JP2024075937A - 投射表示装置、投射表示方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、投射表示装置、投射表示方法、及びコンピュータプログラムに関するものである。
近年、投射表示装置は、広角、かつ、大きなシフト量が実現できる投射レンズの需要がある。上記理由として、スクリーンと投射表示装置の設置位置までの距離が小さい、投射画像に対して人が近づくシチュエーションでも陰になりにくい、等が挙げられる。
しかし、広角度合いが大きな投射レンズでは、バックフォーカスのずれが発生した際、投射画像における像面湾曲が強く発生する原理的な課題がある。そこで、例えば、特許文献1では、像面湾曲が発生した投射レンズを使用する際に、シフト動作に伴って、合焦位置を補正する提案がなされている。
しかしながら、上述の特許文献1に開示された従来技術では、シフト動作前後の投射画面で比較した場合の合焦位置の調整は可能であるが、単一の投射画面内での像面湾曲は調整できない。
上記課題に対し、単一の投射面における特定部分の合焦調整機能、例えば、周辺フォーカス等で呼ばれる機能がある。しかし、上記の合焦調整機能は、複数点の測定を前提とし、又、スクリーン面に対して投射方向におけるベストピントとなる位置(像面湾曲度合い)を検出する必要があり、非常に高度、かつ、時間を要し、調整者にとって非常に高負荷である。
そこで、本発明の目的は、像面湾曲調整の調整負荷を低減可能な投射表示装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、投射表示装置において、
光学手段の移動により像面湾曲を調整可能な投射手段と、
前記投射手段をシフト可能に保持する保持移動手段と、
前記保持移動手段により前記投射手段をシフトさせた際の、スクリーン面の複数の位置における合焦位置情報を取得する合焦位置取得手段と、
を有することを特徴とする。
光学手段の移動により像面湾曲を調整可能な投射手段と、
前記投射手段をシフト可能に保持する保持移動手段と、
前記保持移動手段により前記投射手段をシフトさせた際の、スクリーン面の複数の位置における合焦位置情報を取得する合焦位置取得手段と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、像面湾曲調整の調整負荷を低減可能な投射表示装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、各図において、同一の部材または要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。
図1は、本発明の実施形態に係るプロジェクタの概要図である。投射表示装置としてのプロジェクタ1は、光源と、光源からの光を任意の画像光に生成するユニットを含むプロジェクタ本体5、任意の画像を対象へ投射する為の投射レンズ3を有する。尚、本実施形態において、投射レンズ3は、光学手段の移動により像面湾曲を調整可能な投射手段として機能している。
投射レンズ3は、シフトユニット4により移動可能に保持される。シフトユニット4は、プロジェクタ1の位置を変更せずに、投射レンズ3の位置を光軸に垂直な面内で上下左右にシフトすることによって、投射画像の位置を上下左右に変更することができる。ここでシフトユニット4は、投射手段をシフト可能に保持する保持移動手段として機能している。
投射画像の少なくとも一部は、撮像カメラ2により撮影される。撮像カメラ2は、プロジェクタ1に内蔵されていても良いが、プロジェクタ1の接続端子を介して、接続されることでもその機能を達成可能である。
プロジェクタ1の制御等を行う電気基板はプロジェクタ本体5に含まれている。電気基板には、コンピュータとしてのCPU等が内蔵されており、記憶媒体としてのメモリに記憶されたコンピュータプログラムに基づきプロジェクタ全体の各部の動作を制御する制御手段として機能する。
図2は、本発明の実施形態に係るプロジェクタの被写界深度の概略を説明する図である。尚、現実のプロジェクタ1における被写界深度は、使用する投射レンズ3のMTF等により厳密に示されるが、本稿では概略を説明する。
図2の6はプロジェクタ1から、スクリーン7(被投射面)へ投射された光線概略を示す。図2ではシフト50%上方に投射した際の光線概略6を示す。投射画面において、光線に垂直な位置での被写界深度を8とする。
スクリーン7に対して入射する光線において、光線に垂直な方向については、上端でも、下端でも、共に実線矢印で示される同様の被写界深度8となる。しかし、スクリーン7に垂直な方向での被写界深度という観点では、被写界深度81で示される。
つまり、図2において、スクリーン7に垂直な方向での被写界深度という観点では、シフト0%位置での被写界深度8と、シフト50%位置での被写界深度81とでは差が生じ、相対的に、後者の被写界深度が浅くなる。
上記の通り、投射位置による被写界深度の変化は、光線の角度に依存する為、投射レンズ3の広角度合い(通常、プロジェクタ仕様において投射比として表現される)、シフト量により、被写界深度が減少する。
図3(A)、(B)は、本発明の実施形態に係る像面湾曲時の合焦面を説明する図である。ここで、合焦面とは、投射画像においてピントが最も合う点の集合体を面としてとらえた場合、その面のことを指す。
例えば、図3(A)で示すような平面をなすスクリーン7に対して、投射画像の合焦面も平面であれば、平面をなすスクリーン7に適する画像を投射可能である。一方、投射レンズ3と、任意画像を生成する装置(液晶パネルや、所謂DMDパネル)との、光軸方向の位置関係が最適値からずれた場合、光学的な問題が発生する。
特に、広角度合いの大きな投射レンズ3である場合、像面湾曲が発生することがあり、それを逆手に取り、意図的に像面湾曲を調整可能な構成を付与することも可能である。上述の像面湾曲が発生した状態を示すのが図3(B)であり、9で示すのが、その合焦面を模式的に示した図である。
尚、上記において、像面湾曲発生及びその調整に関して述べたが、光学的な湾曲発生、その調整を可能とする構成は1例であり、その他の手法でも構わない。例えば、中心と周辺で屈折率の異なる光学部品(例えば非球面レンズ)を位置変更することで光学的な湾曲の調整を実現しても良い。
尚、図3(A)、(B)における合焦面9は、投射レンズ3において、レンズシフト可能な範囲も加味した、投射可能な範囲全ての合焦面を模式的に示す。プロジェクタ1においては、一般的に、所定のレンズシフト位置に固定して投射がなされる。そのため、前記合焦面9の一部を、任意画像を生成する装置の形状に応じて、範囲限定する形で投射する。
これを示しているのが図4(A)~(C)である。図4(A)~(C)は、本発明の実施形態に係る像面湾曲時の、範囲限定された部分的な合焦面を説明するための図である。図4(A)の左側の図は、シフト0%状態で投射した際に、範囲限定された部分的な合焦面91を図3(B)のX方向から見た図(X軸に沿って見た図)である。図4(A)の右側の図は、範囲限定された部分的な合焦面91を図3(B)のY方向から見た図(Y軸に沿って見た図)である。
プロジェクタ1は、本体を90度回転させて投射する場合もある。これは所謂ポートレート投射とよばれている。図4(A)の左右の図は、プロジェクタを光軸周りに90度回転させた場合の図とも言える。
図4(B)は、図4(A)右図の状態を斜めから見た斜視図であり、シフト0%なので、投射レンズ3の光軸は、範囲限定された部分的な合焦面91の中心に位置する。図4(C)は、図4(B)に対して、例えばY方向にシフト動作した際の合焦面92を示す。
図4(C)においては、シフト0%でないので、シフト移動した分だけ、合焦面9の範囲限定された部分的な合焦面の位置も移動する。つまり、合焦面92の四隅は、平面をなすスクリーン7に対して垂直な方向での距離が夫々異なる。そこで本実施形態では、像面湾曲が発生した状態で、レンズシフト動作をした際には、合焦面の検出をする際に、複数個所の測定をする。
図5(A)~(C)は、本発明の実施形態に係る像面湾曲調整が可能な投射レンズの概要図である。図6(A)、(B)は本発明の実施形態に係る像面湾曲調整が可能な投射レンズの断面図であり、図6(A)は、像面湾曲調整実施可能な投射レンズにおいて、ズームポジションがWIDEの場合を示す図である。図6(B)は像面湾曲調整実施可能な投射レンズにおいて、ズームポジションがTELEの場合を示す図である。
図6において、301は、像面湾曲調整群であり、投射レンズの光軸32の方向に沿って移動することで合焦面9の像面湾曲の度合いを例えば9a~9dの間で連続的に変化させることができる。尚、像面湾曲調整群301は、投射レンズ3をスクリーン面の複数位置にシフトさせた際の、複数位置における合焦位置情報に基づき像面湾曲を調整するための湾曲調整手段として機能している。詳細は後述する。
図5(C)の301aは、像面湾曲調整群301と一体となった像面湾曲調整群位置検出用ギア301aであり、像面湾曲調整群位置検出用ギア301aを介して、像面湾曲調整群位置検出センサ33に回転を与える。これにより像面湾曲調整群301の位置を検出できる。
像面湾曲調整群301は、図5(A)の像面湾曲調整用グリップ31を手動で回転させることで投射レンズの光軸32の方向に沿って移動可能である。尚、像面湾曲調整群の駆動は電動でもよく、構成は制限されない。
図6において、合焦面9を9dから9aとすることで球面などの曲面状のスクリーンに対してフィッティングすることが可能となる。元々、像面湾曲が発生している場合は、逆に、合焦面9を9aから9dにすることで平面状のスクリーンに対してフィッティングすることが可能となる。
図6において、302はフォーカス調整群であり、投射レンズの光軸32の方向に沿って移動することでピント位置を変化させる。341は、フォーカス調整群302を投射レンズの光軸32の方向に沿って移動させるためのフォーカス調整用カム環である。フォーカス調整群302は、図5(A)に示すフォーカス調整用モータ351の駆動力を、フォーカス駆動用ギア361を介してフォーカス調整用カム環341に与えることで移動する。
フォーカス調整群302は、図5(A)に示すフォーカス調整位置検出用端検出センサ371で初期位置を検出する。そして、そこからの移動量をフォトインタラプタであるフォーカス調整群位置検出用回転検出センサ372により回転数を検出することにより、位置検出が可能である。尚、像面湾曲調整群301やフォーカス調整群302は、光学手段として機能している。
303a~303dはズーム調整群であり、投射レンズの光軸32の方向に沿って移動することで投射倍率を変化させる。304は固定群304である。342はズーム調整群303a~303dを投射レンズの光軸32の方向に沿って移動させるためのズーム調整用カム環である。ズーム調整群303a~303dは、図5(A)に示すズーム調整用モータ352の駆動力を、ズーム駆動用ギア362を介してズーム調整用カム環342に与えることで移動する。
ズーム調整群303a~303dはズーム調整位置検出センサ373により位置検出が可能である。図6(A)はズームポジションがWIDEの場合、図6(B)はズームポジションがTELEの場合を夫々示している。38は各種情報を記憶し、更に投射レンズ3を制御するためのレンズ制御基板である。
前記の各調整群の移動量(又はセンサにて検出される値)に対する、光学的変動量との関係は、予めレンズ制御基板38に格納される。但し、各種の情報の格納場所は、例えば投射レンズ3でなくても、プロジェクタ1内であれば、プロジェクタ本体5に構成される電気基板でも良い。
図7は、本発明の実施形態に係るレンズシフトのための構成の概要図である。図1のシフトユニット4はX方向移動ダイヤル44を操作することで、X方向移動板43と共に投射レンズ3を図3(B)のXY面のX方向に移動させる。この際のX方向移動板43の位置をX方向位置検出センサ45にて検出する。
シフトユニット4は、Y方向移動ダイヤル47を操作することで、Y方向移動板46と共に投射レンズ3をXY面のY方向に移動させる。この際のY方向移動板46の位置をY方向位置検出センサ48にて検出する。
シフトユニット4は、上記のようにダイヤルによる手動操作で調整可能な例を説明したが、モータ等で駆動してもよい。又、投射レンズ3と40a~40dにてビス止めすることで、レンズ交換が可能である。レンズ交換方式は上記に限定されず、バヨネット固定方式であっても、スピゴット固定方式であっても良い。
図8(A)、(B)は、は、本実施形態に係る投射画面上の合焦検出位置の例を示す図である。図4で説明したように、投射レンズ3をシフト可能に構成した場合には、像面湾曲が発生している合焦面9内で、シフトによって部分的な投射エリアを選択する。
図8(A)において、シフト0%の位置が91、シフトを右上にした際が93、シフトを右下にした際が94、シフトを左上にした際が95、シフトを左上にした際が96と対応する。
上記の各場合における投射画面を示すのが図8(B)となる。図8(B)において、位置91における合焦マークを101、位置93における合焦マークを103、位置94における合焦マークを104、位置95における合焦マークを105、位置96における合焦マークを106とする。合焦マークの夫々の位置は画面上で、シフト0%での合焦マーク位置よりもシフト方向に偏って表示される。
以下、図2~10を参照して、本実施形態における調整例について説明する。尚、像面湾曲を調整するための方法は、前述のように像面湾曲調整群301を光軸方向に移動させても良いし、それ以外の方法であっても良い。
更に、図2で説明の通り、投射位置による被写界深度の変化は、光線の角度に依存する為、レンズシフト量を大きくした際、被写界深度が減少する。つまり、レンズシフトした状態の方がスクリーンに対する被写界深度が浅くなり、高精度(敏感度が高く)に合焦面の検出が可能になることを示す。
そこで、本実施形態では、シフト動作をしながら複数点で合焦面を検出することで、高精度な合焦面の検出を可能とする。
具体的な制御フローの例を、図9で説明する。図9は、本発明の実施形態に係る投射表示方法における調整例の手順を示すフローチャートである。尚、電気基板内のコンピュータとしてのCPU等がメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって図9のフローチャートの各ステップの動作が行われる。
図9のフローは例えばメニュー画面で「設定」が選択された場合にスタートする。ステップS1にてユーザーによる像面湾曲調整の実施の指示があったか否かを判別する。前述の通り、像面湾曲調整とは、合焦面をフラットにするか、又は意図的に湾曲状態にするかは問わない。例えば、投射対象が湾曲したスクリーンである場合、スクリーンの湾曲に合わせて合焦面を湾曲状態にする方が、より良い投射画像を使用者に提供可能である。
ユーザーは、投射画面上で、UIを表示し、そのUI画面を用いても良いし、図示せぬリモコンのメニューボタン等で選択しても良い。尚、選択手段は問わない。ステップS1で、所定時間経過しても湾曲調整を実施する指示がないと判別された場合、図9のフローを終了する。一方、ステップS1でYesの場合には、ステップS2に進む。
ステップS2で、所定位置までシフト移動を行う。シフト位置を厳密に規定する必要はないが、本実施形態では、1例として、1ループ目は、図8の位置91で示すような、レンズシフトが上下左右0%の位置へ移動する。尚、位置91は、像面湾曲が発生している場合、湾曲の「底」に相当する。
2~5ループ目は図8の位置93、94、95、96の順で移動実施することとする。上記ループとは、後述するステップS2~ステップS7の一連のステップからなる処理を指す。
位置93~96は、図8で説明したように、シフト0%位置91に対し順に、投射画像の位置として右上、右下、左上、左下へレンズシフト動作した位置の関係となる。尚、ステップS2~ステップS7をループする回数は、後述するステップS7において説明するように、十分な合焦面情報が取得できる回数であればよく、回数の限定はない。
レンズシフト位置は、図7で説明したX方向位置検出センサ45、Y方向位置検出センサ48の出力を投射画面上に例えばUI画面の一部として表示することで、手動調整の場合には、ユーザーが所定位置となるまで手動でレンズシフトを行う。
モータによる電動駆動の場合には、上記X方向位置検出センサ45、Y方向位置検出センサ48が所定位置となるまで自動でレンズシフト動作を行っても良い。所定位置への移動方法はこれらに限定されない。
ステップS3で、合焦手段の初期値情報を取得する。前述のように、投射レンズ3は、投射レンズの光軸32の方向に沿って移動することで合焦面9の像面湾曲の度合いを9aや9dのように変化させる像面湾曲調整群301を有すると共に、ピント位置を変化させるフォーカス調整群302も有する。
即ち、像面湾曲調整群301とフォーカス調整群302は共に合焦手段として機能しており、ステップS3では、合焦面の湾曲度合いの調整の初期位置情報と、合焦面の光軸方向の調整の初期位置情報の少なくとも一方の情報を取得する。
例えば、1ループ目では、スクリーン面に湾曲の「底」である位置91に合焦させるが、このときに、湾曲度合いを調整してもスクリーン面に湾曲の「底」である位置91における合焦度合いは変化しない。従って1ループ目では、少なくともフォーカス調整位置検出用端検出センサ371から初期位置を取得する。
2~5ループ目は、フォーカス調整位置検出用端検出センサ371から初期位置を取得すると共に、像面湾曲の度合いをスクリーンに合わせるため、像面湾曲調整群位置検出センサ33からの出力により像面湾曲調整群301の位置も取得する。尚、ステップS3では、何ループ目かにかかわらず、像面湾曲調整群301とフォーカス調整群302の両方の位置を取得しても良い。
次に、ステップS4で、画面内の所定位置で、合焦動作を行う。前述のように、合焦動作は、フォーカス調整、像面湾曲調整の少なくとも一方を実施する。ここでステップS4は、投射画像の合焦位置を検出する合焦検出ステップ(合焦検出手段)として機能している。このとき、図8で示すように、投射画面上の所定位置にある判定画像としての合焦マークを投影し、撮像カメラ2を用いて自動的にピントを合わせる。
撮像カメラ2では、例えば、所謂コントラスト検出方式でピント調整を行う。即ち、投射レンズ3の光学手段の一部である像面湾曲調整群301とフォーカス調整群302の少なくとも一方を光軸方向に移動させつつ撮像画像のコントラストが最も高くなるピーク位置を検出し、そのピーク位置に合わせることでピント調整を行う。このように、合焦検出手段は、保持移動手段によるシフトに応じて光学手段の少なくとも一部を移動させる。
手動操作の場合、投射画面上でコントラストの状態を、使用者が視認しつつ手動調整する。プロジェクタ自身が自動調整機能を有する場合には、プロジェクタ内部において自動で検出や駆動を行ってピント調整をしても良い。尚、上記においては、所謂コントラスト検出方式によるピント調整について述べたが、合焦手段はどのような構成であっても良い。
レンズシフト動作を伴う複数点での撮像カメラ2による画像取得の際、撮像カメラ2の撮影範囲を、レンズシフト動作に伴って移動しても良い。即ち、レンズシフト動作により投射画像の位置93~96が変化するのに伴い、撮像カメラ2の、例えばパン、チルト、ズーム機能の少なくとも1つによって、撮像範囲を変更させるようにしても良い。
尚、図8で説明したように、投射画像の位置93~96において合焦マーク103~106を投射する際に、合焦マークの位置は夫々の画面上で、シフト0%での合焦マーク位置よりもシフト方向に偏って表示する。
即ち、投射レンズをシフトさせて複数の位置で合焦位置情報を取得する際に、複数の位置の投射画像内に合焦検出用の所定画像(合焦マーク等)を投射する。又、所定画像(合焦マーク等)を投射画像内の中心よりシフト方向の外側に投射する。それにより、スクリーンに対する光線角度がより鋭角になり、合焦の検出精度をより高くすることができる。
ステップS5で、前記ステップS4で合焦動作を実施した後の合焦手段の位置情報をフォーカス調整群位置検出用回転検出センサ372、像面湾曲調整群位置検出センサ33より取得し不図示のメモリに記憶する。
ステップS6にて、合焦手段の初期位置に調整群の位置を戻す。手動で戻す場合には、初期位置と現在位置との差分に関する情報を投射画面上に表示することで、ユーザーが所定の初期位置まで合焦手段の調整をしても良い。或いは、モータ等による電動駆動の場合、初期位置となるまで自動で合焦手段の調整をしても良い。
ステップS7にて、合焦面情報を取得する。具体的には、光軸方向の差分(主にフォーカス動作により検出)と、像面湾曲度合いの差分(主に像面湾曲調整動作により検出)を取得する。
ステップS7にて、少なくとも1~5ループの動作が完了したかを判定する。即ち、位置91、93、94、95、96の順で移動実施し、1~5ループの動作が完了し、位置91、93、94、95、96において湾曲補正をするのに十分な差分情報がそろったと判断された場合はステップS8へ進む。そうでない場合はステップS2に戻りループを繰り返す。
上記の差分情報(合焦位置情報)は、フォーカス調整群の光軸方向の差分(主にフォーカス動作により検出)に関する情報と、像面湾曲度合いの差分(主に像面湾曲調整動作により検出)に関する情報を指す。
ここで、合焦位置情報は、合焦状態における投射手段の内部の合焦手段の位置情報を含む。尚、合焦手段は、像面湾曲調整群301又はフォーカス調整群302の少なくとも一方を含む。
尚、上記のステップS2~ステップS7は、シフトユニット4により投射レンズ3をシフトさせた際の、スクリーン面の複数の位置における合焦位置情報を取得する合焦位置取得ステップ(合焦位置取得手段)として機能している。尚、ステップS8で得られた合焦位置情報を例えば表示装置に表示しても良い。そしてユーザーはその合焦位置情報に基づき手動で像面湾曲調整群301を調整して、像面湾曲を補正しても良い。
ステップS8にて、ステップS7で取得した位置91、93、94、95、96における上記差分が減少するように、合焦手段を所定量動作させる。対象となる合焦手段は、像面湾曲調整群301又はフォーカス調整群302の少なくとも一方である。
即ち、上記の複数位置における差分に基づき、例えばバックフォーカスズレ等によって像面歪曲(のずれ)が生じている場合にはそのずれが検出できるので、そのずれを低減するように、像面湾曲調整群301により補正する。更に、フォーカス調整群302を調整することでフォーカスの調整を行うことができる。尚、ここでの調整は前述のように手動でも良いし、自動で行っても良い。
自動で調整する場合には、予め、投射レンズの光学手段の移動量と像面湾曲調整量との関係に対応した像面湾曲調整情報を記憶したメモリを有し、歪曲調整手段が、合焦位置情報と像面湾曲調整情報に基づき、光学手段を移動させるようにしても良い。
尚、初期状態で合焦対象に対し合焦面が一致している場合には、ステップS8は省略されても良い。ステップS8の処理が終了したら図9のフローを終了する。
尚、合焦対象のスクリーン形状は限定されず、フラットでも湾曲していても良く、その双方に対して本実施形態を適用することができる。
上記ステップS8で調整を実施した後、光学手段としての像面湾曲調整群301やフォーカス調整群302の位置情報を、投射レンズ3を含むプロジェクタ1内の不図示のメモリ(保存手段)に記憶することが望ましい。
即ち、合焦位置情報に基づき、光学手段の位置を移動させた場合に、光学手段の位置情報を保存するための保存手段としてのメモリを有することが望ましい。又、合焦位置情報に基づき、光学手段の位置を移動させた場合の光学手段の位置情報は、各投射手段に紐づけて保存することが望ましい。それにより、所定の合焦対象(スクリーン)に対する、合焦手段の最適な位置情報を容易かつ速やかに利用することができる。
尚、投射レンズ3が交換レンズとして投射表示装置本体に対して交換可能に構成される場合に、各投射レンズ3とプロジェクタ1の相互関係をメモリに記憶しておくことが望ましい。或いは、光学手段の位置を移動させた場合の光学手段の位置情報を、各投射手段に紐づけて保存しておくことが望ましい。
それにより、各投射レンズ3とプロジェクタ1を接続した場合に、過去にその投射レンズ3を用いて測定した光学手段の位置情報をメモリから読出して利用することができる。即ち、投射レンズを装着する際に、装着された投射レンズに紐づけられた位置情報を保存手段としてのメモリから読出すことができる。
上記において、相互関係とは、その投射レンズ固有のシリアル番号等を指す。この際、投射レンズ3が、所定のプロジェクタ1に初めて接続され、合焦手段の最適な位置情報が記憶されていない場合、図9のフローのような制御の実施を促す表示(通知)を行うようにしても良い。逆に、位置情報が記憶されている場合には、図9のフローのような制御が不要であることを表示(通知)しても良い。
即ち、投射レンズを装着した際に、装着された投射レンズに紐づけられた位置情報が保存手段(メモリ)に保存されているか否かに応じて、所定の通知を行う通知手段を有することが望ましい。上記の所定の通知は例えば、位置情報が保存されているか否かを通知するものであっても良い。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。尚、上記実施形態は、以下の組み合わせを含む。
(構成1)光学手段の移動により像面湾曲を調整可能な投射手段と、前記投射手段をシフト可能に保持する保持移動手段と、前記保持移動手段により前記投射手段をシフトさせた際の、スクリーン面の複数の位置における合焦位置情報を取得する合焦位置取得手段と、を有することを特徴とする投射表示装置。
(構成2)前記複数の位置における前記合焦位置情報に基づき前記像面湾曲を調整するための湾曲調整手段を有することを特徴とする構成1に記載の投射表示装置。
(構成3)前記合焦位置情報は、合焦状態における前記投射手段の内部の合焦手段の位置情報を含むことを特徴とする構成1又は2に記載の投射表示装置。
(構成4)前記合焦手段は、像面湾曲調整群とフォーカス調整群の少なくとも一方を含むことを特徴とする構成3に記載の投射表示装置。
(構成5)予め、前記投射手段の前記光学手段の移動量と像面湾曲調整量との関係に対応した像面湾曲調整情報を記憶したメモリを有し、前記湾曲調整手段は、前記合焦位置情報と前記像面湾曲調整情報に基づき、前記光学手段を移動させることを特徴とする構成2に記載の投射表示装置。
(構成6)投射画像の合焦位置を検出する合焦検出手段を有し、前記合焦検出手段は、前記保持移動手段による前記シフトに応じて前記光学手段の少なくとも一部を移動させることを特徴とする構成1~5のいずれか1つに記載の投射表示装置。
(構成7)前記合焦位置情報に基づき、前記光学手段の位置を移動させた場合に、前記光学手段の位置情報を保存するための保存手段を有することを特徴とする構成1~6のいずれか1つに記載の投射表示装置。
(構成8)前記投射手段は、投射表示装置本体に対して交換可能に構成され、前記投射手段を装着する際に、装着された前記投射手段に紐づけられた前記位置情報を前記保存手段から読出すことを特徴とする構成7に記載の投射表示装置。
(構成9)前記投射手段を装着した際に、装着された前記投射手段に紐づけられた前記位置情報が前記保存手段に保存されているか否かに応じて、所定の通知を行う通知手段を有することを特徴とする構成8に記載の投射表示装置。
(構成10)前記投射手段をシフトさせて前記複数の位置で前記合焦位置情報を取得する際に、前記複数の位置の投射画像内に合焦検出用の所定画像を投射すると共に、前記所定画像を前記投射画像内の中心よりシフト方向の外側に投射することを特徴とする構成1~9のいずれか1つに記載の投射表示装置。
(方法)光学手段の移動により像面湾曲を調整可能な投射手段と、前記投射手段をシフト可能に保持する保持移動手段と、を有する投射表示装置を用いた投射表示方法であって、前記保持移動手段により前記投射手段をシフトさせた際の、スクリーン面の複数の位置における合焦位置情報を取得する合焦位置取得ステップを有することを特徴とする投射表示方法。
(プログラム)構成1~10のいずれか1つに記載の投射表示装置の各手段をコンピュータにより制御するためのコンピュータプログラム。
尚、上記実施形態における制御の一部又は全部を実現するために、上述した実施形態の機能を実現するコンピュータプログラムをネットワーク又は各種記憶媒体を介して投射表示装置等に供給するようにしてもよい。そしてその投射表示装置等におけるコンピュータ(又はCPUやMPU等)がそのプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。その場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することとなる。
1:プロジェクタ
2:撮像カメラ
3:投射レンズ
4:シフトユニット
5:プロジェクタ本体
6:光線概略
7:スクリーン
8:被写界深度
9:合焦面
2:撮像カメラ
3:投射レンズ
4:シフトユニット
5:プロジェクタ本体
6:光線概略
7:スクリーン
8:被写界深度
9:合焦面
Claims (12)
- 光学手段の移動により像面湾曲を調整可能な投射手段と、
前記投射手段をシフト可能に保持する保持移動手段と、
前記保持移動手段により前記投射手段をシフトさせた際の、スクリーン面の複数の位置における合焦位置情報を取得する合焦位置取得手段と、
を有することを特徴とする投射表示装置。 - 前記複数の位置における前記合焦位置情報に基づき前記像面湾曲を調整するための湾曲調整手段を有することを特徴とする請求項1に記載の投射表示装置。
- 前記合焦位置情報は、合焦状態における前記投射手段の内部の合焦手段の位置情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の投射表示装置。
- 前記合焦手段は、像面湾曲調整群とフォーカス調整群の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項3に記載の投射表示装置。
- 予め、前記投射手段の前記光学手段の移動量と像面湾曲調整量との関係に対応した像面湾曲調整情報を記憶したメモリを有し、
前記湾曲調整手段は、前記合焦位置情報と前記像面湾曲調整情報に基づき、前記光学手段を移動させることを特徴とする請求項2に記載の投射表示装置。 - 投射画像の合焦位置を検出する合焦検出手段を有し、
前記合焦検出手段は、前記保持移動手段による前記シフトに応じて前記光学手段の少なくとも一部を移動させることを特徴とする請求項1に記載の投射表示装置。 - 前記合焦位置情報に基づき、前記光学手段の位置を移動させた場合に、前記光学手段の位置情報を保存するための保存手段を有することを特徴とする請求項1に記載の投射表示装置。
- 前記投射手段は、投射表示装置本体に対して交換可能に構成され、
前記投射手段を装着する際に、装着された前記投射手段に紐づけられた前記位置情報を前記保存手段から読出すことを特徴とする請求項7に記載の投射表示装置。 - 前記投射手段を装着した際に、装着された前記投射手段に紐づけられた前記位置情報が前記保存手段に保存されているか否かに応じて、所定の通知を行う通知手段を有することを特徴とする請求項8に記載の投射表示装置。
- 前記投射手段をシフトさせて前記複数の位置で前記合焦位置情報を取得する際に、前記複数の位置の投射画像内に合焦検出用の所定画像を投射すると共に、前記所定画像を前記投射画像内の中心よりシフト方向の外側に投射することを特徴とする請求項1に記載の投射表示装置。
- 光学手段の移動により像面湾曲を調整可能な投射手段と、
前記投射手段をシフト可能に保持する保持移動手段と、を有する投射表示装置を用いた投射表示方法であって、
前記保持移動手段により前記投射手段をシフトさせた際の、スクリーン面の複数の位置における合焦位置情報を取得する合焦位置取得ステップを有することを特徴とする投射表示方法。 - 請求項1~10のいずれか1項に記載の投射表示装置の各手段をコンピュータにより制御するためのコンピュータプログラム。
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024075937A true JP2024075937A (ja) | 2024-06-05 |
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