JP2024078444A - 回転電機保護リング、その製造方法、回転電機および電動モビリティ機器 - Google Patents

回転電機保護リング、その製造方法、回転電機および電動モビリティ機器 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、回転電機における回転子の外側に巻き回し成形される繊維強化複合材料から構成される回転電機保護リングについて、回転電機の動作時に生じる回転電機保護リングの巻き終わり端部の剥離を抑制することで、回転電機保護リングの強度を向上し、回転電機のより一層の高速回転を可能にする、回転電機保護リングおよび、かかる回転電機保護リングの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】樹脂が強化繊維に含浸してなるテープ状またはシート状材料が、環状に複数回巻き回されて、円筒状の積層体として成形されてなる、回転電機保護リングであって、前記積層体の最外層における巻き終わり領域に、前記テープ状またはシート状材料の長手方向の巻き終わり端部に向け、厚さが漸減した勾配部が形成されている、回転電機保護リング。【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機保護リング、その製造方法、回転電機および電動モビリティ機器に関する。
近年、回転電機の性能向上のために、回転電機の高速回転化が求められている。回転電機には、回転子の外周側に永久磁石を配置したSPM(Surface Permanent Magnet)型、回転子に永久磁石を埋没させて配置したIPM(Internal Permanent Magnet)型が挙げられるが、かかる回転電機を高速回転させた場合、遠心力により、外周に配置された永久磁石が回転子から脱落したり、回転子自体が破損したりする可能性がある。このような高速回転に伴う回転電機の破壊を抑制するために、特許文献1には、SPM型の回転電機において、回転部材の外周側に配置される永久磁石の、さらに外周面側を覆って装着されるリング状材料であって、一方向に配列した複数の糸状の繊維が、樹脂により平らに束ねられるテープ状繊維束を、被覆筒として形成したものが記載されている。
上記リング状材料として、強度が高く、軽量である等の理由から、繊維強化複合材料が用いられており、特に強化繊維として炭素繊維を用いた材料が好ましい素材として記載されている。
特許文献2には、回転電機の回転子の回転軸の外周を円環状に包囲するように配列された磁石を外周から拘束する拘束具が記載されており、かかる拘束具は、複数本の繊維をテープ状に束ねた繊維束を環状に積層するように複数回巻回されてマトリックスとなる樹脂で一体的に結着されており、その巻き終わりの端部を略V字形状にカットすることにより、巻終端の剥離を抑制する、という手法が記載されている。
特開2019-71763号公報 特開2019-110622号公報
特許文献1に記載された発明では、回転電機の高速回転に伴う遠心力によって、上記被覆筒(リング)に強い張力が付与されるだけでなく、テープ状繊維束を巻き終え、成形してなる終端部を構成する材料が他の部分から剥離することによってリングが破壊され、強度が低下する問題が生じる。
特許文献2に記載の発明においては、V字形状にカットした先端部に応力が集中するため、巻終端の剥離抑制の効果は不十分であった。
ここで、本発明では、回転電機の回転子の保護に用いられ得るリング状材料を、回転電機保護リングとする。
本発明は、かかる従来技術の欠点を改良し、回転電機における回転子の外側に巻き回し成形される繊維強化複合材料から構成される回転電機保護リングについて、回転電機の動作時に生じる回転電機保護リングの巻き終わり端部の剥離を抑制することで、回転電機保護リングの強度を向上し、回転電機のより一層の高速回転を可能にする回転電機保護リングおよび、その製造方法、回転電機および電動モビリティ機器を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記構成からなる回転電機保護リングを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明の回転電機保護リング、その製造方法は、以下のとおりである。
[1]樹脂が強化繊維に含浸してなるテープ状もしくはシート状の材料が、環状に複数回巻き回されて、円筒状の積層体として成形されてなる、回転電機保護リングであって、
前記積層体の最外層における巻き終わり領域に、前記テープ状もしくはシート状の材料の長手方向の巻き終わり端部に向け、厚さが漸減した勾配部が形成されている、回転電機保護リング。
[2]樹脂が強化繊維に含浸してなるテープ状もしくはシート状の材料を、環状に複数回巻き回して、円筒状の積層体として、次いで前記積層体を成形して得られる、回転電機保護リングの製造方法であって、前記積層体を成形した後に、前記積層体の最外層における巻き終わり領域を加工することで、前記テープ状もしくはシート状の材料を、その長手方向の巻き終わり端部に向け、厚さを漸減させて勾配部を形成する、か、または、
前記テープ状もしくはシート状材料を巻き回して積層体を形成するよりも前、あるいは巻き回して積層体を構成する間に、前記積層体の最外層における巻き終わり領域の断面に含まれる強化繊維の本数を、巻き終わり端部に向けて減少させて、厚さを漸減させて勾配部を形成する、回転電機保護リングの製造方法である。
[3] [1]に記載の回転電機保護リングを有する回転電機であって、前記回転電機の単体出力が200kW以上である回転電機。
[4] [1]または[3]に記載の回転電機保護リングを有する回転電機であって、前記回転電機の単体の出力密度が6kW/kg以上である回転電機。
[5][3]または[4]に記載の回転電機を有する電動モビリティ機器。
本発明に係る回転電機保護リングは、回転電機動作時のリングの最外層の巻き終わり端部の剥離が抑制されることから、回転電機をより一層高速で回転させることができる。
本発明の実施形態に係る回転電機保護リングの斜視図 本発明の実施形態に係る積層体の最外層における巻き終わり領域を含む部分の側面図 本発明の別の実施形態に係る積層体の最外層における巻き終わり領域を含む部分の側面図 本発明の実施形態に係る回転電機保護リングの円の中心および積層体の最外層における巻き終わり領域を含む部分の側面図
以下、上記した本発明の回転電機保護リングの構成、および、回転電機保護リングの製造方法について主に説明する。
(回転電機保護リングの構成)
本発明の回転電機保護リングは、樹脂が強化繊維に含浸してなるテープ状またはシート状材料が、環状に複数回巻き回されて、円筒状の積層体として成形されたものである。テープ状またはシート状材料は、巻き始めから巻き終わりまで連続して巻き回されてもよく、複数回に分けられて断続的に巻き回されてもよい。なお、本開示において、積層体とは、巻き回されて積み重ねられた材料が成形された後の物としての状態を表すこともあれば、材料を巻き回して積み重ね、成形する前の製造過程における状態を表すこともある。
上記繊維強化複合材料に用いられる強化繊維は、特に限定されるものではなく、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維などが使用できる。これらの繊維を2種以上混合して用いても構わない。軽量かつ高剛性な繊維強化複合材料が得られる観点から、炭素繊維を用いることが好ましい。
上記繊維強化複合材料に用いられる強化繊維の繊維径は、特に限定されるものではないが、繊維径が10μm以下であれば好ましく、8μm以下であればより好ましく、6μm以下であればさらに好ましく、4.5μm以上のものが用いられ得る。
上記強化繊維の繊維径は下記のように測定する。測定する多数本の強化繊維を対象として、単位長さ当たりの質量A(g/m)および比重B(g/cm)を求める。求めたAおよびBの値ならびに測定する強化繊維の繊維本数Cから、強化繊維の繊維径(μm)を下記式で算出する。
強化繊維の繊維径(μm)=((A/B/C)/π)(1/2)×2×10
上記繊維強化複合材料に用いられる樹脂は、特に限定されるものではなく、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、シアネートエステル樹脂といった熱硬化性樹脂の他、ポリアリールエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトンケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂といった熱可塑性樹脂も用いることができる。これらの樹脂を2種類以上混合して用いても構わない。
本発明における回転電機保護リングは、樹脂が強化繊維に含浸してなるテープ状またはシート状材料が、環状に複数回巻き回されてなる積層体によって構成されている。
かかるテープ状またはシート状材料は、あらかじめ強化繊維に樹脂を含浸させたトウプレグやプリプレグ、スリットテープを用いても良いし、フィラメントワインディングなどの手法によって、強化繊維を環状に巻き回したその場で強化繊維に樹脂を含浸させたものを用いても良い。なお、前記スリットテープとは、テープ状材料の一種であって、あらかじめ強化繊維に樹脂を含浸させ、テープ状となるように規定の幅に裁断された材料である。
テープ状またはシート状材料の幅は特に限定されないが、幅1mm~100mmのものを用いた場合、巻き回して積層体を構成することが容易となるため好ましい。なお、テープ状材料とシート状材料とは、必ずしも明確に識別できない場合もあり、例えば幅が100mmの場合、テープ状材料であることもあれば、シート状材料といえることもあり得る。一方で、通常、幅が1mm~30mmであればテープ状材料といってよい。
本発明において、上記積層体の最外層における巻き終わり領域には、図2に示す通り、上記テープ状またはシート状材料の長手方向の巻き終わり端部に向けて、最外層の厚さが漸減した勾配部が形成されている。勾配が形成されることで、巻き終わり端部が材料の長手方向に略垂直に形成された、勾配がない場合に比べ、巻き終わり端部に力が作用しても、端部が剥離する力が軽減されるので、剥離抑制の効果が得られる。
前記最外層における巻き終わり領域3とは、図1に示すとおり、本発明に係る円筒状に形成された積層体を、軸方向に見た平面視により確認される円において、前記巻き終わり端部2と円の中心とを結ぶ線を起点(0°)として、テープ状またはシート状材料を巻き回した方向と逆向きになす角をΘとした時、Θが0°以上30°以下の範囲の円周領域を指す(図1)。
巻き終わり端部2とは、上述の通りであって、より具体的には、テープ状またはシート状材料が巻き回されて構成された積層体における最外層の終端を指す。
本発明において、上記した厚さが漸減した勾配部は、テープ状またはシート状材料の長手方向の巻き終わり端部に向けて連続的に、または略連続的に厚みが減少する部位として形成してもよく(図2)、段階的に厚みが減少する部位として形成されたものも、本発明でいう、厚さが漸減した勾配部に含まれる。また、上記2種類の勾配部を組み合わせて、全体としての勾配部を形成してもよい(図3)。なお、漸減とは、必ずしも、厚みが少しずつ減っていくことに限られるものではなく、場合によっては、厚みが急激に減少することがあってもよい。
勾配部の厚さの漸減が開始する起点については、特に制限は無く、巻き終わり領域外に設けられてもよいが、前記巻き終わり領域のいずれかの位置に形成されることが、剥離抑制効果を一層向上できるため好ましく、例えば、巻き終わり領域と巻き終わり領域外との境界に勾配部の起点が設けられてもよい。この場合、巻き終わり領域外に勾配部は形成されない。勾配部の形成を容易に行う観点からは、テープ状またはシート状材料の幅方向にわたって、勾配部の起点は同一位置であることが好ましい。勾配部が、連続的または略連続的に厚みが減少する部位として形成されている場合は、勾配部が設けられた面が直線状または略直線状でもよく、曲線形状であってもよい。その場合、上記リングを側面から見た場合、テープ状またはシート状材料の巻き終わり端部2における、上記リングの最外層よりも1層内周側に存在する層の接線8と、勾配面とがなす角度φは0°以上60°以下が好ましく、0°以上40°以下がより好ましく、0°以上30°以下であればさらに好ましい。
本発明の回転電機保護リングは、内径が1cm~25cmであることが剥離抑制効果を一層向上できるため好ましい。また、リングの厚みは、0.1mm~5.0mmであることが剥離抑制効果を一層向上できるため好ましい。回転電機保護リングの内径と厚みが上記好ましい範囲であった場合、回転電機保護リングの最外層剥離抑制効果が高まり、回転電機を一層高速で回転させることができる。
(回転電機保護リングの成形法)
本発明において、テープ状またはシート状材料による積層体の形成は、通常、円柱状材料に巻き回して行われる。
前記円柱状材料としては、マンドレルのような芯材を用いても良いし、回転電機の回転子など、最終的に締め付けを行う対象となる部材を用いても良い。
前記積層体の形成は、テープ状またはシート状材料を、円柱状材料の周方向を基準として、0°方向に繰り返し巻き回す、換言すれば、円柱状材料の同一高さ位置にて重ねて巻き回して行っても良いし、上記の基準とした周方向から角度を変えてらせん状に巻き回して行っても良い。
材料を構成する樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合、前記積層体に対して、オートクレーブ成形やラップテープ成形などの手法によって、熱および圧力を付与し、硬化させることで、回転電機保護リングを得ることができる。
材料として熱可塑性樹脂を用いる場合、前記積層時に、巻き回すと同時にレーザーなどで熱を加え溶着させていくことで、積層体の構成と同時に回転電機保護リングを得ることができる。
前記勾配部は、テープ状またはシート状材料を巻き回して積層体を形成するよりも前、あるいは巻き回して積層体を構成する間に、予め積層体の最外層における巻き終わり領域の断面に含まれる強化繊維の本数が巻き終わり端部に向けて段階的に減少するよう、強化繊維の長さを調整することにより導入しても良いし、巻き終わり端部を構成する繊維を開繊させて導入しても良い。また前記積層体を成形した後に、巻き終わり領域を加工する、例えば研磨を行って機械加工することで導入しても良い。
本発明に係る回転電機は、上記した回転電機保護リングを有するものであり、より具体的には、上記回転電機保護リングおよび回転子から構成されるものである。さらに、本発明では、かかる回転電機を用いて、回転電機を有する電動モビリティ機器として提供することも可能である。
ここでいう電動モビリティ機器とは、電気自動車や電動航空機、電動船舶などを含むが、回転電機により駆動するモビリティ機器であればよく、これらに限定されない。本技術により、回転電機の出力または出力密度が向上し、軽量化・小型化が可能となるため、モビリティ機器として航続距離の向上や設計自由度の向上などが期待できる。ひとつの回転電機が単体で発生可能な出力である単体出力は200kW以上であれば好ましく、300kW以上であればより好ましく、また、2,000kW以下のものが用いられ得る。また、ひとつの回転電機が単体で発生可能な出力の密度である単体出力密度が6kW/kg以上であれば好ましく、8kW/kg以上であればより好ましく、また、30kW以下のものが用いられ得る。
以下に本発明の回転電機保護リングの具体的な成形法の実施例を説明する。
(実施例1)
積層体を形成するための円柱状材料として、直径150mm、高さ15mmの金属製マンドレルを用いた。また、積層体を構成するテープ状材料として、繊維径が5μmである炭素繊維を12,000本/束用いた束を複数並べ、目付が100g/mとなるように一方向に引き揃えられた強化繊維となし、これにビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジシアンジアミド(硬化剤)、ジウロン(硬化促進剤)、ポリビニルホルマール(粘度調整剤)からなるエポキシ樹脂組成物を含浸して、樹脂含有率が30質量%であるシート状の一方向プリプレグを得て、一方向に並んだ繊維の幅方向に15mm幅でカットしてテープ状にしたものを用意した。
前記マンドレル上に、カットしたテープ状プリプレグを、繊維の長手方向がマンドレルの軸方向と直交する向きに貼り付けた後、張力をかけながら厚みが1mmになるまで巻き回して積層体を構成した。
構成した積層体の最外層において、上記したΘが5°となる場所を起点として、巻き終わり端部(Θ=0°)に向けて研磨することで、巻き終わり端部における最外層の厚みが0となるように厚さを一定割合で漸減させて、直線状の勾配部を導入した。
勾配部導入後に、積層体をバッギングフイルムで覆い、オートクレーブを用いて加圧、加熱硬化することで、回転電機保護リングを成形した。
(実施例2)
積層体を形成するための円柱状材料として、直径130mm、高さ15mmの金属製マンドレルを用いた。また、実施例1と同様の条件でシート状の一方向プリプレグを得て、繊維の幅方向に7mm幅でカットしてテープ状にしたものを用意した。
前記マンドレル上に、カットしたテープ状プリプレグを、繊維の長手方向がマンドレルの軸方向と直交する向きに貼り付けた後、張力をかけながら厚みが1mmになるまで巻き回して積層体を構成した。
構成した円筒状の積層体をバッギングフイルムで覆い、オートクレーブを用いて加圧、加熱硬化することで、回転電機保護リングを成形した。
成形した回転電機保護リングに対し、リングを側面から見て、巻き終わり端部2における最外層より1層内周側の層の接線8と勾配面とのなす角度φが20°、かつ、巻き終わり端部2における最外層の厚みが0となるように、厚さを一定割合で漸減させる研磨を行い、直線状の勾配部を導入した。
(実施例3)
成形した回転電機保護リングを側面から見て、巻き終わり端部2における最外層より1層内周側の層の接線8と、勾配面の接線とのなす角度φが7°となるように勾配部の起点を設定して研磨を行ったこと以外は、実施例2と同様の条件で回転電機保護リングを得た。
上記の方法で作製した回転電機保護リングは、回転時に巻き終わり端部に付与される周方向の応力の集中が分散すると考えられることから、巻き終わり端部の剥離抑制効果が期待できるものであった。
本発明の回転電機保護リングは、発電機や電動機等の回転電機の回転子の外側に装着し、磁石が含まれる回転子を、回転電機が動作する際の遠心力による破壊から保護する目的に使用可能である。本発明により、かかる回転電機保護リングおよび回転子から構成される回転電機をも提供可能である。さらに、本発明では、かかる回転電機を用いた電動モビリティ機器をも提供可能である。
例えば、前記したSPM型の電動機に好ましく適用することができ、動作時に遠心力による永久磁石の回転子からの脱落が抑制されるため、回転電機を高速で回転させることが可能となる。また、上記したIPM型の電動機に好ましく適用することもでき、動作時に遠心力による電磁鋼板の破壊が抑制されるため、回転電機を高速で回転させることが可能となる。
1 積層体
2 巻き終わり端部
3 巻き終わり領域
4 巻き回し方向
5 リングを平面視した円において、巻き終わり端部2までの半径を起点(0°)として、テープ状またはシート状材料の巻き回し方向4と逆向きの方向になす角Θ
6 巻き終わり領域3に連続的に厚みが減少する部位として形成された勾配部
7 巻き終わり領域3に段階的に厚みが減少する部位として形成された勾配部
8 巻き終わり端部2における最外層より1層内周側の層の接線
9 テープ状またはシート状材料の巻き終わり端部における最外層より1層内周側の層の接線と勾配面とのなす角φ

Claims (6)

  1. 樹脂が強化繊維に含浸してなるテープ状またはシート状材料が、環状に複数回巻き回されて、円筒状の積層体として成形されてなる、回転電機保護リングであって、
    前記積層体の最外層における巻き終わり領域に、前記テープ状またはシート状材料の長手方向の巻き終わり端部に向け、厚さが漸減した勾配部が形成されている、回転電機保護リング。
  2. 樹脂が強化繊維に含浸してなるテープ状またはシート状材料を、環状に複数回巻き回して、円筒状の積層体として、次いで前記積層体を成形して得られる、回転電機保護リングの製造方法であって、
    前記積層体を成形した後に、前記積層体の最外層における巻き終わり領域を加工することで、前記テープ状またはシート状材料を、その長手方向の巻き終わり端部に向け、厚さを漸減させて勾配部を形成する、回転電機保護リングの製造方法。
  3. 樹脂が強化繊維に含浸してなるテープ状またはシート状材料を、環状に複数回巻き回して、円筒状の積層体として、次いで前記積層体を成形して得られる、回転電機保護リングの製造方法であって、
    前記テープ状またはシート状材料を巻き回して積層体を形成するよりも前、あるいは巻き回して積層体を構成する間に、前記積層体の最外層における巻き終わり領域の断面に含まれる強化繊維の本数を、巻き終わり端部に向けて減少させて、厚さを漸減させて勾配部を形成する、回転電機保護リングの製造方法。
  4. 請求項1に記載の回転電機保護リングを有する回転電機であって、前記回転電機の単体出力が200kW以上である回転電機。
  5. 請求項1に記載の回転電機保護リングを有する回転電機であって、前記回転電機の単体の出力密度が6kW/kg以上である回転電機。
  6. 請求項4または5に記載の回転電機を有する電動モビリティ機器。
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