JP2024087526A - 真空ポンプ - Google Patents

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健太郎 佐藤
透 三輪田
洋平 小川
好伸 大立
靖 前島
勉 高阿田
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Abstract

Figure 2024087526000001
【課題】ガスの冷却効果を損なうことなく、ガスの温度を安定して制御可能な真空ポンプを提供する。
【解決手段】ケーシング(126,127)と、ケーシングの内部に、回転自在に支持されたロータ軸(113)と、ロータ軸に固定され、ロータ軸と共に回転可能な複数段の回転翼(102)と、ケーシングに対して固定され、かつ、複数段の回転翼間に配置される複数段の固定翼(123)と、複数段の固定翼を支持する複数段の固定翼スペーサ(125)と、を備えた真空ポンプ(100)であって、複数段の固定翼スペーサのうち1段である特定スペーサ(128,228)に設けられ、特定スペーサの温度調整を行う温度調整手段(110)と、複数段の回転翼と複数段の固定翼で構成されるターボポンプ部のガス流路(F1)より温度調整手段に近い位置に設けられた温度センサ(185)と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、真空ポンプに関する。
本技術分野の従来技術として、例えば、特許文献1に記載のターボ分子ポンプは、ケーシングとベースとの間に設けられた温調ユニットを備えている。この温調ユニットは、ケーシングとベースとともにポンプ筐体を構成する温調スペーサと、温調スペーサに設けられた冷却水配管、ヒータおよび温度検出部とを含んで構成されている。そして、特許文献1によれば、タービンポンプ部の下流側のステータ翼の温度制御性が向上するとされている。
特開2022-073913号公報
しかしながら、特許文献1の温調ユニットでは、冷却水配管がガス流路に近い位置にあるため、ガスの温度が冷却水冷管の温度の影響を受けやすく、ガス温度の制御が安定しないといった課題がある。
そこで、本発明は、ガスの冷却効果を損なうことなく、ガスの温度を安定して制御可能な真空ポンプを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様は、ケーシングと、前記ケーシングの内部に、回転自在に支持されたロータ軸と、前記ロータ軸に固定され、前記ロータ軸と共に回転可能な複数段の回転翼と、前記ケーシングに対して固定され、かつ、前記複数段の回転翼間に配置される複数段の固定翼と、前記複数段の固定翼を支持する複数段の固定翼スペーサと、を備えた真空ポンプであって、前記複数段の固定翼スペーサのうち1段である特定スペーサに設けられ、前記特定スペーサの温度調整を行う温度調整手段と、前記複数段の回転翼と前記複数段の固定翼で構成されるターボポンプ部のガス流路より前記温度調整手段に近い位置に設けられた温度センサと、を備えることを特徴とする。
上記構成において、前記ケーシングは、前記ロータ軸の外周側に配置される外筒と、前記外筒の下方に配置されるベース部と、を含み、前記特定スペーサは、前記外筒よりも熱伝導率の高い部材からなることを特徴とする。
上記構成において、前記特定スペーサは、アルミ材からなることを特徴とする。
上記構成において、前記特定スペーサは、前記複数段の固定翼のうち最上段と最下段の間に配置されていることを特徴とする。
上記構成において、前記特定スペーサが、軸方向において隣接する固定翼スペーサの外周側を覆っていることを特徴とする。
上記構成において、前記特定スペーサは、前記軸方向において隣接する前記固定翼スペーサを支持する支持部と、前記支持部から径方向の外方に張り出して当該固定翼スペーサの外周側を覆う張出部と、を備え、前記支持部の厚さより前記張出部の厚さの方が大であることを特徴とする。
上記構成において、前記温度センサが、径方向における前記ガス流路と前記温度調整手段との間の位置に設けられていることを特徴とする。
上記構成において、前記複数段の回転翼及び前記複数段の固定翼の下流側に配置された、ねじ溝ポンプ部の一部を構成する固定部品を備え、前記固定部品は、加熱手段により加熱されることを特徴とする。
本発明に係る真空ポンプよれば、ガスの冷却効果を損なうことなく、ガスの温度を安定して制御できる。なお、上記した以外の課題、構成、及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1実施形態に係るターボ分子ポンプの縦断面図である。 図1に示すターボ分子ポンプのアンプ回路の回路図である。 電流指令値が検出値より大きい場合におけるアンプ制御回路の制御を示すタイムチャートである。 電流指令値が検出値より小さい場合におけるアンプ制御回路の制御を示すタイムチャートである。 図1のA部を拡大して示す要部拡大図である。 図5に示す水冷スペーサの詳細を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係るターボ分子ポンプの縦断面図である。 図7のB部を拡大して示す要部拡大図である。 図8に示す水冷スペーサの詳細を示す縦断面図である。
以下、本発明に係る真空ポンプの実施形態について、ターボ分子ポンプを例に挙げて、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
このターボ分子ポンプ100の縦断面図を図1に示す。図1において、ターボ分子ポンプ100は、円筒状の外筒127の上端に吸気口101が形成されている。そして、外筒127の内方には、ガスを吸引排気するためのタービンブレードである複数の回転翼102(102a、102b、102c・・・)を周部に放射状かつ多段に形成した回転体103が備えられている。この回転体103の中心にはロータ軸113が取り付けられており、このロータ軸113は、例えば5軸制御の磁気軸受により空中に浮上支持かつ位置制御されている。回転体103は、一般的に、アルミニウム又はアルミニウム合金、あるいはステンレスなどの金属によって構成されている。
また、図1に示すように、回転体103の外周側には、外周部品である水冷スペーサ128及びアウターウォール126が配置されている。水冷スペーサ128は、温度調整手段である円環状の冷却管110(図5参照)と、温度センサ185とが内蔵されたリング状の部材である。この冷却管110に冷却水が供給されることで、水冷スペーサ128の周辺の部品が冷却される。即ち、回転体103の回転により発生した熱は、水冷スペーサ128によって冷却される。アウターウォール126は、ターボ分子ポンプ100の略下半分を囲う円筒状の部材である。水冷スペーサ128とアウターウォール126とは、外筒127の下方に、外筒127と同軸上に順に並べて配置される。これら外筒127、水冷スペーサ128、及びアウターウォール126は、複数のボルト115により締結されて一体化されており、ベース部129と共に回転体103を収容するターボ分子ポンプ100の外装体(ケーシング)を構成している。
ここで、水冷スペーサ128は、後述する固定翼スペーサ125としての機能も備えている。即ち、水冷スペーサ128(特定スペーサ)は、複数の固定翼スペーサ125のうちの1つ(1段)を構成している。なお、水冷スペーサ128は、外筒127やアウターウォール126より熱伝導率の高い部材、例えば、アルミ材からなる。
上側径方向電磁石104は、4個の電磁石がX軸とY軸とに対をなして配置されている。この上側径方向電磁石104に近接して、かつ上側径方向電磁石104のそれぞれに対応して4個の上側径方向センサ107が備えられている。上側径方向センサ107は、例えば伝導巻線を有するインダクタンスセンサや渦電流センサなどが用いられ、ロータ軸113の位置に応じて変化するこの伝導巻線のインダクタンスの変化に基づいてロータ軸113の位置を検出する。この上側径方向センサ107はロータ軸113、すなわちそれに固定された回転体103の径方向変位を検出し、制御装置195に送るように構成されている。
この制御装置195においては、例えばPID調節機能を有する補償回路が、上側径方向センサ107によって検出された位置信号に基づいて、上側径方向電磁石104の励磁制御指令信号を生成し、図2に示すアンプ回路150(後述する)が、この励磁制御指令信号に基づいて、上側径方向電磁石104を励磁制御することで、ロータ軸113の上側の径方向位置が調整される。
そして、このロータ軸113は、高透磁率材(鉄、ステンレスなど)などにより形成され、上側径方向電磁石104の磁力により吸引されるようになっている。かかる調整は、X軸方向とY軸方向とにそれぞれ独立して行われる。また、下側径方向電磁石105及び下側径方向センサ108が、上側径方向電磁石104及び上側径方向センサ107と同様に配置され、ロータ軸113の下側の径方向位置を上側の径方向位置と同様に調整している。
さらに、軸方向電磁石106A、106Bが、ロータ軸113の下部に備えた円板状の金属ディスク111を上下に挟んで配置されている。金属ディスク111は、鉄などの高透磁率材で構成されている。ロータ軸113の軸方向変位を検出するために軸方向センサ109が備えられ、その軸方向位置信号が制御装置195に送られるように構成されている。
そして、制御装置195において、例えばPID調節機能を有する補償回路が、軸方向センサ109によって検出された軸方向位置信号に基づいて、軸方向電磁石106Aと軸方向電磁石106Bのそれぞれの励磁制御指令信号を生成し、アンプ回路150が、これらの励磁制御指令信号に基づいて、軸方向電磁石106Aと軸方向電磁石106Bをそれぞれ励磁制御することで、軸方向電磁石106Aが磁力により金属ディスク111を上方に吸引し、軸方向電磁石106Bが金属ディスク111を下方に吸引し、ロータ軸113の軸方向位置が調整される。
このように、制御装置195は、この軸方向電磁石106A、106Bが金属ディスク111に及ぼす磁力を適当に調節し、ロータ軸113を軸方向に磁気浮上させ、空間に非接触で保持するようになっている。なお、これら上側径方向電磁石104、下側径方向電磁石105及び軸方向電磁石106A、106Bを励磁制御するアンプ回路150については、後述する。
一方、モータ121は、ロータ軸113を取り囲むように周状に配置された複数の磁極を備えている。各磁極は、ロータ軸113との間に作用する電磁力を介してロータ軸113を回転駆動するように、制御装置195によって制御されている。また、モータ121には図示しない例えばホール素子、レゾルバ、エンコーダなどの回転速度センサが組み込まれており、この回転速度センサの検出信号によりロータ軸113の回転速度が検出されるようになっている。
さらに、例えば下側径方向センサ108近傍に、図示しない位相センサが取り付けてあり、ロータ軸113の回転の位相を検出するようになっている。制御装置195では、この位相センサと回転速度センサの検出信号を共に用いて磁極の位置を検出するようになっている。
回転翼102(102a、102b、102c・・・)とわずかの空隙を隔てて複数枚の固定翼123(123a、123b、123c・・・)が配設されている。これら複数段の回転翼102と複数段の固定翼123とにより、ターボポンプ部が構成される。回転翼102(102a、102b、102c・・・)は、それぞれ排気ガスの分子を衝突により下方向に移送するため、ロータ軸113の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して形成されている。固定翼123(123a、123b、123c・・・)は、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス、銅などの金属、又はこれらの金属を成分として含む合金などの金属によって構成されている。
また、固定翼123も、同様にロータ軸113の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して形成され、かつ外筒127の内方に向けて回転翼102の段と互い違いに配設されている。そして、固定翼123の外周端は、複数の段積みされた固定翼スペーサ125(125a、125b、125c・・・)の間に嵌挿された状態で支持されている。
固定翼スペーサ125はリング状の部材であり、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス、銅などの金属、又はこれらの金属を成分として含む合金などの金属によって構成されている。固定翼スペーサ125の外周には、わずかの空隙を隔てて外筒127が固定されている。外筒127の底部(より詳細には、アウターウォール126の底部)にはベース部129が配設されている。ベース部129の上方には排気口133が形成され、外部に連通されている。チャンバ(真空チャンバ)側から吸気口101に入ってベース部129に向かって移送されてきた排気ガスは、排気口133へと送られる。
さらに、ターボ分子ポンプ100の用途によって、固定翼スペーサ125の下部とベース部129の間には、ねじ溝ポンプ部として機能するネジ付スペーサ131が配設される。ネジ付スペーサ131は、アルミニウム、銅、ステンレス、鉄、又はこれらの金属を成分とする合金などの金属によって構成された円筒状の部材であり、その内周面に螺旋状のネジ溝131aが複数条刻設されている。ネジ溝131aの螺旋の方向は、回転体103の回転方向に排気ガスの分子が移動したときに、この分子が排気口133の方へ移送される方向である。回転体103の回転翼102(102a、102b、102c・・・)に続く最下部には円筒部102dが垂下されている。この円筒部102dの外周面は、円筒状で、かつネジ付スペーサ131の内周面に向かって張り出されており、このネジ付スペーサ131の内周面と所定の隙間を隔てて近接されている。回転翼102および固定翼123によってネジ溝131aに移送されてきた排気ガスは、ネジ溝131aに案内されつつベース部129へと送られる。
より詳細には、ネジ溝131aに案内された排気ガスは、ベース部129の上方に形成された環状空間135へと送られ、環状空間135を周回しながら排気口133を介して外部に排出される。この環状空間135は、回転体103の円筒部102d、ネジ付スペーサ131、ヒータスペーサ153、及びベース部129とで仕切られた環状の空間である。
ここで、固定部品であるヒータスペーサ153は、円筒状に形成された部材であり、本実施形態ではネジ付スペーサ131と一体で構成される。即ち、ヒータスペーサ153はネジ付スペーサ131の一部を構成する。勿論、ヒータスペーサ153とネジ付スペーサ131とは別体で構成されていても良い。ヒータスペーサ153は、例えばアルミニウムやステンレス等の金属により構成される。ヒータスペーサ153には加熱手段としてのヒータ190が差し込まれており、ヒータ190が発熱することで、ヒータスペーサ153を介してネジ付スペーサ131が加熱される。また、ヒータ190により、環状空間135を流れる排気ガスも加熱される。これにより、排気ガスの温度低下による堆積物の生成が抑制される。また、インナースペーサ154は、例えばステンレスなどの金属によって構成された円筒状の部材であり、水冷スペーサ128と水冷スペーサ128より下側の固定翼スペーサ125との間を断熱する。
ベース部129は、ターボ分子ポンプ100の基底部を構成する円盤状の部材であり、一般には鉄、アルミニウム、ステンレスなどの金属によって構成されている。ベース部129はターボ分子ポンプ100を物理的に保持すると共に、熱の伝導路の機能も兼ね備えているので、鉄、アルミニウムや銅などの剛性があり、熱伝導率も高い金属が使用されるのが望ましい。
かかる構成において、回転翼102がロータ軸113と共にモータ121により回転駆動されると、回転翼102と固定翼123の作用により、吸気口101を通じてチャンバから排気ガスが吸気される。回転翼102の回転速度は通常20000rpm~90000rpmであり、回転翼102の先端での周速度は200m/s~400m/sに達する。吸気口101から吸気された排気ガスは、回転翼102と固定翼123の間を通り、ベース部129へ移送される。このとき、排気ガスが回転翼102に接触する際に生ずる摩擦熱や、モータ121で発生した熱の伝導などにより、回転翼102の温度は上昇するが、この熱は、輻射又は排気ガスの気体分子などによる伝導により固定翼123側に伝達される。
固定翼スペーサ125は、外周部で互いに接合しており、固定翼123が回転翼102から受け取った熱や排気ガスが固定翼123に接触する際に生ずる摩擦熱などを外部へと伝達する。
なお、上記では、ネジ付スペーサ131は回転体103の円筒部102dの外周に配設し、ネジ付スペーサ131の内周面にネジ溝131aが刻設されているとして説明した。しかしながら、これとは逆に円筒部102dの外周面にネジ溝が刻設され、その周囲に円筒状の内周面を有するスペーサが配置される場合もある。
また、ターボ分子ポンプ100の用途によっては、吸気口101から吸引されたガスが上側径方向電磁石104、上側径方向センサ107、モータ121、下側径方向電磁石105、下側径方向センサ108、軸方向電磁石106A、106B、軸方向センサ109などで構成される電装部に侵入することのないよう、電装部は周囲をステータコラム122で覆われ、このステータコラム122内はパージガスにて所定圧に保たれる場合もある。
この場合には、ベース部129には図示しない配管が配設され、この配管を通じてパージガスが導入される。導入されたパージガスは、保護ベアリング120とロータ軸113間、モータ121のロータとステータ間、ステータコラム122と回転翼102の内周側円筒部の間の隙間を通じて排気口133へ送出される。なお、図1に示す通り、ステータコラム122は、ベース部129の中心位置に立設している。また、本実施形態では、ベース部129に冷却手段としての水冷管149が設けられている。この水冷管149に冷却水が供給されることで、ベース部129及びステータコラム122は好適な温度に保たれている。
ここに、ターボ分子ポンプ100は、機種の特定と、個々に調整された固有のパラメータ(例えば、機種に対応する諸特性)に基づいた制御を要する。この制御パラメータを格納するために、上記ターボ分子ポンプ100は、その本体内に電子回路部141を備えている。電子回路部141は、EEP-ROM等の半導体メモリ及びそのアクセスのための半導体素子等の電子部品、それらの実装用の基板143等から構成される。この電子回路部141は、ターボ分子ポンプ100の下部を構成するベース部129の例えば中央付近の図示しない回転速度センサの下部に収容され、気密性の底蓋145によって閉じられている。
ところで、半導体の製造工程では、チャンバに導入されるプロセスガスの中には、その圧力が所定値よりも高くなり、或いは、その温度が所定値よりも低くなると、固体となる性質を有するものがある。ターボ分子ポンプ100内部では、排気ガスの圧力は、吸気口101で最も低く排気口133で最も高い。プロセスガスが吸気口101から排気口133へ移送される途中で、その圧力が所定値よりも高くなったり、その温度が所定値よりも低くなったりすると、プロセスガスは、固体状となり、ターボ分子ポンプ100内部に付着して堆積する。
例えば、Alエッチング装置にプロセスガスとしてSiCl4が使用された場合、低真空(760[torr]~10-2[torr])かつ、低温(約20[℃])のとき、固体生成物(例えばAlCl3)が析出し、ターボ分子ポンプ100内部に付着堆積することが蒸気圧曲線からわかる。これにより、ターボ分子ポンプ100内部にプロセスガスの析出物が堆積すると、この堆積物がポンプ流路を狭め、ターボ分子ポンプ100の性能を低下させる原因となる。そして、前述した生成物は、排気口133付近やネジ付スペーサ131付近の圧力が高い部分で凝固、付着し易い状況にあった。
そのため、この問題を解決するために、従来はベース部129等の外周に図示しないヒータや環状の水冷管149を巻着させ、かつ例えばベース部129に図示しない温度センサ(例えばサーミスタ)を埋め込み、この温度センサの信号に基づいてベース部129の温度を一定の高い温度(設定温度)に保つようにヒータの加熱や水冷管149による冷却の制御(以下TMSという。TMS;Temperature Management System)が行われている。
次に、このように構成されるターボ分子ポンプ100に関して、その上側径方向電磁石104、下側径方向電磁石105及び軸方向電磁石106A、106Bを励磁制御するアンプ回路150について説明する。このアンプ回路150の回路図を図2に示す。
図2において、上側径方向電磁石104等を構成する電磁石巻線151は、その一端がトランジスタ161を介して電源171の正極171aに接続されており、また、その他端が電流検出回路181及びトランジスタ162を介して電源171の負極171bに接続されている。そして、トランジスタ161、162は、いわゆるパワーMOSFETとなっており、そのソース-ドレイン間にダイオードが接続された構造を有している。
このとき、トランジスタ161は、そのダイオードのカソード端子161aが正極171aに接続されるとともに、アノード端子161bが電磁石巻線151の一端と接続されるようになっている。また、トランジスタ162は、そのダイオードのカソード端子162aが電流検出回路181に接続されるとともに、アノード端子162bが負極171bと接続されるようになっている。
一方、電流回生用のダイオード165は、そのカソード端子165aが電磁石巻線151の一端に接続されるとともに、そのアノード端子165bが負極171bに接続されるようになっている。また、これと同様に、電流回生用のダイオード166は、そのカソード端子166aが正極171aに接続されるとともに、そのアノード端子166bが電流検出回路181を介して電磁石巻線151の他端に接続されるようになっている。そして、電流検出回路181は、例えばホールセンサ式電流センサや電気抵抗素子で構成されている。
以上のように構成されるアンプ回路150は、一つの電磁石に対応されるものである。そのため、磁気軸受が5軸制御で、電磁石104、105、106A、106Bが合計10個ある場合には、電磁石のそれぞれについて同様のアンプ回路150が構成され、電源171に対して10個のアンプ回路150が並列に接続されるようになっている。
さらに、アンプ制御回路191は、例えば、制御装置195の図示しないディジタル・シグナル・プロセッサ部(以下、DSP部という)によって構成され、このアンプ制御回路191は、トランジスタ161、162のon/offを切り替えるようになっている。
アンプ制御回路191は、電流検出回路181が検出した電流値(この電流値を反映した信号を電流検出信号191cという)と所定の電流指令値とを比較するようになっている。そして、この比較結果に基づき、PWM制御による1周期である制御サイクルTs内に発生させるパルス幅の大きさ(パルス幅時間Tp1、Tp2)を決めるようになっている。その結果、このパルス幅を有するゲート駆動信号191a、191bを、アンプ制御回路191からトランジスタ161、162のゲート端子に出力するようになっている。
なお、回転体103の回転速度の加速運転中に共振点を通過する際や定速運転中に外乱が発生した際等に、高速かつ強い力での回転体103の位置制御をする必要がある。そのため、電磁石巻線151に流れる電流の急激な増加(あるいは減少)ができるように、電源171としては、例えば50V程度の高電圧が使用されるようになっている。また、電源171の正極171aと負極171bとの間には、電源171の安定化のために、通常コンデンサが接続されている(図示略)。
かかる構成において、トランジスタ161、162の両方をonにすると、電磁石巻線151に流れる電流(以下、電磁石電流iLという)が増加し、両方をoffにすると、電磁石電流iLが減少する。
また、トランジスタ161、162の一方をonにし他方をoffにすると、いわゆるフライホイール電流が保持される。そして、このようにアンプ回路150にフライホイール電流を流すことで、アンプ回路150におけるヒステリシス損を減少させ、回路全体としての消費電力を低く抑えることができる。また、このようにトランジスタ161、162を制御することにより、ターボ分子ポンプ100に生じる高調波等の高周波ノイズを低減することができる。さらに、このフライホイール電流を電流検出回路181で測定することで電磁石巻線151を流れる電磁石電流iLが検出可能となる。
すなわち、検出した電流値が電流指令値より小さい場合には、図3に示すように制御サイクルTs(例えば100μs)中で1回だけ、パルス幅時間Tp1に相当する時間分だけトランジスタ161、162の両方をonにする。そのため、この期間中の電磁石電流iLは、正極171aから負極171bへ、トランジスタ161、162を介して流し得る電流値iLmax(図示せず)に向かって増加する。
一方、検出した電流値が電流指令値より大きい場合には、図4に示すように制御サイクルTs中で1回だけパルス幅時間Tp2に相当する時間分だけトランジスタ161、162の両方をoffにする。そのため、この期間中の電磁石電流iLは、負極171bから正極171aへ、ダイオード165、166を介して回生し得る電流値iLmin(図示せず)に向かって減少する。
そして、いずれの場合にも、パルス幅時間Tp1、Tp2の経過後は、トランジスタ161、162のどちらか1個をonにする。そのため、この期間中は、アンプ回路150にフライホイール電流が保持される。
次に、本実施形態に係るターボ分子ポンプ100の特徴部分について、詳しく説明する。図5は、図1のA部を拡大して示す要部拡大図である。図5に示すように、本実施形態では、複数段の固定翼123のうち、最上段と最下段との間の位置に水冷スペーサ128が配置されている。この水冷スペーサ128は、固定翼123の軸方向の位置決めを行う固定翼スペーサ125としての機能を備え、さらに、固定翼123を冷却して、輻射熱により回転翼102の温度を下げる役割を果たしている。その結果、水冷スペーサ128だけでなく固定翼123に接触するガスも冷却されることとなる。
水冷スペーサ128は、上述したように冷却管110及び温度センサ185を備えている。冷却管110は、水冷スペーサ128の外周部に設けられている。温度センサ185は、冷却管110の径方向内側であって、冷却管110の近傍に設けられている。より詳細には、温度センサ185は、水冷スペーサ128の内周部(ガス流路F1と接する部分)から距離X1だけ離れた位置、かつ、冷却管110から距離Y1だけ径方向の内側の位置に設けられている。そして、距離X1は距離Y1に比べてかなり長い。即ち、温度センサ185は、ガス流路F1から離れた位置、かつ、冷却管110に接近した位置に設けられている。
なお、距離X1と距離Y1との比は、水冷スペーサ128の材質、冷却管110を流れる冷却水の流量及び温度、ガス流路F1を流れるガスの流量及び温度などの仕様に基づいて任意に定められて良いが、例えば、2:1~10:1程度の範囲内で設定するのが好ましい。
水冷スペーサ128は外筒127とアウターウォール126との間に配置され、ボルト115により固定されている。また、水冷スペーサ128とアウターウォール126との間には断熱リング155が介在している。この断熱リング155により水冷スペーサ128とアウターウォール126との間が断熱されている。また、外筒127と水冷スペーサ128との間、及びインナースペーサ154と水冷スペーサ128との間には、Oリング192が装着されており、気密性が保たれている。
次に、水冷スペーサ128の形状について詳しく説明する。図6は、図5に示す水冷スペーサ128の詳細を示す縦断面図である。図6に示すように、水冷スペーサ128は、支持部128aと、張出部128bと、を備えている。支持部128aは、軸方向において隣接する固定翼スペーサ125を支持すると共に、隣接する固定翼123の軸方向(上下方向)の位置決めを行う。張出部128bは、支持部128aから径方向の外側に張り出して設けられており、テーパ部128b-1と胴体部128b-2とを有する。
テーパ部128b-1は、インナースペーサ154の上端側の形状に沿うように傾斜している。また、テーパ部128b-1の上面には円環状に切り欠かれた段差部128cが形成されている。
胴体部128b-2の上面には外周側の端部に円環状の溝部128dが設けられており、この溝部128dに冷却管110が配置される。また、胴体部128b-2の下面には軸方向に沿って細長い取付穴128eが1カ所設けられている。この取付穴128eは、温度センサ185を挿入するためのものである。なお、符号116は、冷却管110を覆うためのカバーである。
このように、全体として環状に形成された水冷スペーサ128は、支持部128aからテーパ部128b-1を介して胴体部128b-2が下方かつ径方向の外方に延在する構成となっている。そして、支持部128aの厚さ(軸方向の長さ)T1より、張出部128bの厚さT2の方が大きく、より詳細には、厚さT2は、厚さT1の約2.5倍程度である。よって、水冷スペーサ128は肉厚な張出部128bによって高い剛性を実現している。この構成により、水冷スペーサ128を図5の位置に配置すれば、テーパ部128b-1がインナースペーサ154の外側を覆うこととなる。
次に、このように構成された本実施形態の効果について説明する。
本実施形態に係るターボ分子ポンプ100は、水冷スペーサ128を備えている。この水冷スペーサ128は、冷却管110と温度センサ185とを有する。そして、温度センサ185は、冷却管110の近傍に設けられている。
この冷却管110に流す冷却水は、温度センサ185からの温度データに基づいて、図示しないバルブをオン/オフ動作することによって、コントロールされている。ターボ分子ポンプ100内の温度が上がった場合には、冷却管110のバルブをオンさせ、水冷スペーサ128の温度、特に水冷スペーサ128の内周部(ガス流路F1と接する部分)の温度をコントロールしている。
上記のような温度制御システムでは、目標温度に対して、オーバーシュートが発生する。しかしながら、前述のように温度センサ185が冷却管110の近傍にあることで、冷却管110の温度を高精度で検出できる。その結果、制御装置195が、温度センサ185からの温度データに基づいて、ターボ分子ポンプ100内のガスと接する水冷スペーサ128の内周部の温度を高精度で制御できる。また、距離X1が距離Y1に比べて長いため、冷却管110の温度変化に対して、水冷スペーサ128の内周部の温度制御にオーバーシュートが生じにくい。即ち、冷却管110による温度変化に対する水冷スペーサ128の温度変化を鈍化させ、水冷スペーサ128の内周部の温度を一定温度に保ちやすくなる。このように、本実施形態によれば、冷却管110の冷却効果を損なうことなく、ガス流路F1と接する水冷スペーサ128の内周部の温度を安定して制御可能である。また、水冷スペーサ128の内周部の温度が安定することで、固定翼123の冷却状態も安定する。その結果、回転翼102の温度も安定することとなる。
また、水冷スペーサ128が外筒127及びアウターウォール126よりも伝導率の高い部材、具体的にはアルミ材で構成されている。これは、熱伝導率の高い部材を用いて、少ない冷却量で水冷スペーサ128の温度を変化させ易くする目的であるが、距離X2に対し距離X1を長くすることで、ガス流路F1と接する水冷スペーサ128の内周部において、オーバーシュートを少なくし、目標温度に早く到達させることが出来る。
つまり、本実施形態によれば、冷却管110の温度変化を冷却管110の近傍に配置された温度センサ185により高精度で検出することで、冷却管110の温度変化を抑えるように制御しつつ、水冷スペーサ128の温度を目標温度で制御しやすくする。また、冷却管110とガス流路F1との間を距離X1だけ離すことで、水冷スペーサ128に熱伝導率の高い部材を用いた場合であっても、冷却管110の急激な温度変化をガス流路F1に接する水冷スペーサ128の内周面に伝わり難くできる。しかも、水冷スペーサ128をアルミ材などの高い熱伝導率を有する部材にすることで、冷却管110がガス流路F1から離れていても、ガス流路F1に接する水冷スペーサ128の内周面の温度を所望の温度に冷却できる。
また、温度センサ185が冷却管110より径方向の内側に設けられているため、水冷スペーサ128の周囲部品の温度影響を受けずに、冷却管110の温度を高精度で検出できるといった利点もある。
なお、冷却管110に流す冷却水の温度は任意である。上述したように、水冷スペーサ128は、固定翼123を冷却することで、輻射熱により回転翼102を冷却するためのものであるため、回転翼102を冷却するために好適な温度であれば良い。そのため、ターボ分子ポンプ100内の温度によって、冷却水の温度は100度未満の場合もあれば、100度以上となる場合もあり得る。
また、水冷スペーサ128は、支持部128aと張出部128bとを備え、張出部128bが支持部128aより肉厚な構造となっているから、水冷スペーサ128の変形、特に、軸方向における曲げ変形を防止できる。また、張出部128bが、インナースペーサ154の上部の形状(テーパ形状)に倣うように、下方の固定翼スペーサ125の外周側を覆う構成としたので、インナースペーサ154の上部に形成されたデッドスペースを利用して、軸方向の寸法を大きくすることなく、水冷スペーサ128の剛性を高めることができる。仮に、水冷スペーサ128の剛性を高めるために、張出部128bが支持部128aから上方に延在する構成にすると、ターボ分子ポンプ100全体として軸方向に寸法が長くなる。しかし、本実施形態の形状であれば、寸法が大きくならずに済む。
また、複数の回転翼102及び複数の固定翼123の下流側に配置された、ねじ溝ポンプ部の一部を構成する固定部品であるヒータスペーサ153にヒータ190を設けた構成としているため、排気するガスの温度をより高精度で制御できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るターボ分子ポンプについて説明する。図7は、本発明の第2実施形態に係るターボ分子ポンプ200の縦断面図、図8は、図7のB部を拡大して示す要部拡大図である。なお、以下において、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
これらの図に示すように、第2実施形態では、水冷スペーサの構成が第1実施形態と相違する。具体的には、第1実施形態において、水冷スペーサ128は、複数段の固定翼123のうち最上段と最下段の間に配置されているが、第2実施形態において、水冷スペーサ228は、複数段の固定翼123のうち最下段の位置に配置されている。そのため、第1実施形態と第2実施形態とでは、水冷スペーサの形状が異なっている。
水冷スペーサ228は、第1実施形態と同様にアルミ材からなると共に、冷却管110及び温度センサ185を備えている。冷却管110は、第1実施形態と比べて、水冷スペーサ228の外周部より径方向の内側に設けられている。具体的には、冷却管110は、水冷スペーサ228の内周部(ガス流路F2に近い側)から距離X2だけ離れた位置に設けられている。また、温度センサ185は、冷却管110の径方向外側であって、冷却管110の近傍に設けられている。より詳細には、温度センサ185は、冷却管110から距離Y2だけ径方向の外側の位置に設けられている。そして、距離X2は距離Y2に比べて若干長い。
なお、距離X2と距離Y2との比は、水冷スペーサ228の材質、冷却管110を流れる冷却水の流量及び温度、ガス流路F2を流れるガスの流量及び温度などの仕様に基づいて任意に定められて良いが、例えば、1.5:1~3:1程度の範囲内で設定するのが好ましい。
水冷スペーサ228は外筒127とベース部129との間に配置され、ボルト115により固定されている。また、外筒127と水冷スペーサ228との間、及びベース部129と水冷スペーサ228との間には、Oリング192が装着されており、気密性が保たれている。
次に、水冷スペーサ228の形状について詳しく説明する。図9は、図8に示す水冷スペーサ228の詳細を示す縦断面図である。図9に示すように、水冷スペーサ228は、支持部228aと、張出部228bと、を備えている。支持部228aは、軸方向において隣接する固定翼スペーサ125を支持すると共に、隣接する固定翼123の軸方向(上下方向)の位置決めを行う。張出部128bは、支持部128aから径方向の外側に張り出して設けられている。そして、水冷スペーサ228は、支持部228aと張出部228bとにより断面が略L字形状をなしている。
支持部228aには、Oリング192を装着するための段差部228cが設けられている。また、張出部228bの下面には、円環状の溝部228dと、取付穴228eとが設けられている。溝部228dには冷却管110が取り付けられ、取付穴228eには温度センサ185が取り付けられる。
この第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。また、第2実施形態は、水冷スペーサ228を複数段の固定翼123のうち最下段に配置する構成であるため、水冷スペーサ228とベース部129に直接固定することができる。よって、第1実施形態のようなアウターウォール126が不要となり、構造を簡素化できる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例や組合せ例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
100,200 ターボ分子ポンプ(真空ポンプ)
102(102a,102b,102c) 回転翼
102d 円筒部
103 回転体
113 ロータ軸
116 カバー
122 ステータコラム
123(123a,123c、123c) 固定翼
125(125a,125b,125c) 固定翼スペーサ
126 アウターウォール(ケーシング)
127 外筒(ケーシング)
128,228 水冷スペーサ(特定スペーサ)
128a,228a 支持部
128b,228b 張出部
128b-1 テーパ部
128b-2 胴体部
128c,228c 段差部
128d,228d 円環溝
128e,228e 取付穴
129 ベース部
131 ネジ付スペーサ(ねじ溝ポンプ部)
133 排気口
153 ヒータスペーサ(固定部品)
154 インナースペーサ
155 断熱リング
185 温度センサ
190 ヒータ(加熱手段)
192 Oリング
195 制御装置

Claims (8)

  1. ケーシングと、
    前記ケーシングの内部に、回転自在に支持されたロータ軸と、
    前記ロータ軸に固定され、前記ロータ軸と共に回転可能な複数段の回転翼と、
    前記ケーシングに対して固定され、かつ、前記複数段の回転翼間に配置される複数段の固定翼と、
    前記複数段の固定翼を支持する複数段の固定翼スペーサと、を備えた真空ポンプであって、
    前記複数段の固定翼スペーサのうち1段である特定スペーサに設けられ、前記特定スペーサの温度調整を行う温度調整手段と、
    前記複数段の回転翼と前記複数段の固定翼で構成されるターボポンプ部のガス流路より前記温度調整手段に近い位置に設けられた温度センサと、
    を備えることを特徴とする真空ポンプ。
  2. 請求項1に記載の真空ポンプにおいて、
    前記ケーシングは、前記ロータ軸の外周側に配置される外筒と、前記外筒の下方に配置されるベース部と、を含み、
    前記特定スペーサは、前記外筒よりも熱伝導率の高い部材からなることを特徴とする真空ポンプ。
  3. 請求項2に記載の真空ポンプにおいて、
    前記特定スペーサは、アルミ材からなることを特徴とする真空ポンプ。
  4. 請求項1に記載の真空ポンプにおいて、
    前記特定スペーサは、前記複数段の固定翼のうち最上段と最下段の間に配置されていることを特徴とする真空ポンプ。
  5. 請求項4に記載の真空ポンプにおいて、
    前記特定スペーサが、軸方向において隣接する固定翼スペーサの外周側を覆っていることを特徴とする真空ポンプ。
  6. 請求項5に記載の真空ポンプにおいて、
    前記特定スペーサは、前記軸方向において隣接する前記固定翼スペーサを支持する支持部と、前記支持部から径方向の外方に張り出して当該固定翼スペーサの外周側を覆う張出部と、を備え、
    前記支持部の厚さより前記張出部の厚さの方が大であることを特徴とする真空ポンプ。
  7. 請求項1に記載の真空ポンプにおいて、
    前記温度センサが、径方向における前記ガス流路と前記温度調整手段との間の位置に設けられていることを特徴とする真空ポンプ。
  8. 請求項1~7の何れか1項に記載の真空ポンプにおいて、
    前記複数段の回転翼及び前記複数段の固定翼の下流側に配置された、ねじ溝ポンプ部の一部を構成する固定部品を備え、
    前記固定部品は、加熱手段により加熱されることを特徴とする真空ポンプ。

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