JP2024083931A - 熱交換器及び伝熱管外表面の洗浄方法 - Google Patents

熱交換器及び伝熱管外表面の洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】伝熱管の外表面に付着した汚れを掻き取り、掻き取り後の汚れを装置系外に確実に排出させる。【解決手段】本実施形態による熱交換器は、複数の伝熱管2を収容し、入口側ヘッダから流入した第1流体が複数の伝熱管2を通過して出口側ヘッダから流出する容器1を有する。容器1の一端部に設けられた第1給排口から流入される第2流体と伝熱管2内の第1流体で熱交換を行い、熱交換後の第2流体を容器1の他端部に設けられた第2給排口から排出する。この熱交換器は、容器1内に配置され、伝熱管2の延伸方向に沿って前記一端部と前記他端部との間を移動可能な移動板10を備える。移動板10は、複数の伝熱管2がそれぞれ挿通される複数の貫通孔11が形成されており、前記一端部へ向かって伝熱管2の外表面を摺動しながら、前記外表面の汚れを掻き取って前記一端部側に集め、集めた汚れを前記一端部側の流体とともに前記第1給排口から排出する。【選択図】図1

Description

本発明は、伝熱管の外表面に付着した汚れを掻き取って装置系外に排出する熱交換器及び伝熱管外表面の洗浄方法に関する。
工場排水は、工場内に設置された排水処理設備において適正に処理し、放流水質基準を満たした状態で、河川等に放流する必要がある。工場排水中に有機物が多く含まれる場合、好気性又は嫌気性の生物処理装置が設置される場合が多い。
生物処理の効率は、入口水温の影響を受けやすい。例えば、一般的な活性汚泥処理の適正温度は20~37℃とされており、低すぎても高すぎても処理効率が低下する。冬期に水温が低下しすぎる場合や夏期に水温が高くなりすぎる場合には、効率維持のために生物処理装置の前工程で水温調整が必要になる。例えば、夏期に生物処理装置入口温度が上がりすぎる場合には、比較的水温の低い井水を混合させたり、冷却塔を循環する冷却水と熱交換させたりする。
しかし、温度調整のためだけに井水を利用することは水資源の無駄であるとともに、排水処理コストの増加につながる。一方、熱交換器を介して間接冷却する方法は、伝熱面が汚れやすく伝熱効率が低下しやすいという問題がある。伝熱面に微生物がスライム状に付着すると、流路を妨げて送水抵抗が増加し、同じ冷却水循環量を維持するための電力使用量が増加するという問題も生じる。なお、生物処理装置の前工程での熱交換であるため、殺菌剤を含む薬品を連続注入することは難しい。
熱交換器における上記の問題を回避するため、従来、下記の方法1又は方法2が採用されていた。
方法1:生物処理装置の前工程に設置された熱交換器において、運転停止・開放・洗浄・組立・運転再開の操作を定期的に行う。
方法2:物理的な洗浄機構を有する熱交換器を使用する。
しかし、方法1には、開放・洗浄・組立に要するコストの問題があった。洗浄頻度は様々であるが、場合によっては、「数週間に一度」という高い頻度となり、洗浄コストが増加する。例えば、シェル&チューブ型の熱交換器では、伝熱管内部に付着した汚れを除去するために、装置開放後に個々の伝熱管の内部に高圧水を送入するなどの操作が必要であり、運転停止時間が長いという問題も生じていた。
方法2の物理的な洗浄機構を有する熱交換器としては、境膜掻取方式、ボール洗浄方式、かき取りレバー方式、移動掃除板方式などが知られている。境膜掻取方式は、内部に回転軸を有する二重管構造の熱交換器であり、回転軸に設けられた掻き取り羽根によって高粘性液が伝熱面に滞留することを抑制する。このような構造は、高付加価値商品の製造に適しているが、排水処理には高コストであり適当ではない。また、伝熱面積を確保するには大型化や複数系列化が必要である。
ボール洗浄方式は、直径10mm~20mm前後の専用スポンジボールを熱交換器のチューブ内に入れて洗浄する。このような構造では、並列に配置された多数の伝熱管に対して、洗浄用のボールを均等に送りこむことは難しいと推定される。例えば、汚れが多く付着した伝熱管は、流路抵抗が大きくなってボールが送られにくくなり、洗浄が不十分な伝熱管が残留しやすいと推定される。
かき取りレバー方式の熱交換器としては、特許文献1に、樹脂製の多数本のチューブと、樹脂製かつ板状であって、チューブの外径とほぼ等しい内径に形成された複数の貫通孔を有し、貫通孔のそれぞれにチューブを挿入させて設置される複数のバッフル板とを備え、複数のバッフル板をチューブに沿って摺動させることで、チューブ表面に付着した汚れを掻き取る構成が開示されている。しかし、チューブ表面に付着した汚れがスライムのように粘着性の高い汚れの場合、掻き取り洗浄後、粘着質の汚れが、多段構成のバッフル板の上に残留・蓄積することが推定される。また、チューブが樹脂製であるため、金属製と比較して伝熱性能が著しく劣るという欠点がある。また、通常の熱交換運転の際に、掻き取りレバーと本体の接合部から水漏れ等が起きないように、製造上の工夫が不可欠である。
移動掃除板方式の熱交換器としては、特許文献2に、エアシリンジを用いて掃除板(伝熱管クリーニング装置)を移動させ、伝熱管外表面の汚れを掻き取る構成が開示されている。特許文献2の熱交換器は、開放型温水槽に伝熱管を浸漬した構造であるため、伝熱管の外表面近傍における流速を高くできず、伝熱効率が低いという問題があった。また、水平方向の流れが不均一で熱交換量の予測が難しいという問題もあった。
また、伝熱管の外表面から掻き取られた汚れは、いったん温水槽底面に落下して、底部の流出口から排水されることになっているが、粘着性の高いスライム状物質を排水とともに流出させることは困難である。また、伝熱管クリーニング装置の移動範囲で伝熱管表面の汚れを除去できるとしても、それ以外のあらゆる構造物(抑え板、堰、伝熱管サポート、継手など)の表面に付着した汚れや増殖した微生物は、この伝熱管クリーニング装置では除去できず、結局のところ、定期的な手動洗浄が必要になることが容易に推定される。
特開2012-207813号公報 特許5105294号公報
上述したように、かき取りレバー方式や移動掃除板方式のような伝熱管の外表面に付着した汚れを掻き取る構造では、掻き取り後の汚れ(特に、付着性の強い汚れ)を排出することが困難であった。
本発明は、伝熱管の外表面に付着した汚れを掻き取り、掻き取り後の汚れを装置系外に確実に排出させることができる熱交換器及び伝熱管外表面の洗浄方法を提供することを課題とする。
[1] 複数の伝熱管を収容し、入口側ヘッダから流入した第1流体が前記複数の伝熱管を通過して出口側ヘッダから流出する容器を有し、前記容器の一端部に設けられた第1給排口から流入される第2流体と前記伝熱管内の第1流体で熱交換を行い、熱交換後の前記第2流体を前記容器の他端部に設けられた第2給排口から排出する熱交換器であって、
前記容器内に配置され、前記伝熱管の延伸方向に沿って前記一端部と前記他端部との間を移動可能な移動板を備え、
前記移動板は、前記複数の伝熱管がそれぞれ挿通される複数の貫通孔が形成されており、前記一端部へ向かって前記伝熱管の外表面を摺動しながら、前記外表面の汚れを掻き取って前記一端部側に集め、集めた汚れを前記一端部側の流体とともに前記第1給排口から排出する、熱交換器。
[2] 洗浄用流体が前記第2給排口から流入され、前記一端部側に集めた汚れを洗浄用流体とともに前記第1給排口から排出するか、または、
前記第1給排口が複数個あり、洗浄用流体が1以上の前記第1給排口から流入され、前記一端部側に集めた汚れを洗浄用流体とともに別の前記第1給排口から排出する、[1]に記載の熱交換器。
[3] 前記移動板は、前記他端部へ向かって前記伝熱管の外表面を摺動しながら、前記外表面の汚れを掻き取って前記他端部側に集め、集めた汚れを前記他端部側の流体とともに前記第2給排口から排出する、[1]又は[2]に記載の熱交換器。
[4] 洗浄用流体が前記第1給排口から流入され、前記他端部側に集めた汚れを洗浄用流体とともに前記第2給排口から排出するか、または、
前記第2給排口が複数個あり、洗浄用流体が1以上の前記第2給排口から流入され、前記他端部側に集めた汚れを洗浄用流体とともに別の前記第2給排口から排出する、[3]に記載の熱交換器。
[5]前記移動板の前記貫通孔以外の領域には、前記貫通孔より径の小さい複数の小孔が形成されている、[1]~[4]のいずれかに記載の熱交換器。
[6] 前記移動板はワイヤにより引っ張られて前記容器内を移動する、[1]~[5]のいずれかに記載の熱交換器。
[7] 前記移動板の中央の貫通孔の両面に、ボビン形状の第1摺動ガイド及び第2摺動ガイドが取り付けられており、
前記伝熱管が、前記第1摺動ガイド、前記中央の貫通孔及び前記第2摺動ガイドを挿通し、
前記第1摺動ガイドに第1ワイヤの一端が連結され、前記第2摺動ガイドに第2ワイヤの一端が連結されている、[6]に記載の熱交換器。
[8] 前記ワイヤが、ワイヤ誘導管を介して前記容器の外部へ引き出され、ウインチに接続され、
前記ワイヤ誘導管の出口にはバルブが設置されている、[6]に記載の熱交換器。
[9] 前記第2流体は、生物処理装置の入口水である、[1]~[8]のいずれかに記載の熱交換器。
[10] [1]に記載の熱交換器を用いた伝熱管外表面の洗浄方法であって、
前記第2流体の供給停止後に、前記移動板を前記一端部へ向かって前記伝熱管の外表面を摺動させ、前記外表面の汚れを掻き取って前記一端部側に集める第1集積工程と、
前記一端部側に集めた汚れを前記一端部側の流体とともに前記第1給排口から排出する第1排出工程と、
を含む伝熱管外表面の洗浄方法。
[11] 前記第1排出工程では、洗浄用流体が第2給排口から流入され、前記一端部側に集めた汚れを洗浄用流体とともに前記第1給排口から排出するか、または、
前記第1給排口が複数個あり、洗浄用流体が1以上の前記第1給排口から流入され、前記一端部側に集めた汚れを洗浄用流体とともに別の前記第1給排口から排出する、[10]に記載の伝熱管外表面の洗浄方法。
[12] 前記第1排出工程の後、前記移動板を前記他端部へ向かって前記伝熱管の外表面を摺動させ、前記外表面の汚れを掻き取って前記他端部側に集める第2集積工程と、
前記他端部に集めた汚れを前記他端部側の流体とともに前記第2給排口から排出する第2排出工程と、
を含む、[10]又は[11]に記載の伝熱管外表面の洗浄方法。
[13] 前記第2排出工程では、洗浄用流体が第1給排口から流入され、前記他端部側に集めた汚れを洗浄用流体とともに前記第2給排口から排出するか、または、
前記第2給排口が複数個あり、洗浄用流体が1以上の前記第2給排口から流入され、前記他端部側に集めた汚れを洗浄用流体とともに別の前記第2給排口から排出する、[12]に記載の伝熱管外表面の洗浄方法。
本発明によれば、伝熱管の外表面に付着した汚れを掻き取り、付着性の強い汚れであったとしても、装置系外に確実に排出させることができる。また、伝熱管の外表面以外の構造物に汚れが付着したり残留したりすることを抑制できる。
本発明の実施形態に係る熱交換器の概略構成図である。 多孔板の斜視図である。 摺動ガイドを取り付けた多孔板の側面図である。 摺動ガイドの斜視図である。 図5A、図5Bは伝熱管の外表面の洗浄方法を説明する図である。 図6A、図6Bは伝熱管の外表面の洗浄方法を説明する図である。 図7A、図7Bは伝熱管の外表面の洗浄方法を説明する図である。 図8A、図8Bは伝熱管の外表面の洗浄方法を説明する図である。 図9A、図9Bは伝熱管の外表面の洗浄方法を説明する図である。 図10A、図10Bは伝熱管の外表面の洗浄方法を説明する図である。 図11A、図11Bは摺動ガイドの変形例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明について詳細に説明する。図1に示すように、本発明の実施形態に係る熱交換器は、円筒状の容器1と、容器1内に設けられた複数本の伝熱管2とを備える。この熱交換器の姿勢(配置角度)は任意であるが、本実施形態では便宜上、円筒状の容器1の軸心線方向を上下方向とする構成について説明する。
容器1の上下方向の両端部には、第1流体の給排口5,6が設けられている。容器1の底部側の給排口5の近傍には、下管板4が水平方向に延在する。下管板4は、容器1の内面に溶接等により水密的に固着されている。
容器1の頂部側の給排口6の近傍には、上管板3が水平方向に延在する。上管板3は、容器1の内面に溶接等により水密的に固着されている。
容器1の側面の上部には、給排口が2つ以上設けられている。給排口の数を多くした方が、付着汚れを除去しやすくなる一方で、構造が複雑となり設備コストが上昇するという欠点もある。このため、給排口の数は2~4が望ましい。図1のように給排口21と給排口22の2つとした場合、給排口22は、容器1の軸心線を挟んで給排口21と対向する位置に設けられることが好ましい。
あるいは容器1の側面の上部に設けられる給排口を3つ以上とした場合、各給排口は均等配置にすることが好ましい。1つ以上の給排口から供給され、残りの給排口のうちの1つ以上から排出されるようにする。このとき給排口の流出と排出を切り替えることでより満遍なく洗浄を行うこともできる。
給排口21,22は、上管板3の下面近傍に設けられている。上管板3の下面から給排口21,22の上縁までの距離は20~80mm程度である。
容器1の側面の下部には、給排口が2つ以上設けられている。図1のように給排口23と給排口24の2つとした場合、給排口24は、容器1の軸心線を挟んで給排口23と対向する位置に設けられることが好ましい。給排口23,24は下管板4の上面近傍に設けられている。下管板4の上面から給排口23,24の下縁までの距離は20~80mm程度である。
複数本の伝熱管2は、容器1内に上下方向に並列しており、一端部が下管板4を貫通し、他端部が上管板3を貫通している。給排口5(入口側ヘッダ)から流入した第1流体は、複数の伝熱管2の内部を通過し、給排口6(出口側ヘッダ)から流出する。
給排口21,22から流入した第2流体は、給排口23,24から流出する。第1流体と第2流体は、複数の伝熱管2を介して熱交換される。流れを向流とすることで、並流よりも伝熱効率を向上させることができる。
また、後述するように、給排口21~24からは、洗浄用流体が流入/流出するように切り替え可能になっている。
容器1内には、上下動可能な移動多孔板10(掃除板)が水平方向に設けられている。容器1の内面には、給排口21,22の下側にストッパ7が設けられ、給排口23,24の上側にストッパ8が設けられている。ストッパ7から給排口21,22の下縁までの距離は5~20mm程度である。ストッパ8から給排口23,24の上縁までの距離は5~20mm程度である。移動多孔板10は、ストッパ7、8によって移動範囲が制限されている。
図2に示すように、移動多孔板10には、伝熱管2の本数分の貫通孔11が設けられており、貫通孔11に伝熱管2が挿通されている。貫通孔11の孔径は、伝熱管2の外径と同じか、わずかに(概ね2mm以下)大きい程度である。
移動多孔板10は平面視円形であり、その直径は、容器1の内径よりわずかに小さい程度である。第2流体が移動多孔板10を通過できるように、移動多孔板10の貫通孔11以外の領域には、多数の小孔12が形成されている。小孔12の孔径は1~5mm程度である。移動多孔板10をメッシュ状(目開き1~5mm程度)としてもよい。移動多孔板10の材料としては耐熱性を有する各種エンジニアリングプラスチック、SUS等を用いることができる。
移動多孔板10の中央の貫通孔11aには、上下両面に、図3、図4に示すような摺動ガイド40、50が取り付けられている。
摺動ガイド40は、筒状部41と、筒状部41の一端部に設けられ、筒状部41の外周面より外方(径方向外側)へ張り出すフランジ42と、筒状部41の他端部に設けられ、筒状部41の外周面より外方(径方向外側)へ張り出すフランジ43とを有するボビン形状である。筒状部41の内径は、貫通孔11の孔径と同程度である。フランジ42には、少なくとも1つの開口42aが形成されている。
摺動ガイド50は、摺動ガイド40と同様の形状であり、筒状部51と、筒状部51の両端部に設けられたフランジ52,53とを有するボビン形状であり、フランジ52に開口が形成されている。
なお、本実施形態では摺動ガイド40、50の形状としてボビン形状を例示しているが、他の形状、例えば図11Aのような円筒形状や、図11Bのように円錐の中央部を円柱状にくり抜いた形状などの構造でも、同様の効果が得られる。
摺動ガイド40の筒状部41と貫通孔11aとの位置を合わせて、フランジ43の下面と移動多孔板10の上面とが固着されている。摺動ガイド50の筒状部51と貫通孔11aとの位置を合わせて、フランジ53の上面と移動多孔板10の下面とが固着されている。中央の伝熱管2は、摺動ガイド40、貫通孔11a及び摺動ガイド50を挿通する。
摺動ガイド40のフランジ42の開口42aには、ワイヤW1の一端が取り付けられている。ワイヤW1は、伝熱管2に沿って延在し、図1に示すように、上管板3の下面に沿って配置されたワイヤ誘導管31によって容器1の外部に引き出されている。
ワイヤW1の他端側には、手動又は電動のウインチ(捲揚機(図示略))が連結されており、ワイヤW1の巻き取り/巻き出しが行えるようになっている。ワイヤ誘導管31の出口にはバルブV1が設置されており、容器1内の流体が漏れないようになっている。
摺動ガイド50のフランジ52の開口には、ワイヤW2の一端が取り付けられている。ワイヤW2は、伝熱管2に沿って延在し、図1に示すように、下管板4の上面に沿って配置されたワイヤ誘導管32によって容器1の外部に引き出されている。
ワイヤW2の他端側には、手動又は電動のウインチが連結されており、ワイヤW2の巻き取り/巻き出しが行えるようになっている。ワイヤ誘導管32の出口にはバルブV2が設置されており、容器1内の流体が漏れないようになっている。
バルブV1,V2は、移動多孔板10を移動させる場合のみ開で、それ以外は閉とする。バルブV1,V2は、内部にワイヤW1,W2が通過する構造であるため、チョークバルブやピンチバルブ等を使用することが好ましい。
ワイヤW1を巻き取り、ワイヤW2を巻き出すことで、移動多孔板10は容器1内を伝熱管2の延伸方向に上昇する。ワイヤW2を巻き取り、ワイヤW1を巻き出すことで、移動多孔板10は容器1内を伝熱管2の延伸方向に下降する。摺動ガイド40,50が設けられているため、移動多孔板10は、水平方向に延在する姿勢を保ったまま上下動することができる。
伝熱管2内部を流れる第1流体は、第2流体よりも清澄なものとする。伝熱管2の外側を流れる第2流体は、伝熱管2の外表面への汚れ付着物質又はその原因物質を含むものとする。例えば、この熱交換器を生物処理装置の前段に設置し、井水と生物処理装置入口水の熱交換を行う場合、第1流体を井水、第2流体を生物処理装置入口水とすることが適当である。
熱交換器を長時間運転すると、第2流体に含まれる汚れが伝熱管2外表面に付着し、伝熱効率を低下させる。そのため、一定時間の運転後、一時停止し、移動多孔板10を上下に移動させて、伝熱管2の外表面の汚れを掻き取る。伝熱管2の外表面から掻き取られた汚れは、ストッパ7の上側、又はストッパ8の下側に蓄積する。
具体的には、ストッパ7に接触するまで上昇した移動多孔板10と上管板3との間の領域(「上側汚れ集積部」とも言う。)、又はストッパ8に接触するまで下降した移動多孔板10と下管板4との間の領域(「下側汚れ集積部」とも言う。)に掻き取られた汚れが蓄積する。上側汚れ集積部、下側汚れ集積部に蓄積された汚れは、洗浄用流体によって押し出され、給排口から容器1外へ排出される。洗浄用流体の入口、出口の給排口は、洗浄方式によって異なる。
なお、図示しないが、給排口21~24の各々に連結されている配管は、第1流体と熱交換を行う被加熱媒体または被冷却媒体である第2流体を移送する配管と、洗浄用流体を移送する配管とに分岐しており、運転停止中は、第2流体の配管から洗浄用流体の配管に切り替えて、洗浄用流体を流入、排出している。
図5A、図5B、図6A、図6B、図7A、図7Bを用いて第1の洗浄方式について説明する。
一定時間運転を行い、洗浄のタイミングになると、第2流体の供給を停止する。運転中は、移動多孔板10が下向流の動圧を受けるため、図5Aに示すように、移動多孔板10はストッパ8に接触した位置にある。第2流体の供給を停止することで、容器1内の通水も停止する。
次に、図5Bに示すように、ワイヤW1を巻き取り、ワイヤW2を巻き出すことで、移動多孔板10をストッパ7に接触する位置まで上昇させる。移動多孔板10は、伝熱管2の外表面に付着した汚れを掻き取りながら上方へ摺動する。掻き取られた汚れは、上側汚れ集積部に集積される。
次に、図6Aに示すように、給排口23,24から洗浄用流体を容器1内へ供給する。洗浄用流体は上向流となり、移動多孔板10の小孔12を通過し、上側汚れ集積部に集積された汚れを押し出して、給排口21,22から排出される。
次に、洗浄用流体の供給を停止し、図6Bに示すように、ワイヤW1を巻き出し、ワイヤW2を巻き取ることで、移動多孔板10をストッパ8に接触する位置まで下降させる。移動多孔板10は、伝熱管2の外表面に残存した汚れを掻き取りながら下方へ摺動する。掻き取られた汚れは、下側汚れ集積部に集積される。
次に、図7Aに示すように、給排口21,22から洗浄用流体を容器1内へ供給する。洗浄用流体は下向流となり、移動多孔板10の小孔12を通過し、下側汚れ集積部に集積された汚れを押し出して、給排口23,24から排出される。
その後、洗浄用流体の供給を停止し、図7Bに示すように、給排口21,22から第2流体の供給を開始し、運転を再開する。
汚れが少ない場合は、図5Bに示す工程で伝熱管2の外表面に付着した汚れがほぼ全て掻き取られるため、図7Aに示す工程を省略してもよい。
図8A、図8B、図9A、図9B、図10A、図10Bを用いて第2の洗浄方式について説明する。
一定時間運転を行い、洗浄のタイミングになると、第2流体の供給を停止する。運転中は、移動多孔板10が下向流の動圧を受けるため、図8Aに示すように、移動多孔板10はストッパ8に接触した位置にある。第2流体の供給を停止することで、容器1内の通水も停止する。
次に、図8Bに示すように、ワイヤW1を巻き取り、ワイヤW2を巻き出すことで、移動多孔板10をストッパ7に接触する位置まで上昇させる。移動多孔板10は、伝熱管2の外表面に付着した汚れを掻き取りながら上方へ摺動する。掻き取られた汚れは、上側汚れ集積部に集積される。
次に、図9Aに示すように、給排口21から洗浄用流体を容器1内へ供給する。洗浄用流体は水平方向の流れとなり、上側汚れ集積部に集積された汚れを押し出して、給排口22から排出される。また、洗浄用流体の流れにより、移動多孔板10の上面も清浄な状態になる。
次に、洗浄用流体の供給を停止し、図9Bに示すように、ワイヤW1を巻き出し、ワイヤW2を巻き取ることで、移動多孔板10をストッパ8に接触する位置まで下降させる。移動多孔板10は、伝熱管2の外表面に残存した汚れを掻き取りながら下方へ摺動する。掻き取られた汚れは、下側汚れ集積部に集積される。
次に、図10Aに示すように、給排口23から洗浄用流体を容器1内へ供給する。洗浄用流体は水平方向の流れとなり、下側汚れ集積部に集積された汚れを押し出して、給排口24から排出される。また、洗浄用流体の流れにより、移動多孔板10の下面も清浄な状態になる。
その後、洗浄用流体の供給を停止し、図10Bに示すように、給排口21,22から第2流体の供給を開始し、運転を再開する。
汚れが少ない場合は、図8Bに示す工程で伝熱管2の外表面に付着した汚れがほぼ全て掻き取られるため、図10Aに示す工程を省略してもよい。
なお、第2の洗浄方式の方が第1の洗浄方式よりも洗浄効果が高く、付着汚れを確実に除去できるため望ましい。
このように、本実施形態によれば、移動多孔板10を上下に摺動させ、伝熱管2の外表面に付着した汚れを上側汚れ集積部及び下側汚れ集積部に集め、集めた汚れを、それぞれの汚れ集積部に設けられた給排口から、洗浄用流体と共に排出する。そのため、付着性の強い汚れであったとしても、装置系外に確実に排出させることができる。また、洗浄方式によっては、移動多孔板10の上下面に汚れが残留することを抑制できる。
本実施形態によれば、単位容積あたりの伝熱面積を高く維持したまま、汚れ付着防止機能を追加することができる。これによって、熱交換器の開放洗浄に関わるコストや時間を削減できる。また、1回あたりの洗浄コストを削減できるため、洗浄頻度を増加させることができ、伝熱効率を高く維持した状態で長期間運転を継続することができる。これによって、省エネルギーにも貢献することができる。
容器1は密閉系であり、かつ、本体と掻き取り構造の接合部から水漏れが生じることを抑制できる。
移動多孔板10をワイヤW1,W2の巻き取り/巻き出しにより移動させることで、エアシリンジを用いる従来の構成と比較して、移動距離を長くすることができる。
上記実施形態では、第2流体や洗浄用流体の供給・排出用に、容器1の上部、下部にそれぞれ2個の給排口を設ける構成について説明したが、給排口は3個以上であってもよい。
上述したように、移動多孔板10は、伝熱管2の外表面に付着した汚れを掻き取りながら摺動し、掻き取った汚れを上側汚れ集積部又は下側汚れ集積部へ集めるものであるため、掻き取った汚れを50wt%以上通さないように、貫通孔11及び小孔12の孔径や、移動多孔板10の直径等を設計することが好ましい。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1 容器
2 伝熱管
3 上管板
4 下管板
5,6 給排口
7,8 ストッパ
21,22,23,24 給排口
31,32 ワイヤ誘導管
40,50 摺動ガイド
W1,W2 ワイヤ

Claims (13)

  1. 複数の伝熱管を収容し、入口側ヘッダから流入した第1流体が前記複数の伝熱管を通過して出口側ヘッダから流出する容器を有し、前記容器の一端部に設けられた第1給排口から流入される第2流体と前記伝熱管内の第1流体で熱交換を行い、熱交換後の前記第2流体を前記容器の他端部に設けられた第2給排口から排出する熱交換器であって、
    前記容器内に配置され、前記伝熱管の延伸方向に沿って前記一端部と前記他端部との間を移動可能な移動板を備え、
    前記移動板は、前記複数の伝熱管がそれぞれ挿通される複数の貫通孔が形成されており、前記一端部へ向かって前記伝熱管の外表面を摺動しながら、前記外表面の汚れを掻き取って前記一端部側に集め、集めた汚れを前記一端部側の流体とともに前記第1給排口から排出する、熱交換器。
  2. 洗浄用流体が前記第2給排口から流入され、前記一端部側に集めた汚れを洗浄用流体とともに前記第1給排口から排出するか、または、
    前記第1給排口が複数個あり、洗浄用流体が1以上の前記第1給排口から流入され、前記一端部側に集めた汚れを洗浄用流体とともに別の前記第1給排口から排出する、請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記移動板は、前記他端部へ向かって前記伝熱管の外表面を摺動しながら、前記外表面の汚れを掻き取って前記他端部側に集め、集めた汚れを前記他端部側の流体とともに前記第2給排口から排出する、請求項1に記載の熱交換器。
  4. 洗浄用流体が前記第1給排口から流入され、前記他端部側に集めた汚れを洗浄用流体とともに前記第2給排口から排出するか、または、
    前記第2給排口が複数個あり、洗浄用流体が1以上の前記第2給排口から流入され、前記他端部側に集めた汚れを洗浄用流体とともに別の前記第2給排口から排出する、請求項3に記載の熱交換器。
  5. 前記移動板の前記貫通孔以外の領域には、前記貫通孔より径の小さい複数の小孔が形成されている、請求項1に記載の熱交換器。
  6. 前記移動板はワイヤにより引っ張られて前記容器内を移動する、請求項1に記載の熱交換器。
  7. 前記移動板の中央の貫通孔の両面に第1摺動ガイド及び第2摺動ガイドが取り付けられており、
    前記伝熱管が、前記第1摺動ガイド、前記中央の貫通孔及び前記第2摺動ガイドを挿通し、
    前記第1摺動ガイドに第1ワイヤの一端が連結され、前記第2摺動ガイドに第2ワイヤの一端が連結されている、請求項6に記載の熱交換器。
  8. 前記ワイヤが、ワイヤ誘導管を介して前記容器の外部へ引き出され、ウインチに接続され、
    前記ワイヤ誘導管の出口にはバルブが設置されている、請求項6に記載の熱交換器。
  9. 前記第2流体は、生物処理装置の入口水である、請求項1に記載の熱交換器。
  10. 請求項1に記載の熱交換器を用いた伝熱管外表面の洗浄方法であって、
    前記第2流体の供給停止後に、前記移動板を前記一端部へ向かって前記伝熱管の外表面を摺動させ、前記外表面の汚れを掻き取って前記一端部側に集める第1集積工程と、
    前記一端部側に集めた汚れを前記一端部側の流体とともに前記第1給排口から排出する第1排出工程と、
    を含む伝熱管外表面の洗浄方法。
  11. 前記第1排出工程では、洗浄用流体が第2給排口から流入され、前記一端部側に集めた汚れを洗浄用流体とともに前記第1給排口から排出するか、または、
    前記第1給排口が複数個あり、洗浄用流体が1以上の前記第1給排口から流入され、前記一端部側に集めた汚れを洗浄用流体とともに別の前記第1給排口から排出する、請求項10に記載の伝熱管外表面の洗浄方法。
  12. 前記第1排出工程の後、前記移動板を前記他端部へ向かって前記伝熱管の外表面を摺動させ、前記外表面の汚れを掻き取って前記他端部側に集める第2集積工程と、
    前記他端部に集めた汚れを前記他端部側の流体とともに前記第2給排口から排出する第2排出工程と、
    を含む請求項10に記載の伝熱管外表面の洗浄方法。
  13. 前記第2排出工程では、洗浄用流体が第1給排口から流入され、前記他端部側に集めた汚れを洗浄用流体とともに前記第2給排口から排出するか、または、
    前記第2給排口が複数個あり、洗浄用流体が1以上の前記第2給排口から流入され、前記他端部側に集めた汚れを洗浄用流体とともに別の前記第2給排口から排出する、請求項12に記載の伝熱管外表面の洗浄方法。
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