JP2024075337A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

基板処理装置および基板処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024075337A
JP2024075337A JP2022186718A JP2022186718A JP2024075337A JP 2024075337 A JP2024075337 A JP 2024075337A JP 2022186718 A JP2022186718 A JP 2022186718A JP 2022186718 A JP2022186718 A JP 2022186718A JP 2024075337 A JP2024075337 A JP 2024075337A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
liquid
alkaline liquid
stripping
alkaline
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022186718A
Other languages
English (en)
Inventor
淳一 新庄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Screen Holdings Co Ltd
Original Assignee
Screen Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Screen Holdings Co Ltd filed Critical Screen Holdings Co Ltd
Priority to JP2022186718A priority Critical patent/JP2024075337A/ja
Publication of JP2024075337A publication Critical patent/JP2024075337A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】基板の処理時間を短縮することが可能な基板処理装置および基板処理方法を提供する。【解決手段】基板処理装置100は、基板保持部20と、剥離液供給部30と、アルカリ液供給部40とを備える。基板保持部20は、基板Wを保持して回転させる。剥離液供給部30は、基板保持部20によって回転される基板Wに、レジスト層203を剥離する剥離液を供給する。アルカリ液供給部40は、剥離液供給部30から供給された剥離液が基板W上に存在する間に、基板Wにアルカリ液を供給する。【選択図】図2

Description

本発明は、基板処理装置および基板処理方法に関する。
従来、基板を処理する基板処理装置が知られている。基板処理装置は、半導体基板の製造に好適に用いられる。基板処理装置は、薬液等の処理液を用いて基板を処理する。このような基板処理装置として、基板にSPM(硫酸と過酸化水素水との混合液)等の薬液を供給した後、基板に純水等のリンス液を供給し、その後、基板にSC1を供給する基板処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、基板にSPMを供給した後、基板に純水を供給し、その後、基板にSC1を供給する基板処理装置が記載されている。このような基板処理装置は、例えば、基板のレジスト層を除去する際に用いられる。
特開2015-207661号公報
しかしながら、特許文献1では、レジスト層を除去するために、基板にSPMを供給した後、純水を供給し、その後、SC1を供給する。従って、処理時間が長くなるという問題点がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板の処理時間を短縮することが可能な基板処理装置および基板処理方法を提供することにある。
本発明の一局面によれば、基板処理装置は、基板保持部と、剥離液供給部と、アルカリ液供給部とを備える。前記基板保持部は、基板を保持して回転させる。前記剥離液供給部は、前記基板保持部によって回転される前記基板に、レジスト層を剥離する剥離液を供給する。前記アルカリ液供給部は、前記剥離液供給部から供給された前記剥離液が前記基板上に存在する間に、前記基板にアルカリ液を供給する。
ある実施形態では、前記剥離液は、硫酸と過酸化水素水とが混合された硫酸過酸化水素水混合液を含む。
ある実施形態では、前記剥離液供給部は、前記基板に前記剥離液を供給して、前記基板のレジスト層に亀裂を生じさせる。前記アルカリ液供給部は、前記基板に前記アルカリ液を供給して、前記亀裂内に前記アルカリ液を浸入させる。
ある実施形態では、前記基板は、基材と、前記基材上に配置される前記レジスト層と、前記基材および前記レジスト層の間に配置される接着層とを有する。前記アルカリ液供給部は、前記基板に前記アルカリ液を供給して、前記亀裂内に前記アルカリ液を浸入させ、前記アルカリ液により前記接着層を除去する。
ある実施形態では、前記基板処理装置は、前記アルカリ液供給部にスチームを供給するスチーム供給部をさらに備える。前記アルカリ液供給部は、前記基板に前記アルカリ液および前記スチームの混合物を噴霧する。
ある実施形態では、前記基板処理装置は、前記アルカリ液供給部に不活性ガスを供給するガス供給部をさらに備える。前記アルカリ液供給部は、前記基板に前記アルカリ液および前記不活性ガスの混合物を噴霧する。
ある実施形態では、前記アルカリ液供給部が前記基板に前記アルカリ液を供給することなく、前記剥離液供給部が前記基板に前記剥離液を供給した後、前記剥離液供給部が前記基板に前記剥離液を供給しながら、前記アルカリ液供給部が前記基板に前記アルカリ液を供給する。その後、前記アルカリ液供給部が前記基板に前記アルカリ液を供給することなく、前記剥離液供給部が前記基板に前記剥離液を供給する。
本発明の別の局面によれば、基板処理方法は、回転している基板に、レジスト層を剥離する剥離液を供給する剥離液供給工程と、前記剥離液が前記基板上に存在する間に、前記基板にアルカリ液を供給するアルカリ液供給工程とを含む。
ある実施形態では、前記剥離液は、硫酸と過酸化水素水とが混合された硫酸過酸化水素水混合液を含む。
ある実施形態では、前記剥離液供給工程において、前記基板に前記剥離液を供給して、前記基板のレジスト層に亀裂を生じさせる。前記アルカリ液供給工程において、前記基板に前記アルカリ液を供給して、前記亀裂内に前記アルカリ液を浸入させる。
ある実施形態では、前記基板は、基材と、前記基材上に配置される前記レジスト層と、前記基材および前記レジスト層の間に配置される接着層とを有する。前記アルカリ液供給工程において、前記基板に前記アルカリ液を供給して、前記亀裂内に前記アルカリ液を浸入させ、前記接着層を除去する。
ある実施形態では、前記基板処理方法は、前記アルカリ液供給工程に先立って、前記アルカリ液とスチームとを混合するスチーム混合工程をさらに含む。前記アルカリ液供給工程において、前記基板に前記アルカリ液および前記スチームの混合物を噴霧する。
ある実施形態では、前記基板処理方法は、前記アルカリ液供給工程に先立って、前記アルカリ液と不活性ガスとを混合するガス混合工程をさらに含む。前記アルカリ液供給工程において、前記基板に前記アルカリ液および前記不活性ガスの混合物を噴霧する。
ある実施形態では、前記剥離液供給工程は、前記アルカリ液供給工程に先立って、前記基板に、前記アルカリ液を供給せずに、前記剥離液を供給する第1剥離液供給工程と、前記アルカリ液供給工程の後に、前記基板に、前記アルカリ液を供給せずに、前記剥離液を供給する第2剥離液供給工程とを含む。
本発明によれば、基板の処理時間を短縮することが可能な基板処理装置および基板処理方法を提供できる。
第1実施形態の基板処理装置の模式的な平面図である。 第1実施形態の基板処理装置における基板処理ユニットの模式図である。 第1実施形態の基板処理装置のブロック図である。 基板の構造を模式的に示す拡大断面図である。 剥離液によって基板のレジスト層が分解される状態を模式的に示す拡大断面図である。 剥離液によって基板のレジスト層に亀裂が生じた状態を模式的に示す拡大断面図である。 アルカリ液によって基板の接着層およびレジスト層が剥離される状態を模式的に示す拡大断面図である。 剥離液が基板上に存在する間に、基板にアルカリ液を供給する一例を示す模式図である。 第1実施形態の基板処理方法のフロー図である。 第2実施形態の基板処理方法のフロー図である。 第3実施形態の基板処理装置における基板処理ユニットの模式図である。 第3実施形態の基板処理方法のフロー図である。 第4実施形態の基板処理装置における基板処理ユニットの模式図である。 第4実施形態の基板処理方法のフロー図である。 変形例による基板処理装置における基板処理ユニットの模式図である。
以下、図面を参照して、本発明による基板処理装置の実施形態を説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載することがある。本実施形態では、X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
(第1実施形態)
図1~図9を参照して、本発明の第1実施形態による基板処理装置100について説明する。図1は、第1実施形態の基板処理装置100の模式的な平面図である。
基板処理装置100は、基板Wを処理する。基板処理装置100は、基板Wに対して、エッチング、表面処理、特性付与、処理膜形成、膜の少なくとも一部の除去、および、洗浄のうちの少なくとも1つを行うように基板Wを処理する。
基板Wは、半導体基板として用いられる。基板Wは、半導体ウエハを含む。例えば、基板Wは略円板状である。ここでは、基板処理装置100は、基板Wを一枚ずつ処理する。
図1に示すように、基板処理装置100は、複数の基板処理ユニット10と、処理液キャビネット110と、処理液ボックス120と、複数のロードポートLPと、インデクサーロボットIRと、センターロボットCRと、制御装置101とを備える。制御装置101は、ロードポートLP、インデクサーロボットIRおよびセンターロボットCRを制御する。制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。
ロードポートLPの各々は、複数枚の基板Wを積層して収容する。インデクサーロボットIRは、ロードポートLPとセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送する。センターロボットCRは、インデクサーロボットIRと基板処理ユニット10との間で基板Wを搬送する。基板処理ユニット10の各々は、基板Wに処理液を吐出して、基板Wを処理する。処理液は、例えば、薬液、リンス液、除去液および/または撥水剤を含む。処理液キャビネット110は、処理液を収容する。なお、処理液キャビネット110は、ガスを収容してもよい。
具体的には、複数の基板処理ユニット10は、平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置された複数のタワーTW(図1では4つのタワーTW)を形成している。各タワーTWは、上下に積層された複数の基板処理ユニット10(図1では3つの基板処理ユニット10)を含む。処理液ボックス120は、それぞれ、複数のタワーTWに対応している。処理液キャビネット110内の液体は、いずれかの処理液ボックス120を介して、処理液ボックス120に対応するタワーTWに含まれる全ての基板処理ユニット10に供給される。また、処理液キャビネット110内のガスは、いずれかの処理液ボックス120を介して、処理液ボックス120に対応するタワーTWに含まれる全ての基板処理ユニット10に供給される。
典型的には、処理液キャビネット110は、処理液を調製するための調製槽(タンク)を有する。処理液キャビネット110は、1種類の処理液のための調製槽を有してもよく、複数種類の処理液のための調製槽を有してもよい。また、処理液キャビネット110は、処理液を流通するためのポンプ、ノズルおよび/またはフィルタを有する。
制御装置101は、基板処理装置100の各種動作を制御する。制御装置101により、基板処理ユニット10は基板Wを処理する。
制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。制御部102は、プロセッサを有する。制御部102は、例えば、中央処理演算機(Central Processing Unit:CPU)を有する。または、制御部102は、汎用演算機を有してもよい。
記憶部104は、データおよびコンピュータプログラムを記憶する。データは、レシピデータを含む。レシピデータは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、基板Wの処理内容および処理手順を規定する。
記憶部104は、主記憶装置と、補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリおよび/またはハードディスクドライブである。記憶部104はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部102は、記憶部104の記憶しているコンピュータプログラムを実行して、基板処理動作を実行する。
次に、図2を参照して、第1実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット10を説明する。図2は、第1実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット10の模式図である。
図2に示すように、基板処理ユニット10は、チャンバー11と、送風ユニット12と、基板保持部20と、剥離液供給部30と、アルカリ液供給部40と、過水供給部50と、リンス液供給部60とを備える。
チャンバー11は、内部空間を有する略箱形状である。チャンバー11は、基板Wを収容する。ここでは、基板処理装置100は、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型であり、チャンバー11には基板Wが1枚ずつ収容される。基板Wは、チャンバー11内に収容され、チャンバー11内で処理される。チャンバー11には、基板保持部20、剥離液供給部30、アルカリ液供給部40、過水供給部50およびリンス液供給部60のそれぞれの少なくとも一部が収容される。
送風ユニット12は、チャンバー11の上部または上方に配置される。例えば、送風ユニット12は、チャンバー11の天面に配置される。送風ユニット12は、チャンバー11内に空気を送る。送風ユニット12は、例えば、ファン・フィルタ・ユニット(FFU)を含む。送風ユニット12および排気装置(図示しない)により、チャンバー11内にダウンフロー(下降流)が形成される。
基板保持部20は、基板Wを保持する。基板保持部20は、基板Wの上面(表面)Waを上方に向け、基板Wの下面(裏面)Wbを鉛直下方に向くように基板Wを水平に保持する。また、基板保持部20は、基板Wを保持した状態で基板Wを回転させる。例えば、基板Wの上面Waには、リセスの形成された積層構造が設けられている。基板保持部20は、基板Wを保持したまま基板Wを回転させる。
例えば、基板保持部20は、基板Wの端部を挟持する挟持式であってもよい。あるいは、基板保持部20は、基板Wを下面Wbから保持する任意の機構を有してもよい。例えば、基板保持部20は、バキューム式であってもよい。この場合、基板保持部20は、非デバイス形成面である基板Wの下面Wbの中央部を上面に吸着させることにより基板Wを水平に保持する。あるいは、基板保持部20は、複数のチャックピンを基板Wの周端面に接触させる挟持式とバキューム式とを組み合わせてもよい。
例えば、基板保持部20は、スピンベース21と、チャック部材22と、シャフト23と、スピンモーター24と、ハウジング25とを含む。チャック部材22は、スピンベース21に設けられる。チャック部材22は、基板Wをチャックする。典型的には、スピンベース21には、複数のチャック部材22が設けられる。
シャフト23は、回転軸AXに沿って鉛直方向に延びている。シャフト23の上端には、スピンベース21が結合されている。基板Wは、スピンベース21の上方に載置される。
スピンベース21は、円板状である。チャック部材22は、基板Wを水平に支持する。シャフト23は、スピンベース21の中央部から下方に延びる。スピンモーター24は、シャフト23に回転力を与える。スピンモーター24は、シャフト23を回転方向に回転させることにより、回転軸AXを中心に基板Wおよびスピンベース21を回転させる。ハウジング25は、シャフト23およびスピンモーター24を収容する。
剥離液供給部30は、基板Wに、レジスト層を剥離する剥離液を供給する。典型的には、剥離液供給部30は、基板Wの上面Waに剥離液を供給する。剥離液供給部30の少なくとも一部は、チャンバー11内に収容される。
剥離液は、例えば、SPM(硫酸過酸化水素水混合液)またはオゾン水を含む。SPMは、硫酸と過酸化水素水とが混合された硫酸過酸化水素水混合液である。第1実施形態では、剥離液は、SPMである。基板Wに供給されるSPMの温度は、特に限定されるものではないが、例えば、80℃以上100℃未満である。なお、基板Wに供給されるSPMの温度は、100℃以上であってもよいし、150℃以上であってもよい。また、基板Wに供給されるSPMの温度は、180℃以上であってもよいし、200℃以上であってもよい。
剥離液供給部30は、配管32と、バルブ34と、ノズル36とを含む。ノズル36は、基板Wの上面Waに剥離液を吐出する。ノズル36は、配管32に接続される。配管32には、供給源から剥離液が供給される。なお、配管32は、硫酸と過酸化水素水との混合液(SPM)が貯留されたタンクに接続されていてもよい。または、配管32は、硫酸と過酸化水素水とを流路の途中で合流させてノズル36に供給するように構成されていてもよい。
バルブ34は、配管32内の流路を開閉する。バルブ34は、配管32の開度を調節して、配管32に供給される剥離液の流量を調整する。具体的には、バルブ34は、例えば、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
ノズル36は、基板Wに対して移動可能に構成されてもよい。剥離液供給部30は、ノズル移動部38をさらに有してもよい。ノズル移動部38は、ノズル36を昇降してもよく、ノズル36を回動軸線の周りに水平回動させてもよい。ノズル移動部38は、ノズル36を昇降させる。例えば、ノズル移動部38は、ボールねじ機構と、ボールねじ機構に駆動力を与える電動モーターとを含む。また、ノズル移動部38は、ノズル36を水平回動させる。例えば、ノズル移動部38は、電動モーターを含む。
第1実施形態では、剥離液がノズル36から基板Wに供給される間、ノズル移動部38は、ノズル36を水平方向に往復させる。具体的には、ノズル移動部38は、基板Wに対する剥離液の衝突位置が基板Wの中央部と縁部との間で往復するように、ノズル36を移動させる。これにより、基板Wに対する剥離液の衝突位置が移動する。なお、剥離液がノズル36から基板Wに供給される間、ノズル36は固定されていてもよい。
アルカリ液供給部40は、基板Wにアルカリ液を供給する。典型的には、アルカリ液供給部40は、基板Wの上面Waにアルカリ液を供給する。アルカリ液供給部40の少なくとも一部は、チャンバー11内に収容される。
アルカリ液は、例えば、SC1(アンモニア水と過酸化水素水との混合液)、アンモニア水、または、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を含む。第1実施形態では、アルカリ液は、SC1を含む。
アルカリ液供給部40は、配管42と、バルブ44と、ノズル46とを含む。ノズル46は、基板Wの上面Waにアルカリ液を吐出する。ノズル46は、配管42に接続される。配管42には、供給源からアルカリ液が供給される。
バルブ44は、配管42内の流路を開閉する。バルブ44は、配管42の開度を調節して、配管42に供給されるアルカリ液の流量を調整する。具体的には、バルブ44は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
ノズル46は、基板Wに対して移動可能に構成されてもよい。アルカリ液供給部40は、ノズル移動部48をさらに有してもよい。ノズル移動部48は、ノズル46を昇降してもよく、ノズル46を回動軸線の周りに水平回動させてもよい。ノズル移動部48は、例えば、ノズル移動部38と同様に構成される。
第1実施形態では、アルカリ液がノズル46から基板Wに供給される間、ノズル移動部48は、ノズル46を水平方向に往復させる。具体的には、ノズル移動部48は、基板Wに対するアルカリ液の衝突位置が基板Wの中央部と縁部との間で往復するように、ノズル46を移動させる。これにより、基板Wに対するアルカリ液の衝突位置が移動する。なお、アルカリ液がノズル46から基板Wに供給される間、ノズル46は固定されていてもよい。
なお、図2では、ノズル36とノズル46とが別々に移動するように描いているが、ノズル36とノズル46とは、一体で移動するように構成されてもよい。具体的には、例えば、ノズル36とノズル46とを接続する接続部材が設けられていてもよい。また、ノズル移動部38およびノズル移動部48の一方のみが設けられていてもよい。そして、ノズル移動部38およびノズル移動部48の一方によって、ノズル36およびノズル46の両方が移動されてもよい。
過水供給部50は、基板Wに過酸化水素水を供給する。典型的には、過水供給部50は、基板Wの上面Waに過酸化水素水を供給する。過水供給部50の少なくとも一部は、チャンバー11内に収容される。
過水供給部50は、配管52と、バルブ54と、ノズル56とを有する。ノズル56は、基板Wの上面Waに過酸化水素水を吐出する。ノズル56は、配管52に接続される。配管52には、供給源から過酸化水素水が供給される。バルブ54は、配管52内の流路を開閉する。バルブ54は、配管52の開度を調節して、配管52に供給される過酸化水素水の流量を調整する。具体的には、バルブ54は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
ノズル56は、基板Wに対して移動可能に構成されてもよい。過水供給部50は、ノズル移動部58をさらに有してもよい。ノズル移動部58は、ノズル56を昇降してもよく、ノズル56を回動軸線の周りに水平回動させてもよい。ノズル移動部58は、例えば、ノズル移動部38と同様に構成される。
リンス液供給部60は、基板Wにリンス液を供給する。典型的には、リンス液供給部60は、基板Wの上面Waにリンス液を供給する。リンス液供給部60の少なくとも一部は、チャンバー11内に収容される。
例えば、リンス液として、脱イオン水(Deionized Water:DIW)、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、アンモニア水、希釈濃度(例えば、10ppm~100ppm程度)の塩酸水、または、還元水(水素水)が挙げられる。第1実施形態では、リンス液は、脱イオン水(DIW)である。
リンス液供給部60は、配管62と、バルブ64と、ノズル66とを含む。ノズル66は、基板Wの上面Waにリンス液を吐出する。ノズル66は、配管62に接続される。配管62には、供給源からリンス液が供給される。
バルブ64は、配管62内の流路を開閉する。バルブ64は、配管62の開度を調節して、配管62に供給されるリンス液の流量を調整する。具体的には、バルブ64は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
ノズル66は、基板Wに対して移動可能に構成されてもよい。リンス液供給部60は、ノズル移動部68をさらに有してもよい。ノズル移動部68は、ノズル66を昇降してもよく、ノズル66を回動軸線の周りに水平回動させてもよい。ノズル移動部68は、例えば、ノズル移動部38と同様に構成される。
基板処理ユニット10は、カップ90をさらに備える。カップ90は、基板Wから飛散した処理液を回収する。カップ90は昇降する。例えば、カップ90は、剥離液供給部30、アルカリ液供給部40、過水供給部50および/またはリンス液供給部60が基板Wに剥離液、アルカリ液、過酸化水素水および/またはリンス液を供給する期間にわたって基板Wの側方にまで鉛直上方に上昇する。この場合、カップ90は、基板Wの回転によって基板Wから飛散する剥離液、アルカリ液、過酸化水素水および/またはリンス液を回収する。また、カップ90は、剥離液供給部30、アルカリ液供給部40、過水供給部50および/またはリンス液供給部60が基板Wに剥離液、アルカリ液、過酸化水素水および/またはリンス液を供給する期間が終了すると、基板Wの側方から鉛直下方に下降する。
上述したように、制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。制御部102は、送風ユニット12、基板保持部20、剥離液供給部30、アルカリ液供給部40、過水供給部50、リンス液供給部60および/またはカップ90を制御する。一例では、制御部102は、送風ユニット12、スピンモーター24、バルブ34、44、54、64、ノズル移動部38、48、58、68および/またはカップ90を制御する。
第1実施形態の基板処理装置100は、半導体の設けられた半導体素子の作製に好適に用いられる。典型的には、半導体素子において、基材の上に導電層および絶縁層が積層される。基板処理装置100は、半導体素子の製造時に、導電層および/または絶縁層の洗浄および/または加工(例えば、エッチング、特性変化等)に好適に用いられる。
次に、図1~図3を参照して、第1実施形態の基板処理装置100を説明する。図3は、第1実施形態の基板処理装置100のブロック図である。
図3に示すように、制御装置101は、基板処理装置100の各種動作を制御する。制御装置101は、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、送風ユニット12、基板保持部20、剥離液供給部30、アルカリ液供給部40、過水供給部50、リンス液供給部60およびカップ90を制御する。具体的には、制御装置101は、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、送風ユニット12、基板保持部20、剥離液供給部30、アルカリ液供給部40、過水供給部50、リンス液供給部60およびカップ90に制御信号を送信することによって、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、送風ユニット12、基板保持部20、剥離液供給部30、アルカリ液供給部40、過水供給部50、リンス液供給部60およびカップ90を制御する。
また、記憶部104は、コンピュータプログラムおよびデータを記憶する。データは、レシピデータを含む。レシピデータは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、基板Wの処理内容、処理手順および基板処理条件を規定する。制御部102は、記憶部104の記憶しているコンピュータプログラムを実行して、基板処理動作を実行する。
制御部102は、インデクサーロボットIRを制御して、インデクサーロボットIRによって基板Wを受け渡しする。
制御部102は、センターロボットCRを制御して、センターロボットCRによって基板Wを受け渡しする。例えば、センターロボットCRは、未処理の基板Wを受け取って、複数のチャンバー11のうちのいずれかに基板Wを搬入する。また、センターロボットCRは、処理された基板Wをチャンバー11から受け取って、基板Wを搬出する。
制御部102は、送風ユニット12を制御して、チャンバー11内に空気を送る。例えば、制御部102は、送風ユニット12および排気装置(図示せず)を制御して、チャンバー11内にダウンフローを形成する。
制御部102は、基板保持部20を制御して、基板Wの脱着、基板Wの回転の開始、回転速度の変更および基板Wの回転の停止を制御する。例えば、制御部102は、基板保持部20を制御して、基板保持部20の回転速度を変更することができる。具体的には、制御部102は、基板保持部20のスピンモーター24の回転速度を変更することによって、基板Wの回転速度を変更できる。
制御部102は、剥離液供給部30のバルブ34を制御して、バルブ34の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部102は、剥離液供給部30のバルブ34を制御して、バルブ34を開状態にすることによって、ノズル36に向かって配管32内を流れる剥離液を通過させることができる。また、制御部102は、剥離液供給部30のバルブ34を制御して、バルブ34を閉状態にすることによって、ノズル36に向かって配管32内を流れる剥離液の供給を停止させることができる。
制御部102は、アルカリ液供給部40のバルブ44を制御して、バルブ44の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部102は、アルカリ液供給部40のバルブ44を制御して、バルブ44を開状態にすることによって、ノズル46に向かって配管42内を流れるアルカリ液を通過させることができる。また、制御部102は、アルカリ液供給部40のバルブ44を制御して、バルブ44を閉状態にすることによって、ノズル46に向かって配管42内を流れるアルカリ液の供給を停止させることができる。
制御部102は、バルブ54を制御して、バルブ54の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部102は、バルブ54を制御して、バルブ54を開状態にすることによって、ノズル56に向かって配管52内を流れる過酸化水素水を通過させることができる。また、制御部102は、バルブ54を制御して、バルブ54を閉状態にすることによって、ノズル56に向かって配管52内を流れる過酸化水素水の供給を停止させることができる。
制御部102は、リンス液供給部60のバルブ64を制御して、バルブ64の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部102は、リンス液供給部60のバルブ64を制御して、バルブ64を開状態にすることによって、ノズル66に向かって配管62内を流れるリンス液を通過させることができる。また、制御部102は、リンス液供給部60のバルブ64を制御して、バルブ64を閉状態にすることによって、ノズル66に向かって配管62内を流れるリンス液の供給を停止させることができる。
制御部102は、カップ90を制御して基板Wに対してカップ90を移動させてもよい。具体的には、制御部102は、剥離液供給部30、アルカリ液供給部40、過水供給部50および/またはリンス液供給部60が基板Wに剥離液、アルカリ液、過酸化水素水および/またはリンス液を供給する期間にわたって基板Wの側方にまで鉛直上方にカップ90を上昇させる。また、制御部102は、剥離液供給部30、アルカリ液供給部40、過水供給部50および/またはリンス液供給部60が基板Wに剥離液、アルカリ液、過酸化水素水および/またはリンス液を供給する期間が終了すると、基板Wの側方から鉛直下方にカップ90を下降させる。
次に、図4~図8を参照して、基板Wに剥離液およびアルカリ液を供給した際における、基板Wの上面Waの状態について説明する。図4は、基板Wの構造を模式的に示す拡大断面図である。図5は、剥離液Laによって基板Wのレジスト層203が分解される状態を模式的に示す拡大断面図である。図6は、剥離液Laによって基板Wのレジスト層203に亀裂が生じた状態を模式的に示す拡大断面図である。図7は、アルカリ液Lbによって基板Wの接着層202およびレジスト層203が剥離される状態を模式的に示す拡大断面図である。図8は、剥離液Laが基板W上に存在する間に、基板Wにアルカリ液Lbを供給する一例を示す模式図である。
図4に示すように、基板Wは、基材201と、基材201上に配置されるレジスト層203と、基材201およびレジスト層203の間に配置される接着層202とを有する。
基材201は、例えば、シリコンウエハなどの半導体ウエハである。第1実施形態では、基材201は、シリコンウエハである。
接着層202は、基材201とレジスト層203とを接着する。接着層202は、例えば、樹脂からなる。接着層202は、特に限定されるものではないが、例えば、ヘキサメチルジシラザン(HMDS:Hexamethyldisilazane)を含んでもよい。接着層202は、例えば、ヘキサメチルジシラザンを含む処理ガスを用いて基材201を疎水化処理することにより形成される。
レジスト層203は、樹脂からなる。レジスト層203は、特に限定されるものではないが、例えば、フォトレジスト材料からなる。レジスト層203は、未硬化樹脂が基板W上に塗布された後、例えば、特定波長の光を照射されることによって硬化して、形成される。また、レジスト層203は、例えば、硬化層203aと、未硬化層203bとを含んでいてもよい。この場合、例えば、硬化層203aは、レジスト層203のうち基材201とは反対側(上側)に配置され、未硬化層203bは、レジスト層203のうち基材201側(下側)に配置される。なお、レジスト層203は、上下方向の全体にわたって硬化層203aになっていてもよい。
図5に示すように、基板Wの上面Waにレジスト層203を剥離する剥離液Laを供給すると、剥離液Laによってレジスト層203が分解される。具体的には、剥離液Laがレジスト層203と反応し、レジスト層203が溶解する。剥離液Laは、レジスト層203のうち基材201とは反対側の表面(上面Wa)から基材201側に向かってレジスト層203を溶解する。
そして、図6に示すように、剥離液Laによるレジスト層203の分解が進行すると、レジスト層203に亀裂が生じる。なお、剥離液LaとしてSPMを用いた場合、剥離液Laとしてオゾン水を用いる場合に比べて、レジスト層203の溶解速度を大きくすることができる。また、剥離液Laの温度を高くした場合、剥離液Laの温度を低くする場合に比べて、レジスト層203の溶解速度が大きくなるとともに、レジスト層203に亀裂が生じやすくなる。つまり、剥離液LaとしてSPMを用いたり、剥離液Laの温度を高くしたりした場合、レジスト層203に亀裂が生じるまでの時間を短縮することが可能である。
次に、剥離液供給部30から供給された剥離液Laが基板W上に存在する間に、基板Wにアルカリ液を供給する。これにより、アルカリ液が亀裂内に浸入する。従って、図7に示すように、アルカリ液Lbが接着層202に到達し、アルカリ液Lbにより接着層202を基板Wから除去する。具体的には、例えば、図7および図8に示すように、剥離液供給部30が剥離液Laを基板Wに供給しながら、アルカリ液供給部40がアルカリ液Lbを基板Wに供給する。アルカリ液Lbは、接着層202に浸透して接着層202を膨潤させ、接着層202を基材201から剥がしてもよい。また、アルカリ液Lbは、接着層202を溶解してもよい。このように、アルカリ液Lbにより接着層202を基板Wから除去することによって、レジスト層203も基板Wから除去される。具体的には、レジスト層203は、溶解により全て除去されるのではなく、破片または小片となった状態で除去される。
また、剥離液Laが基板W上に存在する間に、基板Wにアルカリ液Lbを供給することによって、剥離液Laによるレジスト層203の溶解と、亀裂の発生および拡張とを行いながら、アルカリ液Lbを亀裂内に浸入させることができる。よって、レジスト層203を剥離する時間を短縮できる。
なお、ここでは、レジスト層203に亀裂が生じた後に、アルカリ液Lbを基板Wに供給する例について説明したが、レジスト層203に亀裂が生じる前に、アルカリ液Lbの供給を開始してもよい。
特に、剥離液LaとしてSPMを用いる場合にアルカリ液Lbを基板Wに供給すると、剥離液Laとアルカリ液Lbとが反応して剥離液Laの温度が上昇する。従って、上述したように、レジスト層203に亀裂が生じるまでの時間を短縮することができるので、レジスト層203を剥離する時間をより短縮できる。
また、アルカリ液Lbとして、例えばSC1(アンモニア水と過酸化水素水との混合液)を用いる場合、処理液(剥離液Laおよびアルカリ液Lb)中にアンモニアガスが発生する。このアンモニアガスは、レジスト層203の破片または小片を基板Wから浮き上がらせるとともに、浮き上がった破片または小片が基板Wに再付着することを抑制する。なお、処理液が高温のため、処理後の処理液に含まれるアンモニアガスおよびアンモニア水は、処理液から排出される。よって、基板Wを処理した後の処理液を回収して再利用する場合に、処理液からアンモニアを除去する必要がない。
また、アルカリ液Lbとして、例えばSC1を用いる場合、アルカリ液Lbは、時間経過に伴い、SPMによって中和される。従って、アルカリ液Lbとして、例えばSC1を用いる場合であっても、アルカリ液Lbが基材201のシリコンまたは窒化チタンなどに悪影響を及ぼすことを抑制できる。
以上、図1~図8を参照して説明したように、第1実施形態では、基板処理装置100は、基板Wに剥離液Laを供給する剥離液供給部30と、剥離液Laが基板W上に存在する間に、基板Wにアルカリ液Lbを供給するアルカリ液供給部40とを備える。従って、剥離液Laによるレジスト層203の分解を行いながら、アルカリ液Lbを基板Wに対して作用させることができる。具体的には、第1実施形態では、剥離液Laによるレジスト層203の溶解と、亀裂の発生および拡張とを行いながら、アルカリ液Lbを亀裂内に浸入させることができる。よって、レジスト層203を剥離する時間を短縮できる。つまり、基板Wの処理時間を短縮できる。なお、アルカリ液Lbを基板Wに供給する時間の少なくとも一部を、剥離液Laを基板Wに供給する時間とオーバーラップさせれば、基板Wの処理時間をより短縮できる。
また、上記のように、剥離液Laは、硫酸と過酸化水素水とが混合された硫酸過酸化水素水混合液を含む。従って、剥離液Laとして例えばオゾン水を用いる場合に比べて、レジスト層203の剥離時間を短縮できる。
また、上記のように、剥離液供給部30は、基板Wに剥離液Laを供給して、基板Wのレジスト層203に亀裂を生じさせ、アルカリ液供給部40は、基板Wにアルカリ液Lbを供給して、亀裂内にアルカリ液Lbを浸入させる。従って、アルカリ液Lbがレジスト層203の深部(基材201側の部分)に早く到達するので、レジスト層203の剥離時間をより短縮できる。
また、上記のように、アルカリ液供給部40は、基板Wにアルカリ液Lbを供給して、亀裂内にアルカリ液Lbを浸入させ、アルカリ液Lbにより接着層202を除去する。従って、レジスト層203が全て溶解する前に、破片または小片となった状態でレジスト層203を基板Wから除去することができる。よって、レジスト層203の剥離時間をさらに短縮できる。
次に、図4~図9を参照して、第1実施形態の基板処理方法を説明する。図9は、第1実施形態の基板処理方法のフロー図である。第1実施形態の基板処理装置100による基板処理方法は、ステップS101~ステップS108を含む。ステップS101~ステップS108は、制御部102によって実行される。なお、ステップS103は、本発明の「剥離液供給工程」の一例である。また、ステップS104は、本発明の「アルカリ液供給工程」の一例である。
図9に示すように、ステップS101において、基板Wをチャンバー11に搬入する。制御部102の制御により、センターロボットCRは、基板Wをチャンバー11に搬入し、基板保持部20は、搬入された基板Wを保持する。
次に、ステップS102において、基板Wの回転を開始する。制御部102の制御により、基板保持部20は、基板Wを保持した状態で基板Wの回転を開始する。
次に、ステップS103において、剥離液Laを基板Wに供給して、基板Wを剥離処理する。制御部102の制御により、基板保持部20によって回転する基板Wに対して、剥離液供給部30は、ノズル36から剥離液Laを供給する。例えば、剥離液供給部30は、剥離液LaとしてSPMを供給する。これにより、剥離液Laにより、基板Wのレジスト層203が分解される。具体的には、図5に示すように、剥離液Laがレジスト層203のうち基材201とは反対側の表面(上面Wa)から基材201側に向かってレジスト層203を溶解する。そして、図6に示すように、剥離液Laによるレジスト層203の分解が進行すると、レジスト層203に亀裂が生じる。なお、基板Wに対する剥離液Laの供給量は、例えば、0.5L/分以上、1.5L/分以下である。
次に、ステップS104において、アルカリ液Lbを基板Wに供給する。制御部102の制御により、アルカリ液供給部40は、ノズル46から基板Wにアルカリ液Lbを供給する。例えば、アルカリ液供給部40は、アルカリ液LbとしてSC1を供給する。
ここで、第1実施形態では、アルカリ液供給部40は、剥離液供給部30から供給された剥離液Laが基板W上に存在する間に、基板Wにアルカリ液Lbを供給する。
具体的には、剥離液供給部30は、ステップS103に続いてステップS104においても、基板Wに剥離液Laを供給してもよい。この場合、ステップS104では、基板Wに剥離液Laとアルカリ液Lbとの両方が供給される。
または、剥離液供給部30は、ステップS104においては、基板Wに剥離液Laを供給しなくてもよい。この場合、ステップS103で剥離液供給部30が剥離液Laの供給を停止すると、基板Wの回転によって、剥離液Laは基板W上から排出される。このため、ステップS104では、基板W上から剥離液Laが無くなる前に、アルカリ液供給部40は、アルカリ液Lbを基板Wに供給する。
第1実施形態では、剥離液供給部30は、ステップS104においても、剥離液Laを基板Wに供給する。
このように、図8に示すように、剥離液Laが基板W上に存在する間に、基板Wにアルカリ液Lbを供給することによって、剥離液Laがレジスト層203を分解しながら、アルカリ液Lbが亀裂内に浸入する。そして、図7に示すように、アルカリ液Lbが接着層202に到達し、アルカリ液Lbによって接着層202が基板Wから除去される。これにより、レジスト層203も基板Wから除去される。なお、基板Wに対するアルカリ液Lbの供給量は、例えば、0.05L/分以上、0.2L/分以下である。また、アルカリ液Lbの供給量は、剥離液Laの供給量に対して、1/30以上、2/5以下程度である。
そして、制御部102は、アルカリ液Lbの供給を開始してから所定時間が経過すると、アルカリ液Lbの供給を停止する。第1実施形態では、制御部102は、アルカリ液Lbの供給を開始してから所定時間が経過すると、アルカリ液Lbの供給と剥離液Laの供給とを停止する。なお、アルカリ液Lbの供給停止と剥離液Laの供給停止とは、同時に行われてもよい。また、アルカリ液Lbの供給停止を、剥離液Laの供給停止よりも前または後に行ってもよい。
次に、ステップS105において、基板Wにリンス液を供給して基板Wをリンス処理する。制御部102の制御により、リンス液供給部60は、ノズル66から基板Wにリンス液を供給する。例えば、リンス液供給部60は、リンス液としてDIWを供給する。そして、制御部102は、リンス液の供給を開始してから所定時間が経過すると、リンス液の供給を停止する。
次に、ステップS106において、基板Wを乾燥する。制御部102の制御により、基板保持部20は、基板Wの回転速度を増加させて基板W上のリンス液を遠心力によって吹き飛ばす。
次に、ステップS107において、基板Wの回転を停止する。制御部102の制御により、基板保持部20は、基板Wの回転を停止する。
次に、ステップS108において、基板処理ユニット10から基板Wを取り出す。制御部102の制御により、基板保持部20は基板Wの保持を解除し、センターロボットCRは、チャンバー11から基板Wを取り出す。その後、基板Wは、インデクサーロボットIRを介して基板処理装置100の外部に搬送される。
以上のようにして、基板Wに対する処理が終了する。
(第2実施形態)
次に、図10を参照して、本発明の第2実施形態による基板処理装置100について説明する。図10は、第2実施形態の基板処理方法のフロー図である。第2実施形態の基板処理装置100による基板処理方法は、ステップS101~ステップS104、ステップS111、ステップS112、ステップS105~ステップS108を含む。ステップS101~S104、S111、S112、S105~S108は、制御部102によって実行される。なお、ステップS103は、本発明の「剥離液供給工程」「第1剥離液供給工程」の一例である。また、ステップS111は、本発明の「剥離液供給工程」「第2剥離液供給工程」の一例である。第2実施形態の基板処理装置100の構成は、上記第1実施形態と同様である。
図10に示すように、ステップS101~ステップS104は、第1実施形態と同様である。
ステップS111において、剥離液Laを基板Wに供給する。制御部102の制御により、基板保持部20によって回転する基板Wに対して、剥離液供給部30は、ノズル36から剥離液Laを供給する。これにより、例えば、基板Wに残ったレジスト層203および接着層202の残渣が除去される。
なお、ステップS103で剥離液Laの供給が停止されなかった場合、剥離液LaはステップS103からステップS111まで基板Wに供給され続ける。一方、ステップS103で剥離液Laの供給が停止された場合、ステップS111で剥離液Laの供給が再開される。なお、第2実施形態では、ステップS103で剥離液Laの供給が停止されず、剥離液LaはステップS103からステップS111まで基板Wに供給され続ける。
そして、制御部102は、剥離液Laの供給を開始してから所定時間が経過すると、剥離液Laの供給を停止する。なお、第2実施形態におけるステップS103、S104およびS111の剥離液Laの供給時間の合計は、第1実施形態におけるステップS103およびS104の剥離液Laの供給時間の合計と同じであってもよい。また、第2実施形態におけるステップS103およびS104の剥離液Laの供給時間の合計は、第1実施形態におけるステップS103およびS104の剥離液Laの供給時間の合計と同じであってもよい。なお、第2実施形態では、ステップS103、S104およびS111の剥離液Laの供給時間の合計は、第1実施形態におけるステップS103およびS104の剥離液Laの供給時間の合計と同じである。つまり、剥離液Laが処理に必要な時間だけ基板Wに供給される間に、アルカリ液Lbも基板Wに供給される。
次に、ステップS112において、過酸化水素水を基板Wに供給する。制御部102の制御により、基板保持部20によって回転する基板Wに対して、過水供給部50は、ノズル56から過酸化水素水を供給する。これにより、基板Wの上面Waの剥離液Laが過酸化水素水に置換される。そして、制御部102は、過酸化水素水の供給を開始してから所定時間が経過すると、過酸化水素水の供給を停止する。
次に、第1実施形態と同様にして、ステップS105~ステップS108が実行される。
以上のようにして、基板Wに対する処理が終了する。第2実施形態のその他の基板処理方法は、第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、上記のように、剥離液供給工程は、アルカリ液供給工程(ステップS104)に先立って、基板Wに、アルカリ液Lbを供給せずに、剥離液Laを供給する第1剥離液供給工程(ステップS103)と、アルカリ液供給工程(ステップS104)の後に、基板Wに、アルカリ液Lbを供給せずに、剥離液Laを供給する第2剥離液供給工程(ステップS111)とを含む。このように、アルカリ液供給工程(ステップS104)の後に、基板Wに、アルカリ液Lbを供給せずに、剥離液Laを供給する第2剥離液供給工程(ステップS111)を設ける。従って、アルカリ液供給工程(ステップS104)で基板Wに残ったレジスト層203および接着層202の残渣を、第2剥離液供給工程(ステップS111)で除去できる。
また、第2実施形態では、上記のように、アルカリ液供給工程(ステップS104)において、剥離液供給部30が基板Wに剥離液Laを供給しながら、アルカリ液供給部40が基板Wにアルカリ液Lbを供給する。従って、第2実施形態の基板処理方法では、アルカリ液Lbのみを基板Wに供給する時間がない。つまり、アルカリ液Lbを基板Wに供給する全ての時間が、剥離液Laを基板Wに供給する時間とオーバーラップする。よって、基板Wの処理時間をより短縮できる。
第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
次に、図11を参照して、本発明の第3実施形態による基板処理装置100について説明する。図11は、第3実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット10の模式図である。第3実施形態では、第1実施形態および第2実施形態とは異なり、基板Wにアルカリ液Lbおよびスチームの混合物を噴霧する例について説明する。
図11に示すように、アルカリ液供給部40は、基板Wにアルカリ液Lbを供給する。第3実施形態では、アルカリ液供給部40は、基板Wの上面Waにアルカリ液Lbおよびスチームの混合物を噴霧する。言い換えると、アルカリ液供給部40は、基板Wの上面Waに、霧状のアルカリ液Lbを供給する。スチームは、例えば、純水(DIW)の高温蒸気である。なお、第3実施形態において、蒸気は、気体だけでなく、水分が凝固して霧状になったものも含む。
具体的には、基板処理ユニット10は、スチーム供給部70をさらに備える。スチーム供給部70は、アルカリ液供給部40にスチームを供給する。スチーム供給部70は、配管72と、バルブ74とを含む。ノズル46は、配管72にさらに接続される。配管72には、供給源からスチームが供給される。
バルブ74は、配管72内の流路を開閉する。バルブ74は、配管72の開度を調節して、配管72に供給されるスチームの流量を調整する。具体的には、バルブ74は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
バルブ44およびバルブ74が開かれると、ノズル46には、アルカリ液Lbとスチームとが供給される。アルカリ液Lbとスチームとは、ノズル46で混合され、ノズル46からアルカリ液Lbおよびスチームの混合物が基板Wに向かって噴出される。なお、アルカリ液Lbとスチームとは、例えば、ノズル46の内部で混合されてもよいし、ノズル46の吐出口を通過した後に混合されてもよい。第3実施形態では、アルカリ液Lbとスチームとは、ノズル46の内部で混合される。
制御部102は、スチーム供給部70のバルブ74を制御して、バルブ74の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部102は、スチーム供給部70のバルブ74を制御して、バルブ74を開状態にすることによって、ノズル46に向かって配管72内を流れるスチームを通過させることができる。また、制御部102は、バルブ74を制御して、バルブ74を閉状態にすることによって、ノズル46に向かって配管72内を流れるスチームの供給を停止させることができる。
第3実施形態の基板処理装置100のその他の構成は、上記第1実施形態および第2実施形態と同様である。
第3実施形態では、上記のように、アルカリ液供給部40は、基板Wにアルカリ液Lbおよびスチームの混合物を噴霧する。従って、アルカリ液Lbおよびスチームは、基板Wに対して勢いよく吹き付けられる。よって、アルカリ液Lbは、基板Wの上面Waを覆う剥離液Laの膜を通過しやすく、亀裂内に浸入しやすい。よって、アルカリ液Lbは、接着層202に到達しやすい。その結果、接着層202およびレジスト層203を基板Wから除去しやすくなる。
また、第3実施形態では、アルカリ液Lbおよびスチームは、レジスト層203および接着層202に対して物理的に衝突する。従って、レジスト層203および接着層202を、物理的な作用によっても除去できる。よって、レジスト層203および接着層202をより早く基板Wから除去できる。
次に、図12を参照して、本発明の第3実施形態による基板処理装置100について説明する。図12は、第3実施形態の基板処理方法のフロー図である。第3実施形態では、基板処理方法は、ステップS104(アルカリ液供給工程)に先立って、アルカリ液Lbとスチームとを混合するステップS201(スチーム混合工程)をさらに含む例について説明する。なお、第3実施形態では、図10に示した第2実施形態の基板処理方法の一部を変更して説明するが、図9に示した第1実施形態の基板処理方法の一部を変更してもよい。ステップS201は、本発明の「スチーム混合工程」の一例である。
第3実施形態の基板処理装置100による基板処理方法は、ステップS101~ステップS103、ステップS201、ステップS104、ステップS111、ステップS112、ステップS105~ステップS108を含む。ステップS101~S103、S201、S104、S111、S112、S105~S108は、制御部102によって実行される。
図12に示すように、ステップS101~ステップS103は、第2実施形態と同様である。
ステップS201において、アルカリ液Lbとスチームとを混合する。制御部102の制御により、アルカリ液供給部40は、ノズル46にアルカリ液Lbを供給し、スチーム供給部70は、ノズル46にスチームを供給する。これにより、アルカリ液Lbとスチームとが混合される。ノズル46では、アルカリ液Lbとスチームとの混合物が生成され、ノズル46の内圧は、上昇する。なお、アルカリ液Lbの供給開始とスチームの供給開始とは、同時に行われてもよい。また、アルカリ液Lbの供給開始を、スチームの供給開始よりも前または後に行ってもよい。
次に、ステップS104において、アルカリ液Lbを基板Wに供給する。第3実施形態では、アルカリ液Lbとスチームとの混合物が基板Wに噴霧される。このとき、アルカリ液Lbおよびスチームは、基板Wに対して勢いよく吹き付けられる。従って、アルカリ液Lbは、第1実施形態および第2実施形態と比べて、剥離液Laを通過しやすく亀裂内に浸入しやすい。よって、アルカリ液Lbが接着層202に到達しやすい。その結果、接着層202およびレジスト層203が基板Wから除去されやすい。
さらに、第3実施形態では、アルカリ液Lbおよびスチームがレジスト層203および接着層202に対して物理的に衝突する。従って、レジスト層203および接着層202は、物理的な作用によっても除去される。よって、レジスト層203および接着層202をより早く基板Wから除去できる。
また、さらに、第3実施形態では、アルカリ液Lbがスチームによって高温になっているため、レジスト層203および接着層202に対する化学的な作用(溶解)も促進される。よって、レジスト層203および接着層202をさらに早く基板Wから除去できる。
そして、制御部102は、アルカリ液Lbおよびスチームの供給を開始してから所定時間が経過すると、アルカリ液Lbおよびスチームの供給を停止する。なお、アルカリ液Lbの供給停止とスチームの供給停止とは、同時に行われてもよい。また、アルカリ液Lbの供給停止を、スチームの供給停止よりも前または後に行ってもよい。
次に、第2実施形態と同様にして、ステップS111~ステップS108が実行される。
以上のようにして、基板Wに対する処理が終了する。第3実施形態のその他の基板処理方法およびその他の効果は、第2実施形態と同様である。
(第4実施形態)
次に、図13を参照して、本発明の第4実施形態による基板処理装置100について説明する。図13は、第4実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット10の模式図である。第4実施形態では、第1実施形態~第3実施形態とは異なり、基板Wにアルカリ液Lbおよび不活性ガスを噴霧する例について説明する。
図13に示すように、アルカリ液供給部40は、基板Wにアルカリ液Lbを供給する。第4実施形態では、アルカリ液供給部40は、基板Wの上面Waにアルカリ液Lbおよび不活性ガスを噴霧する。不活性ガスは、特に限定されるものではないが、例えば、窒素ガスである。
具体的には、基板処理ユニット10は、ガス供給部80をさらに備える。ガス供給部80は、配管82と、バルブ84とを含む。なお、第4実施形態では、第3実施形態とは異なり、基板処理ユニット10は、スチーム供給部70を備えていない。ノズル46は、配管82にさらに接続される。配管82には、供給源から不活性ガスが供給される。
バルブ84は、配管82内の流路を開閉する。バルブ84は、配管82の開度を調節して、配管82に供給される不活性ガスの流量を調整する。具体的には、バルブ84は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
バルブ44およびバルブ84が開かれると、ノズル46には、アルカリ液Lbと圧縮された不活性ガスとが供給される。アルカリ液Lbと不活性ガスとは、ノズル46で混合され、ノズル46からアルカリ液Lbおよび不活性ガスの混合物が基板Wに向かって噴出される。このとき、アルカリ液Lbは、ノズル46から霧状に噴出される。アルカリ液Lbの液滴サイズは、特に限定されるものではないが、例えば、nmオーダーであってもよい。なお、アルカリ液Lbと不活性ガスとは、例えば、ノズル46の内部で混合されてもよいし、ノズル46の吐出口を通過した後に混合されてもよい。第4実施形態では、アルカリ液Lbと不活性ガスとは、ノズル46の内部で混合される。
制御部102は、ガス供給部80のバルブ84を制御して、バルブ84の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部102は、ガス供給部80のバルブ84を制御して、バルブ84を開状態にすることによって、ノズル46に向かって配管82内を流れる不活性ガスを通過させることができる。また、制御部102は、バルブ84を制御して、バルブ84を閉状態にすることによって、ノズル46に向かって配管82内を流れる不活性ガスの供給を停止させることができる。
第4実施形態の基板処理装置100のその他の構成は、上記第1実施形態および第2実施形態と同様である。
第4実施形態では、上記のように、アルカリ液供給部40は、基板Wにアルカリ液Lbおよび不活性ガスの混合物を噴霧する。従って、アルカリ液Lbおよび不活性ガスは、基板Wに対して勢いよく吹き付けられる。よって、アルカリ液Lbは、基板Wの上面Waを覆う剥離液Laの膜を通過しやすく、亀裂内に浸入しやすい。よって、アルカリ液Lbは、接着層202に到達しやすい。その結果、接着層202およびレジスト層203を基板Wから除去しやすくなる。
また、第4実施形態では、アルカリ液Lbおよび不活性ガスは、レジスト層203および接着層202に対して物理的に衝突する。従って、レジスト層203および接着層202を、物理的な作用によっても除去できる。よって、レジスト層203および接着層202をより早く基板Wから除去できる。
次に、図14を参照して、本発明の第4実施形態による基板処理装置100について説明する。図14は、第4実施形態の基板処理方法のフロー図である。第4実施形態では、基板処理方法は、ステップS104(アルカリ液供給工程)に先立って、アルカリ液Lbと不活性ガスとを混合するステップS301(ガス混合工程)をさらに含む例について説明する。なお、第4実施形態では、図10に示した第2実施形態の基板処理方法の一部を変更して説明するが、図9に示した第1実施形態の基板処理方法の一部を変更してもよい。ステップS301は、本発明の「ガス混合工程」の一例である。
第4実施形態の基板処理装置100による基板処理方法は、ステップS101~ステップS103、ステップS301、ステップS104、ステップS111、ステップS112、ステップS105~ステップS108を含む。ステップS101~S103、S301、S104、S111、S112、S105~S108は、制御部102によって実行される。
図14に示すように、ステップS101~ステップS103は、第2実施形態と同様である。
ステップS301において、アルカリ液Lbと不活性ガスとを混合する。制御部102の制御により、アルカリ液供給部40は、ノズル46にアルカリ液Lbを供給し、ガス供給部80は、ノズル46に不活性ガスを供給する。これにより、アルカリ液Lbと不活性ガスとが混合される。ノズル46では、アルカリ液Lbと不活性ガスとの混合物が生成され、ノズル46の内圧は、上昇する。なお、アルカリ液Lbの供給開始と不活性ガスの供給開始とは、同時に行われてもよい。また、アルカリ液Lbの供給開始を、不活性ガスの供給開始よりも前または後に行ってもよい。なお、基板Wに対する不活性ガスの供給量は、アルカリ液Lbの供給量に対して、100倍以上、2000倍以下であることが好ましい。例えば、不活性ガスの供給量は、5L/分以上、400L/分以下である。
次に、ステップS104において、アルカリ液Lbを基板Wに供給する。第4実施形態では、アルカリ液Lbおよび不活性ガスが基板Wに噴霧される。このとき、アルカリ液Lbおよび不活性ガスは、基板Wに対して勢いよく吹き付けられる。従って、アルカリ液Lbは、第1実施形態および第2実施形態と比べて、基板W上の剥離液Laの膜を通過しやすく、亀裂内に浸入しやすい。よって、アルカリ液Lbが接着層202に到達しやすい。その結果、接着層202およびレジスト層203が基板Wから除去されやすくなる。
さらに、第4実施形態では、アルカリ液Lbおよび不活性ガスがレジスト層203および接着層202に対して物理的に衝突する。従って、レジスト層203および接着層202は、物理的な作用によっても除去される。よって、レジスト層203および接着層202をより早く基板Wから除去できる。
そして、制御部102は、アルカリ液Lbおよび不活性ガスの供給を開始してから所定時間が経過すると、アルカリ液Lbおよび不活性ガスの供給を停止する。なお、アルカリ液Lbの供給停止と不活性ガスの供給停止とは、同時に行われてもよい。また、アルカリ液Lbの供給停止を、不活性ガスの供給停止よりも前または後に行ってもよい。
次に、第2実施形態と同様にして、ステップS111~ステップS108が実行される。
以上のようにして、基板Wに対する処理が終了する。第4実施形態のその他の基板処理方法およびその他の効果は、第2実施形態と同様である。
(変形例)
次に、図15を参照して、本発明の変形例による基板処理装置100について説明する。図15は、変形例による基板処理装置100における基板処理ユニット10の模式図である。この変形例では、第1実施形態~第4実施形態とは異なり、例えば剥離液Laに超音波振動を付与する例について説明する。なお、ここでは、図2に示した第1実施形態の基板処理ユニット10の構成の一部を変更して説明するが、第3実施形態または第4実施形態の基板処理ユニット10の構成の一部を変更してもよい。
図15に示すように、基板処理ユニット10は、超音波発振子を有する超音波発振器150をさらに備える。超音波発振子は、超音波を発振する。超音波発振子は、特に限定されるものではないが、耐酸性に優れる白金を用いて構成されることが好ましい。本変形例では、超音波発振器150は、剥離液供給部30に配置される。具体的には、超音波発振器150は、剥離液供給部30の配管32のうちノズル36の周辺に配置される。なお、超音波発振器150は、剥離液供給部30のノズル36に配置されてもよい。
超音波発振器150は、剥離液Laに超音波振動を付与する。これにより、基板Wのレジスト層203および接着層202に対して、剥離液Laを介して超音波振動を作用させることができる。よって、レジスト層203および接着層202をより早く基板Wから除去できる。
または、超音波発振器150が剥離液Laに超音波振動を付与することによって、剥離液La中に気泡が生じる。気泡のサイズは特に限定されるものではないが、気泡は、例えば、マイクロバブルまたはナノバブルであってもよい。剥離液La中の気泡は、レジスト層203および接着層202に対して物理的に作用して、レジスト層203および接着層202の剥離を促進する。よって、レジスト層203および接着層202をより早く基板Wから除去できる。
なお、ここでは、超音波発振器150を剥離液供給部30に配置して剥離液Laに超音波振動を付与する例について説明したが、例えば、超音波発振器150をアルカリ液供給部40に配置してアルカリ液Lbに超音波振動を付与してもよい。
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、第3実施形態では、アルカリ液Lbおよびスチームの混合物を噴霧する例について説明した。つまり、高温の霧状のアルカリ液Lbを噴出する例について説明した。また、第4実施形態では、アルカリ液Lbおよび不活性ガスの混合物を噴霧する例について説明した。つまり、霧状のアルカリ液Lbを噴出する例について説明した。しかしながら、本発明はこれらに限らない。例えば、シャワー状のアルカリ液Lbを基板Wに供給してもよい。
剥離液Laについても、アルカリ液Lbと同様にして、基板Wに供給してもよい。つまり、霧状の剥離液Laをノズル36から噴出してもよい。この場合、高温の霧状の剥離液Laをノズル36から噴出してもよい。また、シャワー状の剥離液Laを基板Wに供給してもよい。
また、第1実施形態~第4実施形態では、アルカリ液Lbとして、例えばSC1を用いる例について説明したが、本発明はこれに限らない。アルカリ液Lbとして、例えばTMAHを用いてもよい。この場合、TMAHはSC1に比べてシリコンまたは窒化チタンに対して反応しにくいので、アルカリ液Lbが基材201のシリコンまたは窒化チタンに対して悪影響を及ぼすことを抑制できる。
また、第1実施形態~第4実施形態では、剥離液Laとして硫酸と過酸化水素水との混合液を用いる構成において、供給源から配管32に硫酸過酸化水素水混合液が供給される例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、硫酸と過酸化水素水とを配管32の途中で合流させてノズル36に供給してもよい。この場合、硫酸の供給を停止することによって、過酸化水素水のみをノズル36に供給し、基板Wに過酸化水素水を供給することが可能である。従って、過水供給部50を設けなくてもよい。
本発明は、基板処理装置および基板処理方法に好適に用いられる。
20 :基板保持部
30 :剥離液供給部
40 :アルカリ液供給部
70 :スチーム供給部
80 :ガス供給部
100 :基板処理装置
201 :基材
202 :接着層
203 :レジスト層
La :剥離液
Lb :アルカリ液
S103 :ステップ(剥離液供給工程、第1剥離液供給工程)
S104 :ステップ(アルカリ液供給工程)
S111 :ステップ(剥離液供給工程、第2剥離液供給工程)
S201 :ステップ(スチーム混合工程)
S301 :ステップ(ガス混合工程)
W :基板

Claims (14)

  1. 基板を保持して回転させる基板保持部と、
    前記基板保持部によって回転される前記基板に、レジスト層を剥離する剥離液を供給する剥離液供給部と、
    前記剥離液供給部から供給された前記剥離液が前記基板上に存在する間に、前記基板にアルカリ液を供給するアルカリ液供給部と
    を備える、基板処理装置。
  2. 前記剥離液は、硫酸と過酸化水素水とが混合された硫酸過酸化水素水混合液を含む、請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記剥離液供給部は、前記基板に前記剥離液を供給して、前記基板のレジスト層に亀裂を生じさせ、
    前記アルカリ液供給部は、前記基板に前記アルカリ液を供給して、前記亀裂内に前記アルカリ液を浸入させる、請求項1または請求項2に記載の基板処理装置。
  4. 前記基板は、基材と、前記基材上に配置される前記レジスト層と、前記基材および前記レジスト層の間に配置される接着層とを有し、
    前記アルカリ液供給部は、前記基板に前記アルカリ液を供給して、前記亀裂内に前記アルカリ液を浸入させ、前記アルカリ液により前記接着層を除去する、請求項3に記載の基板処理装置。
  5. 前記アルカリ液供給部にスチームを供給するスチーム供給部をさらに備え、
    前記アルカリ液供給部は、前記基板に前記アルカリ液および前記スチームの混合物を噴霧する、請求項1または請求項2に記載の基板処理装置。
  6. 前記アルカリ液供給部に不活性ガスを供給するガス供給部をさらに備え、
    前記アルカリ液供給部は、前記基板に前記アルカリ液および前記不活性ガスの混合物を噴霧する、請求項1または請求項2に記載の基板処理装置。
  7. 前記アルカリ液供給部が前記基板に前記アルカリ液を供給することなく、前記剥離液供給部が前記基板に前記剥離液を供給した後、
    前記剥離液供給部が前記基板に前記剥離液を供給しながら、前記アルカリ液供給部が前記基板に前記アルカリ液を供給し、
    その後、前記アルカリ液供給部が前記基板に前記アルカリ液を供給することなく、前記剥離液供給部が前記基板に前記剥離液を供給する、請求項1または請求項2に記載の基板処理装置。
  8. 回転している基板に、レジスト層を剥離する剥離液を供給する剥離液供給工程と、
    前記剥離液が前記基板上に存在する間に、前記基板にアルカリ液を供給するアルカリ液供給工程と
    を含む、基板処理方法。
  9. 前記剥離液は、硫酸と過酸化水素水とが混合された硫酸過酸化水素水混合液を含む、請求項8に記載の基板処理方法。
  10. 前記剥離液供給工程において、前記基板に前記剥離液を供給して、前記基板のレジスト層に亀裂を生じさせ、
    前記アルカリ液供給工程において、前記基板に前記アルカリ液を供給して、前記亀裂内に前記アルカリ液を浸入させる、請求項8または請求項9に記載の基板処理方法。
  11. 前記基板は、基材と、前記基材上に配置される前記レジスト層と、前記基材および前記レジスト層の間に配置される接着層とを有し、
    前記アルカリ液供給工程において、前記基板に前記アルカリ液を供給して、前記亀裂内に前記アルカリ液を浸入させ、前記接着層を除去する、請求項10に記載の基板処理方法。
  12. 前記アルカリ液供給工程に先立って、前記アルカリ液とスチームとを混合するスチーム混合工程をさらに含み、
    前記アルカリ液供給工程において、前記基板に前記アルカリ液および前記スチームの混合物を噴霧する、請求項8または請求項9に記載の基板処理方法。
  13. 前記アルカリ液供給工程に先立って、前記アルカリ液と不活性ガスとを混合するガス混合工程をさらに含み、
    前記アルカリ液供給工程において、前記基板に前記アルカリ液および前記不活性ガスの混合物を噴霧する、請求項8または請求項9に記載の基板処理方法。
  14. 前記剥離液供給工程は、
    前記アルカリ液供給工程に先立って、前記基板に、前記アルカリ液を供給せずに、前記剥離液を供給する第1剥離液供給工程と、
    前記アルカリ液供給工程の後に、前記基板に、前記アルカリ液を供給せずに、前記剥離液を供給する第2剥離液供給工程と
    を含む、請求項8または請求項9に記載の基板処理方法。
JP2022186718A 2022-11-22 2022-11-22 基板処理装置および基板処理方法 Pending JP2024075337A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022186718A JP2024075337A (ja) 2022-11-22 2022-11-22 基板処理装置および基板処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022186718A JP2024075337A (ja) 2022-11-22 2022-11-22 基板処理装置および基板処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024075337A true JP2024075337A (ja) 2024-06-03

Family

ID=91321503

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022186718A Pending JP2024075337A (ja) 2022-11-22 2022-11-22 基板処理装置および基板処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024075337A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7181764B2 (ja) 基板処理方法および基板処理装置
KR100835776B1 (ko) 기판처리방법 및 기판처리장치
US8371318B2 (en) Liquid processing apparatus, liquid processing method, and storage medium
US7494549B2 (en) Substrate treatment apparatus and substrate treatment method
KR102027725B1 (ko) 기판 처리 장치 및 기판 처리 방법
TWI547765B (zh) 基板處理方法及基板處理裝置
KR101988848B1 (ko) 기판 처리 방법 및 기판 처리 장치
JP2008235342A (ja) 基板処理装置および基板処理方法
CN108713239B (zh) 基板处理方法及基板处理装置
JP2024075337A (ja) 基板処理装置および基板処理方法
JP2024075336A (ja) 基板処理装置および基板処理方法
JP7094147B2 (ja) 基板処理方法および基板処理装置
WO2016152371A1 (ja) 基板処理方法および基板処理装置
WO2024062759A1 (ja) 基板処理装置および基板処理方法
JP2002261068A (ja) 基板処理装置および基板処理方法
JP2024075338A (ja) 基板処理装置および基板処理方法
TWI834178B (zh) 基板處理方法以及基板處理裝置
WO2024057787A1 (ja) 基板処理装置、および、フィルタの気泡除去方法
TW202414560A (zh) 基板處理裝置以及基板處理方法
JP6268410B2 (ja) 基板処理装置および基板処理方法
TW202238715A (zh) 基板處理方法以及基板處理裝置
JP2005175228A (ja) レジスト剥離方法およびレジスト剥離装置