JP2024081144A - 荷電粒子顕微鏡法を使用して試料を評価する方法 - Google Patents

荷電粒子顕微鏡法を使用して試料を評価する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】荷電粒子顕微鏡法を使用して試料を評価する方法であって、試料が対象の一次粒子を含むステップを含む方法を提供する。【解決手段】一次粒子の少なくとも1つの画像を得るために荷電粒子顕微鏡を使用して試料を撮像するステップと、少なくとも1つの画像を使用して一次粒子P1の濃度を決定するステップとを含む。試料は、一次粒子から独立し、少なくとも1つの画像内に存在する二次粒子を更に含む。二次粒子の既知の濃度を提供するステップと、一次粒子の濃度を決定するステップにおいて二次粒子の既知の濃度を使用するステップとをさらに含む。【選択図】図4

Description

本発明は、荷電粒子顕微鏡法を使用して試料を評価する方法に関する。
生物学は、生命及び生体の物理的構造、化学的プロセス、分子相互作用、生理学的メカニズム、発現、及び進化を含む、生命及び生体を研究する自然科学である。
細胞生物学は、生命の基本単位である細胞の構造及び機能を研究する生物学の分野である。細胞生物学は、生理学的な特性、代謝プロセス、信号移送経路、ライフサイクル、化学組成、及び細胞とそれらの環境との相互作用を主題としている。細胞生物学では、巨大分子間の分子認識が、細胞の中で最も洗練されたプロセスの全てを支配する。最も一般的な巨大分子には、生体高分子(核酸、タンパク質、炭水化物、及び脂質)、並びに大型非高分子(脂質及び大環状分子など)が含まれる。
多くの研究者が、巨大分子複合体の構造的な力学及び相互作用を明らかにするために、巨大分子複合体をそれらの自然環境の中で高解像度で研究することに関心を持っている。他の対象領域には、薬物-細胞相互作用、又はウイルス生物学が含まれる。ここで、産生された試料の粒子特徴付けは、遺伝子治療におけるDNA又はワクチンにおけるRNAのための送達系として使用されるウイルスベクター及びリポソームを含む、新しい治療剤、生物製剤、及び抗原のプロセス開発の鍵である。この現象を研究するために、荷電粒子顕微鏡法を使用してもよい。
荷電粒子顕微鏡法は、特に電子顕微鏡法(electron microscopy、EM)の形態において、微視的な物体を画像化するための、周知の、かつ益々重要となる技術である。歴史的に、電子顕微鏡の基本的な属は、透過電子顕微鏡(TEM)、走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)、及び走査透過電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscope、STEM)のような、複数のよく知られた装置種に進化し、又、例えば、イオンビームミリング又はイオンビーム誘起堆積(Ion-Beam-Induced Deposition、IBID)などの補助としての「機械」集束イオンビーム(Focused Ion Beam、FIB)を採用するいわゆる「デュアルビーム」ツール(例えば、FIB-SEM)などの様々な亜種にも使用される。
EMは、生体試料を研究するための複数の方法を提供するものであり、従来のTEMは、生体試料の全体の形態を研究するために使用されている。電子結晶学及び単一粒子分析は、タンパク質及び高分子複合体の研究専用であり、硝子体切片の(低温)電子断層撮影及び低温EM(CEMOVIS)は、細胞小器官及び分子構造を対象とする。低温EM及びCEMOVISにおいて、試料は、ガラス化技術を使用した急速凍結により保存され、低温TEMで観察される。CEMOVISは、試料の凍結切片(低温セクショニング)が追加され、これは、低温FIB技術を使用して実行することができる。
これらの研究における課題の1つは、ウイルスベクター又は他の薬物送達系などの溶液中の対象となる粒子のモル濃度及び物理的力価を高レベルの精度で決定することである。
従来の方法は、TEMでのネガティブ染色によるウイルス力価の決定のためにラテックスビーズを使用することを含み、例えば、Monroe,J.Hらによって記述された方法(Applied Microbiol.,1970,20:259)、及び、Malenovska,H.によって記述された方法(J.Virol.Methods,2013,191:136)がある。
モル濃度を決定する他の方法としては、Zuber,A.らによって記述された方法(Sensors and Actuators B,2016,227:117)のように、金ナノ粒子を決定するための吸光度技術が挙げられる。
しかしながら、これらの方法は煩雑であり、これらの既知の方法の精度及び使用の容易さを改善することができる。
したがって、本発明の目的は、試料を評価する方法であって、対象粒子の濃度を、改善された精度で、及び/又はより容易かつ信頼できる方法で決定することができる方法を提供することである。
この目的のために、本開示は、請求項1に定義されるように、荷電粒子顕微鏡法を使用して試料を評価する方法を提供する。
本方法は、対象となる一次粒子を含む試料を提供するステップと、当該一次粒子の少なくとも1つの画像を得るために荷電粒子顕微鏡を使用して当該試料を撮像するステップとを含む。試料は、低温EMグリッドなどの試料ホルダ上に配置されてもよく、次いで、低温EMなどの荷電粒子顕微鏡内に配置されてもよい。対象の一次粒子はウイルス粒子であってもよいが、本開示はこれらの粒子に限定されない。
本明細書で定義されるように、本方法は、当該少なくとも1つの画像を使用して当該一次粒子の濃度を決定するステップを含む。したがって、画像は、一次粒子の濃度を決定するために使用される。これは、当該画像内の一次粒子の数に基づいて、例えば、画像内の粒子の計数ステップに基づいて、一次粒子の濃度を決定することと、次いで、計数された粒子に基づいて計算ステップとを含んでもよい。これらのステップは両方とも、画像処理技術など(従来の人工知能又はハイブリッド手法など)を使用して自動的に、又は手動で行うことができる。低温EMなどの撮像技術を使用することは、試料中の全ての粒子及び材料の直接可視化、天然試料条件、並びに分子詳細の分解など、他の生物物理学的方法に勝るいくつかの固有の利点を有する。
したがって、本明細書で定義される方法は、一次粒子の濃度の決定を可能にし、濃度を決定するために画像が使用される。したがって、本明細書で定義されるような目的が達成される。
有利な実施形態について以下に説明する。
第1の態様によれば、当該一次粒子の濃度は、当該画像の体積データを使用して決定される。画像中の一次粒子の濃度は、画像中の粒子数が既知である場合、及び画像中に示される体積が既知である場合に決定することができる。画像中の粒子数を計数し、次いで画像中に示される体積で割ることができる。
体積は、画像において見ることができる試料の物理的領域に基づいて決定することができる(「領域」で示される図4を参照されたい)。この物理的領域は、画像センサの寸法(例えば、画素数及び画素サイズ)、当該荷電粒子顕微鏡によって使用される倍率設定、及び試料の厚さ(低温EM試料中の非晶質氷の厚さなど)に大きく依存する。最終的には、単一画素によって収集される試料の物理的サイズ、又はセンサ全体によって収集される試料の全体的な物理的サイズを知りたい。これにより、画像の寸法を物理的領域に変換することができる。各画像の領域を知ることにより、画像当たりの粒子数が試料の物理的力価に関連することが判明した。所与の条件内で、画像当たりの粒子の(平均)数は、グリッドに適用された元の試料の物理的力価に正比例する。
しかしながら、一次粒子の濃度を決定する際に、試料の厚さを更に使用することも考えられる。試料の厚さは、実際の試料厚さ又は試料の撮像された厚さ(すなわち、被写界深度)に関連してもよく、画像内に示される試料の実際の体積(例えば、立方ナノメートル又はピコリットル)を決定するために使用され得る。画像内で視認可能な一次粒子の数、及び既知の体積を用いて、画像内(したがって、試料内)の一次粒子の濃度は、体積単位当たりの粒子数(例えば、マイクロリットル当たりの粒子数)で計算することができる。
実験において、試料グリッド上の粒子の濃度は、試料グリッドに実際に適用された試料の濃度と比較して増加することが見出された。したがって、試料の(知覚される)濃縮が起こり、これは潜在的に、ブロッティングステップが起こる前に試料グリッドが帯電し、一次粒子が表面に結合することによって引き起こされる。この現象については後で詳細に説明する。しかしながら、この効果は、濃縮係数を計算することによって、較正ステップにおいて使用することができる。これは、例えば、既知の試料濃度(すなわち、グリッドに適用された試料濃度)に属する試料厚さを計算することによって行うことができる。計算された試料厚さは、推定又は計算された試料厚さと比較することができ、それによって濃縮係数の尺度が知られている。次いで、この濃縮係数は、グリッドに適用される試料濃度が未知である他の実験において後で使用され得る。
一実施形態では、試料の厚さは、試料の物理的厚さに関連する。特に、当該試料は低温EM試料であってもよく、試料の厚さは当該低温EM試料の氷の厚さに関連する。氷の厚さは、1つの調製された試料から次の試料まで比較的一定であり得る。異なるブロッティングパラメータを使用して、氷の厚さを変えることができる。更に、氷の厚さは、例えば荷電粒子顕微鏡又は光ツールを使用して測定することができる。
第2の態様によれば、一次粒子の濃度は、二次粒子を使用して決定される。これらの二次粒子は、当該一次粒子から独立している。二次粒子は、二次粒子が一次粒子と結合又は係合しないという意味で独立している。したがって、二次粒子は、一次粒子に非結合及び/又は非係合である。この実施形態では、二次粒子は、取得される少なくとも1つの画像において可視である。したがって、画像は、一次粒子及び二次粒子を含む。当該試料中の当該二次粒子の濃度は既知である。濃度は、例えば、試料を調製するときに決定又は測定することができ、又は既知の濃度を有する溶液を試料の調製中に使用することができる。既知の濃度を提供する他の方法も考えられる。二次粒子のこの既知の濃度を提供することにより、当該一次粒子の当該濃度のより正確かつ容易な決定が可能になる。したがって、二次粒子は、一次粒子の濃度を決定することができる基準粒子として作用する。
この第2の態様によれば、荷電粒子顕微鏡によって得られる画像には、一次粒子と二次粒子とが含まれる。試料中の二次粒子は既知の濃度を含む。画像中の一次粒子の数及び二次粒子の数を計数することができる。一次粒子の数と二次粒子の数の比は、二次粒子の既知の濃度と共に、一次粒子の未知の濃度を決定することを可能にする。
一次粒子の濃度を決定するためのこれらの2つの態様の利点は、単一の画像(第1の態様による一次粒子を含み、第2の態様による二次粒子を更に含む)が、一次粒子の濃度を決定するために使用され得ることである。一次粒子の濃度を正確に決定するために、更なるステップ又は更なる技術(ネガティブ染色技術又は吸光度技術など)を使用する必要はない。
両方の態様において、本方法は、少なくとも1つの画像において一次粒子を識別するステップを含む。識別は、コンピュータ支援撮像技術を使用して自動的に行われてもよく、又は手動で行われてもよい。識別ステップは、一次粒子を例えば1つ以上のサブカテゴリに分類することを含んでもよい。これは、例えば、ウイルス粒子の計数及び特徴付けに特に有用である。一次粒子が計数されてもよく、計数は特定のサブカテゴリに限定されてもよい。一次粒子は、コンピュータ支援撮像技術を用いて計数されてもよく、又は手動で計数されてもよい。
第1の態様による方法は、原則として、第2の態様による方法と組み合わせることができることに留意されたい。これを使用して、決定された濃度の精度を高めることができる。特に、第1の態様及び/又は第2の態様の使用は、試料調製中に一次粒子に影響を及ぼす任意の交絡因子に関する情報を与えることができることが見出された。例えば、低温EMでは、一次粒子が試料グリッドと一定の親和性を示し、これらの粒子がグリッドに向かって(又は離れて、試料液体の表面に向かって)再分配されることが分かった。これは、表面における濃度と比較して、グリッドにおいてより濃縮された試料をもたらし得るか、又はその逆であり得る。低温EMでは、液体試料のこの外側部分はブロッティングによって除去され、これは、測定された濃度が、試料グリッドに最初に適用された試料濃度とは異なり得ることを意味する。先に説明したように、測定濃度は、例えば、濃縮係数を使用して、元の濃度又は物理的力価に関連付けることができる。これについては、以下でより詳細に説明する。既知の濃度を有する二次粒子の使用は、較正係数が確立されることを可能にする。この較正係数を一次粒子に対して使用して、元の試料液体中の一次粒子の濃度を確立することができる。したがって、体積データを、既知の濃度を有する二次粒子の使用と組み合わせることができ、これを使用して、一次粒子の較正係数を確立することができる。
第2の態様の一実施形態では、方法は、少なくとも1つの画像内の二次粒子を識別するステップを含む。識別及び計数は、一次粒子に関して記載したのと同様の方法で行ってもよい。
二次粒子は、原則として、コンピュータ支援撮像技術によって、又は人間のオペレータによって手動で容易に識別され得る任意の粒子であってもよい。例としては、ラテックスビーズ、量子ドット、及び金ナノ粒子が挙げられる。各タイプの粒子がグリッドに引き付けられるグリッドからの距離は、(その材料特性、サイズ、又は他のパラメータに起因して)粒子タイプごとに異なり得ることに留意されたい。これは、前述のように較正ステップを使用して説明することができる。
一実施形態では、当該二次粒子は、金ナノ粒子又は量子ドットなどの荷電粒子高密度材料を含む。これは、粒子が少なくとも1つの画像において高度に可視的であることを可能にし、粒子のより容易な計数を可能にする。先に示したように、計数は、コンピュータビジョンベースの方法を使用して、又は手動で行うことができる。
なお、二次粒子の電子密度は、一次粒子の電子密度と一致させることができる。原則として、一次粒子は、それほど電子密度が高くない生物学的材料(ウイルスなど)を含む。その場合、二次粒子が高電子密度である場合に有利であり、その結果、それらは一次粒子から容易に区別できる。しかしながら、一次粒子が高電子密度である他の場合には、二次粒子のために低電子密度材料を使用することが有利である。
二次粒子として金基準マーカが使用される実施形態では、本方法は、試料グリッドの支持体として連続炭素の使用を含んでもよい。連続炭素は、一次粒子の(局所)濃縮が確実に行われ得るように、EMグリッドにわたる金基準マーカの均一分布を確実にする。
二次粒子は、基準マーカとして、特に高電子密度基準マーカとして使用することができる。これらの基準マーカの既知の濃度は、低温EM画像などの荷電粒子画像から分析試料の濃度を決定するための内部標準のように作用する。
上述したように、二次粒子は、当該試料中に既知の濃度で提供される。これは、基準などの二次粒子のモル濃度が、例えば供給者データシートから既に知られていること、測定された光学密度及び既知の吸光係数などの別の方法によって決定されることのいずれかを含み得る。
この方法は、評価される試料を調製するステップを含み得る。調製ステップは、一次粒子(ウイルスベクターなど)及び二次粒子(基準)の溶液を提供するステップを含んでもよい。溶液は、一次粒子及び二次粒子を一緒に混合することによって提供されてもよい。次に、一次粒子及び二次粒子の溶液を、EMグリッドなどの試料ホルダに適用することができ、その後、ガラス化することができる。したがって、本方法は、一次粒子及び二次粒子を含む溶液をガラス化するステップを含んでもよい。
示されるように、較正係数は、試料調製プロセス及び/又は試料ホルダ親和性の結果としての濃度の変化を説明するために使用され得る。
別の実施形態では、本方法は、一次粒子を含む溶液をEMグリッドなどの試料ホルダ上に適用するステップを含み、その後、それをガラス化することができる。溶液は、二次粒子の非存在下で試料ホルダに適用される。二次粒子の適用は別個のステップである。一実施形態では、二次粒子(基準)を試料ホルダ上に適用するステップは、ガラス化ステップの後に実行される。
本方法は、一次粒子の濃度を決定するために二次粒子の既知の濃度を使用する際に少なくとも1つの較正係数を使用するステップを含み得る。計数された二次粒子(例えば、基準)と一次粒子(例えば、ウイルス粒子)との相対比を使用して、二次粒子の既知の濃度を分析試料中の一次粒子の濃度(力価)に変換することができ、較正係数を使用することができる。較正係数は、分析された一次粒子(例えば、AAVカプシド、AAV=アデノ随伴ウイルス)の分布と二次粒子(例えば、金ナノ粒子)の分布との間の任意の可能な不一致を克服する。較正曲線を使用してもよい。
更に、本方法は、例えば低温EM画像における二次粒子(例えば基準マーカ)及び一次粒子(ウイルス粒子など)の不規則な分布を調整するための較正ステップを含み得る。
本明細書で使用される場合、一次粒子の濃度は、モル濃度又は単位体積(1mLなど)当たりの粒子数のいずれかで表すことができる。
一実施形態において、本方法は、試料の少なくとも1つの更なるパラメータを決定するステップを含む。得られた画像は、他の試料品質属性を分析するために使用することができる。これらの試料品質属性は、二重粒子、凝集物、破壊粒子などを含み得る。したがって、一例では、単一の低温EM画像を使用して、同じ低温EM画像データセットからのいくつかの試料品質属性の多重分析を実行してもよい。
一実施形態では、本方法は、二次粒子を計数するステップの後に少なくとも1つの画像を修正するステップを含み得る。二次粒子は、少なくとも1つの画像において非常に強い強度を提供することができ、これは、後続の画像分析のために顕微鏡写真の平均密度で置き換えることができる。
更なる実施形態は、それぞれの従属請求項に記載されている。
上述したように、当該一次粒子は、ウイルス粒子などの生物学的粒子を含み得る。
一実施形態では、当該一次粒子の当該濃度を決定するステップは、
-当該一次粒子の少なくとも1つの予備濃度を決定するステップと、
-その後、当該二次粒子の当該提供された濃度を使用して、当該一次粒子の最終濃度を決定するステップとを含む。
一実施形態では、当該少なくとも1つの画像内の二次粒子の数と当該画像内の一次粒子の数との間の比が、当該一次粒子の当該濃度を決定するために使用される。
一実施形態において、本方法は、当該試料の調製中の二次粒子の損失を考慮するための較正ステップを含む。較正ステップは、当該試料の調製中の一次粒子の中の一次粒子の濃度の損失又は変化を考慮してもよい。
一態様によれば、本明細書で定義される方法を実行するように構成されたプロセッサユニットを備える荷電粒子顕微鏡が提供される。
一態様によれば、コンピュータによって実行されると、本明細書で定義される荷電粒子顕微鏡に本明細書で定義される方法を実行させる命令を含むコンピュータ可読記憶媒体が提供される。
ここで、本発明は、例示的な実施形態及び添付の概略図を基にして詳細に明らかにされるだろう。
荷電粒子顕微鏡の縦断面図を示す。 本明細書に記載の方法の一実施形態のブロック図を示す。 本明細書に記載の方法の一実施形態のブロック図を示す。 本明細書に記載される方法の更なる実施形態のブロック図を示す。 本明細書に記載の方法の一実施形態の概略図を示す。 本明細書に記載の方法の一実施形態を使用した試験画像及び結果を示す。 本明細書に記載の方法の一実施形態を使用した試験画像及び結果を示す。 本明細書に記載の方法の一実施形態を使用した試験画像及び結果を示す。 図1の荷電粒子顕微鏡で得られた、本方法で使用するための画像を示す。 本明細書に記載の方法の実施形態を示す。 本明細書に記載の方法の実施形態を示す。
図1(縮尺通りではない)は、本発明による方法の一実施形態で使用できる荷電粒子顕微鏡Mの一実施形態の非常に概略的な図である。より具体的には、この図は、この場合、TEM/STEMである(しかしながら、本発明の背景では、例えば、SEM(図2参照)又はイオンベースの顕微鏡であることが同じくらい有効であり得る)透過型顕微鏡Mの一実施形態を示す。図1では、真空筐体2内において電子源4は、電子光学軸B’に沿って伝搬し、電子光学イルミネータ6を横断する電子のビームBを生成し、試料S(例えば、(局所的に)薄くされ/平坦化されてもよい)の選択された部分に電子を向ける/集束する働きをする。又、偏向器8が図示されており、これは(とりわけ)、ビームBの走査運動を行うために使用され得る。
試料Sは、一実施形態では、ウイルス粒子などの対象の一次粒子を含む生体試料であり、試料ホルダH、この場合はグリッドの形態の支持構造(それ自体は当業者に知られている)上に保持され、この試料ホルダHは、ホルダHが(取り外し可能に)固定されるクレードルA’を移動させる位置決めデバイス/ステージAによって複数の自由度で位置決めすることができる。例えば、標本ホルダHは、XY平面(図示のデカルト座標系を参照)内で移動可能な(特に)フィンガを備えることができる。典型的には、Zに平行な運動及びX/Yを中心とする傾斜も可能である)。このような動きにより、試料Sの異なる部分が、軸B’(Z方向)に沿って進む電子ビームBによって照明/撮像/検査されることを可能にする(及び/又は、走査する動きがビーム走査の代替として実行されることを可能にする)。所望に応じて、冷却デバイス(図示されていないが、当業者に知られている)を試料ホルダHと密接に熱接触させ、例えば、試料ホルダH(及びびその上の試料S)を極低温に保持することができる。
電子ビームBは、試料Sと相互作用して、(例えば)二次電子、後方散乱電子、X線、及び光学的放射(陰極線発光)を含む様々な種類の「誘導(stimulated)」放射線が試料Sから放出されるようになる。所望に応じて、これらの放射線タイプのうちの1つ以上は、例えば、組み合わされたシンチレータ/光電子増倍管又はEDX(エネルギー分散型X線分光法)モジュールとすることができる分析デバイス22を用いて検出することができる。このような場合、SEMと基本的に同じ原理を使用して画像を構築することができる。しかし、試料Sを横断(通過)し、試料から放射/放出され軸B’に沿って(実質的には、一般的に、ある程度偏向/散乱しながら)伝搬し続ける電子を代替的に、又は補足的に調査することができる。このような透過電子束は、撮像システム(投影レンズ)24に入射し、撮像システム24は一般的に、多種多様な静電レンズ/磁気レンズ、偏向器、補正器(例えばスティグメータのような)などを備えている。通常の(非走査)TEMモードでは、この撮像システム24は、透過電子束を蛍光スクリーン26に集束させることができ、蛍光スクリーン26は、所望に応じて、それを軸B’の邪魔にならないように後退/回収する(矢印26’で概略に示すように)ことができる。試料Sの(一部の)画像(又は、フーリエ変換図形)は、撮像システム24によりスクリーン26上に形成され、この画像は、筐体2の壁の好適な部分に設けられた視認ポート28を介して視認され得る。スクリーン26の引き込み機構は、例えば本質的に機械的及び/又は電気的な機構であり得、ここには図示されていない。
スクリーン26上の画像を観察する代わりに、撮像システム24を出る電子束の焦点深度が概して非常に大きい(例えば、1メートル程度)という事実を利用することができる。その結果、スクリーン26の下流には、以下のような種々の他のタイプの分析装置を使用することができる。
-TEMカメラ30。カメラ30の位置に、電子束は、静止画像(又は、フーリエ変換図形)を形成することができ、静止画像は、コントローラ/プロセッサ20により処理することができ、例えばフラットパネルディスプレイのような表示デバイス(図示せず)に表示することができる。必要ではない場合、カメラ30は、後退/回収(矢印30’で概略的に示すように)されて、カメラを軸B’から外れるようにすることができる。
-STEMカメラ32。カメラ32からの出力は、試料S上のビームBの(X、Y)走査位置の関数として記録することができ、X、Yの関数としてのカメラ32からの出力の「マップ(map)」である画像を構築することができる。カメラ32は、カメラ30に特徴的に存在する画素行列とは異なり、例えば直径が20mmの1個の画素を含むことができる。更に、カメラ32は、一般的に、カメラ30(例えば、10画像/秒)よりも非常に高い取得速度(例えば、10ポイント/秒)を有することになる。再び、必要とされないとき、カメラ32は、軸B’から外れるように、(矢印32’によって概略的に示されるように)後退/後退され得る(しかしながら、かかる後退は、例えば、ドーナツ形状の環状暗視野カメラ32の場合、必要ではないであろう。このようなカメラでは、中央の穴は、カメラが使用されていないときに光束の通過を可能にする)。
-カメラ30又は32を使用して撮像を行うことの代替として、例えば、EELSモジュールとすることができる分光装置34を呼び出すこともできる。
部品30、32、及び34の順序/位置は厳密ではなく、多くの可能な変形が考えられることに留意されたい。例えば、分光装置34は、撮像システム24と一体化することもできる。
図示の実施形態では、顕微鏡Mは、通常参照番号40で示される、引き込み式X線コンピュータ断層撮影(Computed Tomography、CT)モジュールを更に備える。コンピュータ断層撮影(断層撮像とも称される)では、源及び(互いに対向する)検出器が、様々な視点から試料の透過観察を取得するように、異なる視線に沿って試料を調べるために使用される。
コントローラ(コンピュータプロセッサ)20は、制御ライン(バス)20’を介して種々の図示された構成要素に接続されていることに留意されたい。このコントローラ20は、アクションを同期させる、設定値を提供する、信号を処理する、計算を実行する、及びメッセージ/情報を表示デバイス(図示せず)に表示するなどの様々な機能を提供することができる。言うまでもなく、(模式的に描かれる)コントローラ20は、筐体2の内側又は外側に(部分的に)位置させることができ、所望に応じて、単体構造又は複合構造を有することができる。
当業者は、筐体2の内部が厳密な真空に維持される必要がないことを理解するであろう。例えば、いわゆる「環境TEM/STEM」では、所与のガスのバックグラウンド雰囲気が筐体2内に意図的に導入/維持される。当業者は又、実際には、筐体2の容積を閉じ込めて、可能であれば、筐体2が、軸B’を本質的に包み込むようになって、採用する電子ビームが小径管内を通過し、しかも広がってソース4、標本ホルダH、スクリーン26、カメラ30、カメラ32、分光装置34などのような構造を収容する小径管(例えば、直径約1cm)の形態を採ると有利となり得ることを理解するであろう。
図2aは、第1の態様による、本明細書に記載の方法100の一実施形態の概略ブロック図を示す。示されるように、方法100は、以下の後続のステップ101~104を含む。
-対象となる一次粒子P1を含む試料Sを提供するステップ101、
-当該一次粒子P1の少なくとも1つの画像を得るために、荷電粒子顕微鏡Mを使用して当該試料Sを撮像するステップ102、及び
-当該少なくとも1つの画像を使用して当該一次粒子P1の濃度を決定するステップ104。
図2aに示される態様によれば、方法は、当該画像の体積データを提供するステップを含むステップ103を含む。前に示したように、当該画像の体積データは、画像サイズ、当該荷電粒子顕微鏡の倍率設定、及び当該試料の厚さに基づいて決定することができる。特に、試料は低温EM試料とすることができ、試料の厚さは当該低温EM試料の氷の厚さに関連する。試料の体積データを提供することによって、当該一次粒子P1の濃度は、画像内の粒子の数を画像内に示される体積で割ったものを使用して決定することができる。
図2bは、第2の態様による、本明細書で説明される方法200の一実施形態の概略ブロック図を示す。示されるように、方法200は、以下の後続のステップ201~204を含む。
-対象となる一次粒子P1を含む試料Sを提供するステップ201、
-当該一次粒子P1の少なくとも1つの画像を得るために、荷電粒子顕微鏡Mを使用して当該試料Sを撮像するステップ202、及び
-当該少なくとも1つの画像を使用して当該一次粒子P1の濃度を決定するステップ204。
図2bに示される態様によれば、方法は、当該試料中に存在する二次粒子P2の既知の濃度を提供するステップと、当該一次粒子P1の当該濃度を決定する当該ステップにおいて当該二次粒子P2の当該既知の濃度を使用するステップ203とを含むステップ203を含む。このステップは、ステップ202と204との間に示されているが、原理的には、このステップは、ステップ204の前のどこかであり得ることに留意されたい。
したがって、図2a及び図2bに示される2つの態様は、一次粒子の濃度が画像から決定されることを可能にする。
図3は、本明細書に記載の方法の第2の態様の代替実施形態を示す。この実施形態による方法300は、以下のステップ301~304を含む。
-対象となる一次粒子P1を含み、当該一次粒子P1から独立した二次粒子P2を含む試料Sを提供するステップ、
-当該一次粒子P1及び当該二次粒子P2の少なくとも1つの画像を得るために、荷電粒子顕微鏡Mを使用して当該試料Sを撮像するステップ302、
-当該二次粒子P2の既知の濃度を提供するステップ303、並びに
-当該二次粒子P2の当該既知の濃度をして、当該少なくとも1つの画像を使用して当該一次粒子P1の濃度を決定するステップ304。
図2bと同様に、既知の濃度を提供するステップ303は、ステップ202と204との間に示されているが、原則として、このステップは、ステップ204の前の任意の場所であり得る。
図2b及び図3は、非常に類似した実施形態を示し、ここでは、対象となる一次粒子P1の未知の濃度を決定するために、対象となる一次粒子P1から独立した二次粒子P2が、これらの二次粒子P2の既知の濃度と共に使用される。したがって、これらの実施形態は、一次粒子P1の濃度を決定するために二次粒子P2の既知の濃度を提供するステップを含み、当該一次粒子P1及び二次粒子P2を含む画像が使用される。
図4は、第1の態様による実施形態を示す。ここでは、荷電粒子ビームB、試料S及び検出器30の側面図を概略的に示している。試料Sは、グリッドGを備え、一次粒子P1を含む層LsがグリッドGの上に設けられている。層Lsは、例えば、低温EM試料の場合、厚さtを有するガラス化された液体であり得る。ビームBは、試料の領域に集束させることができる。試料の下流で、ビームは、拡大され、検出器30上に集束されることができる(拡大されたビームBで示される)。
較正の目的のために、以下の方法を使用することができる。既知の粒子力価(例えば、2・1013粒子/ml)を有する既知の粒子が提供される。撮像された領域(図4において「領域」で示される)は、画素の数及び画素サイズが既知であるときに決定され得る。試料の厚さ(氷の厚さ)は、40nmで測定(又は近似)することができる。
画像内の粒子の数を計数することができ、これにより較正係数fを決定することができる。
p1=fn/V (1)
f=Cp1 V/n (2)
ここで、Cp1は粒子力価[部/m]、fは較正係数[-]、nは試料中の粒子数[部]、Vは撮像された試料の体積[m]である。
本発明者らは、いくつかの実験において、一次粒子P1(ウイルス粒子など)の較正係数が0.01に等しいことを見出した。これは、試料が実際にグリッド上に100倍濃縮されたことを示す。
本発明者らは、この濃縮係数が一定であり得るか、又は少なくとも較正され得、二次粒子を使用することなく物理的力価が低温EMによって決定されることを可能にすると考える。低温EMにおけるこの濃度又は較正係数に影響を及ぼすことができる重要なパラメータは、以下を含む。
1.時間(試料の適用からブロッティング開始まで)。グリッドに付着した粒子の数は指数関数的に減衰するので、十分に長いインキュベーション時間(例えば30秒)は、時間が較正係数に影響を及ぼさないことを保証する。
2.試料緩衝液の粘度及び電荷は、典型的には、実際の適用において一定である。
3.粒子材料特性(重量、サイズ、電荷)。
4.グリッド内の電荷量、例えば、グリッドタイプ/バッチ、グロー放電時間、グロー放電器内の電流及びグリッド位置。
5.グリッドまでの粒子の距離。
特に、この最後のパラメータは重要であり、初期粒子力価:f=f(Cp1)によって決定されると考えられる。
図5aは、本明細書に開示される第1の態様を使用して得られた画像の例を示す。ここでは、3人の異なるオペレータが各々、完全なウイルス粒子を有する1つの試料、及び空のウイルス粒子を有する1つの試料を撮像した。2・1013粒子/mlの濃度を有する試料を調製した。較正係数を考慮すると、これは、所与の画像において30の粒子数をもたらすはずである。3人のオペレータは、1.3・1013粒子/mml~2.6・1013粒子/mlの範囲の濃度に対応して、20~44の範囲の全粒子数を与えることができた。上記パラメータの影響は限定されていることが分かる:計算された物理的力価は、前もって決定された物理的力価から1桁以内である。更に、粒子材料特性は、顕微鏡写真から得られた情報(例えば、サイズ、密度)を使用することによって(部分的に)補償され得ることが予想される。更に、グリッド上の電荷の変動は、例えば、1つのグリッドタイプ/バッチ、1つのグロー放電器/設定、及びグロー放電器内のグリッドの1つの位置決め方法を確実にすることによって、最小限に抑えることができる。
図5b及び図5cは、オペレータが異なる画像から一次粒子の濃度を決定した初期実験のフルセットを示す。図5bは、個々のオペレータについての要約を示し、図5cは、3人全てのオペレータについての個々の力価決定(the individual titer determinations)を示す。図5cのx軸は実験の数を示し、y軸は決定された力価を示す。明確にするために、x軸は、各オペレータA、C、及びBについて、それぞれ最高力価から最低力価にソートされていることに留意されたい。オペレータA及びCについて、決定された力価は、92%の時間について2・1013粒子/mlと7・1013粒子/mlとの間であった(実際の力価は2・1013粒子/mlであった)。現在、これは、一次粒子の力価が3~4時間精度内で示され得ることを意味する。比較のために、SEC-MALSのような従来の方法及びELISAを使用する理論的物理的力価は、十分に2倍の精度内である。
図5a~図5cに示すように、最初の実験のデータは、以前に取得されたデータに基づくことに留意されたい。力価の決定の結果は、力価を決定するより標準化された方法が達成されるように、上記のような重要なパラメータを考慮することによって改善することができる。これにより、従来の方法によって提供される精度に達することができるはずである。
元の試料における物理的力価を決定するための例示的な方法は、以下のように導出することができる。
1.グロー放電。このステップの間、(低温)EMグリッドは、ステップ2において試料がグリッドに引き付けられるように帯電される。グリッドをグロー放電させるために選択される電流及び時間は、電荷飽和があるように選択されなければならないことに留意することが重要である。実験において、我々は、空気中で30秒間、負極性で20mAの電荷を選択した。当業者は、この電荷が少なくとも30分間保持されることを理解するであろう。
2.試料を適用する。ここで、ナノ粒子を含む試料は、(低温)EMグリッドに適用される(例えば、Vitrobot(登録商標)に取り付けられる)。
3.インキュベーション時間。このステップの間、ナノ粒子は引き付けられ、グリッドに「付着」する。グリッドに付着したナノ粒子の最終的な数は、上述のパラメータによって決定される。
4.ブロッティング。ここで、吸収性フィルター(ブロッティング)紙を試料に押し込み、グリッドにほぼ/部分的に又は完全に接触させる。ブロッティング紙の吸収力/引力は、粒子に対する荷電グリッドの引力よりもはるかに小さいと考えられる。
5.ガラス化。試料を(例えば)液体エタン中に沈めることによって、試料の実際のガラス化を行う。グリッドに付着したナノ粒子及び残った試料緩衝液を使用して、顕微鏡で顕微鏡写真を取得する。ガラス化ステップは、非低温(例えば、ネガティブ染色)タイプの分析では省略されることに留意されたい。
上記の方法では、炭素の極薄層(膜)を有するQuantifoilグリッドを使用することができる。この薄層は、グリッド上のナノ粒子の分布を改善することが知られている。
図6は、本明細書に記載の方法の第2の態様を使用して得られた画像の例を示す。この画像は、試料Sの一部を示しており、この試料は、この場合、当業者に知られている方法でガラス化を使用して低温EMグリッド(孔の上に薄い連続炭素を有するQuantifoil EMグリッド)上に調製された低温EM試料である。試料Sのグリッドは、第1の部分S1及び第2の部分S2を含む。第1の部分は、いわゆる箔孔であり、第2の部分S2は、この箔孔S1を取り囲むより厚い支持体炭素膜である。試料Sは、第1の部分S1及び第2の部分S2の両方に存在するいくつかの一次粒子P1及びいくつかの二次粒子P2を含む。図4に示す一次粒子P1は、ウイルス粒子である。試料の調製には、二次粒子P2として5~10nmの金粒子を使用する。二次粒子P2は、既知の濃度で提供される。この実施形態において、添加される金粒子の濃度は、520nmでの吸収技術を使用することによって正確に決定され、その後、それは、一次粒子P1を含む溶液に混合され得る。
一次粒子P1の濃度は未知である。一次粒子P1を画像内で計数することができ、画像内の一次粒子P1の数が得られる。二次粒子P2は、試料Sの調製中又は調製後に提供されるので、既知の濃度を有する。二次粒子P2は、画像計数することができ、画像内の二次粒子P2の数が得られる。ここで、画像内の粒子の数は濃度に相関し、粒子が多いほど濃度が高いことを意味し、逆も又同様である。これは、一次粒子P1に対する二次粒子P2の比を、2つの粒子間の相対濃度に関連付けることができることを意味する。そして、二次粒子P2の濃度が分かれば、画像中の一次粒子P1の濃度を求めることが可能となる。必要であれば、較正係数(1つ以上の粒子について)を使用することができることに留意されたい。
一次粒子の数n及び二次粒子の数nを知ることにより、一次粒子の濃度P1を以下のように(上記式1及び2を使用して)計算することができる。
p1=fp1 /V (3)
p2=fp2 /V (4)
式3と式4を組み合わせて体積を除去し、Cp1について解くと、次式が得られる。
p1=fp1 /fp2 (5)
したがって、(専用の制御された実験において事前に決定することができる)両方の粒子についての較正係数を用いて、既知の濃度の二次粒子が試料に添加される場合に、対象となる一次粒子の未知の濃度を決定することが可能になる。例えば、最終試料を調製する際に、異なる体積の一次粒子及び二次粒子を混合して最終試料を作製する場合、更なる計算を適用し得ることに留意されたい。当業者はこれらの計算に精通しているであろう。
選択された粒子のみを計数することも可能である。例えば、箔孔S1内に存在する粒子など、試料Sの特定の領域内に存在する粒子のみを計数することも可能である。更に、粒子は、サイズ、生存率、又は他の基準を含み得る特定の物理的要件を満たすことに基づいて計数されることが考えられる。
図6において、一次粒子P1はウイルス粒子(AAVカプシド、AAV=アデノ随伴ウイルス)であり、二次粒子P2は金ナノ粒子である。一次粒子が二次粒子よりも大きいことが分かる。これは有利であるが、一次粒子及び二次粒子のサイズが類似していることも可能である。二次粒子は又、一次粒子よりも(わずかに)大きくてもよい。二次粒子及び一次粒子(AAVカプシド)の両方の分布は、EMグリッドの孔及び厚い支持体炭素にわたって類似しており、画像中の観察された粒子の相対比と溶液中のそれらの濃度との間の較正曲線が確立され得ることを示すことが分かる。
図7a及び図7bは、第2の態様による方法の更なる実施形態を示すが、第1の態様内で等しく使用することができる。ここで、試料は、単一ウイルス粒子の3つの異なるカテゴリ(空、部分的、及び完全)を含む。示される画像において、AAVカプシドは、空であるか、部分的に充填されているか、又は完全であるかのいずれかである。図7aでは、比較的低い濃度が使用されているが、図7bでは、粒子の濃度が比較的高い。粒子は、画像認識アルゴリズムを使用して識別されており、粒子は、空701(灰色の正方形)、部分的に充填された702(黒色の正方形)、又は完全703(白色の正方形)として分類される。したがって、粒子数(濃度)だけでなく、単一の画像に基づいて他のパラメータも確立することができる。この多重アプローチは、本明細書に開示される方法の主要な利点の1つである。
図7a及び図7bでは、本発明の実施形態は、溶液中の粒子力価の決定のための低温EM画像における内部標準としての基準マーカの使用を可能にする。ここで、EMグリッド(Quantifoilグリッドなど)の孔の上の連続的な炭素の使用は、EMグリッドの領域全体にわたる基準マーカ(金ナノ粒子などの二次粒子)及び試料粒子(AAVウイルス粒子など)の分布を改善するのに役立つ。
所望の保護は、添付の特許請求の範囲によって付与される。

Claims (18)

  1. 荷電粒子顕微鏡法を使用して試料を評価する方法であって、
    -対象の一次粒子を含む試料を提供するステップと、
    -前記一次粒子の少なくとも1つの画像を得るために、荷電粒子顕微鏡を使用して前記試料を撮像するステップと、
    -前記少なくとも1つの画像を使用して前記一次粒子の濃度を決定するステップとを含む、方法。
  2. 前記一次粒子の濃度が、前記画像内の一次粒子の数を使用して決定される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記画像の体積データが、前記一次粒子の前記濃度を決定する際に使用され、特に前記荷電粒子顕微鏡の画像サイズ、前記荷電粒子顕微鏡の倍率設定、前記試料の厚さのうちの少なくとも1つ以上に基づく、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記試料が低温EM試料であり、前記試料の厚さが前記低温EM試料の氷の厚さに関連する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記画像が、前記一次粒子から独立しており、既知の濃度を有する二次粒子を更に含み、前記方法が、前記一次粒子の前記濃度を決定する前記ステップにおいて前記二次粒子の前記既知の濃度を使用するステップを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記二次粒子が、金ナノ粒子などの荷電粒子高密度材料を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記一次粒子がウイルス粒子などの生物学的粒子を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記試料を調製するステップを更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記一次粒子及び前記二次粒子を少なくとも1つの溶液中に提供するステップと、試料キャリアを提供するステップと、前記少なくとも1つの溶液を前記試料キャリアに適用するステップとを含む、請求項5に従属する請求項8に記載の方法。
  10. 前記一次粒子及び前記二次粒子を混合して単一溶液にするステップを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記試料を調製するために、前記試料キャリア上の前記溶液をガラス化する後続のステップを含む、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 前記濃度を提供する前記ステップが、供給者データシートなどの前記二次粒子のデータ情報を使用するステップを含む、請求項5又はそれに従属する請求項のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記二次粒子の前記濃度を提供するために吸収技術を使用するステップを含む、請求項5又はそれに従属する請求項のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記一次粒子の前記濃度を決定する前記ステップが、
    -前記一次粒子の少なくとも1つの予備濃度を決定するステップと、
    -その後、前記二次粒子の前記提供された濃度を使用して、前記一次粒子の最終濃度を決定するステップとを含む、請求項5又はそれに従属する請求項に記載の方法。
  15. 前記少なくとも1つの画像における二次粒子の数と前記画像における一次粒子の数との間の比が、前記一次粒子の前記濃度を決定するために使用される、請求項5又はそれに従属する請求項のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記試料の調製中の二次粒子の損失を考慮するための較正ステップを含む、請求項5又はそれに従属する請求項のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記試料の少なくとも1つの更なるパラメータを決定するステップを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 請求項1~16のうちの1つ以上に記載の方法を実行するように構成されたプロセッサユニットを備える、荷電粒子顕微鏡。
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