JP2024082654A - 情報処理装置、脱水機、含水率推定方法、および含水率推定プログラム - Google Patents

情報処理装置、脱水機、含水率推定方法、および含水率推定プログラム Download PDF

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Abstract

Figure 2024082654000001
【課題】推定モデルを更新しなくても、脱水ケーキの含水率の推定の精度を維持する。
【解決手段】情報処理装置(1)は、実運転期間における脱水機の運転に関する測定データを取得する取得部(101)と、推定モデル(112)を用いて、測定データの測定時点において脱水機から排出される脱水ケーキの含水率の推定値を推定する推定部(102)と、オフセット値を用いて推定値を補正する補正部(104)とを備える。推定モデル(112)は、実運転期間と運転条件が異なる運転期間における測定データを説明変数とし、測定時点における含水率の実測値を目的変数として学習された推定モデルである。オフセット値は、過去の所定期間内の実運転期間における測定データから推定された含水率の推定値と、測定時点における含水率の実測値との差である。
【選択図】図1

Description

本発明は、浮遊固形物を含む液体を脱水機で脱水することにより得られる脱水ケーキの含水率を推定する技術に関する。
下水処理場などの排水処理施設において実施される汚泥処理には汚泥を脱水機で脱水する工程が含まれている。効率的な汚泥処理のためには脱水により得られる脱水ケーキの含水率を所定の範囲内で維持することが重要である。しかし、脱水機の運転条件を一定にして脱水処理した場合には、供給される汚泥の性状が一定しない等の原因によって脱水ケーキの含水率は変動するため、脱水ケーキの含水率を所定の範囲内で維持することは容易ではない。
このため、脱水ケーキの含水率を推定する技術の開発が従来から進められている。現在の含水率をリアルタイムに推定できれば、各種制御により含水率を所定の範囲内で維持することが可能になる。例えば、下記の特許文献1には、遠心式の脱水機に供給される汚泥の量や、当該脱水機の遠心効果に関する値等の複数のパラメータを用いて含水率推定モデルを生成し、含水率を推定する技術が開示されている。
特開2020-114569号公報
一般に、上記汚泥処理に関する装置は、多種多様な運転条件で試運転されて、最適な運転条件を決定する。この試運転期間において、上記多種多様な運転条件において測定された上記複数のパラメータの多種多様な測定値を教師データとして上記含水率推定モデルが生成される。
その後、決定された運転条件に基づいて上記装置は実運転される。この実運転期間において、上記複数のパラメータの直近の測定値を教師データとして上記含水率推定モデルを更新しなければ、上記含水率推定モデルによる推定の精度が低下する。
本発明の一態様は、推定モデルを更新しなくても、脱水ケーキの含水率の推定の精度を維持することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、浮遊固形物を含む液体に前記浮遊固形物を凝集させる薬剤が加えられる凝集槽から排出された前記液体を搬送しながら脱水する脱水機の運転に関する測定データを取得する取得部と、前記脱水機の実運転期間と運転条件が異なる運転期間において前記取得部が取得した前記測定データを説明変数とし、当該測定データの測定時点において前記脱水機から排出される脱水ケーキの含水率の実測値を目的変数として学習された推定モデルを用いて、前記実運転期間において前記取得部が取得した測定データの測定時点における前記含水率の推定値を推定する推定部と、オフセット値を用いて前記推定値を補正する補正部とを備え、前記オフセット値は、過去の所定期間内の前記実運転期間において前記取得部が取得した測定データを用いて前記推定部が推定した前記含水率の推定値である過去推定値と、当該測定データの
測定時点における前記含水率の実測値である過去実測値との差である。
また、本発明の他の態様に係る含水率予測方法は、1または複数の情報処理装置により実行される含水率推定方法であって、浮遊固形物を含む液体に前記浮遊固形物を凝集させる薬剤が加えられる凝集槽から排出された前記液体を搬送しながら脱水する脱水機の運転に関する測定データを取得する取得ステップと、前記脱水機の実運転期間と運転条件が異なる運転期間において前記取得ステップにて取得した前記測定データを説明変数とし、当該測定データの測定時点において前記脱水機から排出される脱水ケーキの含水率の実測値を目的変数として学習された推定モデルを用いて、前記実運転期間において前記取得ステップにて取得した測定データの測定時点における前記含水率の推定値を推定する推定ステップと、オフセット値を用いて前記推定値を補正する補正ステップとを含み、前記オフセット値は、過去の所定期間における前記実運転期間において前記取得ステップにて取得した測定データを用いて前記推定ステップにて推定した前記含水率の推定値である過去推定値と、当該測定データの測定時点における前記含水率の実測値である過去実測値との差である。
本発明の一態様によれば、推定モデルを更新しなくても、脱水ケーキの含水率の推定の精度を維持することができる。
本発明の一実施形態に係る情報処理装置の要部構成の一例を示すブロック図である。 上記情報処理装置を含む制御システムの構成例を示す図である。 上記情報処理装置における脱水ケーキの含水率の推定処理の一例を示すフローチャートである。 上記情報処理装置におけるオフセット値の更新処理の一例を示すフローチャートである。 上記情報処理装置の実施例1における推定モデルの説明変数および目的変数の組合せを表形式で示す図である。 実施例1における推定モデルおよびオフセット値による補正後の含水率推定値の、作業者による含水率実測値に対するバラツキを示すグラフである。 上記情報処理装置の実施例2における推定モデルおよびオフセット値による補正後の含水率推定値の、作業者による含水率実測値に対するバラツキを示すグラフである。 比較例1、比較例2、および比較例3における比較モデルによる含水率推定値の、作業者による含水率実測値に対するバラツキを示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係る情報処理装置の要部構成の一例を示すブロック図である。 上記情報処理装置における予測モデルのための教師データを作成する概念を示すモデル図である。 上記情報処理装置における脱水ケーキの含水率の予測処理の一例を示すフローチャートである。 上記情報処理装置における上記予測モデルの更新処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、説明の便宜上、各実施形態に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、適宜その説明を省略する。
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について、図1~図4を参照して説明する。
〔システム構成〕
図2は、本実施形態に係る制御システム100の構成例を示す図である。制御システム100は、固体浮遊物を凝集させる薬剤を凝集槽内の被処理液(液体)に添加してフロックを形成し、フロックが形成された前記被処理液の固液分離を行うプラントで使用されるシステムである。以下では、被処理液が汚泥である例を説明するが、制御システム100は汚泥以外の被処理液を処理するプラントにも適用可能である。なお、汚泥とは、排水処理などで生じる微細な固形物を含む液体であり、スラリーと呼ぶこともできる。
詳細は以下説明するが、制御システム100は、汚泥の処理工程のうち、処理対象の汚泥中の固体浮遊物を凝集させてフロックを形成させることによって、処理対象の汚泥を凝集汚泥とする工程から、凝集汚泥を脱水して脱水汚泥(脱水ケーキとも呼ばれる)と脱水ろ液を得る工程までの各処理を行う。図2に示すように、制御システム100は、情報処理装置1と、制御装置3と、フロキュレータ5と、脱水機9とを含む。
フロキュレータ5は、固体浮遊物を凝集させる薬剤を凝集槽内の被処理液に添加して適度に撹拌することでフロックを形成させる機器である。具体的には、フロキュレータ5は、汚泥を被処理液とし、汚泥中の固体浮遊物を凝集させてフロックを形成させ、凝集汚泥を生成する。図2のフロキュレータ5は、凝集槽51と、撹拌翼52と、モータ53と、点検窓54とを備えている。また、フロキュレータ5には、汚泥投入口55と、薬剤投入口56と、排出口57とが設けられている。
さらに、点検窓54には、撮影装置72と、撮影用の照明装置71とが取り付けられている。撮影装置72は、少なくとも静止画像が撮影できるものであればよい。制御システム100の稼働中、フロックへの光の当たり方が変化しないように、凝集槽51は光透過性のないものとすることが好ましい。また、撮影装置72および照明装置71は図示の例のように、点検窓54側が開口した遮光性の暗箱に収容することが好ましい。
脱水機9は、フロックが形成された被処理液の固液分離を行う機器である。具体的には、脱水機9は、フロキュレータ5の後段に配設され、フロキュレータ5から排出される凝集汚泥(液体)を脱水して固液分離する。図2の脱水機9は、外胴スクリーン91とスクリュー92とを備えるスクリュープレス型脱水機である。また、脱水機9には、汚泥投入口93と、ろ液排出口94と、脱水ケーキ排出口95とが設けられている。なお、図示していないが、脱水機9は、スクリュー92を回転駆動するモータ等も備えている。無論、脱水機9は凝集汚泥を脱水できるものであればよく、スクリュープレス型に限られない。例えば、遠心脱水機、フィルタープレス型脱水機、またはベルトプレス脱水機等を適用することもできる。
制御システム100において、処理対象の汚泥は、図示しない供給装置により、汚泥投入口55からフロキュレータ5の凝集槽51内に連続的あるいは断続的に供給される。汚泥の供給速度は、フロキュレータ5および脱水機9による汚泥の処理速度に応じて、供給装置あるいはその制御装置3が自動で制御する構成となっていてもよい。
そして、凝集槽51内の汚泥に対して、薬剤投入口56から汚泥を凝集させるための薬剤(少なくとも凝集剤を含む)が投入される。この状態でモータ53を駆動させて撹拌翼52を回転させ、汚泥と薬剤を撹拌し、フロックを形成させる。形成されたフロックと、汚泥に含まれていた水との混合物である凝集汚泥は排出口57から排出される。
続いて、この凝集汚泥は、脱水機9の汚泥投入口93から外胴スクリーン91内に供給される。脱水機9内において、上記凝集汚泥は、スクリュー92による加圧下で脱水されて、ろ液がろ液排出口94から排出され、脱水された凝集汚泥の固まりである脱水ケーキが脱水ケーキ排出口95から排出される。
なお、上記汚泥は、汚泥投入口55から凝集槽51内に供給されることにより、上記凝集汚泥が凝集槽51の排出口57から押し出されて排出され、排出された凝集汚泥が脱水機9に供給される。このため、凝集槽51に供給される汚泥の流量と、脱水機9へ供給される汚泥の流量とは、同時刻で一致する。
詳細は以下説明するが、情報処理装置1は、脱水機9の運転に関する測定データを取得する。そして、情報処理装置1は、取得した測定データに基づき、脱水ケーキの含水率を推定する。
また、情報処理装置1は、制御装置3を介して制御システム100の構成要素である各種機器(例えば、フロキュレータ5、脱水機9、および図示していない汚泥および薬剤の供給装置等)の動作制御を行うこともできる。制御装置3は、制御システム100の構成要素である各種機器の動作を制御する装置である。制御装置3は、例えばPLC(Programmable Logic Controller)であってもよい。図2の例では、制御装置3は、フロキュレ
ータ5に関する機器を制御するフロキュレータ用制御装置3aと、脱水機9に関する機器を制御する脱水機用制御装置3bとを含む。
〔装置構成〕
図1に基づいて情報処理装置1の構成を説明する。図1は、情報処理装置1の要部構成の一例を示すブロック図である。図示のように、情報処理装置1は、情報処理装置1の各部を統括して制御する制御部10と、情報処理装置1が使用する各種データを記憶する記憶部11と、を備えている。また、情報処理装置1は、情報処理装置1が他の装置と通信するための通信部12、情報処理装置1に対する各種データの入力を受け付ける入力部13、および情報処理装置1が各種データを出力するための出力部14を備えている。
また、制御部10には、取得部101、推定部102、更新部103、および補正部104が含まれている。なお、更新部103については、後記「更新部について」の項目で説明する。また、補正部104については、後記「補正部について」の項目で説明する。
記憶部11には、実測ファイル111、推定モデル112、推定ファイル113、およびオフセット値114が含まれている。実測ファイル111は、作業者が実測した脱水ケーキの含水率の実測値を含む。推定ファイル113は、推定部102が推定した脱水ケーキの含水率の推定値を含む。なお、推定モデル112の詳細については、後記「推定モデルについて」の項目で説明する。また、オフセット値114の詳細については、後記「更新部について」の項目で説明する。
取得部101は、脱水機9の運転に関する測定データを取得する。なお、当該測定データの詳細に関しては、後記「推定モデルについて」の項目で説明する。また、取得部101は、作業者が実測した脱水ケーキの含水率の実測値を取得し、記憶部11の実測ファイル111に記憶する。
推定部102は、記憶部11に記憶された推定モデル112を用いて、取得部101が取得した測定データから脱水ケーキの含水率を推定する。この脱水ケーキは、上記測定データの測定時点において脱水機9から排出される脱水ケーキである。推定部102は、推
定モデル112による上記測定データからの上記含水率の推定値を、記憶部11の推定ファイル113に記憶すると共に、補正部104に送出する。
推定部102は、取得部101が新たな測定データを取得する毎に推定モデル112を用いた推定を実行する。そのため、推定部102は、脱水ケーキの含水率をリアルタイムに、すなわち短い時間間隔で連続的に(例えば1分毎に)推定することができる。
〔推定モデルについて〕
推定モデル112は、取得部101が取得した、脱水機9の運転に関する測定データを説明変数とし、当該測定データの測定時点における含水率を目的変数として学習された推定モデルである。本実施形態では、推定モデル112は、脱水機9の実運転期間の開始前である試運転期間に学習された推定モデルである。上記学習には、多変量回帰分析、RandomForestRegressorなど、種々の手法を利用することができる。
上記測定データは、脱水機9の運転時間、脱水機9のスクリューの回転速度、当該スクリューの駆動電流値またはトルク値、脱水機9の脱水ケーキ排出口95(排出部)に設けられ液体を圧搾する背圧板による背圧、および、当該背圧板と脱水ケーキ排出口95との開度、の少なくともいずれかであり、脱水機用制御装置3bから取得する。なお、これらのうち、推定モデル112の推定精度に対する寄与が大きい(重要度が高い)測定データとしては、上記スクリューの駆動電流値および上記開度(特に上記背圧が一定となるように脱水機9を制御する場合)が挙げられる。
〔更新部について〕
更新部103は、所定時間(例えば1日)が経過する毎に、記憶部11のオフセット値114を更新する。該オフセット値114は、過去の所定期間(例えば直近2週間)内の実運転期間において、取得部101が取得した測定データを用いて推定部102が推定した含水率の推定値である過去推定値と、当該測定データの測定時点における含水率の実測値である過去実測値との差である。
具体的には、更新部103は、上記実運転期間における測定データを用いて推定された上記過去推定値を、記憶部11の推定ファイル113から読み出すと共に、上記測定データの測定時点における上記過去実測値を、記憶部11の実測ファイル111から読み出す。そして、更新部103は、読み出した上記過去推定値と上記過去実測値との差を新たなオフセット値として、記憶部11のオフセット値114を更新する。
なお、上記過去推定値と上記過去実測値との組が複数存在する場合、上記新たなオフセット値は、上記組毎の上記差の平均値、最大値、最小値、中間値などの統計値であってもよい。或いは、上記新たなオフセット値は、上記所定期間の終点を更新時点としたときの、上記過去推定値と上記過去実測値との差であってもよい。このような、直近のオフセット値を利用することにより、推定モデル112およびオフセット値114による補正後の推定値の精度を確実に維持することができる。
〔補正部について〕
補正部104は、記憶部11のオフセット値114を用いて、推定部102からの推定値を補正する。具体的には、補正部104は、上記推定値に上記オフセット値を加算または減算した値を補正値とする。
補正部104は、推定部102と同様に、取得部101が新たな測定データを取得する毎に上記補正を実行する。そのため、補正部104は、脱水ケーキの含水率をリアルタイムに、すなわち短い時間間隔で連続的に(例えば1分毎に)補正することができる。
以上のように、本実施形態の情報処理装置1は、浮遊固形物を含む液体に上記浮遊固形物を凝集させる薬剤が加えられる凝集槽51から排出された上記液体を搬送しながら脱水する脱水機9の運転に関する測定データを取得する取得部101と、脱水機9の実運転期間において取得部101が取得した測定データの測定時点における上記含水率の推定値を、推定モデル112を用いて推定する推定部102と、オフセット値を用いて上記推定値を補正する補正部104とを備える。上記推定モデル112は、上記実運転期間と運転条件が異なる運転期間としての試運転期間において取得部101が取得した測定データを説明変数とし、当該測定データの測定時点において脱水機9から排出される脱水ケーキの含水率の実測値を目的変数として学習された推定モデルである。上記オフセット値は、過去の所定期間内の上記実運転期間において取得部101が取得した測定データを用いて推定部102が推定した上記含水率の推定値である過去推定値と、当該測定データの測定時点における上記含水率の実測値である過去実測値との差である。
ところで、推定モデル112による推定の精度が低下すると、含水率の推定値と含水率の実測値との差が増大する。本願発明者らは、過去の所定期間毎に調べた結果、上記差が略一定であることを見出した。
そこで、上記の構成によると、過去の所定期間内の実運転期間における測定データを用いて推定部102が推定した含水率の推定値である過去推定値と、当該測定データの測定時点における上記含水率の実測値である過去実測値との差をオフセット値として予め求める。次に、推定部102は、実運転期間における測定データの測定時点における上記含水率の推定値を、推定モデル112を用いて推定する。そして、補正部104は、上記オフセット値を用いて上記推定値を補正する。補正後の推定値は、上記測定時点における上記含水率の実測値に近くなる。従って、上記オフセット値を求めることにより、推定モデル112を更新しなくても、上記含水率の推定の精度を維持できる。
〔推定処理〕
図3は、上記構成の情報処理装置1における脱水ケーキの含水率の推定処理(含水率推定方法)の一例を示すフローチャートである。この推定処理は、上述のように、実運転期間中に実行される。図3に示すように、まず、取得部101は、各種の測定データを収集(取得)する(S11、取得ステップ)。なお、取得部101は、作業者による含水率の実測値を新たに取得した場合(S12)、当該実測値を記憶部11の実測ファイル111に記憶する(S13)。
次に、推定部102は、上記測定データから、当該測定データの測定時点における含水率の推定値を、記憶部11の推定モデル112を用いて算出する(S14、推定ステップ)。このとき、推定部102は、上記推定値を記憶部11の推定ファイル113に記憶する(S15)。
そして、補正部104は、記憶部11のオフセット値114を用いて、上記含水率の推定値を補正する(S16、補正ステップ)。その後、ステップS11に戻って上記動作を繰り返す。
〔更新処理〕
図4は、情報処理装置1におけるオフセット値114の更新処理の一例を示すフローチャートである。この更新処理は、上述のように、所定時間が経過する毎に実行される。
図4に示すように、まず、更新部103は、過去の所定期間内の実運転期間における測定データを用いて推定された脱水ケーキの含水率の推定値を過去推定値として、記憶部1
1の推定ファイル113から読み出す(S21)。次に、更新部103は、上記測定データの測定時点における上記含水率の実測値を過去実測値として、記憶部11の実測ファイル111から読み出す(S22)。なお、ステップS21およびステップS22の実行の順序は任意である。
次に、更新部103は、読み出した上記過去推定値と上記過去実測値との差を新たなオフセット値として算出する(S23)。そして、更新部103は、算出した新たなオフセット値で、記憶部11のオフセット値114を更新する(S24)。その後、上記更新処理を終了する。
〔変形例〕
上述の実施形態で説明した各処理の実行主体は任意であり、上述の例に限られない。例えば、図3に示した含水率推定方法の各ステップは、複数の情報処理装置に分担させることもできる。つまり、当該含水率推定方法は、1つの情報処理装置1により実行されるものであってもよいし、複数の情報処理装置により実行されるものであってもよい。
〔付記事項〕
なお、上述の実施形態では、推定モデル112は更新を行わないとしているが、これに限定されるものではない。例えば、実運転期間において、通常とは異なる運転条件が発生した場合に取得部101が取得した測定データを蓄積しておき、蓄積した測定データを用いて推定モデル112を更新してもよい。
また、上述の実施形態では、運転条件が実運転期間とは異なる運転期間として試運転期間を利用している。しかしながら、上記異なる運転期間は、実運転期間での運転条件範囲を含んだ多種多様な運転条件での測定データが取得できるような運転期間であればよく、上記試運転期間に限定されるものではない。例えば、脱水機9のメンテナンス後に行われるテスト運転期間を上記異なる運転期間としてもよい。
また、上述の実施形態では、取得部101は、脱水機9に関する測定データを取得する必要があるが、フロキュレータ5に関する測定データを取得する必要が無い。従って、上記構成の情報処理装置1を備える脱水機9であれば、上述の作用効果を奏することができる。
〔実施例〕
上記構成の情報処理装置1の一実施例および比較例について、図5~図8を参照して説明する。
(実施例1)
実施例1では、取得部101が取得した測定データから、該測定データの測定時点における含水率の推定値を、推定部102が推定モデル112を用いて算出し、補正部104がオフセット値114を加算することにより補正した。
図5は、実施例1における推定モデル112の説明変数および目的変数の組合せを表形式で示す図である。図5の例では、推定モデル112の説明変数となる測定データは、脱水機9の運転時間、脱水機9のスクリューの回転速度、当該スクリューの駆動電流値(または駆動トルク)、脱水機9の脱水ケーキ排出口95に設けられ液体を圧搾する背圧板による背圧(脱水機9の背圧)、および、当該背圧板と脱水ケーキ排出口95との開度(脱水機9の背圧開度)である。また、推定モデル112の目的変数は、脱水ケーキの含水率の実測値である。
実施例1では、推定モデル112は、試運転期間(3ヶ月間)における多種多少な運転条件での測定データのうち上記説明変数に該当する測定データと、上記目的変数である上記含水率の実測値との組合せを教師データとして学習された推定モデルである。さらに、実施例1では、新たな教師データによる推定モデル112の更新は行わなかった。
また、実施例1では、更新部103は、直近の所定期間の測定データから推定モデル112を用いて推定された含水率の推定値と、上記測定データの測定時点における含水率の実測値との組合せを用いて、新たなオフセット値を算出し、記憶部11のオフセット値114を更新した。実施例1では、上記直近の所定期間は8日間であり、作業者が上記含水率を実測する頻度は、1日当たり1回である。従って、上記組合せの数は、(1日当たり1組)×8日間=8組となる。上記組合せ毎に、(上記含水率の実測値)-(上記含水率の推定値)を算出し、算出した8組の値の平均値を上記新たなオフセット値とした。
図6は、実施例1における補正後の含水率推定値の、作業者による含水率実測値に対するバラツキを示すグラフである。図6のグラフでは、推定モデル112を学習してから7ヶ月間の実運転期間における測定データおよび含水率の実測値が利用されている。図6に示すグラフでは、平均絶対誤差(MAE)が0.80%であった。
(実施例2)
実施例2は、上述の実施例1に比べて、上記直近の所定期間は2週間であり、作業者が上記含水率を実測する頻度は、1週間当たり1回である点が異なり、その他は同様とした。従って、更新部103が利用する上記組合せの数は、(1週間当たり1組)×2週間=2組となる。
図7は、実施例2における補正後の含水率推定値の、作業者による含水率実測値に対するバラツキを示すグラフである。図7のグラフでは、実施例1と同様の測定データおよび含水率の実測値が利用されている。図7に示すグラフでは、平均絶対誤差(MAE)が0.87%であった。このことから、作業者が含水率を実測する回数を、1日当たり1組から1週間当たり1組に減らしても、補正後の含水率の推定値は、精度を維持できることが理解できる。
(比較例1)
比較例1では、測定データから、該測定データの測定時点における含水率の推定値を、推定モデル112と同様に学習された比較モデルを用いて推定した。すなわち、オフセット値114による補正は行わなかった。また、比較例1では、新たな教師データによる比較モデルの更新は行わなかった。
図8の上段は、比較例1における含水率推定値の、作業者による含水率実測値に対するバラツキを示すグラフである。図8の全てのグラフでは、実施例1と同様に、上記比較モデルを学習してから7ヶ月間の実運転期間における測定データおよび含水率の実測値が利用されている。図8の上段のグラフでは、MAEが1.95%であった。このことから、比較例1における含水率の推定値は、実施例1・2に比べて著しく悪化していることが理解できる。
(比較例2)
比較例2は、比較例1に比べて、運転停止期間に新たな教師データによる上記比較モデルの更新を行う点が異なり、その他は同様である。上記教師データの数は、(1日当たり6個)×8日間=48個であった。
図8の中段は、比較例2における含水率推定値の、作業者による含水率実測値に対する
バラツキを示すグラフである。図8の中段のグラフでは、MAEが0.80%であった。このことから、比較例2における含水率の推定値は、実施例1・2と同程度である一方、作業者が含水率を実測する回数は、実施例1・2に比べて多く、その結果、作業者の負担増、作業者の増加によるコスト増、などを招くことが理解できる。
(比較例3)
比較例3は、比較例2に比べて、上記教師データの数が、(1日当たり1個)×8日間=8個である点が異なり、その他は同様である。すなわち、比較例3における教師データの数と、実施例1におけるオフセット値114の更新のための上記組合せの数とは、同程度である。
図8の下段は、比較例3における含水率推定値の、作業者による含水率実測値に対するバラツキを示すグラフである。図8の下段のグラフでは、MAEが1.41%であった。このことから、比較例3における含水率の推定値は、実施例1・2に比べて悪化していることが理解できる。これらの比較結果から、実施例1・2における補正後の含水率推定値は、精度が良好であり、かつ、作業者の負担を軽減できることが理解できる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図9~図12を参照して説明する。本実施形態の制御システム100は、図1~図4に示す制御システム100に比べて、情報処理装置1の構成が異なり、その他の構成は同様である。
図9は、本実施形態の情報処理装置1の要部構成の一例を示すブロック図である。図9に示す情報処理装置1は、図1に示す情報処理装置1に比べて、制御部10が、取得部101および補正部104に代えて、取得部105および補正部106を含むと共に、モデル更新部107および予測部108を新たに含む点と、記憶部11が予測モデル115をさらに含む点とが異なり、その他の構成は同様である。予測モデル115の詳細については、後記「予測モデルについて」の項目で説明する。
取得部105は、凝集槽51に供給される液体に関する測定データと、凝集槽51に供給される薬剤に関する測定データと、凝集槽51内の液体に関する測定データと、凝集槽51の運転に関する測定データと、脱水機9の運転に関する測定データと、の少なくともいずれかを取得する。なお、各測定データの詳細に関しては、後記「予測モデルについて」の項目で説明する。
補正部106は、図1に示す補正部104に比べて、補正後の脱水ケーキの含水率の推定値をモデル更新部107にさらに送出する点が異なり、その他の構成は同様である。
予測部108は、記憶部11に記憶された予測モデル115を用いて、取得部105が取得した測定データから脱水ケーキの含水率を予測する。この脱水ケーキは、上記測定データの測定時点から脱水機9内で上記凝集汚泥が滞留する滞留時間が経過した時点(以下、「経過時点」と称する。)において脱水機9から排出される脱水ケーキである。予測部108は、取得部105が新たな測定データを取得する毎に予測モデル115を用いた予測を実行する。これにより、予測部108は脱水ケーキの含水率をリアルタイムに、すなわち短い時間間隔で連続的に(例えば1分毎に)予測することができる。なお、脱水ケーキの含水率の具体的な算出手法については、後記「予測モデルによる含水率の予測方法」の項目で説明する。
〔予測モデルについて〕
予測モデル115は、取得部105が取得した、測定時点の測定データを説明変数とし
、経過時点において脱水機9から排出される脱水ケーキの含水率(以下、「経過時点の含水率」と称する。)を目的変数として学習された予測モデルである。本実施形態では、上記目的変数である含水率は、推定モデル112、推定部102、および補正部106による補正後の推定値である。取得部105が取得した測定データであって、予測モデル115の予測に用いる測定データには次のようなものが含まれる。
(1)凝集槽51に供給される汚泥に関する測定データ。当該測定データは、例えば、当該汚泥の単位時間当たりの供給流量、および当該汚泥の濃度の少なくともいずれかであり、汚泥投入口55の手前にて測定される。
(2)凝集槽51に供給される薬剤に関する測定データ。当該測定データは、例えば、当該薬剤の単位時間当たりの供給流量であり、薬剤投入口56の手前にて測定される。
(3)凝集槽51内の汚泥に関する測定データ。当該測定データは、フロックの平均濃淡値、および、フロック間の隙間の平均単位面積、の少なくともいずれかであり、撮影装置72における静止画像を画像処理することで得られる。上記平均濃淡値は、汚泥色調(明暗)の指標となる。また、上記平均単位面積は、フロック径の指標となる。
(4)凝集槽51の運転に関する測定データ。当該測定データは、凝集槽51における撹拌翼の回転速度であり、制御装置3から取得する。
(5)脱水機9の運転に関する測定データ。当該測定データは、脱水機9の運転時間、脱水機9のスクリューの回転速度、脱水機9への凝集汚泥の単位時間当たりの供給流量、および、脱水機9へ投入される凝集汚泥の投入圧、の少なくともいずれかであり、制御装置3から取得する。
本実施形態では、上記(1)~(5)に示すように、様々な測定データを採用することができる。そのため、脱水ケーキの含水率を、多面的な説明変数を用い、精度良く予測することができる。なお、上記(1)~(5)に示す測定データのうち、予測モデル115の予測精度に対する寄与が大きい測定データとしては、上記(5)に示す上記運転時間、上記スクリューの回転速度、および、上記供給流量と、上記(3)に示すフロックの平均濃淡値とが挙げられる。
〔予測モデルの学習方法〕
次に、予測モデル115による含水率の学習方法に関して説明する。予測モデル115は、上記したように、測定時点における測定データを用いて、当該測定時点よりも未来の経過時点の含水率を予測するモデルである。
図10は、予測モデル115のための教師データを作成する概念を示すモデル図である。図10の横軸は運転時間(分)である。また、図10の縦軸は、各測定データの測定値であり、測定データ毎に任意のスケールで示している。
予測モデル115の説明変数となる、測定時点の測定データは、図10の上段に示すように、液体(汚泥)の単位時間当たりの供給流量、液体(汚泥)の濃度、フロックの平均濃淡値、フロック間の隙間の平均単位面積、凝集槽51における撹拌翼の回転速度、脱水機9の運転時間、脱水機9のスクリューの回転速度、脱水機9へ投入される液体(凝集汚泥)の投入圧、および、薬剤の単位時間当たりの供給流量と液体(汚泥)の供給流量の比率である。
そして、予測モデル115の目的変数は、経過時点の含水率である。この含水率として
、作業者による実測値を用いる場合、図10の下段において白色の丸印で示すように、作業者が一日の作業で測定できる回数に上限がある。このため、説明変数および目的変数の組み合わせである教師データの数が制限され、その結果、高精度な予測モデルを作成することが困難である。
そこで、本実施形態では、上記教師データの目的変数として、作業者による実測値の代わりに、上記した推定モデル112による推定値を用いている。これにより、図10の下段にて灰色の丸印で示すように、目的変数の数が、作業者が測定できる回数に制限されることが無くなるので、上記教師データの数を増やすことができ、高精度な予測モデル115を作成することができる。
そこで、本実施形態では、上記教師データの目的変数として、作業者による実測値の代わりに、上記した推定モデル112、推定部102、および補正部106による補正後の推定値を用いている。これにより、図10の下段にて灰色の丸印で示すように、目的変数の数が、作業者が測定できる回数に制限されることが無くなるので、上記教師データの数を増やすことができ、高精度な予測モデル115を作成することができる。
ところで、上記経過時点の含水率の推定値は、上記経過時点における測定データから推定モデル112を用いて算出される。従って、予測モデル115の学習には、予測モデル115の説明変数である測定時点の測定データと、推定モデル112の説明変数である経過時点の測定データとが利用されることになる。
〔予測モデルによる含水率の予測方法〕
予測部108は、学習を行った予測モデル115を用いて、脱水ケーキの含水率を予測する。すなわち、予測部108は、説明変数である、凝集槽51に供給される液体に関する測定データと、凝集槽51に供給される薬剤に関する測定データと、凝集槽51内の液体に関する測定データと、凝集槽51の運転に関する測定データと、脱水機9の運転に関する測定データと、の少なくともいずれかを、予測モデル115に入力することで、目的変数である、脱水完了時における脱水ケーキの含水率を予測する。
以上のように、本実施形態の情報処理装置1は、図1に示す情報処理装置1に比べて、予測モデル115を用いて、取得部105が取得した測定データから、当該測定データの測定時点から脱水機9内で液体が滞留する滞留時間が経過した時点において脱水機9から排出される脱水ケーキの含水率を予測する予測部108をさらに備える。上記予測モデル115は、取得部105が取得した測定データを説明変数とし、当該測定データの測定時点から滞留時間が経過した経過時点において脱水機9から排出される脱水ケーキの含水率について、推定モデル112を用いて推定され、オフセット値114を用いて補正された補正後の推定値を目的変数として学習された予測モデルである。
上記の構成によると、推定モデル112は、説明変数である脱水機9の運転に関する測定データの測定時点(脱水完了時)と、目的変数である脱水機9から排出される脱水ケーキの含水率の測定時点(脱水完了時)とが同じである。このため、測定データと含水率とを含む教師データが少なくても、学習された推定モデル112を用いた補正後の推定値の精度は良好である。従って、含水率の手作業分析における作業者の負荷を増やすことなく、推定モデル112を学習することができる。また、推定モデル112を利用して、測定データの測定回数だけ、含水率の補正後の推定値を算出できる。
一方、予測モデル115に関して、取得部105が取得した測定データの測定時点(液体の供給時)から滞留時間が経過した経過時点(脱水完了時)に測定された脱水機9の運転に関する測定データから推定モデル112を用いて推定され、オフセット値114を用
いて補正された、経過時点における含水率の補正後の推定値を取得することができる。そして、取得した補正後の推定値を目的変数とし、取得部105が取得した測定時点の測定データを説明変数とする教師データを、取得部105が取得した測定データの測定回数だけ作成することができる。従って、教師データを用いて学習された予測モデル115を用いて、取得部105が取得した測定データから、当該測定データの測定時点から滞留時間が経過した経過時点における含水率を精度よく予測することができる。
〔更新部について〕
モデル更新部107は、運転停止期間に予測モデル115を更新する処理を行う。具体的には、モデル更新部107は、凝集槽51および脱水機9の運転期間において取得部101が取得した測定データと、測定データの測定時点から滞留時間が経過した経過時点において脱水機9から排出される脱水ケーキの含水率についての推定モデル112およびオフセット値114による補正後の推定値との組を教師データとして、上記運転停止期間において予測モデル115を更新する。
なお、予測モデル115の更新は、最新の運転期間における測定データを用いることが望ましい。この場合、予測モデル115を用いた予測を凝集槽51および脱水機9の最新の状況に適合させることができる。
〔予測処理〕
図11は、上記構成の情報処理装置1における脱水ケーキの含水率の予測処理(含水率予測方法)の一例を示すフローチャートである。この予測処理は、上述のように、運転期間中に実行される。図11に示すように、まず、取得部105は、各種の測定データを収集(取得)する(S31、取得ステップ)。次に、予測部108は、予測モデル115を用いて、上記測定データから、該測定データの測定時点から滞留時間が経過した経過時点における含水率の予測値を算出する(S32、予測ステップ)。その後、ステップS31に戻って上記動作を繰り返す。
〔モデル更新処理〕
図12は、情報処理装置1における予測モデル115のモデル更新処理の一例を示すフローチャートである。この更新処理は、上述のように、運転停止期間毎に実行される。
図12に示すように、モデル更新部107は、推定モデル112およびオフセット値114を用いて、上記運転期間における上記測定データから上記運転期間における上記含水率の補正後の推定値を算出する(S41)。次に、モデル更新部107は、上記測定データと、該測定データの測定時点から滞留時間が経過した経過時点における上記補正後の推定値との組を教師データとして予測モデル115を更新する(S42)。その後、上記モデル更新処理を終了する。
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理装置1(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部10に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラム(含水率推定プログラム)により実現することができる。
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 情報処理装置
3 制御装置
5 フロキュレータ
9 脱水機
10 制御部
11 記憶部
12 通信部
13 入力部
14 出力部
51 凝集槽
91 外胴スクリーン
92 スクリュー
94 液排出口
95 脱水ケーキ排出口
100 制御システム
101、105 取得部
102 推定部
103 更新部
104、106 補正部
107 モデル更新部
108 予測部
111 実測ファイル
112 推定モデル
113 推定ファイル
114 オフセット値
115 予測モデル

Claims (9)

  1. 浮遊固形物を含む液体に前記浮遊固形物を凝集させる薬剤が加えられる凝集槽から排出された前記液体を搬送しながら脱水する脱水機の運転に関する測定データを取得する取得部と、
    前記脱水機の実運転期間と運転条件が異なる運転期間において前記取得部が取得した前記測定データを説明変数とし、当該測定データの測定時点において前記脱水機から排出される脱水ケーキの含水率の実測値を目的変数として学習された推定モデルを用いて、前記実運転期間において前記取得部が取得した測定データの測定時点における前記含水率の推定値を推定する推定部と、
    オフセット値を用いて前記推定値を補正する補正部とを備え、
    前記オフセット値は、過去の所定期間内の前記実運転期間において前記取得部が取得した測定データを用いて前記推定部が推定した前記含水率の推定値である過去推定値と、当該測定データの測定時点における前記含水率の実測値である過去実測値との差である、情報処理装置。
  2. 前記オフセット値は、前記過去推定値と前記過去実測値との組毎の前記差の各々の平均値である、請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 所定時間が経過する毎に前記オフセット値を更新する更新部をさらに備え、
    前記更新部は、前記所定期間の終点を更新時点としたときの、前記過去推定値と前記過去実測値との差を、新たな前記オフセット値とする、請求項1に記載の情報処理装置。
  4. 前記脱水機はスクリュープレス型脱水機であり、
    前記測定データは、前記脱水機の運転時間、前記脱水機のスクリューの回転速度、前記スクリューの駆動電流値またはトルク値、前記脱水機の排出部に設けられ前記液体を圧搾する背圧板による背圧、および、前記背圧板と前記排出部との開度、の少なくともいずれかである、請求項1に記載の情報処理装置。
  5. 前記推定部および前記補正部は、前記取得部が新たな前記測定データを取得する毎に、前記推定および前記補正をそれぞれ実行する、請求項1に記載の情報処理装置。
  6. 予測モデルを用いて、前記取得部が取得した前記測定データから、当該測定データの測定時点から前記脱水機内で前記液体が滞留する滞留時間が経過した時点において前記脱水機から排出される脱水ケーキの含水率を予測する予測部をさらに備え、
    前記予測モデルは、前記取得部が取得した前記測定データを説明変数とし、当該測定データの測定時点から前記滞留時間が経過した時点における前記含水率について、前記推定モデルを用いて推定され、前記オフセット値を用いて補正された推定値を目的変数として学習された予測モデルである、請求項1に記載の情報処理装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置を備える脱水機。
  8. 1または複数の情報処理装置により実行される含水率推定方法であって、
    浮遊固形物を含む液体に前記浮遊固形物を凝集させる薬剤が加えられる凝集槽から排出された前記液体を搬送しながら脱水する脱水機の運転に関する測定データを取得する取得ステップと、
    前記脱水機の実運転期間と運転条件が異なる運転期間において前記取得ステップにて取得した前記測定データを説明変数とし、当該測定データの測定時点において前記脱水機から排出される脱水ケーキの含水率の実測値を目的変数として学習された推定モデルを用いて、前記実運転期間において前記取得ステップにて取得した測定データの測定時点におけ
    る前記含水率の推定値を推定する推定ステップと、
    オフセット値を用いて前記推定値を補正する補正ステップとを含み、
    前記オフセット値は、過去の所定期間における前記実運転期間において前記取得ステップにて取得した測定データを用いて前記推定ステップにて推定した前記含水率の推定値である過去推定値と、当該測定データの測定時点における前記含水率の実測値である過去実測値との差である、
    含水率推定方法。
  9. 請求項1に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるための含水率推定プログラムであって、前記取得部、前記推定部、および前記補正部としてコンピュータを機能させるための含水率推定プログラム。
JP2022196633A 2022-12-08 情報処理装置、脱水機、含水率推定方法、および含水率推定プログラム Pending JP2024082654A (ja)

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