の位相(誤差電圧Vcmpの位相)を補償して出力帰還ループの発振を防ぐことができる。
スロープ電圧生成回路13はランプ波形を有するスロープ電圧Vslpを生成及び出力する。スロープ電圧Vslpは、コイル電流ILの値を示す情報(以下、コイルL1の電流情報と称する)を有する。具体的には、回路13は、トランジスタMHのオン期間においてトランジスタMHに流れる電流(従ってコイル電流IL)に比例するセンス電圧と、トランジスタMHのオン期間において0Vから徐々に増加するランプ電圧を生成する。回路13は、トランジスタMHのオン期間においてセンス電圧にランプ電圧を加算して得られる電圧(即ちセンス電圧とランプ電圧の和)をスロープ電圧Vslpとして生成する。故に、トランジスタMHのオン期間においてスロープ電圧Vslpは単調に上昇する。ランプ電圧の加算により、電流モード制御にて生じ得るサブハーモニック発振を抑制することができる。
尚、センス電圧がコイルL1の電流情報を有する限り、センス電圧の生成方法は任意である。例えば、トランジスタMLのオン期間においてトランジスタMLに流れる電流(従ってコイル電流IL)を検出することでセンス電圧を生成するようにしても良い。或いは、コイル電流ILを電流センサにて直接検出することでセンス電圧を生成するようにしても良い。スロープ電圧VslpはトランジスタMHのオン期間においてのみ有意に機能し、トランジスタMHのオフ期間においてスロープ電圧Vslpは0Vに固定されていて良い。
リセットコンパレータ14に対して誤差電圧Vcmp及びスロープ電圧Vslpが供給される。リセットコンパレータ14は誤差電圧Vcmp及びスロープ電圧Vslpに基づき、信号RSTを生成及び出力する。リセットコンパレータ14において、反転入力端子は配線WR11に接続されて誤差電圧Vcmpを受け、非反転入力端子にてスロープ電圧Vslpを受ける。故に、リセットコンパレータ14は、“Vcmp>Vslp”の成立時においてローレベルの信号RSTを出力し、“Vcmp<Vslp”の成立時においてハイレベルの信号RSTを出力する。“Vcmp=Vslp”の成立時において信号RSTはローレベル又はハイレベルとなる。
図3に信号RSTを含む幾つかの信号の波形を示す。トランジスタMHのオン期間においてスロープ電圧Vslpが単調に上昇する。スロープ電圧Vslpの上昇過程において“Vcmp>Vslp”の状態から“Vcmp<Vslp” の状態に切り替わったときに、リセットコンパレータ14は信号RSTにアップエッジを発生させる。信号RSTのアップエッジを契機にトランジスタMHのオフ期間に移行してスロープ電圧Vslpは0Vに戻るため、信号RSTのハイレベル期間は微小である。電源制御装置10に対する電力投入直後など、特別な状態を除き“Vcmp>0”である。
セット信号生成回路15は、所定の周波数fpwmを有する信号SETを生成及び出力する。信号SETは周波数fpwmにてパルスが生じる信号である。即ち、信号SETの周期ごとに微小時間だけハイレベルとなるパルスが信号SETに生じる。周波数fpwmにて発振するオシレータを用いてセット信号生成回路15を形成できる。信号SETの1周期の長さは周波数fpwmの逆数である。周波数fpwmの逆数の間隔で信号SETにアップエッジが生じる。以下、周波数fpwmの逆数をPWM周期と称する。
ロジック回路16は、信号SET及びRSTに基づき制御信号SH及びSLを生成及び出力する。図3に示す如く、ロジック回路16は、信号SETのアップエッジを契機に制御信号SHにアップエッジを生じさせると共に制御信号SLにダウンエッジを生じさせ、且つ、信号RSTのアップエッジを契機に制御信号SHにダウンエッジを生じさせると共に制御信号SLにアップエッジを生じさせる。尚、信号RSTのアップエッジを契機に制御信号SLにアップエッジを生じさせた後、ハイレベルの逆流検出信号ZXOUTがロジック回路16に入力された場合にあっては、ロジック回路16は、信号SETの次のアップエッジを待たずに制御信号SLにダウンエッジを生じさせる。
ここで、ロジック回路16に対しては過電流保護回路20の出力信号(信号OCPを含む)も入力される。後にも説明されるが、過電流保護回路20の出力信号に基づき過電流保護動作が行われる期間では、ロジック回路16による上述の動作は停止される。
ドライバ17は、トランジスタMH及びMLの各ゲート、スイッチ端子SW並びにグランド端子GNDに接続される。ドライバ17は、制御信号SH及びSLに応じたゲート信号GH及びGLを夫々トランジスタMH及びMLのゲートに供給することで、トランジスタMH及びMLを個別にオン又はオフとする。ドライバ17は、制御信号SHがハイレベルであるときにはゲート信号GHをハイレベルに設定することでトランジスタMHをオンとし、制御信号SHがローレベルであるときにはゲート信号GHをローレベルに設定することでトランジスタMHをオフとする。ドライバ17は、制御信号SLがハイレベルであるときにはゲート信号GLをハイレベルに設定することでトランジスタMLをオンとし、制御信号SLがローレベルであるときにはゲート信号GLをローレベルに設定することでトランジスタMLをオフとする。
ロジック回路16は制御信号SH及びSLの双方を同時にハイレベルに設定することは無い。故に、トランジスタMHのオン期間では常にトランジスタMLがオフであり、トランジスタMLのオン期間では常にトランジスタMHがオフである。
逆流検出回路18は、トランジスタMLのオン期間中にスイッチ電圧Vswをグランド電位と比較することにより、逆流電流の有無を検出して、その検出結果を示す逆流検出信号ZXOUTを生成する。逆流検出信号ZXOUTはロジック回路16に供給される。逆流電流とは、スイッチ端子SWからトランジスタMLを介してグランドに流れ込む電流であり、負のコイル電流ILに相当する。逆流検出信号ZXOUTのレベルは、スイッチ電圧Vswがグランド電位よりも低いときにローレベルとなり、スイッチ電圧Vswがグランド電位よりも高いときにハイレベルとなる。つまり、逆流検出信号ZXOUTのレベルは負のコイル電流ILの発生時にハイレベルとなる。逆流電流が検知されたときにトランジスタMLをオンからオフに切り替えて逆流電流を遮断することで、軽負荷時の効率を向上させることができる。以下では、特に必要なき限り、信号ZXOUTがローレベルに維持されているものとする。
対比電圧供給回路19は、基準電圧源19a、ソフトスタート回路であるSS回路19bと、有する。基準電圧源19aは基準電圧Vrefを生成及び出力する。基準電圧Vrefは固定された所定の正の直流電圧値を有する。SS回路19bはソフトスタート電圧Vssを生成及び出力する。電圧Vssの特性については後に詳説される。回路19にて生成された電圧Vref及びVssがエラーアンプ11に供給される。
過電流保護回路20は出力段MMに流れる電流の大きさに基づき出力段MMが過電流状態にあるかを検出し、その検出結果に応じた信号OCPを生成及び出力する。出力段MMが過電流状態にあることが過電流保護回路20にて検出されたとき、ハイレベルの信号OCPがロジック回路16に供給される。過電流保護回路20及び閾値設定回路21の詳細並びにハイレベルの信号OCPに応答したロジック回路16の動作は後に述べることとし、先に図3に示される基本スイッチング制御BC1を説明する。
[基本スイッチング制御BC1]
スイッチング制御回路SWCはPWM制御により出力段MMをスイッチング駆動することができる。PWMはパルス幅変調(Pulse Width Modulation)の略称である。図3はスイッチング制御回路SWCにて行うことのできる基本スイッチング制御BC1のタイミングチャートである。基本スイッチング制御BC1は、電流連続モードにて行われるPWM制御であって、且つ、信号OCPがローレベルに維持されているときに行われるPWM制御である。電流連続モードでは、スイッチ端子SWから出力端子OUTに向けて常にコイル電流ILが流れる。信号OCPがローレベルに維持されていることを前提として、ロジック回路16は、信号SETのアップエッジを契機に制御信号SHにアップエッジを生じさせると共に制御信号SLにダウンエッジを生じさせ、且つ、信号RSTのアップエッジを契機に制御信号SHにダウンエッジを生じさせると共に制御信号SLにアップエッジを生じさせる。基本スイッチング制御BC1では、周波数fpwmにてトランジスタMH及びMLが交互にオン、オフとされるスイッチング動作が周期的に行われる。
基本スイッチング制御BC1において制御信号SH及びSLは周波数fpwmを有するパルス幅変調信号である。基本スイッチング制御BC1において、トランジスタMH及びMLが周波数fpwmにてスイッチング駆動され、結果、スイッチ電圧Vswは周波数fpwmを有する。即ち、基本スイッチング制御BC1において、出力段MMのスイッチング周波数は周波数fpwmと一致する。基本スイッチング制御BC1において、各周期における制御信号SHのハイレベル期間の長さ(即ちトランジスタMHのオン期間)が調整されることで、出力電圧Voutが目標電圧Vtgにて安定化する。但し、後述のソフトスタート動作の実行期間中においては、出力電圧Voutは目標電圧Vtgより低い。目標電圧Vtgは出力電圧Vout及び帰還電圧Vfb間の比と基準電圧Vrefとで定まり、“Vtg=(Vout/Vfb)×Vref”で表される。出力電圧Vout及び帰還電圧Vfb間の比は帰還電圧生成回路(R1、R2)による出力電圧Voutの分圧比に等しい。
出力電流Ioutの増大は出力電圧Voutの低下につながり、目標電圧Vtgから見て出力電圧Voutの低下は誤差電圧Vcmpの上昇をもたらす。出力電流Ioutの低下は出力電圧Voutの上昇につながり、目標電圧Vtgから見て出力電圧Voutの上昇は誤差電圧Vcmpの低下をもたらす。誤差電圧Vcmpの上昇に応答してオンデューティが増加するよう且つ誤差電圧Vcmpの低下に応答してオンデューティが低下するよう、リセットコンパレータ14は誤差電圧Vcmp及びスロープ電圧Vslpに基づき信号RSTを生成する。オンデューティは、トランジスタMHのオン期間の長さとトランジスタMHのオフ期間の長さとの和に対する、トランジスタMHのオン期間の長さの比を表す。
基本スイッチング制御BC1においてロジック回路16はオンデューティに上限デューティを設け、オンデューティが上限デューティを超えないよう制御信号(SH、SL)を生成して良い。従って例えば、スイッチング周波数が1MHz(メガヘルツ)であって且つ上限デューティが95%である場合において、制御信号SHにアップエッジを生じさせてから0.95マイクロ秒経過しても信号RSTにアップエッジが生じないとき、ロジック回路16は、信号RSTに依らず、即時、制御信号SHにダウンエッジを且つ制御信号SLにアップエッジを生じさせて良い。
[過電流保護動作]
次に、過電流保護回路20を用いて実現される過電流保護動作を説明する。ここで、図4に示す如く、“IL>0”であるときにおいて、トランジスタMHに流れる電流を記号“IMH”で表し、トランジスタMLに流れる電流を記号“IML”で表す。電流IMHはトランジスタMHのオン期間においてトランジスタMHのドレインからソースに向けて流れる電流を表し、電流IMLはトランジスタMLのオン期間においてトランジスタMLのソースからドレインに向けて流れる電流を表すものとする。故に、電流IMHの値はトランジスタMHのオン期間にてトランジスタMHに流れる電流の値(大きさ)を表し、電流IMLの値はトランジスタMLのオン期間にてトランジスタMLに流れる電流の値(大きさ)を表す。また、出力段MMに流れる電流を記号“IMM”にて表す(図5参照)。トランジスタMHのオン期間において“IMM=IMH=IL”であり、トランジスタMLのオン期間において“IMM=IML=IL”である。
図5は過電流保護動作が行われるときのタイミングチャートである。図5では、上から下に向けて順に、スイッチ電圧VSW、信号OCP、信号OCP_C、電流IMM、信号SET、信号RST、制御信号SH、制御信号SL、ゲート信号GH、ゲート信号GLの波形が示される。信号OCP及びOCP_Cは過電流保護回路20から出力される信号である。信号OCP_Cは、信号OCPと同様にハイレベル又はローレベルを持つ二値信号である。
信号OCP及びOCP_Cは原則としてローレベルを有する。過電流保護回路20は所定の過電流検出条件の成立下において信号OCPに微小時間だけハイレベルを持たせ、所定の解除条件の成立下において信号OCP_Cに微小時間だけハイレベルを持たせる。ハイレベルの信号OCPは過電流保護信号(換言すれば過電流検出信号)として機能し、ハイレベルの信号OCP_Cは解除信号として機能する。
時間が進行するにつれて、時刻tA1、tA2、tA3、tA4、tA5、tA6、tA7が、この順番で訪れるものとする。時刻tA1より前の時刻から時刻tA4の直前までは上述の基本スイッチング制御BC1が継続的に実行される。時刻tA1にて信号SETにアップエッジが生じる。時刻tA3は時刻tA1から1PWM周期(即ち時間(1/fpwm))だけ後の時刻であり、時刻tA5は時刻tA1から2PWM周期(即ち時間(2/fpwm))だけ後の時刻であり、時刻tA7は時刻tA1から3PWM周期(即ち時間(3/fpwm))だけ後の時刻である。
時刻tA1での信号SETのアップエッジを契機にトランジスタMHがターンオン且つトランジスタMLがターンオフする。その後、時刻tA2での信号RSTのアップエッジを契機にトランジスタMHがターンオフ且つトランジスタMLがターンオンする。更にその後、時刻tA3での信号SETのアップエッジを契機にトランジスタMHがターンオン且つトランジスタMLがターンオフする。時刻tA3から時刻tA4にかけて電流IMHと一致する電流IMMが増大してゆく。時刻tA4より前において電流IMMの値は所定の過電流閾値IOCPHより小さい。時刻tA4において電流IMMの値が過電流閾値IOCPHに達し且つ上回る。尚、時刻tA2の後、時刻tA4に至るまでに信号RSTにアップエッジは生じていない。図5の例では、時刻tA2での信号RSTのアップエッジの後は、時刻tA7の後に、信号RSTの次のアップエッジ(不図示)が生じる。
過電流保護回路20は、トランジスタMHのオン期間において電流IMMの値(ここでは電流IMHの値)と所定の過電流閾値IOCPHとの大小関係を検出する機能を持つ。時刻tA4において、電流IMMの値(ここでは電流IMHの値)が過電流閾値IOCPHを超えていない状態から過電流閾値IOCPHを超える状態に遷移し、過電流保護回路20は、その遷移を検出したときに、出力段MMが過電流状態にあると判断して信号OCPにアップエッジを発生させる。故にここでは、時刻tA4において信号OCPにアップエッジが生じる(即ち時刻tA4にて回路20から過電流保護信号が出力される)。“IMM≦IOCPH”の状態から“IMM>IOCPH”の状態に遷移することで上記の過電流検出条件が成立する。
過電流保護回路20は、信号OCPにアップエッジを発生させた後、所定の微小時間が経過すると、信号OCPにダウンエッジを発生させる。ハイレベルの信号OCPはロジック回路16に入力される。時刻tA4において、ハイレベルの信号OCPを契機に、ロジック回路16は、信号RSTのレベルによらず過電流保護動作を実行する。ロジック回路16は、過電流保護動作の実行期間において、信号SETのレベルによらず、トランジスタMHをオフに維持し且つトランジスタMLをオンに維持する。このため、過電流保護動作の実行期間において出力段MMに流れる電流IMMはコイルL1の蓄積エネルギの低下に伴って低下してゆく。過電流保護動作の実行期間では“IMM=IML”である。
過電流保護回路20は、トランジスタMLのオン期間において電流IMMの値(ここでは電流IMLの値)と所定の解除閾値IOCPLとの大小関係を検出する機能を持つ。時刻tA6において、電流IMMの値(ここでは電流IMLの値)が解除閾値IOCPLを超えている状態から解除閾値IOCPLを下回る状態に遷移し、過電流保護回路20は、その遷移を検出したときに、出力段MMの過電流状態が解消されたと判断して信号OCP_Cにアップエッジを発生させる。故にここでは、時刻tA6において信号OCP_Cにアップエッジが生じる(即ち時刻tA6にて回路20から解除信号が出力される)。“IMM≧IOCPL”の状態から“IMM<IOCPL”の状態に遷移することで上記の解除条件が成立する。過電流保護回路20は、信号OCP_Cにアップエッジを発生させた後、所定の微小時間が経過すると、信号OCP_Cにダウンエッジを発生させる。解除閾値IOCPLは過電流閾値IOCPHより低い。
ハイレベルの信号OCP_Cはロジック回路16に入力される。時刻tA6におけるハイレベルの信号OCP_Cを受けて、ロジック回路16は過電流保護動作を終了する。従って図5の例では、時刻tA4にて過電流保護動作が開始され、時刻tA6にて過電流保護動作が終了する。
その後、時刻tA7にて信号SETにアップエッジが生じる。時刻tA7では過電流保護動作が実行されていないので、時刻tA7での信号SETのアップエッジを契機にトランジスタMHがターンオン且つトランジスタMLがターンオフする。時刻tA5においても信号SETにアップエッジが生じている。しかしながら、時刻tA5は過電流保護動作の実行期間に属するため、時刻tA5での信号SETのアップエッジはロジック回路16にて無効なものと取り扱われる。故に、時刻tA5での信号SETのアップエッジに依らず、ロジック回路16は時刻tA4から時刻tA7まで制御信号SHをローレベルに且つ制御信号SLをハイレベルに維持する。
過電流保護回路20は、トランジスタMHのドレイン-ソース間電圧(従って入力端子IN及びスイッチ端子SW間の電圧)と、トランジスタMHのオン抵抗と、に基づき、電流IMHを検出できる。過電流保護回路20は、トランジスタMLのドレイン-ソース間電圧(従ってグランド端子GND及びスイッチ端子SW間の電圧)と、トランジスタMLのオン抵抗と、に基づき、電流IMLを検出できる。トランジスタMH及びMLのオン抵抗は過電流保護回路20にとって既知である。実際には、過電流保護回路20は、トランジスタMHのドレイン-ソース間電圧を所定の第1電圧閾値と比較することで、電流IMHと過電流閾値IOCPHとの高低関係を検出することができる。第1電圧閾値は過電流閾値IOCPHとトランジスタMHのオン抵抗との積に相当する。第1電圧閾値は後述の電圧VOCPHの値に相当する(図9及び図12参照)。同様に、過電流保護回路20は、トランジスタMLのドレイン-ソース間電圧を所定の第2電圧閾値と比較することで、電流IMLと解除閾値IOCPLとの高低関係を検出することができる。第2電圧閾値は解除閾値IOCPLとトランジスタMLのオン抵抗との積に相当する。
“IMM>IOCPH”の成立を契機に実行される過電流保護動作では、トランジスタMHがオフ状態に維持されるため、出力段MMに流れる電流IMMが、コイルL1の蓄積エネルギの低下に伴って低下してゆく。従って、過電流保護動作では、電流IMMの過電流閾値IOCPHを超えての増加が制限(抑止)される。即ち、過電流保護動作の実行により、電流IMMの値が過電流閾値IOCPHを超えて更に増加することが制限(抑止)される。
尚、過電流保護動作を開始してから、少なくとも所定のクールダウン時間が経過するまでは、ロジック回路16が過電流保護動作を継続する(即ち、トランジスタMHのオフ状態を維持する)変形構成が採用される場合もある。当該変形構成が採用される場合、時刻tA4にて過電流保護動作が開始された後、時刻tA4よりクールダウン時間だけ後の時刻(以下、解消許可時刻と称する)までにおいて信号OCP_Cにアップエッジが発生したとしても過電流保護動作が終了しない。変形構成において、時刻tA4及び解消許可時刻間にて信号OCP_Cにアップエッジが生じていた場合、ロジック回路16は解消許可時刻において過電流保護動作を終了させる。変形構成において、時刻tA4及び解消許可時刻間にて信号OCP_Cにアップエッジが生じていない場合、その後、信号OCP_Cにアップエッジが生じたときにロジック回路16は過電流保護動作を終了させる。
[ソフトスタート動作]
次にSS回路19bを用いて実現されるソフトスタート動作を説明する。図6はソフトスタート動作に関わるタイミングチャートである。図6では、上から下に向けて順に、入力電圧Vin、出力電圧Vout、ソフトスタート電圧Vss、信号SSENDの波形が示される。信号SSENDは対比電圧生成回路19から出力される信号である(図2参照)。時間が進行するにつれて、時刻tB1、tB2、tB3、tB4、tB5が、この順番で訪れるものとする。
時刻tB1において電源制御装置10に対し、電圧源VSの出力電圧に相当する入力電圧Vinが供給開始される。実際には、或る程度の時間をかけて入力電圧Vinの値が0Vから電圧源VSの出力電圧の値へと上昇するが、ここでは当該上昇が時刻tB1にて発生すると考える。時刻tB1から電源制御装置10内で入力電圧Vinに基づき所定の初期シーケンス動作が行われる。初期シーケンス動作において信号SSENDのレベルは初期レベルであるローレベルに設定される。
初期シーケンス動作が完了すると、時刻tB2にてSS回路19bはソフトスタート電圧Vssの上昇を開始させる。時刻tB2においてソフトスタート電圧Vssは所定の初期電圧Vintを有し、初期電圧Vintから上昇を開始する。ここにおける初期電圧Vintは0Vである。但し、初期電圧Vintは基準電圧Vrefよりも低い限り、0Vと相違していても良い。
尚、時刻tB2まではゲート信号GH及びGLが共にローレベルで固定されている。時刻tB2においてエラーアンプ11が起動して誤差電圧Vcmpの生成動作を開始し、時刻tB2から出力段MMのスイッチング駆動が開始される。時刻tB2及び時刻tB2より後において、エラーアンプ11の第2非反転入力端子への入力電圧は基準電圧Vrefに固定される。
SS回路19bは時刻tB2から時刻tB4にかけてソフトスタート電圧Vssを一定の上昇率で単調に上昇(増加)させる。但し、時刻tB2及びtB4間における電圧Vssの上昇率は一定でなくても良い。時刻tB3にて“Vss=Vref”であり、時刻tB4にて“Vss=Vssend”である。ここで、電圧Vssendは基準電圧Vrefよりも高い所定電圧であり、例えば、基準電圧Vrefの1.1倍である。SS回路19bはソフトスタート電圧Vssの上昇過程においてソフトスタート電圧Vssが電圧Vssendに達すると、ソフトスタート電圧Vssを急峻に上限電圧Vmaxに向けて上昇させる。このため、時刻tB4からソフトスタート電圧Vssは急峻に電圧Vssendから上限電圧Vmaxに向けて上昇する。時刻tB5にてソフトスタート電圧Vssが上限電圧Vmaxに達する。ソフトスタート電圧Vssが上限電圧Vmaxに達した後は“Vss=Vmax”が保持される。上限電圧Vmaxは入力電圧Vinに基づき電源制御装置10内で生成される電圧の1つである。ソフトスタート電圧Vssに関連する電圧の上下関係をまとめると、“Vint<Vref<Vssend<Vmax”である。
時刻tB2から時刻tB3までの期間において“Ve=Vss”となるソフトスタート動作が行われる。時刻tB3以降では“Ve=Vref”となる通常動作が行われる。時刻tB2及びtB3間において出力電圧Voutが0Vから目標電圧Vtgに向けて徐々に上昇してゆく。時刻tB3にて又は時刻tB3の近辺の時刻にて出力電圧Voutが目標電圧Vtgに達した後は、出力電圧Voutが目標電圧Vtgにて安定化する。
SS回路19bは、例えば積分回路を用いて上述の特性(時刻tB2及びtB4間の特性)を有するソフトスタート電圧Vssを生成できる。対比電圧生成回路19は、ソフトスタート電圧Vssの上昇過程においてソフトスタート電圧Vssが電圧Vssendに達すると、信号SSENDにアップエッジを発生させ、以後、信号SSENDのレベルをハイレベルで固定する。図6の例では時刻tB4にて信号SSENDにアップエッジが発生する。ハイレベルの信号SSENDはソフトスタート電圧Vssが電圧Vssendに達したことを表す。ソフトスタート電圧Vssが電圧Vssendに達した後は、定電流回路等を用いたプルアップにより電圧Vssを上限電圧Vmaxに引き上げれば良い。尚、時刻tB2及びtB5間におけるソフトスタート電圧Vssの上昇率を一定にしても良い。
時刻tB2以降、信号OCPがローレベルに維持されておれば、基本スイッチング制御BC1(図3参照)によりソフトスタート動作が実行された後、基本スイッチング制御BC1により通常動作が実行される。
[起動時における過電流保護動作の影響]
図6に示した動作を正常起動動作と称する。図6の正常起動動作では、時刻tB2以降、少なくとも時刻tB5まで、信号OCPがローレベルに維持される。仮に、時刻tB2の直後において信号OCPにアップエッジが発生して過電流保護動作が実行されると、図7に示すような起動不良が生じる可能性がある。起動不良では、過電流保護動作にてトランジスタMHがオフに維持されている期間中に出力電圧Voutが低下し、その後、過電流保護動作の解除を経てトランジスタMHがターンオンされても信号OCPに再びアップエッジが発生して過電流保護動作が再度実行される、といったことが繰り返され、出力電圧Voutが目標電圧Vtgまで高まらない。時刻tB2の直後において信号OCPにアップエッジが発生して過電流保護動作が実行されたとしても、条件次第では出力電圧Voutが目標電圧Vtgまで上昇する。しかしながら、その場合には、出力電圧Voutが目標電圧Vtgまで上昇するまでに正常起動動作と比べて大きな時間を要する(起動遅延)。
各種回路素子の高耐圧化に伴って高い入力電圧Vinが用いられることもある。また出力電圧Voutのリプルを低減するために、大きな容量を持つコンデンサC1が用いられることも多い。起動時における過電流保護動作は、入力電圧Vinが高いほど、コンデンサC1の容量が大きいほど、発生しやすくなる。
[過電流閾値の可変設定]
これらの事情を考慮し、電源制御装置10では、出力段MMのスイッチング駆動の開始からの経過時間(以下、経過時間TELPと称する)に応じて過電流閾値IOCPHを可変設定する。経過時間TELPは時刻tB2からの経過時間に相当する。閾値設定回路21により経過時間TELPに応じて過電流閾値IOCPHが設定される。この際、閾値設定回路21は過電流閾値IOCPHの変更に伴って解消閾値IOCPLも変更する。例えば、“IOCPL=IOCPH×k”であって良い。kは1より小さな正の所定値(例えば0.8)を持つ。
図8に示す如く、閾値設定回路21は経過時間TELPの増大に伴って過電流閾値IOCPHを段階的に低下させて良い。例えば、閾値設定回路21は、経過時間TELPが所定時間TTH以下であるときには過電流閾値IOCPHに所定の閾値ITH1を設定し、経過時間TELPが所定時間TTHを超えるときには過電流閾値IOCPHに所定の閾値ITH2を設定して良い。ここで“ITH1>ITH2>0”である。図8では、経過時間TELPに応じて過電流閾値IOCPHを2段階で変化させているが、3段階以上で変化させても良い。
閾値設定回路21は、経過時間TELPに依存してレベル変化するソフトスタート電圧Vssに応じて、過電流閾値IOCPHを段階的に低下させることができる。
図9に過電流閾値IOCPHを2段階で低下させるための回路110を示す。回路110を閾値設定回路21に設けておき、回路110にて過電流閾値IOCPHを可変設定して良い。回路110にて過電流閾値IOCPHが設定される場合の、起動時タイミングチャートを図10に示す。
回路110は、定電流源111、抵抗112及び113並びにトランジスタ114を有する。トランジスタ114はNチャネル型のMOSFETである。定電流源111は入力電圧Vinの印加端とノード115との間に設けられ、入力電圧Vinの印加端からノード115に向けて一定の電流I111を供給する。抵抗112の第1端はノード115に接続され、抵抗112の第2端は抵抗113を介してグランドに接続される。トランジスタ114のドレインは抵抗112及び113間の接続ノード(従って抵抗112の第2端に接続される)。トランジスタ114のソースはグランドに接続される。トランジスタ114のゲートに信号SSENDが入力される。回路110において、ノード115における電圧を電圧VOCPHと称する。
信号EEENDがローレベルを有するとき、トランジスタ114はオフであり、電流I111は抵抗112及び113の双方を流れる。信号EEENDがハイレベルを有するとき、トランジスタ114はオンであり、電流I111は抵抗112及びトランジスタ114のチャネルを流れ、抵抗113には実質的に流れない(ここでは、トランジスタ114のオン抵抗は十分に小さく、ゼロとみなす)。故に、回路110において、トランジスタ114のオフ期間における電圧VOCPHは、電流I111による抵抗113の電圧降下の分だけ、トランジスタ114のオン期間における電圧VOCPHよりも高い。
回路110にて過電流閾値IOCPHを可変設定する場合、閾値設定回路21は、過電流閾値IOCPHをノード115における電圧VOCPHの値に正の比例定数にて比例させる。即ち、ノード115における電圧VOCPHについて“IOCPH=kP1×VOCPH”が成立する。kP1はジーメンスを単位として持ち、“kP1>0”である。回路110にて過電流閾値IOCPHを可変設定する場合、過電流閾値IOCPHは、時刻tB4より前では閾値ITH1を有し、時刻tB4にて閾値ITH1から閾値ITH2に切り替わり、以後、閾値ITH2にて固定される。過電流保護回路20は、トランジスタMHのオン期間においてトランジスタMHのドレイン-ソース間電圧の大きさをノード115における電圧VOCPHの大きさと比較し、前者が後者より大きいとき“IMM=IMH>IOCPH”であり、前者が後者より小さいとき“IMM=IMH<IOCPH”であると判断できる。
図11に示す如く、閾値設定回路21は経過時間TELPの増大に伴って過電流閾値IOCPHを連続的に低下させても良い。例えば、“IOCPH=ITH1-k・TELP”が成立するよう、閾値設定回路21は過電流閾値IOCPHを生成して良い。但し、過電流閾値IOCPHの下限は閾値ITH2であり、過電流閾値IOCPHが閾値ITH2にまで低下した後は過電流閾値IOCPHが閾値ITH2に設定及び固定されるものとする。kは正の所定値を有する係数である。
閾値設定回路21は、経過時間TELPに依存してレベル変化するソフトスタート電圧Vssに応じて、過電流閾値IOCPHを連続的に低下させることができる。
図12に過電流閾値IOCPHを連続的に低下させるための回路130を示す。回路130を閾値設定回路21に設けておき、回路130にて過電流閾値IOCPHを可変設定して良い。回路130にて過電流閾値IOCPHが設定される場合の、起動時タイミングチャートを図13に示す。
回路130の構成を説明する。回路130は、抵抗131~133及び140、オペアンプ134、トランジスタ135~139並びに定電流源141を備える。トランジスタ135、138及び139はNチャネル型のMOSFETであり、トランジスタ136及び137はPチャネル型のMOSFETである。
抵抗131の一端にソフトスタート電圧Vssが供給され、抵抗131の他端が抵抗132を介してグランドに接続される。抵抗131及び132間の接続ノードはオペアンプ134の非反転入力端子に接続される。オペアンプ134の反転入力端子はトランジスタ135のソースに接続されると共に抵抗133を介してグランドに接続される。オペアンプ134の出力端子はトランジスタ135のゲートに接続される。トランジスタ135のドレインは、トランジスタ136のドレイン及びゲート並びにトランジスタ137のゲートに共通接続される。トランジスタ136及び137の各ソースに対して内部電源電圧Vregが印加される。内部電源電圧Vregは正の直流電圧値を有し、入力電圧Vinに基づき電源制御装置10内で生成される。トランジスタ137のドレインは、トランジスタ138のドレイン及びゲート並びにトランジスタ139のゲートに共通接続される。トランジスタ138及び139の各ソースはグランドに接続される。トランジスタ139のドレインはノード142に接続される。
定電流源141は内部電源電圧Vregの印加端とノード142との間に設けられ、入内部電源電圧Vregの印加端からノード142に向けて一定の電流I141を供給する。抵抗140の一端はノード142に接続され、抵抗140の他端はグランドに接続される。
回路130の動作を説明する。抵抗131及び132間の接続ノードにソフトスタート電圧Vssの分圧が発生する。オペアンプ134は、抵抗131及び132間の接続ノードにおける電圧と抵抗133で発生する電圧降下とが等しくなるよう、トランジスタ135のゲート電位を制御する。このため、抵抗131及び132間の接続ノードの電圧に応じたドレイン電流(従ってソフトスタート電圧Vssに応じたドレイン電流)がトランジスタ136に流れる。トランジスタ136及び137は第1カレントミラー回路を構成し、トランジスタ138及び139は第2カレントミラー回路を構成する。このため、トランジスタ136のドレイン電流に比例する電流ID139がトランジスタ139にて発生する。電流ID139は、トランジスタ139のドレイン電流として、ノード142からトランジスタ139を通じグランドへと流れる。
回路130においては、ノード142における電圧が電圧VOCPHである。抵抗140の抵抗値を記号“R140”で表した場合、ノード142における電圧VOCPHは“VOCPH=(I141-ID139)・R140”にて表される。電流ID139はソフトスタート電圧Vssに比例し、ソフトスタート電圧Vssの上昇に伴って増大する。このため、ノード142における電圧VOCPHは、ソフトスタート電圧Vssの上昇に伴って低下する。尚、“VSS=Vmax”であるときに電流ID139は最大となるが、“VSS=Vmax”であるときにも“I141>ID139”が成立する。
回路130にて過電流閾値IOCPHを可変設定する場合、閾値設定回路21は、過電流閾値IOCPHをノード142における電圧VOCPHの値に正の比例定数にて比例させる。即ち、ノード142における電圧VOCPHについて“IOCPH=kP2×VOCPH”が成立する。kP2はジーメンスを単位として持ち、“kP2>0”である。回路130にて過電流閾値IOCPHを可変設定する場合、過電流閾値IOCPHは、時刻tB2以前にて閾値ITH1を有し、時刻tB2及びtB5間にて電圧VOCPHの低下につれて閾値ITH1から閾値ITH2へと低下してゆき、時刻tB5にて閾値ITH2を有し、以後、閾値ITH2にて固定される。過電流保護回路20は、トランジスタMHのオン期間においてトランジスタMHのドレイン-ソース間電圧の大きさをノード142における電圧VOCPHの大きさと比較し、前者が後者より大きいとき“IMM=IMH>IOCPH”であり、前者が後者より小さいとき“IMM=IMH<IOCPH”であると判断できる。
本実施例によれば、出力電圧Voutの0Vからの上昇開始直後及びその近辺において過電流閾値IOCPHが高められるため、過電流保護動作が発生しにくくなり、結果、上述したような起動不良又は起動遅延が抑制される。常に“IOCPH=ITH2”とされる第1仮想構成では、起動不良又は起動遅延の回避のためにコンデンサC1の容量を比較的小さく設定する必要がある。本実施例の構成によれば仮想構成よりもコンデンサC1の容量を大きく設定しても起動不良及び起動遅延が抑制されるので、仮想構成よりもコンデンサC1の容量を実際に大きく設定できる。コンデンサC1の容量を増大させることで出力電圧Voutのリプル低減が可能である。また、常に“IOCPH=ITH1”とされる第2仮想構成では、スイッチング電源装置1の起動完了後における過電流閾値IOCPHが高すぎるため、適正な過電流保護が難しくなる。
<<実施例EX1_2>>
実施例EX1_2を説明する。実施例EX1_2及び後述される実施例EX1_3は実施例EX1_1を基礎とする実施例である。実施例EX1_2にて特に記述無き事項は、矛盾なき限り、実施例EX1_1の記載が実施例EX1_2にも適用される(後述される実施例EX1_3でも同様)。
実施例EX1_1では、電源制御装置10に対して入力電圧Vinが供給開始されることで出力段MMのスイッチング駆動が開始される。
図14に示す如く、電源制御装置10に外部端子の1つとしてイネーブル端子ENが設けられていても良く、この場合には、イネーブル端子ENへ供給されるイネーブル信号Senに応じて出力段MMのスイッチング駆動が開始される場合がある。イネーブル信号Senは、電源制御装置10とは異なる外部装置(マイクロコンピュータ等)からイネーブル端子ENに入力される。
電圧源VSの出力電圧が入力電圧Vinとして入力端子INに供給されていることを前提に、実施例EX1_2に係る電源制御装置10の動作を説明する。電源制御装置10に設けられたイネーブル回路22はイネーブル端子ENにおけるイネーブル信号Senを二値化することで、イネーブル信号Senが第1レベル及び第2レベルの何れのレベルを有するかを検出する。第1レベル及び第2レベルの内、一方のレベルは他方のレベルよりも高い。イネーブル回路22はイネーブル信号Senのレベルが第1レベルから第2レベルに変化したとき、スイッチング制御信号SWCに対して所定の起動信号を出力する。スイッチング制御回路SWCは、起動信号の受信を契機に、出力段MMのスイッチング駆動を開始する。
実施例EX1_2では、イネーブル信号Senが第1レベルを有している期間で上述の初期シーケンス動作が完了している。実施例EX1_2では、イネーブル信号Senのレベルが第1レベルから第2レベルに変化した時刻(詳細にはスイッチング制御回路SWCにおける起動信号の受信時刻)が図6の時刻tB2に相当する。イネーブル信号Senのレベルが第2レベルに変化した後の動作は実施例EX1_1と同様である。その後、イネーブル信号Senのレベルが第2レベルから第1レベルに戻ると、出力段MMのスイッチング駆動が停止される。
<<実施例EX1_3>>
実施例EX1_3を説明する。実施例EX1_3では上述の各事項に対する補足事項又は変形技術等を説明する。
スイッチング電源装置1及び電源制御装置10の構成は、ソフトスタート機能(入力電圧Vinの供給開始から出力電圧Voutを目標電圧Vtgに向けて徐々に上昇させる機能)を有する構成であれば任意である。図2の構成では、コイル電流ILを参照した電流モード制御にて出力段MMがスイッチング駆動されているが、本開示において電流モード制御の採用/不採用は任意である(従って出力段MMのスイッチング駆動はコイル電流ILに基づくものでなくても良い)。
スイッチング制御回路SWCは、帰還電圧Vfbに基づき制御信号(SH、SL)を生成する制御信号生成回路と、制御信号に基づき出力段MMをスイッチング駆動するドライバ17と、で構成されると考えることができる。制御信号生成回路は、帰還電圧Vfb及び対比電圧Ve間の誤差を減ずるように制御信号(SH、SL)を生成する。図2の構成において、制御信号生成回路は符号11~16及び18~21にて参照される各部位を有する。
上述のスイッチング電源装置1は降圧型のスイッチング電源装置であるが、本開示に係る技術が適用されるスイッチング電源装置は昇圧型のスイッチング電源装置であっても良い。昇圧型のスイッチング電源装置は入力電圧Vinを昇圧することで入力電圧Vinより高い出力電圧Voutを生成する。スイッチング電源装置1が昇圧型のスイッチング電源装置である場合、図15に示す如く、コイルL1の第1端は入力電圧Vinの印加端(入力電圧Vinが加わる端子)に接続され、コイルL1の第2端はトランジスタMHのドレイン及びトランジスタMLのソースに接続され、トランジスタMHのソースはグランドに接続され、トランジスタMLのドレインは出力端子OUTに接続されると共にコンデンサC1を介してグランドに接続される。図15の構成において、整流素子としてのトランジスタMLを、トランジスタMHのドレインに接続されたアノード及び出力端子OUTに接続されたカソードを有する同期整流ダイオードに置換しても良い。何れにせよ、出力段MMのスイッチング駆動において出力素子(MH)がオン及びオフ間で切り替えられることでコイルL1に流れる電流(IL)に基づき出力電圧Voutが生成される。
<<第1付記>>
上述の実施形態(特に実施例EX1_1~EX1_3)にて具体的構成例が示された本開示について第1付記を設ける。
本開示の一側面に係る電源制御装置は、入力電圧(Vin)から出力電圧(Vout)を生成するスイッチング電源装置(1)の出力段(MM)を制御するよう構成された電源制御装置(10)であって、前記出力電圧に応じた帰還電圧(Vfb)に基づき前記出力段をスイッチング駆動するよう構成されたスイッチング制御回路(SWC)を備え、前記出力段のスイッチング駆動を通じて前記入力電圧から前記出力電圧が生成され、前記スイッチング制御回路は、過電流閾値(IOCPH)を設定する閾値設定回路(21)と、前記出力段に流れる電流の値が前記過電流閾値を超えたとき過電流保護信号を出力するよう構成された過電流保護回路(20)と、を備えて、前記過電流保護信号の出力に応答して、前記出力段に流れる電流の前記過電流閾値を超えての増加を制限する過電流保護動作を実行し、前記閾値設定回路は、前記出力段のスイッチング駆動の開始からの経過時間(TELP)に応じて、前記過電流閾値を設定する構成(第1の構成)である。
これにより、スイッチング駆動の開始直後において、望ましくない過電流保護動作の実行を抑制することが可能となる。結果、起動不良又は起動遅延を抑制することが可能となる。
上記第1の構成に係る電源制御装置において、前記閾値設定回路は、前記過電流閾値を、第1の閾値(ITH1)、又は、前記第1の閾値よりも低い第2の閾値(ITH2)に設定し、前記経過時間の増大に伴って前記過電流閾値を前記第1の閾値から前記第2の閾値に切り替える構成(第2の構成)であっても良い。
これにより、スイッチング駆動の開始直後及びその近辺において過電流閾値が相対的に高くなるため、望ましくない過電流保護動作の実行を抑制することが可能となる。結果、起動不良又は起動遅延を抑制することが可能となる。
上記第2の構成に係る電源制御装置において、前記スイッチング制御回路は、前記帰還電圧と対比電圧(Ve)との誤差を減ずるように前記出力段をスイッチング駆動し、前記スイッチング制御回路は、前記出力段のスイッチング駆動の開始後、所定の基準電圧(Vref)よりも低い初期電圧(Vint)から徐々に上昇するソフトスタート電圧(Vss)を前記対比電圧として用い、前記ソフトスタート電圧が前記基準電圧を超えた後は前記基準電圧を前記対比電圧として用い、前記閾値設定回路は、前記経過時間に依存する前記ソフトスタート電圧に応じて前記過電流閾値を前記第1の閾値から前記第2の閾値に切り替える構成(第3の構成)であっても良い。
上記第3の構成に係る電源制御装置において、前記閾値設定回路は、前記ソフトスタート電圧が前記基準電圧より高い所定電圧(Vssend)に達したとき、前記過電流閾値を前記第1の閾値から前記第2の閾値に切り替える構成(第4の構成)であっても良い。
上記第1の構成に係る電源制御装置において、前記閾値設定回路は、前記経過時間の増大に伴って前記過電流閾値を第1の閾値から前記第1の閾値よりも小さな第2の閾値へと連続的に低下させた後、前記過電流閾値を前記第2の閾値に設定する構成(第5の構成)であっても良い。
これにより、スイッチング駆動の開始直後及びその近辺において過電流閾値が相対的に高くなるため、望ましくない過電流保護動作の実行を抑制することが可能となる。結果、起動不良又は起動遅延を抑制することが可能となる。
上記第5の構成に係る電源制御装置において、前記スイッチング制御回路は、前記帰還電圧と対比電圧(Ve)との誤差を減ずるように前記出力段をスイッチング駆動し、前記スイッチング制御回路は、前記出力段のスイッチング駆動の開始後、所定の基準電圧(Vref)よりも低い初期電圧(Vint)から徐々に上昇するソフトスタート電圧(Vss)を前記対比電圧として用い、前記ソフトスタート電圧が前記基準電圧を超えた後は前記基準電圧を前記対比電圧として用い、前記閾値設定回路は、前記経過時間に依存する前記ソフトスタート電圧に応じて前記過電流閾値を前記第1の閾値から前記第2の閾値へと連続的に低下させた後、前記過電流閾値を前記第2の閾値に設定する構成(第6の構成)であっても良い。
上記第6の構成に係る電源制御装置において、前記スイッチング制御回路は、前記出力段のスイッチング駆動の開始後、前記ソフトスタート電圧を前記初期電圧より高い所定の上限電圧(Vmax)まで徐々に上昇させ、前記閾値設定回路は、前記ソフトスタート電圧の上昇期間において前記ソフトスタート電圧に応じ前記過電流閾値を前記第1の閾値から前記第2の閾値に向けて連続的に低下させ、前記ソフトスタート電圧が前記上限電圧に達した後は前記過電流閾値を前記第2の閾値に設定する構成(第7の構成)であっても良い。
上記第1~第7の構成の何れかに係る電源制御装置において、前記電源制御装置に対して前記入力電圧が供給開始されることで前記出力段のスイッチング駆動が開始される構成(第8の構成)であっても良い。
上記第1~第7の構成の何れかに係る電源制御装置において、イネーブル信号(Sen)を受けるイネーブル端子(EN)を備え、前記電源制御装置に前記入力電圧が供給されている状態において前記イネーブル信号のレベルが第1レベルから第2レベルに変化したことを契機に、前記出力段のスイッチング駆動が開始される構成(第9の構成)であっても良い。
上記第1~第9の構成の何れかに係る電源制御装置において、前記出力段は、スイッチング素子にて構成される出力素子(MH)と、前記出力素子に接続される整流素子(ML)と、を有し、前記出力素子及び前記整流素子間の接続ノードに対してコイル(L1)が接続され、前記出力段のスイッチング駆動において前記出力素子がオン及びオフ間で切り替えられることで前記コイルに流れる電流に基づき前記出力電圧が生成される構成(第10の構成)であっても良い。
<<実施例EX2_1>>
実施例EX2_1を説明する。図16に実施例EX2_1に係るスイッチング電源装置1の構成を示す。実施例EX2_1に係るスイッチング電源装置1は電源制御装置10として電源制御装置210を有する。
実施例EX2_1に係る電源制御装置210の内部構成について説明する。電源制御装置210は、出力段MMと、エラーアンプ211と、位相補償回路212と、スロープ電圧生成回路213と、リセットコンパレータ214と、セット信号生成回路215と、ロジック回路216と、ドライバ217と、逆流検出回路218と、過電流保護回路220と、誤差電圧変化抑制回路221と、を備える。実施例EX2_1において、図1のスイッチング制御回路SWCは符号211~218、220及び221にて参照される各部位を有する。後述の信号RST、SET、SH、SL、ZXOUT及びOCPはハイレベル又はローレベルの信号レベルをとる二値信号である。信号SETはセット信号として機能し且つ信号RSTはリセット信号として機能する。或いは、ハイレベルの信号SETのみがセット信号として機能し且つハイレベルの信号RSTのみがリセット信号として機能する、と考えても良い。
エラーアンプ211は、電流出力型のトランスコンダクタンスアンプである。エラーアンプ211は、反転入力端子、非反転入力端子及び出力端子を備える。エラーアンプ211の反転入力端子は帰還端子FBに接続されて帰還電圧Vfbを受ける。エラーアンプ211の非反転入力端子には所定の基準電圧Vrefが供給される。基準電圧Vrefは、正の所定電圧値を有する直流電圧であり、電源制御装置210内の図示されない基準電圧生成回路にて生成される。エラーアンプ211の出力端子は配線WR211(誤差出力配線)に接続される。
エラーアンプ211は、帰還電圧Vfb及び基準電圧Vref間の差分に応じた電流信号I211を自身の出力端子から出力することで、帰還電圧Vfb及び基準電圧Vref間の差分に応じた電圧を配線WR211に発生させる。配線WR211に加わる電圧は誤差電圧Vcmpである。但し、配線WR211に加わる電圧をレベルシフトした電圧が誤差電圧Vcmpであっても良い。電流信号I211による電荷は配線WR211に対して入出力される。具体的には、エラーアンプ211は、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefよりも低いときには配線WR211の電位が上がるようエラーアンプ211から配線WR211に向けて電流信号I211による電流を出力し、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefよりも高いときには配線WR211の電位が下がるよう配線WR211からエラーアンプ211に向けて電流信号I211による電流を引き込む。帰還電圧Vfb及び基準電圧Vref間の差分の絶対値が増大するにつれて、電流信号I211による電流の大きさも増大する。
尚、電源制御装置210の起動時において、0Vから基準電圧Vrefを超える電圧に向けて緩やかに上昇するソフトスタート電圧が電源制御装置210内で生成されて良い。この場合、エラーアンプ211は、基準電圧Vrefとソフトスタート電圧の内、低い方の電圧を帰還電圧Vfbと比較して比較結果に基づき電流信号I211を生成する。但し、実施例EX2_1では、ソフトスタート電圧が基準電圧Vrefよりも高くなった後の状態を考えるものとし、以下、ソフトスタート電圧の存在を無視する。
位相補償回路212は、配線WR211とグランドとの間に設けられ、電流信号I211の入力を受けて配線WR211の電圧の位相(誤差電圧Vcmpの位相)を補償する。位相補償回路212は抵抗212a(位相補償抵抗)及びコンデンサ212b(位相補償コンデンサ)の直列回路を有する。具体的には抵抗212aの一端が配線WR211に接続され、抵抗212aの他端はコンデンサ212bを介してグランドに接続される。抵抗212aの抵抗値及びコンデンサ212bの静電容量値を適切に設定することにより配線WR211の電圧の位相(誤差電圧Vcmpの位相)を補償して出力帰還ループの発振を防ぐことができる。
スロープ電圧生成回路213はランプ波形を有するスロープ電圧Vslpを生成及び出力する。スロープ電圧Vslpは、コイル電流ILの値を示す情報(以下、コイルL1の電流情報と称する)を有する。具体的には、回路213は、トランジスタMHのオン期間においてトランジスタMHに流れる電流(従ってコイル電流IL)に比例するセンス電圧と、トランジスタMHのオン期間において0Vから徐々に増加するランプ電圧を生成する。回路213は、トランジスタMHのオン期間においてセンス電圧にランプ電圧を加算して得られる電圧(即ちセンス電圧とランプ電圧の和)をスロープ電圧Vslpとして生成する。故に、トランジスタMHのオン期間においてスロープ電圧Vslpは単調に上昇する。ランプ電圧の加算により、電流モード制御にて生じ得るサブハーモニック発振を抑制することができる。
尚、センス電圧がコイルL1の電流情報を有する限り、センス電圧の生成方法は任意である。例えば、トランジスタMLのオン期間においてトランジスタMLに流れる電流(従ってコイル電流IL)を検出することでセンス電圧を生成するようにしても良い。或いは、コイル電流ILを電流センサにて直接検出することでセンス電圧を生成するようにしても良い。スロープ電圧VslpはトランジスタMHのオン期間においてのみ有意に機能し、トランジスタMHのオフ期間においてスロープ電圧Vslpは0Vに固定されていて良い。
リセットコンパレータ214に対して誤差電圧Vcmp及びスロープ電圧Vslpが供給される。リセットコンパレータ214は誤差電圧Vcmp及びスロープ電圧Vslpに基づき、信号RSTを生成及び出力する。リセットコンパレータ214において、反転入力端子は配線WR211に接続されて誤差電圧Vcmpを受け、非反転入力端子にてスロープ電圧Vslpを受ける。故に、リセットコンパレータ214は、“Vcmp>Vslp”の成立時においてローレベルの信号RSTを出力し、“Vcmp<Vslp”の成立時においてハイレベルの信号RSTを出力する。“Vcmp=Vslp”の成立時において信号RSTはローレベル又はハイレベルとなる。
図17に信号RSTを含む幾つかの信号の波形を示す。トランジスタMHのオン期間においてスロープ電圧Vslpが単調に上昇する。スロープ電圧Vslpの上昇過程において“Vcmp>Vslp”の状態から“Vcmp<Vslp” の状態に切り替わったときに、リセットコンパレータ214は信号RSTにアップエッジを発生させる。信号RSTのアップエッジを契機にトランジスタMHのオフ期間に移行してスロープ電圧Vslpは0Vに戻るため、信号RSTのハイレベル期間は微小である。電源制御装置210に対する電力投入直後など、特別な状態を除き“Vcmp>0”である。
セット信号生成回路215は、所定の周波数fpwmを有する信号SETを生成及び出力する。信号SETは周波数fpwmにてパルスが生じる信号である。即ち、信号SETの周期ごとに微小時間だけハイレベルとなるパルスが信号SETに生じる。周波数fpwmにて発振するオシレータを用いてセット信号生成回路215を形成できる。信号SETの1周期の長さは周波数fpwmの逆数である。周波数fpwmの逆数の間隔で信号SETにアップエッジが生じる。以下、周波数fpwmの逆数をPWM周期と称する。
ロジック回路216は、信号SET及びRSTに基づき制御信号SH及びSLを生成及び出力する。図17に示す如く、ロジック回路216は、信号SETのアップエッジを契機に制御信号SHにアップエッジを生じさせると共に制御信号SLにダウンエッジを生じさせ、且つ、信号RSTのアップエッジを契機に制御信号SHにダウンエッジを生じさせると共に制御信号SLにアップエッジを生じさせる。尚、信号RSTのアップエッジを契機に制御信号SLにアップエッジを生じさせた後、ハイレベルの逆流検出信号ZXOUTがロジック回路216に入力された場合にあっては、ロジック回路216は、信号SETの次のアップエッジを待たずに制御信号SLにダウンエッジを生じさせる。
ここで、ロジック回路216に対しては過電流保護回路220の出力信号(信号OCPを含む)も入力される。後にも説明されるが、過電流保護回路220の出力信号に基づき過電流保護動作が行われる期間では、ロジック回路216による上述の動作は停止される。
ドライバ217は、トランジスタMH及びMLの各ゲート、スイッチ端子SW並びにグランド端子GNDに接続される。ドライバ217は、制御信号SH及びSLに応じたゲート信号GH及びGLを夫々トランジスタMH及びMLのゲートに供給することで、トランジスタMH及びMLを個別にオン又はオフとする。ドライバ217は、制御信号SHがハイレベルであるときにはゲート信号GHをハイレベルに設定することでトランジスタMHをオンとし、制御信号SHがローレベルであるときにはゲート信号GHをローレベルに設定することでトランジスタMHをオフとする。ドライバ217は、制御信号SLがハイレベルであるときにはゲート信号GLをハイレベルに設定することでトランジスタMLをオンとし、制御信号SLがローレベルであるときにはゲート信号GLをローレベルに設定することでトランジスタMLをオフとする。
ロジック回路216は制御信号SH及びSLの双方を同時にハイレベルに設定することは無い。故に、トランジスタMHのオン期間では常にトランジスタMLがオフであり、トランジスタMLのオン期間では常にトランジスタMHがオフである。
逆流検出回路218は、トランジスタMLのオン期間中にスイッチ電圧Vswをグランド電位と比較することにより、逆流電流の有無を検出して、その検出結果を示す逆流検出信号ZXOUTを生成する。逆流検出信号ZXOUTはロジック回路216に供給される。逆流電流とは、スイッチ端子SWからトランジスタMLを介してグランドに流れ込む電流であり、負のコイル電流ILに相当する。逆流検出信号ZXOUTのレベルは、スイッチ電圧Vswがグランド電位よりも低いときにローレベルとなり、スイッチ電圧Vswがグランド電位よりも高いときにハイレベルとなる。つまり、逆流検出信号ZXOUTのレベルは負のコイル電流ILの発生時にハイレベルとなる。逆流電流が検知されたときにトランジスタMLをオンからオフに切り替えて逆流電流を遮断することで、軽負荷時の効率を向上させることができる。以下では、特に必要なき限り、信号ZXOUTがローレベルに維持されているものとする。
過電流保護回路220は出力段MMに流れる電流の大きさに基づき出力段MMが過電流状態にあるかを検出し、その検出結果に応じた信号OCPを生成及び出力する。出力段MMが過電流状態にあることが過電流保護回路220にて検出されたとき、ハイレベルの信号OCPがロジック回路216及び誤差電圧変化抑制回路221に供給される。回路220及び221の詳細並びにハイレベルの信号OCPに応答したロジック回路216の動作は後に述べることとし、先に図17に示される基本スイッチング制御BC2を説明する。
[基本スイッチング制御BC2]
スイッチング制御回路SWCはPWM制御により出力段MMをスイッチング駆動することができる。PWMはパルス幅変調(Pulse Width Modulation)の略称である。図17はスイッチング制御回路SWCにて行うことのできる基本スイッチング制御BC2のタイミングチャートである。基本スイッチング制御BC2は、電流連続モードにて行われるPWM制御であって、且つ、信号OCPがローレベルに維持されているときに行われるPWM制御である。電流連続モードでは、スイッチ端子SWから出力端子OUTに向けて常にコイル電流ILが流れる。信号OCPがローレベルに維持されていることを前提として、ロジック回路216は、信号SETのアップエッジを契機に制御信号SHにアップエッジを生じさせると共に制御信号SLにダウンエッジを生じさせ、且つ、信号RSTのアップエッジを契機に制御信号SHにダウンエッジを生じさせると共に制御信号SLにアップエッジを生じさせる。基本スイッチング制御BC2では、周波数fpwmにてトランジスタMH及びMLが交互にオン、オフとされるスイッチング動作が周期的に行われる。
基本スイッチング制御BC2において制御信号SH及びSLは周波数fpwmを有するパルス幅変調信号である。基本スイッチング制御BC2において、トランジスタMH及びMLが周波数fpwmにてスイッチング駆動され、結果、スイッチ電圧Vswは周波数fpwmを有する。即ち、基本スイッチング制御BC2において、出力段MMのスイッチング周波数は周波数fpwmと一致する。基本スイッチング制御BC2において、各周期における制御信号SHのハイレベル期間の長さ(即ちトランジスタMHのオン期間)が調整されることで、出力電圧Voutが目標電圧Vtgにて安定化する。目標電圧Vtgは出力電圧Vout及び帰還電圧Vfb間の比と基準電圧Vrefとで定まり、“Vtg=(Vout/Vfb)×Vref”で表される。出力電圧Vout及び帰還電圧Vfb間の比は帰還電圧生成回路(R1、R2)による出力電圧Voutの分圧比に等しい。
出力電流Ioutの増大は出力電圧Voutの低下につながり、目標電圧Vtgから見て出力電圧Voutの低下は誤差電圧Vcmpの上昇をもたらす。出力電流Ioutの低下は出力電圧Voutの上昇につながり、目標電圧Vtgから見て出力電圧Voutの上昇は誤差電圧Vcmpの低下をもたらす。誤差電圧Vcmpの上昇に応答してオンデューティが増加するよう且つ誤差電圧Vcmpの低下に応答してオンデューティが低下するよう、リセットコンパレータ214は誤差電圧Vcmp及びスロープ電圧Vslpに基づき信号RSTを生成する。オンデューティは、トランジスタMHのオン期間の長さとトランジスタMHのオフ期間の長さとの和に対する、トランジスタMHのオン期間の長さの比を表す。
基本スイッチング制御BC2においてロジック回路216はオンデューティに上限デューティを設け、オンデューティが上限デューティを超えないよう制御信号(SH、SL)を生成して良い。従って例えば、スイッチング周波数が1MHz(メガヘルツ)であって且つ上限デューティが95%である場合において、制御信号SHにアップエッジを生じさせてから0.95マイクロ秒経過しても信号RSTにアップエッジが生じないとき、ロジック回路216は、信号RSTに依らず、即時、制御信号SHにダウンエッジを且つ制御信号SLにアップエッジを生じさせて良い。
[過電流保護動作]
次に、過電流保護回路220を用いて実現される過電流保護動作を説明する。ここで、図18に示す如く、“IL>0”であるときにおいて、トランジスタMHに流れる電流を記号“IMH”で表し、トランジスタMLに流れる電流を記号“IML”で表す。電流IMHはトランジスタMHのオン期間においてトランジスタMHのドレインからソースに向けて流れる電流を表し、電流IMLはトランジスタMLのオン期間においてトランジスタMLのソースからドレインに向けて流れる電流を表すものとする。故に、電流IMHの値はトランジスタMHのオン期間にてトランジスタMHに流れる電流の値(大きさ)を表し、電流IMLの値はトランジスタMLのオン期間にてトランジスタMLに流れる電流の値(大きさ)を表す。また、出力段MMに流れる電流を記号“IMM”にて表す(図19参照)。トランジスタMHのオン期間において“IMM=IMH=IL”であり、トランジスタMLのオン期間において“IMM=IML=IL”である。
図19は過電流保護動作が行われるときのタイミングチャートである。図19では、上から下に向けて順に、スイッチ電圧VSW、信号OCP、信号OCP_C、電流IMM、信号SET、信号RST、制御信号SH、制御信号SL、ゲート信号GH、ゲート信号GLの波形が示される。信号OCP及びOCP_Cは過電流保護回路220から出力される信号である。信号OCP_Cは、信号OCPと同様にハイレベル又はローレベルを持つ二値信号である。
信号OCP及びOCP_Cは原則としてローレベルを有する。過電流保護回路220は所定の過電流検出条件の成立下において信号OCPにハイレベルを持たせ、所定の解除条件の成立下において信号OCP_Cにハイレベルを持たせる。ハイレベルの信号OCPは過電流保護信号(換言すれば過電流検出信号)として機能し、ハイレベルの信号OCP_Cは解除信号として機能する。
時間が進行するにつれて、時刻tC1、tC2、tC3、tC4、tC5、tC6、tC7が、この順番で訪れるものとする。時刻tC1より前の時刻から時刻tC4の直前までは上述の基本スイッチング制御BC2が継続的に実行される。時刻tC1にて信号SETにアップエッジが生じる。時刻tC3は時刻tC1から1PWM周期(即ち時間(1/fpwm))だけ後の時刻であり、時刻tC5は時刻tC1から2PWM周期(即ち時間(2/fpwm))だけ後の時刻であり、時刻tC7は時刻tC1から3PWM周期(即ち時間(3/fpwm))だけ後の時刻である。
時刻tC1での信号SETのアップエッジを契機にトランジスタMHがターンオン且つトランジスタMLがターンオフする。その後、時刻tC2での信号RSTのアップエッジを契機にトランジスタMHがターンオフ且つトランジスタMLがターンオンする。更にその後、時刻tC3での信号SETのアップエッジを契機にトランジスタMHがターンオン且つトランジスタMLがターンオフする。時刻tC3から時刻tC4にかけて電流IMHと一致する電流IMMが増大してゆく。時刻tC4より前において電流IMMの値は所定の過電流閾値IOCPHより小さい。時刻tC4において電流IMMの値が過電流閾値IOCPHに達し且つ上回る。尚、時刻tC2の後、時刻tC4に至るまでに信号RSTにアップエッジは生じていない。図19の例では、時刻tC2での信号RSTのアップエッジの後は、時刻tC7の後に、信号RSTの次のアップエッジ(不図示)が生じる。
過電流保護回路220は、トランジスタMHのオン期間において電流IMMの値(ここでは電流IMHの値)と所定の過電流閾値IOCPHとの大小関係を検出する機能を持つ。時刻tC4において、電流IMMの値(ここでは電流IMHの値)が過電流閾値IOCPHを超えていない状態から過電流閾値IOCPHを超える状態に遷移し、過電流保護回路220は、その遷移を検出したときに、出力段MMが過電流状態にあると判断して信号OCPにアップエッジを発生させる。故にここでは、時刻tC4において信号OCPにアップエッジが生じる(即ち時刻tC4にて回路220から過電流保護信号が出力される)。“IMM≦IOCPH”の状態から“IMM>IOCPH”の状態に遷移することで上記の過電流検出条件が成立する。
過電流保護回路220は、信号OCPにアップエッジを発生させた後、特定の時間TOCPが経過すると、信号OCPにダウンエッジを発生させる。本実施例において時間TOCPは所定の固定時間である。
ハイレベルの信号OCPはロジック回路216に入力される。時刻tC4において、ハイレベルの信号OCPを契機に、ロジック回路216は、信号RSTのレベルによらず過電流保護動作を実行する。ロジック回路216は、過電流保護動作の実行期間において、信号SETのレベルによらず、トランジスタMHをオフに維持し且つトランジスタMLをオンに維持する。このため、過電流保護動作の実行期間において出力段MMに流れる電流IMMはコイルL1の蓄積エネルギの低下に伴って低下してゆく。過電流保護動作の実行期間では“IMM=IML”である。
過電流保護回路220は、トランジスタMLのオン期間において電流IMMの値(ここでは電流IMLの値)と所定の解除閾値IOCPLとの大小関係を検出する機能を持つ。時刻tC6において、電流IMMの値(ここでは電流IMLの値)が解除閾値IOCPLを超えている状態から解除閾値IOCPLを下回る状態に遷移し、過電流保護回路220は、その遷移を検出したときに、出力段MMの過電流状態が解消されたと判断して信号OCP_Cにアップエッジを発生させる。故にここでは、時刻tC6において信号OCP_Cにアップエッジが生じる(即ち時刻tC6にて回路220から解除信号が出力される)。“IMM≧IOCPL”の状態から“IMM<IOCPL”の状態に遷移することで上記の解除条件が成立する。過電流保護回路220は、信号OCP_Cにアップエッジを発生させた後、所定の微小時間が経過すると、信号OCP_Cにダウンエッジを発生させる。解除閾値IOCPLは過電流閾値IOCPHより低い。
ハイレベルの信号OCP_Cはロジック回路216に入力される。時刻tC6におけるハイレベルの信号OCP_Cを受けて、ロジック回路216は過電流保護動作を終了する。従って図19の例では、時刻tC4にて過電流保護動作が開始され、時刻tC6にて過電流保護動作が終了する。
その後、時刻tC7にて信号SETにアップエッジが生じる。時刻tC7では過電流保護動作が実行されていないので、時刻tC7での信号SETのアップエッジを契機にトランジスタMHがターンオン且つトランジスタMLがターンオフする。時刻tC5においても信号SETにアップエッジが生じている。しかしながら、時刻tC5は過電流保護動作の実行期間に属するため、時刻tC5での信号SETのアップエッジはロジック回路216にて無効なものと取り扱われる。故に、時刻tC5での信号SETのアップエッジに依らず、ロジック回路216は時刻tC4から時刻tC7まで制御信号SHをローレベルに且つ制御信号SLをハイレベルに維持する。
過電流保護回路220は、トランジスタMHのドレイン-ソース間電圧(従って入力端子IN及びスイッチ端子SW間の電圧)と、トランジスタMHのオン抵抗と、に基づき、電流IMHを検出できる。過電流保護回路220は、トランジスタMLのドレイン-ソース間電圧(従ってグランド端子GND及びスイッチ端子SW間の電圧)と、トランジスタMLのオン抵抗と、に基づき、電流IMLを検出できる。トランジスタMH及びMLのオン抵抗は過電流保護回路220にとって既知である。実際には、過電流保護回路220は、トランジスタMHのドレイン-ソース間電圧を所定の第1電圧閾値と比較することで、電流IMHと過電流閾値IOCPHとの高低関係を検出することができる。第1電圧閾値は過電流閾値IOCPHとトランジスタMHのオン抵抗との積に相当する。同様に、過電流保護回路220は、トランジスタMLのドレイン-ソース間電圧を所定の第2電圧閾値と比較することで、電流IMLと解除閾値IOCPLとの高低関係を検出することができる。第2電圧閾値は解除閾値IOCPLとトランジスタMLのオン抵抗との積に相当する。
“IMM>IOCPH”の成立を契機に実行される過電流保護動作では、トランジスタMHがオフ状態に維持されるため、出力段MMに流れる電流IMMが、コイルL1の蓄積エネルギの低下に伴って低下してゆく。従って、過電流保護動作では、電流IMMの過電流閾値IOCPHを超えての増加が制限(抑止)される。即ち、過電流保護動作の実行により、電流IMMの値が過電流閾値IOCPHを超えて更に増加することが制限(抑止)される。
尚、過電流保護動作を開始してから、少なくとも所定のクールダウン時間が経過するまでは、ロジック回路216が過電流保護動作を継続する(即ち、トランジスタMHのオフ状態を維持する)変形構成が採用される場合もある。当該変形構成が採用される場合、時刻tC4にて過電流保護動作が開始された後、時刻tC4よりクールダウン時間だけ後の時刻(以下、解消許可時刻と称する)までにおいて信号OCP_Cにアップエッジが発生したとしても過電流保護動作が終了しない。変形構成において、時刻tC4及び解消許可時刻間にて信号OCP_Cにアップエッジが生じていた場合、ロジック回路216は解消許可時刻において過電流保護動作を終了させる。変形構成において、時刻tC4及び解消許可時刻間にて信号OCP_Cにアップエッジが生じていない場合、その後、信号OCP_Cにアップエッジが生じたときにロジック回路216は過電流保護動作を終了させる。
[過電流保護に関わる仮想構成の動作]
過電流保護動作が実行される要因として、負荷電流とも称されるべき出力電流IOUTの増大がある。図20を参照し、仮想構成において出力電流IOUTの増大に基づき過電流保護動作が行われるときの挙動を説明する。仮想構成とは、実施例EX2_1に係る電源制御装置210とは異なる構成であって、図16の電源制御装置210から誤差電圧変化抑制回路221が削除された構成である。
図20に示されるケース(以下、便宜上、ケースαと称する)では、時刻tD1より前において出力電流Ioutは電流値Iaを有する。ケースαでは、時刻tD1において負荷LDの消費電流が急激に増大することで、出力電流Ioutの値が電流値Iaから電流値Ibに急激に増大する。その後、ケースαでは、時刻tD2において負荷LDの消費電流が減少することで、出力電流Ioutの値が電流値Ibから電流値Iaに急激に低下する。ケースαでは、時刻tD1から時刻tD2まで出力電流Ioutの値が電流値Ibに維持される。
ここで “Ia<IOCPH<Ib”が成立する。このため、時刻tD1及びtD2間において過電流保護動作が1回以上実行される。ケースαでは、時刻tD1及びtD2間において過電流保護動作が繰り返し実行される程度に時刻tD1及びtD2間の時間が長いものとする。そうすると、時刻tD1及びtD2間において、時刻tC3から時刻tC7までの動作(図19参照)と同様の動作が繰り返し実行される。図20では、時刻tD1及びtD2間において、信号OCP中にパルスが繰り返し発生する状況が示される。
時刻tD1以前において過電流保護動作を伴わない上述の基本スイッチング制御BC2が実行されており、出力電圧Voutが目標電圧Vtgにて安定化される。時刻tD1及びtD2間では、出力段MMに流れる電流IMMが過電流閾値IOCPH以下に制限されるため、出力電圧Voutが目標電圧Vtgより低下してゆく。仮想構成では、時刻tD1の後、“Vout<Vtg”の成立により誤差電圧Vcmpが上昇し、時刻tD2に至る前において誤差電圧Vcmpの値が誤差電圧Vcmpの変動範囲の最大値Vmaxに達する。仮想構成では、誤差電圧Vcmpの値が最大値Vmaxに達した後、時刻tD2まで誤差電圧Vcmpの値が最大値Vmaxに維持される。
仮想構成において、時刻tD2を境に出力電流Ioutの値が電流値Ibから電流値Iaに低下すると、過電流保護動作を伴わない上述の基本スイッチング制御BC2が再開される。但し、仮想構成では時刻tD2の直後において誤差電圧Vcmpが最大値Vmaxを持つ又は最大値Vmaxに近い値を持つため、“Iout=Ia”の状況にとってオンデューティ(制御信号SHのパルス幅)が過大となる。仮想構成では、過大なオンデューティにより時刻tD2の直後において出力電圧Voutが目標電圧Vtgを超えて上昇するオーバシュートが発生する。仮想構成では、時刻tD2の後、出力電圧Voutがオーバシュート及びリンギングを経て目標電圧Vtgへと収束してゆく。
出力電圧Voutにおける大きなオーバシュートは負荷LDにダメージを与える可能性がある。このため、出力電圧Voutのオーバシュートを極力抑える必要がある。
[過電流保護に関わる改良構成の動作]
電源制御装置210は仮想構成を改良した構成である改良構成を有する。当該改良のために誤差電圧変化抑制回路221が電源制御装置210に設けられる。図16に示す如く、実施例EX2_1に係る回路221は放電用スイッチとしてトランジスタ221aを有する。トランジスタ221aはNチャネル型のMOSFETである。トランジスタ221aはコンデンサ212bに並列接続される。
詳細には、抵抗212aの第1端は配線WR211に接続され、抵抗212aの第2端はコンデンサ212bの第1端及びトランジスタ221aのドレインに接続され、コンデンサ212bの第2端及びトランジスタ221aのソースは所定電位を有する電位点に接続される。ここでは、所定電位を有する電位点は0Vの固定電位を有するグランドである。但し、所定電位を有する電位点は0V以外の電位(例えば正又は負の微小な固定電位)を有する電位点であっても良い。尚、誤差電圧Vcmpの変動範囲の最小値は上記電位点の電位を持つ。トランジスタ221aのゲートに信号OCPが入力される。信号OCPのハイレベル期間においてトランジスタ221aはオン状態となり、信号OCPのローレベル期間においてトランジスタ221aはオフ状態となる。
図21を参照し、改良構成において(即ち電源制御装置210において)出力電流IOUTの増大に基づき過電流保護動作が行われるときの挙動を説明する。
図21においても上述のケースαが想定されている。上述したように、時刻tD1及びtD2間において過電流保護動作が繰り返し実行される。即ち時刻tD1及びtD2間において時刻tC3から時刻tC7までの動作(図19参照)と同様の動作が繰り返し実行される。図21では、時刻tD1及びtD2間において、信号OCP中にパルスが繰り返し発生する状況が示される。即ち、時刻tD1及びtD2間において、信号OCPのアップエッジとダウンエッジとが交互に且つ繰り返し発生する。
時刻tD1以前において過電流保護動作を伴わない上述の基本スイッチング制御BC2が実行されており、出力電圧Voutが目標電圧Vtgにて安定化される。時刻tD1及びtD2間では、出力段MMに流れる電流IMMが過電流閾値IOCPH以下に制限されるため、出力電圧Voutが目標電圧Vtgより低下してゆく。
“Vout<Vtg”の成立によりエラーアンプ211から配線WR211に対して電流が出力され(正の電荷が供給され)、当該電流は誤差電圧Vcmpの上昇をもたらす。エラーアンプ211の出力電流による電荷はコンデンサ212bに蓄積され、コンデンサ212bの蓄積電荷の増大は誤差電圧Vcmpの上昇に寄与する。但し、改良構成では、信号OCPがハイレベルとなるたびに(即ち過電流保護信号が出力されるたびに)トランジスタ221aがオンとなることで、コンデンサ212bの蓄積電荷が放電される。このため、時刻tD1及びtD2間において、改良構成における誤差電圧Vcmpは、仮想構成における誤差電圧Vcmpよりも低く抑えられる。
改良構成において、時刻tD2を境に出力電流Ioutの値が電流値Ibから電流値Iaに低下すると、過電流保護動作を伴わない上述の基本スイッチング制御BC2が再開される。ここで、改良構成では、時刻tD1及びtD2間において誤差電圧Vcmpの値が最大値Vmaxよりも十分に低く抑えられている。このため、改良構成では、時刻tD2の直後におけるオンデューティ(制御信号SHのパルス幅)が“Iout=Ia”の状況にとって過大とならない。結果、改良構成では、時刻tD2の後、出力電圧Voutのオーバシュートを一切又は殆ど発生させることなく、出力電圧Voutが目標電圧Vtgへ収束してゆく。
このように、回路221は、過電流保護信号(ハイレベルの信号OCP)に基づき誤差電圧Vcmpの上昇方向への変化を抑制する機能を持つ。
これよりに、過電流状態から復帰するときにおいて出力電圧Voutのオーバシュート及びリンギングを抑制することができる。
より具体的には、過電流保護信号(ハイレベルの信号OCP)に応答した過電流保護動作の実行を通じて帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefより低くなる状態において、エラーアンプ211は、誤差電圧Vcmpを上昇させるための電流信号I211を配線WR211に出力する一方、回路221は、過電流保護信号に基づきエラーアンプ211とは逆に誤差電圧Vcmpを低下させるための動作を行い、これによって誤差電圧Vcmpの上昇方向への変化を抑制する。
更に具体的には、回路221は、過電流保護信号に基づき放電用スイッチ(ここではトランジスタ221a)をオンとすることによりコンデンサ212bの蓄積電荷を放電させ、これによって誤差電圧Vcmpの上昇方向への変化を抑制する。
<<実施例EX2_2>>
実施例EX2_2を説明する。実施例EX2_2及び後述される実施例EX2_3~EX2_5は実施例EX2_1を基礎とする実施例である。実施例EX2_2にて特に記述無き事項は、矛盾なき限り、実施例EX2_1の記載が実施例EX2_2にも適用される(後述される実施例EX2_3~EX2_5でも同様)。
実施例EX2_1では、信号OCPのハイレベル期間の長さ、即ち時間TOCPは固定時間である。但し、時間TOCPは固定時間に限定されない。実施例EX2_2では時間TOCPの他の設定方法を挙げる。
電源制御装置210にはトランジスタMHがオン状態からオフ状態に切り替わったことを検出するオフ検出回路(不図示)が設けられる。オフ検出回路は、スイッチ端子SW及びトランジスタMHのゲートに接続され、トランジスタMHのゲート-ソース間電圧に基づき(即ちスイッチ電圧Vswの電位から見たゲート信号GHの電位に基づき)、トランジスタMHがオン状態からオフ状態に切り替わったか否かを検出する。オフ検出回路は、トランジスタMHのゲート-ソース間電圧が、トランジスタMHのゲート閾電圧以上である状態からトランジスタMHのゲート閾電圧未満の状態に遷移したとき、トランジスタMHがオン状態からオフ状態に切り替わったと判断してオフ検出信号を出力する。オフ検出信号は過電流保護回路220に入力される。
実施例EX2_2に係る過電流保護回路220は、信号OCPにアップエッジを生じさせた後、オフ検出信号の入力を受けるまで信号OCPをハイレベルに維持し、オフ検出信号の入力を受けたことを契機に信号OCPにダウンエッジを生じさせる。
信号OCPのアップエッジを契機に、ロジック回路216は制御信号SHにダウンエッジを発生させ、ドライバ217は制御信号SHのダウンエッジに応答してゲート信号GHをハイレベルからローレベルへと低下させることでトランジスタMHをターンオフさせる。この際、信号OCPのアップエッジのタイミングからトランジスタMHが実際にターンオフするまでには、相応の遅延が存在する。実施例EX2_2に係る時間TOCPは、当該遅延の大きさに依存する。
出力段MMのスイッチング駆動において、出力段MMの状態は、出力段MMに流れる電流IMMを増大させる第1出力段状態と、出力段MMに流れる電流IMMを減少させる第2出力段状態との間で切り替わる。第1出力段状態はトランジスタMHがオン且つトランジスタMLがオフの状態である。第2出力段状態はトランジスタMHがオフの状態である。第2出力段状態において、典型的にはトランジスタMLはオンであるが、トランジスタMLはオフであり得る。過電流保護回路220は、出力段MMの状態が第1出力段状態であるときにおいて電流IMMの値が過電流閾値IOCPHを超えたときに過電流保護信号(ハイレベルの信号OCP)の出力を開始し、その後、出力段MMの状態が第2出力段状態に変化すると過電流保護信号の出力を停止する。出力段MMの状態の第2出力段状態への変化は上述のオフ検出回路により検出され、過電流保護回路220は上述のオフ検出信号の入力を契機に過電流保護信号の出力を停止する。過電流保護信号の出力期間において放電用スイッチ(ここではトランジスタ221a)がオンとされる。
<<実施例EX2_3>>
実施例EX2_3を説明する。回路21は、過電流保護信号(ハイレベルの信号OCP)に基づき誤差電圧Vcmpの上昇方向への変化を抑制する機能を持つ限り、図16に示す構成に限定されない。
例えば、回路221は、図16のトランジスタ221aの代わりに、図22に示す如くトランジスタ221b及び抵抗221cを備えていても良い。トランジスタ221bはNチャネル型のMOFETである。トランジスタ221bのドレインは抵抗221cを介して配線WR211に接続される。トランジスタ221bのソースはグランドに接続される。トランジスタ221bにゲートに対して信号OCPが入力される。信号OCPのハイレベル期間においてトランジスタ221bはオン状態となり、信号OCPのローレベル期間においてトランジスタ221bはオフ状態となる。
図22の回路221が用いられる場合、信号OCPがハイレベルとなるたびに(即ち過電流保護信号が出力されるたびに)トランジスタ221bがオンとなり、トランジスタ221bのオンは誤差電圧Vcmpの低下に寄与する。つまり、図22の回路221は、過電流保護信号(ハイレベルの信号OCP)に基づき誤差電圧Vcmpの上昇方向への変化を抑制する機能を持つ。尚、図22の回路221において、トランジスタ221bのオン抵抗によっては抵抗221cを省略することもできる。抵抗221cが省略される場合には、トランジスタ221bのドレインが配線WR211に直接接続される。
<<実施例EX2_4>>
実施例EX2_4を説明する。実施例EX2_1~EX2_3では、“Vfb<Vref”であるときに誤差電圧が上昇し、“Vfb>Vref”であるときに誤差電圧が低下する構成が採用されているが、誤差電圧の変化方向を、実施例EX2_1~EX2_3に示したものと逆にしても良い。但し、この場合、スロープ電圧Vslpの変化方向も実施例EX2_1~EX2_3と逆とする。
即ち、図23に示す構成が電源制御装置210に採用されて良い。図23は実施例EX2_4に係る電源制御装置210の一部構成図である。実施例EX2_4に係る電源制御装置210は、リセットコンパレータ214としてリセットコンパレータ214_Bを有する。
実施例EX2_4に係る電源制御装置210では、スロープ電圧生成回路213によりスロープ電圧Vslp_Bが生成され、且つ、エラーアンプ211を含む誤差電圧生成回路により誤差電圧Vcmp_Bが生成される。例えばエラーアンプ211と誤差電圧Vcmpから誤差電圧Vcmp_Bを生成するレベルシフタ(不図示)とで誤差電圧生成回路を形成できる。ここで、下記式(1)及び(2)が成立する。式(1)及び(2)の右辺におけるVslp、Vcmpは、実施例EX2_1~EX2_3で述べた電圧Vslp、Vcmpである。式(1)及び(2)の右辺におけるVccは正の直流電圧である。電圧Vccは入力電圧Vinそのものであっても良いし、電源制御装置210内で生成された内部電源電圧であっても良い。
Vslp_B=Vcc-Vslp ・・・(1)
Vcmp_B=Vcc-Vcmp ・・・(2)
リセットコンパレータ214_Bにおいて反転入力端子にスロープ電圧Vslp_Bが入力され、非反転入力端子に誤差電圧Vcmp_Bが入力される。リセットコンパレータ214_Bは、電圧Vslp_B及びVcmp_Bを比較して、
“Vslp_B>Vcmp_B”の成立時にローレベルの信号RSTを出力し、
“Vslp_B<Vcmp_B” の成立時にハイレベルの信号RSTを出力し、
“Vslp_B=Vcmp_B”の成立時にローレベル又はハイレベルの信号RSTを出力する。
実施例EX2_4では、リセットコンパレータ214_Bから出力される信号RSTがロジック回路216に供給される。実施例EX2_4にて特に記述されない回路の動作は実施例EX2_1、EX2_2又はEX2_3に示した通りである。
電圧の変化方向には、第1方向と、第1方向とは逆の第2方向がある。第1方向及び第2方向の内、任意の一方が上昇方向であり、他方が低下方向である。実施例EX2_1~EX2_3に係る誤差電圧及びスロープ電圧の変化方向を夫々に逆転させたものが実施例EX2_4に相当する。
実施例EX2_4に係るスロープ電圧生成回路213は、トランジスタMHのオン期間においてスロープ電圧Vslp_Bを単調に低下させることになる。実施例EX2_4に係る誤差電圧生成回路は、“Vfb<Vref”であるときに誤差電圧Vcmp_Bを低下させるよう、“Vfb>Vref”であるときに誤差電圧Vcmp_Bを上昇させるよう動作する。
実施例EX2_4では、図21の時刻tD1及び時刻tD2間において、誤差電圧生成回路が誤差電圧Vcmp_Bを低下させるよう動作するが、一方で回路221が過電流保護信号(ハイレベルの信号OCP)に基づき誤差電圧Vcmp_Bの低下方向への変化を抑制する。
より具体的には、過電流保護信号(ハイレベルの信号OCP)に応答した過電流保護動作の実行を通じて帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefより低くなる状態において、実施例EX2_4に係るエラーアンプ211は、誤差電圧Vcmp_Bを低下させるための電流信号I211を配線WR211に出力する一方、回路221は、過電流保護信号に基づきエラーアンプ211とは逆に誤差電圧Vcmp_Bを上昇させるための動作を行い、これによって誤差電圧Vcmp_Bの低下方向への変化を抑制する。
<<実施例EX2_5>>
実施例EX2_5を説明する。実施例EX2_5では上述の各事項に対する補足事項又は変形技術等を説明する。
図16の電源制御装置210は、過電流保護動作の非実行期間において、誤差電圧Vcmpに応じ(詳細には誤差電圧Vcmp及びスロープ電圧Vslpに応じ)出力段MMのスイッチング駆動を行う制御駆動回路を内包する。図16の構成における制御駆動回路は、リセットコンパレータ214、セット信号生成回路215、ロジック回路216及びドライバ217を構成要素として備える。但し、スロープ電圧生成回路213も制御駆動回路の構成要素に含まれる、という考え方も採用可能である。
上述のスイッチング電源装置1は降圧型のスイッチング電源装置であるが、本開示に係る技術が適用されるスイッチング電源装置は昇圧型のスイッチング電源装置であっても良い。昇圧型のスイッチング電源装置は入力電圧Vinを昇圧することで入力電圧Vinより高い出力電圧Voutを生成する。スイッチング電源装置1が昇圧型のスイッチング電源装置である場合、図15に示す如く、コイルL1の第1端は入力電圧Vinの印加端(入力電圧Vinが加わる端子)に接続され、コイルL1の第2端はトランジスタMHのドレイン及びトランジスタMLのソースに接続され、トランジスタMHのソースはグランドに接続され、トランジスタMLのドレインは出力端子OUTに接続されると共にコンデンサC1を介してグランドに接続される。図15の構成において、整流素子としてのトランジスタMLを、トランジスタMHのドレインに接続されたアノード及び出力端子OUTに接続されたカソードを有する同期整流ダイオードに置換しても良い。何れにせよ、出力段MMのスイッチング駆動において出力素子(MH)がオン及びオフ間で切り替えられることでコイルL1に流れる電流(IL)に基づき出力電圧Voutが生成される。
<<第2付記>>
上述の実施形態(特に実施例EX2_1~EX2_5)にて具体的構成例が示された本開示について第2付記を設ける。
本開示の一側面に係る電源制御装置は、入力電圧(Vin)から出力電圧(Vout)を生成するスイッチング電源装置(1)の出力段(MM)を制御するよう構成された電源制御装置(210)であって、前記出力電圧に応じた帰還電圧(Vfb)と所定の基準電圧(Vref)との差分に応じた誤差電圧(Vcmp)を生成するよう構成された誤差電圧生成回路(11)と、前記帰還電圧に基づき前記出力段のスイッチング駆動を行うよう構成された制御駆動回路(214~217)と、前記出力段に流れる電流の値が所定の過電流閾値(IOCPH)を超えたとき過電流保護信号を出力するよう構成された過電流保護回路(220)と、誤差電圧変化抑制回路(221)と、を備え、前記出力段のスイッチング駆動を通じて前記入力電圧から前記出力電圧が生成され、前記制御駆動回路は、前記過電流保護信号に応答して、前記出力段に流れる電流の前記過電流閾値を超えての増加を制限する過電流保護動作を実行し、前記誤差電圧変化抑制回路は、前記過電流保護信号に基づき、前記誤差電圧の変化を抑制する構成(第11の構成)である。
これにより、過電流保護動作の実行に伴う誤差電圧の変化が抑制され、過電流状態の解消後における出力電圧の望ましくない変動(オーバシュート等)を抑制することができる。
上記第11の構成に係る電源制御装置において、前記出力電圧の上昇、低下に伴って、前記帰還電圧は上昇、低下し、前記誤差電圧生成回路は、前記帰還電圧が前記基準電圧より低いときには前記誤差電圧が第1方向(例えば上昇方向)に変化するように且つ前記帰還電圧が前記基準電圧より高いときには前記誤差電圧が前記第1方向とは逆の第2方向(例えば低下方向)に変化するように、前記差分に応じた電流信号(I211)を誤差出力配線(WR211)に出力することで前記誤差出力配線に前記誤差電圧を発生させ、前記誤差電圧変化抑制回路は、前記過電流保護信号に基づき前記誤差電圧の前記第1方向への変化を抑制する構成(第12の構成)であっても良い。
上記第12の構成に係る電源制御装置において、前記過電流保護信号に応答した前記過電流保護動作の実行を通じて前記帰還電圧が前記基準電圧より低くなる状態において、前記誤差電圧生成回路は、前記誤差電圧を前記第1方向に変化させるための前記電流信号を前記誤差出力配線に出力する一方、前記誤差電圧変化抑制回路は、前記過電流保護信号に基づき前記誤差電圧を前記第2方向に変化させることで前記誤差電圧の前記第1方向への変化を抑制する構成(第13の構成)であっても良い。
上記第12又は第13の構成に係る電源制御装置において、前記誤差出力配線と所定電位を有する電位点との間に、前記誤差電圧の位相を補償するよう構成された位相補償回路(212)が設けられ、前記位相補償回路は、前記誤差出力配線に接続された位相補償抵抗(212a)と、前記位相補償抵抗と前記電位点との間に接続された位相補償コンデンサ(212b)を有し、前記誤差電圧変化抑制回路は、前記過電流保護信号に基づき、前記位相補償コンデンサの蓄積電荷を放電することで、前記誤差電圧の前記第1方向への変化を抑制する構成(第14の構成)であっても良い。
上記第14の構成に係る電源制御装置において、前記誤差電圧変化抑制回路は、前記位相補償コンデンサに並列接続された放電用スイッチ(221a)を備え、前記過電流保護信号に基づき前記放電用スイッチをオンとすることにより前記位相補償コンデンサの蓄積電荷を放電する構成(第15の構成)であっても良い。
上記第15の構成に係る電源制御装置において、前記過電流保護回路は、前記出力段に流れる電流の値が前記過電流閾値を超えたとき所定時間だけ前記過電流保護信号を出力し、前記誤差電圧変化抑制回路は、前記過電流保護信号の出力期間において前記放電用スイッチをオンとする構成(第16の構成)であっても良い。
上記第15の構成に係る電源制御装置において、前記出力段のスイッチング駆動において、前記出力段の状態は、前記出力段に流れる電流を増大させる第1状態と前記出力段に流れる電流を減少させる第2状態との間で切り替わり、前記過電流保護回路は、前記出力段の状態が前記第1状態であるときにおいて前記出力段に流れる電流の値が前記過電流閾値を超えたとき前記過電流保護信号の出力を開始し、その後、前記出力段の状態が前記第2状態に変化すると前記過電流保護信号の出力を停止し、前記誤差電圧変化抑制回路は、前記過電流保護信号の出力期間において前記放電用スイッチをオンとする構成(第17の構成)であっても良い。
上記第12~第17の構成の何れかに係る電源制御装置において、前記出力段は、スイッチング素子にて構成される出力素子(MH)と、前記出力素子に接続される整流素子(ML)と、を有し、前記出力素子及び前記整流素子間の接続ノードに対してコイル(L1)が接続され、前記出力段のスイッチング駆動において前記出力素子がオン及びオフ間で切り替えられることで前記コイルに流れる電流に基づき前記出力電圧が生成され、当該電源制御装置には、前記コイルの電流情報に応じたスロープ電圧(Vslp)を生成するよう構成されたスロープ電圧生成回路(213)が更に設けられ、前記制御駆動回路は、前記誤差電圧及び前記スロープ電圧に応じて前記出力段のスイッチング駆動を行い、前記スロープ電圧生成回路は、前記出力素子のオン期間において前記スロープ電圧を前記第1方向に単調に変化させ、前記制御駆動回路は、前記出力素子をオフからオンに切り替えた後、前記スロープ電圧の前記第1方向への変化過程において前記スロープ電圧が前記誤差電圧に達したときに、前記出力素子をオンからオフに切り替える構成(第18の構成)であっても良い。
上記第18の構成に係る電源制御装置において、前記出力素子がオンに制御されているときにおいて前記出力段に流れる電流の値が前記過電流閾値を超えることで前記過電流保護信号が出力されたとき、前記制御駆動回路は、前記過電流保護動作において前記出力素子をオフに切り替え、その後、少なくとも、前記出力段に流れる電流の値が所定の解除閾値(IOCPL)を下回るまで前記出力素子をオフに維持し、前記解除閾値は前記過電流閾値より低い構成(第19の構成)であっても良い。
<<実施例EX3_1>>
実施例EX3_1を説明する。図24に実施例EX3_1に係るスイッチング電源装置1の構成を示す。実施例EX3_1に係るスイッチング電源装置1は電源制御装置10として電源制御装置410を有する。
実施例EX3_1に係る電源制御装置410の内部構成について説明する。電源制御装置410は、出力段MMと、エラーアンプ411と、位相補償回路412と、スロープ電圧生成回路413と、リセットコンパレータ414と、セット信号生成回路415と、ロジック回路416と、ドライバ417と、逆流検出回路418と、スキップ判定電圧生成回路420と、スキップコンパレータ421(スキップ信号生成回路)と、を備える。実施例EX3_1において、図1のスイッチング制御回路SWCは符号411~418、420及び421にて参照される各部位を有する。後述の信号RST、SET、SH、SL及びZXOUTはハイレベル又はローレベルの信号レベルをとる二値信号である。信号SETはセット信号として機能し且つ信号RSTはリセット信号として機能する。或いは、ハイレベルの信号SETのみがセット信号として機能し且つハイレベルの信号RSTのみがリセット信号として機能する、と考えても良い。
エラーアンプ411は、電流出力型のトランスコンダクタンスアンプである。エラーアンプ411は、反転入力端子、非反転入力端子及び出力端子を備える。エラーアンプ411の反転入力端子は帰還端子FBに接続されて帰還電圧Vfbを受ける。エラーアンプ411の非反転入力端子には所定の基準電圧Vrefが供給される。基準電圧Vrefは、正の所定電圧値を有する直流電圧であり、電源制御装置410内の図示されない基準電圧生成回路にて生成される。エラーアンプ411の出力端子は配線WR411(誤差出力配線)に接続される。
エラーアンプ411は、帰還電圧Vfb及び基準電圧Vref間の差分に応じた電流信号I411を自身の出力端子から出力することで、帰還電圧Vfb及び基準電圧Vref間の差分に応じた電圧を配線WR411に発生させる。実施例EX3_1において配線WR411に加わる電圧は誤差電圧Vcmpである。但し、配線WR411に加わる電圧をレベルシフトした電圧が誤差電圧Vcmpであっても良い。電流信号I411による電荷は配線WR411に対して入出力される。具体的には、エラーアンプ411は、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefよりも低いときには配線WR411の電位が上がるようエラーアンプ411から配線WR411に向けて電流信号I411による電流を出力し、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefよりも高いときには配線WR411の電位が下がるよう配線WR411からエラーアンプ411に向けて電流信号I411による電流を引き込む。帰還電圧Vfb及び基準電圧Vref間の差分の絶対値が増大するにつれて、電流信号I411による電流の大きさも増大する。
尚、電源制御装置410の起動時において、0Vから基準電圧Vrefを超える電圧に向けて緩やかに上昇するソフトスタート電圧が電源制御装置410内で生成されて良い。この場合、エラーアンプ411は、基準電圧Vrefとソフトスタート電圧の内、低い方の電圧を帰還電圧Vfbと比較して比較結果に基づき電流信号I411を生成する。但し、実施例EX3_1では、ソフトスタート電圧が基準電圧Vrefよりも高くなった後の状態を考えるものとし、以下、ソフトスタート電圧の存在を無視する。
位相補償回路412は、配線WR411とグランドとの間に設けられ、電流信号I411の入力を受けて配線WR411の電圧の位相(誤差電圧Vcmpの位相)を補償する。位相補償回路412は抵抗412a(位相補償抵抗)及びコンデンサ412b(位相補償抵コンデンサ)の直列回路を有する。具体的には抵抗412aの一端が配線WR411に接続され、抵抗412aの他端はコンデンサ412bを介してグランドに接続される。抵抗412aの抵抗値及びコンデンサ412bの静電容量値を適切に設定することにより配線WR411の電圧の位相(誤差電圧Vcmpの位相)を補償して出力帰還ループの発振を防ぐことができる。
スロープ電圧生成回路413はランプ波形を有するスロープ電圧Vslpを生成及び出力する。スロープ電圧Vslpは、コイル電流ILの値を示す情報(以下、コイルL1の電流情報と称する)を有する。具体的には、回路413は、トランジスタMHのオン期間においてトランジスタMHに流れる電流(従ってコイル電流IL)に比例するセンス電圧と、トランジスタMHのオン期間において0Vから徐々に増加するランプ電圧を生成する。回路413は、トランジスタMHのオン期間においてセンス電圧にランプ電圧を加算して得られる電圧(即ちセンス電圧とランプ電圧の和)をスロープ電圧Vslpとして生成する。故に、トランジスタMHのオン期間においてスロープ電圧Vslpは単調に上昇する。ランプ電圧の加算により、電流モード制御にて生じ得るサブハーモニック発振を抑制することができる。
尚、センス電圧がコイルL1の電流情報を有する限り、センス電圧の生成方法は任意である。例えば、トランジスタMLのオン期間においてトランジスタMLに流れる電流(従ってコイル電流IL)を検出することでセンス電圧を生成するようにしても良い。或いは、コイル電流ILを電流センサにて直接検出することでセンス電圧を生成するようにしても良い。スロープ電圧VslpはトランジスタMHのオン期間においてのみ有意に機能し、トランジスタMHのオフ期間においてスロープ電圧Vslpは0Vに固定されていて良い。
リセットコンパレータ414に対して誤差電圧Vcmp及びスロープ電圧Vslpが供給される。リセットコンパレータ414は誤差電圧Vcmp及びスロープ電圧Vslpに基づき、信号RSTを生成及び出力する。実施例EX3_1に係るリセットコンパレータ414において、反転入力端子は配線WR411に接続されて誤差電圧Vcmpを受け、非反転入力端子にてスロープ電圧Vslpを受ける。故に、実施例EX3_1に係るリセットコンパレータ414は、“Vcmp>Vslp”の成立時においてローレベルの信号RSTを出力し、“Vcmp<Vslp”の成立時においてハイレベルの信号RSTを出力する。“Vcmp=Vslp”の成立時において信号RSTはローレベル又はハイレベルとなる。
図25に信号RSTを含む幾つかの信号の波形を示す。トランジスタMHのオン期間においてスロープ電圧Vslpが単調に上昇する。スロープ電圧Vslpの上昇過程において“Vcmp>Vslp”の状態から“Vcmp<Vslp” の状態に切り替わったときに、リセットコンパレータ414は信号RSTにアップエッジを発生させる。信号RSTのアップエッジを契機にトランジスタMHのオフ期間に移行してスロープ電圧Vslpは0Vに戻るため、信号RSTのハイレベル期間は微小である。電源制御装置410に対する電力投入直後など、特別な状態を除き“Vcmp>0”である。
セット信号生成回路415は、所定の周波数fpwmを有する信号SETを生成及び出力する。信号SETは周波数fpwmにてパルスが生じる信号である。即ち、信号SETの周期ごとに微小時間だけハイレベルとなるパルスが信号SETに生じる。周波数fpwmにて発振するオシレータを用いてセット信号生成回路415を形成できる。信号SETの1周期の長さは周波数fpwmの逆数である。周波数fpwmの逆数の間隔で信号SETにアップエッジが生じる。以下、周波数fpwmの逆数をPWM周期と称する。
ロジック回路416は、信号SET及びRSTに基づき制御信号SH及びSLを生成及び出力する。図25に示す如く、ロジック回路416は、信号SETのアップエッジを契機に制御信号SHにアップエッジを生じさせると共に制御信号SLにダウンエッジを生じさせ、且つ、信号RSTのアップエッジを契機に制御信号SHにダウンエッジを生じさせると共に制御信号SLにアップエッジを生じさせる。尚、信号RSTのアップエッジを契機に制御信号SLにアップエッジを生じさせた後、ハイレベルの逆流検出信号ZXOUTがロジック回路416に入力された場合にあっては、ロジック回路416は、信号SETの次のアップエッジを待たずに制御信号SLにダウンエッジを生じさせる。
ここで、ロジック回路416に対しては後述の信号SKPも入力されており、信号SKPのローレベル期間においてのみ、ロジック回路416は上述の動作(信号SETのアップエッジに基づく制御信号SHのアップエッジ及び制御信号SLのダウンエッジの発生動作)を実行する。この点については後にも述べられる。
ドライバ417は、トランジスタMH及びMLの各ゲート、スイッチ端子SW並びにグランド端子GNDに接続される。ドライバ417は、制御信号SH及びSLに応じたゲート信号GH及びGLを夫々トランジスタMH及びMLのゲートに供給することで、トランジスタMH及びMLを個別にオン又はオフとする。ドライバ417は、制御信号SHがハイレベルであるときにはゲート信号GHをハイレベルに設定することでトランジスタMHをオンとし、制御信号SHがローレベルであるときにはゲート信号GHをローレベルに設定することでトランジスタMHをオフとする。ドライバ417は、制御信号SLがハイレベルであるときにはゲート信号GLをハイレベルに設定することでトランジスタMLをオンとし、制御信号SLがローレベルであるときにはゲート信号GLをローレベルに設定することでトランジスタMLをオフとする。
ロジック回路416は制御信号SH及びSLの双方を同時にハイレベルに設定することは無い。故に、トランジスタMHのオン期間では常にトランジスタMLがオフであり、トランジスタMLのオン期間では常にトランジスタMHがオフである。
逆流検出回路418は、トランジスタMLのオン期間中にスイッチ電圧Vswをグランド電位と比較することにより、逆流電流の有無を検出して、その検出結果を示す逆流検出信号ZXOUTを生成する。逆流検出信号ZXOUTはロジック回路416に供給される。逆流電流とは、スイッチ端子SWからトランジスタMLを介してグランドに流れ込む電流であり、負のコイル電流ILに相当する。逆流検出信号ZXOUTのレベルは、スイッチ電圧Vswがグランド電位よりも低いときにローレベルとなり、スイッチ電圧Vswがグランド電位よりも高いときにハイレベルとなる。つまり、逆流検出信号ZXOUTのレベルは負のコイル電流ILの発生時にハイレベルとなる。逆流電流が検知されたときにトランジスタMLをオンからオフに切り替えて逆流電流を遮断することで、軽負荷時の効率を向上させることができる。以下では、特に必要なき限り、信号ZXOUTがローレベルに維持されているものとする。
スキップ判定電圧生成回路420はスキップ判定電圧Vskpを生成及び出力する。スキップ判定電圧Vskpを特性については後述される。
スキップコンパレータ421に対して誤差電圧Vcmp及びスキップ判定電圧Vskpが供給される。スキップコンパレータ421は誤差電圧Vcmp及びスキップ判定電圧Vskpに基づき、信号SKPを生成及び出力する。実施例EX3_1に係るスキップコンパレータ421において、反転入力端子は配線WR411に接続されて誤差電圧Vcmpを受け、非反転入力端子にてスキップ判定電圧Vskpを受ける。故に、実施例EX3_1に係るスキップコンパレータ421は、“Vcmp>Vskp”の成立時においてローレベルの信号SKPを出力し、“Vcmp<Vskp”の成立時においてハイレベルの信号SKPを出力する。“Vcmp=Vskp”の成立時において信号SKPはローレベル又はハイレベルとなる。信号SKPはスキップ信号として機能し、第1論理値又は第2論理値を有する。ここでは、ローレベルの信号SKPが第1論理値を有し且つハイレベルの信号SKPが第2論理値を有する。
[基本スイッチング制御BC3]
スイッチング制御回路SWCはPWM制御により出力段MMをスイッチング駆動することができる。PWMはパルス幅変調(Pulse Width Modulation)の略称である。図25はスイッチング制御回路SWCにて行うことのできる基本スイッチング制御BC3のタイミングチャートである。基本スイッチング制御BC3は、電流連続モードにて行われるPWM制御であって、且つ、“Vcmp>Vskp”が継続的に成立しているときに行われるPWM制御である。電流連続モードでは、スイッチ端子SWから出力端子OUTに向けて常にコイル電流ILが流れる。信号SKPがローレベルを有することを前提として、ロジック回路416は、信号SETのアップエッジを契機に制御信号SHにアップエッジを生じさせると共に制御信号SLにダウンエッジを生じさせ、且つ、信号RSTのアップエッジを契機に制御信号SHにダウンエッジを生じさせると共に制御信号SLにアップエッジを生じさせる。基本スイッチング制御BC3では、周波数fpwmにてトランジスタMH及びMLが交互にオン、オフとされるスイッチング動作が周期的に行われる。
基本スイッチング制御BC3において制御信号SH及びSLは周波数fpwmを有するパルス幅変調信号である。基本スイッチング制御BC3において、トランジスタMH及びMLが周波数fpwmにてスイッチング駆動され、結果、スイッチ電圧Vswは周波数fpwmを有する。即ち、基本スイッチング制御BC3において、出力段MMのスイッチング周波数は周波数fpwmと一致する。基本スイッチング制御BC3において、各周期における制御信号SHのハイレベル期間の長さ(即ちトランジスタMHのオン期間)が調整されることで、出力電圧Voutが目標電圧Vtgにて安定化する。目標電圧Vtgは出力電圧Vout及び帰還電圧Vfb間の比と基準電圧Vrefとで定まり、“Vtg=(Vout/Vfb)×Vref”で表される。出力電圧Vout及び帰還電圧Vfb間の比は帰還電圧生成回路(R1、R2)による出力電圧Voutの分圧比に等しい。
出力電流Ioutの増大は出力電圧Voutの低下につながり、目標電圧Vtgから見て出力電圧Voutの低下は誤差電圧Vcmpの上昇をもたらす。出力電流Ioutの低下は出力電圧Voutの上昇につながり、目標電圧Vtgから見て出力電圧Voutの上昇は誤差電圧Vcmpの低下をもたらす。誤差電圧Vcmpの上昇に応答してオンデューティが増加するよう且つ誤差電圧Vcmpの低下に応答してオンデューティが低下するよう、リセットコンパレータ414は誤差電圧Vcmp及びスロープ電圧Vslpに基づき信号RSTを生成する。オンデューティは、トランジスタMHのオン期間の長さとトランジスタMHのオフ期間の長さとの和に対する、トランジスタMHのオン期間の長さの比を表す。
基本スイッチング制御BC3においてロジック回路416はオンデューティに上限デューティを設け、オンデューティが上限デューティを超えないよう制御信号(SH、SL)を生成して良い。従って例えば、スイッチング周波数が1MHz(メガヘルツ)であって且つ上限デューティが95%である場合において、制御信号SHにアップエッジを生じさせてから0.95マイクロ秒経過しても信号RSTにアップエッジが生じないとき、ロジック回路416は、信号RSTに依らず、即時、制御信号SHにダウンエッジを且つ制御信号SLにアップエッジを生じさせて良い。
[パルススキップ制御]
次に、スイッチング制御回路SWCにて実行可能なパルススキップ制御について説明する。スイッチング制御回路SWCは信号SKPがハイレベルであるときにパルススキップ制御を実行する。パルススキップ制御は、基本的に、出力電流Ioutが比較的に小さいときに実行される。尚、パルススキップ制御の実行主体はロジック回路416であると解して良い。
図26を参照してパルススキップ制御を説明する。時刻tE1より前においては上述の基本スイッチング制御BC3が継続的に実行されており、時刻tE1にて信号SETにアップエッジが生じたものとする。その後、時刻tE2を経て時刻tE3の直前までは、“Vcmp>Vskp”であるが故に信号SKPがローレベルに維持されている。時刻tE1における信号SETのアップエッジを契機に、ロジック回路416及びドライバ417によりトランジスタMHがターンオン且つトランジスタMLがターンオフされることで、コイル電流ILが徐々に増大してゆき、これに連動してスロープ電圧Vslpも徐々に上昇してゆく。そして、誤差電圧Vcmp未満であったスロープ電圧Vslpが時刻tE2にて誤差電圧Vcmpにまで達すると、信号RSTにアップエッジが生じる。時刻tE2にておける信号RSTのアップエッジを契機に、ロジック回路416及びドライバ417によりトランジスタMHがターンオフ且つトランジスタMLがターンオンされる。
図26の動作例では、出力電流Ioutの低下に伴い、時刻tE1より前の時刻から時刻tE3以降に亘って誤差電圧Vcmpが単調減少することが想定されており、時刻tE2の後、信号SETに次のアップエッジが生じる前の時刻tE3を境に誤差電圧Vcmpがスキップ判定電圧Vskpを下回り、結果、時刻tE3にて信号SKPにアップエッジが生じる。時刻tE3は時刻tE2より1PWM周期分の時間が経過する前の時刻である。ロジック回路416は、信号SKPのハイレベル期間においてパルススキップ制御を行う。
パルススキップ制御では出力段MMのスイッチング駆動が停止される。具体的には、パルススキップ制御では、ハイレベルの信号SKPに基づき、ロジック回路416内において信号SETをマスクする信号が発行されることで、回路415の出力信号に依らずロジック回路416内において信号SETがローレベルに固定される。従って、時刻tE3以降、信号SKPがハイレベルに維持されている限り、信号SETがローレベルに維持されることになるため、トランジスタMHはオフに維持される。信号SKPのハイレベル期間においてトランジスタMHがオフに維持されておれば、スロープ電圧Vslpは0Vで固定されるため、信号RSTもローレベルに維持され、故にトランジスタMLもオフに維持される。このように、パルススキップ制御の実行期間ではトランジスタMH及びMLがオフに維持される。
図26において、破線パルス613はマスクされた信号SETのパルスを表し、破線パルス614は、パルススキップ制御が行われなかったとしたならば信号RSTに生じていたであろうパルスを表す。破線波形611及び612はパルススキップ制御が行われなかったとしたならばスイッチ電圧Vsw及びスロープ電圧Vslpに含まれていたであろう電圧の波形を表している。スイッチング電源回路1が軽負荷状態であるときに(即ち出力電流Ioutが比較的小さいときに)上述のパルススキップ制御を行うことによりスイッチング損失が低減されるので、軽負荷時の効率向上が図られる。
尚、信号SKPがハイレベルであるときにロジック回路416内において信号SETをマスクする方法を上述したが、信号SKPがハイレベルであるときにセット信号生成回路415の動作を停止させることで回路415の出力信号SETをローレベルに固定しても良い。
[パルススキップ制御からの復帰動作]
パルススキップ制御からの復帰動作について説明する。パルススキップ制御の開始後、出力電流Ioutの増大等に伴って信号SKPにダウンエッジが生じたとき、ロジック回路416は信号SETのマスクを解除して、上述の基本スイッチング制御BC3を再開する。
但し、回路415にて信号SETを生成するための発振動作と信号SKPのダウンエッジのタイミングとが非同期であると、信号SKPにダウンエッジが発生してから信号SETにアップエッジが生じるまでのギャップが長くなることがある。これは、出力電圧Voutの過度の低下又は出力電圧Voutのリプル増大を招き得る。このため、回路415は、信号SKPのダウンエッジに同期して信号SETのパルス生成動作を再開する改良復帰動作を行うことが望ましい。即ち、改良復帰動作に係る回路415は、信号SKPのダウンエッジに同期して信号SETにアップエッジを生じさせ、以後は、周波数fpwmにて信号SETにアップエッジを生じさせる。以下では、回路415にて改良復帰動作が行われるものとする。
図27に、出力電流Ioutが比較的小さいが故に、基本スイッチング制御BC3とパルススキップ制御が交互に繰り返されるときのタイミングチャートを示す。図27のケースでは、信号SKPのダウンエッジ、基本スイッチング制御BC3への復帰、出力電圧Voutの上昇に伴う誤差電圧Vcmpの低下、信号SKPのアップエッジ、パルススキップ制御の実施(信号SETのマスク)、出力電圧Voutの低下に伴う誤差電圧Vcmpの上昇、信号SKPのダウンエッジが、この順番で順次発生し且つ繰り返される。図27において、破線パルス621及び622はマスクされた信号SETのパルスを表す。
図27のケースでは、誤差電圧Vcmpがスキップ判定電圧Vskpの近辺で安定化される。また、制御信号SHのハイレベル期間におけるスロープ電圧Vslpの傾きが一定である場合には、信号SETのアップエッジごとに発生する制御信号SHのハイレベル期間の長さは実質的に一定となる。これを鑑みると、図27のケースでは、コンスタントオンタイム制御と実質的に等価な制御が行われていると言うことができる。
尚、上記のコンスタントオンタイム制御における信号SETのアップエッジの発生間隔は、出力電流Ioutに依存する。具体的には、出力電流Ioutが大きいほど、信号SETのアップエッジの発生間隔が短くなる。そして、信号SETのアップエッジの発生間隔が所定間隔にまで狭まると、もはや信号SETがマスクされなくなり、基本スイッチング制御BC3に移行する。
[スキップ判定電圧の特性]
次にスキップ判定電圧Vskpの特性について説明する。回路420は対象温度TTに応じてスキップ判定電圧Vskpを変化させる。ここで、対象温度TTは電源制御装置410の温度である。詳細には、対象温度TTは電源制御装置410内の対象位置の温度である。対象位置は予め定められた位置である。対象温度TTが、出力段MMの温度(特にトランジスタMHのジャンクション温度)に近い温度となるよう対象位置が定められると良い。少なくとも、出力段MMの温度(特にトランジスタMHのジャンクション温度)の上昇、低下に連動して、対象温度TTも上昇、低下する。回路420は、対象温度TTの変化に連動して値が変化する物理量を持つ素子(バイポーラトランジスタ、抵抗など)を備える。回路420は、当該素子を用いてスキップ判定電圧Vskpを生成することにより対象温度TTに応じてスキップ判定電圧Vskpを変化させる。
図28に示す如く、回路420は対象温度TTの上昇に伴ってスキップ判定電圧Vskpを連続的に上昇させて良い。例えば、“Vskp=Vskp_ref+k・(TT-Tref)”が成立するよう、回路420はスキップ判定電圧Vskpを生成して良い。ここで、kは正の所定値を有する係数である。Trefは所定温度(例えば25℃)を表す。この際、“TT=Tref”であるときには、スキップ判定電圧Vskpが基準となる電圧Vskp_refと一致する。電圧Vskp_refは、予め定められた固定電圧であっても良いし、出力電圧Voutに応じた電圧であっても良い。
図29に示す如く、回路420は対象温度TTの上昇に伴ってスキップ判定電圧Vskpを段階的に上昇させても良い。例えば、回路420は、対象温度TTが所定の閾温度Tth以下であるときにはスキップ判定電圧Vskpに第1電圧値を持たせ、対象温度TTが閾温度Tthを超えるときにはスキップ判定電圧Vskpに第1電圧値より高い第2電圧値を持たせて良い。図29では、対象温度TTに応じてスキップ判定電圧Vskpを2段階で変化させているが、3段階以上で変化させても良い。
図30に、図24の回路420として用いることのできるスキップ判定電圧生成回路420Aの構成を示す。回路420Aを用いれば、スキップ判定電圧Vskpが出力電圧Voutに応じた電圧になると共に、対象温度TTの上昇に伴ってスキップ判定電圧Vskpが連続的に上昇する。
図30の回路420Aは、抵抗501~506、511及び512、コンデンサ507~509、トランジスタ510及び513~515、並びに、電流源516を備える。トランジスタ510、514及び515はPチャネル型のMOSFETであり、トラジジスタ513はNPN型のバイポーラトランジスタである。
抵抗501の第1端はスイッチ端子SWに接続されてスイッチ電圧Vswを受ける。抵抗501の第2端は抵抗502を介してグランドに接続される。抵抗501及び502間の接続ノードにスイッチ電圧Vswの分圧が生じる。抵抗503~505及びコンデンサ507~509により平滑化回路430が構成される。平滑化回路430は、抵抗501及び502間の接続ノードにおける電圧を平滑化(換言すれば平均化)する。平滑化回路430は抵抗とコンデンサによるRCローパスフィルタを複数段有する多段ローパスフィルタである。平滑化回路430に設けられるRCローパスフィルタの段数は、図30に示す例に限定されず、任意である。
図30の構成例において、抵抗503の第1端は抵抗501及び502間の接続ノードに接続され、抵抗503の第2端は抵抗504の第1端に接続されると共にコンデンサ507を介してグランドに接続される。抵抗504の第2端は抵抗505の第1端に接続されると共にコンデンサ508を介してグランドに接続される。抵抗505の第2端はノードND521に接続される。ノードND521はコンデンサ509及び抵抗506の並列回路を介してグランドに接続される。また、ノードND521はトランジスタ510のゲートに接続される。ノードND521における電圧V2は、スイッチ電圧Vswの分圧及び平滑化(換言すれば平均化)により得られる電圧であり、出力電圧Voutに比例する。トランジスタ510のソースは抵抗511を介してノードND522に接続される。トランジスタ510のドレインはグランドに接続される。
抵抗512及びトランジスタ513~515は対象温度TTに応じた電流Itを発生する電流発生回路を構成する。具体的には、トランジスタ513のエミッタは抵抗512を介してグランドに接続される。トランジスタ513のベースには基準電圧Vref2が印加される。基準電圧Vref2は固定された正の直流電圧値を有する。基準電圧Vref2は上述の基準電圧Vrefと同じであっても良いし、異なっていても良い。バンドギャップリファレンス等を用いて基準電圧Vref2を生成できる。基準電圧Vref2は対象温度TTの変動に連動して若干変動しうるが、ここでは、基準電圧Vref2の変動は十分に小さいとみなして無視する。
トランジスタ513のコレクタは、トランジスタ514のドレイン及びゲートとトランジスタ515のゲートに共通接続される。トランジスタ514及び515の各ソースに対して内部電源電圧Vregが印加される。内部電源電圧Vregは正の直流電圧値を有する。トランジスタ515のドレインはノードND522に接続される。
トランジスタ513のベース-エミッタ間電圧(エミッタ電位から見たベース電位)を電圧Vfにて表す。トランジスタ514及び515によりカレントミラー回路が形成され、トランジスタ514のドレイン及びソース間に流れる電流Itと同じ電流値を有する電流Itがトランジスタ515のドレイン電流としてトランジスタ515のドレイン及びソース間に流れる。トランジスタ515のドレイン電流Itは抵抗511及びトランジスタ510を介してグランドに流れる。電流源516は内部電源電圧Vregの印加端とノードND522との間に設けられ、内部電源電圧Vregの印加端からノードND522に向けて一定の基準電流Irefを供給する。
ノードND522における電圧V2aは、ノードND521における電圧V2よりも、トランジスタ510のゲート-ソース間電圧と抵抗511で発生する電圧降下との和だけ高い。図30の回路420Aは、電圧V2aをスキップ判定電圧Vskpとして出力する。抵抗511で発生する電圧降下を電圧ΔVと称する。抵抗511、512の抵抗値を、夫々、R511、R512で表すと“It=(Vref2-Vf)/R512”であるから、電圧ΔVは以下の式にて表される。
ΔV=It×R511+Iref×R511
=(Vref2-Vf)×(R511/R512)+Iref×R511
回路420Aの温度(回路420Aを構成する各素子の温度)は対象温度TTと等しく又は実質的に等しく、故に、電圧Vfは対象温度TTの上昇につれて低下する。このため、対象温度TTの上昇につれて電圧ΔVが上昇し、結果、対象温度TTの上昇につれてスキップ判定電圧Vskpが上昇する。
抵抗511及び512を互いに同じ種類の抵抗にて形成することで、抵抗511の温度特性と抵抗512の温度特性とを互いに同じにして良い。この場合、比(R511/R512)の温度依存性は完全に又は概ね存在しなくなる。但し、抵抗511に正の温度特性を持たせ且つ抵抗512に負の温度特性を持たせるようにしても良い。この場合、比(R511/R512)が正の温度特性を持つため、比(R511/R512)に温度依存性が無い場合と比べて、対象温度TTの上昇に伴うスキップ判定電圧Vskpの上昇の傾きが大きくなる。
本実施例では、対象温度TTの上昇に伴ってスキップ判定電圧Vskpが上昇するため、対象温度TTが高くなるほどパルススキップ制御が実行されやすくなる。パルススキップ制御の実行時にはパルススキップ制御の非実行時と比べて、出力段MMのスイッチング周波数が低下するため、スイッチング損失が小さくなる。スイッチング損失の低下は対象温度TTの上昇抑制又は低下に繋がる。つまり、対象温度TTの上昇に伴うスキップ判定電圧Vskpの上昇により、対象温度TTの上昇抑制又は低下が実現される。本来、パルススキップ制御は軽負荷時におけるスイッチング損失の低減を目的としたものであるが、これを利用することで対象温度TTの過度な上昇を抑制できる。
本実施例に示す構成はコイルL1の小型化に寄与する。これについて具体例を挙げて説明する。第1参考構成では、コイルL1のインダクタンス値が22μHであって且つ周波数fpwmが1MHzであるとする。また第1参考構成では、スキップ判定電圧Vskpが対象温度TTに依存せず不変であるとする。更に第1参考構成において信号SKPがローレベルに維持されることで1MHzでのスイッチング駆動が継続されたとき、トランジスタMH又はMLのジャンクション温度が規定上限温度(例えば150℃)を超えるとする。トランジスタMH又はMLのジャンクション温度が規定上限温度を超えることは、トランジスタMH又はMLの保護の観点から許容されない。
そこで、第1参考構成を第2参考構成へと変更する必要が生じる。第1参考構成を基準に、第2参考構成では、周波数fpwmが1MHから500kHzへと低下され、且つ、周波数fpwmの低下に伴いコイルL1のインダクタンス値が22μHから100μHに増大される。第1参考構成から見て第2参考構成では、周波数fpwmの低下によりスイッチング損失が低減される。このため、信号SKPがローレベルに維持されることで500kHzにてスイッチング駆動が継続されたとしても、トランジスタMH又はMLのジャンクション温度は規定上限温度以下に収まる。但し、第2参考構成では第1参考構成と比べてコイルL1が大型化する。
本実施例に示す構成を用いれば、トランジスタMH又はMLのジャンクション温度が規定上限温度に近づく程度に対象温度TTが上昇したとき、パルススキップ制御が実行されやすくなる、又は、スキップ判定電圧Vskpが十分に高まることで必ずパルススキップ制御が実行される。故に、本実施例に示す構成においてはコイルL1のインダクタンス値を22μHに且つ周波数fpwmを1MHzに設定することができる。本実施例に示す構成において、信号SKPがローレベルに維持されることで1MHzにてスイッチング駆動が継続されたとき、トランジスタMH又はMLのジャンクション温度が規定上限温度に向けて上昇してゆく。このとき例えば、図27に示すような状況(パルススキップ制御により実質的にコンスタントオンタイム制御が実行される状況)になる。結果例えば、パルススキップ制御によりスイッチング周波数が1MHzから500kHzに低下し、第2参考構成と同様に、トランジスタMH又はMLのジャンクション温度は規定上限温度以下に収まる。
<<実施例EX3_2>>
実施例EX3_2を説明する。実施例EX3_2並びに後述される実施例EX3_3及びEX3_4は実施例EX3_1を基礎とする実施例である。実施例EX3_2にて特に記述無き事項は、矛盾なき限り、実施例EX3_1の記載が実施例EX3_2にも適用される(後述される実施例EX3_3及びEX3_4でも同様)。
図31に実施例EX3_2に係る電源制御装置410の一部回路図を示す。実施例EX3_2に係る電源制御装置410には、スロープ電圧生成回路413B及びスキップ判定電圧生成回路420B、基準電流源RSC及びトランジスタ550が設けられる。実施例EX3_2では、回路413B、420Bが、夫々、図24のスロープ電圧生成回路413、スキップ判定電圧生成回路420として用いられる。実施例EX3_2では、配線WR411における電圧をレベルシフトした電圧が誤差電圧Vcmpとして機能する。回路420Bは図30の回路420Aと同じ構成を有しているため、回路420Bに関する説明を省略する。但し、図31の構成では、基準電流源RCSがノードND522に対して基準電流Irefを供給する。図31のトランジスタ564が図30の電流源516に相当すると解して良い。
回路413Bの構成を説明する。回路413Bは、抵抗531~533及び541、オペアンプ534、トランジスタ535~539並びにコンデンサ540を備える。トランジスタ535及び538はNチャネル型のMOSFETであり、トランジスタ536、537及び539はPチャネル型のMOSFETである。
抵抗531の一端が入力電圧Vinの印加端に接続され、抵抗531の他端が抵抗532を介してグランドに接続される。抵抗531及び532間の接続ノードはオペアンプ534の非反転入力端子に接続される。オペアンプ534の反転入力端子はトランジスタ535のソースに接続されると共に抵抗533を介してグランドに接続される。オペアンプ534の出力端子はトランジスタ535のゲートに接続される。トランジスタ535のドレインは、トランジスタ536のドレイン及びゲート並びにトランジスタ537のゲートに共通接続される。トランジスタ536及び537の各ソースに対して内部電源電圧Vregが印加される。トランジスタ537のドレインはノードND542に接続される。ノードND542はコンデンサ540を介してグランドに接続される。また、ノードND542はトランジスタ538のドレイン及びトランジスタ539のゲートに共通接続される。トランジスタ538のソース及びトランジスタ539のドレインはグランドに接続される。トランジスタ539のソースは抵抗541を介してノードND543に接続される。ノードND542における電圧を電圧V1と称し、ノードND543における電圧を電圧V1aと称する。
基準電流源RCSの構成を説明する。基準電流源RCSはトランジスタ561~564を備える。トランジスタ561~564はPチャネル型のMOSFETである。トランジスタ561~564の各ソースに対して内部電源電圧Vregが印加される。トランジスタ561のドレイン及びゲートとトランジスタ562~564の各ゲートは互いに共通接続される。トランジスタ562のドレインはノードND543に接続される。トランジスタ563のドレインはノードND551に接続される。トランジスタ564のドレインはノードND522に接続される。
トランジスタ550はPチャネル型のMOSFETである。トランジスタ550のゲートは配線WR411(図24参照)に接続される。トランジスタ550のドレインはグランドに接続される。トランジスタのソースはノードND551に接続される。配線WR411における電圧を電圧V0と称し、ノードND551における電圧を電圧V0aと称する。
図31に示す各回路の動作を説明する。基準電流Irefを引き込む図示されない回路に対してトランジスタ561のドレインが接続されることで、トランジスタ561のドレイン電流として基準電流Irefが流れる。トランジスタ561~564によりカレントミラー回路が構成される。このため、トランジスタ562~564の各々のドレイン-ソース間に基準電流Irefが流れる。即ち、トランジスタ562から基準電流IrefがノードND543に向けて流れ、トランジスタ563から基準電流IrefがノードND551に向けて流れ、トランジスタ564から基準電流IrefがノードND522に向けて流れる。
抵抗531及び532間の接続ノードに入力電圧Vinの分圧が発生する。オペアンプ534は、抵抗531及び532間の接続ノードにおける電圧と抵抗533で発生する電圧降下とが等しくなるよう、トランジスタ535のゲート電位を制御する。このため、抵抗531及び532間の接続ノードの電圧に応じたドレイン電流がトランジスタ536に流れる。トランジスタ536及び537はカレントミラー回路を構成するため、トランジスタ536のドレイン電流に比例する電流Ichgがトランジスタ537にて発生する。電流Ichgは内部電源電圧Vregの印加端からトランジスタ537のドレイン電流としてノードND542へと流れる。
トランジスタ538のゲートには信号SH_Bが供給される。信号SH_Bは制御信号SHの反転信号である。故に、制御信号SHのローレベル期間では信号SH_Bがハイレベルを有することでトランジスタ538がオン状態となる。トランジスタ538がオン状態であるとき、ノードND542がトランジスタ538のチャネルを通じてグランドに短絡されるため、電圧V1は実質的に0Vである。制御信号SHのハイレベル期間では信号SH_Bがローレベルを有することでトランジスタ538がオフ状態となる。トランジスタ538がオフ状態であるとき、電流Ichgにてコンデンサ540が充電されることで電圧V1が徐々に上昇してゆく。
トランジスタ539のチャネルにトランジスタ562及び抵抗541を介して供給される基準電流Irefが流れる。このため、ノードND543における電圧V1aは、電圧V1よりも、トランジスタ539のゲート-ソース間電圧と抵抗541で発生する電圧降下との和電圧だけ高い。即ち、電圧V1を上記和電圧だけ上方にレベルシフトした電圧が電圧V1aとしてノードND543に発生する。
一方、トランジスタ550のチャネルにトランジスタ563を介して供給される基準電流Irefが流れる。このため、ノードND551における電圧V0aは、電圧V0よりも、トランジスタ550のゲート-ソース間電圧だけ高い。即ち、電圧V0をトランジスタ550のゲート-ソース間電圧だけ上方にレベルシフトした電圧が電圧V0aとしてノードND551に発生する。
実施例EX3_2では、ノードND543がリセットコンパレータ414の非反転入力端子に接続されることで、電圧V1aがスロープ電圧Vslpとして機能する。実施例EX3_2では、ノードND551がリセットコンパレータ414及びスキップコンパレータ421の各反転入力端子に接続されることで、電圧V0aが誤差電圧Vcmpとして機能する。実施例EX3_2では、ノードND522がスキップコンパレータ421の非反転入力端子に接続されることで、電圧V2aがスキップ判定電圧Vskpとして機能する。
故に、実施例EX3_2に係るリセットコンパレータ414は、“V1a>V0a”の成立時にハイレベルの信号RSTを出力し、“V1a<V0a”の成立時にローレベルの信号RSTを出力し、“V1a=V0a”の成立時にハイレベル又はローレベルの信号RSTを出力する。実施例EX3_2に係るスキップコンパレータ421は、“V2a>V0a”の成立時にハイレベルの信号SKPを出力し、“V2a<V0a”の成立時にローレベルの信号SKPを出力し、“V2a=V0a”の成立時にハイレベル又はローレベルの信号SKPを出力する。尚、制御信号SHのローレベル期間において信号RSTがローレベルとなるよう(即ち、制御信号SHのローレベル期間において“V1a<V0a”となるよう)、各回路素子の特性が定められているものとする。
電源制御装置410には、帰還電圧Vfb及び基準電圧Vrefに基づき誤差電圧Vcmpを生成する誤差電圧生成回路が設けられる。実施例EX3_1ではエラーアンプ411そのものが誤差電圧生成回路に相当する。実施例EX3_2ではエラーアンプ411とトランジスタ550とで誤差電圧生成回路が形成されると解することができる。或いは、実施例EX3_2では、配線WR411における電圧V0が誤差電圧であって、電圧V0aはレベルシフトされた誤差電圧である、と考えることも可能である。
何れにせよ、回路420Bにより、対象温度TTの上昇につれてスキップ判定電圧Vskpが高まる。このため、実施例EX3_1で述べた作用及び効果が奏される。
<<実施例EX3_3>>
実施例EX3_3を説明する。実施例EX3_1及びEX3_2では、“Vfb<Vref”であるときに誤差電圧が上昇し、“Vfb>Vref”であるときに誤差電圧が低下する構成が採用されているが、誤差電圧の変化方向を、実施例EX3_1及びEX3_2に示したものと逆にしても良い。但し、この場合、スロープ電圧Vslpの変化方向も実施例EX3_1及びEX3_2と逆とし、且つ、対象温度TTの上昇に伴うスキップ判定電圧Vskpの変化方向も実施例EX3_1及びEX3_2と逆とする。
即ち、図32に示す構成が電源制御装置410に採用されて良い。図32は実施例EX3_3に係る電源制御装置410の一部構成図である。実施例EX3_3に係る電源制御装置410は、リセットコンパレータ414としてリセットコンパレータ414_Bを有し、スキップコンパレータ421としてリセットコンパレータ421_Bを有する。
実施例EX3_3に係る電源制御装置410では、スロープ電圧生成回路413によりスロープ電圧Vslp_Bが生成され、スキップ判定電圧生成回路420によりスキップ判定電圧Vskp_Bが生成され、且つ、エラーアンプ411を含む誤差電圧生成回路により誤差電圧Vcmp_Bが生成される。例えばエラーアンプ411と誤差電圧Vcmpから誤差電圧Vcmp_Bを生成するレベルシフタ(不図示)とで誤差電圧生成回路を形成できる。ここで、下記式(3)~(5)が成立する。式(3)~(5)の右辺におけるVslp、Vskp、Vcmpは、実施例EX3_1又はEX3_2で述べた電圧Vslp、Vskp、Vcmpである。式(3)~(5)の右辺におけるVccは正の直流電圧である。電圧Vccは入力電圧Vinそのものであっても良いし、電源制御装置410内で生成された内部電源電圧であっても良い。
Vslp_B=Vcc-Vslp ・・・(3)
Vskp_B=Vcc-Vskp ・・・(4)
Vcmp_B=Vcc-Vcmp ・・・(5)
このため、実施例EX3_3に係るスロープ電圧Vslp_Bは、トランジスタMHのオン期間において単調に低下する。実施例EX3_3に係るスキップ判定電圧Vskp_Bは、対象温度TTが上昇するにつれて連続的に又は段階的に低下する。実施例EX3_3に係る誤差電圧Vcmp_Bは“Vfb<Vref”であるときに低下し、“Vfb>Vref”であるときに上昇する。
リセットコンパレータ414_Bにおいて反転入力端子にスロープ電圧Vslp_Bが入力され、非反転入力端子に誤差電圧Vcmp_Bが入力される。リセットコンパレータ414_Bは、電圧Vslp_B及びVcmp_Bを比較して、
“Vslp_B>Vcmp_B”の成立時にローレベルの信号RSTを出力し、
“Vslp_B<Vcmp_B” の成立時にハイレベルの信号RSTを出力し、
“Vslp_B=Vcmp_B”の成立時にローレベル又はハイレベルの信号RSTを出力する。
スキップコンパレータ421_Bにおいて反転入力端子にスキップ判定電圧Vskp_Bが入力され、非反転入力端子に誤差電圧Vcmp_Bが入力される。スキップコンパレータ421_Bは、電圧Vskp_B及びVcmp_Bを比較して、
“Vskp_B>Vcmp_B”の成立時にローレベルの信号SKPを出力し、
“Vskp_B<Vcmp_B”の成立時にハイレベルの信号SKPを出力し、
“Vskp_B=Vcmp_B”の成立時にローレベル又はハイレベルの信号SKPを出力する。
実施例EX3_3では、リセットコンパレータ414_Bから出力される信号RST及びスキップコンパレータ421_Bから出力される信号SKPがロジック回路416に供給される。実施例EX3_3にて特に記述されない回路の動作は実施例EX3_1又はEX3_2に示した通りである。
電圧の変化方向には、第1方向と、第1方向とは逆の第2方向がある。第1方向及び第2方向の内、任意の一方が上昇方向であり、他方が低下方向である。実施例EX3_1又はEX3_2に係る誤差電圧、スロープ電圧及びスキップ判定電圧の変化方向を、夫々に逆転させたものが実施例EX3_3に相当する。
<<実施例EX3_4>>
実施例EX3_4を説明する。実施例EX3_4では上述の各事項に対する補足事項又は変形技術等を説明する。
図24の電源制御装置410は、信号SKPがローレベルを有するとき、誤差電圧Vcmpに応じて(詳細には誤差電圧Vcmp及びスロープ電圧Vslpに応じて)出力段MMのスイッチング駆動を行う制御駆動回路を内包する。図24の構成における制御駆動回路は、リセットコンパレータ414、セット信号生成回路415、ロジック回路416及びドライバ417を構成要素として備える。但し、スロープ電圧生成回路413も制御駆動回路の構成要素に含まれる、という考え方も採用可能である。
上述のスイッチング電源装置1は降圧型のスイッチング電源装置であるが、本開示に係る技術が適用されるスイッチング電源装置は昇圧型のスイッチング電源装置であっても良い。昇圧型のスイッチング電源装置は入力電圧Vinを昇圧することで入力電圧Vinより高い出力電圧Voutを生成する。スイッチング電源装置1が昇圧型のスイッチング電源装置である場合、図15に示す如く、コイルL1の第1端は入力電圧Vinの印加端(入力電圧Vinが加わる端子)に接続され、コイルL1の第2端はトランジスタMHのドレイン及びトランジスタMLのソースに接続され、トランジスタMHのソースはグランドに接続され、トランジスタMLのドレインは出力端子OUTに接続されると共にコンデンサC1を介してグランドに接続される。図15の構成において、整流素子としてのトランジスタMLを、トランジスタMHのドレインに接続されたアノード及び出力端子OUTに接続されたカソードを有する同期整流ダイオードに置換しても良い。何れにせよ、出力段MMのスイッチング駆動において出力素子(MH)がオン及びオフ間で切り替えられることでコイルL1に流れる電流(IL)に基づき出力電圧Voutが生成される。
<<第3付記>>
上述の実施形態(特に実施例EX3_1~EX3_4)にて具体的構成例が示された本開示について第3付記を設ける。
本開示の一側面に係る電源制御装置は、入力電圧(Vin)から出力電圧(Vout)を生成するスイッチング電源装置(1)の出力段(MM)を制御するよう構成された電源制御装置(410)であって、前記出力電圧に応じた帰還電圧(Vfb)と所定の基準電圧(Vref)との差分に応じた誤差電圧(Vcmp)を生成するよう構成された誤差電圧生成回路(411)と、スキップ判定電圧(Vskp)を生成するよう構成されたスキップ判定電圧生成回路(420)と、前記誤差電圧及び前記スキップ判定電圧に基づき、第1論理値又は第2論理値を有するスキップ信号(SKP)を生成するよう構成されたスキップ信号生成回路(421)と、前記スキップ信号が前記第1論理値を有するとき、前記誤差電圧に応じて前記出力段のスイッチング駆動を行う一方、前記スキップ信号が前記第2論理値を有するとき、前記出力段のスイッチング駆動を停止するよう構成された制御駆動回路(414~417)と、を備え、前記出力段のスイッチング駆動を通じて前記入力電圧から前記出力電圧が生成され、前記スキップ判定電圧生成回路は、当該電源制御装置の温度に応じて前記スキップ判定電圧を変化させる構成(第20の構成)である。
これにより例えば、電源制御装置の温度が高くなるほど誤差電圧との関係においてスキップ信号に第2論理値を持たせやすくする、といったことが可能となる。第2論理値のスキップ信号に基づくスイッチング駆動の停止によりスイッチング損失が低減され、結果、電源制御装置の過度の温度上昇を抑制することができる。これは、スイッチング制御装置に用いられるコイルの小型化に寄与する。
上記第20の構成に係る電源制御装置において、前記出力電圧の上昇、低下に伴って、前記帰還電圧は上昇、低下し、前記誤差電圧生成回路は、前記帰還電圧が前記基準電圧より低いときに前記誤差電圧を第1方向に変化させる一方、前記帰還電圧が前記基準電圧より高いときに前記誤差電圧を前記第1方向とは逆の第2方向に変化させ、前記スキップ信号生成回路は、前記誤差電圧及び前記スキップ判定電圧の高低関係に基づき前記スキップ信号を生成し、前記スキップ判定電圧が前記誤差電圧より前記第2方向に相違するときには前記第1論理値の前記スキップ信号を生成する一方、前記スキップ判定電圧が前記誤差電圧より前記第1方向に相違するときには前記第2論理値の前記スキップ信号を生成し、前記スキップ信号生成回路は、前記温度の上昇に伴って前記スキップ判定電圧を前記第1方向に変化させる構成(第21の構成)であっても良い。
上記第21の構成に係る電源制御装置において、前記スキップ信号生成回路は、前記温度の上昇に伴って前記スキップ判定電圧を連続的に又は段階的に前記第1方向へ変化させる構成(第22の構成)であっても良い。
上記第21又は第22の構成に係る電源制御装置において、前記第1方向は上昇方向であって且つ前記第2方向は低下方向であり、前記スキップ信号生成回路は、前記スキップ判定電圧が前記誤差電圧より低いときには前記第1論理値の前記スキップ信号を生成する一方、前記スキップ判定電圧が前記誤差電圧より高いときには前記第2論理値の前記スキップ信号を生成する構成(第23の構成)であっても良い。
上記第21又は第22の構成に係る電源制御装置において、前記第1方向は低下方向であって且つ前記第2方向は上昇方向であり、前記スキップ信号生成回路は、前記スキップ判定電圧が前記誤差電圧より高いときには前記第1論理値の前記スキップ信号を生成する一方、前記スキップ判定電圧が前記誤差電圧より低いときには前記第2論理値の前記スキップ信号を生成する構成(第24の構成)であっても良い。
上記第20~第24の構成の何れかに係る電源制御装置において、前記出力段は、スイッチング素子にて構成される出力素子(MH)と、前記出力素子に接続される整流素子(ML)と、を有し、前記出力素子及び前記整流素子間の接続ノードに対してコイル(L1)が接続され、前記出力段のスイッチング駆動において前記出力素子がオン及びオフ間で切り替えられることで前記コイルに流れる電流に基づき前記出力電圧が生成され、当該電源制御装置には、前記コイルの電流情報に応じたスロープ電圧(Vslp)を生成するよう構成されたスロープ電圧生成回路(413)が更に設けられ、前記制御駆動回路は、前記スキップ信号が前記第1論理値を有するとき、前記誤差電圧及び前記スロープ電圧に応じて前記出力段のスイッチング駆動を行う構成(第25の構成)であっても良い。
<<第4付記>>
上述の各事項に対して共通に適用可能な付記(第4付記)を設ける。
任意の信号又は電圧に関して、上述の主旨を損なわない形で、それらのハイレベルとローレベルの関係は上述したものの逆とされ得る。
各実施形態に示されたFET(電界効果トランジスタ)のチャネルの種類は例示である。上述の主旨を損なわない形で、任意のFETのチャネルの種類はPチャネル型及びNチャネル型間で変更され得る。
不都合が生じない限り、上述の任意のトランジスタは、任意の種類のトランジスタであって良い。例えば、MOSFETとして上述された任意のトランジスタを、不都合が生じない限り、接合型FET、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)又はバイポーラトランジスタに置き換えることも可能である。任意のトランジスタは第1電極、第2電極及び制御電極を有する。FETにおいては、第1及び第2電極の内の一方がドレインで他方がソースであり且つ制御電極がゲートである。IGBTにおいては、第1及び第2電極の内の一方がコレクタで他方がエミッタであり且つ制御電極がゲートである。IGBTに属さないバイポーラトランジスタにおいては、第1及び第2電極の内の一方がコレクタで他方がエミッタであり且つ制御電極がベースである。
本開示の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本開示の実施形態の例であって、本開示ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
1 スイッチング電源装置
10 電源制御装置
SWC スイッチング制御回路
MM 出力段
MH、ML トランジスタ
L1 コイル
C1 コンデンサ
R1、R2 抵抗
VS 電圧源
LD 負荷
Vin 入力電圧
Vout 出力電圧
Iout 出力電流
IL コイル電流
Vsw スイッチ電圧
Vfb 帰還電圧
IN 入力端子
SW スイッチ端子
GND グランド端子
OUT 出力端子
FB 帰還端子
GH、GL ゲート信号
SWIN スイッチ
11 エラーアンプ
12 位相補償回路
13 スロープ電圧生成回路
14 リセットコンパレータ
15 セット信号生成回路
16 ロジック回路
17 ドライバ
18 逆流検出回路
19 対比電圧生成回路
19a 基準電圧源
19b SS回路
20 過電流保護回路
21 閾値設定回路
Vcmp 誤差電圧
Vslp スロープ電圧
Vref 基準電圧
SKP、RST、SET、OCP、OCP_C 信号
SH、SL 制御信号
110、130 回路
111、141 定電流源
112、113,131~133、140 抵抗
114 135~139 トランジスタ
134 オペアンプ
EN イネーブル端子
Sen イネーブル信号
22 イネーブル回路
210 電源制御装置
211 エラーアンプ
212 位相補償回路
213 スロープ電圧生成回路
214 リセットコンパレータ
215 セット信号生成回路
216 ロジック回路
217 ドライバ
218 逆流検出回路
220 過電流保護回路
221 誤差電圧変化抑制回路
221a、221b トランジスタ
221c 抵抗
410 電源制御装置
411 エラーアンプ
412 位相補償回路
413 スロープ電圧生成回路
414 リセットコンパレータ
415 セット信号生成回路
416 ロジック回路
417 ドライバ
418 逆流検出回路
420 スキップ判定電圧生成回路
421 スキップコンパレータ
420A スキップ判定電圧生成回路
501~506、511、512 抵抗
507~509 コンデンサ
510、513~515 トランジスタ
516 電流源
430 平滑化回路
Vreg 内部電源電圧
Iref 基準電流
413B スロープ電圧生成回路
531~533、541 抵抗、
534 オペアンプ
535~539 トランジスタ
540 コンデンサ
RCS 基準電流源
550、561~564 トランジスタ
414_B リセットコンパレータ
421_B スキップコンパレータ

Claims (25)

  1. 入力電圧から出力電圧を生成するスイッチング電源装置の出力段を制御するよう構成された電源制御装置であって、
    前記出力電圧に応じた帰還電圧に基づき前記出力段をスイッチング駆動するよう構成されたスイッチング制御回路を備え、前記出力段のスイッチング駆動を通じて前記入力電圧から前記出力電圧が生成され、
    前記スイッチング制御回路は、
    過電流閾値を設定する閾値設定回路と、
    前記出力段に流れる電流の値が前記過電流閾値を超えたとき過電流保護信号を出力するよう構成された過電流保護回路と、を備えて、前記過電流保護信号の出力に応答して、前記出力段に流れる電流の前記過電流閾値を超えての増加を制限する過電流保護動作を実行し、
    前記閾値設定回路は、前記出力段のスイッチング駆動の開始からの経過時間に応じて、前記過電流閾値を設定する
    、電源制御装置。
  2. 前記閾値設定回路は、前記過電流閾値を、第1の閾値、又は、前記第1の閾値よりも低い第2の閾値に設定し、前記経過時間の増大に伴って前記過電流閾値を前記第1の閾値から前記第2の閾値に切り替える
    、請求項1に記載の電源制御装置。
  3. 前記スイッチング制御回路は、前記帰還電圧と対比電圧との誤差を減ずるように前記出力段をスイッチング駆動し、
    前記スイッチング制御回路は、前記出力段のスイッチング駆動の開始後、所定の基準電圧よりも低い初期電圧から徐々に上昇するソフトスタート電圧を前記対比電圧として用い、前記ソフトスタート電圧が前記基準電圧を超えた後は前記基準電圧を前記対比電圧として用い、
    前記閾値設定回路は、前記経過時間に依存する前記ソフトスタート電圧に応じて前記過電流閾値を前記第1の閾値から前記第2の閾値に切り替える
    、請求項2に記載の電源制御装置。
  4. 前記閾値設定回路は、前記ソフトスタート電圧が前記基準電圧より高い所定電圧に達したとき、前記過電流閾値を前記第1の閾値から前記第2の閾値に切り替える
    、請求項3に記載の電源制御装置。
  5. 前記閾値設定回路は、前記経過時間の増大に伴って前記過電流閾値を第1の閾値から前記第1の閾値よりも小さな第2の閾値へと連続的に低下させた後、前記過電流閾値を前記第2の閾値に設定する
    、請求項1に記載の電源制御装置。
  6. 前記スイッチング制御回路は、前記帰還電圧と対比電圧との誤差を減ずるように前記出力段をスイッチング駆動し、
    前記スイッチング制御回路は、前記出力段のスイッチング駆動の開始後、所定の基準電圧よりも低い初期電圧から徐々に上昇するソフトスタート電圧を前記対比電圧として用い、前記ソフトスタート電圧が前記基準電圧を超えた後は前記基準電圧を前記対比電圧として用い、
    前記閾値設定回路は、前記経過時間に依存する前記ソフトスタート電圧に応じて前記過電流閾値を前記第1の閾値から前記第2の閾値へと連続的に低下させた後、前記過電流閾値を前記第2の閾値に設定する
    、請求項5に記載の電源制御装置。
  7. 前記スイッチング制御回路は、前記出力段のスイッチング駆動の開始後、前記ソフトスタート電圧を前記初期電圧より高い所定の上限電圧まで徐々に上昇させ、
    前記閾値設定回路は、前記ソフトスタート電圧の上昇期間において前記ソフトスタート電圧に応じ前記過電流閾値を前記第1の閾値から前記第2の閾値に向けて連続的に低下させ、前記ソフトスタート電圧が前記上限電圧に達した後は前記過電流閾値を前記第2の閾値に設定する
    、請求項6に記載の電源制御装置。
  8. 前記電源制御装置に対して前記入力電圧が供給開始されることで前記出力段のスイッチング駆動が開始される
    、請求項1~7の何れかに記載の電源制御装置。
  9. イネーブル信号を受けるイネーブル端子を備え、
    前記電源制御装置に前記入力電圧が供給されている状態において前記イネーブル信号のレベルが第1レベルから第2レベルに変化したことを契機に、前記出力段のスイッチング駆動が開始される
    、請求項1~7の何れかに記載の電源制御装置。
  10. 前記出力段は、スイッチング素子にて構成される出力素子と、前記出力素子に接続される整流素子と、を有し、前記出力素子及び前記整流素子間の接続ノードに対してコイルが接続され、前記出力段のスイッチング駆動において前記出力素子がオン及びオフ間で切り替えられることで前記コイルに流れる電流に基づき前記出力電圧が生成される
    、請求項1~7の何れかに記載の電源制御装置。
  11. 入力電圧から出力電圧を生成するスイッチング電源装置の出力段を制御するよう構成された電源制御装置であって、
    前記出力電圧に応じた帰還電圧と所定の基準電圧との差分に応じた誤差電圧を生成するよう構成された誤差電圧生成回路と、
    前記帰還電圧に基づき前記出力段のスイッチング駆動を行うよう構成された制御駆動回路と、
    前記出力段に流れる電流の値が所定の過電流閾値を超えたとき過電流保護信号を出力するよう構成された過電流保護回路と、
    誤差電圧変化抑制回路と、を備え、前記出力段のスイッチング駆動を通じて前記入力電圧から前記出力電圧が生成され、
    前記制御駆動回路は、前記過電流保護信号に応答して、前記出力段に流れる電流の前記過電流閾値を超えての増加を制限する過電流保護動作を実行し、
    前記誤差電圧変化抑制回路は、前記過電流保護信号に基づき、前記誤差電圧の変化を抑制する
    、電源制御装置。
  12. 前記出力電圧の上昇、低下に伴って、前記帰還電圧は上昇、低下し、
    前記誤差電圧生成回路は、前記帰還電圧が前記基準電圧より低いときには前記誤差電圧が第1方向に変化するように且つ前記帰還電圧が前記基準電圧より高いときには前記誤差電圧が前記第1方向とは逆の第2方向に変化するように、前記差分に応じた電流信号を誤差出力配線に出力することで前記誤差出力配線に前記誤差電圧を発生させ、
    前記誤差電圧変化抑制回路は、前記過電流保護信号に基づき前記誤差電圧の前記第1方向への変化を抑制する
    、請求項11に記載の電源制御装置。
  13. 前記過電流保護信号に応答した前記過電流保護動作の実行を通じて前記帰還電圧が前記基準電圧より低くなる状態において、前記誤差電圧生成回路は、前記誤差電圧を前記第1方向に変化させるための前記電流信号を前記誤差出力配線に出力する一方、前記誤差電圧変化抑制回路は、前記過電流保護信号に基づき前記誤差電圧を前記第2方向に変化させることで前記誤差電圧の前記第1方向への変化を抑制する
    、請求項12に記載の電源制御装置。
  14. 前記誤差出力配線と所定電位を有する電位点との間に、前記誤差電圧の位相を補償するよう構成された位相補償回路が設けられ、
    前記位相補償回路は、前記誤差出力配線に接続された位相補償抵抗と、前記位相補償抵抗と前記電位点との間に接続された位相補償コンデンサを有し、
    前記誤差電圧変化抑制回路は、前記過電流保護信号に基づき、前記位相補償コンデンサの蓄積電荷を放電することで、前記誤差電圧の前記第1方向への変化を抑制する
    、請求項12に記載の電源制御装置。
  15. 前記誤差電圧変化抑制回路は、前記位相補償コンデンサに並列接続された放電用スイッチを備え、前記過電流保護信号に基づき前記放電用スイッチをオンとすることにより前記位相補償コンデンサの蓄積電荷を放電する
    、請求項14に記載の電源制御装置。
  16. 前記過電流保護回路は、前記出力段に流れる電流の値が前記過電流閾値を超えたとき所定時間だけ前記過電流保護信号を出力し、
    前記誤差電圧変化抑制回路は、前記過電流保護信号の出力期間において前記放電用スイッチをオンとする
    、請求項15に記載の電源制御装置。
  17. 前記出力段のスイッチング駆動において、前記出力段の状態は、前記出力段に流れる電流を増大させる第1状態と前記出力段に流れる電流を減少させる第2状態との間で切り替わり、
    前記過電流保護回路は、前記出力段の状態が前記第1状態であるときにおいて前記出力段に流れる電流の値が前記過電流閾値を超えたとき前記過電流保護信号の出力を開始し、その後、前記出力段の状態が前記第2状態に変化すると前記過電流保護信号の出力を停止し、
    前記誤差電圧変化抑制回路は、前記過電流保護信号の出力期間において前記放電用スイッチをオンとする
    、請求項15に記載の電源制御装置。
  18. 前記出力段は、スイッチング素子にて構成される出力素子と、前記出力素子に接続される整流素子と、を有し、前記出力素子及び前記整流素子間の接続ノードに対してコイルが接続され、前記出力段のスイッチング駆動において前記出力素子がオン及びオフ間で切り替えられることで前記コイルに流れる電流に基づき前記出力電圧が生成され、
    当該電源制御装置には、前記コイルの電流情報に応じたスロープ電圧を生成するよう構成されたスロープ電圧生成回路が更に設けられ、
    前記制御駆動回路は、前記誤差電圧及び前記スロープ電圧に応じて前記出力段のスイッチング駆動を行い、
    前記スロープ電圧生成回路は、前記出力素子のオン期間において前記スロープ電圧を前記第1方向に単調に変化させ、
    前記制御駆動回路は、前記出力素子をオフからオンに切り替えた後、前記スロープ電圧の前記第1方向への変化過程において前記スロープ電圧が前記誤差電圧に達したときに、前記出力素子をオンからオフに切り替える
    、請求項12~17の何れかに記載の電源制御装置。
  19. 前記出力素子がオンに制御されているときにおいて前記出力段に流れる電流の値が前記過電流閾値を超えることで前記過電流保護信号が出力されたとき、前記制御駆動回路は、前記過電流保護動作において前記出力素子をオフに切り替え、その後、少なくとも、前記出力段に流れる電流の値が所定の解除閾値を下回るまで前記出力素子をオフに維持し、
    前記解除閾値は前記過電流閾値より低い
    、請求項18に記載の電源制御装置。
  20. 入力電圧から出力電圧を生成するスイッチング電源装置の出力段を制御するよう構成された電源制御装置であって、
    前記出力電圧に応じた帰還電圧と所定の基準電圧との差分に応じた誤差電圧を生成するよう構成された誤差電圧生成回路と、
    スキップ判定電圧を生成するよう構成されたスキップ判定電圧生成回路と、
    前記誤差電圧及び前記スキップ判定電圧に基づき、第1論理値又は第2論理値を有するスキップ信号を生成するよう構成されたスキップ信号生成回路と、
    前記スキップ信号が前記第1論理値を有するとき、前記誤差電圧に応じて前記出力段のスイッチング駆動を行う一方、前記スキップ信号が前記第2論理値を有するとき、前記出力段のスイッチング駆動を停止するよう構成された制御駆動回路と、を備え、前記出力段のスイッチング駆動を通じて前記入力電圧から前記出力電圧が生成され、
    前記スキップ判定電圧生成回路は、当該電源制御装置の温度に応じて前記スキップ判定電圧を変化させる
    、電源制御装置。
  21. 前記出力電圧の上昇、低下に伴って、前記帰還電圧は上昇、低下し、
    前記誤差電圧生成回路は、前記帰還電圧が前記基準電圧より低いときに前記誤差電圧を第1方向に変化させる一方、前記帰還電圧が前記基準電圧より高いときに前記誤差電圧を前記第1方向とは逆の第2方向に変化させ、
    前記スキップ信号生成回路は、前記誤差電圧及び前記スキップ判定電圧の高低関係に基づき前記スキップ信号を生成し、前記スキップ判定電圧が前記誤差電圧より前記第2方向に相違するときには前記第1論理値の前記スキップ信号を生成する一方、前記スキップ判定電圧が前記誤差電圧より前記第1方向に相違するときには前記第2論理値の前記スキップ信号を生成し、
    前記スキップ信号生成回路は、前記温度の上昇に伴って前記スキップ判定電圧を前記第1方向に変化させる
    、請求項20に記載の電源制御装置。
  22. 前記スキップ信号生成回路は、前記温度の上昇に伴って前記スキップ判定電圧を連続的に又は段階的に前記第1方向へ変化させる
    、請求項21に記載の電源制御装置。
  23. 前記第1方向は上昇方向であって且つ前記第2方向は低下方向であり、
    前記スキップ信号生成回路は、前記スキップ判定電圧が前記誤差電圧より低いときには前記第1論理値の前記スキップ信号を生成する一方、前記スキップ判定電圧が前記誤差電圧より高いときには前記第2論理値の前記スキップ信号を生成する
    、請求項21に記載の電源制御装置。
  24. 前記第1方向は低下方向であって且つ前記第2方向は上昇方向であり、
    前記スキップ信号生成回路は、前記スキップ判定電圧が前記誤差電圧より高いときには前記第1論理値の前記スキップ信号を生成する一方、前記スキップ判定電圧が前記誤差電圧より低いときには前記第2論理値の前記スキップ信号を生成する
    、請求項21に記載の電源制御装置。
  25. 前記出力段は、スイッチング素子にて構成される出力素子と、前記出力素子に接続される整流素子と、を有し、前記出力素子及び前記整流素子間の接続ノードに対してコイルが接続され、前記出力段のスイッチング駆動において前記出力素子がオン及びオフ間で切り替えられることで前記コイルに流れる電流に基づき前記出力電圧が生成され、
    当該電源制御装置には、前記コイルの電流情報に応じたスロープ電圧を生成するよう構成されたスロープ電圧生成回路が更に設けられ、
    前記制御駆動回路は、前記スキップ信号が前記第1論理値を有するとき、前記誤差電圧及び前記スロープ電圧に応じて前記出力段のスイッチング駆動を行う
    、請求項20~24の何れかに記載の電源制御装置。
JP2023175940A 2022-12-27 2023-10-11 電源制御装置 Pending JP2024094226A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022210815 2022-12-27
JP2022210816 2022-12-27
JP2022210820 2022-12-27

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024094226A true JP2024094226A (ja) 2024-07-09

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8964343B2 (en) Semiconductor device and switching regulator using the device
US10075073B2 (en) DC/DC converter and switching power supply having overcurrent protection
US10924003B2 (en) Switching power supply
US7598715B1 (en) Apparatus and method for reverse current correction for a switching regulator
JP5326421B2 (ja) Dc−dcコンバータの異常電流防止回路
EP2528213B1 (en) Current mode synchronous rectification DC/DC converter
US7683593B2 (en) Current sensing in a power converter
US7982447B2 (en) Switched mode power supply having improved transient response
JP2014023269A (ja) 半導体集積回路およびその動作方法
WO2023219031A1 (ja) ゲート駆動回路、パワーグッド回路、過電流検出回路、発振防止回路、スイッチング制御回路、および、スイッチング電源装置
US10892684B2 (en) Circuit for a switching power supply
JP5510572B2 (ja) Dc−dcコンバータの異常電流防止回路
JP2024094226A (ja) 電源制御装置
WO2021054027A1 (ja) 電源装置
JP7399739B2 (ja) スイッチング電源装置
US20240235377A1 (en) Power supply control device
JP7421367B2 (ja) スイッチング電源用回路
CN118264091A (en) Power supply control device
US20230387805A1 (en) Switching power supply circuit and switching power supply device
US20230412077A1 (en) Switching power supply circuit and switching power supply device
JP2024083794A (ja) 電源制御装置
JP7157657B2 (ja) スイッチング電源装置及び半導体装置
CN115378246B (zh) 具有过冲保护的开关电源
JP7489300B2 (ja) 電源ic、及び、スイッチングレギュレータ
US11955880B2 (en) Overcurrent protection circuit, power supply control device, inverting type switching power supply