JP2024078332A - フィラメント3次元結合体の製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィラメント3次元結合体と無端コンベアとの間でのスリップを抑え、フィラメント3次元結合体の寸法精度を低下させることなく、安定した反発力を有するフィラメント3次元結合体の製造が可能となる製造装置を提供する。【解決手段】直径が0.5~3mmの複数の溶融フィラメントからなる溶融フィラメント群を鉛直方向下方へ排出する溶融フィラメント供給部と、該溶融フィラメントを3次元的に絡め合わせると同時に、接触点を融着結合させて、フィラメント3次元結合体を形成する融着結合形成部と、を備え、融着結合形成部は、冷却水槽中に設けられ、外周部に移動方向へ並ぶ複数の金属板が配置された一対の無端コンベアと、を備え、一対の無端コンベアにおける金属板の外周面どうしで、フィラメント3次元結合体を挟み込みながら搬送するようにし、外周面の表面粗さ(算術平均粗さRa)が、0.1μm以上かつ200μm以下である製造装置とする。【選択図】図5

Description

本発明は、マットレスや枕などのクッション素材として使用できるフィラメント3次元結合体の製造装置に関する。
リサイクルに手間がかかる金属スプリングやウレタンフォームの欠点を克服するクッション素材として、熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーからなるフィラメントを3次元的に融着結合させて得られるフィラメント3次元結合体(立体網状構造体)が注目されている。このクッション素材はリサイクルが容易で、蒸れにくく水洗いができる利点がある。
このようなフィラメント3次元結合体の製造方法として、例えば特許文献1には、ポリエチレン等の熱可塑性合成樹脂からなる複数の溶融フィラメント(複数の溶融した樹脂線状)を冷却水中に落下させ、それらを冷却水中でランダムループ状に絡まり合わせながら、複数の金属製の板材を外周面に固定した無端コンベアで引き取ることによってフィラメント3次元結合体(立体網状構造体)を製造する方法が開示されている。
無端コンベアの外周面に固定される金属製の板材の条件としては、冷却水中で錆びないことと、溶融フィラメントが融着しないように、表面が滑らかで摩擦抵抗の小さいことが挙げられる。このような条件を考慮し、当該板材としてはステンレス板等が使用される。
特許第5270014号公報
フィラメント3次元結合体の反発力や硬さは、フィラメント3次元結合体の嵩密度と大きな相関があり、フィラメント3次元結合体の嵩密度は、無端コンベアでの引き取り速度によって決まる。そのため、無端コンベアによるフィラメント3次元結合体の引き取り速度(搬送速度)は、所望のクッション素材の硬さや反発力に応じて一定速度に制御される必要がある。
しかしながら、ポリエチレンのような比重の小さい熱可塑性樹脂を用いて、厚みのある大きなフィラメント3次元結合体を製造しようとすると、冷却水中で大きな浮力が生じるため、フィラメント3次元結合体と無端コンベアの外周面に設けた金属製の板材との間でスリップが生じて、搬送速度が一定にならないといった課題がある。
特に、溶融フィラメント群の厚さ方向両端部の溶融フィラメントを受け留めて、溶融フィラメント群の厚さを小さくする方向に寄せるシュート傾斜板を有する一対のシュートを使用する場合、そのシュートが溶融フィラメント群が下方に移動する際の抵抗に加わるため、さらにスリップしやすくなる。
また、例えば肩部、臀部および脚部の対応部分ごとに反発力の異なるマットレス用のフィラメント3次元結合体を製造する場合には、無端コンベアの搬送速度を途中で変化させて、急加速や急減速を行う必要があるので、その時にスリップしやすくなる虞がある。しかしスリップしないように無端コンベアの押圧力を高くすると、フィラメント3次元結合体への圧力が高くなり、厚みが薄くなるため、厚さ方向の寸法精度が低下するという課題がある。
本発明は上記課題に鑑み、フィラメント3次元結合体と無端コンベアとの間でのスリップを抑え、フィラメント3次元結合体の寸法精度を低下させることなく、安定した反発力を有するフィラメント3次元結合体の製造が可能となる製造装置を提供することを目的とする。
本発明に係るフィラメント3次元結合体の製造装置は、直径が0.5mm以上かつ3mm以下の複数の溶融フィラメントからなる溶融フィラメント群を鉛直方向下方へ排出する溶融フィラメント供給部と、該溶融フィラメントを3次元的に絡め合わせると同時に、接触点を融着結合させて、フィラメント3次元結合体を形成する融着結合形成部と、を備えるフィラメント3次元結合体の製造装置において、前記融着結合形成部は、前記溶融フィラメント群を冷却する冷却水を貯留する冷却水槽と、該冷却水槽中に設けられ、外周部に移動方向へ並ぶ複数の金属板が配置された一対の無端コンベアと、を備え、一対の前記無端コンベアにおける前記金属板の外周面どうしで、前記フィラメント3次元結合体を挟み込みながら搬送するようにし、前記外周面の表面粗さ(算術平均粗さRa)が、0.1μm以上かつ200μm以下である構成とする。
本構成によれば、フィラメント3次元結合体と無端コンベアとの間でのスリップを抑え、フィラメント3次元結合体の寸法精度を低下させることなく、安定した反発力を有するフィラメント3次元結合体の製造が可能となる。また当該構成としてより具体的には、前記外周面は、サンドブラストで処理された面である構成としても良い。
本発明に係るフィラメント3次元結合体の製造装置は、直径が0.5mm以上かつ3mm以下の複数の溶融フィラメントからなる溶融フィラメント群を鉛直方向下方へ排出する溶融フィラメント供給部と、該溶融フィラメントを3次元的に絡め合わせると同時に、接触点を融着結合させて、フィラメント3次元結合体を形成する融着結合形成部と、を備えるフィラメント3次元結合体の製造装置において、前記融着結合形成部は、前記溶融フィラメント群を冷却する冷却水を貯留する冷却水槽と、該冷却水槽中に設けられ、外周部に移動方向へ並ぶ複数の金属板が配置された一対の無端コンベアと、を備え、一対の前記無端コンベアにおける前記金属板の外周面どうしで、前記フィラメント3次元結合体を挟み込みながら搬送するようにし、前記外周面に、深さが0.2mm以上かつ3mm以下の溝が形成されている構成とする。
本構成によれば、フィラメント3次元結合体と無端コンベアとの間でのスリップを抑え、フィラメント3次元結合体の寸法精度を低下させることなく、安定した反発力を有するフィラメント3次元結合体の製造が可能となる。また当該構成としてより具体的には、前記金属板の移動方向と略直交する方向に延びた複数の前記溝が、前記外周面に等間隔で形成されている構成としても良い。
本発明に係るフィラメント3次元結合体の製造装置によれば、フィラメント3次元結合体と無端コンベアとの間でのスリップを抑え、フィラメント3次元結合体の寸法精度を低下させることなく、安定した反発力を有するフィラメント3次元結合体の製造が可能となる。
第1実施形態に係るフィラメント3次元結合体の製造装置の概念図である。 図1に示す製造装置のA-A’断面の矢視図である。 一対の無端コンベア26、27の断面図である。 無端コンベア26の概略的な外観図である。 第1実施形態に係る金属板44の拡大断面図である。 第2実施形態に係る金属板44の拡大断面図である。 第3実施形態に係る金属板44の拡大断面図である。
本発明の各実施形態について以下に説明する。なお以下の説明における上下、左右、および前後の各方向(互いに直交する方向)は、各図に示すとおりである。これらの各方向は、鉛直方向が上下方向となり、後述する一対の無端コンベア26、27同士の対向する向きが前後方向となるように、便宜的に定めたものに過ぎない。
1.第1実施形態
まず本発明の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係るフィラメント3次元結合体の製造装置1の概念図である。また図2は、図1に示すA-A’断面の矢視図である。
フィラメント3次元結合体の製造装置1は、直径が0.5mm~3mm(0.5mm以上かつ3mm以下)の複数の溶融フィラメントからなる溶融フィラメント群MFを鉛直方向下方へ排出する溶融フィラメント供給部10と、溶融フィラメント群MFを3次元的に絡め合わせると同時に、接触点を融着結合させた後、冷却固化させてフィラメント3次元結合体3DFを形成する融着結合形成部20を備える。
なお、このように形成されるフィラメント3次元結合体3DFのフィラメント直径(フィラメント3次元結合体を構成するフィラメントの直径)は、基本的に溶融フィラメントの直径と同等の0.5mm~3mmとなる。本実施形態では一例として、上記の溶融フィラメントの直径は1mmに設定され、これによりフィラメント3次元結合体3DFのフィラメント直径も1mmとなる。
溶融フィラメント供給部10は、加圧溶融部11(押出機)とフィラメント排出部12(ダイ)を含む。加圧溶融部11は、材料投入部13(ホッパー)、スクリュー14、スクリュー14を駆動するスクリューモーター15、スクリューヒータ16、および不図示の複数の温度センサを含み、内部には材料投入部13から供給された熱可塑性樹脂をスクリューヒータ16により加熱溶融しながら搬送するためのシリンダー11aが形成されている。
シリンダー11a内には、スクリュー14が回転可能に収容されている。シリンダー11aの下流側端部には、熱可塑性樹脂をフィラメント排出部12に向けて排出するためのシリンダー排出口11bが形成されている。スクリューヒータ16の加熱温度は、例えば溶融フィラメント供給部10に設けた温度センサの検知信号に基づいて制御される。
フィラメント排出部12は、ノズル部17、ダイヒータ18、および図示しない複数の温度センサを含み、内部にはシリンダー排出口11bから排出された溶融熱可塑性樹脂をノズル部17に導く導流路12aが形成されている。
ノズル部17は、複数のノズルが形成された略直方体の金属製の厚板であり、導流路12aの最下流部にあたるフィラメント排出部12の下部に設けられている。ノズル部17には、溶融フィラメント群MFを排出する複数のノズルの開口部が形成されている。本実施形態の例においては、直径が1mmの溶融フィラメントを排出するため、当該開口部の断面形状を内径1mmの円形としており、また、隣接するノズル間の距離(ピッチ)を10mmとしている。但し、製造するフィラメント3次元結合体の仕様に基づき、ノズル形状、ノズル内径、ノズル間隔、およびノズル配置の形状などを適宜調整することができる。なお、溶融フィラメントの直径を0.5mm~3mmとするため、ノズルの内径については0.5mm~3mmの範囲で調整すれば良い。
ダイヒータ18は、左右方向に複数個(図2に示す例では6個)が設けられており、フィラメント排出部12を加熱する。ダイヒータ18の加熱温度は、例えばフィラメント排出部12に設けた温度センサの検知信号に基づいて制御される。
フィラメント3次元結合体の材料として用いることのできる熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、非晶性ポリスチレン系エラストマー、結晶性ポリスチレン系エラストマーなどを用いることができる。
材料投入部13から供給された熱可塑性樹脂は、シリンダー11a内で加熱溶融され、例えばスクリュー14により押し出されるようにして、溶融熱可塑性樹脂としてシリンダー排出口11bからフィラメント排出部12の導流路12aに供給される。その後、ノズル部17の複数のノズルそれぞれから下方へ並進するように、複数の溶融フィラメントからなる溶融フィラメント群MFが排出される。
融着結合形成部20は、冷却水槽21、一対の無端コンベア26、27(後側の無端コンベア26および前側の無端コンベア27)、複数の搬送ローラ28~35、一対のシュート22、23(後側のシュート22および前側のシュート23)、および、シュート22、23の上部に冷却水を各々供給する冷却水供給部24、25を含む。本実施形態の例では、後側のシュート22と前側のシュート23は、ノズル部17を前後に二等分する仮想平面(前後方向と直交する仮想平面)を基準として対称に構成されている。また、後側の無端コンベア26と前側の無端コンベア27も、当該仮想平面を基準として対称に構成されている。
冷却水槽21は、冷却水Wを溜めておくための水槽である。冷却水槽21の内部には、一対の無端コンベア26、27と、複数の搬送ローラ28~35が配設されている。なお一対の無端コンベア26、27は、全体が冷却水槽21内の冷却水Wの水面よりも下方に位置している。一対の無端コンベア26、27および複数の搬送ローラ28~35は、不図示の駆動モーターにより駆動される。
一対のシュート22、23は、溶融フィラメント群MFの厚さ方向端部(前後方向の両端部)の溶融フィラメントを受け留め、溶融フィラメント群MFの厚さを薄く小さくする方向(前後方向の内側)に寄せる。本実施形態においては、シュート22、23は屈曲した平板状となっているが、曲面状であってもよく、四角形や楕円形の空間を形成するように一体化した形状であってもよい。
図3は、前後一対の無端コンベア26、27の概略的な断面図である。図4は、後方から見た無端コンベア26の概略的な外観図である。図5は、コンベアチェーン43の外周部に複数設けられた金属板44の右方視による拡大断面図である。
無端コンベア26は、駆動ギア41、駆動ギア41の下方に設けられた従動ギア42、駆動ギア41と従動ギア42とによって張架されるアタッチメント付のコンベアチェーン43(本発明に係る無端部材の一形態)、および、コンベアチェーン43の外周部に設けられる複数の金属板(スラット板)44を含む。駆動ギア41および従動ギア42は、左右方向が回転軸となるように配置されている。なお、コンベアチェーン43は、左右に延びている駆動ギア41と従動ギア42の左寄りの位置と右寄りの位置それぞれに設けられており、左側のコンベアチェーン43には、左右に延びている金属板44の左寄りの部分が取り付けられ、右側のコンベアチェーン43には、金属板44の右寄りの部分が取り付けられている。
駆動ギア41は、図示しないコンベア駆動モーターと、その回転数を制御するコンベア駆動モーター制御装置によって、所定の速度で回転駆動されるようになっている。駆動ギア41が図3に示す破線矢印の方向に回転駆動すると、これに伴ってコンベアチェーン43が回転する(その場で回るように動く)。また、複数の金属板44は、コンベアチェーン43の外周部に回転方向へ並ぶように配置されており、コンベアチェーン43の回転に伴って、各金属板44はこの回転方向へ移動する。
なお無端コンベア27の構成および動作については、回転方向が逆である点を除いて無端コンベア26と基本的に同等であるため、説明を省略する。一対の無端コンベア26、27においてコンベアチェーン43が回転すると、前後方向内側の位置(フィラメント3次元結合体3DFを挟む位置)においては、金属板44が下方(図3に矢印Rで示す方向)へ移動することになる。
これにより一対の無端コンベア26、27は、その間にシュート22、23の間を通過したフィラメント3次元結合体3DFを挟み込み、所定の速度で鉛直方向下方向に引き取る。このように製造装置1では、一対の無端コンベア26、27それぞれにおける金属板44の外周面44aどうしで、フィラメント3次元結合体3DFを挟み込みながら下方へ搬送するようにしている。
融着結合形成部20において、溶融フィラメント群MFは、一対のシュート22、23によって厚み(前後方向寸法)が整えられ、冷却水槽21内の冷却水Wの浮力作用によって撓み、各溶融フィラメントはランダムなループを形成する。ランダムなループは隣接するランダムなループと3次元的に溶融状態で絡み合うと同時に、接触点が融着結合してフィラメント3次元結合体3DF(3次元的なフィラメントの結合体)が形成される。このフィラメント3次元結合体3DFは、無端コンベア26、27の間で搬送される間に、その厚みを保ったまま冷却水Wによって更に冷却されて、固化する。
更にフィラメント3次元結合体3DFは、複数の搬送ローラ28~35によって冷却水槽23内の冷却水Wで冷却されながら搬送され、冷却水槽23外へ送り出される。冷却水槽23外へ送り出されたフィラメント3次元結合体3DFは適度なサイズに切断され、各種のクッション素材として利用可能となる。
金属板44の外周面44aの表面粗さ(算術平均粗さRa)は、0.1μm以上かつ200μm以下であることが好ましい。当該表面粗さ(算術平均粗さRa)が0.1μm未満の場合、フィラメント3次元結合体3DFの冷却水Wによる浮力に伴う上方向の力に対して、金属板44の外周面44aとフィラメント3次元結合体3DF(フィラメント直径が0.5mm~3mmのフィラメント3次元結合体)との間に十分な摩擦力が得られないため、フィラメント3次元結合体3DFが金属板44の外周面44aに対してスリップしやすくなる。一方で、当該表面粗さ(算術平均粗さRa)が200μmを超える場合、フィラメント3次元結合体3DFを構成する熱可塑性樹脂成分の表層部の一部が剥離して、金属板44の外周面44aに融着するなどの不具合が発生しやすくなる。
溶融フィラメントを構成する熱可塑性樹脂は、冷却水槽23内の冷却水Wで冷却されても瞬間的に結晶化することはないので、フィラメント3次元結合体3DFが形成された直後は、過冷却状態の樹脂(高粘度の溶融樹脂)を含む。そのため、金属板44の外周面44aに凹凸が大きいと、凹部に高粘度の溶融樹脂が入り込み、強固に融着(接着)しやすくなる。
金属板44の外周面44aの表面粗さ(算術平均粗さRa)が0.1μm以上かつ200μm以下のとき、熱可塑性樹脂の融点が80℃以上220℃以下であることが好ましい。熱可塑性樹脂の融点が80℃未満である場合、過冷却時間が長くなりすぎて、金属板44の外周面44aの僅かな凹凸に対しても融着力(接着力)が大きくなる。その結果、無端コンベア26、27の下流において、フィラメント3次元結合体3DFが金属板44との速やかに剥離せず、フィラメント3次元結合体3DFが変形することがある。熱可塑性樹脂の融点が220℃を超えると、結晶化速度が速くなりすぎて、熱可塑性樹脂が瞬間的に硬くなるため、金属板44の外周面44aとの摩擦力が低下してスリップしやすくなる。
フィラメント3次元結合体の製造装置1を用いて、フィラメント3次元結合体3DF製造する場合、結晶化速度を考慮すると、熱可塑性樹脂の融点としては、90℃以上110℃以下であることがさらに好ましい。そして、熱可塑性樹脂の融点が90℃以上110℃以下のとき、金属板44の外周面44aの表面粗さ(算術平均粗さRa)は、0.3μm以上かつ150μm以下であることが最も好ましい。
さらには、フィラメント3次元結合体3DFのフィラメント直径を0.8mm以上かつ1.5mm以下に設定するとともに、金属板44の外周面44aの表面粗さ(算術平均粗さRa)を0.8μm以上かつ100μm以下に設定することが最も好ましい。これにより、上述した摩擦力と耐剥離性を高レベルで両立できる。
金属板44の外周面44aの表面粗さ(算術平均粗さRa)を調整する方法としては、金属板の外周面44aをサンドブラスト処理する方法を採用することが好ましい。本実施形態における金属板44の外周面44aは、表面粗さ(算術平均粗さRa)が0.1μm以上かつ200μm以下となるように、サンドブラストで処理された面としている。
また、金属板44の材質としては、水中で錆びない金属が使用でき、例えばステンレス鋼、アルミ合金、チタン合金、ニッケル合金、および銅系合金などが挙げられる。黄銅系合金や白銅系合金は、熱伝導率が高く冷却速度が高くなる点で好ましい。
2.第2実施形態
次に本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明では、第1実施形態と異なる事項の説明に重点をおき、第1実施形態と共通する事項については説明を省略することがある。
図6は、第2実施形態に係る無端コンベア26におけるコンベアチェーン43の外周部に設けられる金属板44の、右方から見た拡大断面図である。なお図6に示す矢印Rは、図3に示した矢印Rと同様に、金属板44が移動する方向(コンベアチェーン43の回転方向と同じ)を示している。
金属板44の外周面44aには、左右方向(コンベアチェーン43の回転方向と直交する方向)に延びた複数の溝44a1が等間隔で形成されている。本実施形態では、複数の溝44a1それぞれの断面形状は、長方形(但し、溝44a1の開口部を一辺とする)となっており、この断面形状は「コ」の字型と見ることもできる。また、複数の溝44a1それぞれの幅W1および深さD1は、左右方向において一定である。
溝44a1の深さD1は0.2mm以上かつ3mm以下であることが好ましく、溝44a1の幅W1は0.5mm以上かつ10mm以下であることが好ましい。また、隣合う溝44a1どうしの間隔は、1mm以上かつ30mm以下であることが好ましい。
溝44a1の深さD1が0.2mm未満になると、フィラメント3次元結合体3DF(フィラメント直径が0.5mm~3mmのフィラメント3次元結合体)と金属板44の外周面44aとの間に十分な摩擦力が得られなくなり、フィラメント3次元結合体3DFが外周面44aに対してスリップしやすくなる。一方で、溝44a1の深さD1が3mmを超えると、フィラメント3次元結合体3DFの表面が凸凹になり、平滑化されにくくなる。
溝44a1の幅W1が0.5mm未満の場合または溝44a1の幅W1が10mmを超える場合、フィラメント3次元結合体3DF(フィラメント直径が0.5mm~3mmのフィラメント3次元結合体)と金属板44の外周面44aとの間に十分な摩擦力が得られなくなり、フィラメント3次元結合体3DFが外周面44aに対してスリップしやすくなる。また、隣合う溝44a1どうしの間隔が1mm未満の場合または当該間隔が30mmを超える場合も同様に、フィラメント3次元結合体3DFと金属板44の外周面44aとの間に十分な摩擦力が得られなくなり、フィラメント3次元結合体3DFが外周面44aに対してスリップしやすくなる。
3.第3実施形態
次に本発明の第3実施形態について説明する。以下の説明では、第1実施形態と異なる事項の説明に重点をおき、第1実施形態と共通する事項については説明を省略することがある。
図7は、第3実施形態に係る無端コンベア26におけるコンベアチェーン43の外周部に設けられる金属板44の、右方から見た拡大断面図である。なお図7に示す矢印Rは、図3に示した矢印Rと同様に、金属板44が移動する方向(コンベアチェーン43の回転方向と同じ)を示している。
金属板44の外周面44aには、左右方向(コンベアチェーン43の回転方向と直交する方向)に延びた複数の溝44a2が等間隔で形成されている。本実施形態では、複数の溝44a2それぞれの断面形状は、二等辺三角形(但し、溝44a2の開口部を底辺とする)となっており、この断面形状は「V」の字型と見ることもできる。また、複数の溝44a2それぞれの幅W2および深さD2は、左右方向において一定である。
溝44a2の深さD2は0.2mm以上かつ3mm以下であることが好ましく、溝44a2の幅W2は0.5mm以上かつ10mm以下であることが好ましい。また、隣合う溝44a2どうしの間隔は、1mm以上かつ30mm以下であることが好ましい。
溝44a2の深さD2が0.2mm未満になると、フィラメント3次元結合体3DF(フィラメント直径が0.5mm~3mmのフィラメント3次元結合体)と金属板44の外周面44aとの間に十分な摩擦力が得られなくなり、フィラメント3次元結合体3DFが外周面44aに対してスリップしやすくなる。一方で、溝44a2の深さが3mmを超えると、フィラメント3次元結合体3DFの表面が凸凹になり、平滑化されにくくなる。
溝44a2の幅W2が0.5mm未満の場合または溝44a2の幅W2が10mmを超える場合、フィラメント3次元結合体3DF(フィラメント直径が0.5mm~3mmのフィラメント3次元結合体)と金属板44の外周面44aとの間に十分な摩擦力が得られなくなり、フィラメント3次元結合体3DFが外周面44aに対してスリップしやすくなる。隣合う溝44a2どうしの間隔が1mm未満の場合または当該間隔が30mmを超える場合も同様に、フィラメント3次元結合体3DFと金属板44の外周面44aとの間に十分な摩擦力が得られなくなり、フィラメント3次元結合体3DFが外周面44aに対してスリップしやすくなる。
4.その他
以上に説明したとおり各実施形態のフィラメント3次元結合体の製造装置1は、直径が0.5mm~3mmの複数の溶融フィラメントからなる溶融フィラメント群MFを鉛直方向下方へ排出する溶融フィラメント供給部10と、該溶融フィラメントを3次元的に絡め合わせると同時に、接触点を融着結合させて、フィラメント3次元結合体3DFを形成する融着結合形成部20と、を備える。
融着結合形成部20は、溶融フィラメント群MFを冷却する冷却水Wを貯留する冷却水槽21と、冷却水槽21中に設けられ、回転するコンベアチェーン43の外周部に回転方向へ並ぶ複数の金属板44が配置された一対の無端コンベア26、27と、を備え、一対の無端コンベア26、27それぞれにおける金属板44の外周面44aどうしで、フィラメント3次元結合体3DFを挟み込みながら搬送するようにしている。
そして第1実施形態の製造装置1においては、金属板44の外周面44aの表面粗さ(算術平均粗さRa)を0.1μm以上かつ200μm以下としている。そのため当該製造装置1によれば、浮力の大きなフィラメント3次元結合体3DFを製造する時であっても、フィラメント3次元結合体3DFと無端コンベア26、27(金属板44の外周面44a)との間でのスリップを抑えることができる。そのため、フィラメント3次元結合体3DFの厚さ方向の寸法精度を低下させることなく、安定した反発力を有するフィラメント3次元結合体3DFを製造することができる。
更に第1実施形態の製造装置1においては、金属板44の外周面44aは、サンドブラストで処理された面としている。そのため当該製造装置1によれば、良好な厚さ方向の寸法精度と平滑な表面層を有するフィラメント3次元結合体3DFを得ることが可能である。なお、第1実施形態では全ての金属板44の外周面44aを、表面粗さ(算術平均粗さRa)が0.1μm以上かつ200μm以下となるようにサンドブラストで処理された面としている。但し、一部の金属板44の外周面44aのみを、このようにサンドブラストで処理された面としても良い。
また第2および第3実施形態の製造装置1においては、金属板44の外周面44aに、深さが0.2mm以上かつ3mm以下の溝44a1(或いは溝44a2)が形成されている。そのため当該製造装置1によれば、フィラメントが溝44a1(或いは溝44a2)に引っかかるので、無端コンベア26、27によるフィラメント3次元結合体3DFへの圧縮力が低くても、フィラメント3次元結合体3DFと無端コンベア26、27(金属板44の外周面44a)との間でのスリップを防止することができる。
更に第2および第3実施形態の製造装置1においては、コンベアチェーン43の回転方向と直交する方向に延びた複数の溝44a1(或いは溝44a2)が、金属板44の外周面44aに等間隔で形成されている。そのため当該製造装置1によれば、フィラメント3次元結合体3DFと無端コンベア26、27(金属板44の外周面44a)との間でのスリップをより確実に防止することができる。
なお、第2および第3実施形態では全ての金属板44の外周面44aに、深さが0.2mm以上かつ3mm以下の複数の溝44a1(或いは溝44a2)を等間隔で形成している。但し、一部の金属板44の外周面44aのみに、このような複数の溝44a1(或いは溝44a2)を形成するようにしても良い。
なお上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
本発明は、フィラメント3次元結合体の製造装置に利用可能である。
1 フィラメント3次元結合体の製造装置
10 溶融フィラメント供給部
11 加圧溶融部
11a シリンダー
11b シリンダー排出口
12 フィラメント排出部
12a 導流路
13 材料投入部
14 スクリュー
15 スクリューモーター
16 スクリューヒータ
17 ノズル部
18 ダイヒータ
20 融着結合形成部
21 冷却水槽
22、23 シュート
24、25 冷却水供給部
26、27 無端コンベア
28~35 搬送ローラ
41 駆動ギア
42 従動ギア
43 コンベアチェーン
44 金属板
44a 金属板の外周面
44a1、44a2 溝

Claims (4)

  1. 直径が0.5mm以上かつ3mm以下の複数の溶融フィラメントからなる溶融フィラメント群を鉛直方向下方へ排出する溶融フィラメント供給部と、
    該溶融フィラメントを3次元的に絡め合わせると同時に、接触点を融着結合させて、フィラメント3次元結合体を形成する融着結合形成部と、を備えるフィラメント3次元結合体の製造装置において、
    前記融着結合形成部は、
    前記溶融フィラメント群を冷却する冷却水を貯留する冷却水槽と、
    該冷却水槽中に設けられ、回転する無端部材の外周部に回転方向へ並ぶ複数の金属板が配置された一対の無端コンベアと、を備え、
    一対の前記無端コンベアそれぞれにおける前記金属板の外周面どうしで、前記フィラメント3次元結合体を挟み込みながら搬送するようにし、
    前記外周面の表面粗さ(算術平均粗さRa)が、0.1μm以上かつ200μm以下であることを特徴とするフィラメント3次元結合体の製造装置。
  2. 前記金属板の外周面は、サンドブラストで処理された面であることを特徴とする請求項1に記載のフィラメント3次元結合体の製造装置。
  3. 直径が0.5mm以上かつ3mm以下の複数の溶融フィラメントからなる溶融フィラメント群を鉛直方向下方へ排出する溶融フィラメント供給部と、
    該溶融フィラメントを3次元的に絡め合わせると同時に、接触点を融着結合させて、フィラメント3次元結合体を形成する融着結合形成部と、を備えるフィラメント3次元結合体の製造装置において、
    前記融着結合形成部は、
    前記溶融フィラメント群を冷却する冷却水を貯留する冷却水槽と、
    該冷却水槽中に設けられ、回転する無端部材の外周部に回転方向へ並ぶ複数の金属板が配置された一対の無端コンベアと、を備え、
    一対の前記無端コンベアそれぞれにおける前記金属板の外周面どうしで、前記フィラメント3次元結合体を挟み込みながら搬送するようにし、
    前記外周面に、深さが0.2mm以上かつ3mm以下の溝が形成されていることを特徴とするフィラメント3次元結合体の製造装置。
  4. 前記回転方向と略直交する方向に延びた複数の前記溝が、前記外周面に等間隔で形成されていることを特徴とする請求項3に記載のフィラメント3次元結合体の製造装置。
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