JP2023123395A - ビソプロロール含有貼付剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】時間経過してもビソプロロールの類縁物質が増加し難い貼付剤を提供すること。【解決手段】支持体上に粘着剤層を備える貼付剤であって、上記粘着剤層が、ビソプロロール又はその薬学的に許容可能な塩と、粘着基剤と、L-システインと、ケイ酸化合物を含有する、貼付剤。【選択図】なし

Description

本発明は、ビソプロロールを含有する貼付剤に関する。
交感神経のβ1受容体の高選択性遮断薬(β1ブロッカー)であるビソプロロールは、本態性高血圧、狭心症、不整脈の改善に使用されており、錠剤及び貼付剤の剤形が存在する。ビソプロロールを含有する貼付剤に関し、例えば、特許文献1には、粘着剤層の含水率が10000ppm以下である、ビソプロロールの経時安定性に優れる貼付剤が開示されている。
特開2015-051947号公報
本発明者らが、ビソプロロールを含有する貼付剤の検討を行ったところ、時間経過に伴い貼付剤中のビソプロロールの類縁物質が増加することを見出した。ビソプロロールの類縁物質が増加すると、ビソプロロールの皮膚透過性などの性能に影響が生じる可能性がある。したがって、本発明の目的は、時間経過してもビソプロロールの類縁物質が増加し難い貼付剤を提供することにある。また、本発明の目的は、支持体上に粘着剤層を備える貼付剤中のビソプロロール又はその薬学的に許容可能な塩の分解を抑制する方法を提供することにある。
本発明者らが鋭意研究を進めたところ、粘着剤層中にL-システイン及びケイ酸化合物を含有する貼付剤は、時間経過に伴うビソプロロールの類縁物質の増加が抑えられ、ビソプロロール又はその薬学的に許容可能な塩の分解が抑えられることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の[1]~[5]を含む。
[1]支持体上に粘着剤層を備える貼付剤であって、
上記粘着剤層が、ビソプロロール又はその薬学的に許容可能な塩と、粘着基剤と、L-システインと、ケイ酸化合物を含有する、貼付剤。
[2]上記粘着剤層中のL-システインの含有量が、上記粘着剤層の総質量を基準として、0.01質量%~5質量%である、[1]に記載の貼付剤。
[3]上記粘着剤層中のケイ酸化合物の含有量が、上記粘着剤層の総質量を基準として、1質量%~10質量%である、[1]又は[2]に記載の貼付剤。
[4]上記ケイ酸化合物が、軽質無水ケイ酸である、[1]~[3]のいずれか一つに記載の貼付剤。
[5]上記粘着基剤が、ゴム系粘着基剤である、[1]~[4]のいずれか一つに記載の貼付剤。
本発明によれば、時間経過してもビソプロロールの類縁物質が増加し難い貼付剤を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態を示して、本発明を詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る貼付剤は、支持体上に粘着剤層を備え、上記粘着剤層が、ビソプロロール又はその薬学的に許容可能な塩と、粘着基剤と、L-システインと、ケイ酸化合物を含有する。
本発明の一実施形態に係る方法は、支持体上に粘着剤層を備える貼付剤中のビソプロロール又はその薬学的に許容可能な塩の分解を抑制する方法であり、上記粘着剤層は粘着基剤及びビソプロロール又はその薬学的に許容可能な塩を含有しており、上記粘着剤層中にL-システイン及びケイ酸化合物を含有させることを含む。
支持体は、貼付剤、特に粘着剤層の形状を維持し得るものであればよい。支持体の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン-塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ナイロン等のポリアミド、ポリエステル、セルロース誘導体、ポリウレタン等の合成樹脂が挙げられる。支持体の性状は、例えば、フィルム、シート、シート状多孔質体、シート状発泡体、織布、編布、不織布等の布、及びこれらの積層体等である。支持体の厚さは、特に制限されないが、通常、2μm~3000μm程度であることが好ましい。
粘着剤層は、ビソプロロール又はその薬学的に許容可能な塩と、粘着基剤と、L-システインと、ケイ酸化合物と、後述する任意成分と、を混和して得られる粘着剤組成物から形成される。粘着剤層の単位面積当たりの質量は、特に制限されず、15g/m~400g/mとすることができ、20g/m~300g/m、25g/m~200g/m、又は30g/m~100g/mであってもよい。粘着剤層の単位面積当たりの質量が400g/mを超えると、被服の着脱時等に貼付剤が脱落しやすくなる。粘着剤層の単位面積当たりの質量が15g/m未満であると貼付剤の付着性が低下しやすくなる。
ビソプロロールの薬学的に許容可能な塩は、ビソプロロールの酸付加塩のうち、医薬として利用可能なものを意味する。有機酸として、例えば、ギ酸、酢酸、アジピン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられる。無機酸として、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられる。ビソプロロールの薬学的に許容可能な塩は、好ましくはフマル酸ビソプロロールである。ビソプロロール又はその薬学的に許容可能な塩は、無水物であってもよく、水和物であってもよい。
ビソプロロールの含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、1質量%~20質量%とすることができ、3質量%~20質量%、3質量%~15質量%、3質量%~12質量%又は5質量%~8質量%であってもよい。なお、上記質量%は、粘着剤層中にビソプロロールの薬学的に許容可能な塩が含まれる貼付剤である場合、ビソプロロールのフリー体換算の質量%を意味する。
粘着基剤は、粘着剤層に粘着性を付与するためのものであり、例えば、ゴム系粘着基剤、アクリル系粘着基剤、シリコーン系粘着基剤等が挙げられる。粘着基剤は、ゴム系粘着基剤、アクリル系粘着基剤及びシリコーン系粘着基剤からなる群から選択される1種以上であることが好ましい。粘着基剤は、ゴム系粘着基剤、アクリル系粘着基剤及びシリコーン系粘着基剤のいずれであってもよく、これらの組み合わせであってもよい。粘着基剤の総含有量は、粘着剤層の総質量を基準として10質量%~95質量%とすることができ、20質量%~90質量%であってもよい。
ゴム系粘着基剤としては、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、天然ゴム、アルキルビニルエーテル(共)重合体、ポリイソプレン、ポリブタジエン等が挙げられ、これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係るゴム系粘着基剤としては、粘着剤層のより十分な粘着力を発揮することができる傾向にあるという観点から、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体及びポリイソブチレンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体の具体例としては、Quintac(登録商標)3570C(商品名、日本ゼオン株式会社製)、SIS5002、SIS5229、SIS5505、SIS5505P(商品名、JSR株式会社製)、SIBSTAR(登録商標)T102(商品名、株式会社カネカ製)等が挙げられ、また、ポリイソブチレンには、いわゆるブチルゴム(イソブチレン-イソプレンゴム)も含まれ、具体例としては、Oppanol(登録商標)N50、N80、N100、N150、B11、B12、B50、B80、B100、B120、B150、B220(商品名、BASF社製)、JSR(登録商標)Butyl065、268、365(商品名、JSR株式会社製)、X_Butyl(登録商標)RB100、101-3、301、402(商品名、ARLANXEO社製)、Exxon(登録商標)Butyl065、065S、068、068S、268、268S、365、365S(商品名、Exxon Mobile社製)、Butyl065、268、365(商品名、日本ブチル株式会社製)等が挙げられる。
ゴム系粘着基剤の含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、10質量%~80質量%とすることができ、15質量%~60質量%、15質量%~40質量%、15質量%~30質量%であってもよい。
アクリル系粘着基剤は、例えば、1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの(共)重合体である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシルなどが挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」との用語は、アクリル酸及びメタクリル酸のいずれか一方又は両方を意味し、類似の表現についても同様に定義される。
アクリル系粘着基剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(主モノマー)とコモノマーから形成される共重合体であってもよい。主モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸へプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。コモノマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合できる成分であればよい。コモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、エチレン、プロピレン、スチレン、酢酸ビニル、N-ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アミドなどが挙げられる。コモノマーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせたものであってもよい。
アクリル系粘着基剤の具体例としては、アクリル酸・アクリル酸オクチルエステル共重合体、アクリル酸2-エチルヘキシル・ビニルピロリドン共重合体溶液、アクリル酸エステル・酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸2-エチルヘキシル・メタクリル酸2-エチルヘキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体、アクリル酸メチル・アクリル酸2-エチルヘキシル共重合樹脂エマルジョン、アクリル樹脂アルカノールアミン液に含有されるアクリル系高分子等が挙げられる。このようなアクリル系粘着基剤としては、具体例としては、DURO-TAK(登録商標)387-2510、DURO-TAK(登録商標)87-2510、DURO-TAK(登録商標)387-2287、DURO-TAK(登録商標)87-2287、DURO-TAK(登録商標)87-4287、DURO-TAK(登録商標)387-2516、DURO-TAK(登録商標)87-2516、DURO-TAK(登録商標)87-2074、DURO-TAK(登録商標)87-900A、DURO-TAK(登録商標)87-901A、DURO-TAK(登録商標)87-9301、DURO-TAK(登録商標)87-4098等のDURO-TAKシリーズ(Henkel社製);GELVA(登録商標)GMS 788、GELVA(登録商標)GMS 3083、GELVA(登録商標)GMS 3253等のGELVAシリーズ(Henkel社製);MAS811(商品名)、MAS683(商品名)等のMASシリーズ(コスメディ製薬株式会社製);Eudragit(登録商標)シリーズ(エボニック社製)、ニカゾール(登録商標)シリーズ(日本カーバイド工業株式会社製)、ウルトラゾール(登録商標)シリーズ(アイカ工業株式会社製)が挙げられる。
アクリル系粘着基剤の含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、10質量%~95質量%とすることができ、20質量%~90質量%であってもよい。
シリコーン系粘着基剤は、オルガノポリシロキサン骨格を有する化合物である。シリコーン系粘着基剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンが挙げられる。具体的なシリコーン系粘着基剤としては、例えば、MD7-4502 Silicone Adhesive、MD7-4602 Silicone Adhesive等のMDシリーズ(デュポン・東レ・スペシャリティ・マテリアル株式会社製);BIO-PSA(登録商標) 7-4301 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4302 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4201 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4202 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4101 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4102 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4601 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4602 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4501 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4502 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4401 Silicone Adhesive、BIO-PSA(登録商標) 7-4402 Silicone Adhesive等のBIO-PSAシリーズ(デュポン・東レ・スペシャリティ・マテリアル株式会社製)、Dow Corning(登録商標) 7-9800A、Dow Corning(登録商標) 7-9800B、Dow Corning(登録商標) 7-9700A、Dow Corning(登録商標) 7-9700Bが挙げられる。
シリコーン系粘着基剤の含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、10質量%~95質量%とすることができ、20質量%~90質量%であってもよい。
L-システインの含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、0.01質量%~5質量%とすることができ、0.05質量%~3質量%、0.05質量%~1質量%又は0.05質量%~0.5質量%であってもよい。
ケイ酸化合物としては、例えば、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、タルク、ベントナイト、カオリン等が挙げられる。ケイ酸化合物は、これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、本実施形態に係るケイ酸化合物としては、二酸化ケイ素が好ましい。二酸化ケイ素の具体例としては、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素が挙げられ、これらのうち、軽質無水ケイ酸が特に好ましい。ケイ酸化合物の含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、1質量%~10質量%とすることができ、2質量%~6質量%であってもよい。
粘着剤層は、任意に、その他の添加剤をさらに含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、粘着付与樹脂、可塑剤、吸収促進剤、溶解剤、充填剤、香料等が挙げられる。
粘着付与樹脂は、粘着剤層の粘着性を調整する成分である。粘着付与樹脂としては、例えば、石油系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、フェノール系樹脂及びキシレン系樹脂等が挙げられる。石油系樹脂としては、例えば、脂環族系石油樹脂(脂環族飽和炭化水素樹脂等)、脂肪族系石油樹脂(脂肪族炭化水素樹脂等)、芳香族系石油樹脂等が挙げられ、より具体的には、アルコンP-70、アルコンP-85、アルコンP-90、アルコンP-100、アルコンP-115、アルコンP-125、アルコンM-70、アルコンM-85、アルコンM-90、アルコンM-100、アルコンM-115、アルコンM-125(以上、商品名、荒川化学工業株式会社製)、エスコレッツ8000(商品名、エッソ石油化学株式会社製)等が挙げられる。テルペン系樹脂としては、例えば、ピネン重合体(α-ピネン重合体、β-ピネン重合体等)、テルペン重合体、ジペンテン重合体、テルペン-フェノール重合体、芳香族変性テルペン重合体、ピネン-フェノール共重合体が挙げられ、より具体的には、YSレジン(YSレジンPXN(1150N、300N)、YSレジンPX1000、YSレジンTO125、YSレジンTO105等)、クリアロンP105、クリアロンM115、クリアロンK100(以上、商品名、ヤスハラケミカル株式会社製)、タマノル901(商品名、荒川化学工業株式会社製)が挙げられる。ロジン系樹脂としては、例えば、水素添加ロジングリセリンエステル、超淡色ロジン、超淡色ロジンエステル、酸変性超淡色ロジンが挙げられ、より具体的には、パインクリスタル(KE-311、PE-590、KE-359、KE-100等)(商品名、荒川化学工業株式会社製)等が挙げられる。粘着付与樹脂は、これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、脂環族飽和炭化水素樹脂、テルペン系樹脂、水素添加ロジングリセリンエステル又はこれらの組み合わせであることが好ましく、脂環族飽和炭化水素樹脂、テルペン系樹脂又はこれらの組み合わせであることがより好ましい。粘着剤層が粘着付与樹脂を含有する場合、粘着付与樹脂の含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、15質量%~80質量%とすることができ、30質量%~65質量%であってもよい。
可塑剤としては、例えば、流動パラフィン、軽質流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、植物油類(オリーブ油、ツバキ油、ひまし油、トール油、ラッカセイ油、スペアミント油、ユーカリ油、ホホバ油、樟脳白油、ヒマワリ油、オレンジ油等)、油脂類(ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等)、及び液状ゴム(液状ポリブテン、液状イソプレンゴム等)等が挙げられる。粘着剤層が可塑剤を含有する場合、その含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、例えば、3質量%~50質量%、5質量%~30質量%、又は7質量%~20質量%である。
吸収促進剤は、従来、経皮吸収促進作用を有することが知られている化合物であればよい。吸収促進剤としては、例えば、有機酸エステル(例えば、脂肪酸エステル、ケイ皮酸エステル)、有機酸アミド(例えば、脂肪酸アミド)、脂肪族アルコール、多価アルコール、エーテル(例えば、脂肪族エーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)等が挙げられる。これらの吸収促進剤は、不飽和結合を有していてもよく、環状、直鎖状又は分枝状の化学構造であってもよい。また、吸収促進剤は、モノテルペン系化合物、セスキテルペン系化合物、及び植物油(例えば、オリーブ油)であってもよい。これらの吸収促進剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機酸エステルとしては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、乳酸セチル、乳酸ラウリル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチレングリコール、ケイ皮酸メチル、脂肪酸エステルが挙げられる。脂肪酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸メチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチルが挙げられる。脂肪酸エステルは、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油であってもよい。脂肪酸エステルの具体例としては、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノカプレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノオレエー卜、ソルビタンモノラウレート、ショ糖モノラウレート、ポリソルベート20、プロピレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、Span40、Span60、Span80、Span120(商品名、クローダジャパン株式会社製)、Tween(登録商標)20、Tween(登録商標)21、Tween(登録商標)40、Tween(登録商標)60、Tween(登録商標)80、NIKKOL(登録商標)HCO-60(商品名、日光ケミカルズ株式会社製)が挙げられる。
有機酸アミドとしては、例えば、脂肪酸アミド(例えば、ラウリン酸ジエタノールアミド)、ヘキサヒドロ-1-ドデシル-2H-アゼピン-2-オン(Azoneともいう。)及びその誘導体、ピロチオデカンが挙げられる。
脂肪族アルコールとは、炭素原子数6~20の脂肪族アルコールを意味する。脂肪族アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコールが挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、プロピレングリコールが挙げられる。
脂肪族エーテルとは、炭素原子数6~20の脂肪族基(例えば、アルキル基、アルケニル基)を有するエーテルを意味する。ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。
モノテルペン系化合物としては、例えば、ゲラニオール、チモール、テルピネオール、l-メントール、ボルネオール、d-リモネン、イソボルネオール、ネロール、dl-カンフルが挙げられる。モノテルペン系化合物として、ハッカ油を使用してもよい。
粘着剤層が吸収促進剤を含有する場合、吸収促進剤の含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、0.5質量%~20質量%とすることができる。
溶解剤は、ビソプロロール又はその薬学的に許容可能な塩を粘着剤組成物中に溶解させやすくする成分である。溶解剤としては、例えば、脂肪酸多価アルコールエステル(例えば、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリン、モノラウリン酸ソルビタン)、脂肪酸アミド(例えば、ラウリン酸ジエタノールアミド)、脂肪族アルコール(例えば、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール)、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、ピロリドン誘導体(例えば、N-メチル-2-ピロリドン)が挙げられる。粘着剤層が溶解剤を含有する場合、溶解剤の含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、2質量%~40質量%とすることができる。
充填剤としては、例えば、金属化合物(酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム等)又は有機化合物(セルロース粉末、ステアリン酸塩等)の、粉末又はこれらを含む樹脂の短繊維が挙げられる。粘着剤層が充填剤を含有する場合、充填剤の含有量は、粘着剤層の総質量を基準として、0.1質量%~20質量%とすることができる。
貼付剤は、さらに剥離ライナーを備えていてもよい。剥離ライナーは、粘着剤層に対して、支持体と反対側の面に積層される。剥離ライナーを備えていると、保管時において、粘着剤層へのゴミ等の付着を低減することができる傾向がある。剥離ライナーの粘着剤層と接する面は、シリコーン又はフッ素化ポリオレフィン等により離型処理されていることが好ましい。
剥離ライナーの素材としては、特に限定されず、当業者に一般的に知られているライナーを用いることができる。剥離ライナーとしては、例えば、紙;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、アルミニウム等のフィルムが挙げられる。剥離ライナーは、上質紙とポリオレフィンとのラミネートフィルムであってもよい。剥離ライナーの材質としては、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレート製のフィルムが好ましい。
貼付剤は、例えば、次の方法により製造することができるが、これに限定されず、公知の方法を使用することができる。まず、粘着剤層を構成する各成分を所定の割合で混合して均一な溶解物(粘着剤組成物)を得る。次に、剥離可能なフィルム(剥離ライナー)上に粘着剤組成物を所定の厚みで展延して粘着剤層を形成する。さらに、粘着剤層が剥離ライナーと支持体とに挟まれるように、粘着剤層に支持体を圧着する。最後に、所望の形状及び寸法に裁断することにより、貼付剤を得ることができる。この場合、剥離ライナーは、貼付剤の適用時に除去される。貼付剤の面積は、5cm~100cmであってよく、5cm~50cmであってよい。貼付剤の形状及び寸法は、例えば、短辺が2cm~10cmかつ長辺が3cm~15cmの矩形、又は直径が1cm~8cmの円形であってもよい。
試験例1:ビソプロロール類縁物質の生成量の評価
1.貼付剤の調製
下記表1~表4に従って、各成分を混合し粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物を剥離ライナー(離型処理が施されたポリエチレンテレフタレート製フィルム)上に、単位面積当たりの質量が37g/mになるように展延し、粘着剤層を形成した。得られた粘着剤層の上記反対の面上に支持体層(ポリエチレンテレフタレート製フィルム)を積層し、支持体層/粘着剤層/剥離ライナーの順に積層された貼付剤を得た。
2.ビソプロロール類縁物質の測定
ビソプロロール類縁物質の含有量は、2.5cmの面積に裁断した、保存前の貼付剤、及び、包装体に入れて60℃の恒温機内にて2週間保存した貼付剤を用いて、以下の手順で測定した。
貼付剤を、剥離ライナーを除いた後、10mLの試験管に投入した。これに1mLのテトラヒドロフランを加え、30分間振とうし溶解させた後、20%アセトニトリル水溶液で10倍に希釈し、0.45μmのメンブレンフィルターでろ過し、サンプル溶液を得た。サンプル溶液中に含まれるビソプロロール及びその類縁物質を、下記の移動相A及び移動相Bを用いて、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)において移動相A:移動相Bの比率を90:10から40分間で10:90となるように変化させながら溶出し、その後10:90の比率で15分間で溶出し、その後5分間で90:10なるように変化させながら溶出し、その後90:10の比率で15分間溶出し、検出させた。
<分析条件>
カラム:Inertsil ODS-3(ODS粒子径:3μm、内径:4.6mm、長さ:25cm)
移動相:移動相A(水系移動相:アセトニトリル=90:10)、移動相B(水系移動相:アセトニトリル=30:70)
(水系移動相:20mMリン酸二水素ナトリウム水溶液を、リン酸を用いてpH3.0に調製した後、0.3%のトリエチルアミンを加えた溶液)
測定波長:225nm
流量:0.9mL/min
試料注入量:20μL
カラム温度:40℃
ビソプロロールの保持時間に対する相対保持時間が1.57であるピークをビソプロロール類縁物質に対応するピークとし、検出されたビソプロロールのピーク面積及び類縁物質のピークの面積の比から、類縁物質含量(%)を算出した。また、60℃で2週間保存した後の類縁物質含量(%)から保存前の類縁物質含量(%)を差し引いた値を増加量とした。
Figure 2023123395000002
表1及び表3に示す結果から明らかなように、L-システインを含有する貼付剤は、保管中のビソプロロール類縁物質の増加を抑制することができた。表2及び表4に示す結果から明らかなように、L-システインを含有しケイ酸化合物を含有しない貼付剤は、保管中のビソプロロール類縁物質の増加を十分抑制することができなかった。

Claims (5)

  1. 支持体上に粘着剤層を備える貼付剤であって、
    前記粘着剤層が、ビソプロロール又はその薬学的に許容可能な塩と、粘着基剤と、L-システインと、ケイ酸化合物を含有する、貼付剤。
  2. 前記粘着剤層中のL-システインの含有量が、前記粘着剤層の総質量を基準として、0.01質量%~5質量%である、請求項1に記載の貼付剤。
  3. 前記粘着剤層中のケイ酸化合物の含有量が、前記粘着剤層の総質量を基準として、1質量%~10質量%である、請求項1又は2に記載の貼付剤。
  4. 前記ケイ酸化合物が、軽質無水ケイ酸である、請求項1又は2に記載の貼付剤。
  5. 前記粘着基剤が、ゴム系粘着基剤である、請求項1又は2に記載の貼付剤。

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