JP2024084766A - トンネルボーリングシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】既存のトンネルボーリングマシンは、大きく、遅く、労働集約的であり、高価である。また、場所間を移動することが困難であり、運転費用も大きい。【解決手段】切削ヘッド上の複数のプラズマトーチと、プラズマトーチが作動している間に領域を冷却する流れを提供するための切削ヘッド上の複数のノズルと、切削ヘッドに推進を提供し、切削ヘッドを移動させてトンネルを切削させるトラクタとを備える、プラズマトンネルボーリングマシン。【選択図】図2

Description

本発明は、ボーリングに関し、特にトンネルボーリングのためのプラズマトーチの利用に関する。
「土竜」とも呼ばれるトンネルボーリングマシンは、円形断面を有するトンネルを、様々な岩石層及び土層を貫いて掘削するために使用される。現代のトンネルボーリングマシンは、典型的には、回転式切削ホイール又はカッター(切削)ヘッドを使用し、更に主軸受、スラストシステム及びトレーリングサポート機構が続く。しかしながら、既存のトンネルボーリングマシンは、大きく、遅く、労働集約的であり、高価である。それらはまた、場所間を移動することが非常に困難である。運転の費用もまた大きいものとなっている。
本発明は、添付の図面の図において、限定としてではなく例として示され、同様の参照番号は同様の要素を指す。
トンネルボーリングシステムの一実施形態を示す図である。 トンネルボーリングシステムの一部の一実施形態を示す側面図である。 切削アセンブリの一実施形態を示す斜視図である。 切削ヘッドの一実施形態の正面図である。 切削ヘッドの別の一実施形態の正面図である。 2つのトーチサイズを有する切削ヘッドの別の一実施形態の正面図である。 過剰なトンネルボーリング能力を示す切削ヘッドの別の一実施形態の正面図である。 ヒンジ式真空入口を有する真空トラクタの一実施形態を示す図である。 ヒンジ式真空入口を有する真空トラクタの一実施形態を示す図である。 舗装用トラクタの一実施形態を示す図である。 舗装用トラクタの一実施形態を示す図である。 トンネルボーリングシステムの使用法の一実施形態を示すフローチャートである。
以下に、プラズマトーチを使用するトンネルボーリングシステム(TBS)を説明する。一実施形態では、トンネルボーリングシステムは、3つの部分、すなわち、TBSのための移動を提供するトラクタと、TBSの前部にある切削ヘッドと、残土を取り上げて除去する処分部分と、を有する。
一実施形態では、トラクタは、切削ヘッドの後方約2~4メートルに位置する別個のユニットとして動作する。一実施形態では、トラクタは、1本以上の金属ロッドを用いて切削ヘッドを押す。別の一実施形態では、切削ヘッドは、切削ヘッドをトラクタに接続する2本のアームを有するショベルアセンブリを介して、トラクタに接続されている。一実施形態では、アームは、トラクタがそのショベルバケットを昇降させ得る方法と同様に、切削ヘッドが昇降されることを可能にする。一実施形態では、これらの要素は、既製の設計及び材料を使用して構築されてもよい。
トラクタは、プラントの、推進、センサ、ガイダンス及びインテリジェンス並びにバランスを含む。一実施形態では、これは、電源、空気及び水マニホールド、真空要素並びに管理システムを含む。
一実施形態では、切削ヘッドは、金属スペーサで支持された複数の固定プラズマトーチを含む。
一実施形態では、トーチは馬蹄形に構成され、上部にアーチを有し、弧形部が下降し、下部で平坦な水平面に合するようになっている。一実施形態では、馬蹄形のほぼ中心に、残りのトーチよりも約15cm長く延出する1本のより大きいトーチがある。この中心トーチ(「アイ」)は、掘削されるトンネル壁の面と接触する最初のトーチである。
一実施形態では、切削ヘッドは、交換可能であり、所望のトンネル直径に応じて複数のトンネルボーリングマシンが必要となる事態を回避できるようになっている。より大きなトンネルを掘削するためには、単に切削ヘッドをより大きな直径のバージョンに変更すればよく、逆もまた同様である。
一実施形態では、いくつか(又は全て)のプラズマトーチの間の空間に、流れを壁に向けるようにノズルが配置される。一実施形態では、ノズルは、高圧空気ジェットノズル及び/又は高圧水ジェットノズルであり、切羽に向けて高圧流を適用するように配置される。これにより、高温の地盤面(岩石)に熱収縮が導入され、岩石内の結合の破壊が促進される(岩石が破壊される)。上記の流れは、ガス流、水流又は蒸気流であってもよい。
空気ジェット及び/又は水ジェットから得られる冷却効果は、高いシリカ含有量を有する岩石(例えば、砂岩及び玄武岩)において特に有用であり、岩石の溶融(溶岩)部分を、それが表面から流出して除去が困難となってしまう溶岩のプールを形成する前に、冷却することによって破砕する助けとなる。流れを使用することは、岩石を破砕して溶融物を蒸発させるのを不要とすることによって、岩石を処理するのに必要なエネルギーを低減する。冷却流は、遭遇する地質に応じて必要な場合に時々適用するということも可能である。
一実施形態では、プラズマトーチの各々は、直流(DC)定格容量が約100kW以上である。
一実施形態では、トラクタ内のトーチ及び他の搭載システムのための電力ユニットはDCであり、トンネルの直径に応じて、200kW~500kWの増分で増えるモジュール式電源を利用する。一実施形態では、各電源は、切削ヘッド内のトーチの総数の25%未満に電力を提供する。
一実施形態では、1つのDC電源は、一度に2~5本のトーチに電力を供給することができる。一実施形態では、各電源は、切削ヘッドに全体にわたって分配されたプラズマトーチに電力を供給する。したがって、1つの電源が故障した場合でも作動しなくなるのはトーチの10%以下のみであり、電源を修理又は交換することができるまで、より遅い掘進率ではあるが、トンネル掘削を継続することができる。
一実施形態では、残土除去は、複数の真空入口を有する切削ヘッドの基部において真空吸引を使用し、複数の真空流を金属管内に統合し、管に高圧空気を適用して、残土粒子の連続流を生成し、管に沿ってトンネル入口へと除去させることによって達成される。
一実施形態では、切削ヘッドの基部に沿った水平方向に細長く狭い真空開口が使用される。一実施形態では、追加の真空取り入れ口が切削ヘッドの底部に配置される。
一実施形態では、真空ポンプ及び真空装置の残りの部分は、トラクタの後ろの車輪上及び自走式「真空カート」上に配置される。一実施形態では、真空カートは、(熱の蓄積及び摩耗に対する耐久性を得るため)残土と接触するいかなる部分も全て金属製の部品からなる。一実施形態では、耐久性及び効率性を追求して、真空フィルタが除去される、又は最小の金属メッシュフィルタが使用される。
一実施形態では、補助的な真空入口がトラクタの前部に配置される。一実施形態では、真空入口は、底部に車輪を有するヒンジ式の重り付きアーム上に配置され、入口の開口部の基部をトンネル床の1~2cm以内に保つようになっている。一実施形態では、真空カートの前部に追加の真空入口がある。一実施形態では、急速始動/停止弁を有する空気ジェットも存在し、これにより撹拌を行って、破砕物、砂利、小石、砂及び粉塵のより大きい又は粘着性の粒子の慣性を克服するようになっている。これらのジェットは、真空カートの周りの真空入口に向かって粒子を方向付ける。
一実施形態では、真空入口は、マニホールド内でより大きな管に統合される。一実施形態では、より大きい管は、トンネルの直径の最大25%であってもよい。このより大きな管は、「一次真空管」又は「一次管」と呼ばれる。
一実施形態では、真空ポンプの後ろで、高圧の冷却された圧縮ガスが一次管に注入され、ベンチュリ管の空気ジェットが残土を後方に吹き飛ばし、これに加えて、一次管の底部付近のジェットに急速オン/オフ弁を使用して、残土粒子が後方に流れ続けるようにする。
一実施形態では、トンネル入口で残土が収集され、必要に応じて処理され、分類され、除去される。一実施形態では、オンサイト「レンガ」製造プラズマ炉は、十分に高いシリカ含有量を含有する残土粒子を溶融して、それらをトンネル壁及び天井を覆工するのに必要な形状の成形レンガに変換することができる。
一実施形態では、表面を滑らかにするために、シリカ成分の多い残土を積んだ荷台を有する舗装用トラクタを使用することができる。一実施形態では、舗装用トラクタは、ボーリングトラクタが掘削を終了して取り外された後に使用されてもよい。別の一実施形態では、舗装用トラクタはボーリングトラクタの後に続き、トンネルの床を滑らかにすることができる。一実施形態では、舗装用トラクタは、トンネル床上に残土を適用して、表面を滑らかにする(舗装する)。一実施形態では、舗装用トラクタは、下向きのプラズマトーチを使用して、トンネル床上の残土を溶融する。これは、高シリカ含有残土を溶融し、トンネル床の表面を平坦にする。一実施形態では、舗装用トラクタは、シリカ残土の流れをプラズマプルームに適用して、床面内のより深いポケットに溶岩を適用する。一実施形態では、シリカ残土は、同じトンネルをボーリングすることから収集された砂、破砕物及び小片である。これらの廃棄物は、シリカと他の材料とに選別される。一実施形態では、選別は、工業用ふるいを使用して小粒子に分離し、遠心分離機を使用してシリカ含有量の大きい部分を収集する。分離されたシリカ「廃棄物」材料のこの流れは、トンネルを下って舗装用トラクタロボットに送り返される。これらの粒子は、空気圧式空気ジェット(粒子と混合された空気)を介して、トンネルの地面(床)に方向付けられたプラズマプルーム(複数可)に注入される。シリカの残土は溶融して液体材料となり、自然にトンネル床の最も低い部分に流れて冷えて、硬化して岩石となる。これは、床を滑らかにするのを助けるために使用され得る。一実施形態では、舗装用トラクタは、床の平坦でない領域を検出するセンサを有し、残土を選択的に塗布し、次に残土を溶融する。
本発明の実施形態の以下の詳細な説明は、同様の参照番号が同様の要素を示し、本発明を実施する特定の実施形態を例示として示す添付の図面を参照する。これらの実施形態の説明は、当業者が本発明を実施することを可能にするのに十分に詳細である。当業者は、他の実施形態が利用されてもよく、論理的、機械的、電気的、機能的及び他の変更が、本発明の範囲から逸脱することなく行われてもよいとことを理解する。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
図1は、トンネルボーリングシステムの一実施形態を示す。このシステムは、切削ヘッド支持体115に連結された切削ヘッド110を含み、これらは一体となって切削アセンブリ120を形成する。一実施形態では、切削ヘッド110は、トラクタ130が切削ヘッドを移動させることができるように、移動アーム125を介して連結される。一実施形態では、移動は垂直方向(ブーム)のみであり、横方向の移動はない。別の一実施形態では、システムは、切削ヘッドの垂直移動(ブーム)及び左右移動(スイング)の両方をサポートする。一実施形態では、左右移動(スイング)は、2つの位置、すなわち、トラクタ130への接続点における1つの位置と、調節可能アームが切削アセンブリ120に接続する接続点における別の位置とに関節部を有するデュアルスイングであってもよい。一実施形態では、切削ヘッドはD字形であり、頂部にアーチを有し、側部が直線である。しかしながら、切削ヘッドは、楕円形、円形又は別の形状であってもよい。
一実施形態では、切削アセンブリ120には電力供給されない。推進は、電源を介して主動力トラクタ130によって提供される。一実施形態では、主動力トラクタ130は、センサ(複数可)及びカメラ(複数可)も含む。主動力トラクタ130は、動力源、並びにセンサ、カメラ及び他のデバイスを含む。一実施形態では、センサ及び/又はカメラのうちの少なくともいくつかは、トラクタ130から切削ヘッドまで延在し、切削ヘッドの可能な限り近くからの画像及びセンサデータを提供する。真空カート140は、除去された岩石の収集のための真空を提供する。一実施形態では、真空カート140は自己推進式である。これにより、主動力トラクタ130にかかる負担が少なくなる。別の一実施形態では、真空カート140は自己推進式ではなく、主動力トラクタ130によって引っ張られ、かつ/又は舗装用トラクタ150によって押される。
舗装用トラクタ150は、トンネル床を平滑化するために使用されてもよい。舗装用トラクタ150は、トンネル入口から戻された、分離済み廃棄物を受け取る。一実施形態では、シリカ残土が使用される。シリカ残土は、同じトンネルをボーリングすることから収集された砂、破砕物及び小片の一部であり、残土除去管160を介して、トンネル入口の外側の残土収集部175へと除去される。一実施形態では、シリカ残土は、再利用される「廃棄物」残土であって、残土分離機177によって地表でシリカと他の残土に分別されるものである。一実施形態では、工業用ふるいは、残土分離機177の一部であり、残土を大きな塊と小さな粒子に分離するために使用される。一実施形態では、次いで、小粒子は、残土分離機177の一部である遠心分離機に通されて、舗装用シリカ178である高いシリカ含有量を有する部分を収集する。この分離されたシリカ、すなわち舗装用シリカ178の残土の流れは、トンネルを下って舗装用トラクタ150に送り返される。次に、舗装用トラクタは、トンネル床の平坦でない部分にそれらを堆積させる。
一実施形態では、舗装用トラクタ150はまた、トンネルを補強するための材料で、トンネルの壁及びアーチ型天井を覆工してもよい。覆工には、吹付コンクリート、コンクリート又は他の材料(複数可)を用いてもよい。一実施形態では、舗装用トラクタ150は、トンネルの壁及び/又はアーチ型天井の上に、液体トンネル覆工製品(複数可)を噴霧するために使用されるノズルを含んでもよい。別の一実施形態では、舗装用トラクタ150は、トンネル覆工製品を堆積させるための回転式インジェクタアームを含んでもよい。
システムは、トンネル入口170からインバウンド(外から中へと入ってくる)管155を通して、電力、水、空気、並びに、いくつかの実施形態では、分離されたシリカ残土及び/又はトンネル覆工材料を受け取る。一実施形態では、空気圧縮機185、水源190及び冷却器195を備えて切削ヘッド110に冷たい空気及び水を提供するようになっている。電源は、移動式サブステーション180によって提供されてもよい。別の一実施形態において、電力は、太陽光発電又は他の電源によって提供されてもよい。
一実施形態では、インバウンド管155は、動力トラクタ130及び切削ヘッド110上のトーチに電力を供給する。水及び/又は圧縮空気は、以下に説明するように、切削ヘッド110によって使用される。一実施形態では、アンビリカル管135及び残土除去管160は、システム全体に沿って、切削ヘッドから最後のトラクタ、ここでは舗装用トラクタ150までずっと延在している。
残土除去管160は、トンネルボーリングによって発生した残土を残土収集部175へと除去する。システムに沿って真空入口が設けられている。一実施形態では、第1の真空入口は、切削ヘッド110上にあり、次いで、主動力トラクタ130上にあり、真空カート140上にある。一実施形態では、残土除去管160は、真空カート140によって動力供給され、これにより残土除去管160を通して残土が押し出される。一実施形態では、残土は、ベンチュリ管165を通して管160内で加速される。真空は全ての小片を吸い上げ、次に真空カート140の後ろには残土除去管160が設けられ、その最初の数メートル内に残土除去空気流を加速させるベンチュリ管空気ジェット165を有し、更に途中に残土除去の速度を維持するための追加のベンチュリジェットを有している。一実施形態では、残土除去管160の第1のセクションは剛性金属である。一実施形態では、この金属は、その硬度及び他の合金よりも低いコストゆえに、ステンレス鋼である。残土除去管160の後続のセクションは、可撓性を有するものであるが、ひだを有するものではなく空気流を最適化するために滑らかな内部を有する。一実施形態では、追加的な振動プレート168は、残土除去管160の下に、又は残土除去チューブ160内に配置される。振動プレート168は、管の底部に沈降する残土を振動させ、それらを加速して空気流の中に戻すように設計されている。一実施形態では、トンネルが特定の長さを超える場合、インバウンド管及びアウトバウンド(中から外に出て行く)管の経路に沿って、追加の電力要素があってもよい。これは、管並びに材料がトンネルボーリングマシンに運ばれたりトンネルからこれらが除去されたりするための追加の動力源が提供されることで、トンネルボーリングシステムをより深いトンネルに拡張することが可能になる。別の一実施形態では、これらの電力要素は、空気圧及び/又は水圧をブーストするためのブースタポンプ、電圧調整器及び/又は周波数調整器などの力率補正及び電力調整デバイス、追加のセンサ、並びに他の機器に電力を供給することができる。
この自己充足式のボーリングマシンは、様々な種類の岩石をボーリングすることができる効率的なシステムを提供し、迅速かつ効率的なトンネルボーリングを提供する。
図2は、トンネルボーリングシステムの一実施形態の側面図である。切削ヘッド210は、切削アセンブリ220に取り付けられている。切削ヘッド210は、トーチと、ボーリングを補助するための、空気及び/又は水の流れのためのノズルを含む。電力及び空気/水は、アンビリカル245を介して切削アセンブリ220に供給される。一実施形態では、PYROGENSIS(商標)社製の非移行式アークプラズマトーチ(Arc Plasma Torch、APT)が使用される。一実施形態では、PHOENIX SOLUTIONS(商標)社による非移行型プラズマアークトーチPT250が使用される。他のトーチが利用されてもよい。
一実施形態では、切削アセンブリ220は、ボーリングからデブリを吸引するために、底部に真空入口215を含む。このデブリは、真空管225A、225Bを通り、残土管290を通ってトンネルから出る。切削アセンブリ220はまた、空気及び水ジェットのための水マニホールド230及びガスマニホールド235を含む。切削アセンブリ220はまた、切削ヘッド210を移動させるための調節可能アーム250を含んでもよい。一実施形態では、関節部は、ステンレス鋼であってもよいトラップ240によって、熱及び研磨粒子から保護される。
一実施形態では、調節可能アーム250は、切削ヘッドの移動を可能にし、それによって掘削されているトンネルの方向を変更することができる。一実施形態では、調節可能アーム250は、フロントエンドローダトラクタのリフトアームであってもよい。一実施形態では、切削アセンブリ220はまた、切削ヘッド210上のトーチに電力を供給するための電源237の一部を含んでもよい。一実施形態では、トラクタ260は複数の電源237を含み、各電源は切削ヘッド210上のトーチのサブセットに電力を供給する。一実施形態では、1つの電源ユニットによって電力供給されるサブセットのトーチどうしは互いに隣接していない。一実施形態では、電源237は、分散されたトーチのセットに電力を供給するが、それによって電源の1つが機能を停止した場合にも、システムを継続して利用することが可能となる。一実施形態では、どの1つの電源237も電力を供給するのは、全トーチの1/4以下である。電力、ガス、水及び他の資源は、トンネルの外側から、アンビリカル265を通してトラクタ260に供給される。
一実施形態では、切削アセンブリ220は、金属製の車輪を含むが、この金属製の車輪には電力が供給されない。むしろ、動力は第2のトラクタ260によって提供される。しかしながら、金属製の車輪は、トーチによって掘削された石に由来する高温の溶岩及び岩石に耐えるように設計されている。
一実施形態では、切削アセンブリ220はまた、1つ以上の他のセンサを含む。あるいは、センサは、第2のトラクタ260上にあってもよい。
第2のトラクタ260は、切削アセンブリを移動させ、調節可能アーム及び他のサブシステムに動力を供給するための電気モータ(複数可)264を含む。一実施形態では、トーチは、200kW~3,000kWの電力を有するプラズマトーチである。一実施形態では、各プラズマトーチは500kWの定格容量を有する。
一実施形態では、第2のトラクタ260はまた、センサ262及びカメラ263を含む。一実施形態では、センサは、カメラ、ソナー、レーザ、ライダ、レベルセンサ、温度センサ、空気及び水のための流量及び圧力センサ、ジャイロスコープ、磁気式、GPS式及び/若しくは他の位置センサ、又は他のセンサを含んでもよい。センサ262及びカメラ263は、データをオペレータに提供する。一実施形態では、オペレータは、ボーリングマシン200に遠隔制御ガイダンスを提供する。一実施形態では、ボーリングマシン200は、概して自己誘導式であるが、オペレータによるモニタリングを伴う。
一実施形態では、センサ262は、トンネル内の空気に関するデータを提供する。このデータには、可燃性ガスが存在するか否かが含まれる。ガスは、爆発を引き起こす可能性があるため、プラズマボーリングマシン200にとって危険なものであり得る。一実施形態では、センサ262は、自動遮断機構に連結されてもよく、この自動遮断機構は、特定の複数種類のガスが危険な濃度で検出された場合にトーチを自動的に停止する、かつ/又は1種類以上のガスの潜在的爆発可能性を低減するために、水ジェットへの水流を増加させるようになっている。
一実施形態では、カメラ263及びセンサ262は、掘削されている岩石の種類に関するデータを提供する。そのようなセンサは、切羽における岩石の鉱物学的組成を確認するための分子スキャナ及びガス検出器を含んでもよい。異なる組成の岩石が、異なる電力設定、空気流設定及び水/水蒸気設定で掘削され得る。例えば、シリカ含有量の大きい岩石は、玄武岩よりも低い電力設定とより多くの冷たい空気とで最も良く除去され得る。一実施形態では、トラクタ260上のセンサ262に加えて、除去された岩石及びデブリに基づいて、地表上で追加的分析を行うことができる。
一実施形態では、第2のトラクタ260はまた、トンネルの床に方向付けられた冷却空気/水スプレー255を含むことができる。これは、第2のトラクタ260が確実に、損傷を引き起こすほどの高温の岩石の上を通過しないようにする。一実施形態では、冷却空気/水スプレーは、冷却にちょうど十分な水を提供するように設計される。この水が蒸発すると、デブリは、除去が困難な泥状物にならず、むしろ、真空カート280によって真空引きすることが可能になる。
一実施形態では、真空カート280が、第2のトラクタ260に連結されている。真空カート280は、床からデブリを吸い上げ、また、切削アセンブリ220内の真空入口215によって真空引きされたデブリを受け取る。一実施形態では、真空入口は金属製であり、図示のように、冷却空気又は水を使用して真空入口を冷却するための冷却スリーブを含む。真空カート280はまた、廃棄物の地表への戻りを制御する。一実施形態では、廃棄材料を戻すために、残土管290がボーリングマシン200から地表まで延びている。
一実施形態では、一連のベンチュリ管295が残土管290に沿って挿入される。ベンチュリ管295は、トンネル入口の方を向いており、残土管290内の空気流を加速して、廃棄物粒子をより長い距離にわたって除去するようになっている。一実施形態では、ベンチュリ管295が、残土除去管290に沿って一定の間隔で配置されている。一実施形態では、ベンチュリ管295は、約10~30メートル毎に配置され、空気供給ラインに接続されて、トンネル入口に向かって後方に移動する空気流及び粒子流の速度を維持し続ける。一実施形態では、ベンチュリ管295は、様々な角度で配置されて、管290内のいかなる「固着した」粒子であってもこれを持ち上げるのを助けるのに十分な、例えば、渦、渦巻き及びウィンドシアーなどを含む、空気流の撹拌を生成するようになっている。一実施形態では、振動プレート297を、管290の下又は管の底部に挿入してもよく、空気流から分離して管の底部に沈殿した粒子を振動させて、撹拌された空気流によって拾い上げさせることもできる。一実施形態では、ベンチュリ管295は、20メートル毎に配置され、振動板297も20メートル毎に配置されるので、10メートル毎に、振動板又はベンチュリ管が存在するようになっている。
図3は、トンネルボーリングシステムにおける切削アセンブリの一実施形態の斜視図である。システムは、切削ヘッド310が取り付けられた切削アセンブリを含む。一実施形態では、切削ヘッド310は交換可能である。これにより、特定の岩石組成に対して切削ヘッドを調整することが可能になる。
切削ヘッドは、複数のトーチ330を含む。一実施形態では、トーチ330はあるパターンで配置される。一実施形態では、中心トーチ335は、他のトーチ330よりも長く延びている。一実施形態では、中心トーチ335は、他のトーチ330を15~45cm超えて延びている。一実施形態では、中心トーチ335は、他のトーチと釣り合うように延びている。より長い中心トーチ335を有する目的は、熱及び残土材料が、切羽からより容易に流出することを可能にすることである。これは、玄武岩及び砂岩タイプの岩石に有用であり得る。一実施形態における延長されたトーチ335は、切削ヘッド310の中心部、切削ヘッド310の上部又はその付近にある。
プラズマトーチ330に加えて、切削ヘッド310上に空気又は水ジェット340が設けられ、ボーリングマシンによって切削されている岩石に流れを方向付けている。空気又は水ジェット340は、空気及び/又は水を出力する。空気及び/又は水は、岩石を割るのを助けるために有用である。しかしながら、このシステムは掘削泥水を使用しない。上記の流れは、空気ジェット340を介した冷たい空気の流れ、又は水ジェット340を介した水の流れ、又は空気及び水の組み合わせであってもよい。一実施形態では、非常に少量の水が使用され、水は、ボーリング表面に衝突する際に、トーチ330からの高温により蒸気に変わる、又は蒸発する。これにより、水によって残土が泥だらけになったり重くなったりすることが防止される。一実施形態では、温度及び水量は、岩石の種類に基づいて調整される。一実施形態では、空気及び/又は水は、非常に低い温度に冷却されて、岩石内により大きな温度差を作り出して、熱分解を最適化し、掘進率を増加させる。一実施形態では、プラズマプルームの温度は、縁部で2,000℃超からプルームの中心で27,000℃までの範囲であり、水及び/又は空気ジェットは3℃~15℃である。
切削ヘッドの構成、ノズル高さ、及び流れのタイプ(水又は空気)は、掘削される岩石の種類に基づいて調節されてもよい。表1は、例示的な設定を示す。
Figure 2024084766000002
一実施形態における切削ヘッド310は、シールド345を有し、このシールド345は、切削アセンブリ320と、切削ヘッドの後ろのシステムの部分とを、トーチ330によって生成される高熱から絶縁するものである。別の一実施形態では、このシールドは、凹状の形状であり、かつ熱エネルギー及び音波を反射して切羽に向かって戻し、ボーリングのプロセスを、効率性を高め、掘進率を上昇させることによって支援するように設計された材料から作製される。
一実施形態では、切削ヘッド310は、可動アームを介して切削アセンブリ320に連結される。トラクタは、トーチ330用の電力を伝導し、ジェット340用の空気又は水を送り届ける。一実施形態では、切削ヘッド310及び切削アセンブリ320は、車輪325を有する。一実施形態では、車輪325は、トーチ330によって生成される熱に耐えることができるタングステン又は別の金属で作製される。一実施形態では、アンビリカル370は、切削アセンブリ320を外部の要素に接続する。
図4は、図3の切削ヘッドの一実施形態の正面図である。一実施形態では、切削ヘッド310は、アーチ型天井及び垂直壁を有するD字形のトンネルを作製するように成形されている。一実施形態では、切削ヘッド310の形状を、トンネルの意図された形状に一致させることによって、ボーリング後のプロセスを減らすことができる。
正面図は、切削ヘッド310から延出するトーチ330を支持するトーチ支持構造を示す。同図はまた、中心アイトーチ335の例示的な位置を示す。一実施形態では、支持構造360は、切削ヘッド310上のトーチ330どうしの間の支持を提供する。
一実施形態では、切削ヘッド300はまた、空気ジェット及び水ジェット340を含む。図示されるように、一実施形態では、空気/水ジェット340は、切削ヘッド300の縁に沿って、主に上部及び底部に配置される。温度変化を導入するために空気/水を使用し、掘削されている岩石に破砕を生じさせる。一実施形態では、空気/水ジェット340のオン/オフは、選択的であり、掘削されている岩石の組成に基づく。
図5は、切削ヘッド500の別の一実施形態の正面図である。この構成では、より多くのトーチ510が存在する。この構成では、切削ヘッド500の底部にわたって7つのトーチが設けられ、垂直方向に最大で8つのトーチが設けられている。しかしながら、これは単に例示的なものであり、個々のトーチの実際の配置は、本発明から逸脱することなく変更可能であることを理解されたい。
一実施形態では、空気ジェット520は、切削ヘッド500全体にわたって配置され、一方、水ジェット530は、切削ヘッド500の外側領域の周りに配置される。一実施形態では、空気ジェットは関節運動式ジェットであり、これは空気を方向付けることができるということを意味する。一実施形態では、空気ジェット520は、急速始動/停止弁を含む。一実施形態では、弁は、ノズルと供給ライン弁との間の電子制御式ソレノイドである。冷たい空気の急速なパルス化は、ある特定種類の岩石を破砕するために使用され得る。一実施形態では、以下により詳細に説明されるように、システムは、空気の種類を検出し、データに基づいて、切削ヘッド500の機能を調整させるセンサを含む。一実施形態では、ボーリングシステムを制御するオペレータは、空気ジェット及び水ジェットを調整し得る。一実施形態では、水ジェット530からの蒸気/水及び/又は空気ジェット520からの冷たい空気は、溶岩を破砕し、残土を除去するために使用される。
加えて、一実施形態では、切削ヘッド500の底部に、真空入口540が設けられている。真空入口540は、残土を真空引きして除去するために使用される。一実施形態では、1~10個の真空入口が設けられる。一実施形態では、真空入口は、トンネルの床から約1cm~20cm上にある。別の一実施形態では、真空入口540は、可撓性アーム上にあってもよく、また車輪を有していてもよく、それらの車輪は、入口540が床と一貫して密接に接触したままであり、床面の隆起及び欠陥とともに移動することを可能にするように配置される。一実施形態では、真空入口は、高温の岩石に耐えるように設計された金属材料製である。一実施形態では、真空入口は、空気又は水を使用して冷却され、岩石を、残土除去管の残りの部分に沿って移動させるのに十分なほどに冷却する。一実施形態では、真空入口と真空管の一部とは、冷却された循環水を含有する冷却スリーブで裏打ちされ、戻り水ラインが管(複数可)の外部に位置する。一実施形態では、冷却スリーブは全ての真空収集サブシステム上に配置される。一実施形態では、冷却スリーブはある距離だけ延在する。一実施形態では、上記の距離は、舗装用トラクタの後ろに、最大10メートルまでであってもよい。
図6は、切削ヘッドの一実施形態を示し、トーチの切削直径を示す。切削ヘッド600は、2つの異なるサイズのプラズマトーチ、すなわち大きいトーチ610と小さいトーチ630とを含む。この図では、トーチの直径に加えて、トーチプルームの半径が破線で示されている。図に示すように、大きいトーチ610と小さいトーチ630との組み合わせによって、当該エリアの完全な適用範囲がもたらされる。一実施形態では、各トーチプルームは、トーチヘッドサイズ610、630の直径の2.5倍まで延在する。したがって、各トーチの実際の潜在的トンネルボーリング能力は、トーチプルームどうしが切削ヘッド600内で交差し、トーチによる切削が切削ヘッドを越えて延在するように、図示される半径620、640を越えて延在する。一実施形態では、複数のトーチプラズマプルームの相乗作用により、プルームどうしの合流点の縁部でより高い温度が生成されるので、小型トーチ630は不要であり得る。
図示されるように、一実施形態では、水ジェットは、角度付き水噴霧器650を提供する。角度をつけて傾斜させることにより、水が適切な位置に噴霧されて、残土を泥状にすることなく、岩石の分割を補助することが確実になる。一実施形態では、角度付き水噴霧器650が噴霧する方向は、オペレータによって変更されてもよい。
図7は、切削ヘッドの別の一実施形態を示し、シールドの直径を超える、トーチプルームの過剰な潜在的トンネルボーリング能力を示す。切削ヘッド700は、より小さい構成である。この例では、プラズマトーチ710によって生成されたプルームの有効半径720どうしの間に間隙はなく、有効な半径は重なり合っている。トーチ710の半径720は、シールド730の縁部を越えて延び、シールド730がトーチ710によって切削された経路を通過することを可能にする。
一実施形態では、複数のトーチの使用は相乗効果を生み出す。この効果は、2つ又は3つのプラズマプルームの合流が存在する表面領域に印加される熱及び運動エネルギーを2倍又は3倍にし得る。これは、プラズマプルームの縁部における「無駄な」熱を利用することによって、ボーリング能力を増加させる。この「無駄な」熱は、それ自体で岩石を掘削するのに十分なエネルギーを有さない、又はプルームのコアにより近いプルームの領域ほど迅速に掘削できないが、別の重なり合うトーチプルームからの「無駄な」熱と組み合わせられると、その「孤立した」領域における岩石が破壊される。しかもその破壊は、1つのプラズマプルームのみで予期されるであろう破壊よりも迅速なものであり得る。これにより、ギャップ内に小さなトーチを設ける必要がなくなる。
水ジェット740は、トーチどうしの間に分散される。一実施形態では、空気ジェットが存在してもよい。この図はまた、切削ヘッド700のいくつかの例示的な寸法を示し、この切削ヘッド700は、160cmの「トーチ」高さ及び120cmの幅を有し、トーチが40cm×40cmのトーチ半径615を有する。したがって、切削ヘッドによって掘削されるトンネルの推定されるトンネル寸法750は、160cm(5フィート3インチ)×120cm(約3フィート11インチ)となる。これらの寸法は、もちろん単に例示的なものである。
図8A及び図8Bは、ヒンジ式真空入口の一実施形態を示す。一実施形態では、真空トラクタの前部は真空アームを含む。図8Aは、真空トラクタ860の真空アームの実施形態の正面図を示し、図8Bは側面図を示す。真空トラクタ860は、床に向かって下方に曲がる延長管810を有する。一実施形態では、延長管810は、床上に残っている小片を捕捉するためのスクープ820を有する。一実施形態では、車輪830が、スクープ820を床の近くに保つための支持を提供する。一実施形態では、管810は、可撓性スリーブ840及びエルボー850を含む。一実施形態では、単一の真空トラクタ860は、その前部にわたって、3つのヒンジ式真空アームを含んでいてよい。一実施形態では、それらの真空スクープ820は、トンネルの床の大部分をカバーする。一実施形態では、この部品は、加熱された残土の熱に耐えるように、金属で作製されている。一実施形態では、この金属はステンレス鋼である。上述したように、一実施形態では、真空アームは、残土を冷却するための冷却スリーブを有していてもよい。
図8Bは、ヒンジ式真空入口の正面図を示す。一実施形態におけるスクープは、前方に湾曲しており、スクープがスクープの前方から残土を引き込むようになっている。一実施形態では、真空入口のためのこの構成は、ボーリングシステムの他の部分とともに、切削ヘッド、動力トラクタに使用されてもよい。
図9Aは、舗装用トラクタの一実施形態の側面図を示す。一実施形態では、舗装用トラクタ910は、供給ライン920を通して入ってくるシリカ含有量の大きい廃棄物を受け取る。一実施形態では、入ってくる材料はシリカの非常に小さい粒子である。一実施形態では、トラクタ910はまた、供給ライン920を介して、外から中に入ってくる空気/ガスと電力とを受け取る。加えて、一実施形態では、トラクタ910は、供給ライン920を通して、トンネル覆工製品を受け取る。一実施形態では、地面センサ930は、1つ以上のセンサを用いて床を監視する。一実施形態では、地面センサ930は、トラクタのトレッド915の前の、舗装用トラクタ910の前方のトンネルフロアを監視する。地面センサ930は、カメラ、ソナー、レーザ、ライダ、レベルセンサ及び温度センサのうちの1つ以上を含み得る。ミキサ940は、入ってくる空気とシリカ廃棄物とを混合して粒子混合物を生成する。一実施形態では、粒子混合物は、空気圧式空気ジェット960を介して、トンネルの地面(床)に方向付けられたプラズマトーチ970からのプラズマプルーム(複数可)に注入される。流量制御装置950が、粒子混合物及びプラズマトーチ970を制御する。別の一実施形態では、粒子混合物は、プラズマトーチ970のための空気供給源に直接注入されてもよい。シリカは溶融して液体溶岩タイプの材料になり、自然に(重力を用いて)トンネル床の最下部に流れ、冷却される。これは岩に硬化し、床を滑らかにするのに役立つ。
一実施形態では、舗装用トラクタ910はまた、トンネル覆工製品でトンネル壁及びアーチ型天井を覆工するための材料アプリケータ又は噴霧器980を含む。トンネル覆工製品は、吹付コンクリート、コンクリート又は他の材料を含み得る。一実施形態において、トンネル覆工製品は、繊維強化吹付コンクリート(fiber reinforced shotcrete,FRS)である。一実施形態では、アプリケータ980は、トンネル壁上に材料を分注するために、1つ以上の回転式インジェクタアームを備える。別の一実施形態では、材料アプリケータ980は、トンネルの壁及び/又はアーチ型天井に、液体のトンネル覆工製品を噴霧するために使用されるノズルであってもよい。一実施形態では、噴霧器980は、回転できるようにヒンジ留めされる。一実施形態における噴霧器980は、舗装用トラクタ910の後部の上部中心付近に取り付けられた中央ピボット985から回転する1つのアームであり、これは最大360度回転するが、トンネルの側面及び天井全体をカバーするためには約270度回転するように設計されている。噴霧器980は、その下のアンビリカル残土除去管及び供給管にあるストッパによって停止され、次いで、回転方向を逆にして逆方向に戻り、再び底部で停止して、床又は供給ラインには噴霧しないようになっている。
図9Bは、図9Aの舗装用トラクタを示す背面図である。噴霧器980は、トンネル壁に材料を噴霧するために、中央ヒンジ985を中心に回転する。一実施形態では、噴霧器980は、ストッパガード982どうしの間を約270°回転する。ストッパガードは、残土除去管925上に設けられてもよい。一実施形態では、個々の供給ライン990、992、994及び残土除去ライン925の配置は任意であり、それらの1つ以上は、様々な材料を分離する内部分離部を有する単一の供給管内で組み合わせることができる。
図10は、トンネルボーリングシステムの使用法の一実施形態を示すフローチャートである。プロセスはブロック1010で開始する。
ブロック1020において、掘削されている岩石が識別される。トーチの構成は、トーチの設定と同様に、岩石に基づいて選択される。一実施形態では、トーチの構成は、使用されるトーチのサイズ及び位置、並びにそれらの間隔を定義する。一実施形態では、トーチの設定は、使用される電力レベルを含む。空気及び/又は水の流れ及びノズル高さもまた、岩石の組成並びにトーチの構成及び設定に基づいて選択される。空気流及び/又は水流は、岩石の組成に基づいて選択される。いくつかの岩石は、安定した空気流で最も良く分割され、別のいくつかの岩石はそのような空気流を必要としない。
ブロック1030において、外部からトラクタへの電力/水/空気の流入が開始される。上述したように、一実施形態ではトンネルの入口まで延びるアンビリカルが存在する。
ブロック1040では、ボーリングを開始するためにプラズマトーチに電力が供給される。一実施形態では、空気/水/蒸気流も開始される。
ブロック1050において、真空装置は、ボーリングから得られる廃棄物を収集するために電力供給され、アウトバウンド管を介してトンネル入口に廃棄物を戻す。一実施形態では、真空装置は複数の取り入れ口を含む。
ブロック1060において、プロセスは、トンネル内のセンサのいずれかが警報を発しているか否かを判定する。そうである場合、ブロック1065において、警報に対する対処が行われる。警報は、潜在的なガス漏れを示すセンサに対するものであり得る。その場合、対応策は、プラズマトーチをオフにすること、プロセスに水又は何らかの他の溶液を加えることであり得る。一実施形態では、センサは、掘削速度が期待した通りではない場合に、警報を発する場合があり得る。センサデータは、トーチの構成又は設定、空気、水又は蒸気の流れの有無等を調整するために使用されてもよい。次いで、プロセスはブロック1070に戻る。
ブロック1070では、プロセスは、舗装用トラクタが作動しているかどうかを判定する。一実施形態では、舗装用トラクタは、任意選択的である。作動している場合、ブロック1075において、シリカ廃棄物の舗装用トラクタへの戻しが開始され、舗装用トラクタは、シリカ及び空気ジェットをトンネル床に適用し、地面に向けられたプラズマトーチを介してそれを溶融する。
ブロック1080において、プロセスは、トンネルのセグメントが完了したか否か、又は別の理由でボーリングを停止すべきか否かを判定する。そうでない場合、プロセスはブロック1040に戻って掘削を継続する。プロセスが終了した場合、ブロック1090で終了する。一実施形態では、必要に応じてプロセスを一時停止して再開してもよい。
前述の明細書において、本発明は、その特定の例示的な実施形態を参照して説明されている。しかしながら、添付の特許請求の範囲に記載された本発明のより広い精神及び範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更をしてもよいことは明らかであろう。したがって、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で見なされるべきである。

Claims (20)

  1. 土中を貫通してトンネル掘削するトンネルボーリングマシンであって、
    切削ヘッドと、
    前記切削ヘッド上の複数のプラズマトーチと、
    前記プラズマトーチが作動している間に、土中の領域を冷却するための流れを提供する、前記切削ヘッド上の複数のノズルと、
    前記切削ヘッドに推進を提供し、前記切削ヘッドを移動させてトンネルを切削させるトラクタと、
    を備える、トンネルボーリングマシン。
  2. 前記切削ヘッドが、平坦な底部と湾曲した上部とを有する馬蹄形に配置された前記複数のプラズマトーチを有する、請求項1に記載のマシン。
  3. 前記流れを冷却して、前記プラズマトーチの熱と前記流れとの間により大きな温度差を生じさせる冷却装置を更に備える、請求項1に記載のマシン。
  4. 前記ノズルが、空気の流れを方向付ける高圧空気ジェットノズルを含む、請求項1に記載のマシン。
  5. 前記ノズルの少なくとも1つが、前記流れを方向付けるための高圧水ジェットノズルを含む、請求項1に記載のマシン。
  6. 前記流れが、水及び蒸気のうちの1つを含む、請求項5に記載のマシン。
  7. 前記プラズマトーチのための複数の電力ユニットであって、前記プラズマトーチのサブセットが、前記複数の電力ユニットの各々によって電力供給される複数の電力ユニットを更に備える、請求項1に記載のマシン。
  8. 電力ユニットによって電力供給される前記サブセットの前記プラズマトーチが、互いに隣接していない、請求項7に記載のマシン。
  9. 残土を真空除去するための、前記切削ヘッドの基部の真空入口を更に備える、請求項1に記載のマシン。
  10. 複数の真空入口と、
    前記真空入口からの真空流を組み合わせて、前記トンネルからの残土の流れを生成する金属管と、
    を更に備える、請求項1に記載のマシン。
  11. 前記切削ヘッドによって生成された残土を除去するための、前記トラクタの後ろの真空カートを更に備える、請求項1に記載のマシン。
  12. 前記残土を真空引きするための1つ以上の真空管であって、前記残土を冷却するための冷却水を循環させる冷却スリーブで裏打ちされている、1つ以上の真空管を更に備える、請求項11に記載のマシン。
  13. 粒子の慣性を克服するための撹拌を生成するために、前記複数のノズルのうちの少なくとも1つのサブセットのための急速始動/停止弁を更に備える、請求項1に記載のマシン。
  14. 前記トラクタによって牽引される舗装用トラクタであって、前記トンネルの天井、前記トンネルの壁及び/又は前記トンネルの底部のうちの1つ以上に材料を適用する舗装用トラクタを更に備える、請求項1に記載のマシン。
  15. 前記切削ヘッドを前記トラクタに接続し、前記切削ヘッドをブームしたりスイングさせたりするための調節可能アームであって、前記トンネルボーリングマシンが掘削中の前記トンネルの角度を変更することを可能にする調節可能アームを更に備える、請求項1に記載のマシン。
  16. 前記切削ヘッドが、
    前記プラズマトーチによって出力されたエネルギーを切削面に向けて反射し、ボーリングの掘進率を支援する凹状シールドを更に備える、請求項1に記載のマシン。
  17. 前記プラズマトーチのプルームが重なり合い、
    前記重なり合いが、ボーリング表面に印加される熱及び運動エネルギーを増加させる相乗作用を生む、請求項1に記載のマシン。
  18. 切削ヘッドを含むトンネルボーリングマシンであって、
    前記切削ヘッド上の複数のプラズマトーチであって、実質的に平坦な底部と湾曲した上部とを有する前記トンネルが掘削されるように、馬蹄形で前記切削ヘッド上に配置された複数のプラズマトーチと、
    前記切削ヘッドに推進を提供し、前記切削ヘッドを移動させてトンネルを切削させるトラクタと、を備える、トンネルボーリングマシン。
  19. 前記プラズマトーチが作動している間に領域を冷却する流れを提供するための前記切削ヘッド上の複数のノズルを更に備える、請求項18に記載のマシン。
  20. 前記流れが、冷たい空気、冷水及び冷たい空気と冷水との組合せのうちの1つ以上を含む、請求項19に記載のマシン。
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