JP2024073740A - マイクロrnaの発現促進用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 所定のマイクロRNAの発現を増強することができ、もって癌などの各種疾病の予防や治療に寄与しうる組成物を提供する。【解決手段】 1-ケストースを有効成分とする、miR-192、miR-194、miR-200a、miR-200b、miR-200cおよびmiR-215からなる群から選択されるマイクロRNAの発現促進用組成物。本発明によれば、上記の癌抑制型マイクロRNAの発現を促進することにより、各種癌等の疾患の予防や治療に寄与することができる【選択図】 図2

Description

本発明は、1-ケストースを有効成分とする、マイクロRNAの発現促進用組成物に関する。
マイクロRNA(microRNA, miRNA)は、ゲノム上にコードされ、多段階的な生成過程を経て最終的に20~25塩基長程度の短い一本鎖RNAとなる機能性核酸である。タンパク質合成の遺伝情報を含まないノンコーディングRNAであり、シロイヌナズナ、イネ、線虫、ショウジョウバエ、マウス、ヒトなどさまざまな生物種に存在している。
マイクロRNAは、標的となるメッセンジャーRNAの配列に部分相補的に結合し、その翻訳を阻害することで、当該遺伝子の発現を抑制する働きをもつ。近年の研究により、体内の各臓器はマイクロRNAが内包された小胞を分泌し、その小胞が他の臓器に取り込まれてそこで遺伝子発現に影響を与えることで、マイクロRNAは臓器間の情報伝達にも関与していると考えられている。
また、マイクロRNAは癌などの疾患との関連が注目されている。例えば、miR-192は、腫瘍細胞において転写因子であるHOXB9およびEGR1の発現を抑制し、血管新生を抑制することや、複数タイプの癌においてmiR-192が低発現の者では治療成績がよくないことが報告されている。さらに、卵巣癌や腎臓癌のモデルにおいてmiR-192を高発現させたところ、癌細胞の血管新生が抑制され、その結果、癌の成長抑制および退縮が確認されている(非特許文献1)。
また、ヒトの神経膠腫組織および膠芽腫ではmiR-194-5pが低発現となっていること、miR-194-5pは膠芽腫のアポトーシスを促進し、その増殖、移動および浸潤を抑制することにより腫瘍抑制機能を発揮することが報告されている(非特許文献2、3)。miR-200b-3pおよびmiR-200c-3pも、HMGB3の発現を抑制することにより、膠芽腫の移動や浸潤等を抑制することことが示唆されている(非特許文献4)。また、ヒト膠芽腫の細胞系統であるU87細胞およびU251細胞においてはmiR-200b-3pが低発現となっているところ、これを高発現させると上皮細胞マーカーであるE-カドヘリンの発現が促進され、間葉マーカーが抑制され、細胞の増殖、移動及び浸潤が抑制されたこと、および、腫瘍組織移植マウスでもmiR-200b-3pによる腫瘍成長の抑制効果が認められたことが報告されている(非特許文献5)。
また、スニチニブ抵抗性の腎細胞癌の培養細胞にmiR-194-5pを導入すると、LAMP-2の発現が抑制され、(スニチニブ感受性が回復して)スニチニブにより細胞増殖が顕著に抑制されたことが報告されている(非特許文献6)。また、miR-200a-3pは腎細胞癌組織で顕著に低発現であること、インビトロでmiR-200a-3pは癌細胞にアポトーシスを誘導することによりその増殖を抑制すること、ヒト腎細胞癌の細胞系統である786-O細胞およびACHN細胞において、miR-200a-3pは腫瘍形成因子SPAG9の発現を抑制して、細胞の成長を抑制することが報告されている(非特許文献7)。また、miR-200c-3pも786-O細胞において、SLC6A1の発現を抑制することにより細胞の増殖、移動および浸潤を抑制することが報告されている(非特許文献8)。miR-215も、腎細胞癌の細胞系統(786-O細胞およびCAKI-1細胞)において高発現させることにより細胞の移動および浸潤を抑制することが報告されている(非特許文献9)。
また、miR-192-5pおよびmiR-215は、XIAPを標的因子とし、非小細胞肺癌において腫瘍を抑制することが示唆されている(非特許文献10)。また、miR-200bは、多剤耐性小細胞肺癌細胞において、ZEB2の発現を抑制することにより薬剤感受性を回復させることが報告されている(非特許文献11)。また、非小細胞肺癌患者における生存率とmiR-215-5pの発現量とは相関関係があり、発現量が大きいほど生存率が高いことが報告されている(非特許文献12)。
また、miR-200b-3pは、トリプルネガティブ乳癌細胞において高発現させると細胞の増殖、移動および浸潤を顕著に抑制することが報告されている(非特許文献13)。
miR-215も、乳癌細胞の増殖および移動を抑制することが報告されている(非特許文献14)。
また、miR-200bは、ヒト前立腺癌細胞であるPC-3細胞において高発現させると、細胞増殖や腫瘍形成を顕著に抑制し、転移や血管新生も抑制したことが報告されている(非特許文献15)。
また、miR-200b-3pはヒト膵臓癌細胞であるBxPC-3細胞およびPANC-1細胞においてZEB1を標的とすること、miR-200b-3pを高発現させることにより細胞の移動や上皮間葉転換(EMT)が抑制されたことが報告されている(非特許文献16)。
Sherry Y. Wu, et al. A miR-192-EGR1-HOXB9 regulatory network controls the angiogenic switch in cancer. Nat Commun. 2016;7: 11169. Su R, et al. Knockdown of SOX2OT inhibits the malignant biological behaviors of glioblastoma stem cells via up-regulating the expression of miR-194-5p and miR-122. Mol Cancer. 2017;16(1): 171. Zhang Z, et al. Tumor suppressive role of miR-194-5p in glioblastoma multiforme. Mol Med Rep. 2017;16(6):9317-9322. Liu J, et al. HMGB3 promotes the proliferation and metastasis of glioblastoma and is negatively regulated by miR-200b-3p and miR-200c-3p. Cell Biochem Funct. 2018;36(7): 357-365. Wu J, et al. MicroRNA-200b-3p suppresses epithelial-mesenchymal transition and inhibits tumor growth of glioma through down-regulation of ERK5. Biochem Biophys Res Commun. 2016;478(3): 1158-64. Yumioka T, et al. Lysosome-associated membrane protein 2 (LAMP-2) expression induced by miR-194-5p downregulation contributes to sunitinib resistance in human renal cell carcinoma cells. Oncol Lett. 2018;15(1): 893-900. Wang X, et al. MicroRNA-200a-3p suppresses tumor proliferation and induces apoptosis by targeting SPAG9 in renal cell carcinoma. Biochem Biophys Res Commun. 2016;470(3): 620-626. White AMN, et al. miRNA profiling in metastatic renal cell carcinoma reveals a tumour-suppressor effect for miR-215. Br J Cancer. 2011;105(11): 1741-9Maolakuerban N, et al. MiR-200c-3p inhibits cell migration and invasion of clear cell renal cell carcinoma via regulating SLC6A1. Cancer Biol Ther. 2018;19(4): 282-291. White AMN, et al. miRNA profiling in metastatic renal cell carcinoma reveals a tumour-suppressor effect for miR-215. Br J Cancer. 2011;105(11): 1741-9. Ye M, et al. Curcumin promotes apoptosis by activating the p53-miR-192-5p/215-XIAP pathway in non-small cell lung cancer. Cancer Lett. 2015;357(1): 196-205. Fang S, et al. Zinc finger E-box-binding homeobox 2 (ZEB2) regulated by miR-200b contributes to multi-drug resistance of small cell lung cancer. Exp Mol Pathol. 2014;96(3): 438-44. Halvorsen AR, et al. Circulating microRNAs associated with prolonged overall survival in lung cancer patients treated with nivolumab. Acta Oncol. 2018;57(9): 1225-1231. Li D, et al. The microRNAs miR-200b-3p and miR-429-5p target the LIMK1/CFL1 pathway to inhibit growth and motility of breast cancer cells. Oncotarget. 2017;8(49): 85276?85289. Leblanc N, et al. Pax-5 Inhibits Breast Cancer Proliferation Through MiR-215 Up-regulation. Anticancer Res. 2018;38(9): 5013-5026. Williams LTV, et al. miR-200b inhibits prostate cancer EMT, growth and metastasis. PLoS One. 2013;8(12): e83991. Gui Z, et al. Oridonin inhibition and miR?200b?3p/ZEB1 axis in human pancreatic cancer. Int J Oncol. 2017;50(1): 111-120.
そこで、本発明者らは、生体内で上記のマイクロRNAの発現を増強できれば、各種癌などの疾病の予防や治療に貢献できると考えた。すなわち、本発明は、所定のマイクロRNAの発現を増強することができ、もって癌などの各種疾病の予防や治療に寄与しうる組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、1-ケストースが、上記のマイクロRNAの発現を増強できることを見出した。そこで、この知見に基づいて、下記の各発明を完成した。
(1)本発明に係る組成物は、miR-192、miR-194、miR-200a、miR-200b、miR-200cおよびmiR-215からなる群から選択されるマイクロRNA(これらのマイクロRNAをまとめて、あるいはこれらのうちのいずれかを指して「所定のマイクロRNA」という場合がある。)の発現を促進するための組成物であって、1-ケストースを有効成分とする。
(2)本組成物は、癌の予防または治療に用いられるものであってもよい。この場合において、マイクロRNAはmiR-192であってもよい。
(3)本組成物は、卵巣癌の予防または治療に用いられるものであってもよい。この場合において、マイクロRNAはmiR-192であってもよい。
(4)本組成物は、神経膠腫の予防または治療に用いられるものであってもよい。この場合において、マイクロRNAはmiR-194、miR-200bおよび/またはmiR-200cであってもよい。
(5)本組成物は、腎臓癌の予防または治療に用いられるものであってもよい。この場合において、マイクロRNAはmiR-192、miR-194、miR-200a、miR-200cおよび/またはmiR-215であってもよい。
(6)本組成物は、肺癌の予防または治療に用いられるものであってもよい。この場合において、マイクロRNAはmiR-192、miR-200bおよび/またはmiR-215であってもよい。
(7)本組成物は、乳癌の予防または治療に用いられるものであってもよい。この場合において、マイクロRNAはmiR-200bおよび/またはmiR-215であってもよい。
(8)本組成物は、前立腺癌または膵臓癌の予防または治療に用いられるものであってもよい。この場合において、マイクロRNAはmiR-200bであってもよい。
本発明によれば、miR-192、miR-194、miR-200a、miR-200b、miR-200cおよびmiR-215からなる群から選択されるマイクロRNAの発現を促進することができる。また、本発明によれば、当該マイクロRNAの発現を促進することにより、各種癌等の疾患の予防や治療に寄与することができる。
また、本発明が有効成分とする1-ケストースは、タマネギやニンニク、大麦、ライ麦などの野菜や穀物にも含まれているオリゴ糖の一種であり、古来より食経験を有する物質であることや、変異原性試験、急性毒性試験、亜慢性毒性試験および慢性毒性試験のいずれにおいても毒性が認められていないことから、安全性は極めて高い(食品と開発、Vol.49、No.12、第9頁、2014年)。したがって、本発明によれば、安全性への懸念を全く生じさせずに所定のマイクロRNAの発現を促進することができる。
また、1-ケストースは、水溶性が高く、砂糖に似た良好な甘味質を有するため、そのまま、あるいは甘味料等の調味料として、日常的に簡便に摂取することができるほか、様々な食品や医薬品、飼料等に容易に配合することができる。したがって、本発明によれば、安全性が高く、そのまま、あるいは様々な食品や医薬品、飼料等に容易に配合して日常的に簡便に摂取することができる、マイクロRNAの発現促進用組成物を得ることができる。
所定のマイクロRNAのうち、ヒトおよびマウス由来のものの塩基配列およびアクセス番号を示す表である。 1-ケストースを摂取させたマウス(ケストース群)および摂取させなかったマウス(対照群)の結腸粘膜固有層単核球のマイクロアレイ結果を示すMAプロットである。 1-ケストースを摂取させたマウス(ケストース群)および摂取させなかったマウス(対照群)における各種のmiRNA遺伝子の相対発現量を示す散布図である。図中、*印は対照群と比較して有意差がある(p<0.05)ことを示す。
以下、本発明に係るマイクロRNAの発現促進用組成物(「本組成物」あるいは「本発明の組成物」という場合がある。)について詳細に説明する。
本発明において「マイクロRNA(microRNA, miRNA)」は、20~25塩基長程度の比較的短い一本鎖RNAをいう。その主な機能としては、標的分子のメッセンジャーRNA(mRNA)の配列に部分相補的に結合し、その翻訳を阻害することにより標的分子の発現を抑制することである。
本発明が対象とするのは、miR-192、miR-194、miR-200a、miR-200b、miR-200cおよびmiR-215からなる群から選択されるマイクロRNAである。マイクロRNAは一般に、前駆体の5’末端側の鎖に由来するもの(5p)と3’末端側の鎖に由来するもの(3p)とがあるが、本発明においては、これらのいずれであってもよい。
所定のマイクロRNAの塩基配列および標的分子は、公知のマイクロRNAデータベース(例えば、英国マンチェスター大学生命科学部(Faculty of Life Sciences at the University of Manchester)が運営するmiRBase<URL:http://www.mirbase.org/>)にて確認することができる。マイクロRNAは、塩基配列の登録番号が同じであればその配列(特にseed配列)の同一性が高く、機能も同様と推定される。よって、本発明において、所定のマイクロRNAは、発見された生物(由来生物)は問わず、対象とすることができる。例えば、上記データベースでは、miR-192として、ヒトやマウス、カイコ、ティラピア、ウマ、ウシ、ミシシッピワニ、テナガザル、ニシキガメ、アカゲザル、ドブネズミ、カモノハシ、ウミヤツメ、ピグミーツパイ、トラフグなどを由来生物とするものが登録されているが、これらのいずれであってもよい。
所定のマイクロRNAのうち、ヒトおよびマウス由来のものの塩基配列およびアクセス番号を図1に例示する。
「miR-192」としては、例えば、下記(i)~(iii)を例示することができる;
(i)miR-192-5p:CUGACCUAUGAAUUGACAGCC(配列番号1、2)、
(ii)miR-192-3p:CUGCCAAUUCCAUAGGUCACAG(配列番号3、4)、
(iii)(i)もしくは(ii)において1、2もしくは3個の塩基を欠失、置換、挿入もしくは付加した配列、または、(i)もしくは(ii)との配列同一性が80~85%以上、85~90%以上もしくは90~95%以上かつ100%未満の配列からなり、かつ(i)もしくは(ii)と同じ標的mRNAの翻訳阻害活性を有する塩基配列。
なお、miR-192の標的分子としては、例えば、EGR1やHOXB9(非特許文献1)、XIAP(X-Linked Inhibitor of Apoptosis Protein)(非特許文献10)のほか、上記データベースで確認されるものを例示することができる。
「miR-194」としては、例えば、下記(iv)~(vii)を例示することができる;
(iv)miR-194-5p:UGUAACAGCAACUCCAUGUGGA(配列番号5、6)、
(v)miR-194-3p:CCAGUGGGGCUGCUGUUAUCUG(配列番号7)、
(vi)miR-194-3p:CCAGUGGAGCUGCUGUUACUUC(配列番号8)、
(vii)(iv)~(vi)のいずれかにおいて1、2もしくは3個の塩基を欠失、置換、挿入もしくは付加した配列、または、(iv)~(vi)のいずれかとの配列同一性が80~85%以上、85~90%以上もしくは90~95%以上かつ100%未満の配列からなり、かつ(iv)~(vi)のいずれかと同じ標的mRNAの翻訳阻害活性を有する塩基配列。
なお、miR-194の標的分子としては、例えば、SOX3(非特許文献2)、IGF1R(insulin-like growth factor 1 receptor)(非特許文献3)、LAMP-2(非特許文献6)のほか、上記データベースで確認されるものを例示することができる。
「miR-200a」としては、例えば、下記(viii)~(x)を例示することができる;
(viii)miR-200a-5p:CAUCUUACCGGACAGUGCUGGA(配列番号9、10)、
(ix)miR-200a-3p:UAACACUGUCUGGUAACGAUGU(配列番号11、12)、
(x)(viii)もしくは(ix)において1、2もしくは3個の塩基を欠失、置換、挿入もしくは付加した配列、または、(viii)もしくは(ix)との配列同一性が80~85%以上、85~90%以上もしくは90~95%以上かつ100%未満の配列からなり、かつ(viii)もしくは(ix)と同じ標的mRNAの翻訳阻害活性を有する塩基配列。
なお、miR-200aの標的分子としては、例えば、SPAG9(sperm-associated antigen 9)(非特許文献7)のほか、上記データベースで確認されるものを例示することができる。
「miR-200b」としては、例えば、下記(xi)~(xiii)を例示することができる;
(xi)miR-200b-5p:CAUCUUACUGGGCAGCAUUGGA(配列番号13、14)、
(xii)miR-200b-3p:UAAUACUGCCUGGUAAUGAUGA(配列番号15、16)、
(xiii)(xi)もしくは(xii)において1、2もしくは3個の塩基を欠失、置換、挿入もしくは付加した配列、または、(xi)もしくは(xii)との配列同一性が80~85%以上、85~90%以上もしくは90~95%以上かつ100%未満の配列からなり、かつ(xi)もしくは(xii)と同じ標的mRNAの翻訳阻害活性を有する塩基配列。
なお、miR-200bの標的分子としては、例えば、LIMK1(LIM domain kinase 1)(非特許文献13)やZEB2(Zinc finger E-box-binding homeobox 2)(非特許文献11)、ERK52(extracekkykar-regulated protein kinase 5)(非特許文献5)、ZEB1(非特許文献16)、HMGB3(high mobility group box 3)(非特許文献4)のほか、上記データベースで確認されるものを例示することができる。
「miR-200c」としては、例えば、下記(xiv)~(xvii)を例示することができる;
(xiv)miR-200c-5p:CGUCUUACCCAGCAGUGUUUGG(配列番号17、18)、
(xv)miR-200c-3p:UAAUACUGCCGGGUAAUGAUGGA(配列番号19)、
(xvi)miR-200c-3p:UAAUACUGCCUGGUAAUGAUGA(配列番号20)、
(xvii)(xiv)~(xvi)のいずれかにおいて1、2もしくは3個の塩基を欠失、置換、挿入もしくは付加した配列、または、(xiv)~(xvi)のいずれかとの配列同一性が80~85%以上、85~90%以上もしくは90~95%以上かつ100%未満の配列からなり、かつ(xiv)~(xvi)のいずれかと同じ標的mRNAの翻訳阻害活性を有する塩基配列。
なお、miR-200cの標的分子としては、例えば、SLC6A1(非特許文献8)やHMGB3(high mobility group box 3)(非特許文献4)のほか、上記データベースで確認されるものを例示することができる。
「miR-215」としては、例えば、下記(xviii)~(xxii)を例示することができる;
(xviii)miR-215-5p:AUGACCUAUGAAUUGACAGAC(配列番号21)、
(xix)miR-215-5p:AUGACCUAUGAUUUGACAGAC(配列番号22)、
(xx)miR-215-3p:UCUGUCAUUUCUUUAGGCCAAUA(配列番号23)、
(xxi)miR-215-3p:UCUGUCAUUCUGUAGGCCAAU(配列番号24)、
(xxii)(xviii)~(xxi)のいずれかにおいて1、2もしくは3個の塩基を欠失、置換、挿入もしくは付加した配列、または、(xviii)~(xxi)のいずれかとの配列同一性が80~85%以上、85~90%以上もしくは90~95%以上かつ100%未満の配列からなり、かつ(xviii)~(xxi)のいずれかと同じ標的mRNAの翻訳阻害活性を有する塩基配列。
なお、miR-215の標的分子としては、例えば、SIP1/ZEB2 (smad-interacting protein 1/zinc-finger E-box-binding homeobox 2)(非特許文献9)のほか、上記データベースで確認されるものを例示することができる。
本発明において、「マイクロRNAの発現を促進する」とは、生体のいずれかの細胞ないし組織・器官において、マイクロRNA遺伝子の転写量を大きくすること、または、マイクロRNA(前駆体および/または成熟体)の存在量を大きくすることをいう。
本発明において、マイクロRNAの発現が促進されたか否かは、当業者に公知の方法により確認することができる。具体的には、例えば、後述する実施例に示すように、従来、所定のマイクロRNAが存在していることが知られている試料(血液、腫瘍組織、糞便など)を採取し、本組成物を投与した場合としていない場合と(あるいは本組成物の投与前後)で、所定のマイクロRNAに特異的なプライマーを用いた定量PCR法を行ってコピー数を計測する。前者(あるいは本組成物の投与後)の方がコピー数(相対発現量)が大きければ、本組成物により、所定のマイクロRNAの発現が促進されたと判断することができる。
所定のマイクロRNAに特異的なプライマーは、公知の塩基配列に基づいて設計することができる。例えば、上述の配列番号1~6に示す各塩基配列に基づいて、miR-192、miR-194、miR-200a、miR-200b、miR-200cおよびmiR-215に特異的なプライマーを設計することができる。
本組成物は、1-ケストースを有効成分とする。1-ケストースは、1分子のグルコースと2分子のフルクトースからなる三糖類のオリゴ糖である。
1-ケストースは、スクロースを基質として、特開昭58-201980号公報に開示されているような酵素による酵素反応を行うことにより作ることができる。具体的には、まず、β-フルクトフラノシダーゼをスクロース溶液に添加し、37℃~50℃で20時間程度静置することにより酵素反応を行って、1-ケストース含有反応液を得る。この1-ケストース含有反応液を、特開2000-232878号公報で開示されているようなクロマト分離法に供することよって、1-ケストースと他の糖(ブドウ糖、果糖、ショ糖、4糖以上のオリゴ糖)とを分離して精製し、高純度1-ケストース溶液を得る。続いて、この高純度1-ケストース溶液を濃縮した後、特公平6-70075号公報に開示されているような結晶化法で結晶化することにより、1-ケストースを結晶として得ることができる。
また、1-ケストースは市販のフラクトオリゴ糖に含まれているため、これをそのまま、あるいは、フラクトオリゴ糖から上述の方法により1-ケストースを分離精製して用いてもよい。すなわち、本発明の1-ケストースとして、1-ケストースを含有するオリゴ糖などの1-ケストース含有組成物を用いてもよい。1-ケストース含有組成物を用いる場合、1-ケストースの純度は80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。なお、本発明において、1-ケストースの「純度」とは、糖の総質量を100とした場合の、1-ケストースの質量%をいう。
本組成物は、生物に投与することにより使用することができる。例えば、ヒトまたは動物であれば、経口摂取や経皮投与させることができるほか、有効成分を経腸栄養剤に添加して、これを、胃や小腸などの消化管に挿入したチューブを経由して経腸栄養法により投与する方法で使用してもよい。
本組成物の形態としては、有効成分である1-ケストースのみからなるもののほか、医薬品や食品添加剤、サプリメントなどの形態、菓子や飲料、加工食品、健康食品、乳幼児食品などの通常の飲食物の形態を挙げることができる。
医薬品や食品添加剤、サプリメントの形態とする場合、その剤型としては、例えば、散剤、錠剤、糖衣剤、カプセル剤、顆粒剤、ドライシロップ剤、液剤、シロップ剤、ドロップ剤、ドリンク剤等の固形または液状の剤型を挙げることができる。これらは通常の1-ケストースを一材料として配合するほかは定法に従ってつくることができる。例えば、散剤であれば、1-ケストース800gおよび乳糖200gをよく混合した後、90%エタノール300mLを添加して湿潤させる。続いて、湿潤粉末を造粒した後、60℃で16時間通風乾燥し、その後、整粒して、適当な細かさの散剤1000g(1-ケストース含有量800mg/1g)を得ることができる。また、錠剤であれば、1-ケストース300g、粉末還元水飴380g、コメデンプン180gおよびデキストリン100gをよく混合した後、90(v/v)%エタノール300mLを添加して湿潤させ、湿潤粉末を得る。この湿潤粉末を押し出し造粒した後、60℃で16時間通風乾燥して顆粒を得る。この顆粒を850μmの篩を用いて整粒した後、顆粒470gに対してショ糖脂肪酸エステル50gを添加して混合する。これを、ロータリー打錠機(6B-2、菊水製作所)に供して打錠することにより、直径8mm、重量200mgの錠剤5000錠(1-ケストース含有量60mg/1錠)を得ることができる。
また、飲食物の形態とする場合は、通常の製造過程で、有効成分を添加して製造することができる。1-ケストースの甘味度は30で、その味質・物性・加工性はショ糖に近いことから、各種飲食物の製造過程において、砂糖の一部または全部を1-ケストースに置き換えるなどして、砂糖と同様に扱って各種飲食物を製造することができる。
本組成物をヒトや動物に対して用いる場合の有効成分の摂取量(投与量)としては、例えば、1日あたり0.005g/kg体重以上、0.006g/kg体重以上、0.007g/kg体重以上、0.008g/kg体重以上、0.009g/kg体重以上、0.01g/kg体重以上、0.02g/kg体重以上、0.03g/kg体重以上、0.04g/kg体重以上、0.05g/kg体重以上、0.06g/kg体重以上、0.07g/kg体重以上、0.08g/kg体重以上を例示することができる。係る摂取量は、1日1回に限らず、複数回に分割して摂取してもよい。
上述のとおり、miR-192は、腫瘍細胞においてHOXB9およびEGR1を標的としてその発現を抑制し、血管新生を抑制することや、複数タイプの癌においてmiR-192が低発現の者では治療成績がよくないこと、卵巣癌や腎臓癌のモデルにおいてmiR-192を高発現させたところ、癌細胞の血管新生が抑制され、その結果、癌の成長が抑制され、癌が退縮したことが報告されている(非特許文献1)。よって、miR-192の発現を促進できれば、癌の予防または治療に寄与できると考えられる。したがって、本組成物は、癌を予防または治療する用途、少なくとも、卵巣癌や腎臓癌を予防または治療する用途に用いることができる。
また、上述のとおり、ヒトの神経膠腫組織および膠芽腫ではmiR-194-5pが低発現となっていること、miR-194-5pは膠芽腫のアポトーシスを促進し、その増殖、移動および浸潤を抑制することにより腫瘍抑制機能を発揮することが報告されている(非特許文献2、3)。miR-200b-3pおよびmiR-200c-3pも、HMGB3の発現を抑制することにより、膠芽腫の移動や浸潤等を抑制することことが示唆されている(非特許文献4)。また、ヒト膠芽腫のU87細胞およびU251細胞においてはmiR-200b-3pが低発現となっているところ、これを高発現させると上皮細胞マーカーであるE-カドヘリンの発現が促進され、間葉マーカーが抑制され、細胞の増殖、移動及び浸潤が抑制されたこと、および、腫瘍組織移植マウスでもmiR-200b-3pによる腫瘍成長の抑制効果が認められたことが報告されている(非特許文献5)。よって、miR-194、miR-200bおよび/またはmiR-200cの発現を促進できれば、膠芽腫等の神経膠腫の予防または治療に寄与できると考えられる。したがって、本組成物は、神経膠腫を予防または治療する用途に用いることができる。
また、上述のとおり、スニチニブ抵抗性の腎細胞癌の培養細胞にmiR-194-5pを導入すると、LAMP-2の発現が抑制され、スニチニブ感受性が回復してスニチニブにより細胞増殖が顕著に抑制されたことが報告されている(非特許文献6)。また、miR-200a-3pは腎細胞癌組織で顕著に低発現であること、インビトロでmiR-200a-3pは癌細胞にアポトーシスを誘導することによりその増殖を抑制すること、ヒト腎細胞癌の786-O細胞およびACHN細胞において、miR-200a-3pは腫瘍形成因子SPAG9の発現を抑制して、細胞の成長を抑制することが報告されている(非特許文献7)。また、miR-200c-3pも786-O細胞において、SLC6A1の発現を抑制することにより細胞の増殖、移動および浸潤を抑制することが報告されている(非特許文献8)。miR-215も、786-O細胞およびCAKI-1細胞において高発現させることにより細胞の移動および浸潤を抑制することが報告されている(非特許文献9)。よって、miR-194、miR-200a、miR-200cおよび/またはmiR-215の発現を促進できれば、腎臓癌の予防または治療に寄与できると考えられる。したがって、本組成物は、腎臓癌を予防または治療する用途に用いることができる。
また、miR-192-5pおよびmiR-215は、非小細胞肺癌において腫瘍を抑制することが示唆されている(非特許文献10)。また、miR-200bは、多剤耐性小細胞肺癌細胞において、ZEB2の発現を抑制することにより薬剤感受性を回復させることが報告されている(非特許文献11)。また、非小細胞肺癌患者における生存率とmiR-215-5pの発現量とは相関関係があり、発現量が大きいほど生存率が高いことが報告されている(非特許文献12)。よって、miR-192、miR-200bおよび/またはmiR-215の発現を促進できれば、肺癌の予防または治療に寄与できると考えられる。したがって、本組成物は、肺癌を予防または治療する用途に用いることができる。
また、miR-200b-3pは、トリプルネガティブ乳癌細胞において高発現させると細胞の増殖、移動および浸潤を顕著に抑制することが報告されている(非特許文献13)。
miR-215も、乳癌細胞の増殖および移動を抑制することが報告されている(非特許文献14)。よって、miR-200bおよび/またはmiR-215の発現を促進できれば、乳癌の予防または治療に寄与できると考えられる。したがって、本組成物は、乳癌を予防または治療する用途に用いることができる。
また、miR-200bは、ヒト前立腺癌細胞であるPC-3細胞において高発現させると、細胞増殖や腫瘍形成を顕著に抑制し、転移や血管新生も抑制したことが報告されている(非特許文献15)。また、miR-200b-3pはヒト膵臓癌細胞であるBxPC-3細胞およびPANC-1細胞においてZEB1を標的とすること、miR-200b-3pを高発現させることにより細胞の移動や上皮間葉転換(EMT)が抑制されたことが報告されている(非特許文献16)。よって、miR-200bの発現を促進できれば、前立腺癌または膵臓癌の予防または治療に寄与できると考えられる。したがって、本組成物は、前立腺癌または膵臓癌を予防または治療する用途に用いることができる。
以下、本発明について、各実施例に基づいて説明する。なお、本発明の技術的範囲は、これらの実施例によって示される特徴に限定されない。本実施例では、1-ケストースとして、純度98質量%以上で1-ケストースを含有する組成物(粉体、物産フードサイエンス社)を用いた。
<実施例1>1-ケストース摂取時のmiRNA発現量の検討
(1)マウスの飼育
脱イオン水に4%(w/v)となるよう1-ケストースを添加して溶解し、ケストース溶解水を調製した。11匹のC57BL/6JJclマウス(日本クレア社)を2つの群に分け、一方をケストース群(N=4)、他方を対照群(N=7)とした。ケストース群にはケストース溶解水を、対照群には脱イオン水を、それぞれ自由飲水させながら、2週間飼育した。飼料は、いずれの群にもマウスの標準精製飼料「AIN-93G」(日本クレア社)を自由摂取させた。飼育条件は温度23±1℃、明期12時間(8:00~20:00)および暗期12時間(20:00~8:00)とした。AIN-93Gの配合を以下に示す。
《AIN-93Gの配合(単位は質量%)》コーンスターチ 39.7486%、ミルクカゼイン 20%、アルファ化コーンスターチ 13.2%、グラニュー糖 10%、精製大豆油 7%、セルロースパウダー 5%、ミネラルミックス 3.5%、ビタミンミックス 1%、L-シスチン 0.3%、重酒石酸コリン 0.25%、第3ブチルヒドロキノン 0.0014%。
飼育期間中は毎日飲水量を記録し、当該記録に基づき1-ケストースの摂取量を算出した。また、ラットにおける薬物の摂取量は、下記の式1により、ヒト成人における摂取量に換算できることが報告されている(特開2014-526521号公報の段落[0065]、Shannon Reagan-Shawら、The FASEB Journal、Vol.22、2007年3月、第659~661頁)。そこで、当該式1により、本実施例のマウスにおける1日の1-ケストースの摂取量を、ヒト成人におけるものに換算した。それらの算出結果を表1の右端に示す。
《式1》ヒト成人における1日の1-ケストースの摂取量(g/kg体重)=マウスにおける1日の1-ケストースの摂取量(g/kg体重)×3/37
飼育最終日に各群のマウスを安楽死させて結腸を摘出し、粘膜固有層内の単核球を単離した。この粘膜固有層単核球からmiRNeasy Mini kit(キアゲン社)を用いてmiRNAを含む総RNAを抽出した。
(2)マイクロアレイによる候補miRNA遺伝子の選定
本実施例1(1)の粘膜固有層単核球の総RNAをmiRNAマイクロアレイ(3D-Gene mouse miRNA oligo chip(東レ社))に供してmiRNA遺伝子の発現量を解析した。遺伝子毎に各群(N=3)の測定値をlog変換して、ケストース群の値から対照群の値を減じたものを発現比(M)とし(式1)、ケストース群の値と対照群の値とを足して2で割ったものを平均発現量(A)として(式2)、MAプロットを作成した。その結果を図2に示す。
式1:M=log(ケストース群の測定値)-log(対照群の測定値)
式2:A={log(ケストース群の測定値)+log(対照群の測定値)}/2
図2に示すように、平均発現量が比較的大きく、かつ発現比が2倍以上(M>1)の遺伝子(すなわち、高発現で、かつ群間で発現量の差が顕著な遺伝子)として、miR-192-5p(配列番号2)、miR-194-5p(配列番号6)、miR-200a-3p(配列番号12)、miR-200b-3p(配列番号16)、miR-200c-3p(配列番号20)およびmiR-215-5p(配列番号22)の6つが抽出された。そこで、これらのmiRNAについて、発現量の定量的解析を行うこととした。
(3)定量的逆転写PCR(qRT-PCR)法による定量的解析
本実施例1(1)の粘膜固有層単核球の総RNAからmiScript II RT kit(キアゲン社)を用いて逆転写によりcDNAを合成した。このcDNAを鋳型として、下記の特異的プライマーならびにリアルタイムPCR試薬「miScript SYBR Green PCR Master Mix(キアゲン社)」およびリアルタイムPCR装置「Thermal Cycler Dice Real Time System(タカラバイオ社)」を用いてリアルタイムPCRを行った。cDNA合成時に添加したsynthetic Caenorhabditis elegans miRNA (Syn-cel-miR-39?3p、キアゲン社)の発現量を同様に測定し、各miRNAの発現量は、Syn-cel-miR-39?3pの発現量に対する比率(相対発現量)として算出した。相対発現量は、各群ごとに中央値を算出してウェルチのt検定により有意差検定を行い、散布図に表した。危険率5%未満を有意とみなした。その結果を図3に示す。
各miRNA遺伝子特異的プライマーの配列を以下に示す。リバースプライマーは、各遺伝子共通で、キットに添付されたmiScript universal primer(キアゲン社、配列は非公表)を用いた。
《miR-192-5p》
フォワードプライマー;CTGACCTATGAATTGACAGCC(配列番号25)
《miR-194-5p》
フォワードプライマー;TGTAACAGCAACTCCATGTGGA(配列番号26)
《miR-200a-3p》
フォワードプライマー;TAACACTGTCTGGTAACGATGT(配列番号27)
《miR-200b-3p》
フォワードプライマー;AATACTGCCTGGTAATGATGA(配列番号28)
《miR-200c-3p》
フォワードプライマー;TAATACTGCCGGGTAATGATGGA(配列番号29)
《miR-215-5p》
フォワードプライマー;ATGACCTATGATTTGACAGAC(配列番号30)
《Syn-cel-miR-39?3p》
フォワードプライマー;TCACCGGGTGTAAATCAGCTTG(配列番号31)
図3に示すように、miR-192-5pの相対発現量の中央値は、対照群では約0.61であったのに対して、ケストース群では約3.14であり、ケストース群の方が有意に大きかった。
miR-194-5pの相対発現量の中央値は、対照群では約0.72であったのに対して、ケストース群では約2.18であり、ケストース群の方が有意に大きかった。
miR-200a-3pの相対発現量の中央値は、対照群では約1.07であったのに対して、ケストース群では約3.80であり、ケストース群の方が有意に大きかった。
miR-200b-3pの相対発現量の中央値は、対照群では約0.64であったのに対して、ケストース群では約2.59であり、ケストース群の方が有意に大きかった。
miR-200c-3pの相対発現量の中央値は、対照群では約0.60であったのに対して、ケストース群では約1.27であり、P=0.0781であるものの、明らかにケストース群の方が大きい傾向であった。
miR-215-5pの相対発現量は、対照群では約0.48であったのに対して、ケストース群では約2.39であり、ケストース群の方が有意に大きかった。
すなわち、ケストース群では、対照群と比較して、miR-192-5p、miR-194-5p、miR-200a-3p、miR-200b-3p、miR-200c-3pおよびmiR-215-5pの発現量が、約2.11~5.14倍大きいことが明らかになった。この結果から、1-ケストースの摂取によりmiR-192、miR-194、miR-200a、miR-200b、miR-200cおよび/またはmiR-215の発現が促進されることが明らかになった。

Claims (8)

  1. 1-ケストースを有効成分とする、miR-192、miR-194、miR-200a、miR-200b、miR-200cおよびmiR-215からなる群から選択されるマイクロRNAの発現促進用組成物。
  2. マイクロRNAがmiR-192であり、癌の予防または治療に用いられることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 癌が卵巣癌である、請求項2に記載の組成物。
  4. マイクロRNAがmiR-194、miR-200bおよび/またはmiR-200cであり、神経膠腫の予防または治療に用いられることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  5. マイクロRNAがmiR-192、miR-194、miR-200a、miR-200cおよび/またはmiR-215であり、腎臓癌の予防または治療に用いられることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  6. マイクロRNAがmiR-192、miR-200bおよび/またはmiR-215であり、肺癌の予防または治療に用いられることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  7. マイクロRNAがmiR-200bおよび/またはmiR-215であり、乳癌の予防または治療に用いられることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  8. マイクロRNAがmiR-200bであり、前立腺癌または膵臓癌の予防または治療に用いられることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
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