JP2024074627A - 異物除去装置、異物除去方法、および物品の製造方法 - Google Patents

異物除去装置、異物除去方法、および物品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024074627A
JP2024074627A JP2022185911A JP2022185911A JP2024074627A JP 2024074627 A JP2024074627 A JP 2024074627A JP 2022185911 A JP2022185911 A JP 2022185911A JP 2022185911 A JP2022185911 A JP 2022185911A JP 2024074627 A JP2024074627 A JP 2024074627A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foreign matter
substrate
matter removal
curable composition
template
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022185911A
Other languages
English (en)
Inventor
洋介 村上
一樹 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Publication of JP2024074627A publication Critical patent/JP2024074627A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

Figure 2024074627000001
【課題】 1つの型(部材)を複数回の異物除去処理に用いて、基板上の異物を除去することができる構成を提供することを目的とする。
【解決手段】 基板保持部で保持される基板上の硬化性組成物に、部材を接触させた状態で、硬化部で硬化性組成物を硬化させた後、基板から部材と硬化性組成物とを分離させるように駆動部を制御することで、異物除去処理が行う異物除去装置であって、制御パラメータを、異物除去処理に使用する部材の、過去の異物除去処理の履歴情報に基づいて調整する。これにより同じ型を複数回用いて異物除去処理を行うことができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、異物除去装置、異物除去方法、および物品の製造方法に関するものである。
半導体デバイスやMEMSなどの微細化の要求が進み、従来のフォトリソグラフィー技術に加えて、基板上に数ナノメートルオーダーの微細なパターン(構造体)を形成することができるインプリント技術が注目されている。インプリント技術は、基板上に未硬化のインプリント材を供給(塗布)し、かかるインプリント材とモールド(型)とを接触させて、モールドに形成された微細な凹凸パターンに対応するインプリント材のパターンを基板上に形成する微細加工技術である。
インプリント技術において、インプリント材の硬化法の1つとして光硬化法がある。光硬化法は、基板上のショット領域に供給されたインプリント材とモールドとを接触させた状態で光を照射してインプリント材を硬化させ、硬化したインプリント材からモールドを引き離すことでインプリント材のパターンを基板上に形成する方法である。
このようなインプリント技術では、基板上に異物が付着している状態で型と基板上のインプリント材を接触させると、所望の形状の構造物を形成することができないばかりか型や基板を破損してしまう可能性がある。そのため、基板上に付着した異物を除去してからインプリント処理を行う必要がある。
特許文献1には、基板の凹凸パターン面上にある異物に対して、パターン面全体を覆うように樹脂を塗布し、次に平坦化部材を樹脂に押し付け、その状態で樹脂を硬化させる。その後、基板から異物を含んだ樹脂を剥離させる方法が開示されている。
特許文献2には、モールドのパターン上に異物が在った際に、パーティクル除去膜が構成され、さらに、その上にインプリント材が塗布された基板に、モールドを押し付けてから、光を照射してインプリント材を硬化させる。その後、モールドを基板から引き離すことで、モールド上に在った異物を、基板のインプリント材に取り込むという、モールド上の異物を除去する方法が記載されている。
特許第5982996号公報 特許第5121549号公報
本発明者は特許文献1及び2に記載のような異物除去方法を、基板上の異物除去に適用することを検討している。具体的には基板上の異物を硬化性組成物で覆い、当該硬化性組成物を介して基板と型(部材)とが接触している状態で硬化性組成物を硬化させ、硬化性組成物と異物を型側に密着させた状態で基板と部材とを分離させて、異物の除去を行う。
この方法を用いる際に異物の除去に用いた型を1回の異物除去処理にしか使えないとすると、除去処理を行うたびに部材の洗浄や交換することが必要となり運用コストが高くなることが懸念される。そのため、本発明者は1つの型を複数回の異物除去処理に用いることを検討している。
本発明は、1つの型(部材)を複数回の異物除去処理に用いて、基板上の異物を除去する際に、異物除去性能が低下することなく異物除去ができる手法を提供することを目的とする。
上記目的を鑑み、本発明は、基板上の異物を除去する異物除去処理を行う異物除去装置であって、基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部で保持される基板と前記部材保持部で保持される部材との間の距離が変更されるように、前記基板保持部および前記部材保持部の少なくとも一方を駆動する駆動部と、前記硬化性組成物を硬化させる硬化部と、前記基板上の硬化性組成物に、前記部材を接触させた状態で、前記硬化部で前記硬化性組成物を硬化させた後、前記基板から前記部材と前記硬化性組成物とを分離させるように、前記駆動部を制御することで、異物除去処理が行われるように制御する制御部と、を有し、前記制御部は、異物除去処理に使用する部材の、過去の異物除去処理の履歴情報に基づいて制御パラメータを調整し、当該調整された制御パラメータを用いて異物除去処理を行うように制御することを特徴とする。
本発明によれば、1つの型(部材)を複数回の異物除去処理に用いて、異物除去性能が低下することなく基板上の異物を除去することができる有利な構成を提供することができる。
異物除去装置の構成を示す概略図である。 異物除去処理の流れを説明するフローチャートである。 異物除去処理を実行した際の様子を説明する概略図である。 異物除去処理の押印工程を説明する図である。 段差を有する基板に対する異物除去処理の流れを説明する概略図である。 凸形状を有する基板に対する異物除去処理の流れを説明する概略図である。 異物除去装置の構成を示す概略図である。 異物除去処理の流れを説明するフローチャートである。 異物除去処理の流れを説明する概略図である。 物品の製造方法を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の各図では、基板の表面に平行な方向をXY平面とするXYZ座標系において方向が示される。XYZ座標系におけるX軸、Y軸、Z軸にそれぞれ平行な方向をX方向、Y方向、Z方向とし、X軸周りの回転、Y軸周りの回転、Z軸周りの回転をそれぞれθX、θY、θZとする。X軸、Y軸、Z軸に関する制御または駆動は、それぞれX軸に平行な方向、Y軸に平行な方向、Z軸に平行な方向に関する制御または駆動を意味する。
<第1の実施形態>
図1は異物除去装置10を示す概略図である。異物除去装置10は、半導体デバイスなどの物品の製造工程で用いることができ、物品に欠陥が発生するのを防止するために基板上に付着した異物を除去する異物除去処理を行うために用いられる。異物除去装置10で行われる異物除去処理は少なくとも、以下の工程を含みうる。
(a)基板上に硬化性組成物などの樹脂層を塗布する塗布工程。
(b)基板上に供給された樹脂層とテンプレートとを接触させる押印工程。
(c)樹脂層に硬化用のエネルギを与えることにより樹脂層を硬化させる硬化工程。
(d)基板から、硬化した樹脂層をテンプレートとともに引き離す分離工程。
異物除去処理により、基板上の異物は硬化した樹脂層に内包され、樹脂層とともに基板から除去される。異物除去材として用いられる樹脂層は、硬化用のエネルギが与えられることにより硬化する硬化組成物(未硬化状態の樹脂と呼ぶこともある)が用いられる。硬化用のエネルギとしては、例えば、熱や電磁波が用いることができる。電磁波としては、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される、赤外線、可視光線、紫外線などの光を用いることができる。以下、硬化反応を起こす光を樹脂層に照射することを露光と呼ぶ。
本実施形態では硬化性組成物として、光の照射により硬化する光硬化成組成物を用いて説明を行う。光硬化性樹脂には、複数の重合性化合物と、所定の波長に反応して重合因子(ラジカル)を発生する光重合開始剤が少なくとも配合されている。その他の添加剤として増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、溶剤、ポリマー成分などを適宜配合されている。重合性化合物とは、光重合開始剤から発生した重合因子(ラジカル等)と反応し、連鎖反応(重合反応)によって高分子化合物からなる膜を形成する化合物である。このような重合性化合物として、例えばラジカル重合性化合物が挙げられ、アクリロイル基又はメタクリロイル基を1つ以上有する化合物、すなわち(メタ)アクリル化合物であることが好ましい。
図1に示す異物除去装置10は、基板11を保持する基板保持部13と、テンプレート12(部材、型とも称する)を保持するテンプレート保持部14を移動する駆動部15と、硬化部16と、制御部17と、圧力調整部18と、塗布部19とを備えている。
基板11は、例えば、パターンが形成された半導体ウエハやMEMSウエハ、パワー半導体ウエハ、ディスプレイ用ガラス基板やバイオ素子などデバイス製造に使用される基板を用いることができ、母材の上に複数の層を有している。母材としては例えば、半導体、ガラス、セラミックス、金属、樹脂等を用いることができる。基板11には、必要に応じて、インプリント材と基板1との密着性を向上させるために密着層が設けてもよい。また基板11上には、複数のショット領域(インプリント領域)が設定されてもよい。
異物除去に用いるテンプレート12は、例えば、基板11と同等の例えば円形の外形形状で、石英など紫外線を透過させることが可能な材料で構成されうる。テンプレート12表面は、パターンのない平坦な面を用いることができる。
基板保持部13は、基板11を保持可能なように構成され、不図示の搬送装置などにより搬入された基板11を、例えば、真空吸着力または静電力などによって保持する。
テンプレート保持部14は、テンプレート12を保持可能なように構成され、不図示の搬送装置などにより搬入されたテンプレート12を、例えば、真空吸着力または静電力などによって保持する。
駆動部15は、テンプレート保持部14をZ方向に移動させることができるように構成され、例えばリニアモーター、エアシリンダなどのアクチュエータを含んでいる。駆動部15で基板11とテンプレート12との間の距離を制御することで、基板11とテンプレート12とを接触させたり離したりすることができる。さらに、駆動部15はθX軸、θY軸に駆動でき、基板と11とテンプレート12の平行度を調整するために用いることもできる。
硬化部16は、樹脂層の硬化用のエネルギ(例えば、紫外線等の光)を供給あるいは照射することによって光硬化性樹脂からなる樹脂層を硬化させる。具体的には、硬化部16は、基板11上の樹脂層21とテンプレート12とが接触した状態で、テンプレート12を介して光照射(露光)する。これにより、異物を内包した樹脂層の硬化物が形成される。硬化部16は、例えば、樹脂層を硬化させる光(紫外線などの露光光)を射出する光源を有する。また、硬化部16は、光源から射出された光を異物除去処理において適切な光に調整するための光学素子を含んでいてもよい。
制御部17は異物除去装置10の各部を制御して、異物除去処理を行う。制御部17は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Arrayの略。)などのPLD(Programmable Logic Deviceの略。)、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略。)、プログラムが組み込まれた汎用コンピュータやメモリ、または、これらの全部若しくは一部の組み合わせによって構成されうる。
圧力調整部18は、テンプレート12の基板11に対向する面の反対側の空間の圧力を調整できるように構成されており、例えばエアレギュレータ、加圧ポンプ、減圧ポンプなどを含みうる。この空間の圧力を調整することで、テンプレート12を湾曲させることができる。例えば、この空間を加圧すれば、テンプレート12は基板11方向に凸の形で湾曲する。
塗布部19は、基板11に樹脂層21を塗布可能なように構成されている。塗布部19は、インクジェット法、ディスペンサ法、スピンコート法などから適宜選択される方法で樹脂材料を塗布することができる。
図2は、第1実施形態に係る異物除去装置10の異物除去処理の流れを説明するフローチャートである。図2には、複数の基板11に順次異物除去処理を実行していく処理が示されている。図2に示すフローチャートにおける各工程は、制御部17によって各部を制御することによって実行される。図3は、複数の基板11に対して異物除去処理を実行した際の様子を説明する概略図であり、XZ平面を表示している。
工程S101(テンプレート搬送)では、制御部17は、不図示の搬送装置を制御してテンプレート12を搬入させ、テンプレート保持部14に保持させる。
工程S102(塗布工程)では、制御部17は、塗布部19を制御して搬入する予定の基板11上に異物除去材として用いられる樹脂層21を塗布する。図3(a)は、樹脂層が塗布される前の基板11を示しており、異物22が基板11上に存在する様子を示している。図3(b)は、樹脂層21Aが塗布された後の基板11の様子を示している。
工程S103(基板搬入)では、制御部17は、不図示の搬送装置を制御して基板11を基板保持部13に搬入する。
工程S104(押印工程)では、制御部17は駆動部15を制御して、テンプレート12を基板11上の樹脂層21に押し付ける。図3(c)は、押印工程における、基板11とテンプレート12と樹脂層21Aを示している。具体的には基板11とテンプレート12との間のZ方向の距離が徐々に小さくなるように、駆動部15を制御してテンプレート12を保持するテンプレート保持部14のZ軸の位置を下げていく。
図4(a)は押印工程における、テンプレート保持部14のZ軸方向の位置Hの時間変化を示したグラフである。横軸が時間で縦軸が位置Hを表す。時刻T0が押印工程の開始時刻で、時刻T1が押印工程の終了時間である。位置Hは、時刻T0で位置H0から時刻T1で位置H1になるように駆動部15を制御する。図4(b)は押印工程の時刻T0におけるテンプレート12の状態を表している図である。圧力調整部18は、テンプレート12の基板11に対抗する面の反対側の空間の圧力を高めて、テンプレートを湾曲させる。これにより、テンプレート12と基板11上の樹脂材との接触を中心位置から始めることができ、樹脂層21とテンプレート12との間に空気を挟み込む量を低減できる。押印工程終了時である時刻T1では、圧力調整部18は圧力を初期状態に戻し、テンプレート12をフラットな状態に戻す。
工程S105(充填工程)では、基板11とテンプレート12の間に樹脂層21が行き渡るまで待機する時間である。図3(d)は、充填工程における、基板11とテンプレート12と樹脂層21を示している。樹脂層21が基板11とテンプレートとの間の隅々まで行き渡るように待機している。待機時間Taは、樹脂層21の膜厚や、基板11の表面形状などによって変わりうるので、ユーザーが設定できるようになっている。待機時間Taを必要以上に長く設けると、異物除去処理にかかる時間が長くなるため隅々にいきわたる適当な時間であることが必要である。なお、本実施形態においては樹脂層21を基板11とテンプレート12との間の隅々まで行き渡らせることを充填と呼ぶ。
工程S106(硬化工程)では、制御部17は、待機時間Taが経過後に硬化部16を制御して樹脂層21に硬化用のエネルギを与えて、硬化させる。図3(e)は、硬化工程における基板11とテンプレート12と樹脂層21を示している。図中の矢印は硬化エネルギを表している。硬化部16はテンプレート12のZ方向上方に位置しているため、テンプレート12の上方から硬化用エネルギが与えられる。硬化用エネルギは紫外線を含む光であり、テンプレート12は石英ガラスのような紫外線を透過する材料で構成されているので、硬化用エネルギは樹脂層21に到達する。
工程S107(分離工程)では、制御部17は、基板11とテンプレート12を離す方向に駆動部15を駆動制御する。図3(f)は、分離工程における基板11とテンプレート12と樹脂層21を示している。テンプレート12を基板11から引き離すと、硬化した樹脂層21は、テンプレート12側に付着し、基板11には残存しない。基板11とテンプレート12のどちらに樹脂層21が付着するかは、樹脂層21とそれぞれの密着力や接触面積に依存する。したがって、樹脂層21は、テンプレート12との密着力が大きい材料を選定する。基板11上にあった異物22は、硬化した樹脂層21に内包されているので、樹脂層21とともにテンプレート12側に移り、基板11上から除去される。
工程S108(基板搬出)では、制御部17は、不図示の搬送装置を制御して基板11を基板保持部13から搬出する。
工程S109では、次に異物除去処理を行う基板11があるかどうかを判定し、次に処理する基板11がある場合、工程S109に進む。次の処理基板がない場合は、工程S111に進み、制御部17は、不図示の搬送装置を制御してテンプレート12をテンプレート保持部14から搬出して処理を終了する。
工程S110(パラメータ調整工程)では、押印工程、充填工程、露光工程に係る制御パラメータを調整する。各テンプレート12の異物除去処理回数は、異物除去処理ごとに記録されており、その回数に基づいて制御パラメータを調整する。このように制御パラメータを調整しておくことで、最適な制御パラメータで次の異物除去処理を行うことができる。具体的な調整方法については後述する。制御パラメータの調整後、工程S102(塗布工程)に戻り、次の基板11に対して、同様の処理を行う。
なお、S111でテンプレート12を搬出する際にも、次に当該テンプレート12を用いて異物除去処理を行う時のために、メモリなどに当該テンプレート12を用いて異物除去処理を行う際の制御パラメータの設定を記憶させておくことが好ましい。
以上が異物除去装置10の異物除去処理の方法である。塗布工程、押印工程、充填工程、硬化工程、分離工程を繰り返すことによって、基板11上の異物を樹脂層とともにテンプレート側に移し、基板11上から異物を除去することができる。
このような異物除去を確実に行うためには押印工程、充填工程、露光工程に係る制御パラメータが異物除去処理に適したものである必要がある。このような制御パラメータが適したものでないと異物除去に失敗し不良を発生させることもあり得る。その1例として、充填時間Taが十分でなく充填が完了する前に、硬化工程、分離工程に移行することが考えられる。充填工程における基板11とテンプレート12との間に樹脂層21を隅々まで行き渡らせるとは、言い換えれば、基板11とテンプレート12との間に空気が残留しない状態を作ることを意味している。空気が残存している場合、酸素阻害によって硬化工程で樹脂層が確実に硬化しない可能性が生じる。樹脂層が硬化しないと、分離工程の際に異物22がテンプレート12側に持ち上げられなかったり、樹脂層21が基板側に残存したりすることがある。また、空気が残存している場合、樹脂層21とテンプレート12との接触面積が減り、分離させるためにテンプレート12を上昇させても樹脂層21が基板11側に付着したままになり、分離不良となる恐れがある。こういった不良の発生を低減するために、S109で制御パラメータの調整工程が必要となる。
同じテンプレート12を用いて繰り返し3回の異物除去処理を行った後のテンプレート12の様子を図3(g)に示す。テンプレート12を交換しないで、繰り返し異物除去処理工程を行うと、図3(g)のように、複数の樹脂層(樹脂層21A、21B、21C・・)がテンプレート12に積層される。積層される樹脂層21の厚さTは、工程S102で塗布した樹脂層21の厚さの総和となる。すなわち1回目の樹脂層21Aの厚さT1と2回目の樹脂層21Bの厚さT2と3回目の樹脂層21Cの厚さT3の和となる。工程S102で樹脂層21を各基板に対して一定の厚さとなるように塗布していれば、異物除去回数に1回あたりの樹脂層21の厚さを乗じた値になる。なお、樹脂層21は、硬化する際に多少の硬化収縮を起こすため、硬化収縮率を乗じることでより真値に近い値を得ることもできる。
このように、テンプレート12に樹脂層21が積層されていくと、異物除去処理時のテンプレート12の表面は積層された樹脂層21の最下層となるため、テンプレート12と基板11との間の初期距離は、狭くなっていく。そのため調整工程では、図4(a)で示した押印工程におけるテンプレート12の位置すなわちテンプレート保持部14の下降を完了する位置を変更する。つまり下降を完了する位置は、積層された樹脂層21の厚さ分だけ位置H1から基板11から離れた位置H2、すなわち除去回数が増えるほど接触完了とする位置は高くなるように調整する。このような位置とすることで、基板保持部で保持される基板とテンプレート保持部で保持されるテンプレートとの間の距離は広くなり、テンプレート12の積層された樹脂層21の厚さを考慮した状態で押印することができる。
積層された樹脂層21の厚さを考慮した調整を行わない場合、駆動部15の駆動量が過大になり、過剰な力でテンプレート12を基板11に押し付けることになる可能性がある。また接触開始のタイミングも、既に積層されている樹脂層21の厚さ分だけ早くなるため、接触開始のタイミングに合わせて圧力調整部18による圧力制御のタイミングも変更することが必要である。圧力調整部18による圧力調整タイミングが接触タイミングとずれてしまうと、押印工程で基板11とテンプレート12との間に空気を挟み込んでしまい、上述のとおり異物除去処理が確実に行えない可能性があるためである。
以上のように、複数回同じテンプレート12を用いる際には、積層された樹脂層21の厚さが厚くなるほど接触を開始してから接触が完了するまでの時間を長くするような押印工程となるように制御パラメータを調整する。すなわち、異物除去処理の回数、または、異物除去処理で前記部材に付着している硬化した前記硬化性組成物の厚さといった、次に異物除去処理を行う前の(過去の)異物除去処理に用いられた履歴情報に基づいて、押印工程にかかる制御パラメータを調整する。これにより押印工程による不良の発生を低減して異物除去を連続して行うことが可能となる。
次に、硬化工程による制御パラメータの調整の必要性について説明する。テンプレート12の表面に樹脂層21が積層されていると、その厚さに応じて硬化エネルギの透過率が低下し、異物除去処理の樹脂層21に到達する硬化エネルギが少なくなる可能性がある。硬化エネルギが不足すると樹脂層21は十分に硬化できず、分離工程で樹脂層21が千切れる等して基板11側に樹脂層21が残存して不良となりうる。そこで、S109の制御パラメータの調整工程では、異物除去回数または積層された樹脂層21の厚さといった情報に基づいて、硬化エネルギの量を調整する。すなわち、積層された樹脂層21の厚さが厚くなるほど、硬化エネルギの量を増やすように、硬化部16の制御パラメータを調整する。例えば硬化部16から照射される紫外線の照射時間を長くする。樹脂層21の厚さによる硬化エネルギの低下を補うように、樹脂層21が厚くなるほど硬化エネルギのエネルギ量が大きくなるように硬化部16の制御パラメータを調整することで、硬化工程による不良の発生を低減して異物除去処理を連続して行うことが可能となる。
次に、基板11上に段差がある場合の異物除去処理における制御パラメータの調整の必要性について説明する。基板11は、半導体製造の途中段階の基板であり、半導体製造の工程を経ることにより基板11表面に段差が発生することがある。このような基板11に対して、同じテンプレート12を用いて連続して異物除去処理を行った場合の様子を図5に示す。図5は段差付き基板11上の異物22を、テンプレート12を用いて異物除去処理する際の様子を説明する概略図であり、XZ平面を表示している。
図5(a)は、異物22が付着した段差付き基板11Aを示している。図5(b)は、塗布工程で、樹脂層21Aが塗布された段差付き基板11Aを示している。図5(c)は、充填工程における段差付き基板11Aとテンプレート12と樹脂層21Aを示している。図5(d)は、分離工程終了後のテンプレート12と樹脂層21Aを示している。図5(d)に示すようにテンプレート12に付着している硬化した樹脂層21Aには、基板11Aの段差形状が転写されている。図5(e)は、続けて、段差付き基板11Bに異物除去処理を行う際の押印工程の段差付き基板11Bとテンプレート12と樹脂層21Bを示している。このようにテンプレート12の接触面には硬化した樹脂層21Aがあるため、樹脂層21Bに押印工程で接触する最初の位置は、樹脂層21Aの段差形状に左右されることがわかる。図5(f)は、続けて充填工程に移行した際の段差付き基板11Bとテンプレート12と樹脂層21Bを示している。テンプレート12の接触面に段差が生じている場合には、図5(c)のようにテンプレート12の接触面に段差がない場合と比べて接触開始位置の変化が生じたり表面積が変化したりするため、樹脂層が充填するのに時間がかかる。
そのため、工程S109のプロファイル調整工程で、異物除去処理の2回目以降では、樹脂層21の厚さが厚くなるほど接触させてから硬化させるまでの時間をながくするように制御パラメータを調整する。すなわち異物除去回数または積層された樹脂層21の厚さといった情報に基づいて充填工程の時間を延長するように変更する。変更後の具体的な充填時間は、段差基板の表面状態に応じて異なってくるため、実験を行いその結果から決めることが好ましい。これにより、樹脂層の充填が完了する前に硬化工程、分離工程に移行する可能性を低減できる。樹脂層が充填する前に、硬化工程と分離工程を行うと、樹脂層21中に空気を含んでいる状態で分離工程をおこなうことになり、樹脂層21が完全に分離できずに基板11側に樹脂層21が残存してしまうことになる。樹脂層21が基板側に残存すると、基板11の後の工程で欠陥となり製造不良となりうる。
また、工程S109のプロファイル調整工程で、異物除去処理の2回目以降では、異物除去回数または積層された樹脂層21の厚さといった情報に基づいて、塗布部19による樹脂層21の塗布膜厚を厚くするように変更してもよい。樹脂層21の膜厚が厚くなることで、樹脂層21の流動性が高くなり、押印工程、充填工程での充填が完了する時間を短縮できる。これによって、樹脂層21の充填が完了する前に、硬化工程、分離工程に移行する可能性を低減できる。
次に、基板11上に中心が高い山型の傾斜が生じている場合の異物除去処理における制御パラメータの調整の必要性について説明する。中心が高い山型の傾斜が生じている基板11に対して、同じテンプレート12を用いて連続して異物除去処理工程を行った場合の様子を図6に示す。図6は山型基板11上の異物22を、テンプレート12を用いて異物除去処理を行う際の概略図であり、XZ平面を表示している。
図6(a)は、異物22が付着した山型基板11Cを示している。山型基板11Cは図のように基板の中心部が高い形状をしている。図6(b)は、塗布工程で、樹脂層21Cが塗布された山型基板11を示している。図6(c)は、充填工程における山型基板11Cとテンプレート12と樹脂層21Cを示している。図6(d)は、分離工程終了後のテンプレート12と樹脂層21Cを示している。図のようにテンプレート12に付着している硬化した樹脂層21Cには、基板11Cの山型形状が転写されている。図6(e)は、続けて、山型基板11Dに異物除去処理を行う際の押印工程の山型基板11Dとテンプレート12と樹脂層21Dを示している。このようにテンプレート12の接触面には硬化した樹脂層21Cがあるため、樹脂層21Dに押印工程で接触する最初の位置は、樹脂層21Cの形状に左右され、中心部が接触しづらくなっていることがわかる。図6(f)は、続けて充填工程に移行した際の山型基板11Dとテンプレート12と樹脂層21Dを示している。テンプレートの接触面に傾斜が生じていると、傾斜が生じてない場合と比べて接触開始位置の変化が生じたり表面積も変化するため、樹脂層が充填するのに時間がかかる。
そのため、図5で説明した段差付き基板11と同様に、工程S109のプロファイル調整で、異物除去処理の2回目以降では、異物除去回数または積層された樹脂層21の厚さといった情報に基づいて押印工程、充填工程の時間を延長するように変更する。つまり1回目の異物除去工程よりも、2回目以降は充填時間を長くする。変更後の具体的な充填時間は、山形の傾斜度合いの影響で異なってくるため、実験を行いその結果から決めることが好ましい。これにより、樹脂層の充填が完了する前に硬化工程、分離工程に移行する可能性を低減できる。
また別の手段として、山型基板11への樹脂層の充填時間を短縮するために、制御パラメータの1つであるテンプレート12の湾曲を調整してもよい。図4(b)に示す押印工程では、テンプレート12を基板の側に凸形状となるように湾曲させてテンプレートを押印させる。湾曲量の調整とは圧力調整部18への指令値(圧力量)を変更することで実現することができる。具体的な湾曲量の調整量は山型基板11の傾斜度合いから決めることが好ましい。圧力調整部18で調整されるテンプレート12の湾曲量は、有限要素解析などにより求めることができる。これにより押印工程でテンプレート12を中心位置から接触されるように修正できれば、樹脂層が充填する前に硬化工程、分離工程に移行し、不良を発生させる可能性を低減できる。
以上のように、異物除去装置10は、異物除去処理に用いるテンプレートの過去の異物除去処理に用いられた履歴情報に基づいて、押印工程、充填工程、露光工程の制御プロファイルを変更する。これにより同じテンプレート12を用いて複数回異物除去処理を行う際に、不良が発生する可能性を低減でき、生産性を高めることができる。
<第2の実施形態>
第1の実施形態では基板11の全面に一括で異物除去処理を行う異物除去装置10の例を用いて説明したが、本実施形態では、基板11の一部領域に対して異物除去処理を行う異物除去装置10について説明する。このような異物除去装置10では、例えば、外部の異物検査装置で異物の存在、座標を検査した後で、異物のある個所のみを異物除去することができる。樹脂層の塗布面積が減少するので、樹脂層の使用量を削減したり、不必要な異物除去を行う必要がなくなり生産性を高めることができる。本実施形態では、第1の実施形態と異なる内容について中心に説明を行い、第1の実施形態と同様な内容については説明を省略する。本実施形態において言及しない事項は、第1実施形態に従うものとする。
図7は、第2実施形態における異物除去装置10の概略図を示している。図7に示す異物除去装置10は、基板11を保持する基板保持部13と、テンプレート12を保持するテンプレート保持部14をZ方向に移動する駆動部15と、硬化部16と、制御部17と、圧力調整部18と、塗布部19とを備えている。
基板保持部13は、基板11を保持してXY平面方向に移動な構成され、不図示の搬送装置などにより搬入された基板11を、例えば、真空吸着力または静電力などによって保持する。XY平面方向の駆動には、例えば、リニアモーターなどが用いられる。
テンプレート12には基体部から突出する凸部が設けられており、当該凸部には基板11に異物除去材として用いられる樹脂層21を介して接触するメサ面12aが設けられている。メサ面12aのサイズは、基板11のインプリント領域に応じたサイズとしてもよい。
テンプレート保持部14,駆動部15、硬化部16、制御部17,圧力調整部18は第1実施形態と同等であるので説明を省略する。
塗布部19は、樹脂層21を基板11の指定された位置に指定された量の樹脂を塗布できるように構成される。塗布部19は、インクジェット法、ディスペンサ法、スピンコート法などから適宜選択される方法で樹脂材料を塗布することができる。樹脂の供給は、基板保持部13で基板11を塗布部19の下方に移動させた状態で行われる。
図8は、第2実施形態に係る異物除去装置10の樹脂層を示すフローチャートである。図8には、基板11上の複数の領域に順次異物除去処理を実行していく処理が示されている。図8に示すフローチャートにおける各工程は、制御部17によって各部を制御することによって実行される。図9は、樹脂層の工程を説明するための概略図であり、XZ平面を表示している。
工程S201(テンプレート搬送)では、制御部17は、不図示の搬送装置を制御してテンプレート12を搬入させ、テンプレート保持部14に保持させる。
工程S202(基板搬入)では、制御部17は、不図示の搬送装置を制御して基板11を基板保持部13に搬入する。
工程S203(塗布工程)では、制御部17は、塗布部19を制御して基板11上の異物除去処理を行う位置に異物除去材として用いられる樹脂層21を塗布する。図9(a)は、樹脂層が塗布される前の基板11を示しており、異物22が基板11上に存在する様子を示している。図9(b)は、塗布部19で樹脂層21を塗布している途中の基板11を示している。
工程S104(押印工程)では、制御部17は駆動部15を制御して、テンプレート12を基板11上の樹脂層21に押し付ける。図9(c)は、押印工程における、基板11とテンプレート12と樹脂層21Aを示している。具体的には基板11とテンプレート12との間のZ方向の距離が徐々に小さくなるように、駆動部15を制御してテンプレート12を保持するテンプレート保持部14のZ軸の位置を下げていく。圧力調整部18は、テンプレート12の基板11に対抗する面の反対側の空間の圧力を高めて、テンプレート12のメサ面12aを湾曲させる。これにより、テンプレート12のメサ面12aと基板11上の樹脂材との接触をメサ面12aの中心位置から始めることができ、樹脂層21とテンプレート12との間に空気を挟み込む量を低減できる。押印工程終了時には、圧力調整部18は圧力を初期状態に戻し、メサ面12aをフラットな状態に戻す。図9(c)に示すように、テンプレート12のメサ面12aは、樹脂層21が設けられている基板11の一部領域と接触する。
工程S205(充填工程)では、基板11とテンプレート12の間に樹脂層21が行き渡るまで待機する。図3(d)は、充填工程における、基板11とテンプレート12と樹脂層21を示している。
工程S206(硬化工程)では、制御部17は、待機時間経過後に硬化部16を制御して樹脂層21に硬化用のエネルギを与えて、硬化させる。図9(e)は、硬化工程における基板11とテンプレート12と樹脂層21を示している。
工程S207(分離工程)では、制御部17は、基板11とテンプレート12を離す方向に駆動部15を駆動制御する。図9(f)は、分離工程における基板11とテンプレート12と樹脂層21を示している。テンプレート12を基板11から引き離すと、硬化した樹脂層21は、テンプレート12側に付着し、基板11には残存しない。基板11上にあった異物22は、硬化した樹脂層21に内包されているので、樹脂層21とともにテンプレート12側に移り、基板11上から除去される。
工程S208では、基板11内に次の被処理領域があるかどうかを判定し、次の被処理領域がある場合、工程S209に進み、次の被処理領域がない場合、工程S210にすすむ。
工程S210(基板搬出)では、制御部17は、不図示の搬送装置を制御して基板11を基板保持部13から搬出する。
工程S211では、次の被処理基板があるかどうかを判定する。次の被処理基板がある場合、工程S213に進み、次の被処理領域がない場合、S211に進み、制御部17は、不図示の搬送装置を制御してテンプレート12をテンプレート保持部14から搬出して処理を終了する。
工程S209(パラメータ調整工程)と工程S213(パラメータ調整工程)の処理内容は同等であり、押印工程、充填工程、露光工程に係る制御パラメータを調整する。各テンプレート12の異物除去処理回数は、異物除去処理ごとに記録されており、その回数に基づいて制御パラメータを調整する。このように制御パラメータを調整しておくことで、最適な制御パラメータで次の異物除去処理を行うことができる。
工程S209で制御パラメータを調整した後は、工程S203(塗布工程)に戻り、同じ基板内の次の異物除去処理領域に対して異物除去処理を継続する。工程S213で制御パラメータを調整した後は、工程S202(基板搬送工程)に戻り、次の基板11に対して、同様の処理を行う。
なお、S212でテンプレート12を搬出する際にも、次に当該テンプレート12を用いて異物除去処理を行う時のために、メモリなどに当該テンプレート12を用いて異物除去処理を行う際の制御パラメータの設定を記憶させておくことが好ましい。
以上が異物除去装置10の異物除去処理の方法である。塗布工程、押印工程、充填工程、硬化工程、分離工程を繰り返すことによって、基板11上の異物を樹脂層とともにテンプレート側に移し、基板11上から異物を除去することができる。
同じテンプレート12を用いて繰り返し3回の異物除去処理工程を行った後のテンプレート12の様子を図9(g)に示す。第1実施形態と同様に、樹脂層21がテンプレート表面に積層される。
以上のように、本実施形態においても異物除去装置10において、異物除去処理に用いるテンプレートの過去の異物除去処理に用いられた履歴情報に基づいて、押印工程、充填工程、露光工程の制御プロファイルを変更する。これにより同じテンプレート12を用いて複数回異物除去処理を行う際に、不良が発生する可能性を低減でき、生産性を高めることができる。
〈物品の製造について〉
以上説明した異物除去装置を用いて異物除去された基板は、インプリント装置などを用いて硬化物のパターン等の構造物をさらに形成することができ、これらの構造物は、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。
物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、型等である。電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMのような、揮発性或いは不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAのような半導体素子等が挙げられる。型としては、インプリント用のモールド等が挙げられる。
硬化物のパターンは、上記物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、レジストマスクとして一時的に用いられる。基板の加工工程においてエッチング又はイオン注入等が行われた後、レジストマスクは除去される。
次に、図10を用いて、インプリント装置によって基板にパターンを形成し、該パターンが形成された基板を処理し、該処理が行われた基板から物品を製造する物品製造方法について説明する。まず図10(a)に示すように、絶縁体等の被加工材2zが表面に形成されたシリコンウエハ等の基板1zを用意し、続いて、インクジェット法等により、被加工材2zの表面にインプリント材3zを付与する。ここでは、複数の液滴状になったインプリント材3zが基板上に付与された様子を示している。
図10(b)に示すように、インプリント用の型4zを、その凹凸パターンが形成された側を基板上のインプリント材3zに向け、対向させる。図10(c)に示すように、インプリント材3zが付与された基板1zと型4zとを接触させ、圧力を加える。インプリント材3zは型4zと被加工材2zとの隙間に充填される。この状態で硬化用のエネルギとして光を型4zを介して照射すると、インプリント材3zは硬化する。
図10(d)に示すように、インプリント材3zを硬化させた後、型4zと基板1zを引き離すと、基板1z上にインプリント材3zの硬化物のパターンが形成される。この硬化物のパターンは、型の凹部が硬化物の凸部に、型の凸部が硬化物の凹部に対応した形状になっており、即ち、インプリント材3zに型4zの凹凸パターンが転写されたことになる。
図10(e)に示すように、硬化物のパターンを耐エッチングマスクとしてエッチングを行うと、被加工材2zの表面のうち、硬化物が無いか或いは薄く残存した部分が除去され、溝5zとなる。図10(f)に示すように、硬化物のパターンを除去すると、被加工材2zの表面に溝5zが形成された物品を得ることができる。ここでは硬化物のパターンを除去したが、加工後も除去せずに、例えば、半導体素子等に含まれる層間絶縁用の膜、つまり、物品の構成部材として利用してもよい。
そして物品の製造方法には、基板に供給(塗布)されたインプリント材に上記のインプリント装置(インプリント方法)を用いてパターンを形成する工程と、かかる工程でパターンを形成された基板を加工する工程も含まれる。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利であるといえる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
<実施形態のまとめ>
本明細書の開示は、少なくとも以下の構成を含む。
(項目1)
基板上の異物を除去する異物除去処理を行う異物除去装置であって、
基板を保持する基板保持部と、
部材を保持する部材保持部と、
前記基板保持部で保持される基板と前記部材保持部で保持される部材との間の距離が変更されるように、前記基板保持部および前記部材保持部の少なくとも一方を駆動する駆動部と、
硬化性組成物を硬化させる硬化部と、
前記基板上の硬化性組成物に、前記部材を接触させた状態で、前記硬化部で前記硬化性組成物を硬化させた後、前記基板から前記部材と前記硬化性組成物とを分離させるように、前記駆動部を制御することで、異物除去処理が行われるように制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、異物除去処理に使用する部材の、過去の異物除去処理の履歴情報に基づいて制御パラメータを調整し、当該調整された制御パラメータを用いて異物除去処理を行うように制御することを特徴とする異物除去装置。
(項目2)
前記履歴情報とは、異物除去処理の回数、または、異物除去処理で前記部材に付着している硬化した前記硬化性組成物の厚さ情報を含んでおり、
前記制御部は、異物除去処理の回数、または、異物除去処理で前記部材に付着している硬化した前記硬化性組成物の厚さ情報に基づいて、異物除去処理における制御パラメータを調整することを特徴とする項目1に記載の異物除去装置。
(項目3)
前記制御パラメータは、前記基板上の硬化性組成物に前記部材の接触を開始してから接触が完了するまでにかかる時間を含み、
前記制御部は、前記部材の異物除去処理の回数が増える、または、前記硬化性組成物の厚さが厚くなるほど、前記接触が完了するまでにかかる時間が長くなるように前記制御パラメータを調整することを特徴とする項目2に記載の異物除去装置。
(項目4)
前記制御パラメータは、前記基板上の硬化性組成物を前記部材に接触させた状態で、前記硬化部で硬化性組成物を硬化させるまでの時間を含み、
前記制御部は、前記部材の異物除去処理の回数が増える、または、前記硬化性組成物の厚さが厚くなるほど、前記硬化されるまでの時間が長くなるように前記制御パラメータを調整することを特徴とする項目2または3に記載の異物除去装置。
(項目5)
前記制御パラメータは、前記基板保持部およびと前記部材保持部の位置を含み、
前記制御部は、前記部材の異物除去処理の回数が増える、または、前記硬化性組成物の厚さが厚くなるほど、前記基板上の硬化性組成物に前記部材を接触させた際の距離は広くなるように調整することを特徴とする項目2乃至4のいずれか1項に記載の異物除去装置。
(項目6)
前記制御パラメータは、前記硬化部による硬化エネルギ量を含み、
前記制御部は、前記部材の異物除去処理の回数が増える、または、前記硬化性組成物の厚さが厚くなるほど、前記硬化エネルギ量が大きくなるように調整することを特徴とする項目2乃至5のいずれか1項に記載の異物除去装置。
(項目7)
前記部材が前記基板の側に凸形状となるように調整する調整部をさらに有し、前記制御部は、前記部材が凸形状となるように変形している状態で前記基板上の硬化性組成物に接触するように制御し、前記制御パラメータは、前記調整部の指令値を含むことを特徴とする項目1乃至6のいずれか1項に記載の異物除去装置。
(項目8)
前記基板上に硬化性組成物を塗布する塗布部をさらに有し、前記制御パラメータは、前記塗布部からの塗布量を含むことを特徴とする項目1乃至7のいずれか1項に記載の異物除去装置。
(項目9)
基板上の硬化性組成物に、部材を接触させる接触工程と、
前記基板上の硬化性組成物と前記部材とを接触させた状態で硬化性組成物を硬化させる硬化工程と、
前記硬化性組成物が硬化した後に、前記基板から前記部材と前記硬化性組成物とを分離させる分離工程と、を制御パラメータに基づいて行う異物除去装置の異物除去方法であって、
異物除去処理に使用する部材の、過去の異物除去処理の履歴情報に基づいて制御パラメータを調整する調整工程をさらに有することを特徴とする異物除去方法。
(項目10)
項目1乃至8のいずれか1項に記載の異物除去装置で異物が除去された基板を設ける工程と、
前記基板を加工する工程と、を含み、
前記加工された基板から物品を製造することを特徴とする物品の製造方法。

Claims (10)

  1. 基板上の異物を除去する異物除去処理を行う異物除去装置であって、
    基板を保持する基板保持部と、
    部材を保持する部材保持部と、
    前記基板保持部で保持される基板と前記部材保持部で保持される部材との間の距離が変更されるように、前記基板保持部および前記部材保持部の少なくとも一方を駆動する駆動部と、
    硬化性組成物を硬化させる硬化部と、
    前記基板上の硬化性組成物に、前記部材を接触させた状態で、前記硬化部で前記硬化性組成物を硬化させた後、前記基板から前記部材と前記硬化性組成物とを分離させるように、前記駆動部を制御することで、異物除去処理が行われるように制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、異物除去処理に使用する部材の、過去の異物除去処理の履歴情報に基づいて、制御パラメータを調整し、当該調整された制御パラメータを用いて異物除去処理を行うように制御することを特徴とする異物除去装置。
  2. 前記履歴情報とは、異物除去処理の回数、または、異物除去処理で前記部材に付着している硬化した前記硬化性組成物の厚さ情報を含んでおり、
    前記制御部は、異物除去処理の回数、または、異物除去処理で前記部材に付着している硬化した前記硬化性組成物の厚さ情報に基づいて、異物除去処理における制御パラメータを調整することを特徴とする請求項1に記載の異物除去装置。
  3. 前記制御パラメータは、前記基板上の硬化性組成物に前記部材の接触を開始してから接触が完了するまでにかかる時間を含み、
    前記制御部は、前記部材の異物除去処理の回数が増える、または、前記硬化性組成物の厚さが厚くなるほど、前記接触が完了するまでにかかる時間が長くなるように前記制御パラメータを調整することを特徴とする請求項2に記載の異物除去装置。
  4. 前記制御パラメータは、前記基板上の硬化性組成物を前記部材に接触させた状態で、前記硬化部で硬化性組成物を硬化させるまでの時間を含み、
    前記制御部は、前記部材の異物除去処理の回数が増える、または、前記硬化性組成物の厚さが厚くなるほど、前記硬化されるまでの時間が長くなるように前記制御パラメータを調整することを特徴とする請求項2に記載の異物除去装置。
  5. 前記制御パラメータは、前記基板保持部および前記部材保持部の位置を含み、
    前記制御部は、前記部材の異物除去処理の回数が増える、または、前記硬化性組成物の厚さが厚くなるほど、前記基板上の硬化性組成物に前記部材を接触させた際の距離は広くなるように調整することを特徴とする請求項2に記載の異物除去装置。
  6. 前記制御パラメータは、前記硬化部による硬化エネルギ量を含み、
    前記制御部は、前記部材の異物除去処理の回数が増える、または、前記硬化性組成物の厚さが厚くなるほど、前記硬化エネルギ量が大きくなるように調整することを特徴とする請求項2に記載の異物除去装置。
  7. 前記部材が前記基板の側に凸形状となるように調整する調整部をさらに有し、
    前記制御部は、前記部材が凸形状となるように変形している状態で前記基板上の硬化性組成物に接触するように制御し、
    前記制御パラメータは、前記調整部の指令値を含むことを特徴とする請求項1に記載の異物除去装置。
  8. 前記基板上に硬化性組成物を塗布する塗布部をさらに有し、
    前記制御パラメータは、前記塗布部からの塗布量を含むことを特徴とする請求項1に記載の異物除去装置。
  9. 基板上の硬化性組成物に、部材を接触させる接触工程と、
    前記基板上の硬化性組成物と前記部材とを接触させた状態で硬化性組成物を硬化させる硬化工程と、
    前記硬化性組成物が硬化した後に、前記基板から前記部材と前記硬化性組成物とを分離させる分離工程と、を制御パラメータに基づいて行う異物除去装置の異物除去方法であって、
    異物除去処理に使用する部材の、過去の異物除去処理の履歴情報に基づいて制御パラメータを調整する調整工程をさらに有することを特徴とする異物除去方法。
  10. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の異物除去装置で異物が除去された基板を設ける工程と、
    前記基板を加工する工程と、を含み、
    前記加工された基板から物品を製造することを特徴とする物品の製造方法。
JP2022185911A 2022-11-21 異物除去装置、異物除去方法、および物品の製造方法 Pending JP2024074627A (ja)

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024074627A true JP2024074627A (ja) 2024-05-31

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI756856B (zh) 壓印裝置及物品的製造方法
KR102507668B1 (ko) 임프린트 장치, 임프린트 방법 및 물품 제조 방법
KR20130009983A (ko) 미세 요철 패턴의 형성 방법 및 형성 장치, 전사용 기판의 제조 방법, 및 전사용 기판
JP2019075551A (ja) インプリント装置、及び、物品の製造方法
KR102611179B1 (ko) 임프린트 방법, 임프린트 장치, 및 물품 제조 방법
US11841616B2 (en) Imprint apparatus, imprint method, and method of manufacturing article
JP2019216143A (ja) 型を用いて基板上の組成物を成形する成形装置、および物品の製造方法
TWI709161B (zh) 壓印裝置及物品的製造方法
JP2024074627A (ja) 異物除去装置、異物除去方法、および物品の製造方法
WO2018088049A1 (ja) インプリント装置、インプリント方法、及び物品製造方法
JP7433949B2 (ja) インプリント装置、インプリント方法及び物品の製造方法
JP7362429B2 (ja) 成形装置、成形方法、および物品の製造方法
JP2019220526A (ja) 型を用いて基板上の組成物を成形する成形装置、成形方法、および、物品の製造方法
US20230091051A1 (en) Imprint apparatus, imprint method, and article manufacturing method
KR102357572B1 (ko) 평탄화 방법, 평탄화 시스템 및 물품 제조 방법
JP7466375B2 (ja) インプリント方法、インプリント装置及び物品の製造方法
JP7358192B2 (ja) インプリント装置、インプリント方法及び物品の製造方法
US20230321895A1 (en) Imprint apparatus, imprint method and article manufacturing method
JP7446934B2 (ja) 型、平坦化装置、平坦化方法及び物品の製造方法
JP2019216196A (ja) 成形装置及び物品の製造方法
JP7418127B2 (ja) 平坦化装置、平坦化方法及び物品の製造方法
JP7195789B2 (ja) 平坦化装置、及び物品の製造方法
US20220355534A1 (en) Forming apparatus and article manufacturing method
JP2023125837A (ja) 成形方法、成形装置、および物品の製造方法
JP2024055155A (ja) 異物除去システム、異物除去方法、異物除去装置、物品の製造方法