JP2024077214A - ジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制する方法 - Google Patents

ジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024077214A
JP2024077214A JP2022189155A JP2022189155A JP2024077214A JP 2024077214 A JP2024077214 A JP 2024077214A JP 2022189155 A JP2022189155 A JP 2022189155A JP 2022189155 A JP2022189155 A JP 2022189155A JP 2024077214 A JP2024077214 A JP 2024077214A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diclofenac
mass
acid
adhesive
patch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022189155A
Other languages
English (en)
Inventor
直子 藤田
奈緒 岩本
和之 廣瀬
尚志 内田
亮 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Original Assignee
Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Filing date
Publication date
Application filed by Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc filed Critical Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Publication of JP2024077214A publication Critical patent/JP2024077214A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】貼付剤におけるジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制する方法の提供。
【解決手段】支持体層と、上記支持体層上に積層された粘着剤層と、を備える貼付剤において、粘着剤層中のジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制する方法であって、ジクロフェナク遊離酸と粘着基剤とオレイン酸を混合し、粘着剤組成物を得る工程と、上記粘着剤組成物を形成して上記貼付剤を得る工程と、を含み、上記粘着剤層中のジクロフェナク遊離酸とオレイン酸の質量比が1:0.7~1:5である、方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制する方法に関する。
非ステロイド性消炎鎮痛剤の1種であるジクロフェナクを含む貼付剤は、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎(テニス肘等)、筋肉痛(筋・筋膜性腰痛症等)、及び外傷後の腫脹・疼痛といった疾患並びに症状の鎮痛・消炎、各種がんにおける鎮痛等の効能効果を有することが知られ、これまで数多く研究されている。例えば、特許文献1には、ジクロフェナク又はその薬学的に許容可能な塩、クエン酸及びジメチルスルホキシドを含有し、ジクロフェナク又はその薬学的に許容可能な塩とクエン酸との質量比、ジクロフェナク又はその薬学的に許容可能な塩とジメチルスルホキシドの質量比が所定の範囲である貼付剤が記載されている。また、特許文献2には不浸透性補助膜、ジクロフェナク又はその薬学的に許容可能な塩、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体及びエチレンービニルアセテートコポリマーから選択されるマトリックス形成ポリマー、脂肪族炭化水素樹脂及び熱可塑性テルペン樹脂からなる粘着性付与剤並びに、オレイン酸及びその誘導体、脂肪酸アルキルエステル並びにN-アルキル-ピロリドンからなる群より選択される1つ又はそれ以上の溶媒、並びに、剥離可能な保護膜からなる活性物質含有粘着性貼付薬が記載されている。
国際公報第2013/191128号 特表2004-508397号公報
これまで研究されてきたジクロフェナク含有貼付剤は、その多くがジクロフェナクの薬学的に許容可能な塩(具体的にはジクロフェナクナトリウム)を含有する貼付剤である。ジクロフェナクの薬学的に許容可能な塩を含有する貼付剤において、ジクロフェナクの分解物の1種であるジクロフェナクインドリノン体が生成することが知られている。安定性の高い貼付剤を提供するためには、ジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制することが重要である。したがって、本発明の目的は、貼付剤におけるジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制する方法を提供することである。
発明者らは、ジクロフェナク遊離酸を含有する貼付剤を検討したところ、ジクロフェナク遊離酸とオレイン酸を所定の質量比で含有する貼付剤は、ジクロフェナクナトリウムを含有する貼付剤よりもジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、支持体層と、上記支持体層上に積層された粘着剤層と、を備える貼付剤において、粘着剤層中のジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制する方法であって、ジクロフェナク遊離酸と粘着基剤とオレイン酸を混合し、粘着剤組成物を得る工程と、上記粘着剤組成物を形成して上記貼付剤を得る工程と、を含み、上記粘着剤層中のジクロフェナク遊離酸とオレイン酸の質量比が1:0.7~1:5である、方法を提供する。
本発明によれば、貼付剤において、ジクロフェナクインドリノン体の生成(特に保管時におけるジクロフェナクインドリノン体の生成)を抑制することができる。
以下に、本発明の実施形態を示して、本発明を詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る方法は、支持体層と、上記支持体層上に積層された粘着剤層と、を備える貼付剤において、粘着剤層中のジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制する方法であり、ジクロフェナク遊離酸と粘着基剤とオレイン酸を混合し、粘着剤組成物を得る工程と、上記粘着剤組成物を形成して上記貼付剤を得る工程と、を含み、上記粘着剤層中のジクロフェナク遊離酸とオレイン酸の質量比を1:0.7~1:5とすることにより、粘着剤層中のジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制する。
支持体層は、粘着剤層を保持する。支持体層は、繊維を布状(織布、不織布、又は編布)にしたもの、又は無孔性若しくは多孔性のフィルム(シート)の、単層体又は積層体であることが好ましい。支持体層の材質は、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリプロピレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、又はポリエチレンナフタレート等)、ポリオレフィン(エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、又はアクリロニトリル等のビニル系モノマーの重合体又は共重合体)、ポリアミド(ナイロン又は絹等)、ポリウレタン、又はセルロース(木綿又は麻等)から選ばれる1種以上の材質であることが好ましい。布(織布、不織布、又は編布)にはゴム組成物がコーティングされていてもよい。ゴム組成物は、ゴム系粘着基剤を含む。ゴム系粘着基剤は、例えば、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエンゴム、スチレン-イソプレンゴム、又はこれらの組み合わせである。ゴム組成物は、粘着付与樹脂を含んでもよい。粘着付与樹脂は、例えば、脂環族飽和炭化水素樹脂、水素添加ロジングリセリンエステル、テルペン系樹脂、又はこれらの組み合わせである。また、ゴム組成物は、可塑剤、充填剤等の添加剤をさらに含んでもよい。支持体層の厚みは、例えば、0.1mm~2mmである。支持体層の目付けは、例えば、30g/m~200g/mである。本明細書において、支持体層の厚み及び目付けは、JIS L 1906:2000の規格に準じて測定される。
支持体層の透湿度は400g/m・24時間以上であることが好ましく、1000g/m・24時間以上であることがより好ましく、4000g/m・24時間以上であることがさらに好ましい。このような高い透湿度の支持体層を用いると、皮膚に適用した貼付剤からジメチルスルホキシドが徐々に揮散するため、貼付剤の粘着性が向上し、貼付剤を長時間適用しても、剥がれ落ちにくい。透湿度の上限値は、20000g/m・24時間であってよい。支持体層の透湿度がこのような範囲にあると、ジメチルスルホキシドが粘着剤層からより揮散しやすいため、貼付剤の粘着性の向上に、より効果的である。なお、支持体層の透湿度は、JIS Z0208:1976の規格(防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法))において定義される、40℃における透湿度を意味する。
支持体層が布状である場合、支持体層の縦方向(材料流れ方向)及び横方向(材料幅方向)のいずれの方向の50%モジュラス(JIS L 1018:1999)も、1N/50mm~12N/50mmであることが好ましい。50%モジュラスが12N/50mm以下である場合、皮膚の伸縮により貼付剤が受けるストレスがより小さいため、皮膚への付着性が良好となる。
支持体層がフィルムである場合、材質はポリウレタンのような、高透湿性(高ジメチルスルホキシド透過性)であることが好ましい。ポリウレタンからなるフィルムは、伸縮性に優れるため、貼付剤の皮膚への付着性及び伸縮追従性を高める点から好ましい。
支持体層は、例えば、ポリウレタンからなる不織布若しくはフィルム、ポリエチレンテレフタレートからなる編布、不織布若しくはフィルム、ゴム組成物でコーティングされたポリエステルの布又はこれらの組み合わせであることが好ましい。より具体的には、支持体層は、ポリウレタンからなるフィルムとポリウレタンからなる不織布との積層体、ポリエチレンテレフタレートからなる編布若しくは不織布、又はゴム組成物でコーティングされたポリエステルの布であることがより好ましい。
粘着剤層は、ジクロフェナク遊離酸と、粘着基剤と、オレイン酸と、後述する任意成分と、を混和して得られる粘着剤組成物から形成される。粘着剤層の全体の膏体質量は、貼付剤を適切に皮膚へ粘着させる点から、10g/m~1000g/mが好ましく、30g/m~300g/mがより好ましく、100g/m~250g/mがさらに好ましい。
ジクロフェナク遊離酸は、2-[(2,6-ジクロロフェニル)アミノ]フェニル酢酸とも呼ばれる化合物である。ジクロフェナク遊離酸の含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、0.5質量%~8質量%であり、1質量%~7質量%、1質量%~5質量%又は1質量%~4.65質量%であってもよい。
粘着基剤は、粘着剤層に粘着性を付与するためのものであり、例えば、ゴム系粘着基剤、アクリル系粘着基剤、シリコーン系粘着基剤等が挙げられる。粘着基剤は、ゴム系粘着基剤、アクリル系粘着基剤及びシリコーン系粘着基剤からなる群から選択される1種以上であることが好ましい。粘着基剤は、水を含まないこと(非水系粘着基剤)が好ましい。粘着基剤は、ゴム系粘着基剤、アクリル系粘着基剤及びシリコーン系粘着基剤のいずれであってもよく、これらの組み合わせであってもよい。粘着基剤の総含有量は、粘着剤層の総質量を基準として10質量%~90質量%とすることができ、20質量%~90質量%であってもよい。
ゴム系粘着基剤としては、例えば、天然ゴム、ポリイソブチレン、アルキルビニルエーテル(共)重合体、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体等が挙げられる。ゴム系粘着基剤は、これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、本実施形態に係るゴム系粘着基剤としては、粘着剤層のより十分な粘着力を発揮することができる傾向にあるという観点から、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体及びポリイソブチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましく、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、又はスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体及びポリイソブチレンであることがより好ましい。
スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体の具体例としては、Quintac(登録商標)3570C(商品名、日本ゼオン株式会社製)、SIS5002、SIS5229、SIS5505、SIS5505P(商品名、JSR株式会社製)、SIBSTAR(登録商標)T102(商品名、株式会社カネカ製)等が挙げられ、また、ポリイソブチレンには、いわゆるブチルゴム(イソブチレン-イソプレンゴム)も含まれ、具体例としては、Oppanol(登録商標)N50、N80、N100、N150、B11、B12、B50、B80、B100、B120、B150、B220(商品名、BASF社製)、JSR(登録商標)Butyl065、268、365(商品名、JSR株式会社製)、X_Butyl(登録商標)RB100、101-3、301、402(商品名、ARLANXEO社製)、Exxon(登録商標)Butyl065、065S、068、068S、268、268S、365、365S(商品名、Exxon Mobile社製)、Butyl065、268、365(商品名、日本ブチル株式会社製)等が挙げられる。
ゴム系粘着基剤の含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、10質量%~90質量%とすることができ、15質量%~60質量%、15質量%~40質量%、15質量%~30質量%であってもよい。ゴム系粘着基剤として、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体及びポリイソブチレンの混合物を用いる場合、両者の質量比は4:1~1:4、3:1~1:1、又は3:1~2:1であると好ましい。
アクリル系粘着基剤は、粘着剤層に粘着性を付与する成分であり、例えば、1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの(共)重合体である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシルなどが挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」との用語は、アクリル酸及びメタクリル酸のいずれか一方又は両方を意味し、類似の表現についても同様に定義される。
アクリル系粘着基剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(主モノマー)とコモノマーから形成される共重合体であってもよい。主モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸へプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。コモノマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合できる成分であればよい。コモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、エチレン、プロピレン、スチレン、酢酸ビニル、N-ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アミドなどが挙げられる。コモノマーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせたものであってもよい。
アクリル系粘着基剤の具体例としては、アクリル酸・アクリル酸オクチルエステル共重合体、アクリル酸2-エチルヘキシル・ビニルピロリドン共重合体溶液、アクリル酸エステル・酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸2-エチルヘキシル・メタクリル酸2-エチルヘキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体、アクリル酸メチル・アクリル酸2-エチルヘキシル共重合樹脂エマルジョン、アクリル樹脂アルカノールアミン液に含有されるアクリル系高分子等が挙げられる。このようなアクリル系粘着基剤としては、具体例としては、DURO-TAK(登録商標)387-2510、DURO-TAK(登録商標)87-2510、DURO-TAK(登録商標) 387-2287、DURO-TAK(登録商標)87-2287、DURO-TAK(登録商標)87-4287、DURO-TAK(登録商標)387-2516、DURO-TAK(登録商標)87-2516、DURO-TAK(登録商標)87-2074、DURO-TAK(登録商標)87-900A、DURO-TAK(登録商標)87-901A、DURO-TAK(登録商標)87-9301、DURO-TAK(登録商標)87-4098等のDURO-TAKシリーズ(Henkel社製);GELVA(登録商標)GMS 788、GELVA(登録商標)GMS 3083、GELVA(登録商標)GMS 3253等のGELVAシリーズ(Henkel社製);MAS811(商品名)、MAS683(商品名)等のMASシリーズ(コスメディ製薬株式会社製);Eudragit(登録商標)シリーズ(エボニック社製)、ニカゾール(登録商標)シリーズ(日本カーバイド工業株式会社製)、ウルトラゾール(登録商標)シリーズ(アイカ工業株式会社製)が挙げられる。
アクリル系粘着基剤の含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、10質量%~90質量%とすることができ、20質量%~90質量%であってもよい。
シリコーン系粘着基剤は、オルガノポリシロキサン骨格を有する化合物である。シリコーン系粘着基剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンが挙げられる。具体的なシリコーン系粘着基剤としては、例えば、MD7-4502 Silicone Adhesive、MD7-4602 Silicone Adhesive等のMDシリーズ(デュポン・東レ・スペシャリティ・マテリアル株式会社製);BIO-PSA(登録商標) 7-4301 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4302 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4201 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4202 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4101 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4102 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4601 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4602 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4501 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4502 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4401 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4402 Silicone Adhesive等のBIO-PSAシリーズ(デュポン・東レ・スペシャリティ・マテリアル株式会社製)、Dow Corning(登録商標) 7-9800A、Dow Corning(登録商標) 7-9800B、Dow Corning(登録商標) 7-9700A、Dow Corning(登録商標) 7-9700Bが挙げられる。
シリコーン系粘着基剤の含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、10質量%~90質量%とすることができ、20質量%~90質量%であってもよい。
粘着剤層は、ジクロフェナク遊離酸を溶解させて、その皮膚透過性を向上させるため等の目的で、さらにジメチルスルホキシドを含有してよい。ジメチルスルホキシドの含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、1質量%~20質量%、1質量%~7質量%、2質量%~10質量%、3質量%~10質量%、又は4質量%~8質量%であると好ましい。
ジクロフェナク遊離酸とジメチルスルホキシドの比は、ジクロフェナク遊離酸の皮膚透過性を向上させる点、及びジクロフェナクの結晶の析出を防止する点から、1:0.3~1:14、1:0.4~1:7、1:0.6~1:3、又は1:0.7~1:3であると好ましい。
オレイン酸の含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、0.35質量%~40質量%であり、0.5質量%~20質量%、1質量%~10質量%、2質量%~8質量%、3質量%~7質量%、4質量%~6質量%であってもよい。
ジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制するため、粘着剤層中のジクロフェナク遊離酸とオレイン酸の質量比は1:0.7~1:5であり、好ましくは1:1~1:5であり、より好ましくは1:1.5~1:5であり、特に好ましくは、1:3~1:5である。
粘着剤層は、任意に、その他の添加剤をさらに含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、粘着付与樹脂、可塑剤、吸収促進剤、溶解剤、安定化剤、充填剤、香料などが挙げられる。
粘着付与樹脂は、粘着剤層の粘着性を調整する成分である。粘着付与樹脂としては、例えば、石油系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、フェノール系樹脂及びキシレン系樹脂等が挙げられる。石油系樹脂としては、例えば、脂環族系石油樹脂(脂環族飽和炭化水素樹脂等)、脂肪族系石油樹脂(脂肪族炭化水素樹脂等)、芳香族系石油樹脂等が挙げられ、より具体的には、アルコンP-70、アルコンP-85、アルコンP-90、アルコンP-100、アルコンP-115、アルコンP-125、アルコンM-70、アルコンM-85、アルコンM-90、アルコンM-100、アルコンM-115、アルコンM-125(以上、商品名、荒川化学工業株式会社製)、エスコレッツ8000(商品名、エッソ石油化学株式会社製)等が挙げられる。テルペン系樹脂としては、例えば、ピネン重合体(α-ピネン重合体、β-ピネン重合体等)、テルペン重合体、ジペンテン重合体、テルペン-フェノール重合体、芳香族変性テルペン重合体、ピネン-フェノール共重合体が挙げられ、より具体的には、YSレジン(YSレジンPXN(1150N、300N)、YSレジンPX1000、YSレジンTO125、YSレジンTO105等)、クリアロンP105、クリアロンM115、クリアロンK100(以上、商品名、ヤスハラケミカル株式会社製)、タマノル901(商品名、荒川化学工業株式会社製)が挙げられる。ロジン系樹脂としては、例えば、水素添加ロジングリセリンエステル、超淡色ロジン、超淡色ロジンエステル、酸変性超淡色ロジンが挙げられ、より具体的には、パインクリスタル(KE-311、PE-590、KE-359、KE-100等)(商品名、荒川化学工業株式会社製)等が挙げられる。粘着付与樹脂は、これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、脂環族飽和炭化水素樹脂、テルペン系樹脂、水素添加ロジングリセリンエステル又はこれらの組み合わせであることが好ましく、脂環族飽和炭化水素樹脂、水素添加ロジングリセリンエステル又はこれらの組み合わせであることがより好ましい。粘着剤層が粘着付与樹脂を含有する場合、粘着付与樹脂の含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、15質量%~80質量%とすることができ、30質量%~65質量%であってもよい。粘着付与樹脂として、脂環族飽和炭化水素樹脂と水素添加ロジングリセリンエステルを用いる場合、両者の質量比は、4:1~1:4、4:1~2:3、又は3:1~2:1であると好ましい。
可塑剤として、例えば、パラフィンオイル(流動パラフィン等)、スクワラン、スクワレン、植物油類(オリーブ油、ツバキ油、ひまし油、トール油、ラッカセイ油、スペアミント油、ユーカリ油、ホホバ油、樟脳白油、ヒマワリ油、オレンジ油等)、油脂類(ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等)、及び液状ゴム(液状ポリブテン、液状イソプレンゴム等)が挙げられる。好ましい可塑剤は、流動パラフィンである。可塑剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。粘着剤層が可塑剤を含有する場合、可塑剤の含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、例えば、3質量%~50質量%、5質量%~30質量%、又は7質量%~20質量%である。
吸収促進剤は、従来、経皮吸収促進作用を有することが知られている化合物であればよい。吸収促進剤としては、例えば、有機酸(オレイン酸を除く)及びその塩(例えば、炭素原子数6~20の脂肪族カルボン酸(以下、「脂肪酸」ともいう。)及びその塩、ケイ皮酸及びその塩)、有機酸エステル(例えば、脂肪酸エステル、ケイ皮酸エステル)、有機酸アミド(例えば、脂肪酸アミド)、脂肪族アルコール、多価アルコール、エーテル(例えば、脂肪族エーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)などが挙げられる。これらの吸収促進剤は、不飽和結合を有していてもよく、環状、直鎖状又は分枝状の化学構造であってもよい。また、吸収促進剤は、モノテルペン系化合物、セスキテルペン系化合物、及び植物油(例えば、オリーブ油)であってもよい。これらの吸収促進剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
かかる有機酸としては、脂肪族(モノ、ジ又はトリ)カルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、カプロン酸、カプリル酸、脂肪酸、乳酸、マレイン酸、ピルビン酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸等)、芳香族カルボン酸(例えば、フタル酸、サリチル酸、安息香酸、アセチルサリチル酸等)、ケイ皮酸、アルカンスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸)、アルキルスルホン酸誘導体(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸、N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N’-2-エタンスルホン酸)、コール酸誘導体(例えば、デヒドロコール酸等)が挙げられる。これらの有機酸は、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩であってもよい。中でも、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸又はこれらの塩が好ましく、酢酸又は酢酸ナトリウムが特に好ましい。脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、リノ-ル酸、リノレン酸が挙げられる。
別の実施形態において、粘着剤層はクエン酸(無水クエン酸を含む)及びその塩を含有しない。クエン酸及びその塩を含有しない粘着剤層を備える貼付剤は、ジクロフェナクインドリノン体の生成がより抑制される。
有機酸エステルとしては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、乳酸セチル、乳酸ラウリル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチレングリコール、ケイ皮酸メチル、脂肪酸エステルが挙げられる。脂肪酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸メチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチルが挙げられる。脂肪酸エステルは、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油であってもよい。脂肪酸エステルの具体例としては、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノカプレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノオレエー卜、ソルビタンモノラウレート、ショ糖モノラウレート、ポリソルベート20、プロピレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、Span40、Span60、Span80、Span120(商品名、クローダジャパン株式会社製)、Tween(登録商標)20、Tween(登録商標)21、Tween(登録商標)40、Tween(登録商標)60、Tween(登録商標)80、NIKKOL(登録商標)HCO-60(商品名、日光ケミカルズ株式会社製)が挙げられる。
有機酸アミドとしては、例えば、脂肪酸アミド(例えば、ラウリン酸ジエタノールアミド)、ヘキサヒドロ-1-ドデシル-2H-アゼピン-2-オン(Azoneともいう。)及びその誘導体、ピロチオデカンが挙げられる。
脂肪族アルコールとは、炭素原子数6~20の脂肪族アルコールを意味する。脂肪族アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコールが挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、プロピレングリコールが挙げられる。
脂肪族エーテルとは、炭素原子数6~20の脂肪族基(例えば、アルキル基、アルケニル基)を有するエーテルを意味する。ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。
モノテルペン系化合物としては、例えば、ゲラニオール、チモール、テルピネオール、l-メントール、ボルネオール、d-リモネン、イソボルネオール、ネロール、dl-カンフルが挙げられる。モノテルペン系化合物として、ハッカ油を使用してもよい。
粘着剤層が吸収促進剤を含有する場合、吸収促進剤の含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、2質量%~40質量%とすることができる。
溶解剤は、ジクロフェナク遊離酸を粘着剤組成物中に溶解させやすくする成分である。溶解剤としては、例えば、脂肪酸アルキルエステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル)、脂肪酸多価アルコールエステル(例えば、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリン、モノラウリン酸ソルビタン)、脂肪酸アミド(例えば、ラウリン酸ジエタノールアミド)、脂肪族アルコール(例えば、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール)、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、ピロリドン誘導体(例えば、N-メチル-2-ピロリドン)、アミン(例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トロメタモール、メグルミン)が挙げられる。溶解剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。粘着剤層が溶解剤を含有する場合、溶解剤の含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、2質量%~40質量%とすることができる。
安定化剤は、紫外線等の光線、熱又は活性化学種の作用により発生するフリーラジカルの生成及びその連鎖反応の進行を抑制できるものであればよい。安定化剤としては、例えば、トコフェロール及びそのエステル誘導体、アスコルビン酸及びそのエステル誘導体、2,6-ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、2-メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。安定化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。粘着剤層が安定化剤を含有する場合、安定化剤の含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、0.05質量%~3質量%とすることができ、0.05質量%~1質量%、0.05質量%~0.25質量%又は0.1質量%~0.25質量%であってもよい。
充填剤としては、例えば、金属化合物(酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム等)、セラミクス(タルク、クレー、カオリン、シリカ、ハイドロキシアパタイト、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)又は有機化合物(セルロース粉末、ステアリン酸塩等)の、粉末又はこれらを含む樹脂の短繊維が挙げられる。充填剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。粘着剤層が充填剤を含有する場合、充填剤の含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、0.1質量%~20質量%とすることができる。
貼付剤は、さらに剥離ライナーを備えていてもよい。剥離ライナーは、粘着剤層に対して、支持体と反対側の面に積層される。剥離ライナーを備えていると、保管時において、粘着剤層へのゴミ等の付着を低減することができる傾向がある。剥離ライナーの粘着剤層と接する面は、シリコーン又はフッ素化ポリオレフィン等により離型処理されていることが好ましい。
剥離ライナーの素材としては、特に限定されず、当業者に一般的に知られているライナーを用いることができる。剥離ライナーとしては、例えば、紙;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、アルミニウム等のフィルムが挙げられる。剥離ライナーは、上質紙とポリオレフィンとのラミネートフィルムであってもよい。剥離ライナーの材質としては、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレート製のフィルムが好ましい。
貼付剤は、例えば、次の方法により製造することができる。まず、粘着剤層を構成する各成分を所定の割合で混合して均一な溶解物(粘着剤組成物)を得る。次に、剥離可能なフィルム(剥離ライナー)又は支持体層上に粘着剤組成物を所定の膏体質量で展延して粘着剤層を形成する。次いで、粘着剤層が剥離可能なフィルムと支持体層とに挟まれるように、支持体層又は剥離可能なフィルムに粘着剤層を圧着する。最後に、所望の形状に切断することにより、貼付剤を得ることができる。この場合、剥離ライナーは、貼付剤の適用時に除去される。
貼付剤の面積は、5~200cmであってよく、30~100cmであってよい。貼付剤の形状及び寸法は、例えば、短辺が3~14cmかつ長辺が7~20cmの矩形、又は直径が1~10cmの円形であってもよい。
実験1:ゴム系粘着基剤を使用した貼付剤におけるジクロフェナクインドリノン体の生成率の評価
1.貼付剤の調製
下記表1に従って、各成分を混合し粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物を剥離ライナー(離型処理が施されたポリエチレンテレフタレート製フィルム)上に、単位面積当たりの膏体質量が214g/mになるように展延し、粘着剤層を形成した。得られた粘着剤層の上記反対の面上に支持体層(ポリエチレンテレフタレート製編布)を積層し、支持体層/粘着剤層/剥離ライナーの順に積層された貼付剤を得た。
2.ジクロフェナクインドリノン体含有量の測定
ジクロフェナクインドリノン体の含有量は、製造直後の貼付剤、及び、製造してから60℃にて1週間アルミニウム製包装袋に保管した後の貼付剤を用いて以下の手順で測定した。
まず、貼付剤の粘着剤層を取り出し、アセトン2mLに浸漬して有機物を抽出した。
次に希釈溶液(0.1%リン酸水溶液/メタノール=60/40(v/v))6mLを加えて全量を8mLとし、不溶物を濾過した後、以下の分析条件における高速液体クロマトグラフィー法により、ジクロフェナク遊離酸及びジクロフェナクインドリノン体のピークが分離したクロマトグラムを得た。ジクロフェナクインドリノン体の含有量は、ジクロフェナク遊離酸の理論量を100として、ジクロフェナクインドリノン体に対応するピーク曲線下面積の値から算出した。
<分析条件>
カラム:YMC-PacK Pro C8
移動相:0.1%リン酸水溶液/メタノール=60/40(v/v)
測定波長:275nm
流量:1mL/min
試料注入量:30μL
カラム温度:40℃
Figure 2024077214000001
ジクロフェナクナトリウムを含有する比較例1の貼付剤よりも、ジクロフェナク遊離酸及びオレイン酸を含有し、ジクロフェナク遊離酸とオレイン酸の質量比が1:0.71~1:5である実施例1~4の貼付剤のほうが、ジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制できることが確認された。また、ジクロフェナク遊離酸とオレイン酸の質量比が1:0.5である比較例2の貼付剤の場合、ジクロフェナクインドリノン体の生成が抑制できないことが確認された。
実験2:アクリル系粘着基剤を使用した貼付剤におけるジクロフェナクインドリノン体の生成率の評価
1.貼付剤の調製
下記表2に従って、各成分を混合し粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物を剥離ライナー(離型処理が施されたポリエチレンテレフタレート製フィルム)上に、単位面積当たりの膏体質量が120g/mになるように展延し、溶媒を乾燥除去して粘着剤層を形成した。得られた粘着剤層の上記反対の面上に支持体層(ポリエチレンテレフタレート製フィルム)を積層し、支持体層/粘着剤層/剥離ライナーの順に積層された貼付剤を得た。
2.ジクロフェナクインドリノン体含有量の測定
実験1と同様に測定した。
Figure 2024077214000002
アクリル系粘着基剤を使用した場合においても、ジクロフェナクナトリウムを含有する比較例3の貼付剤よりも、ジクロフェナク遊離酸及びオレイン酸を含有し、ジクロフェナク遊離酸とオレイン酸の質量比が1:1.08である実施例5の貼付剤のほうが、ジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制できることが確認された。
実験3:シリコーン系粘着基剤を使用した貼付剤におけるジクロフェナクインドリノン体の生成率の評価
1.貼付剤の調製
実験2と同様に下記表3の組成に従って、貼付剤を製造した。ただし、本実施例では、単位面積当たりの膏体質量が160g/mになるように展延した。
2.ジクロフェナクインドリノン体含有量の測定
実験1と同様に測定した。
Figure 2024077214000003
シリコーン系粘着基剤を使用した場合においても、ジクロフェナクナトリウムを含有する比較例4の貼付剤よりも、ジクロフェナク遊離酸及びオレイン酸を含有し、ジクロフェナク遊離酸とオレイン酸の質量比が1:1.08である実施例6の貼付剤のほうが、ジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制できることが確認された。
実験4:ポリイソブチレンを含有しない貼付剤におけるジクロフェナクインドリノン体の生成率の評価
1.貼付剤の調製
実験1と同様に下記表4の組成に従って、貼付剤を製造した。
2.ジクロフェナクインドリノン体の含有量の測定
実験1と同様に測定した。
Figure 2024077214000004
ポリイソブチレンを含有しない場合においても、ジクロフェナクナトリウムを含有する比較例1の貼付剤よりも、ジクロフェナク遊離酸及びオレイン酸の両方を含有し、ジクロフェナク遊離酸とオレイン酸の質量比が1:1.08である実施例7の貼付剤のほうが、ジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制できることが確認された。また、実施例7の貼付剤は、実施例1~4の貼付剤と比較してもジクロフェナクインドリノン体の生成率は同程度であることが確認された。
実験5:アクリル系粘着基剤又はシリコーン系粘着基剤を使用した貼付剤におけるジクロフェナクインドリノン体の生成率の評価
1.貼付剤の調製
実験2と同様に下記表5の組成に従って、実施例8~9の貼付剤を製造した。また、実験3と同様に下記表5の組成に従って、実施例10~11の貼付剤を製造した。
2.ジクロフェナクインドリノン体の含有量の測定
実験1と同様に測定した。
Figure 2024077214000005
アクリル系粘着基剤又はシリコーン系粘着剤を使用した場合においても、粘着剤層中のジクロフェナク遊離酸とオレイン酸の質量比を、1:0.71~1:5の範囲内で変化させた実施例8~10の貼付剤は、ジクロフェナクナトリウムを含有する比較例3又は4の貼付剤と比較して、ジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制できることが確認された。また、実施例6とは異なるシリコーン系粘着基剤を使用した実施例11の貼付剤は、ジクロフェナクナトリウムを含有する比較例4の貼付剤よりも、ジクロフェナクインドリノン体の生成が抑制できることが確認された。

Claims (1)

  1. 支持体層と、前記支持体層上に積層された粘着剤層と、を備える貼付剤において、粘着剤層中のジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制する方法であって、
    ジクロフェナク遊離酸と粘着基剤とオレイン酸を混合し、粘着剤組成物を得る工程と、前記粘着剤組成物を形成して前記貼付剤を得る工程と、を含み、
    前記粘着剤層中のジクロフェナク遊離酸とオレイン酸の質量比が1:0.7~1:5である、方法。

JP2022189155A 2022-11-28 ジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制する方法 Pending JP2024077214A (ja)

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024077214A true JP2024077214A (ja) 2024-06-07

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004083519A (ja) 貼付剤
JP7222155B1 (ja) ジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制する方法
TWI835310B (zh) 抑制雙氯芬酸吲哚啉酮體之生成之方法
JP2024077214A (ja) ジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制する方法
WO2023048192A1 (ja) ジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制する方法
JP7337287B2 (ja) アセナピンの分解を抑制する方法
JP7337286B2 (ja) アセナピン含有貼付剤
JP7170124B2 (ja) アセナピン-n-オキシドの生成を抑制する方法
JP7253127B2 (ja) フェンタニル含有貼付剤
JP7260726B1 (ja) フェンタニル含有貼付剤
JP7216867B2 (ja) フェンタニル含有貼付剤
JP7253126B2 (ja) フェンタニル含有貼付剤
JP2024078015A (ja) ビソプロロール含有貼付剤
CA3185579C (en) Lidocaine-containing patch
JP7179501B2 (ja) フェンタニル含有貼付剤
JP2023123395A (ja) ビソプロロール含有貼付剤
JP2024077124A (ja) ブロナンセリン含有貼付剤
JP2023011534A (ja) ブロナンセリン含有貼付剤
JP2023024350A (ja) ブロナンセリン含有貼付剤