JP2024074409A - パンツタイプ使い捨ておむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】尿の繰り返し吸収回数が多くなっても漏れがより発生しにくいものとする。【解決手段】上記課題は、内装体200における起き上がりギャザー60を有しない部分の最大厚みをt1とし、前身頃F及び後身頃Bの各外装体12の胴周り部のみを幅方向WDに直線的に弾性限界まで伸長した扁平状態のパンツタイプ使い捨ておむつを正面から見て、一方の起き上がりギャザー60の先端のうち、ウエスト開口WOの縁から最も遠くに位置する第1ギャザー最下点71と、他方の起き上がりギャザー60の先端のうち、ウエスト開口WOの縁から最も遠くに位置する第2ギャザー最下点72とを結ぶ第1基準直線73の長さをx1とし、第1基準直線73よりもウエスト開口WOに対して遠くに位置する外形線上の点から、第1基準直線73に下した垂線の長さの最大値をy1とすると、y1-t1がx1の0.40~0.50倍である、ことにより解決される。【選択図】図10

Description

本発明は、両側部に起き上がりギャザーを備えたパンツタイプ使い捨ておむつに関するものである。
パンツタイプ使い捨ておむつは、横漏れを防止するために、両側部に前後方向に延在する帯状の起き上がりギャザーを設けることが一般的となっている。
しかしながら、従来のパンツタイプ使い捨ておむつでは、尿の繰り返し吸収が5、6回程度になると、起き上がりギャザーを備えていても横漏れが発生したり、横漏れが発生しない場合には前漏れが発生したりすることがあった。
特開2002-102282号公報 特開2013-255849号公報 特開2011-229866号公報 特開2009-082358号公報
そこで、本発明の主たる課題は、尿の繰り返し吸収回数が多くなっても漏れがより発生しにくいパンツタイプ使い捨ておむつを提供することにある。
上記課題は、以下に述べるパンツタイプ使い捨ておむつにより解決される。
<第1の態様>
前身頃から後身頃にわたる一体的な外装体、又は前身頃及び後身頃に別々に設けられた外装体と、
股間部より前側の位置から前記股間部より後側の位置まで、前記外装体の幅方向の中間に取り付けられた内装体と、
前記前身頃における前記外装体の両側部と、前記後身頃における前記外装体の両側部とがそれぞれ接合されて形成された、一対のサイドシールと、
前記前身頃の前縁と前記後身頃の後縁とにより形成されたウエスト開口と、
前記内装体の両側方に設けられた脚開口と、を備え、
前記内装体は、前記股間部より前側の位置から前記股間部より後側の位置まで続く吸収体を有し、
前記内装体は、その両側部から起き上がる起き上がりギャザーを有し、
前記起き上がりギャザーは、吸収体の側部の裏側の部材に固定された付根部分と、この付根部分から吸収体の側方を経て吸収体の表側に延在する本体部分と、この本体部分の前端部及び後端部が倒伏状態で固定されて形成された倒伏部分と、前後の倒伏部分の間の部分が非固定とされて形成された起き上がり部分と、この非固定部分の少なくとも先端に沿って伸長状態で固定されたギャザー弾性部材とを有する、
パンツタイプ使い捨ておむつであって、
前記内装体における前記起き上がりギャザーを有しない部分の最大厚みをt1とし、
自然長の状態から前記前身頃の外装体の胴周り部及び前記後身頃の外装体の胴周り部のみを幅方向に直線的に弾性限界まで伸長した扁平状態で、正面から見て、一方の前記起き上がりギャザーの先端のうち、前記ウエスト開口の縁から最も遠くに位置する第1ギャザー最下点と、他方の前記起き上がりギャザーの先端のうち、前記ウエスト開口の縁から最も遠くに位置する第2ギャザー最下点とを結ぶ第1基準直線の長さをx1とし、前記第1基準直線よりも前記ウエスト開口に対して遠くに位置する外形線上の点から、前記第1基準直線に下した垂線の長さの最大値をy1とすると、
y1-t1がx1の0.40~0.50倍である、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明のパンツタイプ使い捨ておむつでは、股間幅に対する起き上がりギャザーの堰き止め高さの比が大きいため、最初の吸収時はもちろん、尿の繰り返し吸収により吸収体が膨張しても、股間部の表面と肌との隙間がより大きく確保される。つまり、最初の吸収時はもちろん、尿の繰り返し吸収により吸収体が膨張しても、股間部の表面上を通る尿の前後方向の移動が阻害されにくくなり、吸収体の前後方向の広範囲を吸収に利用することができる。またそのため、一回の吸収による吸収体の膨張量も少なくなり、それが股間部の表面と肌との隙間の減少を抑制することにもつながる。よって、尿の繰り返し吸収回数が多くなっても横漏れや前漏れが発生しにくくなる。また、この効果は仰臥位における尿の繰り返し吸収に際して特に顕著である。
<第2の態様>
自然長の状態から前記前身頃の外装体の胴周り部及び前記後身頃の外装体の胴周り部のみを幅方向に直線的に弾性限界まで伸長した扁平状態で、正面から見て、一方の前記サイドシールの前記脚開口側の端点と、他方の前記サイドシールの前記脚開口側の端点とを結ぶ第2基準直線よりも前記ウエスト開口に対して遠くに位置する外形線上の点から、前記第2基準直線に下した垂線の長さの最大値をy2とすると、y2がy1の1.3~2.0倍である、
第1の態様のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
y2がy1に比して十分に大きくないと、装着状態での起き上がりギャザーの堰き止め高さが低くなるおそれがある。また、y2がy1に比して大き過ぎると、起き上がりギャザーの先端が肌から離れやすくなるおそれがある。よって、y2とy1は本態様の関係にあることが好ましい。
<第3の態様>
前記内装体は、前記ギャザー弾性部材以外の弾性部材を有せず、かつ前記吸収体の裏側に重なる位置に前記ギャザー弾性部材を有しない、
第1又は2の態様のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
内装体が吸収体の裏側に重なる位置にギャザー弾性部材を有していると、内装体が肌に近くなりやすいが、本態様のように、内装体がギャザー弾性部材以外の弾性部材を有せず、かつ吸収体の裏側に重なる位置にギャザー弾性部材を有しないと、おむつの股間部の表面と肌との隙間が狭くなりにくいため好ましい。
<第4の態様>
前記ギャザー弾性部材は、前記非固定部分の先端に沿うものと、前記吸収体の側方に位置するものとを有している、
第3の態様のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本態様のように構成されていると、股間部が全体としてより緩やかな弧状に膨らんだ形となりやすいため、股間部の表面と肌との隙間がより大きく確保されやすくなるとともに、その形状が保持されやすくなる。
<第5の態様>
前記吸収体の最小の幅方向の寸法をx2とすると、x2がx1の0.4~0.6倍であり、かつ前記吸収体は前記股間部に前後方向に延びるスリット及び凹部を有しない、
第1~4のいずれか1つの態様のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
吸収体に前後方向に沿うスリットや凹部を有すると、少ない吸収回数では前後方向の拡散性が顕著に向上するものの、吸収体の膨張によりその効果は減少しやすい。またこの場合、吸収体がスリット等に沿って折れ曲がりやすくなり、その場合にはかえって股間部の表面と肌との隙間の横断面積が小さくなることがある。これに対して、本態様のように構成されていると、股間部が全体としてより緩やかな弧状に膨らんだ形となりやすいため、股間部の表面と肌との隙間がより大きく確保されやすくなるとともに、その形状が保持されやすくなる。
<第6の態様>
前記外形線の外接曲線における曲率最小値を、前記外形線の外接曲線における曲率最大値で除した値が7.0×10-4以上である、
第1~5のいずれか1つの態様のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本態様のように、股間部が全体として特に緩やかに膨らんだ形となっていると、股間部の表面と肌との隙間が特に大きく確保されやすくなるとともに、その形状が特に保持されやすくなる。
なお、外形線とせずに、その外接曲線としたのは表面の皺の影響を除外するためである。
<第7の態様>
前記内装体は、前記吸収体の表側に位置するトップシートと、前記トップシートの裏側に隣接する中間シートとを有し、
前記トップシート及び前記中間シートは、それぞれ液透過性を有する不織布からなり、
前記トップシートをなす不織布は、構成繊維の繊度が1.0~3.0dtexであり、密度が20~80kg/mであり、厚み0.3~3.0mmであり、厚み方向の圧縮剛性LCが0.10~0.60であり、厚み方向の回復性RCが20~60であり、
前記中間シートをなす不織布は、構成繊維の繊度が3.0~6.0dtexであり、密度が8~30kg/mであり、厚みが2.0~4.0mmであり、厚み方向の圧縮剛性LCが0.30~0.80であり、厚み方向の回復性RCが40~80である、
第1~6のいずれか1つの態様のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本態様のように密度が高く、かつ厚み方向の圧縮に対して変形しにくい中間シートを有していると、トップシート表面に尿の移動を阻害するような皺寄りにくくなるとともに、尿の繰り返し吸収回数が多くなってトップシートが肌に接したとしても、中間シート内を通じて尿が前後方向に移動しやすくなるため好ましい。
本発明によれば、尿の繰り返し吸収回数が多くなっても漏れがより発生しにくくなる、等の利点がもたらされる。
パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の3-3断面図である。 図1の4-4断面図である。 図1の5-5断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの要部のみを示す、おむつを展開した状態における平面図である。 起き上がりギャザーを展開した状態の断面図である。 起き上がりギャザーを展開した状態の平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの斜視図である。 自然長の状態から前身頃の外装体の胴周り部及び後身頃の外装体の胴周り部のみを幅方向に直線的に弾性限界まで伸長した扁平状態のパンツタイプ使い捨ておむつを示す、正面図である。 自然長の状態から前身頃の外装体の胴周り部及び後身頃の外装体の胴周り部のみを幅方向に直線的に弾性限界まで伸長した扁平状態のパンツタイプ使い捨ておむつを示す、正面図である。
以下、パンツタイプ使い捨ておむつの一例について、添付図面を参照しつつ詳説する。厚み方向に隣接する各構成部材は、以下に述べる固定又は接合部分以外も、必要に応じて公知のおむつと同様に固定又は接合される。断面図における点模様部分は、この固定又は接合手段としてのホットメルト接着剤等の接着剤を示している。ホットメルト接着剤は、スロット塗布、連続線状又は点線状のビード塗布、スパイラル状、Z状、波状等のスプレー塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)等、公知の手法により塗布することができる。これに代えて又はこれとともに、弾性部材の固定部分では、ホットメルト接着剤を弾性部材の外周面に塗布し、弾性部材を隣接部材に固定することができる。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、ポリオレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在するが、特に限定無く使用できる。各構成部材を接合する固定又は接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。厚み方向の液の透過性が要求される部分では、厚み方向に隣接する構成部材は間欠的なパターンで固定又は接合される。例えば、ホットメルト接着剤によりこのような間欠的な固定又は接合を行う場合、スパイラル状、Z状、波状等の間欠パターン塗布を好適に用いることができ、一つのノズルによる塗布幅以上の範囲に塗布する場合には、幅方向に間隔を空けて又は空けずにスパイラル状、Z状、波状等の間欠パターン塗布を行うことができる。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。
また、以下の説明における不織布としては、部位や目的に応じて公知の不織布を適宜使用することができる。不織布の構成繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維(単成分繊維の他、芯鞘等の複合繊維も含む)の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等、特に限定なく選択することができ、これらを混合して用いることもできる。不織布の柔軟性を高めるために、構成繊維を捲縮繊維とするのは好ましい。また、不織布の構成繊維は、親水性繊維(親水化剤により親水性となった繊維を含む)であっても、疎水性繊維若しくは撥水性繊維(撥水剤により撥水性となった繊維を含む)であってもよい。また、不織布は一般に繊維の長さや、シート形成方法、繊維結合方法、積層構造により、短繊維不織布、長繊維不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド(エアスルー)不織布、ニードルパンチ不織布、ポイントボンド不織布、積層不織布(スパンボンド層間にメルトブローン層を挟んだSMS不織布、SMMS不織布等を含む)等に分類されるが、これらのどの不織布も用いることができる。
図1~図9は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例を示している。本パンツタイプ使い捨ておむつ100は、前身頃F及び後身頃Bを構成する外装体12と、前身頃Fから股間部Mを経て後身頃Bまで延在するように外装体12の幅方向WDの中間に取り付けられた内装体200とを備えたものである。前身頃Fの外装体12の両側部と後身頃Bの外装体12の両側部とが接合されてサイドシール12Aが形成されることにより、前身頃Fの前縁及び後身頃Bの後縁により形成される開口が装着者の胴を通すウエスト開口WOとなり、外装体1におけるサイドシール12Aにより接合されていない部分及び内装体の両側縁により脚開口LOが形成されている。内装体200は、尿等の排泄物等を吸収保持する部分であり、外装体12は着用者の身体に対して内装体200を支えるための部分である。また、符号Yは展開状態におけるおむつの全長(前身頃Fのウエスト開口WOの縁から後身頃Bのウエスト開口WOの縁までの縦方向長さ)を示しており、符号Xは展開状態におけるおむつの全幅を示している。
本パンツタイプ使い捨ておむつ100は、サイドシール12Aを有する前後方向LDの範囲(ウエスト開口WOから脚開口LOの上端に至る縦方向範囲)として定まる胴周り領域Tと、脚開口LOを形成する部分の前後方向LDの範囲(前身頃Fのサイドシール12Aを有する前後方向LDの領域と後身頃Bのサイドシール12Aを有する前後方向LDの領域との間)として定まる中間領域Lとを有する。胴周り領域Tは、概念的にウエスト開口の縁部を形成するウエスト部Wと、これよりも下側の部分であるウエスト下方部Uとに分けることができる。通常、胴周り領域T内に幅方向WDの伸縮応力が変化する境界(例えば弾性部材の太さや伸長率が変化する)を有する場合は、最もウエスト開口WO側の境界よりもウエスト開口WO側がウエスト部Wとなり、このような境界が無い場合は吸収体56又は内装体200よりもウエスト開口WO側に延び出た部分がウエスト部Wとなる。これらの前後方向LDの長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト部Wは15~40mm、ウエスト下方部Uは65~120mmとすることができる。一方、中間領域Lの両側縁は着用者の脚周りに沿うようにコ字状又は曲線状に括れており、ここが装着者の脚を入れる部位となる。この結果、展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつ100は、図1及び図2に示すように全体として略砂時計形状をなしている。
ここで、股間部Mとは、吸収体56が後述の括れ部56Nを有する場合にはこの括れ部56Nを有する前後方向LDの範囲を意味し、吸収体56が括れ部56Nを有しない場合には前後方向LDの中央に位置する部分であって、かつ前後方向LDの寸法が製品全長Yの20~30%である部分を意味する。
(外装体)
外装体12は、図示例のように前身頃Fから後身頃Bにわたり連続する一体的なものであってもよいし、図示しないが前身頃Fの少なくとも胴周り部を構成する部分である長方形の前外装体12と、後身頃Bの少なくとも胴周り部を構成する部分である長方形の後外装体12とからなり、前外装体12及び後外装体12は股間側で連続しておらず、前後方向LDに離間されたものであってもよい。前者の場合、外装体12は胴周り領域Tと対応する胴周り部及び中間領域Lと対応する部分をすべて有することになり、後者の場合、外装体12は胴周り領域Tと対応する胴周り部の全体を有し、中間領域Lの一部又は全部と対応する部分を有しないことになる。また、後者の場合、内装体200における液不透過性シート11の裏面には、内装体200の裏面全体を覆うように、あるいは前身頃Fの外装体12と後身頃Bの外装体12との間に露出する部分全体を覆うようにカバー不織布を設けることもできる。
外装体12は、図4及び図5に示されるように、後述する弾性部材15~19の外側及び内側にそれぞれ隣接する外側シート層及び内側シート層がホットメルト接着剤や溶着等の接合手段により接合されたものである。外側シート層及び内側シート層は、図示例のように2枚のシート材12S,12Hにより形成する他、図示しないが一枚のシート材により形成することもできる。例えば、後者の場合、外装体12の一部又は全部において、ウエスト開口WOの縁(股間側の縁としても良い)で折り返された一枚のシート材の内側の部分及び外側の部分により内側シート層及び外側シート層を形成することができる。図示例は、前者の例であり、外側シート層を形成するシート材12Sは、ウエスト下方部における内側シート層を形成するシート材12Hのウエスト開口WO側を回り込んでその内側に折り返されており、この折り返し部分12rは内装体200のウエスト開口WO側の端部上までを被覆するように延在されている。一方、ウエスト部Wのうちウエスト開口WO側の端部では、折り返し部分12rが弾性部材17の内側に隣接する内側シート層となっている。
シート材12S,12Hとしては、シート状のものであれば特に限定無く使用できるが、不織布であるのが好ましい。不織布を用いる場合、個々のシート材12S,12Hの目付けは10~30g/m程度とするのが好ましい。
外装体12には、胴周りに対するフィット性を高めるために、弾性部材15~19が内蔵されており、弾性部材15~19の伸縮を伴って幅方向WDに弾性伸縮する伸縮領域(弾性部材15~19を有する領域)が形成されている。この伸縮領域では、外装体12は、自然長の状態では弾性部材15~19の収縮に伴って収縮し、皺又は襞が形成されており、弾性部材15~19の長手方向に伸長すると、皺なく伸び切る所定の伸長率まで伸長が可能である。弾性部材15~19としては、糸ゴム等の細長状の弾性部材(図示例)のほか、帯状、網状、フィルム状等、公知の弾性部材を特に限定なく用いることができる。弾性部材15~19としては合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。
図示例の弾性部材15~19についてより詳細に説明すると、前身頃F及び後身頃Bのウエスト部Wには、幅方向WDの全体にわたり連続するように、複数のウエスト弾性部材17が前後方向LDに間隔を空けて取り付けられて、ウエスト伸縮領域(ウエスト弾性部材17を有する領域)が形成されている。ウエスト弾性部材17のうち、ウエスト下方部Uに隣接する領域に配設される1本または複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向WDの中央部を除いてその幅方向WDの両側にそれぞれ設けてもよい。ウエスト弾性部材17としては、太さ155~1880dtex、特に470~1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05~1.5mm2、特に0.1~1.0mm2程度)の糸ゴムを、2~12mmの間隔、特に3~7mmの間隔で、2~15本程度、特に4~10本程度設けるのが好ましく、これによるウエスト部Wの幅方向WDの伸長率は150~400%、特に220~320%程度であるのが好ましい。また、ウエスト部Wは、その前後方向LDのすべてに同じ太さの弾性部材を用いたり、同じ伸長率にしたりする必要はなく、例えば部分的に太さや伸長率が異なるようにしてもよい。
また、前身頃F及び後身頃Bのウエスト下方部Uには、細長状の弾性部材からなるウエスト下方弾性部材15,19が複数本、前後方向LDに間隔を空けて取り付けられて、ウエスト下方伸縮領域(ウエスト下方弾性部材15,19を有する領域)が形成されている。ウエスト下方弾性部材15,19としては、太さ155~1880dtex、特に470~1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05~1.5mm2、特に0.1~1.0mm2程度)の糸ゴムを、1~15mm、特に3~8mmの間隔で5~30本程度設けるのが好ましく、これによるウエスト下方部Uの幅方向WDの伸長率は200~350%、特に240~300%程度であるのが好ましい。また、ウエスト下方部Uは、その前後方向LDのすべてに同じ太さの弾性部材を用いたり、同じ伸長率にしたりする必要はなく、部分的に太さや伸長率が異なるようにしてもよい。
さらに、前身頃F及び後身頃Bの中間領域Lには、細長状弾性部材からなる中間弾性部材16,18が複数本、上下方向に間隔を空けて取り付けられて、中間伸縮領域(中間弾性部材16,18を有する領域)が形成されている。中間弾性部材16,18としては、太さ155~1880dtex、特に470~1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05~1.5mm、特に0.1~1.0mm程度)の糸ゴムを、5~40mm、特に5~20mmの間隔で2~10本程度、それぞれ伸長率150~300%、特に180~260%で固定するのが好ましい。
図示例のウエスト下方部U及び中間領域Lのように、吸収体56を有する前後方向LDの範囲に弾性部材15,16,18,19を設ける場合、その一部又は全部において吸収体56の幅方向WDの収縮を防止するために、図2、図4及び図5等に示すように、吸収体56と幅方向WDに重なる部分の一部又は全部を含む幅方向WDの中間が非伸縮領域とされ、その幅方向WDの両側が伸縮領域とされている(図示例ではウエスト下方弾性部材15,19及び中間弾性部材16,18を有する伸縮領域となる)と好ましい。非伸縮領域の幅方向WDの両側に設けられる伸縮領域の幅方向WDの寸法は、図示例のように前後方向LDにほぼ一定とするほか、図示しないが前後方向LDに変化させることもできる。また、非伸縮領域の幅方向WDの両側に設けられる伸縮領域の幅方向WDの寸法は、前身頃F及び後身頃Bでほぼ同じとするほか、異なるものとすることもできる。
このような伸縮領域及び非伸縮領域は、内側シート層と外側シート層との間に、弾性部材15~19を取り付けた後、非伸縮領域となる領域の幅方向WDの中間12Cの1か所又はほぼ全体にわたり、弾性部材15,16,18,19を加圧及び加熱、又は切断により細かく切断し、伸縮領域に伸縮性を残しつつ非伸縮領域では伸縮性を殺すことにより構築することができる。なお、非伸縮領域には伸縮性の形成に実質的に寄与しない不要弾性部材14が残ることになる。
弾性部材15~19は、公知の方法により外装体に固定することができる。また、内側シート層及び外側シート層も、公知の方法により互いに接合することができる。例えば、外装体12における弾性部材15~19を有する部分では、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段により弾性部材15~19の外周面にのみホットメルト接着剤を塗布して内側シート層及び外側シート層の間に挟むことにより、当該弾性部材15~19の外周面に塗布したホットメルト接着剤のみで、内側シート層及び外側シート層への弾性部材15~19の固定と、内側シート層及び外側シート層の固定とを行うことができる。
(内装体)
内装体200の形状は任意であり、例えば図示例のように長方形とすることができる。内装体200は、図3~図5に示されるように、尿を吸収し保持する吸収体56及びその包装シート58からなる吸収要素50と、吸収要素50の表側に位置するトップシート30と、吸収要素50の裏側に位置する液不透過性シート11とを備えるものとすることができる。符号40は、トップシート30の裏側に隣接する中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の幅方向WDの両側に設けられた、装着者の肌側に起立する起き上がりギャザー60を示している。
内装体200における起き上がりギャザー60を有しない部分(左右の起き上がりギャザー60の間の部分)の最大厚みt1は特に限定されるものではないが、例えば3~13mmとすることができる。
(内装体接合部)
内装体200は、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により外装体12に対して接合することができる。図示例では、内装体200の裏面、つまりこの場合は液不透過性シート11の裏面及び起き上がりギャザー60の付根部分65に塗布されたホットメルト接着剤を介して外装体12に対して固定されている。この内装体200と外装体12とを接合する内装体接合部は、両者が重なる領域のほぼ全体に設けることができ、例えば内装体200の幅方向WDの両端部を除いた部分に設けることもできる。
(トップシート)
トップシート30は液透過性を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、有孔プラスチックシートなどを例示することができる。また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
トップシート30の両側部は、図示例のように吸収要素50の側縁で裏側に折り返し、液不透過性シート11と起き上がりギャザー60との間を通して、吸収要素50の裏側まで回り込ませても良いし、図示しないが吸収要素50の側縁で折り返さずに、折り返さずに吸収要素50の側縁より側方にはみ出させても良い。
トップシート30は、裏側の部材に対する位置ずれを防止する等の目的で、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により裏側に隣接する部材に固定することが望ましい。図示例では、トップシート30はその裏面に塗布されたホットメルト接着剤により中間シート40の表面及び包装シート58のうち吸収体56の表側に位置する部分の表面に固定されている。
(中間シート)
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体56へ移行させるために、液透過性を有する中間シート(セカンドシートとも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体56へ移行させて吸収体56による吸収性能を高め、吸収体56からの逆戻りを低減するためのものである。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40は特に限定されるものではないが、繊維密度が低く、厚み方向の圧縮に対して変形しにくい不織布が好適である。一例としては、構成繊維の繊度が2.0~6.0dtexであり、密度が8~30kg/mであり、厚みが2.0~5.0mmであり、厚み方向の圧縮剛性LCが0.30~0.80であり、厚み方向の回復性RCが40~80であると好ましい。このような中間シートを有していると、トップシート表面に尿の移動を阻害するような皺寄りにくくなるとともに、尿の繰り返し吸収回数が多くなってトップシートが肌に接したとしても、中間シート内を通じて尿が前後方向LDに移動しやすくなるため好ましい。
図示例の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
中間シート40は、裏側の部材に対する位置ずれを防止する等の目的で、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により裏側に隣接する部材に固定することが望ましい。図示例では、中間シート40はその裏面に塗布されたホットメルト接着剤により包装シート58のうち吸収体56の表側に位置する部分の表面に固定されている。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。この他にも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることにより防漏性を強化した不織布、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性とした不織布も、液不透過性シート11として用いることができる。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。吸収要素50は、股間部Mより前側の位置から股間部Mより後側までの位置まで延びている。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100~450g/m程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30~120g/m程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1~16dtex、好ましくは1~10dtex、さらに好ましくは1~5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、2.54cm当たり5~75個、好ましくは10~50個、さらに好ましくは15~50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いることができる。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は、股間部Mより前側の位置から股間部Mより後側の位置まで続いている限り、その寸法は適宜定めることができるが、前後方向LD及び幅方向WDにおいて、内装体200の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。また、吸収体56は前身頃Fの胴周り領域T内から後身頃Bの胴周り領域T内まで前後方向LDに延びていることが好ましい。なお、符号56Xは吸収体56の全幅を示しており、符号56Yは吸収体56の全長を示している。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図6及び図8等にも示すように、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部56Nとを有する(平面視で略砂時計形状を成している)と、吸収体56自体と起き上がりギャザー60の、脚周りへのフィット性が向上するため好ましい。この場合、括れ部56Nの幅(吸収体56における最も狭い部分の幅)は適宜定めることができるが、例えば吸収体56の全幅56Xの0.5~0.8倍とすることができる。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子としては、この種の使い捨ておむつに使用されるものをそのまま使用でき、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下のものが望ましく、また、180μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん-アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん-アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50~350g/mとすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/mを超えると、効果が飽和する。
吸収体56における繊維及び高吸収性ポリマー粒子の比率は特に限定されず、例えば繊維:高吸収性ポリマー粒子が重量比で40:60~65:35とすることができる。
吸収体56の厚み56tは特に限定されるものではないが、例えば2~10mmとすることができる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5~40g/m、特に10~30g/mのものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、図示例のように、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻付け、かつその前後縁部を吸収体56の前後からはみ出させ、巻き重なる部分及び前後はみ出し部分の重なり部分をホットメルト接着剤、素材溶着等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(起き上がりギャザー)
起き上がりギャザー60は、内装体200の側部から起き上がる非固定部分68を有しており、この非固定部分68が、着用者の鼠径部から脚周りを経て臀部までの範囲に接して横漏れを防止するものである。
より詳細には、図1、図3、図4、図7及び図8に示される起き上がりギャザー60は、内装体200の前後方向LDの長さに等しい長さを有する帯状のギャザーシート62を幅方向WDに折り返して二つに折り重ねることにより、内側層62a及び外側層62bを有する積層構造とするとともに、これら内側層62a及び外側層62b間に、細長状のギャザー弾性部材63を長手方向に沿って伸長状態で、幅方向WDに間隔を空けて複数本固定してなるものである。
起き上がりギャザー60のうち先端部と反対側に位置する基端部(幅方向WDにおいてシート折り返し部分と反対側の端部)は内装体200の側縁部の裏面に固定された付根部分65とされ、この付根部分65以外の部分は、この付根部分65から吸収体56の側方を経て吸収体56の表側に延在する本体部分66(折り返し部分側の部分)とされている。そして、本体部分66のうち前端部及び後端部が倒伏状態でトップシート30の側部表面に対して固定された倒伏部分67とされる一方で、前後の倒伏部分67の間に位置する部分は非固定部分68とされ、この非固定部分68の少なくとも先端に沿ってギャザー弾性部材63が取り付けられている。
また、図示例の本体部分66は、展開状態で吸収体56の表側に回り込み幅方向WDの中央側に向かう第1部分66aと、この第1部分66aの先端から幅方向WDの外側に折り返された第2部分66bとを有している。倒伏部分67では、第1部分66a及び第2部分66bが倒伏状態で接合されるとともに、第1部分66aが倒伏状態でトップシート30に接合される。倒伏部分67における対向面の接合には、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤、及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段の少なくとも一方を用いることができる。この場合において、第1部分66a及びトップシート30の接合と、第1部分66a及び第2部分66bの接合とを同じ手段により行っても、また異なる手段により行っても良い。例えば、図示例のように第1部分66a及びトップシート30の接合をホットメルト接着剤により行い、第1部分66a及び第2部分66bの接合を素材溶着67mにより行うこともできる。
起き上がりギャザー60の非固定部分68では、ギャザーシート62の内側層及び外側層の貼り合わせや、その間に挟まれるギャザー弾性部材63の固定に、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による固定手段の少なくとも一方を用いることができる。ギャザーシート62の内側層及び外側層の全面を貼り合わせると柔軟性を損ねるため、ギャザー弾性部材63の接着部以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。図示例では、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段によりギャザー弾性部材63の外周面にのみホットメルト接着剤を塗布してギャザーシート62の内側層62a及び外側層62b間に挟むことにより、当該ギャザー弾性部材63の外周面に塗布したホットメルト接着剤で、ギャザーシート62の内側層及び外側層への細長状弾性部材の固定と、ギャザーシート62の内側層及び外側層間の固定とを行うことができる。
以上のように構成された起き上がりギャザー60では、ギャザー弾性部材63の収縮力により非固定部分68が図3に矢印で示すように肌に当接するように起き上がる。特に、付根部分65が内装体200の裏側に位置していると、股間部及びその近傍において非固定部分68が幅方向WDの外側に開くように起立し、着用者の脚周りに面で接触しやすくなるため好ましい。
図示例では一枚のギャザーシート62を二つに折り重ねることにより、起き上がりギャザー60の付根部分65内から本体部分66内にかけて内側層62a及び外側層62bを有する積層構造としているが、二枚の不織布を張り合わせることにより、内側層62a及び外側層62bを有する積層構造とすることも可能である。
ギャザーシート62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブローン不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコーンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10~30g/m程度とするのが好ましい。ギャザー弾性部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは470~1240dtexが好ましく、620~940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150~350%が好ましく、200~300%がより好ましい。
起き上がりギャザー60の非固定部分68に設けられるギャザー弾性部材63の本数は2~6本が好ましく、3~5本がより好ましい。配置間隔は3~10mmが適当である。このように構成すると、ギャザー弾性部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。ギャザー弾性部材63は、第2部分66bだけでなく第1部分66aに配置しても良く、これとともに又はこれに代えて、図3に示すように吸収体56の側方に配置しても良い。第1部分66a及び第2部分66bの両方にギャザー弾性部材63を配置する場合、第1部分66aにおけるギャザー弾性部材の本数は、第2部分66bに配置されるギャザー弾性部材63の本数よりも少ないことが好ましい。また、ギャザー弾性部材63は、吸収体56の裏側(例えば付根部分65等)に重なる位置に配置しないことが好ましい。
起き上がりギャザー60の付根部分65の固定対象は、内装体200におけるトップシート30、液不透過性シート11、吸収要素50等適宜の部材とすることができる。
起き上がりギャザー60の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、例えば図7及び図8に示すように、展開状態における本体部分66の幅方向WDの長さW6(起き上がりギャザー60の高さに影響する)は30~60mm、特に40~50mmであるのが好ましい。また、起き上がりギャザー60をトップシート30表面と平行になるように、平坦に折り畳んだ状態において最も内側に位置する折り目間の離間距離W3は60~190mm、特に70~140mmであるのが好ましい。
各倒伏部分67の前後方向LDの寸法は適宜定めることができ、例えば吸収体56の全長56Yの0.06~0.33倍とすることができる。ギャザー弾性部材63は非固定部分68の前後方向LDの全体、又は倒伏部分67に近い端部を除く略全体にわたり連続していることが好ましいが、非固定部分68の一部にのみ設けられていたり、断続的に設けられていたりしてもよい。倒伏部分67には、ギャザー弾性部材63が設けられていないか、存在するとしてもその収縮力により倒伏部分67が収縮していないと好ましいが、倒伏部のうち非固定部分68側の端部にギャザー弾性部材63の端部が位置していてもよい。また、ギャザー弾性部材63は、左右各側で少なくとも一本は、前身頃Fの胴周り領域T内から後身頃Bの胴周り領域T内まで前後方向LDに連続していると好ましい。
なお、図示しないが、内装体200の左右各側において起き上がりギャザー60を二重に(二列)設けることもできる。
(遮水層)
図3及び図4に示すように、起き上がりギャザー60は、少なくとも付根部分65内から本体部分66内にかけて、内側層62a及び外側層62bの間に介在された遮水層64を有していてもよい。遮水層64は、防水樹脂フィルムや、ホットメルト接着剤層により形成することができる。
(繰り返し吸収に適した形状)
本パンツタイプ使い捨ておむつ100は、内装体200における起き上がりギャザー60を有しない部分の最大厚みをt1(図3参照)とし、図10に示すように自然長の状態から前身頃Fの外装体12の胴周り部及び後身頃Bの外装体12の胴周り部のみを幅方向WDに直線的に弾性限界まで伸長した扁平状態(つまり内装体200も折り畳まれて平坦となっている)で、正面から見て、一方の起き上がりギャザー60の先端のうち、ウエスト開口WOの縁から最も遠くに位置する第1ギャザー最下点71と、他方の起き上がりギャザー60の先端のうち、ウエスト開口WOの縁から最も遠くに位置する第2ギャザー最下点72とを結ぶ第1基準直線73の長さをx1とし、第1基準直線73よりもウエスト開口WOに対して遠くに位置する外形線75上の点から、第1基準直線73に下した垂線の長さの最大値をy1とすると、y1-t1がx1の0.40~0.50倍であると好ましく、0.42~0.50倍であるとより好ましく、0.40~0.45倍であると特に好ましい。
なお、図示しないが片方の脚開口LOに対して複数の起き上がりギャザー60が設けられている場合、ギャザー最下点が最もウエスト開口WO側に近い起き上がりギャザー60を対象として、第1ギャザー最下点71及び第2ギャザー最下点72を定める。
また、上述の扁平状態のパンツタイプ使い捨ておむつ100を正面から見て、図11に示すように、第1ギャザー最下点71及び第2ギャザー最下点72の少なくとも一方のギャザー最下点が前身頃Fに隠れて見えない場合、前身頃Fにおけるギャザー最下点71,72と重なる位置に厚み方向に貫通するように目印となる針を貫通させて、この針の貫通位置をギャザー最下点71,72とすればよい。
このようなパンツタイプ使い捨ておむつ100は、股間幅に対する起き上がりギャザー60の堰き止め高さの比が大きいため、最初の吸収時はもちろん、尿の繰り返し吸収により吸収体56が膨張しても、股間部Mの表面と肌との隙間がより大きく確保される。つまり、最初の吸収時はもちろん、尿の繰り返し吸収により吸収体56が膨張しても、股間部Mの表面上を通る尿の前後方向LDの移動が阻害されにくくなり、吸収体56の前後方向LDの広範囲を吸収に利用することができる。またそのため、一回の吸収による吸収体56の膨張量も少なくなり、それが股間部Mの表面と肌との隙間の減少を抑制することにもつながる。よって、尿の繰り返し吸収回数が多くなっても横漏れや前漏れが発生しにくくなる。また、この効果は仰臥位において特に顕著である。
x1に対するy1-t1の比率は、本体部分66の最大幅W6や、ギャザー弾性部材63の配置や伸長率、内装体200の剛性等により適宜変更することができる。例えば、繰り返し吸収による総吸収量の目標値により吸収体56を設計し、これにより定まる内装体200の剛性に応じて、本体部分66の最大幅W6や、ギャザー弾性部材63の配置や伸長率を設計することができる。反対に、起き上がりギャザー60の設計を前提として、内装体200の剛性を向上させるために吸収体56を設計したり、内装体200の各部のシートを選定したり、接着剤量を設定したり、剛性向上専用のシートを追加したりすることができる。
本パンツタイプ使い捨ておむつ100では、自然長の状態から前身頃Fの外装体12の胴周り部及び後身頃Bの外装体12の胴周り部のみを幅方向WDに直線的に弾性限界まで伸長した扁平状態で、正面から見て、一方のサイドシールの脚開口LO側の端点と、他方のサイドシールの脚開口LO側の端点とを結ぶ第2基準直線74よりもウエスト開口WOに対して遠くに位置する外形線75上の点から、第2基準直線74に下した垂線の長さの最大値をy2とすると、y2がy1の1.3~2.0倍であると好ましく、1.4~1.8倍であるとより好ましい。y2がy1に比して十分に大きくないと、装着状態での起き上がりギャザー60の堰き止め高さが低くなるおそれがある。また、y2がy1に比して大き過ぎると、起き上がりギャザー60の先端が肌から離れやすくなるおそれがある。y1に対するy2の比率はy2により定めることができ、y2は中間領域Lの前後方向LDの長さ、ギャザー弾性部材63の配置や伸長率、内装体200の剛性等により適宜変更することができる。
また、本パンツタイプ使い捨ておむつ100では、内装体200が吸収体56の裏側に重なる位置にギャザー弾性部材63を有していると、内装体200が肌に近くなりやすい。これに対して、図示例のように内装体200がギャザー弾性部材63以外の弾性部材を有せず、かつ吸収体56の裏側に重なる位置にギャザー弾性部材63を有しないと、パンツタイプ使い捨ておむつ100の股間部Mの表面と肌との隙間が狭くなりにくいため好ましい。
さらに、ギャザー弾性部材63としては、図示例のように非固定部分68の先端に沿うものと、吸収体56の側方に位置するものとを有していると、股間部Mが全体としてより緩やかな弧状に膨らんだ形となりやすいため、股間部Mの表面と肌との隙間がより大きく確保されやすくなるとともに、その形状が保持されやすくなるため好ましい。
また、吸収体56に前後方向LDに沿うスリットや凹部を有すると、少ない吸収回数では前後方向LDの拡散性が顕著に向上するものの、吸収体56の膨張によりその効果は減少しやすい。またこの場合、吸収体56がスリット等に沿って折れ曲がりやすくなり、その場合にはかえって股間部Mの表面と肌との隙間の横断面積が小さくなることがある。よって、展開状態における吸収体56の最小の幅方向WDの寸法をx2とすると、x2がx1の0.4~0.6倍であり、かつ吸収体56は股間部Mに前後方向LDに延びるスリット及び凹部を有しないと好ましい。これにより、股間部Mが全体としてより緩やかな弧状に膨らんだ形となりやすいため、股間部Mの表面と肌との隙間がより大きく確保されやすくなるとともに、その形状が保持されやすくなる。
本発明者の知見によれば、第1基準直線よりもウエスト開口WOに対して遠くに位置する外形線75の外接曲線における曲率最小値が、外形線75の外接曲線における曲率最大値で除した値(曲率最小値/曲率最大値)が、7.0×10-4以上、より好ましくは8.0×10-4以上、特に好ましくは1.0×10-3以上であると、股間部Mが全体として特に緩やかに膨らんだ形となり、股間部Mの表面と肌との隙間が特に大きく確保されやすくなるとともに、その形状が特に保持されやすくなるため好ましい。曲率最小値/曲率最大値は、理論上の最大値は1(外形線全体が円弧)となるが、殆どの場合は1未満となる。この曲率最小値及び曲率最大値の関係は、x1に対するy1-t1の比率が上記範囲内でない場合にも適用することができ、その場合にも同様の効果がある。なお、曲率最小値及び曲率最大値は、画像処理ソフト「Fiji」(Fuji Is Just ImageJ)、及び曲率解析のためのFijiのプラグインであるKappaを用いて計測する。すなわち、前述の扁平状態でおむつの正面デジタル画像を撮影し、その画像データをKappaに読み込み、目視判断でコントロールポイントを10~20点設定し、表示されるB-スプライン曲線が前述の外形線75の外接曲線をなすようにコントロールポイントの位置を手動調整し、計測を実行する。ここで、DATA AND STATISTICSにおけるScaleは画像データにおける寸法が既知の部分(予め測定する)に基づいて設定する。また、CURVE INPUT OPTIONSにおけるCurve Input TypeをB-Splineとし、B-Spline TypeをOpenとする。サイドバーに測定結果が表示されたならば、全ポイントの測定結果をcsvファイルにエクスポート(Export All Points)し、エクスポートしたcsvファイル内のPoint Curvature(曲線上の各点における曲率)のうち0を除く絶対値の最小値及び最大値を、前述の外形線75の外接曲線における最小値及び最大値とする。
他方、トップシート30及び中間シート40の素材としては公知の不織布を用いることができるが、特に、トップシート30をなす不織布は、構成繊維の繊度が0.3~3.0dtexであり、密度が20~80kg/mであり、厚みが0.3~3.0mmであり、厚み方向の圧縮剛性LCが0.10~0.60であり、厚み方向の回復性RCが20~60であり、中間シート40をなす不織布は、構成繊維の繊度が2.0~6.0dtexであり、密度が8~30kg/mであり、厚みが2.0~5.0mmであり、厚み方向の圧縮剛性LCが0.30~0.80であり、厚み方向の回復性RCが40~80であると好ましい。このように密度が高く、かつ厚み方向の圧縮に対して変形しにくい中間シート40を有していると、トップシート30表面に尿の移動を阻害するような皺寄りにくくなるとともに、尿の繰り返し吸収回数が多くなってトップシート30が肌に接したとしても、中間シート40内を通じて尿が前後方向LDに移動しやすくなる。
(試作品及び市販品の形状確認)
図1~図6に示す構造を有する試作品Z、ギャザー弾性部材の配置、展開状態における本体部分66の幅方向長さW6、及び中間シート40の素材等が試作品Zと異なる市販品A、任意の市販品B~Rについて、寸法x1、x2、y1、y2、t1、第1基準直線73よりもウエスト開口WOに対して遠くに位置する外形線75の外接曲線における曲率を計測した。曲率の計測に用いた、Fijiのバージョンは2.9.0で、ImageJのバージョンは1.5.3t、Kappaのバージョンは2.0.0であった。計測結果を表1及び表2に示した。この結果から、y1-t1がx1の0.40~0.50倍であるパンツタイプ使い捨ておむつは、従来無いものであること等が分かる。
Figure 2024074409000002
Figure 2024074409000003
(効果確認試験)
表1及び表3に示す試作品Z及び市販品Aを、下半身を模した透明ダミー人形に適切にはかせた後、仰臥位の状態で、ダミー人形の排尿口から1分間の間隔で、人工尿60cc/回を6回、合計人工尿360ccを排出させ、漏れの有無を観察した。その結果、試作品Zは6回目の吸収でも漏れが生じなかったのに対して、市販品Aは6回目の吸収時には人工尿が臀部側に拡散しにくくなり、前身頃の脚周りから漏れが発生した。
Figure 2024074409000004
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後方向」とは図中に符号LDで示す方向(縦方向)を意味し、「幅方向」とは図中にWDで示す方向(左右方向)を意味し、前後方向と幅方向とは直交するものである。
・「表側」とは、着用した際に着用者の肌に近い方を意味し、「裏側」とは、着用した際に着用者の肌から遠い方を意味する。
・「表面」とは、着用した際に着用者の肌に近い方の面を意味し、「裏面」とは、着用した際に着用者の肌から遠い方の面を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。例えば、伸長率が200%とは、伸長倍率が2倍であることと同義である。
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿(尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したもの)49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter-MAX ME-500)でゲル強度を測定する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、100倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・吸収体56、吸収要素50、内装体200等の厚い部材の「厚み」は、株式会社尾崎製作所の厚み測定器(ピーコック、ダイヤルシックネスゲージ、型式H(測定範囲0~10mm、測定面積直径10mmの円形端子、測定力約1.7N、圧力約21.7KPa))を用い、試料と厚み測定器を水平にして、測定する。
・不織布等の薄いシートの「厚み」、「厚み方向の圧縮剛性LC」、「厚み方向の回復性RC」は、自動厚み測定器(KES-G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm、及び加圧面積:2cmの条件下で自動測定する。
・吸水量は、JIS K7223-1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・「展開状態」とは、収縮(弾性部材による収縮等、あらゆる収縮を含む)や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
本発明は、上記例のようなパンツタイプ使い捨ておむつに好適なものである。
11…液不透過性シート、12…外装体、15,19…ウエスト下方弾性部材、15~19…弾性部材、16,18…中間弾性部材、17…ウエスト弾性部材、200…内装体、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…起き上がりギャザー、62…ギャザーシート、62a…内側層、62b…外側層、63…ギャザー弾性部材、64…遮水層、65…付根部分、66…本体部分、66a…第1部分、66b…第2部分、67…倒伏部分、68…非固定部分、71…第1ギャザー最下点、72…第2ギャザー最下点、73…第1基準直線、74…第2基準直線、B…後身頃、F…前身頃、L…中間領域、LD…前後方向、LO…脚開口、M…股間部、T…胴周り領域、U…ウエスト下方部、W…ウエスト部、WD…幅方向、WO…ウエスト開口。

Claims (7)

  1. 前身頃から後身頃にわたる一体的な外装体、又は前身頃及び後身頃に別々に設けられた外装体と、
    股間部より前側の位置から前記股間部より後側の位置まで、前記外装体の幅方向の中間に取り付けられた内装体と、
    前記前身頃における前記外装体の両側部と、前記後身頃における前記外装体の両側部とがそれぞれ接合されて形成された、一対のサイドシールと、
    前記前身頃の前縁と前記後身頃の後縁とにより形成されたウエスト開口と、
    前記内装体の両側方に設けられた脚開口と、を備え、
    前記内装体は、前記股間部より前側の位置から前記股間部より後側の位置まで続く吸収体を有し、
    前記内装体は、その両側部から起き上がる起き上がりギャザーを有し、
    前記起き上がりギャザーは、吸収体の側部の裏側の部材に固定された付根部分と、この付根部分から吸収体の側方を経て吸収体の表側に延在する本体部分と、この本体部分の前端部及び後端部が倒伏状態で固定されて形成された倒伏部分と、前後の倒伏部分の間の部分が非固定とされて形成された起き上がり部分と、この非固定部分の少なくとも先端に沿って伸長状態で固定されたギャザー弾性部材とを有する、
    パンツタイプ使い捨ておむつであって、
    前記内装体における前記起き上がりギャザーを有しない部分の最大厚みをt1とし、
    自然長の状態から前記前身頃の外装体の胴周り部及び前記後身頃の外装体の胴周り部のみを幅方向に直線的に弾性限界まで伸長した扁平状態で、正面から見て、一方の前記起き上がりギャザーの先端のうち、前記ウエスト開口の縁から最も遠くに位置する第1ギャザー最下点と、他方の前記起き上がりギャザーの先端のうち、前記ウエスト開口の縁から最も遠くに位置する第2ギャザー最下点とを結ぶ第1基準直線の長さをx1とし、前記第1基準直線よりも前記ウエスト開口に対して遠くに位置する外形線上の点から、前記第1基準直線に下した垂線の長さの最大値をy1とすると、
    y1-t1がx1の0.40~0.50倍である、
    ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
  2. 自然長の状態から前記前身頃の外装体の胴周り部及び前記後身頃の外装体の胴周り部のみを幅方向に直線的に弾性限界まで伸長した扁平状態で、正面から見て、一方の前記サイドシールの前記脚開口側の端点と、他方の前記サイドシールの前記脚開口側の端点とを結ぶ第2基準直線よりも前記ウエスト開口に対して遠くに位置する外形線上の点から、前記第2基準直線に下した垂線の長さの最大値をy2とすると、y2がy1の1.3~2.0倍である、
    請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  3. 前記内装体は、前記ギャザー弾性部材以外の弾性部材を有せず、かつ前記吸収体の裏側に重なる位置に前記ギャザー弾性部材を有しない、
    請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  4. 前記ギャザー弾性部材は、前記非固定部分の先端に沿うものと、前記吸収体の側方に位置するものとを有している、
    請求項3記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  5. 前記吸収体の最小の幅方向の寸法をx2とすると、x2がx1の0.4~0.6倍であり、かつ前記吸収体は前記股間部に前後方向に延びるスリット及び凹部を有しない、
    請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  6. 前記外形線の外接曲線における曲率最小値を、前記外形線の外接曲線における曲率最大値で除した値が7.0×10-4以上である、
    請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  7. 前記内装体は、前記吸収体の表側に位置するトップシートと、前記トップシートの裏側に隣接する中間シートとを有し、
    前記トップシート及び前記中間シートは、それぞれ液透過性を有する不織布からなり、
    前記トップシートをなす不織布は、構成繊維の繊度が1.0~3.0dtexであり、密度が20~80kg/mであり、厚みが0.3~3.0mmであり、厚み方向の圧縮剛性LCが0.10~0.60であり、厚み方向の回復性RCが20~60であり、
    前記中間シートをなす不織布は、構成繊維の繊度が2.0~6.0dtexであり、密度が8~30kg/mであり、厚みが2.0~5.0mmであり、厚み方向の圧縮剛性LCが0.30~0.80であり、厚み方向の回復性RCが40~80である、
    請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
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