JP2024084283A - ヒートポンプシステムの配管経路上に設置する流体撹拌による液化促進装置 - Google Patents

ヒートポンプシステムの配管経路上に設置する流体撹拌による液化促進装置 Download PDF

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JP2024084283A
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Abstract

Figure 2024084283000001
【課題】冷媒と冷凍機油の均一的な混合を促進し、ヒートポンプシステム電力消費量を低減する。
【解決手段】円筒状の内槽と、大小2枚の円板を同心的に、かつ互いに同径の円板が隣接するように重ね合せて内槽内に設置した導流単位体と、内槽を取り囲む外槽とからなり、配管の経路上に設置して、当該ヒートポンプサイクルの冷媒と冷凍機油とを含む流体を撹拌する。大径な円板と小径な円板の小室は互いの小室が対向する他の複数の小室に連通するように位置を違えて配列される。ヒートポンプシステムを運転する際に、冷媒と冷凍機油とを含む流体が、0.2メガパスカルから10メガパスカルまでの圧力で静止型液化促進装置を通過して、ヒートポンプシステムのサイクルを繰り返し循環することにより、冷媒と冷凍機油を含む流体を均一混合すべく、当該流体を撹拌する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヒートポンプシステムにおいて流体を液化促進するために配管の経路上に設置する流体撹拌による液化促進装置に関する。特に、スリット、オリフィスなどを通して圧縮するフローミキサー又は垂直軸の周囲に回転盤を有する液化促進装置に関する。
業務用の冷凍サイクルシステムや空調システム等のヒートポンプサイクルを利用したヒートポンプシステムは、配管長が長いものが多い。また、設置条件も多様である。ヒートポンプシステムは、圧縮機、凝縮器、膨張器及び蒸発器を主要機器として備える。冷媒は、これらの機器を接続する配管を通して循環する。冷媒には、圧縮機のための潤滑油として冷凍機油が混合されており、圧縮機には冷凍機油溜まりが設けられる。冷凍機油は、冷媒と混合された状態、または冷媒に溶解した状態で圧縮機から吐出され、ヒートポンプサイクルを冷媒とともに循環して圧縮機に戻る。
かつての塩素を含む特定フロンによる冷媒は、冷凍機油との相溶性に優れていた。しかしながら、オゾン層破壊問題により切り替えられた代替フロンによる冷媒には、冷凍機油との相溶性が特定フロンよりもよくない。この結果、圧縮機から冷媒と共に吐出された冷凍機油が冷媒から分離し、ヒートポンプサイクルの凝縮器等の機器や配管内に滞留して圧縮機の潤滑油不足を生じやすい。潤滑油不足は圧縮機の焼き付きに繋がる。
また、冷凍機油との相溶性のよくない冷媒は、それ自体の流動性が低下する。さらに、凝縮器等の機器や配管内に滞留した冷凍機油が、冷媒の円滑な流れ並びに凝縮器及び蒸発器における熱交換を阻害する。この結果、ヒートポンプシステムの熱交換効率を低下させる。冷媒と冷凍機油との相溶性を確保するために、冷媒に対して様々な化学合成油などの添加剤が用いられる場合がある。しかし添加剤では十分な解決が得られない。そこで、冷媒に冷凍機油を溶解又は均一に混合するための種々の撹拌手段が提示されている。
特許文献1では、吐出される冷媒と冷凍機油の分離を防止するために、圧縮機内に冷媒と冷凍機油を撹拌するための撹拌装置を設ける。
ヒートポンプサイクルにおける冷媒のもう1つの問題は、冷媒が凝縮器で液化した際に気体状態の冷媒が残存することである。残存した気体冷媒はさらに膨張器を経た後もなお残存し、蒸発器の入口側における冷媒は気液二相状態となる。残存する気体冷媒は蒸発器における熱交換に寄与しないため、熱交換率を低下させる原因となる。
特許文献2、3等では、膨張器の後に設置する気液分離器を提示している。この気液分離器は、気液二相状態の冷媒を気液分離し、液体冷媒のみを蒸発器に送るとともに、気体冷媒を圧縮機に戻している。
さらに別の技術として、特許文献4では、冷媒が凝縮器において液化する際にラジカル状態で残存する気泡を除去して冷媒を完全に液化しようとする気泡除去装置が開示されている。この装置は、円筒容器を備えており、冷房時における凝縮器(室外機)の出口側に設置される。円筒容器内に螺旋状の旋回流を形成することで冷媒を撹拌し、気泡除去を行っている。
ヒートポンプとは、直接関連のない撹拌装置の他の例として、特許文献5、特許文献6、特許文献7のものがある。これらは、多角形状の小室を多数配列した円板を重ねたものを円筒状のケーシングで覆い、高圧の流体を通すことで撹拌(混合)する装置である。この装置では、モーターなどの回転する部分は有していない。
特開2008-163782号公報 特開平6-109345号公報 特開2008-75894号公報 国際公開2013/099972号 特公昭59-39173号公報 特開平11-9980号公報 特開平11-114396号公報
上記の第1の問題点、すなわち冷媒と冷凍機油の相溶不良の問題については、特許文献1のように圧縮機内に設けた撹拌手段のみでは、ヒートポンプサイクルにおける長い配管や各構成要素における冷凍機油の滞留を解消することはできない。特に、凝縮器で温度が低下すると、冷凍機油の油滴同士が融合して油相が大きくなり、液体冷媒が冷凍機油中に閉じこめられた状態となりやすい。このような冷凍機油中に捕捉された液体冷媒も、熱交換に寄与することができない。外気温の低下時にこの傾向が強くなる。
上記の第2の問題点、すなわち凝縮器で液化した冷媒に気体状態の冷媒が残存する問題については、特許文献2、3のような気液分離器は、冷房時にはある程度の効果を奏するが、暖房時にはほとんど効果が得られない。また、公知の気液分離器は、システム内に組み込まれており、既設システムに後付けできるような汎用性がない。既設のヒートポンプシステムの熱交換効率を高めて省エネルギーを図るためには、既設のヒートポンプシステムに容易に取り付け可能な撹拌手段が必要である。
ヒートポンプシステムの具体的形態である冷凍機や空調機等には、多種多様な機種が存在する。このような既設のヒートポンプシステムのいずれにも取り付け可能な汎用性を備えた流体撹拌装置の出現が望まれる。
また、特許文献4のような螺旋状の旋回流を利用する撹拌装置は、撹拌機能が不十分である。そもそも、特許文献4の除去対象とする気泡は、ラジカル状態で残存する特殊な気泡である。一方、凝縮器で液化した冷媒の中に残存する気泡の大部分は、冷媒の一部が、凝縮器を素通りしてしまい凝縮温度以下に低下せずに気体状態を維持していることによるものである。
本発明の発明者の実験によれば、特許文献4の装置において生じるほぼ水平な面内の旋回流による撹拌では、凝縮温度以上の気体冷媒の温度を低下させて液体冷媒とすることはできないことが判明している。
上記の現状に鑑み、本発明は、ヒートポンプシステムにおける流体を効率的に撹拌することにより、冷媒に対する冷凍機油の溶解または均一的な混合、及び、気体冷媒の液化を促進し、それによりヒートポンプシステムの熱交換効率を向上させて電力消費量を低減できる流体撹拌による液化促進装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下の構成を提供する。
本発明者は、さまざまな撹拌(混合)装置を試したところ、特許文献5、特許文献6、特許文献7に示す撹拌装置が、ヒートポンプシステムのいずれかの配管の途中に、設置して用いる撹拌(混合)による液化促進装置として適切であることを見出した。
すなわち、本発明に係るヒートポンプシステムにおける流体撹拌による液化促進装置は、両端にそれぞれ内槽出口と内槽入口とを形成し、さらに側壁にも複数の開口部を形成した円筒状の内槽と、 互いに対向する面に前面開放の多角形の小室をハニカム状に多数配列した大径な円板と小径な円板との大小2枚の円板を同心的に、かつ互いに同径の円板が隣接するように重ね合せて前記内槽内に設置した導流単位体と、前記円筒状の内槽を取り囲む外槽と、前記外槽の外槽入口と、前記外槽の外槽出口と、からなり、ヒートポンプシステムを構成する配管の経路上に、前記外槽入口と前記外槽出口とを用いて前記配管に接続して設置し、当該ヒートポンプサイクルの冷媒と冷凍機油とを含む流体を撹拌する静止型液化促進装置であって、前記大径な円板は前記内槽の内径に合致する直径を有するとともに、中心に流通孔を穿設し、 前記大径な円板と小径な円板の小室は互いの小室が対向する他の複数の小室に連通するように位置を違えて配列されており、前記円筒状の内槽の両端には前記導流単位体の大径な円板を位置させてその流通孔を前記内槽の両端の内槽出口と内槽入口とにそれぞれ連通させ、前記ヒートポンプシステムを運転する際に、前記冷媒と前記冷凍機油とを含む流体が、0.2メガパスカルから10メガパスカルまでの圧力で前記静止型液化促進装置の内槽と外槽とのいずれをも通過して、前記ヒートポンプシステムのサイクルを繰り返し循環することにより、前記冷媒と前記冷凍機油を含む流体を均一混合すべく、当該流体を撹拌することを特徴とする静止型液化促進装置である。
これにより、ヒートポンプシステムにおける冷媒と冷凍機油との均一混合が適切になされて、消費電力の削減ができる。
また、本発明に係る液化促進装置は、撹拌槽出口と撹拌槽入口とをそれぞれ形成し、さらに側壁にも複数の開口部を形成した撹拌槽と、前記撹拌槽の内部に設けられた回転軸と、前記回転軸を回転駆動させる回転駆動源と、前記回転軸に取り付けられ前記撹拌槽内を撹拌する混合回転体と、前記撹拌槽を取り囲む外槽と、前記外槽の外槽入口と、前記外槽の外槽出口と、からなり、ヒートポンプシステムを構成する配管の経路上に、前記外槽入口と前記外槽出口とを用いて前記配管に接続して設置し、当該ヒートポンプサイクルの冷媒と冷凍機油とを含む流体を撹拌することにより液化促進する回転型液化促進装置であって、前記混合回転体は、上下2枚の円板を一組みとして重ね合わせ、下方の円板の中央に流入口を形成すると共に、互いに対向する前面に、前方開口する筒状の小室を多数配列させて形成し、上方の円板の小室と、下方の円板の小室とは互いの小室が対向する他の小室に連通すると共に、一方の小室の中心に他方の小室を形成する側壁の交差接続部位が位置する様に位置を違えて配列させてなるものであって、前記ヒートポンプシステムを運転する際に、前記冷媒と前記冷凍機油とを含む流体が、0.2メガパスカルから10メガパスカルまでの圧力で前記回転型液化促進装置の撹拌槽と外槽とのいずれをも通過して、前記ヒートポンプシステムのサイクルを繰り返し循環することにより、前記冷媒と前記冷凍機油を含む流体を均一混合すべく、当該流体を撹拌することを特徴とする。
これにより、ヒートポンプシステムにおける冷媒と冷凍機油との均一混合が適切になされて、消費電力の削減ができる。
前記外槽の内側に、当該外槽の内径よりも小さい外形を有するスプリングを自由振動が可能な状態で設けたことを特徴とする。
これにより脈動を抑え、せん断効果をより高めることができる。
前記撹拌槽の内側に、当該撹拌槽の内径よりも小さい外形を有するスプリングを自由振動が可能な状態で設けたことを特徴とする。
これにより脈動を抑え、せん断効果をより高めることができる。
前記外槽の内側に、当該外槽の内径よりも小さい外形を有するスプリングを自由振動が可能な状態で設けたことを特徴とする。
これにより脈動を抑え、せん断効果をより高めることができる。
本発明の流体撹拌による液化促進装置は、ヒートポンプシステムにおける冷媒と冷凍機油との均一混合が適切になされて、熱交換効率を向上させて、消費エネルギーの削減ができるという利点がある。
静止型液化促進装置をヒートポンプシステムに用いた例を示す図である。図1(a)は、冷房時の流体の流れの向きを示す。図1(b)は、暖房時の流体の流れの向きを示す。 小室の構成を詳しく説明する図である。図2(a)は、流体の入る向きから見た図である。図2(b)は、A-A断面図である。 小室の形状についてのバリエーションを示す図である。図3(a)は、正八角形を繰り返す形状についてのものである。図3(b)は、正六角形を繰り返す形状についてのものである。図3(c)は、正三角形を繰り返す形状についてのものである。図3(d)は、正方形を繰り返す形状についてのものである。 導流単位体の一つについて、大径な円板、小径な円板、小室の構成をくわしく描いた部分拡大図である。 小径な円板の例を示す斜視図である。 静止型液化促進装置に外槽を備えたものをヒートポンプシステムに用いた例を示す図である。図6(a)は、冷房時の流体の流れの向きを示す。図6(b)は、暖房時の流体の流れの向きを示す。 回転型液化促進装置を配管の経路上に設置したヒートポンプシステムの構成を示す図である。図7(a)は、冷房時の流体の流れの向きを示す。図7(b)は、暖房時の流体の流れの向きを示す。 混合回転体を構成する2つの円板、小室の形状及び組み立て方を示す図である。 混合回転体のくわしい構成及び流体の流れを示す図である。 小室の形状についてのバリエーションを示す図である。図10(a)は、正三角形を繰り返す形状についてのものである。図10(b)は、正方形を繰り返す形状についてのものである。図10(c)は、正八角形を繰り返す形状についてのものである。図3(d)は、正六角形を繰り返す形状についてのものである。 回転型液化促進装置に外槽を備えたものをヒートポンプシステムに用いた例を示す図である。図11(a)は、冷房時の流体の流れの向きを示す。図11(b)は、暖房時の流体の流れの向きを示す。 混合回転体を3組、重ねた例を示す図である。 スプリングを用いた液化促進装置の構造を示す断面図である。 静止型液化促進装置にスプリングを応用した例を示す断面図である。 静止型液化促進装置にスプリングを応用したものに外槽を備えた例を示す断面図である。 静止型液化促進装置に外槽を備えたものの外槽の部分にスプリングを応用した例を示す断面図である。 回転型液化促進装置にスプリングを応用した例を示す断面図である。 回転型液化促進装置にスプリングを応用したものに外槽を備えた例を示す断面図である。 回転型液化促進装置に外槽を備えたものの外槽の部分にスプリングを応用した例を示す断面図である。 液化促進装置の電力削減実績を示す表である。 液化促進装置の配管部にバルブを設けて、個々のヒートポンプシステムに必要な分量の冷媒をあらかじめ収納した状態で工場から出荷できるようにしたものを示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る装置を実施するための形態を詳細に説明する。同様の構成については、同じ符号を付して説明する。
<外槽を設けない、内槽のみからなる静止型液化促進装置の実施形態>
<構成>
図1から図5までは、本発明の実施形態1を例示する図である。ここで、図1は静止型液化促進装置1をヒートポンプシステムに用いた例を示す図である。ヒートポンプシステムには、空調機、冷凍機、冷蔵機、給湯機、冷凍倉庫、チラー等、多様な形態が含まれる。電力を消費するものに限らず、ガスヒーポンなどの他のエネルギーを用いるものにも適用可能である。また、新たにヒートポンプシステムを設計する場合のみならず、既存のヒートポンプシステムにあとから追加で設置することも可能である。
ヒートポンプシステムは、低温の物体から熱を奪い、高温の物体に与える装置である。低温の物体をさらに冷やす、高温の物体をさらにあたためる目的で用いられる。切換により冷房と暖房との双方を行う装置もヒートポンプである。
本明細書にいう流体は、ヒートポンプサイクルにおいて循環する流体である。冷媒と冷凍機油とを含む。流体は、ヒートポンプサイクル内のどの工程であるかによって、気体状態、液体状態、気液混合状態のいずれかの状態をとる。
図1では、一般的な空調機を例にとって、ヒートポンプサイクルを模式的に示し、本発明に係る装置をその内部がわかるように断面図にて示している。図1(a)は、冷房時の流体の流れの向きを示す。図1(b)は、暖房時の流体の流れの向きを示す。
ヒートポンプサイクルは、冷房時でいえば、圧縮部83、凝縮部(室外機84)、膨張部81及び蒸発部(室内機82)の4つの構成要素を備えている。これらの構成要素同士を接続する密閉された配管内を流体が循環する。図1(a)及び図1(b)での矢印は流体の流れの向きを示す。白抜き矢印は、熱交換器である凝縮部(冷房時は室外機84、暖房時は室内機82)及び蒸発部(冷房時は室内機82、暖房時は室外機84)における熱の移動を示している。破線矢印は、室内と室外にまたがる熱の移動を示している。LTは低温、HTは高温である。
図1(a)の室内冷房時のサイクルにおいて、圧縮部83は、低圧の気体冷媒を圧縮するためのコンプレッサを密閉容器内に備えている。コンプレッサを収容した密閉容器内には、通常、冷凍機油を貯留するための油溜まり(図で底の部分)が設けられている。気体冷媒は、圧縮されて高圧かつさらに高温の気体となる。この気体冷媒は冷凍機油と混合された後、圧縮部83から凝縮部(室外機84)へ吐出される。凝縮部はコンデンサを備える。冷房時は、室外機84が凝縮部として熱交換を行う。凝縮部に流入した高温高圧の気体流体は、熱を外部に放出することにより凝縮して低温の液体流体となる。この液体流体は、理想的には、冷凍機油を溶解した(又は均一混合した)液体冷媒である。
しかしながら、凝縮部(室外機84)において冷媒が気体から液体となるとき、冷凍機油の一部が冷媒に溶解(均一混合)せずに分離する場合がある。また、融合した冷凍機油の油相が液体冷媒を閉じこめる場合がある。さらに、凝縮部(室外機84)をほぼ素通りした冷媒が、高温気体のまま残存する場合がある。このような現象により、凝縮部(室外機84)から流出する液体流体は、分離した冷凍機油、冷凍機油の油相に捕捉された液体冷媒及び/又は気体冷媒を含む可能性がある。
図1(a)に示す室内冷房時には、本発明の液化促進装置1は、凝縮部(室外機84)と膨張部81の間に挿入されている。液化促進装置1の流入口60は、室外機84である凝縮部の出口側に接続され、液化促進装置1の流出口70は膨張部81の入口側に接続されている。凝縮部84から流出した流体は、液化促進装置1内で十分にせん断効果が与えられ、混合される。これにより、分離した冷凍機油は液体冷媒に均一混合した状態となり、冷凍機油の油相に捕捉された液体溶媒は解放され、残存する気体冷媒は温度降下して液体冷媒となる。その後、液化促進装置1から流出した流体は、膨張部81に送られる。
膨張部81はエキスパンションバルブ又はキャピラリーチューブ等を備える。低温高圧の液体流体は、細い孔や管に通されることにより、低圧かつさらに低温の液体となる。その後、この流体は、蒸発部(室内機82)へ送られる。蒸発部はエバポレータを備える。図1(a)に示す室内冷房時は、室内機82が蒸発部として熱交換を行う。蒸発部に流入した低温低圧の液体流体は、熱を外部から吸収することにより蒸発して高温の気体流体となる。これにより、室内の空気が冷やされる。その後、気体流体は圧縮部83へ戻される。
図1(b)の室内暖房時のサイクルにおいては、図1(a)の冷房時とは流体の循環方向が逆となる。ヒートポンプシステムにおいて流体の循環方向の切り替えを行うために周知のバルブを用いる(図示及び説明を省略)。暖房時は、圧縮部83から吐出された高温高圧の気体流体は、凝縮部として熱交換を行う室内機82に送られる。凝縮部(室内機82)に流入した高温高圧の気体流体は、熱を外部に放出することにより凝縮して低温の液体流体となる。これにより、室内の空気が暖められる。
ここで、凝縮部(室内機82)において冷媒が気体から液体となるとき、図1(a)の冷房時のサイクルと同様に、凝縮部から流出する液体流体は、分離した冷凍機油、冷凍機油の油相に捕捉された液体冷媒及び/又は気体冷媒を含む可能性がある。暖房時には、凝縮部(室内機82)から流出する液体流体は、さらに膨張部81に送られ、低圧かつさらに低温の液体となる。膨張部81の通過後にも、分離した冷凍機油、捕捉された液体冷媒及び/又は気体冷媒が残存している可能性がある。
図1(b)に示す室内暖房時には、本発明の液化促進装置1は膨張部81と蒸発部(室外機84)の間に設置されている。液化促進装置1の流入口70は、膨張部81の出口側に接続され、液化促進装置1の流出口60は、室外機84である蒸発部の入口側に接続されている。膨張部81から流出した流体は、液化促進装置1内で十分に均一混合される。分離した冷凍機油は液体冷媒に均一混合された状態となり、冷凍機油の油相に捕捉された液体溶媒は解放され、残存する気体冷媒は温度降下して液体冷媒となる。その後、液化促進装置1から流出した流体は、蒸発部(室外機84)に送られる。
図1(b)に示す室内暖房時は、室外機84が蒸発部として熱交換を行う。蒸発部に流入した低温低圧の液体流体は、熱を外部から吸収することにより蒸発して高温の気体流体となる。その後、気体流体は圧縮部83へ戻される。
図1(a)及び図1(b)に示した通り、本発明の液化促進装置1は、ヒートポンプシステムを構成する配管の経路上に挿入されるものである。実際の配管は、複数の管部材を接続して形成されているから、例えば1つの管部材を取り外して本発明の液化促進装置1と交換し接続することにより、液化促進装置1を容易に取り付けることができる。図1(a)及び図1(b)に示した通り、例えば、室外機近傍の屋外配管に設置することができる。このとき、配管内の流体がスムーズに動けるように、適切な大きさのなめらかなカーブを描くように配管がなされる。
上述した図1(a)及び図1(b)では、ヒートポンプシステムの基本形態に対して本発明の液化促進装置1を適用した例を示した。実際のヒートポンプシステムには、多くの応用形態が存在する。本発明の液化促進装置1は、基本形態に種々の構成要素が付加されたヒートポンプシステムに対しても適用可能である。例えば、気液二相状態の冷媒を分離する気液分離器を備えたシステムにおいても、本発明の液化促進装置1を併用することができる。また、例えば、膨張部に替えてエジェクターと気液分離器を設けたシステムにおいても、本発明の液化促進装置1を併用することができる。
図1に示す静止型液化促進装置1という場合の「静止型」は、円板が回転するものではなく固定されており、動かないものであることを意味する。円筒状のケーシング10は、固定される。ここで、円筒状のケーシング10は、その内部を10メガパスカル程度の圧力の気液混合体が通過するものであるので、圧力容器として構成され、高度の気密性を有するものである。この点において、図6以降を参照して説明される実施形態における内槽の側壁とは異なる。
さらに、円筒状のケーシング10の内部には、大径な円板31,32,33,34,35,36が設けられるが、これらは固定され、動かない。また、円筒状のケーシング10と大径な円板との間には、弾性体などが配置されて、流体が通ることができない。大径な円板31,32,33,34,35,36の中央部には、流通孔が穿設されており、流体が通ることができる。
小径な円板41,42,43,44,45,46は、円筒状のケーシング10との間で透き間を有しており、小径な円板と円筒状のケーシング10との間の透き間を流体が通ることができる。小径な円板41,42,43,44,45,46の中央部には流通孔が存在しない。
円筒状ケーシング10の内部には、導流単位体21,22,23が同心的に重ね合わさって設けられている。導流単位体21は、大径な円板31,小室,小室,小径な円板42,小室,小室,大径な円板32と配列されており、他の導流単位体も同様の構成をしている。これにより、冷房時の入口60から入る流体は、大径な円板の流通孔、小室、小径な円板の縁とケーシングの透き間、小室、大径な円板の流通孔という経路を3回繰り返して通って、冷房時の出口70から出る。このときに、せん断効果により、流体が均一混合される。
図2は、小室の構成を詳しく説明する図である。図2(a)は、流体の入る向きから見た図である。図2(b)は、A-A断面図である。ここでは、大径な円板、小径な円板を省略して、小室のみを描いている。図2に示すように、小室は、ハニカム状に透き間なく並べられた多角形(ここでは正六角形)を2層設け、それらがずれた状態で重なるようになっている。これにより流体の通り道を複雑にして、せん断効果を得られるようにしている。
図3は、小室の形状についてのバリエーションを示す図である。図3(a)は、正八角形を繰り返す形状についてのものである。図3(b)は、正六角形を繰り返す形状についてのものである。図3(c)は、正三角形を繰り返す形状についてのものである。図3(d)は、正方形を繰り返す形状についてのものである。先にハニカム状と書いたのは、広義のハニカム状、すなわち正六角形にかぎらず、正多角形などを並べることにより、すきまなく平面的に広がりをもたせた繰り返し図形を意味する。したがって、図3に示すような、正八角形、正六角形、正三角形、正方形などを含む。いずれの場合も、二層からなる小室の広がりであって、その二層は、ずらして重ねられる。すなわち、大径な円板側に設けられる小室と、小径な円板側に設けられる小室とは、互いに連通するように設けられ、ハニカム状の繰り返し図形が、図3のようにずらして設けられることにより、流体の通路を複雑にしている。
図4は、導流単位体の一つについて、大径な円板35,36、小径な円板45,46、小室の構成を円筒状ケーシング10に近いところについてくわしく描いた部分拡大図である。図4に示すように、小径な円板45,46の外側であって、円筒状ケーシング10の内壁に近い部分には、流体が通過できる孔が設けられる。
図5は、小径な円板41の例を示す斜視図である。図5に示すように、小径な円板41には、ハニカム状に広がる小室が貼り付けられ、大径な円板と対向して配置される。
<動作>
0.2メガパスカルから10メガパスカルの圧力にて、冷媒と冷凍機油を含む流体を通すことにより、液化促進装置1のせん断効果により、冷媒と冷凍機油とが均一混合する。そして、代替フロンの熱交換効率を改善することができる。
なお、図1では、液化促進装置1の円筒状ケーシングを左右に寝かせた状態で用いたが、上下に立った状態で用いても同様の動作が可能である。
<静止型液化促進装置に外槽を設けた実施形態>
図6は、静止型液化促進装置1に外槽を備えたものをヒートポンプシステムに用いた例を示す図である。図6(a)は、冷房時の流体の流れの向きを示す。図6(b)は、暖房時の流体の流れの向きを示す。
外槽90は、円筒状のケーシング10を覆う密閉容器、気密容器として形成され、10メガパスカルの圧力に耐える圧力容器として形成される。冷房時に室外機84から流入する流体は、一旦、外槽90に蓄積されて、円筒状のケーシング10の外側の側壁に接する。その後、流体の一部は、入口60から静止型液化促進装置1に入り、流体の他の一部は、円筒状のケーシング10の側壁に設けられた複数の開口部11から静止型液化促進装置1に入る。そして、出口70から出て膨張部81に向かう。ここで、円筒状のケーシング10の側壁に複数の開口部を設けるのは、流体の圧力を適切な範囲に調節するためである。開口部の大きさ、数、間隔は、圧力を調節する効果と、液化促進の効果とがトレードオフの関係であることに留意して定めることができる。開口部を設けないと外槽から静止型液化促進装置1に流体を運ぶ配管に圧力がかかりすぎるために故障の原因となることが考えられる。また、ケーシング10の側壁に開口部を設けることは、ケーシング10を圧力容器として構成する必要がないことをも意味するので、ケーシング10は気密性を要しないものとして形成でき、コスト削減にもつながる。
暖房時には、図6(b)に示すように、逆の経路をたどるので、流体のうちの一部は出口60を出た後一部は外槽90に蓄積された後、室外機84に向かう。残りの一部はケーシング10の側壁に設けられた開口部を通って、外槽90を通って室外機84に向かう。
この外槽90の存在により、ケーシング10に生じる可能性のある流体の圧力を適切に逃がしつつ流体の流れを導く。
<外槽を設けない、内槽のみからなる回転型液化促進装置を用いる実施形態>
図7は、回転型液化促進装置101を配管の経路上に設置したヒートポンプシステムの構成を示す図である。図7(a)は、冷房時の流体の流れの向きを示す。図7(b)は、暖房時の流体の流れの向きを示す。
この実施形態における回転型液化促進装置101は、撹拌槽110を有し、回転駆動源(モーター)120に連結した回転軸125に取り付けられる混合回転体130を回転させることにより、撹拌槽110内の流体を均一混合するものである。混合回転体130の構造については、図8から図10までを参照しつつ説明するが、ハニカム状の小室を多数備えたものである。
図8は、混合回転体130を構成する2つの円板131,132、小室の形状及び組み立て方を示す図である。上方の円板131、下方の円板132はそれぞれハニカム状の小室を多数備えており、それらが開放している向き同士を向かい合わせて2つの円板を組み合わせる。その際に、ハニカム状の小室がずれて重なるようにする。そして、回転軸125に取り付け可能であり、さらに2つの円板131、132に中央には、連通孔が形成されて流体が通り抜け可能となっている。
図9は、混合回転体130のくわしい構成及び流体の流れを示す断面図である。図9に示すように、流体を混合回転体の中央部の下方から吸い込み、流体が周辺部に向かって多数の小室を通過して進む。その際に、せん断効果により均一混合される。撹拌槽110の内部の流体は、適度に均一混合された状態で出口から出てゆく。
図10小室の形状についてのバリエーションを示す図である。図10(a)は、正三角形を繰り返す形状についてのものである。図10(b)は、正方形を繰り返す形状についてのものである。図10(c)は、正八角形を繰り返す形状についてのものである。図3(d)は、正六角形を繰り返す形状についてのものである。
なお、混合回転体を図11、図12に示すように、3組重ねたものを用いても良い。
<回転型液化促進装置に外槽を設けた実施形態>
図11は、回転型液化促進装置101に外槽190を備えたものをヒートポンプシステムに用いた例を示す図である。図11(a)は、冷房時の流体の流れの向きを示す。図11(b)は、暖房時の流体の流れの向きを示す。図6の静止型液化促進装置の代わりに、回転型液化促進装置101とした実施形態である。動作、効果等は同様である。
ここで、図6では円筒状のケーシングの側壁に複数の開口部11を設けたのと同様に、図11では、回転型液化促進装置101の容器である撹拌槽110の側壁に複数の開口部111を設ける。これにより流体の圧力を適切な範囲に調節することが可能となる。また、撹拌槽110は、さほど高圧に耐えることを要せず、気密性を要しないものとして形成できる。
図12は、混合回転体を3組、重ねた例を示す図である。3組の混合回転体を重ねた例では、流体を吸い込むのは、下方からだけでなく、上方からも吸い込むこととしている。そして、多数の小室を通過して円板131,132の周辺部に流体を運ぶ。その際に、せん断効果により均一混合をなす。
<スプリングを用いた実施形態>
図13は、静止型液化促進装置1の代わりに用いることのできるスプリングを用いた液化促進装置201の例を示す断面図である。図13に描く液化促進装置201は、上に述べたハニカム状の小室からなる導流単位体を有しない。そのかわりに円筒状ケーシング210にスプリング250を有している。スプリング250は、らせん状にまかれたバネ(つるまきバネ)であって、スプリング250の外径は、円筒状ケーシング210の内径よりも小さい。スプリング250と円筒状ケーシング210の内壁との間には、すきま(たとえば、0.1mmから5mm)が生じるようにスプリング250の大きさが調整される。そのすきまがあることによりスプリング250は、自由振動が可能である。
円筒状ケーシング210の上部には、上部ケーシング220が設けられ、円筒状ケーシング210の下部には下部ケーシング230が設けられて、密閉空間が形成される。この密閉空間は10メガパスカルの高圧で流体が流れることを許容する強度を備える。上部ケーシング220には、流入口60が設けられる。下部ケーシング230には流出口70が設けられる。流入口60及び流出口70は、流入した流体が直接流出しないようにずらした位置に配置される。
<動作>
液化促進装置201に、0.2メガパスカルから10メガパスカルの圧力にて、冷媒と冷凍機油を含む流体を通すことにより、液化促進装置201が有するスプリング250は、上下左右に自由に振動するので高圧で流れる流体の脈動(脈打つような圧力の変動)を抑えて、圧力を均一化するように働く。さらに、自由に振動するスプリング250は、さまざまの向きで流体とぶつかるので、その際のせん断効果により、冷媒と冷凍機油とが均一混合する。そして、代替フロンの熱交換効率を改善することができる。流体がヒートポンプシステムの配管経路を何度も繰り返し循環することでその効果を増すことができる。
<静止型液化促進装置にスプリングを応用した実施形態>
図14は、静止型液化促進装置1、すなわちハニカム状の小室からなる導流単位体を固定されたものとして有して、さらにスプリングを用いた液化促進装置301の例を示す断面図である。図14に描く液化促進装置301は、ハニカム状の小室からなる導流単位体21、22、23を有し、かつスプリング350を有している。スプリング350がケーシング310の内壁との間にすきまが生じるようにその大きさが調整され、スプリング350が自由振動可能であることは、液化促進装置201と同様である。
また、上部ケーシング320、下部ケーシング330とにより密閉空間が形成されること、その密閉空間が10メガパスカルの高圧流体が流れることを許容する強度を備えること、流入口60と流出口70とがそれぞれ設けられ、流入した流体が直接流出しないようにずらした位置に配置されることは、液化促進装置201と同様である。
この実施形態にあっても、導流単位体21,22,23を包む円筒状のケーシングの側壁に複数の開口部211を設けることにより、流体の圧力を適切に調節することが可能である。
<動作>
液化促進装置301が有するスプリング350は、液化促進装置201の場合と同様に、脈動を抑える効果とせん断効果を有する。さらに導流単位体21,22,23がせん断効果を有する。したがって、スプリング350と導流単位体21,22,23との相乗効果により、冷媒と冷凍機油とが均一混合する。そして、代替フロンの熱交換効率を改善することができる。流体がヒートポンプシステムの配管経路を何度も繰り返し循環することでその効果を増すことができる。
<静止型液化促進装置にスプリングを用いたものにさらに外槽を備えた実施形態>
図15は、静止型液化促進装置にスプリングを用いたものにさらに外槽を備えた液化促進装置401を示す断面図である。すなわち、液化促進装置301に外槽490を加えたものである。外槽490は、外槽90(図6)と同様のものである。この構成により、液化促進装置の発熱を抑えることができる。それにより熱交換効率をよくする。ひいては、エネルギー削減につながる。
この実施形態にあっても、導流単位体を包む円筒状のケーシングの側壁に複数の開口部412を設けることにより、流体の圧力を適切に調節することが可能である。また、スプリングを用いた部分のケーシングの側壁に複数の開口部411を設けることにより、流体の圧力を適切に調節することも可能である。
<静止型液化促進装置に外槽を備えたものの外槽の部分にスプリングを応用した実施形態>
図16は、静止型液化促進装置に外槽を備えたものの外槽590の部分にスプリング550を応用した液化促進装置501を示す断面図である。すなわち、図6に示す実施形態において、外槽の部分にスプリング550を設けた実施例である。図16に描いたスプリング550は、下部にいくほど径が小さくしてテーパー形状としている。テーパー形状にしたスプリングは、図13、図14、図15などの他の実施形態においても利用可能である。テーパー形状のスプリングとすることにより、さらに流体の流れに変化が生じ、せん断効果が大きくなると考えられる。スプリング550による脈動を抑える効果、せん断効果が得られ、さらに導流単位体を通ることによるせん断効果が得られる。これらにより熱交換率をよくし、エネルギー削減につながる。
この実施形態にあっても、導流単位体を包む円筒状のケーシングの側壁に複数の開口部511を設けることにより、流体の圧力を適切に調節することが可能である。
<回転型液化促進装置にスプリングを応用した実施形態>
図17は、図7に示す回転型液化促進装置の撹拌槽の内部にスプリングを用いた液化促進装置601を示す断面図である。撹拌槽610の内部にスプリング650が自由振動が可能なように設けられる。混合回転体140が回転駆動源120により高速回転することによるせん断効果と、スプリング650による脈動を抑える効果及びせん断効果とが相乗して熱交換率をよくし、エネルギー削減につながる。
<回転型液化促進装置の撹拌槽にスプリングを用いたものに外槽を備えた実施形態>
図18は、図17に示す液化促進装置601の周りにさらに外槽790を備えた液化促進装置701を示す断面図である。混合回転体140が回転駆動源120により高速回転することによるせん断効果と、スプリング750による脈動を抑える効果及びせん断効果とが相乗して熱交換率をよくする。
この実施形態にあっては、撹拌槽の側壁に複数の開口部711を設けることにより、流体の圧力を適切に調節することが可能である。
図19は、回転型液化促進装置の外槽にスプリングを備えた実施形態を示す断面図である。混合回転体140が回転駆動源120により高速回転することによるせん断効果と、外槽890に設けられたスプリング850による脈動を抑える効果及びせん断効果とが相乗して熱交換率をよくする。
この実施形態にあっては、撹拌槽810の側壁に複数の開口部を設けることにより、流体の圧力を適切に調節することが可能である。
<電力削減実績>
図20は、実施形態6に示す液化促進装置の電力削減実績を示す表である。表の中で機器型番は、ヒートポンプシステムの型番を意味する。冷媒種は、R410、R22などの冷媒の種類を示している。設置前計測日、設置後計測日は、既存のヒートポンプシステムに本発明に係る液化促進装置301(実施形態6)を取り付けた、その前後の計測をしたことを意味する。吸込温度、噴出温度は、エアコンの吸込み側の気温と噴出し側の気温とを意味する。Δtは、吸込温度と噴出温度との温度差である。外気温は、室外の気温である。Max.Δtは、瞬間的に得られた最大温度差を意味する。電流値は、R相、T相、平均値と3種類計測した。電力量は、一時間あたりのワット数である。削減率は、電力消費量について、設置前と設置後とで百分率(パーセント)で求めた。
図20から見て取れるように、少ない場合でも11パーセント、多い場合には、51.9パーセントの電力削減率が得られた。
図21に示すように、上述した外槽を設ける実施形態にあっては、さらなる変形実施例が可能である。外槽をヒートポンプシステムに配管する部分に導入弁958,959を設けて閉じられるようにして、必要な冷媒をあらかじめ液化促進装置の外槽に閉じ込めた状態で、ヒートポンプシステムの現場まで運べるようにすることである。外槽は、比較的大きく、圧力容器、密閉容器、気密容器として構成されるので、個々のヒートポンプシステムに必要な冷媒ガスの量をあらかじめ計算し、工場において本発明に係る液化促進装置の外槽にあらかじめ当該冷媒ガスの必要量を収容した状態で運搬するようにすれば、現地において必要量の冷媒ガスを計って投入する必要がなくなる。このように個々のヒートポンプシステムに必要な量の冷媒ガスをあらかじめ投入して、冷媒ガス容器としての機能を兼用させる液化促進装置として利用することも可能である。このとき、ヒートポンプシステム側にはバイパス940を設け、そのバイパス940の両端に三方弁942,943を設けて、前記導入弁958,959をそれぞれ三方弁942,943に接続することで、既存のヒートポンプシステムに本発明に係る液化促進装置を設置することが可能となる。この実施形態における「液化促進装置」は、本明細書において述べた静止型液化促進装置、回転型液化促進装置の中で、特に外槽を有するものであれば、いずれの液化促進装置でも用いることができる。
本発明の装置は、電気をエネルギーとして用いるヒートポンプ、ガスをエネルギーとしてもちいるヒートポンプなど、熱交換をするヒートポンプであって、冷媒と冷凍機油とを循環させるヒートポンプにおいて広く利用することができるものである。
1 液化促進装置(静止型液化促進装置)
10 ケーシング
11 開口部
21,22,23 導流単位体
31,32,33,34,35,36 大径な円板
41,42,43,44,45,46 小径な円板
50 小室
60 流入口(冷房時の入口、暖房時の出口)
70 流出口(冷房時の出口、暖房時の入口)
81 膨張部
82 蒸発部(室内機)
83 圧縮部
84 凝縮部(室外機)
90 外槽
101 回転型液化促進装置
110 撹拌槽
111 開口部
120 回転駆動源
125 回転軸
130,140 混合回転体
131 上方の円板
132 下方の円板
190 外槽
201 (スプリングを用いた)液化促進装置
210 円筒状ケーシング
211 開口部
220 上部ケーシング
230 下部ケーシング
250 スプリング
301 (スプリングを用いた)静止型液化促進装置
310 円筒状ケーシング
220 上部ケーシング
230 下部ケーシング
350 スプリング
401 (スプリングを有し、外槽を備えた)静止型液化促進装置
411,412 開口部
480 外槽配管
490 外槽
501 (スプリングを有する外槽を備えた)静止型液化促進装置
511 開口部
550 スプリング
580 外槽配管
590 外槽
601 (スプリングを有する撹拌槽を有する)回転型液化促進装置
610 撹拌槽
650 スプリング
701 (スプリングを有する撹拌槽及び外槽を備えた)回転型液化促進装置
710 撹拌槽
711 開口部
750 スプリング
780 外槽配管
790 外槽
801 (スプリングを有する外槽を備えた)回転型液化促進装置
810 撹拌槽
811 開口部
850 スプリング
880 外槽配管
890 外槽
940 バイパス
942,943 三方弁
958、959 導入弁

Claims (5)

  1. 両端にそれぞれ内槽出口と内槽入口とを形成し、さらに側壁にも複数の開口部を形成した円筒状の内槽と、
    互いに対向する面に前面開放の多角形の小室をハニカム状に多数配列した大径な円板と小径な円板との大小2枚の円板を同心的に、かつ互いに同径の円板が隣接するように重ね合せて前記内槽内に設置した導流単位体と、
    前記円筒状の内槽を取り囲む外槽と、
    前記外槽の外槽入口と、
    前記外槽の外槽出口と、
    からなり、ヒートポンプシステムを構成する配管の経路上に、前記外槽入口と前記外槽出口とを用いて前記配管に接続して設置し、当該ヒートポンプシステムの冷媒と冷凍機油とを含む流体を撹拌する静止型液化促進装置であって、
    前記大径な円板は前記内槽の内径に合致する直径を有するとともに、中心に流通孔を穿設し、
    前記大径な円板と小径な円板の小室は互いの小室が対向する他の複数の小室に連通するように位置を違えて配列されており、
    前記円筒状の内槽の両端には前記導流単位体の大径な円板を位置させてその流通孔を前記内槽の両端の内槽出口と内槽入口とにそれぞれ連通させ、
    前記ヒートポンプシステムを運転する際に、前記冷媒と前記冷凍機油とを含む流体が、0.2メガパスカルから10メガパスカルまでの圧力で前記静止型液化促進装置の内槽と外槽とのいずれをも通過して、前記ヒートポンプシステムのサイクルを繰り返し循環することにより、前記冷媒と前記冷凍機油を含む流体を均一混合すべく、当該流体を撹拌することを特徴とする静止型液化促進装置。
  2. 撹拌槽出口と撹拌槽入口とをそれぞれ形成し、さらに側壁にも複数の開口部を形成した撹拌槽と、
    前記撹拌槽の内部に設けられた回転軸と、
    前記回転軸を回転駆動させる回転駆動源と、
    前記回転軸に取り付けられ前記撹拌槽内を撹拌する混合回転体と、
    前記撹拌槽を取り囲む外槽と、
    前記外槽の外槽入口と、
    前記外槽の外槽出口と、
    からなり、ヒートポンプシステムを構成する配管の経路上に、前記外槽入口と前記外槽出口とを用いて前記配管に接続して設置し、当該ヒートポンプサイクルの冷媒と冷凍機油とを含む流体を撹拌することにより液化促進する回転型液化促進装置であって、
    前記混合回転体は、
    上下2枚の円板を一組みとして重ね合わせ、
    下方の円板の中央に流入口を形成すると共に、
    互いに対向する前面に、前方開口する筒状の小室を多数配列させて形成し、
    上方の円板の小室と、下方の円板の小室とは互いの小室が対向する他の小室に連通すると共に、
    一方の小室の中心に他方の小室を形成する側壁の交差接続部位が位置する様に位置を違えて配列させて
    なるものであって、
    前記ヒートポンプシステムを運転する際に、前記冷媒と前記冷凍機油とを含む流体が、0.2メガパスカルから10メガパスカルまでの圧力で前記撹拌槽と外槽とのいずれをも通過して、前記ヒートポンプシステムのサイクルを繰り返し循環することにより、前記冷媒と前記冷凍機油を含む流体を均一混合すべく、当該流体を撹拌することを特徴とする回転型液化促進装置。
  3. 前記外槽の内側に、当該外槽の内径よりも小さい外形を有するスプリングを自由振動が可能な状態で設けたことを特徴とする請求項1に記載の静止型液化促進装置。
  4. 前記撹拌槽の内側に、当該撹拌槽の内径よりも小さい外形を有するスプリングを自由振動が可能な状態で設けたことを特徴とする請求項2に記載の回転型液化促進装置。
  5. 前記外槽の内側に、当該外槽の内径よりも小さい外形を有するスプリングを自由振動が可能な状態で設けたことを特徴とする請求項2に記載の回転型液化促進装置。
JP2022198464A 2022-12-13 2022-12-13 ヒートポンプシステムの配管経路上に設置する流体撹拌による液化促進装置 Pending JP2024084283A (ja)

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